JP2021509717A - 測位システム、方法及び媒体 - Google Patents

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Abstract

全地球航法衛星システム(GNSS)の測位システムは、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含む一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信する受信機と、受信機の位置を追跡するプロセッサとを備える。プロセッサは、プロセス雑音及び測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、運動モデル及び測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って搬送波信号及びコード信号の測定値と整合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求め、この中から選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを用いて受信機の位置を求める一組の位置推定器を実行するように構成されている。プロセッサは、搬送波信号及びコード信号の測定値に従って受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて受信機の位置を求める。

Description

本発明は、包括的には、全地球測位システム(GPS:global positioning system)又は準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)等の測位システムに関し、より詳細には、そのような測位システムにおいて受信機によって搬送波位相測定における整数アンビギュイティ(integer ambiguity:整数値バイアス)を決定することに関する。
全地球航法衛星システム(GNSS)は、モバイル受信機の、地球に対する地理的位置を求めるのに用いることができる衛星のシステムである。GNSSは、GPS、Galileo、Glonass、QZSS及びBeiDouを含む。種々の全地球航法衛星(GNS)補正システムは、GNSS衛星からGNSS信号データを受信することと、これらのGNSSデータを処理することと、GNSSデータからGNSS補正を計算することと、これらの補正をモバイル受信機に提供することとを行うように構成されることが知られており、モバイル受信機の地理的位置を迅速かつ正確に計算するという目的を有している。
種々の位置推定方法が知られており、これらの場合、位置計算は、いわゆる擬似距離(pseudo range)の反復測定値及び地球ベースのGNSS受信機による搬送波位相観測値に基づいている。「擬似距離」又は「コード」観測値は、GNSS衛星信号の送信時点とこの衛星信号のローカル受信時点との間の差分を表しており、それゆえ、衛星の無線信号によってカバーされる地理的距離を含む。加えて、受信GNSS衛星信号の搬送波と、そのような信号の受信機内で生成されるコピーとの間のアライメントの測定により、衛星と受信機との間の見かけの距離を求めるための別の情報源が提供される。この対応する観測値は、「搬送波位相」と呼ばれ、これは、送信側衛星と受信機との相対運動に起因したドップラー周波数の積分値を表している。
全ての擬似距離観測値は、不可避的な誤差を含み、この誤差の中には、受信機と送信機とのクロック誤差、及び大気の非ゼロの屈折率によって引き起こされる追加遅延、機器遅延、マルチパス効果、及び検出器雑音がある。全ての搬送波位相観測値は、この信号アライメントへのロックインが得られる前に経過した未知の整数の信号サイクル数、すなわち、整数の波長数を更に含み、この数は、「搬送波位相アンビギュイティ」と称される。通常、観測値は測定、すなわち、一連の離散時点において受信機によってサンプリングされる。観測値が測定される時点のインデックスは、「エポック」と称される。既知の位置判断方法は、一般に、一連のエポックにおいてサンプリングされた観測値の測定値に基づいて、距離及び誤差成分について動的数値推定及び補正方式を伴う。
GNSS信号が連続して追跡され、ロックの喪失が発生していないとき、追跡フェーズの開始時に決定された整数アンビギュイティは、全GNSS測位期間の間維持することができる。しかしながら、GNSS衛星信号は、時として、(例えば、「アーバンキャニオン」環境における建物に起因して)遮蔽されることもあるし、(例えば、受信機が橋梁の下又はトンネル内を通過するときに)瞬間的に遮断されることもある。一般に、そのような場合には、整数アンビギュイティ値は喪失され、再度求めなければならない。このプロセスには、数秒から数分を要する場合がある。実際、擬似距離又は搬送波位相のいずれかの1つ以上の測定値に大きなマルチパス誤差又はモデル化されていない系統的バイアスが存在すると、現在の商用測位システムを用いてアンビギュイティを決定することが困難になる場合がある。受信機離隔距離(すなわち、基準受信機と、その位置を特定中であるモバイル受信機との間の距離)が増加するにつれて、距離依存バイアス(例えば、軌道誤差並びに電離層及び対流圏の影響)が増大し、その結果、信頼性のあるアンビギュイティ決定(ambiguity resolution)(又は再初期化)はより一層困難になる。さらに、信号上での受信機の連続的な位相ロックの不連続に起因して、ロックの喪失も発生する場合がある。この不連続は、サイクルスリップと呼ばれる。例えば、サイクルスリップは、電力損失、受信機ソフトウェアの障害、又は正常に機能しない衛星発振器によって引き起こされる。加えて、サイクルスリップは、電離層の状態が変化することによっても引き起こされる場合がある。
その結果、整数アンビギュイティ決定のための方法及びシステムが必要とされている。現在の方法は、様々な線形推定方法を用いて整数アンビギュイティを推定する。例えば、特許文献1を参照されたい。しかしながら、搬送波位相測定値を記述する式は非線形であり、それらの線形推定方法が正しくないアンビギュイティ値を選択することを同程度に許容している場合がある。さらに、様々な手法は、アンビギュイティの運動モデルを選択することに基づいているが、サイクルスリップ挙動の物理モデル化が扱いにくいことから、この運動モデルは現実的には未知である。
したがって、位置推定の精度を改善するのに用いることができるGNSSシステムにおける整数アンビギュイティを決定する方法及びシステムが必要とされている。
米国特許第7961143号
いくつかの実施の形態の目的は、全地球航法衛星システム(GNSS)において搬送波位相アンビギュイティを決定する方法及びシステムを提供することであり、これらの方法及びシステムは、改善された測位性能を得るために用いることができる。本明細書において言及するように、搬送波位相アンビギュイティは、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数である。そのため、搬送波位相アンビギュイティは、GNSSにおいて整数アンビギュイティとも呼ばれる。
いくつかの実施の形態は、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の整数の波長数は、GNSS受信機及びGNSS衛星の相互の位置に応じて任意に大きな数とすることができるという認識に基づいている。しかしながら、任意の所与のエポックにおける搬送波位相アンビギュイティが変動できる値の範囲は有限であり、相対的に小さい。これは、搬送波位相アンビギュイティが取り得るいずれの値もGNSS受信機の運動モデル及び測定モデルと整合するべきであるからである。それらのモデルは、搬送波位相アンビギュイティの変動を許容する雑音を含むが、雑音には制限があり、そのような変動を有限にする。
加えて、GNSS送信機及びGNSS受信機の固有のランダム雑音及び誤差に起因して、それらのモデルは確率的である。したがって、任意の所与のエポックにおける搬送波位相アンビギュイティのいくつかの可能な値を、異なる確率を有するモデルと整合することができる。しかしながら、多数の実験を通じて、いくつかの実施の形態は、それらのモデルの確率的性質が、浮動小数点値によって規定される確率密度関数によって捉えられるという理解に基づいている。搬送波位相アンビギュイティは整数であるので、確率密度関数の可能性のある値を整数単位に離散化することによって、搬送波位相アンビギュイティの有限の一組の可能な整数値が得られる。他の実施の形態は、搬送波位相信号及びコード信号のランダム雑音特性を、確率密度関数の分散等の事前に求められたパラメーターを有する確率密度関数によって記述することができるという理解に基づいている。すなわち、測定値を受信機の位置及び整数アンビギュイティに関係付ける確率密度関数を用いて、アンビギュイティの範囲を求めることができる。
いくつかの実施の形態は、搬送波位相アンビギュイティの有限個の可能な整数値が、GNSS受信機の位置を追跡するそれらの可能な整数値の全てを評価することを可能にするという理解に基づいている。そのような理解は、搬送波位相アンビギュイティの評価を、異なる搬送波位相アンビギュイティを用いて求められたGNSS受信機の位置の評価に置き換えることを可能にする。この置き換えは有効である。なぜならば、受信機の運動の確率的性質は、位置を検査する方が、搬送波位相アンビギュイティ等の位置から導出されたものを検査するよりも設備がより良く整っているからである。
例えば、搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値の範囲が既知であるとする。その場合、この仮定の下では、搬送波位相アンビギュイティの異なる可能な値を有する搬送波信号を用いて受信機の位置を推定し、それらの位置を、搬送波位相アンビギュイティの問題がないコード信号を用いて推定された位置と比較することが可能である。この例では、コード信号を用いて推定された位置に最も近い位置を生成する搬送波信号の搬送波位相アンビギュイティを、正しい整数の波長数として選択することができる。残念なことに、搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値の範囲は、通常、未知である。加えて、近い位置という概念は、受信機の測定モデルの確率的性質を考慮すると、誤解を招くおそれがある。
そのため、いくつかの実施の形態は、搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値の範囲の推定及びその範囲からの搬送波位相アンビギュイティの整数値の選択を、測定モデルの雑音の確率密度関数(PDF:probability density function)に関する運動モデル及び測定モデルの整合性を用いて確率的に行うことができるという理解に基づいている。
例えば、いくつかの実施の形態では、測定モデルにおける受信機の位置が、測定モデルのPDFに従って運動モデルによって求められた位置とすることができる、GNSS衛星ごとの搬送波位相アンビギュイティの値を推定する。測定モデルの確率的性質を考慮するために、結果として得られる搬送波位相アンビギュイティの値は浮動小数点精度を有する。例えば、いくつかの実施の形態では、位置と測定値との整合性を規定する関数を中心とするPDFをサンプリングする。そのようなサンプリングによって、搬送波位相アンビギュイティの整数値ではなく浮動小数点値が生成される。なぜならば、測定値の確率的性質は、測定値の雑音が整数ではなく、浮動小数点値であるようにするものであるからである。しかしながら、それらの浮動小数点値の表現は、連続的な表現に平滑化することができ、浮動小数点値の可能な範囲を整数単位で決定および離散化し、運動モデル及び測定モデルと整合する搬送波位相アンビギュイティが取り得る全ての整数値を求めることができる。異なる衛星を表す組み合わせに結合されたそれらの整数値は、最良の適合度を推定するために更に検査することができる。
そのため、いくつかの実施の形態では、搬送波位相アンビギュイティの整数値の組み合わせごとに、運動モデルを用いて推定された受信機の現在の位置に適合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の組み合わせを含む測定モデルのPDFの値を推定する。特に、搬送波位相アンビギュイティの整数値の範囲を求めるために、いくつかの実施の形態では、運動モデルによって求められた位置を測定モデルに適合させ、適合度のPDFを評価する。対照的に、搬送波位相アンビギュイティの整数値の各組み合わせを評価するために、いくつかの実施の形態では、搬送波位相アンビギュイティの整数値を、運動モデルによって求められた位置を有する測定モデルに適合させ、適合度のPDF及び/又は適合度の偏差のPDFを評価する。そのような評価によって、PDFの最も高い値を与える搬送波位相アンビギュイティの整数値の組み合わせを選択することが可能になる。
いくつかの実施の形態の目的は、カルマンフィルタ等の線形推定方法を用いて、GNSS受信機の位置を追跡することである。いくつかの実施の形態は、カルマンフィルタが搬送波位相アンビギュイティを特定及び/又は更新するのに不向きであるという認識に基づいている。これは、カルマンフィルタが浮動小数点数に基づいて線形推定を行う一方、搬送波位相アンビギュイティは非線形に変化し、整数であるからである。しかしながら、整数アンビギュイティの範囲によって規定される搬送波位相アンビギュイティの異なる組み合わせの検査を伴う当該範囲の推定は、異なる搬送波位相アンビギュイティとともに異なるカルマンフィルタを用いて位置を追跡することを可能にするとともに、最良の性能を有するカルマンフィルタのその後の評価を可能にする。そのようにして、搬送波位相アンビギュイティは、カルマンフィルタの外部で決定される。
例えば、1つの衛星及び1つの受信機がある場合、求めるべきアンビギュイティは1つである。測定値が到着すると、搬送波位相アンビギュイティを含む測定値と測定値のモデルとの間の差を用いて、測定値に適合するようにアンビギュイティを更新することができる。次に、更新されたアンビギュイティを用いてカルマンフィルタステップを実行することができる。しかしながら、測定値は不確実であり、そのため、現在の時間ステップにおいて測定値と完全な適合が行われていても、センサ雑音及び不完全性に起因して、或る確率で、更新されたアンビギュイティは依然として正確でない。
その結果、いくつかの実施の形態では、いくつかの組のアンビギュイティを測定値及び測定モデルの統計的特性と整合するように維持する。そのようにすることによって、センサ雑音を考慮して測定値と適合する少なくとも1つのアンビギュイティが常に存在することが確保される。
その結果、1つの実施の形態では、いくつかのカルマンフィルタを実行し、これらのカルマンフィルタのそれぞれは、一組の固定した整数アンビギュイティを有し、数組の整数は、浮動小数点値から求められる全ての可能な整数値を高密度にカバーする。別の実施の形態では、測定値と整合する浮動小数点値は、整数値を変更すべきであるか否かを判断するために連続して追跡される。
高密度な一組の可能な整数値を求めることは、いくつかの方法で行うことができる。1つの実施の形態では、浮動小数点アンビギュイティの確率を用いて、可能な一組の整数値の境界を定める。例えば、或る閾値を上回る全ての浮動小数点アンビギュイティが可能であるとみなされ、一組の整数値の境界を定めるのに用いることができる。
GNSS衛星信号は、場合によっては、(例えば、アーバンキャニオン環境における建物に起因して)遮蔽されることもあれば、(例えば、受信機が橋梁の下又はトンネル内を通過するときに)瞬間的に遮断されることもある。これによりアンビギュイティ値のドリフトが生じ、アンビギュイティ推定を再開することが必要となる。1つの実施の形態では、アンビギュイティの予測が測定値に従って行われるので、この実施の形態では搬送波信号の品質を自動的に検出し、その品質に自動的に適応することが実現される。
したがって、1つの実施の形態は、全地球航法衛星システム(GNSS)の測位システムであって、
一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信する受信機であって、各搬送波信号は、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含む、受信機と、
受信機の以前の位置を受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、搬送波信号の搬送波位相アンビギュイティを用いて搬送波信号及びコード信号の測定値を受信機の現在の位置に関係付ける測定モデルとを記憶するメモリであって、運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルである、メモリと、
受信機の位置を追跡するプロセッサと、
を備える測位システムを開示する。
プロセッサは、
プロセス雑音及び測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、運動モデル及び測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って搬送波信号及びコード信号の測定値と整合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求めることと、
運動モデル及び測定モデルを併せて用いることによって受信機の位置を求める一組の位置推定器であって、各位置推定器は、運動モデル及び測定モデルに関する受信機の位置の結合確率分布を求め、少なくともいくつかの異なる位置推定器の測定モデルは、一組の可能な組み合わせから選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含む、一組の位置推定器を実行することと、
搬送波信号及びコード信号の測定値に従って受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて受信機の位置を求めることと、
を行うように構成される。
別の実施の形態は、全地球航法衛星システム(GNSS)の位置推定の方法を開示し、方法は、方法を実施するように記憶された命令と結合されたプロセッサを用い、命令は、プロセッサによって実行されると、方法のステップを実行する。方法は、
一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信することであって、各搬送波信号は、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含むことと、
受信機の以前の位置を受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、搬送波信号の搬送波位相アンビギュイティを用いて搬送波信号及びコード信号の測定値を受信機の現在の位置に関係付ける測定モデルとを取り出すことであって、運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルであることと、
プロセス雑音及び測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、運動モデル及び測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って搬送波信号及びコード信号の測定値と整合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求めることと、
運動モデル及び測定モデルを併せて用いることによって受信機の位置を求める一組の位置推定器であって、各位置推定器は、運動モデル及び測定モデルに関する受信機の位置の結合確率分布を求め、少なくともいくつかの異なる位置推定器の測定モデルは、一組の可能な組み合わせから選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含む、一組の位置推定器を実行することと、
搬送波信号及びコード信号の測定値に従って受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて受信機の位置を求めることと、
を含む。
更に別の実施の形態は、方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムが格納される非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法は、
一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信することであって、各搬送波信号は、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含むことと、
受信機の以前の位置を受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、搬送波信号の搬送波位相アンビギュイティを用いて搬送波信号及びコード信号の測定値を受信機の現在の位置に関係付ける測定モデルとを取り出すことであって、運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルであることと、
プロセス雑音及び測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、運動モデル及び測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って搬送波信号及びコード信号の測定値と整合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求めることと、
運動モデル及び測定モデルを併せて用いることによって受信機の位置を求める一組の位置推定器であって、各位置推定器は、運動モデル及び測定モデルに関する受信機の位置の結合確率分布を求め、少なくともいくつかの異なる位置推定器の測定モデルは、一組の可能な組み合わせから選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含む、一組の位置推定器を実行することと、
搬送波信号及びコード信号の測定値に従って受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて受信機の位置を求めることと、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を開示する。
いくつかの実施形態による全地球航法衛星システム(GNSS)の概略図である。 いくつかの実施形態による受信機の位置推定の方法のフローチャートである。 いくつかの実施形態による搬送波位相アンビギュイティの整数値の可能な組み合わせを求める方法のフローチャートである。 1つの実施形態による浮動小数点値をサンプリングする方法の一例示的な実施態様のフローチャートである。 いくつかの実施形態によって用いられるいくつかの原理を示す概略図である。 いくつかの実施形態によって用いられる受信機のブロック図である。 いくつかの実施形態によるGNSSの測位システムのブロック図である。 いくつかの実施形態によるモデル化において用いられる様々な変数を示す図である。 いくつかの実施形態による可能なアンビギュイティの実現可能空間を画定する確率分布関数を示すグラフである。 いくつかの実施形態によるサンプリングされたアンビギュイティの確率の選択を示すグラフである。 いくつかの実施形態による5つのアンビギュイティの割り当てられた確率を示す図である。 いくつかの実施形態による浮動小数点値の確率を内挿及び外挿する方法の結果の説明図である。 いくつかの実施形態による確率分布の領域を選択する説明図である。 いくつかの実施形態による二峰性分布のいくつかの領域の選択を示す図である。 いくつかの実施形態による連続分布を求める方法のフローチャートである。 いくつかの実施形態によって位置推定に用いられるカルマンフィルタ(KF:Kalman filter)の概略図である。 位置を確率的に推定するためのいくつかのKFの使用のブロック図である。 いくつかの実施形態による、可能な一組のアンビギュイティが変化する可能性があるシナリオの説明図である。
図1Aは、いくつかの実施形態による全地球航法衛星システム(GNSS)の概略図を示している。例えば、第Nの衛星102は、コード及び搬送波位相測定値を一組の受信機130及び131に送信する(120及び121)。例えば、受信機130は、N個の衛星101、103、104、及び102から信号110、120を受信するように位置決めされる。同様に、受信機131は、N個の衛星101、103、104、及び102から信号121及び111を受信するように位置決めされる。
様々な実施形態において、GNSS受信機130及び131は、異なるタイプのものとすることができる。例えば、図1Aの例示的な実施形態では、受信機131は、その位置が既知のベース受信機である。例えば、受信機131は、地上に設置された受信機とすることができる。対照的に、受信機130は、移動するように構成されたモバイル受信機である。例えば、受信機130は、携帯電話、車両、又は列車に搭載することができる。いくつかの実施態様では、第2の受信機131は、任意選択で用いられ、大気効果並びに受信機及び衛星の内部クロックの誤差等の様々な源に起因した不確実性及び誤差を除去するために用いることができる。
いくつかの実施形態は、搬送波位相信号及びコード信号のランダム雑音特性を、確率密度関数(PDF)の分散等の事前に求められたパラメーターを用いたPDFによって記述することができるという理解に基づいている。すなわち、測定値を受信機の位置及び整数アンビギュイティに関係付けるPDFを用いて、有限個の可能な整数値を与えるアンビギュイティの範囲を求めることができる。
他の実施形態は、搬送波位相アンビギュイティの有限個の可能な整数値が、GNSS受信機の位置を追跡するそれらの可能な整数値の全てを評価することを可能にするという理解に基づいている。そのような理解は、搬送波位相アンビギュイティの評価を、搬送波位相アンビギュイティを用いて求められたGNSS受信機の位置の評価に置き換えることを可能にする。この置き換えは有利である。なぜならば、受信機の運動の確率的性質は、位置を検査する方が、搬送波位相アンビギュイティ等の位置から導出されたものを検査するよりも設備がより良く整っているからである。
図1Bは、いくつかの実施形態による一組の衛星101、102、103、104から送信される搬送波信号及びコード信号115bの測定値を受信する(110b)ように構成された受信機130の位置推定の方法のフローチャートを示している。各搬送波信号は、衛星101、102、103、又は104と受信機130との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含む。次に、本方法は、受信機の以前の位置を受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、搬送波信号の搬送波位相アンビギュイティを用いて搬送波信号及びコード信号115bの測定値を受信機の現在の位置に関係付ける測定モデルとをメモリから取り出す(122b)。双方のモデル、すなわち、運動モデル及び測定モデルは確率的である。例えば、運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルである。
本方法は、次に、プロセス雑音及び測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、運動モデル及び測定モデル122bのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って搬送波信号及びコード信号の測定値と整合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせ125bを求める(120b)。このステップは、搬送波位相アンビギュイティを求めて位置推定を行うことを試みるのではなく、位置推定用の搬送波位相アンビギュイティの異なる可能な組み合わせを求めて検査することが有益であるという理解に基づいている。そのようにして、位置推定のニュアンスをより良く反映する確率的モデルを用いて最良の搬送波位相アンビギュイティを選択することができる。
そのため、本方法は、運動モデル及び測定モデル122bを併せて用いることによって受信機の位置を求める一組の位置推定器を実行する(130b)。各位置推定器は、運動モデル及び測定モデル122bに関する受信機の位置の結合確率分布135bを求めるために、搬送波位相アンビギュイティの整数値のその対応する組み合わせを含む。そのようにして、搬送波位相アンビギュイティの整数値の組み合わせを確率的に評価することができる。なぜならば、少なくともいくつかの異なる位置推定器の測定モデルは、一組の可能な組み合わせ125bから選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含むからである。次に、本方法は、搬送波信号及びコード信号の測定値に従って異なる位置推定器の確率の関数145bに従って、位置推定器の組み合わせによって受信機の位置を求める(140b)。例えば、1つの実施形態では、受信機の位置は、搬送波信号及びコード信号の測定値に従って、受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて求められる。
そのため、いくつかの実施形態は、搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値の範囲の推定及びその範囲からの搬送波位相アンビギュイティの整数値の選択を、測定モデルの雑音のPDFに関する運動モデル及び測定モデルの整合性を用いて確率的に行うことができるという理解に基づいている。
図1Cは、いくつかの実施形態による、搬送波位相アンビギュイティの整数値の可能な組み合わせを求める(120b)方法のフローチャートを示している。本方法は、プロセッサを用いて実施することができる。運動モデルのプロセス雑音と整合する受信機の少なくとも1つの位置について、本方法は、測定モデルに対する搬送波位相アンビギュイティ、位置、並びに搬送波信号及びコード信号の測定値の無雑音適合度を中心とする測定雑音のPDF上で、少なくとも1つの衛星の搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値111cをサンプリングする(110c)。
いくつかの実施形態では、測定雑音のPDFは、例えば、GNSS受信機の特性に基づいて事前に求められる。本明細書において用いられているような無雑音適合度は、搬送波信号及びコード信号の取得された測定値が正しいと仮定したときの搬送波位相アンビギュイティ、位置、並びに搬送波信号及びコード信号の測定値の適合度である。すなわち、搬送波信号及びコード信号の測定値は正しいと仮定され、残留誤差は、搬送波位相アンビギュイティに起因する。そのようにして、無雑音適合度は、PDF上のサンプリングが運動モデル及び測定モデルの確率的雑音をあまり強調せず、位置推定に対する搬送波位相アンビギュイティの影響を強調する位置にPDFを配置する。換言すれば、搬送波位相アンビギュイティ、位置、並びに搬送波信号及びコード信号の測定値を測定モデルに挿入した後の測定モデルに対する適合度の誤差は、搬送波位相アンビギュイティの誤差に起因する。
次に、本方法は、サンプリングされた浮動小数点値の集合体を形成して(120c)、サンプリングされた浮動小数点値の全てを含む集合体121cを生成し、浮動小数点値のこの集合体を整数単位に離散化して(130c)、一組のGNSS衛星の搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値131cを生成する。最後に、本方法は、全ての衛星の搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値131cを用いて、整数値の一組の可能な組み合わせ125bを生成する(140c)。
図1Dは、1つの実施形態による、浮動小数点値をサンプリングする方法110cの一例示的な実施態様のフローチャートを示している。ただし、浮動小数点値のサンプリング110cは、異なる実施形態によっていくつかの方法で実施される。図1Dの方法は、運動モデル及びそのプロセス雑音と整合する浮動小数点値をサンプリングする(109d)。本方法は、サンプリングされた搬送波位相アンビギュイティ、推定された位置、並びに搬送波信号及びコード信号の測定値を測定モデルに挿入することによって、コード信号及び搬送波位相信号の測定値との整合性を判断する(111d)。測定値との整合性に基づいて、本方法は、サンプリングされた各浮動小数点値をプロセス雑音及び測定雑音の関数として補正し(112d)、補正後の測定値との整合性に基づいて各アンビギュイティの確率を更新し(113d)、測定モデルに適合する確率が閾値を上回っている搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値を保持するように搬送波位相アンビギュイティの補正済みのサンプリングされた浮動小数点値をプルーニングする(114d)。
図1Eは、いくつかの実施形態によって用いられるいくつかの原理を示す概略図を示している。具体的には、いくつかの実施形態は、搬送波位相アンビギュイティの有限個の可能な整数値が、GNSS受信機の位置を追跡するためのそれらの可能な整数値の異なる組み合わせを求める(140e)ことを可能にするという理解に基づいている。そのような理解によって、GNSS受信機の位置130eを推定する(120e)ための搬送波位相アンビギュイティの評価110eを、搬送波位相アンビギュイティの組み合わせ140eを用いて求められる(150e)GNSS受信機の異なる位置の評価160eに置き換える(180e)ことが可能になる。この置き換えは、受信機の運動の確率的性質の方が、搬送波位相アンビギュイティ等の位置から導出されたものを検査するよりも検査をする設備がより良く整っていることから、好都合である。そのようにして、受信機の運動の確率的性質を用いて選択された最良の位置170eは、そのような位置170eを求めるのに用いられる搬送波位相アンビギュイティの対応する組み合わせを自動的に示す。
図2Aは、いくつかの実施形態によって用いられる受信機のブロック図を示している。それらの実施形態では、マルチパスの存在を検出する測定値207aは、位置を推定するプロセスの一部として受信機において元々計算されるものである。アンテナ201aの後であって取得部203aの前において、受信信号は、各衛星によって放射された信号の和によって構成される。増幅器202aは、更なる処理のために信号を増強するように設計されている。取得部203aは、各受信衛星信号の位相及び周波数の推定値を供給することによって追跡プロセスを初期化する。追跡ユニットは、搬送波追跡部206a及びコード追跡部204aのために、各衛星信号の位相及び周波数の測定値を経時的に推定及び提供するタスクを担当する。コード追跡部204aは、データメッセージを特定及び処理する(205a)のに用いられる。搬送波追跡部206aは、マルチパスを特定する(207a)のに用いられる。
図1Dを参照すると、いくつかの実施形態では、浮動小数点値のサンプリングが、時間ステップごとに再帰的に実行される。しかしながら、各時間ステップにおいて浮動小数点値をサンプリングする必要はない。例えば、搬送波位相アンビギュイティの値が変化したという表示がない場合には、新たな浮動小数点値をサンプリングする理由はない。いくつかの実施形態は、マルチパスの検出部207aを用いて、浮動小数点値のサンプリングを開始する。そのようにすることによって、計算労力が浪費されないことが確保される。
いくつかのGNSS受信機は、単一の受信機についていくつかのアンテナを有することができるが、いくつかのアンテナと多数の受信機との組み合わせが想定可能である。1つの実施形態は、アンテナとして、多数の受信機を有する複数のアンテナを用いる。アンテナは空間的に隔置され、それにより、受信機が同じ衛星信号上の観測搬送波周波数同士の間の差分を検出することが可能になる。
図2Bは、いくつかの実施形態によるGNSSの測位システム200のブロック図を示している。測位システム200は、一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信する受信機210を備える。各搬送波信号は、衛星と受信機との間を進む搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含む。システム200は、受信機210が配置された、ハンドヘルドデバイス、車両、航空機、又は列車等の複数のデバイスの内部に実装することができる。加えて又は代替的に、システム200は、デバイスに通信接続することができる。
システムは、受信機の以前の位置を受信機の現在の位置に関係付ける運動モデル281と、受信機210によって受信された搬送波信号及びコード信号の測定値を、搬送波信号の搬送波位相アンビギュイティを用いて受信機の現在の位置に関係付ける測定モデル282とを記憶するメモリ280も備える。衛星送信機及び受信機210の固有のランダム雑音及び誤差に起因して、運動モデル及び測定モデルは確率的であり、したがって、任意の所与のエポックにおける搬送波位相アンビギュイティのいくつかの可能な値が異なる確率を有するそれらのモデルと整合することが可能になる。メモリ280は、他の実施形態によって説明される整数値の一組の可能な組み合わせも記憶することができる(284)。
システム200は、測位システムを補助することができる追加のセンサ220を備えることができる。例えば、センサ220は、慣性測定ユニット(IMU)、カメラ、装輪車両に搭載される場合のホイールエンコーダー、レーザーを含むことができる。例えば、IMU及びホイールエンコーダーが車両に接続されているとき、これらのIMU及びホイールエンコーダーを輸送機関の運動モデルに用いて、測位システムの精度をそれらがない場合に可能な精度よりも向上させることができる。
システム200は、受信機の位置を追跡するプロセッサ230を備える。さらに、プロセッサ230は、プロセス雑音及び測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、運動モデル及び測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って搬送波信号及びコード信号の測定値と整合する搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求める(231)ように構成されている。ここで、この求めること231は、本発明の他の実施形態によって説明されている。また、プロセッサ230は、運動モデル281及び測定モデル282を併せて用いることによって受信機210の位置を求める一組の位置推定器232を実行し及び/又は動作させるようにも構成されている。各位置推定器は、運動モデル281及び測定モデル282に関する受信機210の位置の結合確率分布を求め、他の位置推定器と同時に及び/又は順次的にプロセッサ230によって動作させることができる。
少なくともいくつかの異なる位置推定器232の測定モデルは、一組の可能な組み合わせから選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせ231を含む。例えば、各位置推定器232は、測定モデル282を、整数の組み合わせ231から選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値のその対応する一意の組み合わせとともに用いる。次に、プロセッサは、搬送波信号及びコード信号の測定値に従って、受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて受信機の位置を求める(260)。そのようにして、搬送波位相アンビギュイティの推定は、位置推定器232の外部に移され、これは、線形位置推定器が搬送波位相アンビギュイティの非線形の変化を扱うことを可能にするので好都合である。
IMUは、3軸加速度計(複数の場合もある)、3軸ジャイロスコープ(複数の場合もある)、及び/又は磁気計(複数の場合もある)を備えることができる。IMUは、速度、方位、及び/又は他の位置関連情報をプロセッサ230に提供することができる。いくつかの実施形態では、IMUは、測定された情報を、カメラからの各画像フレームの捕捉と同期して出力することができる。いくつかの実施形態では、IMUの出力は、プロセッサ230がセンサ測定値を融合し及び/又は融合された測定値を更に処理するのに部分的に用いられる。
システム200は、1つ以上の信号を送信することが可能な送信機240を備えることができる。例えば、送信機240は、受信機210の位置を、精度を改善するために他のセンサと融合して用いられる他の推定方法に送信することができる。受信機210及び送信機240は、1つ以上のタイプの無線通信ネットワークを通じて受信及び送信することができる。受信機210及び送信機240は、様々な技術に基づいて無線ネットワークとの通信を可能にすることができる。これらの技術は、標準規格のIEEE802.11ファミリーに基づくことができるフェムトセル、Wi−Fiネットワーク又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、標準規格のIEEE802.15xファミリーに基づくBluetooth、近距離場通信(NFC)、ネットワーク等の無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、及び/又はLTE、WiMAX等の無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)等であるが、これらに限定されるものではない。システム200は、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス等の有線ネットワークを通じて通信する1つ以上のポートを備えることもできる。
メモリ280は、搬送波位相測定値285及びセンサ220によって提供されたデータを記憶することができる。例えば、いくつかの実施態様では、メモリ280は、受信機が設置されている物理的構造物の幾何形状284と、衛星と受信機との間の幾何学的関係283とを記憶する。一般に、メモリ280は、任意のデータ記憶機構を表すことができる。メモリ280は、例えば、一次メモリ及び/又は二次メモリを含むことができる。一次メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ等を含むことができる。図2Bにおいてプロセッサ230とは別であるように示されるが、一次メモリの全て若しくは一部をプロセッサ230内に設けることができるか、又はそうでなくても、プロセッサ230と同一の場所に配置し、及び/又はプロセッサ230に結合することができることは理解されたい。
システム200内の異なる構成要素は、接続部250を通じて互いに作動結合することができる。接続部250は、バス、ライン、ファイバ、リンク又はそれらの組み合わせを含むことができる。
プロセッサ230は、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの組み合わせを用いて実現することができる。プロセッサ230は、センサ融合及び/又は融合した測定値を更に処理するための方法に関連付けられる計算手順又はプロセスの少なくとも一部を実行するように構成可能な1つ以上の回路を表すことができる。プロセッサ230は、メモリ280から命令及び/又はデータを引き出す。プロセッサ230は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、中央及び/又はグラフィカル処理ユニット(CPU及び/又はGPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラコントローラ、マイクロプロセッサ、埋め込みプロセッサコア、電子デバイス、本明細書において記述される機能を実行するように設計された他の電子ユニット、又はその組み合わせを用いて実現することができる。
いくつかの実施形態では、受信機の状態は、受信機の状態の運動のモデルに従って時間とともに動的に進展する。いくつかの実施形態では、受信機の運動のモデルは、以下の状態ベクトルを有する汎用の運動学的等加速度モデルである。
Figure 2021509717
ここで、3つの成分は、受信機の位置、速度、及び加速度である。この表記を用いると、運動学的等加速度モデルは以下の式となる。
Figure 2021509717
ここで、wx,kはプロセス雑音であり、Tはシステムのサンプリング時点である。他の実施形態では、目的に合ったモデルが用いられる。例えば、受信機が輸送機関に設置されているとき、この輸送機関の時間発展を記述する特定のモデルが好ましい。
他の実施形態では、アンビギュイティの時間発展は、以下の式としてモデル化される。
Figure 2021509717
ここで、nk+1はアンビギュイティであり、wn,kは共分散Qを有するガウスプロセス雑音である。
いくつかの実施形態は、例えば、サイクルスリップ、市街地における視野の喪失、又は送電線の下での移動から発生するロックの喪失に起因して、アンビギュイティが瞬時に変化する可能性があることを理解している。したがって、アンビギュイティの運動のいずれのモデルも不確実である可能性がある。このために、1つの実施形態は、アンビギュイティのプロセス共分散を、搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値が搬送波信号及びコード信号の測定値に従ってサンプリングされるような大きな数に設定する。
いくつかの実施形態では、測位システムは、位置を推定するために、搬送波位相一重位相差(SD)及び/又は二重位相差(DD)を用いる。1つの衛星から送信された搬送波信号が2つの受信機によって受信された場合、第1の搬送波位相と第2の搬送波位相との間の差分は、搬送波位相における一重位相差(SD)と称される。図1Aにおける受信機131及び130のペアを用いて、2つの衛星からの無線信号から得られる搬送波位相におけるSD同士の間の差分は、搬送波位相における二重位相差(DD)と呼ばれる。搬送波位相差分が、波長の数、例えばL1 GPS(及び/又はGNSS)信号の場合λ=19cmの波長の数に変換される場合、これは、小数部分及び整数部分によって分離される。小数部分は、測位装置によって測定することができるが、一方、測位デバイスは、整数部分を直接測定することが可能ではない。したがって、整数部分は、整数バイアス又は整数アンビギュイティと称される。
図3は、いくつかの実施形態による、運動モデル及び/又は測定モデルのモデル化において単独で又は組み合わせて用いられる様々な変数を示している。いくつかの実施形態は、測定モデルを用いて搬送波信号及びコード信号を以下のようにモデル化する。
Figure 2021509717
ここで、
Figure 2021509717
は、時間ステップkにおける第jの衛星からのコード信号であり、図3における表記を用いると、
Figure 2021509717
となる。
元の受信機rにブロードキャストする既知の位置に設置されたベース受信機bを利用することによって、誤差源のほとんどを取り除くことができる。例えば、1つの実施形態は、図1Aにおける2つの受信機130及び131の間の差分を形成し、この差分から、衛星クロックバイアスに起因した誤差を除去することができる。別の実施形態は、2つの衛星j及びlの間の二重差分を以下のように形成する。
Figure 2021509717
ここで、
Figure 2021509717
は二重差分演算子である。そのようにすることによって、受信機に起因したクロック誤差項を取り除くことができる。さらに、2つの受信機の間の距離が短い場合(例えば、30km)、電離層の誤差は無視することができ、以下の式が得られる。
Figure 2021509717
いくつかの実施形態は、測定モデル
Figure 2021509717
において搬送波信号及びコード信号を捕捉する。ここで、eは測定雑音であり、コード信号の測定雑音は、搬送波雑音よりもはるかに大きい。ただし、コード信号はアンビギュイティを示さない。
いくつかの実施形態は、運動モデル及び測定モデルの確率的性質が、浮動小数点値によって定義される確率密度関数(PDF)によって捉えられるという理解に基づいている。
他の実施形態は、一組のN個の質点によって状態及びアンビギュイティのPDFを推定し、その結果、PDF p(x,n0:k|y0:k)が得られる。ここで、y0:kは、搬送波信号及びコード信号の測定値である。例えば、1つの実施形態は、搬送波測定値及びコード測定値が必要条件とされているアンビギュイティのPDFを以下の式として表す。
Figure 2021509717
ここで、
Figure 2021509717
は、第iのサンプリングされた浮動小数点アンビギュイティの確率である。
図4Aは、1つの実施形態による可能なアンビギュイティの実現可能空間を規定する確率分布関数440aを示すグラフを示している。関数440aの形状は、事前に決定しておくことができる。例えば、アンビギュイティの分布がガウス分布である場合、分布440aの形状は「ガウシアンハット」形状である。形状が固定されている場合、平均410a及び分散430aが、分布440aと、搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値のサンプルを得ることができる実現可能空間とを規定する。
本明細書において用いられているように、1つの実施形態では、搬送波位相アンビギュイティのサンプリング110cは、分布440aによって規定される確率を用いて得られるものであり、この分布は、測定雑音及びプロセス雑音の平均及び分散の組み合わせによって規定される。しかしながら、いくつかの実施形態では、アンビギュイティの発展モデルのプロセス雑音は測定雑音よりもはるかに大きく、これは、分布440aが、ほとんど測定雑音のPDFを捉えていることを意味する。例えば、分布440aによれば、サンプル420aが得られるか又はサンプリングされる確率は、サンプル450aの確率よりも高い。他方、測定値のPDF470aは、測定モデルとの適合度が十分でないことを示す。そのような表現によって、アンビギュイティのサンプルを補正して(460a)、更新されたサンプル445aを生成することが可能になり、この更新されたサンプルは、測定値と整合する可能性がより高く、したがって、真のアンビギュイティをより良く表す。別の例として、分布440aが測定雑音のPDFによって規定される場合、プロセス雑音が十分に大きいことから、サンプリングされた値は、測定雑音のPDFのみを用いて求められることになり、PDF440a及び470aは一致する。
図4Bは、1つの実施形態による、受信機の可能な状態にわたるPDF431bを用いた、サンプリングされたアンビギュイティの確率の選択を示すグラフを示している。例えば、PDF431bは、測定モデルの確率分布とすることができる。そのような確率分布の形状は、例えば、ガウス形状又は異なる形状として事前に決定しておくことができ、この確率分布431bの位置は、測定された状態の無雑音適合度435bを中心とする。本明細書における定義として、無雑音適合度は、搬送波信号及びコード信号の取得された測定値が正しいと仮定したときの搬送波信号及びコード信号の搬送波位相アンビギュイティ、位置、及び測定値の適合度である。すなわち、搬送波信号及びコード信号の測定値は正しいと仮定され、残留誤差は、搬送波位相アンビギュイティの誤差に起因したものである。
1つの実施形態は、測定された状態を中心とする測定モデルの確率分布431bを用いて、受信機の状態及び/又はアンビギュイティの確率分布を求める。そのために、この実施形態は、受信機の状態及びアンビギュイティの確率分布上のアンビギュイティ及び推定された位置の配置に従って、サンプリングされた各アンビギュイティが真のアンビギュイティを表す確率を求めることができる。
例えば、この実施形態は、補正されたアンビギュイティのサンプルを搬送波信号及びコード信号の測定値のモデルに与える。この実施形態は、測定された状態に対するアンビギュイティ421bを有する測定モデルの適合度に対応する点423bにおける受信機の状態にわたるPDFの値422bを、アンビギュイティが正確である確率として選択する。
いくつかの実施形態では、サンプリングされたアンビギュイティの確率が閾値よりも低いとき、対応するアンビギュイティは、上記確率を求めることから除かれ、より高い確率を有するサンプリングされたアンビギュイティに取り替えられる。そのようにすることによって、正しいアンビギュイティである可能性がより高いサンプリングされたアンビギュイティのみを確実に選ぶことができるようになる。
他の実施形態では、サンプリングされたアンビギュイティは、まず、プロセス雑音からサンプルを得て、次に、以下の式のカルマン型補正によってサンプルを補正するサンプリングされたプロセス雑音を用いることによって特定される。
Figure 2021509717
すなわち、サンプリングされたあらゆるアンビギュイティは、測定値y、並びに、サンプリングされたアンビギュイティ及びサンプリングされたアンビギュイティに対応する推定された位置を用いる測定モデルの適合度
Figure 2021509717
からの差分を用いて補正される。この補正によって、アンビギュイティの確率は、プロセス雑音及び測定雑音、サンプリングされたアンビギュイティ、並びに推定された位置のガウス関数としての確率的測定モデルから求められる。
図4Cは、いくつかの実施形態に従ってサンプリングされた搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の確率の概略図を示している。図4Cは、割り当てられた確率421c、422c、423c、424c、及び425cを有する搬送波位相アンビギュイティの5つの浮動小数点値を示している。これらの確率は、可能なアンビギュイティの正確な範囲と異なる離散分布を構成する。1つの実施形態は、搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の確率を内挿及び外挿して、連続した確率密度関数を形成し、この連続した確率密度関数の、閾値を上回る少なくとも1つのセクションを搬送波位相アンビギュイティの整数値の範囲として選択する。
図4Dは、いくつかの実施形態に従ってサンプリングされた搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の確率を内挿及び外挿する方法の結果の説明図を示している。内挿は、点の間に曲線430dを接続し、外挿は、離散点を越えて曲線430dを延長させる。
いくつかの実施形態では、曲線430dの或るセクションが選択される。例えば、図4Eは、領域440eが選択された状況を示している。これは、この領域に対応するアンビギュイティ値が一組の可能な整数値の基礎を形成することを意味する。この選択は、いくつかの方法で行うことができる。例えば、1つの実施形態は、閾値450eを上回る連続PDFのセクションを選択する。
図4Fは、1つの実施形態による、PDFが二峰性である場合を示している。この場合、この実施形態は、アンビギュイティの2つの範囲440e及び460fを求める。加えて又は代替的に、いくつかの実施形態は、カーネル密度平滑器を用いて連続PDFを求める。
図5Aは、1つの実施形態による連続分布を求める方法のフローチャートを示している。本方法は、アンビギュイティを再サンプリングして(510a)、以下の等加重分布を得る。
Figure 2021509717
例えば、1つの実施形態は、サンプリングされたアンビギュイティをそれらの離散確率に従って再サンプリングする。次に、本方法は、カーネル密度平滑器を用いて連続分布を求め(520a)、その結果、以下の連続PDFが得られる。
Figure 2021509717
ここで、K(・)はカーネル密度であり、hはカーネルの帯域幅である。カーネルは、例えば、ガウスカーネル、均一カーネル、三角形カーネル、又はそれ以外のカーネルとしていくつかの方法で選ぶことができる。図4Eにおける閾値450eに基づいて、本方法は、分布をトランケートし(530a)、トランケートされたPDFに基づいて範囲を選択する(540a)。
選択された整数値に基づいて、1つの実施形態は一組の位置推定器を実行する。各位置推定器は、測定モデルにおいて一意の一組のアンビギュイティを用いる。例えば、1つの実施形態は一組のカルマンフィルタを用いる。この一組のカルマンフィルタは、運動モデルを用いて位置を推定し、位置推定器用に選択された搬送波位相アンビギュイティの整数値に従って調整された搬送波信号及びコード信号の測定値を有する測定モデルを用いて、推定された位置を調整する。カルマンフィルタは、調整された位置と測定モデルとの整合性に基づいて位置の結合確率を求める。
例えば、1つの実施形態では、カルマンフィルタは、位置及び速度並びに関連する共分散を以下のように推定し、
Figure 2021509717
推定された位置及び共分散を、搬送波信号及びコード信号の測定値に基づいて以下のように調整する。
Figure 2021509717
ここで、アンビギュイティnは、異なる各カルマンフィルタについて一意のアンビギュイティのベクトルである。
カルマンフィルタを実行すると、その結果、ガウス分布の以下の混合分布が得られる。
Figure 2021509717
この式では、N個の異なるカルマンフィルタフィルタがそれぞれガウス分布を生成する。位置の分布は加重分布であり、各重み
Figure 2021509717
は、位置推定値がどの程度良好なものであるのかを反映し、したがって、整数アンビギュイティの選択がどの程度良好なものであるのかも反映する。
1つの実施形態は、重みを、整数アンビギュイティ値のうちの特定のものが選ばれる確率、すなわち、
Figure 2021509717
として求める。別の実施形態は、整数アンビギュイティ値のうちの特定のものが選ばれる確率を、以下の式のように、カルマンフィルタからの推定値をガウス分布に挿入するときの値を以前の時間ステップにおけるアンビギュイティの確率を用いて加重したものとして求める。
Figure 2021509717
求められた重みは、位置推定値を求めるのに用いることができる。例えば、1つの実施形態は、以下の式のように、全てのカルマンフィルタの推定値の加重結合として求められる位置推定値を出力する。
Figure 2021509717
他の実施形態では、推定値は、最も高い重み
Figure 2021509717
に関連付けられたカルマンフィルタから求められる。
時として、整数値の一組の可能な組み合わせは、例えば、或る期間の間の衛星のロックの喪失、より多くの衛星からの信号の受信、又はマルチパス検出に起因して変化する可能性がある。
図5Bは、いくつかの実施形態によって位置推定に用いられるカルマンフィルタ(KF)の概略図を示している。KFは、線形状態空間モデルにおける状態推定のツールであり、雑音源が既知であり、ガウス形であるときの最適な推定器である。その場合、状態推定値もガウス分布を有する。KFはガウス分布の平均及び分散を推定する。なぜならば、これらの平均及び分散は、ガウス分布を記述するための2つの必要な物理量であり、十分な統計量であるからである。
KFは、状態の初期知識510bから開始して、状態の平均及びその分散511bを求める。次に、KFは、システムのモデルを用いて、次の時間ステップに対する状態及び分散を予測し(520b)、状態の更新された平均及び分散521bを得る。次に、KFは、システムの測定モデルを用いる更新ステップ540bにおいて測定値530bを用いて、状態の更新された平均及び分散541bを求める。次に、出力550bが取得され、この手順は、次の時間ステップ560bについて繰り返される。
いくつかの実施形態は、複数のKFを並列に実行し、各KFは、搬送波位相アンビギュイティの特定の値に関連した運動モデル及び測定モデルを有する。
図5Cは、いくつかのKFを用いて位置を確率的に推定するブロック図を示している。異なるKF510c、520c、530c、540cが、運動モデル及び測定モデルを用いて位置を推定し、各KFは、搬送波位相アンビギュイティの異なる値に関連付けられている。これらのKFは、位置を推定する(511c、521c、531c、541c)。次に、各KFの確率が求められ(550c)、最良のKFに関連付けられた位置推定値及び搬送波位相アンビギュイティの値551cが出力される。
図6は、いくつかの実施形態によって考慮されているように、可能な一組のアンビギュイティが変化する可能性がある場合のシナリオの説明図を示している。受信機601は、衛星610及び620から様々な信号609及び619を受信する。信号628、629、638、639を送信する他の衛星630及び640も存在するが、障害物670、例えば、市街地における建物に起因して、これらの信号は受信機に直接送信されない。
これまで、衛星640から送信された信号638が利用できなかったが、突然、衛星信号639がマルチパス602の後に受信機に到達する。1つの実施形態は、新たな衛星又はマルチパスの検出に応答して、可能なアンビギュイティ値の変化を検出し、この変化の検出から、新たな一組の可能な組み合わせが求められる。ロックの喪失はサイクルスリップを引き起こす可能性があり、1つの実施形態では、これが検出され、この検出に基づいて、整数値の一組の可能な組み合わせが更新される。
位置推定値を初期化するとき、受信機が位置している場所についての情報がほとんど存在しない場合がある。時として、ベース受信機、カーナビゲーションシステム、又はWi−Fi局から粗い情報を取得することが可能である。1つの実施形態は、位置の最初の粗い推定値の周囲において位置をサンプリングして受信機の位置を生成し、この場合、サンプリングの広がりは、受信機のモデルの不確実性と整合する。
別の誤差源は、1つ以上の衛星の喪失である。これによって、位置情報が喪失され、現在の推定値は信頼できないものとなる。1つの実施形態は、直近に判明していた位置の近傍において受信機の位置をサンプリングして、運動モデルのプロセス雑音と整合する受信機の位置を生成することによってこれを解決する。例えば、1つの実施形態は、直近に判明していた位置推定値の経過を追跡し、サンプルがプロセス雑音と整合するようにこの推定値の周囲をサンプリングし、サンプリングされた位置を運動モデルを用いて反映させる。
本発明の上記で説明した実施形態は、多数の方法のうちの任意のもので実施することができる。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせを用いて実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータに設けられるのか又は複数のコンピュータ間に分散されるのかにかかわらず、任意の適したプロセッサ又はプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは、1つ以上のプロセッサを集積回路部品に有する集積回路として実装することができる。ただし、プロセッサは、任意の適したフォーマットの回路類を用いて実装することができる。
また、本明細書において略述された様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのうちの任意の1つを用いる1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化することができる。加えて、そのようなソフトウェアは、複数の適したプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプティングツールのうちの任意のものを用いて記述することができ、実行可能機械語コード、又はフレームワーク若しくは仮想機械上で実行される中間コードとしてコンパイルすることもできる。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わせることもできるし、分散させることもできる。
また、本発明の実施形態は、方法として具現化することができ、この方法の一例が提供されている。この方法の一部として実行される動作は、任意の適した方法で順序付けることができる。したがって、例示したものと異なる順序で動作が実行される実施形態を構築することができ、この順序は、いくつかの動作が例示の実施形態では順次的な動作として示されていても、それらの動作を同時に実行することを含むことができる。

Claims (20)

  1. 全地球航法衛星システム(GNSS)の測位システムであって、
    一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信する受信機であって、各搬送波信号は、前記衛星と前記受信機との間を進む前記搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含む、受信機と、
    前記受信機の以前の位置を前記受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、前記搬送波信号の前記搬送波位相アンビギュイティを用いて前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値を前記受信機の前記現在の位置に関係付ける測定モデルとを記憶するメモリであって、前記運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、前記測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルである、メモリと、
    前記受信機の位置を追跡するプロセッサであって、
    前記プロセス雑音及び前記測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、前記運動モデル及び前記測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って前記搬送波信号及び前記コード信号の前記測定値と整合する前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求めることと、
    前記運動モデル及び前記測定モデルを併せて用いることによって前記受信機の位置を求める一組の位置推定器であって、各位置推定器は、前記運動モデル及び前記測定モデルに関する前記受信機の位置の結合確率分布を求め、少なくともいくつかの異なる位置推定器の前記測定モデルは、前記一組の可能な組み合わせから選択された前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含む、一組の位置推定器を実行することと、
    前記搬送波信号及び前記コード信号の前記測定値に従って前記受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて前記受信機の位置を求めることと、
    を行うように構成されたプロセッサと、
    を備える、測位システム。
  2. 前記プロセッサは、前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを求めるために、
    前記運動モデルの前記プロセス雑音と整合する前記受信機の1つ又は複数の位置について、前記搬送波位相アンビギュイティ、位置、並びに前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値の前記測定モデルへの無雑音適合度を中心とする前記測定雑音の確率密度関数上において搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値をサンプリングすることと、
    前記一組のGNSS衛星の搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の集合体を形成することと、
    前記搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の集合体を整数単位に離散化して、前記一組のGNSS衛星の前記搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値を生成することと、
    異なるGNSS衛星の前記搬送波位相アンビギュイティの異なる可能な整数値を組み合わせて、前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを生成することと、
    を行うように構成されている、請求項1に記載の測位システム。
  3. 前記プロセッサは、前記測定モデルに適合する確率が閾値を上回る前記搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値を保持するように、前記搬送波位相アンビギュイティのサンプリングされた浮動小数点値をプルーニングする、請求項2に記載の測位システム。
  4. 前記プロセッサは、前記搬送波位相アンビギュイティの前記浮動小数点値の前記確率を内挿及び外挿して、連続した確率密度関数を形成し、前記閾値を上回る前記連続した確率密度関数の少なくとも1つのセクションを前記搬送波位相アンビギュイティの前記整数値の範囲として選択する、請求項3に記載の測位システム。
  5. 前記プロセッサは、カーネル密度平滑器を用いて前記搬送波位相アンビギュイティの前記浮動小数点値の前記確率を内挿及び外挿する、請求項4に記載の測位システム。
  6. 前記プロセッサは、
    前記受信機の前記現在の位置を推定することと、
    前記現在の位置の近傍における前記受信機の位置をサンプリングして、前記運動モデルの前記プロセス雑音と整合する前記受信機の位置を生成することと、
    を行うように構成されている、請求項2に記載の測位システム。
  7. 前記プロセッサは、前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせの変化の検出に応答して前記一組の位置推定器を更新する、請求項1に記載の測位システム。
  8. 前記プロセッサは、少なくとも1つの搬送波信号のマルチパスの検出に応答して前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを更新する、請求項7に記載の測位システム。
  9. 前記各位置推定器は、前記運動モデルを用いて位置を推定し、前記位置推定器のために選択された前記搬送波位相アンビギュイティの前記整数値に従って調整された前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値とともに前記測定モデルを用いて前記推定された位置を調整するカルマンフィルタであり、前記カルマンフィルタは、前記調整された位置と前記測定モデルとの整合性に基づいて位置の結合確率を求める、請求項1に記載の測位システム。
  10. 前記プロセッサは、前記受信機の位置の追跡中に、異なるカルマンフィルタによって推定された位置を前記受信機の現在の位置として選択する、請求項9に記載の測位システム。
  11. 前記プロセッサは、前記受信機の位置の追跡中に、異なるカルマンフィルタが正しい整数アンビギュイティ値を有する確率を求め、各カルマンフィルタの重みは、以前の時間ステップにおける前記確率と、前記測定モデルへの位置推定値及び前記選択されたアンビギュイティの適合度との組み合わせによって求められる、請求項9に記載の測位システム。
  12. 前記プロセッサは、前記受信機の位置の前記追跡中に、最も高い確率を有する前記カルマンフィルタによって推定された位置として前記位置推定値を選択する、請求項11に記載の測位システム。
  13. 全地球航法衛星システム(GNSS)の位置推定の方法であって、前記方法は、前記方法を実施する記憶された命令と結合されたプロセッサを用い、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
    一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信することであって、各搬送波信号は、前記衛星と前記受信する受信機との間を進む前記搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含むことと、
    前記受信機の以前の位置を前記受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、前記搬送波信号の前記搬送波位相アンビギュイティを用いて前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値を前記受信機の前記現在の位置に関係付ける測定モデルとを取り出すことであって、前記運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、前記測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルであることと、
    前記プロセス雑音及び前記測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、前記運動モデル及び前記測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って前記搬送波信号及び前記コード信号の前記測定値と整合する前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求めることと、
    前記運動モデル及び前記測定モデルを併せて用いることによって前記受信機の位置を求める一組の位置推定器であって、各位置推定器は、前記運動モデル及び前記測定モデルに関する前記受信機の位置の結合確率分布を求め、少なくともいくつかの異なる位置推定器の前記測定モデルは、前記一組の可能な組み合わせから選択された前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含む、一組の位置推定器を実行することと、
    前記搬送波信号及び前記コード信号の前記測定値に従って前記受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて前記受信機の位置を求めることと、
    を含む、前記方法のステップを実行する、方法。
  14. 前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを求めることは、
    前記運動モデルの前記プロセス雑音と整合する前記受信機の1つ又は複数の位置について、前記搬送波位相アンビギュイティ、位置、並びに前記搬送波信号及び前記コード信号の前記測定値の前記測定モデルへの無雑音適合度を中心とする前記測定雑音の確率密度関数上において搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値をサンプリングすることと、
    前記一組のGNSS衛星の搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の集合体を形成することと、
    前記搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の集合体を整数単位に離散化して、前記一組のGNSS衛星の前記搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値を生成することと、
    異なるGNSS衛星の前記搬送波位相アンビギュイティの異なる可能な整数値を組み合わせて、前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを生成することと、
    を更に含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記測定モデルに適合する確率が閾値を上回る前記搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値を保持するように、前記搬送波位相アンビギュイティのサンプリングされた浮動小数点値をプルーニングすること、
    を更に含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記搬送波位相アンビギュイティの前記浮動小数点値の前記確率を内挿及び外挿して、連続した確率密度関数を形成することと、
    前記閾値を上回る前記連続した確率密度関数の少なくとも1つのセクションを前記搬送波位相アンビギュイティの前記整数値の範囲として選択することと、
    を更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記各位置推定器は、前記運動モデルを用いて位置を推定し、前記位置推定器のために選択された前記搬送波位相アンビギュイティの前記整数値に従って調整された前記搬送波信号及び前記コード信号の前記測定値とともに前記測定モデルを用いて前記推定された位置を調整するカルマンフィルタであり、前記カルマンフィルタは、前記調整された位置と前記測定モデルとの整合性に基づいて位置の結合確率を求める、請求項13に記載の方法。
  18. 異なる時間ステップのうちの少なくともいくつかにおいて、位置は、前記受信機の現在の位置と異なるカルマンフィルタによって推定される、請求項17に記載の方法。
  19. 方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムが格納される非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
    一組のGNSS衛星から送信される搬送波信号及びコード信号を受信することであって、各搬送波信号は、前記衛星と前記受信する受信機との間を進む前記搬送波信号の未知の整数の波長数として搬送波位相アンビギュイティを含むことと、
    前記受信機の以前の位置を前記受信機の現在の位置に関係付ける運動モデルと、前記搬送波信号の前記搬送波位相アンビギュイティを用いて前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値を前記受信機の現在の位置に関係付ける測定モデルとを取り出すことであって、前記運動モデルは、プロセス雑音を受ける確率的モデルであり、前記測定モデルは、測定雑音を受ける確率的モデルであることと、
    前記プロセス雑音及び前記測定雑音のうちの一方又はそれらの組み合わせによって画定される境界内において、前記運動モデル及び前記測定モデルのうちの一方又はそれらの組み合わせに従って前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値と整合する前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の一組の可能な組み合わせを求めることと、
    前記運動モデル及び前記測定モデルを併せて用いることによって前記受信機の位置を求める一組の位置推定器であって、各位置推定器は、前記運動モデル及び前記測定モデルに関する前記受信機の位置の結合確率分布を求め、少なくともいくつかの異なる位置推定器の前記測定モデルは、前記一組の可能な組み合わせから選択された前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の異なる組み合わせを含む、一組の位置推定器を実行することと、
    前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値に従って前記受信機の位置の最も高い結合確率を有する位置推定器を用いて前記受信機の位置を求めることと、
    を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  20. 前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを求めることは、
    前記運動モデルの前記プロセス雑音と整合する前記受信機の1つ又は複数の位置について、前記搬送波位相アンビギュイティ、位置、並びに前記搬送波信号及び前記コード信号の測定値の前記測定モデルへの無雑音適合度を中心とする前記測定雑音の確率密度関数上において搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値をサンプリングすることと、
    前記一組のGNSS衛星の搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の集合体を形成することと、
    前記搬送波位相アンビギュイティの浮動小数点値の集合体を整数単位に離散化して、前記一組のGNSS衛星の前記搬送波位相アンビギュイティの可能な整数値を生成することと、
    異なるGNSS衛星の前記搬送波位相アンビギュイティの異なる可能な整数値を組み合わせて、前記搬送波位相アンビギュイティの整数値の前記一組の可能な組み合わせを生成することと、
    を更に含む、請求項19に記載の媒体。
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