本発明は、ヒューマンマシンインタラクション技術分野に関し、詳しくは表示端末及び表示制御方法に関する。
スマート端末の社会生活における普及率がますます高くなってきた。ユーザとスマート端末がインタラクションを行うための主要入口として、端末の表示インターフェイスは、ヒューマンマシンインタラクションにおけるユーザ体験に対して大きな影響を及ぼしている。
本発明の実施例は、表示端末及び表示制御方法を提供し、フレキシブルディスプレイのフォルダブル特性及びフレキシブル特性を利用して、フレキシブルディスプレイの曲げ情報(例えば、曲げられるときの折り目)を用いてヒューマンマシンインタラクションを実現する。
フレキシブルディスプレイのフォルダブル特性及びフレキシブル特性を利用してフレキシブルディスプレイの曲げ情報(例えば、曲げられるときの折り目)を活用してヒューマンマシンインタラクションを実現するためには、フレキシブルディスプレイの曲げ形態パラメータを検知して、曲げ形態パラメータと端末の調整対象画面の動的調整パラメータとの対応関係を構築することによって、調整対象画面の動的パラメータに基づいて当該画面における動的表示を制御することができる。しかしながら、このような方法は実現可能な結果しか示しておらず、実現するためのプロセス、例えば、フレキシブルディスプレイの曲げ方向を利用して画面中の動的表示を確定するための方法などを記載していない。
以上の技術的課題を解決するために、本発明は表示端末及び表示制御方法を提供する。
本発明の1つの様態によると、本発明の実施例は表示端末を提供する。当該表示端末は、フレキシブル表示パネルと、アレイ状に配置される複数のフレキシブルセンサーであるセンサーを含んで前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力を電気抵抗値の変化に変換するセンサー層と、複数の前記センサーの電気抵抗値の変化を制御信号に変換する演算ユニットと、前記演算ユニットの制御信号を受信し、制御信号によって前記フレキシブル表示パネルにおける動的表示を制御する制御部と、を備える。
本発明の他の態様によると、本発明の実施例は表示制御方法を更に提供する。当該方法は、アレイ状に配置される複数のセンサーを備えるフレキシブル表示パネルを用意するステップと、前記フレキシブル表示パネルが曲げ状態にあるときの前記複数のセンサーの電気抵抗変化値を取得するステップと、前記複数のセンサーの電気抵抗変化値に基づいて、前記フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定するステップと、前記折り目位置にある前記センサー及び前記折り目位置の両側にある前記センサーの電気抵抗変化値に基づいて、前記フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得するステップと、を含む。
本発明の実施例により提供される表示端末は、フレキシブルディスプレイのフレキシブル特性及びフォルダブル特性を利用する。フレキシブルディスプレイが任意の位置において折り曲げ力を受けた場合、フレキシブルディスプレイは折り曲げ力の作用を受けて曲がり、フレキシブル表示パネルの中にあるセンサーは当該折り曲げ力を受けて電気抵抗値の変化が発生する。電気抵抗値の変化に基づいてフレキシブルディスプレイの曲げ情報を取得するとともに、当該曲げ情報を、フレキシブル表示パネルの表示対象を制御するための制御情報(例えば、表示対象の運動情報、表示対象の拡大縮小情報)に変換することによって、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の表示を制御することができる。つまり、フレキシブル表示パネルのフォルダブル性能を利用してフレキシブル表示パネルにより表示される情報に対する動的調整を実現する具体的プロセスを提供することによって、フレキシブル表示パネルの表示効果の多様性及び個性化に対するユーザのニーズを満たして、フレキシブル表示パネルとヒューマンマシンインタラクションを行うときのユーザ体験を向上させることができる。
本発明の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。
本発明の他の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。
本発明の他の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示端末における表示対象の運動方向を示す模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示制御方法において、表示対象の制御情報に含まれる運動角度と、アレイ状に配置されるセンサーのアレイ方向との間の関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術案について明確で完全な説明を行う。
図1は、本発明の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。当該表示端末は、フレキシブル表示パネル1、演算ユニット2及び制御部3を備える。ここで、フレキシブル表示パネル1の中には複数のフレキシブルセンサーを含むセンサー層が配置されており、センサー層は前記フレキシブル表示パネルが受ける折り曲げ力を電気抵抗値の変化に変換する。演算ユニット2は複数のセンサーの電気抵抗値の変化を制御信号に変換する。制御部3は、前記演算ユニット2の制御信号を受信して、制御信号によってフレキシブル表示パネルにおける動的表示を制御する。フレキシブル表示パネルは外部からの折り曲げ力を受けて曲がるため、フレキシブル表示パネル1の中に配置されるセンサーも折り曲げ力を受けて曲がって、電気抵抗値の変化が発生する。フレキシブル表示パネルの中にある1つのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きい場合、すなわち当該センサーは折り曲げ力を受けて変形が発生した。センサーはフレキシブル表示パネルの中でアレイ状に配置されており、且つアレイ状に配置されるセンサーが占める面積はフレキシブル表示パネルの表示画面の面積以上であるため、演算ユニット2は、複数のセンサーの電気抵抗変化値を取得した後、折り曲げ力を受けたセンサーの位置を電気抵抗変化値に基づいて取得することができ、したがってフレキシブル表示パネルにおいて曲げを受けた具体的な位置を特定することができる。
本発明の実施例により提供される表示端末は、フレキシブルディスプレイのフレキシブル特性及びフォルダブル特性を利用する。フレキシブルディスプレイが任意の位置において折り曲げ力を受けた場合、フレキシブルディスプレイは折り曲げ力の作用を受けて曲がり、フレキシブル表示パネルの中にあるセンサーは当該折り曲げ力を受けて電気抵抗値の変化が発生する。電気抵抗値の変化に基づいてフレキシブルディスプレイの曲げ情報を取得するとともに、当該曲げ情報を、フレキシブル表示パネルの表示対象を制御するための制御情報(例えば、表示対象の運動情報、表示対象の拡大縮小情報)に変換することによって、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の表示を制御することができる。つまり、フレキシブル表示パネルのフォルダブル性能を利用してフレキシブル表示パネルにより表示される情報に対する動的調整を実現する具体的プロセスを提供することによって、フレキシブル表示パネルの表示効果の多様性及び個性化に対するユーザのニーズを満たして、フレキシブル表示パネルとヒューマンマシンインタラクションを行うときのユーザ体験を向上させることができる。
本発明の一実施例では、センサーを用いてフレキシブルディスプレイの曲げに基づいて表示対象の制御情報をよりうまく取得するために、フレキシブルディスプレイの中に2層のセンサー層、第1のセンサー層及び第2のセンサー層を設置する。ここで、第1のセンサー層においては複数の第1のセンサーがアレイ状に配置されており、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されている。また、第1のセンサー層と第2のセンサーとはセンサーの配置方式が同様であり、アレイの方向は互いに垂直である第1の方向及び第2の方向を含む。つまり、フレキシブルディスプレイにおける1つの位置の下方においては2つのセンサー(第1のセンサー及び第2のセンサー)が重なって配置されており、折り曲げ力を受けた場合、第1のセンサーは第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知し、第2のセンサーは第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する。
なお、センサーは以上の方式によってフレキシブル表示パネルの中で配置されることができるが、本発明の実施例はそれに限られない。例えば、アレイ状に配置されるセンサー層を1層のみ設置してもよく、その中で、第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーと、第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーとは離間して配置される。つまり、フレキシブル表示パネルの中のセンサーは、異なる方向からの電気抵抗変化値を検知することができればよく、本発明の実施例はフレキシブル表示パネルにおけるセンサーの配置方式について制限しない。
本発明の一実施例において、図2に示すよう、演算ユニット2は、フレキシブル表示パネル1の中でアレイ状に配置される複数のセンサーの曲げ状態における電気抵抗変化値を取得する電気抵抗変化値取得ユニット22と、複数のセンサーの電気抵抗変化値に基づいてフレキシブル表示パネル1の折り目位置を特定する折り目位置特定ユニット21と、折り目位置にあるセンサー及び折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいてフレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得する制御情報取得ユニット23と、を備える。
ここで、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報は表示対象の運動情報を含み、表示対象の運動情報は運動方向を含む。例えば、フレキシブル表示パネルの表示画面が、ある運動場の実風景画像であり、その画面における表示対象が動的表示対象を含む場合、このときの運動方向はすなわち当該動的対象により生じる動的表示効果である。ユーザのために良好な視覚効果を提供することができる表示効果を維持するために、本実施例においては、表示画面の中で動的効果を示すことができる表示対象のみを制御して動的効果を表示し、他の表示対象は相対的に静止するように維持させる。
本発明の一実施例において、運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向であり、運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向である。また、運動方向と第1の基準方向との間の夾角は第1の夾角である。
折り目位置はフレキシブルディスプレイが折り曲げ力を受ける位置であるため、フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定できれば、折り目位置にあるセンサーの電気抵抗変化値を分析することによって、折り目位置と垂直である折り曲げ力の方向を得ることができる。ただし、折り曲げ力の最終的な方向は、折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて判断する必要がある。
なお、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の制御情報は、運動方向以外にも、表示対象の運動距離を更に含むことができる。その具体的な取得方法としては、前記折り目位置に基づいて前記フレキシブル表示パネルが曲げられるときの曲げ速度を判断し、前記曲げ速度に基づいて前記表示対象の前記運動距離を判断することであってもよい。
なお、本発明の実施例において表示対象の制御情報は主に表示対象により生じられる動的効果の運動方向を指すが、本発明の実施例はこれに限られず、制御情報は表示対象の他の制御情報であってもよく、例えば、表示対象のサイズの拡大縮小、表示対象の明るさ調整などであってもよい。
本発明の一実施例において、電気抵抗変化値取得ユニット22は、複数のセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下にあるセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値ΔR1を取得するとともに、複数のセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下にあるセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値ΔR2を取得する。
詳しくは、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例とする。ここで、センサー層は第1のセンサー層及び第2のセンサー層を含み、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されており、第1のセンサー層は第2のセンサーと同様なセンサー配置方式を具備する。アレイの方向は、互いに垂直である第1の方向と第2の方向を含む。
センサーの電気抵抗変化値を取得した後、電気抵抗変化値が0より大きいセンサーをマークする。図3に示すように、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているとき、フレキシブル表示パネルの左上隅の位置1−19の下方にある第1のセンサー及び/又は第2のセンサーに電気抵抗値の変化が発生した場合、位置1−19に対応する各第1のセンサーの第1の電気抵抗変化値ΔR1及び各第2のセンサーの第2の電気抵抗変化値ΔR2をそれぞれ取得する。本実施例は、フレキシブル表示パネルにおけるセンサーのアレイ状の配置方式を具体的に限定するとともに、アレイ状に配置されているセンサーの配列方向を表示対象の制御情報における運動方向と関連づけたことにより、曲げ状態におけるセンサーの電気抵抗変化値を取得するとき、各センサーのそれぞれの配列方向における電気抵抗変化値を取得するだけでよく、制御方法の全体プロセスを簡略化することができる。
本発明の一実施例において、電気抵抗変化値取得ユニット22は図2に示すように第1の計算ユニット221及び第1の判断ユニット222を備える。第1の計算ユニット221は、センサーの第1の電気抵抗変化値に基づいてセンサーの第1の模擬力を算出し、複数の第1の模擬力の和を求めて第1の模擬力の和を取得するとともに、センサーの第2の電気抵抗変化値に基づいてセンサーの第2の模擬力を算出し、複数の第2の模擬力の和を求めて第2の模擬力の和を取得する。ここで、第1の模擬力は第1の電気抵抗変化値とセンサーの第1の変換係数との積であり、第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値とセンサーの第2の変換係数との積である。
第1の判断ユニット222は、複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいてフレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向を取得し、折り曲げ力のメイン方向、複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいて前記折り目位置を特定する。具体的には、第1の計算ユニットにより算出された第1の模擬力の和及び第2の模擬力の和を取得し、第1の模擬力の和が第2の模擬力の和より大きい場合、折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあると判断し、第1の模擬力の和が第2の模擬力の和より小さい場合、折り曲げ力のメイン方向が第2の方向にあると判断する。さらに、折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にある場合、第2の方向にあり且つ第2の模擬力が最も大きいセンサーを位置決定センサーとして特定する。なお、複数の位置決定センサーの所在位置がすなわち折り目位置である。
以上に述べたフレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例として具体的に説明する。第1の計算ユニット221は、複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1の和を求め、すなわち位置1−19にあり且つ第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第1のセンサーの模擬力F1の和を求めてΣF1を算出する。また、複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2の和を求め、すなわち図3による位置1−19にあり且つ第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第2のセンサーの模擬力F2の和を求めてΣF2を算出する。その後、第1の判断ユニット222は、ΣF1とΣF2を比較して、ΣF1がΣF2より大きい場合、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあると判断する。次に、それぞれ第2の方向上の同一列にある位置1,2,3,4,5、位置6,7,8,9,10、位置11,14,17,19、位置12,15,18、位置13,16にあり且つ第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーの電気抵抗変化値を取得し、それぞれ第2の方向上の同一列にあるセンサーのうちから電気抵抗変化値が最も大きいセンサーを特定する(図4に示すよう、位置4、9、17、15、13にあるセンサーとなる)。つまり、位置4、9、17、15、13にある第2のセンサー及び第1のセンサーの所在位置がすなわち折り目位置である。
本発明の一実施例において、制御情報取得ユニット23は、第1の判断ユニット222により送信される折り目位置情報を取得し、折り目位置の両側にある複数の前記センサーの第1の電気抵抗変化値及び第2の電気抵抗変化値に基づいて前記第1の基準方向及び前記第2の基準方向を取得し、折り目位置にあるセンサーの第1の電気抵抗変化値及び第2の電気抵抗変化値に基づいて前記第1の夾角を算出する。
具体的に、制御情報取得ユニット23は図2に示すように第2の計算ユニット231及び第2の判断ユニット232を備える。第2の計算ユニット231は、折り目位置に対して第1の方向の負方向側にある複数のセンサーの第1の模擬力の和を計算して第1の数値を取得し、折り目位置に対して第1の方向の正方向側にある複数のセンサーの第1の模擬力の和を計算して第3の数値を取得し、折り目位置に対して第2の方向の負方向側にある複数のセンサーの第2の模擬力の和を計算して第2の数値を取得し、折り目位置に対して第2の方向の正方向側にある複数のセンサーの第2の模擬力の和を計算して第4の数値を取得する。ここで、第1の模擬力は第1の電気抵抗変化値とセンサーの第1の変換係数との積であり、第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値と前記センサーの第2の変換係数との積である。
第2の判断ユニット232は、第1の数値及び第3の数値に基づいて前記第1の基準方向を取得し、第2の数値及び第4の数値に基づいて前記第2の基準方向を取得する。
第1の数値が前記第3の数値より小さい場合、第1の基準方向は第1の方向の正方向であり、第1の数値が第3の数値より小さい場合、第2の基準方向は第1の方向の負方向である。
前記第2の数値が前記第4の数値より大きい場合、第2の基準方向は第2の方向の負方向であり、第2の数値が前記第4の数値より小さい場合、第2の基準方向は第2の方向の負方向である。
以上に述べたフレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例として具体的に説明する。第2の計算ユニット231は、折り目位置に対して第1の方向の負方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を計算してそれらの和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第1の数値ΣF11を取得する。また、折り目位置に対して第1の方向の正方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を計算してそれらの和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第2の数値ΣF12を取得する。また、折り目位置に対して第2の方向の負方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2を計算してそれらの和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第1の数値ΣF21を取得する。また、折り目位置に対して第2の方向の正方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F22を計算してそれらの和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第2の数値ΣF22を取得する。第2の判断ユニット232は、ΣF11とΣF12の比較、及び、ΣF21とΣF22の比較、を行う。ΣF11がΣF12より小さい場合、第1の基準方向は第1の方向の正方向であり、つまり、図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の、第1の方向における投影が第1の基準方向になる。ΣF21がΣF22より小さい場合、第2の基準方向は第2の方向の正方向であり、つまり、図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の、第2の方向における投影が第2の基準方向になる。
本発明の一実施例において、第2の計算ユニット231はさらに、折り目位置にあるセンサーの第1の模擬力の和及び第2の模擬力の和に基づいて、第1の模擬力の和と第2の模擬力の和との比を算出する。第2の判断ユニット232は、第1の模擬力の和と第2の模擬力の和との比に基づいて、第1の夾角の正接の値又は余接の値を算出する。ここで、第1の模擬力は第1の電気抵抗変化値とセンサーの第1の変換係数との積であり、第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値と前記センサーの第2の変換係数との積である。
以上に述べたフレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例として具体的に説明する。第2の計算ユニット231は図4、図5に示すように、折り目位置にある第1のセンサー層における複数の第1のセンサーの第1の模擬力F111を計算してそれらの和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めてΣF111を取得する。また、折り目位置にある第2のセンサー層における複数の第2のセンサーの第2の模擬力F211を計算して和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めてΣF211を取得する。第2の判断ユニット232は、ΣF111とΣF211との比を算出する。なお、図5に示すよう、第1の基準方向が第1の方向の正方向である場合、第1の夾角の正接の値はΣF111とΣF211との比になり、第1の基準方向が第2の方向の負方向である場合、第1の夾角の余接の値はΣF111とΣF211との比になる。
本実施例に係る表示端末は、任意のヒューマンマシンインタラクションのシーンにおいて用いられることができる。例えば、フレキシブル表示パネルがゴルフホールインゲームを表示しているとき、すなわちユーザがゴルフゲームをしているときには、フレキシブル表示パネルを曲げることによってゴルフボールを1つの位置からホールに入れようとする。ユーザがフレキシブル表示パネルの左上隅からフレキシブル表示パネルを曲げると、表示画面上の1つの位置にあるゴルフボールは右下隅へ向かって移動する。ゴルフボールがホールに入るまで、繰り返してフレキシブル表示パネル上の異なる位置を曲げてゴルフボールの運動方向をコントロールする。
図6は、本発明の一実施例により提供される表示制御方法のフローチャートである。図6に示すよう、表示制御方法は以下の内容を含む。
S101:アレイ状に配置された複数のセンサーを備える、フレキシブル表示パネルを用意する。
S201:フレキシブル表示パネルが曲げ状態になっているときの複数のセンサーの電気抵抗変化値を取得する。
ステップS201では、フレキシブル表示パネルが外部からの折り曲げ力を受けて曲がるため、フレキシブル表示パネルの中に設置されているセンサーも折り曲げ力を受けて曲がって、電気抵抗値が変化する。フレキシブル表示パネルの中の1つのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きい場合、当該センサーは折り曲げ力を受けて変形が発生したと見なすことができる。
本発明の一実施例においては、フレキシブルディスプレイの曲がりに基づいてセンサーを用いて表示対象の制御情報をよりうまく取得するために、フレキシブルディスプレイの中において2層のセンサー層を設置し、それぞれ第1のセンサー層と第2のセンサー層である。第1のセンサー層においては複数の第1のセンサーがアレイ状に配置されており、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されている。また、第1のセンサー層と第2のセンサーとは同様なセンサー配置方式を具備しており、アレイの方向は互いに垂直である第1の方向と第2の方向を含む。つまり、フレキシブルディスプレイ上の1つの位置の下方において2つのセンサーを重なって設置し、それぞれ第1のセンサーと第2のセンサーである。折り曲げ力を受ける場合、第1のセンサーは第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知し、第2のセンサーは第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する。
なお、センサーは以上の方式によってフレキシブル表示パネルの中で配置されることができるが、本発明の実施例はそれに限られない。例えば、アレイ状に配置されるセンサー層を1層のみ設置してもよく、その中で、第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーと、第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーとは離間して配置される。そこで、フレキシブル表示パネルの中のセンサーは、異なる方向からの電気抵抗変化値を検知することができればよく、本発明の実施例はフレキシブル表示パネルにおけるセンサーの配置方式について制限しない。
S301:複数のセンサーの電気抵抗変化値に基づいてフレキシブル表示パネルの折り目位置を特定する。
当該ステップでは、フレキシブル表示パネルの中のセンサーが折り曲げ力を受ける場合に電気抵抗値が変化するという特徴を利用して、フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定する。ここで、折り目位置とは、フレキシブル表示パネルが折り曲げ力を受けて曲がるときにフレキシブル表示パネル上で形成される曲線又は直線を指す。
ステップS301では、フレキシブル表示パネルが外部からの折り曲げ力を受けて曲がるため、フレキシブル表示パネルの中に設置されているセンサーも折り曲げ力を受けて曲がって、電気抵抗値が変化する。フレキシブル表示パネルの中の1つのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きい場合、当該センサーは折り曲げ力を受けて変形が発生したと見なすことができる。一方、フレキシブル表示パネルの中の1つのセンサーの電気抵抗変化値が0である場合、すなわち当該センサーは折り曲げ力を受けておらず、変形が発生していない。このように、センサーの電気抵抗の変化に基づいて折り曲げ力を受けたセンサーを特定することができ、したがって折り曲げ力を受けたセンサーの位置を特定することができる。センサーはフレキシブル表示パネルの中でアレイ状に配置され、且つアレイ状に配置されるセンサーが占める面積はフレキシブル表示パネルの表示面積以上であるため、折り曲げ力を受けたセンサーの位置を特定することによってフレキシブル表示パネルにおいて曲がりが発生した具体的な位置を特定することができる。
ただし、フレキシブル表示パネルが折り曲げ力を受けるときには、すべてのセンサーが変形するわけではなく、すなわちすべてのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きくなるわけではないため、電気抵抗変化の有無を問わずに当該ステップにおいてすべてのセンサーに対して計算を行うと、計算の負担を増やすことに他ならない。そこで、一実施例においては、S201によってセンサーの電気抵抗変化値を取得した後、まずは電気抵抗変化値が0より大きいセンサーを特定し、次に電気抵抗変化値が0より大きいセンサーをマークする。その後、電気抵抗変化値に基づいて前記フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定するときには、電気抵抗変化値が0より大きいセンサーのみを考慮すればよく、電気抵抗変化値が0であるセンサーは考慮されない。このように、計算プロセスを簡略化して計算負担を低減することができる。
S401:折り目位置にあるセンサー及び折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得する。
ステップS401において、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報は表示対象の運動情報を含み、表示対象の運動情報は運動方向を含む。例えば、フレキシブル表示パネルの表示画面が、ある運動場の実風景画像であり、その画面における表示対象が動的表示対象を含む場合、このときの運動方向はすなわち当該動的対象により生じる動的表示効果である。ユーザのために良好な視覚効果を提供することができる表示効果を維持するために、本実施例においては、表示画面の中で動的効果を示すことができる表示対象のみを制御して動的効果を表示し、他の表示対象は相対的に静止するように維持させる。
本発明の一実施例において、運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向であり、運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向である。また、運動方向と第1の基準方向との間の夾角は第1の夾角である。
折り目位置はフレキシブルディスプレイが折り曲げ力を受ける位置であるため、フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定できれば、折り目位置にあるセンサーの電気抵抗変化値を分析することによって、折り目位置と垂直である折り曲げ力の方向を得ることができる。ただし、折り曲げ力の最終的な方向は、折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて判断する必要がある。
なお、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の制御情報は、運動方向以外にも、表示対象の運動距離を更に含むことができる。前記制御情報は前記表示対象の運動距離を更に含む。その具体的な取得方法としては、前記折り目位置に基づいて前記フレキシブル表示パネルが曲げられるときの曲げ速度を判断し、前記曲げ速度に基づいて前記表示対象の前記運動距離を判断することであってもよい。
なお、本発明の実施例において表示対象の制御情報は主に表示対象により生じられる動的効果の運動方向を指すが、本発明の実施例はこれに限られず、制御情報は表示対象の他の制御情報であってもよく、例えば、表示対象のサイズの拡大縮小、表示対象の明るさ調整などであってもよい。
本発明の実施例により提供される表示制御方法は、フレキシブルディスプレイのフレキシブル特性及びフォルダブル特性を利用する。フレキシブルディスプレイが任意の位置において折り曲げ力を受けた場合、フレキシブルディスプレイは折り曲げ力の作用を受けて曲がり、フレキシブル表示パネルの中にあるセンサーは当該折り曲げ力を受けて電気抵抗値の変化が発生する。電気抵抗値の変化に基づいてフレキシブルディスプレイの曲げ情報を取得するとともに、当該曲げ情報を、フレキシブル表示パネルの表示対象を制御するための制御情報(例えば、表示対象の運動情報、表示対象の拡大縮小情報)に変換することによって、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の表示を制御することができる。つまり、フレキシブル表示パネルのフォルダブル性能を利用してフレキシブル表示パネルにより表示される情報に対する動的調整を実現する具体的プロセスを提供することによって、フレキシブル表示パネルの表示効果の多様性及び個性化に対するユーザのニーズを満たして、フレキシブル表示パネルとヒューマンマシンインタラクションを行うときのユーザ体験を向上させることができる。
本発明の一実施例においては、フレキシブルディスプレイの曲がりに基づいてセンサーを用いて表示対象の制御情報をよりうまく取得するために、フレキシブルディスプレイの中において2層のセンサー層を設置し、それぞれ第1のセンサー層と第2のセンサー層である。第1のセンサー層においては複数の第1のセンサーがアレイ状に配置されており、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されている。また、第1のセンサー層と第2のセンサーとは同様なセンサー配置方式を具備しており、アレイの方向は互いに垂直である第1の方向と第2の方向を含む。つまり、フレキシブルディスプレイ上の1つの位置の下方において2つのセンサーを重なって設置し、それぞれ第1のセンサーと第2のセンサーである。折り曲げ力を受ける場合、第1のセンサーは第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知し、第2のセンサーは第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する。フレキシブル表示パネルが折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているとき、S201においてフレキシブル表示パネルの中でアレイ状に配置された複数のセンサーの曲げ状態における電気抵抗変化値を取得することは具体的に以下の内容を含む。
S2011:アレイ状に配置されたセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値を取得する。
ステップS2011では、複数の第1のセンサーの電気抵抗変化値ΔR1、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下に設置されているセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値、を取得する。
S2012:アレイ状に配置されたセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値を取得する。
ステップS2012では、複数の第2のセンサーの電気抵抗変化値ΔR2、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下に設置されているセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値、を取得する。
センサーの電気抵抗変化値を取得した後、電気抵抗変化値が0より大きいセンサーをマークする。図3に示すように、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているとき、フレキシブル表示パネルの左上隅の位置1−19の下方にある第1のセンサー及び/又は第2のセンサーに電気抵抗値の変化が発生した場合、位置1−19に対応する各第1のセンサーの第1の電気抵抗変化値ΔR1及び各第2のセンサーの第2の電気抵抗変化値ΔR2をそれぞれ取得する。本実施例は、フレキシブル表示パネルにおけるセンサーのアレイ状の配置方式を具体的に限定するとともに、アレイ状に配置されているセンサーの配列方向を表示対象の制御情報における運動方向と関連づけたことにより、曲げ状態におけるセンサーの電気抵抗変化値を取得するとき、各センサーのそれぞれの配列方向における電気抵抗変化値を取得するだけでよく、制御方法の全体プロセスを簡略化することができる。
センサーの第1の方向及び第2の方向における電気抵抗変化値を取得した後、電気抵抗変化値に基づいてフレキシブルディスプレイの折り目位置を特定する必要がある。一実施例において、ステップS301は以下の内容を含む。
S3011:センサーの第1の電気抵抗変化値に基づいて、当該センサーの第1の模擬力F1を算出する。ここで、第1の模擬力F1は第1の電気抵抗変化値ΔR1と当該センサーの第1の変換係数との積である。なお、第1の変換係数は、当該センサーの材料及びフレキシブルディスプレイが曲げ状態になるときの当該センサーの曲げ状態と関係する。つまり、フレキシブルディスプレイの中のすべてのセンサーが同一の材料から作製されたものである場合、当該センサーが検知する折り曲げ力が大きければ、当該センサーの位置の曲がり程度が高くなり、当該センサーの変換係数が高い。
フレキシブル表示パネル上の折り目位置は、フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力によって生じるものである。折り目位置にあるセンサーは折り曲げ力を受けて変形が発生し、したがってセンサーには電気抵抗値の変化が発生する。よって、逆に導くと、電気抵抗値の変化に基づいて当該センサーが受けた折り曲げ力の強さを算出することができ、ひいてはフレキシブル表示パネル上の折り曲げ力を受けた位置(すなわちフレキシブル表示パネルの折り目位置)を特定することができる。
具体的には図3に示すように位置1−19の真下にある第1のセンサーの電気抵抗変化値ΔR1に基づいて模擬力F1を算出する。
S3012:センサーの第2の電気抵抗変化値に基づいて当該センサーの第2の模擬力を算出する。
第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値と当該センサーの第2の変換係数との積である。ここで、第2の変換係数は、当該センサーの材料及びフレキシブルディスプレイが曲げ状態になるときの当該センサーの曲げ状態と関係する。つまり、フレキシブルディスプレイの中のすべてのセンサーが同一の材料から作製されたものである場合、当該センサーが検知する折り曲げ力が大きければ、当該センサーの位置の曲がり程度が高くなり、当該センサーの変換係数が高い。
具体的には図3に示すよう、位置1−19の真下にある第2のセンサーの電気抵抗変化値ΔR2に基づいて模擬力F2を算出する。
S3013:複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいて前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向を取得する。
ステップS3013は主に、複数のセンサーの第1の模擬力の和と第2の模擬力の和とを比較することによって前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向を取得する。本発明の一実施例において、S3013による具体的な取得方法は以下の内容を含む。
複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1の和を求め、すなわち位置1−19にあって第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第1のセンサーの模擬力F1の和を求めてΣF1を取得する。複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2の和を求め、すなわち図2による位置1−19にあって第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第2のセンサーの模擬力F2の和を求めてΣF2を取得する。その後、ΣF1とΣF2を比較し、ΣF1がΣF2より大きい場合、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあると判断することができる。
S3014:フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向、複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいて前記折り目位置を特定する。
ステップS3014は主に、ステップS3013によって取得された前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向と、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向に対して垂直な方向におけるセンサーの電気抵抗値の変化と、に基づいて折り目位置を特定する。
本発明の一実施例において、具体的にステップS3014は、S3013で得られたフレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にある場合、第2のセンサー層の中で第2の方向上の同一列にある複数の第2のセンサーそれぞれの第2の模擬力F2を比較して、当該列の第2の方向上の第2の模擬力F2が最も大きい第2のセンサーを特定すると、複数のこのような第2のセンサーが所在する位置がすなわち折り目位置となる。具体的には図3に示すように、それぞれ第2の方向上の同一列にある位置1,2,3,4,5、位置6,7,8,9,10、位置11,14,17,19、位置12,15,18、位置13,16にあり且つ第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーの電気抵抗変化値を取得し、それぞれ第2の方向の同一列にあるセンサーのうちから電気抵抗変化値が最も大きいセンサー(すなわち位置4、9、17、15、13にあるセンサー)を特定する。つまり、位置4、9、17、15、13にある第2のセンサー及び第1のセンサーの所在位置がすなわち折り目位置である。
本実施例は、フレキシブル表示パネルにおけるセンサーの電気抵抗変化値と当該センサーの変換係数との積を求め、フレキシブル表示パネルが曲げられたときに折り曲げ力の方向がすなわち表示対象の運動方向であるため、フレキシブル表示パネルが当該センサー位置で受けた模擬力を取得し、フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力の中の、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあるか又は第2の方向にあるかを特定し、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にある場合、センサーの第2の模擬力に基づいて折り目の位置を特定する。
S3014ではフレキシブル表示パネル上の折り目位置を取得したため、その次は折り目位置に基づいて第1の基準方向、第2の基準方向及び第1の夾角を取得する必要がある。折り目位置にあるセンサー及び折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得するステップS401は、以下の内容を含む。
S4011:折り目位置の両側にある複数のセンサーの第1の電気抵抗変化値ΔR1及び第2の電気抵抗変化値ΔR2に基づいて第1の基準方向及び第2の基準方向を取得する。
ステップS4011では、フレキシブル表示パネルの折り目位置に基づいて表示対象の制御情報を取得する。制御情報は運動情報を含み、運動情報は運動方向を含む。ここで、運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向であり、運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向であり、運動方向と第1の基準方向との間の夾角は第1の夾角である。つまり、運動方向を取得するためには、第1の基準方向、第2の基準方向及び第1の夾角を取得する必要がある。
ステップS4011において、第1の基準方向を取得するステップは主に以下の内容を含む。
折り目位置に対して第1の方向の負方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を算出して、和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第1の数値ΣF11を取得する。折り目位置に対して第1の方向の正方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を算出して、和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第2の数値ΣF12を取得する。ΣF11がΣF12より小さい場合、第1の基準方向は第1の方向の正方向になり、つまり図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向である。
ステップS4011において、第2の基準方向を取得するステップは主に以下の内容を含む。
折り目位置に対して第2の方向の負方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2を算出して、和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第1のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第1の数値ΣF21を取得する。折り目位置に対して第2の方向の正方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F22を算出して、和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第2の数値ΣF22を取得する。ΣF21がΣF22より小さい場合、第2の基準方向は第2の方向の正方向になり、つまり図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向である。
S4012:前記折り目位置にある前記センサーの第1の電気抵抗変化値及び第2の電気抵抗変化値に基づいて前記第1の夾角αを算出する。
S4011で取得された第1の基準方向及び第2の基準方向と、S301で特定された折り目位置に基づいて、第1の夾角を取得する。S4012は主に以下の内容を含む。
折り目位置にある第1のセンサー層における複数の第1のセンサーの第1の模擬力F111を算出して、和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めてΣF111を取得する。折り目位置にある第2のセンサー層における複数の第2のセンサーの第2の模擬力F211を算出して、和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めてΣF211を取得する。ここで、図4、図5に示すよう、第1の夾角の正接の値又は余接の値は、ΣF111とΣF211の比である。図4に示すよう、第1の基準方向が第1の方向の正方向である場合、第1の夾角の正接の値はΣF111とΣF211の比である。第1の基準方向が第2の方向の負方向である場合、第1の夾角の余接の値はΣF111とΣF211の比である。
ステップS4012まで実施すると、表示対象の制御情報の運動方向の取得を実現することができる。つまり、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているときに取得される表示対象の運動方向は、右下隅に向き且つ第1の方向に対してα角だけ傾く。そしてフレキシブル表示パネルにおける表示対象に対して、当該運動方向に沿ったコントロールに従って、表示対象の運動情報を制御する。例えば、フレキシブル表示パネルがゴルフホールインゲームを表示しているとき、すなわちユーザがゴルフゲームをしているときには、フレキシブル表示パネルを曲げることによってゴルフボールを1つの位置からホールに入れようとする。ユーザがフレキシブル表示パネルの左上隅からフレキシブル表示パネルを曲げると、表示画面上の1つの位置にあるゴルフボールは右下隅へ向かって移動する。ゴルフボールがホールに入るまで、繰り返してフレキシブル表示パネル上の異なる位置を曲げてゴルフボールの運動方向をコントロールする。
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神および原則の範囲内で行われる任意の変更や同等置換などは、すべて本発明の保護範囲に属するべきである。
本発明は、ヒューマンマシンインタラクション技術分野に関し、詳しくは表示端末及び表示制御方法に関する。
スマート端末の社会生活における普及率がますます高くなってきた。ユーザとスマート端末がインタラクションを行うための主要入口として、端末の表示インターフェイスは、ヒューマンマシンインタラクションにおけるユーザ体験に対して大きな影響を及ぼしている。
本発明の実施例は、表示端末及び表示制御方法を提供し、フレキシブルディスプレイのフォルダブル特性及びフレキシブル特性を利用して、フレキシブルディスプレイの曲げ情報(例えば、曲げられるときの折り目)を用いてヒューマンマシンインタラクションを実現する。
フレキシブルディスプレイのフォルダブル特性及びフレキシブル特性を利用してフレキシブルディスプレイの曲げ情報(例えば、曲げられるときの折り目)を活用してヒューマンマシンインタラクションを実現するためには、フレキシブルディスプレイの曲げ形態パラメータを検知して、曲げ形態パラメータと端末の調整対象画面の動的調整パラメータとの対応関係を構築することによって、調整対象画面の動的パラメータに基づいて当該画面における動的表示を制御することができる。しかしながら、このような方法は実現可能な結果しか示しておらず、実現するためのプロセス、例えば、フレキシブルディスプレイの曲げ方向を利用して画面中の動的表示を確定するための方法などを記載していない。
以上の技術的課題を解決するために、本発明は表示端末及び表示制御方法を提供する。
本発明の1つの様態によると、本発明の実施例は表示端末を提供する。当該表示端末は、フレキシブル表示パネルと、アレイ状に配置される複数のフレキシブルセンサーであるセンサーを含んで前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力を電気抵抗値の変化に変換するセンサー層と、複数の前記センサーの電気抵抗値の変化を制御情報に変換する演算ユニットと、前記演算ユニットの制御情報を受信し、前記制御情報によって前記フレキシブル表示パネルにおける動的表示を制御する制御部と、を備える。
本発明の他の態様によると、本発明の実施例は表示制御方法を更に提供する。当該方法は、アレイ状に配置される複数のセンサーを備えるフレキシブル表示パネルを用意するステップと、前記フレキシブル表示パネルが曲げ状態にあるときの前記複数のセンサーの電気抵抗変化値を取得するステップと、前記複数のセンサーの電気抵抗変化値に基づいて、前記フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定するステップと、前記折り目位置にある前記センサー及び前記折り目位置の両側にある前記センサーの電気抵抗変化値に基づいて、前記フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得するステップと、を含む。
本発明の実施例により提供される表示端末は、フレキシブルディスプレイのフレキシブル特性及びフォルダブル特性を利用する。フレキシブルディスプレイが任意の位置において折り曲げ力を受けた場合、フレキシブルディスプレイは折り曲げ力の作用を受けて曲がり、フレキシブル表示パネルの中にあるセンサーは当該折り曲げ力を受けて電気抵抗値の変化が発生する。電気抵抗値の変化に基づいてフレキシブルディスプレイの曲げ情報を取得するとともに、当該曲げ情報を、フレキシブル表示パネルの表示対象を制御するための制御情報(例えば、表示対象の運動情報、表示対象の拡大縮小情報)に変換することによって、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の表示を制御することができる。つまり、フレキシブル表示パネルのフォルダブル性能を利用してフレキシブル表示パネルにより表示される情報に対する動的調整を実現する具体的プロセスを提供することによって、フレキシブル表示パネルの表示効果の多様性及び個性化に対するユーザのニーズを満たして、フレキシブル表示パネルとヒューマンマシンインタラクションを行うときのユーザ体験を向上させることができる。
本発明の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示端末におけるセンサーの配置模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示端末におけるセンサーの配置模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示端末における表示対象の運動方向を示す模式図である。
本発明の一実施例により提供される表示制御方法のフロー概略図である。
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術案について明確で完全な説明を行う。
図1は、本発明の一実施例により提供される表示端末の構造模式図である。当該表示端末は、フレキシブル表示パネル1、演算ユニット2及び制御部3を備える。ここで、フレキシブル表示パネル1の中には複数のフレキシブルセンサーを含むセンサー層が配置されており、センサー層は前記フレキシブル表示パネルが受ける折り曲げ力を電気抵抗値の変化に変換する。演算ユニット2は複数のセンサーの電気抵抗値の変化を制御情報に変換する。制御部3は、前記演算ユニット2の制御情報を受信して、制御情報によってフレキシブル表示パネルにおける動的表示を制御する。フレキシブル表示パネルは外部からの折り曲げ力を受けて曲がるため、フレキシブル表示パネル1の中に配置されるセンサーも折り曲げ力を受けて曲がって、電気抵抗値の変化が発生する。フレキシブル表示パネルの中にある1つのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きい場合、すなわち当該センサーは折り曲げ力を受けて変形が発生した。センサーはフレキシブル表示パネルの中でアレイ状に配置されており、且つアレイ状に配置されるセンサーが占める面積はフレキシブル表示パネルの表示画面の面積以上であるため、演算ユニット2は、複数のセンサーの電気抵抗変化値を取得した後、折り曲げ力を受けたセンサーの位置を電気抵抗変化値に基づいて取得することができ、したがってフレキシブル表示パネルにおいて曲げを受けた具体的な位置を特定することができる。
本発明の実施例により提供される表示端末は、フレキシブルディスプレイのフレキシブル特性及びフォルダブル特性を利用する。フレキシブルディスプレイが任意の位置において折り曲げ力を受けた場合、フレキシブルディスプレイは折り曲げ力の作用を受けて曲がり、フレキシブル表示パネルの中にあるセンサーは当該折り曲げ力を受けて電気抵抗値の変化が発生する。電気抵抗値の変化に基づいてフレキシブルディスプレイの曲げ情報を取得するとともに、当該曲げ情報を、フレキシブル表示パネルの表示対象を制御するための制御情報(例えば、表示対象の運動情報、表示対象の拡大縮小情報)に変換することによって、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の表示を制御することができる。つまり、フレキシブル表示パネルのフォルダブル性能を利用してフレキシブル表示パネルにより表示される情報に対する動的調整を実現する具体的プロセスを提供することによって、フレキシブル表示パネルの表示効果の多様性及び個性化に対するユーザのニーズを満たして、フレキシブル表示パネルとヒューマンマシンインタラクションを行うときのユーザ体験を向上させることができる。
本発明の一実施例では、センサーを用いてフレキシブルディスプレイの曲げに基づいて表示対象の制御情報をよりうまく取得するために、フレキシブルディスプレイの中に2層のセンサー層、第1のセンサー層及び第2のセンサー層を設置する。ここで、第1のセンサー層においては複数の第1のセンサーがアレイ状に配置されており、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されている。また、第1のセンサー層と第2のセンサー層とはセンサーの配置方式が同様であり、アレイの方向は互いに垂直である第1の方向及び第2の方向を含む。つまり、フレキシブルディスプレイにおける1つの位置の下方においては2つのセンサー(第1のセンサー及び第2のセンサー)が重なって配置されており、折り曲げ力を受けた場合、第1のセンサーは第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知し、第2のセンサーは第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する。
なお、センサーは以上の方式によってフレキシブル表示パネルの中で配置されることができるが、本発明の実施例はそれに限られない。例えば、アレイ状に配置されるセンサー層を1層のみ設置してもよく、その中で、第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーと、第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーとは離間して配置される。つまり、フレキシブル表示パネルの中のセンサーは、異なる方向からの電気抵抗変化値を検知することができればよく、本発明の実施例はフレキシブル表示パネルにおけるセンサーの配置方式について制限しない。
本発明の一実施例において、図2に示すよう、演算ユニット2は、フレキシブル表示パネル1の中でアレイ状に配置される複数のセンサーの曲げ状態における電気抵抗変化値を取得する電気抵抗変化値取得ユニット21と、複数のセンサーの電気抵抗変化値に基づいてフレキシブル表示パネル1の折り目位置を特定する折り目位置特定ユニット22と、折り目位置にあるセンサー及び折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいてフレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得する制御情報取得ユニット23と、を備える。
ここで、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報は表示対象の運動情報を含み、表示対象の運動情報は運動方向を含む。例えば、フレキシブル表示パネルの表示画面が、ある運動場の実風景画像であり、その画面における表示対象が動的表示対象を含む場合、このときの運動方向はすなわち当該動的対象により生じる動的表示効果である。ユーザのために良好な視覚効果を提供することができる表示効果を維持するために、本実施例においては、表示画面の中で動的効果を示すことができる表示対象のみを制御して動的効果を表示し、他の表示対象は相対的に静止するように維持させる。
本発明の一実施例において、運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向であり、運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向である。また、運動方向と第1の基準方向との間の夾角は第1の夾角である。
折り目位置はフレキシブルディスプレイが折り曲げ力を受ける位置であるため、フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定できれば、折り目位置にあるセンサーの電気抵抗変化値を分析することによって、折り目位置と垂直である折り曲げ力の方向を得ることができる。ただし、折り曲げ力の最終的な方向は、折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて判断する必要がある。
なお、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の制御情報は、運動方向以外にも、表示対象の運動距離を更に含むことができる。その具体的な取得方法としては、前記折り目位置に基づいて前記フレキシブル表示パネルが曲げられるときの曲げ速度を判断し、前記曲げ速度に基づいて前記表示対象の前記運動距離を判断することであってもよい。
なお、本発明の実施例において表示対象の制御情報は主に表示対象により生じられる動的効果の運動方向を指すが、本発明の実施例はこれに限られず、制御情報は表示対象の他の制御情報であってもよく、例えば、表示対象のサイズの拡大縮小、表示対象の明るさ調整などであってもよい。
本発明の一実施例において、電気抵抗変化値取得ユニット21は、複数のセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下にあるセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値ΔR1を取得するとともに、複数のセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下にあるセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値ΔR2を取得する。
詳しくは、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例とする。ここで、センサー層は第1のセンサー層及び第2のセンサー層を含み、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されており、第1のセンサー層は第2のセンサーと同様なセンサー配置方式を具備する。アレイの方向は、互いに垂直である第1の方向と第2の方向を含む。
センサーの電気抵抗変化値を取得した後、電気抵抗変化値が0より大きいセンサーをマークする。図3に示すように、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているとき、フレキシブル表示パネルの左上隅の位置1−19の下方にある第1のセンサー及び/又は第2のセンサーに電気抵抗値の変化が発生した場合、位置1−19に対応する各第1のセンサーの第1の電気抵抗変化値ΔR1及び各第2のセンサーの第2の電気抵抗変化値ΔR2をそれぞれ取得する。本実施例は、フレキシブル表示パネルにおけるセンサーのアレイ状の配置方式を具体的に限定するとともに、アレイ状に配置されているセンサーの配列方向を表示対象の制御情報における運動方向と関連づけたことにより、曲げ状態におけるセンサーの電気抵抗変化値を取得するとき、各センサーのそれぞれの配列方向における電気抵抗変化値を取得するだけでよく、制御方法の全体プロセスを簡略化することができる。
本発明の一実施例において、折り目位置特定ユニット22は図2に示すように第1の計算ユニット221及び第1の判断ユニット222を備える。第1の計算ユニット221は、センサーの第1の電気抵抗変化値に基づいてセンサーの第1の模擬力を算出し、複数の第1の模擬力の和を求めて第1の模擬力の和を取得するとともに、センサーの第2の電気抵抗変化値に基づいてセンサーの第2の模擬力を算出し、複数の第2の模擬力の和を求めて第2の模擬力の和を取得する。ここで、第1の模擬力は第1の電気抵抗変化値とセンサーの第1の変換係数との積であり、第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値とセンサーの第2の変換係数との積である。
第1の判断ユニット222は、複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいてフレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向を取得し、折り曲げ力のメイン方向、複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいて前記折り目位置を特定する。具体的には、第1の計算ユニットにより算出された第1の模擬力の和及び第2の模擬力の和を取得し、第1の模擬力の和が第2の模擬力の和より大きい場合、折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあると判断し、第1の模擬力の和が第2の模擬力の和より小さい場合、折り曲げ力のメイン方向が第2の方向にあると判断する。さらに、折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にある場合、第2の方向にあり且つ第2の模擬力が最も大きいセンサーを位置決定センサーとして特定する。なお、複数の位置決定センサーの所在位置がすなわち折り目位置である。
以上に述べたフレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例として具体的に説明する。第1の計算ユニット221は、複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1の和を求め、すなわち位置1−19にあり且つ第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第1のセンサーの第1の模擬力F1の和を求めてΣF1を算出する。また、複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2の和を求め、すなわち図3による位置1−19にあり且つ第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第2のセンサーの第2の模擬力F2の和を求めてΣF2を算出する。その後、第1の判断ユニット222は、ΣF1とΣF2を比較して、ΣF1がΣF2より大きい場合、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあると判断する。次に、それぞれ第2の方向上の同一列にある位置1,2,3,4,5、位置6,7,8,9,10、位置11,14,17,19、位置12,15,18、位置13,16にあり且つ第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーの電気抵抗変化値を取得し、それぞれ第2の方向上の同一列にあるセンサーのうちから電気抵抗変化値が最も大きいセンサーを特定する(図4に示すよう、位置4、9、17、15、13にあるセンサーとなる)。つまり、位置4、9、17、15、13にある第2のセンサー及び第1のセンサーの所在位置がすなわち折り目位置である。
本発明の一実施例において、制御情報取得ユニット23は、第1の判断ユニット222により送信される折り目位置情報を取得し、折り目位置の両側にある複数の前記センサーの第1の電気抵抗変化値及び第2の電気抵抗変化値に基づいて前記第1の基準方向及び前記第2の基準方向を取得し、折り目位置にあるセンサーの第1の電気抵抗変化値及び第2の電気抵抗変化値に基づいて前記第1の夾角を算出する。
具体的に、制御情報取得ユニット23は図2に示すように第2の計算ユニット231及び第2の判断ユニット232を備える。第2の計算ユニット231は、折り目位置に対して第1の方向の負方向側にある複数のセンサーの第1の模擬力の和を計算して第1の数値を取得し、折り目位置に対して第1の方向の正方向側にある複数のセンサーの第1の模擬力の和を計算して第3の数値を取得し、折り目位置に対して第2の方向の負方向側にある複数のセンサーの第2の模擬力の和を計算して第2の数値を取得し、折り目位置に対して第2の方向の正方向側にある複数のセンサーの第2の模擬力の和を計算して第4の数値を取得する。ここで、第1の模擬力は第1の電気抵抗変化値とセンサーの第1の変換係数との積であり、第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値と前記センサーの第2の変換係数との積である。
第2の判断ユニット232は、第1の数値及び第3の数値に基づいて前記第1の基準方向を取得し、第2の数値及び第4の数値に基づいて前記第2の基準方向を取得する。
第1の数値が前記第3の数値より小さい場合、第1の基準方向は第1の方向の正方向であり、第1の数値が第3の数値より大きい場合、第1の基準方向は第1の方向の負方向である。
前記第2の数値が前記第4の数値より大きい場合、第2の基準方向は第2の方向の負方向であり、第2の数値が前記第4の数値より小さい場合、第2の基準方向は第2の方向の正方向である。
以上に述べたフレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例として具体的に説明する。第2の計算ユニット231は、折り目位置に対して第1の方向の負方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を計算してそれらの和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第1の数値ΣF11を取得する。また、折り目位置に対して第1の方向の正方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を計算してそれらの和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第3の数値ΣF12を取得する。また、折り目位置に対して第2の方向の負方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2を計算してそれらの和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第2の数値ΣF21を取得する。また、折り目位置に対して第2の方向の正方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F22を計算してそれらの和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第4の数値ΣF22を取得する。第2の判断ユニット232は、ΣF11とΣF12の比較、及び、ΣF21とΣF22の比較、を行う。ΣF11がΣF12より小さい場合、第1の基準方向は第1の方向の正方向であり、つまり、図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の、第1の方向における投影が第1の基準方向になる。ΣF21がΣF22より小さい場合、第2の基準方向は第2の方向の正方向であり、つまり、図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の、第2の方向における投影が第2の基準方向になる。
本発明の一実施例において、第2の計算ユニット231はさらに、折り目位置にあるセンサーの第1の模擬力の和及び第2の模擬力の和に基づいて、第1の模擬力の和と第2の模擬力の和との比を算出する。第2の判断ユニット232は、第1の模擬力の和と第2の模擬力の和との比に基づいて、第1の夾角の正接の値又は余接の値を算出する。ここで、第1の模擬力は第1の電気抵抗変化値とセンサーの第1の変換係数との積であり、第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値と前記センサーの第2の変換係数との積である。
以上に述べたフレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受ける場合を例として具体的に説明する。第2の計算ユニット231は図4、図5に示すように、折り目位置にある第1のセンサー層における複数の第1のセンサーの第1の模擬力F111を計算してそれらの和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めてΣF111を取得する。また、折り目位置にある第2のセンサー層における複数の第2のセンサーの第2の模擬力F211を計算して和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めてΣF211を取得する。第2の判断ユニット232は、ΣF111とΣF211との比を算出する。なお、図5に示すよう、第1の基準方向が第1の方向の正方向である場合、第1の夾角の正接の値はΣF111とΣF211との比になり、第1の基準方向が第1の方向の負方向である場合、第1の夾角の余接の値はΣF111とΣF211との比になる。
本実施例に係る表示端末は、任意のヒューマンマシンインタラクションのシーンにおいて用いられることができる。例えば、フレキシブル表示パネルがゴルフホールインゲームを表示しているとき、すなわちユーザがゴルフゲームをしているときには、フレキシブル表示パネルを曲げることによってゴルフボールを1つの位置からホールに入れようとする。ユーザがフレキシブル表示パネルの左上隅からフレキシブル表示パネルを曲げると、表示画面上の1つの位置にあるゴルフボールは右下隅へ向かって移動する。ゴルフボールがホールに入るまで、繰り返してフレキシブル表示パネル上の異なる位置を曲げてゴルフボールの運動方向をコントロールする。
図6は、本発明の一実施例により提供される表示制御方法のフローチャートである。図6に示すよう、表示制御方法は以下の内容を含む。
S101:アレイ状に配置された複数のセンサーを備える、フレキシブル表示パネルを用意する。
S201:フレキシブル表示パネルが曲げ状態になっているときの複数のセンサーの電気抵抗変化値を取得する。
ステップS201では、フレキシブル表示パネルが外部からの折り曲げ力を受けて曲がるため、フレキシブル表示パネルの中に設置されているセンサーも折り曲げ力を受けて曲がって、電気抵抗値が変化する。フレキシブル表示パネルの中の1つのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きい場合、当該センサーは折り曲げ力を受けて変形が発生したと見なすことができる。
本発明の一実施例においては、フレキシブルディスプレイの曲がりに基づいてセンサーを用いて表示対象の制御情報をよりうまく取得するために、フレキシブルディスプレイの中において2層のセンサー層を設置し、それぞれ第1のセンサー層と第2のセンサー層である。第1のセンサー層においては複数の第1のセンサーがアレイ状に配置されており、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されている。また、第1のセンサー層と第2のセンサー層とは同様なセンサー配置方式を具備しており、アレイの方向は互いに垂直である第1の方向と第2の方向を含む。つまり、フレキシブルディスプレイ上の1つの位置の下方において2つのセンサーを重なって設置し、それぞれ第1のセンサーと第2のセンサーである。折り曲げ力を受ける場合、第1のセンサーは第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知し、第2のセンサーは第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する。
なお、センサーは以上の方式によってフレキシブル表示パネルの中で配置されることができるが、本発明の実施例はそれに限られない。例えば、アレイ状に配置されるセンサー層を1層のみ設置してもよく、その中で、第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーと、第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーとは離間して配置される。そこで、フレキシブル表示パネルの中のセンサーは、異なる方向からの電気抵抗変化値を検知することができればよく、本発明の実施例はフレキシブル表示パネルにおけるセンサーの配置方式について制限しない。
S301:複数のセンサーの電気抵抗変化値に基づいてフレキシブル表示パネルの折り目位置を特定する。
当該ステップでは、フレキシブル表示パネルの中のセンサーが折り曲げ力を受ける場合に電気抵抗値が変化するという特徴を利用して、フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定する。ここで、折り目位置とは、フレキシブル表示パネルが折り曲げ力を受けて曲がるときにフレキシブル表示パネル上で形成される曲線又は直線を指す。
ステップS301では、フレキシブル表示パネルが外部からの折り曲げ力を受けて曲がるため、フレキシブル表示パネルの中に設置されているセンサーも折り曲げ力を受けて曲がって、電気抵抗値が変化する。フレキシブル表示パネルの中の1つのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きい場合、当該センサーは折り曲げ力を受けて変形が発生したと見なすことができる。一方、フレキシブル表示パネルの中の1つのセンサーの電気抵抗変化値が0である場合、すなわち当該センサーは折り曲げ力を受けておらず、変形が発生していない。このように、センサーの電気抵抗の変化に基づいて折り曲げ力を受けたセンサーを特定することができ、したがって折り曲げ力を受けたセンサーの位置を特定することができる。センサーはフレキシブル表示パネルの中でアレイ状に配置され、且つアレイ状に配置されるセンサーが占める面積はフレキシブル表示パネルの表示面積以上であるため、折り曲げ力を受けたセンサーの位置を特定することによってフレキシブル表示パネルにおいて曲がりが発生した具体的な位置を特定することができる。
ただし、フレキシブル表示パネルが折り曲げ力を受けるときには、すべてのセンサーが変形するわけではなく、すなわちすべてのセンサーの電気抵抗変化値が0より大きくなるわけではないため、電気抵抗変化の有無を問わずに当該ステップにおいてすべてのセンサーに対して計算を行うと、計算の負担を増やすことに他ならない。そこで、一実施例においては、S201によってセンサーの電気抵抗変化値を取得した後、まずは電気抵抗変化値が0より大きいセンサーを特定し、次に電気抵抗変化値が0より大きいセンサーをマークする。その後、電気抵抗変化値に基づいて前記フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定するときには、電気抵抗変化値が0より大きいセンサーのみを考慮すればよく、電気抵抗変化値が0であるセンサーは考慮されない。このように、計算プロセスを簡略化して計算負担を低減することができる。
S401:折り目位置にあるセンサー及び折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得する。
ステップS401において、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報は表示対象の運動情報を含み、表示対象の運動情報は運動方向を含む。例えば、フレキシブル表示パネルの表示画面が、ある運動場の実風景画像であり、その画面における表示対象が動的表示対象を含む場合、このときの運動方向はすなわち当該動的対象により生じる動的表示効果である。ユーザのために良好な視覚効果を提供することができる表示効果を維持するために、本実施例においては、表示画面の中で動的効果を示すことができる表示対象のみを制御して動的効果を表示し、他の表示対象は相対的に静止するように維持させる。
本発明の一実施例において、運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向であり、運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向である。また、運動方向と第1の基準方向との間の夾角は第1の夾角である。
折り目位置はフレキシブルディスプレイが折り曲げ力を受ける位置であるため、フレキシブル表示パネルの折り目位置を特定できれば、折り目位置にあるセンサーの電気抵抗変化値を分析することによって、折り目位置と垂直である折り曲げ力の方向を得ることができる。ただし、折り曲げ力の最終的な方向は、折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて判断する必要がある。
なお、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の制御情報は、運動方向以外にも、表示対象の運動距離を更に含むことができる。前記制御情報は前記表示対象の運動距離を更に含む。その具体的な取得方法としては、前記折り目位置に基づいて前記フレキシブル表示パネルが曲げられるときの曲げ速度を判断し、前記曲げ速度に基づいて前記表示対象の前記運動距離を判断することであってもよい。
なお、本発明の実施例において表示対象の制御情報は主に表示対象により生じられる動的効果の運動方向を指すが、本発明の実施例はこれに限られず、制御情報は表示対象の他の制御情報であってもよく、例えば、表示対象のサイズの拡大縮小、表示対象の明るさ調整などであってもよい。
本発明の実施例により提供される表示制御方法は、フレキシブルディスプレイのフレキシブル特性及びフォルダブル特性を利用する。フレキシブルディスプレイが任意の位置において折り曲げ力を受けた場合、フレキシブルディスプレイは折り曲げ力の作用を受けて曲がり、フレキシブル表示パネルの中にあるセンサーは当該折り曲げ力を受けて電気抵抗値の変化が発生する。電気抵抗値の変化に基づいてフレキシブルディスプレイの曲げ情報を取得するとともに、当該曲げ情報を、フレキシブル表示パネルの表示対象を制御するための制御情報(例えば、表示対象の運動情報、表示対象の拡大縮小情報)に変換することによって、フレキシブル表示パネルにおける表示対象の表示を制御することができる。つまり、フレキシブル表示パネルのフォルダブル性能を利用してフレキシブル表示パネルにより表示される情報に対する動的調整を実現する具体的プロセスを提供することによって、フレキシブル表示パネルの表示効果の多様性及び個性化に対するユーザのニーズを満たして、フレキシブル表示パネルとヒューマンマシンインタラクションを行うときのユーザ体験を向上させることができる。
本発明の一実施例においては、フレキシブルディスプレイの曲がりに基づいてセンサーを用いて表示対象の制御情報をよりうまく取得するために、フレキシブルディスプレイの中において2層のセンサー層を設置し、それぞれ第1のセンサー層と第2のセンサー層である。第1のセンサー層においては複数の第1のセンサーがアレイ状に配置されており、第2のセンサー層においては複数の第2のセンサーがアレイ状に配置されている。また、第1のセンサー層と第2のセンサー層とは同様なセンサー配置方式を具備しており、アレイの方向は互いに垂直である第1の方向と第2の方向を含む。つまり、フレキシブルディスプレイ上の1つの位置の下方において2つのセンサーを重なって設置し、それぞれ第1のセンサーと第2のセンサーである。折り曲げ力を受ける場合、第1のセンサーは第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知し、第2のセンサーは第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する。フレキシブル表示パネルが折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているとき、S201においてフレキシブル表示パネルの中でアレイ状に配置された複数のセンサーの曲げ状態における電気抵抗変化値を取得することは具体的に以下の内容を含む。
S2011:アレイ状に配置されたセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値を取得する。
ステップS2011では、複数の第1のセンサーの電気抵抗変化値ΔR1、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下に設置されているセンサーの第1の方向における第1の電気抵抗変化値、を取得する。
S2012:アレイ状に配置されたセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値を取得する。
ステップS2012では、複数の第2のセンサーの電気抵抗変化値ΔR2、すなわちフレキシブル表示パネル上の1つの位置の真下に設置されているセンサーの第2の方向における第2の電気抵抗変化値、を取得する。
センサーの電気抵抗変化値を取得した後、電気抵抗変化値が0より大きいセンサーをマークする。図3に示すように、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているとき、フレキシブル表示パネルの左上隅の位置1−19の下方にある第1のセンサー及び/又は第2のセンサーに電気抵抗値の変化が発生した場合、位置1−19に対応する各第1のセンサーの第1の電気抵抗変化値ΔR1及び各第2のセンサーの第2の電気抵抗変化値ΔR2をそれぞれ取得する。本実施例は、フレキシブル表示パネルにおけるセンサーのアレイ状の配置方式を具体的に限定するとともに、アレイ状に配置されているセンサーの配列方向を表示対象の制御情報における運動方向と関連づけたことにより、曲げ状態におけるセンサーの電気抵抗変化値を取得するとき、各センサーのそれぞれの配列方向における電気抵抗変化値を取得するだけでよく、制御方法の全体プロセスを簡略化することができる。
センサーの第1の方向及び第2の方向における電気抵抗変化値を取得した後、電気抵抗変化値に基づいてフレキシブルディスプレイの折り目位置を特定する必要がある。一実施例において、ステップS301は以下の内容を含む。
S3011:センサーの第1の電気抵抗変化値に基づいて、当該センサーの第1の模擬力F1を算出する。ここで、第1の模擬力F1は第1の電気抵抗変化値ΔR1と当該センサーの第1の変換係数との積である。なお、第1の変換係数は、当該センサーの材料及びフレキシブルディスプレイが曲げ状態になるときの当該センサーの曲げ状態と関係する。つまり、フレキシブルディスプレイの中のすべてのセンサーが同一の材料から作製されたものである場合、当該センサーが検知する折り曲げ力が大きければ、当該センサーの位置の曲がり程度が高くなり、当該センサーの変換係数が高い。
フレキシブル表示パネル上の折り目位置は、フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力によって生じるものである。折り目位置にあるセンサーは折り曲げ力を受けて変形が発生し、したがってセンサーには電気抵抗値の変化が発生する。よって、逆に導くと、電気抵抗値の変化に基づいて当該センサーが受けた折り曲げ力の強さを算出することができ、ひいてはフレキシブル表示パネル上の折り曲げ力を受けた位置(すなわちフレキシブル表示パネルの折り目位置)を特定することができる。
具体的には図3に示すように位置1−19の真下にある第1のセンサーの電気抵抗変化値ΔR1に基づいて模擬力F1を算出する。
S3012:センサーの第2の電気抵抗変化値に基づいて当該センサーの第2の模擬力を算出する。
第2の模擬力は第2の電気抵抗変化値と当該センサーの第2の変換係数との積である。ここで、第2の変換係数は、当該センサーの材料及びフレキシブルディスプレイが曲げ状態になるときの当該センサーの曲げ状態と関係する。つまり、フレキシブルディスプレイの中のすべてのセンサーが同一の材料から作製されたものである場合、当該センサーが検知する折り曲げ力が大きければ、当該センサーの位置の曲がり程度が高くなり、当該センサーの変換係数が高い。
具体的には図3に示すよう、位置1−19の真下にある第2のセンサーの電気抵抗変化値ΔR2に基づいて模擬力F2を算出する。
S3013:複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいて前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向を取得する。
ステップS3013は主に、複数のセンサーの第1の模擬力の和と第2の模擬力の和とを比較することによって前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向を取得する。本発明の一実施例において、S3013による具体的な取得方法は以下の内容を含む。
複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1の和を求め、すなわち位置1−19にあって第1の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第1のセンサーの模擬力F1の和を求めてΣF1を取得する。複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2の和を求め、すなわち図3による位置1−19にあって第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知する各第2のセンサーの模擬力F2の和を求めてΣF2を取得する。その後、ΣF1とΣF2を比較し、ΣF1がΣF2より大きい場合、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあると判断することができる。
S3014:フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向、複数のセンサーの第1の模擬力及び第2の模擬力に基づいて前記折り目位置を特定する。
ステップS3014は主に、ステップS3013によって取得された前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向と、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向に対して垂直な方向におけるセンサーの電気抵抗値の変化と、に基づいて折り目位置を特定する。
本発明の一実施例において、具体的にステップS3014は、S3013で得られたフレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にある場合、第2のセンサー層の中で第2の方向上の同一列にある複数の第2のセンサーそれぞれの第2の模擬力F2を比較して、当該列の第2の方向上の第2の模擬力F2が最も大きい第2のセンサーを特定すると、複数のこのような第2のセンサーが所在する位置がすなわち折り目位置となる。具体的には図3に示すように、それぞれ第2の方向上の同一列にある位置1,2,3,4,5、位置6,7,8,9,10、位置11,14,17,19、位置12,15,18、位置13,16にあり且つ第2の方向において発生する電気抵抗変化値を検知するセンサーの電気抵抗変化値を取得し、それぞれ第2の方向の同一列にあるセンサーのうちから電気抵抗変化値が最も大きいセンサー(すなわち位置4、9、17、15、13にあるセンサー)を特定する。つまり、位置4、9、17、15、13にある第2のセンサー及び第1のセンサーの所在位置がすなわち折り目位置である。
本実施例は、フレキシブル表示パネルにおけるセンサーの電気抵抗変化値と当該センサーの変換係数との積を求め、フレキシブル表示パネルが曲げられたときに折り曲げ力の方向がすなわち表示対象の運動方向であるため、フレキシブル表示パネルが当該センサー位置で受けた模擬力を取得し、フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力の中の、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にあるか又は第2の方向にあるかを特定し、前記フレキシブル表示パネルが受けた折り曲げ力のメイン方向が第1の方向にある場合、センサーの第2の模擬力に基づいて折り目の位置を特定する。
S3014ではフレキシブル表示パネル上の折り目位置を取得したため、その次は折り目位置に基づいて第1の基準方向、第2の基準方向及び第1の夾角を取得する必要がある。折り目位置にあるセンサー及び折り目位置の両側にあるセンサーの電気抵抗変化値に基づいて、フレキシブル表示パネルの表示対象の制御情報を取得するステップS401は、以下の内容を含む。
S4011:折り目位置の両側にある複数のセンサーの第1の電気抵抗変化値ΔR1及び第2の電気抵抗変化値ΔR2に基づいて第1の基準方向及び第2の基準方向を取得する。
ステップS4011では、フレキシブル表示パネルの折り目位置に基づいて表示対象の制御情報を取得する。制御情報は運動情報を含み、運動情報は運動方向を含む。ここで、運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向であり、運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向であり、運動方向と第1の基準方向との間の夾角は第1の夾角である。つまり、運動方向を取得するためには、第1の基準方向、第2の基準方向及び第1の夾角を取得する必要がある。
ステップS4011において、第1の基準方向を取得するステップは主に以下の内容を含む。
折り目位置に対して第1の方向の負方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を算出して、和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第1の数値ΣF11を取得する。折り目位置に対して第1の方向の正方向側にある複数の第1のセンサーの第1の模擬力F1を算出して、和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めて第3の数値ΣF12を取得する。ΣF11がΣF12より小さい場合、第1の基準方向は第1の方向の正方向になり、つまり図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の第1の方向における投影は第1の基準方向である。
ステップS4011において、第2の基準方向を取得するステップは主に以下の内容を含む。
折り目位置に対して第2の方向の負方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F2を算出して、和を求める。すなわち9つの位置1、2、3、6、7、8、11、14、12にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第2の数値ΣF21を取得する。折り目位置に対して第2の方向の正方向側にある複数の第2のセンサーの第2の模擬力F22を算出して、和を求める。すなわち5つの位置5、10、19、18、16にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めて第4の数値ΣF22を取得する。ΣF21がΣF22より小さい場合、第2の基準方向は第2の方向の正方向になり、つまり図4、図5に示すよう、表示対象の運動方向の第2の方向における投影は第2の基準方向である。
S4012:前記折り目位置にある前記センサーの第1の電気抵抗変化値及び第2の電気抵抗変化値に基づいて前記第1の夾角αを算出する。
S4011で取得された第1の基準方向及び第2の基準方向と、S301で特定された折り目位置に基づいて、第1の夾角を取得する。S4012は主に以下の内容を含む。
折り目位置にある第1のセンサー層における複数の第1のセンサーの第1の模擬力F111を算出して、和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第1のセンサーの第1の模擬力の和を求めてΣF111を取得する。折り目位置にある第2のセンサー層における複数の第2のセンサーの第2の模擬力F211を算出して、和を求める。すなわち5つの位置4、9、17、15、13にある第2のセンサーの第2の模擬力の和を求めてΣF211を取得する。ここで、図4、図5に示すよう、第1の夾角の正接の値又は余接の値は、ΣF111とΣF211の比である。図5に示すよう、第1の基準方向が第1の方向の正方向である場合、第1の夾角の正接の値はΣF111とΣF211の比である。第1の基準方向が第1の方向の負方向である場合、第1の夾角の余接の値はΣF111とΣF211の比である。
ステップS4012まで実施すると、表示対象の制御情報の運動方向の取得を実現することができる。つまり、フレキシブル表示パネルが左上隅で折り曲げ力を受けて曲げ状態になっているときに取得される表示対象の運動方向は、右下隅に向き且つ第1の方向に対してα角だけ傾く。そしてフレキシブル表示パネルにおける表示対象に対して、当該運動方向に沿ったコントロールに従って、表示対象の運動情報を制御する。例えば、フレキシブル表示パネルがゴルフホールインゲームを表示しているとき、すなわちユーザがゴルフゲームをしているときには、フレキシブル表示パネルを曲げることによってゴルフボールを1つの位置からホールに入れようとする。ユーザがフレキシブル表示パネルの左上隅からフレキシブル表示パネルを曲げると、表示画面上の1つの位置にあるゴルフボールは右下隅へ向かって移動する。ゴルフボールがホールに入るまで、繰り返してフレキシブル表示パネル上の異なる位置を曲げてゴルフボールの運動方向をコントロールする。
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神および原則の範囲内で行われる任意の変更や同等置換などは、すべて本発明の保護範囲に属するべきである。