JP2021509379A - ローカルトルク及び/又は荷重制御ループの使用により透明性を有するアクチュエータを用いたワイヤ操舵パワーステアリングシステム - Google Patents

ローカルトルク及び/又は荷重制御ループの使用により透明性を有するアクチュエータを用いたワイヤ操舵パワーステアリングシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、サーボモータ(11)と操舵輪(12)とを含む下位レベル機構(10)と、ハンドル(22)と補助モータ(21)とを有し、下位レベル機構(10)がゼロ荷重で閉ループ制御される上位レベル機構(20)とを備え、サーボモータ(11)と地面(2)との間の実下流側荷重(F10_actual)を測定又は推定し、一方、上位レベル機構(20)がゼロトルクで閉ループ制御されるワイヤ操舵パワーステアリングシステムに関し、実運転者トルク(T20_actual)を測定又は推定するトップループフィードバック分岐(42)を含むトップローカルループ(40)によって、補助モータ(21)及びハンドル(22)は、補助モータ(21)を透明性を有するように、低ローカルループ(30)及びトップローカルループ(40)が、単一のグローバルコントローラ(50)によって制御される。

Description

本発明は、車両用パワーステアリングシステムの一般分野に関する。より詳細には、本発明は、一方では、ハンドルを備える上位レベル機構と、他方では、アシストモータを備え、操舵輪のヨー配向(すなわち、操舵角)を修正するように前記車両の操舵輪に機械的に作用する下位レベル機構との間に何らかの機械的伝達がない、いわゆる「ワイヤ操舵」パワーステアリングシステムに関する。
このようなワイヤ操舵システムでは、ハンドルの角度位置を測定し、次いで、電気リンクを介して対応する定義点を規定し、所望の位置まで前記下位レベル機構を駆動するアシストモータ、すなわち操舵輪を駆動するアシストモータに伝達することによって、下位レベル機構の位置となるようにサーボ制御を確実にすることが知られている。
ハンドルへのフィードバックを確保するために、ステアリング操作や車輪と道路との接触により、運転者が下位レベル機構に誘導される反応を知覚できるように、上位レベル機構には、ハンドルを回転駆動するように設計された第2のモータが設けられている。
それにもかかわらず、公知のパワーステアリングシステム、特に公知のワイヤ操舵ステアリングシステムは、いくつかの欠点を有する傾向がある。
まず第1に、特に下位レベル機構若しくは上位レベル機構の慣性質量又は前記下位レベル機構若しくは前記上位レベル機構の内部の摩擦に関連するいくつかの機械的現象は、運転者に操縦中にいくらかの重さを感じさせることがある。
次に、操舵支援の存在は、触覚駆動感を比較的人工的にすることができるが、特に、「道路感覚」と呼ばれる、車輪と地面との間の接触の状態、特に、道路(アスファルト、砂利)のコーティングの性質、及び車輪の地面への付着の程度について、運転者に直感的に知らせる触覚情報を運転者に忠実に伝達することができない。
「ワイヤ操舵」システムの場合、ハンドルと車輪の間に機械的な連結がないと、フィーリングは特に人為的なものとなる場合がある。
そこで、発明の課題は、前述の欠点を克服し、新たなパワーステアリングシステム、特に、大きな操縦軽量性と走行状態の忠実感の向上を兼ね備えた新しいワイヤ操舵ステアリングシステムを提供することを目的としている。
本発明の目指す目的は、「下位レベル機構」と呼ばれる第1の機構を備えるパワーステアリングシステムによって達成される。下位レベル機構は、アシストモータと、アシストモータがヨー方向において配向させるように作用する操舵輪とを備える。下位レベル機構は、アシストモータから「接触部」と呼ばれる地面に接触するように構成された操舵輪に至る下位レベルの運動連鎖を定義付ける。これにより、アシストモータからの荷重と運動が、上述した作動運動連鎖を介して又は上述した作動運動連鎖に沿って操舵輪に伝達される。前記パワーステアリングシステムは、同様に「上位レベル機構」と呼ばれる第2の機構を有し、この第2の機構は、下位レベル機構といかなる機械的結合を有さず、作動運動連鎖とは別の上位レベル運動連鎖を形成し、又は結合部材を介して下位レベル機構に機械的に結合され、ハンドルから前記連結部材までは、前記作動運動連鎖に対して分岐を形成する補助的な上位レベルの運動連鎖を形成する。前記パワーステアリングシステムでは、前記下位レベル機構は、「低ローカルループ」と呼ばれる閉ループによって荷重がサーボ制御される。「低ローカルループ」は、「低ループ入力設定値」と呼ばれる入力荷重設定値を規定する「低ループ入力設定値」と呼ばれる入力分岐を備える。「低ローカルループ」は、前記作動運動連鎖上に位置する「低ループ基準点」と呼ばれる基準点で、かつ前記制御運動連鎖の下流であって、前記操舵輪の接触部分の上流である「実下流側荷重」と呼ばれる力を測定する、フィードバック分岐を備える。そして、前記低ループフィードバック分岐では、前記低ループ上のフィードバックにおいて、前記実下流側荷重を加える入力荷重設定値が、低ループ作動設定値を形成するために、アシストモータに適用され、その結果、フィードバックにおける実下流側荷重は、自動的に、低ループ入力荷重設定値に追従することを特徴とする。
サーボ制御ローカルループ、より具体的には、閉ループで独立した方法で下位レベル機構をサーボ制御するように適合され、この場合、アクチュエータから離れた基準点で、ここでは、アシストモータから離れた基準点で、つまり操舵輪と地面との間の接触に最も近い、荷重推定値又は好ましくは荷重測定値の情報を捕捉することができるフィードバック分岐を含む、低ローカルループを使用することによって、上流から下流への下位レベル運動連鎖を考慮すると、関係する機構のアクチュエータ、本明細書では、「下位レベル機構」を駆動するアシストモータに透明性を持たせることができ、より一般的には、前記機構を透明性のあるものにすることができると有利である。
透明性は、本明細書では、システムの能力、より具体的には、アシストモータによって作動される低位レベル機構が、前記システムがゼロ荷重で(又はそれぞれゼロトルクで)サーボ制御されるときに、非常に小さい大きさであっても外力(又はそれぞれ外部トルク)が前記システムに印加されるとすぐに移動を開始する能力を指し、したがって、前記システムは、前記外力の作用によって(それぞれ前記外部トルクの作用によって)、実質的な抵抗に対抗することなく「除去する」。
したがって、このような透明性を有するシステムは、重さの感覚を生じさせることなく、応答的に操作することができると有利である。
特に、機構の操縦に影響を及ぼす可能性があるが、「ループに捕捉される」、すなわち、サーボ制御閉ループに属し、本明細書ではアシストモータ(含まれる)とフィードバック分岐が荷重情報を収集する基準点との間に含まれる運動連鎖の部分に介在する(乾燥及び/又は粘性)摩擦現象などの現象は、実際には、特にフィードバック分岐の利得を含み、非常に高い値を選択することが可能なループの全体利得で割った影響を有する。
したがって、前記機構の内部にある前記慣性現象及び摩擦現象は、自動的に補償されるので、前記機構の操縦を妨げるものではない。
同様に、特に道路が車輪に及ぼす外部負荷は、低位レベルの機構によって細かく認識され、「道路感覚」の運転者への反発が改善される。
更に、荷重のサーボ制御(又は、適切な場合には、トルクのサーボ制御)の実施は、荷重のサーボ制御が荷重を監視し、前記移動の結果である位置ではなく、荷重、すなわち移動の原因に作用する程度まで、低位レベル機構、より一般的にはパワーステアリングシステムに高い感度、精度、及び応答性を与えると有利である。
更に、提案された荷重におけるサーボ制御は、パワーステアリングシステムに忠実に取り込んで再送信することを可能にし、特に、ハンドルへの搬送は、砂利タイプの粗いコーティング上での車両の循環から生じるこれらの変動のような、例えば、地面によって車輪に加えられる外力の変動のような、周波数20Hz、25Hz、30Hz、更には30Hzを超える可能性のある迅速な変動を含む全ての荷重変動を可能にする。
したがって、ステアリングシステムによって得られ、使用される実下流側荷重信号のこの豊富な周波数内容は、特に細かく正確な道路感覚を運転者に反発させることを可能にし、これは、特に、運転者が道路のコーティングの性質の良好な認識を得ることを可能にする。
最後に、本発明によって提供される構成は、ワイヤ操舵システムの管理に適しており、その中で、後で詳述するように、本発明は、低ローカルループによって、下位レベル機構の荷重での独立したサーボ制御を、他方では、上位レベル機構(したがって、ハンドルの)のトルクでの独立したサーボ制御を、低ローカルループとは別個のトップローカルループによって行うことができ、また、低ローカルループ及びトップローカルループに対してそれぞれ意図された、2つの入力設定値成分及びトルク設定値成分をそれぞれ生成することによって、前記ローカルループ間の結合を生成することができるグローバルコントローラによって、この構造を完成させることができると有利である。
このように、本発明は、上位レベル機構(つまりハンドル)と操舵輪を作動させる下位レベル機構との双方が透明性を有する方法で反応するワイヤ操舵ステアリングシステムを作製することにより、操縦上の軽量性及び精度を付与すると同時に、車輪と地面との間に存在する接触相互作用(ロードフィーリング)の非常に良好な感覚を提供する。
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の説明を読むこと、及び例示的かつ非限定的な目的のために提供される添付の図面を使用することによって、より詳細に明らかになるであろう。
ゼロ荷重(又はゼロトルクで)でサーボ制御されるローカルループによって試験される機構の透明性の原理を示す概略図である。 図1の透明性を有する機構の荷重(又はトルク)の応答、すなわち加速度の応答、並びに変位速度及び位置の応答を示す概略図である。 本発明に係るパワーステアリングシステムの一例を示す模式図である。
本発明は、パワーステアリングシステム1に関する。
前記パワーステアリングシステム1は、車両(特に自動車)、好ましくは、少なくとも1つの操舵輪12(好ましくは駆動輪)を備える自動車を対象とする。
特に好ましい態様では、前記操舵輪12は車両の前輪である。
図3に示すように、前記パワーステアリングシステム1は、「下位レベル機構」10と呼ばれる第1の機構を備え、この機構は、アシストモータ11と、操舵輪12(より好ましくは、2つの操舵輪12、この例では、1つの左操舵輪12L及び1つの右操舵輪12R)とを備え、アシストモータ11は、前記操舵輪12をヨー方向において配向するように作用する。
したがって、前記下位レベル機構10は、所望の操舵角A12を操舵輪12に付与することを可能にする。
このように、この例では、好ましくは、下位レベル機構は、運転者によって加えられる手動荷重よりも大きな荷重を発生することを意図した動力機構を形成する。
アシストモータ11は、電気モータ、例えばブラシレスモータであることが好ましい。
好ましくは、アシストモータ11は、ロータリモータからなる。
下位レベル機構10は、アシストモータ11から、「接触部」12Cと呼ばれ、地面2と接触するように意図された操舵輪12の接触部12Cまで延びる下位レベル運動連鎖L10を規定する。アシストモータ11から生じる荷重と運動が、前記下位レベル運動連鎖L10を介して、そして、それに沿って操舵輪12に伝達されるようになっている。
好ましい例として、下位レベル機構10(より詳細には、下位レベル運動連鎖L10)は、アシストモータ11によって駆動されるラック13と、その少なくとも端部13L,13Rとが、順に、荷重と変位を操舵輪12に伝達するステアリングタイロッド14に連結されている。
好ましくは、ラック13は、車両に固定されたステアリングケーシング3内に、その縦軸に沿って平行移動して取り付けられ、案内される。
アシストモータ11は、減速機15(又は任意の他の適切な機械的連結部材)、例えば歯車減速機15又はボールネジ減速機15を介して前記ラック13に係合することができる。
好ましくは、ステアリングタイロッド14は、ラック13をヨー配向可能なように操舵輪12を順に動かすステアリングナックル16に連結される。
したがって、可能な実施形態によれば、図3に示すように、下位レベル運動連鎖L10は、上流から下流に、アシストモータ11、減速機15(又は任意の他の適切な機械的連結部材)、ラック13(又は減速機15とステアリングタイロッド14との間に含まれるラック13の少なくとも一部)、ステアリングタイロッド14、対応するステアリングナックル16、次いで、前記ステアリングナックル16によって担持される操舵輪12(少なくとも操舵輪12のリム)を含むことができる。
従来、下位レベル運動連鎖L10は、上流から下流に向いた下降方向で考えられ、アクチュエータから離れる際に、本明細書ではアシストモータ11は、前記下位レベル運動連鎖L10に沿って、考慮される機構10の外部環境と相互作用する作動体に近づくように、すなわち、ここでは、操舵輪12の接触部12Cに近づくようにする。
したがって、アシストモータ11は、下位レベル運動連鎖L10の上流端を形成し、操舵輪12の接触部12Cは、下位レベル運動連鎖L10の下流端を形成することが好ましい。
あるいは、本発明の範囲から逸脱することなく、例えばアシストモータ11が、恐らくは減速機15を介してではあるが、ラック13を通過することなく、また好ましくはラック13もステアリングタイロッド14を通過することなく、ステアリングナックル16に直接作用することができるような、より短い下位レベル運動連鎖L10を検討することができることはいうまでもない。
このような変形例によれば、所定のアシストモータ11は、ステアリングナックル16を介して、単一の操舵輪12のヨー方向を個別かつ直接的に制御することができる。
更に、このような変形例によれば、(少なくとも)2つの操舵輪12、典型的には2つの前方操舵輪を備えるが、1つの別個のアシストモータ11を前記操舵輪12の各々に関連付けることができる。すなわち、各々が前記操舵輪12のヨー方向を個別に制御する2つの別個のアシストモータ11を備えることができる。
そうではあるが、明細書の便宜上、下位レベル機構10がラック13を備えるパワーステアリングシステム1について言及することが好ましく、これによれば、前記ラック13の端部13L,13Rの各々にそれぞれ接続され、各々がステアリングナックル16及び操舵輪12に関連している2つのステアリングタイロッド14を作動させることができる。
図3に示すように、パワーステアリングシステム1は「上位レベル機構」20と呼ばれる第2の機構も備えている。
この上位レベル機構20は、ハンドル22を備える。
ハンドル22は、運転者がパワーステアリングシステム1を制御し、所望の操舵角A12を制御することを可能にする。
また、ハンドル22は、運転者がパワーステアリングシステム1の反応を触覚的に感じることを可能にし、これにより、車両の環境に関する情報(「道路感覚」)、より詳細には、車両が走行する地面2の性質に関する情報、及び地面2上の車輪12の接地状態に関する情報を感覚的に感じることを可能にする。
もちろん便宜上、例えばジョイスティックのようなハンドル以外の任意の適切な操縦装置を同じ目的のために使用することが可能であることに留意して、「ハンドル」22について言及する。
したがって、ここでは、好ましくは、上位レベル機構20は、(動力機構を形成する下位レベル機構とは対照的に)制御機構に相当する。
可能な実施形態によれば、上位レベル機構20は、下位レベル運動連鎖L10とは別個の上位レベル運動連鎖L20を形成するように、下位レベル機構10との機械的結合を全く有さなくてもよい。
この点に関し、特に好ましい態様では、パワーステアリングシステム1は「ワイヤ操舵」構成されたパワーステアリングシステムを形成し、これは上位レベル機構20と下位レベル機構10との間の何らかの機械的結合がない。
このようなワイヤ操舵システムでは、ハンドル22は下位レベル機構20に係合しない。
ハンドル22と操舵輪12との間のリンク、より一般的には、上位レベル機構20と下位レベル機構10との間の機能的リンク、すなわち、前記ハンドル22を介して反発される触覚感覚だけでなく、前記ハンドル22の位置と、操舵輪12の実際の位置(下位レベル機構10の位置)と、前記操舵輪12及び下位レベル機構10に加えられる荷重とを、仮想的な方法で、電気信号によって(独占的に)関連付けることを可能にするリンクが達成される。
あるいは、上位レベル機構20は、逆に、連結部材4を介して下位レベル機構10に機械的に連結され、ハンドル22から前記連結部材4まで、下位レベル運動連鎖L10に対して分岐部L20Bを形成する補助的な上位レベル運動連鎖L20を形成してもよい。
例えば、連結部材4は、ラック13に噛み合い、ハンドル22によって駆動されるステアリングコラム5に締結されるピニオン4の形式であってもよい。
可能な実施形態によれば、パワーステアリングシステム1をワイヤ操舵(クラッチ装置6がクラッチ解除状態にある)又は機械的結合(クラッチ装置6がクラッチ状態にある)のいずれかで構成することを選択できるように、下位レベル機構10を上位レベル機構20に機械的に結合又は機械的に分離することを選択的に可能にするクラッチ装置6を使用してもよい。
特に、ワイヤ操舵で正常に作動するように配置されたパワーステアリングシステム1を設けることは可能であるが、それにもかかわらず、バックアップ装置として、上位レベル機構20を再び下位レベル機構10に機械的に連結するように配置された連結部材4を有し、より詳細には、ワイヤ操舵が作動不良の場合には、ハンドル22を再びステアリングコラム5及び(特に)ラック13に連結するように構成されている。
逆に、上述したように、連結部材4(及びラック13に係合されたステアリングコラム5のいずれも)を完全に含まない、「純粋な」ワイヤ操舵パワーステアリングシステム1を提供することが可能である。
本発明によれば、下位レベル機構10は「低ローカルループ」30と呼ばれる閉ループによって強制的にサーボ制御される。
明細書の便宜上、下位レベル機構10及びそれを操縦する低ローカルループ30によって形成される一式を「下位レベルサブシステム」と呼ぶことができる。
荷重でのサーボ制御、又はトルクでのサーボ制御の選択は、前記下位レベル機構10の基準点P10における所望の応力状態をターゲットとすることによって、すなわち、前記基準点P10における下位レベル運動連鎖L10を通って伝達される荷重の大きさをターゲットとすることによって、下位レベル機構10の作動を調節することを可能にすると有利である。
このような荷重のサーボ制御により、下位レベル機構10、より詳細には、車輪12に対する地面2の反応から生じ、下位レベル機構10を通って下位レベル運動連鎖L10に沿って伝達される外力を検出し、管理することができる。
上述したように、荷重の作用の結果であって、後にしか知覚することができない変位(位置の変動)ではなく、下位レベル機構10の運動を、即座にリアルタイムで知覚することができる荷重、すなわち原因に基づいてサーボ制御することにより、十分な振幅を有する運動の完了に必要な遅滞を伴って、特に迅速かつ正確な反応を伴うサーボ制御が有利に得られる。
更に、このようなサーボ制御タイプは、後で詳述するように、下位レベル機構10のアクチュエータを透明性のあるものにすること、すなわちアシストモータ11(より一般的には下位レベル機構10)を作動させることを可能にする。
低ローカルループ30は、「低ループ入力分岐」31と呼ばれる入力分岐を含み、これは、「低ループ入力荷重設定値」F10_setと呼ばれる入力荷重設定値を定義することを可能にする。
前記低ローカルループ30はまた、「低ループ基準点」P10と呼ばれる基準点において、「実下流側荷重」F10_actualと呼ばれる荷重を測定又は推定する「低ループフィードバック分岐」32と呼ばれるフィードバック分岐を備える。
実下流側荷重F10_actualは、前記基準点P10において、アシストモータ11と操舵輪12との間で伝達される荷重(又はその逆に車輪12からアシストモータ11に向かって伝達される荷重)を、下位レベル運動連鎖L10を介して表す。
実際には、この実下流側荷重F10_actualは、車両の環境によって、特に地面2によって前記下位レベル機構10に及ぼされる「外力」F_extで示される抵抗力に対抗するために(及び、特に、所定の操舵角A12が維持される状況においてバランスするために、操舵角A12が修正される状況においてさえ、超えるために)下位レベル機構10によって、考慮されている時点で供給される荷重に対応する。
実際には、前記外力F_extは、本質的に、車輪12の接触部12Cと地面2との間の接触によって、又は車輪12の周囲に存在する障害物との前記車輪12の接触によって引き起こされる。
典型的には、実下流側荷重F10_actualは、引張荷重、又はそれぞれ、関連するステアリングタイロッド14によって、前記ステアリングタイロッド14が接続されるラックの端部13L,13Rに及ぼされる圧縮荷重に対応し得る。
好ましくは、実下流側荷重F10_actualは、低ループ基準点P10に配置された適切な荷重センサ17によって測定される。
例えば、前記荷重センサ17は、ひずみゲージ、又は光弾性光学センサを含むことができる。
好ましくは、図3に示すように、2つの荷重センサ17L,17R、すなわち、ラック13の左端13Lに左操舵タイロッド14L(左操舵輪12Lに接続されている)によって加えられる荷重を測定することを可能にする第1の左荷重センサ17Lと、ラック13の反対側の右端13Rに右操舵タイロッド14R(右操舵輪12Rに接続されている)によって加えられる荷重を測定することを可能にする第2の右荷重センサ17Rとを使用することが可能である。
このような構成では、実下流側荷重F10_actualは、2つの荷重センサ17L,17Rのそれぞれ同時に計測される2つの測定値から、実下流側荷重計算ユニット70によって、よりよい精度で、有利に決定され得る。
例として、実下流側荷重F10_actualは、左側の荷重センサ17Lによって測定された荷重F10_actual_Lの値と、右側の荷重センサ17Rによって測定された荷重F10_actual_Rの値との和又は差(捕捉された情報の符号に依存する)と考えることができる。
前記左F10_actual_L及び右F10_actual_Rの荷重は、タイロッドの一方(パワーステアリングシステム1が左に操舵されるときの左タイロッド14L)が圧縮状態で働き、他方のタイロッド(左への操舵中の右タイロッド)が引張状態で働くので、反対の符号を有すると想定されることに留意されたい。
本発明の実施形態の変形例によれば、荷重センサ17によって実行される実下流側荷重F10_actualの測定値の代わりに、考慮される基準点P10における前記実下流側荷重の現実的な推定値を提供するように設計された適切なアルゴリズムによって提供される、前記実下流側荷重F10_actualの推定値を使用することが可能である。
このようなアルゴリズムは、低ループ基準点P10で取られたであろう荷重計測以外のデータから、事実上、低ループ基準点P10における荷重を推定することを可能にする。したがって、適切な場合には、パワーステアリングシステム1は、低ループ基準点P10において、いかなる荷重センサ17も有さなくてもよい。
例として、使用される低ループ基準点P10がラック13の端部13L及び/又はステアリングタイロッド14のレベルに位置する場合、この目的のために、本出願人によって出願された国際特許出願公開第2016/005671号公報に記載されるような「タイロッドにおける荷重推定のためのアルゴリズム」を使用することが可能である。
したがって、荷重センサ17、又は複数の荷重センサ17(好ましくは、2つの荷重センサ17L,17R、ラック13の各側に1つずつのセンサ)の使用による物理的測定は、アルゴリズムを介した仮想推定値よりも好ましく、本発明によるシステムのよりよい性能を得るために好ましい。
更に、実下流側荷重F10_actualが荷重センサ17によって測定されるか、又は適切なアルゴリズムによって評価されるかにかかわらず、低ループ基準点P10は、アシストモータ11の下流で、操舵輪12の接触部12Cの上流で、下位レベル運動連鎖L10上に、かつ上位レベル運動連鎖L20の外側に位置する。
実際、基準点P10は、そこで評価される実下流側荷重F10_setが、下位レベル運動連鎖L10を介して操舵輪12に加えられる荷重を実際に表すように選択されるべきである。
実際には、前記荷重の現実的な推定値を得るとともに、下位レベル機構10の透明性を向上させるためには、車両の外部環境が下位レベル機構10に対して外力F_extを及ぼす下位レベル運動連鎖L10、アクチュエータ(アシストモータ11)から最も遠い、及びより詳細には接触部12Cに最も近い、すなわち最も近い領域、ここでは下位レベル運動連鎖L10の(下流)端子領域に、低ループ基準点P10をできるだけ下流に配置することが好ましい。
したがって、荷重設定値を実行する作動体分岐として働くように、可能な限り長い下位レベル運動連鎖L10の一部を低ローカルループ30に含めることが可能である。
この場合、下位レベル運動連鎖L10の、低ローカルループ30に一体化された部分、すなわち「ループに捕捉された」部分は、アシストモータ11から延び、アシストモータ11の下流に配置されたループの出力点と、前記アシストモータ11によって駆動される作動体構成部品(特にラック13)の一部とを形成する下流基準点P10まで、荷重設定値F10_set,F10_motを調整し、アクチュエータ(アシストモータ11)に加えることが可能なレベルの上流入力点を形成する。
基準点P10のレベルでは、アシストモータ11による荷重設定値F10_set,F10_motの実行により、タイロッド14及び操舵輪12に生じる実際の効果が監視される。
より一般的には、基準点P10のレベルでは、低ローカルループ30に含まれる下位レベル運動連鎖L10の部分を越えて、基準点P10の下流に位置するので、低ローカルループ30の外側にある下位レベル運動連鎖L10の要素上で、アクチュエータ(アシストモータ11)とステアリングシステム1の環境との組み合わされた作用によって生じる効果が監視される。
好ましくは、特に、下位レベル運動連鎖L10が、例えばラック13を介してアシストモータ11とステアリングナックル16との間の中間部材を通過する場合、低ループ基準点P10、より詳細には、フィードバック分岐32によって使用される荷重センサ17は、アシストモータ11のシャフトに一体化されるであろう、存在する可能性のあるトルクセンサとは別のものであり、物理的に離れている。
同様に、低ループ基準点P10、より詳細には、フィードバック分岐32によって使用される荷重センサ17は、ハンドル22を坦持するステアリングコラム上で、ハンドル22に関連付けられるであろう、存在する可能性のあるハンドルトルクセンサ27に対して別のもので、物理的に離れており、それは、特に、運転者がハンドル22に及ぼすトルクT_driverを測定することを意図していてもよい。
次に、本発明によれば、低ループフィードバック分岐32は、フィードバックにおける実下流側荷重F10_actualが自動的に低ループ入力荷重設定値F10_setに追従するように、アシストモータ11に印加される低ループ作動設定値F10_motを形成するように、低ループ入力荷重設定値F10_setにフィードバックにおける実下流側荷重F10_actualを適用する。
したがって、図3に示すように、
F10_mot=F10_set-F10_actual
であることが好ましく、符号+(正)及び−(負)は、ここでは、フィードバック分岐32の補正効果を示すために、単に規則的に選択される。
図3に示すように、低ループローカルコントローラ33は、低ループ作動設定値F10_motをアシストモータ11に印加される電流設定値に変換する。
好ましくは、低ループローカルコントローラ33は、この目的のために、縦方向速度、横方向加速度、前記車両のヨー速度などの車両に関連するパラメータにも依存し得る法則又はマップを使用する。
前記法則又はマップはまた、パワーステアリングシステム1に特有のパラメータ、特に、例えば、アシストモータ11の回転速度、アシストモータ11によって生成されるトルク、下位レベル機構10の構成要素の全部又は一部の慣性質量など、下位レベルサブシステム10,30に特有のパラメータに依存してもよい。
これらのパラメータ(車両及び/又はパワーステアリングシステムに関連する)は、図3に表されるパワーステアリングシステム1の該当する入力に「データ」と表記されている。
例えば、前記パラメータ「データ」は、例えば、電子安定性プログラム(ESP)又はアンチロックブレーキシステム(ABS)のような車両上の他の車載システムによって、車載コンピュータネットワークを介してパワーステアリングシステム1に利用可能にされてもよい。
好ましくは、それ自体で発明を構成することができる特徴によれば、閉じた低ローカルループ30を含むパワーステアリングシステム1を検討する場合、低ローカルループ30は、低ループ入力分岐31のサブ分岐31Aと、ゼロ値で入力荷重設定値を表す低ループ入力リファレンスF10_refを導入するサブ分岐31Aとを備え、低ローカルループ30をゼロ荷重
F10_ref=0
でサーボ制御できるようにする。
ゼロ値、好ましくは一定値を有する、この入力基準F10_refは、下位レベル機構10、より詳細には低ローカルループ30に捕捉される下位レベル運動連鎖L10の部分に高い透明性を与えることを可能にする。
実際に、下位レベル機構10が最初に平衡状態にあり、例えば車輪12が地面2に存在する障害物に当たることで車輪12に作用し、より一般的には下位レベル運動連鎖L10の低ローカルループ30に含まれない部分に作用する外力F_extが変更されると、前記外力F_extの変更は、基準点P10において、実下流側荷重F10_actualの値の変更を引き起こし、その結果、考慮された時間に実際に設定された入力荷重設定値F10_setから離れる。
アシストモータ11は、低ローカルループ30によって自動的に制御され、その後、動作を即座に変更する。これは、実下流側荷重F10_actの変更を反映して前記作動設定値F10_motを変更するフィードバック分岐32の作用による。このフィードバック分岐は、実下流側荷重F10_actの変更を反映して、アシストモータ11、より一般的には、低ローカルループ30で構成される下位レベル機構10の部分は、いかなる抵抗もなく、外部荷重F_extの作用によって解消し、その外側荷重F_extの変動を吸収し、それによって実下流側荷重F10_actを望ましい入力荷重セットF10_setの値に戻す。
低ローカルループ30の入力31に別の(ゼロでない)荷重設定値成分が存在しない場合、ここではゼロ値を有する低ループ入力基準F_refがデフォルトとして適用されると有利である。
このような場合、アシストモータ11は、したがって、実下流側荷重F10_actualをゼロ、すなわち実質的にゼロ値に維持するようにサーボ制御される。
したがって、外力F_extがゼロでない実下流側荷重の適用を引き起こす傾向がある場合、フィードバック分岐32は、実下流側荷重F10_actualの変動を即座に検出して送信し、作動設定値F_motを生成する。これは、アシストモータ11に適用されると、アシストモータ11実下流側荷重F10_actualをゼロに戻すべく外力F_extの影響を吸収するために、アシストモータ11が下位レベル機構10に作用することを可能にする。
したがって、実際には、アシストモータ11は、外力F_extの変動に対するいかなる抵抗にも対抗しないように反応するが、反対に、応力の出現を回避するために、またこの場合には、ゼロでない実下流側荷重F10_actualの出現又は維持を回避するために、外力F_extの変動を伴うように反応する。
したがって、下位レベル機構10は、外力F_extが小さいにもかかわらず外力F_extが加えられるとすぐに、外力F_extによって所望される方向に自発的に移動し始める。
同様の原理は、入力基準F10_refに加えて、ゼロ値で、低ループ入力荷重設定値F10_setが、入力分岐31の第2のサブ分岐31Bによって、「低ループ荷重設定値動的成分」と呼ばれる荷重設定値の成分F10_dynも考慮に入れるときに適用される。これは、典型的には、運転者の操縦意図、より具体的には、ハンドル22に対する運転者の動作を反映することを可能にする。
ここで再び、実下流側荷重F10_actualを、平衡時に等しい入力荷重設定値F10_setから動的成分F10_dyn(考慮される期間において一定であり得る)に一時的に引き離す外力F_extの変動が生じると、フィードバック分岐32は、アシストモータ11が下位レベル機構10をクリアにし、実下流側荷重F10_actualを動的成分値F10_dynに戻すように、作動設定値F10_motを修正することを可能にする。
したがって、前記アシストモータ11は、外力F_extの変動を吸収するのに必要かつ十分な、下位レベル機構10の変位に対するいかなる抵抗にも対抗せず、したがって、実下流側荷重F10_actualと入力荷重設定値F10_setとの間の差、すなわち、本明細書では、実下流側荷重F10_actualと荷重設定値動的成分F10_dynとの間の差を実質的にゼロ値に維持することを可能にする。
いずれにせよ、ゼロ荷重でサーボ制御される低ローカルループ30は、したがって、高い応答性でリアルタイムに補正することを可能にし、アシストモータ11の作用は、このアシストモータ11が、外力F_extの変動によって誘発される下位レベル機構10の変位に対してほとんど抵抗しないようにし、したがって、外力F_extの変動の影響によって前記下位レベル機構10のクリアランスを促進する。
この自己調整は、下位レベル機構10に高い透明性を付与し、特に、前記下位レベル機構10が外力F_extの全ての変更に反応することを可能にし、したがって、「道路感覚」を特徴付ける車輪12と地面との間の相互作用に敏感であり、極めて顕著かつ識別可能な方法で反発することを可能にする。
また、このゼロ荷重での同じ自己調節により、運転者は、パワーステアリングシステム1を何ら努力することなく、特に、下位レベル機構の慣性によって、又は低ローカルループ30に含まれる下位レベル機構10の部分に生じる内部摩擦によって妨害されることなく、操縦することが可能になる。
表現の便宜上、摩擦、特に乾燥摩擦(クーロンの摩擦)F_dry、T_dry及び粘性摩擦F_visc、T_visc(考慮される機構10の変位速度に比例し、より具体的にはラック13の変位速度に比例する)は、図1及び図3において摩擦パッドによって象徴される。
1つの変形例によれば、低ループ入力荷重設定値F10_setに補正効果を導入するように、低ループ入力基準F10_refを非ゼロオフセット値に設定することが可能であることに留意されたい。
本発明をより良く理解するために、「透明性」の概念を、図1及び図2を参照してより詳細に説明する。
本発明によれば、一般的な図1及び図2に示された前記透明性の概念は、アシストモータ11によって作動される下位レベル機構10に、又は上位レベル機構20に、又は好ましくはこれら2つの機構10,20のそれぞれに適用される(又は適用可能である)と有利である。
したがって、便宜上、前記機構10,20の構成要素について言及する。
図1は、アクチュエータによって駆動される機構10,20を模式化したものであり、モータ11,21によって象徴化される。
前記機構10,20は、「ローカルループ」30,40と呼ばれる閉ループによってサーボ制御される。
サーボ制御は、荷重(文字「F」によって識別される)に、又は同等の方法でトルク(文字「T」によって識別される)に実行される。
このために、ローカルループ30,40は、入力荷重設定値(それぞれ荷重設定値又はトルク設定値)を規定するための入力分岐31,41、及びフィードバック分岐32,42を備える。
入力分岐31,41は、ここでは、ゼロ荷重(各ゼロトルク)でのサーボ制御のために、ゼロ荷重(各ゼロトルク)を表す入力基準F10_ref,T20_refを定義することを可能にする。
フィードバック分岐32,42は、機構10,20の基準点P10,P20における実荷重F10_actual(実トルクT20_actual)を(例えば、適切なアルゴリズムによって)評価するか、又は、好ましくは、例えば、適切な荷重センサ17(各トルクセンサ27)によって測定する。
荷重センサ17(各トルクセンサ27)によって、又は評価アルゴリズムによって適用される利得は、「K」と表記される。
基準点P10,P20は、アクチュエータ11,21を作動体12,22にリンクさせる運動連鎖L10,L20に沿って、アクチュエータ(モータ)11,21の下流に位置し、ここでは、典型的には、操舵輪12又はハンドル22である。
作動体12,22は、機構10,20と機構10,20の外部環境との(端末)インターフェースを形成し、このインターフェースを介して、外部環境(ここでは典型的には地面2又は車両の運転者)が、アクチュエータ(モータ)11,21に対して、外力F_ext又は外部トルクT_extを機構10,20に加えることができる。
ローカルループ30,40、すなわちアクチュエータ(モータ)11,21から基準点P10,P20まで延びる運動連鎖L10,L20の上流部分に含まれる機構10,20部分の質量又は慣性モーメントは、同等の方法でJ1と表記される。
ローカルループ30,40の外側に位置する機構10,20の(残りの)部分、すなわち、基準点P10,P20から機構10,20の外部環境との(終端)インターフェースまで、より具体的には作動体12,22及び外部環境(それぞれ地面2、運転者)との接触部まで延在する運動連鎖L10,L20の下流部分の質量又は慣性モーメントは、同等の方法で、J2で示される。
ローカルループ30,40の全体的な利得はGで示される。
簡単にするために、前記全体的な利得Gは、ここでは、フィードバック分岐32,42上に配置された固有の伝達関数の形で表される。
ここでは、より具体的にはハンドル22の角度位置、角速度、及び作動体12,22の角加速度を、作動体12,22の移動がそれぞれ回転運動を指す場合に、それぞれθJ2,θ'J2,θ''J2と表記する。
同様に、並進運動について言及すると、作動体12,22の直線位置、直線速度、及び直線加速度がそれぞれXJ2,X'J2,X''J2と示される。
下位レベル機構10がラック13を含む場合、ラック13の位置、速度、及び加速度は、特に、タイロッド14、ステアリングナックル16、及び操舵輪12を含む下位レベル機構10の下流部分の位置、速度、及び加速度を表すものとして、ラック13及び前記ラック13をステアリングナックル16に連結する運動連鎖L10の部分の(相対)剛性を考慮しながら判定され得ると有利であることを強調しておくべきである。
ローカルループ30,40に含まれる機構10,20の(上流)部分に作用する粘性摩擦(考慮される機械的部材の変位速度に比例する)の荷重、トルクのそれぞれは、それぞれF_visc,T_viscで示される。
ローカルループ30,40に含まれる機構10,20の(上流)部分に及ぼされる乾燥摩擦の荷重又はトルクは、それぞれF_dry,T_dryと表される。
ここで、
R1=T_visc+T_sec
で、「s」は、ラプラスの変数を表す。
図1の図を参照すると、次式が得られる。
Figure 2021509379
十分に高い全体的な利得G、又は無限大に近い全体的な利得が選択される場合、上記の式を単純化し、したがって、第1の近似で得ることが可能である。
Figure 2021509379
したがって、外力F_ext,T_extの適用に対する機構10,20の反作用、より具体的には、ローカルループ30,40の外側に位置する機構10,20の(下流)部分の変位は、ローカルループ30,40の外側の前記下流部分の慣性質量J2のみに依存する。
アクチュエータ(モータ)11,21から基準点P10,P20まで延びる機構10,20の上流部分は、外力F_ext,T_extの変動に対する移動に対する抵抗に対抗しないので、透明性のあるものにされる。
図2に示されるように、透明性は、機構10,20が、自発的な変位によって、外力F_ext,T_extの適用に即座に反応することを可能にすると有利である。
特に、外力ステップF_ext,T_extは、遅延なしに、外力ステップF_ext,T_extに正比例する(慣性質量J2の逆数による)加速ステップに変換される。
その結果、速度ランプ、位置修正二次曲線も遅滞なく得られる。
更に、上で提示された式の単純化は、式R1を式から排除することを可能にし、すなわち、ローカルループ30,40に含まれる機構10,20の部分の内部にある摩擦F_dry,T_dry,F_visc,T_viscの影響を自動的に補償し、したがって、前記摩擦を目立たなくする。
この透明性原則を低ローカルループ30及びアシストモータ11によって作動される低位レベル機構10に適用することを考慮すると、次のようになる。
Figure 2021509379
ここで、
X_rackは、ラック13の位置(ここでは、ステアリングケーシング3に沿って並進する直線位置)を指し、
J_rodは、基準点P10の下流に位置する下位レベル機構10の部分の慣性質量を表し、より詳細には、荷重センサ17の下流に位置する下位レベル機構10の部分の慣性質量を表す。典型的には、J_rodは、したがって、タイロッド14、ステアリングナックル16及び操舵輪12によって形成されるサブアセンブリの慣性質量を表すことができる。
同様に、閉ループを介してトルクをサーボ制御するトップローカルループ40への透明性の適用を考慮すると、ハンドル22に加えて、下位レベル機構の反作用を表す荷重をハンドル22に回復させるために上位レベル機構20を作動させるように配置された補助モータ21を含む上位レベル機構20が得られる。
Figure 2021509379
ここで、θswは、ハンドル22の角度位置を示し、
T_driverは、運転者がハンドル22に及ぼす外部トルクT_extを指し、
JSWは、基準点P20の下流に位置し、この例ではハンドル22を含み、適切な場合にはハンドル22が取り付けられるステアリングコラム部分を含む、上位レベル機構20の部分の慣性モーメントを指す。
また、機構10,20の下流部分の慣性質量J2がローカルループ30,40に含まれないほど、機構10,20の運動に対する抵抗感が小さくなるため、機構10,20の反応がよくなり、外力F_ext,T_extの適用に対する機構10,20の反応、すなわち機構10,20の感度が高くなるため、よりよい道路感覚を補償するステアリングシステム1の能力がよくなることにも留意する必要がある。
前記慣性質量J2を最小にするために、既に上述したように、機構10,20の最も可能性の高い部分をローカルループ30,40に含め、したがって、フィードバック分岐32,42の基準点P10,P20を対応する運動連鎖L10,L20の可能な限り下流に配置して、前記運動連鎖L10,L20の可能な限り長い部分をローカルループ30,40に含めるようにする。
したがって、基準点P10,P20、より詳細には、モータ11,21の下流の荷重及び/又はトルクセンサ17,27の適切な位置決めを求める。
したがって、下位レベル機構10の場合、アシストモータ11の下流に低ループ基準点P10を配置しようとし、好ましくは、前記機構10が、前記連結部材4の下流(下位レベル運動連鎖と上位レベル運動連鎖との間の分岐の下流)で、操舵輪12と地面2との間の接触部12Cに最も近い、上位レベル運動連鎖L20,L20Bの連結部材4を含む場合、下位レベル運動連鎖L10に沿って、低ループ基準点P10を配置する。
したがって、好ましくは、下位レベル運動連鎖L10は、アシストモータ11によって駆動されるラック13と、その少なくとも端部13L,13Rがステアリングタイロッド14に連結され、次いでそれが荷重と変位を操舵輪12に伝達すると、実下流側荷重F10_actualが測定又は推定される低ループ基準点P10は、例えばラックの端部13Lとステアリングタイロッド14との間の接合部、ステアリングタイロッド14上、又はステアリングタイロッド14の下流で、前記操舵輪12の方向にラック13の下流に配置されることが好ましい。
上述したように、前記低ループ基準点P10は、仮想推定を可能にするアルゴリズムが選択された場合、前記アルゴリズムが実下流側荷重F10_actualを推定するレベルの点に対応する。
前記荷重が荷重センサ17によって物理的に測定される場合、前記基準点P10は、前記荷重センサ17の物理的位置に対応する。
なお、下位レベル機構10がラック13及び/又は1つ(又はいくつか)のタイロッド14を含むか否かにかかわらず、下位レベル運動連鎖L10が操舵輪12を支持するステアリングナックル16を備える場合、実下流側荷重F10_actualが測定又は推定される低ループ基準点P10は、前記ステアリングナックル16上に配置されてもよいと有利である。
ステアリングナックル16は、ここでは前記操舵輪12のヨー軸である配向軸を具体化し、それにしたがって前記操舵輪12のステアリング角を修正することができる。
別の可能性によれば、低ループ基準点P10を操舵輪12自体、例えばホイールリム上に配置し、前記操舵輪12のタイヤのレベルにおいてさえも、前記タイヤの回転路面に最も近く、したがって地面2との接触部12Cに最も近い位置に配置することを考えることができる。
発明をそれ自身で構成することができる好ましい特徴によれば、特に下位レベル機構10が上述した閉じたローカル低ループ30によってサーボ制御されるか否かにかかわらず、上位レベル機構20はハンドル22に加えて補助モータ21を備える。
前記補助モータ21は、下位レベル機構10のアシストモータ11とは異なる。
特に、このような別構造により、低ローカルループ30とは異なり、上位レベル機構20に特有のサーボ制御のループ40を作り、適宜、「ワイヤ操舵」ステアリングシステムを作ることができる。
好ましくは、図3に示すように、上位レベル機構20は「トップローカルループ」40と呼ばれる閉ループによってトルクをサーボ制御することができる。
ここでは便宜上、上位レベル機構20と、それを操縦するトップローカルループ40とによって形成される集合を「上位サブシステム」と呼ぶことができる。
ここで特に低ローカルループ30を参照して示したように、(荷重のサーボ制御と同様に)トルクのサーボ制御は、上位レベル機構20上で応答性と透明性を与えることを可能にする。
したがって、ハンドル22は、運転者に道路感覚を細かく正確に伝達することができる一方で、運転者によって及ぼされる外部トルクText=T_driverに対する「寄生」固有抵抗(特に、上位レベル機構20の内部の摩擦T_visc、T_dry、又は前記上位レベル機構20の適切な慣性質量に関連する抵抗)にほとんど抵抗しないので、軽く操縦できる。
トップローカルループ40は、「トップループ入力分岐」と呼ばれる入力分岐41を含み、これは、「トップループ入力トルク設定値」T20_setと呼ばれる入力トルク設定値を定義することを可能にする。
前記トップローカルループ40はまた、「トップループフィードバック分岐」と呼ばれるフィードバック分岐42を含み、これは、補助モータ21とハンドル22との間(より詳細には、補助モータ21の下流でハンドル22の上流)に位置する「トップループ基準点」P20と呼ばれる基準点と、「実運転者トルク」と呼ばれるトルクT20_actualとを測定又は推定し、トルクT20_actualは、前記基準点P20において、ハンドル22を介して上位レベル機構20に運転者によって加えられるトルクT_driverを表す。
実際には、
T20_actual=T_driver
であり、T_driverは、例えば、運転者がハンドルに積極的に作用して所望の操舵角に到達又は維持するときにゼロではなく、さもなければ、典型的には車両が直線で走行するときにゼロであると考えることができる。
好ましくは、トップループ基準点P20は、例えば、前記ハンドル22を坦持するステアリングコラム部分上の、ハンドル22のすぐ近くに配置される。
ここでも、ハンドルトルク推定アルゴリズムを使用して、実運転者トルクT20_actualを他のパラメータから仮想的に推定することを検討することができる。
それにもかかわらず、好ましくは、実運転者トルクT20_actualは、適当なトルクセンサ27、例えばステアリングコラム上に置かれたトーションバーの変形を測定するトルク電磁センサによって測定されるようにしてもよい。
前記トルクセンサ27の位置は、トップループ基準点P20に物理的に対応してもよい。
トップループ基準点P20は、低ループ基準点P10とは別個であること、そして、適切であれば、低部ローカルループ30で使用される荷重センサ17は、それゆえに別個のものであり、トップローカルループ40で使用されるトルクセンサ27とは離れていることを強調しておく。
より一般的には、トップローカルループ40と低ローカルループ30とは、このようにして、互いに独立して動作することができるように、また特に、それぞれがそれ自身で、それぞれのアクチュエータ(モータ)11,21を独立してサーボ制御することができるように、十分に離れている。
実運転者トルクT20_actualを推定又は測定した後、トップループフィードバック分岐42は、次に、実運転者トルクT20_actual(したがって、運転者トルクT_driver)がトップループ入力トルク設定値T20_setに自動的に従うように補助モータ21に適用されるトップループ作動設定値T20_motを形成するように、トップループ入力トルク設定値T20_setにフィードバックで前記実運転者トルクT20_actualを適用すると有利である。
トップローカルループ40の特性、動作、及び利点は、低ローカルループ30を参照して説明したものから必要な変更を加えて推論することができると有利であることを強調しておく。
実際に、トップローカルループ40において、低ローカルループ30の機能及び利点と同様の機能及び利点が見出される。
したがって、図3を参照すると、
T20_mot=T20_set−T20_actual
であることが好ましく、符号+(正)及び−(負)は、ここでは、単に規則的に選択され、フィードバック分岐42の補正効果を示す。
図3に示すように、好ましくは低ループローカルコントローラ33とは別個のトップループローカルコントローラ43は、トップループ作動設定値T20_motを補助モータ21に印加される電流設定値に変換する。
好ましくは、トップループローカルコントローラ43は、この目的のために、縦方向速度、横方向加速度、ヨー速度等のような車両に関連するパラメータ「データ」、及び/又はパワーステアリングシステム1に特有のパラメータ「データ」、より詳細には、補助モータ21の回転速度、前記補助モータ21によって生成されるトルク、上位レベル機構20の構成要素の全て又は一部の慣性質量等のような上位レベルサブシステム20,40に特有のパラメータにも依存し得る法則又はマップを使用する。
好ましくは、トップローカルループ40は、ゼロ値で入力トルク設定値を表すトップループ入力基準T20_refを導入するトップループ入力分岐41のサブ分岐41Aを備え、これにより、ゼロトルクでトップローカルループをサーボ制御することができる。
したがって、ここでは、
T20_ref=0
とする。
ゼロ荷重でのサーボ制御のために設けられた下位レベル機構10を参照して先に示したように、上位レベル機構20のゼロトルクでのサーボ制御は、上位レベル機構20を透明性のあるものにすることを可能にし、応答性とその感度を向上させる。
ここでも、ゼロトルクでのサーボ制御により、上位レベル機構20は、運転者によるハンドル22の操縦に対する寄生抵抗を与えず、一方で、道路と下位レベル機構10との反応を前記ハンドル22において忠実に反発させることができる。
一方では、車輪の配向に機械的に作用する下位レベル機構10をサーボ制御することを意図した低ローカルループ30と、他方では、運転者が車両の操縦を制御し、かつ操縦を感じることを可能にする上位レベル機構20をサーボ制御することを意図した別個のトップローカルループ40と、を備えるパワーステアリングシステム1の構造が、特に、ワイヤ操舵ステアリングシステム1に適応されることが強調されるべきである。
好ましくは、図3に示すように、パワーステアリングシステム1は、「グローバルコントローラ」50と呼ばれる制御装置を備え、これは、上位レベル機構20の条件及び下位レベル機構10の条件を表すパラメータにしたがって、一方では、低ループ荷重設定値F10_fynの動的成分を低ローカルループ30に印加し、他方では、トップローカルループ40に印加される上位ループトルク設定値T20_dynの動的成分を別々に生成する。
トルク設定値T20_dynのそれぞれの荷重設定値F10_dynの動的成分は、考慮された期間における車両の耐用年数条件及び前記考慮された期間における運転者の動作(制御)にパワーステアリングシステム1の反応を適応させるようにリアルタイムで調整され、したがって、例えばグローバルコントローラ50内のチャートに記憶され得る所定の支援法則にしたがって操舵支援を管理する。
ワイヤ操舵タイプのパワーステアリングシステム1の場合、グローバルコントローラは、上位レベル機構20に関連したトップローカルループ40と下位レベル機構10に関連した低ローカルループ30との間の、電気信号による仮想結合を有利に確保する。
上位レベル機構20の状態を表し、グローバルコントローラ50によって使用される(パワーステアリングシステム1に特有の)パラメータの中で、特に、ハンドル22の角度位置θ22、及び/又は前記ハンドルの角速度θ’22を考慮することが可能である。
下位レベル機構10の状態を表し、グローバルコントローラ50によって使用されるパラメータ(パワーステアリングシステム1に特有の)の中で、特にアシストモータ11のシャフトの角度位置θ1、及び/又は前記アシストモータの角速度θ’11を考慮することが可能である。
更に、グローバルコントローラ50は、車両(及びパワーステアリングシステム1の外部)に関連するパラメータ「データ」、例えば、前後速度、横方向加速度、ヨー速度なども考慮することができる。
例えば、グローバルコントローラ50は、これらの異なるパラメータの全て又は一部から基本設定値T_basicを決定することができる。
(非限定的である)例として、グローバルコントローラ50は、実際には仮想トーションバーに対応する計算法則を使用して基本設定値T_basicを決定することができ、T_basic=k1×Δθ+k2×Δθ’
ここで、
Δθ=θ22−θ11
k1は(ねじり)弾性剛性を持つ均質な利得であり、
Δθ’=θ’22−θ’11
k2は粘性を持つ均質な利得であり、
第1項k1×Δθはねじり弾性変形トルク成分に対応し、第2項k2×Δθ’は散逸トルク成分に対応する。
それにもかかわらず、基本設定値T_basicを計算するために使用される法則にかかわらず、前記基本設定値T_basicは、好ましくは、それぞれ、第1のサブコントローラ51及び第2のサブコントローラ52によって、それぞれ、低ループ荷重設定値動的成分F10_dyn及びトップループトルク設定値動的成分T20_dynに変換される。
したがって、グローバルコントローラ50は、動的設定値F10_dyn,T20_dynをトップローカルループ40及び低ローカルループ30のそれぞれに分配するように、サブコントローラ51,52のレベルで分岐する共通コアを形成する。
したがって、細かくいえば、パワーステアリングシステム1、特に、ワイヤ操舵システム1は、好ましくは、2つの(閉じた)ローカルループ30,40(すなわち、車輪12を作動させる下位レベル機構10専用の荷重サーボ制御の低ローカルループ30と、ハンドル22に作用する上位レベル機構20専用のトルクサーボ制御のトップローカルループ40とを含むアーキテクチャを有し、前記ローカルループ30,40は、互いに結合され、(同じ)グローバルコントローラ50(これらのローカルループ30,40の各々によってそれぞれ適用可能なトルクT20_dyn及び荷重F10_dynの動的設定値を規定する)によって制御される。
本発明によるパワーステアリングシステム1は、特に、グローバルコントローラ50、下位レベルサブシステム10,30、及び上側のサブシステム20,40を通して(好ましくは、通してのみ)関連させることによって、お互いに独立して、作業中の自身を(各トルクで)調整することができるワイヤ操舵を実現することを可能にすると有利である。
より詳細には、本発明は、アシストモータ11及び操舵輪12を含む下位レベル機構10と、ハンドル22及び補助モータ21を含む上位レベル機構20とを備え、下位レベル機構10は、ゼロ荷重で、アシストモータ11の実下流側荷重F10_actualを測定又は推定するフィードバック分岐32を備える低ローカルループ30によって、閉ループ上でサーボ制御され、アシストモータ11の下流側及び操舵輪12の接触部12Cの上流側で、アシストモータ11を透明性のあるものにする。一方、上位レベル機構20は、補助モータ21とハンドル22との間の実運転者トルクT20_actualを測定又は推定するフィードバック分岐42を備えるトップローカルループ40によって、ゼロトルクで、閉ループでサーボ制御され、補助モータ21を透明性のあるものにする。低ローカルループ30及びトップローカル40は、好ましくは、グローバルコントローラ50によって制御される。
好ましくは、上述したように、各トルクT20_dyn及び荷重F10_dynの動的成分は、関係するローカルループ30,40の第2の入力サブ分岐31B,41Bによって、第1の入力サブ分岐31A,41A(第2の入力サブ分岐31B,41Bとは異なる)によって供給される入力基準F10_ref,T20_refを完成する。
したがって、ゼロ荷重/トルクでのサーボ制御を可能にするゼロ基準F10_ref,T20_refと、ステアリングシステム1の活性操縦を反映する動的成分F10_dyn,T20_dynとの両方を考慮に入れることが可能である(運転者によるか、又は運転支援を提供する自動操縦システムによる)。
したがって、好ましくは、低ループ入力荷重設定値F10_setは、ゼロ荷重を表す低ループ入力基準F10_refと、グローバルコントローラ50,51から生じる低ループ荷重設定値動的成分F10_dynとの代数和から生じる。
好ましくは、図3に示すように、低ループ入力荷重設定値F10_setは、ゼロ荷重を表す低ループ入力基準F10_refと、グローバルコントローラ50,51から生じる低ループ荷重設定値動的成分F10_dynとの代数和から生じる。
このために、加算器ブロックによって第1の入力サブ分岐31Aと第2の入力サブ分岐31Bとを結合することが可能である。
好ましくは、前記加算器ブロックはまた、フィードバック分岐32から発生する実下流側荷重F10_actualの値を受け取ることができ、実下流側荷重F10_actualの値は、低ループ作動設定値F10_motを形成するように、入力荷重設定値F10_setから(使用される符号規則にしたがって)減算される。
低ループ荷重設定値動的成分F10_dynがない場合、すなわち前記動的成分F10_dynがゼロである場合、低ローカルループ30は、入力基準値F10_ref、ここでは好ましくは
F10_ref=0
に下位レベル機構10をサーボ制御することに留意されたい。
上記の低ループ入力荷重設定値F10_setの計算モードの代わりに、又はそれと相補的に、トップループ入力トルク設定値T20_setは、好ましくは、ゼロトルクを表すトップループ入力基準T20_refと、グローバルコントローラ50,52から生じるトップループトルク設定値動的成分T20_dynとの組み合わせから生じる。
より好ましくは、トップループ入力トルク設定値T20_setは、ゼロトルクを表すトップループ入力基準T20_refと、グローバルコントローラ50,52から生じるトップループトルク設定値動的成分T20_dynとの代数和から生じる。
ここでも、低ローカルループ30に関して説明したのと同様に、トップローカルループ40のレベルで、加算器を使用して2つの入力サブ分岐41A,41B及びフィードバックループ42を結合することが可能である。
本発明の好ましい可能性によれば、低ループ基準点P10で測定又は推定された実下流側荷重F10_actualも、「フィードフォワード」60と呼ばれる機能によって、低ローカルループ30の外側で、トップループ入力トルク設定値T20_setを決定するための構成要素として、及び/又は、同等の方法で、補助モータ21に印加されるように意図されたトップループ作動設定値T20_motを決定又は調整するための構成要素として使用される。
この「フィードフォワード」機能60は、低ループフィードバックループ32とは異なり、また、トップループフィードバックループ42とは異なり、図3の点線で表される。
このフィードフォワード機能60は、下位レベル機構10からトップローカルループ40まで、より詳細には補助モータ21まで、操舵輪12及び下位レベル機構10に加えられる外力F_extの変動によって引き起こされる道路感覚、及び低ループ基準点P10のレベルで感じられる、より詳細には、荷重センサ17によって知覚される道路感覚を直接伝達することを可能にすると有利である。
したがって、「フィードフォワード」機能60によって引き起こされる設定値調整の効力によって補助モータ21の反作用によって反発される「道路感覚」を改善することができる。
可能な用途によれば、フィードフォワード機能60は、所定の周波数範囲内に入る反応の感覚を強調するために、所定の周波数範囲を通過させないように構成されてもよい。
このために、例えば、前記周波数範囲にわたって増幅利得を有する帯域フィルタを使用することができる。
したがって、上位レベル機構20、トップローカルループ40、下位レベル機構10及び低ローカルループ30によって形成される組み合わせが、完全に満足できる方法で、所定の周波数範囲内で、操舵輪12と地面2との間の相互作用を反発させるのに十分な動的性能を本質的に有していないと仮定すると、この周波数範囲内で、操舵輪12と地面との間の相互作用によって生成される信号を、ハンドルでの感覚を改善するために、フィードフォワード機能60を使用して増幅することができる。
これにより、フィードフォワード機能60は、道路感をより細かく設定することができる。
別の可能な用途によれば、前述のものの代わりに、又は前述のものと相補的に、所定の周波数範囲内の周波数感覚を選択的に減衰又は相殺するように構成されたフィードフォワード機能60を使用することが可能である。
この目的のために、フィードフォワード機能60のおかげで、その周波数が、中和されるべき知覚信号の周波数と同一であるが、前記知覚信号に対して逆位相の(180度だけシフトされた)信号を注入することが可能である。
したがって、例えば、操舵輪12のバランス不良に関連するアンバランス現象の影響を制限することができる。
したがって、いずれにせよ、フィードフォワード機能60は、追加の微調整の可能性を提供する。
そのため、上位レベル機構20、トップローカルループ40、下位レベル機構10、及び低ローカルループ30によって形成される組み合わせが十分に高いダイナミクスを有する場合、フィードフォワード機能60に頼る必要はない。
更に、実下流側荷重F10_actualは、好ましくは、低ループ基準点P10において、少なくとも20Hzまで、少なくとも25Hzまで、少なくとも30Hzまで、更には30Hzを超える帯域幅で測定される。
したがって、荷重センサ17は、非常に豊富な周波数成分を有する有用な信号を生成し、この信号は、外力F_extの変更、つまり、地面2と車輪12との間の相互作用の状態に関する多くの情報、特に正確な情報を含むことになる。
もちろん、低ループフィードバック分岐32は、周波数情報を失わないように、少なくとも等しい帯域幅で前記信号を搬送することができる。
広い帯域幅は、周波数にかかわらず、後者が高い場合であっても、タイヤ上(それゆえに、車輪12上及び下位レベル機構10上)の道路被覆(地面2)の作用によって生じる外力F_extの外乱及び変更が、その程度まではパワーステアリングシステム1に高い触覚感度を与える。前記の外乱及び変更は、(グローバルコントローラ50によって、及び/又はフィードフォワード機能60によって、次いで、トップローカルループ40及び上位レベル機構20によって)ハンドルに再送信されるなど、直ちに顕著である。これは、運転者に道路の非常に細かい感覚を、そしてそれとは対照的に安定した操舵位置を保持するために外乱をフィルタリングするであろう位置でのサーボ制御の場合に何が起こっているかを、提供すると有利である。
もちろん、コントローラ50,51,52,33,43の全て、及びより一般的には、ローカルループ30,40のサーボ制御構造は、任意の適切な電子及び/又はコンピュータ計算機によって実現されてもよい。
更に、本発明は、前述のパワーステアリングシステム1を装備した車両、特に自動車を包含する。
なお、本発明は、上述した変形例のみに限定されるものではなく、当業者であれば、特に、上述した特徴のいずれか1つを自由に分離又は組み合わせることができ、あるいは、それらを均等物で置換することができる。

Claims (12)

  1. パワーステアリングシステム(1)は、「下位レベル機構」(10)と呼ばれる第1の機構を備え、
    前記下位レベル機構(10)は、
    アシストモータ(11)と、
    前記アシストモータ(11)がヨー方向において配向させるように作用する操舵輪(12)とを備え、
    前記アシストモータ(11)から、「接触部」(12C)と呼ばれる、地面(2)に接触するように構成された前記操舵輪に至る下位レベルの運動連鎖(L10)を定義し、
    前記アシストモータ(11)からの荷重と運動が、前記下位レベルの運動連鎖(L10)を介して及び前記下位レベルの運動連鎖(L10)に沿って伝達されるようになっており、
    前記パワーステアリングシステム(1)は、
    「上位レベル機構」(20)と呼ばれる第2の機構も備えており、
    前記上位レベル機構(20)は、ハンドル(22)を備え、
    前記ハンドル(22)は、
    前記下位レベル機構(10)とのいかなる機械的結合もないものであり、下位レベルの運動連鎖(L10)とは別の上位レベルの運動連鎖(L20)を形成し、
    又は、下位レベルの運動連鎖(L10)に対して分岐(L20B)を形成する補助的な前記上位レベルの運動連鎖(L20)を形成するように、連結部材(4)を介して前記下位レベルの運動連鎖(L10)に機械的に連結し、
    前記パワーステアリングシステム(1)では、
    前記下位レベル機構(10)は、「低ローカルループ」(30)と呼ばれる閉ループによって荷重がサーボ制御され、
    前記「低ローカルループ」(30)は、
    低ループ入力荷重設定値(F10_set)と呼ばれる入力荷重設定値を定義付けるのを可能にする「低ループ入力分岐」(31)と呼ばれる入力分岐と、
    前記下位レベルの運動連鎖(L10)上の前記上位レベルの運動連鎖(L20)の外で、前記アシストモータ(11)の下流で、かつ前記操舵輪(12)の上流における、「低ループ基準点」(P10)と呼ばれる基準点において、前記下位レベルの運動連鎖(L10)によって前記アシストモータ(11)と前記操舵輪(12)との間で伝達される、「実下流側荷重」(F10_actual)と呼ばれる荷重を測定又は推定する、「低ループ入力設定値」(F10_set)と呼ばれる入力荷重設定値を規定する、「低ループフィードバック分岐」(32)と呼ばれるフィードバック分岐とを備えていることを特徴とし、
    更に、前記低ループフィードバック分岐(32)は、低ループ入力荷重設定値(F10_set)のフィードバックにおいて前記実下流側荷重(F10_actual)を適用し、前記アシストモータ(11)に適用される低ループ作動設定値(F10_mot)を形成し、これによって、前記実下流側荷重(F10_actual)が、前記低ループ入力荷重設定値(F10_set)に自動的に追従するように構成されている
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記低ローカルループ(30)は、ゼロ荷重で前記低ローカルループ(30)をサーボ制御することができるように、ゼロ値で入力荷重設定値を表す低ループ入力基準(F10_ref)を導入する前記低ループ入力分岐(31)のサブ分岐(31A)を備える
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記下位レベルの運動連鎖(L10)は、
    前記アシストモータ(11)によって駆動されるラック(13)と、
    荷重及び変位を前記操舵輪(12)に伝達するステアリングタイロッド(14)に結合された少なくとも1つの端部(13L)とを備えており、
    前記実下流側荷重(F10_actual)が測定又は推定される低ループ基準点(P10)が、前記操舵輪(12)の方向における前記ラック(13)の下流に、例えば、ラック(13F)の端部とステアリングタイロッド(14)との間の接合部に、ステアリングタイロッド(14)上に、又はステアリングタイロッド(14)の下流に位置する
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記下位レベルの運動連鎖(L10)は、前記操舵輪(12)を支持し、前記操舵輪の方向軸を実現するステアリングナックル(16)を備えており、
    実下流側荷重(F10_actual)が測定又は推定される低ループ基準点(P10)が、前記ステアリングナックル(16)上に位置する
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記パワーステアリングシステムは、前記上位レベル機構(20)と前記下位レベル機構(10)との間の任意の機械的連結を伴わない、「ワイヤ操舵ステアリング」に構成されるパワーステアリングシステムを形成する
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記上位レベル機構(20)は、
    前記ハンドル(22)に加え、
    前記下位レベル機構(10)の前記アシストモータ(11)とは別個の補助モータ(21)を備えており、
    前記上位レベル機構(20)は、「トップローカルループ」(40)と呼ばれる閉ループによってトルクにおいてサーボ制御され、
    前記トップローカルループは、
    「トップループ入力分岐」と呼ばれる入力分岐と、
    「トップループ入力トルク設定値」(T20_set)と呼ばれる入力トルク設定値と、
    「トップループフィードバック分岐」(42)と呼ばれるフィードバック分岐とを規定することを可能にする入力分岐と、
    「トップループ基準点」(P20)と呼ばれる基準点において、補助モータ(21)とハンドル(22)との間に位置するトルクである「実運転者トルク」(T20_actual)を前記基準点において表すトルク(T20_actual)を測定又は推定するフィードバック分岐とを備え、
    運転者によるトルク(T_driver)は、前記ハンドル(22)を介して、前記上位レベル機構(20)に及ぼされており、
    前記トップループフィードバック分岐(42)は、トップループ入力トルク設定値(T20_set)にフィードバックにおいて前記実運転者トルク(T20_actual)を印加し、それによって、前記実運転者トルク(T20_actual)がトップループ入力トルク設定値(T20_set)に自動的に従うように前記補助モータ(21)に印加されるトップループ作動設定値(T20_mot)を形成する
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  7. 請求項6に記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記トップローカルループ(40)は、ゼロトルクで前記トップローカルループ(40)をサーボ制御することができるように、ゼロ値で入力トルク設定値を表すトップループ入力基準(T20_ref)を導入する前記トップループ入力分岐のサブ分岐(41A)を備える
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  8. 請求項6又は7に記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記上位レベル機構(20)の条件及び下位レベル機構(10)の条件を表すパラメータに従って、一方では、低ローカルループ(30)に印加される低ループ力設定値(F10_dyn)の動的成分を、他方では、トップローカルループ(40)に印加される上位ループトルク設定値(T20_dyn)の動的成分を、別々に生成する、「グローバルコントローラ」(50)と呼ばれるコントローラを備える
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  9. 請求項2及び8に記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記低ループ入力荷重設定値(F10_set)は、ゼロ荷重を表す前記低ループ入力基準(F10_ref)と、前記グローバルコントローラ(50)から生じる低ループ荷重設定値(F10_dyn)の動的成分との組み合わせから生じ、好ましくは、代数和から生じる
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  10. 請求項7及び8に記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    前記トップループ入力トルク設定値(T20_set)は、ゼロトルクを表すトップループ入力基準(T20_ref)と、前記グローバルコントローラ(50)から生じるトップループトルク設定値(T20_dyn)の動的成分との組み合わせから生じ、好ましくは代数和から生じる
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  11. 請求項6〜10のいずれか1つに記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    低ループ基準点(P10)で測定又は推定された実下流側荷重(F10_actual)が、「フィードフォワード」(60)と呼ばれる機能によって、低ローカルループ(30)の外側で、トップループ入力トルク設定値(T20_set)を決定するための構成要素として、又は補助モータ(21)に印加されるように意図されたトップループ作動設定値(T20_mot)を決定又は調整するための構成要素としても使用される
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載のパワーステアリングシステムにおいて、
    実下流側荷重(F10_actual)が、最低20Hz、最低25Hz、最低30Hz、更には30Hzを越える帯域幅を有する低ループ基準点(P10)で測定される
    ことを特徴とするパワーステアリングシステム。
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