JP2021515188A - 結合親和性の検出に使用するデバイス - Google Patents

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Abstract

結合親和性の検出に使用するデバイスは、基板(3)と、基板の上に配置され外面(7)を有する平面導波路(2)とを有する。デバイスは、所定波長のコヒーレント光(5)を平面導波路に導入させて、所定の搬送方向に向かって平面導波路に沿ってコヒーレント光を搬送させる回折格子(4)を有する。コヒーレント光(5)のエバネッセント場(6)は、平面導波路(2)の外面(7)に沿って伝搬する。平面導波路の外面には、標的試料(9)と結合する受容体分子(8)を有する。エバネッセント場(6)の光は、受容体分子に結合された標的試料により回折される。受容体分子(8)は、互いに離間した平行直線(11)に沿って配置される。エバネッセント場の光の一部は、受容体分子に結合された標的試料によって回折されて、所定の検出方向(13)に向かって平面導波路(2)から離れるように伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビーム(12)を形成する。

Description

本発明は、それぞれの独立請求項に従って結合親和性の検出に使用するデバイス及びシステムに関する。
そのようなデバイスは、例えば、多種多様な用途におけるバイオセンサとして使用することができる。そのうちの1つの特定の用途として、結合親和性又は結合過程の検出又は監視がある。例えば、そのようなバイオセンサを用いて、標的試料の結合部位への結合を検出する様々な分析を行うことができる。典型的には、そのような分析の多くは、バイオセンサの表面上で二次元マイクロアレイ状に配置されたスポットにおけるバイオセンサ上で行われる。マイクロアレイの使用により、ハイスループットスクリーニングにおいて、異なる標的試料の結合親和性又は結合過程を同時に検出するためのツールがもたらされる。特定の結合部位に結合する標的試料の親和性、例えば特定の捕捉分子に結合する標的分子の親和性を検出するために、多数の捕捉分子が、バイオセンサの外表面における個々のスポットで、インクジェットのようなスポッティングまたはフォトリソグラフィにより固定化される。各スポットは、所定のタイプの標的分子に対する個別の測定領域を形成する。特定タイプの捕捉分子に対する標的分子の結合が検出され、特定の捕捉分子に対する標的分子の結合親和性に関する情報を提供するために使用される。
標的試料の結合親和性を検出するための公知の技術は、蛍光標識を利用する。蛍光標識は、励起時に蛍光を発することができる。放出される蛍光は、特定のスポットでの蛍光標識の存在を表す特徴的な放出スペクトルを示す。同定された蛍光標識は、標識された標的分子がこのスポットに存在する特定のタイプの捕捉分子に結合したことを示す。
標識された標的試料を検出するセンサは、記事「Zeptosens' protein microarrays: A novel high performance microarray platform for low abundance protein analysis」, Proteomics 2002, 2, S. 383-393, Wiley-VCH Verlag GmbH, 69451 Weinheim, Germanyに記載されている。そこで記載されているセンサは、基板上に配置された平面導波路を含む。平面導波路は、複数の捕獲分子を付着させた外面を有する。さらに、平面導波路は、コヒーレント光のビームが平面導波路に沿って伝搬するような方法で、コヒーレント光のビームを平面導波路に結合する回折格子を有する。コヒーレント光は、全反射しながら平面導波路を通って伝搬し、その際、平面導波路の外面に沿って伝搬するコヒーレント光のエバネッセント場を伴う。平面導波路の外面におけるより低い屈折率の媒質に対するエバネッセント場の浸透の深さは、平面導波路を通って伝搬するコヒーレント光の波長に対してわずかでしかない。エバネッセント場は、平面導波路の表面に配置された捕獲分子に結合した標識された標的試料の蛍光標識を励起する。平面導波路の外面にある光学的に薄い媒質へのエバネッセント場の浸透の深さが非常に小さいため、平面導波路の外面に固定化された捕獲分子に結合した標識サンプルのみが励起される。これらの標識から発せられる蛍光は、CCDカメラを介して検出される。
蛍光標識を使用して結合親和性を検出することは基本的に可能であるが、この技術は、検出された信号が結合相手自体ではなく蛍光標識によって生成されるという点で不利である。加えて、標的試料の標識付けには、追加の準備手順が必要である。また、標識された標的試料は比較的高価である。別の欠点は、標的試料における蛍光標識の立体障害によって引き起こされる結果の変容であり、立体障害は、捕捉分子に対する標的試料の結合を妨害する可能性がある。さらなる欠点は、標識の脱色又は消光効果による結果の変容である。
US 8,619,260は、光学読取システムのための標識不要のマルチ格子共振導波路センサを開示している。光源からの光が入射ビームとなり、共振導波路センサに向けられて、その上に光スポットを形成する。反射光の波長は、共振導波路センサの表面に存在し得る物質に依存する。共振導波路センサ上の光スポットからの反射光は、通常はかなり高価な分光計を使用して検出され、その波長が分析される。
上記の欠点の多くは、WO 2013/107811、WO 2014/086789、WO 2014/111521、WO 2015/004264及びWO 2015/007674に開示されている方法及びデバイスによって克服されている。標識を使用してそこから放出される光を検出する代わりに、捕捉分子に結合した標的試料からの回折コヒーレント光が検出される。通常、回折光の量は非常に少なく、(特に回折光以外の光が存在する場合)検出がより困難であるため、捕捉分子は通常、複数の曲線に沿って配置され、焦点において回折コヒーレント光を積極的に干渉させることで、回折光をより確実に検出可能とする。しかしながら、回折光の検出は、(特に焦点における検出器の配置に関して)さらなる改善の余地を残している。一方、検出器の位置決めは非常に正確でなければならず、1マイクロメートル(μm)又はその一部の範囲程度の非常に高い精度を必要とする。一方、検出器は、導波路から非常に近い距離に配置されることが多い。通常、この距離は約1mmであるため、構造上の制限が生じる。
従って、本発明の目的の1つは、標的試料と受容体分子との間の結合親和性の検出に使用して、上述した従来技術の1つ又は複数の欠点を克服する又は少なくとも大幅に低減するデバイス及びシステムを提案することである。
本発明によれば、各独立請求項の特徴によって特定される、結合親和性の検出に使用するデバイス及びシステムによって上記目的が達成される。本発明に係るデバイス及びシステムの有利な態様は、従属請求項の主題として示される。
結合親和性の検出に使用する本発明に係るデバイスは、基板と、前記基板上に配置され、外面を有する漏れ防止の平面導波路とを含む。平面導波路は非常に薄い導波路(通常、100ナノメートル(nm)から数マイクロメートル(μm)の範囲のみの厚さ)であり、このことが平面導波路が基板上に配置されている理由である(基板は、薄い平面導波路用の支持体を形成する。)。通常、平面導波路は、通常、平面導波路を伝搬するいくつかのモードのみ又は1つの特定モードのみを許容する。
平面導波路に関連して「漏れ防止」(leakproof)という用語は、コヒーレント光が平面導波路に取り込まれると、平面導波路を通って伝搬するコヒーレント光(モード)が全反射によって平面導波路内を確実に導かれ、平面導波路から漏れないことを意味する。従って、実質的に全エネルギー(エバネッセント場を除く)が平面導波路内を導かれ、導波路からの漏れ(例えば、隣接して配置された構造への移動)が防止される。よって、導波路内における光の伝搬中にエネルギーが導波路から漏れることを許容する構造は、本発明における「平面導波路」ではない。通常、平面導波路は、高い屈折率(例えば、1.5を超える、若しくは1.8を超える、又はさらに高い屈折率)を有し、平面導波路のこの屈折率は、平面導波路が設けられる基板の屈折率より明らかに高い。平面導波路(通常、長方形の断面形状を有する。)は、幅及び長さ並びに基板と反対側の外面を有する。
本発明に係るデバイスはさらに回折格子を含み、この回折格子は平面導波路上に配置される(例えば、回折格子は、基板の反対側において基板とは反対側に面する平面導波路の外面上に配置されてもよく、又は基板に面する側の平面導波路に配置してもよい。)。回折格子は、平面導波路の幅の方向(すなわち、平面導波路の長さに垂直)に延びる格子線を含み、平面導波路の長さの方向(所定の伝搬方向に対応する)における格子間隔は、1マイクロメートル(μm)未満である。回折格子は、動作に際し、回折格子に入射する所定波長のコヒーレント光を平面導波路に導入(couple)させて、平面導波路に導入されたコヒーレント光が平面導波路を通って所定の伝搬方向に伝搬させるようにするものである。上述のように、この伝搬方向は、平面導波路の長さの方向に対応する。また、既に述べたように、コヒーレント光のエバネッセント場は、平面導波路の外面に沿って伝搬する。
デカプラ(decoupler。分離器)は、所定の伝搬方向において回折格子から少なくとも10マイクロメートル(μm)の距離離れて平面導波路の外面に配置される。通常使用される波長(紫外線(UV)の範囲から赤外線(IR)の範囲まで、例えば数百ナノメートルの範囲内、例えば可視光の範囲内とすることができる。)に関し、デカプラは、回折格子から離間されて配置される。これは、後述するように有利である。
平面導波路の外面上のデカプラは、平面導波路の外面上に配置された(例えば、取り付けられた)受容体分子を含む。これらの受容体分子は、標的試料を受容体分子に結合することができる。互いに離間した複数の平行な直線に沿って受容体分子が配置されることで、動作に際し、エバネッセント場のコヒーレント光の一部が、受容体分子に結合された標的試料によって回折され、所定の検出方向に平面導波路から離間するように伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームとして平面導波路から分離又は放出される。
平面導波路の外面上のデカプラは、平面導波路の外面上において、受容体分子が配置される平行直線間に形成された隙間内に配置された(例えば、取り付けられた)充填分子(filler molecules)をさらに含む。充填分子は、標的試料を充填分子に結合することができない。
所定の直線に沿って配置された受容体分子と、所定の直線間の隙間内に配置された充填分子とは、一緒になって平面導波路の表面上に光学的に滑らかな領域(optically smooth area)を形成する。この光学的に滑らかな領域は、平面導波路の外面に対して同一の屈折率及び均一な高さを持っており、1ナノメートル(nm)以下での変化しかない。「光学的に滑らかな領域」という用語は、標的試料が受容体分子に結合されていない限り、回折格子や回折につながるその他の構造を形成しない領域を意味する。
回折格子は、受容体分子及び充填分子が配置されている領域の高さを実質的に変化させて形成してもよい(このような変化は、コヒーレント光の所定波長の範囲内である必要がある。)。或いは、回折格子は、当該領域において異なる屈折率の領域を用いて形成してもよい、しかしながら、そのような高さの変化がない場合(又はコヒーレント光の所定波長よりも実質的に小さい変化があり且つ特定された1ナノメートル未満の変化が実質的に小さい場合)且つ屈折率に変化がない場合、その領域は回折を引き起こさず、「光学的に滑らか」と呼ぶ。
この「光学的滑らかさ」の特性は、標的分子が受容体分子に結合しているときに変化する一方、標的分子が充填分子に結合することはない(後者は標的分子に結合できない)。そのとき、コヒーレント光の所定波長の範囲内において高さに変動が生じる。そのように形成された回折格子は、回折格子が受容体分子の結合親和性によって変調されるため、「親和性変調回折格子」を示す。受容体分子及び充填分子が配置されるデカプラの領域は、標的分子が受容体分子に結合しているときに回折格子を形成する。従って、コヒーレント光の一部の回折が発生して検出できる一方、結合事象がない限り、デカプラの同領域は回折格子を形成しない(つまり、「光学的に滑らか」である)。
本発明に係るデバイスの利点の1つは、コヒーレント光の回折部分が、平面導波路から離れて伝搬するコリメート光のビームを形成するため、先行技術のデバイスの場合よりも、この回折コヒーレント光を平面導波路から大きく離れた距離で検出できることである。従って、回折光の検出は、導波路から検出器への距離に対する依存が非常に小さくなる。ここに言うコリメートビームは、完全に平行なビームのみならず、3°以下、限定的には2°以下、より限定的には1°以下、非常に限定的には0.5°以下で発散するビームを含むと理解可能である。従って、検出器の配置(導波路からの距離、焦点における検出器の正確な位置)に対して、検出精度は影響を受け難くなる。その結果、本発明に係るデバイスを使用して結合親和性を検出するシステムは、従来技術のシステムと比較すると、構造的な観点から大幅に容易になり得る。このことは、本発明に係るシステムの態様を説明する際に、以下で詳述する。
「所定の検出方向」という用語は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームが検出のために平面導波路から離れて伝搬する方向を意味する。検出器はこの方向に配置できる(但し、必ずしもそのように配置する必要はない)。従って、所定の検出方向は、必ずしも検出器を配置しなければならない方向ではない。例えば、ミラー等の偏向要素が所定の検出方向に配置される場合、コリメートビームは、検出器を配置することができる別の方向に偏向される。
例えば、水平に配置された平面導波路の場合、所定の検出方向に向けて平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームは、平面導波路から下向き若しくは上向きに又はその両方に伝搬することができる。以下では、例として、下向きに伝搬するコヒーレント光のコリメートビームについてのみ説明するが、当該説明は、平面導波路から離れて上向きに伝搬するコリメートビームにも同様に当てはまる。また、水平面以外の平面導波路の配置の場合、回折光が平面導波路から離れる方向に伝搬する所定の検出方向も異なり得る。
本発明に係るデバイスの別の利点は、それがさらに追加のオプションを可能にすることである。例えば、本発明では、デバイスの表面に適用された標的試料が、平面導波路の表面に配置された受容体分子に対して移動する際の加速に役立つ磁性機器等の追加機器を配置できる(この場合、標的試料は磁性標識を含まなければならない。)。
上記のように、コヒーレント光を平面導波路に導入する回折格子は、平面導波路の幅の方向に延在する(直線状の)格子線を含み、平面導波路に導入されたコヒーレント光は、平面導波路内において、受容体分子が配置される平行直線に向かって、単一の所定の伝搬方向(すなわち、平面導波路の長さの方向)で伝搬する。そのような格子線を示す適切な物理的構造は、例えば、溝、細長い突起、又は平面導波路の屈折率の周期的変化とすることができる。
既に述べたように、デカプラは、所定の伝搬方向(すなわち、平面導波路の長さの方向)において回折格子から少なくとも10マイクロメートル(μm)の距離を離間して平面導波路の外面に配置される。動作に際し、光源から出射されたコヒーレント光を回折格子に向けるとき、受容体分子が配置されている平行直線が光源からの光に直接曝されないようにすることは有利である。従って、受容体分子が配置されている平行直線は、平面導波路の外面に沿って伝搬するエバネッセント場の光にのみ曝される。
コヒーレント光を平面導波路に導入する回折格子は、受容体分子が平行直線に沿って配置されるのと同じ平面導波路の外面に配置されていなくてもよく、平面導波路が基板に接する平面導波路の反対側の外面に配置されていてもよい。
導波路から離れて伝搬するコヒーレント光のコリメートビームを形成する回折コヒーレント光は、光源からの光と、導波路から離れて伝搬する回折光とが、同じ材料、例えば、空気若しくは真空又は同一の屈折率を有する材料内を伝搬する限り、平面導波路に導入される直前の光源からのコヒーレント光と同じ所定波長を有する。
平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光は、所定の検出方向において、所定の検出方向に垂直な任意の平面に対して構造的に干渉する。各受容体分子から見ると、常に同じ方向に構造的な干渉がある。換言すると、「所定の検出方向に垂直な任意の平面に対して構造的に干渉する」という用語は、所定の検出方向に垂直な任意の平面においてコリメートビームのコヒーレント光が同じ位相を有することを意味する。
本発明に係るデバイスのさらなる利点は、平面導波路によって反射される又は基板によって反射される光が、平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光の検出を妨げないことである。これは、所定の検出方向が、平面導波路又は基板により反射された光の方向と異なるようにデバイスを構成可能であるためである。従って、反射光と、受容体分子に結合した標的試料によって回折された光とが干渉するのを防ぐビームストップは不要である。
以下で詳述するように、平行直線間の距離は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームの特定の所定の検出方向をもたらすように構成することができる。
一般に、本発明に係る結合親和性の検出は、特定タイプの標的試料にも、任意のタイプの受容体分子にも限定されず、むしろ、例えば、標的試料としての分子、タンパク質、DNA等の結合特性を、平面導波路上の任意の適切なタイプの受容体分子に関して分析することができる。
平行直線に沿った受容体分子の配置は、全ての受容体分子が理想的な平行直線上に正確に配置される最適な場合を示す。受容体分子の最適な配置は、所定の検出方向に平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光の最大強度又は最大量に関連する。実際には、受容体分子の配置は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームが十分に発せられている間でも、そのような最適な配置からある程度逸脱する可能性がある。
基板は、主に、非常に薄くなり得る平面導波路を支持する機能を有している。
このような基板は、透明又は非透明(不透明)であり得る。後者の場合、デバイスを上下逆に使用して、非透明基板を平面導波路の上に配置し、平面導波路に導入されたコヒーレント光や、回折コヒーレント光のコリメートビームが基板を通過する必要がないようにする。
コヒーレント光は、可視光若しくは紫外光(UV)又は赤外光(IR)とし得る。
上述のように、回折されたコヒーレント光のコリメートビームは、回折されたコヒーレント光の正確に平行なビームを表すだけでなく、3°(度)以下、より限定的には2°以下、さらに限定的には1°以下、非常に限定的には0.5°以下で発散するわずかに発散する回折されたコヒーレント光のビームを含んでもよい。この場合、所定の伝搬方向は、それぞれ3°以下、若しくは2°以下、若しくは1°以下、又は0.5°でわずかに発散する伝搬方向の束を含んでもよい。回折されたコヒーレント光のコリメートビームの実際の伝搬の方向に関して推定すると、そのようなわずかに発散するビームは仮想焦点に収束し、従って、回折されたコヒーレント光のわずかに発散するビームは、この仮想焦点に配置された光源から来るように見える。
例えば、平面導波路から計った仮想焦点の仮想焦点距離は、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の10倍より大きく、より限定的には、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の15倍より大きく、さらに限定的には、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の30倍より大きく、さらに限定的には、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の60倍より大きい。仮想焦点は、平面導波路から無限距離を持つことができる(これは平行なコリメートビームに相当する)。
従って、「平行直線」という用語は、正確に真っ直ぐな線を含むだけでなく、これらの線が前述のわずかに発散するコリメートビームを引き起こす場合に、正確に真っ直ぐであることから最小限に逸脱する線も含む。
上記のような線は、以下の方程式で幾何学的に定義される。
Figure 2021515188
上記において、
λは、コヒーレント光の真空での波長である。
Nは、平面導波路を伝搬するコヒーレント光の有効屈折率である。
※Nは、平面導波路の厚さ及び屈折率、基板の屈折率、平面導波路の外面上の媒質の屈折率、及び導波モードの偏光に依存する。
fは、仮想焦点距離である。
は、x方向における所定の線のオフセットである。
は、平面導波路の外面上の媒質の屈折率である。
は、固定整数である。
jは、それぞれの所定の線のインデックスを示す連続した整数である。
上記方程式の±記号は、プラス記号の場合は仮想焦点があり、マイナス記号の場合は実際の焦点があることを意味する。後者の場合は、伝搬方向における回折コヒーレント光の収束ビームを表し、本発明の一部を形成しない。
プラス記号の場合、光源から仮想焦点までの光路長の差が、伝搬するコヒーレント光の波長の整数倍になるように、これらの線に沿って受容体分子が配置される。
本発明の好ましい実施形態では、仮想焦点距離fが、平行直線を含む領域の直径よりも大きいだけでなく、焦点距離fは無限に近づくことさえあり得る(これは、線が正確な直線である場合を示す。)。一般に、仮想焦点距離の条件f>>2(x +y 1/2が満たされる必要がある(焦点距離fは、1桁より大きく、好ましくは、平行直線を含む領域の直径の20倍より大きい。)。
本発明に係るデバイスのさらなる利点は、回折されたコヒーレント光のわずかに発散するコリメートビームの場合、そのようなコリメートビームは、平面導波路からの距離が増加するにつれて直径が大きくなり、従って、回折コヒーレント光のそのようなわずかに発散するビームの経路に配置することが可能なレンズ等の光学素子の有用性が、デバイスからそのような光学素子までの距離が増加するにつれて増加することである。
本発明に係るデバイスの一態様によれば、充填分子は、標的分子を充填分子に結合することができないように不活性化されることを除いて、受容体分子と同一であってもよい。この点での「非活性化」は、平面導波路の外面へのそれらの付着(固定化)の前又は後に受容体分子の結合能力を変化させるのに適した任意の方法を指す。不活性化は、例えば、所定の直線の間の隙間に配置された受容体分子をUV光に曝して(例えば、マスクを使用して)、標的試料を結合できないようにすることで達成できる。所定の直線の間の隙間に配置された受容体分子の不活性化は、例えば、受容体分子の結合領域の変更によって達成することができる。従って、実際のところ、所定の直線の間の隙間に配置された不活性化された受容体分子は、不活性化されることを除いて、所定の直線に沿って配置された受容体分子と同一である。これは、(標的試料が、所定の直線に沿って配置された受容体分子に結合する前に)デカプラの光学的に滑らかな領域を形成する効果的な方法である。
上述のように、一態様によれば、コヒーレント光を平面導波路に導入する回折格子は、基板とは反対側の平面導波路の外面、すなわち、受容体分子が配置されるのと同じ平面導波路の外面上に配置できる(但し、受容体分子から離間させる。)。
本発明に係るデバイスの別の態様によれば、複数の平行直線のうち隣接して配置された平行直線間の最小距離dminが存在し得る。所定の搬送方向で測定するとき、最小距離dは、以下の方程式で定義され得る。

min=λ/(N−n sinα)
上記において、
αは、所定の搬送方向で測定したとき、所定の検出方向と平面導波路の外面の法線との間の長手方向角度である。
λは、コヒーレント光の真空での波長である。
Nは、平面導波路に沿って伝搬するコヒーレント光の有効屈折率である。
は、平面導波路の外面上の媒質の屈折率である。
また、複数の平行直線のうち隣接して配置された平行直線は、互いに距離dを空けて配置される。距離dは、最小距離dminの整数倍である。
平面導波路から離れて伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームの所定の検出方向毎に、隣接する平行直線間に対応する最小距離dminが存在する。平行直線は、最小距離dminだけ互いに等距離に配置されてもよい。この場合、デバイスの面積当たりの最大量の回折コヒーレント光を達成することができる。これにより、検出器での信号対雑音比が高くなり、その結果、結合親和性の判定に関して高感度となり得る。この点については、本発明に係るシステムについての機能及び態様の説明に関連して後に詳述する。しかしながら、デバイスの製造を単純化するために、複数の直線平行のうち隣接する直線間の距離dは、最小距離dminの整数倍としてもよい。隣接する平行直線の間の距離dが不均一であったとしても、隣接する平行直線の間のそれぞれの距離dが最小距離dminの整数倍である限り、本発明の範囲内である。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、複数の平行直線のうち隣接して配置された平行直線の間の距離dは、所定の伝搬方向で測定した場合、λ/2<d<2λ/3の範囲又はその整数倍であり得る。
例えば、コヒーレント光の波長は、300nm(ナノメートル)から3000nmの範囲、より限定的には、光の可視範囲、すなわち、400nmと700nmの間、又はスペクトルの近赤外線の範囲、すなわち700nmと2000nmの間とし得る。例えば、平面導波路内の波長λは、可視光又は近赤外光を放射するレーザダイオードの典型的な波長、例えば、約635nm、若しくは約850nm、若しくは約976nm又は約1064nmとし得る。λ=635nmの場合、距離dは、例えば、約350nmとすることができ、λ=1625nmの場合、距離dは、例えば、約900nmとすることができる。ここに言う用語「約」は、そのような構造に関する現在の製造技術の典型的な許容誤差を含むものとして理解されるべきである。平行直線のうち隣接するものの間のそのような小さな距離の利点は、本発明に係るデバイスの全体のサイズを非常に小さく保つことができることである。また、平行直線が平面導波路の外面(デカプラ)に配置される領域は、非常に小さく保つことができ、例えば、それらは1mm(平方ミリメートル)より小さくすることができ、当該領域のそれぞれは、回折格子を配置するためのスペースを、平面導波路の同じ外面に残しておきながら、受容体分子が配置された平行直線を数百本から数千本含むことができる。
本発明に係るデバイスのなおさらなる態様によれば、長手方向角度αは、1°<α<20°の範囲とすることができる。
より好ましくは、長手方向角度αは2°と10°の間とすることができる。その利点は、光源から出射され、光カプラに当たるコヒーレント光が同様の角度の場合、所定の検出方向においてコヒーレント光が実質的に反射しないことである。
本発明に係るデバイスのさらに別の態様によれば、平面導波路の平面内において平行直線とコヒーレント光の所定の伝搬方向との間の角度βは、平面導波路の平面で(より正確には、平面導波路の外面の平面で)測定した場合、60°<β<120°の範囲とすることができる。より好ましくは、角度βは、75°と105°の間とすることができる。
その利点は、平面導波路の平面内において、平行直線と、コヒーレント光の所定の伝搬方向との間の同様の角度βの場合、導波路から離れて伝搬するコヒーレント光のコリメートビームを形成する回折コヒーレント光は、導波路から離れる方向に伝搬するが、当該方向は、光源から放射されて回折格子に当たるコヒーレント光の伝搬方向から離間する方向であると共に、受容体分子が配置される外面と反対側の平面導波路の外面で部分的に反射される可能性があることである。
平行直線は、平面導波路を通って伝搬するコヒーレント光の波面に平行に配置することができ、換言すると、平行直線は、平面導波路の平面内においてコヒーレント光の所定の伝搬方向に対して垂直に配置することができる。或いは、平行直線は、平面導波路の平面内においてコヒーレント光の所定の伝搬方向に対して90°以外の角度βを含むことができる。有利な点として、角度βは、回折されたコヒーレント光のコリメートビームの任意の所望の検出方向に対して構成することができる。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、デバイスは、基板と反対側の平面導波路の外面上に配置された複数の空間的に分離されたデカプラを含んでもよい。空間的に分離された各デカプラは、前記複数の平行直線を有し、受容体分子はそれぞれの複数の平行直線に沿って配置され、充填分子はそれぞれの複数の平行直線の間の隙間に配置されてもよい。
動作に際し、標的試料が受容体分子に結合された状態で、回折されたコヒーレント光のコリメートビームは、平面導波路の外面にある空間的に分離された各デカプラから離れて伝搬する。有利なことに、複数の平行直線に沿って配置された受容体分子と共に、複数の空間的に分離されたデカプラを有するデバイスでは、回折コヒーレント光の複数のコリメートビームはデバイスから離れて伝搬し、同時に検出される機会をもたらす。すなわち空間的に分離された複数のデカプラを備えた単一のデバイスを使用して、複数の結合親和性を同時に検出できる。
空間的に分離された各デカプラは、隣接する線間の距離dと角度βによって規定される複数の平行直線を個別に有し、空間的に分離された他のデカプラの他の複数の平行直線のそれぞれと同一又は異なることができる。動作の際、空間的に分離されたデカプラは、それら全てが、平面導波路を通って伝搬するコヒーレント光のエバネッセント場に曝されるように、平面導波路の外面上に配置される。
上述したように、本発明に係るデバイスは、空間的に分離された複数のデカプラを平面導波路の外面に配置することを依然として可能にしながら、非常に小さくすることができる。例えば、1cm(平方センチメートル)のサイズの表面上に、数十、数百、数千、さらには数万のそのような空間的に分離された領域を配置し、それでも1つ以上の回折格子を配置するためのスペースを、平面導波路の同じ外面に残すことができる。合計で数百万までの前記空間的に分離されたデカプラを、本発明に係る単一のデバイス上に配置することができる。
同じデバイスに配置された、空間的に分離されたデカプラのサイズ及び形状は、全ての空間的に分離されたデカプラで同じである必要はない。デカプラの形状は、例えば、円状、楕円状、多角形状、矩形状又は二次曲線状(quadratic)とすることができる。
本発明に係るデバイスのさらに別の態様によれば、空間的に分離された複数のデカプラのうち空間的に分離された少なくとも1つのデカプラにおける複数の平行直線のうち隣接する平行直線は、互いに第1距離dを空けて配置されてもよい。第1距離dは、第1最小距離dmin1の整数倍である。また、空間的に分離された複数のデカプラのうち空間的に分離された少なくとも1つの他のデカプラにおける複数の平行直線のうち隣接する平行直線は、互いに第2距離dを空けて配置されてもよい。第2距離dは、第2最小距離dmin2の整数倍である。また、第1最小距離dmin1と第2最小距離dmin2は、互いに相違してもよい。
本発明に係るデバイスが、空間的に分離された少なくとも2つのデカプラを有し、それぞれのデカプラにおける複数の平行直線が異なる最小距離dmin1及びdmin2を空けて配置される場合、空間的に分離された領域それぞれから離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームが異なる検出方向、具体的には、異なる長手方向α及びαを有するいう利点がある。後に詳述するように、回折コヒーレント光のコリメートビームを検出するために採用されるシステムの要件に応じて、回折光のコリメートビームの検出方向は、回折光のコリメートビームが、空間的に分離されたデカプラまでの距離よりも長い位置又は短い位置でシステムの検出器に当たるように構成することができる。或いは、換言すると、デバイス上の異なるデカプラの間隔と、回折コヒーレント光を検出するシステムの検出器に当たる回折コヒーレント光の異なるコリメートビームの間隔とを分離することが可能である。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、空間的に分離された複数のデカプラのうち空間的に分離された少なくとも1つのデカプラの平行直線は、平面導波路におけるコヒーレント光の所定の伝搬方向との第1角度βを含んでもよい。また、空間的に分離された複数のデカプラのうち空間的に分離された少なくとも1つの他のデカプラの平行直線は、平面導波路におけるコヒーレント光の所定の伝搬方向との第2角度βを含んでもよい。第1角度βと第2角度βは、互いに相違してもよい。
デバイスが、空間的に分離された少なくとも2つのデカプラを有し、それぞれのデカプラにおける複数の平行直線が異なる角度β及びβで配置される場合、空間的に分離されたデカプラそれぞれから離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームが異なる検出方向、具体的には、異なる横断角度γ及びγを有するいう利点がある。後に詳述するように、回折コヒーレント光のコリメートビームを検出するために採用されるシステムの要件に応じて、回折光のコリメートビームの検出方向は、回折光のコリメートビームが、本発明に係るデバイスに設けられた、空間的に分離されたデカプラまでの距離よりも長い位置又は短い位置でシステムの検出器に当たるように構成することができる。或いは、換言すると、デバイス上の異なるデカプラの間隔と、回折コヒーレント光を検出するシステムの検出器に当たる際の回折コヒーレント光の異なるコリメートビームの空間的な間隔とを分離することが可能である。
言うまでもなく、空間的に分離された2つ以上のデカプラを同じ平面導波路上に配置することができ、これらのデカプラの平行直線は、異なる角度βで配置することができる。すなわち、これらのデカプラのそれぞれで、平行直線は異なる角度βで配置される。或いは、いくつかのデカプラの平行直線は同じ角度βで配置できるが、これらのデカプラのそれぞれについて、隣接して配置された平行直線間の最小距離dminが異なるため、回折ビームの角度αはそれぞれ異なる。従って、角度β及び最小距離dminを使用すると、2つのパラメータを用いることで、デカプラによって回折されたコヒーレント光の回折ビームを空間的に分離することができると共に、それと同時に、これらのデカプラ全てを、同一の平面導波路の外面に配置することが可能となる。さらに、これらのデカプラは、平面導波路の同じセクションに配置することもできる。この点は、後述するこれらのセクションの説明からより明らかになるであろう。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、空間的に分離された複数のデカプラのうち空間的に分離された少なくとも1つのデカプラは、第1タイプの標的試料に結合できる第1タイプの受容体分子を有してもよい。また、空間的に分離された複数のデカプラのうち空間的に分離された少なくとも1つの他のデカプラは、第1タイプの標的試料又は第2タイプの標的試料に結合できる第2タイプの受容体分子を有してもよい。第1タイプの受容体分子は、第2タイプの受容体分子と相違してもよい。
多くの用途では、異なるタイプの標的試料が物質に含まれているかどうかを知ることが望ましい。有利な点として、本発明に係る単一のデバイスを用いて、異なる複数の標的試料の存在についての物質の試験を行うことができる。従って、単一のデバイスは、空間的に分離された複数のデカプラを含み、その中では、異なるタイプの標的試料ごとに、結合可能なタイプの受容体分子を含む空間的に分離された少なくとも1つのデカプラが存在するように、空間的に分離された異なるデカプラは異なるタイプの受容体分子を含む。また、異なるタイプの受容体分子を異なるデカプラで使用することも可能であり、ここで、異なるタイプの受容体分子は、同一タイプの標的試料に結合可能である。例えば、同一タイプの標的試料への結合親和性をチェックするような場合である。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、デバイスは、空間的に分離された複数のセクションを平面導波路の外面上に有してもよい。空間的に分離された各セクションは、前記空間的に分離されたデカプラ及び前記回折格子を1つ又は複数含んでもよい。
それぞれが回折格子及び上記のような空間的に分離されたデカプラの1つ又は複数を含む複数のセクションを有することは、適切なシステムと組み合わせることで、そのようなセクションを次々に連続的に読み出す機会を提供する。従って、そのような空間的に分離した複数のセクションのさらなる利点及びセクションの読み取りは、対応するシステムの態様を以下でさらに説明するときに明らかになる。
セクションのサイズは、通常、1mmから100mm(平方ミリメートル)の間とすることができる。しかしながら、セクションのサイズは、本発明の範囲から逸脱することなく、より小さく又はより大きくすることができる。合計で、10000個までの空間的に分離されたセクションを、本発明に係る1つのデバイスに配置することができる。有利な点として、各セクションは、10を超える空間的に分離されたデカプラを含む。デバイス上のスペースを最大限に活用するために、セクションの形状は、多角形状、矩形状又は2次曲線状にすることができる。
平面導波路を通って所定の伝搬方向に伝搬するコヒーレント光の強度は、伝搬中に減少する。従って、エバネッセント場も所定の伝搬方向に減少する。例えば、回折格子から8mmの距離の後、エバネッセント場の強度は、回折格子での強度の3分の1に減少している可能性がある。従って、あるセクションに配置された空間的に分離されたデカプラのサイズに応じて、独自の回折格子を持つ別のセクションが開始する前に、所定の伝搬方向に連続して10個以下のエリアが次々と列になって配置されることが好ましい。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、デバイスは、基板と反対側の平面導波路の外面に配置されたヒドロゲル層を含んでもよく、また、デバイスは、受容体分子を覆ってもよい。ヒドロゲル層は、標的試料がそこを拡散して受容体分子に結合することを可能にするように構成されてもよい。また、ヒドロゲル層は、標的試料のサイズよりも大きい所定サイズを超える分子がそれを通って拡散するのを防ぐように構成されてもよい。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、回折格子が配置される領域において、基板と反対側の平面導波路の外面にカバー層を配置してもよい。カバー層は、所定波長の光を透過させる透明であってもよい。吸収層が透明カバー層上に配置されてもよく、吸収層は所定波長の光を吸収してもよい。
平面導波路に導入されていないコヒーレント光は、アレイ検出器に到達し得る迷光につながる可能性があるため、受容体分子に結合した標的試料で回折された光の測定が誤ってしまう可能性がある。そのような迷光を回避するために、吸収層は、透明層を通過したそのようなコヒーレント光を消して、照射光のそのような非結合部分から生じる可能性のある迷光がアレイ検出器に到達するのを回避する。
本発明に係るデバイスのさらなる態様によれば、結合部位が配置される外面と反対側の平面導波路の外面は、反射防止コーティングで覆われてもよい。そのような反射防止コーティング(例えばλ/4層)は、発生し得る可能性があり、アレイ検出器で望ましくない光につながる可能性がある反射をさらに低減する。
さらに、本発明は、結合親和性を検出するシステムに関する。システムは、本発明に係るデバイスを含む。また、システムは、所定波長のコヒーレント光を出射する光源を含む。光源及びデバイスは、光源から出射されたコヒーレント光が、デバイスの回折格子を介して平面導波路に導入されるように、互いに対して配置される。加えて、システムは、平面導波路から離れて所定の検出方向に伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームを焦点に集束させるレンズを備える。また、システムは、レンズの光学的な下流においてレンズの焦点に配置された検出器を含み、検出器は、レンズの焦点に集束されたコリメートビームの回折されたコヒーレント光を検出する。最後に、システムは、検出器によって検出された回折コヒーレント光を示す信号を提供する評価デバイスを備える。この信号は、受容体分子に結合する標的試料の親和性を示す。
動作に際し、平面導波路の外面上の平行直線に沿って配置された受容体分子に結合した標的試料によって回折されたコヒーレント光は、受容体分子を結合する標的試料の親和性の尺度として、レンズの焦点で検出され得る。例えば、レンズの焦点に提供された回折されたコヒーレント光の強度又は量が検出され、受容体分子のみによって、すなわち受容体分子に結合された標的試料なしで回折されたコヒーレント光の既知の強度、又は平面導波路の外面上の物理的な回折格子により回折されたコヒーレント光の既知の強度と比較される。
回折されたコヒーレント光の強度又は量の変化は、受容体分子を結合する標的試料の親和性を示す(すなわち、尺度である。)。なぜなら、レンズの焦点における光の強度又は量は、標的試料が受容体分子と結合しているとき、大きく異なるためである。これにより、標的試料の検出が可能となる。
光源は、レーザ又はレーザダイオードとすることができる。光源から平行なコヒーレント光が出射される場合、前記平行ビームの直径は、例えば500μmとすることができる。
レンズは光学レンズとすることができる。レンズの開口(aperture)は、焦点に集束する光の量を捉える。
検出器は、アレイ検出器とすることができる。例えば、検出器は、CCD画像センサ、CMOS画像センサ又はタイムオブフライト画像センサ、すなわち、検出された光の飛行時間判定を組み込んだアレイ検出器とすることができる。検出器は、レンズの焦点に配置され、レンズの光軸に対して垂直に延びるように配置されている。
検出器によって検出された回折コヒーレント光を示す信号を提供することには、検出器によって検出された回折コヒーレント光を示す信号を表示することも含む。
本発明に係るシステム内では、コヒーレント光の周波数スペクトルのシフト又は変化が生じないので、分光計は必要ない。また、不要な光を遮断するピンホールも不要である。
動作に際し、回折されたコヒーレント光の複数のコリメートビームが同時に存在する可能性があり、その場合、システムは、回折されたコヒーレント光の複数のコリメートビームを同時に検出するのに適している。
本発明に係るシステムの単純さのため、システムは、「ポイントオブケア」(point of care)での費用対効果の高い処理、すなわち、標的試料の存在についての物質の試験が最も望ましいポイントであり、標的試料を含む可能性のある物質を中央研究所に輸送する必要なしに可能な処理に特に適している。
本発明に係るシステムの一態様によれば、システムは、光源と平面導波路との間の光路に(平面導波路に近接して)配置されて、光源から出射されるコヒーレント光を、平面導波路に導入されるコヒーレント光の量が最大になるような方向で回折格子に対して方向付けるスキャナ及びデスキャナをさらに含んでもよい。
スキャナ及びデスキャナは、光源から出射されたコヒーレント光を回折格子に向けることと、平面導波路から離れて伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームを偏向させることの両方が可能なデバイスであり、光源から出射されたコヒーレント光と、平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームを同一の方法で偏向させる。
そのようなスキャナ及びデスキャナの利点は、本発明に係るデバイスが意図した通りにシステムに正確に配置されておらず、特定の不要な傾きがある場合、スキャナ及びデスキャナがそのような不要な傾きを補正できることである。従って、デバイスの不要な傾きによって引き起こされる検出エラーがないことが確保される。
スキャナ及びデスキャナは、平面導波路から数mm(ミリメートル)から約1cm又は10cm(センチメートル)の範囲の作動距離で平面導波路に近接して配置される。可能な最大作動距離は、平面導波路から離れて所定の検出方向に伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームの直径及びレンズの開口に依存する。例えば、直径が20μm(マイクロメートル)で、約60本の平行直線を含む空間的に分離された領域の場合、作動距離は1mmとすることができる。直径が1mmで、約3000本の平行直線を含む空間的に分離された領域の場合、作動距離は5cmとすることができる。いずれの場合でも、本発明に係るシステムの作動距離は、結合親和性を判定するために平面導波路及び回折光を使用する従来技術のシステムの作動距離よりもはるかに大きい。
本発明に係るシステムのさらなる態様によれば、システムはミラーを備えてもよい。ミラーの前面は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームをレンズに向けて反射するように構成されている。ミラーの背面は、光源から出射されたコヒーレント光がミラーを通過できるように構成されてもよい。ミラーは、スキャナ及びデスキャナとレンズとの間における回折コヒーレント光の光路内、並びに光源とスキャナ及びデスキャナとの間における、光源から出射されたコヒーレント光の光路内に配置することができる。
検出器に入り込む散乱光をより少なくし得るので、ミラーは検出精度を高めることが可能である。また、ミラーは、検出システムのよりコンパクトな構造設計を可能とすることができる。
本発明に係るシステムのさらなる態様によれば、スキャナ及びデスキャナは、旋回可能なミラー及び伸縮式レンズ構成を備えてもよい。伸縮式レンズ構成は、平面導波路と旋回可能ミラーとの間における回折コヒーレント光の光路に配置された2つの別のレンズを有してもよい。システムは、光源と旋回可能ミラーとの間における、光源から出射されたコヒーレント光の光路に配置された追加ミラーをさらに含んでもよい。追加ミラーは、光源から出射されたコヒーレント光を反射するように構成されてもよく、また、追加ミラーは、回折されたコヒーレント光のコリメートビームが追加ミラーを通過できるように構成されてもよい。
旋回可能なミラー単体又は伸縮式レンズ構成を伴う旋回可能なミラーは、MEMS(微小電気機械システム)の形態で具現化してもよい。このようなミラーの一般的なサイズは2mm×2mmである。例えば、ミラーは電圧制御により1°〜2°旋回できる。
本発明に係るシステムのさらに別の態様によれば、システムは、デバイスにおける空間的に分離された複数のセクションのうち空間的に分離された各セクションの光カプラを、光源から出射されたコヒーレント光の光路内で連続的に位置決めするアクチュエータをさらに含んでもよい。当該位置決めは、光源から出射されたコヒーレント光が、空間的に分離されたセクションにおいて、平面導波路に連続的に導入し得るように行われてもよい。
空間的に分離された各セクションの光カプラを連続的に位置決めするアクチュエータは、それぞれのセクションを連続的に「読み出す」機会を提供する。「読み出す」とは、特定のセクションにおける空間的に分離されたデカプラから離れて伝搬する回折されたコヒーレント光を、それぞれの焦点における複数のコリメートビームの形で検出することを意味する。
アクチュエータを制御して、特定数のセクション又は全てのセクションを所定の方法又はシーケンスで読み出してもよい。
本発明に係るシステムのさらなる態様によれば、システムは、受容体分子に近接して、又は受容体分子から離れて配置されるように移動可能に配置される少なくとも1つの磁石をさらに有してもよい。本発明に係るシステムの一実施形態において、磁石は、デカプラの位置に対応すると共に、平面導波路の側のうち受容体分子が配置されるのとは反対側にある第1位置、若しくは、デカプラの位置に対応すると共に、平面導波路の側のうち受容体分子が配置されるのと同じ側にある第2位置、又は、磁石が、光源から回折格子に向かうコヒーレント光の光路から離れると共に、磁石が、平面導波路から検出器に向かう回折コヒーレント光のコリメートビームの光路から離れ、さらに、磁石が、回折格子からデカプラに向かうコヒーレント光の光路から離れる第3位置に配置される。
この実施形態は、磁性標識された標的試料をより迅速に受容体分子に移動させることができるという点で有利である。磁石が第1位置に配置されている場合、磁性標識された標的試料は、磁場を利用して、受容体分子に結合する可能性がある位置にいる受容体分子に向かって移動する。続いて、磁石を第2位置に配置することにより、受容体分子に結合していない標的試料が削除される。その後、結合親和性の検出を可能にするために、磁石は、あらゆる光の光路から外される。磁性標識された標的試料の移動については、D.M.Bruls他著の記事「Rapid integrated biosensor for multiplexed immunoassays based on actuated magnetic nanoparticles」(ジャーナル「The Royal Society of Chemistry」、2009年9月、3504〜3510ページ)に記載されている。
別の態様によれば、本発明は、以下に記載されるような結合親和性の検出に使用するデバイス及びシステムに関する。
結合親和性の検出に使用するデバイスは、基板と、その上に配置され、外面を有する平面導波路とを含む。さらに、デバイスは、所定波長のコヒーレント光を平面導波路に導入させて、平面導波路に導入されたコヒーレント光が、平面導波路を通って所定の伝搬方向に伝搬するようにする光カプラを備える。コヒーレント光のエバネッセント場は、平面導波路の外面に沿って伝搬する。平面導波路の外面は、標的試料を結合することができる結合部位がその上に配置されており、エバネッセント場の光が結合部位に結合された標的試料によって回折される。結合部位は、互いに離れた複数の平行直線に沿って配置され、エバネッセント場の光の一部が、結合部位に結合された標的試料によって回折され、平面導波路から離れて所定の検出方向へ伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームを形成する。
このようなデバイスの利点の1つは、回折されたコヒーレント光の一部が、平面導波路から離れて伝搬するコリメート光のビームを形成するため、先行技術のデバイスの場合よりも、回折コヒーレント光のこの部分を平面導波路から大きく離れた距離で検出できることである。従って、回折光の検出は、導波路から検出器への距離に対する依存が非常に小さくなる。ここに言うコリメートビームは、平行なビームのみならず、3°以下、限定的には2°以下、より限定的には1°以下、非常に限定的には0.5°以下で発散するビームを含むと理解可能である。従って、検出器の配置(導波路からの距離、焦点における検出器の正確な位置)に対して、検出精度は影響を受け難くなる。その結果、本発明に係るデバイスを使用して結合親和性を検出するシステムは、従来技術のシステムと比較すると、構造的な観点から大幅に容易になり得る。このことは、本発明に係るシステムの態様を説明する際に、以下で詳述する。
所定の検出方向は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームが検出のために平面導波路から離れて伝搬する方向を意味する。検出器はこの方向に配置できる(但し、必ずしもそのように配置する必要はない)。従って、所定の検出方向は、必ずしも検出器を配置しなければならない方向ではない。例えば、ミラー等の偏向要素が所定の検出方向に配置される場合、コリメートビームは、検出器を配置することができる別の方向に偏向される。
例えば、水平に配置された平面導波路の場合、所定の検出方向に向けて平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームは、平面導波路から下向き若しくは上向きに又はその両方に伝搬することができる。以下では、例として、下向きに伝搬するコヒーレント光のコリメートビームについてのみ説明するが、当該説明は、平面導波路から離れて上向きに伝搬するコリメートビームにも同様に当てはまる。また、水平面以外の平面導波路の配置の場合、回折光が平面導波路から離れる方向に伝搬する所定の検出方向も異なり得る。
そのようなデバイスの別の利点は、それがさらに追加のオプションを可能にすることである。例えば、本発明では、デバイスの表面に適用された標的試料が、平面導波路の表面に配置された受容体分子に対して移動する際の加速に役立つ磁性機器等の追加機器を配置できる(この場合、標的試料は磁性標識を含まなければならない。)。
光カプラは、所定波長のコヒーレント光を平面導波路に導入することを可能にする任意の物理的又は生物学的構造(例えば回折格子)を含んでもよい。平面導波路に当たるコヒーレント光は、発散又はコリメートされてもよい。それに応じて、例えば直線又は曲線(回折格子)等の物理的又は生物学的構造の適切な形態は、平面導波路に導入されたコヒーレント光が、平面導波路内において単一の所定の伝搬方向で、結合部位が設けられている複数の平行直線に向かって伝搬するように構成してもよい。物理的構造は、例えば、溝、細長い突起、又は平面導波路の屈折率の周期的変化とすることができる。生物学的構造は、例えば、平面導波路上の線に沿って配置された結合部位に結合された標的試料とすることができる(但し、カプラの結合部位に結合されたこれらの標的試料は、結合親和性の検出のために結合部位と結合されることが意図された標的試料と混同しないように注意されたい。)。
好ましくは、光カプラは、平行直線が配置されるデバイスの領域には配置されない。動作に際し、光源から出射されたコヒーレント光を回折格子に向けるとき、平行直線(これらに沿って、結合部位に固定された標的試料が配置されている)が光源からの光に直接曝すのではなく、平行直線が平面導波路の外面に沿って伝搬するエバネッセント場の光にのみ曝されるようにすることは有利である。
好ましくは、光カプラは、結合部位が平行直線に沿って配置されるのと同じ平面導波路の外面に配置されていないが、平面導波路が基板に接する平面導波路の反対側の外面に配置されていてもよい。
導波路から離れて伝搬するコヒーレント光のコリメートビームを形成する回折コヒーレント光は、光源からの光と、導波路から離れて伝搬する回折光とが、同じ材料、例えば、空気若しくは真空又は同一の屈折率を有する材料内を伝搬する限り、平面導波路に導入される直前の光源からのコヒーレント光と同じ所定波長を有する。
平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光は、所定の検出方向において、所定の検出方向に垂直な任意の平面に対して構造的に干渉する。各結合部位から見ると、常に各結合部位から同じ方向に構造的な干渉がある。換言すると、「所定の検出方向に垂直な任意の平面に対して構造的に干渉する」は、所定の検出方向に垂直な任意の平面においてコリメートビームのコヒーレント光が同じ位相を有することを意味する。
そのようなデバイスのさらなる利点は、平面導波路によって反射される又は基板によって反射される光が、平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光の検出を妨げないことである。これは、所定の検出方向が、平面導波路又は基板により反射された光の方向と異なるようにデバイスを構成可能であるためである。従って、反射光と、結合部位に結合した標的試料によって回折された光とが干渉するのを防ぐビームストップは不要である。
後に詳述するように、平行直線間の距離は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームの特定の所定の検出方向をもたらすように構成することができる。
一般に、「結合部位」は、標的試料が結合し得る(又は結合親和性の場合には結合する)平面導波路の外面上の位置である。結合親和性の検出は、特定タイプの標的試料にも、任意のタイプの結合部位にも限定されず、むしろ、例えば、標的試料としての分子、タンパク質、DNA等の結合特性を、平面導波路上の任意の適切なタイプの結合部位に関して分析することができる。
平行直線に沿った結合部位の配置は、全ての結合部位が理想的な平行直線上に正確に配置される最適な場合を示す。結合部位の最適な配置は、所定の検出方向に平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光の最大強度又は最大量に関連する。実際には、結合部位の配置は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームが十分に発せられている間でも、そのような最適な配置からある程度逸脱する可能性がある。
基板は、主に、非常に薄くなり得る平面導波路を支持する機能を有している。
このような基板は、透明又は非透明(不透明)であり得る。後者の場合、デバイスを上下逆に使用して、非透明基板を平面導波路の上に配置し、平面導波路に導入されたコヒーレント光や、回折コヒーレント光のコリメートビームが基板を通過する必要がないようにする。
コヒーレント光は、可視光若しくは紫外光(UV)又は赤外光(IR)とし得る。
上述のように、回折されたコヒーレント光のコリメートビームは、3°以下、より限定的には2°以下、さらに限定的には1°以下、非常に限定的には0.5°以下で発散するわずかに発散する回折されたコヒーレント光のビームを含んでもよい。この場合、所定の伝搬方向は、それぞれ3°以下、若しくは2°以下、若しくは1°以下、又は0.5°でわずかに発散する伝搬方向の束を含んでもよい。回折されたコヒーレント光のコリメートビームの実際の伝搬の方向に関して推定すると、そのようなわずかに発散するビームは仮想焦点に収束し、従って、回折されたコヒーレント光のわずかに発散するビームは、この仮想焦点に配置された光源から来るように見える。
いくつかの実施形態では、平面導波路から計った仮想焦点の仮想焦点距離は、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の10倍より大きく、より限定的には、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の15倍より大きく、さらに限定的には、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の30倍より大きく、さらに限定的には、平面導波路での回折コヒーレント光のコリメートビームの直径の60倍より大きい。仮想焦点は、平面導波路から無限距離を持つことができる(これは平行なコリメートビームに相当する)。
従って、「平行直線」という用語は、正確に真っ直ぐな線を含むだけでなく、これらの線が前述のわずかに発散するコリメートビームを引き起こす場合に、正確に真っ直ぐであることから最小限に逸脱する線も含む。
上記のような線は、以下の方程式で幾何学的に定義される。
Figure 2021515188
上記において、
λは、伝搬光の真空での波長である。
Nは、平面導波路における導波モードの有効屈折率である。
※Nは、平面導波路の厚さ及び屈折率、基板の屈折率、平面導波路の外面上の媒質の屈折率、及び導波モードの偏光に依存する。
fは、仮想焦点距離である。
は、x方向における所定の線のオフセットである。
は、平面導波路の外面上の媒質の屈折率である。
は、固定整数である。
jは、それぞれの所定の線のインデックスを示す連続した整数である。
上記方程式の±記号は、プラス記号の場合は仮想焦点があり、マイナス記号の場合は実際の焦点があることを意味する。後者の場合は、伝搬方向における回折コヒーレント光の収束ビームを表し、本発明の一部を形成しない。
プラス記号の場合、光源から仮想焦点までの光路長の差が、伝搬する光の波長の整数倍になるように、これらの線に沿って結合部位が配置される。
好ましい実施形態では、仮想焦点距離fが、平行直線を含む領域の直径よりも大きいだけでなく、焦点距離fは無限に近づくことさえあり得る(これは、線が正確な直線である場合を示す。)。一般に、仮想焦点距離の条件f>>2(x +y 1/2が満たされる必要がある(焦点距離fは、1桁より大きく、好ましくは、平行直線を含む領域の直径の20倍より大きい。)。
そのようなデバイスのさらなる利点は、回折されたコヒーレント光のわずかに発散するコリメートビームの場合、そのようなコリメートビームは、平面導波路からの距離が増加するにつれて直径が大きくなり、従って、回折コヒーレント光のそのようなわずかに発散するビームの経路に配置することが可能なレンズ等の光学素子の有用性が、デバイスからそのような光学素子までの距離が増加するにつれて増加することである。
そのようなデバイスの一態様によれば、複数の平行直線のうち隣接して配置された平行直線間の最小距離dminが存在する。所定の搬送方向で測定するとき、最小距離dは、以下の方程式で定義され得る。

min=λ/(N−n sinα)
上記において、
αは、所定の搬送方向で測定したとき、所定の検出方向と平面導波路の外面の法線との間の長手方向角度である。
λは、搬送光の真空での波長である。
Nは、平面導波路における導波モードの有効屈折率である
は、平面導波路の外面上の媒質の屈折率である。
また、複数の平行直線のうち隣接して配置された平行直線は、互いに距離dを空けて配置される。距離dは、最小距離dminの整数倍である。
平面導波路から離れて伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームの所定の検出方向毎に、隣接する平行直線間に対応する最小距離dminが存在する。平行直線は、最小距離dminだけ互いに等距離に配置されてもよい。この場合、デバイスの面積当たりの最大量の回折コヒーレント光を達成することができる。これにより、検出器での信号対雑音比が高くなり、その結果、結合親和性の判定に関して高感度となり得る。この点については、システムについての機能及び態様の説明に関連して後に詳述する。しかしながら、デバイスの製造を単純化するために、複数の直線平行のうち隣接する直線間の距離dは、最小距離dminの整数倍としてもよい。隣接する平行直線の間の距離dが不均一であったとしても、隣接する平行直線の間のそれぞれの距離dが最小距離dminの整数倍である限り、本発明の範囲内である。
そのようなデバイスのさらなる態様によれば、複数の平行直線のうち隣接して配置されたものの間の距離dは、所定の伝搬方向で測定した場合、λ/2<d<2λ/3の範囲又はその整数倍である。
例えば、コヒーレント光の波長は、300nm(ナノメートル)から3000nmの範囲、より限定的には、光の可視範囲、すなわち、400nmと700nmの間、又はスペクトルの近赤外線の範囲、すなわち700nmと2000nmの間とし得る。例えば、平面導波路内の波長λは、可視光又は近赤外光を放射するレーザダイオードの典型的な波長、例えば、約635nm、若しくは約850nm、若しくは約976nm又は約1064nmとし得る。λ=635nmの場合、距離dは、例えば、約350nmとすることができ、λ=1625nmの場合、距離dは、例えば、約900nmとすることができる。ここに言う用語「約」は、そのような構造に関する現在の製造技術の典型的な許容誤差を含むものとして理解されるべきである。平行直線のうち隣接するものの間のそのような小さな距離の利点は、本発明に係るデバイスの全体のサイズを非常に小さく保つことができることである。また、平行直線がデバイスに配置される領域は、非常に小さく保つことができ、例えば、それらは1mm(平方ミリメートル)より小さくすることができ、当該領域のそれぞれは、光カプラを配置するためのスペースを、平面導波路の同じ外面に残しておきながら、結合部位が配置された平行直線を数百本から数千本含むことができる。
そのようなデバイスのなおさらなる態様によれば、長手方向角度αは、1°<α<20°の範囲とすることができる。
より好ましくは、長手方向角度αは2°と10°の間とすることができる。その利点は、光源から出射され、光カプラに当たるコヒーレント光が同様の角度の場合、所定の検出方向においてコヒーレント光が実質的に反射しないことである。
そのようなデバイスのさらに別の態様によれば、平面導波路の平面内において平行直線とコヒーレント光の所定の伝搬方向との間の角度βは、60°<β<120°の範囲である。より好ましくは、角度βは、75°と105°の間とすることができる。
その利点は、平面導波路の平面内において、平行直線と、コヒーレント光の所定の伝搬方向との間の同様の角度βの場合、導波路から離れて伝搬するコヒーレント光のコリメートビームを形成する回折コヒーレント光は、導波路から離れる方向に伝搬するが、当該方向は、光源から放射されて光カプラに当たるコヒーレント光の伝搬方向から離間する方向であると共に、結合部位が配置される外面と反対側の平面導波路の外面で部分的に反射される可能性があることである。
平行直線は、平面導波路を通って伝搬するコヒーレント光の波面に平行に配置することができ、換言すると、平行直線は、平面導波路の平面内においてコヒーレント光の所定の伝搬方向に対して垂直に配置することができる。或いは、平行直線は、平面導波路の平面内においてコヒーレント光の所定の伝搬方向に対して90°以外の角度βを含むことができる。有利な点として、角度βは、回折されたコヒーレント光のコリメートビームの任意の所望の検出方向に対して構成することができる。
そのようなデバイスのさらなる態様によれば、デバイスは、平面導波路の外面上に配置された複数の空間的に分離された領域を含む。空間的に分離された各領域は、前記複数の平行直線を有し、結合部位はそれぞれの複数の平行直線に沿って配置される。
動作に際し、標的試料が結合部位に結合された状態で、回折されたコヒーレント光のコリメートビームは、平面導波路の表面にある空間的に分離された各領域から離れて伝搬する。有利なことに、複数の平行直線に沿って配置された結合部位と共に、複数の空間的に分離された領域を有するデバイスでは、回折コヒーレント光の複数のコリメートビームはデバイスから離れて伝搬し、同時に検出される機会をもたらす。すなわち空間的に分離された複数の領域を備えた単一のデバイスを使用して、複数の結合親和性を同時に検出できる。
空間的に分離された各領域は、隣接する線間の距離dと角度βによって規定される複数の平行直線を個別に有し、空間的に分離された他の領域の他の複数の平行直線のそれぞれと同一又は異なることができる。動作の際、空間的に分離された領域は、それらが、平面導波路を通って伝搬するコヒーレント光のエバネッセント場に曝されるように、平面導波路に配置される。
上述したように、そのようなデバイスは、空間的に分離された複数の領域を平面導波路に配置することを依然として可能にしながら、非常に小さくすることができる。例えば、1cmのサイズの表面上に、数十、数百、数千、さらには数万のそのような空間的に分離された領域を配置し、それでも1つ以上の光カプラを配置するためのスペースを、同じ平面導波路に残すことができる。合計で数百万までの前記空間的に分離された領域を、本発明に係る単一のデバイス上に配置することができる。
同じデバイスに配置された、空間的に分離された領域のサイズ及び形状は、全ての空間的に分離された領域で同じである必要はない。領域の形状は、例えば、円状、楕円状、多角形状、矩形状又は二次曲線状とすることができる。
そのようなデバイスのさらに別の態様によれば、空間的に分離された複数の領域のうち空間的に分離された少なくとも1つの領域における複数の平行直線のうち隣接する平行直線は、互いに第1距離dを空けて配置される。第1距離dは、第1最小距離dmin1の整数倍である。また、空間的に分離された複数の領域のうち空間的に分離された少なくとも1つの他の領域における複数の平行直線のうち隣接する平行直線は、互いに第2距離dを空けて配置される。第2距離dは、第2最小距離dmin2の整数倍である。また、第1最小距離dmin1と第2最小距離dmin2は、互いに相違する。
デバイスが、空間的に分離された少なくとも2つの領域を有し、それぞれの領域における複数の平行直線が異なる最小距離dmin1及びdmin2を空けて配置される場合、空間的に分離された領域それぞれから離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームが異なる検出方向、具体的には、異なる長手方向α及びαを有するいう利点がある。後に詳述するように、回折コヒーレント光のコリメートビームを検出するために採用されるシステムの要件に応じて、回折光のコリメートビームの検出方向は、回折光のコリメートビームが、空間的に分離された領域までの距離よりも長い位置又は短い位置でシステムの検出器に当たるように構成することができる。或いは、換言すると、デバイス上における複数の平行直線の異なる領域の間隔と、回折コヒーレント光を検出するシステムの検出器に当たる回折コヒーレント光の異なるコリメートビームの間隔とを分離することが可能である。
そのようなデバイスのさらなる態様によれば、空間的に分離された複数の領域のうち空間的に分離された少なくとも1つの領域の平行直線は、平面導波路におけるコヒーレント光の所定の伝搬方向との第1角度βを含む。また、空間的に分離された複数の領域のうち空間的に分離された少なくとも1つの他の領域の平行直線は、平面導波路におけるコヒーレント光の所定の伝搬方向との第2角度βを含む。第1角度βと第2角度βは、互いに相違する。
デバイスが、空間的に分離された少なくとも2つの領域を有し、それぞれの領域における複数の平行直線が異なる角度β及びβで配置される場合、空間的に分離された領域それぞれから離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームが異なる検出方向、具体的には、異なる横断角度γ及びγを有するいう利点がある。後に詳述するように、回折コヒーレント光のコリメートビームを検出するために採用されるシステムの要件に応じて、回折光のコリメートビームの検出方向は、回折光のコリメートビームが、デバイスに設けられた、空間的に分離された領域までの距離よりも長い位置又は短い位置でシステムの検出器に当たるように構成することができる。或いは、換言すると、デバイス上における複数の平行直線の異なる領域の間隔と、回折コヒーレント光を検出するシステムの検出器に当たる際の回折コヒーレント光の異なるコリメートビームの空間的な間隔とを分離することが可能である。
そのようなデバイスのさらなる態様によれば、空間的に分離された複数の領域のうち空間的に分離された少なくとも1つの領域は、第1タイプの標的試料に結合できる第1タイプの結合部位を有する。また、空間的に分離された複数の領域のうち空間的に分離された少なくとも1つの他の領域は、第1タイプの標的試料又は第2タイプの標的試料に結合できる第2タイプの結合部位を有する。第1タイプの受容体分子は、第2タイプの受容体分子と相違する。
多くの用途では、異なるタイプの標的試料が物質に含まれているかどうかを知ることが望ましい。有利な点として、単一のデバイスを用いて、異なる複数の標的試料の存在についての物質の試験を行うことができる。従って、単一のデバイスは、空間的に分離された複数の領域を含み、その中では、異なるタイプの標的試料ごとに、結合可能なタイプの結合部位を含む空間的に分離された少なくとも1つの領域が存在するように、空間的に分離された異なる領域は異なるタイプの結合部位を含む。また、異なるタイプの結合部位を異なる領域で使用することも可能であり、ここで、異なるタイプの結合部位は、同一タイプの標的試料に結合可能である。例えば、同一タイプの標的試料への結合親和性をチェックするような場合である。
そのようなデバイスのさらなる態様によれば、デバイスは、空間的に分離された複数のセクションを平面導波路の外面上に有する。空間的に分離された各セクションは、前記空間的に分離された領域及び前記光カプラを1つ又は複数含む。
それぞれが光カプラ及び上記のような空間的に分離された領域の1つ又は複数を含む複数のセクションを有することは、適切なシステムと組み合わせることで、そのようなセクションを次々に連続的に読み出す機会を提供する。従って、そのような空間的に分離した複数のセクションのさらなる利点及びセクションの読み取りは、対応するシステムの態様を以下でさらに説明するときに明らかになる。
セクションのサイズは、通常、1mmから100mmの間とすることができる。しかしながら、セクションのサイズは、本発明の範囲から逸脱することなく、より小さく又はより大きくすることができる。合計で、10000個までの空間的に分離されたセクションを、本発明に係る1つのデバイスに配置することができる。有利な点として、各セクションは、10を超える空間的に分離された領域を含む。デバイス上のスペースを最大限に活用するために、セクションの形状は、多角形状、矩形状又は2次曲線状にすることができる。
平面導波路を通って所定の伝搬方向に伝搬するコヒーレント光の強度は、伝搬中に減少する。従って、エバネッセント場も所定の伝搬方向に減少する。例えば、光カプラから8mmの距離の後、エバネッセント場の強度は、光カプラでの強度の3分の1に減少している可能性がある。従って、あるセクションに配置された空間的に分離された領域のサイズに応じて、独自の光カプラを持つ別のセクションが開始する前に、所定の伝搬方向に連続して10個以下のエリアが次々と列になって配置されることが好ましい。
さらなる態様によれば、光カプラは回折格子を含んでもよい。回折格子という用語は、物理的回折格子と生物学的回折格子の両方を含むことを意図している。
回折格子は、等間隔に配置された物理的又は生物学的な平行直線を含んでもよい。物理的線は、例えば、溝、細長い突起、又は平面導波路の屈折率の周期的な変化とすることができる。生物学的線は、結合部位に結合された標的試料により形成することができる(但し、カプラの結合部位に結合されたこれらの標的試料は、結合親和性の検出のために、平行直線に沿って配置された結合部位と結合されることが意図された標的試料と混同しないように注意されたい。)。
さらなる態様によれば、そのようなデバイスは、平面導波路の外面に配置されたヒドロゲル層を含んでもよく、また、デバイスは、結合部位を覆う。ヒドロゲル層は、標的試料がそこを拡散して結合部位に結合することを可能にするように構成される。また、ヒドロゲル層は、標的試料のサイズよりも大きい所定サイズを超える分子がそれを通って拡散するのを防ぐように構成される。
さらなる態様によれば、光カプラが配置される領域において、平面導波路の外面にカバー層を配置する。カバー層は、所定波長の光を透過させる透明である。吸収層が透明カバー層上に配置され、吸収層は所定波長の光を吸収する。
平面導波路に導入されていないコヒーレント光は、アレイ検出器に到達し得る迷光につながる可能性があるため、結合部位に結合した標的試料で回折された光の測定が誤ってしまう可能性がある。そのような迷光を回避するために、吸収層は、透明層を通過したそのようなコヒーレント光を消して、照射光のそのような非結合部分から生じる可能性のある迷光がアレイ検出器に到達するのを回避する。
さらなる態様によれば、結合部位が位置決めされる(又は配置される)外面と反対側の平面導波路の外面は、反射防止コーティングで覆われる。そのような反射防止コーティング(例えばλ/4層)は、発生し得る可能性があり、アレイ検出器で望ましくない光につながる可能性がある反射をさらに低減する。
上記のように、別の態様は、結合親和性を検出するシステムに関する。システムは、上記で説明したデバイスを含む。また、システムは、所定波長のコヒーレント光を出射する光源を含む。光源及びデバイスは、光源から出射されたコヒーレント光が、デバイスの光カプラを介して平面導波路に導入されるように、互いに対して配置される。加えて、システムは、平面導波路から離れて所定の検出方向に伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームを焦点に集束させるレンズを備える。また、システムは、レンズの光学的な下流においてレンズの焦点に配置された検出器を含み、検出器は、レンズの焦点に集束されたコリメートビームの回折されたコヒーレント光を検出する。最後に、システムは、検出器によって検出された回折コヒーレント光を示す信号を提供する評価デバイスを備える。この信号は、結合部位に結合する標的試料の親和性を示す。
動作に際し、平面導波路の外面上の平行直線に沿って配置された結合部位に結合した標的試料によって回折されたコヒーレント光は、結合部位を結合する標的試料の親和性の尺度として、レンズの焦点で検出され得る。例えば、レンズの焦点に提供された回折されたコヒーレント光の強度又は量が検出され、結合部位のみによって、すなわち結合部位に結合された標的試料なしで回折されたコヒーレント光の既知の強度、又は平面導波路の外面上の物理的な回折格子により回折されたコヒーレント光の既知の強度と比較される。
回折されたコヒーレント光の強度又は量の変化は、結合部位を結合する標的試料の親和性を示す(すなわち、尺度である。)。なぜなら、レンズの焦点における光の強度又は量は、標的試料が結合部位と結合しているとき、大きく異なるためである。これにより、標的試料の検出が可能となる。
光源は、レーザ又はレーザダイオードとすることができる。光源から平行なコヒーレント光が出射される場合、前記平行ビームの直径は、例えば500μmとすることができる。
レンズは光学レンズとすることができる。レンズの開口は、焦点に集束する光の量を捉える。
検出器は、アレイ検出器とすることができる。例えば、検出器は、CCD画像センサ、CMOS画像センサ又はタイムオブフライト画像センサ、すなわち、検出された光の飛行時間判定を組み込んだアレイ検出器とすることができる。検出器は、レンズの焦点に配置され、レンズの光軸に対して垂直に延びるように配置されている。
検出器によって検出された回折コヒーレント光を示す信号を提供することには、検出器によって検出された回折コヒーレント光を示す信号を表示することも含む。
システム内では、コヒーレント光の周波数スペクトルのシフト又は変化が生じないので、分光計は必要ない。また、不要な光を遮断するピンホールも不要である。
動作に際し、回折されたコヒーレント光の複数のコリメートビームが同時に存在する可能性があり、その場合、システムは、回折されたコヒーレント光の複数のコリメートビームを同時に検出するのに適している。
そのようなシステムの単純さのため、システムは、「ポイントオブケア」での費用対効果の高い処理、すなわち、標的試料の存在についての物質の試験が最も望ましいポイントであり、標的試料を含む可能性のある物質を中央研究所に輸送する必要なしに可能な処理に特に適している。
そのようなシステムの一態様によれば、システムは、光源と平面導波路との間の光路に(平面導波路に近接して)配置されて、光源から出射されるコヒーレント光を、平面導波路に導入されるコヒーレント光の量が最大になるような方向で光カプラに対して方向付けるスキャナ及びデスキャナをさらに含む。
スキャナ及びデスキャナは、光源から出射されたコヒーレント光を光カプラに向けることと、平面導波路から離れて伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームを偏向させることの両方が可能なデバイスであり、光源から出射されたコヒーレント光と、平面導波路から離れて伝搬する回折コヒーレント光のコリメートビームを同一の方法で偏向させる。
そのようなスキャナ及びデスキャナの利点は、本発明に係るデバイスが意図した通りにシステムに正確に配置されておらず、特定の不要な傾きがある場合、スキャナ及びデスキャナがそのような不要な傾きを補正できることである。従って、デバイスの不要な傾きによって引き起こされる検出エラーがないことが確保される。
スキャナ及びデスキャナは、平面導波路から数mm(ミリメートル)から約1cm又は10cm(センチメートル)の範囲の作動距離で平面導波路に近接して配置される。可能な最大作動距離は、平面導波路から離れて所定の検出方向に伝搬する回折されたコヒーレント光のコリメートビームの直径及びレンズの開口に依存する。例えば、直径が20μm(マイクロメートル)で、約60本の平行直線を含む空間的に分離された領域の場合、作動距離は1mmとすることができる。直径が1mmで、約3000本の平行直線を含む空間的に分離された領域の場合、作動距離は5cmとすることができる。いずれの場合でも、そのようなシステムの作動距離は、結合親和性を判定するために平面導波路及び回折光を使用する従来技術のシステムの作動距離よりもはるかに大きい。
そのようなシステムのさらなる態様によれば、システムはミラーを備える。ミラーの前面は、回折されたコヒーレント光のコリメートビームをレンズに向けて反射するように構成されている。ミラーの背面は、光源から出射されたコヒーレント光がミラーを通過できるように構成される。ミラーは、スキャナ及びデスキャナとレンズとの間における回折コヒーレント光の光路内、並びに光源とスキャナ及びデスキャナとの間におけるコヒーレント光の光路内に配置する。
検出器に入り込む散乱光をより少なくし得るので、ミラーは検出精度を高めることが可能である。また、ミラーは、検出システムのよりコンパクトな構造設計を可能とすることができる。
そのようなシステムのさらなる態様によれば、スキャナ及びデスキャナは、旋回可能なミラー及び伸縮式レンズ構成を備えてもよい。伸縮式レンズ構成は、平面導波路と旋回可能ミラーとの間における回折コヒーレント光の光路に配置された2つの別のレンズを有する。システムは、光源と旋回可能ミラーとの間における、光源から出射されたコヒーレント光の光路に配置された追加ミラーをさらに含む。追加ミラーは、光源から出射されたコヒーレント光を反射するように構成され、また、追加ミラーは、回折されたコヒーレント光のコリメートビームが追加ミラーを通過できるように構成される。
旋回可能なミラー単体又は伸縮式レンズ構成を伴う旋回可能なミラーは、MEMS(微小電気機械システム)の形態で具現化してもよい。このようなミラーの一般的なサイズは2mm×2mmである。例えば、ミラーは電圧制御により1°〜2°旋回できる。
そのようなシステムのさらに別の態様によれば、システムは、デバイスにおける空間的に分離された複数のセクションのうち空間的に分離された各セクションの光カプラを、光源から出射されたコヒーレント光の光路内で連続的に位置決めするアクチュエータをさらに含む。当該位置決めは、光源から出射されたコヒーレント光が、空間的に分離されたセクションにおいて、平面導波路に連続的に導入し得るように行われる。
空間的に分離された各セクションの光カプラを連続的に位置決めするアクチュエータは、それぞれのセクションを連続的に「読み出す」機会を提供する。「読み出す」とは、特定のセクションにおける空間的に分離された領域から離れて伝搬する回折されたコヒーレント光を、それぞれの焦点における複数のコリメートビームの形で検出することを意味する。
アクチュエータを制御して、特定数のセクション又は全てのセクションを所定の方法で読み出してもよい。
そのようなシステムのさらなる態様によれば、システムは、前記平面導波路の片側において、結合部位に近接して、又は結合部位から離れた位置で移動可能に配置される少なくとも1つの磁石をさらに有する。好適な実施形態において、磁石は、平面導波路の両側のうち結合部位が配置されるのとは反対側にある第1位置、若しくは、平面導波路の両側のうち結合部位が配置されるのと同じ側にある第2位置、又は、磁石が、光源から平面導波路の光カプラに向かうコヒーレント光の光路から外れると共に、磁石が、平面導波路から検出器に向かう回折コヒーレント光のコリメートビームの光路から外れる第3位置に配置される。
この実施形態は、磁性標識された標的試料をより迅速に結合部位に移動させることができるという点で有利である。磁石が第1位置に配置されている場合、磁性標識された標的試料は、磁場を利用して、結合部位に結合する可能性がある位置にある結合部位に向かって移動する。続いて、磁石を第2位置に配置することにより、結合部位に結合していない標的試料が削除される。その後、結合親和性の検出を可能にするために、磁石は、あらゆる光の光路から外される。磁性標識された標的試料の移動については、D.M.Bruls他著の記事「Rapid integrated biosensor for multiplexed immunoassays based on actuated magnetic nanoparticles」(ジャーナル「The Royal Society of Chemistry」、2009年9月、3504〜3510ページ)に記載されている。
本発明のさらに有利な態様は、添付の概略図を参照した本発明の実施形態の以下の説明から明らかになる。
本発明に係るデバイスの第1実施形態の一部の頂面図である。 本発明に係るデバイスの第2実施形態の一部の頂面図である。 本発明に係るシステムの第1実施形態を示す図である。 本発明に係るシステムの第2実施形態を示す図である。 検出器により検出された画像の実施形態を示す図である。 回折コヒーレント光のわずかに発散するビームを生じさせるように構成された本発明に係るデバイスの第3実施形態を示す図である。 f/Dの異なる比率に対する平行直線の3つの異なる配置を有する本発明に係るデバイスの第3実施形態の一部の頂面図である。 磁石を含む本発明に係るシステムの第3実施形態を示す図である。
本発明に係るデバイス1の第1実施形態を、図1及び図3を参照して説明する。図3から分かるように、平面導波路2は、基板3上に配置されるものであり、基板3とは反対側且つ平面導波路2の上側に外面7を備える。図1に最もよく示されているように、平面導波路2の外面7は、空間的に分離された複数のデカプラ20内に配置された複数の平行直線11を含む。複数の受容体分子8が、複数の平行直線11に沿って配置される。受容体分子8が配置されている平行直線11の間には、隙間110が形成されており、これらの隙間100内には充填分子80が配置されている。既に上述したように、充填分子80は、それらが不活性化されていることを除いて、受容体分子8と同一とすることができる。従って、受容体分子8は標的試料9を受容体分子8に結合することができる一方、充填分子80は、不活性化されているために標的試料9を充填分子80に結合することができない。既に説明したように、平行直線11に沿って配置された受容体分子8と、これらの平行直線11の間の隙間110内に配置された充填分子80とが一緒になって、光学的に滑らかな領域を形成する。
各デカプラ20における隣接する平行直線11は、互いに距離dを置いて配置され、この距離dは、平面導波路2におけるコヒーレント光の所定の伝搬方向14で測定される。この伝搬方向14は、平面導波路2の長さ200(図2参照)の方向に対応する。図1に示す実施形態では、離間した各デカプラ20における平行直線11間の距離dは一定であり(これは必須ではない。)、隣接して配置された平行直線11間の最小距離dminの整数倍とすることができる。最小距離dminは、上述したように計算可能である。異なるデカプラ20は、異なる距離dを有することができ、例えば、図1に示す最も下のデカプラ20の隣接する直線11間の距離dをdとする一方、上から2番目のデカプラ20における隣接する直線11間の距離dをdとすることができる。回折されたコヒーレント光のコリメートビーム(collimated beam)12と平面導波路2の外面7に対する法線との間の長手方向角度α(図3)は、(コヒーレント光の所定波長が所与である場合)隣接して配置された平行直線11間の最小距離dminによって決定される。
図1から分かるように、デバイス1は回折格子4をさらに含み、回折格子4は、平面導波路2の幅201(図2参照)の方向に延在し、平面導波路2の長さ200(図2参照)の方向における格子間隔401を有する複数の直線状であり且つ等間隔で離間された格子線400を含む。格子間隔401は、1μm(マイクロメートル)未満である。格子線400は、基板3上に配置及び支持される平面導波路2の外面7にある溝(図示せず)として具体化することができる。レーザ光源31からのコヒーレント光5の平行ビームの平面導波路2への導入は、回折格子4(図1)を使用して実行され、コヒーレント光5の平行ビームを、所定の伝搬方向14(これは、平面導波路の長さ200の方向に対応する。図2参照)に対して伝搬させ、その際、平面導波路2の外面7に沿って伝搬するコヒーレント光5の平行ビームのエバネッセント場6を伴う(図3)。
各デカプラ20は、少なくとも10μm(マイクロメートル)の距離420を回折格子4から離間して配置される。各デカプラ20は、受容体分子8がこれらに沿って平面導波路2の外面7に取り付けられる複数の平行直線11を含む。動作に際し、標的試料9は平面導波路2の外面7に配置され、受容体分子8に結合される(標的試料9と受容体分子8の間に結合親和性がある場合)が、標的試料9は充填分子80に結合されない。
隣接して配置された平行直線11間の距離d(又はそれぞれd、d)及び平行直線11と所定の伝搬方向14との間の角度βの選択は、エバネッセント場6のコヒーレント光の一部が、受容体分子8に結合した標的試料9で回折されて、回折されたコヒーレント光のコリメートビーム12が、平面導波路2(図3参照)から離れて所定の検出方向13(矢印で示される)に伝搬するように行われる。平行直線11と所定の伝搬方向14との間の角度βは、上述した範囲から(すなわち、60°から120°の間、好ましくは75°から105°の間の範囲から)選択することが好ましい。
この第1実施形態において、回折されたコヒーレント光のコリメートビーム12は、コヒーレント光の平行ビームであるが、以下でさらに説明するように、わずかに発散してもよい。追加的な光学要素、例えば、それ自体はデバイス1の一部ではないがシステム30の要素であるレンズ32(図3参照)は、回折コヒーレント光のコリメートビーム12を焦点35に集束させるために必要である。従って、焦点35の位置は、デバイス1自体によって決定されるのではなく、システム30によって決定される。所定の検出方向13は、長手方向角度α及び横断角度(transversal angle)γ(図示せず)によって規定される。横断角度γは、所定の検出方向13と、平面導波路2の外面7に対する法線及び所定の伝搬方向14の両方を通って延在する平面との間の角度(すなわち、所定の検出方向13と図3の平面に対応する平面との間の角度)である。
上述したように、空間的に分離されたデカプラ20のサイズは非常に小さくすることができる。有利な点として、それぞれのデカプラ20の平行直線11に沿って配置された受容体分子8を有する、空間的に分離された複数のデカプラ20がデバイス1上に配置される。これにより、結合親和性を同時に複数検出可能となる。回折光の複数のコリメートビーム12は、平面導波路2から離れて所定の検出方向13に同時に伝搬する。平行直線11間の距離d、及び個々の空間的に分離されたデカプラ20の角度βは、各コリメートビーム12が所望の所定の検出方向13を有するように構成することができる。それぞれの所望の所定の検出方向13の選択は、各焦点35がアレイ検出器33上の所望の位置に配置されるように行うことができる。空間的に分離された複数のデカプラ20及び回折格子4を含むそのような領域を、以下ではセクション25と呼ぶ。1つ又は複数のそのようなセクション25を、本発明に係るデバイス上に配置してもよい(図2参照)。
図2は、本発明に係るデバイス1の第2実施形態を示す。デバイス1は、複数の前記セクション25を備える。一例として、図2の右下端に示すそのような1つのセクション25(図1のものと同様)は、そのようなセクション25の特徴を明示的に示している。他のセクション25は、詳細な特徴を示すことなく、図2に簡略的にのみ示されている。これらのセクション25は、図2の右下端に示すセクション25と同一であっても、異なっていてもよい。図2に示す本発明に係るデバイス1の第2実施形態では、セクション25は、対称的且つ周期的に配置される。図2には、平面導波路の幅201の方向及び長さ200の方向(破線の両方向矢印)も示されている。
図3は、結合親和性を検出する本発明に係るシステム30の第1実施形態を示している。
この第1実施形態において、システム30は、所定波長を有するコヒーレント光5の平行ビームを出射するレーザ光源31を備える。レーザ光源31によって出射されたコヒーレント光5のビームの経路には、絞り(diaphragm)310を配置することができ、この絞り310は、1つ又は複数の透明セクション311を備え、コヒーレント光5が1つ又は複数の透明セクション311を選択的に通過できるようにしてもよい。この手段により、レーザ光源31によって出射されたコヒーレント光5を、選択された1つ又は複数の異なるセクション25(図2参照)に同時に選択的に向けることが可能となる。従って、レーザ光源31から出射されたコヒーレント光5を、(他の各透明セクション311を閉じながら)各透明セクション311において次々と通過させることにより、個々のセクション25を順次走査することが可能である。従って、平面導波路2上の個々のセクション25を次々と読み出すことが可能となる。或いは、レーザ光源31から出射されたコヒーレント光5を、絞り310の対応する複数の透明セクション311に同時に通過させることにより、選択された複数のセクション25を同時に読み出すことも可能である。これにより、平面導波路2上の全てのセクション25を同時に読み出すことが可能になるが、このことは、背景光の量を増加させて、信号対雑音比を低下させる可能性がある。システム30は、コヒーレント光5を透過させる背面41を有するミラー39と、スキャナ及びデスキャナ38とをさらに備える。コヒーレント光5の平行ビームは、スキャナ及びデスキャナ38のスキャナを通過して、コヒーレント光5が平面導波路2に最適に導入された後、所定の伝搬方向14に平面導波路2を伝搬するように回折格子4(図1参照)に当たる。平面導波路2が配置された基板3が図3に示すように配置されていない場合(例えば、平面導波路2が配置された基板3が図3に示す位置に対してわずかに傾いて配置されている場合)、この傾きは、コヒーレント光のビームをわずかに偏向するスキャナ及びデスキャナ38のスキャナにより補償される。その結果、コヒーレント光5のビームは、平面導波路2に最適に導入されて平面導波路2を介して伝搬する。平面導波路2が配置された基板3がそのように傾斜した場合、回折されたコヒーレント光のコリメートビーム12(結合部位に結合した標的試料によって引き起こされる回折)も、図3の検出方向13からわずかにずれる検出方向に伝搬する。このずれは、スキャナ及びデスキャナ38のデスキャナが、回折されたコヒーレント光を偏向して、検出方向13に再び伝搬するようにすることによって補償される。全体として、スキャナ及びデスキャナ38は、平面導波路2が配置された基板3におけるわずかな不適切な配置を補償する。スキャナ及びデスキャナ38を通過した後、回折光のコリメートビームは、上述したように、デバイス1の平面導波路2から離れて所定の検出方向13に伝搬し、回折されたコヒーレント光を反射するミラー39の前面40に当たる。その後の光路において、ミラー39によって反射された回折されたコヒーレント光は、フォーカスレンズ32に当たり、このフォーカスレンズ32は、アレイ検出器33上の焦点位置35にフォーカスされたコリメートビーム36を生成する。評価デバイス37は、焦点位置35でアレイ検出器33が検出した光を示す信号を生成することで、受容体分子8に結合する標的試料9の親和性を示す。
図4は、結合親和性を検出する本発明に係るシステム30の第2実施形態を示す。図3に示すスキャナ及びデスキャナ38は、旋回可能なミラー43と、2つの別のレンズ45、46を備える伸縮式レンズ構成44とによって形成される。加えて、この第2実施形態のシステムでは、図3に示すミラー39は、別のミラー47及び旋回可能なミラー43によって形成される。この場合も、レーザ光源により出射されたコヒーレント光5のビームの経路に絞り310を配置することができる。そして、この絞り310は、上記のように、1つ又は複数の透明セクション311を含んでもよく、透明セクション311は、図3の場合と同様、コヒーレント光5が、絞り310における1つ又は複数の透明セクション311を選択的に通過することを可能とする。そのため、絞り310の動作モードについて再度の説明は省略する。レーザ光源31から出射されたコヒーレント光5の平行ビームは、固定配置された別のミラー47によって旋回可能なミラー43に向かって反射される。旋回可能なミラー43は、レーザ光源31から出射されたコヒーレント光5の平行ビームを別のレンズ46に向けて及びさらには別のレンズ46に向けて反射させる。当該反射は、回折格子4(図1参照)により平面導波路2に導入されたコヒーレント光5が最大となるようにする。より詳細には、旋回可能ミラー43によって反射されたコヒーレント光5の平行ビームは、伸縮式レンズ構成44の別のレンズ46を通過した後、仮想焦点面50にフォーカスされる。仮想焦点面50を通過したコリメートビームは、伸縮式レンズ構成44の別のレンズ45に向かって発散する。別のレンズ45は、平面導波路2の回折格子4に当たるコヒーレント光5の平行ビームを形成する。
エバネッセント場6の光は、空間的に分離され且つ平行直線11に沿って配置された4つのデカプラ20(図1参照)において、平面導波路2の外面7に配置された受容体分子8に結合した標的試料9によって回折される。従って、回折されたコヒーレント光の4本のコリメートビーム12(1つのコリメートビームは、空間的に分離されたデカプラ20いずれかからのものである。)は、平面導波路2から離れて所定の検出方向13に伝搬している。図1からわかるように、空間的に分離された2つのデカプラ20は、隣接して配置された平行直線11の間の距離dが同じである(2つの外側のデカプラ、すなわち一番上と一番下のデカプラ、及び2つの内側のデカプラ)。2つの空間的に分離されたデカプラ20は、隣接して配置された平行直線11と、平面導波路2内のコヒーレント光5の所定の伝搬方向14との間で同一の角度βを有する(それぞれ2つの下部デカプラと2つの上部デカプラ)。従って、2本のコリメートビーム12(2つの外側領域と2つの内側領域から離れるようにそれぞれ伝搬する。)は、同一の長手方向角度αを有し、2本のコリメートビーム(それぞれ2つの下部デカプラ及び2つの上部デカプラから離れるように伝搬する。)は、同一の横断角度γを有する。図4は、異なる横断方向角度γを有するコリメートビーム12を別個に示すことができないので、異なる長手方向角度α、αを有するコリメートビーム12のみが別個に示される。4本のコリメートビーム12は、伸縮式レンズ構成44の別のレンズ45によって焦点面50にフォーカスされ、そこからコリメートビームは、伸縮式レンズ構成44の別のレンズ46に向かって発散する。伸縮式レンズ構成44の別のレンズ46は、回折されたコヒーレント光のコリメートビーム12を再び形成する。旋回可能なミラー43は、各入射角度の回折光のコリメートビーム12を透過させる固定配置のミラー47に向かってこれらのコリメートビーム12を反射させる。その結果、コリメートビーム12は、ミラー47を通過し、レンズ32に入射する。レンズ32は、アレイ検出器33における4つの異なる焦点35に対して、コリメートビーム36をフォーカスさせる。
図5には、アレイ検出器33上の4つの焦点35における回折コヒーレント光の画像が、概略的に示されている。
図4に戻り、評価デバイス37は、それぞれの焦点でアレイ検出器33が検出した回折コヒーレント光を示す信号を生成する。この信号は、それぞれの受容体分子8に結合する標的試料9の親和性を示す。
図4に破線で示すように、システム30は、デバイス1を動かすアクチュエータ51をさらに含む。デバイス1が複数の個別のセクション25(図2参照)を含む場合、デバイス1のこれらのセクション25は、連続して読み出すことができる。
上述したように、図5は、アレイ検出器33上の4つの焦点位置35における回折コヒーレント光の概略的な画像を示す。集束した4本の各コリメートビーム36は、それぞれの焦点35で明るい領域を形成する。回折されたコヒーレント光の強度又は量を増加させるために、受容体分子8に結合する標的試料9に結合するナノ粒子を使用して、サンドイッチ構造を形成することができる。一般に、ナノ粒子及び/又は受容体分子8のサンドイッチ構造は、そのようなサンドイッチ構造がコヒーレント光を強く回折するため、結合親和性の信頼性を高めるので、本発明の任意の実施形態で使用できる。
図5に示す画像は、非コヒーレントな背景光の散乱を示す小さな斑点を除き、その他の点では基本的に暗い(光の強度は、上述した焦点35での強度よりはるかに低い。)。
図6は、回折されたコヒーレント光のわずかに発散するコリメートビーム12で動作しているデバイス1を示す(発散は誇張して示している)。このケースにおいて、デバイス1は、光源から平面導波路2の回折格子4に向かって伝搬しながらわずかに収束するビームを形成するコヒーレント光5に曝される。図6の右側の破線は、平面導波路2に導入されずに、デバイス1を通って伝搬し続け、仮想焦点60に収束する場合のコヒーレント光5の仮想経路を示す。図6の左側の破線は、回折されたコヒーレント光のコリメートされた(わずかに発散した)ビームが仮想的に収束する仮想焦点61で終わる。平面導波路2の外面7で測定されたわずかに発散するコリメートビーム12の直径Dは、仮想焦点61の焦点距離fと比較して小さい。
図7は、3つの異なる仮想焦点距離f、f、fとその結果としての3つの異なる比f/D、f/D、f/Dをもたらす平行直線11の例を示す。
図8は、平面導波路2の外面7上の流体キャピラリギャップ(fluidic capillary gap)70と、平面導波路2の外面7上に配置されたヒドロゲル層72とを示す。ヒドロゲル層72は、受容体分子8を含む平面導波路2の外面7を覆う。動作の際、エバネッセント場6は、ヒドロゲル層72を超えて延在しない。標的試料9は、ヒドロゲル層72を通って拡散して受容体分子8に結合することができるが、標的試料9のサイズよりも大きい所定サイズを超える分子は、ヒドロゲル層72を通して拡散することが防止される。従って、ヒドロゲル層72は、より大きな分子を平面導波路2の外面7から遠ざける(従って、その上に配置された受容体分子8から遠ざける)スクリーンとして機能する。
加えて、図8は、平面導波路2の下方の第1位置、又は平面導波路2の外面7の上方の第2位置に配置された磁石71を示す。第1位置及び第2位置は両方とも、デカプラ20の位置に対応する。このことは、例えば、試料液が、標的試料9に加えて、150nm未満の直径を有する常磁性又は超常磁性のナノ粒子等の磁性標識を含み、そのような試料液がヒドロゲル層72に適用される場合に有利である。通常、このような試料液では、磁性標識の数が標的試料9の数を大幅に上回っているため、ナノ粒子の一部のみが標的試料9に結合して磁性的に標識付けされた標的試料9を形成する一方、ナノ粒子の大部分は標的試料9に結合しない。そのため、この試料液がヒドロゲル層72に適用される場合、磁性標識された標的試料9が平面導波路2の外面7に配置された受容体分子8に到達するまでにはかなりの時間がかかるであろう。磁性標識された標的試料による受容体分子8への移動を加速するために、平面導波路2の下方の第1位置に磁石71を配置することで、磁性標識された標的試料9に磁場が力を作用させて、磁性標識された標的試料9を、受容体分子8に対して急速に移動させる。これにより、免疫サンドイッチ(immuno-sandwich)を形成する。免疫サンドイッチ技術はよく知られており、標的試料9を受容体分子8に誤って結合するリスクを大幅に低減する。しかしながら、それと同時に、標的試料9に結合していない磁性ナノ粒子も、平面導波路2の外面7に向かって移動し、コヒーレント光(又はエバネッセント場)の反射につながる可能性があり、そうなると、結合親和性の判断を可能にしなくなる。従って、そのような非結合の磁性ナノ粒子や、受容体分子8に結合していない磁性標識された標的試料9は、結合親和性の検出を開始する前に、平面導波路2の外面7から除去されなければならない。これらのナノ粒子や、受容体分子8に結合していない磁性標識された標的試料9を平面導波路2の外面7から除去するために、次に磁石71は平面導波路2の上方の第2位置に配置される。磁石71としては、永久磁石を使用することが好ましい。電磁石を使用することもできるが、電磁石は電流消費が比較的大きいため(特に手持ち式デバイスの場合)、永久磁石が好ましいであろう。受容体分子8に対する標的試料9の結合、並びに平面導波路2の外面7からの過剰なナノ粒子及び非結合の磁性標識標的試料9の除去が完了すると、結合親和性の検出に影響を与えないようにするため、磁石71を第3位置に移動させてもよい。第3位置は、結合親和性の検出に影響を与えないようにするため、光源から平面導波路2の回折格子4へのコヒーレント光の経路から離れており、且つ平面導波路2から検出器への回折コヒーレント光のコリメートビームの経路からも離れた位置である。図8にも見られるように、光を平面導波路2に導入させ又はそこから放出させる回折格子4が配置される場所の外面には、透明カバー層73を配置させてもよい。次のような場合を考える。すなわち、レーザ光源31(図3、図4参照)からのコヒーレント光5が図8の右側の回折格子4に当たり、平面導波路2(図3、図4参照)に導入されたコヒーレント光5は、図8において矢印で示す所定の伝搬方向に沿って伝搬する。この際、コヒーレント光のエバネッセント場6は、ヒドロゲル層72を伝搬し、デカプラ20の平行直線11(図1)に沿って平面導波路2の外面7に配置された受容体分子8に結合された標的試料で部分的に回折する。受容体分子8に結合した標的試料9で回折したコヒーレント光は上記のように検出される。一方、受容体分子8に結合した標的試料9で回折しなかったコヒーレント光5は、図8の左側に配置された回折格子4に到達するまで平面導波路2に沿って進行し続ける。図8の左側に配置された回折格子4は、回折しなかったコヒーレント光を平面導波路2から分離(decouple)する。透明カバー層73(例えば、透明二酸化ケイ素層、SiO)は、回折格子4が配置される場所で平面導波路2の外面7を覆うことができ、この透明カバー層73自体が吸収層74によって覆われる。平面導波路2に導入されていないコヒーレント光5は、アレイ検出器33(図3、図4参照)に到達する可能性のある迷光につながる可能性があり、受容体分子8に結合された標的試料9で回折された光の測定を誤ってしまう可能性がある。このような迷光を回避するために、吸収層74は、透明層73を通過したコヒーレント光を消滅(吸収)して、コヒーレント光のそのような部分から生じる可能性のある迷光がアレイ検出器33に到達することを回避する。加えて、受容体分子8が配置される面と反対側の平面導波路2の面は、起こり得る反射を低減するために、反射防止コーティング75(例えば、λ/4層)で覆われ得る。そのような反射は、アレイ検出器33で不要な光をもたらす可能性もある。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明した。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されることを意図していない。むしろ、本発明の基礎となる教示から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことが可能である。従って、保護の範囲は、添付の請求項によってのみ定義される。

Claims (22)

  1. 結合親和性の検出に使用するデバイス(1)であって、
    前記デバイス(1)は、
    −基板(3)及びその上に配置された漏れ防止の平面導波路(2)と、
    −前記平面導波路上に配置された回折格子(4)と、
    −デカプラ(20)と
    を備え、
    前記平面導波路(2)は、前記基板(3)の屈折率より高い屈折率を有すると共に、長さ(200)と、幅(201)と、前記平面導波路(2)が配置される前記基板(3)と反対側の外面(7)とを有し、
    前記回折格子(4)は、前記平面導波路(2)の前記幅(201)の方向に延在する複数の格子線(400)を含み、前記平面導波路(2)の前記長さ(200)の方向における格子周期(401)は、1マイクロメートル未満であり、
    動作に際し、前記回折格子(4)は、前記回折格子(4)に入射する所定波長のコヒーレント光(5)を前記平面導波路(2)に導入させることで、前記平面導波路(2)に導入された前記コヒーレント光(5)が、前記平面導波路(2)の前記長さ(200)の方向に対応する所定の伝搬方向(14)に向かって前記平面導波路(2)に沿って伝搬すると共に、前記コヒーレント光(5)のエバネッセント場(6)が前記平面導波路(2)の前記外面(7)に沿って伝搬し、
    前記デカプラ(20)は、前記所定の伝搬方向(14)に向かって前記回折格子(4)に対して少なくとも10マイクロメートルの距離(420)を空けて前記平面導波路(2)の前記外面(7)上に配置され、
    前記平面導波路(2)の前記外面(7)上の前記デカプラ(20)は、前記平面導波路(2)の前記外面(7)に配置されて標的試料(9)と結合可能な受容体分子(8)を含み、
    前記受容体分子(8)は、互いに離間した複数の平行直線(11)に沿って配置され、動作に際し、前記受容体分子(8)に結合した前記標的試料(9)により回折された前記エバネッセント場(6)の前記コヒーレント光の一部は、回折されたコヒーレント光のコリメートビーム(12)として前記平面導波路(2)から分離して、所定の検出方向(13)に向かって前記平面導波路(2)から離れて伝搬し、
    前記平面導波路(2)の前記外面(7)上の前記デカプラ(20)は、前記平面導波路(2)の前記外面(7)上において、前記受容体分子(8)が配置される前記平行直線(11)間に形成された隙間(110)内に配置され且つ前記標的試料(9)と結合できない充填分子(80)を含み、
    前記平行直線(11)に沿って配置された前記受容体分子(8)及び前記平行直線(11)間の前記隙間(110)内に配置された前記充填分子(80)は、前記平面導波路(2)の前記外面(7)上に光学的に滑らかな領域を形成し、
    前記光学的に滑らかな領域は、前記平面導波路(2)の前記外面(7)に対して同一の屈折率と、1ナノメートル以下で変化する均一な高さを有する
    ことを特徴とするデバイス。
  2. 請求項1に記載のデバイスにおいて、
    前記充填分子(80)は、前記標的試料(9)と結合できないように不活性化されていることを除き、前記受容体分子(8)と同一である
    ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
  3. 請求項1又は2に記載のデバイスにおいて、
    前記回折格子(4)は、前記基板(3)と反対側の前記平面導波路(2)の前記外面(7)上に配置されている
    ことを特徴とするデバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス(1)において、
    前記複数の平行直線(11)のうち隣り合う平行直線(11)間の最小距離dminは、前記所定の伝搬方向(14)で測定した場合、次の方程式で定義され、

    min=λ/(N−n sinα)

    上記において、
    αは、前記所定の伝搬方向(14)で測定したとき、前記所定の検出方向(13)と前記平面導波路(2)の前記外面(7)に対する法線との間の長手方向角度であり、
    λは、前記コヒーレント光の真空での波長であり、
    Nは、前記平面導波路に沿って伝搬する前記コヒーレント光の有効屈折率であり、
    は、前記平面導波路の前記外面上の媒質の屈折率であり、
    前記複数の平行直線(11)のうち隣り合う平行直線(11)は、前記最小距離dminの整数倍である距離dを空けて配置される
    ことを特徴とするデバイス。
  5. 請求項4に記載のデバイス(1)において、
    前記複数の平行直線(11)のうち隣り合う平行直線(11)間の前記距離dは、前記所定の伝搬方向(14)で測定した場合、λ/2 <d < 2λ/3の範囲内又はその整数倍である
    ことを特徴とするデバイス。
  6. 請求項4に記載のデバイス(1)において、
    前記長手方向角度αは、1° < α < 20°の範囲内にある
    ことを特徴とするデバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス(1)において、
    前記平行直線(11)と前記コヒーレント光の前記所定の伝搬方向(14)との間の角度βは、前記平面導波路(2)の平面で測定した場合、60°〜120°の間であり、好ましくは75°〜105°の間である
    ことを特徴とするデバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス(1)において、
    前記デバイスは、前記基板(3)と反対側の前記平面導波路(2)の前記外面(7)に配置され、それぞれ空間的に分離された複数のデカプラ(20)をさらに含み、
    前記空間的に分離されたデカプラ(20)のそれぞれは、前記複数の平行直線(11)を有し、
    前記受容体分子(8)は、前記複数の平行直線(11)それぞれに沿って配置され、
    前記充填分子(80)は、前記複数の平行直線(11)それぞれの間の前記隙間(110)内に配置される
    ことを特徴とするデバイス。
  9. 請求項4又は5に従属する請求項8に記載のデバイス(1)において、
    前記空間的に分離された複数のデカプラ(20)のうち少なくとも1つの前記空間的に分離されたデカプラ(20)に含まれる前記複数の平行直線(11)のうち隣接する平行直線(11)は、第1最小距離dmin1の整数倍である第1距離dを互いに空けて配置され、
    前記空間的に分離された複数のデカプラ(20)のうち少なくとも1つの他の前記空間的に分離されたデカプラ(20)に含まれる前記複数の平行直線(11)のうち隣接する平行直線(11)は、第2最小距離dmin2の整数倍である第2距離dを互いに空けて配置され、
    前記第1最小距離dmin1及び前記第2最小距離dmin2は、互いに異なる
    ことを特徴とするデバイス。
  10. 請求項7に従属する請求項8又は9に記載のデバイス(1)において、
    前記空間的に分離された複数のデカプラ(20)のうち少なくとも1つの前記空間的に分離されたデカプラ(20)に含まれる前記複数の平行直線(11)は、前記平面導波路(2)における前記コヒーレント光(5)の前記所定の伝搬方向(14)に対する第1角度βを含み、
    前記空間的に分離された複数のデカプラ(20)のうち少なくとも1つの他の前記空間的に分離されたデカプラ(20)に含まれる前記複数の平行直線(11)は、前記平面導波路(2)における前記コヒーレント光(5)の前記所定の伝搬方向(14)に対する第2角度βを含み、
    前記第1角度βは、前記第2角度βと異なる
    ことを特徴とするデバイス。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載のデバイス(1)において、
    前記空間的に分離された複数のデカプラ(20)のうち少なくとも1つの前記空間的に分離されたデカプラ(20)は、第1タイプの前記標的試料(9)を結合可能な第1タイプの前記受容体分子(8)を有し、
    前記空間的に分離された複数のデカプラ(20)のうち少なくとも1つの他の前記空間的に分離されたデカプラ(20)は、前記第1タイプの前記標的試料(9)又は第2タイプの前記標的試料(9)を結合可能な第2タイプの前記受容体分子(8)を有し、
    前記第1タイプの前記受容体分子(8)は、前記第2タイプの前記受容体分子(8)と異なる
    ことを特徴とするデバイス。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載のデバイス(1)において、
    前記デバイスは、前記基板(3)とは反対側の前記平面導波路(2)の前記外面(7)に設けられた、空間的に分離された複数のセクション(25)をさらに有し、
    前記空間的に分離されたセクションのそれぞれは、前記空間的に分離されたデカプラ(20)及び前記回折格子(4)を1つ又は複数有する
    ことを特徴とするデバイス。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のデバイス(1)において、
    前記デバイスは、前記基板(3)とは反対側の前記平面導波路(2)の前記外面(7)上に配置されて前記受容体分子(8)を覆うヒドロゲル層(72)をさらに有し、
    前記ヒドロゲル層(72)は、前記標的試料(9)が前記ヒドロゲル層(72)を通って拡散して前記受容体分子(8)に結合することを許容するように構成され、
    さらに、前記ヒドロゲル層(72)は、前記標的試料(9)のサイズよりも大きな所定サイズを超える分子が前記ヒドロゲル層(72)内を拡散することを防ぐように構成される
    ことを特徴とするデバイス。
  14. 請求項13に記載のデバイスにおいて、
    前記回折格子(4)が配置される領域には、前記基板(3)と反対側の前記平面導波路(2)の前記外面(7)上にカバー層(73)が配置され、
    前記カバー層(73)は、所定波長の前記コヒーレント光を通過させ、
    透明な前記カバー層(73)上には、前記所定波長の前記コヒーレント光を吸収する吸収層(74)が配置される
    ことを特徴とするデバイス。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記受容体分子(8)が配置されている前記外面(7)と反対側の前記平面導波路(2)の外面は、反射防止コーティング(75)で覆われている
    ことを特徴とするデバイス。
  16. 結合親和性の検出に使用するシステム(30)であって、
    −請求項1〜15のいずれか1項に記載のデバイス(1)と、
    −所定波長のコヒーレント光(5)を出射する光源(31)と、
    −レンズ(32)と、
    −検出器(33)と、
    −評価デバイス(37)と
    を含み、
    前記光源(31)及び前記デバイス(1)は、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)が前記デバイスの前記回折格子(4)を介して前記平面導波路(2)に導入されるように互いに対して配置され、
    前記レンズ(32)は、前記平面導波路(2)から離れて伝搬する前記回折されたコヒーレント光の前記コリメートビーム(12)を焦点(35)に集束し、
    前記検出器(33)は、前記レンズ(32)の光学的な下流において前記レンズ(32)の前記焦点(32)に配置されて、前記レンズ(32)の前記焦点(35)に集束した前記コリメートビーム(12)の前記回折されたコヒーレント光を検出し、
    前記評価デバイス(37)は、前記検出器(33)が検出した前記回折されたコヒーレント光を示す信号を発し、
    前記信号は、前記受容体分子(8)に対する前記標的試料(8)の結合親和性を示す
    ことを特徴とするシステム。
  17. 請求項16に記載のシステム(30)において、
    前記システムは、前記光源(31)と前記平面導波路(2)の間の光路内に配置されたスキャナ及びデスキャナ(38)をさらに含み、
    前記スキャナ及びデスキャナ(38)は、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)を、前記平面導波路(2)に導入される前記コヒーレント光(5)の量が最大となるように前記回折格子(4)に向ける
    ことを特徴とするシステム。
  18. 請求項16又は17に記載のシステム(30)において、
    前記システムは、前面(40)及び背面(41)を有するミラー(39)をさらに有し、
    前記前面(40)は、前記回折されたコヒーレント光の前記コリメートビーム(12)を前記レンズ(32)に向けて反射するように構成され、
    前記背面(41)は、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)が前記ミラー(39)を通過するように構成され、
    前記ミラー(39)は、前記スキャナ及びデスキャナ(38)と前記レンズ(32)の間における前記回折されたコヒーレント光の光路内、並びに前記光源(31)と前記スキャナ及びデスキャナ(38)の間における、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光の光路内に配置される
    ことを特徴とするシステム。
  19. 請求項17に記載のシステム(30)において、
    前記スキャナ及びデスキャナ(38)は、旋回可能なミラー(43)及び伸縮式レンズ構成(44)を備え、
    前記伸縮式レンズ構成(44)は、前記平面導波路(2)と前記旋回可能なミラー(43)の間における前記回折されたコヒーレント光の光路内に配置された2つの別のレンズ(45、46)を有し、
    前記システム(30)は、前記光源(31)と前記旋回可能なミラー(43)の間における、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)の光路内に配置された追加ミラー(47)をさらに備え、
    前記追加ミラー(47)は、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)を反射するように構成されると共に、前記追加ミラー(47)内を前記回折されたコヒーレント光の前記コリメートビーム(12)に通過させるように構成される
    ことを特徴とするシステム。
  20. 請求項12に記載のデバイスを含む請求項16〜19のいずれか1項に記載のシステム(30)において、
    前記システムは、アクチュエータ(51)をさらに備え、
    前記アクチュエータ(51)は、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)が、それぞれの前記空間的に分離されたセクション(25)において、前記平面導波路(2)に対して連続的に導入されるように、前記デバイス(1)における前記空間的に分離された複数のセクション(25)のうち各セクション(25)の光カプラ(4)を、前記光源(31)から出射された前記コヒーレント光(5)の光路において連続的に位置決めする
    ことを特徴とするシステム。
  21. 請求項12に記載のデバイスを含む請求項16〜19のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
    前記システムは、前記光源(31)から出射された光を通過させるように配置される絞り(310)を含み、
    前記絞り(310)は、空間的に分離された複数の透明セクション(311)を含み、
    前記空間的に分離された複数の透明セクション(311)のそれぞれは、前記光源(31)から出射された光を、前記デバイス(1)の前記空間的に分離された複数のセクション(25)のうち異なるセクション(25)に向ける
    ことを特徴とするシステム。
  22. 請求項16〜21のいずれか1項に記載のシステム(30)において、
    前記システムは、移動可能に設けられた少なくとも1つの磁石(71)をさらに含み、
    前記磁石(71)は、
    前記デカプラ(20)の位置に対応し、前記平面導波路(2)の側面のうち、前記外面(7)上に前記受容体分子(8)が設けられたのとは反対側の側面にある第1位置、若しくは
    前記デカプラ(20)の位置に対応し、前記平面導波路(2)の側面のうち、前記外面(7)上に前記受容体分子(8)が設けられたのと同じ側の側面にある第2位置、又は
    前記光源(31)から前記回折格子(4)に向かう前記コヒーレント光の光路に対して前記磁石(71)が離間し、且つ前記平面導波路(2)から前記検出器(33)に向かう前記回折されたコヒーレント光の前記コリメートビーム(12)の光路に対して前記磁石(71)が離間し、且つ前記回折格子(4)から前記デカプラ(20)に向かう前記コヒーレント光の光路から離間する第3位置
    に配置される
    ことを特徴とするシステム。
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