JP2021529754A - 自己免疫疾患の処置における使用のための抗cd40抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規なヒト化アンタゴニスト抗CD40抗体と、それを使用する治療方法及び診断方法並びに組成物とに関する。

Description

発明の分野
本発明は、一般的には、診断及び治療用途のためのヒト化抗CD40抗体に関する。より具体的には、ヒト化抗CD40抗体及びCD40を発現する細胞により特徴付けられる種々の疾患又は障害の処置のための使用方法が開示される。ヒト化抗CD40抗体を含む医薬組成物及びキットも開示される。
発明の背景
CD40は、48kDaのI型内在性膜糖タンパク質であり、腫瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリーのメンバーである。CD40は、正常及び腫瘍性B細胞、指状突起細胞、癌腫、上皮細胞(例えば、ケラチノサイト)、線維芽細胞(例えば、滑膜細胞)及び血小板を含む各種の細胞型において発現される。CD40は、単球、マクロファージ、一部の内皮細胞及び濾胞樹状細胞にも存在する。CD40は、B細胞の個体発生の初期に発現され、CD10及びCD19の出現に続いてB細胞前駆体に現れ、CD21、CD23、CD24の発現及び表面免疫グロブリンM(sIgM)の出現に先立って現れる(Uckun et al., 1990, Blood 15:2449)。CD40は、扁桃及び骨髄由来形質細胞でも検出されている(Pellat-Decounynck et al., 1994, Blood 84:2597)。
CD40のリガンドは、TNFスーパーファミリーメンバーであるCD40L(CD154、gp39及びTRAPとも呼ばれる)である。CD40Lは、活性化されたCD4T細胞及びCD8T細胞の小さなサブセットにおいて主に発現される膜貫通型タンパク質である(Van Kooten C. and Banchereau, 2000にレビューされている)。
CD40とCD40Lとの相互作用は、体液性免疫応答と細胞媒介性免疫応答との両方を誘引する。CD40は、このリガンド−レセプターペアをレギュレーションして、B細胞及び樹状細胞(DC)を含む他の抗原提示細胞(APC)を活性化する(Toubi and Shoenfeld, 2004;Kiener, et al., 1995にレビューされている)。B細胞でのCD40の機能は広く研究されてきた。B細胞でのCD40の活性化は、増殖、抗体分泌細胞への分化及び二次リンパ器官の胚中心におけるアイソタイプスイッチングを誘引する。in vitro研究では、CD40活性化がサイトカイン産生(IL−6、IL−10、TNF−α、LT−α)、接着分子及び共刺激レセプター(ICAM、CD23、CD80及びCD86)の発現並びにBリンパ球によるMHCクラスI、MHCクラスII及びTAPトランスポーターの発現増加に直接影響することが示されている(Liu, et al., 1996)。これらのプロセスのほとんどについて、CD40は、サイトカイン又は他のレセプター−リガンド相互作用のいずれかと協調して作用する。
単球及びDCでのCD40シグナル伝達により、生存性の向上及びサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、TNF−α及びMIP−1α)の分泌がもたらされる。また、これらのAPCでのCD40連結により、共刺激分子、例えば、ICAM−1、LFA−3、CD80及びCD86のアップレギュレーションももたらされる。CD40レセプターの活性化は、T細胞活性化を駆動する効率的なAPCへのDCの完全な成熟を可能にする重要なシグナルの1つである(Banchereau and Steinman, 1998、Van Kooten C. and Banchereau, 2000)。
マウスモデルでの近年の研究から、樹状細胞でのCD40シグナル伝達は、関節炎及び多発性硬化症等の疾患における自己免疫のメディエーターと考えられているTH17細胞の生成にも重要な役割を果たしていることが示された(Iezzi, et al., 2009、Perona-Wright, et al., 2009)。
CD40及びCD40Lノックアウトマウス並びにアゴニスト及びアンタゴニスト抗マウス抗体の利用可能性から、幾つかの疾患モデルにおけるCD40−CD40L相互作用の役割を研究する可能性が提供された。遮断性抗CD40Lの投与は、SNF1マウスにおけるループス腎炎又はNODマウスにおける糖尿病等の自然発症疾患又はコラーゲン誘引関節炎(CIA)もしくは実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)等の実験的に誘引された形態の疾患を含む自己免疫の幾つかのモデルにおいて有益であることが実証されている(Toubi and Shoenfeld, 2004)。マウスでのCIAは、抗CD40L mAbにより阻害され、このmAbにより、関節の炎症の進行、コラーゲンに対する血清抗体価、軟骨及び骨のびらんに加えて、滑膜下組織への炎症細胞の浸潤が遮断された(Durie, et al., 1993)。ループス腎炎とEAEとの両方について、抗CD40Lにより、進行中の疾患を軽減することもできることが実証され、疾患のエフェクター相におけるCD40−CD40Lの役割が確認された(Kalled, et al., 1998;Howard, et al., 1999)。
EAE発症におけるCD40−CD40L相互作用の役割は、ミエリン塩基性タンパク質に特異的なトランスジェニックT細胞レセプターを有するCD40L欠損マウスでも研究された。これらのマウスは、抗原によるプライミング後にEAEを発症することができず、CD4T細胞は静止したままであり、INF−γを産生しなかった(Grewal, et al., 1996)。
さらに、CD40に対する阻害抗体は、炎症性疾患モデル、例えば、EAEにおいて有益な効果を示した。Lamannらにより、アンタゴニストマウス抗ヒトCD40 mu5D12及びこのmAbのキメラバージョンが非近交系のキヌサルにおける慢性脱髄性EAEの臨床的発現を効果的に防止することが実証された(Laman, et al., 2002;Boon, et al., 2001)。追跡研究から、キメラ抗ヒトCD40抗体による治療的処置により、マーモセットEAEモデルにおいて、MRIで検出可能な炎症が減少し、既存の脳病変の拡大が遅くなることが示された(Hart, et al., 2005)。
アゴニスト活性を有する抗CD40抗体が、関節炎のマウスモデルで試験され、幾らか矛盾する結果が得られた。免疫刺激剤について予測されるように、アゴニスト抗マウスCD40 mAb FGK45は、CIAのDBA/1マウスモデルにおいて疾患を悪化させることが示された(Tellander, et al., 2000)。一方、別の慢性CIAモデルFGK45及び別のアゴニスト抗マウスCD40 mAb 3/23では、両方とも、ポジティブな治療効果が示された(Mauri, et al., 2000)。この研究グループは、この処置計画におけるアゴニスト抗体がIFN−γレベルの低下とIL−4及びIL−10レベルの向上を伴うTh2応答への免疫偏位を誘引することにより有益な効果を有すると仮定した(Mauri, et al., 2000)。
CD40/CD154相互作用を遮断することによる移植拒絶反応の予防も立証されている。アカゲザルでの腎同種移植片研究におけるキメラ抗CD40アンタゴニストであるch5D12の使用により、CD40の拮抗作用が、疾患修飾及び100日を超える平均生存期間の延長に十分であることが示される。ch5D12を抗CD86抗体と併用し、同種移植片研究の開始時にのみ与え、続けて、シクロスポリンによる処置を延長した場合、4年を超える平均生存期間が達成された。このことから、この併用により、寛容性が誘引される可能性があることが示されている(Haanstra, et al., 2005)。
このように、効率的なT細胞依存性免疫応答の駆動におけるCD40−CD40L二分子(dyad)の重要な役割についての証拠を提供する十分な前臨床研究が存在する。したがって、CD40シグナル伝達の遮断は、RA、多発性硬化症又は乾癬等の疾患における病原性自己免疫応答をサプレッションするための適切かつ必要な治療戦略であると認識される。しかしながら、これまでに、開発中の抗CD40抗体が重大な副作用を有することが示された知見により、このような疾患の治療的介在のために承認されたCD40抗体は存在しない。このため、CD40−CD40Lの作用に介在し、CD40シグナル伝達を遮断するのに使用することができる治療剤に対する重大な必要性が依然として存在する。この必要性には、CD40に特異的に結合し、抗原結合特異性、親和性及びCD40に基づく障害の治療的介在においてその使用が可能となる薬物動態学的及び薬力学的特性を示す、新規なヒト化抗CD40抗体により対処することができる。
発明の概要
本発明は、ヒト化モノクローナル抗体であって、前記抗体が1nM未満のアンタゴニスト活性IC50を有して、ヒトCD40に特異的に結合し、B細胞増殖に100μg/mlまで受容体活性化作用を有さず、ここで、前記抗体が非ヒト霊長類において少なくとも10日のin vivo半減期を有することをさらに特徴とする、ヒト化モノクローナル抗体を提供する。
該ヒト化モノクローナル抗体は、該抗体が30mg/kg未満の用量で、カニクイザルにおいて8日を超える半減期を有することをさらに特徴とすることができる。
例示的な実施態様では、本発明の抗体は、配列番号:1〜配列番号:4のいずれかからなる群より選択される重鎖配列と、配列番号:5〜配列番号:8のいずれかからなる群より選択される軽鎖配列とを含む。
他の実施態様では、該抗体は、配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:53、配列番号:57、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:71、配列番号:72又は配列番号:73のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有する抗体のヒト化抗体又は抗原結合フラグメントである。
他の実施態様では、該抗体は、配列番号:5〜配列番号:8、配列番号:26、配列番号:31、配列番号:36、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:50、配列番号:51、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:55、配列番号:56、配列番号:74、配列番号:75又は配列番号:76の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗体のヒト化抗体又は抗原結合フラグメントである。
具体的な実施態様では、本明細書で記載されたモノクローナル抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、ここで、重鎖CDR1配列が、配列番号:9〜配列番号:11からなる群より選択され、重鎖CDR2配列が、配列番号:12〜配列番号:15からなる群より選択され、重鎖CDR3配列が、配列番号:16〜配列番号:17からなる群より選択され、ここで、軽鎖CDR1配列が、配列番号:18〜配列番号:21からなる群より選択される配列を有し、軽鎖CDR2配列が、配列番号:22〜配列番号:23からなる群より選択される配列を有し、軽鎖CDR3配列が、配列番号:24〜配列番号:25からなる群より選択されることを特徴とする。
具体的な実施態様では、本明細書で記載されたモノクローナル抗体は、該抗体が配列番号:10の重鎖CDR1配列、配列番号:13の重鎖CDR2配列及び配列番号:16の重鎖CDR3配列を含み、ここで、前記抗体が、配列番号:19の軽鎖CDR1配列、配列番号:22の軽鎖CDR2配列及び配列番号:24の軽鎖CDR3配列を含むことを特徴とする。
他の具体的な実施態様では、本明細書で記載されたモノクローナル抗体は、該抗体が配列番号:9の重鎖CDR1配列、配列番号:14の重鎖CDR2配列及び配列番号:16の重鎖CDR3配列を含み、ここで、前記抗体が、配列番号:20の軽鎖CDR1配列、配列番号:22の軽鎖CDR2配列及び配列番号:24の軽鎖CDR3配列を含むことを特徴とする。
別の具体的な実施態様では、本明細書で記載されたモノクローナル抗体は、該抗体が配列番号:9の重鎖CDR1配列、配列番号:14の重鎖CDR2配列及び配列番号:16の重鎖CDR3配列を含み、ここで、前記抗体が、配列番号:20の軽鎖CDR1配列、配列番号:22の軽鎖CDR2配列及び配列番号:24の軽鎖CDR3配列を含むことを特徴とする。
別の具体的な実施態様では、本明細書で記載されたモノクローナル抗体は、該抗体が配列番号:11の重鎖CDR1配列、配列番号:15の重鎖CDR2配列及び配列番号:17の重鎖CDR3配列を含み、前記抗体が、配列番号:21の軽鎖CDR1配列、配列番号:23の軽鎖CDR2配列及び配列番号:25の軽鎖CDR3配列を含むことを特徴とする。
また、本明細書において、本発明の好ましい抗体の重鎖についての個々の配列も記載される。本発明は、例えば、配列番号:1〜4のいずれか1つの重鎖可変ドメイン配列を含む抗CD40抗体に関する。抗CD40抗体は、配列番号:5〜配列番号:8のいずれか1つの軽鎖可変ドメイン配列を含むことをさらに特徴とする。
配列番号:27及び配列番号:26それぞれ;配列番号:28及び配列番号:26それぞれ;配列番号:29及び配列番号:26それぞれ;配列番号:30及び配列番号:26それぞれ;配列番号:32及び配列番号:31それぞれ;配列番号:33及び配列番号:31それぞれ;配列番号:34及び配列番号:31それぞれ;配列番号:35及び配列番号:31それぞれ;配列番号:37及び配列番号:36それぞれ;配列番号:38及び配列番号:36それぞれ;配列番号:39及び配列番号:36それぞれ;配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントも企図される。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:27及び配列番号:26それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:28及び配列番号:26それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:29及び配列番号:26それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:30及び配列番号:26それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:32及び配列番号:31それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:33及び配列番号:31それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:34及び配列番号:31それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:35及び配列番号:31それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:37及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:38及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:39及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様では、本発明は、配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗体又は抗体フラグメントに関する。
別の実施態様は、ヒトCD40に特異的に結合し、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29又は配列番号:30のヒト可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含み、配列番号:26の対応する軽鎖可変ドメインと少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列を含む、単離された抗体又は抗原結合フラグメントに関する。
別の実施態様は、ヒトCD40に特異的に結合し、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34又は配列番号:35のヒト可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含み、配列番号:31の対応する軽鎖可変ドメインと少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列を含む、単離された抗体又は抗原結合フラグメントに関する。
別の態様では、本発明は、重鎖アミノ酸配列が配列番号:32であり、別の実施態様では、重鎖アミノ酸配列が配列番号:33であり、別の実施態様では、重鎖アミノ酸配列が配列番号:34であり、別の実施態様では、重鎖アミノ酸配列が配列番号:35である、すぐ上の実施態様で記載された単離された抗体又は抗原結合フラグメントに関する。
ヒトCD40に特異的に結合し、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39又は配列番号:40のヒト可変ドメイン重鎖アミノ酸配列のフレームワーク領域のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含むヒト化重鎖可変ドメインを含み、配列番号:36の対応する軽鎖と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列を含む、単離された抗体又は抗原結合フラグメントも企図される。
別の態様では、本発明は、重鎖アミノ酸配列が配列番号:37であり、別の実施態様では、重鎖アミノ酸配列が配列番号:38であり、別の実施態様では、重鎖アミノ酸配列が配列番号:39であり、別の実施態様では、重鎖アミノ酸配列が配列番号:40である、すぐ上の実施態様で記載された単離された抗体又は抗原結合フラグメントに関する。
本発明の抗体は、前記抗体がCD40Lの非存在下ではB細胞からのサイトカインの産生を刺激しないことをさらに特徴とすることができる。
本発明の抗体は、前記抗体が50% ヒト血清の存在下でヒトCD40に結合し、onレートが2倍未満に低下することをさらに特徴とすることができる。
本発明の抗体は、さらに、前記抗体が1mg/kgの濃度でほ乳類におけるIgM及びIgG産生の阻害を生じさせることを特徴とすることができる。
本発明の抗体は、種々の治療方法、予防方法、診断方法及び他の方法に使用することができる。例えば、本発明は、ほ乳類におけるヒトCD40の機能を遮断する方法であって、前記ほ乳類に、前記ほ乳類におけるCD40媒介性免疫応答を遮断するのに十分な量で本発明の抗体を含む組成物を投与することを含む、方法を記載する。
本明細書において、ほ乳類における移植片対宿主病を治療し又は改善する方法であって、前記ほ乳類に、前記ほ乳類における移植片対宿主病の1種以上の症状を減少させるのに十分な量で本発明の抗体を含む組成物を投与することを含む、方法も企図される。
例として、自己免疫疾患又は炎症性疾患は、関節リウマチ、ループス腎炎、多発性硬化症、増殖性ループス糸球体腎炎、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、クローン病及び全身性エリテマトーデス(SLE)、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、甲状腺中毒症/グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性心臓炎、アジソン病、早発閉経、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、自己免疫性溶血性貧血、特発性白血球減少症、原発性胆汁性肝硬変、活動性慢性肝炎(HBs Ag陰性)、特発性肝硬変、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、円板状エリテマトーデス及び全身性血管炎を含むことができるが、これらに限定されない。例示的な実施態様では、ほ乳類は、関節リウマチを有する。
本発明の方法は、TNFアンタゴニスト、疾患修飾抗リウマチ剤、CTLA4アンタゴニスト、抗IL−6レセプター mAb及び抗CD20 mAbからなる群より選択される第2の治療剤を投与することをさらに含むことができる。
具体的な実施態様では、炎症性疾患又は自己免疫疾患は、CD40及びCD20の両方を発現する細胞と関連する炎症性疾患又は自己免疫疾患である。
具体的な方法では、処置は、抗体組成物を非経口投与経路により投与することを含む。
具体的な方法では、処置は、抗体組成物を静脈内又は皮下に投与することを含む。
本発明の更なる方法は、ヒト患者におけるB細胞による抗体産生を阻害することを含み、前記ヒト患者に、有効量の本発明の抗CD40抗体を投与することを含む。
より具体的には、ヒト患者は、CD40発現細胞と関連する炎症性疾患又は自己免疫疾患を有する。
例示的な実施態様では、ヒト患者は、関節リウマチ、多発性硬化症、増殖性ループス糸球体腎炎、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、クローン病及び全身性エリテマトーデス(SLE)、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、甲状腺中毒症/グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性心臓炎、アジソン病、早発閉経、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、自己免疫性溶血性貧血、特発性白血球減少症、原発性胆汁性肝硬変、活動性慢性肝炎(HBs Ag陰性)、特発性肝硬変、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、円板状エリテマトーデス及び全身性血管炎からなる群より選択される自己免疫疾患又は炎症性疾患からなる群より選択される自己免疫疾患を患っている。
本発明の別の方法は、ヒトCD40抗原を発現している細胞の増殖を阻害することであって、抗体又はその抗原結合フラグメントを該細胞に投与することを含み、この抗体又はその抗原結合フラグメントがヒト細胞表面CD40抗原に特異的に結合し、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメントのCD40抗原への結合が細胞の増殖又は分化を阻害する、阻害に関する。
また、CD40関連障害を有する対象を処置する方法であって、本発明の抗体又は抗原結合フラグメントを該対象に投与することを含み、この抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトCD40に特異的に結合し、ここで、この抗体又はその抗原結合フラグメントのCD40への結合は、このCD40関連障害の細胞の増殖又は分化を阻害する、方法も企図される。該細胞は、Bリンパ芽球様細胞、膵臓細胞、肺細胞、乳房細胞、卵巣細胞、結腸細胞、前立腺細胞、皮膚細胞、頭頸部細胞、膀胱細胞、骨細胞又は腎臓細胞であることができるが、これらに限定されない。
細胞の増殖又は分化を阻害するための処置方法は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、慢性リンパ球性白血病、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、T細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症又はカポジ肉腫の処置に有用であることができる。
また、末梢B細胞の枯渇を誘引するための方法であって、本発明の抗体又は抗原結合フラグメントを該細胞に投与することを含み、この抗体又は抗原結合フラグメントは、ヒト細胞表面CD40抗原に特異的に結合し、ここで、この抗体又は抗原結合フラグメントのCD40抗原への結合は、該細胞の枯渇を誘引する、方法も企図される。
具体的な実施態様では、該抗体又は抗原結合フラグメントは、免疫障害を有する対象に投与される。例えば、免疫疾患は、関節リウマチ又は全身性エリテマトーデスである。
また、対象における関節リウマチを処置する方法であって、本発明の抗体を前記対象に投与することを含み、ここで、前記抗体は、前記対象におけるCD40の機能を遮断するアンタゴニスト抗体である、方法も企図される。
また、対象における全身性エリテマトーデス又はループス腎炎を処置する方法であって、本発明の抗体を該対象に投与することを含み、ここで、前記抗体は、前記対象におけるCD40の機能を遮断するアンタゴニスト抗体である、方法も企図される。
好ましくは、該抗体は、前記対象におけるB細胞分化及び抗体アイソタイプスイッチングを阻害するのに有効な量で投与される。
他の実施態様では、該抗体は、前記対象のT細胞及びマクロファージにおけるサイトカイン及びケモカインの産生並びに接着分子のアップレギュレーションを阻害するのに有効な量で投与される。好ましくは、該抗体は、前記対象における樹状細胞の活性化を阻害するのに有効な量で投与される。
他の実施態様では、該方法は、前記対象における炎症誘発性サイトカイン、ケモカイン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、プロスタグランジンの産生を阻害し、非免疫細胞における接着分子をダウンレギュレーションするのに有効な量で投与されることをさらに特徴とする。
具体的な実施態様では、該抗体は、メトトレキサートの投与及び/又はEnbrel/Humiraの投与を含む計画と組み合わせて投与される。
治療を受ける対象は、関節リウマチを有し、メトトレキサート処置単独に非応答性であったものである。
具体的な実施態様では、該方法は、メトトレキサートの投与及び/又はEnbrel/Humiraの投与を含む計画で、前記対象を処置することを含む。
本発明の方法は、前記アンタゴニスト抗CD40抗体による前記対象の処置がメトトレキサート単独、Enbrel単独、Enbrel+メトトレキサートの組み合わせによる処置より優れた効力を有することをさらに特徴とすることができる。
本発明の方法は、前記アンタゴニスト抗CD40抗体による前記対象の処置がメトトレキサートに対する不十分な応答を有した患者において、Enbrel+MTXによる処置より優れた効力を有することをさらに特徴とすることができる。
具体的な実施態様では、該抗体は、抗TNF剤を含む計画と組み合わせて投与される。
具体的な実施態様では、対象は、関節リウマチを有し、抗TNF剤単独での治療に応答しなかったものとして特徴付けられる。このような実施態様では、該方法は、前記アンタゴニスト抗CD40抗体と組み合わせた抗TNF剤による処置を含む計画で前記対象を処置することを含むことができる。
具体的な実施態様では、前記アンタゴニスト抗CD40抗体による前記対象の処置は、抗TNF剤による処置より優れた効力を有する。
さらに他の実施態様では、該方法は、前記アンタゴニスト抗CD40抗体による前記対象の処置が抗TNF剤単独に対して不十分な応答を有する患者において、Orencia又はRituxanによる処置より優れた効力を有することを特徴とする。
本発明は、さらに、(i)本明細書で記載された抗体又は抗原結合フラグメントと、(ii)薬学的に許容し得る賦形剤とを含む、医薬組成物を企図する。このような組成物において、該抗体又はその抗原結合フラグメントは、有利には、第2の薬剤、例えば、細胞傷害剤、PEGキャリア、酵素又はマーカー等にコンジュゲートさせることができる。
また、本明細書において、配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:53、配列番号:57、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:71、配列番号:72又は配列番号:73のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする、単離されたポリヌクレオチドも企図される。
また、本明細書において、配列番号:5〜配列番号:8、配列番号:26、配列番号:31、配列番号:36、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:50、配列番号:51、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:55、配列番号:56、配列番号:74、配列番号:75又は配列番号:76のいずれかの軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする、単離されたポリヌクレオチドも企図される。
本発明は、さらに、ほ乳類におけるヒトCD40の機能を遮断するための医薬の製造のためのものであり、ここで、該医薬は、前記ほ乳類におけるCD40媒介性免疫応答を遮断する、本明細書で記載された抗体の使用に関する。
実施態様において、本発明は、ほ乳類における移植片対宿主病を治療し又は改善するための、医薬の製造に関する。
例示的な実施態様では、該医薬は、関節リウマチ、ループス腎炎、多発性硬化症、増殖性ループス糸球体腎炎、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、クローン病及び全身性エリテマトーデス(SLE)、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、甲状腺中毒症/グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性心臓炎、アジソン病、早発閉経、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、自己免疫性溶血性貧血、特発性白血球減少症、原発性胆汁性肝硬変、活動性慢性肝炎(HBs Ag陰性)、特発性肝硬変、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、円板状エリテマトーデス及び全身性血管炎からなる群より選択される自己免疫疾患又は炎症性疾患の処置のために製造される。
一部の実施態様では、該医薬は、TNFアンタゴニスト、疾患修飾抗リウマチ剤、CTLA4アンタゴニスト、抗IL−6レセプター mAb及び抗CD20 mAbからなる群より選択される第2の治療剤をさらに含むことができる。
該医薬は、非経口投与経路で使用するために製造することができる。該医薬は、静脈内又は皮下で使用するために製造することができる。
別の実施態様は、ヒト患者におけるB細胞による抗体産生の阻害のための医薬の製造のための、本明細書で記載された抗体の使用を企図する。
別の実施態様は、ヒトCD40抗原を発現する細胞の増殖及び/又は分化を阻害するための医薬の製造のための、本明細書で記載された抗体の使用を企図する。
別の実施態様は、CD40関連障害を有する対象の処置のための医薬の製造のためのものであり、ここで、前記医薬中の抗体又は抗原結合フラグメントのCD40への結合は、CD40関連障害の細胞の増殖又は分化を阻害する、本明細書で記載された抗体の使用を企図する。
該医薬は、Bリンパ芽球様細胞、膵臓細胞、肺細胞、乳房細胞、卵巣細胞、結腸細胞、前立腺細胞、皮膚細胞、頭頸部細胞、膀胱細胞、骨細胞又は腎臓細胞から選択されるCD40関連障害の細胞の処置に使用するために製造することができる。
該医薬は、慢性リンパ性白血病、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、T細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症又はカポジ肉腫の処置に使用するために製造することができる。
別の実施態様は、末梢B細胞の枯渇を誘引するための医薬の製造におけるものであり、ここで、該医薬の抗体又は抗原結合フラグメントは、ヒト細胞表面CD40抗原に特異的に結合し、ここで、該抗体又は抗原結合フラグメントのCD40抗原への結合は、該細胞の枯渇を誘引する、本発明の抗体の使用を企図する。
該医薬は、免疫障害を有する対象の処置における使用のために製造することができる。
該医薬は、関節リウマチ又は全身性エリテマトーデスの処置における使用のために製造することができる。
別の実施態様は、対象における関節リウマチの処置のための医薬の製造における、本発明の抗体の使用を企図する。
別の実施態様は、対象における全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置のための薬剤の製造における、本発明の抗体の使用を企図する。
該医薬は、前記対象におけるB細胞分化及び抗体アイソタイプスイッチングの阻害における使用のために製造することができる。
該医薬は、前記対象におけるサイトカイン及びケモカイン産生の阻害並びにT細胞及びマクロファージにおける接着分子のアップレギュレーションにおける使用のために製造することができる。
該医薬は、前記対象における樹状細胞の活性化の阻害に使用するために製造することができる。
該医薬は、前記対象における炎症誘発性サイトカイン、ケモカイン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、プロスタグランジンの産生の阻害及び非免疫細胞における接着分子のダウンレギュレーションにおける使用のために製造することができる。
特定の実施態様では、該医薬は、メトトレキサートの投与及び/又はEnbrel/Humiraの投与を含む計画と組み合わせて投与される組み合わせ医薬として製造される。
他の実施態様では、該医薬は、組み合わせ薬剤として製造され、該医薬は、本発明の抗体を含むことに加えて、抗TNF剤をさらに含む。
図1は、単純な用量漸増設計を示す。S−FUは、安全性追跡である。は、プラセボに無作為に割り振られた2名の対象と本発明の抗体に無作為に割り振られた8名の対象を指す。†は、S−FUがコホート4について長かったことを指す(42日に代えて56日)。 図2は、8日目、15日目及び22日目(Cpre)の本発明の抗体の前投与濃度並びに29日目のトラフ濃度を示す。 図3Aは、異なる用量での処置によるCD40レセプター占有率の算術平均%を示す。 図3Bは、異なる用量によるCD54アップレギュレーションの% 阻害を示す。
発明の詳細な説明
現在では、CD40媒介性シグナル伝達は、各種のターゲット疾患に関与していると認識されている。これらの障害への介在が治療上有益であるであろうことを示す各種の前臨床データが利用可能であるにもかかわらず、自己免疫疾患の処置に使用することができるアンタゴニスト抗CD40抗体の必要性が依然として存在する。本発明は、好ましい実施態様では、CD40を認識するヒト化抗体に関する。また、これらの抗体は、US第8,591,900号及びWO第2011/123489号にも開示されている。これらの文献それぞれの内容は、参照により本明細書に組み入れられる。具体的な実施態様では、これらのヒト化抗体の配列は、特定のリードマウス抗体の配列に基づいて特定されている。
近年の治療法の進歩にもかかわらず、自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス及びループス腎炎のための新たな処置には未だ満たされていない必要性が存在する。細胞表面レセプターCD40とそのリガンドCD40L(CD154)との相互作用は、体液性免疫及び細胞性免疫のレギュレーション並びにこれらの自己免疫疾患の病因において、中心的役割を果たすことが公知である。したがって、CD40−CD40L相互作用は、自己免疫疾患のモデュレーションのための魅力的なターゲットである。
CD40は、細胞表面レセプターであり、腫瘍壊死因子レセプターファミリーに属し、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、腎細胞及び他の非免疫細胞において発現される。CD40は、B細胞並びに樹状細胞及びマクロファージを含む他の抗原提示細胞(APC)を活性化することにより、抗原駆動性の獲得免疫の発達に関与する重要な共刺激分子であるが、非免疫常在細胞の活性化にも関与している。CD40Lは、腫瘍壊死因子スーパーファミリーのメンバーであり、主に、活性化T細胞並びに活性化B細胞及び血小板により発現される。CD40がCD40Lに結合すると、E−セレクチン(CD62E)、血管細胞接着分子−1(CD106)、細胞間接着分子−1(CD54)のアップレギュレーションが生じ、それにより、白血球の辺縁趨向及び血管外漏出が増加する。
CD40−CD40L相互作用は、最適なAPC−T細胞活性化に必要であると考えられる。CD40−CD40L経路は、T細胞応答の増幅に特に重要であると考えられており、幾つかの自己免疫疾患に関与している。CD40シグナル伝達経路を遮断すると、ヘルパーT1(Th1)細胞の分化及び免疫応答の維持が阻害されることが示されている。CD40及びCD40Lの発現増加は、関節リウマチ患者における活動性疾患と関連している。B細胞及びT細胞におけるCD40Lレベルの上昇は、全身性エリテマトーデスにおける疾患活動性と関連し、メサンギウム細胞における腎CD40発現は、クラスIII及びクラスIVループス腎炎患者においてアップレギュレートされる。
血栓塞栓症の偶発症のために、CD40Lに対するモノクローナル抗体の以前の臨床開発は失敗であったが、この偶発症は、血小板の活性化及び凝集により開始されたものであり、FcγRIIa(CD32a)血小板レセプターを活性化する抗CD40L抗体のFc領域による可能性がある。近年の研究では、機能的Fc領域を欠く抗体が、血栓塞栓性イベントを誘引せず、血小板を活性化できず、薬理活性及び臨床活性を保持することが示されている。
実施態様において、本発明の抗体は、CD40に選択的に結合し、CD40−CD40L相互作用を遮断するヒト化アンタゴニスト抗CD40モノクローナル抗体であり、アゴニスト活性を有さず、サイトカイン産生の刺激を防止するように設計された。Fc領域における2つの置換突然変異(Leu234Ala及びLeu235Ala)を組み込んで、Fc媒介性抗体依存性又は補体媒介性細胞傷害性及び血小板活性化を防止した。本発明の抗体では、ヒト(EC90=6.85±0.74nM)及びカニクイザルB細胞の両方において、強力かつ同等の結合特性並びにアゴニズムを伴わないCD40L誘引末梢血単核細胞増殖の強力な阻害が実証された。血小板に結合しても、本発明の抗体は、血小板の活性化、凝集又は機能を変化させないと考えられる。カニクイザルでの前臨床評価において、本発明の抗体50mg/kgまでを26週間反復投与することにより、B細胞レベルの可逆的低下、リンパ器官胚中心の可逆的減少及び血栓塞栓イベント又は関連するサイトカイン放出を伴わない良好な全般的耐用性が実証された(及び未発表データ)。これらの評価における無毒性量は、投与された最高用量である50mg/kgであった(未発表データ)。
実施例9に示されたように、健康なボランティアでの単回上昇用量研究において、最大120mg 本発明の抗体の静脈内(IV)及び皮下(SC)単回用量の増加は十分に耐容性であり、CD40−CD40L経路を遮断する高い可能性を示した。本発明の抗体のIV及びSC投与の両方の後、CD40レセプター占有率(RO)の用量関連増加及びB細胞活性化の阻害(CD54アップレギュレーションの阻害により測定される)が観察された。
「CD40」及び「CD40表面抗原」という用語は、正常及び腫瘍性B細胞の表面に発現される約48kD 糖タンパク質を指し、細胞の増殖及び分化に関与するシグナルのレセプターとして作用する(Ledbetter et al., 1987, J. Immunol. 138:788-785)。バーキットリンパ腫細胞系統Rajiから調製されたライブラリから、CD40をコードするcDNA分子が単離されている(Stamenkovic et al., 1989, EMBO J. 8:1403)。
本明細書で使用する場合、CD40を内因的に発現する細胞は、CD40の表面発現により特徴付けられる任意の細胞であり、正常及び腫瘍性B細胞、指状突起細胞、基底上皮細胞、ガン細胞、マクロファージ、内皮細胞、濾胞樹状細胞、扁桃細胞及び骨髄由来形質細胞を含むが、これらに限定されない。一部の実施態様では、CD40分子は、ヒトCD40分子である。
本発明の抗体は、ヒトリコンビナント及びネイティブCD40に特異的に結合する。ヒト化モノクローナル抗体は、1nM未満のアゴニスト活性IC50を有してヒトCD40に特異的に結合し、B細胞増殖において最大100μg/mlの作動性を有さず、ここで、前記抗体は、非ヒト霊長類において少なくとも10日のin vivo半減期を有することをさらに特徴とする。
好ましくは、抗体は、1nM未満のEC50を有してCD40−FcコンジュゲートにおけるCD40に特異的に結合し、2.5nM未満のEC50を有してCD40発現細胞におけるCD40に特異的に結合する。抗体のアンタゴニスト特性は、1nM未満のB細胞又は樹状細胞アンタゴニスト活性IC50を有するという点で定義される。該抗体は、さらに、他の抗CD40抗体(例えば、抗CD40抗体4D11)と比較して、向上したin vivo半減期を有する優れた薬物動態特性を有する。
本明細書で使用する場合、CD40を発現する細胞は、CD40の表面発現により特徴付けられる任意の細胞であり、正常及び腫瘍性B細胞、指状突起細胞、基底上皮細胞、ガン細胞、マクロファージ、内皮細胞、濾胞樹状細胞、扁桃細胞及び骨髄由来形質細胞を含むが、これらに限定されない。一部の実施態様では、CD40分子は、ヒトCD40分子である。
本発明の抗体は、特異的な「CD40抗原エピトープ」及び「CD40エピトープ」を認識する。本明細書で使用する場合、これらの用語は、抗CD40抗体と免疫反応可能な分子(例えば、ペプチド)又は分子のフラグメントを指し、例えば、軽鎖配列番号:26と重鎖配列番号:27、28、29もしくは30のいずれか;又は軽鎖配列番号:31と重鎖配列番号:32、33、34もしくは35のいずれか;又は軽鎖配列番号:36と重鎖配列番号:37、38、39もしくは40のいずれかとの重鎖/軽鎖配列の組合せを有する抗体のいずれかにより認識されるCD40抗原決定基を含む。CD40抗原エピトープは、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド等に含まれることができる。エピトープは、最も一般的には、タンパク質、短いオリゴペプチド、オリゴペプチド模倣物(すなわち、CD40抗原の抗体結合特性を模倣する有機化合物)又はそれらの組み合わせである。
抗体又は免疫グロブリンの一般化された構造は、当業者に周知であり、これらの分子は、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖から構成される、典型的には、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つのジスルフィド結合により重鎖に共有結合して、ヘテロ二量体を形成し、ヘテロ四量体分子は、該ヘテロ二量体の2つの同一の重鎖間の共有ジスルフィド結合を介して形成される。軽鎖及び重鎖同士は、1つのジスルフィド結合により結合されるが、2つの重鎖間のジスルフィド連結の数は、免疫グロブリンアイソタイプにより変化する。また、各重鎖及び軽鎖は、規則的に間隔を空けた鎖内ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は、可変ドメイン(V)、続けて、3つ又は4つの定常ドメイン(CH1、CH2、CH3及びCH4)と、CH1とCH2との間のヒンジ領域とを有する。各軽鎖は、2つのドメインであるアミノ末端可変ドメイン(V)及び刈る簿記氏末端定常ドメイン(C)を有する。Vドメインは、Vドメインと非共有的に会合する。一方、Cドメインは、一般的には、ジスルフィド結合を介してCH1ドメインと共有結合する。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられている(Chothia et al., 1985, J. Mol. Biol. 186:651-663.)。
可変ドメイン内の特定のドメインは、異なる抗体間で大きく異なる、すなわち、「超可変」である。これらの超可変ドメインは、その特異的抗原決定基に対する各特定の抗体の結合及び特異性に直接関与する残基を含有する。軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方における過可変性は、相補性決定領域(CDR)又は超可変ループ(HVL)として公知の3つのセグメントに集中している。CDRは、Kabat et al., 1991, In: Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.において、配列比較により定義される。一方、HVLは、Chothia and Lesk, 1987, J. Mol. Biol. 196: 901-917に記載されているように、可変ドメインの三次元構造に従って、構造的に定義される。これらの2つの方法により、CDRのわずかに異なる特定をもたらされる場合には、構造的定義が好ましい。Kabatに定義されているように、CDR−L1は、軽鎖可変ドメインにおける約24〜34、CDR−L2は、約50〜56、CDR−L3は、約89〜97の残基に位置し、CDR−H1は、重鎖可変ドメインにおける約31〜35、CDR−H2は、約50〜65、CDR−H3は、約95〜102の残基に位置する。したがって、重鎖及び軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3は、所定の抗体に特異的な固有かつ機能的特性を規定する。
重鎖及び軽鎖それぞれにおける3つのCDRは、それほど可変でない傾向がある配列を含有するフレームワーク領域(FR)により分離される。重鎖及び軽鎖可変ドメインのアミノ末端からカルボキシ末端にかけて、FR及びCDRは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4の順序で配置される。FRの大部分のβ−シート構成は、各鎖内のCDR同士を近接させ、他の鎖からのCDRにも近接させる。全てのCDR残基が、必ずしも抗原結合に直接関与するわけではないが、結果として生じるコンホメーションは、抗原結合部位に寄与する(Kabat et al., 1991, NIH Publ. No. 91-3242, Vol. I, pages 647-669を参照のこと)。
FR残基及びIg定常ドメインは、抗原結合に直接関与しないが、抗原結合に寄与し及び/又は抗体エフェクター機能を媒介する。幾つかのFR残基は、少なくとも3つの方法:エピトープに非共有結合的に直接結合すること、1つ以上のCDR残基と相互作用すること及び重鎖と軽鎖との間の界面に影響を及ぼすことにより、抗原結合に重要な影響を有すると考えられる。定常ドメインは、抗原結合に直接関与しないが、種々のIgエフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)及び抗体依存性細胞食作用(ADCP)における抗体の関与を媒介する。
脊椎動物の免疫グロブリンの軽鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)とラムダ(λ)との2つの明らかに異なるクラスのうちの一方に割り当てられる。比較すると、ほ乳類の免疫グロブリンの重鎖は、定常ドメインの配列に従って、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、IgMのうちの1つに割り当てられる。IgG及びIgAは、さらに、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA及びIgAに分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、α、δ、ε、γ及びμと呼ばれる。ネイティブな免疫グロブリンのクラスのサブユニット構造及び三次元立体配置は周知である。
「抗体」、「抗CD40抗体」、「ヒト化抗CD40抗体」及び「改変ヒト化抗CD40抗体」という用語は、本明細書において、最も広い意味で使用され、特に、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)並びに所望の生物学的活性、例えば、CD40結合を示す抗体フラグメント、例えば、抗体の可変ドメイン及び他の部分を包含する。
「モノクローナル抗体」(mAb)という用語は、実質的に均質な抗体の集団の抗体を指す。すなわち、その集団中の個々の抗体は、少量で存在する場合がある天然に存在する突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原決定基「エピトープ」に対して向けられる。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、同一のエピトープに対して向けられる抗体の実質的に均質な集団を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。モノクローナル抗体は、当技術分野において公知の任意の技術又は方法論(例えば、ハイブリドーマ法(Kohler et al., 1975, Nature 256:495)又は当技術分野において公知のリコンビナントDNA法(例えば、US第4,816,567号を参照こと)又はClackson et al., 1991, Nature 352: 624-628及びMarks et al., 1991, J. Mol. Biol. 222: 581-597に記載された技術を使用するファージ抗体ライブラリーを使用してリコンビナントに産生されたモノクローナルの単離方法により調製することができると理解されるべきである。
キメラ抗体は、ある種(例えば、非ヒトほ乳類、例えば、マウス)由来の抗体の重鎖及び軽鎖可変領域と、別の種(例えば、ヒト)抗体の重鎖及び軽鎖定常領域とからなり、第1の種(例えば、マウス)由来の抗体の可変領域をコードするDNA配列を第2の種(例えば、ヒト)由来の抗体の定常領域のDNA配列に連結させ、連結させた配列を含有する発現ベクターでホストをトランスフォーメーションして、キメラ抗体を産生させることにより得ることができる。代替的には、キメラ抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の1つ以上の領域又はドメインが別の免疫グロブリンクラス又はアイソタイプ由来のモノクローナル抗体と同一、相同又は対応する配列の変異体であるか又はコンセンサス配列又は生殖系列配列由来のものであることもできる。キメラ抗体は、このような抗体のフラグメントを含むことができる。ただし、抗体フラグメントは、その親抗体の所望の生物学的活性、例えば、同じエピトープへの結合を示すという条件である(例えば、US第4,816,567号及びMorrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851-6855を参照のこと)。
「抗体フラグメント」、「抗CD40抗体フラグメント」、「ヒト化抗CD40抗体フラグメント」、「変異体ヒト化抗CD40抗体フラグメント」という用語は、全長抗CD40抗体の一部を指し、可変領域又は機能的能力、例えば、特異的CD40エピトープ結合が保持される。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fv、scFv及びscFv−Fcフラグメント、ディアボディ、線状抗体、一本鎖抗体、ミニボディ、抗体フラグメントから形成されるディアボディ及び抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。
全長抗体は、有用な抗体フラグメントを生成するために、酵素、例えば、パパイン又はペプシンで処理することができる。パパイン消化は、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合抗体フラグメント(それぞれ、単一の抗原結合部位を有する)と、残りの「Fc」フラグメントとを生成するのに使用される。また、Fabフラグメントは、軽鎖の定常領域及び重鎖のCH1領域も含有する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、それでも抗原と架橋可能なF(ab’)フラグメントが生成される。
Fab’フラグメントは、CH1ドメインのC末端における抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む付加的な残基の存在により、Fabフラグメントとは異なる。F(ab’)抗体フラグメントは、ヒンジ領域においてシステイン残基により連結しているFab’フラグメントのペアである。抗体フラグメントの他の化学結合も公知である。
「Fv」フラグメントは、密接な非共有会合の1つの重鎖及び1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる完全な抗原認識及び結合部位を含有する。この構成では、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用し、V−V二量体の表面に、抗原結合部位を画定する。まとめると、6個のCDRにより、抗原結合特異性が抗体に付与される。
「一本鎖Fv」又は「scFv」抗体フラグメントは、抗体のV及びVドメインを含む一本鎖Fv変異体であり、ここで、該ドメインは、単一のポリペプチド鎖に存在する。一本鎖Fvは、抗原を認識し、結合可能である。また、scFvポリペプチドは、場合により、scFvによる抗原結合のための所望の三次元構造の形成を容易にするために、VドメインとVドメインとの間に位置するポリペプチドリンカーを含有することもできる(例えば、Pluckthun, 1994, In The Pharmacology of monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, pp. 269-315を参照のこと)。
他の認識された抗体フラグメントには、一対のタンデムFdセグメント(V−CH1−V−CH1)を含み、一対の抗原結合領域を形成するものを含む。これらの「線状抗体」は、例えば、Zapata et al. 1995, Protein Eng. 8(10):1057-1062に記載されているように、二重特異性又は単特異性であることができる。
ヒト化抗体又はヒト化抗体フラグメントは、免疫グロブリンアミノ酸配列変異体又はそのフラグメントを含み、所定の抗原に結合可能であり、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1つ以上のFR及び非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1つ以上のCDRを含む、特別な種類のキメラ抗体である。多くの場合「インポート」配列と呼ばれるこの非ヒトアミノ酸配列は、典型的には、「インポート」抗体ドメイン、特に、可変ドメインから得られる。一般的には、ヒト化抗体は、ヒト重鎖又は軽鎖可変ドメインのFRの間に挿入された非ヒト抗体のCDR又はHVLを少なくとも含む。本発明は、ヒト生殖系列配列重鎖及び軽鎖可変ドメインのFR間に挿入された、表3及び4に示されたマウスモノクローナル抗体に由来するCDRを含有する特異的ヒト化抗CD40抗体を記載する。特定のマウスFR残基は、ヒト化抗体の機能に重要である場合があり、したがって、ヒト生殖系列配列重鎖及び軽鎖可変ドメイン残基の特定のものは、対応するマウス配列のものと同じであるように修飾されると理解されるであろう。
別の態様では、ヒト化抗CD40抗体は、全て又は実質的に全てのCDRが非ヒト免疫グロブリンのものに対応する、少なくとも1つ、典型的には、2つの可変ドメイン(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fabc及びFvフラグメントに含まれるような)の実質的に全てを含み、具体的には、本明細書において、全てのCDRが、本明細書における以下の表1〜4に詳述されるマウス配列であり、全て又は実質的に全てのFRが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列又は生殖系列配列のものである。また、別の態様では、ヒト化抗CD40抗体は、免疫グロブリンFc領域の少なくとも一部、典型的には、ヒト免疫グロブリンのものも含む。通常、該抗体は、軽鎖及び重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有するであろう。また、必要に応じて、該抗体は、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3及び/又はCH4領域のうちの1つ以上を含むことができる。
ヒト化抗CD40抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含む任意のクラスの免疫グロブリン並びにIgG、IgG、IgG、IgG、IgA及びIgAを含む任意のアイソタイプから選択することができる。例えば、定常ドメインは、ヒト化抗体が細胞傷害活性を示すことが所望される場合、補体固定定常ドメインであることができ、アイソタイプは、典型的には、IgGである。このような細胞傷害活性が望ましくない場合、定常ドメインは、別のアイソタイプ、例えば、IgGであることができる。代替的なヒト化抗CD40抗体は、2つ以上の免疫グロブリンクラス又はアイソタイプからの配列を含むことができ、所望のエフェクター機能を最適化するために特定の定常ドメインを選択することは、当業者の範囲内である。具体的な実施態様では、本発明は、IgG1抗体、とりわけ、エフェクター機能のノックアウトが存在するIgG1抗体である抗体を提供する。
ヒト化抗CD40抗体のFR及びCDR又はHVLは、親配列に正確に対応する必要はない。例えば、インポートCDRもしくはHVL又はコンセンサス配列もしくは生殖系列FR配列における1つ以上の残基は、置換、挿入又は欠失により改変(例えば、突然変異誘発)させることができ、その結果、得られたアミノ酸残基は、いずれかの親配列における対応する位置にある元の残基とはもはや同一ではないが、それにもかかわらず、該抗体は、CD40に結合する機能を保持する。このような改変は、典型的には、広範囲にわたるものではなく、保存的改変であろう。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも75%、より多くの場合、少なくとも90%、最も多くの場合、95%超又は98%超又は99%超は、親コンセンサス配列又は生殖系列FR配列及びインポートCDR配列の残基に対応するであろう。
重鎖及び軽鎖可変領域間の界面(「V−V界面」)に影響を及ぼす免疫グロブリン残基は、互いに関係する2つの鎖の近接性又は方向に影響を及ぼすものである。鎖間相互作用に関与する場合がある特定の残基は、V残基34、36、38、44、46、87、89、91、96及び98並びにV残基35、37、39、45、47、91、93、95、100及び103を含む(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987で説明されたナンバリングシステムを利用する)。また、US第6,407,213号にも、V残基43及び85並びにV残基43及び60等の残基が、この相互作用に関与する場合があることが議論されている。これらの残基は、ヒトIgGについてのみ示されるが、これらは、種を跨って適用可能である。鎖間相互作用に関与すると合理的に予想される重要な抗体残基が、コンセンサス配列への置換に選択される。
「コンセンサス配列」及び「コンセンサス抗体」という用語は、全ての免疫グロブリンの任意の特定のクラス、アイソタイプ又はサブユニット構造、例えば、ヒト免疫グロブリン可変ドメインにおける各位置に最も頻繁に存在するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を指す。コンセンサス配列は、特定の種又は多くの種の免疫グロブリンに基づくことができる。「コンセンサス」配列、構造又は抗体は、特定の実施態様に記載されたようなコンセンサスヒト配列を包含し、全てのヒト免疫グロブリンの任意の特定のクラス、アイソタイプ又はサブユニット構造における各位置に最も頻繁に存在するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を指すと理解される。このため、コンセンサス配列は、1つ以上の公知の免疫グロブリンに存在するが、任意の単一の免疫グロブリンのアミノ酸配列全体を正確には複製することができないアミノ酸を各位置に有するアミノ酸配列を含有する。可変領域コンセンサス配列は、天然に産生される抗体又は免疫グロブリン及びその変異体のいずれからも得られない(Kabat et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.)。重鎖及び軽鎖コンセンサス配列のFR並びにその変異体は、ヒト化抗CD40抗体の調製に有用な配列を提供する。例えば、US第6,037,454号及び同第6,054,297号を参照のこと。
ヒト生殖系列配列は、ヒト集団中に自然に見出される。これらの生殖系列遺伝子の組み合わせは、抗体の多様性を生み出す。抗体の軽鎖のための生殖細胞系抗体配列は、保存されたヒト生殖系列カッパ又はラムダv−遺伝子及びj−遺伝子に由来する。同様に、重鎖配列は、生殖系列のv−、d−及びj−遺伝子に由来する(LeFranc, M-P, and LeFranc, G, 「The Immunoglobulin Facts Book」 Academic Press, 2001)。
本明細書で使用する場合、「変異体」、「抗CD40変異体」、「ヒト化抗CD40変異体」又は「変異体ヒト化抗CD40」はそれぞれ、配列番号:1〜4の配列のいずれかからの重鎖可変マウスCDR又は配列番号:5〜配列番号:8のいずれかに示されたマウスモノクローナル抗体に由来する軽鎖マウスCDR配列及びヒトコンセンサス配列に由来するFR配列を少なくとも有するヒト化抗CD40抗体を指す。変異体は、軽鎖又は重鎖可変ドメインの一方又は両方に1つ以上のアミノ酸変化を有するものを含む。ただし、アミノ酸変化が、抗体のCD40への結合を実質的に損なわないという条件である。本明細書で産生される例示的なヒト化抗体は、抗体A、抗体B及び抗体Cと指定されるものを含み、それらの種々の重鎖及び軽鎖配列は、配列番号:26〜配列番号:40に示される。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から特定され並びに分離され及び/又は回収されたものである。抗体の自然環境の夾雑成分は、抗体の診断的又は治療的使用を妨害する場合があるような物質であり、酵素、ホルモン又は他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質である場合がある。一態様では、該抗体は、抗体の少なくとも95重量%超の単離まで精製されるであろう。
単離された抗体は、抗体が産生されるリコンビナント細胞内のin situでの抗体を含む。抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないであろうためである。ただし、通常、単離された抗体は、リコンビナント細胞材料が除去される少なくとも1つの精製工程により調製される。
「抗体性能」という用語は、抗原の抗体認識又はin vivoでの抗体の効力に寄与する因子を指す。抗体のアミノ酸配列の変化は、抗体特性、例えば、フォールディングに影響を及ぼす場合があり、物理的な因子、例えば、抗原への抗体結合の初速度(k)、抗原からの抗体の解離定数(k)、抗原に対する抗体の親和定数(Kd)、抗体のコンホメーション、タンパク質安定性及び抗体の半減期に影響を及ぼす場合がある。
本明細書で使用する場合、「エピトープタグ付けされた」という用語は、「エピトープタグ」に融合された抗CD40抗体を指す。「エピトープタグ」は、抗体産生のためのエピトープを提供するのに十分な数のアミノ酸を有するが、ヒト化抗CD40抗体の所望の活性を妨害しないように設計されたポリペプチドである。エピトープタグに対して生じた抗体が、他のエピトープと実質的に交差反応しないように、エピトープタグは、通常、十分に独特である。適切なタグポリペプチドは、一般的には、少なくとも6個のアミノ酸残基を含有し、通常、約8〜50個のアミノ酸残基又は約9〜30個の残基を含有する。エピトープタグ及びエピトープに結合する抗体の例は、flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5(Field et al., 1988 Mol. Cell. Biol. 8: 2159-2165);c−mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体(Evan et al., 1985, Mol. Cell. Biol. 5(12):3610-3616);並びに単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体(Paborsky et al. 1990, Protein Engineering 3(6): 547-553)を含む。特定の実施態様では、エピトープタグは、「サルベージレセプター結合エピトープ」である。本明細書で使用する場合、「サルベージレセプター結合エピトープ」という用語は、IgG分子のin vivo血清半減期を上昇させる原因となるIgG分子(例えば、IgG、IgG、IgG又はIgG)のFc領域のエピトープを指す。
一部の実施態様では、本発明の抗体は、細胞傷害剤にコンジュゲートさせることができる。これは、細胞の機能を阻害しもしくは妨げ及び/又は細胞の破壊を引き起こす任意の物質である。該用語は、放射性同位体(例えば、I131、I125、Y90及びRe186)、化学療法剤並びに細菌、真菌、植物又は動物起源の毒素、例えば、酵素活性毒素及びそのフラグメントを含むことが意図される。このような細胞傷害剤は、標準的な手法を使用して、本発明のヒト化抗体にカップリングさせることができ、例えば、抗体による治療を必要とする患者を処置するのに使用することができる。
「化学療法剤」は、ガンの処置に有用な化合物である。本発明の治療用抗体とコンジュゲートさせることができる化学療法剤の多くの例が存在する。このような化学療法剤の例は、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロスピファミド;アルキルスルホナート、例えば、ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;ベンゾドパ、カルボクオン、アジリジン、例えば、ベンゾドパ、カルボクオン、メツレドパ及びウレドパ;エチレンイミン及びメチルメラミン(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド及びトリメチロールメラミンを含む);アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体であるトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン、アウリスタチン(類似体であるモノメチル−アウリスタチンE及びモノメチル−アウリスタチンFを含む);デュオカルマイシン(合成類似体であるKW−2189及びCBI−TMIを含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロマファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、酸化メクロレタミン塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン;トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ランチムスチン;抗生物質、例えば、エンジエン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンphiI1(例えば、Agnew, Chem. Intl. Ed. Engl., 33:183-186を参照のこと);ダイネミシン(ダイネミシンAを含む);ビスホスホナート、例えば、クロドロナート;エスペラミシン並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連する発色タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルビシン、ドキソルビシン(Adriamycin(商標))、(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えば、メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似物、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテノプテリン、トリメトレキサート;プリン類似物、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似物、例えば、アンシタビン、アザウリジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオナート、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗アドラナール、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグルコシド;アミノレブリン酸;エニルラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デホファミン;デモコルシン;ジアジクオン;エルホミチン;エリプチニウムアセタート;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;メイタンシノイド、例えば、メイタンシン及びアンサミトシン;ミトグアゾン、ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルブシン;ロソキサントロン、ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジン;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンA及びアンギジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミタブロニトール;;ミトラクロール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)及びドキセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロラムブシル;ゲムシタビン(Gemzar(商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ類似物、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP−16);イホスファミド;メトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン(Navelbine(商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ;イバンドロナート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体を含む。また、この定義には、腫瘍におけるホルモン作用をレギュレーションし又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲンレセプターモデュレーター(SERM)(例えば、タモキシフェン(Nolvadex(商標)を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston(商標))を含む);副腎におけるエストロゲン産生をレギュレーションする酵素であるアロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、メゲストロールアセタート(Megace(商標))、エキセメスタン、ホルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(Rivisor(商標))、レトロゾール(Femara(商標))及びアナストロゾール(Arimidex(商標));並びに抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド及びゴセレリン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体も含まれる。これらの薬剤のいずれか1種以上を、本発明のヒト化抗体にコンジュゲートさせて、種々の障害の処置に有用な治療剤を提供することができる。
また、該抗体は、プロドラッグにコンジュゲートさせることもできる。「ドラッグ」は、親薬物と比較して、腫瘍細胞に対してより細胞傷害性が低く、酵素的に活性化可能であるか又はより活性な形態に変換可能な、薬学的に活性な物質の前駆体又は誘導体形態である。例えば、Wilman, 1986, 「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」, In Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast及びStella et al., 1985, 「Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery, In:」Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Pressを参照のこと。有用なプロドラッグは、ホスファート含有プロドラッグ、チオホスファート含有プロドラッグ、サルファート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、場合により置換されているフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ及び場合により置換されているフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロシトシン及びより活性な細胞毒傷害性のない薬剤に変換することができる他の5−フルオロウリジンプロドラッグを含むが、これらに限定されない。プロドラッグ形態に誘導体化することができる細胞傷害剤の例は、上記されたような化学療法剤を含むが、これらに限定されない。
また、診断及び治療のモニタリングの目的で、本発明の抗体は、ラベルを、ラベル単独又はラベル及び更なる第2の薬剤(プロドラッグ、化学療法剤など)のいずれかでコンジュゲートさせることもできる。他の第2の薬剤と区別されるラベルは、検出可能な化合物又は組成物であり、本発明のヒト化抗体に直接又は間接的にコンジュゲートさせることもできる作用剤を指す。ラベル自体が検出可能であることができ(例えば、放射性同位体ラベル又は蛍光ラベル)又は酵素ラベルの場合には、検出可能な基質化合物もしくは組成物の化学的変化を触媒することができる。ラベルされたヒト化抗CD40抗体は、in vitro及びin vivo診断を含む種々の適用において調製し、使用することができる。
本発明の抗体は、in vivoでのその送達に影響を及ぼすために、リポソーム調製物の一部として配合することができる。「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤から構成される小胞である。リポソームは、本明細書で開示されたヒト化抗CD40抗体等の化合物又は配合物のほ乳類への送達に有用であり、場合により、1種以上の薬学的に活性な薬剤及び/又はラベルに結合されるか又はこれらと組み合わせられる。リポソームの成分は、通常、生体膜の脂質配置に似た、二層形態で配置される。
本発明の特定の態様は、本発明のヒト化抗体の1つ以上のドメインをコードする、単離された核酸に関する。「単離された」核酸分子は、通常は抗体核酸の天然ソースに会合する少なくとも1つの夾雑核酸分子から特定され、分離された核酸分子である。単離された核酸分子は、本来の細胞中に存在する場合の核酸分子とは区別される。
本発明の種々の態様では、ヒト化抗体の1つ以上のドメインは、リコンビナントに発現されるであろう。このようなリコンビナント発現は、1つ以上の制御配列、すなわち、特定のホスト生物における動作可能に連結されたコード配列の発現に必要なポリヌクレオチド配列を利用することができる。原核細胞における使用に適した制御配列は、例えば、プロモーター、オペレーター及びリボソーム結合部位配列を含む。真核生物の制御配列は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを含むが、これらに限定されない。これらの制御配列は、原核及び真核ホスト細胞におけるヒト化抗CD40抗体の発現及び産生に利用することができる。
核酸配列は、別の核酸配列と機能的関係に置かれた場合、「動作可能に連結」される。例えば、核酸プレ配列又は分泌リーダーは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドをコードする核酸に動作可能に連結され、プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に動作可能に連結され又はリボソーム結合部位は、翻訳を容易にするように配置される場合、コード配列に動作可能に連結される。一般的には、「動作可能に連結される」は、連結されるDNA配列が連続しており、分泌リーダーの場合、連続し、読み枠内にあることを意味する。一方、エンハンサーは、場合により連続している。連結は、便宜な制限部位におけるライゲーションにより達成することができる。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーを使用することができる。
本明細書で使用する場合、「細胞」、「細胞系統」及び「細胞培養物」という表現は、互換的に使用され、全てのこのような名称は、その子孫を含む。このため、「トランスフォーマント」及び「トランスフォーメーションされた細胞」は、トランスファーの回数に関係なく、初代対象細胞及びそれに由来する培養物を含む。
処置の目的での「ほ乳類」という用語は、ヒト、飼育動物及び家畜並びに動物園、スポーツ又はペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ等を含む、ほ乳類として分類される任意の動物を指す。好ましくは、ほ乳類は、ヒトである。
本明細書で使用する場合、「障害」は、本明細で記載されたヒト化抗CD40抗体による処置により利益を得るであろう任意の状態である。これは、慢性及び急性の障害又は疾患を含み、当該障害にほ乳類を罹りやすくする病理学的状態を含む。本明細書で処置される障害の非限定的な例は、ガン、血液悪性腫瘍、良性及び悪性腫瘍、白血病及びリンパ性悪性腫瘍並びに炎症性、血管新生、自己免疫及び免疫障害を含む。
「ガン」及び「ガン性」という用語は、レギュレーションされていない細胞増殖を典型的に特徴とするほ乳類における生理学的状態を指し又は説明する。ガンの例は、ガン腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫及び白血病を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「CD40関連障害」又は「CD40関連疾患」という用語は、CD40を発現する細胞の改変又は排除が必要な状態を指す。これらは、異常な増殖を示すCD40発現細胞又はガン性もしくは悪性の増殖と関連するCD40発現細胞を含む。CD40抗原の異常な発現を示すガンのより特定の例は、Bリンパ芽球様細胞、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、T細胞リンパ腫、カポジ肉腫、骨肉腫、表皮及び内皮腫瘍、膵臓、肺、乳房、卵巣、結腸、前立腺、頭頸部、皮膚(メラノーマ)、膀胱及び腎臓のガンを含む。このような障害は、白血病、B細胞リンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症;肉腫、例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性メラノーマ、卵巣腺ガンを含む腺ガン、カポジ肉腫/カポジ腫瘍及び扁平上皮ガンを含む固形腫瘍を含むが、これらに限定されない。
また、CD40関連障害は、免疫系の疾患及び障害、例えば、自己免疫障害及び炎症性障害も含む。このような状態は、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、シェーグレン症候群、多発性硬化症、乾癬、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、肺炎、喘息及び特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「増殖を停止させる」又は「増殖阻害」という表現は、細胞、特に、CD40抗原を発現する新生物細胞種の増殖(growth)又は増殖(proliferation)を阻害することを指す。このため、増殖阻害は、例えば、S期における新生物細胞の割合を顕著に低下させる。
「静脈内注入」という用語は、約15分超の期間、一般的には、約30〜90分の間にわたる、動物又はヒト患者の静脈への薬剤の導入を指す。
「静脈内ボーラス」又は「静脈内プッシュ」という用語は、身体に約15分以内、一般的には、5分以内に薬剤を投与するような、動物又はヒトの静脈への薬剤投与を指す。
「皮下投与」という用語は、薬剤レセプタクルからの比較的ゆっくりとした持続的送達による、動物又はヒト患者の皮膚下、好ましくは、皮膚と下にある組織との間のポケット内への薬剤の導入を指す。皮膚をつまんだり、引き上げたりして、下にある組織から離すと、ポケットを形成することができる。
「皮下注入」という用語は、薬物レセプタクルからの比較的ゆっくりとした持続的な送達による、30分以内又は90分以内を含むがこれらに限定されない期間での、動物又はヒト患者の皮膚下、好ましくは、皮膚と下にある組織との間のポケット内への薬剤の導入を指す。場合により、該注入は、動物又はヒト患者の皮膚下に埋め込まれた薬剤送達ポンプの皮下埋込みにより行うことができ、ここで、該ポンプは、所定の期間、例えば、30分、90分又は処置計画の長さにわたる期間、所定量の薬剤を送達する。
「皮下ボーラス」という用語は、動物又はヒト患者の皮膚下への薬剤投与を指し、ここで、ボーラス薬剤送達は、約15分未満;別の態様では、5分未満、さらに別の態様では、60秒未満である。さらに別の態様では、投与は、皮膚と下にある組織との間のポケット内であり、ここで、ポケットは、皮膚をつまむか又は引き上げ、下にある組織から離すことにより形成することができる。
「治療上有効量」という用語は、処置される障害の症状の1つ以上を軽減し又は改善する活性薬剤の量を指すのに使用される。そうすることで、治療上有効量は、有益な患者アウトカム、例えば、成長停止効果を有するか又は細胞の除去を引き起こす量である。一態様では、治療上有効量は、アポトーシス活性を有するか又は細胞死を誘引可能である。別の態様では、治療上有効量は、例えば、疾患の進行を遅らせるのに有効であることが示されているターゲット血清濃度を指す。効力は、処置される状態に依存して、従来の方法で測定することができる。例えば、CD40を発現する細胞により特徴付けられる腫瘍性疾患又は障害において、効力は、疾患が進行するまでの時間を評価するか又は応答率を決定することにより測定することができる。
本明細書で使用する場合、「処置」及び「治療」等の用語は、1種以上の症状の緩和又は軽減、退行、疾患又は障害の進行の遅延又は停止を含むが、これらに限定されない、任意の臨床的に望ましい又は有益な効果をもたらす疾患又は障害のための治療的及び予防的又はサプレッション手段を含むことを意味する。このため、例えば、処置という用語は、疾患又は障害の症状の発症前又は発症後に薬剤を投与し、それにより、疾患又は障害の1つ以上の徴候を予防し又は除去することを含む。別の例として、この用語は、疾患の症状に対抗するための、疾患の臨床症状発現後の薬剤の投与を含む。さらに、投与が、疾患又は障害の臨床パラメーター、例えば、組織損傷の程度又は転移の量もしくは程度に影響を及ぼす場合、発症後及び臨床症状が発現した後の薬剤の投与は、処置により疾患の改善がもたらされるか否かにかかわらず、本明細書で使用される「処置」又は「治療」を含む。さらに、本発明の組成物が、単独で又は別の治療剤と組み合わせて、ヒト化CD40抗体組成物を使用しない場合の症状と比較して、処置される障害の少なくとも1つの症状を軽減し又は改善する限り、その結果は、障害の全ての症状が軽減されるか否かにかかわらず、基礎疾患の有効な処置であるとみなされるべきである。
「添付文書」という用語は、このような治療製品の使用に関する適応症、使用法、投与、禁忌及び/又は警告に関する情報を含有する、治療製品の市販パッケージに慣例的に含まれる説明書を指すのに使用される。
抗体
本明細書において、ヒト化抗CD40抗体並びに本発明の1つ以上のヒト化抗CD40抗体を含む組成物及び製品が記載され、開示される。また、本発明の抗体は、US第8,591,900号及びWO第2011/123489号にも開示されている。これらの文献それぞれの内容は、参照により本明細書に組み入れられる。また、ヒト化抗CD40抗体の抗原結合フラグメントを含む結合剤も記載されている。ヒト化抗CD40抗体及び結合剤は、細胞の増殖を停止させ、CD40を発現する細胞の除去を引き起こし又は何等かの方法で、ターゲット細胞に対する細胞傷害性又は細胞増殖抑制効果を誘引しもしくは引き起こすことができる。ヒト化抗CD40抗体及び結合剤は、CD40表面抗原を発現する細胞の増殖を特徴とする各種の疾患又は障害の処置に使用することができる。ヒト化抗CD40抗体及びCD40結合剤はそれぞれ、CD40エピトープを特異的に認識する少なくとも一部(すなわち、抗原結合フラグメント)を含む。
最初の特徴決定において、マウス抗体をCD40結合特徴決定に基づいて選択した。
これらの最初の研究から、表1に示された下記重鎖可変領域及び表2に示された軽鎖可変領域を有するマウス抗体を選択した。
Figure 2021529754
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ヒトフレームワーク配列を、フレームワーク相同性、CDR構造、保存された標準残基、保存された界面パッキング残基及び他のパラメーターに基づいて、マウスリードそれぞれについて選択した。
選択された種々のマウス抗体のマウス重鎖及び軽鎖CDRを表3及び表4それぞれに示す。
Figure 2021529754
上記列記されたH−CDR1は、Chothiaナンバリングシステム(Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948)を使用する配列を使用している。該配列についてのKabatsナンバリングは、太字のイタリック体のテキストにより示され、IMGTナンバリングは、CDR1及びCDR2についての上記表中の残基の下線を引いたテキストにより示される。2H11、10F2及び19B10それぞれについてのH−CDR3の配列は、TTSYYVGTYGY(配列番号:77)であり、20E2についての配列は、ARQDGYRYAMDY(配列番号:78)である。
Figure 2021529754
再度、表4では、Chothiaナンバリングシステムを使用し、該配列についてのKabatsナンバリングは、太字のイタリック体のテキストにより示され、IMGTナンバリングは、下線を引いたテキストにより示される。
キメラ親Fabと比較してより良好又は等しい結合を示したFabをIgGへの変換のために選択した。20E2シリーズからのクローンを2つの異なるIgGフォーマットに変換した。a)IgG4DM(二重突然変異体)は、Fc/ヒンジ領域に、半分子形成を減少させるSer228Pro及びFcγR結合をさらに減少させるLeu235Gluの2つの突然変異を有する。b)IgG1KO(エフェクター機能のノックアウト)は、Fc領域に、エフェクター機能、例えば、FcγR結合及び補体結合を減少させるLeu234Ala及びLeu235Alaの2つの突然変異を有する。両方のIgGフォーマットは、文献に記載されている。実施例1に、3つの候補のヒト化について、さらに詳細に記載する。このようなヒト化の結果により、以下に示された重鎖及び軽鎖配列を有するヒト化抗体配列がもたらされた。
Figure 2021529754

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一部の実施態様では、抗原結合フラグメントは、例えば、CD40表面抗原を結合することにより、例えば、増殖を遮断しもしくは何等かの方法で、細胞の増殖を停止させ又はその減少、死もしくは何等かの方法で、その除去を引き起こすことができる。例えば、T細胞及びB細胞悪性腫瘍では、悪性細胞が、正常なリンパ球の活性化をもたらす刺激に曝されると、多くの場合、抗腫瘍効果(例えば、細胞除去又はアポトーシスを伴う又は伴わない増殖停止)が生じる。この活性化誘導性の増殖停止は、抗原レセプター又は共刺激レセプターのいずれかを介するシグナルについて観察されている(例えば、Ashwell et al., 1987, Science 237:61;Bridges et al., 1987, J. Immunol. 139:4242;Page and Defranco, 1988, J. Immunol. 140:3717;及びBeckwith et al., 1990, J. Natl. Cancer Inst. 82:501を参照のこと)。CD40刺激により、抗体又は可溶性リガンドのいずれかによる特異的結合の結果として、B細胞リンパ腫の増殖が阻害される(例えば、Funakoshi et al., 1994, Blood 83:2787-2794を参照のこと)。この方法で悪性細胞の増殖を阻害し、CD40表面抗原に向けられる薬剤は、適切な薬剤の例である。
CD40特異的薬剤は、CD40(例えば、ヒトCD40又はその変異体)に結合するヒト化抗CD40抗体の抗原結合フラグメントを含む。CD40特異的薬剤及び抗体は、場合により、細胞傷害剤又は化学療法剤とコンジュゲートさせるか又はこれらと融合させることができる。ヒト化抗体が、CD40表面抗原に結合し、CD40発現細胞種の減少を引き起こす態様において、結合は、一般的には、in vivoにおいて、CD40表面抗原細胞に向かうことにより特徴付けられる。適切な結合剤は、CD40特異的薬剤が抗原を発現する細胞を特異的にターゲットとすることにより治療剤として有用であるように、十分な親和性及び/又は結合力でCD40抗原に結合する。
一部の態様では、ヒト化抗体は、CD40リガンドのCD40への結合を、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%又は少なくとも75%又は少なくとも80%又は少なくとも90%又は少なくとも95%減少させる。
一部の実施態様では、重鎖及び軽鎖可変ドメイン等のその抗原結合フラグメントを含むヒト化抗CD40抗体は、本明細書で上記されたCDR抗体A(重鎖配列=配列番号:27;配列番号:28;配列番号:29;又は配列番号:30;軽鎖配列=配列番号:26)、抗体B(重鎖配列=配列番号:32;配列番号:33;配列番号:34;又は配列番号:35;軽鎖配列=配列番号:31)及び抗体C(重鎖配列=配列番号:37;配列番号:38;配列番号:39;又は配列番号:40;軽鎖配列=配列番号:36)に由来する残基のアミノ酸配列及びヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域に由来するアミノ酸残基を含む。ヒト化抗CD40抗体は、場合により、コンセンサス又は生殖系列フレームワーク領域における特定のアミノ酸置換を含む。
これらのフレームワーク位置におけるアミノ酸残基の特定の置換により、以下の実施例に示されたように、ヒト生殖系列フレームワーク領域へのCDR又はHVLの「直接スワップ」により形成されるヒト化抗体において実証されるものよりも結合親和性及び/又は安定性を含む抗体性能の種々の態様を改善することができる。
一部の実施態様では、本発明は、配列番号:1〜配列番号:4の重鎖(VH)配列及び配列番号:5〜配列番号:8の軽鎖(VL)配列を有する他のモノクローナル抗体を記載する(上記表1及び2を参照のこと)。これらのマウス抗体のCDR配列を表3及び4に示し、このようなCDRをヒトコンセンサス重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRに入れると、本発明の有用なヒト化抗体が生成されるであろう。
一部の具体的な実施態様では、本明細書で開示されたヒト化抗CD40抗体は、上記表1〜4に示されたマウスモノクローナル抗体のCDR又はHVLを含む重鎖又は軽鎖可変ドメインを含むと、ヒト生殖系列重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRとを少なくとも含む。例示的な実施態様では、本明細書で作製されたヒト化抗体は、抗体A、抗体B及び抗体Cであり、その種々の重鎖及び軽鎖配列を配列番号:26〜配列番号:40に示す。
具体的な実施態様では、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29又は配列番号:30のいずれかの重鎖配列を、配列番号:26の軽鎖配列との組み合わせで有する抗体が企図される。代替的な抗体は、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34又は配列番号:35の重鎖配列を、配列番号:31の軽鎖配列との組み合わせで有する抗体を含む。更なる実施態様では、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39又は配列番号:40の重鎖配列を、配列番号:36の軽鎖配列との組み合わせで有するヒト化抗体が提供される。
これらの配列のCDRを表3及び4に示す。具体的な実施態様では、これらの例示的な免疫グロブリンの間で交換されたCDR領域(すなわち、例えば、抗体Aの1つ又は2つのCDRを抗体C由来の類似のCDRで交換する)を有するキメラ抗体が有用な抗体を生成することができることが企図される。
特定の実施態様では、ヒト化抗CD40抗体は、抗体フラグメントである。種々の抗体フラグメントは、一般的に上記で議論されており、抗体フラグメントの産生のために開発された技術が存在する。フラグメントは、インタクトな抗体のタンパク質分解消化により得ることができる(例えば、Morimoto et al., 1992, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117;及びBrennan et al., 1985, Science 229:81を参照のこと)。代替的には、フラグメントは、リコンビナントホスト細胞中で直接産生することができる。例えば、Fab’−SHフラグメントは、E. coliから直接回収することができ、化学的にカップリングさせて、F(ab’)フラグメントを形成することができる(例えば、Carter et al., 1992, Bio/Technology 10:163-167を参照のこと)。別のアプローチにより、F(ab’)フラグメントをリコンビナントホスト細胞培養物から直接分離することができる。抗体フラグメントの産生のための他の技術は、熟練した実務家に明白であろう。
特定の実施態様は、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29又は配列番号:30のいずれかの重鎖配列を、配列番号:26の軽鎖配列との組み合わせで有する、ヒト化抗CD40抗体のF(ab’)フラグメントを含む。代替的な抗体は、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34又は配列番号:35の重鎖配列を、配列番号:31の軽鎖配列との組み合わせで有する抗体を含む。更なる実施態様では、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39又は配列番号:40の重鎖配列を、配列番号:36の軽鎖配列との組み合わせで有するヒト化抗体が提供される。このような実施態様は、このようなF(ab’)を含むインタクトな抗体を含むことができる。
一部の実施態様では、該抗体又は抗体フラグメントは、エフェクター機能を媒介する定常領域を含む。定常領域は、CD40発現ターゲット細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)応答を提供することができる。エフェクタードメインは、例えば、Ig分子のFc領域であることができる。典型的には、CD40結合剤は、細胞傷害性白血球(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、貪食細胞(例えば、マクロファージ)及び/又は血清補体成分をリクルートし及び/又は活性化する。
抗体のエフェクタードメインは、任意の適切な脊椎動物種及びアイソタイプから得ることができる。異なる動物種のイソタイプは、エフェクター機能を媒介する能力が異なる。例えば、CDC及びADCC/ADCPを媒介するヒト免疫グロブリン能力は、一般的には、IgM≒IgG≒IgG>IgG>IgG及びIgG≒IgG>IgG/IgM/IgGそれぞれの順序である。マウスの免疫グロビンは、CDC及びADCC/ADCPを、一般的には、マウスIgM≒IgG>>IgG2b>IgG2a>>IgG及びIgG2b>IgG2a>>IgG>>IgGそれぞれの順序で媒介する。別の例では、マウスIgG2aは、ADCCを媒介するが、マウスIgG2a及びIgMは両方とも、CDCを媒介する。
抗体修飾
ヒト化抗CD40抗体及び薬剤は、ヒト化抗CD40抗体又はその抗原結合フラグメントの修飾を含むことができる。例えば、ガンの処置における抗体の有効性を増強するために、エフェクター機能に関して抗体を修飾することが望ましい場合がある。このような修飾の1つは、Fc領域へのシステイン残基の導入であり、それにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成が可能となる。このようにして生成されたホモ二量体抗体は、内在化能力が改善しかつ/又は補体媒介性細胞殺傷及び/もしくは抗体依存性細胞傷害(ADCC)を向上させることができる。例えば、Caron et al., 1992, J. Exp Med. 176:1191-1195;及びShopes, 1992, J. Immunol. 148:2918-2922を参照のこと。また、増強された抗腫瘍活性を有するホモ二量体抗体は、Wolff et al., 1993, Cancer Research 53: 2560-2565に記載されるように、ヘテロ二官能性架橋剤を使用しても調製することができる。代替的には、抗体は、二重Fc領域を含有するように操作することができ、これにより、抗体の補体溶解及びADCC能力が増強される。Stevenson et al., 1989, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230を参照のこと。
ADCCを支持する改善された能力を有する抗体は、それらのFc領域のグリコシル化パターンを修飾することにより生成された。これは、CH2ドメインのアスパラギン残基N297における抗体グリコシル化がADCCに必要なIgGとFcγレセプターとの間の相互作用に関与しているために起こり得る。ホスト細胞系統は、改変されたグリコシル化、例えば、増強された二分割N−アセチルグルコサミン又は還元されたフコースを有する抗体を発現するように操作されてきた。フコースの還元により、二分割N−アセチルグルコサミンの存在を増加させるより高いADCC活性の増強が提供される。さらに、低フコース抗体によるADCCの増強は、FcγRIIIa V/F多形とは無関係である。
抗体のFc領域のアミノ酸配列を修飾することは、ADCCを増強するためのグリコシル化操作の代替手段である。Fcγレセプターに対するヒトIgGにおける結合部位は、広範な突然変異解析により決定されている。これにより、FcγRIIIaに対する結合親和性を向上させ、in vitroでのADCCを増強する、Fc突然変異を有するヒト化IgG抗体の生成がもたらされた。加えて、Fc変異体は、結合特性、例えば、他のFcγRレセプターへの結合が変化していないか又は低下した特異的FcγRレセプターへの改善された結合の多くの異なる順列により得られている。
別の態様は、細胞傷害剤、例えば、化学療法剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物もしくは動物起源の酵素活性毒素又はそれらのフラグメント)又は放射性同位体(すなわち、放射性コンジュゲート)にコンジュゲートさせたヒト化抗体又はそのフラグメントを含む、免疫コンジュゲートを含む。
このような免疫コンジュゲートの生成に有用な化学療法剤は上記されている。有用な免疫コンジュゲートを形成するのに使用することができる酵素活性毒素及びそのフラグメントは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、エキソトキシンA鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII及びPAP−S)、Momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、Sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、トリコテセン等を含む。種々の放射性核種が、放射性コンジュゲートヒト化抗CD40抗体の産生に利用可能である。例は、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reを含む。
ヒト化抗CD40抗体と細胞傷害剤又は化学療法剤とのコンジュゲートは、公知の方法により、各種の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオナート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミダートHCL)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベラート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(例えば、トルエン 2,6−ジイソシアナート)及びビス活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)を使用して調製することができる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al., 1987, Science 238:1098に記載されるように調製することができる。炭素−14ラベル1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドを抗体にコンジュゲートさせるための例示的なキレート剤である。また、コンジュゲートは、開裂可能なリンカーによっても形成することができる。
別の実施態様では、該抗体は、腫瘍プレターゲティングに利用するために「レセプター」(例えば、ストレプトアビジン)にコンジュゲートさせることができる。この手法において、抗体−レセプターコンジュゲートが、患者に投与され、続けて、清澄剤を使用して循環から非結合コンジュゲートを除去し、ついで、レセプター(例えば、アビジン)に選択的に結合する「リガンド」を投与し、リガンドが、細胞傷害剤(例えば、放射性核種)にコンジュゲートする。
また、本明細書で開示されたヒト化抗CD40抗体は、免疫リポソームとして配合することもできる。抗体を含有するリポソームは、当技術分野において公知の方法、例えば、Epstein et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688;Hwang et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030並びにUS第4,485,045号及び同第4,544,545号に記載されている方法により調製される。長い循環時間を有するリポソームは、例えば、US第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を使用して、逆相蒸発法により生成することができる。リポソームは、規定された孔サイズのフィルターを通して押し出され、所望の直径を有するリポソームを生成する。本明細書で開示された抗体のFab’フラグメントは、ジスルフィド交換反応を介して、Martin et al., 1982, J. Biol. Chem. 257:286-288記載されているように、リポソームにコンジュゲートさせることができる。化学療法剤(例えば、ドキソルビシン)を、場合により、リポソーム内に含有させる。例えば、Gabizon et al., 1989, J. National Cancer Inst. 81(19):1484を参照のこと。
また、本明細書で記載され、開示された抗体は、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤)を活性抗ガン剤に変換するプロドラッグ活性化酵素に抗体をコンジュゲートさせることにより、ADEPT(抗体−指向酵素プロドラッグ療法)手法において使用することができる。例えば、WO第81/01145号、同第88/07378号及びUS第4,975,278号を参照のこと。ADEPTに有用な免疫コンジュゲートの酵素成分は、プロドラッグをそのより活性な細胞傷害性形態に変換するような方法でプロドラッグに作用可能な酵素である。ADEPTに有用な具体的な酵素は、ホスファート含有プロドラッグを遊離剤に変換するためのアルカリホスファターゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離薬剤に変換するためのアリールスルファターゼ;非毒性5−フルオロシトシンを抗ガン剤である5−フルオロウラシルに変換するためのシトシンデアミナーゼ;ペプチド含有プロドラッグを遊離薬剤に変換するためのプロテアーゼ、例えば、セラチアプロテアーゼ、サーモリシン、スブチリシン、カルボキシペプチダーゼ及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL);D−アミノ酸置換基を含有するプロドラッグを変換するためのD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬剤に変換するための炭水化物開裂酵素、例えば、β−ガラクトシダーゼ及びノイラミニダーゼ;β−ラクタムにより誘導体化された薬剤を遊離薬剤に変換するためのβ−ラクタマーゼ;並びにフェノキシアセチル又はフェニルアセチル基それぞれによりそのアミン窒素において誘導体化された薬剤を遊離薬剤に変換するためのペニシリンアミダーゼ、例えば、ペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼを含むが、これらに限定されない。代替的には、酵素活性を有する抗体(「アブザイム」)を使用して、プロドラッグを遊離活性薬剤に変換することができる(例えば、Massey, 1987, Nature 328: 457-458を参照のこと)。抗体−アブザイムコンジュゲートは、腫瘍細胞集団へのアブザイムの送達のための公知の方法により、例えば、上記議論されるヒト化抗CD40抗体/ヘテロ二官能性架橋試薬に酵素を共有結合することにより調製することができる。代替的には、上記された酵素の少なくとも機能的に活性な部分に連結された、本明細書で開示された抗体の抗原結合領域を少なくとも含む融合タンパク質は、リコンビナントDNA技術を使用して構築することができる(例えば、Neuberger et al., 1984, Nature 312:604-608を参照のこと)。
特定の実施態様では、例えば、腫瘍浸透を向上させるために、インタクトな抗体ではなく、ヒト化抗CD40抗体フラグメントを使用するのが望ましい場合がある。血清半減期を長くするために、抗体フラグメントを修飾するのが望ましい場合がある。これは、例えば、サルベージレセプター結合エピトープを抗体フラグメントに組み込むことにより達成することができる。1つの方法では、抗体フラグメントの適切な領域を変化させる(例えば、突然変異させる)ことができ又はエピトープをペプチドタグに組み込み、ついで、例えば、DNAもしくはペプチド合成により、抗体フラグメントのいずれかの末端もしくは中央に融合させることができる。例えば、WO第96/32478号を参照のこと。
他の実施態様では、ヒト化抗CD40抗体の共有結合修飾も含まれる。共有結合修飾は、システイニル残基、ヒスチジル残基、リシニル及びアミノ末端残基、アルギニル残基、チロシル残基、カルボキシル側鎖基(アスパルチル又はグルタミル)、グルタミニル及びアスパラギニル残基又はセリルもしくはスレオニル残基の修飾を含む。別の種類の共有結合修飾は、グリコシドを抗体に化学的又は酵素的にカップリングすることを含む。このような修飾は、必要に応じて、化学合成により、又は抗体の酵素的もしくは化学的開裂により行うことができる。抗体の他の種類の共有結合修飾は、抗体のターゲットアミノ酸残基を、選択された側鎖又はアミノ末端もしくはカルボキシ末端残基と反応可能な有機誘導体化剤と反応させることにより、分子内に導入することができる。
抗体に存在する任意の炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に達成することができる。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin et al., 1987, Arch. Biochem. Biophys. 259:52及びEdge et al., 1981, Anal. Biochem., 118:131に記載されている。抗体における炭水化物部分の酵素的開裂は、Thotakura et al., 1987, Meth. Enzymol 138:350に記載されるように、各種のエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼの使用により達成することができる。
別の種類の有用な共有結合修飾は、抗体を、US第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号及び同第4,179,337号の1つ以上で説明されている様式で、各種の非タンパク質性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリオキシアルキレンのうちの1つに連結させることを含む。
ヒト化及びアミノ酸配列変異体
抗CD40抗体のアミノ酸配列変異体は、抗CD40抗体DNAに適切なヌクレオチド変化を導入することにより又はペプチド合成により調製することができる。このような変異体は、例えば、本明細書における実施例の抗CD40抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失及び/又は同配列への挿入及び/又は同残基の置換を含む。最終構築物に到達するために、欠失、挿入及び置換の任意の組み合わせを行う。ただし、最終構築物が所望の特徴を有するという条件である。また、アミノ酸変化は、ヒト化又は変異体抗CD40抗体の翻訳後プロセスを変化させる(例えば、グリコシル化部位の数又は位置を変化させる)ことができる。
突然変異誘発に好ましい位置である抗CD40抗体の特定の残基又は領域を特定するのに有用な方法は、Cunningham and Wells(Science, 244:1081-1085 (1989))に記載されているように、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。ここで、ターゲット残基の残基又は基が特定され(例えば、arg、asp、his、lys及びglu等の荷電残基)、アミノ酸とCD40抗原との相互作用に影響を及ぼすために、中性又は負に荷電したアミノ酸(典型的には、アラニン)により置き換えられる。ついで、置換に対する機能的感受性を示すそれらのアミノ酸位置は、さらなる又は他の変異を、置換の部位に又は同部位のために導入することにより精錬される。このようにして、アミノ酸配列変動を導入するための部位が予め決定されるが、突然変異自体の性質は予め決定する必要がない。例えば、所定の部位での突然変異の性能を分析するために、アラニンスキャニング又はランダム突然変異誘発をターゲットコドン又は領域で行い、発現された抗CD40抗体変異体を所望の活性についてスクリーニングする。
アミノ酸配列の挿入は、1つの残基から100個以上の残基を含有するポリペプチドまでの長さ範囲で、アミノ末端及び/又はカルボキシル末端の融合並びに単一もしくは複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例は、エピトープタグに融合した抗CD40抗体を含む。抗CD40抗体分子の他の挿入変異体は、抗体の血清半減期を長くする酵素又はポリペプチドの抗CD40抗体のN末端又はC末端への融合を含む。
別の種類の変異体は、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、抗CD40抗体分子中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、異なる残基がその位置に挿入されている。置換突然変異誘発のための最も興味のある部位は、超可変領域を含むが、FR改変も企図される。保存的置換を表5の「好ましい置換」の見出しの下に示し、このような置換により、生物学的活性の変化が生じる場合には、「例示的置換」と命名されるか又はアミノ酸クラスに関して以下にさらに記載されるようなより実質的な変化を導入し、産物をスクリーニングすることができる。
Figure 2021529754
タンパク質化学では、抗体の生物学的特性は、(a)置換の領域におけるポリペプチド骨格の構造、例えば、シート又はらせん構造、(b)ターゲット部位における分子の電荷もしくは疎水性又は(c)側鎖の嵩を維持することに対するその効果が明らかに異なる置換を選択することにより達成することができることが一般に認められている。天然残基は、共通の側鎖特性に基づいてグループに分けられる。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gin、his、lys、arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基: gly、pro;及び
(6)芳香族:trp、tyr、phe
非保存的置換は、これらのクラスのメンバーの1つを別のクラスに交換することを含むであろう。
また、ヒト化又は変に抗CD40抗体の適切なコンホメーションの維持に関与しない任意のシステイン残基を、分子の酸化安定性を改善するために、異常な架橋を防ぐために又は細胞傷害性もしくは細胞増殖抑制性化合物へのコンジュゲーションの確立された点を提供するために、一般的には、セリンで置換することもできる。逆に、システイン結合を抗体に付加して、(特に、抗体が、抗体フラグメント、例えば、Fvフラグメントである場合)その安定性を改善することができる。
ある種の置換変異体は、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基を置換することを含む。一般的には、更なる開発のために選択して得られた変異体は、それらが生じた親抗体に対して改善された生物学的特性を有するであろう。このような置換変異体を生成するための便宜な方法は、ファージディスプレイを使用する親和性成熟である。簡潔に、幾つかの超可変領域部位(例えば、6〜7部位)を、各部位における全ての可能性のあるアミノ置換を生じさせるために突然変異させる。このようにして生成された抗体変異体を、各粒子内にパッケージされたM13の遺伝子III産物に対する融合としてのフィラメント状ファージ粒子からの一価様式で提示される。ついで、ファージ提示変異体をそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。修飾のための候補超可変領域部位を特定するために、アラニンスキャニング突然変異誘発を行って、抗原結合に顕著に寄与する超可変領域残基を特定することができる。代替的に又は加えて、抗体とヒトCD40との間の接触点を特定するために、抗原−抗体複合体の結晶構造を分析することが有益であることができる。このような接触残基及び隣接残基は、本明細書において詳述された技術に従った置換のための候補である。このような変種が生じると、変異体のパネルを本明細書で記載されたスクリーニングに供し、1種以上の関連アッセイにおいて、優れた特性を有する抗体を更なる開発のために選択することができる。
抗体の別の種類のアミノ酸変異体は、抗体の元のグリコシル化パターンを改変する。「改変する」は、抗体に見出される1つ以上の炭水化物部分を欠失させること及び/又は抗体に存在しない1つ以上のグリコシル化部位を付加することを意味する。
一部の実施態様では、本発明の抗体を修飾して、グリコシル化部位を付加するのが望ましい場合がある。抗体のグリコシル化は、典型的には、N−結合又はO−結合のいずれかである。N−結合は、炭水化物部位のアスパラギン残基の側鎖への付着を指す。ポリペプチド配列アスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニン(ここで、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖への炭水化物部位の酵素付着のための認識配列である。このため、これらのトリペプチド配列のいずれかがポリペプチド中に存在すると、潜在的なグリコシル化部位が形成される。O結合グリコシル化は、糖であるN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース又はキシロースのうちの1つのヒドロキシアミノ酸、最も一般的には、セリン又はスレオニンへの付着を指すが、5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリシンを使用することもできる。このため、所定のタンパク質、例えば、抗体をグリコシル化するために、タンパク質のアミノ酸配列は、(N結合グリコシル化部位のために)上記された1つ以上のトリペプチド配列を含有するように操作される。改変は、(O−結合グリコシル化部位のために)1つ以上のセリン又はスレオニン残基の元の抗体の配列への付加又はこれらの残基による置換によっても行うことができる。
抗CD40抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当技術分野において公知の各種の方法により調製される。これらの方法は、天然ソース(天然のアミノ酸配列変異体の場合)からの単離又はオリゴヌクレオチド媒介性(又は部位特異的)突然変異誘発による調製、PCR突然変異誘発及び抗CD40抗体の予め調製された変異体又は非変異体バージョンのカセット突然変異誘発を含むが、これらに限定されない。
ポリヌクレオチド、ベクター、ホスト細胞及びリコンビナント法
他の実施態様は、ヒト化抗CD40抗体をコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター及びホスト細胞並びにヒト化抗体の製造のためのリコンビナント技術を包含する。単離されたポリヌクレオチドは、例えば、全長モノクローナル抗体、Fab、Fab’、F(ab’)及びFvフラグメント、ディアボディ、線状抗体、一本鎖抗体分子並びに抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体を含む、任意の所望の形態の抗CD40抗体をコードすることができる。
一部の実施態様は、配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39又は配列番号:40のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。一部の実施態様は、配列番号:26、配列番号:31又は配列番号:36の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。
一態様では、単離されたポリヌクレオチド配列は、配列番号:27及び配列番号:26それぞれ;配列番号:28及び配列番号:26それぞれ;配列番号:29及び配列番号:26それぞれ;配列番号:30及び配列番号:26それぞれ;配列番号:32及び配列番号:31それぞれ;配列番号:33及び配列番号:31それぞれ;配列番号:34及び配列番号:31それぞれ;配列番号:35及び配列番号:31それぞれ;配列番号:37及び配列番号:36それぞれ;配列番号:38及び配列番号:36それぞれ;配列番号:39及び配列番号:36それぞれ;配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを有する抗体又は抗体フラグメントをコードする。
ヒト化抗CD40抗体又はそのフラグメントもしくは鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドは、当技術分野において公知のように、1つ以上のレギュラトリー配列又は制御配列に融合させることができ、当技術分野において公知のように、適切な発現ベクター又はホスト細胞に含ませることができる。重鎖又は軽鎖可変ドメインをコードするポリヌクレオチド分子はそれぞれ、定常ドメイン、例えば、ヒト定常ドメインをコードするポリヌクレオチド配列に独立して融合させることができ、これにより、インタクトな抗体の産生が可能となる。代替的には、一本鎖抗体の産生のためのテンプレートを提供するポリヌクレオチド又はその一部同士を融合させることができる。
リコンビナント産生のために、抗体をコードするポリヌクレオチドは、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために、複製可能なベクターに挿入される。リコンビナント抗体を発現するための多くの適切なベクターが利用可能である。ベクター成分は、一般的には、下記:シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター及び転写終結配列の1つ以上を含むが、これらに限定されない。
また、ヒト化抗CD40抗体は、融合ポリペプチドとして産生することもでき、ここで、該抗体は、異種ポリペプチド、例えば、シグナル配列又は成熟タンパク質もしくはポリペプチドのアミノ末端に特異的開裂部位を有する他のポリペプチドと融合される。選択される異種シグナル配列は、典型的には、ホスト細胞により認識され、プロセシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼにより開裂される)ものである。ヒト化抗CD40抗体シグナル配列を認識せず、プロセシングしない原核生物ホスト細胞については、シグナル配列は、原核生物シグナル配列により置換することができる。シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、リポタンパク質、熱安定性エンテロトキシンIIリーダー等であることができる。酵母分泌のために、ネイティブなシグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼα因子(Saccharomyces及びKluyveromycesのα因子リーダーを含む)、酸性ホスファターゼ、C. albicansグルコアミラーゼ又はWO第90/13646号に記載されているシグナルから得られるリーダー配列により置換することができる。ほ乳類細胞において、ほ乳類シグナル配列及びウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルを使用することができる。このような前駆体領域のためのDNAは、リーディングフレームにおいて、ヒト化抗CD40抗体をコードするDNAにライゲーションされる。
発現ベクター及びクローニングベクターは、ベクターが1つ以上の選択されたホスト細胞において複製することを可能にする核酸配列を含有する。一般的には、クローニングベクターにおいて、この配列は、ベクターがホスト染色体DNAとは無関係に複製することを可能にするものであり、複製起点又は自律的に複製する配列を含む。このような配列は、各種の細菌、酵母及びウイルスについて周知である。プラスミドpBR322由来の複製起点は、ほとんどのグラム陰性菌に適しており、2−νプラスミド起点は、酵母に適しており、種々のウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV及びBPV)は、哺乳類細胞におけるクローニングベクターに有用である。一般的には、哺乳類の発現ベクターには、複製起点コンポーネントは必要ない(SV40起点のみを、典型的に使用することができる。初期プロモーターを含有するためである)。
発現ベクター及びクローニングベクターは、発現の特定を容易にするために選択マーカーをコードする遺伝子を含有することができる。典型的な選択マーカー遺伝子は、抗生物質又は他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート又はテトラサイクリンに対する耐性を付与するタンパク質をコードするか又は代替的に、補体栄養要求性欠損であるか又は他の代替手段において、複雑な培地に存在しない特定の栄養素を供給する(例えば、Bacilliに対するD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)。
選択スキームの一例は、ホスト細胞の増殖を停止させる薬剤を利用する。異種遺伝子により成功裏にトランスフォーメーションされるこれらの細胞は、薬剤耐性を付与するタンパク質を産生し、これにより、選択計画を生き延びる。このような優性選択の例は、薬剤であるネオマイシン、ミコフェノール酸及びヒグロマイシンを使用する。ほ乳類細胞のための一般的な選択マーカーは、ヒト化抗CD40抗体をコードする核酸を取り込んだコンピテント細胞の特定を可能にするもの、例えば、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン−I及びII(例えば、霊長類メタロチオネイン遺伝子)、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼ等である。DHFR選択遺伝子によりトランスフォーメーションされた細胞は、最初に、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキサート(Mtx)を含有する培養培地中で全てのトランスフォーマントを培養することにより特定される。野生型DHFRを利用する場合の適切なホスト細胞は、DHFR活性を欠いたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系統(例えば、DG44)である。
代替的には、抗CD40抗体、野生型DHFRタンパク質及び別の選択マーカー、例えば、アミノグリコシド 3’−ホスホトランスフェラーゼ(APH)をコードするDNA配列によりトランスフォーメーションされ又は共トランスフォーメーションされたホスト細胞(特に、内因性DHFRを含有する野生型ホスト)は、選択マーカー、例えば、アミノグリコシド抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシン又はG418のための選択剤を含有する培地中での細胞増殖により選択することができる。例えば、US第4,965,199号を参照のこと。
リコンビナント産生をホスト細胞として酵母細胞で行う場合、酵母プラスミドYRp7に存在するTRP1遺伝子(Stinchcomb et al., 1979, Nature 282: 39)を選択マーカーとして使用することができる。TRP1遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能力を欠く酵母の突然変異株に対する選択マーカー、例えば、ATCC No.44076又はPEP4−1を提供する(Jones, 1977, Genetics 85:12)。ついで、酵母ホスト細胞ゲノムにおけるtrp1損傷の存在は、トリプトファンの不存在下での増殖によりトランスフォーメーションを検出するのに有効な環境を提供する。同様に、Leu2p欠損酵母株、例えば、ATCC 20,622及び38,626は、LEU2遺伝子を有する公知のプラスミドにより補完される。
加えて、1.6μmの環状プラスミドpKD1に由来するベクターをKluyveromyces酵母のトランスフォーメーションに使用することができる。代替的には、リコンビナント子ウシキモシンの大規模製造のための発現系が、K. lactisについて報告された(Van den Berg, 1990, Bio/Technology 8:135)。Kluyveromycesの工業株によるリコンビナントヒト成熟血清アルブミンの分泌に安定な多重コピー発現ベクターも開示された(Fleer et al., 1991, Bio/Technology 9:968-975)。
発現ベクター及びクローニングベクターは、通常、ホスト生物により認識され、抗CD40抗体又はそのポリペプチド鎖をコードする核酸分子に動作可能に連結されるプロモーターを含有する。原核生物ホストでの使用に適したプロモーターは、phoAプロモーター、β−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系並びにハイブリッドプロモーター、例えば、tacプロモーターを含む。また、他の公知の細菌プロモーターも適切である。また、細菌系における使用のためのプロモーターは、ヒト化抗CD40抗体をコードするDNAに動作可能に連結されたShine−Dalgamo(S.D.)配列も含有するであろう。
多くの真核生物のプロモーター配列が公知である。実質的に全ての真核生物遺伝子は、転写が開始される部位から約25〜30塩基上流に、ATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写開始点から70〜80塩基上流に見いだされる別の配列は、CNCAAT領域(ここで、Nは、任意のヌクレオチドであることができる)である。ほどんどの真核生物遺伝子の3’末端には、コーディング配列の3’末端にポリAテイルを付加するためのシグナルとなることができるAATAAA配列がある。これらの配列は全て、真核生物発現ベクター内に適切に挿入される。
酵母ホストと共に使用するのに適したプロモーター配列の例は、3−ホスホグリセラートキナーゼ又は他の解糖酵素、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセラートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキナーゼのためのプロモーターを含む。
誘引性プロモーターは、増殖条件により制御される転写という更なる利点を有する。これらは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連する誘導体酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ並びにマルトース及びガラクトース利用に関与する酵素のための酵母プロモーター領域を含む。酵母発現での使用に適したベクター及びプロモーターは、EP第73,657号にさらに記載されている。また、酵母エンハンサーは、酵母プロモーターと共に有利に使用される。
ほ乳類ホスト細胞中のベクターからのヒト化抗CD40抗体転写は、例えば、ウイルス、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス及びシミアンウイルス40(SV40)のゲノムから、異種ほ乳類プロモーター、例えば、アクチンプロモーターもしくは免疫グロブリンプロモーターから又は熱ショックプロモーターから得られるプロモーターにより制御される。ただし、このようなプロモーターは、ホスト細胞系に適合性であるという条件である。
SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点も含有するSV40制限フラグメントとして便宜に得られる。ヒトサイトメガロウイルスの即時型初期プロモーターは、HindIII E制限フラグメントとして便宜に得られる。ウシパピローマウイルスをベクターとしてほ乳類ホストにおいてDNAを発現させる系が、US第4,419,446号に開示されている。この系の改変が、US第4,601,978号に記載されている。Reyes et al., 1982, Nature 297:598-601も参照のこと。同文献には、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのマウス細胞におけるヒトp−インターフェロンcDNAの発現が開されている。代替的には、ラウス肉腫ウイルス長末端反復配列をプロモーターとして使用することができる。
リコンビナント発現ベクターに使用することができる別の有用なエレメントは、エンハンサー配列である。同配列は、高等真核生物によるヒト化抗CD40抗体をコードするDNAの転写を増加させるのに使用される。現在、多くのエンハンサー配列が、ほ乳類の遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン及びインシュリン)から公知である。ただし、典型的には、真核生物細胞ウイルス由来のエンハンサーが使用される。例は、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(bp100〜270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウイルスエンハンサーを含む。真核生物プロモーターを活性化するための増強エレメントの説明については、Yaniv, 1982, Nature 297:17-18も参照のこと。エンハンサーは、ヒト化抗CD40抗体をコードする配列に対して5’又は3’の位置でベクターにスプライシングさせることができるが、好ましくは、プロモーターから5’の部位に位置する。
また、真核生物ホスト細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト又は他の多細胞生物由来の有核細胞)で使用される発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列も含有することができる。このような配列は、一般的には、真核生物又はウイルスのDNA又はcDNAの5’及び場合により、3’非翻訳領域から入手できる。これらの領域は、抗CD40抗体をコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化フラグメントとして転写されるヌクレオチドセグメントを含有する。1つの有用な転写終結コンポーネントは、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO第94/11026号及び同文献に開示されている発現ベクターを参照のこと。一部の態様では、ヒト化抗CD40抗体は、CHEF系を使用して発現させることができる。例えば、US第5,888,809号を参照のこと。同文献の開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書におけるベクター中でDNAをクローニングし又は発現させるのに適したホスト細胞は、上記された原核生物、酵母又は高等真核生物細胞である。この目的に適した原核生物は、eubacteria、例えば、グラム陰性又はグラム陽性生物、例えば、Enterobacteriaceae、例えば、Escherichia、例えば、E. coli、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella、例えば、Salmonella typhimurium、Serratia、例えば、Serratia marcescans及びShigella並びにBacilli、例えば、B. subtilis及びB. licheniformis(例えば、DD 266,710 published Apr. 12, 1989に開示されているB. licheniformis 41 P)、Pseudomonas、例えば、P. aeruginosa及びStreptomycesを含む。1つの好ましいE. coliクローニングホストは、E. coli 294(ATCC 31,446)であるが、他の株、例えば、E. coli B、E. coli X1776(ATCC 31,537)及びE. coli W3110(ATCC 27,325)が適している。これらの例は、限定ではなく例示である。
原核生物に加えて、真核微生物、例えば、糸状菌又は酵母は、ヒト化抗CD40抗体をコードするベクターに適したクローニング又は発現ホストである。Saccharomyces cerevisiae又は一般的なパン酵母は、下等真核生物のホスト微生物の中で最も一般的に使用される。ただし、数多くの他の属、種及び株が一般に入手可能であり、本明細書において有用であり、例えば、Schizosaccharomyces pombe;Kluyveromycesホスト、例えば、K. lactis、K. fragilis(ATCC 12,424)、K. bulgaricus(ATCC 16,045)、K. wickeramii(ATCC 24,178)、K. waltii(ATCC 56,500)、K. drosophilarum(ATCC 36,906)、K. thermotolerans及びK. marxianus;yarrowia(EP第402,226号)等;Pichia pastors(EP第183,070号);Candida;Trichoderma reesia(EP第244,234号); Neurospora crassa;Schwanniomyces、例えば、Schwanniomyces occidentalis;並びに糸状菌、例えば、Neurospora、Penicillium、Tolypocladium及びAspergillusホスト、例えば、A. nidulans及びA. niger等である。
グリコシル化ヒト化抗CD40抗体の発現に適したホスト細胞は、多細胞生物に由来する。無脊椎動物細胞の例は、例えば、多数のバキュロウイルス株及び変異体並びにSpodoptera frugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)及びBombyx mori(カイコ)等のホスト由来の対応する許容昆虫ホスト細胞を含む、植物及び昆虫細胞を含む。トランスフェクションのための各種のウイルス株、例えば、Autographa californica NPVのL−1変異体及びBombyx mori NPVのBm−5株が公衆に利用可能である。このようなウイルスは、特に、Spodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションに使用することができる。
綿花、トウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、ペチュニア、トマト及びタバコの植物細胞培養物もホストとして利用することができる。
別の態様では、ヒト化抗CD40の発現は、脊椎動物細胞において行われる。培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、ルーチンな手法になっており、技術は広く利用可能である。有用なほ乳類ホスト細胞系統の例は、SV40によりトランスフェクションされたサル腎臓CV1系統(COS−7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚性腎臓系統、(懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293又は293細胞)(Graham et al., 1977, J. Gen Virol. 36: 59)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR1(CHO、Urlaub et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216;例えば、DG44)、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, 1980, Biol. Reprod. 23:243-251)、サル腎臓細胞(CV1、ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸ガン細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファーローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TR1細胞(Mather et al., 1982, Annals N.Y. Acad. Sci. 383: 44-68)、MRC 5細胞、FS4細胞及びヒト肝ガン系統(Hep G2)である。
ホスト細胞を、ヒト化抗CD40抗体産生のための上記された発現ベクター又はクローニングベクターによりトランスフォーメーションし、プロモーターの誘引、トランスフォーマントの選択又は所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適切に修飾された従来の栄養培地中で培養する。
本明細書で記載されたヒト化抗CD40抗体を産生するのに使用されるホスト細胞は、各種の培地中で培養することができる。市販の培地、例えば、Ham’s F10(Sigma-Aldrich Co., St. Louis, Mo)、最小必須培地((MEM)、(Sigma-Aldrich Co.)、RPMI−1640(Sigma-Aldrich Co.)及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma-Aldrich Co.)は、ホスト細胞の培養に適している。加えて、ホスト細胞のための培養培地として、Ham et al., 1979, Meth. Enz. 58: 44、Barnes et al., 1980, Anal. Biochem. 102: 255、US第4,767,704号、同第4,657,866号、同第4,927,762号、同第4,560,655号、同第5,122,469号、WO第90/103430号及び同第87/00195号の1つ以上に記載されている培地のいずれかを使用することができる。これらの培地はいずれも、必要に応じて、ホルモン及び/又は他の増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン又は上皮成長因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びホスファート)、バッファー(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン)、微量元素(通常、マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物として定義される)並びにグルコース又は同等のエネルギー源を補充することができる。また、他のサプリメントも、当業者に公知であろう適切な濃度で含ませることができる。培養条件、例えば、温度、pH等は、発現のために選択されたホスト細胞で以前から使用されているものであり、当業者に明らかであろう。
リコンビナント技術を使用する場合、抗体は、細胞内、ペリプラズム空間内で産生することができ又は培地中に直接分泌させることができる。抗体が細胞内で産生される場合、細胞は、第1の工程として、タンパク質を放出するために破壊される場合がある。ホスト細胞又は溶解断片のいずれかである粒子状デブリを、例えば、遠心分離又は限外ろ過により除去することができる。Carter et al., 1992, Bio/Technology 10:163-167には、E. coliのペリプラズム空間に分泌される抗体を単離するための手法が記載されている。簡潔に、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA及びフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で約30分かけて解凍する。細胞デブリを遠心分離により除去することができる。抗体が、培地中に分泌される場合、このような発現系からの上清は、一般的には、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、Amicon又はMillipore Pellicon限外ろ過ユニット)を使用して、最初に濃縮される。プロテアーゼ阻害剤、例えば、PMSFを、タンパク質分解を阻害するために、前述の工程のいずれかに含ませることができ、抗生物質を、外来性の夾雑物の増殖を防止するために含ませることができる。ホスト細胞から抗体を単離するための各種の方法を使用することができる。
細胞から調製された抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析及び親和性クロマトグラフィーを使用して精製することができる。ここで、親和性クロマトグラフィーが、典型的な精製技術である。親和性リガンドとしてのプロテインAの適切さは、抗体に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種類及びアイソタイプにより決まる。プロテインAは、ヒトガンマ1、ガンマ2又はガンマ4重鎖に基づく抗体を精製するのに使用することができる(例えば、Lindmark et al., 1983 J. Immunol. Meth. 62:1-13を参照のこと)。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒトガンマ3に推奨される(例えば、Guss et al., 1986 EMBO J. 5:1567-1575を参照のこと)。親和性リガンドが付着するマトリックスは、ほとんどの場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。機械的に安定なマトリックス、例えば、孔制御ガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼンにより、アガロースで達成することができるよりも、早い流速及び短い処理時間が可能となる。抗体が、CH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J. T. Baker, Phillipsburg, N.J.)が、精製に有用である。タンパク質精製のための他の技術、多と負えば、イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム)でのヘパリンSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィーでのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE及び硫酸アンモニウム沈殿も、回収される抗体に応じて利用可能である。
任意の予備精製工程後に、目的の抗体及び夾雑物を含む混合物を、約2.5〜4.5の間のpHで溶出バッファーを使用する低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに供することができ、典型的には、低塩濃度(例えば、約0〜0.25M 塩)で行うことができる。
また、本明細書で定義されたように、低、中及び高ストリンジェンシー条件下で、配列番号:27及び配列番号:26それぞれ;配列番号:28及び配列番号:26それぞれ;配列番号:29及び配列番号:26それぞれ;配列番号:30及び配列番号:26それぞれ;配列番号:32及び配列番号:31それぞれ;配列番号:33及び配列番号:31それぞれ;配列番号:34及び配列番号:31それぞれ;配列番号:35及び配列番号:31それぞれ;配列番号:37及び配列番号:36それぞれ;配列番号:38及び配列番号:36それぞれ;配列番号:39及び配列番号:36それぞれ;配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする、単離されたポリヌクレオチド配列により表されるヌクレオチド配列の全部又は一部(例えば、可変領域をコードする部分)にハイブリダイズする核酸も含まれる。ハイブリダイズする核酸のハイブリダイズ部分は、典型的には、少なくとも15(例えば、20、25、30又は50)ヌクレオチド長である。ハイブリダイズする核酸のハイブリダイズ部分は、抗CD40ポリペプチド(例えば、重鎖又は軽鎖可変領域)又はその相補体をコードする核酸の一部又は全ての配列と、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも98%同一である。本明細書で記載された種類のハイブリダイズする核酸は、例えば、クローニングプローブ、プライマー、例えば、PCRプライマー又は診断プローブとして使用することができる。
一部の実施態様は、配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39又は配列番号:40のいずれかのアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。一部の実施態様は、配列番号:5〜8、配列番号:26、配列番号:31又は配列番号:36のいずれかのアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。
一態様では、単離されたポリヌクレオチド配列は、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする。重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域はそれぞれ、配列番号:27及び配列番号:26それぞれ;配列番号:28及び配列番号:26それぞれ;配列番号:29及び配列番号:26それぞれ;配列番号:30及び配列番号:26それぞれ;配列番号:32及び配列番号:31それぞれ;配列番号:33及び配列番号:31それぞれ;配列番号:34及び配列番号:31それぞれ;配列番号:35及び配列番号:31それぞれ;配列番号:37及び配列番号:36それぞれ;配列番号:38及び配列番号:36それぞれ;配列番号:39及び配列番号:36それぞれ;配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する抗体又は抗体フラグメントのアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
別の態様では、本発明は、コードされた抗体又は抗体フラグメントの重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域が一実施態様では、配列番号:27及び配列番号:26それぞれ;別の実施態様では、配列番号:28及び配列番号:26それぞれ;別の実施態様では、配列番号:29及び配列番号:26それぞれ;別の実施態様では、配列番号:30及び配列番号:26それぞれ;別の実施態様では、配列番号:32及び配列番号:31それぞれ;別の実施態様では、配列番号:33及び配列番号:31それぞれ;別の実施態様では、配列番号:34及び配列番号:31それぞれ;別の実施態様では、配列番号:35及び配列番号:31それぞれ;別の実施態様では、配列番号:37及び配列番号:36それぞれ;別の実施態様では、配列番号:38及び配列番号:36それぞれ;別の実施態様では、配列番号:39及び配列番号:36それぞれ;並びに、別の実施態様では、配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する抗体又は抗体フラグメントのアミノ酸配列と、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、すぐ上で記載された実施態様におけるポリヌクレオチドに関する。
本明細書で使用する場合、「同一」又は「% 同一性」という用語は、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈において、最大の対応のために比較し、アライメントさせた場合、同じであるか又は同じであるヌクレオチドもしくはアミノ酸残基の特定の割合を有する、2つ以上の配列又はサブ配列を指す。% 同一性を決定するために、配列を最適な比較目的のためにアライメントさせる(例えば、ギャップを第2のアミノ又は核酸配列との最適なアライメントのために、第1のアミノ酸又は核酸配列の配列に導入することができる)。ついで、対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置のアミノ酸残基又はヌクレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドにより使用される場合には、分子はその位置で同一である。2つの配列間の% 同一性は、配列により共有される同一位置の数の関数である(すなわち、% 同一性=同一位置の数/位置の合計数(例えば、重複位置)×100)。一部の実施態様では、比較される2つの配列は、ギャップが配列内に導入された後、適切な場合(例えば、比較される配列を超えて伸長するさらなる配列を除く)、同じ長さである。例えば、可変領域配列が比較される場合、リーダー及び/又は定常ドメイン配列は考慮されない。2つの配列間の配列比較について、「対応する」CDRは、両方の配列中の同じ位置にあるCDR(例えば、各配列のCDR−H1)を指す。
2つの配列間の% 同一性又は% 類似性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。2つの配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin and Altschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268(Karlin and Altschul, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877において改良)のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol. 215:403-410のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム(スコア=100、ワード長=12)により行い、目的のタンパク質をコードする核酸に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム(スコア=50、ワード長=3)により行い、目的のタンパク質に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためのギャップアライメントを得るために、Gapped BLASTを、Altschul et al., 1997, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402に記載されているように利用することができる。代替的には、PSI−Blastを使用して、分子間の遠い関係を検出する反復検索を行うことができる(同上)。BLAST、Gapped BLAST及びPSI−Blastプログラムを利用する場合、各プログラム(例えば、XBLAST、NBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの別の好ましい非限定的な例は、Myers and Miller, CABIOS(1989)のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重み残基表、12のギャップ長ペナルティー及び4のギャップペナルティーを使用することができる。配列分析のための更なるアルゴリズムは、当技術分野において公知であり、Torellis and Robotti, 1994, Comput. Appl. Biosci. 10:3-5に記載されているADVANCE及びADAM並びにPearson and Lipman, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444-8に記載されているFASTAを含む。FASTA内では、ktupが検索の感度及び速度を設定する制御オプションである。ktup=2の場合、比較される2つの配列における類似の領域が、アライメントされた残基のペアを見ることにより見出される。ktup=1の場合、単一のアライメントされたアミノ酸が試験される。ktupは、タンパク質配列については、2もしくは1又はDNA配列については、1〜6に設定することができる。ktupが指定されていない場合のデフォルトは、タンパク質については2であり、DNAについては6である。代替的には、タンパク質配列アライメントは、Higgins et al., 1996, Methods Enzymol. 266:383-402に記載されているように、CLUSTAL Wアルゴリズムを使用して行うことができる。
治療以外の用途
本明細書で記載された抗体は、親和性精製剤として有用である。この方法では、該抗体は、当技術分野で周知の方法を使用して、固相、例えば、プロテインA樹脂に固定化される。固定化された抗体は、精製されるCD40タンパク質(又はそのフラグメント)を含有するサンプルと接触し、その後、支持体を、固定化された抗体に結合しているCD40タンパク質を除くサンプル中の実質的に全ての物質を除去するであろう適切な溶媒により洗浄する。最後に、支持体を、抗体からCD40タンパク質を放出するであろう別の適切な溶媒により洗浄する。
また、ヒト化抗CD40抗体は、CD40タンパク質を検出し及び/又は定量するための診断アッセイ(例えば、特定の細胞、組織又は血清におけるCD40発現を検出すること)にも有用である。
一部の実施態様では、例えば、診断目的で、検出可能な部分で抗体をラベルするのが有利であろう。放射性同位体、蛍光ラベル、酵素基質ラベル等を含む多数の検出可能なラベルが利用可能である。ラベルは、種々の公知の技術を使用して、抗体と間接的にコンジュゲートさせることができる。例えば、抗体は、ビオチンとコンジュゲートさせることができ、上記言及された3つの広範なカテゴリーのラベルのいずれかは、アビジンとコンジュゲートさせることができ又はその逆も可能である。ビオチンは、アビジンに選択的に結合し、このため、ラベルをこの間接的な様式で抗体とコンジュゲートさせることができる。代替的には、ラベルと抗体との間接的なコンジュゲーションを達成するために、抗体を小ハプテン(例えば、ジゴキシン)とコンジュゲートさせることができ、上記言及された異なる種類のラベルの1つを抗ハプテン抗体(例えば、抗ジゴキシン抗体)とコンジュゲートさせる。このようにして、ラベルと抗体との間接的なコンジュゲーションを達成することができる。
例示的な放射性同位体ラベルは、35S、14C、125I、H及び131Iを含む。抗体は、放射性同位体により、例えば、Current Protocols in Immunology, Volumes 1 and 2, 1991, Coligen et al., Ed. Wiley-Interscience, New York, N.Y., Pubsに記載されている技術を使用してラベルすることができる。放射能は、例えば、シンチレーション計数により測定することができる。
例示的な蛍光ラベルは、希土類キレート(ユーロピウムキレート)に由来するラベル又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、リサミン、フィコエリスリン並びにTexas Redを含み、利用可能である。蛍光ラベルは、例えば、上記Current Protocols in Immunologyに開示されているような公知の技術を介して、抗体にコンジュゲートさせることができる。蛍光を、蛍光計を使用して定量化することができる。
当技術分野において公知の種々のよく特徴付けられた酵素−基質ラベルが存在する(例えば、レビューについては、US第4,275,149号を参照のこと)。該酵素は、一般的には、種々の技術を使用して測定することができる発色基質の化学的変化を触媒する。例えば、変化は、分光光度的に測定することができる基質の色の変化であることができる。代替的には、該酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変化させる場合がある。蛍光の変化を定量化する技術は上記されている。化学発光基質は、化学反応により電子的に励起され、ついで、例えば、化学ルミノメーターを使用して測定することができる光を発するか又は蛍光アクセプターにエネルギーを供与することができる。
酵素ラベルの例は、ルシフェラーゼ、例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ(US第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(例えば、ウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ等を含む。酵素を抗体にコンジュゲートさせるための技術は、例えば、O'Sullivan et al., 1981, Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzym. (J. Langone & H. Van Vunakis, eds.), Academic press, N.Y., 73: 147-166に記載されている。
酵素−基質の組み合わせの例は、例えば、過酸化水素を基質とする西洋わさびペルオキシダーゼ(HRPO)(ここで、過酸化水素は、色素前駆体、例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)又は3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB)を酸化する);パラ−ニトロフェニルホスファートを発色基質とするアルカリホスファターゼ(AP);及びp−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ等を発色基質とする又は4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼを蛍光基質とするβ−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)を含む。
多数の他の酵素−基質の組み合わせが、当業者に利用可能である。これらの一般的なレビューについては、US第4,275,149号及び同第4,318,980号を参照のこと。
別の実施態様では、ヒト化抗CD40抗体は、ラベルされずに使用され、ヒト化抗CD40抗体に結合するラベル抗体で検出される。
本明細書で記載された抗体は、任意の公知のアッセイ法、例えば、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドイッチアッセイ及び免疫沈降アッセイにおいて利用することができる。例えば、Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp. 147-158 (CRC Press, Inc. 1987)を参照のこと。
診断キット
ヒト化抗CD40抗体は、診断キット、すなわち、診断アッセイを行うための説明書と共に、所定量の試薬のパッケージされた組み合わせにおいて使用することができる。抗体が、酵素によりラベルされている場合、該キットは、酵素により必要とされる基質及び補因子、例えば、検出可能な発色団又はフルオロフォアを提供する基質前駆体を含むことができる。加えて、他の添加剤、例えば、安定剤、バッファー(例えば、ブロックバッファー又は溶解バッファー)等を含ませることができる。種々の試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬の溶液中の濃度を提供するために、広く変化させることができる。試薬は、溶解時に適切な濃度を有する試薬溶液を提供するであろう賦形剤を含む、通常は凍結乾燥された乾燥粉末として提供することができる。
治療的用途
別の実施態様では、本明細書で開示されたヒト化抗CD40抗体は、本明細書で記載されたCD40の発現に関連する種々の障害の処置に有用である。
ヒト化抗CD40抗体又は薬剤は、非経口、皮下、腹腔内、肺内及び鼻腔内を含む任意の適切な手段により投与され、必要に応じて、局所免疫サプレッション処置、病変内投与(移植前に移植片を潅流するか又は何等かの方法で抗体と接触させることを含む)により投与される。ヒト化抗CD40抗体又は薬剤は、例えば、注入又はボーラスとして投与することができる。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与を含む。加えて、ヒト化抗CD40抗体は、パルス注入により、特に、抗体の用量を減少させながら、適切に投与される。一態様では、投与は、投与が短期間であるか又は慢性であるかに一部依存して、注射、最も好ましくは、静脈内注射又は皮下注射により与えられる。
疾患の予防又は治療のために、抗体の適切な投与量は、上記定義されたように、処置される疾患の種類、疾患の重症度及び経過、抗体が予防目的又は治療目的で投与されるかどうか、以前の治療、患者の臨床歴及び抗体に対する応答並びに主治医の裁量等の各種の要因により決まるであろう。抗体は、一度に又は一連の処置にわたって患者に適切に投与される。
疾患の種類及び重症度に応じて、約1μg/kg〜20mg/kg(例えば、0.1〜15mg/kg) 抗体が、例えば、1回以上の別々の投与によるか又は連続注入によるかにかかわらず、患者への投与のための最初の候補用量である。典型的な一日量は、上記言及された要因に応じて、約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲であることができる。数日以上にわたる反復投与については、状態に応じて、疾患症状の所望のサプレッションが生じるまで、処置が持続される。ただし、他の投与計画も有用であることができる。この治療の進展は、従来からの技術及びアッセイにより容易にモニターされる。例示的な投与計画は、WO第94/04188号に開示されているものである。
「サプレッション」という用語は、本明細書において、「改善」及び「緩和」と同じ文脈で使用され、疾患の1つ以上の特徴を減少させることを意味する。
抗体組成物は、高い医療水準(good medical practice)と一致する様式で配合され、投薬され、投与されるであろう。この文脈において考慮される要因は、処置される特定の障害、処置される特定のほ乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジューリング及び医師に公知の他の要因を含む。投与される抗体の「治療上有効量」は、このような考慮事項により管理されるであろうし、CD40発現に関連する障害を予防し、改善し又は治療するのに必要な最少量である。
抗体は、必ずしも必要ではないが、場合により、当該障害を予防し又は治療するのに現在使用されている1種以上の薬剤と共に配合される。このような他の薬剤の有効量は、配合物中に存在するヒト化抗CD40抗体の量、障害又は処置の種類及び上記議論された他の因子により決まる。これらは、一般的には、これまで使用されてきたのと同じ用量及び投与経路で又はこれまで利用されてきた用量の約1〜99%で使用される。
CD40関連疾患
抗CD40抗体又は薬剤は、CD40発現ガン又はCD40の発現、例えば、免疫細胞(例えば、リンパ球又は樹状細胞)の不適切な活性化により特徴付けられる免疫学的障害を治療し又は予防するのに有用である。CD40のこのような発現は、例えば、細胞表面でのCD40タンパク質レベルの向上及び/又は発現されたCD40の抗原性の変化に起因する場合がある。免疫学的障害の治療又は予防は、本明細書で記載された方法に従って、このような治療又は予防を必要とする対象に、有効量の抗CD40抗体又は薬剤を投与することにより、該抗体が(i)CD40を発現し、疾患状態に関連する活性化免疫細胞に結合し、(ii)活性化免疫細胞に対して細胞傷害性、細胞増殖抑制性又は免疫サプレッション効果を発揮することにより達成される。
免疫細胞の不適切な活性化により特徴付けられ、本明細書で記載された方法により治療し又は予防することができる免疫学的疾患は、例えば、障害の基礎をなす過敏反応のタイプにより分類することができる。これらの反応は、典型的には、4つのタイプ:アナフィラキシー反応、細胞傷害性(細胞溶解)反応、免疫複合体反応又は細胞媒介性免疫(CMI)反応(遅延型過敏症(DTH)反応とも呼ばれる)に分類される(例えば、Fundamental Immunology(William E. Paul ed., Raven Press, N.Y., 3rd ed. 1993)を参照のこと)。
このような免疫学的疾患の具体的な例は、下記:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、自己免疫性脱髄疾患(例えば、多発性硬化症、アレルギー性脳脊髄炎)、内分泌性眼障害、網膜ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、グレーブス病、糸球体腎炎、自己免疫性肝障害、炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)、アナフィラキシー、アレルギー反応、シェーグレン症候群、I型糖尿病、原発性胆汁性肝硬変、ウェゲナー肉芽腫症、線維筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、炎症性筋炎、多発性内分泌不全、シュミット症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、アジソン病、副腎炎、甲状腺炎、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺疾患、悪性貧血、胃萎縮、慢性肝炎、ルポイド肝炎、アテローム性動脈硬化症、亜急性皮膚エリテマトーデス、副甲状腺機能低下症、ドレスラー症候群、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、尋常性天疱瘡、天疱瘡、疱疹状皮膚炎、弓状脱毛症、類天疱瘡、強皮症、進行性全身性硬化症、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー現象、食道蠕動低下、強指症及び毛細血管拡張)、雌雄の自己免疫性不妊症、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、混合性結合組織病、結節性多発動脈炎、全身性壊死性血管炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性鼻炎、グッドパスチャー症候群、シャーガス病、サルコイドーシス、リウマチ熱、喘息、再発性流産、抗リン脂質症候群、農夫肺、多形紅斑、開心術後症候群、クッシング症候群、自己免疫性慢性活動性肝炎、鳥飼病、中毒性表皮壊死症、アルポート症候群、肺胞炎、アレルギー性肺胞炎、線維化肺胞炎、間質性肺疾患、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、輸血反応、高安動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、側頭動脈炎、住血吸虫症、巨細胞性動脈炎、回虫症、アスペルギルス症、サンプター症候群、湿疹、リンパ腫様肉芽腫症、ベーチェット病、カプラン症候群、川崎病、デング熱、脳脊髄炎、心内膜炎、心内膜心筋線維症、眼内炎、隆起性紅斑、乾癬、胎児赤芽球症、好酸球性顔面炎、シャルマン症候群、フェルティ症候群、フィラリア症、毛様体炎、慢性毛様体炎、異時性毛様体炎、フッホ毛様体炎、IgA腎症、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、移植片対宿主病、移植拒絶反応、心筋症、イートン−ランバート症候群、再発性多発軟骨炎、クリオグロブリン血症、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、エバン症候群、急性呼吸窮迫症候群、肺の炎症、骨粗鬆症、遅延型過敏症及び自己免疫性腺不全を含む。
したがって、本明細書で記載された方法は、Bリンパ球の障害(例えば、全身性エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、関節リウマチ及びI型糖尿病)、Thリンパ球の障害(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、グレーブ病、原発性胆汁性肝硬変、ヴェゲナー肉芽腫症、結核又は移植片対宿主病)又はThリンパ球の障害(例えば、アトピー性皮膚炎、全身性エリテマトーデス、アトピー性喘息、鼻結膜炎、アレルギー性鼻炎、オメン症候群、全身性硬化症又は慢性移植片対宿主病)の処置を包含する。一般的には、樹状細胞に関連する障害は、Thリンパ球又はThリンパ球の障害を含む。
関節リウマチ(RA)は、人口の約1%が罹患する最も一般的な炎症性自己免疫疾患の1つである。有効な治療(例えば、MTX及び抗TNF薬)が利用可能であるが、特に、抗TNF療法に十分な反応を示さない患者(患者の約30%)には、大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在する。加えて、最大50% 患者は、主に有害事象のために、5年以内にTNFアンタゴニスト治療を中止する。ますます多くの患者が、治療上の利益を失うためでもある。このため、RAにおける炎症及び関節破壊をターゲットとするが、TNFの直接的阻害のみに頼らない有効な治療法を確立することが重要である。非常に魅力的なアプローチは、共刺激細胞経路をターゲットとすることである。共刺激における重要なレセプター−リガンドペアの1つは、CD40/CD40Lである。この系により、免疫細胞間及び免疫細胞と非免疫細胞との間の相互作用が可能となり、その全てが、RAの病因に重要である。本発明のアンタゴニスト抗体によるCD40の遮断は、RAにおいて下記効果のうちの1つ以上を有する場合がある。
1)B細胞分化及び抗体アイソタイプスイッチングを阻害する
2)T細胞及びマクロファージにおけるサイトカイン及びケモカインの産生並びに接着分子のアップレギュレーションを阻害する
3)樹状細胞の活性化を阻害する
4)炎症誘発性サイトカイン、ケモカイン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、プロスタグランジンの産生を阻害し、非免疫細胞(例えば、上皮細胞、内皮細胞及び間葉細胞)における接着分子をダウンレギュレーションする
1つ以上の上記効果を達成する方法は、本明細書で明確に企図されている。RAに加えて、本発明の組成物は、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、多発性硬化症、乾癬(乾癬性関節炎を含む)、若年性関節リウマチ、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス及び固形臓器移植の処置方法に特に有用であろう。
関節リウマチ(RA)は、成人における有病率が約1%の慢性、全身性の自己免疫疾患である。該疾患は、重大な病的状態及び早期死亡を引き起こし続けている(死亡は、主に、心血管疾患の加速による)。現在では、関節損傷が、疾患の経過のごく早期に起こり、最大30%の患者が、診断時に骨びらんのX線像上の証拠を示し、1年後には60%に増加することが特定されている。現在のガイドラインでは、確定診断が確定してから3か月以内に伝統的な疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARD)による治療を開始することが推奨されている。DMARDは、関節損傷を低減し又は予防し、関節機能を維持する可能性を有する。現在、リウマチ専門医は、ほとんどの患者に対する初期DMARD療法としてメトトレキサート(MTX)を選択している。
TNFアンタゴニストであるエタネルセプト(Enbrel(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、アダリムマブ(Humira(登録商標))、CTLA4アンタゴニストであるアバタセプト(Orencia(登録商標))、抗IL−6レセプター mAbであるトシリズマブ及び抗CD20 mAbであるリツキシマブ(Rituxan(登録商標))は、RAの処置に有効である。現行のガイドラインでは、一般的には、伝統的なDMARDでは応答が不十分な後の活動型RAの処置には、生物学的DMARDの使用が推奨されている。
先にMTX処置が行われていない早期侵襲性RA患者での近年の研究では、MTXとTNFアンタゴニストとの組み合わせが、それぞれを単剤療法として使用した場合より優れていることが示された。最も顕著な結果は、併用療法の顕著な放射線学的利益であった。このため、MTXとTNF阻害剤との組み合わせは、侵襲性疾患及び侵襲性表現型(例えば、高い活動性スコア、機能障害、リウマチ因子(RF)又は抗環状シトルリン化ペプチド抗体(CCP)の血清陽性、CRP上昇、X線上のびらん)のリスクが最も高い患者に使用されるべきである。一方、臨床現場では、TNFアンタゴニストが、第一選択薬として使用されるであろうことはまれであろうと予想される。2005年4月に行われた米国のリウマチ専門医を対象とした調査では、TNFアンタゴニストの使用決定に最も影響を及ぼす要因は、MTX又は複数のDMARDの失敗、医師による全般的評価、機能障害、X線像上の悪化又はびらんであった。現在、米国では、RA患者の20%が、TNF阻害剤治療を受けていると推定されている。
RA患者のかなりの割合が、薬剤不耐性及び毒性のため又は応答が得られないためのいずれかにより、生物学的療法を含む現在の治療では十分な助けが得られない。主に有害イベントのために、最大50%の患者が、5年以内にTNFアンタゴニスト処置を中止する。応答が得られないと認識された患者数が増えているためである。
一部の実施態様では、免疫学的障害は、T細胞媒介性免疫学的障害、例えば、障害に関連する活性化T細胞がCD40を発現するT細胞障害である。抗CD40抗体又は薬剤は、このようなCD40発現活性化T細胞を枯渇させるのに投与することができる。具体的な実施態様では、抗CD40抗体又は薬剤の投与により、CD40発現活性化T細胞を枯渇させることができるが、休止T細胞は、抗CD40又は薬剤により実質的に枯渇されない。この文脈において、「実質的に枯渇されない」は、約60%未満又は約70%未満又は約80%未満 休止T細胞が枯渇されないことを意味する。
また、本明細書で記載された抗CD40抗体及び薬剤は、CD40発現ガンを治療し又は予防するのにも有用である。本明細書で記載された方法に従って、CD40発現ガンの治療又は予防は、このような治療又は予防を必要とする対象に、有効量の抗CD40抗体又は薬剤を投与することにより、該抗体又は薬剤が(i)CD40発現ガン細胞に結合し、(ii)細胞傷害性又は細胞増殖抑制効果を発揮して、CD40発現ガン細胞を枯渇させるか又は同細胞の増殖を阻害するにより達成される。
本明細書で記載された方法により治療し又は予防することができるCD40発現ガンは、例えば、白血病、例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性又は赤白血病)、慢性白血病、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病又は慢性リンパ性白血病;真性赤血球増加症;リンパ腫(例えば、ホジキン病又は非ホジキン病);多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;重鎖病;固形腫瘍、例えば、肉腫及びガン腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸ガン、結腸直腸ガン、膵臓ガン、乳ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、扁平上皮ガン、基底細胞ガン、腺ガン、汗腺ガン、脂腺ガン、乳頭ガン、乳頭腺ガン、嚢胞腺ガン、髄様ガン、気管支原性ガン、腎細胞ガン、肝細胞ガン、胆管ガン、絨毛ガン、セミノーマ、胎児性ガン、ウィルムス腫瘍、子宮頸ガン、子宮ガン、精巣腫瘍、肺ガン、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、膀胱ガン、上皮ガン、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経膠腫、乏突起膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽腫、網膜芽細胞腫、鼻咽頭ガン又は食道ガンを含む。
医薬組成物及びその投与
CD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)を含む組成物は、免疫学的障害又はCD40発現ガンを有するか又は有するリスクがある対象に投与することができる。本発明は、さらに、CD40発現ガン又は免疫学的障害の予防又は治療のための医薬の製造における、CD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)の使用を提供する。本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、CD40結合剤を投与することができる任意のほ乳類患者を意味し、例えば、ヒト及び非ヒトほ乳類、例えば、霊長類、げっ歯類及びイヌを含む。本明細書で記載された方法を使用する処置に特に意図される対象は、ヒトを含む。該抗体又は薬剤は、免疫学的障害又はCD40発現ガンの予防又は治療において、単独で又は他の組成物と組み合わせて投与することができる。
このような医薬組成物に使用するのに好ましい抗体は、配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39又は配列番号:40のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体又は抗体フラグメントを含む抗体である。
一部の実施態様は、配列番号:26、配列番号:31又は配列番号:36の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を有する抗体又は抗体フラグメントをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。特に好ましいヒト化抗体組成物は、配列番号:27及び配列番号:26それぞれ;配列番号:28及び配列番号:26それぞれ;配列番号:29及び配列番号:26それぞれ;配列番号:30及び配列番号:26それぞれ;配列番号:32及び配列番号:31それぞれ;配列番号:33及び配列番号:31それぞれ;配列番号:34及び配列番号:31それぞれ;配列番号:35及び配列番号:31それぞれ;配列番号:37及び配列番号:36それぞれ;配列番号:38及び配列番号:36それぞれ;配列番号:39及び配列番号:36それぞれ;配列番号:40及び配列番号:36それぞれのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変領域を有する、抗体又は抗体フラグメントを含む。配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:53、配列番号:57、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:71、配列番号:72又は配列番号:73の重鎖配列のいずれかをコードする、単離されたポリヌクレオチドは、本発明の範囲内であることが企図される。他の実施態様は、配列番号:5〜配列番号:8、配列番号:26、配列番号:31、配列番号:36、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:50、配列番号:51、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:55、配列番号:56、配列番号:74、配列番号:75又は配列番号:76の配列のいずれかの軽鎖配列をコードする、単離された核酸を対象とする。
特定の実施態様では、RAの処置が企図される場合、本発明の組成物は、MTX単独に対して十分に応答しない中等度から重度に活性なRAを有する患者において、徴候及び症状を減少させ、主要な臨床応答(major clinical response)を誘引し、構造的損傷の進行を減少させるための方法に使用することができる。現在の例示的なこのような治療は、Enbrel/Humiraである(Humira及びEnbrelによるデータが、2つの異なる患者集団において得られた)。本発明の組成物は、MTX単独に対して応答しない対象について、Enbrel/Humira療法に代えて又はEnbrel/Humira療法と組み合わせて使用することができる。好ましくは、このような実施態様では、本発明の組成物は、例えば、化合物+MTXについて6か月>85%のACR20(GS:Enbrel+MTX 71%対プラセボ+MTX 27%、12ヶ月でのHumira+MTX 59%対プラセボ+MTX 24%)で決定されたように、メトトレキサートに対して不十分な応答を示した患者において、Enbrel+MTXより優れた効力を有するであろう。本発明の組成物の優れた効力についてのさらなる基準は、Enbrelと同様の1年間にわたる構造的損傷の進行の阻害を含むことができる(52週間後の平均修飾Sharpスコア Humira+MTX 0.1対プラセボ+MTX 2.7)。さらに他の実施態様では、該組成物は、ACR70により測定されたように、メトトレキサートに対して不十分な応答を示した患者において、Enbrelより優れた「主要な臨床応答」を生じさせる(Humira+MTXでは20%、プラセボ+MTXでは4%)
他の実施態様では、本発明の組成物は、抗TNF剤に対して不十分な応答を示した中等度から重度に活性なRAを有する患者において、徴候及び症状を減少させ、主要な臨床応答を誘引し、構造的損傷の進行を減少させるのに必要とされる場合がある。現在のGold標準:非抗TNF生物学的療法。好ましくは、このような対象において、本発明の組成物は、抗TNF剤に対して不十分な応答を示した患者における既往歴比較により、非抗TNF生物学的製剤(例えば、Orencia、Rituxan)と比較して、優れた効力を有する。化合物+DMARDについて6か月>50%のACR20(GS:Orencia+DMARD 50%対プラセボ+DMARD 20%)。さらに他の実施態様では、本発明の組成物は、Rituxanと同様に、関節びらん及び関節腔狭窄のための許容されたX線スコアリング法により評価される1年間にわたる構造損傷の進行を阻害する(52週間後の平均修正Sharpスコア Rituxan+MTX 1.0対プラセボ+MTX 2.31)。
種々の送達システムが公知であり、CD40結合剤を投与するのに使用することができる。導入方法は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外及び経口経路を含むが、これらに限定されない。CD40結合剤は、例えば、注入、ボーラス又は注射により投与することができ、他の生物学的に活性な薬剤、例えば、化学療法剤と共に投与することができる。投与は、全身又は局所であることができる。好ましい態様では、投与は、皮下注射による。このような注射のための製剤は、例えば、1週間おきに1回投与することができる、予め充填されたシリンジで調製することができる。
本発明の抗体の安全性の特徴が決定されるであろうし、好ましくは、1つ以上の特徴、例えば、関節リウマチを処置するのに一般的に使用される他の医薬品(例えば、DMARD、ステロイド、NSAID)との臨床的に重大で有害な相互作用がないこと;Enbrelと比較して安全性又は許容性の問題による中止率が高くないこと;抗TNF剤又は他の一般的に使用される生物学的製剤より重篤な感染症の割合が大きくないこと;Enbrelと同様の注射部位反応又は注入反応の頻度及び/又は重症度;治療の反復サイクルにおける薬剤耐性の発生がないか又は最小限(5%未満)であること;中和抗体がないか又は最小限であること;in vivoでの血栓塞栓イベント又は出血につながる場合がある血小板/内皮機能障害につながる場合がある血小板凝集/活性化が増強されたという証拠がないことを含むであろう。
具体的な実施態様では、CD40結合剤組成物は、注射により、カテーテルにより、坐剤により又はインプラントにより投与される。インプラントは、シラスティック膜等の膜又は繊維を含む、多孔質、非多孔質又はゼラチン状材料のものである。典型的には、該組成物を投与する場合、抗CD40抗体又は薬剤が吸収しない材料が使用される。
他の実施態様では、抗CD40抗体又は薬剤は、制御放出系で送達される。一実施態様では、ポンプを使用することができる(例えば、Langer, 1990, Science 249:1527-1533;Sefton, 1989, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201;Buchwald et al., 1980, Surgery 88:507;Saudek et al., 1989, N. Engl. J. Med. 321:574を参照のこと)。別の実施態様では、ポリマー材料を使用することができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release(Langer and Wise eds., CRC Press, Boca Raton, Fla., 1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance(Smolen and Ball eds., Wiley, New York, 1984);Ranger and Peppas, 1983, Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61)。Levy et al., 1985, Science 228:190;During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351;Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105.も参照のこと。他の制御放出系は、例えば、上記Langerにおいて議論されている。
CD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)は、治療上有効量の結合剤及び1種以上の薬学的に適合性の成分を含む医薬組成物として投与することができる。
典型的な実施態様では、該医薬組成物は、ヒトへの静脈内又は皮下投与に適合した医薬組成物として、ルーチンな手法に従って配合される。典型的には、注射による投与のための組成物は、滅菌等張水性バッファーの溶液である。必要に応じて、医薬品は、可溶化剤及び局所麻酔剤、例えば、リグノカインを含ませて、注射部位での疼痛を緩和することもできる。一般的には、成分は、別個に又は同成分同士を単一剤形に混合させて(例えば、活性剤の量を示す気密封入容器、例えば、アンプル又は小袋に入った凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として)のいずれかで供給される。医薬品が、注入により投与される場合、該医薬品は、無菌医薬品グレードの水又は生理食塩水を含有する注入ボトルにより分注することができる。医薬品が、注射により投与される場合、注射用の滅菌水又は生理食塩水のアンプルを提供して、成分を投与前に混合することができる。
さらに、医薬組成物は、(a)凍結乾燥形態にあるCD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)を含有する容器及び(b)注射用の薬学的に許容し得る希釈剤(例えば、滅菌水)を含有する第2の容器を含む、医薬キットとして提供することができる。薬学的に許容し得る希釈剤は、凍結乾燥された抗CD40抗体又は薬剤の再構成又は希釈に使用することができる。場合により、このような容器には、医薬品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を監督する政府当局により指示された形式での注意書きが添付される。同注意書きは、ヒトへの投与のための製造、使用又は販売の該当局による認可を反映する。
免疫学的障害又はCD40発現ガンの治療又は予防に有効なCD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)の量は、標準的な臨床技術により決定することができる。加えて、in vitroアッセイを、場合により、最適な用量範囲を特定するのに役立てるために利用することができる。製剤に利用される正確な用量は、投与経路及び免疫学的障害又はCD40発現ガンの段階によっても決まるであろうし、実務者の判断及び各患者の状況に応じて決定されるべきである。有効用量は、in vitro又は動物モデル試験システムから導かれる用量応答曲線から外挿することができる。
例えば、抗CD40抗体又は薬剤の毒性及び治療効力は、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための標準的な医薬手順により、細胞培養物又は実験動物において決定することができる。大きな治療指数を示すCD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)が好ましい。CD40結合剤が、毒性副作用を示す場合、CD40結合剤を患部組織の部位にターゲット化する送達系を使用して、非CD40発現細胞の潜在的損傷を最少限に抑え、それにより、副作用を減少させることができる。
細胞培養アッセイ及び動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用のための用量の範囲を策定するのに使用することができる。CD40結合剤の用量は、典型的には、毒性がほとんど又は全くなく、ED50を含む循環濃度の範囲内にある。用量は、利用される剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化させることができる。本方法において使用される任意のCD40結合剤について、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。用量は、細胞培養物において決定されるようなIC50(すなわち、症状の最大半量の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて配合することができる。このような情報を、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するのに使用することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィー、ELISA等により測定することができる。
一般的には、免疫学的障害又はCD40発現ガンを有する患者に投与される抗CD40抗体又はCD40結合剤の用量は、典型的には、約0.1mg/kg〜約100mg/kg 対象の体重である。対象に投与される用量は、約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約30mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約15mg/kg又は約1mg/kg〜約10mg/kg 対象の体重である。
例示的な用量は、1ng/kg〜100mg/kgを含むが、これらに限定されない。一部の実施態様では、用量は、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg又は約16mg/kgである。用量は、例えば、毎日、週1回(毎週)、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、隔週又は月1回、2か月毎又は3か月毎に投与することができる。具体的な実施態様では、用量は、約0.5mg/kg/週、約1mg/kg/週、約2mg/kg/週、約3mg/kg/週、約4mg/kg/週、約5mg/kg/週、約6mg/kg/週、約7mg/kg/週、約8mg/kg/週、約9mg/kg/週、約10mg/kg/週、約11mg/kg/週、約12mg/kg/週、約13mg/kg/週、約14mg/kg/週、約15mg/kg/週又は約16mg/kg/週である。一部の実施態様では、用量は、約1mg/kg/週〜約15mg/kg/週の範囲にある。
一部の実施態様では、CD40結合剤を含む医薬組成物は、該結合剤にコンジュゲートしているか又はコンジュゲートしていないかのいずれかの治療剤をさらに含むことができる。抗CD40抗体又はCD40結合剤は、免疫学的障害又はCD40発現ガンの治療又は予防のための1種以上の治療剤と組み合わせて同時投与することができる。例えば、併用療法は、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤又は免疫サプレッション剤を含むことができる。また、併用療法は、例えば、活性化リンパ球、樹状細胞又はCD40発現ガン細胞表面のCD40以外のレセプター又はレセプター複合体をターゲットとする薬剤の投与を含むこともできる。このような薬剤の例は、活性化リンパ球、樹状細胞又はCD40発現ガン細胞表面にある分子に結合する第2の非CD40抗体を含む。別の例は、このようなレセプター又はレセプター複合体をターゲットとするリガンドを含む。典型的には、このような抗体又はリガンドは、活性化リンパ球、樹状細胞又はCD40発現ガン細胞の細胞表面レセプターに結合し、活性化リンパ球、樹状細胞又はCD40発現ガン細胞に細胞増殖抑制性又は細胞傷害性シグナルを送ることにより、抗CD40抗体の細胞傷害性又は細胞増殖抑制効果を増強する。
このような併用療法投与は、疾患パラメーター(例えば、症状の重症度、症状の数又は再発の頻度)に対して相加的又は相乗的効果を有することができる。
併用投与のための治療計画に関して、具体的な実施態様では、抗CD40抗体又はCD40結合剤は、治療剤と同時に投与される。別の具体的な実施態様では、治療剤が、抗CD40抗体又はCD40結合剤の投与の前又は後に、抗CD40抗体又はCD40結合剤の投与の前又は後の少なくとも1時間かつ数か月まで、例えば、少なくとも1時間、5時間、12時間、1日、1週間、1か月又は3か月までに投与される。
有用なクラスの細胞傷害剤又は免疫サプレッション剤は、例えば、抗チューブリン剤、オーリスタチン(例えば、MMAE又はMMAF)、DNA副溝バインダー、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、白金錯体、例えば、シスプラチン、モノ(白金)、ビス(白金)及び三核白金錯体及びカルボプラチン)、アントラサイクリン、抗生物質、抗葉酸塩、代謝拮抗剤、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ素化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、予備成形コンパウンド(pre−forming compounds)、プリン代謝拮抗剤、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイド等を含む。
個々の細胞傷害剤又は免疫サプレッション剤は、例えば、アンドロゲン、アントラマイシン(AMC)、アスパラギナーゼ、5−アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ブスルファン、ブチオニン、スルホキシミン、カンプトテカン、カルボプラチン、カルムスチン(BSNU)、CC−1065、クロラムブシル、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シチジンアラビノシド、サイトカラシンB、ダカルバジン、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ダウノルビシン、デカルバジン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エストロゲン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル、グラミシジンD、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メルファラン、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトラマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ニトロイミダゾール、パクリタキセル、プリカマイシン、プロカルビジン、ストレプトゾトシン、テノポシド、6−チオグアニン、チオTEPA、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、VP−16及びVM−26を含む。
一部の典型的な実施態様では、治療剤は、細胞傷害剤である。適切な細胞傷害剤は、例えば、ドラスタチン(例えば、オーリスタチンE、AFP、MMAF、MMAE、AEB又はAEVB)、DNA副溝バインダー(例えば、エンジイン及びレキシトロプシン)、デュオカルマイシン、タキサン(例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)、ピューロマイシン、ビンカアルカロイド、CC−1065、SN−38、トポテカン、モルホリノ−ドキソルビシン、リゾキシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、エキノマイシン、コンブレタスタチン、ネトロプシン、エポチロンA及びB、エストラムスチン、クリプトフィジン、セマドチン、メイタンシノイド、ディスコデルモリド、エリュテロビン又はミトキサントロンを含む。
一部の実施態様では、細胞傷害剤は、例えば、従来の化学療法剤、例えば、ドキソルビシン、パクリタキセル、メルファラン、ビンカアルカロイド、メトトレキサート、マイトマイシンC又はエトポシド等である。加えて、強力な薬剤、例えば、CC−1065類似体、カリケアマイシン、メイタンシン、ドラスタチン10の類似体、リゾキシン及びパリトキシンを抗CD40抗体又はその薬剤に連結させることができる。
具体的な実施態様では、細胞傷害剤又は細胞増殖抑制剤は、オーリスタチンE(当技術分野において、ドラスタチン−10としても公知である)又はその誘導体である。典型的には、オーリスタチンE誘導体は、例えば、オーリスタチンEとケト酸との間で形成されるエステルである。例えば、オーリスタチンEをパラアセチル安息香酸又はベンゾイル吉草酸と反応させて、それぞれAEB及びAEVBを生成することができる。他の典型的なオーリスタチン誘導体は、AFP、MMAF及びMMAEを含む。オーリスタチンE及びその誘導体の合成及び構造は、例えば、US第2004−0157782号及び同第2005−0238649号;PCT/US第03/24209号、PCT/US第02/13435号並びにUS第6,884,869号;同第6,323,315号;同第6,239,104号;同第6,034,065号;同第5,780,588号;同第5,665,860号;同第5,663,149号;同第5,635,483号;同第5,599,902号;同第5,554,725号;同第5,530,097号;同第5,521,284号;同第5,504,191号;同第5,410,024号;同第5,138,036号;同第5,076,973号;同第4,986,988号;同第4,978,744号;同第4,879,278号;同第4,816,444号;及び同第4,486,414号に記載されている。これらの文献の開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
具体的な実施態様では、細胞傷害剤は、DNA副溝結合剤である(例えば、US第6,130,237号を参照のこと)。例えば、一部の実施態様では、副溝結合剤は、CBI化合物である。他の実施態様では、副溝結合剤は、エネジイン(例えば、カリケアマイシン)である。
抗チューブリン剤の例は、タキサン(例えば、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)、Taxotere(登録商標)(ドセタキセル))、T67(Tularik)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビン)及びドラスタチン(例えば、オーリスタチンE、AFP、MMAF、MMAE、AEB、AEVB)を含むが、これらに限定されない。他の抗チューブリン剤は、例えば、バカチン誘導体、タキサン類似体(例えば、エポチロンA及びB)、ノコダゾール、コルヒチン及びコルシミド、エストラムスチン、クリプトフィジン、セマドチン、メイタンシノイド、コンブレタスタチン、ディスコデルモリド及びエリュテロビンを含む。
一部の実施態様では、細胞傷害剤は、抗チューブリン剤の別のグループであるメイタンシノイドである。例えば、具体的な実施態様では、メイタンシノイドは、メイタンシン又はDM−1(ImmunoGen, Inc.;Chari et al., 1992, Cancer Res. 52:127-131も参照のこと)である。
一部の実施態様では、治療剤は、放射性同位体ではない。
一部の実施態様では、細胞傷害剤又は免疫サプレッション剤は、代謝拮抗剤である。代謝拮抗剤は、例えば、プリンアンタゴニスト(例えば、アゾチオプリン又はミコフェノラートモフェチル)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤(例えば、メトトレキサート)、アシクロビル、ガングシクロビル、ジドブジン、ビダラビン、リババリン、アジドチミジン、シチジンアラビノシド、アマンタジン、ジデオキシウリジン、ヨードデオキシウリジン、ポスカメット又はトリフルリジンであることができる。
他の実施態様では、細胞傷害剤又は免疫サプレッション剤は、タクロリムス、シクロスポリン又はラパマイシンである。更なる実施態様では、細胞傷害剤は、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、ベキサロテン、ベキサロテン、カルステロン、カペシタビン、セレコキシブ、カルドリビン、ダルベポエチンアルファ、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドロモスタノロンプロピオナート、エピルビシン、エポエチンアルファ、エストラムスチン、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴセレリン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブメシラート、インターフェロンアルファ−2a、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、レバミソール、メクロレタミン又はナイトロジェンマスタード、メゲストロール、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、ミトマイシンC、ミトタン、ナンドロロンフェンプロピオナート、オプレルベキン、オキサリプラチン、パミドロナート、ペガデマーゼ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、レブリミド、サルグラモスチム、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン及びゾレドロナートである。
更なる実施態様では、該薬剤は、ヒト化抗HER2モノクローナル抗体;RITUXAN(リツキシマブ;Genentech, Inc., South San Francisco, Calif);キメラ抗CD20モノクローナル抗体;OVAREX(AltaRex Corporation, MA);PANOREX(Glaxo Wellcome, NC;マウスIgG2a抗体);Cetuximab Erbitux(Imclone Systems Inc., NY;抗EGFR IgGキメラ抗体);Vitaxin(MedImmune, Inc., MD);Campath I/H(Leukosite, MA;ヒト化IgG1抗体);Smart MI95(Protein Design Labs, Inc., CA;ヒト化抗CD33 IgG抗体);LymphoCide(Immunomedics Inc., NJ;ヒト化抗CD22 IgG抗体);Smart ID10(Protein Design Labs, Inc., CA;ヒト化抗HLA−DR抗体);Oncolym(Techniclone, Inc., CA;放射線ラベルマウス抗HLA−Dr10抗体);Allomune(BioTransplant, CA;ヒト化抗CD2 mAb);Avastin(Genentech, Inc., CA;抗VEGFヒト化抗体);Epratuzamab(Immunomedics, Inc., NJ及びAmgen, CA;抗CD22抗体);及びCEAcide(Immunomedics, NJ;ヒト化抗CEA抗体)である。
他の適切な抗体は、下記抗原:CA125、CA15−3、CA19−9、L6、ルイスY、ルイスX、アルファフェトプロテイン、CA 242、胎盤アルカリホスファターゼ、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、上皮成長因子、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、MAGE−4、抗トランスフェリンレセプター、p97、MUC1−KLH、CEA、gp100、MART1、前立腺特異的抗原、IL−2レセプター、CD20、CD52、CD33、CD22、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、CD38、ムチン、P21、MPG、及びNeuガン遺伝子産物に対する抗体を含むが、これらに限定されない。
一部の実施態様では、該治療剤は、免疫サプレッション剤である。免疫サプレッション剤は、例えば、ガンシクロビル、エタネルセプト、タクロリムス、シクロスポリン、ラパマイシン、シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノラートモフェチル又はメトトレキセートであることができる。代替的には、免疫サプレッション剤は、例えば、グルココルチコイド(例えば、コルチゾール又はアルドステロン)又はグルココルチコイド類似体(例えば、プレドニゾン又はデキサメタゾン)であることができる。
適切なシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、メクロフェナム酸、メフェナム酸、カルプロフェン、ジクロフェナク、ジフルニサール、フェンブフェン、フェノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ナブメトン、ナプロキセン、スリンダク、テノキシカム、トルメチン及びアセチルサリチル酸を含む。
適切なリポキシゲナーゼ阻害剤は、酸化還元阻害剤(例えば、カテコールブタン誘導体、ノルジヒドログアレチン酸(NDGA)、マソプロコール、フェニドン、イアノパレン、インダゾリノン、ナファザトロム、ベンゾフラノール、アルキルヒドロキシルアミン)及び非酸化還元阻害剤(例えば、ヒドロキシチアゾール、メトキシアルキルチアゾール、ベンゾピラン及びその誘導体、メトキシテトラヒドロピラン、ボスウェリン酸及びボスウェリン酸のアセチル化誘導体並びにシクロアルキル基により置換されているキノリンメトキシフェニル酢酸)並びに酸化還元阻害剤の前駆体を含む。
他の適切なリポキシゲナーゼ阻害剤は、抗酸化剤(例えば、フェノール、プロピルガラート、フラボノイド及び/又はフラボノイドを含有する天然基質、フラボンのヒドロキシル化誘導体、フラボノール、ジヒドロケルセチン、ルテオリン、ガランギン、オロボール、カルコンの誘導体、4,2’,4’−トリヒドロキシカルコン、オルト−アミノフェノール、N−ヒドロキシウレア、ベンゾフラノール、エブセレン及び還元セレノ酵素の活性を向上させる種)、鉄キレート剤(例えば、ヒドロキサム酸及びその誘導体、N−ヒドロキシウレア、2−ベンジル−1−ナフトール、カテコール、ヒドロキシルアミン、カルノゾールトロックスC、カテコール、ナフトール、スルファサラジン、ジロートン、5−ヒドロキシアントラニル酸及び4−(オメガ−アリールアルキル)フェニルアルカン酸)、イミダゾール含有化合物(例えば、ケトコナゾール及びイトラコナゾール)、フェノチアジン及びベンゾピラン誘導体を含む。
さらに他の適切なリポキシゲナーゼ阻害剤は、エイコサノイド(例えば、オクタデカテトラエン酸、エイコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、エイコサヘキサエン酸及びドコサヘキサエン酸並びにそのエステル)、PGE1(プロスタグランジンE1)、PGA2(プロスタグランジンA2)、ビプロストール、15−モノヒドロキシエイコサテトラエン酸、15−モノヒドロキシエイコサトリエン酸及び15−モノヒドロキシエイコサペンタエン酸並びにロイコトリエンB5、C5及びD5)、カルシウム流を妨害する化合物、フェノチアジン、ジフェニルブチルアミン、ベラパミル、フスコシド、クルクミン、クロロゲン酸、カフェン酸、5,8,11,14−エイコサテトラエン酸(ETYA)、ヒドロキシフェニルレチナミド、ロナパレン、エスクリン、ジエチルカルバマジン、フェナントロリン、バイカレイン、プロキシクロミル、チオエーテル、ジアリルスルフィド及びジ−(1−プロペニル)スルフィドを含む。
ロイコトリエンレセプターアンタゴニストは、カルシトリオール、Bayer-x-1005、Ciba-Geigy CGS-25019C、エブセレン、Leo DenMark ETH-615、Lilly LY-293111、Ono ONO-4057、Terumo TMK-688、Boehringer Ingleheim BI-RM-270、Lilly LY 213024、Lilly LY 26086、Lilly LY 292728、Ono ONO LB457、Pfizer 105696、Perdue Frederick PF 10042、Rhone-Poulenc Rorer RP 66153、SmithKline Beecham SB-20146、SmithKline Beecham SB-201993、SmithKline Beecham SB-209247、Searle SC-53228、Sumitomo SM 15178、American Home Products WAY 121006、Bayer Bay-o-8276、Warner-Lambert CI-987、Warner-Lambert CI-987BPC-15LY 223982、Lilly LY 233569、Lilly LY-255283, MacroNex MNX-160, Merck and Co. MK-591、Merck and Co. MK-886、Ono ONO-LB-448、Purdue Frederick PF-5901、Rhone-Poulenc Rorer RG 14893、Rhone-Poulenc Rorer RP 66364、Rhone- Poulenc Rorer RP 69698、Shionoogi S-2474、Searle SC-41930、Searle SC-50505、Searle SC-51146、Searle SC-52798、SmithKline Beecham SK及びF-104493、Leo Denmark SR-2566、Tanabe T-757及びTeijin TEI-1338を含む。
製品
別の態様では、上記された障害の処置に有用な物質を含有する製品が含まれる。該製品は、容器及びラベルを含む。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ及び試験管を含む。容器は、各種の材料、例えば、ガラス又はプラスチックで形成することができる。容器は、状態を処置するのに有効な組成物を保持し、無菌アクセスポートを有することができる。例えば、容器は、皮下注射針により穿孔可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであることができる。該組成物中の活性剤は、ヒト化抗CD40抗体である。容器上又は容器に付随するラベルは、該組成物が選択された状態を処置するのに使用されることを示す。該製品は、薬学的に許容し得るバッファー、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液及びデキストロース溶液を含む第2の容器をさらに含むことができる。該製品は、さらに、商業的及びユーザーの観点から望ましい他の材料(他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ及び使用説明を伴う添付文書を含む)を含むことができる。
本発明を下記実施例においてさらに説明する。下記実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例
実施例1:ヒト化抗CD40抗体の産生
マウス抗体20E2及び2H11を本明細書で上記された表1及び2に示す。20E2及び2H11クローンのヒト化は完了している。ヒト及びマウスの残基を任意の所定の位置で、ヒト又はマウスのいずれかの残基が存在することができるように変化させたライブラリを作製した。このようなライブラリをヒト生殖系列とマウス抗体との間で異なるアミノ酸について作製した。親マウス抗体の機能を保持するクローンのみを選択した。
このようにして、抗体A、抗体B及び抗体Cは、ヒトIgG1−KO(KO=ノックアウト)/κ骨格にクローニングされたマウス抗体20E2(抗体A及び抗体B)又は2H11(抗体C)に由来するヒト化抗体であった。IgG1−KOは、Fc領域にLeu234Ala及びLeu235Alaという2つの突然変異を有し、FcγR及び補体結合が低下している。
このようなヒト化の結果、以下に示された種々のヒト化重鎖及び軽鎖可変配列がもたらされた。
配列番号:41(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:42(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:43(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:44(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:45(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:46(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:47(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:48(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:49(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:50(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:51(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:52(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:53(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:54(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:55(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:56(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:57(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:58(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:59(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:60(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:61(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:62(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:63(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:64(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:65(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:66(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:67(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:68(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:69(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:70(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:71(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:72(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:73(可変重鎖配列)
Figure 2021529754
配列番号:74(可変軽鎖配列)1 抗体10F2Hum由来
Figure 2021529754
配列番号:75(可変軽鎖配列)2 抗体10F2Hum由来
Figure 2021529754
配列番号:76(可変軽鎖配列)
Figure 2021529754
本発明の例示的なヒト化抗体は、下記表で説明された重鎖配列及び軽鎖配列を有する抗体である。下記表中の太字の下線を引いた配列は、可変ドメインであり、一方、通常の下線を引いていない配列は、定常ドメインである。
Figure 2021529754

Figure 2021529754

Figure 2021529754

Figure 2021529754
可変領域を1つ又は2つの異なる適切なIgG発現ベクターにサブクローニングした
A)ヒトIgG1−KO(ノックアウト)/カッパフォーマット(Fc領域にLeu234Ala、Leu235Alaの二重突然変異を有し、エフェクター機能、例えば、FcγR結合及び補体結合が低下している)
B)ヒトIgG4−DM(二重突然変異体)/カッパフォーマット(ヒンジ領域にSer228Pro突然変異を有し、IgG4半分子及びLeu235Glu突然変異の発生を低減し、さらに、FcγR結合が低下している)
2つの候補抗体A及び抗体Bを精製し、下記基準により評価した。
−CCFの外観(濁度)
−CCFのろ過特性
−rプロテインAの収率
−溶出及び中和時の濁度
−可溶性凝集体(SEC)
−純度/夾雑パターン(SDS)
−電荷パターン(IEF)
実施例2:in vitroデータ
抗体A、抗体B及び抗体Cを、公表されている配列に基づいて産生された抗体4D11(Kirin/Astellas)及びPG−102(PanGenetics)と共に特徴決定した。抗体A、抗体B、抗体C及び4D11についてのデータを以下に示す。PG−102は、アゴニスト活性を示し、B細胞増殖の阻害のみが不完全であった(図示せず)。表2.2に、得られたデータをまとめる。データのより詳細な説明は表2.2に従う。
Figure 2021529754
A.ヒト化抗体の細胞CD40及びリコンビナントCD40タンパク質への結合
ヒト化抗体の細胞CD40への特異的結合を、ヒトCD40でトランスフェクションされたHEK293細胞を使用するフローサイトメトリーにより分析した。抗体A、抗体B、及び抗体Cの濃度依存的結合が観察された。該抗体は、同様の結合プロファイルを示した。本発明の抗体及びKirinの抗体4D11のEC50値は全て、約1nMの同じ範囲にある。同範囲は、トランスフェクションされた細胞においてCD40が高レベルであるため、アッセイの感度限界で最も可能性がある。また、ヒト化抗体のヒトRamos細胞の細胞CD40への特異的結合からも、濃度依存性結合が示された。該抗体は、わずかに異なる結合プロファイル及び0.21〜1.22nM EC50値を示した。CD40陰性細胞、例えば、トランスフェクションされていないHEK293細胞又はT細胞系統HSB−2への結合は検出されなかったため、CD40への選択的結合が確認された(データを示さず)。
ヒトCD40−Fcタンパク質に対する抗体A、抗体B及び抗体C結合の親和性を、ForteBio Octetにより測定し、<100pMの解離定数(K)が明らかとなった。抗体及びCD40−Fcのために、二価結合活性効果により、100pM未満のKdが正確に決定されるのが妨げられる。加えて、CD40−Fcへの結合を50% ヒト血清の非存在下及び存在下で分析した。結合に対する血清の顕著な影響は観察されなかった(データを示さず)。
B.B細胞活性化/増殖アッセイにおけるヒト化抗体の活性
ヒト化抗体の活性をIL−2及びIL−4の存在下で、末梢血由来のヒトB細胞をリコンビナントCD40Lにより刺激するB細胞増殖アッセイにおいて試験した。抗体A、抗体B及び抗体Cは、B細胞の増殖の強力な阻害を示した。BIの抗体及びKirinの抗体4D11の阻害曲線及びIC50値との比較から、4D11抗体が複数のドナーにわたって試験された場合、より高い効力を有することが示される。CD40Lの非存在下でアゴニスト活性について試験した場合、抗体B、抗体A及び抗体Cの抗体は、4D11抗体と同様に、10μg/m l(67nM)までの濃度で、バックグラウンドレベルを超えるB細胞増殖を誘引しなかった。
競合抗体4D11は、わずかに強力であり、平均IC50は、約0.02nMであり、アゴニスト効果を有さなかった。3つのBI抗体及び4D11についてのデータを、上記表2.2にまとめる。このアッセイにおいて、別の競合抗体であるPG−102(クローン5D12由来)も試験し、CD40Lの非存在下でB細胞増殖を刺激する顕著なアゴニスト効果が示された。したがって、本発明者らのリード候補のアゴニスト活性の欠如により、それらは、PG−102と明確に区別される。
第2のアッセイにおいて、該抗体をヒトB細胞におけるCD86アップレギュレーションの阻害について評価した。この場合、アッセイを外因性CD40Lの存在下で、ヒト全血又は精製B細胞の両方により行うことができる。B細胞増殖データと一致して、ヒト全血で試験した抗体B、抗体A及び抗体Cは、フローサイトメトリーにより測定された場合、CD40媒介性CD86アップレギュレーションの強力な阻害を示した。抗体Cは、このアッセイにおいて、4D11と同様の効力を示したが、抗体B及び抗体Aの効力はいくらか弱かった。精製B細胞又は全血について抗体Bと4D11とを比較すると、抗体Bの効力(IC50及びIC90値)は、他のCD40を有する細胞又は血清の存在下で、B細胞と比較して精製B細胞では比較的変化しないが、4D11は、全血条件下で効力の劇的な変化を受けることが示される。
同様のデータは、全血サンプルにより行われた場合、抗体B、抗体A及び抗体Cが、カニクイザルB細胞でのCD86アップレギュレーションの阻害について評価された場合に得られている。カニクイザル全血で試験された抗体B、抗体A及び抗体Cは、フローサイトメトリーで測定された場合、CD40媒介性CD86アップレギュレーションの強力な阻害を示した。したがって、これらの抗体は全て、ヒトCD40と同様の効力で、カニクイザルCD40に対して機能的交叉反応性を示す。
抗体B IgG1KOb及び抗体B IgG1WTの活性を、抗体依存性細胞傷害性を媒介する能力について評価した。このアッセイにおいて、RAMOS細胞をヒトPBMCと共にエフェクター対ターゲット細胞比50:1でインキュベーションした。抗体B IgG1KOb及び抗体B IgG1WTを20ug/mlから滴定し、細胞死の程度をLDHの放出によりモニターする。示されたデータは、1つの代表的な実験からのものである。このデータから、抗体A IgG1Wt 20E2−12−RIgG1WTが、ADCCの有効なメディエーターであり、エフェクター機能を排除する突然変異を含有する抗体B IgG1KObが、ADCC活性を有さないことが示される。
実施例3:薬物動態/薬力学研究
A.カニクイザルへの抗体A及び抗体Bの1又は10mg/kgでの単回IV投与
抗体A及び抗体Bそれぞれを、1及び10mg/kg IVで、オスのカニクイザル(N=3)/投与に投与した。血液サンプルを0〜504時間(3週間)で収集し、血清を回収し、サンプルを分析まで−20℃で保存した。サンプルを上記されたサンドイッチELISAにより分析した。両IV投与後のサルにおける両抗体の血清濃度−時間プロファイル及び薬物動態パラメーターを以下に示された表2.7.1(抗体A)及び表2.7.2(抗体B)にまとめる。両抗体とも、用量依存的薬物動態を示した。このことから、低用量では、クリアランスは、主にターゲット媒介性処分に一致して生じ、一方、高用量では、該抗体は、主に異化により除去されることが示唆された。同様の用量依存的薬物動態プロファイルが、膜関連ターゲット(例えば、CD19、CD20、EGFR、CD146及びHER2)をターゲットとする他のMAbについて観察されている。抗体Aについてのクリアランスは、1及び10mg/kg用量についてそれぞれ、0.8及び0.1mL/h/kgであった。抗体Bについてのクリアランスは、1及び10mg/kg用量についてそれぞれ、0.7及び0.1mL/hr/kgであった。同様に、抗体A半減期は、1及び10mg/kg用量についてそれぞれ、1日及び13日であり、抗体B半減期は、同じ各用量について2日及び13日であった。抗体Bは、抗体Aの同じ投与量に対して、より低い用量で半減期がわずかに長かったが、この差は、慢性投与時のより持続的な曝露にはつながらないと予想されるであろう。両化合物についてのAUCは、両化合物についての分布の上比例(supraproportional)及び体積(Vss)であり、血漿体積(約40mL/kg)のものに近似した。このことは、大型の極性タンパク質治療剤について典型的に見られる限定された組織分布を示す。全体として、2つの抗体間の薬物動態パラメーターに明らかな差は存在しない。
Figure 2021529754
Figure 2021529754
B.ex vivo薬力学研究
上記されたPK研究の一環として、抗CD40抗体の薬力学的効果を分析した。この目的のために、全血サンプルをリコンビナントCD40Lと共に一晩インキュベーションし、B細胞でのCD86発現の増加をフローサイトメトリーにより決定した。サンプルを0日目(処置前)、投与後2、7及び14日目に分析した。CD86発現の増加は比較的小さい(約5〜20%)が、用量依存的効果が観察された。10mg/kg 抗体A及び抗体Bを投与された動物の群において、CD86誘引は、2、7及び14日目に完全に阻害され、この用量での持続的曝露と一致した。1mg/kgを投与された動物は、2日目に完全な阻害を示し、7日目に部分的な阻害を示し、14日目には阻害を示さなかった。薬力学的効果の経時的な消失は、低い投与群において抗体のクリアランスがより速いことと相関する。
実施例4:毒性関連研究:血小板のCD40
CD40は、ヒト血小板において構成的に発現している(Henn, et al., 2001及びInwald, et al., 2003)が、CD40Lは、活性化血小板の細胞表面に迅速かつ一過性に発現している(Henn, et al., 2001)。FcγR結合性を有さない抗CD40抗体は、血小板に対する効果を有するとは予想されないであろうが、これが事実であることを直接実証することが重要である。フローサイトメトリー研究を行い、抗CD40リード候補のヒト及びカニクイザル血小板への結合を実証した。
以前、フローサイトメトリーにより、G28.5及びmAb 89抗CD40 mAbが、休止中のヒト血小板に結合することが実証されている(Henn, et al., 2001)。これは、FITCラベルG28.5抗体を使用して確認された。G28.5の5倍系列希釈を調製し、0.5μg/ml〜0.32ng/mlの範囲をヒト(2名のドナー)又はカニクイザル(3匹のドナー)から得られた血小板 100μl中において、室温で30分間インキュベーションした。加えて、APCラベル抗CD45 mAbを使用して、他のCD40細胞種に結合した血小板を特定し、これらの細胞を分析から除外した。抗体染色後、血小板を洗浄し、Optilyse Cで固定し、フローサイトメトリーを行った。平均蛍光強度(MFI)をCD45血小板に結合する抗体の尺度として測定した。
市販の5c3及び本発明の選択された抗体である抗CD40マウスmAbをFITCラベルした。Ramos細胞への結合を確認した。抗体分子当たりのFITC分子の数は、抗体分子あたりに2〜4個 FITCの範囲であった。市販及び候補抗CD40 mAbの5倍系列希釈を、0.5μg/ml〜0.32ng/mlの範囲で調製し、ヒト(3名のドナー)及びカニクイザル(2匹のドナー)血小板と共に室温で30分間インキュベーションした。
マウス候補抗CD40 mAbのヒト血小板への結合を実証する代表的なグラフは、以前に、US第8,591,900号に示された。4つの候補モノクローナル抗体が、FITCラベルアイソタイプ対照抗体と比較して、ヒト血小板への特異的結合を示した。10F2、2H11、19B10及び20E2は、血小板への同等の結合を示した。カニクイザルの血小板についても同様の傾向が観察された(データを示さず)。
これらの研究に加えて、直接ラベルされた抗体B及び4D11について、ヒト及びカニクイザルの全血サンプルにおける血小板及びB細胞への結合能を比較した。4D11は、ヒト及びカニクイザル血液サンプルにおけるB細胞及び血小板の両方に対して(EC50により例示された)類似の結合を示した。B抗体は、同様のパターンを示したが、結合能は、はるかに弱かった。
実施例5:NSGマウスモデルにおけるin vivo薬理研究
ヒト化抗体である抗体Aの効力を、移植片対宿主応答を生じさせるために、ヒトPBMCを免疫不全NSGマウスに注射した抗体産生モデルにおいて評価した。ヒトIgM(hIgM)及びIgG(hIgG)の顕著な産生を生着後2週間から検出することができる。抗体Aを5及び1mg/kgの用量で処置すると、生着後2週目及び3週目において、hIgG及びhIgM応答が顕著に阻害された。対照抗体(4D11)を5mg/kg単回投与で評価し、該応答の消失も示された。第2の研究では、全ての抗体である抗体A、抗体B及び抗体Cを1mg/kgの単回用量で試験し、2週目にIgM及びIgG応答の完全な阻害が示された。
実施例6:バイオマーカー分析
レセプターのアップレギュレーション:レセプターのCD40L誘引アップレギュレーションは、フローサイトメトリーにより測定することができる。ヒト全血を可溶性CD40Lの最適化された濃度により刺激することができ、CD20+レセプター+細胞の完全な割合をフローサイトメトリーにより測定することができる。CD20陽性細胞におけるCD86発現の割合の変化を、抗体A及びBを評価するカニクイザルpk研究と並行して測定した。データから、抗体の曝露と一致する時点でのCD86アップレギュレーションの阻害が示される。
ターゲット化プロテオミクス:全血中でのCD40刺激時のタンパク質の分泌増加を潜在的バイオマーカーとして使用することができる。溶性CD40Lの最適濃度及び刺激時間を、MDC/CCL22及び幾つかの他の分泌タンパク質を検出するLuminex多重ビーズプラットフォームを使用して確立した。臨床サンプルを抗CD40 mAbの全用量範囲でヒト全血から評価するものとする。
レセプター占有率:CD40レセプター占有率をヒト全血中のB細胞のフローサイトメトリー分析に基づいて、in vitro又はex vivoアッセイで決定することができる。本発明の現在の候補抗体及び非競合抗CD40抗体5C3を、レセプター占有率アッセイを定量するのに使用するものとする。
実施例7:ヒト化抗CD40抗体の抗腫瘍活性
一部の例では、本発明の抗体の抗腫瘍特性を決定するのが望ましい場合がある。このような決定は、SCIDマウスリンパ腫異種移植モデルにおいてヒト化抗CD40抗体の抗腫瘍活性をアッセイすることにより行うことができる。このようなSCIDモデルは腫瘍を提示するためにガン細胞を注射することができ、例えば、薬剤処置を開始する13日前に、5×10百万個 腫瘍細胞をSCIDマウス(10匹/群)に皮下注射することができる。本発明のマウス抗CD40抗体又は比較(例えば、対照又は他のヒト化抗体)を週3回(4mg/kg/投与)腹腔内に与える。8又は5回投与した。腫瘍の発生及び成長をマウスにおいてモニターし、腫瘍容積を選択された研究期間、例えば、14日間の研究期間中に毎週測定することができる。好ましくは、結果から、本発明の抗体により処置されたマウスと比較して、対照マウスにおける腫瘍の増殖の2、3、4、5、6、7、8、9、10倍以上の増加を示すであろう。好ましくは、処置期間にわたって、本発明の抗体で処置されたマウスにおける腫瘍増殖は無視できるであろう。このようなデータは、試験されるヒト化抗体がこのBリンパ腫異種移植モデルにおける腫瘍増殖をサプレッションするのに有効であることを裏付けることができる。
実施例8:ヒト化抗CD40抗体による生存期間の延長
腫瘍を有するマウス、例えば、上記されたマウスの生存に対するヒト化抗CD40抗体の効力をSCIDマウスリンパ腫異種移植モデルにおいてアッセイすることができる。SCIDマウス(10匹/群)に、抗体処置の3日前に1×10百万個 腫瘍細胞を静脈内接種させた。ついで、マウスを本発明のマウスもしくはヒト化抗CD40抗体又はIg対照により処置し、週2回(4mg/kg/投与)腹腔内に投与する。合計5回投与する。ついで、ガンを有する対象の生存延長における抗体の効力のレベルを決定するために、死亡率についてマウスケージを毎日調べることができる。
特許出願、特許及び科学刊行物を含む種々の参考文献が本明細書に引用され、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書における任意の参考文献の引用又は特定は、このような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
実施例9:健常な対象における本発明の抗体、アンタゴニスト抗CD40抗体の反復漸増投与の安全性、薬物動態及び薬力学:自己免疫疾患の新規処置の可能性
この無作為化プラセボ対照二重盲検研究の目的は、健常な対象において、80、120、180又は240mg 本発明の抗体を週1回SC投与する4週間反復投与の安全性、許容性、薬物動態(PK)及び薬力学(PD)を決定することであった。
方法
研究設計
この第1相研究について、参加施設及びニュージーランド保健当局の独立倫理委員会の承認を受け、参加対象全員からインフォームド・コンセントを得た。該研究は、Boehringer Ingelheimの後援で行われ、Auckland, New Zealandにある1か所の試験施設において、Auckland Clinical Studies Ltdにより行われた。
該研究を無作為化プラセボ対照二重盲検用量内群研究とした。80〜240mg 本発明の抗体の反復漸増SC投与を4週間の処置期間にわたって、健常な対象において週1回試験した。
用量を単回用量漸増研究からの安全性、PK及びPDデータに基づいて選択した。その研究では、試験した最大IV用量(120mg)は十分許容され、試験した120mg SC用量より、最大観察濃度(Cmax)が7倍高く、濃度−時間曲線下面積(AUC)が3倍高かった。これらのPKデータに基づいて、単回用量漸増研究における120mg IV投与での曝露は、240mg SC投与で予測される曝露をカバーすると計算された。
適格な対象を、4つの連続SC投与群(80、120、180及び240mg)において、4:1の比率の本発明の抗体又はプラセボを、Interactive Response Technologyツールにより、少なくとも7日間分離された投与群で受けるように無作為化した。各投与群に、10名(実薬8名、プラセボ2名)を含ませた(図1)。次の用量レベルへの漸増は、安全性、許容性、PK及びPDデータの評価に基づいて、独立データモニタリング委員会が決定した。
全ての対象に、22日目に最終投与の処置を受けさせた。80、120及び180mg SC投与群の対象を最終投与後42日間追跡し、総研究期間を64日間とした。240mg SC投与群の対象を56日間追跡し、総研究期間を78日間とした。
対象、研究員及び後援スタッフは、研究処置について盲検のままとした。80〜180mg SC投与群の患者が研究を完了した後に、初期データベースロックを行い、240mg SC投与群の完了後に、全てのデータを盲検解除した。
PK分析用の血液サンプル(2.7mL)を、留置カテーテルを使用して、前腕静脈からエチレンジアミン四酢酸三カリウム抗凝固管に採取した。サンプルを投与前並びに初回投与の投与後、1、8及び12時間並びに1、2、3日目(AM及びPM、12時間隔)、4日目(AM及びPM、12時間隔)、5、6、7日目(2回目の投与前)、14日目(3回目の投与前)、21日目(4回目の投与前及び4回目の投与後1及び12時間)、22、23、24、25、26、27、28、29、31、34、38、42、49、56、63日目(80〜180mg 投与群のみ)及び77日目(240mg 投与群のみ)で採取した。
本発明の抗体に対する抗体(ADA)の評価用の血液サンプルを、投与前並びに初回投与後21日目(4回目の投与前)、38、63日目(80〜180mg 投与群のみ)及び初回投与後77日目(240mg 投与群のみ)に採取した。
血液サンプルを採取後直ちに氷上に置き、サンプル採取後30分以内に4℃で10分間遠心分離した。血漿を2つのポリプロピレンサンプルバイアルに移し(それぞれ0.5mL)、分析実験室に送る前に−20℃で保存した。
PD分析用の血液サンプル(4.9mL)を、留置カテーテルを使用して、前腕静脈からヘパリン−抗凝固剤血液チューブに、投与前並びに初回投与後3、7日目(2回目の投与前)、21日目(4回目の投与前)、24、28、38、63日目(80〜180mg 投与群のみ)及び77日目(240mg 投与群のみ)に採取し、分析のために直ちに実験室に送った。CD40 RO及びCD54アップレギュレーションアッセイについてのアッセイ検証から、全血を分析前24時間及び6時間それぞれまで室温で放置できることが示された。
研究参加者
ボディマスインデックスが18.5〜29.9kg/m2の18〜60歳の適格な対象を登録した。女性参加者は、閉経後、不妊手術を受けた、性交渉を禁じている、精管切除された性交渉のパートナーを有する又は研究薬剤投与前30日以上かつ研究終了後30日までは受けている避妊法を行っている、研究前及び研究期間中に妊娠検査が陰性である必要があった。
対象は、診察又は研究室検査により特定された臨床的に重大な異常の何等かの証拠;随伴疾患;消化管、肝臓、腎臓、呼吸器、心血管、代謝、免疫又はホルモン障害のいずれか;中枢神経系の疾患;起立性低血圧、失神発作もしくはブラックアウト;又はアレルギーもしくは薬剤過敏反応を有した場合は除外した。また、対象は、無作為化前の半減期が30日以内(又は10回未満の半減期)という長い任意の他の薬剤(t1/2;24時間超)を服用していた場合、研究の初回投与日前10日以内に研究結果に影響を及ぼした可能性のある薬剤を服用していた場合、研究の初回投与日前60日以内に任意の治験剤を受けていた場合、研究の初回投与日前30日以内に献血していた場合、薬物乱用又は過度の飲酒又は喫煙の証拠があった場合、ヒト免疫不全ウイルス、B型肝炎、C型肝炎、結核又は関連する慢性もしくは急性感染の検査結果が陽性であった場合、研究の初回投与日前1週間以内に新たな運動計画を開始することを意図した場合も除外した。授乳中であった女性又は研究終了後30日以内に妊娠を計画していた女性も除外した。
分析方法
本発明の抗体の血漿濃度を、30ng/mlの定量下限を有する有効なサンドイッチ酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して分析した。96ウェルマイクロタイタープレートを、最初に、本発明の抗体に対する抗体で被覆し、ブロッキングし、洗浄した。ついで、このプレートを、研究サンプル、キャリブレーター又は品質管理サンプルと共にインキュベーションし、再度洗浄した。本発明の抗体の結合を、本発明の抗体に対するビオチン化抗体、続けて、西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートさせたストレプトアビジン、最後に、ペルオキシダーゼ基質であるテトラメチルベンジジンにより検出された。プレートを比色法で読み取り、データを5パラメーターロジスティックフィットにより分析した。定量範囲は、30〜800ng/mLであった。十分な正確さ及び精度を3つの濃度−低濃度(50又は100ng/mL)、中濃度(126又は200ng/mL)及び高濃度(500又は590ng/mL)での品質管理サンプルによるルーチンな分析中に評価した。ELISAの再現性を、93% サンプルが許容基準(平均値から30%以下の差)に合格した、重複したサンプルの再分析により試験した。
本発明の抗体を、有効なブリッジング電気化学ルミネセンス法を使用して、血漿サンプル中で分析した。報告された全てのサンプルデータは、アッセイ特異的な許容基準を満たした。ADAアッセイの検証から、250ng/mL 陽性対照抗体ADAを50μg/mLの血漿濃度の本発明の抗体の存在下で検出することができることを実証した。対象における真の陽性応答を更なる力価アッセイによりさらに特徴付けた。力価をサンプルの系列2倍希釈の分析により決定した。報告された力価は、プレート特異的カットポイント以上の平均電気化学ルミネセンス値を生じた最高倍率希釈とした。
本発明の抗体濃度の測定及びADA評価は両方とも、Covance Laboratories, Inc.(Chantilly, VA, USA)により行った。
CD40 ROの測定のために、全血サンプルを、過剰の本発明のフルオレセイン−イソチオシアナート(FITC)ラベル抗体及び抗CD19−アロフィコシアニン(APC;B細胞上でゲートするため)と共に、暗所、室温で20分間インキュベーションした。蛍光活性化細胞分取(FACS)溶解溶液を加え、チューブを暗所、室温で15分間インキュベーションし、続けて、4℃で6分間遠心分離(1300rpm)し、上清を除去した。CellFixを加え、チューブをボルテックスし、FACS分析まで暗所で4℃において保存した。FACS分析を、CellFixを加えてから24時間以内に行った。全てのサンプルを測定中は氷上に保持した。
CD54アップレギュレーションの阻害の測定のために、全血をインターロイキン−4(IL−4)単独−「非刺激FACSチューブ」−又はMegaCD40L+IL−4−「刺激FACSチューブ」−のいずれかと共にインキュベーションした。チューブをボルテックスし、暗所で37℃、加湿インキュベーター中で23〜26時間インキュベーションした。抗CD19−APC及び抗CD54−フィコエリスリン(PE)を各チューブに加え、チューブをボルテックスし、暗所、室温で20分間インキュベーションした。FACS溶解溶液を加え、チューブを暗所、室温で15分間インキュベーションし、続けて、4℃で6分間遠心分離(1300rpm)し、上清を除去した。CellFixを加え、チューブをボルテックスし、FACS分析まで暗所で4℃において保存した。FACS分析を、CellFixを加えてから2時間以内に行った。全てのサンプルを測定中は氷上に保持した。
CD40 RO及びCD54のアップレギュレーションアッセイは両方とも準定量的であった。アッセイ結果は、% 変化に基づいた(すなわち、処置時サンプルは、投与前サンプルに関連した)。
血小板イベントの可能性を検討するために、下記評価を行った:プロトロンビン時間国際標準比(PT−INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、アンチトロンビンIII、フィブリノーゲン、プロテインS及びC、血小板数、出血時間(デューク法で測定)並びにD−二量体。
薬物動態評価
本発明の抗体についての血漿濃度−時間データを、WinNonlin(商標)(バージョン5.02、Gary, NC, USA)を使用する非コンパートメントアプローチにより分析した。決定されたパラメーターは、標準的なWinNonlin(商標)手法を使用する、Cmax、Cmaxを達成するための時間(tmax)、最終排除定数(λz)及び終末t1/2を含んだ。最後の(4回目の)投与後の均一な投与間隔τにわたる濃度−時間曲線下面積(AUC0−τ)を、WinNonlin(商標)の線形アップログダウンアルゴリズムを使用して計算した。蓄積比(RA、Cmaxに基づくCmax;RA、AUC0−τに基づくAUC)を初回投与後の値に対する4回目投与後の値の比として計算した。
薬力学評価
薬力学評価には、本発明の抗体によるCD40 ROの評価と、前述の有効なFACSアッセイを使用して全血中のCD54のmegaCD40L誘引アップレギュレーションにより測定されたB細胞活性化の阻害とを含ませた。本発明の抗体の用量とCD40 RO及びCD54アップレギュレーションの阻害との間の関係は、標準的なS字状Emaxモデルを使用して以前に調査され、Albach et al. Eur J Clin Pharmacol. 2018;74(2):161-169に報告されている。
安全性及び許容性
本発明の抗体の安全性及び一般的な許容性を、処置−出現有害イベント(AE)、身体検査、バイタルサイン(血圧及び脈拍)、12誘導心電図(ECG)及び臨床検査(血液学、臨床化学及び尿検査)をモニターすることにより評価した。
統計分析
正式なサンプル数の決定は行っておらず、PK及び安全性の分析には、投与群あたりに8名の対象で十分であると考えられた。安全性、PK及びPDについて、研究結果を、記述統計量を使用して分析した。安全性集団には、治験薬(本発明の抗体又はプラセボ)が投与された全ての対象を含ませた。PK集団及びPD集団には、治験薬が投与され、PK分析及びPD分析それぞれのための評価可能なデータが得られた全ての対象を含ませた。4回目投与後のAUC0−τ及びCmaxの用量比例性を、パワーモデルを使用して評価した。傾きの95%信頼区間(CI)を計算した。完全な用量比例性は、1の傾きパラメータ(β)により定義された。濃度データのグラフ表示を含む記述分析を行って、定常状態が達成されたかどうかを評価した。
結果
対象
合計40名の健常な対象を無作為化し、本研究において処置した。対象に、プラセボ(n=8)、80mg 本発明の抗体(n=8)、120mg 本発明の抗体(n=8)、180mg 本発明の抗体(n=8)又は240mg 本発明の抗体(n=8)を4週間にわたって週1回の反復SC処置を受けさせた。40名全ての対象が予定観察期間を完了し、早期中止例はなかった。対象の大半は、男性(83%)及び白人(73%)であり、平均(標準偏差[SD])年齢は、30(10.8)であり、平均(SD)ボディマスインデックスは、25(3.1)kg/m2であった。処置群間に関連性のある人口統計学的差異は存在しなかった。
薬物動態
幾何平均(gMean)である、 初回SC投与(1日目)及び最後のSC投与(4日目)投与後の本発明の抗体について選択されたPKパラメーターを表9.2に示す。初回投与後、tmaxの中央値は、週1回の投与ごとに向上したが、tmaxは、4回目の投与後(tmax,4)に明確な用量相関性を何ら示さなかった。投与用量について正規化された最大血漿濃度及びAUC(それぞれ、Cmax,norm,4及びAUCτ,norm,4)は、本発明の抗体の80mg投与群についてより低く、3つのより高い投与群について同様であった。このことから、80mgから120mgへの曝露の比例的増加より大きいが、120mgを超える用量については用量比例動態に近いことが示唆された。Cmax又はAUCに基づく幾何平均蓄積比(それぞれ、RA,Cmax,4及びRA,AUC,4)を決定して、4回の反復投与後の本発明の抗体の蓄積を評価した。80mgでの4回の週1回のSC投与後、RA,Cmax,4及びRA,AUC,4値は、単回投与後よりそれぞれ8.3倍及び11.6倍高かった。このことは、本発明の抗体の蓄積を示した。gMean蓄積は、3つの高用についてより低かった(範囲:RA,Cmax,4について3.7及びRA,AUC,4について4.9〜5.8)。本発明の抗体の終末t1/2は、156〜199時間(6〜8日)の範囲であった。トラフ濃度の目視検査から、定常状態には、いずれの用量でも達しないことが示唆された。全ての投与群についての血漿中トラフ濃度が、その後の投与毎に上昇し続けた(図2)。
表9.2.初回投与(1日目)及び最後の投与(4回の週1回皮下投与後)後の本発明の抗体の選択されたPKパラメーター
Figure 2021529754
SC用量範囲80〜240mgにわたる用量比例性の分析から、Cmax及びAUC0−τの傾きは、1とは明らかに異なっていたことが示された。このことから、本発明の抗体の曝露は、用量に比例しないことが示される(Cmax:初回投与後のパワーモデルの傾きβ=2.1[95% CI 1.2〜2.9];最後の投与後の傾きβ=1.4[95% CI 1.1〜1.8];n=32;AUC0−τ:最後の投与後の傾きβ=1.4[95% CI 1.1〜1.8];n=32)。一方、より高い用量(120〜240mg)については、用量比例性に向かう傾向が観察された。
薬力学
本発明の抗体の投与により、用量依存性CD40 RO及びCD54アップレギュレーションの阻害がもたらされた(図3)。
本発明の抗体の単回SC投与後、算術平均CD40 ROは、初回投与後測定(72時間)で、各用量レベルについてほぼ最大値に既に達していた(図3A)。この時点で、80mg 投与により、約89% CD40 ROがもたらされた。120〜240mg 投与群では、CD40 ROは、94〜95%でプラトーに達した。これは、アッセイについての検出限界であったためであり、より高い占有レベルが達成可能かどうかを確認することはできなかった。CD40 ROのこれらのレベルを残りの研究のために維持した。
本発明の抗体の最後の(第4の)週1回SC投与後、CD40 ROは、全ての用量(80〜240mg)について、39日目(最後の投与後17日目)までの全ての測定時点で>90%であった。180mg 投与群については、79%(幾何変動係数[gCV] 23%) CD40 ROが、64日目でも検出可能であり、240mg 投与群については、68%(gCV 29%) CD40 ROが、78日目に検出可能であった。このことから、これらの後期の時点で変動性がより高かったが、レセプターへの長期持続的な結合が示された。特記すべきCD40 ROは、プラセボ群では観察されなかった。
本発明の抗体の単回用量投与後のCD54アップレギュレーションの阻害は、CD40 ROについて観察されたものと同様のパターンに従った。80mg 用量は、初回投与後測定(72時間)で87% 阻害を与え、この時点でより高い用量について、>90% 阻害が観察された(全ての投与群;図3B)。80mg 投与群については、投与後7日目に、阻害がさらに95%まで向上した。一方、全ての他の用量については、72時間後の先から95% 抑制が観察された。プラセボ群については、CD54アップレギュレーションの阻害は、−20〜30%で変動した。本発明の抗体の最後の(4回目の)週1回SC投与後、CD54アップレギュレーションの阻害は、39日目(最後の投与後17日目)まで、全ての用量について>90%であった。阻害効果は、180mg 群(64日目で89%)及び240mg 群(78日目で51%)で依然として検出可能であった。
安全性
AEの全体的な頻度及び強度は、本発明の抗体処置群において類似していた(全ての本発明の抗体投与[78%]及びプラセボ群[88%])。重篤なAE、重度のAE又は投与中止もしくは死亡に至ったAEは報告されなかった。対象数は少なかったが、本発明の抗体投与、処置関連AE又はAEの頻度及び強度の間に何らの関係もないようであった。感染が、本発明の抗体を受けた8名の対象(25%)及びプラセボを受けた5名の対象(63%)において報告された。血栓塞栓性イベントはなかった。最も頻繁に報告された処置関連AEは、頭痛であり、本発明の抗体を受けた4名(13%)及びプラセボを受けた2名(25%)において報告された。全てのAEは、軽度又は中等度であり、全て回復した。
80mg及び120mg 処置群の個々の対象について、クレアチンキナーゼ(CK)の実質的な上昇が、ベースライン及び本発明の抗体又はプラセボのいずれかでの処置後の両方で観察された(正常[ULN]の上限の1.1〜88倍の範囲)。全体として、CKのこれらの上昇は、一般的には、広範な運動に起因すると決定された。より高い投与群(180〜240mg)についてのより厳しい運動制限の実行により、CKレベルの低下(最大3倍ULN)がもたらされた。
本発明の抗体で処置された全ての対象のうち、軽度で一過性の白血球減少症及び好中球減少症がそれぞれ、12名(37.5%)及び14名(43.8%)の対象において観察された。プラセボを受けた1名の対象のみが、軽度で一過性の好中球減少症を有した。基準値下限(LLN)を下回る値が、投与処置前に軽度で一過性の白血球減少症を有する12名の対象のうちの4名(33.3%)及び軽度で一過性の好中球減少症を有する14名の対象のうちの5名(35.7%)において観察された。全ての対象において、白血球数(WBC)及び好中球絶対数は、研究終了の来院時に白血球数が3.77×109個/Lであった1名の対象と、試験終了の来院時に少ないWBS数及び好中球絶対数(それぞれ、3.58×109/L及び1.69×109/L)を有した更なる対象を除き、正常値内(WBC正常範囲:4〜11×109個/L及び好中球絶対数正常範囲:1.9〜7.5×109個/L)に回復したか又は研究終了時までに処置前のレベルに達した。さらに、本発明の抗体の用量を増加させても、白血球減少症又は好中球減少症を有する対象の数は増えなかった。
出血時間、血小板数又はD−二量体、アンチトロンビンIII、フィブリノーゲン並びにプロテインS及びCを含む凝固パラメーターに臨床的に明らかな変化はなかった。
バイタルサイン、ECG及び身体検査に関して、臨床的に問題となる所見及び処置群間差はなかった。局所許容性の評価から、本発明の抗体の全ての用量は、十分に許容され、プラセボ群と比較して差異がなかったことが示された。
既存のADA応答が、4名の対象(10%)において観察され、そのうちの3名は、その後に、本発明の抗体を受け、1名は、プラセボを受けた。ADA力価は、240mg 本発明の抗体を投与されたこれらの対象のうち1名のみにおいて上昇した(処置追加免疫ADA[生物学的製剤投与後により高いレベルに追加免疫された既存のADA])。
血清転換が、本発明の抗体処置後に16名の対象(50%)において観察され、発症は、主に、研究終了サンプル(15名の対象[47%])であった。その時点で、本発明の抗体レベルは、既に非常に低かった(本発明の抗体のgMean血漿濃度は、80〜240mg 投与群について、0.182〜10.5μg/mLの範囲であった)。
処置誘引ADA(生物学的製剤投与後にde novoで発症したADA)又は処置追加免疫ADA応答が、80mg 投与群における5名の対象(62.5%)及び120mg 投与群の6名の対象(75%)で観察された。80mg 投与群及び120mg 投与群の全体的な力価中央値はそれぞれ20及び8であった。処置誘引ADA又は処置追加免疫ADA応答が、より高い投与群では少数の対象で観察され、180mg及び240mg 投与群それぞれで2名(25%)及び4名(50%)の対象で観察された。全体的な力価中央値はそれぞれ、4及び8であった。個々の対象における最大力価は、640であり、120mg 投与群で観察された。
議論
この研究の目的は、健常な対象において、本発明の抗体(80〜240mg/週)の4週間の上昇SC投与の効果を調査することであった。PKパラメーターの評価から、本発明の抗体の120〜240mgSC投与は動力学がほぼ比例することが示されたが、本発明の抗体の単回IV投与後に、以前の研究で観察されたように、ターゲット媒介性薬剤クリアランスによる80〜120mgのSC用量は動力学が超比例することが示された。その効果は、CD40レセプターの広い分布により増強され(特に、その短いt1/2を有する血小板)、アンタゴニスト抗CD40抗体による他の研究で以前に報告されている。Cmax(初回及び最後の投与後)及びAUC0−τ(最後の投与後)について、本発明の抗体のSC用量範囲120〜240mgにわたって、ほぼ比例した用量−暴露関係が観察された。ここで、両パラメーターについての傾きβ=1.2であった。このことは、おそらく、CD40 ROがこれらの用量で飽和に近いことを示している。80mg及び120mg 本発明の抗体の初回SC投与後に達成された血漿曝露は、健常なボランティアにおける以前の単一上昇用量研究で観察されたものと同様であった。ここで、gMean AUC値120μg・h/mL及び888μg・h/mLがそれぞれ、80mg及び120mg 本発明の抗体の単一SC投与により得られた。本発明の抗体の蓄積が、単回投与(初回投与)の投与と比較して、反復投与後の全ての用量レベルで観察された。一方、120〜240mg 用量では、より低い蓄積が観察され、比較的一定のgMean RA,Cmax値3.7〜4及びgMean RA,AUC値4.9〜6が得られた。投与されたいずれの用量についても、4週間以内に定常状態に達しなかった。モデリングから、120mg 本発明の抗体を週1回投与する場合、定常状態に達するのに12週間かかることが示された(論文準備中)。約12週間以内に定常状態に達するという予測は、120mg 本発明の抗体を週1回12週間SCでの関節リウマチ患者の処置により確認されている。このことは、PK定常状態が約10〜12週間以内に達することが示している26。したがって、これにより、今後の臨床研究で定常状態をより迅速に達成するための負荷用量の使用が支持される。曝露パラメーターであるAUC及びCmaxについて、個体間変動は80mg 投与でより高く(gCV:56.4〜59.1%)、120mg及び180mg 投与で中等度であり(gCV:35.4〜37.4%)、240mg 投与でより低かった(gCV:21.9〜22.4%)。本発明の抗体は、SC注射部位からゆっくり吸収され、tmaxの中央値は、初回投与後に用量と共に増加した。4回目の投与後に、tmax,4との用量関係はなかった。本発明の抗体の反復投与後、推定終末t1/2は、6〜8日の範囲にあり、用量間に明らかな差はなかった。
CD40 ROの評価及びCD54アップレギュレーションの阻害から、120〜240mg 本発明の抗体の単回SC投与により、投与後72時間から>90% CD40 RO及び>90% CD54アップレギュレーションの阻害がもたらされたことが示された。本発明の抗体の最後の(4回目の)投与により、>90% CD40 RO及びCD54アップレギュレーションの阻害が、SC用量範囲80〜240mgにわたって投与後少なくとも408時間(17日間)維持された。これらの結果から、本発明の抗体の2週間毎のSC投与によるアゴニストCD40結合の連続的で完全な阻害の可能性が示唆される。モデリングから、120mg 本発明の抗体のSCでの3週間にわたる1週間毎の投与、続けて、2週間毎の1回の投与により、連続的に>90% CD40 ROがもたらされることが示された。炎症性疾患、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス又はループス腎炎を有する患者において、CD40レセプターは、各種の免疫細胞及び常在細胞(例えば、ループス腎炎におけるメサンギウム細胞)で高度に発現され、アップレギュレートされるであろうことが予測され、このため、健常な対象においてB細胞での90% レセプター占有率をもたらした抗体より、高い用量の本発明の抗体が、自己免疫疾患患者におけるCD40レセプターを完全にブロックするのに必要である場合がある。これらの患者における本発明の抗体の臨床研究は、より長い投与間隔により臨床的効力を達成することができるかどうか又は週1回の投与が必要であるかどうかを評価する必要があるであろう。
本発明の抗体の反復上昇SC投与は、安全であると考えられ、健常な対象において良好な全体的な許容性を示した。全てのAEは、軽度又は中等度であり、研究中止に至った有害事象は報告されなかった。ULNを超えて上昇した血清CK値が、一部の対象で、ベースライン時並びに本発明の抗体群及びプラセボ群の両方での処置後に報告されたが、これらは、過剰な運動によるものであり、文献で以前に報告されたものと同様であった。180mg及び240mg 投与群についてのより厳しい運動制限の実施により、CK濃度は低下した。複数の対象は、本発明の抗体による処置後に、軽度で一過性の白血球減少及び好中球減少を示した。ただし、LLN未満の値は、それぞれ、白血球減少症の対象の33.3%、好中球減少症の対象の35.7%で、処置前に既に観察されていた。一過性の好中球減少症は、健常な対象では非常に一般的であり、場合によっては、ウイルス感染の併発と関連している。好中球減少症は、以前に高強度のスポーツを行った対象において報告されており、この研究に登録された対象の大半は、観察された血清CK値の大幅な上昇により裏付けられるように、激しい身体活動を行っていた。加えて、最近では、運動誘引筋損傷が、急速な局所炎症応答を開始させ、白血球の局所的な蓄積が筋力低下と関連していることが示されている。この研究において観察されたCK値の上昇は、これらの対象に何らかの筋損傷があったことを示している。したがって、循環血中から筋肉に向かう白血球の再分布が、観察された一過性の白血球減少症及び好中球減少症の一因となった可能性がある。まとめると、観察された好中球減少症と本発明の抗体による処置との間には明確な関係はない。ただし、WBC及び好中球の変化は、本発明の抗体によるその後の臨床研究において注意深くモニターされるであろう。
臨床的に関連するバイタルサイン、ECG評価又は身体検査の所見は報告されなかった。本発明の抗体の単回IV及びSC用量の投与後の観察と一致して、反復投与の間に血栓塞栓イベントは報告されず、血小板又は凝固パラメーターに臨床的に関連する変化はなかった。以前に、血小板凝集測定法の調査及びヒト血小板との結合研究では、CD40の遮断が、血小板機能に明らかな影響を及ぼさないことが示された(未発表データ)。毒性研究では、本発明の抗体がカニクイザルの血小板に結合しても、血小板の数又は機能に影響を及ぼさないことが実証された。まとめると、これらの知見から、血小板に結合した場合、本発明の抗体は、血小板の活性化、凝集又は機能を変化させないようであることが示される。これらのデータ及び機能的Fc領域、17、19、20を欠く他の抗CD40抗体又は抗CD40L抗体からのデータにより、以前の抗CD40L抗体16により観察されたように16、血栓塞栓イベントのリスクを抗体のFc機能を排除することにより回避することができるという解釈が支持される。
本発明の抗体を投与された対象の50%での処置誘引又は処置追加免疫ADA応答により、何ら臨床症状は引き起こされず(有害イベントとは関係せず又は暴露の変化もない)又は反復投与後にPKの観察可能な変化はもたらさなかった。白血球数及び好中球数は影響を受けず、2名の対象(これら2名の対象は、ADAについて陰性であった)を除き、正常範囲内又は処置前のレベルに達していた。高用量群(180mg及び240mg)より80mg及び120mg 用量群でADAの発生率が高かった。本発明の抗体の血漿濃度は、ADA応答開始時(研究終了来院時)に、アッセイ定量の下限付近であり、本発明の抗体は、大部分が排除され、本発明の抗体の循環レベルは、ADAアッセイの薬物許容性未満であった。さらに、この研究における対象数が少ないため、本発明の抗体の用量又はADAの発生もしくは力価を明確に評価することができなかった。本発明の抗体がCD40レセプターを阻害し、これにより、抗体産生を遮断するメカニズムに基づいて、本発明の抗体投与及び抗体同位体スイッチング後のADAの発生は予想されないであろう。1512時間(63日)時点(80〜180mg 用量群)又は1848時間(77日)時点(240mg 用量群)において、CD40 ROは、既に90%未満に低下していた。さらに、本発明の抗体レベルは、胚中心においてさらに低いことが予想される。このため、本発明の抗体の濃度は、ADAの形成を遮断するには低すぎた場合がある。この仮説は、カニクイザルにおける本発明の抗体による前臨床評価によっても支持される。カニクイザルでは、全ての用量で、末梢B細胞について、>90% CD40 ROが示されたが、最も低い群(1mg/kg)では、胚中心に対する完全な薬理作用が示されず、ADAが発症した(21及び未発表データ)。
結論
健常な対象における4週間にわたる本発明の抗体の週1回の反復上昇SC投与後に、PKは、80mg〜120mgの用量についてのターゲット媒性介クリアランスのために、超比例的に増加したが、>120mg 用量についてはほぼ比例した。本発明の抗体の用量依存的蓄積により、今後の臨床研究においてより早く定常状態を達成するための負荷用量の使用が支持される。本発明の抗体は、CD40L誘引CD54アップレギュレーションの持続的な阻害を伴って、CD40−CD40L経路を遮断する可能性が高いことを示した。このため、更なる研究が、より長い投与間隔が自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス又はループス腎炎に罹患している患者において臨床的に効率的であることができるかどうかを評価する必要があるであろう。80〜240mgの範囲にわたる本発明の抗体の反復上昇SC投与は、一般的には十分に許容され、急性免疫反応の関連する徴候は観察されなかった。
本明細書で開示される教示の適用は、本明細書で記載された具体的な実施態様により範囲が限定されるべきではない。実際に、本明細書に含まれる教示及び付随する実施例に照らして、種々の修飾が、当業者の能力の範囲内にある。このような修飾は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。

Claims (7)

  1. 対象における自己免疫疾患を処置する方法であって、
    負荷用量を含む治療上有効量の抗CD40抗体を対象に投与することを含む、
    方法。
  2. 抗CD40抗体が、
    a)配列番号:9〜配列番号:11からなる群より選択される重鎖CDR1配列、配列番号:12〜配列番号:15からなる群より選択される重鎖CDR2配列及び配列番号:16〜配列番号:17からなる群より選択される重鎖CDR3配列と、
    b)配列番号:18〜配列番号:21からなる群より選択される配列を有する軽鎖CDR1配列、配列番号:22〜配列番号:23の軽鎖CDR2配列及び配列番号:24〜配列番号:25からなる群より選択される軽鎖CDR3配列を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記抗体が、配列番号:10の重鎖CDR1配列、配列番号:13の重鎖CDR2配列及び配列番号:16の重鎖CDR3配列を含み、ここで、前記抗体が、配列番号:19の軽鎖CDR1配列、配列番号:22の軽鎖CDR2配列及び配列番号:24の軽鎖CDR3配列を含む、請求項1記載の方法。
  4. 抗CD40抗体が、配列番号:9の重鎖CDR1配列、配列番号:14の重鎖CDR2配列及び配列番号:16の重鎖CDR3配列を含み、ここで、前記抗体が、配列番号:20の軽鎖CDR1配列、配列番号:22の軽鎖CDR2配列及び配列番号:24の軽鎖CDR3配列を含む、請求項1記載の方法。
  5. 抗CD40抗体が、配列番号:11の重鎖CDR1配列、配列番号:15の重鎖CDR2配列及び配列番号:17の重鎖CDR3配列を含み、前記抗体が、配列番号:21の軽鎖CDR1配列、配列番号:23の軽鎖CDR2配列及び配列番号:25の軽鎖CDR3配列を含む、請求項1記載の方法。
  6. 抗CD40抗体が、
    配列番号:44の重鎖可変領域及び配列番号:43の軽鎖可変領域、
    配列番号:53の重鎖可変領域及び配列番号:52の軽鎖可変領域又は
    配列番号:58の重鎖可変領域及び配列番号:56の軽鎖可変領域を含む、請求項1記載の方法。
  7. 抗CD40抗体が、
    配列番号:30の重鎖及び配列番号:26の軽鎖、
    配列番号:35の重鎖及び配列番号:31の軽鎖又は
    配列番号:40の重鎖及び配列番号:36の軽鎖を含む、請求項1記載の方法。
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