JP2022546554A - マンガンキレート異性体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、キレート化合物の異性体および磁気共鳴画像(MRI)手順における造影剤としてのキレート化合物の異性体の使用に関する。
Description
本発明は、キレート化合物の異性体および磁気共鳴画像(MRI)手順における造影剤としてのキレート化合物の異性体の使用に関する。
MRIは、選択した原子の核、特に水素核によって身体の領域を可視化させる医用画像処理技術である。MRI信号は、可視化された核を取り巻く環境と、縦および横の緩和時間、T1およびT2に依存する。したがって、可視化された核がプロトンである場合には、MRI信号強度は、プロトン密度およびプロトンの化学的環境などの要因に依存することになる。画像コントラストを改善するために造影剤をMRIで使用することができる。造影剤はT1、T2および/またはT2*緩和時間を生じ、それにより画像のコントラストに影響を及ぼすことによって作用する。
常磁性体造影剤はT1、T2および/またはT2*緩和時間を変更でき、この効果は常磁性金属キレートの構造変更によって最適化できることは公知である。特に重要なのは、常磁性イオンに結合した水分子の存在および滞留時間ならびに造影剤の回転相関時間である。常磁性イオンに結合した水分子の存在および滞留時間は、常磁性イオンおよびキレート部分の選択によって調節することができる。回転相関時間は、造影剤の大きさを変えることによって調節することができる。
MRIのための造影剤として使用される場合、比較的大用量で患者へ投与されるため、常磁性キレートの水への溶解度も重要な要因である。水に溶解性の高い常磁性キレートは、少ない注射量ですむため、患者への投与が容易であり、与える不快感が少ない。水に可溶な常磁性キレート、すなわちキレート剤と常磁性金属イオンの錯体は、周知であり、例えば、市販のガドリニウムキレートOmniscan(商標)(GE Healthcare)、Dotarem(商標)(Guerbet)、Gadavist(商標)(Bayer)、およびMagnevist(商標)(Bayer)が挙げられる。それらは低分子量であるため、血管系に投与されると、細胞外空間(すなわち、血液および間質)に急速に分布する。また、それらは体から比較的急速に取り除かれる。
MRIキレート化合物の重要な特性は、常磁性イオンがキレート構造内で可能な限り保持されることである。インビボでキレートから放出された常磁性イオンは、生物学的経路に干渉し、潜在的に毒性を誘発する可能性がある。また、キレートが常磁性イオンを保持する能力(本明細書では安定性ともいう)は、キーランド(cheland)部分の構造設計により調節できる特性である。特に興味深いのは、動力学的安定性であり、解離半減期として測定され、変化した化学的環境(すなわち、内在性イオン)に対して不活性(inertia)である程度を示す。
市販されている薬剤があることや先行技術の焦点となっていることから理解できるように、ガドリニウムはMRIキレートのために最も広く使用されている常磁性金属イオンであり、これはその好ましい緩和能特性による。MRI造影剤の「緩和能」の概念は、当業者に周知であり、周囲の水プロトンスピンの緩和率を高める、磁性化合物の能力を指す。MR画像のコントラストを向上するため、および造影剤がよりよく拡散する組織固有の領域を研究するため、または機能的MRIを実行するため、緩和能は使用される。MRI造影剤の緩和能は、錯体の分子構造と動態に依存する。緩和能は、温度、磁界強度、および造影剤が溶解される物質に依存する。
造影剤として使用される場合、キレート構造内の常磁性イオンの安定性は、ガドリニウムキレートにとって望ましい。したがって、特に生理学的環境内で、安定のレベルがより高い新しいガドリニウムキレートを同定したいという要望がある。
マンガン(II)イオンは、高いスピン数と長い電子緩和時間を持つ常磁性種であり
、マンガン(II)系の高緩和性造影剤の可能性が文献に報告されている(Toth, E, Advances in Inorganic Chemistry, 2009, 61 (09), 63-129)。しかし、これまで開発された特定のマンガン(II)キレートは、対応するガドリニウムキレートと比較してそれほど安定でないことが分かった。例えば、DOTAのマンガンキレート(MnDOTA)は、対応するガドリニウム錯体Gd-DOTAと比較して数百倍不安定である(Drahos, B; Inorganic Chemistry, 2012(12), 1975-1986)。
、マンガン(II)系の高緩和性造影剤の可能性が文献に報告されている(Toth, E, Advances in Inorganic Chemistry, 2009, 61 (09), 63-129)。しかし、これまで開発された特定のマンガン(II)キレートは、対応するガドリニウムキレートと比較してそれほど安定でないことが分かった。例えば、DOTAのマンガンキレート(MnDOTA)は、対応するガドリニウム錯体Gd-DOTAと比較して数百倍不安定である(Drahos, B; Inorganic Chemistry, 2012(12), 1975-1986)。
2011年6月23日に公開されたAndreas Meijerの国際公開第2011/073371号パンフレットには、高いキレート安定性および高い緩和能に都合のよい分子設計が記載されている。これにより、これらの化合物はMRI造影剤としての使用に非常に適したものになる。国際公開第2011/073371号パンフレットの例となる化合物は、次の構造を有する:
2017年12月28日に公開されたAndreas Meijerらによる国際公開第2017/220610号パンフレットには、造影剤として使用するのに適しており、他の公知のマンガンに基づく造影剤に対して優れた特性をもたらすマンガンキレートが記載されている。国際公開第2017/220610号パンフレットのマンガンキレートは、式(I)の化合物:
式中、
各R1は、ハロおよび-C(=O)-NH-C1~6ヒドロキシアルキルから選択される1もしくは複数の置換基で任意選択で置換されたC1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルもしくはC3~6アリール、または炭水化物部分を含む群より独立して選択され;
各R2は、C1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルまたは水素を含む群より独立して選択され;
R3は、C1~3アルキルまたは-(CH2)m-C(=0)-NR5R6を含む群より選択され、ここでmは2~5の整数、およびR5およびR6はそれぞれR1およびR2に定義され;
R4は、ヒドロキシ、C1~6アルキルおよびC1~6ヒドロキシアルキルを含む群より選択される0~3個の置換基を表し;ならびに、
各nは0~4の整数であり;
式(I)の化合物は、少なくとも2個のヒドロキシ基を含む、化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む。
造影剤としての使用に適している、安定性を有するマンガン造影剤を開発する必要性は残っている。
本発明は式IAの化合物:
一実施形態において、本発明は、式IAの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物に関与する。一実施形態において、組成物は、検出可能な量の式IBの化合物を欠いている。
一実施形態において、本発明は、患者を画像化する方法であって、造影剤または造影剤組成物を投与した後、患者のMRI画像を取得するステップを含む方法に関与する。
一実施形態において、本発明は、上記の造影剤を製造する方法に関与する。その方法は、エナンチオ選択的合成、または式(IB)の化合物から式(IA)の化合物への異性化に関与し得る。
請求された発明の主題をより明確および簡潔に説明し、指摘するために、本明細書および請求の範囲全体を通して使用する特定の用語に対する、定義および例示的な実施形態を以下に提供する。本明細書における特定の用語の例示は、いずれも非限定的な例として考慮されるべきである。
用語「含んでいる」または「含む」は、本出願を通じてその慣習的な意味を有し、薬剤または組成物が列挙された本質的な特徴または構成要素を有さなければならないが、他の特徴または構成要素がさらに存在してもよいことを意味する。用語「含んでいる」は、好ましいサブセットとして、他の特徴または構成要素が存在しない、列挙された構成要素を組成物が有することを意味する「実質的に~からなる」を含む。
本発明による「塩」としては、生理学的に許容される酸添加塩、例えば、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸などの無機酸に由来する酸添加塩、および例えば、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、メタンスルホン酸およびパラ-トルエンスルホン酸などの有機酸に由来する酸添加塩が挙げられる。
本発明による適切な「溶媒和物」は、エタノール、水、生理食塩水、生理的緩衝液、およびグリコールから選択される。
「アルキル」という用語は、単独でまたは組合せで、一般式CnH2n+1を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。そのような基の例としては、メチル、エチル、およびイソプロピルが挙げられる。
用語「ヒドロキシル」は、OH基を指す。
用語「ヒドロキシアルキル」とは、上記に定義されるヒドロキシル置換基を1または複数含む、上記に定義されるアルキル基を指す。
用語「アリール」とは、芳香環、通常は芳香族炭化水素に由来する官能基または置換基を指し、その例としては、フェニルおよびピリジルが挙げられる。一実施形態において、本発明のアリール基は、O、NおよびSから選択される0~3個の間のヘテロ原子を含む、芳香族6員環である。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素から選択される置換基を意味する。
用語「ヒドロキシ」は、OH基を指す。
用語「キレート部分」は金属キレートである置換基を指し、用語「金属キレート」は配位錯体を指し、ここで、金属イオンは分子またはキーランドに含まれる陰イオンの周囲の配列に結合する。「キーランド」は、本明細書において、2つ以上のドナー原子を介して常磁性金属イオンと配位結合を形成できる有機化合物として定義される。本発明に適した典型的なキーランドは、2~6、好ましくは4~6の金属ドナー原子が、(金属ドナー原子を連結する炭素原子または非配位性ヘテロ原子のいずれかの非配位性骨格を有することにより)5または6員環が得られるように配置されている。金属イオンが常磁性金属イオンである適切なドナー原子タイプの例は、アミン、チオール、アミド、オキシム、およびホスフィンが挙げられる。一実施形態において、金属イオンはマンガンである。
一態様において、本発明は式IAの化合物:
次のプロセスは、Mnキレート-5の(R,R)および(S,S)異性体の立体選択的合成を示す。(R,R)-Mnキレート-5を、脱保護された2アーム環状キレート(化合物III)から、(S)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)でビスアルキル化により合成し、保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(化合物V)を得る。次に、保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレートを酸性条件下で脱保護し、Mnをキレート化し、アミノアルコール(D-グルカミン)をカップリングして、(R,R)-Mnキレート-5を得る。(S,S)-Mnキレート-5を、脱保護された2アーム環状キレート(化合物III)から、(R)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)でビスアルキル化により合成し、保護された(S,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VI)を得る。(S,S)-Mn 2アーム C5キレートは、(R,R)-Mnキレート-5の合成について記載された上記のアプローチを使用して、(S,S)-Mnキレート-5に変換された。
次のプロセスは、Mnキレート-5の(S,R)および(R,S)異性体の立体選択的合成を説明する。(S,R)-Mnキレート-5および(R,S)-Mnキレート-5を、脱保護された2アーム環状キレートから(S)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)とのモノアルキル化の後、(R)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)でアルキル化することにより合成し、(R,S)-Mn 2-アームC5キレート(化合物VII)を得る。次に、(R,S)-Mn 2アーム C5キレートを酸性条件下で脱保護し、Mnをキレート化して、(S,R)-Mn 2アーム C5キレートと(R,S)-Mn2アームC5キレートの混合物を得た。次に、(S,R)-Mn 2-アーム C5キレートと(R,S)-Mn 2-アーム C5キレートとの混合物をアミノアルコール(D-グルカミン)とカップリングすることにより、(S,R)-Mn キレート-5と(R,S)-Mn キレート-5の混合物を得て、C18クロマトグラフィーで分離した。加えて、(R,S)-Mnキレート-5キレートは、(S,R)-Mn 2アーム C5キレートが(R,S)-Mn 2-アーム キレート-5に完全に異性化するまで、(S,R)-Mn 2アーム C5キレートと(R,S)-Mn 2アーム C5キレートの混合物を90℃で加熱し、その後、(R,S)-Mn 2アーム C5キレートをアミノアルコール(D-グルカミン)とカップリングして、(R,S)-Mnキレート-5を得ることによって合成した。当業者には理解できるように、Mnキレート-5の異性体の立体選択的合成について述べたアプローチは、式IAおよびIBで表される化合物の立体選択的合成に適用可能である。
Mnキレート-5は、大員環への接続部位を立体化学的制御なしで合成された。立体化学的制御を行わない場合、図1に示すように4つの異性体が存在すると予想された。(S,R)および(R,S)異性体は、金属の脱キレート化および再キレート化を介して相互変換できる。RおよびSの指定は、大員環への接続点での立体化学を表す。
図2aは、立体化学的制御なしで合成されたMnキレート-5のHPLC分析の結果を示す。続いて、(S,S)-Mnキレート-5および(R,R)-Mnキレート-5は、図9で説明するように、エナンチオ選択的に合成された。(R,R)-Mnキレート-5のHPLC分析の結果を図2cに、(S,S)-Mnキレート-5のHPLC分析を図2dに示す。(R,S)-Mnキレート-5および(S,R)-Mnキレート-5のエナンチオ選択的合成は、図9に説明するように実行した。(R,S)-Mnキレート-5のHPLC分析の結果を図2bに、(S,R)-Mnキレート-5のHPLC分析の結果を図2eに示す。
Mnキレート-5とZnとの金属交換反応に対する安定性は、100倍過剰のZn(15mM ギ酸アンモニウム中の200mM ZnCl2、pH=4、40℃)の存在下において、2mM Mnキレート-5、pH=4で評価された。図3は、(R、R)-Mnキレート-5(菱形)、(S、S)-Mnキレート-5(白抜きの四角形)、(S、R)-Mnキレート-5(円形)、および(R、S)-Mnキレート-5(三角形)に対する時間の関数として残りの%Mnキレート-5を示す。驚くべきことに、図3のデータは、(R,S)-Mnキレート-5異性体の金属交換反応速度が著しく遅く、(S,R)-Mnキレート-5異性体の金属交換反応速度が著しく速いことを示し、キレートの立体化学の機能によってMnキレート化の強さに差があることを示唆している。サイズ排除クロマトグラフィーとICP-MSによるマンガン含有種のオンライン検出を組み合わせた方法を利用して、キレートから血液タンパク質へのMnの移行をモニターすることにより、ヒト血清中のMnキレート-5立体異性体の安定性をインビトロで評価した。図3は、37℃での、2日間の全インキュベーション時間の間の脱キレート化の割合を示している。(S,R)-Mnキレート5の異性体(上側の曲線、最も安定性が低い)と(R,S)-Mnキレート5の異性体(下側の曲線、最も安定している)の間には、Znの金属交換反応の研究で得られた結果と同様に有意差がある。
インビボに放出されたMnは脳、骨、肝臓に保持されることが公知であるため、異なる異性体プールのインビボ安定性が54Mn放射性物質による生体内分布により評価された。立体化学的制御を行わずに合成したMnキレート-5、(R,R)-Mnキレート-5の異性体と(S,S)-Mnキレート-5の異性体との1:1の混合物、および(R,S)-Mnキレート-5の異性体プールBについて、非放射標識化材料に加えられた54Mn標識化材料使用して、インビボに放出されるMn量を評価した。(R,R)-Mnキレート-5の異性体と(S,S)-Mnキレート-5の異性体との1:1の混合物を選択したのは、2つの異性体の金属交換反応速度が同程度であることから、同等の安定性が予測されたためである。ラットを、約30μCi54Mnキレート-5を含有する0.62mmol Mnキレート-5/kgで投薬した。注射後7日目に動物を屠殺し、目的の臓器を採取し、ガンマカウンターを使用して、臓器に残存する54Mnを測定した。図4は、約30μmolの54Mnキレート-5を含有する0.62mmolのMnキレート-5/kg用量を注射後7日目の%ID(注射用量)/臓器を示す図である。ハッシュ線を含有する棒は、この研究の検出限界以下の%ID/臓器を表す。各臓器の%IDの統計的比較の結果は、臓器ごとに必要に応じて、一元配置分散分析-ハウエル比較または二元配置t検定(2-way t-test)のいずれかを使用して、p値として要約される。
驚くべきことに、脳と骨において、(S,S)-Mnキレート-5と(R,R)-Mnキレート-5の1:1混合物または立体化学的制御なしで合成されたMnキレート-5と比べて、(R,S)-Mnキレート-5の注射後7日目にインビボに残存するMnが著しく少なく、インビボのMn放出の少なさと一致していることを、図4のデータは示している。これは、Znの金属交換反応データと一致しており、Mnキレート化の強さがキレート立体化学の機能であるという結論をさらに支持する。これは、(R、S)-Mnキレート-5について、より高いレベルのMnが腎臓で検出されたことによってさらに支持され、これは、より完全なMnキレート-5が腎臓を通過するためであろう。
Mnキレート-5は、大員環への2つの立体中心αに加えて、グルカミン側鎖にさらに10個の立体中心を持つため、ラセミ体の3-アミノ-1,2-プロパンジオールを使用して立体化学的制御なしでMnキレート-10(図5)を合成し、C18クロマトグラフィーによりMnキレート-10異性体プールAおよびMnキレート-10a異性体Bを得た。Mnキレート-10異性体プールAとMnキレート-10a異性体Bについて、上記の条件でZnの金属交換反応を実行した(図9)。驚いたことに、Mnキレート-10異性体プールA、(S,S)-Mnキレート-5、および(R,R)-Mnキレート-5はZnと同じ割合で金属交換反応し、Mnキレート-10異性体プールB、および(R,S)Mnキレート-5はZnと同じ割合で金属交換反応した。このデータは、サイドアームの同一性とサイドアームの立体化学の両方がMnキレート化の強さに影響せず、その一方で、大員環に対するα部位の立体化学がMnキレートの安定性を決める鍵になることを示す。上に示したデータに基づいて、大員環に対する(R,S)および/または(S,R)立体化学αは、大員環に対する(R,R)および(S,S)立体化学αと比較して、Mnキレートの安定性について好ましいと見なすことが妥当である。
以下の実施例1~8では、本発明への前駆体の調製について説明する。実施例9~23は、本発明の様々な実施形態による化合物を説明するものである。
[実施例1]
N、N’-((メチルアザンジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(4-メチルベンゼンスルホンアミド)(化合物I)の合成。
N、N’-((メチルアザンジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(4-メチルベンゼンスルホンアミド)(化合物I)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた1L丸底フラスコに、N-トシルアジリジン(49g、248mmol)およびAcN(450mL)を装入した。41%メチルアミン水溶液(12mL、121mmol)を加え、周囲温度で36時間撹拌した。N-トシルアジリジンの第2分割量(1.7g、8.62mmol)を加え、周囲温度でさらに48時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗残留物をEtOHから再結晶化して、45g(87%)の所望の生成物を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6, δ) 7.68 (4H, m), 7.36 (6H, m), 2.75 (4H, t), 2.38 (6H, s), 2.22 (4H, t), 1.93 (3H, s).
[実施例2]
保護された環状2-アームキレート(化合物II)の合成。
保護された環状2-アームキレート(化合物II)の合成。
還流冷却器およびメカニカルスターラーを備えた12Lの3つ口丸底フラスコに、N,N’-((メチルアザンジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(4-メチルベンゼンスルホンアミド(93g、218.5mmol)およびAcN(8.3L)を装入した。2,6-ビス(クロロメチル)ピリジン(38.5g、218.5mmol)を加え、得られた溶液を80°で16時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、結晶化が開始するまで溶媒を真空中で除去した。得られた結晶を真空濾過により回収して、86.9g(75%)の所望の生成物を白色固体として得た(ESI:m/z=530(M+H)+)。
[実施例3]
脱保護された2アーム環状キレート(化合物III)の合成。
脱保護された2アーム環状キレート(化合物III)の合成。
メカニカルスターラーを備えた1Lの3つ口丸底フラスコに、保護された環状2アームキレート(150g、284mmol)と濃硫酸(250mL、4.69mol)を装入し、100°Cで15時間加熱した。溶液を氷上に注ぎ、50重量%のNaOH水溶液を加えることによりpHを7.4に調整して、白色固体を形成させた。AcN(200mL)を加え、白色固体を真空濾過で除去した。濾液を蒸発乾固し、褐色の泡沫を得た。泡沫を水(200mL)に溶解し、水酸化物形態のアンバーライトA26樹脂で精製して、61g(98%)の所望の生成物を黄褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, AcN-D3, δ) 7.56 (1H, m), 7.03 (2H, m), 3.76 (4H, s), 2.47 (4H, m), 2.19 (3H, s), 1.95 (4H, s).
[実施例4]
保護されたMn 2アーム C5キレート(化合物IV)の合成。
保護されたMn 2アーム C5キレート(化合物IV)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた500mL丸底フラスコに、脱保護された2アーム環状キレート(20.0g、90.8mmol)およびAcN(160mL)を装入した。ジイソプロピルエチルアミン(38.7mL、217mmol)および2-ブロモペンタン二酸ジメチル(47.7g、199.7mmol)を加え、得られた溶液を65℃で20時間撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(9.75mL、54.6mmol)および2-ブロモペンタン二酸ジメチル(11.8g、49.4mmol)を加え、得られた溶液を65℃でさらに19時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、赤色のオイルを残留させた。次に、オイルを水(300mL)に溶かし、EtOAc(300mL)で洗浄した。次に、EtOAc層を水(2x50mL)で抽出して、最初の水層と合わせ、水を真空中で除去して赤いオイルを残留させ、さらに精製することなく使用した。
[実施例5]
保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(化合物V)の合成。
保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(化合物V)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、脱保護2アーム環状キレート(1.01g、4.58mmol)、炭酸カリウム(1.58g、11.5mmol)およびAcN(10mL)を装入した。(S)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(Levy, S.G. et al Org. Proc.Res. Dev. 2009, 13, 535-542)(2.60g、6.98mmol)をAcN(2mL)に溶解した後、攪拌懸濁液に加えた。この混合物を、50°Cで21時間、油浴で加熱した。追加量の(S)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(1.71g、4.59mmol、2mLのAcN中)および炭酸カリウム(317mg、2.29mmol)を加え、追加で47時間加熱し続けた。その後、反応物を室温まで冷却し、0.45μmPTFEフィルターにより濾過した。固体をアセトニトリル(5x5mL)でリンスした後、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、赤いオイルを得て、これ以上精製せずに利用した(ESI:m/z=774(M+H)+)。比旋光度:[α]27
D=+12.1°(c=0.00404、アセトニトリル);1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 1.40-1.45 (m, 10H), 1.49 (s, 9H), 1.55-1.64 (m, 1H), 1.65-1.73 (m, 1H), 1.85-1.95 (m, 2H), 1.95-2.04 (m, 1H), 2.04-2.10 (m, 2H), 2.83-2.87 (m, 3H), 2.93-2.98 (m, 1H), 3.05-3.28 (m, 7H), 3.57 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.70 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 4.03-4.14 (m, 2H), 4.25 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.84-4.98 (m, 4H), 6.93 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.15-7.20 (m, 2H), 7.20-7.23 (m, 2H), 7.28-7.34 (m, 6H), 7.49 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 11.45 (bs, 1H); 13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ 25.5, 26.6, 28.3, 28.4, 30.4, 30.6, 33.9, 46.7, 52.9, 53.6, 54.3, 54.7, 57.7, 66.3, 66.5, 66.8, 67.9, 82.5, 82.6, 120.2, 120.6, 126.0, 128.5, 128.6, 128.7, 135.7, 135.8, 138.5, 159.8, 160.9, 170.7, 171.3, 172.1, 172.2.
[実施例6]
保護された(S,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VI)の合成。
保護された(S,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VI)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた10mL丸底フラスコに、脱保護された2アーム環状キレート(0.210g、0.953mmol)、炭酸カリウム(0.329g、2.38mmol)およびAcN(6mL)を装入した。(R)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(D-グルタミン酸から調製:Levy, S.G. et al Org. Proc.Res. Dev. 2009, 13, 535-542)(0.888g、2.38mmol)をAcN(2mL)に溶解した後、撹拌懸濁液に加えた。この混合物を50℃で67時間、油浴で加熱した。その後、反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を水とジクロロメタン(各20mL)の間で分配した。層を分離した後、水層をジクロロメタン(2x10mL)で抽出した。合わせた有機物を水(2x20mL)で逆抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、乾燥した有機層を0.45μmPTFEフィルターで濾過した後、濾液を減圧下で濃縮して、黄色オイルを得て、これ以上精製せずに利用した(ESI:m/z=774(M+H)+)。
[実施例7]
保護された(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VII)の合成。
保護された(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VII)の合成。
マグネチックスターラーバーと窒素導入口を備えた10mL丸底フラスコに、脱保護された2アーム環状キレート(278mg、1.26mmol)とイソプロパノール(4mL)を装入した。ジイソプロピルエチルアミン(522μL、3.07mmol)を加え、続いて(S)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(L-グルタミン酸から調製。Levy, S.G. et al Org. Proc.Res. Dev. 2009, 13, 535-542)(407mg、0.87mmol)および追加のイソプロパノール(1mL)を加えた。得られた溶液を窒素下に置き、50℃で48時間、油浴で加熱した。追加量の(S)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(222mg、0.596mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(215μL、1.26mmol)を加え、さらに21時間加熱し続けた。反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン15mLと水30mLで希釈した。層を分離し、水層をジクロロメタン15mLで抽出した。合わせた有機物を30mLの水で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥した有機物を#1フィルターで濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。グラジエント溶出(AcN/2mM HCl、10:90~80:20)を使用して、C18カラムで残留物質を精製し、260mg(43%)の(R)-モノアルキル化中間体を得た(ESI:m/z=497(M+H)+)。マグネチックスターラーバーと窒素導入口を備えた10mL丸底フラスコにモノアルキル化中間体(260mg、0.524mmol)とアセトニトリル(5mL)を装入した。炭酸カリウム(219mg、1.58mmol)を加え、続いて(R)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(D-グルタミン酸から調製。Levy, S.G. et al Org. Proc.Res. Dev. 2009, 13, 535-542)(252 mg, 0.676 mmol)を加えた。得られた溶液を窒素下に置き、50℃で48時間、油浴で加熱した。追加量の(R)-5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)(97mg、0.260mmol)を加え、さらに48時間加熱し続けた。反応物を室温まで冷却して、アセトニトリルで希釈し、0.45μmフィルターで濾過した。黄色い濾液を減圧下で濃縮した。残留物を1:1のアセトニトリル:水(4mL)に溶解し、グラジエント溶出(AcN/2mM HCl、10:90~80:20)を使用して、C18カラムで精製し、310mg(76%、32%、2つのステップで)の所望の生成物を得た(ESI:m/z=774(M+H)+);比旋光度:[α]24
D=+1.9°(c=0.044、アセトニトリル);1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 1.38 (s, 18H), 1.37-1.45 (m, 2H), 1.69-1.80 (m, 4H), 1.80-1.89 (m, 2H), 2.63 (bs, 3H), 2.89-3.02 (m, 4H), 3.03-3.08 (m, 2H), 3.08-3.14 (m, 2H), 3.47 (d, J = 17.5 Hz, 2H), 3.96 (bs, 2H), 4.15 (d, J = 17.5 Hz, 2H), 4.79 (s, 4H), 6.90 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.03-7.08 (m, 4H), 7.14-7.19 (m, 6H), 7.41 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 11.83 (bs, 1H); 13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ 26.1, 27.8, 28.0, 30.0, 52.1, 52.7, 53,4, 66.0, 67.4, 82.0, 119.8, 128.2, 128.3, 135.3, 138.6, 160.4, 170.9, 171.8.
[実施例8]
脱保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VIII)の合成。
脱保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(化合物VIII)の合成。
マグネチックスターラーバー、還流冷却器および窒素導入口を備えた100mL丸底フラスコに、保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(3.64g、4.71mmol)およびジオキサン(20mL)を装入した。1M HCl(20mL、20.0mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下に置き、50℃に加熱した。5日後、濃塩酸水溶液を加え(1.7mL、20.4mmol)、加熱し続けた。3日後、反応物を室温まで冷却し、溶液を酢酸エチル(2x25mL)で抽出した。得られた水層のpHをKOH(s)で約8に調整し、この溶液を減圧下で濃縮した。残留物にメタノール(25mL)を加え、この混合物を攪拌した。得られたスラリーを0.45μmPTFEフィルターで濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、茶色の泡沫を得て、これ以上精製することなく利用した。
[実施例9]
脱保護された(S,S)-Mn-2アーム C5キレート(化合物IX)の合成。
脱保護された(S,S)-Mn-2アーム C5キレート(化合物IX)の合成。
マグネチックスターラーバー、還流冷却器および窒素導入口を備えた100mL丸底フラスコに、保護された(S,S)-Mn 2アーム C5キレート(0.713g、0.922mmol)およびジオキサン(5mL)を装入した。水(3.75mL)を加えた後、濃HCl(1.25mL、15.0mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下に置き、50℃に加熱した。30時間後、反応物を室温まで冷却し、溶液を酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)で逆抽出した。得られた水層のpHをKOHペレットで約8に調整し、この溶液を減圧下で濃縮した。残留物にメタノール(25mL)を加え、この混合物を攪拌した。得られたスラリーを0.45μm PTFEフィルターで濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、所望の生成物を得て、これ以上精製することなく利用した(ESI:m/z=481(M+H)+)。
[実施例10]
脱保護された(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物X)の合成。
脱保護された(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物X)の合成。
マグネチックスターラーバー、還流冷却器および窒素導入口を備えた10mL丸底フラスコに、保護された(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(189mg、0.245mmol)およびジオキサン(2.5mL)を装入した。水(1.25mL)を加えた後、濃HCl(1.25mL)を加え、混合物を窒素雰囲気下に置き、50℃で40時間加熱した。反応物を室温まで冷却して、溶液を水(15mL)および酢酸エチル(10mL)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。得られた水層のpHをKOH(s)で約7に調整し、この溶液を減圧下で濃縮した。残留物にメタノール(25mL)を加え、この混合物を攪拌した。得られたスラリーを0.45μmPTFEフィルターで濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、脱保護されたキレートを得て、これ以上精製することなく利用した(ESI:m/z=481(M+H)+)。
[実施例11]
Mn 2アーム C5キレート化合物(化合物XI)の合成。
Mn 2アーム C5キレート化合物(化合物XI)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた1L丸底フラスコに、保護されたMn 2アーム C5キレート(48.7g、90.8mmol)および水(450mL)を装入した。水酸化ナトリウム(29.1g、726mmol)を加え、周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(250mL)で洗浄し、層を分離した。水層をEtOAc(2x100mL)で再度洗浄し、水層を回収した。水溶液に塩化マンガン四水和物(19.6g、99mmol)を加えた。6M NaOHでpHを7.1に調整し、周囲温度で17時間、次に90℃で2.5時間撹拌した。周囲温度に冷却した後、50重量%のNaOH水溶液でpHを10.1に調整し、微細な茶色の沈殿物を形成した。沈殿物を3000rcfで20分間遠心分離により除去し、上清を回収して真空中で蒸発乾固させた。残留物をMeOH(127mL)によって40℃で1.5時間粉砕した。不溶性の白色固体を、3000rcfで30分間の遠心分離により除去した。上清を真空中で蒸発乾固させて、オフホワイトの固体を得て、これをC18シリカゲル(水中の3%AcN)で精製し、36.8g(75%)の所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(ESI:m/z=534(M+H)+)。
[実施例12]
(R,R)-Mn 2アームC5キレート(化合物XII)の合成。
(R,R)-Mn 2アームC5キレート(化合物XII)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた25mL丸底フラスコに、脱保護された(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(2.98g、4.71mmol)および水(12mL)を装入した。水溶液に塩化マンガン四水和物(1.41g、7.12mmol)を加えた。50%KOH水溶液でpHを6.5に調整し、周囲温度で5時間撹拌した。KOH(s)でpHを10に調整し、混合物を一晩撹拌した。セライトを含有する0.45μmPTFEフィルター(4.9cm2x1.8cm)で、褐色の懸濁液を濾過した。濾液のpHをcHCl(20μL)で7.3に調整し、この物質を減圧下で濃縮した。残留物質にメタノール(25mL)を加え、撹拌した。得られたスラリーを0.45μmPTFEフィルターで濾過し、固体をメタノールで数回リンスした。濾液を減圧下で濃縮して、残留物質をC18カラム(AcN/水)で精製し、1.09g(43%)の所望の生成物を得た(ESI:m/z=534(M+H)+)。
[実施例13]
(S,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物XIII)の合成。
(S,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物XIII)の合成。
そのジアステレオマーと同じ手順で、(S、S)-Mn 2アーム C5キレート(0.092g、0.17mmol)は、0.101g(68%)の予想された生成物を生成した(ESI:m/z=860(M+H)+)。比旋光度:[α]24
D=-3.0°(c=0.018、水)。
[実施例14]
(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物XIV)の合成。
(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(化合物XIV)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた5mL丸底フラスコに、脱保護された(R,S)-Mn 2アーム C5キレート(180mg、0.284mmol)および水(4mL)を装入した。塩化マンガン四水和物(115mg、0.581mmol)を水溶液に加えた。50%KOH水溶液で溶液のpHを6.0~6.4に調整し、周囲温度で4日間撹拌した。KOH(s)でpHを10に調整し、混合物を一晩撹拌した。セライトを含有する0.45μmPTFEフィルター(4.9cm2x1.8cm)で、褐色の懸濁液を濾過した。濾液のpHをcHCl(8μL)で7.2に調整し、この物質を減圧下で濃縮した。残留物質にメタノール(25mL)を加え、撹拌した。得られたスラリーを0.45μmPTFEフィルターで濾過し、固体をメタノールで数回リンスした。濾液を減圧下で濃縮した後、残留物質をC18カラムで精製して、水で溶出し、94g(62%)の所望の生成物を得た(ESI:m/z=534(M+H)+)。
[実施例15]
Mnキレート-5(化合物XV)の合成。
Mnキレート-5(化合物XV)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた50mL2つ口フラスコにD-グルカミン(0.713g、3.94mmol)と水(19.7mL)を装入した。1.0M HClにより得られた溶液のpHを7.4に調整し、Mn 2アーム C5キレート(1.00g、1.87mmol)を加え、続いてEDCI-HCl(0.848g、4.42mmol)およびHOBt水和物(0.121g、0.787mmol)を加えた。周囲温度で8時間撹拌しながら、必要に応じて、1.0M HClまたは1.0M NaOHを加えて、pHを6に維持した。D-グルカミン(0.359g、1.98mmol)およびEDCI-HCl(0.433g、2.26mmol))を加え、周囲温度で16時間撹拌しながら、pHを6に維持した。真空中で反応溶液を蒸発乾固して、粗生成物をC18シリカゲル(100%水~水中20%AcN)で精製して、0.782g(48%)の所望の生成物を淡黄色固体として得た(ESI:m/z=860(M+H)+)。
[実施例16]
(R,R)-Mnキレート-5(化合物XVI)の合成。
(R,R)-Mnキレート-5(化合物XVI)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた25mLフラスコに(R,R)-Mn 2アーム C5キレート(1.06g、2.04mmol)、D-グルカミン(0.833g、4.60mmol)、HOBt水和物(0.016g、0.10mmol)および水(8.2mL)を装入した。濃HClで得られた溶液のpHを6.2に調整した。EDCI-HCl(0.924g、4.82mmol)を加え、周囲温度で23時間撹拌しながら、必要に応じて濃HClを加えてpHを6~6.5に維持した。反応溶液を水(30mL)で希釈し、IR-120(Na)イオン交換カラム続いてIR-400(Cl)イオン交換カラムに溶液を順次通過させて精製した。粗生成物をC18シリカゲル(水中2%AcN~水中50%AcN)で精製して、1.42g(81%)の所望の生成物を淡黄色の泡沫として得た(ESI:m/z=860(M+H)+)。比旋光度:[α]26D=-19.7°(c=0.0129、水)。
[実施例17]
(S,S)-Mnキレート-5(化合物XVII)の合成。
(S,S)-Mnキレート-5(化合物XVII)の合成。
そのジアステレオマーと同じ手順で、(S、S)-Mn 2アーム C5キレート(0.092g、0.17mmol)は、0.101g(68%)の予想された生成物を生成した(ESI:m/z=860(M+H)+)。比旋光度:[α]24D=-3.0°(c=0.018、水)。
[実施例18]
(R,S)-Mnキレート-5(化合物XVIII)の合成。
(R,S)-Mnキレート-5(化合物XVIII)の合成。
マグネチックスターラーバーを備えた5mLフラスコに、(R,S)-Mnキレート-1a(60mg、0.112mmol)、D-グルカミン(50mg、0.276mmol)、HOBt水和物(4.6mg、0.030mmol)および水(3mL)を装入した。濃HCl(40μL)で得られた溶液のpHを6に調整した。EDCI-HCl(52mg、0.271mmol)を加え、混合物を周囲温度で撹拌した。追加量のEDCIを、6時間後(44mg、0.230mmol)、24時間後(40mg、0.209mmol)、および30時間後(50mg、0.261mmol)に加えた。反応溶液を水(3mL)で希釈し、IR-120(Na)イオン交換カラム、続いてIR-400(Cl)イオン交換カラムに溶液を順次通過させて精製した。グラジエント溶出(AcN/水、0:100~10:90)を使用して、C18カラムで粗生成物を精製して、23mgの(S、R)-Mnキレート-5(24%、42%d.e.)および40mgの(R、S)-Mnキレート-5(42%、91%d.e.)を得た(ESI:m/z=860(M+H)+)。
[実施例19]
(S,R)-Mn 2アーム C5キレートの(R,S)-Mn 2アーム C5への異性化。
(R、S)-Mnキレート-1aおよび(S、R)-Mnキレート-1a(59mg、0.111mmol)の混合物を、水(1mL)に溶解した。この混合物をガラスバイアルに密封し、90°Cで42時間加熱した。この加熱の期間の後、2つのピークが1つのピークに崩壊することを、HPLCは示した。(ESI:m/z=534(M+H)+)。
(S,R)-Mn 2アーム C5キレートの(R,S)-Mn 2アーム C5への異性化。
(R、S)-Mnキレート-1aおよび(S、R)-Mnキレート-1a(59mg、0.111mmol)の混合物を、水(1mL)に溶解した。この混合物をガラスバイアルに密封し、90°Cで42時間加熱した。この加熱の期間の後、2つのピークが1つのピークに崩壊することを、HPLCは示した。(ESI:m/z=534(M+H)+)。
[実施例20]
異性化された(S,R)-Mn 2-アームC5キレートから調製した(R,S)-Mnキレート-5の合成。
(R,S)-Mnキレート-1a(59mg、0.111mmol)と水(1mL)を含有するHPLCバイアルに、D-グルカミン(49mg、0.270mmol)とHOBt水和物(5mg、0.032mmol)を加えた。濃HCl(35μL)で、得られた溶液のpHを5.7に調整した。EDCI-HCl(53mg、0.276mmol)を加え、混合物を周囲温度で22時間撹拌した。さらにEDCI(23mg、0.120mmol)を加え、反応物をさらに42時間撹拌した。反応溶液を水(3mL)で希釈し、IR-120(Na)イオン交換カラム、続いてIR-400(Cl)イオン交換カラムに溶液を順次通過させて精製した。グラジエント溶出(AcN/水、0:100~10:90)を使用して、C18カラムで粗生成物を精製して、12mg(37%、74%d.e.)の所望の(R,S)異性体をオフホワイトの固体として得た(ESI:m/z=860(M+H)+)。
異性化された(S,R)-Mn 2-アームC5キレートから調製した(R,S)-Mnキレート-5の合成。
(R,S)-Mnキレート-1a(59mg、0.111mmol)と水(1mL)を含有するHPLCバイアルに、D-グルカミン(49mg、0.270mmol)とHOBt水和物(5mg、0.032mmol)を加えた。濃HCl(35μL)で、得られた溶液のpHを5.7に調整した。EDCI-HCl(53mg、0.276mmol)を加え、混合物を周囲温度で22時間撹拌した。さらにEDCI(23mg、0.120mmol)を加え、反応物をさらに42時間撹拌した。反応溶液を水(3mL)で希釈し、IR-120(Na)イオン交換カラム、続いてIR-400(Cl)イオン交換カラムに溶液を順次通過させて精製した。グラジエント溶出(AcN/水、0:100~10:90)を使用して、C18カラムで粗生成物を精製して、12mg(37%、74%d.e.)の所望の(R,S)異性体をオフホワイトの固体として得た(ESI:m/z=860(M+H)+)。
[実施例21]
Mnキレート-10(化合物XIX)の合成。
Mnキレート-10(化合物XIX)の合成。
rac-3-アミノプロパン-1,2-ジオール(0.190g、2.08mmol)を、マグネチックスターラーバーおよびpHプローブを備えた25mL2つ口丸底フラスコ中のH2O(10.4mL)に溶解した。1.0M HClで、得られた溶液をpH7.1に調整し、Mnキレート-1a(0.603g、0.996mmol)を加えた後、EDCI-HCl(0.473g、2.47mmol)、HOBt水和物(0.063g、0.466mmol)の順に加えた。周囲温度で7.5時間撹拌しながら、必要に応じて1.0M HClまたは1.0M NaOHを加えて、pHを6に維持した。rac-3-アミノプロパン-1,2-ジオール(0.095g、1.04mmol)およびEDCI-HCl(0.453g、2.36mmol)を加え、周囲温度で15時間撹拌しながら、pHを6に維持した。反応溶液を真空中で蒸発乾固し、粗生成物をC18シリカゲル(100%水~水中の20%AcN)で精製して、0.280g(41%)の所望の生成物を淡黄色固体として得た(ESI:m/z=680(M+H)+)。
[実施例22]
Mnキレート-10異性体プールAおよび異性体プールBの合成。Mnキレート-10を上記のように合成して、2つの異性体プールを分離し、C18シリカゲル(100%水~水中20%AcN)で淡黄色の固体として単離した(ESI:m/z=680(M+H)+)。
Mnキレート-10異性体プールAおよび異性体プールBの合成。Mnキレート-10を上記のように合成して、2つの異性体プールを分離し、C18シリカゲル(100%水~水中20%AcN)で淡黄色の固体として単離した(ESI:m/z=680(M+H)+)。
[実施例23]
Mnキレート-15(化合物XX)の合成。
Mnキレート-15(化合物XX)の合成。
エタノールアミン(5.153g、84.4mmol)を、マグネチックスターラーバーおよびpHプローブを備えた250mL3つ口丸底フラスコ中のH2O(50mL)に溶解させた。Mnキレート-1a(20.107g、37.7mmol)を加え、次いでHOBt水和物(0.289g、1.89mmol)を加えた。濃HClでpHを6.3に調整し、次にEDCI-HCl(16.966g、88.5mmol)を加えた。周囲温度で2.5時間撹拌しながら、pHを6.0~6.5の間で維持した。反応溶液を水(280mL)で希釈して、IR-120(Na)イオン交換カラム、続いてIR-400(Cl)イオン交換カラムに溶液を順次通過させて精製した。次に、得られた粗物質をC18シリカゲル(水中5%AcN~水中20%AcN)で精製して、16.05g(69%)の所望の生成物を淡黄色の固体として得た(ESI:m/z=620(M+H)+)。
[実施例24]
Mnキレート-15異性体プールAおよび異性体プールBの合成。Mnキレート-15を上記のように合成して、2つの異性体プールを分離し、C18シリカゲル(水中5%AcN~水中20%AcN)で淡黄色の固体として単離した(ESI:m/z=620(M+H)+)。
Mnキレート-15異性体プールAおよび異性体プールBの合成。Mnキレート-15を上記のように合成して、2つの異性体プールを分離し、C18シリカゲル(水中5%AcN~水中20%AcN)で淡黄色の固体として単離した(ESI:m/z=620(M+H)+)。
[実施例25]
r1緩和能およびr2緩和能の一般的な測定方法。マンガン含有キレートを、5~0mM Mnの範囲の濃度で水に溶解した。その後、Bruker mq60リラクソメーターを使用して、60MHz、40℃でT1およびT2緩和時間を測定した。Mn濃度の関数としての1/T1または1/T2の線形一致(すべての場合でR2>0.99)により、それぞれr1またはr2の値を得た。
r1緩和能およびr2緩和能の一般的な測定方法。マンガン含有キレートを、5~0mM Mnの範囲の濃度で水に溶解した。その後、Bruker mq60リラクソメーターを使用して、60MHz、40℃でT1およびT2緩和時間を測定した。Mn濃度の関数としての1/T1または1/T2の線形一致(すべての場合でR2>0.99)により、それぞれr1またはr2の値を得た。
Znとの金属交換反応を評価する方法。200mM ZnCl2および15mMギ酸アンモニウムを含有するpH=4の水溶液にMnキレートを溶解し、Mnキレート濃度を約2mMとした。得られた溶液を40℃で混合しながらインキュベートし、分割量を定期的にHPLCで分析した。溶液中に残存するMn含有キレートの割合を、265nmで積分して測定した。
生体内分布試験用Mn-54標識化キレートの調製方法。マグネチックスターラーバーを備えた3mLガラスバイアルに、マンガン含有キレート(1mg)と1.0Mギ酸アンモニウム、pH=4(0.5mL)を加えた。次に、1.0M HCl(約500μCi)中の54MnCl2を加え、得られた溶液を40°Cで16時間加熱した。キレート化されていないMnを除去するため、得られた溶液を分取HPLCで精製した。放射性画分を回収し、真空中で蒸発乾固した。非放射性Mnキレート(0.310M)を含有する水に放射性残留物を取り込ませ、約30μCiの放射能を0.620mmol Mn/kgの用量で、注射量が2mL/kgとなるように調合した。
Mn-54生体内分布の研究のための一般的な方法。実験手順は、実験動物の管理と使用に関する指針に準拠し、施設の動物実験委員会によって承認された。メスのスプラーグドーリーラット(130~150g)を、標準ケージに収容し、標準的な市販飼料および水に自由にアクセスでき、温度と湿度が制御された部屋で、12時間の明暗サイクルを交互に繰り返しながら、飼育した。Mn-54標識化キレートを注射する前に、吸入される3%イソフルラン(Isofluorane)(EZ Anesthesia Systems)を介してラットに麻酔をかけた。注射部位をアルコールワイプで準備し、一時的な27Gaカテーテルを尾静脈に配置した。非放射性Mnキレートを用いて調合した約30μCiのMn-54標識化キレートを、0.620mmolの非放射性Mnキレート/kgで2mL/kgの注入量で投薬し、1mL/分の速度で注射した。注射後、最初の尿が排泄された尿が採取されるまで、濾紙を敷いた金網底のケージに動物を個別に収容した。その後、ラットを標準的な長期飼育ケージで同居させた。注射後7日目に、動物をCO2浸漬により屠殺し、目的の臓器と組織を取り出し、Wizard 2480ガンマカウンターを使用して、放射能をアッセイした(表2)。
[実施例26]
ヒト血清中のマンガンキレートからのマンガンの解離を測定するために、以下の方法を使用した。
ヒト血清中のマンガンキレートからのマンガンの解離を測定するために、以下の方法を使用した。
凝固した血液から得られたヒト血清(Sigma-Aldrich、1900μL)に、マンガンキレートの水溶液(2mM、100μL)を加えた。混合物を37℃でインキュベートした。特定の時点で、200μLの試験試料の分割量を生理食塩水(400μL)と混合し、サイズ排除クロマトグラフィー(分離範囲5000~500 000ダルトンのカラムを備えた金属フリーHPLC)とICP-SF-MSによるマンガン含有種のオンライン検出とを組み合わせて分析した。脱キレート化の割合を、高分子量(タンパク質)画分の面積%として測定した。一定時間ごとに、EDTA溶液をシステムに流し、バックグラウンドの金属イオンが確実に低レベルであるようにした。ヒト血清を酢酸Mn(II)とインキュベートして、注入し、クロマトグラムの高分子量領域におけるMn結合成分の位置を同定した。
図10は、よりゆっくりと溶出する低分子量画分における完全なマンガンキレートからのタンパク質に結合したマンガンのクロマトグラフィー分離を示す。
このアッセイでは、Mnキレート-5の4つの異なる立体異性体(RR、SS、SR、およびRS)を分析した。表3は、実験開始後3、24、49時間の時点におけるタンパク質に結合したマンガンを定量的に検出することにより測定した脱キレート化の割合を示す。
Claims (27)
- 式IAの化合物:
式中、
各R1は、ハロおよび-C(=O)-NH-C1~6ヒドロキシアルキルから選択される1もしくは複数の置換基で任意選択で置換されたC1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルもしくはC3~6アリール、または炭水化物部分から独立して選択され;
各R2は、C1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルまたは水素から独立して選択され;
R3は、C1~3アルキルまたは-(CH2)m-C(=0)-NR5R6から選択され、ここでmは2~5の整数、ここでR5およびR6は水素から、ハロおよび-C(=O)-NH-C1~6ヒドロキシアルキルから選択される1もしくは複数の置換基で任意選択で置換されたC1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルもしくはC3~6アリール、または炭水化物部分から独立して選択され;
R4は、ヒドロキシ、C1~6アルキルおよびC1~6ヒドロキシアルキルから選択される0~3個の置換基を表し;ならびに、
各nは0~4の整数である、化合物またはその塩もしくは溶媒和物。 - 少なくとも2個のヒドロキシ基を含む、請求項1に記載の化合物。
- 式IAの化合物である、請求項1に記載の化合物。
- 式IAの化合物であり、
各R1はC1~20ヒドロキシアルキルであり;
R3はメチルであり;
R2およびR4は水素であり;ならびに
nは2である、請求項1に記載の化合物。 - 各R1は、C1~20ヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物。
- R3はメチルである、請求項1に記載の化合物。
- R2およびR4は水素である、請求項1に記載の化合物。
- nは2である、請求項1に記載の化合物。
- 各R1は、独立してC3~9ヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物。
- 各R1は、独立してC3~6ヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物。
- 式IAの化合物:
式中、
各R1は、ハロおよび-C(=O)-NH-C1~6ヒドロキシアルキルから選択される1もしくは複数の置換基で任意選択で置換されたC1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルもしくはC3~6アリール、または炭水化物部分から独立して選択され;
各R2は、C1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルまたは水素から独立して選択され;
R3は、C1~3アルキルまたは-(CH2)m-C(=0)-NR5R6から選択され、ここでmは2~5の整数、ここでR5およびR6は水素から、ハロおよび-C(=O)-NH-C1~6ヒドロキシアルキルから選択される1もしくは複数の置換基で任意選択で置換されたC1~20ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルもしくはC3~6アリール、または炭水化物部分から独立して選択され;
R4は、ヒドロキシ、C1~6アルキルおよびC1~6ヒドロキシアルキルから選択される0~3個の置換基を表し;ならびに、
各nは0~4の整数である、組成物。 - 前記式IAの化合物は、少なくとも2個のヒドロキシ基を含む、請求項11に記載の組成物。
- (R,R)および(S,S)の立体化学を有するMnキレートをさらに含む、請求項11に記載の組成物。
- 各R1は、C1~20ヒドロキシアルキルである、請求項11に記載の組成物。
- R3はメチルである、請求項11に記載の組成物。
- R2およびR4は水素である、請求項11に記載の組成物。
- nは2である、請求項11に記載の組成物。
- 各R1は、独立してC3~9ヒドロキシアルキルである、請求項11に記載の組成物。
- 各R1は、独立してC3~6ヒドロキシアルキルである、請求項11に記載の組成物。
- 患者を画像化する方法であって、それを必要とする患者に請求項1に記載の化合物を投与した後、患者のMRI画像を取得するステップを含む方法。
- 患者を画像化する方法であって、それを必要とする患者に請求項11に記載の組成物を投与した後、患者のMRI画像を取得するステップを含む方法。
- 請求項1に記載の式(IA)の化合物のエナンチオ選択的合成の方法であって、
(a)5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)の第1のエナンチオマーを使用して、式(III)の化合物をモノアルキル化するステップと、
(c)ステップ(b)の生成物をMnと反応させるステップと、
(d)ステップ(c)の生成物をアミノアルコールと反応させるステップと、
を含む方法。 - 請求項11に記載の式(IA)の化合物を含む組成物のエナンチオ選択的合成の方法であって、
(a)5-ベンジル1-tert-ブチル2-(メチルスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(pentanedioate)の第1のエナンチオマーを使用して、式(III)の化合物をモノアルキル化するステップと、
(c)ステップ(b)の生成物をMnと反応させるステップと、
(d)ステップ(c)の生成物をアミノアルコールと反応させるステップと、
を含む方法。 - 前記方法によって式(IA)の化合物を含む組成物が得られる、請求項24に記載の組成物。
- 前記得られた組成物は、検出可能な量の式(IB)の化合物を欠いている、請求項26に記載の方法。
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-
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