JP2021528104A - 新規インターロイキン−15(il−15)融合タンパク質およびその使用 - Google Patents

新規インターロイキン−15(il−15)融合タンパク質およびその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、がんおよび他の障害の治療で使用される新規の改善されたIL−15融合タンパク質を提供する。種々の実施形態において、本発明の融合タンパク質は、IL−15/IL−15RαSushiドメイン(「IL−15/IL−15RαSushi複合体」とも称される)およびFcドメインという2つの機能的ドメインを有し、それぞれの機能的ドメインは様々な形態を取ることができ、且つ、IL−15はFcドメインのC末端に融合されていることで、IL−15RαSushiとの共発現および非共有結合的な複合体形成をするように構成される。重要なこととして、本発明の融合タンパク質は、現在までに評価された、IL−15療法で確認された制限のいくつかに取り組むものであり、具体的には、本融合タンパク質により、インビボにおけるIL−15の半減期の延長が示され、rIL−15療法や関連サイトカイン療法と比較して優れた前臨床活性が示されている。
【選択図】 図1A

Description

[関連特許出願]
本出願は2018年6月22日に出願された米国仮出願第62/689,051号の利益を主張するものであり、当該特許仮出願の全内容は参照により本明細書に援用される。
がんは伝統的に化学療法、放射線、標的療法、および外科手術によって治療されてきたが、過去10年間の間に、がん治療の第五の柱として免疫療法が現れ、がんとの闘いに大きな変革をもたらした。T細胞チェックポイント(CTLA−4およびPD−1/PD−L1)阻害剤の開発により、免疫療法薬のベンチマークが確立された。これらの治療法は、腫瘍特異的T細胞プールの効率的な増殖および再活性化によって、ある特定のがん患者において50%に達する奏効率をもたらすことが示された。
最近、4αヘリックスバンドルファミリーのサイトカインメンバーであるインターロイキン−15(IL−15)が、がん治療用の免疫調節剤候補として登場した。IL−15はその特異的受容体であるIL−15Rαに結合するが、IL−15Rαは抗原を提示する樹状細胞、単球、およびマクロファージ上に発現されており、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞をはじめとする反応性細胞上の、IL−15Rβと共通サイトカイン受容体γ鎖(γ)とから構成されるヘテロ二量体型受容体複合体をトランス活性化することで、シグナル伝達を惹起する。IL−15は広い活性を示し、T細胞、B細胞、およびナチュラルキラー(NK)細胞の分化と増殖を誘導する。また、IL−15は、CD8陽性T細胞の細胞溶解活性を増強し、抗原を経験したCD8陽性且つCD44高発現のメモリーT細胞を長期に誘導する。IL−15はB細胞による分化と免疫グロブリン合成を刺激し、樹状細胞の成熟を誘導する。IL−15は、免疫抑制性の制御性T細胞(Treg)は刺激しない。そのため、仮説として、IL−15活性の増強は、自然免疫と適応免疫を強化し、腫瘍への攻撃を引き起こすことで、有望な抗がん治療剤になる可能性があると考えられている(Steelら、Trends in Pharmacological Sciences、33巻(1号):頁35−41、2012年)。
転移性悪性黒色腫患者における組換えヒトIL−15点滴静注のファースト・イン・ヒューマン第I相臨床試験において、IL−15が転移性悪性腫瘍患者に安全に投与できることと、IL−15投与が血液中のリンパ球サブセットの恒常性に著しい変化を与え、NK細胞およびγδ細胞が最も劇的な影響を受け、次いでCD8メモリーT細胞が影響受けることが報告された(Conlonら、J Clin Oncol.、33巻(1号)、頁74−82)。
IL−15をがん免疫療法薬として用いることで免疫応答を増強するというこれらの新たな進歩にもかかわらず、IL−15を治療薬として効果的に使用することには未だに制限がある。例えば、IL−15は半減期が短く(40分未満)、そのため、1)そのインビボ抗腫瘍効果が妨げられるほどに生物学的利用能が低く、また、2)治療関連暴露量を達成するために高用量の投与を必要とするため、毒性がもたらされる。さらに、IL−15は標準的な哺乳類細胞系では発現レベルが低いと理解されている。
がん治療において有効性が高く且つ安全な新規の治療薬の供給が、尚も強く求められている。
一つの態様において、本発明は、がんの治療で使用される新規の改善されたIL−15融合タンパク質を提供する。種々の実施形態において、本発明の融合タンパク質は、それぞれ様々な形態を取ることができる、IL−15/IL−15受容体α(IL−15Rα)成分(「IL−15/IL−15Rα複合体」とも称される)およびFcドメインという、2つの機能的ドメインを有する。種々の実施形態において、融合タンパク質は、IL−15がFcドメインのC末端またはFcドメインのN末端のいずれかに融合されており、IL−15Rαドメインと共発現されて非共有結合的に複合体形成するように、構成される(図1Bおよび図1C参照)。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質は、IL−15ドメインが配列番号2に記載の成熟ヒトIL−15ポリペプチド(huIL−15またはIL−15野生型(wt)とも称される)の配列を含む、IL−15/IL−15Rα複合体を含む。種々の実施形態において、IL−15ドメインは、配列番号2に記載の成熟ヒトIL−15ポリペプチドの配列に由来する配列を含むIL−15バリアント(または変異体)となるであろう。IL−15のバリアント(または変異体)は、元のアミノ酸、成熟配列内での上記元のアミノ酸の位置、およびバリアント型のアミノ酸、を用いて呼称される。例えば、huIL−15「S58D」は、配列番号2の58位にSからDへの置換を含むヒトIL−15を表す。種々の実施形態において、IL−15バリアントは、天然IL−15ポリペプチドと比較した場合のIL−15Rβに対する結合活性の増加や機能活性の増大などから示されるように、IL−15スーパーアゴニストとして機能する。種々の実施形態において、IL−15バリアントは、天然IL−15ポリペプチドと比較した場合の、IL−15Rβに対する結合活性はあるが機能活性を持たないことなどから示されるように、IL−15アンタゴニストとして機能する。種々の実施形態において、IL−15バリアントは、天然IL−15ポリペプチドと比較して、IL−15Rβγc受容体に対し、結合親和性が増加しているか、または結合活性が減少している。種々の実施形態において、IL−15バリアントの配列は、天然IL−15配列と比較して、少なくとも1つ(すなわち、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上)のアミノ酸変化を有する。アミノ酸変化としては、IL−15Rβおよび/またはIL−15Rγcおよび/またはIL−15Rβγcと相互作用するIL−15のドメインに、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、またはアミノ酸挿入のうちの1または複数を含ませることができる。種々の実施形態において、アミノ酸変化は、配列番号2の30位、31位、32位、58位、62位、63位、67位、68位、または108位における、1または複数のアミノ酸置換またはアミノ酸欠失である。種々の実施形態において、アミノ酸変化は、成熟ヒトIL−15配列の、30位におけるDからTへの置換、31位におけるVからYへの置換、32位におけるHからEへの置換、58位におけるSからDへの置換、62位におけるTからDへの置換、63位におけるVからFへの置換、67位におけるIからVへの置換、68位におけるIからFもしくはHもしくはDもしくはKへの置換、または、108位におけるQからAもしくはMもしくはSへの置換であるか、これらの置換の任意の組み合わせである。種々の実施形態において、アミノ酸変化は成熟ヒトIL−15配列の58位におけるSからDへの置換である。種々の実施形態において、IL−15ポリペプチドは、配列番号2のS58D変異を含むIL−15バリアントを含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質は、IL−15RαがIL−15RαSushiドメイン(配列番号5)もしくはIL−15Rα細胞外ドメイン(配列番号4)またはIL−15Rαの任意の結合性機能的ドメインのいずれかを含む、IL−15/IL−15Rα複合体を含む。種々の実施形態において、IL−15Rαドメインは、配列番号4に記載の配列に対して少なくとも90%である配列を含む。種々の実施形態において、IL−15Rαドメインは、配列番号4に記載の配列に対して少なくとも95%である配列を含む。種々の実施形態において、IL−15Rαドメインは、配列番号5に記載の配列に対して少なくとも90%である配列を含むIL−15RαSushiドメインである。種々の実施形態において、IL−15RαSushiドメインは、配列番号5に記載の配列に対して少なくとも95%である配列を含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質は、IL−15/IL−15RαSushi複合体と、少なくとも1つの異種タンパク質とを含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質は、IL−15が上記異種タンパク質のC末端またはN末端のいずれかに融合されている、IL−15/IL−15Rα複合体を含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質は、二量体型または単量体型のIL−15/IL−15Rα−異種タンパク質複合体を含有する。
種々の実施形態において、異種タンパク質はFcドメイン(またはその機能性断片)である。種々の実施形態において、Fcドメインは、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択されるか、またはこれらの任意の組み合わせである。種々の実施形態において、Fcドメインは、補体結合特性またはFc受容体結合特性が変化したFcドメインをもたらすアミノ酸変化を含む。補体結合特性またはFc受容体結合特性が変化したFcドメインを生成するアミノ酸変化は、当該技術分野において公知である。種々の実施形態において、二量体型IL−15/IL−15Rα複合体−Fc融合タンパク質の作製に使用されるFcドメイン配列は、配列番号6に記載のヒトIgG1−Fcドメイン配列である。配列番号6は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換を含む。種々の実施形態において、一価IL−15/IL−15Rα複合体−Fc融合タンパク質の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、配列番号7に記載のKnob−Fcドメイン配列である。配列番号7は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換を含む。種々の実施形態において、一価IL−15/IL−15Rα複合体−Fc融合タンパク質の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、配列番号8に記載のHole−Fcドメイン配列である。配列番号8は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換を含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質はIL−15/IL−15Rα複合体を含み、異種タンパク質は、半減期延長のための完全長非結合性抗体であるか、または、ターゲティング、多機能性、および半減期延長のために使用される特異的な抗体もしくは断片である。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質はIL−15/IL−15Rα複合体を含み、異種タンパク質は、完全長IgG型または抗体断片型の抗体(単一特異性または二重特異性)であり、IL−15/IL−15RαSushi複合体との相加効果または相乗効果を示す。
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質はIL−15/IL−15Rα複合体を含み、異種タンパク質は、IL−15の局所濃度と腫瘍微小環境への浸透とを増大させることで、腫瘍細胞殺傷効果を増大し、全身毒性を低減する、組織特異的ターゲティングまたは腫瘍特異的ターゲティングを可能にする。
種々の実施形態において、異種タンパク質は、ポリペプチドリンカー配列によって、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ポリペプチド(またはその機能性断片)に共有結合的に連結されている。種々の実施形態において、リンカーは、二次構造が比較的少ない、5個、10個、15個、20個、30個、40個(またはその間の数字)、またはそれ以上のアミノ酸からなる人工配列であり得る。種々の実施形態において、リンカーは、G/S含量が豊富である(例えば、リンカー内の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、またはそれ以上のアミノ酸がGまたはSである)。種々の実施形態において、リンカーは、配列番号9〜12に記載の配列の群から選択される。各々のペプチドリンカー配列は独立して選択できる。
別の態様において、本開示は、本発明の単離されたIL−15融合タンパク質を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む、医薬組成物を提供する。
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。1つの実施形態において、対象はヒト対象である。種々の実施形態において、がんは、膵がん、胃がん、肝臓がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、メラノーマ、白血病、骨髄異形成症候群、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、頭頸部がん、横紋筋肉腫から選択される。
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法において、治療有効量の本発明の医薬組成物を、以下からなる群から選択される第2の治療法と組み合わせて投与することを含む、上記方法を提供する:細胞障害性化学療法、免疫療法、小分子キナーゼ阻害剤標的療法、外科手術、放射線療法、幹細胞移植、細胞療法(CAR−T細胞、CAR−NK細胞、iPS誘導NK細胞、iPS誘導CAR−NK細胞、iPS誘導T細胞、iPS誘導CAR−T細胞またはTCR−T細胞を含む)、およびカルメット・ゲラン桿菌(BCG)などのワクチン。種々の実施形態において、併用療法は、治療有効量の免疫療法を対象に投与することを含み得るが、免疫療法としては、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体(depleting antibody)を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CD276、CD272、CTLA−4、PD−1、PD−L1、CD40、SIRPa、CD47、OX−40、CD137、GITR、LAG3、ICOS、CD27、4−1BB、TIM−3、B7−H4、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL−2、IL−7、IL−10、IL−12、IL−21、G−CSF、GM−CSF、IFN−α、IFN−β、およびIFN−γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)−T細胞を用いた治療;CAR−NK細胞を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖された且つ/またはTCRトランスジェニックのT細胞)を用いた治療;TALL−104細胞を用いた治療;TLR4アゴニストCpG、TLR7アゴニストCpG、TLR8アゴニストCpG、TLR9アゴニストCpG、およびイミキモドなどのToll様受容体(TLR)作用剤などの免疫刺激剤を用いた治療;並びに、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)などのワクチンを用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず;上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と免疫療法との間には相乗作用が存在する。
別の態様において、本開示は、細胞生存および半減期を維持するための任意の養子細胞移植によるNK細胞・T細胞治療またはCAR−NK・CAR−T療法と組み合わされた、インビトロおよびインビボにおける、NK細胞およびT細胞を増殖および更新する方法を提供する。
別の態様において、本開示は、対象におけるウイルス感染症を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。1つの実施形態において、対象はヒト対象である。
別の態様において、本開示は、がん治療用の医薬を調製するためのIL−15融合タンパク質の使用を提供する。
別の態様において、本開示は、ウイルス感染症治療用の医薬を調製するためのIL−15融合タンパク質の使用を提供する。
別の態様において、本開示は、本開示のIL−15融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。種々の実施形態において、単離された核酸分子は、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含み、さらに、本明細書に記載の少なくとも1つの異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。種々の実施形態において、上記の核酸分子は、本明細書に記載のリンカーをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。種々の実施形態において、上記の核酸分子は、配列番号56〜63に記載のヌクレオチド配列を含む。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載の核酸を含むベクターを提供する。種々の実施形態において、上記のベクターは発現ベクターである。別の態様において、本開示は、本開示の核酸を含む単離された細胞を提供する。種々の実施形態において、上記の細胞は、本開示の発現ベクターを含む宿主細胞である。別の態様において、タンパク質またはポリペプチドの発現を促進する条件下で上記の宿主細胞を培養することによる、IL−15融合タンパク質を作製する方法が提供される。
図1は、本発明のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のいくつかの型を示している。(A)IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合体型。(B)一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体型。(C)二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体型。(D)一価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質型。(E)二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質型。それぞれの融合タンパク質型において、IL−15/IL−15Rα複合体はFcドメインのC末端またはN末端のいずれにあってもよく;IL−15RαはIL−15RαSushiドメインまたはIL−15RαECDのいずれであってもよい。 図2Aは、SDS−PAGEにより確認された、純度を示している。図2Bは、SEC−HPLCにより測定された、例示的なIL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であるP−0217、P−0234、およびP−0313の、単量体割合を示している。3種全ての融合タンパク質がC末端にIL−15/IL−15Rα複合体を含む。P−0217は一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体であり、P−0234はP−0217の二量体型の対応物であり、P−0313はP−0234と同じ融合体構成を共有しているが、IL−15ドメインにおけるS58D置換によってのみ異なっている。 図3は、異なる構成のいくつかのIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の、SEC(サイズ除去クロマトグラフィー)のクロマトグラムを示している。特に記載がない限り、これらの例示的な融合タンパク質の全てが、C末端にIL−15/IL−15Rα複合体を含む。P−0162は、単量体型IL−15単独−Fc融合タンパク質である。P−0197は、一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体であり、その模式図は図1Bに示されている。P−0153は、ヘテロ二量体Fc融合体型(図1A)の、単量体型IL−15/IL−15Rα融合体である。P−0167およびP−0198は、それぞれP−0162およびP−0197の二量体型の対応物である。P−0234、P−0220、およびP−0223は全て、二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(図1C)である。P−0220はIL−15RαECDを含有しており、P−0234はIL−15RαSushi+ドメインを含有しており;P−0223は、そのIL−15/IL−15Rα複合体がFcのN末端に結合しているP−0234と異なっている。 図4は、ELISAアッセイにおける、IL−15/IL−15Rα−Fc融合体型の差異による、IL−15Rβへの結合活性に対する影響を示している。IL−15Rαにより、IL−15−Fc融合タンパク質のIL−15Rβ結合活性が増加することが示されている。P−0157(白丸)はN末端二価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質であり;P−0153(黒丸)はC末端IL−15/IL−15RαSushiヘテロ二量体Fc融合タンパク質であり;P−0162(黒三角)はIL−15RαSushiが複合体形成されていないC末端一価IL−15−Fc融合タンパク質である。 図5は、IL−15−Fc融合タンパク質の生物活性に対するIL−15Rαの影響を示している。IL−15Rαにより、IL−15−Fc融合タンパク質の生物活性が増強することが示されている。CD69陽性NK細胞(図5A)およびCD8 T細胞(図5B)の誘導について、エキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイで測定を行った。P−0197(白丸)はC末端一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であり;P−0162(黒丸)は、P−0197と同じ構造を有するが、IL−15RαSushiが複合体形成されていない融合タンパク質である。 図6は、IL−15−Fc融合タンパク質の生物活性に対する、IL−15/IL−15Rα複合体形成の構成の差異による影響を示している。CD69陽性NK細胞(図6A)およびCD8陽性T細胞(図6B)の誘導について、エキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイで測定を行った。P−0165(黒丸)はC末端一価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質であり;P−0197(白丸)はC末端一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であり;P−0153(白三角)はC末端IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質である。 図7は、異なる型のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の生物活性に対するリンカーの影響を示している。CD69陽性NK細胞(図7A)およびCD8 T細胞(図7B)の誘導について、エキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイで測定を行った。P−0165(黒丸)およびP−0166(白丸)は、15アミノ酸の剛直なリンカーおよび10アミノ酸の柔軟なリンカーをそれぞれ有する、一価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合体である。P−0197(黒三角)、P−0207(白三角)、およびP−0217(星)は、剛直なリンカー、10アミノ酸のGSリッチの柔軟なリンカー、および15アミノ酸のGSリッチの柔軟なリンカーをそれぞれ有する、一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。 図8は、N末端側融合であるかC末端側融合であるかの、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の活性に対する影響を示している。処置後、エキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイにおいて、Ki67陽性CD8 T細胞の割合を測定した。(A)P−0218(黒丸)および標準(白丸)は、それぞれ、C末端二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質およびN末端二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質である。(B)P−0234(黒三角)およびP−0223(白三角)は、それぞれ、C末端二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質およびN末端二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。 図9は、IL−15Rα完全ECDドメインであるかIL−15RαSushiドメインであるかの、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の生物活性に対する影響を示している。CD69陽性NK細胞の誘導について、エキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイで測定を行った。(A)P−0234(黒丸)およびP−0220(白丸)は、IL−15Rαsushiおよび完全ECDをそれぞれ有する、C末端二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。(B)P−0223(黒丸)およびP−0224(白丸)は、IL−15Rαsushiおよび完全ECDをそれぞれ有する、N末端二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。(C)P−0221(黒丸)およびP−0222(白丸)は、IL−15Rαsushiおよび完全ECDをそれぞれ有する、N末端一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。 図10は、IL−15ポリペプチドにおけるS58D置換が、IL−15融合タンパク質の、CD8+T細胞(A)、CD4+T細胞(B)、およびNK細胞(C)上でSTAT5リン酸化を誘導する能力を、増強したことを示している。P−0218(白丸)およびP−0314(黒丸)は、野生型のIL−15およびS58DバリアントのIL−15をそれぞれ含む、二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質である。P−0234(白三角)およびP−0313(黒三角)は、野生型のIL−15およびS58DバリアントのIL−15をそれぞれ含む、二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。 図11は、IL−15(S58D)バリアントを含有する融合タンパク質が、CD8+T細胞(A)、CD4+T細胞(B)、およびNK細胞(C)上でKi67発現を誘導する能力の増強を示したことを示している。P−0218(白丸)およびP−0314(黒丸)は、野生型のIL−15およびS58DバリアントのIL−15をそれぞれ含む、二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質である。P−0234(白三角)およびP−0313(黒三角)は、野生型のIL−15およびS58DバリアントのIL−15をそれぞれ含む、二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。 図12は、4日間反復投与試験での、rhIL−15、標準、およびP−0234で処置されたマウスにおけるIL−15の血清中濃度を示している。雌B Balb/Cマウスに、溶媒、rhIL−15(0.03mg/kg)、標準(0.1mg/kgおよび0.5mg/kg)、またはP−0234(0.1mg/kgおよび0.5mg/kg)を、毎日腹腔内注射した。4日目の最後の注射の1時間後に、終末部の血液(terminal blood)を採血し、ELISAアッセイを用いて血清中IL−15レベルを測定した。 図13は、4日間反復投与試験での、rhIL−15、標準、およびP−0234で処置されたBalb/Cマウスにおける体重(A)および0日目からの体重の変化率(B)を示している。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。***0日目との比較でp<0.001;#PBS群との比較でp<0.05。 図14は、4日間反復投与試験における、Balb/Cマウスの末梢血中のNK細胞の増殖能および増殖に対する、IL−15化合物の効果を示している。4回の毎日投与の後に、血液を採取し、FACSでKi67の測定およびNK細胞の表現型検査を行った。(A)Ki67増殖能マーカー陽性のNK細胞の割合;(B)CD3陰性リンパ球集団におけるNK細胞の割合。データは平均値±SEMとして表した。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。****溶媒群との比較でp<0.0001、#等価用量の標準との比較でp<0.001、##等価用量の標準との比較でp<0.01。 図15は、4日間反復投与試験における、Balb/Cマウスの脾臓NK細胞の増殖能、増殖、および活性化に対する、IL−15化合物の効果を示している。(A)Ki67増殖能マーカー陽性の脾臓NK細胞の割合;(B)脾臓における総NK細胞;(C)CD69陽性脾臓NK細胞の割合。データは平均値±SEMとして表した。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。****溶媒群との比較でp<0.0001、**溶媒群との比較でp<0.01、溶媒群との比較でp<0.05。 図16は、Balb/Cマウスにおける単回腹腔内注射後のP−0313および標準の血清中濃度を示している。0.3mg/kgのP−0313または標準で処置されたマウスから、−24時間(投与前)、並びに投与の1時間後、4時間後、24時間後、72時間後、144時間後、および192時間後に、血液を採取した。(A)インハウスELISAアッセイによるヒトFc−IL−15複合体の検出;(B)市販ELISAアッセイによるヒトIL−15の検出。 図17は、8日間に亘る、P−0313および標準の単回注射後のBalb/Cマウスの体重を示している。 図18は、Balb/Cマウスにおける単回注射後のNK細胞(A)およびCD8+T細胞(B)上のKi67発現に対する、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の、用量依存的な効果および時間依存的な効果を示している。−24時間(投与前)、並びに1時間、4時間、24時間、72時間、144時間、および192時間の時点で血液を採取し、FACS分析でリンパ球の表現型検査およびKi67の測定を行った。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、2元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。各時点のPBS群との比較で、****p<0.0001、**p<0.01、p<0.05。 図19は、Balb/Cマウスにおける単回注射後の末梢血中のNK細胞(A)およびCD8+T細胞(B)の増殖に対する、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の、用量依存的な効果および時間依存的な効果を示している。−24時間(投与前)、並びに1時間、4時間、24時間、72時間、144時間、および192時間の時点で血液を採取して、FACS分析でリンパ球の表現型検査を行った。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、2元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。各時点のPBS群との比較で、****p<0.0001、***p<0.001、p<0.05。 図20は、マウスCT26肺転移モデルにおける、P−0313および標準による肺転移の阻害を示している。溶媒、標準(0.3mg/kg)、またはP−0313(0.03mg/kgおよび0.1mg/kg)の投与を、CT26細胞注射の1日後から開始して、5日おき(Q5D)に3回行った。16日目にマウスを屠殺し、顕微鏡で肺における転移性結節のカウントを行った。(A)各治療群の転移性結節を示す、代表的な肺の写真。(B)光学顕微鏡にて得られた肺結節数。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。PBS群との比較で、****p<0.0001、p<0.05。 図21は、P−0313または標準で処置後のCT26肺転移モデルにおける免疫薬力学的プロファイリング(immuno−pharmacodynamic profiling)を示している。P−0313、標準、またはPBSを5日おきに3回腹腔内注射した3日後のフローサイトメトリーにより、CT26転移マウスにおいて、全血1μl当たりの、循環しているA)NK細胞、およびB)CD8+T細胞の数が増加していることが確認された。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。PBS群との比較で、****p<0.0001、***p<0.001、**p<0.01。 図22は、CT26肺転移モデルの、P−0313または標準で処置されたマウスにおける脾臓重量を示している。脾臓は、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質を5日おきに3回腹腔内注射した3日後に摘出した。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。****PBS群との比較でp<0.0001。 図23は、P−0313または標準で処置されたCT26肺転移マウスにおける肝毒性評価を示している。処置を5日おきに3回行った3日後に肝臓を摘出した。A)肝臓重量;B)血清中ALT値;およびC)血清中AST値。血清中のALT値とAST値とは、市販のELISAキットを用いて測定した。データは平均値±SEMとして表されている。 図24は、皮下に樹立されたCT26マウス大腸腫瘍モデルにおける、P−0313の抗腫瘍活性を示している。0日目に、1×10個のCT26細胞を皮下注射した。平均腫瘍体積が約70mmになったとき(11日目)から開始して、溶媒(PBS)またはP−0313(0.1mg/kgまたは0.05mg/kg)の注射を5日おきに2回行った。(A)CT26皮下腫瘍の成長曲線。(B)ベースラインからの体重の変遷。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、2元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。**PBS群との比較でp<0.0001。 図25は、(A)PBS溶媒、(B)0.05mg/kgのP−0313、または(C)0.01mg/kgのP−0313を投与された個々のマウスにおける皮下CT26腫瘍の成長曲線を示している。n=10/群。 図26は、CT26マウス大腸癌による腫瘍モデルの、P−0313処置群マウスにおける、NK細胞およびCD8 T細胞の増殖能および増殖を示している。腫瘍移植の11日後から開始して、処置を5日おきに2回行った後に、19日目のフローサイトメトリーにより、NK細胞およびCD8+T細胞において、Ki67発現の増加(A〜B)および循環細胞数(全血1μl当たり)の増加(C−D)が確認された。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。PBS群との比較で、****p<0.0001、P<0.05。 図27は、P−0313で処置されたCT26大腸腫瘍担持マウスにおける、脾臓NK細胞および脾臓CD8 T細胞の免疫表現型検査を示している。腫瘍移植の11日後から開始して、処置を5日おきに2回行った後に、21日目のフローサイトメトリーにより、脾臓NK細胞数の増加(A)およびCD8+T細胞数の増加(B)が確認された。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。****PBS群との比較でp<0.0001。 図28は、樹立されていないCT26大腸腫瘍モデルにおける、P−0313の抗腫瘍活性を示している。1×10個のCT26細胞を皮下移植した3日後、マウスに溶媒(PBS)またはP−0313(0.1mg/kg)を5日おきに5回注射した。(A)0日目の腫瘍細胞移植後のCT26皮下腫瘍の成長曲線。(B)25日目の腫瘍重量。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。PBS群との比較で、***p<0.001、p<0.05。 図29は、P−0313で処置されたCT26担癌マウスにおける、脾臓重量および体重増減率を示している。CT26腫瘍細胞移植の3日後、マウスに溶媒(PBS)またはP−0313(0.1mg/kg)を5日おきに5回注射した。(A)25日目の脾臓重量。(B)25日間に亘る体重の増減率。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、1元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。**PBS群との比較でp<0.01。
本開示は、がんおよび他の障害の治療で使用される新規の改善されたIL−15融合タンパク質を提供する。種々の実施形態において、本発明の融合タンパク質は、IL−15/IL−15RαSushiドメイン(「IL−15/IL−15RαSushi複合体」とも称される)およびFcドメインという2つの機能的ドメインを有し、それぞれの機能的ドメインは様々な形態を取ることができ、且つ、IL−15がFcドメインのC末端またはN末端に融合され、IL−15Rα、IL−15RαSushi、またはIL−15RαECDと共発現および非共有結合的な複合体形成をするように構成される。
本開示は、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、アミノ酸挿入を有し、がんおよび他の障害の治療で使用されるIL−15スーパーアゴニストまたはIL−15アンタゴニストとして機能する、IL−15バリアントを提供する。
本発明者らが理解するところでは、IL−15またはIL−15融合タンパク質の循環半減期を延ばし、および/または、その生物活性を増大させるためには、IL−15をヒトIgGのFc部分のN末端またはC末端に共有結合的に連結することにより、IL−15のそのシグナル伝達受容体への提示を増強し、IL−15の融合タンパク質からの解離を抑制し、遊離ヒトIL−15の副作用と関連する頻度が高い遊離IL−15のピーク血清中濃度を制限することが、非常に望ましい。さらに、本発明者らは、IL−15をそのシグナル伝達受容体へより自然に提示するために、IL−15に非共有結合的に結合したIL−15Rαドメインを含有する融合タンパク質複合体を作製することが非常に望ましいと考えた。本発明の型を用いることで、タンパク質発現を増加させ、免疫原性を低減し、IL−15分解を保護することが可能であることを、本発明者らは示してる。本発明で開示または説明された種々の実施形態では、生物活性の増強、および発現増加や低凝集性などの開発適合性(developability)を達成するために、IL−15−IL−15Rα複合体を二量体型でC末端に配置することが望ましい。重要なこととして、本発明の融合タンパク質は、現在までに評価された、IL−15療法で確認された制限のいくつかに取り組むものであり、具体的には、本融合タンパク質により、インビボにおけるIL−15の半減期の延長が示され、rIL−15療法や関連サイトカイン療法と比較して優れた前臨床活性が示されている。
定義
本明細書において、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は同義的に使用されており、アミノ酸残基のポリマーを指している。種々の実施形態において、「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は、α炭素同士がペプチド結合を通じて連結されているアミノ酸鎖である。鎖の一方の末端(アミノ末端)の末端アミノ酸はすなわち遊離アミノ基を有しており、一方、鎖の他方の末端(カルボキシ末端)の末端アミノ酸は遊離カルボキシル基を有している。本明細書で使用される場合、用語「アミノ末端」(N末端と省略)は、ペプチドのアミノ末端のアミノ酸上の遊離α−アミノ基を指すか、あるいは、ペプチド内の任意の他の場所のアミノ酸のα−アミノ基(ペプチド結合に参加している場合のアミノ基)を指す。同様に、用語「カルボキシ末端」は、ペプチドのカルボキシ末端の遊離カルボキシル基、またはペプチド内の任意の他の場所のアミノ酸のカルボキシル基を指す。ペプチドは、実質的に任意のポリアミノ酸も包含し、ペプチド模倣薬が挙げられるがこれに限定はされず、例えば、アミノ酸同士がアミド結合ではなくエーテルによって連結されているものなどである。
本開示のポリペプチドは、例えば、(1)タンパク質分解に対する感受性の低減、(2)酸化に対する感受性の低減、(3)タンパク質複合体形成を目的とした結合親和性の変化、(4)結合親和性の変化、および、(5)他の物理化学的特性または機能特性の付与または改変など、いかなる方法およびいかなる理由で改変されたポリペプチドも包含する。例えば、天然配列に(例えば、分子間接触を形成しているドメインの外側のポリペプチド部分に)、単一のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)がなされていてもよいし、複数のアミノ酸置換がなされていてもよい。「保存的アミノ酸置換」とは、ポリペプチド内の、あるアミノ酸の、機能的に類似したアミノ酸との置換を指す。下記の6つのグループはそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含んでいる。:
1)アラニン(A)、セリン(S)、およびスレオニン(T)
2)アスパラギン酸(D)、およびグルタミン酸(E)
3)アスパラギン(N)、およびグルタミン(Q)
4)アルギニン(R)、およびリジン(K)
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、およびバリン(V)
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)
「非保存的アミノ酸置換」とは、これらのクラスの1つの構成要素の別のクラスの構成要素への置換を指す。そのような変化を起こす際、種々の実施形態においては、アミノ酸の疎水性親水性指標が考慮される場合がある。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特性に基づいて、疎水性親水性指標が割り振られている。それぞれの疎水性親水性指標は以下である、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。
タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際のアミノ酸疎水性親水性指標の重要性は、当該技術分野においては理解されているところである(例えば、Kyteら、1982年、J.Mol.Biol.、157:105−131を参照)。ある特定のアミノ酸を、同様の疎水性親水性指標または疎水性親水性スコアを有する他のアミノ酸に置換しても、同様の生物活性が保持され得ることが知られている。疎水性親水性指標に基づいて変化を起こす際、種々の実施形態においては、両者の疎水性親水性指標が±2以内であるアミノ酸同士の置換が含まれる。種々の実施形態においては±1以内のものが含まれ、種々の実施形態においては±0.5以内のものが含まれる。
また、特に、このように作製された生物学的な機能を持つタンパク質またはペプチドの、本明細書において開示される免疫学的な実施形態での使用が意図されている場合、類似アミノ酸同士の置換は、親水性に基づくことで、効率的に為すことができると、当該技術分野では理解されている。種々の実施形態において、隣接アミノ酸の親水性によって制御される、タンパク質の局所的な平均親水性の最大値は、その免疫原性および抗原性と相関しており、すなわち、当該タンパク質の生物学的特性と相関している。
下記の親水性値がこれらのアミノ酸残基に割り振られている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0.+−.1);グルタミン酸(+3.0.+−.1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5.+−.1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5)、およびトリプトファン(−3.4)。同様の親水性値に基づいた変化を起こす際、種々の実施形態においては、親水性値が±2以内であるアミノ酸同士の置換が含まれ、種々の実施形態においては±1以内のものが含まれ、種々の実施形態においては±0.5以内のものが含まれる。
例示的なアミノ酸置換を表1に記載する。
Figure 2021528104
当業者であれば、周知の手法を用いて、本明細書に記載されているポリペプチドの好適なバリアントを決定することができる。種々の実施形態において、当業者は、活性に重要であるとは考えられていない領域を標的とすることにより、活性を破壊することなく変化を起こすことができる、上記分子の好適な領域を、特定することができる。他の実施形態において、当業者は、類似ポリペプチド間で保存されている、上記分子の残基および部分を特定することができる。さらなる実施形態においては、生物活性または構造にとって重要であり得る領域でさえも、生物活性を破壊することも、ポリペプチド構造に悪影響を与えることもなく、保存的アミノ酸置換を起こすことができる。
さらに、当業者は、活性または構造にとって重要な類似ポリペプチド内の残基を特定する構造・機能研究を調査することができる。そのような比較を考慮に入れて、当業者は、類似ポリペプチドの活性または構造にとって重要なアミノ酸残基に対応する、ポリペプチド内のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、そのような予測された重要アミノ酸残基のために、化学的に類似したアミノ酸置換を選択することができる。
また、当業者は、三次元構造およびアミノ酸配列を、類似ポリペプチドの当該構造と関連させて解析することができる。そのような情報に照らして、当業者は、その三次元構造に関して、ポリペプチドのアミノ酸残基の並びを予測することができる。種々の実施形態において、当業者は、ポリペプチドの表面上に存在すると予測されたアミノ酸残基に、このような残基は他の分子との重要な相互作用に関与している場合があるため、根本的な変化が生じないように、選択を行うことができる。さらに、当業者は、所望のアミノ酸残基のそれぞれに単一のアミノ酸置換を含む試験バリアントを作製することができる。その後、当業者に公知の活性定量法を用いて、バリアントのスクリーニングを行うことができる。そのようなバリアントを用いることで、好適なバリアントに関する情報を集めてもよい。例えば、特定のアミノ酸残基への変化が活性の破壊、活性の好ましくない低減、または不適切な活性をもたらすことが分かった場合、そのような変化を有するバリアントを避けることができる。言い換えれば、そのような通例の実験から集められた情報に基づいて、当業者は、単独または他の変異と組み合わせた、さらなる置換が避けられるべきアミノ酸を容易に確認することができる。
用語「ポリペプチド断片」および「切断型ポリペプチド」とは、本明細書で使用される場合、対応する完全長タンパク質と比較して、アミノ末端および/またはカルボキシ末端に欠失を有するポリペプチドを指す。ある実施形態において、断片は、例えば、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、150以上、200以上、250以上、300以上、350以上、400以上、450以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、または1000以上のアミノ酸長とすることができる。ある実施形態において、断片は、例えば、1000以下、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下、450以下、400以下、350以下、300以下、250以下、200以下、150以下、100以下、50以下、25以下、10以下、または5以下のアミノ酸長ともすることができる。断片には、その一方または両方の末端に、1または複数の追加のアミノ酸をさらに含ませることができ、例えば、異なる天然タンパク質由来のアミノ酸配列(例えば、Fcまたはロイシンジッパードメイン)または人工アミノ酸配列(例えば、人工リンカー配列)を含ませることができる。
「ポリペプチドバリアント」、「ハイブリッドポリペプチド」、および「ポリペプチド変異体」という用語は、本明細書で使用される場合、別のポリペプチド配列と比較して、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列に挿入されている、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列から欠失している、且つ/または、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列中に置換されている、アミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。ある実施形態において、挿入、欠失、または置換されているアミノ酸残基の数は、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、または少なくとも500のアミノ酸長とすることができる。本開示のハイブリッドは融合タンパク質を包含する。
ポリペプチドの「誘導体」とは、化学的に修飾されたポリペプチドであって、例えば、ポリエチレングリコール、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)などの別の化学的部分への結合、リン酸化、およびグリコシル化などである。
本明細書において、用語「%配列同一性」は、用語「%同一性」と同義的に使用されており、配列アラインメント用プログラムを用いてアラインメントされた場合の、2以上のペプチド配列間のアミノ酸配列同一性の値、または2以上のヌクレオチド配列間のヌクレオチド配列同一性の値を指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%同一性は、規定のアルゴリズムで測定された80%配列同一性と同じことを意味し、所与の配列が別の長さの別の配列に対して少なくとも80%の同一性を有することを意味している。ある実施形態において、%同一性は、所与の配列に対しての、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%、またはそれ以上の配列同一性から選択される。ある実施形態において、%同一性は、例えば、約60%〜約70%、約70%〜約80%、約80%〜約85%、約85%〜約90%、約90%〜約95%、または約95%〜約99%の範囲内である。
本明細書において、用語「%配列相同性」は、用語「%相同性」と同義的に使用されており、配列アラインメント用プログラムを用いてアラインメントされた場合の、2以上のペプチド配列間のアミノ酸配列相同性の値、または2以上のヌクレオチド配列間のヌクレオチド配列相同性の値を指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%相同性は、規定のアルゴリズムで測定された80%配列相同性と同じことを意味し、すなわち、所与の配列の相同体は所与の配列のある長さに亘って80%超の配列相同性を有する。ある実施形態において、%相同性は、所与の配列に対しての、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%、またはそれ以上の配列相同性から選択される。ある実施形態において、%相同性は、例えば、約60%〜約70%、約70%〜約80%、約80%〜約85%、約85%〜約90%、約90%〜約95%、または約95%〜約99%の範囲内である。
2つの配列間の同一性を確認するために用いることができる例示的なコンピュータプログラムとしては、NCBIウェブサイトにおいてインターネット上で一般に入手可能な一連のBLASTプログラム、例えば、BLASTN、BLASTX、およびTBLASTX、BLASTPおよびTBLASTN、が挙げられるが、これらに限定はされない。また、Altschulら、J.Mol.Biol.、215巻:頁403−10、1990年(公表された初期設定、すなわち、パラメーターw=4、パラメーターt=17、に特に関連して)、およびAltschulら、Nucleic Acids Res.、25巻:頁3389−3402、1997年を参照されたい。GenBank Protein Sequencesや他の公開データベースのアミノ酸配列と比較して所与のアミノ酸配列を評価する場合、配列検索は通常、BLASTPプログラムを用いて行う。The BLASTXプログラムは、GenBank Protein Sequencesや他の公開データベースのアミノ酸配列に対して、全ての読み取り枠で翻訳された核酸配列の検索に好ましい。オープンギャップペナルティ=11.0、ギャップ伸長ペナルティ=1.0という初期パラメーターを用いて、BLASTPおよびBLASTXの両方を実行し、BLOSUM−62行列を利用する。上記文献参照。
パーセント配列同一性の算出に加え、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA、90巻:頁5873−5787、1993年を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性尺度の1つとして、最小和確率(smallest sum probability)(P(N))があり、これは、2つのヌクレオチド配列間または2つのアミノ酸配列間で一致が偶然に生じる確率を示す。例えば、試験核酸を参照核酸と比較した場合の最小和確率が、例えば、約0.1未満、約0.01未満、または約0.001未満である場合、核酸は参照配列に類似しているとみなされる。
用語「異種の」とは、本明細書で使用される場合、構成や状態が天然のものではない、または天然には存在しないことを指し、例えば、既存の天然構成または天然状態を、別の供給源由来の構成または状態と置き替えることにより達成することができる構成や状態を指す。同様に、そのタンパク質が天然で発現される生物以外の生物でのタンパク質の発現は、異種の発現系および異種のタンパク質となる。
用語「抗体」は、本明細書で使用される場合、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片に実質的または部分的にコードされた1または複数のポリペプチドを含み、且つ、腫瘍抗原に対する特異性または病的状態において過剰発現される分子に対する特異性を有する、タンパク質を指す。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、κ定常領域遺伝子、λ定常領域遺伝子、α定常領域遺伝子、γ定常領域遺伝子、δ定常領域遺伝子、ε定常領域遺伝子、およびμ定常領域遺伝子、並びにこれらの遺伝子のサブタイプ、さらには無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子も含まれる。軽鎖(LC)はκ軽鎖またはλ軽鎖のいずれかに分類される。重鎖(HC)はγ重鎖、μ重鎖、α重鎖、δ重鎖、またはε重鎖に分類され、これが、免疫グロブリンのクラス(それぞれIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE)を定義する。典型的な免疫グロブリン(例えば、抗体)構造単位は、四量体を成す。四量体はそれぞれ、各対が1つの「軽鎖」(約25kD)と1つの「重鎖」(約50〜70kD)とを有する、2組の同一ポリペプチド鎖対から構成される。それぞれの鎖のN末端が、抗原認識に最も大きく関与する、100〜110程度またはそれ以上のアミノ酸からなる可変領域を規定する。
用語「Fc領域」とは、本明細書で使用される場合、免疫グロブリン重鎖のC−末端領域を規定するものであり、インタクト抗体のパパイン分解によって生成され得る。Fc領域は、天然配列のFc領域であってもよいし、バリアントFc領域であってもよい。免疫グロブリンのFc領域は、通常、CH2ドメインおよびCH3ドメインという2つの定常ドメインを含み、所望によりCH4ドメインを含む。抗体のFc部分はいくつかの重要なエフェクター機能を媒介しており、例えば、サイトカイン誘導、ADCC、ファゴサイトーシス、補体依存性細胞傷害(CDC)、並びに抗体および抗原抗体複合体の半減期/クリアランス速度を媒介している(例えば、新生児FcR(FcRn)はエンドソーム内の酸性pHでIgGのFc領域に結合し、IgGを分解から保護し、IgGの長期血中半減期に寄与する)。抗体のエフェクター機能を改変するためのFc部分のアミノ酸残基の置換は、当該技術分野において公知である(例えば、Winterら、米国特許第5,648,260号および同第5,624,821号を参照)。
「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチド単位から構成される重合体を指す。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(「DNA」)およびリボ核酸(「RNA」)などの天然核酸だけでなく、核酸アナログも包含する。核酸アナログは、天然ホスホジエステル結合以外の他のヌクレオチドとの結合に参加しているヌクレオチドである非天然塩基を含むもの、ホスホジエステル結合以外の結合を通じて付加された塩基を含むもの、を包含する。すなわち、核酸アナログは、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリエステル、ホスホルアミダート、ボラノリン酸、メチルホスホン酸、キラル−メチルホスホン酸、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)などを包含し、これらに限定はされない。このようなポリヌクレオチドは、自動DNA合成装置などを用いて合成することができる。用語「核酸」は、通常、大型のポリヌクレオチドを指す。用語「オリゴヌクレオチド」は、通常は短いポリヌクレオチドを指し、通常は約50ヌクレオチド以下である。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)で表されている場合、「U」が「T」と置き換わったRNA配列(すなわち、A、U、G、C)もこれに包含されることは理解されたい。
本明細書では従来の表示法を用いてポリヌクレオチド配列を記載している。一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側の末端が5’末端であり;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向を5’方向と称する。新生RNA転写物への5’方向から3’方向へのヌクレオチド付加を転写方向と称する。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖を「コード鎖」と称し;DNAから転写されたmRNAと同じ配列を有し、RNA転写物の5’末端の5’側に位置するDNA鎖上の配列を「上流配列」と称し;RNAと同じ配列を有し、コードRNA転写物の3’末端の3’側にあるDNA鎖上の配列を「下流配列」と称する。
「相補的」とは、位相幾何学的な適合性、すなわち、2つのポリヌクレオチドの相互作用し合う表面同士の一致性をいう。すなわち、この2つの分子は相補的と記載することができ、さらには、接触表面特徴が互いに相補的である。第一のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と実質的に同一である場合、または、第一のポリヌクレオチドがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で第二のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能である場合、第一のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドに相補的である。
「ベクター」は、それに連結した別の核酸を細胞に導入するのに使用できるポリヌクレオチドである。ベクターの1種として「プラスミド」があるが、プラスミドとは、その中に追加の核酸セグメントを連結することができる、直鎖状または環状の二本鎖DNA分子をいう。別の種類のベクターとしてウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、複製欠損アデノウイルス、および複製欠損アデノ随伴ウイルス)があり、このウイルスゲノムの中には追加のDNAセグメントを導入することができる。ある特定のベクターは導入された宿主細胞内で自律増殖が可能である(例えば、細菌性複製開始点を含む細菌ベクターおよびエピソーム性の哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性の哺乳類ベクター)は、宿主細胞内への導入後に宿主細胞のゲノムに組み入れられることで、宿主ゲノムと共に複製される。「発現ベクター」は選択されたポリヌクレオチドの発現を指示することができるベクターの一種である。
「制御配列」は、それが機能的に連結された核酸の発現(例えば、発現量、発現タイミング、または発現場所)に影響を与える核酸である。制御配列は、例えば、被制御核酸に対して直接、あるいは、1または複数の他の分子(例えば、当該制御配列および/または当該核酸に結合するポリペプチド)の作用を通じて、その効果を及ぼし得る。制御配列の例としては、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が挙げられる。制御配列のさらなる例が、例えば、Goeddel、1990年、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、185巻、アカデミックプレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州、およびBaronら、1995年、Nucleic Acids Res.、23巻、頁3605−06に記載されている。制御配列がヌクレオチド配列の発現(例えば、発現量、発現タイミング、または発現場所)に影響を及ぼしている場合、当該ヌクレオチド配列は当該制御配列に「機能的に連結」されていることになる。
「宿主細胞」は、本開示のポリヌクレオチドの発現に用いることができる細胞である。宿主細胞は原核生物とすることができ、例えば、大腸菌とすることができ、あるいは、宿主細胞は真核生物とすることができ、例えば、単細胞の真核生物(例えば、酵母または他の真菌)、植物細胞(例えば、タバコ植物細胞またはトマト植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞、または昆虫細胞)、またはハイブリドーマとすることができる。通常、宿主細胞は、ポリペプチドコード核酸による形質転換またはそのトランスフェクトが可能な培養細胞であり、当該宿主細胞においてこのポリペプチドコード核酸の発現が可能となる。発現対象の核酸で形質転換された、またはそれをトランスフェクトされた宿主細胞を表すために、「組換え宿主細胞」という表現が用いられている場合がある。宿主細胞はまた、上記核酸を含んではいるが、それを所望のレベルでは発現していない細胞とすることもできるが、ただし、上記核酸と機能的に連結するように制御配列が当該宿主細胞に導入されている場合は除く。宿主細胞という用語は、特定の対象細胞を指すだけでなく、そのような細胞の子孫や潜在的な子孫も指すと理解される。突然変異や環境の影響などによってある特定の改変が後の世代において生じ得るため、そのような子孫は実際には親細胞と同一でない場合があるが、その場合であっても、本明細書で使用される上記用語の範囲内に包含される。
用語「単離された分子」(ここで、分子はポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどである)は、その起源または派生源に基づいて、(1)天然状態のそれに伴っている天然付随成分を付随していない分子、(2)同じ種由来の他の分子を実質的に含んでいない分子、(3)異なる種由来の細胞によって発現された分子、または(4)天然では生じない分子である。すなわち、化学的に合成された分子、または天然にそれが生じる細胞とは異なる細胞系で発現された分子が、その天然付随成分から「単離」されることとなる。当該技術分野において周知の精製法を用いて、分子を、単離により天然付随成分を実質的に含まないものとしてもよい。当該技術分野において周知のいくつかの手段で、分子の純度または均一性を評価することができる。例えば、当該技術分野において周知の方法を用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびゲル染色によりポリペプチドを可視化することで、ポリペプチド試料の純度を評価することができる。ある特定の目的のために、HPLCまたは当該技術分野において周知の他の精製手段を用いることで、より高い解像度を得てもよい。
試料の少なくとも約60%〜75%が単一のポリペプチド種を示す場合に、タンパク質またはポリペプチドは「実質的に純粋な」、「実質的に均一な」、または「実質的に精製された」ものである。このポリペプチドまたはタンパク質は単量体であっても多量体であってもよい。実質的に純粋なポリペプチドまたはタンパク質は、通常、タンパク質試料の約50%(W/W)、約60%(W/W)、約70%(W/W)、約80%(W/W)、または約90%(W/W)を構成しており、より頻繁には約95%を構成しており、99%超純粋となることが好ましい。タンパク質の純度または均一性は、タンパク質試料をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、当該技術分野において周知の染色法によるゲル染色で単一ポリペプチドバンドを可視化するなどの、当該技術分野において周知のいくつかの手段で、示すことができる。ある特定の目的のために、HPLCまたは当該技術分野において周知の他の精製手段を用いることで、より高い解像度を得てもよい。
「リンカー」とは、共有結合的に、またはイオン結合、ファンデルワールス結合、もしくは水素結合を通じて、2つの他分子を連結する分子のことをいい、例えば、ある相補的配列の5’末端にハイブリダイズし、さらに、別の相補的配列の3’末端にハイブリダイズすることで、2つの非相補的配列を連結する核酸分子である。「切断可能なリンカー」とは、切断可能なリンカーによって連結されている2つの成分を分離するために、分解または他の方法による切断が可能なリンカーを指す。切断可能なリンカーは一般的には酵素によって切断され、典型的にはペプチダーゼ、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼなどによって切断される。切断可能なリンカーは、例えば温度変化、pH変化、塩濃度変化などの、環境要因によって切断される場合もある。
「標識」または「標識化」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体に別の分子を組み込むことをいう。1つの実施形態において、標識は検出可能なマーカーであり、例えば、放射性標識されたアミノ酸の組み込み、またはマークを付けたアビジンにより検出可能なビオチニル部分のポリペプチドへの付加(例えば、光学的方法または熱量測定法(calorimetric method)で検出可能な蛍光マーカーまたは酵素活性を含むストレプトアビジン)である。別の実施形態において、標識またはマーカーは、治療用の標識またはマーカーとすることができ、例えば、薬剤複合体または毒素である。ポリペプチドおよび糖タンパク質の種々の標識法が、当該技術分野において公知であり、使用されてよい。ポリペプチド用の標識の例として、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:放射性同位元素または放射性核種(例えば、H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光ラベル(例えば、FITC蛍光体、ローダミン蛍光体、ランタニド蛍光体)、酵素標識(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体に対する結合部位、金属結合ドメイン、エピトープ標識)、磁性を有する薬剤、例えばガドリニウムキレート、毒素、例えば百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、並びにこれらのアナログまたはホモログ。いくつかの実施形態において、標識は、起こり得る立体障害を抑制するため、様々な長さのスペーサーアームによって付加される。
用語「免疫療法」とは、がん治療のことをいい、例えば、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CD276、CD272、CTLA−4、PD−1、PD−L1、CD40、SIRPa、CD47、OX−40、CD137、GITR、LAG3、ICOS、CD27、4−1BB、TIM−3、B7−H4、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL−2、IL−12、IL−15、IL−21、GM−CSF、IFN−α、IFN−β、およびIFN−γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)−T細胞を用いた治療;CAR−NK細胞を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖された且つ/またはTCRトランスジェニックのT細胞)を用いた治療;TALL−104細胞を用いた治療;Toll様受容体(TLR)アゴニストCpGおよびイミキモドなどの免疫刺激剤を用いた治療、並びにBCGなどのワクチンを用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず、上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、IL−15構築物と免疫療法との間には相乗作用が存在する。
「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、その症状の1または複数を改善、緩和、軽減、および/または遅延するなど、特定の障害、状態、または疾患を治療するのに十分な化合物または組成物の量を指す。NHLおよび他のがん、または他の望ましくない細胞の増殖に関して、有効量は、以下に十分な量を含む:(i)がん細胞数の減少;(ii)腫瘍サイズの減少;(iii)末梢器官へのがん細胞浸潤の阻害、遅滞、ある程度の減速、好ましくは停止;(iv)腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の減速、好ましくは停止);(v)腫瘍増殖の阻害;(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発の抑制または遅延;並びに/または、(vii)がんと関連した症状のうちの1もしくは複数のある程度の軽減。有効量は、一回または複数回の投与で投与することができる。
用語「患者」、「個体」、および「対象」は、同義的に使用されている場合があり、哺乳動物を指し、ヒトまたはヒト以外の霊長類が好ましいが、家畜化された哺乳類(例えば、イヌまたはネコ)、実験用の哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット)、および農業用の哺乳類(例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ)を指す場合もある。種々の実施形態において、患者は、病院、精神科医療施設で医師もしくは他の医療従事者の治療を受けている、外来患者としての、または他の臨床状況下の、ヒト(例えば、成人男性、成人女性、青年期男性、青年期女性、男児、女児)とすることができる。種々の実施形態において、患者は、免疫無防備状態の患者または免疫系が弱まった患者としてもよく、例えば、原発性免疫不全症患者、エイズ患者;ある特定の免疫抑制剤を服用しているがん患者および移植患者;並びに、免疫系に影響を及ぼす遺伝病(例えば、先天性無ガンマグロブリン血症、先天性IgA欠損症)を有する患者が挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、患者は免疫原性のがんを有しており、例えば、膀胱がん、肺がん、メラノーマ、および変異率が高いと報告されている他のがん(Lawrenceら、Nature、499巻(7457号):頁214−218、2013年)が挙げられるが、これらに限定はされない。
「医薬組成物」は、哺乳動物における製薬学的用途において好適な組成物を指す。医薬組成物は、薬理学的有効量の活性薬剤と、薬剤的に許容できる担体と、を含む。「薬理学的有効量」とは、意図された薬理学的結果を得るのに有効な薬剤量を指す。「薬剤的に許容できる担体」とは、任意の標準的な医薬担体、溶媒、緩衝液、および医薬品添加物を指し、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、5%ブドウ糖水溶液、水中油型エマルションまたは油中水型エマルションなどのエマルション、並びに、様々な種類の湿潤剤および/または補助剤などである。好適な医薬担体および製剤については、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第21版、2005年、マック出版社(Mack Publishing Co)、イーストン、に記載がある。「薬剤的に許容できる塩」は、製薬学的用途で化合物に配合できる塩であり、例えば、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)、アンモニア塩、有機アミン塩が挙げられる。
「投与する」または「投与させる(cause to be administered)」という表現は、当該の薬剤/化合物の患者への投与を管理および/または許可する、医療専門家(例えば、医師)、または患者の医学的ケアを管理する人、によって行われる行為を指す。投与させることには、診断、および/または適切な治療レジメンの決定、および/または患者への特定の薬剤/化合物の処方が含まれ得る。このような処方は、例えば、処方箋書式の草案、医療記録の注釈などを包含し得る。投与が本明細書に記載されている場合、「投与させること」も企図される。
「抵抗性または難治性のがん」とは、化学療法、外科手術、放射線療法、幹細胞移植、および免疫療法などをはじめとするこれまでの抗がん治療には反応しない腫瘍細胞またはがんを指す。腫瘍細胞は、治療開始時から抵抗性または難治性である可能性もあるし、治療の中で抵抗性または難治性になる場合もある。難治性の腫瘍細胞には、治療の開始に反応しない、または、短期間の初期反応は示すが、治療に反応はしない、腫瘍が含まれる。難治性の腫瘍細胞には、抗がん治療による治療に反応するが、その後引き続く治療には反応しない腫瘍も含まれる。本発明の目的上、難治性の腫瘍細胞は、抗がん療法による治療で阻害されたように見えたが、治療の中止後に5年以内、場合によっては10年以内、またはそれ以上の期間以内に再発する腫瘍も包含する。抗がん治療では、化学療法剤単独、放射線単独、標的療法単独、外科手術単独、またはこれらの組み合わせが使用できる。説明の簡略化のためであり、限定を目的としたものではないが、上記の難治性腫瘍細胞は抵抗性腫瘍と交換可能であると理解されたい。
「治療する」、「治療すること」、および「治療」という用語は、生物学的な障害および/またはその付随症状の少なくとも1つを軽減または取り除く方法を指す。本明細書で使用される場合、疾患、障害、または状態を「軽減する」とは、当該疾患、障害、または状態の症状の重症度および/または発生頻度を低減させることを意味する。さらに、本明細書における「治療」に関する記載は、治癒的、対症的および予防的な治療に関する記載を包含する。
本明細書に記載の本開示の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなるもの」、および/または態様および実施形態「から本質的になるもの」、を包含すると理解される。
本明細書における「約」値またはパラメーターを指す記載は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とした変動を包含(および説明)する。例えば、「約X」を指す記載は、「X」という記載を包含する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈によって特に明示されていない限り、「a」、「または(or)」、および「the」といった単数形は複数形を包含する。本明細書に記載の本開示の態様および変更形態は、態様および変更形態「からなるもの」、および/または態様および変更形態「から本質的になるもの」、を包含すると理解される。
IL−15/IL−15RαSushi複合体
インターロイキン−15(IL−15)は、抗IL−2中和抗体の存在下でIL−2依存性CTLL−2 T細胞株の増殖を刺激する能力に基づいて、2つの別個のグループにより同定されたサイトカインである(Steelら、Trends in Pharmacological Sciences、33巻(1号):頁35−41、2012年)。IL−15およびインターロイキン−2(IL−2)は、受容体(R)シグナル伝達成分(IL−2/15Rβγ)の共有にみられるように、インビトロにおいて同様の生物学的特性を有する。しかし、IL−2に対するIL−15の特殊性が独自の私有のα鎖受容体によってもたらされ、このα鎖受容体によりヘテロ三量体型の高親和性受容体複合体であるIL−15RαβγおよびIL−2Rαβγが完成されることで、リガンドおよび発現された高親和性受容体に依存した応答性の差異が生じる。興味深いことに、IL−15転写物およびIL−15Rα転写物は共に、IL−2/IL−2Rαよりもかなり広い組織分布を有する。さらに、複数の複雑な転写後制御機構がIL−15発現を厳密に制御している。すなわち、IL−15およびIL−15Rαの発現の複雑な制御と、さらには発現パターンの差異から、この受容体/リガンド対の重要なインビボ機能は、IL−2とIL−2Rαの機能とは異なる可能性がある。IL−15の生物学的特性を調べている研究によって、現在までに、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK−T細胞、および小腸上皮内リンパ細胞の発生および機能におけるIL−15の重要性など、いくつかの重要な非冗長的な役割が確認されている。関節リウマチなどの自己免疫プロセスや、成人T細胞白血病などの悪性腫瘍におけるIL−15の役割から、IL−15の調節異常は宿主に有害作用をもたらす恐れが示唆される(Fehnigerら、Blood、97巻:頁14−32、2001年)。
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL−15」および「ネイティブインターロイキン−15」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、および成熟型を包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン−15アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類インターロイキン−15種のアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_000576(ヒト、未成熟型)、CAA62616(ヒト、未成熟型)、NP_001009207(イエネコ(Felis catus)、未成熟型)、AAB94536(ラッタス属、未成熟型)、AAB41697(ラッタス属、未成熟型)、NP_032383(ハツカネズミ(Mus musculus)、未成熟型)、AAR19080(イヌ)、AAB60398(アカゲザル(Macaca mulatta)、未成熟型)、AAI00964(ヒト、未成熟型)、AAH23698(ハツカネズミ(Mus musculus)、未成熟型)、およびAAH18149(ヒト)が挙げられる。本発明の種々の実施形態において、ネイティブIL−15は、天然哺乳類IL−15の未成熟型または前駆型である。他の実施形態において、ネイティブIL−15は、天然哺乳類IL−15の成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15は、天然ヒトIL−15の前駆型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15は、天然ヒトIL−15の成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15タンパク質/ポリペプチドは、単離または精製されたものである。種々の実施形態において、IL−15ドメインは、下記の配列番号1に記載のヒトIL−15前駆体配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号1)
IL−15受容体は、ベータ(β)・ガンマ(γ)サブユニット(IL−2受容体と共有)と、アルファ(α)サブユニット(IL−15と高親和性で結合)と、からなるI型サイトカイン受容体である。完全長ヒトIL−15Rαは、32アミノ酸長のシグナルペプチド、173アミノ酸長の細胞外ドメイン、21アミノ酸長の膜貫通領域、37アミノ酸長の細胞質側末端、および複数のN結合型またはO結合型糖鎖付加部位を有するタイプ1膜貫通型タンパク質である(Andersonら、J.Biol Chem、270巻:頁29862−29869、1995年)。以前に、IL−15Rαの細胞外ドメイン全体に相当するIL−15Rα鎖の天然可溶型が、高親和性のIL−15アンタゴニストとして働くことが明らかにされた。しかし、その知見とは際立って対照的であることに、IL−15に対する結合親和性の大部分を占める、IL−15Rαの組換え型の可溶性sushiドメインが、IL−15Rβ/γヘテロ二量体を介したIL−15の結合性および生物学的効果(増殖およびアポトーシスからの保護)を増強することで強力なIL−15アゴニストとして働き、一方で三分子型IL−15Rα/β/γ膜受容体のIL−15結合性と機能には影響を与えないことが明らかとなった。これらの結果から、天然に産生されている場合、このような可溶性sushiドメインがIL−15のトランスプレゼンテーション機構に関与している可能性が示唆された(Mortierら、J.Biol Chem、281巻(3号):頁1612−1619、2006年)。
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL−15Rα」および「ネイティブインターロイキン−15受容体α」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、成熟型および天然アイソフォームを包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン−15受容体α(「IL−15Rα」)アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類IL−15Rαのアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_002180(ヒト)、ABK41438(アカゲザル(Macaca mulatta))、NP_032384(ハツカネズミ(Mus musculus))、Q60819(ハツカネズミ(Mus musculus))、Q13261(ヒト)が挙げられる。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然哺乳類IL−15Rαポリペプチドの未成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然哺乳類IL−15Rαポリペプチドの成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然哺乳類IL−15Rαポリペプチドの一形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然哺乳類IL−15Rαポリペプチドの完全長形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然ヒトIL−15Rαポリペプチドの未成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然ヒトIL−15Rαポリペプチドの成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然ヒトIL−15Rαポリペプチドの形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然ヒトIL−15Rαポリペプチドの完全長形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαタンパク質またはポリペプチドは、単離または精製されたものである。種々の実施形態において、IL−15Rαドメインは、下記の配列番号3に記載のヒトIL−15Rα配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL(配列番号3)
種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαは、天然ヒトIL−15Rαポリペプチドの完全細胞外形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL−15Rαタンパク質またはポリペプチドは、単離または精製されたものである。種々の実施形態において、IL−15Rα細胞外ドメインは、下記の配列番号4に記載のヒトIL−15Rα配列のアミノ酸配列に由来するものである:
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTT(配列番号4)
種々の実施形態において、本発明のIL−15融合タンパク質は、IL−15ドメインが下記の配列番号2に記載の成熟ヒトIL−15ポリペプチドのアミノ酸配列を含み:
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号2)、
IL−15RαSushiドメインが下記の配列番号5に記載の成熟ヒトIL−15Rαポリペプチドのアミノ酸配列を含む:
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号5)、
IL−15/IL−15RαSushi複合体を含む。
種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、配列番号2に記載の成熟ヒトIL−15ポリペプチドの配列に由来する配列を含むIL−15バリアント(または変異体)となる。IL−15のバリアント(または変異体)は、元のアミノ酸、成熟配列内での上記元のアミノ酸の位置、およびバリアント型のアミノ酸、を用いて呼称される。例えば、「huIL−15S58D」は、配列番号2の58位にSからDへの置換を含むヒトIL−15を表す。種々の実施形態において、IL−15バリアントは、IL−15Rαポリペプチドと結合し、IL−15のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能する。種々の実施形態において、アゴニスト活性を有するIL−15バリアントは、スーパーアゴニスト活性を有する。種々の実施形態において、IL−15バリアントは、IL−15Rαとの結び付きとは無関係に、IL−15のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能できる。IL−15アゴニストは、野生型IL−15と比較した場合の同等または増加した生物活性により例証される。IL−15アンタゴニストは、野生型IL−15と比較した場合の生物活性の減少、またはIL−15介在反応を阻害する能力により例証される。種々の実施形態において、IL−15バリアントは、増加または減少した活性で、IL−15Rβγ受容体に結合する。種々の実施形態において、IL−15バリアントの配列は、ネイティブIL−15配列と比較した場合に、少なくとも1つのアミノ酸変化、例えば置換または欠失、を有し、このような変化により、IL−15アゴニスト活性またはIL−15アンタゴニスト活性が得られる。種々の実施形態において、アミノ酸置換/欠失は、IL−15Rβおよび/またはγと相互作用するIL−15のドメイン内にある。種々の実施形態において、アミノ酸置換/欠失は、IL−15Rαポリペプチドへの結合性にも、IL−15バリアントの産生にも、影響を与えない。IL−15バリアントを作製するのに好適なアミノ酸置換/欠失は、既知のIL−15構に基づいて、IL−15と構造既知のIL−2などの類似分子との比較に基づいて、本明細書で提供されるような、合理的もしくは無作為の変異誘発と機能分析を通じて、または他の経験的方法を通じて、特定することができる。さらに、好適なアミノ酸置換は、保存的な変化および追加のアミノ酸の挿入とすることもできるし、非保存的な変化および追加のアミノ酸の挿入とすることもできる。種々の実施形態において、本発明のIL−15バリアントは、配列番号2に記載の成熟ヒトIL−15配列の30位、31位、32位、62位、63位、67位、68位、または108位に、1または2以上のアミノ酸置換/欠失を含有する。種々の実施形態において、D30T(「D30」は、ネイティブ成熟ヒトIL−15配列内のアミノ酸「D」と残基位置「30」位を指し、「T」はIL−15バリアント内のその位置における置換後のアミノ酸残基を指す)置換、V31Y置換、H32E置換、T62D置換、I68F置換、またはQ108M置換は、アンタゴニスト活性を有するIL−15バリアントを生じ、S58D置換は、アゴニスト活性を有するIL−15バリアントを生じる。
種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、111位〜114位に欠失があるヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号39)となる。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、109位〜114位に欠失があるヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号40)となる。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、108位〜114位に欠失があるヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号41)となる。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、105位〜114位に欠失があるヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号42)となる。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、N95位の後に「GS」挿入を有するヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号43)となる。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、N95位の後に「GGSGG」挿入を有するヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号44)となる。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ドメインは、N95位の後に「GSSGGSGGS」挿入を有するヒトIL−15バリアントポリペプチド(配列番号45)となる。
Fcドメイン
IgGクラスの免疫グロブリンはヒト血液中で最も豊富なタンパク質である。IgGクラス免疫グロブリンの循環血中半減期は21日間もの長さに達し得る。IgGのFc領域を種々のサイトカインや受容体などの別のタンパク質のドメインと組み合わせた、融合タンパク質の報告がある(例えば、Caponら、Nature、337巻:頁525−531、1989年;Chamowら、Trends Biotechnol.、14巻:頁52−60、1996年);米国特許第5,116,964号および同第5,541,087号を参照)。融合タンパク質の原型は、IgGのFcのヒンジ領域内のシステイン残基を介して連結された、重鎖の可変領域およびCH1ドメインと軽鎖がないIgG分子に似た分子となった、ホモ二量体タンパク質である。Fcドメインを含む融合タンパク質の二量体特性は、他の分子とのより高次の相互作用(すなわち二価または二重特異的結合)を実現する際に有利となり得る。構造的な相同性により、Fc融合タンパク質は、同様のアイソタイプをもつヒトIgGと同等のインビボ薬物動態プロファイルを示す。
用語「Fc」は、単量体形態であっても多量体形態であってもよい、全長抗体の非抗原結合性断片の配列を含む分子または配列を指す。ネイティブFcのオリジナルとなる免疫グロブリン供給源は、ヒト由来のものが好ましく、任意の免疫グロブリンであってよい。ネイティブFcは、共有結合的結合(すなわち、ジスルフィド結合)および非共有結合的結合により、連結されて二量体形態または多量体形態になり得る、単量体ポリペプチドから構成される。ネイティブFc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(例えば、IgG、IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に応じて、1〜4の幅がある。ネイティブFcの一例として、IgGのパパイン分解から生じるジスルフィド結合二量体がある(Ellisonら、(1982年)、Nucleic Acids Res.、10巻:頁4071−9)。用語「ネイティブFc」とは、本明細書で使用される場合、単量体形態、二量体形態、および多量体形態の総称である。プロテインAに対する結合部位、プロテインGに対する結合部位、種々のFc受容体に対する結合部位、および補体タンパク質に対する結合部位を含有するFcドメイン。
種々の実施形態において、用語「Fcバリアント」とは、ネイティブFcから改変を受けたが、サルベージ受容体であるFcRnに対する結合部位を尚も含んでいる、分子または配列を指す。国際公開第97/34631号(1997年9月25日に公開)および国際公開第96/32478号には、例示的なFcバリアント、およびサルベージ受容体との相互作用に関する記載があり、当該国際公開は参照により本明細書に援用される。さらに、ネイティブFcは、本発明の融合分子には必要とされない構造的特徴または生物活性を与えることから、除去されてもよい部位を含む。すなわち、種々の実施形態においては、用語「Fcバリアント」は、以下に影響または関与する1または複数のネイティブFc部位または残基を欠く分子または配列を含む:(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との不適合性、(3)選択された宿主細胞における発現後のN末端の異種性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または、(7)抗体依存性細胞傷害(ADCC)。
用語「Fcドメイン」は、上記で定義された、ネイティブFcおよびFcバリアントの分子および配列を包含する。FcバリアントおよびネイティブFcと同様、用語「Fcドメイン」は、全長抗体から消化された、または組換え遺伝子発現もしくは他の手段で生成された、単量体形態または多量体形態の、分子を包含する。
一つの態様では、本発明のIL−15融合タンパク質は、IL−15/IL−15RαSushi複合体と、当該IL−15/IL−15RαSushi複合体に直接またはペプチドリンカー配列を介して結合している少なくとも1つの異種タンパク質と、を含むことにより、IL−15融合タンパク質を形成している。本明細書で使用される場合、用語「融合タンパク質」とは、組換えDNA技術により結合された異種ポリペプチドを有するタンパク質を指す。種々の実施形態において、異種タンパク質はFcドメイン(またはその機能性断片)であり、得られる融合タンパク質はIL−15/IL−15RαSushi複合体−Fc融合タンパク質である。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体は、融合分子に延長された半減期を与える少なくとも1つのポリペプチドに融合されている。このようなポリペプチドとしては、IgG Fcもしくは新生児Fcγ/受容体に結合する他のポリペプチド、ヒト血清アルブミン、または、FcRnに対する定常ドメインもしくは断片の親和性を増大させる1もしくは複数のアミノ酸改変を有する、IgG定常ドメイン、もしくはFcRnと結合するその一部の存在によって、延長されたインビボ半減期を有する、IgG、IgG以外の免疫グロブリン、タンパク質、および非タンパク質薬剤をはじめとする、長い血中半減期を有するタンパク質に結合するポリペプチド、が挙げられる。このような、延長された半減期を有するタンパク質および分子は、そのような分子の治療的、予防的、または診断的な使用において、必要とされる量および/または投与頻度が少なくなるという利点がある(例えば、米国特許第7,658,921号参照)。種々の実施形態において、Fcドメインは、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択されるか、またはこれらの任意の組み合わせである。種々の実施形態において、Fcドメインは、補体結合特性またはFc受容体結合特性が変化したFcドメインをもたらすアミノ酸変化を含む。補体結合特性またはFc受容体結合特性が変化したFcドメインを生成するアミノ酸変化は、当該技術分野において公知である。
種々の実施形態において、二量体型IL−15/IL−15Rα複合体−Fc融合タンパク質の作製に使用されるFcドメイン配列は、以下の配列番号6に記載のヒトIgG1−Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号6)、
配列番号6は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
種々の実施形態において、一価IL−15/IL−15Rα複合体−Fc融合タンパク質の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、以下の配列番号7に記載のKnob−Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号7)、
配列番号7は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
種々の実施形態において、一価IL−15/IL−15Rα複合体−Fc融合タンパク質の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、以下の配列番号8に記載のHole−Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号8)、
配列番号8は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
リンカー
種々の実施形態において、異種タンパク質(例えば、Fcドメイン)は、ポリペプチドリンカー配列によって、IL−15/IL−15RαSushi複合体のIL−15ポリペプチド(またはその機能性断片)に共有結合的に連結されている。種々の実施形態において、リンカーは、二次構造が比較的少ない、5個、10個、15個、20個、30個、40個(またはその間の数字)、またはそれ以上のアミノ酸からなる人工配列であり得る。種々の実施形態において、リンカーは、G/S含量が豊富である(例えば、リンカー内の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、またはそれ以上のアミノ酸がGまたはSである)。種々の実施形態において、リンカーは、配列番号9〜12および配列番号47に記載の配列の群から選択される。各々のペプチドリンカー配列は独立して選択できる。
新規のIL−15/IL−15RαSushi複合体−Fc融合タンパク質の例
種々の実施形態において、本発明のIL−15/IL−15RαSushiヘテロ二量体Fc融合タンパク質(以後、「P−0153」とも称する)は、下記の配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号13)、
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;
下記の配列番号14に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号14)
(ここで、IL−15Rα−Sushi+ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15/IL−15RαSushiヘテロ二量体Fc融合タンパク質(以後、「P−0156」とも称する)は、下記の配列番号15に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Hole−Fc):
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号15)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;
下記の配列番号16に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+−リンカー−Knob−Fc):
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)
(ここで、IL−15Rα−Sushi+ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15/IL−15RαSushiヘテロ二量体Fc融合タンパク質(以後、「P−0155」とも称する)は、下記の配列番号18に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号18)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;
下記の配列番号17に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号17)
(ここで、IL−15Rα−Sushi+ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15−Fc融合タンパク質(以後、「P−0162」とも称する)は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole Fc−リンカー−IL−15)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15−Fc融合タンパク質(以後、「P−0167」とも称する)は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole Fc−リンカー−IL−15)と、下記の配列番号55に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+)と、を含む:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号55)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0197」とも称する)は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15)と、配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0198」とも称する)は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15)と、配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号55に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0201」とも称する)は、配列番号15に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Hole−Fc)と、配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0207」とも称する)は、配列番号18に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15)と、配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0217」とも称する)は、下記の配列番号54に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号54)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)複合体−Fc融合タンパク質(以後、「P−0219」とも称する)は、配列番号54に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15)と、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15R𝛼−ECD)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0221」とも称する)は、下記の配列番号19に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Hole−Fc):
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号:19)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0222」とも称する)は、配列番号19に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Hole−Fc)と、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−ECD)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0234」とも称する)は、下記の配列番号20に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Fc−リンカー−IL−15):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号20)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;
配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0223」とも称する)は、下記の配列番号21に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Fc):
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号21)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;
配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0220」とも称する)は、配列番号20に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Fc−リンカー−IL−15)と、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−ECD)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0224」とも称する)は、配列番号21に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Fc)と、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−ECD)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質(以後、「P−0165」とも称する)は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15)と、配列番号14に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Hole−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質(以後、「P−0166」とも称する)は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15)と、下記の配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号22)
(ここで、IL−15RαSushiドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Hole−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質(以後、「P−0218」とも称する)は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15)と、下記の配列番号23に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号23)
(ここで、IL−15RαSushiドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と、を含む。
種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi複合体は、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、および配列番号45に記載の配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するIL−15バリアントを含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0313」とも称する)は、下記の配列番号46に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Fc−リンカー−IL−15−S58D):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号46)
(ここで、IL−15 S58Dバリアント配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15RαSushi)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明のIL−15/IL−15RαSushi複合体−Fc融合タンパク質(以後、「P−0314」とも称する)は、配列番号23に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号24に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15 S58D)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0666」とも称する)は、下記の配列番号48に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(Hole−Fc−リンカー−IL−15−S58D):
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号48)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0667」とも称する)は、下記の配列番号49に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−S58D−リンカー−Hole−Fc):
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号49)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Knob−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15/IL−15RαSushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質(以後、「P−0668」とも称する)は、下記の配列番号50に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15−リンカー−Fc):
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号50)
(ここで、IL−15ドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;
配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質(以後、「P−0669」とも称する)は、配列番号24に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15 S58D)と、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(Knob−Fc−リンカー−IL−15Rα−Sushi+)と、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Hole−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の一価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質(以後、「P−0670」とも称する)は、配列番号24に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15 S58D)と、下記の配列番号51に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+−リンカー−Knob−Fc):
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号51)
(ここで、IL−15RαSushiドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と;配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する第3鎖(Hole−Fc)と、を含む。
種々の実施形態において、本発明の二価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質(以後、「P−0671」とも称する)は、配列番号24に記載のアミノ酸配列を有する第1鎖(IL−15 S58D)と、下記の配列番号52に記載のアミノ酸配列を有する第2鎖(IL−15Rα−Sushi+−リンカー−Fc):
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号52)
(ここで、IL−15RαSushiドメイン配列は下線が引かれており、ペプチドリンカー配列は太字となっている)と、を含む。
ポリヌクレオチド
別の態様において、本開示は、本開示の、IL−15、IL−15バリアント、IL−15Rα、IL−15Rαバリアント、Fc、Fcバリアント、IL−15−Fc融合タンパク質、IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質、またはIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。主題の核酸は一本鎖であっても二本鎖であってもよい。このような核酸はDNA分子であってもRNA分子であってもよい。DNAとしては、例えば、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、PCRで増幅されたDNA、およびこれらの組み合わせが挙げられる。IL−15/IL−15RαSushi複合体をコードするゲノムDNAは、多くの種に対応したゲノムライブラリーから得られる。合成DNAは、重複するオリゴヌクレオチド断片を化学合成した後、それらの断片をアセンブルし、コード領域および隣接配列の一部または全部を再構成することにより得られる。RNAは、T7プロモーターを用いたベクターなどの高レベルのmRNA合成を指示する原核生物発現ベクターと、RNAポリメラーゼとから得ることができる。cDNAは、IL−15を発現する種々の組織から単離されたmRNAから調製されたライブラリーから得られる。本開示のDNA分子は、完全長遺伝子だけでなく、ポリヌクレオチドやその断片も包含する。完全長遺伝子は、N末端シグナル配列をコードする配列も包含し得る。このような核酸が、新規IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質を作製するための方法などで使用され得る。種々の実施形態において、上記の核酸分子は配列番号56〜63に記載のヌクレオチド配列を含む。
種々の実施形態において、単離された核酸分子は、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含み、さらに、本明細書に記載の少なくとも1つの異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。種々の実施形態において、上記の核酸分子は、本明細書に記載のリンカーまたはヒンジリンカーをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。
種々の実施形態において、本開示の組換え核酸は、発現コンストラクト内の1または複数の制御ヌクレオチド配列に機能的に連結されていてもよい。制御配列は、当該技術分野において承認されたもので、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質の発現を指示するように選択される。すなわち、制御配列という用語には、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメントが包含される。例示的な制御配列が、Goeddel;Gene Expression Technology: Methods in Enzymology、アカデミックプレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州(1990)に記載されている。典型的には、上記の1または複数の制御ヌクレオチド配列として、プロモーター配列、リーダー配列またはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始配列および転写終結配列、翻訳開始配列および翻訳終結配列、並びにエンハンサー配列またはアクチベーター配列を含むことができるが、これらに限定はされない。当該技術分野において公知の構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターが、本開示により企図されている。プロモーターは、天然プロモーターであってもよいし、あるいは、2つ以上のプロモーターエレメントを組み合わせたハイブリッドプロモーターであってもよい。発現コンストラクトは、プラスミドなどの、細胞内またはエピソーム内に存在するものであってもよいし、あるいは、発現コンストラクトを染色体に挿入してもよい。種々の実施形態において、形質転換宿主細胞のセレクションを可能とするために、発現ベクターは選択マーカー遺伝子を含む。選択マーカー遺伝子は当該技術分野において周知であり、使用される宿主細胞によって異なる。
本開示の別の態様において、主題の核酸は、IL−15/IL−15RαSushi複合体をコードしている、少なくとも1つの制御配列に機能的に連結されたヌクレオチド配列を含む発現ベクター内にある状態で、提供される。用語「発現ベクター」は、ポリヌクレオチド配列からポリペプチドを発現させるための、プラスミド、ファージ、ウイルス、またはベクターを指す。宿主細胞における発現に好適なベクターは容易に利用可能なものであり、ベクターへの核酸分子の挿入は標準的な組換えDNA技術を用いて行われる。そのようなベクターには、作動可能なように連結されている場合にDNA配列の発現を調節する、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質をコードするDNA配列を発現させるためにこれらのベクターに用いることができる、種々様々な発現調節配列を含ませることができる。このような有用な発現調節配列としては、例えば、SV40の初期プロモーターおよび後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルスの前初期プロモーター、RSVプロモーター、lac系、trp系、TAC系またはTRC系、T7RNAポリメラーゼによって発現が指示されるT7プロモーター、λファージの主要なオペレーター領域およびプロモーター領域、fdコートタンパク質に対する調節領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の解糖酵素に対するプロモーター、酸性ホスファターゼ(例えば、PhoS)のプロモーター、酵母α接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系の多角体プロモーター、並びに、原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を調節することが知られている他の配列、並びにこれらの種々の組み合わせ、が挙げられる。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択および/または発現が所望されるタンパク質の種類などの要因によって異なる場合があることは理解されよう。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を調節する能力、および当該ベクターにコードされる任意の他のタンパク質(抗生物質マーカーなど)の発現についても、考慮がなされるべきである。
クローニングされた遺伝子またはその一部を、原核細胞もしくは真核細胞(酵母細胞、鳥類細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞)のいずれか、またはその両方での発現に好適なベクターにライゲーションすることで、本開示の組換え核酸を産生させることが可能となる。組換えIL−15/IL−15RαSushi複合体を産生させるための発現用溶媒は、プラスミドと他のベクターを含む。例えば、好適なベクターとしては、大腸菌などの原核細胞における発現用の、以下の各種プラスミドが挙げられる:pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミド、およびpUC由来プラスミド。
哺乳類発現ベクターの中には、細菌内のベクターの増殖を促進する原核生物性配列と、真核細胞で発現される1または複数の真核生物性転写単位とを、両方含有するものがある。pcDNAI/amp由来ベクター、pcDNAI/neo由来ベクター、pRc/CMV由来ベクター、pSV2gpt由来ベクター、pSV2neo由来ベクター、pSV2−dhfr由来ベクター、pTk2由来ベクター、pRSVneo由来ベクター、pMSG由来ベクター、pSVT7由来ベクター、pko−neo由来ベクター、およびpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳類発現ベクターの例である。これらのベクターのいくつかは、原核細胞および真核細胞の両方における複製および薬剤耐性セレクションを促すための、pBR322などの細菌性プラスミド由来の配列による改変を受けている。あるいは、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現のために、ウシパピローマウイルス(BPV−1)、またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo、pREP由来、およびp205)などのウイルスの誘導体を用いることができる。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、下記の遺伝子治療送達系の説明に見出すことができる。プラスミドの調製および宿主生物の形質転換で使用される種々の方法は、当該技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞の両方に好適な他の発現系、並びに一般的な組換え法については、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook、Fritsch、およびManiatis(編)(コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局、1989年)、16章および17章を参照されたい。場合によっては、バキュロウイルス発現系を使用して組換えポリペプチドを発現することが望ましいことがある。そのようなバキュロウイルス発現系の例としては、pVL由来ベクター(pVL1392、pVL1393、およびpVL941など)、pAcUW由来ベクター(pAcUW1など)、およびpBlueBac由来ベクター(B−gal含有pBlueBacIIIなど)が挙げられる。
種々の実施形態において、主題のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質をCHO細胞で産生させるためのベクターが設計されることとなり、例えば、Pcmv−Scriptベクター(ストラタジーン社、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)、pcDNA4ベクター(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)、およびpCI−neoベクター(プロメガ社、マディソン、ウィスコンシン州)などである。後述するように、主題の遺伝子コンストラクトを用いて、培養液中で増殖された細胞において主題のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質の発現を引き起こし、例えば、タンパク質(融合タンパク質またはバリアントタンパク質を含む)を産生させ、精製を行うことができる。
本開示はまた、1または複数の主題のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子をトランスフェクトされた宿主細胞に関する。宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、本開示のIL−15/IL−15RαSushi複合体は、大腸菌などの細菌細胞で発現されてもよく、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用)で発現されてもよく、酵母で発現されてもよく、あるいは哺乳類細胞で発現されてもよい。他の好適な宿主細胞が当業者に公知である。
これを受けて、本開示はさらに、主題のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質を産生する方法に関する。例えば、IL−15/IL−15RαSushi複合体をコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を適切な条件下で培養することにより、IL−15/IL−15RαSushi複合体を発現させることができる。IL−15/IL−15RαSushi複合体は、分泌後、当該IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質を含有する細胞および培地の混合物から単離することができる。あるいは、IL−15/IL−15RαSushi複合体を細胞質または膜画分に保持させ、細胞を回収、溶解し、上記タンパク質を単離してもよい。細胞培養液には宿主細胞、培地、および他の副生成物が含まれる。細胞培養に好適な培地は当該技術分野において周知のものである。
本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、当業者に周知のタンパク質精製法に従って精製することができる。これらの方法は、あるレベルでの、タンパク質性画分と非タンパク質性画分の粗分画を含む。ペプチドポリペプチドを他のタンパク質から分離した後、目的のペプチドまたはポリペプチドをクロマトグラフ法および電気泳動法によりさらに精製することで、部分的または完全な精製(すなわち均一になるまでの精製)を達成することができる。「単離されたポリペプチド」または「精製されたポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドがその天然で入手可能な状態に対し任意の程度精製されている、他の成分から単離可能な組成物を指すことが意図されている。精製されたポリペプチドとは、そのため、それを天然に生じ得る環境から分離されたポリペプチドも指す。一般に、「精製された」とは、分画を受けて種々の他成分を除去された、発現されたその生物活性を実質的に保持している、ポリペプチド組成物を指す。用語「実質的に精製された」が用いられている場合、この呼称は、ポリペプチドまたはペプチドが組成物の主成分を形成している、例えば、組成物中のタンパク質の約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、または約90%以上を構成している、ペプチド組成物またはポリペプチド組成物を指す。
精製に用いるのに好適な種々の方法は、当業者に周知なものである。これらの方法としては、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体(免疫沈降)などを用いた沈降、または熱変性による沈降の後に、遠心分離;アフィニティークロマトグラフィー(プロテインAカラム)、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー;等電点電気泳動;ゲル電気泳動;これらの方法の組み合わせ、を行うことが挙げられる。当該技術分野では周知のことであるが、種々の精製工程を実行する順番は変更しても、あるいは、ある特定の工程を省いても、尚も、実質的に精製されたポリペプチドを調製するのに好適な方法となり得ると考えられる。
医薬組成物
別の態様において、本開示は、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む、医薬組成物を提供する。そのような薬剤的に許容できる担体は、当業者に周知で理解されるものであり、広範に説明がなされている(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、A.R.Gennaro(編)、マック出版社、1990年を参照)。薬剤的に許容できる担体は、組成物のpH、モル浸透圧濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解速度、遊離速度、吸着性、または浸透性などを変化、維持または保存する目的で含まれ得る。このような医薬組成物は、当該ポリペプチドの物理的状態、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響し得る。好適な薬剤的に許容できる担体(carrier)としては、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジンなど);抗菌剤;抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝剤(ホウ酸塩、炭酸水素塩、トリス塩酸、クエン酸塩、リン酸塩、他の有機酸など);増量剤(bulking agent)(マンニトールまたはグリシンなど)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなど);充填剤(filler);単糖類;二糖類および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど);着色剤;着香剤および希釈剤(diluting agent);乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩形成性対イオン(ナトリウムなど);保存剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトールまたはソルビトールなど);懸濁化剤;界面活性剤または湿潤剤(プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール(tyloxapal)など);安定化剤(スクロースまたはソルビトール);等張化剤(tonicity enhancing agent)(ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトール ソルビトールなど);送達担体(delivery vehicle);賦形剤(diluent);医薬品添加物(excipient)、および/または補助剤(pharmaceutical adjuvant)が挙げられるが、これらに限定はされない。
医薬組成物中の主要な溶媒または担体は、本質的に水性であっても非水性であってもよい。例えば、好適な溶媒または担体は、注射用蒸留水であってもよく、生理的食塩水であってもよく、人工脳脊髄液であってもよく、非経口投与用の組成物に通常含まれる他の物質を添加することができる。さらなる例示的な溶媒として、血清アルブミンを混合した中性緩衝生理食塩水または生理食塩水がある。他の例示的な医薬組成物は、約pH7.0〜8.5のトリス緩衝液、または約pH4.0〜5.5の酢酸緩衝溶液を含み、当該緩衝液にはソルビトールまたはその好適な代替物をさらに含ませてもよい。本開示の1つの実施形態において、所望の純度を有する選択された組成物を任意の製剤化剤(formulation agent)(Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記)と混合することによって、凍結乾燥ケークまたは水溶液の形態で、保存用に、組成物を調製してもよい。さらに、治療用組成物は、スクロースなどの適切な医薬品添加物を用いて、凍結乾燥物として製剤化してもよい。最適な医薬組成物は、意図された投与経路、送達様式、および目的の用量などに基づいて、当業者によって決定される。
非経口投与が企図される場合、治療用医薬組成物は、薬剤的に許容できる溶媒中に所望のIL−15/IL−15RαSushi複合体を含む、発熱物質を含まない非経口投与において許容される水溶液の形態であり得る。特に好適な非経口注射用溶媒は滅菌蒸留水であり、滅菌蒸留水中では、ポリペプチドは適切に保存された無菌の等張液として製剤化される。種々の実施形態において、注射投与に好適な医薬製剤が、水溶液中で製剤化され得るが、ハンクス液、リンゲル液、または生理的緩衝食塩水などの生理的に適合性の緩衝液中で製剤化されることが好ましい。水性の注射用懸濁液には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、当該懸濁液の粘度を増加させる物質を含有させてもよい。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性の注射用懸濁液として調製してもよい。所望により、懸濁液には、好適な安定剤、すなわち、化合物の溶解性を増加させることで高度に濃縮された溶液の調製を可能にする薬剤、を含有させてもよい。
種々の実施形態において、治療用医薬組成物は、コロイド分散系を用いた標的化送達用に製剤化され得る。コロイド分散系としては、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、並びに、水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質をベースとした系が挙げられる。リポソーム生成で有用な脂質の例としては、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミンなどのホスファチジル化合物、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシドが挙げられる。例示的なリン脂質としては、卵ホスファチジルコリン(egg phosphatidylcholine)、ジパルミトイルホスファチジルコリン、およびジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。リポソームのターゲティングは、例えば、臓器特異性、細胞特異性、および細胞小器官特異性に基づいても可能であり、当該技術分野において公知である。
種々の実施形態において、医薬組成物の経口投与が企図される。この様式で投与される医薬組成物は、錠剤およびカプセル剤などの固体剤形の調剤で通例使用される担体を含ませて製剤化することもできるし、含ませずに製剤化することもできる。経口投与用の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖剤、散剤、粒剤など)では、1または複数の本開示の治療用化合物を、1または複数の薬剤的に許容できる担体と混合してよく、例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または下記のうち任意のものである:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent);(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリン粘土およびベントナイト粘土などの吸着剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤;並びに、(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、医薬組成物は緩衝剤を含んでいてもよい。ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの医薬品添加物を用いた、軟ゼラチンカプセル中および硬ゼラチンカプセル中の充填剤として、同様の種類の固体組成物を使用してもよい。経口投与用の液体剤形としては、薬剤的に許容できる乳剤、マイクロエマルション、水剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体剤形には、当該技術分野において一般に使用される不活性な賦形剤を含有させてもよく、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(具体的には、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物などである。不活性な賦形剤に加えて、経口用組成物には、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、着香剤、着色剤、芳香剤、および保存剤などの補助剤を含ませることができる。
種々の実施形態において、医薬組成物の皮膚または粘膜への局所投与が企図される。局所製剤には、皮膚浸透促進剤または角質層浸透促進剤として有効であると知られている各種薬剤のうちの1または複数をさらに含ませてもよい。これらの例としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、およびアゾン(azone)がある。製剤を美容上許容できるものにするために、追加の薬剤をさらに含ませてもよい。これらの例としては、脂肪、ろう、油、色素、香料、保存剤、安定剤、および界面活性剤がある。当該技術分野において公知のものなどの、角質溶解薬を含ませてもよい。例としてはサリチル酸および硫黄がある。局所的投与用または経皮投与用の剤形としては、散剤、噴霧剤、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、水剤、貼付剤、および吸入剤が挙げられる。活性化合物は、無菌条件下で、薬剤的に許容できる基剤(carrier)と、必要な場合、任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合してよい。軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤には、本開示の主題の化合物(例えば、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質)の他に、動物性脂肪、植物性脂肪、油、ろう、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛などの医薬品添加物、またはこれらの混合物、を含有させてもよい。
本明細書における使用が企図される追加の医薬組成物としては、持続送達製剤または送達制御製剤において、ポリペプチドを含む製剤が挙げられる。種々の実施形態において、医薬組成物は、徐放性ハイドロゲルとしてナノ粒子中に配合されていてもよいし、あるいは、腫瘍溶解性ウイルスに組み入れられていてもよい。リポソーム担体、生体内分解性の微小粒子または多孔質ビーズ、およびデポ剤などの、種々の他の持続送達手段または制御送達手段を製剤化するための方法も、当業者に公知である。
治療的に使用される医薬組成物の有効量は、治療の内容および目的などによって異なる。すなわち、当業者には理解されることであるが、治療に適した用量レベルは、部分的には、送達される分子、ポリペプチドが使用される予定の適応症、投与経路、並びに、患者のサイズ(体重、体表面、または臓器サイズ)および状態(年齢、および全体的な健康)に応じて変動することとなる。このため、臨床医は、最適な治療効果を得るために、用量設定と、投与経路の変更を行うことができる。典型的な用量は、上記の要因に応じて、約0.0001mg/kg〜約100mg/kgまたはそれ以上の範囲を取り得る。好ましくは、ポリペプチド組成物を皮下または静脈内に注射または投与してもよい。持効性の医薬組成物を、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、3日〜4日毎、毎週、隔週、または毎月、投与してもよい。投与頻度は、使用される製剤でのポリペプチドの薬物動態パラメーターに依存することとなる。典型的には、組成物は、目的の効果を達成する用量に達するまで投与される。組成物は、そのため、単回投与として投与されてもよいし、あるいは長期に亘る複数回投与(投与当たり同じまたは異なる濃度)として投与されてもよいし、あるいは持続点滴として投与されてもよい。適切な投与量のさらなる改善が定期的に行われる。適切な用量反応データを用いて、適切な投与量を確認してもよい。
医薬組成物の投与経路は、公知の方法に従うものであり、例えば、経口、静脈内経路、腹腔内経路、腫瘍内経路、脳内経路(脳実質内経路)、脳室内経路、筋肉内経路、眼内経路、動脈内経路、門脈内経路、病巣内経路による注射、髄内、くも膜下腔内、膀胱内、心室内、経皮、皮下、もしくは腹腔内;並びに、鼻腔内手段、経腸手段、局所的手段、舌下手段、経尿道手段、経膣手段、もしくは経直腸手段、持続放出系、または埋込デバイスによる投与経路である。所望により、組成物は、ボーラス投与で投与してもよいし、点滴で持続的に投与してもよいし、あるいは、埋込デバイスにより投与してもよい。あるいはまたはさらに、組成物は、目的分子が吸着または封入されている膜、スポンジ、または別の適切な材料の埋め込みによって、局所的に投与してもよい。埋込デバイスが使用される場合、デバイスは任意の好適な組織または臓器に埋め込むことができ、目的分子の送達は、拡散、時限放出ボーラス(timed−release bolus)、または連続投与を介してもよい。
治療用途
本開示は、対象におけるがん細胞を治療する方法であって、上記対象に、薬剤的に許容できる担体中の、治療有効量(単独療法レジメンとして、または併用療法レジメンにおいて)の本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質を投与することを含み、そのような投与によってがん細胞の成長および/または増殖が阻害される、上記方法を提供する。特に、本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質は、がんとして特徴付けられる障害を治療する際に有用である。このような障害としては、固形腫瘍、例えば、乳がん、気道がん、脳がん、生殖器がん、消化管がん、尿路がん、眼がん、肝臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、およびこれらの遠隔転移、リンパ腫、肉腫、多発性骨髄腫、並びに白血病が挙げられるが、これらに限定はされない。乳がんの例としては、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、乳管内上皮内癌、および非浸潤性小葉癌が挙げられるが、これらに限定はされない。気道のがんの例としては、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支腺腫、および胸膜肺芽腫が挙げられるが、これらに限定はされない。脳がんの例としては、脳幹神経膠腫、視床下部神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、神経芽細胞腫、髄芽腫、上衣腫、神経外胚葉性腫瘍、および松果体腫瘍が挙げられるが、これらに限定はされない。男性生殖器の腫瘍としては、前立腺がんおよび精巣がんが挙げられるが、これらに限定はされない。女性生殖器の腫瘍としては、子宮内膜がん、子宮頸部がん、卵巣がん、膣がん、および外陰がん、並びに子宮肉腫が挙げられるが、これらに限定はされない。消化管の腫瘍としては、肛門がん、結腸がん、大腸がん、食道がん、胆嚢がん、胃がん、肝がん、乳がん、膵がん、直腸がん、小腸がん、および唾液腺がんが挙げられるが、これらに限定はされない。尿路の腫瘍としては、膀胱がん、陰茎がん、腎がん、腎盂がん、尿管がん、および尿道がんが挙げられるが、これらに限定はされない。眼がんとしては、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定はされない。肝がんの例としては、肝細胞癌(線維層板状異型を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、および肝細胞癌と胆管癌の混合型が挙げられるが、これらに限定はされない。皮膚がんとしては、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、および非黒色腫皮膚がんが挙げられるが、これらに限定はされない。頭頸部がんとしては、鼻咽腔がん、並びに唇および口腔のがんが挙げられるが、これらに限定はされない。リンパ腫としては、エイズ関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が挙げられるが、これらに限定はされない。肉腫としては、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられるが、これらに限定はされない。白血病としては、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、および毛様細胞性白血病が挙げられるが、これらに限定はされない。ある実施形態において、がんは、アクチビンA、ミオスタチン、TGF−β、およびGDF15などのTGF−βファミリーメンバーの発現量が多いがんとなり、例えば、膵がん、胃がん、卵巣がん、大腸がん、メラノーマ 白血病、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、および頭頸部がんである。
本開示は、補助療法として既存のがん治療の治療効果を増強することを通じて、難治性または抵抗性の液性腫瘍または固形腫瘍を治療する方法を提供する。
本開示はまた、対象におけるA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV感染症におけるエイズ、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、性器疣贅などを含むウイルス感染症を治療する方法であって、それを必要としているヒト患者に、薬剤的に許容できる担体中の本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質を投与することを含み、そのような投与によってウイルスの増殖および/または複製が阻害される、上記方法を提供する。
「治療有効量」または「治療有効用量」とは、治療予定の障害の1または複数の症状をある程度軽減する、投与予定の治療薬の量を指す。
初めに、IC50測定により、細胞培養アッセイから治療有効量が評価され得る。次に、動物モデルにおいて、細胞培養液中で測定された上記IC50を含む循環血漿中濃度範囲を達成するように、用量が製剤化され得る。そのような情報を用いることで、ヒトで有用な用量をより正確に求めることができる。血漿中レベルがHPLCなどによって測定され得る。対象の状態を鑑みて、個々の医師により、的確な組成、投与経路、および用量が選択され得る。
投与計画は最適な所望の反応(例えば、治療的反応または予防的反応)が得られるように調整できる。例えば、単回ボーラス投与が行われ、何回かの分割量(複数回投与量または反復投与量または維持投与量)が長期に亘って投与され、治療状況の必要性に比例して用量が増減され得る。投与のしやすさと投与量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが、特に有利である。投薬単位形態とは、本明細書で使用される場合、治療される哺乳類対象に対する統一された用量として適した物理的に分離している単位を指し、それぞれの単位は必要な医薬担体と併せて目的の治療効果を生むと計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の投薬単位形態の規格は、主に、抗体の独自の特徴、および達成されるべき特定の治療効果または予防効果によって決定される。
すなわち、当業者には理解されることであるが、本明細書に提供される開示に基づいて、用量および投与計画は当該治療分野で周知の方法に従って調整される。すなわち、最大耐量を容易に確立でき、検出可能な治療効果を対象に与える有効量も決定でき、同様に、検出可能な治療効果を対象に与えるようにそれぞれの薬剤を投与するための時間的要件も決定できる。よって、本明細書にはある特定の用量および投与計画が例示されているが、これらの例は、本開示を実施する際に対象に与えられ得る用量および投与計画を何ら限定するものではない。
なお、用量の値は、改善されるべき状態の種類および重症度によって異なり、単回用量または反復用量を含み得る。さらには、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投与計画は、個々の必要性や組成物の投与を管理または監督する人の専門家としての判断に従って長期間に亘って調整されるべきということ、並びに、本明細書に記載された用量範囲は例示のみを目的としており、特許請求された組成物の範囲や実践を限定する意図はないことも、理解されたい。さらに、本開示の組成物を用いた投与計画は、疾患の種類、対象の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重症度、投与経路、および使用される特定の抗体を含む様々な要因に基づかせてもよい。すなわち、投与計画は多様であり得るが、標準的な方法を用いてルーチンに決定できる。例えば、用量は薬物動態パラメーターまたは薬力学的パラメーターに基づいて調整され得るが、これらのパラメーターとしては、毒性作用および/または実験室値などの臨床的効果が含まれ得る。すなわち、本開示は、当業者によって求められる、対象者内用量漸増を包含する。適切な用量および投与計画の決定は、関連技術分野で周知であり、本明細書で開示された教示が提供されれば当業者に達成されることは理解される。
治療有効量または予防有効量の本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質の、例示的であり非限定的な一日量の範囲は、0.0001〜100mg/kg体重、0.0001〜90mg/kg体重、0.0001〜80mg/kg体重、0.0001〜70mg/kg体重、0.0001〜60mg/kg体重、0.0001〜50mg/kg体重、0.0001〜40mg/kg体重、0.0001〜30mg/kg体重、0.0001〜20mg/kg体重、0.0001〜10mg/kg体重、0.0001〜5mg/kg体重、0.0001〜4mg/kg体重、0.0001〜3mg/kg体重、0.0001〜2mg/kg体重、0.0001〜1mg/kg体重、0.0010〜50mg/kg体重、0.0010〜40mg/kg体重、0.0010〜30mg/kg体重、0.0010〜20mg/kg体重、0.0010〜10mg/kg体重、0.0010〜5mg/kg体重、0.0010〜4mg/kg体重、0.0010〜3mg/kg体重、0.0010〜2mg/kg体重、0.0010〜1mg/kg体重、0.01〜50mg/kg体重、0.01〜40mg/kg体重、0.01〜30mg/kg体重、0.01〜20mg/kg体重、0.01〜10mg/kg体重、0.01〜5mg/kg体重、0.01〜4mg/kg体重、0.01〜3mg/kg体重、0.01〜2mg/kg体重、0.01〜1mg/kg体重、0.1〜50mg/kg体重、0.1〜40mg/kg体重、0.1〜30mg/kg体重、0.1〜20mg/kg体重、0.1〜10mg/kg体重、0.1〜5mg/kg体重、0.1〜4mg/kg体重、0.1〜3mg/kg体重、0.1〜2mg/kg体重、または0.1mg/kg体重、1〜50mg/kg体重、1〜40mg/kg体重、1〜30mg/kg体重、1〜20mg/kg体重、1〜10mg/kg体重、1〜5mg/kg体重、1〜4mg/kg体重、1〜3mg/kg体重、1〜2mg/kg体重、または1〜1mg/kg体重とすることができる。なお、用量の値は、改善されるべき状態の種類および重症度によって異なり得る。さらには、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投与計画は、個々の必要性や組成物の投与を管理または監督する人の専門家としての判断に従って長期間に亘って調整されるべきということ、並びに、本明細書に記載された用量範囲は例示のみを目的としており、特許請求された組成物の範囲や実践を限定する意図はないことも、理解されたい。
本開示の医薬組成物の毒性および治療指数は、LD50(集団の50%に対し致死的な用量)やED50(集団の50%に治療効果のある用量)などを求めるための、細胞培養液または実験動物における標準的な薬学的手法で求めることができる。中毒量と治療有効量との間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大きな治療指数を示す組成物が一般的に好ましい。
IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質医薬組成物の投与の投与頻度は、治療法および治療される特定の疾患の性質に応じたものとなる。対象は、毎週または毎月などの一定間隔を置いて、目的の治療結果が達成されるまで治療できる。例示的な投与頻度として、毎週1回または2回;隔週で週1回または2回;2週間毎に1回;3週間毎に1回;毎週1回を2週間、その後月1回;毎週1回を3週間、その後月1回;月1回;2か月毎に1回;3か月毎に1回;4か月毎に1回;5か月毎に1回;もしくは6か月毎に1回、または年1回が挙げられるが、これらに限定はされない。
併用療法
本明細書で使用される場合、本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と1または複数の他の治療薬とを参照した、「同時投与」、「同時投与される」、および「〜と組み合わせて」という用語は、以下を意味することが意図され、以下を指して包含する:治療を必要としている対象への本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの同時投与であって、そのような成分が合剤化されて単一剤形となり、上記各成分が実質的に同時に上記対象に放出される、同時投与;治療を必要としている対象への本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの実質的な同時投与であって、そのような成分が互いに別々に製剤化されて別々の剤形となり、それらが上記対象によって実質的に同時に摂取された際、上記各成分が実質的に同時に上記対象に放出される、実質的な同時投与;治療を必要としている対象への本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの連続投与であって、そのような成分が互いに別々に製剤化されて別々の剤形となり、それらが各投与の間にかなりの時間間隔を置いて上記対象によって連続した時間に摂取された際、上記各成分が実質的に異なる時間に上記対象に放出される、連続投与;並びに、治療を必要としている対象への本開示のIL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの連続投与であって、そのような成分が合剤化されて単一剤形となり、上記各成分が徐放的に放出される際、それらが同時および/または異なる時間に同時発生的、連続的、および/または重複的に上記対象に放出され、各部分は同じ経路または異なる経路で投与され得る、連続投与。
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法であって、免疫療法、細胞障害性化学療法、小分子キナーゼ阻害剤標的療法、外科手術、放射線療法、および幹細胞移植を包含するがこれらに限定はされない第二の治療法と組み合わせて、治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。例えば、そのような方法は、予防的に、がんの予防、外科手術後のがんの再発および転移の予防で、他の従来のがん治療法の補助療法として、用いることができる。本開示が認めるところによれば、本明細書に記載の併用法の使用を通じて、従来のがん治療法(例えば、化学療法、放射線療法、光線療法、免疫療法、および外科手術)の有効性を増強することができる。
幅広い従来化合物が抗悪性腫瘍活性を有することが示されている。これらの化合物は、固形腫瘍を退縮させる、転移とさらなる成長を抑制する、または、白血病性もしくは骨髄の悪性腫瘍における悪性T細胞の数を減少させる、化学療法における医薬品として使用されている。化学療法は様々な種類の悪性腫瘍の治療で有効であったが、多くの抗悪性腫瘍化合物は望ましくない副作用を誘導する。2種以上の異なる治療を組み合わせた場合、それらの治療が、相乗的に働いて、各治療の用量の削減を可能とすることにより、より高用量で各化合物が発現する有害な副作用が低減される場合があることが示されている。他の例では、治療に対して抵抗性の悪性腫瘍は、2種以上の異なる治療の併用療法に対して反応する場合がある。
種々の実施形態において、化学療法剤などの第二の抗がん剤が患者に投与されることとなる。例示的な化学療法剤の一覧には、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ナイトロジェンマスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、ベンダムスチン、シタラビン(CA)、5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、テニポシド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ペントスタチン、クラドリビン、シタラビン、ゲムシタビン、プララトレキサート、ミトキサントロン、ジエチルスチルベストロール(DES)、フルダラビン(fluradabine)、イホスファミド、ヒドロキシ尿素タキサン類(hydroxyureataxanes)(パクリタキセルおよびドセタキセル(doxetaxel)など)、および/または、アントラサイクリン系抗生物質、並びに、限定はされないが、DA−EPOCH、CHOP、CVP、またはFOLFOXなどの薬剤の組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、そのような化学療法剤の用量としては以下が挙げられるが、これらに限定はされない:約10mg/m、約20mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約75mg/m、約80mg/m、約90mg/m、約100mg/m、約120mg/m、約150mg/m、約175mg/m、約200mg/m、約210mg/m、約220mg/m、約230mg/m、約240mg/m、約250mg/m、約260mg/m、および約300mg/mのうちのいずれか。
種々の実施形態において、本開示の併用療法は、治療有効量の免疫療法を対象に投与することをさらに含んでもよく、例えば、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CD276、CD272、CTLA−4、PD−1、PD−L1、CD40、SIRPa、CD47、OX−40、CD137、GITR、LAG3、ICOS、CD27、4−1BB、TIM−3、B7−H4、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL−2、IL−7、IL−12、IL−21、GM−CSF、IFN−α、IFN−β、およびIFN−γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;NK細胞を用いた治療;TCR−T細胞を用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)−T細胞を用いた治療;CAR−NK細胞を用いた治療;iPS誘導NK細胞、iPS誘導TCR−T細胞、iPS誘導CAR−T細胞、またはiPS誘導CAR−NK細胞を用いた治療;樹状細胞(dendric cell)を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖された且つ/またはTCRトランスジェニックのT細胞)を用いた治療;カルメット・ゲラン桿菌(BCG)などのワクチンを用いた治療;TALL−104細胞を用いた治療;並びに、Toll様受容体(TLR)アゴニストCpGおよびイミキモドなどの免疫刺激剤を用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず、上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と免疫療法との間には相乗作用が存在する。
種々の実施形態において、併用療法は、同一の医薬組成物中で、または別々の医薬組成物中で、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質と第二の薬剤組成物とを同時に投与することを含む。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物と第二の薬剤組成物は、逐次的に投与され、すなわち、第二の薬剤組成物の投与の前または後に、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物が投与される。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物と第二の薬剤組成物の投与は同時発生的であり、すなわち、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物の投与時期と第二の薬剤組成物の投与時期は互いに重なっている。種々の実施形態において、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物と第二の薬剤組成物の投与は、同時発生的ではない。例えば、種々の実施形態においては、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物の投与は、第二の薬剤組成物が投与される前に終了される。種々の実施形態において、第二の薬剤組成物投与は、IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質組成物が投与される前に終了される。
以下の実施例は、本開示をより十分に例示するために提供されており、本開示の範囲を限定するものとは解釈されない。
実施例1
IL−15/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質の構築、発現、および精製
全ての遺伝子には、哺乳類細胞における発現用のコドン最適化を行い、合成して、レシピエント哺乳類発現ベクター(GenScript)にサブクローニングした。CMVプロモーターによってタンパク質発現が駆動され、CDSの3’末端には合成SV40ポリAシグナル配列が存在している。上記コンストラクトのN末端にはリーダー配列が設けられており、これにより、分泌のための適切なシグナル伝達とプロセシングが実行される。ポリエチレンイミン(PEI、分子量25,000、直鎖、ポリサイエンス社(Polysciences))を用いて、浮遊液中で増殖中のHEK293−F細胞を上記哺乳類発現ベクターでコトランスフェクトすることにより、上記融合タンパク質を産生させた。2種以上の発現ベクターが存在していた場合、ベクターは1:1の比でトランスフェクトされることとなる。トランスフェクションにおいては、HEK293細胞は無血清FreeStyle(商標)293 Expression Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック社(ThermoFisher))中で培養した。1000mlの振盪フラスコ(最大ワーキングボリュームは330mL)内で産生させる場合、トランスフェクションの24時間前に、HEK293細胞を0.8×10細胞/mlの密度で播種した。総量330μgのDNAに達する発現ベクターを、16.7mlのOpti−MeM培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)と混合した。16.7mlのOpti−MeM培地で希釈した0.33mgのPEIを添加した後、その混合物を15秒間ボルテックスし、次いで室温で10分間静置した。その後、このDNA/PEI液を上記細胞に添加し、8%CO雰囲気の恒温器内で37℃でインキュベートした。終濃度2mg/Lの酪酸ナトリウム(ミリポアシグマ社)を4日目の細胞培養液に添加することで、タンパク質発現の維持を補助した。6日間の培養後、上清を収集し、2200rpmで20分間の遠心分離により精製を行った。この液を滅菌ろ過(0.22μmフィルター、コーニング社)した。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて、細胞培養上清から分泌タンパク質を精製した。
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて、細胞培養上清から分泌タンパク質を精製した。細胞培養上清を、5カラム体積分(CV)のリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)で平衡化したHiTrap MabSelect SuRe 5mlカラム(GEヘルスケア社)にローディングした。5CVのPBS(pH7.2)で洗浄することで未結合のタンパク質を除去し、25mMクエン酸ナトリウム、25mM塩化ナトリウム(pH3.2)で標的タンパク質を溶出させた。3%1M Tris(pH10.2)の添加によりタンパク質溶液を中和した。Amicon(登録商標)Ultra−15 Ultracel 10K(メルクミリポア社)を用いて、標的タンパク質の濃縮と、緩衝液のPBS(pH7.2)への交換を行った。
精製された分子の純度および分子量を、還元剤の存在下および非存在下のSDS−PAGEと、クーマシー(Imperial(商標)タンパク質染色、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)染色により、分析した。NuPAGE(登録商標)Pre−Castゲルシステム(4〜12%Bis−Tris、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を製造業者の説明書に従い使用した。Agilent 1200高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムで分子の凝集量を分析した。25℃の、150mMリン酸ナトリウム(pH7.0)を移動相として用いる、AdvanceBioサイズ排除カラム(300Å、4.6×150mm、2.7μm、LCカラム、アジレント社)に試料を注入した。
Nanodrop分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて280nmの吸光度を測定し、アミノ酸配列に基づいて算出されたモル吸光係数で除算することにより、精製されたタンパク質試料のタンパク質濃度を求めた。Endosafe nexgen−PTS(チャールスリバー社)を製造業者の取扱説明書に従って用いて、精製タンパク質試料のエンドトキシンレベルを測定した。
単離されたIL−15/IL−15Rα−Fc融合体構築物のタンパク質プロファイルを示す一例として、、P−0217、P−0234、およびP−0313のSDS−PAGE分析を図2Aに示す。P−0217、P−0234、およびP−0313は全て、C末端にIL−15/IL−15Rα複合体を含むIL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。P−0217は一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体であり、P−0234はP−0217の二量体型の対応物であり、P−0313はP−0234と同じ融合体構成を共有しているが、IL−15ドメインにおけるS58D置換によってのみ異なっている。
一価Fc融合体および二価Fc融合体の両方において、理論分子量8.6kDaのIL−15Rαsushi+ドメインが、Fcドメインに融合したIL−15またはIL−15バリアントと非共有結合的に結び付いているが、これが変性条件下で解離し、シャープなバンドとして予想された位置まで移動した(図2A)。IL−15Rα−sushi+のバンドがゲル上に存在していたことから、細胞培養増殖中にIL−15とIL−15Rαとが非共有結合的に結び付いていたことが確認され;係る結び付きは、低pH溶出条件下でのプロテインA精製の際も維持された。
図2Bのサイズ排除クロマトグラムから、3種全ての融合タンパク質において、ポリッシング工程を行っていない初期のプロテインA捕捉工程後に、凝集が1〜2%のしか見られなかったことから、上記2種類の融合体型の凝集傾向が小さいことが示された。主ピークがシャープであることから、ネイティブな緩衝液条件下ではIL−15とIL−15Rαの結び付きが堅固であることがさらに示唆される。
さらに、融合タンパク質の発現レベルは、同じベクター・培養条件下でFc単独タンパク質の発現レベルと同等(2倍差以内)であった。この収率が高く凝集が少ないという性質により、IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)Fc融合タンパク質の一価型と二価型の両方の、好ましい開発適合性プロファイルが示された。さらに、P−0313によって例示される、IL−15におけるアミノ酸置換は融合タンパク質の発現プロファイルには影響しておらず;P−0313はその野生型等価物であるP−0234とほぼ同じ純度と凝集傾向を示した(図2)。
実施例2
種々の融合タンパク質型の純度に焦点を当てた開発適合性評価によって、融合タンパク質の開発適合性プロファイルを強化することにおける、適切に複合体化されたIL−15Rαドメインの役割が明確に示された
プロテインA精製試料のSEC分析を用いて、タンパク質の凝集傾向および純度に対する融合体型の差異による影響を評価した。本発明者らの所見によれば、タンパク質発現レベルは細胞増殖のばらつきによって異なるバッチ間で異なる場合があるが、タンパク質の凝集傾向および純度は、特定のタンパク質に関連した固有の特性であるため、P−0234に関して図3Fおよび図3Hに例示されているように、ロット間のばらつきは小さいようであった。
まず、5種類の分子に基づいて、IL−15−Fc融合タンパク質のタンパク質純度に対するIL−15Rαの複合体形成の影響を評価した。P−0162は、Hole−Fc−リンカー1−IL−15鎖(配列番号13)と空の(empty)Knob−Fc鎖(配列番号7)とを含む、C末端単量体IL−15単独−Fc融合タンパク質である。P−0197は、C末端一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体であり、その模式図は図1Bに示されている。P−0197は、IL−15と非共有結合的に複合体形成している遊離IL−15RαSushi+ドメインの存在によってのみ、P−0162と異なる。P−0153は、ヘテロ二量体Fc融合体型の、N末端単量体IL−15/IL−15Rα融合体であり、図1Aにそのイラスト(cartoon diagram)が示されている。P−0167およびP−0198は、それぞれP−0162およびP−0197の二量体対応物である。5種類の分子のサイズ排除分離の図表を図3A〜図3Eに示す。
図3Aから分かるように、IL−15Rαを含まないIL−15−Fc単量体型融合体は、84.5%の単量体含有量を有し、不純物の大部分は分子量がより小さいものである。対照的に、P−0197は98.6%の単量体含有量を含み(図3B)、そのような著しいタンパク質改善に、遊離IL−15RαSushi+ドメインが寄与していることは明白であった。IL−15−Fc融合タンパク質のタンパク質品質に対する遊離IL−15RαSushi+ドメインの影響が、さらに二量体型においても明確にされ、このことは、それぞれ図3Dおよび図3EのP−0167およびP−0198のSECクロマトグラムにより示されている。P−0167は、主要ピークの両側に肩を有する、ブロードで変則的なピークを含んでいる。さらに注目すべきことに、P−0167は、新鮮ヒトPBMCのNK細胞およびT細胞の活性化において、いかなる生体外活性も示さず、これはタンパク質の誤った折り畳みによるものと考えられた。しかしながら、二量体形態の非共有結合的に結合したIL−15RαSushi+ドメインを含むP−0198は、90.5%の単量体含有量を有するシャープな主要ピークを示した(図3E)。少し興味深いことに、IL−15RαSushi+ドメインが遊離状態ではなく、P−0153でのようにマッチするヘテロ二量体Fcに共有結合的に融合していた場合、IL−15−Fcとのその複合体形成は、タンパク質純度にいかなる改善ももたらさず;むしろ、そのタンパク質試料は、25%超の二量体と、より分子量が高い可溶性凝集体を含有することとなっている(図3C)。IL−15とIL−15Rαの両方のFcドメインへの融合は、それらの生理学的な相互作用を抑制する空間的な拘束を生み出していると考えられた。要約すると、IL−15RαSushi+ドメインは、IL−15−Fc融合タンパク質の純度および生物物理学的特性を顕著に改善できるが、ただし、IL−15Rαドメインが好ましい非拘束的な様式でIL−15と結合可能な場合のみである。
第二に、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の開発適合性に対する、IL−15RαECD(配列番号4)の影響とIL−15RαSushi+(配列番号5)の影響の比較を、P−0234とP−0220を比較することにより、評価した。両方の構築物が、図1Cに示されているような同じ構成を共有しているC末端Fc融合体であり、P−0234においてはIL−15RαSushi+ドメインが含まれ、P−0220においてはIL−15RαECDが含まれている。それらのSECクロマトグラムが図3Fおよび図3Gにそれぞれ示されている。IL−15RαECDドメインを含むタンパク質であるP−0220は、そのIL−15RαSushi+を含有する対応物であるP−0234よりも純度が低いだけでなく(88.5%対100%)、同一バッチの細胞において発現レベルが1/2.5倍の低さとなった。要約すると、より開発適合性の高いIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質を構築する際に、IL−15RαSushi+ドメインがIL−15RαECDよりも好ましいパートナーであることは明らかである。
さらに、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の開発適合性に対する融合体末端の影響を評価した。P−0234およびP−0223は、IL−15/IL−15RαSushi複合体がそれぞれFcのC末端およびN末端に取り付けられた二量体IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。これらのSECクロマトグラム(図3Hおよび図3I)は、純度においてはやや微妙な差異しか示していない(98.5%対93.9%)。しかし、精製後のP−0223は、より分子量が大きい種のブロードなピークと、より分子量が小さい不純物を含有する小さいがはっきりと分かるピークとを、一貫して含有しており、これらはP−0234には実質的に含まれていなかった。差は小さいものの、C末端融合を有するP−0234は、確かにより良好なSEC純度プロファイルを有しており、両方の分子が同等のレベルで発現されることを考えると、開発適合性の観点から好ましい型である。
結論として、IL−15RαサブユニットとIL−15−Fc融合体とを複合体形成することで、有意に発現と純度を改善し、凝集を低減することができ;そのような改善には、空間的な束縛を最小限にしながら、IL−15RαがIL−15と適切に結び付くことが必要となる。そして、IL−15RαECDの切断型であるIL−15RαSushi+は、生産性評価と純度評価の両方に基づいて、完全長ECDよりも好ましいように思われた。さらに、IL−15/IL−15Rα複合体をFcのC末端に配置することは、高い純度を達成する上でN末端融合よりも有利である。従って、P−0234によって例示される、二量体IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)C末端Fc融合型が、これらの好ましい成分を全て組み込んでおり、優位な型である。
実施例3
IL−15Rαの非共有結合的な結び付きがIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の受容体結合および生物活性を増強する
IL−15はその特異的受容体IL−15Rαに高い親和性で結合し、両者は抗原提示細胞上に発現される。IL−15RαがIL−15と結び付くことで、NK細胞、T細胞、およびB細胞を含む応答中のリンパ球上のIL−15Rβとγから構成されるヘテロ二量体受容体複合体に、IL−15がトランス提示される。リガンド−三量体型受容体複合体(IL−15−IL−15Rαβγ)の形成は、細胞内シグナル伝達カスケードを惹起し、下流の生物学的効果をもたらす。IL−15受容体の生物学的性質が複雑であることから、立体構造的に効率的なリガンド−三量体型受容体シグナリング複合体を実現する、最適なIL−15融合タンパク質を設計するための検証が避けられている。
IL−15をヒトIgGのFc部分のN末端またはC末端に共有結合させることは、IL−15をIL−15Rα−Fc融合タンパク質と非共有結合的に結び付けることよりも、インビボ半減期延長においてより有利であるだろうと仮説を立てた。さらに、IL−15−Fc融合タンパク質が、中間親和性IL−2Rβγ受容体とのその相互作用を増強し、高親和性リガンド−三量体型受容体シグナリング複合体の形成を促進するためには、IL−15Rαドメインが必要であるとの仮説を立てた。さらに、IL−15RαドメインのIL−15−Fc融合タンパク質との非共有結合的な結び付きは、天然のIL−15とIL−15Rαとの結び付きと、IL−15のトランス提示に最適な高次構造とを保持していると考えられる。さらに、IL−15とIL−15Rαドメインとの間の結合親和性は極めて高いため、そのような融合タンパク質複合体の生成は可能であると考えた。
様々な立体配置でIL−15/IL−15Rαドメイン複合体を含む、様々な型のIL−15−Fc融合タンパク質を構築した。融合タンパク質のIL−15Rβサブユニットへの結合活性を測定し、ヒトCD8細胞およびヒトNK細胞上のCD69発現を測定することにより、リンパ球活性化を刺激する際の融合タンパク質の生物活性を分析した。融合タンパク質の例示的な構造図が図1に示される。
結合活性はELISAアッセイで試験した。簡潔に説明すると、Nunc Maxisorp(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)プレートを、炭酸水素塩緩衝液(pH9.4)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)中、1μg/ウェル(100μl/ウェル)のhuIL−15Rβ−6Hisで一晩、4℃でコーティングした。PBS/0.05%Tween20で3回洗浄後、プレートをSuperBlock(300μl/ウェル)を加えて室温で2時間インキュベートし、非特異的な結合のブロッキングを行った。洗浄後、ブロッキング用緩衝液で3倍段階希釈した各IL−15化合物をプレートに添加し(100μl/ウェル)、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、Fc融合体の検出を、ブロッキング用緩衝液(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)(100μl/ウェル)中1:5000希釈の西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)結合型ヤギ抗ヒトIgG Fc二次抗体と室温で1時間インキュベートすることにより行った。洗浄後、TMB基質(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を添加した(100μl/ウェル)。プレートを密封し、室温の暗所で5〜20分間インキュベートした。2N硫酸(リッカ・ケミカル社(Ricca Chemical))(50μL/ウェル)を加えることで反応を止め、450〜590nmでの吸光度を読み取った。
ヒトNK細胞上およびヒトCD8 T細胞上でのCD69発現の誘導を測定することにより、生物活性の測定を行った。CD69は、リンパ球活性化の際、初期に誘導される細胞表面糖タンパク質である。IL−15処理後にCD69を発現するNK細胞またはCD8 T細胞細胞の数/割合を分析するために、生体外ヒト末梢血単核球(PBMC)アッセイを確立した。具体的には、オクラホマ血液研究所(Blood Oklahoma Institute)より購入したバフィーコートからのフィコール・ハイパック遠心分離によって、ヒトPBMCを単離した。精製後のヒトPBMCを各IL−15試験化合物の段階希釈系列で処理し、37℃で48時間インキュベートした。細胞を300G遠心分離で収集し、FACS用緩衝液に再懸濁した。Human TruStain FcX(1:50希釈)を添加してFc受容体をブロッキングした後、抗ヒトCD56−FITC抗体、抗ヒトCD69−PE抗体、および抗ヒトCD8−APC抗体(1:50希釈)を用いて細胞を染色した。上記抗体と一緒に室温で30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー分析用に準備を行った。CD56+NK細胞およびCD8+T細胞上のCD69発現を測定した。データはゲーティングされた集団中のCD69陽性細胞の割合(%)として表現される。
P−0157はN末端二価IL−15(非共有結合性)/IL−15RαSushi−Fc融合タンパク質であり;P−0153はC末端IL−15/IL−15RαSushiヘテロ二量体Fc融合タンパク質であり;P−0162はIL−15RαSushiが複合体形成されていないC末端一価Fc−IL−15融合タンパク質である。ELISA結合アッセイから、IL−15RαSushiドメインの組み入れにより、IL−15Rαが複合体形成していない融合タンパク質(P−0162)と比較して、IL−15−Fc融合タンパク質(P−0157およびP0153)のIL−15Rβへの結合強度が著しく増加することが示され(図4)、このことは、融合タンパク質の受容体との相互作用を促進する際の、IL−15Rαの重要な役割を示唆している。さらに、IL−15がIL−15Rα−Fc融合タンパク質に非共有結合的に結合している場合(P−0157)とは対照的に、IL−15およびIL−15Rαの両方がFcにヘテロ二量体形態で共有結合的に共役している場合(P−0153)に、受容体結合活性が低減したが(図4)、このことは、立体構造的に制限された融合体型は受容体結合活性に負の影響を与えるであろうことを示唆している。
結合強度と一貫して、IL−15Rαの組み込みは、IL−15Rαを含まない融合タンパク質と比較した場合、IL−15融合タンパク質の生物活性も増大させた。P−0197はC末端一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であり、P−0162はIL−15Rαsushiが含まれていないP−0197と同じ構造を共有している。P−0197は、CD69陽性NK細胞(図5A)およびCD8 T細胞(図5B)の誘導において、P−0162と比較して、それぞれ10倍および6倍の作用強度の増加を示したが、これは、IL−15Rαが含まれていることによるものである。
最後に、3種類のC末端一価IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の生物活性を比較した。P−0165は、Fcドメインに融合されたIL−15RαとIL−15とが非共有結合的に結合しているFc融合タンパク質であり;P−0197は、逆に構成され、Fcドメインに融合されたIL−15とIL−15Rαとが非共有結合的に結合しており;P−0153は、IL−15およびIL−15Rαの両方がFcドメインに融合されているヘテロ二量体構造を有する。図6に示されているように、IL−15またはIL−15Rαとの非共有結合的な複合体形成による融合タンパク質は、IL−15/IL−15RαがFcに共有結合的に融合されている融合タンパク質、およびIL−15/IL−15RαがFcにヘテロ二量体として融合されている融合タンパク質の両者よりも、CD69陽性NK細胞(図6A)およびCD8 T細胞(図6B)の誘導において、より良好な作用強度を示した。データから、IL−15とIL−15Rαとの間の立体構造的に最適な結び付きが、IL−15融合タンパク質がその受容体と結合しその生物活性を発現する上で、極めて重要であることが示唆される。ヘテロ二量体Fc融合体型など、立体構造的な制限の増大は、生物活性に負の影響を与える。
実施例4
IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の活性に対するリンカーの影響
タンパク質ドメイン同士を連結するための好適なリンカーの選択は、融合タンパク質の設計において極めて重要である。ペプチドリンカーは、融合タンパク質ドメイン同士の間に空間的な距離を与えることで、それらが独立してフォールディングされることを可能にするだけでなく、融合タンパク質の構造的な安定性および機能特性に直接的な影響を与える。ここでは、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の生物活性に対するリンカーの柔軟性および長さの影響について調べる。
前述の通りのエキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイでヒトNK細胞上およびCD8 T細胞上のCD69発現の誘導を測定することにより、生物活性の確認を行った。P−0165およびP−0166は、10アミノ酸の剛直なリンカーおよび柔軟なリンカーをそれぞれ有する、単量体IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合体である。P−0197、P−0207、およびP−0217は、剛直なリンカー、10アミノ酸長のGSリッチな柔軟リンカー、および15アミノ酸長のGSリッチな柔軟リンカーをそれぞれ有する、一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。結果から、FcとIL−15(P−0165およびP−0166)とを連結している、またはFcとIL−15Rα(P−0197、P−0207、およびP−0217)とを連結しているペプチドリンカーの剛直性または長さは、試験された融合タンパク質の生物活性に影響を与えないことが示された(図7Aおよび図7B)。
実施例5
IL−15/IL−15Rα融合タンパク質の活性に対する結合価の影響
治療用途のFc融合タンパク質は大部分がホモ二量体であるが、これは、ヒンジ領域に形成されるジスルフィド結合によって、IgG1のFcが天然にホモ二量体化するためである。二量体型のタンパク質は、アビディティー、安定性、量、サイズ、および機能の点で有利である。しかし、Fcに操作を加えた場合、単量体型のFc融合タンパク質が生み出される可能性があった。この変化が、生物活性、薬物動態学、副作用に影響を与えたり、二量体型タンパク質のサイズを減少させて組織透過性に繋がる可能性があった。IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の生物活性に対する結合価の影響を評価するため、種々のIL−15/IL−15Rα−Fc融合体構成を有する、単量体形態およびホモ二量体形態を両方構築し、生物活性を試験した。
前述の通りのエキソビボヒトPBMC FACSベースアッセイでヒトNK細胞上およびCD8 T細胞上のCD69発現の誘導を測定することにより、生物活性の確認を行った。結果から、試験された全ての融合体型(表2)を通して、ホモ二量体形態であるIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、それぞれの単量体型対応物と比較して生物活性においておよそ2倍の増強を示すことが示され、これにより、二量体型の結合価が機能性に利点を与え得ることが示唆された。
Figure 2021528104
実施例6
IL−15の生物活性に対するN末端Fc融合またはC末端Fc融合の影響
Fc融合タンパク質は、スペーサーリンカーが連結するIL−15/IL−15Rα複合体を、FcのN末端またはC末端のどちらに配置することでも、構築することができる。融合タンパク質のフォールディングと発現が正しく行われているかどうか、および、生物活性が保持されているかどうかによって、最適な骨格を決定した。リンカーで空間を空けてFcのN末端またはC末端のいずれかにIL−15/IL−15Rα複合体を取り付けることで、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質を作製した。IL−15/IL−15Rα複合体はまた、C末端融合およびN末端融合に関連して、異なるように構成した。P−0218はC末端型の二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質であり、標準はIL−15にN72D置換を追加で有するP−0218のN末端型対応物である。P−0234はC末端型の二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であり、P−0223はP−0234のN末端型対応物である。
IL−15化合物処理後のNK細胞およびCD8 T細胞の核内のKi67発現を測定することにより、融合タンパク質の生物活性を測定した。IL−15は、NK細胞、T細胞、およびB細胞の増殖および分化を刺激する強力なリンパ球増殖因子である。Ki67は、細胞周期の全ての活動期(G1、S、G2、およびM)で誘導されるが、静止期(G0)では誘導されず、そのため細胞増殖能マーカーとなる、核タンパク質である。
エキソビボヒトPBMCアッセイを確立した。簡潔に述べると、精製後のヒトPBMCをIL−15試験化合物の段階希釈系列で処理し、37℃で3日間インキュベートした。2日間毎に、培地の50%に対して、新鮮な培地および試験化合物で補充を行った。3日目、細胞をFACS用緩衝液(1%FBS/PBS)で1回洗浄し、Fcブロッカーと、抗ヒトCD56−FITC、抗ヒトCD8−APC、および抗ヒトCD4−Percp−cy5.5(1:50希釈)を含む表面マーカー抗体とで1回目の染色を行った。30分間のインキュベーションと洗浄の後、細胞ペレットを200μl/ウェルの1×Foxp3固定・透過処理用ワーキング溶液で完全に再懸濁し、室温の暗所で30分間インキュベートした。遠心分離後、200μlの1×透過処理用緩衝液を各ウェルに添加し、さらなる洗浄を行った。細胞ペレットを抗ヒトKi67−PE(1:10希釈)を含む透過処理用緩衝液で再懸濁した。室温で30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー分析用に準備を行った。データは、ゲーティングされた集団におけるKi67陽性細胞の割合(%)として表される。
図8に示されているように、C末端型Fc融合体(P−0218およびP−0234)は、N末端型Fc融合体対応物(標準およびP−0223)よりも強力な、Ki67陽性CD8 T細胞の誘導、すなわちCD8 T細胞増殖の誘導を一貫して示した(図8Aおよび図8B)。データから、FcのC末端がIL−15/IL−15Rα複合体の好ましい連結部位であり、生物活性の保存を可能とすることが示唆される。
実施例7
IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の活性に対する受容体αドメインの選択の影響
IL−15はIL−15Rαの細胞外ドメイン(ECD)に結合するが、この結合は主にsushiドメインと呼ばれる保存されたタンパク質結合モチーフによるものである。融合タンパク質の構築においては、サイズと構造的複雑さを低減するために、このIL−15Rαの短い切断型が好ましい場合がある。結合特異性および親和性を確認するため、IL−15の結合性を付与するECDドメインの全体または一部(追加の12アミノ酸を有するSushiドメイン)を融合タンパク質内に構築し、機能活性を測定した。
P−0234およびP−0220は、IL−15Rαがそれぞれsushiおよび完全ECDである、C末端二量体IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)融合タンパク質である。P−0223およびP−0224は、IL−15Rαがそれぞれsushiおよび完全ECDである、N末端二量体IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。P−0221およびP−0222は、IL−15Rαがそれぞれsushiおよび完全ECDである、N末端一価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。結果から、融合体型がN末端型かC末端型か、二量体型か単量体型かにかかわらず、IL−15Rαsushiドメインと非共有結合的に複合体形成した融合タンパク質は、IL−15Rα完全ECDと複合体形成したものよりも、CD69陽性NK細胞の誘導においてより強力であることが示された(図9)。データから、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質を構築し、IL−15がシグナル伝達受容体と相互作用するのに最適な高次構造を付与することにおいて、IL−15Rαsushiドメインが完全ECDよりも好ましいことが示唆される。
実施例8
IL−15変異体、およびIL−15Rβに対するバリアント融合タンパク質の結合活性
IL−15のアゴニスト、スーパーアゴニスト、またはアンタゴニストを探索する際、IL−15と受容体βまたは受容体γとの間の接触相間のヒトIL−15ペプチド配列に、欠失、挿入、または点変異を導入した。これらのバリアントを様々な型のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質に導入し、前述の通りの酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によってIL−15Rβに対する結合活性を定量した。
表3は、C末端IL−15バリアント/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質のIL−15Rβ結合活性を示している。IL−15バリアントは、ヒトIL−15ペプチドにアミノ酸欠失、アミノ酸挿入、またはアミノ酸点変異が導入されたものである。IL−15のC末端から3個のアミノ酸を切断した場合、完全長野生型IL−15融合タンパク質と比較して、IL−15Rβに対する融合タンパク質の結合活性は保持されたが、一方、IL−15のC末端から6個または9個のアミノ酸をさらに切断した場合、融合タンパク質結合活性に漸減が見られた。N95の後の様々な長さのGS挿入によって、融合タンパク質のIL−15Rβ結合活性の減少が生じた。108位における単一点変異(Q108SおよびQ108A)、並びに組み合わせ変異(Q108S、D30T、V31Y、H31E)は、野生型融合タンパク質のRβ結合活性を大部分保持した。
表4は、ヒトIL−15ドメインが58位、62位、63位、67位、または68位に1つのアミノ酸置換を含んでいる、単量体IL−15バリアント(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のIL−15Rβ結合活性を示している。IL−15(I67V)バリアントを含むFc融合タンパク質であるP−0185は、野生型融合タンパク質と同様の、IL−15Rβに対する結合活性を示した。58位にセリンからアスパラギン酸へのアミノ酸置換(S58D)を有するIL−15バリアントを含む融合タンパク質であるP−0182は、IL−15Rβに対する結合活性において、野生型融合タンパク質と比較して4倍の増強を示した。IL−15ペプチドの62位、63位、および68位における置換は、融合タンパク質のIL−15Rβ結合活性に、異なる程度の低減をもたらした。
表5は、ヒトIL−15が58位もしくは68位に1つのアミノ酸置換を含んでいる、またはN95の後にアミノ酸挿入を含んでいる、二量体IL−15バリアント/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質のIL−15Rβ結合活性を示している。同様に、P−0182で見られたように(表4)、S58Dを有する同じIL−15バリアントを含むP−0313は、その各々の野生型融合タンパク質P−0234と比較した場合に、IL−15Rβに対する結合活性において2倍の増強を示した。このデータから、IL−15ペプチドにおけるS58D置換が、受容体結合活性の増強により、IL−15をスーパーアゴニストへと調整し得るとの考えが補強された。
要約すると、IL−15バリアント−Fc融合タンパク質を作製したところ、IL−15Rβ結合活性が異なることが確認された。IL−15バリアントのいくつかは、それらの野生型対応物と比較した場合に、IL−15Rβに対する結合活性の減少を示した(表3〜5)。P−0173、P−0179、P−0180、P−0181、P−0185などのいくつかのバリアントは、野生型と同様の、IL−15Rβに対する結合活性を保持した(表3)。ヒトIL−15ドメインの58位のセリンがアスパラギン酸に置換された単一点変異は、融合タンパク質(P−0182およびP−0313)の、IL−15Rβに対する結合活性を増強させた(表4および表5)。
Figure 2021528104
Figure 2021528104
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実施例9
IL−15バリアント/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の機能活性
IL−15バリアント/IL−15Rα複合体のFc融合タンパク質を、リンパ球活性化の刺激におけるその機能活性について評価した。前述のように、リンパ球活性化マーカーであるCD69を発現するCD8 T細胞の数/割合(%)を分析するために、エキソビボヒトPBMCアッセイを確立した。
P−0234は、IL−15のFcへの共有結合的な連結、C末端での融合、二量体型の結合価、および非共有結合的なIL−15Rαsushiの複合体形成を含む、好ましい構成の組み合わせにより最適化された、C末端二量体IL−15/IL−15Rαsushi(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。P−0313はP−0234のS58D対応物である。P−0313はP−0234と同じ融合体構成を共有しているが、IL−15ポリペプチドにおけるS58D置換の点でのみ異なっている。P−0313は、上述の通り(表5)、野生型対応物P−0234と比較して、IL−15Rβ結合活性の増加を示した。IL−15Rβに対する結合活性の増強と一貫して、S58D変異を有するバリアントP−0313は、CD69陽性T細胞の誘導活性の増加も示し(表6)、これにより、P−0313がスーパーアゴニスト活性を示すことが確認された。興味深いことに、野生型融合タンパク質と同等にIL−15Rβに結合した(表3)、2種類のIL−15バリアント融合タンパク質(P−0179およびP−0181)は、CD69陽性CD8 T細胞誘導能の完全喪失を示し(表6)、これら2種類のIL−15バリアントの、γと相互作用する能力が損なわれている可能性と、それによる、シグナル伝達活性の消失と、生物学的機能の抑制が示唆される。P−0179およびP−0181を含むこれらのバリアントは、内在性IL−15の機能をブロックするドミナントネガティブなアンタゴニストとして働く可能性がある。
加えて、IL−15バリアント/IL−15RαSushi複合体のFc融合タンパク質もCD69アッセイで試験したところ、それらの生物活性は、各々の野生型融合体と比較した場合に、保持または低減された(表6および表7)。
Figure 2021528104
Figure 2021528104
実施例10
IL−15(S58D)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のシグナル伝達活性
IL−15(S58D)バリアントは、IL−15Rβに対する結合活性の増加と、CD69陽性リンパ球の刺激活性の増強を示した。本試験では、NK細胞およびT細胞における、シグナル伝達性転写因子5の細胞内リン酸化(pSTAT5)の刺激における、IL−15(S58D)/IL−15Rα融合タンパク質のシグナル伝達活性を調べた。
IL−15化合物処理後のエキソビボヒトPBMCアッセイにおける細胞内FACS分析により、STAT5リン酸化を測定した。簡潔に述べると、精製後のヒトPBMCをIL−15試験化合物の段階希釈系列で処理し、37℃で15分間インキュベートした。処理の終わりに、細胞をFACS用緩衝液(1%FBS/PBS)で1回洗浄し、150μl/ウェルの予め温めた37℃のCytofix固定用緩衝液中で15分間インキュベートした。固定後の細胞は、150μl/ウェルの予め冷やした4℃のPerm buffer IIで30分間、再度洗浄と再懸濁を行うべきである。Human TruStain FcX(1:50希釈)を添加してFc受容体をブロッキングした後、抗ヒトCD56−FITC、抗ヒトpSTAT5−PE、抗ヒトCD8−APC、および抗ヒトCD4−Percp−cy5.5(1:50希釈)を用いて細胞を染色した。上記抗体と一緒に室温で45分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー分析用に準備を行った。データは、ゲーティングされた集団におけるpSTAT5陽性細胞の割合(%)として表される。
2種類の型のFc融合タンパク質、二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合体およびIL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質、にS58D変異を導入した。P−0218およびP−0314は、それぞれ野生型IL−15およびS58DバリアントIL−15を含む、C末端二量体IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質である。P−0234およびP−0313は、それぞれ野生型IL−15およびS58DバリアントIL−15を含む、C末端二量体IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質である。融合体の構成に関係なく、IL−15(S58D)バリアント融合タンパク質(P−0314およびP−0313)は、CD8 T細胞(図10A)、CD4 T細胞(図10B)、およびNK細胞(図10C)で、それら各々の野生型融合タンパク質(P−0218およびP−0234)と比較した場合に、STAT5リン酸化の刺激活性において、約2倍の増加を示した。データから、IL−15ペプチドにけるS58D置換が、各種IL−15タンパク質のスーパーアゴニスト活性を繋がることが確認された。
実施例11
IL−15(S58D)/IL−15−Rα−Fc融合タンパク質の細胞増殖活性
IL−15Rβに結合し、STAT5リン酸化を刺激し、CD69発現を誘導する能力の増加が確認された後、IL−15(S58D)バリアント−Fc融合タンパク質を、細胞増殖を刺激するそれらの能力について、野生型融合タンパク質との比較において、NK細胞およびCD8 T細胞におけるKi67発現の測定により、試験した。ヒトPBMCを漸増量のIL−15融合体分子で処理し、前述の通り、CD56+NK細胞集団およびCD8+T細胞集団にゲーティングした細胞内FACS分析でKi67発現を測定した。
STAT5リン酸化において観察されたことと同様に、(図11)に示されるように、IL−15(S58D)バリアントの融合タンパク質はまた、CD8+T細胞(図11A)、CD4+T細胞(図11B)、およびCD56+NK細胞(図11C)において、Ki67発現の刺激活性において、野生型と比較して2倍の増加を示した。これらのデータから、IL−15ドメインにおけるS58D変異の導入が、受容体結合、細胞内シグナル伝達、細胞表面マーカーの活性化、および細胞増殖の活性化を含む一連の生物活性の増強をもたらすことが、確固となった。
実施例12
マウスにおける、rhIL−15および標準と比較した、P−0234による4日間反復投与試験
IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、インビトロおよびエキソビボで、IL−15Rβに結合し、細胞内シグナル伝達カスケードを誘導し、NKリンパ球およびCD8 Tリンパ球の増殖を刺激する強力な能力を示した。ここで、マウスにおいて、血清中暴露量と、NK細胞の増殖能および増殖に対する各種IL−15化合物の効果を調べた。試験されたタンパク質として、組換えヒトネイティブIL−15(rhIL−15)、P−0234(C末端二価IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質)、および標準化合物(IL−15にN72D変異を含むN末端二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質)が含まれる。
7週齢の雌Balb/cマウスを、チャールスリバー研究所から入手し、試験前に少なくとも7日間自社で順化した。マウスに、4日間に亘って、等モル量のIL−15化合物を含む注射剤を、毎日腹腔内投与した。処置には、溶媒、0.03mg/kgのrhIL−15(40pmol/kg)、0.1mg/kgおよび0.5mg/kgの標準(40pmol/kgおよび200pmol/kg)、並びに0.1mg/kgおよび0.5mg/kgのP−0234(40pmol/kgおよび200pmol/kg)が含まれる。各群には5匹のマウスを含ませた。処置前および処置中に体重を毎日記録した。最後の注射から1時間後にマウスを屠殺し、心穿刺により終末部の血液を採取した。
ヘパリン処置した全血および脾臓を採取し、NK細胞表現型検査およびKi67細胞内染色を行った。赤血球を溶解し、精製抗マウスCD16/CD32(1:50希釈)でFc受容体をブロッキングした後、単一細胞懸濁液中の単核の血液細胞および脾臓細胞を、抗マウスCD3−FITCおよび抗マウスCD49b−APC(1:50希釈)を含むNK細胞表面マーカーにより、室温、暗所で30分間染色した。細胞内Ki67染色においては、細胞ペレットを200μl/ウェルの1×Foxp3固定/透過処理用ワーキング溶液で完全に再懸濁し、室温、暗所で30分間インキュベートした。細胞を200μlの1×透過処理用緩衝液で洗浄し、Fc受容体を精製抗マウスCD16/CD32(1:50希釈)でブロッキングした。次に細胞を、Ki67−PE、並びにNK細胞集団用の抗マウスCD3−FITCおよび抗マウスCD49b−APC(1:50希釈)で染色した。30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー分析用に準備を行った。GraphPad prismソフトウェアにおけるテューキーの事後多重比較による1元配置分散分析で統計解析を行った。
図12は、IL−15化合物の最後の注射から1時間後の時点の、IL−15の血清中濃度を示している。製造業者の取扱説明書に従って、IL−15を検出する市販ELISAキット(R&Dシステムズ社;カタログ番号DY247)によって、IL−15を測定した。化合物の毎日投与を4回行った後、IL−15の累積血清中濃度は、等モル量で投与された場合、P−0234で処置されたマウスにおいて最も高く、標準で処置されたマウスでは中間であり、rhIL−15で処置されたマウスで最も低かった(図12)。0,1mg/kgおよび0.5mg/kgで投与された標準とP−0234とを比較すると、P−0234は一貫して、標準と比較して6倍および4倍より高い血清中濃度を示した。IL−15の平均血清中濃度は、rhIL−15(0.03mg/kg投与)の場合は3.2±0.6(ng/ml)であり、標準化合物(それぞれ、0.1mg/kg投与および0.5mg/kg投与)の場合は13±8および121±36(ng/ml)であり、P−0234(それぞれ、0.1mg/kg投与および0.5mg/kg投与)の場合は72±14および443±57(ng/ml)であった。より優れた血清中暴露量は、P−0234が標準およびrhIL−15との比較でより長いインビボ半減期および血清中貯留を示し得ることを示唆している。
処置群の間で総体重に差はなかったが、高用量標準処置マウスは4日間の処置の間に6%近くの体重を失った(図13Aおよび図13B)。0日目のベースライン値と、および溶媒群と比較して、効果は統計的に有意であり、このことは、投与量を制限する毒性の可能性が標準化合物には確認されたが、P−0234には確認されなかったことを示唆している。
試験されたIL−15化合物は全て、末梢血中のKi67陽性NK細胞の割合を増加させ(図14A)、これによりNK細胞の増殖能の増強が示唆された。しかし、CD3陰性末梢血リンパ球中のNK細胞数の割合の有意な増加は、両方の試験投与量レベルにおいて、P−0234処置マウスでのみ見られた(図14B)。NK細胞の割合の増加は、rhIL−15処置マウスや低用量標準処置マウスにおいても観察されたが、効果は統計的有意性には達していなかった(図14B)。興味深いことに、高用量標準処置マウスでは、末梢血中のNK細胞数の減少が確認された(図14B)。このような薬力学的用量反応の逆転は、毒性を示唆するものであり、この群で確認された体重減少と一致する。
また、リンパ球の増殖能および増殖に対するIL−15化合物の影響を、リンパ系器官である脾臓において調べた。末梢血で確認されたことと同様に、全てのIL−15化合物が、溶媒と比較して、脾臓のKi67陽性NK細胞を増加させた(図15A)。低用量標準と、P−0234だけが、脾臓内のNK細胞の総数を有意に増加させた(図15B)。同様に、脾臓におけるNK細胞増殖に対し用量反応の逆転が標準において確認されたが(図15B)、このことは、終了の4日後に測定された脾臓NK細胞上の高度且つ持続的なCD69発現と関連付けられた(図15C)。標準化合物がNK細胞を過剰に刺激し、細胞を疲弊させ得ることが、データから示唆される。IL−15Rα−Fc融合タンパク質にはIL−15が非共有結合的に結合しているため、IL−15が融合複合体から解離し、リンパ球の過剰刺激、細胞の疲弊、毒性、および体重減少をもたらし得る。
実施例13
単回注射後のマウスにおけるIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の薬物動態学的効果および薬力学的効果
C末端二価IL−15(S58D)/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であるP−0313を用いた用量反応研究を、単回注射後のBalb/Cマウスにおいて実施した。末梢血リンパ球の増殖能および増殖に対する効果を、経時的にモニターした。加えて、単回注射後に、P−0313の薬物動態学および薬力学(PK/PD)を、IL−15にN72D変異を含むN末端二価IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質である標準のPK/PDと比較した。
7週齢の雌balb/cマウスを、チャールスリバー研究所から入手し、試験前に少なくとも7日間自社で順化した。溶媒、標準(0.3mg/kg)、またはP−0313(0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、および0.3mg/kg)を0時点にマウスに腹腔内投与した。注射の−24時間(投与前)、並びに注射の1時間後、4時間後、24時間後、72時間後、120時間後、および192時間後の時点に、血液試料を採取した。処置前および処置中に体重を毎日記録した。各群には5匹のマウスを含ませた。
ヘパリン処理した全血を用いて免疫表現型検査を行い、体積を記録した。BD pharm溶解緩衝液を用いて赤血球を溶解させた後、トリパンブルーで死細胞を除外することで総生単核血液細胞をカウントし、Ki67の細胞内染色に進んだ。細胞ペレットを200μl/ウェルの1×Foxp3固定/透過処理用ワーキング溶液で完全に再懸濁し、室温、暗所で30分間インキュベートした。遠心分離後、200μlの1×透過処理用緩衝液を各ウェルに添加し、さらなる洗浄を行った。精製抗マウスCD16/CD32(1:50希釈)でFc受容体をブロッキングした後、抗マウスCD3−FITC、Ki67−PE、抗マウスCD49b−APC、および抗マウスCD8−Percpcy5.5(1:50希釈)で細胞を染色した。30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。GraphPad prismソフトウェアにおけるテューキーの多重比較検定による1元配置分散分析で統計解析を行った。
上記化合物の血清中濃度を、2種類の異なるELISAアッセイを用いて測定した。IL−15およびFcの複合体を測定するための自家ELISAアッセイを開発した。市販ELISAアッセイはIL−15単独を測定するものであり、ヒトIL−15に対し反応性の捕捉抗体および検出抗体を両方含む。自家ELISAアッセイ用に、MaxiSorpプレートを、抗IL−15抗体(R&Dシステムズ社MAB647)で、4℃で一晩コーティングした。SuperBlockでプレートをブロッキングした。種々の希釈度の標準および試料をプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。抗ヒトIgG Fc−HRPで活性化合物を検出し、Ultra TMB Substrate Solutionを用いてシグナルを検出した。GraphPad Prismにおける非線形回帰曲線当てはめからの内挿を用いて、値を算出した。
最初の24時間の時点では、両方の化合物が、同等の血清中濃度で血清中で検出可能であった。ピーク濃度は腹腔内投与の4時間後に確認された。72時間の時点では、P−0313のみが測定可能なまま残り、標準は3匹全てのマウスで検出不可となった(図16A〜図16B)。2種類の異なるELISAアッセイを用いて同様の結果が得られたことから、P−0313が標準よりも優れた薬物動態プロファイルを有することが確認された。この結果から、IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合タンパク質であるP−0234が標準よりも多い血清中暴露量を示すという、実施例12で示された以前の知見が裏付けられた。これらのデータは、IL−15の生体内半減期の延長において、IL−15/IL−15Rα(非共有結合性)−Fc融合体構成が、IL−15(非共有結合性)/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の構成よりも優れていることの強い裏付けである。
いずれの処置群にも有意な体重変化は確認されなかった(図17)。
P−0313処置マウスのNK細胞およびCD8 T細胞で、Ki67発現の用量依存的な増加が確認された(図18Aおよび図18B)。効果は72時間の時点でピークとなり、標準では120時間まで持続し、P−0313ではさらに192時間にまで及び(図18A)、P−0313が標準よりも長時間作用することが示された。加えて、P−0313は標準の用量の1/3倍〜1/10倍の低用量で同様のKi67誘導を示し、P−0313が標準よりも効果が大きいことが示された(図18Aおよび図18B)。CD8 T細胞に対する用量の1/10倍の低用量で、NK細胞に対し大きな反応が確認され、NK細胞がCD8 T細胞よりもP−0313処置に対する感受性が高いことが示された。
細胞増殖能マーカーKi67の増加が確認されたことと一致して、血液中のNK細胞およびCD8+T細胞の用量依存的な増殖がP−0313処置群で確認された(図19Aおよび図19B)。細胞増殖は72時間の時点で確認され、120時間の時点でピークとなった。P−0313は、NK細胞を、それぞれ0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、および0.3mg/kgの用量で、ベースラインから4倍、15倍、50倍、および163倍増加させ(図19B)、また、CD8 T細胞を0.1mg/kgおよび0.3mg/kgの用量でベースラインから10倍および50倍増加させた(図19B)。それに対し、標準は、0.3mg/kg用量でのみ、末梢NK細胞を28倍増加させ、CD8 T細胞を12倍増加させた(図19Aおよび図19B)。
要約すると、P−0313は、NK細胞およびCD8 T細胞の増殖能および増殖に対して、標準化合物よりも優れた薬物動態学的特性および薬力学的特性を示した。
実施例14
マウス結腸がんの肺転移の阻害に対するIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の効果
腫瘍モデルにおいてIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の転移抑制効果および免疫応答を調べるために、1×10個のマウス結腸癌細胞CT26−WT(ATCC CRL−2638)を、雌balb/Cマウス(10〜12週齢)に静脈内注射した。翌日から、0.03mg/kgもしくは0.1mg/kgのP−0313、または0.3mg/kgの標準化合物を、静脈内注射で5日間投与した(細胞移植後1日目、6日目、11日目)。陰性対照として溶媒(PBS)を含め、各群には8匹のマウスを含ませた。15日目、血液試料を採取し、リンパ球の表現型検査および肝酵素の測定を行った。16日目、全てのマウスを屠殺し、組織摘出を行った。肺を15%墨汁で膨らませ、Fekete液(10%ホルムアルデヒド、5%氷酢酸、および60%エタノール)で脱染した。光学顕微鏡下の全肺について、肺腫瘍小結節をカウントし、処置群と溶媒対照との間の腫瘍小結節数の違いにより転移抑制効果を表した。
免疫応答を研究するために、15日目にマウス末梢血をヘパリン処理チューブに採取し、マウス毎にアッセイに用いた血液の体積を記録した。赤血球をBD pharm溶解緩衝液で溶解させた後、トリパンブルーで死細胞を除外することで、総生単核血液細胞をカウントし、それを用いて前述の通りに細胞内染色を行い、免疫細胞の表現型検査、およびKi67増殖能分析を行った。細胞の固定、透過処理、および抗体染色の後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。
図20Aは、肺小結節を図示するための、各群の肺の代表的な写真を示している。肺転移性病変を、顕微鏡を用いてカウントし定量化した(図20B)。図20に示されているように、0.3mg/kgで投与された標準分子は、肺転移を阻害し、肺小結節数を84%減少させ、肺転移の形成および増殖を抑制する上でIL−15経路の活性化が有効であることが確認された。際立った点として、1/3倍の低用量(0.1mg/kg)のIL−15/IL−15Rα−Fc複合体P−0313の投与が、肺転移の発生を完全に阻害し、8匹全ての処置マウスにおいて確認された結節は0個であった(図20Aおよび図20B)。肺転移の形成および増殖の抑制における標準に対するP−0313の優位性は、上記(実施例12および実施例13)で明らかとなった薬物動態学的効果および薬力学的効果の増強と一致している。P−0313のIL−15部分はFcドメインに共有結合的に連結されているため、IL−15RαSushiドメインを介してFc鎖に非共有結合的に連結されたIL−15を含む標準と比較して、P−0313はIL−15血中半減期の顕著な改善を示した(実施例13)。0.03mg/kg用量のP−0313も約35%の阻害効果で肺転移を抑制した(図20Aおよび図20B)。この所見は、P−0313が標準よりもずっと低い用量で有効であることをさらに強調するものであったが、インビボにおけるIL−15/IL−15Rα−Fc複合体の抗がん作用に対する、当該複合体の体内分布および生物学的利用能の重要性が明確に示されている。
5日おきの反復投与を3回行った後、末梢血中のNK細胞およびCD8+T細胞の増殖は共に、P−0313処置マウスにおいて有意に増加したままであり(図21Aおよび図21B)、これは、この処置群の脾臓重量の有意な増加と相関していた(図22)。対照的に、0.3mg/kg標準処置群においては、ごく僅かなCD8+T細胞増殖しか確認されず;対照群と比較して循環NK細胞数の増加は確認されなかった(図21Aおよび図21B)。しかし、標準処置群では、脾臓重量が有意に増加した(図22)。データから、反復投与の後、増殖したリンパ球が貯蔵のためにリンパ組織に移動している可能性、あるいは、細胞疲弊が発生している可能性が示唆される。3つ全ての処置群が腫瘍抑制効果を示したことから、CD8+T細胞またはNK細胞のどちらかが、腫瘍抑制効果に関与するエフェクターサブセットであり得ることが、データから示唆された。しかし、0.1mg/kg P−0313処置群で見られた肺転移の完全な根絶によって、NK細胞およびCD8+T細胞の両方に関係する作用が、最も強い腫瘍増殖阻害を誘導することが示唆された。
肝臓重量、並びにアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の血清中濃度を測定することで、処置に伴う肝毒性を評価した。図23A〜図23Cに示されているように、溶媒群と比較して、いずれの処置群の肝臓重量、ALT値、AST値のいずれにおいても増加は見られなかった。データから、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の強力な抗腫瘍効果は肝毒性を伴わないことが示唆された。
実施例15
マウスにおける樹立されたCT26固形腫瘍増殖に対するIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の効果
樹立腫瘍モデルでIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の抗腫瘍活性および免疫応答をさらに調べるため、雌Balb/Cマウス(10〜12週齢)の右側腹部に、1×10個のCT26細胞を皮下注射した。11日目、平均腫瘍体積が約70mmとなったとき、マウスを無作為に3つの群(n=10/群)に分け、無作為化の同日に、溶媒(PBS)またはP−0313(0.1mg/kgまたは0.05mg/kg)の腹腔内注射を行った。16日目に、各試験薬剤の腹腔内注射を追加で1回行った(計2回の投与)。週3回ノギスを用いて腫瘍を測定し、腫瘍体積を以下の通りに算出した:体積=0.5×(幅)×(長さ)。19日目、免疫応答の研究のために、非終末部の末梢血をヘパリン処理チューブに採取した。21日目、全てのマウスを屠殺し、組織摘出を行った。
図24Aに示されているように、PBS処置マウスは巨大な皮下腫瘍を急速に発達させた。0.1mg/kgまたは0.05mg/kgのP−0313によるいずれのマウス処置も、腫瘍増殖の遅延においておよそ等効力であった(図24A)。3つ全ての処置群の、個々のマウスについて、腫瘍増殖曲線をプロットした(図25A〜図25C)。試験された2つの用量群において、特に初期段階に、マウスがP−0313処置に良好に反応し、腫瘍増殖の遅延および腫瘍増殖の同期阻害を示したことは明白である(図25A〜図25C)。腫瘍接種後21日目、PBS処置マウスの平均腫瘍体積は820mmであったが、それに対し、P−0313処置マウスでは両方の用量で410mmであった(図25A、**P<0.01;一元配置分散分析とテューキーの事後検定(Tukey’s post−test))。高用量(0.1mg/kg)のP−0313が初期には低用量群よりも大きな腫瘍量減少を示したが、治療が進むにつれてその差異が次第に小さくなっていったことは、注目に値する。
P−0313処置マウスは21日間の試験を通してPBS処置マウスと同様の体重増加を示し(図24B)、P−0313が、2つの試験用量においては、良好な耐容性を示し、明らかな毒性を伴わないことが示唆された。
次に、末梢血中および脾臓内のCD8 T細胞およびNK細胞集団に対するP−0313の効果を調べた。担癌マウスに対するP−0313投与は、NK細胞およびCD8 T細胞の増殖能を強力に誘導し(図26Aおよび図26B)、NK細胞およびCD8 T細胞の増殖を用量依存的に誘導し(図26Cおよび図26D)、非担癌マウスで確認されたものと同程度の免疫細胞反応を誘導した(実施例13)。これら2つのリンパ球集団の間で、NK細胞においてより倍率の高い変化が確認された(0.1mg/kg用量群は約100倍、0.05mg/kg用量群は約38倍)。CD8+T細胞は0.1mg/kg用量で約5.4倍増殖し、0.05mg/kg用量群は約2.7倍であった。
P−0313はまた、末梢血中のものと同様に、脾臓内のNK細胞およびCD8+T細胞両方の増殖も増強したが(図27Aおよび図27B)、脾臓における規模/変化倍率はそれほど大きくはなかった。NK細胞においてより大きな変化倍率が確認された(0.1mg/kg用量群は約10倍、0.05mg/kg用量群は約8倍)。CD8+T細胞は0.1mg/kg用量で約2.7倍増殖し、0.05mg/kg用量群はごく僅かな増殖であった。
まとめると、これらのデータから、P−0313処置により、固形腫瘍増殖の有意な遅延および阻害が可能であり、この腫瘍抑制効果が、担癌マウスにおける細胞傷害性のNK細胞およびCD8 T細胞の増殖能および増殖と相関していることが示され、これらは、IL−15の全体的な免疫調節性と一致している。P−0313はエフェクター機能を欠くFc領域を有しているため、インビボでのP−0313の抗腫瘍活性は、直接的な腫瘍細胞の殺傷が原因ではなく、細胞傷害性のCD8+T細胞およびNK細胞のロバストな活性化による、腫瘍細胞に対する強力な免疫応答が原因である。
実施例16
Balb/Cマウスにおける樹立されていないCT26固形腫瘍の増殖に対するIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の効果
P−0313の抗腫瘍活性を確認するため、樹立されていないCT26腫瘍モデルで同様の研究を行った。1×10個のCT26細胞の腫瘍細胞皮下移植の3日後、マウスの腹腔内に溶媒(PBS)またはP−0313(0.1mg/kg)を5日毎に合計5回注射した。マウスは25日目に屠殺し、腫瘍の測定は週2〜3回行った。
樹立されたCT26腫瘍モデル(実施例14)で見られたことと同様に、P−0313は、腫瘍増殖の顕著な阻害(図28A)と、固形腫瘍量の有意な減少(図28B)を示した。5回の反復投与により、P−0313処置マウスは、ほどほどの脾臓重量増加を示したが(図29A)、体重増加には有意な減少はなく(図29B)、P−0313の耐容性が良好であることが示された。
全体として、これらのデータから、P−0313が、耐容性良好な安全性を有する、固形腫瘍および液性腫瘍、並びに腫瘍細胞転移に対する有効な免疫療法剤であることが実証された。
本願で開示および特許請求されている物品および方法は全て、本開示に照らし合わせることで、必要以上の実験を行うことなく作製および実行することができる。本開示の物品および方法を好ましい実施形態の観点から説明したが、本開示の精神および範囲から逸脱しない範囲で、物品および方法に変更を適用してもよいことは、当業者には明らかである。当業者には明らかな、そのような変更形態および均等物は全て、現存するものであれ後に開発されるものであれ、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲に包含されると見なされる。本明細書で引用された特許、特許出願、および刊行物は全て、本開示が属する技術分野における当業者の水準を示すものである。全ての特許、特許出願、および刊行物は、あたかも個々の刊行物が、その全体があらゆる目的で参照により援用されると明確且つ個別に示されているのと同程度に、それらの全体があらゆる目的で参照により本明細書に援用される。本明細書に例示的に記載された開示は、本明細書に特には開示されていない任意の要素の非存在下で、好適に実施されている場合がある。すなわち、本開示は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されたが、本明細書で開示された概念の変更および変形が当業者によって為されてもよいこと、並びに、そのような変更形態および変形形態が添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内であると見なされることを理解されたい。

[配列表]
添付の配列表に列挙された核酸配列およびアミノ酸配列では、米国特許法施行規則§1.822の規定の通り、ヌクレオチド塩基は標準的な略語を用いて示しており、アミノ酸は3文字表記を用いて示している。
配列番号1はヒトIL−15前駆体のアミノ酸配列である。
配列番号2はヒトIL−15成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号3はヒトIL−15Rαのアミノ酸配列である。
配列番号4はヒトIL−15Rαの細胞外ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号5はヒトIL−15Rαのsushiドメイン+のアミノ酸配列である。
配列番号6はヒトIgG1−Fcのアミノ酸配列である。
配列番号7はKnob−Fcのアミノ酸配列である。
配列番号8はHole−Fcのアミノ酸配列である。
配列番号9〜12は各種ペプチドリンカーのアミノ酸配列である。
配列番号13はHole−Fc−リンカー1−IL−15鎖のアミノ酸配列である。
配列番号14はKnob−Fc−リンカー1−IL−15Rα−Sushi+鎖のアミノ酸配列である。
配列番号15はIL−15−リンカー4−Hole−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号16はIL−15Rα−Sushi+−リンカー4−Knob−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号17はKnob−Fc−リンカー2−IL−15Rα−Sushi+鎖のアミノ酸配列である。
配列番号18はHole−Fc−リンカー2−IL−15鎖のアミノ酸配列である。
配列番号19はIL−15−リンカー3−Hole−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号20はFc−リンカー3−IL−15鎖のアミノ酸配列である。
配列番号21はIL−15−リンカー3−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号22はKnob−Fc−リンカー2−IL−15Rα−Sushi+鎖のアミノ酸配列である。
配列番号23はFc−リンカー2−IL−15Rα−Sushi+鎖のアミノ酸配列である。
配列番号24〜45は各種IL−15バリアントポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号46はFc−リンカー3−IL−15−S58D鎖のアミノ酸配列である。
配列番号47はペプチドリンカーのアミノ酸配列である。
配列番号48はHole−Fc−リンカー3−IL−15−S58D鎖のアミノ酸配列である。
配列番号49はIL−15−S58D−リンカー3−Hole−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号50はIL−15−S58D−リンカー3−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号51はIL−15Rα−Sushi+リンカー2−Knob−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号52はIL−15Rα−Sushi+リンカー2−Fc鎖のアミノ酸配列である。
配列番号53はHole−Fc−リンカー1−IL−15−S58D鎖のアミノ酸配列である。
配列番号54はHole−Fc−リンカー3−IL−15鎖のアミノ酸配列である。
配列番号55はKnob−Fc−リンカー1−IL−15鎖のアミノ酸配列である。
配列番号56〜63は各種IL−15/IL−15Rα−Fc融合体鎖をコードしているヌクレオチド配列である。
配列番号64および配列番号65は2種類の標準ポリペプチド鎖のアミノ酸配列である。


配列表
ヒトIL−15前駆体配列
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号1)
ヒトIL−15成熟型配列
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号2)
ヒトIL−15Rα配列
MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVE MEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL(配列番号3)
ヒトIL−15Rαの細胞外ドメイン
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTT(配列番号4)
ヒトIL−15Rαのsushiドメイン+
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号5)
ヒトIgG1−Fc
DKTHTCPPCPAPEAAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号6)
Knob−Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号7)
Hole−Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号8)
ペプチドリンカー配列
EPKSSDKTHTSPPSP(配列番号9)
ペプチドリンカー配列
GGGGSGGGGS(配列番号10)
ペプチドリンカー配列
GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号11)
ペプチドリンカー配列
G(配列番号12)
Hole−Fc−リンカー1−IL−15鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号13)
Knob−Fc−IL−リンカー1−IL−15Rα−Sushi+鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号14)
IL−15−リンカー4−Hole−Fc鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号15)
IL−15Rα−Sushi+−リンカー4−Knob−Fc鎖
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)
Knob−Fc−リンカー2−IL−15Rα−+鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号17)
Hole−Fc−リンカー2−IL−15鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号18)
IL−15−リンカー3−Hole−Fc鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号19)
Fc−リンカー3−IL−15鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号20)
IL−15−リンカー3−Fc鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号21)
Knob−Fc−リンカー2−IL−15Rα−Sushi+鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP
(配列番号22)
Fc−リンカー2−IL−15Rα−Sushi+鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP
(配列番号23)
ヒトIL−15 S58Dバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号24)
ヒトIL−15 T62Dバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDDVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号25)
ヒトIL−15 V63Fバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTFENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号26)
ヒトIL−15 I67Vバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLVILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号27)
ヒトIL−15 I68Fバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIFLANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号28)
ヒトIL−15 I68Kバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIKLANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号29)
ヒトIL−15 I68Dバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIDLANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号30)
ヒトIL−15 I68Hバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIHLANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号31)
ヒトIL−15 Q108Aバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVAMFINTS(配列番号32)
ヒトIL−15 Q108Mバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVMMFINTS(配列番号33)
ヒトIL−15 Q108Sバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVSMFINTS(配列番号34)
ヒトIL−15 Q108S/D30Tバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESTVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVSMFINTS(配列番号35)
ヒトIL−15 Q108S/V31Yバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDYHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVSMFINTS(配列番号36)
ヒトIL−15 Q108S/H32Eバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVEPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVSMFINTS(配列番号37)
ヒトIL−15 Q108S/D30T/V31Y/H32Eバリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESTYEPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVSMFINTS(配列番号38)
ヒトIL−15 111〜114位欠失バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMF(配列番号39)
ヒトIL−15 109〜114位欠失バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQ(配列番号40)
ヒトIL−15 108〜114位欠失バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIV(配列番号41)
ヒトIL−15 105〜114位欠失バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFV(配列番号42)
N95後に「GS」が挿入されたヒトIL−15バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNGSIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号43)
N95後に「GGSGG」が挿入されたヒトIL−15バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNGGSGGIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号44)
N95後に「GSSGGSGGS」が挿入されたヒトIL−15バリアントポリペプチド
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNGSSGSSGGSIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号45)
Fc−リンカー3−IL−15 S58D鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号46)
ペプチドリンカー配列
GGGGSGGGG(配列番号47)
Hole−Fc−リンカー3−IL−15 S58D鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号48)
IL−15 S58D−リンカー3−Hole−Fc鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号49)
IL−15 S58D−リンカー3−Fc鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号50)
IL−15Rα−Sushi+リンカー2−Knob−Fc鎖
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
(配列番号51)
IL−15Rα−Sushi+リンカー2−Fc鎖
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
(配列番号52)
Hole−Fc−リンカー1−IL−15−S58D鎖

DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号53)
Hole−Fc−リンカー3−IL−15鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号54)
Knob−Fc−リンカー1−IL−15鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号55)
P−0313第1鎖のヌクレオチド配列
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggaggcggaggatctggtggcggaggaagcggaggcggcggctccaactgggtgaatgtgatcagcgacctgaagaagatcgaggatctgatccagtccatgcacatcgacgccaccctgtatacagagtctgatgtgcaccccagctgcaaggtgaccgccatgaagtgttttctgctggagctgcaggtcatcagcctggagtccggcgacgcagacatccacgataccgtggagaatctgatcatcctggccaacaattccctgtctagcaacggcaatgtgacagagtctggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaatatcaaagagttcctgcagagtttcgtccacatcgtccagatgtttatcaatacctca
(配列番号56)
IL−15RαSushi+ドメイン(融合タンパク質P−0313、P−0234、P−0666、およびP−0668の第2鎖)のヌクレオチド配列
atggctccacggcgggctcggggctgtcgcaccctggggctgcctgctctgctgctgctgctgctgctgagaccacctgctacacgcggcatcacctgcccacctccaatgagcgtggagcacgcagacatctgggtgaagtcttacagcctgtatagccgggagagatacatctgcaactccggcttcaagcggaaggccggcaccagctccctgacagagtgcgtgctgaacaaggccacaaatgtggcccactggaccacaccttccctgaagtgcatccgggaccccgccctggtgcaccagcgcccagccccccct(配列番号57)
P−0234第1鎖のヌクレオチド配列
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggaggcggaggatctggtggcggaggaagcggaggcggcggctccaactgggtgaatgtgatcagcgacctgaagaagatcgaggatctgatccagtccatgcacatcgacgccaccctgtatacagagtctgatgtgcaccccagctgcaaggtgaccgccatgaagtgttttctgctggagctgcaggtcatcagcctggagtccggcgacgcaagcatccacgataccgtggagaatctgatcatcctggccaacaattccctgtctagcaacggcaatgtgacagagtctggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaatatcaaagagttcctgcagagtttcgtccacatcgtccagatgtttatcaatacctca
(配列番号58)
P−0666第1鎖のヌクレオチド配列
atggatatgcgagtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcggggggctagatgcgataaaactcatacctgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacaccctgatgatctctcgtacgcccgaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctcgggaggagcagtacaactccacctatagagtggtgtctgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggccaagggccagcctagggagccacaggtgtataccctgccaccctgccgcgaggagatgacaaagaaccaggtgtccctgtcttgtgccgtgaagggcttctacccttctgacatcgccgtggagtgggagagcaatggccagccagagaacaattataagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctggtgagcaagctgaccgtggataagtccaggtggcagcagggcaacgtgtttagctgttccgtgatgcacgaggccctgcacaatcactacacacagaagtctctgagcctgtcccccgggggaggcggaggatctggtggcggaggaagcggaggcggcggctccaactgggtgaatgtgatcagcgacctgaagaagatcgaggatctgatccagtccatgcacatcgacgccaccctgtatacagagtctgatgtgcaccccagctgcaaggtgaccgccatgaagtgttttctgctggagctgcaggtcatcagcctggagtccggcgacgcagacatccacgataccgtggagaatctgatcatcctggccaacaattccctgtctagcaacggcaatgtgacagagtctggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaatatcaaagagttcctgcagagtttcgtccacatcgtccagatgtttatcaatacctca(配列番号59)
P−0666第3鎖のヌクレオチド配列
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgtctcacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagaccaagcccagggaggagcagtacaacagcacctatcgcgtggtgtccgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggcaaagggacagcctcgggagccacaggtgtgcaccctgccaccctctagagaggagatgacaaagaaccaggtgagcctgtggtgtctggtgaagggcttctacccttccgacatcgccgtggagtgggagtctaatggccagccagagaacaattacaagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctgtattctaagctgaccgtggataagagcaggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaggccctgcacaatcactacacacagaagagcctgtccctgtctcccggg(配列番号60)
P−0668第1鎖のヌクレオチド配列
atgtatcggatgcagctgctgtcttgtatcgctctgtcactggctctggtcactaattctaactgggtcaatgtcatttctgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccatcttgcaaggtgaccgcaatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgcagatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggcaaacaattccctgagctccaacggaaatgtgacagagtctggatgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcttttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacatccggcggcggcggctccggcggcggcggctctggcggcggcggcagctgccccccttgtccagcccccgaggccgctggggcaccaagcgtgttcctgttccctccaaaaccaaaagatactctgatgattagccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccggg(配列番号61)
P−0314第1鎖のヌクレオチド配列
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggcggcggcggcagcggaggcggcggctccatcacctgtccaccccctatgagcgtggagcacgccgatatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcgcaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaagtgtattagagaccctgccctggtgcatcagcggcctgctccccca(配列番号62)
P−0314第2鎖のヌクレオチド配列
atgtaccggatgcagctgctgtcctgcatcgccctgtctctggccctggtgaccaactctaattgggtgaacgtgatcagcgacctgaagaagatcgaggatctgatccagtctatgcacatcgacgccaccctgtatacagagagcgatgtgcacccctcctgcaaggtgacagccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgcagacatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaataactccctgagctccaacggcaatgtgacagagtctggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagagctttgtgcacatcgtgcagatgtttatcaatacctcc(配列番号63)
標準の第1鎖
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIREPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号64)
標準の第2鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANDSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号65)

Claims (70)

  1. 単離されたインターロイキン−15(IL−15)融合タンパク質複合体であって、(1)Fcドメインに連結されているIL−15ポリペプチド(またはそのバリアント)と;(2)前記IL−15ポリペプチドに非共有結合的に連結されているIL−15受容体α(「IL−15Rα」)ドメインと、を含むことにより、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体を形成している、上記複合体。
  2. 前記IL−15ポリペプチドが前記FcドメインのC末端に連結されている、請求項1に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  3. 前記IL−15ポリペプチドが前記FcドメインのN末端に連結されている、請求項1に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  4. 前記IL−15ポリペプチドが配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むIL−15ポリペプチドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  5. 前記IL−15ポリペプチドが、配列番号2の30位、31位、32位、58位、62位、63位、67位、68位、または108位に1または複数のアミノ酸の置換または欠失を含むIL−15バリアントポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  6. 前記IL−15ポリペプチドが、配列番号2の58位にSからDへの置換を含むIL−15バリアントポリペプチドである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  7. 前記IL−15Rαドメインが配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  8. 前記IL−15RαドメインがIL−15受容体αのSushi(「IL−15RαSushi」)ドメインであり、前記IL−15RαSushiドメインは配列番号5に記載の配列に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  9. 前記IL−15RαSushiドメインが配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  10. 前記Fcドメインが、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  11. 各Fcドメインが、エフェクター機能がサイレンシングされた、且つ/または、半減期を延長する機能を有する、Fcドメインである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  12. 前記Fcドメインが、配列番号6に記載のアミノ酸配列、配列番号7に記載のアミノ酸配列、および配列番号8に記載のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFcドメインである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  13. 各IL−15ポリペプチドがペプチドリンカーによりFcドメインに共有結合的に結合している、請求項1〜12のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  14. 前記ペプチドリンカーが配列番号9〜12に記載の配列からなる群から選択される、請求項13に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  15. 単離されたIL−15融合タンパク質複合体であって、(1)Fcドメインに連結されているIL−15Rαドメインと;(2)前記IL−15Rαドメインに非共有結合的に連結されているIL−15ポリペプチド(またはそのバリアント)と、を含むことにより、IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体を形成しており、前記IL−15ポリペプチドは配列番号2の58位にSからDへの置換を含むIL−15バリアントポリペプチドである、上記複合体。
  16. 前記IL−15Rαドメインが前記FcドメインのC末端に連結されている、請求項15に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  17. 前記IL−15Rαドメインが前記FcドメインのN末端に連結されている、請求項15に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  18. 前記IL−15Rαドメインが配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  19. 前記IL−15RαドメインがIL−15受容体αのSushi(「IL−15RαSushi」)ドメインであり、前記IL−15RαSushiドメインは配列番号5に記載の配列に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  20. 前記IL−15RαSushiドメインが配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、請求項19に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  21. 前記Fcドメインが、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択される、請求項15〜20のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  22. 各Fcドメインが、エフェクター機能がサイレンシングされた、且つ/または、半減期を延長する機能を有する、Fcドメインである、請求項15〜21のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  23. 前記Fcドメインが、配列番号6に記載のアミノ酸配列、配列番号7に記載のアミノ酸配列、および配列番号8に記載のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFcドメインである、請求項15〜22のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  24. 各IL−15ポリペプチドがペプチドリンカーによりFcドメインに共有結合的に結合している、請求項15〜23のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  25. 前記ペプチドリンカーが配列番号9〜12に記載の配列からなる群から選択される、請求項24に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  26. 単離されたIL−15融合タンパク質複合体であって、(1)2つのFcドメインに連結されている2つのIL−15ポリペプチド(またはそのバリアント)と;(2)それぞれのIL−15ポリペプチドに非共有結合的に連結されている2つのIL−15Rαドメインと、を含むことにより、二量体IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体を形成している、上記複合体。
  27. 前記2つのIL−15ポリペプチドが前記2つのFcドメインのC末端に連結されている、請求項26に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  28. 前記2つのIL−15ポリペプチドが前記2つのFcドメインのN末端に連結されている、請求項26に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  29. 前記IL−15ポリペプチドの少なくとも一方が配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むIL−15ポリペプチドである、請求項26〜28のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  30. 前記IL−15ポリペプチドの少なくとも一方が、配列番号2の30位、31位、32位、58位、62位、63位、67位、68位、または108位に1または複数のアミノ酸の置換または欠失を含むIL−15バリアントポリペプチドである、請求項26〜28のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  31. 前記IL−15ポリペプチドの少なくとも一方が、配列番号2の58位にSからDへの置換を含むIL−15バリアントポリペプチドである、請求項26〜30のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  32. 前記IL−15Rαドメインが配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む、請求項26〜31のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  33. 前記IL−15RαドメインがIL−15受容体αのSushi(「IL−15RαSushi」)ドメインであり、前記IL−15RαSushiドメインは配列番号5に記載の配列に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、請求項26〜31のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  34. 前記IL−15RαSushiドメインが配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、請求項33に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  35. 前記Fcドメインが、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択される、請求項26〜34のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  36. 各Fcドメインが、エフェクター機能がサイレンシングされた、且つ/または、半減期を延長する機能を有する、Fcドメインである、請求項26〜35のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  37. 前記Fcドメインが、配列番号6に記載のアミノ酸配列、配列番号7に記載のアミノ酸配列、および配列番号8に記載のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFcドメインである、請求項26〜36のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  38. 各IL−15ポリペプチドがペプチドリンカーによりFcドメインに共有結合的に結合している、請求項26〜37のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  39. 前記ペプチドリンカーが配列番号9〜12に記載の配列からなる群から選択される、請求項38に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  40. 単離されたIL−15融合タンパク質複合体であって、(1)2つのFcドメインに連結されている2つのIL−15Rαドメインと;(2)前記IL−15Rαドメインに非共有結合的に連結されている2つのIL−15ポリペプチド(またはそのバリアント)と、を含むことにより、二量体IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体を形成しており、前記IL−15ポリペプチドの少なくとも一方は配列番号2の58位にSからDへの置換を含むIL−15バリアントポリペプチドである、上記複合体。
  41. 前記2つのIL−15Rαドメインが前記2つのFcドメインのC末端に連結されている、請求項40に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  42. 前記IL−15Rαドメインが前記2つのFcドメインのN末端に連結されている、請求項40に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  43. 前記IL−15Rαドメインが配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む、請求項40〜42のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  44. 前記IL−15RαドメインがIL−15受容体αのSushi(「IL−15RαSushi」)ドメインであり、前記IL−15RαSushiドメインは配列番号5に記載の配列に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、請求項40〜42のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  45. 前記IL−15RαSushiドメインが配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、請求項44に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  46. 前記Fcドメインが、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択される、請求項40〜45のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  47. 各Fcドメインが、エフェクター機能がサイレンシングされた、且つ/または、半減期を延長する機能を有する、Fcドメインである、請求項40〜46のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  48. 前記Fcドメインが、配列番号6に記載のアミノ酸配列、配列番号7に記載のアミノ酸配列、および配列番号8に記載のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFcドメインである、請求項40〜47のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  49. 各IL−15ポリペプチドがペプチドリンカーによりFcドメインに共有結合的に結合している、請求項40〜48のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  50. 前記ペプチドリンカーが配列番号9〜12に記載の配列からなる群から選択される、請求項49に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体。
  51. 単離されたIL−15融合タンパク質複合体であって、(1)異種タンパク質に連結されているIL−15ポリペプチド(またはそのバリアント)と;(2)前記IL−15ポリペプチドに非共有結合的に連結されているIL−15Rαドメインと、を含むことにより、IL−15/IL−15Rα−異種タンパク質融合タンパク質を形成している、上記複合体。
  52. 単離されたIL−15融合タンパク質複合体であって、(1)異種タンパク質に連結されているIL−15Rαドメインと;(2)前記IL−15Rαドメインに非共有結合的に連結されているIL−15ポリペプチド(またはそのバリアント)と、を含むことにより、IL−15/IL−15Rα−異種タンパク質融合タンパク質を形成している、上記複合体。
  53. 前記異種タンパク質が半減期の延長を可能にする完全長のヌル抗体または抗体断片からなる群から選択される、請求項51〜58のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−異種タンパク質融合タンパク質。
  54. 前記異種タンパク質がIL−15/IL−15Rα複合体と相加効果または相乗効果を示す完全長IgGまたは二重特異性ダイアボディからなる群から選択される、請求項51〜52のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−異種タンパク質融合タンパク質。
  55. 請求項1〜54のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む、医薬組成物。
  56. 対象におけるがんまたはがん転移の治療方法において、治療有効量の請求項55に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、上記方法。
  57. 前記がんが、膵がん、胃がん、卵巣がん、大腸がん、メラノーマ、白血病、骨髄異形成症候群、肺がん、肝臓がん、乳がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、頭頸部がん、または横紋筋肉腫からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
  58. 前記方法はがんまたはがん転移を治療することが可能な第2の治療法をさらに含み;前記併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増加させる、請求項56〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 対象におけるウイルス感染症の治療方法であって、治療有効量の請求項55に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、上記方法。
  60. 樹状細胞(dendric cell)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、NK細胞、TCR−T細胞;CAR−NK細胞、iPS誘導NK細胞、iPS誘導TCR−T細胞、iPS誘導CAR−T細胞、またはiPS誘導CAR−NK細胞を用いる細胞療法を含むがこれらに限定はされない、細胞生存および半減期を維持するための養子細胞移植によるNK細胞・T細胞療法またはCAR−NK・CAR−T療法と組み合わされた、インビトロおよびインビボにおいてNK細胞およびT細胞を増殖および更新する方法であって;
    治療有効量の請求項55に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、
    上記方法。
  61. IL−15/IL−15Rα融合タンパク質複合体の作製方法であって、a)宿主細胞においてIL−15RαドメインとFcドメインに結合したIL−15ポリペプチドとを共発現させることと;b)前記IL−15Rαドメインと前記IL−15−Fc融合タンパク質とを発現させるのに十分な条件の下、培地中で前記宿主細胞を培養することと;c)前記宿主細胞または前記培地からIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質複合体を精製することと、を含む、上記作製方法。
  62. IL−15Rαドメインとの共発現により凝集の抑制と発現の増加をもたらす、IL−15融合タンパク質発現の改善方法。
  63. 請求項1〜54のいずれか一項に記載のIL−15−Fcドメイン融合タンパク質をコードする核酸分子。
  64. 請求項1〜54のいずれか一項に記載のIL−15Rαドメインをコードする核酸分子。
  65. 請求項63に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  66. 請求項64に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  67. 請求項63に記載の核酸分子をさらに含む、請求項66に記載の発現ベクター。
  68. 請求項65〜67のいずれか一項に記載の発現ベクターのうちの1または複数を含む宿主細胞。
  69. 請求項1〜68のいずれか一項に記載のIL−15/IL−15Rα融合タンパク質複合体の製造方法であって、前記IL−15/IL−15Rα融合タンパク質複合体の発現を促進する条件下で請求項1〜68に記載の宿主細胞を培養することと、前記IL−15/IL−15Rα融合タンパク質複合体を回収することと、を含む、上記製造方法。
  70. 請求項69に記載の方法によって製造された単離されたIL−15/IL−15Rα融合タンパク質複合体。
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