JP2021528347A - 赤外光を透過させる基材の反射率の低減 - Google Patents

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Abstract

本発明は、赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための基材内における注入イオンの使用を開示しており、イオンは、N、H、O、He、Ne、AR、及びKrのうちの1つ又は複数から選択され、且つ、1016イオン/cm〜2×1017イオン/cmの投与量及び5.5kV〜450kVの加速電圧により、基材内に注入される。
【選択図】図2

Description

本発明は、赤外光を透過させ、且つ赤外光用の低反射率を有する、光学要素として機能しうる基材に関する。本発明の基材は、赤外光と共に使用されるレンズ、プリズム、又はミラーなどのカバーガラス及び光学要素に適している。具体的には、本発明は、赤外光の反射率を低減するための基材内に注入される注入イオンの使用に関する。また、本発明は、赤外光の供給源を有し、且つ/又は赤外線に対して感度を有する光学構成要素を有する、このような基材の組立体にも関する。
例えば、熱による撮像における赤外線(IR:InfraRed)信号の検出から、IR分光法における要素識別にまで至る様々な用途が、赤外光を利用している。特定の範囲の基材が、平面オプティクス(即ち、窓、ミラー、偏光器、ビームスプリッタ、プリズム)、球面レンズ(即ち、平−凹/凸、二重凹/凸、メニスカス)、非球面レンズ(放物線、双曲線、ハイブリッド)、色消しレンズ、及びレンズ組立体(即ち、撮像レンズ、ビームエクスパンダ、接眼レンズ、対物レンズ)などのIR光の軌跡を透過し、反射し、及び/又は一般的には制御する光学要素を製造するために使用されている。赤外線用途用のこれらの基材のバルク材料は、その物理的な特性、特に光学的な特性において様々である。その結果、それぞれの特性の利益を知ることにより、任意のIR用途に相応しい材料の選択が可能となる。赤外光は、可視光よりも長い波長から構成されている。そのため、可視及び赤外という2つの波長領域は、同一の光学媒体を通じて伝播する際に、異なる方式により振る舞うことになる。一般に、特定の材料(最も顕著には、溶融シリカ、ボロシリケートガラス、サファイア、アルミノシリケートガラス、及び特定のソーダライムガラス)は、IR及び可視用途の両方において使用されうる一方で、その他のものは、1つ又はその他の用途においてのみに使用されている。赤外光用の任意のバルク材料を定義する一番の属性は、赤外光の透過率である。透過率は、スループットの尺度であり、入射光の百分率として付与されている。
赤外光用の光学要素は、基材を有し、被覆を更に有することができる。しばしば、赤外光の透過を増大させ、コントラストを改善し、ゴースト像を除去することにより光学要素の効率を改善するために、反射防止(AR:Anti−Reflection)被覆が使用されている。これらのAR被覆は、一般に、物理的な損傷と環境的な損傷の両方に対する抵抗力、つまり耐久性を有する必要がある。これらは、空気及び基材の屈折率の間の中間的な屈折率の単層被覆から、交互に変化する高屈折率層と低屈折率層の複雑な多層積層体まで、様々である。多層積層体は、IR反射率を低減するのに有効であるが、これらは、高価な機器を必要としており、一般に、基材自体よりも低い耐久性を有する。
特定の用途においては、反射率が一般的なAR被覆によって引き下げられうる波長範囲に関する妥協を実施しなければならない。具体的には、低可視光反射率、並びに/或いは、ニュートラルに近い又は青−緑の色彩を有する反射光色を維持しつつ、赤外放射用(特に、800nm〜3μmの範囲内の近赤外光用)の反射防止被覆を得ることは困難である。
本発明の目的は、具体的には、引用されている欠点のうちの1つ又は複数を改善する基材、即ち、赤外光範囲内において(具体的には、800nm〜3μm、特に、800nm〜2.5μm、の波長範囲内において)相対的に低い反射率を有し、同時に可視光波長範囲内の光の反射率の増大を制限し、又は場合によっては回避する基材(具体的には、イオン注入基材)を提供することにある。本発明による基材は、赤外光を透過させる基材である。
本発明の更なる目的は、その特定の実施形態において、800nm〜3μmの赤外光範囲内における相対的に低い反射率を伴って、且つ、反射におけるニュートラルな又は青−緑の色を伴って、赤外光を透過させるイオン注入基材を提供することにある。
本発明の別の更なる目的は、その特定の実施形態において、800nm〜3μmの赤外光範囲内における光学要素用の基材の基準反射率を低減するための、特定の加速電圧及び投与量において基材に注入される注入イオンの使用である。結果的に得られる基材又は光学要素は、800nm〜3μmの赤外波長範囲内における相対的に低い反射率を有している。これは、この赤外波長範囲内におけるその基準反射率が、未処理の基材の基準反射率未満であることを意味している。
本発明の別の更なる目的は、800nm〜3μmの赤外光範囲内において低い反射率を有し、赤外光を透過させるイオン注入された光学要素、赤外線に対して感度を有する光学構成要素、及び/又は赤外光源を有する、800nm〜3μmの範囲内の赤外光を制御する光学組立体を提供することにある。
本発明によれば、これらの目的のうちの1つ又は複数は、光学要素を形成する基材の表面の少なくとも一部分に、一価及び多価イオンの混合物をイオン注入することによって得られる。
本発明者らは、驚いたことに、特定の加速電圧及び特定の投与量において、特定の原子のイオンを基材に注入することにより、800nm〜3μmの赤外波長範囲内の基材の反射率が引き下げられることを見出した。
また、本発明者らは、特定の加速電圧及び特定の投与量において特定の原子のイオンを基材に注入することが、基材表面における、基材内の二重層構造の形成をもたらすことを見出した。二重層は、基材表面から始まって基材のコアに向かって進行する方向に、バルクの基材と同一の屈折率を有する第1層と、バルクの基材よりも低い屈折率を有する多孔性の第2層とを有する。第1層及び多孔性の第2層を形成している固体材料は、バルクの基材と同一の材料から本質的に構成されている。
また、本発明は、800nm〜3μm(特に、800nm〜2.5μm)の波長範囲内における赤外光の基材の反射率を低減する、基材に注入された注入イオンの使用にも関する。
本発明は、請求項において記述されている特徴のすべての可能な組合せに関係していることに留意されたい。
本発明による赤外光を透過させる3つの例示用の基材と、1つの未処理の基材の赤外光範囲内における基準反射率曲線を示す。
本発明による基材の概略断面を示す。
本発明による赤外光を透過させる3つの例示用の基材、及び1つの未処理基材、並びに、本発明によらない1つのイオン注入された基材の可視及び赤外光範囲内における基準反射率曲線を示す。
本発明は、特に、800nm〜3μmの波長範囲内における赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用に関し、イオンは、基材内に注入される。
本発明によれば、イオン注入は、N、H、O、He、Ne、Ar、又はKrの正に帯電したイオンの注入を含む。本発明によれば、正に帯電した注入イオンは、一価及び多価イオンの混合物を含む。有利には、イオン注入は、相対的に小さな加速電圧を必要としていることから、N、H、O、又はHeの正に帯電したイオンの注入を含む。
以下、本発明の使用及び本発明を構成する物品の好適な主張(特徴)及び実施形態について説明する。以下において定義されている、本発明のそれぞれの主張及び実施形態は、そうではない旨が明示的に示されていない限り、任意のその他の主張及び/又は実施形態と組み合わせることができる。具体的には、「好適である又は有利である」として示されている任意の特徴は、「好適である又は有利である」として示されている任意のその他の特徴又は主張と組み合わせることができる。
本発明の一実施形態によれば、本発明の注入された基材は、基材の注入された表面において、二重層構造以外の層を有していない。
この点において、本発明は、具体的には、任意のその他の主張及び/又は実施形態と共に、以下の付番された主張及び実施形態のうちの1つ又は複数のもののいずれか又は任意の組合せにより、捉えられる。
1.赤外光を透過させる基材の、800nm〜3μmの波長範囲内における赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、イオンは、N、O、He、Ne、Ar、又はKrのイオンの一価及び多価イオンの混合物から選択され、且つ、1016イオン/cm〜2×1017イオン/cmの投与量及び5.5kV〜450kVの加速電圧AVにより、基材内に注入される。
2.主張1に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、イオンは、1016イオン/cm〜1.5×1017イオン/cm、好ましくは、1016イオン/cm〜9.5×1016イオン/cmの投与量により、基材内に注入される。
3.先行する主張1〜2の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、基材は、サファイア、溶融シリカ、又はガラスの基材のうちから選択される。
4.先行する主張1〜3の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、基材は、ソーダライムシリカガラス、アルミノシリケートガラス、及びボロシリケートガラスの基材のうちから選択される。
5.先行する主張1〜4の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、基材は、全ガラスの重量百分率として表わして、以下の含有量を有するソーダライムガラス基材である。
全鉄(Feとして表わされている)0.002〜0.06%、及び、
Cr 0.0001〜0.06%。
6.先行する主張1〜5の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、基材は、平面オプティクス基材又はレンズである。
7.先行する主張1〜6の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、800nm〜3μmの波長範囲内における基材の平均基準反射率は、少なくとも1%だけ、好ましくは、少なくとも2%だけ、更に好ましくは、少なくとも3%だけ、低減される。
8.先行する主張1〜7の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、基材の基準反射率は、波長λminにおいて極小値を示しており、800nm≦λmin≦3μmである。
9.先行する主張1〜8の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、波長λ−500における基材の基準反射率は、最大で13%であり、λ−500=λmin−500nmである。
10.先行する主張1〜9の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、可視光波長範囲内における基材の基準反射率は、最大で13%である。
11.先行する主張1〜10の任意のものに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、イオンの平均標準原子量Zavrに対する加速電圧AVの比率AV/Zavrは、0.0029×λmin×kV/nm−1.25kV〜0.0026×λmin×kV/nm+0.68kVの範囲内であり、λminは、800nm〜3μmの赤外波長範囲内における基準反射率の極小値の波長である。
12.基材の赤外線基準反射率を減少させるための基材内における二重層の使用であって、二重層は、基材表面から始まって基材のコアに向かって進行する方向に、0.95×n≦n≦1.05×nである屈折率nを有する第1層であって、nは、バルクの基材の屈折率である、第1層と、屈折率n(n<n)を有し、且つ多孔性層である第2層とを含み、個々の屈折率は、800nm〜3μmの波長範囲内における平均屈折率であり、好ましくは、第1及び第2層の固相は、基材のバルク材料と同一の材料から構成されている。
13.任意の1つの先行する主張に記載の基材の赤外線基準反射率を減少させるための基材内における二重層の使用であって、第1層は、10〜120nmの範囲内の厚さを有し、多孔性の第2層は、110〜400nmの範囲内の厚さと、40%〜80%の範囲内の細孔密度とを有し、好ましくは、第1及び第2層の固相は、基材のバルク材料と同一の材料から構成されている。
14.主張1〜14の方法の任意のものによって得られた赤外光を透過させるイオン注入基材を含む、800nm〜3μmの範囲内の赤外光を制御する光学組立体。
15.800nm〜3μmの赤外光範囲内の赤外光を透過させるイオン注入された基材、赤外線に対して感度を有する光学構成要素、及び/又は赤外光源を含む、800nm〜3μmの範囲内の赤外光を制御する光学組立体であって、注入されたイオンは、N、H、O、He、Ne、Ar、及びKrのイオンのうちの1つ又は複数から選択され、且つ、1016イオン/cm〜2×1017イオン/cmの投与量及び5.5kV〜450kVの加速電圧AVにより、基材内に注入されている。
16.800nm〜3μmの赤外光範囲内の赤外光を透過させる基材、赤外線に対して感度を有する光学構成要素、及び/又は赤外光源を含む、800nm〜3μmの範囲内の赤外光を制御する光学組立体であって、赤外光を透過させる基材は、二重層を含み、二重層は、基材表面から始まって基材のコアに向かって進行する方向に、屈折率nを有する第1層であって、0.95×n≦n≦1.05×nであり、nは、バルクの基材の屈折率である、第1層と、屈折率n(n<n)を有し、且つ多孔性層である第2層とを含み、個々の屈折率は、800nm〜3μmの波長範囲内における平均屈折率であり、基材の基準反射率は、波長λminにおいて極小値を示し、且つ800nm≦λmin≦3μmであり、波長λ−500における基材の基準反射率は、最大で13%であり、λ−500=λmin−500nmである。
17.主張17に記載の光学組立体であって、第1層は、10〜120nmの範囲内の厚さを有し、多孔性の第2層は、110〜400nmの範囲内の厚さと、40%〜80%の範囲内の細孔密度とを有する。
18.赤外光源を有する先行する主張15〜18のいずれか1つのものに記載の光学組立体であって、赤外光源は、波長λにおいて放射する赤外線レーザーであり、基材の基準反射率は、波長λminにおいて極小値を示し、0.95λ≦λmin≦1.05λである。
赤外光反射率の程度が、注入されたイオンの量とその注入の深さを変更することにより、変更されることができることが見出された。
本発明の一実施形態によれば、イオン投与量は、1016イオン/cm〜2×1017イオン/cm、有利には、1016イオン/cm〜1.5×1017イオン/cm、更に有利には、1016イオン/cm〜9.5×1016イオン/cmである。これらの範囲内において、投与量は、少なくとも2×1016イオン/cm、少なくとも4×1016イオン/cm、或いは、場合によっては、少なくとも6×1016イオン/cmであってよい。イオン投与量は、例えば、イオンビームに対する曝露の持続時間によって制御されてもよく、ビームの影響にも依存している。
注入イオンは、多孔性の第2層を超えて、基材内に存在しうる。本発明の一実施形態によれば、多孔性の第2層以外の更なる多孔性層は、本発明の実施形態の基材内には存在していない。本発明の別の実施形態によれば、多孔性の第2層の細孔密度とは異なる細孔密度を有する、1つの更なる多孔性の第3層が、基材内において存在している。
注入の深さは、所与のイオン又はイオン混合物について、イオン供給源の加速電圧により、制御することができる。
一価イオン及び多価イオンの混合物を有するイオンビームを提供する電子サイクロトロン共鳴(ECR:Electron Cyclotron Resonance)イオン供給源が特に有用であり、その理由は、特定の加速電圧の場合に、例えば、N2+などの、特定の種の二価イオンが、対応する一価イオンであるNの注入エネルギーの二倍を有することになるからである。これにより、加速電圧の増大を要することなしに、相対的に大きな注入の深さを実現することできる。本発明者らは、同一の加速電圧によって加速された、一価及び多価イオンの混合物を有するイオンビームを提供するイオン供給源が、特に有用であり、その理由は、これらが、一価イオンビームよりも大きな影響を提供しうるからであることを見出した。従って、これらは、相対的に短い時間量において、特定の投与量に到達することができる。本発明によれば、ECRイオン供給源は、少なくとも0.5mA、有利には、少なくとも0.8mA、更に有利には、少なくとも1.0mAの(但し、50mA超ではない)イオン電流を提供することができる。
本発明の一実施形態において、イオンビーム内のイオンの少なくとも90%は、N、O、He、Ne、Ar、及びKrから選択された種の一価及び二価イオンを有しており、且つ、一価種と二価種の比率は、少なくとも55/25である。個々の一価及び二価種は、N及びN2+、O及びO2+、He及びHe2+、Ne及びNe2+、Ar及びAr2+、Kr及びKr2+である。水素は、一価イオンHとしてのみ利用可能である。
特定の実施形態において、注入されている基材は、その表面全体を処理するために、イオンビームとの関係において運動させられている。
本発明によれば、基材は、フラットなシート状の基材、或いは、プリズム又はレンズなどのフラットではない基材を有することができる。基材は、イオン注入を経験する前に、望ましい形状を得るために、鋳造、切断、折り曲げ、研磨、又は圧縮により得ることができる。
フラットではない光学要素における反射の計測及び反射率値の比較は、非常に複雑である。従って、本説明を目的として、「基準反射率」という用語が、適宜、すべての基材について定義及び使用されている。基材の基準反射率は、適宜、同一のイオン注入によって処理された基材の材料の、或いは、適宜、同一の二重層を有する基材の材料の1.6mmの厚さのフラットなシートの反射率である。基準反射率は、8°の角度において表面から反射された到来光の百分率として、イオン注入表面上において計測される。平均基準反射率は、選択された波長範囲にわたる計測値を平均化することにより、算出される。
反射における基準色は、この計測から算出され、10°という観察者の角度を使用し、光源D65の下において、CIELAB色座標a及びbを使用することにより表現される。CIE L又はCIELABは、国際照明委員会(International Commission on Illumination)によって規定された色空間であり、通常、その他のものに加えて、ガラス産業において使用されている。そうではない旨が規定されていない限り、可視光基準反射率Rcと、反射における基準色a Rc、b Rcとは、基材表面の法線に近接した8°の角度において計測される。
反射率は、通常、適切な波長範囲内において動作する分光光度計を使用することにより計測される。以下の例においては、計測は、最大で2.5μmの波長まで実施される。光学シミュレーションは、少なくとも最大で3μm波長における反射率値をこれらの計測から外挿することができることを示している。
本説明の全体を通じて、数値の範囲が示されている際には、範囲の限度が、範囲内に含まれているものと見なされたい。これに加えて、数値の範囲内のすべての整数及びサブドメイン値が、明示的に記述されているかのように、明示的に含まれている。
用途に応じて、800nm〜3μmのIR波長範囲において可能な限り低い赤外線(IR)基準反射率を取得することが適当である場合があり、或いは、特定の波長λminにおいて可能な限り基準反射率を低減することが適当である場合がある。この場合、λminは、800nm〜3μmの範囲内である。
本発明の一実施形態によれば、赤外波長範囲内における(特に、800nm〜3μmの波長範囲内における)基材の基準反射率は、以下の動作を有するイオン注入プロセスを使用することにより、低減されている。
a.N、H、O、He、Ne、Ar、及びKrのうちから選択された供給源ガスを提供すること、
b.N、O、He、Ne、Ar、又はKrのイオンであって、N、O、He、Ne、Ar、又はKrの一価及び多価イオンの混合物を有するイオンを形成するための供給源ガスをイオン化すること、
c.ビームを形成するように、5.5〜450kVの加速電圧によってイオンを加速すること、並びに、
d.1016イオン/cm〜2×1017イオン/cmのイオン投与量を得るように、ビームの軌跡内において基材の表面を位置決めすること。
本発明者らは、赤外線波長範囲(特に、800nm〜3μm)における基準反射率が低減されうることを見出した。具体的には、平均基準反射率は、800nm〜3μmにおけるものである。
本発明によるイオンの注入は、800nm〜3μmの波長範囲内において、少なくとも1%だけ、有利には、少なくとも2%だけ、更に有利には、少なくとも3%だけ、基材の平均基準反射率を低減することができる。
本発明者らは、赤外波長範囲(具体的には、800nm〜3μm)内における基準反射率が、注入イオンの標準原子量に依存した加速電圧によって注入されたイオンを使用することにより、特定の波長λminにおいて、極小値に低減されうることを見出した。標準原子量は、国際純正・応用化学連合(IUPAC:international union of pure and applied chemistry)によって定義された相対原子質量である。イオンの混合物が注入される際には、それが、異なるアイソトープの混合物であるか、或いは、異なる化学元素からのイオンの混合物であるかを問わず、平均標準原子量Zavrは、使用されているイオンの相対原子質量の平均である。
図1は、未処理の基材(100)との比較において、本発明の特定の実施形態による、IR光を透過させる3つの異なる基材(101、102、103)の800nm〜2500nmの波長(λ)範囲内の基準反射率(RR)曲線を示している。3つの基準反射率曲線(101、102、103)のそれぞれは、特定の波長λmin(101)、λmin(102)、及びλmin(103)において最小基準反射率を示している。
本発明の一実施形態によれば、注入されたイオンの平均標準原子量Zavrに対する加速電圧AVの比率が、0.0029×λmin×kV/nm−1.25kV〜0.0026×λmin×kV/nm+0.68kVの範囲となるように、イオンが加速電圧AVによって注入された際に、波長λminにおいて極小値を有するように、基準反射率が、800nm〜3μmの赤外波長範囲内において低減されており、λminは、800nm〜3μmの赤外波長範囲内の基準反射率の極小値の波長である。
また、本発明は、特定の実施形態において、800nm〜3μmの波長範囲内の基材の基準反射率を低減するための基材内における二重層の利用にも関する。
二重層は、基材表面から始まって基材のコアに向かって進行する方向に、バルクの基材とほとんど同一の屈折率を有する第1層と、バルクの基材よりも低い屈折率を有し、且つ多孔性の第2層とを有する。第1層は、屈折率nを有し、0.95×n≦n≦1.05×nであり、nは、バルクの基材の屈折率であり、第2層は、n<nである屈折率n2を有しており、屈折率は、800nm〜3μmの波長範囲内における平均屈折率である。好ましくは、第1及び第2層の固相(即ち、細孔ではない第1及び第2層の部分)は、基材のバルク材料と同一の材料から本質的に構成されている。本質的に、本ケースにおける同一の材料は、材料が、アルカリイオンなどの成分(これらの成分は、基材内に存在することがあり、イオン注入の際に基材のコアに向かって移動しやすい)を除いて、同一であることを意味している。
図2は、基材表面(204)から始まって基材のコア(205)に向かって進行する方向に、バルクの基材と同一の屈折率を有する第1層(201)と、バルクの基材よりも低い屈折率を有する多孔性の第2層(202)とを有する、赤外光を透過させる基材(200)の例示用の一実施形態(縮尺が正確ではない)を示している。第1層は、厚さtを有し、多孔性の第2層は、厚さtを有する。
第1層は、検出可能な多孔性を有していない。細孔の検出可能性の下部サイズ限度は、直径において約3nmである。多孔性の第2層の細孔は、注入されたイオンの再結合によって形成されたガスによって充填されている。同一のガスから形成された注入イオンが、10原子%未満の濃度において、第1層の固体材料の全体を通じて見出されるものと考えられる。
本発明の目的のために、屈折率は、800nm〜3μmの波長範囲内における平均屈折率である。
本発明の一実施形態において、第1層は、10nm〜120nmの範囲内の厚さtを有していてもよく、多孔性の第2層は、110nm〜400nmの範囲内の厚さtを有していてもよく、比率t/tは、3〜11の範囲内である。すべての厚さは、本明細書においては、そうではない旨が記述されていない限り、幾何学的な、或いは物理的な厚さである。
具体的には、多孔性の第2層は、15〜80%の範囲内の、有利には、25〜70%の範囲内の、更に好ましくは、25〜65%の範囲内の、細孔密度を有しうる。細孔密度は、後述するように、多孔性層の断面のTEM画像に基づいて判定されている。相対的に高い細孔密度が、低基準反射率にとって有益であるが、処理済みの基材の機械的耐久性を低減する傾向を有する。特に、上述の層厚さと組み合わせられた際には、基準反射率の低減と機械的耐久性の間の良好な妥協が、30〜60%の範囲内の細孔密度によって得られる。
本発明の別の実施形態によれば、第1層が、0.04×λmin−21nm〜0.04×λmin−15の範囲内の厚さを有し、多孔性の第2層が、0.11×λmin+24nm〜0.11×λmin+88nmの範囲内の厚さを有する際に、波長λminにおいて極小値を有するように、基準反射率が、800nm〜3μmの赤外波長範囲内において低減されている。ここで、λminは、800nm〜3000nmの赤外波長範囲内における基準反射率の極小値の波長である。
上述の本発明の特定の実施形態によれば、800nm〜3μm(特に、800nm〜2.5μm)のIR波長範囲内における基材の平均基準反射率は、合計到来光の1%だけ、特に、2%だけ、場合によっては、3%だけ低減されている。
本発明の一実施形態によれば、800nm〜3μm(特に、800nm〜2.5μm)のIR波長範囲内における選択された波長λminにおける基材の基準反射率は、合計到来光の1.5%だけ、特に、2.5%だけ、場合によっては、3.5%だけ低減されている。
本発明の一実施形態によれば、800nm〜1600nmの波長範囲内における平均基準反射率は、合計到来光の1%だけ、特に、2%だけ、場合によっては、3%だけ低減されている。
本発明の特定の実施形態によれば、λminは、800nm〜1200nm(特に、900〜1100nm)の波長範囲内にある。この結果、本発明の処理済みの基材は、反射において、ニュートラル又は緑−青の色を有することが見出された。具体的には、反射における、a Rc及びb Rcの色座標によって表現された、基材のイオン注入側の反射光のCIELAB色座標は、ニュートラル又は青−緑であり、即ち、−10≦a Rc≦1であり、且つ、−20≦b Rc≦1であり、或いは、ニュートラルに相対的に近接しており、或いは、相対的に乏しい強度の青−緑色彩を有しており、即ち、−5≦a Rc≦0.5であり、且つ、−15≦b Rc≦0.5であり、或いは、場合によっては、非常にニュートラルであり、或いは、わずかに青−緑色彩を有しており、即ち、−4≦a Rc≦0であり、且つ、−10≦b Rc≦0である。
本発明によれば、基材は、サファイア、溶融シリカ、又はガラスの基材である。具体的には、基材は、異なるカテゴリに属しうる、ガラスの基材である。従って、ガラスは、具体的には、ソーダライムシリカガラス、アルミノシリケートガラス、及びボロシリケートガラスのうちから選択することができる。
本発明によれば、基材は、例えば、窓、ミラー、偏光器、ビームスプリッタ、又はプリズムなどの、平面オプティクス基材、例えば、平凹/凸、二重凹/凸、又はメニスカスレンズなどの、球面レンズ、例えば、放物線、双曲線、又はハイブリッドレンズなどの、非球面レンズ、或いは、色消しレンズであってよい。本発明によれば、基材は、例えば、撮像レンズ、ビームエクスパンダ、接眼レンズ、対物レンズ、又はガラスなどの、光学組立体の一部分であってよい。本発明の基材は、具体的には、例えば、800nm〜1.6μmの波長範囲内における赤外光を放出するレーザーなどの赤外線ランプ又は赤外線レーザーからの赤外光を透過させる窓又はレンズであってよい。具体的には、基材は、波長λの赤外レーザーを透過させるための基材であってもよく、好ましくは、基材は、波長λminにおいて反射率の極小値を有しており、ここで、0.95λ≦λmin≦1.05λである。
本発明の有利な実施形態によれば、基材の温度は、注入の際に、基材のガラス遷移温度未満において維持されている。好ましくは、温度は、600℃未満、更に好ましくは、500℃未満、最も好ましくは、400℃未満に維持されている。
具体的には、本発明の基材のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを有する。
SiO 55〜85%、
Al 0〜30%、
0〜20%、
NaO 0〜25%、
CaO 0〜20%、
MgO 0〜15%、
O 0〜20%、
BaO 0〜20%。
別の特定の実施形態において、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを有する。
SiO 55〜78%、
Al 0〜18%、
0〜18%、
NaO 0〜20%、
CaO 0〜15%、
MgO 0〜10%、
O 0〜10%、
BaO 0〜5%。
具体的には、本発明の光学要素のボロシリケートガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを有する。
SiO 60〜70%、
10〜20%、
O 5〜15%、
NaO 1〜15%、
BaO 1〜10%、
Sb <1%、
CaO <1%、
TiO <1%、
ZnO <1%。
任意選択により、このボロシリケートガラス組成は、放射(特に、イオン化放射)に対する抵抗力の増大を目的として、1〜5重量%のCeOを更に有する。
有利な一実施形態において、本発明の光学要素のガラスは、相対的に低い製造費用を理由として、ソーダライムガラスを有する。有利には、本実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを有する。
SiO 60〜75%、
Al 0〜6%、
0〜4%、
NaO 5〜20%、
CaO 0〜15%、
MgO 0〜10%、
O 0〜10%、
BaO 0〜5%。
上述のその組成のうちのその任意のものに加えて、ガラスは、その他の成分を有することもでき、その他の成分の特性及び量は、望ましい効果に応じて変化しうる。
任意選択により、IR光の透過率を更に増大させるために、本発明の光学要素のガラス組成は、特定の含有量の範囲内において、クロムを更に有する。
従って、本発明の任意選択の一実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する。
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜0.06%、
Cr 0.0001〜0.06%。
低レベルの鉄及びクロムを組み合わせたこのようなガラス組成は、赤外線透過率のみならず、可視範囲内における透過率、並びに、透過におけるニュートラル色の観点において、特に良好な性能を示している。その例示用のガラス組成については、国際特許出願:国際公開第2014128016A1号パンフレット、同第2014180679A1号パンフレット、同第2015011040A1号パンフレット、同第2015011041A1号パンフレット、同第2015011042A1号パンフレット、同第2015011043A1号パンフレット、及び同第2015011044A1号パンフレットにおいて記述されており、これらの内容は、引用により、本明細書において包含される。具体的には、これらのガラス組成は、有利には、ガラスの全重量との関係において0.002〜0.06重量%の範囲のクロム(Crとして表現される)を有する。このようなクロム含有量は、赤外線透過率を更に改善しうる。
従って、本発明の別の任意選択の実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する。
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜0.06%、
Cr 0.0015〜1%、
Co 0.0001〜1%。
このようなクロム及びコバルトに基づいたガラス組成は、美しさ又は(青色からニュートラルで強力な着色又は不透明までの)色の観点において興味深い可能性を提供しつつ、赤外線透過率の観点において特に良好な性能を示している。この場合の例示用の組成については、特許出願国際公開第2015091106A1号パンフレットにおいて開示されており、この内容は、引用により、本明細書において包含される。
本発明の別の任意選択の実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する。
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜1%、
Cr 0.002〜0.5%、
Co 0.0001〜0.5%。
有利には、本実施形態によれば、組成は、0.06%<全鉄≦1%を有する。
クロム及びコバルトに基づいた、このような組成は、色及び光透過の観点において従来のソーダライムに基づいた青及び緑ガラスに匹敵するが、特に高い赤外線透過率を有する青−緑範囲内の着色ガラスシートを得るために、使用することができる。この場合の例示用の組成については、国際特許出願公開第WO2016202606A1号パンフレットにおいて開示されており、この内容は、引用により、本明細書に包含される。
本発明の別の任意選択の実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する。
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜1%、
Cr 0.002〜0.5%、
Co 0.0001〜0.5%、
Se 0.0003〜0.5%。
クロム、コバルト、及びセレンに基づいた、このようなガラス組成は、美しさ/色(灰色ニュートラルから灰色ブロンズの範囲内において強力であるわずかな着色まで)の観点において興味深い可能性を提供しつつ、赤外線透過率の観点において特に良好な性能を示している。このような組成については、国際特許出願公開第WO2016202689A1号パンフレットにおいて開示されており、この内容は、引用により、本明細書において包含される。
任意選択により、クロムの一代替肢として、本発明の光学要素のガラス組成は、IR光の透過率を更に増大させるために、特定の濃度のその他の成分を更に有する。
本発明の任意選択の一代替実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する。
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜0.6%、
CeO 0.001〜1%。
このような組成については、特許出願国際公開第2015071456A1号パンフレットにおいて開示されており、この内容は、引用により、本明細書において包含される。
本発明の任意選択の別の代替実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する。
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜0.06%、並びに、
以下の成分のうちの1つ:
0.01〜1重量%の範囲の量のマンガン(MnOとして表わされる)、
0.01〜1重量%の範囲の量のアンチモン(Sbとして表わされる)、
0.01〜1重量%の範囲の量のヒ素(Asとして表わされる)、或いは、
0.0002〜0.1重量%の範囲の量の銅(CuOとして表わされる)。
このような組成は、特許出願国際公開第2015172983A1号パンフレットにおいて開示されており、この内容は、引用により、本明細書において包含される。
本発明の任意選択の別の代替実施形態によれば、本発明の光学要素のガラス組成は、全ガラスの重量百分率として、酸化物に基づいて表わして、以下のものを更に有する:
全鉄(Feとして表わされる)0.002〜0.04%、並びに、
クロム、セレン、銅、セリウム、マンガン、及びアンチモンのうちの、1つの及び少なくとも2つの成分のうちの1つであって、クロム(Crとして表わされる)は、0.02重量%の最大含有量であり、セレン(Seとして表わされる)は、0.08重量%の最大含有量であり、銅(CuOとして表わされる)は、0.04重量%の最大含有量であり、セリウム(CeOとして算出される)は、0.08重量%の最大含有量であり、マンガン(MnOとして算出される)は、1.6重量%の最大含有量であり、アンチモン(Sbとして表わされる)は、0.8重量%の最大含有量であり、前記組成は、以下の定式を有し、
A≦[10.02(Cr/Fe)+4(Se/Fe)+2.73(CuO/Fe)+0.7(CeO/Fe)+0.23(MnO/Fe)+0.11(Sb/Fe)]、
ここで、Aは、0.30に等しい。
このような組成は、特許出願国際公開第2016008906A1号パンフレットにおいて開示されており、この内容は、引用により、本明細書において包含される。
本発明の有利な一実施形態によれば、ガラスシートの組成は、15%未満のレドックスを有する。好ましくは、レドックスは、10%未満、又は5%未満、或いは、場合によっては、3%未満である。ガラスの酸化の程度は、ガラス中に存在している鉄原子の合計重量Fetotに基づいたFe2+の原子量の比率Fe2+/Fetotとして定義されたレドックスにより与えられる。
本発明者らは、驚いたことに、一価及び多価イオンの混合物のイオン注入が、λminの周りにおいて非常にフラットである反射率曲線をもたらすことを見出した。具体的には、本発明のイオン注入は、特に、一価イオンのみのイオン注入との比較において、波長<λminに向かう基準反射率のあまり急勾配ではない増大をもたらしうる。具体的には、本発明のイオン注入は、特に、一価イオンのみの注入との比較において、波長<λminに向かう基準反射率のあまり大きくない増大をもたらしうる。
図3は、200keVのエネルギー及び2.5×1016イオン/cmの投与量においてKr一価イオンによって注入された、本発明の特定の実施形態によるIR光を透過させる3つの異なる基材(101、102、103)(未処理の基材(100)、並びに、本発明によらない処理済みの基材(104))の380nm〜2500nmの波長(λ)範囲内における基準反射率(RR)曲線を示している。本発明によって処理された基材の基準反射率曲線は、特に基材(104)との比較において、フラットな反射率曲線、可視波長範囲内における反射率の限られた増大、並びに、最小基準反射率の波長よりも小さな波長に向かう反射率のあまり急勾配ではない増大を示している。基材(104)のRR曲線は、POLATO Pietro.et al.,Characterization by Nuclear and Spectrophotometric Analysis of Near−Surface Modifications of Glass Implanted with Heavy Ions,Journal of the American Chemical Society,vol.70,no.10,pages 775−779において報告されている反射率データから外挿されている。
本発明の特定の実施形態において、イオン注入は、可視光範囲内における基準反射率の限られた増大をもたらしている。
本発明の一実施形態において、波長λ−500における処理済みの基材の基準反射率は、13%超には上昇しておらず、ここで、λ−500=λmin−500nmである。
本発明の一実施形態において、処理済みの基材の基準反射率は、380nm〜780nmの波長の可視光範囲内において、13%超には上昇していない。
更には、本発明の一実施形態において、イオン注入は、特に、λmin≦1100nm、更に具体的には、λmin≦1000nm、である場合に、可視光基準反射率の低減を結果的にもたらしている。
特定の実施形態によれば、処理済みの基材の可視範囲内における基準反射率は、特に、λmin≦1100nm、更に具体的には、λmin≦1000nmである場合に、最大で7%である。
本発明の好適な一実施形態において、処理されている領域下において位置した、処理されているガラス基材の領域のバルク温度は、ガラス基材のガラス遷移温度以下である。この温度は、例えば、ビームのイオン電流、ビーム内の処理済みの領域の滞留時間、及び基材の任意の冷却手段の影響を受ける。
本発明によるイオンの注入は、好ましくは、10−7mbar〜10−2mbarの圧力において、更に好ましくは、5×10−5mbar〜2×10−6mbarの圧力において、真空チャンバ内において実行されている。
多孔性第2層の細孔は、ガスによって充填されている。同一のガスから形成されたイオンが、第1層及び多孔性第2層の両方の固体材料の全体を通じて見出されるものと考えられる。
本発明の方法を実行するための例示用のイオン供給源は、Ionics SAからのHardion+ECRイオン供給源である。
また、本発明は、エッチングされたガラス基材の基準反射率を減少させるための、N、H、O、He、Ne、Ar、又はKrの一価及び多価イオンの混合物の使用にも関し、一価及び多価イオンの混合物は、ガラス基材の基準反射率を低減するために効果的であるイオン投与量及び加速電圧により、ガラス基材内に注入される。
有利には、イオンの注入深さは、0.11μm〜1μm、好ましくは、0.15μm〜0.5μmであってよい。注入されたイオンは、基材表面と注入深さの間において広がっている。注入深さは、注入イオンの選択肢により、加速エネルギーにより、適合されうると共に、基材に応じて特定の程度に変化している。
本発明によれば、O又はNの一価及び多価イオンの混合物は、好ましくは、それぞれ、O及びO2+、或いは、N、N2+及びN3+を有する。
本発明の好適な一実施形態によれば、Oの一価及び多価イオンの混合物は、Oよりも少ない量のO2+を有する。本発明の更に好適な一実施形態において、Oの一価及び多価イオンの混合物は、55〜98%のO、並びに、2〜45%のO2+を有する。
本発明の別の好適な実施形態によれば、Nの一価及び多価イオンの混合物は、それぞれ、N及びN2+よりも乏しい量のN3+を有する。本発明の更に好適な一実施形態において、Nの一価及び多価イオンの混合物は、40〜70%のN、20〜40%のN2+、及び2〜20%のN3+を有する。
別の好適な実施形態によれば、本発明のガラスシートは、スロットドロープロセスにより、或いは、溶融プロセス(特に、オーバーフローダウンドロー溶融プロセス)により、形成されたガラスシートである。これらのプロセス(特に、溶融プロセス)は、その表面が、いくつかの用途において必要とされている優れた平坦性及び滑らかさに到達しうるガラスシートを生成するが、これらは、また、大規模なガラス製造用のフロートプロセスよりも高価でもある。
本発明による基材は、0.1〜25mmの厚さを有しうる。有利には、表示用途のケースにおいて、本発明によるガラスシートは、好ましくは、0.1〜6mmの厚さを有する。更に好ましくは、表示用途のケースにおいて、重量を理由として、本発明によるガラスシートの厚さは、0.1〜2.2mmである。
特定の用途において、本発明による基材は、10μm〜100μm、有利には、50μm〜100μmの厚さを有しうる。
本発明の別の更なる目的は、
a.以上における、従って、800nm〜3μmの赤外光範囲内において低い基準反射率を有する、本発明の任意の実施形態による赤外光を透過させる基材と、
b.赤外線に対して感度を有する光学構成要素及び/又は赤外光源と
を有する、800nm〜3μmの範囲内の波長λにおいて赤外光を放出、検出、又は計測する光学組立体を提供することにある。
赤外線に対して感度を有する光学構成要素又は赤外線センサは、例えば、モーションセンサ、或いは、パイロメータなどの、IR検出器、電荷結合装置又はマイクロボロメータアレイなどの撮像センサを有しうる。
赤外光源は、例えば、赤外線レーザー又はランプであってよい。また、これは、赤外線範囲内の熱放射を放出する高温物体であってもよい。
光学組立体は、例えば光検出及び測距(LIDAR:Light detection and ranging)装置内において、赤外光源と、赤外線に対して感度を有する光学構成要素との両方を有しうる。
また、本発明の光学組立体は、例えば、レンズ、プリズム、又はカバーなどの、更なる光学要素を有することもできる。これらは、本発明による又はよらない基材であってよい。
以下、本発明によらない、いくつかの比較例と共に、本発明の実施形態について更に説明するが、これは例であるに過ぎない。以下の例は、例示を目的として提供されており、本発明の範囲を限定することを意図したものでない。
当業者は、本発明が決して、上述の好適な実施形態に限定されるものではないことを理解している。逆に、添付の請求項の範囲内において、多くの変更及び変形が可能である。
処理済みの基材の微細構造、層厚さ、並びに、特に、細孔密度を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって調査した。収束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)手順を使用することにより、断面見本を調製した。調製プロセスにおいて、炭素及びプラチナ保護層を薄膜の上部において堆積させた。本発明を目的として、2次元画像上において本方法によって判定される細孔密度は、細孔の3次元サイズ及び密度を表すものと見なされたい。
明確に定義された明るい領域として細孔を識別するために、TEMからの画像を(アメリカ国立衛生研究所(the National Institutes of Health)によって開発された)画像分析ソフトウェアであるImageJによって処理した。通常は不規則な形状を有する細孔の断面の等価な円形の直径は、この画像分析方法によって判定される、細孔の断面に等価な面積を有する2次元の円板の直径である。細孔密度を細孔によって占有されている多孔性第2層の断面積の百分率として評価した。
また、層厚さも、TEMマイクログラフ上において評価した。
一価及び多価イオンの混合物のビームを生成するために、ECRイオン供給源を使用することにより、以下の表において詳述されている様々なパラメータに従って、イオン注入例を調製した。使用されているイオン供給源は、Ionics S.A.からのHardion+ECRイオン供給源であった。
すべてのサンプルは、約100cmのサイズを有していた。10〜100mm/sにおいて選択された速度においてイオンビームを通じて基材を変位させることにより、表面全体上において、これらのサンプルを処理した。
処理されている基材の領域の温度を基材の溶解温度以下の温度において維持した。
すべてのサンプルについて、10−6mbarの圧力において、真空チャンバ内において注入を実行した。
ECRイオン供給源及びN供給源ガスを使用することにより、Nのイオンを通常の透明なソーダライムガラスの1.6mmの厚さの基材内に注入した。本発明のイオン注入方法によって注入される前に、800nm〜2.5μmの波長範囲内におけるガラス基材の平均基準反射率(平均RR)は、7.7%であった。主要注入パラメータは、以下の表1において見出されうる。また、表1は、それぞれのサンプルごとに、平均基準反射率(平均RR)、最小基準反射率の波長λmin、及びλminにおける基準反射率(RR)をも示している。
Figure 2021528347
本発明者らは、加速電圧が、注入イオンの平均原子質量との関係において適合された際に、N供給源からのNの注入におけるものと類似の結果が、O、He、Ne、Ar、及びKrのイオンの注入に伴って生じることを見出した。
窒素のイオンの注入によって得られた本発明の基材の分析は、窒化ケイ素Siの大規模な形成を示さなかった。
表2は、注入イオンN、He、又はKrにおける比較可能な結果にそれぞれを結び付ける加速電圧を示している。
Figure 2021528347
上述の表2からわかるように、加速電圧を適合させることにより、広範囲の注入イオンについて比較可能な反射率結果を実現することができる。
表3は、それぞれのサンプルごとに、λ−500における基準反射率を示しており、λ−500=λmin−500nmであり、最大反射率は、波長範囲380nm〜780nm内にある。
Figure 2021528347

Claims (17)

  1. 赤外光を透過させる基材の800nm〜3μmの波長範囲内における赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用であって、
    a.前記イオンは、N、O、He、Ne、Ar、又はKrの一価及び多価イオンの混合物から選択され、且つ、
    b.前記イオンは、1016イオン/cm〜2×1017イオン/cmの投与量及び5.5kV〜450kVの加速電圧AVにより、前記基材内に注入される、使用。
  2. 前記イオンは、1016イオン/cm〜1.5×1017イオン/cm、好ましくは、1016イオン/cm〜9.5×1016イオン/cmの投与量により、前記基材内に注入される、請求項1に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  3. 前記基材は、サファイア、溶融シリカ、又はガラスの基材のうちから選択される、請求項1又は2に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  4. 前記基材は、ソーダライムシリカガラス、アルミノシリケートガラス、及びボロシリケートガラスの基材のうちから選択される、請求項3に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  5. 前記基材は、全ガラスの重量百分率として表わして、以下:
    a.全鉄(Feとして表わされる)0.002〜0.06%、及び、
    b.Cr 0.0001〜0.06%
    の含有量を有するソーダライムガラス基材である、請求項4に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  6. 前記基材は、平面オプティクス基材又はレンズである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  7. 前記800nm〜3μmの波長範囲内における前記基材の平均基準反射率は、少なくとも1%だけ、好ましくは、少なくとも2%だけ、更に好ましくは、少なくとも3%だけ、低減される、請求項1乃至6のいずれかに記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  8. 前記基材の前記基準反射率は、波長λminにおいて極小値を示しており、800nn≦λmin≦3μmである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  9. 波長λ−500における前記基材の前記基準反射率は、最大で13%であり、λ−500=λmin−500nmである、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  10. 可視光波長範囲内における前記基材の前記基準反射率は、最大で13%である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の赤外光を透過させる基材の赤外線反射率を減少させるための注入イオンの使用。
  11. a.イオンの、平均標準原子量Zavrに対する前記加速電圧AVの比率AV/Aavrは、0.0029×λmin×kV/nm−1.25kV〜0.0026×λmin×kV/nm+0.68kVの範囲内にあり、λminは、800nm〜3μmの赤外線波長範囲内における前記基準反射率の極小値の波長である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の使用。
  12. 基材の赤外線基準反射率を減少させるための前記基材内における二重層の使用であって、
    a.前記二重層は、前記基材表面から始まって前記基材のコアに向かって進行する方向に、
    i.屈折率nを有する第1層であって、0.95×n≦n≦1.05×nであり、nは、バルクの前記基材の屈折率である、第1層と、
    ii.屈折率n(n<n)を有し、且つ多孔性層である第2層と
    を含み、
    個々の前記屈折率は、800nm〜3μmの波長範囲内における平均屈折率であり、
    好ましくは、前記第1及び第2層の固相は、前記基材のバルク材料と同一の材料から本質的に構成されている、使用。
  13. a.前記第1層は、10〜120nmの範囲内の厚さを有し、且つ、
    b.前記多孔性第2層は、110〜400nmの範囲内の厚さと、40%〜80%の範囲内の細孔密度とを有する、請求項12に記載の基材の赤外線基準反射率を減少させるための基材内における二重層の使用。
  14. 800nm〜3μmの赤外光範囲内の赤外光を透過させるイオン注入された基材、赤外線に対して感度を有する光学構成要素、及び/又は赤外光源を含む、800nm〜3μmの範囲内の赤外光を制御する光学組立体であって、
    a.前記注入されたイオンは、N、H、O、He、Ne、Ar、及びKrのイオンのうちの1つ又は複数から選択され、且つ、
    b.前記注入されたイオンは、1016イオン/cm〜2×1017イオン/cmの投与量及び5.5kV〜450kVの加速電圧AVにより、前記基材内に注入されている、光学組立体。
  15. 800nm〜3μmの赤外光範囲内の赤外光を透過させる基材、赤外線に対する感度を有する光学構成要素、及び/又は赤外光源を含む、800nm〜3μmの範囲内の赤外光を制御する光学組立体であって、前記赤外光を透過させる基材は、二重層を含み、前記二重層は、前記基材表面から始まって前記基材のコアに向かって進行する方向に、屈折率nを有する第1層であって、0.95×n≦n≦1.05×nであり、nは、バルクの前記基材の屈折率である、第1層と、屈折率n(n<n)を有し、且つ多孔性層である第2層とを含み、個々の前記屈折率は、800nm〜3μmの波長範囲内における平均屈折率であり、前記基材の基準反射率は、波長λminにおいて極小値を示し、且つ800nm≦λmin≦3μmであり、波長λ−500における前記基材の前記基準反射率は、最大で13%であり、λ−500=λmin−500nmである、光学組立体。
  16. 前記第1層は、10〜120nmの範囲内の厚さを有し、前記多孔性第2層は、110〜400nmの範囲内の厚さと、40%〜80%の範囲内の細孔密度とを有する、請求項14に記載の光学組立体。
  17. 前記光学組立体は、赤外光源を含み、前記赤外光源は、波長λにおいて放出する赤外線レーザーであり、前記基材の前記基準反射率は、波長λminにおいて極小値を示しており、0.95λ≦λmin≦1.05λである請求項15乃至16のいずれか1項に記載の光学組立体。
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