JP2021514681A - 遺伝子操作されたグルコシルトランスフェラーゼ - Google Patents

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Abstract

本明細書では、改変されたアミノ酸配列を有するグルコシルトランスフェラーゼが開示される。このような遺伝子操作された酵素は、減少した分子量を有する不溶性α−グルカン生成物を合成する。さらに、遺伝子操作されたグルコシルトランスフェラーゼが不溶性α−グルカンを生成するために使用される反応及び方法が開示される。

Description

本願は、米国仮特許出願第62/640,708号(2018年3月9日出願)及び同第62/792,449号(2019年1月15日出願)の利益を主張するものであり、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、酵素触媒反応の分野に含まれる。例えば、本開示は、改変されたアミノ酸配列を有するグルコシルトランスフェラーゼ酵素に関する。このような改変された酵素は、減少した分子量を有する生成物を合成する。
電子的に提出された配列表の参照
配列表の正式な写しは、約315キロバイトのサイズを有して本明細書と同時に提出される、2019年3月6日に作成された20190306_CL6607WOPCT_SequenceListing.txtのファイル名を有するASCIIフォーマットの配列表としてEFS−Webを介して電子的に提出される。このASCIIフォーマット文献に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
多糖類を様々な用途に使用することが望まれているため、研究者らは、生分解性であり、再生可能に供給される原料から経済的に製造することができる多糖類を探求してきた。このような多糖類の1つは、α−1,3−グルカン、すなわちα−1,3−グリコシド結合を有することを特徴とする不溶性グルカンポリマーである。このポリマーは、例えば、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)から単離されたグルコシルトランスフェラーゼ酵素を使用して調製されている(非特許文献1)。また、例えば、特許文献1は、酵素的に製造されたα−1,3−グルカンから紡糸繊維を調製することを開示している。様々な他のグルカン材料も、新規又は改良された用途を開発するために研究されてきた。例えば、特許文献2は、混合されたα−1,3及びα−1,6結合を有するいくつかの不溶性グルカンの酵素的合成を開示している。
米国特許第7000000号明細書 米国特許出願公開第2015/0232819号明細書
1Simpson et al.,Microbiology 141:1451−1460,1995
これら及び他の進展は、グルコシルトランスフェラーゼ酵素を用いた不溶性グルカンポリマーの生成においてなされてきた一方、このような酵素によって合成される不溶性グルカン生成物の分子量の調節に対して関心がほとんど向けられていないように見える。この技術的空白を解決するために、本明細書では、より低分子量の不溶性グルカン生成物を生成する改変されたアミノ酸配列を有するグルコシルトランスフェラーゼが開示される。
一実施形態では、本開示は、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を含む非天然グルコシルトランスフェラーゼであって、非天然グルコシルトランスフェラーゼが、1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成し、且つ不溶性α−グルカンの分子量が、置換位置においてのみ非天然グルコシルトランスフェラーゼと異なる第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい、非天然グルコシルトランスフェラーゼに関する。
別の実施形態では、本開示は、本明細書で開示される非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、任意選択的に、1つ以上の調節配列が、ヌクレオチド配列に作動可能に連結され、好ましくは、1つ以上の調節配列が、プロモーター配列を含む、ポリヌクレオチドに関する。
別の実施形態では、本開示は、水、スクロース、及び本明細書で開示される非天然グルコシルトランスフェラーゼを含む反応組成物に関する。
別の実施形態では、本開示は、1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成する方法であって、(a)少なくとも水、スクロース、及び本明細書で開示される非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素を接触させることであって、それにより、1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンが生成される接触させること;及び(b)任意選択的に、工程(a)で生成された不溶性α−グルカンを単離することを含む方法に関する。
別の実施形態では、本開示は、本明細書で開示される非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を作製する方法であって、(a)(i)配列番号4又は配列番号4の55〜960位と少なくとも約40%同一であるアミノ酸配列を含み、且つ(ii)1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を同定すること;及び(b)工程(a)で同定されたポリヌクレオチド配列を改変して、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において親グルコシルトランスフェラーゼの少なくとも1つのアミノ酸を置換し、それにより、不溶性α−グルカンの分子量が、親グルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を提供することを含む方法に関する。
配列の簡単な説明
Figure 2021514681
Figure 2021514681
全ての引用される特許及び非特許文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
別段の開示がなされていない限り、本明細書で使用される用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の言及される特徴を包含するものとする。
存在する場合、特に記載しない限り、全ての範囲は、包括的であり、結合可能である。例えば、「1〜5」(すなわち1〜5)の範囲が挙げられる場合、挙げられた範囲は、範囲「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2及び4〜5」、「1〜3及び5」などを含むものと解釈されるべきである。
用語「α−グルカン」、「α−グルカンポリマー」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。α−グルカンは、α−グリコシド結合によって一緒に連結されたグルコースモノマー単位を含むポリマーである。典型的な実施形態では、本明細書のα−グルカンは、100%のα−グリコシド結合、又は少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%のα−グリコシド結合を含む。本明細書のα−グルカンポリマーの例としては、α−1,3−グルカンが挙げられる。
用語「ポリα−1,3−グルカン」、「α−1,3−グルカン」、「α−1,3−グルカンポリマー」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。α−1,3−グルカンは、グリコシド結合により互いに連結されるグルコースモノマー単位を含むポリマーであり、少なくとも約50%のグリコシド結合がα−1,3である。特定の実施形態におけるα−1,3−グルカンは、少なくとも90%又は95%のα−1,3グリコシド結合を含む。本明細書のα−1,3−グルカンにおける他の結合の大部分又は全ては、典型的には、α−1,6であるが、いくつかの結合はまた、α−1,2及び/又はα−1,4であり得る。
用語「グリコシド結合(linkage)」、「グリコシド結合(bond)」、「結合」などは、本明細書で同じ意味で用いられ、糖化合物(オリゴ糖及び/又は多糖類)内の糖モノマーを連結する共有結合を指す。本明細書で使用される、用語「α−1,3−グリコシド結合」は、隣接したα−D−グルコース環上の炭素1及び3を介してα−D−グルコース分子を互いに連結する共有結合のタイプを指す。本明細書で使用される、用語「α−1,6−グリコシド結合」は、隣接したα−D−グルコース環上の炭素1及び6を介してα−D−グルコース分子を互いに連結する共有結合を指す。本明細書におけるグルカンポリマーのグリコシド結合は、「グリコシド結合」とも呼ぶことができる。本明細書では、「α−D−グルコース」を、「グルコース」と呼ぶこととなる。
本明細書のα−グルカンのグリコシド結合プロファイルは、当該技術分野で知られる任意の方法を使用して決定され得る。例えば、結合プロファイルは、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、13C NMR及び/又はH NMR)を使用する方法を用いて決定され得る。使用し得るこれらの方法及び他の方法は、例えば、Food Carbohydrates:Chemistry,Physical Properties,and Applications(S.W.Cui,Ed,Chapter 3,S.W.Cui,Structural Analysis of Polysaccharides,Taylor&Francis Group LLC,Boca Raton,FL,2005)に開示されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書の大きいα−グルカンポリマーの「分子量」は、重量平均分子量(Mw)又は数平均分子量(Mn)として表すことができ、その単位は、ダルトン又はグラム/モルである。代わりに、大きいα−グルカンポリマーの分子量は、DPw(重量平均重合度)又はDPn(数平均重合度)として表すことができる。オリゴ糖などのより小さいα−グルカンポリマーの分子量は、典型的には、「DP」(重合度)として提供される場合があり、これは、単にα−グルカン内に含まれるグルコースの数を指す。「DP」は、個々の分子基準でポリマーの分子量を特徴付けることもできる。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)又はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるなど、これらの様々な分子量の測定値を算出するための様々な手法が当該技術分野で知られている。
本明細書の用語「スクロース」は、α−1,2−グリコシド結合によって連結されたα−D−グルコース分子及びβ−D−フルクトース分子から構成される非還元二糖を指す。スクロースは、一般に砂糖として知られている。代わりに、スクロースは、「α−D−グルコピラノシル−(1→2)−β−D−フルクトフラノシド」と呼ばれ得る。「α−D−グルコピラノシル」及び「グルコシル」は、本明細書では同じ意味で用いられる。
用語「グルコシルトランスフェラーゼ」、「グルコシルトランスフェラーゼ酵素」、「GTF」、「グルカンスクラーゼ」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。本明細書のグルコシルトランスフェラーゼの活性は、生成物であるα−グルカン及びフルクトースを製造するための基質スクロースの反応を触媒する。GTF反応の他の生成物(副生成物)としては、グルコース、様々な可溶性グルコオリゴ糖及びロイクロースを挙げることができる。グルコシルトランスフェラーゼ酵素の野生型形態は、一般に、(N末端からC末端の方向に)、シグナルペプチド(これは、典型的には、切断プロセスにより除かれる)、可変ドメイン、触媒ドメイン及びグルカン結合ドメインを含有する。本明細書のグルコシルトランスフェラーゼは、CAZy(Carbohydrate−Active EnZymes)データベース(Cantarel et al.,Nucleic Acids Res.37:D233−238,2009)によると、グリコシドヒドロラーゼファミリー70(GH70)の下に分類される。
本明細書の用語「グルコシルトランスフェラーゼ触媒ドメイン」は、グルコシルトランスフェラーゼ酵素にα−グルカン合成活性を付与するグルコシルトランスフェラーゼ酵素のドメインを指す。グルコシルトランスフェラーゼ触媒ドメインは、典型的には、この活性を有する任意の他のドメインの存在を必要としない。
用語「酵素反応」、「グルコシルトランスフェラーゼ反応」、「グルカン合成反応」、「反応組成物」、「反応配合物」などは、本明細書では同じ意味で用いられ、通常、水、スクロース、少なくとも1種の活性グルコシルトランスフェラーゼ酵素、及び任意選択的に他の成分を最初に含む反応を指す。グルコシルトランスフェラーゼ反応が通常開始した後に、グルコシルトランスフェラーゼ反応にさらに存在し得る成分には、フルクトース、グルコース、ロイクロース、可溶性グルコオリゴ糖(例えば、DP2〜DP7)(これらは、使用されるグルコシルトランスフェラーゼに応じて生成物又は副生物と考えられ得る)、及び/又はDP8以上(例えば、DP100以上)の不溶性α−グルカン生成物が挙げられる。少なくとも8又は9の重合度(DP)を有するα−1,3−グルカンなどの特定のグルカン生成物は、非水溶性であるため、グルカン合成反応で溶解されず、むしろ溶液外に存在する(例えば、反応から沈殿したため)可能性があることが理解されるであろう。それは、水、スクロース及びグルコシルトランスフェラーゼ酵素を接触させる工程が実施されるグルカン合成反応中である。本明細書で使用される用語「好適な反応条件下」は、グルコシルトランスフェラーゼ酵素活性によってスクロースからα−グルカン生成物への変換を支援する反応条件を指す。
用語「体積によるパーセント」、「体積パーセント」、「体積%」、「v/v%」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。溶液中の溶質の体積パーセントは、次式を用いて求めることができる:[(溶質の体積)/(溶液の体積)]×100%。
用語「重量によるパーセント」、「重量パーセント(wt%)」、「重量−重量パーセント(%w/w)」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。重量によるパーセントは、組成物、混合物又は溶液中に物質が含まれる場合に質量基準での物質の百分率を指す。
用語「水性条件」、「水性反応条件」、「水性状況」、「水性系」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。本明細書の水性条件は、溶媒が例えば少なくとも約60重量%水である溶液又は混合物を指す。本明細書のグルコシルトランスフェラーゼ反応は、水性条件下で実施される。
「不溶性」、「水不溶性(aqueous−insoluble)」、「水不溶性(water−insoluble)」(及び同様の用語)(例えば、8以上のDPを有するα−1,3−グルカン)であるグルカンは、水又は他の水性条件に溶解しない(又は認識できるほどに溶解しない)(ここで、水性条件は、任意選択的に、4〜9のpH(例えば、pH6〜8)及び/又は約1〜85℃(例えば、20〜25℃)の温度を有することをさらに特徴とする)。対照的に、「可溶性」、「水溶性(aqueous−soluble)」、「水溶性(water−soluble)」などである本明細書の特定のオリゴ糖などのグルカン(例えば、8未満のDPを有するα−1,3−グルカン)は、これらの条件下で認識できるほどに溶解する。
用語「ポリヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」、「核酸分子」などは、本明細書では同じ意味で用いられる。これらの用語はヌクレオチド配列などを包含する。ポリヌクレオチドは、任意選択的に、合成の、非天然の、又は改変されたヌクレオチド塩基を含有する一本鎖若しくは二本鎖のDNA若しくはRNAのポリマーであってもよい。ポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、又はそれらの混合物のうちの1つ以上のセグメントから構成されてもよい。
本明細書で使用する場合、用語「遺伝子」は、コード領域からRNA(RNAは、DNAポリヌクレオチド配列から転写される)を発現するDNAポリヌクレオチド配列を指し、このRNAは、メッセンジャーRNA(タンパク質をコードする)又は非タンパク質コードRNAであり得る。遺伝子は、コード領域単独を指す場合があるか、又はコード領域の上流及び/若しくは下流の調節配列(例えば、プロモーター、5’非翻訳領域、3’転写ターミネーター領域)を含む場合がある。或いは、タンパク質をコードするコード領域は、本明細書では「オープンリーディングフレーム」(ORF)と呼ばれる場合がある。「天然の」又は「内在性の」遺伝子は、それ自体の調節配列とともに天然に見出されるとおりの遺伝子を指し;そのような遺伝子は宿主細胞のゲノムの本来の場所に位置する。「キメラ」遺伝子は、天然には一緒に見出されることがない(すなわち、調節領域及びコード領域は互いに非相同である)調節配列及びコード配列を含む、天然遺伝子ではない任意の遺伝子を指す。したがって、キメラ遺伝子は、異なる起源に由来する調節配列及びコード配列、又は同一起源に由来するが、天然に見出されるものと異なる方法で配列された調節配列及びコード配列を含む場合がある。「外来」又は「異種」遺伝子は、遺伝子導入によって宿主生物内に導入される遺伝子を指す場合がある。外来/異種遺伝子は、非天然生物に挿入された天然遺伝子、天然宿主内の新規な場所に導入された天然遺伝子又はキメラ遺伝子を含む場合がある。本明細書に開示される特定の実施形態におけるポリヌクレオチド配列は、異種である。「導入遺伝子」は、遺伝子導入手順(例えば、形質転換)によりゲノムに導入された遺伝子である。「コドン最適化」オープンリーディングフレームは、宿主細胞の好ましいコドン使用頻度を模倣するよう設計されたコドン使用頻度を有する。
本明細書で使用する場合、用語「ポリペプチド」は、通常、定義された配列を有するアミノ酸残基の鎖と定義される。本明細書で使用する場合、ポリペプチドという用語は、用語「ペプチド」及び「タンパク質」と互換可能である。本明細書のポリペプチドに含有される典型的なアミノ酸としては(括弧書きで示されるそれぞれの3文字及び1文字コード)、アラニン(Ala、A)、アルギニン(Arg、R)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、システイン(Cys、C)、グルタミン酸(Glu、E)、グルタミン(Gln、Q)、グリシン(Gly、G)、ヒスチジン(His、H)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)、メチオニン(Met、M)、フェニルアラニン(Phe、F)、プロリン(Pro、P)、セリン(Ser、S)、スレオニン(Thr、T)、トリプトファン(Trp、W)、チロシン(Tyr、Y)、バリン(Val、V)が挙げられる。
用語「異種」は、天然には対象位置に見出されないことを意味する。例えば、異種遺伝子は、天然には宿主生物内に見出されないが、遺伝子移入によって宿主生物中に導入される遺伝子であり得る。別の例として、キメラ遺伝子中に存在する核酸分子は、そのような核酸分子がキメラ遺伝子の他のセグメントと自然には関連しないため、異種として特徴付けることができる(例えば、プロモーターは、コード配列に対して異種であり得る)。
本明細書中の細胞又は生物に含まれる「非天然」のアミノ酸配列又はポリヌクレオチド配列は、そのような細胞又は生物の天然の(自然の)対応物に存在しない。このようなアミノ酸配列又はポリヌクレオチド配列は、細胞又は生物に対して異種であると言うこともできる。
本明細書で使用する場合、「調節配列」は、遺伝子の転写開始部位の上流に位置するヌクレオチド配列(例えば、プロモーター)、5’非翻訳領域、イントロン及び3’非コード領域を指し、遺伝子から転写されるRNAの転写、プロセシング若しくは安定性及び/又は翻訳に影響を及ぼす可能性がある。本明細書の調節配列は、プロモーター、エンハンサー、サイレンサー、5’非翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位、ステムループ構造及び遺伝子発現の調節に関連する他の要素を含む場合がある。本明細書の1つ以上の調節要素は、本明細書のコード領域に対して異種であってもよい。
本明細書中で使用する「プロモーター」は、遺伝子からのRNAの転写を制御することができるDNA配列を意味する。一般に、プロモーター配列は、遺伝子の転写開始部位の上流にある。プロモーターは、その全体が天然遺伝子に由来してよいし、自然界で見出される様々なプロモーターに由来する様々な要素から構成されてよいし、さらに合成DNAセグメントを含んでもよい。あらゆる状況下のほとんどの時点で遺伝子が細胞内で発現することを誘発するプロモーターは、一般に「構成的プロモーター」と呼ばれる。或いは、プロモーターは、誘導可能であってもよい。本明細書の1つ以上のプロモーターは、本明細書のコード領域にとって異種であってもよい。
本明細書で使用する場合、「強力なプロモーター」は、単位時間当たり比較的多数の生成開始を指示できるプロモーター及び/又は細胞内の遺伝子の平均転写レベルよりも高いレベルの遺伝子転写を駆動するプロモーターを指す。
本明細書中で使用される用語「3’非コーディング配列」、「転写ターミネーター」、「ターミネーター」などは、コーディング配列の下流に位置するDNA配列を指す。これには、ポリアデニル化認識配列、及びmRNAプロセシング又は遺伝子発現に影響を及ぼすことができる調節シグナルをコードする他の配列が含まれる。
本明細書で使用する場合、第1の核酸配列は、第1の核酸配列の一本鎖形が好適なアニーリング条件(例えば、温度、溶液イオン強度)下で第2の核酸配列にアニーリングできる場合は第2の核酸配列に「ハイブリダイズする」ことができる。ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、よく知られており、Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory:Cold Spring Harbor,NY(1989)で例証されており、この文献、特に11章及び表11.1が参照により本明細書に組み込まれる。
用語「DNA操作技術」は、DNAポリヌクレオチド配列の配列が改変される任意の技術を指す。改変されているDNAポリヌクレオチド配列は改変のための基質自体として使用できるが、DNAポリヌクレオチド配列は所定の技術のために物理的に所有されている必要はない(例えば、コンピューター内に保存された配列を操作技術のための基礎として使用することができる)。DNA操作技術は、より長い配列内で1つ以上のDNA配列を欠失及び/又は変異させるために使用することができる。DNA操作技術の例としては、組換えDNA技術(制限及びライゲーション、分子クローニング)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び合成DNA法(例えば、オリゴヌクレオチド合成及びライゲーション)が挙げられる。合成DNA技術に関して、DNA操作技術は、in silicoでDNAポリヌクレオチドを観察する工程、DNAポリヌクレオチドの所望の改変(例えば、1つ以上の欠失)を決定する工程、及び所望の改変を含有するDNAポリヌクレオチドを合成する工程を必要とする場合がある。
本明細書の用語「in silico」は、例えばコンピューターなどの情報記憶及び/又はプロセシング装置内又は上で;コンピューターソフトウェア又はシミュレーションを使用して実施又は生成されること、すなわちバーチャルリアリティを意味する。
ポリヌクレオチドに関して本明細書で使用する用語「上流」及び「下流」は、それぞれ、「5’」及び「3’」を指す。
本明細書で使用する場合、用語「発現」は、(i)コード領域からのRNA(例えば、mRNA又は非タンパク質コーディングRNA)の転写、及び/又は(ii)mRNAからのポリペプチドの翻訳を指す。ポリヌクレオチド配列のコード領域の発現は、特定の実施形態では、上方制御又は下方制御することができる。
本明細書で使用する場合、用語「作動可能に連結された」は、一方の機能が他方の機能によって影響されるような2つ以上の核酸配列の会合を指す。例えば、プロモーターは、コード配列の発現に影響を及ぼすことができる場合、コード配列と作動可能に連結されている。すなわち、コード配列は、プロモーターの転写調節下にある。コード配列は、例えば、1つ(例えば、プロモーター)又は複数(例えば、プロモーター及びターミネーター)の調節配列と作動可能に連結することができる。
本明細書でプラスミド、ベクター、又はコンストラクトなどのDNA配列を特徴付けるために本明細書で使用する場合の用語「組換え」は、例えば化学合成による、及び/又は遺伝子工学技術による核酸の分離セグメントの操作による、2つのさもなければ分離した配列のセグメントの人工的組合せを指す。
本明細書で使用する場合、用語「形質転換」は、任意の方法によって核酸分子を宿主生物又は宿主細胞に移すことを指す。生物/細胞中に形質転換された核酸分子は、生物/細胞中で自律的に複製するか、又は生物/細胞のゲノム中に組み込まれるか、又は複製若しくは組込みなしに細胞中に一過的に存在するものであってもよい。プラスミド及び直鎖状DNA分子などの、形質転換のために好適な核酸分子の非限定的な例は、本明細書に開示されている。形質転換核酸配列を含有する本明細書に記載の宿主生物/細胞は、例えば、「トランスジェニック」、「組換え」、「形質転換された」、「遺伝子操作された」、「形質転換体」、及び/又は「外因性遺伝子発現のために改変された」と称することができる。
ポリヌクレオチド又はポリペプチド配列に関して本明細書で使用する用語「配列同一性」、「同一性」などは、特定の比較ウィンドウにわたって最高一致のために整列させたときに同一である、2つの配列内の核酸残基又はアミノ酸残基を指す。したがって、「配列同一性のパーセンテージ」、「同一性パーセント」などは、比較ウィンドウにわたって2つの最適に整列された配列を比較することによって決定される数値を指すが、このとき、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適整列のための参照配列(付加又は欠失を含まない)と比較して付加又は欠失(すなわちギャップ)を含む可能性がある。パーセンテージは、両方の配列内で同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が発生する位置の数を決定して、マッチした位置の数を得、そのマッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除し、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを得ることによって算出される。DNA配列とRNA配列との間の配列同一性を計算するとき、DNA配列のT残基は、RNA配列のU残基と整列し、RNA配列のU残基と「同一である」と見なされ得ることは理解されるであろう。第1及び第2のポリヌクレオチドの「相補性パーセント」を決定するために、例えば、(i)第1ポリヌクレオチドと第2ポリヌクレオチドの相補配列(又はその逆)間の同一性パーセント、及び/又は(ii)標準的なワトソン・クリック塩基対を作り出すことになる第1及び第2ポリヌクレオチド間の塩基のパーセンテージを決定することによってこれを得ることができる。
同一性パーセントは、全てが参照により本明細書に組み込まれる:1)Computational Molecular Biology(Lesk,A.M.,Ed.)Oxford University:NY(1988);2)Biocomputing:Informatics and Genome Projects(Smith,D.W.,Ed.)Academic:NY(1993);3)Computer Analysis of Sequence Data,Part I(Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,Eds.)Humana:NJ(1994);4)Sequence Analysis in Molecular Biology(von Heinje,G.,Ed.)Academic(1987);及び、5)Sequence Analysis Primer(Gribskov,M.and Devereux,J.,Eds.)Stockton:NY(1991)に記載されるものを含むが、これらに限定されない任意の既知の方法によって容易に決定することができる。
同一性パーセントを決定するための好ましい方法は、試験される配列間の最良の一致を付与するように設計される。同一性及び類似性を決定する方法は、例えば、公的に入手可能なコンピュータープログラムにコード化されている。配列アラインメント及び同一性パーセントの算出は、例えば、LASERGENEバイオインフォマティクス計算スイートのMEGALIGNプログラム(DNASTAR Inc.,Madison,WI)を用いて実施することができる。配列の多重アラインメントは、例えば、Clustal Vアラインメント法を含む、様々な種類のアルゴリズムを包含するClustalアラインメント法(Higgins and Sharp,5:151−153(1989);Higgins,D.G.et al.,Comput.Appl.Biosci.,8:189−191(1992)により記載され、また、LASERGENEバイオインフォマティクス計算スイートのMEGALIGN v8.0 プログラム(DNASTAR Inc.)に見出される)を用いて行うことができる。多重アラインメントの場合、デフォルト値はGAP PENALTY=10及びGAP LENGTH PENALTY=10に対応し得る。Clustal法を使用したタンパク質配列のペアワイズアラインメント及び同一性パーセントの計算のためのデフォルトパラメータは、KTUPLE=1、GAP PENALTY=3、WINDOW=5及びDIAGONALS SAVED=5であり得る。核酸の場合には、これらのパラメータは、KTUPLE=2、GAP PENALTY=5、WINDOW=4及びDIAGONALS SAVED=4であり得る。さらに、Clustal Wアラインメント法を使用することができ(Higgins and Sharp,CABIOS.5:151−153(1989);Higgins,D.G.et al.,Comput.Appl.Biosci.8:189−191(1992);Thompson,J.D.et al,Nucleic Acids Research,22(22):4673−4680,1994によって記載される)、これはLASERGENEバイオインフォマティクスコンピューティングスイート(DNASTAR Inc.)のMEGALIGN v8.0プログラムにおいて見出される。多重アラインメント(タンパク質/核酸)のデフォルトパラメータは、GAP PENALTY=10/15、GAP LENGTH PENALTY=0.2/6.66、Delay Divergen Seqs(%)=30/30、DNA Transition Weight=0.5、Protein Weight Matrix=Gonnet Series、DNA Weight Matrix=IUBであり得る。
本明細書には、様々なポリペプチドアミノ酸配列及びポリヌクレオチド配列が特定の実施形態の特徴として開示されている。本明細書で開示される配列と少なくとも約70〜85%、85〜90%、又は90%〜95%同一であるこれらの配列のバリアントを使用又は参照することができる。或いは、バリアントアミノ酸配列又はポリヌクレオチド配列は、本明細書で開示される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有し得る。本明細書のバリアントアミノ酸配列又はポリヌクレオチド配列は、開示した配列と同一の機能/活性又は開示した配列の少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%若しくは99%の機能/活性を有する。メチオニンで始まらない、本明細書に開示される任意のポリペプチドアミノ酸配列は、典型的には、アミノ酸配列のN末端に少なくとも開始メチオニンをさらに含み得る。対照的に、メチオニンで始まる本明細書に開示される任意のポリペプチドアミノ酸配列は、任意選択的に、そのようなメチオニン残基を欠く可能性がある。
用語「〜と整列する」、「〜に対応する」などは、本明細書において同じ意味で用いられ得る。本明細書のいくつかの実施形態は、配列番号62の少なくとも1つの特定のアミノ酸残基に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含むグルコシルトランスフェラーゼに関する。(1)クエリ配列が対象配列と整列し得る場合(例えば、この場合、アラインメントは、クエリ配列及び対象配列[又は対象配列の部分配列]が少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%同一であることを示す)、及び(2)クエリアミノ酸位置が(1)のアラインメントにおいて対象アミノ酸位置と一直線に整列する(一直線に一列に並ぶ)場合、グルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸位置又はその部分配列は、(例えば、触媒ドメイン又は触媒ドメインに加えてグルカン結合ドメイン)(このようなアミノ酸位置又は配列を「クエリ」位置又は配列と呼ぶことができる)、配列番号62の特定のアミノ酸残基(そのようなアミノ酸位置又は配列を「対象」位置又は配列と呼ぶことができる)に対応するように特徴付けることができる。一般に、開示された本明細書に記載される任意のアラインメントアルゴリズム、ツール及び/又はソフトウェア(例えば、BLASTP、ClustalW、ClustalV、Clustal−Omega、EMBOSS)を用いて、対象配列(配列番号62又は配列番号62の部分配列)とクエリアミノ酸配列とを整列させて、同一性パーセントを決定することができる。まさにさらなる例として、European Molecular Biology Open Software Suite(EMBOSS[例えば、バージョン5.0.0以降],Rice et al.,Trends Genet.16:276−277,2000)のNeedleプログラムにおいて実行されるようなニードルマン−ヴンシュアルゴリズム(Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443−453,1970)を使用して、クエリ配列を本明細書の対象配列と整列させることができる。このようなEMBOSSアラインメントのパラメータは、例えば、ギャップオープンペナルティ10、ギャップ伸長ペナルティ0.5、EBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスを含み得る。
本明細書の配列番号62の特定のアミノ酸残基のナンバリング(例えば、Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、Gln−616)は、配列番号62の全長アミノ酸配列に関するものである。配列番号62の最初のアミノ酸(すなわち1位、Met−1)は、シグナルペプチドの開始点である。別段の開示がなされていなければ、本明細書の置換は、配列番号62の全長アミノ酸配列に関する。
本明細書の「非天然グルコシルトランスフェラーゼ」(「変異体」、「バリアント」、「改変された」及び同様の用語は、このようなグルコシルトランスフェラーゼを記載するために同様に用いられる)は、配列番号62の特定のアミノ酸残基に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。このような少なくとも1つのアミノ酸置換は、典型的には、非天然グルコシルトランスフェラーゼの天然対応物(親)において同じ位置で一般に(自然に)存在するアミノ酸残基に代わるものである(すなわち配列番号62が位置についての基準として使用されるが、本明細書のアミノ酸置換は、非天然グルコシルトランスフェラーゼの天然対応物に関する)(別の方法として、非天然グルコシルトランスフェラーゼの配列を配列番号62と整列させる場合、特定の位置での置換が存在するかどうかを決定することは、それ自体、配列番号62におけるそれぞれのアミノ酸残基に依存せず、むしろ非天然グルコシルトランスフェラーゼの天然対応物内の対象位置に存在するアミノ酸に依存する)。天然対応物のグルコシルトランスフェラーゼにおいて関連した位置で一般に存在するアミノ酸は、アラインメントがなされる配列番号62の特定のアミノ酸残基と同じである(又は保存されている)ことが多い(しかし、常にではない)。非天然グルコシルトランスフェラーゼは、任意選択的に、その天然対応物配列に対して他のアミノ酸変化(変異、欠失及び/又は挿入)を有し得る。
本明細書の置換/アラインメントを説明することは、有益であり得る。配列番号12(GTF 0544)は、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)のグルコシルトランスフェラーゼの切断型である。配列番号12のLeu−193は、配列番号62のLeu−373に対応することに留意されたい(アラインメントは示さず)。例えば、配列番号12が193位で変異されて、Leu残基を異なる残基(例えば、Gln)で置換する場合、配列番号12の193位で変異したバージョンは、配列番号62のLeu−373に対応する位置でアミノ酸置換を有する非天然グルコシルトランスフェラーゼに相当すると言うことができる。
用語「単離された」は、天然に存在しない形態又は環境にある物質(又はプロセス)を意味する。単離された物質の非限定的例としては、(1)天然に存在しない任意の物質(例えば、本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼ)、(2)限定されないが、自然界では結合している天然に存在する成分の1つ以上若しくは全部から少なくとも部分的に取り出される任意の宿主細胞、酵素、バリアント、核酸、タンパク質、ペプチド、補因子若しくは炭水化物/糖などの任意の物質;(3)天然に見出される物質に対して人の手により改変された任意の物質(例えば、本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼ);又は(4)その物質の量を、それが自然に結合している他の成分に対して増加させることによって修飾された任意の物質が挙げられる。本明細書で開示される実施形態(例えば、酵素及び反応組成物)は、合成物/人工物(人間の介入/関与がないならば製造できない)であり、且つ/又は天然に存在しない特性を有すると考えられる。
本明細書で使用される「増加した」という用語は、増加した量又は活性が比較される量又は活性より少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、50%、100%、又は200%多い量又は活性を指すことができる。用語「増加した」、「上昇した」、「増強された」、「より多い」、「改善された」などの用語は、本明細書では同じ意味で用いられる。これらの用語は、例えば、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの「過剰発現」又は「上方制御」を特徴付けるために使用することができる。
グルコシルトランスフェラーゼ酵素を用いた不溶性グルカンポリマーの生成において進展がなされてきた一方、このような酵素によって合成される不溶性グルカン生成物の分子量の調節に対して関心がほとんど向けられていないように見える。この技術的空白を解決するために、本明細書では、より低分子量の不溶性グルカン生成物を生成する改変されたアミノ酸配列を有するグルコシルトランスフェラーゼが開示される。
本開示のある種の実施形態は、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を含む非天然グルコシルトランスフェラーゼであって、非天然グルコシルトランスフェラーゼが、α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成し、且つ不溶性α−グルカンの分子量が、置換位置においてのみ非天然グルコシルトランスフェラーゼと異なる第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい、非天然グルコシルトランスフェラーゼに関する。したがって、概して、α−1,3グリコシド結合を有するより低分子量の不溶性α−グルカンを合成することができる変異体グルコシルトランスフェラーゼ酵素が本明細書で開示される。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する。いくつかの態様では、このようなα−グルカンのグリコシド結合の少なくとも約30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、69%、70%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は100%は、α−1,3結合であり得る。不溶性α−グルカンの結合プロファイルは、任意選択的に、これらの値のいずれか2つの間の範囲を有するものとして特徴付けることができる。例えば、30%〜99.5%のα−1,3結合を有するこれらの態様のいずれかにおける他の結合は、α−1,6であってもよく、且つ/又はα−1,4若しくはα−1,2結合のいずれも含まなくてもよい。
いくつかの態様における不溶性α−グルカンは、例えば、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0.5%未満のα−1,2又はα−1,4グリコシド結合を有し得る。別の実施形態では、不溶性α−グルカンは、α−1,3、及び任意選択的にα−1,6結合のみを有する(すなわち、α−1,2又はα−1,4結合がない)。不溶性α−グルカンが50%のα−1,3グリコシド結合を含む態様では、そのようなグルカンは、典型的には、アルテルナン(交互のα−1,3及びα−1,6結合)を含まない。
いくつかの態様における不溶性α−グルカンは、直鎖/非分枝鎖(分枝点がない)であり得る。或いは、本明細書の不溶性α−グルカンでは、分枝が存在し得る。例えば、不溶性α−グルカンは、ポリマー中の結合のパーセントとして約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0.5%未満の分枝点を有し得る。
ある種の実施形態では、不溶性α−グルカンは、約300未満のDPw又はDPnでの分子量を有し得る。例えば、DPw又はDPnは、約、又は約300、290、280、270、260、250、240、230、220、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、若しくは11未満であり得る。不溶性α−グルカンの分子量は、これらの値のいずれか2つの間の範囲(例えば、11〜25、12〜25、11〜22、12〜22、11〜20、12〜20、20〜300、20〜200、20〜150、20〜100、20〜75、30〜300、30〜200、30〜150、30〜100、30〜75、50〜300、50〜200、50〜150、50〜100、50〜75、75〜300、75〜200、75〜150、75〜100、100〜300、100〜200、100〜150、150〜300、150〜200、200〜300)として任意選択的に表され得る。本明細書の分子量は、本明細書の実施例(下記)において開示されるか又は例えば、米国特許出願公開第2017/0002335号明細書、同第2015/0064748号明細書、又は同第2015/0232819号明細書において開示されるとおりの方法を含む、任意の好適な方法に従って測定され得る。
本明細書のα−グルカンは、本明細書のグルコシルトランスフェラーゼ反応の条件(例えば、pH4〜8、下記を参照されたい)などの非苛性水性系で不溶性である。一般に、本明細書における水性系中のグルカンポリマーの溶解度は、その結合プロファイル、分子量及び/又は分枝度に関連する。例えば、≧95%の1,3結合を有するα−1,3−グルカンは、一般に、8以上のDPwで20℃の水性条件において不溶性である。一般に、分子量が増大するにつれて、α−1,3−グルカンの不溶性に必要なα−1,3結合の割合が減少する。
前述の結合プロファイル及び/又は分子量プロファイルのいずれかを、例えば本明細書において組み合わせて、本開示の非天然グルコシルトランスフェラーゼの不溶性α−グルカン生成物を適切に特徴付けることができる。
非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、非天然グルコシルトランスフェラーゼが、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で少なくとも1つアミノ酸置換を含むという点を除いて、本開示のとおりに不溶性α−グルカンを生成することができる以下の刊行物に開示される任意のグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列を含み得る:米国特許第7000000号明細書及び同第8871474号明細書;並びに米国特許出願公開第2015/0232819号明細書及び同第2017/0002335号明細書(これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの態様では、このような非天然グルコシルトランスフェラーゼは、(i)前述の置換の少なくとも1つを有し、且つ(ii)少なくとも1つの置換を有しないそれぞれの対応物/親グルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、非天然グルコシルトランスフェラーゼは、(i)配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、且つ(ii)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、34又は59と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%同一であるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。これらのアミノ酸配列の大部分を有するグルコシルトランスフェラーゼの不溶性α−グルカン生成物に関する特定の情報が表2において提供される。
Figure 2021514681
いくつかの態様では、非天然グルコシルトランスフェラーゼは、(i)配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、且つ(ii)配列番号4のアミノ酸残基55〜960、配列番号65の残基54〜957、配列番号30の残基55〜960、配列番号28の残基55〜960又は配列番号20の残基55〜960と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%同一であるグルコシルトランスフェラーゼ触媒ドメインを含むか又はそれからなる。このような非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、非水溶性であるα−グルカンを生成し、且つ少なくとも約50%(例えば、≧90%又は≧95%)のα−1,3結合を含むことができると考えられる。例えば、配列番号65のアミノ酸54〜957位を有するグルコシルトランスフェラーゼは、100%のα−1,3結合を有するα−1,3−グルカンを生成できる(データは示さず、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0002335号明細書の表6を参照されたい)ことに留意されたい。配列番号65(GTF7527)、30(GTF2678)、4(GTF6855)、28(GTF2919)及び20(GTF2765)は、それぞれの野生型対応物と比較して、シグナルペプチドドメイン及び可変ドメインの全部分又は実質的部分が欠如するグルコシルトランスフェラーゼをそれぞれ表すことにさらに留意されたい。したがって、これらのグルコシルトランスフェラーゼ酵素の各々は、後にグルカン結合ドメインが続く触媒ドメインを有する。これらの酵素中の触媒ドメイン配列のおよその位置は、次のとおりである:7527(配列番号65の残基54〜957)、2678(配列番号30の残基55〜960)、6855(配列番号4の残基55〜960)、2919(配列番号28の残基55〜960)、2765(配列番号20の残基55〜960)。GTF2678、6855、2919及び2765の(およその)触媒ドメインのアミノ酸配列は、GTF7527のおよその触媒ドメイン配列(すなわち配列番号65のアミノ酸54〜957)とそれぞれ約94.9%、99.0%、95.5%及び96.4%の同一性を有する。これらの特定のグルコシルトランスフェラーゼ(GTF2678、6855、2919及び2765)の各々は、100%のα−1,3結合及び少なくとも400のDPwを有するα−1,3−グルカンを生成できる(データは示さず、米国特許出願公開第2017/0002335号明細書の表4を参照されたい)。この活性及び前述の触媒ドメインの関連性(高い同一性パーセント)に基づいて、本明細書で開示される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに有する前述の触媒ドメインの1つを有する本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、少なくとも約50%(例えば、≧90%又は≧95%)のα−1,3結合を含む比較的小さい分子量の不溶性α−グルカンを生成できると考えられる。
いくつかの態様では、非天然グルコシルトランスフェラーゼは、(i)配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、且つ(ii)配列番号62、又は配列番号4(その開始メチオニンを有しない)、又は配列番号4の55〜960位(およその触媒ドメイン)などのその部分配列と少なくとも約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、69%、70%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%同一であるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。
特定の態様における非天然グルコシルトランスフェラーゼは、触媒ドメインのみを有する必要があると考えられているが、非天然グルコシルトランスフェラーゼは、より広範なアミノ酸配列内に含まれ得る。例えば、触媒ドメインは、そのC末端でグルカン結合ドメインに連結していてもよく、且つ/又はそのN末端で可変ドメイン及び/若しくはシグナルペプチドに連結していてもよい。
非天然グルコシルトランスフェラーゼにおけるアミノ酸置換は、配列番号62における対応する位置に関して本明細書で概して開示されるが、このような置換は、代わりに、便宜的に、単に非天然グルコシルトランスフェラーゼ自体の配列におけるその位置番号に関して記載され得る。
非天然グルコシルトランスフェラーゼのさらなる別の例は、本明細書に開示されるもの、並びにN末端及び/又はC末端に1〜300(又はその間の任意の整数[例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50])個の残基を含むもののいずれでもあり得る。そのような追加の残基は、例えば、そのグルコシルトランスフェラーゼ酵素が由来する対応する野生型配列由来であるか、又は(N末端又はC末端での)エピトープタグ、又は(N末端での)異種シグナルペプチドなどの異種配列であってもよい。本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、典型的には、N末端シグナルペプチドを欠き、このような酵素は、任意選択的に、そのシグナルペプチドが分泌プロセス中に除去された場合、成熟したものとして特徴付けることができる。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、細菌などの任意の微生物源に由来し得る。細菌グルコシルトランスフェラーゼの例は、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、ロイコノストック(Leuconostoc)種、又はラクトバチルス(Lactobacillus)種に由来するものである。ストレプトコッカス(Streptococcus)種の例としては、S.サリバリウス(S.salivarius)、S.ソブリナス(S.sobrinus)、S.デンチロウセッティ(S.dentirousetti)、S.ダウネイ(S.downei)、S.ミュータンス(S.mutans)、S.オラリス(S.oralis)、S.ガロリティカス(S.gallolyticus)、及びS.サングイニス(S.sanguinis)が挙げられる。ロイコノストック(Leuconostoc)種の例としては、L.メセンテロイデス(L.mesenteroides)、L.アメリビオスム(L.amelibiosum)、L.アルゲンチナム(L.argentinum)、L.カルノスム(L.carnosum)、L.シトレウム(L.citreum)、L.クレモリス(L.cremoris)、L.デキストラニカム(L.dextranicum)及びL.フルクトサム(L.fructosum)が挙げられる。ラクトバチルス(Lactobacillus)種の例としては、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.デルブリュキイ(L.delbrueckii)、L.ヘルベチクス(L.helveticus)、L.サリバリウス(L.salivarius)、L.カゼイ(L.casei)、L.クルバツス(L.curvatus)、L.プランタルム(plantarum)、L.サケイ(sakei)、L.ブレビス(L.brevis)、L.ブフネリ(L.buchneri)、L.フェルメンタム(L.fermentum)及びL.ロイテリ(L.reuteri)が挙げられる。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、適切に遺伝子操作された微生物株の発酵によって作製することができる。大腸菌(E.coli)、バチルス属(Bacillus)株(例えば、B.サブティリス(B.subtilis))、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、並びにアスペルギルス(Aspergillus)属(例えば、A.アワモリ(A.awamori))及びトリコデルマ(Trichoderma)属(例えば、T.レーセイ(T.reesei))(例えば、Adrio及びDemain,Biomolecules 4:117−139,2014を参照されたい(この文献は、参照により本明細書に組み込まれる))などの微生物種を用いる発酵による組換え酵素の製造は、当該技術分野でよく知られている。非天然グルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、典型的には、酵素のための発現カセットを形成するために異種プロモーター配列と連結され、且つ/又はそれに合うようにコドン最適化される。そのような発現カセットは、当該技術分野でよく知られる方法を使用して、好適なプラスミドに組み込まれ得るか、又は微生物宿主染色体中に組み込まれ得る。発現カセットは、アミノ酸をコードする配列に続いて転写ターミネーターヌクレオチド配列を含み得る。発現カセットは、プロモーター配列とグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸コード配列との間に、グルコシルトランスフェラーゼ酵素の直接的な分泌のために設計されたシグナルペプチド(例えば、異種シグナルペプチド)をコードするヌクレオチド配列も含み得る。発酵の終わりに、細胞を適宜破壊してもよく(一般に、分泌のためのシグナルペプチドが採用されない場合)、グルコシルトランスフェラーゼ酵素は、沈殿、濾過、及び/又は濃縮などの方法を使用して単離することができる。或いは、グルコシルトランスフェラーゼを含む溶解物又は抽出物をさらに単離することなしに使用することができる。グルコシルトランスフェラーゼが分泌される(すなわち、それが発酵ブロス中に存在する)場合、それは、発酵ブロスから単離されたものとして、又は発酵ブロスに含まれるものとして任意選択的に使用され得る。グルコシルトランスフェラーゼ酵素の活性は、スクロースのグルカンポリマーへのその変換率を測定するなどの生化学的分析によって確認することができる。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含み得る。いくつかの態様では、非天然グルコシルトランスフェラーゼは、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Ser−553、Asn−573、Asp−575、Lys−578、又はGln−616に対応する位置で、少なくとも1つのアミノ酸置を含む。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513に対応する位置でのアミノ酸置換は、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Pro−550に対応する位置でのアミノ酸置換は、Leu、Val、又はIle残基(例えば、Leu又はVal)によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Ser−553に対応する位置でのアミノ酸置換は、Ala、Cys、Glu、Phe、His、Ile、Met、Asn、Arg、Thr、Val、又はTyr残基によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Asn−557に対応する位置でのアミノ酸置換は、Glu、Gln、Ile、Thr、Asp、Asn、Leu、Val、又はSer残基(例えば、Glu、Gln、Ile、又はThr)によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Asn−558に対応する位置でのアミノ酸置換は、Asp又はGlu残基(例えば、Asp)によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Trp−571に対応する位置でのアミノ酸置換は、Val、Asp、Cys、Ile、Leu、Glu、又はSer残基(例えば、Val、Asp、又はCys)によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Asn−573に対応する位置でのアミノ酸置換は、Ala、Asp、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Thr、Val、又はTrp残基によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Asp−575に対応する位置でのアミノ酸置換は、Ala、Cys、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Lys−578に対応する位置でのアミノ酸置換は、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Asn−581に対応する位置でのアミノ酸置換は、Pro又はGly残基(例えば、Pro)によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Thr−585に対応する位置でのアミノ酸置換は、Pro又はGly残基(例えば、Pro)によるものであり得る。いくつかの態様では、配列番号62のアミノ酸残基Gln−616に対応する位置でのアミノ酸置換は、Ala、Cys、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり得る。
好適な置換部位及びこれらの部位での特定の置換の例としては、例えば、不溶性α−1,3−グルカン生成物の分子量(DPw)が約、又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、又は85%減少することと関連する、実施例1の表3(下記)で列挙されるものを挙げることができる。表3に列挙された前述の置換は、列挙された配列番号62における残基位置番号に対応するものである。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、本明細書で開示されるアミノ酸置換の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又はそれ以上を含み得る。例えば、本明細書に開示されるアミノ酸置換のうちの2つ以上を有する非天然グルコシルトランスフェラーゼは、(i)配列番号62のアミノ酸残基Pro−550、Asn−557、Asn−558、Asn−581、若しくはThr−585、及び/又は(ii)配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Ser−553、Asn−573、Asp−575、Lys−578、若しくはGln−616に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含み得る。置換位置の例は、P550(L)及びN557(I)、P550(L)及びN581(P)、N557(I)及びN581(P)、S553(C)及びN558(D)、S553(C)及びD575(V)、S553(C)及びT585(P)、N558(D)及びT585(P)、D575(V)及びT585(P)、N558(D)及びD575(V)、P550(V)及びS553(R)、P550(V)及びN581(P)、P550(V)及びT585(P)、S553(R)及びN581(P)、S553(R)及びT585(P)、N581(P)及びT585(P)、P550(L)及びS553(F)、P550(L)及びN581(P)、S553(F)及びN581(P)、P550(V)及びN557(E)、P550(V)及びT585(P)、N557(E)及びT585(P)であり、置換アミノ酸残基は、例として補足的に列挙され;前述の位置の対のいずれかに加える1つ以上の置換は、任意選択的に、適宜位置P550(L、V)、N557(I、E)、N581(P)、S553(C、R、Fなどの本明細書におけるいずれか)、N558(D)、D575(V、Aなどの本明細書におけるいずれか)、T585(P)、L513(本明細書におけるいずれか)、N573(I、V、Pなどの本明細書におけるいずれか)、K578(N、D、Rなどの本明細書におけるいずれか)、Q616(本明細書におけるいずれか)、W571(V、D、C)、及び/又は本明細書における他の位置であってもよく、置換アミノ酸残基は、例として補足的に列挙される。
簡潔に例示する目的として、本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、表A(i−lxiii)において示されるとおりの位置でのアミノ酸置換の組合せを含むことができ、各置換位置は、配列番号62のそれぞれのアミノ酸位置番号に対応する。表Aにおける置換アミノ酸残基は、例として補足的に列挙される。いくつかの態様では、非天然グルコシルトランスフェラーゼは、表Aにおいて示されるとおりのアミノ酸置換の組合せを含んでもよく、置換アミノ酸は、表Aにおいて補足的に示されるものである。
Figure 2021514681
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本明細書の1つ以上アミノ酸置換を有する非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、本明細書に開示されるとおりの種々のグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列のいずれかに基づき得る。簡潔に例示する目的として、このような非天然グルコシルトランスフェラーゼの例としては、単一のアミノ酸置換(例えば、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置での)又はアミノ酸置換の組合せ(例えば、表Aの実施形態i〜lxiiiのいずれか)を有し、且つ配列番号65(任意選択的に配列番号65の開始メチオニンを有しない)若しくは配列番号65の残基54〜957、配列番号30(任意選択的に配列番号30の開始メチオニンを有しない)若しくは配列番号30の残基55〜960、配列番号4(任意選択的に配列番号4の開始メチオニンを有しない)若しくは配列番号4の残基55〜960、配列番号28(任意選択的に配列番号28の開始メチオニンを有しない)若しくは配列番号28の残基55〜960、又は配列番号20(任意選択的に配列番号20の開始メチオニンを有しない)若しくは配列番号20の残基55〜960と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%同一であるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるものが挙げられる。
いくつかの態様では、1つ以上の置換は、保存的又は非保存的置換であり;このような保存(又は非保存)は、例えば、非天然グルコシルトランスフェラーゼが由来する天然のグルコシルトランスフェラーゼに存在するアミノ酸に関するものであり得る。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、置換位置においてのみ非天然グルコシルトランスフェラーゼと異なる第2のグルコシルトランスフェラーゼ(又は単に「別の」グルコシルトランスフェラーゼ)(例えば、親グルコシルトランスフェラーゼ)によって合成されるα−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい分子量を有するα−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成することができる。本明細書の第2のグルコシルトランスフェラーゼは、例えば、全て又は大部分が天然のアミノ酸配列で構成され得る。したがって、本明細書の第2のグルコシルトランスフェラーゼは、いくつかの態様において天然のグルコシルトランスフェラーゼであり得るが、それは、他の態様において予め改変されたグルコシルトランスフェラーゼであり得る(例えば、本開示の置換と異なる1つ以上の他のアミノ酸置換を有するグルコシルトランスフェラーゼ)。いくつかの実施形態では、非天然グルコシルトランスフェラーゼと比較される第2のグルコシルトランスフェラーゼは、置換位置で天然のアミノ酸残基を有する。アミノ酸残基が天然のものであるかどうかの決定は、第2のグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列を、第2のグルコシルトランスフェラーゼが由来する天然/野生型のグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と比較することによってなされ得る。
いくつかの態様では、本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも約、又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%小さい分子量を有する不溶性α−グルカンを合成することができる。このような判断は、本明細書に開示されるとおりの(例えば、初期スクロース濃度、温度、pH及び/又は反応時間を考慮する)任意のグルカン合成反応/プロセスに対して、任意の好適な測定技術(例えば、SEC)を用いてなされ得る。典型的には、本明細書における非天然グルコシルトランスフェラーゼと第2のグルコシルトランスフェラーゼとの比較は、同一又は類似の反応条件下でなされ得る。不溶性α−グルカンの分子量は、例えば、DPwとして表すことができる。分子量は、例えば、20以下のモノマー単位を有する不溶性グルカンに関する実施形態において、任意選択的にDPとして表すことができる。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、本明細書に開示されるとおりの非天然グルコシルトランスフェラーゼ(例えば、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含む非天然グルコシルトランスフェラーゼ)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに関する。任意選択的に、1つ以上の調節配列は、ヌクレオチド配列と作動可能に連結され、好ましくは、プロモーター配列は、調節配列として含まれる。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドは、例えば、細胞中にヌクレオチド配列を移入するのに有用なベクター又はコンストラクトであり得る。好適なベクター/コンストラクトの例は、プラスミド、酵母人工染色体(YAC)、コスミド、ファージミド、細菌人工染色体(BAC)、ウイルス、又は線状DNA(例えば、線状PCR産物)から選択することができる。いくつかの態様におけるポリヌクレオチド配列は、細胞内に一過的(すなわちゲノムに組み込まれていない)又は安定に(すなわちゲノムに組み込まれている)存在することができる。いくつかの態様におけるポリヌクレオチド配列は、1つ以上の好適なマーカー配列(例えば、選択又は表現型マーカー)を含み得、又はそれらを欠き得る。
ある種の実施形態におけるポリヌクレオチド配列は、非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結された1つ以上の調節配列を含み得る。例えば、非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、プロモーター配列(例えば、異種プロモーター)と作動可能な連結であり得る。プロモーター配列は、例えば、細胞中(例えば、大腸菌(E.coli)又はバチルス(Bacillus)などの細菌細胞;真菌、酵母、昆虫又は哺乳動物細胞などの真核細胞)又はin vitroタンパク質発現系での発現に好適であり得る。他の好適な調節配列の例としては、転写ターミネーター配列が挙げられる。
本明細書のいくつかの態様は、本明細書に開示されるとおりのポリヌクレオチド配列を含む細胞に関し、このような細胞は、本明細書に開示される任意の型であり得る(例えば、大腸菌(E.coli)又はバチルス(Bacillus)などの細菌細胞;真菌、酵母、昆虫又は哺乳動物細胞などの真核細胞)。細胞は、任意選択的に、ポリヌクレオチド配列によりコードされる非天然グルコシルトランスフェラーゼを発現し得る。いくつかの態様では、ポリヌクレオチド配列は、細胞内に一過的(すなわちゲノムに組み込まれていない)又は安定に(すなわちゲノムに組み込まれている)存在する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、水、スクロース、及び1種以上の本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼ(例えば、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含む非天然グルコシルトランスフェラーゼ)を含む反応組成物に関する。このような反応組成物は、少なくとも、開示されるとおりのα−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成する。
本明細書の反応組成物の温度は、必要に応じて制御される場合があり、例えば約5〜50℃、20〜40℃、30〜40℃、20〜30℃、20〜25℃、20℃、25℃、30℃、35℃、又は40℃であり得る。
本明細書の反応組成物中のスクロースの初期濃度は、例えば、約20〜400g/L、75〜175g/L、又は50〜150g/Lであり得る。いくつかの態様では、初期スクロース濃度は、約、又は少なくとも約50、75、100、150若しくは200g/Lであるか、又は約50〜600g/L、100〜500g/L、50〜100g/L、100〜200g/L、150〜450g/L、200〜450g/L、若しくは250〜600g/Lである。「スクロースの初期濃度」は、全ての反応成分(例えば、少なくとも水、スクロース、非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素)が加えられた/合わせられた直後の反応組成物におけるスクロース濃度を指す。
特定の実施形態における反応組成物のpHは、約4.0〜9.0、4.0〜8.5、4.0〜8.0、5.0〜8.0、5.5〜7.5、又は5.5〜6.5であり得る。いくつかの態様では、pHは、約4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5又は8.0であり得る。pHは、リン酸塩、トリス、クエン酸塩、又はこれらの組合せを含むが、これらに限定されない、好適な緩衝剤の添加又は組込みによって調整又は制御することができる。本明細書の反応組成物中の緩衝剤濃度は、例えば、約0.1〜300mM、0.1〜100mM、10〜100mM、10mM、20mM、又は50mMであり得る。
反応組成物は、本明細書に開示される反応条件のうちの1つ以上を適用するのに好適な任意の容器(例えば、不活性容器/コンテナ)内に入れることができる。いくつかの態様における不活性容器は、ステンレス鋼製、プラスチック製又はガラス製(又はこれらの構成要素の2つ以上を含む)であり得、且つ特定の反応物を入れるのに好適なサイズであり得る。例えば、不活性容器の体積/容量(及び/又は本明細書の反応組成物の体積)は、約又は少なくとも約1、10、50、100、500、1000、2500、5000、10000、12500、15000又は20000リットルであり得る。不活性容器は、任意選択的に撹拌装置を備えることができる。例えば、前述の特徴のいずれかは、本明細書の単離反応を特徴付けるために使用され得る。
本明細書の反応組成物は、1種、2種、又はそれ以上の異なるグルコシルトランスフェラーゼ酵素を、例えば、まさにその酵素のうちの少なくとも1つが本明細書に開示されるとおりの非天然グルコシルトランスフェラーゼである限り、含有することができる。いくつかの実施形態では、1つ又2つのグルコシルトランスフェラーゼ酵素のみが反応組成物に含まれる。本明細書のグルコシルトランスフェラーゼ反応は、無細胞(例えば、細胞全体が存在しない)であってもよく、通常は無細胞(例えば、細胞全体が存在しない)である。
反応組成物に関して本明細書に開示される(例えば、上記及び以下の実施例において)特徴のいずれも、本明細書のグルカン生成方法の適切な態様を特徴付けることができ、その逆も同様である。
本開示はまた、α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成するための方法であって、(a)少なくとも水、スクロース、及びα−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成する本明細書に開示されるとおりの少なくとも1種の非天然グルコシルトランスフェラーゼを接触させることであって、それにより、α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンが生成される接触させること;及びb)任意選択的に、工程(a)で生成された不溶性α−グルカンを単離することを含む方法にも関する。任意選択的に、グルカン合成法として特徴付けることができるこのような方法の実施は、典型的には、本明細書の反応組成物を実施する場合にも実行される。
本明細書に開示されるとおりのグルカン合成法は、少なくとも水、スクロース、及びα−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成する本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼを接触させることを含む。これら及び任意選択的に他の試薬は、一緒に添加することができるか、又は下記で考察するような任意の順序で添加することができる。この工程は、任意選択的に、水、スクロース、及びα−1,3−結合を含む不溶性α−グルカンを合成する非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素を含む反応組成物を提供することとして特徴付けることができる。本明細書の接触工程は、任意の数の方法において実施できる。例えば、所望の量のスクロースを最初に水に溶解させ(任意選択的に、他の成分、例えば緩衝剤成分もこの調製段階で添加され得る)、その後、グルコシルトランスフェラーゼ酵素を添加することができる。溶液は、静止させたままであり得るか、又は例えば撹拌若しくはオービタルシェイカーによる振盪によってかき混ぜられ得る。グルカン合成法は、バッチ、フェドバッチ、継続的な方法、又はこれらの方法の任意の変形形態によって実施され得る。
ある種の実施形態における反応の完了は、視覚的に(例えば、不溶性グルカンがもはや蓄積しない)、且つ/又は溶液中に残ったスクロース(残留スクロース)の量を測定することによって決定でき、この場合、少なくとも約90%、95%、又は99%のスクロース消費率が反応完了を指示し得る。開示したプロセスの反応は、例えば、約1時間〜約又は少なくとも約2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、36、48、60、72、96、120、144又は168時間実施され得る。
本明細書のグルカン合成法のいくつかの態様において生成される不溶性α−グルカンの分子量は、第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも約、又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%小さい場合がある。いくつかの態様におけるそのような分子量の下方調節は、約36〜60時間(例えば、約48時間)にわたって実施される反応において達成される。
本明細書の方法において生成されるα−1,3−結合を含む不溶性α−グルカンは、任意選択的に単離され得る。ある種の実施形態では、不溶性α−グルカンの単離は、遠心分離及び/又は濾過の工程を少なくとも実施することを含み得る。単離はさらに、任意選択的に、不溶性α−グルカンを水若しくは他の水性液体で1回、2回、若しくはそれ以上洗浄すること、及び/又は不溶性α−グルカン生成物を乾燥させることを含み得る。
前述又は下記実施例において記載されるものなど、不溶性α−グルカンを合成するための開示された条件のいずれかを、本明細書に開示される反応組成物の実施に適用することができ(逆も同様である)、且つ/又は非天然グルコシルトランスフェラーゼの特徴/活性を特徴付けるために適宜使用することができる。
いくつかの態様では、単離された(任意選択的に「精製された」と特徴付けられた)不溶性α−グルカン生成物は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.5%、99.8%、又は99.9%のwt%(乾燥重量基準)で組成物中に存在し得る。このような単離されたポリマーは、例えば、生成物/用途において成分/構成成分として使用され得る。
本開示は、本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を作製する方法にも関する。この方法は、
(a)(i)配列番号4又は配列番号4の55〜960位と少なくとも約40%同一であるアミノ酸配列を含み、且つ(ii)α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を同定すること;及び
(b)工程(a)で同定されたポリヌクレオチド配列を改変して、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において親グルコシルトランスフェラーゼの少なくとも1つのアミノ酸を置換し、それにより、α−1,3−グリコシド結合を含み且つ親グルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい分子量を有する不溶性α−グルカンを合成する非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を提供することを含む。
このような方法はさらに、任意選択的に、ポリヌクレオチドによってコードされる非天然グルコシルトランスフェラーゼを発現する方法において、このようにして作製されるポリヌクレオチドを使用することを含み得る。このような発現方法は、例えば、当該技術分野で知られるとおりの任意の異種タンパク質発現法に従い得る。ポリヌクレオチドを作製する本方法は、任意選択的に、グルコシルトランスフェラーゼの生成物分子量を減少させる方法として代替的に特徴付けられ得る。
本明細書の親グルコシルトランスフェラーゼ酵素は、例えば、配列番号4(任意選択的にその開始メチオニンを有しない)又は配列番号4の55〜960位(およその触媒ドメイン)と、少なくとも約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、69%、70%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%同一であるアミノ酸配列を含み得る。単に参照を目的として、開始メチオニンを有しない配列番号4が配列番号62の部分配列であることに留意されたい。
本明細書の同定工程(a)は、場合によっては、親グルコシルトランスフェラーゼ酵素のアミノ酸配列を同定することを含み得る。ポリヌクレオチド配列は、親グルコシルトランスフェラーゼが同定された種において使用される遺伝暗号などの遺伝暗号(コドン)に従うこのアミノ酸配列から決定され得る。
本明細書の親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドの同定は、例えば、(a)in silicoで、(b)核酸ハイブリダイゼーション工程を含む方法を用いて、(c)タンパク質配列決定工程を含む方法を用いて、及び/又は(d)タンパク質結合工程を含む方法を用いて実施することができる。
in silico検出に関して、コンピューター又データベース(例えば、GENBANK、EMBL、REFSEQ、GENEPEPT、SWISS−PROT、PIR、PDBなどの公開データベース)に保存された候補となる親グルコシルトランスフェラーゼ酵素のアミノ酸配列(及び/又はこのようなグルコシルトランスフェラーゼ酵素をコードするヌクレオチド配列)をin silicoで精査して、親グルコシルトランスフェラーゼについて上で記載されるとおりの配列同一性パーセントを有するアミノ酸配列を含むグルコシルトランスフェラーゼ酵素を同定することができる。このような精査は、例えば、上述したようなアラインメントアルゴリズム又はソフトウェア(例えば、BLASTN、BLASTP、ClustalW、ClustalV、Clustal−Omega、EMBOSS)などの当該技術分野において知られる任意の手段を使用することを含むことができた。
上記に開示されるとおりの親グルコシルトランスフェラーゼの同定は、任意選択的に、核酸ハイブリダイゼーション工程を含む方法を介して実施することができる。このような方法は、例えば、DNAハイブリダイゼーション(例えば、サザンブロット、ドットブロット)、RNAハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンブロット)、又は核酸ハイブリダイゼーション工程(例えば、全てがオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを含み得るDNA配列決定、PCR、RT−PCR)を有する任意の他の方法の使用を含むことができる。配列番号4又はその部分配列(例えば、配列番号4の55〜960位)をコードするポリヌクレオチド配列は、例えば、このようなハイブリダイゼーションにおいてプローブとして使用することができる。ハイブリダイゼーション法を実施するための条件及びパラメータは、一般によく知られており、例えば、Sambrook J,Fritsch EF and Maniatis T,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory:Cold Spring Harbor,NY(1989);Silhavy TJ,Bennan ML and Enquist LW,Experiments with Gene Fusions,Cold Spring Harbor Laboratory:Cold Spring Harbor,NY(1984);Ausubel FM et al.,Current Protocols in Molecular Biology,published by Greene Publishing Assoc. and Wiley−Interscience, Hoboken, NJ(1987);及びInnis MA,Gelfand DH,Sninsky JJ and White TJ(Editors),PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press,Inc.,San Diego,CA(1990)において開示される。
上記に開示されるとおりの親グルコシルトランスフェラーゼの同定は、任意選択的に、タンパク質配列決定工程を含む方法を介して実施することができる。このようなタンパク質配列決定工程は、例えば、N末端アミノ酸分析、C末端アミノ酸分析、エドマン分解法、又は質量分析法などの1つ以上の手法を含むことができる。
上記に開示されるとおりの親グルコシルトランスフェラーゼの同定は、任意選択的に、タンパク質結合工程を含む方法を介して実施することができる。このようなタンパク質結合工程は、例えば、配列番号4内(例えば、配列番号4の55〜960位内)のモチーフ又はエピトープに結合する抗体を用いて実施することができる。
工程(a)(すなわち工程[b]における改変前)で同定されたポリヌクレオチドは、いくつかの態様において、表1に開示される任意のグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列と同一であるか、又は少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは99.5%同一であるアミノ酸配列を含むグルコシルトランスフェラーゼをコードすることができる。このようなグルコシルトランスフェラーゼによって生成されるα−グルカンは、例えば、本明細書に開示されるものであり得る。
本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を作製する方法は、工程(a)で同定された(親グルコシルトランスフェラーゼをコードする)ポリヌクレオチド配列を改変する工程(b)を含む。このような改変は、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で親グルコシルトランスフェラーゼの少なくとも1つのアミノ酸を置換する。このような1つ以上の置換から生じる(改変されたポリヌクレオチド配列によってコードされる)非天然グルコシルトランスフェラーゼは、任意選択的に、本明細書において「子グルコシルトランスフェラーゼ」として特徴付けることができる。
工程(b)におけるポリヌクレオチドの好適な改変は、当該技術分野で知られる任意のDNA操作技術に従って行うことができる。改変工程(b)は、任意選択的に、in silicoで実施することができ、その後、非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列の合成が行われる。例えば、工程(a)で同定されたポリヌクレオチド配列は、好適な配列操作プログラム/ソフトウェア(例えば、VECTOR NTI、Life Technologies、Carlsbad、CA;DNAStrider;DNASTAR、Madison、WI)を用いてin silicoで操作され得る。このような仮想的な操作の後、改変ポリヌクレオチド配列を、任意の好適な技術(例えば、オリゴヌクレオチドのアニーリングに基づく連結又はHughes et al.,Methods Enzymol.498:277−309(この文献は、参照により本明細書に組み込まれる)において開示される任意の技術)によって人工的に合成することができる。前述の方法論が(親グルコシルトランスフェラーゼをコードする)既存のポリヌクレオチドを有していることに必ず依存するとは考えられないことが理解されなければならない。
改変工程(b)は、任意選択的に、工程(a)で同定された親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列の物理的なコピーを用いて実施することができる。例として、そのようなポリヌクレオチドは、増幅された産物が本明細書の非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするような方法で設計されたプライマーを用いる、増幅のための鋳型として役立ち得る(例えば、Innis et al.,ibid.を参照されたい)。
本方法におけるアミノ酸置換は、本明細書に開示されるとおりのそれらの1つ以上の置換のいずれかであり得る。基本的には、本明細書で開示されるとおりの任意の非天然グルコシルトランスフェラーゼは、例えば、本方法によって作製されるとおりのポリヌクレオチドによってコードされ得る。
本明細書に開示される組成物及び方法の非限定的な例としては、以下が挙げられる。
1.配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含む非天然グルコシルトランスフェラーゼであって、非天然グルコシルトランスフェラーゼが、α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成し、且つ不溶性α−グルカンの分子量が、置換位置で非天然グルコシルトランスフェラーゼと異なるのみの第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい、非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
2.配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Ser−553、Asn−573、Asp−575、Lys−578、又はGln−616に対応する位置で、少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、実施形態1の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
3.(i)アミノ酸残基Leu−513に対応する位置でのアミノ酸置換が、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり;(ii)アミノ酸残基Pro−550に対応する位置でのアミノ酸置換が、Leu、Val、又はIle残基によるものであり;(iii)アミノ酸残基Ser−553に対応する位置でのアミノ酸置換が、Ala、Cys、Glu、Phe、His、Ile、Met、Asn、Arg、Thr、Val、又はTyr残基によるものであり;(iv)アミノ酸残基Asn−557に対応する位置でのアミノ酸置換が、Glu、Gln、Ile、Thr、Asp、Asn、Leu、Val、又はSer残基によるものであり;(v)アミノ酸残基Asn−558に対応する位置でのアミノ酸置換が、Asp又はGlu残基によるものであり;(vi)アミノ酸残基Trp−571に対応する位置でのアミノ酸置換が、Val、Asp、Cys、Ile、Leu、Glu、又はSer残基によるものであり;(vii)アミノ酸残基Asn−573に対応する位置でのアミノ酸置換が、Ala、Asp、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Thr、Val、又はTrp残基によるものであり;(viii)アミノ酸残基Asp−575に対応する位置でのアミノ酸置換が、Ala、Cys、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり;(ix)アミノ酸残基Lys−578に対応する位置でのアミノ酸置換が、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり;(x)アミノ酸残基Asn−581に対応する位置でのアミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものであり;(xi)アミノ酸残基Thr−585に対応する位置でのアミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものであり;且つ/又は(xii)アミノ酸残基Gln−616に対応する位置でのアミノ酸置換が、Ala、Cys、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものである、実施形態1又は2の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
4.2つ以上のアミノ酸置換を含み、置換の少なくとも1つが、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置におけるものである、実施形態1、2、又は3の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
5.配列番号62のアミノ酸残基Pro−550、Asn−557、Asn−558、Asn−581、又はThr−585に対応する位置で、少なくとも1つのアミノ酸置を含み;任意選択的に、(i)アミノ酸残基Pro−550に対応する位置でのアミノ酸置換が、Leu、Val、又はIle残基によるものであり;(ii)アミノ酸残基Asn−557に対応する位置でのアミノ酸置換が、Glu、Gln、Ile、Thr、Asp、Asn、Leu、Val、又はSer残基によるものであり;(iii)アミノ酸残基Asn−558に対応する位置でのアミノ酸置換が、Asp又はGlu残基によるものであり;(iv)アミノ酸残基Asn−581に対応する位置でのアミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものであり;且つ/又は(v)アミノ酸残基Thr−585に対応する位置でのアミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものである、実施形態4の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
6.不溶性α−グルカンが、少なくとも約50%のα−1,3−グリコシド結合を含む、実施形態1、2、3、4、又は5の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
7.不溶性α−グルカンが、少なくとも約90%のα−1,3グリコシド結合を含む、実施形態6の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
8.不溶性α−グルカンが、約300未満の重量平均重合度(DPw)を有する、実施形態1、2、3、4、5、6、又は7の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
9.不溶性α−グルカンが、約150未満のDPwを有する、実施形態8の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
10.不溶性α−グルカンが、約75未満のDPwを有する、実施形態9の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
11.配列番号4の残基55〜960、配列番号65の残基54〜957、配列番号30の残基55〜960、配列番号28の残基55〜960、又は配列番号20の残基55〜960と少なくとも約90%同一である触媒ドメインを含む、実施形態6、7、8、9、又は10の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
12.配列番号4、配列番号65、配列番号30、配列番号28、又は配列番号20と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む、実施形態11の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
13.不溶性α−グルカンの分子量が、第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも少なくとも約10%小さい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
14.実施形態1〜13のいずれか1つに記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、任意選択的に、1つ以上の調節配列がヌクレオチド配列に作動可能に連結され、好ましくは、1つ以上の調節配列がプロモーター配列を含む、ポリヌクレオチド。
15.水、スクロース、及び実施形態1〜13のいずれか1つに記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼを含む反応組成物。
16.α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成する方法であって、(a)少なくとも水、スクロース、及び実施形態1〜13のいずれか1つに記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素を接触させることであって、それにより、α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンが生成される、接触させること;及び(b)任意選択的に、工程(a)で生成された不溶性α−グルカンを単離することを含む、方法。
17.非天然グルコシルトランスフェラーゼ(例えば、実施形態1〜13のいずれか1つの)をコードするポリヌクレオチド配列を作製する方法であって:(a)(i)配列番号4又は配列番号4の55〜960位と少なくとも約40%同一であるアミノ酸配列を含み、且つ(ii)α−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を同定すること;及び(b)工程(a)で同定されたポリヌクレオチド配列を改変して、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において親グルコシルトランスフェラーゼの少なくとも1つのアミノ酸を置換し、それにより、不溶性α−グルカンの分子量が、親グルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さいα−1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を提供することを含む、方法。
18.同定する工程が:(a)in silicoで、(b)核酸ハイブリダイゼーション工程を含む方法を用いて、(c)タンパク質配列決定工程を含む方法を用いて、及び/若しくは(d)タンパク質結合工程を含む方法を用いて実施され、且つ/又は改変する工程が、(e)in silicoで実施され、その後非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素をコードするポリヌクレオチド配列の合成が行われるか、若しくは(f)親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列の物理的なコピーを使用して実施される、実施形態17の方法。
以下の実施例において、本開示をさらに例示する。これらの実施例は、本明細書の特定の好ましい態様を示しているが、単に説明の目的でのみ示されていると理解されるべきである。上述の考察及びこれらの実施例から、当業者であれば、本明細書に開示した実施形態の本質的な特徴を確認することができ、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない範囲において、本明細書に開示した実施形態を様々な使用及び条件に適合させるために様々な変更及び修飾をなし得る。
実施例1
グルコシルトランスフェラーゼα−グルカン生成物の分子量に影響を及ぼすアミノ酸部位の分析
本実施例は、分子量が減少したα−グルカンを生成するグルコシルトランスフェラーゼバリアントに関するスクリーニングについて記載する。
本実施例におけるアミノ酸置換を作製するために使用されるグルコシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列は、配列番号4(GTF 6855)であったが、これは、本質的にはストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)SK126(表1を参照されたい)由来の全長野生型グルコシルトランスフェラーゼ(配列番号62によって表される)のN末端がトランケートされた(シグナルペプチド及び可変領域が除去された)バージョンである。配列番号4においてなされる置換は、配列番号4の各アミノ酸残基/位置(配列番号4のMet−1残基を除く)が配列番号62内のアミノ酸残基/位置と適宜に対応するため、天然のアミノ酸残基に対する置換として特徴付けられ得る。少なくともスクロース及び水を含む反応において、配列番号4のグルコシルトランスフェラーゼは、典型的には、約100%のα−1,3結合及び400以上の重量平均重合度(DPw)を有するα−グルカンを生成する(例えば、米国特許第8871474号明細書及び同第9169506号明細書並びに米国特許出願公開第2017/0002336号明細書(これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。不溶性であるこのα−グルカン生成物は、例えば、濾過を介して酵素的合成後に単離することができる。
単一変異は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に基づく変異誘発プロトコル(QUIKCHANGE LIGHTNING部位特異的変異誘発キット、Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して、配列番号4をコードするDNA配列に個別に導入された。各変異に関して、変異を含有するDNA配列は、配列番号4をコードするDNA鋳型、変異をコードするフォワードプライマー、及び共有のリバースプライマーによるPCRを使用して生成された。
GTF 6855(配列番号4)の様々な単一アミノ酸置換バリアントを個別に発現するためのプラスミド(pBADベクターに基づく)を使用して、1つの追加のノックアウト(ΔilvC)を有するF、λ、大腸菌(E.coli)K−12株BD792(CGSC6159)の派生体である大腸菌(E.coli)株Bw25113(ΔilvC)を形質転換した。100mg/Lのアンピシリンを含むLB寒天を使用して、形質転換体を選択した。クローン由来のプラスミドDNAを個別に配列決定して、各々の目的の単一置換が正しく存在することを検証した。GTF 6855(配列番号4)及びその各々の単一アミノ酸置換バリアントを生成するために、上記の大腸菌(E.coli)Bw25113(ΔilvC)形質転換体を、100mg/Lのアンピシリン及び0.025%のL−アラビノースを含有するLB培地中において30℃で一晩個別に培養した。次に、細胞を収集し、BUGBUSTER(EMD Millipore;体積は、培養体積の10%であった)により室温で約1時間溶解した。溶解した細胞を遠心分離して、細胞片を除去し;GTF 6855(配列番号4)又はその単一アミノ酸置換バリアントを含有した各々の得られた上清を、グルカン重合反応(下記)のために使用した。
GTF 6855(配列番号4)及びその各々の単一アミノ酸置換バリアントを、個別に、以下のものと同じであるか、又は類似したパラメータを有するグルカン合成反応に入れた:容器、75rpmで撹拌される50mLのくぼみ付き振盪フラスコ;初期pH、5.7;反応体積、10mL;スクロース、400g/L;GTF、0.3mLの培養上清(上記);KHPO4、5mM;温度、35℃;時間、約2日。次に、反応は、80℃で30分間熱不活性化された。反応で生成された不溶性グルカンポリマーを個別に収集し、水洗浄し、標準的なサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)手法により分子の大きさについて分析した。表3(下記)は、各々の不溶性グルカン生成物のDPwを提供する。
Figure 2021514681
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表3におけるデータに基づくと、GTF 6855(配列番号4)におけるある種のアミノ酸置換は、未改変GTF 6855(配列番号4)によって生成される不溶性α−1,3−グルカンの分子量と比較して減少した分子量を有する不溶性α−1,3−グルカンを生成する酵素をもたらすことが明白である。不溶性グルカンを生成した表3におけるそれらの酵素に関して、4つのアミノ酸置換を除く全てのアミノ酸置換が、少なくとも約23%の分子量の減少をもたらした;表3において列挙されるアミノ酸置換の3分の2を優に超えるものが、50%以上の分子量減少をもたらした。例えば、最大約86%の分子量の減少(D575P、Q616E)が観察された。
この実施例における前述のいずれかの部位(配列番号62のLeu−513、Ser−553、Asn−573、Asp−575、Lys−578、又はGln−616に相当する位置)での1つ以上の置換は、親非置換グルコシルトランスフェラーゼによって生成される不溶性α−1,3−グルカンのDPwより著しく低いDPwを有する不溶性α−1,3−グルカンの生成を可能にすると予想される。
実施例2
グルコシルトランスフェラーゼによる不溶性α−グルカン合成に対するアミノ酸置換の組合せの効果の分析
この実施例は、グルコシルトランスフェラーゼに対する複数のアミノ酸置換の導入の効果及びその不溶性α−グルカン合成機能におけるそれらの効果を決定することについて記載する。この分析は、例えば、不溶性α−グルカン生成物の分子量を減少させるために上記で同定されたアミノ酸置換が、同様にこの分子量効果を付与する置換の組合せに含まれ得ることを示す。
簡潔に述べると、配列番号4(GTF 6855、このグルコシルトランスフェラーゼの説明については、表1及び実施例1を参照されたい)に対して、部位特異的変異誘発によって特定の組合せのアミノ酸置換がなされた。各組合せに関して、QUIKCHANGE LIGHTNING部位特異的変異誘発キットを連続的な様式で使用して、配列番号4をコードする配列に対して各置換を導入した。置換の各組合せは、下の表4に列挙される。各々の改変されたグルコシルトランスフェラーゼをコードする配列は、個別に配列決定され、意図した変化を確認した。次に、各々のアミノ酸が改変されたグルコシルトランスフェラーゼが発現され、実施例1に従って作製された。
グルカン合成反応は、実施例1において使用されたものと同じ、又は類似したパラメータを使用して、各々の改変されたグルコシルトランスフェラーゼにより実施され、その後、80℃で30分間各反応の熱不活性化が行われた。反応で生成された不溶性グルカンポリマーを個別に収集し、水洗浄し、標準的なSEC手法により分子の大きさについて分析した。表4(下記)は、各々の不溶性α−1,3−グルカン生成物のDPwを提供する。
Figure 2021514681
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表4におけるデータに基づくと、GTF 6855(配列番号4)に対する複数のアミノ酸置換の導入(これらのうちのいくつかの組合せは、分子量を減少させる実施例1において示される置換を含む)は、比較的低い分子量の不溶性α−1,3−グルカンを生成する取り組みにおいて採用され得ることは明白である。例えば、これらのDPw値(表4)を、置換を有しないGTF 6855(配列番号4)によって生成された不溶性α−1,3−グルカンの約350DPwと比較されたい(表3)。
例えば、(i)配列番号62のPro−550、Asn−557、Asn−558、Asn−581、及び/若しくはThr−585、並びに/又は(ii)配列番号62のLeu−513、Ser−553、Asn−573、Asp−575、Lys−578、及び/若しくはGln−616に相当する位置でのものを含む複数の置換を有するグルコシルトランスフェラーゼが、減少した分子量を有する不溶性α−1,3−グルカンを生成できることは明白である。
実施例3
18.6%のα−1,2分枝を有するデキストラン及び低分子量のα−1,3−グルカンを生成するグルコシルトランスフェラーゼを含有する反応
この実施例は、18.6%のα−1,2分枝を有するように予め改変されたデキストランプライマーを含有するグルコシルトランスフェラーゼ反応におけるα−1,3−グルカンの合成について記載する。これらの反応で使用されたグルコシルトランスフェラーゼ酵素は、酵素の未改変の対応物によって作られたグルカン生成物と比較してより小さい分子量のα−1,3−グルカンを生成するように改変された(上記実施例において開示されるとおり)。デキストラン主鎖及びα−1,3−グルカンアームを含むグラフトコポリマーを合成した。
α−1,2−分枝状デキストランが生成され、α−1,3−グルカン合成のためのグルコシルトランスフェラーゼ反応を刺激した。このプライマーの調製は、基本的に、国際公開第2017/091533号パンフレット及び米国特許出願公開第2018/0282385号明細書(これらは、両方とも参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているとおりに実施された。要約すると、分子量約14kDa(約89のDPw)の直鎖デキストラン(すなわち100%のα−1,6グリコシド結合を有する多糖)は、グルコシルトランスフェラーゼGTF8117を用いて生成された。次に、このデキストランは、α−1,2−分枝酵素GTFJ18T1を使用して、18.6%のα−1,2−分枝を有するように改変された。得られたデキストラン(約104(約17kDa)のDPw及び18.6%のα−1,2−分岐を有した)は、本明細書においてP5プライマーと呼ばれる。
次に、P5プライマーを、グルコシルトランスフェラーゼを含むα−1,3−グルカン合成反応に含ませ、デキストラン主鎖及びα−1,3−グルカンアームを含むグラフトコポリマーを生成した。これらの反応において使用されるグルコシルトランスフェラーゼは、上の実施例2において記載されるとおりの非天然のものである(表4)。本実施例の酵素調製は、以下のとおりに実施された。要約すると、グルコシルトランスフェラーゼを異種発現するKOBW−3a細胞を、100ng/mLのアンピシリン及び0.025%のL−アラビノースを含有するLB培地において30℃で一晩増殖させた。遠心分離により細胞をペレット化し、続いて10体積%のBugBuster(登録商標)タンパク質抽出試薬(EMD Millipore)により、室温で少なくとも1時間溶解させた。遠心分離により細胞片を除去した後、透明な細胞溶解物を試験のために回収した。
13個の別個の4.0mLのα−1,3−グルカン合成反応をガラスの50mLくぼみ付きフラスコで実施した。各反応は、水、スクロース(およそ20、50、又は200g/L)、リン酸緩衝液(5mM、pH5.7)、任意選択的にP5プライマー(およそ0.2、1.0、又は5.0g/L)、及びグルコシルトランスフェラーゼ(上記)を含んだ。反応物は、適切な量のP5プライマー(50g/Lの原液を使用する)、0.2mLの細胞溶解物(グルコシルトランスフェラーゼ含有する)及び対応する緩衝液を混合することにより調製された。これらの調製物の各々及びスクロース原液(400g/L)を35℃で少なくとも30分間温めた。次に、適切な体積のスクロース溶液を各調製物に添加し、α−1,3−グルカン合成を開始させた。反応は、35℃で約60時間振盪(10rpm)しながら実施した。このインキュベーションに続いて、反応内容物全体を15mLの遠心管に個別に移し、85℃のオーブンに約30分間入れて、グルコシルトランスフェラーゼを不活性化し、それによって反応を停止させた。各反応で生成された約300〜500mgの湿潤ケークをSECにより分析して、不溶性ポリマー生成物の分子量及びDPを決定した。表5は、これらの分析の結果を示す。
Figure 2021514681
各プライマー含有反応のグルカン生成物でプライマー上にグラフトされた個別のα−1,3−グルカンアームのサイズは、追加のプライマーを含有しない対照反応で生成されたα−1,3−グルカンのサイズと非常に類似していると考えられる。対照反応生成物は、α−1,3−グルカンホモポリマーを含んだ。とはいえ、プライマーの濃度が反応系列の各セット(20、50又は200g/Lのスクロース)で増加すると、グラフトコポリマー生成物DPwが大幅に減少したことは、注目に値する。
したがって、本開示の非天然グルコシルトランスフェラーゼを使用して、デキストラン主鎖及びα−1,3−グルカンアームを含むグラフトコポリマーが合成された。プライマーは、明らかに消費され、グラフトコポリマー生成物に組み込まれた。α−1,2−分岐デキストランは、この実施例においてプライマーとして使用されたが、α−1,3−グルカン合成は、α−1,2−分岐により改変されていないデキストランを使用する場合にも(上記のとおり)観察された(データは示さず)。
実施例4
9.7%のα−1,2分枝を有するデキストラン及び低分子量のα−1,3−グルカンを生成するグルコシルトランスフェラーゼを含有する反応
この実施例は、9.7%のα−1,2分枝を有するように予め改変されたデキストランプライマーを含有するグルコシルトランスフェラーゼ反応におけるα−1,3−グルカンの合成について記載する。これらの反応で使用されたグルコシルトランスフェラーゼ酵素は、酵素の未改変の対応物によって生成されたグルカン生成物と比較してより小さい分子量のα−1,3−グルカンを生成するように改変された(上記実施例において開示されるとおり)。デキストラン主鎖及びα−1,3−グルカンアームを含むグラフトコポリマーを合成した。
α−1,2−分枝状デキストランを生成し、α−1,3−グルカン合成のためのグルコシルトランスフェラーゼ反応を刺激した。このプライマーの調製は、基本的に、国際公開第2017/091533号パンフレット及び米国特許出願公開第2018/0282385号明細書において開示されるとおりに実施された。要約すると、分子量約40kDa(約250のDPw)の直鎖デキストラン(すなわち100%のα−1,6グリコシド結合を有する多糖)は、グルコシルトランスフェラーゼGTF6831を用いて生成された。次に、このデキストランは、α−1,2−分枝酵素GTFJ18T1を使用して、9.7%のα−1,2−分枝を有するように改変された。結果的なα−1,2−分枝状デキストラン(約271(約44kDa)のDPwを有した)は、本明細書においてP6プライマーと呼ばれる。
次に、P6プライマーを、グルコシルトランスフェラーゼを含むα−1,3−グルカン合成反応に含ませ、デキストラン主鎖及びα−1,3−グルカンアームを含むグラフトコポリマーを生成した。本反応で使用したグルコシルトランスフェラーゼは、実施例3で使用して作製したものと同一であった。
13個の別個の4.0mLのα−1,3−グルカン合成反応をガラスの50mLくぼみ付きフラスコで実施した。各反応は、水、スクロース(およそ20、50、又は200g/L)、リン酸緩衝液(5mM、pH5.7)、任意選択的にP6プライマー(およそ0.2、1.0、又は5.0g/L)、及びグルコシルトランスフェラーゼ(上記)を含んだ。反応物は、適切な量のP6プライマー(50g/Lの原液を使用する)、0.2mLの細胞溶解物(グルコシルトランスフェラーゼ含有する)及び対応する緩衝液を混合することにより調製された。これらの調製物の各々及びスクロースストック溶液(400g/L)を35℃で少なくとも30分間温めた。次に、適切な体積のスクロース溶液を各調製物に添加し、α−1,3−グルカン合成を開始させた。反応は、35℃で約60時間振盪(10rpm)しながら実施した。このインキュベーションに続いて、反応内容物全体を15mLの遠心管に個別に移し、85℃のオーブンに約30分間入れて、グルコシルトランスフェラーゼを不活性化し、それによって反応を停止させた。各反応で生成された約300〜500mgの湿潤ケークをSECにより分析して、不溶性ポリマー生成物の分子量及びDPを決定した。表6は、これらの分析の結果を示す。
Figure 2021514681
各プライマー含有反応のグルカン生成物でプライマー上にグラフトされた個別のα−1,3−グルカンアームのサイズは、追加のプライマーを含有しない対照反応で生成されたα−1,3−グルカンのサイズと非常に類似していると考えられる。対照反応生成物は、α−1,3−グルカンホモポリマーを含んだ。とはいえ、一般に、プライマーの濃度が反応系列の各セット(20、50又は200g/Lのスクロース)で増加すると、グラフトコポリマー生成物DPwが大幅に減少したことは、注目に値する。したがって、実施例3と同様に、本開示の非天然グルコシルトランスフェラーゼを使用して、デキストラン主鎖及びα−1,3−グルカンアームを含むグラフトコポリマーが合成された。プライマーは、明らかに消費され、グラフトコポリマー生成物に組み込まれた。

Claims (18)

  1. 配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含む非天然グルコシルトランスフェラーゼであって、
    前記非天然グルコシルトランスフェラーゼが、1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成し、且つ前記不溶性α−グルカンの分子量が、前記置換位置で前記非天然グルコシルトランスフェラーゼと異なるのみの第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい、非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  2. 配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Ser−553、Asn−573、Asp−575、Lys−578、又はGln−616に対応する位置で、少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  3. (i)アミノ酸残基Leu−513に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり;
    (ii)アミノ酸残基Pro−550に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Leu、Val、又はIle残基によるものであり;
    (iii)アミノ酸残基Ser−553に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Ala、Cys、Glu、Phe、His、Ile、Met、Asn、Arg、Thr、Val、又はTyr残基によるものであり;
    (iv)アミノ酸残基Asn−557に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Glu、Gln、Ile、Thr、Asp、Asn、Leu、Val、又はSer残基によるものであり;
    (v)アミノ酸残基Asn−558に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Asp又はGlu残基によるものであり;
    (vi)アミノ酸残基Trp−571に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Val、Asp、Cys、Ile、Leu、Glu、又はSer残基によるものであり;
    (vii)アミノ酸残基Asn−573に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Ala、Asp、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Thr、Val、又はTrp残基によるものであり;
    (viii)アミノ酸残基Asp−575に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Ala、Cys、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり;
    (ix)アミノ酸残基Lys−578に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものであり;
    (x)アミノ酸残基Asn−581に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものであり;
    (xi)アミノ酸残基Thr−585に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものであり;且つ/又は
    (xii)アミノ酸残基Gln−616に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Ala、Cys、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、又はTyr残基によるものである、請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  4. 2つ以上のアミノ酸置換を含み、前記置換の少なくとも1つが、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置におけるものである、請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  5. 配列番号62のアミノ酸残基Pro−550、Asn−557、Asn−558、Asn−581、又はThr−585に対応する位置で、少なくとも1つのアミノ酸置を含み;
    任意選択的に:
    (i)アミノ酸残基Pro−550に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Leu、Val、又はIle残基によるものであり;
    (ii)アミノ酸残基Asn−557に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Glu、Gln、Ile、Thr、Asp、Asn、Leu、Val、又はSer残基によるものであり;
    (iii)アミノ酸残基Asn−558に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Asp又はGlu残基によるものであり;
    (iv)アミノ酸残基Asn−581に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものであり;且つ/又は
    (v)アミノ酸残基Thr−585に対応する位置での前記アミノ酸置換が、Pro又はGly残基によるものである、請求項4に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  6. 前記不溶性α−グルカンが、少なくとも約50%のα−1,3グリコシド結合を含む、請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  7. 前記不溶性α−グルカンが、少なくとも約90%のα−1,3グリコシド結合を含む、請求項6に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  8. 前記不溶性α−グルカンが、約300未満の重量平均重合度(DPw)を有する、請求項6に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  9. 前記不溶性α−グルカンが、約150未満のDPwを有する、請求項8に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  10. 前記不溶性α−グルカンが、約75未満のDPwを有する、請求項9に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  11. 配列番号4の残基55〜960、配列番号65の残基54〜957、配列番号30の残基55〜960、配列番号28の残基55〜960、又は配列番号20の残基55〜960と少なくとも約90%同一である触媒ドメインを含む、請求項6に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  12. 配列番号4、配列番号65、配列番号30、配列番号28、又は配列番号20と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項11に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  13. 前記不溶性α−グルカンの分子量が、前記第2のグルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも少なくとも約10%小さい、請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ。
  14. 請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、任意選択的に、1つ以上の調節配列が前記ヌクレオチド配列に作動可能に連結し、且つ好ましくは、前記1つ以上の調節配列がプロモーター配列を含む、ポリヌクレオチド。
  15. 水、スクロース、及び請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼを含む反応組成物。
  16. 1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを生成する方法であって、
    (a)少なくとも水、スクロース、及び請求項1に記載の非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素を接触させることであって、それにより、1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンが生成される、接触させること;及び
    (b)任意選択的に、工程(a)で生成された前記不溶性α−グルカンを単離すること
    を含む、方法。
  17. 非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を作製する方法であって、前記方法が:
    (a)(i)配列番号4又は配列番号4の55〜960位と少なくとも約40%同一であるアミノ酸配列を含み、且つ(ii)1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する親グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を同定すること;
    及び
    (b)工程(a)で同定された前記ポリヌクレオチド配列を改変して、配列番号62のアミノ酸残基Leu−513、Pro−550、Ser−553、Asn−557、Asn−558、Trp−571、Asn−573、Asp−575、Lys−578、Asn−581、Thr−585、又はGln−616に対応する位置において前記親グルコシルトランスフェラーゼの少なくとも1つのアミノ酸を置換し、
    それにより、前記不溶性α−グルカンの分子量が、前記親グルコシルトランスフェラーゼによって合成される不溶性α−グルカンの分子量よりも小さい1,3−グリコシド結合を含む不溶性α−グルカンを合成する非天然グルコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を提供すること
    を含む、方法。
  18. 前記同定する工程が、
    (a)in silicoで、
    (b)核酸ハイブリダイゼーション工程を含む方法を用いて、
    (c)タンパク質配列決定工程を含む方法を用いて、及び/若しくは
    (d)タンパク質結合工程を含む方法を用いて実施され、
    且つ/又は前記改変する工程が、
    (e)in silicoで実施され、その後前記非天然グルコシルトランスフェラーゼ酵素をコードする前記ポリヌクレオチド配列の合成が行われるか、若しくは
    (f)前記親グルコシルトランスフェラーゼをコードする前記ポリヌクレオチド配列の物理的なコピーを使用して実施される、
    請求項17に記載の方法。
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