別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語又は連語は、特別に定義されていない限り、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学的判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織と接触して使用することに適し、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応又は他の問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩を指し、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウムの塩又は類似の塩を含む。本発明の化合物に比較的に塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、更にアミノ酸(例えばアルギニン等)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、前記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸等を含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸等の類似の酸を含む。本発明の一部の特定の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒或いは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(−)−及び(+)−エナンチオマー、(R)−及び(S)−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
本発明の化合物は、特定のものが存在してもよい。別途に説明しない限り、用語「互変異性体」又は「互変異性体の形態」とは室温において、異なる官能基の異性体が動的平衡にあり、かつ快速に互いに変換できることを指す。互変異性体は可能であれば(例えば、溶液において)、互変異性体の化学的平衡に達することが可能である。例えば、プロトン互変異性体(protontautomer)(プロトトロピー互変異性体(prototropictautomer)とも呼ばれる)は、プロトンの移動を介する相互変換、例えばケト−エノール異性化やイミン−エナミン異性化を含む。原子価互変異性体(valencetautomer)は、一部の結合電子の再構成による相互変換を含む。中では、ケト−エノール互変異性化の具体的な実例は、ペンタン−2、4−ジオンと4−ヒドロキシ−3−ペンテン−2−オンの二つの互変異性体の間の相互変換である。
別途に説明しない限り、用語「一つの異性体を豊富に含む」、「異性体が豊富に含まれる」、「一つのエナンチオマーを豊富に含む」又は「エナンチオマーが豊富に含まれる」とは、それにおける一つの異性体又はエナンチオマーの含有量が100%未満で、かつ当該異性体又はエナンチオマーの含有量は60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上である。
別途に説明しない限り、用語「異性体の過剰量」又は「エナンチオマーの過剰量」とは、二つの異性体又は二つのエナンチオマーの間の相対百分率の差の値である。例えば、その一方の異性体又はエナンチオマーの含有量が90%で、もう一方の異性体又はエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体又はエナンチオマーの過剰量(ee値)は80%である。
光学活性な(R)−及び(S)−異性体並びにD及びL異性体は、キラル合成又はキラル試薬又は他の通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つのエナンチオマーを得るには、不斉合成又はキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、その中で、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて純粋な所要のエナンチオマーを提供する。或いは、分子に塩基性官能基(例えばアミノ基)又は酸性官能基(例えばカルボキシ基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、更に本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離されたエナンチオマーを得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィー法はキラル固定相を使用し、かつ任意に化学誘導法(例えばアミンからカルバミン酸塩を生成させる)と併用する。本発明の化合物は、当該化合物を構成する一つ又は複数の原子に、非天然の比率の原子同位元素が含まれてもよい。例えば、三重水素(3H)、ヨウ素−125(125I)又はC−14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。また、例えば、水素を重水素で置換して重水素化薬物を形成することができ、重水素と炭素からなる結合は水素と炭素からなる結合よりも強固で、未重水素化薬物と比べ、重水素化薬物は毒性・副作用の低下、薬物の安定性の増加、治療効果の増強、薬物の生物半減期の延長等のメリットがある。本発明の化合物の全ての同位元素の構成の変換は、放射性の有無を問わず、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
「任意の」又は「任意に」とは後記の事項又は状況が現れる可能性があるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合及びその事項又は状況が生じない場合を含むことを意味する。
用語「置換される」とは、特定の原子における任意の一つ又は複数の水素原子が置換基で置換されることで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基がオキソ(即ち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。酸素置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換される」とは、置換されていてもよく、置換されていなくてもよいことを指し、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的実現できれば任意である。
変量(例えばR)のいずれかが化合物の組成又は構造で1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0〜2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせでのみに安定した化合物になる場合のみ許容される。
そのうちの一つの変量が単結合から選択される場合、それが連結している2つの基が直接連結していることを示し、例えばA−L−ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA−Zになる。
一つの置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、例えばA−XにおけるXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。挙げられた連結基に対してその連結方向を明示しない場合、その連結方向は任意で、例えば、
別途に定義しない限り、用語「4〜6員ヘテロシクロアルキル」自身或いは他の用語と合わせたものはそれぞれ4〜6個の環原子からなる飽和環状基を表し、その1、2、3、又は4つの環原子は、独立してO、S、及びNから選択されるヘテロ原子であり、残りは炭素原子であり、ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO及びS(O)p、pは1又は2である)されることができる。それは単環、二環系を含み、ここで、二環はスピロ環、縮合環及び架橋環を含む。また、当該「4〜6員ヘテロシクロアルキル」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルの分子の他の部分との連結位置を占めてもよい。前記4〜6員ヘテロシクロアルキル基には、5〜6員、4員、5員及び6員ヘテロシクロアルキルなどが含まれる。4〜6員ヘテロシクロアルキルの例は、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン−2−イル及びテトラヒドロチエン−3−イル等を含む)、テトラヒドロフリル(テトラヒドロフラン−2−イル等を含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(1−ピペリジル、2−ピペリジル及び3−ピペリジル等を含む)、ピペラジル(1−ピペラジル及び2−ピペラジル等を含む)、モルホリル(3−モルホリル及び4−モルホリル等を含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2−オキサジニル、1,2−チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ホモピペラジル又はホモピペリジニルを含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、用語「5〜6員ヘテロアリール環」と「5〜6員ヘテロアリール」は互換的に使用でき、用語「5〜6員ヘテロアリール」は共役π電子系を持つ5〜6個の環原子からなる単環基を表し、その1、2、3、又は4つの環原子は、独立してO、S及びNのヘテロ原子から選択され、残りは炭素原子である。ここで、窒素原子は任意に四級化され、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化(即ち、NO及びS(O)p、pは1又は2である)されることができる。前記5〜6員ヘテロアリールはヘテロ分子又は炭素原子を介して分子の他の部分との連結される。前記5〜6員ヘテロアリールは、5員及び6員ヘテロアリールを含む。前記5〜6員ヘテロアリールの例は、ピロリル(N−ピロリル、2−ピロリル及び3−ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2−ピラゾリル及び3−ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル及び5−イミダゾリルなどを含む)、オキサゾリル(2−オキサゾリル、4−オキサゾリル及び5−オキサゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H−1、2、3−トリアゾリル、2H−1、2、3−トリアゾリル、1H−1、2、4−トリアゾリル及び4H−1、2、4−トリアゾリルなどを含む)、テトラゾリル、イソオキサゾリル(3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル及び5−イソキサゾリルなどを含む)、チアゾリル(2−チアゾリル、4−チアゾリル及び5−チアゾリルなどを含む)、フラニル(2−フリル及び3−フリルなどを含む)、チエニル(2−チエニル及び3−チエニルなどを含む)、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル及び4−ピリジルなどを含む)、ピラジニル又はピリミジニル(2−ピリミジニル及び4−ピリミジニルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
用語「脱離基」とは別の官能基又は原子で置換反応(例えば求核置換反応)を通じて置換された官能基又は原子を指す。例えば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、塩素、臭素、ヨウ素、例えばメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル基、例えばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基などのアシルオキシ基を含む。
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」又は「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル、アルカノイル(例えば、アセチル、トリクロロアセチル又はトリフルオロアセチル)ようなアシル、t−ブトキシカルボニル(Boc)のようなアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のようなアリールメトキシカルボニル、ベンジル(Bn)、トリフェニルメチル(Tr)、1、1−ビス(4’−メトキシフェニル)メチルのようなアリールメチル、トリメチルシリル(TMS)及びt−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリルなどを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル、エチル及びt−ブチルのようなアルキル、アルカノイル(例えばアセチル)のようなアシル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)及びジフェニルメチル(DPM)のようなアリールメチル、トリメチルシリル(TMS)及びt−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリルなどを含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、それと他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明に使用される溶媒は市販品として入手可能である。本発明は下記略号を使用する:aqは水を表し;HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N、N’、N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを表し;eqは当量、等量を表し;CDIはカルボニルジイミダゾールを表し;DCMはジクロロメタンを表し;PEは石油エーテルを表し;DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを表し;DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを表し;DMSOはジメチルスルホキシドを表し;EtOAcは酢酸エチルを表し;EtOHはエタノールを表し;MeOHはメタノールを表し;CBzはベンジルオキシカルボニルを表し、アミン保護基であり;BOCはt−ブトキシカルボニルを表し、アミン保護基の一種であり;HOAcは酢酸を表し;NaCNBH3はシアノ水素化ホウ素ナトリウムを表し;r.t.は室温を表し;O/Nは一晩を表し;THFはテトラヒドロフランを表し;BoC2Oはジ−tert−ブチルジカルボナートを表し;TFAはトリフルオロ酢酸を表し;DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを表し;SOCl2は塩化チオニルを表し;CS2は二硫化炭素を表し;TsOHはp−トルエンスルホン酸を表し;NFSIはN−フルオロ−N−(ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホンイミドを表し;NCSは1−クロロピロリジン−2,5−ジオンを表し;n−Bu4NFはフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムを表し;iPrOHは2−プロパノールを表し;mpは融点を表し;LDAはリチウムジイソプロピルアミドを表し;LiHMDSはリチウムヘキサメチルジシラジドを表し;Xantphosは4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンを表し;LiAlH4は水素化アルミニウムリチウムを表し;Pd(dba)2はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を表し;mCPBAメタクロロ過安息香酸を表し;Pd(dppf)Cl2は1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを表す。
本発明の化合物は、TrkA酵素に対して有意な阻害効果を有し;より高いヒト血漿タンパク質遊離結合率を有し;より低い薬物−薬物相互作用のリスクを有する;同時に、ヒト、ラットの二つの種において良好な肝ミクロソームの代謝安定性を有する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明を限定するものではない。本明細書は本発明を詳細に説明し、その具体的な実施例も開示し、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、本発明の具体的な実施例に様々な変更及び改善を加えることができることは、当業者には明らかである。
参考例1:中間体L1の合成
工程1:化合物L1−2の調製
氷水浴の条件下で、化合物L1−1(9g、55.53mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させ、ピリジン(10.98g、138.82mmol)を添加し、ゆっくりとトリフルオロメタンスルホン酸無水物(39.17g、138.82mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下し、反応液をゆっくりと25℃に昇温させ、続いて18時間撹拌した。反応液を500mLのジクロロメタンで希釈し、順次に500mLの1Nの塩酸及び500mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、化合物L1−2を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:4.84〜4.68(m、4H)。
工程2:化合物L1−4の調製
氷水浴の条件下で、化合物L1−3(8.7g、45.02mmol)をジクロロメタン(60mL)に溶解させ、トリエチルアミン(13.67g、135.06mmol)を添加し、ゆっくりとメタンスルホニルクロリド(11.35g、99.05mmol)を滴下し、反応液をゆっくりと25℃に昇温させ、続いて3時間攪拌した。反応液に80mLの水を添加し、ジクロロメタン(80mL×2)で抽出し、合わせた有機相を150mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:20〜50%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L1−4を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.38〜7.21(m、5H)、5.12(t、J=4.8Hz、2H)、3.70〜3.55(m、2H)、3.14〜3.08(m、2H)、3.07(s、6H)、2.75(dd、J=4.0、10.8Hz、2H)。
工程3:化合物L1−5の調製
化合物L1−4(15g、42.93mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解させ、アジ化ナトリウム(8.37g、128.78mmol)を添加し、続いて反応液を100℃に昇温させ、16時間撹拌した。冷却させ、反応液に200mLの水を添加し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、合わせた有機相を順次に水(300mL×2)及び飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜2%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L1−5を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.43〜7.28(m、5H)、3.90(t、J=4.4Hz、2H)、3.75〜3.61(m、2H)、3.02(dd、J=6.4、10.0Hz、2H)、2.70〜2.58(m、2H)。
工程4:化合物L1−6の調製
化合物L1−5(7g、28.77mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、水(1.04g、57.55mmol)を添加し、ゆっくりとトリフェニルホスフィン(6.79g、25.90mmol)をバッチに添加し、反応液をガスを放出しなくなるまで25℃で撹拌し、80℃に昇温させ、続いて1時間攪拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物に80mLの4Nの塩酸を添加し、80mLのジクロロメタンで抽出し、水相をアンモニア水でpHを約10に調整させ、ジクロロメタン(80mL×2)で抽出した。合わせた有機相を100mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物L1−6を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.35〜7.24(m、5H)、3.64(q、J=13.2Hz、2H)、3.56(td、J=3.6、6.8Hz、1H)、3.48〜3.40(m、1H)、3.07〜2.90(m、2H)、2.64(dd、J=4.4、10.4Hz、1H)、2.31(dd、J=5.2、9.6Hz、1H)。
工程5:化合物L1−7の製造
化合物L1−6(6.4g、29.46mmol)をジクロロメタン(60mL)に溶解させ、トリエチルアミン(5.96g、58.91mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボナート(7.71g、35.35mmol)を添加し、反応液を25℃で続いて15時間撹拌した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜10%の酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L1-7を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.40〜7.25(m、5H)、4.87(s、1H)、4.07(s、1H)、3.81(s、1H)、3.70〜3.56(m、2H)、3.07(dd、J=6.8、10.4Hz、1H)、2.93〜2.77(m、1H)、2.56〜2.32(m、2H)、1.47(s、9H)。
工程6:化合物L1−8の調製
化合物L1−7(8.8g、27.73mmol)をメタノール(100mL)に溶解させ、パラジウム炭素(0.5g、27.73mmol、純度:10%)を添加し、反応液を20℃、15psiの水素ガスの圧力下で続いて3時間攪拌した。珪藻土で濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物L1−8を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.33〜7.25(m、5H)、5.04(d、J=6.4Hz、1H)、3.70(s、1H)、3.63〜3.54(m、2H)、3.34〜3.23(m、1H)、3.07(t、J=8.4Hz、1H)、2.82(dd、J=7.2、9.6Hz、1H)、2.51〜2.43(m、1H)、2.21〜2.09(m、1H)、1.44(s、9H)。
工程7:化合物L1−9の調製
化合物L1−8(6g、20.59mmol)をエタノール(80mL)に溶解させ、化合物L1−2(8.78g、20.59mmol)及びトリエチルアミン(10mL)を添加し、反応液を90℃に昇温させ、続いて16時間攪拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、得られ粗生成物を300mLの酢酸エチルで希釈し、300mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜20%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L1−9を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.39〜7.29(m、5H)、4.98〜4.86(m、1H)、4.05〜4.01(m、1H)、3.64〜3.53(m、2H)、3.24(q、J=12.0Hz、2H)、3.12〜2.90(m、3H)、2.80〜2.59(m、3H)、2.23〜2.14(m、1H)、1.46(s、9H)。
工程8:化合物L1−10の調製
化合物L1−9(1g、2.40mmol)をジメチルスルホキシド(10mL)に溶解させ、ナトリウムtert−ブトキシド(690.66mg、7.19mmol)を添加し反応液を100℃で続いて16時間撹拌した。冷却させ、反応液に30mLの水を添加し、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。合わせた有機相を80mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜15%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L1-10を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.31〜7.20(m、5H)、6.41(s、2H)、4.69(s、1H)、4.09〜3.89(m、2H)、3.64〜3.50(m、2H)、3.05(dd、J=7.2、9.6Hz、1H)、2.96〜2.85(m、1H)、2.71(dd、J=4.0、10.4Hz、1H)、2.29(s、1H)、1.36(s、9H).MSm/z:378.1[M+H]+。
工程9:化合物L1−11の調整
化合物L1−10(0.35g、649.13μmol)をトルエン(3mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(117.45mg、908.78μmol)を添加し、氷水浴の条件下でa−クロロギ酸−1−クロロエチル(120.65mg、843.87μmol)を滴下し、反応液を90℃に昇温させ、続いて1時間撹拌した。冷却させ、減圧濃縮し、得られた粗生成物にメタノール(3mL)を添加し、20℃で続いて4時間撹拌した。反応液に20mLの水を添加し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、水相を濃縮し、粗化合物L1−11を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。MSm/z:288.3[M+H]+。
工程10:化合物L1−12の調製
化合物L1−11(0.30g、916.54μmol)の粗生成物をN,N−ジメチルホルムアミド(30.0mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(947.63mg、7.33mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(636.95mg、4.58mmol)を添加し、反応液を20℃で続いて16時間撹拌し、ジイソプロピルエチルアミン(473.83mg、3.67mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(254.78mg、1.83mmol)を補充し、反応液を20℃で続いて20時間撹拌した。反応液に30mLの水を添加し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、合わせた有機相を順次に水(60mL)と飽和食塩水(60mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、粗化合物L1−12を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。MSm/z:346.3[M+H]+。
工程11:化合物L1の調製
化合物L1−12(130mg、376.39μmol)の粗生成物をジメチルスルホキシド(12mL)に溶解させ、カリウムtert−ブトキシド(211.18mg、1.88mmol)を添加し、反応液を窒素ガスの保護下で100℃に昇温させ、続いて16時間攪拌した。冷却させ、反応液に20mLの水を添加し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、合わせた有機相を順次に水(30mL)と飽和食塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物L1を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ6.45(s、2H)、3.90〜3.83(m、1H)、3.54〜3.43(m、3H)、3.38(s、3H)、3.20〜3.12(m、1H)、3.08〜3.02(m、1H)、2.75〜2.95(m、1H)、2.79〜2.71(m、1H)、2.69〜2.61(m、1H)、2.37(dd、J=6.8、9.6Hz、1H).MSm/z:246.2[M+H]+。
参考例2:中間体L2の合成
工程1:化合物L2−2の調製
化合物L2−1(15g、60.00mmol)及びトリメチルシリル(12.03g、120.01mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶解させ、活性化させた銅粉末(190.65mg、3.00mmol)を添加し、反応液を65℃に昇温させ、続いて15時間撹拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜5%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L2−2を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:4.18(q、J=7.2Hz、2H)、2.94〜2.90(m、1H)、2.52〜2.37(m、2H)、1.20(t、J=7.2Hz、3H)、0.00(s、9H)。
工程2:化合物L2−3の製造
−30℃で、化合物L2−2(5g、14.28mmol)を無水テトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、ゆっくりと水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、28.55mL)を滴下し、反応液をゆっくりと20℃に昇温させ、続いて2時間攪拌した。反応液に60mLの0.5Nの塩酸を添加し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、合わせた有機相を200mLの飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して粗化合物L2−3を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。
工程3:化合物L2−4の調製
化合物L1−8(2.35g、8.06mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解させ、化合物L2−3(1.98g、6.45mmol)を添加し、反応液を50℃に昇温させ、続いて15時間撹拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜30%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して化合物L2-4を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.40〜7.27(m、5H)、6.61(s、1H)、6.53(s、1H)、5.87(dd、J=2.0、2.8Hz、1H)、4.82(s、1H)、4.29〜4.17(m、1H)、4.15〜4.05(m、1H)、3.73〜3.58(m、2H)、3.16〜3.03(m、2H)、2.85〜2.76(m、1H)、2.58〜2.43(m、1H)、1.43(s、9H)。
工程4:化合物L2−5の調製
化合物L2−4(840mg、2.34mmol)をトルエン(30mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(422.86mg、3.27mmol)を添加し、氷水浴の条件下でa−クロロギ酸−1−クロロエチル(434.35mg、3.04mmol)をゆっくりと滴下し、反応液を90℃に昇温させ、続いて1時間撹拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、メタノール(30mL)を添加し、20℃で17時間撹拌した。減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物L2−5を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。MSm/z=270.1[M+1]+。
工程5:化合物L2−6の調製
化合物L2−5(630mg、2.34mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(906.98mg、7.02mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(536.92mg、3.51mmol)を添加し、反応液を20℃で続いて64時間撹拌した。反応液に100mLの酢酸エチルを添加して希釈し、順次に60mLの水と60mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:25%〜60%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して化合物L2−6を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:6.60(s、1H)、6.54(s、1H)、5.88(dd、J=2.0、2.8Hz、1H)、4.91(s、1H)、4.24(s、1H)、4.12〜4.05(m、1H)、3.51(t、J=5.6Hz、2H)、3.37(s、3H)、3.19(s、1H)、3.08(d、J=8.0Hz、1H)、2.84〜2.64(m、3H)、1.43(s、9H)。
工程6:化合物L2の調製
化合物L2−6(100mg、305.44μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加し、反応液を20℃で0.5時間撹拌した。減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物L2を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。MSm/z=228.1[M+1]+。
参考例3:中間体R1の合成
工程1:化合物R1−2の調製
化合物R1−1(20.00g、119.68mmol)をメタノール(200mL)に溶解させ、濃硫酸(7.36g、75.04mmol)を滴下し、反応液を70℃に昇温させ、続いて29時間攪拌した。40℃に冷却させ、液体臭素(47.81g、299.19mmol)を滴下し、反応液を55℃に昇温させ、続いて48時間撹拌した。反応液に100mLのチオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、容量を半分になるまで混合液を濃縮し、得られた粗生成物を酢酸エチル(200mL×4)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0%〜20%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R1-2を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.82(d、J=2.28Hz、1H)、8.30(d、J=2.28Hz、1H)、4.00(s、3H)、3.96(s、3H)。MSm/z=273.8[M+H]+。
工程2:化合物R1−3の調製
窒素ガスの保護下で、R1−2(12.00g、43.78mmol)をエタノール(150mL)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(8.28g、218.92mmol)を添加し、反応液を15℃で1.5時間攪拌し、80℃に昇温させ、続いて15.5時間攪拌した。熱濾過し、減圧して有機溶媒除去し、得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Phenomenex luna C18250×50mm×10μm;移動相:[水(10mMのNH4HCO3)−ACN];B%:0%〜30%、25分間)で分離・精製して、化合物R1−3を得た。1HNMR(400MHz、CD3OD)δ:8.51〜8.48(m、1H)、8.08〜8.06(m、1H)、4.74(s、2H)、4.69(s、2H)。
工程3:化合物R1−4の製造
氷水浴の条件下で、R1−3(0.80g、3.67mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30.0mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(513mg、12.84mmol、純度:60%)を添加し、30分間撹拌し、p−トルエンスルホニルクロリド(259mg、3.67mmol)を添加し、反応液を20℃に昇温させ、続いて18時間攪拌した。反応液に20mLの水を添加し、液を分離し、水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、合わせた有機相を順次に水(20mL×2)と飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0%〜20%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R1-4を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.55(s、1H)、7.70(s、1H)、5.16(s、2H)、5.03(s、2H)。
工程4:化合物R1−6の調製
R1−5(20.00g、184.95mmol)と2−シアノプロピオン酸エチル(23.51g、184.95mmol)を1,4−ジオキサン(40mL)に溶解させ、反応液を110℃に昇温させ、続いて72時間攪拌した。冷却させ、反応液を約20mLに濃縮し、固体を析出させ、濾過し、ケーキを酢酸エチル(30mL)で洗浄し、ケーキを収集して、化合物R1-6を得た。1HNMR(400MHz、CD3OD)δ:7.53〜7.46(m、2H)、7.42〜7.35(m、3H)、1.77(s、3H)。
工程5:化合物R1−7の調製
化合物R1−6(10.00g、52.85mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)に溶解させ、順次にジイソプロピルエチルアミン(20.49g、158.55mmol)及びN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(19.82g、55.49mmol)を添加し、反応液を25℃で続いて16時間撹拌した。反応液を500mLの水に注ぎ、酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(300mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、粗生成物R1−7を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.54〜7.44(m、4H)、7.40〜7.34(m、1H)、3.76(s、2H)、1.95(s、3H)。
工程6:化合物R1−8の調製
化合物R1−7(1.00g、3.11mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、順次にジ−tert−ブチルジカルボナート(2.04g、9.34mmol)、トリエチルアミン(945mg、9.34mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(38mg、311.26μmol)を添加し、反応液を15℃で続いて16.5時間撹拌した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜11%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物RR1−8を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.37〜7.26(m、5H)、1.89(s、3H)、1.20(s、18H)。MSm/z:522.0[M+1]+。
工程7:化合物R1−9の調製
化合物R1−8(1.00g、1.92mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解させ、順次にジボロン酸ピナコール(584mg、2.30mmol)、酢酸カリウム(565mg、5.57mmol)及び1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(157mg、191.75μmol)を添加し、反応液を95℃に昇温させ、続いて16時間撹拌した。反応液を珪藻土で濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜50%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R1−9を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.49〜7.45(m、2H)、7.42〜7.32(m、3H)、2.13(s、3H)、1.38(s、12H)、1.31(s、18H)。
工程8:化合物R1−10の調製
R1−4(295mg、1.47mmol)及び化合物R1−9(1.10g、2.21mmol)を1,4−ジオキサン(3mL)及び水(0.3mL)の混合溶液に溶解させ、炭酸ナトリウム(234mg、2.21mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(108mg、147.48μmol)を添加し、反応液を100℃に昇温させ、続いて15.5時間攪拌した。冷却させ、反応液を珪藻土で濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物R1−10を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。
工程9:化合物R1の調製
化合物R1−10(720mg、1.46mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加し、反応液を20℃で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)に注ぎ、ジクロロメタン(50mL)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:11%〜100%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R1を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.81(s、1H)、7.94(s、1H)、7.66〜7.61(m、2H)、7.52(t、J=8.0Hz、2H)、7.39(t、J=8.0Hz、1H)、5.21(s、2H)、5.12(s、2H)、3.70(s、2H)、2.16(s、3H)。
参考例4:中間体R2の合成
工程1:化合物R2−1の調製
化合物R1−3(1.4g、6.42mmol)を臭化水素(55.13g、258.92mmol、純度:38%)に溶解させ、反応液を130℃に昇温させ、24時間撹拌し、反応液に濃硫酸(9.2g、91.92mmol)を添加し、続いて24時間攪拌した。冷却させ、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加してpH=7〜8に調整し、ジクロロメタン(150mL×3)で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(溶離液:0〜10%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R2−1を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.58(d、J=2.0Hz、1H)、7.85(d、J=2.0Hz、1H)、4.67(s、2H)、4.56(s、2H).MSm/z:343.7[M+H]+。
工程2:化合物R2−2の調製
氷水浴の条件下で、化合物R2−1(800mg、2.33mmol)及びメチルアミン塩酸塩(471.27mg、6.98mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(1.2g、9.31mmol)を添加し、反応液を当該温度下で1時間撹拌し、ゆっくりと25℃に昇温させ、続いて17時間攪拌した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(溶離液:10〜100%酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R2−2を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.46(s、1H)、7.64(s、1H)、3.98〜3.91(m、4H)、2.62(s、3H)。
工程3:化合物R2−3の調製
窒素ガスの保護下で、化合物R2−2(50.0mg、234.66μmol)及び化合物R1−9(105.47mg、211.19μmol)をジオキサン(4mL)及び水(0.4mL)の混合溶媒に溶解させ、順次に[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(17.17mg、23.47μmol)及び炭酸ナトリウム(74.61mg、703.98μmol)を添加し、反応液を100℃に昇温させ、続いて17時間撹拌した。減圧して有機溶媒除去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(溶離液:2〜6%のメタノール/ジクロロメタン)で分離・精製し、化合物R2−3を得た。MSm/z:506.2[M+H]+。
工程4:化合物R2の調製
化合物R2−3(120mg、237.34μmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、反応液を20℃で3時間撹拌した。反応液にジクロロメタン(15mL)を添加し、固体炭酸水素ナトリウム(10.0g)を添加し、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物R2を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.90(s、1H)、8.03(s、1H)、7.64〜7.59(m、2H)、7.56〜7.50(m、2H)、7.43〜7.38(m、1H)、4.52〜4.48(m、1H)、3.98〜3.93(m、1H)、3.84〜3.79(m、1H)、3.78〜3.68(m、2H)、3.66〜3.61(m、1H)、3.07(s、3H)、2.16(s、3H)。
参考例5:中間体R3の合成
工程1:化合物R3−2の調製
氷水浴の条件下で、化合物R3−1(1.8g、8.26mmol)を塩化チオニル(5.89g、49.53mmol)に添加し、窒素ガスの保護下で、反応液をゆっくりと20℃に昇温させ、続いて16時間撹拌した。反応液にメチルtert−ブチルエーテル(4.75mL)を添加し、反応を停止させた。続いて10mLのメチルtert−ブチルエーテルを添加し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物R3−2を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。MSm/z:256.0[M+H]+。
工程2:化合物R3−4の調製
化合物R3−2(1.0g、3.92mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)に溶解させ、化合物R3−3(2.06g、11.76mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(2.03g、15.69mmol)を添加し、反応液を80℃に昇温させ、続いて7時間撹拌した。反応液に20mLの水を添加し、酢酸エチル(40mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜20%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R3−4を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.46(s、1H)、7.63(s、1H)、4.10‘3.95(m、4H)、3.83(t、J=6.0Hz、2H)、2.91(t、J=6.0Hz、2H)、0.92(s、9H)、0.09(s、6H)。MSm/z:359.1[M+H]+。
工程3:化合物R3−5の調製
化合物R3−4(400mg、1.12mmol)と化合物R1−9(559mg、1.12mmol)をジオキサン(32mL)及び水(3.2mL)の混合溶媒に溶解させ、窒素ガスの保護下で[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(81.90mg、111.93μmol)及び炭酸ナトリウム(355.91mg、3.36mmol)を添加し、反応液を100℃に昇温させ、続いて16時間攪拌した。冷却させ、濾過し、20mLの水に入れ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物を薄層シリカゲルプレート(膨張剤:100%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R3−5を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.78〜8.74(m、1H)、7.96〜7.89(m、1H)、7.60〜7.44(m、4H)、7.40〜7.34(m、1H)、4.13〜4.09(m、4H)、3.89〜3.84(m、2H)、2.96(t、J=6.0Hz、2H)、2.21(s、1H)、2.17(s、2H)、1.34(s、18H)、0.94(s、9H)、0.11(s、6H)。MSm/z:550.4[M+H]+、650.4[M+H]+。
工程4:化合物R3の調製
化合物R3−5(300mg、461.61μmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(10.52g、92.32mmol)を添加し、反応液を20℃で続いて3.5時間撹拌した。反応液に20mLの水を添加し、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物を薄層シリカゲルプレート(展開溶媒:9%メタノール/酢酸エチル)で分離・精製して、化合物R4を得た1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.72(s、1H)、7.88(s、1H)、7.67〜7.60(m、2H)、7.55〜7.45(m、2H)、7.40〜7.34(m、1H)、4.11(s、4H)、3.87(t、J=6.0Hz、2H)、3.68(s、2H)、2.96(t、J=6.4Hz、2H)、2.13(s、3H)、0.93(s、9H)、0.11(s、6H)、MSm/z:450.4[M+H]+。
参考例6:中間体R4の合成
工程1:化合物R4−2の調製
化合物R4−1(15g、130.29mmol)を水(80mL)及び塩酸(15mL)の混合溶媒に溶解させ、氷水浴の条件下で、ゆっくりと亜硝酸ナトリウム(12.58g、182.40mmol)の水(30mL)溶液を滴下し、反応液を20℃に昇温させ、続いて20時間撹拌した。酢酸エチル(150mL×3)で抽出し、合わせた有機相を300mLの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去して、粗生成物を得、トルエン(50mL)に分散させた。氷水浴の条件下で、トリフルオロ酢酸無水物(41.05g、195.43mmol)をゆっくりと滴下し、反応液を20℃に昇温させ、続いて60時間撹拌した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:30〜100%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R4−2を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:4.42(t、J=7.6Hz、2H)、2.96〜2.85(m、2H)、2.84〜2.72(m、2H)。
工程2:化合物R4−4の調製
化合物R4−2(0.5g、3.96mmol)を1,3,5−トリメチルベンゼン(5mL)に溶解させ、化合物R4−3(1.21g、7.93mmol)を添加し、反応液を160℃に昇温させ、続いて18時間攪拌した。冷却させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、粗化合物R4−4を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。
工程3:化合物R4の調製
窒素ガスの保護下で、化合物R4−4(1.0g、4.27mmol)及びR1−7(1.37g、4.27mmol)を1,4−ジオキサン(15mL)及び水(2mL)の混合溶液に溶解させ、炭酸ナトリウム(905.50mg、8.54mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(348.84mg、427.16μmol)を添加し、反応液を90℃に昇温させ、続いて16時間攪拌した。冷却させ、80mLの酢酸エチルを添加して希釈し、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:30〜80%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製し、化合物R4を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.73〜7.29(m、5H)、6.36(s、1H)、4.21(t、J=7.2Hz、2H)、3.80〜3.40(m、2H)、2.97〜2.89(m、2H)、2.66〜2.59(m、2H)、2.07(s、3H)。
参考例7:中間体R5の合成
工程1:化合物R5−3の調製
化合物R5−1(4.0g、14.04mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解させ、−78℃に冷却させ、化合物R5−2(1.2g、16.85mmol)を添加し、ゆっくりとn−ブチルリチウム(2.5M、8.4mL)溶液を滴下し、反応液を当該温度下で続いて20分間撹拌した。反応液にゆっくりと飽和塩化アンモニア水溶液(20mL)を添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜20%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R5−3を得た。1HNMR:(400MHz、CDCl3)δ:8.89(s、2H)、5.06〜4.95(m、4H)。
以下の化合物は、化合物R5−3と類似の方法を使用して合成した。
工程2:化合物R5−4の調製
氷水浴下で、化合物R5−3(1.8g、7.75mmol)をジクロロメタン(13mL)に溶解させ、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(2.5g、15.50mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を添加し、反応液を当該温度下で続いて20分間撹拌した。反応液に水(20mL)を添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜10%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R5−4を得た1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.91(s、2H)、5.20〜5.05(m、4H)。
以下の化合物は、化合物R5−4と類似の方法を使用して合成した。
工程3:化合物R5−5の調製
化合物R5−4(300mg、1.29mmol)を1,4−ジオキサン(8.0mL)に溶解させ、順次にジボロン酸ピナコール(392mg、1.54mmol)及び酢酸カリウム(379mg、3.86mmol)を添加し、窒素ガスで3回置換した後、又、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド(94mg、128.73μmol)を添加し、反応液を100℃に昇温させ、続いて11時間攪拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜50%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して化合物R5-5を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:9.11(s、2H)、5.24〜5.05(m、4H)、1.37(s、12H)。
以下の化合物は、化合物R5−5と類似の方法を使用して合成した。
工程4:化合物R5の調製
化合物R5−5(320mg、1.14mmol)をジオキサン(2.5mL)及び水(0.5mL)の混合溶液に溶解させ、順次に化合物R1−7(293mg、912.00μmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(83mg、114.00μmol)及び炭酸ナトリウム(242mg、2.28mmol)を添加し、窒素ガスで3回置換し、反応溶液を100℃に昇温させ、続いて14時間撹拌した。冷却させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜25%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物R5を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:9.11(s、2H)、7.64〜7.27(m、5H)、5.32〜4.88(m、4H)、3.67(s、2H)、2.10(s、3H)。
以下の化合物は、化合物R5と類似の方法を使用して合成した。
実施例1:化合物1の調製
工程1:化合物1の調製
化合物R1(40mg、136.83μmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、トリホスゲン(32.48mg、109.46μmol)及びジイソプロピルエチルアミン(70.74mg、547.32μmol)を添加し、反応液を20℃で0.5時間撹拌し、化合物L1(35.24mg、143.67μmol)及びジイソプロピルエチルアミン(70.74mg、547.32μmol)を添加し、続いて3時間反応させた。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Xtimate C18 150×25mm×5μm;移動相:[水(10mMのNH4HCO3)−ACN];B%:37%〜58%、10.5分間)で分離・精製して、化合物1を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.86(s、1H)、7.99(s、1H)、7.56(d、J=7.6Hz、2H)、7.49(t、J=7.2Hz、2H)、7.42(t、J=7.2Hz、1H)、6.32(s、2H)、5.23(s、2H)、5.13(s、2H)、5.09〜5.02(m、1H)、4.13(s、1H)、3.96(s、1H)、3.45(t、J=5.2Hz、2H)、3.30(s、3H)、3.12(t、J=10.0Hz、1H)、2.94(t、J=9.6Hz、1H)、2.75〜2.53(m、4H)、2.24(s、3H)、MSm/z:564.3[M+H]+。
以下の化合物は、化合物1と類似の方法を使用して合成した。
実施例3:化合物3の調製
工程1:化合物3の調製
化合物3−1(23mg、31.91μmol)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M、95.71uL)を添加し、反応液を50℃に昇温させ、続いて2時間撹拌した。冷却させ、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Watters Xbridge150×25mm 5μm;移動相:[水(10mMのNH4HCO3)−ACN];B%:30%〜40%、12分間)で分離・精製して、化合物3を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.61(s、1H)、7.72(d、J=9.2Hz、3H)、7.50(t、J=7.6Hz、2H)、7.38(t、J=14.8Hz、1H)、6.47(s、2H)、4.22(d、J=19.6Hz、2H)、4.00〜3.84(m、1H)、3.77(m、2H)、3.64(s、2H)、3.54(s、3H)、3.43(s、3H)、3.30〜3.24(m、1H)、2.89〜2.72(d、J=31.2Hz、6H)、2.51(s、1H)、1.90(s、3H)、MSm/z:607.3[M+H]+。
実施例8:化合物8の調製
工程1:化合物8−1の調製
化合物R6(250mg、588.97μmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、トリホスゲン(174.78mg、588.97μmol)を添加し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(228.36mg、1.77mmol、307.76μL)を滴下し、反応液を25℃で20分間撹拌した。次に、化合物L2(446.20mg、588.97μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(228.36mg、1.77mmol、307.76μL)を添加し、反応液を続いて18時間攪拌した。反応液に20mLの水を添加し、液を分離させ、水相をジクロロメタン(30mL×2)で抽出し、抽出した有機相を合わせ、30mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:30〜60%の酢酸エチル/石油エーテル〜10%のメタノール/ジクロロメタン)で分離・精製して、化合物8−1を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。MSm/z:678.6[M+1]+。
工程2:化合物8の調製
化合物8−1(80mg、118.04μmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を添加し、反応液を続いて1時間撹拌した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Waters Xbridge150×25mm×5μm、移動相:[水(10mMの炭酸アンモニウム)−アセトニトリル];B%:20%〜50%、8分間)で分離・精製して、化合物8を得た。1HNMR(400MHz、CD3OD)δ:9.27(s、2H)、7.69〜7.39(m、5H)、6.62(s、1H)、6.53(s、1H)、5.83(s、1H)、4.44〜4.06(m、6H)、3.56〜3.50(m、2H)、3.37(s、3H)、3.15〜3.05(m、2H)、2.89〜2.81(m、1H)、2.77〜2.65(m、2H)、2.56〜2.50(m、1H)、2.23(s、3H).MSm/z:578.5[M+1]+。
実施例9:化合物9の調製
工程1:化合物9の調製
化合物8(110.38mg、191.09umol)をメタノール(8mL)に溶解させ、ホルムアルデヒド水溶液(3.26g、40.13mmol、2.99mL)及び氷酢酸(0.1mL)を添加し、酢酸水素化ホウ素ナトリウム(81.00mg、382.18umol)を添加し、反応液を25℃で続いて17時間撹拌し、酢酸水素化ホウ素ナトリウム(81.00mg、382.18umol)を補充し、続いて1時間攪拌した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Waters Xbridge150×25mm×5μm、移動相:[水(10mMの炭酸アンモニウム)−アセトニトリル];B%:22%〜52%、8分間)で分離・精製して、化合物9を得た。1HNMR(400MHz、CD3OD)δ:9.26(s、2H)、7.69〜7.42(m、5H)、6.64〜6.60(m、1H)、6.55〜6.51(m、1H)、5.86〜5.80(m、1H)、4.60(brs、1H)、4.34〜4.19(m、2H)、4.14〜4.06(m、2H)、3.87〜3.74(m、2H)、3.53(t、J=5.2Hz、2H)、3.37(s、3H)、3.17〜3.06(m、2H)、2.86〜2.82(m、1H)、2.78〜2.63(m、2H)、2.54(s、3H)、2.53〜2.47(m、1H)、2.23(s、3H).MSm/z=592.5[M+1]+。
実施例10:参照化合物D1の合成
工程1:化合物L3−2の調製
化合物L3−1(38.50g、231.7mmol)を酢酸エチル(200.0mL)及びn−ヘプタン(200.0mL)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(2.64g、23.2mmol、1.7mL)を添加し、氷水浴の条件下でN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(137.53g、579.3mmol)をゆっくりと滴下し、反応液をゆっくりと25℃に昇温させ、続いて20時間攪拌した。反応液を約300.0mLに濃縮し、又、300mLのn−ヘプタンを添加し、続いて約300.0mLに濃縮した。上記の操作を6回繰り返し、最後の300mLのn−ヘプタンを添加した後、濾過し、ケーキをn−ヘプタン(100.0mL×2)で2回洗浄して、粗化合物L3−2を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.45〜4.43(m、2H)、7.37〜7.21(m、4H)、7.13〜6.98(m、2H)、6.95〜6.85(m、1H)、4.51(d、J=12.4Hz、1H)、4.16〜3.99(m、2H)、3.78(d、J=12.4Hz、1H)、3.49(t、J=10.0Hz、1H)、3.20〜3.10(m、2H)、2.75(t、J=10.0Hz、1H)。
工程2:化合物L3−3の調製
窒素ガスの雰囲気下で、L3−2(53.00g、177.06mmol)をトルエン(400.0mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(25.17g、194.77mmol、34.0mL)を添加し、窒素ガスの保護下で、ジフェニルリン酸アジド(53.60g、194.77mmol、42.2mL)をゆっくりと滴下した。反応液を25℃で0.5時間撹拌し、90℃に昇温させ、続いて3時間撹拌し、tert−ブタノール(80.0mL)を添加し、反応液を当該温度下で続いて16時間撹拌した。冷却させ、500.0mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、酢酸エチル(600.0mL×2)で2回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(800.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜10%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物L3−3を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.27〜7.25(m、4H)、7.21〜7.15(m、2H)、7.01〜6.89(m、2H)、6.86〜6.80(m、1H)、4.84(brs、1H)、4.11(brs、1H)、3.57(s、2H)、3.15〜2.94(m、2H)、2.90〜2.82(m、1H)、2.68〜2.58(m、1H)、2.44〜2.34(m、1H)、1.39(s、9H)。
工程3:化合物L3−4の調製
窒素ガスの雰囲気下で、L3−3(29.40g、79.36mmol)をメタノール(300.0mL)及びテトラヒドロフラン(75.0mL)の混合溶媒に溶解させ、パラジウム炭素(3.00g、純度:10%)を添加し、反応液を50psiの水素ガスの圧力下で25℃で続いて18時間攪拌した。珪藻土で濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、L3−4を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.33〜7.26(m、1H)、7.05(d、J=7.6Hz、1H)、7.01〜6.96(m、1H)、6.96〜6.90(m、1H)、4.92(brs、1H)、4.18〜4.02(m、1H)、3.47〜3.36(m、2H)、3.17〜2.84(m、3H)、1.41(s、9H)。MSm/z:281.1[M+1]+。
工程4:化合物L3−5の調製
L3−4(14.50g、51.72mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(100.0mL)に溶解させ、順次にジイソプロピルエチルアミン(20.05g、155.16mmol、27.1mL)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(8.63g、62.06mmol、5.8mL)を添加し、反応液を25℃で続いて16時間撹拌した。反応液に400.0mLの水を添加して希釈し、酢酸エチル(400.0mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(800.0mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去した。得られた粗生成物に200.0mLの石油エーテルを添加し、濾過し、ケーキを収集して化合物L3−5を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.30〜7.25(m、1H)、7.08(d、J=7.6Hz、1H)、7.01(d、J=10.0Hz、1H)、6.95〜6.90(m、1H)、4.98(brs、1H)、4.21(brs、1H)、3.53(t、J=5.6Hz、2H)、3.39(s、3H)、3.35〜3.31(m、1H)、3.15〜3.11(m、1H)、2.90〜2.80(m、2H)、2.81〜2.65(m、2H)、2.51〜2.39(m、1H)、1.43(s、9H).MSm/z:339.2[M+1]+。
工程5:化合物L3−6の調製
L3−5(16.50g、48.76mmol)を酢酸エチル(50.0mL)に懸濁し、塩酸/酢酸エチル(4.0M、50.0mL)を添加し、25℃で0.5時間反応させた。反応液を濃縮して乾燥させ、得られた粗生成物に15%の水酸化ナトリウム溶液(50.0mL)を添加し、水相をジクロロメタン(60.0mL×3)で3回抽出し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を乾燥するまで濃縮して、11.40gの化合物L3−6の粗生成物を得た。MSm/z=239.1[M+1]+。
工程6:化合物L3の調製
化合物L3−6(11.40g、47.84mmol)をメタノール(99.0mL)及び水(11.0mL)の混合溶媒に溶解させ、(+)-ジ−1,4−トルオイル-D-酒石酸(20.33g、52.62mmol)を添加し、反応液を50℃に昇温させ、続いて1時間撹拌し、ゆっくりと室温まで冷却させ、16時間放置した。濾過し、ケーキを酢酸エチル(30.0mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、15%の水酸化ナトリウム溶液(100.0mL)に懸濁し、酢酸エチル(60.0mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(150.0mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去して、化合物L3を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:7.31〜7.24(m、1H)、7.06(d、J=7.6Hz、1H)、7.03〜7.00(m、1H)、6.95〜6.88(m、1H)、3.52(t、J=5.6Hz、2H)、3.48〜3.42(m、1H)、3.38(s、3H)、3.22〜3.15(m、1H)、3.05〜2.90(m、2H)、2.83〜2.73(m、1H)、2.72〜2.61(m、3H).MSm/z:239.1[M+1]+。SFC:カラム:LuxCellulose〜2(150mm×4.6mm、3μm);移動相:[0.1%のエタノールアミン-メタノール];B%:5%〜40%5.5min、40%3min、5%1.5min;Rt=4.889min;97.7%ee。
工程7:化合物D1−2の調製
化合物D1−1(5.00g、28.90mmol)を1,4−ジオキサン(120.0mL)に溶解させ、順次にボロン酸ピナコールエステル(8.81g、34.68mmol)及び酢酸カリウム(5.67g、57.80mmol)を添加し、窒素ガスの保護下で、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(II)パラジウムジクロリド(1.06g、1.45mmol)を添加し、反応液を100℃に昇温させ、続いて18時間攪拌した。冷却させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜50%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物D1−2を得、当該化合物をさらに精製せず、次の反応に直接的に使用した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.92(s、2H)、2.75(s、3H)、1.35(s、12H)。
工程8:化合物D1−3の調製
化合物D1−2(2.67g、12.14mmol)をエタノール(15.0mL)及びトルエン(45.0mL)の混合溶媒に溶解させ、化合物R1−7(3.00g、9.34mmol)及び炭酸ナトリウム(1.98g、18.68mmol)を添加し、窒素ガスの保護下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.08g、933μmol)を添加し、反応液を100℃に昇温させ、続いて17時間撹拌した。冷却させ、濾過し、ケーキを酢酸エチル(50.0mL)で洗浄し、濾液を合わせ、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜100%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物D1−3を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ:8.99(s、2H)、7.65〜7.60(m、2H)、7.56〜7.50(m2H)、7.43〜7.37(m、1H)、3.71(s、2H)、2.79(s、3H)、2.14(s、3H).MSm/z:266.0[M+1]+。
工程9:化合物D1の調製
化合物D1−3(500mg、1.88mmol)をジクロロメタン(6.0mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(972mg、7.52μmol、1.3mL)及びトリホスゲン(390mg、1.32mmol)を添加し、反応液を25℃で20分間撹拌し、順次に化合物L3(448mg、1.88mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(972mg、7.52mmol、1.3mL)を添加し、反応液を25℃で続いて17時間攪拌した。ジクロロメタン(30.0mL)を添加して希釈し、有機相を飽和食塩水(30.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧して有機溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜100%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離・精製して、化合物D1を得た。1HNMR(400MHz、METHANOL−d4)δ:8.91(s、2H)、7.45〜7.23(m、6H)、7.11〜6.91(m、3H)、4.50〜4.38(m、1H)、3.86〜3.75(m、1H)、3.70〜3.47(m、6H)、3.36(s、3H)、3.24〜3.06(m、3H)、2.63(s、3H)、2.00(s、3H)。MSm/z:530.1[M+1]+。
TrkA酵素活性試験
実験材料
TrkA Invitrogen−PV4114
TK検出キット Cisbio−62TK0PEJ
検出プレート PerkinElmer−6007299
Envision PerkinElmer−2104
キナーゼ反応緩衝液
50mMのHepes(pH7.5)、5mMのMgCl2(塩化マグネシウム)、0.01mMのOrthovanadate(バナジン酸ナトリウム)、1%のBSA(ウシ血清蛋白質)、1mM(ジチオスレイトール)
実験方法
本実験では、Cisbio社のホモジニアス時間分解蛍光共鳴エネルギー転移測定法(HTRF(R)法)を使用して活性を検出した。検出プレートで、酵素、ビオチン標識ペプチド基質、ATP、及び試験化合物を混合させ、インキュベートの反応を実行した。反応後、エチレンジアミン四酢酸を添加して反応を停止させ、同時にEu標識抗体、ストレプトアビジン標識XL665を添加して反応させ、検出した。データは、665nm及び620nmの蛍光信号の読み取り値で表し、ここで、665nm/620nmの高い比率は活性が高いことを示し、665nm/620nmの低い比率は活性が阻害されていることを示した。
実験工程
1.化合物の希釈:試験化合物を3倍に希釈し、合計11の濃度であり、最終系の濃度は10μMから0.17nmになった;
2.0.5mMのTrkAキナーゼ、0.3μMのビオチン−TKペプチド(ビオチン標識チロシンキナーゼ基質ポリペプチド)、90μMのATPを含む、50mMのHepes(pH7.5)、5mMのMgCl2、0.01mMのバナジン酸ナトリウム、1%のBSA、1mMのDTTの10μLの反応系を、23℃で90分間インキュベートした。20mMのEDTA、1.34nMのリン酸化基質抗体、100nMのストレプトアビジン標識の蛍光分子XL−665を含む10μLの停止溶液を添加し、23℃で60分間インキュベートし、マルチモードプレートリーダーEnvisionでデータを読み取った;
3.機器で読み取ったデータで化合物の阻害率を計算し、IDBSのXLFIT5のmode205を使用してIC50値を計算した。
実験結果
結果は表1に示す通りであった。
結果は、本発明の化合物が有意なTrkA酵素阻害効果を有することを示した。
血漿タンパク質結合率(PPB)試験
実験目的
ヒト、SDラット及びビーグルドッグの血漿における試験化合物のタンパク質結合率を測定する。
実験操作
ヒト、SDラット及びビーグルドッグのブランク血漿796μL(血漿はBioreclamateIVTから購入)を採取し、4μLの試験化合物作動溶液(400μM)又はワルファリン作動溶液(400μM)を添加して、血漿サンプルにおける試験化合物とワルファリンの最終濃度をいずれも2μMにさせた。サンプルを十分に混合した。有機相のDMSOの最終濃度は0.5%であり;50μLの試験化合物とワルファリン血漿サンプルを取ってサンプル受容プレートに入れ、直ちに対応する容量の対応するブランク血漿又は緩衝液添加して、各サンプルウェルの最終容量を100μLにし、血漿:透析緩衝液の容量比は1:1であり、次に、これらのサンプルに400μLの停止溶液を添加し、当該サンプルをT0サンプルとし、回復率及び安定性をの測定に使用するようにした。T0サンプルを2℃〜8℃で保管し、他の透析完了のサンプルと一緒に次の後処理した;150μLの試験化合物とワルファリン血漿サンプルを、各透析ウェルの投与端に添加し、透析ウェルの対応する投与端に150μLのブランク透析緩衝液を添加した。次に、透析プレートをガス透過性膜で密封し、湿潤な5%CO2のインキュベーターに置き、37℃、100rpmで4時間振とうしながらインキュベートした。透析完了後、50μLの透析した緩衝液サンプルと透析した血漿サンプルを新しいサンプル受けプレートに移した。サンプルに対応する容量の対応するブランク血漿又は緩衝液を添加して、各サンプルウェルの最終容量を100μLにさせ、血漿:透析緩衝液の容量比は1:1になった。全部のサンプルはタンパク質沈殿後にLC/MS/MSによって分析し、公式:%非結合率=100×膜緩衝液側遊離化合物濃度/膜血漿側総化合物濃度、%タンパク質結合率=100−%非結合率、%回収率=100×(膜緩衝液側遊離化合物濃度+膜血漿側総化合物濃度)/透析前総化合物濃度の測定値、を利用して血漿タンパク質の非結合率、結合率、及び回収率を計算した。
実験結果
結果は表2に示す通りであった。
結果は、本発明の化合物は参照化合物D1に匹敵する血漿タンパク質非結合率を有することを示した。
チトクロームP450イソ酵素阻害活性の試験
実験目的
ヒトチトクロームP450イソ酵素の異なるサブタイプに対する試験化合物の阻害活性を測定する。
実験操作
試験化合物、標準阻害剤(100×最終濃度)及び混合基質作業溶液を調製し;−80℃冷蔵庫に凍結したミクロソームを取り出して解凍した。2μLの試験化合物と標準阻害剤溶液を対応するウェルに添加し、同時に2μLの対応する溶媒を阻害剤のないコントロールウェル(NIC)とブランクコントロールウェル(Blank)ウェルに添加し;次に、ブランクウェルを除く対応するウェルに20μLの混合基質溶液を添加し(ブランクウェルには20μLのPBを添加した);ヒト肝ミクロソーム溶液(使用した後、日付を表記し、直ちに冷蔵庫に戻した)を調製し、次に、158μLのヒト肝ミクロソーム溶液を全部のウェルに添加し;前記サンプルプレートを37℃のウォーターバスに入れてプレインキュベーションし、コエンザイムファクター(NADPH)溶液を調製し;10分後、全部のウェルに20μLのNADPH溶液を添加し、サンプルプレートを均一に振とうし、37℃のウォーターバスで10分間インキュベートし;対応する時点で、400μLの冷アセトニトリル溶液(内部標準は200ng/mLのトルブタミド及びラベタロール)を添加して反応を停止させ;サンプルプレートを均一に混合した後、4000rpmで20分間遠心分離してタンパク質を沈殿させ;200μLの上清みを取って100μLの水に添加し、均一に振とうし、LC/MS/MSで検出した。
実験結果
結果は表3に示す通りであった。
結果は、本発明の化合物はより低い薬物−薬物相互作用のリスクを有することを示した。
肝ミクロソームにおける代謝安定性(MMS)の研究
実験目的
ヒト、ラット、及びイヌの肝ミクロソームにおける試験品の代謝安定性をテストする。
実験材料
試験品(10mM)、テストステロン(Testosterone、対照品、10mM)、ジクロフェナク(Diclofenac、対照品、10mM)、プロパフェノン(Propafenone、対照品、10mM)。
緩衝系
1.100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)。
2.10mMのMgCl2。
化合物の希釈
1.中間体溶液:45μLのDMSO(450μLの1:1メタノール/水を含む)を使用して、5μLの試験品又は対照品を希釈した。
2.作業液:450μLの100mMのリン酸カリウム緩衝剤を使用して中間体溶液を希釈した。
NADPH再生系
1.β−ホスホアミドアデニンジヌクレオチド、Sigma社から購買、Cat.No.N0505。
2.イソクエン酸塩、Sigma社から購買、Cat.No.I1252。
3.イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、Sigma社から購買、Cat.No.I2002。
停止液
100ng/mLのトルブタミド(Tolbutamide)及び100ng/mLのラベタロール(Labetalol)を含む冷アセトニトリルを内部標準とした。
実験方法
10μLの試験品又は対照品の作業溶液を全部のプレート(T0、T5、T10、T20、T30、T60、NCF60)に添加した。
680μL/ウェルの肝ミクロソーム溶液を96ウェルプレートに分注し、次に、各プレートに80μL/ウェルを添加し、前記インキュベーションプレートを37℃に置いて約10分間プレインキュベーションした。
NCF60プレート上の各ウェルに10μLの100mMのリン酸カリウム緩衝液を添加した。
プレインキュベーション完了後、90μL/ウェルのNADPH再生系作業溶液を96ウェルプレートに分注し、次に、各プレートに10μL/ウェルを添加して反応を開始させた。
適切な時間(例えば、5、10、20、30及び60分間)インキュベーションした。
300μL/ウェルの停止溶液(4℃で冷凍保存し、100ng/mLのトルブタミド(Tolbutamide)及び100ng/mLのラベタロール(Labetalol)を含む)を各サンプルウェルに添加した。
サンプルプレートを約10分間均一に振とうし、4℃で、4000rpmで20分間遠心分離した。
遠心分離する時、各ウェルに300μLのHPLC水を添加し、100μLの上清みを取ってLC−MS/MS分析に使用した。
データの分析
以下の式で、半減期T1/2及び肝ミクロソーム固有のクリアランス率Clint(mic)を計算した。
肝臓はグラム当たり45mgのミクロソームタンパク質を含み、マウス、ラット、イヌ、サル、及びヒトの肝臓質量は、それぞれ88g/kg、40g/kg、32g/kg、30g/kg、及び20g/kgであった。
Ctは時間がtである時の濃度であり、tはインキュベーション時間であり、C0は0時の濃度であり、keはクリアランス率定数であり、Clint(mic)は肝ミクロソーム固有のクリアランス率であり、Clint(liver)は肝固有のクリアランス率である。
実験結果
結果は表4に示す通りであった。
結果は、本発明の化合物が、ヒト及びラットの二つの種において、参照化合物D1と同等又はそれ以上の肝ミクロソーム代謝安定性を有することを示した。
ラット単回投与後の生体内薬物動態の研究
実験目的
オスSDラットを試験動物として使用し、単回投与後に化合物の血中薬物濃度を測定し、薬物動態学的挙動を評価した。
実験材料:
Sprague Dawleyラット(オス、200〜300g、7〜9週齢、Shanghai Wei Tong Lihua Laboratory Animal Co.、Ltd)
実験操作:
静脈注射及び経口投与後の試験化合物の齧歯類における薬物動態特性を標準方法で試験し、実験中、試験化合物を透明溶液又は均一懸濁液に調製し、ラットに試験化合物を単回静脈内注射及び経口投与した。静脈注射群の溶媒は一定の割合のエタノールと生理食塩水、又は一定の割合のジメチルスルホキシドのHP−βシクロデキストリン溶液(pH=3〜4に調整)であり、ボルテックスして2mg/mL又は1mg/mLの清澄溶液を得、微孔性膜で濾過して、使用のために用意し;経口投与溶媒は、一定の割合のカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液又は一定の割合のジメチルスルホキシドのHP−βシクロデキストリン溶液(pH=4ぐらいに調整)であり、試験化合物を溶媒と混合した後、ボルテックスして2mg/mL又は1mg/mLの均一懸濁液又は清澄溶液を得、使用のために用意した。ラットに2mg/kgを静脈内投与又は10mg/kgを経口投与した後、一定量の全血サンプルを収集し、3000gを15分間遠心分離し、上澄みを分離して血漿サンプルを得、内部標準を含む3倍容量のアセトニトリル溶液を添加してタンパク質を沈殿させ、遠心分離して上澄みを取り、2倍の容量の水を添加し、再び遠心分離して上澄みを取ってサンプル化し、LC−MS/MS分析法によって血中薬物濃度を定量的に分析し、Phoenix WinNonlinソフトウェア(米国のPharsight社)を使用して、ピークに達する濃度、ピークに達する時間、クリアランス率、半減期、薬物時間曲線下の面積、生物学的利用能などの薬物動態パラメーターを計算した。
実験結果:
ここで、C0は開始濃度であり、T1/2は消失半減期であり、Vdssは定常状態の見かけの分布容積であり、Clは総クリアランス率であり、AUC0−infは0時から無限大まで拡張するときの血漿中濃度−時間曲線下の面積であり、Cmaxはピークに達する濃度であり、Tmaxはピークに達する時間である。
結果は、本発明の化合物が良好なラット薬物動態特性及び経口生物学的利用能を有することを示した。
マウス単回投与後の生体内薬物動態の研究
実験目的
オスCD−1マウスを実験動物として、単回投与した後、化合物の血中薬物濃度を測定し、薬物動態学的挙動を評価する。
実験材料:
CD−1マウス(オス、20〜40g、6〜9週齢、 ShanghaiSippr−BK laboratory animal Co.,Ltd.)
実験操作:
静脈注射及び経口投与後の試験化合物の齧歯類における薬物動態特性を標準方法で試験し、実験中、試験化合物を透明溶液又は均一懸濁液に調製し、マウスに試験化合物を単回静脈内注射及び経口投与した。静脈注射群の溶媒は一定の割合のエタノール、CremophorELと生理食塩水溶液であり、ボルテックスして1mg/mLの清澄溶液を得、微孔性膜で濾過して、使用のために用意し;経口投与溶媒は、一定の割合のメチルセルロース溶液又は一定の割合のメチルセルロース溶液とTween80水溶液であり、試験化合物を溶媒と混合した後、ボルテックスして10mg/mLの清澄溶液又は均一懸濁液を得、使用のために用意した。マウスに2mg/kgを静脈内投与又は100mg/kgを経口投与した後、一定量の全血サンプルを収取し、3200gを10分間遠心分離し、上澄みを分離して血漿サンプルを得、実際の需要に応じてブランク血漿で一定の倍数に希釈した。内部標準を含む20倍容量のアセトニトリル溶液を添加してタンパク質を沈殿させ、遠心分離して上澄みを取り、2倍の容量の水を添加し、再び遠心分離して上澄みを取ってサンプル化し、LC−MS/MS分析法によって血中薬物濃度を定量的に分析し、Phoenix WinNonlinソフトウェア(米国のPharsight社)を使用して、ピークに達する濃度、ピークに達する時間、クリアランス率、半減期、薬物時間曲線下の面積、生物学的利用能などの薬物動態パラメーターを計算した。
実験結果:
ここで、C0は開始濃度であり、T1/2は消失半減期であり、Vdssは定常状態の見かけの分布容積であり、Clは総クリアランス率であり、AUC0−infは0時から無限大まで拡張するときの血漿中濃度−時間曲線下の面積であり、Cmaxはピークに達する濃度であり、Tmaxはピークに達する時間である。
結果は、本発明の化合物7は、良好なマウス薬物動態特性及び経口生物学的利用能を有することを示した。
ビーグルドッグ単回投与後の生体内薬物動態の研究
実験目的
オスビーグルドッグを実験動物として、単回投与した後、化合物の血中薬物濃度を測定し、薬物動態学的挙動を評価する。
実験材料:
ビーグルドッグ(オス、6〜12kg、6月齢より大きい、Beijing Marshall Biotechnology Co., Ltd.)
実験操作:
実験目的は静脈内注射及び経口投与した後の試験化合物の非齧歯類における薬物動態特性を試験することであり、実験中、試験化合物を清澄溶液又は均一懸濁液に調製し、ビーグルドッグに単回静脈内注射及び経口投与した。静脈内注射群の溶媒は、一定の割合のジメチルスルホキシドのHP−β−シクロデキストリン溶液又は一定の割合のエタノール、ポリエチレングリコール400及び生理食塩水溶液であり、ボルテックスし、超音波処理して2mg/mL又は1mg/mLの清澄溶液を得、微孔性膜で濾過して、使用のために用意し;経口投与溶媒は、一定の割合のジメチルスルホキシドのHP−β−シクロデキストリン溶液又は一定の割合のカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液であり、試験化合物を溶媒と混合した後、ボルテックスし、超音波処理して2mg/mLの清澄溶液又は1mg/mLの均一懸濁液を得、使用のために用意した。ビーグルドッグに2mg/kg又は1mg/kgを静脈内投与、10mg/kg又は5mg/kgを経口投与した後、一定量の全血サンプルを収取し、3000gを10分間遠心分離し、上澄みを分離して血漿サンプルを得、内部標準を含む10倍容量のアセトニトリル溶液を添加してタンパク質を沈殿させ、遠心分離して上澄みを取ってサンプル化し、LC−MS/MS分析法によって血中薬物濃度を定量的に分析し、Phoenix WinNonlinソフトウェア(米国のPharsight社)を使用して、ピークに達する濃度、ピークに達する時間、クリアランス率、半減期、薬物時間曲線下の面積、生物学的利用能などの薬物動態パラメーターを計算した。
実験結果:
ここで、C0は開始濃度であり、T1/2は消失半減期であり、Vdssは定常状態の見かけの分布容積であり、Clは総クリアランス率であり、AUC0−infは0時から無限大まで拡張するときの血漿中濃度−時間曲線下の面積であり、Cmaxはピークに達する濃度であり、Tmaxはピークに達する時間である。
結果は、本発明の化合物7が良好なビーグル薬物動態特性及び経口生物学的利用能を有することを示した。