JP2021197293A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックの昇温を促進させること。【解決手段】燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに接続され、前記燃料電池スタック内の冷媒流路に供給される冷媒が流れる冷媒配管と、前記冷媒配管に配置され、前記冷媒流路と前記冷媒配管との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環機と、前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出器と、前記温度検出器によって検出される前記燃料電池スタックの温度が所定温度未満である低温始動において、前記冷媒循環機を制御することで前記冷媒流路と前記冷媒配管との間を循環する前記冷媒の循環方向を周期的に切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料電池スタックの低温始動後において前記温度検出器によって検出される前記燃料電池スタックの温度が高くなるに従って前記冷媒の循環方向を切り替える周期を長くする、燃料電池システム。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
氷点下での始動において、冷媒の循環を停止させることで燃料電池スタックの昇温を促進させる方法(例えば特許文献1)、及び、冷媒の循環と循環停止を交互に繰り返すことで燃料電池スタックの昇温を促進させる方向(例えば特許文献2)が提案されている。また、冷媒の循環方向を一定周期で切り替えることで燃料電池スタック全体を一様に昇温させる方法が提案されている(例えば特許文献3)。
特開2003−36874号公報 特開2005−276568号公報 特開2012−94256号公報
特許文献1に記載の方法では、冷媒の循環を停止しているため、燃料電池スタックに温度分布が生じて燃料電池スタック全体の温度が所望の温度に昇温するまでの時間が長くなってしまう。特許文献2に記載の方法では、冷媒の循環と循環停止を繰り返しているため、燃料電池スタック内の温度分布は小さくなる。しかしながら、冷媒が循環することによって燃料電池スタック内の熱が燃料電池スタックの外部に逃げてしまい、燃料電池スタックの昇温効率が悪い。
特許文献3に記載の方法では、冷媒の循環方向を一定周期で切り替えているため、燃料電池スタック内の熱が燃料電池スタックの外部に逃げることが抑制される。しかしながら、燃料電池スタックの昇温を促進させる点で改善の余地が残されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、燃料電池スタックの昇温を促進させることを目的とする。
本発明は、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに接続され、前記燃料電池スタック内の冷媒流路に供給される冷媒が流れる冷媒配管と、前記冷媒配管に配置され、前記冷媒流路と前記冷媒配管との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環機と、前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出器と、前記温度検出器によって検出される前記燃料電池スタックの温度が所定温度未満である低温始動において、前記冷媒循環機を制御することで前記冷媒流路と前記冷媒配管との間を循環する前記冷媒の循環方向を周期的に切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料電池スタックの低温始動後において前記温度検出器によって検出される前記燃料電池スタックの温度が高くなるに従って前記冷媒の循環方向を切り替える周期を長くする、燃料電池システムである。
本発明によれば、燃料電池スタックの昇温を促進させることができる。
図1は、実施例に係る燃料電池システムの構成を示す概略図である。 図2(a)は、燃料電池スタックを構成する各セルの分解平面図、図2(b)は、膜電極ガス拡散層接合体の断面図である。 図3は、暖気処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、燃料電池スタックの冷媒出入口近傍での温度変化の推移の一例を示す図である。 図5は、冷媒の循環方向の切り替え周期と燃料電池スタックの昇温速度との関係の一例を示す図である。 図6は、燃料電池スタックの温度と冷媒の循環方向の切り替え周期との関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
[燃料電池システムの概略構成]
燃料電池システムは、燃料電池自動車又は定置用燃料電池装置等に用いられ、要求電力に応じて電力を出力する発電システムである。図1は、実施例に係る燃料電池システムの構成を示す概略図である。図1のように、燃料電池システム100は、ECU(Electronic Control Unit)10、燃料電池スタック(以下、FCスタックと称す)20、酸化剤ガス配管系30、燃料ガス配管系40、及び冷媒配管系60を備える。なお、燃料電池システム100は、コンバータ及びインバータ等を含む電力系も備えるが、図1では図示を省略している。
FCスタック20は、反応ガスとして空気等の酸化剤ガス(カソードガスとも称される)と水素ガス等の燃料ガス(アノードガスとも称される)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。FCスタック20は複数のセル21が積層されたスタック構造をしている。各セル21には、反応ガス及び冷媒を流すためのマニホールドが設けられている。マニホールドを流れる反応ガス及び冷媒は、セパレータによって形成されるガス流路及び冷媒流路を介して各セル21の発電領域に供給される。
酸化剤ガス配管系30は、酸化剤ガスとして酸素を含む空気をFCスタック20に供給し、FCスタック20から排出された空気を外部に排気する。酸化剤ガス配管系30は、ガス供給配管31、ガス排出配管32、エアクリーナー33、エアコンプレッサ34、インタークーラー35、及び調圧弁36を備える。ガス供給配管31はFCスタック20の酸化剤ガス供給マニホールドに接続される。ガス排出配管32はFCスタック20の酸化剤ガス排出マニホールドに接続される。エアクリーナー33、エアコンプレッサ34、及びインタークーラー35は、ガス供給配管31に空気の流れにおいて上流側から順に配置されている。調圧弁36はガス排出配管32に設けられている。エアコンプレッサ34及び調圧弁36の駆動はECU10により制御される。ECU10は、エアコンプレッサ34の回転速度を制御することによりFCスタック20に供給される空気の流量を調整し、調圧弁36の開度を制御することによりFCスタック20の背圧を調整する。
燃料ガス配管系40は、燃料ガスとしての水素ガスをFCスタック20に供給し、FCスタック20から排出された水素ガスをFCスタック20に循環させる。燃料ガス配管系40は、タンク50、ガス供給配管41、ガス排出配管42、ガス循環配管43、タンク弁44、調圧弁45、インジェクタ46、気液分離器47、排水弁48、及び循環ポンプ49を備える。タンク50とFCスタック20の燃料ガス供給マニホールドとは、ガス供給配管41により接続される。タンク50は燃料ガスである水素ガスを貯留する。ガス排出配管42は、FCスタック20の燃料ガス排出マニホールドに接続される。ガス循環配管43は、気液分離器47とガス供給配管41とを連通する。タンク弁44、調圧弁45、及びインジェクタ46は、ガス供給配管41に水素ガスの流れにおいて上流側から順に配置されている。タンク弁44が開いた状態で調圧弁45の開度が調整され、インジェクタ46が水素ガスを噴射する。これにより、FCスタック20に水素ガスが供給される。
ガス排出配管42には、気液分離器47及び排水弁48が水素ガスの流れに対して上流側から順に配置されている。気液分離器47は、FCスタック20から排出された水素ガスから水分を分離し貯留する。気液分離器47に貯留された水は、排水弁48が開くことにより、ガス排出配管42を介して外部へと排出される。ガス循環配管43は、水素ガスをFCスタック20へ還流させるための配管であり、一端が気液分離器47に接続され、他端がガス供給配管41に接続されている。ガス循環配管43には循環ポンプ49が配置されている。FCスタック20から排出された水素ガスは、循環ポンプ49によって適度に加圧されてガス供給配管41へ導かれる。タンク弁44、調圧弁45、インジェクタ46、排水弁48、及び循環ポンプ49の駆動はECU10により制御される。ECU10は、インジェクタ46の噴射時間、噴射回数及び/又は循環ポンプ49の回転速度を制御することによりFCスタック20に供給される水素ガスの流量を調整する。
冷媒配管系60は、冷媒を循環させることによりFCスタック20を冷却する。冷媒配管系60は、冷媒配管61、ラジエータ62、三方弁63、循環ポンプ64、第1温度センサ65、及び第2温度センサ66を備える。冷媒配管61は、FCスタック20を冷却する冷媒を循環させるための配管であり、冷媒供給配管61aと冷媒排出配管61bとバイパス配管61cとで構成されている。冷媒供給配管61aはFCスタック20の冷媒供給マニホールドに接続され、冷媒排出配管61bはFCスタック20の冷媒排出マニホールドに接続される。ラジエータ62は、冷媒供給配管61aと冷媒排出配管61bに接続される。バイパス配管61cは、一端が三方弁63を介して冷媒供給配管61aに接続され、他端が冷媒排出配管61bに接続されている。
循環ポンプ64は、冷媒供給配管61aにおいてバイパス配管61cの接続箇所よりも下流側に配置されている。循環ポンプ64は、例えばウォーターポンプであり、冷媒配管61とFCスタック20との間で冷媒(例えば冷却液)を循環させる。循環ポンプ64は、回転方向を正転と反転とで切り替え可能な構成であり、正転時には図示する右回り(矢印方向)に冷媒を循環させることができ、反転時には図示しない左回りに冷媒を循環させることができる。以下において、正転時の右回りの冷媒の流れを順流と称し、反転時の左回りの冷媒の流れを逆流と称す場合がある。ラジエータ62は、FCスタック20から排出された冷媒を外気と熱交換することにより冷却する。三方弁63の開閉及び循環ポンプ64の駆動はECU10により制御される。ECU10は、三方弁63の開閉を制御することにより、バイパス配管61cへの冷媒の流入量を調整して、ラジエータ62への冷媒の流入量を制御する。循環ポンプ64は冷媒循環機の一例である。
第1温度センサ65は冷媒供給配管61aに取り付けられ、第2温度センサ66は冷媒排出配管61bに取り付けられている。第1温度センサ65及び第2温度センサ66は、FCスタック20の温度と相関がある冷媒の温度を検出し、ECU10はその検出結果を取得する。ECU10は、第1温度センサ65及び/又は第2温度センサ66の検出値からFCスタック20の温度を取得する。第1温度センサ65及び第2温度センサ66の検出結果は、例えば後述する暖気処理に用いられる。第1温度センサ65及び第2温度センサ66は温度検出器の一例である。
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含む。ECU10は、エアコンプレッサ34、調圧弁36、タンク弁44、調圧弁45、インジェクタ46、排水弁48、循環ポンプ49、三方弁63、循環ポンプ64、第1温度センサ65、及び第2温度センサ66に電気的に接続されている。ECU10は、FCスタック20への要求電力に応じて、エアコンプレッサ34を制御して空気の流量を調整し、インジェクタ46及び/又は循環ポンプ49を制御して水素ガスの流量を調整する。また、ECU10は氷点下始動時において暖気処理を実行する。暖気処理については後述する。
[燃料電池スタックを構成するセル]
図2(a)は、FCスタックを構成する各セルの分解平面図、図2(b)は、膜電極ガス拡散層接合体の断面図である。図2(a)のように、セル21は、アノードセパレータ27aと、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)26と、MEGA26を囲む絶縁フレーム55と、カソードセパレータ27cと、を備える。MEGA26及び絶縁フレーム55は、アノードセパレータ27aとカソードセパレータ27cとで挟持されている。アノードセパレータ27a及びカソードセパレータ27cは、ガス遮断性及び電子伝導性を有する部材によって形成され、例えばステンレス鋼、アルミニウム、又はチタン等の金属部材、或いは、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密性カーボン等のカーボン部材、によって形成される。絶縁フレーム55は、ゴム又はエラストマー樹脂等の弾性部材によって形成される。
アノードセパレータ27aのMEGA26に対向する面には、燃料ガス供給マニホールド71と燃料ガス排出マニホールド72とを連通し、水素ガスが流れるアノードガス流路28aが形成されている。カソードセパレータ27cのMEGA26に対向する面には、酸化剤ガス供給マニホールド73と酸化剤ガス排出マニホールド74とを連通し、空気が流れるカソードガス流路28cが形成されている。アノードセパレータ27aの隣接するセル21のカソードセパレータ27cに対向する面及び/又はカソードセパレータ27cの隣接するセル21のアノードセパレータ27aに対向する面には、冷媒供給マニホールド75と冷媒排出マニホールド76とを連通し、冷媒が流れる冷媒流路29が形成されている。
図2(b)のように、MEGA26は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)22と、MEA22の一方の面に設けられたアノードガス拡散層25aと、MEA22の他方の面に設けられたカソードガス拡散層25cと、を含む。MEA22は、電解質膜23と、電解質膜23の一方の面に設けられたアノード触媒層24aと、電解質膜23の他方の面に設けられたカソード触媒層24cと、を含む。電解質膜23は、例えばスルホン酸基を有するフッ素系樹脂材料又は炭化水素系樹脂材料で形成される固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。アノード触媒層24a及びカソード触媒層24cは、例えば電気化学反応を進行する触媒(白金又は白金−コバルト合金等)を担持するカーボン担体(カーボンブラック等)と、スルホン酸基を有する固体高分子であって湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有するアイオノマーと、を含む。アノードガス拡散層25a及びカソードガス拡散層25cは、ガス透過性及び電子伝導性を有する部材によって形成され、例えば炭素繊維又は黒鉛繊維等の多孔質の繊維部材によって形成される。
[暖気処理]
氷点下でFCスタック20を始動させる場合、FCスタック20の昇温を促進させるための暖気処理が行われる。図3は、暖気処理の一例を示すフローチャートである。図3の暖気処理は、燃料電池システム100が搭載された燃料電池自動車又は定置用燃料電池装置等の始動スイッチがオンされると開始する。図3のように、ECU10は、始動スイッチがオンされると、FCスタック20を起動する(ステップS10)。すなわち、ECU10は、エアコンプレッサ34を駆動してFCスタック20に空気を供給し、タンク弁44、調圧弁45、インジェクタ46、及び循環ポンプ49を駆動してFCスタック20に水素ガスを供給することで、FCスタック20を起動(発電を開始)する。
次いで、ECU10は、FCスタック20の温度を取得する(ステップS12)。例えば、ECU10は、第1温度センサ65及び/又は第2温度センサ66の検出値に基づいてFCスタック20の温度を取得する。なお、ECU10は、FCスタック20の温度を取得し、その後にFCスタック20を起動してもよい。
次いで、ECU10は、FCスタック20の温度が所定温度未満であるか否かを判定する(ステップS14)。所定温度は、例えば0℃である。ステップS14の判定は、FCスタック20の温度が氷点下未満のような低温であるか否かの判定を、冷媒配管61中の冷媒の温度に基づいて行うものである。ステップS14はFCスタック20が低温状態にあるか否かを判定するものであることから、所定温度は0℃の場合に限られず、例えば−2℃又は−4℃のような0℃より低い温度としてもよいし、1℃又は2℃のような0℃よりも若干高い温度としてもよい。
ステップS14において、FCスタック20の温度が所定温度以上であると判定された場合(Noの場合)、ECU10は、暖気処理を終了し、循環ポンプ64を正転で回転させて、図1のように、冷媒を通常の順流方向で循環させ続ける。一方、FCスタック20の温度が所定温度未満であると判定された場合(Yesの場合)、ステップS16に進む。
ステップS16において、ECU10は、循環ポンプ64の回転方向を正転と反転とで周期的に切り替えることで、冷媒の循環方向を順流と逆流とで周期的に切り替えて冷媒を循環させる(ステップS16)。このとき、三方弁63はバイパス配管61c側に開いているものとする。三方弁63がバイパス配管61c側に開いていない場合には、ECU10は、三方弁63を制御して、三方弁63をバイパス配管61c側に開かせる。このように、暖気処理においては、ラジエータ62で冷媒を冷やすことなく冷媒を循環させる。
次いで、ECU10は、FCスタック20の温度を取得する(ステップS18)。FCスタック20の温度は、ステップS10でFCスタック20を起動したことにより次第に上昇する。このことから、ステップS18でのFCスタック20の温度の取得は、循環ポンプ64が正転で回転して冷媒の流れが順流である状態において、FCスタック20の排出口側に取り付けられた第2温度センサ66の検出値に基づき取得する。なお、FCスタック20の温度を、循環ポンプ64が反転で回転して冷媒の流れが逆流である状態において、FCスタック20の供給口側に取り付けられた第1温度センサ65の検出値に基づき取得してもよい。
図4は、FCスタックの冷媒出入口近傍での温度変化の推移の一例を示す図である。図4の横軸はFCスタック20を起動させてからの経過時間、縦軸は第1温度センサ65及び第2温度センサ66で検出される温度である。FCスタック20の冷媒供給マニホールドに接続する冷媒供給配管61aに取り付けられた第1温度センサ65の検出結果を実線で示し、冷媒排出マニホールドに接続する冷媒排出配管61bに取り付けられた第2温度センサ66の検出結果を破線で示している。図4のように、循環方向を順流と逆流とで周期的に切り替えて冷媒を循環させることで、第1温度センサ65の検出値と第2温度センサ66の検出値はそれぞれ、温度上昇と温度下降とを繰り返しながら全体としては次第に上昇する。第1温度センサ65の検出値及び第2温度センサ66の検出値のグラフにおいて、山(谷)の箇所で冷媒の循環方向が切り替わっている。温度上昇はFCスタック20の発電による熱を吸熱した冷媒が対応する温度センサ付近を流れるために起こり、温度下降は冷媒の循環方向が切り替わって冷媒配管61で冷やされた冷媒が対応する温度センサ付近を流れるために起こる。
第1温度センサ65の検出値と第2温度センサ66の検出値は同様な推移で上昇する。したがって、FCスタック20内の温度分布が小さく抑えられながら、FCスタック20の温度は上昇する。しかしながら、冷媒の循環方向の切り替えをFCスタック20の温度によらずに一定の周期で行った場合、FCスタック20を効率的に昇温させることが難しい。このことについて以下に説明する。
図5は、冷媒の循環方向の切り替え周期とFCスタックの昇温速度との関係の一例を示す図である。図5の横軸は冷媒の循環方向の切り替え周期であり、右側ほど周期が短い。縦軸はFCスタック20の昇温速度であり、上側ほど昇温速度が速い。図5のように、冷媒の循環方向の切り替え周期を短くするほどFCスタック20の昇温速度は速くなる。これは、FCスタック20の発電による熱を吸熱した冷媒がFCスタック20の外部に流出する量が少なくなりFCスタック20内の熱がFCスタック20の外部に逃げることが抑制されるため、及び、冷媒配管61からの冷たい冷媒がFCスタック20内に流入する量が少なく抑えられるためである。しかしながら、循環方向の切り替え周期を過剰に短くすると、FCスタック20の発熱に対して冷媒が吸熱しきれずに、FCスタック20内で局所的な発熱が発生することがある。例えば、図5の一点鎖線よりも右側では、FCスタック20の発熱量によっては冷媒で吸熱しきれずに局所発熱が発生することがある。局所発熱が発生すると高温になる箇所が生じるため、ドライアップによる発電性能の低下を招き、その結果、FCスタック20の昇温が遅くなることがある。
FCスタック20の発熱量は、FCスタック20の温度が上昇してIV特性(電流−電圧特性)が向上することに伴い増加する。したがって、FCスタック20が低温で起動した直後においては、IV特性が悪いため、FCスタック20の発熱量は小さい。FCスタック20が起動してからの経過時間が長くなるに従って、FCスタック20の温度が上昇してIV特性が向上するため、FCスタック20の発熱量は大きくなる。したがって、FCスタック20の温度が低いときは、FCスタック20の発熱量が小さいために局所発熱は起こり難いことから、FCスタック20内の熱が外部に逃げること及びFCスタック20内への冷たい冷媒の流入量が多くなることを抑制するため、冷媒の循環方向の切り替え周期を短くすることが好ましい。一方、FCスタック20の温度が高いときは、FCスタック20の発熱量が大きいことから、局所発熱の発生を抑制するために、FCスタック20内への冷たい冷媒の流入量を増やしてFCスタック20の発熱に対して冷媒で吸熱できるように、冷媒の循環方向の切り替え周期を長くすることが好ましい。
図6は、FCスタックの温度と冷媒の循環方向の切り替え周期との関係の一例を示す図である。図6の横軸はFCスタック20の温度であり、右側ほど温度が高い。縦軸は冷媒の循環方向の切り替え周期であり、上側ほど周期が長い。図6のように、FCスタック20の温度が低いときは冷媒の循環方向の切り替え周期を短くし、FCスタック20の温度が高くなるに従って冷媒の循環方向の切り替え周期を長くする。これにより、FCスタック20の熱が外部に逃げること及びFCスタック20内への冷たい冷媒の流入量が多くなることを抑制してFCスタック20の昇温を促進させること、並びに、FCスタック20の局所発熱による発電性能の低下を抑制してFCスタック20の昇温を促進させること、の両方を実現できる。
例えば、FCスタック20の温度が低いときは、FCスタック20の熱が外部に逃げること及びFCスタック20内への冷たい冷媒の流入量が多くなることを抑制するために、FCスタック20の冷媒供給マニホールド75の入口付近(又は冷媒排出マニホールド76の出口付近)にある冷媒が冷媒排出マニホールド76の出口付近(又は冷媒供給マニホールド75の入口付近)に移動する位のタイミングで循環方向が切り替わるようにする。例えば、FCスタック20の温度が高いときは、FCスタック20の発電による熱が冷媒で吸熱されて局所発熱が生じ難くなるように、冷媒が冷媒流路29及び冷媒配管61を1周する位のタイミングで循環方向が切り替わるようにする。
図3に戻り、ECU10は、ステップS18で取得したFCスタック20の温度に基づき、冷媒の循環方向の切り替え周期の変更が必要か否かを判定する(ステップS20)。例えば、ECU10は、図6のような、FCスタック20に局所発熱が起き難く且つFCスタック20の昇温速度が速くなるような切り替え周期をFCスタック20の温度毎に定めたデータをメモリに記憶しておく。そして、ECU10は、FCスタック20の温度が予め定めた温度に到達した段階で切り替え周期の変更が必要と判定する。
ECU10は、FCスタック20の温度が上昇して、切り替え周期の変更が必要と判定した場合(ステップS20でYesの場合)、冷媒の循環方向の切り替え周期が長くなるように変更して(ステップS22)、ステップS16に戻る。例えば、ECU10は、メモリに予め記憶した図6のようなデータに基づき、冷媒の循環方向の切り替え周期を変更する。切り替え周期は、図6のように、FCスタック20の温度上昇に伴って、2次関数的に長くなっていってもよい。
ECU10は、切り替え周期の変更は不要と判定した場合(ステップS20でNoの場合)、FCスタック20の温度が所定温度以上になったか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24における所定温度は、ステップS14における所定温度と同じ温度の場合でもよいし、ステップS14における所定温度よりも高い温度の場合でもよい。FCスタック20の温度が所定温度未満(例えば0℃未満)の場合(ステップS24でNoの場合)は、ステップS16に戻る。FCスタック20の温度が所定温度以上になった場合(ステップS20でYesの場合)は、暖気処理を終了し、ECU10は、循環ポンプ64を正転で回転させて、図1のように、冷媒を通常の順流方向で循環させ続ける。
実施例によれば、ECU10は、FCスタック20の温度が所定温度未満である低温始動において、循環ポンプ64を制御することで冷媒流路29と冷媒配管61との間を循環する冷媒の循環方向を周期的に切り替える。このときに、ECU10は、FCスタック20の低温始動後において第1温度センサ65又は第2温度センサ66によって検出されるFCスタック20の温度が高くなるに従って冷媒の循環方向を切り替える周期を長くする。これにより、FCスタック20の温度が低いときでは、切り替え周期が短いために、FCスタック20内の熱が外部に逃げること及びFCスタック20内への冷たい冷媒の流入量が多くなることを抑制でき、FCスタック20の昇温を促進させることができる。FCスタック20の温度が高いときでは、切り替え周期が長いために、FCスタック20内への冷たい冷媒の流入量が増えることによってFCスタック20の局所発熱による発電性能の低下を抑制でき、FCスタック20の昇温を促進させることができる。
実施例では、第1温度センサ65及び第2温度センサ66が冷媒配管61内の冷媒の温度を検出することで、FCスタック20の温度を間接的に検出する場合を例に示したが、その他の方法によってFCスタック20の温度を検出してもよい。例えば、FCスタック20の内部に温度センサを設けて、この温度センサがFCスタック20の温度を直接的に検出する場合でもよい。また、冷媒の循環方向の切り替えが可能な冷媒循環機として循環ポンプ64の場合を例に示したが、その他の場合でもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 ECU
20 燃料電池スタック
21 セル
22 膜電極接合体
23 電解質膜
24a アノード触媒層
24c カソード触媒層
25a アノードガス拡散層
25c カソードガス拡散層
26 膜電極ガス拡散層接合体
27a アノードセパレータ
27c カソードセパレータ
28a アノードガス流路
28c カソードガス流路
29 冷媒流路
30 酸化剤ガス配管系
40 燃料ガス配管系
60 冷媒配管系
61 冷媒配管
61a 冷媒供給配管
61b 冷媒排出配管
61c バイパス配管
62 ラジエータ
63 三方弁
64 循環ポンプ
65 第1温度センサ
66 第2温度センサ
71 燃料ガス供給マニホールド
72 燃料ガス排出マニホールド
73 酸化剤ガス供給マニホールド
74 酸化剤ガス排出マニホールド
75 冷媒供給マニホールド
76 冷媒排出マニホールド
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに接続され、前記燃料電池スタック内の冷媒流路に供給される冷媒が流れる冷媒配管と、
    前記冷媒配管に配置され、前記冷媒流路と前記冷媒配管との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環機と、
    前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出器と、
    前記温度検出器によって検出される前記燃料電池スタックの温度が所定温度未満である低温始動において、前記冷媒循環機を制御することで前記冷媒流路と前記冷媒配管との間を循環する前記冷媒の循環方向を周期的に切り替える制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記燃料電池スタックの低温始動後において前記温度検出器によって検出される前記燃料電池スタックの温度が高くなるに従って前記冷媒の循環方向を切り替える周期を長くする、燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114824372A (zh) * 2022-06-23 2022-07-29 中汽研新能源汽车检验中心(天津)有限公司 模拟车载工况燃料电池低温冷起动过程的测试装置及方法

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