JP2021194696A - 気相式加熱装置 - Google Patents

気相式加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021194696A
JP2021194696A JP2020105294A JP2020105294A JP2021194696A JP 2021194696 A JP2021194696 A JP 2021194696A JP 2020105294 A JP2020105294 A JP 2020105294A JP 2020105294 A JP2020105294 A JP 2020105294A JP 2021194696 A JP2021194696 A JP 2021194696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
heat
heat transfer
transfer liquid
heated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020105294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7445892B2 (ja
Inventor
健介 岸下
Kensuke Kishimoto
耕一 永井
Koichi Nagai
直文 日野
Naofumi Hino
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2020105294A priority Critical patent/JP7445892B2/ja
Publication of JP2021194696A publication Critical patent/JP2021194696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7445892B2 publication Critical patent/JP7445892B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】冷却エネルギーを加えることなく蒸気加熱炉内の蒸気相の上限の高さを所望の位置に保持することができ、液化回収した熱転移液の再気化に必要なエネルギーを最小にとどめることを可能とする気相式加熱装置を提供する。【解決手段】気相式加熱装置1は、熱転移液回収部9を備える。被加熱物5を搬出入する搬出入部6から熱転移液3の蒸気が流出することを防止する位置に設けられた、熱転移液3の蒸気を凝縮して液体として回収する熱転移液回収部9は、熱転移液3の沸点より沸点が低く、かつ、熱転移液3の沸点近傍の沸点を有する熱媒体10を貯留する貯留部15と、熱媒体10の蒸気11を保持する空間部12と、熱媒体10の蒸気11を冷却して液化する放熱部13と、熱転移液回収部9の内部を大気圧に保持する大気開放部14により構成されている。【選択図】図1A

Description

本発明は、熱転移液の凝縮潜熱を利用して被加熱物を加熱する気相式加熱装置に関するものである。
近年、様々な工業製品もしくは家電の組み立て製造工程、又はそれらの製品の構成部品となる各種電子部品、各種の電池、もしくは、電子部品が実装された基板などのデバイス製造工程において、各種熱処理装置で処理される被加熱物の形状が複雑化している。例えば、電子部品が実装された基板においても、平面基板だけでなく、立体的な基板の水平面以外の部分に、はんだペーストを塗布して電子部品を配置しただけの保持力が弱い状態で、はんだペーストを溶融して接合するための加熱処理が行われている。また、立体となることで、被加熱物の熱容量そのものも、増加する傾向にある。ここで、各種熱処理装置とは、例えば乾燥炉、キュア炉、もしくは電子部品の実装工程などではんだ付けに使用されるリフロー炉などである。
これらの被加熱物の加熱工程では、不均一な加熱能力による被加熱物の各箇所における温度上昇のばらつきがある。このような場合は、加熱工程の所望の所要時間を得るために、全ての部分が所望の温度に昇温した状態から、さらに所望の時間を保持する必要がある。このとき、昇温の遅い部分を所望の時間だけ保持するためには、昇温の早い部分は、必要以上に熱にさらされることになる。特に熱影響の大きい場合は、品質への影響が懸念される。また、熱風の衝突による熱伝達を利用した加熱工程の場合、被加熱物の熱容量が大きい場合は、所望の昇温速度を得るために、熱風の被加熱物への衝突速度を速めることで、熱伝達率を高くすることが出来る。
しかしながら、例えば、立体的な基板の水平面以外の部分に、はんだペーストを塗布して電子部品を配置しただけの保持力が弱い状態で加熱処理をする必要がある場合、はんだの溶融、及び、その後の冷却によるはんだの凝固が完了する以前に、熱風を高速で衝突させることで、部品が基板から剥離してしまう可能性が大きくなる。
そこで、熱容量の大きい基板についても、熱風の衝突による部品の剥離などを回避し、高い熱伝達率を利用して被加熱物を効率良く加熱する方法として、熱転移液の蒸気が有する凝縮潜熱を利用して加熱する蒸気加熱炉による加熱方法が知られている。
このような蒸気加熱炉で使われる蒸気は、空気に比べて比重が大きいので、空気と蒸気とは比較的容易に2相に分離するが、被加熱物を蒸気加熱炉中に搬入及び搬出するために、通常は蒸気加熱炉に出入口を設けるので、蒸気が容易に炉外に流出し、貴重な熱転移液を回収不能のまま失うことになる。
このように、被加熱物を搬入及び搬出するための出入口からの、熱転移液の流出を回避する方法として、特許文献1の方法が知られている。
図11は特許文献1の従来の気相式はんだ付け装置の説明図である。特許文献1に開示されている構成は以下の構成である。液体21は、加熱によって蒸気22を発生させるための熱転移液である。入口23及び出口24は、それぞれ蒸気加熱炉28の内外との境界となる入口端及び出口端である。コンベア25は、被加熱物を蒸気加熱炉28に搬入するためのコンベアであり、コンベア26は、被加熱物を蒸気加熱炉28から搬出するためのコンベアである。
ヒータ27により、液体21を加熱して蒸気22を発生させると、蒸気22は蒸気加熱炉28内で蒸気相29を形成する。コンベア25により搬送された被加熱物31は、コンベア25と同一平面にある昇降体32により、蒸気相29の内部まで下降する。蒸気22の凝縮潜熱を与えられることにより加熱された被加熱物31は、昇降体32によりコンベア26と同一平面まで上昇し、コンベア26により搬出される。
蒸気相29が蒸気加熱炉28内を上昇すると、蒸気22は、冷却コイル30によって冷却され、凝縮液化する。冷却コイル30は、入口23及び出口24より低い位置に設けられているため、蒸気相29は、入口23及び出口24より下側領域に保持され、炉外への流出を防止できる。
特開昭63−168276号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、前述のように冷却コイル30により蒸気22を凝縮液化することで熱転移液の炉外への流出を防止することは可能だが、熱転移液を蒸発気化するために熱転移液をヒータ27で加熱し、熱転移液に蒸発エネルギーを与えている一方で、冷却コイル30では熱転移液の蒸気22を液化回収するために、熱転移液の蒸気22からエネルギーを奪っており、ヒータ27による加熱と冷却コイル30による冷却との両方のエネルギーが必要となり、炉の消費エネルギーが非常に大きいという課題を有している。また、冷却コイル30により凝縮液化した熱転移液は沸点より低い温度まで必要以上に冷却されてしまうため、この熱転移液を再び蒸発気化するための加熱エネルギーが大きくなってしまうという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであって、冷却エネルギーを加えることなく蒸気加熱炉内の蒸気相の上限の高さを所望の位置に保持することができ、液化回収した熱転移液の再気化に必要なエネルギーを最小にとどめることを可能とする気相式加熱装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様にかかる気相式加熱装置は、
被加熱物を内部の加熱位置に保持し、熱転移液の蒸気を前記被加熱物に接触させて前記蒸気の凝縮潜熱を利用して前記被加熱物の加熱を行う蒸気槽と、
前記蒸気槽内の前記熱転移液を加熱して前記蒸気とする加熱部と、
前記蒸気槽内で前記被加熱物の前記加熱位置よりも上方で、かつ、前記蒸気槽の前記被加熱物の搬出入部より下方に少なくとも下部が設置された熱転移液回収部と、を備える気相式加熱装置であって、
前記熱転移液回収部は、
前記蒸気槽内で前記被加熱物の前記加熱位置よりも上方で、かつ、前記蒸気槽の前記搬出入部より下方に配置され、かつ、前記熱転移液の沸点より沸点が低く、かつ、前記熱転移液の沸点近傍の沸点を有する熱媒体を貯留する貯留部と、
前記貯留部と連通しかつ前記貯留部より前記蒸気槽の外側まで上方に延在して前記熱媒体の蒸気を保持する空間部と、
前記蒸気槽の外側でかつ前記空間部の外側に配置され、前記空間部内の前記熱媒体の前記蒸気を冷却して液化する放熱部と、
前記空間部に接続されて前記熱転移液回収部の内部を大気圧に保持する大気開放部と、を備える。
以上のように、本発明の前記態様の気相式加熱装置によれば、熱転移液回収部を備えて、熱転移液の蒸気の凝縮潜熱で、貯留部に貯留された熱媒体を気化することにより、熱転移液の蒸気を熱媒体の沸点以上かつ熱転移液の沸点以下の温度で液化回収することができ、熱媒体の沸点以上の温度で液化回収した熱転移液が再び沸点まで昇温されるのに必要なエネルギーを抑制することが可能となる。また、冷却液を循環及び冷却させることなく、熱転移液を液化回収することが可能となる。この結果、熱転移液の加熱エネルギー及び熱転移液の蒸気の液化回収に必要なエネルギーを削減することが出来る。
本発明の実施形態における気相式加熱装置の正面から見た説明図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の断熱材の部分の拡大断面図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の側面から見た説明図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の使用状態を段階的に示す図 本発明の実施形態における気相式加熱装置の構成における、蒸気高さの変化の説明図 本発明の実施形態の例における、熱転移液と熱媒体の温度分布の説明図 本発明の実施形態の例における、熱転移液の蒸気と熱媒体の温度分布の説明図 従来の気相式加熱装置の説明図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態)
図1Aは、本発明の実施形態における気相式加熱装置の説明図である。
気相式加熱装置1は、蒸気槽2と、加熱部4と、熱転移液回収部9とを少なくとも備えている。
蒸気槽2は、熱転移液3の液面上から蒸気相7を形成するとともに、搬出入部6から蒸気槽2内に被加熱物5が搬入され、被加熱物5を内部の加熱位置8に保持し、熱転移液3の蒸気を被加熱物5に接触させて蒸気の凝縮潜熱を利用して被加熱物5の加熱を行う。搬出入部6と蒸気槽2内部の加熱位置8との間では、公知の昇降装置17などにより、被加熱物5が昇降される。
加熱部4は、一例としてヒータで構成され、蒸気槽2内の下部に貯留された熱転移液3を加熱して蒸気を発生させる。
熱転移液回収部9は、少なくとも下部が蒸気槽2に配置され、熱転移液3の蒸気を凝縮して液化回収する。
被加熱物5の加熱方法としては、蒸気槽2内において加熱部4で熱転移液3を予め加熱することにより、蒸気槽2に熱転移液3の蒸気相7を形成する。
その後、搬出入部6から蒸気槽2内に搬入された被加熱物5は、蒸気相7の加熱位置8に保持され、熱転移液3の蒸気から凝縮潜熱が被加熱物5に与えられることにより被加熱物5が加熱されるように構成されている。
ここで、予め熱転移液3を加熱して形成した蒸気相7が、被加熱物5の搬出入部6から蒸気槽2の外部に流出することを防止するため、気相式加熱装置1は、熱転移液3の蒸気を凝縮して液化回収する熱転移液回収部9を備えている。
熱転移液回収部9は、蒸気槽2の搬送方向沿いの側壁の内側に、互いに対向して一対配置された直方体の箱形状の部材であって、貯留部15と、空間部12と、放熱部13と、大気開放部14とを備えるように構成している。熱転移液回収部9としては、一対配置するものに限らず、いずれか一方でもよい。
貯留部15は、蒸気槽2内で、被加熱物5の加熱位置8よりも上方で、かつ、蒸気槽2内に被加熱物5を搬出入するための搬出入部6より下方に配置されている。また、貯留部15は、熱転移液3の沸点より低い沸点を持ちかつ熱転移液3の沸点近傍の沸点を有する熱媒体10を下部に貯留している。
空間部12は、貯留部15と連通しかつ貯留部15から蒸気槽2の外側まで上方に延在し、かつ熱媒体10の蒸気11を保持する。空間部12は、放熱を抑制するため(例えば蒸気11を保温するため)、断熱構造を有することが好ましい。断熱構造の例としては、図1Bに示すように、空間部12における放熱の抑制のため、空間部12の外側に、熱媒体10の蒸気を保温する断熱材18を配置してもよいし、又は、空間部12を構成する材料自体を断熱性の非常に高い(言い換えれば、熱伝導率が小さい)材質で構成するようにしてもよい。又は、空間部12を二重壁構造にして、外壁と内壁との間を真空にするようにしてもよい。
放熱部13は、図1A〜図1Cに示すように、蒸気槽2の外側でかつ空間部12の上端部の外側の周囲に横方向に張り出しかつ上下方向(例えば鉛直方向)に延在した放熱板13aで構成され、空間部12内の熱媒体10の蒸気11を冷却して液化する。液化した熱媒体10は、空間部12内を落下して貯留部15に貯留される。
大気開放部14は、空間部12の上端部に接続され、上端部の端面からさらに上方に延びて大気に開口された管であって、熱転移液回収部9の内部を大気圧に保つ。
熱転移液及び熱媒体の一例としては、互いに沸点の異なる電気絶縁性のフッ素系不活性液体である。
熱転移液3の蒸気を熱転移液回収部9で回収する方法について、図2から図5を用いて説明する。
図2は、蒸気槽2内で被加熱物5を加熱するための熱転移液3の蒸気を生成する段階を表している。蒸気槽2内で、沸点に到達した熱転移液3を加熱部4で加熱することにより、熱転移液3は気化して蒸気が生成される。熱転移液3の蒸気は空気より比重が大きいため、気化した蒸気は蒸気槽2内において熱転移液3の液面上から蒸気相7を形成していく(これを状態Aとする)。
図2に示す状態Aにおいて、熱転移液3の加熱をさらに続けることにより、蒸気槽2内での蒸気相7の上限の高さは高くなり、図3に示すように、やがて、蒸気相7は貯留部15に到達する(これを状態Bとする)。
図4は、蒸気相7が貯留部15に到達した後の状態を表している。貯留部15には、熱転移液3より沸点の低い熱媒体10が貯留されている。熱転移液3の蒸気が貯留部15に接触すると、熱転移液3の蒸気は凝縮及び液化するとともに、熱転移液3の蒸気から、凝縮潜熱を貯留部15に貯留された熱媒体10に与える。凝縮潜熱を与えられた熱媒体10の温度は上昇し、やがて沸点に到達した後、気化して蒸気11になる。気化した熱媒体10の蒸気11は、空間部12において保持される(これを状態Cとする)。
図5に示す状態において、熱媒体10が断続的に気化することにより、空間部12から放熱部13に流入した蒸気11は、蒸気11の温度と、放熱部13の周囲温度との温度差により冷却され、凝縮及び液化し、貯留部15に再び貯留される(これを状態Dとする)。このとき、蒸気11が放熱部13において凝縮及び液化する単位時間当たりの量mと、熱媒体10が蒸発及び気化する単位時間あたりの量mが、m≧mとなるように放熱部13を設計しておくことにより、蒸気11が大気開放部14を通過して外部に流出することはない。すなわち、状態Dにおいて、(熱媒体の蒸発気化量)>(放熱部での凝縮液化量) となると、熱媒体10の蒸気が大気開放部14から外部にあふれ出てしまう。これを防止するため、放熱部13は放熱板13aの材質、面積、又は厚みなどを考慮して設計する。
このように、熱転移液3の蒸気の凝縮潜熱を、熱転移液回収部9において熱媒体10の気化潜熱として利用することにより、熱転移液3の蒸気を熱媒体10の沸点以上かつ熱転移液3の沸点以下の温度で液化回収することができ、加熱部4に投入するエネルギーを抑制することが可能となる。
次に、蒸気相7内の加熱位置8に被加熱物5が搬入されて、加熱位置8で被加熱物5の加熱が行われる場合における、熱転移液3の蒸気及び熱媒体10の蒸気11の挙動について説明する。
図6は、蒸気相7に被加熱物5が搬入された直後の蒸気相7及び熱転移液回収部9を表している。上述した状態Dの状態において、搬出入部6から被加熱物5が搬入され、搬出入部6より下方の加熱位置8に被加熱物5が保持される。このとき、蒸気相7の蒸気は被加熱物5を加熱するために消費され、蒸気相7の上限の高さが、貯留部15に到達した高さから加熱位置8の被加熱物5の高さまで一時的に下降してしまう。被加熱物5が加熱位置8に搬入された直後は、熱転移液回収部9は、空間部12に蒸気11を十分に保持している(これを状態Eとする)。加熱位置8において所定の時間、被加熱物5が加熱されると、被加熱物5は搬出入部6から搬出され、次の被加熱物5が搬入されるまでの間、待機状態となる。
図7は、被加熱物5の加熱により熱転移液3の蒸気が消費され、蒸気相7の上限の高さが加熱位置8の被加熱物5の高さまで一時的に下降した後に、再び上昇していく状態を表している。熱転移液3の蒸気が消費され、蒸気相7の上限の高さが貯留部15の底部よりも低くなると、蒸気相7の上限の高さが再び貯留部15に到達するまでの間、熱転移液3の蒸気は熱媒体10に凝縮潜熱を与えることができない。この間、熱媒体10が気化することはなく、空間部12に保持されていた蒸気11は凝縮及び液化するため、蒸気11の量が減少し、蒸気11の上限の高さも下降する(これを状態Fとする)。このとき、蒸気の比重が空気より大きい熱媒体を用いることにより、状態Fにおいて空間部12の下方に蒸気11が保持され、放熱部13で凝縮及び液化せず、貯留部15に貯留された熱媒体10の液面上で凝縮及び液化する。これにより、熱媒体10は蒸気11から凝縮潜熱を与えられ、沸点に保温される。また、状態Fにおいて熱媒体10を保温し続けるためには、空間部12に、蒸気相7の上限の高さが下がった状態Eから、再び蒸気相7の上限の高さが貯留部15に到達するまでの間、熱媒体10の液面上で凝縮し続ける蒸気量を空間部12に保持しておく必要がある。このためには、熱媒体の蒸気量が。熱転移液3の蒸気の上限が熱転移液回収部9に到達するまでに空間部12の蒸気が全て凝縮してしまうと、貯留部15の熱媒体10の温度は沸点から下降してしまう。これを防止するため、空間部12に十分な蒸気量を保持する必要がある。そこで、熱転移液3の蒸発速度、蒸気相7の大きさ、熱転移液3の物性、熱媒体10の蒸気の凝縮速度、又は、熱媒体10の物性などから保持量を決定すればよい。
図8は、被加熱物5の加熱により熱転移液3の蒸気が消費され、蒸気相7の上限の高さが下降した後に、再び上昇し、蒸気相7の上限の高さが貯留部15に到達した状態を表している。蒸気相7の上限の高さが貯留部15に再び到達すると、熱転移液3の蒸気は、貯留部15において凝縮潜熱を熱媒体10に与えて凝縮及び液化する。これは先述した状態Cと同じ状態である。その後は、熱転移液3の蒸気が凝縮及び液化を繰り返すことにより、図5に示した状態Dとなり、次の被加熱物5が搬入されるのを待つ。
被加熱物5が蒸気相7に搬入される前においては、熱転移液3の蒸気及び熱媒体10の蒸気11は、状態A、B、C、Dの順に変化する。状態Dにおいて被加熱物5が搬入され、加熱が開始されると、熱転移液3の蒸気及び熱媒体10の蒸気11は状態E、Fと変化した後、状態Cを経て再び状態Dとなる。被加熱物5が搬入及び搬出を繰り返すたびに、熱転移液3の蒸気及び熱媒体10の蒸気11は、状態D、E、F、C、Dの変化を繰り返す。図9は、状態AからFにおける熱転移液3の蒸気及び熱媒体10の蒸気11の上限の高さの変化を示している。
本発明の実施形態の1つの具体的な実施例として、熱転移液3として、例えば、沸点が240℃の熱転移液を用い、熱媒体10として、例えば、沸点が200℃の熱媒体を用いると、熱転移液回収部9において液化回収される熱転移液3の温度は、熱媒体10の沸点である200℃以上となる。液化回収された熱転移液3が再び沸点まで昇温されるためには、最大で熱転移液3を200℃から240℃まで、最大温度差40℃分のエネルギーを加えればよい。熱媒体10として、例えば、沸点が230℃の熱媒体を用いると、熱転移液回収部9において液化回収される熱転移液3の温度は、熱媒体10の沸点である230℃以上となる。液化回収された熱転移液3が再び沸点まで昇温されるためには、最大で熱転移液3を230℃から240℃まで、最大温度差10℃分のエネルギーを加えればよい。熱媒体10の沸点が、熱転移液3の蒸気を液化回収でき得る温度であり、熱転移液3の沸点により近い方が好適である。
熱転移液3及び熱媒体10は、図10Aに示すように、ある温度を中心に、沸点に温度分布を持っている。しかし、沸点に温度分布を持つ場合であっても、図10Bに示すように、熱媒体10は上部に低沸点成分が貯留され、下部に高沸点成分が貯留されると考えられるため、熱転移液3の低沸点成分の蒸気は、貯留部15の下部では熱媒体10の方が、沸点が高いため凝縮しないが、熱媒体10の低沸点成分が貯留される、貯留部15の上部で凝縮するため、熱媒体10の蒸気は液化回収される。
熱転移液3及び熱媒体10の沸点の温度分布は、±10℃程度であるため、熱媒体10の沸点が熱転移液3の沸点の10℃程度下であればよい。
本発明は、上述した沸点が240℃の熱転移液に限定されるものではなく、熱転移液3の沸点に対応する熱媒体10を用いることで本発明の実施形態を実現可能である。
前記実施形態によれば、熱転移液回収部9を備えて、熱転移液3の蒸気の凝縮潜熱で、貯留部15に貯留された熱媒体10を気化することにより、熱転移液3の蒸気を熱媒体10の沸点以上かつ熱転移液3の沸点以下の温度で液化回収することができる。また、熱転移液回収部9で気化した熱媒体10の蒸気11を放熱部13で凝縮して液化することにより、冷却エネルギーを加えることなく、言い換えれば冷却液を循環及び冷却させることなく、熱転移液3の蒸気の液化回収を行うことができる。この結果、熱媒体10の沸点以上の温度で液化回収した熱転移液3が再び沸点まで昇温されるのに必要なエネルギーを抑制することができ、気相式加熱装置1のランニングコスト低減を実現することができる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様にかかる気相式加熱装置は、冷却エネルギーを加えることなく熱転移液の蒸気を液化回収することができる。このため、本発明の前記態様は、低ランニングコストで加熱処理を行うことが可能な装置として、工業製品又は家電製品の製造工程又は各種電子部品の製造工程における乾燥炉、キュア炉、又はリフロー炉などの各種熱処理を行う熱処理装置に適用できる。
1 気相式加熱装置
2 蒸気槽
3 熱転移液
4 加熱部
5 被加熱物
6 搬出入部
7 蒸気相
8 加熱位置
9 熱転移液回収部
10 熱媒体
11 蒸気
12 空間部
13 放熱部
13a 放熱板
14 大気開放部
15 貯留部
17 昇降装置
18 断熱材
21 液体
22 蒸気
23 入口
24 出口
25 コンベア
26 コンベア
27 ヒータ
28 蒸気加熱炉
29 蒸気相
30 冷却コイル
31 被加熱物
32 昇降体

Claims (3)

  1. 被加熱物を内部の加熱位置に保持し、熱転移液の蒸気を前記被加熱物に接触させて前記蒸気の凝縮潜熱を利用して前記被加熱物の加熱を行う蒸気槽と、
    前記蒸気槽内の前記熱転移液を加熱して前記蒸気とする加熱部と、
    前記蒸気槽内で前記被加熱物の前記加熱位置よりも上方で、かつ、前記蒸気槽の前記被加熱物の搬出入部より下方に少なくとも下部が設置された熱転移液回収部と、を備える気相式加熱装置であって、
    前記熱転移液回収部は、
    前記蒸気槽内で前記被加熱物の前記加熱位置よりも上方で、かつ、前記蒸気槽の前記搬出入部より下方に配置され、かつ、前記熱転移液の沸点より沸点が低く、かつ、前記熱転移液の沸点近傍の沸点を有する熱媒体を貯留する貯留部と、
    前記貯留部と連通しかつ前記貯留部より前記蒸気槽の外側まで上方に延在して前記熱媒体の蒸気を保持する空間部と、
    前記蒸気槽の外側でかつ前記空間部の外側に配置され、前記空間部内の前記熱媒体の前記蒸気を冷却して液化する放熱部と、
    前記空間部に接続されて前記熱転移液回収部の内部を大気圧に保持する大気開放部と、を備える気相式加熱装置。
  2. 前記空間部は、断熱構造を有する、請求項1に記載の気相式加熱装置。
  3. 前記放熱部は、前記蒸気槽の外側でかつ前記空間部の上端部の外側の周囲に横方向に張り出しかつ上下方向に延在した放熱板を有する、請求項1または2に記載の気相式加熱装置。
JP2020105294A 2020-06-18 2020-06-18 気相式加熱装置 Active JP7445892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020105294A JP7445892B2 (ja) 2020-06-18 2020-06-18 気相式加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020105294A JP7445892B2 (ja) 2020-06-18 2020-06-18 気相式加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021194696A true JP2021194696A (ja) 2021-12-27
JP7445892B2 JP7445892B2 (ja) 2024-03-08

Family

ID=79196904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020105294A Active JP7445892B2 (ja) 2020-06-18 2020-06-18 気相式加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7445892B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7106478B2 (ja) 2019-03-20 2022-07-26 旭化成株式会社 抗菌坑カビ用塗料、抗菌坑カビ用部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP7445892B2 (ja) 2024-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110385494B (zh) 气相式加热方法以及气相式加热装置
US20130153547A1 (en) Multi-chamber heat treatment device
JP7445892B2 (ja) 気相式加熱装置
JP2001047223A (ja) 少なくとも一つの熱伝達液によるワークピースの熱処理方法及びその方法を実現するための凝縮炉
JP5848874B2 (ja) 温度調節装置およびこの温度調節装置の製造方法
CN108971683B (zh) 气相式加热方法以及气相式加热装置
JP2014074537A (ja) ループ型ヒートパイプ
US20180106553A1 (en) Thermal module charging method
KR101147328B1 (ko) 강제순환형 극저온 열사이펀
JPH0749155B2 (ja) 温風による半田溶解装置
CN113441804B (zh) 气相式加热方法及气相式加热装置
JP2020076540A (ja) 気相式加熱方法及び気相式加熱装置
CN204657686U (zh) 汽相焊接装置
JPS62148082A (ja) ベ−パ−リフロ−式はんだ付け装置
WO2010079599A1 (ja) 流体搬送装置
TWI647986B (zh) 剝離電子元件的方法
JP2020189320A (ja) 気相式加熱装置
JPH0763840B2 (ja) 気相式はんだ付け装置
JPH04127960A (ja) ベーパーリフロ装置
JPS62155904A (ja) 気相式はんだ付け装置における熱媒体蒸気冷却方法
KR101436859B1 (ko) 열선 열처리 장치
JPS63264268A (ja) 気相式はんだ付け装置におけるワ−ク急冷装置
JPS62238069A (ja) 気相式はんだ付け装置
JPS6221463A (ja) 気相式はんだ付け装置
JP2000091186A (ja) 基板処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7445892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151