JP2005307388A - 調温繊維構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた蓄熱性と調温効果を発揮する調温繊維構造物を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の調温繊維構造物は、表地と中綿と裏地とからなる繊維構造物において、該中綿が、2種類の異なる融点を持つ物質を内蔵したマイクロカプセルを、中綿の表裏面から厚さ方向の1/2又は1/4の深さに同一種ごとに独立し偏在させ、バインダー樹脂で固着するとともに、単糸間を部分的に結節して構成することを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた調温効果を有する調温繊維構造物に関するものである。
従来から、太陽光を吸収し熱変換する衣料は、可視光線および近赤外線を吸収して熱変換する物質を、ポリマー中に練り込んで製糸した合成繊維を用いるものや、近赤外線吸収剤を、後加工で繊維表面に固着したものが知られている(特許文献1〜2参照)。 しかし、従来の太陽光吸収熱変換衣料は、太陽の放射光が照射されている間のみ布帛の表面温度が高くなり、日光が雲などにより閉ざされると、太陽光吸収熱変換効果は無くなるものである。日光が閉ざされている時こそ環境温度が低くなり、保温性の高い衣料が要求されるが、従来の太陽光吸収熱変換衣料では、太陽が出ている暖かい時により衣服内温度が高くなり、太陽が沈んだ寒い時には効果が無いのが実状であった。
この改善として、上述の方法で吸収した熱を、ポリエチレングリコールをフィルムもしくはチューブに封入し、相変換による潜熱蓄熱性を利用して蓄熱する衣料が知られている(特許文献3参照)。しかし、フィルムの間に相変換蓄熱剤を封入したものを用いた衣料は、衣料に適した風合いのものは得られていない。特に、相変換蓄熱剤が固体となった時には、とても衣料として使用できるものではないほどに硬いものであった。また、こうしたチューブに相変換蓄熱剤を封入したものを用いた衣料は、衣服内にチューブを組み込むのに煩雑な手間を要し、コスト的に高いものとなる、またチューブに一箇所でも孔ができると、相変換蓄熱剤が液体となった時に漏れる心配があった。
一方で、n−パラフィンを封入したマイクロカプセルが樹脂バインダーによって固着された蓄熱性の繊維構造物が知られている(特許文献4)。しかし、繊維構造物の使用環境や、中入れ綿の厚さまで考慮したものはなく、十分な蓄熱効果が得られるとは言えないものであった。
特公平3−9202号公報 特公平3−1352号公報 特開平5−302205号公報 特開平5−156570公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、優れた蓄熱性と調温効果を発揮する調温繊維構造物を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の調温繊維構造物は、表地と中綿と裏地とからなる繊維構造物において、該中綿が、2種類の異なる融点を持つ蓄熱性粒子を、それぞれ独立して含有するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、優れた蓄熱性と調温効果を発揮する調温性衣料を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり優れた蓄熱性と調温効果を発揮する調温繊維構造物について、鋭意検討し、中綿に、2種類の異なる融点を持つ蓄熱性粒子を、それぞれを単独に、すなわち、独立させて、分散して固着する形で含有させてみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものであある。
本発明における表地と中綿と裏地からなる衣料とは、表地に合成繊維や再生繊維、天然繊維を単独もしくは混合して用いた織物、編物、不織布やそれらにウレタンやアクリル、ポリエステル等の樹脂をコーティングしたもの、また同じくウレタンやアクリル、ポリエステル等のフィルムを接着剤でラミネートしたものが用いられ、中綿にはポリエステル繊維やナイロン繊維、アクリル繊維、またウールや綿を単独もしくは混合したものが用いられ、裏地には合成繊維や再生繊維、天然繊維を単独もしくは混合して用いた織物、編物、不織布等が用いられブルゾンやパンツ等として衣料用に縫製されたものであるが、これられに限らず表地と中綿と裏地を使用した衣料であれば限定されない。
本発明に用いる中綿は、2種類の異なる融点を持つ蓄熱性粒子を、それぞれ単独に、つまり独立した状態で、分散固着して含有させることが必要である。蓄熱性粒子は比熱の大きい金属やセラミック等の粒子を使用する、いわゆる顕熱蓄熱剤でもよいが、固体から液体に相変換するときの融解熱や凝固熱を利用する潜熱蓄熱剤が好ましく使用される。かかる2種の蓄熱性粒子をそれぞれを独立させるのは、異なる融点を有するので、一方の蓄熱性粒子の融解熱や凝固熱の影響を受けにくくするために必須の要件である。かくすることにより、それぞれの蓄熱性粒子の機能を100%活かすことが初めてできたものである。
かかる潜熱蓄熱剤としては、トリデカン(C13)、テトラデカン(C14)、ペンタデカン(15)、ヘキサデカン(C16)、オクタデカン(C18)等のn−パラフィン類や無機系共晶物および無機系水和物、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類、炭素数12以上の高級アルコール類、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル化合物やプリエチレングリコール等が好ましく使用されるが、これらに限定されない。かかる蓄熱剤には必要に応じて、過冷却防止剤、比重調整剤、劣化防止剤などを添加することができる。
本発明に用いるかかる2種類の蓄熱性粒子の融点は、一方が摂氏−10度以上30度以下であり、もう一方が摂氏15度以上50度以下であることが、衣服内を調温する観点から好ましい。さらに好ましくは、一方は摂氏0度以上20度以下であり、もう一方は摂氏20度以上35度以下である。
衣料品や寝装品に用いる中綿は、保温という目的のために必要な空気層が必須であり、その保温効果は中綿の厚さに比例することは周知のことである。こうした中綿と表地、裏地で構成された衣料品や寝装品は厚みがあり、そのため、表地側と裏地側で温度差が生じる。すなわち、一般に快適と言われる衣服内温度である摂氏25度前後から外気温度までの温度勾配が、中綿の厚さ方向に生じるのである。
そこで、本発明では、この温度勾配に相応した融点をもつ2種類の蓄熱性粒子を中綿の厚さ方向に分散固着させることが好ましい。中綿の厚さ方向に分散固着された蓄熱性粒子は、その温度勾配に順次反応し、衣服内の温度を一定に保つ役割をするのである。
さらに好ましくは、摂氏0度以上20度以下の該蓄熱性粒子が、中綿の厚さ方向の表地側1/2に分散固着され、摂氏20度以上35度以下の該蓄熱性粒子が、中綿の厚さ方向の裏地側1/2に分散固着されているものである。
またさらには、摂氏0度以上20度以下の該蓄熱性粒子の繊維構造物に対する総固着量の80wt%以上が、中綿の厚さ方向の表地側1/4に分散固着され、摂氏20度以上35度以下の該蓄熱性粒子の繊維構造物に対する総固着量の80wt%以上が、中綿の厚さ方向の裏地側1/4に分散固着されていることがより好ましい。
従来の技術では、コーティングやプリントなどによって、片面に蓄熱材を集中して固着されたものが提案されているが、かかる方法では、中綿の厚さ方向の温度勾配に対応できないので、本発明では、表地表面温度、裏地表面温度に相応した融点の蓄熱性粒子を、表地側、裏地側それぞれに集中して(偏って)配置させたものである。かかる手段を採用することにより、表面は温度バリケードの役割をはたし、また、中綿の厚さ方向の中心に向かう温度勾配に対しても好都合に対応することができるものを容易に提供することができたものである。
本発明で用いる前記潜熱蓄熱剤は固相−液相間を相変化する性質を有する蓄熱剤であり、相変換蓄熱剤とも呼称されるが、かかる相変換蓄熱剤は、液体になることがあるためこのままの状態で使用すると、こぼれたり、しみ出す危険があるので、マイクルカプセルに封入して使用することが好ましい。マイクロカプセルの材質としては、その耐熱温度が中綿製造工程の乾燥温度や縫製工程および着用使用時のアイロンやプレスの温度等に耐えられるものを適宜選択すればよい。例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が採用される。このうち特に好ましいのが耐熱性や強度に優れるメラミン樹脂である。
かかるマイクルカプセルに2種の蓄熱性粒子を封入する場合も、前記のように、それぞれを独立させた状態、つまり、それぞれ別々のカプセルに封入するのが、一方の蓄熱性粒子の融解熱や凝固熱の影響を受けにくくするために必須の要件である。
かかるマイクロカプセルの好ましい外径は0.5〜10μmである。外径が大きい程封入できる量が多く潜熱蓄熱量が大きくなるが、中綿に固着した場合がさついた風合いとなり衣料に適さない。また、0.5μmより小さくなると風合い面は好ましくなるが、封入量が少なくなり蓄熱量が小さくなる。
相変換蓄熱剤を封入するマイクロカプセルの内包量は50〜90%が好ましい。50%以下では封入量が少なくなり蓄熱量が小さくなる。また、90%以上では強度的に弱くなり、マイクロカプセルが破損する恐れがある。
相変換蓄熱剤をマイクロカプセル化する方法としては、界面重合法、インサイチュー重合法、コアセルベート法等の従来公知の製造方法から相変換蓄熱剤およびマイクロカプセルの材質等に応じて適宜選択すればよい。
次に相変換蓄熱剤を封入するマイクロカプセルの製造方法の一例を挙げるが、上述のとおり本法に限定されるものではない。
メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pH8に調整した後、約摂氏70度まで加熱してメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した5%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に蓄熱剤としてn−ヘキサタデカン(融点摂氏18度)80gを激しく撹拌しながら添加し粒子径が約2μmになるまで乳化を行った。この乳化液に上記メラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液全量を添加し、摂氏70度で2時間撹拌を施した後、pHを9に調整してカプセル化を終了した。得られたマイクロカプセル分散液を乾燥すればマイクロカプセルが得られるが、本分散液をバインダー樹脂溶液と混合し、中綿にスプレーし乾燥することで本発明に使用する蓄熱性粒子を含む中綿が得られる。
本発明に使用する中綿は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維の如き合成繊維の短繊維やウール、綿等の天然繊維を単独もしくは混合して用いることができるが、ポリエステル短繊維が軽量で嵩高性に富み、コストも低く好ましい。また使用する短繊維の繊度も特に限定はないが、1.0〜10dtexの範囲が嵩高性と風合いの観点から好ましい。1.0dtex未満では柔らかすぎて所望の嵩高性が得られない。また、10dtexを超えると、繊維の剛性が高すぎ風合いが硬くなる。この範囲で細い繊度の短繊維と太い繊度の短繊維を混合して用いる所謂繊度ミックスの中綿は嵩高性と風合いが両立し衣料用、寝装用の中綿として好ましい態様のひとつである。
本発明の中綿の短繊維の接合に用いるバインダーは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等目的に応じ任意に用いることができるが接着性と風合い、コスト面からアクリル樹脂が好ましい。また、本バインダー樹脂に相変換蓄熱剤封入マイクロカプセルを添加して中綿の繊維表面に固着する方法としてはスプレー法、含浸法、コーティング法等が挙げられるが、中でもスプレー法が、安価で風合い的にも優れ、また、蓄熱性粒子を厚さ方向に均一に固着させるには好ましい。
相変換蓄熱剤封入マイクロカプセル等の蓄熱性粒子の固着量としては、加工後の中綿としての蓄熱量が3.0J/g以上となるように固着させる必要があり、好ましくは5.0J/g以上である。3.0J/g未満では、着用時に蓄熱効果が実感できない。なお、蓄熱量は多ければ多い程好ましいが、蓄熱量を多くするためには、蓄熱性粒子の固着量を多くする必要がある。蓄熱性粒子の固着量を多くすると、風合いが硬くなり、衣料として適さなくなり、またコストも高価になることから、蓄熱量80.0J/g程度が衣料用の限界である。また、洗濯10回後の中綿の蓄熱量も3.0J/g以上とするのが好ましい。洗濯により蓄熱性が大幅に低下するようでは衣料として適さない。この洗濯耐久性を向上するために、蓄熱性微粒子に適したバインダー樹脂を選定することが必要である。さらに、上述の蓄熱量を3.0J/g以上とするためには、顕熱蓄熱剤よりも潜熱蓄熱剤を使用した方が、熱容量が大きいため好ましい。
本発明の中綿は、紳士服、婦人服、子供服、カジュアルウエア、フィッシングや登山衣などのアウトドアスポーツウエア、スキーウエア、ウィンドブレーカー、アスレチックウエア、ゴルフウエアなどのスポーツウエア、また、手袋、靴下、帽子など衣料品全般や、肌掛布団、枕、クッション、座布団など寝装品全般に用いることができる。
次に本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の評価方法、測定方法は以下の方法を用いた。また、測定結果は、表1の通りである。
[蓄熱量]
中綿を長さ方向と垂直になるように、かつ厚さ方向の全量がはいるように試料5mgを精秤し、機器専用のアルミニウム製オーブンパン及びパンカバーを用いて封入し、(株)島津製作所製の示差走査熱量計DTG−60を使用し、窒素気流下、摂氏0度から摂氏50度まで1度/分の速度で昇温させて測定した。
ここで、上述の機器専用のアルミニウム製オーブンパンおよびパンカバーとは、使用する計器専用のものであることを意味するものである。
[融点]
測定する試料5mgを精秤し、機器専用のアルミニウム製オーブンパン及びパンカバーを用いて封入し、(株)島津製作所製の示差走査熱量計DTG−60を用いて、窒素気流下、摂氏0度から摂氏50度まで1度/分の速度で昇温させ、その途中で観察される融点ピーク温度を融点とした。
[洗濯]
JIS L−0217(103)に基づいて、洗濯を10回繰り返した。
ただし、吊り干しとし、アイロン仕上げは行わない。
[着用評価]
次の条件下で実施例1、2、比較例1、2に示したブルゾンの着用評価を行った。被験者の着用感は、次の4段階から選択した。
(1)環境条件:摂氏8度、40%RH
(2)着衣条件(トップ):半袖Tシャツ(綿100%)/長袖スエットシャツ(ポリエステル100%)/ブルゾン(実施例1、2、および、比較例1、2)
(3)着衣条件(ボトム):パンツ(綿100%)/チノパンツ(ポリエステル100%)
(4)実験タイムスケジュール:
安静(椅座)10分間の後、運動(踏み台昇降)20分間の後、回復(椅座)20分間を行った。
上記(1)の環境条件下において、(2)(3)の条件の着衣を着用し、(4)のスケジュールで軽運動を行い、その時の着用感をアンケートで、また、半袖Tシャツ背中部表面の温度変化と、中綿と表地の間の温度変化を熱電対で測定した。
被験者の着用感は次の4段階から選択した。
◎:快適(厚くも寒くもない)
○:やや快適
△:やや不快
×:不快(厚いまたは寒い)
なお、実施例3、比較例3に示した掛け布団の着用評価は、次の条件で行った。
(1)環境条件:摂氏15度、50%RH
(2)着衣条件(トップ、ボトム):パジャマ(ポリエステル50%/綿50%)
(3)その他条件:敷き布団(ポリエステル100%硬綿敷き布団/ポリエステル65%/綿35%側地)/掛け布団(実施例3、比較例3)
(4)実験タイムスケジュール:
安静(仰臥)1時間を行った。
上記(1)の環境条件下において、(2)の着衣を着用し、(3)の敷き布団の上に仰臥し掛け布団を首部まで掛けて1時間安静にし、その時の着用感をアンケートで、また、パジャマ胸部表面の温度変化と、中綿と表地の間の温度変化を熱電対で測定した。
実施例1
84dtex36フィラメント、セミダルの円断面のポリエステル長繊維の仮撚加工糸をタテ・ヨコ糸に使用し、綾織物(2/1ツイル)を製織し、常法にて精練・リラックス後摂氏180度にてプレセットした後、連続減量方法にて減量率10%で加工し、次いで紺色に染色加工を施し、タテ糸密度157本/in、ヨコ糸密度92本/inの織物を得た。次いで一次帯電防止剤を付与した後、摂氏190度で30秒間仕上げセットを施し、表地用の織物を得た。
平均粒径0.1μm酸化チタン微粒子を2.4wt%練り込んだ55dtex24フィラメントの円断面のポリエステル長繊維をタテ糸に使用し、同じく平均粒径0.1μm酸化チタン微粒子を2.4wt%練り込んだヨコ糸に84dtex36フィラメントのポリエステル長繊維の仮ヨリ加工糸を用い、平織物を製織し、常法にて精練・リラックスし、摂氏180度にてプレセットした後、連続減量方法にて減量率10%で加工し、次いで黄色に染色加工を施し、一次帯電防止剤を付与した後、摂氏190度で30秒間仕上げセットを施しタテ糸密度110本/in、ヨコ糸密度80本/inの裏地用の織物を得た。
繊度1.7dtex、繊維長44mmのポリエステル短繊維70%と繊度2.8dtex、繊維長38mmのポリエステル短繊維10%と繊度3.3dtex、繊維長51mmのポリエステル短繊維20%を、カードを通し繊度ミックス短繊維ウェッブを作製した。この際、アクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)に、下記蓄熱性粒子を含む処理液AとBを、厚さ方向に均一に分散して固着するよう、同時に、別々のスプレーにより、スプレー法にて塗布し、摂氏170度にて3分間処理し、蓄熱性粒子を含む中綿を得た。
(蓄熱性微粒子を含む処理液の作製法)
一つは、メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pH8に調整した後、摂氏約70度まで加熱してメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した5%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に、蓄熱剤としてn−ヘプタデカン(融点摂氏22度)80gを激しく撹拌しながら添加し、粒子径が約2μmになるまで乳化を行った。この乳化液に、上記メラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液全量を添加し、摂氏70度で2時間撹拌を施した後、pHを9に調整してカプセル化を終了した。得られたマイクロカプセル分散液に、アクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)を30g/l添加し、n−ヘプタデカンの平均内包率80wt%の平均粒径が約2μmのメラミン樹脂壁マイクロカプセルとバインダーの混合処理A液を作製した。
もう一つは、上記と同様にして、蓄熱剤としてn−ヘキサデカン(融点摂氏18.5度)80gを添加し、マイクロカプセルとバインダーの混合処理液Bを作成した。
また、さらに同様にして、蓄熱剤としてn−オクタデカン(融点摂氏28度)80gを添加し、マイクロカプセルとバインダーの混合処理液Cを作成した。
得られた表地、中綿および裏地を使用してブルゾンを縫製した。
表1および表2に示す如く、このブルゾンは、蓄熱効果、着用快適性、洗濯耐久性に優れ、環境変化に対応した調温機能のあるブルゾンであった。
実施例2
裏地用としてフロント糸、バック糸ともに33dtex24フィラメント、ブライトの円断面のポリエステル長繊維を使用した起毛トリコットを作成した。
また、実施例1で得た繊度ミックス短繊維ウェッブに、アクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)に処理液Aを2:1の割合で混合したものを裏面からスプレー法にて塗布し、同様に、処理液Bを混合したものを表面から塗布し、摂氏170度で熱処理を施して、裏面に融点摂氏22度の蓄熱剤を含む蓄熱性粒子5g/m2を含み、表面に融点摂氏18.5度の蓄熱剤を含む蓄熱性粒子5g/m2を含む、厚さ10mmの中綿を得た。このとき、融点摂氏18.5度の蓄熱性粒子は、厚さ方向に表面から約2mmの範囲に分散しており、また、融点摂氏25度の蓄熱性粒子は、厚さ方向に裏面から約2mmの範囲に分散していた。
得られた裏地、中綿おおよび実施例で得た表地を使用してブルゾンを縫製した。
表1および表2に示す如く、このブルゾンは、蓄熱効果、着用快適性、洗濯耐久性に優れ、環境変化に対応した調温機能のあるブルゾンであった。
実施例3
表地および裏地用として、常法により糊抜き、精練、漂白、マーセライズ処理を行った綿番手45番のポリエステル65%、綿35%の混紡糸を得た。この混紡糸を用い、経糸生機密度110本/2.54cm(43.3本/cm)、緯糸生機密度76本/2.54cm(29.9本/cm)、目付112g/m2のブロード織物を作成した。
また、実施例1と同様の処方で得た繊度ミックス短繊維ウェッブに、アクリル系樹脂バインダー(固形分42wt%)に処理液Cを1:1の割合で混合したものを裏面からスプレー法にて塗布し、同様に、処理液Bを混合したものを表面から塗布し、摂氏170度で熱処理を施して、裏面に融点摂氏28度の蓄熱剤を含む蓄熱性粒子15g/m2を含み、表面に融点摂氏18.5度の蓄熱剤を含む蓄熱性粒子15g/m2を含む、厚さ50mmの中綿を得た。このとき、融点摂氏18.5度の蓄熱性粒子は、厚さ方向に表面から約10mmの範囲に分散しており、また、融点摂氏28度の蓄熱性粒子は、厚さ方向に裏面から約10mmの範囲に分散していた。
得られた表地、裏地、および中綿を使用して掛け布団を縫製した。
表1および表3に示す如く、この掛け布団は、蓄熱効果、着用快適性、洗濯耐久性に優れ、環境変化に対応した調温機能のある掛け布団であった。
比較例1
実施例1において、蓄熱性粒子を含まない繊度ミックス短繊維ウェッブを中綿として、ブルゾンを縫製した。
表1および表2に示す如く、このブルゾンは、蓄熱性がなく、暑いときには暑く、寒いときには寒い、環境に対応した保温性調整機能のないブルゾンであった。
比較例2
実施例2において、蓄熱性粒子を含まない繊度ミックス短繊維ウェッブを中綿とし、ブルゾンを縫製した。
表1および表2に示す如く、このブルゾンは、蓄熱性がなく、暑い時には暑く、寒いときには寒い、環境に対応した保温性調整機能のないブルゾンであった。
比較例3
実施例3において、蓄熱性粒子を含まない繊度ミックス短繊維ウェッブを中綿とし、掛け布団を作成した。
表1および表3に示す如く、この掛け布団は、蓄熱性がなく、暑いときには暑く、寒い時にはさむい、環境に対応した保温性調整機能のない掛け布団であった。
Figure 2005307388
Figure 2005307388
Figure 2005307388

Claims (13)

  1. 表地と中綿と裏地とからなる繊維構造物において、該中綿が、2種類の異なる融点を持つ蓄熱性粒子を、それぞれ独立して含有するものであることを特徴とする調温繊維構造物。
  2. 該2種類の異なる融点を持つ蓄熱性粒子が、該中綿の厚さ方向に分散して固着されていることを特徴とする請求項1に記載の調温繊維構造物。
  3. 該2種類の異なる融点を持つ蓄熱性粒子の一方の融点が、摂氏0度以上20度以下であり、もう一方の融点が、摂氏20度以上35度以下である請求項1または2に記載の調温繊維構造物。
  4. 該摂氏0度以上20度以下の該蓄熱性粒子が、該中綿の厚さ方向の表地側1/2に分散して固着され、該摂氏20度以上35度以下の該蓄熱性粒子が、該中綿の厚さ方向の裏地側1/2に分散して固着されていることを特徴とする請求項3に記載の調温繊維構造物。
  5. 該摂氏0度以上20度以下の該蓄熱性粒子の繊維構造物に対する総付着量の80wt%以上が、該中綿の厚さ方向の表地側1/4に分散付着され、該摂氏20度以上35度以下の該蓄熱性粒子の繊維構造物に対する総付着量の80wt%以上が、該中綿の厚さ方向の裏地側1/4に分散して固着されていることを特徴とする請求項3または4に記載の調温繊維構造物。
  6. 該中綿が、ポリエステル短繊維使いの中綿であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の調温繊維構造物。
  7. 該中綿が、1.0dtex以上10dtex未満の2種類以上のポリエステル短繊維を用い、かつ、単糸が混繊され、バインダー樹脂で単糸間を部分的に結節して構成された中綿をであることを特徴とする請求項6に記載の調温繊維構造物。
  8. 該バインダー樹脂が、アクリル系樹脂である請求項7に記載の調温繊維構造物。
  9. 該蓄熱性粒子が、メラミン系樹脂からなるマイクロカプセルで内包されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の調温繊維構造物。
  10. 該マイクロカプセルが、該2種の蓄熱性粒子を別々のカプセルに内包するものであることを特徴とする請求項9に記載の調温繊維構造物。
  11. 該中綿が、洗濯10回後の潜熱蓄熱量が3.0J/g以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の調温繊維構造物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の調温繊維構造物を少なくともその一部に用いてなる衣料品。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の調温繊維構造物を少なくともその一部に用いてなる寝装品。
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