JP2021502059A - 部分的に立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリーを使用することによる、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド変異体を同定するための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、部分的に立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリーを利用して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド変異体を同定するための方法に関する。これらの方法は、改良された特性、例えば、増強されたインビトロもしくはインビボの活性、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、および/または増強された標的特異性(低減されたオフターゲット作用)を有する、立体定義された変異体の効率的な同定を可能にする。立体定義されたホスホロチオエート結合ヌクレオシドの複数の排他的またはオーバーラップした短い小領域またはモチーフを最適化して、増強されたサブライブラリーを特定し、次いで、選択された(改良された)各サブライブラリーに由来する立体定義されたヌクレオシド間結合パターンを組み合わせて、増強された立体定義された化合物を製造する、多重並列ライブラリースクリーニングアプローチが開示される。
Description
発明の分野
本発明は、部分的に立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリーを利用して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド変異体を同定するための方法に関する。これらの方法は、改良された特性、例えば、増強されたインビトロもしくはインビボの活性、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、および/または増強された標的特異性(低減されたオフターゲット作用)を有する、立体定義された変異体の効率的な同定を可能にする。
本発明は、部分的に立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリーを利用して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド変異体を同定するための方法に関する。これらの方法は、改良された特性、例えば、増強されたインビトロもしくはインビボの活性、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、および/または増強された標的特異性(低減されたオフターゲット作用)を有する、立体定義された変異体の効率的な同定を可能にする。
背景
ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドの立体定義された変異体の製造を用いて、驚くべき薬理学的多様性を作り出せること、および低分子薬物発見パラダイムと同様に、ステレオジアステレオ異性体間の見かけは小さな構造的相違という結果が、効力、毒性、有効性、細胞への取込み、および体内分布を含む薬理学的性能が大いに異なる化合物をもたらし得るということが、最近、確立された。
ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドの立体定義された変異体の製造を用いて、驚くべき薬理学的多様性を作り出せること、および低分子薬物発見パラダイムと同様に、ステレオジアステレオ異性体間の見かけは小さな構造的相違という結果が、効力、毒性、有効性、細胞への取込み、および体内分布を含む薬理学的性能が大いに異なる化合物をもたらし得るということが、最近、確立された。
これに関して、16ヌクレオチド長の従来のホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、最大215種の異なるジアステレオ異性体、すなわち32,000種を超える可能性がある薬理学的に異なる化合物を含む。例えば混合物から薬理学的に最適な化合物を同定することには、かなりの可能性、すなわち、標準の立体的にランダムなホスホロチオエートよりもはるかに大きな治療的能力を有する化合物をもたらし得る可能性がある。
これまで、研究者らは、立体定義されたモチーフ、典型的には、より効果的なRNアーゼH活性などを与えることができるSp型またはRp型の立体定義されたモチーフの連続パターンを特定することに焦点を合わせてきた。
例えば、WO 2015/107425(特許文献1)は、キラル的に定義されたオリゴヌクレオチドのキラル設計について報告しており、かつ図22において、3'-SSR-5'部位の選択的位置決めにより、RNA切断速度の適度な差別化が可能になるが、オリゴヌクレオチドONT-453の場合は対立遺伝子変異体間の高度な区別が可能になることを報告している。
インビトロの細胞ベースアッセイ法ならびにインビボでLNAギャップマーオリゴヌクレオチドを使用する本発明者らの研究において、本発明者らは、1つのLNAギャップマーに由来するあるパターンの立体定義されたホスホロチオエート結合を別のLNAギャップマーに適用した場合の重大な予測不能性、および通常、アンチセンスオリゴヌクレオチドの骨格結合の立体化学を個別に最適化する必要があるということに注目した。
この予測不能性が原因となって、立体定義されたオリゴヌクレオチドの発見パラダイムが真剣に強く必要とされている。親オリゴヌクレオチドの存在し得るすべての立体定義された変異体を作製し、最も優れた薬理学的プロファイルを有する最適化された「子」オリゴヌクレオチドを選択することが、理想的である。可能ではあるが、このような大規模並列処理発見プロセスは、非常に多くの資源を必要とすると思われる。
WO 2016/96938(特許文献2)は、立体定義された変異体のライブラリーを作り出し、低減された毒性を有する変異体を該ライブラリーから選択することにより、忍容性が大きくなるようにホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを最適化する方法を開示している。WO'938は、反復スクリーニングによって、さらなる改良を可能にする1つの局面(段階的薬物発見プロセス)を含む。WO'938の実施例は、化合物中のごく少数のヌクレオシド間結合が立体定義されており、残りは立体的にランダムである、化合物を含む。
本発明者らは、このような「サブライブラリー」アプローチが、より効果的な薬物発見プロセスを可能にすることを確認した。このアプローチにおいて、本発明者らは、16merの215種のジアステレオ異性体をスクリーニングするのではなく、一部であるがすべてではないホスホロチオエートヌクレオシド間結合があらかじめ定められた立体定義を有することによりライブラリーの複雑性を大きく単純化しているサブライブラリーをスクリーニングして、改良された「サブライブラリー」化合物を選択することができた。
WO 2016/079181(特許文献3)は、配列
を有する多数の完全に立体定義されたLNAギャップマーを開示しており、式中、大文字は、細胞外RNアーゼHアッセイ法で評価されたβ-D-オキシLNAヌクレオチドを表す。
を有する多数の完全に立体定義されたLNAギャップマーを開示しており、式中、大文字は、細胞外RNアーゼHアッセイ法で評価されたβ-D-オキシLNAヌクレオチドを表す。
Wan et al., Nucleic Acid Research, 2014 Dec 16;42(22):13456-68(非特許文献1)では、立体定義されたヌクレオシド間結合は細胞外RNアーゼH活性に影響を及ぼし得るが、試験したRNアーゼH活性ギャップマーASOのギャップ領域中のPS結合のキラリティーを制御しても、立体的にランダムなPS ASOの混合物と比べて治療的適用に対する識別可能な利益はもたらされなかったことを報告している。
Iwamoto et al., Nature Biotechnology, 21 August 2017; doi:10.1038/nbt.3948(非特許文献2)では、ホスホロチオエート(PS)立体化学がASOの薬理学的特性に実質的に影響を及ぼすことを開示し、Sp配置のPS結合がRpと比べて安定しており、薬物の薬理学的不活性化からの立体化学的保護を与えることを報告している。彼らはまた、インビトロでのRNアーゼH1による標的RNA切断を促進し、立体的にランダムなASOよりも長く続く反応をマウスにおいてもたらす、立体的に純粋なASO中の立体化学的トリプレットコード3′-SpSpRpも解明した。注目すべきことに、Iwamoto et al.の補足的データは、インビトロの効力からインビボの効力を予測できないことを示している(補遺の図5を参照されたい)。
立体定義されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの薬理学的特性についての予測不可能性は、本発明者らの研究によってさらに例示され、本発明者らは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの一部分のみが、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有し、かつ残りの部分は、立体的にランダムなホスホロチオエート結合ヌクレオシドを含むかまたはそれである、サブライブラリーを使用することにより、立体定義されたオリゴヌクレオチの予測不可能性という問題に取り組む。
Wan et al., Nucleic Acid Research, 2014 Dec 16;42(22):13456-68
Iwamoto et al., Nature Biotechnology, 21 August 2017; doi:10.1038/nbt.3948
本発明者らは、サブライブラリーアプローチが、オリゴヌクレオチド内の好ましい立体定義されたモチーフおよびそれらの具体的な位置の決定を可能にすることを発見した。この点に関して、サブライブラリーアプローチは、オリゴヌクレオチドライブラリーの複雑性を低め、完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドで認められる予測不可能性の一部を克服する。
サブライブラリーアプローチは、薬理学的に関連性のある特性の改良に関連している立体定義された短いモチーフおよびその最適位置を同定し、同時に、完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドに付随する固有の予測不可能性の一部を回避することを可能にする。
本発明者らはまた、位置的に異なるサブライブラリーから同定された好ましい立体定義された短いモチーフを組み合わせて単一の化合物にすることによって、最適化された完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドを同定するための発見プロセスを大いに単純化できることも発見した。
したがって、本発明の方法は、治療的オリゴヌクレオチドとして使用できるか、またはさらなる立体定義されたヌクレオシド間結合を有する化合物もしくは完全に立体定義された化合物を発見するためのそれほど複雑ではない開始点として使用され得る、位置依存的な立体定義されたモチーフの効率的な発見を提供する。
立体定義された短いモチーフを、他の点では立体的にランダムなオリゴヌクレオチドに組み入れた、モチーフの位置が各サブライブラリー間で異なる一連の独立したサブライブラリーを作製することにより、立体定義されたモチーフの最適な位置を特定することができる。これは、モチーフ「ウォーク」アプローチと呼ばれ、このアプローチでは、各サブライブラリーにおいてモチーフを1つの位置ずつ順次移動させることができる。モチーフ「ウォーク」アプローチは、化合物全体、またはその領域、例えばギャップマーのギャップ領域内の領域にわたって実施することができる。短いモチーフは、連続モチーフであってよく、または不連続モチーフであってよい。最も単純な形態では、該モチーフは、他の点では完全に立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドにおいて、Rp型またはSp型の単一のヌクレオシド間位置くらい短い場合がある。例えば、立体的にランダムな16merの親オリゴヌクレオチドに基づく包括的なライブラリーは、15個の「Sp」サブライブラリー(各Spサブライブラリーは、存在し得る15個の位置のうちの1つにおいてSpを有し、残りのヌクレオシド間結合は立体的にランダムである)、および15個の「Rp」サブライブラリー(各Rpサブライブラリーは、存在し得る15個の位置のうちの1つにおいてRpを有し、残りのヌクレオシド間結合は立体的にランダムである)を有すると思われる。この点に関して、ほんの30個のオリゴヌクレオチドサブライブラリーをスクリーニングすることによって、骨格の最大限の立体化学的多様性を調査することが可能である。
2つまたはそれより多い連続した立体定義されたヌクレオシド間結合からなる短い領域を利用して、同様のアプローチを実施してもよい。例えば、RR、SS、SR、RSなどのデュプレックス結合モチーフ4種、またはトリプレックス結合モチーフ8種、すなわちRRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRR、またはクアドルプレックス結合モチーフ16種、すなわち
に化合物をウォークさせてよい。
または、5つの結合からなる結合モチーフ:
の場合。
に化合物をウォークさせてよい。
または、5つの結合からなる結合モチーフ:
の場合。
モチーフウォークアプローチを用いることにより、インビトロまたはインビボでの効力の顕著な増大を伴う立体定義された変異体「サブライブラリー」を選択することが可能である。改良された特性を示す選択されたサブライブラリーに由来するモチーフを組み合わせることによって、完全に立体定義された化合物を含む、さらなる立体定義された化合物であって、選択されたサブライブラリーにおいて確認された改良を有するか、またはさらに改良されている、さらなる立体定義された化合物を同定することができる。
本発明者らは、多重並列ライブラリースクリーニングアプローチを開発した。このアプローチでは、立体定義されたホスホロチオエート結合ヌクレオシドの複数の排他的または重なりがある短い小領域またはモチーフを最適化して、増強されたサブライブラリーを特定し、次いで、選択された(改良された)各サブライブラリーに由来する立体定義されたヌクレオシド間結合パターンを組み合わせて、増強された立体定義された化合物を製造する。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
(i)ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、この立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、2〜8個、例えば3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつライブラリーの各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むか;または
(ii)ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、ライブラリーの各メンバー間で異なる、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
(i)ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、この立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、2〜8個、例えば3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつライブラリーの各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むか;または
(ii)ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、ライブラリーの各メンバー間で異なる、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、この混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、この立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、2〜8個、例えば3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつライブラリーの各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、この混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、この立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、2〜8個、例えば3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつライブラリーの各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、ライブラリーの各メンバー間で異なる、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて、少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、ライブラリーの各メンバー間で異なる、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて、少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
本発明は、以下からなる群より選択される化合物(例えばLNAギャップマーオリゴヌクレオチド)を提供する。
ここで、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字は、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字ssPは、Sp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表し、srPは、Rp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表す。mCは、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩を表す。
ここで、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字は、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字ssPは、Sp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表し、srPは、Rp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表す。mCは、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩を表す。
本発明は、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲートを提供する。いくつかの態様において、コンジュゲート部分は、アシアロ糖タンパク質受容体に、例えばGalNAcコンジュゲート部分に、結合することができる。
本発明の1つの態様において、段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて、少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性および/または改良された選択性についてスクリーニングする。
本発明は、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート、ならびに薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントを含む薬学的組成物を提供する。
本発明は、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートなどの化合物の薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、医薬品で使用するための、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートなどの化合物を提供する。
本発明は、癌の治療で使用するための、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートなどの化合物を提供する。
本発明は、癌の治療のために医薬を製造するための、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートなどの化合物の使用を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、サブライブラリーからなるライブラリーを使用することにより、親オリゴヌクレオチドの改良された立体定義された変異体を同定するための方法であって、「立体定義されたモチーフウォーク」に基づき、その際、立体定義された短いモチーフが、ライブラリーの各メンバー間で異なるヌクレオシド間位置に配置される(位置的多様性)、方法を提供する。
本発明は、サブライブラリーからなるライブラリーを使用することにより、親オリゴヌクレオチドの改良された立体定義された変異体を同定するための方法であって、「立体定義されたモチーフウォーク」に基づき、その際、立体定義された短いモチーフが、ライブラリーの各メンバー間で異なるヌクレオシド間位置に配置される(位置的多様性)、方法を提供する。
本発明は、サブライブラリーからなるライブラリーを使用することにより、親オリゴヌクレオチドの改良された立体定義された変異体を同定するための方法であって、オリゴヌクレオチド内の同じヌクレオシド間位置に、異なる立体定義されたモチーフを作り出すことに基づき、その際、ライブラリーの各メンバーが、オリゴヌクレオチドの指定の位置に、独特な立体定義されたモチーフを有する、方法を提供する。
本発明の方法は、反復して、かつ/または組み合わせて用いてよく、さらに、立体的にランダムな発見方法と組み合わせてもよい。
立体定義されたモチーフウォーク:
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバー(各メンバーは、ジアステレオ異性体のサブライブラリーと呼ばれる場合がある)が、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物を含み、混合物の各メンバー(サブライブラリー)が、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、ライブラリーの各メンバー間で異なる、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバー(各メンバーは、ジアステレオ異性体のサブライブラリーと呼ばれる場合がある)が、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物を含み、混合物の各メンバー(サブライブラリー)が、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、ライブラリーの各メンバー間で異なる、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
いくつかの態様において、ライブラリーを設計する際、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフがオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合骨格の端から端まで「ウォーク」するように、ライブラリーのメンバー間で1つのヌクレオシド間位置ずつ、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを移動させる。このようなモチーフウォークアプローチを、オリゴヌクレオチドもしくはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合骨格全体、またはいくつかの態様においては、オリゴヌクレオチドの一部もしくはそのヌクレオチド配列の端から端まで(例えば、ギャップマーのギャップ領域の端から端まで)に適用できることが理解される。
モチーフウォーク方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの長さは、1〜6個のヌクレオシド間結合、例えば、2個、3個、4個、または5個のヌクレオシド間結合である。
モチーフウォーク方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフは、以下のいずれかを含む/である:
・SS、RR、RS、およびSRからなる群より選択されるデュプレックス結合モチーフ;または
・RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、およびSRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ;または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ;または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
・SS、RR、RS、およびSRからなる群より選択されるデュプレックス結合モチーフ;または
・RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、およびSRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ;または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ;または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
モチーフウォーク方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフは、RSSRであるか、またはRSSRを含む。本発明者らは、場合によっては、RSSRモチーフが、増強された特性をオリゴヌクレオチドに与え得ること、しかし、これはオリゴヌクレオチドで大いに位置依存性であること、および単一のヌクレオシド間位置ずつRSSR位置を移動させることにより、RSSRモチーフに関連する任意の利益を完全に取り除くことができること、を発見した。
いくつかの態様において、例えばモチーフウォーク方法で使用される立体定義されたヌクレオシド間モチーフ以外の残りのヌクレオシド間結合(バックグラウンドの骨格結合)は、立体的にランダムなヌクレオシド間結合、例えば立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、バックグラウンド骨格結合は、立体的に純粋な結合である、すなわち、すべてRまたはすべてS (例えば、すべてRpまたはすべてSp)の立体定義された結合である。いくつかの態様において、骨格結合は、1つまたは複数の立体定義されたヌクレオシド間結合、例えば、改良された特性に関連しているなど、有益であると以前に確認された結合を含んでよい。
本発明の方法のいくつかの態様において、ライブラリーは、包括的オリゴヌクレオチドウォークである、すなわち、ライブラリーは、オリゴヌクレオチド、その連続ヌクレオチド配列、またはギャップマー領域F、G、もしくはF'、または合体配列F-G-F'内の、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフのすべての位置的変異体を含む。
いくつかの態様において、ギャップマーの5'末端領域または3'末端領域のヌクレオシド間結合を立体定義することによって、2つのサブライブラリーを作り出す。ある態様において、5'末端の例えば1個、2個、3個、4個、または5個の連続したヌクレオシド間結合を立体定義する。ある態様において、3'末端の1個、2個、3個、4個、または5個の連続したヌクレオシド間結合を立体定義し、一方、残りのヌクレオシド間結合は、立体的にランダムである。このような立体定義は、本明細書において説明するペンタプレックス結合モチーフのうちから選択することができる。
本発明の方法のいくつかの態様において、改良された特性は、増強された活性、増強された効力、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された肝毒性もしくは低減された腎毒性などの低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、および/または増強された標的特異性からなる群より選択される。
本発明の方法のいくつかの態様において、改良された特性は、インビトロで分析される。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNアーゼH動員オリゴヌクレオチド、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドギャップマーオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、LNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、7〜26ヌクレオチド長、例えば12〜24ヌクレオチド長である。
連続サブモチーフ最適化
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチド鏡像異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバー(サブライブラリー)が、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、
立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、2〜8個、例えば3〜8個、例えば4〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、
それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり、かつ
ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチド鏡像異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバー(サブライブラリー)が、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、
立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、2〜8個、例えば3〜8個、例えば4〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、
それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり、かつ
ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
本発明の上記の方法は、サブ領域内に異なる立体定義されたサブモチーフをそれぞれ有する変異オリゴヌクレオチドのライブラリーを作り出すことによる、骨格ヌクレオシド間結合の定義されたサブ領域の最適化に関する。このアプローチによって、最適化された立体定義されたサブモチーフをサブ領域の全域で有する立体定義された変異体の選択が可能になる。例えば、ライブラリーは、メンバーであって、各メンバーが各メンバー間で同じ位置に配置されている独特なヌクレオシド間モチーフを有し、例えば、ジヌクレオチドの場合、2種の変異体(RまたはS)が生じ;トリヌクレオチド領域の場合、RR、SS、SR、またはRSのいずれかのヌクレオシド間モチーフを有する4種の変異体(ライブラリーメンバー)が生じる、メンバーを含む。テトラヌクレオチド領域の場合、これにより、RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、またはSRRのいずれかのヌクレオシド間モチーフを有する8種の変異体(ライブラリーメンバー)が生じる。
適切には、いくつかの態様において、残りのヌクレオシド間結合は、立体的にランダムなヌクレオシド間結合であるか、または残りのホスホロチオエートヌクレオシド間は、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。しかし、いくつかの態様において、ライブラリーのメンバーにおける残りのヌクレオシド間結合のうちの1つまたは複数もまた立体定義されていてよいこと、例えば、残りのヌクレオシド間結合のうちの1つもしくは複数またはすべてが、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列中の別の場所の立体定義されたヌクレオシド間結合の最適化の結果であってよく、この場合、各メンバーは、そのような最適化された立体定義されたヌクレオシド間結合を有すると考えられる。
あるいは、いくつかの態様において、立体定義されたモチーフは、2〜8個、例えば3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域、およびオリゴヌクレオチド内の別の場所に配置された別のヌクレオシド間結合を含む、不連続モチーフであってよい。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さは、3個、4個、5個、もしくは6個の連続ヌクレオチド(または2個、3個、4個、もしくは5個のヌクレオシド結合)、好ましくは少なくとも4個の連続ヌクレオチド(すなわち、少なくとも3個のヌクレオシド結合)である。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域は、3個または4個のヌクレオシド結合である。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、ライブラリーは、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域内の存在し得る立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフのそれぞれのメンバーを含む。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、ライブラリーの各メンバーは、以下をそれぞれ含む:
RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、ライブラリーは、包括的である、すなわち、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域の存在し得る立体定義されたヌクレオシド間モチーフ、例えば、本明細書において言及されるトリプレックス結合モチーフ、クアドルプレックス結合モチーフ、またはペンタプレックス結合モチーフのそれぞれについて少なくとも1つのメンバーを含む。
いくつかの態様において、ライブラリーは、存在し得るデュプレックスの立体定義されたヌクレオシド間モチーフ、例えば、デュプレックス結合モチーフRR、SS、RS、およびSRのそれぞれについて少なくとも1つのメンバーを含む。
いくつかの態様において、ライブラリーは、存在し得るトリプレックスの立体定義されたヌクレオシド間モチーフ、例えば、トリプレックス結合モチーフRRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、およびSRRのそれぞれについて少なくとも1つのメンバーを含む。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、各ライブラリーメンバー(またはサブライブラリー)のアンチセンスオリゴヌクレオチド内の残りのヌクレオシド間結合の少なくとも30%、例えば少なくとも40%もしくは少なくとも50%、または大多数、またはすべては、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、この方法は、以下の段階をさらに含む:
(e) 段階(d)で同定された少なくとも1種の改良されたオリゴヌクレオチド変異体を選択する段階;
(f) 改良されたオリゴヌクレオチド変異体の所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合(すなわち、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ内でも共通領域内でもない)を含み、かつライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g) 段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であり得る少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。
(e) 段階(d)で同定された少なくとも1種の改良されたオリゴヌクレオチド変異体を選択する段階;
(f) 改良されたオリゴヌクレオチド変異体の所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合(すなわち、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ内でも共通領域内でもない)を含み、かつライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g) 段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であり得る少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、この方法の段階(b)は、複数のライブラリーの作製を含み、ここで、各ライブラリーは、段階(b)のように定義され、かつそれぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の位置が、複数のライブラリーのそれぞれの間で異なり、各ライブラリーが、前記請求項のいずれか一項において定義されるライブラリーであり得る。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、この方法は、複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定し、かつ複数のライブラリーから同定された改良された立体定義された変異体のそれぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含むさらなる立体定義された変異体を調製する段階をさらに含む。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、少なくとも2個または少なくとも3個の複数のライブラリーをスクリーニングして、複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定し、ここで、各ライブラリーは、段階(b)のように定義される。
連続モチーフ最適化方法のような本発明の方法のいくつかの態様において、さらになる立体定義された変異オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、完全に立体定義されたホスホロチオエート配列である。
本発明はさらに、改良されたLNAギャップマーホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを提供し、ここで、このLNAギャップマーは5個の連続ヌクレオシドを含み、5個の連続ヌクレオシド間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンはRSSRであり、Rは、Rp型の立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、Sは、Sp型の立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、LNAギャップマーは、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する同一のLNAギャップマーと比べて改良されたインビトロまたはインビボの効力を有する。いくつかの態様において、RSSRモチーフは、ギャップマーのギャップ領域内に存在し、例えば、領域Fの最も3'側のヌクレオシドから領域F'の最も5'側のヌクレオシドまでの範囲内に配置されている。
本発明の方法のいくつかの態様において、ライブラリーは、包括的オリゴヌクレオチドウォークである、すなわち、ライブラリーは、オリゴヌクレオチド、その連続ヌクレオチド配列、またはギャップマー領域F、G、もしくはF'、または合体配列F-G-F'内の、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフのすべての位置的変異体を含む。
本発明の方法のいくつかの態様において、改良された特性は、増強された活性、増強された効力、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、および/または増強された標的特異性からなる群より選択される。
本発明の方法のいくつかの態様において、改良された特性は、インビトロで分析される。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNアーゼH動員オリゴヌクレオチド、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドギャップマーオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、LNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、7〜26ヌクレオチド長、例えば12〜24ヌクレオチド長である。
反復スクリーニング方法
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、1種または複数種の改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物を含むサブライブラリーであり、この混合物の各メンバー(サブライブラリー)が、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフが、3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつライブラリーの各メンバーが、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階;
(e) 段階(d)で同定された、ライブラリーの少なくとも1つの改良されたメンバーを選択する段階;
(f) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合(立体定義されたヌクレオシド間モチーフ内でも共通領域内でもない)を含み、かつライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g) 段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であってよい少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、1種または複数種の改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物を含むサブライブラリーであり、この混合物の各メンバー(サブライブラリー)が、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含み、この共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフが、3〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの長さおよび位置が、ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつライブラリーの各メンバーが、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む、段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 改良された特性を有する、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階;
(e) 段階(d)で同定された、ライブラリーの少なくとも1つの改良されたメンバーを選択する段階;
(f) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合(立体定義されたヌクレオシド間モチーフ内でも共通領域内でもない)を含み、かつライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g) 段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であってよい少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。
組合せサブライブラリーアプローチ
本発明の立体定義されたモチーフウォークおよび連続サブモチーフ最適化方法のどちらも、改良された特性を有し、かつ立体的にランダムな親オリゴヌクレオチドと比べて複雑性(異なるジアステレオ異性体の数)が低いサブライブラリーの特定を可能にする。
本発明の立体定義されたモチーフウォークおよび連続サブモチーフ最適化方法のどちらも、改良された特性を有し、かつ立体的にランダムな親オリゴヌクレオチドと比べて複雑性(異なるジアステレオ異性体の数)が低いサブライブラリーの特定を可能にする。
同定された、最適化された部分的に立体定義された(サブライブラリー)化合物に対するこれらのアプローチを、反復してまたは組み合わせて用いて、複雑性(異なるジアステレオ異性体の数)をさらに低め、かつ選択された化合物をさらに改良することができる。この点に関して、立体定義されたウォークまたは連続サブモチーフ最適化のいずれかによって、好ましい立体定義されたサブモチーフを同定することができ、最適化をさらに何回かして、いずれかの方法から得られた好ましい立体定義されたサブモチーフを組み合わせて、さらに最適化された化合物を製造することができる。
例えば、連続サブモチーフの位置が各ライブラリー間で異なる、親オリゴヌクレオチドのいくつかの個別のライブラリーを作り出すことにより、本発明者らは、各ライブラリーから同定された最適化された立体定義されたモチーフを組み合わせることによって、さらに増強された立体定義されたオリゴヌクレオチドを同定できることを示した。実際、実施例で示すように、本発明者らは、13merのLNAギャップマーを立体的にランダムな親化合物として採用し、3つの独立したライブラリーを作り出した:1つ目は、他の点では立体的にランダムな骨格の1〜4位に4つの結合モチーフを有するもの(16種の存在し得る変異体)、2つ目は5〜8位に4つの結合モチーフを有するもの(16種の存在し得る変異体)、3つ目は9〜12位に4つの結合モチーフを有するもの(16種の存在し得る変異体)、すなわち、合計48種の化合物。これら3つのライブラリーのそれぞれから、最も強力な変異体を選択し、次いで、3つの選択された化合物に由来する3つの立体定義されたモチーフを組み合わせて、単一の完全に立体定義された化合物にした。結果として生じる完全に立体定義された化合物は、さらに改良された効力を有することが見出されており、完全に立体定義された化合物の著しく複雑な完全にランダム化されたライブラリーのスクリーニングによって以前に同定されていた化合物と同一であった。
本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法を提供し、この方法は以下の段階を含む:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドまたは親オリゴヌクレオチド設計を提供する段階;
(b) 数回の本発明の立体定義されたモチーフウォークまたは連続サブモチーフ最適化方法を実施して、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性をそれぞれが有する、複数の部分的に立体定義された変異体を同定する段階であって、複数の同定された部分的に立体定義された変異体のそれぞれが、それらの立体定義されたサブモチーフの位置に関して異なる、段階;
(c) 段階(b)から得られる複数の部分的に立体定義された変異体の立体定義されたサブモチーフを含む立体定義された変異体を調製する段階。
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドまたは親オリゴヌクレオチド設計を提供する段階;
(b) 数回の本発明の立体定義されたモチーフウォークまたは連続サブモチーフ最適化方法を実施して、親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性をそれぞれが有する、複数の部分的に立体定義された変異体を同定する段階であって、複数の同定された部分的に立体定義された変異体のそれぞれが、それらの立体定義されたサブモチーフの位置に関して異なる、段階;
(c) 段階(b)から得られる複数の部分的に立体定義された変異体の立体定義されたサブモチーフを含む立体定義された変異体を調製する段階。
任意の段階(d)において、段階(c)で調製された立体定義された変異体をさらに評価して、段階(b)で評価したものと同じまたは異なる1つまたは複数の特性であってよい、1つまたは複数のさらなる改良された特性を明らかにすることができる。
段階(c)の製品が、段階(b)の部分的に立体定義された変異体と比べて複雑性が低く(ジアステレオ異性体の数が少なく)、いくつかの態様において、段階(c)の製品は、完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドであってよい(またはその連続ヌクレオチド配列が完全に立体定義されていてよい)ことが認識されるであろう。
いくつかの態様において、段階(b)は、並行して(同時に)または順次(逐次的に)実施されてよい複数の連続サブモチーフ最適化段階を含む。実施例で例示するように、いくつかの態様において、連続サブモチーフ最適化ライブラリーのそれぞれに由来するサブモチーフは、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のすべてのホスホロチオエートヌクレオシド間結合を、共同して網羅する。これにより、段階(c)での完全に立体定義された変異体の調製が可能になる。
定義
オリゴヌクレオチド
本明細書において使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、当業者によって通常理解されるように、2個またはそれより多い共有結合的に連結したヌクレオシドを含む分子と定義される。このような共有結合しているヌクレオシドは、核酸分子または核酸オリゴマーとも呼ばれ得る。一般に、オリゴヌクレオチドは、固相化学合成とそれに続く精製によって実験室で作製される。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、共有結合的に連結したヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸塩基部分の配列もしくは順序またはその修飾に言及する。本発明のオリゴヌクレオチドは人工であり、化学的に合成され、典型的には精製または単離される。本発明のオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドを含んでよい。
オリゴヌクレオチド
本明細書において使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、当業者によって通常理解されるように、2個またはそれより多い共有結合的に連結したヌクレオシドを含む分子と定義される。このような共有結合しているヌクレオシドは、核酸分子または核酸オリゴマーとも呼ばれ得る。一般に、オリゴヌクレオチドは、固相化学合成とそれに続く精製によって実験室で作製される。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、共有結合的に連結したヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸塩基部分の配列もしくは順序またはその修飾に言及する。本発明のオリゴヌクレオチドは人工であり、化学的に合成され、典型的には精製または単離される。本発明のオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドを含んでよい。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本明細書において使用される用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸、特に、標的核酸の連続配列にハイブリダイズすることにより、標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドと定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本質的には二本鎖ではなく、したがって、siRNAでもshRNAでもない。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーオリゴヌクレオチドのように、RNアーゼHを動員することができる。
本明細書において使用される用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸、特に、標的核酸の連続配列にハイブリダイズすることにより、標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドと定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本質的には二本鎖ではなく、したがって、siRNAでもshRNAでもない。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップマーオリゴヌクレオチドのように、RNアーゼHを動員することができる。
連続ヌクレオチド配列
用語「連続ヌクレオチド配列」は、標的核酸に相補的である、オリゴヌクレオチドの領域を意味する。この用語は、本明細書において、用語「連続核酸塩基配列」および用語「オリゴヌクレオチドモチーフ配列」と同義的に使用される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチドが、連続ヌクレオチド配列を構成する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列を含み、かつ別のヌクレオチド、例えば、連続ヌクレオチド配列に官能基を結合させるのに使用され得るヌクレオチドリンカー領域を任意で含んでよい。ヌクレオチドリンカー領域は、標的核酸に相補的であってもなくてもよい。
用語「連続ヌクレオチド配列」は、標的核酸に相補的である、オリゴヌクレオチドの領域を意味する。この用語は、本明細書において、用語「連続核酸塩基配列」および用語「オリゴヌクレオチドモチーフ配列」と同義的に使用される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチドが、連続ヌクレオチド配列を構成する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列を含み、かつ別のヌクレオチド、例えば、連続ヌクレオチド配列に官能基を結合させるのに使用され得るヌクレオチドリンカー領域を任意で含んでよい。ヌクレオチドリンカー領域は、標的核酸に相補的であってもなくてもよい。
ヌクレオチド
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの構成要素であり、本発明の目的においては、天然ヌクレオチドおよび非天然ヌクレオチドの両方が含まれる。天然には、DNAヌクレオチドおよびRNAヌクレオチドなどのヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、および1つまたは複数のリン酸基(ヌクレオシド中には存在しない)を含む。ヌクレオシドおよびヌクレオチドはまた、同義的に「ユニット」または「モノマー」と呼ばれる場合がある。
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの構成要素であり、本発明の目的においては、天然ヌクレオチドおよび非天然ヌクレオチドの両方が含まれる。天然には、DNAヌクレオチドおよびRNAヌクレオチドなどのヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、および1つまたは複数のリン酸基(ヌクレオシド中には存在しない)を含む。ヌクレオシドおよびヌクレオチドはまた、同義的に「ユニット」または「モノマー」と呼ばれる場合がある。
修飾ヌクレオシド
本明細書において使用される用語「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」は、糖部分または(核酸)塩基部分に対する1つまたは複数の修飾の導入によって、等価なDNAまたはRNAヌクレオシドと比べて修飾されたヌクレオシドを意味する。好ましい態様において、修飾ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。本明細書において、用語「修飾ヌクレオシド」はまた、用語「ヌクレオシド類似体」または修飾「ユニット」もしくは修飾「モノマー」と同義的に使用されてよい。未修飾のDNAまたはRNAの糖部分を有するヌクレオシドは、本明細書においてDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドと呼ばれる。通常、DNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの塩基領域に修飾を有するヌクレオシドは、ワトソン・クリック塩基対が可能であれば、引き続きDNAまたはRNAと呼ばれる。
本明細書において使用される用語「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」は、糖部分または(核酸)塩基部分に対する1つまたは複数の修飾の導入によって、等価なDNAまたはRNAヌクレオシドと比べて修飾されたヌクレオシドを意味する。好ましい態様において、修飾ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。本明細書において、用語「修飾ヌクレオシド」はまた、用語「ヌクレオシド類似体」または修飾「ユニット」もしくは修飾「モノマー」と同義的に使用されてよい。未修飾のDNAまたはRNAの糖部分を有するヌクレオシドは、本明細書においてDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドと呼ばれる。通常、DNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの塩基領域に修飾を有するヌクレオシドは、ワトソン・クリック塩基対が可能であれば、引き続きDNAまたはRNAと呼ばれる。
立体的にランダムなホスホロチオエート結合
ホスホロチオエート結合は、非架橋酸素のうちの1つが硫黄で置換されているヌクレオシド間リン酸結合である。非架橋酸素のうちの1つを硫黄で置換すると、キラル中心が導入され、したがって、単一のホスホロチオエートオリゴヌクレオチド内で、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、S(Sp)型またはR(Rp)型の立体アイソフォームのいずれかで存在すると考えられる。このようなヌクレオシド間結合は、「キラルヌクレオシド間結合」と呼ばれる。比較すると、リン酸ジエステルヌクレオシド間結合は、2つの非末端酸素原子を有するため、キラルではない。
ホスホロチオエート結合は、非架橋酸素のうちの1つが硫黄で置換されているヌクレオシド間リン酸結合である。非架橋酸素のうちの1つを硫黄で置換すると、キラル中心が導入され、したがって、単一のホスホロチオエートオリゴヌクレオチド内で、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、S(Sp)型またはR(Rp)型の立体アイソフォームのいずれかで存在すると考えられる。このようなヌクレオシド間結合は、「キラルヌクレオシド間結合」と呼ばれる。比較すると、リン酸ジエステルヌクレオシド間結合は、2つの非末端酸素原子を有するため、キラルではない。
立体中心のキラリティーについての記号表示は、Cahn, R.S.; Ingold, C.K.; Prelog, V. (1966). "Specification of Molecular Chirality". Angewandte Chemie International Edition. 5 (4): 385-415. doi:10.1002/anie.196603851において最初に公開された標準的なカーン-インゴルド-プレローグの法則(CIP順位則)に基づいて決定される。
標準的なオリゴヌクレオチド合成の間、カップリングおよびその後の硫化の立体選択性は制御されない。このため、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の立体化学は、ランダムにSpまたはRpであり、したがって、従来のオリゴヌクレオチド合成によって製造されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、実際には、2X種もの異なるホスホロチオエートジアステレオ異性体(Xは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数である)として存在することができる。本明細書において、このようなオリゴヌクレオチドは、立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドと呼ばれ、立体定義されたヌクレオシド間結合をまったく含まない。したがって、立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、立体定義されない合成から生じる個々のジアステレオ異性体の混合物である。これに関連して、この混合物は、最大2X種の異なるホスホロチオエートジアステレオ異性体と定義される。
立体定義されたヌクレオシド間結合
立体定義されたヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドにキラル中心を導入するヌクレオシド間結合であり、これは、個々のオリゴヌクレオチド分子の集団内で、主に一方の、RまたはSいずれかの立体異性型で存在する。
立体定義されたヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドにキラル中心を導入するヌクレオシド間結合であり、これは、個々のオリゴヌクレオチド分子の集団内で、主に一方の、RまたはSいずれかの立体異性型で存在する。
当技術分野で使用される立体選択的なオリゴヌクレオチド合成方法は、典型的には、各ヌクレオシド間結合立体中心において少なくとも約90%または少なくとも約95%の立体選択性をもたらし、したがって、最高で約10%、例えば約5%のオリゴヌクレオチド分子が、別の立体異性形態を有し得ることを認識すべきである。
いくつかの態様において、それぞれの立体定義されたホスホロチオエート立体中心の立体選択性は、少なくとも約90%である。いくつかの態様において、それぞれの立体定義されたホスホロチオエート立体中心の立体選択性は、少なくとも約95%である
立体定義されたホスホロチオエート結合
立体定義されたホスホロチオエート結合は、個々のオリゴヌクレオチド分子の集団内でRp配置またはSp配置のいずれかで、例えば、各立体中心において少なくとも約90%または少なくとも約95%の立体選択性(RpまたはSpのいずれか)で、化学的に合成されたホスホロチオエート結合であり、したがって、最高で約10%、例えば約5%のオリゴヌクレオチド分子が、別の立体異性形態を有し得る。
立体定義されたホスホロチオエート結合は、個々のオリゴヌクレオチド分子の集団内でRp配置またはSp配置のいずれかで、例えば、各立体中心において少なくとも約90%または少なくとも約95%の立体選択性(RpまたはSpのいずれか)で、化学的に合成されたホスホロチオエート結合であり、したがって、最高で約10%、例えば約5%のオリゴヌクレオチド分子が、別の立体異性形態を有し得る。
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の立体配置を下記に示す:
上式で、3'のR基は、隣接ヌクレオシド(5'ヌクレオシド)の3'位置を表し、5'のR基は、隣接ヌクレオシド(3'ヌクレオシド)の5'位置を表す。
上式で、3'のR基は、隣接ヌクレオシド(5'ヌクレオシド)の3'位置を表し、5'のR基は、隣接ヌクレオシド(3'ヌクレオシド)の5'位置を表す。
本明細書において、Rpヌクレオシド間結合はsrPと表される場合もあり、Spヌクレオシド間結合はssPと表される場合がある。
いくつかの態様において、それぞれの立体定義されたホスホロチオエート立体中心の立体選択性は、少なくとも約97%である。いくつかの態様において、それぞれの立体定義されたホスホロチオエート立体中心の立体選択性は、少なくとも約98%である。いくつかの態様において、それぞれの立体定義されたホスホロチオエート立体中心の立体選択性は、少なくとも約99%である。
いくつかの態様において、立体選択的ヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチド分子の集団中に存在するオリゴヌクレオチド分子の少なくとも97%、例えば少なくとも98%、例えば少なくとも99%、または(ほぼ)すべてにおいて、同じ立体異性形態で存在する。
立体選択性は、アキラルな骨格(すなわちリン酸ジエステル)のみを有するモデル系において測定することができ、例えば、立体定義されたモノマーを以下のモデル系「5' t-po-t-po-t-po3'」にカップリングすることにより、各モノマーの立体選択性を測定することが可能である。その場合、この結果は、5'DMTr-t-srp-t-po-t-po-t-po3'または5'DMTr-t-ssp-t-po-t-po-t-po3'を与えると考えられ、HPLCを用いてこれを分離することができる。立体選択性は、これら2種の存在し得る化合物に由来するUVシグナルを合算し、これらの比、例えば、98:2、99:1、または99:1より大きい比を求めることによって、明らかにする。
特定の単一のジアステレオ異性体(単一の立体定義されたオリゴヌクレオチド分子)の立体純度(%)は、各ヌクレオシド間位置の定義済みの立体中心におけるカップリング選択性および導入される立体定義されたヌクレオシド間結合の数の関数であると考えられることが理解される。例として、各位置におけるカップリング選択性が97%である場合、15個の立体定義されたヌクレオシド間結合を有する立体定義されたオリゴヌクレオチドについて得られる純度は、0.9715であると考えられ、すなわち、所望のジアステレオ異性体が63%であるのに対し、他方のジアステレオ異性体は37%である。定義されたジアステレオ異性体の純度は、合成後に、精製によって、例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーなどのHPLCによって高めることができる。
いくつかの態様において、立体定義されたオリゴヌクレオチドとは、集団の少なくとも約40%、例えば少なくとも約50%が所望のジアステレオ異性体である、オリゴヌクレオチド集団を意味する。
言い換えると、いくつかの態様において、立体定義されたオリゴヌクレオチドとは、集団の少なくとも約40%、例えば少なくとも約50%が、所望の(特定の)立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ(立体定義されたモチーフとも呼ばれる)からなる、オリゴヌクレオチド集団を意味する。
立体的にランダムなヌクレオシド間立体中心および立体定義されたヌクレオシド間立体中心の両方を含む立体定義されたオリゴヌクレオチドの場合、立体定義されたオリゴヌクレオチドの純度は、所定の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを有しているオリゴヌクレオチド集団の比率(%)を基準として決定され、立体的にランダムな結合は、この計算では無視される。
立体定義されたオリゴヌクレオチド
立体定義されたオリゴヌクレオチドとは、ヌクレオシド間結合のうちの少なくとも1つが、立体定義されたヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
立体定義されたオリゴヌクレオチドとは、ヌクレオシド間結合のうちの少なくとも1つが、立体定義されたヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合のうちの少なくとも1つが、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリー
本明細書において、立体的にランダムなヌクレオシド間結合および立体定義されたヌクレオシド間結合の両方を含むオリゴヌクレオチドは、サブライブラリーと呼ばれる。サブライブラリーは、完全に立体的にランダムなオリゴヌクレオチドのジアステレオ異性体の混合物の複雑性を低くした混合物であり、したがって、存在し得るすべてのジアステレオ異性体のサブセットに相当する。例えば、理論上、完全に立体的にランダムなホスホロチオエート16merは、215種のジアステレオ異性体(32768種)の混合物であるのに対し、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のうちの1つが立体定義されているサブライブラリーは、ライブラリーの複雑性が半分である(16384種のジアステレオ異性体)(2つの立体定義された結合=8192種のジアステレオ異性体;3つの立体定義された結合=4096種のジアステレオ異性体、4つの立体定義された結合=2048種のジアステレオ異性体、5つの立体定義された結合=1024種のジアステレオ異性体)(100%の立体選択的カップリング有効性を想定)。
本明細書において、立体的にランダムなヌクレオシド間結合および立体定義されたヌクレオシド間結合の両方を含むオリゴヌクレオチドは、サブライブラリーと呼ばれる。サブライブラリーは、完全に立体的にランダムなオリゴヌクレオチドのジアステレオ異性体の混合物の複雑性を低くした混合物であり、したがって、存在し得るすべてのジアステレオ異性体のサブセットに相当する。例えば、理論上、完全に立体的にランダムなホスホロチオエート16merは、215種のジアステレオ異性体(32768種)の混合物であるのに対し、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のうちの1つが立体定義されているサブライブラリーは、ライブラリーの複雑性が半分である(16384種のジアステレオ異性体)(2つの立体定義された結合=8192種のジアステレオ異性体;3つの立体定義された結合=4096種のジアステレオ異性体、4つの立体定義された結合=2048種のジアステレオ異性体、5つの立体定義された結合=1024種のジアステレオ異性体)(100%の立体選択的カップリング有効性を想定)。
立体定義されたヌクレオシド間モチーフ
本明細書において立体定義されたモチーフとも呼ばれる、立体定義されたヌクレオシド間モチーフとは、立体定義されたオリゴヌクレオチド中の立体定義されたRおよびSのヌクレオシド間結合のパターンを指し、5'-3'の形式で書かれる。例えば、立体定義されたオリゴヌクレオチド
は、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ
を有する。
本明細書において立体定義されたモチーフとも呼ばれる、立体定義されたヌクレオシド間モチーフとは、立体定義されたオリゴヌクレオチド中の立体定義されたRおよびSのヌクレオシド間結合のパターンを指し、5'-3'の形式で書かれる。例えば、立体定義されたオリゴヌクレオチド
は、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ
を有する。
立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリーに関して、これらは、他の点では立体的にランダムなバックグラウンド(任意で、1つまたは複数の非キラルなヌクレオシド間結合、例えばリン酸ジエステル結合を有する)において、共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含む。
例えば、オリゴヌクレオチド
は、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ
を有し、Xは、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合(化合物中では下付き文字sとして示される)を表す。この例において、最初の5'の立体定義されたヌクレオシド間結合は、5'末端から5番目のヌクレオシド間結合(4位のヌクレオシドと5位のヌクレオシドの間)であり、したがって、上記のモチーフは(ヌクレオシド間結合)5位における「RSSR」モチーフとも呼ばれることに留意されたい。
は、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ
を有し、Xは、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合(化合物中では下付き文字sとして示される)を表す。この例において、最初の5'の立体定義されたヌクレオシド間結合は、5'末端から5番目のヌクレオシド間結合(4位のヌクレオシドと5位のヌクレオシドの間)であり、したがって、上記のモチーフは(ヌクレオシド間結合)5位における「RSSR」モチーフとも呼ばれることに留意されたい。
立体定義されたヌクレオシド間モチーフ(立体定義されたモチーフ)が、一続きの隣接した立体定義されたヌクレオシド間結合で構成されている(すなわち、連続ヌクレオシド間に配置されている)場合、本明細書において、これを、連続した立体定義されたヌクレオシド間モチーフ(連続した立体定義されたモチーフ)と呼ぶ。連続した立体定義されたモチーフは、2つまたはそれより多い、隣接した立体定義されたヌクレオシド間結合を含むはずであることが理解される。
サブライブラリー混合物において、立体定義されたヌクレオシド間モチーフは不連続であってもよく、すなわち、立体定義されたヌクレオシド間結合は、1つまたは複数の立体的にランダムなヌクレオシド間結合と共に散在している。
完全に立体定義されたオリゴヌクレオチド
完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドとは、該オリゴヌクレオチド内に存在するすべてのキラルなヌクレオシド間結合が立体定義されている、オリゴヌクレオチドである。完全に立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドとは、該オリゴヌクレオチド内に存在するすべてのキラルなヌクレオシド間結合が、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドとは、該オリゴヌクレオチド内に存在するすべてのキラルなヌクレオシド間結合が立体定義されている、オリゴヌクレオチドである。完全に立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドとは、該オリゴヌクレオチド内に存在するすべてのキラルなヌクレオシド間結合が、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の非キラルなヌクレオシド間、例えばリン酸ジエステルヌクレオシド間結合を含んでよく、例えばリン酸ジエステル結合を、ギャップマーの隣接領域内で、かつ/または末端ヌクレオシドを連結する際、例えば、ギャップマー配列とコンジュゲート基を連結するDNAヌクレオシドの短い領域(生物切断可能なリンカー)の間で使用できることが、理解される。
完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドのいくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド領域、例えばF-G-F'ギャップマー中に存在するヌクレオシド間結合のすべてが、立体定義されたヌクレオシド間結合、例えば、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
親オリゴヌクレオチド
親オリゴヌクレオチドは、所定の核酸塩基配列(モチーフ配列)およびヌクレオシド修飾パターン(設計)を有するオリゴヌクレオチドである。本発明の方法において、典型的には、親オリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合のうちの1つまたは複数(2+)の立体化学が立体定義されており、かつ親オリゴヌクレオチドのものとは異なる、1つまたは複数のライブラリーを作り出すことによる本発明の方法の使用によって改良されるオリゴヌクレオチドである。
親オリゴヌクレオチドは、所定の核酸塩基配列(モチーフ配列)およびヌクレオシド修飾パターン(設計)を有するオリゴヌクレオチドである。本発明の方法において、典型的には、親オリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合のうちの1つまたは複数(2+)の立体化学が立体定義されており、かつ親オリゴヌクレオチドのものとは異なる、1つまたは複数のライブラリーを作り出すことによる本発明の方法の使用によって改良されるオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、親オリゴヌクレオチドは、立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、親オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドギャップマーである。ギャップマーオリゴヌクレオチドは、標的mRNAまたはmRNA前駆体の発現の阻害において有用であり得る。
いくつかの態様において、親オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、トータルマーまたはミクスマーである。トータルマーおよびミクスマーは、例えば、オリゴヌクレオチドのスプライススイッチング/調節またはマイクロRNAの阻害において有用であり得る。
いくつかの態様において、親オリゴヌクレオチドは、共通の立体定義されたモチーフを含むサブライブラリーであってよい。したがって、親オリゴヌクレオチドは、部分的に立体定義されたオリゴヌクレオチド、例えば、先の最適化方法によって同定されたオリゴヌクレオチドであってよい。
いくつかの態様において、本発明の方法の実施中に、改良された特性について子オリゴヌクレオチドを比較する必要はなく、改良された特性についてライブラリーメンバーを比較することで十分であることが理解される。この点に関して、親オリゴヌクレオチドとは、ライブラリーのメンバーにおいて保持されている親オリゴヌクレオチドの設計(配列およびヌクレオシド修飾のパターン)を指してよい。
立体定義された変異体(子オリゴヌクレオチド)
オリゴヌクレオチドの立体定義された変異体は、親オリゴヌクレオチドと同じ配列およびヌクレオシド修飾(すなわち、同じ配列ならびにヌクレオシド修飾化学および設計)を保持しているが、1つまたは複数の立体定義されたヌクレオシド間結合、例えば、1つまたは複数の立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合に関して異なる(立体定義されたホスホロチオエート変異体)、オリゴヌクレオチドである。
オリゴヌクレオチドの立体定義された変異体は、親オリゴヌクレオチドと同じ配列およびヌクレオシド修飾(すなわち、同じ配列ならびにヌクレオシド修飾化学および設計)を保持しているが、1つまたは複数の立体定義されたヌクレオシド間結合、例えば、1つまたは複数の立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合に関して異なる(立体定義されたホスホロチオエート変異体)、オリゴヌクレオチドである。
立体定義された変異体は、サブライブラリーであってよく、または完全に立体定義されたオリゴヌクレオチドであってよい。
立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリー
立体定義されたオリゴヌクレオチドのライブラリーは、多数のメンバーを含み、ここで、各メンバーは、互いから単離され、すなわち、別々のポット中にあり、かつ各メンバーは、共通の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有し、各メンバーは、異なる立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むことにより他のメンバーと異なる。
立体定義されたオリゴヌクレオチドのライブラリーは、多数のメンバーを含み、ここで、各メンバーは、互いから単離され、すなわち、別々のポット中にあり、かつ各メンバーは、共通の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有し、各メンバーは、異なる立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むことにより他のメンバーと異なる。
立体定義されたオリゴヌクレオチドのライブラリーの各メンバーは、親オリゴヌクレオチドの独立した立体定義された変異体とみなすことができる。
ライブラリーの各メンバーはサブライブラリーを含んでよく、またはいくつかの態様において、ライブラリーの各メンバーは、独立した立体定義されたオリゴヌクレオチド変異体であってよい。
改良された特性
治療的物質として使用するために適しているオリゴヌクレオチドを同定するためには、安全かつ有効な薬物であるために必要とされる独特な特性のすべてを有している希少な分子を同定することが必要である。
治療的物質として使用するために適しているオリゴヌクレオチドを同定するためには、安全かつ有効な薬物であるために必要とされる独特な特性のすべてを有している希少な分子を同定することが必要である。
立体定義されたオリゴヌクレオチド変異体を作製することの重要な利点は、配列モチーフの全般の多様性を高め、親オリゴヌクレオチドと比べて改良された医薬化学的特性を有する立体定義されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリーを含む、立体定義されたオリゴヌクレオチドを選択できることである。
親オリゴヌクレオチドまたは他の立体定義されたオリゴヌクレオチドと比べて改良された1つまたは複数の特性を示す立体定義されたオリゴヌクレオチドは、改良されたホスホロチオエート変異体と呼ばれる。1つまたは複数の特性の改良は、立体的にランダムな親オリゴヌクレオチドなどの親オリゴヌクレオチドと比べて評価される。
いくつかの態様において、改良された医薬化学的特性(または改良された特性)は、最適化された親和性、増強された効力、増強された特異的活性、組織への増大された取込み、細胞への増大された取込み、増強された有効性、変更された体内分布、低減されたオフターゲット作用、強化されたミスマッチ識別、低減された毒性、変更された血清タンパク質結合、改良された作用持続期間、および増強された安定性のうちの1つまたは複数より選択される。
いくつかの態様において、改良された特性は、変更または増強された親和性、増強された安定性、増強された効力、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更または増強された体内分布、延長された作用持続期間、変更されたPK/PD、細胞もしくは組織への増大された取込み、および/または増強された標的特異性からなる群より選択される。
効力が強く毒性が少ない化合物を有することが通常は望ましいが、改良された特性の多くの利点は、その化合物が取り組む必要がある薬理学的難題に左右されることが理解される。
改良された効力および改良された有効性
改良された効力とは、インビトロまたはインビボでのオリゴヌクレオチドの効力を指し、典型的には、参照化合物(親オリゴヌクレオチド)と比べて、特定の用量での標的調節、例えば標的阻害のレベルを比較することによって測定される。改良された効力は、用量反応実験を実施して50%阻害をもたらす化合物の用量(インビトロでのIC50レベルまたはインビボでのEC50レベルであり得る)を明らかにすることによって測定することができる。
改良された効力とは、インビトロまたはインビボでのオリゴヌクレオチドの効力を指し、典型的には、参照化合物(親オリゴヌクレオチド)と比べて、特定の用量での標的調節、例えば標的阻害のレベルを比較することによって測定される。改良された効力は、用量反応実験を実施して50%阻害をもたらす化合物の用量(インビトロでのIC50レベルまたはインビボでのEC50レベルであり得る)を明らかにすることによって測定することができる。
増強された有効性とは、用量を問わず達成される標的の最大調節を意味し、インビトロまたはインビボで測定することができる。
低減された毒性
いくつかの態様において、改良された特性は、低減された肝毒性または低減された腎毒性などの低減された毒性である。いくつかの態様において、低減された毒性はインビボで測定される。いくつかの態様において、低減された毒性はインビトロで測定される。
いくつかの態様において、改良された特性は、低減された肝毒性または低減された腎毒性などの低減された毒性である。いくつかの態様において、低減された毒性はインビボで測定される。いくつかの態様において、低減された毒性はインビトロで測定される。
アンチセンスオリゴヌクレオチドの肝毒性を測定するための適切なインビトロアッセイ法は、参照により本明細書に組み入れられるWO 2017067970およびWO 2016/096938において提供される。Sewing et al., PLoS One 11 (2016) e0159431も参照されたい。
いくつかの態様において、親オリゴヌクレオチドは、インビトロまたはインビボのいずれかで肝毒性であることが明らかにされたオリゴヌクレオチドである。本発明の方法によって同定される子オリゴヌクレオチドは、親オリゴヌクレオチドと比べて低減された毒性、例えば低減された肝毒性を有する。
いくつかの態様において、低減された毒性は、低減された肝毒性である。オリゴヌクレオチドの肝毒性は、インビボ、例えばマウスにおいて評価してよい。典型的には、インビボ肝毒性アッセイ法は、肝損傷の血清マーカー、例えばALT、AST、またはGGTの測定に基づいている。正常値上限の3倍を超えるレベルは、インビボでの毒性を示しているとみなされる。インビボ毒性は、例えば、7日後の毒性評価を伴う30mg/kgのオリゴヌクレオチドの単回投与(7日インビボ毒性アッセイ法)を用いて、マウスで評価することができる。
細胞毒性についての適切なマーカーには、上昇したLDHまたは細胞ATPの減少が含まれ、これらのマーカーは、例えば初代細胞または細胞培養物を用いてインビトロで細胞毒性を測定するために使用され得る。肝毒性を測定する場合、初代肝細胞を含むマウスまたはラットの肝細胞を使用してよい。肝細胞における毒性についての適切なマーカーには、上昇したLDHまたは細胞ATPの減少が含まれる。入手可能である場合、ヒト肝細胞のような初代霊長類を使用してよい。マウスのような哺乳動物の肝細胞において、LDHの上昇は毒性を示唆する。細胞ATPの減少は、肝毒性のような毒性を示唆する。
いくつかの態様において、低減された毒性は、低減された腎毒性である。腎毒性を測定するための適切なインビトロアッセイ法は、参照により本明細書に組み入れられるPCT/EP2017/064770において開示されている。Moisan et al., Mol. Ther. Nucleic Acids 17 (2017) 89-105も参照されたい。いくつかの態様において、腎毒性は、場合によってはアデノシン三リン酸(ATP)および腎臓損傷分子-1(KIM-1)のような他のバイオマーカーと組み合わせて、毒性バイオマーカーとしての上皮成長因子(EGF)のレベルを測定する、インビトロの細胞ベースのアッセイ法を用いることによって測定される。上清におけるEGF発現の増加は、増大した腎毒性に関連している。あるいはまたはさらに、腎毒性は、血清クレアチニンレベルの上昇またはkim-1(kidney injury marker-1)mRNAおよび/またはkim-1タンパク質の増加を含む腎臓損傷マーカーを用いて、インビボで評価することもできる。適宜、マウスまたはげっ歯動物を使用してよい。
毒性を評価するために使用され得る他のインビトロの毒性アッセイ法には、カスパーゼアッセイ法、免疫刺激アッセイ法、および細胞生死判別アッセイ法、例えばMTSアッセイ法が含まれる。
強化された標的調節
いくつかの態様において、改良された特性は、例えば、標的発現の調節に関与している細胞機構との相互作用の改良、例えば、増強されたRNアーゼH活性、改良されたスプライシング調節活性、または改良されたマイクロRNA阻害を介して、オリゴヌクレオチドが標的発現を調節できる能力であってよい。
いくつかの態様において、改良された特性は、例えば、標的発現の調節に関与している細胞機構との相互作用の改良、例えば、増強されたRNアーゼH活性、改良されたスプライシング調節活性、または改良されたマイクロRNA阻害を介して、オリゴヌクレオチドが標的発現を調節できる能力であってよい。
いくつかの態様において、改良された特性は、RNアーゼH特異性、RNアーゼH対立遺伝子識別、および/またはRNアーゼH活性である。いくつかの態様において、改良された特性は、RNアーゼH特異性、RNアーゼH対立遺伝子識別、および/またはRNアーゼH活性以外である。いくつかの態様において、改良された特性は、改良された細胞内取込みである。
RNアーゼH動員
多くのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNアーゼHを介した標的核酸の分解によって機能し、RNアーゼH1活性は、DNAヌクレオシド間のヌクレオシド間結合の立体化学によってもたらされ得るという報告が多数ある。RNアーゼH活性は、エクスビボの酵素アッセイ法において、または標的阻害を測定するインビトロの細胞ベースのアッセイ法において測定することができる。細胞ベースのアッセイ法から得られる読み取り値は、他の変動要素、例えば、細胞への取込み、区画化、および標的結合、ならびにオリゴヌクレオチドがRNアーゼHを動員する能力も組み入れることに留意すべきである。いくつかの態様において、RNアーゼH活性の改良は、RNアーゼH切断についての改良された特異性を伴うか、または特徴とする。
多くのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNアーゼHを介した標的核酸の分解によって機能し、RNアーゼH1活性は、DNAヌクレオシド間のヌクレオシド間結合の立体化学によってもたらされ得るという報告が多数ある。RNアーゼH活性は、エクスビボの酵素アッセイ法において、または標的阻害を測定するインビトロの細胞ベースのアッセイ法において測定することができる。細胞ベースのアッセイ法から得られる読み取り値は、他の変動要素、例えば、細胞への取込み、区画化、および標的結合、ならびにオリゴヌクレオチドがRNアーゼHを動員する能力も組み入れることに留意すべきである。いくつかの態様において、RNアーゼH活性の改良は、RNアーゼH切断についての改良された特異性を伴うか、または特徴とする。
特異性およびミスマッチ識別
いくつかの態様において、改良された特性は、子アンチセンスオリゴヌクレオチドの特異性の改良を含む。改良された特異性は、1種または複数種の非標的核酸(または意図されない標的、しばしばオフターゲット配列と呼ばれる)と比べて、標的調節、例えば阻害に対する比率が改善されていることに関する。改良された特性は、例えば、疾患を引き起こさない対立遺伝子と比べて、疾患を引き起こす対立遺伝子に対して改良された活性であってよい。したがって、改良された特性は、改良されたミスマッチ識別または標的特異性であってよい。
いくつかの態様において、改良された特性は、子アンチセンスオリゴヌクレオチドの特異性の改良を含む。改良された特異性は、1種または複数種の非標的核酸(または意図されない標的、しばしばオフターゲット配列と呼ばれる)と比べて、標的調節、例えば阻害に対する比率が改善されていることに関する。改良された特性は、例えば、疾患を引き起こさない対立遺伝子と比べて、疾患を引き起こす対立遺伝子に対して改良された活性であってよい。したがって、改良された特性は、改良されたミスマッチ識別または標的特異性であってよい。
体内分布
標的組織または標的細胞に選択的に取り込まれるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有することが、しばしば望ましい。本発明の方法を用いて、所望の標的組織において高度な体内分布もしくは取込み、または高度の活性を有する子オリゴヌクレオチドを同定することができる。これは、標的組織に由来する細胞、例えば初代細胞においてインビトロで取込み/効力を評価することによって、インビトロで評価することができる。あるいはまたはさらに、体内分布は、組織含有量もしくは標的結合(例えば阻害)を測定することによって、または例えば放射標識したオリゴヌクレオチドを用い、続いて全身もしくは組織のオートラジオグラフィーを行うことによって、インビボで測定することもできる。
標的組織または標的細胞に選択的に取り込まれるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有することが、しばしば望ましい。本発明の方法を用いて、所望の標的組織において高度な体内分布もしくは取込み、または高度の活性を有する子オリゴヌクレオチドを同定することができる。これは、標的組織に由来する細胞、例えば初代細胞においてインビトロで取込み/効力を評価することによって、インビトロで評価することができる。あるいはまたはさらに、体内分布は、組織含有量もしくは標的結合(例えば阻害)を測定することによって、または例えば放射標識したオリゴヌクレオチドを用い、続いて全身もしくは組織のオートラジオグラフィーを行うことによって、インビボで測定することもできる。
親和性最適化
変更された、増強された、または最適化された親和性とは、標的核酸への結合親和性の増大または減少を指す。RNアーゼH/ギャップマーオリゴヌクレオチドの場合、オリゴヌクレオチドの結合親和性とその効力の間には関係があり、したがって、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの効力を最大化するために結合親和性を最適化する必要がしばしばある(Pedersen et al, Mol Ther Nucleic Acids. 2014 Feb 18;3:e149. doi: 10.1038/mtna.2013.72を参照されたい)。
変更された、増強された、または最適化された親和性とは、標的核酸への結合親和性の増大または減少を指す。RNアーゼH/ギャップマーオリゴヌクレオチドの場合、オリゴヌクレオチドの結合親和性とその効力の間には関係があり、したがって、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの効力を最大化するために結合親和性を最適化する必要がしばしばある(Pedersen et al, Mol Ther Nucleic Acids. 2014 Feb 18;3:e149. doi: 10.1038/mtna.2013.72を参照されたい)。
増強された安定性
増強された安定性とは、核酸内分解または核酸外分解に対するオリゴヌクレオチドの安定性を指す。しばしば、ヌクレアーゼ分解に対する安定性は、血清中のオリゴヌクレオチドの安定性またはヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)に対する安定性を測定することによって評価される。
増強された安定性とは、核酸内分解または核酸外分解に対するオリゴヌクレオチドの安定性を指す。しばしば、ヌクレアーゼ分解に対する安定性は、血清中のオリゴヌクレオチドの安定性またはヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)に対する安定性を測定することによって評価される。
バックグラウンド結合
本発明の方法において、子オリゴヌクレオチドは、他の点では立体的にランダムなバックグラウンドにおいて、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含んでよく、すなわち、残りのヌクレオシド間結合または残りのホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、立体的にランダムな結合である(これらは、立体的にランダムなバックグラウンドを有する)。しかし、いくつかの態様において、子オリゴヌクレオチドは、立体定義されている1つまたは複数の別のヌクレオシド間結合を含んでよい。モチーフ最適化方法の場合、いくつかの態様において、他の立体定義された結合は、異なるライブラリーメンバー間で(RおよびSならびに位置の両方に関して)共通である。いくつかの態様において、バックグラウンドヌクレオシド間結合(すなわち、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ中のもの以外のヌクレオシド間結合)は、すべてR、例えばすべてRpであっても、またはすべてS、例えばすべてSpであってもよい。立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ以外はすべてS/Spであるか、またはすべてR/Rpであるオリゴヌクレオチドは、立体的に均一なバックグラウンドを有していると呼ばれる。
本発明の方法において、子オリゴヌクレオチドは、他の点では立体的にランダムなバックグラウンドにおいて、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含んでよく、すなわち、残りのヌクレオシド間結合または残りのホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、立体的にランダムな結合である(これらは、立体的にランダムなバックグラウンドを有する)。しかし、いくつかの態様において、子オリゴヌクレオチドは、立体定義されている1つまたは複数の別のヌクレオシド間結合を含んでよい。モチーフ最適化方法の場合、いくつかの態様において、他の立体定義された結合は、異なるライブラリーメンバー間で(RおよびSならびに位置の両方に関して)共通である。いくつかの態様において、バックグラウンドヌクレオシド間結合(すなわち、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ中のもの以外のヌクレオシド間結合)は、すべてR、例えばすべてRpであっても、またはすべてS、例えばすべてSpであってもよい。立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ以外はすべてS/Spであるか、またはすべてR/Rpであるオリゴヌクレオチドは、立体的に均一なバックグラウンドを有していると呼ばれる。
いくつかの態様において、親オリゴヌクレオチドは、少なくとも部分的に立体定義されており、例えば、先の最適化によって同定された立体定義されたオリゴヌクレオチドであってよいこと、および立体定義されたヌクレオシド間モチーフの修飾以外に、子オリゴヌクレオチドは、親オリゴヌクレオチド中に存在する1つまたは複数の立体定義されたヌクレオシド間結合を有し得ることも、認識される。いくつかのこのような態様において、親オリゴヌクレオチドは、全面的な立体定義されたオリゴヌクレオチドであってよい。
組合せ発見方法
本発明は、サブライブラリーを用いて、親オリゴヌクレオチドの改良された立体定義された変異体を同定する方法に関する。本発明の様々な代替方法を、並行してもしくは順次に、または繰り返して使用してよい。
本発明は、サブライブラリーを用いて、親オリゴヌクレオチドの改良された立体定義された変異体を同定する方法に関する。本発明の様々な代替方法を、並行してもしくは順次に、または繰り返して使用してよい。
例として、いくつかの態様において、図2で示すように、複数の独立したサブモチーフが並行して最適化され、次いで、複数のライブラリーから得られたそれぞれの好ましいサブモチーフについての情報を組み合わせてよい。
最初のライブラリースクリーニングは、オルタナティブジアステレオ異性体のうちの一方が極めて重要であるかまたは好ましい極めて重要な位置を同定するためのオリゴヌクレオチドウォークであってよいことも、予想される。この最初のライブラリースクリーニングと組み合わせて、さらなるライブラリースクリーニングを実施して、オリゴヌクレオチドの別の領域を最適化してよい。このようなさらなるライブラリースクリーニングを並行して実施して、同定された好ましいモチーフを、第1のライブラリーにおいて同定された極めて重要であるかもしくは好ましい立体定義されたヌクレオシド間結合と後続の段階で組み合わせてもよく、またはオリゴヌクレオチドウォークを最初に実施し、それによって同定された好ましい変異体を、次に、1回もしくは複数回の後続のモチーフ最適化方法のための親オリゴヌクレオチドとして使用する(その際、最初のライブラリースクリーニングによって同定された極めて重要であるかもしくは好ましい立体定義されたヌクレオシド間結合は、後続のモチーフ最適化段階におけるライブラリーメンバーにおいて保持される)。
修飾ヌクレオシド間結合
用語「修飾ヌクレオシド間結合」は、当業者によって通常理解されるように、2個のヌクレオシドを共有結合的にカップリングする、リン酸ジエステル(PO)結合以外の結合と定義される。修飾ヌクレオシド間結合を有するヌクレオチドはまた、「修飾ヌクレオチド」とも呼ばれる。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合と比べて、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を高める。天然オリゴヌクレオチドの場合、ヌクレオシド間結合は、隣接ヌクレオシド間のリン酸ジエステル結合を作り出すリン酸基を含む。修飾ヌクレオシド間結合は、インビボ使用のためにオリゴヌクレオチドを安定化する際に特に有用であり、本発明のオリゴヌクレオチド中のDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの領域、例えば、ギャップマーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内、ならびに修飾ヌクレオシドの領域において、ヌクレアーゼ切断から保護する働きをし得る。
用語「修飾ヌクレオシド間結合」は、当業者によって通常理解されるように、2個のヌクレオシドを共有結合的にカップリングする、リン酸ジエステル(PO)結合以外の結合と定義される。修飾ヌクレオシド間結合を有するヌクレオチドはまた、「修飾ヌクレオチド」とも呼ばれる。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合と比べて、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を高める。天然オリゴヌクレオチドの場合、ヌクレオシド間結合は、隣接ヌクレオシド間のリン酸ジエステル結合を作り出すリン酸基を含む。修飾ヌクレオシド間結合は、インビボ使用のためにオリゴヌクレオチドを安定化する際に特に有用であり、本発明のオリゴヌクレオチド中のDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの領域、例えば、ギャップマーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内、ならびに修飾ヌクレオシドの領域において、ヌクレアーゼ切断から保護する働きをし得る。
いくつかの態様において、ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のように、硫黄(S)を含む。
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性、有益な薬物動態、および製造の容易さという理由から特に有用である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のヌクレオシド間結合の少なくとも50%は、ホスホロチオエートであり、例えば、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のヌクレオシド間結合の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、または例えば少なくとも90%は、ホスホロチオエートである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合のすべてが、ホスホロチオエートである。
他のヌクレオシド間結合は、(参照により本明細書に組み入れられる)WO 2009/124238で開示されている。ある態様において、ヌクレオシド間結合は、(参照により本明細書に組み入れられる)WO 2007/031091で開示されているリンカーより選択される。例えば、ヌクレオシド間結合は、-O-P(O)2-O-、-O-P(O,S)-O-、-O-P(S)2-O-、-S-P(O)2-O-、-S-P(O,S)-O-、-S-P(S)2-O-、-O-P(O)2-S-、-O-P(O,S)-S-、-S-P(O)2-S-、-O-PO(RH)-O-、O-PO(OCH3)-O-、-O-PO(NRH)-O-、-O-PO(OCH2CH2S-R)-O-、-O-PO(BH3)-O-、-O-PO(NHRH)-O-、-O-P(O)2-NRH-、-NRH-P(O)2-O-、-NRH-CO-O-、-NRH-CO-NRH-より選択されてよく、かつ/またはヌクレオシド間リンカーは、-O-CO-O-、-O-CO-NRH-、-NRH-CO-CH2-、-O-CH2-CO-NRH-、-O-CH2-CH2-NRH-、-CO-NRH-CH2-、-CH2-NRHCO-、-O-CH2-CH2-S-、-S-CH2-CH2-O-、-S-CH2-CH2-S-、-CH2-SO2-CH2-、-CH2-CO-NRH-、-O-CH2-CH2-NRH-CO-、-CH2-NCH3-O-CH2-(式中、RHは、水素およびC1-4-アルキルより選択される)からなる群より選択されてよい。
ホスホロチオエート結合のようなヌクレアーゼ耐性結合は、標的核酸と二重鎖を形成した際にヌクレアーゼを動員することができるオリゴヌクレオチド領域、例えば、ギャップマーの場合の領域Gまたはヘッドマーおよびテイルマーの非修飾ヌクレオシド領域において、特に有用である。しかし、ホスホロチオエート結合はまた、ヌクレアーゼを動員しない領域および/もしくは親和性増強領域、例えばギャップマーの場合の領域FおよびF'、またはヘッドマーおよびテイルマーの修飾ヌクレオシド領域においても有用であり得る。
しかし、各設計領域は、特に、LNAのような修飾ヌクレオシドがヌクレアーゼ分解から結合を保護している領域において、ホスホロチオエート以外のヌクレオシド間結合、例えばリン酸ジエステル結合を含んでよい。特に、(典型的にはヌクレアーゼを動員しない領域中の)修飾ヌクレオシドユニットの間に、またはそれらに隣接して、リン酸ジエステル結合、例えば1つまたは2つの結合を含めることにより、オリゴヌクレオチドの生物学的利用能および/または体内分布を改変することができる。参照により本明細書に組み入れられるWO 2008/113832を参照されたい。
ある態様において、オリゴヌクレオチド中のすべてのヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートである。有利には、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のすべてのヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート結合である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合のすべてが、任意で1個、2個、または3個のリン酸ジエステル結合を有するホスホロチオエートである。
核酸塩基
用語「核酸塩基」は、核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成する、ヌクレオシドおよびヌクレオチド中に存在するプリン(例えば、アデニンおよびグアニン)ならびにピリミジン(例えば、ウラシル、チミン、およびシトシン)部分を含む。本発明において、用語「核酸塩基」はまた、天然核酸塩基と異なる場合があるが核酸ハイブリダイゼーション時に機能的である修飾核酸塩基も含む。この文脈において、「核酸塩基」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、およびヒポキサンチンなどの天然核酸塩基ならびに非天然変異体の両方を意味する。このような変異体は、例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1において説明されている。
用語「核酸塩基」は、核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成する、ヌクレオシドおよびヌクレオチド中に存在するプリン(例えば、アデニンおよびグアニン)ならびにピリミジン(例えば、ウラシル、チミン、およびシトシン)部分を含む。本発明において、用語「核酸塩基」はまた、天然核酸塩基と異なる場合があるが核酸ハイブリダイゼーション時に機能的である修飾核酸塩基も含む。この文脈において、「核酸塩基」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、およびヒポキサンチンなどの天然核酸塩基ならびに非天然変異体の両方を意味する。このような変異体は、例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1において説明されている。
いくつかの態様において、核酸塩基部分は、プリンまたはピリミジンを修飾プリンまたは修飾ピリミジン、例えば、置換されたプリンまたは置換されたピリミジン、例えば、イソシトシン、シュードイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル、5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2'チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、および2-クロロ-6-アミノプリンより選択される核酸塩基に変えることによって、修飾される。
核酸塩基部分は、対応する各核酸塩基に対する文字記号、例えば、A、T、G、C、またはUによって示すことができ、ここで、各文字は、等価な機能を有する修飾核酸塩基を任意で含んでよい。例えば、例示されるオリゴヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分は、A、T、G、C、および5-メチルシトシンより選択される。任意で、LNAギャップマーの場合、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドが使用され得る。
修飾オリゴヌクレオチド
用語「修飾オリゴヌクレオチド」とは、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドおよび/または修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを示す。用語「キメラ」オリゴヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドもしくはRNAヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチド、または複数のタイプの糖修飾ヌクレオシド(例えば、LNAおよび2'-O-MOEヌクレオシドのような2'置換)を含むオリゴヌクレオチドを示すために文献で使用されてきた用語である。オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、キメラオリゴヌクレオチドを形成する場合がある。
用語「修飾オリゴヌクレオチド」とは、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドおよび/または修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを示す。用語「キメラ」オリゴヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドもしくはRNAヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチド、または複数のタイプの糖修飾ヌクレオシド(例えば、LNAおよび2'-O-MOEヌクレオシドのような2'置換)を含むオリゴヌクレオチドを示すために文献で使用されてきた用語である。オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、キメラオリゴヌクレオチドを形成する場合がある。
相補性
用語「相補性」は、ヌクレオシド/ヌクレオチドがワトソン-クリック塩基対形成する能力を示す。ワトソン-クリック塩基対は、グアニン(G)-シトシン(C)およびアデニン(A)-チミン(T)/ウラシル(U)である。オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを含んでよく、例えば、5-メチルシトシンがしばしばシトシンの代わりに使用され、したがって、用語「相補性」は、非修飾核酸塩基と修飾核酸塩基の間のワトソン-クリック塩基対形成を包含することが理解される(例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol. 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1を参照されたい)。
用語「相補性」は、ヌクレオシド/ヌクレオチドがワトソン-クリック塩基対形成する能力を示す。ワトソン-クリック塩基対は、グアニン(G)-シトシン(C)およびアデニン(A)-チミン(T)/ウラシル(U)である。オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを含んでよく、例えば、5-メチルシトシンがしばしばシトシンの代わりに使用され、したがって、用語「相補性」は、非修飾核酸塩基と修飾核酸塩基の間のワトソン-クリック塩基対形成を包含することが理解される(例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol. 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1を参照されたい)。
本明細書において使用される用語「相補率(%)」は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列に対する百分率(%)で表される、別の核酸分子(例えば標的核酸)の所与の位置の連続ヌクレオチド配列と、所与の位置において相補的である(すなわち、ワトソン-クリック塩基対を形成する)ヌクレオチドの数を意味する。この百分率は、(標的配列5'-3'およびオリゴヌクレオチド配列3'-5'とアラインした場合)2つの配列間で対を形成するアラインされた塩基の数を数え、そのオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で割り、100を掛けることによって算出する。このような比較において、アライン(塩基対を形成)しない核酸塩基/ヌクレオチドは、ミスマッチと呼ばれる。好ましくは、連続ヌクレオチド配列の相補率(%)の計算において、挿入および欠失は許容されない。
用語「完全に相補的」とは、100%の相補性を意味する。
同一性
本明細書において使用される用語「同一性」は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列に対する百分率(%)で表される、別の核酸分子(例えば標的核酸)の所与の位置の連続ヌクレオチド配列と、所与の位置において同一である(すなわち、相補的ヌクレオシドとワトソン-クリック塩基対を形成する能力の点で)、ヌクレオチドの数を意味する。この百分率は、2つの配列間で同一であるアラインされた塩基の数を数え、そのオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で割り、100を掛けることによって算出する。同一性パーセント=(マッチ×100)/アラインされた領域の長さ。好ましくは、連続ヌクレオチド配列の相補率(%)の計算において、挿入および欠失は許容されない。
本明細書において使用される用語「同一性」は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列に対する百分率(%)で表される、別の核酸分子(例えば標的核酸)の所与の位置の連続ヌクレオチド配列と、所与の位置において同一である(すなわち、相補的ヌクレオシドとワトソン-クリック塩基対を形成する能力の点で)、ヌクレオチドの数を意味する。この百分率は、2つの配列間で同一であるアラインされた塩基の数を数え、そのオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で割り、100を掛けることによって算出する。同一性パーセント=(マッチ×100)/アラインされた領域の長さ。好ましくは、連続ヌクレオチド配列の相補率(%)の計算において、挿入および欠失は許容されない。
ハイブリダイゼーション
本明細書において使用される用語「ハイブリダイズすること」または「ハイブリダイズする」は、2本の核酸鎖(例えば、オリゴヌクレオチドおよび標的核酸)が向い合わせの鎖上の塩基対間に水素結合を形成し、それによって二重鎖を形成することと理解される。2本の核酸鎖間の結合の親和性が、ハイブリダイゼーションの強度である。これは、しばしば、オリゴヌクレオチの半分が標的核酸と二重鎖を形成する温度であると定義される融解温度(Tm)の観点から説明される。生理的条件では、Tmは親和性に厳密には比例しない(Mergny and Lacroix, 2003,Oligonucleotides 13:515-537)。標準状態のギブス自由エネルギーΔG°は、結合親和性をより正確に表し、反応の解離定数(Kd)とΔG°=-RTln(Kd)という関係にある(Rは気体定数であり、Tは絶対温度である)。したがって、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の反応のΔG°が非常に小さい場合、これは、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の強いハイブリダイゼーションを反映している。ΔG°は、水溶液濃度が1Mであり、pHが7であり、かつ温度が37℃である反応に関連するエネルギーである。標的核酸に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、自発的反応であり、自発的反応の場合、ΔG°はゼロ未満である。ΔG°は、実験によって、例えば、Hansen et al., 1965,Chem. Comm. 36-38 およびHoldgate et al., 2005, Drug Discov Todayにおいて説明されている等温滴定熱量測定(ITC)法を用いて、測定することができる。当業者は、ΔG°測定のために市販の機器が利用可能であることを知っていると考えられる。ΔG°はまた、Sugimoto et al., 1995, Biochemistry 34:11211-11216およびMcTigue et al., 2004, Biochemistry 43:5388-5405によって説明されている適切に導かれた熱力学的パラメーターを用いて、SantaLucia, 1998, Proc Natl Acad Sci USA. 95: 1460-1465によって説明されている最近接モデルを使用することによって、数値的に推定することもできる。意図される核酸標的をハイブリダイゼーションによって調節する可能性を有するためには、本発明のオリゴヌクレオチドは、10〜30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して、-10kcal未満の推定ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションの程度または強さは、標準状態のギブス自由エネルギーΔG°に基づいて測定される。オリゴヌクレオチドは、8〜30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して、-10kcalの範囲を下回る、例えば-15kcal未満、例えば-20kcal未満、および例えば-25kcal未満の推定ΔG°値で、標的核酸にハイブリダイズし得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、-10〜-60kcal、例えば-12〜-40、例えば-15〜-30kcal、または-16〜-27kcal、例えば-18〜-25kcalの推定ΔG°値で、標的核酸にハイブリダイズする。
本明細書において使用される用語「ハイブリダイズすること」または「ハイブリダイズする」は、2本の核酸鎖(例えば、オリゴヌクレオチドおよび標的核酸)が向い合わせの鎖上の塩基対間に水素結合を形成し、それによって二重鎖を形成することと理解される。2本の核酸鎖間の結合の親和性が、ハイブリダイゼーションの強度である。これは、しばしば、オリゴヌクレオチの半分が標的核酸と二重鎖を形成する温度であると定義される融解温度(Tm)の観点から説明される。生理的条件では、Tmは親和性に厳密には比例しない(Mergny and Lacroix, 2003,Oligonucleotides 13:515-537)。標準状態のギブス自由エネルギーΔG°は、結合親和性をより正確に表し、反応の解離定数(Kd)とΔG°=-RTln(Kd)という関係にある(Rは気体定数であり、Tは絶対温度である)。したがって、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の反応のΔG°が非常に小さい場合、これは、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の強いハイブリダイゼーションを反映している。ΔG°は、水溶液濃度が1Mであり、pHが7であり、かつ温度が37℃である反応に関連するエネルギーである。標的核酸に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、自発的反応であり、自発的反応の場合、ΔG°はゼロ未満である。ΔG°は、実験によって、例えば、Hansen et al., 1965,Chem. Comm. 36-38 およびHoldgate et al., 2005, Drug Discov Todayにおいて説明されている等温滴定熱量測定(ITC)法を用いて、測定することができる。当業者は、ΔG°測定のために市販の機器が利用可能であることを知っていると考えられる。ΔG°はまた、Sugimoto et al., 1995, Biochemistry 34:11211-11216およびMcTigue et al., 2004, Biochemistry 43:5388-5405によって説明されている適切に導かれた熱力学的パラメーターを用いて、SantaLucia, 1998, Proc Natl Acad Sci USA. 95: 1460-1465によって説明されている最近接モデルを使用することによって、数値的に推定することもできる。意図される核酸標的をハイブリダイゼーションによって調節する可能性を有するためには、本発明のオリゴヌクレオチドは、10〜30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して、-10kcal未満の推定ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションの程度または強さは、標準状態のギブス自由エネルギーΔG°に基づいて測定される。オリゴヌクレオチドは、8〜30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して、-10kcalの範囲を下回る、例えば-15kcal未満、例えば-20kcal未満、および例えば-25kcal未満の推定ΔG°値で、標的核酸にハイブリダイズし得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、-10〜-60kcal、例えば-12〜-40、例えば-15〜-30kcal、または-16〜-27kcal、例えば-18〜-25kcalの推定ΔG°値で、標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸
標的核酸は、哺乳動物、例えばヒトのRNA、例えば、mRNA、およびmRNA前駆体、成熟mRNA、またはcDNA配列であってよい。
標的核酸は、哺乳動物、例えばヒトのRNA、例えば、mRNA、およびmRNA前駆体、成熟mRNA、またはcDNA配列であってよい。
インビボまたはインビトロの適用の場合、本発明の方法によって同定されるオリゴヌクレオチドのような本明細書において言及されるオリゴヌクレオチドは、典型的には、標的核酸を発現している細胞において標的核酸の発現を阻害することができる。いくつかの態様において、標的核酸は、Hif1αをコードする核酸である。いくつかの態様において、標的核酸は、アポBをコードする核酸である。
オリゴヌクレオチドの長さの全域で測定した場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基の連続配列は、任意で1つまたは2つのミスマッチを例外として、かつオリゴヌクレオチドをコンジュゲートのような任意の官能基または他の非相補的末端ヌクレオチド(例えば、領域D'もしくはD")に連結することができるヌクレオチドベースのリンカー領域を任意で除いて、標的核酸と完全に相補的である。標的核酸は、いくつかの態様において、RNAまたはDNA、例えばメッセンジャーRNA、例えば成熟mRNAもしくはmRNA前駆体であってよい。
したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸、例えば標的核酸の部分配列に相補的であるか、またはそれにハイブリダイズする、連続ヌクレオチド配列を含む。
したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸分子中に存在する標的配列に相補的であるか、またはそれにハイブリダイズする、少なくとも8ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含んでよい。連続ヌクレオチド配列(および、したがって標的配列)は、少なくとも8個の連続ヌクレオチド、例えば、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、または30個の連続ヌクレオチド、例えば12〜25個、例えば14〜18個の連続ヌクレオチドからなる。
標的細胞
本明細書において使用される用語「標的細胞」は、標的核酸を発現している細胞を意味する。いくつかの態様において、標的細胞は、インビボまたはインビトロであってよい。いくつかの態様において、標的細胞は、哺乳動物細胞、例えばマウス細胞もしくはラット細胞などのげっ歯動物細胞、またはサル細胞もしくはヒト細胞などの霊長類細胞である。
本明細書において使用される用語「標的細胞」は、標的核酸を発現している細胞を意味する。いくつかの態様において、標的細胞は、インビボまたはインビトロであってよい。いくつかの態様において、標的細胞は、哺乳動物細胞、例えばマウス細胞もしくはラット細胞などのげっ歯動物細胞、またはサル細胞もしくはヒト細胞などの霊長類細胞である。
発現の調節
本明細書において使用される用語「発現の調節」は、オリゴヌクレオチドの投与前の標的核酸の量と比べた場合に該標的核酸の量を変化させるオリゴヌクレオチドの能力についての全般的用語として理解すべきである。あるいは、発現の調節は、対照実験を参照することによって明らかにしてもよい。対照は、生理食塩水組成物で処置される個体もしくは標的細胞、または非ターゲティングオリゴヌクレオチド(モック)で処置される個体もしくは標的細胞であることが、一般に理解される。
本明細書において使用される用語「発現の調節」は、オリゴヌクレオチドの投与前の標的核酸の量と比べた場合に該標的核酸の量を変化させるオリゴヌクレオチドの能力についての全般的用語として理解すべきである。あるいは、発現の調節は、対照実験を参照することによって明らかにしてもよい。対照は、生理食塩水組成物で処置される個体もしくは標的細胞、または非ターゲティングオリゴヌクレオチド(モック)で処置される個体もしくは標的細胞であることが、一般に理解される。
1つのタイプの調節は、例えば、mRNAの分解または転写の妨害によって標的核酸の発現を阻害するか、下方調節するか、低減するか、抑制するか、なくすか、停止するか、妨害するか、妨げるか、減らすか、低下させるか、起こらないようにするか、または終結する、オリゴヌクレオチドの能力である。他のタイプの調節は、例えば、スプライス部位の修復またはスプライシングの阻止またはマイクロRNA抑制のような阻害メカニズムの除去もしくは妨害によって、標的核酸の発現を回復させるか、増加させるか、または増強させる、オリゴヌクレオチドの能力である。
高親和性修飾ヌクレオシド
高親和性修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に、例えば融解温度(Tm)に基づいて測定されるように、相補的標的に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する、修飾ヌクレオシドである。好ましくは、本発明の高親和性修飾ヌクレオシドは、1つの修飾ヌクレオシドにつき、+0.5〜+12℃、より好ましくは+1.5〜+10℃、および最も好ましくは+3〜+8℃の、融解温度の上昇をもたらす。多数の高親和性修飾ヌクレオシドが当技術分野において公知であり、例えば、多くの2'置換ヌクレオシドならびにロックド核酸(LNA)が含まれる(例えば、Freier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213を参照されたい)。
高親和性修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に、例えば融解温度(Tm)に基づいて測定されるように、相補的標的に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する、修飾ヌクレオシドである。好ましくは、本発明の高親和性修飾ヌクレオシドは、1つの修飾ヌクレオシドにつき、+0.5〜+12℃、より好ましくは+1.5〜+10℃、および最も好ましくは+3〜+8℃の、融解温度の上昇をもたらす。多数の高親和性修飾ヌクレオシドが当技術分野において公知であり、例えば、多くの2'置換ヌクレオシドならびにロックド核酸(LNA)が含まれる(例えば、Freier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213を参照されたい)。
糖修飾
本発明のオリゴマーは、修飾された糖部分、すなわちDNAおよびRNA中に存在するリボース糖部分と比べた場合に糖部分の修飾を有する、1つまたは複数のヌクレオシドを含んでよい。
本発明のオリゴマーは、修飾された糖部分、すなわちDNAおよびRNA中に存在するリボース糖部分と比べた場合に糖部分の修飾を有する、1つまたは複数のヌクレオシドを含んでよい。
オリゴヌクレオチドのいくつかの特性、例えば親和性および/またはヌクレアーゼ耐性を改良することを主に目指して、リボース糖部分の修飾を有する多数のヌクレオシドが作られてきた。
このような修飾には、例えば、ヘキソース環(HNA)、またはリボース環上のC2炭素とC4炭素の間にビラジクル架橋を典型的には有する二環式の環(LNA)、またはC2炭素とC3炭素の間の結合を典型的には欠いている非連結リボース環(例えばUNA)による置換によってリボース環構造が修飾されているものが含まれる。他の糖修飾ヌクレオシドには、例えば、ビシクロヘキソース核酸(WO 2011/017521)または三環式核酸(WO 2013/154798)が含まれる。修飾ヌクレオシドには、例えば、ペプチド核酸(PNA)またはモルホリノ核酸の場合に、糖部分が糖ではない部分で置換されているヌクレオシドも含まれる。
また、糖修飾には、リボース環上の置換基を、DNAヌクレオシドおよびRNAヌクレオシド中に天然に存在する水素または2'-OH基以外の基に変更することによって作られる修飾も含まれる。置換基は、例えば、2'位、3'位、4'位、または5'位に導入されてよい。
2'糖修飾ヌクレオシド
2'糖修飾ヌクレオシドは、2'位にHまたは-OH以外の置換基を有するか(2'置換ヌクレオシド)、またはLNA(2'-4'ビラジクル架橋)ヌクレオシドのように、リボース環中の2'炭素と第2の炭素の間に架橋を形成することができる2'連結ビラジクルを含む、ヌクレオシドである。
2'糖修飾ヌクレオシドは、2'位にHまたは-OH以外の置換基を有するか(2'置換ヌクレオシド)、またはLNA(2'-4'ビラジクル架橋)ヌクレオシドのように、リボース環中の2'炭素と第2の炭素の間に架橋を形成することができる2'連結ビラジクルを含む、ヌクレオシドである。
実際、2'置換ヌクレオシドを開発することに多くの注目が集まり、多数の2'置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に有益な特性を有することが見出された。例えば、2'修飾糖は、オリゴヌクレオチドに、増強された結合親和性および/または増大されたヌクレアーゼ耐性を与え得る。2'置換修飾ヌクレオシドの例は、2'-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2'-O-メチル-RNAヌクレオシド、2'-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)ヌクレオシド、2'-アミノ-DNAヌクレオシド、2'-フルオロ-RNAヌクレオシド、および2'-F-ANAヌクレオシドである。さらなる例については、例えば、Freier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213、ならびにDeleavey and Damha, Chemistry and Biology 2012, 19, 937を参照して頂きたい。下記は、いくつかの2'置換修飾ヌクレオシドの例である。
本発明に関して、2'置換は、LNAのような2'架橋分子を含まない。
ロックド核酸ヌクレオシド(LNA)。
「LNAヌクレオシド」は、リボース環の立体構造を制限または固定する、ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'を連結するビラジカル(「2'-4'架橋」)を含む、2'修飾ヌクレオシドである。リボースの立体構造の固定は、LNAが相補的RNAまたはDNA分子に対するオリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合にハイブリダイゼーションの親和性が増強されること(二重鎖安定化)に関連付けられている。これは、オリゴヌクレオチド/相補物二重鎖の融解温度を測定することによって、ルーチン的に明らかにすることができる。
「LNAヌクレオシド」は、リボース環の立体構造を制限または固定する、ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'を連結するビラジカル(「2'-4'架橋」)を含む、2'修飾ヌクレオシドである。リボースの立体構造の固定は、LNAが相補的RNAまたはDNA分子に対するオリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合にハイブリダイゼーションの親和性が増強されること(二重鎖安定化)に関連付けられている。これは、オリゴヌクレオチド/相補物二重鎖の融解温度を測定することによって、ルーチン的に明らかにすることができる。
非限定的な例示的LNAヌクレオシドは、WO 99/014226、WO 00/66604、WO 98/039352、WO 2004/046160、WO 00/047599、WO 2007/134181、WO 2010/077578、WO 2010/036698、WO 2007/090071、WO 2009/006478、WO 2011/156202、WO 2008/154401、WO 2009/067647、WO 2008/150729、Morita et al., Bioorganic & Med.Chem. Lett. 12, 73-76、Seth et al. J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81、およびMitsuoka et al., Nucleic Acids Research 2009, 37(4), 1225-1238において開示されている。
いくつかの態様において、本発明のオリゴマーの糖修飾ヌクレオシドまたはLNAヌクレオシドは、式IまたはIIの一般的構造を有している:
式中、Wは、-O-、-S-、-N(Ra)-、-C(RaRb)-より選択され、例えば、いくつかの態様において、-O-である;
Bは、核酸塩基部分または修飾核酸塩基部分を示す;
Zは、隣接ヌクレオシドへのヌクレオシド間結合、または5'末端基を示す;
Z*は、隣接ヌクレオシドへのヌクレオシド間結合、または3'末端基を示す;
Xは、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなるリストより選択される基を示し、
いくつかの態様において、Xは、-O-、-S-、NH-、NRaRb、-CH2-、CRaRb、-C(=CH2)-、および-C(=CRaRb)-からなる群より選択され、
いくつかの態様において、Xは-O-であり、
Yは、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される基を示し、
いくつかの態様において、Yは、-CH2-、-C(RaRb)-、-CH2CH2-、-C(RaRb)-C(RaRb)-、-CH2CH2CH2-、-C(RaRb)C(RaRb)C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、および-C(Ra)=N-からなる群より選択され、
いくつかの態様において、Yは、-CH2-、-CHRa-、-CHCH3-、CRaRb-からなる群より選択されるか、
または-X-Y-は共同で、二価リンカー基(ラジクルとも呼ばれる)を示し、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される1個、2個、3個、または4個の基/原子からなる二価リンカー基を共同で示し、
いくつかの実施形態において、-X-Y-は、-X-CH2-、-X-CRaRb-、-X-CHRa-、-X-C(HCH3)-、-O-Y-、-O-CH2-、-S-CH2-、-NH-CH2-、-O-CHCH3-、-CH2-O-CH2、-O-CH(CH3CH3)-、-O-CH2-CH2-、OCH2-CH2-CH2-,-O-CH2OCH2-、-O-NCH2-、-C(=CH2)-CH2-、-NRa-CH2-、N-O-CH2、-S-CRaRb-、および-S-CHRa-からなる群より選択されるビラジクルを示す。
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-または-O-CH(CH3)-を示す。
Zは、-O-、-S-、および-N(Ra)-より選択され、
Ra、および存在する場合にはRbは、それぞれ、水素、任意で置換されたC1〜6アルキル、任意で置換されたC2〜6アルケニル、任意で置換されたC2〜6アルキニル、ヒドロキシ、任意で置換されたC1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシアルキル、C2〜6アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、C1〜6アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6アルキルチオ、ハロゲンより独立に選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、任意で置換されていてよく、かつ2つのジェミナルな置換基RaおよびRbは共同で、任意で置換されたメチレン(=CH2)を示してよく、すべてのキラル中心について、不斉基は、R配置またはS配置のいずれかで存在してよい。
上式で、R1、R2、R3、R5、および、R5*は、水素、任意で置換されたC1〜6アルキル、任意で置換されたC2〜6アルケニル、任意で置換されたC2〜6アルキニル、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシアルキル、C2〜6アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、C1〜6アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6アルキルチオ、ハロゲンからなる群よりより独立に選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、任意で置換されていてよく、かつ2つのジェミナルな置換基は共同で、オキソ、チオキソ、イミノ、または任意で置換されたメチレンを示してよい。
いくつかの態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、メチルのようなC1〜6アルキル、および水素より独立に選択される。
いくつかの態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、すべて水素である。
いくつかの態様において、R1、R2、R3は、すべて水素であり、R5およびR5*のいずれかもまた水素であり、R5およびR5*の他方は水素以外、例えば、メチルのようなC1〜6アルキルである。
いくつかの態様において、Raは、水素またはメチルのいずれかである。いくつかの態様において、存在する場合、Rbは、水素またはメチルのいずれかである。
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方または両方は、水素である。
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は水素以外である。
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方はメチルであり、他方は水素である。
いくつかの態様において、RaおよびRbの両方が、メチルである。
式中、Wは、-O-、-S-、-N(Ra)-、-C(RaRb)-より選択され、例えば、いくつかの態様において、-O-である;
Bは、核酸塩基部分または修飾核酸塩基部分を示す;
Zは、隣接ヌクレオシドへのヌクレオシド間結合、または5'末端基を示す;
Z*は、隣接ヌクレオシドへのヌクレオシド間結合、または3'末端基を示す;
Xは、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなるリストより選択される基を示し、
いくつかの態様において、Xは、-O-、-S-、NH-、NRaRb、-CH2-、CRaRb、-C(=CH2)-、および-C(=CRaRb)-からなる群より選択され、
いくつかの態様において、Xは-O-であり、
Yは、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される基を示し、
いくつかの態様において、Yは、-CH2-、-C(RaRb)-、-CH2CH2-、-C(RaRb)-C(RaRb)-、-CH2CH2CH2-、-C(RaRb)C(RaRb)C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、および-C(Ra)=N-からなる群より選択され、
いくつかの態様において、Yは、-CH2-、-CHRa-、-CHCH3-、CRaRb-からなる群より選択されるか、
または-X-Y-は共同で、二価リンカー基(ラジクルとも呼ばれる)を示し、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される1個、2個、3個、または4個の基/原子からなる二価リンカー基を共同で示し、
いくつかの実施形態において、-X-Y-は、-X-CH2-、-X-CRaRb-、-X-CHRa-、-X-C(HCH3)-、-O-Y-、-O-CH2-、-S-CH2-、-NH-CH2-、-O-CHCH3-、-CH2-O-CH2、-O-CH(CH3CH3)-、-O-CH2-CH2-、OCH2-CH2-CH2-,-O-CH2OCH2-、-O-NCH2-、-C(=CH2)-CH2-、-NRa-CH2-、N-O-CH2、-S-CRaRb-、および-S-CHRa-からなる群より選択されるビラジクルを示す。
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-または-O-CH(CH3)-を示す。
Zは、-O-、-S-、および-N(Ra)-より選択され、
Ra、および存在する場合にはRbは、それぞれ、水素、任意で置換されたC1〜6アルキル、任意で置換されたC2〜6アルケニル、任意で置換されたC2〜6アルキニル、ヒドロキシ、任意で置換されたC1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシアルキル、C2〜6アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、C1〜6アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6アルキルチオ、ハロゲンより独立に選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、任意で置換されていてよく、かつ2つのジェミナルな置換基RaおよびRbは共同で、任意で置換されたメチレン(=CH2)を示してよく、すべてのキラル中心について、不斉基は、R配置またはS配置のいずれかで存在してよい。
上式で、R1、R2、R3、R5、および、R5*は、水素、任意で置換されたC1〜6アルキル、任意で置換されたC2〜6アルケニル、任意で置換されたC2〜6アルキニル、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C2〜6アルコキシアルキル、C2〜6アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6アルキル)アミノ-C1〜6アルキル-アミノカルボニル、C1〜6アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6アルキルチオ、ハロゲンからなる群よりより独立に選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、任意で置換されていてよく、かつ2つのジェミナルな置換基は共同で、オキソ、チオキソ、イミノ、または任意で置換されたメチレンを示してよい。
いくつかの態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、メチルのようなC1〜6アルキル、および水素より独立に選択される。
いくつかの態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、すべて水素である。
いくつかの態様において、R1、R2、R3は、すべて水素であり、R5およびR5*のいずれかもまた水素であり、R5およびR5*の他方は水素以外、例えば、メチルのようなC1〜6アルキルである。
いくつかの態様において、Raは、水素またはメチルのいずれかである。いくつかの態様において、存在する場合、Rbは、水素またはメチルのいずれかである。
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方または両方は、水素である。
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方は水素であり、他方は水素以外である。
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方はメチルであり、他方は水素である。
いくつかの態様において、RaおよびRbの両方が、メチルである。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このようなLNAヌクレオシドは、すべて参照により本明細書に組み入れられるWO 99/014226、WO 00/66604、WO 98/039352、およびWO 2004/046160において開示されており、β-D-オキシLNAおよびα-L-オキシLNAヌクレオシドとして一般に公知であるものが含まれる。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-S-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このようなチオLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 99/014226およびWO 2004/046160において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-NH-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このようなアミノLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 99/014226およびWO 2004/046160において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CH2-CH2-または-O-CH2-CH2-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このようなLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 00/047599およびMorita et al, Bioorganic & Med.Chem. Lett. 12 73-76において開示されており、2'-O-4'C-エチレンで架橋された核酸(ENA)として一般に公知であるものが含まれる。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3のすべてならびにR5およびR5*の一方が水素であり、R5およびR5*の他方が水素以外、例えば、メチルのようなC1〜6アルキルである。このような5'置換LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2007/134181において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CRaRb-であり、RaおよびRbの一方または両方は水素以外、例えばメチルであり、WはOであり、R1、R2、R3のすべてならびにR5およびR5*の一方が水素であり、R5およびR5*の他方が水素以外、例えば、メチルのようなC1〜6アルキルである。このような2箇所修飾されたLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2010/077578において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、二価リンカー基-O-CH(CH2OCH3)-(2'O-メトキシエチル二環式核酸- Seth at al., 2010, J. Org. Chem. Vol 75(5) pp. 1569-81)を示す。いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、二価リンカー基-O-CH(CH2CH3)-(2'O-エチル二環式核酸- Seth at al., 2010, J. Org. Chem. Vol 75(5) pp. 1569-81)を示す。いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CHRa-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このような6'置換LNAヌクレオシドは、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 10036698およびWO 07090071おいて開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CH(CH2OCH3)-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このようなLNAヌクレオシドはまた、当技術分野において環式MOE(cMOE)としても公知であり、WO 07090071において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、R配置またはS配置のいずれかの二価リンカー基-O-CH(CH3)-を示す。いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、共同で、二価リンカー基-O-CH2-O-CH2-を示す(Seth at al., 2010, J. Org. Chem)。いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CH(CH3)-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このような6'メチルLNAヌクレオシドはまた、当技術分野においてcETヌクレオシドとしても公知であり、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 07090071(β-D)およびWO 2010/036698(α-L)において開示されているように、(S)cETまたは(R)cETの立体異性体のいずれかであってよい。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-O-CRaRb-であり、RaもRbも水素ではなく、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。いくつかの態様において、RaおよびRbは、どちらもメチルである。このような6'二置換LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2009006478において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-S-CHRa-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このような6'置換チオLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 11156202において開示されている。いくつかの6'置換チオLNAの態様において、Raはメチルである。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-C(=CH2)-C(RaRb)-、例えば、-C(=CH2)-CH2-または-C(=CH2)-CH(CH3)-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。このようなビニルカルボLNAヌクレオシドは、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 08154401およびWO 09067647において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-N(-ORa)-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。いくつかの態様において、Raは、メチルのようなC1〜6アルキルである。このようなLNAヌクレオシドは、N置換LNAとしても公知であり、参照により本明細書に組み入れられるWO 2008/150729において開示されている。いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、共同で、二価リンカー基-O-NRa-CH3-を示す(Seth at al., 2010, J. Org. Chem)。いくつかの態様において、ビラジクル-X-Y-は、-N(Ra)-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。いくつかの態様において、Raは、メチルのようなC1〜6アルキルである。
いくつかの態様において、R5およびR5*の一方または両方は水素であり、置換される場合、R5およびR5*の他方は、メチルのようなC1〜6アルキルである。このような態様において、R1、R2、R3は、すべて水素であってよく、ビラジクル-X-Y-は、-O-CH2-または-O-C(HCRa)-、例えば-O-C(HCH3)-より選択されてよい。
いくつかの態様において、ビラジクルは、-CRaRb-O-CRaRb-、例えばCH2-O-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。いくつかの態様において、Raは、メチルのようなC1〜6アルキルである。このようなLNAヌクレオシドは、立体構造が制限されたヌクレオチド(CRN)としても公知であり、参照により本明細書に組み入れられるWO 2013036868において開示されている。
いくつかの態様において、ビラジクルは、-O-CRaRb-O-CRaRb-、例えばO-CH2-O-CH2-であり、WはOであり、R1、R2、R3、R5、およびR5*のすべてが、いずれも水素である。いくつかの態様において、Raは、メチルのようなC1〜6アルキルである。このようなLNAヌクレオシドは、COCヌクレオチドとしても公知であり、参照により本明細書に組み入れられるMitsuoka et al., Nucleic Acids Research 2009 37(4), 1225-1238において開示されている。
指定がない限り、LNAヌクレオシドは、β-D型またはα-L型の立体アイソフォームで存在してよいことが認識される。
LNAヌクレオシドのいくつかの例をスキーム1に示す。
実施例で例示するように、本発明のいくつかの態様において、オリゴヌクレオチド中のLNAヌクレオシドは、β-D-オキシ-LNAヌクレオシドである。
ヌクレアーゼを媒介とした分解
ヌクレアーゼを媒介とした分解は、相補的ヌクレオチド配列との二重鎖を形成した際にそのような配列の分解をもたらすことができるオリゴヌクレオチドに関係する。
ヌクレアーゼを媒介とした分解は、相補的ヌクレオチド配列との二重鎖を形成した際にそのような配列の分解をもたらすことができるオリゴヌクレオチドに関係する。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼを媒介とした標的核酸の分解を介して機能することができ、その際、本発明のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ、特にエンドヌクレアーゼ、好ましくはRNアーゼHのようなエンドリボヌクレアーゼ(RNアーゼ)を動員することができる。ヌクレアーゼを媒介としたメカニズムを介して作動するオリゴヌクレオチド設計の例は、少なくとも5個または6個の連続したDNAヌクレオシドからなる領域を典型的に含み、親和性増強ヌクレオシド、例えばギャップマー、ヘッドマー、およびテイルマーが片側または両側に隣接している、オリゴヌクレオチドである。
RNアーゼH活性および動員
アンチセンスオリゴヌクレオチドのRNアーゼH活性は、相補的RNA分子との二重鎖の状態にある場合にRNアーゼHを動員する能力を指す。WO 01/23613は、RNアーゼHを動員する能力を測定するのに使用することができる、RNアーゼH活性を測定するためのインビトロの方法を提供している。典型的には、オリゴヌクレオチドは、以下の条件を満たす場合、RNアーゼHを動員することができるとみなされる:すなわち、オリゴヌクレオチドが相補的標的核酸配列と共に提供された場合の初速度(pmol/l/分の単位で測定される)が、試験される該修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するがオリゴヌクレオチド中のすべてのモノマー間にホスホロチオエート結合を有するDNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを用い、かつ(参照により本明細書に組み入れられる)WO 01/23613の実施例91〜95によって提供される方法論を用いた場合に測定される初速度の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、または20%超であること。
アンチセンスオリゴヌクレオチドのRNアーゼH活性は、相補的RNA分子との二重鎖の状態にある場合にRNアーゼHを動員する能力を指す。WO 01/23613は、RNアーゼHを動員する能力を測定するのに使用することができる、RNアーゼH活性を測定するためのインビトロの方法を提供している。典型的には、オリゴヌクレオチドは、以下の条件を満たす場合、RNアーゼHを動員することができるとみなされる:すなわち、オリゴヌクレオチドが相補的標的核酸配列と共に提供された場合の初速度(pmol/l/分の単位で測定される)が、試験される該修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するがオリゴヌクレオチド中のすべてのモノマー間にホスホロチオエート結合を有するDNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを用い、かつ(参照により本明細書に組み入れられる)WO 01/23613の実施例91〜95によって提供される方法論を用いた場合に測定される初速度の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、または20%超であること。
ギャップマーオリゴヌクレオチドおよびギャップマー設計
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、ギャップマーであってよい。アンチセンスギャップマーは、RNアーゼHを媒介とした分解によって標的核酸を阻害するために一般に使用される。ギャップマーオリゴヌクレオチドは、少なくとも3つの独特な構造領域である5'フランク、ギャップ、および3'フランク、すなわちF-G-F'を5'→3'の向きに含む。「ギャップ」領域(G)は、オリゴヌクレオチドがRNアーゼHを動員するのを可能にする一続きの連続DNAヌクレオチドを含む。ギャップ領域は、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む5'隣接領域(F)、および1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む3'隣接領域(F')にはさまれている。領域Fおよび領域F'中の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する(すなわち、親和性を増強する糖修飾ヌクレオシドである)。いくつかの態様において、領域Fおよび領域F'中の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、2'糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性2'糖修飾であり、例えば、LNAおよび2'-MOEより独立に選択される。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、ギャップマーであってよい。アンチセンスギャップマーは、RNアーゼHを媒介とした分解によって標的核酸を阻害するために一般に使用される。ギャップマーオリゴヌクレオチドは、少なくとも3つの独特な構造領域である5'フランク、ギャップ、および3'フランク、すなわちF-G-F'を5'→3'の向きに含む。「ギャップ」領域(G)は、オリゴヌクレオチドがRNアーゼHを動員するのを可能にする一続きの連続DNAヌクレオチドを含む。ギャップ領域は、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む5'隣接領域(F)、および1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む3'隣接領域(F')にはさまれている。領域Fおよび領域F'中の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する(すなわち、親和性を増強する糖修飾ヌクレオシドである)。いくつかの態様において、領域Fおよび領域F'中の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、2'糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性2'糖修飾であり、例えば、LNAおよび2'-MOEより独立に選択される。
ギャップマー設計において、ギャップ領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはDNAヌクレオシドであり、それぞれ5'(F)領域または3'(F')領域の糖修飾ヌクレオシドに隣接して配置される。これらのフランクは、ギャップ領域から最も離れた末端、すなわち5'フランクの5'末端および3'フランクの3'末端に少なくとも1つの糖修飾ヌクレオシドを有することを、さらに特徴としてよい。
領域F-G-F'は、連続ヌクレオチド配列を形成する。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチまたはその連続ヌクレオチド配列は、式F-G-F'のギャップマー領域を含んでよい。
ギャップマー設計F-G-F'の全長は、例えば12〜32ヌクレオシド、例えば13〜24、例えば14〜22ヌクレオシド、例えば14〜17、例えば16〜18ヌクレオシドであってよい。
例として、本発明のギャップマーオリゴヌクレオチドは、以下の式によって表すことができる:
ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
領域F、G、およびF'を下記にさらに定義し、F-G-F'式に組み入れることができる。
ギャップマー領域G
ギャップマーの領域G(ギャップ領域)は、オリゴヌクレオチドがRNアーゼH、例えばヒトRNアーゼH1を動員するのを可能にするヌクレオシド、典型的にはDNAヌクレオシドからなる領域である。RNアーゼHは、DNAとRNAとの二重鎖を認識しRNA分子を酵素的に切断する細胞酵素である。適切には、ギャップマーは、長さが少なくとも5個または6個の連続DNAヌクレオシド、例えば5〜16個の連続DNAヌクレオシド、例えば6〜15個の連続DNAヌクレオシド、例えば7〜14個の連続DNAヌクレオシド、例えば8〜12個の連続DNAヌクレオチド、例えば8〜12個の連続DNAヌクレオチドのギャップ領域(G)を有してよい。いくつかの態様において、ギャップ領域Gは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個の連続DNAヌクレオシドからなる。
ギャップマーの領域G(ギャップ領域)は、オリゴヌクレオチドがRNアーゼH、例えばヒトRNアーゼH1を動員するのを可能にするヌクレオシド、典型的にはDNAヌクレオシドからなる領域である。RNアーゼHは、DNAとRNAとの二重鎖を認識しRNA分子を酵素的に切断する細胞酵素である。適切には、ギャップマーは、長さが少なくとも5個または6個の連続DNAヌクレオシド、例えば5〜16個の連続DNAヌクレオシド、例えば6〜15個の連続DNAヌクレオシド、例えば7〜14個の連続DNAヌクレオシド、例えば8〜12個の連続DNAヌクレオチド、例えば8〜12個の連続DNAヌクレオチドのギャップ領域(G)を有してよい。いくつかの態様において、ギャップ領域Gは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個の連続DNAヌクレオシドからなる。
いくつかの態様において、ギャップ領域Gは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個の連続のホスホロチオエート結合DNAヌクレオシドからなってもよい。いくつかの態様において、ギャップ中のヌクレオシド間結合のすべてが、ホスホロチオエート結合である。
従来のギャップマーはDNAギャップ領域を有しているが、ギャップ領域内で使用された場合にRNアーゼH動員を可能にする修飾ヌクレオシドの例が多数ある。ギャップ領域内に含まれた場合にRNアーゼHを動員することができると報告されている修飾ヌクレオシドには、例えば、α-L-LNA、C4'アルキル化DNA(どちらも参照により本明細書に組み入れられるPCT/EP2009/050349およびVester et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 18 (2008) 2296-2300において説明されている)、ANAおよび2'F-ANAのようなアラビノース由来ヌクレオシド(Mangos et al. 2003 J. AM. CHEM. SOC. 125, 654-661)、UNA (unlocked nucleic acid)(参照により本明細書に組み入れられるFluiter et al., Mol. Biosyst., 2009, 10, 1039において説明されている)が含まれる。UNAは、アンロックド核酸であり、典型的にはリボースのC2とC3の間の結合が除去されてアンロックド「糖」残基を形成している。5'メチルDNAヌクレオシドのような5'置換DNAヌクレオシドが、DNAギャップ領域中での使用に関して報告されている(EP2742136)。このようなギャップマー中で使用される修飾ヌクレオシドは、ギャップ領域中に導入された場合に2'エンド(DNA様)構造をとるヌクレオシド、すなわちRNアーゼH動員を可能にする修飾物であってよい。いくつかの態様において、本明細書において説明されるDNAギャップ領域(G)は、ギャップ領域中に導入された場合に2'エンド(DNA様)構造をとる1〜3個の糖修飾ヌクレオシドを任意で含んでよい。
領域G「ギャップブレーカー」
あるいは、ギャップマーのギャップ領域に3'エンド立体構造を与え、同時にいくらかのRNアーゼH活性を有する、修飾ヌクレオシドの挿入についても多数の報告がある。1つまたは複数の3'エンド修飾ヌクレオシドを含むギャップ領域を有するこのようなギャップマーは、「ギャップブレーカー」または「ギャップが破壊された」ギャップマーとも呼ばれる。例えばWO 2013/022984を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドは、RNアーゼH動員を可能にするのに十分なDNAヌクレオシド領域をギャップ領域内に有している。RNアーゼHを動員するギャップブレーカーオリゴヌクレオチド設計の能力は、典型的には、配列特異的またはさらに化合物特異的である。標的RNAのより特異的な切断を場合によっては提供するRNアーゼH動員「ギャップブレーカー」オリゴヌクレオチドを開示しているRukov et al. 2015 Nucl. Acids Res. Vol. 43 pp. 8476-8487を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内で使用される修飾ヌクレオシドは、例えば、3'エンド立体構造を与える修飾ヌクレオシド、例えば2'-O-メチル(OMe)ヌクレオシドもしくは2'-O-MOE(MOE)ヌクレオシド、またはβ-D LNAヌクレオシド(ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'の間の架橋がβ配座の状態にある)、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドまたはScETヌクレオシドであってよい。
あるいは、ギャップマーのギャップ領域に3'エンド立体構造を与え、同時にいくらかのRNアーゼH活性を有する、修飾ヌクレオシドの挿入についても多数の報告がある。1つまたは複数の3'エンド修飾ヌクレオシドを含むギャップ領域を有するこのようなギャップマーは、「ギャップブレーカー」または「ギャップが破壊された」ギャップマーとも呼ばれる。例えばWO 2013/022984を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドは、RNアーゼH動員を可能にするのに十分なDNAヌクレオシド領域をギャップ領域内に有している。RNアーゼHを動員するギャップブレーカーオリゴヌクレオチド設計の能力は、典型的には、配列特異的またはさらに化合物特異的である。標的RNAのより特異的な切断を場合によっては提供するRNアーゼH動員「ギャップブレーカー」オリゴヌクレオチドを開示しているRukov et al. 2015 Nucl. Acids Res. Vol. 43 pp. 8476-8487を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内で使用される修飾ヌクレオシドは、例えば、3'エンド立体構造を与える修飾ヌクレオシド、例えば2'-O-メチル(OMe)ヌクレオシドもしくは2'-O-MOE(MOE)ヌクレオシド、またはβ-D LNAヌクレオシド(ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'の間の架橋がβ配座の状態にある)、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドまたはScETヌクレオシドであってよい。
前述の領域Gを含むギャップマーと同様に、ギャップブレーカーまたはギャップが破壊されたギャップマーのギャップ領域は、(領域Fの3'ヌクレオシドに隣接している)ギャップの5'末端におけるDNAヌクレオシドおよび(領域F'の5'ヌクレオシドに隣接している)ギャップの3'末端におけるDNAヌクレオシドを有する。破壊されたギャップを含むギャップマーは、典型的には、ギャップ領域の5'末端または3'末端のいずれかに、少なくとも3個または4個の連続DNAヌクレオシドからなる領域を有している。
ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドの例示的な設計には
が含まれ、
式中、領域Gは、角括弧[Dn-Er-Dm]の中にあり、Dは、DNAヌクレオシドの連続配列であり、Eは、修飾ヌクレオシド(ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ヌクレオシド)であり、FおよびF'は、本明細書において定義される隣接領域であり、ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
が含まれ、
式中、領域Gは、角括弧[Dn-Er-Dm]の中にあり、Dは、DNAヌクレオシドの連続配列であり、Eは、修飾ヌクレオシド(ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ヌクレオシド)であり、FおよびF'は、本明細書において定義される隣接領域であり、ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
いくつかの態様において、ギャップが破壊されたギャップマーの領域Gは、少なくとも6個のDNAヌクレオシド、例えば、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個のDNAヌクレオシドを含む。前述したように、DNAヌクレオシドは、連続していてよく、または任意で、1つもしくは複数の修飾ヌクレオシドが割り込んでいてよく、ただし、ギャップ領域GがRNアーゼH動員を媒介できることを条件とする。
ギャップマー隣接領域FおよびF'
領域Fは、領域Gの5'DNAヌクレオシドのすぐ隣に位置している。領域Fの最も3'側のヌクレオシドは、高親和性糖修飾ヌクレオシドのような糖修飾ヌクレオシド、例えば、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
領域Fは、領域Gの5'DNAヌクレオシドのすぐ隣に位置している。領域Fの最も3'側のヌクレオシドは、高親和性糖修飾ヌクレオシドのような糖修飾ヌクレオシド、例えば、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
領域F'は、領域Gの3'DNAヌクレオシドのすぐ隣に位置している。領域F'の最も5'側のヌクレオシドは、高親和性糖修飾ヌクレオシドのような糖修飾ヌクレオシド、例えば、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである
領域Fは、長さが1〜8個の連続ヌクレオチド、例えば長さが2〜6個、例えば3〜4個の連続ヌクレオチドである。有利には、領域Fの最も5'側のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側から2つのヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側から2つのヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側から2つのヌクレオシドは、2'置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2つの3'MOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側のヌクレオシドは、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシドである。
領域F'は、長さが2〜8個の連続ヌクレオチド、例えば長さが3〜6個、例えば4〜5個の連続ヌクレオチドである。有利には、態様において、領域F'の最も3'側のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側から2つのヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側から2つのヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側から2つのヌクレオシドは、2'置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2つの3'MOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側のヌクレオシドは、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシドである。
領域Fまたは領域F'の長さが1である場合、それは有利にはLNAヌクレオシドであることに注意すべきである。
いくつかの態様において、領域Fおよび領域F'は、独立に、糖修飾ヌクレオシドの連続配列からなるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、領域Fの糖修飾ヌクレオシドは、2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-O-メチル-RNA、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、2'-アルコキシ-RNA、MOEユニット、LNAユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、および2'-フルオロ-ANAユニットより独立に選択され得る。
いくつかの態様において、領域Fおよび領域F'は、独立にLNAヌクレオシドおよび2'置換修飾ヌクレオシドの両方を含む(混合ウイング設計)。
いくつかの態様において、領域FもしくはF'、またはFおよびF'のすべてのヌクレオシドはLNAヌクレオシドであり、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシド、ENAヌクレオシド、またはScETヌクレオシドより独立に選択される。いくつかの態様において、領域Fは、1〜5個、例えば2〜4個、例えば3〜4個、例えば、1個、2個、3個、4個、または5個の連続LNAヌクレオシドからなる。いくつかの態様において、領域FおよびF'のすべてのヌクレオシドは、β-D-オキシLNAヌクレオシドである。
いくつかの態様において、領域FもしくはF'、またはFおよびF'のすべてのヌクレオシドは、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個の連続OMeヌクレオシドまたは連続MOEヌクレオシドからなる。いくつかの態様において、隣接領域のうちの1つだけが、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドからなることができる。いくつかの態様において、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドからなるのは5'(F)隣接領域であり、一方、3'(F')隣接領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドからなるのは3'(F')隣接領域であり、一方、5'(F)隣接領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。
いくつかの態様において、領域FおよびF'のすべての修飾ヌクレオシドはLNAヌクレオシドであり、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシド、ENAヌクレオシド、またはScETヌクレオシドより独立に選択され、その際、領域FもしくはF'、またはFおよびF'は、任意で、DNAヌクレオシドを含んでよい(交互フランク、より詳細についてはこれらの定義を参照されたい)。いくつかの態様において、領域FおよびF'のすべての修飾ヌクレオシドはβ-D-オキシLNAヌクレオシドであり、領域FもしくはF'、またはFおよびF'は、任意で、DNAヌクレオシドを含んでよい(交互フランク、より詳細についてはこれらの定義を参照されたい)。
いくつかの態様において、領域FおよびF'の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドは、LNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはScETヌクレオシドである。
いくつかの態様において、領域Fと領域Gの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、領域F'と領域Gの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、領域FまたはF'、FおよびF'のヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
LNAギャップマー
LNAギャップマーは、領域FおよびF'のいずれか一方または両方がLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなる、ギャップマーである。β-D-オキシギャップマーは、領域FおよびF'のいずれか一方または両方がβ-D-オキシLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなる、ギャップマーである。
LNAギャップマーは、領域FおよびF'のいずれか一方または両方がLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなる、ギャップマーである。β-D-オキシギャップマーは、領域FおよびF'のいずれか一方または両方がβ-D-オキシLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなる、ギャップマーである。
いくつかの態様において、LNAギャップマーは、式:[LNA]1〜5-[領域G]-[LNA]1〜5(式中、領域Gはギャップマーの定義において定義されるとおりである)を有する。
MOEギャップマー
MOEギャップマーは、領域Fおよび領域F'がMOEヌクレオシドからなるギャップマーである。いくつかの態様において、MOEギャップマーは、設計[MOE]1〜8-[領域G]-[MOE]1〜8、例えば[MOE]2〜7-[領域G]5〜16-[MOE]2〜7、例えば[MOE]3〜6-[領域G]-[MOE]3〜6(式中、領域Gはギャップマーの定義において定義されるとおりである)を有する。5-10-5設計(MOE-DNA-MOE)を有するMOEギャップマーが、当技術分野で広く使用されている。
MOEギャップマーは、領域Fおよび領域F'がMOEヌクレオシドからなるギャップマーである。いくつかの態様において、MOEギャップマーは、設計[MOE]1〜8-[領域G]-[MOE]1〜8、例えば[MOE]2〜7-[領域G]5〜16-[MOE]2〜7、例えば[MOE]3〜6-[領域G]-[MOE]3〜6(式中、領域Gはギャップマーの定義において定義されるとおりである)を有する。5-10-5設計(MOE-DNA-MOE)を有するMOEギャップマーが、当技術分野で広く使用されている。
混合ウイングギャップマー
混合ウイングギャップマーは、領域Fおよび領域F'の一方または両方が、2'置換ヌクレオシド、例えば、2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-O-メチル-RNA、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、2'-アルコキシ-RNA、MOEユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、および2'-フルオロ-ANAユニットからなる群より独立に選択される2'置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドを含む、LNAギャップマーである。領域Fおよび領域F'のうちの少なくとも1つまたは領域Fおよび領域F'の両方が少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの態様において、領域Fおよび領域F'の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群より独立に選択される。領域Fおよび領域F'のうちの少なくとも1つまたは領域Fおよび領域F'の両方が少なくとも2つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの態様において、領域Fおよび領域F'の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群より独立に選択される。いくつかの混合ウイング態様において、領域Fおよび領域F'の一方または両方は、1つまたは複数のDNAヌクレオシドをさらに含んでよい。
混合ウイングギャップマーは、領域Fおよび領域F'の一方または両方が、2'置換ヌクレオシド、例えば、2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-O-メチル-RNA、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、2'-アルコキシ-RNA、MOEユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、および2'-フルオロ-ANAユニットからなる群より独立に選択される2'置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドを含む、LNAギャップマーである。領域Fおよび領域F'のうちの少なくとも1つまたは領域Fおよび領域F'の両方が少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの態様において、領域Fおよび領域F'の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群より独立に選択される。領域Fおよび領域F'のうちの少なくとも1つまたは領域Fおよび領域F'の両方が少なくとも2つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの態様において、領域Fおよび領域F'の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群より独立に選択される。いくつかの混合ウイング態様において、領域Fおよび領域F'の一方または両方は、1つまたは複数のDNAヌクレオシドをさらに含んでよい。
混合ウイングギャップマー設計は、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 2008/049085およびWO 2012/109395において開示されている。
交互フランクギャップマー
交互フランクを有するオリゴヌクレオチドは、フランク(FまたはF')の少なくとも1つがLNAヌクレオシドに加えてDNAを含むLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、領域Fもしくは領域F'の少なくとも1つ、または領域Fおよび領域F'の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような態様において、隣接領域FもしくはF'、またはFおよびF'の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、F領域および/またはF'領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。
交互フランクを有するオリゴヌクレオチドは、フランク(FまたはF')の少なくとも1つがLNAヌクレオシドに加えてDNAを含むLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、領域Fもしくは領域F'の少なくとも1つ、または領域Fおよび領域F'の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような態様において、隣接領域FもしくはF'、またはFおよびF'の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、F領域および/またはF'領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。
いくつかの態様において、領域Fもしくは領域F'の少なくとも1つ、または領域Fおよび領域F'の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような態様において、隣接領域FもしくはF'、またはFおよびF'の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、F領域またはF'領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む隣接領域は、LNA-DNA-LNAヌクレオシドという交互モチーフを含むことから、交互フランクと呼ばれる。交互フランクLNAギャップマーは、WO 2016/127002に開示されている。
交互フランク領域は、最大3個の連続DNAヌクレオシド、例えば1〜2個または1個もしくは2個もしくは3個の連続DNAヌクレオシドを含んでよい。
オリゴヌクレオチド設計において、これらは数字としてしばしば表され、2-2-1は5'[L]2-[D]2-[L]3'を表し、1-1-1-1-1は5'[L]-[D]-[L]-[D]-[L]3'を表すという具合である。交互フランクを有するオリゴヌクレオチド中のフランク(領域Fおよび領域F')の長さは、独立に、3〜10ヌクレオシド、例えば4〜8、例えば5〜6ヌクレオシド、例えば4個、5個、6個、または7個の修飾ヌクレオシドであってよい。いくつかの態様において、ギャップマーオリゴヌクレオチド中のフランクの一方だけが交互であり、他方はLNAヌクレオチドから構成される。付加的なエキソヌクレアーゼ耐性を与えるために、3'フランク(F')の3'末端に少なくとも2個のLNAヌクレオシドを有することが有利である場合がある。交互フランクを有するオリゴヌクレオチドのいくつかの例は以下のとおりである:
ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
トータルマー
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシドのすべてが、糖修飾ヌクレオシドである。本明細書において、このようなオリゴヌクレオチドは、トータルマーと呼ばれる。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシドのすべてが、糖修飾ヌクレオシドである。本明細書において、このようなオリゴヌクレオチドは、トータルマーと呼ばれる。
いくつかの態様において、トータルマーの糖修飾ヌクレオシドのすべてが同じ糖修飾を含み、例えば、それらは、すべてLNAヌクレオシドであってよく、またはすべて2'O-MOEヌクレオシドであってよい。いくつかの態様において、トータルマーの糖修飾ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドおよび2'置換ヌクレオシド、例えば、2'-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2'-O-メチル-RNAヌクレオシド、2'-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)ヌクレオシド、2'-アミノ-DNAヌクレオシド、2'-フルオロ-RNAヌクレオシド、および2'-F-ANAヌクレオシドからなる群より選択される2'置換ヌクレオシドより、独立に選択され得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2'置換ヌクレオシドの両方を含み、例えば、2'置換ヌクレオシドは、2'-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2'-O-メチル-RNAヌクレオシド、2'-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)ヌクレオシド、2'-アミノ-DNAヌクレオシド、2'-フルオロ-RNAヌクレオシド、および2'-F-ANAヌクレオシドからなる群より選択される2'置換ヌクレオシドである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2'-O-MOEヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、(S)cET LNAヌクレオシドおよび2'-O-MOEヌクレオシドを含む。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシドのすべてが、LNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシ-LNAヌクレオシド、および/または(S)cETヌクレオシドである。いくつかの態様において、このようなLNAトータルマーオリゴヌクレオチドは、7ヌクレオシド長〜12ヌクレオシド長である(例えばWO 2009/043353を参照されたい)。このような短い全面的LNAオリゴヌクレオチドは、マイクロRNAを阻害するにあたって特に有効である。
様々なトータルマー化合物が、特にマイクロRNAを標的とする場合(アンチmiR)またはスプライススイッチングオリゴマー(SSO)として、治療的オリゴマーとして著しく有効である。
いくつかの態様において、トータルマーは、反復配列XYXもしくはYXYなどの少なくとも1つのXYXもしくはYXY配列モチーフを含むか、またはそれからなり、式中、XはLNAであり、Yは別の(すなわちLNAではない)ヌクレオチド類似体、例えば、2'-OMe RNAユニットおよび2'-フルオロDNAユニットである。いくつかの態様において、上記の配列モチーフは、例えば、XXY、XYX、YXY、またはYYXであってよい。
いくつかの態様において、トータルマーは、7ヌクレオチド〜24ヌクレオチド、例えば、7、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、もしくは23ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなってよい。
いくつかの態様において、トータルマーの連続ヌクレオチド配列は、少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば95%、例えば100%のLNAユニットを含む。全面的LNA化合物の場合、これらは12ヌクレオチド長未満、例えば7〜10ヌクレオチド長であることが有利である。
残りのユニットは、本明細書において言及する非LNAヌクレオチド類似体、例えば2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-OMe-RNAユニット、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、LNAユニット、PNAユニット、HNAユニット、INAユニット、および2'MOE RNAユニットからなる群、または2'-OMe RNAユニットおよび2'-フルオロDNAユニットの群より選択されるものより選択されてよい。
ミクスマー
用語「ミクスマー」は、DNAヌクレオシドおよび糖修飾ヌクレオシドの両方を含み、RNアーゼHを動員するには不十分な長さの連続DNAヌクレオシドが存在する、オリゴマーを意味する。適切には、ミクスマーは、最大3個または最大4個の連続DNAヌクレオシドを含んでよい。いくつかの態様において、ミクスマーは、糖修飾ヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドからなる交互の領域を含む。オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合にRNA様(3'エンド)立体構造を形成する糖修飾ヌクレオシドの領域とDNAヌクレオシドの短い領域とを交互にすることによって、RNアーゼHを動員しないオリゴヌクレオチドを作ることができる。有利には、糖修飾ヌクレオシドは、親和性増強糖修飾ヌクレオシドである。
用語「ミクスマー」は、DNAヌクレオシドおよび糖修飾ヌクレオシドの両方を含み、RNアーゼHを動員するには不十分な長さの連続DNAヌクレオシドが存在する、オリゴマーを意味する。適切には、ミクスマーは、最大3個または最大4個の連続DNAヌクレオシドを含んでよい。いくつかの態様において、ミクスマーは、糖修飾ヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドからなる交互の領域を含む。オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合にRNA様(3'エンド)立体構造を形成する糖修飾ヌクレオシドの領域とDNAヌクレオシドの短い領域とを交互にすることによって、RNアーゼHを動員しないオリゴヌクレオチドを作ることができる。有利には、糖修飾ヌクレオシドは、親和性増強糖修飾ヌクレオシドである。
オリゴヌクレオチドミクスマーは、しばしば、スプライシング調節物質またはマイクロRNA阻害剤など、標的遺伝子を占拠することに基づく調節を提供するのに使用される。
いくつかの態様において、ミクスマー中の糖修飾ヌクレオシドまたはその連続ヌクレオチド配列は、LNAヌクレオシド、例えば(S)cET LNAヌクレオシドもしくはβ-D-オキシLNAヌクレオシドを含むか、またはすべてLNAヌクレオシド、例えば(S)cET LNAヌクレオシドもしくはβ-D-オキシLNAヌクレオシドである。
いくつかの態様において、ミクスマーの糖修飾ヌクレオシドのすべてが同じ糖修飾を含み、例えば、それらは、すべてLNAヌクレオシドであってよく、またはすべて2'O-MOEヌクレオシドであってよい。いくつかの態様において、ミクスマーの糖修飾ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドおよび2'置換ヌクレオシド、例えば、2'-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2'-O-メチル-RNAヌクレオシド、2'-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)ヌクレオシド、2'-アミノ-DNAヌクレオシド、2'-フルオロ-RNAヌクレオシド、および2'-F-ANAヌクレオシドからなる群より選択される2'置換ヌクレオシドより、独立に選択され得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2'置換ヌクレオシドの両方を含み、例えば、2'置換ヌクレオシドは、2'-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2'-O-メチル-RNAヌクレオシド、2'-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)ヌクレオシド、2'-アミノ-DNAヌクレオシド、2'-フルオロ-RNAヌクレオシド、および2'-F-ANAヌクレオシドからなる群より選択される2'置換ヌクレオシドである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2'-O-MOEヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、(S)cET LNAヌクレオシドおよび2'-O-MOEヌクレオシドを含む。
いくつかの態様において、ミクスマーまたはその連続ヌクレオチド配列は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドのみを含み、例えばLNAミクスマーオリゴヌクレオチドは、例えば8ヌクレオシド長〜24ヌクレオシド長であってよい(例えば、マイクロRNAのLNAアンチmiR阻害剤を開示しているWO 2007112754を参照されたい)。
様々なミクスマー化合物が、特にマイクロRNAを標的とする場合(アンチmiR)またはスプライススイッチングオリゴマー(SSO)として、治療的オリゴマーとして著しく有効である。
上式で、Lは、LNAまたは2'置換ヌクレオシド(例えば2'-O-MOE)などの糖修飾ヌクレオシドを表し、DはDNAヌクレオシドを表し、各mは、1〜6より独立に選択され、各nは、1、2、3、および4、例えば1〜3または1〜2より独立に選択され、...は、任意の5'末端もしくは3'末端のヌクレオシド(例えば領域DもしくはD”)、もしくはオリゴヌクレオチドの5'末端もしくは3'末端、またはその連続ヌクレオチド配列を表す。
いくつかの態様において、各Lは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、少なくとも1つのLはLNAヌクレオシドであり、少なくとも1つのLは2'-O-MOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、各Lは、LNAヌクレオシドおよび2'-O-MOEヌクレオシドより独立に選択される。
いくつかの態様において、ミクスマーは、10ヌクレオチド〜24ヌクレオチドの間、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、もしくは23ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなってよい。
いくつかの態様において、ミクスマーの連続ヌクレオチド配列は、少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%のLNAユニットを含む。
いくつかの態様において、ミクスマーは、ヌクレオチド類似体と天然ヌクレオチドとの、もしくは1つのタイプのヌクレオチド類似体と別のタイプのヌクレオチド類似体との繰り返しパターンを有する連続ヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる。繰り返しパターンは、例えば、次のようであってよい:1つおきのヌクレオチドまたは2つおきのヌクレオチドがLNAのようなヌクレオチド類似体であり、かつ残りのヌクレオチドが、DNAのような天然ヌクレオチドであるか、または本明細書において言及されるか、もしくはいくつかの態様において、本明細書において言及されるヌクレオチド類似体の群より選択される、2'MOEまたは2'フルオロ類似体などの2'置換ヌクレオチド類似体である。LNAユニットのようなヌクレオチド類似体の繰り返しパターンは、決まった位置、例えば5'末端または3'末端において、ヌクレオチド類似体と組み合わされてよいことが認識される。
いくつかの態様において、オリゴマーの3'末端から数えて最初のヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドまたは2'-O-MOEヌクレオシドである。
同じまたは異なり得るいくつかの態様において、オリゴマーの3'末端から数えて2番目のヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドまたは2'-O-MOEヌクレオシドである。
同じまたは異なり得るいくつかの態様において、オリゴマーの5'末端は、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドまたは2'-O-MOEヌクレオシドである。
いくつかの態様において、ミクスマーは、少なくとも2個の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えば少なくとも2個の連続したLNAユニットからなる少なくとも1つの領域を含む。
いくつかの態様において、ミクスマーは、少なくとも3個の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えば少なくとも3個の連続したLNAユニットからなる少なくとも1つの領域を含む。
オリゴヌクレオチド中の領域D'または領域D”
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的核酸に相補的である、オリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列、例えばギャップマーF-G-F'、およびさらなる5'ヌクレオシドおよび/もしくは3'ヌクレオシドを含んでよいか、またはそれからなってよい。さらなる5'ヌクレオシドおよび/または3'ヌクレオシドは、標的核酸に完全に相補的であってもなくてもよい。このようなさらなる5'ヌクレオシドおよび/または3'ヌクレオシドは、本明細書において領域D'および領域D”と呼ばれ得る。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的核酸に相補的である、オリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列、例えばギャップマーF-G-F'、およびさらなる5'ヌクレオシドおよび/もしくは3'ヌクレオシドを含んでよいか、またはそれからなってよい。さらなる5'ヌクレオシドおよび/または3'ヌクレオシドは、標的核酸に完全に相補的であってもなくてもよい。このようなさらなる5'ヌクレオシドおよび/または3'ヌクレオシドは、本明細書において領域D'および領域D”と呼ばれ得る。
領域D'または領域D”の付加は、ギャップマーのような連続ヌクレオチド配列をコンジュゲート部分または別の官能基に結合するために使用され得る。連続ヌクレオチド配列をコンジュゲート部分と結合するために使用される場合、生物切断可能なリンカーとしての機能を果たすことができる。あるいは、これは、エキソヌクレアーゼ保護を与えるために、または合成もしくは製造を容易にするためにも使用され得る。
領域D'および領域D”を、それぞれ、領域Fの5'末端または領域F'の3'末端に結合して、次の式:D'-F-G-F'、F-G-F'-D”、またはD'-F-G-F'-D”の設計を作ることができる。この場合、F-G-F'は、オリゴヌクレオチドのギャップマー部分であり、領域D'または領域D”は、オリゴヌクレオチドの別個の部分を構成する。
領域D'または領域D”は、独立に、標的核酸に相補的でも非相補的でもよい1個、2個、3個、4個、もしくは5個の付加的なヌクレオチドを含むか、またはそれからなってよい。F領域またはF'領域に隣接したヌクレオチドは、糖修飾ヌクレオチドではなく、例えば、DNAもしくはRNAまたはこれらの塩基修飾型である。D'領域またはD'領域は、ヌクレアーゼ感受性の生物切断可能なリンカーの役割を果たし得る(リンカーの定義を参照されたい)。いくつかの態様において、付加的な5'末端ヌクレオチドおよび/または3'末端ヌクレオチドは、リン酸ジエステル結合で連結されており、DNAまたはRNAである。領域D'または領域D”として使用するために適しているヌクレオチドベースの生物切断可能なリンカーが、WO 2014/076195において開示されており、例として、リン酸ジエステル結合DNAジヌクレオチドが含まれる。ポリオリゴヌクレオチド構築物における生物切断可能なリンカーの使用が、WO 2015/113922において開示されており、その際、これらは、単一のオリゴヌクレオチド内で複数のアンチセンス構築物(例えばギャップマー領域)を連結するのに使用される。
1つの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、ギャップマーを構成する連続ヌクレオチド配列に加えて、領域D'および/または領域D”を含む。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、以下の式によって表すことができる:
F-G-F'、特にF1〜8-G5〜16-F'2〜8
D'-F-G-F'、特にD'1〜3-F1〜8-G5〜16-F'2〜8
F-G-F'-D”、特にF1〜8-G5〜16-F'2〜8-D”1〜3
D'-F-G-F'-D”、特にD'1〜3-F1〜8-G5〜16-F'2〜8-D”1〜3。
F-G-F'、特にF1〜8-G5〜16-F'2〜8
D'-F-G-F'、特にD'1〜3-F1〜8-G5〜16-F'2〜8
F-G-F'-D”、特にF1〜8-G5〜16-F'2〜8-D”1〜3
D'-F-G-F'-D”、特にD'1〜3-F1〜8-G5〜16-F'2〜8-D”1〜3。
いくつかの態様において、領域D'と領域Fの間に位置するヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合である。いくつかの態様において、領域F'と領域D”の間に位置するヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合である。
コンジュゲート
本明細書において使用される用語「コンジュゲート」は、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分または領域Cもしくは第3の領域)に共有結合的に連結されているオリゴヌクレオチドを意味する。
本明細書において使用される用語「コンジュゲート」は、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分または領域Cもしくは第3の領域)に共有結合的に連結されているオリゴヌクレオチドを意味する。
1つまたは複数の非ヌクレオチド部分への本発明のオリゴヌクレオチドのコンジュゲーションは、例えば、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、細胞への取込み、または安定性に影響を及ぼすことによって、オリゴヌクレオチドの薬理作用を改良し得る。いくつかの態様において、コンジュゲート部分は、オリゴヌクレオチドの細胞分布、生物学的利用能、代謝、排出、透過性、および/または細胞への取込みを改良することによって、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改変または増強する。特に、コンジュゲートは、オリゴヌクレオチドを特定の器官、組織、または細胞型に導き、それによって、その器官、組織、または細胞型におけるオリゴヌクレオチドの有効性を高め得る。同時に、コンジュゲートは、標的ではない細胞型、組織、もしくは器官におけるオリゴヌクレオチドの活性、例えばオフターゲット活性、または標的ではない細胞型、組織、もしくは器官における活性を低下させる役割を果たし得る。参照により本明細書に組み入れられるWO 93/07883およびWO 2013/033230は、適切なコンジュゲート部分を提供する。さらに他の適切なコンジュゲート部分は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)に結合することができるものである。特に、三価のN-アセチルガラクトサミンコンジュゲート部分は、ASGPrに結合するために適しており、例えば、(参照により本明細書に組み入れられる)WO 2014/076196、WO 2014/207232、およびWO 2014/179620を参照されたい。
オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびそれらの合成はまた、それぞれがそっくりそのまま参照により本明細書に組み入れられるManoharan in Antisense Drug Technology, Principles, Strategies, and Applications, S.T. Crooke, ed., Ch. 16, Marcel Dekker, Inc., 2001および Manoharan, Antisense and Nucleic Acid Drug Development, 2002, 12, 103による包括的な総説において報告されている。
ある態様において、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分)は、炭水化物、細胞表面受容体リガンド、原薬、ホルモン、親油性物質、ポリマー、タンパク質、ペプチド、毒素(例えば細菌毒素)、ビタミン、ウイルスタンパク質(例えばカプシド)、またはそれらの組合せからなる群より選択される。
リンカー
結合またはリンカーは、1つまたは複数の共有結合を介して関心対象の1つの化学基またはセグメントを関心対象の別の化学基またはセグメントに連結する、2つの原子間の結合である。コンジュゲート部分は、直接または連結部分(例えばリンカーまたはテザー)を介してオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーは、第3の領域、例えばコンジュゲート部分(領域C)を第1の領域、例えば、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列(領域A)に共有結合的に連結する働きをする。
結合またはリンカーは、1つまたは複数の共有結合を介して関心対象の1つの化学基またはセグメントを関心対象の別の化学基またはセグメントに連結する、2つの原子間の結合である。コンジュゲート部分は、直接または連結部分(例えばリンカーまたはテザー)を介してオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーは、第3の領域、例えばコンジュゲート部分(領域C)を第1の領域、例えば、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列(領域A)に共有結合的に連結する働きをする。
本発明のいくつかの態様において、本発明のコンジュゲートまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列(領域Aまたは第1の領域)とコンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)の間に配置されるリンカー領域(第2の領域または領域Bおよび/もしくは領域Y)を任意で含んでよい。
領域Bは、正常時に生じる条件もしくは哺乳動物の体内で生じる条件に類似した条件下で切断可能である生理学的に不安定な結合を含むか、またはそれからなる、生物切断可能なリンカーを指す。生理学的に不安定なリンカーが化学的変換(例えば切断)を受ける条件には、pH、温度、酸化的もしくは還元的な条件、または作用物質、および哺乳動物細胞で見出される塩濃度もしくは哺乳動物細胞で生じるものに類似した塩濃度などの化学的条件が含まれる。哺乳動物細胞内条件には、例えばタンパク質分解酵素もしくは加水分解酵素またはヌクレアーゼに由来する、哺乳動物細胞において通常は存在する酵素活性の存在も含まれる。1つの態様において、生物切断可能なリンカーは、S1ヌクレアーゼ切断に感受性である。好ましい態様において、ヌクレアーゼ感受性リンカーは、少なくとも2個の連続したリン酸ジエステル結合、例えば少なくとも3個または4個または5個の連続したリン酸ジエステル結合を含む、1〜10個のヌクレオシド、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のヌクレオシド、より好ましくは2〜6個のヌクレオシド、および最も好ましくは2〜4個の連結ヌクレオシドを含む。好ましくは、ヌクレオシドは、DNAまたはRNAである。リン酸ジエステルを含む生物切断可能なリンカーは、(参照により本明細書に組み入れられる)WO 2014/076195においてより詳細に説明されている。
領域Yは、必ずしも生物切断可能ではないが、オリゴヌクレオチド(領域Aまたは第1の領域)にコンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)を共有結合的に連結する働きを主としてするリンカーを指す。領域Yリンカーは、エチレングリコール、アミノ酸ユニット、またはアミノアルキル基などの繰り返しユニットからなる、鎖構造またはオリゴマーを含んでよい。本発明のオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、以下の領域要素、すなわちA-C、A-B-C、A-B-Y-C、A-Y-B-C、またはA-Y-Cから構築することができる。いくつかの態様において、リンカー(領域Y)は、例えばC6〜C12アミノアルキル基を含む、C2〜C36アミノアルキル基のようなアミノアルキルである。好ましい態様において、リンカー(領域Y)は、C6アミノアルキル基である。
実施例1
DNA 3'-O-オキサザホスホリジンモノマーの合成は、以前に説明されているようにして実施した(Oka et al., J. Am. Chem. Soc. 2008 130: 16031?16037およびWan et al., NAR 2014, November、オンライン出版)。LNAモノマーの合成は、以前に説明されているようにして実施した(WO 2016/079181)。
DNA 3'-O-オキサザホスホリジンモノマーの合成は、以前に説明されているようにして実施した(Oka et al., J. Am. Chem. Soc. 2008 130: 16031?16037およびWan et al., NAR 2014, November、オンライン出版)。LNAモノマーの合成は、以前に説明されているようにして実施した(WO 2016/079181)。
実施例2 サブライブラリー発見方法の開発
親化合物:
ここで、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字は、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字sは、立体的にランダムなホスホロチオエート結合を表し、mCは、5メチルシトシンである。
アッセイ系:濃度5μMでのジムノティック送達によってHeLa細胞中に導入することにより、インビトロでオリゴヌクレオチドを試験した。3日後に細胞を採取した。
解析:Hif-1α mRNAノックダウンをqPCRによって解析した。
親化合物:
ここで、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字は、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字sは、立体的にランダムなホスホロチオエート結合を表し、mCは、5メチルシトシンである。
アッセイ系:濃度5μMでのジムノティック送達によってHeLa細胞中に導入することにより、インビトロでオリゴヌクレオチドを試験した。3日後に細胞を採取した。
解析:Hif-1α mRNAノックダウンをqPCRによって解析した。
13merの親化合物は、12個の立体定義されていないホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有している。親化合物の立体定義された変異体を同定するために、2つのオルタナティブアプローチを利用した:
戦略1:親化合物をベースとする236種の完全に立体定義された化合物を、ランダム化した立体定義されたモチーフを用いて合成した。これらをアッセイ系においてスクリーニングした。結果を図8に示す。同定された3種の最も強力な化合物は、以下であった:
戦略2―パート1:本発明者らは、親化合物を、4個の連続したホスホロチオエート結合をそれぞれが含む3つの領域に分けた。各領域について、本発明者らは、領域内のホスホロチオエートヌクレオシド間結合がそれぞれ、16種の存在し得る(24)立体定義されたモチーフのうちの1つを有し、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなヌクレオシド間結合である、16個のサブライブラリーを作った。したがって、部分的に立体定義された合成化合物の総数は、16+16+16=48個のサブライブラリー化合物であった(実験の図式表示については、図2を参照されたい)。各サブライブラリーをアッセイ系においてスクリーニングした。これらの結果を図9a、図9b、および図9cに示す。
戦略2―パート1:パート1から、本発明者らは、3つの領域のそれぞれについて最も強力なサブライブラリーの立体定義されたモチーフを同定し、3つの最も強力なサブライブラリーすべてに由来する立体定義されたモチーフ、すなわち3つの領域のそれぞれについて1つを組み込む完全に立体定義された化合物を設計した。
これは、戦略1によって同定された最も強力な化合物と同一であったことから、個々の変異体の大規模なライブラリーを合成することなく親オリゴヌクレオチドの好ましい最適化された立体定義された変異体を選択する方法としてサブライブラリーアプローチが有効であると証明された。したがって、本発明の方法は、ジアステレオ異性体のライブラリーの複雑性を大幅に低めることにより、立体定義された変異体(サブライブラリーまたは全面的な立体定義された化合物)の効率的な発見を可能にする。例えば、5位RSSRサブライブラリーは、ライブラリーの複雑性を212=4096個から28=256個のジアステレオ異性体に低め、組合せサブライブラリーアプローチ(パート2)を利用することにより、複雑性を4096から49に低めることができる。
実施例3:「RSSR」モチーフについての位置条件の調査
実施例2において、本発明者らは、最も強力なサブライブラリーおよび最も強力な化合物のうちのいくつかが、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ「5'-RSSR3'」であって、5位と呼ばれる、5番目のヌクレオシドと6番目のヌクレオシドの間に置かれた第1のRpヌクレオシド間結合を含んで配置された、モチーフを有することを確認した(図10に例示する)。5〜8位の領域のサブライブラリーについてのデータを下記に提供する。
実施例2において、本発明者らは、最も強力なサブライブラリーおよび最も強力な化合物のうちのいくつかが、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ「5'-RSSR3'」であって、5位と呼ばれる、5番目のヌクレオシドと6番目のヌクレオシドの間に置かれた第1のRpヌクレオシド間結合を含んで配置された、モチーフを有することを確認した(図10に例示する)。5〜8位の領域のサブライブラリーについてのデータを下記に提供する。
本発明者らは、RSSRモチーフの位置が、抗力に対する影響にとって非常に重要である、およびRSSRモチーフを1つの位置、例えば6位に移動させることにより、典型的には、抗力の正味の減少が起こると結論を下した(図11にも示している)。したがって、立体定義されたRSSRモチーフは、オリゴヌクレオチド配列内で移動できないという結論が下された。
実施例4:5位RSSRモチーフのインビトロからインビボへの変換可能性
SEQ ID NO 1の化合物中の5位RSSRモチーフの効力増強がインビトロからインビボに変換されるかどうかを明らかにするために、2種の立体定義されたHif1 a化合物をこの研究のために選択した。
SEQ ID NO 1の化合物中の5位RSSRモチーフの効力増強がインビトロからインビボに変換されるかどうかを明らかにするために、2種の立体定義されたHif1 a化合物をこの研究のために選択した。
6匹の黒色マウスに、立体定義されたLNAオリゴヌクレオチドまたは対照LNA化合物混合物を与え、Hif-1α mRNAのノックダウン、オリゴヌクレオチドの組織含有量、およびALTを測定した。
雌のC57BL6/Jマウス(5匹/群、到着時に約20g)に生理食塩水または10mg/kgのLNAアンチセンスオリゴヌクレオチドホスホロチオエートランダム混合物(実施例2の親)もしくは10mg/kgの立体定義されたLNAアンチセンスオリゴヌクレオチド(ID番号22もしくはID番号18)の1回量を静脈内注射した。3日目に動物を犠死させ、全血清ならびに肝臓および腎臓を採取した。
Hif-1α mRNAノックダウンをqPCRによって解析した。手短に言えば、MagnaPure RNA単離および精製システム(カタログ番号03604721001および05467535001; Roche)を製造業者の取扱い説明書に従って用いて、ホモジナイズした肝臓および腎臓からRNAを単離した。TaqmanファストユニバーサルPCRマスターミックス2×(Applied Biosystemsカタログ番号4364103)およびTaqman遺伝子発現アッセイ法(mHif-1α、Mm004688869_m1、およびmGAPDH 番号4352339E)を製造業者のプロトコールに従って用いて、RT-QPCRを行った。これらの結果を図12に示す。肝臓および腎臓中のオリゴヌクレオチド含有量をサンドイッチELISA法を用いて測定し、これらの結果を図13aおよび13bに示す。
結論:肝臓において、5位RSSR化合物、すなわちRTR25859の立体定義されたLNAオリゴヌクレオチド(ID番号18)はランダム混合物(ID番号39)と比べてmRNA標的に対する作用の向上を示したのに対し、6位がRSSRの立体定義されたLNAオリゴヌクレオチド(ID番号21)は、ランダム混合物と比べて、標的とされたmRNAの下方調節の低減を示した。
注目すべきことには、肝臓および腎臓中の組織含有量は、ランダム混合物(ID番号39)と他の立体定義されたタイプ(ID番号21)の両方と比べて、RTR25859(ID番号18)の場合に多かった。これら2種(ID番号39およびID番号21)は、肝臓における取込みが類似しているが、立体定義されたLNA(ID番号21)は、ランダム混合物(ID番号39)とID番号18の両方と比べて、腎臓組織における取込みが少ない。立体定義されたLNA(ID番号18およびID番号21)は、ランダム混合物(ID番号39)と比べて、かつ互いと比べて、取込みおよび効力が異なる。本実施例は、同定された好ましいモチーフがインビトロ実験およびインビボ実験間で変換可能であること、ならびに効力が取込みの増強に関連し得ることを示す。
実施例5 立体定義されたLNAオリゴヌクレオチドおよびランダム混合物LNAの、アポB mRNAに対するインビボ作用
単一の化合物の場合、5位RSSRモチーフがインビトロおよびインビボにおいて好ましいモチーフであることを例示した後(実施例3および4)、本発明者らは、そのモチーフが、異なる配列のアンチセンスオリゴヌクレオチド間で移動可能であるかどうかを明らかにしたいと考えた。
単一の化合物の場合、5位RSSRモチーフがインビトロおよびインビボにおいて好ましいモチーフであることを例示した後(実施例3および4)、本発明者らは、そのモチーフが、異なる配列のアンチセンスオリゴヌクレオチド間で移動可能であるかどうかを明らかにしたいと考えた。
親オリゴヌクレオチド:(番号40)
ここで、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字は、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字sは、立体的にランダムなホスホロチオエート結合を表し、mCは、5メチルシトシンである。
ここで、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字は、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字sは、立体的にランダムなホスホロチオエート結合を表し、mCは、5メチルシトシンである。
6匹の黒色マウスに、立体定義されたLNAオリゴヌクレオチドまたは対照LNA化合物混合物を与え、アポB mRNAのノックダウン、オリゴヌクレオチドの組織含有量、ALT、および総コレステロールを測定した。
雌のC57BL6/Jマウス(5匹/群、到着時に約20g)に生理食塩水または1mg/kgのLNAアンチセンスオリゴヌクレオチドホスホロチオエートランダム混合物(ID番号40)もしくは1mg/kgの立体定義されたLNAアンチセンスオリゴヌクレオチド(本発明のID番号41もしくはID番号42)の1回量を静脈内注射した。投与の6日前および投与後3日目に、50μlの血液試料を採取した。7日目に動物を犠死させ、全血清ならびに肝臓および腎臓を採取した。アポB mRNAノックダウンをqPCRによって解析した。手短に言えば、MagnaPure RNA単離および精製システム(カタログ番号03604721001および05467535001; Roche)を製造業者の取扱い説明書に従って用いて、ホモジナイズした肝臓および腎臓からRNAを単離した。TaqmanファストユニバーサルPCRマスターミックス2×(Applied Biosystemsカタログ番号4364103)およびTaqman遺伝子発現アッセイ法(mアポB、Mm01545150_m1、およびmGAPDH 番号4352339E)を製造業者のプロトコールに従って用いて、RT-QPCRを行った。これらの結果を図14aおよび図14bに示す。
肝臓および腎臓中のオリゴヌクレオチド含有量をサンドイッチELISA法を用いて測定し、これらの結果を図15aおよび図15bに示す。
肝臓組織および腎臓組織の試料採取。アポB標的の場合、70%CO2-30%O2によって動物を麻酔し、7日目に頚椎脱臼によって犠死させた。大肝葉の半分および一方の腎臓を細かく刻み、RNAlaterの中に浸した。肝臓の残り半分および他方の腎臓を凍結し、組織解析のために使用した。(本質的に、Lindholm et al, Mol Ther. 2012 Feb;20(2):376-81において説明されているように)、肝臓および腎臓中のオリゴヌクレオチド含有量をサンドイッチELISA法を用いて測定した。
血清中の総コレステロールを、製造業者の取扱い説明書に従ってABX PentraコレステロールCP(Triolab, Brondby, Denmark)を用いて測定した。これらの結果を図16に示す。
結論:肝臓において、立体定義されたLNAオリゴヌクレオチのうちの一方(ID番号42)は、ランダム混合物(ID番号40)と比べてmRNA標的に対する作用の顕著な向上を示したのに対し、他方の立体定義されたLNAオリゴヌクレオチド(ID番号41)は、ランダム混合物と比べて、標的とされたmRNAに対して同様の作用を示した。総コレステロールの読み取り値において、立体定義されたLNAオリゴヌクレオチドID番号42が、ランダム混合物ID番号40および他方の立体定義されたタイプID番号41よりはるかに強力であることから、mRNA作用が裏付けられる。これらの結果は、最適なインビボ有効性のためには、(Hif1α化合物で認められるように)RSSRモチーフはやはり5位に置くべきであること、および3'末端に向かってモチーフを1つ移動させると、立体定義されていない対照よりも効力が劣る化合物が生じたことを示している。
本発明者らは、親化合物番号40をベースとするアポB化合物の著しく異なるRNアーゼH活性について以前に報告しており、そのデータを再検討したが、5位RSSRがRNアーゼH活性の増大に相関していることを確認することはできなかった。WO 2016/096938の実施例7を参照されたい。したがって、本発明者らは、5位RSSR化合物の増強された効力は、RNアーゼH酵素に対する酵素的選択に起因しないと結論づける。
実施例6 U251細胞株における、ヒトmRNAを標的とするオリゴヌクレオチドの単一用量濃度でのインビトロ有効性の試験
5位RSSRモチーフが、異なる標的を標的とし、異なる配列および設計を有する、異なるLNAギャップマーに移動できるかどうかを検証するために、本発明者らは、設計:
(ここで、Lは、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)であり、dはDNAヌクレオシドを表し、ヌクレオシド間結合はすべて、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である)のLNAギャップマー化合物についての完全に立体的にランダムな変異体263種を作製した。
5位RSSRモチーフが、異なる標的を標的とし、異なる配列および設計を有する、異なるLNAギャップマーに移動できるかどうかを検証するために、本発明者らは、設計:
(ここで、Lは、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)であり、dはDNAヌクレオシドを表し、ヌクレオシド間結合はすべて、立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である)のLNAギャップマー化合物についての完全に立体的にランダムな変異体263種を作製した。
ヒト膠芽腫U251細胞株をECACCから購入し、供給業者によって推奨されているように、37℃、5%CO2の加湿インキュベーター中で維持した。アッセイ法のために、1ウェル当たり2000個のU251細胞を、供給業者によって推奨される培地を入れた96マルチウェルプレートに播種した。PBS中に溶解したオリゴヌクレオチドを添加する前に、細胞を2時間インキュベートした。オリゴヌクレオチドの濃度:5μM。オリゴヌクレオチドの添加後4日目に、細胞を採取した。PureLink Pro 96 RNA精製キット(Ambion、製造業者の取扱い説明書に従う)を用いてRNAを抽出した。qScript XLTワンステップRT-qPCR ToughMix Low ROX, 95134-100 (Quanta Biosciences)を用いて、cDNA合成およびqPCRを実施した。TaqManプライマーアッセイ法を用いて、標的mRNAおよびハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを検出した。プライマーセットはすべてLife Technologiesから購入した。表中の標的mRNA発現レベルの相対的発現は、対照(PBSで処置した細胞)に対する比率(%)として示している。これらの結果を図17に示す。13merのHif1α2-9-3化合物および2-8-3アポB化合物と同様に、5位RSSRモチーフを有する16merの3-9-4化合物は、効力が有意に強かった。
これをさらに検証するために、本発明者らは、設計の13ヌクレオチドの親LNAギャップマーオリゴヌクレオチドをRSSRモチーフにウォークさせるサブライブラリーアプローチ(モチーフウォークアプローチ)を今度は用いて、独立した標的および配列を用いて実験を繰り返した。アポB化合物およびHif1α化合物から得られた結果とは異なり、5位のサブライブラリーは、親の効力よりも強力ではなく、この場合、3位RSSRモチーフの効力が有意に強かった(図18)。
したがって、本発明者らは、一部の立体定義されたモチーフは、立体定義された変異体の増強された特性に関連している場合があるが、そのようなモチーフの作用は、個々のオリゴヌクレオチドの状況、例えば、オリゴヌクレオチドの配列、化学修飾、および設計に依存していると結論づける。
実施例7 立体定義された変異体の多パラメーター最適化
本明細書において開示する発見方法を本発明者らが利用できるかどうかを明らかにするために、本発明者らは、インビトロ効力アッセイ法およびインビトロ肝毒性アッセイ法(WO 2016/096938において開示されている)で同定された一連の完全に立体定義された化合物をマウスでのインビボ実験において評価し、選ばれた化合物群の効力、肝毒性、およびオリゴ含有量を評価した。
本明細書において開示する発見方法を本発明者らが利用できるかどうかを明らかにするために、本発明者らは、インビトロ効力アッセイ法およびインビトロ肝毒性アッセイ法(WO 2016/096938において開示されている)で同定された一連の完全に立体定義された化合物をマウスでのインビボ実験において評価し、選ばれた化合物群の効力、肝毒性、およびオリゴ含有量を評価した。
化合物34887、34593、39330、および30233はすべて、5位RSSRモチーフを含む。化合物34818は、5位RSSRモチーフを有していない。この実験は、実施例4のように実施した。データを図19に示している。
図19は、5位RSSRモチーフはインビボ効力が増強された化合物をもたらし得るが、インビボで親化合物ほど強力ではない5位RSSR化合物が存在することを示す。しかし、効力と毒性の間には相関関係はなく、したがって、本発明の方法は、肝毒性の上昇を導くことなく効力が増強された化合物を同定するのに使用され得る。本発明者らはまた、実施例4および5において説明したインビボ実験と同様に、最も強力なRSSR化合物は親化合物と比べてオリゴ含有量が増加していたが、試験化合物の効力または肝毒性と肝臓との間に相関関係がないことを発見して驚いた。得られたこの結果は、完全に立体定義された個々の化合物間にはインビボでかなりの薬理学的多様性が生じていること、および立体定義されたモチーフが非常に似ている化合物間での薬理学的パフォーマンスは予測不可能であることを示しており、薬理学的に改良された化合物を同定するにあたって、本明細書において開示される複数サブライブライー発見方法が有益であることをさらに強調するものである。
実施例8/図20:単一位置モチーフウォーク
選択された立体的にランダムな19merのLNAギャップマー親化合物、および2つのライブラリーを作製した。1つ目のライブラリーでは、ライブラリーの各メンバーがSp型の立体定義された結合の位置について異なるように、単一のSp型の立体定義されたヌクレオシド間結合をオリゴヌクレオチドの端から端までウォークさせた。2つ目のライブラリーでは、ライブラリーの各メンバーがRp型の立体定義された結合の位置について異なるように、単一のRp型の立体定義されたヌクレオシド間結合をオリゴヌクレオチドの端から端までウォークさせた。この実験において、残りのヌクレオシド間結合は、立体的にランダムであった。各ライブラリーの各メンバーを、1μMのジムノティック送達(方法論については実施例6を参照されたい)を用いて、U251細胞におけるmRNA標的に対する効力について分析した。各ライブラリーメンバーのmRNA標的ノックダウンを測定した。この結果から、立体定義(SpまたはRp)がオリゴヌクレオチド効力の重要な決定因子である4つの位置、および立体化学がオリゴヌクレオチド効力の関連決定因子ではない7つの位置が特定された。このアプローチにより、立体的に関連性のある位置に好ましい立体定義されたヌクレオシド間結合を、かつ立体的に関連性のない位置に立体的にランダムなヌクレオシド間結合を含む、部分的に立体定義された化合物の設計が可能になる。このような最適化されたサブライブラリー化合物を、(例えば本発明の)さらなる最適化方法で使用して、さらなる改良された特性を有する、完全に立体定義された変異体を含むさらなる立体定義された変異体を同定することができる。
選択された立体的にランダムな19merのLNAギャップマー親化合物、および2つのライブラリーを作製した。1つ目のライブラリーでは、ライブラリーの各メンバーがSp型の立体定義された結合の位置について異なるように、単一のSp型の立体定義されたヌクレオシド間結合をオリゴヌクレオチドの端から端までウォークさせた。2つ目のライブラリーでは、ライブラリーの各メンバーがRp型の立体定義された結合の位置について異なるように、単一のRp型の立体定義されたヌクレオシド間結合をオリゴヌクレオチドの端から端までウォークさせた。この実験において、残りのヌクレオシド間結合は、立体的にランダムであった。各ライブラリーの各メンバーを、1μMのジムノティック送達(方法論については実施例6を参照されたい)を用いて、U251細胞におけるmRNA標的に対する効力について分析した。各ライブラリーメンバーのmRNA標的ノックダウンを測定した。この結果から、立体定義(SpまたはRp)がオリゴヌクレオチド効力の重要な決定因子である4つの位置、および立体化学がオリゴヌクレオチド効力の関連決定因子ではない7つの位置が特定された。このアプローチにより、立体的に関連性のある位置に好ましい立体定義されたヌクレオシド間結合を、かつ立体的に関連性のない位置に立体的にランダムなヌクレオシド間結合を含む、部分的に立体定義された化合物の設計が可能になる。このような最適化されたサブライブラリー化合物を、(例えば本発明の)さらなる最適化方法で使用して、さらなる改良された特性を有する、完全に立体定義された変異体を含むさらなる立体定義された変異体を同定することができる。
本明細書において説明する位置ウォーク実験または方法は、各ライブラリー中のバックグラウンドヌクレオシド間結合が立体的にランダムではなく、すべてSp型であるか、またはすべてRp型である(立体的に純粋なバックグラウンド結合)サブライブラリーを用いて繰り返してよい。単一ヌクレオシド間結合ウォークの場合、単一のSpヌクレオシド間結合を、Rpヌクレオシド間結合のバックグラウンドにおいてウォークさせてよく、かつ単一のRpヌクレオシド間結合を、Spヌクレオシド間結合のバックグラウンドにおいてウォークさせてよい。
本発明は、癌の治療のために医薬を製造するための、本発明によるLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートなどの化合物の使用を提供する。
[本発明1001]
アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 該親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
(i) 該ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、該立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、3〜8個もしくは2〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、該ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつ該ライブラリーの各メンバーが、該立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むか、または
(ii) 該ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;該ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、該共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、該ライブラリーの各メンバー間で異なる、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、該親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 該改良された特性を有する、該ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
[本発明1002]
段階(b)が、段階(b)の(i)で定義される段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さが、3個、4個、5個、もしくは6個の連続ヌクレオチド(または2個、3個、4個、もしくは5個のヌクレオシド結合)である、本発明1002の方法。
[本発明1004]
それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域が、3個または4個のヌクレオシド結合である、本発明1002または1003の方法。
[本発明1005]
ライブラリーが、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域内の存在し得る立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフのそれぞれのメンバーを含む、本発明1002〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
ライブラリーの各メンバーが、以下をそれぞれ含む、本発明1002〜1005のいずれかの方法:
・RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
[本発明1007]
ライブラリーが包括的である、本発明1002〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
各ライブラリーメンバーのアンチセンスオリゴヌクレオチド内の残りのヌクレオシド間結合の少なくとも30%、例えば少なくとも40%もしくは少なくとも50%、または大多数、またはすべてが、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、本発明1002〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
以下の段階をさらに含む、本発明1002〜1008のいずれかの方法:
(e) 段階(d)で同定された少なくとも1種の改良されたオリゴヌクレオチド変異体を選択する段階;
(f) 該改良されたオリゴヌクレオチド変異体の所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
該ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、かつ該ライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g)段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であり得る少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。
[本発明1010]
前記方法の段階(b)の(i)が、複数のライブラリーの作製を含み、各ライブラリーが、段階(b)の(i)のように定義され、かつそれぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の位置が、該複数のライブラリーのそれぞれの間で異なり、各ライブラリーが、前記本発明のいずれかにおいて定義されるライブラリーであり得る、本発明1002〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定し、かつ該複数のライブラリーから同定された改良された立体定義された変異体のそれぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含むさらなる立体定義された変異体を調製する段階をさらに含む、本発明1010の方法。
[本発明1012]
少なくとも2個または少なくとも3個の複数のライブラリーをスクリーニングして、該複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定する方法であって、各ライブラリーが、段階(b)の(i)のように定義される、本発明1011の方法。
[本発明1013]
さらなる立体定義された変異オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、完全に立体定義されたホスホロチオエート配列である、本発明1012の方法。
[本発明1014]
段階(b)が、段階(b)の(ii)で定義される段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1015]
共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの長さが、1〜6個のヌクレオシド間結合、例えば、2個、3個、4個、または5個のヌクレオシド間結合である、本発明1014の方法。
[本発明1016]
共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフが、以下のいずれかを含む/である、本発明1015の方法:
・RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
[本発明1017]
共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフが、RSSRであるか、またはRSSRを含む、本発明1014〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
ライブラリーが包括的なオリゴヌクレオチドウォークである、本発明1014〜1016のいずれかの方法。
[本発明1019]
改良された特性が、増強もしくは最適化された親和性、増強された安定性、増強された効力、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、延長された作用持続期間、および/または増強された標的特異性からなる群より選択される、本発明1001〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
改良された特性が、インビトロで分析される、本発明1001〜1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
アンチセンスオリゴヌクレオチドが、RNアーゼH動員オリゴヌクレオチド、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドギャップマーオリゴヌクレオチドであるか、またはミクスマーもしくはトータルマーである、本発明1001〜1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
アンチセンスオリゴヌクレオチドが、LNAオリゴヌクレオチド、例えばLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである、本発明1021の方法。
[本発明1023]
アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さが、7〜26ヌクレオチド長、例えば12〜24ヌクレオチド長である、本発明1001〜1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
以下からなる群より選択される、LNAギャップマーオリゴヌクレオチド:
ここで、大文字が、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字が、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字 ssP が、Sp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表し、 srP が、Rp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表し、 m Cが、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩を表す。
[本発明1025]
本発明1024のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲート。
[本発明1026]
コンジュゲート部分が、アシアロ糖タンパク質受容体、例えばGalNAcコンジュゲート部分に、結合することができる、本発明1025のコンジュゲート。
[本発明1027]
本発明1024〜1026のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート、ならびに薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントを含む、薬学的組成物。
[本発明1028]
本発明1024〜1026のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの、薬学的に許容される塩。
[本発明1029]
医薬品で使用するための、本発明1024〜1028のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート。
[本発明1030]
癌の治療で使用するための、本発明1024〜1028のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート。
[本発明1031]
癌の治療のために医薬を製造するための、本発明1024〜1028のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの使用。
[本発明1001]
アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 該親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
(i) 該ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、該立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、3〜8個もしくは2〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、該ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつ該ライブラリーの各メンバーが、該立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むか、または
(ii) 該ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;該ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、該共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、該ライブラリーの各メンバー間で異なる、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、該親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 該改良された特性を有する、該ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。
[本発明1002]
段階(b)が、段階(b)の(i)で定義される段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さが、3個、4個、5個、もしくは6個の連続ヌクレオチド(または2個、3個、4個、もしくは5個のヌクレオシド結合)である、本発明1002の方法。
[本発明1004]
それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域が、3個または4個のヌクレオシド結合である、本発明1002または1003の方法。
[本発明1005]
ライブラリーが、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域内の存在し得る立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフのそれぞれのメンバーを含む、本発明1002〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
ライブラリーの各メンバーが、以下をそれぞれ含む、本発明1002〜1005のいずれかの方法:
・RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
[本発明1007]
ライブラリーが包括的である、本発明1002〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
各ライブラリーメンバーのアンチセンスオリゴヌクレオチド内の残りのヌクレオシド間結合の少なくとも30%、例えば少なくとも40%もしくは少なくとも50%、または大多数、またはすべてが、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、本発明1002〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
以下の段階をさらに含む、本発明1002〜1008のいずれかの方法:
(e) 段階(d)で同定された少なくとも1種の改良されたオリゴヌクレオチド変異体を選択する段階;
(f) 該改良されたオリゴヌクレオチド変異体の所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
該ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、かつ該ライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g)段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であり得る少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。
[本発明1010]
前記方法の段階(b)の(i)が、複数のライブラリーの作製を含み、各ライブラリーが、段階(b)の(i)のように定義され、かつそれぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の位置が、該複数のライブラリーのそれぞれの間で異なり、各ライブラリーが、前記本発明のいずれかにおいて定義されるライブラリーであり得る、本発明1002〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定し、かつ該複数のライブラリーから同定された改良された立体定義された変異体のそれぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含むさらなる立体定義された変異体を調製する段階をさらに含む、本発明1010の方法。
[本発明1012]
少なくとも2個または少なくとも3個の複数のライブラリーをスクリーニングして、該複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定する方法であって、各ライブラリーが、段階(b)の(i)のように定義される、本発明1011の方法。
[本発明1013]
さらなる立体定義された変異オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、完全に立体定義されたホスホロチオエート配列である、本発明1012の方法。
[本発明1014]
段階(b)が、段階(b)の(ii)で定義される段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1015]
共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの長さが、1〜6個のヌクレオシド間結合、例えば、2個、3個、4個、または5個のヌクレオシド間結合である、本発明1014の方法。
[本発明1016]
共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフが、以下のいずれかを含む/である、本発明1015の方法:
・RRR、RSR、RRS、RSS、SSS、SRS、SSR、SRRからなる群より選択されるトリプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるクアドルプレックス結合モチーフ、または
からなる群より選択されるペンタプレックス結合モチーフ。
[本発明1017]
共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフが、RSSRであるか、またはRSSRを含む、本発明1014〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
ライブラリーが包括的なオリゴヌクレオチドウォークである、本発明1014〜1016のいずれかの方法。
[本発明1019]
改良された特性が、増強もしくは最適化された親和性、増強された安定性、増強された効力、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、延長された作用持続期間、および/または増強された標的特異性からなる群より選択される、本発明1001〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
改良された特性が、インビトロで分析される、本発明1001〜1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
アンチセンスオリゴヌクレオチドが、RNアーゼH動員オリゴヌクレオチド、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドギャップマーオリゴヌクレオチドであるか、またはミクスマーもしくはトータルマーである、本発明1001〜1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
アンチセンスオリゴヌクレオチドが、LNAオリゴヌクレオチド、例えばLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである、本発明1021の方法。
[本発明1023]
アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さが、7〜26ヌクレオチド長、例えば12〜24ヌクレオチド長である、本発明1001〜1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
以下からなる群より選択される、LNAギャップマーオリゴヌクレオチド:
ここで、大文字が、β-D-オキシLNAヌクレオシド(β-D-配置の2'-O-CH2-4'架橋ヌクレオシド)を表し、小文字が、DNAヌクレオシドを表し、下付き文字 ssP が、Sp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表し、 srP が、Rp型の立体定義されたホスホロチオエート結合を表し、 m Cが、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩を表す。
[本発明1025]
本発明1024のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲート。
[本発明1026]
コンジュゲート部分が、アシアロ糖タンパク質受容体、例えばGalNAcコンジュゲート部分に、結合することができる、本発明1025のコンジュゲート。
[本発明1027]
本発明1024〜1026のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート、ならびに薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントを含む、薬学的組成物。
[本発明1028]
本発明1024〜1026のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの、薬学的に許容される塩。
[本発明1029]
医薬品で使用するための、本発明1024〜1028のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート。
[本発明1030]
癌の治療で使用するための、本発明1024〜1028のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート。
[本発明1031]
癌の治療のために医薬を製造するための、本発明1024〜1028のいずれかのLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの使用。
Claims (31)
- アンチセンスオリゴヌクレオチドの、改良された立体定義されたホスホロチオエート変異体を同定するための方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する親オリゴヌクレオチドを提供する段階;
(b) 該親オリゴヌクレオチドの所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
(i) 該ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域を含み、該立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域が、3〜8個もしくは2〜8個の連続ヌクレオシドの共通領域であり、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;それぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さおよび位置が、該ライブラリーの各メンバー間で同じであり;かつ該ライブラリーの各メンバーが、該立体定義されたヌクレオシド間モチーフ領域中に、異なる共通の立体定義されたヌクレオシド間モチーフを含むか、または
(ii) 該ライブラリーの各メンバーが、立体定義されたホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドジアステレオ異性体の混合物を含むサブライブラリーであり、混合物の各メンバーが、オリゴヌクレオチド中の同じ位置に、共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、残りのヌクレオシド間結合が、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;該ライブラリーの各メンバーが、同じ共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含み、該共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの位置が、該ライブラリーの各メンバー間で異なる、
段階;
(c) 段階(b)で作製されたライブラリーの各メンバーを、該親オリゴヌクレオチドと比べて少なくとも1つの改良された特性、例えば、改良された効力および/または低減された毒性についてスクリーニングする段階;
(d) 該改良された特性を有する、該ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定する段階。 - 段階(b)が、段階(b)の(i)で定義される段階を含む、請求項1記載の方法。
- それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の長さが、3個、4個、5個、もしくは6個の連続ヌクレオチド(または2個、3個、4個、もしくは5個のヌクレオシド結合)である、請求項2記載の方法。
- それぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域が、3個または4個のヌクレオシド結合である、請求項2または3記載の方法。
- ライブラリーが、立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域内の存在し得る立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフのそれぞれのメンバーを含む、請求項2〜4のいずれか一項記載の方法。
- ライブラリーが包括的である、請求項2〜6のいずれか一項記載の方法。
- 各ライブラリーメンバーのアンチセンスオリゴヌクレオチド内の残りのヌクレオシド間結合の少なくとも30%、例えば少なくとも40%もしくは少なくとも50%、または大多数、またはすべてが、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項2〜7のいずれか一項記載の方法。
- 以下の段階をさらに含む、請求項2〜8のいずれか一項記載の方法:
(e) 段階(d)で同定された少なくとも1種の改良されたオリゴヌクレオチド変異体を選択する段階;
(f) 該改良されたオリゴヌクレオチド変異体の所定の配列およびヌクレオシド修飾パターンならびに同じ立体定義されたヌクレオシド間モチーフを有する立体定義されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのライブラリーを作製する段階であって、
該ライブラリーの各メンバーが、1つまたは複数のさらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、かつ該ライブラリーの各メンバーが、さらなる立体定義されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のパターンに関して異なる、段階;
(g)段階(f)で作製されたライブラリーの各メンバーを、段階(c)で分析されたのと同じまたは異なる改良された特性であり得る少なくとも1つの改良された特性についてスクリーニングする段階。 - 前記方法の段階(b)の(i)が、複数のライブラリーの作製を含み、各ライブラリーが、段階(b)の(i)のように定義され、かつそれぞれの共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフ領域の位置が、該複数のライブラリーのそれぞれの間で異なり、各ライブラリーが、前記請求項のいずれか一項において定義されるライブラリーであり得る、請求項2〜9のいずれか一項記載の方法。
- 複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定し、かつ該複数のライブラリーから同定された改良された立体定義された変異体のそれぞれの立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフを含むさらなる立体定義された変異体を調製する段階をさらに含む、請求項10記載の方法。
- 少なくとも2個または少なくとも3個の複数のライブラリーをスクリーニングして、該複数のライブラリーのそれぞれから、改良された立体定義された変異体を同定する方法であって、各ライブラリーが、段階(b)の(i)のように定義される、請求項11記載の方法。
- さらなる立体定義された変異オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、完全に立体定義されたホスホロチオエート配列である、請求項12記載の方法。
- 段階(b)が、段階(b)の(ii)で定義される段階を含む、請求項1記載の方法。
- 共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフの長さが、1〜6個のヌクレオシド間結合、例えば、2個、3個、4個、または5個のヌクレオシド間結合である、請求項14記載の方法。
- 共通の立体定義されたヌクレオシド間結合モチーフが、RSSRであるか、またはRSSRを含む、請求項14〜16のいずれか一項記載の方法。
- ライブラリーが包括的なオリゴヌクレオチドウォークである、請求項14〜16のいずれか一項記載の方法。
- 改良された特性が、増強もしくは最適化された親和性、増強された安定性、増強された効力、増強された有効性、増強された特異的活性、低減された毒性、変更された体内分布、細胞もしくは組織への増大された取込み、延長された作用持続期間、および/または増強された標的特異性からなる群より選択される、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
- 改良された特性が、インビトロで分析される、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドが、RNアーゼH動員オリゴヌクレオチド、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドギャップマーオリゴヌクレオチドであるか、またはミクスマーもしくはトータルマーである、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドが、LNAオリゴヌクレオチド、例えばLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである、請求項21記載の方法。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さが、7〜26ヌクレオチド長、例えば12〜24ヌクレオチド長である、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
- 請求項24記載のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲート。
- コンジュゲート部分が、アシアロ糖タンパク質受容体、例えばGalNAcコンジュゲート部分に、結合することができる、請求項25記載のコンジュゲート。
- 請求項24〜26のいずれか一項記載のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート、ならびに薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントを含む、薬学的組成物。
- 請求項24〜26のいずれか一項記載のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの、薬学的に許容される塩。
- 医薬品で使用するための、請求項24〜28のいずれか一項記載のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート。
- 癌の治療で使用するための、請求項24〜28のいずれか一項記載のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲート。
- 癌の治療のために医薬を製造するための、請求項24〜28のいずれか一項記載のLNAギャップマーオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの使用。
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