JP2021197692A - 画像読取装置、画像処理装置および画像処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】光沢のある原稿を読み取った場合でも、2つの照射方向の光を選択または輝度値の差分に応じず合成して画像を読み取る方式と比較して、原稿の色により近い画像を読み取ることができる画像読取装置等を提供する。
【解決手段】原稿に光を照射し、原稿から反射された光として、拡散反射光および正反射光を受光することで原稿の画像を読み取る読取部と、拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得する取得部161と、第1の読取データから求められる輝度値と、第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、第1の読取データと第2の読取データとを合成する合成処理を行う合成部164と、を備える画像読取装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像読取装置、画像処理装置、画像処理システムに関する。
従来、複写機やファクシミリ、コンピュータ入力用のスキャナ等として、原稿の画像を読み取る画像読取装置が用いられている。この種の画像読取装置では、例えば、光源を用いて原稿に光を照射し、照射された原稿から反射した拡散反射光をイメージセンサ等にて受光することで、原稿の画像を読み取っている。
特許文献1には、読取装置は、原稿からの拡散反射光を得るための光源と、原稿からの正反射光を含む反射光を得るための光源とを備えるとともに、光源に対応した2つの参照部とを備えることが記載されている。参照部は、正反射光の反射特性が異なる2つの参照板を備える。拡散反射光については、参照部により参照光が得られ、正反射光については、2つの参照板のいずれかにより参照光が得られる。
特許文献2には、第1光源及び第2光源の光を、それぞれ原稿に対して第1の照射方向と第2の照射方向とから照射し、原稿から所定の反射方向へ反射する反射光を、光電変換を行うCCD部に導いて画像データを得ることが記載されている。このとき、第2の照射方向への光路に設けた光量調節手段により、照射方向の光の強さを照射方向の光の強さより弱く調節するとともに、2つの光源のいずれから光を照射するかをその点灯/消灯によって切り替える。さらに、2つの照射方向の光それぞれに対する反射光から生成された2つの画像データに基づいて、原稿の画像データを合成する。
特許文献3には、「通常スキャン」による第1画像データと、金属光沢領域から反射される光を乱反射させるようにして読取りを行う「金属光沢スキャン」による第2画像データとを得ることが記載されている。このとき、第1画像データと第2画像データとの差分値を比較し、差分値が所定の閾値より大きい場合には、第1画像データと第2画像データとを合成してあらたな画像データを得る。
特開2010−135920号公報 特開2004−274299号公報 特開2005−101726号公報
ところが、光沢のある原稿を、拡散反射光で読み取ると、原稿の色と読み取った画像の色との差異が発生しやすい。
本発明は、光沢のある原稿を読み取った場合でも、2つの照射方向の光を選択または輝度値の差分に応じず合成して画像を読み取る方式と比較して、原稿の色により近い画像を読み取ることができる画像読取装置等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、原稿に光を照射し、原稿から反射された光として、拡散反射光および正反射光を受光することで原稿の画像を読み取る読取部と、前記拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、前記正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得する取得部と、前記第1の読取データから求められる輝度値と、前記第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、当該第1の読取データと当該第2の読取データとを合成する合成処理を行う合成部と、を備える画像読取装置である。
請求項2に記載の発明は、前記合成部は、前記差分が予め定められた範囲内のときに、前記合成処理を行い、当該差分が予め定められた範囲内でないときは、当該合成処理を行わないことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置である。
請求項3に記載の発明は、前記合成部は、前記差分が予め定められた範囲より大きいときは、前記第2の読取データを読取データとし、当該差分が予め定められた範囲より小さいときは、前記第1の読取データを当該読取データとすることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置である。
請求項4に記載の発明は、前記合成処理は、前記第1の読取データと前記第2の読取データとを、前記差分に応じ加重平均する処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置である。
請求項5に記載の発明は、デバイス依存の色空間で表される、前記第1の読取データおよび前記第2の読取データを、デバイス非依存の色空間に変換する色変換部をさらに有し、前記合成部は、前記色変換部による変換後の、前記第1の読取データおよび前記第2の読取データを合成処理することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置である。
請求項6に記載の発明は、前記色変換部は、前記合成処理後の読取データをさらにデバイス依存の色空間に変換することを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置である。
請求項7に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、原稿に光を照射し、原稿から反射された拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、原稿から反射された正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得し、前記第1の読取データから求められる輝度値と、前記第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、当該第1の読取データと当該第2の読取データとを合成する合成処理を行うことを特徴とする画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段により読み取られた画像を処理する画像処理手段と、を備え、前記画像読取手段は、原稿に光を照射し、原稿から反射された光として、拡散反射光および正反射光を受光することで原稿の画像を読み取る読取部と、前記拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、前記正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得する取得部と、前記第1の読取データから求められる輝度値と、前記第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、当該第1の読取データと当該第2の読取データとを合成する合成処理を行う合成部と、を備える画像処理システムである。
請求項1の発明によれば、光沢のある原稿を読み取った場合でも、2つの照射方向の光を、選択または輝度値の差分に応じず合成して画像を読み取る方式と比較して、原稿の色により近い画像を読み取ることができる画像読取装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、原稿の光沢の度合いが、第1の読取データと第2の読取データとを合成処理するのに適した範囲で、この処理を選択することができる。
請求項3の発明によれば、原稿の光沢の度合いに応じ、第1の読取データおよび第2の読取データの何れかを選択的に利用することができる。
請求項4の発明によれば、合成処理がより容易になる。
請求項5の発明によれば、画像読取装置で行われる各画像処理に適した色空間における画像データを生成することができる。
請求項6の発明によれば、合成処理に適した色空間としてデバイス非依存の色空間での画像データを生成することができる。
請求項7の発明によれば、光沢のある原稿を読み取った場合でも、2つの照射方向の光を選択または輝度値の差分に応じず合成して画像を読み取る方式と比較して、原稿の色により近い画像を基に、画像を処理することができる画像処理装置を提供することができる。
請求項8の発明によれば、光沢のある原稿を読み取った場合でも、2つの照射方向の光を選択または輝度値の差分に応じず合成して画像を読み取る方式と比較して、原稿の色により近い画像を読み取り、画像処理を行うことができる画像処理システムを提供することができる。
画像処理システムのハードウェア構成例を示した図である。 本実施の形態の画像読み取り部の構成例を示す図である。 フルレートキャリッジの構成について示した図である。 本実施形態における制御・画像処理ユニットの機能構成例を示したブロック図である。 制御・画像処理ユニットの動作について説明したフローチャートである。 合成部が行う合成処理について説明したフローチャートである。 (a)〜(c)は、処理1〜処理3の内容について示した図である。 (a)〜(d)は、合成処理を含む各処理の順について示した図である。 (a)〜(d)は、合成処理の効果について示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像処理システム10全体の説明>
図1は、画像処理システム10のハードウェア構成例を示した図である。
図示する画像処理システム10は、複合機とも呼ばれる。画像処理システム10は、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷媒体として出力する装置である。画像処理システム10は、このようなプリンタ機能を備えるが、これに加えて、例えば、スキャナ機能、ファクシミリ機能等の他の画像処理機能を備えている。
図示するように、画像処理システム10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、ストレージ14と、操作パネル15と、画像読み取り部16と、画像形成部17と、通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)18とを備える。そして、これらがバスBを介して必要なデータのやりとりを行う。
CPU11は、プロセッサの一例であり、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
ストレージ14は、画像読み取り部16が読み取った画像情報や画像形成部17における画像形成にて用いる画像情報等を記憶する記憶領域である。ストレージ14は、例えば、HDDやSSD(Solid State Drive)である。
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う、例えばタッチパネルである。そのため表示機構は、予め定められた領域でアイコンやメニューなどを画像として表示する液晶パネル等の表示部を備えるとともに、液晶パネルに人の指、スタイラスペンに代表される接触物が接触したときに、接触物が液晶パネルに接触した位置を検知する機能を備えている。本実施の形態においてタッチパネルは、特に限定されるものではなく、抵抗膜方式や静電容量方式など種々の方式のものを使用することができる。
画像読み取り部16は、原稿に記録された画像を読み取る。画像読み取り部16は、原稿の画像を読み取る画像読取手段あるいは画像読取装置の一例であり、例えばスキャナである。画像読み取り部16は、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いることができる。
画像形成部17は、画像読み取り部16により読み取られた画像を処理する画像処理手段の一例であり、記録媒体に画像を形成する印刷機構の一例である。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを用紙等の記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いることができる。
通信I/F18は、他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
本実施の形態では、CPU11、RAM12およびROM13で、制御部20を構成する。
<画像処理システム10の動作の概略説明>
画像読み取り部16で原稿に記録された画像を読み取り、読み取った画像データを基に、画像形成部17にて記録媒体に画像を形成することで、ユーザは、原稿のコピーを行うことができる。また、ユーザは、外部装置であるPC等から印刷ジョブを画像処理システム10に送信することでプリントを行うことができる。即ち、印刷ジョブを通信I/F18で受信し、印刷ジョブに含まれる画像データを基に、画像形成部17にて記録媒体に画像を形成することでプリントを行う。さらに、画像読み取り部16で読み取った画像データを、通信I/F18や公衆通信網を介してファクシミリ送信することもできる。あるいはユーザは、画像読み取り部16で読み取った画像データを画像処理システム10の内部や外部装置であるPCに保存することができる。
<画像読み取り部16の説明>
図2は、本実施の形態の画像読み取り部16の構成例を示す図である。
図示する画像読み取り部16は、いわゆるスキャナである。同図に示す画像読み取り部16では、固定された原稿Dの画像を読み取ることが可能であるとともに、搬送される原稿Dの画像を読み取ることも可能となっている。そして、この画像読み取り部16は、積載された原稿Dの束から原稿Dを順次搬送する原稿送り装置110と、スキャンによって画像を読み込む読み取り装置150とを備えている。
原稿送り装置110は、複数枚の原稿Dの束を積載する原稿積載部111、この原稿積載部111の下方に設けられ、読み取りが終了した原稿Dを積載する排紙積載部112を備える。また、原稿送り装置110は、原稿積載部111の原稿Dを取り出して搬送する用紙搬送ロール113を備える。さらに、用紙搬送ロール113の原稿搬送方向下流側には、フィードロールおよびリタードロールによって用紙を一枚ずつに捌く捌き機構114が設けられる。原稿Dが搬送される第1搬送路131には、原稿搬送方向上流側から順に、プレレジロール115、レジロール116、プラテンロール117、およびアウトロール118が設けられる。
プレレジロール115は、一枚ずつに捌かれた原稿Dを下流側のロールに向けて搬送すると共に原稿Dのループ形成を行う。レジロール116は、回転を一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、後述する読み取り装置150に対してレジストレーション(ずれ)調整しながら原稿Dを供給する。プラテンロール117は、読み取り装置150にて読み込み中の原稿搬送をアシストする。アウトロール118は、読み取り装置150にて読み込まれた原稿Dをさらに下流に搬送する。また、アウトロール118よりも原稿搬送方向下流側には、原稿Dを排紙積載部112に導くための第2搬送路132が設けられる。この第2搬送路132には、排出ロール119が設けられる。
さらに、この画像読み取り部16では、原稿Dの両面に形成された画像を1プロセスで読み取ることができるよう、アウトロール118の出口側とプレレジロール115の入口側との間に第3搬送路133が設けられている。なお、上述した排出ロール119は、原稿Dを第3搬送路133に反転搬送する機能も有している。
さらにまた、この画像読み取り部16には、原稿Dの両面読み取りを行った際、その排出時に原稿Dを再度反転させて排紙積載部112に排出するための第4搬送路134が設けられている。この第4搬送路134は、第2搬送路132の上部側に設けられている。そして、上述した排出ロール119は、原稿Dを第4搬送路134に反転搬送する機能も有している。
一方、読み取り装置150は、上述した原稿送り装置110を開閉可能に支持すると共に、この原稿送り装置110を装置フレーム151によって支え、また、原稿送り装置110によって搬送される原稿Dの画像読み取りを行っている。この読み取り装置150は、筐体を形成する装置フレーム151、画像を読み込むべき原稿Dを静止させた状態で載せる第1プラテンガラス152A、原稿送り装置110によって搬送される原稿Dを読み取るための光の開口部を有する第2プラテンガラス152Bを備えている。ここで、第2プラテンガラス152Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。
また、読み取り装置150は、第2プラテンガラス152Bの下に静止し、あるいは第1プラテンガラス152Aの全体にわたってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ153、フルレートキャリッジ153から得られた光を結像部へ供給するハーフレートキャリッジ154を備えている。
図3は、フルレートキャリッジ153の構成について示した図である。
フルレートキャリッジ153には、点灯して原稿Dに対して光を照射する、第1の光源155Aおよび第2の光源155Bと、第1の光源155Aにより照射された光の一部を原稿Dに反射させる反射板153Hと、原稿から得られた反射光を反射する第1ミラー157Aが設けられている。
このうち、第1の光源155Aは、原稿Dに対して照射した光のうち、拡散反射光を得るための光源である。この場合、第1の光源155Aから照射された光L1は、原稿Dに45°の角度に入射し、原稿Dに反射した拡散反射光は、光L3として、第1ミラー157Aに入射する。
また、第2の光源155Bは、原稿Dに対して照射した光のうち、正反射光を得るための光源である。この場合、第2の光源155Bから照射された光L2は、原稿Dに5°の角度に入射し、原稿Dに反射した正反射光は、光L3として、第1ミラー157Aに入射する。なおこの角度は、第2の光源155Bが光L3を遮らない範囲で、より小さいことが好ましく、例えば、5°以上10°以下とすることができる。また、第2の光源155Bは、照射する光の角度が、より小さいことが望ましい。そのため、カバー155Cを設け、第2の光源155Bが照射する光の角度を制限する。
第1の光源155Aおよび第2の光源155Bは、例えば、蛍光ランプや白色のLED(Light Emitting Diode)である。
さらに、ハーフレートキャリッジ154には、第1ミラー157Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー157Bおよび第3ミラー157Cが設けられている。また、読み取り装置150は、フルレートキャリッジ153およびハーフレートキャリッジ154を、副走査方向に移動させるモータ等の駆動源(不図示)を備えている。
そして、読み取り装置150は、さらに、結像用レンズ158と、原稿Dの画像を読み取るために原稿Dからの反射光を受光し受光した光を光電変換して画像信号としての電荷を蓄積するCCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)イメージセンサ159とを備えている。これらのうち、結像用レンズ158は、第3ミラー157Cから得られた光学像を光学的に縮小する。また、CCDイメージセンサ159は、結像用レンズ158によって結像された光学像を光電変換する。つまり、読み取り装置150では、所謂縮小光学系を用いてCCDイメージセンサ159に像を結像させている。このCCDイメージセンサ159は、原稿Dからの反射光を画素単位で光電変換し、R(赤)、G(緑)、B(青)のアナログ画像信号を画像信号として出力する。また、読み取り装置150は、第1プラテンガラス152Aと第2プラテンガラス152Bとの間に、原稿送り装置110において搬送される原稿Dを案内するガイド156Aが形成されており、このガイド156Aの下部には、主走査方向に沿って伸びる白基準板156Bが装着されている。
本実施の形態で、フルレートキャリッジ153、ハーフレートキャリッジ154、結像用レンズ158およびCCDイメージセンサ159は、原稿Dに光を照射し、原稿Dから反射された光として、拡散反射光および正反射光を受光することで原稿Dの画像を読み取る読取部として機能する。
また、読み取り装置150は、制御・画像処理ユニット160をさらに備える。制御・画像処理ユニット160は、CCDイメージセンサ159から入力される原稿Dの画像データに、予め定められた処理を施す。また、制御・画像処理ユニット160は、画像読み取り部16の読み取り動作における各部の動作を制御する。制御・画像処理ユニット160は、例えば、図示しないCPU、RAMおよびROMを備える。そして、プロセッサの一例であるCPUが、ROMに記憶され、画像読み取り部16の各機能を実現する各種プログラムをRAMにロードして実行し、これらの各機能を実現させる。
次に、画像読み取り部16により原稿Dの読み取りを行う場合について説明する。例えば、第1プラテンガラス152Aに置かれた原稿Dの画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ153とハーフレートキャリッジ154とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ153における第1の光源155Aまたは第2の光源155Bから、原稿Dの被読み取り面に対して光が照射される。そして、原稿Dからの反射光は、第1ミラー157Aにて反射される。
その後、反射光は、第2ミラー157B、および第3ミラー157Cの順に反射されて結像用レンズ158に導かれる。そして、結像用レンズ158に導かれた光は、CCDイメージセンサ159の受光面に結像される。CCDイメージセンサ159は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。そして、このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ153は移動し、原稿Dの次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りが完了する。
一方、原稿送り装置110によって搬送される原稿Dの画像を読み取る場合には、原稿送り装置110によって搬送される原稿Dが第2プラテンガラス152Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ153とハーフレートキャリッジ154とは、図2に示す実線の位置に停止した状態にある。そして、原稿送り装置110のプラテンロール117を経た原稿Dの1ライン目の反射光が、第2ミラー157Bおよび第3ミラー157Cを経て結像用レンズ158に導かれる。
そして、反射光は結像用レンズ158にて結像され、CCDイメージセンサ159によって画像が読み込まれる。そして、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ159によって主走査方向の1ライン分が同時に処理された後、原稿送り装置110によって搬送される原稿Dの次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。その後、原稿Dの後端が、第2プラテンガラス152Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
<制御・画像処理ユニット160の機能構成の説明>
次に、制御・画像処理ユニット160の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態における制御・画像処理ユニット160の機能構成例を示したブロック図である。
なお、ここでは、制御・画像処理ユニット160が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
本実施の形態の制御・画像処理ユニット160は、画像処理装置の一例であり、取得部161と、色変換部162と、記憶部163と、合成部164と、補正部165と、データ圧縮部166と、出力部167と、動作制御部168とを備える。
取得部161は、拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得する。即ち、取得部161は、CCDイメージセンサ159で生成された原稿Dの画像データとして、第1の読取データと第2の読取データとを取得する。
色変換部162は、第1の読取データや第2の読取データを、異なる色空間による画像データに変換する。詳しくは後述するが、色変換部162は、制御・画像処理ユニット160で行われる画像処理に適した色空間による色データに変換する。
記憶部163は、色変換部162で変換後の、第1の読取データおよび第2の読取データを記憶する。
合成部164は、第1の読取データおよび第2の読取データを基に、読取データを生成する。このとき、合成部164は、色変換部162で変換後の、第1の読取データと第2の読取データとを合成する合成処理を行う。この合成処理は、第1の読取データと第2の読取データとをともに使用して行う演算処理である。詳しくは後述するが、この場合、合成部164は、原稿Dの読取データとして、第1の読取データをそのまま利用する場合、第1の読取データと第2の読取データとを合成したものとする場合、および第2の読取データをそのまま利用する場合の3通りの何れかとなる。
補正部165は、読取データに対する画像補正処理を行う。画像補正処理としては、例えば、シェーディング補正、黒レベル調整、フィルタ処理などが挙げられる。
データ圧縮部166は、画像データの圧縮を行う。画像データの圧縮方法は、特に限られるものではないが、例えば、Jpeg圧縮を行う。
出力部167は、色変換部162、合成部164、補正部165、データ圧縮部166で、処理を行った後の画像データを出力データとして、読み取り装置150の外部に出力する。
動作制御部168は、原稿送り装置110および読み取り装置150の動作を制御する。即ち、原稿送り装置110を制御し、原稿の搬送を制御する。また、読み取り装置150を制御し、原稿Dの搬送に合わせ、第1の光源155Aまたは第2の光源155Bを点灯させ、原稿Dに光を照射する。
取得部161および出力部167は、例えば、制御・画像処理ユニット160に備えられた図示しないI/O(Input/Output)ポートに対応する。また、記憶部163は、例えば、制御・画像処理ユニット160に備えられた図示しないメモリやストレージに対応する。さらに、色変換部162、合成部164、補正部165、データ圧縮部166および動作制御部168は、例えば、制御・画像処理ユニット160に備えられた図示しないCPU、RAMおよびROMに対応する。
<制御・画像処理ユニット160の動作の説明>
さらに、制御・画像処理ユニット160の動作について説明する。
図5は、制御・画像処理ユニット160の動作について説明したフローチャートである。
まず、動作制御部168が、原稿送り装置110および読み取り装置150の動作を制御し、CCDイメージセンサ159にて、原稿Dの画像を読み取る(ステップ101)。
本実施の形態では、画像読み取り部16により、2回読み取りを行う。これは、画像読み取り部16により、2回スキャンすると言うこともできる。具体的には、まず、第1の光源155Aを点灯するとともに第2の光源155Bを消灯し、拡散反射光による読み取りを行う。これにより、第1の読取データを取得できる。次に、第1の光源155Aを消灯するとともに第2の光源155Bを点灯し、正反射光による読み取りを行う。これにより、第2の読取データを取得できる。
この動作を行うために、例えば、ユーザは、操作パネル15などを使用して設定をする。具体的には、例えば、ユーザが、画質設定メニューなどから、「光沢モード」等を選択することで行う。
CCDイメージセンサ159により読み取られた画像データは、取得部161が取得する(ステップ102)。この場合、画像データは、上述した拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、正反射光を受光することで得られる第2の読取データである。これらの画像データは、例えば、R(赤色)データ、G(緑色)データ、B(青色)データからなるRGBデータである。
次に、色変換部162が、第1の読取データおよび第2の読取データを異なる色空間による画像データに変換する。この場合、色変換部162は、RGB色空間によるRGBデータを、例えば、L色空間によるLデータに変換する(ステップ103)。
そして、記憶部163が、変換後の第1の読取データおよび第2の読取データを記憶する(ステップ104)。
さらに、合成部164が、第1の読取データと第2の読取データとを合成する合成処理を行う(ステップ105)。
図6は、合成部164が行う合成処理について説明したフローチャートである。
まず、合成部164は、最初の画素の画像データを取得する(ステップ201)。即ち、合成部164は、最初の画素に対する、第1の読取データおよび第2の読取データを取得する。
次に、合成部164は、第1の読取データと第2の読取データとの差分である輝度差分値を算出する(ステップ202)。
さらに、合成部164は、輝度差分値が、第1の閾値th1より大きい(輝度差分値>th1)か否かを判断する(ステップ203)。
その結果、輝度差分値が、第1の閾値th1より大きい場合(ステップ203でYes)、合成部164は、詳しくは、後述する処理1を行う(ステップ204)。
対して、輝度差分値が、第1の閾値th1以下である場合(ステップ203でNo)、合成部164は、輝度差分値が、第2の閾値th2より大きい(th1≧輝度差分値>th2)か否かを判断する(ステップ205)。
そして、輝度差分値が、第2の閾値th2より大きい場合(ステップ205でYes)、合成部164は、詳しくは、後述する処理2を行う(ステップ206)。
対して、輝度差分値が、第2の閾値th2以下である場合(ステップ205でNo)、合成部164は、詳しくは、後述する処理3を行う(ステップ207)。
ステップ204、ステップ206およびステップ207の後は、ステップ208に移行する。
次に、合成部164は、ステップ202〜ステップ207で処理した画素が、画像データ中で、最後の画素であるか否かを判断する(ステップ208)。
その結果、最後の画素であった場合(ステップ208でYes)、一連の処理を終了する。
対して、最後の画素でなかった場合(ステップ208でNo)、合成部164は、次の画素の画像データを取得する(ステップ209)。そして、ステップ202に戻る。
このように、合成部164は、第1の読取データから求められる輝度値と、第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、処理方法を変更する。ここでは、合成部164は、輝度値の差分である輝度差分値により、画像データに含まれる全ての画素について、処理1〜処理3の何れかの処理を行う。
図7(a)〜(c)は、処理1〜処理3の内容について示した図である。
このうち、図7(a)は、処理1について示した図である。また、図7(b)は、処理2について示した図である。さらに、図7(c)は、処理3について示した図である。処理1〜処理3において、第1の閾値th1は、100であり、第2の閾値th2は、40に設定されている。
図7(a)で示す処理1は、輝度差分値が、第1の閾値th1である100より大きい場合に、合成部164が行う処理である。
ここでは、正反射光による第2の読取データが、(L、a、b)=(30、80、100)であり、拡散反射光による第1の読取データが、(L、a、b)=(140、100、120)である。そして、輝度差分値は、140−30=110であり、第1の閾値th1である100より大きい。
このとき行われる処理1は、正反射光による第2の読取データを使用し、拡散反射光による第1の読取データは、使用しない処理となる。その結果、合成部164は、(L、a、b)=(30、80、100)を採用し、読取データとする。
図7(b)で示す処理2は、輝度差分値が、第1の閾値th1である100以下であり、第2の閾値th2である40より大きい場合に、合成部164が行う処理である。
ここでは、正反射光による第2の読取データが、(L、a、b)=(50、80、100)であり、拡散反射光による第1の読取データが、(L、a、b)=(120、100、110)である。そして、輝度差分値は、120−50=70であり、第1の閾値th1である100以下であり、第2の閾値th2である40より大きい。
このとき行われる処理2は、正反射光による第2の読取データと、拡散反射光による第1の読取データとをともに使用する合成処理となる。ここでは、合成処理として、第1の読取データと第2の読取データとを、輝度差分値に応じ加重平均する処理を行う。
その結果、合成部164は、(L、a、b)=(85、90、105)を算出し、読取データとする。
図7(c)で示す処理3は、輝度差分値が、第2の閾値th2である40以下である場合に、合成部164が行う処理である。
ここでは、正反射光による第2の読取データが、(L、a、b)=(110、80、100)であり、拡散反射光による第1の読取データが、(La、、b)=(140、100、120)である。そして、輝度差分値は、140−110=30であり、第2の閾値th2である40以下である。
このとき行われる処理3は、拡散反射光による第1の読取データを使用し、正反射光による第2の読取データは、使用しない処理となる。その結果、合成部164は、(L、a、b)=(140、100、120)を採用し、読取データとする。
このように、合成部164は、輝度差分値が予め定められた範囲内(この場合、輝度差分値が40を超え、100以下)のときに、合成処理を行う。
一方、輝度差分値が予め定められた範囲内でないとき(この場合、輝度差分値が100を超えるとき、および輝度差分値が40以下のとき)は、合成処理を行わない。即ち、合成部164は、輝度差分値が予め定められた範囲より大きいとき(この場合、輝度差分値が100を超えるとき)は、第2の読取データを読取データとし、輝度差分値が予め定められた範囲より小さいとき(この場合、輝度差分値が40以下のとき)は、第1の読取データを読取データとする。
これにより、原稿の光沢の度合いに応じ、処理を変更することができる。
つまり、輝度差分値が大きいとき、即ち、輝度差分値が、第1の閾値th1より大きいときは、処理1を行う。処理1では、正反射光による第2の読取データを使用し、拡散反射光による第1の読取データは、使用しない。この場合、原稿の光沢の度合いが大きい場合であり、正反射光による第2の読取データを利用し、拡散反射光による第1の読取データを利用しないことで、光沢がある原稿でも色のくすみが低減できる。即ち、原稿の色により近い画像を読み取ることができる。
輝度差分値が小さいとき、即ち、輝度差分値が、第2の閾値th2以下のときは、処理3を行う。処理3では、拡散反射光による第1の読取データを使用し、正反射光による第2の読取データは、使用しない処理を行う。この場合、原稿の光沢の度合いが小さい場合であり、拡散反射光による第1の読取データを利用し、正反射光による第2の読取データを利用しないため、通常の原稿の読み取りと同様の結果になる。
また、輝度差分値が中程度のとき、即ち、輝度差分値が、第1の閾値th1以下であり、第2の閾値th2より大きいときは、処理2を行う。処理2では、拡散反射光による第1の読取データおよび正反射光による第2の読取データの双方を使用して合成処理を行う。この場合、原稿の光沢の度合いが中程度の場合であり、第1の読取データおよび第2の読取データの双方を使用することで、原稿の光沢の度合いに合わせた読み取りを行うことができる。この場合も、拡散反射光だけを利用して読み取りを行う場合に比較して、色のくすみが低減できる。即ち、原稿の色により近い画像を読み取ることができる。
図5に戻り、補正部165は、合成部164が生成した読取データに対し、画像補正処理を行う(ステップ106)。
次に、色変換部162が、画像補正処理後の読取データを異なる色空間による画像データに変換する。この場合、色変換部162は、Lデータを、例えば、YCrCb色空間による画像データである、YCrCbデータに変換する(ステップ107)。またこのとき、読取データを利用し、画像形成部17にて記録媒体に画像を形成する場合は、YCrCbデータでなく、YMCKデータに変換してもよい。
さらに、データ圧縮部166が、色変換部162で色変換後のYCrCbデータやYMCKデータをJpeg圧縮し、Jpegデータとする(ステップ108)。
そして、出力部167が、Jpegデータを出力データとして出力する(ステップ109)。
上述した例では、ステップ103で、色変換部162は、デバイス依存の色空間で表される、第1の読取データおよび第2の読取データを、デバイス非依存の色空間に変換する。この場合、RGB色空間からL色空間に変換する。
ここで、「デバイス依存の色空間」は、ディスプレイや画像形成装置等のデバイスの特性に応じて色が定まる色空間である。即ち、この色空間で表された同じ色データを入力しても、実際に表示される色や記録媒体に形成される色はそれぞれのデバイスの特性に依存するため、同じ色になるとは限らない。デバイス依存の色空間は、例えば、RGB色空間、YMCK色空間、YCrCb色空間などが挙げられる。
対して、「デバイス非依存の色空間」は、デバイスの特性に関係なく一義的に色が定まる色空間である。デバイス非依存の色空間は、例えば、L色空間、XYZ色空間、uvL色空間、HSV色空間、HLS色空間などが挙げられる。
そして、合成部164は、色変換部162による変換後の、第1の読取データおよび第2の読取データを合成処理する。また、補正部165は、同様に、色変換部162による変換後の読取データに対し、画像補正処理を行う。これにより、合成処理や画像補正処理が、より容易になる。
また、上述した例では、ステップ107で、色変換部162は、合成処理後の読取データをさらにデバイス依存の色空間に変換する。これにより、データ圧縮部166によるJpeg圧縮が、より容易になる。
図7では、合成処理は、ステップ103の色変換後であり、ステップ106の画像補正処理前に行っていたがこれに限られるものではない。
図8(a)〜(d)は、合成処理を含む各処理の順について示した図である。
このうち、図8(a)は、RGB色空間で合成処理を行う場合について示した図である。図8(a)では、色変換部162で色変換を行う前に合成部164による合成処理を行う。
即ち、記憶部163は、RGBデータである第1の読取データや第2の読取データを記憶する。これは、図8(a)では、メモリ格納として図示している。さらに、合成部164が、RGBデータである、第1の読取データおよび第2の読取データの合成処理を行う。そして、色変換部162が、RGBデータを、Lデータに変換する。これは、図8(a)では、Lab変換として図示している。つまり、メモリ格納→合成処理→Lab変換の順となる。なお、輝度値としては、例えば、RGBデータのG値や、R値、G値およびB値の加算値を使用できる。
また、図8(b)は、上述した図7の処理と同様であり、L色空間で合成処理を行う場合について示した図である。
即ち、色変換部162が、RGBデータを、Lデータに変換し、記憶部163が、Lデータである、第1の読取データや第2の読取データを記憶する。そしてその後に、合成部164が、Lデータである、第1の読取データおよび第2の読取データの合成処理を行う。つまり、Lab変換→メモリ格納→合成処理の順となる。
さらに、図8(c)は、YCrCb色空間で合成処理を行う場合について示した図である。
即ち、色変換部162が、Lデータを、YCrCbデータに変換する。これは、図8(c)では、YCC変換として図示している。さらに、記憶部163が、YCrCbデータである、第1の読取データや第2の読取データを記憶する。そして、合成部164が、YCrCbデータである、第1の読取データおよび第2の読取データの合成処理を行う。つまり、YCC変換→メモリ格納→合成処理の順となる。この場合、輝度値としては、Y値を使用できる。
そして、図8(d)は、Jpeg圧縮後に合成処理を行う場合について示した図である。
即ち、データ圧縮部166が、YCrCbデータである、第1の読取データや第2の読取データをJpeg圧縮する。さらに、記憶部163が、Jpeg圧縮後の、第1の読取データや第2の読取データを記憶する。そして、合成部164が、Jpeg圧縮後の、第1の読取データおよび第2の読取データの合成処理を行う。つまり、Jpeg圧縮→メモリ格納→合成処理の順となる。なお、輝度値としては、例えば、RGBデータの中のG値や、R値、G値およびB値の加算値を使用できる。図8(d)の場合、Jpeg圧縮後に合成処理を行うため、合成処理に要する負荷を軽減することができる。その結果、合成処理を行うときに、図8(a)〜(c)では、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を使用して行っていたものが、ソフトウェアで行うことができる場合がある。
図9(a)〜(d)は、合成処理の効果について示した図である。
図9(a)は、拡散反射光だけで読み取りを行った場合を示している。即ち、合成処理は、行っていない。一方、図9(b)は、拡散反射光および正反射光の双方で読み取りを行い、合成処理を行った場合を示している。
図9(a)と図9(b)とを比較すると、図9(a)が、色がくすんでいる箇所があることがわかる。この箇所は、光沢がある画像である。対して、図9(b)では、この部分でも色のくすみが少ないことがわかる。即ち、図9(b)では、原稿の色により近い画像を読み取っていることがわかる。
また、図9(c)は、拡散反射光だけで読み取りを行った場合を示している。そして、図9(d)は、拡散反射光および正反射光の双方で読み取りを行い、合成処理を行った場合を示している。この場合も図9(a)〜(b)の場合と同様であり、図9(c)では、光沢がある箇所で色がくすんでいるが、図9(d)では、色のくすみが少ない。即ち、図9(d)では、原稿の色により近い画像を読み取っていることがわかる。
<変形例>
上述した例では、2回読み取りを行うことで、拡散反射光を使用した第1の読取データと、正反射光を使用した第2の読取データをそれぞれ取得していたが、読み取り装置150を往復させる際に、往路で拡散反射光による第1の読取データを取得し、復路で正反射光による第2の読取データを取得してもよい。
また、第1の読取データと第2の読取データとは、何れを先に取得してもよい。
さらに、上述した例では、拡散反射光を取得するための第1の光源155Aと、正反射光を取得するための第2の光源155Bとの2つの光源を設けたが、1つとしてもよい。この場合、第1の光源155Aと第2の光源155Bの位置とで、1つの光源の位置を移動させ、第1の読取データおよび第2の読取データをそれぞれ取得する。また、1つの光源の位置を固定し、第1ミラー157Aの位置や角度を変更して、第1の読取データおよび第2の読取データをそれぞれ取得してもよい。
そして、上述した例では、図6や図7に挙げた処理を、制御・画像処理ユニット160が行っていたが、画像処理システム10の制御部20で行ってもよい。この場合、画像処理システム10が画像読取装置の一例であると捉えることができる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10…画像処理システム、16…画像読み取り部、17…画像形成部、20…制御部、160…画像処理ユニット、161…取得部、162…色変換部、163…記憶部、164…合成部、165…補正部、166…データ圧縮部、167…出力部、168…動作制御部、D…原稿

Claims (8)

  1. 原稿に光を照射し、原稿から反射された光として、拡散反射光および正反射光を受光することで原稿の画像を読み取る読取部と、
    前記拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、前記正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得する取得部と、
    前記第1の読取データから求められる輝度値と、前記第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、当該第1の読取データと当該第2の読取データとを合成する合成処理を行う合成部と、
    を備える画像読取装置。
  2. 前記合成部は、前記差分が予め定められた範囲内のときに、前記合成処理を行い、当該差分が予め定められた範囲内でないときは、当該合成処理を行わないことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記合成部は、前記差分が予め定められた範囲より大きいときは、前記第2の読取データを読取データとし、当該差分が予め定められた範囲より小さいときは、前記第1の読取データを当該読取データとすることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記合成処理は、前記第1の読取データと前記第2の読取データとを、前記差分に応じ加重平均する処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  5. デバイス依存の色空間で表される、前記第1の読取データおよび前記第2の読取データを、デバイス非依存の色空間に変換する色変換部をさらに有し、
    前記合成部は、前記色変換部による変換後の、前記第1の読取データおよび前記第2の読取データを合成処理することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  6. 前記色変換部は、前記合成処理後の読取データをさらにデバイス依存の色空間に変換することを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
  7. プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    原稿に光を照射し、原稿から反射された拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、原稿から反射された正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得し、
    前記第1の読取データから求められる輝度値と、前記第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、当該第1の読取データと当該第2の読取データとを合成する合成処理を行う
    ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
    前記画像読取手段により読み取られた画像を処理する画像処理手段と、
    を備え、
    前記画像読取手段は、
    原稿に光を照射し、原稿から反射された光として、拡散反射光および正反射光を受光することで原稿の画像を読み取る読取部と、
    前記拡散反射光を受光することで得られる第1の読取データと、前記正反射光を受光することで得られる第2の読取データとを取得する取得部と、
    前記第1の読取データから求められる輝度値と、前記第2の読取データから求められる輝度値との差分に応じ、当該第1の読取データと当該第2の読取データとを合成する合成処理を行う合成部と、
    を備える画像処理システム。
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