JP2021514341A - 高分散性沈降シリカ - Google Patents

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Abstract

本発明は、高分散性沈降シリカに関する。より詳細には、本発明は、粒子の90%以上の粒径が1μm以下である改質沈降シリカに関する。本発明は、さらに、これらの改質沈降シリカを製造するのに適した、高性能液体粉砕とシリカの均一なその場改質の組み合わせという特徴を有する方法に関する。さらに、本発明の改質沈降シリカを充填材として配合する、エラストマーの補強方法を開示する。

Description

本発明は、粒子の90%以上の粒径が1μm以下であり、かつ、シリカの再分散性、すなわち、シリカを乾燥した後にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数を、シリカを乾燥する前にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数で割った比が、0.9以上であることを特徴とする改質沈降シリカ、および、これらの改質沈降シリカを製造するのに適した、高性能液体粉砕とシリカの均一なその場改質の組み合わせという特徴を有する方法、ならびにこれらの改質沈降シリカの使用に関する。
沈降シリカは、沈降プロセスによって工業的規模で製造され、広範囲の用途に使用されるシリコンの酸化物である。沈殿工程からの生成物は、通常、必要な粒径を有していないか、またはさらなる乾燥を必要とし、ここで、比表面積のような生産によって設定される生成物特性は、可能な限り変更されるべきではない。概して、噴射ミルまたはインパクトミルは、シリカを微細化または粉砕するために一般に使用され、スプレー乾燥機、ラック乾燥機、回転式乾燥機またはそれらを乾燥するためのノズルタワーが使用される。これらの方法の工程の性能に従って沈降したシリカの典型的な特性は、それらの低い分散性であり、これは通常粒度分布の粗い画分によって証明される。
沈降シリカの既存の製造業者は、分散性の高いシリカ(HDSタイプ)の開発を次第に模索している。典型的な例は、Evonik社のUltrasil(登録商標)5000GRまたはUltrasil(登録商標)7000GRである。これらのシリカは一般的に自動車タイヤ用の強化フィラーとして使用される。シリカ中で容易な分散性を達成する通常の方法は、例えば、Evonik社のEP0901986A1またはEP1525159A1に記載されているように、沈殿プロセスに介入することである。これらのHDSタイプは、粒度測定における粗粒度の減少によって特徴付けられる。しかし、このようにして粗画分のない製品を製造することはできない。
沈降シリカの分散性の尺度として、Evonikは、例えば、レーザー回折(EP0901986A1等を参照)によって測定される粒度分布に基づくwk係数を用いる。沈降シリカの散乱光像を評価することにより、約40nm〜500μmの広い測定範囲にわたって粒径の分布を決定することができる。wk係数は、粒径が0〜1μmの粉砕粒子のピーク高さに対する、粒径が1〜100μmの範囲に最大値を有する粉砕されていない非常に粗いシリカ粒子のピーク高さの比を示す。後者のカテゴリーの非常に小さい粒子はゴム化合物中で優れた分散を引き起こす。したがって、wk係数は沈降シリカの分散性の尺度である。沈降シリカのwk係数が低いほど、沈降シリカは分散しやすい。先行技術からの容易に分散可能な比較シリカの粒度分布の測定は、3.4から10を超えるwk係数値をもたらした(EP0901986A1等を参照)。一方、EP0901986A1及び国際公開第2004/014797A1号のEvonikは、wk係数が<3.4であるさらに容易に分散可能な沈降シリカを開示する.しかし、粉砕されていない非常に粗いシリカ粒子の測定されたピーク、並びに欧州特許第0901986A1号の図1〜5に示されているプロット及びwk係数についての記載値>1は、そこに記載されているシリカが同様に、1〜100μmの範囲に粒径の最大値を有する粗粒子をほとんどの割合で含有することを示している。したがって、ここでは二峰性の粒度分布が存在する(EP0901986の段落[0035]を参照)。
また、EP1348669A1は、粒度分布が狭い微分散シリカ及びその製造方法に関する。これは同様に、開示された沈降シリカ(段落[0040]b参照)についてwk係数が<3.4であることを報告し、粒子の95%における直径が40μm未満であるが、5%のみが10μm未満であることを明記している(段落[0027]参照)。すなわち、シリカ粒子の95%が10μm以上の粒径を有することになる。
DegussaのEP0922671A1には、分級機ミルまたは流動床カウンター噴射ミルを使用して粉砕され、粒子分布指数I<1(マルヴァーンによって測定される)を有する沈降シリカが開示されている。ここで、I=(d90−d10)/2・d50である。寸法値d、d10、d50、d90または一般にdは、全粒子のx%が対応する値以下の粒径を有することを示す。すなわち、d50=1μmは、粒子の50%が1μm以下の粒径を有することを意味する。粉砕にもかかわらず、ここに記載されるシリカは、図1および図2によれば、1μm未満の粒径を有する粒子の有意な破砕がないので、容易に分散可能なシリカの要件を満たさない。
本発明の目的は、1μmを超える粒径を有することを特徴とする粒度分布が可能な限り小さいか、または粒子の分散が全くない改質沈降シリカ及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、粒子の90%以上の粒径が0〜1μmであり、再分散性が0.9以上であることを特徴とする改質沈降シリカを提供し、これらのシリカを製造するのに適した、シリカの均一なその場改質と高性能液体粉砕とを組み合わせた特殊な特徴を有する方法によって、上記課題を解決する。これにより、粒度分布の粗さが1%未満、すなわち1μmを超える粒子が1%未満の改質沈降シリカを製造することができる。
本発明は、粒子の90%以上の粒径が1μm以下であり、かつ、その再分散性、すなわち、すなわち、シリカを乾燥した後にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数を、シリカを乾燥する前にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数で割った比が、少なくとも0.9であることを特徴とする改質沈降シリカに関する。
合成シリカの工業的生産は主に沈殿プロセスによって行われる。このようにして産生されるシリカは沈降シリカと呼ばれる。沈降シリカは、例えば、米国特許第2,657,149号、米国特許第2,940,830号、および米国特許第4,681,750号に記載されているように、当業者に公知の方法によって、縮合可能な四官能性または多官能性シラン、アルコキシシラン、アルキルまたはアルカリ金属ケイ酸塩(水ガラス)、またはコロイダルシリカ粒子または溶液から製造される。
沈降シリカを提供する際の主な利点は、かなり高価な発熱性シリカとは異なり、安価な製品であることである。
改質、特に表面改質は、より良好な特性プロファイルを達成することを可能にし、それが、シリカの改質が、例えば、より低い吸水性またはより高い引張強度を必要とする多くの用途において必要条件である理由である。
元素分析による本発明の組成物の元素成分の決定は、元素の存在を決定することを可能にする。炭素、酸素、およびケイ素の元素の存在は、元素分析、すなわち、適切な分析器における燃焼分析によって確立し、定量することができる。化学元素の重量パーセントは、適切な分析器における元素分析またはCHN分析によって決定され、そこから実験式が計算される。核磁気共鳴分光法を用いて、固体上の種々の[RSiO(4−x)/2]単位の存在を調べ、モル比を推定することができる。置換基Rは、13CNMR分光法によって同定でき、x=0〜x=4である[RSiO(4−x)/2]単位中の置換基の数xは、種々のシフト領域に基づいて29SiNMR分光法によって決定できる。
本発明によれば、改質沈降シリカ粒子の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、特に好ましくは100%の粒径は1μm以下である。ここで、粒径とは、レーザー回折式粒径分析(レーザー粒度測定法による測定)により決定した粒径を言う。レーザー光の光波の偏向(回折)に基づいて液体または気体媒質中の固体粒子または液体粒子の粒径分布を測定する方法である。粒径を決定するために利用可能な測定装置としては、例えば、レーザー回折測定システム、レーザー回折センサーまたはレーザー回折式粒径分析装置があり、液体または気体中で測定される粒子からなる粒子流が、レーザー光を介して媒体から横方向に輸送されるか、または液体媒体中に分散された粒子を含むガラスセルがレーザービーム中に配置される。粒子との相互作用によって散乱または屈折された光の強度および関連する角度依存性は、検出器によって決定される。粒径と粒径分布は散乱光信号の角度依存性から適切な理論によって決定できる。現在市販されているレーザー回折分析装置は、粒径が1μm未満の範囲を分析するためのいわゆるMie理論と、径クラスが1μm超に対する古典的Fraunhofer理論とを一般的に採用しており、異なる径範囲に対して異なる光源を使用することができる。
粒径の決定の測定結果には分散法が重要である。本発明で使用する方法は、表面改質シリカに対して最適化され、改質シリカの適切な濡れおよび分散を確実にする。分散に超音波を用いることが好ましい。超音波浴は十分な分散エネルギーを得るのに適していない。したがって、超音波チップまたはソノトロードの使用が好ましい。
レーザー回折による粒径分析の測定結果は、体積加重粒径分布qとそれに対応する累積分布曲線Qに基づいて評価される。累積分布曲線は100%に正規化された粒度プロットの累積プロットである。1μm以下の粒子の割合は、1μmにおける累積分布曲線Qのパーセントの値である。値100%は、全ての粒子の粒径が1μm以下であることを意味する。
寸法値d、d10、d50、d90または一般にdは、全粒子のx%が対応する値以下の粒径を有することを示し、すなわち、d50=1μmは、粒子の50%が1μm以下の粒径を有することを意味する。
本発明では、国際公開第2004/014797号にしたがって、1.0μm未満の範囲に最大値を有する粒子のピーク高さに対する1〜100μmの範囲に最大値を有する粒子のピーク高さの比としてwk係数を決定することにより、常に0/x=0(xは1.0μm未満の範囲に最大値を有する粒子のピーク高さ)の値が得られる。基本的に、wk係数は、粒子分散性の信頼できる尺度にすぎない。ここでの問題は、それがモード値A(=1μm未満の粒径を有する全ての粒子のモード値)に対するモード値B(=1μm〜100μmの粒径を有する全ての粒子のモード値)の比のみの反映であることである。wk値を1にすると、2つのモードのピーク高さが同じになる。しかし、これは必ずしも、例えばwk値が4のシリカがwk値が1のシリカよりも分散性が低いことを意味するものではない。wk値が1の場合はwk値が4の場合よりも、粒径が1〜100μmの範囲に多くの粒子が存在する可能性が十分にあるということである。これは、粒子分布曲線が大きく歪んでおり、その分布がより大きな粒径に向かって顕著に尾を引く正の(統計的)偏差を示す場合には常に考えられる。Bモード値に関する非常に広い対称分布も同様の効果を生じ得る。したがって、本発明のシリカについては、ここでは、1μm以下の粒径が、粗画分と細画分の相対的比率を明確に反映する分散性の品質の尺度として選択される。
EP0922671A1(I=(d90−d10)/2・d50)に従って粒子分布指数Iを決定することも、シリカの分散性の適切な尺度ではない。なぜなら、wk値のような数値は相対変数に過ぎず、分布の位置に関する情報を提供しないからである。
従来技術で利用可能な沈降シリカとは対照的に、本発明の改質沈降シリカは、1μm以下の範囲の小さい粒径、非常に低いか又は存在しない粗画分、すなわち1μmを超える径を有する粒子によって特徴付けられ、従って狭い粒度分布によっても特徴付けられる。
このように、良好な光学特性、特に良好な透明性を有するシリコーンエラストマーを得ることができるという大きな利点を有する。粗大な粒子はほとんど存在しないので、通過する光が散乱される大きな散乱中心は存在せず、その結果、組成物は外観上曇って見える。
また、弾性率、引張強さ、引裂き抵抗性などのより優れた機械的特性を有するエラストマー、特にHTV、LSR、RTVゴムなどのシリコーンエラストマーが得られるという利点もある。その理由は、ポリマーマトリックス中のシリカ粒子のより良好でより均一な分布であり、その結果、より密な二次粒子ネットワークが生じ、従って、より有効な応力緩和およびより大きな過剰歪みが生じるからである。本発明の改質沈降シリカのさらなる利点は、良好な分散性が、レオロジー添加剤として使用された場合により大きな増粘効果をもたらすことである。もう1つの利点は、アンチブロッキング添加剤またはアンチケーキング剤として使用された場合にホスト粒子上のシリカ粒子の分布がより良好であり、それによって本発明のシリカの有効性を増加させることである。
均一な改質層を有する本発明のシリカは、特に乾燥後の優れた再分散性によって特徴付けられる。本発明の改質沈降シリカの再分散性は、少なくとも0.9、好ましくは0.95、より好ましくは0.99、特に好ましくは1であり、この再分散性は、シリカを乾燥した後にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数を、シリカを乾燥する前にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数で割った比として定義される。再分散性1は、シリカが乾燥後に完全に再分散可能であり、全ての粒子が1μm未満の粒径を有することを意味する。
本発明の改質沈降シリカのBET比表面積は、好ましくは50m/g〜400m/g、より好ましくは100m/g〜300m/g、特に好ましくは150m/g〜250m/gである。
比表面積は、DIN9277/66131および9277/66132に準拠したBET法によって決定することができる。
本発明の改質沈降シリカは、炭素含有量が1.5%以上であることが好ましく、2.0%以上であることがより好ましい。炭素含有量は本質的に有機基による沈降シリカの改質に基づいている。
炭素含有量は、元素分析、すなわち、適切な分析器における燃焼分析によって決定することができる。
また、本発明の改質沈降シリカは、メタノール−水の5%分散液の導電率が500S/cm以下であることが好ましく、100S/cm以下であることがより好ましく、25S/cm以下であることが特に好ましい。
改質シリカは水にほとんど濡れないか、または全く濡れないので、適切な試料の導電率をメタノール/水混合物中で測定することができる。これは、少量の試料(本発明による改質沈降シリカ5g)をメタノール10gと混合し、次いで脱塩水85gで希釈することによってのみ行われる。均一であることを確実にするために、混合物を交互によく混合し、長時間放置する。導電率測定セルを用いて導電率を測定する前に、混合物を再び振盪する。導電率は、任意の導電率計を用いて測定することができる。基準温度20℃で測定される。試料の導電率を測定することも、可溶性不純物を定量するための非常に感度の高い方法である。
シリカの均一な表面改質は、小さな粒径のため、特に乾燥後のシリカの優れた再溶解性のために重要である。
従って、改質沈降シリカは、均一な表面改質により特性化されることが好ましい。
表面改質の均一性を評価するために、水相および有機相の間の分配試験と組み合わせた湿式試験が有用であることが分かった。本発明によれば、有機相としてn−ブタノールを用いることが好ましい。水相として水を用いることが好ましい。
改質沈降シリカが水と激しく混合した後に水により大きく濡れ、水相中に沈澱して濁ると、改質沈降シリカは親水性となる。水相と有機相からなる系(例えば、ブタノール)中の改質沈降シリカが有機相の濁りを生じない場合、親水性と判断された改質沈降シリカは、同時に疎水性である。この場合、均一な表面改質が存在する。均一な表面改質は、改質沈降シリカが水と激しく混合した後に濡れていない場合、すなわち、それが水相上に浮遊して分離相を形成する場合、すなわち、疎水性であるが、同時に、水相と有機相からなる系において有機相中に混濁を生じさせる場合、すなわち、親油性である場合にも存在する。均一な表面改質は、改質沈降シリカが、水と激しく混合した後に水によって濡れていない場合、すなわち、それが水相上に浮遊して分離相を形成する場合、すなわち、疎水性であるが、同時に、水相と有機相からなる系においていずれの相によっても濡れていないが、第3の固体リッチ相を形成する場合にも同様に存在する。
不均一な表面改質は、改質沈降シリカが水と激しく混合した後に濡れた場合、すなわち、それが水相に沈み、混濁を生じる場合、すなわち、親水性であるが、同時に、水相と有機相からなる系において有機相に混濁を生じさせる場合、すなわち、親油性である場合に存在する。
界面の均一性のより正確な評価は、有限濃度での逆ガスクロマトグラフィー(IGC‐FC)により可能である。この方法は吸着エネルギー分布関数(AEDF)により表面のエネルギー均一性を決定することを可能にする。AEDFは、表面のエネルギー分布のグラフである。本発明による改質シリカは、分布関数において3つのピークを与えることが分かった。
均一な表面改質は、IGC−FCにより決定される改質沈降シリカのAEDFの約28〜32kJ/molの範囲内にあるピークP3の相対面積率F(P3)が、好ましくは0.2未満、より好ましくは0.15未満、特に好ましくは0.1未満であることを特徴とする。ここで、相対面積率F(P3)は、F(P3)=A(P3)/[A(P1)+A(P2)+A(P3)]と定義され、ここで、x=1、2または3であるA(Px)は、ピークP1、P2およびP3の面積である。高エネルギーピークP3の相対面積率F(P3)は、可能な最も低い強度を有することが好ましい。
本発明は、これらの改質沈降シリカを製造する方法であって、改質反応が、前記沈降シリカを生成する反応の途中または直後に行われ、
i)沈降シリカの改質が、BET法(DIN ISO 9277に準拠)により測定した製造される改質沈降シリカのBET表面積(比表面積)1m当たり0.0075mmolを超える有機ケイ酸塩を用いて行われ、
ii)有機ケイ酸塩を、反応混合物pH8〜10で、5.0mmol/(min・l) 未満の相対添加速度で計量し、
iii)改質沈降シリカを液相粉砕する、
ことを特徴とする方法をさらに提供する。
本発明の方法は、国際公開第2018/019373号に詳細に記載されているように、沈澱シリカを生成する反応の間またはその直後に改質反応が行われる、いわゆる「ワンポット法」に基づいている。国際公開第2018/019373号に記載されているこの「ワンポット法」の特徴に加えて、本発明は、規定された量の有機ケイ酸塩の添加、規定された相対的な計量速度で有機ケイ酸塩を計量する反応における規定されたpH範囲、および液相における粉砕工程を開示している。
本発明の方法は、以下の工程からなることが好ましい。
i)[SiO4/2]単位の追加または形成、より好ましくは[SiO4/2]単位の形成、
ii)有機ケイ酸塩の計量、すなわち表面改質(同じ混合物の中で)、
iii)任意で後反応による反応の完了、
iv)液相中の粉砕、
a)工程ii及び任意の工程iiiの後の反応混合物の直接粉砕、
b)分散液の分離(すなわち、例えば、濾過または遠心分離、特に好ましくは濾過によって、固相を液相から分離すること)、任意で洗浄、任意で乾燥、再分散(特に好ましくは水中で)、および粉砕、
v)分離(すなわち、例えば、濾過または遠心分離によって、特に好ましくは濾過によって、固相を液相から分離すること)
vi)任意で固体の洗浄、
洗浄は、プロセス工程iv)a)の実行中に行われることが特に好ましい。
洗浄は、プロセス工程iv)b)の実行中に行われないことが特に好ましい。
vii)固体の乾燥。
上記各工程は、本発明のシリカの製造における基本的な操作である。個々の工程を任意で組み合わせることもできる。例えば、工程i)と工程ii)とを並列に動作させることもできる。個々のプロセス工程は、好ましくは連続して、より好ましくは示された順序で行われる。
アルコキシシランまたはアルカリ金属ケイ酸塩(水ガラス)は、[SiO4/2]単位([SiO4/2]出発物質)を形成するための出発物質(前駆体)として、本発明によって使用される。本発明の文脈において、[SiO4/2]単位は、沈降シリカの基本的な構造単位であることを意味する。沈降シリカを製造するための[SiO4/2]の出発物質はアルコキシシランまたはアルカリ金属ケイ酸塩である。特に[SiO4/2]出発物質として水ガラスを用いることが好ましい。「水ガラス」とは、溶融物またはその水溶液から固化されたガラス状、すなわち非晶質の水溶性ナトリウム、カリウムおよびリチウムケイ酸塩を言う。ナトリウム水ガラスの水溶液は特に好ましい。
[SiO4/2]単位は、ケイ素原子が4つの酸素原子に結合している化合物を意味し、各原子は、さらなる結合のための自由電子を有する。Si−O−Si結合を有する酸素原子を介して結合された単位が存在し得る。遊離酸素原子は、水素または炭素に結合している最も単純な場合であり、または化合物は塩、好ましくはアルカリ金属塩の形態で存在する。
沈降シリカを製造する反応は、改質沈降シリカの製造方法の工程(i)で行われる。その改質(プロセス工程ii)は、同じ混合物中で行われ、改質反応は、沈降シリカを生成する反応の間に、または反応の直後に行うことができる。これは、改質が、沈降シリカを生成するために使用される上記の反応混合物中で行われることを意味する。このプロセスは、国際公開第2018/019373号と同様に、本発明の文脈において「ワンポット法」とも呼ばれる。「ワンポット法」は、一般的に複数の段階の別個のプロセスに基づいて動作する先行技術とは明らかに異なる。
工程i)における反応混合物は、好ましくは、水、アルカリ金属ケイ酸塩、および酸、より好ましくは、水、アルカリ金属ケイ酸塩、および硫酸を含む。
本発明によれば、BET法(DIN ISO 9277に準拠)により測定した、製造される改質沈降シリカのBET表面面積(比表面積)1m当たりの有機ケイ酸塩活性物質の0.0075mmol超、好ましくは0.0075mmol〜1.0mmol、より好ましくは0.01mmol〜0.1mmolに相当する量のケイ酸塩が、改質沈降シリカを製造するための反応混合物中に計量される。これは、本発明のさらなる特定の利点であり、有機ケイ酸塩活性物質の量が生成物の所望の比表面積(BET)に従って選択され得ることを意味する。
製造された改質沈降シリカの炭素分率から元素分析によって、改質沈降シリカのBET表面積(比表面積)1m当たりの有機ケイ酸塩活性物質のモル量を決定することができ、結合した有機ケイ酸塩の構造式CHSi(O)3/2を用いて、モノメチルケイ酸塩に由来する結合した有機ケイ酸塩活性物質の量を算出する。同様にして、結合した有機ケイ酸塩活性物質について、構造式(CHSi(O)2/2を仮定して、ジメチルケイ酸塩に由来する結合した有機ケイ酸塩活性物質の量を計算する。一般に、一般式(I)(下記参照)で表される全ての有機ケイ酸塩活性物質の量を計算する際には、改質反応に直接関与する酸素原子は全体の半分しか考慮されず、カチオンなどの対イオンは無視される。
工程i)では、電解質および/またはアルコールなどのさらなる物質を反応混合物に添加してもよい。電解質は、可溶性の無機塩または有機塩であってもよい。好ましいアルコールとしては、特にメタノール、エタノールまたはイソプロパノールが挙げられる。好ましい実施形態では、水、アルカリ金属ケイ酸塩、および酸に加えて、反応混合物に加えられるさらなる物質は、電解質および/またはアルコールのみであり、より好ましくは電解質のみが加えられ、特に好ましくは反応混合物にさらなる物質が全く加えられない。
本発明によれば、改質反応は、沈降シリカを生成する反応の間または反応の直後に行われる。本発明によれば、この文脈において「直後」とは、1.酸および2.沈降シリカおよび/または[SiO4/2]の出発物質、および3.改質剤としての有機ケイ酸塩を含む反応混合物中の改質が、改質反応の前に塩および/または他の副生成物を除去するためのプロセス工程を経ることなく行われることを意味する。「直後」という用語は、時間的に直後を意味するものではなく、攪拌したり、反応の工程の間に放置しておくことは排除されない。しかしながら、本発明によれば、改質反応は、いかなるイオン交換、濾過、洗浄、蒸留または遠心分離工程によっても、または再懸濁によっても先行されない。塩および/または他の副生成物を除去するための予備プロセス工程の省略は、エネルギーコスト、時間、および洗浄溶液/洗浄水および再懸濁溶液/水などの資源を節約するので、非常に有利である。このアプローチは、追加の装置の使用を不要にする。本発明の方法は時間を節約し、従ってプラント占有時間を短縮するので、これは特に経済的な関心事である。その他の副産物には、特にアルコールが挙げられる。
本発明の文脈において疎水化または疎水化反応と同義にも言及される改質または改質反応において、未改質沈降シリカは、改質剤として有機ケイ酸塩と反応する。従って、本発明の文脈における改質剤は、改質剤、コーティング剤、疎水化剤またはシリル化剤と同義で言及される。
本発明によれば、有機ケイ酸塩は、一般式(I)の化合物を意味する。
−Si(OR4−n (I)
一般式(I)中、R、R、およびnは、次のように定義される。
は、独立して、水素、直鎖または分岐、任意に官能化されたC〜C30アルキル、直鎖または分岐、任意で官能化されたC〜C30アルケニル、直鎖または分岐、任意で官能化されたC〜C30アルキニル、任意で官能化されたC〜C20シクロアルキル、任意で官能化されたC〜C20シクロアルケニル、任意で官能化されたC〜C20ヘテロアルキル、任意で官能化されたC〜C22アリール、任意に官能化されたC〜C23アルキルアリール、任意に官能化されたC6〜C23アリールアルキル、または任意に官能化されたC〜C22ヘテロアリールであり、
は、独立して、水素、直鎖または分岐、任意に官能化されたC〜C30アルキル、直鎖または分岐、任意で官能化されたC〜C30アルケニル、直鎖または分岐、任意で官能化されたC〜C30アルキニル、任意で官能化されたC〜C20シクロアルキル、任意で官能化されたC〜C20シクロアルケニル、任意で官能化されたC〜C20ヘテロアルキル、任意で官能化されたC〜C22アリール、任意に官能化されたC〜C23アルキルアリール、任意に官能化されたC6〜C23アリールアルキル、任意に官能化されたC〜C22ヘテロアリール、またはNR であり、ここで、Rは、独立して、上記で定義したもの、MP+ (式中、Mは元素の周期表の典型元素及び遷移元素からなる群から選択される金属原子であり、pは金属原子Mの酸化数、s=1/pである)、および/または、一般式(IIa)の基とすることができる。
−SiR (OR3−m (IIa)
一般式(IIa)中、RおよびRは、独立して、上記で定義したものであり、mは、独立して0、1、2または3であり、nは、1、2、または3である。少なくとも1種の溶媒、場合により少なくとも1種の界面活性物質またはそれらの混合物、一般式(I)の化合物または一般式(IIa)の基において、少なくとも1つの基RはNR またはMP+ であり、R、p、sおよびMは上記で定義したものである。
一般式(I)の化合物中のRが、一般式(IIa)の基を数回以上、例えば1回以上示す場合、Si原子を含む単位を2個、3個、4個以上有する化合物が存在することになる。その結果、Rが一般式(IIa)の基を数回以上示す場合には、ポリシロキサン又はポリシロキサノレートが存在する。
有機ケイ酸塩は、定義により少なくとも1つのSi−C結合を含まなければならず、すなわち、少なくとも1つの基は、本質的に有機でなければならない。
改質剤として有機ケイ酸塩を用いる特別な利点は、それらが非常に水溶性であり、従って水性媒体中での均一な反応に特に適していることである。ポンプを使用することによって正確な投薬を比較的容易に達成することができるので、固体またはワックス状の物質の水溶液を使用することは取り扱いを容易にする。対照的に、有機アルコキシシランまたは有機クロロシランのような典型的に使用される改質剤は、水にほとんど溶解しないか、または全く溶解しない。これらは水とある程度激しく自発的に、また非常に発熱的に反応するので、安全に、円滑に、そして制御された方法で反応を行うのはかなり困難である(例えば、しばしば使用される有機クロロシランの場合)。
本発明によれば、異なる有機ケイ酸塩の混合物も使用することができる。官能基(例えば、ビニル、アリル、またはCSH等の硫黄含有基)を導入する場合は、混合物を用いることが好ましい。
本発明の方法では、有機ケイ酸塩としてメチルケイ酸塩、より好ましくはモノメチルケイ酸塩またはジメチルケイ酸塩を用いることが好ましい。
上記の記載に加えて、メチルケイ酸塩は、場合によっては水性媒体中で、アルカリ物質との反応により、容易に入手可能で安価なメチルクロロシラン、メチルメトキシシランまたはメチルシラノールから簡便かつ良好な収率で得ることができるので、メチルケイ酸塩の使用は特に有利である。
特に好ましい実施形態では、一般式(CH)Si(OH)3−xOMのモノメチルケイ酸塩およびそのオリゴマー縮合生成物の水溶液が使用され、対イオンMは好ましくはカリウムまたはナトリウムであり、xは好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.3である。特に好ましい実施形態では、x=0.8〜0.9であり、xは1分子ではなく混合物中に存在する分子の全体を指す。特に好ましい有機ケイ酸塩はSILRES(登録商標)BS16(Wacker Chemie AGから入手可能な水性ケイ酸メチルカリウム溶液)であり、その有機ケイ酸塩活性物質含有量はCHSi(O)3/2として計算すると約34%重量である。
別の好ましい実施形態では、一般式(CHSi(OH)2−xOMのジメチルケイ酸塩およびそのオリゴマー縮合生成物の水溶液が使用され、対イオンMは好ましくはカリウムまたはナトリウムであり、xは好ましくは0.1〜2.0であり、xは1分子ではなく混合物中に存在する分子の全体を指す。
一般式(CHSi(OH)2−xOMのジメチルケイ酸塩およびそのオリゴマー縮合生成物、ならびに一般式(CH)Si(OH)3−xOMのモノメチルケイ酸塩およびそのオリゴマー縮合生成物の任意の所望の混合物を含有する水溶液を使用することが特に好ましい。
副生成物または排出物の事前の分離または除去無しで、ケイ酸塩を使用することが好ましい。このことは、例えばジメチルジメトキシシランを必要量の水酸化カリウム水溶液又は水酸化ナトリウム溶液と直接反応させて得られたジメチルケイ酸塩の水溶液を、例えば生成したメタノールを除去することにより、更に精製することなく直接使用することを意味する。
驚くべきことに、プロセスの生成物は均一な表面改質を有し、均一性は上述したように決定される。
工程iiでは、電解質および/またはアルコールなどのさらなる物質を反応混合物に添加してもよい。電解質は、可溶性の無機塩または有機塩であってもよい。好ましいアルコールは、特にメタノール、エタノールまたはイソプロパノールを含む。
工程iiの反応成分は、単純攪拌により混合することが好ましい。
工程ii)の反応混合物の温度は、好ましくは70〜95℃、より好ましくは90℃である。
有機ケイ酸塩、好ましくはメチルケイ酸塩は、[SiO4/2]出発物質、特に好ましくは水ガラスの計量と同時に、または[SiO4/2]出発物質、特に好ましくは水ガラスの計量後に計量することができる。有機ケイ酸塩、好ましくはメチルケイ酸塩は、[SiO4/2]出発物質、特に好ましくは水ガラスの計量終了後に計量することが好ましい。
驚くべきことに、有機ケイ酸塩の計量速度が表面改質の均一性の鍵であることが分かった。従って、本発明によれば、有機ケイ酸塩は、反応混合物のpHが8〜10で計量され、相対計量速度は5.0mmol/(min・l)未満、好ましくは5.0mmol/(min・l)〜0.5mmol/(min・l)、より好ましくは4.0mmol/(min・l)〜1.0mmol/(min・l)である。ここで、相対計量速度とは、使用する脱イオン水の体積と、使用する[SiO4/2]出発物質、好ましくは水ガラスの溶液の体積からなる反応体積1lを基準として、有機ケイ酸塩活性物質のmmol/minの計量速度と定義される。
本発明によれば、有機ケイ酸塩は、反応混合物のpHが8〜10、好ましくは8.0〜10.0、より好ましくは8.5〜9.0で計量される。ケイ酸塩のアルカリ度を相殺するために、反応混合物に、好ましくは酸、より好ましくは硫酸または塩酸、特に好ましくは濃硫酸を添加する。
水と、[SiO4/2]出発物質、特に好ましくは水ガラスと、酸、特に好ましくは硫酸と、有機ケイ酸塩、特に好ましくはメチルケイ酸塩と、場合によっては電解質および/またはアルコールとからなる好ましい反応混合物は、好ましくは30分〜120分の間、より好ましくは60分の間、後反応を受け、すなわち反応が完了する。
この反応後の期間中、pHは一定に保たれることが好ましい。これは、プロセス中の混合物に、より多くの酸を加えることによって達成することができる。
この反応後の期間の間、温度もまた一定に保たれることが好ましい。
任意の反応後の期間無しに、またはその後に反応を終了させるために、pHを約3.5に低下させ、および/または温度を50℃に低下させることによって、反応を停止させることが好ましい。
次いで、反応混合物を好ましくは濾過し、より好ましくは洗浄する。洗浄は、水、極性有機溶媒またはそれらの混合物を使用して行うことができる。洗浄は、好ましくは水、より好ましくは完全脱塩脱イオン水で行うことができ、完全脱塩脱イオン水は5μS/cm未満、好ましくは3μS/cm未満、より好ましくは0.1μS/cm以下の導電率を有することを特徴とする。
洗浄は様々な方法で行うことができる。例えば、濾過によって分離された固体は、洗浄水中で500μS/cm未満、好ましくは100μS/cm未満、より好ましくは10μS/cm未満の十分に低い(好ましくは定数の)導電率値が達成されるまで淡水で濯がれる。洗浄水は、連続的に供給してもよいし、複数回に分けて供給してもよい。特に効率的な洗浄の形態は、浄水中で濾過ケーキを再分散させ、その後さらに濾過することである。任意に、シリカは、濾過の代わりに遠心分離によって分離することができる。
本発明によれば、改質沈降シリカは、更なるプロセス工程において液相で粉砕される。このプロセス工程は、洗浄の前または後に行うことができる。
液相は好ましく水相、より好ましくは水、特に好ましくは脱塩水である。
洗浄前に本発明に従って液相中で粉砕を行う場合、水と、[SiO4/2]出発物質、特に好ましくは水ガラスと、酸、特に好ましくは硫酸であると、有機ケイ酸塩、特に好ましくはモノメチルケイ酸塩またはジメチルケイ酸塩と、場合により電解質および/またはアルコールとからなる好ましい反応混合物を、反応終了後、任意の任意の反応後期間および/またはpHおよび/または温度の低下後に、直接粉砕する。次いで、シリカを上記のように洗浄し、液相から分離し、乾燥させることができる。
洗浄後に本発明に従って液相中で粉砕を行う場合、湿ったフィルターケーキまたは遠心分離残渣を脱塩水中に再分散させ、次いでこの分散物を液相中で粉砕する。
分散液のpHは、粉砕前に好ましくは3〜10、より好ましくは5〜8の値に調整することができる。本発明による液相粉砕用分散液の調製、すなわち、改質沈降シリカの混合および分散のための調製は、従来のミキサーまたは撹拌機、例えばクロスアームミキサーまたはアンカースターラー、または高速分散機、例えばロータステータ機械、ディスソルバー、コロイドミルまたは超音波分散機または高圧ホモジナイザーを用いて行うことができる。
粉砕前の改質沈降シリカを含む分散液の固形分含有量は、好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは2重量%〜20重量%、特に好ましくは5重量%〜15重量%である。本発明による液相中での粉砕後、分散液を直接乾燥するか、または濾過/遠心分離して除去することができ、この場合、洗浄を任意に1回以上行い、その後乾燥工程を行うことができる。さらに洗浄工程を行わずにろ過した後、最終乾燥することが好ましい。
本発明による液相中での粉砕は、粉砕される材料が液相中に存在する全てのミルを使用して行うことができる。典型的な例は、水平または垂直ボールミルおよびビーズミルであり、ここでは、粉砕媒体を使用して、粉砕される材料を微細化する。微細化効果のために必要とされる粒子と粉砕媒体との間の衝突に加えて、これらのタイプのミルでは、粉砕媒体の個々のユニット間、および粉砕媒体と装置壁との間にも多数の衝突が発生し、望ましくない摩滅および摩耗を引き起こし、製品の関連汚染を引き起こす可能性がある。
更に典型的な例は、微細化効果が周囲の流体から生じる剪断力に本質的に起因するロータ−ステータ装置(コロイドミル、ギアリム分散機)、及び分散効果が本質的に膨張流、剪断流、乱流、及び場合によってはキャビテーションに起因する高圧ホモジナイザのような分散ユニットである。特に、より粘性の高い分散液の場合、ローラーミルまたはエッジミル等の垂直ミルが微細化に適している。
粉砕される予め分散された材料を含む分散噴射が、高い運動エネルギーを有する一方または他方に向けられるか、または衝撃表面に対して向けられる、衝撃ミルまたは自己液体ミル(液体噴射分散機)が好ましい。ここでの微細化は、粒子−粒子衝突、粒子−壁衝突、また、周囲の流体の乱流とおそらくキャビテーションに基づいている。
粉砕は、液体噴射分散機を用いて行うことが好ましい。処理すべき分散液は、高圧ポンプ、例えば、数千バールまでの高圧に加圧されたピストンポンプによってこの中に圧送される。次いで、分散液は、様々な形状またはスリットのオリフィスを通して減圧される。圧力が低下すると、液体噴流は強く加速される。このようにして生成された液体噴流は、衝突チャンバ内の衝突要素に対して向けられるか、または反対方向に向けられた第2の液体噴流で逆向きにされることができる。衝突時には、1つまたは複数の噴流の指向運動エネルギーは、粒子衝突、粒子−流体相互作用、および流体中のエネルギーの散逸によって減少する。粒子の微細化は、オリフィスを通過した時と、衝突面または反対方向に向けられた液体噴射に対する分散液の衝撃の両方で行われる。対向する液体噴流が、共通の高圧ポンプシステムと、処理される分散液の全流れを2つの部分的な流れに分離する分流器とを介して、同じ初期分散液から生成される場合に、特に有利である。この実施形態では、装置への支出が最も少なく、自己粉砕プロセスによる製品の摩耗および関連する汚染も同様に最小である。
液体噴射分散は、以下の必須パラメータによって特徴付けられる。
・比エネルギーE:
Eは、衝撃チャンバ内でオリフィス流および噴射形成を生成するために利用され得る圧力の蓄積を介してシステムに作用する単位分散質量当たりのエネルギーである。特定のポテンシャルエネルギーと特定の運動エネルギーは液体噴流分散液の高圧領域における特定の圧力エネルギーからの寄与と比較して無視できるので、特定のポテンシャルエネルギーと特定の運動エネルギーを無視して、ベルヌーイの定理の近似に基づいて計算した。したがって、E=p/ρdispであり、ここでpは静圧[Pa(abs.)]であり、ρdispは分散密度[kg/m]である。比エネルギーは、好ましくは1×10/sより大きく、より好ましくは5×10/s〜1×10/sの範囲内であり、特定の実施形態では、比エネルギーは1×10/s〜5×10/sの範囲内である。
・オリフィス断面の平均噴射速度u:
オリフィス断面内の平均流速は、オリフィスを通る体積流量R[m/s]とオリフィス断面積Aorifice[m]の比から決定することができる。したがって、u=R/Aorificeとなる。オリフィス断面における平均噴射速度は、好ましくは10m/sより大きく、より好ましくは、オリフィス断面における平均噴射速度は、10m/s〜2000 m/sの範囲内であり、特定の実施形態では、オリフィス断面における平均噴射速度は、100m/s〜1000m/sの範囲内である。
粉砕品質を向上させるために、粉砕される材料は、好ましくは、液体噴射分散機を2回以上通過させることができる。特に好ましくは、粉砕される材料を液体噴射分散機に1〜20回通すことができ、特定の実施形態では、被粉砕物を液体噴射分散機に5〜10回通すことができる。
粉砕および任意に洗浄された混合物、すなわち改質沈降シリカをプロセスの次の工程で乾燥させる場合が好ましい。乾燥温度は、100℃以上であることが好ましい。乾燥工程は、粉体の重量が一定になった時点で終了する。乾燥は、トレイ上の乾燥オーブンにおける静的乾燥、又は、例えばドラム乾燥機、コーン乾燥機、又は流動床(流動床)乾燥機における高温ゾーンを通る乾燥材料の通過による動的乾燥のような通常の工業的方法によって実施することができる。動的条件下での乾燥が好ましい。乾燥は、所望により希釈された分散液を熱風流中に噴霧することにより、すなわち噴霧乾燥により行うことが好ましい。
BET法(DIN ISO 9277に準拠)によって乾燥改質沈降シリカのBET表面積(比表面積)を測定することが好ましい。
製造される改質沈降シリカ粒子の少なくとも90%の粒径は、1μm以下であることが好ましい。狭い粒度分布が好ましくは存在する。粒径1〜10μmの粗画分は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、0%が特に好ましい。
Evonik社のSipernat D10またはSipernat D17等の乾燥改質沈降シリカは、水に濡らされないので、その後、液相中で粉砕することはできない。一方、Sipernat D288等の乾燥親水性沈降シリカは、水に濡れる。しかし、液相中での粉砕後の粒子の再分散性は低い(比較例4参照)。
本発明の改質沈降シリカは、本発明の方法により製造することができ、本発明の改質沈降シリカは、本発明の方法により製造することが特に好ましい。
本発明の方法は、好ましくは、本発明の改質沈降シリカを製造するために使用される。
本発明は、さらに、本発明の上記の改質沈降シリカのうちの1つを組み込む、エラストマーの補強方法を提供する。
本発明のシリカは、エラストマーの補強用フィラー、特に、シリコーン固体ゴム(HTV/HCRゴム)およびシリコーン液体ゴム(LSRゴム)等のシリコーンエラストマーの強化用フィラーとして特に非常に適している。
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
分析方法:
BET表面積の決定
比表面積は、Beckmann−Coulter社のSATM 3100アナライザーを用いて、DIN 9277/66131および9277/66132に従ってBET法により決定した。
炭素含有量(%C)の決定
Eltra GmbH (ニースD−41469)のCS−530元素分析装置を用い、DIN ISO 10694に準拠して炭素の元素分析を行った。
レーザー回折による粒径、粒度分布、再分散性の測定
サンプルの準備
a)固体:
スナップ式蓋付き30mlバイアルに9.5gのイソプロパノールを仕込み、次いで0.5gの測定すべきシリカを添加した。存在する粗粒子をまずヘラで粉砕した。この分散液をマグネチックスターラーを用いて約20分間完全に混合した。
次に、サンプル混合物4gを、15.7gのpH10の脱塩水(1MのNaOH水溶液でpH調整)中の0.3gのBYK192の溶液に加え、激しく数回振盪し、磁気撹拌機でさらに20分間混合した。
次いで、混合物を、磁気撹拌機で穏やかに撹拌しながら15分間超音波処理することによって分散させた。これは、50%出力のソノトロード3を備えたDr.Hilscher UP 400s超音波発生器を使用し、ソノトロードを磁気撹拌棒から約2cmの距離に配置して行った。固形分が約0.8%の分散液を得た。
b)水性分散液
分散液の固体含有量は、市販のIR固体含有量天秤を用いて一定質量まで乾燥することによって測定した。
先に測定した分散液の固形分含量に従って、試料をpH10の脱塩水(1MのNaOH水溶液でpH調整)で固形分含量約0.8%に希釈し、数回激しく振り混ぜた後、磁気撹拌機で20分間混合した。
次いで、混合物を、磁気撹拌機で穏やかに撹拌しながら15分間超音波処理することによって分散させた。これは、50%出力のソノトロード3を備えたDr.Hilscher UP 400s超音波発生器を使用し、ソノトロードを磁気撹拌棒から約2cmの距離に配置して行った。
測定
測定は、Hydro MV湿式セルを用いたMalvern Mastersizer 3000レーザー回折装置で行った。測定セルをpH10の脱塩水(1MのNaOH水溶液でpH調整)で満たし、バックグラウンド測定を20秒の測定時間で記録した。次に、上記の試料分散液を、レーザーシャドーが約2〜2.5の値になるまで滴下し、測定温度を25℃とした。測定前に、まず測定セル内で測定分散液を1800rpmで5分間攪拌し、均一に混合した。粒径を決定するために、3つの個別測定を行った。各測定の間、測定した分散液を1800rpmで5分間撹拌し、各測定は予備混合時間終了直後に開始した。
以下のパラメータを指定した。
・粒子の屈折率:1.400
・粒子の吸光度値:0.010
・分散剤の屈折率:1.330
・粒子タイプ:非球形
・測定時間:20秒
解析はMie理論に基づき、ソフトウェアに実装した普遍的解析モデルを用いて行った。表1に示すデータは2回目の個別測定値であり、個別測定におけるd50値の差が5%未満であることを確認する必要がある。表1に1μm以下の粒子数と再分散性を示す。
レーザー回折による粒径分析の測定結果は、体積加重粒径分布qとそれに対応する累積分布曲線Qに基づいて評価した。累積分布曲線は100%に正規化した粒度プロットの累積プロットである。1μm以下の粒子数は、1μmにおける累積分布曲線Qのパーセントの値である。値100%は、全ての粒子の粒径が1μm以下であることを意味する。
再分散性の測定では、事前分離または乾燥無しの液体粉砕後のシリカ分散液と液体粉砕後の乾燥粉末の両方を測定した。再分散性は、シリカ乾燥後の1μm以下の粒子数を、シリカ乾燥前の1μm以下の粒子数で割った比である。再分散性1は、シリカが乾燥後に完全に再分散可能であり、全ての粒子が1μm未満の粒径を有することを意味する。
表面改質の均一性の決定
テスト1:
スナップ式蓋付きの50mlバイアルに25mlの脱塩水を充填した。次いで、測定対象のシリカ粉末100mgを加え、バイアルを閉じ、30秒間激しく振盪した。
評価:
・親水性:シリカの大部分は水に濡れ、水相中に沈んだ。
・疎水性:シリカはほとんど濡れておらず、沈まなかった。シリカは水相上に浮遊し、分離相を形成した。
テスト2:
スナップ式蓋付きの50mlバイアルに15mlの脱塩水と15mlのブタノールを仕込んだ。次に、測定対象のシリカ粉末100 mgを加え、バイアルを閉じ、30秒間激しく振盪した。相分離後、二つの相における粒子の分配を光学的に評価した。
評価:
・親油性:上部ブタノール相は強く混濁し、下部水相はほとんど透明であった。
・疎油性:上部ブタノール相はほとんど透明で、下部水相は強く混濁していた。
均一性の測定:
Figure 2021514341
BET定数CBET及び吸着エネルギー分布関数の決定
定量は有限濃度のインバースガスクロマトグラフィー(IGC‐FC)により行った。この目的のために、内径2mm、長さ15cmの錆びないクロマトグラフィーカラムに、測定対象のシリカを充填した。試料量は約190mgであった。カラムの両端をシラン処理したグラスウールで閉じた。充填カラムを1/8’Swagelokコネクタによりガスクロマトグラフに接続した。ガスクロマトグラフはFID検出器を備えた標準市販装置であった。キャリアガスはヘリウムを用いた。測定前に110℃、ガス流量12ml/minで16時間脱気した後、50℃、ガス流量20ml/minで測定した。10μlシリンジでイソプロパノール(GC品質以上の純度)1.5〜3.0μlを注入した。注入された試料の量は繰り返して測定する必要があった。この目的は相対圧力0.1〜0.25で最大ピーク高さを達成することであり、これはクロマトグラム全体からのみ決定することができた。死容積を決定するために、メタンをイソプロパノールと共に注入した。
BET定数CBETを決定する等温線をConder(「ガスクロマトグラフィーによる理化学的測定」、J.R.コンダーとC.L.ヤング。ウィリー(チチェスター)、1979)に従って計算した。吸着エネルギー分布関数(AEDF)をバラード(H.バラード;「逆ガスクロマトグラフィーによる固体の表面エネルギー不均一性の推定」;Langmuir,13(5)、pp.1260−1269,1997)に従って決定した。等温線とそこから導出された物理的パラメータ/AEDFは、Adscientsの「In−Pulse」(登録商標)および「FDRJ07.5.F」(登録商標)ソフトウェアを用いて計算された。
AEDFの高エネルギーピークの面積分率を決定するために、分布関数を解析により個々のピークに分解した。これは、生のAEDFデータをORIGINプログラムに読み込み、個々のピークについてガウス分布を仮定して解析することによって行われた。本明細書に記載した全ての例について、以下のピーク位置を有する3つのピークを仮定すると、最良適合が得られた。P1:約17〜19kJ/mol、P2:約21〜25kJ/mol、およびP3:約28〜32kJ/mol。表1は、28〜32kJ/molの範囲にある高エネルギーピークF(P3)=A(P3)/[A(P1)+A(P2+A(P3)]の面積率を示したものである。ここで、A(Px)(x=1、2または3)は、ピークP1、P2およびP3の面積である。
使用原材料
ケイ酸ナトリウム水溶液:製造業者のデータによれば、20℃で約1.37g/cmの密度を有するヴェルナー社製の市販の水ガラス38/40。
ケイ酸メチルカリウム溶液:製造業者のデータによれば、CHSi(O)3/2として算出される有効成分含有量が約34%重量%のケイ酸メチルカリウム水溶液Silres(登録商標)BS16。
例1:
18kgの脱塩水を、プロペラパドル撹拌機を備えた40Lの片側撹拌機ユニット(鋼/エナメル)中で90℃に加熱した。250min−1で攪拌しながら、5.04kgの水ガラスをこの温度で60分間一定の計量速度で計量した。これと並行して1.22kgの50%硫酸を同時に計量した結果、pHはほぼ一定に保たれた(pH約8.5)。混合物を90℃でさらに5分間攪拌し、次いで90℃で継続的に攪拌しながら、相対計量速度2.3mmol/(min・l)で、0.59kgのメチルケイ酸カリウム水溶液および50%硫酸(pH約8.5)0.29kgを60分間にわたって添加した。混合物をさらに90℃およびpH8.5で1時間攪拌し、次いで50%硫酸を攪拌しながら添加してpH3.5に酸性化した。50℃に冷却した後、固体を、K100フィルタープレートを用いてチャンバーフィルタープレスで濾過し、pHが中性になるまで洗浄した。湿ったフィルターケーキをパドル撹拌機を用いて20kgの脱塩水中に再分散し、得られた分散液を、スギノ社の噴射水を用いてスターバースト10自家製液体ミル上で約7.6%重量の固形分で粉砕した。粉砕される材料を、1ラン当たり224565m/s(ρdisp=1091kg/m)の比エネルギー入力で、2450barのオリフィス上流圧力および490m/sのオリフィス断面における平均懸濁速度で、40l/hのスループットで、ミルに4回通した。シリカをK100フィルタープレートを用いてチャンバーフィルタープレスでろ過し、窒素で吹き付け乾燥した。濾過ケーキを150℃の乾燥オーブン中でトレイ上で一定重量になるまで乾燥した。次いで、固体を分析方法に記載されているように分析した。結果を表1に示す。
例2:
18kgの脱塩水を、プロペラパドル撹拌機を備えた40Lの片側撹拌機ユニット (鋼/エナメル)中で90℃に加熱した。250min−1で攪拌しながら、5.04kgの水ガラスをこの温度で60分間一定の計量速度で計量した。これと並行して1.22kgの50%硫酸を同時に計量した結果、pHはほぼ一定に保たれた(pH約8.5)。混合物を90℃でさらに5分間攪拌し、次いで90℃で継続的に攪拌しながら、相対計量速度2.4mmol/(min・l)で1.54kgのメチルケイ酸カリウム水溶液および50%硫酸(pH約8.5)0.77kgを110分間にわたって添加した。混合物をさらに90℃およびpH8.5で1時間攪拌し、次いで50%硫酸を攪拌しながら添加してpH3.5に酸性化した。50℃に冷却した後、固体をK100フィルタープレートを用いてチャンバーフィルタープレスで濾過し、pHが中性になるまで洗浄した。湿ったフィルターケーキをパドル撹拌機を用いて20kgの脱塩水中に再分散し、得られた分散液を、スギノ社の噴射水を用いてスターバースト10自家製液体ミル上で約7.6%重量の固形分で粉砕した。粉砕される材料を、1ラン当たり224565m/s(ρdisp=1091kg/m)の比エネルギー入力で、2450barのオリフィス上流圧力および490m/sのオリフィス断面における平均懸濁速度で、40l/hのスループットで、ミルに8回通した。シリカをK100フィルタープレートを用いてチャンバーフィルタープレスでろ過し、窒素で吹き付け乾燥した。濾過ケーキを150℃の乾燥オーブン中でトレイ上で一定重量になるまで乾燥した。次いで、固体を分析方法に記載されているように分析した。結果を表1に示す。
比較例3(非発明)
17kgの脱塩水を、プロペラパドル撹拌機を備えた40Lの片側撹拌機ユニット(鋼/エナメル)中で90℃に加熱した。250min−1で攪拌しながら、5.21kgの水ガラスをこの温度で60分間一定の計量速度で計量した。これと並行して1.21kgの50%硫酸を同時に計量した結果、pHはほぼ一定に保たれた(pH約9.0)。混合物を90℃でさらに5分間攪拌し、次いで90℃で継続的に攪拌しながら、相対計量速度12.3mmol/(min・l)でメチルケイ酸カリウム水溶液0.659kgおよび50%硫酸(pH約8.5)0.30kgを13分間にわたって添加した。混合物をさらに90℃およびpH9.0で1時間攪拌し、次いで50%硫酸を攪拌しながら添加してpH 3.5に酸性化した。50℃に冷却した後、固体をK100フィルタープレートを用いてチャンバーフィルタープレスで濾過し、pHが中性になるまで洗浄し、窒素で吹き付け乾燥した。フィルターケーキを150℃の乾燥オーブン中でトレイ上で一定の重量になるまで乾燥し、室温に冷却した後、ホソカワ−アルパイン(ミル:20000min−1;分級:16000min−1)からのZPS50分級器ミル上で粉砕した。
乾燥粉砕したシリカの一部をパドル攪拌機を用いて脱塩水に7.5%分散させ、その分散液250mlを、スギノ社の噴射水を用いてStarburst Mini実験室用自家製液体ミルで粉砕した。粉砕される材料を、比エネルギー入力183486m/s(ρdisp=1090kg/m)で、オリフィス上流圧力2000bar、オリフィス断面の平均懸濁速度120m/sおよびスループット5l/hでミルを7回通過させた。その後、150℃の乾燥オーブンで一定重量になるまで乾燥した後。次いで、固体を分析方法に記載されているように分析した。結果を表1に示す。
比較例4(非発明)
親水性沈降シリカ(Sipernat288としてEvonikから入手可能)75gをパドル攪拌機を用いて0.925kgの脱塩水に分散させ、この分散液250mlを、スギノ社の噴射水を用いてStarburst Mini実験室用自家製液体ミルで粉砕した。粉砕される材料を、比エネルギー入力183486m/s(ρdisp=1090kg/m)で、オリフィス上流圧力2000bar、オリフィス断面の平均懸濁液速度120m/sおよびスループット5l/hで、ミルを5回通過させた。次いで、それを150℃の乾燥オーブン中で一定重量になるまで乾燥した。次いで、固体を分析方法に記載されているように分析した。結果を表1に示す。
例5:
18kgの脱塩水を、プロペラパドル撹拌機を備えた40Lの片側撹拌機ユニット(鋼/エナメル)中で90℃に加熱した。250min−1で攪拌しながら、5.04kgの水ガラスをこの温度で60分間一定の計量速度で計量した。これと並行して1.22kgの50%硫酸を同時に計量した結果、pHはほぼ一定に保たれた(pH約8.5)。混合物を90℃でさらに5分間攪拌し、次いで90℃で継続的に攪拌しながら、相対計量速度2.3mmol/(min・l)で0.59kgのメチルケイ酸カリウム水溶液および50%硫酸(pH約8.5)0.29kgを60分間にわたって添加した。混合物をさらに90℃およびpH8.5で1時間攪拌し、次いで50%硫酸を攪拌しながら添加してpH3.5に酸性化した。50℃に冷却した後、固体をK100フィルタープレートを用いてチャンバーフィルタープレスで濾過し、pHが中性になるまで洗浄し、窒素で吹き付け乾燥した。フィルターケーキを150℃の乾燥オーブン中でトレイ上で一定重量になるまで乾燥し、室温に冷却した後、ホソカワ−アルパイン(ミル:20000min−1;分級:16000min−1)からのZPS50分級器ミル上で粉砕した。
粉砕したシリカの一部を、パドル攪拌機を用いて脱塩水中で7.5%の分散液に再分散し、この分散液250mlを、スギノ社の噴射水を用いてStarburst Mini実験室用自家製液体ミルで粉砕した。粉砕される材料を、1ラン当たり183486m/s(ρdisp=1090kg/m)の比エネルギー入力で、オリフィス上流圧力2000bar、オリフィス断面の平均懸濁速度120m/s、およびスループット5l/hで、7回ミルに通した。次いで、150℃の乾燥オーブン中で乾燥した。次いで、固体を分析方法に記載されているように分析した。結果を表1に示す。
Figure 2021514341

Claims (11)

  1. 改質沈降シリカであって、
    i)粒子の90%以上の粒径が1μm以下であり、
    ii)前記シリカの再分散性、すなわち、シリカを乾燥した後にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数を、シリカを乾燥する前にレーザー回折によって決定された1μm以下の粒子数で割った比が、少なくとも0.9である、改質沈降シリカ。
  2. 前記シリカのBET比表面積が50m/g〜400m/gであることを特徴とする、請求項1記載の改質沈降シリカ。
  3. 前記シリカの炭素含有量が1.5重量%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の改質沈降シリカ。
  4. メタノール−水の5%分散液の導電率が好ましくは500S/cm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の改質沈降シリカ。
  5. 均一な表面改質を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の改質沈降シリカ。
  6. IGC−FCにより決定される改質沈降シリカのAEDFの約28〜32kJ/molの範囲内にあるピークP3の相対面積率F(P3)が、0.2未満であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の改質沈降シリカ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の改質沈降シリカの製造方法であって、改質反応が、前記沈降シリカを生成する反応の途中または直後に行われ、
    i)沈降シリカの改質が、BET法(DIN ISO 9277に準拠)により測定した製造される改質沈降シリカのBET表面積(比表面積)1m当たり0.0075mmolを超える有機ケイ酸塩活性物質を用いて行われ、
    ii)有機ケイ酸塩を、反応混合物pH8〜10で、5.0mmol/(min・l) 未満の相対添加速度で計量し、
    iii)改質沈降シリカを液相粉砕する、
    ことを特徴とする、方法。
  8. 有機ケイ酸塩としてメチルケイ酸カリウムを用いることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 粉砕前の改質沈降シリカを含む分散液の固形分含有率が、1重量%〜50重量%であることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
  10. 液体噴射分散機を用いて粉砕を行うことを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. エラストマーを補強する方法であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の改質沈降シリカを充填剤として配合する方法。
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