JP2021524733A - 修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ - Google Patents

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Abstract

本発明は、ビタミンD3の生物工学的生成に使用されるビタミンD3前駆物質7−デヒドロコレステロール(7−DHC)のアシル化に対する向上した活性及び/又は特異性を有する修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ酵素に関する。本発明は、前記修飾酵素を発現する宿主株並びにビタミンD3又はその誘導体及び/若しくは代謝産物を生成するプロセスにおけるその使用に更に関する。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ビタミンD3の生物工学的生成に使用されるビタミンD3前駆物質7−デヒドロコレステロール(7−DHC)のアシル化に対する向上した活性及び/又は特異性を有する修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ酵素に関する。本発明は、前記修飾酵素を発現する宿主株並びにビタミンD3又はその誘導体及び/若しくは代謝産物を生成するプロセスにおけるその使用に更に関する。
ビタミンD3(コレカルシフェロール又はカルシオールとしても知られる)は、哺乳動物の皮膚においてプロビタミンD3(7−デヒドロコレステロール又は7−DHCとしても知られる)から合成され得、それは、コレステロール生合成の産物であり、紫外線に曝露されると、7−DHCは、プロビタミンD3に光化学的に変換され、体温において生物活性型ビタミンD3に異性化する。肝臓において、ビタミンD3は、生物学的に不活性な25−ヒドロキシビタミンD3(カルシジオール、カルシフェジオール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、25−OH−D3又はHyDとしても知られる)に変換され、それは、ビタミンD3の主要な循環形である。更なるヒドロキシル化が腎臓内で生じる。
ビタミンD3の工業的製造について、化学合成及び生物工学的合成のいずれも(原則的に)利用可能である。化学合成は、例えば、羊毛脂から単離されたコレステロールから開始され、それは、化学合成及び生物工学的合成のいずれでも重要な中間体である7−DHCに脱水素される。紫外線による曝露及び更なる精製/抽出工程により、7−DHCは、ビタミンD3に変換される。修飾酵母株を7−DHCの生合成に使用することができ、多段階酵素的プロセスでアセチル−CoAが7−DHCに変換される。前記酵素的変換は、酵母の小胞体内で行われる。細胞膜で必要とされない、7−DHC及びその前駆物質などの過剰量のステロールは、酵母に対して毒性であり、したがって細胞小器官内にステリルエステル(いわゆる脂肪滴)として貯蔵され、細胞小器官からそれを更に単離することができる。遊離ステロールと、脂肪滴に貯蔵されるステロール(主にステリルエステルの形態における)との平衡状態は、ステロールアシルトランスフェラーゼの作用など、数種類のタンパク質(酵素)の作用を介して誘発される。酵母、特にサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)において、ステロールのエステル形成は、主に2種類のステロールアシルトランスフェラーゼAre1p及びAre2pによって行われる。
前記ステロールアシルトランスフェラーゼ酵素の非特異的作用のため、脂肪滴内に貯蔵されているステリルエステルのプールは、相対的に多様であり、限定されないが、例えばエルゴステロール、チモステロール、ラノステロール、ラトステロール、コレスタ−5,7,24(25)−トリエノール又は7−DHCのエステルなどが挙げられる。ビタミンD3合成には、7−DHCの前駆物質、コレスタ−5,7,24(25)−トリエノールのみを使用することができ、チモステロールを使用することができないため、例えば7−DHCのエステルなど、脂肪滴内への特異的なエステルの選択的な貯蔵並びに/或いはビタミンD3及び/又はその誘導体若しくは代謝産物に更に変換される、かかる酵母株によって生成される7−DHCの中間体の代謝回転を増加することのいずれかが必要とされる。本発明の焦点でもある特定の代謝産物は、25−ヒドロキシビタミンD3である。
したがって、7−DHCに対する高い生産性/特異性を有し、且つ/又は副産物/中間体、例えばチモステロール、ラノステロール若しくはラトステロール、特に脂肪滴内に貯蔵されるかかる中間体のエステルの蓄積が低減された、ステロールを生成することができる酵母などの宿主細胞を生成することが継続的な課題である。
意外なことに、本発明者らは、ここで、宿主細胞におけるステロールアシルトランスフェラーゼ活性の特異性及び/又は活性が、ARE2及び/又はARE1の配列に特定のアミノ酸置換を導入することによってシフトすることができ、それによりビタミンD3生成における重要な中間体としての7−DHCに対する宿主細胞の生産性が高まることを見出した。
したがって、本発明は、ステロールアシルトランスフェラーゼ活性、すなわち修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ、特にステロールアシルトランスフェラーゼアイソフォームAre1p及び/又はAre2pの活性を有する修飾酵素であって、配列番号1によるポリペプチドにおける11、281、366、442、551、554、572、624、626、627、636及びその組み合わせからなる群から選択される残基に対応する位置での1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、チモステロールなどの副産物/中間体と比較して、7−DHCに対する増加した特異性及び/又は7−DHCのエステルなどのエステル形成に対する増加した活性を有する、修飾酵素に関する。
ARE2活性を示す、配列番号1によるポリペプチドであって、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むポリペプチドがサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)から単離されている。ARE1活性を示す、配列番号3によるポリペプチドであって、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むポリペプチドがサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)から単離されている。
「ステロールアシルトランスフェラーゼ」、「アシルトランスフェラーゼ」、「ARE」、「アシルトランスフェラーゼ活性を有する酵素」又は単なる「酵素」という用語は、本明細書において区別なく使用され、且つ酵素[EC2.3.1.26]、すなわち1つの分子から別の分子に脂肪酸アシル基を転移するアシルトランスフェラーゼを意味する。かかる転移又は酵素活性は、当業者に公知の手段で測定することができる。ステロールアシルトランスフェラーゼは、哺乳動物、酵母又は植物などの様々な起源から単離されている。ARE1及びARE2のいずれも、例えば、チモステロールなどのステロール及び/又は7−DHCをそれぞれのエステルにアシル化することができる。本明細書で使用される「修飾」酵素、すなわち修飾アシルトランスフェラーゼは、例えば、チモステロールのエステル化と比較して、7−DHCのエステル化に対して好ましい活性及び/若しくは特異性を有し、且つ/又は例えば7−DHC若しくはチモステロールなどのステロールエステル全体の向上した形成を有する。好ましいアシルトランスフェラーゼアイソフォームは、Are2p又はAre1pである。本明細書で使用される「非修飾」ステロールアシルトランスフェラーゼ、特にARE1及びARE2は、本明細書で定義される1つ又は複数のアミノ酸置換を保有しないそれぞれの内因性酵素を意味する。
本明細書で定義される修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ活性を保持する、特に本明細書で定義される1つ又は複数のアミノ酸置換を含む、ARE2及び/又はARE1を保持する、本明細書で使用される宿主細胞は、「修飾」宿主細胞と呼ばれる。非修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ活性を保持する、すなわち野生型ARE2及び/又はARE1遺伝子をコードするそれぞれの宿主細胞は、「非修飾」宿主細胞と呼ばれる。
本明細書で使用される、ビタミンD3中間体を特定化する「チモステロール」、「ラノステロール」、「ラトステロール」、「コレスタ−5,8,24(25)−トリエノール」、「コレスタ−5,7,24(25)−トリエノール」又は「7−DHC」という用語は、前記化合物の遊離型及びエステル型の両方を含む。本明細書で使用されるステロールミックスは、7−DHC及び「副産物」又は中間体、限定されないが、チモステロール、ラノステロール、ラトステロール、コレスタ−5,8,24(25)−トリエノール若しくはコレスタ−5,7,24(25)−トリエノールなどを含有する。
本明細書で使用される「コレステロール産生酵母」は、もはやエルゴステロールを産生することができないが、限定されないが、コレスタ−5,7,24(25)−トリエノール、コレスタ−5,8,24(25)−トリエノール、コレスタ−7,24(25)−ジエノール、7−DHC又はチモステロールなどのコレステロール生成物を産生することができる。特に、これは、erg5erg6ダブルノックアウトの導入によって達成され得る。
特に、修飾は、ステロールアシルトランスフェラーゼ2及び/又は1の修飾活性に対応し、すなわちアミノ酸置換を含むARE2及び/又はARE1活性に対応し、好ましくは配列番号1によるポリペプチドにおける11、281、366、442、551、554、572、624、626、627、636及びその組み合わせからなる群から選択される残基に対応する位置での少なくとも1つのアミノ酸置換は、E11、及び/又はL281、及び/又はD366、及び/又はI442、及び/又はH551、及び/又はH554、及び/又はF572、及び/又はF624、及び/又はL626、及び/又はG627、及び/又はC636のアミノ酸置換に対応する。より好ましくは、修飾は、修飾ARE2活性、更により好ましくは配列番号1による修飾ポリペプチドに対応し、11、281、366、442、551、554、572、624、626、627、636及びその組み合わせからなる群から選択される位置での少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている。好ましくは、修飾ARE2及び/又はARE1活性を有する酵素は、S.セレビジエ(S.cerevisiae)などのサッカロミセス属(Saccharomyces)に由来する。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基11に対応する位置にアミノ酸置換、好ましくはグリシンによるグルタミン酸の置換(E11G)を含む。配列番号1における残基E11Gに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基281、366、442、551、554、572、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。好ましくは、配列番号1における残基E11Gに対応する位置でのアミノ酸置換は、配列番号1におけるF624L、G627D、D366V、C636S及び/又はI442Vに対応する位置のアミノ酸置換など、更なる置換と組み合わされ得、より好ましくは配列番号1における残基E11G−F624L、E11G−G627D、E11G−D366V−C636S、E11G−D366V−G627D−C636S、E11G−D366V−F624L−C636S、E11G−D366V−I442V−F624L−C636S又はE11G−D366V−I442V−G627D−C636Sに対応する置換の組み合わせであり、最も好ましい組み合わせは、E11G−D366V−C636S、E11G−D366V−G627D−C636S、E11G−D366V−F624L−C636S、E11G−D366V−I442V−G627D−C636S又はE11G−D366V−I442V−F624L−C636Sから選択される。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書に定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約3〜5倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基281に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはイソロイシンによるロイシンの置換(L281I)を含む。配列番号1における残基L281Iに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1によるポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、366、442、551、554、572、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約1.5倍の範囲で相対的なエステル形成を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基366に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはバリンによるアスパラギン酸の置換(D366V)を含む。配列番号1における残基D366Vに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、554、572、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約3倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
他の実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基442に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはバリンによるイソロイシンの置換(I442V)を含む。配列番号1における残基I442Vに対応する位置の記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、551、554、572、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。好ましくは、配列番号1における残基I442Vに対応する位置でのアミノ酸置換は、配列番号1におけるF624L、L626F及び/又はG627Dに対応する位置でのアミノ酸置換などの更なる置換と組み合わされ得、配列番号1における残基I442V−L626F、I442V−G627D、I442V−F624L−L626F又はI442V−L626F−G627Dに対応する置換の組み合わせがより好ましく、最も好ましい組み合わせは、I442V−G627D、I442V−F624L−L626F又はI442V−L626F−G627Dから選択される。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約2.2〜4.5倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
更なる実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基551に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはチロシンによるヒスチジンの置換(H551Y)を含む。配列番号1における残基H551Yに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、554、572、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約1.7倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基554に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはグルタミンによるヒスチジンの置換(H554Q)を含む。配列番号1における残基H554Qに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、572、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。好ましくは、配列番号1における残基H554Qに対応する位置でのアミノ酸置換は、配列番号1におけるF624L、F572L及び/又はG627Dに対応する位置でのアミノ酸置換などの更なる置換と組み合わされ得、配列番号1における残基H554Q−F572L−F624L又はH554Q−F572L−G627Dに対応する置換の組み合わせがより好ましい。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約1.4倍〜12倍を超える範囲で酵素特異性を増加させることができた。
他の実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基572に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはロイシンによるフェニルアラニンの置換(F572L)を含む。配列番号1における残基F572Lに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、554、624、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に上記で定義される前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約1.7倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基624に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはロイシンによるフェニルアラニンの置換(F624L)を含み、配列番号3によるポリペプチドにおけるF592Lの置換に対応する。配列番号1における残基F624Lに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、554、572、626、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約3.1倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基626に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはフェニルアラニンによるロイシンの置換(L626F)を含む。配列番号1における残基L626Fに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、554、572、624、627及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に上記で定義される前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約2.2倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基627に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはアスパラギン酸によるグリシンの置換(G627D)を含み、配列番号3によるポリペプチドにおけるG595Dの置換に対応する。配列番号1における残基G627Dに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、554、572、624、626及び/又は636に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に上記で定義される前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約2.2倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
一実施形態において、本明細書で定義される修飾酵素、特に修飾ARE2及び/又はARE1活性は、配列番号1によるポリペプチドにおける残基636に対応する位置でのアミノ酸置換、好ましくはセリンによるシスチンの置換(C636S)を含む。配列番号1における残基C636Sに対応する位置での記載のアミノ酸置換は、本明細書で定義される更なる置換、すなわち配列番号1による且つ本明細書に記載のポリペプチドにおけるアミノ酸残基11、281、366、442、551、554、572、624、626及び/又は627に対応する1つ又は複数の位置での置換と組み合わされ得る。かかる修飾酵素、特に前記アミノ酸置換の1つを含む配列番号1による酵素を保有するコレステロール産生酵母を使用すると、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて少なくとも約3倍の範囲で酵素特異性を増加させることができた。
例えば、ARE2及び/又はARE1など、本発明による修飾ステロールアシルトランスフェラーゼは、好ましくは、配列番号1によるポリペプチドにおけるF624Lに対応する位置での少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、約4の酵素特異性が得られる。これは、1つ又は複数の更なるアミノ酸置換、例えばF572L及び/又はH554Qに対応する位置でのアミノ酸置換を導入することによって増加させることができ、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて12倍を超える範囲で酵素特異性が増加する。
本発明の他の実施形態による修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ、例えばARE2及び/又はARE1などは、好ましくは、配列番号1によるポリペプチドにおけるG627Dに対応する位置での少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、4を超える酵素特異性が得られる。これは、1つ又は複数の更なるアミノ酸置換、例えばF572L及び/又はH554Qに対応する位置でのアミノ酸置換を導入することによって増加させることができ、本明細書で定義される非修飾酵母を使用した場合と比べて酵素特異性が約5倍だけ増加する。
本明細書で使用されるARE2及び/又はARE1の活性は、修飾される。これは、例えば、ARE2及び/又はARE1をコードする内因性遺伝子に変異、すなわち本明細書に記載の1つ又は複数の位置でのアミノ酸置換を導入することによって達成され得る。酵母細胞をどのように遺伝子操作して、ARE2及び/又はARE1活性が修飾されるかは、当業者に公知である。これらの遺伝子操作としては、限定されないが、例えば遺伝子置換、遺伝子増幅、遺伝子破壊、トランスフェクション、プラスミド、ウイルス又は他のベクターを用いた形質転換が挙げられる。
核酸又はアミノ酸内への変異の生成、すなわち変異誘発は、様々な方法において、例えばランダム若しくは部位特異的突然変異誘発、例えば放射線、化学的治療などの薬剤又は遺伝因子の挿入によって起こる物理的ダメージなどによって行われ得る。
本発明は、特に、7−DHC、ビタミンD3の中間体を生成するプロセスにおける、本明細書で定義されるかかる修飾ARE2及び/又はARE1酵素の使用に関する。好ましくは、本発明の修飾酵素は、酵母、好ましくはステロール産生酵母、特にコレステロール産生酵母細胞、例えばサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces spp.)、ピキア属(Pichia spp.)、クルイベロミセス属(Klyuveromyces spp.)、ハンゼヌラ属(Hansenula spp.)又はヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、好ましくはS.セレビジエ(S.cerevisiae)から選択される酵母など、適切な宿主細胞に導入され、且つ/又は発現される。修飾宿主は、ビタミンD3及び/又は25−ヒドロキシビタミンD3に更に変換され得る7−DHCを生成するために使用される。
適切な宿主細胞を更に修飾して、ビタミンD3の生合成に対する重要な中間体、7−DHCの生成が更に増加され、且つ/又は副産物の蓄積が低減され得る。
したがって、一実施形態において、本発明は、修飾ARE2及び/又はARE1活性を有する酵母株に関し、更に、ERG5及びERG6は、不活化されている。酵母細胞は、前記酵母細胞内で発現することができる限り、コレスタ−7,24−ジエノール、チモステロール又はトリエノール(例えば、コレスタ−5,7,25−トリエノール)上で活性である異種C24−レダクターゼ、好ましくは植物若しくは脊椎動物ステロールΔ24−レダクターゼ、より好ましくは脊椎動物由来のレダクターゼ、更により好ましくはヒト、ブタ、イヌ、マウス、ラット、ウマ、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)又は既知のいずれかの源由来のレダクターゼなど、EC1.3.1.72から特に選択される、C24−レダクターゼ活性を有する異種酵素の発現によって更に修飾され得る。最も好ましくは、ステロールΔ24−レダクターゼは、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)、ラット又はヒトから選択される。前記ステロールΔ24−レダクターゼ酵素を発現する配列は、公的に入手可能であり、限定されないが、UniProtKB/Swiss−Prot参照番号Q15392、Q60HC5、Q8VCH6、Q5BQE6、Q39085又はP93472(例えば、国際公開第2003064650号パンフレットを参照されたい)が挙げられる。
他の実施形態において、本発明による宿主細胞は、例えば、C5−ステロールデサチュラーゼ(ERG3)及び/又はC8−ステロールイソメラーゼ(ERG2)など、7−DHCの生合成に関与する内因性酵素のホモログの導入によって更に修飾され得、7−DHCの特異性及び/又は生産性が増加すると共に、限定されないが、チモステロール、ラノステロール及び/又はラトステロールなどの副産物又はビタミンD3中間体の蓄積が低減される。
特定の実施形態において、本発明は、7−DHCの生成に関して宿主細胞を向上させるプロセスであって、その細胞は、本明細書で定義される修飾宿主細胞、すなわち本明細書において定義されるステロールアシルトランスフェラーゼARE2及び/又はARE1における1つ又は複数のアミノ酸置換の導入によって修飾された修飾宿主細胞、特にコレステロール産生酵母細胞であり、好ましくはERG5及びERG6が不活化されており、任意選択的に、本明細書で定義されるC−24−レダクターゼ活性を有する異種酵素が発現され、且つ/又は任意選択的に、内因性ERG2及び/又はERG3のホモログが発現される、酵母細胞であり、宿主細胞は、前記宿主細胞によって産生されるステロールの総量中の7−DHCのパーセンテージが、本明細書で定義される非修飾宿主細胞と比較して増加し、且つ/又はステロールの産生に対する宿主細胞の活性が増加するように改善される、プロセスに関する。
一実施形態において、本発明は、本明細書で定義される少なくとも1つ又は複数のアミノ酸置換を含む修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ、特に修飾ARE2及び/又はARE1に関し、酵素の特異性は、非修飾酵素の特異性と比べて増加し、かかる修飾ステロールアシルトランスフェラーゼを保有する適切な宿主細胞によって産生されたステロールミックス中の例えばチモステロールなどの副産物に対する7−DHCの比が高くなる。その比は、例えば、それぞれのARE2及び/又はARE1配列におけるH554Qに対応するアミノ酸置換の導入などにより、少なくとも約1.4倍だけ増加され得、例えばそれぞれのARE2及び/又はARE1配列におけるE11G−F624L、I442V−G627D又はI442V−F624L−L626Fに対応するアミノ酸置換の導入などにより、少なくとも3倍だけ増加され、例えばそれぞれのARE2及び/又はARE1配列におけるF624L又はG627Dに対応するアミノ酸置換の導入などにより、少なくとも4倍だけ増加され、例えばそれぞれのARE2及び/又はARE1配列におけるH554Q−F572L−G627D又はE11G−D366V−I442V−G627D−C636Sに対応するアミノ酸置換の導入などにより、少なくとも5、10又は12倍以上だけ増加され得る。
一実施形態において、本発明は、本明細書で定義される少なくとも1つ又は複数のアミノ酸置換を含む修飾ステロールアシルトランスフェラーゼ、特に修飾ARE2及び/又はARE1に関し、酵素の活性が非修飾酵素の活性と比べて増加し、ステロール及び/又はステリルエステルの全体的産生が高くなり、修飾ステロールアシルトランスフェラーゼを保有する適切な宿主細胞によって産生される7−DHCの量が高くなる。したがって、相対的なエステル形成、すなわち遊離7−DHCに対するすべてのエステルの比は、例えば、それぞれのARE2及び/又はARE1配列におけるH55Q又はH554Q−F572Lに対応するアミノ酸置換の導入などによって少なくとも1.2倍だけ増加され得、例えばそれぞれのARE2及び/又はARE1配列におけるI442V−G627D又はI442V−L626F−G627Dに対応するアミノ酸置換の導入などによって少なくとも2倍又は3倍だけ増加され得る。7−DHC総生産は、本明細書に記載の1つ又は複数のアミノ酸置換の導入によって少なくとも約1.2〜1.4倍だけ増加され得る。
修飾宿主細胞、例えばステロール産生酵母などの酵母、特に本明細書に記載のコレステロール産生酵母を使用した場合、ステロールミックス中の7−DHCのパーセンテージを、ステロールの総量に対して少なくとも40%、例えば50、60、70、80、90%の7−DHCに増加させることができた。
本発明の一態様において、本明細書で定義される修飾ARE2及び/又はARE1活性を含む宿主細胞がビタミンD3前駆物質7−DHCを産生するプロセスで使用される。それぞれのコレステロール産生宿主細胞に関して、好気性又は無気的条件下において且つ当業者に公知のように、適切な栄養で補われた水性媒体中で修飾宿主細胞が培養され得る。任意選択的に、かかる培養は、当技術分野で公知のように、タンパク質及び/又は電子の移行に関与する補因子の存在下にある。宿主細胞の培養/増殖は、バッチ、フェドバッチ、半連続又は連続式で行われ得る。宿主細胞に応じて、好ましくは、ビタミンD3及び7−DHCなどのその前駆物質の生成は、当業者に公知であるように様々であり得る。ビタミンD3の生成における7−DHC及び他の中間体の培養及び単離は、例えば、国際公開第2011067144号パンフレット又は国際公開第2017108799号パンフレットに記載されている。7−DHCは、ステロールミックスから単離され、且つ/又は任意選択的に更に精製され得、当技術分野で公知の方法を用いてビタミンD3及び/又は25−ヒドロキシビタミンD3に更に変換され得る。
「ARE1」及び「Are1p」、「ARE2」及び「Are2p」、「ERG5」及び「Erg5p」、「ERG6」及び「Erg6p」という用語は、本明細書において区別なく使用され、それぞれの遺伝子are1、are2、erg5及びerg6によってコードされるポリペプチドを意味する。本発明の目的のために、コレステロール産生酵母細胞は、ARE2及び/又はARE1の修飾活性を示す例えば内因性ARE2、ARE1又はその両方の修飾を保持し、ARE2及び/又はARE1の修飾特異性が得られるように修飾され、前記修飾は、本明細書で定義される1つ又は複数のアミノ酸置換の導入を含む。
ERG5、ERG6、ARE1、ARE2、ERG2、ERG3又はステロールΔ24−レダクターゼ(ERG4)をコードする遺伝子、本明細書において使用される酵母細胞の培養及び遺伝子操作は、公知であり、例えば米国特許第7608421号明細書に記載されている。
本明細書で使用される「C−24−レダクターゼ」又は「Δ24−レダクターゼ」という用語は、本明細書において区別なく使用される。酵母において、この酵素は、erg4によってコードされ、位置24の炭素原子のメチル基に対して活性である。したがって、前記位置でかかるメチル基を示さないトリエノールは、酵母ERG4に対して許容可能な基質ではない。
「C−8ステロールイソメラーゼ」、「Δ8,7−イソメラーゼ」又は「C−8ステロールイソメラーゼを有する酵素」という用語は、本明細書において区別なく使用され、コレスタ−8−エノールのコレスタ−7−エノールへの変換及び/又はチモステロールのコレスタ−7,24−ジエノールへの変換を触媒することができる酵素を意味する。酵母において、この酵素は、erg2によってコードされる。本発明による修飾宿主細胞において使用される好ましいERG2ホモログは、配列番号5と少なくとも41%、例えば少なくとも44、45、48、49、53、56、60、70、80、90、92、95、98又は100%までの同一性を有するポリペプチドであり、C−8ステロールイソメラーゼ活性を示し、Ustilago maydisから入手可能なかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。特に、前記ERG2ホモログの少なくとも1、2、3、5つなど、1つ又は複数のコピーは、本明細書で定義される修飾宿主細胞において発現される。
「C−5ステロールデサチュラーゼ」、「C−5ステロールデサチュラーゼを有する酵素」、「デサチュラーゼ」又は「ERG3−ホモログ」という用語は、本明細書において区別なく使用され、コレスタ−8−エノールのコレスタ−7,24−ジエノールへの変換並びに/又はコレスタ−7−エノールのコレスタ−5,7,24−トリエノール及び/若しくは7−DHCへの変換を触媒することができる酵素を意味する。酵母において、この酵素は、erg3によってコードされる。本発明による修飾宿主細胞において使用される好ましいERG3ホモログは、配列番号7と少なくとも45%、例えば少なくとも50、52、60、70、80、90、92、95、98又は100%までの同一性を有するポリペプチドであり、C−5ステロールデサチュラーゼ活性を示し、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)から入手可能なかかるポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドを含む。特に、前記ERG3ホモログの少なくとも1、2、3、5つなど、1つ又は複数のコピーは、本明細書で定義される修飾宿主細胞において発現される。
本明細書で定義される「相対的なエステル形成」とは、(すべてのエステル/遊離7−DHC)mutant/(すべてのエステル/遊離7−DHC)wtの比である。本明細書で定義される酵素「特異性」とは、(7−DHCエステル/チモステロールエステル)mutant/(7−DHCエステル/チモステロールエステル)wtの比である。本明細書で定義される「7−DHC総生産」は、(総7−DHC)mutant/(7−DHC)wtの比である。
本明細書で使用される、酵素に関する「特異的活性」又は「活性」という用語は、その触媒活性、すなわち所定の基質からの産物の形成を触媒するその能力を意味する。所定の時間内及び定義された温度において、タンパク質の定義された量当たりで消費される基質及び/又は生成される産物の量が特異的活性によって定義される。通常、特異的活性は、タンパク質1mg当たり1分当たりで消費される基質又は形成される産物μmolで表される。通常、μmol/分は、U(=単位)によって省略される。したがって、μmol/分/(タンパク質mg)又はU/(タンパク質mg)の特異的活性の単位定義は、本明細書全体を通して区別なく使用される。酵素がその触媒活性を生体内、すなわち本明細書で定義される宿主細胞内又は適切な基質の存在下において適切な(無細胞)システム内で発揮する場合、酵素は、活性である。当業者であれば、例えばHPLCなどによる測定など、どのように酵素活性を測定するかを知っている。
本発明に関して、例えば、微生物、菌類、藻類又は植物などの生物は、原核生物の命名法の国際コード又は菌類、藻類及び植物の命名法の国際コード(メルボルンコード)によって定義される、同じ生物学的特性を有するかかる種の異名又はバソニムも包含する。
特に、本発明は、本発明の以下の実施形態を特徴とする:
(1)配列番号1によるポリペプチドにおける11、281、366、442、551、554、572、624、626、627、636及びその組み合わせからなる群から選択される残基に対応する位置での1つ又は複数のアミノ酸置換を含む、ステロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する、ステロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する、本明細書で定義される修飾酵素。
(2)7−デヒドロコレステロール及びチモステロールを含むステロールのエステル化を触媒し、ステロールエステルにおけるチモステロールに対する7−DHCの比は、それぞれの非修飾酵素を用いた触媒におけるチモステロールに対する7−DHCの比と比較して少なくとも約1.4倍だけ増加される、本明細書で定義され且つ実施形態(1)の修飾酵素。
(3)アミノ酸置換は、F624L、G627D、E11G、H554Q、I442V及びその組み合わせから選択される、本明細書で定義され且つ実施形態(1)又は(2)の修飾酵素。
(4)本明細書で定義され且つ実施形態(1)、(2)、(3)のいずれかによる修飾酵素を含む宿主細胞、好ましくは酵母、より好ましくはステロール産生酵母、更により好ましくはコレステロール産生酵母であって、前記宿主細胞は、任意選択的に、配列番号3によるポリペプチドにおける592及び/又は595から選択される残基に対応する位置での1つ又は複数のアミノ酸置換、好ましくはF592L及び/又はG595Dに対応する置換を更に含む、宿主細胞、好ましくは酵母、より好ましくはステロール産生酵母、更により好ましくはコレステロール産生酵母。
(5)7−DHC及びチモステロールを含むステロールミックスの生成に使用され、チモステロールに対する7−DHCの比は、非修飾酵素を発現する宿主細胞と比較して少なくとも約1.4倍だけ増加される、本明細書で定義され且つ実施形態(4)の宿主細胞。
(6)任意選択的に、
− ERG5及びERG6の不活化、及び/又は
− ステロールΔ24−レダクターゼ活性を有するEC1.3.1.72から選択される異種酵素の発現であって、好ましくは、異種酵素は、植物又は脊椎動物に由来し、より好ましくはヒト、ブタ、イヌ、マウス、ラット、ウマ又はゼブラフィッシュ(Danio rerio)に由来する、発現
を更に含む、本明細書で定義され且つ実施形態(4)又は(5)の宿主細胞。
(7)チモステロール及び7−DHCを含むステロールミックス中のチモステロールのパーセンテージを低減するプロセスであって、適切な条件下において、本明細書で定義され且つ実施形態(4)、(5)若しくは(6)の1つの宿主細胞を培養する工程と、任意選択的に、ステロールミックスから7−DHCを単離及び/若しくは精製する工程とを含むプロセス又は7−DHC及びチモステロールを含むステロールミックス中の7−DHCのパーセンテージを増加するプロセスであって、適切な条件下において、本明細書で定義され且つ実施形態(4)、(5)若しくは(6)の1つの宿主細胞を培養する工程と、任意選択的に、ステロールミックスから7−DHCを単離及び/若しくは精製する工程とを含むプロセス。
(8)本明細書で定義され且つ実施形態(4)、(5)又は(6)の1つの宿主を用いる、チモステロール及び7−DHCを含むステロールミックスへのアセチル−CoAの酵素的変換を含む、7−DHCの生成のプロセスであって、ステロールミックス中の7−DHCのパーセンテージは、少なくとも40%であり、任意選択的に、7−DHCは、ビタミンD3及び/又は25−ヒドロキシビタミンD3に更に変換される、プロセス。
(9)7−DHCの生成のプロセスにおける、本明細書で定義され且つ実施形態(1)、(2)、(3)のいずれかの修飾酵素又は本明細書で定義され且つ実施形態(4)、(5)若しくは(6)の1つの宿主細胞の使用であって、7−DHCは、チモステロール及び7−DHCを含むステロールミックスから単離され、チモステロールに対する7−DHCの比は、それぞれの非修飾酵素及び宿主細胞を用いたプロセスと比較してそれぞれ少なくとも約1.4倍だけ増加される、使用。
ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#2及び#1の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。7−DHCのエステル(「7−DHCエステル」)及びチモステロールのエステル(「Zymエステル」)に関して、それぞれのカラムに濃い灰色と薄い灰色によって示されるように、2つのエステル形が検出された。遊離7−DHCは、黒色で示される。(A)エステル形成に対する7−DHCの比、(B)総チモステロールエステル対する総7−DHC(遊離及びエステル形を含む)の比、(C)異なるカラムによって示される遊離7−DHC、7−DHCエステル及びチモステロールエステルの形成。バッフルなしでフラスコ内に2つのグルコースを流加して株を2日間培養した。データは、それぞれ1回培養された3つの独立した形質転換株の平均値である。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#2及び#1の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。バッフルなしでフラスコ内に1つのグルコースを流加して株を4日間培養した。データは、それぞれ1回培養された2つの独立した形質転換株の平均値である。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#9及び#1の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#24及び#20の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#22及び#27の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#20、#22、#27及び#22の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#34、#32、#43、#24、#20、#22及び#27の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#9、#35、#36、#39及び#40の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#27、#33、#34、#37及び#38の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。 ARE2野生型株(「WT」)並びにAre2バリアント#41、#42、#43、#24及び#20の脂質抽出物のHPLC分析(表1を参照されたい)。更なる詳細については、図1の説明文を参照されたい。HPLC分析は、標準手順に従う。更なる詳細については、本文を参照されたい。
以下の実施例は、単に例証となるものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
[実施例]
[実施例1:ARE2変異体の生成及びスクリーニング]
ステロールエステル画分中の7−DHC含有量の向上に関して、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)アシルトランスフェラーゼ2(ScAre2)のバリアントを発現する10,000酵母クローンのエラープローン(error prone)ライブラリを薄層クロマトグラフィー(TLC)によってスクリーニングした(ARE1及びARE2の野生型配列に対して(配列表を参照されたい)。スクリーニング方法は、わずかに細胞壁が消化された細胞からステロールを同時に抽出及び分離することを含む。処理されたバイオマスをTLCプレートに直接適用し、溶媒に浸漬し、1つの工程でステロール含有画分が抽出及び分離された。ステロールエステル画分中の、共役二重結合を有するステロール(例えば、7−DHCとしての)の比は、共役二重結合を有する化合物の様々な分光光度的特性(例えば、蛍光、紫外線検出を消光する能力)を利用することにより、共役二重結合を有さないステロールに対して設定された。
最良のバリアントを5回反復で再スクリーニングし、配列決定し、振とうフラスコ中で培養し、HPLC−UVによって生物学的3回反復で分析して、ステロール及びステロールエステル組成を決定した。
最良のバリアントを含有するプラスミドを単離し、コレスタ−5,7,24−トリエノール産生サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)株10Aに再び形質転換した(are1 are2 erg5 erg6::24R;構成については、国際公開第2017108799号パンフレットの実施例1を参照されたい)。部位特異的突然変異誘発により、それぞれの変異をARE2に導入することにより、複数のアミノ酸の交換を有するバリアントの変異が分離され(サイレント変異は考慮に入れなかった)、いずれの変異が所望の効果を生じたかを調べた。株を培養し、HPLCによって分析した。
[実施例2:HPLC−UV分析の標準手順]
ジェネテシン(100μg/mL)を含む前培養物 − 10ml − YPDに本発明者らの対象の株を接種し(3つの形質転換株/Are2バリアント)、30℃で適切な密度に増殖させた(24〜48時間)。より良好に比較するために、野生型ARE2プラスミドを有する3つの異なる形質転換株も接種し、それをバリアントと同時に形質転換した。バッフルなしで250mL振とうフラスコ内でジェネテシンを含む50mL YPDの本培養物を0.1OD600に接種し、200rpm及び30℃、湿度80%において、3回グルコースを流加して3日間培養した(およそ30、45及び60時間後にグルコースを最終濃度2%まで添加した)。バイオマス200OD単位を15mL Greinerチューブに収集し(1600×gで5分間遠心し、上澄を除去した)、分析まで−20℃で保管した。
抽出のために、200ODの細胞ペレットを解凍し、1mLザイモリエイス(zymolyase)溶液(50mM KPi中の5mg/mLザイモリエイス20T、pH7、1M D−ソルビトールを含む)に再懸濁し、37℃で15分間インキュベートした(サーモミキサー上で750rpm)。遠心分離(2500×g、5分)した後、ザイモリエイス溶液を除去し、無水EtOH 3.73mLをペレットに添加した(慎重に上下にピペット操作して1mLで再懸濁し、次いで更に2.73mLを添加した)。内標準267μL(酢酸コレステリル、EtOH中に1mg/mL)を添加し、細胞浮遊液をボルテックスし、混合しながら70℃に1時間加熱した(サーモミキサー上で750rpm)。チューブを数分間放置して室温に冷却した後、壊死組織片をペレット化し(2500×g、室温で10分間)、上澄3mLをパイレックス(Pyrex)チューブに移し、それをN下で乾燥させた。酢酸エチル200μL中に脂質を取り込んだ(サーモミキサー上で750rpmにおいて40℃で15分間ボルテックスし、混合した)。溶液をもう一度遠心分離し(2500×g、5分)、その後のHPLC−UV分析のためにインレーを有するガラスバイアルに移した。
2つの波長(210nm及び280nm)での紫外線検出を用いたHPLCにより、脂質抽出物を分析した。チモステロール化合物を210nmで検出し、7−DHC化合物を280nmで定量化した。
溶媒:80%EtOH 20%MeOH 0.1%TFA
カラム:YMC−Pack Pro C18 RS
方法:注入体積:10μL
注入器サーモスタット:40℃
流量:0.6mL/分
カラムサーモスタット:20℃
紫外線検出:210nm、280nm(共役二重結合を有するステロール)
3通りの濃度の7−DHC、チモステロール、酢酸コレステリル及びスクアレンの標準混合物(それぞれの物質0.5、1.0及び2.0mg/mL)を同様に分析し、標準曲線をそれぞれの物質に対して作成して、抽出物中のステロールμg/μL又はμg/OD600の濃度を計算した。
[実施例3:活性及び/又は特異性に関するARE2バリアントの評価]
直接、比較をするために、野生型ARE2プラスミドを、Are2バリアントを発現するプラスミド(実施例1を参照されたい)と共に株10Aに再形質転換し、得られた株を同じ試験で分析した(実施例2を参照されたい)。HPLC分析の結果を表1及び図1〜10にまとめる。表の値は、野生型と比較して変異体/バリアントを発現する株間の倍変化を示す。最初の値は、エステル画分と遊離7−DHC画分との比に関する改善を示し、第2の値は、エステル画分中の7−DHCとチモステロールとの比に関する改善を示す。第3の値は、変異体及び野生型のバイオマス中の7−DHC総含有量の比較である。記載のバリアントの一部は、特にエステルレベルの向上を示すのに対して、他は、エステル画分中の7−DHC/チモステロール比の向上を示した。
Figure 2021524733
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Claims (14)

  1. 配列番号1によるポリペプチドにおける11、281、366、442、551、554、572、624、626、627、636及びその組み合わせからなる群から選択される残基に対応する位置での1つ又は複数のアミノ酸置換、好ましくはE11G、及び/若しくはL281I、及び/若しくはD366V、及び/若しくはI442V、及び/若しくはH551Y、及び/若しくはH554Q、及び/若しくはF572L、及び/若しくはF624L、及び/若しくはL626F、及び/若しくはG627D、及び/若しくはC636S並びに/又はその組み合わせに対応する1つ又は複数のアミノ酸置換を含む、ステロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する、ステロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する修飾酵素。
  2. 7−デヒドロコレステロール(7−DHC)及びチモステロールを含むステロールのエステル化を触媒し、ステロールエステル中のチモステロールに対する7−DHCの比は、それぞれの非修飾酵素を用いた触媒におけるチモステロールに対する7−DHCの比と比較して少なくとも約1.4倍だけ増加される、請求項1に記載の修飾酵素。
  3. 前記アミノ酸置換は、F624L、G627D、E11G、H554Q、I442V及びその組み合わせから選択される、請求項1又は2に記載の修飾酵素。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の修飾酵素を含む宿主細胞、好ましくは酵母、より好ましくはステロール産生酵母、更により好ましくはコレステロール産生酵母。
  5. 配列番号3によるポリペプチドにおける592及び/又は595から選択される残基に対応する位置での1つ又は複数のアミノ酸置換、好ましくはF592L及び/又はG595Dに対応する置換を更に含む、請求項4に記載の宿主細胞。
  6. 7−DHC及びチモステロールを含むステロールミックスの生成に使用され、チモステロールに対する7−DHCの比は、非修飾酵素を発現する宿主細胞と比較して少なくとも約1.4倍だけ増加される、請求項4又は5に記載の宿主細胞。
  7. ERG5及びERG6は、不活化されている、請求項3〜6のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  8. ステロールΔ24−レダクターゼ活性を有するEC1.3.1.72から選択される異種酵素を発現し、好ましくは、前記異種酵素は、植物又は脊椎動物に由来し、より好ましくはヒト、ブタ、イヌ、マウス、ラット、ウマ又はゼブラフィッシュ(Danio rerio)に由来する、請求項3〜7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  9. チモステロール及び7−DHCを含むステロールミックス中のチモステロールのパーセンテージを低減するプロセスであって、適切な条件下において、請求項4〜8のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することと、任意選択的に、前記ステロールミックスから前記7−DHCを単離及び/又は精製することとを含むプロセス。
  10. 7−DHC及びチモステロールを含むステロールミックス中の7−DHCのパーセンテージを増加させるプロセスであって、適切な条件下において、請求項4〜8のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することと、任意選択的に、前記ステロールミックスから前記7−DHCを単離及び/又は精製することとを含むプロセス。
  11. 請求項4〜8のいずれか一項に記載の宿主細胞を用いる、チモステロール及び7−DHCを含むステロールミックスへのアセチル−CoAの酵素的変換を含む、7−DHCの生成のプロセスであって、前記ステロールミックス中の7−DHCのパーセンテージは、少なくとも40%である、プロセス。
  12. 前記7−DHCは、ビタミンD3に更に変換される、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記7−DHCは、25−ヒドロキシビタミンD3に更に変換される、請求項11又は12に記載のプロセス。
  14. 7−DHCの生成のプロセスにおける、請求項1〜3のいずれか一項に記載の修飾酵素又は請求項4〜8のいずれか一項に記載の宿主細胞の使用であって、前記7−DHCは、チモステロール及び7−DHCを含むステロールミックスから単離され、チモステロールに対する7−DHCの比は、それぞれの非修飾酵素及び宿主細胞を用いたプロセスとそれぞれ比較して少なくとも約1.4倍だけ増加される、使用。
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