JP2021516215A - 癌を処置するための方法および併用療法 - Google Patents

癌を処置するための方法および併用療法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストから本質的になる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたってそれを必要とする患者に投与することによって、癌を処置する方法に関する。

Description

本発明は、癌の処置のために有用な方法および併用療法に関する。特に、本発明は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストから本質的になる併用療法を投与することによる、癌を処置するための方法および併用療法に関する。本発明の組合せの医薬的使用も記載される。
PD−L1は、多くの癌において過剰発現され、予後不良と関連する場合が多い(Okazaki Tら、Intern. Immun. 2007年19巻(7号):813頁)(Thompson RHら、Cancer Res 2006年、66巻(7号):3381頁)。興味深いことに、正常組織および末梢血中のTリンパ球とは対照的に、腫瘍浸潤性Tリンパ球の大部分は、PD−1を優勢に発現する。腫瘍反応性T細胞上のPD−1は、抗腫瘍免疫応答の障害に寄与し得る(Ahmadzadehら、Blood 2009年 1 14巻(8号):1537頁)。これは、PD−1発現T細胞と相互作用するPD−L1発現腫瘍細胞により媒介されたPD−L1シグナル伝達を利用することによるものである可能性があり、この結果T細胞の活性が弱まり、免疫監視は回避される(Sharpeら、Nat Rev 2002年)(Keir MEら、2008年 Annu. Rev. Immunol. 26巻:677頁)。したがって、PD−L1/PD−1相互作用の阻害は、腫瘍のCD8+T細胞媒介性の死滅を増強し得る。
その直接リガンド(例えば、PD−L1、PD−L2)を介したPD−1系シグナル伝達の阻害は、癌の処置のためのT細胞免疫性(例えば、腫瘍免疫)を増強するための手段として提唱されてきた。さらに、T細胞免疫性に対する同様の増強は、PD−L1の結合パートナーB7−1との結合を阻害することによって観察されている。その他の有利な治療的処置は、PD−1受容体/リガンド相互作用の遮断と、その他の抗癌剤を組み合わせるであろう。種々の癌の発生を処置する、安定化する、防止するおよび/または遅延するためのこのような有利な療法は、依然として必要である。
近年、癌の処置のために米国食品医薬品局(FDA)によって、PD−1抗体ニボルマブ(オプジーボ)およびペムブロリズマブ(キイトルーダ)を含むいくつかのPD−1アンタゴニストが承認された。
マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MAP2K、MEKまたはMAPKKとしても知られる)は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)をリン酸化するキナーゼ酵素である。MAPKシグナル伝達経路は、細胞増殖、生存、分化、運動および血管新生において重要な役割を果たす。4種の別個のMAPKシグナル伝達カスケードが同定されており、そのうちの1つは、細胞外シグナル調節キナーゼERK1およびERK2ならびにその上流分子MEK1およびMEK2を含む(Akinleyeら、Journal of Hematology & Oncology 2013年6巻:27)。MEK1およびMEK2の阻害剤が、抗腫瘍薬発見の焦点となっている。
MEKは、VEGF受容体、CSF1RおよびTAMキナーゼMer、AXLおよびTyro3を含む複数の受容体チロシンキナーゼ(RTK)のシグナル伝達の重要な下流エフェクターである。これらの受容体の下流のMAPKシグナル伝達の阻害は、輸送の増強によって腫瘍中に存在するCD8 T+細胞数を増大し得る(VEGF受容体)、M2マクロファージの免疫抑制活性を鈍らせることができる(CSF1R)および腫瘍微小環境内で癌関連抗原を認識し、応答する免疫系の能力を増大し得る(TAMキナーゼ)。免疫原性細胞死と呼ばれる後者は、腫瘍微小環境内のCD8+エフェクターT細胞および局所流入領域リンパ節内のCD8+セントラルメモリーT細胞両方の拡大を促進するように作用し、さらに抗腫瘍免疫応答を増強する(Ann. Rev. Immunol. (2013年) 19巻:598頁)。
単剤処置または二重剤処置と比較して臨床抗腫瘍活性を改善するために、および任意選択で併用安全性プロファイルを改善するために、癌患者または癌患者の特定の集団を、潜在的には特定化された投薬計画を用いて、処置するための有利な併用療法を見出すことが依然として必要である。
一態様では、独立に、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストの治療上有効な量から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することから本質的になる併用療法法が本明細書において提供される。
一態様では、一定量のPD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することから本質的になる癌を処置する方法が本明細書において提供され、量は一緒になって、癌の処置において有効である。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、PD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的にならない1種または複数の治療薬(例えば、PD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤からなる治療薬)を用いて処置された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、白金ベースの化学療法薬を用いて処置されており、任意選択で、患者は、白金ベースの化学療法薬を用いる処置に対して非反応性であるとこれまでに決定されており、任意選択で、白金ベースの化学療法薬を用いる処置に対して非反応性であるとこれまでに決定されている。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、BRAFキナーゼ阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を用いて処置されており、任意選択で、BRAFキナーゼ阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を用いる前の処置は、不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、単独療法としてMEK阻害剤(例えば、ビニメチニブ)を用いて処置され、任意選択で、単独療法としてMEK阻害剤を用いる前の処置は、不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、単独療法としてPD−1結合アンタゴニスト(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブまたはそのバイオシミラー)を用いて処置され、任意選択で、PD−1結合アンタゴニスト(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブまたはそのバイオシミラー)を用いる前の処置は不成功であった。前記態様のいずれかでは、期間の前に患者に投与されていた不成功の処置として、それだけには限らないが、患者が前の療法を失敗した、またはこのような前の療法に対して不応性であったおよび/または癌が転移していた、もしくは再発していた処置を挙げることができる。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、化学療法、ターゲッティングされる抗癌剤、放射線療法および手術のうち1種または複数を用いて処置され、任意選択で、前の処置は不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、白金ベースの化学療法およびフルオロピリミジン含有療法または治療薬のうち一方または両方を用いて処置された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、EGFR阻害剤およびALK阻害剤のうち一方または両方を用いて処置され、任意選択で、前の処置は不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、フォリン酸、フルオロウラシル、オキサリプラチンおよびイリノテカンのうち1種または複数を用いて処置され、任意選択で、前の処置は不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、パクリタキセル、ゲムシタビン、カルボプラチン、シスプラチンおよびドキソルビシンの群から選択される1種または複数の治療薬を用いて処置され、任意選択で、前の処置は不成功であった。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間後に、患者は、PD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的にならない治療薬(例えば、PD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤からなる治療薬)を用いて処置された。
いくつかの態様では、期間の間の、PD−1結合アンタゴニストの投与およびビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与は、実質的に同時に生じる。いくつかの態様では、期間の間に、患者へのPD−1結合アンタゴニストの投与は、患者へのビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与の前に生じる。いくつかの態様では、期間の間に、患者へのビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与は、患者へのPD−1結合アンタゴニストの投与の前に生じる。
いくつかの態様では、患者はまた、期間の間に、外科的処置(例えば、固形腫瘍および/またはリンパ節の切除)および/またはBRAFキナーゼ阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を含まない療法が施される。いくつかの態様では、患者はまた、期間の間に、ターゲッティングされる抗癌剤が投与される。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、放射線療法が施される。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、処置の副作用を改善するための1種または複数の薬剤(例えば、副腎皮質ステロイド、セロトニンアンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、NK−1阻害剤、カンナビノイド、抗不安薬(例えば、ロラゼパムまたはジアゼパム)、抗生物質、抗真菌剤、コロニー刺激因子、鉄補助剤、Procrit、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、制吐薬、利尿薬、NSAID、鎮痛薬、メトトレキサート、抗利尿薬、プロバイオティクス、血圧医薬、鎮吐剤、緩下剤などのうち1種または複数)が投与される。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、BRAFキナーゼ阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、さらなるターゲッティングされる抗癌剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、化学療法を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、非MEKキナーゼがターゲッティングされる阻害剤が投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤(例えば、タキサン)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ヌクレオチド類似体、ヌクレオチド前駆体類似体、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤、レチノイドおよびビンカアルカロイドおよびその誘導体のうち1種または複数を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、c−MET阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、CDK4/6阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、PI3K阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、BRAF阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、FGFR阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、BCR−ABL阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、投与されるものと異なるPD−1結合アンタゴニストを投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、投与されるものと異なるMEK阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、RAS阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、CSR−1R阻害剤を投与されない。
いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、BRAFキナーゼ阻害剤を除く任意の療法を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、化学療法を含む。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤(例えば、タキサン)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ヌクレオチド類似体、ヌクレオチド前駆体類似体、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤、レチノイド、ビンカアルカロイドおよび誘導体の群から選択される化学療法薬のうち1種または複数の種類を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、任意のターゲッティングされる化学療法薬、例えば、BRAFキナーゼ阻害剤を除くターゲッティングされる化学療法薬を用いる処置を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、外科的処置および/または化学療法を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、以下:c−MET阻害剤、CDK4/6阻害剤、PI3K阻害剤、BRAF阻害剤、FGFR阻害剤、MEK阻害剤およびBCR−ABL阻害剤のうち1種または複数を除く任意のターゲッティングされる化学療法薬を用いる処置を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、放射線療法を含み得る。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、抗PD−1抗体である。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブのバイオシミラーおよびペムブロリズマブのバイオシミラー(biosimular)から選択される抗PD−1抗体である。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、期間の間に、一定量の、ニボルマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、量は一緒になって、癌の処置において有効である(例えば、期間の間に)、前記方法を提供する。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、一定量の、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、量は一緒になって、癌の処置において有効である(例えば、期間の間に)、前記方法を提供する。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、一定量の、ニボルマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に一定期間にわたって投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、量は一緒になって癌の処置において有効である(例えば、期間の間に)、前記方法を提供する。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストおよび一定量の、ビニメチニブであるMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、量が一緒になって、癌の処置において有効である(例えば、期間の間に)、前記方法を提供する。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。
図1は、種々の濃度のIFNγ(0.01ng/mL〜1000ng/mL)を用いて72時間処置した後のA375細胞におけるIFNγ誘導性MHCクラスI発現の代表的なグラフである。 図2は、種々の濃度のIFNγ(0.01ng/mL〜1000ng/mL)を用いて72時間処置した後のSKMEL−2細胞におけるIFNγ誘導性MHCクラスI発現の代表的なグラフである。 図3Aは、900nMのビニメチニブまたは900nMのベムラフェニブを用いて処置した後のA375細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的なグラフである。 図3Bは、900nMのビニメチニブを用いて72時間処置した後のA375細胞における細胞表面MHCクラスI発現のFACSプロットを示す図である。 図4Aは、100ng/mLのIFNγの存在下で900nMのビニメチニブまたは900nMのベムラフェニブを用いて処置した後のA375細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的なグラフである。 図4Bは、100ng/mLのIFNγの存在下で900nMのビニメチニブを用いて72時間処置した後のA375細胞における細胞表面MHCクラスI発現のFACSプロットを示す図である。 図5Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMELJUSO (NRAS Q61L)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図5Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMELJUSO (NRAS Q61L)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図6Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のIPC298(NRAS Q61L)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図6Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のIPC298(NRAS Q61L)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図7Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のA375(BRAF V600E)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図7Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のA375(BRAF V600E)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図8Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のHS936.T(NRAS Q61K、BRAF N581K)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図8Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のHS936.T(NRAS Q61K、BRAF N581K)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図9Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMM485(NRAS Q61R)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図9Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMM485(NRAS Q61R)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図10Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のSKMEL−2(NRAS Q61R)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図10Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3003nMまたは10000nM)を用いて処置した後のSKMEL−2(NRAS Q61R)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図11Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMM415(NRAS Q61L)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図11Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMM415(NRAS Q61L)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図12Aは、ビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMalme−3M(BRAF V600E)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。定常状態Cmax=1μM(26nM遊離画分);トラフ*15日目)=310nM(8.1nM遊離画分)。 図12Bは、100ng/mLのIFNγの存在下でビニメチニブ(0.7nM、2.2nM、7.3nM、24nM、81nM、271nM、902nM、3,003nMまたは10,000nM)を用いて処置した後のMalme−3M(BRAF V600E)細胞における誘導性MHCクラスI発現の代表的な棒グラフである。 図13Aは、ビニメチニブ(30mg/kg)、抗PD−1(100μg)を用いる処置、ビニメチニブおよび抗PD−1の同時処置または抗PD−1とそれに続くビニメチニブ(n=10)の逐次処置後のBALB/cマウスにおける結腸直腸癌CT26腫瘍成長を示すグラフである。 図13Bは、図13AにおけるマウスのKaplan−Meier生存曲線を示す図である。 図13Cは、腫瘍が抗PD−1に対して耐性になったときの、抗PD−1抗体とそれに続くMEK162の逐次投与後の図13Aにおける個々のマウスの腫瘍成長を示すグラフである。 図14Aは、4T1腫瘍、B16F10腫瘍、P815腫瘍、CT26腫瘍、EMT6腫瘍、LLC1腫瘍およびRENCA腫瘍のCD45+CD3+細胞内の生存CD4+およびCD8+細胞のパーセンテージを示す代表的なFACSプロットを示す図である。 図14Bは、図14Aの腫瘍にわたるCD4+CD3+細胞のパーセンテージを示すグラフである。 図14Cは、図14Aの腫瘍にわたるCD8+CD3+細胞のパーセンテージを示すグラフである。 図14Dは、図14Aの腫瘍にわたるCD11b+/hi細胞のパーセンテージを示すグラフである。 図14Eは、図14Aの腫瘍にわたる樹状細胞(DC;CD11c+MHC−II+)のパーセンテージを示すグラフである。 図14Fは、図14Aの腫瘍にわたるマクロファージ(F4/80+CD11b+)のパーセンテージを示すグラフである。 図14Gは、図14Aの腫瘍にわたる単球性骨髄由来サプレッサー細胞(mMDSC;Ly6Chi Ly6G−)のパーセンテージを示すグラフである。 図14Hは、図14Aの腫瘍にわたる顆粒球性骨髄由来サプレッサー細胞(gMDSC; Ly6CloLy6G+)のパーセンテージを示すグラフである。 図15は、処置(ビニメチニブ、抗PD−1、同時併用療法または逐次併用療法)後のCT26腫瘍内のT細胞クローン性およびT細胞画分を示す棒グラフである。 図16Aは、ビニメチニブ(30mg/kg)、抗PD−1(100μg)、ビニメチニブおよび抗PD−1の同時処置またはビニメチニブおよび抗PD−1の逐次処置(n=10)を用いる処置後のC57BL/6マウスにおける黒色腫B16F10腫瘍成長を示すグラフである。 図16Bは、図16AにおけるマウスのKaplan−Meier生存曲線を示す図である。 図17Aは、ビニメチニブ(30mg/kg)、抗PD−1(100μg)、ビニメチニブおよび抗PD−1の同時処置またはビニメチニブおよび抗PD−1の逐次処置(n=10)を用いる処置後のDBA/2マウスにおけるCloudman S91黒色腫腫瘍成長を示すグラフである。 図17Bは、図17AにおけるマウスのKaplan−Meier生存曲線を示す図である。 図18Aは、ビニメチニブ(30mg/kg)、抗PD−1(200μg)、ビニメチニブおよび抗PD−1の連続処置またはビニメチニブおよび抗PD−1の断続的処置(n=12)を用いる処置後のリタイアしたBALB/cマウス(23週齢)における腎癌腫RENCA腫瘍成長を示すグラフである。 図18Bは、図18AにおけるマウスのKaplan−Meier生存曲線を示す図である。
MEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストの使用を含む併用療法は、癌(例えば、対照非癌性細胞と比較して、増大したレベルのPD−1を発現する、任意選択で、異常なMAPK経路シグナル伝達をさらに有する癌)を有する哺乳動物において、抗腫瘍免疫応答の抑制の改善および抗腫瘍免疫応答の全体的な改善を提供すると本明細書において発見された。
本発明は、本明細書において含まれる以下の本発明の好ましい態様の詳細な説明および実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。本明細書において使用される技術用語は、単に特定の態様を説明する目的のものであり、制限であると意図されないということは理解されるべきである。さらに、本明細書において詳しく定義されない限り、本明細書において使用される技術用語は、関連技術分野において公知であるようなその伝統的な意味が与えられるべきであるということも理解されるべきである。
一般的な定義
本発明がより容易に理解され得るように、特定の技術用語および科学用語が、以下に具体的に記載される。本文書中の別の場所に具体的に定義されない限り、本明細書において使用されるすべてのその他の技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
「約」とは、数的に定義されたパラメータ(例えば、MEK阻害剤もしくはPD−1結合アンタゴニストの用量または本明細書において記載される併用療法を用いる処置時間の長さ)を修飾するために使用される場合、パラメータが、そのパラメータの示された数値の上下10%程度で変わり得ることを意味する。例えば、約5mg/kgの用量は、4.5mg/kgから5.5mg/kgの間で変わり得る。「約」とは、パラメータの列挙の開始時に使用される場合には、各パラメータを修飾することを意味する。例えば、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mgとは、約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgを意味する。同様に、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上とは、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上および約25%以上を意味する。
語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法において治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が対象において治療量以下のおよび/または検出不能なレベルで存在するような、(1)期間の間の、治療薬の第1の投与の前の対象への手術および/もしくは放射線処置の投与の完了ならびに/または(2)期間の間の、本明細書において記載される併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。いくつかの態様では、語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法において治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が対象において治療量以下のレベルで存在するような、期間の間の併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。いくつかの態様では、語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法における治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が対象において検出不能なレベルで存在するような、期間の間の併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。いくつかの態様では、語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法における治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が、対象において治療量以下および/または検出不能なレベルで存在するような、期間の間の併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。
語句「医薬上許容される」は、物質または組成物が、製剤を含むその他の成分および/またはそれで処置される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合しなくてはならないことを示す。いくつかの態様は、本明細書において記載される化合物の医薬上許容される塩に関する。用語「医薬上許容される塩」とは、投与される生物に対して著しい刺激作用を引き起こさず、化合物の生物活性および特性を抑止しない化合物の製剤を指す。特定の例では、医薬上許容される塩は、本明細書において記載される化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などといった酸と反応させることによって得られる。いくつかの場合には、医薬上許容される塩は、本明細書において記載される酸性基を有する化合物を、塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩、有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンの塩ならびにアルギニン、リシンなどといったアミノ酸を有する塩などの塩を形成することによって、またはこれまでに決定されたその他の方法によって得られる。
「投与」、「投与すること」、「処置すること」および「処置」とは、患者、個々の動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、臓器または生物学的流体に適用される場合、動物、ヒト、対象、細胞、組織、臓器または生物学的流体への外因性医薬剤、治療剤、診断剤または組成物の接触を指す。細胞の処置は、試薬の細胞への接触ならびに試薬の、細胞と接触している流体への接触を包含する。「投与」および「処置」はまた、例えば、細胞の、試薬、診断用化合物、結合化合物によるまたは別の細胞によるin vitroおよびex vivo処置を意味する。
「処置」および「処置すること」とは、臨床設定において使用される場合、有益なまたは所望の臨床結果を得るために意図される。本発明の目的上、有益なまたは所望の臨床結果として、それだけには限らないが、以下のうち1つまたは複数が挙げられる:新生物細胞または癌性細胞の増殖を低減すること(または破壊すること)、新生細胞の転移を阻害すること、腫瘍の大きさを縮小または減少すること、疾患(例えば、癌)の緩解、疾患(例えば、癌)に起因する症状を減少すること、疾患(例えば、癌)を患っているものの生活の質を増大すること(例えば、FACT−GまたはEORTC−QLQC30を使用して評価される)、疾患(例えば、癌)を処置するために必要なその他の医薬の用量を減少させること、疾患(例えば、癌)の進行を遅延することおよび/または疾患(例えば、癌)を有する患者の生存を延長すること。例えば、処置は、癌などの障害の1つまたはいくつかの症状の減少であり得る。本発明の意味内で、用語「処置する」はまた、発症(すなわち、疾患の臨床所見の前の期間)を停止、遅延することおよび/または疾患の発生若しくは悪化のリスクを低減することを表す。「処置」はまた、処置を受けていない場合に予測された生存と比較して生存を延長すること、例えば、本明細書において記載されるような処置を受けていない対象と比較した治療全生存(OS)の増大および/または本明細書において記載されるような処置を受けていない対象と比較した無増悪生存(PFS)の増大を意味する。用語「処置すること」はまた、癌を有する対象の状態の改善、例えば、対象における1つまたは複数の腫瘍の大きさの減少、対象における1つまたは複数の腫瘍の成長速度の減少または実質的な変化がないこと、対象における転移の減少および対象の緩解期間の増大(例えば、処置を受けていない、もしくは異なる処置を受けている同様の癌を有する対象における1つもしくは複数測定基準と比較した、または処置の前の同一対象における1つもしくは複数の測定基準と比較した)のうち1つまたは複数を意味し得る。癌を有する対象において処置に対する応答を評価するためのさらなる測定基準は、以下に本明細書において開示される。
用語「対象」として、任意の生物、好ましくは、動物、より好ましくは、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、ネコおよびウサギ)、最も好ましくは、ヒトが挙げられる。
本発明に従う処置されるべき「患者」は、任意の温血動物、例えば、それだけには限らないが、ヒト、サルまたはその他の下等霊長類、ウマ、イヌ、ウサギ、モルモットまたはマウスを含む。一態様では、患者はヒトである。一態様では、患者は、小児患者である。医学の技術分野の当業者は、癌に罹患している、および処置を必要としている個体を容易に同定できる。
用語「小児患者」とは、本明細書において、診断または処置の時間で16歳の年齢未満の患者を指す。用語「小児」は、新生児(誕生から生後1カ月)、乳児(1カ月から最大2歳)、児童(2歳から最大12歳)および青年(12歳から21歳(22歳の誕生日まで、ただしそれを含まない))を含む種々の亜集団にさらにわけられ得る。Berhman RE、Kliegman R、Arvin AM、Nelson WE. Nelson Textbook of Pediatrics、第15版Philadelphia: W.B. Saunders Company、1996年;Rudolph AMら Rudolph’s Pediatrics、第21版New York:McGraw−Hill、2002年;およびAvery MD、First LR. Pediatric Medicine、第2版Baltimore:Williams & Wilkins;1994年。
用語「治療レジメン」および「投薬計画」は、本発明と組み合わせた、各治療薬の用量および投与のタイミングを指すために同義的に使用される。
「寛解させること」とは、処置を施されていないことと比較した、1つまたは複数の症状の減少または改善を意味する。「寛解させること」はまた、症状の持続期間の短縮または低減を含む。
用語「規制当局」とは、その国での医薬品の医学的使用を承認するためのその国の機関である。例えば、規制当局の限定されない例として、米国食品医薬品局(FDA)がある。
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどといった標的と特異的に結合可能である免疫グロブリン分子である。本明細書において、この用語は、無傷のポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、その抗原結合断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなど)、一本鎖(scFv)およびドメイン抗体(例えば、サメおよびラクダ科抗体を含む)および抗体を含む融合タンパク質および抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意のその他の修飾された立体配置も包含する。抗体は、IgG、IgAまたはIgMなどの任意のクラス(またはそのサブクラス)の抗体を含み、抗体は任意の特定のクラスのものである必要はない。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられ得る。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2にさらに分けられ得る。種々のクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常領域は、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューと呼ばれる。種々のクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置は、周知である。
用語、抗体の「抗原結合断片」または「抗原結合部分」とは、本明細書において、所与の抗原(例えば、PD−1)と特異的に結合する能力を保持する1つまたは複数の無傷の抗体の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、無傷の抗体の断片によって実施され得る。用語、抗体の「抗原結合断片」内に包含される結合断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら、Nature 341巻:544〜546頁、1989年)および単離相補性決定領域(CDR)が挙げられる。
標的(例えば、PD−1タンパク質)と「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書において同義的に使用される)抗体、抗体コンジュゲートまたはポリペプチドは、当技術分野で十分に理解された用語であり、このような特異的または優先的結合を調べる方法も当技術分野では周知である。分子は、代替細胞または物質と行うよりも長い期間および/またはより大きな親和性で、特定の細胞または物質とより頻繁に、より迅速に反応または会合する場合に、「特異的結合」または「優先的結合」を示すといわれる。抗体は、その他の物質と結合するよりも、大きな親和性、結合力で、より迅速におよび/またはより長い期間結合する場合に、標的と「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。例えば、PD−1エピトープと特異的に、または優先的に結合する抗体とは、その他のPD−1エピトープまたは非PD−1エピトープと結合するよりも、このエピトープと、より大きな親和性、結合力で、より容易におよび/またはより長い期間結合する抗体である。この定義を読むことによって、例えば、第1の標的と特異的に、または優先的に結合する抗体(または部分またはエピトープ)は、第2の標的と特異的に、または優先的に結合する場合も、結合しない場合もあるということも理解される。そのようなものとして、「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的な結合を必ずしも必要としない(含み得るが)。全般的に、必ずしもそうではないが、結合への言及は、優先的結合を意味する。
抗体の「可変領域」とは、単独または組み合わせた、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。当技術分野で公知のように、重鎖および軽鎖の各可変領域は、超可変領域として知られる3つの相補性決定領域(CDR)によって接続された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖中のCDRは、FRによって近接して一緒にされ、他の鎖に由来するCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するための少なくとも2つの技術がある:(1)種間配列可変性に基づくアプローチ(すなわち、Kabatら Sequences of Proteins of Immunological Interest(第5版、1991年、米国国立衛生研究所、ミッドランド州、ベセスダ))および(2)抗原−抗体複合体の結晶学的研究に基づくアプローチ(Al−lazikaniら、1997年、J. Molec. Biol. 273巻:927〜948頁)。本明細書において、CDRは、いずれかのアプローチによって、または両アプローチの組合せによって定義されたCDRを指す場合がある。
可変ドメインの「CDR」は、Kabat、Chothiaの定義、KabaおよびChothia両者の蓄積、AbM、接触および/もしくはコンホメーション定義または当技術分野で周知のCDR決定の任意の方法に従って同定される可変領域内のアミノ酸残基である。抗体CDRは、Kabatらによって元々定義された超可変領域として同定され得る。例えば、Kabatら、1992年、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、NIH、ワシントンD.C.を参照のこと。CDRの位置はまた、Chothiaおよびその他によって元々記載された構造ループ構造として同定され得る。例えば、Chothiaら、Nature 342巻:877〜883頁、1989年を参照のこと。CDR同定のためのその他のアプローチとして、KabatおよびChothia間の妥協であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(now Accelrys(登録商標))を使用して導かれる「AbM定義」またはMacCallumら、J. Mol. Biol.、262巻:732〜745頁、1996年に示される、観察された抗原接触をベースとするCDRの「接触定義」が挙げられる。CDRの「コンホメーション定義」と本明細書において呼ばれる別のアプローチでは、CDRの位置は、抗原結合にエンタルピー寄与を行う残基として同定され得る。例えば、Makabeら、Journal of Biological Chemistry、283巻:1156〜1166頁、2008年を参照のこと。さらにその他のCDR境界定義は、上記のアプローチのうち1つを厳密に従わない場合もあるが、それにもかかわらず、特定の残基または残基の群またはさらには全CDRが、抗原結合に著しく影響を及ぼすことはないという予測または実験的知見を鑑みて、短縮または延長されることがあっても、Kabat CDRの少なくとも一部と重複するであろう。本明細書において、CDRは、アプローチの組合せを含む当技術分野で公知の任意のアプローチによって定義されるCDRを指すことがある。本明細書において使用される方法は、これらのアプローチのいずれかに従って定義されるCDRを利用し得る。2つ以上のCDRを含有する任意の所与の態様について、CDRは、Kabat、Chothia、拡張、AbM、接触および/またはコンホメーション定義のうちいずれかに従って定義され得る。
「単離抗体」および「単離された抗体断片」とは、精製状態を指し、このような関連で、名付けられた分子は、核酸、タンパク質、脂質、炭水化物などのその他の生体分子または細胞片および成長培地などのその他の材料を実質的に含まないことを意味する。全般的に、用語「単離された」は、それらが、本明細書において記載されるような結合化合物の実験的または治療的使用に実質的に干渉する量で存在しない限り、このような材料の完全な不在または水、バッファーもしくは塩の不在を指すものではない。
「モノクローナル抗体」または「mAb」または「Mab」とは、本明細書において、実質的に均一な抗体、すなわち、少量で存在し得る潜在的な天然に存在する突然変異を除いて、アミノ酸配列において同一である集団を含む抗体分子を指す。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は、通常、その可変ドメイン、特に、そのCDR中に種々のアミノ酸配列を有する多数の種々の抗体を含み、これらは、種々のエピトープに対して特異的であることが多い。修飾語「モノクローナル」は、抗体の特徴が、抗体の実質的に均一な集団から得られていることを示し、任意の特定の方法による抗体の製造を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、Kohlerら(1975年)Nature 256巻:495頁によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製されてもよく、または組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)によって作製されてもよい。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clacksonら(1991年) Nature 352巻:624〜628頁およびMarksら(1991年)J. Mol. Biol. 222巻:581〜597頁に記載される技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離されてもよい。Presta (2005) J. Allergy Clin. Immunol. 116巻:731頁も参照のこと。
「キメラ抗体」とは、重鎖および/または軽鎖の部分が、特定の種(例えば、ヒト)に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列に対して同一または相同であり、一方で、鎖の残部が、別の種(例えば、マウス)に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列に対して同一または相同である抗体ならびに所望の生物活性を示す限りこのような抗体の断片を指す。
「ヒト抗体」とは、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。ヒト抗体は、マウスにおいて、マウス細胞において、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合にマウス炭水化物鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体」または「ラット抗体」とは、それぞれマウスまたはラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体を指す。
「ヒト化抗体」とは、非ヒト(例えば、マウス)抗体ならびにヒト抗体に由来する配列を含有する抗体の形態を指す。このような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、通常2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、任意選択で、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、通常、ヒト免疫グロブリンのものを含む。接頭辞「hum」、「hu」または「h」は、ヒト化抗体を親のげっ歯類抗体から区別するために必要に応じて抗体クローン名に付加される。げっ歯類抗体のヒト化形態は、親のげっ歯類抗体の同一CDR配列を全般的に含むが、ヒト化抗体の親和性を増大し、安定性を増大するために、またはその他の理由のために特定のアミノ酸置換が含まれる場合もある。
「保存的に修飾されたバリアント」または「保存的置換」とは、タンパク質中のアミノ酸の、同様の特徴(例えば、電荷、側鎖の大きさ、疎水性/親水性、骨格コンホメーションおよび強剛性など)を有するその他のアミノ酸との置換を指し、その結果、タンパク質の生物活性またはその他の所望の特性、例えば、抗原親和性および/または特異性を変更することなく、変化が行われ得ることが多い。当業者には、一般に、ポリペプチドの非必須領域中の単一アミノ酸置換は、生物活性を実質的に変更しないということは認識される(例えば、Watsonら(1987年) Molecular Biology of the Gene, The Benjamin/Cummings Pub. Co.、224頁(第4版))。さらに、構造的または機能的に同様のアミノ酸の置換は、生物活性を破壊する可能性が低い。例示的な保存的置換は以下の表1に示されている。
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用語「PD−1結合アンタゴニスト」とは、本明細書において、PD−1と特異的に結合し、PD−1と、PD−L1および/またはPD−L2などのその結合パートナーのうち1つまたは複数との相互作用を減少させる分子を指す。例えば、PD−1結合アンタゴニストには、抗PD−1抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、アプタマー、融合タンパク質およびオリゴペプチドが含まれる。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、PD−1を通したTリンパ球媒介性シグナル伝達の際に発現される細胞表面タンパク質によって媒介される、またはそれを介したネガティブ同時刺激シグナルを低減させて、機能不全T細胞をあまり機能不全でないものにする。いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、抗PD−1抗体である。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブのバイオシミラーおよびペムブロリズマブのバイオシミラー(biosimular)から選択される抗PD−1抗体である。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ニボルマブまたはそのバイオシミラーである。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーである。
本明細書において記載される抗PD−1抗体はまた、ニボルマブもしくはそのバイオシミラーの抗原結合性抗体断片またはペムブロリズマブもしくはそのバイオシミラーの抗原結合性抗体断片であり得る。
いくつかの例では、抗PD−1抗体は、ニボルマブのバイオシミラーまたはペムブロリズマブのバイオシミラーであり得る。
「バイオシミラー」とは、参照抗体(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブ)と比較して同一の一次アミノ酸配列を有し、任意選択で、参照抗体と比較して、翻訳後修飾(例えば、グリコシル化および/またはリン酸化)において検出可能な相違を有し得る(例えば、異なるグリコフォーム)、抗体またはその抗原結合断片を意味する。
いくつかの態様では、バイオシミラーは、参照抗体(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブ)と比較して同一の一次アミノ酸配列を有する軽鎖および参照抗体と比較して同一の一次アミノ酸配列を有する重鎖を有する抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの例では、バイオシミラーは、参照抗体(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブ)と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含む軽鎖および参照抗体と同一の重鎖可変ドメイン配列を含む重鎖を有する抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様では、バイオシミラーは、参照抗体(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブ)と比較して同様のグリコシル化パターンを有し得る。その他の態様では、バイオシミラーは、参照抗体(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブ)と比較して異なるグリコシル化パターンを有し得る。
以下の表2は、本発明の処置方法、医薬および使用において使用するための例示的PD−1結合アンタゴニストのアミノ酸配列のリストを提供する。mAb7およびmAb15について、CDRは、下線が引かれている。mAB7はまた、RN888またはPF−6801591として知られている。mAb7(別名RN888)およびmAb15は、国際特許公開WO2016/092419において開示されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
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抗PD−1抗体のさらなる例として、CT−011(WO09/101611において記載されるピディリズマブ)、IBI−308、mDX−400、BGB−108、MEDI−0680、SHR−1210、PF−06801591、PDR−001、GB−226、STI−1110、MEDI−0680(AMP−514)、PDR001、REGN2810、BGB−108およびBGB−A317またはこれらの抗体のいずれかのバイオシミラーが挙げられる。さらなる例示的抗PD−1抗体は、米国特許出願第2017/0349666号、同第2017/0327590号、同第2017/0327582号、同第2017/0320949号、同第2017/0290913号、同第2017/0290808号、同第2017/0275705号、同第2017/0274073号、同第2017/0267762号、同第2017/0247456号、同第2017/0239351号、同第2017/0239351号、同第2017/0198037号、同第2017/0166641号、同第2017/0121409号、同第2017/0112925号、同第2017/0112925号、同第2017/0088615号、同第2017/0052188号、同第2017/0044260号、同第2017/0044256号、同第2017/0039345号、同第2017/0037127号、同第2017/0037125号、同第2017/0021019号、同第2017/0008971号、同第2017/0000885号、同第2016/0376367号、同第2016/0362492号、同第2016/0312297号、同第2016/0312295号、同第2016/0304969号、同第2016/0304606号、同第2016/0303231号、同第2016/0289315号、同第2016/0257752号、同第2016/0222118号、同第2016/0222113号、同第2016/0206719号、同第2016/0206719号、同第2016/0193334号、同第2016/0166685号、同第2016/0158360号、同第2016/0130348号、同第2016/0130345号、同第2016/0075783号、同第2016/0068586号、同第2016/0052990号、同第2016/0051672号、同第2016/0039903号、同第2016/0031990号、同第2016/0022814号、同第2016/0002334号、同第2015/0265705号、同第2015/0250837号、同第2015/0232555号、同第2015/0216970号、同第2015/0210772号、同第2015/0210769号、同第2015/0203579号、同第2015/0190506号、同第2015/0152180号、同第2015/0125955号、同第2015/0118245号、同第2015/0118234号、同第2015/0071910号、同第2014/0356363号、同第2014/0348743号、同第2014/0341902号、同第2014/0335093号、同第2014/0294852号、同第2014/0271684号、同第2014/0234296号、同第2014/0227262号、同第2014/0178370号、同第2014/0044738号、同第2013/0230514号、同第2013/0164294号、同第2013/0156774号、同第2013/0133091号、同第2013/0109843号、同第2013/0108651号、同第2013/0095098号、同第2013/0022629号、同第2013/0022600号、同第2012/0114649号、同第2012/0114648号、同第2012/0039906号、同第2011/0280878号、同第2011/0229461号、同第2011/0195068号、同第2011/0171220号、同第2011/0171215号、同第2011/0159023号、同第2011/0123550号、同第2011/0008777号、同第2011/0008369号、同第2010/0285013号、同第2010/0266617号、同第2010/0055102号、同第2009/0263865号、同第2009/0217401号、同第2009/0076250号、同第2009/0028857号、同第2008/0311117号、同第2008/0025979号、同第2007/0092504号、同第2006/0210567号、同第2006/0034826号、同第2004/0241745号、および同第2004/0213795号に記載されている。
いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、融合タンパク質(例えば、イムノアドヘシン、例えば、WO10/027827およびWO11/066342に記載されるB7−DCIgとも呼ばれるAMP−224)であり得る。例えば、イムノアドヘシンは、抗体定常領域(例えば、免疫グロブリン(例えば、ヒト免疫グロブリン)配列のFc領域)に融合されたPD−L1またはPD−L2の、細胞外またはPD−1結合部分を含み得る。
いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、アプタマーであり得る。アプタマーであるPD−1結合アンタゴニストの限定されない例は、例えば、US2017/0218369に記載されている。PD−1結合アンタゴニストであるアプタマーさらなる例は、Prodeusら、Mol. Ther. Nucleic Acids 4巻:e237、2015年;Wangら、doi:10.1016/j.biochi.2017.09.006 Biochimieに記載されている。例えば、アプタマーであるPD−1結合アンタゴニストは、GCTACTGTACATCACGCCTCTCCCC(配列番号40)、CTACTGTACATCACGCCTCTCCCC(配列番号41)、GTACAGTTCCCGTCCCTGCACTACA(配列番号42)、または
GTACAGTTCCCGTCCTGCACTACA(配列番号43)のうち1つの配列を含み得る。
本発明の併用療法におけるMEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。ビニメチニブは、以下の構造を有する:
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ビニメチニブはまた、ARRY−162、MEK162、6−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシエトキシ)−アミドおよび5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミドとしても知られる。ビニメチニブおよびその医薬上許容される塩を調製する方法は、その開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT公開WO03/077914中、実施例18(化合物29lll)に記載されている。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブの医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。結晶化ビニメチニブおよび結晶化ビニメチニブを調製する方法は、その開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT公開WO2014/063024に記載されている。
用語「癌」、「癌性」または「悪性」とは、通常、未制御の細胞成長を特徴とする哺乳動物における身体的状態を指すまたは説明する。癌の例として、それだけには限らないが、癌腫、リンパ腫、白血病、芽細胞腫および肉腫が挙げられる。このような癌のより特定の例として、扁平上皮癌、骨髄腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(転移性非小細胞肺癌を含む)、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、胃腸(管)癌、腎細胞癌、腎癌(進行性腎細胞癌を含む)、卵巣癌、肝臓癌、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、結腸直腸癌(マイクロサテライト安定性転移性結腸直腸癌などの転移性結腸直腸癌を含む)、子宮内膜癌、腎臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、黒色腫(BRAF V600突然変異体黒色腫、例えば、BRAF V600E突然変異体黒色腫を含む切除不能または転移性黒色腫を含む)、軟骨肉腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、神経膠芽腫多形、子宮頸癌、脳癌、胃癌、尿路上皮癌腫(局所進行性または転移性尿路上皮癌腫を含む)、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌腫および頭頸部癌(頭頸部の再発性または転移性扁平上皮癌を含む)が挙げられる。一態様では、癌は結腸直腸癌である。一態様では、癌は、転移性結腸直腸癌である。一態様では、癌は、マイクロサテライト安定性転移性結腸直腸癌である。一態様では、癌は黒色腫である。一態様では、癌は膵臓癌である。一態様では、癌は甲状腺癌である。
世界で、結腸直腸癌は、男性において3番目に最も一般的な種類の癌であり、女性では2番目に最も一般的であり、2012年には、およそ140万の新規診断があった。2012年には世界的に、およそ694,000人の死亡が、結腸直腸癌に起因していた。結腸直腸腫瘍におけるマイクロサテライト安定性(MSS)の罹患率は、ステージによって変わり、早期ステージ、切除可能腫瘍の80%近く、MSSを示す進行性転移性腫瘍のおよそ67%であった。
用語「併用療法」とは、本明細書において、期間の間の、2つの異なる治療上活性な薬剤(すなわち、組合せの成分または組合せパートナー)(例えば、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩およびPD−1結合アンタゴニスト)の投薬計画を指し、治療上活性な薬剤は、医療関係者によって処方された様式で、または本明細書において定義されるように規制当局に従って、一緒にまたは別個に投与される。一態様では、併用療法は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびニボルマブであるPD−1結合アンタゴニストの組合せから本質的になる。一態様では、併用療法は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびペムブロリズマブであるPD−1結合アンタゴニストの組合せから本質的になる。
当技術分野で理解され得るように、併用療法は、患者に一定期間の間投与され得る。いくつかの態様では、期間は、患者への種々の癌治療的処置/薬剤または癌治療的処置/薬剤の種々の組合せの投与後に生じる。いくつかの態様では、期間は、患者への種々の癌治療的処置/薬剤または癌治療的処置/薬剤の種々の組合せの投与の前に生じる。いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストの投与およびビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与は、実質的に同時に生じる。いくつかの態様では、患者へのPD−1結合アンタゴニストの投与は、期間の間に、患者へのビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与の前に生じる。いくつかの態様では、患者へのビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与は、期間の間に、患者へのPD−1結合アンタゴニストの投与の前に生じる。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、外科的処置(例えば、腫瘍切除および/またはリンパ節切除)および/または抗癌療法(例えば、BRAFキナーゼ阻害剤、例えば、エンコラフェニブを含まない薬剤)を施される。いくつかの態様では、患者は、期間の間にBRAFキナーゼ阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を投与されない。
適した期間は、当業者(例えば、医師)によって決定され得る。当技術分野では理解され得るように、適した期間は、患者における疾患のステージ、患者の体重および性別、臨床治験ガイドライン(例えば、fda.gov websiteでのもの)および承認された薬物ラベルに関する情報のうち1つまたは複数に基づいて当業者によって決定され得る。例えば、適した期間は、例えば、1週間〜2年、1週間〜22カ月、1週間〜20カ月、1週間〜18カ月、1週間〜16カ月、1週間〜14カ月、1週間〜12カ月、1週間〜10カ月、1週間〜8カ月、1週間〜6カ月、1週間〜4カ月 1週間〜2カ月、1週間〜1カ月、2週間〜2年、2週間〜22カ月、2週間〜20カ月、2週間〜18カ月、2週間〜16カ月、2週間〜14カ月、2週間〜12カ月、2週間〜10カ月、2週間〜8カ月、2週間〜6カ月、2週間〜4カ月、2週間〜2カ月、2週間〜1カ月、1カ月〜2年、1カ月〜22カ月、1カ月〜20カ月、1カ月〜18カ月、1カ月〜16カ月、1カ月〜14カ月、1カ月〜12カ月、1カ月〜10カ月、1カ月〜8カ月、1カ月〜6カ月、1カ月〜4カ月、1カ月〜2カ月、2カ月〜2年、2カ月〜22カ月、2カ月〜20カ月、2カ月〜18カ月、2カ月〜16カ月、2カ月〜14カ月、2カ月〜12カ月、2カ月〜10カ月、2カ月〜8カ月、2カ月〜6カ月、2カ月〜4カ月、3カ月〜2年、3カ月〜22カ月、3カ月〜20カ月、3カ月〜18カ月、3カ月〜16カ月、3カ月〜14カ月、3カ月〜12カ月、3カ月〜10カ月、3カ月〜8カ月、3カ月〜6カ月、4カ月〜2年、4カ月〜22カ月、4カ月〜20カ月、4カ月〜18カ月、4カ月〜16カ月、4カ月〜14カ月、4カ月〜12カ月、4カ月〜10カ月、4カ月〜8カ月、4カ月〜6カ月、6カ月〜2年、6カ月〜22カ月、6カ月〜20カ月、6カ月〜18カ月、6カ月〜16カ月、6カ月〜14カ月、6カ月〜12カ月、6カ月〜10カ月、6カ月〜8カ月、8カ月〜2年、8カ月〜22カ月、8カ月〜20カ月、8カ月〜18カ月、8カ月〜16カ月、8カ月〜14カ月、8カ月〜12カ月、8カ月〜10カ月、10カ月〜2年、10カ月〜22カ月、10カ月〜20カ月、10カ月〜18カ月、10カ月〜16カ月、10カ月〜14カ月、10カ月〜12カ月、12カ月〜2年、12カ月〜22カ月、12カ月〜20カ月、12カ月〜18カ月、12カ月〜16カ月または12カ月〜14カ月(両端を含む)であり得る。
本明細書において、薬物、化合物または医薬組成物の「有効投与量」または「有効量」または「治療上有効な量」は、任意の1つまたは複数の有益なまたは所望の結果を達成するのに十分な量である。予防的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、疾患の生化学的、組織学的および/または行動的症状、その合併症および疾患の発達の間に提示する中間の病理学的表現型を含む、疾患の、リスクを排除することまたは低減すること、重症度を減少することまたは発生を遅延することを含む。治療的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、罹患率の低減などの臨床結果または種々の疾患もしくは状態(例えば、癌など)の1つもしくは複数の症状の寛解、疾患を処置するために必要なその他の医薬の用量の減少、別の投薬の効果の増強および/または疾患の進行の遅延を含む。有効投与量は、1つまたは複数の投与で投与され得る。本発明の目的上、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、直接的または間接的のいずれかで予防的または治療的処置を達成するのに十分な量である。臨床関連で理解されるように、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、別の薬物、化合物または医薬組成物とともに達成される場合もある。したがって、「有効投与量」は、1種または複数のその他の薬剤とともに、望ましい結果が達成され得る、または達成される場合には、1種または複数の治療薬を投与することに関連して考えられてもよく、単剤が有効量で与えられると考えられてもよい。癌の処置に関連して、有効量とは、(1)腫瘍の大きさを低減する、(2)腫瘍転移の発生を阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度まで阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、および/または(4)癌と関連する徴候または症状のうち1種または複数をある程度まで軽減する(または好ましくは、排除する)効果を有する量を指す場合もある。用量および投与計画の治療的または薬理学的有効性はまた、これらの特定の腫瘍を有する患者において疾患管理および/または全生存を誘導、増強、維持または延長する能力として特性決定されることができ、これらは、疾患進行前の時間の延長として測定され得る。
用語「Q2W」は、本明細書において、2週間毎に1回を意味する。
用語「Q3W」とは、本明細書において、3週間毎に1回を意味する。
用語「BID」は、本明細書において、1日2回を意味する。
「腫瘍」とは、癌と診断された、またはそれを有すると疑われる対象に適用される場合、任意の大きさの悪性または悪性の可能性が高い新生物または組織腫瘤を指し、原発腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、普通、嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な成長または腫瘤である。種々の種類の固形腫瘍が、それを形成する細胞の種類について名付けられている。固形腫瘍の例として、肉腫、癌腫およびリンパ腫がある。白血病(血液の癌)は、全般的に固形腫瘍を形成しない(国立癌研究所、癌用語の辞書)。
用語「進行した」とは、本明細書において、固形腫瘍と関連する場合に、局所進行性(非転移性)疾患および転移性疾患を含む。治癒的意図を用いて処置される場合も、または処置されない場合もある局所進行性固形腫瘍および治癒的意図を用いて処置され得ない転移性疾患は、本発明において使用されるような、「進行した固形腫瘍」の範囲内に含まれる。当業者ならば、患者において進行した固形腫瘍を認識および診断できるであろう。
「腫瘍量」はまた、「腫瘍負荷」とも呼ばれ、身体中に分散された腫瘍材料の総量を指す。腫瘍量とは、リンパ節および骨髄を含む身体中の癌細胞の総数または腫瘍の全体の大きさを指す。腫瘍量は、当技術分野で公知の様々な方法によって、例えば、対象から除去の際に、例えば、ノギスを使用して、または身体中にあって、画像処理技術、例えば、超音波、骨スキャン、コンピューター断層撮影法(CT)または磁気共鳴画像処理(MRI)スキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することなどによって決定され得る。
用語「腫瘍の大きさ」とは、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の全体の大きさを指す。腫瘍の大きさは、例えば、対象からの除去の際に、例えば、ノギスを使用して、または身体中にあって、画像処理技術、例えば、骨スキャン、超音波、CTまたはMRIスキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することによってなど、当技術分野で公知の様々な方法によって決定され得る。
「個々の応答」または「応答」は、制限するものではないが、(1)減速または完全停止を含む、疾患進行(例えば、癌進行)のある程度までの阻害、(2)腫瘍の大きさの低減、(3)隣接末梢臓器および/または組織への癌細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)、(4)転移の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)(5)疾患または障害(例えば、癌)と関連する1つもしくは複数の症状のある程度までの軽減、(6)全生存および無増悪生存期間を含む生存の長さの増大または延長および/または(7)処置後所与の時点での死亡率の減少を含む、個体にとっての利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価され得る。
医薬を用いる処置に対する患者の「有効応答」または患者の「応答性」および同様の単語は、癌などの疾患または障害のリスクにある、またはそれを患っている患者に与えられる臨床的または治療的利益を指す。一態様では、このような利益は、生存(全生存および/または無増悪生存期間を含む)の延長、客観的奏効(完全奏効または部分奏効を含む)をもたらすことまたは癌の徴候もしくは症状を改善することのうち任意の1つまたは複数を含む。
「客観的奏効」または「OR」とは、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含む測定可能な奏効を指す。「客観的奏効率」(ORR)とは、最小期間の間、所定量の腫瘍の大きさの低減を有する患者の割合を指す。全般的に、ORRとは、完全奏効(CR)率および部分奏効(PR)率の合計を指す。
「完全奏効」または「CR」とは、本明細書において、処置に応じた癌のすべての徴候の消失(例えば、すべての標的病変の消失)を意味する。これは、癌が治癒されたことを常に意味するものではない。
本明細書において、「部分奏効」または「PR」とは、処置に応じた、1つもしくは複数の腫瘍もしくは病変の大きさ、または身体における癌の程度の減少を指す。例えば、いくつかの態様では、PRは、参照としてベースラインSLDをとりながらの、標的病変の最長径(SLD)の合計における少なくとも30%の減少を指す。
「持続奏効」とは、処置の休止後の腫瘍成長の低減に対する持続効果を指す。例えば、腫瘍の大きさは、医薬投与の開始時の大きさと比較して同一の大きさである場合も、より小さい場合もある。いくつかの態様では、持続奏効は、処置期間と少なくとも同一の期間、処置期間の少なくとも1.5×、2×、2.5×または3×の長さまたはそれより長い期間を有する。
本明細書において、「無増悪生存期間」(PFS)とは、処置されている疾患(例えば、癌)が悪化しない処置期間の間および処置期間後の時間の長さを指す。無増悪生存期間は、患者が完全奏効または部分奏効を起こした時間量ならびに患者が安定疾患を起こした時間量を含み得る。
本明細書において、「全生存」(OS)とは、特定の期間後に生存している可能性が高い群中の個体のパーセンテージを指す。
本発明の目的上「奏効の持続期間」とは、薬物処置による腫瘍モデル成長阻害の実証から、前処置成長率と同様の成長率の回復の獲得の時間までの時間を意味する。
「生存の延長」とは、未処置患者に対する(すなわち、医薬を用いて処置されない患者に対する)処置患者における全生存または無増悪生存期間の全体的な増大を意味する。
本明細書において、「薬物関連毒性」、「注入関連反応」および「免疫関連有害事象」(「irAE」)およびその重症度またはグレードは、米国国立癌研究所の有害事象の一般技術用語判定基準v4.0(NCI CTCAE v4.0)に例示され、定義されるとおりである。
「ヘテロ接合性の消失スコア」または「LOHスコア」は、本明細書において、個体の腫瘍組織におけるゲノムLOHのパーセンテージを指す。パーセンテージゲノムLOHおよびその算出は、Swisherら(The Lancet Oncology、18巻(1号):75〜87頁、2017年1月)に記載されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、Foundation MedicineのNGSベースのT5アッセイが挙げられる。
「相同組換え欠乏スコア」または「HRDスコア」は、本明細書において、個体の腫瘍組織における、ヘテロ接合性の消失(「LOH」)、テロメア対立遺伝子不均衡(「TAI」)および大規模状態遷移(「LST」)の加重されていない数的合計を指す。HRDスコアはLOHおよびLOHスコアと一緒に、ならびにその算出は、それらの開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTimmsら、Breast Cancer Res 2014年12月5日;16巻(6号):475頁、TelliらClin Cancer Res;22巻(15号);3764〜73頁2016年に記載されている。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、MyriadのHRDまたはHRD Plusアッセイが挙げられる(Mirzaら N Engl J Med 2016年12月1日;375巻(22号):2154〜2164頁、2016年)。
用語「腫瘍比率スコア」または「TPS」とは、本明細書において、サンプルの免疫組織化学試験において部分または完全膜染色を示す生存可能腫瘍細胞のパーセンテージを指す。本明細書において使用される「PD−L1発現の腫瘍比率スコア」は、サンプルのPD−L1発現免疫組織化学試験において部分または完全膜染色を示す生存可能腫瘍細胞のパーセンテージを指す。例示的サンプルとして、制限するものではないが、生体サンプル、組織サンプル、ホルマリンン固定パラフィン包埋(FFPE)ヒト組織サンプルおよびホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ヒト腫瘍組織サンプルが挙げられる。例示的PD−L1発現免疫組織化学試験として、制限するものではないが、PD−L1 IHC 22C3 PharmDx(FDA承認、Daco)、Ventana PD−L1 SP263アッセイおよび国際特許出願PCT/EP2017/073712に記載された試験が挙げられる。
いくつかの態様では、それだけには限らないが、「客観的奏効」、「完全奏効」、「部分奏効」、「進行性の疾患」、「安定な疾患」、「無増悪生存期間」、「奏効の持続期間」を含む、本明細書において記載される方法の抗癌効果は、転移性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)以外の局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者においてRECIST v1.1を使用して(Eisenhauerら、Eur J of Cancer 2009年;45巻(2号):228〜47頁)、ならびに転移性CRPCを有する患者においてはRECIST v1.1およびPCWG3を使用して(Scherら、J Clin Oncol 2016年4月20日;34巻(12号):1402〜18頁)研究者によって定義され、評価されるとおりである。Eisenhauerら、Eur J of Cancer 2009年;45巻(2号):228〜47およびScherら、J Clin Oncol 2016年4月20日;34巻(12号):1402〜18頁の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの態様では、それだけには限らないが、「免疫関連客観的奏効」(irOR)、「免疫関連完全奏効」(irCR)、「免疫関連部分奏効」(irCR)、「免疫関連進行性疾患」(irPD)、「免疫関連安定疾患」(irSD)、「免疫関連無増悪生存期間」(irPFS)、「免疫関連奏効持続期間」(irDR)を含む本明細書において記載される方法の抗癌効果は、転移性CRPCを有する患者以外の、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者についての免疫関連奏効判定基準(irRECIST、Nishinoら J Immunother Cancer 2014年;2巻:17頁)によって定義され、評価されるとおりである。Nishinoら J Immunother Cancer 2014年;2巻:17頁の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において、「と組み合わせて」とは、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストの、別個の投与量としての同時の、逐次のまたは断続的な投与を指す。
用語「相加的」は、併用療法の2種の成分の組合せの結果が、個々に化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の合計と同等であることを意味するように使用される。用語「相加的」は、個別の成分各々の使用を上回る、処置されている疾患状態または障害の改善がないことを意味する。
用語「相乗作用」または「相乗的」は、併用療法の2種の治療薬の組合せの効果が、単独で投与される各薬剤の効果の合計よりも大きいことを意味するように本明細書において使用される。「相乗的量」または「相乗的に有効な量」は、「相乗的」が、本明細書において定義されるように、相乗作用をもたらす2種の組合せパートナーの組合せの量である。2種の組合せパートナー間の相乗的相互作用、効果の最適範囲および効果の各成分の絶対用量範囲を決定することは、処置を必要とする患者への種々のw/w(重量あたりの重量)比範囲および用量にわたる組合せパートナーの投与によって決定的に測定され得る。しかし、in vitroモデルまたはin vivoモデルにおける相乗作用の観察は、ヒトおよびその他の種における効果の予測である可能性があり、in vitroモデルまたはin vivoモデルは、相乗作用を測定するために本明細書において記載されるように存在し、このような研究の結果はまた、薬物動態/薬力学的方法の適用によって、ヒトおよびその他の種において必要な有効用量および血漿中濃度比範囲および絶対用量および血漿中濃度を予測するために使用され得る。例えば、本明細書において記載される癌の技術分野によって承認されたin vitroおよび動物モデルは、当技術分野で公知であり、実施例に記載されている。例示的相互作用として、それだけには限らないが、治療効力の増強、同等または増大したレベルの有効性での投与量の減少、薬物耐性の発生の低減または遅延および同時増強または同等の治療作用および不要の副作用の低減が挙げられる。
例えば、2種の治療薬の相乗比は、本明細書において記載される癌のいずれかの技術分野によって承認されたin vitro(例えば、癌細胞株)またはin vivo(動物モデル)モデルにおいて相乗作用を決定することによって同定され得る。本明細書において記載される癌の癌細胞株およびin vivo動物モデルの限定されない例は、実施例に記載されている。技術分野によって承認された癌細胞株およびin vivo動物モデルのさらなる例は、当技術分野で公知である。
いくつかの態様では、「相乗作用」とは、本明細書において、作用、例えば、本明細書において記載されるような臨床結果を含む有益なまたは所望の結果のいずれか、例えば、MEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストが単独で投与される場合に観察される作用の合計よりも大きい、増殖性疾患、特に、癌の症候性進行またはその症状の減速をもたらす、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストの組合せを指す。
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、1日から2年の間(例えば、1日から22カ月の間、1日から20カ月の間、1日から18カ月の間、1日から16カ月の間、1日から14カ月の間、1日から12カ月の間、1日から10カ月の間、1日から9カ月の間、1日から8カ月の間、1日から7カ月の間、1日から6カ月の間、1日から5カ月の間、1日から4カ月の間、1日から3カ月の間、1日から2カ月の間、1日から1カ月の間、1週間から2年の間、1週間から22カ月の間、1週間から20カ月の間、1週間から18カ月の間、1週間から16カ月の間、1週間から14カ月の間、1週間から12カ月の間、1週間から10カ月の間、1週間から9カ月の間、1週間から8カ月の間、1週間から7カ月の間、1週間から6カ月の間、1週間から5カ月の間、1週間から4カ月の間、1週間から3カ月の間、1週間から2カ月の間、1週間から1カ月の間、2週間から2年の間、2週間から22カ月の間、2週間から20カ月の間、2週間から18カ月の間、2週間から16カ月の間、2週間から14カ月の間、2週間から12カ月の間、2週間から10カ月の間、2週間から9カ月の間、2週間から8カ月の間、2週間から7カ月の間、2週間から6カ月の間、2週間から5カ月の間、2週間から4カ月の間、2週間から3カ月の間、2週間から2カ月の間、2週間から1カ月の間、1カ月から2年の間、1カ月から22カ月の間、1カ月から20カ月の間、1カ月から18カ月の間、1カ月から16カ月の間、1カ月から14カ月の間、1カ月から12カ月の間、1カ月から10カ月の間、1カ月から9カ月の間、1カ月から8カ月の間、1カ月から7カ月の間、1カ月から6カ月の間、1カ月から6カ月の間、1カ月から5カ月の間、1カ月から4カ月の間、1カ月から3カ月の間、1カ月から2カ月の間、2カ月から2年の間、2カ月から22カ月の間、2カ月から20カ月の間、2カ月から18カ月の間、2カ月から16カ月の間、2カ月から14カ月の間、2カ月から12カ月の間、2カ月から10カ月の間、2カ月から9カ月の間、2カ月から8カ月の間、2カ月から7カ月の間、2カ月から6カ月の間または2カ月から5カ月の間、2カ月から4カ月の間、3カ月から2年の間、3カ月から22カ月の間、3カ月から20カ月の間、3カ月から18カ月の間、3カ月から16カ月の間、3カ月から14カ月の間、3カ月から12カ月の間、3カ月から10カ月の間、3カ月から8カ月の間、3カ月から6カ月の間、4カ月から2年の間、4カ月から22カ月の間、4カ月から20カ月の間、4カ月から18カ月の間、4カ月から16カ月の間、4カ月から14カ月の間、4カ月から12カ月の間、4カ月から10カ月の間、4カ月から8カ月の間、4カ月から6カ月の間、6カ月から2年の間、6カ月から22カ月の間、6カ月から20カ月の間、6カ月から18カ月の間、6カ月から16カ月の間、6カ月から14カ月の間、6カ月から12カ月の間、6カ月から10カ月の間または6カ月から8カ月の間)の期間の併用療法を用いる処置後の患者において1種または複数の固形腫瘍の容量の1%〜99%(例えば、1%〜98%、1%〜95%、1%〜90%、1〜85%、1〜80%、1%〜75%、1%〜70%、1%〜65%、1%〜60%、1%〜55%、1%〜50%、1%〜45%、1%〜40%、1%〜35%、1%〜30%、1%〜25%、1%〜20%、1%〜15%、1%〜10%、1%〜5%、2%〜99%、2%〜90%、2%〜85%、2%〜80%、2%〜75%、2%〜70%、2%〜65%、2%〜60%、2%〜55%、2%〜50%、2%〜45%、2%〜40%、2%〜35%、2%〜30%、2%〜25%、2%〜20%、2%〜15%、2%〜10%、2%〜5%、4%〜99%、4%〜95%、4%〜90%、4%〜85%、4%〜80%、4%〜75%、4%〜70%、4%〜65%、4%〜60%、4%〜55%、4%〜50%、4%〜45%、4%〜40%、4%〜35%、4%〜30%、4%〜25%、4%〜20%、4%〜15%、4%〜10%、6%〜99%、6%〜95%、6%〜90%、6%〜85%、6%〜80%、6%〜75%、6%〜70%、6%〜65%、6%〜60%、6%〜55%、6%〜50%、6%〜45%、6%〜40%、6%〜35%、6%〜30%、6%〜25%、6%〜20%、6%〜15%、6%〜10%、8%〜99%、8%〜95%、8%〜90%、8%〜85%、8%〜80%、8%〜75%、8%〜70%、8%〜65%、8%〜60%、8%〜55%、8%〜50%、8%〜45%、8%〜40%、8%〜35%、8%〜30%、8%〜25%、8%〜20%、8%〜15%、10%〜99%、10%〜95%、10%〜90%、10%〜85%、10%〜80%、10%〜75%、10%〜70%、10%〜65%、10%〜60%、10%〜55%、10%〜50%、10%〜45%、10%〜40%、10%〜35%、10%〜30%、10%〜25%、10%〜20%、10%〜15%、15%〜99%、15%〜95%、15%〜90%、15%〜85%、15%〜80%、15%〜75%、15%〜70%、15%〜65%、15%〜60%、15%〜55%、15%〜50%、15%〜55%、15%〜50%、15%〜45%、15%〜40%、15%〜35%、15%〜30%、15%〜25%、15%〜20%、20%〜99%、20%〜95%、20%〜90%、20%〜85%、20%〜80%、20%〜75%、20%〜70%、20%〜65%、20%〜60%、20%〜55%、20%〜50%、20%〜45%、20%〜40%、20%〜35%、20%〜30%、20%〜25%、25%〜99%、25%〜95%、25%〜90%、25%〜85%、25%〜80%、25%〜75%、25%〜70%、25%〜65%、25%〜60%、25%〜55%、25%〜50%、25%〜45%、25%〜40%、25%〜35%、25%〜30%、30%〜99%、30%〜95%、30%〜90%、30%〜85%、30%〜80%、30%〜75%、30%〜70%、30%〜65%、30%〜60%、30%〜55%、30%〜50%、30%〜45%、30%〜40%、30%〜35%、35%〜99%、35%〜95%、35%〜90%、35%〜85%、35%〜80%、35%〜75%、35%〜70%、35%〜65%、35%〜60%、35%〜55%、35%〜50%、35%〜45%、35%〜40%、40%〜99%、40%〜95%、40%〜90%、40%〜85%、40%〜80%、40%〜75%、40%〜70%、40%〜65%、40%〜60%、40%〜55%、40%〜60%、40%〜55%、40%〜50%、40%〜45%、45%〜99%、45%〜95%、45%〜95%、45%〜90%、45%〜85%、45%〜80%、45%〜75%、45%〜70%、45%〜65%、45%〜60%、45%〜55%、45%〜50%、50%〜99%、50%〜95%、50%〜90%、50%〜85%、50%〜80%、50%〜75%、50%〜70%、50%〜65%、50%〜60%、50%〜55%、55%〜99%、55%〜95%、55%〜90%、55%〜85%、55%〜80%、55%〜75%、55%〜70%、55%〜65%、55%〜60%、60%〜99%、60%〜95%、60%〜90%、60%〜85%、60%〜80%、60%〜75%、60%〜70%、60%〜65%、65%〜99%、60%〜95%、60%〜90%、60%〜85%、60%〜80%、60%〜75%、60%〜70%、60%〜65%、70%〜99%、70%〜95%、70%〜90%、70%〜85%、70%〜80%、70%〜75%、75%〜99%、75%〜95%、75%〜90%、75%〜85%、75%〜80%、80%〜99%、80%〜95%、80%〜90%、80%〜85%、85%〜99%、85%〜95%、85%〜90%、90%〜99%、90%〜95%、または95%〜100%)の低減をもたらし得る(例えば、処置の前の患者における1種または複数の固形腫瘍の大きさと比較して)。
いくつかの態様では、本明細書において記載される方法のいずれも、癌を有する患者において転移を発生するリスクまたはさらなる転移を発生するリスクの1%〜99%(例えば、1%〜98%、1%〜95%、1%〜90%、1〜85%、1〜80%、1%〜75%、1%〜70%、1%〜65%、1%〜60%、1%〜55%、1%〜50%、1%〜45%、1%〜40%、1%〜35%、1%〜30%、1%〜25%、1%〜20%、1%〜15%、1%〜10%、1%〜5%、2%〜99%、2%〜90%、2%〜85%、2%〜80%、2%〜75%、2%〜70%、2%〜65%、2%〜60%、2%〜55%、2%〜50%、2%〜45%、2%〜40%、2%〜35%、2%〜30%、2%〜25%、2%〜20%、2%〜15%、2%〜10%、2%〜5%、4%〜99%、4%〜95%、4%〜90%、4%〜85%、4%〜80%、4%〜75%、4%〜70%、4%〜65%、4%〜60%、4%〜55%、4%〜50%、4%〜45%、4%〜40%、4%〜35%、4%〜30%、4%〜25%、4%〜20%、4%〜15%、4%〜10%、6%〜99%、6%〜95%、6%〜90%、6%〜85%、6%〜80%、6%〜75%、6%〜70%、6%〜65%、6%〜60%、6%〜55%、6%〜50%、6%〜45%、6%〜40%、6%〜35%、6%〜30%、6%〜25%、6%〜20%、6%〜15%、6%〜10%、8%〜99%、8%〜95%、8%〜90%、8%〜85%、8%〜80%、8%〜75%、8%〜70%、8%〜65%、8%〜60%、8%〜55%、8%〜50%、8%〜45%、8%〜40%、8%〜35%、8%〜30%、8%〜25%、8%〜20%、8%〜15%、10%〜99%、10%〜95%、10%〜90%、10%〜85%、10%〜80%、10%〜75%、10%〜70%、10%〜65%、10%〜60%、10%〜55%、10%〜50%、10%〜45%、10%〜40%、10%〜35%、10%〜30%、10%〜25%、10%〜20%、10%〜15%、15%〜99%、15%〜95%、15%〜90%、15%〜85%、15%〜80%、15%〜75%、15%〜70%、15%〜65%、15%〜60%、15%〜55%、15%〜50%、15%〜55%、15%〜50%、15%〜45%、15%〜40%、15%〜35%、15%〜30%、15%〜25%、15%〜20%、20%〜99%、20%〜95%、20%〜90%、20%〜85%、20%〜80%、20%〜75%、20%〜70%、20%〜65%、20%〜60%、20%〜55%、20%〜50%、20%〜45%、20%〜40%、20%〜35%、20%〜30%、20%〜25%、25%〜99%、25%〜95%、25%〜90%、25%〜85%、25%〜80%、25%〜75%、25%〜70%、25%〜65%、25%〜60%、25%〜55%、25%〜50%、25%〜45%、25%〜40%、25%〜35%、25%〜30%、30%〜99%、30%〜95%、30%〜90%、30%〜85%、30%〜80%、30%〜75%、30%〜70%、30%〜65%、30%〜60%、30%〜55%、30%〜50%、30%〜45%、30%〜40%、30%〜35%、35%〜99%、35%〜95%、35%〜90%、35%〜85%、35%〜80%、35%〜75%、35%〜70%、35%〜65%、35%〜60%、35%〜55%、35%〜50%、35%〜45%、35%〜40%、40%〜99%、40%〜95%、40%〜90%、40%〜85%、40%〜80%、40%〜75%、40%〜70%、40%〜65%、40%〜60%、40%〜55%、40%〜60%、40%〜55%、40%〜50%、40%〜45%、45%〜99%、45%〜95%、45%〜95%、45%〜90%、45%〜85%、45%〜80%、45%〜75%、45%〜70%、45%〜65%、45%〜60%、45%〜55%、45%〜50%、50%〜99%、50%〜95%、50%〜90%、50%〜85%、50%〜80%、50%〜75%、50%〜70%、50%〜65%、50%〜60%、50%〜55%、55%〜99%、55%〜95%、55%〜90%、55%〜85%、55%〜80%、55%〜75%、55%〜70%、55%〜65%、55%〜60%、60%〜99%、60%〜95%、60%〜90%、60%〜85%、60%〜80%、60%〜75%、60%〜70%、60%〜65%、65%〜99%、60%〜95%、60%〜90%、60%〜85%、60%〜80%、60%〜75%、60%〜70%、60%〜65%、70%〜99%、70%〜95%、70%〜90%、70%〜85%、70%〜80%、70%〜75%、75%〜99%、75%〜95%、75%〜90%、75%〜85%、75%〜80%、80%〜99%、80%〜95%、80%〜90%、80%〜85%、85%〜99%、85%〜95%、85%〜90%、90%〜99%、90%〜95%、または95%〜100%)の低減を提供し得る。
語句「生存の時間」とは、医療専門家による哺乳動物における癌(例えば、本明細書において記載される癌のいずれか)の同定または診断と、哺乳動物の死亡の時間(癌によって引き起こされた)の間の時間の長さを意味する。癌を有する哺乳動物において生存の時間を増大する方法が、本明細書において記載されている。
いくつかの態様では、本明細書において記載される方法のいずれも、患者の生存の時間の増大(例えば、1%〜400%、1%〜380%、1%〜360%、1%〜340%、1%〜320%、1%〜300%、1%〜280%、1%〜260%、1%〜240%、1%〜220%、1%〜200%、1%〜180%、1%〜160%、1%〜140%、1%〜120%、1%〜100%、1%〜95%、1%〜90%、1%〜85%、1%〜80%、1%〜75%、1%〜70%、1%〜65%、1%〜60%、1%〜55%、1%〜50%、1%〜45%、1%〜40%、1%〜35%、1%〜30%、1%〜25%、1%〜20%、1%〜15%、1%〜10%、1%〜5%、5%〜400%、5%〜380%、5%〜360%、5%〜340%、5%〜320%、5%〜300%、5%〜280%、5%〜260%、5%〜240%、5%〜220%、5%〜200%、5%〜180%、5%〜160%、5%〜140%、5%〜120%、5%〜100%、5%〜90%、5%〜80%、5%〜70%、5%〜60%、5%〜50%、5%〜40%、5%〜30%、5%〜20%、5%〜10%、10%〜400%、10%〜380%、10%〜360%、10%〜340%、10%〜320%、10%〜300%、10%〜280%、10%〜260%、10%〜240%、10%〜220%、10%〜200%、10%〜180%、10%〜160%、10%〜140%、10%〜120%、10%〜100%、10%〜90%、10%〜80%、10%〜70%、10%〜60%、10%〜50%、10%〜40%、10%〜30%、10%〜20%、20%〜400%、20%〜380%、20%〜360%、20%〜340%、20%〜320%、20%〜300%、20%〜280%、20%〜260%、20%〜240%、20%〜220%、20%〜200%、20%〜180%、20%〜160%、20%〜140%、20%〜120%、20%〜100%、20%〜90%、20%〜80%、20%〜70%、20%〜60%、20%〜50%、20%〜40%、20%〜30%、30%〜400%、30%〜380%、30%〜360%、30%〜340%、30%〜320%、30%〜300%、30%〜280%、30%〜260%、30%〜240%、30%〜220%、30%〜200%、30%〜180%、30%〜160%、30%〜140%、30%〜120%、30%〜100%、30%〜90%、30%〜80%、30%〜70%、30%〜60%、30%〜50%、30%〜40%、40%〜400%、40%〜380%、40%〜360%、40%〜340%、40%〜320%、40%〜300%、40%〜280%、40%〜260%、40%〜240%、40%〜220%、40%〜200%、40%〜180%、40%〜160%、40%〜140%、40%〜120%、40%〜100%、40%〜90%、40%〜80%、40%〜70%、40%〜60%、40%〜50%、50%〜400%、50%〜380%、50%〜360%、50%〜340%、50%〜320%、50%〜300%、50%〜280%、50%〜260%、50%〜240%、50%〜220%、50%〜200%、50%〜180%、50%〜160%、50%〜140%、50%〜140%、50%〜120%、50%〜100%、50%〜90%、50%〜80%、50%〜70%、50%〜60%、60%〜400%、60%〜380%、60%〜360%、60%〜340%、60%〜320%、60%〜300%、60%〜280%、60%〜260%、60%〜240%、60%〜220%、60%〜200%、60%〜180%、60%〜160%、60%〜140%、60%〜120%、60%〜100%、60%〜90%、60%〜80%、60%〜70%、70%〜400%、70%〜380%、70%〜360%、70%〜340%、70%〜320%、70%〜300%、70%〜280%、70%〜260%、70%〜240%、70%〜220%、70%〜200%、70%〜180%、70%〜160%、70%〜140%、70%〜120%、〜100%、70%〜90%、70%〜80%、80%〜400%、80%〜380%、80%〜360%、80%〜340%、80%〜320%、80%〜300%、80%〜280%、80%〜260%、80%〜240%、80%〜220%、80%〜200%、80%〜180%、80%〜160%、80%〜140%、80%〜120%、80%〜100%、80%〜90%、90%〜400%、90%〜380%、90%〜360%、90%〜340%、90%〜320%、90%〜300%、90%〜280%、90%〜260%、90%〜240%、90%〜220%、90%〜200%、90%〜180%、90%〜160%、90%〜140%、90%〜120%、90%〜100%、100%〜400%、100%〜380%、100%〜360%、100%〜340%、100%〜320%、100%〜300%、100%〜280%、100%〜260%、100%〜240%、100%〜220%、100%〜200%、100%〜180%、100%〜160%、100%〜140%、100%〜120%、120%〜400%、120%〜380%、120%〜360%、120%〜340%、120%〜320%、120%〜300%、120%〜280%、120%〜260%、120%〜240%、120%〜220%、120%〜200%、120%〜180%、120%〜160%、120%〜140%、140%〜400%、140%〜380%、140%〜360%、140%〜340%、140%〜320%、140%〜300%、140%〜280%、140%〜260%、140%〜240%、140%〜220%、140%〜200%、140%〜180%、140%〜160%、160%〜400%、160%〜380%、160%〜360%、160%〜340%、160%〜320%、160%〜300%、160%〜280%、160%〜260%、160%〜240%、160%〜220%、160%〜200%、160%〜180%、180%〜400%、180%〜380%、180%〜360%、180%〜340%、180%〜320%、180%〜300%、180%〜280%、180%〜260%、180%〜240%、180%〜220%、180%〜200%、200%〜400%、200%〜380%、200%〜360%、200%〜340%、200%〜320%、200%〜300%、200%〜280%、200%〜260%、200%〜240%、200%〜220%、220%〜400%、220%〜380%、220%〜360%、220%〜340%、220%〜320%、220%〜300%、220%〜280%、220%〜260%、220%〜240%、240%〜400%、240%〜380%、240%〜360%、240%〜340%、240%〜320%、240%〜300%、240%〜280%、240%〜260%、260%〜400%、260%〜380%、260%〜360%、260%〜340%、260%〜320%、260%〜300%、260%〜280%、280%〜400%、280%〜380%、280%〜360%、280%〜340%、280%〜320%、280%〜300%、300%〜400%、300%〜380%、300%〜360%、300%〜340%、または300%〜320%)をもたらし得る(例えば、同様の癌を有し、種々の処置を施されている、または処置を受け取っていない患者と比較して)。
本明細書において、用語「サイトカイン」とは、全般的に、細胞間媒介物質として別の細胞で作用する、またはタンパク質を産生する細胞上で自己分泌効果を有する、ある細胞集団によって放出されるタンパク質を指す。このようなサイトカインの例として、リンホカイン、モノカイン;インターロイキン(「IL」)、例えば、PROLEUKIN(登録商標)rIL−2を含む、IL−1、IL−la、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−17A−F、IL−18〜IL−29(IL−23など)、IL−31;腫瘍壊死因子、例えば、TNF−αまたはTNF−β、TGF−l−3;ならびに白血病阻害剤因子(「LIF」)、繊毛様神経栄養因子(「CNTF」)、CNTF様サイトカイン(「CLC」)、カルジオトロフィン(「CT」)およびキットリガンド(「L」)を含むその他のポリペプチド因子が挙げられる。
本明細書において、用語「ケモカイン」とは、白血球の走化作用および活性化を選択的に誘導する能力を有する可溶性因子(例えば、サイトカイン)を指す。それらはまた、血管新生、炎症、創傷治癒および腫瘍発生のプロセスを誘発する。例示的ケモカインとして、IL−8、マウスケラチノサイト化学誘引物質(KC)のヒトホモログが挙げられる。
特に断りのない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が支配する。本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」などの変形は、述べられた整数または整数の群の包含を意味するが、任意の他の整数または整数の群の除外を意味しないと理解される。文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。本明細書において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段の指示がない限り、複数の参照を含む。例えば、「1種の」賦形剤は、1種または複数の賦形剤を含む。本明細書で記載される本発明の側面および変形は、「からなる」および/または「本質的にからなる」側面および変形を含むことが理解される。いくつかの態様では、本明細書において開示されるような投与ステップから本質的になる方法は、患者が前の療法(期間の前に患者に投与された)に失敗している、またはこのような前の療法に対して不応性であった、および/または癌が転移しているもしくは再発している方法を含む。いくつかの態様では、本明細書において開示されるような投与ステップから本質的になる方法は、患者が、本明細書において開示されるようなこのような投与ステップの前に、それと実質的に同時に、その後に、手術、放射線および/またはその他のレジメンを受ける、および/または患者が、本明細書において開示されるようなこのような投与ステップ後にその他の化学的および/または生物学的治療薬を投与される方法を含む。
例示的な方法および材料が本明細書に記載されているが、本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料も、本発明の実施または試験において使用され得る。材料、方法、および例は、単なる例示であり、限定することを意図していない。
方法、使用および医薬
一態様では、一定量の、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤は、一定量のPD−1結合アンタゴニストと組み合わせて使用され、量は一緒になって、癌の処置において有効である。
一態様では、本発明の併用療法の組合せパートナーの各々の治療上有効な量は、(例えば、期間の間に)別個に投与され、同時に、任意の順序で、特定のまたは変動する時間間隔で、逐次、もしくは断続的に投与されてもよい。
一態様では、癌を含む増殖性疾患を処置する方法であって、期間の間に、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストから本質的になる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、個々の組合せパートナーは、共同で治療上有効な量で(例えば、相乗的に有効な量で)投与される、前記方法が、本明細書において提供される。本発明の併用療法の個々の組合せパートナーは、期間の間に、毎日のまたは断続的な投与量で投与され得る。本発明の併用療法の個々の組合せパートナーは、期間の間に、異なる時間に任意の順序で別個に、または期間の間に、分割された組合せ形態で同時に投与され得る。一態様では、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤は、期間の間に、1日1回または1日2回のいずれかで毎日投与される。一態様では、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤は、期間の間に、1日2回毎日投与される。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、期間の間に、毎週投与される。一態様では、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストは、2週間毎に投与される(Q2W)。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、期間の間に、3週間毎に投与される(Q3W)。したがって、本発明は、期間の間の、同時または交互処置のすべてのこのようなレジメンを包含すると理解されるべきであり、用語「投与すること」は、それに応じて解釈されるべきである。
用語「共同で治療上有効な量」とは、本明細書において、本明細書において記載される組合せの治療薬が、相互作用(例えば、共同治療効果、例えば、相乗作用)を示すような時間間隔で、患者に同時にまたは別個に(例えば、時差的な様式、例えば、順番を特定した様式で)与えられる場合を意味する。これが当てはまるか否かは、血液レベルを追跡することおよび組合せ成分が、少なくとも特定の時間間隔の間、処置されるべきヒトの血液中に存在することを示すことによって特に決定され得る。
一態様では、増殖性疾患を有する対象を処置する方法であって、前記対象に、期間の間に、増殖性疾患に対して共同で治療上有効な量で、本明細書において記載される併用療法を投与することを含む、から本質的になる、またはからなる、前記方法が本明細書において提供される。一態様では、増殖性疾患は癌である。一態様では、癌は、扁平上皮癌、骨髄腫、小細胞肺癌、非扁平上皮非小細胞肺癌、進行性非小細胞肺癌、非小細胞肺癌(転移性非小細胞肺癌を含む)、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、胃腸(管)癌、腎癌(進行性腎細胞癌を含む)、卵巣癌、肝臓癌、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、結腸直腸癌(マイクロサテライト安定性転移性結腸直腸癌などの転移性結腸直腸癌を含む)、子宮内膜癌、腎臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、黒色腫(BRAF V600突然変異体黒色腫、例えば、BRAF V600E突然変異体黒色腫を含む切除不能または転移性黒色腫を含む)、進行性黒色腫、マイクロサテライト高不安定性癌、軟骨肉腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、神経膠芽腫多形、子宮頸癌、脳癌、胃癌、尿路上皮癌腫(局所進行性または転移性尿路上皮癌腫を含む)、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌腫、頭頸部扁平上皮癌および頭頸部癌(頭頸部の再発性または転移性扁平上皮癌を含む)から選択される。一態様では、癌は結腸直腸癌である。一態様では、癌は、転移性結腸直腸癌である。一態様では、癌は、マイクロサテライト安定性転移性結腸直腸癌である。一態様では、癌は黒色腫である。一態様では、癌は膵臓癌である。一態様では、癌は甲状腺癌である。
一態様では、癌は、非小細胞肺癌、膵臓癌、卵巣癌、結腸直腸癌、胃癌、黒色腫、乳癌、膀胱癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、子宮癌、子宮頸癌、肝臓癌、甲状腺癌、腎臓癌、脳癌、皮膚癌および中皮腫から選択される。
一態様では、癌は膵臓癌である。一態様では、膵臓癌は、MMS/MMR能力を有する膵管腺癌である。一態様では、癌は卵巣癌である。一態様では、癌は結腸直腸癌である。一態様では、癌は、転移性結腸直腸癌である。一態様では、癌は胃癌である。一態様では、癌は黒色腫である。一態様では、癌は進行性切除不能または転移性黒色腫である。一態様では、癌は乳癌である。一態様では、癌はトリプルネガティブ乳癌である。一態様では、癌は膀胱癌である。一態様では、癌は非小細胞肺癌である。一態様では、癌は、進行性または転移性PD−L1陽性非小細胞肺癌である。
いくつかの態様では、対象は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、化学療法、ターゲッティングされる治療薬(例えば、単独療法としてのキイトルーダ、オプジーボまたはビニメチニブもしくはその医薬上許容される塩またはMEK阻害剤(例えば、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩)およびBRAFキナーゼ阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)の組合せ)、放射線療法および手術から独立に選択される少なくとも1つの抗癌処置を用いる処置を用いてこれまでに処置されていた。
用語「化学療法」または「化学療法薬」とは、本明細書において、癌の処置のための化学療法薬または2種、3種、4種もしくはそれより多い化学療法薬の組合せを指す。化学療法が、2種以上の化学療法薬からなる場合には、化学療法薬は、患者に、同一処置サイクルにおいて、同日にまたは異なる日に投与され得る。
「化学療法薬」は、癌の処置において有用な化合物である。化学療法薬の例として、チオテパおよびシクロホスファミド(シトキサン(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)およびウレドーパ(uredopa)などのアジリジン;エチレンイミンおよびアルトレタミンを含めたメチラメラミン(methylamelamines)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);δ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、マリナール(登録商標));β−ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトセシン(合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標)を含む)、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)および9−アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;ペメトレキセド;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;TLK−286;サルコディクチン(sarcodictyin);スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムヌスチン(ranimnustine)などのニトロソウレア(nitrosureas);エネジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンγ1IおよびカリケアマイシンωI1(例えば、Nicolaouら、Agnew、Chem Intl.Ed.Engl.、33巻:183〜186頁(1994年)を参照のこと)などの抗生物質;ジネマイシンAを含めたジネマイシン;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連色素タンパク質エネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射(DOXIL(登録商標))およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロンおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などのフルオロピリミジン含有化学療法薬などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどのアンチアドレナール;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤(replenisher);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシンおよびアンサマイトシン(ansamitocins)などのマイタンシノイド(maytansinoids);ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジン;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン(triaziquone);2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特に、T−2毒素、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジン(roridin)Aおよびアンギジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、nab−パクリタキセル(ABRAXANE(商標))およびドキセタキセル(doxetaxel)(TAXOTERE(登録商標))としても知られるパクリタキセルのアルブミンを操作したナノ粒子製剤;クロランブシル(chloranbucil);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;ロイコボビン(leucovovin);ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン(novantrone);エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体;ならびにシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾロンの併用療法の略語、CHOP、オキサリプラチン(ELOXATIN(商標))を5−FUおよびロイコボビン(leucovovin)と組み合わせて用いる処置計画の略語、FOLFOXならびにイリノテカンおよびオキサリプラチンおよび5−フルオロウラシルを用いる処置計画の略語、FOLFOXIRIなどの上記のうち2種以上の組合せが挙げられる。
化学療法薬のさらなる例として、癌の成長を促進し得るホルモンの効果を調節、低減、遮断または阻害するように作用し、全身(systemic)または全身(whole−body)処置の形態であることが多い抗ホルモン剤が挙げられる。それらは、それ自体ホルモンであり得る。例として、例えば、タモキシフェン(NALVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストンおよびトレミフェン(FERESTON(登録商標))を含めた抗エストロゲン薬および選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD);フルベストラント(FASLODEX(登録商標))などのエストロゲン受容体アンタゴニスト;卵巣を抑制またはシャットダウンするように機能する薬剤、例えば、酢酸ロイプロリド(LUPRON(登録商標)およびELIGARD(登録商標))、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリンおよびトリプテレリンなどの黄体(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト;フルタミド、ニルタミドおよびビカルタミドなどの抗アンドロゲン;副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標))、ホルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))およびアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))などが挙げられる。さらに、化学療法薬のこのような定義は、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロン酸(SKELID(登録商標))またはリセドロネート(ACTONEL(登録商標))などのビスホスホネート;ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソレンヌクレオシドシトシン類似体);THERATOPE(登録商標)ワクチンおよび遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチンおよびVAXID(登録商標)ワクチンなどのワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));フルベストラントなどの抗エストロゲン;イリノテカン;rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));17AAG(熱ショックタンパク質(Hsp)90毒であるゲルダナマイシン誘導体);ならびに上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体を含む。
「白金ベースの化学療法」とは、本明細書において、少なくとも1種の化学療法薬が、白金の配位化合物である化学療法を指す。例示的な白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、シスプラチンと組み合わせたゲムシタビン、ペメトレメド(pemetremed)と組み合わせたカルボプラチンが挙げられる。
「ターゲッティングされる治療薬」は、本明細書において、迅速に分裂する細胞を単純に干渉するのではなく(例えば、伝統的な化学療法を用いて)、発癌および腫瘍成長にとって必要とされる特異的にターゲッティングされる分子を干渉することによって癌細胞の成長を遮断する分子を含み、指し、それだけには限らないが、受容体チロシンキナーゼ−ターゲッティングされる治療薬(例えば、カボザンチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、レゴラフェニブ、スニチニブおよびトラスツズマブ)、シグナル伝達経路阻害剤(例えば、Ras−Raf−MEK−ERK経路阻害剤(例えば、ソラフェニブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ)、PI3K−Akt−mTOR−S6K経路阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン、ペリフォシン、テムシロリムス)およびアポトーシス経路のモジュレーター(例えば、オバタクラックス(obataclax)))および血管新生がターゲッティングされる療法(例えば、アフリベルセプトおよびベバシズマブ)が挙げられる。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、化学療法である。一態様では、化学療法は、白金ベースの化学療法およびフルオロピリミジン含有療法のうち1種または複数から選択される。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、白金ベースの化学療法である。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、フルオロピリミジン含有化学療法(例えば、フルオロウラシル(5−FU))である。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、FOLFIRINOX(フォリン酸(ロイコボリン)、フルオロウラシル(5−FU)、イリノテカンおよびオキサリプラチンの化学療法処置計画)である。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、FOLFOXIRI(イリノテカンおよびオキサリプラチンプラス5−フルオロウラシルの化学療法計画)である。一態様では、癌は、白金ベースの化学療法を用いる前の処置の後に進行していた。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、不成功であった(例えば、医師によって決定されるような治療上不成功)。
一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、血管新生がターゲッティングされる薬剤を含む。
一態様では、患者は、期間の前に、手術を施されていた。手術の限定されない例として、例えば、直視下手術または最小侵襲性手術が挙げられる。手術として、例えば、全腫瘍の除去、腫瘍の減量または対象において疼痛もしくは圧力を引き起こしている腫瘍の除去を挙げることができる。癌を有する対象で直視下手術および最小侵襲性手術を実施する方法は、当技術分野で公知である。
一態様では、患者は、期間の前に放射線療法を受けていた。放射線療法の限定されない例として、外部照射ビーム療法(例えば、キロボルトX線またはメガボルトX線を使用する外部ビーム療法)または内部放射線療法が挙げられる。内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる)は、例えば、低用量内部放射線療法または高用量内部放射線療法の使用を含み得る。低用量内部放射線療法は、例えば、小さい放射活性ペレット(シードとも呼ばれる)を、対象中の癌組織中またはその近位に挿入することを含む。高用量内部放射線療法は、例えば、薄いチューブ(例えば、カテーテル)またはインプラントを対象中の癌組織中またはその近位に挿入することおよび照射機器を使用して高用量の放射線を薄いチューブまたはインプラントに送達することを含む。癌を有する対象で放射線療法を実施する方法は、当技術分野で公知である。
一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブの医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、錠剤として投与される。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、約5mg〜約50mg(例えば、5mg〜約45mg、約5mg〜約40mg、約5mg〜約35mg、約5mg〜約30mg、約5mg〜約25mg、約5mg〜約20mg、約5mg〜約18mg、約5mg〜約16mg、約5mg〜約14mg、約5mg〜約12mg、約5mg〜約10mg、約5mg〜約8mg、約10mg〜約50mg、約10mg〜約45mg、約10mg〜約40mg、約10mg〜約35mg、約10mg〜約30mg、約10mg〜約25mg、約10mg〜約20mg、約10mg〜約18mg、約10mg〜約16mg、約10mg〜約14mg、約10mg〜約12mg、約12mg〜約50mg、約12mg〜約45mg、約12mg〜約45mg、約12mg〜約40mg、約12mg〜約35mg、約12mg〜約30mg、約12mg〜約25mg、約12mg〜約20mg、約12mg〜約18mg、約12mg〜約16mg、約12mg〜約14mg、約14mg〜約50mg、約14mg〜約45mg、約14mg〜約40mg、約14mg〜約35mg、約14mg〜約30mg、約14mg〜約25mg、約14mg〜約20mg、約14mg〜約18mg、約14mg〜約16mg、約16mg〜約50mg、約16mg〜約45mg、約16mg〜約40mg、約16mg〜約35mg、約16mg〜約30mg、約16mg〜約25mg、約16mg〜約20mg、約16mg〜約18mg、約18mg〜約50mg、約18mg〜約45mg、約18mg〜約40mg、約18mg〜約35mg、約18mg〜約30mg、約18mg〜約25mg、約18mg〜約20mg、約20mg〜約50mg、約20mg〜約45mg、約20mg〜約40mg、約20mg〜約35mg、約20mg〜約30mg、約20mg〜約25mg、約25mg〜約50mg、約25mg〜約45mg、約25mg〜約40mg、約25mg〜約35mg、約25mg〜約30mg、約30mg〜約50mg、約30mg〜約45mg、約30mg〜約40mg、約30mg〜約35mg、約35mg〜約50mg、約35mg〜約45mg、約35mg〜約40mg、約40mg〜約50mg、約40mg〜約45mg、約45mg〜約50mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mgまたは約50mg)のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩を含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、約5mg〜約50mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約15mg)の結晶化ビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、1日2回経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、1日2回経口投与され、ビニメチニブの第2の用量は、期間の間に、第1の用量のビニメチニブの約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間または約12時間(例えば、12時間±2時間)後に投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、約10mg〜約100mg(例えば、約10mg〜約95mg、約10mg〜約90mg、約10mg〜約85mg、約10mg〜約80mg、約10mg〜約75mg、約10mg〜約70mg、約10mg〜約65mg、約10mg〜約60mg、約10mg〜約55mg、約10mg〜約50mg、約10mg〜約45mg、約10mg〜約40mg、約10mg〜約35mg、約10mg〜約30mg、約10mg〜約25mg、約10mg〜約20mg、約10mg〜約15mg、約15mg〜約100mg、約15mg〜約95mg、約15mg〜約90mg、約15mg〜約85mg、約15mg〜約80mg、約15mg〜約75mg、約15mg〜約70mg、約15mg〜約65mg、約15mg〜約60mg、約15mg〜約55mg、約15mg〜約50mg、約15mg〜約45mg、約15mg〜約40mg、約15mg〜約35mg、約15mg〜約30mg、約15mg〜約25mg、約15mg〜約20mg、約20mg〜約100mg、約20mg〜約95mg、約20mg〜約90mg、約20mg〜約85mg、約20mg〜約80mg、約20mg〜約75mg、約20mg〜約70mg、約20mg〜約65mg、約20mg〜約60mg、約20mg〜約55mg、約20mg〜約50mg、約20mg〜約45mg、約20mg〜約40mg、約20mg〜約35mg、約20mg〜約30mg、約20mg〜約25mg、約25mg〜約100mg、約25mg〜約95mg、約25mg〜約90mg、約25mg〜約85mg、約25mg〜約80mg、約25mg〜約75mg、約25mg〜約70mg、約25mg〜約65mg、約25mg〜約60mg、約25mg〜約55mg、約25mg〜約50mg、約25mg〜約45mg、約25mg〜約40mg、約25mg〜約35mg、約25mg〜約30mg、約30mg〜約100mg、約30mg〜約95mg、約30mg〜約90mg、約30mg〜約85mg、約30mg〜約80mg、約30mg〜約75mg、約30mg〜約70mg、約30mg〜約65mg、約30mg〜約60mg、約30mg〜約55mg、約30mg〜約50mg、約30mg〜約45mg、約30mg〜約40mg、約30mg〜約35mg、約35mg〜約100mg、約35mg〜約95mg、約35mg〜約90mg、約35mg〜約85mg、約35mg〜約80mg、約35mg〜約75mg、約35mg〜約70mg、約35mg〜約65mg、約35mg〜約60mg、約35mg〜約55mg、約35mg〜約50mg、約35mg〜約45mg、約35mg〜約40mg、約40mg〜約100mg、約40mg〜約95mg、約40mg〜約90mg、約40mg〜約85mg、約40mg〜約80mg、約40mg〜約75mg、約40mg〜約70mg、約40mg〜約65mg、約40mg〜約60mg、約40mg〜約55mg、約40mg〜約50mg、約40mg〜約45mg、約45mg〜約100mg、約45mg〜約95mg、約45mg〜約90mg、約45mg〜約85mg、約45mg〜約80mg、約45mg〜約75mg、約45mg〜約70mg、約45mg〜約65mg、約45mg〜約60mg、約45mg〜約55mg、約45mg〜約50mg、約50mg〜約100mg、約50mg〜約95mg、約50mg〜約90mg、約50mg〜約85mg、約50mg〜約80mg、約50mg〜約75mg、約50mg〜約70mg、約50mg〜約65mg、約50mg〜約60mg、約50mg〜約55mg、約55mg〜約100mg、約55mg〜約95mg、約55mg〜約90mg、約55mg〜約85mg、約55mg〜約80mg、約55mg〜約75mg、約55mg〜約70mg、約55mg〜約65mg、約55mg〜約60mg、約60mg〜約100mg、約60mg〜約95mg、約60mg〜約90mg、約60mg〜約85mg、約60mg〜約80mg、約60mg〜約75mg、約60mg〜約70mg、約60mg〜約65mg、約65mg〜約100mg、約65mg〜約95mg、約65mg〜約90mg、約65mg〜約85mg、約65mg〜約80mg、約65mg〜約75mg、約65mg〜約70mg、約70mg〜約100mg、約70mg〜約95mg、約70mg〜約90mg、約70mg〜約85mg、約70mg〜約80mg、約70mg〜約75mg、約75mg〜約100mg、約75mg〜約95mg、約75mg〜約90mg、約75mg〜約85mg、約75mg〜約80mg、約80mg〜約100mg、約80mg〜約95mg、約80mg〜約90mg、約80mg〜約85mg、約85mg〜約100mg、約85mg〜約95mg、約85mg〜約90mg、約90mg〜約100mg、約90mg〜約95mg、約95mg〜約100mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgまたは約100mg)BIDの量で1日2回毎日経口投与される。一態様では、30mgのビニメチニブが、期間の間に1日2回経口投与される。一態様では、45mgのビニメチニブが、期間の間に1日2回経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの28日の処置サイクルにおいて、約10mg〜約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)BIDの量で毎日、3週間経口投与され、それに続いて、1週間、2週間または3週間ビニメチニブの投与を行わない。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの28日の処置サイクルにおいて、約30mgBIDの量で毎日、3週間経口投与され、それに続いて、1週間ビニメチニブの投与を行わない。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの28日の処置サイクルにおいて、約45mgBIDの量で毎日、3週間経口投与され、それに続いて、1週間ビニメチニブの投与を行わない。一態様では、期間の間に、有害作用の観察まで、45mgのビニメチニブが1日2回経口投与され、その後、30mgのビニメチニブが1日2回投与される。一態様では、30mg1日2回に用量低減されていた患者は、用量低減をもたらした有害作用が、ベースラインを改善し、例えば、最大14日間または最大3週間または最大4週間安定のままである場合には、薬物再拡大を妨げるビニメチニブと関連するその他の随伴する毒性がないという条件で、期間の間に、45mg1日2回に再拡大し得る。
いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ニボルマブまたはそのバイオシミラーである。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約1mg/mg〜約40mg/mg(例えば、約1mg/kg〜約38mg/kg、約1mg/kg〜約36mg/kg、約1mg/kg〜約34mg/kg、約1mg/kg〜約32mg/kg、約1mg/kg〜約30mg/kg、約1mg/kg〜約28mg/kg、約1mg/kg〜約26mg/kg、約1mg/kg〜約24mg/kg、約1mg/kg〜約22mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約18mg/kg、約1mg/kg〜約16mg/kg、約1mg/kg〜約14mg/kg、約1mg/kg〜約12mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約8mg/kg、約1mg/kg〜約6mg/kg、約1mg/kg〜約4mg/kg、約2mg/kg〜約40mg/kg、約2mg/kg〜約38mg/kg、約2mg/kg〜約36mg/kg、約2mg/kg〜約34mg/kg、約2mg/kg〜約32mg/kg、約2mg/kg〜約30mg/kg、約2mg/kg〜約28mg/kg、約2mg/kg〜約26mg/kg、約2mg/kg〜約24mg/kg、約2mg/kg〜約22mg/kg、約2mg/kg〜約20mg/kg、約2mg/kg〜約18mg/kg、約2mg/kg〜約16mg/kg、約2mg/kg〜約14mg/kg、約2mg/kg〜約12mg/kg、約2mg/kg〜約10mg/kg、約2mg/kg〜約8mg/kg、約2mg/kg〜約6mg/kg、約2mg/kg〜約4mg/kg、約4mg/kg〜約40mg/kg、約4mg/kg〜約38mg/kg、約4mg/kg〜約36mg/kg、約4mg/kg〜約34mg/kg、約4mg/kg〜約32mg/kg、約4mg/kg〜約30mg/kg、約4mg/kg〜約28mg/kg、約4mg/kg〜約26mg/kg、約4mg/kg〜約24mg/kg、約4mg/kg〜約22mg/kg、約4mg/kg〜約20mg/kg、約4mg/kg〜約18mg/kg、約4mg/kg〜約16mg/kg、約4mg/kg〜約14mg/kg、約4mg/kg〜約12mg/kg、約4mg/kg〜約10mg/kg、約4mg/kg〜約8mg/kg、約4mg/kg〜約6mg/kg、約6mg/kg〜約40mg/kg、約6mg/kg〜約38mg/kg、約6mg/kg〜約36mg/kg、約6mg/kg〜約34mg/kg、約6mg/kg〜約32mg/kg、約6mg/kg〜約30mg/kg、約6mg/kg〜約28mg/kg、約6mg/kg〜約26mg/kg、約6mg/kg〜約24mg/kg、約6mg/kg〜約22mg/kg、約6mg/kg〜約20mg/kg、約6mg/kg〜約18mg/kg、約6mg/kg〜約16mg/kg、約6mg/kg〜約14mg/kg、約6mg/kg〜約12mg/kg、約6mg/kg〜約10mg/kg、約6mg/kg〜約8mg/kg、約8mg/kg〜約40mg/kg、約8mg/kg〜約38mg/kg、約8mg/kg〜約36mg/kg、約8mg/kg〜約34mg/kg、約8mg/kg〜約32mg/kg、約8mg/kg〜約30mg/kg、約8mg/kg〜約28mg/kg、約8mg/kg〜約26mg/kg、約8mg/kg〜約24mg/kg、約8mg/kg〜約22mg/kg、約8mg/kg〜約20mg/kg、約8mg/kg〜約18mg/kg、約8mg/kg〜約16mg/kg、約8mg/kg〜約14mg/kg、約8mg/kg〜約12mg/kg、約8mg/kg〜約10mg/kg、約10mg/kg〜約40mg/kg、約10mg/kg〜約38mg/kg、約10mg/kg〜約36mg/kg、約10mg/kg〜約34mg/kg、約10mg/kg〜約32mg/kg、約10mg/kg〜約30mg/kg、約10mg/kg〜約28mg/kg、約10mg/kg〜約26mg/kg、約10mg/kg〜約24mg/kg、約10mg/kg〜約22mg/kg、約10mg/kg〜約20mg/kg、約10mg/kg〜約18mg/kg、約10mg/kg〜約16mg/kg、約10mg/kg〜約14mg/kg、約10mg/kg〜約12mg/kg、約12mg/kg〜約40mg/kg、約12mg/kg〜約38mg/kg、約12mg/kg〜約36mg/kg、約12mg/kg〜約34mg/kg、約12mg/kg〜約32mg/kg、約12mg/kg〜約30mg/kg、約12mg/kg〜約28mg/kg、約12mg/kg〜約26mg/kg、約12mg/kg〜約24mg/kg、約12mg/kg〜約22mg/kg、約12mg/kg〜約20mg/kg、約12mg/kg〜約18mg/kg、約12mg/kg〜約16mg/kg、約12mg/kg〜約14mg/kg、約14mg/kg〜約40mg/kg、約14mg/kg〜約38mg/kg、約14mg/kg〜約36mg/kg、約14mg/kg〜約34mg/kg、約14mg/kg〜約32mg/kg、約14mg/kg〜約30mg/kg、約14mg/kg〜約28mg/kg、約14mg/kg〜約26mg/kg、約14mg/kg〜約24mg/kg、約14mg/kg〜約22mg/kg、約14mg/kg〜約20mg/kg、約14mg/kg〜約18mg/kg、約14mg/kg〜約16mg/kg、約16mg/kg〜約40mg/kg、約16mg/kg〜約38mg/kg、約16mg/kg〜約36mg/kg、約16mg/kg〜約34mg/kg、約16mg/kg〜約32mg/kg、約16mg/kg〜約30mg/kg、約16mg/kg〜約28mg/kg、約16mg/kg〜約26mg/kg、約16mg/kg〜約24mg/kg、約16mg/kg〜約22mg/kg、約16mg/kg〜約20mg/kg、約16mg/kg〜約18mg/kg、約18mg/kg〜約40mg/kg、約18mg/kg〜約38mg/kg、約18mg/kg〜約36mg/kg、約18mg/kg〜約34mg/kg、約18mg/kg〜約32mg/kg、約18mg/kg〜約30mg/kg、約18mg/kg〜約28mg/kg、約18mg/kg〜約26mg/kg、約18mg/kg〜約24mg/kg、約18mg/kg〜約22mg/kg、約18mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約20mg/kg〜約38mg/kg、約20mg/kg〜約36mg/kg、約20mg/kg〜約34mg/kg、約20mg/kg〜約32mg/kg、約20mg/kg〜約30mg/kg、約20mg/kg〜約28mg/kg、約20mg/kg〜約26mg/kg、約20mg/kg〜約24mg/kg、約20mg/kg〜約22mg/kg、約22mg/kg〜約40mg/kg、約22mg/kg〜約38mg/kg、約22mg/kg〜約36mg/kg、約22mg/kg〜約34mg/kg、約22mg/kg〜約32mg/kg、約22mg/kg〜約30mg/kg、約22mg/kg〜約28mg/kg、約22mg/kg〜約26mg/kg、約22mg/kg〜約24mg/kg、約24mg/kg〜約40mg/kg、約24mg/kg〜約38mg/kg、約24mg/kg〜約36mg/kg、約24mg/kg〜約34mg/kg、約24mg/kg〜約32mg/kg、約24mg/kg〜約30mg/kg、約24mg/kg〜約28mg/kg、約24mg/kg〜約26mg/kg、約26mg/kg〜約40mg/kg、約26mg/kg〜約38mg/kg、約26mg/kg〜約36mg/kg、約26mg/kg〜約34mg/kg、約26mg/kg〜約32mg/kg、約26mg/kg〜約30mg/kg、約26mg/kg〜約28mg/kg、約28mg/kg〜約40mg/kg、約28mg/kg〜約38mg/kg、約28mg/kg〜約36mg/kg、約28mg/kg〜約34mg/kg、約28mg/kg〜約32mg/kg、約28mg/kg〜約30mg/kg、約30mg/kg〜約40mg/kg、約30mg/kg〜約38mg/kg、約30mg/kg〜約36mg/kg、約30mg/kg〜約34mg/kg、約30mg/kg〜約32mg/kg、約32mg/kg〜約40mg/kg、約32mg/kg〜約38mg/kg、約32mg/kg〜約36mg/kg、約32mg/kg〜約34mg/kg、約34mg/kg〜約40mg/kg、約34mg/kg〜約38mg/kg、約34mg/kg〜約36mg/kg、約36mg/kg〜約40mg/kg、約36mg/kg〜約38mg/kg、約38mg/kg〜約40mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約 3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kgまたは約20mg/kgの用量で、期間の間に、約7日(±2日)、約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で静脈内投与される。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約3mg/kgの用量で静脈内投与される。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約20mg〜約500mg(例えば、約20mg〜約480mg、約20mg〜約460mg、約20mg〜約440mg、約20mg〜約420mg、約20mg〜約400mg、約20mg〜約380mg、約20mg〜約360mg、約20mg〜約340mg、約20mg〜約320mg、約20mg〜約300mg、約20mg〜約280mg、約20mg〜約260mg、約20mg〜約240mg、約20mg〜約220mg、約20mg〜約200mg、約20mg〜約180mg、約20mg〜約160mg、約20mg〜約140mg、約20mg〜約120mg、約20mg〜約100mg、約20mg〜約80mg、約20mg〜約60mg、約20mg〜約40mg、約40mg〜約500mg、約40mg〜約480mg、約40mg〜約460mg、約40mg〜約440mg、約40mg〜約420mg、約40mg〜約400mg、約40mg〜約380mg、約40mg〜約360mg、約40mg〜約340mg、約40mg〜約320mg、約40mg〜約300mg、約40mg〜約280mg、約40mg〜約260mg、約40mg〜約240mg、約40mg〜約220mg、約40mg〜約200mg、約40mg〜約180mg、約40mg〜約160mg、約40mg〜約140mg、約40mg〜約120mg、約40mg〜約100mg、約40mg〜約80mg、約40mg〜約60mg、約60mg〜約500mg、約60mg〜約480mg、約60mg〜約460mg、約60mg〜約440mg、約60mg〜約420mg、約60mg〜約400mg、約60mg〜約380mg、約60mg〜約360mg、約60mg〜約340mg、約60mg〜約320mg、約60mg〜約300mg、約60mg〜約280mg、約60mg〜約260mg、約60mg〜約240mg、約60mg〜約220mg、約60mg〜約200mg、約60mg〜約180mg、約60mg〜約160mg、約60mg〜約140mg、約60mg〜約120mg、約60mg〜約100mg、約60mg〜約80mg、約80mg〜約500mg、約80mg〜約480mg、約80mg〜約460mg、約80mg〜約440mg、約80mg〜約420mg、約80mg〜約400mg、約80mg〜約380mg、約80mg〜約360mg、約80mg〜約340mg、約80mg〜約320mg、約80mg〜約300mg、約80mg〜約280mg、約80
mg〜約260mg、約80mg〜約240mg、約80mg〜約220mg、約80mg〜約200mg、約80mg〜約180mg、約80mg〜約160mg、約80mg〜約140mg、約80mg〜約120mg、約80mg〜約100mg、約100mg〜約500mg、約100mg〜約480mg、約100mg〜約460mg、約100mg〜約440mg、約100mg〜約420mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約380mg、約100mg〜約360mg、約100mg〜約340mg、約100mg〜約320mg、約100mg〜約300mg、約100mg〜約280mg、約100mg〜約260mg、約100mg〜約240mg、約100mg〜約220mg、約100mg〜約200mg、約100mg〜約180mg、約100mg〜約160mg、約100mg〜約140mg、約100mg〜約120mg、約120mg〜約500mg、約120mg〜約480mg、約120mg〜約460mg、約120mg〜約440mg、約120mg〜約420mg、約120mg〜約400mg、約120mg〜約380mg、約120mg〜約360mg、約120mg〜約340mg、約120mg〜約320mg、約120mg〜約300mg、約120mg〜約280mg、約120mg〜約260mg、約120mg〜約240mg、約120mg〜約220mg、約120mg〜約200mg、約120mg〜約180mg、約120mg〜約160mg、約120mg〜約140mg、約140mg〜約500mg、約140mg〜約480mg、約140mg〜約460mg、約140mg〜約440mg、約140mg〜約420mg、約140mg〜約400mg、約140mg〜約380mg、約140mg〜約360mg、約140mg〜約340mg、約140mg〜約320mg、約140mg〜約300mg、約140mg〜約280mg、約140mg〜約260mg、約140mg〜約240mg、約140mg〜約220mg、約140mg〜約200mg、約140mg〜約180mg、約140mg〜約160mg、約160mg〜約500mg、約160mg〜約480mg、約160mg〜約460mg、約160mg〜約440mg、約160mg〜約420mg、約160mg〜約400mg、約160mg〜約380mg、約160mg〜約360mg、約160mg〜約340mg、約160mg〜約320mg、約160mg〜約300mg、約160mg〜約280mg、約160mg〜約260mg、約160mg〜約240mg、約160mg〜約220mg、約160mg〜約200mg、約160mg〜約180mg、約180mg〜約500mg、約180mg〜約480mg、約180mg〜約460mg、約180mg〜約440mg、約180mg〜約420mg、約180mg〜約400mg、約180mg〜約380mg、約180mg〜約360mg、約180mg〜約340mg、約180mg〜約320mg、約180mg〜約300mg、約180mg〜約280mg、約180mg〜約260mg、約180mg〜約240mg、約180mg〜約220mg、約180mg〜約200mg、約200mg〜約500mg、約200mg〜約480mg、約200mg〜約460mg、約200mg〜約440mg、約200mg〜約420mg、約200mg〜約400mg、約200mg〜約380mg、約200mg〜約360mg、約200mg〜約340mg、約200mg〜約320mg、約200mg〜約300mg、約200mg〜約280mg、約200mg〜約260mg、約200mg〜約240mg、約200mg〜約220mg、約220mg〜約500mg、約220mg〜約480mg、約220mg〜約460mg、約220mg〜約440mg、約220mg〜約420mg、約220mg〜約400mg、約220mg〜約380mg、約220mg〜約360mg、約220mg〜約340mg、約220mg〜約320mg、約220mg〜約300mg、約220mg〜約280mg、約220mg〜約260mg、約220mg〜約240mg、約240mg〜約500mg、約240mg〜約480mg、約240mg〜約460mg、約240mg〜約440mg、約240mg〜約420mg、約240mg〜約400mg、約240mg〜約380mg、約240mg〜約360mg、約240mg〜約340mg、約240mg〜約320mg、約240mg〜約300mg、約240mg〜約280mg、約240mg〜約260mg、約260mg〜約500mg、約260mg〜約480mg、約260mg〜約460mg、約260mg〜約440mg、約260mg〜約420mg、約260mg〜約400mg、約260mg〜約380mg、約260mg〜約360mg、約260mg〜約340mg、約260mg〜約320mg、約260mg〜約300mg、約260mg〜約280mg、約280mg〜約500mg、約280mg〜約480mg、約280mg〜約460mg、約280mg〜約440mg、約280mg〜約420mg、約280mg〜約400mg、約280mg〜約380mg、約280mg〜約360mg、約280mg〜約340mg、約280mg〜約320mg、約280mg〜約300mg、約300mg〜約500mg、約300mg〜約480mg、約300mg〜約460mg、約300mg〜約440mg、約300mg〜約420mg、約300mg〜約400mg、約300mg〜約380mg、約300mg〜約360mg、約300mg〜約340mg、約300mg〜約320mg、約320mg〜約500mg、約320mg〜約480mg、約320mg〜約460mg、約320mg〜約440mg、約320mg〜約420mg、約320mg〜約400mg、約320mg〜約380mg、約320mg〜約360mg、約320mg〜約340mg、約340mg〜約500mg、約340mg〜約480mg、約340mg〜約460mg、約340mg〜約440mg、約340mg〜約420mg、約340mg〜約400mg、約340mg〜約380mg、約340mg〜約360mg、約360mg〜約500mg、約360mg〜約480mg、約360mg〜約460mg、約360mg〜約440mg、約360mg〜約420mg、約360mg〜約400mg、約360mg〜約380mg、約380mg〜約500mg、約380mg〜約480mg、約380mg〜約460mg、約380mg〜約440mg、約380mg〜約420mg、約380mg〜約400mg、約400mg〜約500mg、約400mg〜約480mg、約400mg〜約460mg、約400mg〜約440mg、約400mg〜約420mg、約420mg〜約500mg、約420mg〜約480mg、約420mg〜約460mg、約420mg〜約440mg、約440mg〜約500mg、約440mg〜約480mg、約440mg〜約460mg、約460mg〜約500mg、約460mg〜約480mg、約480mg〜約500mg、約80mg、約150mg、約160mg、約200mg、約240mg、約250mgまたは約300mg)のフラット用量として、約7日(±2日)、約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で静脈内投与される。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約240mgのフラット用量として静脈内投与される。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、60分間にわたって2週間毎に静脈内投与される。
いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーである。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約1mg/mg〜約40mg/mg(例えば、または本明細書において記載されるこの範囲の部分範囲のいずれか、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/kg)の用量で、約7日(±2日)、約14日(±2日)、約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約2mg/kgの用量で静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約20mg〜約500mg(例えば、または本明細書において記載されるこの範囲の部分範囲のいずれか、例えば、約80、150、160、200、240、250または300mg)のフラット用量として、約7日(±2日)、約14日(±2日)、約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約200mgのフラット用量として静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、3週間毎に静脈内投与される。
一態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、期間の間に、それを必要とする患者に、MEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストの、独立にまたは組合せでの、治療上有効な量から本質的になる、またはからなる、併用療法を投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、MEK阻害剤がビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である、前記方法を提供する。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、(i)期間の間に、約10mg〜約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)の量で1日2回(BID)毎日経口投与される、または(ii)期間の間に、少なくとも1つの28日の処置サイクルにおいて、約10mg〜約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)BIDの量で3週間毎日経口投与され、それに続いて、1週間ビニメチニブの投与を行わない。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ニボルマブまたはそのバイオシミラーである。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーである。一態様では、MEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストの量は、一緒になって、癌の処置において相乗作用を達成する(例えば、期間の間に)。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌治療を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
一態様では、癌を処置する方法は、期間の間に、それを必要とする患者に、(a)ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)ニボルマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストの、独立にまたは組合せでの、治療上有効な量から本質的になる、またはからなる併用療法を投与することを含む、またはから本質的になり、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、2週間毎に静脈内投与される。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約3mg/kgの用量で静脈内投与される。一態様では、ニボルマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約240mgのフラット用量として静脈内投与される。一態様では、ビニメチニブおよびニボルマブまたはそのバイオシミラーの量は一緒になって、癌の処置において相乗作用を達成する(例えば、期間の間に)。一態様では、対象は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
一態様では、癌を処置する方法は、期間の間に、それを必要とする患者に、(a)ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストの、独立にまたは組合せでの、治療上有効な量から本質的になる、またはからなる併用療法を投与することを含む、またはから本質的になり、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、3週間毎に静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約2mg/kgの用量で静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約200mgのフラット用量として静脈内投与される。一態様では、ビニメチニブおよびニボルマブまたはそのバイオシミラーの量は一緒になって、癌の処置において相乗作用を達成する(例えば、期間の間に)。一態様では、対象は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
一態様では、癌を処置する方法は、期間の間に、それを必要とする患者に、(a)(i)期間の間に、約30mgBIDもしくは約45mg1日2回(BID)の量で毎日経口投与される、または(ii)期間の間に、少なくとも1つの、28日の処置サイクルにおいて、約30mgBIDもしくは約45mgBIDの量で3週間毎日経口投与され、それに続いて、1週間ビニメチニブの投与を行わない、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)期間の間に約3mg/kgの用量で、または約240mgのフラット用量として2週間毎に静脈内投与される、ニボルマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストの、独立にまたは組合せでの、治療上有効な量から本質的になる、またはからなる併用療法を投与することを含む、またはから本質的になる。一態様では、ビニメチニブおよびニボルマブまたはそのバイオシミラーの量は一緒になって、癌の処置において相乗作用を達成する(例えば、期間の間に)。一態様では、対象は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、少なくとも1つの前のラインの処置、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
一態様では、癌を処置する方法は、期間の間に、それを必要とする患者に、(a)(i)期間の間に、約10mg〜約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲中の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)の量で毎日、1日2回(BID)経口投与される、または(ii)期間の間に、少なくとも1つの、28日の処置サイクルにおいて、約10mg〜約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)BIDの量で3週間毎日経口投与され、それに続いて、1週間ビニメチニブの投与を行わない、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)期間の間に、3週間毎に静脈内投与される、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーであるPD−1結合アンタゴニストの、独立にまたは組合せでの、治療上有効な量から本質的になる、またはからなる併用療法を投与することを含む、またはから本質的になる。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約2mg/kgの用量で静脈内投与される。一態様では、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーは、期間の間に、約200mgのフラット用量として静脈内投与される。一態様では、ビニメチニブおよびペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーの量は一緒になって、癌の処置における相乗作用を達成する(例えば、期間の間に)。一態様では、対象は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、少なくとも1つの前のラインの処置、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置されていた。
一態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、期間の間に、それを必要とする患者に、一定量の、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および癌の処置において有効である一定量のPD−1結合アンタゴニストから本質的になる、またはからなる併用療法を投与することを含む、またはから本質的になる、前記方法に関する。別の態様では、本発明は、それを必要とする患者に、一定期間にわたって、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストを投与することから本質的になる併用療法法に関する。別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定期間にわたって、一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および一定量のPD−1結合アンタゴニストから本質的になる、またはからなる併用療法を投与することを含む、またはから本質的になり、量が一緒になって、癌の処置において相互作用を達成する(例えば、期間の間に)、前記方法に関する。別の態様では、本発明は、期間の間に、それを必要とする患者に、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびPD−1結合を投与することから本質的になり、量が、相乗(syngergistic)効果(例えば、in vivoまたはin vitro、例えば、適当なモデル細胞株または動物モデルにおける、例えば、実施例に記載されるもの)を提供する併用療法法に関する。一態様では、本発明の方法または使用は、PD−1結合アンタゴニストと組み合わせたビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる相乗的併用療法に関する。この段落のすべての態様の一側面では、PD−1結合アンタゴニストはニボルマブである。この段落のすべての態様の一側面では、PD−1結合アンタゴニストはペムブロリズマブである。
当業者ならば、既知の方法に従って、本発明の組み合わせで使用される各化合物の適切な量、用量または投与量を、年齢、体重、一般的な健康状態、投与された化合物、投与経路、処置を必要とする癌の性質と進行、および他の医薬の存在などの因子を考慮して決定し、患者に投与できるであろう。
本発明の方法の実施は、様々な投与または投与計画を通じて達成され得る。本発明の組合せの化合物は、同時に、任意の順序で逐次または断続的に投与され得る。
投与または投薬計画の反復は、所望の効果を達成するために必要に応じて実施され得る。「連続投薬スケジュール」とは、本明細書において、用量中断がない、例えば、処置なしの日がない投与または投与計画である。処置サイクルの間に用量中断がない21または28日の処置サイクルの反復は、連続投薬スケジュールの一例である。一態様では、本発明の組合せの一方または両方の成分は、連続投薬スケジュールで投与され得る。
本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、MEK阻害剤の第2の治療上有効な用量は、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の約12時間後に投与される。本明細書において、語句「MEK阻害剤の第1の用量の投与の約12時間後」とは、MEK阻害剤の第2の用量が、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の10〜14時間後に投与されることを意味する。
本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストが投与される日に、PD−1結合アンタゴニストは、MEK阻害剤の第1の治療上有効な用量の治療上有効な量の投与の少なくとも30分後に投与され、MEK阻害剤は、期間の間に1日に2回投与される。本明細書において、語句「少なくとも30分後」とは、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストが、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の少なくとも5分または少なくとも10分または少なくとも15分または少なくとも20分または少なくとも25分または少なくとも30分または少なくとも35分または少なくとも40分または少なくとも45分または少なくとも50分または少なくとも55分または少なくとも60分または少なくとも65分または少なくとも70分または少なくとも75分または少なくとも80分または少なくとも85分または少なくとも90分後に投与されることを意味する。
本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストが投与される日に、PD−1結合アンタゴニストは、期間の間に、MEK阻害剤の第1の治療上有効な用量の治療上有効な量の投与の少なくとも30分前に投与される。本明細書において、語句「少なくとも30分後」とは、PD−1結合アンタゴニストが、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の少なくとも5分または少なくとも10分または少なくとも15分または少なくとも20分または少なくとも25分または少なくとも30分または少なくとも35分または少なくとも40分または少なくとも45分または少なくとも50分または少なくとも55分または少なくとも60分または少なくとも65分または少なくとも70分または少なくとも75分または少なくとも80分または少なくとも85分または少なくとも90分前に期間の間に投与されることを意味する。
一態様では、MEK阻害剤の用量は、最大耐容投与量が到達されるまで期間の間に拡大され、PD−1結合アンタゴニストは、期間の間に固定用量として投与される。あるいは、MEK阻害剤は、期間の間に固定用量として投与されてもよく、PD−1結合アンタゴニストの用量は、最大耐容投与量が到達されるまで期間の間に拡大され得る。
一態様では、本明細書において記載される任意の併用療法は、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストの投与の前の1回または複数回の前投薬の投薬をさらに含み得る。一態様では、1回または複数回の事前投薬は、MEK阻害剤の投与の1時間後にすぐに期間の間に投与される。一態様では、1回または複数回の前投薬は、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストの投与の30〜60分前に投与される。一態様では、1回または複数回の前投薬は、期間の間に、PD−1結合アンタゴニストの投与の30分前に投与される。一態様では、1回または複数回の前投薬は、Hアンタゴニスト(例えば、ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤)およびアセトアミノフェンのうち1種または複数から選択される。
一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、化学療法である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に、患者に投与される1種または複数の治療薬は、白金ベースの化学療法である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、フルオロピリミジン含有化学療法である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に、患者に投与される1種または複数の治療薬は、FOLFIRINOX(フォリン酸(ロイコボリン)、フルオロウラシル(5−FU)、イリノテカンおよびオキサリプラチン化学療法計画)である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に、患者に投与される1種または複数の治療薬は、FOLFOXIRI(イリノテカンおよびオキサリプラチンプラス5−フルオロウラシルの化学療法計画)である、またはそれを含む。一態様では、癌は、白金ベースの化学療法を用いる処置後に進行していた。
癌または癌関連疾患の改善は、完全または部分奏効として特性決定され得る。「完全奏効」または「CR」とは、任意のこれまで異常であったX線検査研究、骨髄および脳脊髄液(CSF)または異常なモノクローナルタンパク質測定値の正常化を伴う、臨床上検出可能な疾患がないことを指す。「部分奏効」とは、新規病変の不在下でのすべての測定可能な腫瘍量(すなわち、対象中に存在する悪性細胞数または腫瘍塊の測定された容積または異常なモノクローナルタンパク質の量)の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の減少を指す。
処置は、1種または複数の臨床エンドポイントを用いて、例えば、中でも、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害(本明細書において同定されるようなチェックポイントタンパク質の発現レベルを含む)、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大、腫瘍応答までの時間(TTR)の改善、応答期間(DR)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、全生存(OS)の増大、客観的奏効率(ORR)によって評価され得る。OSは、本明細書において、処置開始から任意の原因による死亡までの時間を意味する。TTPとは、本明細書において、処置開始から腫瘍進行までの時間を意味し、TTPは、死亡を含まない。本明細書において、TTRは、確認された客観的奏効(CRまたはPR)を有する患者について、無作為化の日付または研究処置の第1の用量の日付から客観的腫瘍応答の第1の記述までの時間として定義される。本明細書において、DRとは、腫瘍応答の記述から疾患進行までの時間を意味する。本明細書において、PFSとは、処置開始から腫瘍進行または死亡までの時間を意味する。本明細書において、ORRとは、所定量の、最小期間の腫瘍の大きさの低減を有する患者の割合を意味し、応答期間は、普通、最初の応答の時間から記述される腫瘍進行までが測定される。極端に、完全阻害は、本明細書において、防御または化学防御と呼ばれる。
したがって、本明細書において記載される併用療法を用いて癌を処置することに関連して1つまたは複数臨床エンドポイントを達成する方法が、本明細書において提供される。一態様では、本明細書において記載される患者は、本明細書において記載される組合せを用いる処置後の腫瘍成長の阻害または腫瘍の大きさの低減などの陽性腫瘍応答を示し得る。特定の態様では、本明細書において記載される患者は、本明細書において記載される併用療法の有効量の投与後に、完全奏効、部分奏効または安定疾患の固形腫瘍における奏効判定基準を達成し得る(例えば、RECIST 1.1)。特定の態様では、本明細書において記載される患者は、腫瘍進行のない生存の増大を示し得る。いくつかの態様では、本明細書において記載される患者は、中でも、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害(カルチノイド症候群の一因となるものなどの腫瘍分泌ホルモンを含む)、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍応答までの時間(TTR)の減少、応答期間(DR)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大および/または全生存(OS)の増大を示し得る。
別の態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の腫瘍応答までの時間(TTR)を減少する、応答期間(DR)を増大する、無増悪生存期間(PFS)を増大するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法が提供される。一態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の腫瘍応答までの時間(TTR)を減少するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法が提供される。一態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の無増悪生存期間(PFS)を増大するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法である。一態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の無増悪生存期間(PFS)を増大するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法である。
一態様では、本発明による癌を処置する方法としてまた、手術または放射線療法が挙げられる。手術の限定されない例として、例えば、直視下手術または最小侵襲性手術が挙げられる。手術として、例えば、全腫瘍の除去、腫瘍の減量または対象において疼痛もしくは圧力を引き起こしている腫瘍の除去を挙げることができる。癌を有する対象で直視下手術および最小侵襲性手術を実施する方法は、当技術分野で公知である。放射線療法の限定されない例として、外部照射ビーム療法(例えば、キロボルトX線またはメガボルトX線を使用する外部ビーム療法)または内部放射線療法が挙げられる。内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる)は、例えば、低用量内部放射線療法または高用量内部放射線療法の使用を含み得る。低用量内部放射線療法は、例えば、小さい放射活性ペレット(シードとも呼ばれる)を、対象中の癌組織中またはその近位に挿入することを含む。高用量内部放射線療法は、例えば、薄いチューブ(例えば、カテーテル)またはインプラントを対象中の癌組織中またはその近位に挿入することおよび照射機器を使用して高用量の放射線を薄いチューブまたはインプラントに送達することを含む。癌を有する対象で放射線療法を実施する方法は、当技術分野で公知である。
本明細書において記載される併用療法が、先に本明細書において記載された有益な効果をもたらすことは、確立された試験モデルによって示され得る。当業者ならば、このような有益な効果を証明するための関連試験モデルを十分に選択できる。本明細書において記載される併用療法の薬理学的活性は、例えば、動物モデルおよび/または臨床研究において、または例えば、以下に記載されるような試験手順において実証され得る。
適した臨床研究として、例えば、増殖性疾患を有する患者におけるオープンラベル用量漸増研究がある。このような研究は、特に、本明細書において記載される併用療法の治療薬の相乗作用を実証し得る。増殖性疾患に対する有益な効果は、これらの研究の結果によって直接的に決定され得る。このような研究は、MEK阻害剤およびPD−1結合アンタゴニストを含む併用療法の効果に対する、MEK阻害剤および/またはPD−1結合アンタゴニストを使用する単独療法の効果を比較するのに特に適したものであり得る。
処置の有効性は、このような研究において、例えば、症状スコアの評価によって6、12、18または24週後に、例えば、6週毎に決定され得る。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、例えば、非癌性細胞と比較した、PD−L1および/またはPD−L2タンパク質のレベルの増大を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定される。腫瘍(例えば、生検サンプル)または癌細胞においてPD−L1およびPD−L2のレベルを調べる方法は、当技術分野で公知である。このような方法として、例えば、免疫ブロット法、タンパク質アレイ、質量分析、免疫蛍光顕微鏡および蛍光支援細胞選別(FACS)が挙げられる。腫瘍(例えば、生検サンプル)または癌細胞におけるPD−L1およびPD−L2のレベルを調べるためのさらなる方法は、当技術分野で公知である。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、PD−L1および/またはPD−L2のレベルの増大を有する腫瘍または癌細胞を有すると患者を同定することおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用する処置のために同定された患者を選択することをさらに含む。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、PD−L1および/またはPD−L2のレベルの増大を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定された対象を選択するおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用して患者を処置するというステップをさらに含み得る。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、MEKの上方制御されたレベル、野生型MEKと比較して増大した活性を有する突然変異したMEK、MEKキナーゼの上流のキナーゼ(例えば、Ras(KRAS、HRASおよび/またはNRAS)および/またはRaf)の上方制御されたレベルまたはMEKの上流の対応する野生型キナーゼと比較して、増大した活性を有する突然変異したMEKの上流のキナーゼ(例えば、Rasおよび/またはRaf)を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定される。
いくつかの態様では、野生型MEKと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEKは、例えば、56(例えば、Q56P)および72(例えば、S72G)の群から選択されるアミノ酸位置に1つまたは複数のアミノ酸置換を有し得る。
いくつかの態様では、野生型KRASと比較して増大した活性を有する突然変異されたKRASは、例えば、アミノ酸位置12で1つまたは複数のアミノ酸置換(例えば、G12A、G12R、G12S、G12C、G12DまたはG12V)、13で(例えば、G13DまたはG13C)を有し得る。
いくつかの態様では、野生型HRASと比較して増大された活性を有する突然変異されたHRASは、例えば、アミノ酸位置12(例えば、G12V)および61(例えば、Q61LまたはQ61R)のアミノ酸置換の一方または両方を有し得る。
いくつかの態様では、野生型NRASと比較して増大された活性を有する突然変異されたNRASは、例えば、アミノ酸位置12(例えば、G12D、G12SまたはG12V)、13(例えば、G13RまたはG13V)および61(例えば、Q61H、Q61K、Q61LまたはQ61R)のうち1つまたは複数でアミノ酸置換を有し得る。
いくつかの態様では、野生型BRAFと比較して増大された活性を有する突然変異されたBRAFは、例えば、アミノ酸位置600(例えば、V600EまたはV600K)にアミノ酸置換を有し得る。
MEK、Rasおよび/もしくRafの増大したレベルまたは腫瘍(例えば、生検サンプル)もしくは癌細胞において対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Rasおよび/もしくはRafの発現を検出する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、核酸配列決定法(例えば、PCR)、標識されたDNAプローブを用いる蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、免疫蛍光顕微鏡、免疫ブロット法、プロテオミクス、質量分析および蛍光支援細胞選別が挙げられる。MEK、Rasおよび/もしくはRafの増大したレベルまたは腫瘍(例えば、生検サンプル)もしくは癌細胞において対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Rasおよび/もしくはRafの発現を検出するためのさらなる方法は、当技術分野で公知である。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、患者を、MEK、Rasおよび/もしくはRafの増大したレベルまたは対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Rasおよび/もしくはRafの発現を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定することおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用する処置のために同定された患者を選択することをさらに含む。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、MEK、Rasおよび/もしくはRafの増大したレベルまたは対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Rasおよび/もしくはRafの発現を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定された対象を選択するおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用して患者を処置するというステップをさらに含み得る。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、例えば、非癌性細胞と比較した、MHCクラスIの減少したレベルを有する腫瘍または癌細胞を有すると同定される。腫瘍(例えば、生検サンプル)または癌細胞においてMHCクラスIのレベルを決定する方法は、当技術分野で公知である。このような方法として、例えば、免疫ブロット法、タンパク質アレイ、質量分析、免疫蛍光顕微鏡および蛍光支援細胞選別(FACS)が挙げられる。腫瘍(例えば、生検サンプル)または癌細胞においてMHCクラスIのレベルを決定するためのさらなる方法は、当技術分野で公知である。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、MHCクラスIの減少したレベルを有する腫瘍または癌細胞を有すると患者を同定することおよび本明細書において記載される方法のいずれかのを使用する処置のために同定された患者を選択することをさらに含む。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、MHCクラスIの減少したレベルを有する腫瘍または癌細胞を有すると同定された対象を選択するおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用して患者を処置するというステップをさらに含み得る。
いくつかの態様では、癌は、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、黒色腫、結腸癌、食道癌、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、肝細胞癌腫、肺癌、結腸直腸癌、ラブドイド腫瘍、網膜芽細胞腫タンパク質陽性癌、胆嚢癌、胆管癌、星状細胞腫、神経膠芽腫多形、Bannayan−Zonana症候群、Cowden疾患、Lhermitte−Duclos疾患、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫、甲状腺、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、AML、慢性好中球性白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型白血病、マントル細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核芽球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱癌、尿路上皮癌、進行性尿路上皮膀胱癌、尿路上皮癌腫、肺癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、中皮腫、唾液腺癌、鼻咽頭癌、頬側癌、口腔の癌、GIST(胃腸胃腫瘍)、NSCLCおよび精巣癌からなる群から選択される。いくつかの態様では、癌はT細胞浸潤性癌である。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、癌は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄急性白血病、脊髄形成異常症、肝細胞癌、特発性骨髄線維症、骨髄単芽球性白血病、色素性絨毛結節性滑膜炎、腱鞘巨細胞腫、多発性骨髄腫、肺癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、カポジ肉腫または卵巣癌である。
本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、癌は、肺癌、非小細胞肺(NSCL)癌、細気管支肺胞性細胞肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部の癌、皮膚性または眼球内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃(stomach)癌、胃(gastric)癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、上皮小体腺の癌、副腎の癌、軟部組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、膀胱の癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中皮腫、肝細胞癌、胆道癌、中枢神経系(CNS)の腫瘍、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumors)、脳幹神経膠腫、神経膠芽腫多形、星状細胞腫、シュワン腫(schwanomas)、上衣腫(ependymonas)、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮癌、下垂体腺腫、リンパ腫またはリンパ球性(ymphocytic)白血病であり、上記の癌のいずれかの不応性バージョンを含む。
いくつかの態様では、癌は、腎癌、肺癌、頭頸部癌、伝統的なホジキンリンパ腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳癌、卵巣癌、子宮頸癌、精巣癌、腎癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、結腸癌腫、結腸直腸癌腫(例えば、マイクロサテライト不安定性−高/ミスマッチ修復欠損結腸直腸癌)、皮膚癌、転移性黒色腫、乳癌、肝臓癌、肝細胞腫、胃癌、頭頸部癌、膀胱癌、血液学的癌、リンパ腫およびホジキンリンパ腫、骨肉腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、神経膠芽腫多形、類上皮(epitheloid)癌腫、食道癌および直腸癌からなる群から選択される。
本発明の方法の化合物または組合せは、投与の前に製剤化され得る。製剤化は、特定の投与様式に適応されることが好ましい。これらの化合物は、当技術分野で公知のような医薬上許容される担体とともに製剤化され、当技術分野で公知のようなさまざまな投与形で投与され得る。本発明の医薬組成物の作製において、有効成分は、普通、医薬上許容される担体と混合され、または担体によって希釈され、または担体内に封入される。このような担体として、それだけには限らないが、固体希釈剤または充填剤、賦形剤、滅菌水性媒体および種々の非毒性有機溶媒が挙げられる。投与量単位形または医薬組成物として、錠剤、カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、水性および非水性経口溶液および懸濁液、ロゼンジ剤、トローチ剤、ハードキャンディ、噴霧剤、クリーム剤、軟膏(salves)、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏(ointment)、注射用溶液、エリキシル、シロップおよび個々の用量への細分に適応された容器中にパッケージングされた非経口溶液が挙げられる。
非経口製剤として、医薬上許容される水性または非水溶液、分散物、懸濁液、エマルジョンおよびその調製のための滅菌散剤が挙げられる。担体の例として、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、植物油および注射用有機エステル、例えば、オレイン酸エチルが挙げられる。流動性は、レシチンなどのコーティング、界面活性剤などの使用または適当な粒径を維持することによって維持され得る。例示的非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。このような投与形は、必要に応じて適宜緩衝され得る。
さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、打錠目的で有用であることが多い。同様の種類の固体組成物はまた、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルにおいて使用され得る。好ましい材料は、したがって、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールを含む。経口投与のために、水性懸濁液またはエリキシルが望まれる場合には、活性化合物を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に、種々の甘味料または香味剤、着色物質または染料と、必要に応じて、乳化剤または懸濁剤とも同様に組み合わせてもよい。
指定量の活性化合物を用いて種々の医薬組成物を調製する方法は、当業者には公知であり、明らかであろう。
一態様では、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤は、経口投与用に製剤化される。一態様では、MEK阻害剤は、錠剤またはカプセル剤として製剤化される。一態様では、MEK阻害剤は、錠剤として製剤化される。一態様では、錠剤は、コート錠剤である。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブの医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。ビニメチニブの経口製剤を調製する方法は、PCT公開番号WO2014/063024に記載されている。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、15mgのビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、15mgの結晶化ビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、45mgのビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、45mgの結晶化ビニメチニブを含む。
本発明はまた、本発明の組合せの治療薬および治療薬の投与のための書面による説明書を含むキットに関する。一態様では、書面による説明書は、例えば、本発明の治療薬の同時または逐次投与のための治療薬の投与様式を詳述し、認定する。一態様では、書面による説明書は、例えば、28日サイクルの間の治療薬の各々の投与日を指定することによって、治療薬の投与様式を詳述し、認定する。
開示された教示は、様々な適用、方法、キットおよび組成物を参照して説明されたが、本明細書の教示および以下の特許請求される本発明から逸脱することなく、様々な変法および改変がなされ得ることは理解される。前述の例は、開示された教示をよりよく示すために提供されており、本明細書に提示された教示の範囲を限定することを意図していない。本教示はこれらの例示的な態様に関して説明されてきたが、当業者ならば、これらの例示的な態様の多数の変法および改変が過度の実験なしに可能であることを容易に理解されよう。そのようなすべての変法および改変は、現在の教示の範囲内である。
特許、特許出願、論文、教科書などを含む、本明細書で引用されるすべての参考文献、およびそれらで引用されている参考文献は、それらがすでに組み込まれていない限り、参照により全体が本明細書に組み込まれる。組み込まれた文献および類似の材料のうち1つまたは複数が、それだけには限らないが、定義された用語、用語の使用法、説明された技術などを含む本出願と異なるまたは矛盾する場合、本出願が支配する。
前述の説明および実施例は、本発明の特定の態様を詳述し、本発明者によって企図された最良の様式を説明している。しかし、前述のものが本文においてどのように詳細に現れようとも、本発明は多くの方法で実施され得、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその任意の等価物に従って解釈されなくてはならないことは理解されよう。
実施例1
黒色腫細胞株におけるMHCクラスI発現に対するビニメチニブの効果
この研究の目標は、種々の黒色腫細胞株における細胞表面MHCクラスI発現に対するビニメチニブの効果を測定することであった。この研究では、8種の黒色腫細胞株を評価した:MEL−JUSO(NRAS Q61L突然変異)、IPC−298(NRAS Q61L突然変異)、A375(BRAF V600E、ホモ接合性突然変異)、HS936.T(NRAS Q61K突然変異およびBRAF N581K突然変異)、MM485(NRAS Q61R突然変異)、SK−MEL−2(NRAS Q61R突然変異)、MM415(NRAS Q61L突然変異)、Malme−3M(BRAF V600E、ヘテロ接合性突然変異)。細胞株を、平底96ウェル組織培養プレートにウェルあたり5000個細胞の密度で播種し、一晩接着させた。翌日、細胞を、ビヒクル対照(0.25% DMSO)またはビニメチニブの変動する希釈(0.7nM〜25000nM)を用いて1時間処置した。次いで、細胞をビヒクル対照または100ng/ml IFNgamma(R&D systems)を用いて72時間処置した。細胞を洗浄し、トリプシン処理し、Alexa Fluor(登録商標)647抗ヒトHLA−A、B、C抗体(W6/32、eBioscience)を用いて染色し、BD FACSCanto IIフローサイトメーターで解析した。アッセイ最適化のためにIFNg滴定および経時的推移を実施した。この研究の結果は、図1〜12に示されている。MHCクラスI発現の最大誘導は、約100ng/mLのIFNγで見られた(例えば、図1および2を参照のこと)。図5Aに示されるように、ビニメチニブ処置は、MELJUSO(NRAS Q61L)細胞においてMHCクラスI発現の2.5倍の増大につながったが、100ng/mL IFNgの存在下でのビニメチニブ処置は、IFNγ誘導性MHCクラスI発現の4〜5倍の増強につながった。ビニメチニブ処置は、8種の黒色腫細胞株のうち6種においてMHCクラスI細胞表面発現の増大をもたらし(約1.5〜3倍の増大)、すべての試験された細胞株においてIFNg誘導性MHCクラスIを増強した(約1.5〜4倍の増大)(表3)。
Figure 2021516215
実施例2
BALB/cマウスにおけるKRas突然変異体CT26マウス結腸同系腫瘍の成長に対するビニメチニブおよびα−PD−1コンビナトリアル有効性の順番依存性を評価する探索研究
PD−1/PDL−1経路は、複数の機序(T細胞アポトーシスの誘導、T細胞消耗の促進、T細胞増殖の阻害など)によって免疫発現を調節する。PD−1によるシグナル伝達は、機能性CD8+Tエフェクターメモリー細胞の、CD8+セントラルメモリー細胞への変換を妨げる。これは、長期免疫記憶を低減し、これは、将来の転移性疾患に対して保護する可能性がある。したがって、PD−1/PD−L1経路の阻害は、長期免疫記憶を増強し得る。抗PD−1療法後の腫瘍細胞を用いる再負荷を評価する同系マウス腫瘍モデルにおける非臨床研究は、生存腫瘍細胞の再導入に応じて腫瘍成長の完全阻害を実証した(Luら、Journal of Translational Medicine 2014年、12巻:36〜47頁;Sagiv−Barfiaら、PNAS 2015年、112巻:E966〜972頁;Shindoら、Anticancer research 2015年、35巻:129〜136頁)。
この研究は、MEK162(ビニメチニブ)が、KRas突然変異体結腸直腸癌腫の免疫能力のあるモデルにおいて、抗PD1と同時または逐次のいずれかで組み合わせて投与され得るか否かを調べるために設計した。
実験方法
化合物
1% CMC/0.5% Tween−80(CMCT)を、底に攪拌バーを備えた1000mL Pyrex(登録商標)ガラス瓶に960mLの蒸留水を添加することによって調製し、経口ビヒクルとして使用した。50〜60°Cに水を加温し、次いで、5mLのTween(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、Sigma P2287、バッチ番号054K0154)および15.6mLのベンジルアルコール(Sigma 402834、バッチ番号00296PK)を添加した。カルボキシメチルセルロース(5g、CMC、低粘度、Sigma C5678、バッチ番号033K0008)を1時間かけてゆっくりと添加した。溶液をCMCが溶解するまで撹拌し、溶液は透明であった。30mg/kgのMEK162(ビニメチニブ、100%活性)を、CMCT中で白色の均一懸濁液として調製した。MEK162を10mL/kgで投与し、30mg/kg(3.0mg/mL)で経口胃管栄養法によって投薬した。調製するために、乾燥試験化合物(90mg)を秤量し、30mL CMCTを添加した。用量懸濁液を、微細懸濁液が達成されるまで超音波処理した(約15分)。最終用量懸濁液を生存相の間4℃で保存し、用量投与の前に超音波処理して再懸濁した。用量懸濁液を4〜5日毎に、または必要に応じて調製した。100μgのαPD−1 RMP1−14、ラットIgG2aアイソタイプ(BioXCellカタログ番号BP0146、ロット番号5792x2/1015)−7.12mg/mLストック濃度。注射用に0.843保存溶液を5.157mLの滅菌生理食塩水で希釈することによってRMP1−14を調製した。抗体を、腹膜内注射によって100μg/動物(1mg/mLの用量溶液の100μL)で投与した。
実験動物
Charles River(マサチューセッツ州、ウィルミントン)から6〜8週齢で雄のBALB/cマウスを入手し、5の群で収容した。2週間の順化期間後100μLの生理食塩水の溶液中1×10個細胞の懸濁液を腋窩領域近くの動物の右側腹部で皮下移植した。次いで、動物を処置群に無作為に割り当てた。処置は、CT26腫瘍細胞接種後4日目に開始し、十分な処置ウィンドウを可能にした。MEK162を、経口胃管栄養法(PO)によって30mg/kgで1日1回(QD)14連続日間投与し、抗PD1抗体は腹膜内注射(IP)によって週に2回投与した(表4)。
Figure 2021516215
組合せを、同時投与またはMEK162処置が、抗PD1処置からの腫瘍耐性が現れた時点で開始される逐次として評価した。逐次処置群について、抗PD1抗体療法が開始された後、腫瘍が350〜400mmに達した時点で、動物をMEK162処置に登録した。
動物を腫瘍成長および体重について増殖速度論に基づいて週に2〜3回モニタリングした。腫瘍径をデジタルノギスを用いて測定し、mmでの腫瘍容量を、容量=((幅)×長さ)/2の式によって算出した。TGIは、15日目に算出した。瀕死とみられる場合または腫瘍容量が1400mmを超える場合には、動物を研究から除去した。その時点で、腫瘍組織を回収し、免疫シーケンシング(Adaptive Biotech、カリフォルニア州、サンディエゴ)によるT細胞クローン性の後の解析のために凍結した。食物、水、温度および湿度は、1996年の実験動物の管理と使用に関するガイド(NRC)およびAAALAC−Internationalに準拠した薬理試験施設の性能基準(SOP)に準拠した。
BALB/cマウスをN−ニトロソ−N−メチルウレタン−(NNMU)に曝露することによって、マウスCT26細胞株(別名、結腸26または結腸腫瘍番号26)が1975年に開発された(Corbettら、1975年)。線維芽細胞形態を有する未分化結腸癌腫細胞株をBALB/cマウスから単離した。この細胞株に関して広範なゲノミクス、免疫表現型決定および治療背景が入手可能である(Bhaduryら、2013年、Castleら、2014年からまとめられた情報)。細胞株は、KRas G12D突然変異を有すると報告されており、社内細胞株は配列決定され、報告された突然変異と対応するとわかった(BGI、マサチューセッツ州、ケンブリッジ)。文献は、MHCクラスIの発現を報告しているが、IIを報告しておらず、1688の非同義点突然変異の突然変異荷重があり、154は、発現された遺伝子と、MHCと結合すると予測されるペプチドの両方にある。細胞はまた、報告されるように、突然変異体gp70(マウス白血病ウイルス(MuLV)関連細胞表面抗原のエンベロープ遺伝子の産物、抗原特異的免疫応答を研究するための既知のモデル抗原)の高発現を有する。
細胞を5% COの加湿雰囲気において、10%ウシ胎児血清(HyClone SH30088.03、Logan、UT)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン (Gibco Life Technologies、15140−122)および2mM Glutamax(Gibco Life Technologies、35050)を補給したRPMI−1640成長培地(Gibco Life Technologies、11875−093)を使用して増殖させた。細胞を、移植の前にマウスウイルスおよびマイコプラズマ陰性と確認した(IDEXX Laboratories Inc、コロラド州、ウェストミンスター)。
各実験群の研究日による腫瘍容量および体重の平均値を、平均の標準誤差のエラーバーを含めてプロットした。腫瘍成長阻害%(TGI%):%TGI=100(1−Wt/Wc)、Wtは、X日目の処置群の平均腫瘍容量であり、Wcは、X日目の対照の平均腫瘍容量である(式中、Xは、対照群がその全体で利用可能である最後の日である)。罹病率、死亡率または1400mmを超える腫瘍の大きさとして定義される生存。腫瘍または研究薬物投与とは無関係の理由(例えば、胃管栄養法外傷など)のために瀕死であった、または死亡と見られた動物は、打ち切った。治癒:研究の最後に明白な腫瘍がない動物を治癒としてスコア化した。最大体重喪失%(BWL%):BWL%=100(1−BWt/BW0);BW0は、研究開始時の群平均体重であり、BWtは、最大体重喪失が観察される日の群平均体重または群体重中央値である。Tx関連死:具体的に言えば、薬物投与による、その他の原因(例えば、胃管栄養法外傷、腫瘍関連罹病率など)に起因しない、生存相の間に生じる死亡。
KRas突然変異体CT26同系腫瘍を有する雄のBALB/cマウスに、試験品、MEK162および抗PD1(抗マウスPD−1、RMP1−14)を単一薬剤として、または組み合わせて投与した。MEK162は、30mg/kgで経口胃管栄養法(PO)によって1日1回(QD)14連続日間投与し、抗PD1は、腹膜内注射(IP)によって週に2回投与した。組合せを、同時投与または抗PD1処置からの腫瘍耐性が現れた時点でMEK162処置が開始される逐次として評価した。この研究に使用した用量およびスケジュールは、すべての群において十分に許容され、<1%最大体重損失があり、試験品投与に起因する死亡はなかった。
MEK162および抗PD1は、このモデルにおいて単一薬剤として高度に有効ではなく、中程度の腫瘍成長阻害(<50%腫瘍成長阻害(TGI))および生存中央値改善(26日対ビヒクル対照の18日)をもたらした(表5)。MEK162処置は、43%腫瘍成長阻害(TGI)、ビヒクル処置動物の18日と比較して26日の生存中央値をもたらし、治癒はなかった(図13A〜B)。抗PD1抗体処置は、41% TGI、26日の生存中央値を有し、同様であったが、2/10個体の動物が、研究の最後に明白な腫瘍を有していなかった(治癒)。
同時組合せで投与される場合には、活性の著しい改善があった(85% TGI、32日の生存中央値)。逐次投与される場合には(抗PD1、次いで、腫瘍が400mmに再増殖した時点でMEK162)、活性は、単一薬剤群と同様であった(44% TGI、26日生存、1/10治癒)。抗PD1抗体耐性が現れた後に投与された場合の個々の動物腫瘍成長に対するMEK162活性の特異的効果は、中程度であった。3個体の動物のみが、MEK162療法が開始された時点で腫瘍の大きさの何らかの減少を示した(図13C)。同時組合せは、研究の最後にすべての群の明白な腫瘍を有さない最高数の動物をさらに有していた(図13A〜B)。
Figure 2021516215
実施例3
T細胞レパートリーに対するビニメチニブの効果
フローサイトメトリー解析を実施して、種々の同系モデル:4T1腫瘍、B16F10腫瘍、P815腫瘍、CT26腫瘍、EMT6腫瘍、LLC1腫瘍およびRENCA腫瘍を発達させたマウスにわたって浸潤した腫瘍免疫を表現型決定した。図14A〜Hに示されるように、免疫浸潤物の表現型決定によって、同系マウスモデルにわたる不均一性が同定された。
各群から得た5/10腫瘍における免疫シーケンシングによってT細胞画分およびクローン性を解析することによって、組合せ活性の機序を調べた(図15)。CT26腫瘍のT細胞レパートリーに対するビニメチニブの効果を決定するために、mmTCRBアッセイを使用するマウス腫瘍サンプルのサーベイレベルシーケンシングによる潜在的なバイオマーカーとして、マウスT細胞多様性、クローン性および存在量の解析を実施した。クローン性は、クローン頻度分布の形状を測定することによってモノ−またはオリゴクローナル拡大の程度を定量することによって決定した。値は、0〜1の範囲であり、1に近づく値は、ほぼモノクローナル集団を示す(クローン性=1−Pielouの均一性)。
図15に示されるように、結果は、抗PD1および逐次組合せ群におけるT細胞画分の増大の傾向を示唆した。対照的に、MEK162単一薬剤および抗PD1抗体を用いる同時療法は、T細胞クローン性およびT細胞画分の減少の傾向を示した。これらのデータは、MEK162が、活性の駆動機序としてこのモデルにおいて抗PD1との組合せにおいてT細胞クローン性を改善するという仮説を支持しなかった。全体的に、これらのデータは、MEK162の抗PD1との同時投与がKRas突然変異体CT26腫瘍における逐次投与より優れていること、さらに観察された活性が直接的にT細胞画分またはクローン性における改善によるものではないことを示唆した。
実施例4
プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)/プログラム死−リガンド(PD−L1)経路の阻害が、免疫媒介性抗腫瘍活性を増大した。
実施例2に記載された研究を、また、B16F10黒色腫細胞、Cloudman S91黒色腫細胞およびRENCA腎癌腫細胞を使用して実施した(図16〜18および表6〜8)。RENCA細胞を皮下注射されたマウスについては、リタイアした雌のブリーダーを使用した(23週齢)。200μgのαPD−1を1、4、8および11日目に投与した。すべてのその他の試験手順は、実施例2において使用したものと同一とした。
Figure 2021516215
Figure 2021516215
Figure 2021516215
これらの研究は、実施例2の知見を要約するものであり、MEK162を用いるMEK阻害は、免疫療法に対する腫瘍応答性を増大することを示唆した。MEK162を用いるMEK阻害は、活性化誘導性細胞死の阻害によって腫瘍における活性免疫細胞、例えば、CD8+細胞の数を増大し得る(Ebertら、Immunity 2016年、44巻:609〜621頁)。MEK162を用いるMEK阻害はまた、腫瘍微小環境における免疫抑制因子の発現を低減し、HLA−クラスI分子の発現を増大し、腫瘍細胞死滅を増強する可能性があり、これは、腫瘍抗原の放出につながり得る。
このデータは、MEK162を用いるMEK阻害は抗腫瘍免疫応答を増強し得るという仮説を支持する。したがって、MEK阻害が、免疫−腫瘍学(IO)療法に続く、またはそれを組み合わされる場合に、MEK162を用いるMEK阻害は、抗腫瘍活性の増強につながった。

Claims (33)

  1. 癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定期間にわたって、一定量のPD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる治療薬を投与するステップから本質的になり、ここにおいて、量が一緒になって、癌の処置において有効である、前記方法。
  2. 前記癌が、結腸直腸癌または膵臓癌である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記癌が結腸直腸癌である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記癌が、転移性結腸直腸癌である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記結腸直腸癌が、転移性マイクロサテライト安定性結腸直腸癌である、請求項4に記載の方法。
  6. 癌が、膵臓癌である、請求項2に記載の方法。
  7. PD−1結合アンタゴニストが、抗PD−1抗体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 抗PD−1抗体がニボルマブまたはそのバイオシミラーである、請求項7に記載の方法。
  9. ニボルマブまたはそのバイオシミラーが、期間の間に、2週間毎に静脈内投与される、請求項8に記載の方法。
  10. ニボルマブまたはそのバイオシミラーが、期間の間に、約3mg/kgの用量で、または約240mgのフラット用量として2週間毎に静脈内投与される、請求項9に記載の方法。
  11. 抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーである、請求項10に記載の方法。
  12. ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーが、期間の間に、3週間毎に静脈内投与される、請求項11に記載の方法。
  13. ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーが、期間の間に、約2mg/kgの用量で、または約200mgのフラット用量として静脈内投与される、請求項12に記載の方法。
  14. MEK阻害剤が、結晶化ビニメチニブである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩が、期間の間に、約30mgBIDまたは約45mgBIDの量で経口投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩が、期間の間に、少なくとも1つの、28日の処置サイクルにおいて、約30mgBIDまたは約45mgBIDの量で3週間のオンおよび1週間のオフの間経口投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 期間の前に、患者が、PD−1結合アンタゴニストおよび一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的にならなかった治療薬を用いて処置された、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 患者が、期間の間に、BRAFキナーゼ阻害剤を投与されない、請求項1に記載の方法。
  19. 期間の前に、患者が、白金ベースの化学療法およびフルオロピリミジン含有療法のうち1種または複数から選択される化学療法を用いて処置された請求項1に記載の方法。
  20. 疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、全生存(OS)の増大または奏効の持続期間(DOR)の増大のうち1つまたは複数を決定するステップによって、期間の間に処置の有効性を評価するステップをさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤、および
    PD−1結合アンタゴニスト
    の、独立にまたは組合せでの、治療上有効な量から本質的になる治療薬を、それを必要とする患者に一定期間にわたって投与するステップから本質的になる併用療法法。
  22. PD−1結合アンタゴニストが、抗PD−1抗体である、請求項21に記載の併用療法法。
  23. 抗PD−1抗体が、ニボルマブまたはそのバイオシミラーである、請求項22に記載の併用療法法。
  24. 抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブまたはそのバイオシミラーである、請求項22に記載の併用療法法。
  25. 前記MEK阻害剤が、期間の間に錠剤として患者に投与される、請求項21〜24のいずれか一項に記載の併用療法法。
  26. 前記錠剤が、15mgの前記MEK阻害剤を含む、請求項25に記載の併用療法法。
  27. 前記抗PD−1抗体が、期間の間に、静脈内投与によって投与される、請求項21〜26のいずれか一項に記載の併用療法。
  28. 患者が、癌を有する、請求項21〜27のいずれか一項に記載の併用療法法。
  29. 前記癌が、結腸直腸癌または膵臓癌である、請求項28に記載の併用療法法。
  30. 前記癌が、結腸直腸癌である、請求項29に記載の併用療法法。
  31. 前記癌が、転移性結腸直腸癌である、請求項30に記載の併用療法法。
  32. 前記結腸直腸癌が、転移性マイクロサテライト安定性結腸直腸癌である、請求項31に記載の併用療法法。
  33. 前記癌が、膵臓癌である、請求項29に記載の併用療法法。
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