JP2021506814A - 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解 - Google Patents

安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解 Download PDF

Info

Publication number
JP2021506814A
JP2021506814A JP2020532803A JP2020532803A JP2021506814A JP 2021506814 A JP2021506814 A JP 2021506814A JP 2020532803 A JP2020532803 A JP 2020532803A JP 2020532803 A JP2020532803 A JP 2020532803A JP 2021506814 A JP2021506814 A JP 2021506814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
protein
amino acid
seq
staple
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020532803A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019118893A5 (ja
Inventor
リダ モルタダ,
リダ モルタダ,
ヘンリー ディー. ハース,
ヘンリー ディー. ハース,
ローレン ディー. ワレンスキー,
ローレン ディー. ワレンスキー,
グレゴリー エイチ. バード,
グレゴリー エイチ. バード,
アン モーリン モーガン,
アン モーリン モーガン,
ジェイムズ イー. ブラッドナー,
ジェイムズ イー. ブラッドナー,
Original Assignee
デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド, デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド filed Critical デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
Publication of JP2021506814A publication Critical patent/JP2021506814A/ja
Publication of JPWO2019118893A5 publication Critical patent/JPWO2019118893A5/ja
Priority to JP2023096835A priority Critical patent/JP2023107892A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/54Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound
    • A61K47/545Heterocyclic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

本出願は、疾患関連タンパク質に結合するステープルペプチドを、小分子デグロン例えばデグロンとしてのセレブロンまたはVHL結合小分子、またはポリペプチド配列デグロン例えばデグロンとしてのCop1結合Tribペプチドと組み合わせることによって;またはステープルペプチドデグロンを、ペプチド例えばステープルペプチド、または疾患関連タンパク質に結合する小分子と組み合わせることによってタンパク質分解誘発部分として作用するステープルペプチドデグロンキメラを記載する。本出願はまた、ステープルペプチドデグロンキメラを使用することによる内因性タンパク質の標的分解の方法であって、増殖性障害または他の状態の処置において利用し得ることによって疾患の原因、または疾患関連タンパク質が消失し、治療利益を有し得るる方法に関する。本出願はまた本出願の化合物およびその中間体を作製するための方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月15日に出願された米国仮出願第62/599,608号に基づく優先権を主張し、この仮出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本開示は、タンパク質を標的とする部分(ステープルペプチドまたは分子部分によって)およびタンパク質分解誘発部分(別のステープルペプチドまたは分子部分によって)の組合せとして働く、ステープルペプチドデグロンキメラと称される安定化ペプチドおよび小分子キメラ化合物に関する。キメラは、(i)小分子デグロン(例えば、デグロンとしての、セレブロンまたはVHL結合小分子)、(ii)ポリペプチド配列デグロン、(iii)デグロンとしてのステープルペプチド、または(iv)タンパク質を標的とする化合物としての小分子(デグロンとしての役割を果たすステープルペプチドを含む)のいずれかに融合したステープルペプチドを含み、本開示は、これらの使用方法に関する。
背景
デグロンは、その分解において主要な役割を果たすタンパク質の一部である。デグロンは、タンパク質配列のどこにでも位置することができる、通常短いアミノ酸配列である(Cho et al., Genes & Development, 24 (5): 438-442 (2010);Fortmann et al., Journal of Molecular Biology, 427 (17): 2748-2756 (2015);Dohmen et al., Science, 263(5151):1273-1276 (1994);Varshavsky, Proceedings of the National Academy of Sciences, 93 (22):12142-12149 (1996))。実際、一部のタンパク質は、複数のデグロンを有する。デグロンは、原核細胞と真核細胞の両方で識別されている。いくつかのタイプのデグロンが存在するが、これらのグループ内での変異性が高いという事実にもかかわらず、デグロンは、タンパク質分解速度の調節においてこれらが関与することに関して全てが類似している。分解にはユビキチンが関与する場合があるか、または分解はユビキチン非依存性の場合がある。ユビキチン依存性であるデグロンは、同種のユビキチンE3リガーゼによって認識される特定の配列を含む。
ユビキチンプロテアソーム経路(UPP)は、主要なレギュレータータンパク質を調節し、ミスフォールドまたは異常タンパク質を分解する主要な経路である。特定のタンパク質基質へのユビキチンの共有結合は、E3ユビキチンリガーゼの作用を介して達成される。例えば、セレブロン(CRBN)は、損傷を受けたDNA結合タンパク質1(DDB1)と相互作用し、Cullin4(CUL4A)とともにE3ユビキチンリガーゼ複合体を形成し、その後、基質受容体として機能し、CRBNによって認識されるタンパク質をユビキチン化し、プロテアソームによって分解することができるようにする。CRBNは、サリドマイドなどの免疫調節薬(IMiD)と結合することも識別されている。そのような結合は、多発性骨髄腫を処置するために使用するレナリドミドなどのIMiDの催奇形性機序と、また細胞毒性と関連している。
Cho et al., Genes & Development, 24 (5): 438-442 (2010) Fortmann et al., Journal of Molecular Biology, 427 (17): 2748-2756 (2015) Dohmen et al., Science, 263(5151):1273-1276 (1994) Varshavsky, Proceedings of the National Academy of Sciences, 93 (22):12142-12149 (1996)
要旨
本開示は、目的の任意のタンパク質を標的とするために使用することができる二官能性安定化ペプチド−小分子(例えば、サリドマイドデグロン)コンジュゲート、安定化ペプチド−ペプチド(例えば、一次デグロン配列)コンジュゲート、安定化ペプチド−安定化ペプチド(例えば一次デグロン配列)コンジュゲート、および小分子−安定化ペプチド(例えば一次デグロン配列)コンジュゲート(これらのコンジュゲートは、「キメラ」とも称される)の合成および特性評価に関する。例えば、これらのコンジュゲートは、疾患に関与するまたはその原因となるタンパク質を標的とするため有用である。標的とするタンパク質は、ウイルス、細菌、動物、またはヒト起源であってもよい。ある特定の場合では、コンジュゲートは、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質を標的とするために有用である。そのような安定化ペプチドコンジュゲートは、そのような病理学的タンパク質によって引き起こされる疾患を処置するために有用である。大きくかつ通常新薬の開発につなげることができないタンパク質相互作用表面を標的とするステープルペプチドの能力は、デグロンの機能性と連動して、小分子の範囲を超えてデグロン技術の有用性を拡大し、ステープルペプチドの生物活性を強化することができる。
第1の態様では、本開示は、タンパク質を標的とするステープルペプチドおよび小分子デグロン部分(例えば、サリドマイド部分またはフォンヒッペルリンダウ(VHL)部分)を含むペプチド−小分子融合物を特徴とする。
一部の実施形態では、小分子デグロン(例えば、サリドマイド部分またはVHL部分)は、タンパク質を標的とするステープルペプチドのN末端にコンジュゲートしている。一部の場合では、小分子デグロン(例えば、サリドマイド部分またはVHL部分)は、タンパク質を標的とするステープルペプチドのC末端にコンジュゲートしている。ある特定の場合では、小分子デグロン(例えば、サリドマイド部分またはVHL部分)は、タンパク質を標的とするステープルペプチドのN末端とC末端との間のペプチド配列中に挿入された非天然アミノ酸内に含まれる。一部の場合では、ステープルペプチドは、疾患の原因となるタンパク質に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドは細胞内タンパク質に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドは細胞外タンパク質に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドは細胞表面タンパク質(例えば、受容体)に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドは、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、ヘモグロビン(鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドは、BCL2、BCLX、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、b−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドは細菌性タンパク質に結合する。一部の場合では、ステープルペプチドはウイルス性タンパク質に結合する。ある特定の場合では、サリドマイド部分は、以下に示す構造を含む。
一部の場合では、サリドマイド部分は、安定化ペプチドのN末端においてコンジュゲートする場合、以下に示す構造を含む。
一部の場合では、サリドマイド部分は、安定化ペプチドのC末端においてコンジュゲートする場合、以下に示す構造を含む。
一部の場合では、VHL部分は以下の構造を含む。
一部の場合では、VHL部分は以下の構造を含む。
第2の態様では、本開示は、病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とするヒト対象において処置する方法を特徴とする。方法は、本明細書において記載する治療有効量のペプチド小分子融合物をヒト対象に投与することを含む。
第3の態様では、本開示は、WD40リピートタンパク質に結合するペプチドデグロンであって、WD40リピートタンパク質がE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるペプチドデグロンを特徴とする。ペプチドは、WD40リピートタンパク質に結合するアミノ酸配列の天然結合配列または天然結合コンセンサス配列の改変型を含む。改変型は、WD40リピートタンパク質に結合するアミノ酸配列の天然結合コンセンサス配列内に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含む。WD40リピートタンパク質に結合するアミノ酸配列の天然結合配列または天然結合コンセンサス配列の改変型を含む例示的なペプチドは、配列番号26〜30および106〜118として提供される。1つの例示の例では、本開示は、構成的光形態形成1(Cop1)タンパク質に結合するペプチドを提供する。ペプチドは、アミノ酸配列DQIVPEY(配列番号25)の改変型を含む。改変型は、配列番号25中に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含む。改変型が単一のアミノ酸置換からなる場合、アミノ酸置換は、配列番号25の1から7位のうちのいずれか1つのAまたはRに対しても、配列番号25の4位のVに対しても行われていない。
一部の実施形態では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の場合では、ペプチドは、1から6個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、配列番号25の4位(V)および/または5位(P)は置換されていない。一部の場合では、配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)の1個または複数は置換されている。一部の場合では、ペプチドは、1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の場合では、配列番号25に記載のアミノ酸配列の7位(Y)は欠失している。一部の場合では、ペプチドは、1から6個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、配列番号26から30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。一例では、ペプチドは、配列番号30に記載のアミノ酸配列を有する。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、4から10個のアミノ酸長である。
一部の場合では、ペプチドは、1nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する。一部の場合では、ペプチドは、1nMから1000nMの結合親和性でCop1に結合する。一部の場合では、ペプチドは、10nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する。一部の場合では、ペプチドは、100nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する。一部の場合では、ペプチドは、200nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する。一部の場合では、ペプチドは、200nMから1000nMの結合親和性でCop1に結合する。
第4の態様では、本開示は、タンパク質を標的とするステープルペプチドおよびTrib1ペプチドデグロンまたはそのバリアントを含むキメラ融合ポリペプチドに関する。
一部の実施形態では、ステープルペプチドは細胞内タンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは細胞外タンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは細胞表面タンパク質(例えば、受容体)に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは細菌性タンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドはウイルス性タンパク質に結合する。
第5の態様では、本開示は、ステープルペプチドと、WD40リピートタンパク質に結合するペプチドとを含むキメラポリペプチドであって、WD40リピートタンパク質がE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである、キメラポリペプチドを特徴とする。ペプチドは、WD40リピートタンパク質に結合するアミノ酸配列の天然結合配列または天然結合コンセンサス配列の改変型を含む。改変型は、WD40リピートタンパク質に結合するアミノ酸配列の天然結合コンセンサス配列内に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含む。
一部の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質は、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される。
一部の実施形態では、天然結合配列または天然結合コンセンサス配列は、配列番号25、31〜46、および65〜105からなる群から選択される配列である。一部の場合では、天然結合コンセンサス配列は配列番号25である。他の場合では、天然結合コンセンサス配列は配列番号46である。
一部の実施形態では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の場合では、ペプチドは、1から6個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、配列番号25の4位(V)および/または5位(P)は置換されていない。一部の場合では、配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)のうちの1個または複数は置換されている。一部の場合では、ペプチドは、1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の場合では、配列番号25に記載のアミノ酸配列の7位(Y)は欠失している。一部の場合では、ペプチドは、1から6個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、配列番号26から30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。一例では、ペプチドは、配列番号30に記載のアミノ酸配列を有する。
ある特定の実施形態では、ペプチドは4から30個のアミノ酸長である。ある特定の実施形態では、ペプチドは4から20個のアミノ酸長である。ある特定の実施形態では、ペプチドは4から15個のアミノ酸長である。ある特定の実施形態では、ペプチドは5から20個のアミノ酸長である。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、1nMから300nM;10nMから300nM;100nMから300nM;または200nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する。ある特定の実施形態では、ペプチドは、1nMから1000nMの結合親和性でCop1に結合する。ある特定の実施形態では、ペプチドは、200nMから1000nMの結合親和性でCop1に結合する。
一部の実施形態では、ステープルペプチドは細胞内タンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは細胞外タンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは細胞表面タンパク質(例えば、受容体)に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドは細菌性タンパク質に結合する。一部の実施形態では、ステープルペプチドはウイルス性タンパク質に結合する。ある特定の場合では、ステープルペプチドは、神経変性の原因となるタンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)を標的とする。
第6の態様では、本開示は、構造的に不規則な領域を含む第1のタンパク質の改変タンパク質を特徴とする。改変タンパク質は、構造的に不規則な領域が、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質に結合するペプチドを含む点で第1のタンパク質と異なる。ペプチドは、天然結合コンセンサス配列の改変型を含み、改変型は、天然結合コンセンサス配列内に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含む。
ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質は、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される。一部の場合では、天然結合コンセンサス配列は、配列番号25、31〜46、および65〜105からなる群から選択される配列である。一部の場合では、天然結合コンセンサス配列は配列番号25である。一部の場合では、天然結合コンセンサス配列は配列番号46である。
一部の実施形態では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の場合では、ペプチドは、1から6個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、配列番号25の4位(V)および/または5位(P)は置換されていない。一部の場合では、配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)のうちの1個または複数は置換されている。一部の場合では、ペプチドは、1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。ある特定の場合では、配列番号25に記載のアミノ酸配列の7位(Y)は欠失している。一部の場合では、ペプチドは、1から6個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。一部の場合では、ペプチドは、配列番号26から30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。一例では、ペプチドは、配列番号30に記載のアミノ酸配列を有する。
ある特定の実施形態では、ペプチドは4から10個のアミノ酸長である。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、1nMから300nM;10nMから300nM;100nMから300nM;または200nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する。ある特定の実施形態では、ペプチドは、1nMから1000nMの結合親和性でCop1に結合する。ある特定の実施形態では、ペプチドは、200nMから1000nMの結合親和性でCop1に結合する。
第7の態様では、本開示は、病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とするヒト対象において処置する方法を特徴とする。方法は、本明細書において記載する治療有効量のキメラ融合ポリペプチドをヒト対象に投与することを含む。
第8の態様では、本開示は、配列番号106から118からなる群から選択されるペプチドデグロンを特徴とする。
一部の実施形態では、これらのペプチドは安定化ペプチドに連結している。
第9の態様では、本開示は、配列番号119から126からなる群から選択される安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラを提供する。
上記全ての態様のある特定の実施形態では、安定化ペプチド−デグロンキメラは、BCL2、BCLX、BCL、MCL−1、BFL−1、BAX、MDM2、またはMDMXのうちのいずれか1個または複数の分解を標的とするために使用する。
第10の態様では、本開示は、第1の安定化ペプチドおよび第2の安定化ペプチドの2個の安定化ペプチドを含み、第1の安定化ペプチドが、分解されることになる標的タンパク質である第1のタンパク質に結合し、第2の安定化ペプチドが、分解誘導タンパク質(degrader protein)である第2のタンパク質に結合する、安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラを提供する。ある特定の実施形態では、第1の安定化ペプチドは、分解の標的である疾患に関連するタンパク質に結合し、第2の安定化ペプチドは、分解誘導タンパク質、例えばE3リガーゼ(例えばMDM2)に結合する。
一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞内タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞外タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞表面タンパク質(例えば、受容体)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細菌性タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質はウイルス性タンパク質である。ある特定の場合では、第1のタンパク質は、神経変性の原因となるタンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)である。
ある特定の実施形態では、第1の安定化ペプチドは、配列番号1〜24、および134のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号6に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号18に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えばE3ユビキチンリガーゼ、またはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、E3ユビキチンリガーゼである。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、E3リガーゼ(例えば、MDM2)またはE3リガーゼと複合体を形成するタンパク質、例えばMDM2に結合するMDMXに結合する。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RING E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Mdm2−MdmX、TRIM5α、c−CBL、cIAP、RNF4、BIRC7、IDOL、BRCA1−BARD1、RING1B−Bmi1、E4B、CHIP、Prp19)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、HECT E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Smurf1、Smurf2、Itch、E6AP)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RBR E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Parkin、Parc、RNF144(A/B)、HOIP、HHARI)である。例えば、E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例に関しては、Morreale and Walden, Cell 165, 2016 DOI http:/dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.03.003を参照されたい。
ある特定の実施形態では、キメラの第2の安定化ペプチド部分は、配列番号134に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号6に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号18に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。
第11の態様では、本開示は、小分子および安定化ペプチドを含む小分子−安定化ペプチドデグロンキメラであって、小分子が、分解されることになる標的タンパク質である第1のタンパク質に結合し、安定化ペプチドが、第2のタンパク質である分解誘導タンパク質に結合する、小分子−安定化ペプチドデグロンキメラを提供する。ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、E3リガーゼ(例えばMDM2)のような分解誘導タンパク質、または分解誘導タンパク質複合体、例えばMDM2/MDMX複合体に結合し、動員する(recruit)。
一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞内タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞外タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞表面タンパク質(例えば、受容体)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細菌性タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質はウイルス性タンパク質である。ある特定の場合では、第1のタンパク質は、タンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)である。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えばE3ユビキチンリガーゼ、またはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、E3リガーゼ(例えば、MDM2)またはE3リガーゼと複合体を形成するタンパク質、例えばMDM2に結合するMDMXに結合する。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RING E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Mdm2−MdmX、TRIM5α、c−CBL、cIAP、RNF4、BIRC7、IDOL、BRCA1−BARD1、RING1B−Bmi1、E4B、CHIP、Prp19)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、HECT E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Smurf1、Smurf2、Itch、E6AP)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RBR E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Parkin、Parc、RNF144(A/B)、HOIP、HHARI)である。例えば、E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例に関しては、Morreale and Walden, Cell 165, 2016 DOI http:/dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.03.003を参照されたい。
第12の態様では、本開示は、第2の部分に結合している第1の部分を含むキメラであって、第1の部分が、分解の標的とされる第1のタンパク質に結合し、第2の部分が、第2のタンパク質に結合し、第2のタンパク質がタンパク質分解誘導薬である、キメラを提供する。
ある特定の態様では、第1の部分および第2の部分は、互いに共有結合している。ある特定の態様では、第1の部分および第2の部分は、リンカーを介して互いに結合している。
一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞内タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞外タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞表面タンパク質(例えば、受容体)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細菌性タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質はウイルス性タンパク質である。ある特定の場合では、第1のタンパク質は、タンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)である。
ある特定の場合では、第1の部分は、分解の標的とされる第1のタンパク質に結合する第1のステープルペプチドを含む。ある特定の場合では、第1の部分は、分解の標的とされる第1のタンパク質に結合する小分子を含む。ある特定の場合では、第2の部分は、第2のタンパク質、例えばタンパク質分解誘導薬に結合する第2のステープルペプチドを含む。ある特定の場合では、第2の部分は、第2のタンパク質、例えばタンパク質分解誘導薬に結合する小分子を含む。ある特定の場合では、第2の部分は、タンパク質分解誘導薬に結合するペプチドデグロンを含む。ある特定の場合では、第1の部分は、第1のタンパク質に結合する第1のステープルペプチドを含み、第2の部分は、第2のタンパク質に結合する第2のステープルペプチドを含む。ある特定の場合では、第1の部分は、第1のタンパク質に結合する第1のステープルペプチドを含み、第2の部分は、第2のタンパク質に結合する小分子を含む。ある特定の場合では、第1の部分は、第1のタンパク質に結合する第1のステープルペプチドを含み、第2の部分は、タンパク質分解誘導薬に結合するペプチドデグロンを含む。ある特定の場合では、第1の部分は、第1のタンパク質に結合する小分子を含み、第2の部分は、第2のタンパク質に結合するステープルペプチドを含む。
第1の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、ステープルペプチドは、Bcl−2ホモロジー3(BH3)ドメインポリペプチドを含まない。第1の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、ステープルペプチドは、(a)MCL−1由来のBcl−2ホモロジー3ドメイン、(b)BCL2ドメインのMCL−1安定化アルファヘリックス、または(c)MCL−1SAHBDも含まない。
第1の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、第2の部分は、第1の部分のN末端に結合している。第1の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、第2の部分は、第1の部分のC末端に結合している。第1の部分が第1のステープルペプチドである、ある特定の場合では、第2の部分は、第1の部分の内部アミノ酸位置に結合している。
第2の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、第1の部分は、第2の部分のN末端に結合している。第2の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、第1の部分は、第2の部分のC末端に結合している。第2の部分がステープルペプチドである、ある特定の場合では、第1の部分は、第2の部分の内部アミノ酸位置に結合している。
一部の態様では、タンパク質分解誘導薬は、分解の標的とされる第1のタンパク質を分解する。
第13の態様では、本開示は、病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とする対象において処置する方法であって、本明細書において記載する治療有効量のキメラを対象に投与することを含む方法を提供する。
特に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載するものと同様のまたは同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および材料を以下に記載する。本明細書において記載する全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含む本出願がコントロールすることになる。材料、方法、および例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、代表的な一連のステープルペプチド配列に関するペプチド配列およびデグロンタイプ/位置を提供する。1列目のアミノ酸配列には、配列番号1〜24が割り当てられている。表記されているとおり、#=N末端AcまたはデグロンAhx;表記されているとおり、%=C末端Lys(ivdde)またはLys(デグロン);X=S−ペンテニルアラニン;8=R−オクテニルアラニン;B=ノルロイシン;*(アミノ酸配列内の)=シクロブチルアラニン(ivdde=1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル) 図2は、図1に示すステープルペプチドデグロンを得るために、樹脂結合第1級アミンにカップリングされたカルボキシデグロンサリドマイド部分を示す。 図3は、ペプチドへの側鎖コンジュゲートリシン連結であるC末端デグロン含有部分を示す。 図4は、ペプチドへのアミノヘキサン酸連結であるN末端デグロン含有部分を示す。 図5は、酸またはアミンにカップリングするために使用するジアミノブタン酸(「DAB」)の構造ならびにTHALおよびVHLリガンドに関する化学構造を示す。 図6は、さまざまなリンカー(Gly、βAla、およびリンカー1〜8)の構造を示す。 図7は、それによってジアミノブタン酸がステープルペプチドに組み込まれ、小分子デグロンに結合されており、さまざまな組成および長さのリンカーが導入され、小分子またはペプチドデグロン(THAL、TRIB、またはVHL)からステープルペプチドが分離されている、一連のステープルペプチドデグロンキメラを示す。図7で図示するステープルペプチド配列は、IWIA%ELRXIGDXFNAYYARR(配列番号127)、IWIAQELRXIGDXFN%YYARR(配列番号128)、LTF8%YWAQLXSAA(配列番号129)、LTF8EYWAQLX%AA(配列番号130);および%TF8EYWAQLXSAA(配列番号131)であり、%は図で示され、8は(R)−2−(7−オクテニル)アラニンであり、Xは(S)−2−(4−ペンテニル)アラニンである。 図8は、競合的蛍光偏光アッセイによってモニターした場合の、組換えセレブロンへの結合を保持するための、サリドマイドデグロンに連結したステープルペプチドから構成されるステープルペプチドデグロンキメラの能力を示す。レナリドミドは、実験のための陽性対照としての役割を果たす。配列:#QLTAARLKXLGDXLHQRTBWR%(配列番号11);#AELEVESATQLRXFGDXLNFRQKLL%(配列番号12);および#RRFFGIXLTNXLKTEEGN%(配列番号3)(ここで、Xは(S)−2−(4−ペンテニル)アラニンであり、#および%は図に記載するとおりである)。「N末端Ac」=N末端アセチル化;Lys(ivDde)=N−α−Fmoc−N−ε−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル−L−リシン;「Lys−デグロン」=図3で図示する構造;「N末端デグロンAhx」=図4で図示する構造。 図9A〜9Iは、ステープルペプチドデグロンキメラは細胞に侵入し、dBET6と競合してセレブロンと相互作用し、誘発されるGFP−BRD4分解を阻害できることを示す。配列:#RRFFGIXLTNXLKTEEGN%(配列番号3);#FSSNRXKILXRTQILNQEWKQRRIQPV%(配列番号2);#NLWAAQRYGRELRXBSDXFVDSFKK%(配列番号10);#LSQEQLEHRERSLXTLRXIQRBLF%(配列番号5);および#NLWAAQRYGRELRXBDDXFVDSFKK%(配列番号9)(ここで、Xは(S)−2−(4−ペンテニル)アラニンであり、#および%は、図に記載するとおりである)。「N末端Ac」=N末端アセチル化;Lys(ivDde)=N−α−Fmoc−N−ε−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル−L−リシン;「Lys−デグロン」=図3で図示する構造;「“N末端デグロンAhx」=図4で図示する構造。 図9A〜9Iは、ステープルペプチドデグロンキメラは細胞に侵入し、dBET6と競合してセレブロンと相互作用し、誘発されるGFP−BRD4分解を阻害できることを示す。配列:#RRFFGIXLTNXLKTEEGN%(配列番号3);#FSSNRXKILXRTQILNQEWKQRRIQPV%(配列番号2);#NLWAAQRYGRELRXBSDXFVDSFKK%(配列番号10);#LSQEQLEHRERSLXTLRXIQRBLF%(配列番号5);および#NLWAAQRYGRELRXBDDXFVDSFKK%(配列番号9)(ここで、Xは(S)−2−(4−ペンテニル)アラニンであり、#および%は、図に記載するとおりである)。「N末端Ac」=N末端アセチル化;Lys(ivDde)=N−α−Fmoc−N−ε−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル−L−リシン;「Lys−デグロン」=図3で図示する構造;「“N末端デグロンAhx」=図4で図示する構造。 図10は、BIM−C末端デグロンは、A375P黒色腫細胞系に10μMの濃度で添加した場合に、MCL−1の分解を誘発することを示す。BIM−C末端デグロンは#IWIAQELRXIGDXFNAYYARR%(配列番号134;#=N末端Ac;%=Lys−デグロン(Lys−デグロンの構造に関しては図3を参照のこと))である。 図11は、抗MDM2ウエスタン分析によって評価した場合、MDM2/MDMXを標的とするステープルペプチド(「ATSP」)およびサリドマイドデグロン部分から構成されるステープルペプチドデグロン(1μM)キメラのパネルで処置されたSJSA−1細胞は、ATSP−7041単独で処置された細胞と比較して、がん細胞においてMDM2レベルが低いことが実証されることを示す。アクチンは負荷対照を表す。配列:LTF8EYWAQLX%AA(配列番号130)およびLTF8EYWAQ#XSAA(配列番号6)。リンカー1、2、3、および5は図6で図示するとおりである。 図12は、SJSA−1細胞を、MDM2/MDMXを標的とするステープルペプチド(「ATSP」)、異なるリンカー、およびサリドマイドデグロンから構成されるステープルペプチドデグロンキメラのパネルで処置すると、最も強力な細胞毒性活性を示す「5−L5」(LTF8EYWAQLX%AA(配列番号130)(ここで%はDAB/リンカー5/THALである)で、がん細胞の細胞生存率が可変的に低下することを示す(左)。異なるリンカーを有するある特定の組成物は、細胞活性を示さない(右)。リンカー1〜5は図5で図示するとおりである。 図13は、Trib1由来の配列を有するMDM2p60アイソフォームの遺伝子改変が、293T細胞におけるMyc標識MDM2p60キメラ構築物の発現を使用してCop1−介在性分解をどのようにもたらすかを示す。MDM2内の天然ペプチド配列GFDVPD(配列番号26)は、表記される配列(レーン3:配列番号27;レーン4:配列番号28;レーン5:配列番号29;およびレーン6:配列番号30)によって置き換えられる。天然配列を突然変異体配列DQIVPD(配列番号30)で置き換えると、Cop1タンパク質によるp60キメラタンパク質の破壊が生じる。下部パネル:Cop1負荷対照。 図14は、293T細胞からの共免疫沈降によって評価した場合の、Myc標識MDM2p60突然変異体構築物のCop1に対する結合を示す。配列:GFDVPD(配列番号26);GFDAAD(配列番号27);GNDVPD(配列番号28);PQTVPD(配列番号29);およびDQIVPD(配列番号30)。 図15は、標的とされるTrib−デグロン介在性タンパク質分解の活性を評価するために作製されたSAH+Tribペプチド配列を提供する。ステープルペプチドキメラ配列には、配列番号119〜126が割り当てられる。 図16は、TRIB配列をモデルとしたペプチドデグロンおよびアミンまたは酸にカップリングさせるためにその中に組み込まれた適切な部分の構造を示す。 図17は、抗MDM2ウエスタン分析によって評価した場合、SJSA−1またはSJSA−X細胞を、MDM2/MDMXを標的とするステープルペプチド(例えばATSP−7041様ステープルp53ペプチド)およびTRIBデグロン部分から構成されるステープルペプチドデグロンキメラのパネル(20μM)で処置すると、ATSP−7041単独(1μM)で処置されたものと比較して、がん細胞におけるMDM2レベルが明らかに可変的に減少したことを示す。アクチンは負荷対照を表す。配列:LTF8EYWAQ#XSAA(配列番号6)およびLTF8%YWAQLXSAA(配列番号129)。 図18は、SJSA−1またはSJSA−X細胞を、MDM2/MDMXを標的とするステープルペプチド(例えばATSP−7041様ステープルp53ペプチド)およびTRIBデグロンから構成されるステープルペプチドデグロンキメラのパネルで処置すると、がん細胞の細胞生存率が可変的に低下することを示す。配列:LTF8%YWAQLXSAA(配列番号129)。 図19は、抗MDM2ウエスタン分析によって評価した場合、SJSA−1またはSJSA−X細胞を、MDM2/MDMXを標的とするステープルペプチド(例えばATSP−7041様ステープルp53ペプチド)およびVHLデグロン部分から構成されるステープルペプチドデグロンキメラのパネル(1μM)で処置すると、ATSP−7041単独で処置されたものと比較して、がん細胞におけるMDM2レベルが明らかに可変的に減少したことを示す。アクチンは負荷対照を表す。配列:LTF8EYWAQ#XSAA(配列番号6)およびLTF8EYWAQLX%AA(配列番号130)。 図20は、SJSA−1またはSJSA−X細胞を、MDM2/MDMXを標的とするステープルペプチド(例えばATSP−7041様ステープルp53ペプチド)およびVHLデグロンから構成されるステープルペプチドデグロンキメラのパネルで処置すると、がん細胞の細胞生存率が可変的に低下することを示す。配列:%TF8EYWAQLXSAA(配列番号131)およびLTF8EYWAQLX%AA(配列番号130)。 図21は、1個のステープルペプチドおよびもう1個のステープルペプチドを含む例示的なステープルペプチドデグロンキメラの構造を示す。1個のステープルペプチドは、目的のタンパク質(例えば、目的の疾患に関連するタンパク質)を標的とし、もう1個のステープルペプチドは分解誘導タンパク質(例えば、ステープルペプチドATSP−7041(配列番号6、MDM2に結合するため)に結合する。同じステープルペプチドの2個のコピーを含むステープルペプチドデグロンキメラの例も図示しており、ステープルペプチドは、分解誘導タンパク質である目的のタンパク質(例えば、目的の疾患に関連するタンパク質)を標的とし、ステープルペプチドデグロンキメラが標的タンパク質に結合した際に、タンパク質の二量化および自己分解が結果として誘発され得るようにする。図示する各例では、2個のステープルペプチドは、可変長のリンカーによって連結されている(例えば、例示的なリンカーに関しては図6を参照のこと)。左カラム(上部から下部まで):配列番号1〜5、132、7〜10、133、および12。右列:配列番号134。 図22は、E1、E2、および組換えMDM2を含むユビキチン化マシナリーを、組換えMCL−1、ならびにMDM2およびMCL−1に結合するステープルペプチドデグロンキメラとインキュベートすると、MDM2によるMCL−1(アミノ酸1〜327)のユビキチン化が誘発されることを示す。 図23は、ステープルペプチドデグロンキメラの構造を示す。ステープルペプチド(ATSP−7041(LTF8EYWAQ#XSAA(配列番号6))は、分解誘導タンパク質(MDM2)に結合し、それを動員するために組み込まれ、小分子(JQ1)は、疾患に関連するタンパク質(BRD4)に結合するために含まれる。 図24は、E1、E2、およびMDM2を含むユビキチン化マシナリーを、組換えBRD4種(例えば、アミノ酸342〜460;アミノ酸49〜170)、およびMDM2(例えば、ステープルp53ペプチドATSP−7041)およびBRD4(例えば小分子JQ1)に結合し、リンカーが2個のベータ−アラニンアミノ酸から構成されたステープルペプチドデグロンキメラとインキュベートすると、MDM2による2つの異なる領域におけるBRD4のユビキチン化を誘発できることを示す。 図25は、U2OS細胞を、MDM2に結合するためのステープルペプチド、および図23で示すような2個のベータ−アラニンアミノ酸から構成されるリンカーを有し、BRD4に結合するための小分子、例えばJQ1を組み込むステープルペプチドデグロンキメラで処置すると、天然BRD4の時間依存的分解が生じることを示す。アクチンは負荷対照を表す。 図26の上部パネルは、ペプチド中に挿入するためのさまざまな種類のステープルを生成するために使用する、自然界には存在しない例示的なアミノ酸の化学構造を示す。図26の中央パネルは、さまざまな長さのステープルを有するペプチドを示す。図26の下部パネルは、ペプチド配列に沿ったステープルウォーク(staple walk)を示す。 図27は、さまざまな種類のダブルおよびトリプルステープル化戦略、ならびにステープルペプチドを生成するための例示的なステープルウォークの代表的なものを示す概略図である。 図28は、ステープルペプチドを生成するためのさまざまな長さの分岐状ダブルステープル部分を使用した例示的なステープルウォークを示す概略図である。 図29は、ステープルペプチドを生成するために用いる例示的な化学変更を示す概略図である。
詳細な説明
本開示は、疾患に関連するタンパク質を標的とする安定化ペプチドを、例として「デグロン」としてもしくはより一般的には代替の小分子デグロンとして、セレブロン結合小分子サリドマイドと、または安定化ポリペプチド配列「デグロン」を含むポリペプチド配列「デグロン」と組み合わせることによって、タンパク質分解を誘発する部分として作用する安定化ペプチドデグロンキメラを特徴とする。安定化ペプチドデグロンキメラは、分解誘導タンパク質と結合し、それを動員する安定化ペプチドを、疾患に関連するタンパク質を標的とするために組み込まれる小分子またはペプチドと組み合わせることも含む。以前は小分子にアクセスできなかった、広範囲の細胞内タンパク質を効果的に標的とするための安定化ペプチドの能力を、結合タンパク質を分解する分解誘導薬タンパク質を動員できる小分子またはペプチドデグロン部分と組み合わせることによって、または分解誘導タンパク質と効果的に結合し、それを動員する安定化ペプチドを、疾患に関連するタンパク質を標的とする小分子またはペプチドと組み合わせることによって、この新規のクラスのステープルペプチドデグロンキメラは、ステープルペプチドの生物活性の潜在力および広がりが拡大する。本開示はまた、ステープルペプチドデグロンキメラを使用することによって内因性タンパク質の標的とされる分解を行うための方法であって、疾患に関連するタンパク質の存在によって引き起こされる障害(例えば、増殖性障害)の処置において利用することができる方法に関する。本出願はまた、本出願の化合物およびその中間体を作製するための方法を提供する。
安定化ペプチド
ペプチドヘリックスは、多くの重要な生物学的プロセス(例えば、アポトーシス)を調節する鍵となるタンパク質−タンパク質相互作用の重要なメディエーターであるが、そのようなヘリックスが、タンパク質の範囲内でその背景を無視して解釈され、単離して調製された場合、それは折りたたまれず、ランダムコイルコンフォメーションをとる場合があり、生物活性において劇的な減少につながり、したがって治療的潜在力が低下する。この問題を回避するために、構造的に安定化したペプチドを用いることができる。一部の場合では、構造的に安定化したペプチドは、内部(分子内)架橋(またはステープル)によって接合した少なくとも2個の改変アミノ酸を含む。本明細書において記載する安定化ペプチドは、ステープルペプチド、ステッチペプチド、複数のステッチを含むペプチド、複数のステープルを含むペプチド、またはステープルおよびステッチのミックスを含むペプチド、ならびに他の化学的戦略によって構造的に強化されたペプチドを含む(例えば、Balaram P. Cur. Opin. Struct. Biol. 1992;2:845;Kemp DS, et al., J. Am. Chem. Soc. 1996;118:4240;Orner BP, et al., J. Am. Chem. Soc. 2001;123:5382;Chin JW, et al., Int. Ed. 2001;40:3806;Chapman RN, et al., J. Am. Chem. Soc. 2004;126:12252;Horne WS, et al., Chem., Int. Ed. 2008;47:2853;Madden et al., Chem Commun (Camb). 2009 Oct 7; (37): 5588-5590;Lau et al., Chem. Soc. Rev., 2015,44:91-102;および Gunnoo et al., Org. Biomol. Chem., 2016,14:8002-8013を参照されたく、これら全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、ペプチドをステープル化することによって安定化することができる(例えば、Walensky, J. Med. Chem., 57:6275-6288 (2014)を参照されたく、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ペプチドは、その天然二次構造を維持する点で「安定化」されている。例えば、ステープル化は、α−ヘリックス二次構造を有する傾向があるポリペプチドが、その天然α−ヘリックスコンフォメーションを維持することを可能にする。この二次構造は、タンパク質の分解的切断および熱に対するポリペプチドの抵抗性を増加させ、標的への結合親和性、疎水性、および細胞透過性も増加させる場合がある。したがって、本明細書において記載するステープル(架橋)ポリペプチドは、対応する非ステープル(非架橋)ポリペプチドと比較して改善された生物活性を有する。
「ペプチドのステープル化」は、合成方法論から作り出された用語であり、ポリペプチド鎖に存在する2個のオレフィン含有側鎖(例えば、架橋可能な側鎖)が、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有接合し(例えば、「一緒にステープル化され」)、架橋環を形成している(例えば、Blackwell et al., J. Org. Chem., 66: 5291-5302, 2001;Angew et al., Chem. Int. Ed. 37:3281, 1994を参照のこと)。「ペプチドのステープル化」という用語は、本明細書で使用される場合、そのような反応を促進し、単一の「ステープル」ポリペプチドを提供する任意の数の反応条件および/または触媒を使用した、ポリペプチド鎖に存在する場合がある2個の(例えば、少なくとも一対の)二重結合含有側鎖、三重結合含有側鎖、または二重結合含有および三重結合含有側鎖の接合を含む。「マルチプライ(multiply)ステープル」ポリペプチドという用語は、1個を超える個々のステープルを含み、2個、3個、またはそれを超えるさまざまな間隔の独立したステープルを含んでいてもよいポリペプチドを指す。さらに「ペプチドのステッチ化」という用語は、本明細書で使用される場合、2個のステープルが、例えば共通の残基に連結している「ステッチ」(例えば、直列のまたはマルチプライステープル)ポリペプチドを提供する、単一のポリペプチド鎖における複数のかつ直列の「ステープル化」事象を指す。ペプチドのステッチ化は、例えば、WO2008/121767およびWO2010/068684で開示されており、これら両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の場合では、ステープルは、本明細書で使用される場合、不飽和結合を保持することができるかまたは減少させることができる。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、例えば、炭化水素のステープル化によって安定化することができる。ある特定の場合では、ステープルペプチドは、少なくとも2個(例えば、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換を含み、置換されたアミノ酸は、2個、3個、または6個のアミノ酸で隔てられ、置換されたアミノ酸は、オレフィン側鎖を有する非天然アミノ酸である。多数の公知の非天然のまたは自然界には存在しないアミノ酸が存在し、これらのうちのいずれかは、ステープルペプチドに含まれる場合がある。自然界には存在しないアミノ酸の一部の例は、4−ヒドロキシプロリン、デスモシン、ガンマ−アミノ酪酸、ベータ−シアノアラニン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチル−L−トレオニン、N−メチル−L−ロイシン、1−アミノ−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−2−フェニル−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−シクロブタンカルボン酸、4−アミノ−シクロペンタンカルボン酸、3−アミノ−シクロヘキサンカルボン酸、4−ピペリジル酢酸、4−アミノ−l−メチルピロール−2−カルボン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノヘプタン二酸、4−(アミノメチル)安息香酸、4−アミノ安息香酸、オルト−、メタ−およびパラ−置換フェニルアラニン(例えば、−C(=O)C;−CF;−CN;−ハロ;−NO;CHで置換された)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(例えば、−C=O)C;−CF;−CN;−ハロ;−NO;CHでさらに置換された)、ならびにスタチンである。さらに、アミノ酸は、ヒドロキシル化、リン酸化、スルホン化、アシル化、またはグリコシル化されたアミノ酸残基を含むように誘導体化することができる。
炭化水素ステープルポリペプチドは、2個の非天然アミノ酸間に1個または複数のテザー(連結)を含み、このテザーは、ポリペプチドのα−ヘリックス二次構造を顕著に強化する。一般的に、テザーは、1つまたは2つの螺旋ターン(すなわち、約3.4または約7個のアミノ酸)の長さにわたって伸長する。したがって、iおよびi+3個目;iおよびi+4個目;またはiおよびi+7個目に位置するアミノ酸は、化学的修飾および架橋に関して理想的な候補である。したがって、例えば、ペプチドが、配列...X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9...を有する場合、X1とX4との間、またはX1とX5との間、またはX1とX8との間の架橋がそのペプチドの有用な炭化水素のステープル化形態であり、X2とX5との間、またはX2とX6との間、またはX2とX9との間などの架橋も同様である。複数の架橋(例えば、2、3、4個、またはそれを超える)の使用も検討される。複数の架橋の使用は、ペプチドの安定化および最適化において非常に効果的であり、特にペプチド長の増加を伴う。したがって、本開示は、配列をさらに安定化させるためか、またはより長いポリペプチド伸長の構造安定化、タンパク質分解抵抗性、酸安定性、熱安定性、細胞透過性、および/または生物活性の強化を促進するために、ポリペプチド配列内に1個を超える架橋の組込みを包含する。炭化水素ステープルポリペプチドの作製および使用に関する追加の説明は、例えば、米国特許出願公開第2012/0172285号、同第2010/0286057号、および同第2005/0250680号で見出すことができ、これら全ての内容は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、ステープルがiおよびi+3個目の残基にある場合、R−プロペニルアラニンおよびS−ペンテニルアラニン;またはR−ペンテニルアラニンおよびS−ペンテニルアラニンは、これらの位置においてアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、ステープルがiおよびi+4個目の残基にある場合、S−ペンテニルアラニンは、これらの位置においてアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、ステープルが、iおよびi+7個目の残基にある場合、S−ペンテニルアラニンおよびR−オクテニルアラニンは、これらの位置においてアミノ酸で置換されている。一部の場合では、ペプチドがステッチ化されている場合、「ステッチ」に関与するペプチドのアミノ酸は、ビス−ペンテニルグリシン、S−ペンテニルアラニン、およびR−オクテニルアラニン;またはビス−ペンテニルグリシン、S−オクテニルアラニン、およびR−オクテニルアラニンで置換されている。
ステープルまたはステッチ位置は、ステープルウォークにおいてさまざまなステープル位置を試験することによって変更することができる。
図26(上部)は、さまざまな架橋化合物を生成するために使用することができる非天然アミノ酸の例示的な化学構造を示す。図26(中央)は、i位残基とi+3位残基との間;i位残基とi+4位残基との間;およびi位残基とi+7位残基との間に炭化水素架橋を有するペプチドを示す。図26(下部)は、ペプチド配列に沿ったステープルウォークを示す。図27は、ダブルおよびトリプルステープル化戦略を含むさまざまなペプチド配列、ならびに例示的なステープルウォークを示す。図28は、さまざまな長さの分岐状ステッチ部分を使用した例示的なステープルウォークを示す。
一態様では、安定化ポリペプチドは式(I)
(式中、
各RおよびRは、独立して、HまたはC〜C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、もしくはヘテロシクリルアルキルであり;
は、アルキル、アルケニル、アルキニル;[R−K−Rであり;これらはそれぞれ0〜6個のRで置換されており;
は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり;
は、ハロ、アルキル、OR、N(R、SR、SOR、SO、CO、R、蛍光部分、または放射性同位体であり;
Kは、O、S、SO、SO、CO、CO、CONRであるか、または
であり、
は、H、アルキル、または治療剤であり;
nは1〜4の整数であり;
xは2〜10の整数であり;
各yは、独立して、0〜100の整数であり;
zは、1〜10(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の整数であり;
各Xaaは、独立してアミノ酸である)を有する。
テザーは、アルキル、アルケニル、またはアルキニル部分(例えば、C、C、もしくはC11アルキル、C、C、もしくはC11アルケニル、またはC、C、もしくはC11アルキニル)を含んでいてもよい。テザーされたアミノ酸は、アルファ二置換(例えば、C〜Cまたはメチル)とすることができる。
一部の場合では、xは2、3、または6である。一部の場合では、各yは、独立して、1から15または3から15の整数である。一部の場合では、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである。一部の場合では、RおよびRは、それぞれ独立して、C〜Cアルキルである。一部の場合では、RおよびRのうちの少なくとも1つはメチルである。例えば、RおよびRは、両方ともメチルとすることができる。一部の場合では、Rはアルキル(例えば、Cアルキル)であり、xは3である。一部の場合では、RはC11アルキルであり、xは6である。一部の場合では、Rはアルケニル(例えば、Cアルケニル)であり、xは3である。一部の場合では、xは6であり、RはC11アルケニルである。一部の場合では、Rは、直鎖状アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。一部の場合では、Rは−CH−CH−CH−CH=CH−CH−CH−CH−である。
別の態様では、2個のアルファ、アルファ二置換立体中心は、両方ともR立体配置もしくはS立体配置(例えば、i、i+4個目の架橋)であるか、または一方の立体中心はRであり、もう一方はS(例えば、i、i+7個目の架橋)である。したがって、式I
として図示する場合、例えば、xが3のとき、C’およびC”二置換立体中心は、両方ともR立体配置とすることができるか、または両方ともS立体配置とすることができる。xが6である場合、C’二置換立体中心はR立体配置であり、C”二置換立体中心はS立体配置である。R二重結合は、EまたはZ立体化学配置とすることができる。
一部の場合では、Rは、[R−K−Rであり;Rは、直鎖状アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。
一部の実施形態では、本開示は、2個、3個、または6個のアミノ酸で隔てられた2個のアミノ酸の側鎖が内部ステープルで置き換えられた;3個のアミノ酸の側鎖が内部ステッチで置き換えられた;4個のアミノ酸の側鎖が2個の内部ステープルで置き換えられた、または5個のアミノ酸の側鎖が、内部ステープルおよび内部ステッチの組合せで置き換えられた、内部架橋された(「ステープル化された」または「ステッチ化された」)ペプチドを特徴とする。ステープル化された/ステッチ化されたペプチドは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50個のアミノ酸長とすることができる。
ある特定の場合では、安定化ペプチドは、細胞内タンパク質のペプチドである。ある特定の場合では、安定化ペプチドは、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質のペプチドである。ある特定の場合では、安定化ペプチドは、細菌性タンパク質のペプチドである。ある特定の場合では、安定化ペプチドは、ヒトタンパク質のペプチドである。ある特定の場合では、安定化ペプチドは、発がんタンパク質のペプチドである。発がんタンパク質の非限定的な例としては、BCL2、BCLX、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5がある。
ステープルペプチドの非限定的な例を以下に挙げる:
(ここで、8=R−オクテニルアラニン;B=ノルロイシン;#=シクロブチルアラニン;X=S−ペンテニルアラニンであり、一部の場合では、XおよびXは同じ(例えば、S−ペネテニルアラニンである)。
ある特定の実施形態では、ステープルポリペプチドは、配列番号1から24および134のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むかまたはこれらからなる。ある特定の実施形態では、本開示は、ステープル/ステッチの位置が異なる点で、上記で開示されるペプチドとは異なる安定化ペプチドを特徴とする。ある特定の実施形態では、本開示は、これらのペプチドのアルファ−ヘリックスの非相互作用面上に1から7(例えば、1、2、3、4、5、6、7)個のアミノ酸置換を有する上記で開示した配列とは異なる点で、上記で開示されるペプチドとは異なる安定化ペプチドを特徴とする。ある特定の場合では、置換は保守的である。他の場合では、置換は非保守的である。ある特定の実施形態では、本開示は、これらのペプチドのアルファ−ヘリックスの相互作用面上に1から5(例えば、1、2、3、4、5)個のアミノ酸置換を有する上記で開示した配列とは異なる点で、上記で開示されるペプチドとは異なる安定化ペプチドを特徴とする。ある特定の場合では、置換は保守的である。ステープルペプチドに対する例示的な変形/改変のタイプを図29に示す。
ある特定の実施形態では、ステープルペプチドは、Bcl−2ホモロジー3(BH3)ドメインポリペプチドではない(例えば、MCL−1由来のBH3ドメインでもなく、BCL2ドメインのMCL−1安定化アルファヘリックス(SAHB)でもなく、MCL−1SAHBでもない)。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチド(例えば、ステープルペプチド)は、分解誘導タンパク質、例えばユビキチンE3リガーゼMDM2に直接的に結合し、それを動員させる。例えば、E3リガーゼMDM2は、当技術分野において公知のステープルp53ペプチドによって強力に結合することができ、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、分解誘導タンパク質、例えばMDMXとユビキチンE3リガーゼMDM2との間の複合体を含む複合体に直接的に結合し、それを動員させる安定化またはステープルペプチドである。本例では、ステープルp53ペプチドはMDMXに強力に結合し、MDMX/MDM2複合体を動員することができ、MDM2が分解誘導タンパク質を動員できるようになる。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、分解誘導タンパク質、例えば、E3ユビキチンリガーゼまたはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターに直接的にまたは間接的に結合する。ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、E3ユビキチンリガーゼに直接的にまたは間接的に結合する。一部の実施形態では、安定化ペプチドは、E3リガーゼ(例えば、MDM2)またはE3リガーゼと複合体を形成するタンパク質、例えばMDM2に結合するMDMXに、直接的にまたは間接的に結合する。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RING E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Mdm2−MdmX、TRIM5α、c−CBL、cIAP、RNF4、BIRC7、IDOL、BRCA1−BARD1、RING1B−Bmi1、E4B、CHIP、Prp19)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、HECT E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Smurf1、Smurf2、Itch、E6AP)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RBR E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Parkin、Parc、RNF144(A/B)、HOIP、HHARI)である。例えば、E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例に関しては、Morreale and Walden, Cell 165, 2016 DOI http:/dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.03.003を参照されたい。
本明細書において記載するキメラ融合物において用いることができる他の安定化ペプチドの非限定的な例は、米国特許第9,834,581号;同第9,822,165号;同第9,695,224号;同第9,617,309号;同第9,579,395号;同第9,556,229号;同第9,556,227号;同第9,527,896号;同第9,522,947号;同第9,517,252号;同第9,505,816号;同第9,505,804号;同第9,505,801号;同第9,493,510号;同第9,464,125号;同第9,485,202号;同第9,458,189号;同第9,416,162号;同第9,408,885号;同第9,346,868号;同第9,296,805号;同第9,227,995号;同第9,175,047号;同第9,175,045号;同第9,163,330号;同第9,096,684号;同第9,079,970号;同第8,957,026号;同第8,937,154号;同第8,933,109号;同第8,927,500号;同第8,889,632号;同第8,592,377号;同第8,586,707号;同第8,324,153号;および米国特許出願公開第20170247423号;同第20170240604号;同第20170212125号;同第20170165320号;同第20170066747号;同第20170015716号;同第20160376336号;および同第20160244494号において提供され、これら全ての内容はその全体が参照により本明細書(特に安定化(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドの開示)に組み込まれる。
炭化水素テザーは一般的であるが、他のテザーも本明細書において記載する安定化ペプチドにおいて用いることができる。例えば、テザーは、1個または複数のエーテル、チオエーテル、エステル、アミン、またはアミド、またはトリアゾール部分を含んでいてもよい。一部の場合では、天然に存在するアミノ酸側鎖を、テザー中に組み込むことができる。例えば、テザーは、官能基、例えばセリン中のヒドロキシル、システイン中のチオール、リシン中の第1級アミン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸中の酸、またはアスパラギンもしくはグルタミン中のアミドとカップリングすることができる。したがって、2個の天然に存在しないアミノ酸をカップリングすることによって作製されるテザーを使用するのではなく、天然に存在するアミノ酸を使用してテザーを生成することが可能である。天然に存在するアミノ酸とともに単一の天然に存在しないアミノ酸を使用することも可能である。トリアゾール含有(例えば、1,4トリアゾールまたは1,5トリアゾール)架橋を使用することができる(例えば、Kawamoto et al. 2012 Journal of Medicinal Chemistry 55:1137;WO2010/060112を参照のこと)。更に、異なるタイプのステープル化を行う他の方法は当技術分野において周知であり、それを用いることができる(例えば、ラクタムステープル化:Shepherd et al., J. Am. Chem. Soc., 127:2974-2983 (2005);UV付加環化ステープル化:Madden et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 21:1472-1475 (2011);ジスルフィドステープル化:Jackson et al., Am. Chem. Soc.,113:9391-9392 (1991);オキシムステープル化:Haney et al., Chem. Commun., 47:10915-10917 (2011);チオエーテルステープル化:Brunel and Dawson, Chem. Commun., 552-2554 (2005);光スイッチ(Photoswitchable)ステープル化:J. R. Kumita et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 97:3803-3808 (2000);ダブルクリックステープル化:Lau et al., Chem. Sci., 5:1804-1809 (2014);ビス−ラクタムステープル化:J. C. Phelan et al.,, J. Am. Chem. Soc., 119:455-460 (1997);およびビス−アリール化ステープル化:A. M. Spokoyny et al., J. Am. Chem. Soc., 135:5946-5949 (2013)を参照のこと)。
テザーの長さが変わる場合がある点が更に想定される。例えば、二次性アルファ−ヘリックス構造に対して比較的高度の拘束を与えることが望ましい場合、長さが短いテザーを使用することができるが、一部の場合では、二次性アルファ−ヘリックス構造に対して拘束は低いことが望ましく、したがって長いテザーが望まれる場合がある。
さらに、主にアルファヘリックスの片面上にあるテザーを与えるために、アミノ酸iからi+3個目、iからi+4個目、およびiからi+7個目までのテザー全長は共通であるが、テザーは、アミノ酸の数の任意の組合せに及ぶように合成することができ、複数のテザーを導入するように組み合わせて使用することもできる。
一部の場合では、本明細書において記載する炭化水素テザー(すなわち、架橋)は、更に操作することができる。一例では、(例えば、ルテニウム触媒による閉環メタセシス(RCM)を使用して合成されるような)炭化水素アルケニルテザーの二重結合を酸化し、(例えば、エポキシ化、アミノヒドロキシル化またはジヒドロキシル化を介して)、以下の化合物のうちの1つを提供することができる。
エポキシド部分か、または遊離ヒドロキシル部分のうちの1つのいずれかは、さらに官能基化することができる。例えば、エポキシドは、例えば、治療剤に結合するために使用することができる追加の官能性を与える求核試薬で処置することができる。あるいはそのような誘導体化は、ポリペプチドのアミノまたはカルボキシ末端の合成操作によってまたはアミノ酸側鎖を介して達成することができる。他の薬剤、例えばポリペプチドが細胞中に侵入するのを促進する薬剤を、官能基化テザーに結合させることができる。
一部の場合では、アルファ二置換アミノ酸は、アルファヘリックス二次構造の安定性を改善するためにポリペプチドにおいて使用する。しかし、アルファ二置換アミノ酸は必須ではなく、(例えば、テザーされたアミノ酸において)モノ−アルファ置換基を使用した場合も想定される。
ステープルポリペプチドは、薬物、毒素、ポリエチレングリコール誘導体;第2のポリペプチド;炭水化物などを含んでいてもよい。ポリマーまたは他の薬剤がステープルポリペプチドに連結している場合、組成物は実質的に均質であることが望ましい場合がある。
ポリエチレングリコール(PEG)分子が付加すると、ポリペプチドの薬物動態および薬力学特性が改善される場合がある。例えば、PEG化を行うと、腎クリアランスを低下させることができ、より安定な血漿濃度をもたらす場合がある。PEGは水溶性ポリマーであり、
式:XO−−(CHCHO)−−CHCH−Y
(式中、nは2から10,000であり、Xは、Hまたは末端改変、例えばC1〜4アルキルであり;Yは、ポリペプチドのアミン基(これらに限定されないが、リシンのイプシロンアミン、またはN末端を含む)への、アミド、カルバメートまたは尿素連結である)としてポリペプチドへ連結しているとして表すことができる。Yはまた、チオール基(これらに限定されないがシステインのチオール基を含む)へのマレイミド連結であってもよい。PEGをポリペプチドに直接的にまたは間接的に連結するための他の方法は、当業者であれば公知である。PEGは、直鎖状または分岐状とすることができる。さまざまな官能基化誘導体を含むPEGのさまざまな形態が市販されている。
分解可能な連結を骨格において有するPEGを使用することができる。例えば、PEGは、加水分解するための対象であるエステル連結を用いて調製することができる。分解可能なPEG連結を有するコンジュゲートは、WO99/34833、WO99/14259、およびU.S.6,348,558に記載されている。
ある特定の実施形態では、高分子ポリマー(例えば、PEG)は、中間体リンカーを介して本明細書において記載する薬剤に結合している。ある特定の実施形態では、リンカーは、ペプチド結合によって連結された1から20個のアミノ酸で構成されており(made up of)、アミノ酸は、20種類の天然に存在するアミノ酸から選択される。これらのアミノ酸のうちの一部は、当業者であれば十分に理解しているようにグリコシル化されていてもよい。他の実施形態では、1から20個のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、およびリシンから選択される。他の実施形態では、リンカーは、グリシンおよびアラニンなどの立体障害のない大部分のアミノ酸で構成されている。非ペプチドリンカーも可能である。例えば、アルキルリンカー、例えば−NH(CHC(O)−(式中、n=2〜20)を使用することができる。これらのアルキルリンカーは、任意の立体障害のない基、例えば低級アルキル(例えば、C〜C)低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニル等でさらに置換されていてもよい。米国特許第5,446,090号では、二官能性PEGリンカー、および各PEGリンカー末端でペプチドを有するコンジュゲートの形成におけるその使用が記載されている。
一部の実施形態では、安定化ペプチドも、例えば、細胞取込みをさらに促進するために、またはin vivo安定性を増加させるために改変してもよい。例えば、ペプチド模倣大員環をアシル化またはPEG化すると、細胞取込みが促進され、バイオアベイラビリティが増加し、血液循環が増加し、薬物動態が変化し、免疫原性が減少しおよび/または必要とされる投与頻度が減少する。
一部の実施形態では、本明細書において開示されるステープルペプチドは、(例えば、非ステープルペプチドと比較して)細胞膜を貫通するための強化された能力を有する。
本明細書において記載する安定化ペプチドを合成する方法は当技術分野において公知である。それにもかかわらず、以下の例示的な方法を使用する場合がある。さまざまなステップを、代替の配列または順序で行い、所望の化合物を得てもよいことは理解されるであろう。本明細書において記載する化合物の合成において有用である合成化学的変換および官能基を保護する方法論(保護および脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989);T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3d. Ed., John Wiley and Sons (1999);L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、ならびにこれらのその後の版に記載されているものを含む。
安定化ペプチドは、当業者であれば周知の化学的合成方法によって作製することができる。例えば、Fields et al., Chapter 3 in Synthetic Peptides: A User's Guide, ed. Grant, W. H. Freeman & Co., New York, N.Y., 1992, p. 77を参照されたい。したがって、ペプチドは、例えばApplied Biosystems Peptide Synthesizer Model 430Aまたは431において、側鎖が保護されたアミノ酸を使用してt−BocまたはFmoc化学作用で保護されたα−NHを用いた固相合成の自動化Merrifield技術を使用して合成することができる。
本明細書において記載するペプチドを作製する一様式は、固相ペプチド合成(SPPS)を使用することである。C末端アミノ酸は、リンカー分子を用い、酸に不安定な結合を介して架橋ポリスチレン樹脂に結合させる。この樹脂は、合成のために使用する溶媒に不溶性であり、過剰な試薬および副生成物を洗い流すのを比較的単純にかつ迅速にする。N末端は、酸において安定なFmoc基で保護されるが、塩基によって取り外し可能である。任意の側鎖官能基は、塩基で安定であり、酸に不安定な基で保護される。
長いペプチドは、ネイティブケミカルライゲーションを使用して個々の合成ペプチドを連接させることによって作製してもよい。あるいは、長い合成ペプチドは、周知の組換えDNA技術によって合成することができる。そのような技術は、詳細なプロトコール含む周知の標準的なマニュアルとして提供される。本発明のペプチドをコードする遺伝子を構築するために、アミノ酸配列を逆翻訳し、好ましくは遺伝子が発現される生物に最適なコドンを有するアミノ酸配列をコードする核酸配列を得る。次に、合成遺伝子を、典型的には必要に応じてペプチドおよび任意の調節性エレメントをコードするオリゴヌクレオチドを合成することによって作製する。合成遺伝子を、好適なクローニングベクターに挿入し、宿主細胞中にトランスフェクトする。次いで、ペプチドを、選択された発現系および宿主に適切な好適な状態下で発現させる。ペプチドは精製し、標準的な方法によって特徴付ける。
ペプチドは、例えば、Advanced Chemtechから入手可能なハイスループットマルチチャンネルコンビナトリアルシンセサイザーを使用したハイスループット組合せ様式で作製することができる。ペプチド結合は、例えば、ペプチドの生理学的安定性を高めるために、レトロインベルソ結合(C(O)−NH);還元アミド結合(NH−CH);チオメチレン結合(S−CHまたはCH−S);オキソメチレン結合(O−CHまたはCH−O);エチレン結合(CH−CH);チオアミド結合(C(S)−NH);トランス−オレフィン結合(CH=CH);フルオロ置換トランス−オレフィン結合(CF=CH);ケトメチレン結合(C(O)−CHR)またはCHR−C(O)(式中、RはHまたはCHである);およびフルオロケトメチレン結合(C(O)−CFRまたはCFR−C(O)(式中、RはHまたはFまたはCHである)で置き換えることができる。
ポリペプチドは、アセチル化、アミド化、ビオチン化、シンナモイル化、ファルネシル化、フルオレセイン化、ホルミル化、ミリストイル化、パルミトイル化、リン酸化(Ser、TyrまたはThr)、ステアロイル化、スクシニル化およびスルフリル化によってさらに改変することができる。上記で示すように、ペプチドは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);アルキル基(例えば、C1〜C20直鎖状または分岐状アルキル基);脂肪酸ラジカル;およびこれらの組合せにコンジュゲートすることができる。さまざまな長さのオレフィン側鎖を含むα、α−二置換非天然アミノ酸は、公知の方法で合成することができる(Williams et al. J. Am. Chem. Soc., 113:9276, 1991;Schafmeister et al., J. Am. Chem Soc., 122:5891, 2000;およびBird et al., Methods Enzymol., 446:369, 2008;Bird et al, Current Protocols in Chemical Biology, 2011)。ペプチドに関しては、i+7個目のステープルに連結したi個目を使用する(ヘリックス2回転が安定化される)場合、a)1個のS5アミノ酸および1個のR8を使用するか、またはb)1個のS8アミノ酸および1個のR5アミノ酸を使用する。R8は、出発キラル助剤がR−アルキル−立体異性体をもたらすことを除いて、同様の経路を使用して合成する。また、8−ヨードオクテンを5−ヨードペンテンの代わりに使用する。阻害剤は、MBHA樹脂上での固相ペプチド合成(SPPS)を使用して固体支持体上で合成する(例えば、WO2010/148335を参照のこと)。
Fmoc−保護されたα−アミノ酸(オレフィンアミノ酸Fmoc−S−OH、Fmoc−R−OH、Fmoc−R−OH、Fmoc−S−OHおよびFmoc−R−OH以外)、2−(6−クロロ−1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、およびRink Amide MBHAは、例えば、Novabiochem(San Diego、CA)から市販されている。ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、フルオロセインイソチオシアネート(FITC)、およびピペリジンは、例えば、Sigma−Aldrichから市販されている。オレフィンアミノ酸合成は、当技術分野において報告されている(Williams et al., Org. Synth., 80:31, 2003)。
本明細書において開示されるステープル化され、精製されたペプチドを得る(例えば、合成する)のに好適な方法もやはり、当技術分野において公知である(例えば、Bird et. al., Methods in Enzymol., 446:369-386 (2008);Bird et al, Current Protocols in Chemical Biology, 2011;Walensky et al., Science, 305:1466-1470 (2004);Schafmeister et al., J. Am. Chem. Soc., 122:5891-5892 (2000);2010年3月18日に出願された米国特許出願公開第12/525,123号;および2010年5月25日に登録された米国特許第7,723,468号を参照されたく、これらそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
一部の実施形態では、ペプチドは、非ステープルペプチド混入物質を実質的に含まないか、または単離されている。ペプチドを精製するための方法としては、例えば、固相支持体上でのペプチド合成がある。環化後、固相支持体は、単離し、溶媒溶液、例えばDMSO、DMSO/ジクロロメタン混合物、またはDMSO/NMP混合物中に懸濁してもよい。DMSO/ジクロロメタンまたはDMSO/NMP混合物は、約30%、40%、50%または60%のDMSOを含んでいてもよい。特定の実施形態では、50%/50%DMSO/NMP溶液を使用する。溶液は、1、6、12または24時間インキュベートしてもよく、その後、樹脂は、例えばジクロロメタンまたはNMPで洗浄してもよい。一実施形態では、樹脂はNMPで洗浄する。振盪および溶液中への不活性ガスのバブリングを行ってもよい。
本発明の安定化(例えば、ステープル)ポリペプチドの特性は、例えば、以下に記載する方法を使用してアッセイすることができる。
α−らせん度を判定するためのアッセイ:化合物を、水溶液中に(例えばpH7の5mMリン酸カリウム溶液または蒸留HO中で25〜50μMの濃度に)溶解する。円偏光二色性(CD)スペクトルは、分光偏光計(例えば、Jasco J−710、Aviv)で標準的な測定パラメーター(例えば温度、20℃;波長、190〜260nm;ステップ分解、0.5nm;速度、20nm/秒;アキュムレーション(accumulations)、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;光路長、0.1cm)を使用して得る。各ペプチドのα−ヘリックス含有量は、残基平均楕円率を、モデルヘリックスのデカペプチドに関する報告値で除算することによって算出する(Yang et al., Methods Enzymol. 130:208 (1986))。
融解温度(Tm)を判定するためのアッセイ:架橋または非改変の鋳型ペプチドを、蒸留HOまたは他の緩衝液または溶媒中に(例えば、50μMの最終濃度で)溶解し、Tmを、温度範囲(例えば4から95℃)にわたる楕円率における変化を標準的なパラメーター(例えば波長222nm;ステップ分解、0.5nm;速度、20nm/秒;アキュムレーション、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;温度上昇速度:1℃/分;光路長、0.1cm)を使用した分光偏光計(例えば、Jasco J−710、Aviv)で測定することによって判定する。
in vitroプロテアーゼ抵抗性アッセイ
ペプチド骨格のアミド結合は、プロテアーゼによる加水分解に対する影響を受けやすく、その結果、ペプチド化合物はin vivoでの急速な分解に対して脆弱になる。しかし、典型的には、ペプチドヘリックスが形成されると、アミド骨格が埋まり、および/またはねじれ、および/または遮蔽され、その結果、タンパク質の分解的切断が阻止されるかまたは実質的に遅れる。本発明のペプチド模倣大員環は、in vitro酵素タンパク質(例えばトリプシン、キモトリプシン、ペプシン)分解を行い、分解速度における任意の変化に関して匹敵する非架橋またはその代わりとなるステープルポリペプチドと比較して評価してもよい。例えば、ペプチド模倣大員環および匹敵する非架橋ポリペプチドは、トリプシンアガロースとインキュベートし、遠心分離によってさまざまな時点において反応をクエンチし、その後、HPLC注入し、280nmにおける紫外線吸収によって残留基質を定量化する。簡潔には、ペプチド模倣大員環およびペプチド模倣前駆体(5mcg)をトリプシンアガロース(Pierce)(S/E〜125)と0、10、20、90、および180分間インキュベートする。反応を卓上遠心分離によって高速でクエンチし、単離された上澄み中の残りの基質を、HPLCをベースとした280nmにおけるピーク検出によって定量化する。タンパク質分解反応は一次反応を示し、速度定数kは時間に対するln[S]のプロットから判定される。
ペプチド模倣大員環および/または匹敵する非架橋ポリペプチドは、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒト血清(例えば1〜2mL)と、37℃で、例えば、0、1、2、4、8、および24時間それぞれインキュベートしてもよい。異なる濃度の大員環試料は、血清を用いた連続希釈によって調製してもよい。完全なままの化合物のレベルを判定するために、以下の手順を使用してもよい:例えば、2mlの遠心分離管に血清100μLを移すことによって試料を抽出し、続いて50%ギ酸10μLおよびアセトニトリル500μLを添加し、14,000RPM、4+/−2℃で10分間遠心分離する。次いで上澄みを新鮮な2mlの管に移し、N下、10psi未満、37℃のTurbovapで蒸発させる。試料を、50:50アセトニトリル:水の100μL中で再構成し、LC−MS/MS分析を行う。ex vivo安定性を試験するための同様のまたは類似の手順は公知であり、血清中の大員環の安定性を判定するために使用してもよい。
in vivoプロテアーゼ抵抗性アッセイ:鍵となるペプチドをステープル化する利点は、プロテアーゼのin vitroでの抵抗性が、in vivoで明らかに改善された薬物動態へ変換されることである。
in vitro結合アッセイ:ペプチド模倣大員環およびペプチド模倣薬前駆体のアクセプタータンパク質に対する結合および親和性を評価するために、例えば、蛍光偏光アッセイ(FPA)を使用することができる。FPA技術によって、偏光および蛍光トレーサーを使用した分子配向および移動性が測定される。偏光で励起された場合、見かけの分子量が大きい分子(例えば、大きいタンパク質に結合するFITC標識ペプチド)に結合している蛍光トレーサー(例えば、FITC)は、小さい分子(例えば、溶液中で遊離しているFITC−標識ペプチド)結合している蛍光トレーサーと比較してその回転速度が低いために、高レベルの偏光蛍光を放出する。
細胞分析
培養細胞(例えば、がん細胞)を、ステープルペプチド−デグロンキメラで処置し、標的とするタンパク質レベルをウエスタン分析によって経時的にモニターする。キメラペプチドの標的とならない陰性対照タンパク質を、標的とされる分解特異性の実証として同様にモニターする。特異的標的に応じて、アポトーシス誘導などの表現型の結果は、生存率、アネキシンV結合、カスパーゼ3/7活性化、およびミトコンドリアシトクロムc放出アッセイの組合せによって評価する。
ペプチドデグロン
本開示は、ユビキチンE3リガーゼに対する基質アダプターであるタンパク質に結合するペプチドデグロンを特徴とする。一部の場合では、デグロンは、ユビキチンE3リガーゼに対する基質アダプターであるWD−40タンパク質に結合する。デグロンは、浅い溝にあるユビキチンE3リガーゼの基質認識ドメインに結合し、N−またはC末端のいずれかにおける同化(すなわち、ステープルペプチド配列のコンジュゲート)に対して耐性がある。ユビキチンE3リガーゼに対する例示的な基質アダプターとしては、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、およびFZR1がある。E3リガーゼを含むWD40は、E3リガーゼの大半を含むが、そのようなE3リガーゼの基質アダプターであるタンパク質に結合する他のタイプのE3リガーゼおよびデグロンが存在し、これらも本開示に包含される。
ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、Trib1タンパク質配列:DQIVPEY(配列番号25)またはそのバリアントに基づく。
本開示のデグロンとしては、配列番号25のバリアントがあり、バリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4、5個)のアミノ酸置換;1個または複数の欠失(例えば、1、2、3個);1個または複数の挿入(例えば、1、2、3個);またはこれらの任意の2つまたはそれを超える組合せを含む。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4、5個)の置換を有する。ある特定の場合では、これらの置換のうちの1個または複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7個)は、配列番号25の1から6位のうちのいずれにおいてもA、Rに対するものではない。ある特定の場合では、これらの置換は、Iに対する配列番号25における4位でのVの置換を含まない。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3個)の欠失を有する。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3個)の挿入を有する。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4、5個)の置換および1個または複数(例えば、1、2、3個)の欠失を有する。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4、5個)の置換および1個または複数の挿入(例えば、1、2、3個)を有する。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3個)の欠失および1個または複数(例えば、1、2、3個)の挿入を有する。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、配列番号25内に1から6個、1から5個、1から4個、1から3個、2個、または1個のアミノ酸置換を有する。ある特定の場合では、配列番号25の4位(V)および/または5位(P)は置換されていない。一部の場合では、配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)のうちの1個または複数が置換されている。一部の実施形態では、ペプチドデグロンは、1から7位のうちのいずれか1つがアラニンで置換されていないことを除いて、配列番号25を含む。一部の実施形態では、ペプチドデグロンは、1から7位のうちのいずれか1つがアルギニンで置換されていないことを除いて、配列番号25を含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドデグロンは、4位がイソロイシンで置換されていないことを除いて、配列番号25を含む。一部の場合では、配列番号25のバリアントは、1個の欠失を有する。欠失は、配列番号25のC末端またはN末端にあってもよい。
一部の場合では、ペプチドデグロンは、F−ボックス/WDリピート含有タンパク質7(F-box/WD repeat-containing protein 7)(FBXW7)タンパク質に結合するペプチドである。一実施形態では、ペプチドデグロンは、アミノ酸配列ホスホ−Ser/ホスホ−ThrPXXE/ホスホ−Ser/ホスホ−Thr(pS/pT−P−X−X−E/pS/pT)(配列番号46)を含む(ここで、XおよびXは、独立して任意のアミノ酸である)。一部の場合ではX=Pである。一部の場合では、X=V、L、またはQである。他の場合では、X=PおよびX=V、L、またはQである。ある特定の実施形態では、ペプチドデグロンは配列番号46のバリアントである。そのようなバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4個)のアミノ酸置換;1個または複数の欠失(例えば、1、2、3個);1個または複数の挿入(例えば、1、2、3個);またはこれらの任意の2つまたはそれを超える組合せを有する点で、配列番号46とは異なるペプチドを含む。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4個)の置換を有する。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3個)の欠失を有する。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3個)の挿入を有する。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4個)の置換および1個または複数(例えば、1、2、3個)の欠失を有する。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4個)の置換および1個または複数の挿入(例えば、1、2、3個)を有する。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3個)の欠失および1個または複数(例えば、1、2、3個)の挿入を有する。一部の場合では、配列番号46のバリアントは、配列番号46内に1から5個、1から4個、1から3個、2個、または1個のアミノ酸置換を有する。ある特定の場合では、2位(P)は置換されていない。ある特定の場合では、1位はpSであり、2位はPである。ある特定の場合では、1位はpSであり、2位はPであり、5位はEである。ある特定の場合では、1位はpSであり、2位はPであり、5位はpSである。ある特定の場合では、1位はpSであり、2位はPであり、5位はpTである。ある特定の場合では、1位はpTであり、2位はPであり、5位はEである。ある特定の場合では、1位はpTであり、2位はPであり、5位はpSである。ある特定の場合では、1位はpTであり、2位はPであり、5位はpTである。
ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質に結合するペプチドの天然結合コンセンサス配列に基づいている。一部の場合ではペプチドデグロンは、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質に結合するペプチドの天然結合コンセンサス配列のバリアント(例えば、置換、欠失、または挿入バリアント)である。E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質に結合するペプチドの天然結合コンセンサス配列の非限定的な例を以下に示す(配列には、上から下へ、配列番号65から92が割り当てられている)
†モチーフパターンは以下の命名法を使用する:「.」は任意のアミノ酸タイプを指定し、「[X]」はその位置において許可されるアミノ酸タイプ(複数可)を指定し、パターンの最初における「^X」は、配列がアミノ酸タイプXで開始することを指定し、「[^X]」は、その位置がタイプX以外のアミノ酸を有することができることを示し、次のように指定される数「X{x,y}」のxおよびyは、その位置において必要な「X」アミノ酸タイプの最小および最大数を指定する。「$」記号は、タンパク質鎖のC末端を示す。翻訳後に改変(例えば、リン酸化およびプロリンヒドロキシル化)されることが公知である第1級デグロン内の保存残基の位置を太字で示す。
当技術分野において公知の任意の他のペプチドデグロンも本発明において用いることができる。例えば、Meszaros et al., Sci. Signal., 10(470):eaak9982 (2017);Guharoy et al., Nature Communications, 7:10239, doi:10.1038/ncomms10239 (2016);米国特許第9,783,575号;同第9,297,017号;および同第9,115,184号を参照されたく、これら全ては、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、以下に挙げられるペプチドまたはそのバリアントのアミノ酸配列を有する:
FSDLWKLL(配列番号31)−E3リガーゼ:MDM2;
SVEQTPKK(配列番号32)−E3リガーゼ:SKP2−CKS1;
DSGIHS(配列番号32)−E3リガーゼ:β−TrCP1;
LLPTPPLS(配列番号33)−E3リガーゼ:FBXW7;
ASSSS(配列番号34)−E3リガーゼ:SPOP;
LAPAAGDTIISLDF(配列番号35)−E3リガーゼ:VHL;
PFLTPSPE(配列番号36)−E3リガーゼ:FBXW7;
PPPY(配列番号37)−E3リガーゼ:ITCH;
DEETGE(配列番号38)−E3リガーゼ:KEAP1;
QDIDLGV(配列番号39)−E3リガーゼ:KEAP1;
LLQPNNYQFC(配列番号40)−E3リガーゼ:CBL;
DYR−E3リガーゼ:CBL;
RAVENQYSFY(配列番号41)−E3リガーゼ:CBL;
QKENS(配列番号42)−E3リガーゼ:CDH1;
FDIYMD(配列番号43)−E3リガーゼ:CDC20/CDH1;
PRTALGDIG(配列番号44)−E3リガーゼ:CDC20/CDH1;
DKENG(配列番号45)−E3リガーゼ:PTTG1;
HRKHLQEIP(配列番号93)−E3リガーゼ:APC/C;
SKENV(配列番号94)−E3リガーゼ:APC/C;
TRIR(配列番号95)−E3リガーゼ:APC/C;
DQIVPEY(配列番号96)−E3リガーゼ:COP1;
TSMTDFYHSKRRL(配列番号97)−E3リガーゼ:DCAF2;
SPETGE(配列番号98)−E3リガーゼ:KEAP1;
EPEEPEADQH(配列番号99)−E3リガーゼ:KLHL3;
LAPYIPMDDDFQL(配列番号100)−E3リガーゼ:VHL;
LTPPQS(配列番号101)−E3リガーゼ:FBXW7;
SVEQTPRK(配列番号102)−E3リガーゼ:SKP2/CKS1;
DSGNYS(配列番号103)−E3リガーゼ:ベータ−TrCP1;
KPAAVVAPI(配列番号104)−E3リガーゼ:Siah;または
ADSST(配列番号105)−E3リガーゼ:SPOP
上記ペプチド(すなわち、配列番号31〜45および93〜105)のバリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4、5個)のアミノ酸置換;1個または複数の欠失(例えば、1、2、3);1個または複数の挿入(例えば、1、2、3個);またはこれらの任意の2つまたはそれを超える組合せを有するペプチドを含む。適切なE3リガーゼと相互作用するバリアントが選択される。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、その適切なE3リガーゼと1nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、適切なE3リガーゼと10nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、適切なE3リガーゼと50nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、適切なE3リガーゼと100nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、適切なE3リガーゼと200nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、200nMから250nMの結合親和性で適切なE3リガーゼと結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、適切なE3リガーゼと1nMから1000nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、適切なE3リガーゼと200nMから1000nMの結合親和性で結合する。
非限定的な例示的バリアントを以下に示す:
FBXW7 E3リガーゼに関しては:LTPPAS(配列番号106)、LTPPSS(配列番号107)、LSPPPS(配列番号108)、LSPPAS(配列番号109)、LSPPLS(配列番号110);
β−TrCP1 E3リガーゼに関しては:DSGIIS(配列番号111)、DSGNYT(配列番号112)、DSGIDT(配列番号113)、DSGIET(配列番号114)、DSGVDTS(配列番号115);および
DCAF2 E3リガーゼに関しては:TSMTDFYHSKRRI(配列番号116)、TSMTDFYHSKRKL(配列番号117)、TSMTDFYHSKRRS(配列番号118)
ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、4から20個のアミノ酸長(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)である。
ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、配列番号26から30のうちのいずれか1つに記載のペプチドのアミノ酸配列を有する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、配列番号26から30のうちのいずれか1つに記載のペプチドのバリアントであるアミノ酸配列を有する。ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、配列番号31から45のうちのいずれか1つに記載のペプチドのアミノ酸配列を有する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、配列番号31から45のうちのいずれか1つに記載のペプチドのバリアントであるアミノ酸配列を有する。ある特定の場合では、ペプチドデグロンは、配列番号65から118のうちのいずれか1つに記載のペプチドのアミノ酸配列を有する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、配列番号65から118のうちのいずれか1つに記載のペプチドのバリアントであるアミノ酸配列を有する。バリアントは、1個または複数(例えば、1、2、3、4、5個)のアミノ酸置換;1個または複数の欠失(例えば、1、2、3);1個または複数の挿入(例えば、1、2、3個);またはこれらの任意の2つまたはそれを超える組合せを有するペプチドデグロンを含む。
上述のペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対するその適切な基質アダプターに結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、1nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、10nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、50nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、100nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、200nMから300nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、200nMから250nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、1nMから1000nMの結合親和性で結合する。一部の場合では、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼ(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に対する基質アダプターに、200nMから1000nMの結合親和性で結合する。
本開示は、タンパク質デグロンを選択する方法も特徴とする。そのような選択されたタンパク質デグロンを、本開示のキメラ構築物において用いることができる。方法は、ユビキチンE3リガーゼに対する基質アダプターを、天然に存在するペプチドデグロンのバリアントと接触させ、所望の親和性を有する基質アダプターに結合するデグロンを選択することを伴う。例えば、方法は、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質を、WD40リピートタンパク質(例えば、Cop1、FBXW7、FBXW8)に結合する天然結合コンセンサス配列のアミノ酸配列のバリアントと接触させ、WD40リピートタンパク質に結合するペプチドを選択することを含む。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、1nMから1000nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、10nMから300nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、50nMから300nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、100nMから300nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、200nMから300nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、200nMから250nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、1nMから1000nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、200nMから1000nMの結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、1nM未満(例えば、約0.01nM、約0.05nM、約0.1nM、約0.5nM)の結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。一部の場合では、選択されるペプチドデグロンは、300nMを超える(例えば、約350nM、約400nM、約500nM、約1000nMの)結合親和性でWD40リピートタンパク質に結合する。
ある特定の場合では、分解の標的となることが望まれるタンパク質は、直接的に改変される。タンパク質は、構造的に不規則な領域を含む領域に関して検討される。構造的に不規則な領域は、IUPred:iupred.enzim.huによって算出され、0.4未満またはそれに等しい障害スコアを有するものである。タンパク質は、上述のペプチドデグロン配列またはそのバリアントを含むように、構造的に不規則な領域において改変される。一部の場合では、構造的に不規則な領域は、タンパク質のNまたはC末端にある。一部の場合では構造的に不規則な領域は、タンパク質のN末端とC末端との間である。ペプチドデグロン配列は、構造的に不規則な領域へ挿入することができる。他のケースでは、ペプチドデグロン配列は、タンパク質の構造的に不規則な領域においてアミノ酸配列を置き換えるように置換する。そのような置換は、例えばCRISPR/Cas9改変によって作製することができる。
小分子デグロン
本開示は、本明細書において記載するキメラにおいて利用することができる小分子デグロンを特徴とする。一実施形態では、デグロンは、以下に示す構造を有するサリドマイドに基づいている。
ある特定の場合では、小分子デグロンが安定化ペプチドのN末端においてコンジュゲートしている場合、以下に示す構造を有する。
ある特定の場合では、小分子デグロンが安定化ペプチドのC末端においてコンジュゲートしている場合、以下に示す構造を有する。
ある特定の場合では、本明細書において用いる小分子デグロンは、フォンヒッペルリンダウ(「VHL」)タンパク質に結合し、以下に示す(酸残基へのカップリングに適合する)構造を有するリガンドに基づいている。
ある特定の場合では、小分子VHLデグロンがアミンにコンジュゲートする場合、以下に示すカルボキシレートアナログを用いる。
当技術分野において公知の任意の小分子デグロンは、本明細書において記載するキメラにおいて用いることができる。ある特定の場合では、本明細書において用いる小分子デグロンは、米国特許第9,694,084号;同第9,750,816号;同第9,770,512号;同第9,821,068号;同第9,783,575号;同第9,765,019号;同第9,632,089号;および同第9,500,653号に記載の任意のデグロンであり、これら全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
安定化ペプチドおよびデグロンのキメラ
本開示は、デグロン(例えば、小分子デグロン、一次配列デグロン、および安定化(例えば、ステープル)ペプチドデグロン)を含む安定化ペプチドの(例えば、ステープル、ステッチ)キメラを提供する。以前は小分子にアクセスできなかったそのようなキメラは、小分子(例えば、セレブロン結合分子)、または結合タンパク質の標的とされる分解が可能な他の小分子またはペプチドデグロン部分とともに、広範囲のタンパク質を効果的に標的とすることができる。同様に、分解誘導タンパク質に結合し、動員することができる安定化ペプチドデグロンは、広範囲のタンパク質に結合し、疾患に関連するタンパク質を分解する小分子と組み合わせることができる。ステープルペプチドデグロンキメラのこれらの新規のクラスは、ステープルペプチドの生物活性の潜在力および広がりを拡大する。1個を超える(例えば、2、3、4個、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個のデグロン(例えば、1個の小分子デグロン、1個の一次配列デグロン、または1個の安定化(例えば、ステープル)ペプチドデグロン)を含むキメラも本明細書において包含する。1個を超える(例えば、2、3、4個、またはそれを超える)デグロン(例えば、1個を超える小分子デグロン、1個を超える一次配列デグロン、または1個を超える安定化(例えば、ステープル)ペプチドデグロン)および1個の安定化ペプチドを含むキメラも本明細書において包含する。1個を超える(例えば、2、3、4個、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個を超える(例えば、2、3、4個、またはそれを超える)デグロン(例えば、1個を超える小分子デグロン、1個を超える一次配列デグロン、または1個を超える安定化(例えば、ステープル)ペプチドデグロン)を含むキメラも本明細書において包含する。
ある特定の実施形態では、キメラのステープルペプチドは、Bcl−2ホモロジー3(BH3)ドメインポリペプチドではない(例えば、MCL−1由来のBH3ドメインでもなく、BCL2ドメインのMCL−1安定化アルファヘリックス(SAHB)でもなく、MCL−1SAHBでもない)。
安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラ
安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラを本明細書において提供する。これらのキメラは、安定化ペプチドおよびペプチドデグロンから構成され、安定化ペプチドは、分解の標的とされるタンパク質である第1のタンパク質に結合し、ペプチドデグロンは、ユビキチンE3リガーゼに対する基質アダプターである第2のタンパク質に直接的にまたは間接的に結合する。したがって、ある特定の実施形態では、上述の安定化(例えば、ステープル、ステッチ)ペプチドは、上述のペプチドデグロンに連結している。例示的なキメラを、図7、15、17、および18に示す。
安定化ペプチドは、目的の任意のリンカー(例えば、ペプチドリンカー、合成化合物リンカー)によってデグロンに連結していてもよい。ペプチドデグロンを安定化ペプチドに連結し、本明細書において記載するキメラを形成するために使用することができるリンカーの非限定的な例を以下に記載し、サブセットを図6で図示する。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、配列番号1〜24および134のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。一部の実施形態では、ペプチドデグロンは、配列番号25〜46、65〜118のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の場合では、ペプチドデグロンは安定化ペプチドのN末端に結合している。他の場合では、ペプチドデグロンは安定化ペプチドのC末端に結合している。一部の場合では、1個または複数のデグロンは、安定化ペプチドのN末端とC末端の両方に結合している。一部の場合では、デグロンは、安定化ペプチドの内部アミノ酸位置(すなわち、安定化ペプチドにおける、NまたはC末端を除く任意のアミノ酸位置、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9位など)に結合している。一部の場合では、1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンは、安定化ペプチドに結合している。1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンが安定化ペプチドに結合している一部の場合では、1個のデグロンは、安定化ペプチドの末端に結合していてもよく、1個のデグロンは、安定化ペプチドの内部位置に結合していてもよい。1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンが安定化ペプチドに結合している一部の場合では、1個のデグロンは、安定化ペプチドの各末端に結合していてもよい。1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンが安定化ペプチドに結合している一部の場合では、1個を超える各デグロンが安定化ペプチドの内部位置に結合している。図7は、デグロンが内部アミノ酸位置において安定化ペプチドに結合している例示的なキメラを示す。
ある特定の場合では、安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラは、配列番号119〜126のうちの1つのアミノ酸配列を有する。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個のペプチドデグロンを含む。ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)ペプチドデグロンおよび1個の安定化ペプチドを含む。ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)ペプチドデグロンを含む。
図7、15、17、および18で挙げる各キメラ構築物は本開示に包含される。図7、15、17、および18で挙げる各キメラ構築物のバリアントは本開示に包含される。
ある特定の実施形態では、キメラは、以下の実施例の項に記載のキメラである。例えば、安定化ペプチド−ペプチドデグロンキメラの非限定的な例に関しては、以下の実施例6を参照されたい。
安定化ペプチド−小分子デグロンキメラ
安定化ペプチド−小分子デグロンキメラを本明細書において提供する。これらのキメラは、安定化ペプチドおよび小分子デグロンから構成され、安定化ペプチドは、分解の標的である第1のタンパク質に結合し、小分子デグロンは、分解誘導タンパク質である第2のタンパク質に結合する。したがって、ある特定の実施形態では、上述の安定化(例えば、ステープル、ステッチ)ペプチドは、上述の小分子デグロンに連結している。安定化ペプチドは、目的の任意のリンカー(例えば、合成化合物リンカー)によってデグロンに連結していてもよい。例示的なキメラを、図1、7、8、9、11、12、19、および20に示す。
ある特定の実施形態では、第1のタンパク質は、第2のタンパク質またはリガンドまたは第2のタンパク質の受容体による分解の標的である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞内タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞外タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞表面タンパク質(例えば、受容体)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細菌性タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質はウイルス性タンパク質である。ある特定の場合では、第1のタンパク質は、神経変性の原因となるタンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)である。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、配列番号1〜24、および134のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、リンカーを介して小分子デグロンに結合している。安定化ペプチドおよび小分子が互いに結合し、本明細書において記載するキメラを形成するために使用することができるリンカーの非限定的な例を以下に記載し、サブセットを図6に図示する。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、小分子ペプチドに間接的に結合している。
ある特定の場合では、小分子デグロンは安定化ペプチドのN末端に結合している。他の場合では、小分子デグロンは安定化ペプチドのC末端に結合している。一部の場合では、1個または複数のデグロンは安定化ペプチドのN末端とC末端の両方に結合している。一部の場合では、デグロンは安定化ペプチドの内部アミノ酸位置(すなわち、安定化ペプチドにおける、NまたはC末端を除く任意のアミノ酸位置、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9位など)に結合している。一部の場合では、1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンは安定化ペプチドに結合している。1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンが安定化ペプチドに結合している一部の場合では、1個のデグロンは、安定化ペプチドの末端に結合していてもよく、1個のデグロンは、安定化ペプチドの内部位置に結合していてもよい。1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンが安定化ペプチドに結合している一部の場合では、1個のデグロンは、安定化ペプチドの各末端に結合していてもよい。1個を超える(例えば、2または3個の)デグロンが安定化ペプチドに結合している一部の場合では、1個を超える各デグロンは、安定化ペプチドの内部位置に結合している。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えば、E3ユビキチンリガーゼまたはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例としては、VHL、COP1、およびMDM2がある。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択されるタンパク質に結合するタンパク質である。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2またはMDM2と複合体を形成するタンパク質、例えばMDMXに結合する。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えばE3ユビキチンリガーゼ、またはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、E3リガーゼ(例えば、MDM2)またはE3リガーゼと複合体を形成するタンパク質、例えばMDM2に結合するMDMXに結合する。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RING E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Mdm2−MdmX、TRIM5α、c−CBL、cIAP、RNF4、BIRC7、IDOL、BRCA1−BARD1、RING1B−Bmi1、E4B、CHIP、Prp19)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、HECT E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Smurf1、Smurf2、Itch、E6AP)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RBR E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Parkin、Parc、RNF144(A/B)、HOIP、HHARI)である。例えば、E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例に関しては、Morreale and Walden, Cell 165, 2016 DOI http:/dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.03.003を参照されたい。
ある特定の実施形態では、小分子デグロンは、サリドマイドに基づいている(例えば、上記構造を参照のこと)。ある特定の実施形態では、小分子デグロンは、フォンヒッペルリンダウタンパク質に結合するリガンドに基づいている(例えば、上記構造を参照のこと)。ある特定の実施形態では、小分子デグロンは、当技術分野において公知の任意のデグロンである。ある特定の実施形態では、本明細書において用いる小分子デグロンは、米国特許第9,694,084号;同第9,750,816号;同第9,770,512号;同第9,821,068号;同第9,783,575号;同第9,765,019号;同第9,632,089号;および同第9,500,653号に記載の任意のデグロンであり、これら全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
ステープルペプチド−小分子デグロンキメラの非限定的な例を以下に示す:
ここで、8=R−オクテニルアラニン;B=ノルロイシン;#=シクロブチルアラニン;X=S−ペンテニルアラニンであり、一部の場合では、XおよびXは同じ(例えば、S−ペネテニルアラニン)であり、^=サリドマイド−アミノヘキサン酸(thalidomide-aminohexanoic)、&=Lys−イプシロン−アミノ−サリドマイド、%=A、A、A、A、A、A、A、A、A、A10、またはA11、ここで、A=DAB−サリドマイド、A=DAB−Gly−Thal、A=DAB−βAla−Thal、A=DAB−リンカー1−Thal、A=DAB−リンカー2−Thal、A=DAB−リンカー3−Thal、A=DAB−リンカー4−Thal、A=DAB−リンカー5−Thal、A=DAB−リンカー6−Thal、A10=DAB−リンカー7−Thal、およびA11=DAB−リンカー8−Thal;$=B、B、B、B、B、またはB、ここで、B=DAB−TRIBカルボキシレート、B=DAB−Gly−TRIBカルボキシレート、B=DAB−βAla−TRIBカルボキシレート、B=DAB−リンカー3−TRIBカルボキシレート、B=DAB−リンカー5−TRIBカルボキシレート、およびB=DAB−リンカー7−TRIBカルボキシレート;@=C、C、C、C、C、またはC、ここで、C=DAB−VHLカルボキシレート、C=DAB−Gly−VHLカルボキシレート、C=DAB−βAla−VHLカルボキシレート、C=DAB−リンカー3−VHLカルボキシレート、C=DAB−リンカー5−VHLカルボキシレート、およびC=DAB−リンカー7−VHLカルボキシレートであり、
ここで、リンカー1−リンカー8を図6で図示する。一部の実施形態では、サリドマイド−アミノヘキサン酸(^)またはLys−イプシロン−アミノ−サリドマイド(&)は、リンカーを介してステープルペプチドに連結している。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−小分子デグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個の小分子デグロンを含む。ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−小分子デグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)小分子デグロンおよび1個の安定化ペプチドを含む。ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−小分子デグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)小分子デグロンを含む。
上記で挙げたキメラ構築物およびこれらのバリアントはそれぞれ、本開示に包含される。図1、7、8、9、11、12、19、および20で挙げるキメラ構築物はそれぞれ、本開示に包含される。図1、7、8、9、11、12、19、および20で挙げるキメラ構築物のバリアントはそれぞれ、本開示に包含される。
ある特定の実施形態では、キメラは、以下の実施例の項に記載のキメラである。例えば、安定化ペプチド−小分子デグロンキメラの非限定的な例に関する以下の実施例2、3、4、および7を参照されたい。
安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラ
安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラを、本明細書において提供する。これらのキメラは、第1の安定化ペプチドおよび第2の安定化ペプチドの2個の安定化ペプチドから構成され、第1の安定化ペプチドが、分解されることになる標的タンパク質である第1のタンパク質に結合し、第2の安定化ペプチドが、分解誘導タンパク質である第2のタンパク質に結合する。したがって、ある特定の実施形態では、上述の第1の安定化(例えば、ステープル、ステッチ)ペプチドは、上述の第2の安定化(例えば、ステープル、ステッチ)ペプチドに連結している。第1および第2の安定化ペプチドは、直接的にまたは間接的に連結していてもよい。
ある特定の実施形態では、第1のタンパク質は、第2のタンパク質または第2のタンパク質のリガンドもしくは受容体によって分解されることになる標的タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞内タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞外タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞表面タンパク質(例えば、受容体)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細菌性タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質はウイルス性タンパク質である。ある特定の場合では、第1のタンパク質は、神経変性の原因となるタンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)である。
ある特定の実施形態では、第1の安定化ペプチドは、配列番号1〜24、および134のうちのいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。
ある特定の実施形態では、第1の安定化ペプチドは、リンカーを介して第2の安定化ペプチドに結合している。第1のおよび第2の安定化ペプチドが互いに結合し、本明細書において記載するキメラを形成するために使用することができるリンカーの非限定的な例を以下に記載し、サブセットを図6で図示する。
ある特定の実施形態では、第1の安定化ペプチドは、第2の安定化ペプチドに間接的に結合している。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は分解誘導タンパク質、例えば、E3ユビキチンリガーゼまたはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例としては、VHL、COP1、およびMDM2がある。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2、MDMX、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択されるタンパク質に結合するタンパク質である。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2またはMDM2と複合体を形成するタンパク質、例えばMDMXに結合する。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えばE3ユビキチンリガーゼ、またはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、E3リガーゼ(例えば、MDM2)またはE3リガーゼと複合体を形成するタンパク質、例えばMDM2に結合するMDMXに結合する。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RING E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Mdm2−MdmX、TRIM5α、c−CBL、cIAP、RNF4、BIRC7、IDOL、BRCA1−BARD1、RING1B−Bmi1、E4B、CHIP、Prp19)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、HECT E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Smurf1、Smurf2、Itch、E6AP)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RBR E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Parkin、Parc、RNF144(A/B)、HOIP、HHARI)である。例えば、E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例に関しては、Morreale and Walden, Cell 165, 2016 DOI http:/dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.03.003を参照されたい。
ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号134に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号6に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号18に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。
ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、米国特許第8,889,632号、同第9,458,202号、同第9,505,804号、同第9,527,896号、同第9,957,299号、同第10,030,049号、および同第10,059,741号、WO1998/001467およびWO2017/165617、および米国特許出願公開第2014/0018302A1号に記載の安定化ペプチドであり、これらの出願はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
ある特定の場合では、第1の安定化ペプチドは、第2の安定化ペプチドのN末端に結合している。他の場合では、第1の安定化ペプチドは、第2の安定化ペプチドのC末端に結合している。一部の場合では、第1の安定化ペプチドは、第2の安定化ペプチドの内部アミノ酸位置(すなわち、安定化ペプチドにおける、NまたはC末端を除く任意のアミノ酸位置、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9位など)に結合している。ある特定の場合では、第2の安定化ペプチドは、第1の安定化ペプチドのN末端に結合している。他の場合では、第2の安定化ペプチドは、第1の安定化ペプチドのC末端に結合している。一部の場合では、第2の安定化ペプチドは、第1の安定化ペプチドの内部アミノ酸位置(すなわち、安定化ペプチドにおける、NまたはC末端を除く任意のアミノ酸位置、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9位など)に結合している。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラは、分解されることになる1個または複数のタンパク質に結合する1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび分解誘導タンパク質に結合する1個の安定化ペプチドデグロンを含む。ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の分解誘導タンパク質に結合する1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドデグロンおよび分解されることになるタンパク質に結合する1個の安定化ペプチドを含む。ある特定の実施形態では、安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラは、分解されることになる1個または複数のタンパク質に結合する1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドおよび1個または複数の分解誘導タンパク質に結合する1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドデグロンを含む。
図21で挙げる各キメラ構築物は本開示に包含される。図21で挙げる各キメラ構築物のバリアントは本開示に包含される。
ある特定の実施形態では、キメラは、以下の実施例の項に記載のキメラである。例えば、安定化ペプチド−安定化ペプチドデグロンキメラの非限定的な例に関する以下の実施例8を参照されたい。
小分子−安定化ペプチドデグロンキメラ
小分子−安定化ペプチドデグロンキメラを本明細書において提供する。これらのキメラは、小分子および安定化ペプチドから構成され、小分子が、分解されることになる標的タンパク質である第1のタンパク質に結合し、安定化ペプチドが、分解誘導タンパク質である第2のタンパク質に結合する。したがって、ある特定の実施形態では、小分子は、上述の安定化(例えば、ステープル、ステッチ)ペプチドに連結している。小分子および安定化ペプチドは、直接的にまたは間接的に連結していてもよい。
ある特定の実施形態では、第1のタンパク質は、第2のタンパク質または第2のタンパク質のリガンドもしくは受容体によって分解されることになる標的タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞内タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞外タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細胞表面タンパク質(例えば、受容体)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または細胞に損傷を与えるかもしくは神経変性の原因となるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS(ヘモグロビン鎌状細胞)、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質は細菌性タンパク質である。一部の実施形態では、第1のタンパク質はウイルス性タンパク質である。ある特定の場合では、第1のタンパク質は、神経変性の原因となるタンパク質凝集体(例えば、ベータ−アミロイド)である。
ある特定の実施形態では、小分子は、キメラの一部を形成する場合、その標的と相互作用するためのキメラのステープルペプチドの能力に干渉することなく、タンパク質に結合することができる任意の薬物または化学的化合物である。(キメラのその背景において)その標的と相互作用するための(キメラの)ステープルペプチドの能力に対する薬物のまたは化学的化合物の干渉を評価するためのアッセイおよび方法、例えば免疫蛍光法および共免疫沈降法は、当技術分野において公知である。ある特定の実施形態では、小分子は図23で図示する化合物である。ある特定の実施形態では、小分子はキナーゼ阻害剤である。ある特定の実施形態では、小分子はヒストン脱アセチル化酵素阻害剤である。
ある特定の実施形態では、小分子は、リンカーを介して安定化ペプチドに結合している。小分子および安定化ペプチドが互いに結合し、本明細書において記載するキメラを形成するために使用することができるリンカーの非限定的な例を以下に記載し、サブセットを図6で図示する。
ある特定の実施形態では、小分子は、安定化ペプチドに間接的に結合している。
ある特定の場合では、小分子は安定化ペプチドのN末端に結合している。他の場合では、小分子は安定化ペプチドのC末端に結合している。一部の場合では、小分子は安定化ペプチドの内部アミノ酸位置(すなわち、安定化ペプチドにおける、NまたはC末端を除く任意のアミノ酸位置、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9位など)に結合している。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えば、E3ユビキチンリガーゼまたはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例としては、VHL、COP1、およびMDM2がある。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2、MDMX、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択されるタンパク質に結合するタンパク質である。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、MDM2またはMDM2と複合体を形成するタンパク質、例えばMDMXに結合する。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、分解誘導タンパク質、例えばE3ユビキチンリガーゼ、またはE3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである。ある特定の実施形態では、第2のタンパク質はE3ユビキチンリガーゼである。一部の実施形態では、第2のタンパク質は、E3リガーゼ(例えば、MDM2)またはE3リガーゼと複合体を形成するタンパク質、例えばMDM2に結合するMDMXに結合する。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RING E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Mdm2−MdmX、TRIM5α、c−CBL、cIAP、RNF4、BIRC7、IDOL、BRCA1−BARD1、RING1B−Bmi1、E4B、CHIP、Prp19)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、HECT E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Smurf1、Smurf2、Itch、E6AP)である。ある特定の実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、RBR E3ユビキチンリガーゼ(例えば、Parkin、Parc、RNF144(A/B)、HOIP、HHARI)である。例えば、E3ユビキチンリガーゼの非限定的な例に関しては、Morreale and Walden, Cell 165, 2016 DOI http:/dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.03.003を参照されたい。
ある特定の実施形態では、安定化ペプチドは、配列番号134に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号6に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。ある特定の実施形態では、第2の安定化ペプチドは、配列番号18に記載のアミノ酸配列またはそのバリアントを有する。
ある特定の実施形態では、小分子−安定化ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドデグロンおよび1個の小分子を含む。ある特定の実施形態では、小分子−安定化ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)小分子および1個の安定化ペプチドデグロンを含む。ある特定の実施形態では、小分子−安定化ペプチドデグロンキメラは、1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)安定化ペプチドデグロンおよび1個または複数の(例えば、2、3、4個の、またはそれを超える)小分子を含む。
図23で図示するキメラ構築物は、本開示に包含される。図23で図示するキメラ構築物のバリアントは、本開示に包含される。
ある特定の実施形態では、キメラは、以下の実施例の項に記載のキメラである。例えば、小分子−安定化ペプチドデグロンキメラの非限定的な例に関しては以下の実施例9を参照されたい。
リンカー
上述の構築物において使用することができるリンカーに関しては、特に制限はない。一部の実施形態では、リンカーは、アミノ酸、例えばアミノプロピオン酸、アミノブタン酸、アミノペンタン酸、またはアミノヘキサン酸である。一部の実施形態では、リンカーは、オリゴエチレングリコール、すなわち、NH−(CH−CH−O)−CH−CH−COOHである。一部の実施形態では、リンカーはペプチドリンカーである。一部の実施形態では、約1から30個の残基(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個のアミノ酸)を含む任意の(any arbitrary)単一鎖ペプチドをリンカーとして使用することができる。他の実施形態では、リンカーは、10から20、10から30、10から40、10から50、10から60、10から70、10から80、10から90、10から100、10から144、または10から150個のアミノ酸長である。ある特定の場合では、リンカーは、グリシンおよび/またはセリン残基のみを含む。そのようなペプチドリンカーの例としては、Gly、Ser;GlySer;GlyGlySer;SerGlyGly;GlyGlyGlySer(配列番号47);SerGlyGlyGly(配列番号48);GlyGlyGlyGlySer(配列番号49);SerGlyGlyGlyGly(配列番号50);GlyGlyGlyGlyGlySer(配列番号51);SerGlyGlyGlyGlyGly(配列番号52);GlyGlyGlyGlyGlyGlySer(配列番号53);SerGlyGlyGlyGlyGlyGly(配列番号54);(GlyGlyGlyGlySer)(配列番号49)n(ここで、nは1またはそれよりも多い整数である);および(SerGlyGlyGlyGly)(配列番号50)n(ここで、nは1またはそれよりも多い整数である)がある。一部の場合では、リンカーは、セリン残基が別のアミノ酸で置き換えられていることを除いて、配列番号4のアミノ酸配列を有する。一部の場合では、リンカーは、リンカーの各コピーにおけるセリン残基が別のアミノ酸で置き換えられていることを除いて、配列番号4のアミノ酸配列の複数のコピー(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10コピー)を有する。
他の実施形態では、リンカーペプチドは、(従来のGly/Serリンカーペプチドリピートのジャンクションにおいて生じる)アミノ酸配列GSGが存在しないように改変される。例えば、ペプチドリンカーは、(GGGXX)GGGGS(配列番号55)およびGGGGS(XGGGS)(配列番号56)(ここで、Xは、配列へ挿入することができ、配列GSGを含むポリペプチドはもたらさない任意のアミノ酸であり、nは0から4である)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、リンカーペプチドの配列は、(GGGXGGGGS(ここで、XはPであり、XはSであり、nは0から4である)(配列番号57)である。別の実施形態では、リンカーペプチドの配列は、(GGGXGGGGS(ここで、XはGであり、XはQであり、nは0から4である)(配列番号58)である。別の実施形態では、リンカーペプチドの配列は、(GGGXGGGGS(ここで、XはGであり、XはAであり、nは0から4である)(配列番号59)である。更に別の実施形態では、リンカーペプチドの配列は、GGGGS(XGGGS)(ここで、XはPであり、nは0から4である)(配列番号60)である。一実施形態では、本発明のリンカーペプチドは、アミノ酸配列(GGGGA)GGGGS(配列番号61)を含むか、またはそれからなる。別の実施形態では、リンカーペプチドは、アミノ酸配列(GGGGQ)GGGGS(配列番号62)を含むかまたはそれからなる。更に別の実施形態では、リンカーペプチドは、アミノ酸配列(GGGPS)GGGGS(配列番号63)を含むかまたはそれからなる。さらなる実施形態では、リンカーペプチドは、アミノ酸配列GGGGS(PGGGS)(配列番号64)を含むかまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、リンカーは、合成化合物リンカー(化学的架橋剤)である。市場で入手可能な架橋剤の例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホ−DST)、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)、およびビス[2−(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(スルホ−BSOCOES)がある。
ある特定の実施形態では、リンカーは、図6で図示するリンカーである。
安定化ペプチドデグロンキメラを合成する方法
ステープルペプチド−小分子デグロンキメラの合成
炭化水素−ステープルペプチドは、以前に報告された方法(Bird et al., Methods Enzymol., 446:369-86 (2008); Bird et al., Curr. Protoc. Chem. Biol., 3(3):99-117 (2011))を、以下の変更および追加の詳細とともに使用して合成し、精製し、定量化することができる。ペプチドは、所望の配列が完了するまで、確立された方法(すなわち、Fmoc保護アミノ酸、HATUカップリング試薬)を使用して合成する。次いでペプチドを、Grubbs触媒(第一世代)を使用してステープル化し、ピペリジンを使用してN末端を脱保護する。多原子リンカー、例えばベータアラニンまたはアミノヘキサン酸を組み込む。次いでサリドマイド−COOHを、HCTUを使用してカップリングする。イミド結合は求核試薬に対して特に感受性があるため、ピペリジンまたはヒドラジンは組込み後に使用しない。次いでペプチドを、TFAを用いて1時間切断し、LCMSで精製する。
ステープルペプチド−ペプチドデグロンキメラの合成
キメラのステープルペプチド部分は、上記のとおりに合成し、続いて完全に保護されたペプチドデグロンをカップリングしてもよい。完全に保護されたデグロンペプチドは、グリコール酸無水物のペプチドN末端との反応である最終合成ステップと同時に、弱酸開裂性樹脂、例えばSieberアミド樹脂上で合成することができる。1%TFAで切断後、保護されたペプチドをエーテル中で沈殿させ、酢酸/水中に溶解し、凍結乾燥する。次いで、完全に保護されたデグロンペプチドをカップリング試薬および塩基と混合し、樹脂結合ステープルペプチドN末端と2時間反応させ、続いてTFAで切断し、精製し、ステープルペプチド−ペプチドデグロンを得る。
ステープルペプチド−ステープルペプチドデグロンキメラの合成
第1のステープルペプチド部分を、上述の確立された方法を使用して合成し、続いてリンカー部分、例えばベータアラニンまたはアミノヘキサン酸を組み込んでもよい。次いで第2のステープルペプチドキメラの半分を、第1のステープルペプチド部分に関する同じプロトコールを使用して合成し、次いでキメラ全体を、Grubbs触媒(第一世代)を使用してステープル化し、続いてN末端をアセチル化してもよい。次いでキメラを、TFAを用いて1時間切断し、LCMSで精製する。
小分子−ステープルペプチドデグロンキメラの合成
キメラのステープルペプチド部分は、上述の確立された方法を使用して合成してもよく、続いてペプチドを、Grubbs触媒(第一世代)を使用してステープル化し、ピペリジンを用いてN末端を脱保護し、多原子リンカー、例えばベータアラニンまたはアミノヘキサン酸を組み込む。小分子のステープルペプチドへのカップリングは上述のように行うことができる。
本発明の安定化(例えば、ステープル)ペプチドデグロンキメラの特性および機能的活性は、例えば、以下に記載する方法を使用してアッセイすることができる。
ステープルペプチドデグロンキメラのタンパク質標的への結合
競合的蛍光偏光アッセイを行い、(1)キメラのステープルペプチド(または分子)部分の、そのタンパク質標的に対する結合親和性を保持するための能力および(2)デグロン構成成分(分子またはペプチドでも)の、そのタンパク質標的に対する結合親和性を保持するための能力をモニターする。ステープルペプチドおよび分子デグロンに関する例示的な蛍光偏光法としては、Pitter et al Methods Enzymol 446: 387-408 (2008)およびNowak et al. Nat Chem Biol 14:706-714 (2018)がある。GFP−標識された標的タンパク質基質(例えばGFP−BRD4)を使用したin celluloでの分解アッセイを同様に使用し、完全なままの細胞を貫通するステープルペプチドデグロンキメラの能力を確認し、陽性対照分子デグロンキメラ(例えばdBET6)と競合させ、誘発される分解を阻害させる。そのような競合的細胞分解アッセイのための例示的な方法は、Nowak et al. Nat Chem Biol 14:706-714 (2018)で見出すことができる。
ステープルペプチドデグロンキメラによって誘発される、組換えタンパク質標的のユビキチン化のモニタリング
タンパク質標的のin vitroでのユビキチン化をモニターするために、市販のMdm2/HDM2ユビキチンリガーゼキット(K−200B)を用いてもよい。簡潔には、キメラ(10μM)、組換え完全長MDM2(GST標識、1μM)、E1酵素(UBE1、50nM)、E2酵素(UBE2D3、1μM)、ユビキチン(100μM)、ATP(1mM)および組換え標的タンパク質(100nM)を、反応緩衝液中で1.5mLのマイクロチューブにおいて組み合わせる。混合物を37℃で6時間インキュベートする。その後、標準的なウエスタンブロット技術を使用して、反応混合物20μLをアッセイし、それによって標的タンパク質に対して生成された抗体を使用し、ユビキチン化によって上昇したバンドシフトを可視化する。
ステープルペプチドデグロンキメラによって誘発される、in celluloでの天然タンパク質分解のモニタリング
細胞内タンパク質分解に関してアッセイするために、がん細胞(例えば、SJSA−1、SJSA−X、U2OS)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Pen Strep)を含むDMEM(Life Technologies、Grand Island、NY)培養培地(CM)中で、37℃で湿度制御されたCO平衡化インキュベーターにおいて継代する。処置の前日に、細胞を継代し、100,000細胞/mLの密度で6ウェルプレート中に播種する。24時間後、細胞を、ステープルペプチドデグロンキメラ(例えば、10μM)で0、2、4および6時間処置し、その後、これらを採取し、溶解する。次いで細胞溶解物を、標的タンパク質に対して生成された抗体を使用し、標準的なウエスタンブロット技術を使用してアッセイし、タンパク質レベルおよび負荷対照に対するアクチン抗体を評価する。
ステープルペプチドデグロンキメラによって誘発される標的タンパク質分解のがん細胞生存率に対する影響のモニタリング
両方のタンパク質標的への結合を保持し、細胞取込みを達成し、それらのin celluloでの二重標的にアクセスし、標的タンパク質の分解を誘発することができるステープルペプチドデグロンキメラを、確立された細胞生存率ならびにCell Titer Gloおよびカスパーゼ3/7活性化アッセイを含むアポトーシスアッセイを使用して報告とおりに行い(例えば、Labelle et al, J Clin Invest 122:2018-31 (2012);Wachter et al, Oncogene, 36:2184-2190 (2017);Guerra et al, Cell Reports 24:3393-3403 (2018))、がん細胞に対するそれらの細胞毒性効果に関して評価する。例えば、それらのタンパク質標的、および/または標的タンパク質を発現しない細胞系、および/または目的の分解誘導タンパク質に結合する(engages)ことができない点突然変異体ペプチドを使用して、作用特異性の対照研究(specificity of action controls studies)を行った。
処置方法
本明細書において開示されるキメラは、安定化ペプチドまたは小分子が結合する疾患に関連するタンパク質の分解を促進することができる。ある特定の場合では、分解されるタンパク質は、BAXまたはBAKのようなキラータンパク質である(これは、例えば、脳卒中、神経変性疾患、および心臓発作における低酸素症などのストレス中の細胞保護剤として有用である)。ある特定の場合では、分解されるタンパク質は、骨髄腫におけるIg、アルツハイマー疾患におけるアミロイド、疾患をもたらす他のタンパク質沈着物のような細胞に損傷を与えるタンパク質である。ある特定の場合では、分解されるタンパク質は、BCL2、/BCLX、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、PUMA、SOSKRAS/NRAS/HRAS、MYC、b−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質である。ある特定の場合では、分解されるタンパク質はアミロイドベータ(アルツハイマー疾患)、タウタンパク質(アルツハイマー疾患)、アルファ−シヌクレイン(アルツハイマー疾患)、TDP−43(前頭側頭葉変性症)、スーパーオキシドジスムターゼ(ALS)、Notch3(CADASIL)、FUS(肉腫、ALS)、アミロイドA、Ig重鎖および軽鎖、ならびにGFAP(アレキサンダー疾患)からなる群から選択されるタンパク質である。
本開示は、がん、自己免疫疾患、または炎症性疾患を予防および/または処置するための、本明細書において記載する安定化ペプチドまたはキメラのうちのいずれかを使用する方法を特徴とする。「処置する」または「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、そのために対象が患う疾患または状態を軽減、阻害、または回復することを指す。
本明細書において記載するペプチドまたはキメラは、がんを呈するヒト対象の処置に有用であり得る。本明細書において記載するペプチドまたはキメラは、黒色腫、白血病、リンパ腫、または他の血液悪性腫瘍または固形腫瘍を呈するヒト対象の処置にも有用であり得る。ある特定の場合では、固形腫瘍は、黒色腫、乳がんまたは肺がんである。一部の実施形態では、本明細書において記載するペプチドまたはキメラは、自己免疫疾患または細胞過剰疾患の特徴を示す他の炎症性状態を呈するヒト対象の処置に有用であり得る。ある特定の場合では、自己免疫疾患は、自己免疫結腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、血管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン疾患である。一部の場合では、炎症性疾患、喘息、乾癬、炎症性結腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または血管炎である。
内因性タンパク質(例えば、MDM2のような発がんタンパク質)がデグロンを含むように改変する場合、任意の遺伝子編集技術を使用することができる(例えば、米国特許第9,840,713号;同第9,840,702号;同第9,840,699号;同第9,834,791号;同第9,822,372号;同第9,816,080号;同第9,790,490号;同第9,783,490号;同第9,771,601号;同第9,758,775号;同第9,738,908号;同第9,616,090号;同第9,574,211号を参照されたく、これら全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする)。新たに導入されたデグロンの存在は、タンパク質の分解につながるはずである。
一般的に、方法は、対象を選択し、有効量の1個または複数の本明細書におけるペプチドを、例えば、医薬組成物でまたはそれとして対象に投与し、必要に応じて反復投与して、がん、例えば、黒色腫またはリンパ腫を予防するかまたは処置することを含み、経口で、静脈内でまたは局所的に投与してもよい。対象は、例えば対象が、ステープルペプチドが標的とするタンパク質(例えば、MCL−1、BFL−1)を発現するがんを有することの判定に基づいて処置するために選択してもよい。
任意の特定の患者に関する特異的投薬量および処置レジメンは、さまざまな因子に左右されることになり、その因子としては、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物の組合せ、疾患、状態または症状の重症度および経過、疾患に対する患者の傾向、状態または症状、ならびに処置する医師の判断がある。
有効量は、1回または複数回の投与、適用または投薬として投与してもよい。治療有効量の治療化合物(すなわち、有効投薬量)は、選択される治療化合物に依存する。組成物は、1日当たり1回または複数回から1週当たり1回または複数回、投与することができ、隔日で1回を含む。当業者であれば、これらに限定されないが、疾患または障害の重症度、治療歴、対象の全身的な健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むある特定の因子が、対象を効果的に処置するために必須の投薬量およびタイミングに影響を与える場合があることは理解するであろう。更に、本明細書において記載する治療有効量の治療化合物を用いた対象の処置は、単回の処置または一連の処置を含んでいてもよい。例えば、有効量を、少なくとも一回投与してもよい。
医薬組成物
本明細書において記載する1個または複数の安定化ペプチドまたはキメラのうちのいずれかは、医薬組成物としてまたはそれにおいて使用するために製剤化することができる。そのような組成物は、任意の経路、例えば食品医薬品局(FDA)によって承認された任意の経路を介した対象への投与のために、製剤化するかまたは適応させることができる。例示的な方法は、FDAのCDER Data Standards Manual第004版(fda.give/cder/dsm/DRG/drg00301.htmにおいて利用可能である)に記載されている。例えば、組成物は、吸入(例えば、経口および/または経鼻吸入(例えば、ネブライザーまたは噴霧剤を介した))、注射(例えば、静脈内、動脈内、サブダーマル(subdermally)、腹腔内、筋肉内、および/または皮下(subcutaneously))による投与用に;および/または経口投与、経粘膜投与、および/または局所投与(局所(例えば、経鼻)用スプレー剤および/または液剤を含む)用に製剤化または適応させることができる。
一部の場合では、医薬組成物は、有効量の1個または複数の安定化ペプチドを含んでいてもよい。「有効量」および「処置に有効な」という用語は、本明細書で使用される場合、意図する効果または生理学的アウトカムをもたらすためのその投与(例えば、感染症の処置)の背景内で有効な期間(急性または慢性投与および周期的または連続的投与を含む)で利用される、本明細書において記載する1個または複数の化合物または医薬組成物の量または濃度を指す。
本発明の医薬組成物は、1個または複数のペプチド、ならびに任意の薬学的に許容される担体および/またはビヒクルを含んでいてもよい。一部の場合では、医薬品は、疾患または疾患の症状のモジュレートを達成するために有効な量で1個または複数の追加の治療剤を更に含んでいてもよい。
「薬学的に許容される担体またはアジュバント」という用語は、本発明の化合物とともに患者に投与してもよく、その薬理学的活性を破壊せず、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与した場合に非毒性である担体またはアジュバントを指す。
本発明の医薬組成物において使用してもよい薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルとしては、これらに限定されるものではないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達系(SEDDS)、例えばd−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、医薬品投薬形態において使用する界面活性剤、例えばTween(登録商標)または他の同様の高分子送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂がある。シクロデキストリン、例えばα−、β−、およびγ−シクロデキストリンも、本明細書において記載する製剤の化合物の送達を強化するために有利に使用してもよい。
本発明の医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含んでいてもよい。一部の場合では、製剤のpHは、製剤化化合物またはその送達形態の安定性を強化するための薬学的に許容される酸、塩基または緩衝剤を用いて調整してもよい。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病変部内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
医薬組成物は、吸入および/または経鼻投与のための液剤または散剤の形態であってもよい。そのような組成物は、好適な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween(登録商標)80)および懸濁化剤を使用して、当技術分野において公知の技術に従って製剤化してもよい。注射可能な滅菌調製物はまた、非毒性非経口で許容される希釈剤または溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として注射用滅菌液剤または懸濁剤としてもよい。用いてもよい許容されるビヒクルおよび溶媒のうちの1つは、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。更に、滅菌、固定油を、溶媒または懸濁媒体として慣例的に用いる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無菌固定油を用いてもよい。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、注射可能な調製物において有用であり、天然の薬学的に許容される油、例えば特にそのポリオキシエチル化型のオリーブ油またはヒマシ油も同様である。これらの油性液剤または懸濁剤には、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または薬学的に許容される投薬形態の製剤、例えばエマルションおよび/もしくは懸濁剤において通常使用する同様の分散剤も含まれる場合がある。他の通常使用する界面活性剤、例えばTween(登録商標)またはSpanおよび/または薬学的に許容される固形剤、液剤、もしくは他の投薬形態の製造において通常使用する他の同様の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ促進剤も、製剤の目的で使用してもよい。
医薬組成物は、任意の経口で許容される投薬形態で、経口で投与することができ、その投薬形態としては、これらに限定されないが、カプセル剤、錠剤、エマルション剤および水性懸濁剤、分散剤および液剤がある。経口使用のための錠剤の場合、通常使用される担体としては、ラクトースおよびコーンスターチがある。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムも通常添加される。カプセル剤形態での経口投与に関しては、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチがある。水性懸濁剤および/またはエマルション剤が経口で投与される場合、活性成分は、乳化剤および/または懸濁化剤と組み合わせて油性相中に懸濁するかまたは溶解してもよい。必要に応じて、ある特定の甘味料および/または香味料および/または着色剤を添加してもよい。
あるいはまたは更に、医薬組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、医薬品製剤の技術分野において周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な防腐剤、バイオアベイラビリティを強化するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野において公知の他の可溶化または分散剤を用いて、生理食塩水中の液剤として調製してもよい。
一部の場合では、本明細書において開示される1個または複数のペプチドは、例えば、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。そのようなコンジュゲート組成物は、一価または多価であってもよい。例えば、コンジュゲート組成物は、担体タンパク質にコンジュゲートしている本明細書において開示される1個のペプチドを含んでいてもよい。あるいは、コンジュゲート組成物は、担体にコンジュゲートしている2個またはそれを超える本明細書において開示されるペプチドを含んでいてもよい。
本明細書で使用される場合、2個の実体が互いに「コンジュゲート」している場合、これらは直接的または間接的な共有または非共有相互作用によって連結している。ある特定の実施形態では、会合は共有性である。他の実施形態では、会合は非共有性である。非共有相互作用としては、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性相互作用、静電的相互作用などがある。間接的共有相互作用は、2個の実体が共有的に連結されている場合、必要に応じてリンカー基を介する。
担体タンパク質は、対象における免疫原性を増加させるかまたは強化する任意のタンパク質を含んでいてもよい。例示的な担体タンパク質は、当技術分野において記載されている(例えば、Fattom et al., Infect. Immun., 58:2309-2312, 1990;Devi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7175-7179, 1991;Li et al., Infect. Immun. 57:3823-3827, 1989;Szu et al., Infect. Immun. 59:4555-4561,1991;Szu et al., J. Exp. Med. 166:1510-1524, 1987;およびSzu et al., Infect. Immun. 62:4440-4444, 1994を参照のこと)。高分子担体は、1個または複数の第1級および/または第2級アミノ基、アジド基、またはカルボキシル基を含む天然または合成材料であってもよい。担体は、水溶性であってもよい。
以下の例は、特許請求する発明を更に例示するために提供され、発明の範囲を限定するものとして判断されるべきではない。特定の材料が言及されている範囲で、それは例示を目的とするにすぎず、本発明を限定することを意図しない。当業者であれば、発明の能力を行使することなくかつ発明の範囲から逸脱することなく、同等の手段または反応物を発展させることができる。
(実施例1)
ステープルペプチドデグロンキメラの合成。
本発明者らは、(i)ステープルペプチド−小分子デグロンキメラ、(ii)ステープルペプチド−ペプチドデグロンキメラ、(iii)ステープルペプチド−ステープルペプチドデグロンキメラ、および(iv)小分子−ステープルペプチドデグロンキメラを含む一連のクラスのステープルペプチドデグロンキメラを生成した。これらのクラスのステープルペプチドデグロンキメラをそれぞれ製造するための方法を、以下に記載する。図26〜29によって、これらのキメラのステープルペプチド部分をデザインする際のアプローチの多様性が実証される。キメラの例示的な構成成分を、図1〜7、15〜16、21、23で図示する。
ステープルペプチド−小分子デグロンキメラの合成
炭化水素−ステープルペプチドは、以前に報告された方法(Bird et al., Methods Enzymol., 446:369-86 (2008);Bird et al., Curr. Protoc. Chem. Biol., 3(3):99-117 (2011))を、以下の変更および追加の詳細とともに使用して合成し、精製し、定量化した。ペプチドは、所望の配列が完了するまで、確立された方法(すなわち、Fmoc保護アミノ酸、HATUカップリング試薬)を使用して合成した。次いでペプチドを、Grubbs触媒(第一世代)を使用してステープル化し、ピペリジンを使用してN末端を脱保護した。多原子リンカー、例えばベータアラニンまたはアミノヘキサン酸を組み込んだ(図6のリンカーも参照のこと)。次いでサリドマイド−COOHを、HCTUを使用してカップリングした。イミド結合は求核試薬に対して特に感受性があり、したがって、ピペリジンまたはヒドラジンは組込み後に使用しなかった。次いでペプチドを、TFAを用いて1時間切断し、LCMSで精製した。
ステープルペプチド−ペプチドデグロンキメラの合成
ステープルペプチド−ペプチドデグロンキメラのステープルペプチド部分を上記のとおりに(すなわち、ステープルペプチド−小分子デグロンの合成に関するとおりに)合成した。次いでステープルペプチドを、完全に保護されたペプチドデグロンにカップリングした。完全に保護されたデグロンペプチドを、グリコール酸無水物のデグロンペプチドN末端との反応である最終合成ステップと同時に、弱酸開裂性樹脂、特に、Sieberアミド樹脂上で合成した。1%TFAで切断後、保護されたデグロンペプチドをエーテル中で沈殿させ、酢酸/水中に溶解し、凍結乾燥した。次いで、完全に保護されたデグロンペプチドをカップリング試薬および塩基と混合し、樹脂結合ステープルペプチドN末端と2時間反応させ、続いてTFAで切断し、精製し、ステープルペプチド−ペプチドデグロンを得た。
ステープルペプチド−ステープルペプチドデグロンキメラの合成
ステープルペプチド−ステープルペプチドデグロンキメラの第1のステープルペプチドを、上述の確立された方法を使用して(すなわち、ステープルペプチド−小分子デグロンの合成に関するとおりに)合成した。次いでリンカー部分、例えばベータアラニンまたはアミノヘキサン酸を第1のステープルペプチド中に組み込んだ。第2のキメラのステープルペプチドを、第1のキメラのステープルペプチドと同じプロトコールを使用して合成した。次に、キメラ全体(すなわち、両方のステープルペプチド)を、Grubbs触媒(第一世代)を使用してステープル化し、続いてN末端をアセチル化した。次いでキメラを、TFAを用いて1時間切断し、LCMSで精製した。
小分子−ステープルペプチドデグロンキメラの合成
小分子−ステープルペプチドデグロンキメラのステープルペプチド部分を、上述の確立された方法を使用して(すなわち、ステープルペプチド−小分子デグロンの合成に関するとおりに)合成し、続いてペプチドを、Grubbs触媒(第一世代)を使用してステープル化し、ピペリジンを用いてN末端を脱保護し、多原子リンカー、例えばベータアラニンまたはアミノヘキサン酸を組み込んだ。
小分子としてJQ1を含む小分子−ステープルペプチドデグロンキメラを生成した。JQ1のカルボキシル基(L. Anders et al., Nat. Biotechnol. 32, 92-96 (2014))は、化学的置換を許容することができるため、樹脂を、JQ1−酸(11.3mg、0.0281mmol、1eq)およびDMF(0.28ml、0.1M)中に溶解したN−(4−アミノブチル)−2−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(14.5mg、0.0281mmol、1eq)と室温でインキュベートした。DIPEA(14.7マイクロリットル、0.0843mmol、3eq)およびHATU(10.7mg、0.0281mmol、1eq)を添加し、続いて窒素下で20時間反応を行った。次いで小分子−ステープルペプチドデグロンキメラを、TFAを用いて1時間切断し、LCMSで精製した。
(実施例2)
ステープルペプチドデグロンキメラは、標的タンパク質結合親和性を保持し、細胞取込みを達成し、その天然標的にin celluloでアクセスすることができる。
例示的な蛍光偏光(FP)結合アッセイ(Nat Chem Biol. 2018 Jul; 14(7): 706-714を参照のこと)を行い、ステープルペプチド、リンカー、およびサリドマイド部分を組み込む一連のステープルペプチドデグロンキメラが、競合的FPによってモニターしたとおりにセレブロンへの結合を可変的に保持することができることを実証した(図8)。GFP−BRD4(例示的な標的タンパク質)の発現、ならびにセレブロンおよびBRD4を結合させ、BRD4分解を誘導する小分子タンパク質分解標的化キメラ(「PROTAC」)であるdBET6の投与を伴う細胞アッセイを使用することによって、ステープルペプチド−サリドマイドキメラが細胞に侵入し、セレブロン結合に対してdBET6と競合し、その結果GFP−BRD4を回復させることができる点を更に実証した(図9)。これらのデータによって、ステープルペプチドデグロンキメラは、標的タンパク質相互作用をin vitroで保持することができ、細胞にアクセスし、in celluloでの天然タンパク質分解誘導薬に結合することが実証された。
(実施例3)
ステープルBIM BH3ペプチドヘリックス−サリドマイドデグロンキメラによって標的とされる抗アポトーシスBCL−2ファミリータンパク質の分解。
プロアポトーシスBIM BH3ドメインをモデルにし、デグロン(例えば、Lys−デグロン、図2〜4)が組み込まれたステープルペプチドヘリックス−デグロンキメラペプチド(図1)を、がん細胞の生存率および化学療法抵抗性を促進するMCL−1などの抗アポトーシスBCL−2ファミリータンパク質を発現するA375P黒色腫細胞に適用した。化合物を10μMで処置し、続いて細胞MCL−1レベルを、溶解物のウエスタンブロットによってモニタリングすると、MCL−1タンパク質において時間依存性の減少が、早くても2時間の時点で示された(図10)。重要なことには、アクチンタンパク質レベルに対するウエスタンブロット対照は減少を示さなかった。これらのデータによって、デグロン部分が誘導体化されたBIM BH3ヘリックスによってMCL−1を標的とすると、処置時間内にがん細胞におけるMCL−1タンパク質のレベルを減少させることができたことが実証される。
(実施例4)
ステープルp53ペプチドヘリックス−サリドマイドデグロンキメラによって標的とされるMDM2がんタンパク質(Oncoprotein)の分解。
p53のトランス活性化ドメインヘリックス(ATSP−7041)をモデルにし、サリドマイドデグロンにカップリングされたステープルペプチドデグロンキメラを、培養がん細胞(SJSA−1、SJSA−X)に適用し、MDM2タンパク質レベルをウエスタンブロットでモニターし、ATSP−7041単独で処置された細胞中のものと比較した。実験を繰り返し、細胞生存率をCell Titer Gloアッセイによって測定した。データによって、MDM2レベルが、ATSP−7041単独で処置された細胞と比較して、ATSP−7041にカップリングされたサリドマイドデグロンで処置された細胞において低下したことが実証される(図11)。更に、各ステープルペプチドデグロンキメラは、がん細胞生存率を用量応答様式で低下させた(図12)。リンカーの組成物は、生物活性の有(図12、左)無(図12、右)に影響を与えた。
(実施例5)
Cop1介在性タンパク質分解
一次デグロンは、同種のユビキチンE3リガーゼによって認識可能な特定の配列パターンを含むペプチドモチーフとして定義される。一次デグロンは、構造的に不規則なタンパク質領域内の通常短い直鎖状モチーフである(Guharoy, M. et al., Nat Commun., 7:10239, doi:10.1038/ncomms10239 (2016))。E3リガーゼCop1によって認識されるタンパク質Trib1からの一次デグロン配列は、アミノ酸配列DQIVPEY(配列番号25)である。タンパク質Trib1の背景において、配列DQIVPEY(配列番号25)は、Cop1にTrib1を結合させ、Trib1が基質アダプターとして機能し、Trib1に結合したタンパク質が分解の標的となるようにする(Uljon, S. et al., Structure, doi:10.1016/j.str.2016.03.002 (2016))。配列DQIVPEY(配列番号25)のCop1に対する報告された結合親和性は250±40nMである。
本発明者らは、Cop1に対する結合親和性を保持する配列DQIVPEY(配列番号25)、およびその誘導体は、細胞タンパク質のCop1介在性分解をもたらすポータブルデグロン配列として使用されて、以下に記載するような治療利益をもたらすことができることを見出した。
(1)直接的な遺伝子改変:構造的に不規則な領域における天然タンパク質残基を、配列DQIVPEY(配列番号25)の誘導体で置き換えると、キメラタンパク質がCop1によって分解される場合がある。例えば、Cop1発現ヒト胚腎臓293T細胞において外因的に発現される場合、タンパク質HDM2のp60アイソフォームのC末端配列GFDVPD(配列番号26)をTrib1由来配列DQIVPD(配列番号30)で置き換えると、突然変異体タンパク質のCop1介在性分解が生じる(図13)。293T細胞における共免疫沈降研究によって、特定のデグロン配列組込み時の分解(図13)と、Cop1と対応するMyc標識MDM2 p60突然変異体構築物(例えば、DQIVPD(配列番号30))との間の直接的な結合との間の相関が実証される(図14)。
(2)ペプチドリガンド標的化:配列DQIVPEY(配列番号25)の誘導体の、タンパク質を標的とするステープルペプチドへのコンジュゲートは、Cop1介在性分解のためのステープルペプチドの結合パートナーを標的とすることができる。これらのコンジュゲートの設計は、小分子サリドマイドがペプチド配列DQIVPEY(配列番号25)の誘導体で置き換えられており、コンジュゲートがペプチドリンカーを介して達成されることを除いて、図1で概要が示されるものと同じである(図15)。
(実施例6)
ステープルp53ペプチドヘリックス−Tribデグロンキメラによって標的とされるMDM2がんタンパク質の分解。
Cop1に結合するTribからの配列をモデルにしたペプチドデグロンにカップリングされたp53のトランス活性化ドメインヘリックス(ATSP−7041)をモデルにしたステープルペプチドデグロンキメラを、培養がん細胞(SJSA−1、SJSA−X)に適用し、MDM2タンパク質レベルを、ウエスタンブロットでモニターし、ATSP−7041単独で処置された細胞中のものと比較した。実験を繰り返し、細胞生存率をCell Titer Gloアッセイによって測定した。データによって、ATSP−7041単独で処置された細胞と比較して、ATSP−7041にカップリングされたTribデグロンで処置された細胞においてMDM2レベルが低下したことが実証される(図17)。更に、各ステープルペプチドデグロンキメラは、がん細胞生存率を用量応答様式で低下させた(図18)。
(実施例7)
ステープルp53ペプチドヘリックス−VHLデグロンキメラによって標的とされるMDM2がんタンパク質の分解。
VHLに結合する小分子デグロンにカップリングされたp53のトランス活性化ドメインヘリックス(ATSP−7041)をモデルにしたステープルペプチドデグロンキメラを、培養がん細胞(SJSA−1、SJSA−X)に適用し、MDM2タンパク質レベルを、ウエスタンブロットでモニターし、ATSP−7041単独で処置された細胞中のものと比較した。実験を繰り返し、細胞生存率をCell Titer Gloアッセイによって測定した。データによって、MDM2レベルが、ATSP−7041単独で処置された細胞中のものと比較して、ATSP−7041にカップリングされたVHLデグロンで処置された細胞において低下したことが実証される(図19)。更に、各ステープルペプチドデグロンキメラは、がん細胞生存率を用量応答様式で低下させた(図20)。
(実施例8)
選択的ステープルBH3ペプチドヘリックス−ステープルp53ペプチドデグロンキメラによって標的とされるMCL−1がんタンパク質の分解。
MCL−1を選択的に標的とするMCL−1BH3ヘリックスをモデルにしたステープルペプチドデグロンキメラ(図21)、p53のトランス活性化ドメインヘリックスをモデルにしたステープルペプチドデグロンにカップリングし、MDM2をMCL−1に動員し、非標準的なMDM2介在性ユビキチン化を誘発し、MCL−1を分解することを目的とした。(以下に記載する)in vitroでのユビキチン化アッセイを使用して、ステープルペプチドデグロンキメラを、組換えMCL−1、組換えMDM2、E1酵素、E2酵素(UBE2D3)およびATPに添加すると、MCL−1のユビキチン化が誘発されることを観察した(図22)。これらの結果によって、MDM2を、ステープルペプチドデグロンキメラの存在下のみでMCL−1に完全に動員することに成功し、ユビキチン化マシナリーによってユビキチンがMCL−1に移動したことが示される。
(実施例9)
選択的小分子BRD4阻害剤−ステープルp53ペプチドデグロンキメラによって標的とされるBRD4がんタンパク質の分解。
BRD4を強力に標的とする小分子を、p53のトランス活性化ドメインヘリックスをモデルにしたステープルペプチドデグロンにカップリングし(図23)、MDM2をBRD4に動員し、非標準的なMDM2介在性ユビキチン化を誘発し、BRD4を分解することを目的とした。上述と同様の様式で(実施例8を参照のこと)、誘発した組換えMCL−1タンパク質のユビキチン化を評価するために、in vitroアッセイを利用し、本発明者らのステープルペプチドデグロンキメラが、MDM2をユビキチン化組換えBRD4タンパク質に動員することができるかどうか試験を行った(例えば、一部:アミノ酸342〜460またはアミノ酸49〜170)。ステープルペプチドデグロンキメラを添加すると、各組換えBRD4タンパク質の上方シフトを誘発し、MDM2によるユビキチンの標的BRD4タンパク質への移動を示した(図24)。がん細胞における天然BRD4レベルへの効果を評価するために、U2OSがん細胞系を、10μM投薬量の本発明者らのステープルペプチドデグロンキメラで処置すると、経時的な(例えば、0から6時間)のBRD4タンパク質レベルにおける漸減によって反映されるように天然BRD4の時間応答性分解が観察された(図25)。これらのデータによって、本発明者らのステープルペプチドデグロンキメラは、MDM2を効果的に転用して、in vitroでのBRD4のユビキチン化を行い、天然BRD4の分解をin celluloで誘発できることが示される。
材料および方法
ステープルペプチドデグロンキメラによって誘発される、組換えタンパク質標的のユビキチン化のモニタリング
タンパク質標的のin vitroでのユビキチン化をモニターするために、市販のMdm2/HDM2ユビキチンリガーゼキット(K−200B)を用いた。簡潔には、キメラ(10μM)、組換え完全長MDM2(GST標識、1μM)、E1酵素(UBE1、50nM)、E2酵素(UBE2D3、1μM)、ユビキチン(100μM)、ATP(1mM)および組換え標的タンパク質(100nM)を、反応緩衝液中で1.5mLのマイクロチューブにおいて合わせた。混合物を37℃で6時間インキュベートした。その後、標準的なウエスタンブロット技術を使用して、反応混合物20μLをアッセイし、それによって標的タンパク質に対して生成された抗体を使用し、ユビキチン化によって上昇したバンドシフトを可視化した。
ステープルペプチドデグロンキメラによって誘発されるin celluloでの天然タンパク質分解のモニタリング。
細胞内タンパク質分解に関してアッセイするために、がん細胞(例えばSJSA−1、SJSA−X、U2OS)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Pen Strep)を含むDMEM(Life Technologies、Grand Island、NY)培養培地(CM)中で、37℃で湿度制御されたCO平衡化インキュベーターにおいて継代した。処置の前日に、細胞を継代し、6ウェルプレート中に100,000細胞/mLの密度で播種した。24時間後、細胞を、ステープルペプチドデグロンキメラ(例えば、10μM)で0、2、4および6時間処置し、その後、これらを採取し、溶解した。次いで細胞溶解物を、標的タンパク質に対して生成された抗体を使用し、標準的なウエスタンブロット技術を使用してアッセイし、タンパク質レベルおよび負荷対照に関するアクチン抗体を評価した。
他の実施形態
本発明をその詳細な説明とともに併記してきたが、前述の説明は例示することを意図し、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、および改良は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (115)

  1. 第2の部分に結合している第1の部分を含むキメラであって、
    前記第1の部分が、分解の標的とされる第1のタンパク質に結合し;
    前記第2の部分が、第2のタンパク質に結合し、前記第2のタンパク質がタンパク質分解誘導薬である、キメラ。
  2. 前記第1の部分および第2の部分が、互いに共有結合している、請求項1に記載のキメラ。
  3. 前記第1の部分および前記第2の部分が、リンカーを介して互いに結合している、請求項1に記載のキメラ。
  4. 前記第1のタンパク質が、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質である、請求項1から3のいずれか一項に記載のキメラ。
  5. 前記分解の標的とされる第1のタンパク質が、キラータンパク質、細胞に損傷を与えるタンパク質、神経変性の原因となるタンパク質、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、CCR5、細菌性タンパク質、またはウイルス性タンパク質である、請求項1から4のいずれか一項に記載のキメラ。
  6. 前記第1の部分が、前記分解の標的とされる第1のタンパク質に結合する第1のステープルペプチドを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のキメラ。
  7. 前記第1のステープルペプチドが、Bcl−2ホモロジー3(BH3)ドメインポリペプチドを含まない、請求項6に記載のキメラ。
  8. 前記第1のステープルペプチドが、(a)MCL−1由来のBcl−2ホモロジー3ドメイン、(b)BCL2ドメインのMCL−1安定化アルファヘリックス、または(c)MCL−1SAHBDを含まない、請求項6に記載のキメラ。
  9. 前記第2の部分が、前記第1の部分のN末端に結合している、請求項6から8のいずれか一項に記載のキメラ。
  10. 前記第2の部分が、前記第1の部分のC末端に結合している、請求項6から8のいずれか一項に記載のキメラ。
  11. 前記第2の部分が、前記第1の部分の内部アミノ酸位置に結合している、請求項6から8のいずれか一項に記載のキメラ。
  12. 前記第1の部分が、分解の標的とされる前記第1のタンパク質に結合する小分子を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のキメラ。
  13. 前記第2の部分が、前記タンパク質分解誘導薬に結合するペプチドデグロンを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のキメラ。
  14. 前記第2の部分が、前記タンパク質分解誘導薬に結合する第2のステープルペプチドを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のキメラ。
  15. 前記第2の部分が、前記タンパク質分解誘導薬に結合する小分子を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のキメラ。
  16. 前記第2の部分が、前記タンパク質分解誘導薬に結合する第2のステープルペプチドを含み、前記第1の部分が、前記第2の部分のN末端に結合している、請求項1から8のいずれか一項に記載のキメラ。
  17. 前記第2の部分が、前記タンパク質分解誘導薬に結合する第2のステープルペプチドを含み、前記第1の部分が前記第2の部分のC末端に結合している、請求項1から8のいずれか一項に記載のキメラ。
  18. 前記第2の部分が、前記タンパク質分解誘導薬に結合する第2のステープルペプチドを含み、前記第1の部分が、前記第2の部分の内部アミノ酸位置に結合している、請求項1から8のいずれか一項に記載のキメラ。
  19. 前記タンパク質分解誘導薬が、分解の標的とされる前記第1のタンパク質を分解する、請求項1から18のいずれか一項に記載のキメラ。
  20. 病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とする対象において処置する方法であって、治療有効量の請求項1から19のいずれか一項に記載のキメラを前記対象に投与することを含む方法。
  21. ステープルペプチドと、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質に結合するペプチドとを含むキメラポリペプチドであって、前記WD40リピートタンパク質に結合するアミノ酸配列の天然結合配列または天然結合コンセンサス配列の改変型を含み、前記改変型が、前記天然結合コンセンサス配列内に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含む、キメラポリペプチド。
  22. E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである前記WD40リピートタンパク質が、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される、請求項21に記載のキメラポリペプチド。
  23. 前記天然結合コンセンサス配列が、配列番号25、31〜46、および65〜105からなる群から選択される配列である、請求項21に記載のキメラポリペプチド。
  24. 前記天然結合配列が配列番号25である、請求項21に記載のキメラポリペプチド。
  25. 前記天然結合コンセンサス配列が配列番号46である、請求項21に記載のキメラポリペプチド。
  26. 前記ペプチドが、少なくとも1個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  27. 前記ペプチドが、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  28. 前記ペプチドが、少なくとも1個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  29. 前記ペプチドが、1から6個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  30. 配列番号25の4位(V)および5位(P)が置換されていない、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  31. 配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)のうちの1個または複数が置換されている、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  32. 前記ペプチドが、1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  33. 配列番号25に記載のアミノ酸配列の7位(Y)が欠失している、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  34. 前記ペプチドが、1から6個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  35. 前記ペプチドが、配列番号26から30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  36. 前記ペプチドが、配列番号30に記載のアミノ酸配列を有する、請求項24に記載のキメラポリペプチド。
  37. 前記ペプチドが、4から30個のアミノ酸長である、請求項24から36のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  38. 前記ペプチドが、
    1nMから300nM;
    10nMから300nM;
    100nMから300nM;または
    200nMから300nM
    の結合親和性でCop1に結合する、請求項24および25から37のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  39. 前記ステープルペプチドが、細胞内タンパク質、細胞外タンパク質、または細胞表面タンパク質を標的とする、請求項24から38のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  40. 前記ステープルペプチドが、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質を標的とする、請求項24から38のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  41. 前記ステープルペプチドが、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または神経変性の原因となる細胞に損傷を与えるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)を標的とする、請求項24から38のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  42. 前記ステープルペプチドが、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択されるタンパク質を標的とする、請求項24から28のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  43. 前記ステープルペプチドが細菌性タンパク質を標的とする、請求項24から28のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  44. 前記ステープルペプチドがウイルス性タンパク質を標的とする、請求項24から38のいずれか一項に記載のキメラポリペプチド。
  45. 構造的に不規則な領域を含む第1のタンパク質の改変タンパク質であって、構造的に不規則な領域が、E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターであるWD40リピートタンパク質に結合するペプチドを含む点で前記第1のタンパク質と異なり、前記ペプチドが、天然結合配列または天然結合コンセンサス配列の改変型を含み、前記改変型が、前記天然結合コンセンサス配列内に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含む、改変タンパク質。
  46. E3ユビキチンリガーゼに対する基質アダプターである前記WD40リピートタンパク質が、MDM2、SKP2−CKS1、FBXW1、FBXW2、FBXW4、FBXW5、FBXW7、FBXW8、FBXW9、FBXW10、FBXW11、FBXW12、SPOP、VHL、ITCH、KEAP1、KLHL2、KLHL3、KLHL7、KLHL12、KLHL13、KLHL15、KLHL20、KLHL21、KLHL24、KLHL40、KLHL42、COP1、TRAF7、RFWD3、DCAF1、DCAF2、DCAF3、DCAF4、DCAF5、DCAF6、DCAF7、DCAF8、DCAF9、DCAF10、DCAF11、DCAF12、DCAF13、DCAF14、DCAF15、DCAF16、DCAF17、DCAF19、SIAH1、TRPC4AC、DET1、WSB1、WSB2、HERC1、DDB2、CSA、CBL、CDC20、およびFZR1からなる群から選択される、請求項45に記載の改変タンパク質。
  47. 前記天然結合配列または前記天然結合コンセンサス配列が、配列番号25、31〜46、および65〜105からなる群から選択される配列である、請求項45に記載の改変タンパク質。
  48. 前記天然結合配列が配列番号25である、請求項45に記載の改変タンパク質。
  49. 前記天然結合コンセンサス配列が配列番号46である、請求項45に記載の改変タンパク質。
  50. 前記ペプチドが、少なくとも1個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載の改変タンパク質。
  51. 前記ペプチドが、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載の改変タンパク質。
  52. 前記ペプチドが、少なくとも1個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載の改変タンパク質。
  53. 前記ペプチドが、1から6個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載の改変タンパク質。
  54. 配列番号25の4位(V)および5位(P)が置換されていない、請求項48に記載の改変タンパク質。
  55. 配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)のうちの1個または複数が置換されている、請求項48に記載の改変タンパク質。
  56. 前記ペプチドが、1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載の改変タンパク質。
  57. 配列番号25に記載のアミノ酸配列の7位(Y)が欠失している、請求項48に記載の改変タンパク質。
  58. 1から6個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載のペプチド。
  59. 配列番号26から30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項48に記載のペプチド。
  60. 配列番号30に記載のアミノ酸配列を有する、請求項48に記載のペプチド。
  61. 4から10個のアミノ酸長である、請求項45から60のいずれか一項に記載のペプチド。
  62. 1nMから300nM;
    10nMから300nM;
    100nMから300nM;または
    200nMから300nM
    の結合親和性でCop1に結合する、請求項48、または50から61のいずれか一項に記載のペプチド。
  63. 病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とする対象において処置する方法であって、治療有効量の請求項21から44のいずれか一項に記載のキメラ融合ポリペプチドを前記対象に投与することを含む方法。
  64. タンパク質を標的とするステープルペプチドおよびサリドマイドデグロン部分を含む、ペプチド小分子融合物。
  65. 前記サリドマイド部分が、前記タンパク質を標的とするステープルペプチドのN末端にコンジュゲートしている、請求項64に記載のペプチド小分子融合物。
  66. 前記サリドマイド部分が、前記タンパク質を標的とするステープルペプチドのC末端にコンジュゲートしている、請求項64に記載のペプチド小分子融合物。
  67. 前記サリドマイド部分が、前記タンパク質を標的とするステープルペプチドのN末端とC末端との間のペプチド配列に挿入された非天然アミノ酸内に含まれる、請求項64に記載のペプチド小分子融合物。
  68. 前記ステープルペプチドが、疾患の原因となるタンパク質を標的とする、請求項64から67のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  69. 前記ステープルペプチドが、細胞内タンパク質、受容体タンパク質、または細胞外タンパク質を標的とする、請求項64から67のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  70. 前記ステープルペプチドが、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または神経変性(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)の原因となる細胞に損傷を与えるタンパク質を標的とする、請求項64から67のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  71. 前記細胞内タンパク質、受容体タンパク質、または細胞外タンパク質が、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、b−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択される、請求項69に記載のペプチド小分子融合物。
  72. 前記ステープルペプチドが細菌性タンパク質を標的とする、請求項64から67のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  73. 前記ステープルペプチドがウイルス性タンパク質を標的とする、請求項64から67のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  74. 前記サリドマイド部分が、以下に示す構造を含む、請求項64から73のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  75. 前記サリドマイド部分が、以下に示す構造を含む、請求項64および67から73のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  76. 前記サリドマイド部分が、以下に示す構造を含む、請求項68から73のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  77. 病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とする対象において処置する方法であって、治療有効量の請求項64から76のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物を前記対象に投与することを含む方法。
  78. タンパク質を標的とするステープルペプチドおよびフォンヒッペルリンダウ(VHL)デグロン部分を含む、ペプチド小分子融合物。
  79. 前記VHLデグロン部分が、前記タンパク質を標的とするステープルペプチドのN末端にコンジュゲートしている、請求項78に記載のペプチド小分子融合物。
  80. 前記VHLデグロン部分が以下の構造を含む、請求項79に記載のペプチド小分子融合物。
  81. 前記VHLデグロン部分が、前記タンパク質を標的とするステープルペプチドのC末端にコンジュゲートしている、請求項78に記載のペプチド小分子融合物。
  82. 前記VHLデグロン部分が以下の構造を含む、請求項81に記載のペプチド小分子。
  83. 前記サリドマイド部分が、前記タンパク質を標的とするステープルペプチドのN末端とC末端との間のペプチド配列に挿入された非天然アミノ酸内に含まれる、請求項78に記載のペプチド小分子融合物。
  84. 前記ステープルペプチドが、疾患の原因となるタンパク質を標的とする、請求項78から83のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  85. 前記ステープルペプチドが、細胞内タンパク質、受容体タンパク質、または細胞外タンパク質を標的とする、請求項78から83のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  86. 前記ステープルペプチドが、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)、または神経変性(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)の原因となる細胞に損傷を与えるタンパク質を標的とする、請求項78から84のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  87. 前記細胞内タンパク質、受容体タンパク質、または細胞外タンパク質が、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、b−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択される、請求項85に記載のペプチド小分子融合物。
  88. 前記ステープルペプチドが細菌性タンパク質を標的とする、請求項78から83のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  89. 前記ステープルペプチドがウイルス性タンパク質を標的とする、請求項78から83のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物。
  90. 病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とする対象において処置する方法であって、治療有効量の請求項78から89のいずれか一項に記載のペプチド小分子融合物を前記対象に投与することを含む方法。
  91. 構成的光形態形成1(Cop1)タンパク質に結合するペプチドであって、アミノ酸配列DQIVPEY(配列番号25)の改変型を含み、前記改変型が、配列番号25中に少なくとも1個のアミノ酸置換、少なくとも1個のアミノ酸欠失、少なくとも1個のアミノ酸挿入、またはこれらの任意の組合せを含むが、前記改変型が単一のアミノ酸置換からなる場合、前記アミノ酸置換は、配列番号25の1から7位のうちのいずれか1つのAまたはRに対しても、配列番号25の4位のVに対しても行われていない、ペプチド。
  92. 少なくとも1個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項91に記載のペプチド。
  93. 少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項91に記載のペプチド。
  94. 少なくとも1個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項91に記載のペプチド。
  95. 1から6個のアミノ酸置換を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項91に記載のペプチド。
  96. 配列番号25の4位(V)および/または5位(P)が置換されていない、請求項91に記載のペプチド。
  97. 配列番号25の1位(D)、2位(Q)、3位(I)、および6位(E)のうちの1個または複数が置換されている、請求項91に記載のペプチド。
  98. 1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項91に記載のペプチド。
  99. 配列番号25に記載のアミノ酸配列の7位(Y)が欠失している、請求項91に記載のペプチド。
  100. 1から6個のアミノ酸置換および少なくとも1個のアミノ酸欠失を有することを除いて、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項91に記載のペプチド。
  101. 配列番号26から30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項91に記載のペプチド。
  102. 配列番号30に記載のアミノ酸配列を有する、請求項91に記載のペプチド。
  103. 4から10個のアミノ酸長である、請求項91から102のいずれか一項に記載のペプチド。
  104. 1nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する、請求項91から102のいずれか一項に記載のペプチド。
  105. 10nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する、請求項91から102のいずれか一項に記載のペプチド。
  106. 100nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する、請求項91から102のいずれか一項に記載のペプチド。
  107. 200nMから300nMの結合親和性でCop1に結合する、請求項91から102のいずれか一項に記載のペプチド。
  108. タンパク質を標的とするステープルペプチドおよび請求項91から107のいずれか一項に記載のペプチドを含む、キメラ融合ポリペプチド。
  109. 前記ステープルペプチドが、細胞内タンパク質または細胞表面受容体を標的とする、請求項108に記載のキメラ融合ポリペプチド。
  110. 前記ステープルペプチドが、疾患の原因となるか、または疾患に関連するタンパク質を標的とする、請求項108に記載のキメラ融合ポリペプチド。
  111. 前記ステープルペプチドが、キラータンパク質(例えば、BAX、BAK)または神経変性の原因となる細胞に損傷を与えるタンパク質(例えば、IgG、ベータ−アミロイド、タウ、α−シヌクレイン、TDP−43、HbS、スーパーオキシドジスムターゼ、Notch3、FUS、GFAP)を標的とする、請求項108に記載のキメラ融合ポリペプチド。
  112. 前記細胞内タンパク質または細胞表面受容体が、BCL2、BCLXL、MCL−1、BFL−1、BCL−w、BCL−B、EZH2、HDM2/HDMX、KRAS/NRAS/HRAS、MYC、β−カテニン、PI3K、PTEN、TSC、AKT、BRCA1/2、EWS−FLI融合物、MLL融合物、受容体チロシンキナーゼ、HOXホモログ、JUN、サイクリンD、サイクリンE、BRAF、CRAF、CDK4、CDK2、HPV−E6/E7、オーロラキナーゼ、MITF、Wnt1、PD−1、BCR、およびCCR5からなる群から選択される、請求項109に記載のキメラ融合ポリペプチド。
  113. 前記ステープルペプチドが細菌性タンパク質を標的とする、請求項108に記載のキメラ融合ポリペプチド。
  114. 前記ステープルペプチドがウイルス性タンパク質を標的とする、請求項108に記載のキメラ融合ポリペプチド。
  115. 病理学的ペプチドまたはタンパク質によって引き起こされる疾患または障害を、それを必要とする対象において処置する方法であって、請求項108から114のいずれか一項に記載の治療有効量の前記キメラ融合ポリペプチドを前記対象に投与することを含む方法。
JP2020532803A 2017-12-15 2018-12-14 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解 Pending JP2021506814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023096835A JP2023107892A (ja) 2017-12-15 2023-06-13 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762599608P 2017-12-15 2017-12-15
US62/599,608 2017-12-15
PCT/US2018/065784 WO2019118893A1 (en) 2017-12-15 2018-12-14 Stabilized peptide-mediated targeted protein degradation

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023096835A Division JP2023107892A (ja) 2017-12-15 2023-06-13 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021506814A true JP2021506814A (ja) 2021-02-22
JPWO2019118893A5 JPWO2019118893A5 (ja) 2022-01-18

Family

ID=65201672

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532803A Pending JP2021506814A (ja) 2017-12-15 2018-12-14 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解
JP2023096835A Pending JP2023107892A (ja) 2017-12-15 2023-06-13 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023096835A Pending JP2023107892A (ja) 2017-12-15 2023-06-13 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解

Country Status (7)

Country Link
US (2) US20200354413A1 (ja)
EP (1) EP3724216A1 (ja)
JP (2) JP2021506814A (ja)
CN (1) CN112119085A (ja)
AU (2) AU2018385697B2 (ja)
CA (1) CA3078682A1 (ja)
WO (1) WO2019118893A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7515175B2 (ja) 2018-07-31 2024-07-12 ファイメクス株式会社 複素環化合物
CN111393519B (zh) * 2019-11-21 2022-11-08 中国药科大学 作为krasg12c/sos1抑制剂的新型订书肽及其用途
US12042513B2 (en) * 2020-01-10 2024-07-23 Massachusetts Institute Of Technology Proteolysis targeting chimeric molecules (PROTACs) with functional handles and uses thereof
US20220025341A1 (en) * 2020-05-29 2022-01-27 Massachusetts Institute Of Technology Minimal peptide fusions for targeted intracellular protein degradation
BR112022026364A2 (pt) * 2020-06-23 2023-01-17 Genentech Inc Composto macrocíclico, compostos, complexo, uso de um composto, composição farmacêutica, métodos para tratar câncer e para tratar uma condição fibrótica e invenção
CA3193261A1 (en) 2020-10-14 2022-04-21 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Chimeric conjugates for degradation of viral and host proteins and methods of use
WO2022129621A1 (en) * 2020-12-18 2022-06-23 John Innes Centre Methods for targeted protein degradation
WO2022194087A1 (en) * 2021-03-16 2022-09-22 Cullgen (Shanghai) , Inc. Modified proteins and protein binders
CN113845598B (zh) * 2021-09-18 2023-06-30 中国人民解放军海军军医大学 一种蛋白质靶向嵌合体降解mdm2/mdmx蛋白的订书肽缀合物及其用途
US20230257725A1 (en) * 2021-10-22 2023-08-17 Massachusetts Institute Of Technology Minimal Peptide Fusions for Targeted Intracellular Degradation of FOXP3
WO2023203127A1 (en) 2022-04-20 2023-10-26 Vib Vzw Alphabody-based degrader molecules
WO2023225625A2 (en) * 2022-05-19 2023-11-23 The Scripps Research Institute Bifunctional degraders comprising electrophilic protacs that engage dcaf1 and pharmaceutical compositions comprising the same

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016105518A1 (en) * 2014-12-23 2016-06-30 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Methods to induce targeted protein degradation through bifunctional molecules
WO2017201449A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-23 Genentech, Inc. Protac antibody conjugates and methods of use

Family Cites Families (69)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5446090A (en) 1993-11-12 1995-08-29 Shearwater Polymers, Inc. Isolatable, water soluble, and hydrolytically stable active sulfones of poly(ethylene glycol) and related polymers for modification of surfaces and molecules
EP0958305B1 (en) 1996-07-05 2008-06-04 Cancer Research Technology Limited Inhibitions of the interaction between p53 and mdm2
US20020064546A1 (en) 1996-09-13 2002-05-30 J. Milton Harris Degradable poly(ethylene glycol) hydrogels with controlled half-life and precursors therefor
WO1999034833A1 (en) 1998-01-07 1999-07-15 Shearwater Polymers, Incorporated Degradable heterobifunctional poly(ethylene glycol) acrylates and gels and conjugates derived therefrom
US7192713B1 (en) 1999-05-18 2007-03-20 President And Fellows Of Harvard College Stabilized compounds having secondary structure motifs
US6348558B1 (en) 1999-12-10 2002-02-19 Shearwater Corporation Hydrolytically degradable polymers and hydrogels made therefrom
BR0001870B1 (pt) 2000-05-29 2014-02-25 Peptídeo, processo de obtenção de peptídeo, formulação compreendendo peptídeo, método de prevenção de crescimento de parasitas, fungos e bactérias, método para inativar a endotoxina de bactérias gram-negativas
CN1906209A (zh) 2003-11-05 2007-01-31 达纳-法伯癌症研究所股份有限公司 稳定的α螺旋肽及其用途
US8937154B2 (en) 2006-10-05 2015-01-20 New York Blood Center, Inc. Stabilized therapeutic small helical antiviral peptides
DK2118123T3 (en) 2007-01-31 2016-01-25 Dana Farber Cancer Inst Inc Stabilized p53 peptides and uses thereof
WO2008104000A2 (en) 2007-02-23 2008-08-28 Aileron Therapeutics, Inc. Triazole macrocycle systems
ES2610531T3 (es) 2007-03-28 2017-04-28 President And Fellows Of Harvard College Polipéptidos cosidos
CA2700925C (en) 2007-09-26 2016-08-23 Dana Farber Cancer Institute Methods and compositions for modulating bcl-2 family polypeptides
GB0804701D0 (en) 2008-03-13 2008-04-16 Amura Therapeutics Ltd Compounds
JP2011522796A (ja) 2008-05-06 2011-08-04 ニューヨーク ブラッド センター, インコーポレイテッド 抗ウイルス細胞透過性ペプチド
EP2356139A4 (en) 2008-07-23 2013-01-09 Harvard College LIGATURE OF STAPLED POLYPEPTIDES
WO2010033617A2 (en) 2008-09-16 2010-03-25 The Research Foundation Of State University Of New York Stapled peptides and method of synthesis
EP2342222B1 (en) 2008-09-22 2018-03-21 Aileron Therapeutics, Inc. Peptidomimetic macrocycles
JP2012509902A (ja) 2008-11-24 2012-04-26 エルロン・セラピューティクス・インコーポレイテッド 改善された特性を有するペプチド模倣大環状分子
US9079970B2 (en) 2008-12-09 2015-07-14 Dana Farber Cancer Institute, Inc. Methods and compositions for specific modulation of MCL-1
CA2744088A1 (en) 2009-01-14 2010-07-22 Aileron Therapeutics, Inc. Peptidomimetic macrocycles
JP5908832B2 (ja) 2009-06-18 2016-04-26 ダナ ファーバー キャンサー インスティテュート インコーポレイテッド 構築されたウィルス性ペプチド組成物及び使用方法
EP2453908B1 (en) 2009-07-13 2018-03-14 President and Fellows of Harvard College Bifunctional stapled polypeptides and uses thereof
AU2010327998B2 (en) 2009-12-10 2015-11-12 Iowa State University Research Foundation, Inc. TAL effector-mediated DNA modification
US9227995B2 (en) 2010-04-23 2016-01-05 Øyvind Jacobsen Peptides
WO2011156524A2 (en) 2010-06-08 2011-12-15 Laura Sheard Methods and compositions for targeted protein degradation
US9765019B2 (en) 2010-06-30 2017-09-19 Brandeis University Small-molecule-targeted protein degradation
AU2011274474B2 (en) 2010-07-09 2015-06-18 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Stabilized insulinotropic peptides and methods of use
ES2711526T3 (es) 2010-08-13 2019-05-06 Aileron Therapeutics Inc Macrociclos peptidomiméticos
US8957026B2 (en) 2010-09-22 2015-02-17 President And Fellows Of Harvard College Beta-catenin targeting peptides and uses thereof
JP2014502152A (ja) 2010-11-12 2014-01-30 ダナ ファーバー キャンサー インスティテュート,インコーポレイテッド 癌の治療及び診断
CN103502275A (zh) 2010-12-07 2014-01-08 耶鲁大学 融合蛋白的小分子疏水性标记和引起的其降解
US8762795B2 (en) 2010-12-17 2014-06-24 Microsoft Corporation Alerting recipients to errors occurring when accessing external services
EP3444262A3 (en) 2011-09-09 2019-04-10 Agency For Science, Technology And Research P53 activating peptides
RU2639523C2 (ru) 2011-10-18 2017-12-21 Эйлерон Терапьютикс, Инк. Пептидомиметические макроциклы и их применение
US9346868B2 (en) 2011-11-14 2016-05-24 Carlos Witte-Hoffmann BLID; a novel protein domain for interaction with the Bcl-2 family of proteins. Applications in oncology
US9408885B2 (en) 2011-12-01 2016-08-09 Vib Vzw Combinations of therapeutic agents for treating melanoma
WO2013116829A1 (en) 2012-02-03 2013-08-08 The Trustees Of Princeton University Novel engineered potent cytotoxic stapled bh3 peptides
MX362492B (es) 2012-02-15 2019-01-21 Aileron Therapeutics Inc Macrociclos peptidomiméticos.
US9556229B2 (en) 2012-05-18 2017-01-31 The Regents Of The University Of California Modification of peptides using a bis(thioether)arylbridge approach
WO2014052647A2 (en) 2012-09-26 2014-04-03 President And Fellows Of Harvard College Proline-locked stapled peptides and uses thereof
WO2014053879A1 (en) 2012-10-04 2014-04-10 Centre National De La Recherche Scientifique Cell penetrating peptides for intracellular delivery of molecules
WO2014053881A1 (en) 2012-10-04 2014-04-10 Centre National De La Recherche Scientifique Cell penetrating peptides for intracellular delivery of molecules
KR101616603B1 (ko) 2012-10-11 2016-04-28 서울대학교산학협력단 메틸 데그론 펩타이드 및 이를 이용한 단백질 수명 조절 방법
EP3825401A1 (en) 2012-12-12 2021-05-26 The Broad Institute, Inc. Crispr-cas component systems, methods and compositions for sequence manipulation
EP2934563B1 (en) 2012-12-18 2020-07-08 Jawaharlal Nehru Centre for Advanced Scientific Research Antimicrobial compounds, their synthesis and applications thereof
US9493510B2 (en) 2013-01-10 2016-11-15 Noliva Therapeutics Llc Peptidomimetic compounds
US9115184B2 (en) 2013-03-01 2015-08-25 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Light-inducible system for regulating protein stability
SG11201507287SA (en) 2013-03-15 2015-10-29 Univ California Peptides having reduced toxicity that stimulate cholesterol efflux
US9234213B2 (en) 2013-03-15 2016-01-12 System Biosciences, Llc Compositions and methods directed to CRISPR/Cas genomic engineering systems
EP3052520A4 (en) 2013-10-01 2017-12-06 President and Fellows of Harvard College Stabilized polypeptides and uses thereof
WO2015070083A1 (en) 2013-11-07 2015-05-14 Editas Medicine,Inc. CRISPR-RELATED METHODS AND COMPOSITIONS WITH GOVERNING gRNAS
US9068179B1 (en) 2013-12-12 2015-06-30 President And Fellows Of Harvard College Methods for correcting presenilin point mutations
US10682388B2 (en) 2014-01-15 2020-06-16 The Board Of Regents Of The University Of Texas System Targeting of PELP1 in cancer therapy
WO2015134539A1 (en) 2014-03-03 2015-09-11 The Regents Of The University Of California Mcl-1 antagonists
AU2015259191B2 (en) 2014-05-13 2019-03-21 Sangamo Therapeutics, Inc. Methods and compositions for prevention or treatment of a disease
CN106573032B (zh) 2014-05-21 2022-03-18 哈佛大学的校长及成员们 Ras抑制肽和其用途
US9616090B2 (en) 2014-07-30 2017-04-11 Sangamo Biosciences, Inc. Gene correction of SCID-related genes in hematopoietic stem and progenitor cells
US9816080B2 (en) 2014-10-31 2017-11-14 President And Fellows Of Harvard College Delivery of CAS9 via ARRDC1-mediated microvesicles (ARMMs)
EP3234133B1 (en) 2014-12-18 2020-11-11 Integrated DNA Technologies, Inc. Crispr-based compositions and methods of use
US9694084B2 (en) 2014-12-23 2017-07-04 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Methods to induce targeted protein degradation through bifunctional molecules
KR20190112855A (ko) 2015-01-28 2019-10-07 파이어니어 하이 부렛드 인터내쇼날 인코포레이팃드 Crispr 하이브리드 dna/rna 폴리뉴클레오티드 및 사용 방법
US9790490B2 (en) 2015-06-18 2017-10-17 The Broad Institute Inc. CRISPR enzymes and systems
US10059741B2 (en) 2015-07-01 2018-08-28 Aileron Therapeutics, Inc. Peptidomimetic macrocycles
AU2016287754B2 (en) 2015-07-02 2021-02-25 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Stabilized anti-microbial peptides
US20190002506A1 (en) * 2015-08-28 2019-01-03 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Stabilized peptides for covalent binding to target protein
JP7049989B2 (ja) * 2015-08-28 2022-04-07 デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド Bfl-1と結合するペプチド
EP3423075B1 (en) 2016-02-29 2024-04-03 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Stapled intracellular-targeting antimicrobial peptides to treat infection
EP3433261A4 (en) 2016-03-23 2019-12-04 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. COMPOSITIONS, ASSAYS AND METHODS FOR TARGETING HDM2 AND HDMX FOR INVERTING P53 INHIBITION IN PEDIATRIC CANCERS

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016105518A1 (en) * 2014-12-23 2016-06-30 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Methods to induce targeted protein degradation through bifunctional molecules
WO2017201449A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-23 Genentech, Inc. Protac antibody conjugates and methods of use

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CELL CHEMICAL BIOLOGY REVIEW, vol. 24, JPN6022052972, 21 September 2017 (2017-09-21), pages 1181 - 1190, ISSN: 0005134967 *
RICHARDSON, STACIE L.: "Towards the developmentof a peptide-PROTAC conjugate targeting a viral protein: Rational design and", DIVISION OF MEDICINAL CHEMISTRY SCIENTIFIC ABSTRACTS FOR THE 254TH NATIONAL MEETING AND EXPOSITION, JPN6022052973, pages 96, ISSN: 0005134966 *

Also Published As

Publication number Publication date
CA3078682A1 (en) 2019-06-20
US20240140999A1 (en) 2024-05-02
US20200354413A1 (en) 2020-11-12
AU2024200512A1 (en) 2024-02-15
JP2023107892A (ja) 2023-08-03
AU2018385697B2 (en) 2023-11-09
CN112119085A (zh) 2020-12-22
WO2019118893A1 (en) 2019-06-20
AU2018385697A1 (en) 2020-04-30
EP3724216A1 (en) 2020-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021506814A (ja) 安定化ペプチドによって介在される標的タンパク質の分解
US9527896B2 (en) Stabilized p53 peptides and uses thereof
US20240294574A1 (en) Stabilized peptides for covalent binding to target protein
US10308926B2 (en) Stablized EZH2 peptides
JP7394903B2 (ja) Bfl-1と結合するペプチド
AU2022203604A1 (en) COMPOSITIONS, ASSAYS, AND METHODS FOR TARGETING HDM2 AND HDMX TO REVERSE THE INHIBITION OF p53 IN PEDIATRIC CANCERS
JP2023546561A (ja) ウイルスタンパク質および宿主タンパク質の分解のためのキメラコンジュゲートならびに使用方法
US20240228539A9 (en) Selective targeting of apoptosis proteins by structurally-stabilized and/or cysteine-reactive noxa peptides
EP2970417B1 (en) Bh4 stabilized peptides and uses thereof
WO2018017922A2 (en) Selective bfl-1 peptides

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211213

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221213

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230310

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230613

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230823