JP2021506976A - 根本的に多様なヒト抗体ライブラリー - Google Patents

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Abstract

ヒトにおいて天然に存在するメモリーB細胞およびナイーブB細胞に由来する相補性決定領域の天然に存在しない組合せを有する複数の抗体を含む、抗体ライブラリーであって、多数の機能性抗体および非冗長抗体を含む、抗体ライブラリーが、開示される。さらに、高いレベルの機能的多様性を有する抗体ライブラリーを調製する方法が、開示される。複数の抗体を含む抗体ライブラリーが、本明細書において提供される。複数の抗体は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列を含むVHドメイン、およびVL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列を含むVLドメインを含み得る。VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、ナイーブB細胞に由来し得る。

Description

相互参照
本出願は、2017年12月18日に出願された米国仮出願第62/607,199号および2018年10月31日に出願された同第62/753,754号の利益を主張し、これらの出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
モノクローナル抗体(mAb)は、治療薬として、研究ツールとして、および診断において、有用であるが、所望される標的に対する親和性を有する抗体を見出すことは、困難であり得る。抗体ライブラリーは、標的化合物に対する大量の抗体をスクリーニングするための効率的なツールを提供する。そのようなライブラリーは、典型的に、天然に存在する可変遺伝子の再配列に基づくか、または合成の多様性を抗体配列に導入する。しかしながら、天然の抗体ライブラリーは、多くの場合、極めて限定的な多様性を有し、一方で合成のライブラリーは、非機能性配列に悩まされ得る。したがって、高度な機能的多様性を有する抗体ライブラリーの開発に対する必要性が存在する。
複数の抗体を含む抗体ライブラリーが、本明細書において提供される。複数の抗体は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列を含むVHドメイン、およびVL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列を含むVLドメインを含み得る。VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、ナイーブB細胞に由来し得る。一部の実施形態では、VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの1つのみが、ナイーブB細胞に由来する場合、ナイーブB細胞に由来しないVH−CDR3配列またはVL−CDR3配列は、メモリー細胞に由来する。VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、メモリーB細胞に由来し得る。一部の実施形態では、ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、天然に存在する配列である。一部の実施形態では、メモリー細胞に由来するVH−CDR3配列またはVL−CDR3配列は、天然に存在する配列である。一部の実施形態では、メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、天然に存在する配列である。一部の実施形態では、ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、メモリー細胞に由来するVH−CDR3配列またはVL−CDR3配列は、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、VLドメインは、VKドメインまたはVλドメインである。一部の実施形態では、ナイーブB細胞は、CD27−/IgM+ B細胞またはCD27−/IgD+ B細胞である。一部の実施形態では、メモリーB細胞は、CD27+/IgG+ B細胞、CD27+/IgM+ B細胞、IgA+ B細胞、およびこれらの組合せからなる群より選択される。一部の実施形態では、ナイーブB細胞およびメモリーB細胞は、複数の個体から試料採取された複数のナイーブB細胞およびメモリーB細胞を含む試料から得られる。一部の実施形態では、複数の個体は、少なくとも50の個体である。一部の実施形態では、複数の抗体は、複数のファージの表面上に発現される。一部の実施形態では、複数のファージは、バクテリオファージまたはファージミドである。一部の実施形態では、複数のファージのそれぞれのファージは、i)複数の抗体のうちの1つの抗体およびii)ファージコートタンパク質をコードする遺伝子をコードする、核酸配列を含む。一部の実施形態では、ファージコートタンパク質は、タンパク質gIIIである。一部の実施形態では、それぞれのファージの核酸配列の発現により、ファージコートタンパク質に融合した抗体が産生される。一部の実施形態では、VHドメインは、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、およびIGHV3−23からなる群より選択されるフレームワーク領域をさらに含む。一部の実施形態では、VLドメインは、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、およびIGKV4−1からなる群より選択されるフレームワーク領域をさらに含む。一部の実施形態では、複数の抗体は、少なくとも7.6×1010個の抗体を含む。一部の実施形態では、複数の抗体のうちの少なくとも95%は、機能性である。
抗体ライブラリーを調製する方法であって、a)ナイーブB細胞のプールから複数のVH−CDR3およびVL−CDR3配列の配列情報ならびにメモリーB細胞のプールから複数のVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列の配列情報を取得するステップと、b)複数の可変軽鎖(VL)ドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVLドメイン配列が、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR1配列、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR2配列、およびステップaにおいて決定されたメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR3配列を含む、ステップと、c)複数の第1の抗体をコードする複数の第1の核酸配列をアセンブルするステップであって、それぞれの第1の抗体が、ステップbにおいてアセンブルされた可変軽鎖(VL)ドメイン配列および単一の固定重鎖配列を含む、ステップと、d)複数の第1の核酸配列を、複数のファージに挿入するステップと、e)複数の第1の抗体を、複数のファージの表面上に発現させるステップと、f)少なくとも1つの選択圧を、複数のファージに適用して、第1の核酸配列のサブセットを含むファージのサブセットを産生するステップと、g)複数の可変重鎖(VH)ドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVHドメイン配列が、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR1配列、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR2配列、およびステップaにおいて決定されたメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR3配列を含み、VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、ナイーブB細胞から得られた配列情報に由来する、ステップと、h)第1の核酸配列のサブセットに由来する単一の固定重鎖配列を、ステップgにおいてアセンブルされた複数のVHドメイン配列と置き換えて、複数の第2の核酸配列を産生するステップであって、それぞれの第2の核酸配列が、ステップbにおいてアセンブルされた可変軽鎖(VL)ドメイン配列およびステップgにおいてアセンブルされた可変重鎖(VH)ドメイン配列を含み、複数の第2の核酸配列が、複数の第2の抗体をコードする、ステップと、i)複数の微生物に、複数のファージを形質転換して、複数の形質転換体を産生するステップとを含む、方法もまた、本明細書において提供される。一部の実施形態では、ナイーブB細胞のプールは、5%を下回る、ナイーブB細胞起源ではない細胞を含む。一部の実施形態では、メモリーB細胞のプールは、5%を下回る、メモリーB細胞起源ではない細胞を含む。一部の実施形態では、ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、天然に存在する配列である。一部の実施形態では、メモリー細胞に由来するVH−CDR3配列またはVL−CDR3配列は、天然に存在する配列である。一部の実施形態では、メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、天然に存在する配列である。一部の実施形態では、ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、メモリー細胞に由来するVH−CDR3配列またはVL−CDR3配列は、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、ナイーブB細胞のプール、メモリー細胞のプール、またはこれらの組合せは、複数の個体から取得される。一部の実施形態では、複数の個体は、少なくとも50の個体である。一部の実施形態では、本方法は、配列情報を取得する前に、試料中のナイーブB細胞およびメモリーB細胞を選別して、ナイーブB細胞のプールおよびメモリーB細胞のプールを産生するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ナイーブB細胞およびメモリーB細胞を選別するステップは、フローサイトメトリーの使用を含む。一部の実施形態では、フローサイトメトリーは、蛍光活性化細胞選別(FACS)である。一部の実施形態では、本方法は、ナイーブB細胞およびメモリーB細胞から、核酸を抽出するステップをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、DNAである。一部の実施形態では、核酸は、mRNAである。一部の実施形態では、本方法は、mRNAを相補的DNA(cDNA)に逆転写するステップをさらに含む。一部の実施形態では、それぞれのVLドメイン配列をアセンブルするステップは、オーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)の使用を含む。一部の実施形態では、それぞれのVHドメイン配列をアセンブルするステップは、オーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)の使用を含む。一部の実施形態では、単一の固定重鎖配列は、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、およびIGHV3−23からなる群より選択される生殖細胞系配列である。一部の実施形態では、少なくとも1つの選択圧を適用するステップは、熱ストレス、プロテインAによる選択、プロテインLによる選択、またはこれらの組合せを適用することを含む。一部の実施形態では、熱ストレスは、少なくとも65℃の温度である。一部の実施形態では、熱ストレスを複数のファージに適用することにより、ファージのサブセットから、不安定なファージおよび凝集傾向にあるファージを排除する。
さらに、複数の抗体を含む抗体ライブラリーであって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)1つのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択され、このCDR配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)固有の組合せの残りのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、抗体ライブラリーが、本明細書において提供される。一部の実施形態では、(c)のCDR配列は、VH−CDR3配列である。一部の実施形態では、(d)の残りのCDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列である。一部の実施形態では、(c)のCDR配列は、初期抗体クローンに由来するCDR配列と同じである。一部の実施形態では、(d)の残りのCDR配列のそれぞれは、高度な多様性で、抗体ライブラリーに存在する。一部の実施形態では、高度な多様性は、少なくとも1×10個の異なるCDR配列を含む。一部の実施形態では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、天然に存在するCDR配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、天然に存在するCDR配列は、ヒト集団に由来する。一部の実施形態では、(d)の残りのCDR配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、天然に存在しない組合せで存在する。一部の実施形態では、複数の抗体のうちの少なくとも1つの抗体は、以下の:初期抗体クローンと比較して高い融解温度(Tm)、初期抗体クローンと比較して高い標的エピトープに対する親和性、または初期抗体クローンと比較して高い、標的エピトープに対する2つもしくはそれを上回る種にわたる交差反応性のうちの少なくとも1つを有する。一部の実施形態では、複数の抗体のうちの少なくとも1つの抗体は、約50℃〜約90℃である融解温度(Tm)を有する。一部の実施形態では、複数の抗体のうちの少なくとも1つの抗体は、100nMまたはそれを下回るKで、標的エピトープに結合する。
さらに、抗体ライブラリーを生成するための方法であって、(a)1つのCDR配列を選択するステップであって、このCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、ステップと、(b)第1の抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、1つのCDR配列を、(a)において選択されたCDR配列と置き換え、それによって、複数の抗体を含む第2の抗体ライブラリーを生成するステップであって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(i)(a)において選択されたCDR配列と、(ii)(a)において選択されていない、固有の組合せの残りのCDR配列とを含み、残りのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、ステップとを含む、方法が、本明細書において提供される。一部の実施形態では、第1の抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、固有の組合せのVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む。一部の実施形態では、(a)において選択されるCDR配列は、VH−CDR3配列である。一部の実施形態では、(ii)の残りのCDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列である。一部の実施形態では、(ii)の残りのCDR配列のそれぞれは、高度な多様性で、抗体ライブラリーに存在する。一部の実施形態では、高度な多様性は、少なくとも1×10個の異なるCDR配列を含む。一部の実施形態では、抗体ライブラリーのVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、天然に存在するCDR配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む。一部の実施形態では、天然に存在するCDR配列は、ヒト集団に由来する。一部の実施形態では、(ii)の残りのCDR配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、天然に存在しない組合せで存在する。一部の実施形態では、(a)のCDR配列は、初期抗体クローンに由来する。一部の実施形態では、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、以下の:初期抗体クローンと比較して高い融解温度(Tm)、初期抗体クローンと比較して高い標的エピトープに対する親和性、または初期抗体クローンと比較して高い、標的エピトープに対する2つもしくはそれを上回る種にわたる交差反応性のうちの少なくとも1つを有する。一部の実施形態では、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、約50℃〜約90℃である融解温度(Tm)を有する。一部の実施形態では、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、100nMまたはそれを下回るKで、標的エピトープに結合する。一部の実施形態では、第1の抗体ライブラリーは、先行するいずれかの抗体ライブラリーによる抗体ライブラリーである。一部の実施形態では、第2の抗体ライブラリーは、先行するいずれか1つによる抗体ライブラリーである。一部の実施形態では、本方法は、(c)第2の抗体ライブラリーを、所望される特性を有する抗体についてスクリーニングするステップをさらに含む。
参照による組込み
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個別の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個別に参照により組み込まれると示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
特許または出願書類は、少なくとも1つのカラー図面を含む。カラー図面を有するこの特許または特許出願公開のコピーは、必要に応じて、かつ必要な費用の支払いに応じて、当局により提供されるであろう。本発明の新規な特性は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特性および利点のより良好な理解は、例示的な実施形態について記載し、本発明の原理が用いられている、以下の詳細な説明、ならびに添付の図面を参照することによって得られるであろう。
図1は、ナイーブB細胞に関して、単一の個体から得られるVH−CDR3およびVL−CDR3多様性の量を、メモリーB細胞から得られるVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3多様性の量と比較して、示す。
図2は、SuperHuman+CarterraおよびSuperHuman Zero−Dayを含む、異なる技術を使用する抗体ライブラリーを開発するための時間の長さを図示する。
図3は、PD1に対する親和性(nM)を示すクローンのパーセンテージを図示する。
図4は、5つの抗PD1クローンに対して、ヒトおよびカニクイザルの細胞表面PD1に対する反応性を図示する。対照として、それぞれのプロットにおいて、PPE対照/親細胞およびPPE対照/トランスフェクト細胞は、もっとも左側のピークであり、一方で陽性対照抗体/トランスフェクト細胞は、もっとも右側のピークである。選択されたクローンのプロットの場合、それぞれのプロットにおいて、PPE対照/トランスフェクト細胞は、もっとも左側のピークであり、一方でPPE陽性/トランスフェクト細胞は、もっとも右側のピークである。
図5は、2つの抗PD1クローンの、ヒト、マウス、およびカニクイザルの間での交差反応性を図示する。
図6は、リガンド遮断に関するスクリーニングを図示する。
図7は、61個の陽性および49個の固有のクローンを含む2つのプレートのベータガラクトシダーゼ(bGal)ELISAおよびサンガースクリーニングを図示する。
図8は、抗体クローンの配列における多様性を図示する。
図9は、抗体融合バリアントを示す。
図10は、抗bGal 27番のVH−CDR1(CDR−H1)およびVH−CDR2(CDR−H2)におけるバリアントを図示する。
図11は、フレームワーク選択戦略に関与する因子を示す。
図12A〜12Bは、フェーズI臨床試験から得られたmAbのフレームワーク使用率を図示する。図12Aは、フェーズI臨床試験から得られた400個を上回るmAbにおいて使用された重鎖フレームワークを図示する。図12Bは、フェーズI臨床試験から得られた400個を上回るmAbにおいて使用された軽鎖フレームワークを図示し、フェーズIのmAbの大半がカッパ由来であることを示す。 図12A〜12Bは、フェーズI臨床試験から得られたmAbのフレームワーク使用率を図示する。図12Aは、フェーズI臨床試験から得られた400個を上回るmAbにおいて使用された重鎖フレームワークを図示する。図12Bは、フェーズI臨床試験から得られた400個を上回るmAbにおいて使用された軽鎖フレームワークを図示し、フェーズIのmAbの大半がカッパ由来であることを示す。
図13は、14個のヒト集団における12個のフレームワークの対立遺伝子頻度を示す。
図14は、14個のヒト部分集団における27個のフレームワークの対立遺伝子頻度を示す。 同上。 同上。
図15は、ヒト抗体フレームワークの親和性成熟の状況を図示する。
図16は、3つのフレームワーク領域:VH−FR1(FW1)、VH−FR2(FW2)、およびVH−FR3(FW3)、ならびに2つのCDR:VH−CDR1(CDR−H1)およびVH−CDR2(CDR−H2)のアミノ酸配列を示す。
図17は、機能的に多様なVHおよびVK配列を有する抗体ライブラリーを産生するための設計および選択の組合せを図示する。
図18は、様々なライブラリー調製プロセスにおける重鎖の冗長性を図示する。
図19は、クローン間での配列のオーバーラップを示す。
図20は、100を上回る個体から得られた体細胞高頻度変異(SHM)を示す。
図21は、使用されるフレームワーク(本明細書において、スキャフォールドとも称される)および抗体ライブラリーの多様性を示す。
図22は、抗体ライブラリーの特性を示す。
図23は、VH−CDR1(CDR−H1)およびVH−CDR2(CDR−H2)領域における、観察された対での変異頻度と予測された対での変異頻度との対比を示す。
図24は、IGHV3−23の位置バイアスを示す。
図25は、双子対(twin pair)の頻度を示す。
図26は、14個のヒト集団におけるIGHV1−3の対立遺伝子頻度の変動を示す。
図27は、10,000個を下回るクローンが、ヒト血液の末梢血試料から得られる全クローン量で優位を占めていることを示す。
図28は、gIIIコートタンパク質に融合された本明細書に記載される抗体を発現するファージミドベクターを示す。
図29は、本明細書に記載される抗体ライブラリーを生成する方法の非限定的な例を示す。
図30は、本明細書に記載される抗体ライブラリーの非限定的な例を示す。
図31Aおよび図31Bは、様々な特徴に改善を有する抗体について、本開示の抗体ライブラリーをスクリーニングする方法の非限定的な例を示す。 図31Aおよび図31Bは、様々な特徴に改善を有する抗体について、本開示の抗体ライブラリーをスクリーニングする方法の非限定的な例を示す。
図32は、本明細書に記載される抗体ライブラリーを生成する方法の非限定的なワークフローを、そこからの1つまたは複数の所望される抗体の選択とともに示す。
図33は、本明細書に記載される抗体ライブラリーを生成する方法の非限定的な例を示す。
図34は、様々な特徴に改善を有する抗体について、本開示の抗体ライブラリーをスクリーニングする方法の非限定的な例を示す。
図35は、様々な特徴に改善を有する抗体について、本開示の抗体ライブラリーをスクリーニングする方法の非限定的な例を示す。
抗体ライブラリーの望ましい特性は、高度な機能的多様性であり得る。機能的多様性は、試験目的で多数の抗体が利用可能であるだけでなく、この多様性が、機能的に関連するものであることを確実にすることができ、したがって、これらのライブラリーの治療的、診断的、および研究的使用での有用性が増加する。ライブラリーの多様性の増加は、天然に存在する相補性決定領域(CDR)を、天然に存在しないものと組み合わせて使用し、たとえば、メモリーおよびナイーブ細胞に由来するCDRを混合し、それによって、可能性のあるCDRの組合せの数を増加することよって、達成することができる。さらに、抗体ライブラリー調製プロセス中に、機能性(たとえば、タンパク質に結合する能力)について選択することによって、この多様性の機能性の増加を達成することができる。
ある特定の場合には、固有な特性を有する抗体、高度な機能的多様性を含む抗体ライブラリー、ならびにその抗体およびその抗体ライブラリーを作製する方法が、本明細書において開示される。
抗体
抗体は、in vivoにおいて、B細胞によって合成され得る。B細胞によって合成される抗体のアイソタイプとしては、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが挙げられるが、これらに限定されない。まだ抗原に遭遇していないB細胞は、ナイーブB細胞と称することができ、一方で、抗原に遭遇し、抗原によって活性化されたB細胞は、メモリーB細胞と称することができる。ナイーブB細胞は、IgM、IgD、またはこれらの組合せを発現し得る。メモリーB細胞は、IgE、IgA、IgG、IgM、またはこれらの組合せを発現し得る。IgAは、IgA1またはIgA2であり得る。IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4であり得る。メモリーB細胞は、クラススイッチ型メモリーB細胞であってもよく、または非スイッチ型もしくは辺縁帯メモリーB細胞であってもよい。非スイッチ型または辺縁帯メモリーB細胞は、IgMを発現し得る。
相補性決定領域(「CDR」)は、免疫グロブリン(抗体)可変領域の一部であり、これが、抗体の抗原結合特異性を担い得る。重鎖(HC)可変領域は、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3と略され、重鎖において、N末端からC末端に、この順序で見出される、3つのCDR領域を含み得、軽鎖(LC)可変領域は、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3と略され、軽鎖において、N末端からC末端に、この順序で見出される、3つのCDR領域を含み得る。さらに、軽鎖は、カッパ鎖(VK)またはラムダ鎖(Vλ)であり得る。構造に寄与し得、CDR領域よりも低い可変性を示し得る、フレームワーク領域が、CDRの周囲に散在している。
重鎖可変領域は、VH−FR1、VH−FR2、VH−FR3、およびVH−FR4と略される4つのフレームワーク領域を含み得る。重鎖は、N末端からC末端に、VH−FR1::VH−CDR1::VH−FR2::VH−CDR2::VH−FR3::VH−CDR3::VH−FR4を含み得る。軽鎖可変領域は、VL−FR1、VL−FR2、VL−FR3、およびVL−FR4と略される4つのフレームワーク領域を含み得る。軽鎖は、N末端からC末端に、VL−FR1::VL−CDR1::VL−FR2::VL−CDR2::VL−FR3::VL−CDR3::VL−FR4を含み得る。一部の場合には、本明細書において使用される「CDR配列」は、VH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される、CDR配列を指す。
根本的に多様な抗体ライブラリー
本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(a)VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、ナイーブB細胞に由来し、(b)VH−CDR3およびVL−CDR3のうちの1つのみがナイーブB細胞に由来する場合、ナイーブB細胞に由来しないVH−CDR3またはVL−CDR3は、メモリー細胞に由来し、(c)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、メモリー細胞に由来する。抗体ライブラリーはまた、本明細書において、SuperHumanライブラリーとも称され得る。
一部の場合には、抗体ライブラリー内の複数の抗体は、高い機能的多様性を有する。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%は、機能性である。機能性抗体は、タンパク質に結合する能力を有する抗体であり得る。タンパク質に結合する抗体の能力は、抗体をプロテインAまたはプロテインLに対してスクリーニングすることによって決定することができる。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも80%は、機能性である。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも85%は、機能性である。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも90%は、機能性である。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも95%は、機能性である。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも99%は、機能性である。
抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個、2.0×10個、3.0×10個、4.0×10個、5.0×10個、6.0×10個、7.0×10個、8.0×10個、9.0×10個、1.0×1010個、2.0×1010個、3.0×1010個、4.0×1010個、5.0×1010個、6.0×1010個、7.0×1010個、8.0×1010個、または9.0×1010個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも7.1×1010個、7.2×1010個、7.3×1010個、7.4×1010個、7.5×1010個、7.6×1010個、7.7×1010個、7.8×1010個、または7.9×1010個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み得る。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。
ライブラリー内の抗体は、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せを含み得、たとえば、天然に存在するメモリーB細胞およびナイーブB細胞に由来するCDRの組合せであるが、同じ抗体にそれらが一緒に現れるのは、天然には存在しないであろう。たとえば、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。たとえば、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、主としてナイーブB細胞起源である細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、主としてメモリーB細胞起源の細胞に由来し得る。天然に存在するCDRは、ヒト集団において天然に存在するCDRを指し得る。
天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR1は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR2は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR1は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR2は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR3は、ナイーブ細胞に由来する。
天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する2つ、3つ、4つ、または5つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。たとえば、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち2つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち3つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち4つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち5つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。
天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、およびVL−CDR2は、メモリー細胞に由来し得る。天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VH−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3は、メモリー細胞に由来し得る。天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VH−CDR3およびVL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、およびVL−CDR2は、メモリー細胞に由来し得る。
抗体配列、抗体の可変重鎖配列、または抗体の可変軽鎖配列におけるアミノ酸残基は、Kabatの位置に関して参照され得る。「Kabatの位置」は、本明細書において使用されるとき、Kabat et al., 1991, in Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th edition, US Department of Health and Human Services, NIH, USAに記載される番号付けシステムを指し得る。一部の場合には、本明細書に記載される抗体は、KabatのH93位、KabatのH94位、またはこれらの組合せに変動を含む。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、KabatのH93位、KabatのH94位、またはこれらの組合せに変動を含む。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%は、KabatのH93位、KabatのH94位、またはこれらの組合せに変動を含む。変動は、変異、挿入、または欠失であり得る。
「由来する」とは、配列を参照して使用される場合、天然に存在するCDR配列に対する少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%の配列相同性を有する任意のCDR配列を指し得る。「由来する」とは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールまたは主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得されたシーケンシング情報から得られた任意のCDR配列を指し得る。たとえば、配列は、(1)配列が、細胞において観察され、(2)同じ配列(またはその配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列相同性を有する配列)が、観察された配列に基づいて化学的に合成される場合に、細胞に「由来する」。
ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、合成VH−CDR2配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、合成VH−CDR3配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、合成VL−CDR1配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、合成VL−CDR2配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、合成VL−CDR3配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列、またはこれらの任意の組合せは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。VH−CDR3配列、VL−CDR3配列、またはこれらの組合せは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。ナイーブB細胞のプールは、複数の個体から得ることができる。ナイーブB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、ナイーブB細胞起源ではない細胞を含み得る。
メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、合成VH−CDR2配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、合成VH−CDR3配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列、またはこれらの任意の組合せは、主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。VH−CDR3配列、VL−CDR3配列、またはこれらの組合せは、主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。メモリーB細胞のプールは、複数の個体から得ることができる。メモリーB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、メモリーB細胞起源ではない細胞を含み得る。メモリーB細胞は、CD27+ B細胞であり得る。メモリーB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、CD27+ B細胞起源ではない細胞を含み得る。
配列相同性パーセントは、2つの配列において同一の核酸塩基が生じる位置の数を決定して、マッチする位置の数を得、マッチする位置の数を、位置の総数で除し(これには、付加または欠失が含まれ得る)、結果に100を乗じて配列相同性パーセントを得ることによって、計算することができる。配列同一性パーセントとも称される配列相同性パーセントは、それぞれの配列を、任意の好適な配列アライメントプログラム、たとえば、Clustal Omega、Multiple Sequence Comparison by Log−Expectation(MUSCLE)、Multiple Alignment using Fast Fourier Transform(MAFFT)、MegAlign、およびBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)においてアライメントすることによって決定することができる。
ナイーブ細胞は、ナイーブB細胞であり得る。ナイーブB細胞は、ヒトナイーブB細胞であり得る。メモリー細胞は、メモリーB細胞であり得る。メモリーB細胞は、ヒトメモリーB細胞であり得る。一部の事例では、ナイーブB細胞は、メモリーB細胞から得られたVH−CDR3およびVL−CDR3配列と比較して、VH−CDR3およびVL−CDR3配列の多様性の増加を示す(図1)。ナイーブ細胞およびメモリー細胞は、1つの個体または複数の個体から得られた生物学的試料、たとえば、血液から得ることができる。ナイーブ細胞およびメモリー細胞は、ナイーブ細胞またはメモリー細胞に特異的なマーカーを使用して、この試料から物理的に単離することができる。
マーカーを使用して、生物学的試料から、B細胞、ナイーブB細胞、およびメモリーB細胞を、特定、分離、または選別することができる。B細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+が挙げられるが、これに限定されない。ナイーブB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27−、IgD+、IgM+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、CD27+が、メモリーB細胞を選別するために使用される。クラススイッチ型メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、CD27+、IgD−、IgM−、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。非スイッチ型または辺縁帯メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、IgD+、IgM+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の場合には、メモリーB細胞は、以下のマーカー:CD19+、CD27+、IgD−、IgM+、およびこれらの組合せを用いて特定、分離、または選別することができる。VH−CDR3が由来するナイーブ細胞は、CD27−/IgM+ B細胞であり得る。VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3が由来するメモリー細胞は、CD27+/IgG+ B細胞であり得る。
抗体のCDR配列は、1つの個体または複数の個体において見出されるナイーブB細胞およびメモリーB細胞に見られるCDR配列であり得る。個体は、哺乳動物であり得る。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。一部の場合には、CDR配列は、公的に利用可能な供給源から得られたCDR配列である。公的に利用可能なCDR配列の供給源としては、SAbDab(http://opig.stats.ox.ac.uk/webapps/sabdab−sabpred/Welcome.php)およびPyIgClassify(http://dunbrack2.fccc.edu/PyIgClassify/)が挙げられる。
生殖細胞系抗体配列は、生殖細胞系フレームワークおよび生殖細胞系CDR配列を含み得る。抗体ライブラリー内に見出される抗体におけるそれぞれのCDRは、対応する生殖細胞系CDR領域と比較して、少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つの変異を含み得る。抗体ライブラリー内の抗体におけるそれぞれのCDRは、対応するフレームワークCDR領域と比較して、4つを上回らない変異を含み得る。
抗体のフレームワークは、天然に存在するフレームワークであり得る。天然に存在するフレームワークは、哺乳動物において見出されるフレームワークであり得る。哺乳動物は、霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。霊長類は、ヒトであり得る。フレームワークは、天然に存在するフレームワークと比較して、少なくとも1つのバリアントを含み得る。バリアントは、変異、挿入、または欠失であり得る。バリアントは、抗体をコードする核酸配列において見出されるバリアントであってもよく、または抗体のアミノ酸配列において見出されるバリアントであってもよい。任意の好適なフレームワーク配列、たとえば、フェーズI臨床試験においてこれまでに使用されたものを、使用することができる(図12A、12B)。本明細書において使用されるとき、抗体のフレームワークとは、可変重鎖のフレームワーク領域(VH−FR1、VH−FR2、VH−FR3、およびVH−FR4)、可変重鎖のフレームワーク領域(VL−FR1、VL−FR2、VL−FR3、およびVL−FR4)、またはこれらの組合せを指し得る。抗体ライブラリー内の抗体のフレームワーク領域は、生殖細胞系フレームワーク領域と同一であってもよい。
フレームワークは、治療的に最適なフレームワークであり得る。治療的に最適なフレームワークは、以下の:a)これまでにヒトモノクローナル抗体において安全性が示されていること、b)熱安定性であること、c)凝集の傾向がないこと、d)すべてのヒト集団にわたってアミノ酸レベルで単一の優性対立遺伝子を含むこと、e)CDRの様々な標準的なトポロジーを含むこと、f)細菌における発現が良好であること、およびg)ファージにおける提示が良好であることからなる群より選択される特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはすべてを含み得る。これまでにヒトモノクローナル抗体において安全性が実証されているフレームワークは、少なくともフェーズI臨床試験において使用されている抗体のフレームワークであり得る。熱安定性であるフレームワークは、少なくとも20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または100℃を上回って熱安定性であるフレームワークであり得る。熱安定性であるフレームワークは、少なくとも、1分間につき3℃、1分間につき4℃、または1分間につき5℃の温度上昇に耐え得るフレームワークであり得る。細菌における発現が良好であるフレームワークは、細菌において生物学的に活性な抗体を産生するフレームワークであり得る。細菌は、E.coliであり得る。細菌は、操作された細菌であってもよい。細菌は、抗体発現のために最適化された細菌であってもよい。ファージにおける提示が良好であるフレームワークは、ファージの表面上に提示されると、生物学的に活性な抗体を産生するフレームワークであり得る。
フレームワークを選択するために使用される戦略の例は、図11に記載されており、ここで、抗体の理想的なフレームワークは、構造多様性を示すもの、ヒトにおけるフェーズI臨床試験において使用が成功しているもの、低い免疫原性を有するもの、凝集耐性を示すもの、適合性を呈するもの、および熱安定性であるものであり得る。一部の場合には、抗体のフレームワークは、血液細胞に対して本質的に自己反応性である場合(たとえば、IGHV4−34)、劣った安定性プロファイルを有する場合(たとえば、IGHV2−5)、個体のうちの少なくとも50%において見出されないV遺伝子を有する場合(たとえば、IGHV4−b)、凝集傾向にあるV遺伝子を示す場合(たとえば、IGLV6−57)、またはこれらの組合せの場合に、回避される。
本明細書における抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、1つを上回る優性対立遺伝子を含み得、ここで、異なるヒト集団では、異なる優性対立遺伝子が存在する(図13および図14)。たとえば、IGHV1−3フレームワークは、3つの対立遺伝子:IGVH1−301、IGVH1−302、およびIGVH1−303を含み、これらは、異なるヒト集団では異なる頻度で見出される(図26)。一部の事例では、本明細書に記載される抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、少なくとも2つのヒト集団において単一の優性対立遺伝子を有する。一部の事例では、本明細書に記載される抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、すべてのヒト集団において単一の優性対立遺伝子を有する。1つの優性対立遺伝子を有するフレームワークは、1つの対立遺伝子が、少なくとも2つのヒト集団において、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%に見出される、フレームワークであり得る。1つの優性対立遺伝子を有するフレームワークは、1つの対立遺伝子が、少なくとも12のヒト集団において、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%に見出される、フレームワークであり得る。一部の場合には、VHドメインのフレームワーク領域は、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、またはIGHV3−23から得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、VHドメインのフレームワーク領域は、IGHV2−5、IGHV3−7、IGVH4−34、IGHV5−51、IGHV1−24、IGHV2−26、IGHV3−72、IGHV3−74、IGHV3−9、IGHV3−30、IGHV3−33、IGHV3−53、IGHV3−66、IGHV4−30−4、IGHV4−31、IGHV4−59、IGHV4−61、またはIGHV5−51から得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のVHドメインのフレームワーク領域は、IGHV1−46、IGHV3−23、またはこれらの組合せから得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のVLドメインのフレームワーク領域は、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、IGKV4−1、IGKV1−5、IGKV1−12、IGKV1−13、IGKV3−11、IGKV3−20、またはこれらの組合せから得られたフレームワーク領域である。1つの例では、抗体ライブラリー内の抗体のサブセットは、IGHV1−46から得られたVHドメインのフレームワーク領域およびIGKV1−39から得られたVLドメインのフレームワーク領域を有し得、一方で、抗体ライブラリー内の残りの抗体は、IGHV1−46から得られたVHドメインのフレームワーク領域およびIGKV2−28から得られたVLドメインのフレームワーク領域を有する。
一部の場合には、本明細書に記載される抗体をコードする核酸配列が、本明細書において開示される。核酸配列は、DNA配列またはRNA配列であり得る。核酸は、ベクターに挿入することができる。ベクターは、ファージであり得る。ファージは、ファージミドまたはバクテリオファージであり得る。ファージミドは、pMID21であり得る。バクテリオファージは、DY3F63、M13ファージ、fd繊維状ファージ、T4ファージ、T7ファージ、またはλファージであり得る。一部の場合には、ファージミドは、バクテリオファージ(すなわち、「ヘルパー」ファージ)と組み合わせて、微生物に導入され得る。微生物は、糸状性細菌であり得る。糸状性細菌は、Escherichia coliであり得る。
本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含む。複数の抗体は、少なくとも1.0×10個、1.0×10個、1.0×10個、1.0×10個、1.0×1010個、2.0×1010個、3.0×1010個、4.0×1010個、5.0×1010個、6.0×1010個、7.0×1010個、8.0×1010個、9.0×1010個、または10.0×1010個の抗体であり得る。複数の抗体は、少なくとも1.0×1011個の抗体であり得る。複数の抗体は、少なくとも7.6×1010個の抗体であり得る。そのようなライブラリーは、その高い多様性のため、固有であり得る。たとえば、本明細書におけるライブラリーのいずれにおいても、複数の抗体のうちの少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%が、固有であり得る。一部の事例では、ライブラリーは、7.0×1010個を上回る抗体を有し、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも20%が、固有である。固有な抗体は、抗体ライブラリー内の他の抗体と比べて、少なくとも1つの核酸または少なくとも1つのアミノ酸残基が、変動し得る。
ヒトの身体において天然に見出される抗体(たとえば、ナイーブ細胞およびメモリー細胞に由来する抗体)の全量、ならびに他のライブラリー調製方法によって産生される抗体ライブラリーは、高度に冗長な重鎖配列を含み得る(図18)。ライブラリー内の抗体の1つの重鎖配列が、異なる抗体の別の重鎖配列と冗長である場合、これは、重鎖配列が同一であることを示し得る。冗長な重鎖配列を有する2つまたはそれを上回る抗体は、異なる抗体フレームワーク領域、異なる軽鎖配列、またはこれらの組合せを含み得る。本明細書に記載される方法によって産生される抗体ライブラリーは、低減された重鎖冗長性を示し得る。重鎖冗長性の低減は、抗体ライブラリーの多様性を増加させ得る。冗長性は、ライブラリーに対して上位クローンが占めるパーセンテージによって測定することができる。本明細書において産生される抗体ライブラリーは、約2%、約3%、約4%、または約5%の冗長性を有し得る(図18)。一部の事例では、伝統的な天然のライブラリーの重鎖の最大数は、天然に存在するCDRの組合せにおける制限に起因して、1.0×10個の抗体に制限される。一部の事例では、本明細書に記載されるライブラリー内の抗体の重鎖は、天然に存在するCDRの組合せに制限されず、1.0×1011個を上回る抗体を含み得る。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、図21に記載される抗体ライブラリーである。一部の事例では、抗体ライブラリーは、図22に記載される抗体ライブラリーである。
多様な抗体ライブラリーを生成する方法
ある特定の場合には、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを調製する方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(a)VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、ナイーブB細胞に由来し、(b)ナイーブB細胞に由来しないVH−CDR3配列またはVL−CDR3配列が、メモリーB細胞に由来し、(c)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列が、メモリー細胞に由来する、方法が、本明細書に記載される。
一部の場合には、本明細書に記載される方法により、高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーが産生される。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%は、機能性である。機能性抗体は、タンパク質に結合する能力を有する抗体であり得る。タンパク質に結合する抗体の能力は、抗体をプロテインAまたはプロテインLに対してスクリーニングすることによって決定することができる。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも90%は、機能性である。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも95%は、機能性である。高い機能的多様性を有する抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のうちの少なくとも99%は、機能性である。
抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個、2.0×10個、3.0×10個、4.0×10個、5.0×10個、6.0×10個、7.0×10個、8.0×10個、9.0×10個、1.0×1010個、2.0×1010個、3.0×1010個、4.0×1010個、5.0×1010個、6.0×1010個、7.0×1010個、8.0×1010個、または9.0×1010個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも7.1×1010個、7.2×1010個、7.3×1010個、7.4×1010個、7.5×1010個、7.6×1010個、7.7×1010個、7.8×1010個、または7.9×1010個の抗体を含み得る。抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み得る。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。
抗体ライブラリーを調製するための方法は、(a)ナイーブB細胞のプールから複数のVH−CDR3およびVL−CDR3配列の配列情報ならびにメモリーB細胞のプールから複数のVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列の配列情報を取得するステップと、(b)複数の可変軽鎖(VL)ドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVLドメイン配列が、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR1配列、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR2配列、およびステップaにおいて決定されたメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR3配列を含む、ステップと、(c)複数の第1の抗体をコードする複数の第1の核酸配列をアセンブルするステップであって、それぞれの第1の抗体が、(i)ステップbにおいてアセンブルされた可変軽鎖(VL)ドメイン配列と、(ii)単一の固定重鎖配列とを含む、ステップと、(d)複数の第1の核酸配列を、複数のファージに挿入するステップと、(e)複数の第1の抗体を、複数のファージの表面上に発現させるステップと、(f)少なくとも1つの選択圧を、複数のファージに適用して、第1の核酸配列のサブセットを含むファージのサブセットを産生するステップと、(g)複数の可変重鎖(VH)ドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVHドメイン配列が、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR1配列、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR2配列、およびステップaにおいて決定されたメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR3配列を含み、VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、ナイーブB細胞から得られた配列情報に由来する、ステップと、(h)第1の核酸配列のサブセットに由来する単一の固定重鎖配列を、ステップgにおいてアセンブルされた複数のVHドメイン配列と置き換えて、複数の第2の核酸配列を得るステップであって、それぞれの第2の核酸配列が、(i)ステップbにおいてアセンブルされた可変軽鎖(VL)ドメイン配列と、(ii)ステップgにおいてアセンブルされた可変重鎖(VH)ドメイン配列とを含み、複数の第2の核酸配列が、複数の第2の抗体をコードする、ステップと、(i)複数の微生物に、複数のファージを形質転換して、複数の形質転換体を産生するステップとを含み得る。
本方法は、複数の個体から得られたナイーブB細胞およびメモリーB細胞を含む試料を取得することを含み得る。試料は、血液、血漿、または血清であり得る。ヒト血液の末梢血試料は、数十万個のメモリークローンおよび形質芽球を、10,000個を下回るセットで含み得、これが試料で優位を占めている(図27)。複数の個体は、複数の哺乳動物であり得る。複数の哺乳動物は、複数の霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。複数の哺乳動物は、複数のヒトであってもよい。複数の個体は、少なくとも25、50、75、100、125、または150の個体であり得る。複数の個体は、50〜100の個体であり得る。複数の個体は、50〜140の個体である得る。複数の個体は、少なくとも50の個体であり得る。複数の個体は、少なくとも140の個体であり得る。1つの個体から得られたナイーブB細胞およびメモリーB細胞を含む試料は、少なくとも約5×10個のナイーブB細胞クローンおよび5×10個のメモリーB細胞クローンを含み得る。
本方法は、配列情報を取得する前に、試料中のナイーブB細胞を、メモリーB細胞から選別または単離するステップを含み得る。メモリーB細胞は、CD27+ B細胞であり得る。配列情報は、したがって、ナイーブB細胞およびメモリーB細胞の別個の配列情報を含み得る。ナイーブB細胞およびメモリーB細胞を選別するステップは、フローサイトメトリーの使用を含み得る。一部の場合には、フローサイトメトリーは、蛍光活性化細胞選別(FACS)である。ナイーブB細胞およびメモリーB細胞を選別するステップは、ナイーブB細胞またはメモリーB細胞の表面上に存在するマーカーに基づく免疫磁気細胞分離手順を含み得る。ナイーブB細胞およびメモリーB細胞を試料から選別することにより、ナイーブB細胞プールおよびメモリーB細胞プールを産生することができる。ナイーブB細胞およびメモリーB細胞を試料から選別することにより、複数のナイーブB細胞プールおよび複数のメモリーB細胞プールを産生することができる。ナイーブB細胞プールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、ナイーブB細胞起源ではない細胞を含み得る。0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、ナイーブB細胞起源ではない細胞を含む、ナイーブB細胞プールは、本明細書において、主としてナイーブB細胞起源のプールとも称され得る。メモリーB細胞プールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、メモリーB細胞起源ではない細胞を含み得る。0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、メモリーB細胞起源ではない細胞を含む、メモリーB細胞プールは、本明細書において、主としてメモリーB細胞起源のプールとも称され得る。
一部の場合には、メモリーB細胞プールまたはナイーブB細胞プールは、次世代シーケンシング(NGS)を使用して、品質に関してチェックされる。多様性に問題があるか、または生物化学的傾向(biochemical liability)を有するプールは、拒絶され得る。生物化学的傾向の例としては、N結合型グリコシル化、脱アミノ化、酸加水分解、正電荷ペプチド内切断、遊離システイン、遊離メチオニン、代替的終止コドン、潜在的スプライス部位、tev切断部位、および過剰に正に荷電したCDRが挙げられるが、これらに限定されない。一部の場合には、少なくとも1つの個体から得られた配列データは、プールから除去される。個体から得られた配列データは、配列データが、多様性に問題があるか、または生物化学的傾向を有する場合、プールから除去され得る。
本方法は、ナイーブB細胞から核酸を抽出するステップおよびメモリーB細胞から核酸を抽出するステップを含み得る。核酸は、ナイーブ細胞およびメモリー細胞が、試料から分離または単離された後に、ナイーブ細胞およびメモリー細胞のそれぞれから抽出され得る。核酸は、DNAまたはメッセンジャーRNA(mRNA)であり得る。核酸が、mRNAである場合、本方法は、mRNAを相補的DNA(cDNA)に逆転写するステップをさらに含み得る。
抗体ライブラリーを調製する方法は、複数の個体から得られた、ナイーブB細胞から複数のVH−CDR3およびVL−CDR3配列の配列情報ならびにメモリーB細胞から複数のVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列の配列情報を取得するステップを含み得る。ナイーブB細胞からの配列情報は、ナイーブB細胞プールから取得することができる。メモリーB細胞からの配列情報は、メモリーB細胞プールから取得することができる。CDR配列の配列情報を取得することは、CDR配列をシーケンシングすることを含み得る。複数のCDR配列をシーケンシングすることは、任意の好適なシーケンシング技術、たとえば、次世代シーケンシング(NGS)またはサンガーシーケンシングを含み得る。次世代シーケンシングの例としては、ピロシーケンシング、合成によるシーケンシング、ライゲーションによるシーケンシング、および単一分子シーケンシングが挙げられるが、これらに限定されない。複数のCDR配列をシーケンシングすることにより、配列情報を得ることができる。
複数のVH−CDRおよびVL−CDR配列をシーケンシングすることは、試料から得られたナイーブB細胞から抽出された核酸およびメモリーB細胞から抽出された核酸を別個にシーケンシングすることを含み得る。
VH配列またはVL配列をアセンブルまたは合成するステップは、オーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)の使用を含み得る。一部の場合には、VHドメインのCDRまたはVLドメインのCDRの一部分を含むオーバーラップする断片が、生成される。VHドメインのCDRまたはVLドメインCDRの一部分を含む、複数のオーバーラップする断片は、VHドメイン配列のCDRまたはVLドメイン配列のCDRの全体をカバーし得る。オーバーラップする断片は、dsDNA断片であり得る。OE−PCRは、VHドメインのCDRまたはVLドメインのCDRの全体を産生するために、オーバーラップする断片をアセンブルすることを含み得る。VHドメインのCDRは、VH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、またはこれらの組合せであり得る。VLドメインのCDRは、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、またはこれらの組合せであり得る。VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、またはこれらの組合せは、以下の特徴:(a)ヒト生殖細胞系配列に由来するCDR配列であること、(b)生殖細胞系配列と比較した場合に、4つを上回らないアミノ酸変異を含むこと、(c)(i)少なくとも2つの個体において天然に存在すると特定され、適合性の欠点を有することなく濃縮されるか、(ii)パニングの際に高度に濃縮されること、(d)いずれの生物化学的傾向も含まないこと、または(e)これらの組合せのうちの少なくとも1つを含むように、合成することができる。生殖細胞系配列は、IGHJ4、IGHV1−69、IGHV1−46、IGHV3−23、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、もしくはIGKV4−1、またはこれらの組合せであり得る。
OE−PCRを使用してアセンブルされたVH配列、VL配列、またはこれらの組合せは、ベクターにクローニングすることができる。ベクターは、ファージであり得る。ファージは、バクテリオファージまたはファージミドであり得る。ベクターは、HuCALファージであり得る。ベクターは、表面コートタンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでもよい。表面コートタンパク質は、pIII、pVIII、pVI、pVII、pIX、またはgIIIタンパク質であり得る。表面コートタンパク質は、gIIIタンパク質であり得る。一部の事例では、ベクターによってコードされる抗体の発現は、ベクターの表面コートタンパク質に融合された抗体の発現を含む。発現される抗体は、ベクターの表面上に提示され得る。
抗体ライブラリーを調製する方法は、複数のVLドメイン配列をアセンブルするステップであって、複数のVLドメイン配列のそれぞれのVLドメイン配列が、メモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR1配列、メモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR2配列、およびメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた配列情報に由来するVL−CDR3配列を含む、ステップを含み得る。VLドメイン配列は、単一の固定重鎖配列と組み合わせて、ベクターにクローニングすることができる。単一の固定重鎖配列は、IGHV3−23またはIGHJ4であり得る。単一の固定重鎖配列は、スタッファー配列(stuffer sequence)と称され得る。
抗体ライブラリーを調製する方法は、複数の第1の抗体をコードする複数の第1の核酸配列をアセンブルするステップであって、複数の第1の抗体のそれぞれの第1の抗体が、可変軽鎖(VL)ドメイン配列および単一の固定重鎖配列を含む、ステップを含み得る。抗体ライブラリーを調製する方法は、複数の第1の核酸配列を、複数のベクターに挿入するステップを含み得る。ベクターは、ファージであり得る。アセンブルされたVLドメインおよび単一の固定重鎖配列を含むベクターによってコードされる抗体は、ベクターにおいて発現され得る。抗体は、ベクターの表面上に発現され得る。
抗体ライブラリーを調製する方法は、少なくとも1つの選択圧を、複数のベクターに適用するステップを含み得、ここで、複数のベクターのそれぞれのベクターは、抗体を発現する。選択圧の適用の後に、選択圧に耐え得るファージのサブセットが産生され得る。選択圧は、熱ストレス、プロテインAによる選択、プロテインLによる選択、またはこれらの組合せの適用であり得る。熱ストレスは、約65℃の温度であり得る。熱ストレスは、少なくとも30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、または80℃の温度であり得る。一部の場合には、熱ストレスをベクターに適用することにより、ベクターが不安定であるか凝集傾向にある場合、ベクターが排除される。一部の場合には、プロテインAまたはプロテインLによる選択を適用することにより、ベクターが、タンパク質に結合する能力を有さない抗体を発現する場合、ベクターが排除される。プロテインAまたはプロテインLによる選択を適用することにより、タンパク質に結合する抗体の選択が可能となり得る。タンパク質に結合する抗体は、熱安定性であり得る。一部の場合には、タンパク質に結合する抗体を選択した後、タンパク質に結合する抗体に対応するヌクレオチド配列を、決定することができる。
抗体ライブラリーを調製する方法は、複数のVHドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVHドメイン配列が、メモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR1配列、メモリーB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR2配列、およびメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた配列情報に由来するVH−CDR3配列を含む、ステップを含み得る。VH−CDR1配列およびVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた配列であり得、VH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた配列であり得る。ベクターが、適用された選択圧に生き残ることに成功すると、単一の固定重鎖配列を、アセンブルされたVHドメイン配列と置き換えることができる。複数の抗体のそれぞれの抗体について、VH−CDR3配列およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つは、ナイーブB細胞から得られた配列情報に由来し得る。
アセンブルされたVLドメインおよびアセンブルされたVHドメインを含むベクターを、微生物に形質転換することができる。微生物は、細菌であり得る。細菌は、糸状性細菌であり得る。糸状性細菌は、Escherichia coliであり得る。微生物は、任意の好適な市販の株であり得る。
ベクターは、エレクトロポレーション、化学的形質転換、熱ショック形質転換、またはこれらの組合せを使用して、微生物に形質転換することができる。
エレクトロポレーションは、形質転換しようとする微生物およびベクターを含むライゲーション混合物に、高電圧電場を施すことを含み得る。高電圧は、1〜25kV/cmの範囲であり得る。高電圧は、3〜24kV/cmの範囲であり得る。形質転換を誘導するために微生物に施すことができる高電圧の例としては、10kV/cm、15kV/cm、20kV/cm、および25kV/cmが挙げられるが、これらに限定されない。高電圧は、1回のパルスまたは複数回のパルスとして施すことができる。複数回のパルスは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、100、500、または1000マイクロ秒(μs)ごとに1回施される高電圧のパルスであり得る。複数回のパルスは、10、20、30、30、50、60、70、80、90、または100ミリ秒(msec)ごとに1回施される高電圧のパルスであり得る。エレクトロポレーションは、室温または4℃において、微生物に施され得る。
ライゲーション混合物に添加する前に、ベクターは、精製され、水またはTE中に再懸濁され得る。ライゲーション混合物は、緩衝液を含み得る。緩衝液の例としては、リン酸緩衝食塩水(PBS)、hepes緩衝液(HBSS)、または培養培地が挙げられるが、これらに限定されない。緩衝液は、低浸透圧緩衝液であり得る。緩衝液は、高抵抗緩衝液であり得る。一部の場合には、回収培地が、エレクトロポレーションの後に、ライゲーション混合物に添加される。
化学的形質転換は、微生物およびベクターのカチオンとのインキュベーションを含み得る。カチオンは、Mg2+、Mn2+、Rb+、またはCa2+であり得る。化学的形質転換は、微生物およびベクターのCaCl、MgCl、MnCl、またはRbClとのインキュベーションを含み得る。
熱ショック形質転換は、高温を微生物およびベクターに適用して、形質導入を誘導することを含み得る。高温は、42℃であり得る。温度は、10秒間、20秒間、30秒間、40秒間、50秒間、または1分間適用され得る。熱ショックは、エレクトロポレーションまたは化学的形質転換の前、最中、または後に適用され得る。
ベクターは、選択可能なマーカーを含み得る。選択可能なマーカーは、抗生物質耐性遺伝子または光学的に選択可能なマーカー、たとえば、緑色蛍光タンパク質であり得る。抗生物質耐性遺伝子は、ベクターが形質転換された微生物に、カナマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、アンピシリン、カルベニシリン、ブレオマイシン、エリスロマイシン、ポリミキシンB、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、およびこれらの組合せからなる群より選択される抗体に対する耐性を付与し得る。選択可能なマーカーは、ベクターが形質転換されていない微生物を排除することを可能にし得る。
ベクターが形質転換された微生物は、形質転換体と称することができる。複数の抗体を生成することは、複数の形質転換体の生成を含み得る。一部の場合には、複数の形質転換体は、少なくとも7.6×1010個の形質転換体を含む。少なくとも7.6×1010個の形質転換体は、0.5×1010個のVH−CDR3配列を含み得る。一部の事例では、複数の形質転換体のうちの少なくとも20%は、固有である。たとえば、複数の形質転換体が、7.6×1010個の形質転換体を含む場合、一部の実施形態では、形質転換体のうちの少なくとも1.52×1010個が、固有である。固有の形質転換体は、複数の形質転換体の他の形質転換体と比較して、固有または非冗長な配列を有する形質転換体であり得る。一部の場合には、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、任意の所望される標的に対する特異性を有する抗体についてスクリーニングすることができる。標的の例としては、たとえば、PD1、LAG3、OX40、CTLA4、SIRPa、CD47、VISTA、41BB、TIM3、GITR、ICOS、TIGIT、GHR、HGH、アミロイドベータ、アルファシヌクレイン、Tau、およびベータセクレターゼが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載される抗体ライブラリーを開発するための時間の長さは、2ヶ月未満、1ヶ月未満、または2週間未満であり得る。1つの例では、抗体ライブラリーの開発は、パニング、スクリーニング、および最適化に伴う時間を含め、2ヶ月未満であり得る(図2)。別の例では、時間の長さは、2週間未満であり得る(図2)。
抗体の最適化および結果として得られるライブラリー(Tumblerライブラリー)
一部の態様では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)1つのCDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択され、このCDR配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)固有の組合せの残りのCDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3からなる群より選択される。抗体ライブラリーはまた、本明細書において、Tumblerライブラリーとも称され得る。
1つの例では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VH−CDR1配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3は、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する。一部の場合には、VH−CDR1配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VH−CDR2配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3は、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する。一部の場合には、VH−CDR2配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VH−CDR3配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3は、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する。一部の場合には、VH−CDR3配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VL−CDR1配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する。一部の場合には、VL−CDR1配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VL−CDR2配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR3配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する。一部の場合には、VL−CDR2配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VL−CDR3配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する。一部の場合には、VL−CDR3配列は、初期抗体クローンに由来する。
様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、初期抗体クローンから選択されるVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、またはVL−CDR3配列を含む。「初期抗体クローン」という用語は、本明細書において使用されるとき、所望される特性、たとえば、所望されるエピトープに対する親和性を有する任意の抗体もしくは抗体断片、その抗体もしくは抗体断片のアミノ酸配列、その抗体もしくは抗体断片をコードするヌクレオチド配列、またはその抗体もしくは抗体断片に対応する任意のin silicoアミノ酸もしくはヌクレオチド配列を指し得る。様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、初期抗体クローンに由来する同じCDR配列を含み得る。加えて、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、初期抗体クローンに由来しない様々な組合せの残りのCDR配列を含み得る。一部の場合には、残りのCDR配列は、高度に多様な抗体ライブラリー(たとえば、本明細書に記載されるSuperHuman抗体ライブラリー)に由来し得る。一部の場合には、CDRのうちの1つは、初期抗体クローンに由来し得、残りのCDRは、高度に多様な抗体ライブラリー(たとえば、SuperHuman抗体ライブラリー)に由来し得る。一部の場合には、高度に多様な抗体ライブラリーは、初期抗体クローンに由来しないそれぞれのCDR配列に、高い多様性を有し得る。非限定的な例では、図29に示されるように、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、初期抗体クローンに由来する同じVH−CDR3配列を含み得る(図29における「初期クローン」)。加えて、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、初期抗体クローンに由来しない様々な組合せの残りのCDR配列を含み得る(この例では、VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3)。
様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの1つまたは複数は、天然に存在する。様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のそれぞれは、天然に存在するが、それぞれの抗体において、天然に存在しない組合せで存在する。様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの1つまたは複数は、ヒト集団において天然に存在するか、またはヒトCDR配列に由来する。様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のそれぞれは、ヒト集団において天然に存在するか、またはヒトCDR配列に由来する。
様々な態様では、ライブラリー内の抗体は、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せを含み得、たとえば、天然に存在するメモリーB細胞およびナイーブB細胞に由来するCDRの組合せであるが、同じ抗体にそれらが一緒に現れることは、天然には存在しないであろう。たとえば、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。たとえば、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、主としてナイーブB細胞起源である細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、主としてメモリーB細胞起源の細胞に由来し得る。
天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR1は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR2は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR1は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR2は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR3は、ナイーブ細胞に由来する。
天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する2つ、3つ、4つ、または5つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。たとえば、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち2つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち3つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち4つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち5つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。
天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、およびVL−CDR2は、メモリー細胞に由来し得る。天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VH−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3は、メモリー細胞に由来し得る。天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VH−CDR3およびVL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、およびVL−CDR2は、メモリー細胞に由来し得る。
ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、合成VH−CDR2配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、合成VH−CDR3配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、合成VL−CDR1配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、合成VL−CDR2配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、合成VL−CDR3配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列、またはこれらの任意の組合せは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。VH−CDR3配列、VL−CDR3配列、またはこれらの組合せは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。ナイーブB細胞のプールは、複数の個体から得ることができる。ナイーブB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、ナイーブB細胞起源ではない細胞を含み得る。
メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、合成VH−CDR2配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、合成VH−CDR3配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列、またはこれらの任意の組合せは、主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。VH−CDR3配列、VL−CDR3配列、またはこれらの組合せは、主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。メモリーB細胞のプールは、複数の個体から得ることができる。メモリーB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、メモリーB細胞起源ではない細胞を含み得る。メモリーB細胞は、CD27+ B細胞であり得る。メモリーB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、CD27+ B細胞起源ではない細胞を含み得る。
ナイーブ細胞は、ナイーブB細胞であり得る。ナイーブB細胞は、ヒトナイーブB細胞であり得る。メモリー細胞は、メモリーB細胞であり得る。メモリーB細胞は、ヒトメモリーB細胞であり得る。一部の事例では、ナイーブB細胞は、メモリーB細胞から得られたVH−CDR3およびVL−CDR3配列と比較して、VH−CDR3およびVL−CDR3配列の多様性の増加を示す(図1)。ナイーブ細胞およびメモリー細胞は、1つの個体または複数の個体から得られた生物学的試料、たとえば、血液から得ることができる。ナイーブ細胞およびメモリー細胞は、ナイーブ細胞またはメモリー細胞に特異的なマーカーを使用して、この試料から物理的に単離することができる。
マーカーを使用して、生物学的試料から、B細胞、ナイーブB細胞、およびメモリーB細胞を、特定、分離、または選別することができる。B細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+が挙げられるが、これに限定されない。ナイーブB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27−、IgD+、IgM+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、CD27+が、メモリーB細胞を選別するために使用される。クラススイッチ型メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、CD27+、IgD−、IgM−、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。非スイッチ型または辺縁帯メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、IgD+、IgM+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の場合には、メモリーB細胞は、以下のマーカー:CD19+、CD27+、IgD−、IgM+、およびこれらの組合せを用いて特定、分離、または選別することができる。VH−CDR3が由来するナイーブ細胞は、CD27−/IgM+ B細胞であり得る。VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3が由来するメモリー細胞は、CD27+/IgG+ B細胞であり得る。
抗体のCDR配列は、1つの個体または複数の個体において見出されるナイーブB細胞およびメモリーB細胞に見られるCDR配列であり得る。個体は、哺乳動物であり得る。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。一部の場合には、CDR配列は、公的に利用可能な供給源から得られたCDR配列である。公的に利用可能なCDR配列の供給源としては、SAbDab(http://opig.stats.ox.ac.uk/webapps/sabdab−sabpred/Welcome.php)およびPyIgClassify(http://dunbrack2.fccc.edu/PyIgClassify/)が挙げられる。
様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、同じスキャフォールド、たとえば、同じ組合せのフレームワーク配列を含み得る(図30を参照されたい)。様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体のVHドメインは、VH−FR1配列、VH−FR2配列、VH−FR3配列、およびVH−FR4配列を含む。一部の場合には、VH−FR1配列、VH−FR2配列、VH−FR3配列、およびVH−FR4配列のそれぞれは、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、同じである。一部の場合には、VH−FR1配列、VH−FR2配列、VH−FR3配列、およびVH−FR4配列のそれぞれは、CDR配列が由来する初期抗体クローンに由来する(図30を参照されたい)。一部の場合には、VH−FR1配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR1配列であり得る。一部の場合には、VH−FR2配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR2配列であり得る。一部の場合には、VH−FR3配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR3配列であり得る。一部の場合には、VH−FR4配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR4配列であり得る。様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体のVLドメインは、VL−FR1配列、VL−FR2配列、VL−FR3配列、およびVL−FR4配列を含む。一部の場合には、VL−FR1配列、VL−FR2配列、VL−FR3配列、およびVL−FR4配列のそれぞれは、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、同じである。一部の場合には、VL−FR1配列、VL−FR2配列、VL−FR3配列、およびVL−FR4配列のそれぞれは、CDR配列が由来する初期抗体クローンに由来し得る(図30を参照されたい)。一部の場合には、VL−FR1配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR1配列であり得る。一部の場合には、VL−FR2配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR2配列であり得る。一部の場合には、VL−FR3配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR3配列であり得る。一部の場合には、VL−FR4配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR4配列であり得る。
抗体のフレームワークは、天然に存在するフレームワークであり得る。天然に存在するフレームワークは、哺乳動物において見出されるフレームワークであり得る。哺乳動物は、霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。霊長類は、ヒトであり得る。フレームワークは、天然に存在するフレームワークと比較して、少なくとも1つのバリアントを含み得る。バリアントは、変異、挿入、または欠失であり得る。バリアントは、抗体をコードする核酸配列において見出されるバリアントであってもよく、または抗体のアミノ酸配列において見出されるバリアントであってもよい。任意の好適なフレームワーク配列、たとえば、フェーズI臨床試験においてこれまでに使用されたものを、使用することができる(図12A、12B)。本明細書において使用されるとき、抗体のフレームワークとは、可変重鎖のフレームワーク領域(VH−FR1、VH−FR2、VH−FR3、およびVH−FR4)、可変重鎖のフレームワーク領域(VL−FR1、VL−FR2、VL−FR3、およびVL−FR4)、またはこれらの組合せを指し得る。抗体ライブラリー内の抗体のフレームワーク領域は、生殖細胞系フレームワーク領域と同一であってもよい。
フレームワークは、治療的に最適なフレームワークであり得る。治療的に最適なフレームワークは、以下の:a)これまでにヒトモノクローナル抗体において安全性が示されていること、b)熱安定性であること、c)凝集の傾向がないこと、d)すべてのヒト集団にわたってアミノ酸レベルで単一の優性対立遺伝子を含むこと、e)CDRの様々な標準的なトポロジーを含むこと、f)細菌における発現が良好であること、およびg)ファージにおける提示が良好であることからなる群より選択される特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、またはすべてを含み得る。これまでにヒトモノクローナル抗体において安全性が実証されているフレームワークは、少なくともフェーズI臨床試験において使用されている抗体のフレームワークであり得る。熱安定性であるフレームワークは、少なくとも20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または100℃を上回って熱安定性であるフレームワークであり得る。熱安定性であるフレームワークは、少なくとも、1分間につき3℃、1分間につき4℃、または1分間につき5℃の温度上昇に耐え得るフレームワークであり得る。細菌における発現が良好であるフレームワークは、細菌において生物学的に活性な抗体を産生するフレームワークであり得る。細菌は、E.coliであり得る。細菌は、操作された細菌であってもよい。細菌は、抗体発現のために最適化された細菌であってもよい。ファージにおける提示が良好であるフレームワークは、ファージの表面上に提示されると、生物学的に活性な抗体を産生するフレームワークであり得る。
フレームワークを選択するために使用される戦略の例は、図11に記載されており、ここで、抗体の理想的なフレームワークは、構造多様性を示すもの、ヒトにおけるフェーズI臨床試験において使用が成功しているもの、低い免疫原性を有するもの、凝集耐性を示すもの、適合性を呈するもの、および熱安定性であるものであり得る。一部の場合には、抗体のフレームワークは、血液細胞に対して本質的に自己反応性である場合(たとえば、IGHV4−34)、劣った安定性プロファイルを有する場合(たとえば、IGHV2−5)、個体のうちの少なくとも50%において見出されないV遺伝子を有する場合(たとえば、IGHV4−b)、凝集傾向にあるV遺伝子を示す場合(たとえば、IGLV6−57)、またはこれらの組合せの場合に、回避される。
本明細書における抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、1つを上回る優性対立遺伝子を含み得、ここで、異なるヒト集団では、異なる優性対立遺伝子が存在する(図13および図14)。たとえば、IGHV1−3フレームワークは、3つの対立遺伝子:IGVH1−301、IGVH1−302、およびIGVH1−303を含み、これらは、異なるヒト集団では異なる頻度で見出される(図26)。一部の事例では、本明細書に記載される抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、少なくとも2つのヒト集団において単一の優性対立遺伝子を有する。一部の事例では、本明細書に記載される抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、すべてのヒト集団において単一の優性対立遺伝子を有する。1つの優性対立遺伝子を有するフレームワークは、1つの対立遺伝子が、少なくとも2つのヒト集団において、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%に見出される、フレームワークであり得る。1つの優性対立遺伝子を有するフレームワークは、1つの対立遺伝子が、少なくとも12のヒト集団において、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%に見出される、フレームワークであり得る。一部の場合には、VHドメインのフレームワーク領域は、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、またはIGHV3−23から得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、VHドメインのフレームワーク領域は、IGHV2−5、IGHV3−7、IGVH4−34、IGHV5−51、IGHV1−24、IGHV2−26、IGHV3−72、IGHV3−74、IGHV3−9、IGHV3−30、IGHV3−33、IGHV3−53、IGHV3−66、IGHV4−30−4、IGHV4−31、IGHV4−59、IGHV4−61、またはIGHV5−51から得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のVHドメインのフレームワーク領域は、IGHV1−46、IGHV3−23、またはこれらの組合せから得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のVLドメインのフレームワーク領域は、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、IGKV4−1、IGKV1−5、IGKV1−12、IGKV1−13、IGKV3−11、IGKV3−20、またはこれらの組合せから得られたフレームワーク領域である。1つの例では、抗体ライブラリー内の抗体のサブセットは、IGHV1−46から得られたVHドメインのフレームワーク領域およびIGKV1−39から得られたVLドメインのフレームワーク領域を有し得、一方で、抗体ライブラリー内の残りの抗体は、IGHV1−46から得られたVHドメインのフレームワーク領域およびIGKV2−28から得られたVLドメインのフレームワーク領域を有する。
一部の場合には、本明細書に記載される抗体をコードする核酸配列が、本明細書において開示される。核酸配列は、DNA配列またはRNA配列であり得る。核酸は、ベクターに挿入することができる。ベクターは、ファージであり得る。ファージは、ファージミドまたはバクテリオファージであり得る。ファージミドは、pMID21であり得る。バクテリオファージは、DY3F63、M13ファージ、fd繊維状ファージ、T4ファージ、T7ファージ、またはλファージであり得る。一部の場合には、ファージミドは、バクテリオファージ(たとえば、「ヘルパー」ファージ)と組み合わせて、微生物に導入され得る。微生物は、糸状性細菌であり得る。糸状性細菌は、Escherichia coliであり得る。
本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含む。複数の抗体は、少なくとも1.0×10個、1.0×10個、1.0×10個、1.0×10個、1.0×1010個、2.0×1010個、3.0×1010個、4.0×1010個、5.0×1010個、6.0×1010個、7.0×1010個、8.0×1010個、9.0×1010個、または10.0×1010個の抗体であり得る。複数の抗体は、少なくとも1.0×1011個の抗体であり得る。複数の抗体は、少なくとも7.6×1010個の抗体であり得る。そのようなライブラリーは、その高い多様性のため、固有であり得る。たとえば、本明細書におけるライブラリーのいずれにおいても、複数の抗体のうちの少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%が、固有であり得る。一部の事例では、ライブラリーは、7.0×1010個を上回る抗体を有し、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも20%が、固有である。固有な抗体は、抗体ライブラリー内の他の抗体と比べて、少なくとも1つの核酸または少なくとも1つのアミノ酸残基が、変動し得る。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である(たとえば、100nM未満のKで、所望される抗原に結合する)。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。
様々な態様では、抗体ライブラリーは、1つまたは複数のCDR配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VH−CDR1配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VH−CDR2配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VH−CDR3配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VL−CDR1配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VL−CDR2配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VL−CDR3配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、初期抗体クローンに由来しないCDR配列に高い多様性を有し得、初期抗体クローンに由来するCDR配列には低い多様性を有し得るかまたは多様性をまったく有さなくてもよい。一部の場合には、高い多様性を有する抗体ライブラリーは、少なくとも1×10個、5×10個、1×10個、5×10個、1×10個、5×10個、1×10個、5×10個、またはそれを上回る固有のCDR配列を含み得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、6つのCDR配列のうちの5つに高い多様性を含み得、たとえば、抗体ライブラリーは、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される5つのCDR配列に、高い多様性を含み得る。そのような場合には、残りのCDR配列は、低い多様性を有し得るか、または多様性をまったく有さなくてもよい。一部の場合には、残りのCDR配列は、それぞれの抗体について、同じCDR配列である。一部の場合には、残りのCDR配列は、初期抗体クローンに由来する。
様々な態様では、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して、少なくとも1つの特徴に改善を呈し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して、熱安定性に改善(たとえば、より高いTm)を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンよりも、少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、または50℃を上回って高い、融解温度(Tm)を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、初期抗体クローンよりも高いTmを有し得る。
一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、標的エピトープに対して、初期抗体クローンと比較して高い親和性(たとえば、低い解離定数(K))を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、標的エピトープに対して、初期抗体クローンの解離定数(K)の5分の1以下、10分の1以下、20分の1以下、30分の1以下、40分の1以下、50分の1以下、60分の1以下、70分の1以下、80分の1以下、90分の1以下、100分の1以下、200分の1以下、300分の1以下、400分の1以下、500分の1以下、600分の1以下、700分の1以下、800分の1以下、900分の1以下、または1000分の1以下のKを有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、初期抗体クローンよりも低いKを有し得る。
一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して増加した種選択性を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、特定の種の標的エピトープに対して、初期抗体クローンのKの5分の1以下、10分の1以下、20分の1以下、30分の1以下、40分の1以下、50分の1以下、60分の1以下、70分の1以下、80分の1以下、90分の1以下、100分の1以下、200分の1以下、300分の1以下、400分の1以下、500分の1以下、600分の1以下、700分の1以下、800分の1以下、900分の1以下、または1000分の1以下のKを有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、特定の種に由来するエピトープに対して、初期抗体クローンよりも低いKを有し得る。
一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して増加した種間交差反応性(たとえば、霊長類種にわたる)を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、種A(たとえば、カニクイザル)に由来するエピトープAに対して低いKを有し得、種B(たとえば、ヒト)に由来する同種エピトープA’に対して高い親和性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、第1の種の標的エピトープに対して、初期抗体クローンのKの5分の1以下、10分の1以下、20分の1以下、30分の1以下、40分の1以下、50分の1以下、60分の1以下、70分の1以下、80分の1以下、90分の1以下、100分の1以下、200分の1以下、300分の1以下、400分の1以下、500分の1以下、600分の1以下、700分の1以下、800分の1以下、900分の1以下、または1000分の1以下のKを有し得、さらに、第2の種の同種エピトープに対して、初期抗体クローンのKの5分の1以下、10分の1以下、20分の1以下、30分の1以下、40分の1以下、50分の1以下、60分の1以下、70分の1以下、80分の1以下、90分の1以下、100分の1以下、200分の1以下、300分の1以下、400分の1以下、500分の1以下、600分の1以下、700分の1以下、800分の1以下、900分の1以下、または1000分の1以下のKを有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、第1の種に由来するエピトープおよび第2の種に由来する同種エピトープに対して、初期抗体クローンと比較して、低いKを有し得る。
様々な態様では、抗体ライブラリーは、初期抗体クローンと比較して、1つを上回る特徴に改善を呈する、1つまたは複数の抗体を含み得る。一部の場合には、改善は、熱安定性の改善、標的エピトープに対する親和性の改善、特定の種の標的エピトープに対する選択性の改善、および種間交差反応性の改善からなる群より選択される。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、以下の:熱安定性、標的エピトープに対する親和性、特定の種の標的エピトープに対する選択性、または種間交差反応性のうちの2つに改善を呈する。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、以下の:熱安定性、標的エピトープに対する親和性、特定の種の標的エピトープに対する選択性、または種間交差反応性のうちの3つに改善を呈する。図31AおよびBは、熱安定性の改善、カニクイザルに由来するエピトープAに対する親和性の改善、およびヒトに由来するエピトープAに対する親和性の改善を呈する抗体クローンの選択の非限定的な例を示す。
様々な態様では、抗体ライブラリー内の抗体は、熱安定性を呈し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体は、約50℃〜約90℃である融解温度(Tm)を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、約50℃〜約90℃である融解温度(Tm)を有する。たとえば、抗体ライブラリー内の抗体は、少なくとも50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、または90℃の融解温度(Tm)を有し得る。
様々な態様では、抗体ライブラリー内の抗体は、標的エピトープに対する高い親和性を呈し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または95%超が、標的エピトープに対する高い親和性を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の抗体は、約50nM未満、25nM未満、10nM未満、5nM未満、1nM未満、900pM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、50pM未満、25pM未満、10pM未満、5pM未満、1pM未満、900fM未満、800fM未満、700fM未満、600fM未満、500fM未満、400fM未満、300fM未満、200fM未満、100fM未満、50fM未満、25fM未満、10fM未満、5fM未満、1fM未満、またはそれを下回る解離定数(K)で、標的エピトープに結合し得る。
Tumblerを使用して抗体ライブラリーを生成する方法
一態様では、抗体ライブラリー、たとえば、上述の抗体ライブラリーを生成するための方法が、提供される。一部の場合には、本方法は、(a)CDR配列を選択するステップであって、CDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、ステップと、(b)第1の抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、1つのCDR配列を、(a)において選択されたCDR配列と置き換え、それによって、複数の抗体を含む第2の抗体ライブラリーを生成するステップであって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(i)(a)において選択されたCDR配列と、(ii)(a)において選択されていない固有の組合せの残りのCDR配列とを含み、残りのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、ステップとを含む。
図32および図33は、抗体ライブラリーを生成する方法、およびそこから1つまたは複数の所望される抗体を得る方法の非限定的なワークフロー例を示す。一部の場合には、初期抗体クローンを、入手する(図32、3201)。一部の場合には、初期抗体クローンは、サードパーティ、たとえば、カスタマーまたはクライアントから入手することができる。他の場合には、初期抗体クローンは、高度に多様な抗体ライブラリー(たとえば、本明細書に記載されるSuperHuman抗体ライブラリー)から得ることができる。一部の場合には、初期抗体クローンは、所望される特性、たとえば、特定のエピトープに対する親和性を有し得る。一部の場合には、初期抗体クローンの1つまたは複数の特徴を改善することが望ましい場合がある。たとえば、抗体の熱安定性を改善すること(たとえば、融解温度(Tm)を高くすること)、抗体の結合特徴(たとえば、親和性)を改善すること、または2つもしくはそれを上回る種にわたる抗体の種間交差反応性を改善することが、望ましい場合がある。次いで、初期抗体クローンを使用して、抗体ライブラリーを生成することができる(図32、3203)。一部の場合には、初期抗体クローンから得られたCDR配列が、選択され得る。CDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、またはVL−CDR3配列のうちのいずれか1つであり得る。特定の態様では、CDR配列は、VH−CDR3配列である(図33を参照されたい)。一般に、初期抗体クローンから選択されるCDR配列は、所望される特徴に関して重要であるCDR配列、たとえば、標的エピトープに対する結合親和性に重要なCDR配列である。様々な態様では、初期抗体クローンから選択されるCDR配列は、高度に多様な抗体ライブラリーにクローニングされ得る。一部の場合には、高度に多様な抗体ライブラリーは、6つのCDR配列のうちの5つに高い多様性を有し得、置き換えられている1つのCDR配列には多様性をほとんどまたはまったく有さない(たとえば、図30および図33を参照されたい)。一部の場合には、高度に多様な抗体ライブラリーは、SuperHuman抗体ライブラリーまたは改変されたSuperHuman抗体ライブラリー(たとえば、SuperHuman抗体ライブラリーとスキャフォールドは同じであるが、置き換えられているCDR配列には多様性を有さないもの、図33を参照されたい)であり得る。一部の場合には、高度に多様な抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体のCDR配列は、後続の抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体が、同じCDR配列を有するように、初期抗体クローンから選択されるCDR配列で置き換えることができる。たとえば、初期抗体クローンから得られたVH−CDR3配列は、高度に多様な抗体ライブラリーのそれぞれのVH−CDR3配列が、初期抗体クローンから選択された同じVH−CDR3配列で置き換えられるように、高度に多様な抗体ライブラリーにクローニングすることができる(図33を参照されたい)。そのような場合には、残りのCDR配列(この例では、VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3)は、高度に多様な抗体ライブラリーに存在するCDR配列である。一部の場合には、CDR配列は、変異をCDR配列に導入する(たとえば、さらなる多様性をCDR配列に導入する)方法を使用して、高度に多様な抗体ライブラリーにクローニングすることができる。一部の例では、CDR配列は、エラープローンPCR方法を実行して、1つまたは複数の変異をCDR配列に導入することによって、クローニングすることができる。一部の場合には、高度に多様な抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、固有の組合せのCDR配列を有し得る。したがって、そのような方法により、VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3に高い多様性を有するが、VH−CDR3には多様性をほとんどまたはまったく有さない、抗体ライブラリーを生成することができる(図33を参照されたい)。さらなる選択およびスクリーニングのステップを、後続の抗体ライブラリーに行って、所望される特徴を有する抗体クローンを選択することができる(図32、3205)。最後に、最適な抗体配列を、コンピュータ計算方法によって決定することができる(図32、3207)。図34および図35は、改善された特徴、たとえば、初期抗体クローンと比較して増加した熱安定性、初期抗体クローンと比較して増加した標的エピトープに対する結合親和性、および/または初期抗体クローンと比較して増加した種間交差反応性を有する抗体クローンのスクリーニングおよび選択の方法を示す。
様々な態様では、抗体ライブラリーを生成するための方法が、提供される。一部の場合には、抗体ライブラリーは、複数の抗体を含み得、ここで、複数の抗体のそれぞれの抗体は、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)1つのCDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択され、このCDR配列は、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)固有の組合せの残りのCDR配列は、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3からなる群より選択される。抗体ライブラリーはまた、本明細書において、Tumblerライブラリーとも称され得る。
1つの例では、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを生成するための方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VH−CDR1配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3が、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する、方法が、提供される。一部の場合には、VH−CDR1配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを生成するための方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VH−CDR2配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3が、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する、方法が、提供される。一部の場合には、VH−CDR2配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを生成するための方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VH−CDR3配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3が、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する、方法が、提供される。一部の場合には、VH−CDR3配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを生成するための方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VL−CDR1配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する、方法が、提供される。一部の場合には、VL−CDR1配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを生成するための方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VL−CDR2配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR3配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する、方法が、提供される。一部の場合には、VL−CDR2配列は、初期抗体クローンに由来する。
別の例では、複数の抗体を含む抗体ライブラリーを生成するための方法であって、複数の抗体のそれぞれの抗体が、(a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、(b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、(c)VL−CDR3配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、(d)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、およびVL−CDR2配列が、複数の抗体のそれぞれの抗体において、異なる組合せで存在する、方法が、提供される。一部の場合には、VL−CDR3配列は、初期抗体クローンに由来する。
様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの1つまたは複数は、天然に存在する。様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のそれぞれは、天然に存在するが、それぞれの抗体において、天然に存在しない組合せで存在する。様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの1つまたは複数は、ヒト集団において天然に存在するか、またはヒトCDR配列に由来する。様々な態様では、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のそれぞれは、ヒト集団において天然に存在するか、またはヒトCDR配列に由来する。
様々な態様では、ライブラリー内の抗体は、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せを含み得、たとえば、天然に存在するメモリーB細胞およびナイーブB細胞に由来するCDRの組合せであるが、同じ抗体にそれらが一緒に現れることは、天然には存在しないであろう。たとえば、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。たとえば、天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、主としてナイーブB細胞起源である細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、主としてメモリーB細胞起源の細胞に由来し得る。
天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する少なくとも1つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR1は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR2は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR1は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR2は、ナイーブ細胞に由来する。一部の場合には、少なくともVH−CDR3は、ナイーブ細胞に由来する。
天然に存在するCDRの天然に存在しない組合せは、ナイーブ細胞に由来する2つ、3つ、4つ、または5つのCDRを含み得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。たとえば、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち2つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち3つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち4つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。別の例では、VL−CDR1、VL−CDR2、VL−CDR3、VH−CDR1、VH−CDR2、およびVH−CDR3からなる群におけるCDRのうち5つのCDRは、ナイーブ細胞に由来し得、一方で残りのCDRは、メモリー細胞に由来し得る。
天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、およびVL−CDR2は、メモリー細胞に由来し得る。天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VH−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3は、メモリー細胞に由来し得る。天然に存在しない組合せの別の非限定的な例では、VH−CDR3およびVL−CDR3は、ナイーブ細胞に由来し得、一方でVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、およびVL−CDR2は、メモリー細胞に由来し得る。
ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、合成VH−CDR2配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、合成VH−CDR3配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVH−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、合成VL−CDR1配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR1配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、合成VL−CDR2配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR2配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、合成VL−CDR3配列であってもよい。ナイーブB細胞に由来するVL−CDR3配列は、ナイーブB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列、またはこれらの任意の組合せは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。VH−CDR3配列、VL−CDR3配列、またはこれらの組合せは、主としてナイーブB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。ナイーブB細胞のプールは、複数の個体から得ることができる。ナイーブB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、ナイーブB細胞起源ではない細胞を含み得る。
メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、合成VH−CDR2配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、合成VH−CDR3配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVH−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVH−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、合成VH−CDR1配列であってもよい。メモリーB細胞に由来するVL−CDR1配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR1配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR2配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR2配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列相同性を含み得る。メモリーB細胞に由来するVL−CDR3配列は、メモリーB細胞から得られた天然に存在するVL−CDR3配列に対して、100%の配列相同性を含み得る。
VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列、またはこれらの任意の組合せは、主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。VH−CDR3配列、VL−CDR3配列、またはこれらの組合せは、主としてメモリーB細胞起源の細胞のプールから取得された配列情報に由来し得る。メモリーB細胞のプールは、複数の個体から得ることができる。メモリーB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、メモリーB細胞起源ではない細胞を含み得る。メモリーB細胞は、CD27+ B細胞であり得る。メモリーB細胞のプールは、0.1%を下回る、1%を下回る、5%を下回る、10%を下回る、20%を下回る、または30%を下回る、CD27+ B細胞起源ではない細胞を含み得る。
ナイーブ細胞は、ナイーブB細胞であり得る。ナイーブB細胞は、ヒトナイーブB細胞であり得る。メモリー細胞は、メモリーB細胞であり得る。メモリーB細胞は、ヒトメモリーB細胞であり得る。一部の事例では、ナイーブB細胞は、メモリーB細胞から得られたVH−CDR3およびVL−CDR3配列と比較して、VH−CDR3およびVL−CDR3配列の多様性の増加を示す(図1)。ナイーブ細胞およびメモリー細胞は、1つの個体または複数の個体から得られた生物学的試料、たとえば、血液から得ることができる。ナイーブ細胞およびメモリー細胞は、ナイーブ細胞またはメモリー細胞に特異的なマーカーを使用して、この試料から物理的に単離することができる。
マーカーを使用して、生物学的試料から、B細胞、ナイーブB細胞、およびメモリーB細胞を、特定、分離、または選別することができる。B細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+が挙げられるが、これに限定されない。ナイーブB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27−、IgD+、IgM+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、CD27+が、メモリーB細胞を選別するために使用される。クラススイッチ型メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、CD27+、IgD−、IgM−、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。非スイッチ型または辺縁帯メモリーB細胞を特定、分離、または選別するために使用されるマーカーの例としては、CD19+、CD27+、IgD+、IgM+、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の場合には、メモリーB細胞は、以下のマーカー:CD19+、CD27+、IgD−、IgM+、およびこれらの組合せを用いて特定、分離、または選別することができる。VH−CDR3が由来するナイーブ細胞は、CD27−/IgM+ B細胞であり得る。VH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3が由来するメモリー細胞は、CD27+/IgG+ B細胞であり得る。
抗体のCDR配列は、1つの個体または複数の個体において見出されるナイーブB細胞およびメモリーB細胞に見られるCDR配列であり得る。個体は、哺乳動物であり得る。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。一部の場合には、CDR配列は、公的に利用可能な供給源から得られたCDR配列である。公的に利用可能なCDR配列の供給源としては、SAbDab(http://opig.stats.ox.ac.uk/webapps/sabdab−sabpred/Welcome.php)およびPyIgClassify(http://dunbrack2.fccc.edu/PyIgClassify/)が挙げられる。
様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体は、同じスキャフォールド、たとえば、同じ組合せのフレームワーク配列を含み得る(図30を参照されたい)。様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体のVHドメインは、VH−FR1配列、VH−FR2配列、VH−FR3配列、およびVH−FR4配列を含む。一部の場合には、VH−FR1配列、VH−FR2配列、VH−FR3配列、およびVH−FR4配列のそれぞれは、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、同じである。一部の場合には、VH−FR1配列、VH−FR2配列、VH−FR3配列、およびVH−FR4配列のそれぞれは、CDR配列が由来する同じ初期抗体クローンに由来する(図30を参照されたい)。一部の場合には、VH−FR1配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR1配列であり得る。一部の場合には、VH−FR2配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR2配列であり得る。一部の場合には、VH−FR3配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR3配列であり得る。一部の場合には、VH−FR4配列は、初期抗体クローンと同じVH−FR4配列であり得る。様々な態様では、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体のVLドメインは、VL−FR1配列、VL−FR2配列、VL−FR3配列、およびVL−FR4配列を含む。一部の場合には、VL−FR1配列、VL−FR2配列、VL−FR3配列、およびVL−FR4配列のそれぞれは、抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、同じである。一部の場合には、VL−FR1配列、VL−FR2配列、VL−FR3配列、およびVL−FR4配列のそれぞれは、CDR配列が由来する同じ初期抗体クローンに由来し得る(図30を参照されたい)。一部の場合には、VL−FR1配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR1配列であり得る。一部の場合には、VL−FR2配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR2配列であり得る。一部の場合には、VL−FR3配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR3配列であり得る。一部の場合には、VL−FR4配列は、初期抗体クローンと同じVL−FR4配列であり得る。
抗体のフレームワークは、天然に存在するフレームワークであり得る。天然に存在するフレームワークは、哺乳動物において見出されるフレームワークであり得る。哺乳動物は、霊長類、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウマ、ウシ、ネコ、またはイヌであり得る。霊長類は、ヒトであり得る。フレームワークは、天然に存在するフレームワークと比較して、少なくとも1つのバリアントを含み得る。バリアントは、変異、挿入、または欠失であり得る。バリアントは、抗体をコードする核酸配列において見出されるバリアントであってもよく、または抗体のアミノ酸配列において見出されるバリアントであってもよい。任意の好適なフレームワーク配列、たとえば、フェーズI臨床試験においてこれまでに使用されたものを、使用することができる(図12A、12B)。本明細書において使用されるとき、抗体のフレームワークとは、可変重鎖のフレームワーク領域(VH−FR1、VH−FR2、VH−FR3、およびVH−FR4)、可変重鎖のフレームワーク領域(VL−FR1、VL−FR2、VL−FR3、およびVL−FR4)、またはこれらの組合せを指し得る。抗体ライブラリー内の抗体のフレームワーク領域は、生殖細胞系フレームワーク領域と同一であってもよい。
フレームワークは、治療的に最適なフレームワークであり得る。治療的に最適なフレームワークは、以下の:a)これまでにヒトモノクローナル抗体において安全性が示されていること、b)熱安定性であること、c)凝集の傾向がないこと、d)すべてのヒト集団にわたってアミノ酸レベルで単一の優性対立遺伝子を含むこと、e)CDRの様々な標準的なトポロジーを含むこと、f)細菌における発現が良好であること、およびg)ファージにおける提示が良好であることからなる群より選択される特性のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、またはすべてを含み得る。これまでにヒトモノクローナル抗体において安全性が実証されているフレームワークは、少なくともフェーズI臨床試験において使用されている抗体のフレームワークであり得る。熱安定性であるフレームワークは、少なくとも20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または100℃を上回って熱安定性であるフレームワークであり得る。熱安定性であるフレームワークは、少なくとも、1分間につき3℃、1分間につき4℃、または1分間につき5℃の温度上昇に耐え得るフレームワークであり得る。細菌における発現が良好であるフレームワークは、細菌において生物学的に活性な抗体を産生するフレームワークであり得る。細菌は、E.coliであり得る。細菌は、操作された細菌であってもよい。細菌は、抗体発現のために最適化された細菌であってもよい。ファージにおける提示が良好であるフレームワークは、ファージの表面上に提示されると、生物学的に活性な抗体を産生するフレームワークであり得る。
フレームワークを選択するために使用される戦略の例は、図11に記載されており、ここで、抗体の理想的なフレームワークは、構造多様性を示すもの、ヒトにおけるフェーズI臨床試験において使用が成功しているもの、低い免疫原性を有するもの、凝集耐性を示すもの、適合性を呈するもの、および熱安定性であるものであり得る。一部の場合には、抗体のフレームワークは、血液細胞に対して本質的に自己反応性である場合(たとえば、IGHV4−34)、劣った安定性プロファイルを有する場合(たとえば、IGHV2−5)、個体のうちの少なくとも50%において見出されないV遺伝子を有する場合(たとえば、IGHV4−b)、凝集傾向にあるV遺伝子を示す場合(たとえば、IGLV6−57)、またはこれらの組合せの場合に、回避される。
本明細書における抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、1つを上回る優性対立遺伝子を含み得、ここで、異なるヒト集団では、異なる優性対立遺伝子が存在する(図13および図14)。たとえば、IGHV1−3フレームワークは、3つの対立遺伝子:IGVH1−301、IGVH1−302、およびIGVH1−303を含み、これらは、異なるヒト集団では異なる頻度で見出される(図26)。一部の事例では、本明細書に記載される抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、少なくとも2つのヒト集団において単一の優性対立遺伝子を有する。一部の事例では、本明細書に記載される抗体のフレームワークのアミノ酸配列は、すべてのヒト集団において単一の優性対立遺伝子を有する。1つの優性対立遺伝子を有するフレームワークは、1つの対立遺伝子が、少なくとも2つのヒト集団において、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%に見出される、フレームワークであり得る。1つの優性対立遺伝子を有するフレームワークは、1つの対立遺伝子が、少なくとも12のヒト集団において、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%に見出される、フレームワークであり得る。一部の場合には、VHドメインのフレームワーク領域は、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、またはIGHV3−23から得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、VHドメインのフレームワーク領域は、IGHV2−5、IGHV3−7、IGVH4−34、IGHV5−51、IGHV1−24、IGHV2−26、IGHV3−72、IGHV3−74、IGHV3−9、IGHV3−30、IGHV3−33、IGHV3−53、IGHV3−66、IGHV4−30−4、IGHV4−31、IGHV4−59、IGHV4−61、またはIGHV5−51から得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のVHドメインのフレームワーク領域は、IGHV1−46、IGHV3−23、またはこれらの組合せから得られたフレームワーク領域である。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体のVLドメインのフレームワーク領域は、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、IGKV4−1、IGKV1−5、IGKV1−12、IGKV1−13、IGKV3−11、IGKV3−20、またはこれらの組合せから得られたフレームワーク領域である。1つの例では、抗体ライブラリー内の抗体のサブセットは、IGHV1−46から得られたVHドメインのフレームワーク領域およびIGKV1−39から得られたVLドメインのフレームワーク領域を有し得、一方で、抗体ライブラリー内の残りの抗体は、IGHV1−46から得られたVHドメインのフレームワーク領域およびIGKV2−28から得られたVLドメインのフレームワーク領域を有する。
一部の場合には、本明細書に記載される抗体をコードする核酸配列が、本明細書において開示される。核酸配列は、DNA配列またはRNA配列であり得る。核酸は、ベクターに挿入することができる。ベクターは、ファージであり得る。ファージは、ファージミドまたはバクテリオファージであり得る。ファージミドは、pMID21であり得る。バクテリオファージは、DY3F63、M13ファージ、fd繊維状ファージ、T4ファージ、T7ファージ、またはλファージであり得る。一部の場合には、ファージミドは、バクテリオファージ(すなわち、「ヘルパー」ファージ)と組み合わせて、微生物に導入され得る。微生物は、糸状性細菌であり得る。糸状性細菌は、Escherichia coliであり得る。
本明細書に記載される抗体ライブラリーは、複数の抗体を含む。複数の抗体は、少なくとも1.0×10個、1.0×10個、1.0×10個、1.0×10個、1.0×1010個、2.0×1010個、3.0×1010個、4.0×1010個、5.0×1010個、6.0×1010個、7.0×1010個、8.0×1010個、9.0×1010個、または10.0×1010個の抗体であり得る。複数の抗体は、少なくとも1.0×1011個の抗体であり得る。複数の抗体は、少なくとも7.6×1010個の抗体であり得る。そのようなライブラリーは、その高い多様性のため、固有であり得る。たとえば、本明細書におけるライブラリーのいずれにおいても、複数の抗体のうちの少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%が、固有であり得る。一部の事例では、ライブラリーは、7.0×1010個を上回る抗体を有し、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも20%が、固有である。固有な抗体は、抗体ライブラリー内の他の抗体と比べて、少なくとも1つの核酸または少なくとも1つのアミノ酸残基が、変動し得る。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも80%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも85%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも90%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である。
一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも1.0×10個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.0×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。一部の事例では、抗体ライブラリーは、少なくとも7.6×1010個の抗体を含み、その中で、複数の抗体のうちの少なくとも99%が、機能性である。
様々な態様では、本明細書に提供される方法は、1つまたは複数のCDR配列に高い多様性を有する抗体ライブラリーを生成し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VH−CDR1配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VH−CDR2配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VH−CDR3配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VL−CDR1配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VL−CDR2配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、VL−CDR3配列に高い多様性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、初期抗体クローンに由来しないCDR配列に高い多様性を有し得、初期抗体クローンに由来するCDR配列には低い多様性を有し得るかまたは多様性をまったく有さなくてもよい。一部の場合には、高い多様性を有する抗体ライブラリーは、特定のCDRに、少なくとも1×10個、5×10個、1×10個、5×10個、1×10個、5×10個、1×10個、5×10個、またはそれを上回る固有の配列を含み得る。一部の場合には、抗体ライブラリーは、6つのCDR配列のうちの5つに高い多様性を含み得、たとえば、抗体ライブラリーは、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される5つのCDR配列に、高い多様性を含み得る。そのような場合には、残りのCDR配列は、低い多様性を有し得るか、または多様性をまったく有さなくてもよい。一部の場合には、残りのCDR配列は、それぞれの抗体について、同じCDR配列である。一部の場合には、残りのCDR配列は、初期抗体クローンに由来する。
様々な態様では、本明細書に提供される方法により、初期抗体クローンと比較して、少なくとも1つの特徴に改善を有する少なくとも1つの抗体を生成することができる。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して、熱安定性に改善を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、または100倍を上回る熱安定性を呈し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、標的エピトープに対して、初期抗体クローンと比較して高い親和性を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、標的エピトープに対して、初期抗体クローンと比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、または100倍を上回る親和性を呈し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、種選択性に改善を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、特定の種の標的エピトープに対して、初期抗体クローンと比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、または100倍を上回る親和性を呈し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、初期抗体クローンと比較して増加した種間交差反応性を呈し得る。たとえば、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、種A(たとえば、カニクイザル)に由来するエピトープAに対して高い親和性を有し得、種B(たとえば、ヒト)に由来するエピトープAに対して高い親和性を有し得る。一部の場合には、抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体は、種Aに由来するエピトープAに対して、初期抗体クローンと比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、または100倍を上回る親和性を呈し得、種Bに由来するエピトープAに対して、初期抗体クローンと比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、または100倍を上回る親和性を呈し得る。図31AおよびBは、熱安定性の改善、カニクイザルに由来するエピトープAに対する親和性の改善、およびヒトに由来するエピトープAに対する親和性の改善を呈する抗体クローンの選択の非限定的な例を示す。
様々な態様では、本明細書に記載される方法により、熱安定性を有する抗体を生成することができる。一部の場合には、抗体ライブラリー内の抗体は、約50℃〜約90℃の温度において、熱安定性であり得る。たとえば、抗体ライブラリー内の抗体は、少なくとも50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、または90℃の温度において、熱安定性であり得る。
様々な態様では、本明細書に記載される方法により、標的エピトープに対して高い親和性を有する抗体を生成することができる。たとえば、抗体ライブラリー内の抗体は、約50nM未満、25nM未満、10nM未満、5nM未満、1nM未満、900pM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満、100pM未満、50pM未満、25pM未満、10pM未満、5pM未満、1pM未満、900fM未満、800fM未満、700fM未満、600fM未満、500fM未満、400fM未満、300fM未満、200fM未満、100fM未満、50fM未満、25fM未満、10fM未満、5fM未満、1fM未満、またはそれを下回る解離定数(K)で、標的エピトープに結合し得る。
ある特定の用語
本明細書において使用される用語は、特定の事例を説明する目的のものにすぎず、限定することを意図するものではない。以下の用語は、当業者によるこれらの用語の理解に加えて、本明細書において使用される用語の意味を例示して考察されている。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈により別途明確に示されない限り、複数形の参照物を含む。さらに、特許請求の範囲は、あらゆる必要に応じた要素を排除して起草することができることに留意されたい。そのため、本明細書は、特許請求の範囲の要素の引用に関連して、「単独で」、「唯一の」などの排他的な用語を使用すること、または「否定的な」制限を使用することの先行的な根拠として機能することを意図している。
ある特定の範囲は、本明細書において、数値の前に「約」という用語を付けて提示されている。「約」という用語は、本明細書において、その用語が前に付いている厳密な数字、ならびにその用語が前に付いている数字に近いかまたは近似する数字に、文字通りの裏付けを提供するために使用される。ある数字が、具体的に列挙された数字に近いかまたは近似するかを決定する際に、近いかまたは近似する列挙されていない数字は、それが提示されている文脈において、具体的に列挙された数字と実質的に同等な数字を提供する数字であり得る。値の範囲が提供される場合、文脈により別途明確に示されない限り、その範囲の上限値と下限値との間にある、下限値の単位の10分の1までのそれぞれの介在値、またはその言及された範囲内の他の言及された値もしくは介在値は、本明細書に記載される方法および組成物内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立して、そのより小さな範囲内に含まれてもよく、また、本明細書に記載される方法および組成物内に包含され、その言及された範囲において任意の上下限値が具体的に除外される場合がある。言及された範囲が、上下限値の一方または両方を含む場合、これらの含まれる上下限値のうちのいずれかまたは両方を除外した範囲もまた、本明細書に記載される方法および組成物に含まれる。
「個体」、「患者」、または「被験体」という用語は、互換可能に使用される。いずれの用語も、医療従事者(たとえば、医師、正看護師、ナース・プラクティショナー(nurse practitioner)、医師の助手、オーダリ(orderly)、またはホスピスワーカー)の監督(たとえば、常時または断続的)を特徴とする状況を必要とするものではなく、それに限定されるものでもない。さらに、これらの用語は、ヒトまたは動物被験体を指す。
「処置すること」または「処置」は、治療的処置および予防的もしくは防止的措置の両方を指し、ここで、標的とされる病理学的状態または障害の予防または遅延(減弱化)が目的である。処置を必要とするものとしては、障害をすでに有しているもの、ならびに障害を有する傾向にあるもの、または障害を予防しようとするものが挙げられる。
「抗体」という用語は、本明細書において使用されるとき、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を指す。この用語はまた、2つの免疫グロブリン重鎖および2つの免疫グロブリン軽鎖から構成される抗体、ならびに、全長抗体およびその部分を含む様々な形態を指し、たとえば、免疫グロブリン分子、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、CDRグラフト抗体、F(ab)、Fv、scFv、IgGΔCH、F(ab’)2、scFv2CH、F(ab)、VL、VH、scFv4、scFv3、scFv2、dsFv、Fv、scFv−Fc、(scFv)2、ジスルフィド結合型Fv、単一ドメイン抗体(dAb)、ダイアボディ、多重特異性抗体、二重特異性抗体、抗イディオタイプ抗体、二特異性抗体、任意のアイソタイプ(IgA、IgD、IgE、IgG、もしくはIgMを含むがこれらに限定されない)、改変された抗体、ならびに合成抗体(非枯渇IgG抗体、Tボディ、または抗体の他のFcもしくはFabバリアントを含むがこれらに限定されない)が挙げられる。
別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本明細書に記載される方法および組成物が属する技術分野の当業者によって広く理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を、本明細書に記載される方法および組成物の実施または試験において使用することができるが、代表的な例示的な方法および材料を、ここに記載する。
(実施例1 SuperHumanライブラリー(SHL)2.0の生成)
superhumanライブラリーを、以下のステップを使用して生成した。
1. 3500個の組合せのヒトレパートリーから、上位4つのVHフレームワークおよび上位4つのVKフレームワーク(重鎖についてはIGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、IGHV3−23、および軽鎖についてはIGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、IGKV4−1)を、1)これまでにヒトmAbにおいて安全性が示されていること、2)熱安定性、3)凝集傾向にないこと、4)すべてのヒト集団にわたってアミノ酸レベルでフレームワークにおける単一の優性対立遺伝子であること(すなわち、人種で差のある医薬でないこと)、5)CDRの様々な標準的なトポロジー、6)細菌における良好な発現およびファージにおける良好な提示の組合せに基づいて、選択した。
2. 血液を、140の被験体から採取した。
3. ナイーブ(CD27−/IgM+)細胞およびメモリー(CD27+/IgG+)細胞を、血液から選別した。
4. プールに、次世代シーケンシング(NGS)を使用して、品質についてチェックし、多様性に問題があるかまたは生物化学的傾向を有するプールは、拒絶した。
5. ナイーブ細胞から得られたVH−CDR3配列を、ユニバーサルプライマーを用いてPCR増幅させた。
6. メモリー細胞から得られたVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列を、フレームワーク特異的プライマーを用いてPCR増幅させた。
7. 合成により産生された生殖細胞系セグメントとしてフレームワークをオーダーした。
8. 核酸ライブラリーを、PCR−OEを使用してアセンブルした。
9. ステップ8で得られたアセンブリに、NGSシーケンシングを使用して、品質についてチェックした。
10. 軽鎖を、スタッファーVHとともにベクターにクローニングした。
11. インフレーム材料を、熱による圧(thermal pressure)の後に、プロテインAまたはプロテインLによって選択した。
12. 重鎖を、ベクターにクローニングして、スタッファーVHを置き換えた。
13. 微生物に、ステップ12の最後に生成されたベクターを、エレクトロポレーションを使用して、形質転換した。
(実施例2 PD1に対する親和性に関するスクリーニング)
PD1のラウンド4のSuperHumanパニングの後にランダムに選択された2つの96ウェルプレートのクローンの一次スクリーニング。
試料を、Carterra高スループット動態機器において、即座にアッセイし、ELISAスクリーニングをバイパスした(図3)。ヒットの大半が、陽性であり、シーケンシングした184個のうち、98個が固有であった。
PD1に対する親和性を示すクローンを、ヒトおよびカニクイザルPD1に対して確認した(図4)、(図5)。
(実施例3 2つのプレートの抗体クローンのbGal ELISAおよびサンガースクリーニング)
bGalに対して、2つのプレートから得られた抗体クローンをパニングするELISAを行った(図7)。
これらのクローンのサンガーシーケンシングもまた、行った(図8)。ラウンド3の出力の極度の多様性により、任意のエピトープに対するヒットを、数個の96ウェルプレートのクローンをスクリーニングすることによって回収することができることを確認した。
多様性は、VH−CDR3(CDR−H3)配列において見出されただけでなく、VH−CDR1(CDR−H1)およびVH−CDR2(CDR−H2)配列においても見出された(図10)。
(実施例4 設計および選択のプロセスを組み合わせて、多様なVHおよびVK配列を有する抗体ライブラリーを産生する)
構築中の発現および熱安定性に関する機能性選択を適用して、4000万個の軽鎖にわたって95%を上回る機能的多様性を有するライブラリーを産生した。抗体ライブラリーは、7.6×1010個の形質転換体で作製した。
まず、VK(カッパ軽鎖)ライブラリーを、所望される軽鎖および一時的なスタッファーVH配列をベクターにクローニングすることによって、産生した。VKライブラリーを、提示させ、65℃を上回る熱ストレスに供した。インフレーム材料を、プロテインA/Lを使用して選択した。プロテインA/Lでの選択により得られたライブラリーにおけるスタッファーVH配列を、標的VH配列と置き換えた(図17)。
(実施例5 SuperHumanライブラリー(SHL)3.0の生成)
superhumanライブラリーを、以下のステップを使用して生成する。
1. 6つの抗体フレームワーク(IGHV1−46、IGHV3−23、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、およびIGKV4−1)を、1)これまでにヒトmAbにおいて安全性が示されていること、2)熱安定性、3)凝集傾向にないこと、4)すべてのヒト集団にわたってアミノ酸レベルでフレームワークにおける単一の優性対立遺伝子であること(すなわち、人種で差のある医薬でないこと)、5)CDRの様々な標準的なトポロジー、6)細菌における良好な発現およびファージにおける良好な提示の組合せに基づいて、選択する。
2. 血液を、50〜100の被験体から採取する。
3. ナイーブ(CD27−/IgM+またはCD27−/IgD+)細胞およびメモリー細胞を、血液から選別する。
4. プールに、次世代シーケンシング(NGS)を使用して、品質についてチェックし、多様性に問題があるかまたは生物化学的傾向を有するプールは、拒絶する。
5. ナイーブ細胞から得られたVH−CDR3配列を、ユニバーサルプライマーを用いてPCR増幅させる。
6. 傾向がない好ましいVH−CDR1、VH−CDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列を、(1)ヒト天然抗体において存在することが観察されていること、(2)様々な抗原に対してSuperHuman 2.0の選択下での性能が不十分でないことが観察されていること、(3)生物化学的傾向(C、露出したM、脱アミノ化部位、酸加水分解部位、N結合型グリコシル化部位、アンバー終止コドン、オパール終止コドン、高度に正に荷電している)がないこと、(4)閾値を上回って変異していないこと(たとえば、CDR1つ当たりのアミノ酸変異が3つを上回らないこと)に基づいて、DNA合成によって選択する。換言すると、VH−CDR1、VHCDR2、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列は、以下の基準を満たす場合に、合成される:
a)使用されるそれぞれのフレームワークについて、それぞれの生殖細胞系CDRから離れて、4つを上回らないアミノ酸変異を有すること、ならびに
b)NGSの間に、被験体のうちの少なくとも2つに存在することが特定され、SuperHuman 2.0(実施例1)から得られた11個の抗原に対する55,000個のヒットのプールを評価した場合に、適合性の欠点を有することなく濃縮されるか、またはある人物においては観察されていないが、同じSuperHuman 2.0プールにおいて、パニング中に高度に濃縮されていること、ならびに
c)いずれの生物化学的傾向(N結合型グリコシル化、脱アミノ化、酸加水分解、正電荷ペプチド内切断、遊離システイン、遊離メチオニン、代替的終止コドン、潜在的スプライス部位、tev切断部位、または過剰に正に荷電したCDR)も含まないこと。
7. 合成により産生された、変異を有さない100%生殖細胞系セグメントとしてフレームワークをオーダーする。
8. 核酸ライブラリーを、PCR−OEまたは別のDNAアセンブリ方法を使用して、アセンブルする。
9. ステップ8で得られたアセンブリに、NGSシーケンシングを使用して、品質についてチェックする。
10. 軽鎖を、スタッファーVHとともにベクターにクローニングする。
11. インフレーム材料を、熱による圧の後に、プロテインAまたはプロテインLによって選択する。
12. 重鎖を、ベクターにクローニングして、スタッファーVHを置き換える。
13. 微生物に、ステップ12の最後に生成されたベクターを、エレクトロポレーションを使用して、形質転換する。
本発明の好ましい実施形態が本明細書において示され、説明されているが、そのような実施形態が例示として提供されるにすぎないことは、当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変化形、変更、および置換を想起するであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替形を、本発明の実施に用いることができることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定めること、ならびにこれらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物が、それによって包含されることが意図される。

Claims (79)

  1. 複数の抗体を含む抗体ライブラリーであって、前記複数の抗体のそれぞれの抗体が、
    a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列を含む、VHドメインと、
    b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、VL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、
    a)前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、ナイーブB細胞に由来し、
    b)前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの1つのみが前記ナイーブB細胞に由来する場合、前記ナイーブB細胞に由来しない前記VH−CDR3配列または前記VL−CDR3配列が、メモリー細胞に由来し、
    c)前記VH−CDR1配列、前記VH−CDR2配列、前記VL−CDR1配列、および前記VL−CDR2配列が、メモリーB細胞に由来する、抗体ライブラリー。
  2. ナイーブB細胞に由来する前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの前記少なくとも1つが、天然に存在する配列である、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  3. メモリー細胞に由来する前記VH−CDR3配列または前記VL−CDR3配列が、天然に存在する配列である、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  4. メモリーB細胞に由来する前記VH−CDR1配列、前記VH−CDR2配列、前記VL−CDR1配列、および前記VL−CDR2配列が、天然に存在する配列である、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  5. ナイーブB細胞に由来する前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの前記少なくとも1つが、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  6. メモリー細胞に由来する前記VH−CDR3配列または前記VL−CDR3配列が、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  7. メモリーB細胞に由来する前記VH−CDR1配列、前記VH−CDR2配列、前記VL−CDR1配列、および前記VL−CDR2配列が、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  8. 前記VLドメインが、VKドメインまたはVλドメインである、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  9. 前記ナイーブB細胞が、CD27−/IgM+ B細胞またはCD27−/IgD+ B細胞である、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  10. 前記メモリーB細胞が、CD27+/IgG+ B細胞、CD27+/IgM+ B細胞、IgA+ B細胞、およびこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  11. 前記ナイーブB細胞および前記メモリーB細胞が、複数の個体から試料採取された複数のナイーブB細胞およびメモリーB細胞を含む試料から得られる、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  12. 前記複数の個体が、少なくとも50の個体である、請求項11に記載の抗体ライブラリー。
  13. 前記複数の抗体が、複数のファージの表面上に発現される、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  14. 前記複数のファージが、バクテリオファージまたはファージミドである、請求項13に記載の抗体ライブラリー。
  15. 前記複数のファージのそれぞれのファージが、i)前記複数の抗体のうちの1つの抗体およびii)ファージコートタンパク質をコードする遺伝子をコードする、核酸配列を含む、請求項13に記載の抗体ライブラリー。
  16. 前記ファージコートタンパク質が、タンパク質gIIIである、請求項15に記載の抗体ライブラリー。
  17. それぞれのファージの前記核酸配列の発現により、ファージコートタンパク質に融合した抗体が産生される、請求項15に記載の抗体ライブラリー。
  18. 前記VHドメインが、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、およびIGHV3−23からなる群より選択されるフレームワーク領域をさらに含む、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  19. 前記VLドメインが、IGKV1−39、IGKV2−28、IGKV3−15、およびIGKV4−1からなる群より選択されるフレームワーク領域をさらに含む、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  20. 前記複数の抗体が、少なくとも7.6×1010個の抗体を含む、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  21. 前記複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  22. 抗体ライブラリーを調製する方法であって、
    a)ナイーブB細胞のプールから複数のVH−CDR3およびVL−CDR3配列の配列情報、ならびにメモリーB細胞のプールから複数のVH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL−CDR1、VL−CDR2、およびVL−CDR3配列の配列情報を取得するステップと、
    b)複数の可変軽鎖(VL)ドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVLドメイン配列が、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた前記配列情報に由来するVL−CDR1配列、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた前記配列情報に由来するVL−CDR2配列、およびステップaにおいて決定されたメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた前記配列情報に由来するVL−CDR3配列を含む、ステップと、
    c)複数の第1の抗体をコードする複数の第1の核酸配列をアセンブルするステップであって、それぞれの第1の抗体が、
    i.ステップbにおいてアセンブルされた可変軽鎖(VL)ドメイン配列と、
    ii.単一の固定重鎖配列とを含む、ステップと、
    d)前記複数の第1の核酸配列を、複数のファージに挿入するステップと、
    e)前記複数の第1の抗体を、前記複数のファージの表面上に発現させるステップと、
    f)少なくとも1つの選択圧を、前記複数のファージに適用して、第1の核酸配列のサブセットを含む、ファージのサブセットを産生するステップと、
    g)複数の可変重鎖(VH)ドメイン配列をアセンブルするステップであって、それぞれのVHドメイン配列が、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた前記配列情報に由来するVH−CDR1配列、ステップaにおいて決定されたメモリーB細胞から得られた前記配列情報に由来するVH−CDR2配列、およびステップaにおいて決定されたメモリーB細胞またはナイーブB細胞から得られた前記配列情報に由来するVH−CDR3配列を含み、前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、ナイーブB細胞から得られた前記配列情報に由来する、ステップと、
    h)第1の核酸配列の前記サブセットに由来する前記単一の固定重鎖配列を、ステップgにおいてアセンブルされた前記複数のVHドメイン配列と置き換えて、複数の第2の核酸配列を産生するステップであって、それぞれの第2の核酸配列が、
    i.ステップbにおいてアセンブルされた可変軽鎖(VL)ドメイン配列と、
    ii.ステップgにおいてアセンブルされた可変重鎖(VH)ドメイン配列とを含み、
    前記複数の第2の核酸配列が、複数の第2の抗体をコードする、ステップと、
    i)複数の微生物に、前記複数のファージを形質転換して、複数の形質転換体を産生するステップとを含む、方法。
  23. 前記ナイーブB細胞のプールが、5%を下回るナイーブB細胞起源ではない細胞を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記メモリーB細胞のプールが、5%を下回るメモリーB細胞起源ではない細胞を含む、請求項22に記載の方法。
  25. ナイーブB細胞に由来する前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの前記少なくとも1つが、天然に存在する配列である、請求項1に記載の方法。
  26. メモリー細胞に由来する前記VH−CDR3配列または前記VL−CDR3配列が、天然に存在する配列である、請求項1に記載の方法。
  27. メモリーB細胞に由来する前記VH−CDR1配列、前記VH−CDR2配列、前記VL−CDR1配列、および前記VL−CDR2配列が、天然に存在する配列である、請求項1に記載の方法。
  28. ナイーブB細胞に由来する前記VH−CDR3配列および前記VL−CDR3配列のうちの前記少なくとも1つが、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項1に記載の方法。
  29. メモリー細胞に由来する前記VH−CDR3配列または前記VL−CDR3配列が、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項1に記載の方法。
  30. メモリーB細胞に由来する前記VH−CDR1配列、前記VH−CDR2配列、前記VL−CDR1配列、および前記VL−CDR2配列が、天然に存在する配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項1に記載の方法。
  31. 前記ナイーブB細胞のプール、前記メモリー細胞のプール、またはそれらの組合せが、複数の個体から得られる、請求項22に記載の方法。
  32. 前記複数の個体が、少なくとも50の個体である、請求項25に記載の方法。
  33. 前記配列情報を取得する前に、試料中の前記ナイーブB細胞および前記メモリーB細胞を選別して、前記ナイーブB細胞のプールおよび前記メモリーB細胞のプールを産生するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  34. 前記ナイーブB細胞および前記メモリーB細胞を選別するステップが、フローサイトメトリーの使用を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記フローサイトメトリーが、蛍光活性化細胞選別(FACS)である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記ナイーブB細胞および前記メモリーB細胞から核酸を抽出するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  37. 前記核酸が、DNAである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記核酸が、mRNAである、請求項36に記載の方法。
  39. 前記mRNAを相補的DNA(cDNA)に逆転写するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
  40. それぞれのVLドメイン配列をアセンブルするステップが、オーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)の使用を含む、請求項22に記載の方法。
  41. それぞれのVHドメイン配列をアセンブルするステップが、オーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)の使用を含む、請求項22に記載の方法。
  42. 前記単一の固定重鎖配列が、IGHJ4、IGHV1−46、IGHV1−69、IGHV3−15、およびIGHV3−23からなる群より選択される生殖細胞系配列である、請求項22に記載の方法。
  43. 少なくとも1つの選択圧を適用するステップが、熱ストレス、プロテインAによる選択、プロテインLによる選択、またはこれらの組合せを適用することを含む、請求項22に記載の方法。
  44. 前記熱ストレスが、少なくとも65℃の温度である、請求項43に記載の方法。
  45. 熱ストレスを前記複数のファージに適用することにより、前記ファージのサブセットから、不安定なファージおよび凝集傾向にあるファージを排除する、請求項43に記載の方法。
  46. プロテインAまたはプロテインLによる選択を、前記複数のファージに適用することにより、前記ファージのサブセットから、タンパク質に結合する能力を有さない抗体を発現するファージを排除する、請求項43に記載の方法。
  47. 前記ファージが、バクテリオファージまたはファージミドである、請求項22に記載の方法。
  48. 前記微生物が、Escherichia coliである、請求項22に記載の方法。
  49. 前記形質転換するステップが、エレクトロポレーションによって行われる、請求項22に記載の方法。
  50. 前記複数の形質転換体が、少なくとも7.6×1010個の形質転換体を含む、請求項22に記載の方法。
  51. 前記複数の抗体のうちの少なくとも95%が、機能性である、請求項22に記載の方法、請求項1に記載の抗体ライブラリー。
  52. 複数の抗体を含む抗体ライブラリーであって、前記複数の抗体のそれぞれの抗体が、
    a)VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、およびVH−CDR3配列を含む、VHドメインと、
    b)VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、VLドメインとを含み、
    c)1つのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択され、前記CDR配列が、前記複数の抗体のそれぞれの抗体について、同じであり、
    d)固有の組合せの残りのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、抗体ライブラリー。
  53. (c)の前記CDR配列が、VH−CDR3配列である、請求項52に記載の抗体ライブラリー。
  54. (d)の前記残りのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列である、請求項53に記載の抗体ライブラリー。
  55. (c)の前記CDR配列が、初期抗体クローンに由来するCDR配列と同じである、請求項52に記載の抗体ライブラリー。
  56. (d)の前記残りのCDR配列のそれぞれ1つが、高度な多様性で、前記抗体ライブラリーに存在する、請求項52に記載の抗体ライブラリー。
  57. 前記高度な多様性が、少なくとも1×10個の異なるCDR配列を含む、請求項56に記載の抗体ライブラリー。
  58. 前記VH−CDR1配列、前記VH−CDR2配列、前記VH−CDR3配列、前記VL−CDR1配列、前記VL−CDR2配列、および前記VL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、天然に存在するCDR配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項52に記載の抗体ライブラリー。
  59. 前記天然に存在するCDR配列が、ヒト集団に由来する、請求項58に記載の抗体ライブラリー。
  60. (d)の前記残りのCDR配列が、前記複数の抗体のそれぞれの抗体について、天然に存在しない組合せで存在する、請求項58に記載の抗体ライブラリー。
  61. 前記複数の抗体のうちの少なくとも1つの抗体が、以下の:初期抗体クローンと比較して高い融解温度(Tm)、初期抗体クローンと比較して高い標的エピトープに対する親和性、または初期抗体クローンと比較して高い、標的エピトープに対する2つもしくはそれを上回る種にわたる交差反応性のうちの少なくとも1つを有する、請求項55に記載の抗体ライブラリー。
  62. 前記複数の抗体のうちの少なくとも1つの抗体が、約50℃〜約90℃である融解温度(Tm)を有する、請求項52に記載の抗体ライブラリー。
  63. 前記複数の抗体のうちの少なくとも1つの抗体が、100nMまたはそれを下回るKで、標的エピトープに結合する、請求項52に記載の抗体ライブラリー。
  64. 抗体ライブラリーを生成するための方法であって、
    (a)1つのCDR配列を選択するステップであって、前記CDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、ステップと、
    (b)第1の抗体ライブラリー内のそれぞれの抗体について、1つのCDR配列を、(a)において選択された前記CDR配列と置き換え、それによって、複数の抗体を含む第2の抗体ライブラリーを生成するステップであって、前記複数の抗体のそれぞれの抗体が、
    (i)(a)において選択された前記CDR配列と、
    (ii)(a)において選択されていない、VH−CDR1配列、VH−CDR配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列からなる群より選択される、固有の組合せの残りのCDR配列とを含む、ステップとを含む、方法。
  65. 前記第1の抗体ライブラリーが、複数の抗体を含み、前記複数の抗体のそれぞれの抗体が、固有の組合せのVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列を含む、請求項64に記載の方法。
  66. (a)において選択された前記CDR配列が、VH−CDR3配列である、請求項64に記載の方法。
  67. ii)の前記残りのCDR配列が、VH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列である、請求項66に記載の方法。
  68. ii)の前記残りのCDR配列のそれぞれ1つが、高度な多様性で、前記抗体ライブラリーに存在する、請求項64に記載の方法。
  69. 前記高度な多様性が、少なくとも1×10個の異なるCDR配列を含む、請求項68に記載の方法。
  70. 前記抗体ライブラリーのVH−CDR1配列、VH−CDR2配列、VH−CDR3配列、VL−CDR1配列、VL−CDR2配列、およびVL−CDR3配列のうちの少なくとも1つが、天然に存在するCDR配列に対して少なくとも80%の配列相同性を含む、請求項64に記載の方法。
  71. 前記天然に存在するCDR配列が、ヒト集団に由来する、請求項70に記載の方法。
  72. ii)の前記残りのCDR配列が、前記複数の抗体のそれぞれの抗体について、天然に存在しない組合せで存在する、請求項64に記載の方法。
  73. (a)の前記CDR配列が、初期抗体クローンに由来する、請求項64に記載の方法。
  74. 前記抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体が、以下の:初期抗体クローンと比較して高い融解温度(Tm)、初期抗体クローンと比較して高い標的エピトープに対する親和性、または初期抗体クローンと比較して高い、標的エピトープに対する2つもしくはそれを上回る種にわたる交差反応性のうちの少なくとも1つを有する、請求項64に記載の方法。
  75. 前記抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体が、約50℃〜約90℃である融解温度(Tm)を有する、請求項64に記載の方法。
  76. 前記抗体ライブラリー内の少なくとも1つの抗体が、100nMまたはそれを下回るKで、標的エピトープに結合する、請求項64に記載の方法。
  77. 前記第1の抗体ライブラリーが、請求項1から21のいずれか一項に記載の抗体ライブラリーである、請求項64に記載の方法。
  78. 前記第2の抗体ライブラリーが、請求項52から63のいずれか一項に記載の抗体ライブラリーである、請求項64に記載の方法。
  79. (c)前記第2の抗体ライブラリーを、所望される特性を有する抗体についてスクリーニングするステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。
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