JP2021505821A - 内部潤滑システムを有するドライブラインユニット - Google Patents

Abstract

少なくともいくつかの実現形態では、自動車ドライブラインユニットは、内側部分と、潤滑剤を収集するように構成された、内側部分内の第１のリザーバとを有する主ハウジングであって、主ハウジングはまた、第１のリザーバに対して開いている供給通路を有する、主ハウジングと、内側部分の内部に配置され第１のリザーバ内に構成された周辺部を有するギヤであって、ギヤの回転によりギヤが第１のリザーバからの潤滑剤の一部と係合し変位させる、ギヤと、主ハウジングによって支持された第２のハウジングと、を含む。第２のリザーバが主ハウジングと第２のハウジングとの間に画定され、第２のリザーバは供給通路を介して第１のリザーバと連通し、間隔を置いた複数の出口を含み、そこを通して、潤滑剤が様々な場所において第２のリザーバから出て、主ハウジングの内側部分の様々な領域に潤滑剤を供給する。【選択図】図１

Description

本開示は、一般に、動力伝達ユニット（ＰＴＵ）、最終駆動ユニット（ＦＤＵ）、および後輪駆動ユニット（ＲＤＵ）などであるが、これらに限定されない自動車ドライブラインユニットに関し、より詳細には、自動車ドライブラインユニット用の内部潤滑システムに関する。

一般に、自動車ドライブラインは、エンジンから車両車輪にトルクを伝達する。全輪駆動（ＡＷＤ）ドライブラインなどの自動車ドライブラインは、トルクを伝達するための動力伝達ユニット（ＰＴＵ）、最終駆動ユニット（ＦＤＵ）、後輪駆動ユニット（ＲＤＵ）、またはこれらユニットの組み合わせを含むことがある。ＰＴＵ、ＦＤＵ、およびＲＤＵは、典型的には、ギヤ、シャフト、ベアリング、シール、および他の構成要素を含む。潤滑剤は、これら構成要素の潤滑および冷却の両方に使用される。ユニット内の潤滑剤は、通常、ユニットの使用中に比較的大容積の油溜めまたはリザーバから潤滑剤が跳ね飛ばされ飛散した時、構成要素のいくつかに至る。大容量の油溜めはより多くの容積の流体を含み、それを通して１つ以上のギヤおよびシャフトが回転する必要があり、これによりドラッグ損失が発生しユニットの効率が低下する。更に、大容積の油溜めでは、ユニットの一部の領域に必要以上のオイルが供給され、オイルが制御されずに全方向に飛散し、および／または構成要素がオイルを必要としない時にオイルを受け取るか、または必要な時にオイルを得られない。

少なくともいくつかの実現形態では、自動車ドライブラインユニットは、内側部分と、潤滑剤を収集するように構成された、内側部分内の第１のリザーバとを有する主ハウジングであって、主ハウジングはまた、第１のリザーバに対して開いている供給通路を有する、主ハウジングと、内側部分の内部に配置され第１のリザーバ内に構成された周辺部を有するギヤであって、ギヤの回転によりギヤが第１のリザーバからの潤滑剤の一部と係合し変位させる、ギヤと、主ハウジングによって支持された第２のハウジングと、を含む。第２のリザーバが主ハウジングと第２のハウジングとの間に画定され、第２のリザーバは供給通路を介して第１のリザーバと連通し、間隔を置いた複数の出口を含み、そこを通して、潤滑剤が様々な場所において第２のリザーバから出て、主ハウジングの内側部分の様々な領域に潤滑剤を供給する。

少なくともいくつかの実現形態では、第２のハウジングは、第１の端部および第２の端部を有する側壁、側壁の第１の端部に連結された端壁、および側壁の第２の端部によって画定された開放端を有する。側壁の第２の端部は、主ハウジングと係合するか、または主ハウジング内に形成された空隙内部に収容されて、主ハウジング、側壁、および端壁の間に第２のリザーバを画定してもよい。保持機構が第２のハウジングによって支持され、主ハウジングと係合して、主ハウジングに対する第２のハウジングの位置を保持してもよい。主ハウジングは溝を含んでもよく、溝内に、側壁の第２の端部の長さの少なくとも３０％が収容されていてもよい。複数の差動ギヤが設けられてもよく、第２のハウジングは、１つの差動ギヤの少なくとも１つの部分の半径方向外側にあり、かつ軸線方向に重なっていてもよい。

少なくともいくつかの実現形態では、ギヤは軸線の周りに回転する従動ギヤであり、噛合い領域において駆動ギヤが従動ギヤと係合し、第２のハウジングの一部は、噛合い領域の半径方向外側に配設され、噛合い領域と軸線方向に重なっている。従動ギヤはシャフトに連結されていてもよく、側壁はシャフトから半径方向外側に間隔を置いてもよく、側壁はシャフトと軸線方向に重なっている。第２のハウジングは、噛合い領域の半径方向上方に配置された第１の出口を含んでもよく、それにより、重力下で第１の出口を出る流体が、噛合い領域内で少なくとも１つと係合する。第２のハウジングは、主ハウジングの内側部分の内部に配置されていてもよい。

少なくともいくつかの実現形態では、供給通路は、ギヤの回転軸に対してギヤの半径方向外側に構成された入口を含み、供給通路は、入口から、第２のリザーバに開いている出口まで軸線方向に延びる中間部分を含む。入口は、ギヤに対して略接線方向に構成されてもよく、上流部分および下流部分によって画定されてもよく、上流部分よりも下流部分がギヤに近い。

少なくともいくつかの実現形態では、主ハウジングは、第２のリザーバの一部を画定する囲まれた部分を有する壁を含み、囲まれた部分の壁を通して潤滑剤出口が形成されて、第２のハウジングの壁の反対側にある構成要素に潤滑剤を供給する。

少なくともいくつかの実現形態では、自動車ドライブラインユニットは、主ハウジング、第１のシャフト、第１のシャフトに連結された第１のギヤ、第２のシャフト、第２のシャフトに連結された第２のギヤ、および主ハウジングによって支持された第２のハウジングを含む。主ハウジングは、内側部分と、潤滑剤を収集するように構成された、内側部分内の第１のリザーバとを有し、主ハウジングはまた、第１のリザーバに開いている供給通路と、第１の開口部を有する壁とを有し、ハウジングは壁から間隔を置いた第２の開口部を含む。第１のシャフトは、第１の開口部を通って延び、少なくとも一部を内側部分の内部に有する。第１のギヤは第１のシャフトと共に回転し、内側部分の内部に配置され、その周辺部の一部が第１のリザーバ内に配置され、それにより、第１のギヤの回転により、第１のギヤが第１のリザーバからの潤滑剤の一部と係合し変位させる。第２のシャフトは第２の開口部を通って延び、少なくとも一部を内側部分の内部に有し、第１のシャフトとは平行ではないように方向付けられている。第２のギヤは第２のシャフトと共に回転し、第１のギヤと噛み合い、内側部分の内部に収容されている。第２のハウジングは主ハウジングによって支持され、供給通路を介して第１のリザーバと連通する第２のリザーバの少なくとも一部を画定する。第２のリザーバは間隔を置いた複数の出口を含み、そこを通して、潤滑剤が様々な場所において第２のリザーバから出て、主ハウジングの内側部分の様々な領域に潤滑剤を供給し、少なくとも２つの出口が重力に対して異なる高さに構成され、少なくとも２つの出口は、第２のリザーバからの潤滑剤の分配を制御するための様々な流れ領域を有する。

少なくともいくつかの実現形態では、第２のハウジングは主ハウジングに連結され、第２のリザーバは第２のハウジングと主ハウジングの一部との間に画定される。第２のハウジングが連結される、主ハウジングの部分は壁を含み得る。第２のリザーバの出口は、壁を貫通して延びてもよい。

少なくともいくつかの実現形態では、第１のギヤの周辺部と主ハウジングとの間の間隙の半径方向寸法が一定ではないような変化する半径方向寸法を有する、主ハウジングの部分内に、第１のギヤが収容されている。間隙は、第１のリザーバの外部の場所におけるよりも、第１のリザーバの領域において小さくてもよい。第１のギヤが収容されている、主ハウジングの部分の軸線方向幅は、主ハウジングのその部分の円周範囲に沿って変化してもよい。そして、第１のリザーバにおける軸線方向幅は、第１のリザーバから円周方向に６０度以上離れた場所における軸線方向幅より小さくてもよい。

好ましい実現形態および最良の態様についての以下の詳細な説明を、添付図面を参照して述べる。

最終駆動ユニットの分解斜視図である。 ギヤおよび油溜めチャネルを示す最終駆動ユニットの断面図である。 二次油溜めを示す最終駆動ユニットの別の断面図である。 最終駆動ユニットおよび二次油溜めの別の断面図である。 最終駆動ユニットおよび二次油溜めの別の断面図である。 最終駆動ユニットおよび二次油溜めの別の断面図である。 クラッチ、クラッチアクチュエータ、および両者の流体経路を示す最終駆動ユニットの一部の断面図である。 最終駆動ユニットおよび二次油溜めの分解斜視図である。 最終駆動ユニットおよび二次油溜めの分解斜視図である。 ユニットのハウジングと一体の二次油溜めを示す最終駆動ユニットの斜視図である。 図１０の最終駆動ユニットの断面図である。 駆動ユニットハウジングの一部の断面図である。 ハウジングの断面図である。 ハウジングの一部の断面図である。

図面をより詳細に参照すると、図１〜図７は、後述するように、複数のギヤ、シャフトベアリング、およびシールが配置された主ハウジング１２を含む自動車ドライブラインユニット１０を示す。ハウジング１２は、第１のリザーバおよび第２のリザーバを含み、これらのそれぞれが、少なくとも一時的に一定量の潤滑剤を含有するかまたは貯蔵し得る。第１のリザーバおよび第２のリザーバは、１つ以上の流体通路を介して互いに連通しているので、流体は、リザーバ間を、および一般にはハウジング内部を流れて、ユニット１０の様々な構成要素を潤滑化することができる。自動車ドライブラインユニット１０は、例えば、動力伝達ユニット（ＰＴＵ）、最終駆動ユニット（ＦＤＵ）または後輪駆動ユニット（ＲＤＵ）であり得る。この関連で、「自動車ドライブラインユニット」という語句は、ＰＴＵ、ＦＤＵ、ＲＤＵ、および関連デバイスを包含する広い意味で使用される。更には、余談として、用語「下流」および「上流」は、潤滑剤の流れの方向に関して使用され、下流は潤滑剤の流れに従う方向を指し、上流は潤滑剤の流れに逆らう方向を指す。「上方」または「下方」などの他の関係語は、重力の方向に対するユニットの通常の向きを指す。

図１および図６を参照すると、ドライブラインユニットハウジング１２は、本体１４と、本体に連結されて本体の第１の端部または側面を囲む第１のカバー１６と、本体の第２の端部または側面に連結されてこれらを閉じる第２のカバー１８とを含む。本体１４およびカバー１６、１８は、ハウジング１２の内側部分１９の少なくとも一部を画定する。内側部分１９の内部には、環状のリングギヤまたはクラウンホイールであり得る第１のギヤ２０、ギヤ２０に連結されてギヤ２０と回転するシャフト２２、ギヤ／シャフトとカバー１６との間の第１のベアリング２４、シャフト２２と本体１４の中間壁２８（図６）との間のベアリング２６、主ハウジングとカバーとの間のガスケット３０、クラッチプレートパック３４およびクラッチアクチュエータ３６を含むクラッチ３２、ならびに他の多くの構成要素が収容されている。

第１のリザーバ３８が、ハウジングの内側部分１９の重力方向の下方部分にある開放空間によって画定され、組み立て時に、ユニット１０内の様々な構成要素を潤滑および冷却するために使用される潤滑剤４０（図６）を収容し保持する。ギヤ２０は、第１のリザーバ３８内部に部分的に収容され、リザーバ内部の潤滑剤４０に部分的に浸漬される。ギヤ２０が回転すると、ギヤは、潤滑剤４０の一部を第１のリザーバ３８から内側部分１９の他の領域に向けて、および内側部分の様々な構成要素に向けて変位させる（例えば、跳ね飛ばし、飛散、または推進／たたきつけ）。それに加えて、またはその代わりに、ユニット１０の他の構成要素は、潤滑剤を変位および分配することができる。ギヤ２０は、図示のようにハイポイドリングギヤとすることができ、または別の種類のギヤとすることができる。ギヤ２０は、第２のギヤと噛み合うことができ、第２のギヤは、例えば、シャフト２２に対して略直角に方向付けられている第２のシャフト（これは入力シャフト４４であってもよく、これは次いでプロペラシャフトに接続され得る）に接続された入力ギヤ４２であってもよい（これは図５に示すようにピニオンギヤであってもよい）。

入力シャフト４４は、ハウジング１２の本体１４内の開口部４６を通して内側部分１９の内部に収容される端部を有してもよい。第１の出力シャフト４８（図６）は、第２のカバー１８によって少なくとも部分的に画定された第２の開口部５０を通して内側部分１９内に部分的に収容され、図示した例では、クラッチ３２によってシャフト２２に連結されている。第２の出力シャフト（図示せず）が、第２の開口部５０と同軸に整列し少なくとも部分的に第１のカバー１６によって画定される第３の開口部５２を通して、内側部分１９内に部分的に収容される。ギヤ２０は、差動ハウジング上で支持されてもよく、差動ハウジングは次にドライブユニット１０によって、第１の場所において、第１のカバー１６と差動ハウジングとの間のベアリング２４によって、および第２の場所において、差動ハウジングと、本体１４の半径方向内向きに延びる中間壁２８との間に収容されたベアリング２６によって、支持されてもよく、本体１４は、シャフト２２（または第１のサイドシャフト）が貫通する開口部５８を有する。当技術分野で既知のように、差動ギヤ６０をギヤ２０に隣接させて差動ハウジング内部に設けて、サイドシャフトを異なる速度で回転させることを可能にしてもよい。その時、シャフト２２は、差動ギヤ６０によって第１の場所で、およびクラッチプレートパック３４によって第２の場所で支持されてもよい。少なくともいくつかの実現形態では、入力ギヤ４２およびギヤ２０は、第１のカバー１６に面する壁２８の側部で噛み合い、クラッチ３２は、第２のカバー１８に面する壁２８の反対側に構成されている。

この例では、クラッチ３２は、車両の出力シャフト４８を選択的に駆動するために、ユニット１０に接続解除および再接続機能を提供する。プレートパック３４は、接続状態で一緒に押し付けられた複数のプレートを有し、シャフト２２と出力シャフト４８との間でトルクおよび回転を伝達し、プレートの一部は、プレートパック３４の外側キャリアを画定する（内側キャリアはシャフト２２上で画定され、シャフト２２によって支持される）。接続解除された状態ではパック３４のプレートは分離され、シャフト２２と出力シャフト４８との間でトルクおよび回転は伝達されない。

ドライブラインユニット１０の構成要素を潤滑化させることを助けるために、内側部分１９の内部に潤滑剤のための第２のリザーバ６２が設けられる。少なくともいくつかの実現形態では、第２のリザーバ６２は、第２のハウジング６４と本体１４の一部との間に画定される。第２のハウジング６４は、第１の端部６８および第２の端部７０を有する側壁６６、側壁の第１の端部６８に連結された端壁７２、ならびに側壁の第２の端部７０によって画定された開放端７４を有してもよい。側壁６６の第２の端部７０は、主ハウジング１４と係合するか、または少なくとも一部が主ハウジング内に形成された空隙７６内部に収容されて、主ハウジング１４、側壁６６、および端壁７２の間に第２のリザーバ６２を画定してもよい。少なくともいくつかの実現形態では、主ハウジングは、第２の端部７０の長さの少なくとも３０％が収容される溝７６を含み、長さは第２の端部の周長である。もし潤滑剤が第２のリザーバ６２から漏れても、そのような潤滑剤は第１のリザーバ３８に戻ることになるため、問題ない、または問題ない場合があるので、第２のハウジング６４と主ハウジング１４との間に液密シールは必要ないが、所望であればシールを設けることができる。

側壁６６は、略Ｃ字形であってもよく、シャフト２２の中心線または軸線７８から見た時に第２のハウジング６４が凹面になるように方向付けられていてもよい。このように、図３〜図５に示すように、側壁６６は、間隔を置いた、内側の内屈セクション８０と外側の内屈セクション８２とを有し、内側セクション８０は、外側セクション８２の半径方向内向きに配置され、側壁６６は、内側の内屈セクション８０と外側の内屈セクション８２の側端部をつなぐ端部セクション８４を有し、よって側壁は円周方向に連続している（後述するような様々な出口に関しては除く）。少なくともいくつかの実現形態では、内側セクション８０および外側セクション８２は略円周方向に延び、端部セクション８４は軸線７８に対して略半径方向に延びているが、所望に応じて他の方向を使用してもよい。

本体１４に対する第２のハウジング６４の位置を保持するために、または保持するのを助けるために、保持機構が第２のハウジングに連結されてもよく、または第２のハウジングと一体形成されてもよい。保持機構は、本体に係合してもよく、または本体に連結されてもよい。図示した例では、保持機構は、側壁６６の外側セクション８２から外向きに延びて本体１４の内側表面と摩擦係合する複数のタブ８６（図１）を含む。もちろん、保持タブ８６の代わりに、または保持タブ８６に加えて、締結具、接着剤、または他の保持機構を、使用することができる。第２のハウジング６４を保持することに加えて、タブ８６は、本体１４と第２のハウジング６４との間の振動を減衰させることができ、または一般には主ハウジングの振動を減衰させることができる。この関連で、第２のハウジング６４は、様々なポリマーを含む任意の好適な材料で形成されてもよく、保持タブは同じ材料から形成されてもよく（例えば、側壁および端壁と同じ材料で形成され得る）、またはより可撓性の材料（おそらくエラストマー）などの異なる材料から形成されてもよい。このように構成されると、ギヤ２０、シャフト２２、および第１のカバー１６が取り付けられる前に、タブ８６が本体に摺動可能に摩擦係合しながら、第２のハウジング６４を単に押すか、または押し込んで本体１４の空洞および溝７６の中に入れることができる。第２のハウジング６４の位置をより良好に保持するために、所望に応じて、タブ８６を、本体１４の空隙８８（例えば、スロットまたは溝）内部に収容することができる。

第２のリザーバ６２は、１つ以上の供給通路によって第１のリザーバ３８と連通している。図示した例では、単一の供給通路９０（図２〜図４）が使用され、本明細書で更に説明される。供給通路９０は、第１のリザーバ３８と連通しギヤの回転軸線７６に対してギヤ２０の半径方向外側に構成された入口９２を含む。入口９２は中間部分９４と連通するか、または中間部分９４につながり、中間部分９４は、入口から軸線方向に延びて、供給通路９０の出口９６につながる部分を少なくとも有する。その結果、出口９６は、第２のリザーバ６２と連通する。したがって、第１のリザーバ３８からの潤滑剤は、供給通路９０の入口９２、中間部分９４、および出口９６（図４）の中に、そしてこれらを通し、そこから第２のリザーバ６２へと導かれる。

第１のリザーバ３８から第２のリザーバ６２への潤滑剤の分配を助けるために、少なくともいくつかの実現形態では、入口９２は、ギヤ２０に対して略接線方向に構成され、上流部分９８および下流部分１００によって画定され、図２に示すように、上流部分９８よりも下流部分１００がギヤ２０に近い。上流部分９８の増大した空間により、下流部分１００を通って流れることになるよりも多くの潤滑剤が上流部分に入ることが可能になり、下流部分１００は、潤滑剤の少なくとも一部を取り除いて供給通路９０の中に導き、入口９２の領域を通って流れる潤滑剤の量を減らす傾向がある。入口９２を、重力方向に対して軸線７６の上方に位置付けることもでき、その結果、入口および第２のリザーバ６２の中に移動した潤滑剤が、重力を利用して、重力下で流れることができる。少なくともいくつかの実現形態では、供給通路９０の入口９２および出口９６は、軸線７６の上方に配置され、いくつかの実現形態では、第１のリザーバ３８の最下点に対して直径方向に概略対向していてもよく、概略とは本文脈では、直径方向に対向している状態から４５度以内にあることを意味する。

更に、少なくとも図２および図１１に示すように、入口９２の上流部分９８（軸線７６に平行にとった入口９２の中心線１０２の上流にある部分）は、上流部分９８でとった接線１０４と、上流部分９８から延びる線１０５との間で、３０〜６０度の角度αで方向付けられてもよい。入口９２の上流部分９８において、ギヤ２０の周辺部と本体１４との間の半径方向の間隙１０６は３〜７ｍｍであってもよい。入口９２の下流部分１００（軸線７６に平行にとった入口の中心線１０２の下流にある部分）は、下流部分におけるギヤ２０に接する線１０７と下流部分１００から延びる線１０９との間で、５０〜７０度の角度βで方向付けられてもよい。入口の下流部分（例えば、入口のその領域を画定する本体の表面）におけるギヤ２０の周辺部と本体１４との間の半径方向の間隙１０６は、少なくともいくつかの実現形態では、３ｍｍ未満、例えば、０．３ｍｍと３ｍｍの間にあり得る。

図２および図６に示すように、第１のリザーバから供給通路９０および第２のリザーバ６２への、求心性のポンピング作用を促進するか、または潤滑剤の移動を増加させるために、ギヤ２０と、本体１４の隣接する内側表面との間の半径方向の間隙１０６は、その周長に沿って変化する。少なくともいくつかの実現形態では、第１のリザーバ内の潤滑剤のレベルが比較的低い場合であっても、ギヤ２０の周辺部が潤滑剤によって確実に湿潤化されるように、ギヤ２０の重力方向の最下点における間隙１０６は、０．２５〜３ｍｍである。ギヤ２０によって推進される潤滑剤の流れと過度に干渉することを避けるために、半径方向の間隙１０６は、ギヤ２０の最下点と、供給通路入口９２の上流部分９８との間で増加してもよく、これは上述のように、ギヤ２０の周辺部から３〜７ｍｍの間にあってもよい。空洞１０８の半径方向寸法の変化、またはギヤ２０と軸線方向に整列しギヤ２０に隣接する主ハウジング１４の領域の変化は、漸進的（例えば、滑らかなテーパー状）、段階的、または所望の他の形態であってもよい。

異なる本体１４’に関して図１２に示すように、少なくともいくつかの実現形態では、空洞１０８の軸線方向幅、またはギヤ２０と軸線方向に整列して隣接する本体１４’の領域は、本体のその領域の円周に沿って変化し得る。いくつかの例では、第１のリザーバ３８の領域における軸線方向幅は、第１のリザーバから円周方向に６０度以上離れた場所における軸線方向幅よりも小さい。いくつかの例では、軸線方向幅Ｗ１は、軸線７８より下で（例えば、重力方向の最低点の領域、または第１のリザーバ３８の領域において）より小さく、軸線より上で（例えば、Ｗ２で示すような供給通路入口において、またはその近くで）より大きくてもよい。これにより、潤滑剤をギヤ２０の下方部分に更に導くことができ、ポンピング作用（例えばベンチュリ効果）を生み出すことができ、および／または別の方法で、潤滑剤の流れと過度に干渉することなく、ギヤ２０が潤滑剤を供給通路９０に向けて推進するのを助けてもよい。少なくともいくつかの実現形態では、空洞１０８の幅または本体１４’の領域は、ギヤ２０の軸線方向の両側の、半径方向に変化し円周方向に延びる表面１１０、１１２の間で測定され、これらの表面１１０、１１２は、第１のカバー１６（例えば、図６に示すように内側部分１９内に延在するフランジ１１３）、および／または第２のハウジング６４などの、ギヤ２０に隣接する構成要素によって、全体的にまたは部分的に画定され得る。

図５に示すように、少なくともいくつかの実現形態では、第２のハウジング６４の一部、したがって第２のリザーバ６２は、ピニオンギヤ４２およびリングギヤ２０が噛み合う領域と重なっていてもよく、第２のハウジングは、噛合い領域の少なくとも一部の上方（重力に対して）に配置された出口１１４を含んでもよい。そのように構成された場合、潤滑剤は、出口１１４から流出して噛合い領域に至り、ピニオンおよびリングギヤを直接、潤滑化させることができる。出口１１４は、供給通路出口９６の近くに設けることができ、ギヤの噛合い領域への潤滑剤の流速が、確実に所望の量になるように寸法設定されていてもよい。もちろん、リングギヤ２０はまた、リングギヤの一部が第１のリザーバ３８およびその中の潤滑剤を通って移動する時に潤滑化される。同様に、第２のハウジング６４および第２のリザーバ６２は、差動ギヤ６０のうちの１つとベアリング２６との少なくとも一部と重なってもよく、第２のハウジング６４は、差動ギヤのうちの１つ以上とベアリングとに、またはベアリングに隣接するシャフトに、重力下で潤滑剤が流れる１つ以上の追加の出口１１６を含んでもよい。要するに、第２のハウジング６４は、様々な場所および様々な向きで出口１１４、１１６を有して、第２のリザーバ６４から所望の領域へ、そしてハウジング１２の内側部分１９の内部にある構成要素へと潤滑剤を供給してもよい。潤滑剤は重力下で流れる場合があり、潤滑剤が第２のリザーバ内に閉じ込められず、むしろ第１のリザーバ３８の中に逆流するように、第２のリザーバ６２の重力方向の最下点またはその近くに１つ以上の排出口１１７（図３）を設けてもよい。排出口１１７は、上述のように、排出口１１７を通る潤滑剤の流速を限定して、とりわけ、一定量の潤滑剤が第２のリザーバ６２に蓄積し、第２のハウジング６４の他の（重力に対して）より高い出口に到達することを可能にするように寸法決めされてもよい。少なくともいくつかの実現形態では、より大きい出口１１８が、第２のリザーバ６２の最も低い部分に、またはその近くに配置された１つ以上のより小さい出口１１７の上に設けられる。より大きい出口１１８は、第２のリザーバ６２から内側部分１９への潤滑剤の主要な流れを供給して、リングギヤ２０を湿潤化させるのに十分な、十分なまたは所望の容積の潤滑剤が第１のリザーバ３８内に残っていることを確実にしてもよい（すなわち、過剰な潤滑剤が、第２のリザーバ内に長過ぎる期間にわたって収集されることを防止するために）。（重力に対する）出口１１６、１１７、１１８の高さおよび流れ領域は、所与の用途のために所望に応じて選択されてもよい。

上記のように、ドライブラインユニット１０の特定の構成要素は、ギヤ２０、４２および第２のリザーバ６２に対して壁５６の反対側に、そして概して壁と第２のカバー１８との間に配置されてもよい。図７に示すように、第２のリザーバ６２から壁５６の反対側の構成要素のうちの１つ以上に潤滑化を提供するために、出口または潤滑剤通路１２０が壁を貫通して形成されてもよい。この通路１２０は、（重力に対して）軸線７８の高さの上方に設けられて、潤滑化されている構成要素全体にわたって、より高いレベルからより低いレベルへの流れを供給することができる。図示した例では、通路１２０は、クラッチパック３４およびクラッチアクチュエータ３６に通じている。第１の流路１２１が通路１２０からクラッチプレートパック３４まで設けられ、シャフトが回るにつれて、シャフト２２との係合時に上方に導かれるか、もしくは上方に振り上げられる、または、プレートがシャフトと共に回るにつれて、クラッチパックの下方領域から上方領域に運ばれ得る。第２の流路１２３が、クラッチアクチュエータ３６を介して通路１２０からプレートパック３４に設けられ、第２の流路は、軸線方向に可動なプレート１２２、リアクションプレート１２４、プレート１２２、１２４の一方または両方に形成されたカム表面またはランプ、およびプレート間にあってカム表面と係合している複数のボール１２６、を有するボールランプ機構として示される。

可動プレート１２２がリアクションプレート１２４に対して回転するにつれて、ボール１２６とランプとの係合により、可動プレートはリアクションプレートに対して軸線方向に（すなわち、リアクションプレートに向かって、およびリアクションプレートから離れるように）移動する。可動プレート１２２がリアクションプレート１２４から離れた場合、それらの間に大きな間隙が存在し、潤滑剤はプレート、シール、ベアリングおよび他の下流にある構成要素に、より自由に流れることができる。この移動中に、クラッチ３２が作動され、プレートは一緒に押し付けられ、その結果、プレートを冷却し、クラッチの係合時に回転する構成要素を潤滑化することが望まれる。可動プレート１２２がリアクションプレート１２４に向かって移動すると、それらの間の間隙が減少し、よって潤滑剤の流速も減少する。クラッチ３２はこの状態では作動せず、クラッチのこの位置では冷却および潤滑化の優先度が低いので、これは一般的に許容可能である。それに応じて、少なくともいくつかの実現形態では、クラッチアクチュエータ３６を通る流速は、クラッチが作動していない時よりも、クラッチ３２が作動している時の方が大きく、流速は、少なくとも部分的に、クラッチアクチュエータによって絞られるかまたは制御されてもよい。

第２のリザーバ６２の容積、およびドライブラインユニット１０内に提供される潤滑剤の容積は、低回転速度および高回転速度、ならびに低トルクおよび高トルク状態を含む広範囲の動作条件の間に、潤滑剤の所望の流れおよび分配を提供するように制御されてもよい。少なくともいくつかの実現形態では、シャフトとギヤが回っていない（例えば、車両が移動していない）静止状態では、第２のリザーバ６２は空であるか、またはほぼ空である場合があり、実質的に全ての潤滑剤が第１のリザーバ３８内部にある。この状態では、ギヤ２２の半径方向範囲の１０〜２５％が潤滑剤で湿潤化されている（半径は軸線７６からリングギヤ２２の重力方向の最下点までとっている）。換言すれば、リングギヤ２２の半径が１００ｍｍである場合、上記の半径に沿って、リングギヤ２２の１０ｍｍ〜２５ｍｍが潤滑剤に浸漬し、７５ｍｍ〜９０ｍｍが潤滑剤に浸漬されないであろう。潤滑剤のこの初期的な深さは、車両が移動中であり、様々なシャフトとギヤが回転しており、潤滑剤が第１のリザーバ３８から排出される時に低下し、それにより、車両が移動中は、第１のリザーバ内の潤滑剤によって湿潤化されるリングギヤ２２の部分は減る。より高い回転速度、例えば１００ｒｐｍ〜２０００ｒｐｍのホイール速度では（少なくともいくつかの実現形態では、リングギヤの回転速度は事実上はホイール速度である）、第１のリザーバ３８内の潤滑剤によって湿潤化されるリングギヤの半径方向範囲は、潤滑剤が第１のリザーバから排出されるにつれて５〜１５％に減少する。上記のように、少なくともいくつかのより高い回転速度の場合、その潤滑剤の一部が供給通路９０の中に移動し、供給通路９０を通り、第２のリザーバ６２の中に入り、更に内側部分１９の他の場所に飛散する。

第２のリザーバ６２の容積が大きいほど、かつ第２のリザーバの出口を通る流速が遅いほど、車両の動作中に第１のリザーバ３８内に残る容積は少なくなり、これもまた、構成要素の回転速度に依存する。より高い回転速度では、構成要素はより多くの冷却と潤滑化を必要とする場合があり、これは、第２のリザーバ６２と、その戦略的に配置された出口を介した、潤滑剤の改善された、より制御された分配によって実現される。更に、本明細書で提供され記載されるような、より速い速度での潤滑剤の効果的な分配により、リングギヤがより少ない潤滑剤４０を通して回転するにつれて、例えば第２のリザーバ６２が潤滑剤を受け取る時に、リングギヤ２０の回転に対するドラッグおよび抵抗を低減させる。より低い速度では、構成要素は冷却と潤滑化の必要性が小さくなる場合があり、より低い速度では潤滑剤の移動が本質的に少なくなる。更に、速度がより速い場合は、ドライブラインユニット１０内部に、より高い温度が多くの場合存在し、潤滑剤の粘度が低下し、これにより、潤滑剤がハウジング１２全体にわたって移動することに対する抵抗が減少し、そのような条件下では潤滑剤の流れは改善し得る。リングギヤが示され説明されているが、本明細書に記載のイノベーションは、潤滑剤をハウジング内部で移動させるために使用される任意のギヤに適用されてもよく、リングギヤまたはクラウンホイールに限定されない。従動ギヤは任意のシャフトに連結でき、差動ギヤに関連付ける必要はない。

第２のハウジング６４および第２のリザーバ６２は、上述のように内側部分１９の内部に配置されていてもよいが、図８は、第２のハウジング６４’が第１のカバー１６’に連結され、第１のカバーから外向きに延びる構成を示す。この構成では、第２のリザーバ６２’は、第２のハウジング６４’と第１のカバー１６’の外側表面との間に画定され、完全にまたは大部分（すなわち、大半）、ハウジング１２の内側部分１９の外部にある。供給通路が、入口から、第２のハウジング６４’に開いた出口に通じていてもよく、それにより、いくらかの潤滑剤が所望に応じて第２のリザーバ６２’の中に導かれる。この第２のリザーバ６２’は、上記の第２のリザーバの代わりに、またはそれに加えて提供されてもよい。更に、この第２のハウジング６４’は、第１のカバー１６と一体形成されてもよく（例えば、同じ材料から）、または別個の構成要素が固定され、それに密封されてもよい。

図９〜図１２および図１３〜図１４は同様の構成を示し、第２のリザーバ６２”が本体１４の上方部分で画定され、本体に固定されて第２のリザーバを包囲するカバーの形態の第２のハウジング６４”によって包囲されている。供給通路９０”は、前述したのと同様に、潤滑剤を第２のリザーバ６２”の中に供給することができ、第２のハウジング６４”の出口は、（重力に対して）様々な高さで、様々な流れ領域で提供され、いつどれくらいの量の潤滑剤が第２のリザーバ６２”の出口１１６”を通って流れるかを制御することができる。出口１１６”はまた、所望の方向に方向付けられ、所望の位置に配置されて、潤滑剤を所望に応じてハウジング１２の内部で導くことができる。図１３および図１４の例では、出口１３０のうちのいくつかは、それらの間に延びる通路またはチャネル１３２によって一緒に接続され、これらの出口は、所望の高さに開放端を有する直立したまたは隆起したフランジ１３４内部に配置されて、第２のリザーバ６２”が、より高いレベルまたは容積で潤滑剤を含む場合にのみ、出口１３０を通る流れを供給してもよい。

本明細書で開示した本発明の形態は、現在好ましい実施形態を構成するが、他の多くの形態が可能である。例えば、少なくともいくつかの実現形態では、第２のリザーバを、２つの本体（例えば、第２のハウジングと、本体またはカバー）によって画定されるものとして記載してきたが、第２のリザーバは、ハウジングの本体、または第１のカバーと第２のカバーのいずれかまたは両方の、鋳造または成形フィーチャである。そのような例では、第２のハウジングは、その中に潤滑剤リザーバが画定される構成要素、例えば１つ以上の壁、の一部と見なすことができる。本明細書では、本発明の全ての可能な等価形態または派生を述べることを意図していない。本明細書で使用される用語は限定的というよりは単に記述的であり、本発明の趣旨または範囲から逸脱しない範囲で、様々な変更を加えることができると理解されている。

請求項で使用される全ての用語は、本明細書でそうではないと明示的に示さない限り、その最も幅広い正当な解釈、および当業者によって理解されるような通常の意味が与えられることを意図している。特に、「ａ」、「ｔｈｅ」、「ｓａｉｄ」などの単数の冠詞の使用は、請求項がそうではないと明示的に限定しない限り、示された要素の１つまたは複数を引用すると読み取るべきである。

Claims (21)

1. 内側部分と、潤滑剤を収集するように構成された、前記内側部分内の第１のリザーバと、を有する主ハウジングであって、前記主ハウジングはまた、前記第１のリザーバに対して開いている供給通路も有する、主ハウジングと、
   前記内側部分の内部に配置され前記第１のリザーバ内に構成された周辺部を有するギヤであって、前記ギヤの回転により前記ギヤが前記第１のリザーバからの前記潤滑剤の一部と係合し変位させる、ギヤと、
   前記主ハウジングによって支持された第２のハウジングであって、前記主ハウジングと前記第２のハウジングとの間に第２のリザーバが画定され、前記第２のリザーバは、前記供給通路を介して前記第１のリザーバと連通し、複数の間隔を開けた出口を含み、前記出口を通して、潤滑剤が様々な場所において前記第２のリザーバから出て、前記主ハウジングの前記内側部分の様々な領域に潤滑剤を供給する、第２のハウジングと、
   を備える、自動車ドライブラインユニット。
2. 前記第２のハウジングは、第１の端部および第２の端部を有する側壁、前記側壁の前記第１の端部に連結された端壁、および前記側壁の前記第２の端部によって画定された開放端を有し、前記側壁の前記第２の端部は、前記主ハウジングと係合するか、または前記主ハウジング内に形成された空隙内部に収容されて、前記主ハウジング、前記側壁、および前記端壁の間に前記第２のリザーバを画定する、請求項１に記載のユニット。
3. 保持機構が、前記第２のハウジングによって支持され、前記主ハウジングと係合して、前記主ハウジングに対する前記第２のハウジングの位置を保持する、請求項２に記載のユニット。
4. 前記ギヤは軸線の周りに回転する従動ギヤであり、噛合い領域において駆動ギヤが前記従動ギヤと係合し、前記第２のハウジングの一部が前記噛合い領域の半径方向外側に配設され、前記噛合い領域と軸線方向に重なっている、請求項１に記載のユニット。
5. 前記従動ギヤはシャフトに連結され、側壁は前記シャフトから半径方向外側に間隔を置き、前記側壁は前記シャフトと軸線方向に重なっている、請求項４に記載のユニット。
6. 前記主ハウジングは溝を含み、前記溝内に、前記側壁の前記第２の端部の長さの少なくとも３０％が収容されている、請求項２に記載のユニット。
7. 前記供給通路は、前記ギヤの回転軸に対して前記ギヤの半径方向外側に構成された入口を含み、前記供給通路は、前記入口から、前記第２のリザーバに開いている出口まで軸線方向に延びる中間部分を含む、請求項１に記載のユニット。
8. 前記入口は、前記ギヤに対して略接線方向に構成され、上流部分および下流部分によって画定され、前記上流部分よりも前記下流部分が前記ギヤに近い、請求項７に記載のユニット。
9. 前記第２のハウジングは、前記噛合い領域の上方で半径方向に配置された第１の出口を含み、それにより、重力下で前記第１の出口を出る流体が、前記噛合い領域内の少なくとも１つのギヤと係合する、請求項４に記載のユニット。
10. 前記主ハウジングは、前記第２のリザーバの一部を画定する囲まれた部分を有する壁を含み、前記囲まれた部分の壁を通して潤滑剤出口が形成されて、前記第２のハウジングの前記壁の反対側にある構成要素に潤滑剤を供給する、請求項１に記載のユニット。
11. 複数の差動ギヤも備え、前記第２のハウジングが、１つの差動ギヤの少なくとも１つの部分の半径方向外側にあり、かつ軸線方向に重なっている、請求項２に記載のユニット。
12. 前記第２のリザーバが、前記主ハウジングの前記内側部分の内部に配置されている、請求項１に記載のユニット。
13. 内側部分と、潤滑剤を収集するように構成された、前記内側部分内の第１のリザーバとを有する主ハウジングであって、前記主ハウジングはまた、前記第１のリザーバに開いている供給通路と、第１の開口部を有する壁とを有し、前記主ハウジングは前記壁から間隔を置いた第２の開口部を含む、主ハウジングと、
    前記第１の開口部を通って延び、少なくとも一部を前記内側部分の内部に有する、第１のシャフトと、
    駆動された前記シャフトとの回転のために前記第１のシャフトに連結された第１のギヤであって、前記第１のギヤは前記内側部分の内部に配置され、前記第１のギヤの周辺部の一部が前記第１のリザーバ内に配置され、それにより、前記第１のギヤの回転により、前記第１のギヤが前記第１のリザーバからの前記潤滑剤の一部と係合し変位させる、第１のギヤと、
    前記第２の開口部を通って延び、前記内側部分の内部に少なくとも一部を有する第２のシャフトであって、前記第１のシャフトとは平行ではないように方向付けられている、第２のシャフトと、
    前記第２のシャフトと共に回転するために前記第２のシャフトに連結され、前記第１のギヤと噛み合って前記第１のギヤを回転させ、前記内側部分の内部に収容されている、第２のギヤと、
    前記主ハウジングによって支持され、前記供給通路を介して前記第１のリザーバと連通する第２のリザーバの少なくとも一部を画定する第２のハウジングであって、前記第２のリザーバは間隔を置いた複数の出口を含み、前記出口を通して、潤滑剤が様々な場所において前記第２のリザーバから出て、前記主ハウジングの前記内側部分の様々な領域に潤滑剤を供給し、少なくとも２つの出口が重力に対して異なる高さに構成され、少なくとも２つの出口は、前記第２のリザーバからの潤滑剤の分配を制御するための様々な流れ領域を有する、第２のハウジングと、
    を備える、自動車ドライブラインユニット。
14. 前記第２のハウジングは前記主ハウジングに連結され、前記第２のリザーバは前記第２のハウジングと前記主ハウジングの一部との間に画定される、請求項１３に記載のドライブラインユニット。
15. 前記第２のハウジングが連結される、前記主ハウジングの部分は前記壁を含む、請求項１４に記載のドライブラインユニット。
16. 前記第２のリザーバの出口は、前記壁を通って延びている、請求項１５に記載のドライブラインユニット。
17. 前記第２のハウジングの一部が、前記第２のギヤと前記第１のギヤとが噛み合う領域の少なくとも一部の半径方向外側に配設され、かつ軸線方向に重なっている、請求項１３に記載のドライブラインユニット。
18. 前記第１のギヤの周辺部と前記主ハウジングとの間の間隙の半径方向寸法が一定ではないような変化する半径方向寸法を有する、前記主ハウジングの部分内に、前記第１のギヤが収容されている、請求項１３に記載のドライブラインユニット。
19. 前記間隙は、前記第１のリザーバの外部の場所におけるよりも、前記第１のリザーバの領域において小さい、請求項１８に記載のドライブラインユニット。
20. 前記第１のギヤが収容されている、前記主ハウジングの前記部分の軸線方向幅は、前記主ハウジングの前記部分の円周範囲に沿って変化している、請求項１８に記載のドライブラインユニット。
21. 前記第１のリザーバにおける軸線方向幅は、前記第１のリザーバから円周方向に６０度以上離れた場所における軸線方向幅よりも小さい、請求項１９に記載のドライブラインユニット。

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