JP2021525758A - 膀胱がんの治療のための方法 - Google Patents

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Abstract

膀胱がんの治療のための方法が本明細書に提供されている。【選択図】 なし

Description

関連出願の相互参照
該当なし。
背景
STING(インターフェロン遺伝子刺激物質)は、サイトゾルにおけるdsDNAに対する先天性応答におけるシグナル伝達分子である。STING欠損が複数のヒトがんにおいて報告されている。加えて、ヒトがんにおけるSTINGシグナル伝達の調節解除は、黒色腫(Xia Tら、「Recurrent Loss of STING Signaling in Melanoma Correlates with Susceptibility to Viral Oncolysis」Cancer Res.、2016年)及び結腸がん(Xia Tら、「Deregulation of STING Signaling in Colorectal Carcinoma Constrains DNA Damage Responses and Correlates With Tumorigenesis」Cell Rep.、2016年;14巻:282〜97頁)においても報告された。興味深いことに、これらの実験において、ゲノム分析結果は、STINGの損失発現が、遺伝子欠損又は突然変異によるものではなく、後成的変化を介したものであることを示した(Xia、Cancer Res.、2016年;Xia、Cell Rep.、2016年)。STINGのがん保護活性はまたマウスモデル実験から得られる証拠により支持される。STINGノックアウトマウスは、腫瘍制御の不良を示す。(Woo SRら、「STING−dependent cytosolic DNA sensing mediates innate immune recognition of immunogenic tumors」、Immunity、2014年;41巻:830〜42頁)。
加えて、個体発生の保護におけるSTINGの役割が、グリア細胞腫(Ohkuri Tら、「Protective role of STING against gliomagenesis: Rational use of STING agonist in anti−glioma immunotherapy」、Oncoimmunology.、2015年;4号:e999523頁)、及び結腸がん(Zhu Qら、「Cutting edge: STING mediates protection against colorectal tumorigenesis by governing the magnitude of intestinal inflammation」、J.Immunol.、2014年;193巻:4779〜82頁)を含めたいくつかのマウス自然発症モデルにおいて実証されてきた。この抗腫瘍作用は、NF−kB及びSTAT3の過剰活性化に対抗するこの能力によるものであり得る。(Okihuri、2015年)。STING経路の活性化はまた、臨床前マウス腫瘍モデルにおける強力な活性を示した。(Woo、2014年;Chandra Dら、「STING ligand c−di−GMP improves cancer vaccination against metastatic breast cancer」、Cancer Immunol Res.、2014年;2巻:901〜10頁;Corrales Lら、「Direct Activation of STING in the Tumor Microenvironment Leads to Potent and Systemic Tumor Regression and Immunity」、Cell Rep.、2015年;11巻:1018〜30頁;Curran Eら、「STING Pathway Activation Stimulates Potent Immunity against Acute Myeloid Leukemia」Cell Rep.、2016年;15巻:2357〜66頁;Tang CHら、「Agonist−Mediated Activation of STING Induces Apoptosis in Malignant B Cells」Cancer Res.、2016年;76巻:2137〜52頁)。この抗腫瘍活性は、恐らく、腫瘍血管系の破壊、及びこれに続く適応免疫応答の誘導による。(Corrales Lら、「The host STING pathway at the interface of cancer and immunity」J. Clin. Invest.、2016年;126巻:2404〜11頁)。したがって、アゴニストによる腫瘍微小環境におけるSTINGの直接的又は腫瘍内刺激は、がんを治療するための新規の手法を表し得る。
更に、膀胱がんは男性及び女性においてそれぞれ第4番目及び第11番目に多いがんであり、初期段階のがん患者に対して独特な薬物投与経路を有する(Kamatら、「What is new in non−muscle−invasive bladder cancer in 2016?」Turk J Urol 2017年;43巻(1号):9〜13頁)。2018年には、およそ81,190件の膀胱がんの新規症例が米国において予測され、膀胱がんによる約17,240件の死亡が予想されている(American Cancer Society website)。BCG(カルメット−ゲラン桿菌(Bacillus Calmette−Gueri))の投与は、ハイリスクの筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)に対するフロントライン治療オプションである。残念なことに、患者の40%までがBCG治療に無反応であり、これらの患者多くは根治的膀胱切除手術を受けて膀胱を全摘出しなければならず(Zlotta、A.R.ら、「The management of BCG failure in non−muscle−invasive bladder cancer:an update」Can Urol Assoc J、2009年;3巻(付録l4):S199〜205頁)、手術後の患者の生活の質を低めてしまう。したがって、根治的膀胱切除を回避又は遅らせる有効な代替の膀胱がん療法に対する、未だ対処されていない重要な医学的必要性が存在する。
簡単な概要
実施形態は、治療を必要とする患者において膀胱がんを治療する方法であって、患者に化合物1:
Figure 2021525758

又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供することができる。
一部の実施形態では、本明細書で報告されたような実施形態に従い投与される薬学的に許容される塩はジアンモニウム塩又はトリエチルアミン(TEA)塩である。更なる実施形態は、膀胱がんに対する治療を必要とする患者に、化合物1又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を投与することにより、膀胱がんの治療を提供することができる。
更なる実施形態は、治療を必要とする患者において膀胱がんを治療する方法であって、患者に化合物2:
Figure 2021525758

又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供することができる。
更なる実施形態は、膀胱がんを治療するための医薬組成物の調製のための、本明細書で報告されたような化合物1、化合物2、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供することができる。
実施形態は、膀胱がんに対する治療における、化合物1、化合物2、その薬学的に許容される塩、又は化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の使用を提供することができる。
実施形態は、膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物2、その薬学的に許容される塩、又は化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物により治療可能な膀胱がんを有する個体を特定すること、及び膀胱がんが治療可能であると特定された化合物1、化合物2、薬学的に許容される塩又は医薬組成物の治療有効量を前記個体に投与することを含む、方法を提供することができる。
一部の実施形態では個体は、患者内のREF STING変異体アレルの存在により化合物1、化合物2、その薬学的に許容される塩、又は化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物で治療可能な膀胱がんを有すると特定される。
一部の実施形態は、REF STINGアレルを有する患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物2、その薬学的に許容される塩、又は化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法を提供する。
一部の実施形態は、WT STINGアレルを有する患者においてがんを治療する方法であって、化合物1、化合物2、その薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態は、AQ STINGアレルを有する患者においてがんを治療する方法であって、化合物1、化合物2、化合物1、化合物2の薬学的に許容される塩、又は化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態は、HAQ STINGアレルを有する患者においてがんを治療する方法であって、化合物1、化合物2、化合物1、化合物2の薬学的に許容される塩、又は化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、化合物1は遊離酸として提供される。一部の実施形態では、化合物はNH塩又はトリエチルアミン(TEA)塩として提供される。
実施形態は、それを必要とする患者において膀胱がんを治療する方法であって、上記に列挙されたような化合物1又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む、方法を提供することができる。
実施形態は、患者において膀胱がんを治療する方法であって、本明細書で報告されたような化合物1、化合物2、若しくはその薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法を提供することができる。本明細書で報告されたように治療される膀胱がんは、尿路上皮癌であってよい。
化合物1aの合成を示す図である。この合成は、また2018年2月17日に出願し、本明細書で参照により組み込まれている米国特許出願第15/898,533号にも報告されている。 化合物1及び化合物1aの代替合成を示す図である。その代替合成は図2C〜図2Eにも示されている。 化合物1及び化合物1aの代替合成を示す図である。その代替合成は図2C〜図2Eにも示されている。 代替合成を示す図である。 代替合成を示す図である。 代替合成を示す図である。 化合物1に対するH NMRスペクトログラフを示す図である。 化合物1の非対称的結晶に対するX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す図である。 非対称的結晶からの第1の分子に対するX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す図である。 非対称的結晶からの第2の分子に対するX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す図である。 化合物2の結晶に対するX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す図である。 化合物1との複合体におけるヒトWT STINGのX線結晶構造を示す画像である。 化合物1との複合体におけるヒトREF STINGC末端ドメインを示す画像である。 第20〜21日からの、MRIにより定量化した腫瘍容積を示すグラフである。 膀胱がん治療の実施例4におけるすべての群に対する生存曲線を示すグラフである。 WT STING(pLenti−WTヒトSTING−Puro)に対する発現ベクターマッピングを示すグラフである。 実施例108に付随し、CT26二重腫瘍モデルにおける化合物1aの治癒的活性を示すグラフである。 実施例108に付随し、CT26二重腫瘍モデルにおける化合物1aの治癒的活性を示すグラフである。 実施例109に付随し、治療した腫瘍に対する腫瘍容積プロット及び生存曲線を示すグラフである。 実施例110に付随し、治療した腫瘍に対する腫瘍容積プロット及び生存曲線を示すグラフである。
実施形態の詳細な説明
膀胱がんを治療するのに有用であり得る化合物(化合物1)及びその薬学的に許容される塩、並びに医薬組成物が本明細書に提供される。化合物2又はその薬学的に許容される塩、並びに化合物2又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物もまた、膀胱がんを治療するのに有用であり得る。化合物は、インターフェロン遺伝子刺激物質(STING)を活性化することができる。
これは、化合物1:
Figure 2021525758

である。
これは、化合物2:
Figure 2021525758

である。
一部の実施形態では、化合物1は遊離酸として提供される。一部の実施形態では、化合物は、例えば、NH塩として提供される。「化合物1a」についての言及は化合物1ジアンモニウム塩を示すことになる。
実施形態は、それを必要とする患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物2、又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む、方法を提供することができる。
本明細書で報告された化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに薬学的に許容される賦形剤を含む、膀胱がんを治療するための医薬組成物もまた提供することができる。本明細書で報告されたような実施形態は、膀胱がんを治療するため又は膀胱がんの治療に有用な医薬を調製するために使用することができる。
当業者であれば、リン原子(P,P)に結合している置換基が単結合と二重結合の両方を有する場合、これらは互変を受けやすいことを認識されよう。例えば、化合物は平衡において互変異性体化し得る。1つの例を以下に示す。
Figure 2021525758
このような互変異性体は、特許請求の範囲内であると考えられるべきである。所与の化合物に対するいずれかの互変異性体の構造的表示は同じ化合物を表すことになる。
治療の方法
実施形態は、それを必要とする患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む、方法を提供することができる。
一部の実施形態では、化合物1は、遊離酸又はその薬学的に許容される塩として提供される。一部の実施形態では、投与される化合物はNH塩、遊離酸、又はその薬学的に許容される塩として提供される。一部の実施形態では、化合物はNH塩として提供される。
一部の実施形態は、膀胱がんを治療する方法であって、STINGアゴニストの治療有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。このような実施形態では、投与は膀胱内投与であってもよいが、必ずしも膀胱内投与である必要はない。膀胱がんの治療に使用することができ、膀胱内投与されてもよいが、必ずしも膀胱内投与される必要はない有望なSTINGアゴニストの例として、これらに限定されないが、米国特許出願第15/898,533号、2018年2月17日出願;国際出願PCT/US2018/018556、2018年2月17日出願;国際出願PCT/US2018/018561、2018年2月17日出願;米国特許出願公開2014/0205653号;米国特許出願公開第2014/0329889号;米国特許出願公開第2014/0341976号;米国特許出願公開第2007/0149462号;国際公開第2018/098203号;国際公開第2018/198076号;国際公開第2018/198084号;国際公開第2018/140831号;米国特許出願公開第2014/0341976号;国際公開第2015/185565号;米国特許第7,709,458号;米国特許第7,592,326号;米国特許第7,569,555号;米国特許出願公開第2014/0205653号;米国特許出願公開第2014/0341976号;米国特許出願公開第2015/0056224号;米国特許出願公開第2016/0362441号;米国特許出願公開第2017/0158724号;米国特許出願公開第2017/044206号;米国特許第5,547,941号;米国特許第7,569,555号;米国特許第7,592,326号;米国特許第7,709,458号;米国特許第9,549,944号;国際公開第2009/133560号;国際公開第2015/074145号;国際公開第2015/077354号;国際公開第2015/185565号;国際公開第2016/100261号;国際公開第2016/120305号;国際公開第2016/145102号;国際公開第2017/027645号;国際公開第2017/027646号;国際公開第2017/075477号;国際公開第2019/043634号;国際公開第2019/046496号;国際公開第2019/046498号;国際公開第2019/046500号;国際公開第2019/046511号;国際公開第2017/093933号;国際公開第2017/123657号;国際公開第2017/175156号;欧州特許第1740,192号;CN102199183A;Fu、J.ら、「STING Agonist Formulated Cancer Vaccines Can Cure Established Tumors Resistant to PD−1Blockade」、Sci.Translational Med.、7巻(283号):283ra52、(2015年4月15日);Corrales、L.ら、「Direct Activation of STING in the Tumor Microenvironment Leads to Potent and Systemic Tumor Regression and Immunity」、Cell Reports、11巻:1018〜1030頁(2015年);及びLioux、T.ら、「Design、Synthesis、and Biological Evaluation of Novel Cyclic Adenosine−Inosine Monophosphate(cAIMP)Analogs That Activate Stimulator of Interferon Genes(STING)」、J.Med.Chem.、59巻:10253〜10267頁(2016年)において特定されたものが挙げられる。それらの中の化合物を含む、それらの文献のすべては本明細書で参照により組み込まれている。もしある場合には、これらの文献のいずれかの構成成分のいずれかが矛盾する、又はさもなければ、本明細書における何かと矛盾する場合、本明細書が優先する。
用量
膀胱がんの治療のための最適な用量は公知の方法を使用して各個体に対して経験的に決定することができ、薬剤の活性;個体の年齢、体重、全般的な健康状態、性別及び食事;時間及び投与経路;並びに個体が服用している他の薬物を含む様々な因子に依存する。最適な用量は、当技術分野で周知の所定の試験及び手順を使用して確立することができる。上記化合物の投与はいかなる適切な経路によるものであってよい。
「薬学的に許容される塩」とは、本明細書で使用される場合、本発明の開示の化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩は親化合物の活性を保持し、それが投与される対象及び式中それが投与される状況において任意の過度に有害な又は望ましくない作用を付与しない任意の塩である。薬学的に許容される塩として、これらに限定されないが、金属錯体及び無機酸とカルボン酸の両方の塩が挙げられる。薬学的に許容される塩としてまた、金属塩、例えば、アルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン及び複合体塩などが挙げられる。加えて、薬学的に許容される塩として、これらに限定されないが、酸性塩、例えば、酢酸、アスパラギン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アキセチル、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、重硫酸、重酒石酸、酪酸、エデト酸カルシウム、カムシル酸、カルボン酸、クロロ安息香酸、クエン酸、エデト酸、エジシル酸、エストリン酸、エシル酸、エシリル酸、ギ酸、フマル酸、グルセプト酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコールイルアルサニン酸、ヘキサミン酸、ヘキシルレソルシノン酸、ヒドラバミン酸、臭水素酸、塩酸、塩酸塩、ヨウ化水素酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル硝酸、メチル硫酸、ムコ酸、ムコン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、p−ニトロメタンスルホン酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、1水素リン酸塩、2水素リン酸塩、フタル酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、スルホン酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、テオクリン酸、トルエンスルホン酸などが挙げられる。ナトリウム塩及びカリウム塩もまた調製することができる。
実施形態はジアンモニウム塩であってよい。薬学的に許容される塩は、これらに限定されないが、システインを含むアミノ酸から誘導することができる。化合物を塩として生成するための方法は当業者に公知である(例えば、Stahlら、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use、Wiley−VCH;Verlag Helvetica Chimica Acta、Zurich、2002年;Bergeら、J. Pharm. Sci.、66巻:1頁、1977年を参照されたい)。
「有効量」又は「治療有効量」の治療剤とは、対象又は患者において未治療のままの膀胱がんと比較して、観察可能な治療上の利益を得るのに十分な量である。
本明細書で報告されたような活性剤は、その医薬製剤を提供するために薬学的に許容される担体と組み合わせることができる。担体及び製剤の特定の選択は、組成物が意図する特定の投与経路に依存する。
「薬学的に許容される担体」とは、本明細書で使用される場合、担体が製剤化に用いられる化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の担体、アジュバント、又はビヒクルを指す。本発明の組成物において使用することができる薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルとして、これらに限定されないが、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和した植物脂肪酸、水、塩又は電解質の部分的なグリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状のシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。
本発明の組成物は、非経口、経口、吸入スプレー、局所、直腸、経鼻、口腔内頬側、膀胱内、経膣又はインプラントリザーバー投与などにとって適切となり得る。一部の実施形態では、製剤は天然又は非天然の供給源由来の成分を含む。一部の実施形態では、製剤又は担体は、滅菌形態で提供され得る。滅菌担体の非限定的例として内毒素を含まない水又はパイロジェンを含まない水が挙げられる。組成物は膀胱内投与を介して投与することができる。
「非経口」という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内及び脳内注射又は点滴の技術を含む。特定の実施形態では、化合物は静脈内に経口、皮下又は筋肉内投与を介して投与される。滅菌注射用形態の本発明の組成物は水性又は油性懸濁剤であってよい。これらの懸濁剤は、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、当技術分野で公知の技術に従い製剤化することができる。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の注射可能な滅菌溶液又は懸濁剤であってよい。許容されるビヒクル及び溶媒の中でも利用することができるのは水、リンガー液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌の、不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒として慣例的に利用されている。一部の実施形態では、組成物は膀胱内投与される。
この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無菌性不揮発性油を利用することができる。脂肪酸及びこれらのグリセリド誘導体は、これらの天然の薬学的に許容される油、例えば、オリーブ油又はヒマシ油、特にこれらのポリオキシエチル化バージョンなどのように、注射剤の調製に有用である。これらの油溶液又は懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈液又は分散液、例えば、カルボキシメチルセルロースなど、又は乳剤及び懸濁液を含めた、薬学的に許容される剤形の製剤に一般的に使用されている同様の分散剤なども含有することができる。一般的に使用される他の界面活性剤、例えば、Tween、Spanなど、及び他の乳化剤は、薬学的に許容される固体、液体、又は製剤の目的のためにも使用し得る他の剤形の製造に共通して使用することもできる。
経口投与に対して、化合物又は塩は、これらに限定されないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤又は溶液を含む許容される経口投与剤形で提供することができる。経口使用のための錠剤の場合、共通して使用される担体はラクトース及びトウモロコシデンプンを含む。滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどもまた加えることができる。カプセル剤形態での経口投与のため、有用な希釈剤はラクトース及び乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁剤が経口使用のために必要とされる場合、活性成分を乳化剤及び懸濁剤を合わせることができる。所望する場合、ある特定の甘味剤、香味剤又は着色剤もまた加えることができる。加えて、保存剤もまた加えることができる。薬学的に許容される保存剤の適切な例として、これらに限定されないが、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、溶媒など、例えばエタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第四級アンモニウム塩、及びパラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)を挙げることができる。
「即時放出性」は、薬物放出が投与後直ちに開始する従来の放出を含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、「即時放出性」という用語は、薬物の溶解又は吸収を遅延させる又は長引かせるという意図なしで、消化管内容物中への薬物の溶解を可能にする剤形を含む。この目的は、薬物を投与後に急速に放出する、例えば、溶解試験において溶解開始後およそ30分以内に薬物の少なくとも80%が放出可能とすることである。
「持続放出」又は「徐放性」は、その時間経過及び/又は位置の薬物放出特徴が、溶液又は即時放出性剤形などの従来の剤形により提供されない治療又は利便性の目的を遂行するために選択される剤形を含む。
「定常状態」という用語は、所与の活性剤に対する血漿レベルが達成され、治療の最低有効レベル、又はそれより上のレベルで、及び所与の活性剤に対する有毒性の最低血漿レベル未満のレベルで、活性剤をその後投薬することよりこの血漿レベルが維持されることを意味する。
「用量範囲」という用語は、本明細書で使用される場合、特定された薬剤の量の許容されるばらつきの上限及び下限を指す。通常、特定された範囲内の任意の量の薬剤の用量を、治療を受ける患者に投与することができる。
「治療する」という用語は、対象における疾患の少なくとも1つの症状を和らげる、減少させる又は緩和することを意味するように本明細書で使用されている。例えば、膀胱がんとの関連で、「治療する」という用語は、抑止する、開始(すなわち、疾患の臨床所見又は疾患の症状以前の期間)を遅延させる及び/又は膀胱がんの症状を発症若しくは悪化するリスクを減少させることを意味し得る。「保護する」という用語は、本明細書で使用することによって、遅延を阻止する、又は、必要に応じて、対象における膀胱がんの症状の発症若しくは継続若しくは重大化を治療すること、又はこの全部を意味する。
「対象」又は「患者」という用語は、膀胱がんを患うこと、又は罹患することが可能である動物を含むことを意図する。対象又は患者の例として、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、雌ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、及び遺伝子組換えしたヒト以外の動物が挙げられる。ある特定の実施形態では、対象は、ヒト、例えば、膀胱がんを患っている、患っているリスクがある、又は患うことが潜在的に可能であるヒトである。
「約」又は「およそ」という用語は普通、所与の値又は範囲の20%以内であり、10%以内がより好ましく、5%以内が更に最も好ましいことを意味する。代わりに、特に生体系では、「約」という用語は、およその対数(すなわち、1桁)以内、所与の値の2の倍数の範囲内が好ましいことを意味する。
本発明を記載する状況での(特に、以下の特許請求の範囲の状況で)、「a」及び「an」及び「the」という用語及び同様の指示対象の使用は、本明細書で他に指摘されていない限り又は状況により明確に矛盾しない限り、単数と複数の両方を網羅すると解釈されるものとする。「含む」、「有する」、「を含む」及び「含有する」という用語は、別途明示されていない限り、制限のない用語(すなわち、「これらに限定されないが、〜を含む」という意味)と解釈されるものとする。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で他に指摘されていない限り、範囲内に入るそれぞれ別個の値を個々に指す簡単な方法として機能することを単に意図し、それぞれ別個の値はそれがあたかも本明細書で個々に列挙されているかのように明細書に組み込まれている。
本明細書で開示されている1つ又は複数の化合物を使用して治療され得る例示的な細胞増殖性障害として、これらに限定されないが、体内の組織及び器官におけるがん、前がん状態又は前がん性の状態、及び転移性の病変が挙げられる。細胞増殖性障害は、過形成、化生、及び異形成を含み得る。
本明細書で開示されている化合物、又はその薬学的に許容される塩は、一般の集団と比べてがんを発症するより大きいリスクを有する対象において、細胞増殖性障害を治療若しくは予防するために、又はがんを治療若しくは予防するために使用することができ、或いはこのような目的のために、適切な候補を特定するために使用することができる。
医薬製剤及び投与経路
膀胱がんの治療のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩を含む医薬製剤が提供される。医薬製剤は、担体若しくは賦形剤、安定剤、香味剤、及び/又は着色剤を更に含み得る。
化合物1又はその薬学的に許容される塩は、当業者に公知の様々な投与経路を使用して投与することができる。投与経路は、経口投与及び膀胱内投与を含む。ある特定の実施形態では、化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬製剤は、液体、シロップ剤、錠剤、カプセル剤、粉末、スプリンクル、チュータブ又は溶解可能なディスクの形態で経口的に摂取することができる。代わりに、本発明の医薬製剤は、静脈内又は経皮的に投与することもできる。追加の投与経路は当業者に公知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Gennaro A.R.編、第20版、Mack Publishing Co.、Easton、Paを参照されたい。)。
一部の実施形態では、化合物又は薬学的に許容される塩はペースト剤、ゼリー、又は懸濁剤として製剤化される。例えば、薬物は、薬物粒子、マイクロカプセル化粒子、又は薬物−ポリマー粒子の形態でゼラチン状溶液又は半固体に溶解している、封じ込められている又は懸濁されている。経口ゼリー製剤の利点は、錠剤、カプセル剤又は丸剤を嚥下するのが困難な患者に対して、より容易に薬物を投与することである。ある特定の実施形態では、化合物は適当な媒体中で、ペースト剤又はゲル剤を形成するために十分混合及び懸濁されている。経口投与の間風味を得るために追加の薬剤を任意選択で混合することができる。ピーナッツバター又はキイチゴの風味を持つアルギン酸塩及び甘味剤が多くの適切な矯味剤の例である。様々な実施形態では、ペースト剤又はゼリーはまた、局所投与のため、当技術分野で公知の適切な結合剤又は賦形剤を用いて製剤化することもできる。
錠剤、カプセル剤又は丸剤の形態の持続放出製剤を調製する方法は当技術分野で公知である。一部の実施形態では、持続放出製剤は、ポリマーを有する薬物の活性成分をコーティングすることにより調製され、水不溶性ポリマーが好ましい。例えば、水不溶性ポリマーは、薬学的分野において持続放出コーティング剤、腸溶コーティング薬剤、又は胃のコーティング剤として使用される。水不溶性ポリマーとして、例えば、エチルセルロース、精製セラック、白色セラック、アミノメタクリル酸アルキルコポリマーRS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、カルボキシメチルエチル−セルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、アミノメタクリル酸アルキルコポリマーE、又はポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートを挙げることができる。
水不溶性ポリマーの種類、置換度及び分子量は、水又はアルコール中の活性成分の溶解度、所望の持続放出レベルなどに依存し得る。水不溶性ポリマーは単独で又は組み合わせて使用することができる。水素化油、ステアリン酸、又はセタノールをコーティング助剤薬剤として、及び可塑剤として中鎖トリグリセリド、トリアセチン、クエン酸トリエチル、又はセタノールを更に組み込むことができる。
一部の実施形態では、持続放出製剤はマトリックス型錠剤又は粒剤である。活性成分は3種までの異なる種類のポリマーでコーティングすることができる。これら3種の異なる種類のポリマーは、1)水不溶性ポリマー、例えば、エチルセルロースなど;2)pH非依存性ゲル化ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど;及び3)pH依存性ゲル化ポリマー、例えば、アルギン酸ナトリウムなどを含むことができる。これら3種の異なる種類のポリマーは、薬物の放出速度を減弱させるために一緒に使用することができる。
剤形:放出特性
持続放出製剤は、ある程度の持続作用を達成することができる。しかし、活性成分の曝露及び/又はバイオアベイラビリティーは、様々な因子、例えば、吸収ウィンドウ、製剤に使用されている担体又は賦形剤、製剤の送達モード、及び/又は患者の消化管を介する活性成分の輸送時間などに基づき異なり得る。
治療は、持続放出機能を実施するための少なくとも1つの持続放出部分と、即時放出性機能を実施するための1つの即時放出性部分とを含有することができる。ある特定の実施形態では、治療が単一剤形である場合、この単一剤形は、持続放出部分を構成する持続放出性粒剤と即時放出性部分を構成する即時放出性粒剤の混合物から形成される錠剤、カプセル剤に持続放出性粒剤及び即時放出性粒剤を充填することにより得られるカプセル調製物、又は即時放出性部分を構成する外層が持続放出部分を構成する内側コア上に形成されている圧縮コーティング錠剤の形態であることができる。しかし、上記実施形態に制限はない。
更に、組成物中又は即時放出性部分若しくは持続放出部分中の薬物の格納容器の状態に対して特定の制限はなく、化合物は、組成物、即時放出性部分若しくは持続放出部分中に均一に分散していてもよいし、或いは、組成物、即時放出性部分若しくは持続放出部分の一部分のみに含有されていてもよいし、又は濃度勾配が存在するように含有されていてもよい。
本発明による組成物中の持続放出部分は、薬物放出を制御するための、少なくとも1つの非pH依存性ポリマー性物質又はpH依存性ポリマー性物質を含有することができる。
本明細書で使用される非pH依存性ポリマー性物質は、消化管に一般的に見出されるpH条件下、具体的にはpH1〜pH8で、その電荷状態がほとんど変化しないポリマー性物質を含むことができる。これは、例えば、その電荷状態がpHに応じて変化する官能基、例えば、アミノ基などの塩基性官能基若しくはカルボン酸基などの酸性官能基などを有さないポリマー性物質を意味する。非pH依存性ポリマー性物質は、本発明による組成物に持続放出機能を付与するために含めることができるが、別の目的のために含まれていてもよいことに注意されたい。更に、本発明に使用される非pH依存性ポリマー性物質は水不溶性であってもよいし、又は水中で膨張若しくは溶解して、ゲル剤を形成してもよい。
水不溶性の非pH依存性ポリマー性物質の例として、これらに限定されないが、セルロースエーテル、セルロースエステル、及びメタクリル酸−アクリル酸コポリマー(商標名オイドラギット(Eudragit)、Rohm GmbH & Co.KG、Darmstadt、Germanyにより製造)が挙げられる。例として、これらに限定されないが、セルロースアルキルエーテル、例えば、エチルセルロース(商標名エトセル(Ethocel)、Dow Chemical Company、USAにより製造)、エチルメチルセルロース、エチルプロピルセルロース又はイソプロピルセルロース、及びブチルセルロース、セルロースアラルキルエーテル、例えば、ベンジルセルロース、セルロースシアノアルキルエーテルなど、例えば、シアノエチルセルロース、セルロース有機酸エステルなど、例えば、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース若しくは酪酸セルロース、及び酢酸セルロースプロピオネート、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマーなど(商標名オイドラギット(Eudragit)NE、Rohm GmbH&Co.KG、Darmstadt、Germanyにより製造)、及びアミノメタクリル酸アルキルコポリマーRS(商標名オイドラギット(Eudragit)RL、オイドラギット(Eudragit)RS)が挙げられる。本発明に使用された水不溶性ポリマー平均粒子直径に対して特定の制限はないが、普通この平均粒子直径が低いほど、性能が良く、平均粒子直径は0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜15μmが特に好ましく、5〜15μmが最も好ましい。更に、水溶性又は水膨潤性非pH依存性ポリマー性物質の例として、これらに限定されないが、ポリエチレンオキシド(商標名ポリオックス(Polyox)、Dow Chemical Companyにより製造、分子量100,000〜7,000,000)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(商標名L−HPC、Shin−Etsu Chemical、Japanにより製造)、ヒドロキシプロピルセルロース(商標名HPC、Nippon Soda、Co.、Ltd、Japanにより製造)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商標名メトロース(Metolose)60SH、65SH、90SH、Shin−Etsu Chemical、Japanにより製造)、及びメチルセルロース(商標名メトロース(Metolose)SM、Shin−Etsu Chemical、Japanにより製造)が挙げられる。
一部の実施形態では、単一の非pH依存性ポリマー性物質が組成物中に含有されていてもよく、又は複数の非pH依存性ポリマー性物質が含有されていてもよい。非pH依存性ポリマー性物質は、本明細書で報告された実施形態に使用された場合、水不溶性ポリマー性物質であってよく、エチルセルロース、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー(商標名オイドラギット(Eudragit)NE)、又はアミノメタクリル酸アルキルコポリマーRS(商標名オイドラギット(Eudragit)RL、Eudragit RS)がより好ましい。エチルセルロース及びアミノメタクリル酸アルキルコポリマーRSのうちの少なくとも1つが特に好ましい。エチルセルロースが最も好ましい。組成物中に含有される非pH依存性ポリマー性物質の量に対して特定の制限は存在しない。この量は、持続性薬物放出を制御することなどの目的に従い必要に応じて調整することができる。
本明細書で報告された実施形態において使用することができるpH依存性ポリマー性物質は、消化管に一般的に見出されるpH条件下、具体的にはpH1〜pH8下で電荷状態が変化するポリマー性物質であってよい。これは、例えば、その電荷状態がpHに応じて変化する官能基、例えば、アミノ基などの塩基性官能基など、又はカルボン酸基などの酸性官能基などを有するポリマー性物質を意味する。pH依存性ポリマー性物質のpH依存性官能基は酸性官能基が好ましく、カルボン酸基を有するpH依存性ポリマー性物質が最も好ましい。
本発明に使用されるpH依存性ポリマー性物質は水不溶性であってもよいし、又は水中で膨張する若しくは水に溶解して、ゲル剤を形成してもよい。本発明に使用されるpH依存性ポリマー性物質の例として、これらに限定されないが、腸内ポリマー性物質が挙げられる。腸内ポリマー性物質の例として、これらに限定されないが、メタクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマー(Eudragit L100、Eudragit S100、Rohm GmbH&Co.KG、Darmstadt、Germanyにより製造)、メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー(Eudragit L100−55、Eudragit L30D−55、Rohm GmbH&Co.KG、Darmstadt、Germanyにより製造)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55、HP−50、Shin−Etsu Chemical、Japanにより製造)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩(AQOAT、Shin−Etsu Chemical、Japanにより製造)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、Freund Corporation、Japanにより製造)、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
水中で膨張し、又は水に溶解して、ゲル剤を形成するpH依存性ポリマー性物質の例として、これらに限定されないが、アルギン酸、ペクチン、カルボキシビニルポリマー、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。本発明では、単一のpH依存性ポリマー性物質が組成物中に含有されていてもよいし、又は複数のpH依存性ポリマー性物質が含有されていてもよい。本発明に使用されるpH依存性ポリマー性物質は、腸内ポリマー性物質が好ましく、メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩がより好ましく、メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマーが特に好ましい。
本発明による組成物の製造プロセスにおいてpH依存性ポリマー性物質を使用する場合、粉末タイプ若しくは顆粒タイプ、又はpH依存性ポリマー性物質が事前に溶媒中に分散されている懸濁タイプの市販の製品は、そのまま使用することができるし、又はこのような市販の製品は水又は有機溶媒中に分散させて使用することもできる。pH依存性ポリマー性物質の粒子直径が低いほど、性能が良くなり、pH依存性ポリマー性物質は粉末タイプが好ましい。メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマーの場合では、例はEudragit L100−55である。本発明に使用されるpH依存性ポリマー性物質の平均粒子直径に対して特定の制限は存在しないが、平均粒子直径は0.05〜100μmが好ましく、0.05〜70μmがより好ましく、0.05〜50μmが最も好ましい。更に、pH依存性ポリマー性物質の量に対する特定の制限は存在せず、例えば、腸内ポリマー性物質の場合、量は一般的に、100重量部の組成物に基づき、0.1〜90重量部であり、1〜70重量部が好ましく、5〜60重量部がより好ましく、10〜50重量部が特に好ましい。
本明細書で報告された実施形態による治療は、様々な添加物のいずれか、例えば、様々な薬理学的に許容される担体のうちのいずれか、例えば、希釈剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤など、並びに保存剤、着色剤、甘味剤、可塑剤、フィルムコーティング薬剤などを、必要に応じて更に含有してもよい。希釈剤の例として、これらに限定されないが、ラクトース、マンニトール、第二リン酸カルシウム、デンプン、アルファ化デンプン、結晶性セルロース、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、マグネシウムアルミン酸メタケイ酸など挙げられる。滑沢剤の例として、これらに限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ステアリルフマル酸ナトリウムなどが挙げられる。結合剤の例として、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の例として、これらに限定されないが、カルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルナトリウムデンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
保存剤の例として、これらに限定されないが、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。着色剤の好ましい例として、これらに限定されないが、水不溶性のレーキ顔料、天然顔料(例えば、ベータ−カロテン、クロロフィル、赤色酸化鉄)、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄などが挙げられる。甘味剤の好ましい例として、これらに限定されないが、サッカリンナトリウム、二カリウム甘草、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。可塑剤の例として、これらに限定されないが、グリセロール脂肪酸エステル、クエン酸トリエチル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。フィルムコーティング薬剤の例として、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
製造方法
本明細書で報告されたように実施形態を製造するために、単一の従来の方法、又は従来の方法の組合せを使用することができる。例えば、薬物を含有する粒剤を持続放出部分又は即時放出性部分として製造する場合、造粒は主要作業であるが、造粒を他の作業、例えば、混合、乾燥、篩分け、及び分類などと組み合わせることもできる。造粒方法、例えば、結合剤及び溶媒を粉末に加え、造粒を行う湿式造粒法、粉末を圧縮し、顆粒を行う乾式造粒法、加熱により溶融する結合剤を加え、加熱及び造粒を行う溶融造方法などを使用することができる。
更に、造粒法に従い、遊星型ミキサー、ねじミキサーなどを使用する混合造粒法、Henschelミキサー、Superミキサーなどを使用する高速混合造粒法、円柱状造粒機、回転式造粒機、ねじ押出加工造粒機、ペレットミル型造粒機などを使用する押出加工造粒法、湿式高せん断造粒法、流動床造粒法、圧縮造粒法、粉砕造粒法、又はスプレー造粒法などの作動法を使用することができる。造粒後、使用のための粒剤又は微細粒剤を得るために、乾燥器、流動床などを使用する乾燥、クラッキング、及び篩分けを行うことができる。更に、本発明による組成物を調製する場合、造粒溶媒を使用することができる。このような造粒溶媒に対して特定の制限は存在せず、溶媒は、水又は様々な有機溶媒、例えば、水、低級アルコール、例えば、メタノール若しくはエタノールなど、ケトン、例えば、アセトン又はメチルエチルケトン、塩化メチレン、又はその混合物などのうちのいずれかであってよい。
実施形態に含有される持続放出性粒剤に対して、少なくとも1種の薬物及び非pH依存性ポリマー性物質及びpH依存性ポリマー性物質から選択される少なくとも1つを一緒に混合し、希釈剤及び結合剤を必要に応じて加え、造粒を行って、顆粒状物質を得る。得られた顆粒状物質を、トレイ乾燥器、流動床乾燥器などを使用して乾燥させ、ミル又は振動を使用して篩分けを行い、これにより、持続放出性粒剤を得ることができる。代わりに、本発明の持続放出性粒剤の製造方法として、乾燥圧縮機、例えば、ローラー圧縮機又はスラグ打錠機などを使用して、少なくとも1種の薬物、非pH依存性ポリマー性物質及びpH依存性ポリマー性物質から選択される少なくとも1つ、並びに必要に応じて、希釈剤及び結合剤を加え、混合しながら圧縮成型を行い、次いで適切なサイズまで破壊することによって造粒を行うことが可能である。このような造粒機を使用して調製した顆粒状物質は、本発明による粒剤又は微細な粒剤としてそのまま使用することができるし、又はパワーミル、ロール造粒機、ロータースピードミルなどを使用して更に破壊し、篩い分けすることによって、持続放出性粒剤を得ることができる。即時放出性粒剤はまた、持続放出性粒剤用としても製造することができることに注意されたい。
圧縮成型製品は、単一の従来の方法、又は従来の方法の組合せを使用して、薬物含有持続放出部分若しくは即時放出性部分として、又は本明細書で報告された組成物として製造することができる。例えば、少なくとも1種の薬物、非pH依存性ポリマー性物質及びpH依存性ポリマー性物質から選択される少なくとも1つ、希釈剤、例えば、マンニトール又はラクトースなど、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン又は結晶性セルロースなど、崩壊剤、例えば、カルメロースナトリウム又はクロスポビドンなど、及び滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルクなどが使用され、普通の方法を使用して錠剤化が行われ、これによって、圧縮成型製品を得ることができる。この場合、打錠は圧縮成型製品の製造方法の主要作業であるが、これを、混合、乾燥、糖コーティング形成、及びコーティングなどの他の作業と組み合わせることもできる。
打錠のための方法の例として、これらに限定されないが、少なくとも1つの薬物及び薬理学的に許容される添加物を一緒に混合し、次いで、打錠機を使用して、混合物を錠剤へと直接圧縮成型する直圧縮成型、必要に応じて滑沢剤又は崩壊剤を添加した後、本発明による持続放出性粒剤又は即時放出性粒剤を圧縮成型の対象下におく、乾式粒剤圧縮又は湿式粒剤圧縮が挙げられる。圧縮成形に使用される打錠機について特定の制限は存在しない。例えば、単一パンチ打錠機、回転式打錠機、又は圧縮コーティング打錠機を使用することができる。
本明細書の実施形態による薬物含有持続放出性粒剤若しくは即時放出性粒剤、又は圧縮成型製品は、組成物としてそのまま粒剤又は錠剤の形態で使用することができるが、組成物を製造するための更なる加工の対象下におくこともできる。例えば、圧縮成型製品又は粒剤には、フィルム基材材料、例えば、エチルセルロース、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマーL、酢酸フタル酸セルロース、セラックなどを使用してフィルムコーティングを付与することもできるし、又はサッカロース、糖アルコール、アラビアガム粉末、タルクなどを含有する糖コーティング液を使用して糖コーティングを付与することもでき、こうして、フィルムコーティング錠剤又は糖コーティング錠剤を生成する。このコーティング技術における1種の溶媒は精製水であってよいが、有機溶媒、例えば、アルコール、ケトン、エーテル若しくは塩素化炭化水素、又はこれらの混合物もまた使用することができる。例えば、エタノール、アセトン、塩化メチレンなどを有機溶媒として使用することができる。更に、コーティング装置として、薬の製造のために、コーティング技術で普通使用される装置を使用することができ、例として、コーティング液などをスプレーすることによってコーティングを行うスプレーコーティング装置、及び層状化のためのローター流動床造粒機が挙げられる。
カプセル調製物を製造する場合、カプセル調製物は、自動カプセル充填機を使用して、上記のような持続放出性粒剤若しくは即時放出性粒剤又は小型錠剤を、硬質ゼラチンカプセル又はHPMCカプセル剤に充填することによって製造することができる。代わりに、チューブごとの投与のための調製物又は摂取の際に水などと混合して使用する乾式シロップ剤の場合、上記のような持続放出性粒剤又は即時放出性粒剤は、これらの粒剤に分散させるための増粘剤又は分散剤と混合することができ、次いで、混合物を粒剤又は錠剤にする。更に、液体又はゼリーは、水、及び分散剤、乳化剤、増粘剤、保存剤、pH調節剤、甘味剤、香味剤、香料などから選択される物質を使用して作製することができる。しかし、他の製造方法に関して、上記に対する制限はない。
本明細書に記載の実施形態がより完全に理解され得るように、以下の実施例が記載されている。これらの実施例は例示的目的のためのみのものであり、限定的と解釈されないことを理解すべきである。
以下の略語が実施例を通して使用するされる場合がある。
All:アリル
DMT:4,4’−ジメトキシトリチル
(DMTO−:
Figure 2021525758


Bz:ベンゾイル
ヒューニッヒ塩基:i−PrNEt(ジイソプロピルエチルアミン)
アリルOH:アリルアルコール
OAll:−OCHCHCH
ACN:アセトニトリル
All:−CHCHCH
2−ニトロBnBr:2−ニトロベンジルブロミド
Bz:ベンゾイル
i−Pr:イソプロピル
CE:シアノエチル
Figure 2021525758

DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DCM:ジクロロメタン
DDTT:N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド
Figure 2021525758

DMOCP:2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド
Figure 2021525758

TBS:t−ブチルジメチルシリル
3H−ベンゾ[c][1,2]ジチオール−3−オン:
Figure 2021525758
実施例1−−化合物1aの合成
この合成の全スキームは図1に示されている。
ステップA
Figure 2021525758
(2R,3R,4R,5R)−5−(6−ベンズアミド−9H−プリン−9−イル)−2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−フルオロテトラヒドロフラン−3−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホルアミダイト(化合物100)(亜リン酸ジアステレオマーの混合物;80.0g、91.332mmol、1当量、ChemGenes社カタログ番号ANP−9151)、アリルアルコール(9.63ml、142mmol、1.55当量)及びトリフェニルホスフィン(38.3g、146mmol、1.60当量)のTHF(1.1L)中混合物に、周囲温度でDEAD(トルエン中40重量%溶液;54.2ml、137mmol、1.5当量)を加えた。周囲温度で撹拌を続け、反応をLC/MSにより監視した。完了した時点(19時間)で、混合物を真空で濃縮(35℃)し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(800g×2カラム、0.5%トリエチルアミンで緩衝したn−ヘプタン中40〜60%EtOAc)により精製して、化合物101を白色泡状物として得た(84.2g、定量的収率、亜リン酸ジアステレオマーの混合物)。
H NMR(3:2 亜リン酸ジアステレオマーの混合物,400MHz,CDCl)δ1.14〜1.21(m,12H)2.40(t,J=6.2Hz,1.2H)2.59(t,J=6.2Hz,0.8H)3.27(d,J=8.6Hz,1H)3.52〜3.66(m,5H)3.78(s 2.4H)3.79(s 3.6H)4.28〜4.34(m,1H)4.84〜4.96(m,0.4H)4.99(d,J=5.5Hz,2H)4.95〜5.10(m,0.6H)5.05(d,J=10.9Hz,1H)5.22(br d,J=17.6Hz,1H)5.64(br d,J=53.2Hz,0.6H)5.70(br d,J=51.6Hz,0.4H)5.96〜6.75(m,1H)6.20(d,J=16.0Hz,0.6H)6.24(d,J=17.2Hz,0.4H)6.74〜6.79(m,4H)7.02〜7.06(m,2H)7.17〜7.24(m,8H)7.32〜7.34(m,2H)7.41〜7.44(m,2H)8.11(s,1H)8.52(s,0.4H)8.54(s,0.6H)。
ステップB
Figure 2021525758
化合物101(3.00g、3.28mmol、1当量)のアセトニトリル(30ml)中溶液に、水(0.118ml、6.55mmol、2.0当量)及びピリジントリフルオロ酢酸塩(0.759g、3.93mmol、1.2当量)を加えた。周囲温度で1分間撹拌した後、tert−ブチルアミン(14.5g、21.0ml、0.20mol、60当量)を加えた。シアノエチル基の開裂が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、反応混合物を真空で濃縮し、アセトニトリルで2回共沸させた。粗製の混合物をDCM(45.0ml)に溶解し、周囲温度で水(0.118ml、6.55mmol、2.0当量)及びNaHSO−SiO(1.18g、6.55mmol、2当量)で処理した。DMT基の開裂が完結した時点(LC/MSにより監視した、およそ1時間)で、反応混合物を濾過し、DCM/MeOH(9/1、20ml)で2回濯いだ。合わせた濾液を真空で濃縮し、n−ヘプタン/トルエンの1:1混合物(約30ml)で処理した。上層をデカント除去した。同じ操作をn−ヘプタン/トルエン(1/1、30ml)でもう1回繰り返し、下層をアセトニトリルで2回共沸させて、化合物102(100%理論的収率と仮定)を得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
ステップC
Figure 2021525758
化合物102(1.56g、3.27mmol、1当量)及び化合物101(3.00g、3.28mmol、1当量)のアセトニトリル(30ml)中混合物に、ピリジントリフルオロ酢酸塩(ピリジンを用いて共沸乾燥した;0.760g、3.94mmol、1.25当量)を加えた。5分後、DDTT(0.840g、4.09mmol、1.30当量、ChemGenes社カタログ番号RN−1588)を加え、硫化が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、反応混合物を真空で濃縮した。残留物をDCM(30ml)に溶解し、水(0.57ml、32mmol、10当量)及びDCM(30ml)中6%ジクロロ酢酸(1.56ml、18.9mmol、6.0当量)で処理した。20分後、反応物をピリジン(20ml)でクエンチし、真空で濃縮した。残留物をピリジンで共沸させて、化合物103(3.22g、100%理論的収率と仮定)を得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
ステップD
Figure 2021525758
化合物103(3.22g、3.15mmol、1当量)のピリジン(100ml)中溶液に、周囲温度でDMOCP(1.45g、7.88mmol、2.50当量)を加えた。マクロ環化が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、水(1.7ml、94.5mmol、DMOCPに対して×10倍)を、続いて3H−ベンゾ[c][1,2]ジチオール−3−オン(0.795g、4.73mmol、1.5当量)を加えた。硫化が完結した時点(およそ40分)で、反応混合物を真空で部分的に濃縮しておよそ15mlにし、飽和NaHCO水溶液(50ml)と水(30ml)との混合物中に注ぎ入れた。周囲温度で10分撹拌した後、混合物をEtOAc/MTBEの1:1混合物(60ml×3回)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(25ml)で洗浄し、MgSOで脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中0〜20%MeOH)により精製して、化合物104(3.31g、3.20mmol、100%理論的収率と仮定)を茶褐色油状物として得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
ステップE
Figure 2021525758
化合物104(3.31g、3.20mmol、1当量)のアセトニトリル(66.2ml)中溶液に、2−ニトロベンジルブロミド(2.42g、11.2mmol、3.50当量)及びトリエチルアミン(1.78ml、12.8mmol、4.00当量)を加えた。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した、周囲温度でおよそ20時間)で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/n−ヘプタンから100%酢酸エチル)により精製して、生成物0.568gを亜リン酸ジアステレオマーの混合物として得た。ジアステレオマーを分取HPLC分離して、化合物105(SR異性体;0.225g、0.180mmol、化合物101からの合計収率5.6%)及び化合物106(RR異性体;0.187g、0.149mmol、化合物1からの合計収率4.7%)を得た。
化合物105(SpRp)H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.63(s,1H)、δ=8.61(s,1H)、8.04〜8.00(m,2H)、7.99(s,1H)、7.90(s,1H)、7.65〜7.44(m,8H)、7.40〜7.31(m,4H)、7.25〜7.21(m,4H)、6.15〜5.89(m,5H)、5.61(dd,J=52.0,5.1Hz,1H)、5.55(ddd,J=51.2,4.7,2.7Hz,1H)5.51〜5.42(m,1H)、5.31〜5.22(m,2H)、5.11(dd,J=3.9,9.8Hz,2H)、5.04〜4.95(m,4H)、4.55〜4.37(m,7H)、4.29〜4.12(m,3H)
化合物106(RpRp)H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.65(s,2H)、8.06(dd,J=1.4,8.0Hz,2H)、7.98(s,2H)、7.57〜7.52(m,6H)、7.47〜7.32(m,6H)、7.25〜7.21(m,4H)、6.15(d,J=18.7Hz,2H)、6.09〜5.99(m,2H)、5.82〜5.76(m,2H)、5.60(dd,J=51.8,4.9Hz,2H)、5.27(dd,J=1.2,17.2Hz,2H)、5.12(dd,J=1.0,10.4Hz,2H)、5.06〜4.96(m,4H)、4.55〜4.40(m,4H)、4.36〜4.24(m,4H)、4.21〜4.02(m,2H)
分取HPLC条件:
Figure 2021525758
ステップF
Figure 2021525758
化合物105(519mg、0.414mmol、1当量)のトルエン(519ml)中加熱(90℃)溶液に、ホベイダ−グラブス触媒(Hoveyda−Grubbs Catalyst)(商標)第2世代((1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム;(シグマ−アルドリッチ(SIGMA−ALDRITCH)(登録商標)カタログ番号569755にて入手可能;CAS301224−40−8;91mg、0.15mmol、0.35当量)及びキノン(0.102ml、1.243mmol、3.0当量)を加えた。混合物を加熱還流し、反応の進行をLC/MSにより監視した。3時間後、更に触媒(91mg、0.15mmol、0.35当量)を加え、反応を更に3時間続けた。冷却した後、混合物を周囲温度でDMSO(0.59ml、8.3mmol、20当量)にて15時間処理し、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO 25g、n−ヘプタン中66%酢酸エチルから100%酢酸エチル)により精製して、化合物107(200mg、0.163mmol、収率39%)を茶褐色乾燥泡状物として得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.19(s,1H)、8.12(dd,J=7.8Hz,1.9Hz,1H)、8.10(s,1H)、8.02(d,J=8.2Hz,1H)、7.89(s,1H)、7.63(br d,J=7.0Hz,1H)、7.53〜7.41(m,10H)、7.35〜7.30(m,2H)、7.25〜7.20(m,4H)、6.23(d,J=17.6Hz,1H)、6.14(d,J=18.8Hz,1H)、5.86〜5.75(m,1H)、5.75(dt,J=15.3,5.0Hz,1H)、5.67(dt,J=15.3,4.7Hz,1H)、5.60(dd,J=52.0,3.9Hz.1H)、5.48(dd,J=50.4,3.9Hz.1H)5.50〜5.39(m,1H)、4.91〜4.64(m,4H)、4.57〜4.25(m,9H)、4.15(d,J=7.03Hz,1H)、4.11(d,J=7.03Hz,1H)。
ステップG
Figure 2021525758
化合物107(88mg、0.072mmol、1当量)の1,4−ジオキサン(1.76ml)中溶液に、チオフェノール(0.88mL、8.55mmol、119当量)及びトリエチルアミン(0.88mL、6.31mmol、88当量)を加えた。得られた混合物を周囲温度で撹拌した。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した、13時間)で、メタノール(5.28ml)及び28%水酸化アンモニウム(3.52ml)を加え、得られた混合物を50℃に加熱した。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した、5時間)で、混合物を周囲温度に冷却し、得られた茶褐色がかったスラリー液を濾過し、水(15ml)で濯いだ。濾液を再度濾過して、更に固体を除去した。最後の濾液をトルエンとヘプタンとの1:1混合物(30ml)で2回抽出した。水層を真空で濃縮し、次いで水(6ml)に再度懸濁させた。得られた固体を濾別し、濾液を分取HPLCに供して、化合物1のジアンモニウム塩(化合物1aとも称される)(39mg、0.050mmol、収率70%)を白色固体として得た。
化合物1a(SpRp、trans)H NMR(400MHz,CDOD)δ=9.05(s,1H)、8.33(s,1H)、8.25(s,1H)、8.12(s,1H)、6.34(br s,2H)、5.88(br s,2H)、5.66(br d,J=51.6Hz,1H)、5.59(br d,J=52.2Hz,1H)5.01(br s,2H)、4.68〜4.34(m,6H)、4.07〜3.82(m,2H)、3.79〜3.55(m,2H);31P NMR(162MHz,CDOD)δ=55.48(s,1P)、55.16(s,1P)。
化合物1a分取HPLC条件:
Figure 2021525758
実施例1.1−−化合物1aの代替合成
化合物1aの代替合成経路を図2Cと同様に図2A及び図2Bに示し、以下に報告する。
ステージ1
Figure 2021525758
化合物129(570g、1.53mol、1重量部、1容量、1当量)をピリジン(2.85L、35.2mol、4.89重量部、5.0容量、23当量)に溶解した。混合物を2.6℃に冷却し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(DMTCl;543g、1.60mol、0.953重量部、1.05当量)で処理した。混合物を0〜5℃で2時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。反応をLC/MSにより監視し、終夜撹拌した後、完全に転化していることを確認した。反応混合物を5℃未満に冷却し、MeOH(124ml、3.05mol、0.172重量部、0.217容量、2.0当量)で15分間処理することによりクエンチした。混合物を真空下トルエン(2.00L、3.04重量部、3.51容量)で共蒸発させ、次いでEtOAc(2.850L、4.5重量部、5.0容量)とn−ヘプタン(2.85L、3.42重量部、5.0容量)との混合物で希釈した。有機層を飽和NaHCO(水中9重量%溶液;2.0L、3.5容量)で洗浄した。更にEtOAc(2.85L、4.5重量部、5.0容量)を加えて粗生成物を完全に溶解させた。5分間撹拌した後、2層を分離した。有機層を水(2.0L、3.5重量部、3.5容量)で洗浄した。固体が有機層からゆっくり沈澱してきた。水層を分離した。次いで有機層をおよそ1容量に濃縮した。粗生成物をn−ヘプタン(2.00L、2.40重量部、3.51容量)とトルエン(0.50L、0.76重量部、0.88容量)との混合物でスラリー化した。15分間撹拌した後、淡黄色固体を真空濾過により集めた。濾過ケーキを(1)n−ヘプタン(0.60L、0.72重量部、1.05容量)とトルエン(0.30L、0.46重量部、0.53容量)との混合物、次いで(2)n−ヘプタン(3.00L,3.6重量部、5.26容量)で順次濯いだ。固体を30分間加熱せずに乾燥し、次いでトレイに移して真空乾燥機中50℃で終夜乾燥して、化合物130を淡黄色固体として得た(996.7g、1.47mol、1.75重量部、収率97%)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.99(s,1H)、8.76(s,1H)、8.21(s,1H)、8.04〜8.00(m,2H)、7.64〜7.59(m,1H)、7.57〜7.50(m,2H)、7.41〜7.36(m,2H)、7.32〜7.15(m,7H)、6.83〜6.76(m,4H)、6.31(dd,J=2.5,17.0Hz,1H)、5.68(ddd,J=2.3,4.7,52.7Hz,1H)、4.88〜4.77(m,1H)、4.26〜4.21(m,1H)、3.77(s,6H)、3.57(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.43(dd,J=4.1,10.7Hz,1H)、2.60(br s,1H)
ステージ1’
Figure 2021525758
化合物129(430g、1.15mol、1重量部、1容量、1当量)及びイミダゾール(118g、1.73mol、0.274重量部、1.50当量)をDMF(1.72L、3.78重量部、4.0容量)に溶解し、得られた混合物を5℃に冷却した。TBS−Cl(191g、1.27mol、0.444重量部、1.10当量)を加えた。混合物を0〜11℃で2時間撹拌し、周囲温度にゆっくり加温した(進行をLCMSにより監視した)。TBS−Cl添加後、反応は6時間で完結し、周囲温度で更に20時間更に撹拌した。混合物を2℃に冷却し、メタノール(93ml、74g、2.3mol、0.17重量部、0.22重量部、2.0当量)で10分間処理した。反応混合物をMTBE(1.72L、1.23kg、2.96重量部、4.0容量)とEtOAc(1.72L、1.55kg、3.60重量部、4.0容量)との混合物、続いて飽和NHCl(水中28重量%溶液;2.15L、5.0容量)で希釈した。固体が溶液からゆっくり沈澱してきた。混合物を24℃に加温し、水(1.08L、1.08kg、2.5重量部、2.5容量)を(内温=22℃)に加えた。更に固体が混合物から沈澱し始めた。更に水(1.08L、1.08kg、2.5重量部、2.5容量)及びMTBE(1.40L、1.04kg、2.4重量部、3.3容量)を混合物に加えた。灰白色固体を真空濾過により集めた。反応器を水(320ml、0.74容量)で、次いでMTBE(1.80L、1.33kg、3.10重量部、4.19容量)で濯いで、多少残った固体をフィルターに移した。濾過ケーキを(1)水(1.80L、1.80kg、4.2重量部、4.2容量)、(2)水(1.80L、1.80kg、4.2重量部、4.2容量)、(3)MTBE(0.90L、0.67kg、1.5重量部、2.1容量)とn−ヘプタン(0.90L、0.62kg、1.4重量部、2.1容量)との混合物、(4)MTBE(0.90L、0.67kg、1.5重量部、2.1容量)とn−ヘプタン(0.90L、0.62kg、1.4重量部、2.1容量)との混合物で順次濯いだ。回収固体を40℃で2日かけて真空乾固して、化合物133を白色固体として得た(483g、0.991mol、1.12重量部、収率86%)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.97(s,1H)、8.82(s,1H)、8.36(s,1H)、8.04〜8.00(m,2H)、7.64〜7.58(m,1H)、7.56〜7.51(m,2H)、6.40(dd,J=2.3,16.0Hz,1H)、5.45(ddd,J=2.7,4.3,53.1Hz,1H)、4.75〜4.66(m,1H)、4.22〜4.17(m,1H)、4.07(dd,J=2.3,11.7Hz,1H)、3.91(dd,J=2.7,11.7Hz,1H)、2.38(dd,J=2.7,7.0Hz,1H)、0.92(s,9H)、0.11(s,3H)、0.11(s,3H)。
ステージ2
Figure 2021525758
化合物130(993g、1.47mol、1重量部、1容量、1当量)及びイミダゾール(150g、2.20mol、0.151重量部、1.5当量)をDMF(3.48L、3.28kg、3.3重量部、3.5容量)に溶解し、混合物を5℃に冷却した。TBS−Cl(244g、1.62mol、0.245重量部、1.10当量)を加えた。反応物を0〜5℃で2時間撹拌し、周囲温度にゆっくり加温し、LCMSにより監視した。17時間後、更にイミダゾール(100g、1.47mol、0.10重量部、1.0当量)及びTBS−Cl(111g、735mmol、0.112重量部、0.50当量)を加え、周囲温度で2時間及び35℃で2時間撹拌を続けた。得られた混合物を13.6℃に冷却し、MeOH(119ml、2.94mol、2当量)で10分間処理した。分離反応器に、氷(5kg、5重量部)及び飽和NHCl(水中28重量%溶液;5.0L、5容量)を加えた。反応混合物を氷/NHCl混合物に加えた。灰白色固体が溶液から直ちに沈澱し始めた。更に氷2kg(2kg、2重量部)及び水(3.0L、3容量)を混合物に加えた。反応フラスコを水(0.50L、0.5容量)で濯ぎ、濯ぎ液を混合物に加えた。n−ヘプタン(2.00L、2容量)を混合物に加え、10分間撹拌を続けた。灰白色固体を真空濾過により集めた。濾過ケーキを:(1)水(4.0L、4.0容量)、(2)水(4.0L、4.0容量)、(3)n−ヘプタン(4.0L、4.0容量)、(4)n−ヘプタン(4.0L、4.0容量)で濯いだ。回収固体を45℃で4日間真空乾固して、化合物131を灰白色固体として得た(1.095kg、1.39mol、1.10重量部、収率94%)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=9.09(s,1H)、8.78(s,1H)、8.28(s,1H)、8.02(d,J=7.4Hz,2H)、7.63〜7.59(m,1H)、7.55〜7.50(m,2H)、7.37(d,J=7.1Hz,2H)、7.29〜7.17(m,7H)、6.79(d,J=7.9Hz,4H)、6.29(dd,J=2.9,16.2Hz,1H)、5.60(ddd,J=2.7,3.9,53.1Hz,1H)、4.78(ddd,J=4.7,6.4,15.8Hz,1H)、4.26〜4.22(m,1H)、3.77(s,6H)、3.58(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.26(dd,J=3.7,10.7Hz,1H)、0.85(s,9H)、0.10(s,3H)、0.02(s,3H)
ステージ3
Figure 2021525758
化合物131(1000g、1.27mol、1重量部、1容量、1当量)及びtrans−2−ブテン−1,4−ジオール(オレフィンジオメトリーはH−NMRにより確認;335g、3.80mol.0.335重量部、3.0当量)を、THF(3.0L、3.0容量)で2回共沸させた。残留物をTHF(10L、10容量)とトルエン(15L、15容量)との混合物に溶解した。トリフェニルホスフィン(432g、1.65mol、0.432重量部、1.3当量)を加え、次いで反応混合物を−5℃に冷却した。内温を5℃未満に維持しながら、DIAD(0.320L、1.65mol、333g、0.333重量部、0.320容量、1.3当量)を20分かけてゆっくり加えた。反応物を0〜5℃で1時間撹拌し、LCMSにより監視した。氷浴を除去し、混合物を室温に加温した。終夜撹拌した(17時間)後、トリフェニルホスフィン(83g、0.32mol、0.083重量部、0.25当量)及びDIAD(62ml、0.32mol、64g、0.064重量部、0.062容量、0.25当量)を加えた。室温で更に1時間後、反応混合物をMTBE(10L、10容量)で希釈し、半飽和NaCl(水中18重量%溶液;2×4L)で2回洗浄し、真空で濃縮して、濃厚油状物を得た。混合物をMTBE(4.00L、4容量)とn−ヘプタン(0.50L、0.5容量)との混合物に再度溶解し、次いで0℃に冷却した。トリフェニルホスフィンオキシドの種結晶を溶液に加えた。固体が溶液からゆっくり沈澱し始め、終夜撹拌した。白色固体を真空濾過により集め、MTBE(2L、2容量)で濯いで、トリフェニルホスフィンオキシド540gを単離した。濾液を濃縮し、Biotage 150L KP−Sil(SiO 5kg;Hep/EtOAc中1%TEAで前処理;溶出液:ヘプタン/EtOAc(1%TEAを含む33%EtOAc(48L)、1%TEAを含む50%EtOAc(24L)、TEAを含む66%EtOAc(24L))→1%TEAを含む100%EtOAc)により精製した。カラムをTLC(2:1EtOAc/n−ヘプタン)により監視した。透明の生成物フラクションを合わせ、真空で濃縮して、化合物132を淡白色泡状固体として得た(634g、14重量%のDIADから誘導された副生成物を含有、正味545g、0.63mol、調整収率50%)。混合物フラクションを合わせ、真空で濃縮して、淡黄色泡状固体(750g)を得、これをBiotage 150M HP−Sphere(SiO 2.5kg;Hep/EtOAc中1%TEAで前処理;トルエン溶出液で試料を装填:Hep/EtOAc/1%TEA(1%TEAを含む50%EtOAc(12L)、1%TEAを含む66%EtOAc(16L))→1%TEAを含むEtOAc)による再精製に供した。カラムをTLC(2/1/0.03EtOAc/n−hep/TEA)により監視した。透明の生成物フラクションを合わせ、真空で濃縮して、更に化合物132を淡白色泡状固体として得た(206g、0.24mol、収率18%)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.58(s,1H)、8.10(s,1H)、7.43〜7.37(m,2H)、7.32〜7.28(m,2H)、7.24〜7.15(m,8H)、7.03〜6.98(m,2H)、6.78〜6.73(m,4H)、6.18(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.88(td,J=5.5,15.6Hz,1H)、5.77(td,J=5.1,15.6Hz,1H)、5.60(ddd,J=2.7,4.3,53.1Hz,1H)、5.03〜4.96(m,2H)、4.91(ddd,J=4.5,6.6,16.6Hz,1H)、4.18〜4.14(m,1H)、3.88〜3.82(m,2H)、3.78(s,6H)、3.52(dd,J=2.7,10.9Hz,1H)、3.14(dd,J=3.5,10.9Hz,1H)、0.85(s,9H)、0.10(s,3H)、0.01(s,3H)。
ステージ4
Figure 2021525758
化合物132(800g、0.930mol、1重量部、1容量、1当量)及び化合物133(522g、1.07mol、0.652重量部、1.15当量)をTHF(2×3L、2×3.8容量)を用いて共沸乾燥し、室温でTHF(9.60L、8.45kg、12.0容量)に再度溶解した。トリフェニルホスフィン(317g、1.21mol、0.396重量部、1.30当量)を加え、混合物を−5℃未満に冷却した。DIAD(226ml、1.16mol、235g、0.294重量部、0.283容量、1.25当量)を7℃未満の内温で加えた。反応物を室温にゆっくり加温した。反応をLCMSにより監視した。21時間後、反応混合物を真空で濃縮して濃厚油状物にし、n−ヘプタン(2.00、1.37kg、1.71重量部、2.50容量)で共沸させ、次いでMTBE(2.40L、1.78kg、2.2重量部、3.0容量)とn−ヘプタン(800ml、547g、0.68重量部、1.0容量)との混合物に再度溶解した。溶液をトリフェニルホスフィンオキシドで播種し、5℃に冷却し、n−ヘプタン(400ml、274g、0.34重量部、0.50容量)で希釈し、5℃で30分間撹拌した。白色固体沈澱物を真空濾過により集め、MTBEとn−ヘプタンとの2:1(容量/容量)混合物(1.8L)で濯いで、トリフェニルホスフィンオキシド(455g)を得た。濾液を真空下で濃縮し、Biotage 150L KP−Sil(SiO 5kg;1%TEAで前処理;トルエン溶出液に溶解することにより試料を装填:9:1ヘプタン/EtOAc(16L)及び15TEA、3.6:1(46L)、2:1(20L)及び1%TEA、1:1(30L)及び1%TEA並びに100%EtOAc(16L)及び1%TEA)により精製した。合わせた透明生成物フラクションを真空で濃縮して、化合物134を灰白色固体泡状物として得た(662.2g)。混合物フラクションを合わせ、真空下で濃縮した(480g)。Biotage 150L上に装填する前にトルエン(300ml)で希釈することにより、生成した白色の不溶性固体を真空濾過により除去した。トルエンに可溶の物質をBiotage 150M HP−Sphere(SiO 2.5kg(1%TEAで前処理);トルエンで試料を装填;溶出液:1%TEAを含む2:1ヘプタン/EtOAc(26L)、1%TEAを含む1:1(25L)、1%TEAを含む1:4(34L))により精製した。カラムをTLC(1:1ヘプタン/EtOAc)により監視した。合わせた透明生成物フラクションを真空で濃縮して、更に化合物134を灰白色固体泡状物として得た(165.5g.合計662.2+165,5g=827.7g、930mmol、1.03重量部、収率67%)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.47(s,1H)、8.39(s,1H)、8.20(s,1H)、8.01(s,1H)、7.38〜7.31(m,5H)、7.27〜7.19(m,6H)、7.14〜7.06(m,3H)、6.93〜6.87(m,2H)、6.76(d,J=8.6Hz,4H)、6.26(dd,J=2.0,16.0Hz,1H)、6.15(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.86(dd,J=4.7,15.2Hz,1H)、5.80(dd,J=4.7,15.2Hz,1H)、5.51(ddd,J=2.7,4.3,52.8Hz,1H)、5.31(ddd,J=2.0,4.3,52.8Hz,1H)、4.87(d,J=4.7Hz,2H)、4.85〜4.81(m,1H)、4.79(d,J=4.3Hz,2H)、4.71〜4.59(m,1H)、4.20〜4.13(m,2H)、4.06(dd,J=2.7,11.3Hz,1H)、3.90(dd,J=2.7,11.7Hz,1H)、3.77(s,6H)、3.52(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.18(dd,J=3.9,10.9Hz,1H)、0.92(s,9H)、0.84(s,9H)、0.10(s,3H)、0.09(s,6H)、0.07(s,3H)
ステージ5〜6
Figure 2021525758
化合物134(410.7g、309mmol、1重量部、1容量、1当量)のピリジン(1.23L、1.21kg、15.2mol、2.9重量部、3.0容量、49当量)中溶液に、亜リン酸ジフェニル(90ml、109g、0.46mol、0.26重量部、0.22容量、1.5当量)を加えた。反応物を室温で撹拌し、LCMSにより監視した。2時間後(転化率80%)、更に亜リン酸ジフェニル(29.9ml、36.2g、155mmol、0.088重量部、0.073容量、0.50当量)を加えた。更に1時間後、更に亜リン酸ジフェニル(6.0ml、7.2g、31mmol、0.018重量部、0.015容量、0.10当量)を加え、反応を更に0.5時間続けた(転化率98%)。内温を4.7〜12℃に維持しながら、反応混合物を飽和NaHCO(水中9重量%溶液;2.1L、5容量)と水(1.0L、2.5容量)との混合物に加えた。反応器を少量のEtOAcで濯いだ。室温で30分間撹拌を続け、反応をLCMSにより監視した(転化率100%)。反応混合物をEtOAcとMTBEとの1:1混合物(2×8.2L、2×20容量)で2回抽出した。合わせた有機層を水(4.1L、10容量)で洗浄し、真空で濃縮し、トルエン(3×4.1L、3×10容量;連続供給)と共沸させてピリジンを除去して、化合物135(0.55当量のピリジンが残っていた)を得た。
ステージ6−粗製の化合物135を周囲温度でジクロロメタン(3.08L、4.07kg、9.9重量部、7.5容量)に溶解した。内温を25℃未満に維持しながら、水(55.7ml、0.136容量、10当量)を、続いてジクロロ酢酸(77ml、120g、0.93mol、0.29重量部、0.19容量、3.0当量)のDCM(3.08L、7.5容量)中溶液を加えた。(オレンジ色溶液に変化した)。30分後、トリエチルシラン(EtSiH;494ml、359g、3.09mol、0.875重量部、1.20容量、10.0当量)(内温は18.2℃から17℃になった)を加え、20分間撹拌を続けた。トリエチルアミン(431ml、313g、3.09mol、0.762重量部、1.05容量、10.0当量)を加えた(内温は17.8℃から22℃になった)。混合物を1.55kg(3.8重量部)に濃縮し、EtOAc(6.2L、5.5kg、14重量部、15容量)に再度溶解し、(1)水(1.0L、2.5容量)及び飽和NaHCO(水中9重量%溶液、0.82L、2.0容量)で順次洗浄した。粗生成物EtOAc溶液を−20℃で終夜保管し(0.82L、2.0容量)、翌日溶液を真空で25℃にて濃縮した。このように得られた粗製の混合物(654g)を(1)n−ヘプタン(3.01L、7.5容量)、(2)n−ヘプタン(2.46L,6.0容量)とトルエン(0.82L、2.0容量)との混合物で摩砕した。溶液部分(上澄み液)をデカント除去し、底に残った固体をアセトニトリル(4.1L、10容量)に溶解した。混合物を真空で25℃にて濃縮し、アセトニトリルで2回共沸させて、化合物136を得た。生成物を精製せずに引き続くステージに使用した(理論的収率100%と仮定)。
ステージ7
Figure 2021525758
ステージ7a 化合物136(337g、309mmol、1重量部、1容量、1当量)を室温で無水ピリジン(13.5L、13.2kg、39重量部、40容量)に溶解した。トリエチルアミン(129ml、927mmol、94g、0.28重量部、0.38容量、3.0当量)を、続いて2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド(DMOCP;103g、556mmol、0.31重量部、1.80当量)を加えた。得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌し、化合物137が生成することをLCMS(転化率100%)により監視した。
ステージ7b TEA(129ml、927mmol、94g、0.28重量部、0.38容量、3.0当量)、水(100ml、5.56mol、0.30重量部、0.30重量部、18当量)及び硫黄(34.7g、1.08mol、0.10重量部、3.5当量)を、化合物137の上記混合物に加えた。90分後(転化率100%)、内温を30℃未満(16.6℃〜27℃)に維持しながら、NaHCO(水中9重量%溶液;3.37L、10容量)を加えた。得られた混合物を濾過して塩を除去した。濾液を真空で濃縮し、MTBE(5.1L、15容量)で希釈し、NaCl(水中30重量%溶液;2×1.35L、2×4容量)で2回洗浄した。不溶の固体を濾別し、濾液を真空で濃縮し、トルエン(4.0L、12容量)で共沸させた。得られた固体を濾別し、粗製の混合物をトルエンに溶解し、Biotage 150L KP−Sil(SiO 5kg;Hep/EtOAc/TEA(1.5/1.5/0.03CV)で前処理;EtOAc/TEA(3/0.03CV)、EtOAc/MeOH/TEA(4/0.2/0.04CV)、EtOAC/MeOH/TEA(2/0.2/0.02CV)で溶出)により精製した。カラムをTLC(EtOAC/MeOH/TEA=9/1/0.1)により監視した。Sp異性体を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、化合物138を薄ピンク色泡状固体として得た(Sp異性体;154g、128mmol、0.46重量部、収率41.3%)。Rp異性体を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、化合物240を薄ピンク色泡状固体として得た(Rp異性体;64g、53mmol、0.19重量部、収率17%)。
化合物138(Sp異性体):
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.51(s,1H)、8.50(s,1H)、8.22(s,1H)、8.14(s,1H)、7.49〜7.44(m,2H)、7.38〜7.27(m,4H)、7.25〜7.21(m,2H)、7.14(t,J=7.1Hz,2H)、6.44(dd,J=2.5,13.9Hz,1H)、6.18(d,J=15.2Hz,1H)、5.78(td,J=6.3,15.6Hz,1H)、5.69(td,J=4.7,15.6Hz,1H)、5.56(dd,J=3.9,50.8Hz,1H)、5.20〜5.06(m,1H)、4.95〜4.79(m,4H)、4.69(dd,J=4.3,16.0Hz,1H)、4.54〜4.38(m,3H)、4.35(d,J=5.5Hz,1H)、4.32〜4.29(m,1H)、4.05(dd,J=1.6,11.7Hz,1H)、3.91(dd,J=3.1,11.7Hz,1H)、3.14〜3.06(m,6H)、1.30(t,J=7.4Hz,9H)、0.91(s,9H)、0.90(s,9H)、0.12(s,3H)、0.08(s,3H)、0.06(s,3H)、0.05(s,3H)
化合物240(Rp異性体):
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.54(s,1H)、8.38(s,1H)、8.33(s,1H)、8.01(s,1H)、7.39〜7.09(m,10H)、6.39(dd,J=2.3,14.1Hz,1H)、6.13(d,J=17.2Hz,1H)、5.72(d,J=3.1Hz,2H)、5.68(dd,J=4.3,51.2Hz,1H)、5.43〜5.29(m,1H)、5.10〜4.96(m,3H)、4.90〜4.83(m,2H)、4.78〜4.72(m,1H)、4.52(ddd,J=3.9,6.6,17.2Hz,1H)、4.44〜4.35(m,2H)、4.31〜4.26(m,1H)、4.20〜4.12(m,2H)、3.87(dd,J=3.5,11.7Hz,1H)、3.79〜3.77(m,1H)、3.15〜3.09(m,6H)、1.33(t,J=7.4Hz,9H)、0.94(s,9H)、0.89(s,9H)、0.13(s,3H)、0.12(s,3H)、0.10(s,3H)、0.09(s,3H)
ステージ8
Figure 2021525758
化合物138(221g、183mmol、1重量部、1容量、1当量)を、ピリジン(530ml、6.56mol、519g、2.3重量部、2.4容量)とTEA(2.65L、19.0mol、1.93kg、8.7重量部、12容量、104当量)との混合物に溶解した。トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(264ml、1.62mol、262g、1.2重量部、1.2容量、錯体として8.9当量、27当量HF)を加え、転化率をLCMSにより監視しながら、混合物を室温で撹拌した。3時間後(転化率97%)、メトキシトリメチルシラン(TMSOMe;1.40L、10.2mol、1.06kg、4.8重量部、6.3容量、55当量)を加え、30分間撹拌を続けた。粘着性固体が反応器に被覆した。溶液部分(上澄み液)をデカント除去した。固体をトルエン(2×2.2L、2×10容量;上澄み液はデカント除去した)で2回摩砕した。反応器中に残った粗製の固体をジクロロメタン(2.2L、10容量)に溶解し、NHCl(水中28重量%溶液;2.2L、10容量)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2.2L、10容量)で逆抽出した。合わせた有機層をNaCl(水中36重量%溶液;1.1L、5容量)と水(1.1L、5容量)との混合物で洗浄し、次いで真空で濃縮して、化合物139を黄褐色乾燥泡状物として得た(152g、155mmol、0.70重量部、収率85%)。粗生成物を精製せずに次のステップに使用した。
ステージ9
Figure 2021525758
化合物139(150g、153mmol、1重量部、1容量、1当量)をアセトニトリル(4L、27容量)で共沸させ、次いで室温でアセトニトリル(1.05L、0.83kg、5.5重量部、7.0容量)に再度溶解した。2−ニトロベンジルブロミド(44.4g、205mmol、0.30重量部、1.34当量)を室温で加え、反応をLCMSにより監視した。23時間後(転化率100%)、EtOAc(1.50L、10容量)、NHCl(水中28重量%溶液;300ml、2容量)及び水(300ml、2容量)を加え(pH=6)、得られた混合物を真空下25℃で部分的に濃縮して重量を1.11kgにした。EtOAc(2.25L、15容量)を加え、混合物を5分間撹拌した。2層を分離した。水層を酢酸エチル(750ml、5容量)で抽出した。合わせた有機層を(1)NaCl(水中36重量%溶液;300ml、2容量)と水(300ml、2容量)との混合物及び(2)水(600ml,4容量)で順次洗浄した。次いで有機層を真空下で濃縮し、n−ヘプタン(1.50L、10容量)で共沸させた。MTBE(0.95L、6.3容量)を粗製の固体に加え、混合物を40℃で加熱した。混合物をEtOAc(300ml、2容量)で希釈し、0℃にゆっくり冷却した。濃厚固体を安定化させ、上澄み液をガラス製フィルターチューブに通してポンプ除去した。固体をMTBE(2×300ml、2×2容量;各回上澄み液をガラス製フィルターチューブに通してポンプ除去した)で2回濯ぎ、40℃で終夜真空乾固して、化合物140を淡黄色固体として得た(156g)。濾液を真空下で濃縮して茶褐色油状物(17.8g)を得、これをBiotage Snap−Ultra340g(溶出液:EtOAc中0〜5%MeOH)による精製に供して、更に化合物140を淡黄色固体として得た(5.8g)。合計156g+5.8g=161.8g(正味152mmol、純度95%、収率99%)
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.46(s,1H)、8.15(s,1H)、8.10(s,1H)、8.09〜8.06(m,1H)、7.89(s,1H)、7.54〜7.51(m,1H)、7.49〜7.45(m,4H)、7.37〜7.28(m,3H)、7.24〜7.19(m,3H)、7.16〜7.11(m,2H)、6.22(d,J=16.8Hz,1H)、6.14(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.83〜5.61(m,3H)、5.60〜5.48(m,1H)、5.07(dd,J=3.5,51.6Hz,1H)、5.06〜4.96(m,1H)、4.79(dd,J=4.9,15.8Hz,1H)、4.69(d,J=5.9Hz,2H)、4.67〜4.56(m,1H)、4.48〜4.40(m,3H)、4.37〜4.30(m,1H)、4.27(d,J=5.9Hz,2H)、4.19〜4.13(m,1H)、3.93〜3.85(m,1H)、3.85〜3.78(m,1H)
ステージ10〜11
Figure 2021525758
ステージ10 化合物140(純度95%、正味73.2g、72.3mmol、1重量部、1容量、1当量)及び2−シアノエチルN,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(25.3ml、79.5mmol、0.33重量部、0.35容量、1.10当量)を、無水アセトニトリル(3×2L)で3回共沸させ、ジクロロメタン(0.73L、10容量)に再度溶解し、0〜5℃に冷却した。ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(6.19g、36.1mmol、0.085重量部、0.50当量)を加えた。得られた反応混合物を0℃で10時間撹拌し、2時間かけて10℃に加温し、10℃で10時間保持し、2時間かけて室温に加温した。反応をLCMS及びTLC(0.5%TEAを含むEtOAc)により監視した。18時間後、無水アセトニトリル(0.73L、10容量)を加え、混合物を−20℃で3日間かけて保存した。
ステージ11a ステージ10からの混合物を周囲温度に加温し、滴下漏斗によりピリジントリフルオロ酢酸塩(予めピリジンで2回共沸させた;41.9g、217mmol、0.57重量部、3.0当量)とアセトニトリル(5.85L、80容量)との混合物中に少しずつ(30分毎に100mL、9時間かけて)加えた。反応をLCMSにより監視した。13時間後、2−シアノエチルN,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.8mL、18mmol、0.25当量)のアセトニトリル(24mL)中溶液を4時間かけて加えた。更なる量の試薬を残った化合物140を基にして決定した(LCMSを基に約30%)。ジオールの更なる転化が6時間後に観察された。
ステージ11b ((ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾリン−3−チオン(DDTT;20.8g、101mmol、0.28重量部、1.4当量)を加え、1時間撹拌を続けた。反応混合物を約800mLに部分的に濃縮し、MTBE(1.46L、20容量)、NaHCO(水中9重量%溶液;1.1L、15容量)及び水(0.37L、5容量)で希釈した。pH=8。層を分離し、水層をMTBE(1.46L、20容量)とEtOAc(1.10L、15容量)との混合物で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(2×0.73L、2×10容量)で2回洗浄し、真空下35℃で濃縮し、トルエン(1.46L、20容量)で共沸させた。LCMS及びTLC(EtOAc)は、化合物143(SpRp、所望物):化合物241(SpSp)=5:1を示した。
粗生成物をBiotage 150M KP−Sil、(SiO 2.5kg;溶出液:EtOAc/Hep:2:1(4CV)、3:1(2.5CV)、4:1(2.5CV)、100%EA(3CV)、EA中5〜10%MeOH(4CV))により精製して、化合物143(36g、31.5mmol、収率44%)を得た。
化合物143(SpRp):H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.59(s,1H)、8.10(s,1H)、8.03〜7.99(m,1H)、7.91(s,1H)、7.56〜7.53(m,2H)、7.49〜7.40(m,5H)、7.35〜7.28(m,2H)、7.24〜7.16(m,4H)、6.92(s,1H)、6.29(d,J=14.9Hz,1H)、6.08(d,J=20.7Hz,1H)、5.97〜5.83(m,1H)、5.76(td,J=4.7,15.6Hz,1H)、5.61〜5.51(m,2H)、5.40(d,J=4.3Hz,1H)、5.29〜5.17(m,1H)、4.91(dd,J=7.4,14.9Hz,1H)、4.86〜4.75(m,3H)、4.63(dd,J=3.7,9.2Hz,1H)、4.58〜4.43(m,5H)、4.34〜4.19(m,4H)、2.79(td,J=5.9,16.8Hz,1H)、2.66(td,J=6.3,16.8Hz,1H)。
化合物241(SpSp)H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.11(s,1H)、8.03(d,J=8.2Hz,1H)、7.94(s,1H)、7.90(s,1H)、7.61(s,1H)、7.56〜7.40(m,7H)、7.33〜7.28(m,2H)、7.23〜7.17(m,4H)、6.22(d,J=17.6Hz,1H)、6.15(d,J=18.8Hz,1H)、5.85(dd,J=3.5,51.2Hz,1H)、5.75〜5.45(m,5H)、4.95〜4.23(m,14H)、2.82(t,J=6.1Hz,2H)。
ステージ12
Figure 2021525758
化合物143(71.6g、62.6mmol、1重量部、1容量、1当量)を1,4−ジオキサン(0.43L、6容量)に溶解した。チオフェノール(215ml、2.09mol、230g、3.2重量部、3容量、>30当量)を、続いてトリエチルアミン(215ml、1.54mol、156g、2.2重量部、3容量)を加えた。多少の発熱が観察され(内温で約7℃の上昇)、そのため水/氷浴を使用して冷却し、内温を27℃未満に制御した。反応をLCMSにより監視した。2時間後、MeOH(0.57L、8容量)及びNHOH(28重量%;15mol、0.57L、8容量、>200当量)を加えた。得られた混合物を50℃で5時間加熱し、室温に冷却し、終夜撹拌した。14時間後、水(0.72L、10容量)を加え(固体は観察されなかった)、混合物をn−ヘプタンとトルエンとの1:1(容量/容量)混合物(3×0.86L、3×12容量)で3回、続いてトルエン(0.57L、8容量)で抽出した。水層を真空下40〜50℃で濃縮し、水(1.07L、15容量)で希釈した。得られたスラリー液を室温で終夜維持した。得られた固体を濾別し、水(0.36L、5容量)で濯いだ。濾液はまだ濁っており、セライト及びKunoフィルターに通して濾過した。濁りはまだ残っていた。HCl(水中1.0M溶液;132ml、132mmol、2.1当量)を1時間かけて加え、pHをチェックした(pH<2)。室温で1時間撹拌を続け、混合物を濾過した。濾過ケーキを水(8×0.20L)で濯ぎ、真空乾燥機中35℃で2日間及び加熱せずに1日間乾燥して、化合物1を淡オレンジ色固体として得た(44.88g、60.1mmol、0.63重量部、収率96%)。
ステージ13
Figure 2021525758
遊離酸の化合物1(22.42g、30.03mmol、1重量部、1容量、1当量)に、アンモニア(MeOH中2.0M溶液;220ml、440mmol、10容量、15当量)を加えた。EtOH(55ml、2.5容量)を加え、得られた溶液をKunoフィルター(0.45ミクロン;PTFE)に通して濾過し、MeOHとEtOHとの1:1(容量/容量)混合物(90mL、4容量)で濯いだ。濾液を真空下30℃で濃縮して灰白色固体を得、これを室温で終夜乾燥し、スパチュラで細かく砕き(砕きやすい)、室温で更に真空乾固した。次いで単離した固体をトルエン(250ml)中で懸濁させ、室温で30分間撹拌した。次いで固体を真空濾過により集め、トルエン(2×50ml)で2回濯いだ。次いで固体を真空乾燥機中で真空乾固して、化合物1a(22.4g、化合物1のジアンモニウム塩)を得た。
再結晶化:化合物1a(22.14g、28.36mmol、1重量部、1容量、1当量)を水(664ml、30容量)と水酸化アンモニウム(28重量%;2.5ml、18mmol、0.63当量)(pH=9〜10)との混合物に溶解し、トルエン(3×300ml、3×14容量)で3回、EtOAc(3×200ml、3×9容量)で3回及びトルエン(3×300ml、3×14容量)で3回抽出した。得られた水層をHCl(水中1.0M溶液;90ml、90mmol、3.2当量)で3.5時間かけて処理した(pH≦2)。混合物を30分間撹拌し、次いで固体の沈澱物を真空濾過により集めた。濾過ケーキを水(3×200ml、3×9容量)で3回洗浄し、終夜真空乾固した。アンモニア(MeOH中2.0M溶液;250ml、500mmol、17.6当量)及びエタノール(100ml)を固体に加え、得られた混合物を結晶が生成するまで真空で濃縮(約100ml)し、この時点で濃縮を止め、混合物を20分間撹拌した。エタノール(45mL)を加え、混合物を部分的に濃縮した(45mLを除去)。同じ操作を更に2回繰り返し、次いで混合物を0℃に冷却し、3.5時間撹拌した。白色固体を真空濾過により集め、冷エタノール(20ml)で、続いて酢酸エチル(2×50mL)で洗浄した。白色固体を室温で3日間真空乾固して、化合物1aを白色固体として得た(16.6g、21.3mmol、0.75重量部、収率75%)。濾液を真空下で濃縮し、室温で3日間真空乾固して、化合物1aを灰白色固体として得た(4.16g、5.3mmol、収率18%)。
実施例1.2−化合物1のH NMR分析
化合物1aのH NMRスペクトログラフを図3に示す。得られたスペクトルは:
H−NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d,δ 2.49ppm,80℃)
δ(ppm):3.05〜3.13(4H,m)、3.70(1H,dd,J=13,5Hz)、3.78(1H,dd,J=12,4Hz)、4.21〜4.24(2H,m)、4.28(1H,m)、4.38(1H,m)、4.53〜4.68(2H,m)、5.22(1H,m)、5.76(2H,s)、5.78(1H,m)、6.26(1H,m)、6.29(1H,m)、8.13(1H,s)、8.14(1H,s)、8.36(1H,brs)、8.59(1H,brs)。
実施例1.3−化合物1のX線解析
化合物1約2mgを水600uLに溶解した。この溶液120uLを他のガラスバイアルに入れ、次いでこのバイアルを、固定容器中MeCN(3mL)と共に室温で1週間保管した。これは試料調製のHO/MeCN蒸気拡散方法である。
結晶化溶液に見られた無色板状単結晶(0.1×0.1×0.1mm)を液体のParabar 10312に分散し、Dual−Thicknessマイクロマウント(MicroMounts)(商標)(MiTeGen)上に取り付けた。回折データを−160℃でXtaLAB PRO P200 MM007HF(Rigaku)上にて多層ミラー単色Cu−Kα照射を使用するω軸振動法を用いて集めた。
図4Aは、多くの乱れた水分子と共に、非対称単位中の化合物1の分子のORTEP図を示す。図4Bは、図4Aからの化合物1の分子の一つの結晶構造を示す。図4Cは、図4Aに示した化合物1の他の分子の結晶構造を示す。
化合物1の結晶構造を最終R−因子0.1354で解いた。Flackパラメーターはほぼゼロ(0.083(17))であり、化合物1の絶対立体配置が(R、S)であることを示した。結晶構造解析は、多くの水分子が化合物1の大きなチャンネル中に存在していることも示し、これは水分子がチャンネルから容易に抜け出すことができることを示した。解析は、非対称単位の両方の結晶学的に独立している分子の立体配置はほぼ同じであることも示した。
更にX線解析のパラメーターを以下に示す:
Figure 2021525758
実施例2−WT STINGとの複合体を確認するX線構造
発明者らの新規化合物の標的結合機序を更に理解するために、複合体内のWT STINGのX線結晶構造を化合物で決定した。
A.WT STING C−末端ドメイン(残基155〜341)の発現及び精製
アミノ酸155〜341由来のヒトWT STINGタンパク質をコードしているDNA配列を(配列番号4)、そのN末端でのHis−TEV−Sumoタグに従い(配列番号5)、pET21bベクターにクローニングした。pET21bの配列はaddgeneに預けており、ここから入手可能である:addgene.org/vector−database/2550/。その配列は本明細書で参照により組み込まれている。
E.coli BL21(DE3)コドンプラス細胞をこのプラスミドを用いて変換し、組換え型タンパク質の発現を0.1mMイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発させた。Ni−NTA親和クロマトグラフィーで、細胞溶解物の可溶性画分からタンパク質を精製した。His−TEV−Sumoタグをsumoプロテアーゼにより除去し、第2のNi−NTA親和性カラムを使用して、タグを含まないWT STING 155〜341から分離した。アニオン交換及びサイズ排除クロマトグラフィーによりタンパク質を更に精製し、20mMトリス・HCl pH7.5、及び150mM NaClを35mg/ml濃度で含有する緩衝液中に貯蔵した。
B.化合物1との複合体のWT STING C末端ドメインの結晶化及び構造判定
化合物1と共にWT STING 155〜341を共結晶化するため、貯蔵緩衝液(20mM Tris・HCl pH7.5、及び150mM NaCl)を使用して、WT STINGタンパク質を10mg/mlに希釈し、モル比1:5で化合物1(DMSO中100mMストック)と混合した。混合物を4℃で4時間インキュベートし、13,000rpmで20分間遠心分離してから結晶化した。ハンギングドロップ蒸気拡散法を18℃で使用して、結晶化スクリーニングトレイを配置した。1μLのWT STING/化合物1溶液を、100mM HEPES pH7.5、200mM CaCl2、及び15%(wt/vol)PEG8000を含有する等量のウェル溶液と混合することによって、結晶を増殖した。結晶を液体窒素内でフラッシュ凍結した際に、20%(wt/vol)PEG400を抗凍結剤試薬として使用した。SSRF BL19U1 ビームラインで、Pilatus検出器を用いて、回折データセットを収集し、HKL3000及びCCP4ソフトウエアスイート中のプログラムSCALEPACK2MTZを処理した。
化合物1に結合したWT STING 155〜341の構造を、プログラムPHASER(Maximum Likelihood Molecular Replacement)を使用して、最初のサーチモデルとしてPDB ID 4F9Eを用いて、分子の置き換えにより決定した。WT STINGのダイマー境界面の間の化合物1の存在を、モデルフェーズで計算したFo−Fc差の分布図において確認した。Cootプログラムを用いて、モデルを手作業で構築、完成し、CCP4ソフトウエアスイート中のRefmac5プログラムでリファインした。空間群P212121において、分解能2.38Åでリファインされた最終構造が報告され、単位格子がa=33.820、b=78.110、c=132.212、α=90.00、β=90.00、γ=90.00において測定された。ダイマー境界面で、化合物1の1つの分子に結合している各非対称的単位において、2コピーのWT STING 155〜341を特定した。
C.X線結晶構造で観察された、化合物1とWT STINGとの相互作用
図5は、化合物1との複合体におけるヒトWT STINGのX線結晶構造の画像を示す。発明者らは、化合物1との複合体内のヒトWT STINGのX線結晶構造を試験したが、これは化合物1aの試料から共結晶化したものであった。化合物は、WT STINGタンパク質のダイマーにより形成された境界面ポケットにおいて結合している。化合物のアデニン塩基の2つの面は、Tyr240及びArg238のグアニジン基とそれぞれπ−πスタッキング相互作用を形成する。transオレフィンリンカーは、Arg238の側鎖の脂肪族部分とファンデルワールス相互作用を形成する。化合物のリボース基のC2’位のフッ素置換基は、Thr263、Pro264及びTyr163により定義される疎水性正孔に入り込んでいる。化合物の負電荷チオホスフェート基は、Arg238との塩架橋並びにSer162及びThr267とのH−結合相互作用をそれぞれ形成する。加えて、チオホスフェート基はまた、Arg232のグアニジン基と静電相互作用を形成する。残基226〜243からなるWT STINGのLIDループ領域は、2つの塩基の基及びtransオレフィンリンカーの回りに巻き付いている。
実施例3−化合物1との複合体におけるREF STINGのX線結晶構造の判定。
A.REF STING C末端ドメイン(残基155〜341、配列番号6)の発現及び精製
アミノ酸155〜341由来のヒトREF STINGタンパク質をコードしているDNA配列を(配列番号6)、そのN末端でのHis−TEV−Sumoタグに従い(配列番号7)、pET21bベクターにクローニングした。pET21bの配列はaddgeneに預けており、ここから入手可能である:addgene.org/vector−database/2550/;その配列は本明細書で参照により組み込まれている。
E.coli BL21(DE3)コドンプラス細胞をこのプラスミドを用いて変換し、組換え型タンパク質の発現を0.1mMイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発させた。Ni−NTA親和クロマトグラフィーで、細胞溶解物の可溶性画分からタンパク質を精製した。His−TEV−Sumoタグをsumoプロテアーゼで取り出し、第2のNi−NTA親和性カラムを使用して、タグを含まないREF STING_155〜341から分離した。アニオン交換及びサイズ排除クロマトグラフィーにより、タンパク質を更に精製し、20mMトリス・HCl pH7.5、及び150mM NaClを24mg/ml濃度で含有する緩衝液中に貯蔵した。
B.化合物1との複合体におけるREF STING C末端ドメインの結晶化及び構造判定
化合物1と共にREF STING_155〜341を共結晶化するため、貯蔵緩衝液(20mM Tris・HCl pH7.5、及び150mM NaCl)を使用して、REF STINGタンパク質を10mg/mlに希釈し、モル比1:5で化合物1(DMSO中100mMストック)と混合した。混合物を4℃で4時間インキュベートし、13,000rpmで20分間遠心分離してから結晶化した。ハンギングドロップ蒸気拡散法を18℃で使用して、結晶化スクリーニングトレイを配置した。1μLのREF STING/化合物1溶液を、100mM HEPES pH7.5、200mM CaCl2、及び15%(wt/vol)PEG8000を含有する等量のウェル溶液と混合することによって、結晶を増殖した。結晶を液体窒素内でフラッシュ凍結した際に、20%(wt/vol)PEG 400を抗凍結剤試薬として使用した。SSRF BL18U1ビームラインでPilatus検出器を用いて、回折データセットを収集し、HKL3000及びCCP4ソフトウエアスイート中のプログラムSCALEPACK2MTZを処理した。この構造は図6に示されている。
以前に決定したWT STING155〜341構造(上に記載した通り)を最初のサーチモデルとして使用して、分子の置き換えプログラムPHASER(Maximum Likelihood Molecular Replacement)を使用して、化合物1に結合しているREFSTING_155〜341の構造を決定した。モデルフェーズで計算したFo−Fc差の分布図において、REF STINGのダイマー境界面の間の化合物1の存在を確認した。Cootプログラムを用いて、モデルを手作業で構築、完成し、CCP4ソフトウエアスイート中のRefmac5プログラムでリファインした。空間群P212121において、分解能2.76Åでリファインされた最終構造が報告され、単位格子がa=33.733、b=77.831、c=131.689、α=90.00、β=90.00、γ=90.00において測定された。ダイマー境界面で、化合物1の1つの分子に結合している各非対称的単位において、2コピーのREF STING 155〜341を特定した。
C.X線結晶構造において観察された、化合物1とREF STINGとの相互作用
図6は、化合物1との複合体におけるヒトREF STINGのX線結晶構造を示し、これは、化合物1aの試料から共結晶化されたものであった。化合物は、STINGタンパク質のダイマーにより形成された境界面ポケットにおいて結合している。化合物のアデニン塩基の2つの面は、Tyr240及びArg238のグアニジン基とそれぞれπ−πスタッキング相互作用を形成する。Arg238の側鎖のグアニジン部分が外側からのHis232の側鎖のイミダゾール基とπ−πスタッキング相互作用を形成する一方で、transオレフィンリンカーはArg238の側鎖の脂肪族部分とファンデルワールス相互作用を形成する。オレフィンリンカーは、Arg238とHis232の側鎖の相互作用する対と接触している。化合物のリボース基のC2’位のフッ素置換基は、Thr263、Pro264及びTyr163により定義される疎水性の正孔に入り込んでいる。化合物の負電荷チオホスフェート基は、Arg238との塩架橋並びにSer162及びThr267とのH−結合相互作用をそれぞれ形成する。残基226〜243からなるREF STINGのLIDループ領域は、2つの塩基の基及びtransオレフィンリンカーの回りに巻き付いている。
実施例4−膀胱内投与経路を使用したネズミ膀胱がんモデルにおける化合物1aのin vivoの評価
MBT−2ネズミ膀胱がん同所性モデルを確立し、2012年のLeeら、(「Tumor Establishment Features of Orthotopic Murine Bladder Cancer Models」Urological Oncology 2012年;53巻:396〜400頁)により特徴付けると、ヒト膀胱がんと類似の組織像を示した。したがって、このモデルを選択して、化合物1の抗膀胱がん活性を評価した。Leeらにより記載されたHCl治療前手順を用いたプロトコルを適用して、モデルを確立した。手短に言えば、30μLの0.1N HCl溶液を、カテーテルを介してマウス膀胱に注入し、HCl溶液を15秒間膀胱内に留めた。次いで、HCl溶液を30μLの0.1N NaOH溶液と置き換え、これに続いて1×PBS(pH7.4)による1回のフラッシュステップを行った。続く腫瘍細胞インプランテーション手順は元の文献から改変した。手短に言えば、フラッシュステップ後、MBT−2腫瘍細胞(50μLのRPMI1640培地中2×106個の細胞)を膀胱に注入し、45分間留めておいた。この45分間の期間の終わりに、膀胱から排水した。
腫瘍細胞のインプランテーションから3日後、表1に要約されたスケジュールでマウスを異なる用量の化合物1a、BCG(OncoTICE(登録商標)、Merck CanadaInc.)、抗マウスPD−1抗体(クローン#RMP1−14、Bioxcell)、及び化合物1aとPD−1抗体の組合せで処置した。化合物1aとBCGの両方は膀胱内経路を介して投与し、PD1抗体は腹腔内注射を介して投与した。
最終濃度16.875mg/mLに到達するまで、毎日の投薬において投薬用にBCGをNaCl 0.9%(Lavoisier、France)中で希釈した。残ったあらゆる投薬溶液は使用後廃棄した。抗PD−1抗体、1×PBS(Lonza、France)を使用してストック溶液を希釈して、投薬用の作業用溶液1mg/mLを調製した。化合物1aに対して、乾燥粉末を1×PBSに溶解することにより、10mg/mLのストック溶液を最初に調製した。次いで、5mg/mL(400μg/マウス群)、2.5mg/mL(200μg/マウス群)及び1.25mg/mL(100μg/マウス群)を含む異なる濃度の化合物1aを、1×PBSでストック溶液を更に希釈することにより調製した。
Figure 2021525758
第20日〜21日の膀胱内の腫瘍成長をMRI(核磁気共鳴画像法)により定量化し、図7に示されている通りすべてのマウスの腫瘍サイズをグラフ化した。図7は、すべての実験動物の第20〜21日目のMRIによる腫瘍容積定量化を示している。図7に示されている通り、化合物1aで処置したすべての群(群4〜7)は、ビヒクル群(群1)、BCG群(群2)及びPD1抗体群(群3)よりもずっと小さな腫瘍容積を示した。
化合物1aはまた、図8に示されている通りビヒクルで処置した動物と比べて、統計学的に有意な生存という利点を示した。
BCGも抗PD1抗体も、この同所性マウス膀胱がんモデルにおいて有意な抗がん活性を示すことができず、使用されたモデルがBCG/PD1抗体耐性/不応性モデルであることを示唆した。
実施例103−HAQ STINGアゴニスト活性レポーターアッセイ
THP1−デュアル(Dual)(商標)Cells(InvivoGen、カタログ番号thpd−nfis)をEC50判定に適用した。THP1デュアル(Dual)(商標)Cellsは、HAQ STING遺伝子型を保持することが販売元Invivogen(Insight 201402−1)により特徴付けられている。細胞を増殖させ、製造業者により推奨される条件下で維持した。EC50判定のため、製造業者のマニュアルに記載されているインターフェロン調節因子(IRF)経路誘導に従った。手短に言えば、細胞を播種し、37℃、5%COでインキュベートしながら、異なる濃度の化合物で20時間処理した。細胞を再懸濁させ、クアンティ(QUANTI)−Luc(商標)溶液(Cat.#:rep−qlc1)を加えた。生成された光の放出を照度計(Envision、Perkin Elmer)で測定した。得られたシグナルをプロットし、GraphPadPrism7ソフトウエアでEC50を計算した。
化合物1aに対するヒトSTINGEC50(μM)値が以下の表2において報告されている。
実施例104−STINGバリアントに特異的なレポーターアッセイ
ヒトSTINGは、WT、HAQ、REF、及びAQバリアントを含めた、4つの主要なバリアントを有する。R232Hとも呼ばれるREF−STINGは、例えば、ヒト集団の約14%において生じる。野生型アレルと比較して、R232Hは、細菌性の及び後生動物の環式ジヌクレオチドに対してより低い応答を有する。これらの4つの主要なバリアント並びに他の稀なバリアントの詳細がYi Gら,「Single nucleotide polymorphisms of human STING can affect innate immune response to cyclic dinucleotides」PLoS One 2013年;8巻:e77846頁に報告されている。STINGバリアントに特異的なレポーター細胞株は、THP1−デュアル(Dual)(商標)KO−STING細胞(InvivoGen、カタログ番号thpd−kostg)及び3つのSTINGバリアントタンパク質発現ベクターを使用することにより確立された。WT STINGに対する発現ベクターマップが図9に示されている。他の2つの発現ベクターに対して、異なるSTINGバリアント配列がそのベクターにおいて使用されており、WT STINGは適当なヌクレオチド配列により置き換えられている。
WT−STING、REF−STING、及びAQ−STINGに対するSTINGバリアント発現ベクターを調製し、THP1−デュアル(Dual)(商標)KO−STING細胞に安定的に形質移入して、WT−STING、REF−STING及びAQ−STINGに対するSTINGバリアントに特異的なレポーターアッセイをそれぞれ調製した。実施例103で上述したように、HAQ STINGアゴニスト活性レポーターアッセイに対してEC50値を決定した。結果を以下の表2において示す。これらのSTINGバリアントに対して使用されているDNA配列が配列番号1(Nucleotide Sequence of WT Human STING)、配列番号2(Nucleotide Sequence of REF Human STING)、及び配列番号3(Nucleotide Sequence of AQ Human Sting)において示されている。
WTヒトSTING:
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccgggctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga(配列番号1)
REFヒトSTING:
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccatgctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga(配列番号2)
AQヒトSTING:
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccgctgaccgagctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccagacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga(配列番号3)
実施例105−マウスSTINGアゴニスト活性レポーターアッセイ
RAW−ルシア(Lucia)(商標)ISG Cells(InvivoGen、カタログ番号rawl−isg)をマウスSTINGアゴニストレポーターアッセイに対して使用した。実施例103で上述したように、HAQ STINGアゴニスト活性レポーターアッセイにおいてEC50値を決定した。結果を以下の表2において示す。
実施例106−示差走査蛍光定量法(DSF)アッセイ
DSFアッセイを利用して、化合物と組換え型STINGタンパク質との間の物理的相互作用を測定した。短縮組換え型STINGタンパク質(アミノ酸155〜341)(配列番号4)をE.coliに発現させ、後述するようにアッセイ用に単離した。アッセイマトリックスを、384−ウェルプレート内で、100mM KCl、5X SYPROオレンジ色染料及び50μM化合物(最終DMSO濃度0〜1%)を補充した、1μM組換え型STINGタンパク質(アミノ酸155〜341)(配列番号4)、100mM PBS pH7.4からなる、1ウェル当たり10μLの最終容量で調製した。25℃〜95℃の温度勾配、0.05℃/分の速度で、並びに470及び586nmでのそれぞれ励起及び発光フィルターを使用するQuantStudio 12K Flex Real−Time PCR Systemでアッセイを実施した。アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)(登録商標)Protein Thermal Shiftソフトウエア(アルゴリズムバージョン1.3.)により割り当てられた蛍光誘導体曲線に従い、未結合及びリガンド結合した組換え型STINGタンパク質の熱的融解(Tm)、及び熱的融解における差異(dTm D)を計算した。
一般的に、0より大きなΔTm値を有する化合物は、試験したタンパク質と物理的相互作用を有すると考えられ、ΔTmの値は化合物結合親和性と正に関連する。ここで、化合物1aは、17.6というΔTmを示し(表2)、STINGタンパク質との物理的相互作用を示す。
Figure 2021525758
実施例107−Ex vivoヒトPBMC刺激アッセイ
10.0mL BD Vacutainerナトリウムヘパリンチューブ(カタログ番号367874)を使用して、5人の健康な供与体からヒト血液を採取した。SIGMA ACCUSPIN 50ml Tubes(カタログ番号A2055)及びSIGMA ACCUSPINSystem−HISTOPAQUE−1077(カタログ番号A7054)を使用し、製造業者によるプロトコルを使用して、末梢血単核細胞(PBMC)単離を行った。PBMC層を収集し、Sigmaにより示唆されている通り1×Phosphate Buffered Saline(PBS)で洗浄した。PBMCをカウントし、最後に、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco カタログ番号20140.79)を補充したRPMI(corning カタログ番号10−041−CV)中に@1×10e6/mlを懸濁させた。1mlの細胞(1×10e6)を、Falcon 5mL Round Bottom Polypropylene Test Tube(カタログ番号352063)に移し、5%CO2インキュベーター内、37℃で24時間、異なる濃度(0、0.1、1、10μM)で刺激した。
24時間のインキュベーション後、チューブを1400rpmで5分間遠心分離し、上清を採取した。上清をその後のIFNβ測定用に−80℃で保存した。Human IFN−β Base Kit(Meso Scale Diagnostics カタログ番号K151ADA)を使用してIFNβ測定を行い、製造業者により提供されたプロトコルを使用した。MESO SECTOR Imager 2400でのリーディングアッセイプレートにより、及びMSD Discovery Workbench 4.0プログラムを使用して、IFN−ベータ評価を行った。24時間後、IFNβタンパク質を分析した。結果は、化合物1aが用量依存性方式で第1次ヒトPBMC IFNβタンパク質の生成を誘発することができることを示した。
表3に示されている結果は、5つの異なる供与体を使用して行った測定の平均を反映している。
Figure 2021525758
IFNβ mRNA定量化のため、製造業者のプロトコルに従い、RNeasy Mini Kit(Qiagen、Germany)を使用して全RNAを単離した。IFNβ mRNAをqPCRアッセイで定量化した。手短に言えば、SuperScript VILO MasterMix(Life Technologies、USA)を使用して60μl反応物容量で全RNA(400ng〜1000ng)をcDNAに変換した。Applied Biosystems Taq Man発現アッセイを使用して、IFNB1(Hs01077958_s1)、及びGAPDH(Hs99999905_m1)に対するRNA特異的プライマーを使用して、得られたcDNA(10ng)を続いて増幅させた。Applied Biosystems Quantstudio 12K Flex Real−Time PCR System上で、Taq Man Fast Advanced Master Mix(Life Technologies、USA)を用いて、50℃で2分間の最初のステップ、これに続いて95℃で2秒間、95℃で1秒間及び60℃で20秒間を40サイクル行い、qPCR分析を実施した。基準遺伝子GAPDHに対する正規化後、2−ΔΔCT方法を使用して、相対的な遺伝子発現を計算した。Applied Biosystems Quantstudio 12K Flexソフトウエアv1.2.2を使用して計算を行った。IFNβ mRNAの倍変化と、ビヒクル処理した試料との対比を表4に要約した。結果は、化合物1aが、初代PBMC中のIFNβ mRNAを用量依存性方式及び時間依存性方式で誘発できることを示した。表4は、5つの異なる供与体から計算した平均値を示す。
Figure 2021525758
実施例108−CT26二重腫瘍モデルに対する化合物1aの抗がん作用
マウス結腸がんモデルであるCT26二重腫瘍モデルにおいて、化合物1aをその抗がん活性について試験した。雌の週齢5〜6週のBalb/cJマウス(Jackson Labs、Bar Harbor、Maine)には、CT26腫瘍細胞を各動物の両側に、各側10個の細胞を皮下にインプラントした。実験Aに対して、治療は、腫瘍のインプランテーション後、5日目に平均腫瘍がおよそ100mm到達した時点で開始した(1.25mg/kg、2.5mg/kg及び5mg/kg)。実験Bに対して、治療は、腫瘍インプランテーション後、8日目に平均腫瘍がおよそ120mmに到達した時点で開始した(0.6mg/kg、及び10mg/kg)。表5及び表6に、治療スキームを記載する。
Figure 2021525758
Figure 2021525758
実験におけるすべてのマウスは2種の皮下CT26腫瘍を有する。「治療した腫瘍」は化合物を直接投与した腫瘍を示すのに対して、「未治療の腫瘍」は化合物を直接投与していない腫瘍を示す。実験全体にわたり腫瘍容積を追跡調査した。治療の開始後、腫瘍容積を週2回測定する。腫瘍負荷は、長球面(L×W)/2の容積(式中、L及びWはそれぞれの直交方向の長さ及び幅の測定値(mm)である)に対する式により、キャリパ測定から計算する。
化合物1aは、CT26二重腫瘍モデルにおける強力な及び治癒的活性を示した(図10及び図11)。試験した最も低い用量でも、治療した腫瘍に対して治癒速度20%が実験で検出された(図8、0.6mg/kg用量)。同時に、最も高い用量(10mg/kg)は、実験終了時にはその腫瘍を有する動物の100%を治癒した。未治療の腫瘍に対して、用量依存性抗腫瘍作用もまた明らかであった。一番高い用量群(10mg/kg)は、80%治癒的作用を示し、すべての低用量もまた腫瘍成長阻害活性を示した。したがって、注射していない遠位の腫瘍部位での作用に基づく治療濃度域0.6mg/kg〜10mg/kgが化合物1aに対して観察され、抗腫瘍活性は唯一の局在的にばかりでなく、全身的にも見られた。結論として、結果は、化合物1aの局所投与は、局所的及び全身性(アブスコパルの)抗がん活性の両方を誘発できることを表している。
実施例109−CT26肝臓転移性のモデルに対する化合物1aの抗がん作用
CT26肝臓転移性のモデルにおいて、化合物1aをその抗がん活性について試験した。麻酔下の雌の週齢5〜6週のBALB/cJマウス(Jackson Labs、Bar Harbor、Maine)に、ルシフェラーゼを発現するCT26腫瘍細胞(マウス1匹当たり5×10個の細胞)を脾臓内にインプラントした。その後の10分間の待機期間により、腫瘍細胞の動物の肝臓への循環を可能にした。次いで、脾臓を取り出し、動物を縫合し、回復させた。3日後、CT26腫瘍細胞(マウス1匹当たり10個の細胞)を、今度は右前肢の領域下に、再度皮下に(sc)インプラントすることによって、化合物投与のために腫瘤の発症を可能にした。脾臓内注射の9日後、化合物(10mg/kg)を腫瘍内に、単回で、sc腫瘍へ投与した。
各マウス肝臓内の増殖する腫瘤の有害な影響に基づき、ビヒクル治療した対照マウスと比較して、治療したマウスの全生存期間により化合物のアブスコパル効果を評価しながら、化合物の局所的抗がん作用をsc腫瘍に対するその作用を介して測定した。化合物1aは、局所的なsc腫瘍に対する強力な活性と、また、治療した動物10匹のうち9匹において、治癒的全身性活性の両方を示した(図12)。これらの結果は、化合物1aの局所的投与が局所的抗がん活性と、肝臓内などの深い病変を含めた、全身性(アブスコパルの)抗がん活性の両方を誘発できることを表している。
実施例110−GL261脳同所性モデルに対する化合物1aの抗がん作用
GL261脳同所性モデルにおいてその抗がん活性について化合物1aを試験した。GL261はネズミグリア細胞腫細胞株である。ルシフェラーゼを発現するGL261マウスグリア細胞腫細胞(2×10個の細胞/マウス)を、雌の週齢5〜6週のB6アルビノマウス(Jackson Labs、Bar Harbor、Maine)に頭側内にインプラントした。3〜4日後、GL261細胞を右の前肢領域下に、皮下にインプラント(10細胞/マウス)することによって、化合物投与のための腫瘤の発症を可能にした。頭側内腫瘍細胞インプラントの10日後、化合物(10mg/kg)を腫瘍内に、単回で、sc腫瘍へ投与した。各マウス脳内の増殖する腫瘤の有害な影響に基づき、ビヒクル治療した対照マウスと比較して、治療したマウスの全生存期間により化合物のアブスコパル効果を評価しながら、化合物の局所的抗がん作用をsc腫瘍に対するその作用を介して測定した。化合物1aは、局所的なsc腫瘍に対する強力な活性も示し、治療した動物8匹のうち5匹における治癒的全身性活性も示した(図13)。これらの結果は、化合物1aの局所的投与が、局所的抗がん活性と、脳内などの深い病変を含めた、全身性(アブスコパルの)抗がん活性の両方を誘発できることを表している。
実施例111−比較
本発明の開示の化合物1a、天然STINGリガンド(2’3’cGAMP)、及び本明細書に参照により組み込まれているCorralesら、「Direct Activation of STING in the Tumor Microenvironment Leads to Potent and Systemic Tumor Regression and Immunity」、Cell Reports(2015年)11巻:1018〜1030頁で報告されたようなSTINGアゴニストML RR−S2 CDAとされるものを使用した直接比較において、WT STING、HAQ STING、AQ STING、及びREF STINGのヒトSTINGアッセイに対してEC50値を計算した。アッセイは、上に記載された実施例に記載した通り行った。表7に報告されたアッセイ値は、直接比較で行われるアッセイに限定されるもので、上又は他の箇所で報告されたようなより大きな数のトライアルを通して決定される平均値を反映し得ないことに注意されたい。「2’3’ cGAMP」は、Cell Reportsの出版物で報告されているような「ML cGAMP」と同じであることに更に注意されたい。
Figure 2021525758
表7はまた、等温滴定熱量測定(ITC)で測定された通り、3つの試験した化合物のそれぞれへのヒトWT STINGの結合に対する解離結合定数(Kd)を報告している。ITCは、分子間相互作用に関連する熱力学的特性を測定する微量熱量滴定技術である。これらの試験に基づき、化合物1aは、試験した化合物のWT STINGと最も強い結合を形成するように見える。
材料
組換え型ヒト野生型STING(アミノ酸139〜379、H232R)タンパク質は、アミノ酸139〜379を含むヒトWT STINGのサイトゾルドメインをコードしているE.coliにおいて構造体を発現することにより生成された。
試薬
この実験で使用した試薬の供給元を以下に示す:
Figure 2021525758
タンパク質緩衝液の調製
STINGタンパク質は、90μL及び100μLのアリコートを、それぞれ3.0mg/mL及び20mg/mLの濃度で、それぞれ5%グリセロールを含有するPBS、pH7.5中で、−60℃で貯蔵した。分析の当日、アリコートのタンパク質を解凍し、400μLに希釈し、Amicon Ultra遠心フィルターユニット(10k MWカットオフ、0.5mL)を使用して、Eppendorf微量遠心機を用いた少なくとも4回の10分間、14000xgの遠心分離により緩衝液をPBSに交換し、次いで1X PBSで、20μM〜30μM(実験依存性)に最後的に希釈した。Nanodrop2000分光光度計及び22140(M−1cm−1)のタンパク質吸光係数を使用して、タンパク質濃度を決定した。
試料の調製
化合物1a、2’3’cGAMP、及びML RR−S2CDAの200μLの1mMストック溶液を1.5mL微小遠心管により供給した。各実験の前に、試料を200uM〜500uM(実験依存性)の濃度に希釈した。
方法
ITCクリーニングアクセサリー(TA Instruments no 601800.901)を備えたAffinity ITC unit(TA Instruments no 609003.901)でアッセイを実施した。STINGタンパク質溶液、20μM〜30μMのSTINGタンパク質を含有するおよそ400μLをピペットで取り、一部の過充填を許容して185μL熱量計セルに入れた。基準細胞は、当量のMilli−Q水を含有した。100μM〜300μM化合物を20×2.5μL注入し、25℃でインキュベーションを行った。対照ソフトウエアはITC Run Ver.3.3.0.0(TA Instruments)であり、これを使用して、各注入時の加熱速度を表す未加工の熱(μcal/秒)の複数のピークからなるサーモグラムを得た。分析ソフトウエアNano Analyze Ver.3.70(TA Instruments)を使用して、ベースライン補正、ブランク又は試料の希釈熱(飽和における)を補正し、グラフに示された「Q」値を生成する加熱速度ピークを積分した。生成した等温線を非依存性モデルにフィットして、熱力学パラメーターを導き出した。
Kd及びn値(曲線屈曲点でのモル比)を導き出し、報告した。タンパク質及びリガンドの濃度に対する最適条件は初期実験から導き出した。
結果
試験化合物の組換え型ヒト野生型STING(アミノ酸139〜379、H232R)への結合に対する、加熱速度サーモグラム及びこれらから生成した等温線を決定した。各化合物のSTINGへの結合は、負の加熱速度により示されたように吸熱性であり、希釈の発熱性(正の向き)加熱(化合物のタンパク質の飽和を達成後に観察)があった。2’、3’cGAMPは、様々なSTINGバリアントに対する同様の吸熱性応答を生成することが示されている。化合物1aは、0.04μMという最も低いKdを提供し、これに続いて、2’3’cGAMPが0.07μMのKd、次いでML RR−S2 CDAが0.40μMのKdを提供した。すべての化合物は、0.5近くのn値を提供し、これは、STINGタンパク質がダイマーとして存在し、2モルのSTING当たり1モルの化合物が結合していることを示唆する。
実施例112−潜在的代謝物の特定
化合物1aを、CD−1マウス、Sprague Dawleyラット、ビーグル犬、カニクイザル、及びヒトの肝細胞中でインキュベートして、主要な代謝物の形成を評価した。
材料
凍結保存し、プールした肝細胞は、ThermoFisher Scientific(Waltham、MA)、Xenotech、LLC(KansasCity、KS)及びIn Vitro ADMET Laboratories(Columbia、MD)から購入し、適当な培地はIn Vitro ADMET Laboratories(Columbia、MD)及びLife Technologies(Carlsbad、CA)から購入した。AOPI染色溶液及びリン酸緩衝液は、Corning Life Sciences(Tewksbury、MA)及びNexcelom Bioscience(Lawrence、MA)からそれぞれ入手した。分析に使用したすべての化学物質、試薬、及び溶媒は、分析用又はHPLC等級である。
実験計画法及び手順
肝細胞インキュベーション
化合物1aを秤量し、HPLC−水を含有する0.12%ギ酸PBSに溶解して1020mmol/Lにした。次いで、溶液を個々に2.5倍に4mmol/Lまで希釈し、次いで、0.1%ヒト血清アルブミン及び2mmol/L L−グルタミンを含有するWilliams’E培地で21000倍更に希釈して、濃度20μmol/Lの作業ストック溶液を生成した。
インキュベーション前、凍結保存した肝細胞を水槽内で、37℃で解凍した。1本のチューブの凍結保存した肝細胞を、In Vitro ADMET Laboratories(Columbia、MD)から入手した凍結保存した肝細胞回復培地(UCRM)の各50mLコニカルチューブに加えた。Beckman遠心分離(Brea、CA)内で、室温4℃で10分間、740rpmで、GH3.8ローターを用いて細胞を回転させた。上清を取り出し、細胞をカウンティング用のプレーティング培地内に再懸濁させた。細胞をプレーティング培地に再懸濁させた後、20μLの再懸濁液を移し、20μLのAOPI染色溶液と混合した。溶液を穏やかに混合し、Cellometer(Nexcelom、Lawrence、MA)を使用して細胞をカウントした。カウントした後、次いで、細胞を2mmol/L L−グルタミン(pH7.4)を含有するWilliams’E培地内で1又は2百万個の生存細胞/mLで再懸濁させた。
肝細胞懸濁液(50μL/ウェル)を48−ウェルプレートに加えた。化合物1a(20μmol/L)を含有する50マイクロリットルの作業ストック溶液を加えて、反応を開始させた。プレートを組織培養物インキュベーター(5% CO2/95%空気を加湿した雰囲気及び37℃)内に配置し、2010ng/mL フロセミド及び0.2μmol/L (R)−プロプラノロールと共に、100%メタノール/アセトニトリル(1/1、v/v)からなる200μLの停止液を用いて、5、30、60、120、180及び240分の時点で反応を停止させた。混合物を遠心分離させ、濾過し、上清を分析用に収集した。凍結保存した肝細胞の最終濃度は1×106細胞/mLであった。化合物1aの最終インキュベーション濃度は10μmol/Lであった。
代謝物同定のためのLC−MS/MS条件
LC−MS/MSシステムは、Shimadzu HPLC及びAB−SCIEX TripleTOF 5600ハイブリッド四重極及びTOF質量分析器(Framingham、MA)で構成された。Shimadzu HPLC(Kyoto、Japan)は、コミュニケーションバスモジュール(CBM−20A)、付随しているラックチェンジャー(Rack ChangerII)2つのポンプ(LC−30AD)を備えたオートサンプラー(SIL−30AC)、及びカラムオーブン(CTO−30A)からなった。AB−SCIEX APCIのNegative and Positive Calibration Solutions(Framingham、MA)を使用して質量分析器を較正した。肝細胞を用いたインキュベーションから得られた試料を負と正のスキャンモード下で分析した。塩基性分析法及び装置の条件を以下に要約する。分光器設定の改変は分析物の必要性に依存した。
LC−MS/MS条件:
Figure 2021525758
活性データのデータ分析
AB−Sciex Analyst TF(バージョン1.5.1;Framingham、MA)を使用して、質量分析法データを取得した。AB−Sciex PeakView(バージョン2.2.0.1;Framingham、MA)を使用して、クロマトグラム及びスペクトルを得た。抽出したイオンクロマトグラムに対する相対的ピーク領域の比較は、目的の各分析物に対する予想された正確な質量電荷比(m/z)の±0.0002Daに基づいた。
結果
肝細胞とのインキュベーションからの代謝物は検出されなかった。提示された分析条件下で、化合物1aは、およそ7.8分間の保持時間を示した。負のスキャンモード下で、化合物1aは、脱プロトン化分子イオンm/z 745(C242510 )及び二重脱プロトン化分子イオンm/z 372(C242410 2−)を示した。m/z 533(C1919FN10PS)及びm/z 186(C )を有する主要なMS/MS生成物イオンを観察した。正のスキャンモード下で、化合物1aは、m/z 747(C242710 )のプロトン化分子イオン及びm/z 651(C242610PS)、m/z 252(C1011FN )、及びm/z 188(C10 )を有する主要MS/MS生成物イオンを示した。MS及びMS/MSデータは、化合物1aの構造に対して確証的である。
化合物1aは、マウス、ラット、イヌ、サル、及びヒトの肝細胞とのインキュベーションにおいて安定していた。化合物1aの明らかな代謝物をこの実験において同定しなかった。肝細胞とのインキュベーションから得られた試料において、直列質量分析法(MS/MS)の断片により、化合物1aそれ自体のみを検出及び確認することができた。
本開示で参照したすべての文献は、本明細書で参照により組み込まれているが、ただし、任意の組み込まれた文献がこの文書による明細書と矛盾した場合、この文書による明細書が優先されるものとする。当業者であれば、様々な変化及び修正を本明細書に提供されている材料に行うことができ、その材料は本開示の範囲内及び趣旨内であることを認識する。
配列表
配列番号1(WTヒトSTING):
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccgggctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga
配列番号2(REFヒトSTING):
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccatgctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga
配列番号3(AQヒトSTING):
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccgctgaccgagctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccagacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga
配列番号4(WT STING残基155〜341):
VAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDRAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV
配列番号5(His−TEV−Sumo−WT STING 155〜341)
MHHHHHHSSGVDLGTENLYFQSNAMSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGGSVAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDRAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV
配列番号6(REF STING残基155〜341):
VAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDHAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV
配列番号7(His−TEV−Sumo−REF STING 155〜341)
MHHHHHHSSGVDLGTENLYFQSNAMSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGGSVAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDHAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV

Claims (15)

  1. 膀胱がんを治療する方法であって、化合物1:
    Figure 2021525758

    又はその薬学的に許容される塩の有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
  2. 前記薬学的に許容される塩がジアンモニウム塩である、請求項1に記載の方法。
  3. 膀胱がんを治療する方法であって、化合物1:
    Figure 2021525758

    又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物の有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
  4. 膀胱がんを治療するための医薬組成物の調製のための、化合物1:
    Figure 2021525758

    又はその薬学的に許容される塩の使用。
  5. 膀胱がんに対する治療における、化合物1:
    Figure 2021525758

    若しくはその薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の使用。
  6. 膀胱がんを治療する方法であって、
    化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物により治療可能な膀胱がんを有する個体を特定するステップと、
    膀胱がんを治療可能であると特定された前記化合物、薬学的に許容される塩又は医薬組成物の有効量を前記個体に投与するステップと
    を含む、方法。
  7. 前記個体が、前記患者内のREF STING変異体アレルの存在により、化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物で治療可能な膀胱がんを有すると特定される、請求項6に記載の方法。
  8. REF STINGアレルを有する患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
  9. WT STINGアレルを有する患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
  10. AQ STINGアレルを有する患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
  11. HAQ STINGアレルを有する患者において膀胱がんを治療する方法であって、化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
  12. 膀胱がんを治療する方法であって、STINGアゴニストの治療有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
  13. 化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は化合物1若しくは化合物1の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の投与が膀胱内に行われる、請求項1〜3又は6〜12のいずれか一項に記載の方法、又は請求項4又は5に記載の使用。
  14. 前記膀胱がんが筋層非浸潤性膀胱がんである、請求項1〜3又は6〜12のいずれか一項に記載の方法、又は請求項4又は5に記載の使用。
  15. 化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又は前述のいずれか1つを含む医薬組成物の投与が膀胱内投与によるものである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法又は使用。
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