JP2021506901A - アニオン性キレート化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、磁気共鳴撮像(MRI)において造影剤として使用するために適当な化合物を提供する。本発明の化合物は、同様な既知の化合物と比較して有利な性質を有するマンガン(II)錯体である。

Description

本発明は、磁気共鳴手順における造影剤としてのキレート化合物およびそれらの使用に関する。
磁気共鳴撮像(MRI)は、身体の領域が選択された原子の核、特に水素の核により可視化される医用画像技法である。MRIシグナルは、可視化される核の周囲の環境に依存して、それらの縦向きおよび横向き緩和時間は、それぞれT1およびT2と称される。したがって、可視化される核がプロトンである場合には、MRIのシグナル強度は、プロトン密度およびプロトンの化学的環境などの要因に依存することとなる。
それらの化学構造中に常磁性金属イオンを含む造影剤は、撮像のコントラストを改善するためにMRIで使用され得る。それらは、緩和時間およびその結果として像におけるコントラストに影響することにより役立つ。常磁性金属イオンGd(III)を含む造影剤は周知であり、市販のGd(III)キレートOmniscan(商標)(GE Healthcare)、Dotarem(商標)(Guerbet)、Gadavist(商標)(Bayer)およびMagnevist(商標)(Bayer)を含む。それらは低分子量なので、脈管系に投与されたときに、それらは急速に細胞外区域(すなわち血液および間隙)に分布する。それらは比較的急速に身体から除去される。しかしながら、全てのGd(III)が、インビボでキレート内に錯体化されたままであるわけではなくて、遊離のGd(III)イオンが生物学的経路に干渉して毒性を誘発し得ることが知られている。
マンガン(II)イオンは、高スピン数および長い電子緩和時間を有する常磁性種であり、Mn(II)のポテンシャルに基づく高緩和度造影剤が文献で報告されている(Toth, E; Advances in Inorganic Chemistry, 2009, 61(09), 63−129)。Mn(II)は、Gd(III)より毒性の低い代替としても提案されている。しかしながら、既知のMn(II)キレートは、対応するGd(III)キレートと比較してはるかに安定性が低いことが証明されている。例えば、DOTAのMn(II)キレート(MnDOTA)は、対応するGd(III)錯体と比較して安定性が数百倍低い(Drahos, B; Inorganic Chemistry, 2012(12), 1975−1986)。
したがって、解決されるべき重要な問題は、効果的な緩和特性を維持しながら、高い安定性を示す新規なマンガンキレートを得ることである。
ある比較的安定なマンガンキレートが、国際公開第2011073371号パンフレットに記載されている。そこに記載された分子設計は、高いキレート安定性および高い緩和度に有利であることを示している。これは、これらの化合物をMRI造影剤として使用するために非常に適したものにする。国際公開第2011073371号パンフレットの典型的化合物は、以下の構造(この後「Mnプラットフォーム」と称される)を有する。
しかしながら、Mn(II)キレートにはまだ改善の余地がある。
一態様において、本発明は、式Iの化合物またはそれらの塩もしくは溶媒和物に関する:
(式中:
nは1から4の整数であり;
はC1〜3アルキルまたは−(CHn+1−C(=O)−NRであり;
各Xは、−C(=O)−NRまたは−NH−C(=O)−Rであり;
各Rは、水素、C1〜4アルキルまたはアニオン性置換基であり;
各Rは、C1〜4アルキレンを介して任意選択で連結されたアニオン性置換基であり;および、
は、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アミド、C1〜6アルキルおよびC1〜6ヒドロキシアルキルを含む群から独立に選択され、
mは0〜3である)。
別の態様で、本発明は、哺乳動物への投与のために適当な形態で、生体適合性担体と一緒に、本明細書で定義された式Iの化合物を含む医薬組成物に関する。
さらなる態様において、本発明は:
(i)本明細書で定義された式Iの化合物または医薬組成物の対象への投与;
(ii)前記化合物が分布した、前記対象または前記対象の部分からの磁気共鳴(MR)シグナルの検出;
(iii)前記検出されたシグナルからのMR像および/またはMRスペクトルの生成
を含む方法を提供する。
さらにさらなる態様において、本発明は、式IIの化合物とマンガンの適当な供給源との反応を含む、本明細書で定義された式Iの化合物を製造する方法を提供する:
(式中、X、R、R、mおよびnの各々は、本明細書において式Iについて様々に定義された通りである)。
本発明は、生理学的pHで負電荷を維持するMRI造影剤として有用ないくつかのMnキレート構造を記載する。
本発明のMnキレートは、既存のGd剤に対する有望な代替物を提示して、有意に改善された安全プロファイルを提供することができる。内在性金属イオンを使用することにより、患者の安全における有意の改善が達成することができ、一方、同時に組織における強いMRコントラストを維持することが予測される。
本発明の負に荷電したMnキレートは、それらの中性の対応物と比較して変更されたクレアランスプロファイルも提供することができる。
Mnキレート(%)を、100倍過剰のZnClの存在下でpH=4および40℃における時間の関数として示す図である(円=Mnプラットフォーム、三角=Mnキレート1、正方形=Mnキレート2)。 Mnキレート(%)を、100倍過剰のZnClの存在下でpH=5および40℃における時間の関数として示す図である(円=Mnプラットフォーム、三角=Mnキレート1および正方形=Mnキレート2)。
特許請求される本発明の対象事項を、より明確におよび簡潔に記載および指摘するために、本明細書および請求項の全体を通して使用される特定の用語について、下で定義を示す。本明細書における特定の用語のいかなる典型的な具体例も、限定することがない例と考えられるべきである。
用語「を含む(comprising)」または「を含む(comprises)」は、本出願全体を通してそれらの従来の意味を有し、薬剤または組成物が、挙げられた必須の特徴または成分を有しなければならないが、それに加えて他のものも存在してもよいことを暗に意味する。用語「含む(comprising)」は、好ましいサブセットとして、組成物が挙げられた成分を有し、他の特徴または成分が存在しないことを意味する「から本質的になる(consisting essentially of)」を含む。
本発明による「塩」は、鉱酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸から誘導された塩など、および有機酸、例えば酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、およびパラ−トルエンスルホン酸から誘導された塩などの生理学的に許容される酸添加塩を含む。
本発明による適当な「溶媒和物」は、エタノール、水、生理食塩水、生理学的緩衝剤およびグリコールから選択される。
用語「アルキル」は、単独または組み合わせで、一般式C2n+1を有する直鎖のまたは分岐した鎖状アルキルラジカルを意味する。そのようなラジカルの例は、メチル、エチル、およびイソプロピルを含む。
本明細書における用語「アニオン性置換基」は、8未満のpKaを有する1価のラジカルを指す。そのような置換基は、当業者に共通の一般的知識である。用語「pKa」は、当技術分野におけるその通常の意味を持ち、すなわち酸解離定数(酸性度定数、または酸のイオン化定数としても知られている)を指し、溶液中における酸の強度の定量的測定である。例えば、pKaが8未満の適当なアニオン性置換基の例について、読者はこの関連でBordwellのpKa表を参照されたい:http;//www.chem.wisc.edu/areas/reich/pkatable/。
用語「ヒドロキシ」は、基−OHを指す。
用語「ハロゲン」または「ハロ−」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択される置換基を意味する。
本明細書における用語「アミノ」は、R’およびR’’が独立に水素またはアルキルである基−NR’R’’を指す。
用語「アミド」は、R’およびR’’が独立に水素またはアルキルである基−C(O)NR’R’’を指す。
用語「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシル置換基を含む本明細書で定義されたアルキル基を指す。
式Iの化合物の一実施形態において、RはC1〜3アルキルである。
式Iの化合物の一実施形態において、Rはメチルである。
式Iの化合物の一実施形態において、Rはエチルである。
式Iの化合物の一実施形態において、Rは、−(CHn+1−C(=O)−NRであり、n、RおよびRは請求項1で定義される。
式Iの化合物の一実施形態において、nは1である。
式Iの化合物の一実施形態において、nは2である。
式Iの化合物の一実施形態において、nは3である。
式Iの化合物の一実施形態において、nは4である。
式Iの化合物の一実施形態において、各Xは−C(=O)−NRである。
式Iの化合物の一実施形態において、各Xは−NH−C(=O)−Rである。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基は、カルボキシレート、スルホネート、ホスフェートおよびホスホネートから選択される基を含む。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基はカルボキシレートを含む。
式Iの化合物の一実施形態において、前記カルボキシレートは、−CH−を介してアミド窒素に連結されている。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基は、スルホネートを含む。式Iの化合物の一実施形態において、前記スルホネートは、−CH−CH−を介してアミド窒素に連結されている。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基は、テトラゾール、チアゾリジンジオン、ニトロメチルスルホニルフェニル、4−ニトロチオフェノール、ニトロメチルカルボキシフェニル、2,4−ジニトロフェノール、またはマロニトリルである。
式Iの化合物の幾つかの実施形態において、各アニオン性置換基は同じである。
式Iの化合物の幾つかの実施形態において、各Rは同じである。
式Iの化合物の幾つかの実施形態において、各Rは同じである。
式Iの化合物の幾つかの実施形態において、各Xは同じである。式Iの化合物の一実施形態において、mは0である。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基は、生理学的pH未満のpKaを有する。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基は、約7.5未満のpKaを有する。
式Iの化合物の一実施形態において、各アニオン性置換基は、約6.0未満のpKaを有する。
式Iの化合物の一実施形態において、前記アニオン性置換基の各々は、90%を超えて、生理学的pHでアニオン性である。
一実施形態において、式Iの化合物は、ラセミ混合物であるかまたはジアステレオマー的に純粋であるかのいずれかである。
一実施形態において、式Iの化合物はジアステレオマー的に純粋である。
用語「カルボキシレート」は、置換基−COOを指す。
用語「スルホネート」は、置換基−SO を指す。
用語「ホスフェート」は、置換基PO 3−を指す。
用語「ホスホネート」は、置換基−PO(OH)を指す。
用語「テトラゾール」は、式CHの4個の窒素原子および1個の炭素原子の5員環を指す。
用語「チアゾリジンジオン」は、以下の複素環置換基:
を指す。
用語「ニトロメチルスルホニルフェニル」は、以下の置換基:
を指す。
用語「4−ニトロチオフェノール」は、以下の置換基:
を指す。
用語「ニトロメチルカルボキシフェニル」は、以下の置換基:
を指す。
用語「2,4−ジニトロフェノール」は、以下の置換基:
を指す。
用語「マロニトリル」は、以下の置換基:
を指す。
一対のエナンチオマーの等モルの混合物は、本明細書では、「ラセミ混合物」と称される。
用語「エナンチオマー」は、エナンチオピュア化合物、すなわち光学活性分子の2つの鏡像形態の一方を指す。エナンチオマーは、それ故、1つの対掌性のみを有する化合物であり、用語「対掌性」は、対称性の内部平面を欠いて重ね合わせ可能な鏡像を有しない化合物のその性質を指す。最もしばしば化合物における対掌性の原因となる特徴は、不斉炭素原子の存在である。
用語「ジアステレオマー的に純粋な」は、化合物が1種のエナンチオマーを含む場合を指す。
本発明のある実施形態において、式Iの各基(本明細書では、「アーム」とも称される)−C(=O)−N−R(すなわち、基が−(CHn+1−C(=O)−NRである場合に、式Iそれ自体中におけるかまたはRの部分の場合のように)は、以下のものから選択され得る。
上の表中のpKa値は、DMSO中で見積もられていることが注意されるべきである。水がイオンにとってより良い溶媒であろうという根拠に基づいて、水中のpKa値は、これより低いと予想されることが、当業者により認識されるであろう。
ある実施形態では、式Iの化合物は、上のアームの2つを含む(すなわち、RがC1〜3アルキルである場合)。典型的なそのような化合物は、以下のようである。
他の実施形態では、式Iの化合物は、上のアームの3つを含む(すなわち、Rが−(CHn+1−C(=O)−NRである場合)。
式Iの化合物を得るためには、以下の一般化された手順が、使用され得る、および/または当業者に周知の方法を使用して容易に適合され得る。
上のスキームで、Xは、CH、4−炭素エステル、ニトリルまたはCHCHCHCOOHおよびXであり、R1〜4、mおよびnは、本明細書で式Iについて定義された通りである。
まとめると:
A:2−クロロエチルアミンのトシル化はアジリジンを生ずる(Carrillo, Arkivoc, 2007)。
B:アミノブタン酸(Sigma Aldrich、カタログ56−12−2)のアジリジン化。一実施形態において、メチルアミンのアジリジン化は、アセトニトリルのみの中で進行する)。一実施形態において、このアミノ酸のために、ある種の塩基が使用されてアミンを活性化する。任意選択で酸官能基はエステル、ニトリルまたは他のカルボキシレート等価物として保護することができる。
C:2,6−ビス(クロロメチル)ピリジン(Sigma Aldrich、カタログ3099−28−3)などの活性化されたピリジンを用いる環化。一実施形態において、このステップは、アセトニトリル中で塩基として炭酸カリウムを用いて行われる。
D:一実施形態における、濃硫酸を使用する脱トシル化。一実施形態において、このステップは定量的に進行する。
E:文献(Henig, J., Toth, E., Engelmann, J., Gottschalk, S., & Mayer, H. a.(2010). Inorganic Chemistry, 49(13), 6124−38)に記載された方法に基づく臭素化。
F:ポリアミンのアルキル化。一実施形態において、このステップは水溶液中で行われる。別の実施形態では、第二級ハロゲン化物が緩慢に反応する場合には(第一級ハロゲン化アルキルは速やかに進行する)、ビス−エステル(E)を合成して、有機溶媒に切り替えて、反応の速さを改善することが可能である。
G:MnClを使用する錯化。塩基を使用して過剰なMnを沈殿させる。
H:ペプチド試薬を用いてカルボキシレートを活性化する。一実施形態において、これらの試薬は、EDCIおよび/またはHOBTである(欧州特許第2457914号明細書に記載されている)。適当なアミンとのカップリングで所望の式Iの化合物を生ずる。あるいは、遊離の末端アミンは、酸塩化物または活性化されたカルボキシレートとカップリングすることができる。
本発明の式Iの化合物は、例えば、現在市販のガドリニウムに基づくキレート造影剤と同様な適応症のためのインビボ造影剤として、使用を見出す。この用途のために、それらは、それ自体で本発明のさらなる態様を形成する医薬組成物として、対象に、適当に投与される。
「医薬組成物」は、本発明の化合物を、生体適合性担体と一緒に、哺乳動物への投与のために適当な形態で含む製剤である。「生体適合性担体」とは、流体、特に液体であり、その中に式Iの化合物が懸濁または溶解されて、その結果生じた組成物は、生理学的に許容される、すなわち哺乳動物の身体に毒性または過度の不快感がなく投与され得る(それは、用語「哺乳動物への投与のために適当な」の定義であると理解され得る)。
本発明の医薬組成物は、磁気共鳴(MR)のコントラスト媒体として、ヒトおよび非ヒト動物の身体の磁気共鳴撮像(MRI)に使用するために適当である。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含むこともできる。これらは、最終の組成物の製造、貯蔵または使用に干渉しないことが適当である。
適当な薬学的に許容される賦形剤の例は、緩衝剤、安定剤、抗酸化剤、オスモル濃度調節剤、pH調節剤、過剰のchelandおよび生理学的に許容されるイオンの弱い錯体を含むが、これらに限定されない。これらのおよび他の適当な賦形剤は、当業者に周知であると思われ、例えば、国際公開第1990003804号パンフレット、欧州特許出願公開第0463644号明細書、欧州特許出願公開第0258616号明細書および米国特許第5876695号明細書にさらに記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、非経口投与、例えば注射のために適当な形態にある。本発明による医薬組成物は、それ故、完全に当技術分野内の様式で、生理学的に許容される賦形剤を使用して投与するために製剤化され得る。例えば、式Iの化合物は、任意選択で、薬学的に許容される賦形剤を添加されて、水性媒体中に懸濁または溶解されてもよく、生じた溶液または懸濁液は、次に滅菌される。
適当な緩衝剤の例はトロメタミン塩酸塩であるが、これに限定されない。
用語「過剰のcheland」とは、遊離の常磁性イオン(マンガン)を除去することができるが、欧州特許出願公開第2988756号明細書に記載された本発明の錯体内に保持された常磁性イオン(マンガン)は除去しない任意の化合物と定義される。少量はヒトの健康にとって必須であるが、遊離のマンガンイオンに対する過剰な曝露は、パーキンソン病と類似の症状で「マンガン中毒」として知られている神経変性性障害を生ずることもある。しかしながら、造影剤として、Mn、ならびに他の金属にとって基本的な論点は、それらのキレート化の安定性にある。キレート化の安定性は、インビボにおける遊離の金属イオンの放出の可能性を反映する重要な性質である。常磁性キレートの製剤中における過剰のchelandの量と動物モデルにおいて蓄積された常磁性金属の量との間には相関があることが知られている(Sieber 2008 J Mag Res Imaging; 27(5): 955-62)。それ故、別の実施形態において、注射後における製剤からのMnの放出を低下させるかまたは防止するMnスカベンジャーとして作用し得る過剰のchelandの量が選択される。遊離のchelandの最適量は、適当な物理化学的性質(すなわち、粘度、溶解度およびオスモル濃度)および多すぎる遊離のchelandの場合における亜鉛の枯渇などの毒性の効果を回避する医薬組成物を生ずるであろう。米国特許第5876695号明細書は、特に過剰の特に遊離のDTPAの線状キレートを記載しており、これは、本発明の医薬組成物で使用するために適当な過剰のchelandの例であるが、これらに限定されない。この製剤化戦略は、Magnevist(商標)、Vasovist(商標)またはPrimovist(商標)などの製品のために使用されている。国際公開第2009103744号パンフレットは、非常に小過剰の前記キレートおよびゼロ濃度の遊離のランタニドを有する、精密な量の遊離のキレートの添加に基づく同様な製剤戦略を記載している。
生理学的に許容されるイオンは、一実施形態において、カルシウムまたはナトリウム塩、例えば、塩化カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウムまたは乳酸カルシウムなどを含む、生理学的に許容されるイオンから選択することができる。
非経口的に投与可能な形態は、滅菌されて、生理学的に許容されない薬剤を含まず、投与時における刺激または他の有害な効果を最小にする低オスモル濃度を有するべきであり、したがって、医薬組成物は、等張であるかまたは僅かに高張であるべきである。適当な媒体の例は、非経口溶液を投与するために常套的に使用される水性媒体、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、乳酸添加リンゲル注射液、およびRemington's Pharmaceutical Sciences, 22nd Edition (2006 Lippincott Williams & Wilkins)および国民医薬品集(The National Formulary)(https://books.google.com/books?id=O3qixPEMwssC&q=THE+NATIONAL+FORMULARY&dq=THE+NATIONAL+FORMULARY&hl=en&sa=X&ved=0CC8Q6AEwAGoVChMImfPHrdTqyAIVJfNyCh1RJw_E)に記載されたものなどの他の溶液を含むが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物が非経口的に、すなわち注射により投与されるために、その調製は、有機溶媒の除去、生体適合性緩衝剤および任意の任意選択の賦形剤または緩衝剤などのさらなる成分の添加を含むステップをさらに含む。非経口投与のために、医薬組成物が滅菌されて非発熱性であることを確実にするステップも採用される必要がある。
別の態様で、本発明は、MR像および/またはMRスペクトルの生成において、本明細書で定義された式Iの化合物の投与を含む方法を提供する。
本発明の関係で適当と考えられる投与の方法および対象を、本明細書において上で医薬組成物と関連して説明した。式Iの化合物の投与は、好ましくは非経口的に、および最も好ましくは静脈内で行われる。静脈内経路は、対象の身体全体にわたって化合物を送達する最も効率的な手段を代表する。さらに、静脈内投与は、実質的な物理的介入または実質的な健康リスクを表さない。本発明の式Iの化合物は、好ましくは、上で定義された本発明の医薬組成物として投与される。本発明の方法は、本発明の化合物が予め投与された対象で行われるステップ(ii)〜(iii)を含むと理解することもできる。一実施形態において、該医薬組成物は、MR撮像(MRI)の方法におけるコントラストを強化するために適当な量で投与される。MRIの方法についてのさらなる詳細について、読者は、例えば、"Magnetic Resonance Imaging: Physical and Biological Principles" (4th Edition 2015 Elsevier, Stewart Carlyle Bushong & Geoffrey Clarke, Eds.)中のChapter 27 "Contrast Agents and Magnetic Resonance Imaging"または"Contrast Agents I: Magnetic Resonance Imaging" (2002 Springer-Verlang, Werner Krause, Ed.)で教示されている当技術分野において共通の一般的知識を参照されたい。
本発明の方法は、健常な対象における、またはあるいは、生物学的マーカーの異常な発現を伴う病理学的状態を有することが知られているかまたは疑われる対象における生物学的マーカーまたは過程を研究するために使用することもできる。病理学的状態を有することが知られているかまたは疑われる対象を撮像するために使用される場合、それは前記状態を診断するための方法で効用を有する。
本発明の方法の「検出」ステップは、前記シグナルに敏感な検出器によって式Iの化合物により放出されたシグナルの検出を包含する。この検出ステップは、シグナルデータの取得と理解することもできる。
本発明の方法の「発生」ステップは、取得されたシグナルデータに再構成アルゴリズムを適用してデータセットを生じさせるコンピューターにより行われる。次にこのデータセットが操作されて、シグナルの位置および/または量を示す1種または複数の像および/または1種または複数のスペクトルを生ずる。
本発明の「対象」は、ヒトまたは動物の任意の対象であることができる。一実施形態において、本発明の対象は哺乳類である。一実施形態において、前記対象は、インビボの、完全な哺乳動物の身体である。別の実施形態において、本発明の対象はヒトである。
この文書化された記載は、本発明を開示するために最良の様式を含む例を使用しており、任意の当業者が、任意のデバイスまたは系を作製および使用することおよび任意の組み込まれた方法を実施することを含む、本発明を実行することを可能にすることもできる。本発明の特許にされ得る範囲は、請求項により規定されており、当技術分野における当業者が思い浮かぶ他の例を含むこともある。そのような他の例は、それらが請求項の文字通りの言語と異ならない構造的要素を有するならば、またはそれらが、請求項の文字通りの言語と本質的でない相違を有する等価の構造的要素を含むならば、請求項の範囲内であることが意図されている。本文中で言及された全ての特許および特許出願は、引用により、それらの全体で本明細書に、あたかもそれらが個々に組み込まれたかのように組み込まれる。
実施例の簡単な説明
実施例1は、典型的な本発明の化合物、Mnキレート1を合成するための方法を記載する。
実施例2は、先行技術化合物、Mnプラットフォームを合成するための方法を記載する。
実施例3は、いくつかのMnキレート化合物の緩和度r1およびr2を測定するために使用された方法を記載する。
実施例4は、いくつかのMnキレート化合物とZnとのトランスメタル化を評価する方法を記載する。
実施例5は、実施例6の体内分布の検討で使用するためのMnキレート化合物の54Mnで標識されたバージョンを調製するために使用された方法を記載する。
実施例で使用された略記号のリスト
AcN アセトニトリル
d 日(複数を含む)
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
ESI エレクトロスプレーイオン化
h 時間(複数を含む)
LCMS 質量スペクトル検出を備えた液体クロマトグラフィー
LOD 検出限界
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴
PTFE ポリ(テトラフルオロエタン)
rcf 相対遠心力
THF テトラヒドロフラン
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
wt% 重量パーセント
[実施例1]
Mnキレート1の合成
実施例1(i):N,N’−((メチルアザンジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(4−メチルベンゼンスルホンアミド)の合成
磁性撹拌棒を備えた1Lの丸底フラスコに、N−トシルアジリジン(49g、248ミリモル)およびAcN(450mL)を装入した。41%メチルアミン水溶液(12mL、121ミリモル)を加えて周囲温度で36時間撹拌した。N−トシルアジリジンの第2のアリコート(1.7g、8.62ミリモル)を加えて、周囲温度で追加の48時間撹拌した。溶媒を真空で除去して粗残留物をEtOHから再結晶して45g(87%)の所望の生成物を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6, δ) 7.68 (4H, m), 7.36 (6H, m), 2.75 (4H, t), 2.38 (6H, s), 2.22 (4H, t), 1.93 (3H, s).
実施例1(ii):保護された環状2アームキレートの合成
還流凝縮器および機械的撹拌機を備えた12Lの3つ口丸底フラスコに、N,N’−((メチルアザンジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(4−メチルベンゼンスルホンアミド)(93g、218.5ミリモル)およびAcN(8.3L)を装入した。2,6−ビス(クロロメチル)ピリジン(38.5g、218.5ミリモル)を加えて生じた溶液を80℃で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却して、溶媒を、結晶化が始まるまで真空で除去した。生じた結晶を真空濾過により捕集して86.9g(75%)の所望の生成物を白色固体として得た(ESI:m/z=530(M+H))。
実施例1(iii):脱保護された2アーム環状キレートの合成
機械的撹拌機を備えた1Lの3つ口丸底フラスコに、保護された環状2アームキレート(150g、284ミリモル)および濃硫酸(250mL、4.69mol)を装入して100℃で15時間加熱した。溶液を氷上に注いで、水中50wt%NaOHを添加してpHを7.4に調節した結果、白色固体が形成された。AcN(200mL)を白色固体に加えて真空濾過により除去した。濾液を蒸発させて乾燥し、褐色の発泡体を得た。発泡体を水(200mL)に溶解して、水酸化物形態にあるAmberlite A26樹脂を用いて精製し、61g(98%)の所望の生成物を黄褐色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN, δ) 7.56 (1H, m), 7.03 (2H, m), 3.76 (4H, s), 2.47 (4H, m), 2.19 (3H, s), 1.95 (4H, s).
実施例1(iv):保護された2アームC5キレートの合成
磁性撹拌棒を備えた500mLの丸底フラスコに、脱保護された2アーム環状キレート(20.0g、90.8ミリモル;実施例1(iii))およびAcN(160mL)を装入した。ジイソプロピルエチルアミン(38.7mL、217ミリモル)およびジメチル2−ブロモペンタンジオエート(47.7g、199.7ミリモル)を加えて、生じた溶液を65℃で20時間撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(9.75mL、54.6ミリモル)およびジメチル2−ブロモペンタンジオエート(11.8g、49.4ミリモル)を加えて生じた溶液を65℃で追加の19時間撹拌した。溶媒を真空で除去すると赤色の油が残った。次に油を水(300mL)に溶解してEtOAc(300mL)で洗浄した。次にEtOAc層を水で抽出して(2×50mL)、最初の水性層と合わせて水を真空で除去すると赤色の油が残り、それをさらに精製せずに使用した。
実施例1(v):Mn2アームC5キレートの合成
磁性撹拌棒を備えた1Lの丸底フラスコに、保護されたMn2アームC5キレート(48.7g、90.8ミリモル)および水(450mL)を装入した。水酸化ナトリウム(29.1g、726ミリモル)を加えて周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(250mL)で洗浄して層を分離した。水性層を再びEtOAc(2×100mL)で洗浄して、水性層を捕集した。塩化マンガン四水和物(19.6g、99ミリモル)を上記水溶液に加えた。pHを6M NaOHで7.1に調節して、周囲温度で17時間および次に90℃で2.5時間撹拌した。周囲温度に冷却した後、pHを50wt%NaOH水溶液で10.1に調節すると、微細な褐色沈殿が形成された。沈殿を、3000rcfで20分間の遠心分離により除去して、上清を捕集して真空で蒸発させて乾燥した。残留物にMeOH(127mL)を加えて40℃で1.5時間粉砕した。不溶の白色固体を3000rcfで30分間の遠心分離により除去した。上清を真空で蒸発させて乾燥するとオフホワイトの固体が生じ、それをC18シリカゲル(水中3%AcN)で精製して、36.8g(75%)の所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(ESI:m/z=534(M+H))。
実施例1(vi):Mnキレート1の合成
磁性撹拌棒を備えた25mLの2口丸底フラスコに、タウリン(0.217g、1.76ミリモル)および水(8.7mL)を装入した。生じた溶液のpHを、1.0M水酸化ナトリウム水溶液を使用して7に調節した。その後、Mn2アームC5キレート(0.503g、0.83ミリモル)を、続いてEDCI−HCl(0.374g、80.98ミリモル)およびHOBt水和物(0.05g、0.35ミリモル)を加えた。周囲温度で18時間撹拌しながら、必要なときに1.0M HClまたは1.0M NaOHを添加して、pHを6に維持した。反応溶液を真空で蒸発させて乾燥し、粗生成物をC18シリカゲル(水中5%AcNから水中20%AcNへ)で精製して、0.33g(53%)の所望の生成物を無色のガラス状物として得た(ESI:m/z=748(M+H))。
[実施例2]
Mnキレート2の合成
実施例2(i):メチル−2−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサノエートの合成
N−ε−トリフルオロアセトアミド−L−リジン(25g)および臭化ナトリウム(37.2g)を、内部熱電対、機械的撹拌機、および粉体漏斗を備えたジャケット付きの3つ口反応容器に加えた。その後、固体を水(69mL)およびHBr水溶液(20.9mL、8.9M)に溶解した。粉体漏斗を除去して滴下漏斗に16.5mLの水に溶解しておいた亜硝酸ナトリウム(12.8g)を装入した。窒素導入口を備えた滴下漏斗を反応容器に加えた。反応の排ガスを亜硫酸ナトリウムの溶液に通した後、発煙フードに排出した。反応混合物を<0℃に冷却して、次に亜硝酸ナトリウム溶液を、内部の反応温度が3℃を超えることがないような速度で、反応混合物にゆっくり添加した。滴下漏斗を除去して、濃硫酸(5.5mL)を予めロードしておいた別の滴下漏斗を反応容器に取り付けた。硫酸を、反応混合物に、内部の反応温度が5℃を超えないような速度で加えた。この添加に続いて、反応混合物を、Nで勢いよく曝気して溶解されているBrを除去した。20分間室温で曝気した後、曝気を中止して、反応混合物を、80mLのメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)に分配した。混合物を急速に5分間撹拌して、次に相分離するに任せた。有機層を捕集して、水性層をMTBEの2つの追加の70mLのポーションで抽出した。合わせた有機層を、数ポーションの5%NaSO溶液で、殆ど無色になるまで洗浄して、次にその後塩水(100mL)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、濾過して減圧下で濃縮して淡黄色の油を得て、それを高真空下で終夜さらに乾燥した。乾燥された材料をメタノール(350mL)に溶解してp−TsOH一水和物(0.35g)を添加した。混合物を65℃で窒素下に、終夜加熱した。この時間の後、加熱を中止して反応混合物を室温に冷却するに任せた。反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色の油を得て、その後それを、SiO(330gカラム、カラム体積の12倍を超える5→50%EtOAc−ヘキサン)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。単離された生成物は20.3g(62%)の殆ど無色の油であった。LCMS:t=3.72分、(M−H) 318.320(カラム:Waters Aquity UPLC BEH Shield RP18、1.7μm、2.1×75mm;チャンネルA:水中0.1%ギ酸;チャンネルB:MeCN中0.1%ギ酸;流量:1.0mL/分;プログラム:0.0〜0.5分、98:2A:B;0.5〜9.0分、98:2A:B→2:98A:B;9.0〜9.5分、2:98A:B;グラジエント:線形)
実施例2(ii):ビス−[4,10]−(2−(メチル−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサノエート))−ピラミン
脱保護された2アーム環状キレート(1.83g;実施例1(iii))を入れてあるフラスコに、無水MeCN(17.1mL)を、続いてジイソプロピルエチルアミン(3.6mL)を加えて、その後メチル−2−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサノエート(5.87g)を加えた。65℃に維持された油浴中に、反応容器を18時間入れておいた。この時間の後、3mLのMeCNに溶解された追加の量のジイソプロピルエチルアミン(1.5mL)およびメチル−2−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサノエート(2.95g)を反応混合物に加えた。反応混合物を、65℃の油浴中で追加の18時間撹拌を続けたままにした。この時間の後、反応混合物を減圧下で濃縮して、生じた残留物をEtOAc(40mL)で寄せ集めて塩水(30mL)で洗浄した。洗浄水溶液を2回分の追加のEtOAcの20mLのポーションで逆抽出して、合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を水(24mL)に溶解して穏やかに加熱した(65℃の水浴)。混合物を水浴から取り出して、短時間で冷却し、次にジエチルエーテル(10mL)を混合物に加えた。混合物を激しく振って、その後分液漏斗に移した。相を分離して、水性層をジエチルエーテルの2回分の追加の5mLポーションで抽出した。その後、飽和塩化ナトリウム溶液(24mL)を水性層に加えてから、水性層を3ポーションのEtOAc(各15mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥して(NaSO)濾過し、減圧下で濃縮して5.75g(98%)の生成物を油として得た。LCMS:t=6.84分、(M+H)=699(カラム:Waters XBridge Shield RP18 2.5μm 4.6×50mm;チャンネルA:水中0.1%ギ酸;チャンネルB:MeCN中の0.1%ギ酸;流量:1.0mL/分;プログラム:0.0〜1.0分、98:2A:B;1.0〜12.0分、98:2A:B→0:100A:B;12.0〜16.0分、0:100A:B;グラジエント:線形)
実施例2(iii):ビス−[4,10]−(2−(6−アンモニウム−カリウムヘキサノエート))−ピラミンビストリフルオロアセテートの合成
出発原料のビス−[4,10]−(2−(メチル−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサノエート))−ピラミン(8.9g)を、KOH水溶液(27.1g)の2ミリモル/g溶液に加えて、40℃の水浴中で1時間撹拌したままにした。この時間の後、メタノール(10mL)を反応混合物に加えて可溶化を助け、反応混合物を室温で終夜撹拌し続けるままにした。反応混合物のpHを、6M HClで7に調節して、溶媒を減圧下で除去すると、カラメル色の半固体が生じた。残留物を、50mLの2ポーションの2−プロパノールで共蒸発させて、その後メタノール(25mL)を加えて粉砕し、濾過して、固体を追加の5mLの2ポーションのメタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を高真空下でさらに乾燥して、桃色の発泡体9.3g(93%)を得た。LCMS:tr=4.99分、(M+H)=479;(M−H)477(カラム:Agilent Zorbax SB−Aq、3×100mm、3.5μm;チャンネルA:水中10mMのギ酸アンモニウム(pH6.4);チャンネルB:MeCN;流量:1.0mL/分;プログラム:0.0〜10.0分、100:0A:B→70:30A:B;10.0〜10.5分、70:30A:B→0:100A:B;10.5〜15.0分、0:100A:B;グラジエント:線形)。
実施例2(iv):(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−4−モルホリノ−4−オキソブタン酸の合成
(+)−ジアセチル−L−酒石酸無水物(2.0g)をEtOAc(46mL)に溶解して、モルホリン(X)(0.80mL)を加えた。混合物を封じて室温で18時間撹拌したままにした。反応混合物を減圧下で濃縮すると、殆ど無色の発泡体が生じ、それを高真空でさらに乾燥した。反応収率は2.85gであった(定量的)。LCMS:tr=1.55分、(M+H)=304(カラム:Agilent Zorbax SB−Aq、3×100mm、3.5μm;チャンネルA:水中10mMのギ酸アンモニウム(pH6.4);チャンネルB:MeCN;流量:1.0mL/分;プログラム:0.0〜10.0分、100:0A:B→70:30A:B;10.0〜10.5分、70:30A:B→0:100A:B;10.5〜15.0分、0:100A:B;グラジエント:線形)。
実施例2(v):(2R,3R)−1−((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)−4−モルホリノ−1,4−ジオキソブタン−2,3−ジイルジアセテートの合成
(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−4−モルホリノ−4−オキソブタン酸(6.93g)のEtoAc(80mL)中の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(2.30g)を加えた。生じた溶液を0〜5℃に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.72g)を、反応混合物に1ポーションで加え、続いて追加の11mLのEtOAcを加えた。反応混合物を終夜室温に温まるに任せた。この時間の間に、反応が進んで均一な淡黄色溶液から無色の粘い懸濁液になった。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈して、粘い混合物を40℃の水浴中で1時間撹拌した。この時間の後、温かい懸濁液を、0.45μmのPTFEフィルターを通して濾過し、固体を数ポーションのEtOAcで洗浄した。固体を捕集して、EtOAc(400mL)に懸濁して、50℃の水浴中で2時間加熱した。混合物をもう一度0.45μmのPTFEフィルターを通して濾過し、固体を数ポーションのEtOAcで洗浄した。無色の濾液を減圧下で濃縮して、所望の生成物を得た:5.49g(60%)。1H NMR (CDCl3) δ 6.00 (d. J = 3.0 Hz, 1H), δ 5.92 (d. J = 3.1 Hz, 1H), δ 3.81-3.47 (m., 8H), δ 2.85 (s., 4H), δ 2.22 (s., 3H), δ 2.20 (s., 3H).
実施例2(vi):キレート2の合成
(2R,3R)−1−((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)−4−モルホリノ−1,4−ジオキソブタン−2,3−ジイルジアセテートを、70mLのMeCNに40℃で懸濁して、混合物を撹拌し、(2R,3R)−1−((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)−4−モルホリノ−1,4−ジオキソブタン−2,3−ジイルジアセテートを溶解するように努めた((2R,3R)−1−((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)−4−モルホリノ−1,4−ジオキソブタン−2,3−ジイルジアセテートを殆ど完全に溶解するために、殆ど60分かかった)。別の容器に、75mLの水中で、脱保護された2アーム環状キレート(4.4g;実施例1(iii))の溶液を調製して、この溶液に、2.87gの固体の重炭酸カリウムを加えた。混合物のpHは8.0であった。(2R,3R)−1−((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)−4−モルホリノ−1,4−ジオキソブタン−2,3−ジイルジアセテートのMeCN中の溶液を滴下漏斗に移して、脱保護された2アーム環状キレートを含有する水性混合物にゆっくり加えた。反応混合物の温度は、室温の水浴を使用することにより維持した。大部分のXを添加した後、反応混合物のpHは7.4であった。任意の残留する未溶解のXをMeCNに懸濁して、反応混合物に直接加えた。2時間撹拌した後、反応混合物のpHは7.8で安定しており、反応混合物を、そのまま室温で72時間撹拌し続けた。所定の時間の後、反応混合物を減圧下で濃縮して12.1gの粗残留物を得た。残留物を1:1メタノール−水(100mL)で寄せ集めた。混合物に炭酸カリウムを(7.94g)室温で加えた。この添加の後、混合物のpHは12.2であった。反応混合物を室温で18時間撹拌し続けた。この時間の後、反応混合物を減圧下で濃縮した。本発明者らは、生じた残留物にメタノール(50mL)を加えて、懸濁液を数分間撹拌した後、0.45μmのPTFEフィルターに通して濾過した。捕集された固体を10mLの3ポーションのメタノールで洗浄して、次に合わせたメタノール濾液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を高真空下に16時間置いた。単離された残留物を20mLの1:1MeCN−HO中に懸濁し、濾過して、濾液を6mLのポーションで、RediSep Rf Gold C18Aqで逆相クロマトグラフィーにより繰り返して精製した(275gのカラム、カラム体積の2倍を超える100%水)。2本のピークがカラム(265nm)から溶離して、後で溶離するピークを捕集して濃縮し、所望の生成物を黄色固体として得た:5.06g(70%)。LCMS:tr=2.43分。(M+H)=743;(M−H)741(カラム:Waters Aquity UPLC BEH Shield RP18 1.7μm、2.1×75mm;チャンネルA:水中0.1%ギ酸;チャンネルB:MeCN中0.1%ギ酸;流量:0.8mL/分;プログラム:0.0〜0.5分、98:2A:B;0.5〜9.0分、98:2A:B→2:98A:B;グラジエント:線形)。
実施例2(vii):キレート2の代替的合成
出発原料のビス−[4,10]−(2−(6−アンモニウム−カリウムヘキサノエート))−ピラミンビストリフルオロアセテート(1.0g)を氷酢酸(5mL)に溶解する。固体の(3R,4R)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート(1.0g)を加えて、混合物を40℃で18時間撹拌したままにする。所定の時間の後、酢酸を減圧下でトルエンとの共蒸発により除去する(3×50mL)。生じた残留物を、10mLの1:1MeOH−HOに溶解して、水酸化カリウム(1.4g)を加える。加水分解反応の進行は、HPLC−MSによりモニターして、必要なときには追加のKOHを加える。完結したら、反応混合物をHCl水溶液でpH7.0に中和して、溶媒を減圧下で除去する。生じた残留物に、メタノール(3×1mL)を加えて粉砕して濾過する。濾液を減圧下で濃縮して、必要なときには、逆相C18クロマトグラフィーにより精製を達成する。
実施例2(viii):Mnキレート2の合成
出発原料のキレート2(2.98g)を水16mLに溶解した。溶液のpHを、濃HClを注意深く添加することにより8.2に調節した。この時に、MnCl・4HO(1.19g)を反応混合物に加えると、混合物のpHは3.4に低下した。反応混合物のpHを2.7MのKOH水溶液の添加により6.5に調節した。反応混合物を、室温で3時間撹拌したままにした。この時間の後、反応混合物のpHを2.7M KOH水溶液の添加により10に調節した。褐色の混合物を1時間撹拌して、次に全混合物を、0.45μmのPTFEフィルターに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、高真空下で18時間さらに乾燥した。残留物を、10mLの水に溶解して、2バッチで、RediSep Rf Gold C18Aqで逆相クロマトグラフィーにより繰り返して精製した(275gのカラム;カラム体積の2倍を超える100%水、次に、カラム体積の2倍を超える0%→5%MeCN−水、次にカラム体積の2倍の5%MeCN−水を保った)。所望の生成物は、カラム体積の4倍〜5倍で溶離した。所望の生成物を含有する分画を捕集して濃縮し、高真空下でさらに乾燥した。生成物は淡黄色の固体であった:1.39g(43%)LCMS:tr=2.87分。(M+H)=796;(M−H)=794(カラム:Waters Aquity UPLC BEH Phenyl、1.7μm、2.1×75mm;チャンネルA:25mMの酢酸アンモニウム水溶液;チャンネルB:MeCN;流量:1.0mL/分;プログラム:0.0〜5.0分、95:5A:B→80:20A:B;5.0〜10.0分、20:80A:B→5:95A:B;10.0〜11.0分、5:95A:B;グラジエント:線形)。
[実施例3]
Mnプラットフォーム
実施例3(i):N,N’−((メチルアザンジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(4−メチルベンゼンスルホンアミド)の合成
磁性撹拌棒を備えた1Lの丸底フラスコに、N−トシルアジリジン(49g、248ミリモル)およびAcN(450mL)を装入した。41%水性メチルアミン(12mL、121ミリモル)を加えて周囲温度で36時間撹拌した。N−トシルアジリジン(1.7g、8.62ミリモル)の第2のアリコートを加えて周囲温度で追加の48時間撹拌した。溶媒を真空で除去して、粗残留物をEtOHから再結晶して45g(87%)の所望の生成物を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6, δ) 7.68 (4H, m), 7.36 (6H, m), 2.75 (4H, t), 2.38 (6H, s), 2.22 (4H, t), 1.93 (3H, s).
実施例3(ii):保護された環状2アームキレートの合成
還流凝縮器および機械的撹拌機を備えた12Lの3つ口丸底フラスコに、N,N’−((メチルアザンジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(4−メチルベンゼンスルホンアミド(93g、218.5ミリモル)およびAcN(8.3L)を装入した。2,6−ビス(クロロメチル)ピリジン(38.5g、218.5ミリモル)を加えて、生じた溶液を80℃で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却して、結晶化が始まるまで溶媒を真空で除去した。生じた結晶を真空濾過により捕集して、86.9g(75%)の所望の生成物を白色固体として得た(ESI:m/z=530(M+H))。
実施例3(iii):保護されたMn0−アームキレートの合成
磁性撹拌棒および還流凝縮器を備えた100mLの3つ口丸底フラスコに、保護された環状2アームキレート(4.51g、8.53ミリモル)および濃硫酸(18.0mL)を装入して、100℃で18時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却して氷浴中に入れてから、50%NaOH水溶液でpHを9.9に調節した。生じた懸濁液を、250mLの3つ口丸底フラスコに再び移して、無水炭酸カリウム(11.78g、85.2ミリモル)を加え、続いてAcN(25mL)およびt−ブチルブロモアセテート(6.64g、34.0ミリモル)を加えて、反応混合物を70℃で3時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却して、固体を真空濾過により除去した。濾液をAcN(3×50mL)で抽出して、有機層を蒸発させて乾燥すると、暗褐色の油が生じ、それをC18シリカゲル(100%水から水中100%AcNへ)で精製して、1.28g(33%)の所望の生成物をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN, δ) 7.67 (1H, m), 7.12 (2H, m), 5.14 (2H, bs), 3.95 (4H, m), 3.44 (4H, m), 3.28 (6H, m), 3.16 (2H, m), 2.78 (3H, s), 1.42 (18H, s).
実施例3(iv):脱保護されたMn0−アームキレートの合成
磁性撹拌棒および還流凝縮器を備えた100mLの3つ口丸底フラスコに、保護されたMn0−アームキレート(1.28g、2.85ミリモル)、AcN(8.4mL)およびTHF(21mL)を装入した。88%ギ酸水溶液(29.1mL、556ミリモル)を加えて、生じた溶液を65℃で4時間加熱した。88%ギ酸水溶液(29.1mL、556ミリモル)の第2のアリコートを加えて、加熱を追加の9時間継続した。溶媒を真空で除去すると、黄色の油が生じ、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR (400 MHz, CD3OD, δ) 7.74 (1H, m), 7.20 (2H, m), 4.07 (4H, m), 3.65 (4H, m), 2.91 (3H, s), 2.99 (4H, m), 1.92 (4H, m).
実施例3(v):Mnプラットフォームの合成
磁性撹拌棒を備えた250mLの丸底フラスコに、脱保護されたMn0−アームキレート(0.959g、2.85ミリモル)および塩化マンガン(II)四水和物(1.119g、5.65ミリモル)を装入した。必要なときには、1.0M NaOHおよび1.0M HClでpHを7.4に調節して、生じた溶液を周囲温度で15.5時間撹拌した。次に、飽和炭酸ナトリウム水溶液でpHを10に調節して、生じたオフホワイトの沈殿を真空濾過により除去した。濾液を濃縮して真空で乾燥し、C18シリカゲル(100%水から水中10%AcNへ)で精製して、0.511g(2ステップを通じて46%)の所望の生成物を淡黄色固体として得た(ESI:m/z=390(M))。
[実施例4]
r1およびr2緩和度を測定する一般的方法
マンガンを含有するキレートを、水に5から0mM Mnの範囲の濃度で溶解した。次に、緩和時間T1およびT2を、Bruker mq60 relaxometerを60MHzおよび40℃で使用して測定した。Mn濃度の関数として1/T1または1/T2の線形回帰(全ての場合にR>0.99)は、それぞれr1またはr2の値を与えた。
表1中の値は水における緩和度である。r1値は、MRスキャナーにおいてキレートのT1(または正)コントラストを発生する能力を表し、一方、r2値は、MRスキャナーにおいてキレートのT2(または負)コントラストを発生する能力を表す。
[実施例5]
Znとのトランスメタル化を評価する方法
Mnキレートを、200mMのZnClおよび15mMのギ酸アンモニウムを含有する水溶液に、pH=4(図1)または5(図2)のいずれかで溶解した。生じた溶液を混合して40℃でインキュベートして、アリコートを周期的にHPLC−MS分析した。MnおよびZn含有キレートを、MSにより同定して、265nmにおける積分により測定された、溶液中に残存するMn含有キレートのパーセントを、時間の関数としてプロットした。
より遅いZnとのトランスメタル化(時間の関数としてより高いMnキレート(%))は、より安定なキレートと解釈した。

Claims (33)

  1. 式Iの化合物またはそれらの塩もしくは溶媒和物:
    (式中:
    nは1から4の整数であり;
    は、C1〜3アルキルまたは−(CHn+1−C(=O)−NRであり;
    各Xは、−C(=O)−NRまたは−NH−C(=O)−Rであり;
    各Rは水素、C1〜4アルキルまたはアニオン性置換基であり;
    各Rは、C1〜4アルキレンを介して任意選択で連結されたアニオン性置換基であり;
    は、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アミド、C1〜6アルキルおよびC1〜6ヒドロキシアルキルを含む群から独立に選択され、
    mは0〜3である)。
  2. がC1〜3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. がメチルである、請求項2に記載の化合物。
  4. がエチルである、請求項2に記載の化合物。
  5. が−(CHn+1−C(=O)−NRであり、n、RおよびRは、請求項1で定義された通りである、請求項1に記載の化合物。
  6. nが1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. nが2である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  8. nが3である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  9. nが4である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 各Xが−C(=O)−NRである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 各Xが−NH−C(=O)−Rである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  12. 各アニオン性置換基が、カルボキシレート、スルホネート、ホスフェートおよびホスホネートから選択される群を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. 各アニオン性置換基がカルボキシレートを含む、請求項12に記載の化合物。
  14. 前記カルボキシレートが、−CH−を介してアミド窒素に連結されている、請求項13に記載の化合物。
  15. 各アニオン性置換基がスルホネートを含む、請求項12に記載の化合物。
  16. 前記スルホネートが、−CH−CH−を介してアミド窒素に連結されている、請求項15に記載の化合物。
  17. 各アニオン性置換基が、テトラゾール、チアゾリジンジオン、ニトロメチルスルホニルフェニル、4−ニトロチオフェノール、ニトロメチルカルボキシフェニル、2,4−ジニトロフェノール、またはマロニトリルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 各アニオン性置換基が同じである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. mが0である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 各アニオン性置換基が、生理学的pH未満のpKaを有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
  21. 各アニオン性置換基が約7.5未満のpKaを有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
  22. 各アニオン性置換基が約6.0未満のpKaを有する、請求項21に記載の化合物。
  23. 前記アニオン性置換基の各々が、90%を超えて、生理学的pHでアニオン性である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. ラセミ混合物であるかまたはジアステレオマー的に純粋であるかのいずれかである、請求項1〜23のいずれか一項に記載の化合物。
  25. ジアステレオマー的に純粋である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の化合物。
  26. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
  27. 哺乳動物への投与のために適当な形態で、生体適合性担体と一緒に、請求項1〜26のいずれか一項に記載の式Iの化合物を含む医薬組成物。
  28. 1種または複数の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項27に記載の医薬組成物。
  29. 前記薬学的に許容される賦形剤が、緩衝剤、安定剤、抗酸化剤、オスモル濃度調節剤、pH調節剤、過剰のcheland、および生理学的に許容されるイオンの弱い錯体から選択される、請求項27または請求項28に記載の医薬組成物。
  30. (i)請求項1〜26のいずれか一項に記載の式Iの化合物または請求項27〜29のいずれか一項に記載の医薬組成物の、対象への投与;
    (ii)前記化合物が分布した、前記対象または前記対象の部分からの磁気共鳴(MR)シグナルの検出;
    (iii)前記検出されたシグナルからのMR像および/またはMRスペクトルの生成
    を含む方法。
  31. 請求項30に記載の方法で使用するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
  32. 式IIの化合物とマンガンの適当な供給源との反応を含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の式Iの化合物を製造する方法:
    (式中、X、R、R、mおよびnの各々は、請求項1〜26で様々に定義された通りである)。
  33. 前記マンガンの適当な供給源は、塩化マンガン(II)である、請求項32に記載の方法。
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