JP2021505551A - メイタンシノイド系薬物送達システム - Google Patents

メイタンシノイド系薬物送達システム Download PDF

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Abstract

本主題は、アルブミン結合プロドラッグ、メイタンシノイド系化合物、およびそれらの使用を提供する。他の実施形態は、本明細書に開示される化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物を含む。他の実施形態は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に開示される化合物または薬学的組成物を投与することを含む、方法を含む。

Description

本明細書は、2017年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/593,184号の優先権を主張し、その開示は、その全体が本明細書に参照によって組み込まれる。
多くの薬物、特に癌治療薬は、狭い治療濃度域を有し、それらの副作用が、それらの有益な効果を限定する。そのような薬物の全身投与は、よりロバストな効果を誘導するために必要な用量が、患者に許容されない副作用を引き起こすため、多くの場合、限られた治療効果をもたらす。これは、細胞増殖抑制剤、ウイルス静止剤、または免疫抑制剤などの、高い細胞毒性の可能性を有する薬物の場合に特に重要である。これは、ピコモル範囲で腫瘍細胞成長を阻害する特定の細胞毒性薬剤の場合にさらにより重要である。これらの薬剤は、一般的には、化学療法薬として使用されるには毒性が強すぎる。例えば、チューブリン結合メイタンシンは、腫瘍細胞成長の阻害において非常に有効であるが、様々な臨床試験において許容されない毒性プロファイルのために失敗していた。
多数の研究努力は、特定の薬物を特定の作用部位に送達することを調査している。多くの場合、このアプローチは、副作用を限定しながら、全身投与によって達成されるであろうよりも高濃度の薬物を作用部位にもたらす。
腫瘍学における薬物送達は、そのような徴候において使用される薬剤の狭い治療濃度域のために、特に関心が高い。多数の研究努力は、抗癌薬と、糖、成長因子、ビタミン、ペプチド、抗体、多糖、レクチン、血清タンパク質、および合成ポリマーを含む、広域スペクトルの低および高分子量担体とをコンジュゲートすることに集中していた。これらの薬物送達システムのほとんどにおいて、薬物は、結合した薬物が細胞標的部位で放出されることを可能にする所定の限界点を組み込むスペーサーを通して担体に結合している(Kratz et al.,ChemMedChem,3:20−53(2008))。
細胞増殖抑制剤が血清タンパク質に、主にヒト血清アルブミンおよびヒト血清トランスフェリンなどの特定の担体分子に結合しているコンジュゲートが知られ、投与されている。他の例では、治療有効物質、スペーサー分子、およびタンパク質結合分子を含むコンジュゲートは、投与後に循環血清アルブミンに共有結合し、これは治療有効物質の、それが放出される標的部位への輸送をもたらす(US7,387,771)。さらに他の例では、抗体薬物コンジュゲート(ADC)は、薬物を局所放出のための標的部位へ輸送することができる(Kratz et al.,ChemMedChem,3:20−53(2008)、Panowski et al.,mAbs,6,34−45(2014)、Chari et al.,AngewandteChem.Int.Ed.,53,3796−3827(2014))。
しかしながら、薬物送達システムを設計するとき、薬物の制御放出を可能にしながら薬物担体の標的化特性を保存することの間で適切なバランスがとられるべきである。薬物送達システムは、血流において十分な安定性を有するべきであるが、酵素的開裂、還元によって、またはpH依存的に、腫瘍部位での薬物の効果的な放出を可能にする(Kratz et al.,ChemMedChem,3:20−53(2008))。(メイタンシンから誘導された)メイタンシノイドのクラスからの非常に強力な細胞毒性薬剤について、メイタンシノイド系活性種が非特異的または還元的に放出される薬物送達システムのみが報告された。これらの中でも、担体分子としてモノクローナル抗体を用いるもののみが開発の臨床段階に入り、ただ1つの抗体−メイタンシノイドコンジュゲート、すなわち、T−DM1(Kadcyla(登録商標))が、乳癌の特定のサブタイプに対して販売承認を獲得した。したがって、依然として、非常に強力な細胞毒性メイタンシノイド系薬剤を効果的に放出する効率的かつそれほど複雑ではない薬物送達および放出システムの必要性がある。
米国特許第7,387,771号明細書
Kratz et al.,ChemMedChem,3:20−53(2008) Panowski et al.,mAbs,6,34−45(2014) Chari et al.,AngewandteChem.Int.Ed.,53,3796−3827(2014)
本開示は、式(I)の構造を有する化合物、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を提供し、式中、
は、−HおよびC−Cアルキルから選択され、
スペーサーは、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
から選択され、
Vは、不在であるか、または−CH−、−O−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、もしくは−I)、およびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
nは、0〜3であり、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、−Se−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
Yは、=CH−および=N−から選択され、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
R’は、Oおよび
Figure 2021505551
から選択され、
Y’は、不在であるか、または任意に置換されたC−Cアルキル、−NH−C(O)−、および
−C(O)−NH−から選択されるか、あるいはY’は、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、式中、n=0−6であり、
’は、不在であるか、または
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、
式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
’は、任意に置換されたC−C18アルキルであり、当該C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換され、
’、Z’、Z’、およびZ’は、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、−SO、およびC−Cアルキルから選択され、式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
TBGは、任意に置換されたマレイミド基、任意に置換されたハロアセトアミド基、任意に置換されたハロアセテート基、任意に置換されたピリジルチオ基、任意に置換されたイソチオシアネート基、任意に置換されたビニルカルボニル基、任意に置換されたアジリジン基、任意に置換されたジスルフィド基、任意に置換されたアセチレン基、および任意に置換されたN−ヒドロキシスクシンイニドエステル基から選択される、チオール結合基であり、
当該TBGは、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に任意に結合している。
いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の構造を有する化合物、
Figure 2021505551
式(I)
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を提供し、式中、
は、−HおよびC−Cアルキルから選択され、
スペーサーは、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
から選択され、
Vは、不在であるか、または−CH−、−O−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、もしくは−I)、およびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
nは、0〜3であり、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、−Se−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
Yは、=CH−および=N−から選択され、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
R’は、Oおよび
Figure 2021505551
から選択され、
Y’は、不在であるか、または任意に置換されたC−Cアルキル、−NH−C(O)−、および
−C(O)−NH−から選択されるか、あるいはY’は、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、式中、n=0−6であり、
’は、不在であるか、または
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、
式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
’は、任意に置換されたC−C18アルキルであり、当該C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換され、
’、Z’、Z’、およびZ’は、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、−SO、およびC−Cアルキルから選択され、式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
TBGは、任意に置換されたマレイミド基、任意に置換されたハロアセトアミド基、任意に置換されたハロアセテート基、任意に置換されたピリジルチオ基、任意に置換されたイソチオシアネート基、任意に置換されたビニルカルボニル基、任意に置換されたアジリジン基、任意に置換されたジスルフィド基、任意に置換されたアセチレン基、および任意に置換されたN−ヒドロキシスクシンイニドエステル基から選択される、チオール結合基であり、
当該TBGは、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に任意に結合している。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(II)の構造、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
各Rは、独立して、−HおよびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択される。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(III)の構造、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
各Rは、独立して、−HおよびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択される。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IV)の構造、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、
Yは、=CH−または=N−であり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IV)の構造、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を提供し、
式中、
Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、
Yは、=CH−または=N−であり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、Rは、−Hである。いくつかの実施形態では、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Hではない。いくつかの実施形態では、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、−Fまたは−NOである。いくつかの実施形態では、nは、0であり、Xは、不在である。いくつかの実施形態では、nは、0であり、Xは、−CH−である。いくつかの実施形態では、nは、0であり、Xは、−O−、NHMe、または−S−である。いくつかの実施形態では、化合物は、
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される対イオンは、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR から選択され、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである。
いくつかの実施形態では、R’は、Oである。いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
である。
いくつかの実施形態では、化合物は、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に結合していない。いくつかの実施形態では、化合物は、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に結合している。いくつかの実施形態では、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体は、内因性アルブミン、外因性アルブミン、抗体、抗体断片、ペプチド、天然または合成ポリマー、リポソーム、およびナノ粒子から選択される。いくつかの実施形態では、TBGは、任意に置換されたマレイミド基である。いくつかの実施形態では、Z’は、−NOまたは−SOから選択され、
Y’は、−NHC(O)−または
Figure 2021505551
から選択される。
いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
である。
いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であり、
式中、R’は、任意に置換されたC−C18アルキルから選択され、当該C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換される。
いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体である。
いくつかの実施形態では、化合物は、
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であり、式中、Mは、薬学的に許容される対イオンである。
いくつかの実施形態では、化合物は、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、請求項14〜20のいずれかに記載の化合物であって、式中、R’は、
Figure 2021505551
であり、
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
式中、Mは、薬学的に許容される対イオンである。
いくつかの実施形態では、請求項26に記載の化合物であって、化合物は、以下である。
Figure 2021505551
他の実施形態は、本明細書に開示される化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物を含む。
他の実施形態は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に開示される化合物または薬学的組成物を投与することを含む、方法を含む。いくつかの実施形態では、疾患は、癌であり、例えば、癌は、腺癌、ブドウ膜黒色腫、急性白血病、聴神経腫、膨大部癌腫、肛門癌腫、星状細胞腫、基礎細胞腫、膵臓癌、結合組織腫瘍、膀胱癌、気管支癌腫、非小細胞気管支癌腫、乳癌、バーキットリンパ腫、子宮体癌腫、CUP症候群、結腸癌、小腸の癌、卵巣癌、子宮内膜癌腫、胆嚢癌、胆嚢癌腫、子宮癌、子宮頸癌、頸部、鼻、および耳腫瘍、血液学的新生物、有毛細胞白血病、尿道癌、皮膚癌、神経膠腫、精巣癌、カポジ肉腫、咽頭癌、骨癌、結腸直腸癌腫、頭頸部腫瘍、結腸癌腫、頭蓋咽頭腫、肝臓癌、白血病、肺癌、非小細胞肺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、結腸癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、腎臓癌、腎細胞癌腫、乏突起神経膠腫、食道癌腫、溶骨性癌腫および骨形成性癌腫、骨肉腫、卵巣癌腫、膵臓癌腫、陰茎癌、前立腺癌、舌癌、卵巣癌腫、ならびにリンパ腫癌から選択される。
他の実施形態は、化合物の細胞毒性を低減する方法であって、本明細書に開示される化合物または本明細書に開示される薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、投与が、等用量の未修飾活性剤と比較されるとき、細胞毒性の低減をもたらす、方法を含む。
他の実施形態は、腫瘍における化合物の代謝産物の濃度を増加させる方法であって、本明細書に開示される化合物または薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、増加が、等用量の未修飾活性剤と比較される、方法を含む。
他の実施形態は、医薬品としての使用のための、本明細書に開示される化合物を含む。
他の実施形態は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態の治療における使用のための、本明細書に開示される化合物を含む。
他の実施形態は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患または状態の治療のための医薬品の調製における、本明細書に開示される化合物または組成物の使用を含む。
CD1マウス血漿における4との異なるリンカーの安定性を示す。 異なる細胞株のパネルにおける幾何平均IC50値のヒートマップを示す。 RXF631腎細胞腫瘍モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30、42、31、および35で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 RXF631腎細胞腫瘍モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30、42、31、および35で治療された群における体重変化の曲線を示す。 LXFE937扁平上皮肺癌種モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 LXFE937扁平上皮肺癌種モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。 LXFE937扁平上皮肺癌種モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 LXFE937扁平上皮肺癌種モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。 LXFA737肺腺癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 LXFA737肺腺癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。 MDA−MB231乳癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 MDA−MB231乳癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。 A2780卵巣癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 A2780卵巣癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。 MDA−MB468乳癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。 MDA−MB468乳癌モデルにおける、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。
本明細書において別段に定義されない限り、本出願で使用される科学および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。一般に、本明細書に記載される、化学、分子生物学、細胞および癌生物学、免疫学、微生物学、薬理学、ならびにタンパク質化学の技法に関する用語体系は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。
本出願において参照される全ての刊行物、特許、および公開特許出願は、本明細書に参照によって特に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書は、その特定の定義を含み、優先されるであろう。別段に特定されない限り、本明細書に開示される各実施形態は、単独でまたは本発明の任意の1つ以上の他の実施形態と組み合わせて使用され得ることが理解されるものである。
定義
本明細書を通して、「含む(comprise)」という語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は、記載された整数(もしくは成分)または整数(もしくは成分)の群の包含を示すが、任意の他の整数(もしくは成分)または整数(もしくは成分)の群の除外を示さないことが理解されるであろう。
本出願を通して、化合物または組成物が特定の成分を有する、含む(including)、または含む(comprising)として記載される場合、そのような化合物または組成物はまた、列挙された成分から本質的になるか、またはこれらからなり得ることが企図される。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含む(including)、または含む(comprising)として記載される場合、プロセスはまた、列挙されたプロセスステップから本質的になるか、またはこれらからなり得る。さらに、ステップの順序または特定のアクションを行うための順序は、本明細書に記載される化合物、組成物、および方法が実施可能なままである限り、重要でないことが理解されるべきである。また、2つ以上のステップまたはアクションを同時に行うことができる。
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で別段に明示しない限り、複数形も含む。
「含む」という用語は、「含むがこれらに限定されない」を意味するために使用される。「含む」および「含むがこれらに限定されない」は、交換可能に使用される。
本明細書で使用される「または」という用語は、文脈で別段に明示しない限り、「および/または」を意味すると理解されるべきである。
「薬物」、「薬剤」、「治療剤」、「治療活性剤」、「細胞毒性薬剤もしくは薬物」、「高度細胞毒性薬剤もしくは薬物」、または「治療有効物質」という用語は、問題の生物において自力でまたはその変換後のいずれかで薬理効果をもたらし、よってこれらの変換からの誘導体も含む、任意の化合物を意味するために使用される。本開示による組成物の薬物の薬理効果は、単一の効果のみ、例えば、細胞静止および/もしくは細胞毒性効果、または広域薬理スペクトルの作用、例えば、同時に免疫抑制および抗炎症効果であり得る。
「患者」、「対象」、または「個体」という用語は、交換可能に使用され、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語は、ヒト、霊長類、家畜動物(例えば、ウシ、ブタ)、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ)、および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物を含む。特定の実施形態では、患者または対象は、ヒト患者または対象、例えば、治療を必要とする状態を有するヒト患者である。
「薬学的組成物」という用語は、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、または溶媒と組み合わされた、ヒトおよび哺乳動物を含む、対象動物における薬学的使用に好適な組成物を指す。そのような組成物はまた、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、保護剤、および当該技術分野で周知の他の材料を含有し得る。特定の実施形態では、薬学的組成物は、活性成分(複数可)と、賦形剤、担体、または希釈剤を構成する不活性成分(複数可)とを含む組成物、および直接または間接、成分のうちの任意の2つ以上の組み合わせ、錯体形成、もしくは凝集から、または成分のうちの1つ以上の解離から、または成分のうちの1つ以上の他のタイプの反応もしくは相互作用からもたらされる任意の生成物を包含する。したがって、本開示の薬学的組成物は、本開示の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(複数可)、担体(複数可)、および/または希釈剤(複数可)とを混合することによって作製される任意の組成物を包含する。
「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書に開示される治療有効物質と共に、患者に投与され得、薬剤の薬理活性を破壊しない非毒性担体を指す。「賦形剤」という用語は、薬学的に活性な成分ではない製剤または組成物における添加剤を指す。特定の実施形態では、「薬学的に許容される」物質は、投与スケジュールによる剤形で使用される量で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の有害反応なしに、動物またはヒトの細胞、組織、または臓器との接触における使用に好適であり、合理的なベネフィット/リスク比に相応する。特定の実施形態では、薬学的組成物の成分である「薬学的に許容される」物質は、加えて、組成物の他の成分(複数可)と適合性である。特定の実施形態では、「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される担体」、および「薬学的に許容される希釈剤」という用語は、限定なく、薬学的に許容される不活性成分、材料、組成物、およびビヒクル、例えば、液体充填剤、固体充填剤、希釈剤、賦形剤、担体、溶媒、およびカプセル化材料を包含する。担体、希釈剤、および賦形剤はまた、全ての薬学的に許容される分散媒体、コーティング、緩衝剤、等張剤、安定化剤、吸収遅延剤、抗微生物剤、抗細菌剤、抗真菌剤、補助剤などを含む。任意の従来の賦形剤、担体、または希釈剤が活性成分と非適合性である限りを除いて、本開示は、薬学的組成物における従来の賦形剤、担体、および希釈剤の使用を包含する。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Ed.,Lippincott Williams&Wilkins(Philadelphia,Pennsylvania,2005);Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th Ed.,Rowe et al.,Eds.,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association(2005);Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd Ed.,Ash and Ash,Eds.,Gower Publishing Co.(2007);およびPharmaceutical Preformulation and Formulation,Gibson,Ed.,CRC Press LLC(Boca Raton,Florida,2004)を参照されたい。
「薬学的に有効な量」、「治療有効量」、または「治療有効用量」という用語は、患者において疾患または状態を治療するために有効な、例えば、疾患(例えば、癌)または状態に罹患している患者の一般的な健康における有益なおよび/または所望の変化、治療、治癒、生理反応または状態の阻害または改善などを引き起こす量を指す。完全な治療効果は、1つの用量の投与によって必ずしも発生せず、一連の用量の投与後にのみ発生し得る。よって、治療有効量は、1回以上の投与で投与され得る。対象に必要な正確な有効量は、例えば、対象のサイズ、健康および年齢、疾患の性質および程度、投与に選択される治療剤または治療剤の組み合わせ、ならびに投与方法に依存するであろう。当業者であれば、通常の実験によって所与の状況についての有効量を容易に決定することができる。当業者であれば、癌を治療することが、これらに限定されないが、癌細胞を殺滅すること、新たな癌細胞の成長を防止すること、腫瘍退縮(腫瘍サイズの減少)を引き起こすこと、転移の減少を引き起こすこと、患者の生活機能を改善すること、患者の幸福を改善すること、疼痛を減少させること、食欲を改善すること、患者の体重を改善すること、およびこれらに任意の組み合わせを含むことを認識するであろう。「薬学的に有効な量」、「治療有効量」、または「治療有効用量」という用語はまた、患者の臨床症状を改善するために必要な量を指す。本明細書に記載される治療的方法または癌を治療する方法は、癌を「治癒する」と解釈されるか、またはそうでなければこれに限定されるものではない。
本明細書で使用されるとき、「治療する」または「治療」という用語は、対象の状態を改善または安定化する方法で状態の症状、臨床徴候、および基礎病理を逆転、低減、または停止することを含む。本明細書で使用され、当該技術分野で十分に理解されるように、「治療」とは、臨床結果を含む、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。有益なまたは所望の臨床結果は、検出可能か検出不能かにかかわらず、これらに限定されないが、状態、例えば、癌と関連した1つ以上の症状または状態の、軽減、改善、または進行の減速、疾患の程度の低下、疾患の安定化した(すなわち、悪化しない)状態、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善または緩和、ならびに寛解(部分または完全)を含むことができる。「治療」はまた、治療を受けない場合に予想される生存と比較して生存を延長することを意味することができる。例示的な有益な臨床結果は、本明細書に記載される。
物質、化合物、または薬剤を対象に「投与すること」または「その投与」は、当業者に知られている様々な方法のうちの1つを用いて行うことができる。例えば、化合物または薬剤は、静脈内、動脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、眼内、舌下、経口(服用による)、鼻腔内(吸入による)、髄腔内、脳内、および経皮(例えば、皮膚管を通した、吸収による)投与することができる。化合物または薬剤は、再充填可能なまたは生分解可能なポリマーデバイスまたは他のデバイス、例えば、パッチおよびポンプ、または製剤によって適切に導入することができ、これは、化合物または薬剤の長期、持続、または制御放出を提供する。投与することはまた、例えば、1回、複数回、および/または1つ以上の長期間にわたって行うことができる。いくつかの態様では、投与は、自己投与を含む、直接投与、および薬物を処方する行為を含む、間接投与の両方を含む。例えば、本明細書で使用されるとき、患者に薬物を自己投与するように、もしくは薬物を別の者に投与してもらうように指示する、および/または患者に薬物の処方を提供する医師は、薬物を患者に投与している。方法が、2つ以上の薬剤または治療モダリティを含む治療レジメンの一部であるとき、本開示は、薬剤が、同じまたは異なる時間で、および同じまたは異なる投与経路で投与され得ることを企図する。物質、化合物、または薬剤を対象に投与する適切な方法はまた、例えば、対象の年齢、投与時に対象が活動的または非活動的であるか、投与時に対象に認知障害があるか、障害の程度、ならびに化合物または薬剤の化学および生物学的特性(例えば、可溶性、消化性、生物学的利用能、安定性、および毒性)に依存するであろう。
「置換された」という用語は、化学的化合物のバックボーンの1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有する部分を指す。「置換」または「〜で置換された」とは、そのような置換が、置換された原子および置換基の許容される原子価に従い、置換が、例えば、再構成、環化、削除などによるような変換を自発的に受けない、安定な化合物をもたらすという暗示的な条件を含むことが理解されるであろう。本明細書で使用されるとき、「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが企図される。広範な態様では、許容される置換基は、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。許容される置換基は、1つ以上であり、適切な有機化合物について同じまたは異なり得る。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載される有機化合物の任意の許容される置換基を有し得る。置換基は、本明細書に記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族(例えば、C−C12アリール)もしくは複素芳香族(例えば、ヘテロアリール)部分を含むことができる。
「任意の」または「任意に」とは、その後に記載される状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味するので、本出願は、状況が起こる場合および起こらない場合を含む。例えば、「任意に置換された」という句は、所与の原子上に非水素置換基が存在してもしなくてもよいことを意味し、よって、本出願は、非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。
特に「非置換」として記載されない限り、本明細書における化学部分への参照は、置換バリアントを含むことが理解される。例えば、「アルキル」基または部分への参照は、置換および非置換バリアントの両方を暗示的に含む。化学部分上の置換基の例としては、これらに限定されないが、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメート)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、またはアリールもしくはヘテロアリール部分が挙げられる。
「アリール」とは、環に、示された数の炭素原子、例えば、6〜12個または6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭素環を示す。アリール基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。いくつかの例では、多環式アリール基の両方の環は、芳香族(例えば、ナフチル)である。他の例では、多環式アリール基は、芳香族環に縮合した非芳香族環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル)を含み得るが、ただし、多環式アリール基は、芳香族環における原子を介して親構造に結合している。よって、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−5−イル基(部分が芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とみなされるが、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル(部分が非芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とみなされない。同様に、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル基(部分が芳香族炭素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とみなされるが、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル基(部分が非芳香族窒素原子を介して親構造に結合している)は、アリール基とみなされない。しかしながら、「アリール」という用語は、結合点にかかわらず、本明細書で定義される「ヘテロアリール」を包含しないか、またはこれとは重複しない(例えば、キノリン−5−イルおよびキノリン−2−イルの両方は、ヘテロアリール基である)。
「ヘテロアリール」とは、N、O、およびSから選択される1つ以上のヘテロ原子(例えば、1、2、3、または4つのヘテロ原子)からなり、残りの環原子が炭素である、示された数の環原子を含有する芳香族環(例えば、5〜12、または5〜10員ヘテロアリール)を示す。5員ヘテロアリールは、5つの環原子を有するヘテロアリールである。6員ヘテロアリールは、6つの環原子を有するヘテロアリールである。ヘテロアリール基は、隣接するSおよびO原子を含有しない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は、2以下である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は、1以下である。別段に示されない限り、ヘテロアリール基は、原子価が許容するように、炭素または窒素原子によって親構造に結合され得る。例えば、「ピリジル」は、2−ピリジル、3−ピリジル、および4−ピリジル基を含み、「ピロリル」は、1−ピロリル、2−ピロリル、および3−ピロリル基を含む。窒素がヘテロアリール環に存在するとき、それは、隣接する原子および基の性質が許容する場合、酸化状態(すなわち、N−O)で存在し得る。加えて、硫黄がヘテロアリール環に存在するとき、それは、隣接する原子および基の性質が許容する場合、酸化状態(すなわち、S−OまたはSO)で存在し得る。ヘテロアリール基は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)であり得る。
いくつかの例では、ヘテロアリール基は、単環式である。例としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール(例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール)、テトラゾール、フラン、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール(例えば、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール)、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール(例えば、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール)、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン(例えば、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン)、およびテトラジンが挙げられる。
「アシル」という用語は、当該技術分野で認識されており、一般式ヒドロカルビル−C(O)−によって表される基、例えば、アルキル−C(O)−を指す。
「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、および分岐鎖アルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを指す。いくつかの実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、そのバックボーンに30個以下(例えば、直鎖はC−C30、分岐鎖はC−C30)、他の実施形態では、20個以下の炭素原子を有する。特定の実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、およびn−ペンチルである。また、明細書、例、および特許請求の範囲を通して使用される「アルキル」という用語は、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含むことが意図され、その後者は、炭化水素バックボーンの1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有するアルキル部分を指す。特定の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、そのバックボーンに30個以下(例えば、直鎖はC−C30、分岐鎖はC−C30)の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、鎖は、そのバックボーンに10個以下の炭素(C−C10)原子を有する。他の実施形態では、鎖は、そのバックボーンに6個以下の炭素(C−C)原子を有する。
「ヒドラゾン部分」または「ヒドラゾン」という用語は、Eおよび/またはZヒドラゾン、例えば、
Figure 2021505551
または
Figure 2021505551
を指す。
ヒドラゾン部分の立体化学は、EまたはZであり得る。本明細書で使用されるヒドラゾンという用語は、EおよびZ異性体の両方を含む。本明細書に開示されるヒドラゾン部分は一般的には、一方の配置で描写されるが、本開示は、Eおよび/またはZの両方を含むことができることが理解される。
本明細書における様々な場所で、本開示の化合物の置換基は、群または範囲において開示されている。本開示は、そのような群および範囲のメンバーの各々および全ての個別の部分組み合わせを含むことが特に意図される。例えば、「C−Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルなどを個別に開示することが特に意図される。
「薬学的に許容される塩」とは、これらに限定されないが、金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)、酸付加塩(例えば、鉱酸、カルボン酸など)、および塩基付加塩(例えば、アンモニア、有機アミンなど)を含む、薬学的使用に好適な化合物の塩である。塩基としてその遊離形態で発生する化合物の酸付加塩形態は、当該遊離塩基形態を、無機酸、例えば、塩酸もしくは臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、または有機酸、例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、環状酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などのような、適切な酸で処理することによって得ることができる(例えば、WO01/062726を参照されたい。その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Berge et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences,66:1−19(1977)によって列挙されるいくつかの薬学的に許容される塩)。酸性プロトンを含有する化合物は、適切な有機および無機塩基での処理によって、それらの治療活性、非毒性塩基付加塩形態、例えば、金属またはアミン塩に変換され得る。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよび土類アルカリ金属塩またはイオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基を有する塩、例えば、N−メチル−d−グルカミン、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸を有する塩、例えば、アルギニン、リジンなどを含む。逆に、当該塩形態は、適切な塩基または酸での処理によって遊離形態に変換することができる。化合物およびそれらの塩は、本開示の範囲内に含まれる、溶媒和物の形態であり得る。そのような溶媒和物は、例えば、水和物、アルコラートなどを含む(例えば、WO01/062726を参照されたい)。
本開示は、薬学的に許容される担体または賦形剤と共に本開示の1つ以上の化合物を含む薬学的組成物をさらに提供する。本開示の化合物または薬学的組成物は、インビトロまたはインビボで使用され得る。
本明細書で使用される「異性体」という用語は、これらに限定されないが、互変異性体、シスおよびトランス異性体(E(entgegen)、Z(zusammen))、R−およびS−エナンチオマー(当該RおよびS表記は、Pure Appl.Chem(1976),45,11−30に記載される規則に従って使用される)、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、立体異性体、そのラセミ混合物、ならびにその他の混合物を含む。全てのそのような異性体、およびその混合物は、本開示に含まれることが意図される。互変異性体は、本明細書に記載される式において明示的には示されていないが、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
本開示は、本開示の同位体標識または濃縮化合物をさらに含む。「同位体」または「放射性標識」化合物とは、1つ以上の原子が、天然に典型的に見られる(すなわち、天然に存在する)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されている、本開示の化合物である。本開示の化合物に組み込まれ得る好適な放射性核種は、これらに限定されないが、H(重水素についてDとも記載される)、H(トリチウムについてTとも記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、および77Brを含む。目下の放射性標識化合物に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物の特定の用途に依存するであろう。例えば、インビトロメタロプロテアーゼ標識および競合アッセイには、H、14C、82Br、または35Sを組み込む化合物が一般的には最も有用であろう。放射性イメージング用途には、11C、18F、75Br、76Br、または77Brが一般的には最も有用であろう。トリチウム(H)および14Cは、ADME研究に有用であり得る。いくつかの実施形態では、各アルキル、シクロアルキル、アルケン、アルキレン、およびアルコキシは、1つ以上の−Dまたは−Fによって任意に置換される。
本開示の化合物
本開示の実施形態は、式(I)によって表される構造を有する化合物、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を提供し、
式中、
は、−HおよびC−Cアルキルから選択され、
スペーサーは、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
から選択され、
Vは、不在であるか、または−CH−、−O−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、もしくは−I)、およびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
nは、0〜3であり、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、−Se−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
Yは、=CH−および=N−から選択され、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
R’は、Oおよび
Figure 2021505551
から選択され、
Y’は、不在であるか、または任意に置換されたC−Cアルキル、−NH−C(O)−、および
−C(O)−NH−から選択されるか、あるいはY’は、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、式中、n=0−6であり、
’は、不在であるか、または
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、
式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
’は、任意に置換されたC−C18アルキルであり、当該C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換され、
’、Z’、Z’、およびZ’は、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、−SO、およびC−Cアルキルから選択され、式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
TBGは、任意に置換されたマレイミド基、任意に置換されたハロアセトアミド基、任意に置換されたハロアセテート基、任意に置換されたピリジルチオ基、任意に置換されたイソチオシアネート基、任意に置換されたビニルカルボニル基、任意に置換されたアジリジン基、任意に置換されたジスルフィド基、任意に置換されたアセチレン基、および任意に置換されたN−ヒドロキシスクシンイニドエステル基から選択される、チオール結合基であり、
当該TBGは、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に任意に結合している。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物において、Rは、−HおよびC−Cアルキルから選択され、
スペーサーは、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
から選択され、
Vは、不在であるか、または−CH−、−O−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、もしくは−I)、およびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
nは、0〜3であり、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、−Se−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
Yは、=CH−および=N−から選択され、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−CN、−NO、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
R’は、Oおよび
Figure 2021505551
から選択され、
Y’は、不在であるか、または任意に置換されたC−Cアルキル、−NH−C(O)−、および
−C(O)−NH−から選択されるか、あるいはY’は、
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、式中、n=0−6であり、
’は、不在であるか、または
Figure 2021505551
および
Figure 2021505551
からなる群から選択され、
式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
’は、任意に置換されたC−C18アルキルであり、当該C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換され、
’、Z’、Z’、およびZ’は、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−CN、−NO、−SO、およびC−Cアルキルから選択され、式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
TBGは、任意に置換されたマレイミド基、任意に置換されたハロアセトアミド基、任意に置換されたハロアセテート基、任意に置換されたピリジルチオ基、任意に置換されたイソチオシアネート基、任意に置換されたビニルカルボニル基、任意に置換されたアジリジン基、任意に置換されたジスルフィド基、任意に置換されたアセチレン基、および任意に置換されたN−ヒドロキシスクシンイニドエステル基から選択される、チオール結合基であり、
当該TBGは、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に任意に結合している。
いくつかの実施形態では、R’は、Oである。これらの新規化合物は、活性種を表すことができ、例えば、薬物送達システムの活性成分または薬物送達システムから放出される活性代謝産物であり得る。
特定の実施形態では、R’が、Oである、式(I)の化合物は、式(II’)、(III’)、および(IV’)のうちのいずれか1つの構造、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
各Rは、独立して、−HおよびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、
Yは、=CH−または=N−であり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸である。
さらに他の実施形態では、式(IV’)の化合物において、
Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、Yは、=CH−または=N−であり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、
−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の特定の化合物、
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体から選択される。
他の実施形態は、プロドラッグ、例えば、式(I)によって表されるものを含み、式中、R’は、
Figure 2021505551
である。これらの新規化合物は、これによって活性代謝産物が薬物送達システムから選択的に放出される、薬物送達システムを表すことができる。これらは、例えば、アルブミン結合プロドラッグを含む。
特定の実施形態では、これらの化合物は、式(II)、(III)、および(IV)のうちのいずれか1つの構造、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
各Rは、独立して、−HおよびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を有し、
式中、
Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、
Yは、=CH−または=N−であり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
式中、R’は、
Figure 2021505551
である。
さらに他の実施形態では、式(IV’)の化合物において、
Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、
Yは、=CH−または=N−であり、
、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
式中、R’は、
Figure 2021505551
である。
いくつかの実施形態では、Rは、−Hである。他の実施形態では、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Hではなく、かつ/またはZ、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、−Fもしくは−NOである。いくつかの実施形態では、nが0である場合、Xは、不在である。他の実施形態では、nが0である場合、Xは、−CH−である。いくつかの実施形態では、nは、0であり、Xは、−O−または−S−である。追加の実施形態は、開示される化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、および固体形態を含む。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の特定の化合物、
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体から選択される。
特定の実施形態では、化合物は、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に結合していない。他の実施形態では、化合物は、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に結合している。例えば、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体は、内因性アルブミン、外因性アルブミン、抗体、抗体断片、ペプチド、天然または合成ポリマー、リポソーム、およびナノ粒子から選択される。
いくつかの実施形態では、TBGは、任意に置換されたマレイミド基、例えば、非置換マレイミド基である。いくつかの実施形態では、マレイミド基は、ヒトなどの対象への投与後にアルブミンのシステイン−34に急速かつ選択的に結合する。
いくつかの実施形態では、Z’は、−NOもしくは−SOから選択され、かつ/またはY’は、−NHC(O)−もしくは
Figure 2021505551
から選択される。いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
である。いくつかの実施形態では、R’は、任意に置換されたC−C18アルキルから選択され、当該C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換される(例えば、1、2、3、4、5、または6つの炭素原子が−OCHCH−で置換される)。
いくつかの実施形態では、R’は、
Figure 2021505551
である。
例えば、R’は、
Figure 2021505551
または
Figure 2021505551
であり得る。
本開示内の特定の化合物は、以下、
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を含む。
薬学的組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、式(I)の化合物であって、式中、R’は、
Figure 2021505551
である、化合物、または本明細書に開示される様々な実施形態を含む。
患者に投与される組成物における化合物の総量は、その患者に好適なものである。当業者であれば、異なる個体が、異なる総量の治療有効物質を必要とし得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、化合物の量は、薬学的に有効な量である。当業者であれば、例えば、患者の年齢、体重、および健康状態などの因子に基づいて、患者を治療するために必要な組成物における化合物の量を決定することができるであろう。化合物の濃度は、静脈内投与溶液におけるその可溶性および投与することができる流体の体積に依存する。例えば、化合物の濃度は、注射可能な組成物における約0.1mg/ml〜約50mg/mlであり得る。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、約0.1mg/ml〜約40mg/mLの範囲であり得る。
本開示の薬学的組成物およびキットはまた、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、保護剤、および当該技術分野で周知の他の材料を含有し得る。「薬学的に許容される」という用語は、活性成分(複数可)の生物学的活性の有効性に干渉しない非毒性材料を意味する。担体の特徴は、投与経路に依存するであろう。
組成物は、様々な従来の方法で投与され得る。使用することができる例示的な投与経路は、経口、非経口、静脈内、動脈内、皮膚、皮下、筋肉内、局所、頭蓋内、眼窩内、眼内、硝子体内、心室内、嚢内、髄腔内、槽内、腹腔内、鼻腔内、エアロゾル、中枢神経系(CNS)投与、または坐剤による投与を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、非経口投与に好適である。これらの組成物は、例えば、腹腔内、静脈内、または髄腔内投与され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、静脈内注射される。いくつかの実施形態では、再構成製剤は、例えば、アルコール、DMSO、および/またはポリエチレングリコールならびに水および/または塩緩衝剤を含む再構成液体において凍結乾燥化合物組成物を再構成することによって調製することができる。そのような再構成は、再構成液体を添加し、例えば、混合物をスワールまたはボルテックスすることによって混合することを含み得る。再構成製剤は次いで、例えば、乳酸リンゲル溶液、5%グルコース溶液、等張性食塩水、または好適な塩緩衝剤を製剤と混合して注射可能な組成物を作製することによって、注射に好適にすることができる。当業者であれば、治療有効物質製剤または組成物を投与する方法が、治療される患者の年齢、体重、および健康状態、ならびに治療される疾患または状態などの因子に依存するであろうことを理解するであろう。当業者であれば、よって、個別的に患者に最適な投与方法を選択することができるであろう。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物および組成物は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患の治療における使用のためのものである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患を治療するための医薬品の製造において使用され得る。
いくつかの実施形態では、癌は、血液癌または固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態では、癌は、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、および黒色腫から選択される。
いくつかの実施形態では、癌は、腺癌、ブドウ膜黒色腫、急性白血病、聴神経腫、膨大部癌腫、肛門癌腫、星状細胞腫、基礎細胞腫、膵臓癌、結合組織腫瘍、膀胱癌、気管支癌腫、非小細胞気管支癌腫、乳癌、バーキットリンパ腫、子宮体癌腫、CUP症候群、結腸癌、小腸の癌、卵巣癌、子宮内膜癌腫、胆嚢癌、胆嚢癌腫、子宮癌、子宮頸癌、頸部、鼻、および耳腫瘍、血液学的新生物、有毛細胞白血病、尿道癌、皮膚癌、神経膠腫、精巣癌、カポジ肉腫、咽頭癌、骨癌、結腸直腸癌腫、頭頸部腫瘍、結腸癌腫、頭蓋咽頭腫、肝臓癌、白血病、肺癌、非小細胞肺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、結腸癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、腎臓癌、腎細胞癌腫、乏突起神経膠腫、食道癌腫、溶骨性癌腫および骨形成性癌腫、骨肉腫、卵巣癌腫、膵臓癌腫、陰茎癌、前立腺癌、舌癌、卵巣癌腫、またはリンパ腫癌である。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示される化合物と、薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または希釈剤とを含む、キットを提供する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の賦形剤が組成物に含まれ得る。当業者であれば、任意の1つの賦形剤の選択が、任意の他の賦形剤の選択に影響し得ることを理解するであろう。例えば、賦形剤の組み合わせは、望ましくない効果を生み出すので、賦形剤の選択は、1つ以上の追加の賦形剤の使用を除外し得る。当業者であれば、どの賦形剤を、もしあれば、組成物に含むべきか経験的に決定することができるであろう。賦形剤は、これらに限定されないが、共溶媒、可溶化剤、緩衝剤、pH調節剤、増量剤、界面活性剤、カプセル化剤、張性調節剤、安定化剤、保護剤、および粘度調整剤を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物に薬学的に許容される担体を含むことが有益であり得る。
いくつかの実施形態では、可溶化剤が組成物に含まれ得る。可溶化剤は、化合物または賦形剤を含む、組成物の成分のいずれかの可溶性を増加させるために有用であり得る。本明細書に記載される可溶化剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な可溶化剤として提供される。特定の実施形態では、可溶化剤は、これらに限定されないが、エチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、シクロデキストリン、例えば、ジメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびトリメチル−β−シクロデキストリン、ならびにその組み合わせ、ならびにその任意の薬学的に許容される塩および/または組み合わせを含む。
組成物のpHは、製剤または組成物に所望の特性を提供する任意のpHであり得る。所望の特性は、例えば、化合物安定性、他のpH値の組成物と比較して増加した化合物保持、改善した濾過効率を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物のpH値は、約3.0〜約9.0、例えば、約5.0〜約7.0であり得る。特定の実施形態では、組成物のpH値は、5.5±0.1、5.6±0.1、5.7±0.1、5.8±0.1、5.9±0.1、6.0±0.1、6.1±0.1、6.2±0.1、6.3±0.1、6.4±0.1、6.5±0.1、6.6±0.1、6.7±0.1、6.8±0.1、6.9±0.1、7.0±0.1、7.1±0.1、および7.2±0.1であり得る。
いくつかの実施形態では、組成物に1つ以上の緩衝剤を含むことによってpHを緩衝することが有益であり得る。特定の実施形態では、緩衝剤は、例えば、約5.5、約6.0、または約6.5のpKaを有し得る。当業者であれば、適切な緩衝剤が、そのpKaおよび他の特性に基づいて組成物に含めるために選択され得ることを理解するであろう。緩衝剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される緩衝剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に本開示の製剤または組成物において使用され得る例示的な緩衝剤として提供される。特定の実施形態では、緩衝剤は、これらに限定されないが、Tris、Tris−HCl、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムおよびカリウムの組み合わせ、Tris/Tris−HCl、重炭酸ナトリウム、リン酸アルギニン、塩酸アルギニン、塩酸ヒスチジン、カコジル酸塩、コハク酸塩、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、マレイン酸塩、ビス−トリス、リン酸塩、炭酸塩、ならびにその任意の薬学的に許容される塩および/または組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、pH調節剤が組成物に含まれ得る。組成物のpHを調整することは、例えば、化合物の安定性もしくは可溶性に対して有益な効果を有し得るか、または非経口投与に好適な組成物の作製において有用であり得る。pH調節剤は、当該技術分野で周知である。したがって、本明細書に記載されるpH調節剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的なpH調節剤として提供される。pH調節剤は、例えば、酸および塩基を含み得る。いくつかの実施形態では、pH調節剤は、これらに限定されないが、酢酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、増量剤が組成物に含まれ得る。増量剤は、特に凍結乾燥ペレットがそうでなければ見えにくい場合、組成物に追加された体積を提供し、組成物の可視化を補助するために、凍結乾燥組成物において一般的に使用される。増量剤はまた、薬学的組成物の活性成分(複数可)の噴出防止および/または組成物の凍結保護の補助に役立ち得る。増量剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される増量剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な増量剤として提供される。
例示的な増量剤は、炭水化物、単糖、二糖、多糖、糖アルコール、アミノ酸、および糖酸、ならびにそれらの組み合わせを含み得る。炭水化物増量剤は、これらに限定されないが、モノ−、ジ−、またはポリ−炭水化物、デンプン、アルドース、ケトース、アミノ糖、グリセルアルデヒド、アラビノース、リキソース、ペントース、リボース、キシロース、ガラクトース、グルコース、ヘキソース、イドース、マンノース、タロース、ヘプトース、グルコース、フルクトース、メチルα−D−グルコピラノシド、マルトース、ラクトン、ソルボース、エリトロース、トレオース、アラビノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、タガトース、グルコサミン、ガラクトサミン、アラビナン、フルクタン、フカン、ガラクタン、ガラクツロナン、グルカン、マンナン、キシラン、イヌリン、レバン、フコイダン、カラギーナン、ガラクトカロロース、ペクチン、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、プスツラン、キチン、アガロース、ケラチン、コンドロイチン、デルマタン、ヒアルロン酸、キサンチンガム、スクロース、トレハロース、デキストラン、およびラクトースを含む。糖アルコール増量剤は、これらに限定されないが、アルジトール、イノシトール、ソルビトール、およびマンニトールを含む。糖酸増量剤は、これらに限定されないが、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、グルコン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、グルカル酸、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、ノイラミン酸、ペクチン酸、およびアルギン酸を含む。アミノ酸増量剤は、これらに限定されないが、グリシン、ヒスチジン、およびプロリンを含む。
いくつかの実施形態では、界面活性剤が組成物に含まれ得る。界面活性剤は、一般的には、液体組成物の表面張力を低減する。これは、改善した濾過しやすさなどの有益な特性を提供し得る。界面活性剤はまた、乳化剤および/または可溶化剤として作用し得る。界面活性剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される界面活性剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に本開示の製剤または組成物において使用され得る例示的な界面活性剤として提供される。含まれ得る界面活性剤は、これらに限定されないが、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80)、リポ多糖、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400およびPEG3000)、ポロキサマー(すなわち、プルロニック(登録商標))、エチレンオキシドおよびポリエチレンオキシド(例えば、TritonX−100)、サポニン、リン脂質(例えば、レシチン)、およびそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、カプセル化剤が組成物に含まれ得る。カプセル化剤は、分子を隔離し、それらの安定化または可溶化を助けることができる。カプセル化剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載されるカプセル化剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的なカプセル化剤として提供される。組成物に含まれ得るカプセル化剤は、これらに限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびそれらの組み合わせ(例えば、α−シクロデキストリン、ジメチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、トリメチル−α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ジメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、トリメチル−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、トリメチル−γ−シクロデキストリン、およびそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、張性調節剤が組成物に含まれ得る。液体組成物の張性は、例えば、非経口投与によって、組成物を患者に投与するとき、重要な考慮点である。張性調節剤は、よって、投与に好適な組成物の作製を助けるために使用され得る。張性調節剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される張性調節剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な張性調節剤として提供される。張性調節剤は、イオン性または非イオン性であり得、これらに限定されないが、無機塩、アミノ酸、炭水化物、糖、糖アルコール、および炭水化物を含む。例示的な無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムを含み得る。例示的なアミノ酸は、グリシンである。例示的な糖は、グリセロール、プロピレングリコール、グルコース、スクロース、ラクトース、デキストロース、およびマンニトールなどの糖アルコールを含み得る。
いくつかの実施形態では、安定化剤が組成物に含まれ得る。安定化剤は、組成物における化合物の安定性を増加させるのに役立つ。これは、例えば、化合物の分解を低減または凝集を防止することによって起こり得る。理論によって縛られることを望むことなく、安定性を向上させるためのメカニズムは、溶媒からの化合物の隔離、または治療有効物質の遊離ラジカル酸化を阻害することを含み得る。安定化剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される安定化剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な安定化剤として提供される。安定化剤は、これらに限定されないが、乳化剤および界面活性剤を含み得る。
いくつかの実施形態では、保護剤が組成物に含まれ得る。保護剤は、薬学的に活性な材料(例えば、治療有効物質または化合物)を望ましくない条件(例えば、凍結もしくは凍結乾燥、または酸化によって引き起こされる不安定性)から保護する薬剤である。保護剤は、例えば、凍結保護剤、溶解保護剤、および抗酸化剤を含むことができる。凍結保護剤は、組成物がその凝固点未満の温度に曝露されるとき活性薬学的材料(例えば、アントラサイクリン化合物)の効力の喪失を防止するのに有用である。例えば、凍結保護剤は、再構成凍結乾燥製剤に含まれ得、製剤は、静脈内投与のために希釈前に凍結され得る。凍結保護剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される凍結保護剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な凍結保護剤として提供される。凍結保護剤は、これらに限定されないが、溶媒、界面活性剤、カプセル化剤、安定化剤、粘度調整剤、およびそれらの組み合わせを含む。凍結保護剤は、例えば、二糖(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、およびトレハロース)、ポリオール(例えば、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、およびズルシトール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコール)を含み得る。
溶解保護剤は、凍結乾燥に供された組成物の成分を安定化するのに有用である。例えば、治療有効物質は、再構成の前に溶解保護剤で凍結乾燥され得る。溶解保護剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される溶解保護剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な溶解保護剤として提供される。溶解保護剤は、これらに限定されないが、溶媒、界面活性剤、カプセル化剤、安定化剤、粘度調整剤、およびそれらの組み合わせを含む。例示的な溶解保護剤は、例えば、糖およびポリオールであり得る。トレハロース、スクロース、デキストラン、およびヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンは、溶解保護剤の非限定的な例である。
抗酸化剤は、組成物の成分の酸化を防止するのに有用である。酸化は、薬物製品の凝集または薬物製品の純度もしくはその効力への他の有害効果をもたらし得る。抗酸化剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される抗酸化剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な抗酸化剤として提供される。抗酸化剤は、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸塩、チオール、メタ重亜硫酸塩、およびそれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態では、粘度調整剤が組成物に含まれ得る。粘度調整剤は、液体組成物の粘度を変化させる。これは、粘度が液体組成物の濾過しやすさにおいて重要な役割を果たすので、有益であり得る。組成物は、凍結乾燥および再構成前、または再構成後に濾過され得る。粘度調整剤は、当該技術分野において周知である。したがって、本明細書に記載される粘度調整剤は、完全なリストを構成することは意図されないが、単に組成物において使用され得る例示的な粘度調整剤として提供される。粘度調整剤は、溶媒、可溶化剤、界面活性剤、およびカプセル化剤を含む。組成物に含まれ得る例示的な粘度調整剤は、これらに限定されないが、N−アセチル−DL−トリプトファンおよびN−アセチル−システインを含む。
ヒト腫瘍異種移植マウスモデルにおける抗腫瘍活性
アルブミン結合メイタンシノイド30および31は、ヌードマウスにおける5つのヒト腫瘍異種移植モデルにおいて例外的な抗腫瘍活性を示し、評価された全てのヒト腫瘍異種移植において部分および完全腫瘍退縮を誘発した(図3〜16を参照されたい)。これは、約80〜110mmの範囲の開始時腫瘍体積を含んだが、また最大約400mmの初期開始時腫瘍体積を含んだ。さらに、ほとんどの場合では、アルブミン結合メイタンシン30および31での療法は、長期寛解および相対腫瘍体積(RTV)の減少を誘発した。親化合物メイタンシンは、試験されたモデルにおいて主に不活性であるか、または限界腫瘍阻害のみを示した。腫瘍担持マウスモデルにおける実験手順および結果は、実施例11〜19および図3〜16に詳細に記載される。
治療方法
本明細書に記載される化合物および組成物は、様々な臨床適用に有用である。実施形態では、治療方法は、式(I)の化合物であって、式中、R’は、
Figure 2021505551
である、化合物、または本明細書に開示される様々な実施形態を含む、組成物の化合物を利用する。
本明細書に記載される化合物および組成物は、腫瘍成長の延長または長期阻害を誘発することができる。特定の実施形態では、腫瘍成長の延長または長期阻害は、体重のいかなる減少もなく、骨髄毒性も全くないか、ほんのわずかである。
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載される化合物を含有する薬学的組成物を投与することを含む、悪性疾患を治療するための方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態は、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、ならびに細菌、真菌、および他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患または状態に罹患している患者を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本開示による化合物を投与することを含む、方法を含む。
本開示は、患者における状態または疾患を治療する方法であって、当該状態または疾患が、癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、ならびに細菌、真菌、および他の微生物によって引き起こされる疾患から選択され、患者に、本明細書に記載される化合物または薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、癌は、血管新生腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、癌は、血液癌または固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態では、癌は、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、および黒色腫から選択される。
いくつかの実施形態では、癌は、腺癌、ブドウ膜黒色腫、急性白血病、聴神経腫、膨大部癌腫、肛門癌腫、星状細胞腫、基礎細胞腫、膵臓癌、結合組織腫瘍、膀胱癌、気管支癌腫、非小細胞気管支癌腫、乳癌、バーキットリンパ腫、子宮体癌腫、CUP症候群、結腸癌、小腸の癌、卵巣癌、子宮内膜癌腫、胆嚢癌、子宮癌、子宮頸癌、頸部、鼻、および耳腫瘍、血液学的新生物、有毛細胞白血病、尿道癌、皮膚癌、神経膠腫、精巣癌、カポジ肉腫、咽頭癌、骨癌、結腸直腸癌腫、頭頸部腫瘍、結腸癌腫、頭蓋咽頭腫、肝臓癌、白血病、肺癌、非小細胞肺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、結腸癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、腎臓癌、腎細胞癌腫、乏突起神経膠腫、食道癌腫、溶骨性癌腫および骨形成性癌腫、骨肉腫、卵巣癌腫、膵臓癌腫、陰茎癌、前立腺癌、舌癌、卵巣癌腫、ならびにリンパ腫癌から選択される。
いくつかの実施形態は、本開示による化合物を投与することを含む、腫瘍における化合物の代謝産物の濃度を増加させる方法を含む。実施形態では、化合物は、式(I)の化合物であって、式中、R’は、
Figure 2021505551
である、化合物、または本明細書に開示される様々な実施形態である。いくつかの実施形態では、増加は、等用量の未修飾活性剤と比較され、例えば、「未修飾活性剤」は、R’がOである、式(I)の同じ化合物であり得る。
いくつかの実施形態は、化合物の細胞毒性を低減する方法であって、本開示の化合物または薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、投与が、等用量の未修飾活性剤と比較されるとき、細胞毒性の低減をもたらす、方法を含む。例えば、いくつかの実施形態では、細胞毒性を低減する方法は、式(I)の化合物であって、式中、R’は、
Figure 2021505551
である、化合物、または本明細書に開示される様々な実施形態を投与することを含み、「未修飾活性剤」は、R’がOである、式(I)の同じ化合物である。
例示
本開示の態様はここで一般的に記載され、これらは、単に本開示の特定の特徴および実施形態の例示の目的のために含まれ、限定することが意図されない、以下の例の参照によってより容易に理解されるであろう。
等価物
当業者であれば、本明細書に記載される化合物、組成物、およびそれらの使用方法の多数の等価物を認識するか、または日常的にすぎない実験を用いて確認することができるであろう。そのような等価物は、本開示の範囲内であるとみなされる。
実施例
以下の例は、本発明の様々な実施形態および態様を示す。
略語
以下は、それらの省略しない化学名を含む、実施例に使用される略語のリストである。定義されていない場合、用語は、それらの一般に認められている意味を有する。
aq.=水性
Boc=N−tert−ブトキシカルボニル
calcd.=計算
DCM=ジクロロメタン
DIC=N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP=N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
CV=カラム体積
EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
eq=当量
ESI=エレクトロスプレーイオン化
Fmoc=フルオレニルメチルオキシカルボニル
HATU=(1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロリン酸塩)
HOAt=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt=N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
HRMS=高分解能質量分析法
HSA=ヒト血清アルブミン
IC=イオンクロマトグラフィー
LC−MS=液体クロマトグラフィー質量分光法
LRMS=低分解能質量分析法
MeCN=アセトニトリル
MeOH=メタノール
NMR=核磁気共鳴分光法
NP=順相
Np=4−ニトロフェノキシカルボニル
nd=検出不能
na=利用不能
PBS=リン酸緩衝生理食塩水、pH7
RP=逆相
TFA=トリフルオロ酢酸
TRIS=2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール
実施例1
リンカー1の調製
リンカー1は、以下に記載され、スキーム1に示されるように調製され得る。
スキーム1
Figure 2021505551
4−ニトロ−2−スルホ安息香酸の合成(A)
Figure 2021505551
水(450mL)中の過マンガン酸カリウム(72g、460mmol、4.5eq)の撹拌溶液に、10秒以内に、Millipore水(100mL)中の4−ニトロ−2−スルホン酸水和物(26g、102mmol、1.0eq)の溶液を添加した。得られた紫色の混合物を、115℃で5時間撹拌し、この時間後に褐色に変わった。HPLC分析(PDA220nm)は、反応が5時間後に完了したこと(>90%変換)を確認した。反応混合物を、室温まで冷却した。反応中に形成された褐色の固体を、Celiteパッドでの吸引濾過を通して除去し、Millipore水(300mL)で洗浄し、褐色/黄色の濾過溶液を、回転蒸発装置で、40℃で、約125mLに濃縮し、白色の懸濁液が形成される(約pH1.0)まで5MのHCl(約2mL)溶液でゆっくりと酸性化した。白色の懸濁液を次いで、透明な溶液が得られるまで100℃で加熱し、これを、白色の固体が形成されるまで、氷浴に10分間放置した。白色の固体を、フリットフィルタを用いる吸引濾過によって得た。白色の固体を次いで、高真空下で乾燥させ、4−ニトロ−2−スルホ安息香酸を得た。収率:18g(72%)。RP−HPLC、220nmによる純度>95%。LRMS−ESI(m/z)CNOS[M−H]の計算:245.98。実測:245.83。
4−アミノ−2−スルホ安息香酸の合成(B)
Figure 2021505551
水(75mL)中の4−ニトロ−2−スルホ安息香酸(13g、51mmol、1.0eq)の撹拌懸濁液を、4−ニトロ−2−スルホ安息香酸の完全溶解まで還流で加熱した。その温度で、次いで酢酸(7.2mL)を添加し、続いて鉄粉(9.5g、180mmol、3.5eq)を少量ずつ(約1g/分)10分かけて添加して、発熱反応を回避した。反応混合物を次いで、還流下で1時間撹拌しておいた。この時間中、形成された褐色の固体およびHPLC分析(PDA220nm)は、反応が終了したこと(>95%変換)を確認した。褐色の固体を、(熱いうちに)直接Celiteパッド上での吸引濾過によって除去し、熱水でさらに洗浄した。濾液を再濾過した。得られた濾液を、回転蒸発装置で、40℃で、100mLの最終体積まで濃縮した。濃縮HClを、pH1が達成されるまで滴下し、白色/黄色の固体が沈殿した。懸濁液を、4℃で1時間放置した。固体を、フリットフィルタを用いる吸引濾過によって収集し、高真空下で乾燥させて、4−アミノ−2−スルホ安息香酸を白色の固体として得た。収率:9g(81%)。RP−HPLC、220nmによる純度>95%。LRMS−ESI(m/z)CNOS[M−H]の計算:216.00。実測:216.16。
6−マレイミドヘキサノイルクロリドまたはEMC−Clの合成(C)
Figure 2021505551
室温でN雰囲気下の乾燥DCM(150mL)中の6−マレイミドカプロン酸(EMC)の黄色の撹拌溶液(33g、156mmol、1.0eq)に、30分以内(約0.5mL/分)に、滴下漏斗を用いて塩化オキサリル(15mL、171mmol、1.1eq)を添加した。反応物を、室温で5時間撹拌した。反応溶液の色は、反応時間中に濃黄色に変化し、HPLC分析(PDA220nm)は、反応が5時間後に終了したこと(>95%変換)を確認した。溶媒を、回転蒸発装置で、40℃で除去して、油を得た。この残留油を、高真空下で一晩乾燥させた(一晩凝固させた)。得られた淡褐色の固体を、粉砕し、高真空下でさらに20時間乾燥させて、6−マレイミドヘキサノイルクロリドを黄色の微結晶固体として得た。化合物を、さらなる精製なしで次の反応に使用した。収率:34g(95%)。RP−HPLC、220nmによる純度、メチルエステルとして>95%。LRMS−ESI(m/z)C1116NO(メチルエステルとして)[M+H]の計算:226.10。実測:225.97。
4−(6−マレイミドヘキサンアミド)−2−スルホ安息香酸の合成(D)
Figure 2021505551
4−アミノ−2−スルホ安息香酸(18.5g、85.0mmol、1.0eq)を、N雰囲気下で無水DMF(300mL)に溶解した。溶液を4℃まで冷却し、10分間撹拌しておいた。次いで、4−N−メチルモルホリン(18.7mL、170mmol、2.0eq)を、滴下漏斗を用いて1時間以内に冷却した溶液に滴下(約0.3mL/分)した。この濃褐色混合物に、1時間以内に滴下漏斗を用いて、無水DMF(200mL)中のEMC−Cl(29.3g、127mmol、1.5eq)の溶液を滴下(約0.5g/分)した。反応混合物を、一晩撹拌し、次いで10時間かけて室温に到達させた。HPLC分析(PDA220nm、>95%変換)によって示されるように反応完了後、反応溶液を、8×50mLファルコンチューブに分注した。
試料を、20分間10℃および4.000rpmで遠心分離した。上清をデカンテーションによって除去し、固体を各チューブあたり10mLのDMFに再懸濁させ、20分間10℃および4.000rpmで再度遠心分離した。全てのDMF上清を組み合わせ、減圧下、50℃で3時間濃縮して、淡橙色の固体を得た。固体をメタノール(250mL)に再懸濁させ、8×50mLファルコンチューブに移した。試料を、20分間10℃および4.000rpmで遠心分離した。上清をデカンテーションによって除去し、固体を各チューブあたり5mLのメタノールに再懸濁させ、20分間10℃および4.000rpmで再度遠心分離した。全ての固体を組み合わせ、高真空下で24時間乾燥させて、結晶黄色固体を得た。収率:17g(48%)。RP−HPLC逆相による純度、220nm、80%。LRMS−ESI(m/z)C1717S[M−H]の計算:409.08。実測:409.13。
2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−5−(6−マレイミドヘキサンアミド)ベンゼンスルホン酸またはBoc−保護リンカー1の合成(E)
Figure 2021505551
雰囲気下の無水DMF(350mL)中の4−(6−マレイミドヘキサンアミド)−2−スルホ安息香酸(17.0g、41.4mmol、1.0eq)の溶液に、EDC−HCl(8.72g、45.5mmol、1.1eq)および1HOBt(6.15g、45.5mmol、1.1eq)を添加した。反応混合物を、30分室温で撹拌しておき、次いでtert−ブチル−カルバゼート(7.12g、53.9mmol、1.3eq)を添加し、溶液は、透明な黄色から赤っぽく変化する。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。この時間後、反応の完了がHPLC(PDA220nm、>95%変換)によって確認された。溶媒を、回転蒸発装置で、40℃で、および高真空下、1時間除去して、紫褐色の油を得、これをBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで、2つの予め充填されたSNAP ULTRA 340gカートリッジで、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカで精製した。所望の生成物を含有するチューブを組み合わせ、回転蒸発装置で、高真空下、10時間乾燥させて、2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−5−(6−マレイミドヘキサンアミド)ベンゼンスルホン酸を発泡性の黄色の固体として得た。収率:9g(42%)。RP−HPLC(220nm)>95%。LRMS−ESI(m/z)C2227S[M−H]の計算:523.16。実測:523.15。
リンカー1の合成
Figure 2021505551
無水DCM(30mL)中のBoc−保護リンカー1(10.2g、19.4mmol、1.0eq)の冷却された(4〜5℃)溶液に、30分以内にTFA(15mL)を滴下(約0.5mL/分)した。添加後、冷浴を除去し、反応混合物を室温で3時間撹拌しておいた。この時間後、反応の完了がHPLC分析(PDA220nm)によって確認された。反応混合物を、それらの各々約35mLの冷たいジエチルエーテルを有する、6つのファルコンチューブに滴下した。白色の沈殿物が直ちに形成された。チューブを4℃で3時間放置した。ファルコンチューブの遠心分離(4000rpm、20分、10℃)後、上清をデカンテーションによって除去し、固体を各チューブあたり5mLのジエチルエーテルに再懸濁させ、再度遠心分離(4000rpm、20分、10℃)した。上清をデカンテーションによって再度除去し、固体を収集し、高真空下で乾燥させて、リンカー1を白色の微結晶固体としてTFA塩として得た。収率:10g(96%)。RP−HPLC(220nm)>95%。LRMS−ESI(m/z)C1721S[M+H]の計算:425.11。実測:425.07。LRMS−ESI(m/z)C1719S[M−H]の計算:423.11。実測:423.12。HRMS−ESI(m/z)C1721S[M+H]の計算:425.1125。実測:425.1125。HRMS−ESI(m/z)C1719S[M−H]の計算:423.0978。実測:423.0980。
構造を、H NMRおよび13C NMRによって確認した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ11.94(s、1H、C1−NH)、10.27(s、1H、C8−NH)、8.01(d、J=2.2Hz、1H、C4−CH)、7.93(dd、J=8.5、2.2Hz、1H、C6−CH)、7.68(d、J=8.4Hz、1H、C7−CH)、7.00(s、2H、C15−CH、C16−CH)、3.40(t、J=7.0Hz、2H、C13−CH)、2.32(t、J=7.4Hz、2H、C9−CH)、1.60(p、J=7.5Hz、2H、C10−CH)、1.52(p、J=7.2Hz、2H、C12−CH)、1.26(q、J=8.8Hz、2H、C11−CH)、13CNMR(101MHz、DMSO−d)δ172.20(C8)、171.54(C14,C17)、167.59(C1)、145.73(C5)、142.09(C3)、134.90(C15,C16)、132.09(C7)、123.79(C2)、119.44(C6)、117.47(C4)、37.42(C13)、36.65(C9)、28.22(C12)、26.21(C11)、24.90(C10)。分析C1721Sの計算1/2TFA C、45.71、H、4.26、N、11.85、S、6.78。実測:C、46.2917、H、4.4836、N、12.8879、S、6.7886。TFA含有量0.51%。
リンカー1はまた、以下に記載され、スキーム2に示されるように調製され得る。
Figure 2021505551
5−アミノ−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)ベンゼンスルホン酸の合成(F)
Figure 2021505551
無水アセトニトリル(600mL)中のB(30.00g、138.12mmol、1.00当量)の懸濁液に、トリエチルアミン(41.93g、57.76mL、414.37mmol、3.00当量)を添加し、混合物を10分間撹拌した。その後、tert−ブチルカルバゼート(27.38g、207.19mmol、1.50当量)を添加し、混合物を−35℃まで冷却した。この温度で、プロピルホスホン酸無水物溶液、T3P、(114.27g、106.79mL、179.56mmol、酢酸エチル中の50%sol.、1.3当量)を1時間かけて滴下した。反応物を、−35℃で2時間撹拌した。混合物を、室温まで温め、Celite(登録商標)545(100g)を通して濾過した。Celite(登録商標)を、アセトニトリル(500mL)でさらに洗浄した。両方の濾液を組み合わせ、250mLに濃縮した。溶液を6つの部分に等しく分割し、溶媒を減圧下で除去した。各部分を、1%EtNを含有するジクロロメタン(50mL)に溶解し、Biotage Isolera(商標)One Flash Purification Systemで、予め充填されたSNAP Ultra 340gカラムでの、7のカラム体積にかけてDCM(1%NEt含有)中の2%から12%までのメタノール(1%NEt含有)の段階的な勾配を用いる、NPフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。次いで、全ての部分からの精製画分を組み合わせ、溶媒を減圧下で除去し、固体を高真空下で乾燥させて、表題化合物Fをオフホワイト色の固体として得た。収率:53.25g、108.0mmol、78.2%(DMSO−d6におけるNMRは1.6eqトリエチルアミンの存在を示した)。HPLC(方法9、220nm)>99%。LRMS−ESI(m/z)C1216S[M−H]の計算:330.08。実測:330.08。
N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミニウム2−(2−(tert−ブトキシ−カルボニル)ヒドラジン−1−カルボニル)−5−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−)ヘキサンアミド)ベンゼンスルホン酸塩の合成(E)
Figure 2021505551
F(45.00g、91.24mmol、1.00当量)および6−マレイミドカプロン酸(19.27g、91.24mmol、1.00当量)の混合物に、アセトニトリル(450mL)、トリエチルアミン(13.85g、19.08mL、136.86mmol)およびT3P(43.55g、40.70mL、136.86mmol、酢酸エチル中の50%sol.)を一度に室温で添加した。溶液を、室温で24時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗生成物を次いで、ジクロロメタン中の2%メタノールから15%メタノールまでの線形勾配を形成する7つの予め充填されたSNAP Ultra 340gカートリッジを用いるフラッシュ精製システムによって精製して、表題化合物Eをオフホワイト色の固体として得た。収率:30.55g、53.5%(DMSO−d6におけるNMRは1.1eqのトリエチルアミンの存在を示した)。HPLC(方法9、220nm)>99%。LRMS−ESI(m/z)C2227S[M−H]の計算:523.15。実測:523.26。
5−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−2−(ヒドラジン−カルボニル)ベンゼンスルホン酸(リンカー1)の合成
Figure 2021505551
ジクロロメタン(50mL)中のE(10.00g、15.98mmol、1.00当量)の冷たい懸濁液(4℃)に、トリフルオロ酢酸(18.22g、12.31mL、159.81mmol、10.17当量)を15分かけて添加した。混合物を4℃で15分間さらに撹拌し、次いで室温まで徐々に温め、150分間撹拌した。反応混合物を、分液漏斗を介して、メチルtert−ブチルエーテル、MTBE、(400mL)、およびジクロロメタン(200mL)の撹拌溶液に滴下した。得られた白色の固体を、4A多孔性フリット漏斗を通して濾過し、ジクロロメタン(2×150mL)およびMTBE(1×50mL)、MeOH(1×50mL)、ならびに再度MTBE(2x150mL)で連続して洗浄した。固体を、フリット漏斗で一晩室温で10分間乾燥させておいた。さらなる乾燥を、高真空、25℃で18時間行った。最終生成物リンカー1を、黄色の固体として得た。収率:5.786g、13.63mmol、98.7%、HPLC(方法9、220nm)>96%。LRMS−ESI(m/z)C1719S[M−H]の計算:423.10。実測:422.95。
実施例2
ケト酸でのメイタンシノールの直接エステル化によるケト−メイタンシノイドの調製
一般方法A:メイタンシノール(500mg、0.88mmol、1eq)およびそれぞれのケト酸(3.52mmol、4eq)を、活性化分子篩の存在下で無水DCM(40mL)に溶解し、氷浴を用いて4〜5℃まで冷却した。この溶液に、次いで10秒以内に、ジエチルエーテル中の塩化亜鉛(II)の溶液(2.64mL、2.64mmol、3.0eq、1M溶液)を添加した。得られた溶液を40分間4〜5℃で撹拌し、続いてN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(0.55mL、3.52mmol、4eq)を添加した。混合物を、4℃で撹拌し、次いで一晩ゆっくりと室温に到達させ、氷浴で浸漬させた。変換をLC−MSによってモニターし、60%に到達後、反応混合物を減圧下、40℃で、体積の半分まで濃縮し、0.45μmシリンジフィルタ(Macherey−Nagel、Chromafil(登録商標)PTFE−O−45/25)を通して濾過し、濾液を蒸発させた。最終生成物を、Biotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで、予め充填されたSNAP ULTRA 50gカートリッジで、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(25CVにおける100%DCMから90/10DCM/メタノールまでの線形勾配)で精製した。生成物を含有するチューブを組み合わせ、1時間、回転蒸発装置で、高真空下で乾燥させて、それぞれのケトメイタンシノイドを得た。
一般方法B:メイタンシノール(758mg、1.34mmol、1.0eq)、それぞれのケト酸(1.47mmol、1.1eq)、およびDMAP(181mg、1.47mmol、1.1eq)を、活性化分子篩(0.8g、4A、325メッシュ粒子サイズ、Sigma Aldrich)の存在下で無水DCM(30mL)にN雰囲気下で溶解した。混合物を、氷/水浴を用いて10分以内に4℃まで冷却した。乾燥DCM(15mL)中のEDC−HCl(283mg、1.47mmol、1.1eq)の溶液を、30分以内(約10mg/分)に、冷却された混合物に添加し、反応混合物を、4℃で2時間撹拌した。この時間後、ケト酸の別の部分(1.47mmol、1.1eq)を添加し、続いて乾燥DCM(10mL)中のEDC−HCl(283mg、1.47mmol、1.1eq)の溶液を、30分以内(約10mg/分)に、冷却された混合物に添加し、反応混合物を、不活性雰囲気下、4℃で2時間撹拌した。この時間後、試薬の添加をもう1度繰り返し、反応混合物を一晩4℃で撹拌しておき、次いでこの時間中に室温まで徐々に到達させた。混合物を濾過し(Macherey−Nagel、Chromafil(登録商標)PTFE−O−45/25)、溶媒を回転蒸発装置で、40℃で、約10mLの最終体積まで除去した。粗生成物を、Biotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで、予め充填されたSNAP ULTRA 100gカートリッジで、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(25CVにおける100%DCMから90/10DCM/メタノールまでの線形勾配)で精製した。生成物を含有するチューブを組み合わせ、溶媒を回転蒸発装置で除去して、固体を得た。固体を、高真空下で乾燥させて、それぞれのケトメイタンシノイドを得た。
メイタンシノイド2の調製
Figure 2021505551
方法Aを用いるメイタンシノールと2−(4−アセチル−2−フルオロフェニル)酢酸との反応から:メイタンシノイド2を、黄色っぽい固体として得た。収率:47%。RP−HPLC、220nmによる純度、96%。LRMS−ESI(m/z)C3845ClFN10[M+H]の計算:743.22。実測:743.25。LRMS−ESI(m/z)C3843ClFN10[M−H]の計算:741.22。実測:741.41。
構造を、H NMRおよび13C NMRによって確認した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.73(dd、J=7.9、1.6Hz、1H、C31−CH)、7.66(dd、J=10.5、1.6Hz、1H、C27−CH)、7.46(t、J=7.6Hz、1H、C32−CH)、6.82(d、J=1.8Hz、1H、C17−CH)、6.59(d、J=1.8Hz、1H、C21−CH)、6.48(dd、J=15.5、11.0Hz、1H、C12−CH)、6.43(s、1H、C9−NH)、6.25(d、J=10.9Hz、1H、C13−CH)、5.63(dd、J=15.4、8.8Hz、1H、C11−CH)、4.99(dd、J=11.8、2.7Hz、1H、C3−CH)、4.27(td、J=11.2、10.4、1.8Hz、1H、C7−CH)、3.97(s、3H、C20−OCH)、3.90(d、J=15.7Hz、1H、C24−CH)、3.76(d、J=15.5Hz、1H、C24−CH)、3.54(d、J=8.8Hz、1H、C10−CH)、3.46(d、J=12.8Hz、1H、C15−CH)、3.38(s、3H、C10−OCH)、3.19(d、J=12.8Hz、1H、C15−CH)、3.00(s、3H、C1−NCH)、2.87(d、J=9.7Hz、1H、C5−CH)、2.57(s、3H、C29−CH)、2.51(dd、J=14.1、11.9Hz、1H、C2−CH)、2.17(dd、J=13.9、2.6Hz、1H、C2−CH)、1.72(d、J=13.6Hz、1H、C8−CH)、1.68(s、3H、C14−CH)、1.50(m、1H、C6−CH)、1.28(d、J=6.3Hz、4H、C6−CH、C8−CH)、0.87(d、J=1.4Hz、3H、C4−CH)、13C NMR(101MHz、CDCl)δ196.50(C28)、168.86(C23)、168.30(C1)、160.78(d、C−F=247.0Hz、C26)、156.13(C20)、152.46(C22)、142.53(C18)、140.30(C19)、140.24(C14)、138.49(d、C−F=6.4Hz、C30)、132.58(C12)、131.68(d、C−F=3.6Hz、C32)、128.32(C11)、126.38(d、C−F=16.1Hz、C25)、124.82(d、C−F=3.3Hz、C31)、124.56(C13)、122.04(C21)、119.52(C16)、114.73(d、C−F=23.2Hz、C27)、113.13(C17)、88.23(C10)、81.25(C9)、77.95(C3)、74.37(C7)、66.24(C5)、60.39(C4)、56.91(C20−OCH)、56.71(C10−OCH)、47.26(C15)、38.37(C6)、36.01(C8)、35.46(C1−NCH)、33.86(C24)、32.76(C2)、26.78(C29)、15.88(C14−CH)、14.60(C6−CH)、12.35(C4−CH)。
メイタンシノイド3の調製
Figure 2021505551
方法Bを用いるメイタンシノールと2−(3−アセチルフェノキシ)酢酸との反応から:メイタンシノイド3を、黄色っぽい固体として得た。収率:49%。RP−HPLC、220nmによる純度、98%。LRMS−ESI(m/z):C3846ClN11[M+H]の計算:741.23。実測:741.23。
構造を、H NMRおよび13C NMRによって確認した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.58(dt、J=7.8、1.1Hz、1H、C30−CH)、7.55(s、1H、C26−CH)、7.44(d、J=7.9Hz、1H、C31−CH)、7.12(dd、J=8.3、2.8Hz、1H、C32−CH)、6.79(d、J=1.8Hz、1H、C17−CH)、6.65(d、J=1.8Hz、1H、C21−CH)、6.46(dd、J=15.4、11.0Hz、1H、C12−CH)、6.37(s、1H、C9−NH)、6.26(d、J=11.0Hz、1H、C13−CH)、5.62(dd、J=15.4、8.9Hz、1H、C11−CH)、5.08(dd、J=11.9、2.7Hz、1H、C3−CH)、4.90(d、J=15.9Hz、1H、C24−CH)、4.66(d、J=15.9Hz、1H、C24−CH)、4.28(t、J=10.6Hz、1H、C7−CH)、3.96(s、3H、C20−OCH)、3.68(s、1H、C9−OH)、3.53(d、J=8.9Hz、1H、C10−CH)、3.47(d、J=12.9Hz、1H、C15−CH)、3.36(s、3H、C10−OCH)、3.15(d、J=12.8Hz、1H、C15−CH)、2.92(d、J=9.7Hz、1H、C5−CH)、2.87(s、3H、C1−NCH)、2.59(s、3H、C29−CH)、2.55(d、J=11.9Hz、1H、C2−CH)、2.22−2.14(m、1H、C2−CH)、1.71(d、J=1.8Hz、1H、C8−CH)、1.67(s、3H、C14−CH)、1.55−1.45(m、1H、C6−CH)、1.28(d、J=6.4Hz、3H、C6−CH)、1.28−1.25(m、1H、C8−CH)、0.86(s、3H、C4−CH)、13C NMR(101MHz、CDCl)δ197.99(C28)、168.09(C1)、168.07(C23)、158.27(C25)、156.09(C20)、152.36(C22)、142.46(C18)、140.38(C19)、139.83(C14)、138.84(C27)、132.85(C12)、130.48(C31)、128.22(C11)、124.95(C13)、122.41(C30)、122.12(C21)、119.67(C32)、119.25(C16)、113.73(C26)、113.02(C17)、88.18(C10)、81.16(C9)、78.13(C3)、74.18(C7)、66.37(C24)、66.26(C5)、60.26(C4)、56.87(C20−OCH)、56.68(C10−OCH)、47.05(C15)、38.41(C6)、36.34(C8)、35.31(C1−NCH)、32.67(C2)、26.88(C29)、15.86(C14−CH)、14.58(C6−CH)、12.50(C4−CH)。
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
実施例3
Fmoc−保護アミノ酸でのエステル化、Fmoc基の開裂、およびケト酸との縮合を介したケト−メイタンシノイドの3ステップ合成。
一般方法C−ステップ1:メイタンシノールとFmoc−保護アミノ酸との反応。メイタンシノール(565mg、1.00mmol、1.0eq)、Fmoc−保護アミノ酸(3.00mmol、3.0eq)、DMAP(982mg、8.00mmol、8.0eq)、およびトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)(541mg、1.1mmol、1.1eq)を、活性化分子篩(1g、4A、325メッシュ粒子サイズ、Sigma Aldrich)の存在下で無水DCM(10mL)にN雰囲気下で溶解した。混合物を、氷/水浴を用いて4℃まで冷却し、30分間撹拌しておいて、その温度に到達させた。この時間後、DIC(2.47mL、16.0mmol、16.0eq)を、10分以内(約0.25mL/分)に添加し、反応混合物を4℃で2時間撹拌し、この時間中に徐々に室温まで到達させた。混合物を重力によって濾過した。濾液をDCM(50mL)で希釈し、次いでリン酸ナトリウム緩衝剤(50mLx3、pH7.5)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、重力によって濾過し、溶媒を、回転蒸発装置で、40℃で、約10mLの最終体積まで除去した。粗生成物を、Biotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで、予め充填されたSNAP ULTRA 50gカートリッジで、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(25CVにおける100%DCMから90/10DCM/メタノールまでの線形勾配)で精製した。溶媒を、回転蒸発装置で、40℃で2時間除去して、それぞれの生成物を黄色っぽい〜黄色の固体として得た。
一般方法C−ステップ2:Fmoc基の脱保護。Fmoc−保護中間体(0.53mmol、1.0eq)をDCM(5mL)に溶解し、この溶液に、トリス−(2−アミノエチル)アミン(0.320mL、2.13mmol、4.0eq)を10秒以内に添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌しておいた。形成された白色の沈殿物をCeliteパッドで濾過して取り除き、DCM(20mL)で洗浄し、黄色の濾液を、回転蒸発装置で、40℃で2時間蒸発乾固させ、高真空下で4時間さらに乾燥させて、遊離アミンを得、これを次のステップにおいてさらなる精製なくすぐに使用した。
一般方法C−ステップ3:アミン−メイタンシノイドとケト酸との反応。遊離アミン中間体(77.0μmol、1.0eq)、ケト酸(150μmol、2.0eq)、HATU(35mg、94.0μmol、1.2eq)、HOAt(13mg、94.0μmol、1.2eq)、およびN−メチルモルホリン(17μL、150μmol、2.0eq)を、N雰囲気下、無水DMF(1mL)に溶解した。混合物を、室温で一晩撹拌しておいた。反応混合物をDCM(5mL)で希釈し、塩化アンモニウム(5mLx5)およびブライン(5mL)の飽和溶液で洗浄した。有機相を次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、重力によって濾過し、溶媒を、回転蒸発装置で、40℃で除去した。粗生成物を、Biotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで、予め充填されたSNAP ULTRA C−18 12gカートリッジ、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)C18、25μm球状シリカ(20CVにおける80/20水/MeCNから100%MeCNまでの線形勾配システム)で精製した。生成物含有画分を、組み合わせ、液体窒素において凍結し、24時間凍結乾燥して、それぞれのケトメイタンシノイドを得た。
Figure 2021505551
実施例4
メイタンシノイド28の調製
Figure 2021505551
メイタンシノール(56.5mg、0.10mmol、1.0eq)を乾燥DCM(10mL)に溶解し、ジエチルエーテル中の塩化亜鉛(II)の溶液(0.3mL、0.30mmol、3.0eq、1M溶液)を、N雰囲気下、室温で添加し、10分間撹拌しておいた。4−アセチルフェニルイソシアネート(48.3mg、0.30mmol、3.0eq)を10秒以内に添加し、得られた溶液を室温で5時間撹拌した。この時間後、反応の完了がHPLC分析(PDA220nm)によって確認された。揮発物を、回転蒸発装置で、40℃で除去した。粗生成物を、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(13CVにおける100%DCMから90/10DCM/メタノールまでの線形勾配システム)を含有する予め充填されたSNAP ULTRA 10gカートリッジでBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムを用いるNPクロマトグラフィー、続いてBiotage(登録商標)HP−Sphere(商標)C18、25μm球状シリカ(30CVにおける80/20水/MeCNから100%MeCNまでの線形勾配システム)を含有する予め充填されたSNAP ULTRA C−18 12gカートリッジでのRPクロマトグラフィーによって精製した。生成物含有画分を、組み合わせ、液体窒素において凍結し、24時間凍結乾燥して、化合物28を白色の固体として得た。収率:20mg(28%)。RP−HPLC(220nm)による純度>95%。LRMS−ESI(m/z)C3745ClN10[M+H]の計算:726.27。実測:726.25。LRMS−ESI(m/z)C3743ClN10[M−H]の計算:724.27。実測:724.43。
実施例5
メイタンシノイド29の調製
May−ONpの合成:DCM(8mL)中のメイタンシノール(88mg、155μmol、1.0eq)の溶液に、ピリジン(25μL、310μmol、2.0eq)を室温で添加した。得られた透明な溶液を、15分間撹拌した後、4℃まで冷却し、DCM(4mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(219mg、1.08mmol、7.0eq)を添加し、その後白色の沈殿物がすぐに形成された。反応混合物を、室温で24時間撹拌した。粗材料を、回転蒸発装置を用いて40℃で1時間濃縮し、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(50CVにおける100%酢酸エチルから40/60酢酸エチル/DCMまでの線形勾配)で予め充填されたSNAP ULTRA 25gカートリッジを用いるBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで精製した。生成物含有画分を、回転蒸発装置で、40℃で30分間、および高真空下でさらに30分間乾燥させ、中間体May−ONpを白色の固体として得た。収率:102mg(90%)。LRMS−ESI(m/z) C3541ClN12[M+H]の計算:730.23。実測:730.01。
Figure 2021505551
メイタンシノイド29の合成:DCM(1mL)中の化合物May−ONp(3.7mg、5.00μmol、1.0eq)の溶液に、DCM/DMF(2:0.1体積/体積)中の4−(アミノメチル)アセトフェノン(1.1mg、7.50μmol、1.5eq)の溶液を室温で添加し、トリエチルアミン(2μL、10.0μmol、2.0eq)を添加する前に5分間撹拌した。反応混合物を、室温で2時間および60℃で一晩撹拌した。粗材料を40℃で1時間濃縮し、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(20CVにおける100%クロロホルムから90/10クロロホルム/メタノールまでの線形勾配)で予め充填されたSNAP ULTRA 10gカートリッジを用いるBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで精製した。生成物含有画分を、回転蒸発装置で、40℃で30分間、および高真空下でさらに30分間乾燥させ、化合物29を白色の固体として得た。収率:1mg(27%)。RP−HPLC(220nm)による純度>95%。LRMS−ESI(m/z)C3846ClN10[M+H]の計算:739.28。実測:739.96。
実施例6
アルブミン結合メイタンシノイドの調製
ケト−メイタンシノイドおよびマレイミド−ヒドラジドリンカーからのアルブミン結合メイタンシノイドの合成のための一般方法D:室温でN雰囲気下の乾燥溶媒(好適な溶媒は、DCM、DMSO、ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフランである)中のケト−メイタンシノイド(1.0eq)の撹拌溶液に、分子篩(1:1〜5:1重量/重量)および触媒(TFA、p−トルエンスルホン酸、アンバーリスト−H形態、アンバーライト−Na形態)、続いて乾燥DMSO中のヒドラジンリンカー1(1.0〜5.0eq)の溶液を添加した。反応混合物を室温で撹拌し、変換を、HPLC分析(PDA220nm)を用いて確認した(>90%変換)。反応混合物を、濾過し、回転蒸発装置で、30℃で濃縮し、予め充填されたSNAP ULTRA Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(100%DCMから90/10DCM/メタノールまでの線形勾配)を用いるBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムでのクロマトグラフィーによって精製し、回転蒸発装置で、30℃で30分間、および高真空下でさらに30分間乾燥させて、遊離酸を得た。生成物を、好適な溶媒(メタノール、アセトン、2−メチルテトラヒドロフラン、または他の有機極性溶媒)に再溶解し、次いでpH範囲5.5〜7.5が達成されるまで塩溶液(ナトリウム塩、カリウム塩、トリエチルアンモニウム塩)を用いて中和した。溶液を、液体窒素において凍結し、24時間凍結乾燥して、化合物を塩として得た。対イオンの含有量を、ICによって決定した。ナトリウムイオン含有量は、0.2〜1.0eq(約0.2〜0.9%)、トリエチルアンモニウムイオン含有量は、0.8〜2.0eq(約6〜16%)の範囲であった。
アルブミン結合メイタンシノイド30の調製
Figure 2021505551
メイタンシノイド2とリンカー1との反応から:室温でN雰囲気下の乾燥DCM(2mL)中のメイタンシノイド2(170mg、0.23mmol、1.0eq)、分子篩(0.2g、粉末、活性化、4A、325メッシュ粒子サイズ)、Amberlyst(登録商標)−H(20mg、マクロ多孔性、30〜60メッシュ)の撹拌溶液に、乾燥DMSO(0.6mL)中のリンカー1(51mg、0.12mmol、2.0eq)の溶液を添加した。反応混合物を室温で撹拌し、3時間後、HPLC分析(PDA220nm)は、反応の完了を確認した(>98%変換)。反応混合物を、回転蒸発装置で、30℃で濃縮し、0.45μmシリンジフィルタ(Macherey−Nagel、Chromafil(登録商標)PTFE−O−45/25)で濾過した。濾液を乾燥DCM(8mL)で希釈し、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(22CVにおける100%DCMから90/10DCM/MeOHまでの線形勾配)で予め充填されたSNAP ULTRA 10gカートリッジを用いるBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで精製した。組み合わされた生成物含有画分を、回転蒸発装置で、30℃で30分間、および高真空下でさらに30分間乾燥させ、30の遊離酸形態を白黄色の固体として得た。固体をMeOH/アセトン(50:50体積/体積、合計約4mL)に溶解し、次いでこれを、pH6.8〜7.1(pHメーターを用いて測定されるpH)まで、Millipore水中のNaHCOの5mM溶液で中和した。溶液を、液体窒素において凍結し、24時間凍結乾燥して、メイタンシノイド−プロドラッグ30を白黄色の泡として得た。収率:161mg(60%)。LRMS−ESI(m/z):C5561ClFN16S[M−H]の計算:1147.36。実測:1147.84。Naの含有量は0.2〜0.8%の範囲であった。
アルブミン結合メイタンシノイド31の調製
Figure 2021505551
メイタンシノイド3とリンカー1との反応から:室温でN雰囲気下の乾燥ジクロロメタン(4mL)中のメイタンシノイド3(186mg、0.25mmol、1.0eq)、分子篩(0.4g、粉末、活性化、4A、325メッシュ粒子サイズ、Sigma Aldrich)、およびAmberlite(登録商標)(IR120 Na形態、484mg、2.1mmol/mL、4.0eq)の撹拌溶液に、乾燥DMSO(4mL)中のリンカー1(329mg、0.77mmol、2.5eq)の溶液を添加した。反応混合物を室温で撹拌し、6時間後、HPLC分析(PDA220nm)は、反応の完了を確認した(>98%変換)。反応混合物を、回転蒸発装置で、30℃で濃縮し、0.45μmシリンジフィルタ(Macherey−Nagel、Chromafil(登録商標)PTFE−O−45/25)で濾過した。濾液を水酸化ナトリウム(1M NaOH溶液の318μL、1.3eq)で中和した。中和された混合物を、メチルt−ブチルエーテル(27mL)およびイソプロピルアルコール(14mL)の冷却された混合物(4℃氷浴)を含有する50mLのファルコンチューブに滴下し、4℃で5分間遠心分離した。上清をデカントし、沈殿物をジクロロメタン(10mL)に再懸濁させ、Biotage(登録商標)HP−Sphere(商標)球状シリカ(22CVにおける100%DCMから90/10DCM/MeOHまでの線形勾配)で予め充填されたSNAP ULTRA 10gカートリッジを用いるBiotage Isolera Oneフラッシュ精製システムで精製した。組み合わされた生成物含有画分を、回転蒸発装置で、30℃で30分間、および高真空下でさらに10時間乾燥させ、31を白黄色の固体として得た。収率:156mg(52%)。RP−HPLC(220nm)による純度>95%。LRMS−ESI(m/z)C5562ClN17S[M−H]の計算:1145.36。実測:1145.87。Naの含有量は0.2〜0.8%の濃度域を有する。
Figure 2021505551
Figure 2021505551
Figure 2021505551
実施例7
pH4.0およびpH7.4での緩衝剤溶液中のメイタンシノイド−HSAコンジュゲートの安定性および放出キネティクス
アルブミン結合メイタンシノイドのHSAコンジュゲートを調製するために、HSA(200μM:361.8μL、1078μM遊離Cys34、100μM:180.9μL、1078μM遊離Cys34)を、PBS緩衝剤(4mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)(200μM:678.2μL、100μM:859.1μL)およびDMSO(200μM:130.0μL、100μM:195.0μL)で希釈し、加熱ブロックにおいて37℃で30分間インキュベートした。アルブミン結合メイタンシノイドを、DMSO(200μM:130.0μL、100μM:65.0μL)中の2mMストック溶液としてプレインキュベートされたHSA試料に添加して、メイタンシノイド−プロドラッグの200μMまたは100μM、および遊離Cys34の300μMまたは150μM溶液を生成した。7.4のpHを有する混合物を、10分間37℃で反応させ、次いで24時間にわたって毎時間、RP−HPLC(Phenomenex Aeris WP XB−C18、3.6μm、250x4.6mm)によって分析した。
pH4.0での放出キネティクスを研究するために、混合物を、50mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH3.0(200μM:119.3μL、100μM:125.2μL)および1M HCl(200μM:12.7μL、100μM:6.8μL)の混合物で、pH4.0に到達するように酸性化した。混合物をその後、24時間にわたって毎時間、RP−HPLC(Phenomenex Aeris WP XB−C18、3.6μm、250x4.6mm)によって分析した。
以下のRP−HPLC条件を使用した。Phenomenex Aeris WP XB−C18、3.6μm、250x4.6mm、溶離液A(100%20mM Tris緩衝剤pH8.0)および溶離液B(90:10、MeCN:水)、溶離液Bの勾配(25%0〜0.5分、25〜35%0.5〜2.5分、35〜85%2.5〜16分、85〜95%16〜17分、95%17〜20分、95〜25%20〜25分、25%25〜30分、流量1.0mL/分)で溶出する。カラムオーブン温度37℃、オートサンプラー温度37℃、20μLの注射体積。
放出された遊離薬物のパーセンテージを定量化するために、遊離メイタンシノイドの標準曲線を異なる濃度(200μM、100μM、50μM、25μM、および12.5μM)で調製した。曲線下面積(AUC)を250nmで決定した。
Figure 2021505551
*200μMで測定された
**100μMで測定された
実施例8
CD1マウスおよびヒト血漿におけるメイタンシノイドおよびメイタンシノイド−HSAコンジュゲートの安定性:CD1およびヒト血漿におけるメイタンシノイドおよびメイタンシノイド−HSAコンジュゲートの安定性を研究するために、化合物を37℃で24時間インキュベートした。残った遊離メイタンシノイドまたはそれぞれのメイタンシノイドの放出を、特定の時点でLC−MS/MS(またはHPLC)によって定量化した。
LC−MS定量化手順:プールされたCD1マウスまたはヒト血漿(KEDTA、Innovative research)を遠心分離した(12,044gで1分)。上清をまずフィルタニードル(5μm、滅菌、Becton Dickinson)を通して、その後酢酸セルロースメンブレン(0.45μm、滅菌、Carl Roth)を通して濾過した。濾過された血漿(1710μL)を、加熱ブロックにおいて37℃で30分間プレインキュベートした。DMSO(190μL)中の300μMストック溶液としての遊離メイタンシノイドまたはアルブミン結合メイタンシノイドを、プレインキュベートされた血漿試料に添加して、それぞれのメイタンシノイドまたはメイタンシノイド−HSAコンジュゲートの30μM溶液を生成した。混合物を、10分間37℃で反応させ、次いで各時点(0、1、2、3、4、5、21、および24時間)で、3つの試料(70μL)を、96ウェルプレートに取り、プラスチックマットで封止し、液体窒素ですぐに凍結し、−20℃で保存した。実験の終わりに、96ウェルプレートを室温で解凍した。試料(30μL)を次いで、1回MeCN(150μL)で洗浄し、次いで内部標準(120μL、5μg/mLメイタンシンを含有するMeCN)を装填した、96ウェルImpact(商標)タンパク質沈殿プレート(Strata(登録商標))に、マルチチャネルピペットを介して直接移した。Impact(商標)沈殿プレートを、シリコーンマットで封止し、2分間420rpmで振盪した。Impact(商標)沈殿プレートを次いで、96ウェル試料マニフォールド上に配置し、濾液を、低真空を適用することによって別の96ウェルプレートに収集した。96ウェルプレートを、シリコーンマットで封止し、LC−MS/MS定量化まで室温で保持した。濾液を、MRMモードを用いて定量化のためにLC−MSに注射した。
LC−MS方法:Phenomenex Luna(登録商標)Omega Polar C18、1.6μm、100A、50x2.1mm、カラム、溶離液A(水中の0.1%ギ酸)および溶離液B(MeCN中の0.1%ギ酸)、溶離液Bの勾配(20%0〜0.5分、流量0.4mL/分、20〜60%0.5〜9.0分、0.4mL/分、60〜100%9.0〜9.5分、流量0.4mL/分、100〜20%9.5〜10.5分、流量0.4mL/分、20%10.5〜12分、0.6mL/分)で溶出する。カラムオーブン温度25℃、オートサンプラー温度室温、10μLの注射体積。
0時点での各遊離薬物についての曲線下面積(AUC)を、それぞれのプロドラッグについての100%値として設定した。各試料についてのAUCを、メイタンシンのAUCに基づいて正規化した。
HPLC定量化手順:試料を、遊離薬物およびプロドラッグのDMSO中の2mMストック溶液を用いて、以前に記載されるように調製した。37℃でのインキュベーション後、試料を24時間の期間にわたって毎時間HPLCに直接注射した。各遊離メイタンシノイド(PBS緩衝剤中の10%DMSO中の200μM)についての曲線下面積(AUC)を、それぞれのアルブミン結合メイタンシノイドについての100%値として使用した。
HPLC方法:Phenomenex Aeris WP XB−C18、3.6μm、250x4.6mm、カラム、溶離液A(20mM Tris緩衝剤pH8.0)および溶離液B(90:10、MeCN:水)、溶離液Bの勾配(25%0〜0.5分、25〜35%0.5〜2.5分、35〜85%2.5〜16分、85〜95%16〜17分、95%17〜20分、95〜25%20〜25分、25%25〜30分、流量=1.0mL/分)で溶出する。カラムオーブン温度37℃、オートサンプラー温度37℃、20μLの注射体積。
遊離メイタンシノイドの相対放出およびメイタンシノールへの変換を以下に表5において列挙する。
Figure 2021505551
*データはHPLCによって得た
残った遊離メイタンシノイドの量およびメイタンシノールへの変換を以下に表6において列挙する。
Figure 2021505551
CD1マウス血漿における(メイタンシノイド4)との異なるリンカーの安定性が、図1に描写される。
実施例9
プールされたヒト全血および血漿におけるアルブミンに対するアルブミン結合メイタンシノイドのインビトロ結合キネティクス:プールされたヒト血漿およびプールされたヒト全血におけるアルブミン結合メイタンシノイドの結合キネティクスを研究するために、化合物を、プールされたヒト血漿と一緒に37℃でインキュベートし、試料を特定の時点で取得した。残ったアルブミン結合メイタンシノイドを、HPLCによって定量化した。
HPLC定量化手順:ヒト全血における結合キネティクスを研究するために、血液(KEDTA、36ドナー、Zen−Bio、900μL)を、加熱ブロックにおいて37℃で30分間プレインキュベートした。プールされたヒト血漿における結合キネティクスを研究するために、プールされた全血を遠心分離し(10分、1811g)、上清血漿を収集し、次いで37℃で30分間プレインキュベートした。
アルブミン結合メイタンシノイドを、10mMリン酸ナトリウム緩衝剤および1.48mMクエン酸塩(100μL)中の2.5%プロピレングリコールにおける1.2mMストック溶液のPBSでの10倍希釈物としてプレインキュベートされた全血/血漿試料に添加して、それぞれのアルブミン結合メイタンシノイドの12.0μM溶液を生成した。試料(190μL)を、15秒、2分、4分、8分、および15分後に取得した。試料を、内部標準としてメイタンシン(5μg/mL)を含有する760μLのMeCNに直接添加し、1分間ボルテックスした。遠心分離(12,044gで1分)後、上清(850μL)を高真空下で濃縮した。残留物をDMSO/水(1:1体積/体積、95μL)に取り込み、次いでRP−HPLCによって分析した。結合のパーセンテージを、PBS緩衝剤中の対照試料(100%値)に対するアルブミン結合メイタンシノイドの220nmでの曲線下面積(AUC)の比較によって決定した。全ての実験を3通り行った。
HPLC方法:Phenomenex Kinetex Polar C18、2.6μm、100A、150x4.6mm、溶離液A(95:5 5mM酢酸アンモニウム:MeCN)および溶離液B(5:95 5mM酢酸アンモニウム:MeCN)、溶離液Bの勾配(30%0〜0.5分、30〜95%0.5〜9.0分、95%11.0分、95〜30%11.0〜14.5分、30%15.0分、流量=1.0mL/分)で溶出する。カラムオーブン温度周囲温度、オートサンプラー温度4℃、50μLの注射体積。
0および8分で結合したアルブミン結合メイタンシノイドの相対量を以下の表に列挙する。
Figure 2021505551
実施例10
CellTiter−Blue(登録商標)細胞生存率アッセイを用いる異なる細胞株におけるメイタンシン、DM1、DM1−SMe、メイタンシノール、およびメイタンシノイドのインビトロ細胞毒性
研究は、PromegaのCellTiter−Blue(登録商標)Cell Viability Assayを用いて全ての化合物のインビトロ有効性を試験した。試験された癌細胞株は、LXFL529(大細胞肺癌)、RKO(結腸癌)、SW−620(結腸癌)、CAL−27(頭頸部癌)、LXFL1674L(大細胞肺癌)、MDA−MB468(乳癌)、SK−OV−3(卵巣癌)、PAXF1657(膵臓癌)、MCF7(乳癌)、COLO205(結腸癌)、MDA−MB231(乳癌)、BT−474(乳癌)、およびHep G2(肝臓癌)である。
細胞は、対数期培養物から採取され、カウントされ、96ウェル平底マイクロタイタープレートに、細胞株の成長速度に応じた細胞密度(4,000〜60,000細胞)で播種される。細胞が対数成長を再開することを可能にする24時間の回復期後、10μLの培養培地(4つの対照ウェル/プレート)または試験化合物を有する培養培地が添加される。
化合物は、ハーフログ希釈ステップにおいて10の濃度で2通りに適用され、細胞は、96時間継続して処理される。細胞の処理およびインキュベーション後、20μL/ウェルのCellTiter−Blue(登録商標)試薬が添加される。最大4時間のインキュベーション後、蛍光(FU)は、EnSpireマルチラベルリーダー(励起λ=531nm、放出λ=615nm)を用いることによって測定される。S字形濃度応答曲線は、4パラメータ非線形曲線適合(Oncotest Warehouse Software)を用いて各細胞株について得られるデータ点(T/C値)にあてはめられる。IC50値は、S字形濃度応答曲線の上下プラトーの中間(曲線の変曲点)の応答(コロニー形成/生存の阻害)を与える試験化合物の濃度である、相対IC50値として、またはT/C=50%での濃度応答曲線の交差点での試験化合物の濃度である、絶対IC50値として報告される。平均IC50値の計算には、幾何平均が使用される。結果は、試験された全ての細胞株にわたる平均グラフプロットまたはヒートマップ(幾何平均IC50値に対する個別のIC50値)として表される。表8および図2を参照されたい。図2は、全ての試験された化合物についてのIC50のヒートマップを示す。
Figure 2021505551
Figure 2021505551
実施例11
患者由来腫瘍異種移植モデルにおけるメイタンシンおよびアルブミン結合メイタンシノイド化合物の評価のための一般手順
Charles Riverからの雌免疫欠損NMRIヌードマウスの左脇腹に、ヒト癌腫瘍での片側腫瘍インプラントを、イソフルラン麻酔下で、(別段に記載されない限り)腫瘍が触診可能になり、80〜200mmの体積に到達するまで皮下投与した。
動物をケージに保持し、ケージ内の温度を25±1℃、45〜65%の相対湿度、および1時間あたり60倍のケージにおける空気変化率で維持した。それらを、14時間の明:10時間の暗の人工光サイクル下に保持した。動物は、Envigo RMS SARLからのTeklad Global 19%Protein Extruded Diet(T.2019S.12)が給餌され、週に2回交換された滅菌濾過および酸性化(pH2.5)水道水へのアクセスを有した。飼料および水は、自由に提供した。療法の前に、動物は、群腫瘍体積の同程度の中央値および平均値を考慮してランダム化した(別段に記載されない限り、1群あたり7匹のマウス)。動物は、営業日は1日2回、土曜日および日曜日は1日1回、日常的にモニターした。0日目に開始して、動物は、1週間に2回計量した。個別の動物の相対体重(RBW)は、X日目の個別の絶対体重(BW)を、ランダム化の日の個別の体重によって割り、100%をかけることによって計算した。腫瘍体積は、ランダム化の日(0日目)および次いで週に2回のキャリパーでの2次元測定によって決定した。腫瘍体積は、以下の式:腫瘍体積[mm]=l[mm]xw[mm]x0.5に従って計算され、式中、「l」は、腫瘍の長さであり、「w」は、腫瘍の幅である。X日目の個別の腫瘍の相対体積(RTV)は、X日目のそれぞれの腫瘍(Tx)の絶対個別腫瘍体積[mm]を、ランダム化の日の同じ腫瘍の絶対個別腫瘍体積によって割り、100%をかけることによって計算した。スケジュールは、動物福祉政策が許容する程度に適用した。個別のマウスの屠殺は、腫瘍体積>2000mm(片側)で行った。全ての試験化合物は、1、8、15、および22日目に投与し、スクロースを含有する凍結乾燥固体として供給した。治療の日に、凍結乾燥試料を、20%プロピレングリコールを含有する10mMのリン酸ナトリウム緩衝剤pH6.8に溶解し、ビヒクル(10mMのリン酸ナトリウム緩衝剤、20%プロピレングリコール、および5%スクロース−pH6.8)と共に静脈内注射(100μL/20gマウス)した。
実施例12
癌細胞株由来異種移植モデルにおけるメイタンシンおよびアルブミン結合メイタンシノイド化合物の評価のための一般手順
Janvier、Franceからの雌免疫欠損NMRIヌードマウスに、(別段に記載されない限り)腫瘍が触診可能になり、80〜200mmの体積に到達するまで、(別段に記載されない限り)緩衝剤/Matrigel(1:1)における5x10培養癌細胞を皮下移植した。動物をケージに保持し、ケージ内の温度を22±1℃、50±10%の相対湿度、および1時間あたり60倍のケージにおける空気変化率で維持した。それらを、12時間の明:12時間の暗の人工光サイクル下に保持した。動物は、Ssniff(登録商標)からのオートクレーブされたSsniff NMが給餌され、週に2回交換された滅菌濾過および酸性化(pH4.0)水道水へのアクセスを有した。飼料および水は、自由に提供した。療法の前に、動物は、群腫瘍体積の同程度の中央値および平均値を考慮してランダム化した(別段に記載されない限り、1群あたり7匹のマウス)。動物は、営業日は1日2回、土曜日および日曜日は1日1回、日常的にモニターした。0日目に開始して、マウスの個別の体重は、週に2回または3回決定され、1群あたりの平均体重は、体重変化(BWC)を計算するために初期値パーセントに関連付けた。腫瘍体積は、ランダム化の日(0日目)および次いで週に2回または3回のキャリパーでの2次元測定によって決定した。腫瘍体積は、以下の式:
腫瘍体積[mm]=l[mm]xw[mm]x0.5に従って計算され、式中、「l」は、腫瘍の長さであり、「w」は、腫瘍の幅である。X日目の個別の腫瘍の相対体積(RTV)は、X日目のそれぞれの腫瘍(Tx)の絶対個別腫瘍体積[mm]を、ランダム化の日の同じ腫瘍の絶対個別腫瘍体積によって割り、100%をかけることによって計算した。スケジュールは、動物福祉政策が許容する程度に適用した。個別のマウスの屠殺は、腫瘍体積>1500mm(片側)で行ったか、または潰瘍が観察された。全ての試験化合物は、1、8、15、および22日目に投与し、スクロースを含有する凍結乾燥固体として供給した。治療の日に、凍結乾燥試料を、20%プロピレングリコールを含有する10mMのリン酸ナトリウム緩衝剤pH6.8に溶解し、ビヒクル(10mMのリン酸ナトリウム緩衝剤、20%プロピレングリコール、および5%スクロース−pH6.8)と共に静脈内注射(100μL/20gマウス)した。
実施例13
ヒトPDX腎細胞癌モデルRXF631におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド30、42、31、および35の評価
腎細胞癌RXF631モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物30、42、31、および35の評価を、患者由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が100mmの平均サイズに到達した後に開始した。図3は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30、42、31、および35で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図4は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30、42、31、および35で治療された群における体重変化の曲線を示す。
実施例14
ヒトPDX扁平上皮肺癌モデルLXFE937におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド32、30、および31の評価
扁平上皮肺癌LXFE937モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物32、30、および31の評価を、患者由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が117mmの平均サイズに到達した後に開始した。図5は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図6は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。
実施例15
ヒトPDX扁平上皮肺癌モデルLXFE937(大腫瘍)におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド30および31の評価
扁平上皮肺癌LXFE937モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物30および31の評価を、患者由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が270mmの平均サイズに到達した後に開始した。図7は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図8は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。
実施例16
ヒトPDX肺腺癌モデルLXFA737におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド30および31の評価
肺腺癌LXFA737モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物30および31の評価を、患者由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が311mmの平均サイズに到達した後に開始した。図9は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図10は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。
実施例17
ヒト異種移植乳癌腫モデルMDA−MB−231におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド32、30、および31の評価
MDA−MB231乳癌腫モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物32、30、および31の評価を、癌細胞株由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が80mmの平均サイズに到達した後に開始した。図11は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図12は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物32、30、および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。
実施例18
ヒト異種移植卵巣癌モデルA2780におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド30および31の評価
卵巣癌A2780モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物30および31の評価を、癌細胞株由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が380mmの平均サイズに到達した後に開始した。図13は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図14は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。
実施例19
ヒト異種移植乳癌腫モデルMDA−MB468におけるメイタンシンならびにアルブミン結合メイタンシノイド30および31の評価
乳癌腫MDA−MB468モデルにおけるメイタンシンならびにアルブミン結合化合物30および31の評価を、癌細胞株由来異種移植モデルの一般手順に従って行った。治療は、腫瘍が94mmの平均サイズに到達した後に開始した。図15は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群の腫瘍成長曲線を示す。図16は、対照群、メイタンシン群、ならびに化合物30および31で治療された群における体重変化の曲線を示す。

Claims (36)

  1. 式(I)の構造を有する化合物、
    Figure 2021505551
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、
    は、−HおよびC−Cアルキルから選択され、
    スペーサーは、
    Figure 2021505551
    および
    Figure 2021505551
    から選択され、
    Vは、不在であるか、または−CH−、−O−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
    各Rは、独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、もしくは−I)、およびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
    nは、0〜3であり、
    Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、−Se−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
    Yは、=CH−および=N−から選択され、
    、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−CN、−NO、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
    AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸であり、
    R’は、Oおよび
    Figure 2021505551
    から選択され、
    Y’は、不在であるか、または任意に置換されたC−Cアルキル、−NH−C(O)−、および
    −C(O)−NH−から選択されるか、あるいはY’は、
    Figure 2021505551
    および
    Figure 2021505551
    からなる群から選択され、式中、n=0−6であり、
    ’は、不在であるか、または
    Figure 2021505551
    および
    Figure 2021505551
    からなる群から選択され、
    式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
    ’は、任意に置換されたC−C18アルキルであり、前記C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換され、
    、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH
    −CN、−NO、−SO、およびC−Cアルキルから選択され、式中、Mは、薬学的に許容される対イオン(例えば、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR 、式中、Rは、HまたはC−Cアルキルである)であり、
    TBGは、任意に置換されたマレイミド基、任意に置換されたハロアセトアミド基、任意に置換されたハロアセテート基、任意に置換されたピリジルチオ基、任意に置換されたイソチオシアネート基、任意に置換されたビニルカルボニル基、任意に置換されたアジリジン基、任意に置換されたジスルフィド基、任意に置換されたアセチレン基、および任意に置換されたN−ヒドロキシスクシンイニドエステル基から選択される、チオール結合基であり、
    前記TBGは、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に任意に結合している、化合物。
  2. 前記化合物が、式(II)の構造を有する、請求項1に記載の化合物、
    Figure 2021505551
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、
    各Rは、独立して、−HおよびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
    Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
    、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択される、化合物。
  3. 前記化合物が、式(III)の構造を有する、請求項1に記載の化合物、
    Figure 2021505551
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、
    各Rは、独立して、−HおよびC−Cアルキルから選択されるか、または2つのRは、一緒になって、C−Cシクロアルキルを形成し、
    Xは、不在であるか、または−CH−、−O−、−S−、および−NR−から選択され、式中、Rは、−HまたはC−Cアルキルであり、
    、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択される、化合物。
  4. 前記化合物が、式(IV)の構造を有する、請求項1に記載の化合物、
    Figure 2021505551
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、
    Xは、不在であるか、または−CH−および−NH−から選択され、
    Yは、=CH−または=N−であり、
    、Z、Z、およびZは、各々独立して、−H、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、または−I)、−CF、−OCH、−NO、および−CHから選択され、
    AAは、グリシン、dまたはlプロリン、サルコシン、N−エチル−グリシン、dまたはlアラニン、dまたはlN−メチルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、α−アミノイソ酪酸、およびN−メチル−α−アミノイソ酪酸から選択されるアミノ酸である、化合物。
  5. が、−Hである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つが、Hではない、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  7. 、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つが、−Fまたは−NOである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  8. nが、0であり、Xが、不在である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  9. nが、0であり、Xが、−CH−である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  10. nが、0であり、Xが、−O−または−S−である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  11. 前記化合物が、
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    から選択される、請求項1に記載の化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体。
  12. 前記薬学的に許容される対イオンが、H、Na、K、Ca2+、Mg2+、NR 、およびNHR から選択され、Rが、HまたはC−Cアルキルである、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
  13. R’が、Oである、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
  14. R’が、
    Figure 2021505551
    である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
  15. 前記化合物が、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に結合していない、請求項14に記載の化合物。
  16. 前記化合物が、チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体に結合している、請求項14に記載の化合物。
  17. 前記チオール保有高分子担体またはチオール保有腫瘍特異的担体が、内因性アルブミン、外因性アルブミン、抗体、抗体断片、ペプチド、天然または合成ポリマー、リポソーム、およびナノ粒子から選択される、請求項16に記載の化合物。
  18. TBGが、任意に置換されたマレイミド基である、請求項14〜17のいずれかに記載の化合物。
  19. 1’が、−NOまたは−SOから選択され、
    Y’が、−NHC(O)−または
    Figure 2021505551
    から選択される、請求項14〜18のいずれかに記載の化合物。
  20. 1’が、
    Figure 2021505551
    である、請求項14〜19のいずれかに記載の化合物。
  21. R’が、
    Figure 2021505551
    である、請求項14〜19のいずれかに記載の化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、
    2’は、任意に置換されたC−C18アルキルから選択され、前記C−C18アルキルにおける任意に最大6つの炭素原子は、各々独立して−OCHCH−で置換される、化合物。
  22. R’が、
    Figure 2021505551
    である、請求項14〜21のいずれかに記載の化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体。
  23. 前記化合物が、
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    および
    Figure 2021505551
    から選択される、請求項22に記載の化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体。
  24. R’が、
    Figure 2021505551
    である、請求項14〜20のいずれかに記載の化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、Mは、薬学的に許容される対イオンである、化合物。
  25. 前記化合物が、以下から選択される、請求項24に記載の化合物、
    Figure 2021505551
    Figure 2021505551
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体。
  26. R’が、
    Figure 2021505551
    である、請求項14〜20のいずれかに記載の化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体であって、
    式中、Mは、薬学的に許容される対イオンである、化合物。
  27. 前記化合物が、
    Figure 2021505551
    である、請求項26に記載の化合物。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
  29. 癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の、請求項1〜27のいずれかに記載の化合物または請求項28に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
  30. 前記疾患が、癌である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記癌が、腺癌、ブドウ膜黒色腫、急性白血病、聴神経腫、膨大部癌腫、肛門癌腫、星状細胞腫、基礎細胞腫、膵臓癌、結合組織腫瘍、膀胱癌、気管支癌腫、非小細胞気管支癌腫、乳癌、バーキットリンパ腫、子宮体癌腫、CUP症候群、結腸癌、小腸の癌、卵巣癌、子宮内膜癌腫、胆嚢癌、胆嚢癌腫、子宮癌、子宮頸癌、頸部、鼻、および耳腫瘍、血液学的新生物、有毛細胞白血病、尿道癌、皮膚癌、神経膠腫、精巣癌、カポジ肉腫、咽頭癌、骨癌、結腸直腸癌腫、頭頸部腫瘍、結腸癌腫、頭蓋咽頭腫、肝臓癌、白血病、肺癌、非小細胞肺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、結腸癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、腎臓癌、腎細胞癌腫、乏突起神経膠腫、食道癌腫、溶骨性癌腫および骨形成性癌腫、骨肉腫、卵巣癌腫、膵臓癌腫、陰茎癌、前立腺癌、舌癌、卵巣癌腫、ならびにリンパ腫癌から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 化合物の細胞毒性を低減する方法であって、請求項1〜27のいずれかに記載の化合物または請求項28に記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記投与が、等用量の未修飾活性剤と比較されるとき、細胞毒性の低減をもたらす、方法。
  33. 腫瘍における化合物の代謝産物の濃度を増加させる方法であって、請求項1〜27のいずれかに記載の化合物または請求項28に記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記増加が、等用量の未修飾活性剤と比較される、方法。
  34. 医薬品としての使用のための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物。
  35. 癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患からなる群から選択される疾患または状態の治療における使用のための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物。
  36. 癌、ウイルス疾患、自己免疫疾患、急性または慢性炎症疾患、および細菌、真菌、または他の微生物によって引き起こされる疾患から選択される疾患または状態の治療のための医薬品の調製における、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物または請求項28に記載の組成物の使用。

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