JP2016124022A - レーザ加工ヘッド及びレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工ヘッド及びレーザ加工装置 Download PDF

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正樹 渡邉
Masaki Watanabe
正樹 渡邉
内山 貴之
Takayuki Uchiyama
貴之 内山
治正 吉田
Harumasa Yoshida
治正 吉田
剛徳 森田
Takenori Morita
剛徳 森田
前田 純也
Junya Maeda
純也 前田
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Abstract

【課題】レーザ光のフォーカス位置及びその近傍のデフォーカス位置において、複数のレーザ光による入熱分布の均一化を図り得るレーザ加工ヘッド、及びレーザ加工装置を提供する。【解決手段】第1光学系3では、複数のレーザ光LaをY軸方向で複数の第1レーザ光群に分けた場合に、複数の第1レーザ光群間でレーザ光Laの光軸の位置がZ軸方向にずれた状態とされる。第2光学系4では、複数のレーザ光Laを複数の第1レーザ光群に対応する複数の第2レーザ光群に分けた場合に、複数の第2レーザ光群が互いに重なった状態とされ、且つ、互いに重なった複数の第2レーザ光群間でレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向にずれた状態とされる。第3光学系5では、複数のレーザ光LaをZ軸方向で複数の第3レーザ光群に分けた場合に、複数の第3レーザ光群間でレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向にずれた状態とされる。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ加工ヘッド及びレーザ加工装置に関する。
従来のレーザ加工ヘッドとして、1次元に配列された複数の発光部の配列方向に垂直な方向にスタックされた複数の半導体レーザアレイを有する光源と、光源から出射された複数のレーザ光を集光する集光光学系と、を備えるものが知られている。特許文献1には、このようなレーザ加工ヘッドに使用されるレーザ加工方法として、次のようなものが記載されている。すなわち、複数の半導体レーザアレイをスタック方向において中央及び両側のグループに分け、中央のグループの半導体レーザアレイから出射されるレーザ光の強度を、両側のグループの半導体レーザアレイから出射されるレーザ光の強度よりも小さくすることで、複数のレーザ光による入熱分布(加工対象物の加工部位に対する入熱分布)の均一化を図るレーザ加工方法である。
国際公開第2002/009904号
上述したようなレーザ加工方法では、レーザ光のフォーカス位置を加工部位に合わせて加工対象物にレーザ光を照射するのが一般的である。しかしながら、加工対象物の3次元的な形状変化等に起因してレーザ光のフォーカス位置が加工部位から僅かにずれると、複数のレーザ光による入熱分布の均一化が妨げられる場合があった。
本発明は、レーザ光のフォーカス位置及びその近傍のデフォーカス位置において、複数のレーザ光による入熱分布の均一化を図ることができるレーザ加工ヘッド、及びそのようなレーザ加工ヘッドを備えるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工ヘッドは、互いに垂直な第1方向及び第2方向に沿って2次元に配列された複数の光出射部が設けられ、第1方向及び第2方向に垂直な第3方向に沿って複数の光出射部から複数のレーザ光を出射する光源と、光源から出射された複数のレーザ光を通過させる第1光学系と、第1光学系を通過した複数のレーザ光を通過させる第2光学系と、第2光学系を通過した複数のレーザ光を通過させる第3光学系と、第3光学系を通過した複数のレーザ光を集光する集光光学系と、を備え、第1光学系は、第2光学系に入射する複数のレーザ光を第1方向において複数の第1レーザ光群に分けた場合に、複数の第1レーザ光群間においてレーザ光の光軸の位置が第2方向にずれた状態となるように、複数のレーザ光を通過させ、第2光学系は、第3光学系に入射する複数のレーザ光を複数の第1レーザ光群に対応する複数の第2レーザ光群に分けた場合に、複数の第2レーザ光群が互いに重なった状態となり、且つ互いに重なった複数の第2レーザ光群間においてレーザ光の光軸の位置が第1方向にずれた状態となるように、複数のレーザ光を通過させ、第3光学系は、集光光学系に入射する複数のレーザ光を第2方向において複数の第3レーザ光群に分けた場合に、複数の第3レーザ光群間においてレーザ光の光軸の位置が第1方向にずれた状態となるように、複数のレーザ光を通過させる。
上記レーザ加工ヘッドでは、複数のレーザ光が第1光学系を通過することで、第2光学系に入射する複数のレーザ光の光軸の位置が、第1方向において分けられた複数の第1レーザ光群間において第2方向にずれた状態となる。更に、複数のレーザ光が第2光学系を通過することで、複数の第1レーザ光群に対応する複数の第2レーザ光群が互いに重なった状態となり、且つ、第3光学系に入射する複数のレーザ光の光軸の位置が、互いに重なった複数の第2レーザ光群間において第1方向にずれた状態となる。これにより、レーザ光のフォーカス位置において、複数のレーザ光による光強度分布の均一化が図られる。加えて、複数のレーザ光が第3光学系を通過することで、集光光学系に入射する複数のレーザ光の光軸の位置が、第2方向において分けられた複数の第3レーザ光群間において第1方向にずれた状態となる。これにより、フォーカス位置の近傍のデフォーカス位置において、複数のレーザ光の重畳による強め合いが抑制され、複数のレーザ光による光強度分布の均一化が図られる。また、レーザ光のフォーカス位置においても、複数のレーザ光による光強度分布の更なる均一化が図られる。以上により、上記レーザ加工ヘッドによれば、レーザ光のフォーカス位置及びその近傍のデフォーカス位置において、複数のレーザ光による入熱分布の均一化を図ることができる。
本発明のレーザ加工ヘッドでは、光源は、第1方向に沿って1次元に配列された複数の発光部が形成され、第2方向にスタックされた複数の半導体レーザアレイと、複数の半導体レーザアレイのそれぞれに設けられ、第3方向に沿って複数の発光部から出射された複数のレーザ光をコリメートする複数のコリメートレンズと、を有し、光出射部は、少なくとも発光部及びコリメートレンズによって構成されていてもよい。半導体レーザアレイにおいては、複数の発光部が高精度なピッチで第1方向に沿って1次元に配列されているため、特に、第2光学系によるレーザ光の光軸の位置調整(すなわち、第1方向へのレーザ光の光軸の位置調整)を高精度に実施することができる。
本発明のレーザ加工ヘッドでは、第1光学系は、第3方向と交差し且つ互いに平行な第1光入射面及び第1光出射面を含み且つ第1方向に沿って配置された複数の第1光透過部材を有し、複数の第1光透過部材は、第1光入射面及び第1光出射面が第1方向に平行な軸回りに所定角度回転した状態にある第1光透過部材を少なくとも1つ含み、第2光学系は、第3方向と交差し且つ互いに平行な第2光入射面及び第2光出射面を含み且つ第2方向に沿って配置された複数の第2光透過部材を有し、複数の第2光透過部材は、第2光入射面及び第2光出射面が第2方向に平行な軸回りに所定角度回転した状態にある第2光透過部材を少なくとも1つ含み、第3光学系は、第3方向と交差し且つ互いに平行な第3光入射面及び第3光出射面を含み且つ第2方向に沿って配置された複数の第3光透過部材を有し、複数の第3光透過部材は、第3光入射面及び第3光出射面が第2方向に平行な軸回りに所定角度回転した状態にある第3光透過部材を少なくとも1つ含んでもよい。第1光学系、第2光学系及び第3光学系に、それぞれ、複数の第1光透過部材、複数の第2光透過部材及び複数の第3光透過部材を採用することで、レーザ光による発熱、発熱に起因するレーザ光の品質の低下、レーザ光のエネルギー損失を抑制しつつ、レーザ加工ヘッドの構成の単純化、レーザ加工ヘッドの小型化を図ることができる。
本発明のレーザ加工ヘッドでは、複数の第1レーザ光群の数は、3〜5であり、複数の第2光透過部材の数は、複数の第1レーザ光群の数及び第1方向に沿った光出射部の配列の列数に応じた数であり、複数の第3レーザ光群の数は、3〜5であってもよい。これによれば、レーザ加工ヘッドの構成の単純化、レーザ加工ヘッドの小型化を図りつつ、レーザ光のフォーカス位置及びその近傍のデフォーカス位置において、例えば金属材料に対する焼き入れ加工には十分な入熱分布の均一化を図ることができる。
本発明のレーザ加工装置は、上記レーザ加工ヘッドと、レーザ加工ヘッドを保持する保持部と、加工対象物を支持する支持部と、保持部及び支持部の少なくとも1つを動作させる制御部と、を備える。
上記レーザ加工装置では、レーザ光のフォーカス位置において、複数のレーザ光による入熱分布の均一化が図られているため、フォーカス位置を加工対象物の加工部位に合わせることで、加工部位に対する入熱分布の均一化を図ることができる。更に、フォーカス位置の近傍のデフォーカス位置においても、複数のレーザ光による入熱分布の均一化が図られているため、加工対象物の3次元的な形状変化等に起因してレーザ光のフォーカス位置が加工部位から僅かにずれたとしても、加工部位に対する入熱分布の均一性が維持される。
本発明によれば、レーザ光のフォーカス位置及びその近傍のデフォーカス位置において、複数のレーザ光による入熱分布の均一化を図ることができるレーザ加工ヘッド、及びそのようなレーザ加工ヘッドを備えるレーザ加工装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態のレーザ加工装置の構成図である。 図1のレーザ加工ヘッドの側面図である。 図1のレーザ加工ヘッドの平面図である。 第1光学系及び第2光学系のそれぞれに入射する複数のレーザ光をX軸方向から見た図である。 第3光学系及び集光光学系のそれぞれに入射する複数のレーザ光をX軸方向から見た図である。 フォーカス位置及びその近傍において複数のレーザ光をZ軸方向から見た図である。 フォーカス位置及びその近傍において複数のレーザ光による光強度分布(Z軸方向に積算した際のY軸方向の光強度分布)を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、レーザ加工装置100は、レーザ加工ヘッド1と、保持ロボット(保持部)101と、支持ステージ(支持部)102と、電源103と、冷却機104と、制御部105と、を備えている。レーザ加工ヘッド1は、ワーク(加工対象物)Wを加工するために、ワークWにレーザ光Lを照射する。保持ロボット101は、レーザ加工ヘッド1を保持する。支持ステージ102は、ワークWを支持する。電源103は、レーザ加工ヘッド1が備える複数の半導体レーザアレイに電流を供給する。冷却機104は、レーザ加工ヘッド1が備える複数の半導体レーザアレイを冷却するために、冷却水を循環させる。
制御部105は、保持ロボット101を動作させる。例えば、金属材料からなるワークWに対して焼き入れ加工を施す場合、制御部105は、レーザ光Lのフォーカス位置がワークWの表面に沿って移動するように、保持ロボット101を動作させる。このような保持ロボット101の制御は、例えば、レーザ加工ヘッド1に取り付けられた距離センサからの出力に基づいて実施される。なお、制御部105は、保持ロボット101だけでなく、レーザ加工装置100の各部を制御する。
図2及び図3に示されるように、レーザ加工ヘッド1は、光源2と、第1光学系3と、第2光学系4と、第3光学系5と、集光光学系6と、筐体7と、を備えている。光源2、第1光学系3、第2光学系4、第3光学系5及び集光光学系6は、この順序でX軸方向(第3方向)に沿って筐体7内に配列されており、直接集光型半導体レーザ(DDL)を構成している。
光源2は、複数の半導体レーザアレイ21と、複数のコリメートレンズ22と、複数のヒートシンク23と、を有している。複数(例えば、30個)の半導体レーザアレイ21は、例えば数mmの等間隔で、Z軸方向にスタックされている。1つの半導体レーザアレイ21には、複数(例えば、30個)の発光部21aが形成されている。1つの半導体レーザアレイ21において、複数の発光部21aは、例えば数百μmの等間隔で、Y軸方向(第1方向)に沿って1次元に配列されている。発光部21aは、Y方向をスロー方向とし且つZ軸方向(第2方向)をファースト方向とする半導体レーザ素子であり、X軸方向に沿ってレーザ光Laを出射する。なお、上述したレーザ光Lは、光源2から出射された複数のレーザ光Laの集合である。
各コリメートレンズ22は、各半導体レーザアレイ21の光出射側に配置されている。コリメートレンズ22は、半導体レーザアレイ21の複数の発光部21aからX軸方向に沿って出射された複数のレーザ光Laをコリメートする。より具体的には、コリメートレンズ22は、Z軸方向(すなわち、ファースト方向)へのレーザ光Laの広がりをコリメートする。各ヒートシンク23は、各半導体レーザアレイ21と熱的に接続されている。ヒートシンク23には、冷却機104によって冷却水が循環させられる。これにより、ヒートシンク23は、半導体レーザアレイ21を冷却する。
光源2においては、1つの発光部21a、及びその光出射側に配置されたコリメートレンズ22によって、1つの光出射部24が構成されている。つまり、光源2には、互いに垂直なY軸方向及びZ軸方向に沿って2次元に(すなわち、マトリックス状に)配列された複数の光出射部24が設けられている。光源2は、Y軸方向及びZ軸方向に垂直なX軸方向に沿って複数の光出射部24から複数のレーザ光Laを出射する。これにより、第1光学系3に入射する複数のレーザ光Laの光軸の位置は、図4の(a)に示されるように、互いに垂直なY軸方向及びZ軸方向に沿って2次元に(すなわち、マトリックス状に)配列された状態となる。
図2及び図3に示されるように、第1光学系3は、光源2から出射された複数のレーザ光Laを通過させる。第1光学系3は、3つの第1光透過部材31を有している。第1光透過部材31は、X軸方向と交差し且つ互いに平行な第1光入射面31a及び第1光出射面31bを含む板状のプリズムである。3つの第1光透過部材31は、Y軸方向に沿って配置されており、Y軸方向に平行な軸Y1上において並設されている。
より具体的には、中央の第1光透過部材31は、第1光入射面31a及び第1光出射面31bがX軸方向に平行な軸X1と直交した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。一方の側の第1光透過部材31は、第1光入射面31a及び第1光出射面31bが軸X1に垂直な平面に対して軸Y1回りの一方の側に傾斜した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。他方の側の第1光透過部材31は、第1光入射面31a及び第1光出射面31bが軸X1に垂直な平面に対して軸Y1回りの他方の側に傾斜した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。つまり、一方の側及び他方の側の第1光透過部材31は、第1光入射面31a及び第1光出射面31bが軸Y1回りに所定角度回転した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。
図4の(b)に示されるように、第1光学系3は、第2光学系4に入射する複数のレーザ光LaをY軸方向において3つの第1レーザ光群G1a,G1b,G1cに分けた場合に、3つの第1レーザ光群G1a,G1b,G1c間においてレーザ光Laの光軸の位置がZ軸方向に第1所定量だけ互いに(相対的に)ずれた状態となるように、複数のレーザ光Laを通過させる。より具体的には、中央の第1レーザ光群G1aは、中央の第1光透過部材31を透過した複数のレーザ光Laの集合である。一方の側の第1レーザ光群G1bは、一方の側の第1光透過部材31を透過した複数のレーザ光Laの集合である。他方の側の第1レーザ光群G1cは、他方の側の第1光透過部材31を透過した複数のレーザ光Laの集合である。
一方の側(図4の(b)中、左側)の第1レーザ光群G1bにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置は、中央の第1レーザ光群G1aにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置に対して、Z軸方向における一方の側(図4の(b)中、上側)に第1所定量ずらされた状態となる。他方の側(図4の(b)中、右側)の第1レーザ光群G1cにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置は、中央の第1レーザ光群G1aにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置に対して、Z軸方向における他方の側(図4の(b)中、下側)に第1所定量ずらされた状態となる。ここで、第1所定量とは、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1c間においてレーザ光Laの光軸に垂直なレーザ光Laの断面形状がY軸方向において重ならない程度のずれ量である。例えば、第1所定量は、Z軸方向において隣り合う光出射部24間の距離を複数の第1光透過部材31の数で除した値である。
図2及び図3に示されるように、第2光学系4は、第1光学系3を通過した複数のレーザ光Laを通過させる。第2光学系4は、複数の第2光透過部材41を有している。複数の第2光透過部材41の数は、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1cの数及びY軸方向に沿った光出射部24の配列の列数(複数の半導体レーザアレイ21の数)に応じた数である。一例として、複数の第2光透過部材41の数は、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1cの数とY軸方向に沿った光出射部24の配列の列数とを乗じた数である。すなわち、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1cの数が3であり、Y軸方向に沿った光出射部24の配列の列数が30である場合、複数の第2光透過部材41の数は90である。第2光透過部材41は、X軸方向と交差し且つ互いに平行な第2光入射面41a及び第2光出射面41bを含む板状のプリズムである。複数の第2光透過部材41は、Z軸方向に沿って配置されており、Z軸方向に平行な軸Z1上において並設されている。
より具体的には、1つの半導体レーザアレイ21に、3つの第2光透過部材41からなる1つの第2光透過部材群42が対応している。各第2光透過部材群42においては、3つの第2光透過部材41が次のような状態で筐体7によって保持されている。すなわち、中央の第2光透過部材41は、第2光入射面41a及び第2光出射面41bがX軸方向に平行な軸X1と直交した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。一方の側の第2光透過部材41は、第2光入射面41a及び第2光出射面41bが軸X1に垂直な平面に対して軸Z1回りの一方の側に傾斜した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。他方の側の第2光透過部材41は、第2光入射面41a及び第2光出射面41bが軸X1に垂直な平面に対して軸Z1回りの他方の側に傾斜した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。つまり、一方の側及び他方の側の第2光透過部材41は、第2光入射面41a及び第2光出射面41bが軸Z1回りに所定角度回転した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。
図5の(a)に示されるように、第2光学系4は、第3光学系5に入射する複数のレーザ光Laを3つの第1レーザ光群G1a,G1b,G1cに対応する3つの第2レーザ光群G2a,G2b,G2cに分けた場合に、3つの第2レーザ光群G2a,G2b,G2cが互いに重なった状態となり、且つ互いに重なった3つの第2レーザ光群G2a,G2b,G2c間においてレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向に第2所定量だけ互いに(相対的に)ずれた状態となるように、複数のレーザ光Laを通過させる。より具体的には、第1レーザ光群G1aに対応する第2レーザ光群G2aは、各第2光透過部材群42における中央の第2光透過部材41を透過した複数のレーザ光Laの集合である。第1レーザ光群G1bに対応する第2レーザ光群G2bは、各第2光透過部材群42における一方の側の第2光透過部材41を透過した複数のレーザ光Laの集合である。第1レーザ光群G1cに対応する第2レーザ光群G2cは、各第2光透過部材群42における他方の側の第2光透過部材41を透過した複数のレーザ光Laの集合である。つまり、第2光学系4は、図4の(b)において、第1レーザ光群G1bが第1レーザ光群G1aに重なり、第1レーザ光群G1cが第1レーザ光群G1aに重なるように、複数のレーザ光Laを通過させる。
第2レーザ光群G2bにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置は、第2レーザ光群G2aにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置に対して、Y軸方向における一方の側(図5の(a)中、左側)に第2所定量ずらされた状態となる。第2レーザ光群G2cにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置は、第2レーザ光群G2aにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置に対して、Y軸方向における他方の側(図5の(a)中、右側)に第2所定量ずらされた状態となる。ここで、第2所定量とは、複数のレーザ光Laの光強度をZ軸方向に積算した際のY軸方向の光強度分布が略均一となる程度のずれ量である。例えば、第2所定量は、レーザ光Laの光軸に垂直なレーザ光Laの断面形状におけるY軸方向の幅の半分の値である。
図2及び図3に示されるように、第3光学系5は、第2光学系4を通過した複数のレーザ光Laを通過させる。第3光学系5は、3つの第3光透過部材51を有している。第3光透過部材51は、X軸方向と交差し且つ互いに平行な第3光入射面51a及び第3光出射面51bを含む板状のプリズムである。3つの第3光透過部材51は、Y軸方向に沿って配置されており、Z軸方向に平行な軸Z2上において並設されている。
より具体的には、中央の第3光透過部材51は、第3光入射面51a及び第3光出射面51bがX軸方向に平行な軸X1と直交した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。一方の側の第3光透過部材51は、第3光入射面51a及び第3光出射面51bが軸X1に垂直な平面に対して軸Z2回りの一方の側に傾斜した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。他方の側の第3光透過部材51は、第3光入射面51a及び第3光出射面51bが軸X1に垂直な平面に対して軸Z2回りの他方の側に傾斜した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。つまり、一方の側及び他方の側の第3光透過部材51は、第3光入射面51a及び第3光出射面51bが軸Z2回りに所定角度回転した状態で、筐体7によって機械的に保持されている。
図5の(b)に示されるように、第3光学系5は、集光光学系6に入射する複数のレーザ光LaをZ軸方向において3つの第3レーザ光群G3a,G3b,G3cに分けた場合に、3つの第3レーザ光群G3a,G3b,G3c間においてレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向に第3所定量だけ互いに(相対的に)ずれた状態となるように、複数のレーザ光Laを通過させる。より具体的には、中央の第3レーザ光群G3aは、中央の第3光透過部材51を透過した複数のレーザ光Laの集合である。一方の側の第3レーザ光群G3bは、一方の側の第3光透過部材51を透過した複数のレーザ光Laの集合である。他方の側の第3レーザ光群G3cは、他方の側の第3光透過部材51を透過した複数のレーザ光Laの集合である。
一方の側(図5の(b)中、上側)の第3レーザ光群G3bにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置は、中央の第3レーザ光群G3aにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置に対して、Y軸方向における一方の側(図5の(b)中、左側)に第3所定量ずらされた状態となる。他方の側(図5の(b)中、下側)の第3レーザ光群G3cにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置は、中央の第3レーザ光群G3aにおける複数のレーザ光Laの光軸の位置に対して、Y軸方向における他方の側(図5の(b)中、右側)に第3所定量ずらされた状態となる。なお、レーザ光Laの光軸に垂直なレーザ光Laの断面形状は、レーザ光Laの広がりの影響によって、実際には、ぼやける(はっきりと見えない)場合がある。
ここで、第3所定量は、次のように設定される。レーザ加工ヘッド1において第3光学系が存在しない場合(すなわち、光源2、第1光学系3、第2光学系4及び集光光学系6によってレーザ加工ヘッド1が構成された場合)、図6の(a)に示されるように、レーザ光Lの進行方向におけるフォーカス位置Fの上流側及び下流側のデフォーカス位置DFで、複数のレーザ光Laが重畳によって強め合う現象が生じる。各デフォーカス位置DFは、例えば、フォーカス位置Fから1mm以内の位置である。そこで、図6の(b)に示されるように、各デフォーカス位置DFにおいて、複数のレーザ光Laの重畳による強め合いが抑制されるように、第3所定量が設定される。なお、第2光学系4と第3光学系5との距離は、フォーカス位置Fとデフォーカス位置DFとの距離に相関する。
図2及び図3に示されるように、集光光学系6は、第3光学系5を通過した複数のレーザ光Laを集光する。集光光学系6は、コリメートレンズ61と、集光レンズ62と、を有している。コリメートレンズ61は、Y軸方向へのレーザ光Laの広がりをコリメートする。集光レンズ62は、コリメートレンズ61によってコリメートされた複数のレーザ光Laを集光する。
以上、説明したように、レーザ加工ヘッド1では、複数のレーザ光Laが第1光学系3を通過することで、第2光学系4に入射する複数のレーザ光Laの光軸の位置が、Y軸方向において分けられた複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1c間においてZ軸方向にずれた状態となる。更に、複数のレーザ光Laが第2光学系4を通過することで、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1cに対応する複数の第2レーザ光群G2a,G2b,G2cが互いに重なった状態となり、且つ、第3光学系5に入射する複数のレーザ光Laの光軸の位置が、互いに重なった複数の第2レーザ光群G2a,G2b,G2c間においてY軸方向にずれた状態となる。これにより、レーザ光Lのフォーカス位置Fにおいて、複数のレーザ光Laによる光強度分布の均一化が図られる(すなわち、複数のレーザ光Laの集光分布の均一化が図られる)。加えて、複数のレーザ光Laが第3光学系5を通過することで、集光光学系6に入射する複数のレーザ光Laの光軸の位置が、Z軸方向において分けられた複数の第3レーザ光群G3a,G3b,G3c間においてY軸方向にずれた状態となる。これにより、フォーカス位置Fの近傍のデフォーカス位置DFにおいて、複数のレーザ光Laの重畳による強め合いが抑制され、複数のレーザ光Laによる光強度分布の均一化が図られる。また、レーザ光Lのフォーカス位置Fにおいても、複数のレーザ光Laによる光強度分布の更なる均一化が図られる。以上により、レーザ加工ヘッド1によれば、レーザ光Lのフォーカス位置F及びその近傍のデフォーカス位置DFにおいて、複数のレーザ光Laによる入熱分布の均一化を図ることができる。
なお、仮に、レーザ加工ヘッド1において、第2光学系4の位置と第3光学系5の位置とが入れ替えられると、広がりが大きい状態でレーザ光Lが第2光学系4に入射することになる。そのため、第2光学系4を構成する複数の第2光透過部材41を大型化する必要性が生じ、結果として、レーザ加工ヘッド1の小型化が妨げられる。これに対し、レーザ加工ヘッド1では、第1光学系3、第2光学系4及び第3光学系5が、この順序でX軸方向に沿って配列されているので、広がりが小さい状態でレーザ光Lが第2光学系4に入射することになる。そのため、第2光学系4を構成する複数の第2光透過部材41を大型化する必要性が生じず、結果として、レーザ加工ヘッド1の小型化を図ることができる。なお、第3光学系5は、複数のレーザ光Laの光軸の位置をY軸方向にずれた状態とするものであるため、広がりが大きい状態でレーザ光Lが第3光学系5に入射しても、レーザ加工ヘッド1の大型化には繋がり難い。このように、第1光学系3、第2光学系4及び第3光学系5が、この順序でX軸方向に沿って配列されていることは、レーザ加工ヘッド1の小型化を図る上で、極めて重要である。
また、レーザ加工ヘッド1では、光源2に、Z軸方向にスタックされた複数の半導体レーザアレイ21が採用されている。半導体レーザアレイ21においては、複数の発光部21aが高精度なピッチでY軸方向に沿って1次元に配列されているため、特に、第2光学系4によるレーザ光Laの光軸の位置調整(すなわち、Y軸方向へのレーザ光Laの光軸の位置調整)を高精度に実施することができる。
また、レーザ加工ヘッド1では、第1光学系3、第2光学系4及び第3光学系5に、それぞれ、複数の第1光透過部材31、複数の第2光透過部材41及び複数の第3光透過部材51が採用されている。これにより、レーザ光Lによる発熱、発熱に起因するレーザ光Lの品質の低下、レーザ光Lのエネルギー損失を抑制しつつ、レーザ加工ヘッド1の構成の単純化、レーザ加工ヘッド1の小型化を図ることができる。
特に、レーザ加工ヘッド1では、複数の第1光透過部材31、複数の第2光透過部材41及び複数の第3光透過部材51が、これらを収容する筐体7によって機械的に保持されている。これにより、複数の第1光透過部材31、複数の第2光透過部材41及び複数の第3光透過部材51において、レーザ光Lが透過する領域から離れた部分が、筐体7によって機械的に保持されることになる。そのため、例えば、レーザ光が当たる部分が保持されるライトパイプに比べ、レーザ光Lのエネルギー損失を抑制することができる。しかも、筐体7による保持が機械的な保持であって、筐体7による保持に接着剤が用いられないため、接着剤でレーザ光Lが吸収されるようなこともない。
また、レーザ加工ヘッド1では、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1cの数は、3〜5であり、複数の第2光透過部材41の数は、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1cの数及びY軸方向に沿った光出射部24の配列の列数に応じた数であり、複数の第3レーザ光群G3a,G3b,G3cの数は、3〜5である。これにより、レーザ加工ヘッド1の構成の単純化、レーザ加工ヘッド1の小型化を図りつつ、レーザ光Lのフォーカス位置F及びその近傍のデフォーカス位置DFにおいて、例えば金属材料に対する焼き入れ加工には十分な入熱分布の均一化を図ることができる。
また、レーザ加工装置100では、レーザ光Lのフォーカス位置Fにおいて、複数のレーザ光Laによる入熱分布の均一化が図られているため、フォーカス位置FをワークWの加工部位に合わせることで、加工部位に対する入熱分布の均一化を図ることができる。更に、フォーカス位置Fの近傍のデフォーカス位置DFにおいても、複数のレーザ光Laによる入熱分布の均一化が図られているため、ワークWの3次元的な形状変化等に起因してレーザ光Lのフォーカス位置Fが加工部位から僅かに(例えば、1mm以内の範囲で)ずれたとしても、加工部位に対する入熱分布の均一性が維持される。
次に、レーザ加工ヘッド1の実施例及び比較例について説明する。図7の(a)は、第1光学系3、及び第2光学系4に相当する光学系を備え、第3光学系5を備えないレーザ加工ヘッド(比較例1)についての「複数のレーザ光Laによる光強度分布(Z軸方向に積算した際のY軸方向の光強度分布)」のシミュレーション結果を示す図である。比較例1においては、第2光学系4に相当する光学系として、3つの第2レーザ光群G2a,G2b,G2cが互いに重なった状態となり、且つ互いに重なった3つ第2レーザ光群G2a,G2b,G2c間においてレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向にずれていない状態となるように、複数のレーザ光Laを通過させる光学系を用いた。図7の(b)は、第1光学系3及び第2光学系4を備え、第3光学系5を備えないレーザ加工ヘッド(比較例2)についての「複数のレーザ光Laによる光強度分布(Z軸方向に積算した際のY軸方向の光強度分布)」のシミュレーション結果を示す図である。図7の(c)は、第1光学系3、第2光学系4及び第3光学系5を備えるレーザ加工ヘッド(実施例1)についての「複数のレーザ光Laによる光強度分布(Z軸方向に積算した際のY軸方向の光強度分布)」のシミュレーション結果を示す図である。
図7の(a),(b)及び(c)のそれぞれに示された5つのグラフにおいて、縦軸は、複数のレーザ光Laによる光強度(Z軸方向に積算した際の光強度)を示し、横軸は、Y軸方向の位置を示す。当該5つのグラフのうち、「F」と表示されたグラフは、フォーカス位置Fにおける「複数のレーザ光Laによる光強度分布」を示す。「+DF1」と表示されたグラフは、レーザ光Lの進行方向におけるフォーカス位置Fの下流側に向かってフォーカス位置Fから0.5mm離れたデフォーカス位置DFにおける「複数のレーザ光Laによる光強度分布」を示す。「−DF1」と表示されたグラフは、レーザ光Lの進行方向におけるフォーカス位置Fの上流側に向かってフォーカス位置Fから0.5mm離れたデフォーカス位置DFにおける「複数のレーザ光Laによる光強度分布」を示す。「+DF2」と表示されたグラフは、レーザ光Lの進行方向におけるフォーカス位置Fの下流側に向かってフォーカス位置Fから1mm離れたデフォーカス位置DFにおける「複数のレーザ光Laによる光強度分布」を示す。「−DF2」と表示されたグラフは、レーザ光Lの進行方向におけるフォーカス位置Fの上流側に向かってフォーカス位置Fから1mm離れたデフォーカス位置DFにおける「複数のレーザ光Laによる光強度分布」を示す。
図7の(a)及び(b)に示されるように、比較例2では、比較例1に比べ、フォーカス位置Fにおいて、複数のレーザ光Laによる光強度分布の均一化が図られた。しかし、各デフォーカス位置DFでは、複数のレーザ光Laによる光強度分布の均一化が不十分であった。図7の(b)及び(c)に示されるように、実施例1では、比較例2に比べ、特に、各デフォーカス位置DFにおいて、複数のレーザ光Laによる光強度分布の均一化が図られた。また、実施例1では、比較例2に比べ、フォーカス位置Fにおいても、複数のレーザ光Laによる光強度分布の更なる均一化が図られた。
なお、レーザ光Lのフォーカス位置F及びその近傍のデフォーカス位置DFにおいてレーザ加工を実施するのは、次の理由による。複数のレーザ光Laによる光強度分布の均一化を実現するためには、フォーカス位置Fからかなり離れたデフォーカス位置DFにおいてレーザ加工を実施してもよいと考えられる。フォーカス位置Fからかなり離れたデフォーカス位置DFでは、レーザ光Lがぼやけた状態となり、光強度分布の均一性が向上するからである。しかし、フォーカス位置Fからかなり離れたデフォーカス位置DFでは、ビームプロファイルがトップハット形状(矩形状)から崩れ、中心部の光強度が周辺部の光強度よりも強くなる。その結果、レーザ光Lの照射領域の中心部と周辺部とで温度差が強く生じてしまい、均一な温度分布が得ることが難しい。そこで、レーザ光Lのビームプロファイルがトップハット形状(矩形状)となるレーザ光Lのフォーカス位置F及びその近傍のデフォーカス位置DFにおいてレーザ加工を実施するのが有効である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、第1光学系3において、第1光入射面31a及び第1光出射面31bが軸X1と直交した状態で保持された中央の第1光透過部材31は、当該第1光透過部材31を透過する複数のレーザ光Laの光軸の位置を、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態としない。そのため、当該第1光透過部材31は、省略されてもよい。また、第2光学系4において、第2光入射面41a及び第2光出射面41bが軸X1と直交した状態で保持された中央の第2光透過部材41は、当該第2光透過部材41を透過する複数のレーザ光Laの光軸の位置を、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態としない。そのため、当該第2光透過部材41は、省略されてもよい。この場合も、複数の第2光透過部材41の数は、複数の第1レーザ光群の数(すなわち、第2光学系4に入射する複数のレーザ光LaがY軸方向において分けられた複数の第1レーザ光群の数)及びY軸方向に沿った光出射部24の配列の列数に応じた数となる。一例として、複数の第1レーザ光群の数が3であり、Y軸方向に沿った光出射部24の配列の列数が30である場合、複数の第2光透過部材41の数は、「3×30−30(省略される中央の第2光透過部材41の数)」で、60となる。更に、第3光学系5において、第3光入射面51a及び第3光出射面51bがX軸方向に平行な軸X1と直交した状態で保持された中央の第3光透過部材51は、当該第3光透過部材51を透過する複数のレーザ光Laの光軸の位置を、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態としない。そのため、当該第3光透過部材51は、省略されてもよい。
また、第1光学系3では、第1光入射面31a及び第1光出射面31bが軸X1と直交した状態で保持された第1光透過部材31(透過する複数のレーザ光Laの光軸の位置を、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態としない第1光透過部材31)が中央以外の他の位置に配置されてもよい。その場合の第1光学系3では、当該他の位置に配置された第1光透過部材31は、省略されてもよい。第2光学系4の各第2光透過部材群42では、第2光入射面41a及び第2光出射面41bが軸X1と直交した状態で保持された第2光透過部材41(透過する複数のレーザ光Laの光軸の位置を、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態としない第2光透過部材41)が中央以外の他の位置に配置されてもよい。その場合の第2光学系4では、当該他の位置に配置された第2光透過部材41は、省略されてもよい。第3光学系5では、第3光入射面51a及び第3光出射面51bが軸X1と直交した状態で保持された第3光透過部材51(透過する複数のレーザ光Laの光軸の位置を、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態としない第3光透過部材51)が中央以外の他の位置に配置されてもよい。その場合の第3光学系5では、当該他の位置に配置された第3光透過部材51は、省略されてもよい。
また、複数の第1レーザ光群(すなわち、第2光学系4に入射する複数のレーザ光LaがY軸方向において分けられた複数の第1レーザ光群の数)の数は、複数であれば、3つに限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。ただし、複数の第1レーザ光群の数は、3〜5であることが好ましい。複数の第1レーザ光群の数を多くし過ぎると、複数の第2光透過部材41の数(複数の第1レーザ光群の数及びY軸方向に沿った光出射部24の配列の列数に応じた数)が増加し、レーザ加工ヘッド1の大型化、レーザ光Lのエネルギーの損失の増大に繋がるからである。また、複数の第3レーザ光群(すなわち、集光光学系6に入射する複数のレーザ光LaがZ軸方向において分けられた複数の第3レーザ光群の数)の数は、複数であれば、3つに限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。ただし、複数の第3レーザ光群の数は、3〜5であることが好ましい。複数の第3レーザ光群の数が2つである場合に比べ、フォーカス位置Fの近傍のデフォーカス位置DFでの光強度分布の均一性を十分に向上させることができるからである。
また、各第1レーザ光群G1a,G1b,G1cを構成する複数のレーザ光Laの数は、互いに異なっていてもよい。各第2レーザ光群G2a,G2b,G2cを構成する複数のレーザ光Laの数は、互いに異なっていてもよい。各第3レーザ光群G3a,G3b,G3cを構成する複数のレーザ光Laの数は、互いに異なっていてもよい。また、第1レーザ光群G1aに対する第1レーザ光群G1bのずれ量(第1所定量)と、第1レーザ光群G1aに対する第1レーザ光群G1cのずれ量(第1所定量)とは、互いに異なっていてもよい。第2レーザ光群G2aに対する第2レーザ光群G2bのずれ量(第2所定量)と、第2レーザ光群G2aに対する第2レーザ光群G2cのずれ量(第2所定量)とは、互いに異なっていてもよい。第3レーザ光群G3aに対する第3レーザ光群G3bのずれ量(第3所定量)と、第3レーザ光群G3aに対する第3レーザ光群G3cのずれ量(第3所定量)とは、互いに異なっていてもよい。
また、複数の第1レーザ光群G1a,G1b,G1c間においてレーザ光Laの光軸の位置がZ軸方向に互いに(相対的に)ずれた状態となれば、全ての第1レーザ光群G1a,G1b,G1cを構成する複数のレーザ光Laの光軸の位置が、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態とされてもよい。複数の第2レーザ光群G2a,G2b,G2c間においてレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向に互いに(相対的に)ずれた状態となれば、全ての第2レーザ光群G2a,G2b,G2cを構成する複数のレーザ光Laの光軸の位置が、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態とされてもよい。複数の第3レーザ光群G3a,G3b,G3c間においてレーザ光Laの光軸の位置がY軸方向に互いに(相対的に)ずれた状態となれば、全ての第3レーザ光群G3a,G3b,G3cを構成する複数のレーザ光Laの光軸の位置が、元の複数のレーザ光Laの光軸の位置に対してずれた状態とされてもよい。
また、上記実施形態では、第1光学系3、第2光学系4及び第3光学系5に、それぞれ、複数の第1光透過部材31、複数の第2光透過部材41及び複数の第3光透過部材51が採用されていたが、それらに替えて、他の光学素子(例えば、ミラー)が採用されてもよい。また、レーザ加工装置100において、制御部105は、保持ロボット101等の保持部に替えて、支持ステージ102等の支持部を動作させてもよいし、保持ロボット101等の保持部及び支持ステージ102等の支持部の両方を動作させてもよい。また、レーザ加工装置100において実施されるレーザ加工は、金属材料に対する焼き入れに限定されず、他のレーザ加工(例えば、溶接)であってもよい。
1…レーザ加工ヘッド、2…光源、3…第1光学系、4…第2光学系、5…第3光学系、6…集光光学系、21…半導体レーザアレイ、21a…発光部、22…コリメートレンズ、24…光出射部、31…第1光透過部材、31a…第1光入射面、31b…第1光出射面、41…第2光透過部材、41a…第2光入射面、41b…第2光出射面、51…第3光透過部材、51a…第3光入射面、51b…第3光出射面、100…レーザ加工装置、101…保持ロボット(保持部)、102…支持ステージ(支持部)、105…制御部、L,La…レーザ光、G1a,G1b,G1c…第1レーザ光群、G2a,G2b,G2c…第2レーザ光群、G3a,G3b,G3c…第3レーザ光群、W…ワーク(加工対象物)。

Claims (5)

  1. 互いに垂直な第1方向及び第2方向に沿って2次元に配列された複数の光出射部が設けられ、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って前記複数の光出射部から複数のレーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射された前記複数のレーザ光を通過させる第1光学系と、
    前記第1光学系を通過した前記複数のレーザ光を通過させる第2光学系と、
    前記第2光学系を通過した前記複数のレーザ光を通過させる第3光学系と、
    前記第3光学系を通過した前記複数のレーザ光を集光する集光光学系と、を備え、
    前記第1光学系は、前記第2光学系に入射する前記複数のレーザ光を前記第1方向において複数の第1レーザ光群に分けた場合に、前記複数の第1レーザ光群間において前記レーザ光の光軸の位置が前記第2方向にずれた状態となるように、前記複数のレーザ光を通過させ、
    前記第2光学系は、前記第3光学系に入射する前記複数のレーザ光を前記複数の第1レーザ光群に対応する複数の第2レーザ光群に分けた場合に、前記複数の第2レーザ光群が互いに重なった状態となり、且つ互いに重なった前記複数の第2レーザ光群間において前記レーザ光の光軸の位置が前記第1方向にずれた状態となるように、前記複数のレーザ光を通過させ、
    前記第3光学系は、前記集光光学系に入射する前記複数のレーザ光を前記第2方向において複数の第3レーザ光群に分けた場合に、前記複数の第3レーザ光群間において前記レーザ光の光軸の位置が前記第1方向にずれた状態となるように、前記複数のレーザ光を通過させる、レーザ加工ヘッド。
  2. 前記光源は、
    前記第1方向に沿って1次元に配列された複数の発光部が形成され、前記第2方向にスタックされた複数の半導体レーザアレイと、
    前記複数の半導体レーザアレイのそれぞれに設けられ、前記第3方向に沿って前記複数の発光部から出射された複数のレーザ光をコリメートする複数のコリメートレンズと、を有し、
    前記光出射部は、少なくとも前記発光部及び前記コリメートレンズによって構成されている、請求項1記載のレーザ加工ヘッド。
  3. 前記第1光学系は、前記第3方向と交差し且つ互いに平行な第1光入射面及び第1光出射面を含み且つ前記第1方向に沿って配置された複数の第1光透過部材を有し、
    前記複数の第1光透過部材は、前記第1光入射面及び前記第1光出射面が前記第1方向に平行な軸回りに所定角度回転した状態にある前記第1光透過部材を少なくとも1つ含み、
    前記第2光学系は、前記第3方向と交差し且つ互いに平行な第2光入射面及び第2光出射面を含み且つ前記第2方向に沿って配置された複数の第2光透過部材を有し、
    前記複数の第2光透過部材は、前記第2光入射面及び前記第2光出射面が前記第2方向に平行な軸回りに所定角度回転した状態にある前記第2光透過部材を少なくとも1つ含み、
    前記第3光学系は、前記第3方向と交差し且つ互いに平行な第3光入射面及び第3光出射面を含み且つ前記第2方向に沿って配置された複数の第3光透過部材を有し、
    前記複数の第3光透過部材は、前記第3光入射面及び前記第3光出射面が前記第2方向に平行な軸回りに所定角度回転した状態にある前記第3光透過部材を少なくとも1つ含む、請求項1又は2記載のレーザ加工ヘッド。
  4. 前記複数の第1レーザ光群の数は、3〜5であり、
    前記複数の第2光透過部材の数は、前記複数の第1レーザ光群の数及び前記第1方向に沿った前記光出射部の配列の列数に応じた数であり、
    前記複数の第3レーザ光群の数は、3〜5である、請求項3記載のレーザ加工ヘッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載のレーザ加工ヘッドと、
    前記レーザ加工ヘッドを保持する保持部と、
    加工対象物を支持する支持部と、
    前記保持部及び前記支持部の少なくとも1つを動作させる制御部と、を備える、レーザ加工装置。
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