JP2021195819A - ロックボルト打設車両およびロックボルトの打設方法 - Google Patents

ロックボルト打設車両およびロックボルトの打設方法 Download PDF

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Yasunori Noshiro
義信 藤城
Yoshinobu Fujishiro
雄士 友野
Yuji Tomono
一朗 小仲井
Ichiro Konakai
正孝 内田
Masataka Uchida
修 丸山
Osamu Maruyama
真則 若山
Masanori Wakayama
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Abstract

【課題】ロックボルトの打設位置に作業員が近づくことなく効率的にロックボルトを打設し得るロックボルト打設車両およびこれを用いたロックボルトの打設方法を提供する。【解決手段】ロックボルト打設車両100は、台車1と、台車1に搭載される複数のブーム装置10L、10R、10Mと、を備え、複数のブーム装置10L、10R、10Mとして、ロックボルト挿入孔を穿孔するドリフタ4Dを有する穿孔用ブーム装置10L、10Rと、グラウトの注入若しくはロックボルトの挿入が可能なロックボルト打設装置30を有する打設用ブーム装置10Mと、を有し、穿孔用ブーム装置10L、10Rの数が、打設用ブーム装置10Mの数よりも多く搭載されている。【選択図】図1

Description

本発明は、トンネルの施工、鉱山坑道の掘削または補強土作業において、ロックボルトの打設作業を行うロックボルト打設車両およびロックボルトの打設方法に関する。
ロックボルトの打設工程では、掘削されたトンネルや坑内の周壁面に、ドリルジャンボ等のロックボルト打設車両やロックボルト打設装置を用いてロックボルトを打設し、トンネルや坑内の周壁面の安定化が図られる(例えば特許文献1参照)。
特開平5−311996号公報 US−A1−2014/0112724
しかし、ドリルジャンボ等のロックボルト打設車両を用いてロックボルトを打設する場合に、穿孔作業以外の、モルタル等のグラウトの注入作業やロックボルトの挿入作業が人力で行なわれる。そのため、作業者は、落石などのおそれがあるロックボルト打設部の近傍で作業することになる。
一方、従来、穿孔作業のほか、グラウトの注入作業やロックボルトの挿入作業が可能な一体型のロックボルト打設装置も知られている(例えば特許文献2参照)。このような一体型のロックボルト打設装置を装備したロックボルト打設車両を用いれば、作業者は、ロックボルト打設部から離れた場所から必要な打設作業が可能となる。
一体型のロックボルト打設装置を装備したロックボルト打設車両は、台車に対して、一基のロックボルト打設装置を搭載した仕様が通常である。そのため、このような一体型のロックボルト打設装置の場合、ロックボルト挿入孔を穿孔する穿孔工程が完了するまでは、次工程となるグラウトの注入工程およびロックボルトの挿入工程に移行することが不可能なので、打設作業の効率を落としてしまうという問題がある。
特に、ロックボルト打設工程は、グラウトの注入工程およびロックボルトの挿入工程に要する時間に比べて、ロックボルト挿入孔の穿孔工程に長い穿孔時間を要する。そのため、一体型のロックボルト打設装置では、穿孔工程の後工程において穿孔作業の待ち時間が生じ、ロックボルトの打設に係る全工程時間が延びる傾向がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ロックボルトの打設位置に作業員が近づくことなく効率的にロックボルトを打設し得るロックボルト打設車両およびロックボルトの打設方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るロックボルト打設車両は、台車と、該台車に搭載される複数のブーム装置と、を備えるロックボルト打設車両であって、前記複数のブーム装置として、ロックボルト挿入孔を穿孔するさく岩機を有する穿孔用ブーム装置と、グラウトの注入若しくはロックボルトの挿入が可能なロックボルト打設装置を有する打設用ブーム装置と、を有し、前記穿孔用ブーム装置の数が、前記打設用ブーム装置の数よりも多く搭載されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るロックボルトの打設方法は、掘削されたトンネルまたは坑内の周壁面を安定化させるために、前記周壁面に複数のロックボルトを打設する方法であって、本発明の一態様に係るロックボルト打設車両を用いて前記複数のロックボルトを打設することを特徴とする。
本発明によれば、台車には、機能が異なる複数のブーム装置が搭載され、それら複数のブーム装置のうち、穿孔用ブーム装置の数が打設用ブーム装置の数よりも多く搭載されている。そのため、ロックボルト挿入孔の穿孔作業と、グラウトの注入作業若しくはロックボルトの挿入作業と、に分業して複数のブーム装置を同時に使用できる。よって、本発明によれば、ロックボルトの打設位置に作業員が近づくことなく効率的にロックボルトを打設できる。
本発明の一態様に係るロックボルト打設車両の説明図であり、同図(a)はその平面図、(b)は左側面図であって、同図では中央に搭載された打設用ブーム装置の先端以外の部分を破断して省略して図示している。また、(c)は正面図、(d)は、打設用ブーム装置の部分の左側面図である。 図1の穿孔用ブーム装置に装備された穿孔装置の説明図であり、同図(a)はその平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。 図1の打設用ブーム装置に装備されたロックボルト打設装置の説明図であり、同図(a)はその平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。 図1のロックボルト打設車両によるロックボルトの打設作業を説明する図であり、同図(a)はその平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
図1に示すように、本実施形態のロックボルト打設車両100は、所謂ドリルジャンボであって、前後に走行用の車輪7、8およびアウトリガ9を有する走行可能な台車1を備える。台車1には、車体前側の上部にオペレータキャビン6が設けられ、車体後側の上部に駆動部2が設けられている。
オペレータキャビン6は、必要な打設作業を行うための操作部(不図示)を有する。必要な打設作業として、本実施形態では、さく孔によるロックボルト挿入孔の穿孔作業、および、そのロックボルト挿入孔へのグラウトの注入作業並びにロックボルトの挿入作業が行えるようになっている。
本実施形態の台車1には、台車1の前部の左右および前部中央から前方に張り出す三基のブーム装置10L、10R、10Mが搭載されている。左右のブーム装置10L、10Rは同一構造のブーム3Dをそれぞれ有し、各ブーム3Dはいずれも旋回、起伏および伸縮が可能に構成されている。
また、中央のブーム装置10Mは、旋回、起伏および伸縮が可能に構成されたブーム3Mを有する。なお、本実施形態の例では、台車1の上部の左右には、チャージングブーム12が装備され、各チャージングブーム12の先端にはチャージングケージ13が設けられている。
ここで、本実施形態では、上記三基のブーム装置10L、10R、10Mのうち、左右のブーム装置10L、10Rが穿孔専用とされ、中央のブーム装置10Mが打設専用とされている。
詳しくは、本実施形態のロックボルト打設車両100は、左右の穿孔用ブーム装置10L、10Rは、各ブーム3Dの先端に、同様の構成を有するガイドシェル5Dが傾動可能にそれぞれ支持されている。各穿孔用ブーム装置10L、10Rには、それぞれのガイドシェル5Dを所定方向に移動可能にするために、同調回路を有する油圧駆動機構が設けられている。
各ガイドシェル5Dには、ロックボルト挿入孔Hを穿孔するさく岩機として、同一の構造のドリフタ4Dを備える穿孔装置20が装備されている。各穿孔用ブーム装置10L、10Rには、各ブーム3Dの先端のガイドシェル5Dを自在に旋回させるための旋回用アクチュエータが設けられ、各ブーム3Dの移動とともに、対応するガイドシェル5Dをトンネルまたは坑内の所定の空間位置に穿孔装置20を移動可能になっている。
また、中央の打設用ブーム装置10Mには、ブーム3Mの先端にマウント43が設けられている。マウント43には、モルタル等のグラウトの注入およびロックボルト挿入孔HへのロックボルトBの挿入が可能なロックボルト打設装置30が装備されている。打設用ブーム装置10Mには、マウント43を自在に旋回させるための旋回用アクチュエータが設けられ、マウント43上のロックボルト打設装置30をトンネル内の所定の空間位置に移動可能になっている。
図2に示すように、左右の各穿孔用ブーム装置10L、10Rに装備される穿孔装置20は、通常のドリルジャンボ等に装備されるものと同様である。
つまり、穿孔装置20は、上記ガイドシェル5Dと、ガイドシェル5Dに搭載されたさく岩機であるドリフタ4Dと、ビット21、ロッド22等で構成される。ガイドシェル5Dの先端側には、フートパット23および開閉式のセントラライザ24がそれぞれ装着されている。ガイドシェル5Dには、公知の油圧式のドリフタ4Dが搭載され、穿孔時にガイドシェル5D上を送り機構25でフィードされる。
これにより、穿孔装置20は、ガイドシェル5Dの先端部のセントラライザ24が、ロックボルト挿入孔を穿孔すべき軸線上に、ロッド22の先端部を支持することができる。そして、穿孔装置20は、ドリフタ4Dからロッド22を介してビット21に打撃力と回転力を伝達すると共に、送り機構25でドリフタ4Dに送り力を付与して、さく孔によってロックボルト挿入孔を穿孔可能になっている。
図3に示すように、打設用ブーム装置10Mに装備されるロックボルト打設装置30は、注入機31と、ロックボルト挿入機40と、を備える。注入機31およびロックボルト挿入機40は、上記マウント43を介して、上記ブーム3Mの先端に装備されて一体型の装置となっている。マウント43は、注入機31およびロックボルト挿入機40相互の基準軸線に対する稼働状態を切り替え可能な構造を有する。
注入機31は、マウント43による稼働状態の切り替え側の一方に装備される。注入機31は、注入ホース32と、注入ホース32を往復移動させる不図示の移動機構やポンプ等を含んで構成され、移動機構により注入ホース32をロックボルト挿通孔Hに沿って挿入しつつ、ポンプの駆動により、モルタルやセメントミルクなどのグラウト(定着剤)を注入ホース32に圧送可能に構成されている。
ロックボルト挿入機40は、マウント43による稼働状態の切り替え側の他方に装備される。ロックボルト挿入機40は、ガイドシェル5M、ドリフタ4Mおよびセントラライザ44等により構成される打設装置本体41と、ロックボルト供給装置50と、を備える。
打設用のドリフタ4MにはロックボルトBが装着され、装着されているロックボルトBに打撃力と回転力を伝達すると共に、送り機構45でドリフタ4Mに送り力を付与してロックボルト挿入孔Hに沿ってロックボルトBを押し込み可能になっている。また、ドリフタ4Mには、ロックボルト供給装置50により、ロックボルトBが供給されるようになっている。
ロックボルト供給装置50は、ドリフタ4Mを搭載したガイドシェル5Mの軸方向前後に互いに離隔して設けられた、公知のロックボルト供給装置と同様の構成を有するロックボルト受渡機構である。
ロックボルト供給装置50は、複数のロックボルトBを収容するマガジン51と、一対のロックボルトキャリア52と、を備えて構成される。マガジン51は、不図示のマガジン駆動モータの駆動によって支軸53まわりに所定角度の回転が可能に構成される。
一対のロックボルトキャリア52は、把持・解放機構および駆動機構(不図示)を有し、駆動機構によって回動されて、ロックボルトBをマガジン51側とドリフタ4M側とにそれぞれ移動するとともに、把持・解放機構により、マガジン51に収容されたロックボルトBを、ドリフタ4M側に受け渡すロックボルト受渡機構を構成している。
次に、上述したロックボルト打設車両100を用いたロックボルトBの打設方法について説明する。
本実施形態のロックボルト打設車両100を用いる際は、図4に示すように、まず、トンネルTの切羽K付近にロックボルト打設車両100を設置する。そして、ロックボルト打設車両100の左右の穿孔用ブーム装置10L、10Rを駆動し、各穿孔用ブーム装置10L、10Rを、トンネルTの内壁面Nに対して所望の位置に配置する。次いで、各穿孔用ブーム装置10L、10Rの穿孔装置20を用いてロックボルト挿入孔Hをそれぞれ穿孔する。
上述したように、各穿孔用ブーム装置10L、10Rの穿孔装置20は、穿孔専用の装置である。そのため、所定の深さまでロックボルト挿入孔Hの穿孔が完了すれば、別の位置に各穿孔用ブーム装置10L、10Rを移動させて、直ちに次の穿孔作業に移行できる。また、この穿孔作業を連続して行うことができる。特に、本実施形態の例では、二基の穿孔用ブーム装置10L、10Rの穿孔装置20により、同時に二箇所での穿孔作業が可能である。
次に、ロックボルト打設装置30によるロックボルトBの打設作業について説明する。
各穿孔用ブーム装置10L、10Rの穿孔装置20によって穿孔が完了したロックボルト挿入孔Hに対し、中央の打設用ブーム装置10Mを移動して、ロックボルト打設装置30を所望の位置に配置する。まず、ロックボルト打設装置30のマウント43により、稼働状態を注入機31の側に切り替え、注入機31を基準軸線上に位置させる。
ロックボルト打設装置30の基準軸線をロックボルト挿入孔Hに位置合わせ後に、注入機31を作動させて注入ホース32からグラウトを送出し、ロックボルト挿入孔Hの孔内にグラウトを充填する。ロックボルト挿入孔H内へのグラウトの充填が完了したら、ロックボルト打設装置30のマウント43の駆動により、稼働状態をロックボルト挿入機40側に切替え、ロックボルト挿入機40を基準軸線上に位置させる。
ロックボルト挿入機40に付設されたロックボルト供給装置50のマガジン51からロックボルトBを取り出してロックボルト挿入機40に装填する。
次いで、ロックボルト挿入機40の挿入機構を駆動してドリフタ4Mに送り力を付与し、ロックボルトBをロックボルト挿入孔に沿って押し込むことによってロックボルトBを打設する。以下、坑内の内壁面Nに対して計画された必要なロックボルトBの本数分だけ、上述の打設作業を連続して行い、これにより、ロックボルト打設作業が完了する。
ここで、特許文献2に開示されるように、従来のロックボルト打設装置は、さく岩機、注入機ないし挿入機が、切り替え可能な構造のマウントを介して台車側のブームに搭載された一体型の装置であった。そして、従来のロックボルト打設車両は、台車に対して、一体型のロックボルト打設装置を一基搭載した仕様が通常であった。
そのため、上述したように、従来は、ロックボルト挿入孔の穿孔工程が完了するまでは、次工程となるグラウトの注入工程およびロックボルトの挿入工程に移行することが不可能であり、打設作業の効率を落としていた。
これに対し、本実施形態のロックボルト打設車両100を用いれば、台車1には、機能が異なる複数のブーム装置10L、10R、10Mが搭載されており、特に、それら複数のブーム装置10L、10R、10Mのうち、穿孔用ブーム装置10L、10Rの数が打設用ブーム装置10Mの数よりも多く搭載されている。
そのため、本実施形態のロックボルト打設車両100を用いれば、穿孔作業と、注入作業若しくは挿入作業とに分業して、複数のブーム装置10L、10R、10Mを同時に使用できる。よって、ロックボルトBの打設位置の付近に作業員が近づくことなく効率的にロックボルトBを打設できる。
ここで、ロックボルト挿入機40によるロックボルトBの挿入工程は、通常、穿孔工程での穿孔装置20による穿孔時間の半分以下の時間で打設可能である。そのため、上述した本実施形態のロックボルト打設車両100のように、二基の穿孔用ブーム装置10L、10Rの穿孔装置20に対し、一基の打設用ブーム装置10Mにロックボルト打設装置30を装備したロックボルト打設車両100であっても、穿孔工程と、注入工程および挿入工程との二つの作業時間のバランスがとれて作業効率が向上するのである。
なお、本発明に係るロックボルト打設車両およびこれを用いたロックボルトの打設方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
1 台車
2 駆動部
3D、3M ブーム
4D ドリフタ(さく岩機)
4M ドリフタ
5D、5M ガイドシェル
6 オペレータキャビン
7、8 車輪
9 アウトリガ
10M 打設用ブーム装置
10L 穿孔用ブーム装置
10R 穿孔用ブーム装置
12 チャージングブーム
13 チャージングケージ
20 穿孔装置
21 ビット
22 ロッド
23 フートパット
24 セントラライザ
25 送り機構
30 ロックボルト打設装置
31 注入機
32 注入ホース
40 ロックボルト挿入機
41 打設装置本体
43 マウント
44 セントラライザ
45 送り機構
50 ロックボルト供給装置
51 マガジン
100 ロックボルト打設車両
B ロックボルト
H ロックボルト挿入孔
T トンネル
K 切羽
N 内壁面

Claims (3)

  1. 台車と、該台車に搭載される複数のブーム装置と、を備えるロックボルト打設車両であって、
    前記複数のブーム装置として、ロックボルト挿入孔を穿孔するさく岩機を有する穿孔用ブーム装置と、グラウトの注入若しくはロックボルトの挿入が可能なロックボルト打設装置を有する打設用ブーム装置と、を有し、
    前記穿孔用ブーム装置の数が、前記打設用ブーム装置の数よりも多く搭載されていることを特徴とするロックボルト打設車両。
  2. 前記穿孔用ブーム装置は、前記台車の前部の左右それぞれに計二基が設けられ、
    前記打設用ブーム装置は、前記台車の前部の中央に一基が設けられている請求項1に記載のロックボルト打設車両。
  3. 掘削されたトンネルまたは坑内の周壁面を安定化させるために、前記周壁面に複数のロックボルトを打設する方法であって、
    請求項1または2に記載のロックボルト打設車両を用いて前記複数のロックボルトを打設することを特徴とするロックボルトの打設方法。
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