JP2021517902A - 置換ピロロトリアジン系化合物およびその医薬組成物並びにそれらの使用 - Google Patents

置換ピロロトリアジン系化合物およびその医薬組成物並びにそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、置換ピロロトリアジン系化合物および医薬組成物並びにそれらの使用を提供する。前記ピロロトリアジン系化合物は、式(Φ)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体である。本発明の化合物および組成物は、KITおよび/またはPDGFRαに関連する病気を治療するために使用することができる。【化1】

Description

本発明は、医学の技術分野に属し、特に、置換ピロロトリアジン系化合物およびそれを含有する医薬組成物、並びにそれらの使用に関する。より具体的には、本発明は、特定の重水素で置換された1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチルアミンまたはその立体異性体に関し、これらの重水素で置換された化合物およびそれらの組成物は、KITおよび/またはPDGFRαに関連する疾患を治療するために使用することができ、かつ、これらの重水素で置換された化合物はより優れた薬物動態的な特性を有する。
受容体チロシンキナーゼKIT(CD117とも称する)は、レトロウイルスの癌原遺伝子KITによってコードされるチロシンキナーゼ活性を持つ膜貫通受容体タンパク質の一種である。KITキナーゼは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインで構成されている。KITリガンドは、KITの細胞外ドメインに結合して受容体の二量体化を誘導し、下流のシグナル伝達経路を活性化する、幹細胞因子(Stem Cell Factor,SCF)である。通常、KITの突然変異は膜近傍ドメインをコードするDNA(エクソン11)に現れている。それらはまた、より低い頻度でエクソン7、8、9、13、14、17および18に現れている。突然変異は、KIT機能をSCFによる活性化に依存しないようにすることで、高い細胞分裂速度および可能性のあるゲノム不安定性をもたらす。突然変異KITは、全身性肥満細胞症(Systemic Mastocytosis,SM)、消化管間質腫瘍(Gastrointestinal Stromal Tumors,GIST)、急性髄細胞性白血病(Acute Myeloid (Myelocytic) Leukemia,AML)、黒色腫、およびセミノーマを含む、いくつかの病気および病態の発症機序に関与している。したがって、KITを阻害する治療剤、特に突然変異型KITを阻害する薬物を開発する必要がある。
血小板由来成長因子受容体(Platelet Derived Growth Factor Receptor)は、血小板由来成長因子(PDGF)ファミリーのメンバーとしての細胞表面チロシンキナーゼ受容体である。PDGFサブユニットPDGFαとPDGFβは、細胞増殖、細胞分化、細胞成長、発達、および癌を含む多くの疾患を調節する重要な因子である。PDGFRα D842Vの突然変異は、通常は胃からの、異なる消化管間質腫瘍(GIST)サブセットにおいて見出されている。D842Vの突然変異は、チロシンキナーゼ阻害剤耐性と関連していることが知られている。
消化管間質腫瘍(GIST)は、チロシンキナーゼ受容体KIT(CD117)または血小板由来成長因子受容体αポリペプチド(PDGFRα)の突然変異によって引き起こされる、カハール(Cajal)間質細胞または共通な前駆細胞において発生するまれな癌であり、GISTの80%〜85%は、エクソン11、エクソン9、エクソン13、およびエクソン17などのまれな変異部位を含む、KIT遺伝子の突然変異であり、PDGFRα遺伝子の突然変異は、5%〜10%を占め、エクソン18およびエクソン12の突然変異によく見られている。
アバプリチニブ(Avapritinib)(別名BLU−285、化学名は(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチルアミンであり、次の構造式を持つ)は、米国のBlueprint Medicines Corporationによって開発された経口的な低分子薬物であり、高選択性のPDGFRαおよびKIT阻害剤であり、KITおよびPDGFRαの突然変異(KIT D816V、PDGFRαD842VおよびKITエクソン17の突然変異などを含む)に対して活性を示し、現在、第I相臨床段階にある。2017年6月に、アバプリチニブは、PDGFRα D842V突然変異を有する切除不能または転移性GIST患者の治療のための、FDAブレークスルー療法の認定を得た。これまで、FDAは、消化管間質腫瘍(GIST)と全身性肥満細胞過形成(SM)の治療に使用するためのアバプリチニブのオーファンドラッグの資格を授与してきた。
Figure 2021517902
不十分な吸収、分布、代謝、および/または排泄(ADME)特性は、多くの薬剤候補の臨床試験の失敗を引き起こす主な原因であることが知られている。現在市販されている多くの薬物も、ADMEの特性が悪いため、それらの適用範囲が制限されている。薬物の急速な代謝は、本来疾患を効率よく治療できる多くの薬物が、体内代謝からの除去が速すぎるために、薬物化し難いという結果をもたらし得る。薬物の迅速なクリアランスの問題は頻繁または高用量の投与によって解決されるものの、その方法では患者のコンプライアンスの悪さ、高用量の投与による副作用、および治療コストの上昇などの問題を引き起こす可能性がある。さらに、急速に代謝される薬物はまた、患者を有害な毒性または反応性代謝物に曝露させる場合がある。
アバプリチニブはGISTおよびSMを高選択的なPDGFRαおよびKIT阻害剤として効果的に治療することができるが、この分野では、未だ深刻な臨床的要求は満たされず、KITおよび/またはPDGFRα媒介性疾患を治療でき、良好な経口バイオアベイラビリティを有し、製薬性を有する新規化合物を見出すことは、依然として挑戦的な課題である。したがって、本分野において、治療剤として適切な突然変異KITおよび/またはPDGFRα媒介性疾患に対する選択的阻害活性、および/またはより良好な薬力学/薬物動態を有する化合物の開発が依然として必要とされており、本発明は、そのような化合物を提供する。
上記の技術的課題に対して、本発明は、KITおよび/又はPDGFRαキナーゼ阻害活性がより良好であり、並びに薬物耐性突然変異KITエキソン17突然変異、KIT D816V、PDGFRα D842Vおよびそれらの三者に対する高い選択性を有し、同時により低い副作用、より良好な薬物動態学的性能を有し、全身性肥満細胞症(SM)、消化管間質腫瘍(GIST)、急性髄細胞性白血病(AML)の治療に有用な新規な重水素で置換されたピロロトリアジン系化合物、並びにその組成物および使用を開示する。
本明細書で使用される場合、「本発明の化合物」という用語とは、式(I)で表される化合物を意味する。この用語はまた、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物または溶媒和物、結晶多形、立体異性体もしくは同位体変異体も含む。
これに対し、本発明は、以下の技術的解決策を採用する。
本発明の第1の側面では、式(Φ)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶多形、立体異性体もしくは同位体変異体が提供される。
Figure 2021517902
式中、
、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または重水素から選択され、
およびXは、それぞれ独立して、CH、CD、CHDまたはCHDから選択され、
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され、
付加的な条件は、上記式の化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである。
本発明は、別の側面において、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある実施形態では、本発明の化合物が、有効量で前記医薬組成物中に提供される。ある実施形態では、本発明の化合物は、治療的有効量で提供される。ある実施形態では、本発明の化合物は、予防的有効量で提供される。ある実施形態では、前記医薬組成物は、さらにエクソン9またはエクソン11に突然変異を有する突然変異KITに対して活性を有する他の治療剤を含む。
本発明は、別の側面において、薬学的に許容される賦形剤を本発明の化合物と混合して医薬組成物を形成するステップを含む、上記のような医薬組成物の製造方法を提供する。
本発明はまた、別の側面において、対象においてKITによって媒介される疾患を治療する方法を提供することに関する。この方法は、該当対象に本発明の化合物または医薬組成物の治療的有効量を投与することを含む。ある実施形態では、前記KITは、エクソン9に突然変異を有する。ある実施形態では、前記KITは、エクソン11に突然変異を有する。ある実施形態では、前記KITは、エクソン17に突然変異を有する。ある実施形態では、前記KITは、残基816で突然変異している。ある実施形態では、前記化合物は、経口、皮下、静脈内または筋肉内に投与される。ある実施形態では、前記化合物は、長期的に投与される。ある実施形態では、KIT媒介性疾患は、肥満細胞症、消化管間質腫瘍、または急性髄細胞性白血病である。
本発明はまた、別の側面において、対象においてPDFGRαによって媒介される疾患を治療する方法を提供することに関する。この方法は、該当対象に本発明の化合物または医薬組成物の治療的有効量を投与することを含む。ある実施形態では、PDFGRαは、エクソン18に突然変異を有する。ある実施形態では、PDFGRαは、残基842で突然変異している。ある実施形態では、前記化合物は、経口、皮下、静脈内または筋肉内に投与される。ある実施形態では、前記化合物は、長期的に投与される。ある実施形態では、突然変異PDFGRα媒介性疾患は、肥満細胞症、消化管間質腫瘍、または急性髄細胞性白血病である。
本発明の他の目的および利点は、以下の発明を実施するための形態、実施例および特許請求の範囲から当業者には明らかであろう。
定義
本明細書において、「重水素化」とは、特に断りのない限り、化合物または基のうちの1つ以上の水素が重水素で置換されていることを意味し、重水素化は、一置換、二置換、多置換、または全置換であり得る。「1つ以上の重水素化」という用語は、「1回以上の重水素化」と互換的に使用される。
本明細書において、「非重水素化化合物」とは、特に断りのない限り、重水素原子の含有割合が天然の重水素同位体含有量(0.015%)以下である化合物を意味する。
「薬学的に許容される塩」という用語とは、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギーなどなしにヒトおよび下等動物の組織との接触に適しており、妥当な利益/危険比に見合うそれらの塩を意味する。薬学的に許容される塩は、本分野でよく知られている。例えば、Berge et al.によってJ.Pharmaceutical Sciences(1977) 66:1−19に詳細に記載されている薬学的に許容される塩。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機および有機の酸並びに塩基から誘導される塩が含まれる。
本発明の化合物は、アモルファスまたは結晶形態であり得る。さらに、本発明の化合物は、1つ以上の結晶形態で存在し得る。したがって、本発明は、本発明の化合物のアモルファスまたは結晶形態の全てをその範囲内に含む。「結晶形」という用語とは、一般的に固体状態での医薬品原材料の存在形態として表現される、化学薬物分子の異なる配列態式を意味する。一種の薬物は、多種の結晶性物質の状態で存在する可能性があり、同じ薬物の異なる結晶形は、体内での溶解および吸収が異なる可能性があり、製剤の溶出および放出に影響を与える可能性がある。
「結晶形」という用語とは、一般的に固体状態での医薬品原材料の存在形態として表現される、化学薬物分子の異なる配列態式を意味する。一種の薬物は、多種の結晶性物質の状態で存在する可能性があり、同じ薬物の異なる結晶形は、体内での溶解および吸収が異なる可能性があり、製剤の溶出および放出に影響を与える可能性がある。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト(すなわち、任意の年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、幼児、小児、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または高齢者))および/または非ヒト動物、例えば哺乳類、例えば霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。他の実施形態では、対象は非ヒト動物である。
「疾患」、「障害」および「病気」は、本明細書では互換的に使用される。
特に断りのない限り、本明細書で使用される「治療」という用語は、対象が特定の疾患、障害、または病気を有する場合に生じる疾患、障害、または病気の重症度を低下させるか、あるいは疾患、障害、または病気の進行を遅延させる作用(「治療的処置」)と、対象が特定の疾患、障害、または病気を有することを始める前に生じる作用(「予防的処置」)とを含む。
一般に、化合物の「有効量」とは、標的生物学的反応を引き起こすのに十分な量を意味する。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、例えば、生物学的標的、化合物の薬物動態、治療される疾患、投与の様式、並びに対象の年齢、健康状態および症状に依存して変化し得る。有効量は、治療的および予防性治療的有効量を含む。
特に断りのない限り、本明細書で使用される化合物の「治療的有効量」は、疾患、障害または病気の治療の間に治療上の利益を提供するのに十分な量、あるいは疾患、障害、または病気に関連する1つ以上の症状を遅延かもしくは最小化させる。化合物の治療的有効量とは、疾患、障害、または病気の治療の間に治療的利益を提供する、単独で、または他の治療と組み合わせて使用される治療剤の量を意味する。「治療的有効量」という用語は、全体的な治療を改善する、疾患または病気の症状または原因を減少または回避する、または他の治療剤の治療効果を増強する量を含み得る。
特に断りのない限り、本明細書で使用する化合物の「予防的有効量」は、疾患、障害もしくは病気を予防するのに十分な量、または疾患、障害もしくは病気に関連する1つ以上の症状を予防するのに十分な量、または疾患、障害もしくは病気の再発を予防する量である。化合物の予防的有効量とは、疾患、障害、または病気の予防の間に予防上の利益を提供する、単独で、または他の薬剤と組み合わせて使用される治療剤の量を意味する。「予防的有効量」という用語は、全体的な予防を改善する量、または他の予防剤の予防効果を増強する量を含み得る。
「組み合わせ」および関連用語とは、本発明の治療剤が同時または逐次に投与されることを意味する。例えば、本発明の化合物は、他の治療剤と別々の単位剤形で同時または逐次に投与され、または他の治療剤とともに単一の単位剤形で同時に投与され得る。
化合物
本明細書において、「本発明の化合物」とは、以下の式(Φ)の化合物、式(I)の化合物および式(II)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグ、または活性代謝物を意味する。
一つの実施形態では、本発明は、式(Φ)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
Figure 2021517902
式中、
、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または重水素から選択され、
およびXは、それぞれ独立して、CH、CD、CHDまたはCHDから選択され、
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され、
付加的な条件は、上記式の化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである。
別の実施形態では、本発明は、式(I)または式(II)の化合物である、上記の化合物またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
Figure 2021517902
式中、
、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または重水素から選択され、
およびXは、それぞれ独立して、CH、CD、CHDまたはCHDから選択され、
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され、
付加的な条件は、上記式の化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである。
一つのある実施形態において、重水素化位置での重水素の重水素同位体の含有量は、天然重水素同位体の含有量よりも少なくとも0.015%を超え、好ましくは30%を超え、より好ましくは50%を超え、より好ましく75%を超え、より好ましくは95%を超え、より好ましくは99%を超える。
具体的には、本発明において、R、R、R、R、R、R、R、R、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、XおよびXは、それぞれ重水素化位置における重水素同位体の含有量が、少なくとも5%であり、好ましくは10%を超え、より好ましくは15%を超え、より好ましくは20%を超え、より好ましくは25%を超え、より好ましくは30%を超え、より好ましくは35%を超え、より好ましくは40%を超え、より好ましくは45%を超え、より好ましくは50%を超え、より好ましくは55%を超え、より好ましくは60%を超え、より好ましくは65%を超え、より好ましくは70%を超え、より好ましくは75%を超え、より好ましくは80%を超え、より好ましくは85%を超え、より好ましくは90%を超え、より好ましくは95%を超え、より好ましくは99%を超える。
一つのある実施形態では、「R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または重水素から選択される」ということは、Rが水素または重水素から選択され、Rが水素または重水素から選択され、Rが水素または重水素から選択される、と同様に、Rが水素または重水素から選択されるまでの技術的解決策を含む。より具体的には、Rが水素またはRが重水素であり、Rが水素またはRが重水素であり、Rが水素またはRが重水素である、と同様に、Rが水素またはRが重水素であるまでの技術的解決策を含む。
別のある実施形態では、「XおよびXは、それぞれ独立して、CH、CD、CHDまたはCHDから選択される」ということは、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択される技術的解決策を含む。より具体的には、XがCH、XがCD、XがCHDまたはXがCHDであり、XがCH、XがCD、XがCHDまたはXがCHDでる技術的解決策を含む。
別のある実施形態では、「Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択される」ということは、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択される、と同様に、Y11が水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択されるまでの技術的解決策を含む。より具体的には、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)またはYがトリフルオロメチルであり、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)またはYがトリフルオロメチルであり、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)またはYがトリフルオロメチルである、と同様に、Y11が水素、Y11が重水素、Y11がハロゲン(F、Cl、BrまたはI)またはY11がトリフルオロメチルであるまでの技術的解決策を含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、かつ、R〜R、XおよびXが上記で定義した通りであり、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、かつ、R〜Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素または重水素であり、R〜Rがともに水素または重水素であり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに水素または重水素であり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCDであり、XはCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCDであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCHであり、XはCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCDであり、XはCHである」、または「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCDであり、XはCDである」技術的解決策を含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに水素または重水素であり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCHであり、XはCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCDであり、XはCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCDであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCDであり、XはCHである」、または「Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCDであり、XはCDである」技術的解決策を含む。別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素または重水素であり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに水素であり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCDであり、XはCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、R〜Rがともに水素であり、かつ、XはCDであり、XはCDである」技術的解決策を含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、かつ、R〜Rがともに重水素であり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCHであり、XはCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCDであり、XはCHである」または「Y〜Y11がともに水素であり、R〜Rがともに重水素であり、かつ、XはCDであり、XはCDである」技術的解決策を含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rがともに水素または重水素であり、R〜Rがともに水素または重水素であり、Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、XがCDである」ことを含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに重水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCDである」ことを含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCHであり、かつ、R〜Rが重水素であり、XがCDである」ことを含む。
別のある実施形態では、本発明は、Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、付加的な条件は前記化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである、式(Φ)、式(I)または式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体に関する。より具体的には、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、R〜Rが重水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが重水素であり、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCDである」、「Y〜Y11がともに水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが重水素であり、XがCHである」、「Y〜Y11がともに重水素であり、XがCDであり、かつ、R〜Rが水素であり、XがCDである」ことを含む。
本発明の好ましい実施形態として、前記化合物は、以下の構造のいずれか、またはその薬学的に許容される塩であるが、以下の構造に限定されない。
Figure 2021517902
Figure 2021517902
Figure 2021517902
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本発明の化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体の形態で存在し得る。本発明は、本発明の範囲内に入るような、そのシスおよびトランス異性体、R−およびS−エナンチオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、ラセミ混合物、並びにそれらの他の混合物を含む、全てのそのような化合物を網羅する。アルキル基などの置換基には、さらなる不斉炭素原子が存在してもよい。全てのそのような異性体およびそれらの混合物は、本発明に含まれることが意図される。
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが所望まれる場合、それは、不斉合成によって製造することができるか、または得られたジアステレオマー混合物を分離して補助基を解離させて、純粋な所望のエナンチオマーを提供する、キラル補助剤を使用して誘導体化することができる。あるいは、分子内にアミノ基などの塩基性官能基またはカルボキシル基などの酸性官能基を含有する場合、適切な光学活性酸または塩基とジアステレオマー塩を形成し、次いで、そのようにして形成されたジアステレオマーを、本分野で周知の分布結晶化またはクロマトグラフィー手段によって分割し、次いで、純粋なエナンチオマーが回収される。
特に明記しない限り、開示された化合物が、立体化学を特定せずに命名されるか、または構造によって示され、1つ以上のキラル中心を有する場合、該当化合物の全ての立体異性体およびそのエナンチオマー混合物を表すと理解されるべきである。
組成物の「エナンチオマー過剰率」又は「エナンチオマー過剰百分率」は、以下に示す一般式を使用して算出することができる。以下に示す実施例では、組成物は、90%の一方のエナンチオマー(例えば、Sエナンチオマー)および10%の他方のエナンチオマー(例えば、Rエナンチオマー)を含有する。
Figure 2021517902
したがって、90%の一方のエナンチオマーおよび10%の他方のエナンチオマーを含有する組成物は、80%のエナンチオマー過剰率を有すると記載されている。
本明細書に記載の化合物または組成物は、少なくとも50%、75%、90%、95%または99%のエナンチオマー過剰率の化合物の一つ形態、例えば、S−エナンチオマーを含有してもよい。換言すれば、そのような化合物または組成物は、R−エナンチオマーに対してエナンチオマー過剰率のSエナンチオマーを含有する。
当業者は、有機化合物が溶媒と複合体を形成し、それが該当溶媒中で反応するか、または該当溶媒から沈殿または結晶化することを理解するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物の全ての溶媒和物を網羅する。
「溶媒和物」という用語とは、一般に溶媒分解反応によって形成される、溶媒と結合した化合物またはその塩の形態を意味する。この物理的な会合には、水素結合が含まれる場合がある。従来の溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、エーテルなどが含まれる。本明細書に記載の化合物は、例えば、結晶形態で製造することができ、また溶媒和されてもよい。適切な溶媒和物には、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物がさらに含まれる。いくつかの場合において、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれているときに、単離されることができる。「溶媒和物」は、溶液状態の溶媒和物および単離可能な溶媒和物を含む。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノール和物およびメタノール和物が含まれる。
「水和物」という用語とは、水と結合した化合物を意味する。一般に、化合物の水和物に含まれる水分子の数と、該当水和物中の該当化合物の分子数との比率によって決定される。したがって、化合物の水和物は、例えば、一般式R・xHO(式中、Rは該当化合物であり、xは0より大きい数である)で表すことができる。所定の化合物は、例えば、1水和物(xは1である)、低級水和物(xは0より大きく1より小さい数であり、例えば、半水和物(R・0.5HO)である)および多水和物(xは1より大きい数であり、例えば、二水和物(R・2HO)および六水和物(R・6HO)である)を含む、1種以上の水和物タイプを形成してもよい。
本発明の化合物は、アモルファスまたは結晶形態(結晶多形)であり得る。さらに、本発明の化合物は、1種以上の結晶形態で存在し得る。したがって、本発明は、本発明の化合物のアモルファスまたは結晶形態の全てをその範囲内に含む。「結晶多形」という用語とは、特定の結晶充填配置の化合物の結晶形態(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)を意味する。すべての結晶多形は同じ元素組成を持っている。通常、異なる結晶形態は、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、保存温度、および他の要因により、結晶形態が支配的になる可能性がある。化合物の様々な結晶多形は、異なる条件下での結晶化によって製造することができる。
本発明は、式(I)に示されるものと同等であるが、原子質量または質量数が自然界で通常の原子質量または質量数とは異なる原子によって1個以上の原子が置換されている、同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に導入可能な同位体の例としては、例えば、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、そのプロドラッグ、並びに前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容される塩が、すべて本発明の範囲内である。放射性同位体(例えば、3Hおよび14C)を導入するものなどの、ある同位体で標識された本発明の化合物は、薬物および基質の組織分布アッセイに使用することができる。トリチウム(すなわちH)および炭素14 (すなわち14C)同位体は、それらの製造および検出が容易であるため、特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわちH)による置換は、代謝安定性がより高く、治療上の利益、例えばインビボ半減期の延長または必要とされる用量の低減を提供し得るため、いくつかの場合において好ましいことがある。同位体で標識された本発明の式(I)の化合物およびそのプロドラッグは、一般に、下記のスキームおよび/または実施例および製造例に開示されるプロセスを実施する際に、非同位体標識された試薬を容易に入手可能な同位体標識された試薬に置き換えることによって製造することができる。
さらに、プロドラッグも本発明の文脈内に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語とは、例えば、血中での加水分解によって、体内で医学的効果を有するその活性型に変換される化合物を意味する。薬学的に許容されるプロドラッグは、T.HiguchiおよびV.Stella,Prodrug as as Novel Delivery Systems,ACS Symposium Series Vol.14、Edward B.Roche ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association, Pergamon Press,1987、並びにD.Fleisher,S.RamonおよびH.Barbra「Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs」,Advanced Drug Delivery Reviews(1996) 19(2) 115−130に記載されており、それぞれの文書が参照により本明細書に組み込まれる。
プロドラッグは、共有結合した任意の本発明の化合物であり、そのようなプロドラッグが患者に投与されると、それは体内で親化合物を放出する。プロドラッグは、通常、官能基を修飾することによって製造され、修飾は、該当修飾が慣習的な操作または体内での開裂を通して親化合物を生成することができるように行われる。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、またはチオール基が任意の基に結合している本発明の化合物を含み、患者に投与されると、開裂してヒドロキシル基、アミノ基、またはチオール基を形成することができる。したがって、プロドラッグの代表的な例としては、式(I)の化合物のヒドロキシル基、チオール基、およびアミノ基官能基のアセテート/アミド、ホルメート/アミド、およびベンゾエート/アミド誘導体が含まれるが、これらに限定されない。また、カルボン酸(−COOH)の場合には、例えば、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを使用することができる。エステルは、それ自身が活性的であってもよく、および/またはヒトの生体条件下で加水分解されてもよい。適切な薬学的に許容される体内で加水分解可能なエステル基には、ヒトの体内で容易に分解されて親酸またはその塩を放出するものが含まれる。
合成
本発明の化合物(その塩およびN−オキシドを含む)は、公知の有機合成技術を使用して製造されることができ、以下のスキームのものなどの様々な可能な合成経路のいずれかに従って合成されることができる。本発明の化合物を製造するための反応は、適切な溶媒中で行うことができ、有機合成の当業者であれば溶媒を容易に選択することができる。好適な溶媒は、反応が行われる温度(例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸点までの温度範囲内の温度)で、出発物質(反応物)、中間体または生成物と実質的に反応しないことがある。所定の反応は、1種の溶媒または1種以上の溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応工程のための溶媒は、特定の反応工程に依存して当業者によって選択され得る。
本発明の化合物の製造は、異なる化学基の保護および脱保護に関し得る。保護および脱保護の要否、並びに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定され得る。保護基の化学的性質は、例えばWutsおよびGreene,Protective Groups in Organic Synthesis,第4版,John Wiley&Sons:New Jersey,(2006)を参照することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
反応は、本分野で公知の任意の適切な方法に従ってモニターされ得る。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外線(IR)分光法、分光光度法(例えば、UV−可視光)、質量分析(MS)、またはクロマトグラフィー法(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC))などのスペクトル手段によってモニターすることができる。
医薬組成物、製剤およびキット
別の側面において、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は有効量の活性成分を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は治療的有効量の活性成分を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は予防的有効量の活性成分を含む。
本発明において使用される薬学的に許容される賦形剤とは、一緒に製剤化される化合物の薬理学的活性を損なわない非毒性の担体、アジュバントまたはビヒクルを意味する。本発明の組成物において使用することができる薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、シリカゲル、トリケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、およびラノリンが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、キット(例えば、医薬パッケージ)も含む。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、並びに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2の容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散可能なパッケージまたは他の適切な容器)を含むことができる。いくつかの実施形態において、提供されるキットは、また本発明の化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための医薬用賦形剤を含有する第3の容器を任意に含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の容器および第2の容器における本発明の化合物と他の治療剤を組み合わせ、1つの単位剤形を形成するものが提供される。
本発明に提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸投与、鼻腔投与、口腔投与、膣投与、インプラントによる投与、または他の投与方法を含むが、これらに限定されない、多数の経路により投与することができる。例えば、本明細書で使用される非経口投与は、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑液腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病変内投与、および頭蓋内の注射または注入技術を含む。
一般的に、有効量の本明細書に提供される化合物が投与される。実際に投与された化合物の量は、医師によって、治療されている病気、選択された投与経路、実際に投与された化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重症度などを含めて、状況に応じて決定され得る。
本明細書に提供される化合物は、本発明に記載される病気を予防するために使用される場合、典型的には、医師の推奨に基づいて、医師の監督下で投与され、その用量レベルは、上記に記載される通りである。特定の病気を発症するリスクのある対象は、一般に、その病気の家族歴を有する対象、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって、その病気の形成に特に感受性があると決定された対象を含む。
本明細書に提供される医薬組成物は、長期間投与することもできる(「長期投与」)。長期投与とは、化合物またはその医薬組成物を、例えば、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期にわたって投与することを意味し、あるいは、例えば対象の余生の間に、無期限に持続投与することができる。いくつかの実施形態では、長期投与は、例えば、治療ウインドウ内で、長期間にわたって、一定のレベルの化合物を血中に提供することを意図している。
本発明の医薬組成物は、様々な投与方法を用いてさらに送達され得る。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、血中の化合物の濃度を効果的なレベルに急速に増加させるために、ボーラス投与され得る。ボーラス用量は、活性成分の目標全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分をゆっくりと放出させるが、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV静脈点滴による)は、より迅速に送達され、血中の活性成分の濃度を有効レベルまで急速に上昇させることができる。他の実施形態において、医薬組成物は、例えばIV静脈点滴による持続注入として投与され、対象の身体における定常状態濃度の活性成分を提供することができる。さらに、他の実施形態において、ボーラス用量の医薬組成物を最初に投与し、その後、持続的に注入することができる。
経口組成物は、バルク液体溶液または懸濁剤もしくはバルク粉末の形態をとり得る。しかしながら、より一般的には、正確な用量投与を容易にするために、前記組成物は単位剤形で提供される。「単位剤形」という用語とは、ヒト患者および他の哺乳動物の単位用量として適した物理的に別個の単位を意味し、各単位は、所望の治療効果を生じるのに適した所定の量の活性物質および適切な薬学的賦形剤を含む。典型的な単位剤形には、液体組成物の事前に充填され、事前に測定されたアンプルもしくはシリンジ、または固体組成物の場合には、丸剤、錠剤、カプセル剤などが含まれる。そのような組成物において、前記化合物は、一般に、より少ない成分(約0.1〜約50重量%、または好ましくは約1〜約40重量%)であり、残りは、所望の投与形態を形成するのに有用な様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
経口用量について、代表的な態様としては、1日1〜5回の経口用量、特に2〜4回の経口用量、典型的には3回の経口用量である。これらの用量投与モードを用いて、各用量は、約0.01〜約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ、約0.1〜約10mg/kg、特に約1〜約5mg/kgを提供する。
使用される注射用量と類似する血中レベル、または使用される注射用量より低い血中レベルを提供するために、経皮用量は、一般に、約0.01〜約20重量%、好ましくは約0.1〜約10重量%、より好ましくは約0.5〜約15重量%の量で選択される。
注射用量レベルは、約1〜約120時間、特に24〜96時間の範囲内で、約0.1mg/kg/時間〜少なくとも10mg/kg/時間の範囲にある。十分な定常状態レベルを得るために、約0.1mg/kg〜約10mg/kg以上の前荷重ボーラスを投与することもできる。最大総用量は、40〜80kgのヒト患者にとって約2g/日を超えることができない。
経口投与に適した液体形態は、適切な水性または非水性担体、並びに緩衝剤、懸濁剤および分散剤、着色剤、調味料などを含み得る。固形形態は、例えば、結合剤(例えば、微結晶セルロース、トラガカント、またはゼラチン)、賦形剤(例えば、デンプン、または乳糖)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、またはコーンスターチ)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、流動促進剤(例えば、コロイダルシリカ)、甘味料(例えば、ショ糖、またはサッカリン)、または調味料(例えば、ミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ風味の調味料)のいずれかの成分、または類似の性質を有する化合物を含み得る。
注射可能な組成物は、典型的には、注射用可能な滅菌生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水、または本分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づく。前述のように、このような組成物では、活性化合物は、典型的には、より少ない成分であり、しばしば約0.05〜10重量%であり、残りは注射可能な賦形剤などである。
経皮組成物は、典型的には、活性成分を含有する局所軟膏剤またはクリーム剤として製剤化される。軟膏剤として製剤化される場合、活性成分は、典型的には、パラフィンまたは水混和性軟膏基剤と組み合わされる。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤と共にクリーム剤として製剤化されてもよい。このような経皮製剤は、本分野において周知であり、一般に、活性成分または製剤の安定な皮膚浸透を高めるための他の成分を含む。このような公知の経皮製剤および成分はすべて、本発明によって提供される範囲内に含まれる。
本発明の化合物は、経皮デバイスを介して投与することもできる。したがって、経皮投与は、リザーバー(reservoir)または多孔質膜タイプ、または様々な固体マトリックスのパッチを使用して達成され得る。
経口投与、注射または局所投与用組成物における上記成分は、代表的なものに過ぎない。他の材料および処理技術等は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvaniaの第8部分に記載されており、この文書が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、徐放性形態で、または徐放性薬物送達システムから投与することもできる。代表的な徐放性材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。
本発明は、さらに、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤に関する。一つの実施形態では、前記製剤は水を含む。別の実施形態では、前記製剤はシクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、それぞれ6、7、および8個のα−1,4−結合したグルコース単位からなるα、β、およびγ−シクロデキストリンであり、それは、結合した糖部分に1つ以上の置換基(メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化、およびスルホアルキルエーテル置換を含むが、これらに限定されない)を任意に含む。いくつかの実施形態では、前記シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、例えば、カルプノールとしても知られるスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照。いくつかの実施形態では、前記製剤は、ヘキサプロピル−β−シクロデキストリン(例えば、水中で10〜50%)を含む。
適応症
本発明の化合物は、異常なKIT活性に関連するヒトまたは非ヒトの病気を治療するために使用することができる。KITにおける活性化突然変異は、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性髄細胞性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、および縦隔B細胞リンパ腫を含む、様々な適応症において存在する。
肥満細胞症とは、1つの組織又は複数の組織における過剰な肥満細胞蓄積によって特徴付けられる一群の病気を意味する。肥満細胞症は、(1)皮膚に限定された形態を示す皮膚性肥満細胞症(CM)と、(2)皮膚の障害を伴う又は伴わない、肥満細胞が真皮の外器官に浸潤する形態を示す全身性肥満細胞症(SM)の2群の病気に分類される。SMは、さらに、無痛型SM(ISM)、くすぶり型SM(SSM)、侵襲型SM(ASM)、血液肥満細胞系統の疾患に関連するSM(SM−AHNMD)、および肥満細胞白血病(MCL)の5つの形態に分類される。
全身性肥満細胞症の診断は、浸潤時に肥満細胞が非定型的な状態をしばしば有し、非肥満細胞マーカー(CD25および/またはCD2)を異常に発現させることを示している、骨髄の組織学的および細胞学的研究に一部基づく。骨髄肥満細胞浸潤が、(1)異常な肥満細胞形態学(紡錘形細胞)、(2)20ng/mL以上に上昇したプラスミンレベル、または(3)活性化KIT T D816V突然変異の存在のいずれかに認められた場合にSMと診断される。
D816の位置における活性化突然変異は、多種多様な肥満細胞症例(90〜98%)において見出され、その中で最も一般的な突然変異は、D816VおよびD86H、並びにD816Yである。D816Vの突然変異は、キナーゼドメイン中の活性化ループに存在し、KITキナーゼの構成的活性化をもたらす。
本発明の化合物は、消化管間質腫瘍(GIST)の治療にも有用である。全外科的切除は、依然として、患者が原発性GISTを有する患者に対して選択された主要な治療方法である。手術は、GIST患者の約50%において効果的であり、残りの患者では、腫瘍再発がしばしば起こる。また、イマチニブなどのKIT阻害剤による最初治療処置は、初期治療に十分なことが実証されている。しかしながら、イマチニブに対する抵抗性は、数ヶ月以内に体細胞突然変異によって生じる。これらの第2世代のイマチニブ抵抗性突然変異は、エクソン11、13、14、17または18に最も頻繁に位置する。スニチニブは、イマチニブ抵抗性腫瘍の大部分の二次治療の標準品であり、エクソン11、13および14に突然変異を含むものに有効である。しかしながら、エキソン17および18における第2世代KITの突然変異はスニチニブ治療に対して抵抗性であり、さらに、スニチニブ治療の数ヶ月後に、エキソン17および18に第三世代の抵抗性突然変異を含む腫瘍が出現する。レゴラフェニブは、イマチニブ、スニチニブ抵抗性GISTの第3相臨床試験において、エクソン17および18のすべてではなく、いくつかの突然変異(D816は、その1つが活性である)に対して望ましい結果を示した。したがって、レゴラフェニブでは解決できない特定のエクソン17の突然変異GIST患者を治療するための治療剤が必要とされている。
難治性GIST環境において、本明細書に開示される化合物とともに、イマチニブ、スニチニブおよび/またはレゴラフェニブの組成物を使用することにより、単一の薬剤として本明細書に記載される化合物を使用することに加えて、エクソン17の突然変異に対する抵抗性の発生を防止することができる。
PDGFRαにD842V突然変異を有するGIST患者のサブセットが存在し、このサブグループのGIST患者が、該当突然変異を同定することによって層別化され得る。現在入手可能なチロシンキナーゼ阻害剤のすべてが、このサブセットの患者を治療することは困難である。本明細書に記載の化合物は、PDGFRαD842Vに対する活性を有するため、これらの患者の治療に有用である。
本明細書に記載の化合物はまた、急性髄細胞性白血病(AML)の治療に有用である。AML患者はまた、KITの突然変異を潜在的に有し、これらの突然変異のほとんどはD816の位置にある。
また、KITの突然変異は、ユーイング肉腫、DLBCL (びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、非性細胞腫、脊髄異形成症候群、鼻NK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳癌に関連している。
本発明の化合物は、エクソン17における1つ以上のKITの突然変異(例えば、D816V、D816Y、D816F、D816K、D816A、D816G、D820A、D820E、D820G、N822K、N822H、Y823DおよびA829P)に対して活性を有するが、野生型KITに対してははるかに活性が低い疾患の治療に使用することができる。これらの化合物は、a)KITの他の活性化突然変異、例えば、エクソン9および11の突然変異に対して活性を有するが、b)エクソン17の突然変異に対しては不活性であるような薬剤と組み合わせて投与することができる。このような薬剤は、イマチニブ、スニチニブ和レガチニブを含む。したがって、前記化合物と前記薬剤との組み合わせは、エクソン17の突然変異KITを阻害し、エクソン19/11の突然変異KITを阻害することになる。前記の化合物および薬剤は、同時に投与、または交互的なプロトコルで投与され得る。すなわち、エクソン17の突然変異KIT阻害剤をある期間、単独で投与することができ、次いで、エクソン9/11の突然変異KIT阻害剤をある期間、単独で投与することができる。次いで、このサイクルを繰り返すことができる。このようなプロトコルは、エクソン17の突然変異KIT阻害剤および/またはエクソン9/11の突然変異KIT阻害剤に対する抵抗性の産生を遅延させることができると考えられる。
また、エキソン17の突然変異に対して選択され得る本発明の化合物は、エキソン9/11の突然変異に対して活性を有する薬剤と共に、双方向の組み合わせの場合に欠失される突然変異を網羅する第3の薬剤と組み合わせて投与され得る。3種の薬剤の組み合わせは、一連のKIT突然変異を阻害することができ、かつ、いくつかの場合には野生型KITを阻害することができる。前記薬剤は、同時にまたは交互的なプロトコルで投与され得る。それらは、毎回単独で投与されてもよく、または二種の薬剤がある期間、一緒に投与されてもよく、次いで、第3の薬剤をある期間、単独に投与してもよい。このようなプロトコルは、突然変異KIT阻害剤に対する抵抗性の産生を遅延させることができると考えられる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためだけに使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解される。以下の実施例において、具体的な条件を記載していない実験方法は、通常、慣用の条件、または製造業者が提案する条件に従う。部および百分率は、特に断りのない限り、重量部および重量百分率である。
一般に、製造プロセスにおいて、各反応は、通常、不活性溶媒中、室温〜還流温度(例えば、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃)で行われる。反応時間は、通常0.1〜60時間、好ましくは0.5〜24時間である。
本明細書で使用する略語は、以下の意味を有する。
Figure 2021517902
実施例1:(4−フルオロフェニル)(2−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)メタノン(中間体A−1)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物3の合成
磁気攪拌を備えた250mLの単口フラスコに、1,4−ジオキサン(100mL)と化合物1(10.0g、53.59mmol)を加え、攪拌して溶解し、氷水浴で冷却したのち、化合物2(9.98g、53.59mmol)とDIPEA(20.8mL、134mmol)を加え、氷浴を取り外し、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムに通すことにより、18.0g(収率:99.85%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=337.2(M+1)
ステップ2:化合物4の合成
磁気撹拌およびコンデンサーチューブを備えた500mLの単口フラスコに、THF(100mL)、メタノール(100mL)および化合物3(17.0g、50.54mmol)を加え、撹拌して溶解し、NaOH水溶液(4.04g、0.11mol、100mL)を撹拌しながら加え、窒素雰囲気下で70℃に昇温し、この温度を保ち、2時間撹拌しながら反応し、室温まで冷却し、1M HCl(aq.)でpHを5に調整し、大量の白色固体を析出させ、ろ過し、水(10mL)で洗浄し、真空乾燥させることにより、15.0g(収率:96.26%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=309.2(M+1)
ステップ3:化合物5の合成
磁気攪拌を備えた250mLの単口フラスコに、化合物4(6.90g、22.38mmol)と乾燥ジクロロメタン(100mL)を加え、攪拌して溶解し、HOBT(3.63g、26.85mmol)、EDCI(6.43g、33.57mmol)およびトリエチルアミン(9.06g、89.51mmol)を加え、混合液を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.62g、26.85mmol)を加えた後、窒素雰囲気下で3時間攪拌しながら反応を続けた。水(50mL)を加えて反応を停止させ、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、3.0g(収率:38.15%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=352.2(M+1)
H NMR(400 MHz、CDCl) δ 8.82(s、2H)、3.90(t、J=5.2Hz、4H)、3.62(s、3H)、3.51(t、J=5.2Hz、4H)、3.36(s、3H)、1.49(s、9H)。
ステップ4:化合物7の合成
磁気攪拌を備えた100mLの二つ口フラスコに、化合物5(3.0g、8.54mmol)と無水THF(30mL)を加え、撹拌して溶解し、真空にして窒素で保護し、氷水浴で冷却し、化合物6のTHF溶液(2M、8.54mL、17.07mmol)を滴下し、滴下終了後、氷浴を取り外し、室温で3時間撹拌しながら反応した。希塩酸(1M、15mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、水(20mL)で洗浄し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して溶媒を留去させ、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、2.37g (収率:71.8%)のオフホワイト固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=387.1(M+1)
H NMR(300MHz、CDCl) δ 8.77(s、2H)、7.82−7.77(m、2H)、7.21−7.16(m、2H)、3.98−3.95(m、4H)、3.56−3.52(m、4H)、1.50(s、9H)。
ステップ5:中間化合物A−1の合成
磁気攪拌を備えた100mLの単口フラスコに、化合物7(2.37g、6.13mmol)とジクロロメタン(25mL)を加え、攪拌して溶解し、TFA(5mL)を加え、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮乾固することにより、1.50g(収率:85.42%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=287.1(M+1)
実施例2:(4−フルオロフェニル)(2−(ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)メタノン(中間体A−2)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物9の合成
磁気攪拌を備えた100mLの単口フラスコに、1,4−ジオキサン(60mL)と化合物1(4.0g、21.4mmol)を加え、攪拌して溶解し、氷水浴で冷却したのち、化合物8(2.48g、25.6mmol)とDIPEA(7.5g、53.6mmol)を加え、氷浴を取り外し、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌しながら反応した。BocO(9.3g、40.3mmol)を加え、1時間攪拌しながら反応を続けた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、3.5g(収率:47.4%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=345.2(M+1)
ステップ2:化合物10の合成
磁気攪拌およびコンデンサーチューブを備えた100mLの単口フラスコに、THF(30mL)、メタノール(30mL)と化合物9(3.5g、10.17mmol)を加え、攪拌して溶解し、NaOH水溶液(0.83g、20.34mmol、30mLの水に溶解)を攪拌しながら加え、窒素雰囲気下で70℃に昇温し、この温度を保ち、2時間撹拌しながら反応し、室温まで冷却し、1M HCl(aq.)でpHを5に調整し、大量の白色固体を析出させ、ろ過し、水(10mL)で洗浄し、真空乾燥させることにより、3.0g(収率:93.05%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=317.2(M+1)
ステップ3:化合物11の合成
磁気攪拌を備えた100mLの単口フラスコに、化合物10(3.0g、9.48mmol)と乾燥ジクロロメタン(30mL)を加え、攪拌して溶解し、HOBT(1.54g、11.38mmol)、EDCI(2.73g、14.22mmol)およびトリエチルアミン(3.84g、37.93mmol)を加え、混合液を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.11g、11.38mmol)を加えた後、窒素雰囲気下で3時間攪拌しながら反応を続けた。水(30mL)を加えて反応を停止させ、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、3.0g(収率:88.02%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=360.2(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.82(s、2H)、3.62(s、3H)、3.36(s、3H)、1.49(s、9H)。
ステップ4:化合物12の合成
磁気攪拌を備えた100mLの二つ口フラスコに、化合物11(3.0g、8.35mmol)と無水THF(30mL)を加え、攪拌して溶解し、真空にして窒素で保護し、氷水浴で冷却し、化合物6のTHF溶液(2M、8.35mL、16.69mmol)を滴下し、滴下終了後、氷浴を取り外し、室温で3時間撹拌しながら反応した。希塩酸(1M、15mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、水(20mL)で洗浄し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、2.37g(収率:72.0%)のオフホワイト固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=395.1(M+1)
H NMR(300MHz、CDCl) δ 8.77(s、2H)、7.82−7.77(m、2H)、7.21−7.16(m、2H)、1.50(s、9H)。
ステップ5:中間体A−2の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物12(2.37g、6.01mmol)とジクロロメタン(25mL)を加え、攪拌して溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)を加え、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮乾固することにより、1.50g(収率:84.82%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=295.1(M+1)
実施例3:4−クロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(中間体B−1)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物15の合成
磁気攪拌を備えた100mLの単口フラスコに、化合物13(4.18g、20.09mmol)、化合物14(2.15g、10.05mmol)、炭酸セシウム(9.82g、30.14mmol)、Pd(dppf)Cl(1.63g、2.22mmol)、1,4−ジオキサン(100mL)および水(20mL)を加え、真空にして窒素ガスで3回置換し、窒素雰囲気下で110℃に昇温して一晩置いて、室温まで冷却し、80〜100メッシュのシリカゲル(50g、120mL)を加え、減圧下で濃縮乾固し、シリカゲルカラムに通すことにより、1.2g(収率:55.5%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=216.1(M+1)
ステップ2:中間体B−1の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物15(1.0g、4.58mmol)とオキシ塩化リン(10mL)を加え、窒素雰囲気下で95℃に昇温し、この温度を保ち、5時間撹拌しながら反応した。室温まで冷却し、残留のオキシ塩化リンを減圧留去し、ジクロロメタン(30mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、有機層を分離し、水層をジクロロメタン(20mL)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、480mg(収率:36.84%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=234.1(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 19(s、1H)、7.96(d、J=1.6Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.65(s、1H)、7.00(d、J=1.6Hz、1H)、3.98(s、3H)。
実施例4:4−クロロ−6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(中間体B−2)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物17の合成
磁気攪拌を備えた100mLの二つ口フラスコに、化合物16(5.0g、25.77mmol)と無水THF(40mL)を加え、攪拌して溶解し、氷水浴で冷却しながらゆっくりとNaH(2.25g、51.54mmol、55%w/w)を加えた後、窒素雰囲気下で10分間(min)撹拌したのち、CDI(7.47g、51.54mmol)を滴下し、滴下終了後、氷浴を取り外し、窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌しながら反応した。メタノール(5mL)を加えて反応を停止させ、さらに酢酸エチル(30mL)を加えて反応液を希釈し、不溶性固体を濾別し、ろ液を濃縮してシリカゲルカラムに通すことにより、3.5g(収率:64.35%)の無色油状物を得た。LC−MS(APCI):m/z=212.1(M+1)
ステップ2:化合物18の合成
磁気攪拌を備えた100mLの単口フラスコに、化合物17(3.49g、16.54mmol)、化合物14(1.77g、8.27mmol)、炭酸セシウム(8.08g、24.81mmol)、Pd(dppf)Cl(678mg、0.83mmol)、1,4−ジオキサン(70mL)、エタノール(15mL)および水(10mL)を加え、真空にして窒素ガスで3回置換し、窒素雰囲気下で110℃に昇温して一晩置いて、室温まで冷却し、80−100メッシュのシリカゲル(50g、120mL)を加え、減圧下で濃縮乾固し、シリカゲルカラムに通すことにより、1.1g(収率:60.95%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=219.1(M+1)
ステップ3:中間体B−2の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物18(1.0g、4.58mmol)とオキシ塩化リン(10mL)を加え、窒素雰囲気下で95oCに昇温し、この温度を保ち、5時間撹拌しながら反応した。室温まで冷却し、残留のオキシ塩化リンを減圧留去し、ジクロロメタン(30mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、有機層を分離し、水層をジクロロメタン(20mL)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、330mg(収率:30.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=237.1(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.19(s、1H)、7.96(d、J=1.6Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.65(s、1H)、7.00(d、J=1.6Hz、1H)。
実施例5:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物22)、
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物T−1−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物T−1−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物19の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物A−1(261.3mg、0.91mmol)と1,4−ジオキサン(10mL)を加え、攪拌して溶解し、DIPEA(200mg、1.52mmol)と化合物B−2(180mg、0.76mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で一晩攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、340mg(収率:91.89%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=487.1(M+1)
H NMR(400MHz、DMSO−D) δ 8.82(s、2H)、7.83−7.79(m、2H)、7.73(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(s、1H)、7.58(s、1H)、7.20(t、J=8.4Hz、2H)、6.80(s、1H)、4.09−4.07(m、4H)、3.90−3.88(m、4H)。
ステップ2:化合物20の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物19(340mg、0.70mmol)と無水THF(10mL)を加え、攪拌して溶解し、S−tert−ブチルスルフィンアミド(321mg、2.66mmol)とチタン酸テトラエチル(526mg、2.31mmol)を加え、窒素雰囲気下で70℃に昇温し、この温度を保ち、一晩撹拌しながら反応した。室温まで冷却し、水(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(30mL)で洗浄し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、290mg(収率:70.37%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=590.3(M+1)
H NMR (400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、4.19−4.16(m、4H)、4.06−4.04(m、4H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ3:化合物21の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物20(290mg、0.49mmol)と無水THF(5mL)を加え、攪拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと臭化メチルマグネシウムのTHF溶液(1.0mL、3.0mmol、3M)を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=606.3(M+1)
H NMR(400 MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、4.19−4.16(m、4H)、4.06−4.04(m、4H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ4:化合物22の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物21(160mg、0.26mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg (収率:75.48%)の白色固体(化合物22)を得た。
H NMR(300 MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、4.08−4.04(m、4H)、3.89−3.85(m、4H)、2.44(br s、1H)、1.70(s、3H)。
ステップ4:化合物T−1−SおよびT−1−Rの合成
100mgの化合物22を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物22を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm(内径×長さ)、5μm (フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−1−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−1−R (30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=502.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、4.08−4.04(m、4H)、3.89−3.85(m、4H)、2.44(br s、1H)、1.70(s、3H)。
実施例6:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物26)、
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−2−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−2−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物23の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物A−1(261.3mg、0.91mmol)と1,4−ジオキサン(10mL)を加え、攪拌して溶解し、DIPEA(200mg、1.52mmol)と化合物B−1(180mg、0.76mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で一晩攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、340mg(収率:91.89%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=487.1(M+1)
H NMR(400MHz、DMSO−D) δ 8.82(s、2H)、7.83−7.79(m、2H)、7.73(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(s、1H)、7.58(s、1H)、7.20(t、J=8.4Hz、2H)、6.80(s、1H)、4.09−4.07(m、4H)、3.96(s、3H)、3.90−3.88(m、4H)。
ステップ2:化合物24の合成
磁気攪拌およびコンデンサーチューブを備えた50mLの単口フラスコに、化合物23(340mg、0.70mmol)と無水THF(10mL)を加え、攪拌して溶解し、S−tert−ブチルスルフィンアミド(321mg、2.66mmol)とチタン酸テトラエチル(526mg、2.31mmol)を加え、窒素雰囲気下で70℃に昇温し、この温度を保ち、一晩撹拌しながら反応した。室温まで冷却し、水(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(30mL)で洗浄し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、290mg(収率:70.37%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=587.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、4.19−4.16(m、4H)、4.06−4.04(m、4H)、3.95(s、3H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0 Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ3:化合物25の合成
磁気攪拌およびコンデンサーチューブを備えた50mLの二つ口フラスコに、マグネシウム粉末(140mg、5.79mmol)を加え、真空にして窒素ガスで保護し、シリンジでエーテル(5mL)と重水素化ヨードメタン(700mg、4.83mmol)を加え、温度を上げて還流させ、この温度を保ち、2時間攪拌しながら反応した。室温まで冷却した。
磁気攪拌を備えた別の50mLの二つ口フラスコに、化合物24(290mg、0.49mmol)と無水THF(5mL)を加え、攪拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと上記で調製したCDMgIのエーテル溶液を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=606.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、4.19−4.16(m、4H)、4.06−4.04(m、4H)、3.97(s、3H)、3.78(s、1H)、1.22(s、9H)。
ステップ4:化合物26の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物25(160mg、0.26mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=502.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、4.08−4.04(m、4H)、3.89−3.85(m、4H)、3.84(s、3H)、2.44(br s、1H)。
ステップ5:化合物T−2−SおよびT−2−Rの合成
100mgの化合物26を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物26を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm(内径×長さ)、5μm(フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−2−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−2−R(30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=502.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、4.08−4.04(m、4H)、3.89−3.85(m、4H)、3.84(s、3H)、2.44(br s、1H)。
実施例7:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物28)、
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−3−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−3−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物27の合成
磁気攪拌およびコンデンサーチューブを備えた50mLの二つ口フラスコに、マグネシウム粉末(140mg、5.79mmol)を加え、真空にして窒素ガスで保護し、シリンジでエーテル(5mL)と重水素化ヨードメタン(700mg、4.83mmol)を加え、温度を上げて還流させ、この温度を保ち、2時間攪拌しながら反応した。室温まで冷却した。
磁気攪拌を備えた別の50mLの二つ口フラスコに、化合物21(290mg、0.49mmol)と無水THF(5mL)を加え、攪拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと上記で調製したCDMgIのエーテル溶液を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=609.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、4.19−4.16(m、4H)、4.06−4.04(m、4H)、3.78(s、1H)、1.22(s、9H)。
ステップ2:化合物28の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物27(160mg、0.26mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=502.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、4.08−4.04(m、4H)、3.89−3.85(m、4H)、2.44(br s、1H)。
ステップ3:化合物T−3−SおよびT−3−Rの合成
100mgの化合物28を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物28を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm(内径×長さ)、5μm(フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−3−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−3−R(30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=502.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、4.08−4.04(m、4H)、3.89−3.85(m、4H)、2.44(br s、1H)。
実施例8:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物32),
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物T−4−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物T−4−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物29の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物A−2(261.3mg、0.88mmol)と1,4−ジオキサン(10mL)を加え、攪拌して溶解し、DIPEA(200mg、1.52mmol)と化合物B−1(200mg、0.88mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で一晩攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、340mg(収率:78.7%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=492.1(M+1)
H NMR(400 MHz、DMSO−D) δ 8.82(s、2H)、7.83−7.79(m、2H)、7.73(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(s、1H)、7.58(s、1H)、7.20(t、J=8.4Hz、2H)、6.80(s、1H)、3.93(s、3H)。
ステップ2:化合物30の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物29(340mg、0.68mmol)と無水THF(10mL)を加え、攪拌して溶解し、S−tert−ブチルスルフィンアミド(321mg、2.66mmol)とチタン酸テトラエチル(526mg、2.31mmol)を加え、窒素雰囲気下で70℃に昇温し、この温度を保ち、一晩撹拌しながら反応した。室温まで冷却し、水(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(30mL)で洗浄し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、290mg(収率:70.37%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=595.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、3.94(s、3H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ3:化合物31の合成
磁気撹拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物30(290mg、0.47mmol)と無水THF(5mL)を加え、撹拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと臭化メチルマグネシウムのTHF溶液(1.0mL、3.0mmol、3M)を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=611.3(M+1)
H NMR (400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、3.91(s、3H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ4:化合物32の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物31(160mg、0.24mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=507.3(M+1)
H NMR(500 MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.5Hz、1H)、7.86(s、1H)、7.80(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、3.84(s、3H)、2.43(br s、1H)、1.73(s、3H)。
ステップ5:化合物T−4−SおよびT−4−Rの合成
100mgの化合物32を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物32を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm (内径×長さ)、5μm(フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−4−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−4−R(30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=507.3(M+1)
H NMR(500MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.5Hz、1H)、7.86(s、1H)、7.80(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、3.84(s、3H)、2.43(br s、1H)、1.73(s、3H)。
実施例9:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物36)、
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物T−5−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチルアミン(化合物T−5−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物33の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物A−2(261.3mg、0.88mmol)と1,4−ジオキサン(10mL)を加え、攪拌して溶解し、DIPEA(200mg、1.52mmol)と化合物B−2(200mg、0.89mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で一晩攪拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムに通すことにより、340mg(収率:78.7%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=495.1(M+1)
H NMR(400MHz、DMSO−D) δ 8.82(s、2H)、7.83−7.79(m、2H)、7.73(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(s、1H)、7.58(s、1H)、7.20(t、J=8.4Hz、2H)、6.80(s、1H)。
ステップ2:化合物34の合成
磁気攪拌を備えた50mLの単口フラスコに、化合物33(340mg、0.68mmol)と無水THF(10mL)を加え、攪拌して溶解し、S−tert−ブチルスルフィンアミド(321mg、2.66mmol)とチタン酸テトラエチル(526mg、2.31mmol)を加え、窒素雰囲気下で70℃に昇温し、この温度を保ち、一晩撹拌しながら反応した。室温まで冷却し、水(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(30mL)で洗浄し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、290mg(収率:70.37%)の黄色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=598.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ3:化合物35の合成
磁気攪拌を備えた50mLのニつ口フラスコに、化合物34(290mg、0.47mmol)と無水THF(5mL)を加えて、攪拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと臭化メチルマグネシウムのTHF溶液(1.0mL、3.0mmol、3M)を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=614.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(M、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、3.78(s、1H)、2.08(d、J=20.0Hz、3H)、1.22(s、9H)。
ステップ4:化合物36の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物44(160mg、0.24mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=510.3(M+1)
H NMR(500MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.5Hz、1H)、7.86(s、1H)、7.80(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、2.55(br s、1H)、1.73(s、3H)。
ステップ5:化合物T−5−SおよびT−5−Rの合成
100mgの化合物36を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物36を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm(内径×長さ)、5μm(フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−5−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−5−R(30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=510.3(M+1)
H NMR(500MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.5Hz、1H)、7.86(s、1H)、7.80(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、2.55(br s、1H)、1.73(s、3H)。
実施例10:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物38)、
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−6−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−6−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物37の合成
磁気攪拌およびコンデンサーチューブを備えた50mLの二つ口フラスコに、マグネシウム粉末(140mg、5.79mmol)を加え、真空にして窒素ガスで保護し、シリンジでエーテル(5mL)と重水素化ヨードメタン(700mg、4.83mmol)を加え、温度を上げて還流させ、この温度を保ち、2時間攪拌しながら反応した。室温まで冷却した。
磁気攪拌を備えた別の50mLの二つ口フラスコに、化合物31(290mg、0.47mmol)と無水THF(5mL)を加え、攪拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと上記で調製したCDMgIのエーテル溶液を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=614.3(M+1)
H NMR(400 MHz、CDCl) δ 8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、3.94(s、3H)、3.78(s、1H)、1.22(s、9H)。
ステップ2:化合物38の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物37(160mg、0.24mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=510.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、3.85(s、3H)、2.44(br s、2H)。
ステップ3:化合物T−6−SおよびT−6−Rの合成
100mgの化合物38を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物38を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm(内径×長さ)、5μm(フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−6−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−6−R(30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=510.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H )、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、3.85(s、3H)、2.44(br s、2H)。
実施例11:1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物40)、
(S)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−7−S)、および
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−(メチル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル−2,2,3,3,5,5,6,6−d)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d−1−アミン(化合物T−7−R)の製造
Figure 2021517902
以下の経路で合成を行う。
Figure 2021517902
ステップ1:化合物39の合成
磁気攪拌およびコンデンサーチューブを備えた50mLの二つ口フラスコに、マグネシウム粉末(140mg、5.79mmol)を加え、真空にして窒素ガスで保護し、シリンジでエーテル(5mL)と重水素化ヨードメタン(700mg、4.83mmol)を加え、温度を上げて還流させ、この温度を保ち、2時間攪拌しながら反応した。室温まで冷却した。
磁気攪拌を備えた別の50mLの二つ口フラスコに、化合物35(290mg、0.49mmol)と無水THF(5mL)を加え、攪拌して溶解し、真空にして窒素ガスで保護し、0℃に冷却し、ゆっくりと上記で調製したCDMgIのエーテル溶液を滴下し、滴下終了後、0℃で1時間攪拌しながら反応を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムに通すことにより、180mg(収率:60.43%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=617.3(M+1)
H NMR(400MHz、CDCl) δ/ppm:8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.91(s、1H)、7.72−7.70(m、2H)、7.57(s、1H)、7.38−7.34(m、2H)、7.07−7.01(m、2H)、6.79(s、1H)、3.78(s、1H)、1.22(s、9H)。
ステップ2:化合物40の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物39(160mg、0.26mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=513.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、2.44(br s、2H)。
ステップ3:化合物T−7−SおよびT−7−Rの合成
100mgの化合物40を30mLのMeOHと3mLのDCMとの混合溶媒に溶解し、ラセミ化合物40を次の分離条件を使用してキラルHPLCで分離した。
キラル分取クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IC(商品名)、4.6mm×250mm(内径×長さ)、5μm(フィラーの粒子径)
カラム温度:30oC
流速:3.0mL/min
UV検出波長:254nm
移動相:MTBE:EtOH=85:15
化合物T−7−S(38mg、保持時間:12.092分間、収率:76%)およびT−7−R(30mg、保持時間:10.757分間、収率:60%)を得た。LC−MS(APCI):m/z=513.3(M+1)
H NMR(300MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.8Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.78(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、2.44(br s、2H)。
生物活性試験
(1)キナーゼ活性試験
ADP−GloTM Kinase Assay kit(Promega、V9102)を使用して、PDGFRα(D842V)(Signalchem、P12−12BG)およびKIT(D816V)(Signalchem、C06−12LG)に対する被験物の阻害活性を測定した。
化合物をそれぞれDMSOにより12用量ずつ、3倍の濃度勾配で希釈した。化合物の初期濃度は、それぞれ10mMおよび0.1mMとした。384ウェルプレート(Perkin Elmer、6007290)で、100nlの化合物希釈液と5μLのPDGFRα(D842V)またはKIT(D816V)をダブルウェルにするように各ウェルに加えた。25℃で15分間インキュベートした後、基質5μLを加えて反応を開始させ、25℃で60分間インキュベートした。システムにおける最終反応濃度は、4nM PDGFRα(D842V)、15μM ATP、0.03mg/mL MBP/1nM KIT D816V)、10μM ATP、0.1mg/mL Poly(4:1 Glu、Tyr) Peptide、HEPES 50mM、EGTA 1mM、MgCl 10mM、Brij35 0.01%であった。被験化合物濃度は、100、33.3、11.1、3.7、1.23、0.41、0.137、0.046、0.015、0.0051 0.0017、0.0006、0nM/1000、333.33、111.11、37.04、12.35、4.12、1.37、0.46、0.15、0.051、0.017、0.006、0nMであった。その後、10μLのADP Glo reagentを加え、25℃で40分間インキュベーションを続けた。再び、20μLの検出試薬を加え、25℃で40分間インキュベートした後、Envisionマイクロプレートリーダー(Perkin Elmer 2104)により検出し、各濃度の化合物の存在下で酵素活性を測定し、酵素活性に対する異なる濃度の化合物の阻害活性を算出した。次に、4パラメータ方程式に従い、Graphpad 5.0ソフトウェアにより、酵素活性に対する異なる濃度の化合物の阻害活性をフィッティングし、IC50値を算出した。この分析でテストした代表的な化合物のデータを表1に示した。AはIC50<1nMを表し、Bは1nM≦IC50<50nMを表し、Cは50nM≦IC50<200nMを表し、DはIC50≧200nMを表した。
上記のキナーゼ阻害実験において、本発明の化合物および非重水素化化合物であるアバプリチニブを試験したところ、本発明の化合物は、アバプリチニブと比較して、PDGFRα(D824V)に対してより強力な活性を有し、Kit(D816V)に対して同等の強力な活性を有することが見出された。
(2)細胞毒性実験
細胞株:Ba/F3 Kit D816V(3000個/ウェル、細胞タイプ:懸濁、培地:RPMI−1640+10%FBS)、37℃、5%CO、湿度95%の条件下で置いて培養した。
試薬および消耗品:ウシ胎児血清FBS(GIBCO、Cat#10099−141)、CellTiter−Glo(R) Luminescent Cell Viability Assay(Promega、Cat#G7572)、96ウェル透明平底黒壁プレート(Corning(R)、Cat# 3603)。
対照化合物:スニチニブ(Sunitinib)(Selleck、Cat# S7781)。
細胞培養および播種:対数増殖期にある細胞を採取し、血小板カウンターで細胞をカウントし、トリパンブルー排除法により細胞生存率を検出し、細胞生存率が90%以上であることを確保し、細胞濃度を調整し、96ウェルプレートに90μLの細胞懸濁液をそれぞれ添加し、96ウェルプレート中の細胞を37℃、5%CO、95%湿度の条件下で一晩培養した。
薬物希釈および加薬:最高濃度3μM、9濃度、3.16倍希釈の10倍薬物溶液を調製し、細胞が播種された96ウェルプレートに1ウェル当たり10μLの薬物溶液を加え、各薬物濃度を3つのウェルに設定し、加薬した96ウェルプレート中の細胞を37℃、5%CO、95%湿度の条件下で72時間培養し、その後CTG分析を行った。
エンドポイント読み取りプレート:CTG試薬を溶かし、室温に細胞プレートを30分間平衡化し、各ウェルに等容量のCTG溶液を加え、オービタルシェーカーで5分間振動させて細胞を溶解させ、細胞プレートを室温で20分間放置して、コールド信号を安定化させ、コールド値を読み取る。
データの処理:GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用してデータを分析し、非線形Sカーブ回帰によりデータをフィッティングして、用量効果曲線を得て、これからIC50値を算出した。この分析で試験された代表的な実施例化合物のデータを表1に示し、このうち、AはIC50<1nMを表し、Bは1nM≦IC50<50nMを表し、Cは50nM≦IC50<200nMを表し、DはIC50≧200nMを表した。
細胞生存率(%)=(Lum被験薬−Lum培養液対照)/(Lum細胞対照−Lum培養液対照)×100%。
上記の細胞毒性実験において、本発明の化合物と非重水素化化合物であるアバプリチニブを試験したところ、本発明の化合物は、BaF3[Kit(D816V)]に対して強力な活性を有することが見出された。
Figure 2021517902
(3)代謝安定性の評価
ミクロソーム実験:ヒト肝ミクロソーム:0.5mg/mL、Xenotech社;ラット肝ミクロソーム:0.5mg/mL、Xenotech社;コエンザイム(NADPH/NADH):1mM、Sigma Life Science社;塩化マグネシウム:5mM、100mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)。
ストック溶液の調製:一定量の実施例化合物および対照化合物の粉末を精密に秤量し、DMSOでそれぞれ5mMに溶解した。
リン酸塩緩衝液(100mM、pH7.4)の調製:事前に調製された0.5Mのリン酸二水素カリウム溶液150mLと0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液700mLとを混合したのち、0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液で混合液のpHを7.4に調整し、使用前に超純水で5倍に希釈し、塩化マグネシウムを加えて、100mMのリン酸カリウム、3.3mMの塩化マグネシウムを含む、リン酸塩緩衝液(100mM、pH7.4)を得た。
NADPH再生システム溶液(6.5mMのNADP、16.5mMのG−6−P、3U/mLのG−6−P D、3.3mMの塩化マグネシウムを含有する)を調製し、使用前に湿った氷の上に置いた。
停止液の調製:50ng/mLの塩酸プロプラノロールおよび200ng/mLのトルブタミド(内部標準)を含有するアセトニトリル溶液。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mL遠心管に取り、812.5μLのヒト肝ミクロソームをそれぞれ加え、よく混合して、タンパク質濃度0.625mg/mLの肝ミクロソーム希釈液を得た。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mL遠心管に取り、812.5μLのSDラット肝ミクロソームをそれぞれ加え、よく混合して、タンパク質濃度0.625mg/mLの肝ミクロソーム希釈液を得た。
試料のインキュベーション:対応する化合物のストック溶液を、70%アセトニトリル含有水溶液で0.25mMにそれぞれ希釈し、作業溶液として準備した。それぞれ398μLのヒト肝ミクロソームまたはラット肝ミクロソーム希釈液を96ウェルインキュベーションプレート(N=2)に加え、それぞれ2μLの0.25mM作業溶液を加えて、均一に混合した。
代謝安定性の測定:事前に冷却した停止液300μLを96ウェルディープウェルプレートの各ウェルに加え、氷上に置き、ストッププレートとした。96ウェルインキュベーションプレートとNADPH再生システムを37℃のウォーターバスに入れ、100回転/分間で振とうし、5分間プレインキュベートした。インキュベーションプレートの各ウェルから80μLのインキュベーション溶液を取り出し、それをストッププレートに加え、均一に混合し、20μLのNADPH再生システム溶液を追加して0分間の試料とした。次に、80μLのNADPH再生システム溶液をインキュベーションプレートの各ウェルに加え、反応を開始し、計時を開始した。対応する化合物の反応濃度は1μMであり、タンパク質濃度は0.5mg/mLであった。それぞれ10、30および90分間の反応で、反応液を100μLずつ取り出し、ストッププレートに加え、3分間ボルテックスして反応を停止させた。ストッププレートを5000×g、4℃の条件で10分間遠心分離した。上清100μLを、蒸留水100μLを事前に加えた96ウェルインキュベーションプレートに取り、均一に混合して、LC−MS/MSで試料分析を行った。
データ解析:対応する化合物と内部標準のピーク面積をLC−MS/MSシステムで検出し、内部標準に対する化合物のピーク面積比を算出した。傾きは、時間に対する化合物の残量のパーセンテージの自然対数をプロットすることによって測定され、t1/2およびCLintは以下の式に従って算出された。ここで、V/Mが1/タンパク質濃度に等しい。
Figure 2021517902
本発明の化合物と、重水素化されていない化合物とを同時に試験比較して、ヒトおよびラットの肝ミクロソームにおけるそれらの代謝安定性を評価した。重水素化されていない化合物であるアバプリチニブを対照として使用した。ヒトおよびラットの肝ミクロソーム実験では、重水素化されていない化合物であるアバプリチニブおよび(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−2,2,2−d3−1−アミン(化合物A)と対照して、本発明の化合物は代謝安定性を有意に改善することができる。代表的な実施例化合物の肝ミクロソーム実験の結果を以下の表2にまとめる。
Figure 2021517902
(4)ラットの薬物動態実験
体重約210gの7〜8週齢の6匹の雄Sprague−Dawleyラットを2群(各群3匹)に分け、それぞれ静脈内または経口で単回用量の化合物(10mg/kg経口)を投与し、その薬物動態の差を比較した。
ラットは標準飼料で飼育され、水を投与された。試験前16時間で絶食を開始した。薬物をPEG400とジメチルスルホキシドで溶解した。眼窩から採血し、採血の時点は、投与後0.083時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間および24時間とした。
ラットはエーテルを吸入させた後、短時間麻酔させ、眼窩から血液試料300μLを試験管に採取した。試験管内に1%ヘパリン塩溶液30μLが入れた。使用前に、試験管を60℃で一晩乾燥させた。最後の時点で血液試料の採取が完了した後、ラットがエーテルで麻酔させた後に屠殺される。
血液試料を採取した後、直ちに少なくとも5回試験管を穏やかに転倒させて、混合が十分となったことを保証した後に氷に置いた。血液試料を4℃、5000rpmで5分間遠心分離し、血漿と赤血球を分離させた。化合物の名称および時点を示した清潔なプラスチック遠心管に、血漿100μLをピペットで吸引した。血漿は、分析前に−80℃で保存した。血漿中の本発明の化合物の濃度をLC−MS/MSで測定した。薬物動態パラメータは、各動物の異なる時点での血中薬物濃度に基づいて算出した。
実験は、本発明の化合物が、動物の体内でより良好な薬物動態特性を有することを示した。
以上、本発明を具体的な好ましい実施形態に結合して更に詳細に説明したが、本発明の具体的な実施はこれらの説明に限定されるものではない。本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の意旨を逸脱しない範囲内で、いくつかの簡単な演繹または置換を行っても、本発明の保護範囲に属するとみなされるべきである。
ステップ4:化合物36の合成
磁気攪拌を備えた50mLの二つ口フラスコに、化合物35(160mg、0.24mmol)とメタノール(3mL)を加え、攪拌して溶解し、塩化水素のジオキサン溶液(3mL、4M)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌しながら反応した。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン(15mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、2分間撹拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(15mL×2)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することにより、100mg(収率:75.48%)の白色固体を得た。LC−MS(APCI):m/z=510.3(M+1)
H NMR(500MHz、DMSO−D) δ 8.38(s、2H)、8.00(s、1H)、7.95(d、J=1.5Hz、1H)、7.86(s、1H)、7.80(s、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.20(d、J=1.5Hz、1H)、7.11−7.05(m、1H)、2.55(br s、1H)、1.73(s、3H)。
本発明の化合物と、重水素化されていない化合物とを同時に試験比較して、ヒトおよびラットの肝ミクロソームにおけるそれらの代謝安定性を評価した。重水素化されていない化合物であるアバプリチニブを対照として使用した。ヒトおよびラットの肝ミクロソーム実験では、重水素化されていない化合物であるアバプリチニブおよび(R)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(2−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)エチル−1−アミン(化合物A)と対照して、本発明の化合物は代謝安定性を有意に改善することができる。代表的な実施例化合物の肝ミクロソーム実験の結果を以下の表2にまとめる。

Claims (14)

  1. 式(Φ)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体。
    Figure 2021517902
    式中、
    、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または重水素から選択され、
    およびXは、それぞれ独立して、CH、CD、CHDまたはCHDから選択され、
    、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され、
    付加的な条件は、上記の化合物が少なくとも1つの重水素原子を含むことである。
  2. 式(I)または式(II)の化合物である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体。
    Figure 2021517902
    式中、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11は、請求項1に定義される通りである。
  3. 、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10およびY11が水素である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 、R、RおよびRが水素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 、R、RおよびRが水素である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. がCHである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. がCDである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 前記化合物が以下のいずれかの構造から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶多形、立体異性体もしくは同位体変異体。
    Figure 2021517902
    Figure 2021517902
    Figure 2021517902
    Figure 2021517902
  9. 薬学的に許容される賦形剤および請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体を含む医薬組成物。
  10. エクソン9またはエクソン11に突然変異を有する突然変異KITに対して活性を有する他の治療剤をさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. KITまたはPDFGRαによって媒介される疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体、あるいは請求項9または10に記載の医薬組成物の使用。
  12. 請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、結晶形、立体異性体もしくは同位体変異体、あるいは請求項9または10に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、対象においてKITまたはPDFGRαによって媒介される疾患を治療する方法。
  13. 好ましくは、前記KITがエクソン9に突然変異を有し、
    好ましくは、前記KITがエクソン11に突然変異を有し、
    好ましくは、前記KITがエクソン17に突然変異を有し、
    好ましくは、前記KITが残基816で突然変異し、
    好ましくは、前記PDFGRαがエクソン18に突然変異を有し、
    好ましくは、前記PDFGRαが残基842で突然変異する、請求項11に記載の使用または請求項12に記載の方法。
  14. 前記疾患が肥満細胞症、消化管間質腫瘍または急性髄細胞性白血病から選択される、請求項11または13に記載の使用あるいは請求項12または13に記載の方法。
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