JP2021192883A - スクリュー補強材 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリュー固定において、スクリュー孔に人工骨等の補強材を挿入する際、スクリュー刺入孔の直視の困難性や、スクリュー孔に配置されたガイドワイヤーによる人工骨等の補強材の挿入阻害に係わらず、スクリュー孔へのスクリューの補強材の挿入を容易とし、低侵襲な経皮的スクリュー固定に対して経皮的な手技での補強を可能とするスクリューの補強材の挿入装置に適したスクリュー補強材を提供する。【解決手段】スクリューの補強材の挿入装置に適用する塊状の補強材であって、前記補強材は、径方向に直交する方向に切り欠き部を備える柱状又はタブレット状であることを特徴とするスクリュー補強材。【選択図】図7

Description

本発明は、脊椎固定術等において、スクリューの固定を補強するために、スクリュー刺入孔からスクリュー孔内に人工骨等の補強材を挿入する装置に用いるスクリュー補強材に関する。
脊椎固定術において、スクリューによる脊椎の固定が標準的な手術手技として知られている。従来の脊椎固定術におけるスクリュー固定では、手術創を大きく展開して脊椎を広く露出するため、術者が骨形態を直視下に確認しながら、フック、ワイヤー、人工骨等を用いて様々な方法でスクリュー固定の補強が可能である。しかしながら、従来のスクリュー固定は手術侵襲性が高いため、脊椎周囲の筋や靱帯等の組織侵害が大きく、術中の出血量の増加や術後の創痛の増悪をもたらす。
スクリュー固定では、骨粗鬆症等の原因による骨脆弱性があると、スクリューの強固な固定性の獲得と維持が難しいという課題がある。そのため、従来のスクリュー固定においては、固定を補強するために様々な手技が行われている。例えば、従来のスクリュー固定の人工骨を用いた補強法として、棒状のハイドロキシアパタイトをスクリュー孔に挿入する方法が知られている。
また、従来からハイドロキシアパタイト等の人工骨を用いて、粉末や顆粒状等様々な形状の人工骨を骨欠損部分に補填する方法は多くの分野の手術において行われている。その際に用いる幾つかの人工骨顆粒補填治具も知られている。(特許文献1,2参照)
一方、近年の低侵襲な脊椎固定術の要求から、MISt(Minimally Invasive spine Stabilization(最小侵襲脊椎安定術))が、脊椎不安定性や脊椎変形によるインバランスの病態に対して、低侵襲に固定、制動することによって脊椎の安定性を図る手技として普及するようになった。それに伴って、従来のスクリューと比べて患者への負担が少ない低侵襲で経皮的な刺入が可能な経皮的スクリューによる固定が普及している。
特開2015−16276 特開2014−195632
脊椎固定術、四肢やその他の部位の手術の骨組織へのスクリュー固定では、手術創を展開して骨表面を露出させ、直視下で骨組織にスクリューを挿入する手法の他、手術創を展開することなく骨組織に形成したスクリュー孔に経皮的スクリューを挿入する手法が知られているが、何れの手法においても強固なスクリュー固定性が求められる。
人工骨を用いたスクリュー固定の補強を行う際は、骨表面を露出させたスクリュー孔へのスクリュー固定、及び経皮的に作製したスクリュー孔へのスクリュー固定のいずれのスクリュー固定においても、固定性を高める補強が求められる。しかし、人工骨をスクリュー孔に挿入する際に困難性を伴うため、強固なスクリュー固定性の獲得に課題がある。
(a) 例えば、手術創を展開した骨表面のスクリュー孔において、人工骨を用いてスクリュー固定を補強する場合には、スクリュー孔内に、棒状のハイドロキシアパタイト等の人工骨を挿入した後、スクリューを刺入する。
しかし、スクリュー刺入のための案内部材としてガイドワイヤーや鋼線等がスクリュー孔に挿入されている場合は、これらの案内部材が障害となり、スクリュー孔への人工骨の挿入は困難なものとなる。そのため、ガイドワイヤー等の案内部材がスクリュー孔に挿入されている場合でも、スクリュー孔内へ人工骨を容易に挿入し、強固なスクリュー固定性の獲得と維持が求められる。
(b) また、骨表面を露出させないスクリュー孔への経皮的スクリュー固定においても、スクリュー固定の補強には困難性を伴い、強固な固定性の獲得に課題がある。例えば、骨粗鬆症脊椎に対する経皮的椎弓根スクリュー(PPS:percutaneous pedicle screw)を用いたMIStでは、手術創が小さく脊椎を露出しないため、術者が骨形態を直視下に確認しながらフック、ワイヤー等を用いた従来のスクリュー固定の補強ができない。
さらに、従来の棒状のハイドロキシアパタイトをスクリュー孔に挿入する補強の方法を適用することも難しい。経皮的スクリューの刺入時には、手術創が小さいため骨表面のスクリュー刺入孔を直視下に確認することが困難で、さらに、スクリュー孔に挿入されているガイドワイヤーが障害となって、棒状の人工骨をスクリュー孔に挿入することができない。そのため、従来から行われている棒状の人工骨を用いたスクリュー固定の補強を、そのまま経皮的スクリュー固定に適用することはできない。
このような状況から、骨粗鬆症脊椎に対するPPSを用いたMIStにおいても、人工骨のスクリュー孔への挿入は困難であり、スクリュー孔内へ人工骨を容易に挿入し、強固なスクリュー固定性の獲得と維持が求められる。
特許文献には顆粒状の人工骨を用いることが記載されている。しかし、顆粒状の人工骨においても、棒状の人工骨と同様に、経皮的の有無に係わらず、スクリュー孔に挿入されたガイドワイヤーによる障害のため、スクリュー孔の内部への挿入には困難性を有することになる。これまで、ガイドワイヤーや鋼線等を案内にしたスクリュー固定において、人工骨のスクリュー孔への挿入を容易として固定性を有効に補強する方法は知られておらず、またスクリューの補強に適用可能な装置についても知られていない。
さらに、経皮的スクリューでは、スクリューの刺入時においてはスクリュー刺入孔が直視できないため、人工骨を挿入する適切な位置の確認がより困難である。これまで、経皮的スクリュー固定の固定性を、低侵襲性を損なうことなく、有効に補強する方法は知られておらず、経皮的スクリューの補強に適用可能な装置についても知られていない。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、スクリュー固定において、スクリュー孔への人工骨等のスクリューの補強材の挿入を容易とすることを目的とする。
また、スクリュー刺入孔の直視の困難性や、スクリュー孔に設置されたガイドワイヤーによるスクリューの補強材の挿入阻害に係わらず、スクリュー孔へのスクリューの補強材の挿入を適切な位置へ、容易に行うことを目的とする。
さらに、低侵襲な経皮的スクリュー固定に対して、低侵襲性を損なわずに経皮的な手技で補強を可能にすることを目的とする。
本発明のスクリュー補強材は、スクリューの補強材の挿入装置に適用する塊状の補強材であって、前記補強材は、径方向に直交する方向に切り欠き部を備える柱状又はタブレット状であることを特徴とする。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置は、外筒と内筒と案内部材とを互いに差し入れた状態で組み合わせる構成になっており、それらが相互にスライド可能な機構を備える。案内部材は、スクリューを案内可能である。なお、案内部材としては、ガイドワイヤーの他、鋼線等を用いることができる。案内部材は、少なくとも外筒内に配置される部分から先端まで同径に形成されている。また、補強材としては、人工骨の他、患者本人から採取した自家骨や、患者以外のヒトから採取した同種骨、挿入後に硬化する骨セメント等の材料を用いることができる。
外筒は中空の筒体からなり、この筒体の両端のうち、近位端側には人工骨等の補強材を投入する補強材投入口を備え、遠位端側には補強材を挿出する補強材挿出口を備え、補強材投入口と補強材挿出口とを内部で連通する内腔を備えている。内腔は、内筒をスライド可能としている。
内筒は中空の筒体からなり、この筒体の両端のうち、近位端側と遠位端側の両端の開口部間を内部で連通する内腔を備え、この内腔はガイドワイヤー等の案内部材のスライドを可能としている。内筒の筒体の遠位端側の端部には補強材をスクリュー孔内に押し込むための押圧面を備える。
ここで、遠位端は、補強材をスクリュー孔に挿入する際に術者から遠い側の端部を意味し、スクリュー孔と接する端部である。また、近位端は、同様の際に、術者に近い側の端部を意味し、補強材の投入等の操作を行う端部である。
スクリューの補強材の挿入装置は、案内部材が少なくとも外筒内に配置される部分から先端まで同径であるため、前記補強材は前記外筒の前記補強材投入口から前記内腔、前記補強材挿出口を介して前記遠位端側まで当然に移動可能である。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置は、以下の手順でスクリューを取り付ける。
(a) 予め、案内部材を軟部組織及び骨組織に刺入し、スクリューの刺入部の位置決めをする。
(b) スクリュー刺入点から、骨組織内へスクリュー孔を形成する。
(c) 形成したスクリュー孔へ向けて、案内部材に沿って外筒を挿入し、外筒の遠位端をスクリュー刺入点へ設置し、位置決めする。
(d) 外筒の近位端の補強材投入口から補強材を外筒の内腔に導入し、補強材挿出口からスクリュー孔に向けて挿入する。
(e) 外筒の近位端の補強材投入口から、案内部材に沿って内筒の遠位端を挿入し、内筒を外筒の内腔内で、スクリュー孔へ向けてスライドさせる。
(f) 内筒の遠位端の押圧面を、外筒内に挿入した補強材に当接させ、スクリュー孔内へ押圧する。
(g) 内筒を、案内部材に沿って外筒の内腔内でスライドさせて取り出す。さらに案内部材に沿って外筒も取り出す。
(h) 案内部材に沿ってスクリューを挿入する。
(i) スクリューをドライバでスクリュー孔へねじ込む。
(j) 案内部材を引き抜く。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置において、外筒はスクリュー孔への補強材の導入を容易にし、さらに、内筒の押圧面はスクリュー孔へ向けて導入された外筒内の補強材を押圧して、スクリュー孔内に補強材をより効率的に挿入する。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置は、上記の基本構成に基づく第1の形態〜第3の形態を備える。
(第1の形態)
第1の形態において、外筒は筒体の近位端側に漏斗状部を備え、内筒は筒体の近位端側に膨出部を備える。
漏斗状部は補強材投入口を構成し、外筒の内腔へ補強材を円滑に導入する。膨出部の段部は漏斗状部の内面と当接することによって、内筒が所定の深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
(第2の形態)
第2の形態において、内筒は筒体の近位端側に膨出部を備え、膨出部の段部は筒体の近位端側の端部と当接するストッパを構成する。外筒の内腔において、塊状の補強材が備える溝部又は連通部を案内部材が貫通することによって、補強材を案内部材に沿って外筒内の軸方向にスライド可能とする。
第2の形態において、外筒の近位端側にある開口部は、第1の形態が備える漏斗状部を介することなく、補強材を外筒の内腔へ直接挿入する補強材投入口を構成する。
内筒の近位端は膨出部を備える。膨出部の段部は、外筒の近位端部と当接して、内筒が所定の深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
第1の構成例及び第2の構成例では、補強材として、外筒の内腔内に挿入可能なものであれば、特に形状に制限なく使用可能である。例えば、顆粒状、粉末状やタブレット状、柱状等の様々な形状の補強材を使用することが可能である。
補強材を外筒の内腔に挿入する際、案内部材に障害されない形状の補強材であれば、どのような形状の補強材でも適用が可能である。具体的には、補強材の形状は顆粒状や粉末状に限らず、中空部を備えるリング状や竹輪状、一部に切り欠き部を備えるC字状や軸方向に溝を備える柱状等、案内部材に障害されない形状に成形された塊状の補強材も適用可能である。特に第2の形態は、塊状の補強材がより適している。
例えば、軸方向に溝を備える柱状の補強材を用いる場合、案内部材が溝を案内するように補強材を配置することで、外筒の内腔において、この補強材が案内部材に沿ってスライド可能となる。
(第3の形態)
第3の形態において、外筒は、筒体の近位端側の側面に内腔に連通する分岐部を備え、内筒は、筒体の近位端側に膨出部を備える。
分岐部は、補強材投入口及び保持部を構成し、補強材を保持部に一次的に保持した後、外筒の内腔へ補強材を円滑に導入する。分岐部と外筒の側面に形成された内腔とが合流する補強材導入口は、外筒の内腔に挿入された内筒によって開閉自在である。この補強材導入口の開閉は、外筒の内腔における内筒のスライド移動によって行うことができる。
内筒が外筒の内腔に挿入され、内筒の外側面が補強材導入口を閉じることによって、補強材投入口へ投入された補強材を分岐部内に保持する。内筒を外筒の内腔から引き抜く方向にスライド移動させて、補強材導入口を開けることによって、分岐部の保持部内に保持されていた補強材を外筒の内腔に導入する。
内筒の膨出部が備える段部は、外筒の近位端部と当接する位置において、内筒の筒体の側面が分岐部の補強材導入口を閉じて、分岐部の保持部内に補強材を保持すると共に、内筒が所定の深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
第3の形態では、外筒内の案内部材に障害されずに、分岐部を介して外筒内に導入可能な補強材の形状であれば、様々な形状の補強材が使用可能である。特に、分岐部を介して補強材を導入する構成上、補強材は顆粒状あるいは粉末状がより適当である。
以上説明したように、本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置を用いることによって、
(1)スクリュー固定において、スクリュー孔に補強材を容易に挿入することができる。
(2)スクリュー刺入孔の直視の困難性や、スクリュー孔に配置された案内部材による補強材の挿入阻害に係わらず、スクリュー孔への補強材の挿入を確実に且つ容易に行うことができる。
(3)骨脆弱性のために十分なスクリューの固定性を得られない場合において、強固な固定性の獲得と維持が可能となる。
(4)低侵襲な経皮的スクリュー固定に対して、低侵襲性を損なわずに経皮的に補強が可能となる。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第1の構成例を説明するための断面図である。 本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第1の構成例の動作例を説明するための断面図である。 本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第2の構成例を説明するための断面図である。 本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第2の構成例の動作例を説明するための断面図である。 本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第3の構成例を説明するための断面図である。 本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第3の構成例の動作例を説明するための断面図である。 本発明のスクリュー補強材の例を説明するための図である。 本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置によるスクリューの引き抜き強度を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。以下、図1,図2を用いて本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第1の構成例の概略構成及び動作例を説明し、図3,図4を用いて本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第2の構成例の概略構成及び動作例を説明し、図5,図6を用いて本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第3の構成例の概略構成及び動作例を説明する。なお、以下の各構成例では、補強材として人工骨を例として説明するが、補強材は、人工骨に限らず、患者本人から採取した自家骨、患者以外のヒトから採取した同種骨、挿入後に硬化する骨セメント等の材料を用いることができる。また、以下の各構成例では、経皮的スクリューを例として説明するが、経皮的スクリューに限らず通常のスクリューについても同様とすることができる。
なお、以下の各構成例の説明では、補強材投入口、補強材挿出口、補強材導入口は、それぞれ人工骨投入口、人工骨挿出口、人工骨導入口で示し、案内部材としてガイドワイヤーを用いる例を示している。
(スクリューの補強材の挿入装置の第1の構成例)
図1は本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第1の構成例の概略を説明する図であり、図2は動作例を説明する図であり、何れも断面を示している。
なお、第1の構成例及び後述する第2の構成例では、補強材として用いる人工骨として、外筒の内腔内に挿入可能なものであれば、特に形状や状態に制限なく使用可能である。例えば、顆粒状、粉末状、ペースト状、液状等の人工骨を使用することが可能である。
図1は第1の構成例の概略である。また、図1(a)は外筒を示し、図1(b)は内筒を示し、図1(c)はガイドワイヤーを示している。図1(d),図1(e)は、外筒と、内筒と、ガイドワイヤーとを互いに差し入れた状態を示し、図1(e)は人工骨を挿入した状態を示している。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置1Aは、外筒10と内筒20とガイドワイヤー30とを互いに差し入れた状態でスライド可能に備える。
図1(a),(b)において、外筒10は、筒体11を備える。筒体11の近位端側の開口部13には人工骨40を投入する人工骨投入口15を備え、遠位端側には人工骨40を挿出する人工骨挿出口16を備える。人工骨投入口15と人工骨挿出口16とは内腔12によって連通され、内筒20をスライド可能としている。
内筒20は、筒体21を備える。内筒20の筒体21は、遠位端側の端部に押圧面27と、内筒20の筒体21の両端の近位開口部23と遠位開口部24の開口部間を内部で連通し、ガイドワイヤー30をスライド可能とする内腔22とを備える。
外筒10は、筒体11の近位端側に首部17と漏斗状部14を備え、漏斗状部14は人工骨投入口15を構成する。開口部13の口径が大きい側から人工骨40を投入し、漏斗状部14から外筒10の内腔12内へ人工骨40を導入する。人工骨挿出口16は、外筒10の筒体11の内腔12内に導入された人工骨40をスクリュー孔105側(図1(e))に挿出する。
内筒20は、筒体21の近位端側に膨出部25を備え、膨出部25の段部26は、漏斗状部14の内面と当接して、内筒20が所定深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
なお、遠位端は、人工骨40をスクリュー孔に挿入する際に術者から遠い側の端部を意味し、スクリュー孔と接する端部である。また、近位端は、同様に人工骨40をスクリュー孔に挿入する際において、術者に近い側の端部を意味し、人工骨40の投入等の操作を行う端部である。
図1(b)において、内筒20は遠位端に人工骨40を押し込む押圧面27を備える。また、内筒20の両端の近位開口部23及び遠位開口部24の両開口部間を内部で連通する内腔22を備え、内部でガイドワイヤー30(図1(c))をスライド可能とする。
内筒20は近位端に膨出部25を備える。内筒20と膨出部25を連結する段部26は、漏斗状部14の内面と当接して、内筒20が所定の深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
図1(d),(e)において、内筒20が押し下げられ遠位方向へ移動すると、押圧面27はスクリュー孔105に挿出された人工骨40を押圧し、スクリュー孔105内に人工骨40を効率的に挿入する。また、押圧面27を人工骨40に当接させた状態で、内筒20の近位開口部上面を、ハンマー等(図示していない)で複数回軽く叩くことにより、人工骨40に振動を付加しつつ圧力を加え、スクリュー孔105内の深部にまで、人工骨40を効率的に挿入することが可能となる。
なお、図1(e)において、外筒10の筒体11は軟部組織101を貫通した後、骨組織102にわずかに当たる位置に挿入され、内筒20の筒体21の遠位端の端部は、外筒の筒体11の遠位端の端部と同一位置から数mm程度だけ遠位方向に突出した状態となる。この突出量は、例えば0〜10mmの範囲が良好であり、1〜2mmがより好適である。
また、図1(e)において、軟部組織101において外筒10が刺入する位置を刺入点103とし、骨組織102においてスクリューが刺入する骨表面の孔部をスクリュー刺入孔104とし、骨組織102の内部にスクリューが挿入される孔部をスクリュー孔105としている。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第1の構成例は、図2(a)〜図2(j)に示すように、以下の手順でスクリューの挿入及び補強を行う。
(a) ニードル等(図示していない)を用いて刺入点103にガイドワイヤー30を挿入し、位置決めする。
(b) ガイドワイヤー30にダイレーター(図示していない)を通して軟部組織101を拡張し、オウル等(図示していない)を用いて骨組織102にスクリュー孔105を形成する。
(c) ガイドワイヤー30に沿って外筒10を挿入し、スクリュー孔105に外筒10の遠位端を設置する。
(d) 外筒10の近位端の人工骨投入口15から、人工骨40を外筒10の内腔12に導入し、スクリュー孔105に向けて人工骨40を送り込む。
(e) 外筒10の近位端の人工骨投入口15から、ガイドワイヤー30に沿って内筒20の遠位端を挿入し、内筒20を外筒10の内腔22内でスライドさせる。
(f) 内筒20の遠位端の押圧面27を挿入した人工骨40に当接させ、内筒20を遠位方向へ押し込み、人工骨40をスクリュー孔105内へ押圧する。
(g) 内筒20を、ガイドワイヤー30に沿って外筒10の内腔12内でスライドさせて取り出す。さらに外筒10もガイドワイヤー30に沿って取り出す。なお、内筒20と外筒10を同時に取り出しても良い。
(h) ガイドワイヤー30に沿ってスクリュー50をスクリュー孔105に挿入する。
(i) スクリュー50をドライバ(図示していない)でねじ込む。これによって、スクリュー50が人工骨40と共にスクリュー孔105内に取り付けられる。
(j) ガイドワイヤー30を引き抜く。このとき、スクリュー50は人工骨40と共にスクリュー孔105内に保持される。
(スクリューの補強材の挿入装置の第2の構成例)
図3は本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第2の構成例の概略を説明する図であり、図4は動作例を説明する図である。図3,4は何れも断面を示している。
第2の構成例では、外筒の近位端の人工骨投入口は、前記した第1の構成例の漏斗状部を介することなく、人工骨を外筒の内腔へ直接挿入する構成である。
この構成によれば、第1の構成例と同様に、人工骨として、外筒の内腔内に挿入可能なものであれば、特に形状や状態に制限なく使用可能である。例えば、顆粒状や粉末状の人工骨の他、中空のリング状、竹輪状、C字状、軸方向に溝を備える柱状等、ガイドワイヤーに障害されない形状に成形された塊状の人工骨も使用可能である。ただし、開口部が小径であることから、塊状の人工骨が好適であって、顆粒状や粉末状の人工骨は好適とは云えない。
例えば図3及び図4で示すような、長さ方向(軸方向)に溝部41aを備える柱状人工骨41を用いる場合、ガイドワイヤー30が溝部41aを案内するように柱状人工骨41を配置することで、筒体11の内腔12内において、柱状人工骨41がガイドワイヤー30に沿ってスライド可能となる。
なお、第1の構成例及び第2の構成例は、上記した種々の形状をもった人工骨を同時に複数用いることも可能である。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置1Bは、外筒10と内筒20とガイドワイヤー30とを互いに差し入れた状態でスライド可能に備える。なお、以下では、第1の構成例で用いた構成要素と同等あるいは同様の機能を備えた部材については同じ符号を付与している。
図3(a)は外筒10を示し、図3(b)は内筒20を示し、図3(c)はガイドワイヤーを示している。図3(d),図3(e)は、第2の構成例において、外筒と内筒、ガイドワイヤーを互いに差し入れた状態を示し、図3(e)は人工骨41を挿入した状態を示している。
図3(a),(b)において、外筒10は、筒体11を備える。外筒10の筒体11の近位端側に柱状人工骨41を投入する人工骨投入口15を備え、遠位端側に柱状人工骨41を挿出する人工骨挿出口16を備える。人工骨投入口15と人工骨挿出口16とは内腔12によって連通され、内筒20をスライド可能としている。
図3(a)において、外筒10は近位端に人工骨投入口15を備え、遠位端側に人工骨挿出口16を備え、人工骨投入口15と人工骨挿出口16とを連通する内腔12を備える。人工骨投入口15から内腔12内へ導入された柱状人工骨41は、内腔12を通過した後、人工骨挿出口16からスクリュー孔側(図3(e))に挿出される。また、外筒10の内腔12は内部で内筒20をスライド移動可能とする。
図3(b)において、内筒20は、筒体21を備える。内筒20の筒体21は、遠位端側の端部の押圧面27と、内筒20の筒体21の両端の近位開口部23と遠位開口部24の開口部間を内部で連通し、ガイドワイヤー30をスライド可能とする内腔22とを備える。さらに、内筒20は、筒体21の近位端側に膨出部25を備え、膨出部25の段部26は、外筒10の近位端側の端部のフランジ部分と当接して、内筒20が所定深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
図3(d),(e)において、内筒20が押し下げられ遠位方向へ移動すると、押圧面27は外筒10の内腔12からスクリュー孔105に向けて柱状人工骨41を押圧し、さらに、スクリュー孔105に挿出された柱状人工骨41を押圧し、スクリュー孔105内に柱状人工骨41を効率的に挿入する。また、押圧面27を柱状人工骨41に当接させた状態で、内筒20の近位開口部上面を、ハンマー等(図示していない)で複数回軽く叩くことにより、柱状人工骨41に振動を付加しつつ圧力を加え、スクリュー孔105内の深部にまで、柱状人工骨41を効率的に挿入することが可能となる。
なお、図3(e)において、第1の構成例と同様に、外筒10の筒体11は軟部組織101を貫通した後、骨組織102にわずかに当たる位置に挿入され、内筒20の筒体21の遠位端の端部は、外筒10の筒体11の遠位端の端部と同一位置から数mm程度だけ遠位方向に突出した状態となる。この突出量は、例えば0〜10mmの範囲が良好であり、1〜2mmがより好適である。また、図3(e)において、軟部組織101において外筒10が刺入する位置を刺入点103とし、骨組織102においてスクリューが刺入する骨表面の孔部をスクリュー刺入孔104とし、骨組織102の内部にスクリューが挿入される孔部をスクリュー孔105としている。
図3(e)で示すように、長さ方向(軸方向)に溝部41aを備える柱状人工骨41を用いる場合、ガイドワイヤー30が溝部41aを案内するように柱状人工骨41を配置することで、外筒10の筒体11の内腔12において、柱状人工骨41はガイドワイヤー30に沿ってスライド可能となる。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第2の構成例は、図4(a)〜図4(j)に示すように、以下の手順でスクリューの挿入及び補強を行う。
(a) ニードル等(図示していない)を用いて刺入点103にガイドワイヤー30を挿入し、位置決めする。
(b) ガイドワイヤー30にダイレーター(図示していない)を通して軟部組織101を拡張し、オウル等(図示していない)を用いて骨組織102にスクリュー孔105を形成する。
(c) ガイドワイヤー30に沿って外筒10を挿入し、スクリュー孔105に外筒10の遠位端を設置する。
(d) 外筒10の近位端の人工骨投入口15から、人工骨(柱状人工骨41)を外筒10の内腔12に導入し、人工骨(柱状人工骨41)を、溝部41aをガイドワイヤー30に案内させることでスライド移動させ、スクリュー刺入孔104及びスクリュー孔105に挿入する。
(e) 外筒10の近位端の人工骨投入口15から、ガイドワイヤー30に沿って内筒20の遠位端の遠位開口部24を挿入し、内筒20を外筒10の内腔12内でスライドさせる。
(f) 内筒20の遠位端の押圧面27を、内腔12内に挿入した人工骨(柱状人工骨41)に当接させ、さらに、内筒20を遠位方向へ押し込み、人工骨(柱状人工骨41)をスクリュー孔105内へ押圧する。その際、人工骨(柱状人工骨41)の形状によっては、押圧されることによって人工骨(柱状人工骨41)が破砕される場合もあるが、柱状人工骨はスクリューが挿入された際に破砕されるため、押圧面27によって破砕されたとしても支障はない。
(g) 内筒20をガイドワイヤー30に沿って外筒10の内腔12内でスライドさせて取り出す。さらに外筒10もガイドワイヤー30に沿って取り出す。なお、内筒20と外筒10を同時に取り出しても良い。
(h) ガイドワイヤー30に沿ってスクリュー50をスクリュー孔105に挿入する。
(i) スクリュー50をドライバ(図示していない)でねじ込む。これによって、スクリュー50が人工骨(柱状人工骨41)と共にスクリュー孔105内に取り付けられる。
(j) ガイドワイヤー30を引き抜く。このとき、スクリュー50は人工骨(柱状人工骨41)と共にスクリュー孔105内に保持される。
(スクリューの補強材の挿入装置の第3の構成例)
図5は本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第3の構成例を説明する図であり、図6は動作例を説明する図である。図5,6は何れも断面を示している。
第3の構成例は、顆粒状、粉末状、ペースト状及び液状の人工骨に好適な構成であり、例えば図5及び図6で示すような、外筒の分岐部を介して外筒の内腔内に顆粒状あるいは粉末状等の人工骨を導入する。なお、ここで、顆粒状の人工骨は、分岐部に設けた人工骨投入口や人工骨導入口を通過することができる程度の大きさを持つものであればよい。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置1Cは、第1,2の構成例と同様に、外筒10と内筒20とガイドワイヤー30とを互いに差し入れた状態にスライド可能に備える。なお、以下では、第1,2の構成例で用いた構成要素と同等あるいは同様の機能を備えた部材については同じ符号を付与している。
外筒10は、筒体11の近位端側の側面に内腔12に連通する分岐部18を備え、内筒20は、筒体21の近位端側に膨出部25を備える。分岐部18は、人工骨40を投入する人工骨投入口15、投入した人工骨40を一時的に保持する保持部18a、及び保持部18aに保持する人工骨40を外筒10の筒体11の内腔12内に導入する人工骨導入口18bを備える。
内筒20の膨出部25の段部26は、外筒10の筒体11の近位端側の端部と当接して内筒20が所定深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
図5(a)は外筒10を示し、図5(b)は内筒20を示し、図5(c)はガイドワイヤー30を示している。図5(d),図5(e)は、第3の構成例において、外筒10と内筒20と、ガイドワイヤー30を互いに差し入れた状態を示し、図5(e)は人工骨40を挿入した状態を示している。
図5(a)において、外筒10は筒体11の側面に分岐部18を備える。分岐部18は、人工骨40を投入する人工骨投入口15、投入した人工骨40を一時的に保持する保持部18a、及び保持部18aに保持する人工骨40を筒体11の内腔12内に円滑に導入する人工骨導入口18bを備える。人工骨導入口18bは、保持部18aと内腔12とを空間的に合流させて連通させる。人工骨導入口18bの開閉は、筒体11の内腔12内において、内筒20の筒体21をスライド移動させることで行うことができる。
図5(b),(d)において、内筒20の近位端は膨出部25を備える。膨出部25の段部26は、外筒10の近位端部と当接する位置において、分岐部18の人工骨導入口18bを閉じて、人工骨40を保持部18a内に保持すると共に、内筒20が所定の深さ以上に挿入されることを抑制するストッパを構成する。
内筒20が外筒10の内腔12内に挿入され、内筒20の外側面が人工骨導入口18bを閉じることによって、人工骨投入口15から投入された人工骨40を保持部18a内に保持する。内筒20を外筒10の内腔12から引く抜く方向にスライド移動させると、人工骨導入口18bは開口され、分岐部18の保持部18a内に保持されていた人工骨40を、人工骨導入口18bを通して筒体11の内腔12内に導入する。
図5(e)において、押圧面27は、外筒10の内腔12からスクリュー孔105へ人工骨40を押圧して、スクリュー孔105内に人工骨40を効率的に挿入する。その際、内筒20を遠位方向へ移動させることで、人工骨40をスクリュー孔105内へ押し込むことができる。また、押圧面27を人工骨40に当接させた状態で、内筒20の近位開口部23の上面を、ハンマー等(図示していない)で複数回軽く叩くことにより、人工骨40に振動を付加しつつ圧力を加え、スクリュー孔105内の深部にまで、人工骨40を効率的に挿入することが可能となる。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置の第3の構成例は、図6(a)〜図6(j)に示すように、以下の手順でスクリューの挿入及び補強を行う。
(a) ニードル等(図示していない)を用いて刺入点103にガイドワイヤー30を挿入し、位置決めする。
(b) ガイドワイヤー30にダイレーター(図示していない)を通して軟部組織101を拡張し、オウル等(図示していない)を用いて骨組織102にスクリュー孔105を形成する。
(c) ガイドワイヤー30に沿って外筒10を挿入し、スクリュー孔105に外筒10の遠位端を設置する。外筒10の側面にある人工骨導入口18bを、挿入した内筒20によって閉じた状態にした後、分岐部18の人工骨投入口15から人工骨40を投入し、分岐部18の保持部18a内に人工骨40を保持する。
(d) 内筒20を近位方向にスライド移動させることによって、人工骨導入口18bを開き、人工骨40を外筒10の内腔12に導入し、スクリュー孔105へ向けて人工骨40を送り込む。
(e) ガイドワイヤー30に沿って内筒20を外筒10の内腔12内でスライドさせる。
(f) 内筒20の遠位端の押圧面27を人工骨40に当接させ、内筒20を遠位方向へ押し込み、人工骨40をスクリュー孔105内へ押圧する。
(g) 内筒20の筒体21を、ガイドワイヤー30に沿って外筒10の筒体11の内腔12内でスライドさせて取り出す。さらに外筒10もガイドワイヤー30に沿って取り出す。なお、内筒20と外筒10を同時に取り出しても良い。
(h) ガイドワイヤー30に沿ってスクリュー50(図示していない)を挿入する。
(i) スクリュー50(図示していない)をドライバ(図示していない)でねじ込む。これによって、スクリュー50が人工骨40と共にスクリュー孔105内に取り付けられる。
(j) ガイドワイヤー30を引き抜く。このとき、スクリュー50は人工骨40共にスクリュー孔105内に保持される。
(補強材の形状例)
図7を用いて、本発明のスクリュー補強材の形状例について説明する。なお、図7に示す補強材の形状例は、上記した第1の構成例及び第2の構成例のスクリューの補強材の挿入装置に好適に適用することができる。何れの補強材の形状例も、ガイドワイヤーを案内としてスライドするために、溝、切り込み部又は開口等を備えている。前述のごとく、補強材は図7に示した形状以外にも、顆粒状や粉末状のものや、挿入後に硬化するペースト状あるいは液状のものも適用可能である。補強材は、人工骨に限らず、自家骨、同種骨、骨セメント等の材料を用いることができるが、以下に示す例では人工骨を用いて説明する。
(第1,2の例)
図7(a)〜(d)は第1,2の例(柱状人工骨41、42)を示し、図7(b),(d)はガイドワイヤー30を通した状態を示している。
柱状人工骨41、42は、一部に切り欠きを有する略C字状の断面形状を備えた略円柱状体あるいは略四角柱状体であり、切り欠き部分はガイドワイヤー30を通す溝部41a,42bを構成している。溝部41a,42bに沿ってガイドワイヤー30を通すことによって、柱状人工骨41、42はガイドワイヤー30を案内としてスライドさせることができる。
(第3の例)
図7(e),(f)は第3の例(人工骨43)を示し、図7(f)はガイドワイヤー30を通した状態を示している。
人工骨43は、中心部の孔43aを有する環状の断面形状を備えた竹輪状の円柱状体であり、中心部の孔43aにはガイドワイヤー30が通される。中心部の孔43aにガイドワイヤー30を通すことによって、人工骨43はガイドワイヤー30を案内としてスライドさせることができる。
第3の例において、断面形状が環状の円柱状体に代えて、断面形状を中位部に孔を備えたロの字状とする四角柱状体としても良い。
(第4の例)
図7(g),(h)は第4の例(人工骨44)を示し、図7(h)はガイドワイヤー30を通した状態を示している。
人工骨44は、中心部分の孔44aを有する環状の断面形状を備えたタブレット状体であり、中心部の孔44aにはガイドワイヤー30が通される。複数のタブレット状体の人工骨44を重ね、各人工骨44の中心部の孔44aにガイドワイヤー30を通すことによって、人工骨44はガイドワイヤー30を案内としてスライドさせることができる。
(第5の例)
図7(i),(j)は第5の例(人工骨45)を示し、図7(j)はガイドワイヤー30を通した状態を示している。
人工骨45は、一部に切り欠きを有する略C字状の断面形状を備えたタブレット状体であり、切り欠き部分はガイドワイヤー30を通す溝部45aを構成している。複数のタブレット状体の人工骨45を重ね、各人工骨45の溝部45aにガイドワイヤー30を通すことによって、人工骨45はガイドワイヤー30を案内としてスライドさせることができる。
(第6の例)
図7(k),(l)は第6の例(人工骨46)を示し、図7(l)はガイドワイヤー30を通した状態を示している。
人工骨46は、2つの部材46a,46bから成り、一方の部材46aの一部には、ガイドワイヤーを通す切り欠きを有し、この切り欠き部分が溝部46cを構成している。溝部46cにガイドワイヤー30を通すことによって、人工骨46はガイドワイヤー30を案内としてスライドさせることができる。
(第7の例)
図7(m),(n)は第7の例(人工骨47)を示し、図7(n)はガイドワイヤー30を通した状態を示している。
人工骨47は螺旋状の形状であり、中心部はガイドワイヤーを通す通路を構成している。螺旋形状の中心部にガイドワイヤー30を通すことによって、人工骨47はガイドワイヤー30を案内としてスライドさせることができる。
(スクリューの引き抜き強度)
図8を用いて、本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置によるスクリューの引き抜き強度を説明する。なお、以下では、経皮的スクリュー(PPS)の例について示している。
図8(a)は、経皮的スクリュー(PPS)の最大引き抜き強度について、本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置及び人工骨である顆粒状のハイドロキシアパタイト(HA)を用いた補強の有無での比較を示している。
図8(b)は、スクリューの引き抜き試験において、スクリューが引き抜かれる方向へ偏位(0.5 mm, 1 mm,2 mm,3 mm,5 mm,10mm)した場合、各々の位置での経皮的スクリュー(PPS)の引き抜き強度について、本発明を用いた補強の有無での比較を示している。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置を用いた経皮的スクリューの固定は、従来の固定と比較して最大引き抜き強度において約20%の向上が認められる。
また、引き抜き方向へスクリューが偏位した場合であっても、本発明を用いた経皮的スクリュー固定の補強によって、従来の固定と比較して引き抜き強度の向上が認められる。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置は、低侵襲の手技で経皮的スクリュー固定の効果的な補強を可能にする。その結果として、骨脆弱性のある脊椎患者に対する経皮的スクリューを用いた低侵襲手術の適用拡大が期待される。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置において、使用する人工骨はハイドロキシアパタイトに限らず、β−TCP(β-リン酸三カルシウム)等の様々な人工骨やそれらに準じた材料についても適用が期待される。さらに、挿入時に特定の形態をもたないペースト状あるいは液状で、挿入後に硬化する人工骨や骨セメント等の材料についても適応が期待される。
また、人工骨のみならず、従来から様々な手術で骨移植に用いられている患者本人から採取した自家骨や、患者以外のヒトから採取した同種骨を補強材料として用いることも可能である。
本発明の前提となるスクリューの補強材の挿入装置は、脊椎固定術の他、四肢や他の部位の手術のスクリュー固定に使用する装置への適用が期待される。
また、経皮的スクリュー固定の手術に限らず、手術創を展開して骨表面を露出して行う経皮的ではない手術においても、ガイドワイヤー等の鋼線を用いたスクリューの刺入に際して、本発明を適応することが可能である。
1,1A,1B,1C スクリューの補強材の挿入装置
10 外筒
11 筒体
12 内腔
13 開口部
14 漏斗状部
15 人工骨投入口
16 人工骨挿出口
17 首部
18 分岐部
18a 保持部
18b 人工骨導入口
20 内筒
21 筒体
22 内腔
23 近位開口部
24 遠位開口部
25 膨出部
26 段部
27 押圧面
30 ガイドワイヤー
40 人工骨
41、42 柱状人工骨
41a,41b 溝部
43 人工骨
43a 孔
44 人工骨
44a 孔
45 人工骨
45a 溝部
46 人工骨
46a,46b 部材
46c 溝部
47 人工骨
50 スクリュー
101 軟部組織
102 骨組織
103 刺入点
104 スクリュー刺入孔
105 スクリュー孔

Claims (4)

  1. スクリューの補強材の挿入装置に適用する塊状の補強材であって、
    前記補強材は、径方向に直交する方向に切り欠き部を備える柱状又はタブレット状であることを特徴とするスクリュー補強材。
  2. 前記補強材の外径は、挿入装置の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のスクリュー補強材。
  3. 前記切り欠き部は、ガイドワイヤーを通すことによって、該ガイドワイヤーを案内として前記補強材をスライドさせることができるようにするための溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリュー補強材。
  4. スクリューを案内可能な案内部材と内筒と外筒とが互いに差し入れた状態で各々が相互にスライド可能であり、
    前記外筒は、筒体と、当該外筒の筒体の近位端側に補強材を投入する補強材投入口と、遠位端側に補強材を挿出する補強材挿出口と、前記補強材投入口と前記補強材挿出口とを内部で連通し前記内筒をスライド可能とする内腔とを備え、
    前記内筒は、筒体と、当該内筒の筒体の遠位端側の端部の補強材を押し込むための押圧面と、当該内筒の筒体の両端の開口部間を内部で連通し、前記案内部材をスライド可能とする内腔とを備え、
    前記案内部材は、少なくとも前記外筒内に配置される部分から先端まで同径のガイドワイヤー又は鋼線であることを特徴とする、スクリューの補強材の挿入装置に適用する塊状の補強材であって、
    前記補強材は、切り欠き部又は中空部を備えるタブレット状又は柱状であることを特徴とするスクリュー補強材。
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