JP2021526829A - 組換えaav生成のためのアニオン交換クロマトグラフィー - Google Patents

組換えaav生成のためのアニオン交換クロマトグラフィー Download PDF

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Abstract

本明細書では、アニオン交換クロマトグラフィーを用いて組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を精製するための方法が提供される。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月14日出願の米国仮出願第62/684,835号の優先権を主張し、当該出願の全体は本明細書に援用される。
背景
組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベースベクターは、現在最も広く使用されている開発中の遺伝子療法製品である。rAAVベクター系の使用が好まれる理由は、部分的には、野生型ウイルスに関連する疾患がないこと、AAVの形質導入が非分裂細胞にも分裂細胞にも可能であること、及び臨床試験で結果的に長期のロバストな導入遺伝子発現が観察されていることによるものであり、このことは、遺伝子療法の適応症における送達の大きな可能性を示している。加えて、種々の天然及び組換えrAAVベクター血清型は、種々の組織、器官、及び細胞を特異的に標的とし、ベクターに対する任意の既存の免疫を回避するのに役立ち、そのためAAVベース遺伝子療法の治療応用を拡大する。
ただし、AAVベース遺伝子療法を後期臨床段階及び商業的使用により広く採用できるようになる前には、GMPに準拠して大規模に機能的rAAV粒子を精製するための新たな方法を開発する必要がある。ウイルスベクターの下流処理に関して研究開発人員が直面する課題の1つは、混入する密接に関連する分子種、例えば、不活性のベクター形態(空の及び充填不完全なウイルスカプシド(生成物関連不純物)、ヘルパーウイルス、ならびに細胞膜小胞を含む)から機能的なウイルス粒子を効率的に分離するのを確実にすることである。生成物関連不純物(例えば、空のまたは充填不完全なカプシド)が機能的なrAAV粒子と共有する構造表面の類似性を考慮すると、現在説明されている精製手順を用いて分離することは困難であり、場合によっては不可能であるため、これらの混入物の除去は重大な課題を提起する。治療用組成物中に空の及び充填不完全なカプシドが存在すると、事前に設定された数の導入遺伝子コピーを送達するように設計されている単一の単位用量内で、免疫原性の可能性があるカプシドタンパク質の量が増加するため、生成物関連不純物の除去は非常に重要である。組成物中の空のカプシド及び充填不完全なカプシドを低減することにより、導入遺伝子コピーの単位用量を少量のカプシドタンパク質と共に送達し、それにより、患者がAAV粒子に対し有害な免疫反応を起こす可能性を低減することができる。したがって、rAAV粒子を単離するためのGMP準拠処理が必要とされている。
概要
1つの態様において、本開示は、組換えAAV(rAAV)粒子及び不純物(例えば、空の/充填不完全なウイルスカプシドまたはウイルス凝集体)を含むフィード組成物(例えば、rAAVアフィニティークロマトグラフィーカラムの溶出液)からrAAV粒子を単離するための方法を提供し、これは、当該組成物をアニオン交換クロマトグラフィー樹脂(例えば、4級アミンリガンドを含むモノリスアニオン交換クロマトグラフィー樹脂またはAEX樹脂)に接触させ、単離されたrAAV粒子を含む生成物組成物を回収することによって行われる。
別の態様において、本開示は、アニオン交換クロマトグラフィー中における、空のまたは充填不完全な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、完全rAAV粒子との分離を改善するための方法を提供し、これは、空の、充填不完全な、及び完全rAAV粒子を含むフィード組成物をアニオン交換クロマトグラフィー樹脂(例えば、4級アミンリガンドを含むAEX樹脂)に接触させ、単離されたrAAV粒子を含む生成物組成物を回収することによって行われる。
別の態様において、本開示は、アニオン交換クロマトグラフィー中における、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子とウイルス凝集体との間の分離を改善するための方法を提供し、これは、rAAV粒子及びウイルス凝集体を含むフィード組成物をアニオン交換クロマトグラフィー樹脂(例えば、4級アミンリガンドを含むAEX樹脂)に接触させ、単離されたrAAV粒子を含む生成物組成物を回収することによって行われる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、上流処理、例えば、細胞培養物の収集、(例えば、遠心分離もしくは深層濾過による)収集した細胞培養物の清澄化、接着細胞培養物の細胞上清、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、無菌濾過、またはこれらの任意の組合せ(複数可)、を含む方法により、フィード組成物を産生することを含む。いくつかの実施形態において、上流処理は遠心分離を含まない。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法はさらに、下流処理ステップ、例えば、タンジェンシャルフロー濾過、カチオン交換クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、及び/または無菌濾過、あるいはこれらの任意の組合せ(複数可)によって生成物組成物を処理することを包含する。さらなる実施形態において、当該方法は、上流処理及び下流処理を含む。上流及び/または下流処理は、単独でも様々な組合せでも使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、細胞培養物または細胞培養物上清の収集、深層濾過による収集した細胞培養物の清澄化、第1の無菌濾過、第1のタンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、第2のタンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、細胞培養物の収集、深層濾過による収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、タンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、深層濾過による収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、第1のタンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、第2のタンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、深層濾過による収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、タンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は以下を提供する。
[1.]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を、rAAV粒子及び不純物を含むフィード組成物から単離するための方法であって、
(a)前記フィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、rAAV粒子が前記クロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、
(b)直線勾配を用いて前記クロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を溶出すること、及び
(c)溶出された前記rAAV粒子を含む溶出液を回収すること
を含み、
(i)前記不純物が、空のウイルスカプシド、充填不完全なウイルスカプシド、及び/またはウイルス凝集体を含み、
(ii)前記方法が、以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
のうちの1つ以上によって特徴づけられる、方法。
[2.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
のうちの2つ以上によって特徴づけられる、[1]に記載の方法。
[3.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、及び
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること
によって特徴づけられる、[1]に記載の方法。
[4.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
によって特徴づけられる、[1]に記載の方法。
[5.]
a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有し、
b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK+濃度を有し、
c.前記フィード組成物が、約7.0から約10.2の間のpHを有し、
d.前記溶出することが、0.2CV/分から5CV/分の間の流量で行われる、
[1]〜[4]のいずれか1つに記載の方法。
[6.]アニオン交換クロマトグラフィー中における、空のまたは充填不完全な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と完全rAAV粒子との分離を改善するための方法であって、
(a)空のrAAV粒子、充填不完全なrAAV粒子、及び完全rAAV粒子を含むフィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、前記rAAV粒子が前記クロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、
(b)直線勾配を用いて前記クロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を溶出すること、ならびに
(c)溶出された前記rAAV粒子を含む溶出液を回収すること
を含み、
以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
のうちの1つ以上によって特徴づけられる、前記方法。
[7.]アニオン交換クロマトグラフィー中における、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子とウイルス凝集体との分離を改善するための方法であって、
(a)rAAV粒子及びウイルス凝集体を含むフィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、前記rAAV粒子が前記クロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、
(b)直線勾配を用いて前記クロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を溶出すること、ならびに
(c)溶出された前記rAAV粒子を含む溶出液を回収すること
を含み、
以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
のうちの1つ以上によって特徴づけられる、前記方法。
[8.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
のうちの2つ以上によって特徴づけられる、[6]または[7]に記載の方法。
[9.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、0.2CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
によって特徴づけられる、[6]または[7]に記載の方法。
[10.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK+濃度を有すること、及び
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること
によって特徴づけられる、[6]または[7]に記載の方法。
[11.]以下:
a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK+濃度を有すること、及び
c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること
によって特徴づけられる、[6]または[7]に記載の方法。
[12.]前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、4級アミン官能基を含む、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法。
[13.]前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、モノリスアニオン交換クロマトグラフィーである、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法。
[14.]前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、4級アミン官能基を含むモノリスアニオン交換クロマトグラフィーである、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法。
[15.]前記直線塩勾配が、約0から500mMの間のNaClを含む、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の方法。
[16.]前記直線塩勾配が、約0から200mMの間のNaClを含む、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の方法。
[17.]溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含む、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の方法。
[18.]溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+を含む、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の方法。
[19.]溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、約0.1mMから約20mMの間のK+を含む、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の方法。
[20.]溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+及び約0.1mMから約20mMの間のK+を含む、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の方法。
[21.]溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、8mMのMgCl2及び2.5mMのKClを含む、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の方法。
[22.]前記フィード組成物を前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体に接触させる前に、前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、8mMのMgCl2及び2.5mMのKClを含む緩衝液で平衡化されている、[1]〜[21]のいずれか1つに記載の方法。
[23.]前記rAAV粒子が、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAVからのカプシドタンパク質を含む、[1]〜[22]のいずれか1つに記載の方法。
[24.]前記rAAV粒子が、AAV−8またはAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含む、[1]〜[22]のいずれか1つに記載の方法。
[25.]前記フィード組成物が、約8.2から約9.5の間のpHを有する、[1]〜[24]のいずれか1つに記載の方法。
[26.]前記rAAV粒子がAAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が8.2から8.6の間のpHを有する、または前記rAAV粒子がAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が9.1から9.5の間のpHを有する、[1]〜[22]のいずれか1つに記載の方法。
[27.]前記溶出することが、0.5CV/分から1.25CV/分の間の流量で行われる、[1]〜[26]のいずれか1つに記載の方法。
[28.]前記直線塩勾配が、約30から約70CVの間の体積中0〜200mMのNaClを含む、[1]〜[27]のいずれか1つに記載の方法。
[29.]前記rAAV粒子が、AAV−8またはAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記方法が、以下:
a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有すること、
b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK+濃度を有すること、
c.前記rAAV粒子がAAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が8.2から8.6の間のpHを有すること、または前記rAAV粒子がAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が9.1から9.5の間のpHを有すること、
d.前記溶出することが、1.25CV/分から0.5CV/分の間の流量で行われること、及び
e.前記直線塩勾配が、約30から約70CVの間の体積を含むこと
のうちの2つ以上によって特徴づけられる、[1]〜[22]のいずれか1つに記載の方法。
[30.]前記rAAV粒子が、AAV−8またはAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、
a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有し、
b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK+濃度を有し、
c.前記rAAV粒子がAAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が8.2から8.6の間のpHを有するか、または前記rAAV粒子がAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が9.1から9.5の間のpHを有し、
d.前記溶出することが、1.25CV/分から0.5CV/分の間の流量で行われ、及び
e.前記直線塩勾配が、約30CVから約70CVの間の体積を含む、
[1]〜[22]のいずれか1つに記載の方法。
[31.]前記塩勾配が、0〜200mMのNaClを含む、[29]または[30]に記載の方法。
[32.]前記フィード組成物が、2.5mMのMg2+濃度を有する、[1]〜[31]のいずれか1つに記載の方法。
[33.]前記フィード組成物が、1mMのMg2+濃度を有する、[1]〜[31]のいずれか1つに記載の方法。
[34.]前記フィード組成物が、1mMのK+濃度を有する、[1]〜[33]のいずれか1つに記載の方法。
[35.]前記rAAV粒子が、AAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が、約8.4のpHを有する、[1]〜[34]のいずれか1つに記載の方法。
[36.]前記rAAV粒子が、AAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が、約9.3のpHを有する、[1]〜[34]のいずれか1つに記載の方法。
[37.]前記溶出することが、約0.5CV/分の流量で行われる、[1]〜[36]のいずれか1つに記載の方法。
[38.]前記直線塩勾配が、約50CVの体積中0〜200mMのNaClを含む、[1]〜[37]のいずれか1つに記載の方法。
[39.]前記直線塩勾配が、約60CVの体積中0〜200mMのNaClを含む、[1]〜[37]のいずれか1つに記載の方法。
[40.]前記Mg2+がMgCl2である、[1]〜[39]のいずれか1つに記載の方法。
[41.]前記K+がKClである、[1]〜[40]のいずれか1つに記載の方法。
[42.]前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、メタクリレート、アガロースベース材料、セルロース、アクリルアミド、ポリスチレンジビニルベンゼン、またはシリカベース材料を含む、[1]〜[41]のいずれか1つに記載の方法。
[43.]前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートまたはスチレン−ジビニルベンゼンポリマーを含む、[1]〜[41]のいずれか1つに記載の方法。
[44.]前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマーを含む、[43]に記載の方法。
[45.]前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、950nm〜1150nmの平均細孔半径を有する、[1]〜[44]のいずれか1つに記載の方法。
[46.]前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、600nm〜750nmの平均細孔半径を有する、[1]〜[44]のいずれか1つに記載の方法。
[47.]rAAV粒子の収率が少なくとも約40%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[48.]rAAV粒子の収率が少なくとも約50%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[49.]rAAV粒子の収率が少なくとも約60%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[50.]rAAV粒子の収率が少なくとも約70%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[51.]rAAV粒子の収率が少なくとも約75%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[52.]rAAV粒子の収率が少なくとも約80%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[53.]rAAV粒子の収率が少なくとも約85%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[54.]rAAV粒子の収率が少なくとも約90%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[55.]rAAV粒子の収率が少なくとも約95%である、[1]〜[46]のいずれか1つに記載の方法。
[56.]前記不純物が、空のまたは充填不完全なウイルスカプシドを含み、前記方法が、前記空のまたは充填不完全なウイルスカプシドから前記rAAV粒子を分離する、[1]〜[55]のいずれか1つに記載の方法。
[57.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約10%、少なくとも約20%、または少なくとも約30%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[58.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約40%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[59.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約50%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[60.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約60%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[61.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約70%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[62.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約80%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[63.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約90%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[64.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約95%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[65.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約97%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[66.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約98%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[67.]前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約99%がrAAV粒子である、[1]〜[56]のいずれか1つに記載の方法。
[68.]前記フィード組成物が、以下:
(a)前記rAAV粒子を含む細胞培養物、細胞溶解物、細胞上清、またはこれらの組み合わせを含む出発組成物を準備すること、
(b)前記出発組成物を深層濾過によって清澄化して、清澄化された出発組成物を生成すること、
(c)前記清澄化された出発組成物をタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮して、濃縮された濾液を生成すること、
(d)前記濃縮された濾液をアフィニティークロマトグラフィー媒体に接触させること、及び
(e)前記アフィニティークロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を回収して、前記フィード組成物を生成すること
によって生成される、[1]〜[67]のいずれか1つに記載の方法。
[69.]前記フィード組成物が、以下:
(a)前記rAAV粒子を含む細胞培養物、細胞溶解物、細胞上清、またはこれらの組み合わせを含む出発組成物を準備すること、
(b)前記清澄化された出発組成物をタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮して、濃縮された濾液を生成すること、
(c)前記濃縮された濾液をアフィニティークロマトグラフィー媒体に接触させること、及び
(d)前記アフィニティークロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を回収して、前記フィード組成物を生成すること
によって生成される、[1]〜[67]のいずれか1つに記載の方法。
[70.]前記出発組成物が細胞培養物を含み、前記細胞培養物が浮遊培養物または接着細胞培養物である、[68]または[69]に記載の方法。
[71.]前記浮遊培養物が、HeLa細胞、HEK293細胞、HEK293由来細胞、Vero細胞、CHO細胞、EB66細胞、またはSF−9細胞の培養物を含む、[70]に記載の方法。
[72.]前記浮遊培養物が、HEK293細胞の培養物を含む、[71]に記載の方法。
[73.]前記出発組成物が、哺乳類細胞または昆虫細胞の培養物を含む、[68]〜[70]のいずれか1つに記載の方法。
[74.]前記出発組成物が、HeLa細胞、HEK293細胞、HEK293由来細胞、Vero細胞、CHO細胞、EB66細胞、またはSF−9細胞の培養物を含む、[68]〜[70]のいずれか1つに記載の方法。
[75.]前記出発組成物が、約20リットルから約20,000リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[76.]前記出発組成物が、約20リットルから約5,000リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[77.]前記出発組成物が、約50リットルから約20,000リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[78.]前記出発組成物が、約50リットルから約5,000リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[79.]前記出発組成物が、約100リットルから約3,000リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[80.]前記出発組成物が、約500リットルから約3,000リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[81.]前記出発組成物が、約1,500リットルから約2,500リットルの間の体積を有する、[68]〜[74]のいずれか1つに記載の方法。
[82.]前記出発組成物が、約2,000リットルの体積を有する、[81]に記載の方法。
[83.]前記出発組成物が、約1000リットルの体積を有する、[81]に記載の方法。
[84.][1]〜[83]のいずれか1つに記載の方法によって生成される、単離された組換えアデノ随伴ウイルス粒子を含む、組成物。
いくつかの実施形態において、当該方法は、[1]〜[55]のいずれか1つに記載の方法に従って使用されるrAAV粒子を含む出発組成物を調製するための上流処理を含む。さらなる実施形態において、上流処理は、細胞培養物または細胞培養上清の収集、(例えば、遠心分離または深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養上清の清澄化、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、無菌濾過のうちの少なくとも1つである。さらなる実施形態において、上流処理は、細胞培養物または細胞培養上清の収集物の添加、(例えば、遠心分離または深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養上清の清澄化、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、無菌濾過のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つを含む。いくつかの実施形態において、上流処理は、出発組成物の遠心分離を含まない。
追加の実施形態において、方法は、[1]〜[55]のいずれか1つに記載の方法に従って回収したアニオン交換クロマトグラフィー媒体からのrAAV含有溶出液のさらなる下流処理を含む。いくつかの実施形態において、さらなる下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過、カチオン交換クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、または無菌濾過のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、さらなる下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過、カチオン交換クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、または無菌濾過のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つを含む。いくつかの実施形態において、さらなる下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過を含む。いくつかの実施形態において、さらなる下流処理は、無菌濾過を含む。さらなる実施形態において、さらなる下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過及び無菌濾過を含む。
AAV8−A精製用AEX樹脂のスクリーニング。試験した樹脂は、CIMmultus(登録商標)QAである。 AAV8−A精製用AEX樹脂のスクリーニング。試験した樹脂は、Q Sepharoseである。 AAV8−A精製用AEX樹脂のスクリーニング。試験した樹脂は、Fractogel(登録商標)TMAE(M)である。 AAV8−A精製用AEX樹脂のスクリーニング。試験した樹脂は、Toyopearl(登録商標)Gigacap Q−650Mである。 AAV8−A精製用AEX樹脂のスクリーニング。試験した樹脂は、POROS(商標)50 HQである。 緩衝剤、pH、及び溶出勾配が、生成物関連不純物からのAAV8−A完全粒子の分離に及ぼす影響。ビストリスプロパンpH10.2を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 緩衝剤、pH、及び溶出勾配が、生成物関連不純物からのAAV8−A完全粒子の分離に及ぼす影響。トリスpH8.8を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 緩衝剤、pH、及び溶出勾配が、生成物関連不純物からのAAV8−A完全粒子の分離に及ぼす影響。トリスpH8.2を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 緩衝液にMg2+及びKを含めると、AEXクロマトグラフィー分離能及びAAV8−A収率が増加する。Mg2+及びKを使用しないクロマトグラフィー実行結果が示されている。 緩衝液にMg2+及びKを含めると、AEXクロマトグラフィー分離能及びAAV8−A収率が増加する。1mMのMg2+を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 緩衝液にMg2+及びKを含めると、AEXクロマトグラフィー分離能及びAAV8−A収率が増加する。2.5mMのMg2+及び1mMのKを用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 Mg2+及びKを含む緩衝系は、4級アミンを含む様々なAEXクロマトグラフィー樹脂中の生成物関連不純物からAAV8−B完全粒子を良好に分離する。CIMmultus(商標)QA(BIA Separations)を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 Mg2+及びKを含む緩衝系は、4級アミンを含む様々なAEXクロマトグラフィー樹脂中の生成物関連不純物からAAV8−B完全粒子を良好に分離する。Poros XQ(Thermo Fisher)を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 Mg2+及びKを含む緩衝系は、4級アミンを含む様々なAEXクロマトグラフィー樹脂中の生成物関連不純物からAAV8−B完全粒子を良好に分離する。Sartobind(登録商標)Q(Sartorius)を用いたクロマトグラフィー実行結果が示されている。 80mLのCIMmultus(登録商標)QAカラムを用いた、AAV8−A AEXクロマトグラフィーにおける50Lの細胞浮遊培養までのスケールアップ。 80mLのCIMmultus(登録商標)QAカラムを用いた、AAV8−B AEXクロマトグラフィーにおける60Lの細胞浮遊培養までのスケールアップ。 80mLのCIMmultus(登録商標)QAカラムを用いた、AAV8−C AEXクロマトグラフィーにおける50Lの細胞浮遊培養までのスケールアップ。 CIMmultus(登録商標)QAカラムを用いたAAV9精製。2.5mMのMg2+及び1mMのKの添加なしのクロマトグラフィー実行結果が示されている。 CIMmultus(登録商標)QAカラムを用いたAAV9精製。1mMのMg2及び1mMのKを伴ったクロマトグラフィーの実行結果が示されている。
詳細な説明
いくつかの実施形態において、本開示は、AEXクロマトグラフィーを用いて不純物(例えば、空のウイルスカプシドまたはウイルス凝集体)を含むフィード組成物からrAAV粒子を単離するための方法と、AEXクロマトグラフィー中における空の/充填不完全な粒子からの完全rAAVウイルス粒子の分離を改善するための方法と、AEXクロマトグラフィー中におけるウイルス凝集体からの完全rAAVウイルス粒子の分離を改善するための方法とを提供する。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アミンリガンドを含む。いくつかの実施形態において、当該方法は、アニオン交換クロマトグラフィー媒体を使用する。いくつかの実施形態において、当該方法の生成物は、例えば、タンジェンシャルフロー濾過及び無菌濾過による、単離されたrAAV粒子を生成するためのさらなる下流処理に適している。説明される方法は、遺伝子療法用途で使用するためのrAAV粒子集団の単離に関するGMP規制要件と一致する、柔軟で費用効果が高く商業的にスケーラブルなプロセスを提供する。本明細書で説明される方法は、限定されるものではないが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16を含めた任意のrAAV血清型、ならびにこれらの派生物、修飾物、またはシュードタイプに適している。いくつかの実施形態において、当該方法は、rAAV−8粒子を単離するために使用される。いくつかの実施形態において、当該方法は、rAAV−8派生物粒子、rAAV−8修飾物粒子、またはrAAV−8シュードタイプ粒子を単離するために使用される。いくつかの実施形態において、当該方法は、rAAV−9粒子を単離するために使用される。いくつかの実施形態において、当該方法は、rAAV−9派生物粒子、rAAV−9修飾物粒子、またはrAAV−9シュードタイプ粒子を単離するために使用される。
本明細書で開示される方法は、いくつかの重要な利点を提供する。本明細書で開示される方法のウイルス収率増加により、治療用AAV組成物の工業規模生産のコストが大幅に削減される。ウイルス収率が5%増加すれば、それに応じて、AAV粒子の生成に必要な消耗品のコストだけでなく、工業用ウイルス精製施設の建設に関連する設備投資のコストも低減することができる。本明細書で開示される方法により、より安全に治療用AAV調製物が生成される。本開示の方法によって、空の/充填不完全なカプシド及びウイルス凝集体からの機能的な完全rAAV粒子の分離が改善される。空の/充填不完全なカプシドがより効率的に除去されるため、本明細書で開示される方法によって生成される治療用AAV製剤は、機能的AAV粒子の1つの単位薬用量中により少ないカプシドタンパク質を含む。AAVカプシドタンパク質に対する免疫反応は、AAV媒介遺伝子療法に潜在的に備わる副作用である。機能性AAV粒子の単位薬用量中のカプシドタンパク質を低減することにより、本明細書で開示される方法は、カプシドタンパク質に対する免疫反応の可能性を低減することによって治療用rAAV製剤の安全性を高める。
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本開示の方法の理解を容易にするため、以下に複数の用語及び表現を定義する。
例えば、組成物中の成分の量、組成物中の成分の濃度、流量、rAAV粒子収率、フィード体積、塩濃度、類似の値、及びこれらの範囲を修飾し、本明細書で提供される方法で用いられる「約」とは、例えば、濃縮物もしくは使用溶液を作製するために使用される典型的な測定及び取扱い手順によって;これらの手順における偶発性のエラーによって;組成物の作製もしくは方法の実行に用いられる製造、供給源、もしくは成分の純度の違いによって;及び類似の考慮事項によって生じ得る、数値的量のバリエーションを意味する。「約」という用語は、特定の初期濃度を有する組成物または混合物が経年変化することによって相違する量も包含する。「約」という用語は、特定の初期濃度を有する組成物または混合物を混合または処理することによって相違する量も包含する。「約」という用語で修飾されているかどうかにかかわらず、請求項は、その量の等価物を含む。いくつかの実施形態において、「約」という用語は、示された数または範囲よりも約10〜20%多いまたは少ない範囲を意味する。さらなる実施形態において、「約」とは、示された数または範囲のプラスマイナス10%を意味する。例えば、「約10%」は9%〜11%の範囲を示す。
「AAV」とはアデノ随伴ウイルス(adeno−associated virus)の省略形であり、このウイルス自体またはその修飾物、派生物、もしくはシュードタイプを意味するように使用することができる。当該用語は、別段に要求される場合を除いて、全てのサブタイプ、ならびに天然の形態及び組換え形態両方を包含する。省略形「rAAV」とは、組換えアデノ随伴ウイルスを意味する。「AAV」という用語は、1型AAV(AAV−1)、2型AAV(AAV−2)、3型AAV(AAV−3)、4型AAV(AAV−4)、5型AAV(AAV−5)、6型AAV(AAV−6)、7型AAV(AAV−7)、8型AAV(AAV−8)、9型AAV(AAV−9)、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAV、及びヒツジAAV、ならびにこれらの修飾物、派生物、またはシュードタイプを含む。「霊長類AAV」は霊長類に感染するAAVを意味し、「非霊長類AAV」は非霊長類哺乳動物に感染するAAVを意味し、「ウシAAV」はウシ哺乳動物に感染するAAVを意味する、などとなる。
AAV粒子に適用される「組換え」とは、AAV粒子が、本質的にAAV粒子とは異なるAAV粒子コンストラクトをもたらす1つ以上の手順の生成物であることを意味する。
組換えアデノ随伴ウイルス粒子「rAAV粒子」とは、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質と、異種ポリヌクレオチド(すなわち、野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド、例えば、哺乳類細胞に送達される導入遺伝子)を含むカプシド化ポリヌクレオチドrAAVベクターとから構成されるウイルス粒子を意味する。rAAV粒子は、任意の修飾物、派生物、またはシュードタイプを含めた任意のAAV血清型(例えば、AAV−1、AAV−2、AAV−3、AAV−4、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−8、AAV−9、もしくはAAV−10、またはこれらの派生体/修飾物/シュードタイプ)とすることができる。このようなAAV血清型及び派生物/修飾物/シュードタイプ、ならびにこのような血清型/派生物/修飾物/シュードタイプを生成する方法は、当技術分野で知られている(例えば、Asokan et al.,Mol.Ther.20(4):699−708(2012)を参照)。
「空のカプシド」または「空の粒子」とは、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質を含み、ただしポリヌクレオチド(人工ゲノム)の全部または一部が欠如しているビリオンを意味する。空のカプシドは、例えば、異種ポリヌクレオチド(例えば、哺乳類細胞に送達される導入遺伝子、すなわち野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含むインタクトなrAAVベクターを含まない。
本開示のrAAV粒子は、任意の血清型、または血清型の任意の組合せ(例えば、2つ以上の血清型を含む(例えば、rAAV2、rAAV8、及びrAAV9粒子のうちの2つ以上を含む)rAAV粒子集団)とすることができる。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、rAAV1、rAAV2、rAAV3、rAAV4、rAAV5、rAAV6、rAAV7、rAAV8、rAAV9、rAAV10、もしくはその他のrAAV粒子、またはこれらの2つ以上の組合せである。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、rAAV8またはrAAV9粒子である。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−1、AAV−2、AAV−3、AAV−4、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−8、AAV−9、AAV−10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16からなる群より選択される血清型、またはこれらの派生物、修飾物、もしくはシュードタイプのAAVカプシドタンパク質を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8、AAV−9、またはこれらの派生物、修飾物、もしくはシュードタイプの血清型のAAVカプシドタンパク質を有する。
「不純物」または「混入物」という用語は、任意の外来または好ましくない分子を意味し、これには、開示される方法を用いて1つ以上の外来または望ましくない分子から分離されているrAAV粒子を含む試料中に存在し得る生物学的高分子、例えば、DNA、RNA、1つ以上の宿主細胞タンパク質、エンドトキシン、脂質、及び1つ以上の添加物が含まれる。「不純物」または「混入物」という用語はさらに、生成物関連の不純物、例えば、不活性のベクター形態、空のウイルスカプシド、凝集したウイルス粒子またはカプシド、ミスフォールドしたウイルスカプシド、分解したウイルス粒子をさらに包含する。いくつかの実施形態において、不純物には、空のウイルスカプシドまたはウイルス凝集体が含まれる。加えて、このような不純物には、本開示の方法のうちの1つ以上の前に生じ得るステップで使用される任意の試薬が含まれ得る。不純物は、本質的に可溶性の場合も不溶性の場合もある。不溶性の不純物としては、rAAV粒子を含む試料中に存在し、浮遊粒子または固体である、望ましくないまたは好ましくない実体が挙げられる。例示的な不溶性の不純物としては、限定されるものではないが、凝集ウイルス粒子またはカプシド、全細胞、細胞フラグメント、及び細胞デブリが挙げられる。可溶性の不純物としては、rAAV粒子を含む試料中に存在し、不溶性の不純物ではない、望ましくないまたは好ましくない実体が挙げられる。例示的な可溶性の不純物としては、限定されるものではないが、宿主細胞タンパク質、DNA、RNA、脂質ウイルス、エンドトキシン、及び細胞培養培地構成成分が挙げられる。
「細胞培養物」という用語は、接着してまたは浮遊液中で成長させる細胞、バイオリアクター、ローラーボトル、ハイパースタック、ミクロスフェア、マクロスフェア、フラスコなどに加えて、上清または浮遊液自体の構成成分を意味し、このような構成成分としては、限定されるものではないが、rAAV粒子、細胞、細胞デブリ、細胞混入物、コロイド粒子、生体分子、宿主細胞タンパク質、核酸、及び脂質、及び凝集剤が挙げられる。また、バイオリアクターなどの大規模アプローチ(浮遊培養物、及び撹拌バイオリアクター内のマイクロキャリアまたはマクロキャリアに付着して成長させる付着細胞が含まれる)も「細胞培養物」という用語に包含される。タンパク質の大規模生産及び小規模生産いずれのための細胞培養手順も、本開示に包含される。
「溶解物」または「細胞溶解物」という用語は、破裂した細胞壁及び/または細胞膜を有する細胞から主になる組成物を意味する。溶解物は、1つ以上の細胞構成成分を除去するために分画されている場合もあれば分画されていない場合もある。
「細胞上清」または「細胞培養物上清」という用語は、付着細胞培養物または細胞浮遊培養物の細胞材料から分離することができる培地浮遊液中の液体培地及び細胞外構成成分を意味する。概して、培養中の細胞から分泌された物質は、細胞上清から精製することができる。場合によっては、AAV粒子を上清中に分泌させ、細胞の溶解を伴ってまたは伴わずにそこから精製することができる。例えば、Clement,N.and Grieger,J.C.Molecular Therapy − Methods & Clinical Development(2016)3,16002;doi:10.1038/mtm.2016.2及び米国特許出願公開第2006/0040137号(2016年2月11日発行)を参照(両方の文献が参照により本明細書に援用される)。
「清澄化された液体培地」または「清澄化された出発組成物」という用語は、本明細書では、哺乳類、細菌、または酵母細胞から実質的に遊離している(例えば、少なくとも90%、92%、94%、96%、98%、または99%遊離している)、哺乳類、細菌、または酵母の細胞培養物から得られる細胞培養上清などの液体培地を意味するように使用される。
「フィード組成物」という用語は、フィルターまたはクロマトグラフィーマトリックスにロード、通過、または適用される、rAAV粒子の供給源を意味する。本開示に包含されるフィードとしては、生成培養収集物と、本開示の方法に包含される以前のクロマトグラフィーステップから単離された材料とが挙げられ、ここで材料は、以前のステップからのフロースルーとして存在したか、以前のステップで結合及び溶出されたか、以前のステップの空洞体積中に存在したか、またはrAAV粒子の精製中に得られる任意の画分中に存在したかのいずれかである。このようなフィードは、1つ以上の不純物または混入物を含み得る。いくつかの実施形態において、rAAV粒子を含む供給物はさらに、生成物関連の不純物、例えば、空のウイルスカプシド、凝集したウイルス粒子もしくはカプシド、ミスフォールドしたウイルスカプシド、分解したウイルス粒子、及び/または損傷したrAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子を含むフィードはさらに、宿主細胞混入物、ヘルパーウイルス混入物、及び/または細胞培養混入物を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞混入物は、宿主細胞DNA、プラスミド、または宿主細胞タンパク質を含む。追加の実施形態において、ヘルパーウイルス混入物は、アデノウイルス粒子、アデノウイルスDNA、アデノウイルスタンパク質、バキュロウイルス粒子、バキュロウイルスDNA、またはバキュロウイルスタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、細胞培養混入物は、培地構成成分、血清アルブミン、またはその他の血清タンパク質を含む。追加の実施形態において、細胞培養混入物は、培地構成成分を含む。
「濾過物」または「スループット」という用語は専門用語であり、フィルター(例えば、深層フィルター、プレフィルター、ウイルスフィルター、またはタンジェンシャルフローフィルター)から放出される、検出可能な量のrAAVを含む流体を意味する。
本明細書で使用する場合、「精製すること」、「精製」、「分離する」、「分離すること」、「分離」、「単離する」、「単離すること」、または「単離」という用語は、ターゲット生成物と1つ以上の不純物とを含む試料からのrAAV粒子に対する純度の程度を高めることを意味する。典型的には、ターゲット生成物の純度の程度は、試料から少なくとも1つの不純物を(完全にまたは不完全に)除去することによって高められる。いくつかの実施形態において、試料中のrAAVの純度の程度は、本明細書で説明される方法を使用することにより、試料から1つ以上の不純物を(完全にまたは不完全に)除去することによって増加する。
「モノリスクロマトグラフィーカラム」または「モノリスクロマトグラフィー媒体」という用語は専門用語であり、固定相としての3次元マクロポーラス構造、すなわちモノリスを含むクロマトグラフィーカラムを意味する。モノリスとは、高多孔質材料の連続体(例えば、多孔質モノリシックメタクリレートベースポリマー)であり、モノマー溶液の重合によって作製することができる。モノリスは、ポリスチレン、多糖類、ポリメタクリレート、及びその他の合成ポリマーから開発されたものである。モノリスは、規定の直径を有する相互接続フローチャネルを含む。これらのチャネル内でのターゲット分子の物質移動は、移動相の対流の流れによって決定される。モノリス基質に対するリガンド(例えば、4級アンモニウム、DEAE)の添加は、クロマトグラフィーカラムを産生するための十分に開発された様々な技法によって遂行することができる。非限定的なモノリスクロマトグラフィーカラムとしては、CIMmultus(商標)ディスポーザブルプレパッククロマトグラフィーモノリシックカラム、CIMac(商標)アナリティカルカラム、CIM(登録商標)ラインモノリシックカラム、UNO(登録商標)モノリスカラム、及びChromolith(登録商標)モノリシックHPLCカラムが挙げられる。非限定的なモノリスクロマトグラフィー樹脂としては、CIMmultus(商標)QA−1アドバンストコンポジットカラム(4級アミン)、CIMmultus(商標)DEAE−1アドバンストコンポジットカラム(ジエチルアミノ)、CIM(登録商標)QAディスク(4級アミン)、CIM(登録商標)DEAE、CIM(登録商標)EDAディスク(エチレンジアミノ)、UNO(登録商標)モノリスアニオン交換カラムが挙げられる。
「平均細孔半径」または「平均細孔サイズ」という用語は、モノリシックまたはその他の任意のクロマトグラフィーカラムにおけるクロマトグラフィー樹脂または多孔質材料の細孔サイズを言い表す専門用語である。いくつかの実施形態において、球形の細孔の平均サイズは「平均細孔直径」または「平均細孔半径」である。いくつかの実施形態において、非球形の細孔の平均サイズは「平均最大寸法」を意味する。いくつかの実施形態において、細孔のサイズ分布は、窒素ガスの吸脱着等温線を使用し、Barrett、Joyner、及びHalendaアルゴリズム(E.P.Barrett,L.G.Joyner and P.H.Halenda,J.Amer. Chem.Soc.73,373,1951)の方式でケルビン方程式を適用することにより、決定することができる。いくつかの実施形態において、細孔のサイズ分布は、市販の統計解析ソフトウェアパッケージを用いてモノリス切片の走査電子顕微鏡(SEM)画像を解析して細孔サイズの分布を調べることにより、またはSEM画像内のスケールを用いて手動で細孔直径を測定することにより、決定することができる。例えば、Jungreuthmayer,Journal of Chromatography A,1425:141−149(2015)を参照。いくつかの実施形態において、「平均細孔サイズ」または「平均細孔半径」は、測定した20個の細孔の平均直径を計算することによって決定することができる。
「深層フィルター」という用語は専門用語であり、その3次元構造内でかつ表面上にとどまらず不純物及び/または混入物を捕捉する多孔質濾過媒体を含むフィルターを意味する。深層フィルター清澄化媒体は、典型的には、セルロースの繊維床、湿潤強度樹脂結合剤、及び無機フィルター助剤(例えば、珪藻土)の材料から構成されている。樹脂結合剤は、湿潤引張強度の付与、不純物を結合するための吸着電荷の提供、及びフィルター構成成分の脱落の最小化に役立つ。珪藻土はフィルターに高い表面積をもたらし、吸着特性に寄与する。深層フィルター媒体は、アブソリュートフィルターとは異なり、フィルター媒体全体にわたって粒子を保持する。深層フィルターは、フィルター内で混入物または不純物を保持し、目詰まりする前に比較的多くの量を保持できることを特徴とする。深層フィルター構造としては、多層、多重膜、単層、または樹脂材料を挙げることができる。深層フィルターの非限定的な例としては、CUNO(登録商標)ZetaPLUS(登録商標)Delipidフィルター、CUNO(登録商標)Emphaze AEXフィルター、CUNO(登録商標)30/60ZAフィルター、CUNO(登録商標)90ZB08Aフィルター、CUNO(登録商標)DELI08A Delipidフィルター、及びCUNO(登録商標)DELIP08A Delipid plusフィルター(3M,St.Paul,Minn.)、Clarisolve(登録商標)グレード60HX、40MS、20MS、Millistak+(登録商標)HCグレードCOHC、DOHC、A1HC、B1HC、XOHC、FOHC、Millistak+(登録商標)HCProグレードDOSP、COSP、及びXOSP Milliporeフィルター(EMD Millipore,Billerica,Mass.)、及びSartopore(登録商標)二層フィルターカートリッジが挙げられる。
「タンジェンシャルフロー濾過」や「TFF」(クロスフロー精密濾過とも呼ばれる)などは専門用語であり、溶質を含む溶液が限外濾過膜及び低分子量を接線方向に通過させ、圧力を印加することによって塩及び溶質を通過させる濾過モードを意味する。
本開示及び請求項で使用する場合、単数形「a」「an」及び「the」は、文脈による明確な別段の定めがない限り、複数形を含む。
諸実施形態が「〜を含む」という語を用いて本明細書で説明されている場合は常に、「〜からなる」及び/または「本質的に〜からなる」という観点から説明されている別の類似の実施形態も提供されるものと理解されたい。また、諸実施形態が「本質的に〜からなる」という語を用いて本明細書で説明されている場合は常に、「〜からなる」という観点から説明されている別の類似の実施形態も提供されるものと理解されたい。
「及び/または」という用語は、本明細書で「A及び/またはB」などの表現で使用される場合、A及びBの両方、AまたはB、A(単独)、ならびにB(単独)を含むように意図されている。同様に、「及び/または」という用語は、「A、B、及び/またはC」のような表現で使用される場合、以下の実施形態の各々を包含するように意図されている:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
本開示の実施形態がマルクーシュグループまたはその他の代替のグループに関して説明される場合、本開示の方法は、全体として挙げられたグループ全体を包含するだけでなく、グループの各メンバーも個別に包含し、メイングループの全ての可能なサブグループも包含し、さらにグループメンバーの1つ以上不在のメイングループも包含する。また、本開示の方法は、本開示の方法におけるグループメンバーのいずれかの1つ以上が明示的に除外されることも想定している。
アニオン交換クロマトグラフィーによるrAAV精製の方法
いくつかの実施形態において、本開示は、不純物を含むフィード組成物からrAAV粒子を単離するための方法であって、フィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、rAAV粒子がクロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、クロマトグラフィー媒体からrAAV粒子を溶出すること、ならびに単離されたrAAV粒子を含む溶出液を回収することを含み、不純物が、空のまたは充填不完全なウイルスカプシドまたはウイルス凝集体を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8もしくはAAV−9血清型、またはこれらの派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、モノリスクロマトグラフィー媒体である。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アミン官能基を含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー材料は、4級アミンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+、Ca2+、またはZn2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+、Ca2+、またはZn2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMから約2.5mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のK、Rb、またはCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のK、Rb、またはCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、1mMのKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約7.0から約10.2の間、約8.2から約8.6の間、または約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8血清型、またはその派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含み、フィード組成物は、約8.2から約8.6の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9血清型、またはその派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含み、フィード組成物は、約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、溶出は、約0.2CV/分から約5CV/分の間の流量で行われる。いくつかの実施形態において、溶出は、約0.5CV/分から約1.25CV/分の間の流量で行われる。いくつかの実施形態において、溶出は、直線塩勾配によって行われる。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約30から約70CVの間の体積中に0から500mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アニオン交換クロマトグラフィー中における組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子とウイルス凝集体との間の分離を改善するための方法であって、rAAV粒子及びウイルス凝集体を含むフィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、rAAV粒子がクロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、クロマトグラフィー媒体からrAAV粒子を溶出すること、ならびに単離されたrAAV粒子を含む溶出液を回収することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8もしくはAAV−9血清型、またはこれらの派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、モノリスクロマトグラフィー媒体である。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アミン官能基を含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー材料は、4級アミンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+、Ca2+、またはZn2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+、Ca2+、またはZn2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMから約2.5mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のK、Rb、またはCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のK、Rb、またはCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、1mMのKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約7.0から約10.2の間、約8.2から約8.6の間、または約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8血清型、またはその派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含み、フィード組成物は、約8.2から約8.6の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9血清型、またはその派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含み、フィード組成物は、約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、溶出することは、約0.2CV/分から約5CV/分の間の流量で行われる。いくつかの実施形態において、溶出することは、約0.5CV/分から約1.25CV/分の間の流量で行われる。いくつかの実施形態において、溶出は、直線塩勾配によって行われる。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約5から約100CVの間の体積中に0から500mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アニオン交換クロマトグラフィー中における組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子とウイルス凝集体との間の分離を改善するための方法であって、rAAV粒子及びウイルス凝集体を含むフィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、rAAV粒子がクロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、クロマトグラフィー媒体からrAAV粒子を溶出すること、ならびに単離されたrAAV粒子を含む溶出液を回収することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8もしくはAAV−9血清型、またはこれらの派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、モノリスクロマトグラフィー媒体である。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アミン官能基を含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アミンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+、Ca2+、またはZn2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+、Ca2+、またはZn2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMから約2.5mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のK、Rb、またはCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のK、Rb、またはCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、1mMのKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約7.0から約10.2の間、約8.2から約8.6の間、または約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8血清型、またはその派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含み、フィード組成物は、約8.2から約8.6の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9血清型、またはその派生物もしくは修飾物のカプシドタンパク質を含み、フィード組成物は、約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、溶出することは、約0.2CV/分から約5CV/分の間の流量で行われる。いくつかの実施形態において、溶出することは、約0.5CV/分から約1.25CV/分の間の流量で行われる。いくつかの実施形態において、溶出は、直線塩勾配によって行われる。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約5から約100CVの間の体積中に0から500mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、強アニオン交換媒体である。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、弱アニオン交換媒体である。
いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アンモニウムリガンドを含む。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級ポリエチレンイミンを含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、ジエチルアミノエタノール(DEAE)リガンドを含む。4級アンモニウムリガンドを含むクロマトグラフィー媒体の例としては、限定されるものではないが、CIMmultus(商標)QA(BIA Separations)、Poros XQ及びHQ(Thermo Fisher)、Sartobind(登録商標)Q(Sartorius)、Q Sepharose(登録商標)(GE Healthcare)、及びToyopearl(登録商標)GigaCap Q−650M(Tosho Bioscience)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、ジエチルアミノエタノール(DEAE)リガンドを含む。
いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレート、アガロースベース材料、セルロース、アクリルアミド、ポリスチレンジビニルベンゼン,またはシリカベース材料を含む。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレート、アガロースベース材料、セルロース、アクリルアミド、ポリスチレンジビニルベンゼン、またはシリカベース材料を含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレートまたはポリスチレンジビニルベンゼンを含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレートを含む。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマーまたはスチレン−ジビニルベンゼンポリマーを含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマーを含む。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約400nmから約1500nmの間の平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約400nmから約900nmの間の平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約600nm〜約750nmの平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約800nmから約1300nmの間の平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約950nm〜約1150nmの平均細孔半径を有する。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約0.8μmから約3μmの間の平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約0.8μmから約2μmの間の平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約2μm〜約1.5μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約1.5μmから約2.5μmの間の平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約1.9μm〜約2.4μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約0.8μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約1μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約1.5μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約2μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約2.5μmの平均細孔直径を有する。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、4級アンモニウムリガンドを含む。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、ジエチルアミノエタノール(DEAE)リガンドを含む。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレート、4級アンモニウムリガンドを含み、約950nm〜約1150nmの平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマー、4級アンモニウムリガンドを含み、約950nm〜約1150nmの平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレート、4級アンモニウムリガンドを含み、約600nm〜750nmの平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマー、4級アンモニウムリガンドを含み、約600nm〜750nmの平均細孔半径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリレート、4級アンモニウムリガンドを含み、約1.5μmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマー、4級アンモニウムリガンドを含み、約2μmの平均細孔直径を有する。
いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIMmultus(商標)QA−1アドバンストコンポジットカラム(4級アミン)、CIMmultus(商標)DEAE−1アドバンストコンポジットカラム(ジエチルアミノ)、CIM(登録商標)QAディスク(4級アミン)、CIM(登録商標)DEAE、及びCIM(登録商標)EDAディスク(エチレンジアミノ)からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIMmultus(商標)QA−1アドバンストコンポジットカラム(4級アミン)である。いくつかの実施形態において、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIM(登録商標)QAディスク(4級アミン)である。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV1、AAV2、rAAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型からのカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV1、AAV2、rAAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16カプシドタンパク質の派生物、修飾物、またはシュードタイプであるカプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8及びAAV−9から選択されるAAVカプシド血清型からのカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を有する。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8またはAAV−9カプシドタンパク質の派生物、修飾物、またはシュードタイプであるカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち、最大100%同一のAAV−8カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子組成物は、AAV−9カプシドタンパク質の派生物、修飾物、またはシュードタイプであるカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物中のrAAV粒子は、AAV−9カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち、最大100%同一のAAV−9カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
追加の実施形態において、rAAV粒子は、モザイクカプシドを含む。追加の実施形態において、rAAV粒子は、シュードタイプのrAAV粒子を含む。追加の実施形態において、rAAV粒子は、2つ以上のAAVカプシド血清型のカプシドタンパク質キメラを含むカプシドを含む。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、1価カチオンを含む。様々な1価カチオンが存在し、また当業者に知られており、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、及びフランシウム(Fr)、ならびにこれらの組合せが挙げられる。当業者は、カチオンが塩形態で存在し得、例えば、カリウム塩(例えば、KCl)を水溶液に入れるとカリウムカチオンが生じ得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、「1価カチオンの添加」という表現は、荷電状態でのカチオンの添加を包含するだけでなく、本発明のフィード組成物に導入すると1価カチオンを生じる塩またはその他の化合物の添加も包含する。いくつかの実施形態において、1価カチオンはカリウム(K)である。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約50mMの間の1価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間の1価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.2mMから約50mMの間の1価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.2mMから約50mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のKを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のRbを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のRbを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のCsを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMのKを含む。いくつかの実施形態において、Kは、塩化カリウムまたは酢酸カリウムである。いくつかの実施形態において、Kは、塩化カリウムである。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、2価カチオンを含む。様々な2価カチオンが存在し、かつ当業者に知られており、例えば、カルシウムカチオン(Ca2+)、マグネシウムカチオン(Mg2+)、銅カチオン(Cu2+)、コバルトカチオン(Co2+)、マンガンカチオン(Mn2+)、ニッケルカチオン(Ni2+)、亜鉛カチオン(Zn2+)、及びこれらの組合せが挙げられる。当業者は、カチオンが塩形態で存在し得、例えば、マグネシウム塩(例えば、MgCl)を水溶液に入マグネシウムカチオンが生じ得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、「2価カチオンの添加」という表現は、荷電状態でのカチオンの添加を包含するだけでなく、本発明の組成物に導入すると2価カチオンを生じる塩またはその他の化合物の添加も包含する。いくつかの実施形態において、2価カチオンは、Mg2+、Mn2+、Cu2+、Zn2+、もしくはこれらの塩(例えば、MgCl、MnCl、CuCl、及びZnCl)、またはこれらのカチオンもしくは塩のうちの1つ以上の組合せである。いくつかの実施形態において、2価カチオンは、Mg2+、Ca2+、Zn2+、もしくはこれらの塩(例えば、MgCl、CaCl、及びZnCl)、またはこれらのカチオンもしくは塩のうちの1つ以上の組合せである。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約50mMの間の2価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間の2価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.2mMから約50mMの間の2価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.2mMから約50mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約5mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、Mg2+は、塩化マグネシウムである。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のCa2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のZn2+を含む。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約50mMの間の1価カチオン及び約0.1mMから約50mMの間の2価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間の1価カチオン及び約0.1mMから約20mMの間の2価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.2mMから約50mMの間の1価カチオン及び約0.2mMから約50mMの間の2価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.1mMから約20mMの間のK及び約0.1mMから約20mMの間の2価のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.2mMから約50mMの間のK及び約0.2mMから約50mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約10mMの間のK及び約0.5mMから約10mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.5mMから約5mMの間のK及び約0.5mMから約5mMの間のMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含む。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、緩衝剤を含む。いくつかの実施形態において、平衡緩衝液、洗浄緩衝液、及び溶出緩衝液は、緩衝剤を含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、トリス(例えば、トリスHCl)、ビス−トリスプロパン、ヘペス、またはリン酸緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、トリス(例えば、トリスHCl)である。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約0.01%から約0.5%の間の非イオン性界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、平衡緩衝液、洗浄緩衝液、及び溶出緩衝液は、約0.01%から約0.5%の非イオン性界面活性剤を含む。医薬的に許容される非イオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、プルロニックF−68、またはBRIJ 35が挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される製剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、プルロニックF−68、BRIJ 35、またはこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、プルロニックF−68を含む。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約6.5から約10.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約7.0から約10.2の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約8.2から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約8.2から約8.6の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約9.1から約9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約8.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、約9.3のpHを有する。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約8.2から約8.6の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約9.1から約9.5の間のpHを有する。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約8.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約9.3のpHを有する。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含み、約8.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を含み、フィード組成物は、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含み、約9.3のpHを有する。
当業者は、アニオン交換クロマトグラフィーが、複数の緩衝組成物を含む緩衝系の使用、例えば、フィード組成物のロード前にクロマトグラフィー樹脂を平衡化するための平衡緩衝液と、フィード組成物のロード後にクロマトグラフィー媒体から結合していない不純物を洗浄するための洗浄緩衝液と、クロマトグラフィー媒体から結合した材料(結合したrAAV粒子を含む)を溶出するための溶出緩衝液とを含む緩衝系の使用を包含し得ることを理解する。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、平衡緩衝液、洗浄緩衝液、及び溶出緩衝液のうちの1つ以上を含む緩衝系を使用する。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、平衡緩衝液、洗浄緩衝液、及び溶出緩衝液のうちの2つ以上を含む緩衝系を使用する。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、平衡緩衝液、洗浄緩衝液、及び溶出緩衝液を使用する。
いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約0.2mMから約50mMの間の1価カチオン及び約0.2mMから約50mMの間の2価カチオンを含み、8.2から8.6の間または9.1から9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約0.2mMから約50mMの間のK及び約0.2mMから約50mMの間のMg2+を含み、8.2から8.6の間または9.1から9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約0.5mMから約10mMのK及び約0.5mMから約10mMのMg2+を含み、8.2から8.6の間または9.1から9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約0.5mMから約5mMの間のK及び約0.5mMから約5mMの間のMg2+を含み、8.2から8.6の間または9.1から9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含み、8.2から8.6の間または9.1から9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含み、8.2から8.6の間または9.1から9.5の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含み、約8.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、緩衝系の各メンバーは、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含み、約9.3のpHを有する。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を含み、緩衝系の各メンバーは、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含み、緩衝系の各メンバーは、約8.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を含み、緩衝系の各メンバーは、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含み、緩衝系の各メンバーは、約9.3のpHを有する。
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、アニオン交換クロマトグラフィー媒体を平衡緩衝液を用いて平衡化することを含む。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、ロードする前に、フィード組成物とほぼ同じ2価カチオン濃度、1価カチオン濃度、及びpHを含む緩衝液を使用して平衡化される。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、ロードする前に、フィード組成物とほぼ同じMg2+濃度、K濃度、及びpHを含む緩衝液を使用して平衡化される。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、クロマトグラフィーカラムである。クロマトグラフィーカラムは、当技術分野で知られている任意の方法を使用して平衡化することができる。例えば、アニオン交換クロマトグラフィーカラムは、カラムを10カラム体積(CV)の平衡緩衝液を用いて洗浄することにより、平衡化することができる。
フィード組成物をアニオン交換クロマトグラフィー媒体に接触させることは、当技術分野で知られている任意の方法を用いて、フィード組成物をアニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスアニオン交換クロマトグラフィーカラム)にロードすることを含む。
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、結合したrAAV粒子を含むアニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)を洗浄緩衝液を用いて洗浄して、結合していない不純物を除去することを含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、約0.1mMから約20mMの間の2価カチオン及び約0.1mMから約20mMの間の1価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、フィード組成物とほぼ同じ2価カチオン濃度、1価カチオン濃度、及びpHを含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、約0.1mMから約20mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、約0.1mMから約20mMのKを含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、約0.1mMから約20mMのMg2+及び約0.1mMから約20mMのKを含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、8mMのMg2+(例えば、MgCl)及び2.5mMのK(例えば、KCl)を含む。いくつかの実施形態において、洗浄緩衝液は、フィード組成物とほぼ同じMg2+濃度、K濃度、及びpHを含む。いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、約5CVから30CVの間の洗浄緩衝液を用いて洗浄される。
いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)に結合したrAAV粒子は、勾配を用いて溶出される。いくつかの実施形態において、勾配は、塩勾配である。いくつかの実施形態において、勾配は、直線塩勾配である。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約0mMから約500mMの間のNaClを含む。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約5mMから約500mMの間のNaClを含む。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約5mMから約200mMの間のNaClを含む。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約10mMから約200mMの間のNaClを含む。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約10mMから約120mMの間のNaClを含む。
いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約5CVから約100CVの間の体積でアニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)に適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約20CVから約80CVの間の体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約30CVから約70CVの間の体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約40CVから約60CVの間の体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約40CVの体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約50CVの体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約60CVの体積で適用される。
いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約0.2CV/分から約5CV/分の間の流量でアニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)に適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約0.5CV/分から約1.25CV/分の間の流量でアニオン交換クロマトグラフィー媒体に適用される。
いくつかの実施形態において、アニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)に結合したrAAV粒子は、約10mMから約200mMの間のNaClを含む直線塩勾配で溶出され、このとき、勾配は約40CVから約60CVの間の体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約40CVの体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約50CVの体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約60CVの体積で適用される。いくつかの実施形態において、直線塩勾配は、約0.5CV/分から約1.25CV/分の間の流量でアニオン交換クロマトグラフィー媒体に適用される。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティー樹脂、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9アフィニティー樹脂、またはPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8アフィニティー樹脂を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって精製されたrAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、AVB Sepharose樹脂を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって精製されたrAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、例えば、POROS(商標)50 HEまたはHeparin Sepharose樹脂を用いたヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによって精製されたrAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、フィード組成物は、アフィニティークロマトグラフィーによって生成される組成物、例えば溶出液を含む。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィーによって生成される組成物、例えば溶出液は、アニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)に接触させる前に処理される。いくつかの実施形態において、前処理は、塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、K塩またはMg2+塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、K塩及びMg2+塩を添加することを含む。
いくつかの実施形態において、前処理は、約0.2mMから約50mMの間の最終濃度までK塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、約0.5mMから約10mMの間の最終濃度までK塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、約1mMの最終濃度までK塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、約0.2mMから約50mMの間の最終濃度までMg2+塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、約0.5mMから約10mMの間の最終濃度までMg2+塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、約1mMの最終濃度までMg2+塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、約2.5mMの最終濃度までMg2+塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、塩は、KClである。いくつかの実施形態において、塩は、MgClである。いくつかの実施形態において、前処理は、約0.5mMから約10mMのK及び約0.5mMから約10mMのMg2+を含むロード希釈緩衝液を加えることを含む。いくつかの実施形態において、ロード希釈緩衝液は、約2mMのK及び約5mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、ロード希釈緩衝液は、約1mMのK及び約2.5mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、ロード希釈緩衝液は、約2mMのK及び約2mMのMg2+を含む。いくつかの実施形態において、ロード希釈緩衝液は、約1mMのK及び約1mMのMg2+を含む。
いくつかの実施形態において、前処理は、pHを調整することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、pHを調整することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、pHを約7.0から約10.2の間に調整することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、pHを約8.6から約9.5の間に調整することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、pHを約8.2から約8.6の間、または約9.1から約9.5の間に調整することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、pHを約8.4に調整することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、pHを約9.3に調整することを含む。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィーによって生成される組成物、例えば溶出液は、アニオン交換クロマトグラフィー媒体(例えば、モノリスカラム)に接触させる前に前処理されない。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、アフィニティークロマトグラフィーによって生成される組成物、例えば、溶出液を含み、rAAV粒子は、AAV−8のAAVカプシド血清型を含み、前処理は、K塩を約1mMの最終濃度まで添加すること、Mg2+塩を約2.5mMの最終濃度まで添加すること、及びpHを約8.4に調整することを含む。
いくつかの実施形態において、フィード組成物は、アフィニティークロマトグラフィーによって生成される組成物、例えば、溶出液を含み、rAAV粒子は、AAV−9のAAVカプシド血清型を含み、前処理は、K塩を約1mMの最終濃度まで添加すること、Mg2+塩を約1mMの最終濃度まで添加すること、及びpHを約9.3に調整することを含む。
いくつかの実施形態において、不純物は、生成物関連の不純物、例えば、不活性のベクター形態、空のまたは充填不完全なウイルスカプシド、凝集したウイルス粒子またはカプシド、ミスフォールドしたウイルスカプシド、分解したウイルス粒子を含む。いくつかの実施形態において、不純物は、空のウイルスカプシド及び凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。
いくつかの実施形態において、提供される方法は、単離されたrAAV粒子及び不純物を分離する。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約90%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約80%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約70%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約60%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約50%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約40%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約30%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約20%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約15%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約10%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約9%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約8%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約7%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約6%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約5%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約4%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約3%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約2%未満の空のウイルスカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約1%未満の空のウイルスカプシドを含む。
いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約10%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約20%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約30%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約40%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約50%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約60%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約70%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約80%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約90%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約95%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約97%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約98%は、インタクトなrAAV粒子である。いくつかの実施形態において、溶出液中のウイルスカプシドの少なくとも約99%は、インタクトなrAAV粒子である。
いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約20%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約15%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約10%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約9%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約8%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約7%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約6%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約5%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約4%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約3%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約2%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。いくつかの実施形態において、単離されたrAAV粒子は、約1%未満の凝集したウイルス粒子またはカプシドを含む。
提供される方法は、rAAVを顕著に損失することなく、単離されたrAAV粒子を生成する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約40%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約50%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約60%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約70%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約75%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約80%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約85%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約90%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約95%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約96%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約97%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約98%である。いくつかの実施形態において、rAAV粒子の収率は、少なくとも約99%である。1つの実施形態において、収率は、ゲノムコピー(GC)収率である。
いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー緩衝液(例えば、フィード組成物、平衡緩衝液、ロード希釈緩衝液、洗浄緩衝液、溶出緩衝液)に1価カチオン(K、Rb、またはCs)及び2価カチオン(例えば、Mg2+、Ca2+、またはZn2+)を含めることで、rAAV粒子の収率が増加する。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー緩衝液に1価カチオン(K、Rb、またはCs)及び2価カチオン(例えば、Mg2+、Ca2+、またはZn2+)を含めることで、ゲノムコピー(GC)収率が約5%から35%の間だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は、約10%から約30%の間だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約10%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約15%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約20%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約25%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約30%だけ増加する。
いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー緩衝液(例えば、フィード組成物、平衡緩衝液、ロード希釈緩衝液、洗浄緩衝液、溶出緩衝液)にK及びMg2+を含めることで、rAAV粒子の収率が増加する。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィー緩衝液にK及びMg2+を含めることで、ゲノムコピー(GC)の収率が約5%から35%の間だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は、約10%から約30%の間だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約10%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約15%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約20%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約25%だけ増加する。いくつかの実施形態において、収率は約30%だけ増加する。
rAAV粒子
提供される方法は、任意の単離された組換えAAV粒子の生成で使用するのに適している。そのため、本開示の方法によるフィード組成物中のrAAVは、当技術分野で知られている任意の血清型、修飾、もしくは派生物、またはこれらの任意の組合せ(例えば、2つ以上の血清型を含む(例えば、rAAV2、rAAV8、及びrAAV9粒子のうちの2つ以上を含む)rAAV粒子集団)とすることができる。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、rAAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7,AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、もしくはAAV.HSC16、または他のrAAV粒子、あるいはこれらのうちの2つ以上の組合せである。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV1、AAV2、rAAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、もしくはAAV.HSC16、またはこれらの派生物、修飾物、もしくはシュードタイプから選択されるAAV血清型からのカプシドタンパク質を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、例えば、AAV1、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一である、カプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV1、AAV2、rAAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、もしくはAAV.HSC16、またはこれらの派生物、修飾物、もしくはシュードタイプから選択されるAAVカプシド血清型からのカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、例えば、AAV1、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一である、カプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、Zinn et al.,2015,Cell Rep.12(6):1056−1068(参照によりその全体が援用される)で説明されているように、Anc80またはAnc80L65のカプシドを含む。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,193,956号、第9458517号、及び第9,587,282号、ならびに米国特許出願公開第2016/0376323号(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)で説明されているように、アミノ酸挿入物:LGETTRPまたはLALGETTRPのうちの1つを有するカプシドを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,193,956号、第9,458,517号、及び第9,587,282号、ならびに米国特許出願公開第2016/0376323号(これらの各々は、参照によりその全体が明細書に援用される)で説明されているように、AAV.7m8のカプシドを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,585,971号で開示されている任意のAAVカプシド、例えばAAV−PHP.Bを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,840,719号及びWO2015/013313(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されている任意のAAVカプシド、例えば、AAV.Rh74及びRHM4−1を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、WO2014/172669(参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されている任意のAAVカプシド、例えばAAV rh.74を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、Georgiadis et al.,2016,Gene Therapy 23:857−862及びGeorgiadis et al.,2018,Gene Therapy 25:450(これらの各々は、参照によりその全体が援用される)で説明されているように、AAV2/5のカプシドを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、WO2017/070491(参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されている任意のAAVカプシド、例えばAAV2tYFを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、Puzzo et al.,2017,Sci.Transl. Med.29(9):418で説明されているようなAAVLK03またはAAV3Bのカプシドを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第8,628,966号、第US8,927,514号、第US9,923,120号、及びWO2016/049230で開示されている任意のAAVカプシド、例えば、HSC1、HSC2、HSC3、HSC4、HSC5、HSC6、HSC7、HSC8、HSC9、HSC10、HSC11、HSC12、HSC13、HSC14、HSC15、またはHSC16を含む(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、以下の特許及び特許出願(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される):米国特許第7,282,199号、第7,906,111号、第8,524,446号、第8,999,678号、第8,628,966号、第8,927,514号、第8,734,809号、第US9,284,357号、第9,409,953号、第9,169,299号、第9,193,956号、第9458517、及び第9,587,282号、米国特許出願公開第2015/0374803号、第2015/0126588号、第2017/0067908号、第2013/0224836号、第2016/0215024号、第2017/0051257号、ならびに国際特許出願第PCT/US2015/034799号、第PCT/EP2015/053335のいずれかで開示されているAAVカプシドを含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、以下の特許及び特許出願(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)のいずれかで開示されているAAVカプシドのVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるカプシドタンパク質を有する:米国特許第7,282,199号、第7,906,111号、第8,524,446号、第8,999,678号、第8,628,966号、第8,927,514号、第8,734,809号、第US9,284,357号、第9,409,953号、第9,169,299号、第9,193,956号、第9458517号、及び第9,587,282号、米国特許出願公開第2015/0374803号、第2015/0126588号、第2017/0067908号、第2013/0224836号、第2016/0215024号、第2017/0051257、ならびに国際特許出願第PCT/US2015/034799号、第PCT/EP2015/053335号。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、国際特許出願公開第WO2003/052051号(例えば、配列番号2を参照)、第WO2005/033321号(例えば、配列番号123及び88を参照)、第WO03/042397号(例えば、配列番号2、81、85、及び97を参照)、第WO2006/068888号(例えば、配列番号1及び3〜6を参照)、第WO2006/110689号(例えば、配列番号5〜38を参照)、第WO2009/104964号(例えば、配列番号1〜5、7、9、20、22、24、及び31を参照)、第WO2010/127097号(例えば、配列番号5〜38を参照)、ならびに第WO2015/191508号(例えば、配列番号80〜294を参照)、ならびに米国特許出願公開第20150023924号(例えば、配列番号1、5〜10を参照)(これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されているカプシドタンパク質を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、以下で開示されているAAVカプシドのVP1、VP2及び/またはVP3配列に対し、少なくとも80%以上同一、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち、最大100%同一であるカプシドタンパク質を有する:国際特許出願公開第WO2003/052051号(例えば、配列番号2を参照)、第WO2005/033321号(例えば、配列番号123及び88を参照)、第WO03/042397号(例えば、配列番号2、81、85、及び97を参照)、第WO2006/068888号(例えば、配列番号1及び3〜6を参照)、第WO2006/110689号(例えば、配列番号5〜38を参照)、第WO2009/104964号(例えば、配列番号1〜5、7、9、20、22、24、及び31を参照)、第WO2010/127097号(例えば、配列番号5〜38を参照)、ならびに第WO2015/191508号(例えば、配列番号80〜294を参照)、ならびに米国特許出願公開第20150023924号(例えば、配列番号1、5〜10を参照)。
AAVベースウイルスベクターの核酸配列、ならびに組換えAAV及びAAVカプシドを作製する方法は、例えば、以下で教示されている:米国特許第7,282,199号、第7,906,111号、第8,524,446号、第8,999,678号、第8,628,966号、第8,927,514号、第8,734,809号、第US9,284,357号、第9,409,953号、第9,169,299号、第9,193,956号、第9458517号、及び第9,587,282号、米国特許出願公開第2015/0374803号、第2015/0126588号、第2017/0067908号、第2013/0224836号、第2016/0215024号、第2017/0051257号、国際特許出願第PCT/US2015/034799号、第PCT/EP2015/053335号、第WO2003/052051号、第WO2005/033321号、第WO03/042397号、第WO2006/068888号、第WO2006/110689号、第WO2009/104964号、第WO2010/127097号、及び第WO2015/191508号、ならびに米国特許出願公開第20150023924号。
提供される方法は、導入遺伝子をコードする組換えAAVの生成で使用するのに適している。いくつかの実施形態において、本明細書では、抗VEGF FabをコードするrAAVウイルスベクターが提供される。具体的な実施形態において、本明細書では、抗VEGF FabをコードするrAAV8ベースウイルスベクターが提供される。より具体的な実施形態において、本明細書では、ラニビズマブをコードするrAAV8ベースウイルスベクターが提供される。いくつかの実施形態において、本明細書では、イズロニダーゼ(IDUA)をコードするrAAVウイルスベクターが提供される。具体的な実施形態において、本明細書では、IDUAをコードするrAAV9ベースウイルスベクターが提供される。いくつかの実施形態において、本明細書では、イズロン酸2−スルファターゼ(IDS)をコードするrAAVウイルスベクターが提供される。具体的な実施形態において、本明細書では、IDSをコードするrAAV9ベースウイルスベクターが提供される。いくつかの実施形態において、本明細書では、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)をコードするrAAVウイルスベクターが提供される。具体的な実施形態において、本明細書では、LDLRをコードするrAAV8ベースウイルスベクターが提供される。いくつかの実施形態において、本明細書では、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)タンパク質をコードするrAAVウイルスベクターが提供される。具体的な実施形態において、本明細書では、TPPをコードするrAAV9ベースウイルスベクターが提供される。
追加の実施形態において、rAAV粒子は、シュードタイプAAVカプシドを含む。いくつかの実施形態において、シュードタイプAAVカプシドは、rAAV2/8またはrAAV2/9シュードタイプAAVカプシドである。シュードタイプrAAV粒子を生成し使用するための方法は、当技術分野で知られている(例えば、Duan et al.,J.Virol.,75:7662−7671(2001);Halbert et al.,J.Virol.,74:1524−1532(2000);Zolotukhin et al.,Methods 28:158−167(2002);及びAuricchio et al.,Hum.Molec. Genet.10:3075−3081,(2001)を参照)。
追加の実施形態において、rAAV粒子は、2つ以上のAAVカプシド血清型のキメラであるカプシドタンパク質を含むカプシドを含む。いくつかの実施形態において、カプシドタンパク質は、AAV1、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAV血清型からの2つ以上のAAVカプシドタンパク質のキメラである。
ある特定の実施形態において、1本鎖AAV(ssAAV)を使用することができる。ある特定の実施形態において、自己相補的ベクター、例えばscAAVを使用することができる(例えば、Wu,2007,Human Gene Therapy,18(2):171−82;McCarty et al,2001,Gene Therapy,Vol.8,Number 16:1248−1254;ならびに米国特許第6,596,535号、第7,125,717号、及び第7,456,683号(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)を参照)。
いくつかの実施形態において、清澄化されたフィード中のrAAV粒子は、AAV−8またはAAV−9から選択されるAAVカプシド血清型からのカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−1、またはその派生物、修飾物、もしくはシュードタイプのAAVカプシド血清型を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−4、またはその派生物、修飾物、もしくはシュードタイプのAAVカプシド血清型を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−5、またはその派生物、修飾物、もしくはシュードタイプのAAVカプシド血清型を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8、またはその派生物、修飾物、もしくはシュードタイプのAAVカプシド血清型を有する。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9、またはその派生物、修飾物、もしくはシュードタイプのAAVカプシド血清型を有する。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8またはAAV−9カプシドタンパク質の派生物、修飾物、またはシュードタイプであるカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち、最大100%同一のAAV−8カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9カプシドタンパク質の派生物、修飾物、またはシュードタイプであるカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対し少なくとも80%以上同一、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち、最大100%同一のAAV−8カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
追加の実施形態において、rAAV粒子は,モザイクカプシドを含む。モザイクAAV粒子は、AAVの異なる血清型からのウイルスカプシドタンパク質の混合物から構成される。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、ならびにAAV.HSC16から選択される血清型のカプシドタンパク質を含むモザイクカプシドを含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−1、AAV−2、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−8、AAV−9、AAV−10、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択される血清型のカプシドタンパク質を含むモザイクカプシドを含む。
追加の実施形態において、rAAV粒子は、シュードタイプrAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、シュードタイプrAAV粒子は、(a)AAV ITRを含む核酸ベクターと、(b)AAVx(例えば、AAV−1、AAV−3、AAV−4、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−8、AAV−9、AAV−10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16)に由来するカプシドタンパク質から構成されるカプシドとを含む。追加の実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAV血清型のカプシドタンパク質から構成されるシュードタイプrAAV粒子を含む。追加の実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8カプシドタンパク質を含むシュードタイプrAAV粒子を含む。追加の実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9カプシドタンパク質から構成されるシュードタイプrAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、シュードタイプrAAV8またはrAAV9粒子は、rAAV2/8またはrAAV2/9シュードタイプ粒子である。シュードタイプrAAV粒子を生成し使用するための方法は当技術分野で知られている(例えば、Duan et al.,J.Virol.,75:7662−7671(2001);Halbert et al.,J.Virol.,74:1524−1532(2000);Zolotukhin et al.,Methods 28:158−167(2002);及びAuricchio et al.,Hum.Molec. Genet.10:3075−3081,(2001)を参照)。
追加の実施形態において、rAAV粒子は、2つ以上のAAVカプシド血清型のキメラであるカプシドタンパク質を含むカプシドを含む。さらなる実施形態において、カプシドタンパク質は、AAV1、AAV2、rAAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAV血清型からの2つ以上のAAVカプシドタンパク質のキメラである。さらなる実施形態において、カプシドタンパク質は、AAV−1、AAV−2、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−8、AAV−9、AAV−10、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択されるAAV血清型からの2つ以上のAAVカプシドタンパク質のキメラである。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8カプシドタンパク質と、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAV血清型からの1つ以上のAAVカプシドタンパク質とのキメラである、AAVカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8カプシドタンパク質と、AAV−1、AAV−2、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−9、AAV−10、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択されるAAV血清型からの1つ以上のAAVカプシドタンパク質とのキメラである、AAVカプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9カプシドタンパク質と、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択される1つ以上のAAVカプシド血清型のカプシドタンパク質とのキメラである、AAVカプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9カプシドタンパク質と、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AA6、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択される1つ以上のAAVカプシド血清型のカプシドタンパク質とのキメラである、AAVカプシドタンパク質を含む。
rAAVを分離するための方法
本明細書で開示されるアニオン交換クロマトグラフィー樹脂(例えば、4級アミン配位子を含むモノリスアニオン交換クロマトグラフィー樹脂またはAEXクロマトグラフィー樹脂)を用いた精製方法(例えば、[1]〜[55]のいずれか1つの方法)は、rAAV粒子を単離するための上流処理、下流処理、または上流及び下流処理と組み合わせて使用することができる。
本開示の方法(例えば、[1]〜[55]のいずれか1つの方法)に従って調製されたアニオン交換クロマトグラフィー樹脂(例えば、4級アミンリガンドを含むモノリスアニオン交換クロマトグラフィー樹脂またはAEXクロマトグラフィー樹脂)を用いてrAAV粒子を単離する方法のためのフィード組成物は、当技術分野で知られている方法を用いて産生することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、上流処理、例えば、細胞培養物(例えば、細胞培養物上清もしくは細胞溶解物または両方)の収集、(例えば、遠心分離または深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、無菌濾過、あるいはこれらの任意の組合せ(複数可)を含む方法により、フィード組成物を産生することを含む。いくつかの実施形態において、上流処理は、細胞培養物または細胞培養上清の収集、(例えば、遠心分離または深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、無菌濾過のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つを含む。いくつかの実施形態において、上流処理は、細胞培養物または細胞培養上清の収集、(例えば、深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養上清の清澄化、無菌濾過、タンジェンシャルフロー濾過、及びアフィニティークロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態において、上流処理は、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、無菌濾過、タンジェンシャルフロー濾過、及びアフィニティークロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態において、上流処理は、深層濾過による収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、無菌濾過、タンジェンシャルフロー濾過、及びアフィニティークロマトグラフィーを含む。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化は、無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、上流処理は遠心分離を含まない。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8血清型のカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9血清型のカプシドタンパク質を含む。
本開示の方法(例えば、[1]〜[55]のいずれか1つの方法)に従って生成されて単離されたrAAV粒子を含むアニオン交換クロマトグラフィー樹脂(例えば、モノリスカラム)からの溶出液はさらに、当技術分野で知られている方法を用いて処理することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、下流処理、例えば、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、及び疎水相互作用クロマトグラフィーを含む方法により、溶出液を処理することを含む。いくつかの実施形態において、下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、または無菌濾過のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つを含む。いくつかの実施形態において、下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過を含む。いくつかの実施形態において、下流処理は、無菌濾過を含む。さらなる実施形態において、下流処理は、タンジェンシャルフロー濾過及び無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8血清型のカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9血清型のカプシドタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、細胞培養物または細胞培養物上清の収集、(例えば、深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、第1のタンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、第2のタンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、細胞培養物または細胞培養物上清の収集、(例えば、深層濾過による)収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、タンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、第1のタンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、第2のタンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、タンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、深層濾過による収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、第1のタンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、第2のタンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるrAAV粒子を単離する方法は、深層濾過による収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化、第1の無菌濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー(例えば、4級アミンリガンドを用いたモノリスアニオン交換クロマトグラフィーまたはAEXクロマトグラフィー)、タンジェンシャルフロー濾過、及び第2の無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、当該方法は、遠心分離を含まない。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化は、無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−8血清型のカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、rAAV粒子は、AAV−9血清型のカプシドタンパク質を含む。
rAAV粒子の生成方法については、形質移入、安定細胞株生成、及び感染性ハイブリッドウイルス生成系(アデノウイルス−AAVハイブリッド、ヘルペスウイルス−AAVハイブリッド、及びバキュロウイルス−AAVハイブリッドを含む)を含めた多数の方法が当技術分野で知られている。rAAVウイルス粒子を生成するためのrAAV生成培養物はいずれも、(1)好適な宿主細胞(バキュロウイルス系の場合では、例えば、ヒト由来細胞株(例えば、HeLa、A549、またはHEK293細胞及びその派生物(HEK293T細胞、HEK293F細胞))、哺乳類細胞株(例えば、Vero)、または昆虫由来細胞株(例えば、SF−9)を含む);(2)野生型もしくは変異型アデノウイルス(例えば、温度感受性アデノウイルス)、ヘルペスウイルス、バキュロウイルス、またはヘルパー機能を提供するプラスミドコンストラクトによって提供される、好適なヘルパーウイルス機能;(3)AAV rep及びcap遺伝子ならびに遺伝子産物;(4)AAV ITR配列に隣接する導入遺伝子(例えば、治療用導入遺伝子);ならびに(5)rAAV生成を支持するための好適な培地及び培地構成成分を必要とする。当技術分野で知られている好適な培地をrAAVベクターの生成に使用することができる。このような培地としては、限定されるものではないが、変法イーグル培地(MEM)、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、及び米国特許第6,723,551号(参照によりその全体が本明細書に援用される)で説明されているようなSf−900 II SFM培地を含めたHyclone Laboratories及びJRHが生産する培地が挙げられる。
rAAV生成培養物は、利用されている特定の宿主細胞に適した様々な条件下で(広い温度範囲にわたり、様々な長さの時間で、など)ルーチン的に成長させることができる。当技術分野で知られているように、rAAV生成培養物は、好適な付着依存性容器(例えば、ローラーボトル、中空繊維フィルター、マイクロキャリア、及び充填床または流動床バイオリアクター)中で培養することができる付着依存性培養物を含む。また、rAAVベクター生成培養物には、様々な方法(例えば、スピナーフラスコ、撹拌槽型バイオリアクター、及びディスポーザブルシステム(例えば、ウェーブバッグシステム))で培養することができる、浮遊適応性宿主細胞(例えば、HeLa、HEK293、Vero、及びこれらの派生物)ならびにSF−9細胞も含まれ得る。rAAV粒子を生成するための多数の浮遊培養物が当技術分野で知られており、これには例えば、米国特許第6,995,006号、第9,783,826号、及び米国特許出願公開第20120122155号(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されている培養物が含まれる。
組換えAAV粒子は、インタクトな宿主細胞から培地中へのrAAV粒子放出を引き起こすことが当技術分野で知られている条件下で細胞が培養されることを条件に、宿主細胞を含むrAAV生成培養物を収集することにより、またはrAAV生成培養物から消費培地を収集することにより、rAAV生成培養物から収集することができる。また、組換えAAV粒子は、生成培養物の宿主細胞を溶解することによってrAAV生成培養物から収集することもできる。細胞を溶解する好適な方法も当技術分野で知られており、例えば、複数の凍結/解凍サイクル、超音波処理、マイクロ流動化、ならびに化学物質(例えば、界面活性剤及び/またはプロテアーゼ)による処理が挙げられる。
いくつかの実施形態において、rAAV生成培養物は、高密度細胞培養物を含む。いくつかの実施形態において、培養物は、約1×10E+06細胞/mlから約30×10E+06細胞/mlの間の総細胞密度を有する。いくつかの実施形態において、細胞の約50%超が生細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、HeLa細胞、HEK293細胞、HEK293由来細胞(例えば、HEK293T細胞、HEK293F細胞)、Vero細胞、またはSF−9細胞である。さらなる実施形態において、細胞は、HEK293細胞である。さらなる実施形態において、細胞は、浮遊培養での増殖に適応したHEK293細胞である。
提供される方法の追加の実施形態において、rAAV生成培養物は、rAAV粒子を含む浮遊培養物を含む。rAAV粒子を生成するための多数の浮遊培養物が当技術分野で知られており、これには例えば、米国特許第6,995,006号、第9,783,826号、及び米国特許出願公開第20120122155号(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されている培養物が含まれる。いくつかの実施形態において、浮遊培養物は、哺乳類細胞または昆虫細胞の培養物を含む。いくつかの実施形態において、浮遊培養物は、HeLa細胞、HEK293細胞、HEK293由来細胞(例えば、HEK293T細胞、HEK293F細胞)、Vero細胞、CHO細胞、CHO−K1細胞、EB66細胞、BSC細胞、HepG2細胞、LLC−MK細胞、CV−1細胞、COS細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、CRFK細胞、RAF細胞、RK細胞、TCMK−1細胞、LLCPK細胞、PK15細胞、LLC−RK細胞、MDOK細胞、BHK細胞、BHK−21細胞、NS−1細胞、MRC−5細胞、WI−38細胞、BHK細胞、3T3細胞、293細胞、RK細胞、Per.C6細胞、ニワトリ胚細胞、またはSF−9細胞の培養物を含む。いくつかの実施形態において、浮遊培養物は、HEK293細胞の培養物を含む。
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、(例えば、商業的製造プロセス中に)大量の細胞培養物または細胞培養物上清フィードが存在してもよい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、rAAV粒子を含む大量の細胞培養物または細胞培養物上清フィードの処理に適している。「大量」という用語は、rAAV粒子の商業的及び/または工業的生産に関連する量を意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約20リットルから約20000リットルの間、約50リットルから約20000リットルの間、約100リットルから約20000リットルの間、約500リットルから約20000リットルの間、約1000リットルから約20000リットルの間、約20リットルから約5000リットルの間、約50リットルから約5000リットルの間、約100リットルから約3000リットルの間、約500リットルから約3000リットルの間、約1500リットルから約2500リットルの間を意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約2000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約200リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約500リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約1000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約1500リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約2000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約2500リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約3000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約5000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約10000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約15000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大量」という用語は、約20000リットルを意味する。いくつかの実施形態において、「大容量」という用語は、約10リットルから1000リットルの間、約10リットルから100リットルの間、約20リットルから500リットルの間、約50リットルから500リットルの間、約100リットルから1000リットルの間、または約100リットルから500リットルの間を意味する。
収集時に、rAAV生成培養物は、以下のうちの1つ以上を含むことができる:(1)宿主細胞タンパク質;(2)宿主細胞DNA;(3)プラスミドDNA;(4)ヘルパーウイルス;(5)ヘルパーウイルスタンパク質;(6)ヘルパーウイルスDNA;ならびに(7)培地構成成分(例えば、血清タンパク質、アミノ酸、トランスフェリン、及び他の低分子量タンパク質を含む)。rAAV生成培養物はさらに、生成物関連不純物、例えば、不活性なベクター形態、空のウイルスカプシド、凝集したウイルス粒子またはカプシド、ミスフォールドしたウイルスカプシド、分解されたウイルス粒子を含むことができる。
いくつかの実施形態において、rAAV生成培養物収集物は、宿主細胞デブリを除去するように清澄化される。いくつかの実施形態において、生成培養物収集物は、一連の深層フィルターによる濾過によって清澄化される。また、清澄化は、当技術分野で知られている他の様々な標準的技法により、例えば、遠心分離、または当技術分野で知られている0.2mm以上の細孔サイズの任意の酢酸セルロースフィルターによる濾過により、達成することができる。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化は、無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、生成培養物収集物は、遠心分離によって清澄化される。いくつかの実施形態において、生成培養物収集物の清澄化は、遠心分離を含まない。
いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清は、濾過を用いて清澄化される。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化は、深層濾過を含む。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清の清澄化はさらに、深層濾過及び無菌濾過を含む。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清は、1つ以上の異なる濾過媒体を含むフィルタートレインを用いて清澄化される。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、1つの深層濾過媒体を含む。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、1つ以上の深層濾過媒体を含む。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、2つの深層濾過媒体を含む。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、1つの無菌濾過媒体を含む。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、2つの深層濾過媒体及び1つの無菌濾過媒体を含む。いくつかの実施形態において、深層フィルター媒体は、多孔質深層フィルターである。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、Clarisolve(登録商標)20MS、Millistak+(登録商標)C0HC、及び無菌グレード濾過媒体を含む。いくつかの実施形態において、フィルタートレインは、Clarisolve(登録商標)20MS、Millistak+(登録商標)C0HC、及びSartopore(登録商標)2 XLG 0.2μmを含む。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清は、深層フィルターに接触させる前に前処理される。いくつかの実施形態において、前処理は、収集した細胞培養物または細胞培養物上清に塩を添加することを含む。いくつかの実施形態において、前処理は、収集した細胞培養物または細胞培養物上清に化学凝集剤を添加することを含む。いくつかの実施形態において、収集した細胞培養物または細胞培養物上清は、深層フィルターに接触させる前に前処理されない。
いくつかの実施形態において、生成培養物収集物は、2019年4月27日に出願された“SCALABLE CLARIFICATION PROCESS FOR RECOMBINANT AAV PRODUCTION”という表題の国際特許出願第PCT/US2019/29539(参照によりその全体が本明細書に援用される)で開示されている濾過によって清澄化される。
いくつかの実施形態において、rAAV生成培養物収集物は、生成培養物中に存在する高分子量DNAを消化するようにヌクレアーゼ(例えば、Benzonase(登録商標))またはエンドヌクレアーゼ(例えば、Serratia marcescens由来のエンドヌクレアーゼ)で処理される。ヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼ消化は、当技術分野で知られている標準的な条件下でルーチン的に実施することができる。例えば、ヌクレアーゼ消化は、周囲温度から37℃までの範囲の温度の、例えば、最終濃度1〜100U/mLのベンゾナーゼ(登録商標)で、30分〜数時間の間実施される。
無菌濾過は、無菌グレードフィルター媒体を用いた濾過を包含する。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、0.2または0.22μmの細孔フィルターである。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、ポリエーテルスルホン(PES)を含む。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、親水性の不均一な二重層設計を有する。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、0.8μmのプレフィルター及び0.2μmの最終フィルター膜の親水性の不均一な二重層設計を有する。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、1.2μmのプレフィルター及び0.2μmの最終フィルター膜の親水性の不均一な二重層設計を有する。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、0.2または0.22μmの細孔フィルターである。さらなる実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、0.2μmの細孔フィルターである。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、Sartopore(登録商標)2 XLG 0.2μm、Durapore(商標)PVDF膜0.45μm、またはSartoguard(登録商標)PES 1.2μm+0.2μmの名目孔径の組合せである。いくつかの実施形態において、無菌グレード濾過媒体は、Sartopore(登録商標)2 XLG 0.2μmである。
いくつかの実施形態において、清澄化されたフィードは、クロマトグラフィー媒体、例えば、アフィニティークロマトグラフィー媒体に適用される前に、タンジェンシャルフロー濾過(「TFF」)を介して濃縮される。TFF限外濾過を用いたウイルスの大規模用濃度は、Paul et al.,Human Gene Therapy 4:609−615(1993)で説明されている。清澄化フィードのTFF濃度により、技術的に管理可能な量の清澄化フィードをクロマトグラフィーにかけることが可能になり、また、長い再循環時間を必要とせずにカラムをより合理的にサイジングすることが可能になる。いくつかの実施形態において、清澄化されたフィードは、少なくとも2倍から少なくとも10倍の間で濃縮される。いくつかの実施形態において、清澄化されたフィードは、少なくとも10倍から少なくとも20倍の間で濃縮される。いくつかの実施形態において、清澄化されたフィードは、少なくとも20倍から少なくとも50倍の間で濃縮される。いくつかの実施形態において、清澄化されたフィードは、約20倍に濃縮される。また、当業者は、透析濾過を介して清澄化されたフィードから小分子不純物(例えば、培地成分、血清アルブミン、または他の血清タンパク質を含む細胞培養不純物)を除去するためにTFFが使用されてもよいことも認識するであろう。いくつかの実施形態において、清澄化されたフィードは、小分子不純物を除去するために透析濾過に供される。いくつかの実施形態において、透析濾過は、約3から約10の間の透析濾過体積の緩衝液を使用することを含む。いくつかの実施形態において、透析濾過は、約5の透析濾過体積の緩衝液を使用することを含む。また、当業者は、精製処理における次のステップを実施する前に緩衝液の交換が望ましい場合における精製プロセスの任意のステップでTFFが使用されてもよいことも認識するであろう。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される清澄化されたフィードからrAAVを単離するための方法は、緩衝液を交換するためのTFFの使用を含む。
アフィニティークロマトグラフィーを使用して、組成物からrAAV粒子を単離することができる。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、清澄化されたフィードからrAAV粒子を単離する。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、タンジェンシャルフロー濾過に供されて清澄化されたフィードからrAAV粒子を単離する。好適なアフィニティークロマトグラフィー媒体は当技術分野で知られており、限定されるものではないが、AVB Sepharose(商標)、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティー樹脂、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9アフィニティー樹脂、及びPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8アフィニティー樹脂が挙げられる。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィー媒体は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9アフィニティー樹脂である。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィー媒体は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8アフィニティー樹脂である。いくつかの実施形態において、アフィニティークロマトグラフィー媒体は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVXアフィニティー樹脂である。
追加の実施形態において、本開示は、本明細書で開示される方法によって生成される、単離された組換えrAAV粒子を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、医薬的に許容される担体を含む医薬組成物である。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される」という用語は、1つ以上の投与経路、in vivo送達または接触に適した、生物学的に許容される製剤、気体、液体、もしくは固体、またはこれらの混合物を意味する。「医薬的に許容される」組成物は、生物学的または他の点で望ましくないものではない材料であり、例えば、この材料は、実質的な望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく対象に投与することができる。したがって、このような医薬組成物は、例えば、本開示の方法に従って単離されたrAAVを対象に投与する際に使用することができる。このような組成物としては、医薬投与またはin vivoでの接触または送達と適合性である、溶媒(水性または非水性)、溶液(水性または非水性)、エマルジョン(例えば、水中油または油中水)、懸濁液、シロップ、エリキシル、分散及び懸濁媒体、コーティング、等張性及び吸収の促進剤または遅延剤が挙げられる。水性及び非水性の溶媒、溶液、及び懸濁液は、懸濁剤及び増粘剤を含むことができる。このような医薬的に許容される担体としては、錠剤(コーティングされたまたはコーティングされていない)、カプセル(ハードまたはソフト)、マイクロビーズ、粉末、顆粒、及び結晶が挙げられる。補足活性化合物(例えば、防腐剤、抗微生物剤、抗ウイルス剤、及び抗真菌剤)も、組成物に組み込むことができる。医薬組成物は、本明細書で記載のように、または当業者に知られているように、特定の投与経路または送達経路と適合性であるように製剤化することができる。したがって、医薬組成物には、様々な経路による投与に適した担体、希釈剤、または賦形剤が含まれる。本発明のrAAV粒子ならびに方法及び使用に適切な医薬組成物及び送達系は、当技術分野で知られている(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2003)20th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.;Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)18th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.;The Merck Index(1996)12th ed.,Merck Publishing Group,Whitehouse,N.J.;Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms(1993),Technonic Publishing Co.,Inc.,Lancaster,Pa.;Ansel and Stoklosa,Pharmaceutical Calculations(2001)11th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Md.;及びPoznansky et al.,Drug Delivery Systems (1980),R.L.Juliano,ed.,Oxford,N.Y.,pp.253−315を参照)。
いくつかの実施形態において、組成物は、医薬単位用量である。「単位用量」とは、治療される対象のための単位薬用量として適した物理的に別々の単位を意味する。各単位は、任意選択で医薬担体(賦形剤、希釈剤、ビヒクル、または充填剤)と共に所定の量を含み、1回以上の用量で投与されたときに所望の効果(例えば、予防または治療効果)をもたらすように計算される。単位剤形は、例えば、アンプル及びバイアル内にあってもよく、これらは液体組成物、またはフリーズドライもしくは凍結乾燥状態の組成物を含むことができ、例えば、無菌液体担体をin vivoでの投与または送達の前に添加してもよい。個々の単位剤形は、多回用量キットまたは容器に含めることができる。組換えベクター(例えば、AAV)配列、プラスミド、ベクターゲノム、及び組換えウイルス粒子、ならびにこれらの医薬組成物は、投与を容易にし、投薬量を均一にするために、単一または複数の単位用量形態でパッケージ化することができる。いくつかの実施形態において、組成物は、AAV−1、AAV−2、AAV−3、AAV−4、AAV−5、AAV−6、AAV−7、AAV−8、AAV−9、AAV−10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16から選択されるAAVカプシド血清型からのAAVカプシドタンパク質を含む、rAAV粒子を含む。いくつかの実施形態において、AAVカプシド血清型は、AAV−8である。いくつかの実施形態において、AAVカプシド血清型は、AAV−9である。
実施例1.AAV8精製用AEX樹脂のスクリーニング。
凝集体、ミスフォールドした粒子、空のカプシド、充填不完全なカプシドを含めた処理関連不純物からrAAV粒子を分離することが可能な大規模で高収率の精製ステップを開発するために、複数のAEX樹脂を試験した。空の/充填不完全なカプシド及びウイルス凝集体から機能的rAAV粒子を分離することは、溶媒アクセス可能なこれらの実体の外部の構造的類似性が高レベルであることを考慮すれば、とりわけ困難である。それと同時に、機能的rAAV粒子から空のカプシド及び充填不完全なカプシドを分離することは、より安全でより効果的な治療用AAV組成物を製造するために不可欠である。試験した樹脂は、CIMmultus(登録商標)QA、Q Sepharose、Fractogel(登録商標)TMAE(M)、Toyopearl(登録商標)Gigacap Q−650M、及びPOROS(商標)50 HQであった。
rAAVをHEK293ベースプロセスで生成した。rAAVを含む細胞培養物上清を収集し、深層濾過によって清澄化し、遠心分離は使用しなかった。清澄化した培養物をタンジェンシャルフロー濾過を使用して濃縮し、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8、AAV9、またはAAVX樹脂を用いたアフィニティー精製に供してrAAV粒子を単離した。アフィニティー精製した組成物を使用してAEX樹脂を試験した。AEXクロマトグラフィーを標準的なプロトコルに従って実施した。簡潔に説明すると、AEXカラムを約0.6L細胞培養物当量/AEX樹脂mLの割合でロードした。カラム容量(CV)は1〜約2mLとした。トリスpH8.4緩衝液を全ての相に使用した。ロード及び溶出は150cm/時間の流量で行った。ただし、例外としてFractogel(登録商標)TMAE(M)では90cm/時間の流量を使用し、CIMmultus(登録商標)QAでは0.5〜1.25CV/分の流量を使用した。カラムは、5〜15mMのNaClで開始し30〜60CVにわたって120〜200mMのNaClに達する、浅い直線NaCl勾配で溶出した。カラム性能をクロマトグラム及びピーク面積解析に基づいて評価した。AAV8−Aウイルスで得られた結果(例えば、導入遺伝子Aを運搬するAAV8)を図1A〜1Eに示す。CIMmultus(登録商標)QAは、rAAV粒子と処理関連不純物(空のカプシド及び凝集またはミスフォールドした粒子)とを高分解能で複数のピークに分離する(図1A)。Q Sepharose XLでは、rAAV粒子と不純物との分解能が低下した(図1B)。また、実行ごとにばらつく難点もあった。Fractogel(登録商標)TMAE(M)では、限定的に生成物関連不純物から完全AAV8−Aが分離された(図1C)。Toyopearl(登録商標)Gigacap Q−650Mでは、不純物の分解能が低く、rAAV粒子の収率が低かった(図1D)。POROS(商標)50 HQでは、限定的に生成物関連不純物から完全AAV8−Aが分離された(図1E)。CIMmultus(登録商標)QAでは、他の試験した樹脂(4級アミンリガンドを含む化学的に類似した他の樹脂を含む)よりも驚くほど良好に、機能的rAAV粒子から空の/充填不完全なカプシドが分離された。これらの結果に基づき、CIMmultus(登録商標)QAがさらなる試験用に選定された。
実施例2.緩衝液構成成分、pH、及び勾配プロファイルが生成物関連不純物からのAAV8分離に及ぼす影響。
さらなる実験は、緩衝液構成成分、pH、及び勾配プロファイルが生成物関連不純物からのAAV8−A分離に及ぼす影響を試験するため、1mLのCIMmultus(登録商標)QAモノリスカラムで、アフィニティークロマトグラフィーで精製したAAV8−A調製物を用いて実施した。AAV8−Aを精製する間のクロマトグラフィー緩衝液にはpH8.4±0.2の25mMトリスが最適であり、AAV8−AのAEX培地への緊密な結合と、AAVの安定性を損なうことなく生成物関連不純物から完全AAVを良好に分離することとを確実にした(図2)。
クロマトグラフィー緩衝液にMgCl及びKClを含めることで、クロマトグラフィー分解能及びAAV8−Aの収率が増加した(図3)。アフィニティークロマトグラフィーによって精製したAAV8−Aを、MgCl/KClを伴わない、または1mMのMgCl2を伴う、または2.5mMのMgCl及び1mMのKClを伴う、ロード希釈緩衝液(25mMのトリス、0.001%のPF−68、pH8.8)で希釈した。平衡緩衝液は、MgCl/KClを伴わない、または1mMのMgClを伴う、または2.5mMのMgCl及び1mMのKClを伴う、25mMのトリス、5mMのNaCl pH8.4とし、溶出緩衝液は、MgCl/KClを伴わない、または1mMのMgClを伴う、または2.5mMのMgCl及び1mMのKClを伴う、25mMのトリス、200mM NaCl pH8.4とした。19mMのNaClから162mMのNaClまでの直線NaCl濃度勾配を60CVにわたり送達させてカラムを溶出した。1mMのMgClを伴うクロマトグラフィー緩衝液は、生成物関連不純物からの完全AAV8−A粒子の分離が改善されたことを示した。Mg2+により、メインピークのフロントにおける空の/充填不完全なAAVカプシドからの分離、及びメインピークのテールにおける凝集/ミスフォールドした粒子からの分離が改善された。クロマトグラフィー緩衝液に2.5mMのMg2+を含めることで、AAV8−A生成物のピーク面積が13%増加し、GCステップ収率が76%から85%に増加した。空の/充填不完全なAAVカプシドからの分離の改善は、「フロント」におけるGC力価低下に反映されている(1.9%対1.50%)。一方、凝集/ミスフォールドした粒子からの分離の改善は、「テール」における収率GC力価低下に反映されている(9.39%対4.71%)。図3。いずれの場合においても、フロント画分及びテール画分における収率GC力価低下は、機能的rAAV粒子を含む主要画分における収率GC力価増加を意味する。Mg2+に加えてKを導入することで、さらに収率が改善した。クロマトグラフィー緩衝液に2.5mMのMgCl及び1mMのKClを含めることで、AAV8−A生成物のピーク面積が15%増加し、GCステップ収率が76%から91%に増加した。Kが存在することで、「フロント」におけるGC力価低下により反映されているように、空の/充填不完全なAAVカプシドからの分離がさらに改善された。「フロント」におけるGC力価は、KもMg2もなしの場合の1.9%から、Mg2のみの場合は1.5%、K及びMg2ありの場合は1.42%となった。試験条件のうち、生成物関連不純物からの最良な完全AAV8−A分離、及び最良の生成物収率は、いかなるMg2+もKも含まない緩衝液(図3のクロマトグラフィー実行A)と比較すると、クロマトグラフィーランニング緩衝液中で2.5mMのMgCl及び1mMのKClを含む最適な緩衝系(トリス)及びpH(pH8.4)を使用し、より低速の流量を使用し、生成物溶出に浅い直線NaCl濃度勾配を適用することにより達成された(図3のクロマトグラフィー実行C)。
実施例3.緩衝系にMg2+及びKを含めることにより、AEXクロマトグラフィーにおける空の/充填不完全なカプシド及びウイルス凝集体からの完全AAV粒子分離が改善される。
4級アミンリガンドを含む複数のAEXクロマトグラフィー樹脂について、Mg2+及びKを含む緩衝液系を使用した際の空の/充填不完全なカプシド及び凝集体から完全AAV粒子を分離する能力を試験した。図4。CIMmultus(商標)QA(BIA Separations)、Poros XQ(Thermo Fisher)、及びSartobind(登録商標)Q(Sartorius)AEX媒体を使用して、AAV8−Bウイルス(例えば、導入遺伝子Bを運搬するAAV8)を精製した。AAV8−Bウイルスを細胞培養物上清から収集し、実施例1での説明とほぼ同様にPoros AAVXアフィニティーカラムで精製した。アフィニティー精製したAAV8−Bウイルスを20mMのトリスHCl緩衝液(任意選択で2mMのMgCl、2.5mMのKCl、及び「粘着」を防止するための0.001%プルロニックを含む)で希釈し、平衡/洗浄緩衝液(25mMのトリスHCl、2mMのMgCl、2.5mMのKCl pH8.4)で予め平衡化したAEXカラムにロードした。カラムを平衡化/洗浄緩衝液で洗浄し、続いて漸増NaCl濃度の直線勾配によって溶出した。試験した3つの樹脂は全て、完全AAV8−B粒子を含むメインピークと、空の/充填不完全なカプシドを含むフロントピークと、凝集したウイルスを含むテールとの間を良好に分離した。Mg2+及びKを含む緩衝系を用いたAAV8−Bで観察された分離(図4)は、Mg2+及びKを含まない緩衝系を用いたAAV8−Aの4級アミンAEXカラムで観察された分離(図1A、B、D、及びE)と比較して顕著に優れていた。
実施例4.CIMmultus(登録商標)QA AEXクロマトグラフィーを用いたAAV8粒子の大規模精製。
AAV8−Aを、実施例1で説明されているように50Lの細胞培養物上清から単離し、実施例2で説明されているようにトリスpH8.4、2.5mMのMgCl、及び1mMのKCl、低速の流量、ならびに浅い直線NaCl濃度勾配を含む緩衝系を用いた80mLのCIMmultus(登録商標)QAモノリスカラムを用いてさらに精製した。80mLのCIMmultus(登録商標)QAカラムまでスケールアップしたAEXクロマトグラフィー法により、アフィニティー精製したAAV8−Aは、3つの画分またはピーク:空のウイルスカプシドを含む第1またはフロントピーク(280nmの吸光度>260nmの吸光度);完全AAV8−A粒子及び最小限の生成物関連不純物を含む第2またはメジャーピーク(260nmの吸光度>280nmの吸光度);様々な生成物関連不純物(例えば、凝集、ミスフォールド、または分解したAAV粒子)の混合物を含む第3またはテールピークに分離された(図5)。6回の実行からのCIMmultus(登録商標)QAクロマトグラフィー処理における平均AAV8−Aゲノムコピー(GC)収率は92%であった。
60Lの浮遊細胞培養物上清から収集したAAV8−B粒子を、実施例1での説明とほぼ同様に、Poros AAVXアフィニティークロマトグラフィーカラムで精製した。アフィニティー精製した調製物を20mMのトリスHCl、1mMのMgCl2、1mMのKCl、及び0.001%のPluronic pH8.8で12倍に希釈し、平衡化/洗浄緩衝液(25mMのTrisHCl、8.0mMのMgCl2、2.5mMのKCl pH8.8)で事前に平衡化した80mLのCIM QAカラムにロードした。カラムに結合したAAV8−Bを漸増NaCl濃度の直線勾配によって溶出した。AAV8−B粒子を、A260及びA280吸収値に基づいて収集した。A260/A280>1.1(フロント)で始まり最大ピークの25%に達するA280で終わる画分をプールした。図6。プールした溶出画分を、0.2Mのトリス−HCl、0.01%のPluronic PF−68、pH7.2±0.2を添加することにより中和した。CIM QAカラム精製のGC収率は77%であった。分析的超遠心分離によって示されたように、単離された粒子の78%は完全AAVであった。CIM QAカラムステップでは、A280値に基づく評価において、不純物の64%が除去された。
50Lの浮遊細胞培養物上清から収集したAAV8−C粒子(例えば、導入遺伝子Cを含むAAV8粒子)を、実施例1での説明とほぼ同様に、Poros AAVXアフィニティークロマトグラフィーカラムで精製した。アフィニティー精製した調製物を20mMのトリスHCl、1mMのMgCl2、1mMのKCl、及び0.001%のPluronic pH8.8で12倍に希釈し、平衡化/洗浄緩衝液(25mMのTrisHCl、8.0mMのMgCl2、2.5mMのKCl pH8.8)で事前に平衡化した80mLのCIM QAカラムにロードした。カラムに結合したAAV8−Bを漸増NaCl濃度の直線勾配によって溶出した。AAV8−B粒子を、A260及びA280吸収値に基づいて収集した。A260/A280>1.0(フロント)で始まり最大ピークの20%に達するA280で終わる画分をプールした。図7。プールした溶出画分を、0.2Mのトリス−HCl、0.01%のPluronic PF−68、pH7.2±0.2を添加することにより中和した。CIM QAカラム精製のGC収率は100%であった。分析的超遠心分離によって示されたように、単離された粒子の51%は完全AAVであり、30%は不完全AAVであった。CIM QAカラムステップでは、A280値に基づく評価において、不純物の65%が除去された。
実施例5.AEXクロマトグラフィーによるAAV9精製。
実施例1で説明されている処理を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって精製されたAAV9ウイルスを、CIMmultus(登録商標)QAカラムを使用するアニオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製した。試料を、1mMのMgCl及び1mMのKClを伴うまたは伴わないAEXロード希釈緩衝液(25mMのトリス、0.001%のPF−68、pH10.0)で希釈した。平衡化緩衝液は、1mMのMgCl及び1mMのKClを伴うまたは伴わない25mMトリス、3mMのNaCl、pH9.3であり、溶出緩衝液は、1mMのMgCl及び1mMのKClを伴うまたは伴わない25mMのトリス、200mMのNaCl、pH9.3であった。9mMのNaClから121mMのNaClまでの直線NaCl濃度勾配を50CVにわたり送達させてAAV9粒子を溶出した。クロマトグラフィー緩衝液に1mMのMgCl及び1mMのKClを含めることで、AAV9生成物のピーク面積が12%増加し、GCステップ収率が76%から79%に増加した(図8)。
本開示の方法は、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものと共に説明してきたが、本開示に包含される方法は、開示された実施形態に限定されるべきではなく、逆に、添付の請求項の趣旨及び範囲に含まれる様々な変更及び同等のアレンジを網羅するように意図されていることを理解されたい。
本明細書で引用された全ての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、及びアクセッション番号/データベースの配列(ポリヌクレオチド配列及びポリペプチド配列の両方を含む)は、各々の個別の刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、またはアクセッション番号/データベースの配列が、具体的かつ個別に参照によって援用されるのと同程度に、あらゆる目的において、参照によりこれらの全体が本明細書に援用される。

Claims (84)

  1. 組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を、rAAV粒子及び不純物を含むフィード組成物から単離するための方法であって、
    (a)前記フィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、前記rAAV粒子が前記クロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、
    (b)直線勾配を用いて前記クロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を溶出すること、及び
    (c)溶出された前記rAAV粒子を含む溶出液を回収すること
    を含み、
    (i)前記不純物が、空のウイルスカプシド、充填不完全なウイルスカプシド、及び/またはウイルス凝集体を含み、
    (ii)前記方法が、以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    のうちの1つ以上によって特徴づけられる、前記方法。
  2. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    のうちの2つ以上によって特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
  3. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、及び
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること
    によって特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
  4. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    によって特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
  5. a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有し、
    b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK濃度を有し、
    c.前記フィード組成物が、約7.0から約10.2の間のpHを有し、
    d.前記溶出することが、0.2CV/分から5CV/分の間の流量で行われる、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. アニオン交換クロマトグラフィー中における、空のまたは充填不完全な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と完全rAAV粒子との分離を改善するための方法であって、
    (a)空のrAAV粒子、充填不完全なrAAV粒子、及び完全rAAV粒子を含むフィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、前記rAAV粒子が前記クロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、
    (b)直線勾配を用いて前記クロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を溶出すること、ならびに
    (c)溶出された前記rAAV粒子を含む溶出液を回収すること
    を含み、
    以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    のうちの1つ以上によって特徴づけられる、前記方法。
  7. アニオン交換クロマトグラフィー中における、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子とウイルス凝集体との分離を改善するための方法であって、
    (a)rAAV粒子及びウイルス凝集体を含むフィード組成物を、アニオン交換クロマトグラフィー媒体に、前記rAAV粒子が前記クロマトグラフィー媒体に結合するのを可能にする条件下で接触させること、
    (b)直線勾配を用いて前記クロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を溶出すること、ならびに
    (c)溶出された前記rAAV粒子を含む溶出液を回収すること
    を含み、
    以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    のうちの1つ以上によって特徴づけられる、前記方法。
  8. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.1CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    のうちの2つ以上によって特徴づけられる、請求項6または請求項7に記載の方法。
  9. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、0.2CV/分から5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約5から約100CVの間の体積を含むこと
    によって特徴づけられる、請求項6または請求項7に記載の方法。
  10. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.1mMから約20mMの間のK濃度を有すること、及び
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること
    によって特徴づけられる、請求項6または請求項7に記載の方法。
  11. 以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK濃度を有すること、及び
    c.前記フィード組成物が、約6.5から約10.5の間のpHを有すること
    によって特徴づけられる、請求項6または請求項7に記載の方法。
  12. 前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、4級アミン官能基を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、モノリスアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、4級アミン官能基を含むモノリスアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記直線塩勾配が、約0から500mMの間のNaClを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記直線塩勾配が、約0から200mMの間のNaClを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  17. 溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、約0.1mMから約20mMの間のKを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  20. 溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、約0.1mMから約20mMの間のMg2+及び約0.1mMから約20mMの間のKを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  21. 溶出することの前に、結合した前記rAAV粒子を含む前記クロマトグラフィー媒体を洗浄することをさらに含み、洗浄緩衝液が、8mMのMgCl及び2.5mMのKClを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記フィード組成物を前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体に接触させる前に、前記アニオン交換クロマトグラフィー媒体が、8mMのMgCl及び2.5mMのKClを含む緩衝液で平衡化されている、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記rAAV粒子が、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV−11、AAV−12、AAV−13、AAV−14、AAV−15、及びAAV−16、AAV.rh8、AAV.rh10、AAV.rh20、AAV.rh39、AAV.Rh74、AAV.RHM4−1、AAV.hu37、AAV.Anc80、AAV.Anc80L65、AAV.7m8、AAV.PHP.B、AAV2.5、AAV2tYF、AAV3B、AAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAVからのカプシドタンパク質を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記rAAV粒子が、AAV−8またはAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記フィード組成物が、約8.2から約9.5の間のpHを有する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記rAAV粒子がAAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が8.2から8.6の間のpHを有する、または
    前記rAAV粒子がAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が9.1から9.5の間のpHを有する、
    請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記溶出することが、0.5CV/分から1.25CV/分の間の流量で行われる、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記直線塩勾配が、約30から約70CVの間の体積中0〜200mMのNaClを含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記rAAV粒子が、AAV−8またはAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記方法が、以下:
    a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有すること、
    b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK濃度を有すること、
    c.前記rAAV粒子がAAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が8.2から8.6の間のpHを有すること、または前記rAAV粒子がAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が9.1から9.5の間のpHを有すること、
    d.前記溶出することが、1.25CV/分から0.5CV/分の間の流量で行われること、及び
    e.前記直線塩勾配が、約30から約70CVの間の体積を含むこと
    のうちの2つ以上によって特徴づけられる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記rAAV粒子が、AAV−8またはAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、
    a.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のMg2+濃度を有し、
    b.前記フィード組成物が、約0.5mMから約10mMの間のK濃度を有し、
    c.前記rAAV粒子がAAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が8.2から8.6の間のpHを有するか、または前記rAAV粒子がAAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が9.1から9.5の間のpHを有し、
    d.前記溶出することが、1.25CV/分から0.5CV/分の間の流量で行われ、及び
    e.前記直線塩勾配が、約30CVから約70CVの間の体積を含む、
    請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記塩勾配が、0〜200mMのNaClを含む、請求項29または請求項30に記載の方法。
  32. 前記フィード組成物が、2.5mMのMg2+濃度を有する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記フィード組成物が、1mMのMg2+濃度を有する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記フィード組成物が、1mMのK濃度を有する、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記rAAV粒子が、AAV−8血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が、約8.4のpHを有する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記rAAV粒子が、AAV−9血清型のカプシドタンパク質を含み、前記フィード組成物が、約9.3のpHを有する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記溶出することが、約0.5CV/分の流量で行われる、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記直線塩勾配が、約50CVの体積中0〜200mMのNaClを含む、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記直線塩勾配が、約60CVの体積中0〜200mMのNaClを含む、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記Mg2+がMgCl2である、請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記KがKClである、請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、メタクリレート、アガロースベース材料、セルロース、アクリルアミド、ポリスチレンジビニルベンゼン、またはシリカベース材料を含む、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートまたはスチレン−ジビニルベンゼンポリマーを含む、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、グリシジルメタクリレート−エチレンジメタクリレートポリマーを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、950nm〜1150nmの平均細孔半径を有する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体が、600nm〜750nmの平均細孔半径を有する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。
  47. rAAV粒子の収率が少なくとも約40%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. rAAV粒子の収率が少なくとも約50%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  49. rAAV粒子の収率が少なくとも約60%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  50. rAAV粒子の収率が少なくとも約70%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  51. rAAV粒子の収率が少なくとも約75%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  52. rAAV粒子の収率が少なくとも約80%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  53. rAAV粒子の収率が少なくとも約85%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  54. rAAV粒子の収率が少なくとも約90%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  55. rAAV粒子の収率が少なくとも約95%である、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
  56. 前記不純物が、空のまたは充填不完全なウイルスカプシドを含み、前記方法が、前記空のまたは充填不完全なウイルスカプシドから前記rAAV粒子を分離する、請求項1〜55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約10%、少なくとも約20%、または少なくとも約30%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約40%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約50%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約60%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約70%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約80%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約90%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約95%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約97%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  66. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約98%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記溶出液中の前記ウイルスカプシドの少なくとも約99%がrAAV粒子である、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
  68. 前記フィード組成物が、以下:
    (a)前記rAAV粒子を含む細胞培養物、細胞溶解物、細胞上清、またはこれらの組み合わせを含む出発組成物を準備すること、
    (b)前記出発組成物を深層濾過によって清澄化して、清澄化された出発組成物を生成すること、
    (c)前記清澄化された出発組成物をタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮して、濃縮された濾液を生成すること、
    (d)前記濃縮された濾液をアフィニティークロマトグラフィー媒体に接触させること、及び
    (e)前記アフィニティークロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を回収して、前記フィード組成物を生成すること
    によって生成される、請求項1〜67のいずれか1項に記載の方法。
  69. 前記フィード組成物が、以下:
    (a)前記rAAV粒子を含む細胞培養物、細胞溶解物、細胞上清、またはこれらの組み合わせを含む出発組成物を準備すること、
    (b)前記清澄化された出発組成物をタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮して、濃縮された濾液を生成すること、
    (c)前記濃縮された濾液をアフィニティークロマトグラフィー媒体に接触させること、及び
    (d)前記アフィニティークロマトグラフィー媒体から前記rAAV粒子を回収して、前記フィード組成物を生成すること
    によって生成される、請求項1〜67のいずれか1項に記載の方法。
  70. 前記出発組成物が細胞培養物を含み、前記細胞培養物が浮遊培養物または接着細胞培養物である、請求項68または請求項69に記載の方法。
  71. 前記浮遊培養物が、HeLa細胞、HEK293細胞、HEK293由来細胞、Vero細胞、CHO細胞、EB66細胞、またはSF−9細胞の培養物を含む、請求項70に記載の方法。
  72. 前記浮遊培養物が、HEK293細胞の培養物を含む、請求項71に記載の方法。
  73. 前記出発組成物が、哺乳類細胞または昆虫細胞の培養物を含む、請求項68〜70のいずれか1項に記載の方法。
  74. 前記出発組成物が、HeLa細胞、HEK293細胞、HEK293由来細胞、Vero細胞、CHO細胞、EB66細胞、またはSF−9細胞の培養物を含む、請求項68〜70のいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記出発組成物が、約20リットルから約20,000リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  76. 前記出発組成物が、約20リットルから約5,000リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  77. 前記出発組成物が、約50リットルから約20,000リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  78. 前記出発組成物が、約50リットルから約5,000リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  79. 前記出発組成物が、約100リットルから約3,000リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  80. 前記出発組成物が、約500リットルから約3,000リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  81. 前記出発組成物が、約1,500リットルから約2,500リットルの間の体積を有する、請求項68〜74のいずれか1項に記載の方法。
  82. 前記出発組成物が、約2,000リットルの体積を有する、請求項81に記載の方法。
  83. 前記出発組成物が、約1000リットルの体積を有する、請求項81に記載の方法。
  84. 請求項1〜83のいずれか1項に記載の方法によって生成される、単離された組換えアデノ随伴ウイルス粒子を含む、組成物。
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