JP2021508826A - 試料中の分析物と結合する、および/またはそれを濃縮する、および/またはそれを検出するためのセンサボディ - Google Patents

試料中の分析物と結合する、および/またはそれを濃縮する、および/またはそれを検出するためのセンサボディ Download PDF

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Abstract

本発明は、分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのセンサボディに関する。さらに、本発明は、分析物をセンサボディに結合させる方法に関する。さらに、本発明はまた、センサボディに結合した分析物を濃縮および/または洗浄する方法、ならびに試料中の分析物を検出する方法にも関する。さらに、本発明は、試料中の分析物と結合する、および/またはそれを濃縮する、および/またはそれを検出するためのデバイスに関する。

Description

本発明は、分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのセンサボディに関する。さらに、本発明は、分析物をセンサボディに結合させる方法に関する。さらに、本発明はまた、センサボディに結合した分析物を濃縮および/または洗浄する方法、ならびに前記センサボディを使用して試料中の分析物を検出する方法にも関する。さらに、本発明は、試料中の分析物と結合する、および/またはそれを濃縮する、および/またはそれを検出するためのデバイスに関する。
結合アッセイの最も一般的な形態は、目的の分析物と結合する基板に、好ましくはマイクロ粒子またはマイクロスポットに固定化された結合要素を利用する。サンドイッチ状の立体配置では、第2の標識された結合パートナーを、分析物に結合させる。いくつかの種類の洗浄ステップによって未結合の標識が除去されると、センサボディに結合した標識の量が検出され、定量化される。検出されたシグナルは、試料中の分析物の量を示す。概説した手法およびそのバリエーション(競合結合アッセイ、サンドイッチ捕獲アッセイなど)が周知である[1]。いずれの結合アッセイも、分析物を結合させるステップ、非特異的に結合した材料を除去するために洗浄するステップ、結合した分析物を標識付けるステップ、非特異的に結合した標識を除去するための洗浄ステップ、および最後に、(ある種の形態の較正に基づいて)試料中に存在する分析物の量を示すとみなすことができる結合した標識を検出し、その量を定量化するステップを含む。実用上の観点から、結合アッセイを実行するのに必要なステップの数を低減することが極めて望ましい。さらに、いずれの洗浄ステップも、慎重な取り扱いを必要とする。非特異的に結合した材料と同時に、特異的に結合した材料も除去される。その結果、検出される分析物特異的シグナルがより少なくなる。実行されるステップにおける何らかの変化は、シグナルに影響を与えると予想され、したがって、試験アッセイの精度に作用すると予想される。基本的には、結合アッセイは、不均一系および均一系アッセイのカテゴリーに分類することができる[2]。前者は、比較的単純な検出設備および試薬を使用できるという利点があり、それに対して後者は、取り扱いステップを最小限に低減した簡易化ワークフローをもたらす。不均一系アッセイでは、結合した標識された反応物によって放出されたシグナルは、遊離の標識された反応物によって放出されたシグナルと区別できない。それゆえに、それら2つを区別するのに分離ステップが必要である。典型的な不均一系イムノアッセイとしては、ラジオイムノアッセイ(RIA)および酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)が挙げられる。均一系アッセイでは、特異的に結合した標識された反応物によって放出されたシグナルは、遊離の標識された反応物によって放出されたシグナルと異なる。均一系アッセイは、分析物に結合した標識の状態と未結合の状態とを区別することを可能にする特性の試薬の使用によってその特異性を達成する。
繊細な感度および定量化を必要とするアッセイの場合、それでもなお不均一系アッセイがゴールドスタンダードである[3]。
結合した分析物の量、したがって検出されるシグナルを増加させるために、結合領域を増加させたマイクロ粒子の形態の多孔質センサマトリックスが採用されてきた[4]。しかしながら、多孔質材料はまた、非特異的に結合したシグナルを生成する実体を除去するために、より慎重な洗浄を必要とする。多孔質材料は、センサボディの多孔質の内側部分を含む表面全体が洗浄液体に曝露される必要があるため、本質的に平坦な表面を有する固体粒子と比較して追加の時間とより多くの液体体積を必要とする。また特に時間がかかるのは、洗浄溶媒によって放出された非特異的に結合したシグナルを生成する実体を多孔質マトリックスから除去することである。このプロセスは、受動拡散にのみ頼る場合、非常に遅く、むしろ非効率的であり得る。これまで、分析物と結合させるために熱応答性ポリマーおよび抗体のコンジュゲートを使用し、サンドイッチ状の立体配置を確立するために第2の色素で標識された抗体を使用するようなイムノアッセイを実行するために、熱応答性ポリマーが採用されてきた(Auditore-Hargreaves, Monji[5〜7])。溶液の温度をポリマーの臨界的な溶液温度より高い温度に設定すると、ポリマーの相変化の誘発により不特定の沈殿した集合体がin situで形成される。形成された粒子に付着したシグナルの含量は、試料中の抗原の量に比例する。この手法は、in situでのポリマーマトリックスの形成および/またはポリマー集合体の沈殿を必要とし、これらは、沈殿の前には検出および/または視覚的な認識が不可能であり、それらの規定された寸法がないため取り扱いが難しいことから、制御が難しい。
Lottspeich, F., J.W. Engels, and Z.L. Solodkoff, Bioanalytik. 2012: Spektrum Akademischer Verlag. Dinis-Oliveira, R.J., Heterogeneous and homogeneous immunoassays for drug analysis. Bioanalysis, 2014. 6(21): p. 2877-96. Cohen, L. and D.R. Walt, Single-Molecule Arrays for Protein and Nucleic Acid Analysis. Annu Rev Anal Chem (Palo Alto Calif), 2017. Haaijman, J.J., F.J. Bloemmen, and C.M. Ham, Microfluorometric immunoassays with antigens bound to sepharose beads. Ann N Y Acad Sci, 1975. 254: p. 137-50. Auditore-Hargreaves, K., et al., Phase-separation immunoassays. Clin Chem, 1987. 33(9): p. 1509-16. Monji Nobuo, S.W.A.U.S., et al., THERMALLY INDUCED PHASE SEPARATION IMMUNOASSAY | IMMUNOTESTVERFAHREN MITTELS THERMISCH INDUZIERTER PHASETRENNUNG | ANALYSE IMMUNOLOGIQUE A SEPARATION DE PHASE INDUITE THERMIQUEMENT, S.W.U.S.G.S.C.U.S. Genetic Systems Corporation, Editor. 1991: EP. Monji, N. and A.S. Hoffman, A novel immunoassay system and bioseparation process based on thermal phase separating polymers. Appl Biochem Biotechnol, 1987. 14(2): p. 107-20.
それゆえに、バックグラウンドシグナルに対して高いシグナルと最小の取り扱い要件を助長するアッセイおよび試薬が極めて望ましい。
さらに、高いシグナル対ノイズ比をもたらすことができる、さらに、費用がかかる、または時間を要する作業プロトコールを必要としない均一系アッセイが当業界で必要とされている。
第1の態様において、本発明は、分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのセンサボディであって、前記センサボディは、多孔質ポリマー足場および前記ポリマー足場内の間隙の細孔スペースを含み、前記多孔質ポリマー足場は、前記センサボディが曝露される少なくとも1つの外部条件、例えばpH、温度、塩条件、化学物質の存在または非存在の変化に応答するポリマーで構成され、前記多孔質ポリマー足場に、分析物のための1つまたは複数の捕獲剤が付着している、センサボディに関する。
一実施形態において、前記センサボディが曝露される前記少なくとも1つの外部条件の変化に応答する前記ポリマーは、熱応答性ポリマーであり、前記熱応答性ポリマーは、下限臨界溶液温度を有する熱応答性ポリマー(LCSTポリマー)であり、好ましくは、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(pNIPAM)、ポリ[2−(ジメチルアミノ)メタクリル酸エチル](pDMAEMA)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルカプロラクタム)(P(VCL)、およびポリビニルメチルエーテルから選択されるか、または前記熱応答性ポリマーは、上限臨界溶液温度(UCST)を有する熱応答性ポリマーであり、好ましくは、ポリ(N−アクリロイルグリシンアミド)(PNAGA)、ポリ(アリルアミン)−co−ポリ(アリル尿素)およびその誘導体、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルアスパラギンアミド(acryloylaspargineamide))、ポリ(N−メタクリロイルグルタミンアミド)、ポリ(アクリルアミド)−co−(アクリロニトリル)、ポリ(スルホベタイン)、ポリ(ホスホリルコリン)から選択されるかのいずれかである。
一実施形態において、前記応答性ポリマー、特に前記熱応答性ポリマーは、好ましくは、前記ポリマー内の異なるポリマー鎖間を架橋し、それらを相互接続する少なくとも1種の架橋試薬によって架橋されるか、または前記センサボディに隣接する基板、特に実質的に平坦な基板を提供すること、および前記ポリマーの異なるポリマー鎖を前記基板に、特に前記基板の表面に界面架橋することによって架橋される。注目すべきことに、前記少なくとも1種の架橋試薬は、好ましくは、抗体でも抗体断片でもない。それはまた、好ましくは、例えば直接的に、または共通もしくは共有の抗原を介して別の抗体に連結された抗体でも抗体断片でもない。本発明の実施形態によれば、前記ポリマー内の異なるポリマー鎖間を架橋し、それらを相互接続する架橋試薬は、ポリマー上の2つまたはそれより多くの基と反応できる物質である。それゆえに、ヒドロキシル、アミド、またはカルボキシルなどの反応性側基を有するポリマーが、最も架橋しやすいものと予想される。好適な架橋試薬の例としては、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、グリセリントリアクリレート、ジビニルベンゼン、グルタルアルデヒド、ジグリシジルエーテル、ジビニルスルホン、ジイソシアネート、エピクロロヒドリン、塩化ホスホリル、トリメタホスフェート、トリメチロールメラミン、およびポリアクロレインが挙げられる。
一実施形態において、前記センサボディは、拡張および収縮した状態を可逆的にとる能力を有し、好ましくは、前記センサボディが前記拡張した状態にあるとき、間隙の細孔スペースは、前記センサボディの総体積の、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%の体積を有する。一実施形態において、前記間隙の細孔スペースの総体積のおよそ10%〜90%は、前記分析物のアクセスが可能ではないが、溶媒、好ましくは水のアクセスが可能である。
一実施形態において、前記分析物は、核酸、好ましくはDNAまたはRNA、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、タンパク質およびペプチド、脂質、例えばリン脂質から選択される生体分子であり、好ましくは、前記生体分子は、>0.1kDaのサイズ、例えば0.5kDa、好ましくは>5kDa、より好ましくは>10kDa、さらにより好ましくは>50kDaのサイズを有するか、または前記分析物は、ウイルスまたは細胞である。
一実施形態において、前記間隙の細孔スペースは、前記分析物を含有する、またはそれを含有する疑いのある液体試料からの液体を受容するような寸法である。
一実施形態において、前記センサボディは、コア−シェル粒子ではない。
一実施形態において、前記捕獲剤は、所与の分析物に特異的であり、抗体、抗体断片、アプタマー、シュピーゲルマー(spiegelmer)などの核酸、分析物または分析物複合体に特異的に結合することが可能な非抗体タンパク質、例えば受容体、受容体断片、親和性タンパク質、例えばストレプトアビジン、ビオチン、Strep−tag(登録商標)、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノールなどの化学的部分、K=10−8から10−15Mの範囲の親和性で、抗体、抗体断片、アプタマー、シュピーゲルマーなどの核酸、非抗体タンパク質、例えば受容体、受容体断片、親和性タンパク質、例えばストレプトアビジンと特異的に結合することが可能な核酸もしくは核酸類似体タグまたは類似の化学的部分から選択されるか、または疎水性分子または疎水性基を有する分子に特異的に結合することが可能な疎水性構造物から選択され、好ましくは、前記疎水性構造物は、前記分析物の前記検出が実行される条件下で、2より大きいlogDを有する。
用語「logD」は、本明細書で使用される場合、平衡における2つの不混和性相の混合物中の化合物の濃度の比率である、分配係数(D)の対数を指すことを意味する。好ましい実施形態において、用語「分配係数(distribution coefficient)」は、本明細書で使用される場合、「分配係数(partition coefficient)」と同義的に使用される。好ましい実施形態において、「分配係数」は、水および1−オクタノールの混合物中の化合物の濃度の比率を指す。典型的には、このような分配係数の測定は、当業者公知の任意の好適な手法によって行われる。このような好適な手法としては、問題の化合物を所定体積のオクタノールおよび水に溶解させ、次いでさらに各溶媒中のこのような化合物の濃度を測定する「シェークフラスコ法」が挙げられる。他の好適な手法としては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が挙げられる。このようなHPLC手法において、分配係数(D)およびその対数は、その保持時間を、公知の分配係数値を有する類似の化合物と相関させることによって決定することができる。
一実施形態において、センサボディは、好ましくは自由に拡散可能な孤立粒子であるか、または前記センサボディは、基板の表面上に固定化されたスポットであるかのいずれかである。
さらなる実施形態において、前記センサボディは、基板の表面上における既定面積のコーティングである。この実施形態において、センサボディが基板の表面上のスポットまたはコーティングである場合、本発明はまた、前記スポットおよび前記基板のアセンブリ、または前記コーティングおよび前記基板のアセンブリも想定し、それらを包含し、これらのアセンブリは本発明の一部を構成する。
一実施形態において、センサボディは、好ましくは自由に拡散可能な孤立粒子であり、前記孤立粒子は、球形または球状の形状を有し、好ましくは、球形または球状の形状を有し、視覚的に、好ましくは顕微鏡または他の光学的手段で観察できる明確に定められた境界を有する。
一実施形態において、センサボディは、1μmから1mmの範囲の平均直径を有する。
一実施形態において、センサボディは、基板の表面上に固定化されたスポットであり、前記スポットは、視覚的に、好ましくは顕微鏡または他の光学的手段で観察できる明確に定められた境界を有し、好ましくは、1μmから1mmの範囲の基板上の平均固定面積をカバーし、前記スポットの厚さは、前記スポットが曝露される外部条件に応じて、したがって、前記スポットが拡張した状態にあるのか、または収縮した状態にあるのかに応じて変動する。
一実施形態において、前記センサボディは、基板の表面上における既定面積のコーティングである。このような実施形態において、前記コーティングは、視覚的に、好ましくは顕微鏡で、または他の光学的手段によって観察できる明確に定められた境界を有する。
さらなる態様において、本発明は、分析物をセンサボディに結合させる方法であって、
a)上記で規定された本発明によるセンサボディ、および分析物を含有する疑いのある水性試料を任意の順番で提供するステップ;
b)前記センサボディを前記水性試料に曝露し、それによって前記試料中に存在する分析物を、前記センサボディに結合させ、前記センサボディの前記間隙の細孔スペースに液体を入れるステップ
を含む、方法に関する。
前記センサボディが前記水性試料に曝露されたとき、センサボディは、センサボディが拡張した状態をとることを可能にする条件に供されることが好ましい。このような拡張した状態は、前記試料中に存在するあらゆる分析物が前記センサボディに結合するのに好ましく、また前記センサボディの間隙の細孔スペースへの液体の侵入にとっても好ましい。
本明細書に記載される発明による方法の好ましい実施形態において、前記センサボディが曝露され、前記センサボディの前記ポリマーが応答性を有する少なくとも1つの外部条件は、温度であり、応答性ポリマーは、熱応答性ポリマーである。
さらなる態様において、本発明は、センサボディに結合した分析物を濃縮および/または洗浄する方法であって、
c)上記で規定された分析物をセンサボディに結合させる方法を実行するステップ;
d)前記センサボディが曝露される少なくとも1つの外部条件、例えば温度、pH、塩濃度、化学物質の存在または非存在の1つを変化させることによって、前記センサボディの状態を拡張した状態から収縮した状態に変化させ、それによって前記センサボディの前記間隙の細孔スペースに含有される前記液体を押し出すステップ;
e)前記粒子が曝露される少なくとも1つの外部条件、例えば温度、pH、塩濃度、化学物質の存在または非存在の1つを変化させることによって、前記センサボディの状態を、収縮した状態から拡張した状態に変化させ、それによって前記センサボディの前記間隙の細孔スペースに液体を入れるステップ
を含み、
分析物が前記粒子に結合した場合、ステップc)の後にステップd)およびe)が実行され、分析物は、標識されているか、または標識されていないかのいずれかであり;
ステップd)およびe)は、n回繰り返され、nは、1〜1000、好ましくは1〜500、好ましくは1〜250、より好ましくは1〜100、さらにより好ましくは1〜50より好ましくは1〜40、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、さらにより好ましくは1〜20、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20の範囲の整数である、方法に関する。
一実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30から選択される。ステップd)およびe)がn回繰り返され、n>1の場合、分析物の極めて高い純度が達成される可能性があり、すなわち分析物を、極めて純粋な形態で、および/または夾雑物を含まずに得ることができる。
一実施形態において、および/または典型的には、前記ステップc)〜e)の実行の間、前記センサボディが、バルクの水溶液、例えば前記水性試料によって取り囲まれており、前記ステップc)〜e)のうちの少なくとも1つの間、前記バルクの水溶液をかき混ぜることによって、前記センサボディの周辺の液体が交換される。前記バルクの水溶液のかき混ぜは、任意の好適な手段によって、例えば撹拌すること、振盪すること、振ること、叩くこと、または前記バルクの水溶液の移動を達成するのに好適な他のあらゆる機械的な動作によって達成することができる。一実施形態において、ステップc)およびe)を含む前記方法は、反応容器中に、このような実施形態では反応容器などに含有される、センサボディ(または複数のセンサボディ)および分析物を含有する疑いのある前記水性試料を用いて実行され、かき混ぜは、単に、前記反応容器を動かすこと、例えば振盪することによって達成できる。いかなる理論にも縛られることは望まないが、本発明者らは、ステップd)およびe)の繰り返しの組合せは、前記センサボディを取り囲むバルクの水溶液のかき混ぜと共に、多孔質ポリマー足場、および/または前記センサボディの間隙の細孔スペース、および/または前記多孔質ポリマー足場に付着しているあらゆる捕獲剤を通る実質的な材料のフローをもたらし、したがって、前記センサボディへのあらゆる分析物の効率的な結合を可能にすると考える。前記センサボディを取り囲むバルクの水溶液のかき混ぜは、センサボディ周辺において効率的な顕微鏡レベルの液体の交換をもたらし、したがって上述の材料のフローに寄与する。
さらに、ステップd)およびe)の繰り返しは、単独で、または前記センサボディを取り囲むバルクの水溶液のかき混ぜと組み合わせて、単一の容器での方法の実行を可能にし、あらゆる移動ステップ(例えば他の環境への、例えば他の容器への)の必要性を排除する。説明のために言えば、分析物を含有する疑いのある前記水性試料に曝露された後のセンサボディは、前記センサボディによる前記分析物の濃縮を起こすために、曝露が起こった前記容器から除去する必要はない。
さらなる態様において、本発明は、試料中の分析物を検出する方法であって、
− 上記で規定された結合させる方法または濃縮および/もしくは洗浄する方法を実行するステップであって、分析物は、前記センサボディに前記分析物を結合させる前、その間またはその後のいずれかにおいて、標識されているかまたは標識される、ステップ;
− 好ましくは未結合の標識の存在下で、前記センサボディに結合した標識を検出することによって、前記センサボディに結合した前記分析物を検出するステップ
を含む、方法に関する。
上記で規定されたように、分析物を検出する方法の実施形態において、これは、上記で規定されたように、ステップa)およびb)(→分析物をセンサボディに結合させる方法)の実行を伴う。本明細書において、ステップa)およびb)の実行はまた、時にはステップc)の実行とも称され、すなわちステップc)を実行することは、ステップa)およびb)を実行することを意味する。その後、一部の実施形態において、ステップd)およびe)の実行が行われ(→センサボディに結合した分析物を濃縮および/または洗浄する方法)、このような実行は、上記で定義したようにn回繰り返すことができる。さらに、本発明による分析物を検出する方法は、最終的に、前記センサボディに結合した分析物の検出を伴う。これを行うために、好ましくは、分析物は、分析物を前記センサボディに結合させる前、その間、またはその後のいずれかにおいて、標識されているかまたは標識される。前記分析物の検出は、前記センサボディに結合した標識を検出することによって達成される。分析物の標識化は、任意の好適な手段によって、例えば色素、標識された抗体などを介して、達成することができる。
本発明の実施形態によれば、分析物を検出する方法は、単一の反応容器で、すなわちステップa)〜e)および検出ステップで実行される。一実施形態において、このような方法は、いかなる洗浄ステップまたは未結合標識の除去を目的とするいかなるステップも行わずに実行される。本発明に従って達成できる検出可能なシグナルは、いかなる(不要な)バックグラウンドシグナル、例えば蛍光バックグラウンドの除去も必要としない。さらなる態様によれば、本発明はまた、分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのデバイスであって、
− 本明細書で定義される複数のセンサボディを受けるための、および分析物を含有する疑いのある水性試料を受けるための、コンテナ;
− 前記コンテナ中に含有される、本明細書で定義される複数のセンサボディであって、前記センサボディのポリマー足場は、熱応答性ポリマーで構成される、センサボディ;
− 前記コンテナ中の温度を制御し、周期的に変化させるための手段、および
− 必要に応じて、水性試料が前記コンテナ中に存在する場合、それを機械的にかき混ぜるための手段
を含む、デバイスにも関する。
一実施形態において、本発明によるデバイスは、
− 前記コンテナ内のセンサボディ、ならびに存在する場合、前記センサボディのサイズ、外観、光の吸収、光の放出および/または蛍光の変化を検出するように構成された光学検出器
をさらに含む。このような変化は、例えば、分析物、好ましくは標識された分析物が前記センサボディに結合したときに起こり得る。またデバイスが、前記コンテナ内のセンサボディ、および前記センサボディのサイズ、外観、液体の吸収などの変化を検出するように構成された光学検出器も含む実施形態において、デバイスは、試料中の分析物を検出するためのデバイスとして効果的に使用することができる。これはなぜなら、典型的には、前記センサボディのサイズ、外観、光の吸収、光の放出および/または蛍光の変化は、分析物が前記センサボディに結合したときに起こり得るためである。
本発明によるデバイスの実施形態において、前記コンテナ中の温度を制御し、周期的に変化させるための手段は、任意の好適な手段であってもよく、例えば、単独の、または吸熱器と連結された1つまたは数個のペルチェ素子であり、ペルチェ素子は、コンテナと熱的に接続されている。好ましくは、このような前記コンテナ中の温度を制御し、周期的に変化させるための手段は、コンピューター制御されており、すなわち使用者によって操作可能な好適なコンピューターに接続されている。例えば使用者は、どの程度多くの温度変化を実行するか、およびどのような温度値を達成/維持するか、インキュベーションのインターバルが存在する場合、それをどのようなインキュベーションのインターバルを温度変化の間に設けるかなどをプログラムすることができる。
本発明によるデバイスが光学検出器をさらに含む実施形態において、分析物が、前記センサボディに前記分析物を結合させる前、その間またはその後のいずれかにおいて、標識されているかまたは標識されることが好ましい。これは特に、分析物そのものが光学的手段では事前に容易に検出できない場合に当てはまる。この実施形態において、すなわち分析物が特異的に標識される場合、分析物は、前記センサボディに結合したら、前記光学検出器を使用して検出することができる。本発明によるデバイスが光学検出器をさらに含む実施形態において、前記コンテナ中の前記センサボディおよび/または前記センサボディに結合した前記分析物の前記光学検出器による光学的検出を可能にするために、コンテナは、少なくとも部分的に透明である(検出が行われる波長範囲に関して)。本発明の実施形態において、コンテナを密封するかまたは閉じて、既定の反応スペースまたはインキュベーションスペースを提供できることが好ましい。
分析物のための好適な標識は当業者公知であり、例えば蛍光色素または可視的な色素であってもよく、これらは、直接的に、または他の手段、例えば抗体を介して前記分析物に結合していてもよい。本明細書において場合により、このような標識された抗体は、本明細書では標識された検出抗体(「標識された検出AB」)とも称される。
本発明によるデバイスが、水性試料が前記コンテナ中に存在する場合、それを機械的にかき混ぜるための手段をさらに含む実施形態において、分析物を含有する疑いのある試料を機械的にかき混ぜ、それによって1つまたは複数のセンサボディ周辺の、効率的な肉眼で見える液体の交換を達成することが可能である。いかなる理論にも縛られることは望まないが、本発明者らは、このような機械的なかき混ぜは、あらゆる結合表面(例えば前記センサボディ内の間隙の細孔スペース、または前記1つまたは複数のセンサボディの多孔質ポリマー足場に付着している捕獲剤を通る材料のフローを増し、それを支持し、それによって分析物の前記1つまたは複数のセンサボディへのあらゆる結合の効率を強化すると考える。水性試料を機械的にかき混ぜるための手段は、任意の好適な手段であってもよく、例えば、撹拌器、ポンプ、コンテナ(したがってその中のあらゆる試料)を移動するための手段などであってもよい。
本発明者らは、既定の寸法を有し、それらの拡張した状態およびそれらの収縮した状態の両方で検出可能な、肉眼で見える予め作製されたセンサボディを記載する。ボディは、結合が実行される前、インキュベーション/濃縮プロセス中に、結合した分析物を検出するために、個々の構造として観察することができる。さらに、個々のセンサボディエレメントは、複数の相の収縮/膨潤サイクルに供することができる。構造的な完全性は、好ましくは、ポリマーを架橋することによって達成される。架橋は、三次元でポリマー鎖間を架橋する特定の架橋試薬を採用すること、またはこの単一の表面への固定を介してポリマー鎖間の接続を提供する好適な(平面の)基板を採用することのいずれかによって達成される。
センサボディは、典型的には、浮遊性の粒子の形態で、または平坦な基板上のセンサスポットの形態で配列される。センサボディは、その拡張した状態とその収縮した状態のそれぞれにおいて、既定のサイズおよび形状を有する。2つの状態の間の体積の差は、拡張した状態における水性溶媒のアクセスが可能な総細孔体積に比例する。有用なセンサボディは、好ましくは、2つの状態の間で、>50%の体積差、好ましくは80%より大きい、理想的には90%より大きい体積差であることによって特徴付けられる。加えて、センサボディは、一部の細孔は分析物/標識のアクセスが可能であり、他の細孔は小さすぎ、溶媒のみアクセスが可能である特徴的な細孔サイズ分布によって特徴付けられる。
よりさらなる態様において、本発明は、分析物を濃縮するための、ならびに/または分析物を精製および/もしくは洗浄および/もしくは検出するための、本発明によるセンサボディの使用に関する。
前記使用の一実施形態において、前記分析物は、このような使用中に、表面に結合しているか、または表面に結合するようになり、好ましくは、前記表面は、前記センサボディの表面である。
一実施形態において、前記分析物は、検出可能な標識で標識される。
一実施形態において、前記分析物は、試料中に含まれており、前記試料は、水溶液であるか、または体液であり、好ましくは、血液、血漿、血清、唾液、尿、涙、汗、リンパ液、精液、および髄液から選択される。
本発明の実施形態によれば、本発明者らは、分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのセンサボディであって、多孔質ポリマー足場および前記ポリマー足場内の間隙の細孔スペースを含む、センサボディの実施形態を考え出した。センサボディは、結合アッセイ、精製プロトコール、検出方法、増幅方法および類似の方法などの多数の適用に使用することができる。前記センサボディの多孔質ポリマー足場は、好ましくは、熱応答性ポリマーで構成され、1つまたは複数の捕獲剤は、前記多孔質ポリマーマトリックスに付着している。熱応答性ポリマーの使用は、センサボディが、2つの異なる状態をとることを可能にし、すなわち、センサボディが拡張している1つの状態は、水性溶媒に供されると膨潤した状態にもなる。他の状態において、センサボディが収縮し、事前に間隙の細孔スペースを占有している溶媒の大部分が押し出される。本発明によるセンサボディは、2つの状態の間でサイクル化でき、したがって間隙の細孔スペースからの水の可逆的な取り込みおよび排除を可能にするため、新しい液体/緩衝剤を使用する必要なくセンサボディおよびそこに付着したあらゆる分析物の洗浄が可能になる。
用語「センサボディ」は、本明細書で使用される場合、多孔質ポリマー足場および前記ポリマー足場内の間隙の細孔スペースを含む物理的な実体を指すことを意味する。センサボディは、本発明の実施形態によれば、いずれの表面にも付着していない粒子であってもよいし、または基板の表面上に固定化されたスポットであってもよい。いずれかの場合においても、前記センサボディの、すなわち前記粒子および前記スポットの外部の物理的な境界は、光学的に認識可能であり、両方の状態において、好ましくは顕微鏡または他の光学的手段で、視覚的に観察または検出することができる。センサボディが粒子の形態であるように構成される場合、センサボディは、典型的には、基板の表面または別の粒子もしくは実体に付着していない孤立粒子である。好ましい実施形態において、センサボディは、自由に拡散可能であり、例えば水性環境中にあるとき、浮遊性である。センサボディが、スポットの形態であるように構成される場合、センサボディは、典型的には、基板の表面、好ましくは実質的に平坦な基板の表面上に固定されている。この場合において、センサボディ、すなわちスポットは固定されており、それゆえに自由に拡散可能ではなく、水性環境中にあるとき、浮遊性ではない。センサボディがスポットの形態であるように構成される場合、センサボディはまた、表面上に固定化されたスポットのアレイであるように構成されてもよい。表面へのこのようなスポットの固定は、任意の好適な手段によって行うことができ、典型的には、表面上に、または表面と、前記スポットを構成するポリマーを架橋することを含む。このような基板の表面上のスポットの固定は、いかなる介在する層も有さずに直接であってもよいし、または好適な層、例えば、前記表面上への前記スポットの固定を容易にする付着層の使用を含んでいてもよい。またセンサボディは、基板上におけるある程度既定された表面に拡がったコーティングが提供されるように構成されていてもよい。基板を含む実施形態において、本発明はまた、前記スポットおよび前記基板のアセンブリ、または前記コーティングおよび前記基板のアセンブリも想定し、これらのアセンブリは本発明の一部を構成する。
センサボディは、その粒子状の形態で、そのスポットの形態で、またはコーティングとしてのいずれかで、前記センサボディが曝露される外部条件に応じて2つの異なる状態をとることができる。外部条件の一例として温度を考慮に入れ、センサボディが熱応答性ポリマーで構成される多孔質ポリマー足場を含む実施形態と仮定すると、センサボディは、1つのセットの温度条件下では拡張した状態で、別のセットの条件下では収縮した状態で存在し得る。センサボディは、水性環境および拡張した状態にある場合、それは膨潤した状態でもあり、これは、その間隙の細孔スペースが、顕著な程度または大部分が水で満たされていることを意味する。条件が変化すると、例えばLCSTポリマーの場合、下限臨界溶液温度(LCST)を超えて加熱されると、ポリマーは収縮し始め、センサボディは収縮した状態をとり、前記間隙の細孔スペース内に存在するあらゆる水がそこから追い出され始める。温度が再びLCST未満に下がると、ポリマーは再び弛緩し、センサボディは再び拡張した状態に戻り、それにより間隙の細孔スペースへの水の取り込みが可能になる。本発明によるセンサボディは、これらの2つの状態間で可逆的にサイクル化することができる。さらに、本発明によるセンサボディは、単に外部条件が変化すると溶液から沈殿する不特定の集合体とは対照的に、既定の寸法であるため、本発明によるセンサボディは取り扱いも簡単である。これは、本発明によるセンサボディは事前に製作されており、このことは、それらの製造が、それに続く検出反応でのそれらの使用とは別に行うことができることを意味するからである。さらに、本発明によるセンサボディは、長期間にわたり貯蔵でき、本発明によるセンサボディはまた、乾燥されていてもよく、例えば凍結乾燥されていてもよい。さらに、本発明によるセンサボディは、それらそれぞれの周囲環境から容易に検出および認識が可能である。
いかなる理論にも縛られることは望まないが、本発明者らは、本発明による、センサボディ内の、すなわち粒子またはスポット内の間隙の細孔スペースの存在は、前記センサボディを構成するポリマーが好ましくは架橋されることによって達成されると考える。このような架橋は、重合プロセス中に、例えば二官能性または多官能性の単量体を使用することによって、または全体で別々の架橋剤を使用することによって導入してもよいし、またはこのような架橋は、重合後に、後続の化学反応によって達成してもよい。注目すべきことに、本発明による架橋剤は、抗体でも抗体断片でもない。好適な架橋剤、例えばpNIPAMのための架橋剤の典型的な例は、N,N’−メチレンビスアクリルアミドである。架橋は、特に粒子として設計されるセンサボディに関して、ポリマーのバルクで行われてもよい。このような架橋は、本明細書では場合により、バルクの架橋とも称される。センサボディが、スポットまたはスポットのアレイまたは既定のサイズの表面コーティングになるように構成される場合、架橋は、界面架橋によって達成されてもよく、これは、前記スポットまたは前記コーティングのポリマーが基板の表面に架橋されることを意味する。しかしながら、このような界面架橋に加えて、本発明によるスポットまたはコーティングはまた、それでもなお上記で概説および定義したようなある程度のバルクの架橋を含む場合もある。
本発明の実施形態によれば、多孔質ポリマー足場は、外部のトリガーへの応答性を有するポリマーで構成され、このような外部のトリガーは、物理的なトリガー、例えば温度または圧力であってもよいし、または化学的なトリガー、例えば前記センサボディが曝露される特定の化学物質またはpH値の存在または非存在であってもよい。好ましい実施形態において、このような外部のトリガーは、温度であり、応答性ポリマーは、熱応答性ポリマー、例えば下限臨界溶液温度(LCST)ポリマーまたは上限臨界溶液温度(UCST)ポリマーである。
用語「細孔」は、本明細書で使用される場合、前記センサボディ中の管、くぼみ、トンネル、内腔または穴であって、それらのサイズおよびこのような細孔のサイズに応じてそこに化学的部分が拡散できるものを指す。このような細孔の全体が、前記センサボディ内の「間隙の細孔スペース」を構成する。前記センサボディの多孔質ポリマー足場内に、前記センサボディの間隙の細孔スペースが含まれる。前記センサボディの多孔質ポリマー足場は、好ましくは、熱応答性ポリマーで構成される。用語「熱応答性ポリマー」は、その物理的な性質、特にその水への親和性が前記ポリマーが曝露される外部温度に依存するポリマーを指す。一実施形態において、本発明による熱応答性ポリマーは、温度に応じて水への親和性の変化を示す。本発明による好ましい実施形態において、熱応答性ポリマーは、下限臨界溶液温度(LCST)を有する熱応答性ポリマーであり、これは、このような下限臨界溶液温度未満で、ポリマーは水和した拡張した状態にあり、下限臨界溶液温度より高温で、ポリマーは収縮した水和していない状態にあることを意味する。センサボディを2つの状態の間でサイクル化することによって、繰り返して、かつ可逆的に、センサボディ中に水/溶媒を受容し、その後センサボディからそれを再び追い出すことが可能になる。これは、洗浄作用を達成する。このような洗浄作用は、特に、粒子内に受容された総液体体積の既定の割合、例えば総液体体積の10%〜90%が、分析物および/または標識のアクセスが不可能であるような(例えば分析物のサイズのために)細孔サイズ分布を間隙の細孔スペースが有する場合、達成される。センサボディが拡張した状態にある場合、溶媒は、全ての、もしくは実質的に全ての細孔または既定の割合の細孔へのアクセスを有し、分析物は、(より大きい)細孔の一部のみへのアクセスを有する。センサボディが収縮した状態に変換される場合、溶媒は間隙の細孔スペースから絞り出され、センサボディ内/中に結合した分析物のみが残り、それに対して他の(未結合の)溶質は、「絞られた」細孔のいずれの捕獲剤によっても保持されていないため、それらは洗い落とされる。一実施形態において、本発明による粒子状のセンサボディは、1μmから1mmの範囲の平均サイズを有する。用語「〜から〜の範囲の平均サイズを有する」は、本発明によるセンサボディと共に使用される場合、このようなセンサボディの最長の寸法を指すことを意味する。一実施形態において、このようなセンサボディのこのような最長の寸法は、特にセンサボディそのものが球形、半球形、球状、半球状または類似の「斑点様」もしくは「液滴様」の形状を有する場合、このようなセンサボディの直径である。
一実施形態において、センサボディの拡張した状態において、細孔は、分析物が、それらの90%より多くまでアクセスを有さないが水はアクセスを有するようなサイズを有する。これは、センサボディの表面上の分析物の富化および濃度に特に有用であり、センサボディが拡張した状態と収縮した状態との間で可逆的にサイクル化される場合、効率的な洗浄を可能にする。別の実施形態において、本発明によるセンサボディの拡張した状態において、分析物と溶媒の両方は、細孔のほとんどに、例えば90%またはそれより多くにアクセスを有する。これは、分析物の結合に利用可能な極めて大きい表面を効果的にもたらし、同時に、センサボディが2つの状態の間で可逆的にサイクル化される場合、効率的な洗浄も達成することができる。
一実施形態において、前記センサボディの体積、好ましくは前記間隙の細孔スペースの体積は、分析物の結合、濃縮、洗浄または検出に利用可能なスペースまたは区画の寸法、すなわち前記センサボディが使用されるあらゆる用途に利用可能なスペースまたは区画の寸法を画定し、限定する。
一実施形態において、本発明による粒子状のセンサボディまたはセンサスポットは、0.5fL(直径1μm)から0.5μL(直径1mm)の範囲の体積を含む。
本発明による粒子状のセンサマトリックスは、例えば市販のドロップレットジェネレーターを使用して、例えば熱応答性ポリマーの乳化重合によって、非水性相中の水性液滴として容易に製造することができる。それらの製造は、時間およびスペースの両方において、後続の検出反応とは別々に実行してもよい。その後、このようにして生成したポリマー液滴は、非水性相から水性相に移動することができる。捕獲剤は、重合の前に、個々の単量体に付着させてもよいし、または捕獲剤は、重合の後に、熱応答性ポリマーに付着させてもよい。センサスポットは、好適な基板上に試薬をスポッティングすることによる、最先端のマイクロピペッティングまたはマイクロアレイ化技術を使用して製造することができる。
基板を含む実施形態において、基板は、本発明によるスポットの固定に好適なあらゆる基板であってもよく、例えばスライドガラス、チップなどである。
一実施形態において、本発明によるセンサボディは、多孔質ポリマーマトリックスおよび前記ポリマーマトリックス内の間隙の細孔スペースからなり、前記多孔質ポリマーマトリックスは、熱応答性ポリマーで構成され、1つまたは複数の捕獲剤は、前記多孔質ポリマーマトリックスに付着している。
用語「Strep−tag(登録商標)」は、本明細書で使用される場合、典型的には、配列−Ala−Trp−Arg−His−Pro−Gln−Phe−Gly−Gly−COOHを有するペプチド(Strep−tag(登録商標))または・・・−Asn−Trp−Ser−His−Pro−Gln−Phe−Glu−Lys−・・・を有するペプチド(Strep−tag(登録商標)II)であって、ストレプトアビジン(Strep−Tag(登録商標)およびStrep−tag(登録商標)II)またはストレプトアビジンの操作された形態、すなわち「StrepTactin(登録商標)」(Strep−tag(登録商標)II)に、ただし高親和性で可逆的に結合するものを指す。
用語「logD」は、本明細書で使用される場合、平衡における2つの不混和性相の混合物中の化合物の濃度の比率である、分配係数(D)の対数を指すことを意味する。好ましい実施形態において、用語「分配係数」は、本明細書で使用される場合、「分配係数」と同義的に使用される。好ましい実施形態において、「分配係数」は、水および1−オクタノールの混合物中の化合物の濃度の比率を指す。典型的には、このような分配係数の測定は、当業者公知の任意の好適な手法によって行われる。このような好適な手法としては、問題の化合物を所定体積のオクタノールおよび水に溶解させ、次いでさらに各溶媒中のこのような化合物の濃度を測定する「シェークフラスコ法」が挙げられる。他の好適な手法としては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が挙げられる。このようなHPLC手法において、分配係数(D)およびその対数は、その保持時間を、公知の分配係数値を有する類似の化合物と相関させることによって決定することができる。
本発明の実施形態によれば、捕獲剤は、前記センサボディの表面で、前記多孔質ポリマー足場に付着している。別の実施形態において、捕獲剤は、前記間隙の細孔スペース内の前記多孔質ポリマー足場に付着している。さらに別の実施形態において、捕獲剤は、前記センサボディの表面と前記間隙の細孔スペース内の両方で、前記多孔質ポリマー足場に付着している。両方の配置、すなわちセンサボディの表面および間隙の細孔スペース内の配置は、本発明によるセンサボディの意図した使用に応じて自由に調整することができる。
本発明者らは、驚くべきことに、上述した最先端技術の限界は、本明細書で定義される本発明によるセンサマトリックスを採用することによって、さらに新しいアッセイスキームを使用することによって克服できることを見出した。このスキームの実施形態には、外部条件の変化への応答性を有する架橋ポリマー、例えば温度応答性ポリマー(例えばpNIPAMまたは類似のポリマー)を含むかまたはそれからなる新しい種類のセンサボディが採用される。いかなる理論にも縛られることは望まないが、本発明者らは、温度応答性ポリマー(または熱応答性ポリマー)、例えばLCSTポリマーが、既定の温度(例えばpNIPAMの場合は32℃)より高温の水性環境中で加熱されると、膨潤した拡張した状態から収縮した状態への可逆的な下限臨界溶液温度(LCST)相転移を経ると考える。いかなる理論にも縛られることは望まないが、この転移の間、センサボディの事前に膨潤したポリマー足場は疎水性にされ、実質的に体積を失う(90%を超える量まで)。マイクロセンサボディの細孔内に含有される水性の液体のほとんどが追い出される。ポリマーは、マイクロセンサボディのアクセス可能な表面上で捕獲剤(例えば抗体)を受容するように改変されていてもよい。このような表面コーティングされたセンサボディを、分析物を含有する溶液と接触させると、分析物は、捕獲剤(または「結合要素」)に結合し、したがって、センサボディ表面上に固定されると予想される。分析物への親和性を有する標識化剤も溶液中に存在するかまたは溶液に添加される場合、センサボディ上の結合した分析物に結合すると予想される。温度が特定のLCSTより高い温度になる場合、センサボディは、相転移を経る。それにより、センサボディ内から液体が押し出される。
実施形態において、このプロセスは繰り返すことができ、そのため、材料の効率的な交換が達成される。LCSTより高い温度レベルとそれより低い温度レベルの間で温度サイクルを繰り返すことにより、センサボディの表面上で周期的な液体の交換が達成される。これは、センサボディの表面上で、溶液から分析物および標識を効率的に富化することを可能にする。
検出のために、富化プロセスが完了したら、または結合反応に適切なあらゆる時間の後に、センサボディは単にLCSTより高い温度で加熱すればよい。センサボディに関連して検出されるシグナルは、結合した分析物のみに由来すると予想され、全ての液体がマイクロセンサボディから追い出されたときのいずれの未結合の材料によっても損なわれないと予想される。この非常に基本的なアプローチを適用することによれば、いずれの洗浄ステップも行わなくてもよく、通常は均一系アッセイに必要な洗練されたツールではなく簡単な直接の標識を使用することを可能にする多種多様なアッセイを構築することができる。別の実施形態において、応答性ポリマーは、逆方向ではあるが上述したのと同じ考察が当てはまるUCST熱応答性ポリマーである。
以下において、このような結合アッセイに含まれる基礎的な成分を、例示的に、例えば蛍光サンドイッチイムノアッセイをベースとして、以降例示する。
本発明は、以下の例示的な態様によって、分析物の結合アッセイを実行することにおける多数の問題に取り組む。
I.シグナル強度
分析物が、シグナル生成手段として機能する検出可能な標識と結合するために、センサボディの体積を増加させることが望ましい。しかしながら、検出に光学的手段が使用される場合、シグナルが収集される体積単位当たり最大の可能性のあるシグナル強度を生成させるために、シグナル生成手段の体積をできる限り小さく濃縮することが非常に有用である。捕獲剤がその表面に、特に多孔質ポリマーマトリックスの曝露された表面、したがって間隙の細孔スペースの表面に固定された概説したセンサボディは、結合した材料によって生成されたシグナルを効率的に増大させることを可能にする。
センサボディに付着したシグナルは、センサボディに結合した標識の数をセンサエレメントの総体積で割った値に比例する。センサボディが小さいほど、シグナルはより高くなる。これを図3に示す。
図4aおよび4bの画像は、LCSTより低い温度(図4a)およびそれより高い温度(図4b)で付着したフィコエリトリン−ストレプトアビジン(PE−SA)コンジュゲートを有するビオチン化したpNIPAMからなるマイクロ粒子を示す。300kDaを超える分子量を有するPE−SAコンジュゲートは、この実施形態によるセンサボディの平均細孔サイズより大きいため、結合は、センサボディの外部表面で優勢に起こる。それゆえにシグナルは、センサボディの外縁で濃縮される。
II.クリーンな緩衝剤を用いたin situ(均一系)の洗浄、表面の効率的な脱マスキング、サイズ排除
本アプローチの1つの特定の利点は、センサボディ細孔のサイズ分布が調整可能であり、したがって、細孔の既定の画分が、いかなる巨大分子も吸収せず、それに対して他の細孔が、より大きい分子の取り込みに好適なサイズであるという事実によって提供される。したがって、センサボディは、本質的に巨大分子から精製された液体を吸収する。センサボディの収縮によって、液体がセンサボディ内から追い出され、より大きい細孔の表面を洗浄するためのクリーンな緩衝剤として役立つ。サイズ選択的な取り込みは、図5から理解することができる。
図5は、リン酸緩衝塩類溶液(PBS)中のフィコエリトリン−ストレプトアビジン(PE−SA)からの蛍光バックグラウンドに対する膨潤したマイクロ粒子を示す。粒子のセンサボディは、小さい細孔を有し、タンパク質を内部に入らせない。しかしながら、緩衝剤は吸収され、結果として、センサボディに緊密に近接してPE−SAの局所的な増加が起こる(図5a)。温度がLCSTより高い温度に増加する場合、緩衝剤は追い出され、したがってクリーンな緩衝剤がセンサボディを取り囲む。これは、図5bにおいて、収縮したマイクロ粒子周辺の暗い光輪によって反映される。
センサボディの実施形態のこの特定の特性は、外部的に液体を交換することなく、センサボディの表面をクリーンな液体に曝露することを可能にする。発明者らが知る限り、このアプローチは、以前に記載されたことはない。
サイズ排除の特色は、試料中に存在するより大きい分子集合体または細胞によるマスキング作用に対するロバスト性の増加をもたらす。多孔質構造および間隙の細孔スペースは、分析物より大きい材料の排除を確実にする。さらに、各温度サイクル後に内から追い出された液体が、センサボディの表面に付着したあらゆる材料の効率的な除去を確実にし、したがってセンサボディは、いずれかの結合領域または捕獲剤を覆い、それ以外の状況ではそれらに分析物がアクセスできないようにする可能性がある大きい構造またはデブリを含有する試料をベースとしたアッセイに特に有用である。
III.周期的な拡張/収縮による富化
拡張/収縮サイクルは、センサボディ表面における材料/液体の交換速度を増加させる機会を提供する。これは、センサボディを通って液体をポンプで能動的に送ることを可能にし、したがって試料液体とセンサボディ表面との全ての間の相互作用に必要なインキュベーション時間を低減する。したがって、結合アッセイで使用される従来のセンサマトリックスと比較して、提唱されているセンサボディおよびアッセイ方法は、インキュベーション時間の低減および結合効率の増加を可能にする。
従来、その表面積/体積およびインキュベーション時間によって反映されるセンサボディの能力は、試料から分析物を捕獲する能力、したがって捕獲効率およびアッセイ感度を定義する。粒子が使用される場合、より多くの粒子が提供されれば、結合する可能性がより高くなり、結合を達成するのに必要な時間もより短くなるという法則になる。しかしながら、アッセイで使用される粒子の数を増加させると、粒子1個当たりのシグナルが低減される。それゆえに、インキュベーション時間および粒子の数は、各アッセイにつき慎重にバランスを取る必要があり、そのため最適化のための重要なパラメーターである。捕獲効率の増加は、センサボディ1個当たりのシグナルが低減される場合、必ずしも改善された感度をもたらすとは限らない。新しい温度サイクル化プロセスは、改善された液体の交換を容易にし、したがって単位時間当たりの粒子1個当たりの結合を増加させる。これは、インキュベーション時間の低減をもたらし、アッセイに使用される粒子の数を少なくする。図6は、シグナル強度に対する粒子数増加の作用を例示し、効率的な液体の交換の値を例示する。1nLおよび10nLの平均体積を用いて粒子ごとに計算されたデータは、サイクルごとに新しい液体の30%が各粒子中のセンサボディ表面に曝露されるという仮説に基づく。試料の総体積は、100μLに対して設定される。
提唱される手法および新規の粒子は、捕獲効率を損なうことなくより少ないセンサボディを使用することを可能にする。さらにそれは、単により多くの温度サイクルを実行することによって感度を改善することを可能にする。
さらに、図面について述べる。
図1は、前記ポリマー足場内の間隙の細孔スペースを有する多孔質ポリマー足場を含む粒子を示す本発明による粒子状のセンサボディの実施形態を示し、前記多孔質ポリマー足場は、熱応答性ポリマーで構成され、捕獲抗体の形態での1つまたは複数の捕獲剤は、前記多孔質ポリマー足場に付着している。また、さらなる抗体に付着したフルオロフォア標識の形態の検出可能な標識、分析物、試料中の他の抗原および溶媒も示される。
図2は、センサボディの拡張した、膨潤した状態と収縮した状態との間の変換の可逆的なプロセスを示す。このような変換は、前記センサボディが曝露される少なくとも1つの外部条件、例えば温度、pHまたは塩濃度を変化させることによって起こり得るる。好ましい実施形態において、このような変換は、前記センサボディが曝露される温度を変化させることによって起こる。
図3は、粒子の体積に対する、LCSTポリマーを含む粒子状のセンサボディ(=粒子)に関連するシグナルの依存性を示す(例えば、標識された分析物は、前記センサボディに結合させてあるため)。LCSTより高い温度で、センサボディは、より小さい直径を有し、シグナル強度は、より大きい。LCSTより低い温度で、センサボディは、より大きい直径を有し、シグナル強度は、より小さい。
図4は、LCSTより低い温度(図4a)およびLCSTより高い温度(図4b)で付着したフィコエリトリン−ストレプトアビジン(PE−SA)コンジュゲートを有するビオチン化したpNIPAM粒子の画像を示し、PE−SAコンジュゲートは、この実施形態のセンサ粒子の平均細孔サイズより大きい300kDaを超える分子量を有するため、結合は、この実施形態の粒子の外部表面で優勢に起こる。それゆえに、この例において、検出可能なシグナルは、粒子の外縁で濃縮される。
図5は、リン酸緩衝塩類溶液(PBS)中のPE−SAからの蛍光バックグラウンドに対する膨潤した粒子の実施形態を示す。この実施形態において、粒子は、小さい細孔を有し、タンパク質を内部に入らせない。しかしながら、緩衝剤は吸収され、それにより、粒子に緊密に近接してPE−SAの局所的な増加が起こる(図5a)。温度がLCSTより高い温度に増加する場合、緩衝剤は追い出され、したがってクリーンな緩衝剤が粒子を取り囲む。これは、粒子周辺の暗い光輪によって反映される(図5b)。
図6は、シグナル強度に対する粒子数増加の作用(左のy軸)を示す。加えてこのグラフは、液体の交換の値(右のy軸)を例示する。データは、1nLおよび10nLの平均体積を用いて粒子ごとに計算されたものであり、サイクルごとに新しい液体の30%が粒子表面に曝露されるという仮説に基づく。試料の総体積は、100μLになるように設定される。
図7は、それぞれ異なるバインダー(「捕獲剤」)(1、2、3)が付着したセンサボディからなるセンサスポットの実施形態のグラフ表示を示す。スポットは、基板の表面に付着している。化学的付着層が示されており、これは、より優れた付着を、特に、個々のポリマー分子を架橋するのに他の架橋剤が使用されない場合に実現する。
グラフは、膨潤/収縮の作用を例示する。右側に、膨潤(上)および収縮(状態)におけるこのようなセンサスポットの顕微鏡画像を示す。白色は、密集した収縮したマトリックスによる光回折に起因するが、それに対して膨潤したマトリックスは、ほぼ透明に見える。わずかに異なる実施形態において、様々なスポットは、相互連結されるかまたは互いに接続されてもよく、したがって基板の表面上の既定の寸法のコーティングを形成する。
図8は、本発明の実施形態によるアッセイの原理を示し、抗原、例えばデング熱NS1抗原を結合させ、富化し、本発明によるセンサボディ、例えばpNIPAMセンサボディを使用して、捕獲剤、例えば捕獲抗体(捕獲AB)および標識された検出抗体(検出AB)を含むイムノアッセイ様式で検出する。この例において、センサボディ(本明細書および図面では、時には「粒子」とも称される)は、ビオチン(「Bio」)で標識され(「ビオチンで標識された捕獲粒子」)、捕獲抗体は、ストレプトアビジンとカップリングされ(「ストレプトアビジンとカップリングされた捕獲AB」)、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を介してセンサボディに付着している。センサボディを、分析物、例えばデング熱NS1抗原でスパイクされた試料に曝露し、温度の周期的な変化(20〜50回、例えば40回)に供し(好適な温度制御手段、例えばコンピューターによって制御されたペルチェ素子を使用して)、センサボディに、拡張および収縮した状態を可逆的にとらせる。必要に応じて、試料はまた、任意の好適な手段、例えばポンプ、撹拌器、反応容器/コンテナ全体の振盪などによって機械的にかき混ぜてもよい。
センサボディによる分析物の結合およびそれらの富化に加えて検出は、同じ容器内、例えば本発明によるデバイスのコンテナ内で行われる。富化は、何らかの洗浄ステップまたは別のコンテナへの移動が必要なくなる程度に行われる。したがって、本発明によれば、本発明による方法は、単一の容器で実行できることから、本明細書では、時には「ワンポット方法」または「ワンポットプロトコール」とも称される。
図9は、多孔質ポリマー足場を構成するポリマーとしてpNIPAMを使用した本発明の実施形態による6種の例示的な異なるセンサボディ(「pNIPAM粒子調合物」)(棒グラフの真下に「1」〜「6」と標識した)の結合能力およびシグナル強度の特徴付けを示す。図の上の部分は、分析物(この場合はNS1)のセンサボディへの結合および富化の後の、それぞれのセンサボディ1〜6の(蛍光)シグナル強度のプロットを示す。各センサボディ1〜6につき、シグナルは、隣同士の一対の2つのバーとして、すなわち、センサボディが収縮した状態にある(各対の右側の薄灰色のバー)、すなわちポリマーのLCSTより高い温度の場合、およびセンサボディが拡張した状態にある(各対の左側の濃い灰色のバー)、すなわちポリマーのLCSTより低温の場合として示される。センサボディが収縮した状態にある場合、シグナルが顕著に強いことは明らかである。様々な粒子/センサボディを合成した(グラフ中のそれぞれのバーの真下に番号1〜6で示される)。粒子は、ポリマーの濃度、共重合用単量体のタイプおよび濃度、ならびに架橋の程度に関して異なっていた。より具体的には、粒子/センサボディの組成は以下の通りであった。
図の下の部分は、最適な曝露設定における蛍光性センサボディの画像を示し、センサボディは、拡張した状態(上の列)および収縮した状態(下の列)で示される。上のグラフは、1秒の曝露時間に正規化した。
図10は、図8で概説した原理に従う検出アッセイの結果を示す。ICLからのスパイクされたNS1血清型2の希釈試料(http://www.icllab.com/)を、NS1捕獲抗体(「01961−ストレプトアビジン」、http://www.meridianbioscience.eu/から得られた抗体、https://www.expedeon.com/products/protein-antibody-conjugation/lightning-link-antibody-labeling-kits/biotin-streptavidin-labeling-kits/から得られたストレプトアビジン標識キット;製造元の説明書に従って標識化)が付着した、本発明による(ビオチン化した)センサボディを使用して、さらに、標識された検出抗体(「1838−R−フィコエリトリン」、http://www.meridianbioscience.eu/から得られた抗体、https://www.expedeon.com/products/protein-antibody-conjugation/lightning-link-antibody-labeling-kits/fluorescent-dyes-and-proteins/からのR−フィコエリトリン標識キット;製造元の説明書に従って標識化)を使用してアッセイした。センサボディを既定濃度のNS1を有する希釈試料に曝露し、図8に関して記載したように、温度のサイクル化を20〜50回実行した。アッセイから、精巧な最適化を行わずとも非常に優れた性能であることが示された。さらに低い濃度の抗原(2ng/ml、5ng/ml)でも、確実かつ明確に陰性対照試料から識別することができた。左側のパネルは、図の右側のパネルの部分拡大図である。また陰性対照(抗原を含まない血漿)も示され、それにおいてセンサボディは概ね認識できるが、有意な蛍光シグナルは検出できない。
さらに以下の実施例について述べるが、これらは例示のために記載されたものであり、本発明を限定しない。
(実施例1)
検出粒子の合成
センサボディ重合ミックスの生成
成分1(水性相):
重合ミックス1mL当たりの成分
成分2(油相):
ミックスをそれぞれ4回の脱気−パージサイクルで別々に脱気し、アルゴンでパージした。その後、ミックスを、アルゴン雰囲気下でピペットで取ってBioRadドロップレットジェネレーターチップDG8のそれぞれのウェルに入れた。60μlの油相を各油相リザーバに入れ、25μlの水性相を各水性相リザーバに入れた。
次いで、液滴生成のためのBioRadのプロトコール(QX200(商標)ドロップレットジェネレーター使用説明書マニュアル10031907 RevC)に従った。代替として、チップは、手動での操作も可能であった。その目的のために、50mLシリンジを、チューブおよび好適なアダプターによってドロップレットジェネレーターチップの液滴リザーバに接続する必要がある。接続する前に、プランジャーを30mLの位置に設定する。水性相および油相を満たした後、プランジャーを50mLの位置まで手動で伸ばして、システムに既定の圧力をかける。油相または水性相リザーバが空になる直前に、圧力を放出する。
液滴リザーバを粘着テープで覆った。液滴を室温で60分重合させた。ミックス1の使用は、架橋された約10%のpNIPAMゲルからなる粒子を送達する。ミックス2は、架橋された約5%のpNIPAMゲルからなる粒子を送達する。後者は、前者と比較してより大きい細孔幅を示す。ゲルおよび架橋のパーセンテージは変更することができる。
より大きいサイズを有する粒子が必要な場合、重合ミックスのアリコートを、ピペットで取って、または好適なディスペンサーツールによって分配して油相に入れてもよい。多種多様の手動または自動ディスペンサーツールが商業的に入手可能である。使用されるツールに応じて、粒子サイズは、広い範囲にわたり変更することができる。重合ミックスの多数の液滴を、1体積の油に分配してもよいし、同様に、油1体積当たり単一の液滴を分配してもよい。自動ディスペンサーツールと自動x/yステージおよび例えばマイクロタイタープレートのようなマルチウェル油リザーバとの組合せが、短時間で多数の粒子の作製を可能にする。
粒子の回収および水性相への移動
重合プロセスを完了させた後、油相をできる限り多く、ピペットを使用して、pNIPAM粒子を除去しないように注意を払いながら液滴リザーバから穏やかに引き出す。次いで、50μlの水中の1%(v/v)のTriton X−100をピペットで取って粒子に入れる。粒子が液滴チップの壁にくっつかないように、内容物を上下にピペッティングすることによって混合する。内容物をエッペンドルフチューブに移し、このプロセスをもう1回繰り返す。移動プロセスは、粒子の大部分がこのステップで失われないように、双眼顕微鏡下でモニターすることができる。
次いでチューブを2000gで1分遠心分離する。油相(下)と水性相(上)とがここでよく分離され、その相間に粒子が含有される。200μlの密度勾配媒体(Optiprep、Axis shield)をここでゆっくりピペットで取ってチューブに入れる。水性相と密度勾配媒体との過剰な混合を防ぐことが重要である。理想的には、密度勾配媒体のほとんどが粒子相の下に入り込む。チューブを2000gで2分遠心分離する。その後、密度勾配媒体相が、油相と粒子相との間に配置される。ここで粒子相を新しいチューブに移してもよい。このステップにおいて、新しいチューブに、油の体積を少しも移さないこと、および密度勾配媒体の体積をできる限り小さくすることに注意を払う必要がある。
1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を、粒子を含有するチューブに添加する。内容物を混合し、2000gで2分遠心分離する。ここで粒子をチューブの底部にペレット化する。上清を除去し、チューブ中に粒子を残す。1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を再びチューブに添加し、洗浄プロセスを5回繰り返す。最後に、粒子を、以下のプロセスに好適な所定体積の緩衝剤に溶解する。これは、例えば、100μlのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100であってもよい。
センサボディの下限臨界溶液温度の挙動の観察
25μlの粒子の希釈した懸濁液を、Lejaの100μmチャンバースライド(/https://leja.nl)に移す。スライドを、加熱/冷却素子と直接接触させる迅速な温度のサイクル化が可能なペルチェ素子30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、#QC−71−1.4−3.7M)上に置く。全体の設備は、暗視野照明を備えた双眼顕微鏡下に置く。システムの温度が32℃未満に設定される場合、センサボディは透明であり、ほとんど目に見えない。32℃またはそれより高い温度で、センサボディは不透明になる:すなわち粒子は白色になり、縮む。再び32℃未満の温度に設定することによって、粒子は膨潤し、再び透明になる。このプロセスは可逆的であり、迅速なサイクルで多くの回数繰り返すことができる。ペルチェ素子の加熱および冷却速度が十分であり、システム全体の熱伝導率が十分であると仮定すると、20秒未満のサイクル時間(加熱、縮むこと、冷却、膨潤)を達成することができる。
ビオチンで改変されたpNIPAM粒子のための重合ミックスの生成
成分1(水性相):
ビオチンで改変された単量体ミックスの作製:
ビオチンで改変されたアクリル酸単量体を別々の反応で作製した。反応ミックスは、アクリル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(活性化されたアミノ反応性アクリル酸単量体)およびビオチン−dPEG7−NH2(アミノ基で終結したPEG7スペーサーアームで改変されたビオチン誘導体)からなっていた。
反応ミックスを25℃で30分インキュベートした。このミックスを、さらなる精製をまったく行わずにpNIPAM重合反応に使用した。
重合ミックス1mL当たりの成分
成分2(油相):
ミックスをそれぞれ4回の脱気−パージサイクルで別々に脱気し、アルゴンでパージした。その後、ミックスを、アルゴン雰囲気下で、BioRadドロップレットジェネレーターチップDG8のそれぞれのウェルにピペットで取って入れた。60μlの油相を各油相リザーバに入れ、25μlの水性相を各水性相リザーバに入れた。
次いで、液滴生成のためのBioRadのプロトコール(QX200(商標)ドロップレットジェネレーター使用説明書マニュアル10031907 RevC)に従った。代替として、チップは、手動での操作も可能であった。その目的のために、50mLシリンジを、チューブおよび好適なアダプターによってドロップレットジェネレーターチップの液滴リザーバに接続する必要がある。接続する前に、プランジャーを30mLの位置に設定する。水性相および油相を満たした後、プランジャーを50mLの位置まで手動で伸ばして、システムに既定の圧力をかける。油相または水性相リザーバが空になる直前に、圧力を放出する。
液滴リザーバを粘着テープで覆った。液滴を室温で60分重合させた。ミックス1の使用は、架橋された約10%のpNIPAMゲルからなるビオチンで改変された粒子(「センサボディ」)をもたらす。ミックス2は、架橋された約5%のpNIPAMゲルからなるビオチンで改変された粒子(「センサボディ」)をもたらす。後者は、前者と比較してより大きい細孔幅を示す。ゲルおよび架橋のパーセンテージは変更することができる。
粒子の回収および水性相への移動
重合プロセスを完了させた後、油相をできる限り多く、ピペットを使用して、pNIPAM粒子を除去しないように注意を払いながら液滴リザーバから穏やかに引き出す。次いで、50μlの水中の1%(v/v)のTriton X−100をピペットで取って粒子に入れる。粒子が液滴チップの壁にくっつかないように、内容物を上下にピペッティングすることによって混合する。内容物をエッペンドルフチューブに移し、このプロセスをもう1回繰り返す。移動プロセスは、粒子の大部分がこのステップで失われないように、双眼顕微鏡下でモニターすることができる。
次いでチューブを2000gで1分遠心分離する。油相(下)と水性相(上)とがここでよく分離され、その相間に粒子が含有される。200μlの密度勾配媒体(Optiprep、Axis shield)をここでゆっくりピペットで取ってチューブに入れる。水性相と密度勾配媒体との過剰な混合を防ぐことが重要である。理想的には、密度勾配媒体のほとんどが粒子相の下に入り込む。チューブを2000gで2分遠心分離する。その後、密度勾配媒体相が、油相と粒子相との間に配置される。ここで粒子相を新しいチューブに移してもよい。このステップにおいて、新しいチューブに、油の体積を少しも移さないこと、および密度勾配媒体の体積をできる限り小さくすることに注意を払う必要がある。
1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を、粒子を含有するチューブに添加する。内容物を混合し、2000gで2分遠心分離する。ここで粒子をチューブの底部にペレット化する。上清を除去し、チューブ中に粒子を残す。1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を再びチューブに添加し、洗浄プロセスを5回繰り返す。最後に、粒子を、以下のプロセスに好適な所定体積の緩衝剤に溶解する。これは、例えば、100μlのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100であってもよい。
粒子の下限臨界溶液温度の挙動の観察
25μlのビオチンで改変された粒子の希釈した懸濁液を、Lejaの100μmチャンバースライド(/https://leja.nl)に移す。スライドを、加熱/冷却素子と直接接触させる迅速な温度のサイクル化が可能なペルチェ素子30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、#QC−71−1.4−3.7M)上に置く。全体の設備は、暗視野照明を備えた双眼顕微鏡下に置く。システムの温度が32℃未満に設定される場合、粒子は透明であり、ほとんど目に見えない。32℃またはそれより高い温度で、粒子は可視的になる:すなわちそれらは不透明になり、縮む。再び32℃未満の温度に設定することによって、センサボディは膨潤し、粒子は再び透明になる。このプロセスは可逆的であり、迅速なサイクルで多くの回数繰り返すことができる。ペルチェ素子の加熱および冷却速度が十分であり、システム全体の熱伝導率が十分であると仮定すると、20秒未満のサイクル時間(加熱、膨潤、冷却、縮むこと)を達成することができる。発明者らは、ポリマーのビオチン改変はpNIPAMセンサボディのLCST挙動を損なわないと結論付けている。
対照実験で、2.5%のビオチンで改変された単量体ミックスを2.5%アクリル酸溶液で置き換えた、上述したものと類似の反応ミックスを用いて粒子を合成した。このようなミックスを用いて形成された粒子は、そのLCSTの特徴をほぼ完全に失っていた。
ストレプトアビジン−フィコエリトリンコンジュゲートのビオチンで改変されたpNIPAM粒子への特異的な結合
ビオチンで改変されたpNIPAM粒子が、ストレプトアビジンと特異的に結合することが可能であるかどうかを査定するために、ミックス3および4を用いて作製した粒子を、ストレプトアビジン−フィコエリトリンコンジュゲートの溶液と共にインキュベートした。ミックス1および2(ビオチン改変なし)を用いて作製した粒子を、陰性対照と同じ溶液と共にインキュベートした。
インキュベーションミックス:
インキュベーションミックスを合わせ、短時間で混合した。25μlの各ミックスを、Lejaの100μmチャンバースライド(https://leja.nl)に移し、上述したようにペルチェ素子上に置く。この設備を、550nmのLED光源(CooLED pE−4000)、Cy3 HC Filterset(Semrock)および10×Zeiss対物を備えた蛍光顕微鏡(Axio−Observer、Zeiss、Germany)上に置く。ペルチェの温度を20℃(センサボディのLCSTより低い温度)に設定する。センサボディの外観を観察した。ビオチンで改変されたセンサボディ(重合ミックス3および4で作製)を、主として粒子の外部シェルに位置する環状の蛍光シグナルによって、バックグラウンドを超えて検出することができた。ビオチン改変なしのセンサボディ(重合ミックス1および2で作製)は、蛍光シグナルをまったく示さない。ペルチェの温度を40℃(LCSTより高い温度)に設定すると、粒子は縮む。ビオチンで改変された粒子は、それらの表面上の強く強化された蛍光シグナルを示し、それに対して改変されていない粒子は暗いままである。
Lejaスライド中のインキュベーションミックスを、20℃で10秒、続いて40℃で10秒のインキュベーションの温度サイクルに25回供した。これらのサイクルの後、ビオチンで改変された粒子の蛍光シグナルは、温度サイクル化の前に観察されたシグナルと比較して強く強化された。ビオチン改変なしの粒子は暗いままであった。ミックス3および4のビオチンで改変された粒子における蛍光シグナルの分布に関して驚くべき差が観察される。ミックス3を用いて作製した粒子は、粒子の表面上で明るいシグナルを示すが、粒子の体積では弱い(week)シグナルのみであり、これは、粒子の外部表面におけるストレプトアビジン−フィコエリトリンの好ましい結合と解釈できる。これらの粒子は、10%のNIPAM単量体を含有する反応ミックスを用いて作製される。ミックス4(5%のNIPAM単量体を含有)を用いて作製した粒子は、粒子の中心で最大のシグナルを示し、これは、粒子の体積全体にわたるストレプトアビジン−フィコエリトリンの均一な結合と解釈できる。両方のタイプの粒子に関して、蛍光シグナルは、粒子が40℃(LCSTより高い温度)でモニターされる場合、20℃(LCSTより低い温度)と比較してより一層高い。
ミックス1(10%のNIPAM単量体、ビオチン改変なし)を用いて作製した粒子は、ストレプトアビジン−フィコエリトリンコンジュゲートと結合しないが、溶液中の色素を用いた蛍光パターンを生じる:粒子がLCSTより低い温度(20℃)に冷却されると、それらは膨潤し、水で満たされる。粒子は暗いままであるが、インキュベーションミックスより明るい光輪が、粒子の境界に形成される。これは、大きい色素タンパク質が粒子の体積に入るのを防ぐ狭い細孔幅に起因する、粒子の境界における色素の富化と解釈できる。この作用は、均一系プロセスで分析物(および他の大きい分子)を富化および濃縮するためのアッセイで使用することができる。
温度を40℃(LCSTより高い温度)に上げると、粒子は縮む。光輪は、粒子の表面からの明るい蛍光性の曇りとして押し出される。これは、粒子の内部から排出される非蛍光性の溶媒の洗浄作用および粒子表面からの未結合の材料の洗い落としと解釈できる。後者の作用は、外部の洗浄溶液を添加する必要なく非特異的に結合した材料を洗い落とすためのアッセイに使用することができる。
(実施例2)
センサボディとして自由に拡散可能な/浮遊性の粒子を使用して蛍光ベースのイムノアッセイの確立
ここで本発明者らは、ヒト心臓トロポニンI(cTnI)の検出のための蛍光ベースのイムノアッセイを確立するプロセスを記載する。このアッセイは、蛍光色素で標識された検出抗体を採用する。捕獲抗体をストレプトアビジンで標識し、ビオチンで改変されたpNIPAM粒子にコーティングする。捕獲抗体と結合した粒子、抗原および蛍光検出抗体のサンドイッチ複合体は、分析物を粒子表面にポンプで送り、粒子表面からあらゆる未結合の材料を取り去るための温度のサイクル化を採用するプロセスで形成される。未結合の検出抗体、したがって蛍光標識は、pNIPAM粒子の内部にトラップされた非蛍光性溶液を適用できる適切な洗浄ステップによって除去される。洗浄後、粒子に関連する蛍光シグナルが検出される。
検出抗体
cTnI検出抗体(クローン10C9、SDIX)を、Lightning−Link(登録商標)R−フィコエリトリン抗体標識キット(Innova Bioscience)を製造元のプロトコールに従って使用して標識し、次いで精製する。代替として、蛍光標識された抗体は、異なる業者から得てもよい。
捕獲抗体:
クローンTPC−110(SDIX)は、捕獲抗体として使用される。これを、Lightning linkストレプトアビジン(Innova Bioscience)によって製造元のプロトコールに従って標識した。
pNIPAM検出粒子の調製物および回収
ビオチンで改変されたpNIPAM検出粒子の調製を、以下の改変を含む実施形態1に記載される方法に従って行った。例示的な実施形態においてビオチンで標識されたpNIPAM粒子を水性相に移し、不適切な粒子サイズを排除した後、粒子を、ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でコーティングする。
ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でのpNIPAM検出粒子のコーティング
ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でのpNIPAMのコーティングは、PBS、0.1%のTriton X−100中で達成される。ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体の濃度は、アクセス可能なビオチンが、pNIPAM粒子の表面(ポリマーの細孔幅に応じて、外部または内部および外部表面)上に残らないように選択される。最適な捕獲抗体濃度は、標識されたストレプトアビジンを用いた予備的な試験で、平らな表面の被覆率を決定することによって決定されている。カップリングは、エッペンドルフサーモシェーカー(Eppendorf Thermoshaker)でなされ、溶液を、5回の25℃と37℃との間の温度振動で、350rpmで30分かき混ぜる。捕獲抗体とのカップリングの後、粒子を上述したようにペレット化し、上清を交換することによって数回洗浄する。その後、pNIPAM−粒子の濃度を、計数チャンバーにおいて顕微鏡下で計数することによって決定する。
検出抗体の好適な濃度の決定および検量線の作成:
反応ミックス:
cTNI枯渇ヒトEDTA−血漿+xμlのcTNIスパイク 6μl
500mMのリン酸緩衝剤pH7.5、1MのNaCL、0.25%のTriton X−100 2μl
HBR−Plus(Scantibodies) 1μl
R−フィコエリトリンで標識された検出抗体 yμl
捕獲抗体でコーティングされたpNIPAM検出粒子 zμl
総体積 10μl
検出抗体の好適な濃度を決定するために、さらに、検出限界とダイナミックレンジを査定するために、多数のこのような反応ミックスの組を設定する必要がある。各組は、異なる最終的なcTNI濃度を用いた反応からなる。典型的には、各組内の反応におけるcTNI濃度は、cTNIおよびcTNIを含まない陰性プローブの最終濃度が一桁代のpg/mLから二桁代のng/mLまで様々である。これらの組は、R−フィコエリトリンで標識された検出抗体の濃度、ならびに/または捕獲抗体でコーティングされたpNIPAM検出粒子のサイズおよび数の点で異なる。
反応ミックスを反応容器に満たす。これは、液体がそれを通って流れるとき粒子を隠すのに好適な寸法である片側の構造とのキャピラリーであり得る。この構造は、篩構造(POREXのように)、ステップなどであり得る。キャピラリーはまた、フレキシブルなチューブであってもよく、その寸法および形態は、それに外部の型を押し付けることによって改変してもよい。これもまた、バルブの機能性を統合することを可能にする。
反応容器を、加熱/冷却素子と直接接触させたペルチェ素子上に置く。この試料において、ペルチェは、迅速な温度のサイクル化が可能な30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、番号QC−71−1.4−3.7M)であった。試料を、以下のパラメーターを用いて温度サイクルプロトコールに供した:
温度1:10秒にわたり37℃
温度2:10秒にわたり25℃。
25サイクル。
次いで温度を20℃に設定し、容器を、50μlの洗浄緩衝剤(50mMのリン酸緩衝剤、pH7.5、100mMのNaCL、0.05%のTriton X−100)で洗浄する。粒子を容器中に取っておく。
その後、10サイクルの温度サイクルプロトコールを、もう一度適用する。必要に応じて、温度を再び20℃に設定し、洗浄プロセスを繰り返す。
検出のために、温度を37℃に設定する。それにより、pNIPAM検出粒子の収縮および蛍光コントラストの強化が起こる。デジタル画像は、全ての粒子を撮影する。各粒子の蛍光シグナルを測定し、局所的なバックグラウンドに対して補正する。検量線のために、1つの組の各反応ミックスの全ての粒子シグナルの中央値を、試料のcTNI濃度に対してプロットする。
標識された検出抗体の最適な濃度ならびにpNIPAM検出粒子の最適な数およびサイズは、最も低い検出限界および最も広いダイナミック測定レンジによって示される。
未知の試料のcTNI濃度の測定:
各患者試料につき、反応ミックスは、以下のように構成される:
反応ミックス:
ヒト患者EDTA−血漿 6μl
500mMのリン酸緩衝剤、pH7.5、1MのNaCL、0.25%のTriton X−100 2μl
HBR−Plus(Scantibodies) 1μl
R−フィコエリトリン 標識された検出抗体 xμl
捕獲抗体でコーティングされたpNIPAM検出粒子 zμl
総体積 10μl
R−フィコエリトリンで標識された検出抗体の量(x)ならびに捕獲抗体でコーティングされたpNIPAM検出センサボディの量およびサイズ(z)は、前に決定された最適な値に対応する。試料を、上述したようにインキュベートし、温度サイクルに供し、洗浄する。シグナルを、上述したように画像化することによって測定する。絶対cTNI値は、別々に作成した検量線に基づき、または患者試料と並行してアッセイされたスパイクされたcTNI試料および陰性対照に基づき計算することができる。
(実施例3)
センサボディとして表面に固定されたスポットを使用した蛍光ベースのイムノアッセイの確立
ここで本発明者らは、基板の平らな表面に固定したセンサボディ(すなわちセンサ「スポット」)を使用したヒトcTnIの検出のための蛍光ベースのイムノアッセイを確立するプロセスを記載する。アッセイは、蛍光色素で標識された検出抗体を採用する。捕獲抗体をストレプトアビジンで標識し、固体表面上に固定したビオチンで改変されたpNIPAMセンサマトリックスにコーティングする。センサマトリックスと結合した捕獲抗体、抗原および蛍光検出抗体のサンドイッチ複合体は、分析物をセンサマトリックス表面にポンプで送り、センサマトリックス表面からあらゆる未結合の材料を取り去るための温度のサイクル化を採用するプロセスで形成される。未結合の検出抗体、したがって蛍光標識は、pNIPAMセンサマトリックスの内部にトラップされた非蛍光性溶液を適用できる適切な洗浄ステップによって除去される。洗浄後、マトリックスに関連する蛍光シグナルが検出される。
検出抗体
cTnI検出抗体(クローン10C9、SDIX)を、Lightning−Link(登録商標)R−フィコエリトリン抗体標識キット(Innova Bioscience)を製造元のプロトコールに従って使用して標識し、次いで精製する。
捕獲抗体:
クローンTPC−110(SDIX)は、捕獲抗体として使用される。これを、Lightning linkストレプトアビジン標識キット(Innova Bioscience)を製造元のプロトコールに従って使用して標識した。
表面に固定されたpNIPAMセンサマトリックススポットの調製
表面基板の調製:
Borofloatガラス顕微鏡スライドを、センサマトリックススポットを固定するための基板として使用した。センサマトリックスの表面へのかたい固定を可能にするために、表面を、PlusOne Bind−Silane(GE lifesciences)で、製造元のプロトコールに従って改変した。
重合ミックスの調製:
ミックス1、水性相:
ミックスをそれぞれ4回の脱気−パージサイクルで別々に脱気し、アルゴンでパージした。その後、ミックスを、使用まで閉じたバイアル中で維持した。
改変されたガラス表面へのミックス1のスポッティング
マイクロドロップ(Microdrop)/自動滴下システム(Microdrop Technologies)上の、0.4〜10000mPasの粘度範囲および90μmのノズル直径での流体用圧電プリントヘッド(MD−K−140−020)を使用して、180〜380pLのスポットを生産した。使用された基板には、COC、ポリカーボネート、スライドガラスが含まれていた。
新たに調製されたNIPAM溶液を、シリンジを使用して、Whatman(登録商標)ReZist(登録商標)シリンジフィルター(30mm、細孔サイズ5μm、PTFE)に通過させてND13スクリューネックバイアルにろ過した。マイクロドロップ/自動滴下システムのヒーターおよびディスペンサーユニットのスイッチを入れ、システムをろ過したdH2O(またはイソプロパノール)でフラッシングすることによってシステムをクリーニングした。ノズル温度を23℃に調整し、5秒で3回、ディスペンサーヘッドを充填し始めて、システムを作動させる。ノズルを70%のエタノールまたはイソプロパノールで拭って、より大きいドロップを除去した。分配パラメーターは以下の通りであった:圧電性の駆動電圧は、70〜120の範囲であり、パルス長は30〜50μ秒の間であった。マイクロドロップシステムのために、ディスペンサーヘッドの下に取り付けられたSteinmeyerのXYZ−ステージを使用してアレイを作製した。液滴を、バーストまたは連続モード(「オンザフライ」)のいずれかで、5/秒の頻度で基板上にスポットした。
スポットの乾燥を防ぐために、基板を、Quick−Ohmペルチェ素子(30×30×4.7mm、19.3W、Kupper&Co.GmbH)を使用して曇り点あたりに冷却した。
重合およびスライドの洗浄
スポットした後、接着性スライドインキュベーションチャンバー(BioRad)を、スライドに付着させる。チャンバーは、重合ミックス2(油相)と共に浮遊しており、60分インキュベートする。
重合プロセスを完了させた後、油相をチャンバーから除去し、接着剤の蓋を除去する。その後スライドを、PBS、1%のTritonX−100で満たした50mLのファルコンチューブ中に置く。チューブを穏やかにかき混ぜて、スライドの表面から油相のほとんどを除去し、50gで短時間回転させて、油相をチューブの底部に沈降させる。スライドを、暖かい(40℃の)PBS、0.1%のTritonで満たした別のチューブに移し、1分インキュベートする。その後スライドを、冷たいPBS、0.1%のTriton(15℃)を含有する新しいチューブに移し、2分インキュベートする。暖かいPBS、0.1%のTritonから冷たいPBS、0.1%のTritonへの移し替えをさらに5回繰り返す。最後に、スライドを水で2回洗浄し、乾燥させる。
ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体での表面に付着したpNIPAMセンサマトリックスのコーティング
ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でのpNIPAMのコーティングは、リン酸緩衝塩類溶液(PBS)、0.1%のTriton X−100中で達成される。ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体の濃度は、アクセス可能なビオチンが、pNIPAMセンサマトリックススポットの表面(ポリマーの細孔幅に応じて、外部または内部および外部表面)上に残らないように選択される。最適な捕獲抗体濃度は、標識されたストレプトアビジンを用いた予備的な試験で、平らな表面の被覆率を決定することによって決定されている。カップリングプロセスのために、スライドを、重合プロセスで使用されるような接着性インキュベーションチャンバーで覆う。チャンバーをストレプトアビジンで標識された抗体溶液で満たし、マイクロタイタープレートアダプターにおいて、5回の25℃と37℃との間の温度振動で、エッペンドルフサーモシェーカー上でインキュベートする。捕獲抗体とのカップリングの後、センサマトリックススポットを、上述したように40℃および15℃で5回洗浄する。スライドは、直接的にアッセイに使用するか、または最後の15℃の洗浄ステップで20mg/mLのトレハロースを含有する溶液中でインキュベートし、その後凍結乾燥してアッセイに使用するかのいずれでもよい。
検出抗体の好適な濃度の決定および検量線の作成:
反応ミックス:
cTNI枯渇ヒトEDTA−血漿+xμlのcTNIスパイク 60μl
500mMのリン酸緩衝剤、pH7.5、1MのNaCL、0.25%のTriton X−100 20μl
HBR−Plus(Scantibodies) 10μl
R−フィコエリトリンで標識された検出抗体 yμl
総体積 100μl
検出抗体の好適な濃度を決定するために、さらに、検出限界とダイナミックレンジを査定するために、多数のこのような反応ミックスの組を設定する必要がある。各組は、異なる最終的なcTNI濃度を用いた反応からなる。典型的には、各組内の反応におけるcTNI濃度は、cTNIおよびcTNIを含まない陰性プローブの最終濃度が一桁代のpg/mLから二桁代のng/mLまで様々である。これらの組は、R−フィコエリトリンで標識された検出抗体の濃度の点で異なる。
分析物ミックスとのインキュベーションのために、スライドを、事前の重合ステップで使用されるようなインキュベーションチャンバーで覆う。65μlの反応ミックスをチャンバーに満たし、チャンバーを閉じる。
スライドを、センサマトリックススポットを含有する領域と共に加熱/冷却素子と直接接触させたペルチェ素子上に置く。この試料において、ペルチェは、迅速な温度のサイクル化が可能な30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、番号QC−71−1.4−3.7M)であった。試料を、以下のパラメーターを用いて温度サイクルプロトコールに供した:
温度1:37℃で10秒
温度2:25℃で10秒
25サイクル。
次いで温度を20℃に設定し、インキュベーションミックスを除去し、インキュベーションチャンバーを、洗浄緩衝剤(50mMのリン酸緩衝剤、pH7.5、100mMのNaCL、0.05%のTriton X−100)で数回洗浄する。最終的な洗浄体積をチャンバー中で維持し、10サイクルの温度サイクルプロトコールをもう1回適用する。必要に応じて、洗浄プロセスは、数回繰り返すことができ、洗浄流体は、追加の洗浄プロセス毎に交換する。
検出のために、温度を37℃に設定する。それにより、pNIPAMセンサマトリックスの収縮および蛍光コントラストの強化が起こる。デジタル画像は、センサマトリックススポットを含有する領域を撮影する。各センサマトリックススポットの蛍光シグナルを測定し、局所的なバックグラウンドに対して補正する。検量線のために、1つの組の各反応ミックスの全てのセンサマトリックススポットシグナルの中央値を、試料のcTNI濃度に対してプロットする。
標識された検出抗体の最適な濃度は、最も低い検出限界および最も広いダイナミック測定レンジによって示される。
未知の試料のcTNI濃度の測定:
各患者試料につき、反応ミックスは、以下のように構成される:
反応ミックス:
ヒト患者EDTA−血漿 60μl
500mMのリン酸緩衝剤、pH7.5、1MのNaCL、0.25%のTriton X−100 20μl
HBR−Plus(Scantibodies) 10μl
R−フィコエリトリンで標識された検出抗体 xμl
総体積 100μl
R−フィコエリトリンで標識された検出抗体の量(x)は、前に決定された最適な値に対応する。試料を、上述したようにインキュベートし、温度サイクルに供し、洗浄する。シグナルを、上述したように画像化することによって測定する。絶対cTNI値は、別々に作成した検量線に基づき、または患者試料と並行してアッセイされたスパイクされたcTNI試料および陰性対照に基づき計算することができる。
(実施例4)
ビオチンで改変されたpNIPAMベースの巨大増幅ビーズ(Giant Amplification Bead:GAB)を使用した、組み合わされた標的捕獲/リアルタイム標的増幅アッセイの確立
巨大増幅ビーズ(GAB)でPCRを実行するためのビオチン改変された/改変されていないpNIPAM粒子のための重合ミックスの生成
成分1(水性相):
ビオチンで改変された単量体−ミックスの作製:
ビオチンで改変されたアクリル酸単量体を別々の反応で作製した。反応ミックスは、アクリル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(活性化されたアミノ反応性アクリル酸単量体)およびビオチン−dPEG7−NH2(アミノ(ammino)基で終結したPEG7スペーサーアームで改変されたビオチン誘導体)からなっていた。
反応ミックスを25℃で30分インキュベートした。このミックスを、さらなる精製をまったく行わずにpNIPAM重合反応に使用した。
重合ミックス1mL当たりの成分
成分2(油相):
ミックスをそれぞれ4回の脱気−パージサイクルで別々に脱気し、アルゴンでパージした。その後、50μlの成分2のアリコートを、8−ウェルPCRチューブストリップの各チューブに入れた。
次いで、成分1の2μlのアリコートを、チューブのそれぞれにピペットで取って入れた。液滴を室温で60分重合させた。ミックス1および2の使用は、架橋された約10%のpNIPAMゲルからなる粒子(「ビーズ」、「ボディ」)をもたらす。ミックス3および4は、架橋された約5%のpNIPAMゲルからなる粒子をもたらす。ミックス1および3は、ビオチンで改変された単量体を含まず、一方でミックス2および4は、ビオチンで改変された単量体を含む。5%のpNIPAMゲルは、10%のpNIPAMゲルと比較してより大きい細孔幅を示す。ゲルおよび架橋のパーセンテージは変更することができる。
粒子の回収および水性相への移動
重合プロセスを完了させた後、各試料に100μlのHOを添加する。pNIPAM粒子を水性相に移動させ、ヘキサデカン上清を除去することができる。残留した重合されなかった試薬およびTEMEDを除去するために、粒子を50℃に加熱して、粒子から液体を追い出すための収縮を容易にする。過量の液体を除去し、100μlのHOを添加する。冷却されると、HOは、拡張する粒子に吸収される。加熱、液体の除去、新しいHOの添加、および冷却を含む洗浄サイクルを2回繰り返した。最後に、HOを0.1%のTriton X100を含有するPBSと交換した。
ストレプトアビジンでのGABのコーティング
ストレプトアビジンでのGABのコーティングは、事前に使用された洗浄緩衝剤中で達成される。ストレプトアビジンの濃度は、アクセス可能なビオチンがGABの表面上に残らないような濃度が選択される。どのような場合においても、ストレプトアビジンは、GABの架橋を回避するために過量で適用される。最適なストレプトアビジン濃度は、標識されたストレプトアビジンを用いた予備的な試験で、平らな表面の被覆率を決定することによって決定されている。ミックス2および4を用いて作製した粒子を、0.1%のTriton X−100を含有するPBS中のストレプトアビジンの溶液と共にインキュベートした。ミックス1および3(ビオチン改変なし)を用いて作製した粒子を、陰性対照と同じ溶液と共にインキュベートした。ストレプトアビジンとのカップリングの後、GABを0.1%のTriton X−100を含有する100μlのPBSで3回洗浄して、過量のストレプトアビジンを除去する。
インキュベーションミックス:
PCRを実行するためのGABの適用
ビオチン化HIV−1 cDNAの調製
ビオチン化したリバースプライマーの存在下で逆転写を実行することによって、ビオチン化HIV−1 cDNAを生成した。反応ミックスを50℃で15分インキュベートし、反応ミックスを70℃に10分加熱することによって反応を止めた。
インキュベーションミックス:
− 精製したHIV−1 RNA(約10コピー)
− 1μMのビオチン化したリバースプライマー、5’ビオチン−ACT GAC GCT CTC GCA CCC ATC T−3’
− 1×反応緩衝剤(cDNA合成キット、Thermo Fisher)
− dNTP(各1mM)
− RevertAid逆転写酵素(200U、Thermo Fisher)
cDNA反応ミックスを、PBS、0.1%のTriton X−100で希釈して、最終濃度を約10cp/μlにする。
GAB上でのHIV−1 cDNA標的の富化およびそのビーズの増幅ミックスとのインキュベーション
逆転写によりビオチンで標識されたHIV−1 RNAを、ストレプトアビジンで改変された巨大増幅ビーズ(GAB)上で富化する。
粒子1個当たりのインキュベーションミックス:
− 1μlのcDNAミックス(約10コピー)
− 0.1%のTriton X−100を含む49μlのPBS
GABを50℃に加熱して、粒子から液相を追い出す。液体を除去し、インキュベーションミックスを添加し、GABを冷却させる。ミックスを3回、50℃に加熱し(収縮のため)、室温に冷却し(拡張のため)、その間に混合して、ビオチン化したcDNAの、ストレプトアビジンで標識されたGABへの結合を容易にする。最後にGABを50℃に加熱し、過量の液体を除去する。
その後、PCR反応ミックスを室温で添加し、粒子を50℃まで加熱し、再び冷却して、PCRミックスの取り込みを容易にする。過量の液体を室温で除去し、GABを25μlのミネラルオイルで覆って、PCR反応中の蒸発を防ぐ。
PCRミックスは、以下の試薬(最終濃度)からなる:
− 6mMのMg2+、20mMのトリス−HCl、pH8.9、22mMのKCl、22mMのNHCl、5%のグリセロール、0.01%のTriton−X100および0.005%のTween20、1mg/mlのポリリン酸ナトリウムを含有する1×PCR緩衝剤
− 400μMのdNTP(Invitrogen)
− 0.8μMのフォワードプライマー:5’−GCA GTG GCG CCC GAAC AGG−3’(Metabion international AG)
− 0.8μMのリバースプライマー:5’−ACT GAC GCT CTC GCA CCC ATC T−3’(Metabion international AG)
− 0.8μMのハイブリダイゼーションプローブ:5’−Cy5−CTC CGA CGC AAC GGG CTC G−BHQ3−3’
− 凍結乾燥されたホットスタートTaq DNAポリメラーゼ(BiotechRabbit)、0.125U/μl
代替として、HIV−1 RNAは、先行のcDNA合成を行うことなく、ストレプトアビジンで標識されたGAB上で富化することができ、これは、BrunsおよびSteinmetzer[8]に記載されたように、ビオチンで標識された相補的捕獲オリゴヌクレオチドの好適な混合物と共にHIV−RNAを含有する試料をインキュベートすることによってなされる。その後、そこに記載されるように、RT−PCRミックスに含まれる逆転写酵素を用いたリアルタイム逆転写PCR(rt RT−PCR)の一部として、逆転写ステップを実行する。
GABにおける増幅反応
PCRは、あらゆる標準的なリアルタイムサイクラーで実行することができる。以下に列挙した条件がPeqSTAR96Qに適用される。
適用される加熱条件は、以下の通りである。
95℃で2分の最初の変性、それに続く、5サイクルの、95℃で15秒での変性、30秒で65℃のアニーリングおよび72℃で30秒での伸長。次いで、40サイクルの、95℃で15秒での変性、20秒で65℃のアニーリングおよび72℃で30秒での伸長が行われる。GAB内の増幅を、標準的なCy5検出器の設定を使用して、リアルタイムでモニターする。合計45回のPCRサイクルの後、陽性対照は、19.5のct−値(SD0.84、N=12)を示し、それに対して陰性対照は、増幅シグナルを示さなかった。
(実施例5)
デジタルPCRを実行するためのpNIPAMベースの単分散デジタル増幅ビーズ(DAB)の適用
ここで本発明者らは、デジタルPCRを実行するためのpNIPAMベースのデジタル増幅ビーズ(DAB)の使用を記載する。本出願において、DABは単に、水溶液で満たされ、pNIPAMポリマーのLCSTの挙動を利用して容易に空にできるマトリックスを提供するものである。このポリマーは、粒子中に含有される水性相を油乳濁液に持ち込むことを可能にするマトリックスも提供する。マトリックスとしてDABを使用する利点は、油中の水の体積の均一なサイズ分布は、微小流体工学または他の複雑な技術的なデバイスを使用する必要なく達成できることである。この実験において、別のステップで作製されたcDNAを、PCR鋳型として使用した。鋳型としてRNAを使用する場合、粒子は、RT−PCR反応ミックスで満たすことができ、RT−PCRプロセスのプロセス全体は、DABベースで実行することができる。
デジタルPCRのためのpNIPAM粒子重合ミックスの生成
成分1(水性相):
重合ミックス1mL当たりの成分
成分2(油相):
ミックスをそれぞれ4回の脱気−パージサイクルで別々に脱気し、アルゴンでパージした。その後、ミックスを、アルゴン雰囲気下で、BioRadドロップレットジェネレーターチップDG8のそれぞれのウェルにピペットで取って入れた。60μlの油相を各油相リザーバに入れ、25μlの水性相を各水性相リザーバに入れた。
次いで、液滴生成のためのBioRadのプロトコールに従った(QX200(商標)ドロップレットジェネレーター使用説明書マニュアル10031907 RevC)。代替として、チップは、手動での操作も可能であった。その目的のために、50mLシリンジを、チューブおよび好適なアダプターによってドロップレットジェネレーターチップの液滴リザーバに接続する必要がある。接続する前に、プランジャーを30mLの位置に設定する。水性相および油相を満たした後、プランジャーを50mLの位置まで手動で伸ばして、システムに既定の圧力をかける。油相または水性相リザーバが空になる直前に、圧力を放出する。
液滴リザーバを粘着テープで覆った。液滴を室温で60分重合させた。この反応は、架橋された約5%のpNIPAMゲルからなる粒子をもたらす。ゲルおよび架橋のパーセンテージは変更することができる。
粒子の回収および水性相への移動
重合プロセスを完了させた後、油相をできる限り多く、ピペットを使用して、pNIPAM粒子を除去しないように注意を払いながら液滴リザーバから穏やかに引き出す。次いで、50μlの水中の1%(v/v)のTriton X−100をピペットで取って粒子に入れる。粒子が液滴チップの壁にくっつかないように、内容物を上下にピペッティングすることによって混合する。内容物をエッペンドルフチューブに移し、このプロセスをもう1回繰り返す。移動プロセスは、粒子の大部分がこのステップで失われないように、双眼顕微鏡下でモニターすることができる。
次いでチューブを2000gで1分遠心分離する。油相(下)と水性相(上)とがここでよく分離され、その相間に粒子が含有される。200μlの密度勾配媒体(Optiprep、Axis shield)をここでゆっくりピペットで取ってチューブに入れる。水性相と密度勾配媒体との過剰な混合を防ぐことが重要である。理想的には、密度勾配媒体のほとんどが粒子相の下に入り込む。チューブを2000gで2分遠心分離する。その後、密度勾配媒体相が、油相と粒子相との間に配置される。ここで粒子相を新しいチューブに移してもよい。このステップにおいて、新しいチューブに、油の体積を少しも移さないこと、および密度勾配媒体の体積をできる限り小さくすることに注意を払う必要がある。
1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を、粒子を含有するチューブに添加する。内容物を混合し、2000gで2分遠心分離する。ここで粒子をチューブの底部にペレット化する。上清を除去し、チューブ中に粒子を残す。1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を再びチューブに添加し、洗浄プロセスを5回繰り返す。最後に、粒子を、0.01%のTriton X−100を含む水に溶解する。その後、DABの濃度を、DHC−N01(ノイバウエル改良型)計数チャンバー(INCYTO)中、顕微鏡下で計数することによって、またはCytoFlexフローサイトメーター(Beckman Coulter)での血球計算により決定する。
HIV−1 cDNA鋳型の調製
HIV−1 cDNAを、PCRリバースプライマーの存在下で逆転写を実行することによって生成した。反応ミックスを50℃で15分インキュベートし、反応ミックスを70℃に10分加熱することによって反応を止めた。
インキュベーションミックス:
− 精製したHIV−1 RNA(約10コピー)
− 1μMのリバースプライマー5’ ACT GAC GCT CTC GCA CCC ATC T−3’
− 1×反応緩衝剤(cDNA合成キット、Thermo Fisher)
− dNTP(各1mM)
− RevertAid逆転写酵素(200U、Thermo Fisher)
cDNA反応ミックスを、PBS、0.1%のTriton X−100で希釈して、最終濃度を約10cp/μlにする。
増幅ミックスでのpNIPAMベースのDABのローディング
約100,000個のpNIPAM DABを反応チューブに移し、50℃に加熱して、粒子から液相を追い出した。粒子を短時間で2000gで回転させ、40℃で保持する。縮んでペレット化した粒子は一緒に強くくっついて一体化し、追い出された液体がペレットから完全に除去できるようになる。
1000コピーのHIV cDNAを含有する10μlのPCR増幅ミックスを構成した。増幅ミックスの体積は、粒子が吸収できる体積より小さい必要がある。これは、主として、粒子の数およびサイズに依存する。この実施例において、使用される粒子は、12μlの体積を吸収することができた。
このミックスは、以下の試薬(最終濃度)からなる:
− 6mMのMg2+、20mMのトリス−HCl、pH8.9、22mMのKCl、22mMのNHCl、5%のグリセロール、0.01%のTriton−X100および0.005%のTween20、1mg/mlのポリリン酸ナトリウムを含有する1×PCR緩衝剤
− 400μMのdNTP(Invitrogen)
− 0.8μMのフォワードプライマー:5’−GCA GTG GCG CCC GAAC AGG−3’(Metabion international AG)
− 0.8μMのリバースプライマー:5’−ACT GAC GCT CTC GCA CCC ATC T−3’(Metabion international AG)
− 0.8μMのハイブリダイゼーションプローブ:5’−CF647−CTC CGA CGC AAC GGG CTC G−BHQ3−3’
− 1000コピーのHIV−1 cDNA鋳型
− 凍結乾燥されたホットスタートTaq DNAポリメラーゼ(BiotechRabbit)、0.125U/μl
このミックスを粒子ペレットに付与し、20℃でインキュベートした。この温度で、粒子は膨潤し、PCR反応ミックスの体積全体を吸収する。
DABを油中に分散させることによる区画化
既定の体積を有するマイクロ区画を、フルオロカーボン油中に、例えばNovec 7500オイル(Dolomite Microfluidics、番号3200214)中に分散させたPicoSurf(商標)5%中にDABを分散させることによって作製する。重質フルオロカーボン油の代わりに、乳化剤を含む軽油、例えば5%(w/w)Span 80(Sigma Aldrich、番号85548)を含むミネラルオイル(Sigma−Aldrich、番号M5904 Sigma)を適用してもよい。
粒子ペレットをエッペンドルフチューブ中で過量の油と接触させる。DABペレットが分散され、DABが均一に分配されるまで、超音波を適用する。ここでHIV−1 cDNA標的をローディングしたpNIPAM DABを、油相中で乳化する。DABを含む油を、およそ2cmの面積およびおよそ1mmの層厚さを有する検出チャンバーに移す。チャンバーの逆の面は、透明な疎水性材料で作製される。フルオロカーボン油が使用される場合、DABは、ビーズと油との間の密度の差のために、疎水性上面上に単分子層(高密度の充填)として集合する。ミネラルオイルが適用される場合、DABは、下面に蓄積すると予想される。したがってDABは、後続のデジタルPCRのためのマイクロ反応コンテナを提供する。
DABマイクロ区画における増幅反応
油中に懸濁したDABを、同じチャンバー中で、ペルチェ素子30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、番号QC−71−1.4−3.7M)上で、温度のサイクル化に供する。DABは、32℃を超えて加熱されると、DAB内部の反応ミックスが追い出されるように濃縮される。これは、個々のcDNA分子の増幅が行われるマイクロ反応区画として役立つ濃縮されたDABの周辺に単一の水性液滴を形成する。
適用される加熱条件は、以下の通りである:
95℃で2分の最初の変性、それに続く、45サイクルの、95℃で15秒での変性、65℃で15秒のアニーリングおよび72℃で30秒での伸長。熱プロトコールが完了したら、チャンバーの内容物を、透過した白色光ならびに励起λexc=650nmおよび>670nmのロングパス放出での蛍光モードで、21℃で画像化する。DABの総数および既定の強度の閾値より高い蛍光シグナルを有するDABの数を決定する。閾値は、これまでに実行された鋳型なしの増幅反応から得られる。反応における鋳型の数は、陽性および陰性の液滴の決定された数をポアソン統計に適用することによって決定される。
(実施例6)
標的捕獲/デジタルPCRアッセイの組合せを実行するためのビオチンで改変されたpNIPAMベースの単分散増幅ビーズ(DAB)の適用
この実施例は、核酸標的捕獲/デジタルPCRアッセイの組合せを実行するための、pNIPAMベースのデジタル増幅ビーズ(DAB)(=本発明の実施形態による「センサボディ」)の使用を記載する。本出願において、DABは、数々の官能基を提供する。
1.それらは、さらなるステップで増幅が起こると予想される場所でアッセイ標的を捕獲するための、結合基ならびに外部または内部および外部表面を提供する。
2.それらは、水溶液で満たされ、pNIPAMポリマーのLCSTの挙動を利用して容易に空にできるマトリックスを提供する。
3.このポリマーは、粒子中に含有される水性相を油乳濁液に持ち込むことを可能にするマトリックスも提供する。マトリックスとしてDABを使用する利点は、油中の水の体積の均一なサイズ分布は、微小流体工学または他の複雑な技術的なデバイスを使用する必要なく達成できることである。
この実験において、別のステップで作製されたcDNAを、PCR鋳型として使用した。鋳型としてRNAを使用する場合、粒子は、RT−PCR反応ミックスで満たすことができ、RT−PCRプロセスのプロセス全体は、DABベースで実行することができる。
デジタルPCRのためのpNIPAM粒子重合ミックスの生成
成分1(水性相):
ビオチンで改変された単量体ミックスの作製:
ビオチンで改変されたアクリル酸単量体を別々の反応で作製した。反応ミックスは、アクリル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(活性化されたアミノ反応性アクリル酸単量体)およびビオチン−dPEG7−NH2(アミノ基で終結したPEG7スペーサーアームで改変されたビオチン誘導体)からなっていた。
反応ミックスを25℃で30分インキュベートした。このミックスを、さらなる精製をまったく行わずにpNIPAM重合反応に使用した。
重合ミックス1mL当たりの成分
成分2(油相):
ミックスをそれぞれ4回の脱気−パージサイクルで別々に脱気し、アルゴンでパージした。その後、ミックスを、アルゴン雰囲気下で、BioRadドロップレットジェネレーターチップDG8のそれぞれのウェルにピペットで取って入れた。60μlの油相を各油相リザーバに入れ、25μlの水性相を各水性相リザーバに入れた。
次いで、液滴生成のためのBioRadのプロトコールに従った(QX200(商標)ドロップレットジェネレーター使用説明書マニュアル10031907 RevC)。代替として、チップは、手動での操作も可能であった。その目的のために、50mLシリンジを、チューブおよび好適なアダプターによってドロップレットジェネレーターチップの液滴リザーバに接続する必要がある。接続する前に、プランジャーを30mLの位置に設定する。水性相および油相を満たした後、プランジャーを50mLの位置まで手動で伸ばして、システムに既定の圧力をかける。油相または水性相リザーバが空になる直前に、圧力を放出する。
液滴リザーバを粘着テープで覆った。液滴を室温で60分重合させた。ミックス1の使用は、架橋された約10%のpNIPAMゲルからなる粒子をもたらす。ミックス2は、架橋された約5%のpNIPAMゲルからなる粒子をもたらす。後者は、前者と比較してより大きい細孔幅を示す。ゲルおよび架橋のパーセンテージは変更することができる。
粒子(「ボディ」)の回収および水性相への移動
重合プロセスを完了させた後、油相をできる限り多く、ピペットを使用して、pNIPAM粒子を除去しないように注意を払いながら液滴リザーバから穏やかに引き出す。次いで、50μlの水中の1%(v/v)のTriton X−100をピペットで取って粒子に入れる。粒子が液滴チップの壁にくっつかないように、内容物を上下にピペッティングすることによって混合する。内容物をエッペンドルフチューブに移し、このプロセスをもう1回繰り返す。移動プロセスは、粒子の大部分がこのステップで失われないように、双眼顕微鏡下でモニターすることができる。
次いでチューブを2000gで1分遠心分離する。油相(下)と水性相(上)とがここでよく分離され、その相間に粒子が含有される。200μlの密度勾配媒体(Optiprep、Axis shield)をここでゆっくりピペットで取ってチューブに入れる。水性相と密度勾配媒体との過剰な混合を防ぐことが重要である。理想的には、密度勾配媒体のほとんどが粒子相の下に入り込む。チューブを2000gで2分遠心分離する。その後、密度勾配媒体相が、油相と粒子相との間に配置される。ここで粒子相を新しいチューブに移してもよい。このステップにおいて、新しいチューブに、油の体積を少しも移さないこと、および密度勾配媒体の体積をできる限り小さくすることに注意を払う必要がある。
1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を、粒子を含有するチューブに添加する。内容物を混合し、2000gで2分遠心分離する。ここで粒子をチューブの底部にペレット化する。上清を除去し、チューブ中に粒子を残す。1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を再びチューブに添加し、洗浄プロセスを5回繰り返す。最後に、粒子を、0.1%のTriton X−100を含むPBSに溶解する。
ストレプトアビジンでのDABのコーティング
ストレプトアビジンでのDABのコーティングは、事前に使用された洗浄緩衝剤中で達成される。ストレプトアビジンの濃度は、アクセス可能なビオチンがDABの表面上に残らないように選択される。どのような場合においても、ストレプトアビジンは、DABの架橋を回避するために、過量で適用される。最適なストレプトアビジン濃度は、標識されたストレプトアビジンを用いた予備的な試験で、平らな表面の被覆率を決定することによって決定されている。
インキュベーションミックス:
カップリングは、エッペンドルフサーモシェーカーでなされ、溶液を、5回の25℃と37℃との間の温度振動で、350rpmで30分かき混ぜる。ストレプトアビジンとのカップリングの後、DABを洗浄して、過剰なストレプトアビジンを除去する。1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を、粒子を含有するチューブに添加する。内容物を混合し、温度を40℃に設定する。粒子は縮み、内部の液体が追い出される。その後、粒子を、2000gおよび40℃で2分遠心分離する。ここで粒子をチューブの底部にペレット化する。上清を除去し、チューブ中に粒子を残す。1mLの20℃のPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100をチューブに添加する。粒子は膨潤し、洗浄緩衝剤を吸収する。内容物を混合し、温度を再び40℃に設定する。この洗浄プロセスを5回繰り返す。最後に、粒子を、0.01%のTriton X−100を含む水に溶解する。その後、DABの濃度を、DHC−N01(ノイバウエル改良型)計数チャンバー(INCYTO)中、顕微鏡下で計数することによって、またはCytoFlexフローサイトメーター(Beckman Coulter)での血球計算により決定する。
HIV−1 cDNA鋳型の調製
ビオチン化HIV−1 cDNAを、PCRリバースプライマーの存在下で逆転写を実行することによって生成した。反応ミックスを50℃で15分インキュベートし、反応ミックスを70℃に10分加熱することによって反応を止めた。
インキュベーションミックス:
− 精製したHIV−1 RNA(約10コピー)
− 1μMのビオチン化したリバースプライマー5’ビオチン−ACT GAC GCT CTC GCA CCC ATC T−3’
− 1×反応緩衝剤(cDNA合成キット、Thermo Fisher)
− dNTP(各1mM)
− RevertAid逆転写酵素(200U、Thermo Fisher)
cDNA反応ミックスを、PBS、0.1%のTriton X−100で希釈して、最終濃度を約10cp/μlにする。
DAB上でのHIV−1 cDNA標的の捕獲
逆転写によりビオチンで標識されたHIV−1 RNAを、ストレプトアビジンで改変されたDAB上で捕獲する
約100000個のpNIPAM DABを反応チューブに移し、50℃に加熱して、粒子から液相を追い出した。粒子を短時間で2000gで回転させ、40℃で保持する。縮んでペレット化した粒子は強くくっついて一体化し、追い出された液体がペレットから完全に除去できるようになる。次いで、以下のインキュベーションミックスをペレットに添加する。
− 1μlのcDNAミックス(約10コピー)
− 0.1%のTriton X−100を含む49μlのPBS
捕獲は、エッペンドルフサーモシェーカーでなされ、溶液を、5回の25℃と37℃との間の温度振動で、350rpmで30分かき混ぜる。
増幅ミックスでのpNIPAMベースのDABのローディング
標的の捕獲後、DABを50℃に加熱して、粒子から液相を追い出す。粒子を短時間で2000gで回転させ、40℃で保持する。縮んでペレット化した粒子は強くくっついて一体化し、追い出された液体がペレットから完全に除去できるようになる。
鋳型なしの10μlのPCR増幅ミックスを構成した。増幅ミックスの体積は、粒子が吸収できる体積より小さい必要がある。これは、主として、粒子の数およびサイズに依存する。この実施例において、使用される粒子は、12μlの体積を吸収することができた。
この増幅ミックスは、以下の試薬(最終濃度)からなる:
− 6mMのMg2+、20mMのトリス−HCl、pH8.9、22mMのKCl、22mMのNHCl、5%のグリセロール、0.01%のTriton−X100および0.005%のTween20、1mg/mlのポリリン酸ナトリウムを含有する1×PCR緩衝剤
− 400μMのdNTP(Invitrogen)
− 0.8μMのフォワードプライマー:5’−GCA GTG GCG CCC GAAC AGG−3’(Metabion international AG)
− 0.8μMのリバースプライマー:5’−ACT GAC GCT CTC GCA CCC ATC T−3’(Metabion international AG)
− 0.8μMのハイブリダイゼーションプローブ:5’−CF647−CTC CGA CGC AAC GGG CTC G−BHQ3−3’
− 凍結乾燥されたホットスタートTaq DNAポリメラーゼ(BiotechRabbit)、0.125U/μl
このミックスを粒子ペレットに付与し、20℃でインキュベートした。この温度で、粒子は膨潤し、PCR反応ミックスの体積全体を吸収する。
DABを油中に分散させることによる区画化
既定の体積を有するマイクロ区画を、フルオロカーボン油中に、例えばNovec 7500オイル(Dolomite Microfluidics、番号3200214)中に分散させたPicoSurf(商標)5%中にDABを分散させることによって作製する。重質フルオロカーボン油の代わりに、乳化剤を含む軽油、例えば5%(w/w)Span 80(Sigma Aldrich、番号85548)を含むミネラルオイル(Sigma−Aldrich、番号M5904 Sigma)を適用してもよい。
粒子ペレットをエッペンドルフチューブ中で過量の油と接触させる。DABペレットが分散され、DABが均一に分配されるまで、超音波を適用する。ここでHIV−1 cDNA標的をローディングしたpNIPAM DABを、油相中で乳化する。DABを含む油を、およそ2cmの面積およびおよそ1mmの層厚さを有する検出チャンバーに移す。チャンバーの逆の面は、透明な疎水性材料で作製される。フルオロカーボン油が使用される場合、DABは、ビーズと油との間の密度の差のために、疎水性上面上に単分子層(高密度の充填)として集合する。ミネラルオイルが適用される場合、DABは、下面に蓄積すると予想される。したがってDABは、後続のデジタルPCRのためのマイクロ反応コンテナを提供する。
DABマイクロ区画における増幅反応
油中に懸濁したDABを、同じチャンバー中で、ペルチェ素子30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、番号QC−71−1.4−3.7M)上で、温度のサイクル化に供する。DABは、32℃を超えて加熱されると、DAB内部の反応ミックスが追い出されるように濃縮される。これは、個々のcDNA分子の増幅が行われるマイクロ反応区画として役立つ濃縮されたDABの周辺に単一の水性液滴を形成する。
適用される加熱条件は、以下の通りである。
95℃で2分の最初の変性、それに続く、45サイクルの、95℃で15秒での変性、65℃で15秒のアニーリングおよび72℃で30秒での伸長。熱プロトコールが完了したら、チャンバーの内容物を、透過した白色光ならびに励起λexc=650nmおよび>670nmのロングパス放出での蛍光モードで、21℃で画像化する。DABの総数および既定の強度の閾値より高い蛍光シグナルを有するDABの数を決定する。閾値は、これまでに実行された鋳型なしの増幅反応から得られる。反応における鋳型の数は、陽性および陰性の液滴の決定された数をポアソン統計に適用することによって決定される。
(実施例7)
デジタルElisaを確立するための、ビオチンで改変されたpNIPAMベースの単分散デジタル増幅ビーズ(DAB)の適用
ここで本発明者らは、ヒトcTnIの検出のためのデジタルイムノアッセイを確立するプロセスを記載する。このアッセイは、デジタル様式でイムノPCRを採用し、検出抗体は、DNAで標識される。捕獲抗体をストレプトアビジンで標識し、ビオチンで改変されたpNIPAM粒子にコーティングする。捕獲抗体と結合した粒子、抗原およびDNA標識検出抗体のサンドイッチ複合体は、分析物を粒子表面にポンプで送り、粒子表面からあらゆる未結合の材料を取り去るための温度のサイクル化を採用するプロセスで形成される。未結合の検出抗体、したがってDNA標識は、温度のサイクル化を採用する適切な洗浄ステップによって除去される。pNIPAMベースのDABにPCR増幅ミックスをローディングし、別の反応区画が形成されるように油中に懸濁する。後続の液滴PCRで、結合したDNA−標識を検出する。
検出抗体
cTnI検出抗体(クローン10C9、SDIX)を、Thunder−Link(登録商標)PLUSオリゴコンジュゲーションシステム(Innova Bioscience)を製造元のプロトコールに従って使用して標識し、次いで精製する。以下の配列が抗体にカップリングされる:
捕獲抗体:
クローンTPC−110(SDIX)は、捕獲抗体として使用される。これを、製造元のプロトコールに従って、Lightning linkストレプトアビジン(Innova Bioscience)によってマークした。
pNIPAM検出粒子の調製および回収
ビオチンで改変されたpNIPAM検出粒子の調製を、以下の改変を含む実施形態1に記載される方法に従って行った。例示的な実施形態においてビオチンで標識されたpNIPAM粒子を水性相に移し、不適切な粒子サイズを排除した後、粒子を、ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でコーティングする。
ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でのpNIPAM検出粒子のコーティング
ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体でのpNIPAMのコーティングは、PBS、0.1%のTriton X−100中で達成される。ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体の濃度は、偽陽性シグナルの出現が最小化され、優れた感度が達成されるように選択される。最適な捕獲抗体濃度は、予備的な試験で決定されている(以下を参照)。カップリングは、エッペンドルフサーモシェーカーでなされ、溶液を、5回の25℃と37℃との間の温度振動で、350rpmで30分かき混ぜる。捕獲抗体とのカップリングの後、粒子を上述したようにペレット化し、上清を交換することによって数回洗浄する。その後、pNIPAM−粒子の濃度を、計数チャンバーにおいて顕微鏡下で計数することによって決定する。粒子の濃度を約5,000/μlに調整する。粒子を20μlの単位でアリコートにする。
抗体濃度の最適化:
DNA標識検出および捕獲抗体と結合した粒子の最適な濃度は、従来のイムノPCRによって決定される。2つの抗体の濃度を系統的に変更し、トロポニン非含有の血漿(陰性対照)および既定量のスパイクされたトロポニンIを含むトロポニン非含有の血漿を使用した免疫複合体を生成した。これらを粒子上に捕獲し、洗浄し、従来のPCRに供した。それぞれの抗体の最適な濃度は、最も低い検出限界および最も広いダイナミック測定レンジによって示される。
免疫複合体の形成およびその捕獲:
反応ミックス:
ヒトEDTA−血漿 50μl
500mMのリン酸緩衝剤、pH7.5、1MのNaCL、0.25%のTriton X−100 20μl
HBR−Plus(Scantibodies) 10μl
DNA標識された検出抗体 yμl
捕獲抗体でコーティングされたpNIPAM検出粒子 20μl
総体積 約100μl
免疫複合体の生成および捕獲ならびに洗浄:
約100μlの反応混合物(上記を参照)は、これまでに決定された最適な濃度を用いて調製される。捕獲は、エッペンドルフサーモシェーカーでなされ、溶液を、5回の25℃と37℃との間の温度振動で、350rpmで30分かき混ぜる。捕獲後、DABを洗浄して、非特異的に結合した検出抗体を除去する。1mLのPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100を、粒子を含有するチューブに添加する。内容物を混合し、温度を40℃に設定する。粒子は縮み、内部の液体が追い出される。その後、粒子を、2000gおよび40℃で2分遠心分離する。ここで粒子をチューブの底部にペレット化する。上清を除去し、チューブ中に粒子を残す。1mLの20℃のPBS、0.1%(v/v)のTriton X−100をチューブに添加する。粒子は膨潤し、洗浄緩衝剤を吸収する。内容物を混合し、再び温度を40℃に設定する。この洗浄プロセスを、偽陽性シグナルが、到達する必要がある(実験的に決定される)定量化のレベルをより低くすることを可能にする範囲内になるまで数回繰り返す。その後、1×Taq DNAポリメラーゼPCR緩衝剤[20mMのトリスHCl(pH8.4)、50mMのKCl]を用いた2回の追加の洗浄ステップを実行する。
増幅ミックスでのpNIPAMベースのDABのローディング
標的捕獲の後、DABを50℃に加熱して、粒子から液相を追い出す。粒子を短時間で2000gで回転させ、40℃で保持する。縮んでペレット化した粒子は強くくっついて一体化し、追い出された液体がペレットから完全に除去できるようになる。
10μlの鋳型なしのPCR増幅ミックスを構成した。増幅ミックスの体積は、粒子が吸収できる体積より小さい必要がある。これは、主として、粒子の数およびサイズに依存する。この実施例において、使用される粒子は、14μlの体積を吸収することができた。
この増幅ミックスは、以下の試薬(最終濃度)からなる:
以下の組成を有するPCR反応混合物(体積10μl)を調製する:
500nMのフォワードプライマー(5’AGCTCTTGATCCGGCAAACA3’)
500nMのリバースプライマー(5’GCGTCAGACCCCGTAGAAAA3’)
SYBR(登録商標)グリーンI核酸ゲル染色(Sigma−Aldrich、番号S9430)1:25000
1×PCR−マスターミックス
PCRグレードの水
このミックスを粒子ペレットに付与し、20℃でインキュベートした。この温度で、粒子は膨潤し、PCR反応ミックスの体積全体を吸収する。
DABを油中に分散させることによる区画化
既定の体積を有するマイクロ区画を、フルオロカーボン油中に、例えばNovec 7500オイル(Dolomite Microfluidics、番号3200214)中に分散させたPicoSurf(商標)5%中にDABを分散させることによって作製する。重質フルオロカーボン油の代わりに、乳化剤を含む軽油、例えば5%(w/w)Span 80(Sigma Aldrich、番号85548)を含むミネラルオイル(Sigma−Aldrich、番号M5904 Sigma)を適用してもよい。
粒子ペレットをエッペンドルフチューブ中で過量の油と接触させる。DABペレットが分散され、DABが均一に分配されるまで、超音波を適用する。ここでHIV−1 cDNA標的をローディングしたpNIPAM DABを、油相中で乳化する。DABを含む油を、およそ2cmの面積およびおよそ1mmの層厚さを有する検出チャンバーに移す。チャンバーの逆の面は、透明な疎水性材料で作製される。フルオロカーボン油が使用される場合、DABは、ビーズと油との間の密度の差のために、疎水性上面上に単分子層(高密度の充填)として集合する。ミネラルオイルが適用される場合、DABは、下面に蓄積すると予想される。したがってDABは、後続のデジタルPCRのためのマイクロ反応コンテナを提供する。
DABマイクロ区画における増幅反応
油中に懸濁したDABを、同じチャンバー中で、ペルチェ素子30×30×4.7mm、19.3W(Quick−Ohm、Kupper&Co.GmbH、番号QC−71−1.4−3.7M)上で、温度のサイクル化に供する。DABは、32℃を超えて加熱されると、DAB内部の反応ミックスが追い出されるように濃縮される。これは、個々のDNA分子の増幅が行われるマイクロ反応区画として役立つ濃縮されたDABの周辺に単一の水性液滴を形成する。
PCR増幅を、以下のパラメーターを用いて40サイクルにわたり実行する:
サイクル1:
95℃で5分
65℃で30秒
72℃で30秒
サイクル2〜40:
94℃で30秒
65℃で30秒
72℃で30秒。
増幅を完了させた後、個々の粒子のSYBRグリーンシグナルを蛍光顕微鏡法によって検出する。デジタルPCRのための確立されたアルゴリズムに従ってデータ分析を実行する。
最適なダイナミック測定レンジの決定
DNA標識検出抗体のDABへの非特異的な結合は、デジタルイムノPCRの適応性を限定する重要なパラメーターの代表である。非特異的に結合した標識は、増幅後に偽陽性のDABを生じる。それゆえに、デジタルイムノPCRにおいて、分析物の定量化は、陽性試料と陰性対照との間の差を決定することによって達成される。
1つの極端なシナリオでは、検出抗体の非特異的な結合は、分析物を含まない対照反応において偽陽性シグナルを有するDABの大部分をもたらす可能性がある。これは、アッセイ中に検出抗体の濃度を次第に低減すること、またはDNA標識を有さない同じ抗体でのDNA標識検出抗体の希釈を増大させることにより抗体濃度を維持することのいずれかによって検出抗体の有効濃度を低減することによって軽減される。
(実施例8)
イムノアッセイ様式での抗原の富化および検出
ここで本発明者らは、本発明によるセンサボディを使用する抗原の富化および検出を記載する。
熱応答性ポリマーpNIPAMで構成される本発明によるセンサボディ(「ビーズ」)は、熱サイクルする能力と組み合わせて、抗原を富化および検出する機会を提供する。本発明者らによって作製されたプロトタイプのビーズでの研究により、採用される試薬として、標識された検出抗体、ストレプトアビジンで標識された捕獲抗体、およびビオチン化したpNIPAM粒子を用いた簡単な1ステップのプロトコールがもたらされた。図8に、このような実施形態の原理を示す。全てのステップは、単一の反応容器(「コンテナ」)内で実行され、移動ステップは必要ない。試薬をNS1−抗原を含有するEDTA−血漿と混合し、熱サイクルの数回のサイクル(例えば40×[40℃−20℃]、10秒のサイクル時間)に供すると、サンドイッチ複合体の効率的な結合が達成される。これは、粒子の繰り返しの膨潤および収縮によって説明され、それにより結合表面を通る実質的な材料のフローが起こり、粒子に緊密に近接する液体からの有効な捕獲が確実になる。この作用は、必要に応じて、各粒子の周辺における効率的な肉眼で見える液体の交換を達成するために、チャンバー(「コンテナ」、「反応容器」)内で前後に反応ミックス全体をポンプで送ることによる液体の移動によって補われる。実質的なシグナル増加は、図9で示されるように、粒子を、収縮した状態(下限臨界溶液温度(LCST、例えば40℃)を超える温度で蛍光で画像化したときに達成される。蛍光性粒子の画像は、検出器の最適な曝露設定で示されているが、図9の上のパネルのグラフは、1秒の曝露時間に正規化されている。収縮した状態における検出可能なシグナルは、ほとんどの調合物について、未結合の蛍光検出抗体によって引き起こされるバックグラウンド蛍光から、分析物の結合を示す粒子結合シグナルを識別するのに十分強いことが見出された。
コンテナ中での液体試料の機械的なかき混ぜを達成するために、コンテナ中でインキュベートした液体の繰り返しの移動を実行するようにシリンジポンプをプログラムし、一方で同時の温度のサイクル化のためにコンピューター制御されたペルチェ素子を使用した。
様々な粒子/センサボディを、異なる配合1〜6に従って合成した(図9のグラフ中のそれぞれのバーの真下に番号1〜6で示される)。粒子は、ポリマーの濃度、共重合用単量体のタイプおよび濃度、ならびに架橋の程度に関して異なっていた。より具体的には、粒子/センサボディの組成は以下の通りであった。
精巧な最適化なしでも、1ステップのイムノアッセイは優れた性能を示すことが判明した。ICLからのスパイクされたNS1血清型2の希釈試料を、捕獲抗体として01961−ストレプトアビジンおよび検出抗体として1838−RPEを用いてアッセイした。このアッセイは、総アッセイ時間が約4〜5分であり、実行(全ての試薬を試料と混合すること)が非常に迅速かつ簡単である。図10でわかるように、2ng/mL濃度の抗原でスパイクされたEDTA−血漿は、繰り返し、さらに明確に、陰性対照試料(スパイクされたNS1を含まない血漿)から識別することができる。洗浄ステップまたは移動ステップは必要ない。また、粒子をかろうじて認識できるが、測定可能な(蛍光)シグナルはない陰性対照(NS1スパイクなしの試料)も示される。
参考文献
好ましい実施形態のさらなる改変が、本発明の範囲から逸脱することなく可能であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
本明細書、特許請求の範囲、および/または添付の図面で開示された本発明の特色は、別々に、およびそれらのあらゆる組合せの両方で、それらの様々な形態で本発明を理解するための資料であり得る。

Claims (19)

  1. 分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのセンサボディであって、前記センサボディは、多孔質ポリマー足場および前記ポリマー足場内の間隙の細孔スペースを含み、前記多孔質ポリマー足場は、前記センサボディが曝露される少なくとも1つの外部条件、例えばpH、温度、塩条件、化学物質の存在または非存在の変化に応答するポリマーで構成され、前記多孔質ポリマー足場に、分析物のための1つまたは複数の捕獲剤が付着している、センサボディ。
  2. 前記センサボディが曝露される前記少なくとも1つの外部条件の変化に応答する前記ポリマーが、熱応答性ポリマーであり、前記熱応答性ポリマーは、下限臨界溶液温度を有する熱応答性ポリマー(LCSTポリマー)であり、好ましくは、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(pNIPAM)、ポリ[2−(ジメチルアミノ)メタクリル酸エチル](pDMAEMA)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルカプロラクタム)(P(VCL)、およびポリビニルメチルエーテルから選択されるか、または前記熱応答性ポリマーは、上限臨界溶液温度(UCST)を有する熱応答性ポリマーであり、好ましくは、ポリ(N−アクリロイルグリシンアミド)(PNAGA)、ポリ(アリルアミン)−co−ポリ(アリル尿素)およびその誘導体、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルアスパラギンアミド)、ポリ(N−メタクリロイルグルタミンアミド)、ポリ(アクリルアミド)−co−(アクリロニトリル)、ポリ(スルホベタイン)、ポリ(ホスホリルコリン)から選択されるかのいずれかである、請求項1に記載のセンサボディ。
  3. 前記応答性ポリマー、特に前記熱応答性ポリマーが、好ましくは、前記ポリマー内の異なるポリマー鎖間を架橋し、それらを相互接続する少なくとも1種の架橋試薬によって架橋されるか、または前記センサボディに隣接する基板、特に実質的に平坦な基板を提供すること、および前記ポリマーの異なるポリマー鎖を前記基板に、特に前記基板の表面に界面架橋することによって架橋され、より好ましくは、前記少なくとも1種の架橋試薬は、抗体でも抗体断片でもない、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  4. 前記センサボディが、拡張および収縮した状態を可逆的にとる能力を有し、好ましくは、前記センサボディが前記拡張した状態にあるとき、前記間隙の細孔スペースが、前記センサボディの総体積の、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%の体積を有する、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  5. 前記間隙の細孔スペースの総体積のおよそ10%〜90%が、前記分析物のアクセスが可能ではないが、溶媒、好ましくは水のアクセスが可能である、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  6. 前記分析物が、核酸、好ましくはDNAまたはRNA、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、タンパク質およびペプチド、脂質、例えばリン脂質から選択される生体分子であり、好ましくは、前記生体分子は、>0.1kDaのサイズ、例えば0.5kDa、好ましくは>5kDa、より好ましくは>10kDa、さらにより好ましくは>50kDaのサイズを有するか、または前記分析物は、ウイルスまたは細胞である、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  7. 前記間隙の細孔スペースが、前記分析物を含有する、またはそれを含有する疑いのある液体試料からの液体を受容するような寸法である、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  8. 前記捕獲剤が、所与の分析物に特異的であり、抗体、抗体断片、アプタマー、シュピーゲルマーを含む核酸、分析物または分析物複合体に特異的に結合することが可能な非抗体タンパク質、例えば受容体、受容体断片、親和性タンパク質、例えばストレプトアビジン、ビオチン、Strep−tag(登録商標)、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノールなどの化学的部分、K=10−8から10−15Mの範囲の親和性で、抗体、抗体断片、アプタマー、シュピーゲルマーを含む核酸、非抗体タンパク質、例えば受容体、受容体断片、親和性タンパク質、例えばストレプトアビジンと特異的に結合することが可能な核酸もしくは核酸類似体タグまたは類似の化学的部分から選択されるか、または疎水性分子または疎水性基を有する分子に特異的に結合することが可能な疎水性構造物から選択され、好ましくは、前記疎水性構造物は、前記分析物の前記検出が実行される条件下で、2より大きいlogDを有する、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  9. 好ましくは自由に拡散可能な孤立粒子であるか、または基板の表面上に固定化されたスポットであるかのいずれかである、前記請求項のいずれか一項に記載のセンサボディ。
  10. 好ましくは自由に拡散可能な孤立粒子であり、前記孤立粒子は、球形または球状の形状を有し、好ましくは、球形または球状の形状を有し、視覚的に、好ましくは顕微鏡または他の光学的手段で観察できる明確に定められた境界を有する、請求項9に記載のセンサボディ。
  11. 1μmから1mmの範囲の平均直径を有する、請求項9または10に記載のセンサボディ。
  12. 基板の表面上に固定化されたスポットであり、前記スポットは、視覚的に、好ましくは顕微鏡または他の光学的手段で観察できる明確に定められた境界を有し、好ましくは、1μmから1mmの範囲の前記基板上の平均固定面積をカバーし、前記粒子の厚さは、前記スポットが曝露される前記外部条件に応じて、したがって、前記スポットが拡張した状態にあるのか、または収縮した状態にあるのかに応じて変動する、請求項9に記載のセンサボディ。
  13. 分析物をセンサボディに結合させる方法であって、
    a)請求項1〜12のいずれか一項に記載のセンサボディ、および分析物を含有する疑いのある水性試料を任意の順番で提供するステップ;
    b)前記センサボディを前記水性試料に曝露し、それによって前記試料中に存在する分析物を、前記センサボディに結合させ、前記センサボディの前記間隙の細孔スペースに液体を入れるステップ
    を含む、方法。
  14. センサボディに結合した分析物を濃縮および/または洗浄する方法であって、
    c)請求項13に記載の方法を実行するステップ;
    d)前記センサボディが曝露される少なくとも1つの外部条件、例えば温度、pH、塩濃度、化学物質の存在または非存在の1つを変化させることによって、前記センサボディの状態を拡張した状態から収縮した状態に変化させ、それによって前記センサボディの前記間隙の細孔スペースに含有される前記液体を押し出すステップ;
    e)前記粒子が曝露される少なくとも1つの外部条件、例えば温度、pH、塩濃度、化学物質の存在または非存在の1つを変化させることによって、前記センサボディの状態を、収縮した状態から拡張した状態に変化させ、それによって前記センサボディの前記間隙の細孔スペースに液体を入れるステップ
    を含み、
    前記分析物が前記粒子に結合した場合、ステップc)の後にステップd)およびe)が実行され、前記分析物は、標識されているか、または標識されていないかのいずれかであり;
    ステップd)およびe)は、n回繰り返され、nは、1〜1000、好ましくは1〜500、好ましくは1〜250、より好ましくは1〜100、さらにより好ましくは1〜50、より好ましくは1〜40、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、さらにより好ましくは1〜20、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20の範囲の整数である、方法。
  15. 前記ステップc)〜e)の実行の間、前記センサボディが、バルクの水溶液、例えば前記水性試料によって取り囲まれており、前記ステップc)〜e)のうちの少なくとも1つの間、前記バルクの水溶液をかき混ぜることによって、前記センサボディの周辺の液体が交換される、請求項14に記載の方法。
  16. 試料中の分析物を検出する方法であって、
    − 請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法を実行するステップであって、前記分析物は、前記センサボディに前記分析物を結合させる前、その間またはその後のいずれかにおいて、標識されているかまたは標識される、ステップ;
    − 好ましくは未結合の標識の存在下で、前記センサボディに結合した前記標識を検出することによって、前記センサボディに結合した前記分析物を検出するステップ
    を含む、方法。
  17. 単一の反応容器で実行される、請求項13〜15および16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 分析物と結合する、および/またはそれを濃縮するためのデバイスであって、
    − 請求項1〜12のいずれか一項で規定された複数のセンサボディを受けるための、および分析物を含有する疑いのある水性試料を受けるための、コンテナ;
    − 前記コンテナ中に含有される、請求項1〜12のいずれか一項で規定された複数のセンサボディであって、前記センサボディの前記ポリマー足場は、熱応答性ポリマーで構成される、センサボディ;
    − 前記コンテナ中の温度を制御し、周期的に変化させるための手段、および
    − 必要に応じて、水性試料が前記コンテナ中に存在する場合、それを機械的にかき混ぜるための手段
    を含む、デバイス。
  19. − 前記コンテナ内のセンサボディ、ならびに前記センサボディのサイズ、外観、光の吸収、光の放出および/または蛍光の変化を検出するように構成された光学検出器
    をさらに含む、請求項18に記載のデバイス。
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