JP2021500362A - 進行性線維化を伴う間質性肺疾患(pf−ild)の処置のための活性剤の新規組み合わせ - Google Patents

進行性線維化を伴う間質性肺疾患(pf−ild)の処置のための活性剤の新規組み合わせ Download PDF

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Abstract

本出願は、第一の組み合わせパートナーとして治療有効量のニンテダニブまたはその薬学的に許容し得る塩および第二の組み合わせパートナーとして治療有効量の式(I)[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして、Rは、Clであり、かつ、Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、S*は、キラル中心を表す硫黄原子である]で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩を含む、PF−ILD処置のための新規組み合わせ処置/組み合わせ医薬を指す。これにより、第二の組み合わせパートナーは、好ましくは、治療有効量の式(III)で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩である。

Description

1.発明の背景
間質性肺疾患(ILD)は、間質(肺の気嚢間の組織および空間)の炎症および線維化によって特徴付けられる、200を超える肺疾患および呼吸器病態の大きく多様な群を含む(例えば、du Bois, Nat. Rev. Drug Discov. 2010, 9, 129-140を参照のこと)。ILDは、肺胞上皮、肺毛細血管内皮、基底膜、血管周囲組織およびリンパ管周囲組織に関わる。ILDは、肺への傷害が異常な治癒反応を誘発したときに生じ得る。通常、身体は、適切な組織を生成して損傷を修復する。しかし、ILDでは、修復過程が上手く進まず、気嚢(小窩)周囲の組織が瘢痕化および肥厚する。これは、血流への酸素流入をより困難にしている。
長期のILDは、肺線維化をもたらし得るが、必ずしもそうなるとは限らない。
それゆえ、ILDはまた、いわゆる進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)も含む。
進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)では、線維化を伴うILDにおける肺傷害に対する応答は、進行性かつ自己継続的で初期の臨床的関連性または誘発とは独立した、線維化の発生を含む。現段階では、この疾患の進行を遅らせるために標的抗線維化治療が必要であると想定されている。
それらの生物学的挙動と臨床的挙動、すなわち自己継続的な線維化と進行性の肺機能の減退および早期死亡の両方の類似性に基づき、PF−ILD患者を初期ILD診断にかかわらず一緒に分類することが妥当であると考えられる。
異なる線維化を伴うILD、例えば、特発性非特異的間質性肺炎(iNSIP)または慢性過敏性肺臓炎(CHP)の患者数は、IPF患者数と同等かまたはより少ない;各群内の進行性表現型を有する患者数は、依然として有意ではあるが、さらにより少ない。それゆえ、PF−ILD患者を一緒に分類することが、進行性線維化を伴う間質性肺疾患の患者全てにとって有効な治療を提供するための唯一最適な方法と考えられる。
患者がPF−ILDに罹患している場合は、この患者が間質性肺疾患(ILD)であると医師によって診断された場合と、加えて、ILDを処置するために臨床診療で使用される未承認薬による処置にもかかわらず医師による初診後24ヶ月以内に医師による評価で以下の進行性線維化を伴う間質性肺疾患の基準の少なくとも1つを満たす場合である(ILDを処置するために臨床診療で使用される未承認薬は、コルチコステロイド類、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、n−アセチルシステイン(NAC)、リツキシマブ、シクロホスファミド、シクロスポリン、タクロリムスを含むが、それらに限定されない):
・相対的減退に基づく予測努力肺活量(FVC)%の臨床的に有意な減退が≧10%
・呼吸器症状の悪化と組み合わせて、相対的減退に基づく予測FVC%の限界減退が≧5〜<10%
・胸部画像検査上での線維性変化の程度の増加と組み合わせて、相対的減退に基づく予測FVC%の限界減退が≧5〜<10%
・呼吸器症状の悪化に加えて胸部画像検査上での線維性変化の程度の増加。これにより、併存疾患、例えば、感染症、心不全に起因する変化は、除外されなければならない。
・医師による初診後12ヶ月以内の実施で、蜂巣肺の有無を問わず牽引性気管支拡張を伴う網状影として定義される高分解能コンピュータ断層撮影(HRCT)上での線維化を伴う肺疾患の程度が>10%
・結合組織病(CTD)を基礎疾患に持つ患者にとって:医師による初診前の6週間以内に、新規治療の開始なしまたはCTDに対する治療の停止による定義で安定なCTD
・医師による初診時のヘモグロビン(Hb)に対して補正された一酸化炭素拡散能(DLCO)が、医師による再診時、正常予測値の≧30%〜<80%
・FVCが、医師による再診時、予測値の≧45%。
PF−ILDの例は、特発性肺線維症(IPF)、特発性非特異的間質性肺炎(iNSIP)、過敏性肺臓炎(HP)、分類不能型特発性間質性肺炎、関節リウマチILD(RA−ILD)、シェーグレン症候群ILD、全身性エリテマトーデスILD(SLE−ILD)、多発性筋炎および皮膚筋炎ILD(PM/DM−ILD)、混合性結合組織病ILD(MCTD−ILD)、全身性強皮症ILD(SSc−ILD)、他の結合組織病ILD(CTD−ILD)、サルコイドーシス、石綿肺症、珪肺症である。
最も有名なPF−ILDは、特発性肺線維症(IPF)および全身性強皮症間質性肺疾患(SSc−ILD)である。特発性肺線維症(IPF)は、明白な原因を特定できない(「特発性」の定義である)ならびに放射線学的(蜂巣肺を伴う基底および胸膜に基づく線維症)と病理学的(時間的かつ空間的に不均一な線維症、病理組織学的蜂巣肺および線維芽細胞巣)の両方に典型的な知見に関連する、PF−ILDである。
特発性肺線維症(IPF)は、肺容量の減少および進行性の肺機能不全へと導く、肺の間質における進行性線維化によって特徴付けられる慢性の線維性の不可逆かつ最終的に死に至る肺疾患である。IPFはまた、通常型間質性肺炎(UIP)として知られている特定の病理組織学的パターンによっても特徴付けられる(Raghu et al, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 183: 788-824.)。IPFまたは任意の他のPF−ILDのいずれかによって引き起こされる肺線維症患者の肺機能は、努力肺活量(FVC)として判定される。
IPFという用語は、肺組織の瘢痕化を意味し、呼吸困難(息切れ)を悪化させる原因である。IPFは、通常、診断後の生存期間中央値が2〜3年の予後不良を伴う。IPFは、肺間質における異常で過剰なコラーゲン沈着(線維化)を含む/伴う、最小限の炎症を伴う異常な創傷治癒過程の結果であると考えられている(Harari S, Caminati A (2010). “IPF: new insight on pathogenesis and treatment”. Allergy. 65 (5): 537-553)。
線維芽細胞は、ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する線維化過程の病理発生において中心的な役割を果たしており、いくつかの要因がそれらの増殖およびそれらの細胞外マトリックス(ECM)合成に影響を及ぼす。ILDでは、これらの間葉系細胞は、増殖、遊走、細胞外マトリックス(ECM)合成および線維形成性サイトカインに対する応答に関して、増加した活性を有する。活性化された線維芽細胞(「筋線維芽細胞」と呼ばれる)からのECMの増加した沈着は、肺組織の硬縮および肺胞酸素交換域の破壊を助長し、これが、進行性の呼吸困難をもたらし、最終的に死亡に至る。
PF−ILDおよびIPFの根底にある病態生理学および臨床経過の両方の類似性に基づき、IPFにおける進行性肺線維化の基本的過程を標的とした治療活性剤が、PF−ILDにおいて同等な治療効果を発揮すると期待される。
2014年に、米国食品医薬品局(FDA)は、米国でIPF処置用の最初の薬物を承認した:ベーリンガーインゲルハイム社(Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals Inc.)によるニンテダニブ(OFEV)およびインターミューン社(InterMune Inc.)によるピルフェニドン(ESBRIET)。ピルフェニドンは、当時すでに、欧州、日本および他のいくつかの国でIPF処置用に承認されており、ニンテダニブは、2015年1月に欧州でIPF用の処置法として承認された。
したがって、今日のIPFの標準処置は、ピルフェニドン処置(US 3,974,281 B)またはニンテダニブ処置(US 6,762,180 B;P05-1275)のいずれかである(https://consultqd.clevelandclinic.org/2015/09/pirfenidone-and-nintedanib-novel-agents-in-the-treatment-of-idiopathic-pulmonary-fibrosis)。
しかしながら、軽度または中程度のFVCの障害(予測値の≧50%)を有するIPF患者では、現在承認されている医薬ピルフェニドンおよびニンテダニブはいずれも、FVCの減退を低減する(疾患進行の遅延と一致する)ことしかできず、いずれもIPFの症状を停止することもさらには回復または治癒することもできない(Tzouvelekis et al Ther. Clin. Risk Management 2015, 11, 359-370)。
それにもかかわらず、ピルフェニドンまたはニンテダニブのいずれかによる処置選択は共に、IPFの疾患進行を遅らせる際に有意な有益効果を示す。
ニンテダニブとピルフェニドンの両方に伴う最も有名な副作用は、消化器系事象、特定すると、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲減退および体重減少である。消化器系副作用が生じた場合、これらは、通常、処置介入、用量低減または消化器系副作用の対症療法のいずれかによって管理される(Mazzei et al, Ther. Adv. Respir. Dis. 2015, Vol. 9 [3], pp. 121-129を参照のこと)。
一方でピルフェニドンの他方でニンテダニブのこれらの「蓄積消化器系副作用」が原因で、ピルフェニドンとニンテダニブの組み合わせによるIPFに対する組み合わせ処置は頻繁に使用されない。ピルフェニドンとニンテダニブによる組み合わせ処置は、増加した消化器系副作用、特に、下痢、吐き気、嘔吐および上部腹痛を導くことが調査によって示されている(Vancheri et al., Nintedanib with Add-on Pirfenidone in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Results of the INJOURNEY Trial. Am J Respir Crit Care Med. 2017, Epub ahead of print)。
したがって、IPFに対する処置用にこれまで承認されている両活性剤ピルフェニドンおよびニンテダニブが、単独で投与されたときにはIPFを停止も治癒もできないが、代わりにIPFの疾患進行を一定の割合まで遅らせることのみできること(Tzouvelekis et al Ther. Clin. Risk Management 2015, 11, 359-370)に起因して、かつ、加えてニンテダニブおよびピルフェニドンが共に、両化合物が組み合わせられたときに累積する有意な消化器系副作用を示すことに起因して、第一の組み合わせパートナーとしてIPFにおいて承認されている医薬ニンテダニブまたはピルフェニドンのいずれか1つ(IPF処置において有効性が証明されている)およびIPF/PF−ILD処置において許容し得る耐容性で活性である第二の他の好適な組み合わせパートナー(ピルフェニドンまたはニンテダニブとは異なる)を含む、IPF処置/PF−ILD処置のための改善された医薬に対する、特に、改善された組み合わせ処置/組み合わせ医薬に対する大きな医学的ニーズが依然としてある。これにより、特に消化器系副作用に関して、良好/改善された治療有効性および許容し得る耐容性を有する新規組み合わせ医薬を提供することが非常に有益であろう。
したがって、本発明の問題は、第一の組み合わせパートナーとしてIPFにおいて現在承認されている医薬ニンテダニブまたはピルフェニドンのいずれか1つおよび第二の組み合わせパートナー(ニンテダニブまたはピルフェニドンとは異なる)を含む、PF−ILD処置/IPF処置のための新規組み合わせ処置/組み合わせ医薬であって、それによって、第一の組み合わせパートナー単独によるPF−ILD/IPF処置と比べて改善される、組み合わせ処置/組み合わせ医薬を提供することであった。
この問題は、第一の組み合わせパートナーとして治療有効量のニンテダニブまたはその薬学的に許容し得る塩および第二の組み合わせパートナーとして治療有効量の式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩を含む、PF−ILD処置/IPF処置のための組み合わせ処置/組み合わせ医薬を提供することによって解決された。
これにより、第二の組み合わせパートナーは、好ましくは、治療有効量の式II:
Figure 2021500362

または式III:
Figure 2021500362

で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩であり、
より好ましくは、第二の組み合わせパートナーは、式III:
Figure 2021500362

で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩である。
第一の組み合わせパートナーとしてニンテダニブおよび第二の組み合わせパートナーとして式Iで示されるPDE4B阻害剤、好ましくは式IIまたはIIIのいずれかで示されるPDE4B阻害剤、特定するといずれかの式IIIで示されるPDE4B阻害剤を含む、PF−ILD処置/IPF処置のためのこの上述した新規組み合わせ処置/組み合わせ医薬は、ニンテダニブ単独による処置と比べてまたは上記PDE4B阻害剤単独による処置と比べて改善された治療有効性をPF−ILD/IPF処置において示す。
チャプター6(実験データ)に記載の通りの実験A)およびB)は、式IIIで示されるPDE4B阻害剤およびニンテダニブを含む組み合わせが、以下を示すことを実験により示した:
a)「線維芽細胞から筋線維芽細胞への移行」(「PF−ILDに共通する第二のレベルの線維化過程の病理発生」に対応する)に対する明らかな阻害効果(一方で、ニンテダニブ(IPF処置用にすでに承認されている医薬)は、「線維芽細胞から筋線維芽細胞への移行」に対して対応する阻害効果を示さない)(したがって、式IIIで示されるPDE4B阻害剤は、ニンテダニブを「補完する治療効果」を示し、このことは、式IIIで示されるPDE4B阻害剤とニンテダニブの組み合わせがニンテダニブ単独による処置に勝る強い利点を有するはずであることを示す)および
b)「線維芽細胞増殖」(「PF−ILDに共通する第三のレベルの線維化過程の病理発生」に対応する)に対する明らかな「過剰付加的な相乗的阻害効果」(試験した他のPDE4阻害剤/ニンテダニブの組み合わせ、ロフルミラスト/ニンテダニブおよびアプレミラスト/ニンテダニブは、驚くべきことにその効果を示さなかった)。
第一の組み合わせパートナーとしてニンテダニブおよび第二の新規組み合わせパートナーとして式Iで示されるPDE4B阻害剤、好ましくは式IIまたはIIIのいずれかで示されるPDE4B阻害剤、特定すると式IIIで示されるPDE4B阻害剤を含む、本発明のPF−ILD処置のための、特定するとIPF処置のためのこの上述した組み合わせ処置/組み合わせ医薬はさらに、PF−ILD処置において許容し得る耐容性を示す。
「許容し得る耐容性」は、この文脈において、ニンテダニブと式Iで示される、好ましくは式IIおよびIIIで示される、特定すると式IIIで示されるPDE4B阻害剤との組み合わせによる処置の耐容性が、ニンテダニブとピルフェニドンの組み合わせの耐容性よりも良好であり、好ましくはニンテダニブ単独による処置と比べてわずかに劣るだけ、より好ましくはほとんど劣ることがなく、それゆえ患者による良好な耐容性を示すはずであることを意味する。
ニンテダニブ、すなわち、式A:
Figure 2021500362

で示される化合物(遊離塩基)は、US 6762180 B1(WO 01/27081)に記載されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
US 7119093B(WO 2004/013099)は、式Aで示されるこの化合物のモノエタンスルホン酸塩を開示しており;さらなる塩形態は、US 2009/0318471 A(WO 2007/141283)に提示されている。
US 7119093BおよびUS 2009/0318471 Aはいずれも、参照により本明細書に組み入れられる。
ニンテダニブは、極めて強力で、経口で生物学的に利用可能な、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)および線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)の阻害剤である。ニンテダニブは、これらの受容体のアデノシン三リン酸(ATP)結合ポケットに競合的に結合し、細胞内シグナル伝達を遮断する。加えて、ニンテダニブは、Fms様チロシン−プロテインキナーゼ3(Flt 3)、リンパ球特異的チロシン−プロテインキナーゼ(Lck)、チロシン−プロテインキナーゼlyn(Lyn)および癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼsrc(Src)を阻害する(Hilberg et al., Cancer Res. 2008, 68, 4774-4782)。最近、ニンテダニブがコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を阻害することも発見された(Tandon et al., Am J Respir Crit Care Med 2017;195:A2397)。
ニンテダニブは、血管新生を助長する細胞増殖(Hilberg et al., Cancer Res. 2008, 68, 4774-4782)だけでなく、肺線維芽細胞の増殖、遊走(Hostettler et al., Respir Res. 2014, 15, 157)ならびに肺線維症(例えばIPF)、SSc−ILDおよびRA−ILDを助長する筋線維芽細胞への形質転換(Wollin et al., Eur. Respir J 2015, 45, 1434-1445.)も阻害または減弱できることが示された。その上、ニンテダニブは、肺線維化モデルにおいて抗線維化活性および抗炎症活性を明らかにした(Wollin et al., Eur. Respir J 2015, 45, 1434-1445; Wollin et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2014, 394, 209-220)。加えて、ニンテダニブは、SSc細胞モデルにおける線維芽細胞の遊走、増殖および筋線維芽細胞への形質転換を阻害する能力、SScおよびSSc−ILD動物モデルにおける皮膚および肺線維化を減弱する能力(Huang et al., Ann. Rheum. Dis. 2016, 74, 883-890, Huang et al., Ann Rheum Dis. 2017, EPub ahead of print)、RA−ILD動物モデルにおける肺線維化を低減する能力(Redente et al., Am J Respir Crit Care Med 2016, 193, A4170)ならびにHPの局面に似ているアレルギー性肺機能障害の慢性マウスモデルにおける肺線維化を減弱する能力(Lee et al. Exp Lung Res. 2017 EPub ahead of print)を実証した。
ニンテダニブを含む薬学的剤形は、US 9907756B(WO 2009/147212)およびUS 2011/0190318(WO 2009/147220)に開示されており、これらは参照により本明細書に組み入れられる。また、吸入用の乾燥粉末製剤も記載されている(Vartiainen et al., poster presentation at the International Colloquium of Lung and Airway Fibrosis in Dublin, September 2016)。
ニンテダニブの多種多様な疾患の処置のための使用、中でも線維性疾患の処置のための使用が、WO 2006/067165に記載されている。
特発性肺線維症のための単回処置としてのニンテダニブは、通常、150mgで1日2回投薬される(軽度肝障害患者に対しては100mgを1日2回)。
さらに、WO 2006/067165は、ニンテダニブを多種多様な異なる組み合わせパートナーと組み合わせてよいことを開示している。多くの他の組み合わせパートナーの中で、WO 2006/067165はまた、ニンテダニブを、例えばロフルミラストなどのPDE4阻害剤と組み合わせることを提案している。
しかしながら、ニンテダニブ(この間にIPFの処置用に承認されている)と対照的に、PDE4阻害剤ロフルミラスト(US 5,712,298 Bに最初に開示されている)は、これまで、増殖性線維性疾患(例えば、特にPF−ILDまたはIPF)の処置用に開発も承認もされていない。代わりに、ロフルミラストは、この間に、線維化症状を全く伴わない呼吸器疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置用にのみ承認された。また、その後数年のうちに市場に登場した他のPDE4阻害剤、例えば、アプレミラスト(US 6020358Bに最初に開示されている)は、これまで、増殖性線維性疾患(例えば、特にPF−ILDまたはIPF)の処置用に開発されることも承認されることも考慮されたことがなく、代わりにアプレミラストは、乾癬(皮膚疾患)の処置用にのみ承認された。
ロフルミラストおよびアプレミラストに加えて、改善された特性を有する他のPDE4/PDE4B阻害剤が描かれた多くのさらなる特許出願が公開された:
・WO 2006/056607、WO 2006/058869、WO 2006/058868およびWO 2006/058867におけるPDE4阻害剤としてのプテリジン
・WO 2006/111549、WO 2007/118793およびWO 2009/050242におけるPDE4阻害剤としてのピペラジノ−ジヒドロチエノピリミジン
・WO 2009/050248およびWO 2013/026797におけるPDE4B阻害剤としてのピペリジノ−ジヒドロチエノピリミジン。
式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤、
特に、式II:
Figure 2021500362

および式III:
Figure 2021500362

で示されるPDE4B阻害剤が、US 8609670B(WO 2013/026797)に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
2.一般用語および定義
本明細書で具体的に定義されていない用語には、本開示および文脈に照らして当業者によってそれらに与えられる意味が与えられるべきである。しかしながら、本明細書において使用される場合、反対のことが明記されない限り、以下の用語は、示される意味を有し、以下の慣習が順守される。
「薬学的に許容し得る」という語句は、本明細書において、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合う、それら化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容し得る塩」は、親化合物がその酸塩または塩基塩を作製することによって修飾された本開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容し得る塩の例は、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などを含むが、それらに限定されない。
「処置」および「処置すること」という用語は、本明細書において使用される場合、治療的、すなわち治癒的および/または待期的処置と、予防的、すなわち防止的処置の両方を包含する。
治療的処置は、すでに急性型または慢性型の前記状態の1つまたは複数が明らかに発生している患者の処置を指す。治療的処置は、特定の徴候の症状を軽減するための対症療法であっても、徴候の状態を回復させるもしくは部分的に回復させるためのまたは疾患の進行を停止もしくは遅らせるための原因療法であってもよい。
予防的処置(「予防」)は、前記状態の1つまたは複数を発生するリスクのある患者を、前記リスクを低減させるために疾患の臨床的発症より前に処置することを指す。
「処置」および「処置すること」という用語は、症状もしくは合併症の発症を予防もしくは遅延させるため、および疾患、状態もしくは障害の発生を予防もしくは遅延させるため、ならびに/または、疾患、状態もしくは障害を排除もしくは制御するためだけでなく、疾患、状態もしくは障害に関連する症状もしくは合併症を軽減するための、1つまたは複数の活性化合物の投与を含む。
「治療有効量」という用語は、(i)特定の疾患もしくは状態を処置もしくは予防する、(ii)特定の疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状を減弱する、緩和させるもしくは排除する、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症を予防もしくは遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。
3.発明の詳細な説明
本出願は、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法であって、その必要のある患者に、治療有効量の式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩
ならびに治療有効量のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤を投与することを含む方法を指す。
上述した方法のある好ましい実施態様において、前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤は、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、より好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式Iで示される化合物の推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
上述した方法のある好ましい実施態様において、進行性線維化を伴う間質性肺疾患は、特発性肺線維症(IPF)または全身性強皮症ILD(SSc−ILD)である。
上述した方法の別の好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与される。
上述した方法のあるさらに好ましい実施態様において、前記チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである。
上述した方法の別のさらに好ましい実施態様において、前記チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
上述した方法のあるより好ましい実施態様において、前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される。
上述した方法のある特に好ましい実施態様において、前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である。
上述した方法の別の特に好ましい実施態様において、前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式IIIで示される化合物であり、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、より好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式IIIで示される化合物の推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
その上、本出願は、式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩であって、
その必要のある患者に、治療有効量の前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤を治療有効量のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための、PDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩を指す。
ある好ましい実施態様において、上で特定された進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)は、特発性肺線維症(IPF)または全身性強皮症ILD(SSC−ILD)のいずれかであり、より好ましくはIPFである。
別の好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与される。
あるさらに好ましい実施態様において、上述したチロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである。
別のさらに好ましい実施態様において、上述したチロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
あるより好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される。
ある特に好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である。
別の特に好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式IIIで示される化合物であり、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、より好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式IIIで示される化合物の推定ヒト遊離血漿画分を導く用量で投与される。
さらに、本出願は、ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤であって、その必要のある患者に、治療有効量のチロシンキナーゼ阻害剤を治療有効量の式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩と組み合わせて投与することを含む、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための、チロシンキナーゼ阻害剤を指す。
ある好ましい実施態様において、上記の1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)は、特発性肺線維症(IPF)または全身性強皮症ILD(SSC−ILD)のいずれかであり、より好ましくはIPFであろう。
別の好ましい実施態様において、上述したチロシンキナーゼ阻害剤は、式Iで示されるPDE4B阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与される。
あるさらに好ましい実施態様において、上述したチロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである。
上述した方法の別のさらに好ましい実施態様において、チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
あるより好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される。
ある特に好ましい実施態様において、上述した式Iで示されるPDE4B阻害剤は、式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である。
本出願は、式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩の
治療有効量の前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩が、その必要のある患者に、治療有効量のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせて投与されるべきである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための、使用を指す。
ある好ましい実施態様において、本出願は、進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)または全身性強皮症ILD(SSC−ILD)のいずれかであり、より好ましくはIPFである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための式Iで示されるPDE4B阻害剤の上述した使用を指す。
あるさらに好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与されるべきである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための式Iで示されるPDE4B阻害剤の上述した使用を指す。
別の好ましい実施態様において、本出願は、チロシンキナーゼ阻害剤がモノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための式Iで示されるPDE4B阻害剤の上述した使用を指す。
上述した使用の別のさらに好ましい実施態様において、前記チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
あるより好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための式Iで示されるPDE4B阻害剤の上述した使用を指す。
ある特に好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための式Iで示されるPDE4B阻害剤の上述した使用を指す。
別の特に好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式IIIで示される化合物であり、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、より好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式IIIで示される化合物の推定ヒト遊離血漿画分を導く用量で投与される、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための上述した使用を指す。
本出願は、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の使用であって、治療有効量の前記チロシンキナーゼ阻害剤が、その必要のある患者に、治療有効量の式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩と組み合わせて投与されるべきである、使用を指す。
ある好ましい実施態様において、本出願は、進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)または全身性強皮症ILD(SSC−ILD)のいずれかであり、より好ましくはIPFである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の上述した使用を指す。
あるさらに好ましい実施態様において、本出願は、チロシンキナーゼ阻害剤が、式Iで示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与されるべきである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の上述した使用を指す。
別の好ましい実施態様において、本出願は、チロシンキナーゼ阻害剤がモノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の上述した使用を指す。
上述した使用の別のさらに好ましい実施態様において、前記チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
あるより好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の上述した使用を指す。
ある特に好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の使用を指す。
別の特に好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式IIIで示される化合物であり、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、より好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式IIIで示される化合物の推定ヒト遊離血漿画分を導く用量で投与される、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのチロシンキナーゼ阻害剤の上述した使用を指す。
別の実施態様において、本出願は、以下を含む医薬組成物を指す:
・式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩
・ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤、そして
・場合により、1つまたは複数の薬学的に許容し得る担体および/または賦形剤。
ある好ましい実施態様において、本出願は、チロシンキナーゼ阻害剤がモノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、上述した医薬組成物を指す。
上述した医薬組成物の別のさらに好ましい実施態様において、前記チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
ある好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4−B阻害剤が、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、上述した医薬組成物を指す。
ある特に好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4−B阻害剤が、式III:
Figure 2021500362

で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、上述した医薬組成物を指す。
別の特に好ましい実施態様において、本出願は、式Iで示されるPDE4−B阻害剤が、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式IIIで示される化合物の推定ヒト遊離血漿画分を導く用量の式IIIで示される化合物である、上述した医薬組成物を指す。
あるさらなる実施態様において、本出願は、以下を含むキットを指す:
・式I:
Figure 2021500362

[式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
Rは、Clであり、かつ、
Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
は、キラル中心を表す硫黄原子である]
で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩を含み、
そして場合により、1つまたは複数の薬学的に許容し得る担体および/または賦形剤を含む第一の医薬組成物または剤形、ならびに
・ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤を含み、そして
場合により、1つまたは複数の薬学的に許容し得る担体および/または賦形剤を含む第二の医薬組成物または剤形。
ある好ましい実施態様において、本出願は、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するためのものである上で特定されたキットを指す。
あるより好ましい実施態様において、本出願は、特発性肺線維症(IPF)または全身性強皮症ILD(SSc−ILD)のいずれかを処置する方法において使用するためのものである上で特定されたキットを指す。
別の好ましい実施態様において、本出願は、第一の医薬組成物または剤形が、第二の医薬組成物または剤形と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与されるべきである1つまたは複数のPF−ILDを処置する方法において使用するためのものである上で特定されたキットを指す。
あるさらに好ましい実施態様において、本出願は、第二の医薬組成物または剤形のチロシンキナーゼ阻害剤がモノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、上で特定されたキットを指す。
上述したキットの別のさらに好ましい実施態様において、前記チロシンキナーゼ阻害剤は、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブであり、1nMol/L〜300nMol/Lの間、より好ましくは10nMol/L〜100nMol/Lの間のニンテダニブモノエタンスルホナートの推定ヒト遊離画分を導く用量で投与される。
あるより好ましい実施態様において、本出願は、第一の医薬組成物または剤形が、式II:
Figure 2021500362

で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
式III:
Figure 2021500362

で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される式Iで示されるPDE4B阻害剤を含む、上で特定されたキットを指す。
ある特に好ましい実施態様において、本出願は、第一の医薬組成物または剤形が、式III:
Figure 2021500362

で示されるPDE4B阻害剤化合物またはその薬学的に許容し得る塩を含む、上で特定されたキットを指す。
別の特に好ましい実施態様において、本出願は、第一の医薬組成物または剤形中の式Iで示されるPDE4−B阻害剤が、1nMol/L〜2000nMol/Lの間、好ましくは1nMol/L〜1000nMol/Lの間の式IIIで示される化合物の推定ヒト遊離血漿画分を導く用量の式IIIで示される化合物である、上述したキットを指す。
ある特に好ましい実施態様において、本出願は、以下をさらに含む、上で特定されたキットのいずれかを指す:
・1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)の処置における第一および第二の医薬組成物または剤形の同時、併行、順次、連続的、交互または別々の使用のための印刷された説明書を含む、添付文書。
別の特に好ましい実施態様において、本出願は、以下をさらに含む、上で特定されたキットのいずれかを指す:
・特発性肺線維症(IPF)の処置における第一および第二の医薬組成物または剤形の同時、併行、順次、連続的、交互または別々の使用のための印刷された説明書を含む、添付文書。
別の特に好ましい実施態様において、本出願は、以下をさらに含む、上で特定されたキットのいずれかを指す:
・全身性強皮症ILD(SSc−ILD)の処置における第一および第二の医薬組成物または剤形の同時、併行、順次、連続的、交互または別々の使用のための印刷された説明書を含む、添付文書。
実験A1):式IIIで示される化合物(黒丸、黒色線;IC50=210nMol/L)または式IIIで示される化合物と100nMol/Lのニンテダニブとの組み合わせ(白丸、灰色線;IC50=110nMol/L)による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現の濃度依存性阻害。□は、阻害効果を示さなかった100nMニンテダニブ単独の存在下での線維芽細胞のα−SMAタンパク質発現の測定された阻害を表す。データは、n=5ドナーの±SEMで提示する。データを、未処置(刺激しなかった)対照細胞(=100%阻害)およびTGF−β処置細胞(=0%阻害)に対して正規化した。 実験A2):アプレミラスト(黒丸、黒色線;IC50=3μMol/L)またはアプレミラストと100nMol/Lのニンテダニブとの組み合わせ(白丸、灰色線;IC50=2μMol/L)による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現の濃度依存性阻害。□は、阻害効果を示さなかった100nMニンテダニブ単独の存在下での線維芽細胞のα−SMAタンパク質発現の測定された阻害を表す。データは、n=5ドナーの±SEMで提示する。データを、未処置(刺激しなかった)対照細胞(=100%阻害)およびTGF−β処置細胞(=0%阻害)に対して正規化する。 実験A3):ロフルミラストN−オキシド(黒丸、黒色線;IC50=14nMol/L)またはロフルミラストN−オキシドと100nMol/Lのニンテダニブとの組み合わせ(白丸、灰色線;IC50=8.5nMol/L)による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現の濃度依存性阻害。□は、阻害効果を示さなかった100nMニンテダニブ単独の存在下での線維芽細胞のα−SMAタンパク質発現の測定された阻害を表す。データは、n=5ドナーの±SEMで提示する。データを、未処置(刺激しなかった)対照細胞(=100%阻害)およびTGF−β処置細胞(=0%阻害)に対して正規化する。 実験B1):式IIIで示される化合物(黒丸、黒色実線;IC50=255nMol/L)または式IIIで示される化合物と100nmol/Lのニンテダニブとの組み合わせ(白丸、灰色実線;IC50=23nMol/L)による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のFGF+IL−1βで刺激された増殖の濃度依存性阻害。両薬物の組み合わせの計算された相加的曲線が白三角および破線によって表される。□は、100nMニンテダニブ単独による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のFGF+IL−1βで刺激された増殖を表す。データは、n=5ドナーの±SEMで提示する。データを、未処置(刺激しなかった)対照細胞(=100%阻害)およびFGF+IL−1β処置細胞(=0%阻害)に対して正規化する。 実験B2):アプレミラスト(黒丸、黒色実線;IC50=1.8μMol/L)またはアプレミラストと100nMol/Lのニンテダニブとの組み合わせ(白丸、灰色実線;IC50=1.6μMol/L)による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のFGF+IL−1βで刺激された増殖の濃度依存性阻害。両薬物の組み合わせの計算された相加的曲線が白三角および破線によって表される。□は、100nMニンテダニブ単独による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のFGF+IL−1βで刺激された増殖を表す。データは、n=5ドナーの±SEMで提示する。データを、未処置(刺激しなかった)対照細胞(=100%阻害)およびFGF+IL−1β処置細胞(=0%阻害)に対して正規化する。 実験B3):ロフルミラストN−オキシド(黒丸、黒色実線;IC50=440pMol/L)またはロフルミラストN−オキシドと100nMol/Lのニンテダニブとの組み合わせ(白丸、灰色実線;IC50=534pMol/L)による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のFGF+IL−1βで刺激された増殖の濃度依存性阻害。両薬物の組み合わせの計算された相加的曲線が白三角および破線によって表される。□は、100nMニンテダニブ単独による、IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のFGF+IL−1βで刺激された増殖を表す。データは、n=5ドナーの±SEMで提示する。データを、未処置(刺激しなかった)対照細胞(=100%阻害)およびFGF+IL−1β処置細胞(=0%阻害)に対して正規化する。
5.実験データ
6.1 ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する線維化過程の病理発生
ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する線維化過程の病理発生は、現在のところ、完全に理解されていない。
IPFの主な特徴は、上皮細胞および間葉系細胞における変化ならびにこれらの細胞間の相互作用であるが、一方で、炎症過程がほんの小さな役割を果たしているとこれまで考えられている[Lehtonen et al, Respiratory Research (2016) 17: 14]。IPFの病理発生の機序を説明する1つの広く受け入れられている仮説は、肺胞上皮の傷害が、成長因子および転写因子ならびにサイトカインの度を超えた放出とその後の線維芽細胞の活性化および分泌筋線維芽細胞表現型への形質転換を伴う、過剰な創傷治癒反応をもたらし、その結果、細胞外マトリックス(ECM)タンパク質が過剰に産生されると仮定している[King TE, Jr, Pardo A, Selman M.,. Lancet. 2011;378:1949-1961]。IPFの典型的な組織学的特徴である線維芽細胞巣は、傷害を受けた上皮および過形成上皮ならびに筋線維芽細胞によって産生されたECMによって覆われた、細胞、とりわけ線維芽細胞および筋線維芽細胞の特定の凝集体である[Kuhn C, McDonald JA.,. Am J Pathol. 1991;138:1257-1265]。多数の線維芽細胞巣を有するIPF患者が、生存期間の短縮を有することが研究によって明らかになった[Kaarteenaho R., Respir Res. 2013 ;14(1): 43]。加えて、IPF患者の肺における筋線維芽細胞のマーカーとしてのアルファ平滑筋アクチン(α−SMA)の発現の程度が、患者の生存に負に関連することが示された[Waisberg DR, Parra ER, Barbas-Filho JV, Fernezlian S, Capelozzi VL]。増加した線維芽細胞テロメラーゼ発現が、特発性肺線維症における筋線維芽細胞アルファ平滑筋アクチン発現より先に起こる[Clinics (Sao Paulo) 2012;67:1039-1046]。
線維化過程の病理発生の現在のパラダイムは、内因性または外因性の刺激への曝露後、肺上皮が傷害応答を開始して、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGF−β1)、血小板由来成長因子(PDGF)、結合組織成長因子(CTGF)ならびにインターロイキン−4(IL−4)およびインターロイキン−13(IL−13)を含むサイトカインなどの可溶性因子の産生をもたらすと示唆している。これらの物質は、炎症細胞の動員および間葉系活性化を促進し、これが、活性化された筋線維芽細胞を生じると考えられている組織常在性の後胚期線維芽細胞の増大を引き起こす。これらの細胞は、創傷治癒の過程の中核をなすが、モジュレートされなければ、過剰なECMを沈着させ、正常な肺構造を破壊する。正常な創傷治癒の間、筋線維芽細胞は、一時的に活性化され、ECMを産生してけん引力を発揮することによって肉芽組織の産生を指示する。一旦治癒が達成されたら、肉芽組織は再吸収され、筋線維芽細胞はプログラム細胞死を受けて、正常な組織構造および機能を修復する[Klingberg et al, J Pathol. 2013; 229: 298-309]。この過程のいずれかの段階に混乱が起これば、組織病理を引き起こし得る。治癒反応が不十分であると、急性呼吸窮迫症候群で見られるように、急性傷害およびびまん性肺胞損傷が優位の病理が後に起こる。しかしながら、治癒期が優位に立つと、組織環境は、線維化および再構築へとシフトし、調節不全の瘢痕組織の蓄積が優位の病理が見られる。線維芽細胞および活性化された筋線維芽細胞は、この過程の中核をなすと考えられる[Moore et al Curr Pathobiol Rep. 2013 September; 1 (3): 199-208]。
さらなるレベルでは、IPFにおける線維芽細胞および筋線維芽細胞は、無制御の増殖および生存によって特徴付けられる病理学的表現型を実証する。これらの細胞は、肺間質に蓄積し、そこで、これらは、過剰量のコラーゲン−IリッチECMを沈着し、最終的に上記の線維芽細胞巣に組織化する。これらの領域が増大し、肺胞空間に並置されるようになるにつれて、これらは、最初に肺胞基底膜を断裂させ、その後、最終的にこれを破壊するように思われる[White et al, J Pathol. 2003; 201: 343-354]。
この増大は、IPF肺組織から得られた初代線維芽細胞について記載されているプログラム細胞死に対する抵抗性に主に起因する[Maher et al, Am J Respir Crit Care Med. 2010; 182: 73-82 and Nho et al, PLoS one 2013; 8]。アポトーシス経路における異常、異常なWntシグナル伝達[Chang et al, J Biol Chem. 2010; 285; 8196-8206]およびオートファジー不全[Patel et al, PLoS One 2012; 7]を含めたいくつかの可能性のある機序がこの観察に対して提唱されている。
しかしながら、TGF−βを含めた多数の十分に特徴付けられているサイトカインが、傷害を受けた肺に見いだされているか、または肺から取り除かれた炎症細胞によって産生された。さらに、肺線維化の動物モデルにおいて、TGF−β産生が、コラーゲン合成の前に増加し、肺胞マクロファージによって主に産生された。進行した特発性肺線維症では、免疫組織化学染色によって、主に肺再生および再構築の領域の上皮細胞において、広範囲に及ぶTGF−β沈着を検出することができる。これは、ILD、PF−ILDおよびIPFなどの肺疾患に特徴的である進行性線維化の病理発生が異常な修復過程であり得ることを示唆している(Khali et al Ciba Found Symp. 1991; 157: 194-207およびCutroneo et al, J. Cell. Physiol. 211: 585-589, 2007を参照のこと)。
線維化に関するこの背景情報から、ILD、PF−ILDおよび特にIPFの根底にある線維化過程の病理学を「3つの異なるレベルの線維化過程の病理発生」に分類できることが明らかである(とりわけ第二のレベルと第三のレベルの時系列順は、まだ完全に理解されておらず、これらが並行して部分的に起こることもある)。
第一のレベルの線維化過程では、内因性または外因性の刺激への曝露後、肺上皮は、通常、傷害応答を開始して、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGF−β1)、サイトカインなどの可溶性因子、ならびに、例えばプロコラーゲン、フィブロネクチンおよびMCP−1などの線維化促進性メディエーター/線維化マーカーの産生をもたらす。
次いで、第二のレベルの線維化過程の病理発生では、これらの線維化促進性メディエーター/線維化マーカーが、間葉系活性化を促進し、これが、線維芽細胞の活性化形態である筋線維芽細胞を生じると考えられている組織常在性の後胚期線維芽細胞の増大を引き起こす。これらの筋線維芽細胞は、創傷治癒の過程の中核をなすが、モジュレートされなければ、過剰な量の細胞外マトリックス物質およびコラーゲン/瘢痕組織を産生する。この「筋線維芽細胞表現型」はさらに、強いα−平滑筋アクチン(α−SMA)発現によって特徴付けられる。α−SMAタンパク質を強く発現する、線維芽細胞の筋線維芽細胞への形質転換/活性化は、ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する第二のレベルの線維化過程の病理発生を生じる。
したがって、α−平滑筋アクチン(α−SMA)タンパク質発現の定量は、ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する第二のレベルの線維化過程の病理発生に対応する、線維芽細胞の筋線維芽細胞への形質転換/活性化の程度の好適な測定法である。
ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する第三のレベルの線維化過程の病理発生は、おそらくはプログラム細胞死に対する抵抗性による、線維芽細胞および筋線維芽細胞の無制御な増殖/細胞分裂および生存によって特徴付けられる。増殖性の線維芽細胞および筋線維芽細胞は、肺間質に蓄積し、そこで、これらは、過剰量のコラーゲン−IリッチECMを沈着し、最終的に線維芽細胞巣に組織化する。
細胞分裂の定量(例えば、増殖性の線維芽細胞のDNAへのBrdUの組み込みの定量による)は、ILD、PF−ILDおよびIPFに共通する第三のレベルの線維化過程の病理発生に対応する、線維芽細胞の増殖の程度の好適な測定法である。
6.2 実験アッセイA)およびB)の原理:
96ウェルプレート中で成長させたIPF−患者の肺線維芽細胞(IPF−LF細胞)を、異なる濃度のPDE4阻害剤「式IIIで示される化合物」、「アプレミラスト」もしくは「ロフルミラスト−N−オキシド」と共にまたは前述のPDE4阻害剤の各々とニンテダニブとの組み合わせと共に30分間インキュベートした。
化合物インキュベーション後、細胞をアッセイ関連刺激で刺激し、試験化合物の存在下でアッセイ関連時間インキュベートした。
α−SMAタンパク質を、モノクローナル抗平滑筋アクチン抗体を使用したウェスタン置換アッセイ(MSD)によって判定した。
増殖性細胞のDNAに組み込まれたBrdUを、ELISAによって判定した。
BrdUは、DNA前駆体チミジンの類似体である。増殖性細胞では、DNAは、分裂が起こり得る前に複製されなければならない。BrdUが細胞培養物に加えられたら、増殖性細胞は、チミジンを組み込むかのうように、BrdUをそれらのDNAに組み込む。細胞のDNA中のBrdUの量を、特異的な抗BrdU蛍光抗体によって、続いて、BrdUに対するモノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーまたは細胞ELISAによって検出することができる。
6.3 実験A):α−SMA(平滑筋アクチン)タンパク質アッセイ(ウェスタン置換アッセイ)
細胞播種および飢餓
IPF−肺線維芽細胞(5〜8代継代)を、96ウェル細胞培養プレートに4500細胞/ウェルで100μL/ウェルのFBM+サプリメントと共に播種した。播種の24時間後、細胞をサプリメントなしのFBM培地で1回洗浄し、24時間飢餓させた。
実験A1)
実験A1)では、式IIIで示されるPDE4B阻害剤を「試験化合物」として使用した:
・上昇濃度で、いずれか単独で(図1の黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)または
・上昇濃度で、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に(図1の白丸および灰色実線を参照のこと)。
実験A2)
実験A2)では、アプレミラストを「試験化合物」として使用した:
・上昇濃度で、いずれか単独で(図2の黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)または
・上昇濃度で、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に(図2の白丸および灰色実線を参照のこと)。
実験A3)
実験A3)では、ロフルミラスト−N−オキシドを「試験化合物」として使用した:
・上昇濃度で、いずれか単独で(図3の黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)または
・上昇濃度で、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に(図3の白丸および灰色実線を参照のこと)。
試験化合物の希釈物
全ての「試験化合物」(式IIIで示されるPDE4B阻害剤、アプレミラストまたはロフルミラスト)を0.1mmol/L HClまたはDMSO中に1000×で調製し、1:3.16希釈系列を実施した(0.1 mmol/L HClまたはDMSO中)。2×濃縮化合物−培地を得るために、1:500希釈物(1000×希釈物の2μlを998μlのFBM+2nmol/L PGE2に加えた)を調製した。
試験化合物とのプレインキュベーション
播種の48時間後、培地をアスピレーションし、FBM(1ウェル当たり100μl)を加えた。37℃で1時間のインキュベーション後、2×濃縮化合物(異なる濃度の)+2×濃縮PGE2(2nmol/L)を含有する培地90μlを30分間加えた。PGE2の最終濃度は1nmol/Lであった。
刺激
試験化合物プレインキュベーション(190μL)の30分後、10μlの20×濃縮TGF−βを加え、細胞を37℃の温度で48時間刺激した。
この目的のために、TGF−βストック溶液(4mmol/Lの無菌HCL中で再構成した20μg/mL)を、飢餓培地中100ng/mLの濃度に達するように1:200希釈した。このTGF−β培地または飢餓培地10μLを表示ウェルに加えた。試験化合物濃度を刺激の間維持した。最終TGF−β濃度は、4ng/mLであった。
タンパク質溶解物
刺激の48時間後、上清を取り出し、さらなる実験のため−80℃で保存した。細胞を氷冷PBSで1回洗浄し、1×プロテアーゼ阻害剤を含有するRIPA緩衝液を1ウェル当たり50μl加えた。溶解物を氷上で5分間インキュベートした後に−80℃で保存した。
α−SMAウェスタン置換アッセイ
融解後、各溶解物25μlをマルチアレイ96ウェルプレート(MSD)のメンブレンに移し、穏やかに振盪しながら室温で2時間インキュベートした。そのインキュベーション時間後、プレートを1×Tris洗浄緩衝液(MSD)200μlで3回洗浄し、3%ブロッキング緩衝液150μlを1時間加えた。ブロッキング後、プレートを1×Tris洗浄緩衝液200μlで3回洗浄し、25μlの抗体溶液(1プレート当たり、3%ブロッキング緩衝液0.75ml、1×Tris洗浄緩衝液2.25ml、抗α−SMA抗体(1:2500)1.2μl、ヤギ抗マウススルホタグ抗体(1:200)15μl)を1時間加えた。AB−インキュベーション後、プレートを1×Tris洗浄緩衝液200μlで3回洗浄し、1×MSD読み取り緩衝液を1ウェル当たり150μl加えた。プレートをSector Imager(MSD)で測定した。
6.4 実験B:細胞増殖アッセイ
細胞播種および飢餓
IPF−肺線維芽細胞(5〜8代継代)を、96ウェル細胞培養プレートに2500細胞/ウェルで100μL/ウェルのFBM+サプリメントと共に播種した。播種の24時間後、細胞をサプリメントなしのFBM培地で1回洗浄し、次いで、この培地中で飢餓を24時間維持した。
実験B1)
実験B1)では、式IIIで示されるPDE4B阻害剤を「試験化合物」として使用した:
・上昇濃度で、いずれか単独で(図4の黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)または
・上昇濃度で、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に(図4の白丸および灰色実線を参照のこと)。
白三角を有する破線は、100nMol/Lのニンテダニブと対応する濃度の式IIIで示されるPDE4B阻害剤との組み合わせ処置の「計算された相加的曲線」を表す。
実験B2)
実験B2)では、アプレミラストを「試験化合物」として使用した:
・上昇濃度で、いずれか単独で(図5の黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)または
・上昇濃度で、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に(図5の白丸および灰色実線を参照のこと)。
白三角を有する破線は、100nMol/Lのニンテダニブと対応する濃度のアプレミラストとの組み合わせ処置の「計算された相加的曲線」を表す。
実験B3)
実験B3)では、ロフルミラスト−N−オキシドを「試験化合物」として使用した:
・上昇濃度で、いずれか単独で(図6の黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)または
・上昇濃度で、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に(図6の白丸および灰色実線を参照のこと)。
白三角を有する破線は、100nMol/Lのニンテダニブと対応する濃度のロフルミラスト−N−オキシドとの組み合わせ処置の「計算された相加的曲線」を表す。
試験化合物の希釈物
全ての試験化合物を0.1mmol/L HClまたはDMSO中に1000×で調製し、1:3.16希釈系列を実施した(0.1mmol/L HClまたはDMSO中)。1×濃縮化合物培地を得るために、1000×DMSO希釈物1μlを999μlのFBMに加えた。
試験化合物とのプレインキュベーション
播種の48時間後、培地を吸引によって除去し、化合物培地または飢餓培地90μlを30分間加えた。
刺激
試験化合物プレインキュベーション(90μL)の30分後、10μlの10×濃縮FGF+IL−1βを加え、細胞を37℃の温度で92時間刺激した。
この目的のために、FGFおよびIL−1βストック溶液(それぞれ、250μg/mLおよび10μg/mL)を、飢餓培地中、FGFおよびIL−1βについてそれぞれ200ng/mLおよび300pg/mLの濃度に達するように希釈した。この刺激培地または飢餓培地10μLを表示ウェルに加えた。試験化合物濃度を刺激の間維持した。
最終FGF濃度は20ng/mLであった。最終IL−1β濃度は30pg/mLであった。
BrdUアッセイ
DNA合成の間のBrdU組み込みの測定に基づいた細胞増殖の定量のための比色イムノアッセイによって、増殖を判定した。製造業者の指示に従ってアッセイを行った。
刺激の72時間後、飢餓培地中でのBrdUの1:100希釈(得られた濃度100μmol/L)を実施し、1ウェル当たり10μlを加えた(1ウェル当たりの最終濃度10μmol/l)。約18時間後、BrdU培地を吸引によって除去した。FixDenat試薬で細胞を室温で30分間固定および変性させた。試薬をタッピングによって除去し、抗BrdU−POD希釈標準溶液を加えた(インキュベーション時間:90分)。プレートを洗浄緩衝液200μLで3回洗浄した後、基質溶液と約10分間インキュベーションした。基質溶液に1mol/L HSOを加えることによって反応を停止し、光度計(EnVision 2104 Multilabel reader, PerkinElmer)にて450nmでプレートを読み取った。
6.5 データ解析
BrdUアッセイについては光学密度読み取り値(OD)からまたはMSD単位(α−SMAアッセイ)から、未刺激対照に対するx倍率を計算した。
未刺激対照に対するx倍率から%阻害値を計算した。
異なるドナーについての実験の各々で、全ての阻害値を2連または3連で判定した。
全ての値からブランクの平均を差し引いた。
刺激した細胞のIC50値を以下の通り判定した:
%阻害値=100−(Y/K1)*100
K1=刺激したが化合物処置しなかった対照ウェルのODの平均−刺激も化合物処置もしなかった対照ウェルのODの平均
Y=刺激して化合物処置したウェルのOD
Graph Pad Prism Softwareパッケージの可変勾配を用いた3パラメータ−フィッティングを使用して、log(阻害剤濃度)対%阻害値の非線形回帰を計算した。
ニンテダニブと組み合わせた式IIIで示される化合物、アプレミラストまたはロフルミラスト−N−オキシドの相加効果を計算するために、以下の式を使用した:
PDE4阻害剤(EB)の効果+ニンテダニブ(EN)の効果=EB+N=EB+EN−(EB*EN)
=破線曲線(Poch & Holzmann, 1980)。
試験化合物
試験化合物の式IIIで示される化合物、アプレミラスト、ロフルミラスト−N−オキシドおよびニンテダニブをDMSO中に溶解し、−20℃で保存した。各実験の前に7種の濃度の系列希釈物を調製した。
6.6 材料および方法
材料
試験物品 供給会社 注文番号
IPF−LF細胞株(5〜8代継代) Asterand DI16769
DI16783
DI19873
BI209755
BI210978
BI212020
rhTGF−β R&DSystems 240-B-010
rhFGF(塩基性) R&Dsystems 234_FSE
rhIL−1β R&DSystems 201-LB-005
rhPGE2 Tocris 2296
モノクローナル抗平滑筋アクチン抗体 Sigma A2547
ヤギ抗マウススルホタグ抗体 MSD R32AC-1
マルチアレイ96ウェルプレート高結合プレート MSD L15XB-3
MSDブロッカーA MSD R93BA-4
MSD Tris洗浄緩衝液(10×) MSD R61TX-1
MSD 読み取り緩衝液T(4×) MSD R92TC-2
RIPA緩衝液 Sigma R0278-500ML
Haltプロテアーゼ阻害剤カクテル(100×) ThermoScientific 78437
PBS Gibco 10010023
BrdU−Assay Roche 11647229001
細胞培養フラスコ(75cm2、組織培養処理) BD Falcon(商標) 353110
細胞培養フラスコ(175cm2、組織培養処理) BD Falcon(商標) 353112
96ウェルプレート(細胞培養) Nunc microwell 96F 167008
DMSO Merck 1.02952.1000
Cells-to-CT 1StepTaqMankit Ambion A25602
細胞繁殖培地:
インスリン、FGF−2、0.5%FBS、GA−1000(全て、FGM-2 SingleQuots, Lonza, Cat. No. CC-4126内)を補充した、FBM(線維芽細胞基礎培地、Lonza, Cat. No: CC-3131)
IPF−LF細胞を二次培養するための試薬:
Hepes緩衝食塩水(Lonza, Cat. No. CC-5022)
トリプシン/EDTA(0.25mg/mL)(Lonza, CC-5012)
TNS(トリプシン中和液、Lonza, CC-5002)
飢餓培地:
サプリメントなしのFBM
刺激培地α−SMAアッセイ:
FBM+4ng/mL rhTGF−βおよび1nmol/L PGE2
刺激培地BrdUアッセイ:
FBM+20ng/mL rhbFGF+30pg/mL rhIL−1β
6.7 実験の解釈
実験A):IPF患者由来のヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現の阻害
ある特定の活性剤が、IPF患者のヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現を阻害する傾向が強ければ強いほど、この活性剤は、線維芽細胞の筋線維芽細胞への移行である第二のレベルの線維化過程の病理発生においてより治療効果を有するだろう。
したがって、第二のレベルの線維化過程を模倣するこの実験A)において、
a)ニンテダニブ単独の、式IIIで示される化合物単独の、アプレミラスト単独のおよびロフルミラスト−N−オキシド単独の、ならびに
b)式IIIで示される化合物とニンテダニブとの、アプレミラストとニンテダニブとのおよびロフルミラスト−N−オキシドとニンテダニブとの
IPF患者のヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現に対する効果を実験により判定した。
濃度100nMol/Lで単独投与されたニンテダニブは、この実験において、ヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現に対して阻害効果を示さなかったが(この濃度のニンテダニブだけが第二のレベルの線維化過程の病理発生に対して治療効果を示さなかったことを裏付けている(図1、2および3の□を参照のこと:阻害は≦0であった))、全ての試験したPDE4阻害剤(式IIIで示される化合物、アプレミラストおよびロフルミラスト−N−オキシド)は、単独で投与したときおよびまた固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと一緒に投与したとき、少なくともある一定の濃度では、ヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現に対して濃度依存的阻害を示し、このことは、これらのPDE4阻害剤全ての第二のレベルの線維化過程の病理発生におけるある一定の治療効果を裏付けている(筋線維芽細胞への活性化)。
これらの結果から、PDE4阻害剤は、少なくともある一定の濃度範囲では、「線維芽細胞から筋線維芽細胞への移行/活性化」(ILD、特定するとPF−ILDに共通する第二のレベルの線維化過程の病理発生を表す事象である)に対して濃度依存的な治療効果を示す可能性を有するが、一方で、濃度100nMol/Lのニンテダニブだけでは、この実験によればこの全く同じ「第二のレベルの病理発生」に対して治療効果を示さないと結論付けることができる。
したがって、PDE4阻害剤は、ニンテダニブとの関連で、「線維芽細胞の筋線維芽細胞への移行/活性化」(=第二のレベルの線維化過程の病理発生)に対していわゆる「補完的効果」または「補足的効果」を示す。それゆえ、式IIIで示されるPDE4B阻害剤と一緒のニンテダニブの投与は、例えばニンテダニブ単独によるIPF処置と比べて治療有効性に対して優れた効果を示すだろう。
ヒト肺線維芽細胞のTGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現に対する測定された阻害を、式IIIで示される化合物(図1)、アプレミラスト(図2)およびロフルミラスト−N−オキシド(図3)で比較した場合、式IIIで示される化合物(図1)のみ、完全濃度/阻害曲線が「約ゼロ」の阻害に位置し、一方、例えばアプレミラスト、特にロフルミラスト−N−オキシドでは、「低いPDE4阻害剤濃度(単独またはニンテダニブとの組み合わせのいずれか)」が「TGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現の負の阻害」を導くことが明白である(アプレミラスト、特にロフルミラスト−N−オキシドについてこれらのより低い濃度では、第二のレベルの線維化過程に対して治療効果がないことを裏付けている)(一方で、式IIIで示される化合物は、全ての試験濃度で、TGF−βで刺激されたα−SMAタンパク質発現の正の阻害を示すと思われる)。
実験B):線維芽細胞増殖の阻害
ある特定の活性剤が、IPF患者の培養されたヒト肺線維芽細胞の増殖を阻害する傾向が強ければ強いほど、この活性剤は、線維芽細胞増殖である第三のレベルの線維化過程の病理発生においてより治療効果を有するだろう。
したがって、
a)ニンテダニブ単独の、式IIIで示される化合物単独の、アプレミラスト単独のおよびロフルミラスト−N−オキシド単独の、ならびに
b)式IIIで示される化合物とニンテダニブとの、アプレミラストとニンテダニブとのおよびロフルミラスト−N−オキシドとニンテダニブとの
IPF患者のヒト肺線維芽細胞の増殖に対する効果を、実験B)において実験により判定した。
第三のレベルの線維化過程の病理発生(「線維芽細胞増殖」)を模倣するこの実験B)では、濃度100nMol/Lで単独投与されたニンテダニブはすでに、ヒト肺線維芽細胞増殖に対して明らかな阻害効果を示した(図4、5および6の記号□で表される阻害データ点を参照のこと)。
しかしながら、図4の実験B1)、図5の実験B2)および図6の実験B3)の結果は、ニンテダニブ単独が線維芽細胞増殖に対して阻害効果を有するだけでなく、式IIIで示される化合物(図4のB1における黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)、アプレミラスト(図5のB2における黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)およびロフルミラスト−N−オキシド(図6のB3における黒丸および黒色実線曲線を参照のこと)などのPDE4阻害剤もまた、一般に、線維芽細胞増殖に対して濃度依存的阻害効果を示すことを示しており、それゆえ線維芽細胞増殖(第三のレベルの線維化過程の病理発生)に対して治療効果を有すると思われる。
明らかに、固定濃度100nMol/Lのニンテダニブと試験したPDE4阻害剤はいずれも、線維芽細胞増殖に対して濃度依存的に阻害効果を示すので、100nMol/Lのニンテダニブと対応するPDE4阻害剤(そのそれぞれの濃度での)の組み合わせによる線維芽細胞増殖の阻害に単純な「相加効果」が期待されるはずである。
図4、5および6において、白三角を有する破線曲線は、これらの「計算された相加的組み合わせ曲線」を表し、これは、100nMol/Lのニンテダニブの測定された阻害値+可変濃度の対応するPDE4阻害剤単独の測定された阻害値の単純な「相加」から計算された。
しかしながら、図4、5および6の白丸を有する灰色実線曲線は、「100nMol/Lのニンテダニブおよび可変濃度の対応するPDE4阻害剤を含む組み合わせの実験により測定された阻害曲線」を表す。
驚くべきことに、実験B1)の結果を示す図4において、ニンテダニブと式IIIで示される化合物との組み合わせの「線維芽細胞増殖の実験により測定された阻害曲線」(灰色実線、白丸)は、ニンテダニブと式IIIで示される化合物との組み合わせの対応する「計算された相加的阻害曲線」(白三角を有する破線曲線)と比べて「左に有意にシフトする」(式IIIで示される化合物のより低い濃度への方向を意味する)。
この有意な「左シフト」は、100nMol/Lのニンテダニブと式IIIで示される化合物との組み合わせの「過剰付加的な相乗的効果」の明白な指標である。ニンテダニブと式IIIで示される化合物との組み合わせのこの実験により観察された「過剰付加的な相乗的効果」は、特にこの相乗的な過剰付加的効果が「クラス効果」であると思われないので、全く驚くべきことであった。
図5は、対応する実験B2)の結果を示しており、ここでは、式IIIで示される化合物をアプレミラストに交換した。図5は、ニンテダニブとアプレミラストとの組み合わせの「実験により測定された阻害曲線」(灰色実線、白丸)が、ニンテダニブとアプレミラストとの組み合わせの対応する「計算された相加的阻害曲線」(白三角を有する破線曲線)と比べて左にシフトすることなく、代わりに右にわずかにシフトさえする(より高いアプレミラスト濃度を意味する)ことを示している。そのような「右シフト」は、理論上まさに、ニンテダニブとアプレミラストとの組み合わせによる「線維芽細胞増殖の相加的阻害未満」(「抗相乗的効果」)の指標であろう。しかしながら、「計算されたニンテダニブ/アプレミラスト組み合わせ曲線」と比べた「測定されたニンテダニブ/アプレミラスト組み合わせ曲線」のこのややわずかな右シフトは、ほぼエラーバー内にあり、それゆえ、統計学的に関係性がない。したがって、ニンテダニブとアプレミラストとの組み合わせについて、期待されるようなほぼ正常な「相加効果」を実験により観察することができた。
図6は、対応する実験B3)の結果を示しており、ここでは、式IIIで示される化合物をロフルミラスト−N−オキシドに交換した。図6は、ニンテダニブとロフルミラスト−N−オキシドとの組み合わせの「実験により測定された阻害曲線」(灰色実線、白丸)もまた、ニンテダニブとロフルミラスト−N−オキシドとの組み合わせの対応する「計算された相加的阻害曲線」(白三角を有する破線曲線)と比べて左の代わりに右にシフトすることを示している。そのような「右シフト」は、ニンテダニブとロフルミラスト−N−オキシドとの組み合わせの「線維芽細胞増殖の相加的阻害未満」(抗相乗的効果)の指標であろう。「計算されたニンテダニブ/ロフルミラスト組み合わせ曲線」と比べた「測定されたニンテダニブ/ロフルミラスト組み合わせ曲線」のこの「右シフト」は、エラーバー範囲を超える非常に高いロフルミラスト−N−オキシド濃度についてだけである。したがって、ニンテダニブとロフルミラスト−N−オキシドとの組み合わせについてもまた、期待されるようなほぼ「相加効果」を実験により判定することができた。
ニンテダニブと式IIIで示される化合物との組み合わせにだけ観察された線維芽細胞増殖の阻害に対するこの「過剰付加的な相乗的効果」はまた、以下の濃度/阻害曲線について計算されたIC50値の大きな差異にも反映される:
a)図4における式IIIで示される化合物単独で処置したIPF患者のヒト肺線維芽細胞について測定された(黒色実線曲線、IC50値255nMol/L)および
b)図4における式IIIで示される化合物およびニンテダニブを含む組み合わせで処置したIPF患者のヒト肺線維芽細胞について測定された(灰色実線曲線、IC50値23nMol/L)。
ここで、単独で投与された式IIIで示される化合物について測定された阻害曲線のIC50値は、式IIIで示される化合物とニンテダニブとの組み合わせについて測定された阻害曲線のIC50値と比べて11倍大きい(255nMol/L/23nMol/L=11)。
それと対照的に、単独で投与された他のPDE4阻害剤アプレミラストおよびロフルミラスト−N−オキシドについて測定された阻害曲線の、対応するPDE4阻害剤/ニンテダニブ組み合わせについて測定された阻害曲線と比べたIC50値の対応する差異は、はるかにより小さかった(アプレミラストに関して1,13倍大きい、ロフルミラスト−N−オキシドに関して0,82倍小さい)。
式IIIで示される化合物とニンテダニブとの組み合わせにだけ観察された線維芽細胞増殖の阻害に対するこの実験により判定された「過剰付加的な相乗的効果」は、あきらかに「クラス効果」であると思われないが、その理由は、他の試験したPDE4阻害剤アプレミラストまたはロフルミラストはいずれもニンテダニブと組み合わせても、対応する類似の「過剰付加的な相乗的効果」を示さず、代わりに期待される「相加的阻害効果」だけを示した(ニンテダニブ/ロフルミラスト−N−オキシドは、大きなロフルミラスト−N−オキシド濃度で「相加的阻害効果未満」をも示した)からである。
したがって、ニンテダニブと式IIIで示されるPDE4B阻害剤との組み合わせは、線維芽細胞増殖に対する実験により観察された過剰付加的な相乗的阻害効果に起因して、驚くべきことに、個々の単一薬剤による処置と比べてだけでなく、代替組み合わせニンテダニブ/ロフルミラスト−N−オキシドおよびニンテダニブ/アプレミラストと比べても、PF−ILD患者の処置に対して明らかに改善された治療有効性を示す。
したがって、実験A)およびB)は、式IIIで示されるPDE4B阻害剤およびニンテダニブを含む組み合わせが、以下を実験により示した:
1.)「PF−ILDに共通する第二のレベルの線維化過程の病理発生」(線維芽細胞の筋線維芽細胞への活性化)に対して、式IIIで示されるPDE4B阻害剤の全試験濃度範囲にわたる明らかな治療効果を示すこと(それによって、ニンテダニブ単独は、その第二のレベルに対して治療効果を示さなかった)および
2.)「PF−ILDに共通する第三のレベルの線維化過程の病理発生」(線維芽細胞増殖)に対して、驚くべきことに「過剰付加的な相乗的な治療効果」さえ示すこと(ロフルミラスト−N−オキシド/ニンテダニブ組み合わせおよびアプレミラスト/ニンテダニブ組み合わせは、驚くべきことに示さなかった)。
式IIIで示されるPDE4B阻害剤とニンテダニブとの組み合わせが、他のPDE4阻害剤/ニンテダニブ組み合わせ(例えば、ロフルミラスト−N−オキシド/ニンテダニブなど)と比べて明白に示す別の追加の利点は、その比較的良好な耐容性である(特に消化器系副作用に関して)。
ニンテダニブおよびまたピルフェニドン(IPFの処置用に現在承認されているたった2つの治療薬剤)は共に、下痢、吐き気、嘔吐、体重低下などの有意な消化器系副作用を示すことが知られており、これが、ニンテダニブおよびピルフェニドンが、それらの相加作用、それゆえより高頻度の消化器系副作用が原因で通常組み合わされないことの主な理由である。
ニンテダニブおよびピルフェニドンと対照的に、式IIIで示されるPDE4B阻害剤は、対応するラット実験においてPDE4阻害剤に典型的な消化器系副作用(下痢など)を比較的伴わないことが示されている(WO 2013/026797 Chapter 5.3:「胃内容排出」および「腸管輸送」の実験ならびに図2a(胃内容排出)および2b(腸管輸送)を参照のこと)。これらの実験では、上昇量の実施例化合物第2(本出願において式IIIで示されるPDE4B阻害剤と同一である)が、未処置ラットと比べて、ラットにおける試験食の胃内容排出および腸管輸送に対して基本的に効果がなかったことを示すことができた。
しかしながら、類似の「胃内容排出」および「腸管輸送」実験では、代替PDE4阻害剤ロフルミラストは、消化器系副作用を示す明らかな傾向を示した。
加えて、臨床試験から、ロフルミラスト(COPDの処置用に唯一認可を受けている)が、下痢、吐き気、体重低下などの有意な消化器系副作用をヒトCOPD患者において示すこともよく知られている。
http://www.rxlist.com/daliresp-drug.htmでは、COPD患者に1日用量500μgで与えられたロフルミラストが、
全患者の9.5%で下痢を導く(プラセボを受けた患者わずか2.7%と比べて)
全患者の4.7%で吐き気を導く(プラセボを受けた患者わずか1.4%と比べて)
全患者の7.5%で体重減少を導く(プラセボを受けた患者わずか2.1%と比べて)および
全患者の4.4%で頭痛を導く(プラセボを受けた患者わずか2.1%と比べて)
ことが開示されている。
上述した観察に起因して、式IIIで示されるPDE4B阻害剤とニンテダニブとの組み合わせは、例えばロフルミラストとニンテダニブとの組み合わせと比べて、消化器系副作用に関してより良好な耐容性を有する。加えて、式IIIで示されるPDE4B阻害剤とニンテダニブとの組み合わせは、消化器系副作用に関する許容し得る耐容性(WO 2013/026797 Chapter 5.3)と組み合わせて、ILD、PF−ILDおよび特にIPFの処置に関してより良好な治療有効性(図1〜6を参照のこと)を有する。

Claims (43)

  1. 1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法であって、その必要のある患者に、治療有効量の式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩
    および治療有効量のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤
    を投与することを含む、方法。
  2. 進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)である、請求項1に記載の方法。
  3. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与される、請求項1または2に記載の方法。
  4. チロシンキナーゼ阻害剤が、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項1〜4の一項に記載の方法。
  5. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項1〜4の一項に記載の方法。
  6. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項1、2、3または4の一項に記載の方法。
  7. 式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩であって、
    その必要のある患者に、治療有効量の前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤を治療有効量のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための、PDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩。
  8. 進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)である、請求項7に記載の1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための式Iで示されるPDE4B阻害剤。
  9. ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与される、請求項7または8に記載の方法において使用するための式Iで示されるPDE4B阻害剤。
  10. チロシンキナーゼ阻害剤が、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項7〜9の一項に記載の方法において使用するための式Iで示されるPDE4B阻害剤。
  11. 式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項7〜10の一項に記載の方法において使用するための式Iで示されるPDE4B阻害剤。
  12. 式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項7、8、9または10の一項に記載の方法において使用するための式Iで示されるPDE4B阻害剤。
  13. ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤であって、その必要のある患者に、治療有効量のチロシンキナーゼ阻害剤を治療有効量の式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩と組み合わせて投与することを含む、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための、チロシンキナーゼ阻害剤。
  14. 進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)である、請求項13に記載の1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置するための方法において使用するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤。
  15. 式Iで示されるPDE4B阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与される、請求項13または14の一項に記載の方法において使用するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤。
  16. モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項13、14または15の一項に記載の方法において使用するためのチロシンキナーゼ阻害剤。
  17. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項13、14、15または16の一項に記載の方法において使用するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤。
  18. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項13、14、15または16の一項に記載の方法において使用するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤。
  19. 式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩の
    治療有効量の前記の式Iで示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩が、その必要のある患者に、治療有効量のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせて投与されるべきである、1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための、使用。
  20. 進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)である、請求項19に記載の1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するための式Iで示されるPDE4B阻害剤の使用。
  21. 式Iで示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩が、ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与されるべきである、請求項19または20に記載の式Iで示されるPDE4B阻害剤の使用。
  22. チロシンキナーゼ阻害剤が、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項19、20または21の一項に記載のPDE4B阻害剤の使用。
  23. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項19、20、21または22の一項に記載の式Iで示されるPDE4B阻害剤の使用。
  24. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項19、20、21または22に記載の式Iで示されるPDE4B阻害剤の使用。
  25. 1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の使用であって、治療有効量の前記チロシンキナーゼ阻害剤が、その必要のある患者に、治療有効量の式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩と組み合わせて投与されるべきである、使用。
  26. 進行性線維化を伴う間質性肺疾患が、特発性肺線維症(IPF)である、請求項25に記載の1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための医薬組成物を調製するためのチロシンキナーゼ阻害剤の使用。
  27. チロシンキナーゼ阻害剤が、PDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与されるべきである、請求項25または26に記載のニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤の使用。
  28. チロシンキナーゼ阻害剤が、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項25、26または27の一項に記載のチロシンキナーゼ阻害剤の使用。
  29. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項25、26、27または28の一項に記載のチロシンキナーゼ阻害剤の使用。
  30. 式Iで示されるPDE4B阻害剤が、式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項25、26、27または28の一項に記載のチロシンキナーゼ阻害剤の使用。
  31. 以下を含む、医薬組成物:
    ・式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく,
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩
    ・ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤、そして
    ・場合により、1つまたは複数の薬学的に許容し得る担体および/または賦形剤。
  32. チロシンキナーゼ阻害剤が、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項31に記載の医薬組成物。
  33. 式Iで示されるPDE4−B阻害剤が、式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される、請求項31または32に記載の医薬組成物。
  34. 式Iで示されるPDE4−B阻害剤が、式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である、請求項31、32または33の一項に記載の医薬組成物。
  35. 以下を含む、キット:
    ・式I:
    Figure 2021500362

    [式中、環Aは、1個または2個の窒素原子を場合により含んでよい6員芳香族環であり、そして
    Rは、Clであり、かつ、
    Rは、環Aのパラ位、メタ位またはオルト位のいずれかに位置してよく、
    は、キラル中心を表す硫黄原子である]
    で示されるPDE4B阻害剤またはその薬学的に許容し得る塩を含み、
    そして場合により、1つまたは複数の薬学的に許容し得る担体および/または賦形剤を含む第一の医薬組成物または剤形、ならびに
    ・ニンテダニブおよびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択されるチロシンキナーゼ阻害剤を含み、そして
    場合により、1つまたは複数の薬学的に許容し得る担体および/または賦形剤を含む第二の医薬組成物または剤形。
  36. 1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)を処置する方法において使用するための、請求項35に記載のキット。
  37. 特発性肺線維症(IPF)を処置する方法において使用するための、請求項35に記載のキット。
  38. 第一の医薬組成物または剤形が、第二の医薬組成物または剤形と同時に、併行して、順次に、連続的に、交互にまたは別々に投与されるべきである、請求項35、36または37の一項に記載のキット。
  39. 第二の医薬組成物または剤形のチロシンキナーゼ阻害剤が、モノエタンスルホナートの形態のニンテダニブである、請求項35、36または37の一項に記載のキット。
  40. 第一の医薬組成物または剤形が、式II:
    Figure 2021500362

    で示される化合物、その薬学的に許容し得る塩、
    式III:
    Figure 2021500362

    で示される化合物およびその薬学的に許容し得る塩からなる群より選択される式Iで示されるPDE4B阻害剤を含む、請求項35、36または37の一項に記載のキット。
  41. 第一の医薬組成物または剤形が、式III:
    Figure 2021500362

    で示されるPDE4B阻害剤化合物またはその薬学的に許容し得る塩を含む、請求項35、36、37または38の一項に記載のキット。
  42. 以下をさらに含む、請求項35〜41のいずれか一項に記載のキット:
    ・1つまたは複数の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF−ILD)の処置における第一および第二の医薬組成物または剤形の同時、併行、順次、連続的、交互または別々の使用のための印刷された説明書を含む、添付文書。
  43. 以下をさらに含む、請求項35〜41のいずれか一項に記載のキット:
    ・特発性肺線維症(IPF)の処置における第一および第二の医薬組成物または剤形の同時、併行、順次、連続的、交互または別々の使用のための印刷された説明書を含む、添付文書。
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