JP2021530740A - マルチフォーカスプロファイルを可変に生成する光学装置 - Google Patents

マルチフォーカスプロファイルを可変に生成する光学装置 Download PDF

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Abstract

少なくとも実質的にコリメートされたレーザビーム(3)からマルチフォーカスプロファイル(20)を生成する光学装置(1)であって、当該光学装置(1)は、ビーム路(4)を有しており、ビーム路(4)は、複数のマイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)とフーリエレンズ装置(6)とを順次通過し、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)は、これらのマイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のマイクロレンズ(5、5a、5b)について画一的なアパーチャaを有しており、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)は、実効焦点距離fMLを有する。当該光学装置(1)は、位置調整機構(15)を有しており、位置調整機構(15)によって、ビーム路(4)において、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうちの少なくともいくつかの相互間の光学的間隔(d、d1、d2、t)を調整可能であり、これにより、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の実効焦点距離fMLを設定可能であり、位置調整機構(15)は、複数の位置調整ポジションi=1〜Mを有している、ことを特徴とする。ここで、Mは、2以上の自然数、iは、位置調整ポジションの添え字であり、これらの位置調整ポジションにおいて項(式(I))がそれぞれ実質的に端数なく自然数Niを生じさせ、ここで、λは、レーザビーム(3)の中心波長、fML,iは、位置調整ポジションiにより設定された、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の実効焦点距離fMLである。本発明によれば、レーザビームから生成される焦点の個数を簡単な手法により変更することができ、その際に均一な強度分布が得られる。

Description

発明の背景
本発明は、少なくとも実質的にコリメートされたレーザビームからマルチフォーカスプロファイルを生成する光学装置に関し、ここで、光学装置は、ビーム路を有しており、ビーム路は、複数のマイクロレンズアレイとフーリエレンズ装置とを順次通過し、マイクロレンズアレイは、これらのマイクロレンズアレイのマイクロレンズについて画一的なアパーチャaを有しており、さらに、マイクロレンズアレイ全体は、実効焦点距離fMLを有する。
かかる装置は、M. Zimmermann等著の"Refractive Micro-optics for Multi-spot and Multi-line Generation", Proceedings of LPM2008the 9th International Symposium on Laser Precision Microfabricationから知られている。
レーザプロセスは、最近の製造プロセスにおいて多種多様に使用される。その場合にレーザ源は、多大なコスト要因を成す。その際にレーザプロセスを並列化することによって、生産性を高めることができる。いわゆるアレイジェネレータ(array generator)によって、1つのレーザビームを複数の部分ビームに分割することができる。
M. Zimmermann等によれば、同一の焦点距離の2つのマイクロレンズアレイを備えたいわゆるフライアイ(fly’s eye)ジオメトリの光学装置が提案されており、それらのマイクロレンズアレイはこの焦点距離に応じて所定の間隔で配置されている。到来するレーザビームは、これら両方のマイクロレンズアレイと1つのフーリエレンズとを通過する。これらのレンズの焦点面において、複数の焦点がほぼ均一に分布する強度で生成される。
レーザプロセスに関する多くの適用事例の場合、必要とされる焦点の個数が製造オーダごとに異なる可能性がある。しかしながら、M. Zimmermann等により公知の光学装置の場合、利用可能な焦点の個数は、使用される両方のマイクロレンズアレイによって決まってしまっている。
独国特許出願公開第19961918号明細書には、可変のダブルフォーカス形成モジュールについて記載されている。ここでは、屈折素子が可変の光学ウェッジとして使用される。これらの屈折素子は、互いにシフト可能な2つのシリンダレンズによって形成される。
韓国特許第100720868号明細書には、治療目的のレーザシステムについて記載されており、ここでは、1つのレーザビームを複数のレーザスポットに分割するために、1つのマイクロレンズアレイが用いられる。
独国特許出願公開第19961918号明細書 韓国特許第100720868号明細書
"Refractive Micro-optics for Multi-spot and Multi-line Generation", M. Zimmermann等著、Proceedings of LPM2008the 9th International Symposium on Laser Precision Microfabrication
発明の課題
本発明の課題は、レーザビームから生成される焦点の個数を簡単な手法で変えることができ、その際に均一な強度分布が得られるようにした光学装置を提供することである。
発明の説明
本発明によればこの課題は、以下のことを特徴とする冒頭で述べた形式の光学装置によって解決される。すなわち、
光学装置は、位置調整機構を有しており、この位置調整機構によって、ビーム路におけるマイクロレンズアレイのうちの少なくともいくつかの相互間の光学的間隔を調整可能であり、これによりマイクロレンズアレイ全体の実効焦点距離fMLを設定可能であり、
さらに位置調整機構は、複数の位置調整ポジションi=1〜Mを有しており、ここで、Mは2以上の自然数、iは位置調整ポジションの添え字であり、これらの位置調整ポジションにおいて項
Figure 2021530740
がそれぞれ実質的に端数なく自然数Nを生じさせ、ここで、λはレーザビームの中心波長、fML,iは、位置調整ポジションiにより設定されたマイクロレンズアレイ全体の実効焦点距離fMLである。
要約すると本発明は、ビーム路における少なくともいくつかのマイクロレンズアレイ(マルチレンズアレイとも称する)の光学的間隔を調整する目的で、光学装置に位置調整機構を設けることを提案している。これによりマイクロレンズアレイ全体の実効焦点距離を、さらにこれに伴いマルチフォーカスプロファイル(マルチスポットプロファイル)における焦点の個数を設定することができる。位置調整ポジションの適当な選択によって、焦点にわたって均一な強度分布が得られる、ということを達成することができる。
複数のマイクロレンズアレイによって、(少なくとも実質的に)コリメートされたレーザビームから角度スペクトルが生成され、これはフーリエレンズ装置によって焦点面に(一般に出射瞳のところで)結像される。マイクロレンズアレイは、ビーム伝播方向に対し垂直な(少なくとも1つの)方向で複数のマイクロレンズを整列させている。焦点面においてマルチフォーカスプロファイルが均一な焦点間隔で生成され、その際に焦点は(少なくとも)伝播方向に対し垂直な方向で整列されている。最も簡単なケースにおいては、1つの共通のライン上において(たとえばシリンダレンズとして形成された)マイクロレンズも整列されている方向で整列された焦点によって、マルチフォーカスプロファイルが生成される。ただし、マイクロレンズが複数の直線的に独立した方向で整列されている場合には、2次元のマルチフォーカスプロファイル(「格子プロファイル」)を生成することも可能である。ここでは、両方の方向の各々について別個のマイクロレンズアレイ、たとえば90°で交差させたシリンダレンズアレイ、を設けることができ、又は、両方の方向のための曲率半径を有する共通のマイクロレンズアレイを設けることもできる。両方の方向におけるマルチフォーカスの生成は、基本的に互いに独立している。このため、以下においては、単純化して、マルチフォーカスの生成について1つの方向に関して(又は、伝播方向とこの方向とを含む1つの平面に関して)説明する。
マイクロレンズアレイの4倍のフレネル数FZに対応する項
Figure 2021530740
が、少なくとも実質的に端数なく(整数の)自然数Nを生じさせる場合には、マルチフォーカスプロファイルにおける焦点の照射は特に均一であり、すなわち、焦点各々のところでほぼ等しい強度が達せられる(一般に最大強度を有する焦点に対し20%未満、好ましくは10%未満の変動幅を伴う)。しかも妨害を及ぼす周縁フィールドは存在しない。
マルチフォーカスラインプロファイルの場合、位置調整ポジションiに属する自然数Nは、焦点数と一致する(Nが奇数のときはそのまま、Nが偶数のときは移相器と共に、以下の記載を参照)。同様のことは、それぞれマイクロレンズが整列されている空間方向のための2次元のマイクロレンズアレイについて当てはまる。
位置調整機構を介して、マイクロレンズアレイ全体の実効焦点距離fMLを変更することができ、特に、焦点数を簡単な手法で変更し、次の作業タスクに整合させる目的で、項
Figure 2021530740
に対する他の自然数を設定することができる。マイクロレンズアレイ全体を、結像ホモジナイザとも称する。
したがって、マイクロフォーカスラインプロファイルを生成する目的で、同一の焦点距離を有する正確に2つのマイクロレンズアレイを選択し、この焦点距離の間隔で配置する必要がない。
位置調整機構は一般に、マイクロレンズアレイコンポーネント及び/又はミラー及び/又は他のビームガイドコンポーネントのためのガイド(たとえばレール)及び/又はキャリッジを有しており、好ましくはこれらのコンポーネントのポジションをチェックするためのセンサも有する。特に好ましくは、位置調整機構のモータ駆動部及び電子制御部が設けられている。位置調整ポジションiは一般に、機械的な係止部によって、又は、電子的なプログラミングによって固定される。一般に位置調整ポジションを、少なくとも3つの、好ましくは少なくとも5つの、特に好ましくは少なくとも10個の、種々の焦点数に対して、設定することができる。
実効焦点距離fMLは、ビーム路におけるマイクロレンズアレイごとにそれぞれ1つのマイクロレンズへのビーム束に関連する。(フーリエレンズ装置が設けられていない)本発明に係る光学装置は、ビーム路におけるマイクロレンズアレイごとにそれぞれ1つのマイクロレンズへのビーム束に関連して、光線行列解析の表記法で、すなわち、変換行列
Figure 2021530740
として、一般に以下の特性を有する。すなわち、D=0;|C|=1/fML。さらにたいていは(実質的にコリメートされたビームについて)A<1も成り立ち、その場合にはA、C及びDに依存してBが生じる。
位置調整機構によって、マイクロレンズアレイ全体の実効焦点距離fMLを変化させることができる。2つの(薄い)レンズについてたとえば実効焦点距離fを、単一レンズの焦点距離f、fとそれらのレンズの間隔dsとから、基本関係
Figure 2021530740
に従い求めることができる。
この基本関係から(必要なケースにおいては繰り返して)、信号路における任意のマイクロレンズアレイ全体(本発明の範囲においては、たいていは3つ又は4つのマイクロレンズアレイを含む)の実効焦点距離fMLを求めることができる。
個々のマイクロレンズアレイにおいて、単一レンズの焦点距離は画一的である。光学的間隔は、ビーム路に沿った経路長として求められる。
最も簡単なケースにおいては、ビーム路における個々のマイクロレンズアレイは、1つの固有のマイクロレンズアレイコンポーネントにより実現される。ただし、ビーム路における複数のマイクロレンズアレイを単一のマイクロレンズアレイコンポーネントによって実現することも可能であり、このことは、ビーム路がこのマイクロレンズアレイコンポーネントをそれ相応に何度も通過するようにして行われる。
アパーチャ(ピッチとも称する)aは、ビーム伝播方向と交差する方向での、すなわち、(局所的な)ビーム路と交差する方向での、個々のマイクロレンズの幅である。
光学装置は、レーザ源も併せて含むことが可能であり、このレーザ源は、中心波長λを有する実質的にコリメートされたレーザビームを供給し、このレーザビームがビーム路を通過する。レーザビームの発散が大きくなればなるほど、マルチフォーカスプロファイルにおけるスポットもより大きくなる。レーザビームは少なくとも、フーリエレンズ装置の焦点面におけるスポットが分離されたまま維持される程度まで、コリメートされているのが望ましい。一般にそのためにレーザビームの発散Θが、Θ<λ/(π*a)により、又は、好ましくはΘ<λ/(2*a)により、選択される。
好ましい実施形態
好ましくは、本発明に係る光学装置の1つの実施形態によれば、位置調整ポジションiにおいてそれぞれ
Figure 2021530740
が成り立ち、好ましくは≦0.1、特に好ましくは≦0.05である。項a/(λ*fML,i)が整数を正確に生じさせればさせるほど、一般にマルチフォーカスプロファイルの焦点における強度分布がより均一になる。用途に応じて、たとえばレーザ溶接プロセスのケースにおいては、溶融プールにおける熱輸送を顧慮して、強度分布に対する要求が変化する可能性がある。整数からの偏差が0.2よりも小さければ、たいていはすでに強度の良好な均一分布を達成することができ、これは平坦な溶接などの一般的な用途のためには十分である。
同様に好ましくは1つの実施形態によれば、ビーム路は、少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、マイクロレンズアレイを通過する。3つ又は4つのマイクロレンズアレイによって、一方では、より簡単かつコンパクトな構造を、他方では、焦点数をすでにかなりフレキシブルに設定可能としながら、達成することができる。ここで留意されたいのは、本発明に係る光学装置を特殊なケースにおいては、すでに2つのマイクロレンズアレイによって構築することもできる、ということである。
特に好ましい実施形態によれば、光学装置は少なくとも1つの偏向光学系を、特に逆反射器又はミラーを含み、ビーム経路は少なくとも1つのマイクロレンズアレイコンポーネントを複数回通過する、というように構成されている。これによって光学装置を特にコンパクトに構築することができ、安価なものとすることができる。マイクロレンズアレイコンポーネントを複数回通過することによって、このマイクロレンズアレイコンポーネントをビーム路においてそれ相応に何度も利用することができ、このことによってマイクロレンズアレイコンポーネントを節約することができる。
好ましくは1つの実施形態によれば、位置調整機構はキャリッジを含み、このキャリッジ上に、少なくとも2つのマイクロレンズアレイコンポーネントが一定の間隔で配置されており、このキャリッジは、少なくとも1つのさらに他のマイクロレンズアレイコンポーネントに対向して、好ましくは少なくとも2つのマイクロレンズアレイコンポーネントに対向して、ビーム伝播方向に沿って走行可能である。2つのマイクロレンズアレイコンポーネントを1つの共通のキャリッジ上に配置することによって、実効焦点距離fMLをより簡単に設定できるようにする目的で、光学装置の自由度を所期のように制約し又は予め定めることができる。
この実施形態の好ましい発展形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、ビーム路において第1及び第3のマイクロレンズアレイは位置固定されており、ビーム路において第2及び第4のマイクロレンズアレイは走行可能なキャリッジ上に配置されており又はこの逆に構成されており、第1及び第4のマイクロレンズアレイの焦点距離fと、第2及び第3のマイクロレンズアレイの焦点距離fについて、f=f/3が成り立つ。このケースにおいては、d及びtは、1/fMLと共に線形に変化し、すなわち、スポット(焦点)の個数と共に線形に変化し、ただし、和d+tは、1/fMLと共に一定のまま維持され、ここで、dは、第1及び第2のマイクロレンズアレイ間、並びに、第3及び第4のマイクロレンズアレイ間の間隔であり、tは第2及び第3のマイクロレンズアレイ間の間隔である。このようにした場合に、キャリッジの所定の位置調整領域にわたり、スポット(焦点)の個数とキャリッジポジションとの間に線形の関係が生じ、このことによって焦点数を特に快適に設定することができる。ここで留意されたいのは、fとfの他の比率であっても焦点数を依然としてキャリッジポジションを介して設定することはできるが、関係は非線形であり、したがって、通常は特性曲線が使用される、ということである。
特に好ましくは1つの実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、光学装置はさらに、波長分散素子、特に格子、を有しており、この波長分散素子は、ビーム路においてマイクロレンズアレイ全体の前方に配置されており、少なくとも実質的にコリメートされたレーザビームを、ビーム伝播方向と交差する方向でスペクトル的に拡開するのに適しており、フーリエレンズ装置は、ビーム伝播方向と交差する方向で可変の焦点距離を伴って形成されている。この実施形態の場合、光学装置は、(たとえば超短レーザパルスにおいて発生するような)明らかに異なる波長成分を含むレーザ光も、正確に1つのマルチフォーカスプロファイルに集束させることができる。この光学装置は、(画一的なフーリエレンズ焦点距離のときに発生してしまうような)波長に起因する焦点間隔の相違が、ビーム伝播方向と交差する方向に沿って(この方向に沿ってレーザ光の種々の波長成分も分割されている)それぞれ異なるフーリエレンズ焦点距離によってまさに補償される、というように構成されている。(特に外側の)焦点は、このようにした場合にスペクトル的に不鮮明にされず、シャープに保たれる。有利には、焦点距離の推移はスペクトルの推移に比例する。特に、ビーム伝播方向と交差する方向と共に線形に可変の焦点距離を適用することができ、このために光学格子を使用することができる。
この実施形態の有利な発展形態によれば、フーリエレンズ装置は、ビーム伝播方向と交差する方向で可変のレンズ曲率を備えた自由曲面レンズとして形成されている、というように構成されている。これによって光学装置の比較的簡単な構造が実現される。所望される場合には、フーリエレンズ装置のために複数の非球面レンズ又は自由曲面レンズの組合せも使用することができる。
有利には同様に1つの実施形態によれば、位置調整機構はモータ駆動型であり、電子制御装置を有しており、その際にこの電子制御装置には種々の位置調整ポジションiがプログラミングされていて、電子制御装置により自動的にそれらの位置調整ポジションiに向けて走行可能である。これにより、次の加工処理タスクが待機しているときに、種々の焦点数の快適で迅速な切り替えが可能である。
有利にはさらに1つの実施形態によれば、この光学装置はさらに移相器を含み、この移相器によりレーザ光において、マイクロレンズアレイの隣り合うマイクロレンズのビーム束間に位相オフセットn*πをもたらすことができ、ここで、nは奇数の自然数である。この移相器を用いて、偶数の焦点も生成することができる。項
Figure 2021530740
により偶数Nが実質的に端数なく設定されても、ゼロ次が付加的に発生するため、それにもかかわらず奇数(N+1)の焦点が得られることになる。移相器により弱め合う干渉が達せられ、これによりゼロ次が消去される。一般に位相オフセットはπとなる。
この実施形態の好ましい発展形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、移相器は移相器素子として形成されており、この移相器素子においてビーム伝播方向と交差する方向に交互に、第1の通過素子と第2の通過素子とが形成されており、この場合、第1の通過素子を通過することにより第2の通過素子を通過することに対し、レーザ光において位相オフセットn*πがもたらされ、特にこの場合、第1の通過素子及び第2の通過素子はアパーチャaに応じた幅をそれぞれ有する。この構造形式は比較的簡単であり、奇数の焦点数と偶数の焦点数との間で簡単な切り替えも可能となり、このことは、移相器素子が必要に応じてビーム路に取り込まれ、又は、ビーム路から取り出されるようにして行われる。第1の通過素子をたとえば「空き」とすることができ、第2の通過素子は、(少なくとも実質的に)コリメートされたレーザ光が通過したときに所望の位相シフトがもたらされるように設定された厚さを有する材料を含み得る。
他の有利な発展形態によれば、移相器がマイクロレンズアレイのうちの1つに組み込まれており、特にこの場合、2つの隣り合うマイクロレンズの移行部におけるマイクロレンズアレイのプロファイル設定により、レーザ光において位相オフセットn*πをもたらす厚さの跳躍的変化がそれぞれ設けられる、というように構成されている。この構造形式によれば、別個の移相器素子を節約することができる。マイクロレンズアパーチャの幅にわたり、たとえばマイクロレンズアレイの厚さが徐々に変化し、それによってマイクロレンズアパーチャの幅にわたり位相オフセットn*πが作り出され、この厚さの変化が本来のレンズプロファイルによって重畳される。同様に、1つおきに画一的に厚さが追加されたマイクロレンズを形成することもできる。
有利には1つの実施形態によれば、光学装置はさらにビーム成形レンズを含み、このビーム成形レンズは、ビーム路においてマイクロレンズアレイの前方に配置されており、特にこの場合、ビーム成形レンズの焦点距離fSLは、
Figure 2021530740
により選択されている。ビーム成形レンズによって、実質的にコリメートされたレーザビームを変形することができ、特にその発散を変化させることができる。ビーム成形レンズは特に、コリメートされたレーザビームを集束させることができ、この場合、ビーム路においてビーム成形レンズの後方に、少なくとも1つのマイクロレンズアレイが配置されている。ビーム成形により、偶数の焦点が設定されるように干渉条件を操作することができる。このことを条件:
Figure 2021530740
の保持によって達成することができる。特に、ゼロ次の回折次数を消去することができる。
同様に有利には1つの実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、位置調整機構によりさらに、ビーム伝播方向と交差する少なくとも1つの方向に関して、マイクロレンズアレイのうち少なくとも1つのマイクロレンズアレイの、マイクロレンズアレイのうちの少なくとも1つの他のマイクロレンズアレイに対する、横方向オフセットΔを設定可能であり、特にこの場合、位置調整機構は、複数の横方向位置調整ポジションj=1〜Lを有しており、ここで、jは横方向位置調整ポジションの添え字であり、Lは2以上の自然数であり、これらの横方向位置調整ポジションのところで、
Figure 2021530740
が成り立ち、ここで、Δは、横方向位置調整ポジションjにおける横方向オフセットである。横方向オフセット(これはたとえば互いに比較されるマイクロレンズアレイにおける互いに対応するポジションで2つめのマイクロレンズの中心軸線間において測定される)によって、マイクロレンズアレイの間隔を同時に適当に設定すれば、偶数の焦点数が設定されるように、干渉条件を操作することができる。特に、ゼロ次の回折次数を消去することができる。しかも特定の条件の下においては、横方向オフセットを介して、焦点のポジションを横方向にずらすことができる。
同様に有利には1つの実施形態によれば、ビーム路におけるマイクロレンズアレイのうちの少なくとも2つは、それぞれ異なる焦点距離を有する。これによって光学装置をより自由に構成することができる。特にこの構造形式によれば、3つのマイクロレンズアレイをビーム路において、たとえば長い焦点距離−短い焦点距離−長い焦点距離といった順序で、使用することができる。他の選択肢として、たとえば4つ又はそれよりも多くのマイクロレンズアレイがビーム路にある場合に、すべてのマイクロレンズアレイに対し同一の焦点距離を設けることもできる。
同様に好ましくは1つの実施形態によれば、光学装置は、2次元で集束されるマルチフォーカスプロファイルを生成するように形成されており、この場合、マイクロレンズアレイのマイクロレンズは、ビーム伝播方向に対し垂直な2つの直線的に独立した方向において整列されており、特にこの場合、アパーチャa及び実効焦点距離fML,iは、両方の直線的に独立した方向において同一である。これによって2次元の焦点格子を生成することができ、これを用いてたとえば平坦な溶接プロセスをより高速に実施することができる。アパーチャa及び実効焦点距離fML,iを両方の方向で等しく選択した場合には(特にこの場合、それぞれ関連するマイクロレンズアレイの焦点距離が両方の方向で等しく、かつ、少なくともビーム路におけるほぼ同等の位置に配置されている)、両方の方向における位置調整ポジションiのところで、(同様に、自然数Nの「端数のない」設定により)同一の焦点数N及び均一な強度分布が得られる。ただし、他の選択肢として、アパーチャa及び/又は実効焦点距離fML,iを両方の方向においてそれぞれ異なるように選択することも可能であり(特にこの場合、それぞれ関連するマイクロレンズアレイの焦点距離が両方の方向でそれぞれ異なっており)、たとえばこの目的は、両方の方向でそれぞれ異なる焦点数を設定すること、及び/又は、両方の方向でそれぞれ異なる焦点間隔を得ることである。しかし、ここで留意されたいのは、焦点の均一な照射を得る目的で、このようにした場合には位置調整ポジションiのところで、両方の方向ともに項
Figure 2021530740
のそれぞれ実質的に端数のない数Nが達せられなければならない、ということである。一般に、両方の直線的に依存しない方向は、互いに垂直に位置しているが、たとえば六角形の焦点格子の場合には60°の角度といったように、互いに対向する他の配向を選択することも可能である。
本発明の範囲には、本発明に係る上述の光学装置を動作させるための方法も含まれ、この方法は以下のことを特徴としている。すなわち、位置調整機構により、時間的に相前後してそれぞれ異なる位置調整ポジションiを探索し、この位置調整ポジションiにおいて、レーザビームによりそれぞれ異なるマルチフォーカスプロファイルを生成し、このマルチフォーカスプロファイルは、マイクロレンズアレイのマイクロレンズが整列されている方向において、それぞれ異なる焦点数Nを有する。これによって光学装置がフレキシブルに使用され、すなわち、レーザ放射のためのそれぞれ異なる加工処理タスクに関してそれぞれ異なる焦点数を用いて光学装置が使用され、焦点数を変更するための手間がわずかである。特に、変更のために交換コンポーネントが不要となる。
好ましくは、本発明に係る方法の1つの変形実施形態によれば、位置調整機構によりNが奇数である位置調整ポジションiも探索するように構成されている。この位置調整ポジションiにおいてマルチフォーカスレンズプロファイルの生成の間に、ビーム路には移相器が配置されない。これは特に簡単である。
特に好ましくは1つの変形実施形態によれば、位置調整機構により、Nが偶数である位置調整ポジションiも探索し、その際、この位置調整ポジションiにおいてマルチフォーカスプロファイルの生成の間に、ビーム路に移相器を配置し、この移相器により、マイクロレンズアレイの隣り合うマイクロレンズのビーム束間に位相オフセットn*πをもたらし、ここで、nは奇数の自然数である。移相器を使用することにより、ゼロ次の回折次数が消去されることで、焦点数がNにも一致することが達せられる。ここで留意されたいのは、移相器をマイクロレンズアレイのうちの1つに組み込むことができ、又は、別個の移相器素子とすることができる、という点である。一般に位相オフセットはπとなる。
1つの好ましい変形実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、位置調整機構により、Nが偶数である位置調整ポジションiも探索し、その際にビーム路においてマイクロレンズアレイの前方にビーム成形レンズを配置し、特にこの場合、ビーム成形レンズの焦点距離fSLを、
Figure 2021530740
により選択する。ビーム成形レンズを用いて適当な発散を設定することにより、偶数の焦点が設定されるように干渉条件を操作することができる。このことを条件
Figure 2021530740
の保持により簡単な手法で達成することができる。
同様に有利には1つの変形実施形態によれば、位置調整機構によりNが偶数である位置調整ポジションiも探索し、その際に位置調整機構により、ビーム伝播方向と交差する少なくとも1つの方向に関して、マイクロレンズアレイのうち少なくとも1つのマイクロレンズアレイの、マイクロレンズアレイのうち少なくとも1つの他のマイクロレンズアレイに対する横方向オフセットΔを有する横方向位置調整ポジションを設定し、ここで、Δ≠0であり、特にこの場合、ビーム路において2つのマイクロレンズアレイ(MLA1、MLA2)だけが光学的間隔dをおいて配置されており、ここで、
Figure 2021530740
である。
さらに
Figure 2021530740
が成り立つことに留意されたい。横方向オフセットによって、マイクロレンズアレイの光学的間隔を同時に適当に設定すれば、偶数の焦点数が設定されるように干渉条件を操作することができる。ビーム路に2つのマイクロレンズアレイだけしか設けられていない光学装置の場合に、上述の条件においてこのことを特に簡単に行うことができる。
有利にはさらに1つの変形実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、マルチフォーカスラインプロファイルを生成するために、超短レーザパルスを有する、特に500fs又はそれよりも短い期間を有する、好ましくは100fs又はそれよりも短い期間を有する、パルス化され少なくとも実質的にコリメートされたレーザビームを使用し、ビーム路においてマイクロレンズアレイ全体の前方に、波長分散素子を配置し、この波長分散素子は、少なくとも実質的にコリメートされたレーザビームを、ビーム伝播方向と交差する方向でスペクトル的に拡開し、さらにビーム伝播方向と交差する方向で可変の焦点距離を有するフーリエレンズ装置を、ビーム路においてマイクロレンズアレイ全体の後方で使用する。超短レーザパルスを使用すれば、レーザ光のスペクトル(波長)を拡げることができる。他方では、レーザ光のスペクトルの拡大によって、光学装置の開口数が大きい場合(又は、多数の焦点を生成しようという場合)には特に、外側に位置する焦点が空間的に不鮮明になる可能性がある。波長分散素子及び可変の焦点距離を有するフーリエレンズ装置を使用することによって、外側に位置する焦点が空間的に不鮮明になるのを阻止することができる。ここで留意されたいのは、波長分散素子及び可変の焦点距離を有するフーリエレンズ装置は基本的に、cw(連続波)からfs(フェムト秒)まであらゆる形式のレーザビームにおいて使用することができ、種々の波長成分に起因する空間的な不鮮明さを、それらの原因に関係なく補償することができる、ということである。
同様に本発明の範囲には、本発明に係る上述の光学装置、又は、本発明に係る上述の方法の、物体の積層造形のための使用も含まれ、この場合、少なくとも1つのマルチフォーカスプロファイルによって、特にマルチフォーカスラインプロファイルによって、粉体状材料から成る層が平坦に溶融され又は平坦に焼結される。本発明の範囲において、表面の平坦な溶融又は焼結のための焦点数をフレキシブルに選択することができ、特に焦点数を介して、加工処理すべき表面の幅に迅速に整合させることができる。これによって、物体を極めて迅速かつ精密に積層造形することができる。この場合、焦点はそれらの個数に左右されることなく常に同等の間隔を有する、ということに留意されたい。位置調整機構を用いて位置調整ポジションを変更することによって、造形すべき1つの層の中で、及び/又は、ある層から次の層へと、及び/又は、ある物体から次の物体へと、焦点数を変更することができる。
本発明のさらに他の利点は、明細書及び図面から明らかになる。同様に、これまでに挙げた特徴及びさらに以下で説明する特徴を、本発明に従いそれぞれ、それ自体単独で又は任意に組み合わせて複数で、適用することができる。図示され説明される実施形態は、確定的に列挙したものとして解されるべきではなく、むしろ本発明を説明するための例示的な特徴を有するものである。
本発明及び図面の詳細な説明
次に、実施例及び概略的な図面に基づき本発明について詳しく説明する。
ビーム路に4つのマイクロレンズアレイを備えた本発明に係る光学装置の1つの実施形態を示す図である。 本発明に係る光学装置により生成可能なマルチフォーカスラインプロファイルを示す図である。 本発明に係る光学装置により生成可能な2次元のマルチフォーカスプロファイルを示す図である。 ミラーと2つのマイクロレンズアレイコンポーネントとを備えた、本発明に係る図1の光学装置に対する第1の代替構造形式を示す図である。 4つのマイクロレンズアレイコンポーネントと、これらのマイクロレンズアレイコンポーネントのうち2つのコンポーネントのための1つの共通のキャリッジとを備えた、本発明に係る図1の光学装置に対する第2の代替構造形式を示す図である。 図5の構造形式に関してdとtとfMLとの関係について、f=f/3である部分図(a)のケースと、f≠f/3である部分図(b)のケースとにおいて示す図である。 設定された種々の4FNの値、すなわち、4FN=5(一番上のa)、4FN=7及び7.5(中央のb)、4FN=9(一番下のc)について、本発明に係る光学装置のフーリエレンズ装置の焦点面における強度分布について示すグラフである。 ビーム路に3つのマイクロレンズアレイを備えた本発明に係る光学装置のさらに他の実施形態を示す部分抜粋図である。 ビーム路に1つの移相器素子を備えた本発明に係る光学装置のさらに他の実施形態を示す部分抜粋図である。 ビーム路における3つのマイクロレンズアレイと、以下のマイクロレンズアレイに組み込まれた移相器、すなわち、厚さが交互に追加された最後尾のマイクロレンズアレイ(a)、厚さが鋸歯状に追加された最後尾のマイクロレンズアレイ(b)、及び、厚さが鋸歯状に追加された中央のマイクロレンズアレイ(c)に組み込まれた移相器とを備えた、本発明に係る光学装置のさらに他の実施形態を示す部分抜粋図である。 2次元のマルチフォーカスプロファイルを生成する光学装置のための移相器素子を示す上面図である。 移相器を備えた本発明に係る光学装置によって生成可能な2次元のマルチフォーカスラインプロファイルを示す図である。 波長分散素子と、空間的に可変の焦点距離を有するフーリエレンズ装置とを備えた、本発明に係る光学装置のさらに他の実施形態を示す図である。 金属体の積層造形のために粉体状の材料の層を溶融する際に、本発明に従って生成されるマルチフォーカスラインプロファイルを使用することについて示す図であって、部分図(a)において、溶融プールがオーバラップしていない場合には列ごとに走査が行われることを示し、部分図(b)において、溶融プールがオーバラップしており列ごとに走査が行われないことを示す図である。 任意選択的に、ビーム成形レンズと、マイクロレンズアレイの横方向位置調整部とを装備した、図1に類似した本発明に係る光学装置のさらに他の実施形態を示す図である。 本発明に係る光学装置により生成される焦点の個数を、前段に配置されたビーム成形レンズの屈折度に依存して表した概略的なグラフを示す図である。 本発明のための2つのマイクロレンズアレイ間における横方向オフセットΔ及び光学的間隔dの設定について概略的に示す図である。
図1には、本発明に係る光学装置1の1つの実施形態が示されている。
光学装置1はレーザ源2、ここでは光ファイバ終端、を有しており、そこからシングルモードレーザビーム3が出射する。レーザビーム3は、少なくともビーム伝播方向zに対し垂直な方向xに関してコリメートされており、光学装置1内でx方向に沿ってビーム路4を通過する。
ビーム路4において、レーザビーム3は、ここでは4つのマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4を通過する。各マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4は、x方向に整列されたアパーチャaのマイクロレンズ5を有しており、この場合、x方向に沿って測定されたアパーチャaは、すべてのマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4について等しい。マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4又はそれらのマイクロレンズ5はすべて、それぞれ異なる焦点距離f〜fを有することができ、個々のマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4内においては(x方向に沿った曲率に関して)、マイクロレンズ5の焦点距離f〜fは画一的である。
任意選択的に、ここではマイクロレンズアレイMLA2とMLA3との間に、ミラーを配置することができる(以下の図4を参照)。
マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4によって、個々のマイクロレンズ(アパーチャaを参照)のいずれの点も第1のマイクロレンズアレイMLA1の平面において所定の角度に結像され、すなわち、角度スペクトルが生成される。この角度スペクトルは、フーリエレンズ6によって焦点面7に結像される。
焦点面7にマルチフォーカスプロファイルが発生する(図2及び図3を参照)。
マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4の焦点距離f〜fと、ビーム路4又はz方向に沿ったマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4の相対的ポジションとから、マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4全体8の実効焦点距離fMLが生じる。マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4全体を、結像ホモジナイザとも称する。
光学装置1は位置調整機構15を有しており、これによってマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4の相互間の間隔のうちの少なくともいくつかを調整することができる。たとえば図1に示されているようにマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4各々のために、ガイド9(たとえばラック)上をモータ駆動で走行可能な(たとえばラックと係合して駆動される歯車を備えた)固有のキャリッジ11〜14を設けることができ、その際にこれらのキャリッジを、電子制御装置10を介して制御することができる。電子制御装置10には、マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4全体8に対する複数の位置調整ポジションが記憶されており、その際に個々の位置調整ポジションは、キャリッジ11〜14のためのz方向に関して走行させるべき目標ポジションを含む。他の構造形式において、いくつかのマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4のポジションを、結合及び/又は位置固定しておくことができる(図4、図5も参照)、という点に留意されたい。
位置調整ポジションを変更することによって、マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4全体8の実効焦点距離fMLを変化させることができる。マイクロレンズアレイMLA1〜MLA4全体8の実効焦点距離fMLは、同等の結像特性を有する古典的なホモジナイザの焦点距離fに相当する(注:古典的なホモジナイザは、同一の焦点距離fの2つのマイクロレンズアレイを有しており、これらのマイクロレンズアレイは互いにその焦点距離fの間隔をおいて配置されている)。
本発明の範囲内において、位置調整機構15は複数の位置調整ポジションi=1〜Mを設定することができ、これらの位置調整ポジションについてそれぞれ項
Figure 2021530740
が実質的に端数なく(すなわち、剰余なく又はほとんど剰余なく)自然数Nを生じさせ、ここで、fML,iは位置調整ポジションiにおける実効焦点距離である。一般に種々の位置調整ポジションiにより、0.2よりもわずかな誤差で、好ましくは0.1よりもわずかな、特に好ましくは0.05よりもわずかな誤差で、それぞれ異なる自然数Nがもたらされる。この場合には、実質的に均一に照射されるマイクロフォーカスプロファイルが焦点面7に生じる。
ここで留意されたいのは、フーリエレンズ装置6を省略したとしても、光学装置1を用いて均一に照射される角度スペクトルを得ることができ、すなわち、このように変形された装置を効率的なビームスプリッタとして使用することができる、ということである。
図2には、図1に示したような光学装置により生成されるマイクロフォーカスプロファイル20、ここではマイクロフォーカスラインプロファイル21、が示されている。1つのライン上においてx方向で上下にここでは5つの焦点が生成され、したがって、これらに属する位置調整ポジションiはN=5を有する。このケースにおいては、マイクロレンズアレイは、x方向のみに並べられたマイクロレンズを有しており、y方向には並べられていない。x方向において、たとえばレーザ源とビーム路における最初のマイクロレンズアレイとの間のシリンダレンズ(図1には詳しくは示されていない)によって、レーザビームが焦点面にフォーカシングされている。
光学装置のマイクロレンズアレイが、たとえば両方の方向x、yに関して相応の研削によって、y方向にも整列されたマイクロレンズを有するケースにおいては、光学装置によって2次元のマイクロフォーカスプロファイル22も生成することができる(図3を参照)。x方向で上下にy方向で左右にここでは5×5の焦点が生成され、これらの焦点はここでは正方形の格子として配置されている。
図4には、図1の光学装置1に対応するビーム路4を有する光学装置1の部分抜粋図が、特別な構造形式により示されている。ここでは特に、図1との相違点について説明する。
この構造形式の場合、マイクロレンズアレイMLA1及びMLA4は、焦点距離fを有する単一のマイクロレンズアレイコンポーネントMB1により実現され、マイクロレンズアレイMLA2及びMLA3は、焦点距離fを有する単一のマイクロレンズアレイコンポーネントMB2により実現される。ビーム路4は、最初にマイクロレンズアレイコンポーネントMB1及びMB2を通過し、次いでミラー40のところで反射させられ、その後、再びマイクロレンズアレイコンポーネントMB2及びMB1を通過し、続いてビーム路4はフーリエレンズ装置6に到達する。これによって光学装置1を、2つのマイクロレンズアレイコンポーネントMB2、MB1だけで間に合わせることができる。
位置調整機構15をたとえば、マイクロレンズアレイコンポーネントMB1及びMB2のための、ガイド9上を走行可能なキャリッジ11、12によって形成することができ、これらは電子制御装置(ここには図示せず)によって制御される。
この構造形式の場合には、マイクロレンズアレイMLA3とMLA4との間の間隔dに等しい、マイクロレンズアレイMLA1とMLA2との間の間隔d、及び、マイクロレンズアレイMLA2とMLA3との間の間隔tだけを調整することができる。この場合、d及びtを互いに独立して調整することができる。
所望の実効焦点距離fMLのために、マイクロレンズアレイMLA1及びMLA4の所与の焦点距離f及びマイクロレンズアレイMLA2及びMLA3の所与の焦点距離fにおいて、設定すべき間隔d及びtを以下のようにして得ることができる。
Figure 2021530740
及び
Figure 2021530740
所望の焦点数Nを得る目的で、所望の又は必要とされる焦点距離fMLは、
Figure 2021530740
から得られる。
図5には、図1の光学装置1に対応するビーム路4を有する光学装置1の部分抜粋図が、さらに他の特別な構造形式により示されている。ここでも特に、図1との相違点について説明する。
この構造形式の場合、ビーム路4は、4つのマイクロレンズアレイコンポーネントMB1〜MB4を相前後して通過し、これらのコンポーネントは、ビーム路4のためにそれぞれ1つのマイクロレンズアレイMLA1〜MLA4を有する。マイクロレンズアレイMLA1及びMLA4はそれぞれ焦点距離fを有しており、マイクロレンズアレイMLA2及びMLA3はそれぞれ焦点距離fを有する。マイクロレンズアレイコンポーネントMB1及びMB3は、ここで位置固定されて配置されており、マイクロレンズアレイコンポーネントMB2及びMB4は、1つの共通のキャリッジ50上に(ここではd+tの)一定の間隔で配置されている。共通のキャリッジ50は、電子制御装置(図示せず)により、ビーム伝播方向zに延在するガイド9上をモータ駆動で走行可能であり、これによって位置調整機構15が形成されている。
共通のキャリッジ50の種々の位置調整ポジションを、係止凹入部51、52、53により設けておくことができ、それらのところでキャリッジ50のばね付勢された係止部材54を係合させることができ、それによって個々の位置調整ポジションを容易に見つけることができ、良好に保持できるようになる。
この構造形式の場合にも、d、t及びfMLを求めるために、上述の記載で説明した式1〜3が成り立つ。
共通のキャリッジ50をz方向に走行させることによって、d及びtを変更することができるが、その際に合計d+tは、同一のまま維持される。ここでf=f/3を選択すれば、位置調整機構15のこの1つの自由度を用いて、焦点数Nを広い領域60にわたり線形にチューニング又は調整することができる。それというのもこのケースにおいては、d及びtはここではほぼ逆数で線形に1/fMLによってスケーリングされ、したがって、dとtの合計は1/fMLの関数としてほぼ一定に維持されるからである(図6の部分図(a)を参照)。この図面において、d、t及び(d+t)/2はそれぞれ、右に向かって書き込まれた大きさ1/fML(単位は1/f)の関数として、上に向かって書き込まれている(単位はf)。1/fMLがほぼ0.8/f〜2.0/fである部分図(a)の領域60において、上述の線形の関係が生じている。図6の部分図(b)に示されているように、f=f/2、すなわち、f≠f/3を選択すると、(d+t)/2ひいては合計d+tは、1/fMLの関数として変化し、その結果、キャリッジの位置調整ポジションの関数として、焦点数Nの非線形の関係が生じ(領域61を参照)、この場合であっても焦点数の調整は可能であるが、直感性が少なくなる。
図7には、マルチフォーカスプロファイルの焦点についての強度分布が、項
Figure 2021530740
の大きさに依存して示されており、ここで、FNはフレネル数である。右に向かって、x方向におけるポジションがそれぞれ書き込まれており、上に向かって、焦点面におけるレーザ放射の強度(任意単位)が書き込まれている。
(レーザ源の波長λ及びマイクロレンズアレイのアパーチャ/ピッチaに適した実効焦点距離fML,iを、位置調整ポジションiのところで設定することで)4FNを正確にN=5と選択した場合には、ほぼ等しい強度を有する5つのピークが生じる(一番上のグラフ(a)を参照)。同様のことは4FN=9の選択について当てはまり、この場合、ほぼ等しい強度の9つのピークが生じる(一番下のグラフ(c)を参照)。中央のグラフ(b)には、4FN=7及び4FN=7.5の場合の強度推移が示されている。4FN=7の場合にはやはり、ほぼ等しい強度の7つのピークが生じる。ただし、4FN=7.5の場合には、9つのピークが得られるものの、両方の外側のピーク71が小さいながらも目立つ強度を有する。それぞれ参照符号72が付された第3、第5及び第7のピークは、中庸な大きさの強度を有する。ただし、この強度は、それぞれ参照符号73が付された第2、第4、第6及び第8のピークの強度よりも明らかに小さい。
4FNの大きさが、すなわち、項
Figure 2021530740
が、所望のピーク数Nを正確に維持すればするほど、生成されるピークに関する強度の分布はより均一になる。
ここで留意されたいのは、N=5、7及び9の場合に3つの位置調整ポジションにおける焦点の間隔gはどこでも等しい、ということであり、その理由は、間隔gは、レーザ放射の波長λ、マイクロレンズのアパーチャ(ピッチ)a、及び、フーリエレンズ装置の焦点距離fFLのみに依存するが、ホモジナイザの実効焦点距離fML,iには依存しないからである。
図8には、本発明に係る光学装置1のさらに他の実施形態の部分抜粋図が示されている。この実施形態の場合、ビーム路4は、焦点距離f、f、fを有する3つのマイクロレンズアレイMLA1、MLA2、MLA3を通過し、これらのマイクロレンズアレイは、それぞれ個々のマイクロレンズアレイコンポーネントMB1、MB2、MB3を介して実現されている。位置調整機構15によって、ここではマイクロレンズアレイコンポーネントMB1とMB3とを担持するキャリッジ11、13のポジションを、モータ駆動により電子制御装置(図示せず)を介して調整することができ、したがって、マイクロレンズアレイMLA1とMLA2との間の間隔d1、及び、マイクロレンズアレイMLA2とMLA3との間の間隔d2を、互いに独立して設定することができる。マイクロレンズアレイコンポーネントMB2は、ここでは位置固定されて形成されている。
所望の実効焦点距離fMLのために、所与の焦点距離f、f、fにおいて設定すべき間隔d1及びd2を、以下のようにして得ることができる。
Figure 2021530740
及び
Figure 2021530740
所望の焦点数Nを得る目的で、所望の又は必要とされる焦点距離fMLはやはり、
Figure 2021530740
から得られる。
奇数の焦点数Nを生成するために、マイクロレンズアレイ全体を、たとえば図1に示したようにフーリエレンズ装置と共にそのまま使用することができる。偶数の焦点数を生成するためには、付加的に移相器90が使用され、これについては図9の部分抜粋図に示された光学装置1の実施形態を参照されたい。移相器90は、隣り合うマイクロレンズ5a、5bのビーム束間の移行部91において、λ/2の光学的経路長差に応じて位相の跳躍的変化πを生成する。これによって、ゼロ次の回折次数が消去され、これは偶数のNの場合に、マイクロレンズアレイMLA1、MLA2全体の所望のNの焦点に加えて生成される。
図9に示されている実施形態の場合、ビーム路4において最後のマイクロレンズアレイMLA2の直後に、移相器素子93が配置されており、これはマイクロレンズ5、5a、5bが相前後して整列されているx方向において、マイクロレンズ5、5a、5b又はそれらに属するビーム束と一列に並んで、第1の通過素子94及び第2の通過素子95を交互に形成している。すなわち、通過素子94、95は、x方向でアパーチャaに応じて所定の幅を有する。第1の通過素子94はここでは、x方向でその幅全体にわたり位相オフセット0(なし)をもたらし、第2の通過素子95はここでは、x方向でその幅全体にわたり位相オフセットπをもたらす。
移相器素子93をここでは、奇数の焦点を生成するのが望ましいのか、又は、偶数の焦点を生成するのが望ましいのかに従い、必要に応じてビーム路4から取り出す(たとえばx方向で抜き出す)ことができ、又は、再びビーム路4に引き入れることができる。このためにやはり、モータ及び電子制御装置を使用することもできる。分かり易くするために、図9には、本発明に従い設けられる位置調整機構は示されていない。
ただし、移相器90をマイクロレンズアレイに組み込むことも可能である(図10を参照)。
参照符号(a)として左側に示された変形実施形態の場合、ここではマイクロレンズアレイMLA3に、組み込まれた移相器90が設けられている。隣り合うマイクロレンズ5a、5bの移行部92のところに、ここでは厚さの跳躍的変化96が施されており、これによって位相オフセットπがもたらされる。組み込まれた移相器90により設けられたマイクロレンズアレイの追加された厚さは、個々のマイクロレンズ5bの幅全体にわたり均一に維持され、交互に位置するマイクロレンズ5aにはこの追加された厚さは設けられていない。
移相器90がやはりマイクロレンズアレイMLA3に組み込まれている、参照符号(b)として中央に示された変形実施形態の場合、隣り合うマイクロレンズ5a、5bの移行部92のところに、やはり厚さの跳躍的変化96が設けられている。ただし、x方向に沿った個々のマイクロレンズ5a、5bの追加された厚さはここでは、追加された厚さが0(なし)から位相差πに対応する追加された厚さまで、マイクロレンズ5a、5bの幅全体にわたりここでは線形に増加しながら変化している。この鋸歯状のプロファイル設定は、すべてのマイクロレンズ5a、5bにおいて設けられている。
参照符号(c)として示されている右側の変形実施形態の場合、移相器90は中央のマイクロレンズアレイMLA2に組み込まれている。ここでも、隣り合うマイクロレンズ5a、5b間の移行部92のところに、厚さの跳躍的変化96が施されている。x方向に沿った個々のマイクロレンズ5a、5bの追加された厚さはここでは、追加された厚さの初期値zから、zと位相差πに対応する厚さとを加えたものに相当する追加された厚さまで、マイクロレンズ5a、5bの幅全体にわたり線形に増加している。初期値zは、x方向に関する位相の跳躍的変化の位置を、おおよそマイクロレンズアレイMLA1の焦点面のところに移行させる役割を果たす。この鋸歯状のプロファイル設定は、やはりすべてのマイクロレンズ5a、5bにおいて設けられている。
一般に移相器90は好ましくは、おおよそ個々のマイクロレンズアレイ(又は、個々のサブアパーチャ)の焦点面内に置かれ、又は、さもなければビーム路4において最後のマイクロレンズアレイの直後に置かれる。
ここでもやはり、本発明に従って設けられる位置調整機構は、分かり易くするために、図10には示されていない、という点に留意されたい。
さらに以下のことに留意されたい。すなわち、本発明に係る光学装置は、2次元のマルチフォーカスプロファイルを生成するために形成されており、これに応じて2つの直線的に独立した方向において、たとえば図1のx及びyにおいて、ビーム伝播方向(図1のzを参照)に対し垂直に整列されたマイクロレンズをマイクロレンズアレイ内に有しているが、この光学装置において偶数の焦点数を生成するためには、これら両方の方向x、yにおいて作用する移相器90を使用する必要がある(図11を参照)。移相器素子93として形成された図11に示されている移相器90は、両方の方向x、yにおいて交互に第1及び第2の通過素子94、95を有している。
図12には2次元のマルチフォーカスプロファイル22が示されており、これはx方向及びy方向でそれぞれ4つの焦点を有しており、したがって、4×4の焦点格子が生成される。このために、図11に示したような移相器を使用することができる。焦点の間隔gは、
Figure 2021530740
から得られ、ここで、fFLはフーリエレンズ装置の焦点距離である、という点に留意されたい。間隔gは特に、該当する方向のマイクロレンズアレイ内に整列されたマイクロレンズの個数には、基本的に左右されない。
図13には、本発明に係る光学装置1のさらに他の実施形態が示されている。分かり易くするために、マイクロレンズアレイMLA1、MLA2全体8の本発明に従い設けられる位置調整機構は示されていない。
この光学装置1の場合にはレーザ源2として、100fsのオーダのパルス長を有するパルス化レーザ源が用いられる。このレーザ源2の場合、レーザビーム3は、著しく拡げられた波長範囲、ここではλ1からλ2を経てλ3までの波長範囲、にわたるビーム成分を有する。この場合、λ=λ−Δλ、λ=λ及びλ=λ+Δλである。ここで、2Δλはスペクトル幅であり、λはレーザパルスの中心波長である。
式6からわかるように、焦点面7又はマルチフォーカスプロファイルにおける焦点の間隔gは、レーザ放射の波長λに依存する。したがって、目立つ波長強度分布を有するレーザ放射のケースにおいては、マイクロレンズアレイMLA1、MLA2のマイクロレンズが整列されている方向xにおいて、焦点がスペクトル的に不鮮明になるおそれがあり、これは特に、多数の焦点を生成しようという場合、又は、マイクロレンズアレイMLA1〜MLA2全体8の開口数がそれ相応に大きい場合である。
よって、図示されている実施形態の場合には、波長分散素子100、ここでは反射格子、を用いて、レーザビーム3がスペクトル的に拡開される(ビーム成分λ1、λ2、λ3を参照)。このようにすればレンズ101によって、(少なくとも)x方向に関してビーム成分がコリメートされ、z方向で互いに平行に進行し、ただし、x方向では幅Dにわたりスペクトル的に分割される。このようにした場合にスペクトル成分λ1、λ2、λ3は、マイクロレンズアレイMLA1、MLA2全体8において結像され(図1を参照)、その際にビーム成分λ1、λ2、λ3のスペクトル分割が、x方向にわたり実質的に維持されたままとなる。
このときフーリエレンズ装置6による結像において、種々のスペクトル成分λ1、λ2、λ2が再び考慮される。式6によれば焦点の間隔gは、フーリエレンズ装置6の焦点距離fFLにも依存する。種々のスペクトル成分λ1、λ2、λ3は、x方向に関してそれぞれ異なる位置でフーリエレンズ装置に到達するので、フーリエレンズ装置の焦点距離をx方向において可変に形成することができ、これによって間隔gに及ぼされる種々の波長λ1、λ2、λ3の作用が補償される。したがって、ここではフーリエレンズ装置は、x方向すなわちビーム伝播方向zと交差する方向で可変の局所的なレンズ曲率を備えた自由曲面レンズ102として構成されている。これによって、スペクトル的に不鮮明にされないシャープなマルチフォーカスプロファイル20を、焦点面7において得ることができる。
図14には、本発明に従い生成されるマルチフォーカスラインプロファイル20を3次元の物体110の積層造形において使用することについて示されており、この物体は、粉体たとえば金属粉体又はプラスチック粉体を層ごとに局所的に溶融することによって製造される。図14には、造形すべき1つの層の上面図が示されている。この層をL字状の領域において、すなわち、ゾーン111ではその幅全体にわたり、ゾーン112ではその幅の一部だけにわたり、硬化させようというものであり、したがって、ゾーン113では硬化は行われない。
ゾーン111において層の粉体を溶融するために、ここでは部分図(a)における4つの焦点又は部分図(b)における6つの焦点を有するマルチフォーカスラインプロファイル21aが用いられる。これらの焦点によって、部分図(a)の変形実施形態においては、ゾーン111が列ごとに走査され、溶融プール114はここではそれらの整列方向ではオーバラップしていない(1つの列内での整列方向に沿った送り、列を変えるための整列方向に対し垂直な送り)。部分図(b)の変形実施形態においては、溶融プール114がそれらの整列方向でオーバラップしており、したがって、この場合には、列ごとに走査を行うことなくゾーン111を加工処理することができる(整列方向に対し垂直な方向のみでの送り)。これに対しゾーン112における溶融のためには、部分図(a)における2つの焦点又は部分図(b)における3つの焦点だけを有するマルチフォーカスラインプロファイル21bが用いられる。マルチフォーカスラインプロファイル21bは、ゾーン113が溶融されないよう十分に狭い。マルチフォーカスラインプロファイル21a、21b間の切り替えは、位置調整機構の位置調整ポジションの変更により行われ、この場合、ホモジナイザの実効焦点距離fMLが設定される。ここで留意されたいのは、焦点の整列方向に沿ったそれらの焦点の間隔は、各部分図(a),(b)内のゾーン111及び112において等しく、焦点数だけがゾーン111と112との間で変化する、ということである。マルチフォーカスプロファイルを使用することによって、3次元の物体の造形を加速することができる。
図15には、図1に類似した本発明に係る光学装置1の1つの実施形態が示されている。したがって、以下においては、重要な相違点についてのみ説明する。
この光学装置1の場合、ビーム路4において第1のマイクロレンズアレイMLA1の前方に、ビーム成形レンズ120を設けることができ、このレンズは、実質的にコリメートされたレーザビーム3の発散を変化させる。これによって干渉条件(干渉状態)を操作することができ、これを用いることで、焦点面7における焦点の個数を設定することができ、特に偶数の焦点を設定することができる。
さらに光学装置1の場合、z方向(ビーム伝播方向)でガイド9に沿ってキャリッジ11〜14を調整する以外に、すなわち、それらに属するマイクロレンズアレイもz方向に沿って調整する以外に、位置調整機構15を拡張することができる。この目的でさらに他のキャリッジ14aを使用することができ、このキャリッジはさらに他のガイド9aに沿って、z方向と交差して(z方向に対し垂直に)延在するx方向に沿って走行可能である。さらに他のガイド9aは、ここではキャリッジ14に取り付けられており、マイクロレンズアレイMLA4がさらに他のキャリッジ14aに取り付けられている。したがって、位置調整機構15を用いることでマイクロレンズアレイMLA4を、特にモータ駆動で電子制御装置10により制御して、z方向だけでなくx方向においても調整することができる。特に、x方向に関して種々の横方向位置調整ポジションを設定することができる。かくして位置調整機構15を用いることで、(ここでは)他のマイクロレンズアレイMLA1、MLA2、MLA3に対し、マイクロレンズアレイMLA4の横方向オフセットをセットすることができる。これによってやはり干渉条件(干渉状態)を操作することができ、これを用いることで、焦点面7における焦点の個数を設定することができ、特に偶数の焦点を設定することができる。
図16により説明されるのは、ビーム成形レンズを使用することで、たとえば溶接すべき被加工物上において、本発明に係る光学装置により生成される焦点の個数に及ぼされる作用についてである。ここでは屈折度(右に向かって逆数で書き込まれた焦点距離fSLを参照)が異なる多数のビーム成形レンズについて、(上に向かって書き込まれた)焦点数が求められた。この場合、光学装置においてビーム路に、a=0.5mmのピッチで2つのマイクロレンズアレイが設けられた。0から2 1/mよりも下までの屈折度1/fSLの場合、ここではそれぞれ5つの焦点(ピーク)が得られ、2から5 /1mよりも下までの1/fSLの場合、4つの焦点(ピーク)が得られ、さらに5から6よりも上までの1/fSLの場合、3つの焦点(ピーク)が得られた。したがって、特に、偶数の焦点を設定することもできる。
図17により説明されるのは、ここではそれぞれ5つのマイクロレンズを含む2つのマイクロレンズアレイMLA1、MLA2間の横方向オフセットΔのセットについてである。マイクロレンズアレイMLA1、MLA2は、ビーム伝播方向zにおいて相前後して配置されており、マイクロレンズは、z方向と交差して(z方向に対し垂直に)延在するx方向に沿って整列されている。x方向においてマイクロレンズアレイMLA1、MLA2は、横方向オフセットΔだけ互いにずらされている。横方向オフセットΔをたとえば、両方のマイクロレンズアレイMLA1、MLA2のそれぞれ上方の両方のマイクロレンズ5a、5b間の凹部のxポジションを比較することによって、読み取ることができる。
しかも両方のマイクロレンズアレイMLA1、MLA2は、互いに光学的間隔dをおいて配置されている。ビーム伝播方向と交差する方向での横方向オフセットΔと、ビーム伝播方向での光学的間隔dとを、同時に適当に設定すれば、マルチフォーカスプロファイルの所望の焦点数を設定することができる。2つのマイクロレンズアレイMLA1、MLA2を備えた光学装置のために特に、
Figure 2021530740
を設定することができ、これによって偶数Nの焦点が得られる。
光学的間隔dが、マルチレンズアレイ(マイクロレンズアレイ)全体の実効焦点距離fML,i、すなわち、d=fML,i、に従って設定される場合には、生成されるマルチフォーカスプロファイルを、焦点数を変化させることなく横方向(ビーム方向と交差する方向)でずらす目的で、すなわち、回折次数Bに従いそれ相応の個数のスポット間隔だけずらす目的で、横方向オフセットΔを利用することができる。この場合、
Figure 2021530740
が選択され、ここで、Bは正又は負の整数である。
1 光学装置
2 レーザ源
3 レーザビーム
4 ビーム路
5 マイクロレンズ
5a,5b マイクロレンズ
6 フーリエレンズ装置
7 焦点面
8 マイクロレンズアレイ全体/ホモジナイザ
9 ガイド
9a さらに他のガイド
10 電子制御装置
11〜14 キャリッジ
14a さらに他のキャリッジ
15 位置調整機構
20 マルチフォーカスプロファイル
21 マルチフォーカスラインプロファイル
21a (4つの焦点を有する)マルチフォーカスラインプロファイル
21b (2つの焦点を有する)マルチフォーカスラインプロファイル
22 2次元のマルチフォーカスプロファイル
40 ミラー
50 共通のキャリッジ
51〜53 係止凹入部
54 ばね付勢された係止部材
60 領域
61 領域
71 外側のピーク
72 第3/第5/第7のピーク
73 第2/第4/第6/第8のピーク
90 移相器
91 移行部(ビーム束)
92 移行部(通過素子)
93 移相器素子
94 第1の通過素子
95 第2の通過素子
96 厚さの跳躍的変化
100 波長分散素子
101 レンズ
102 自由曲面レンズ
110 3次元の物体
111 硬化させるゾーン
112 硬化させるゾーン
113 硬化させないゾーン
114 溶融プール
120 ビーム成形レンズ
a アパーチャ/ピッチ
B 回折次数
d 間隔(MLA1とMLA2との間及びMLA3とMLA4との間)
D 幅(スペクトル的に拡開されたレーザビーム)
d1 間隔(MLA1とMLA2との間)
d2 間隔(MLA2とMLA3との間)
〜f 焦点距離
ML 実効焦点距離(ホモジナイザ)
FL 焦点距離(フーリエレンズ装置)
SL 焦点距離(ビーム成形レンズ)
FN フレネル数
g 間隔(焦点)
MB1〜MB4 マイクロレンズアレイコンポーネント
MLA1〜MLA4 マイクロレンズアレイ
t 間隔(MLA2とMLA3との間)
x 方向(ビーム伝播方向に対し垂直)
y 方向(ビーム伝播方向に対し垂直)
z 方向(ビーム伝播方向)
追加された厚さの初期値
Δ 横方向オフセット
λ 波長(レーザビーム)
λ1、λ2、λ3 波長成分/ビーム成分(レーザビーム)

Claims (23)

  1. 少なくとも実質的にコリメートされたレーザビーム(3)からマルチフォーカスプロファイル(20)を生成する光学装置(1)であって、
    当該光学装置(1)は、ビーム路(4)を有しており、前記ビーム路(4)は、複数のマイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)とフーリエレンズ装置(6)とを順次通過し、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)は、当該マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のマイクロレンズ(5、5a、5b)について画一的なアパーチャaを有しており、さらに前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)は、実効焦点距離fMLを有する、
    光学装置(1)において、
    前記光学装置(1)は、位置調整機構(15)を有しており、前記位置調整機構(15)によって、前記ビーム路(4)における前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうちの少なくともいくつかの相互間の光学的間隔(d、d1、d2、t)を調整可能であり、これにより、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の実効焦点距離fMLを設定可能であり、
    前記位置調整機構(15)は、複数の位置調整ポジションi=1〜Mを有しており、ここで、Mは、2以上の自然数、iは、位置調整ポジションの添え字であり、前記位置調整ポジションにおいて項
    Figure 2021530740
    がそれぞれ実質的に端数なく自然数Nを生じさせ、ここで、λは、前記レーザビーム(3)の中心波長、fML,iは、前記位置調整ポジションiにより設定された前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の実効焦点距離fMLである、
    ことを特徴とする光学装置(1)。
  2. 前記位置調整ポジションiにおいてそれぞれ
    Figure 2021530740
    が成り立ち、好ましくは≦0.1、特に好ましくは≦0.05である、
    請求項1に記載の光学装置(1)。
  3. 前記ビーム路(4)は、少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)を通過する、
    請求項1又は2に記載の光学装置(1)。
  4. 前記光学装置(1)は、少なくとも1つの偏向光学系、特に逆反射器又はミラー(40)を含み、前記ビーム路(4)は、少なくとも1つのマイクロレンズアレイコンポーネント(MB1〜MB2)を複数回通過する、
    請求項1から3までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  5. 前記位置調整機構(15)は、キャリッジ(11〜14;50)を含み、前記キャリッジ(11〜14;50)上に、少なくとも2つのマイクロレンズアレイコンポーネント(MB1〜MB4)が一定の間隔(d+t)で配置されており、前記キャリッジ(11〜14;50)は、少なくとも1つのさらに他のマイクロレンズアレイコンポーネント(MB1〜MB4)に対向して、好ましくは少なくとも2つのマイクロレンズアレイコンポーネント(MB1〜MB4)に対向して、ビーム伝播方向(z)に沿って走行可能である、
    請求項1から4までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  6. 前記ビーム路(4)において第1及び第3のマイクロレンズアレイ(MLA1、MLA3)は位置固定されており、前記ビーム路(4)において第2及び第4のマイクロレンズアレイ(MLA2、MLA4)は走行可能な前記キャリッジ(11〜14;50)上に配置されており、又は、この逆に構成されており、前記第1及び前記第4のマイクロレンズアレイ(MLA1、MLA)の焦点距離fと、前記第2及び前記第3のマイクロレンズアレイ(MLA2、MLA3)の焦点距離fとについて、f=f/3が成り立つ、
    請求項5に記載の光学装置(1)。
  7. 前記光学装置(1)はさらに、波長分散素子(100)、特に格子を有しており、前記波長分散素子(100)は、前記ビーム路(4)において前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の前方に配置されており、少なくとも実質的にコリメートされた前記レーザビーム(3)を、前記ビーム伝播方向(z)と交差する方向(x)でスペクトル的に拡開するのに適しており、
    前記フーリエレンズ装置(6)は、前記ビーム伝播方向(z)と交差する方向(x)で可変の焦点距離(fFL)を伴って形成されている、
    請求項1から6までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  8. 前記フーリエレンズ装置(6)は、前記ビーム伝播方向(z)と交差する方向(x)で可変のレンズ曲率を備えた自由曲面レンズ(102)として形成されている、
    請求項7に記載の光学装置(1)。
  9. 前記位置調整機構(15)は、モータ駆動型であり、かつ、電子制御装置(10)を有しており、前記電子制御装置(10)には種々の前記位置調整ポジションiがプログラミングされていて、前記電子制御装置(10)により自動的に前記位置調整ポジションiに向けて走行可能である、
    請求項1から8までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  10. 前記光学装置(1)は、さらに移相器(90)を含み、前記移相器(90)によりレーザ光において、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)の隣り合うマイクロレンズ(5、5a、5b)のビーム束間に位相オフセットn*πをもたらすことができ、ここで、nは、奇数の自然数である、
    請求項1から9までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  11. 前記移相器(90)は、移相器素子(93)として形成されており、前記移相器素子(93)において前記ビーム伝播方向(z)と交差する方向(x)に交互に第1の通過素子(94)と第2の通過素子(95)とが形成されており、第1の通過素子(94)を通過することにより第2の通過素子(95)を通過することに対し、レーザ光において位相オフセットn*πがもたらされ、特に前記第1の通過素子(94)及び前記第2の通過素子(95)はそれぞれ、前記アパーチャaに応じた幅を有する、
    請求項10に記載の光学装置(1)。
  12. 前記移相器(90)は、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)うち1つのマイクロレンズアレイに組み込まれており、特に2つの隣り合うマイクロレンズ(5、5a〜5b)の移行部(92)における前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のプロファイル設定により、レーザ光において位相オフセットn*πをもたらす厚さの跳躍的変化(96)がそれぞれ設けられる、
    請求項10に記載の光学装置(1)。
  13. 前記光学装置(1)は、さらにビーム成形レンズ(120)を含み、前記ビーム成形レンズ(120)は、前記ビーム路(4)において前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)の前方に配置されており、特に前記ビーム成形レンズ(120)の焦点距離fSLは、
    Figure 2021530740
    により選択されている、
    請求項1から12までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  14. 前記位置調整機構(15)によりさらに、前記ビーム伝播方向(z)と交差する少なくとも1つの方向(x、y)に関して、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうち少なくとも1つのマイクロレンズアレイの、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうち少なくとも1つの他のマイクロレンズアレイに対する横方向オフセットΔを設定可能であり、
    特に前記位置調整機構(15)は、複数の横方向位置調整ポジションj=1〜Lを有しており、ここで、jは、横方向位置調整ポジションの添え字であり、Lは、2以上の自然数であり、前記横方向位置調整ポジションのところで、
    Figure 2021530740
    が成り立ち、ここで、Δは、前記横方向位置調整ポジションjにおける横方向オフセットである、
    請求項1から13までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  15. 前記ビーム路(4)における前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうち少なくとも2つのマイクロレンズアレイは、それぞれ異なる焦点距離(f〜f)を有する、
    請求項1から14までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  16. 前記光学装置(1)は、2次元で集束されるマルチフォーカスプロファイル(22)を生成するように形成されており、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のマイクロレンズ(5、5a、5b)は、前記ビーム伝播方向(z)に対し垂直な2つの直線的に独立した方向(x、y)において整列されており、特に前記アパーチャa及び前記実効焦点距離fML,iは、両方の直線的に独立した方向(x、y)において同一である、
    請求項1から15までのいずれか一項に記載の光学装置(1)。
  17. 請求項1から16までのいずれか一項に記載の光学装置(1)を動作させるための方法において、
    位置調整機構(15)により、時間的に相前後してそれぞれ異なる位置調整ポジションiを探索し、前記位置調整ポジションiにおいて、レーザビーム(3)によりそれぞれ異なるマルチフォーカスプロファイル(20)を生成し、前記マルチフォーカスプロファイル(20)は、マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のマイクロレンズ(5、5a、5b)が整列されている方向(x、y)において、それぞれ異なる焦点数Nを有する、
    ことを特徴とする方法。
  18. 前記位置調整機構(15)により、Nが奇数である位置調整ポジションiも探索する、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記位置調整機構(15)により、Nが偶数である位置調整ポジションiも探索し、前記マルチフォーカスプロファイル(20)の生成の間に、前記位置調整ポジションiにおいてビーム路(4)に移相器(90)を配置し、前記移相器(90)により、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)の隣り合うマイクロレンズ(5、5a、5b)のビーム束間に位相オフセットn*πをもたらし、ここで、nは、奇数の自然数である、
    請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記位置調整機構(15)により、Nが偶数である位置調整ポジションiも探索し、前記ビーム路(4)において、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)の前方にビーム成形レンズ(120)を配置し、特に前記ビーム成形レンズ(120)の焦点距離fSLを、
    Figure 2021530740
    により選択する、
    請求項17から19までのいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記位置調整機構(15)により、Nが偶数である位置調整ポジションiも探索し、その際に前記位置調整機構(15)により、ビーム伝播方向(z)と交差する少なくとも1つの方向(x、y)に関して、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうち少なくとも1つのマイクロレンズアレイの、前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)のうち少なくとも1つの他のマイクロレンズアレイに対する横方向オフセットΔを有する横方向位置調整ポジションを設定し、ただし、Δ≠0であり、特に前記ビーム路において、2つのマイクロレンズアレイ(MLA1、MLA2)だけが光学的間隔dをおいて配置されており、ここで、
    Figure 2021530740
    である、
    請求項17から20までのいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記マルチフォーカスプロファイル(20)を生成するために、超短レーザパルスを有する、特に500fs又はそれよりも短い期間を有する、好ましくは100fs又はそれよりも短い期間を有する、パルス化され少なくとも実質的にコリメートされたレーザビーム(3)を使用し、
    前記ビーム路(4)において前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の前方に波長分散素子(100)を配置し、前記波長分散素子(100)は、少なくとも実質的にコリメートされた前記レーザビーム(3)を、前記ビーム伝播方向(z)と交差する方向(x)でスペクトル的に拡開し、
    前記ビーム伝播方向(z)と交差する前記方向(x)で可変の焦点距離(fFL)を有するフーリエレンズ装置(6)を、前記ビーム路(4)において前記マイクロレンズアレイ(MLA1〜MLA4)全体(8)の後方で使用する、
    請求項17から21までのいずれか一項に記載の方法。
  23. 請求項1から16までのいずれか一項に記載の光学装置(1)又は請求項17から22までのいずれか一項に記載の方法の、物体(110)の積層造形のための使用であって、
    少なくとも1つのマルチフォーカスプロファイル(20)によって、特にマルチフォーカスラインプロファイル(21;21a、21b)によって、粉体状材料から成る層が平坦に溶融され又は平坦に焼結される、
    物体(110)の積層造形のための使用。
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