JP2021511447A - セルロースを含有する出発材料からの不溶性粒子の再利用 - Google Patents

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Abstract

再生セルロース成形体(102)を製造する方法であって、方法は:i)セルロースと、特にリヨセル法および/またはビスコース法において用いられる溶媒中で不溶性である不溶性粒子とを含有する出発材料(110)を供給する段階であって、出発材料(110)は不溶性粒子が分布された方法で中に存在する固体である段階と、ii)再生セルロース成形体(102)が不溶性粒子の少なくとも一部を含有するように、出発材料(110)に基づいて再生セルロース成形体(102)を生成する段階とを備える。【図1】

Description

本発明は、再生セルロース成形体の製造方法、再生セルロース成形体、および紡糸溶液に関する。
本発明は、再使用(再利用)、特にセルロースを含有する出発材料の再使用の技術分野に関する。更に特に、本発明は、同じくセルロースを含有する成形体を製造するためのこれらの出発材料の再使用に関し、特に、成形体のセルロースが実質的にリヨセル繊維および/またはビスコース繊維の形態で存在する再使用に関する。
ビスコース法と呼ばれる湿式紡糸法によって製造される化学繊維および再生繊維はそれぞれ、ビスコース繊維として示される。ビスコース法の出発原料は、木に基づいて提供されるセルロースである。この出発原料である木から、化学パルプの形態の非常に純粋なセルロースが得られる。後続の工程段階において、パルプはまず苛性ソーダを用いて処理され、それによってアルカリセルロースが形成される。二硫化炭素を用いた前記アルカリセルロースの次の転化において、セルロースザンテートが形成される。苛性ソーダを更に供給することによって、セルロースザンテートからビスコース紡糸溶液が生成され、ビスコース紡糸溶液はシャワー状の紡糸ノズルの開口部を通して紡糸浴に圧送される。紡糸浴で、紡糸ノズル開口部当たり1本のビスコースフィラメントが凝固によって生成される。そのような方法で生産されたビスコースフィラメントは、次にビスコースステープルファイバに切断される。
リヨセルはセルロースを含有する再生繊維の種類を示し、直接溶媒法にしたがって製造される。リヨセル法のためのセルロースは、原料である木から抽出される。そのように得られたパルプは、次に化学的改質なしに脱水によって溶媒であるN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)中で溶解され、濾過され、次に紡糸ノズルを通して押圧され得る。そのように形成されたフィラメントは、エアギャップを通過した後、水性NMMO溶液を用いた浴中で析出され、次にステープルファイバに切断される。
リヨセルやビスコースなどの改質されていないセルロース繊維は、絹の光沢の外観を有し得る。この効果は、しばしば、一般の織物分野で、そして特に不織布(フリース)分野で許容されない。不溶性粒子、特に、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリコン酸化物などの金属酸化物だけでなく硫酸バリウムなどの他の顔料も、光屈折/回折に対するそれらの有利な特性により、繊維産業で艶消し剤として使われる。
しかしながら、古い織物(消費者によって既に使用/着用された、消費者使用後の織物)または衣服製造から残滓(織物裁ち屑、消費者使用前の織物)などの一部の出発材料は、複数のポリマ繊維、例えば綿およびポリエステル、したがって少量の不溶性粒子も典型的に含有する。粒子は、大部分は綿に由来するのではなく、合成繊維分野に由来する(例えば、ポリエステル中の白色顔料としての二酸化チタン粒子)。綿は非常に純粋なセルロースで構成されているが、内部構造(中空繊維)のため、本質的に艶消しである。これは、同じくセルロースからなるが、加えて艶消しでなければならないリヨセル繊維およびビスコース繊維には当てはならない。
古着および/または衣類製造からの残滓などの出発材料の再利用において、できるだけ純粋な繊維またはポリマを回収することが典型的に試みられる。それにより、従来技術のすべての既知の事例で、顔料、充填剤、または鉱物成分などの追加の物質は再生段階の過程で除去され、最後にフィルタスラッジとして廃棄される。要約すると、従来技術は、再利用において、不溶性粒子などの残留物のいかなる機能化も提供していない。
対照的に 、セルロース製造の原料として再生材料を使用するとき、従来は常に、これらの原料(リサイクレート)の純度の問題が生じていた。これらは、木にとって典型的でない材料によってしばしば汚染されている。特に、例えば、現在の古い織物および/または織物裁ち屑は、不溶性粒子、例えば二酸化チタンを高充填されている。対応して、これらの物質は減損される。対応する減損は、高価かつ資源集約的である。現在、不溶性粒子、特に金属酸化物の残留成分を再利用に使用する特定の工程は存在していない。特に、産業規模で、対応する再利用を稼働するのに適しているであろう工程は存在していない。
一方では、上記で既に説明されているように、リヨセル繊維および/またはビスコース繊維において、金属酸化物、特に二酸化チタンなどの不溶性粒子が、加えて添加される。勿論、これは最初は、追加の粒子を得るためのより高い費用につながる。しかしながら、特に、多くの金属酸化物がそれぞれ、ほとんど可溶性でなくかつ分散しにくく、それぞれ集塊および凝集の傾向があるため、粒子の微細な分布はまだ苦心を要しかつ困難である。
資源を節約し、持続可能かつ同時に効率的な方法で再生セルロース成形体における再利用のための不溶性粒子を提供することが、本発明の目的である。
この目的は、独立特許請求項に記載の内容によって解決される。好ましい実施形態は、従属特許請求項から生じる。
本発明の一態様によれば、再生セルロース成形体を製造する方法が提供されるが、その方法は:i)セルロースと不溶性粒子とを含有する出発材料を供給する段階と、ii)再生セルロース成形体が不溶性粒子の少なくとも一部を含有するように、出発材料に基づいて再生セルロース成形体を生成する段階とを含む。ここで、出発材料は固体であり、不溶性粒子は出発材料中に分布された方法で存在する。特に、不溶性粒子は、リヨセル法および/またはビスコース法において用いられる溶媒、特に溶媒であるN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)中で不溶性である。
本発明の更なる一態様では、上記で説明した方法にしたがって製造され得る再生セルロース成形体が提供されている。再生セルロース成形体は、フィラメント、繊維、ホイル、組織、フリース、マイクロスフェア、ビード、およびスポンジからなる群から選択される。更に、再生セルロース成形体は、0.05%から3%、特に0.25%から1.5%の範囲の不溶性粒子、特に二酸化チタンの部分を含有する。更に、成形体は、下記で説明されている特徴の少なくとも1つを有する。
再生セルロース成形体中の不溶性粒子の部分は、出発材料の不溶性粒子の30%超、特に50%超を含有する。
成形体が特に繊維としてリヨセル法によって製造されるとき、正常の状態の作業能力は少なくとも450cN%/texである。
成形体が特に繊維としてビスコース法によって製造されるとき、作業能力は少なくとも400cN%/texである。
この用途の文脈において、「作業能力」という用語は、繊維の強度値(cN/tex、すなわちCentinewton/texでの)および繊維の伸張値(パーセントでのの)の積を示し得る。
本発明の更なる一態様によると、紡糸溶液がリヨセル法および/またはビスコース法における使用のために提供される。紡糸溶液は少なくとも1つの溶媒、特にN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)および複数のポリマ繊維、特にセルロース繊維を含有するが、それらは溶媒中で少なくとも部分的に溶解される。更に、紡糸溶液は不溶性粒子、特に二酸化チタンを含有するが、それらは紡糸溶液中で均一な方法で分布される。特に、紡糸溶液は、紡糸溶液の総重量に対して0.01重量パーセントを超える、特に0.1重量パーセントを超える不溶性粒子を含有する。
この用途の文脈において、「セルロース」という用語は、植物細胞壁の成分であるかまたは合成的に製造され得る有機化合物を特に示し得る。セルロースは、多糖(すなわち、複数の糖)である。セルロースは非分岐で、典型的に、数百から最大数万までのβ−D−グルコース分子(β−1,4−グリコシド結合)およびセロビオース単位をそれぞれ含む。セルロース繊維は、制御された方法で植物由来のセルロース分子から造られる。技術的な工程によって、セルロース分子は、例えば破れにくい繊維として、再生繊維の形成の下、凝集され得る。
この用途の文脈において、「成形体」という用語は、セルロースの製造および回収それぞれの方法の結果である、二次元または三次元の幾何学的な物体を特に示し得る。特に、成形体は、セルロースを含有するかまたはセルロースからなり、かつ溶解されたパルプから製造される二次元または三次元の物体であってよい。成形体は、特にリヨセル成形体、ビスコース成形体、またはモーダル成形体であってよい。典型的な成形体は、フィラメント、繊維、スポンジ、および/または膜である。基本的に、全ての種類のセルロース成形体が、本発明の実施形態に適している。エンドレスフィラメントと、従来の寸法(例えば38mmの長さ)および短い繊維を有する切断されたステープルファイバの両方が、繊維だと考えられる。繊維を製造するために、1または複数の押し出しノズルの下流に取出装置を備える方法と、他の方法、特にメルトブロー法などの両方が可能である。繊維の代替として、セルロースを含有するホイル、すなわち、セルロースを有するかまたはセルロースから構成される平面かつ実質的に均一な膜が、成形体として製造され得る。フィラメントが受取表面に衝突した後に凝固が少なくとも部分的に引き起こされるように、ホイルは特に、リヨセル法の工程パラメータを調整することによって製造され得る。平面セルロース成形体はホイルと考えられ、これらのホイルの厚さは調節可能である(例えば、いくつかの直列に配置されたノズルビームを選択することによって)。成形体の他の実施形態は、セルロースフィラメントおよびセルロース繊維からそれぞれ構成される組織およびフリース、特に、一体的に結合され(「結合」)実質的に連続したセルロースフィラメント(「メルトブロー」)から構成される紡糸フリースである。ここで、特に、少なくとも2つの(好ましくは直角または略直角の)交差した糸系(または繊維系)から構成される織物平面構造は組織と考えられてよく、長手方向の糸(または繊維)は経糸として示されてよく、短手方向の糸(または繊維)は緯糸として示されてよい。フリースまたは不織布は、繊維層または繊維ウェブに結合され、かつ互いに接続されている(特に摩擦で係合される方法で)限られた長さを有するフィラメントまたは繊維または切断されたヤーンの、不規則な(特にランダムな配向に存在する)構造として示されてよい。成形体は、球体の形態で生成されてもよい。この形態に更に加工され得るセルロースを含有している粒子、特にビード(すなわち、粒状体および小球それぞれ)または薄片なども、成形体として提供されてよい。それにより、可能なセルロース成形体は、粒状体、球状粉体、またはフィブリッドとして粒子構造体でもある。成形体の形成は、好ましくはセルロースを含有する紡糸溶液の押し出しノズルを通じた押し出しによって実行されるが、これは、このような方法で非常に均一な形状を有する大量のセルロース成形体が製造され得るからである。更に可能なセルロース成形体は、スポンジ、またより一般的には、多孔質成形体である。例示的な実施形態によれば、前述の成形体は、例えば、ヤーン、織物、ゲル、または複合材料を製造するために用いられ得る。
この用途の文脈において、「リヨセル法」という用語は、直接溶媒法にしたがってセルロースを製造する方法を特に示し得る。リヨセル法のためのセルロースは、前記セルロースを含有する出発材料から得ることができる。リヨセル法において、出発材料は、適切な溶媒(特に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)などの第3級アミンオキシド類ならびに/またはイオン液、すなわち、陽イオンおよび陰イオンから構成される低融点塩類を含有する)中で溶解され得る。溶解は、特に脱水によっておよび/または化学的改質なしに実行され得る。得られた溶液は、ドープまたは紡糸溶液としても示されてよく、次に、リヨセル法において1または複数の紡糸ノズルを通して押圧され得る。それによって形成されたフィラメントは、水を含有する浴中で(特に、水性NMMO溶液を用いた浴中で)エアギャップを通して、および/またはエアギャップ中に存在する気湿中で、自由なもしくは制御された落下の間および/または後、析出され得る。
この用途の文脈において、「ビスコース法」という用語は、湿式紡糸法にしたがってセルロースを製造する方法を特に示し得る。ビスコース法のためのセルロースは、前記セルロースを含有する出発材料(特に、木または木材パルプ)から得ることができる。ビスコース法における後続の工程段階において、出発材料はまず基剤(例えば苛性ソーダ)を用いて処理することができ、それによってアルカリセルロースが形成される。二硫化炭素を用いた前記アルカリセルロースの次の転化において、セルロースザンテートが形成される。塩基(特に苛性ソーダ)の更なる供給によって、セルロースザンテートからビスコース紡糸溶液が生産され得るが、ビスコース紡糸溶液は1または複数の紡糸ノズルを通して押圧され得る。紡糸浴中で、ビスコースフィラメントが凝固によって生成される。
この用途の文脈において、「衣類製造からの残滓」という用語は、セルロースを含有するもしくはセルロースからなる織物もしくはヤーンの廃棄物および/または裁ち屑を特に示し得るが、ここで、前記残滓は、衣服を製造する方法の間に生じる。衣類の製造において、例えば、セルロースを含有する織物は出発材料として製造され、そこから平面部分(例えば、半分のTシャツの形態の)が切断される。例示的な一実施形態によれば、残滓は残され、セルロースを含有する成形体を製造する方法に再供給され得る。それにより、衣類製造からの残滓はセルロースを含有するかまたはセルロースからなる出発材料となってよく、消費者が残滓を衣服としてまたは別の方法で使用する前に、セルロースを回収するために用いられ得る。特に、衣類製造からの残滓は、特に、分離しておりかつセルロースを含有しない異物(例えば、ボタン、織物捺染、または縫い目として)なしに、実質的に純粋なセルロースから構成され得る。
この用途の文脈において、「古着」という用語は、特にセルロースを含有し、セルロースの少なくとも一部が回収されるとき使用者によって既に使用された(特に着用された)衣服を示し得る。それにより、古着は、相当量の異物を含んでよく(しかしそうである必要はない)かつ使用者が古着を衣類としてまたは他のいかなる方法でも使用した後にセルロースを回収するために使われ得る、セルロースを含有する出発材料であってよい。特に、古着は、セルロースと、合成プラスチック(例えば、ポリエステルおよび/もしくはエラステインとして)ならびに/または分離しておりかつセルロースを含有しない異物(ボタン、織物捺染、もしくは縫い目などの)を特に含有する(特に、衣類において使われることが多い)1または複数の異物との混合物から構成されてよい。ポリエステルは、主鎖にエステル機能を有するポリマ(R−[−CO−O−]−R)を特に示し得る。ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートは、ポリエステル類に属している。エラステインは、高い弾性を有する伸長可能な化学繊維を特に示す。エラステインの基礎をなしているブロック共重合体は、85重量%のポリウレタンを含み得る。
この用途の文脈において、「粒子」という用語は、相境界によって周囲の連続的な媒体と異なる、分散した材料を特に示し得る。それらは、例えば、エアロゾルの固体の成分、懸濁液の固体の成分、または粉体の微粒子であってよい。この用途の文脈において、「不溶性」という用語は、物質、特に粒子が多数の溶媒においてほとんどのみしか溶解され得ないことを、特に示し得る。可溶性は、溶媒中で均一な分布を伴って混合、すなわち溶解する物質/粒子の特性を示し得る。例えば、0.1mol/l未満の溶解された物質/粒子はほとんど可溶性でないとして、0.1mol/lから1mol/lの間は適度に可溶性として、および1mol/lを超えた可溶性は容易に可溶性として示され得る。更に、例えば、液体中の10g/l未満、特に1g/l未満、更に特に0.1g/l未満の物質は、ほとんど可溶性でない(可溶性でない)と考えられ得る。簡単な一実施形態において、粒子は、例えば水中で不溶性であってよい。更なる一実施形態において、粒子は、例えば、溶媒、特にリヨセル法の紡糸溶液であるN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)中で不溶性であってよい。本出願において、「不溶性である」という用語は、通常の動作状態を指し得る。例えば、粒子、例えば二酸化チタンは、リヨセル法の通常の動作状態の下、紡糸溶液中で不溶性(すなわち、均一に分布しない)である。
一実施形態によれば、出発材料の再利用の間、不溶性粒子、特に二酸化チタンなどの金属酸化物を加えて供給するという従来の手法が克服される。これまで、リヨセル法またはビスコース法において、粒子は、例えば紡糸溶液に加えて供給される。ここで問題は、例えば、わずかな材料の量を用いて所望の艶消しを達成するために、粒子は非常に微細に分布されなければならないということである。不溶性粒子の凝集および集塊はそれぞれ繊維中の欠陥を誘発するので、過剰な量の不溶性粒子は繊維をもろくかつ脆弱にする。微粒子の凝集する傾向は既知の表面現象であり、克服することは、特に産業用途における技術的応用において、相当な尽力を必要とする。
更に、一実施形態によれば、不溶性粒子、例えば二酸化チタンを再利用において大部分除去する従来の手法が克服される。リヨセル法またはビスコース法における使用のためのセルロースを製造するために、古着などの出発材料が用いられ得る。これらの出発材料の処理において、いくつかの望ましくない異物(不溶性粒子を参照)が生じるが、これらの異物は、再利用繊維の物理的/化学的特性が非再利用繊維の物理的/化学的特性と類似しているようになることをとりわけ達成するために、従来は除去されなければならなかった。
しかしながら、驚くべきことに、固体の出発材料(例えば、古着および/または織物裁ち屑)からの不溶性粒子は、溶解するときに紡糸溶液によって良好に受け入れられる。その理由は、粒子が非常に均一に、非常に微細に、かつ最も顕著なことに凝集せずに分布して存在しているからである。
驚くべきことに、再使用(再利用工程および出発材料の処理それぞれを含む)の文脈における固体の出発材料中の不溶性粒子の濃度の目標を定めた制御によって、製造される再生セルロース成形体およびその織物の次の製品それぞれにおいて、新たな有利な特性が達成され得ることが判明している。固体の出発材料からの不溶性粒子の濃度のこの有利な機能化は、主に、例えば紡糸溶液内での、固体の出発材料から直接の、実際に不溶性の粒子の、驚くべきことに良好な微細な分布および均一な分布に基づく。
したがって、本発明の一実施形態は、リヨセル/ビスコース紡糸溶液およびそこから生じる再生セルロース成形体それぞれにおける不溶性粒子の微細な分布は、不溶性粒子が組み込まれている固体のセルロースを含有する出発材料の直接の使用によって達成できる、という考えに基づき得る。
固体の出発材料からの既に分散した不溶性粒子を用いる本発明の実行は、粒子の既に存在する微細な分布によって、不溶性粒子(例えば二酸化チタン)の供給および(最初の)分配における工業プラントで生じる多くの既知の運搬の問題を解決する。
以下に、方法および使用の追加の実施形態が説明されている。
一実施形態によれば、出発材料はポリマ繊維、特にセルロース繊維を含有し、不溶性粒子は出発材料のポリマ繊維に組み込まれている。これは、繊維に組み込まれている不溶性粒子を用いることによって、非常に良好な微細な分布(および均一な分布)が、資源を節約する方法で低い尽力を伴って達成され得るという利点を有する。このとき、所望の艶消し効果も、著しくより少ない量の不溶性粒子を用いて達成される。
二酸化チタンなどの不溶性粒子は、顕著な集塊/凝集の傾向があり得るほとんど分散可能でない物質であってよい。例えばリヨセル法またはビスコース法において、ポリマ繊維およびそこで結合されている粒子を含有する出発材料を添加することによって、不溶性粒子の微細な分布が、特に簡単な方法で実行され得る。紡糸溶液および製造される成形体中の特に均一な分布は、それにより達成され得る。
不溶性粒子は、セルロース繊維に組み込まれ得る。これは、特にリヨセル繊維およびビスコース繊維それぞれに当てはまる。しかしながら、特別な場合において、不溶性粒子は、綿繊維にも組み込まれ得る。更に、不溶性粒子は、プラスチック繊維、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、またはエラステインに組み込まれ得る。
更なる一実施形態によれば、再生セルロース成形体を生成する段階は、リヨセル法またはビスコース法を含む。これは、説明されている方法を、確立されかつ証明された工程に直接組み入れ得るという利点を有する。前述の方法は、本明細書において詳細に説明される。
更なる一実施形態によれば、出発材料は、衣類製造の残滓および/または古着(例えば混紡織物)を完全にまたは部分的に含み得る。すなわち、出発材料の少なくとも一部として、織物、特に衣類製造からの残滓および/または古着が用いられ得る。そのような裁ち屑および廃棄物は、それぞれ、非常に高い度合いの純度を有することが多いので、衣類製造からの残滓の使用は特に好ましい。特に、そのような消費者使用前の織物は、ボタン、縫い目、または織物捺染などの異物がない場合がある。例えば、衣類製造からの残滓は、実質的に編まれた(および任意に染色された)セルロースを含み得るが、その結果、必要な場合、リヨセル法によってそこからセルロースを回収するために、そのような残滓が溶液中に直接移され得る。古着または消費者使用後の織物において、ボタン、捺染、および縫い目などの大きな異物は、機械的な粉砕の間または後に既に分離されている場合がある。着色剤および合成プラスチック(ポリエステルおよびエラステインなどの)などの、残滓または古着の他の異物は、ドープおよび紡糸溶液をそれぞれ形成するための対応する出発材料を溶解する前に、完全にもしくは部分的に除去され得るか、または紡糸溶液中に少なくとも部分的に留まり得る。
更なる一実施形態によれば、不溶性粒子は無機粒子、特に金属酸化物を含むか、または無機粒子、特に金属酸化物からなる。
更なる一実施形態によれば、無機粒子は、二酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、シリコン酸化物(SiO)、セロキサイド(CeO)、水酸化マグネシウム、(Mg(OH))、水酸化アルミニウム(Al(OH))、窒化ホウ素(BN)、硫酸バリウム(BaSO)、および酸化亜鉛(ZnO)を含む群の少なくとも1つを含む。これは、所望の物理的/化学特性を有する産業に関連した物質であって、複数の固体の出発材料中に既に存在している物質が、再利用方法に直接供給され得るという利点を有する。
二酸化チタンは、非常に集塊の傾向があるほとんど分散しない物質である。二酸化チタンを含有する固体の出発材料を再利用方法(例えばリヨセル法)に添加することによって、二酸化チタン粒子の微細な分布は、特に簡単な方法で実行され得る。紡糸溶液中の特に均一な分布は、それにより達成され得る。
例として二酸化チタンを用いて示される文脈に類似して、出発材料、特に織物に既に含有されている金属酸化物を使用するという説明された方法は、他の化合物のために適用され得る。そのような金属化合物は、既に上記で述べられている。これらの酸化物の機能化は、得られた成形体において異なる特性を形成するために適していてよい。例えば、これらの特性は、防炎または殺生物性効果を含んでよい。
更なる一実施形態によれば、不溶性粒子は合成プラスチック、特にポリエステルおよび/もしくはエラステインを含むか、または合成プラスチック、特にポリエステルおよび/もしくはエラステインからなる。
驚くべきことに、残留異物、例えばポリエステルおよびエラステインはそれぞれ、方法を妨げず、回収された(リヨセル)セルロースの質に負の影響を与えないことが判明している。対照的に、特定の量のエラステインは、製造されたセルロース繊維中に、セルロース繊維の特性を損なうことなしに留まる。特定の量の残留ポリエステルも、得られた製品を妨げず、製造される成形体の機械的完全性を強化することさえできる。これは、ポリアミドなどの更なる合成プラスチック類にも当てはまり得る。
更なる一実施形態によれば、不溶性粒子は、以下に説明されている特性の少なくとも1つを有する。
出発材料中の不溶性粒子、例えば二酸化チタンの使用された量は、約0.05%から3%、特に0.25%から1.5%であり、繊維構造中の妨げをできるだけ低く保つために直径2.0μm未満の粒径が望まれ得る。
不溶性粒子は、リヨセル法および/またはビスコース法において用いられる溶媒、特にN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)中で不溶性である。更に、不溶性粒子は水中で不溶性であってよい。更に、不溶性粒子は、溶媒によって、特に水によって囲まれている分子の分散した凝集物として存在する。説明されている方法によれば、不溶性粒子は使用された溶媒中で溶解しないが、それにもかかわらず微細に分布された方法で分散され得る。紡糸溶液は、溶媒、例えばNMMOに加えて、水を含み得る。それにより、不溶性粒子の分子は、水分子によって囲まれ得る。
更なる一実施形態によれば、方法は更に:i)セルロースと不溶性粒子とを含有する少なくとも1つの更なる出発材料を供給する段階であって、出発材料および更なる出発材料中の不溶性粒子の部分は異なる段階と、ii)再生セルロース成形体が不溶性粒子の予め定められた部分を含有するように、出発材料および更なる出発材料に基づいて再生セルロース成形体を生成する段階とを含む。これは、実質的に化学的な方法の追加の使用なしに、不溶性粒子の所望の部分が対応してそれぞれ調整され影響され得るという利点を有する。
好ましい一実施形態において、出発材料に含有される二酸化チタンなどの不溶性粒子の残留量は、特定の量に調整される。複数の特定の出発材料を添加した後に製造される再生セルロース成形体は、その結果、所望の粒子濃度および対応する特定の化学的/物理的特性を有し得る。例えば、このような特性は、非再利用リヨセル繊維の特性に対応する特性であってよい。
特に、古着および/または衣類製造からの残滓などの、出発材料の異なる組成を混合することによって、特定の特性、例えば二酸化チタンの濃度が調整され得る、およびそれにより次の使用および/または機能化が顕著に制御され得る。
更なる一実施形態によれば、方法は更に、再生セルロース成形体中の不溶性粒子の部分が0.1%、特に1%低減されるように、再生セルロース成形体から不溶性粒子を洗浄する段階を含む。これは、製造される成形体の物理的/化学特性が特に制御され得るという利点を有する。
例えば、二酸化チタンなどの不溶性粒子は、成形体の製造の間の繊維形成工程中の欠陥導入として、機能化を果たし得る。製造の後、粒子の少なくとも一部はその機能を果たし、対応して除去され得る。更に、不溶性粒子の部分の低減によって、特定の特性は特に制御され得る。例えば、光学特性は変えることができ、特に、艶消しは低減され得る。
更なる一実施形態によれば、不溶性粒子は紡糸溶液中に均一に分布された方法で存在し、紡糸溶液は0.01重量パーセントを超える、更に特に0.1重量パーセントを超える不溶性粒子を(紡糸溶液の総重量に対して)含有する。これは、紡糸溶液中の不溶性粒子の驚くべきことに高い部分が、同時に分散され微細に分布され得るという利点を有する。
不溶性粒子は、ほとんど分散可能でなく、かつ集塊の傾向がある。これらの粒子が同時に微細に分散させた状態で存在することはいうまでもなく、紡糸溶液中で大量のこれらの粒子を分散させることは、対応して困難であるかまたは不可能でさえある。
従来、艶消しの繊維を製造するためのリヨセル生産において、約0.75%の二酸化チタンが紡糸溶液に添加される。しかしながら、この標準的な工程(材料を再利用することなしに)は、粒子分布が原因で瑣末なことではない。一方、粒子は、紡糸ノズルを通過することができるほど小さくなければならない。これは、紡糸工程において次なる必須の伸張における、欠陥などの既知の問題につながる。さもなければ、粒子はそのようなものとして十分に小さいが、凝集する傾向がある。更に、紡糸ノズルを通した粒子の押し出しの間、後者は、まだ伸張されていない液体材料断面図に対しバランスのよい比率にあると考えられるべきである。次の伸張において、繊維要素は、直径に対してずっとより長い形態にもたらせられる。しかしながら、組み入れられた二酸化チタン粒子は大きさを変えず、およびそれにより、変わりつつある寸法比のため、予め定められた破壊点に近づく。二酸化チタンなどの固体の物質を、リヨセル成形体を製造するための紡糸溶液に添加することによって、フィラメント中にさもなければ望ましくない弱点が生じるので、そのような顔料の均一化はそれにより、特に重要である。この均一化および微細な分布はそれぞれ、大きな剪断力、または超音波による分解などの追加の選択肢によってのみ、典型的に達成され得る。
しかしながら、上記で説明された方法によれば、非常に高い濃度かつ均一な分布を同時に有する不溶性粒子を含有する紡糸溶液を供給することが可能である。
固体の出発材料からの不溶性粒子を用いる本発明の実行は、すなわち、均一化のための苦心を要する追加の工程が省略され得るような、出発材料中(および、対応して紡糸溶液中)の粒子の非常に微細な分布を既に含む。代替として、これらの追加の工程が維持されると、更により良好な微細分布が達成され得る。
一実施形態によると、方法は、溶媒中で出発材料を溶解する前の出発材料の粉砕、特に機械的な粉砕、更に特に裁断を含む。例えば、出発材料の大きさの、繊維の大きさへの低減は、粉砕によって実行され得る。特に、そのように調製された出発材料は、高い粘度の紡糸塊を生成するために、化学的な前処理なしに溶液中に直接移され得る。
一実施形態によれば、方法は、成形体のプリフォームから成形体を得るための、析出されたセルロースの後処置を含み得る。そのような任意の後処理は、例えば、得られたセルロースフィラメントの乾燥、含浸、および/または再形成を含み得る。対応する後処理によって、方法の終わりに、用途に特有の方法で成形体の製造を終了することが可能である。
一実施形態によれば、出発材料の繊維および/または成形体の繊維は、滑らかな丸い外面を含み得る。図3で図示するように、リヨセル法によって抽出されるセルロース繊維はそのような形状によって特徴付けられ、およびそれにより他の繊維の形状と異なるが、これは、他の繊維の形状は天然の綿において生じるかまたはビスコース法によって得られるからである。
本発明にしたがって製造される成形体は、梱包材料、繊維材料、織物複合材料、繊維複合材料、繊維フリース、ニードルフェルト、キルト綿、薄い織物、編まれた生地、寝具などの家庭用繊維製品として、衣服として、充填剤、植毛物質、アンダーレイ、おむつ、またはマットレスなどの病院用繊維製品として、加熱毛布、靴中敷き、および創傷被覆材のための生地として使われ得る。本発明の実施形態は、医療においてならびに化粧品および健康において、両方の様々な技術分野において適用可能であってよい。医療において、例えば、創傷治療および創傷治癒のための材料は、機械的特性を定めるキャリアと、皮膚と創傷の表面とに特に適合する生体適合性を有する被覆材料とから構成されてよい。多くの他の用途が可能である。
以下に、本発明の例示的な実施形態が、以下の図を参照して詳細に説明される。
本発明の例示的な一実施形態による、再生セルロース成形体を製造する方法のフロー図を示す。
本発明の例示的な一実施形態による、リヨセル法によって再生セルロース成形体を製造するための装置を示す。
リヨセル法によって製造されるセルロース繊維を示す。
ビスコース法によって製造されるセルロース繊維を示す。
ワタノキの天然セルロース繊維を示す。
異なる図における同じまたは類似する構成要素は、同じ参照番号を備えている。
図を参照して例示的な実施形態が説明される前に、それに基づき本発明の例示的な実施形態が導き出されたいくつかの基本的な考察が要約される。
本発明の例示的な一実施形態によれば、出発材料からの二酸化チタンの所望の部分が調整される。二酸化チタンの所望の部分を有する、そのように製造されたパルプまたは異なるパルプから構成される混合物は、リヨセル成形体および/またはビスコース成形体に加工される。更なる加工段階の後、結果として生じるステープルファイバは、二酸化チタンの所望の部分を含有する。そのような繊維は、そのような繊維に含有される二酸化チタンが効力を生じる異なる特定の用途を可能にする。例えば、そのような繊維に含有される二酸化チタンによる、太陽光線保護機能を有する最終的な製品の製造である。更に、より応力に耐えられない繊維(低い作業能力)が製造され得る。これは、埋め込まれた二酸化チタン粒子が繊維形成における欠陥として作用することによって達成され、およびそれにより作業能力を低減させる。
更なる例示的な一実施形態によれば、本発明の繊維は、二酸化チタンを含有しない純粋なリヨセルセルロースと混合される。それによって、結果として生じる製品(例えばヤーン)の適切な機械的、光学的、および化学的特性が裁ち屑によって調整される。二酸化チタンの部分を有する再生セルロースは、この場合、「艶消し源」として作用する。
更なる例示的な一実施形態によれば、二酸化チタンなしのパルプと合わせた出発材料の処理からの二酸化チタンを含有する本発明の残留物は、NMMO中で溶解され紡糸される。二酸化チタンの部分を有する再生セルロースは、この場合、「艶消し源」として作用する。
更なる例示的な一実施形態によれば、完成した(リヨセル)成形体での説明された二酸化チタンの濃度は、+/−10%の精度内であることが証明され得る。
更なる例示的な一実施形態によれば、ビスコース法またはリヨセル法に由来し、かつ最大2%の二酸化チタンを含有するセルロース繊維は、再利用方法における再使用のために特に有益である。原料がNMMO中で再溶解されると、これらの繊維からの二酸化チタンは紡糸溶液中で非常に良好に受け取られる。粒子が非常に均一に、非常に微細に、かつ最も顕著なことに凝集せずに分布しているので、これが当てはまる。微粒子の凝集の傾向は既知の表面現象であり、特に産業用途における技術的応用において、克服されるために相当な尽力を必要とする。不織布製品中の典型的な材料混合物は、例えば75%のPETおよび25%のリヨセルからなり、ここで、両方が例えば0.75%のTiOを含有する。再利用において、両方の繊維は分離され、PETは、溶媒中で選択的に溶解されるかまたはアルカリ鹸化される。両方の場合において、セルロース繊維および両方の繊維からのTiO合計部分は、残留物に留まる。再利用の考えという意味で、TiOを含有するセルロースは、繰り返し、NMMO中で溶解され、リヨセル工程に供給される。それにより、約4倍の量のTiOを最適な分布で有するリヨセル繊維が例示的に生成される。
更なる例示的な一実施形態によれば、再利用によって、艶消し目的のために典型的に用いられる二酸化チタン構造は、代わりに、再利用工程による摩耗を受けないので、二酸化チタンを用いて可能である物理的かつ化学的特性のすべての変更のために用いることができる。これらの特性とは、i)光触媒挙動、ii)艶消し、iii)UV保護、iv)調節可能な(粒径および分布によって)、選択的な(波長依存的な)透明度/反射、およびvi)指標としての向上した能力を包含する。
更なる例示的な一実施形態によれば、複数回の溶解は、微細な分布を増大させるための更なる可変要素である。ここで、完成した繊維はNMMO/水中で再び溶解され、紡糸工程を繰り返し通過させられ、およびそれにより、より良好な微細分布が達成され得る。複数回の溶解によって、二酸化チタン粒子のより良好な微細分布も生じる。
図1は、本発明の例示的な一実施形態による、再生セルロース成形体102(図2を比較)を製造する方法のフロー図50を示す。
出発材料110(図2を比較)は、セルロースと不溶性粒子とを含有し、かつ古着および/または衣類製造からの残滓の形態で存在する。
ブロック60で図示するように、それにより製造された出発材料110は、古着の場合、例えば1つの衣類として使用者によって使用され得る。使用者が1つの衣類を廃棄するとき、その1つの衣類は次のリヨセル法またはビスコース法のための消費者使用後の出発材料110として使用され得るが、最初の1つはより詳細に以下に説明されている。
代替として、または追加として、セルロースを含有する消費者使用前の出発材料110、例えば衣類製造からの裁ち屑残滓を、これらの裁ち屑残滓が不溶性粒子を含有する限り、使用することも可能である。
以下に、本発明の一実施形態にしたがって、セルロースから構成される成形体102が、少なくとも部分的にセルロースを含有する出発材料110に基づいていかに製造され得るかが説明されている。この目的のために、出発材料110は、リヨセル法を実行するための装置100(図2参照)に供給される。参照符号78を比較。
そこでは、まず、裁断による出発材料110の機械的粉砕62が実行され得る。それによって、主に大きな非セルロース不純物、例えば、出発材料110を生成するために少なくとも部分的に使用された古着のボタン、縫い目、および捺染が出発材料110から除去され得る。機械的粉砕62によって、出発材料110は、例えば単繊維へと分離され得る。
次のリヨセル法のために、セルロースを含有する出発材料110を、セルロースを含有する他の材料と共に使用することも可能である(ブロック64参照)。それにより、出発材料110は、セルロースと不溶性粒子とを含有する更なる出発材料と混合され得る。ブロック64参照。供給された更なる出発材料は、出発材料110中の不溶性粒子の部分とは異なる不溶性粒子の部分を含有する。再生セルロース成形体102が不溶性粒子の予め定められた部分を含有するように、出発材料110および更なる出発材料に基づいて再生セルロース成形体を生成する段階が次に実行され得る。代替として、または追加として、更なる出発材料は、例えば衣類製造からの残滓も含み得る。
機械的粉砕62の直後および混合64の直後、それぞれ、更なる溶媒116(例えば、N−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)などの第3級アミンオキシド)中の出発材料110(それぞれ、純粋な、および混合された)の直接溶解68は、有利な方法で化学的な前処理なしに実行され得る。更に詳細には、機械的に粉砕された(および任意に混合された)出発材料110は、特に、化学的に洗浄することなしに、かつ粘性を調整することなしに、溶液中に直接移され得る。このような方法で、製造方法および再利用方法は、それぞれ、並外れて簡単かつ迅速かつ環境保護的な方法で実行され得る。驚くべきことに、機械的粉砕62の後、出発材料110中に留まっている異物(例えば、それぞれポリエステルおよびエラステイン)はリヨセル法を妨げず、回収されたリヨセルセルロースの質に負の影響を及ぼさないことが判明している。対照的に、特定の量のエラステインは、製造されたセルロース繊維中にセルロース繊維の特性を損なうことなしに留まり得る。特定の量の残留ポリエステルも、得られた製品を妨げず、製造される成形体102の機械的一体性を強化する場合さえある。
代替として、方法は、機械的粉砕62の後(または混合64の後)かつ溶解68の前に、出発材料110の化学的洗浄66を任意に含んでよい。そのような任意の洗浄66は、漂白によって染料を少なくとも部分的に除去することを含んでよい。したがって、例えば白または灰色の成形体102を製造するために、溶媒116中の出発材料110を次に溶解する段階68の前に、出発材料110を完全にまたは部分的に脱色させることが可能である。代替として、または追加として、任意の化学的な洗浄66という文脈で、出発材料110(出発材料110を溶解する段階68の前または後)は、出発材料110の繊維を架橋結合している架橋剤が少なくとも部分的に取り除かれることも可能である。出発材料110の繊維の間のそのような架橋剤が存在する用途において、例えばアルカリ性のまた酸性の前処理によって、出発材料110は架橋剤が完全にまたは部分的に取り除かれ得る。これは、加えて、出発材料110の可溶性を向上させる。所望される場合、任意に、洗浄66によって不溶性粒子の少なくとも一部が除去され得る。例えば、このような方法で、製造される成形体102の不溶性粒子の部分は、それぞれ調整され影響され得る。
溶媒(好ましくはNMMO)中で出発材料110を溶解する段階68の後に、得られたリヨセル紡糸溶液104は1または複数の紡糸ノズルを通して押圧されてよく、それによって、それぞれ蜂蜜様の粘性を有する糸およびフィラメントが生成される(この紡糸に関するブロック70参照)。
これらの糸およびフィラメントそれぞれの落下の間および/または後、これらの糸およびフィラメントは水性の環境と運用接続され、したがって希釈される。それによって、糸およびフィラメントそれぞれの溶媒116の濃度は、リヨセル紡糸溶液がセルロースフィラメントの固相へ移行する程度まで、水性フォグおよび水性液浴のそれぞれで低減される。すなわち、セルロースフィラメントの析出、沈着、または凝固が生じる。参照符号72を参照。したがって、成形体102のプリフォームが得られる。
リヨセル法によってセルロースと不溶性粒子とを含有する成形体102を生成する段階80、特に溶解する段階68、紡糸する段階70、ならびに次に析出する段階72は、それにより、セルロースと不溶性粒子とを同様に含有する出発材料110に基づいて実行される。
更に、方法は、成形体102のプリフォームから成形体102を得るための析出されたリヨセルセルロースの後処理74を含み得る。そのような後処理は、例えば、最終的な成形体102に向けての、得られたフィラメントの乾燥、含浸、および/または再形成を含み得る。例えば、成形体102は、説明された製造方法によって、繊維、ホイル、組織、フリース、球体、多孔性スポンジ、またはビードに加工されてよく、次に更なる使用に供給されてよい(参照符号76を参照)。
有利なことに、成形体102を使用した後、成形体102のセルロースと不溶性粒子は、参照符号78と74の間の工程段階に対応する更なる方法を実行することによって、再び回収され得る(ブロック80を参照)。代替として、成形体102のセルロースおよび不溶性粒子は、更なる方法(更にブロック80を参照)、例えばビスコース法において回収され得る。繰り返される工程段階による再利用のこの複数回の反復可能性は、再利用による不溶性粒子の微細な分布が驚くべきことに良好に可能になるという知識によって可能になる。
図2は、図1を参照して説明されている本発明の例示的な一実施形態にしたがって、セルロースと不溶性粒子とを含有する出発材料に基づいてリヨセル法によって再生セルロース成形体102を製造するための装置100を示す。
それにより、図2は、例えば、繊維、ホイル、球体、織物組織、スポンジなどのフリース(不織布)の形態で、またはビードもしくは剥片の形態で製造され得る、セルロースを含有している成形体102を製造するための本発明の例示的な一実施形態による装置100を示す。図2によれば、成形体102は、紡糸溶液104から直接製造される。紡糸溶液104は、凝固流体106(特に気湿から構成される)および/または凝固浴191(例えば、N−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)などの第3級アミンオキシドを任意に含有する水浴)によって、成形体102としてセルロース繊維108に転化される。装置100によって、リヨセル法は実行され得る。このような方法で、例えば、実質的にエンドレスなフィラメントもしくは繊維108、または実質的にエンドレスなフィラメントと個別の長さを有する繊維との混合物108が成形体102として製造され得る。1または複数の開口部126(紡糸孔として示される場合もある)をそれぞれ有する複数のノズルが、リヨセル紡糸溶液104を排出するために設けられる。
図2から理解され得るように、セルロースに基づく出発材料110は、投与装置113を介して貯蔵タンク114に供給され得る。
一実施形態によれば、セルロースに基づく出発材料110中の水の進入が、溶媒116(特にNMMO)によって生じる場合があり、これはより詳細に以下に説明される。更に、セルロースに基づく出発材料110はそれ自体、特定の残留水分を含み得る(例えば、乾燥パルプは5重量パーセントから8重量パーセントの残留水分を有することが多い)。特に、説明されている実施形態によれば、出発材料110は、事前湿潤なしに水と溶媒116との混合物に直接供給され得る。そのとき、図2に示される任意の水容器112は省略されてよい。
代替の一実施形態によれば、セルロースを含有している出発材料110は、加えて湿潤されて、したがって、湿潤したセルロースを提供し得る。この目的のために、任意の水容器112からの水が、投与装置113を介して貯蔵タンク114に供給され得る。したがって、制御装置140によって制御される投与装置113は、調整可能な相対的な量の水および出発材料110を貯蔵タンク114に供給し得る。
適切な溶媒116、好ましくはN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)などの第3級アミンオキシドおよび溶媒116の水性混合物、例えばNMMOの76%水溶液がそれぞれ、溶媒容器中に含まれる。溶媒116の濃度は、純粋な溶媒または水のいずれかを供給することによって、濃縮装置118中で調整され得る。次に、溶媒116は、混合部119中で定義可能な相対的な量の出発材料110と混合され得る。混合部119も、制御装置140によって制御され得る。それによって、セルロースを含有している出発材料110は、調整可能な相対的な量の溶解装置120中の濃縮溶媒116中で溶解され、それによって、リヨセル紡糸溶液104が得られる。リヨセル法にしたがって再生セルロース成形体を製造するための紡糸溶液104中の成分である出発材料110、水、および溶媒116の相対的な濃度範囲(紡糸ウィンドウとしても示される)は、当業者に知られているように、適切に調整され得る。
リヨセル紡糸溶液104は、繊維生成装置124(いくつかの紡糸ビームまたはジェット122で構成され得る)に供給される。
リヨセル紡糸溶液104がジェット122の開口部126を通して導かれると、リヨセル紡糸溶液104は、リヨセル紡糸溶液104から構成される複数の並列の糸に分離される。説明されている工程フローは、リヨセル紡糸溶液104を、制御装置140によって制御される工程条件の対応する調整によって特性が調整され得る、ますます長くかつ細い糸に変換する。任意に、ガス流が、開口部126から繊維受け部132に向かう途中のリヨセル紡糸溶液104を加速し得る。
リヨセル紡糸溶液104がジェット122を通り更に下方に移動した後、リヨセル紡糸溶液104の長くかつ細い糸は、凝固流体106と相互作用する。
凝固流体106(例えば水)との相互作用において、リヨセル紡糸溶液104の溶媒濃度が低減されその結果、出発材料110のセルロースが長くかつ細いセルロース繊維108(まだ溶媒および水の残留物を含んでいてよい)として、少なくとも部分的にそれぞれ凝固および析出する。
押し出されたリヨセル紡糸溶液104からの個々のセルロース繊維108の最初の形成の間または後に、セルロース繊維108は繊維受信部132で受け取られる。セルロース繊維108は、図2に示される凝固浴191(例えば、NMMOなどの溶媒を任意に含有する水浴)に浸漬してよく,かつ凝固浴191の液体と相互作用するときに析出を完了してよい。凝固の工程調整に応じて、セルロースはセルロース繊維108を形成してよく(図示の通り、ここでセルロース繊維108は、それぞれ、1つの物質から構成され、かつ互いに一体的に結合されてよく(「結合」)、もしくは分離されたセルロース繊維108として存在してよい)、またはセルロースから構成されるホイルおよび膜がそれぞれ繊維受け部132に形成してよい(図2で図示せず)。
それにより、セルロース繊維108はジェット122の紡糸ノズルから押し出され、紡糸浴および凝固浴191(例えば、析出/凝固のために水と低い濃度のNMMOとを含有する)をそれぞれ通って導かれ、セルロース繊維108は凝固浴191中のそれぞれの偏向ロール193の周りに導かれ、凝固浴191の外側でドローオフゴデット195に供給される。ドローオフゴデット195は、所望の力価を達成するために、セルロース繊維108の更なる輸送および後伸張の役割を果たす。ドローオフゴデット195の下流で、セルロース繊維108から構成される繊維束が、洗浄部180内で洗浄され、任意に巻き取られ、次に切断される(図示せず)。
図2に図示されていないが、凝固中および洗浄部180内で次の洗浄中のときにセルロース繊維108から除去されるリヨセル紡糸溶液104の溶媒116は、少なくとも部分的にそれぞれ回収および再利用されてよく、次のサイクルで貯蔵タンク114に戻されてよい。
繊維受け部132に沿った輸送の間、成形体102(ここではセルロース繊維108の形態で)は、洗浄部180が溶媒の残留物を除去するための洗浄液を供給するとき、洗浄部180によって洗浄され得る。その後、成形体102は乾燥され得る。
更に、成形体102は、後処理の対象とされ得る。模式的に図示されている後処理部134を参照。例えば、そのような後処理は、水流交絡、後処理、針処理、含浸、圧力の下で供給される蒸気を用いた蒸気処理、および/またはカレンダリングなどを含み得る。
繊維受け部132は、成形体102を巻取り装置136に供給し得るが、巻取り装置136で成形体102は巻き取られ得る。次に、成形体102は、成形体102に基づいてワイプや織物などの製品を製造する事業体に、巻いている貨物として供給され得る。
図2による装置100によって、図1による本発明の例示的な一実施形態による方法を実行することが可能であるために、出発材料110として、先行のリヨセル法(図2による装置100によっても実行可能であった)から得られる材料が完全にまたは部分的に供給される。
図3は、リヨセル法によって製造されるセルロース繊維200を横断面で示す。リヨセル法によって製造されるセルロース繊維200は滑らかな丸い外面202を有し、均一で肉眼で見える穴がなく、セルロース材料で満たされている。したがって、セルロース繊維200は、ビスコース法によって製造されるセルロース繊維(図4の参照符号204を参照)およびワタノキのセルロース繊維(図5の参照符号206を参照)から、当業者によって明確に区別され得る。
図4は、ビスコース法によって製造されるセルロース繊維204を横断面で示す。セルロース繊維204は、雲形で、かつその外周に沿って複数の円弧状の構造208を有する。
図5は、ワタノキの天然セルロース繊維206を横断面で示す。セルロース繊維206は、腎臓の形で、かつ内部に、完全に周囲を囲われた中空として材料がないルーメン210を有する。
図3から図5による、繊維のそれぞれ幾何学的および構造的な顕著な違いによって、セルロース繊維がリヨセル法によって、ビスコース法によって、またはワタノキ中で自然に形成されているか否かを、例えば顕微鏡によって明確に定めることは、当業者にとって可能である。
追加として、「comprising(含む、含有する、有する、備える)」が他の要素または段階を除外せず、不定冠詞「a」または「an」が複数を除外しないことに留意すべきである。更に、上記の実施形態の1つを参照して説明されている特徴または段階が、上記で説明されている他の実施形態の他の特徴または段階と組み合わせても用いられ得ることに留意すべきである。請求項内の参照符号は、限定として解釈されるべきではない。

Claims (12)

  1. 再生セルロース成形体を製造する方法であて、前記方法は、
    セルロースと、特にリヨセル法および/またはビスコース法において用いられる溶媒中で不溶性である不溶性粒子とを含有する出発材料を供給する段階であって、前記出発材料は前記不溶性粒子が分布された方法で中に存在する固体である段階と
    前記再生セルロース成形体が前記不溶性粒子の少なくとも一部を含有するように、前記出発材料に基づいて前記再生セルロース成形体を生成する段階と
    を備える方法。
  2. 前記出発材料はポリマ繊維、特にセルロース繊維を含有し、前記不溶性粒子は前記出発材料の前記ポリマ繊維に組み込まれている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記再生セルロース成形体を生成する段階は、リヨセル法またはビスコース法を含む、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記出発材料は、衣類製造の残滓および/または古着を完全にまたは部分的に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記不溶性粒子は無機粒子、特に金属酸化物を含むか、または無機粒子、特に金属酸化物からなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記無機粒子は、二酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、シリコン酸化物(SiO)、セロキサイド(CeO)、水酸化マグネシウム、(Mg(OH))、水酸化アルミニウム(Al(OH))、硫酸バリウム(BaSO)、窒化ホウ素(BN)、および酸化亜鉛(ZnO)を含む群の少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記不溶性粒子は合成プラスチック、特にポリエステルおよび/もしくはエラステインを含むか、または合成プラスチック、特にポリエステルおよび/もしくはエラステインからなる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記不溶性粒子が次の特徴:
    前記出発材料中の濃度が約0.05%から3%、特に0.25%から1.5%の範囲にある;
    粒径が2.0μm未満である;
    前記不溶性粒子は、溶媒によって、特に水によって囲まれている分子の分散した凝集物として存在する;
    の少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. セルロースと不溶性粒子とを含む少なくとも1つの更なる出発材料を供給する段階であって、前記出発材料および前記更なる出発材料中の前記不溶性粒子の部分は異なる段階と;
    前記再生セルロース成形体が前記不溶性粒子の予め定められた部分を含有するように、前記出発材料および前記更なる出発材料に基づいて前記再生セルロース成形体を生成する段階と
    を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記再生セルロース成形体中の不溶性粒子の部分が少なくとも0.1%、特に少なくとも1%低減されるように、前記再生セルロース成形体から不溶性粒子を洗浄する段階を更に含む、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の方法にしたがって製造される再生セルロース成形体であって、前記再生セルロース成形体は、フィラメント、繊維、ホイル、マイクロスフェア、ビードからなる群から選択され、前記再生セルロース成形体は、0.05%から3%、特に0.25%から1.5%の範囲の不溶性粒子、特に二酸化チタンの部分を含有し、
    前記再生セルロース成形体は以下の特徴:
    前記再生セルロース成形体中の前記不溶性粒子の部分は、前記出発材料の前記不溶性粒子の30%超、特に50%超を含む;
    前記再生セルロース成形体がリヨセル法によって製造されるとき、正常の状態の前記再生セルロース成形体の作業能力は少なくとも450cN%/texである;
    前記再生セルロース成形体がビスコース法によって製造されるとき、正常の状態の前記再生セルロース成形体の作業能力は少なくとも400cN%/texである;
    の少なくとも1つを更に含む、再生セルロース成形体。
  12. リヨセル法および/またはビスコース法における使用のための紡糸溶液であって、前記紡糸溶液は、
    少なくとも1つの溶媒、特にN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)と;
    前記溶媒中で少なくとも部分的に溶解される複数のポリマ繊維、特にセルロース繊維と;
    不溶性粒子、特に二酸化チタンとを含有し、
    前記不溶性粒子は前記紡糸溶液中で均一な方法で分布され、特に前記紡糸溶液は前記紡糸溶液の総重量に対して0.01重量パーセントを超える、更に特に0.1重量パーセントを超える不溶性粒子を含有する、
    紡糸溶液。
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