JP2021191955A - 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備 - Google Patents

蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2021191955A
JP2021191955A JP2021128709A JP2021128709A JP2021191955A JP 2021191955 A JP2021191955 A JP 2021191955A JP 2021128709 A JP2021128709 A JP 2021128709A JP 2021128709 A JP2021128709 A JP 2021128709A JP 2021191955 A JP2021191955 A JP 2021191955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
power generation
heat
generation facility
reservoir
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021128709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7408601B2 (ja
Inventor
ロベルト ヨーゼフ
Joseph Robert
ラルス ツェルナー
Zoellner Lars
クラウス クノップ
Knop Klaus
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Carbon Clean Technologies GmbH
Carbon Clean Tech AG
Original Assignee
Carbon Clean Technologies GmbH
Carbon Clean Tech AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Carbon Clean Technologies GmbH, Carbon Clean Tech AG filed Critical Carbon Clean Technologies GmbH
Publication of JP2021191955A publication Critical patent/JP2021191955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7408601B2 publication Critical patent/JP7408601B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01KSTEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
    • F01K13/00General layout or general methods of operation of complete plants
    • F01K13/02Controlling, e.g. stopping or starting
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01KSTEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
    • F01K3/00Plants characterised by the use of steam or heat accumulators, or intermediate steam heaters, therein
    • F01K3/06Plants characterised by the use of steam or heat accumulators, or intermediate steam heaters, therein the engine being of extraction or non-condensing type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01KSTEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
    • F01K7/00Steam engine plants characterised by the use of specific types of engine; Plants or engines characterised by their use of special steam systems, cycles or processes; Control means specially adapted for such systems, cycles or processes; Use of withdrawn or exhaust steam for feed-water heating
    • F01K7/34Steam engine plants characterised by the use of specific types of engine; Plants or engines characterised by their use of special steam systems, cycles or processes; Control means specially adapted for such systems, cycles or processes; Use of withdrawn or exhaust steam for feed-water heating the engines being of extraction or non-condensing type; Use of steam for feed-water heating
    • F01K7/44Use of steam for feed-water heating and another purpose
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J3/00Circuit arrangements for ac mains or ac distribution networks
    • H02J3/28Arrangements for balancing of the load in a network by storage of energy

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Control Of Turbines (AREA)

Abstract

【課題】蒸気タービン発電設備(1)の出力を迅速かつ柔軟に適合するための、好ましくは変化した電力網負荷に出力を適合するための、さらに好ましくは需要に応じて正および/または負の電力網調整力を調達するための、特に好ましくは一次および/または二次調整力を調達するための方法を提供すること。【解決手段】少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器(6)の放熱時に解放される熱を、発電設備(1)の給水予熱区間(3)に熱結合する。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気タービン発電設備の出力を迅速かつ柔軟に適合するための、好ましくは変化した電力網負荷に出力を適合するための、さらに好ましくは需要に応じて電力網調整力を調達するための、特に好ましくは一次および/または二次調整力を調達するための方法に関する。それだけでなく本発明は、少なくとも1つの蒸気タービンと、発電プロセスに必要なさらなる設備コンポーネント、例えば給水予熱器、蒸化器、蒸気過熱器、ポンプ、および復水器ならびに給水容器とを備えた蒸気タービン発電設備に関する。特に好ましくは、本発明は粉炭燃焼方式で出力クラスが50MWel.超、特に好ましくは100MWel.超、例えば400MWel.超の発電所に関する。
電力市場の規制緩和に基づき、電力網に接続される発電所の柔軟な負荷運転が重要性を増している。これに加えて、例えば風力エネルギーのような再生エネルギーが拡充しており、これが、様々な発電所タイプの出力適合能力への要求をより高くしている。電力網への再生エネルギーの供給が増すことで、従来のエネルギー生産設備は、多くの負荷変化を特徴とする負荷レジームをよりいっそう強いられる。電力網負荷が、つまり給電網内の全電力消費量が予想外に増加すると、つまりすべての発電所のその時に供給する出力を上回ると、これにより発電機に少しブレーキがかかり、したがって配電網周波数が低下する。同じことが、例えば発電所の故障により供給が予想外に減少する場合に起こる。逆に、供給が予想より高い場合または負荷がより低い場合は、配電網周波数が上昇する。配電網周波数を十分に安定に保つには積極的な調整が必要であり、それも特定の時間スケールに応じた様々な寄与による積極的な調整が必要である。この調整のために調整エネルギーが必要とされ、詳しくは、配電網周波数が低すぎる場合には電力網への追加的な供給または電力網負荷の低減が必要とされ、これはそれぞれ「正の調整力」または「正の調整エネルギー」と呼ばれる。配電網周波数が高すぎる場合には、供給を減らすかまたは電力網負荷を増やさなければならず、これは「負の調整力」または「負の調整エネルギー」と呼ばれる。
電力網内の周波数調整に関しては、なかでも一次調整と二次調整が区別される。一次調整は通常、少なくとも0.02Hzの周波数偏移が生じると介入しなければならない。この場合は30秒以内で、配電網周波数の偏移に比例して出力変更を行われなければならず、この出力変更を必要に応じて15分間維持しなければならない。これに対していわゆる「二次調整」は送電網レベルで行われ、かつ明らかにより遅く反応する。二次調整は、最大で15分以内には開始しなければならない。
周波数偏移は、まずは一次調整により、電力網全体の中の一次調整に関与する発電所に割り振られる。これらの発電所はこのために、関与する発電所から自動的に電力網に放出されるいわゆる一次調整予備力、つまり予備出力を提供する。一次調整は、できるだけ小さい偏移、ただし設定された配電網周波数定格値から偏移しているレベルでのできるだけ小さい偏移の場合の、配電網周波数の安定化に役立つ。これに対し、一次調整に続いて行われる二次調整は、電力網内の発電機と電力需要家のバランスを再び確立し、これにより配電網周波数を再び設定された配電網周波数定格値に戻すという課題を有している。二次調整に関与する発電所はこのために二次調整予備力を提供する。
任意の出力点から、例えば石炭火力発電所の有効電力を上昇させるには、例えば必要に応じて秒単位で出力を呼び起こせる揚水発電所またはガス火力発電所の場合より長くかかることが知られている。石炭燃焼の変化は、分単位の遅れの後にようやく、電力網に放出される有効電力または発電設備の正味電気出力を変化させ、したがってこれにより達成可能な出力勾配は緩やかである。出力上昇はこのように遅れてのみ、対応する配電網に放出され得る。同じことが配電網に放出される出力の低下に当てはまる。
迅速な出力変化をもたらす必要がある場合、迅速に作用する追加措置が必要である。そのような措置の例は、高圧のタービン調整弁の絞り、高圧部分タービンへの過負荷導入、復水せき止め(Kondensatstau(独))、またはさらに給水の予熱区間内の高圧予熱器への抽気蒸気管の絞りである。
こうして例えば復水せき止めにより、短期的に、迅速に、かつ一時的に、タービンの低圧または中圧部分に、より多くの蒸気が提供される。ただし、蒸気発生器の最大出力を十分に下回って蒸気発生器を運転することが前提条件である。要求に応じて、低圧予熱区間を通る復水の質量流量を、したがって低圧および中圧予熱器の抽気蒸気の質量流量も減らし、これにより、より多くの蒸気がタービン内に留まり、それにより、より多くの出力が生産される。復水の質量流量の低減は、給水容器内の水温を変化させないために、かつこれにより蒸気発生への反作用を生じさせないために必要である。余分な復水は貯蔵する。ただしこれらの復水貯蔵器の容積には限界があるので、復水せき止めは数分に限られる。したがって、上昇した出力要求をより長期的に満たすため、および復水せき止めを分単位で引き継ぐために、復水せき止めと並行して蒸気発生器の燃焼率を上げなければならない。給水容器は、減少した復水質量流量でしか供給されないので、これに対応して残量が低下する。蒸気発生器の出力が上昇するにつれて、復水調整ステーションの絞りを、最終的に定常的な運転状態に達するまで再び減らすことができる。元の状態を再び確立するため、貯蔵された復水を再び給水容器に戻さなければならない。したがって、蒸気発生器は復水せき止めを短時間内に再び引き継がなければならないので、復水せき止めによって短期的に調達可能な発電設備の超過出力は、蒸気発生器の最大出力によって制限されている。
給水予熱区間内の高圧予熱器への抽気蒸気管を絞ると、予熱器の熱負荷が高くなり、この場合には蒸気発生器に比較的冷たい給水が送られ、したがってボイラー炉を相応に過大にしなければならない。
復水せき止めおよび既知の絞り法では、効率を下げて発電設備を運転することになる。
これを踏まえて本発明の基礎となる課題は、発電設備の有効電力の迅速かつ柔軟な上昇または低下を、高いエネルギー生産効率で、およびプロセス技術的に簡単なやり方で可能にする、蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備を提供することである。とりわけ、本発明による方法および本発明による蒸気タービン発電設備により、発電事業者に、経済的な発電事業のための新たなオプションを開くべきである。
前述の課題は、請求項1の特徴を有する方法によって、および請求項14の特徴を有する蒸気タービン発電設備によって解決される。本発明の有利な形態は従属請求項の対象である。
本発明によれば、発電設備の有効電力を迅速かつ柔軟に上昇させるために、好ましくは正の電力網調整力を調達するために、特に好ましくは一次および/または二次調整力を調達するために、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器の放熱時に解放される熱を、発電設備の給水予熱区間に熱結合する。本発明の意味において概念「発電設備の正味電気出力」または「有効電力」とは、発電設備から電力網、とりわけ給電網に放出される電気出力のことである。貯蔵器の蓄熱は電気エネルギーを送ることで行われ、この電気エネルギーが、高い温度レベルの熱エネルギーに変換および貯蔵される。貯蔵器の放熱時の熱結合は、蒸気タービン発電所の高圧、中圧、および/または低圧の予熱区間の領域内で行うことができる。好ましいのは、熱結合が熱媒体、とりわけ熱風を介して行われることである。
本発明によって提案される、発電プロセスと、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器を設ける貯蔵コンセプトとの連関は、とりわけ石炭燃焼方式の発電設備の場合に有利である。
特に有利なのは、出力クラスが50MWel.超、特に好ましくは100MWel.超、例えば400MWel.超の大型発電所での、電気蓄熱可能な熱貯蔵器からの熱結合である。
それに応じて本発明による蒸気タービン発電設備は、少なくとも1つの蒸気タービンと、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器とを備えており、この場合、熱貯蔵器の放熱時に解放される熱エネルギーを発電設備の給水予熱区間に結合するための相応の機構が設けられている。
本発明は、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器の使用を規定しており、この熱貯蔵器内で熱エネルギーが用意され、かつこの熱エネルギーが、独立した措置としてまたは追加的な措置としても利用され、こうして発電設備の正味電気出力または有効電力が、したがってとりわけ一次および/または二次調整予備力の入手可能性が上昇する。
既知の復水せき止め法と比べて、本発明によって提案される電気蓄熱可能な熱貯蔵器からの熱結合は、最大で数時間の比較的長い期間にわたる発電設備の出力上昇を可能にし、これに関し、出力上昇の可能な継続時間は貯蔵容量に依存する。既知の復水せき止め法の場合とは違い、本発明による方法は、蒸気発生器が最大出力でも、比較的長い期間にわたって、高い調整予備力で、発電設備を運転することを可能にする。その他の点では、貯蔵器からの熱を発電設備の給水予熱区間に結合するという提案により、既知の復水せき止め法によって達成可能な出力上昇に相当するかまたはそれどころかさらにそれを超えて10%以上であり得る有効電力の上昇を達成することができる。比較的簡単で安価な貯蔵技術により、本発明によって規定される熱貯蔵器からの熱結合は、従来通りに運転される発電所で既存の発電周辺装置を活用しながら追加的な措置として追加装備することもできる。これにより、発電設備の設備動特性を改善する非常に安価な可能性が提供される。
電気加熱可能な貯蔵器からの熱を結合することによる出力変更の反応時間は非常に短くてよく、例えば5〜20秒の間の範囲内であり得る。これにより、発電設備の有効電力を適合するための非常に迅速な可能性も提供される。
熱貯蔵器は、熱貯蔵容量を数百MWh〜1000MWh超までスケーリングすることができる。貯蔵器の熱出力は、50MW超、好ましくは100MW超であり得る。ある特定の貯蔵容量を用意するために、必要に応じて複数の熱貯蔵器を(モジュール式に形成することでも)相互に接続することができる。貯蔵器の最高温度は、1100℃〜1300℃の間の範囲内、好ましくは約1200℃であり得る。
熱貯蔵器は、通電可能な熱導体を備えており、この熱導体は、蓄熱性材料から成る充填床内に配置されている。貯蔵器が蓄熱する際は、加熱素子が通電され、このときに発生する熱導体の熱が充填床に伝達される。放熱する際は、熱い充填床に、この場合はとりわけ熱風を発生させるために空気を貫流することができ、これに関しては、相応に設計された空気/水熱伝達器内で、熱風から給水へのその後の間接的な熱伝達を行うことができる。電気蓄熱可能な熱貯蔵器のその他の形態も可能である。
従来通りに運転される蒸気タービン発電設備では通常、給水予熱のために蒸気タービンから抽気蒸気の取出しが行われ、この抽気蒸気により、給水予熱区間内の少なくとも1つの給水予熱器を加熱する。この蒸気取出しにより、蒸気タービンの出力が低下する。貯蔵器の熱エネルギーを給水予熱区間に結合することにより、とりわけ正の調整力が必要な場合に、給水予熱のために規定された蒸気タービンの蒸気抽気を減らすことができ、またはそれどころか完全にストップすることができ、これにより、蒸気タービンによって生産される発電出力が、したがって電力網に放出される発電所の有効電力も上昇する。
この関連で本発明による方法は、発電設備の電気出力を上昇させるため、必要に応じて給水をバイパス案内において、蒸気タービンの抽気蒸気によって加熱可能な予熱区間の少なくとも1つの給水予熱器を迂回して貯蔵器へと案内し、その際に熱することができる。表現「貯蔵器へと案内」は広く解釈されるべきである。給水への熱結合は、好ましくは気体状の熱媒体(循環)を介して行われ、この熱媒体が貯蔵器を貫流し、このときに加熱される。さらにとりわけ貯蔵器の放熱時には熱風流が発生し、この熱風流が、貯蔵器の後ろに接続された熱伝達器内で、吸収した熱エネルギーを給水に放出する。この場合、貯蔵器は給水によって貫流されない。給水予熱区間内の高圧、中圧、および/または低圧の予熱器を給水側で迂回することができる。
本発明の意味においては、貯蔵器の熱エネルギーを給水予熱区間の高圧領域に優先的に結合する場合が有用である。これは、予熱区間の高圧予熱器への抽気蒸気管を絞ることによって可能である。蒸気タービンの高圧部分から、圧力レベルの高い、エネルギー的により高価値の抽気蒸気をあまり〜まったく取り出さなくてよいことが好ましい。貯蔵器の熱エネルギーが十分に提供されていれば、劣後的に給水予熱区間の中圧および低圧領域にも熱エネルギーを結合することができる。構造上の観点では、このために本発明による発電設備は、給水予熱の高圧側に、少なくとも1つの給水予熱器を迂回するためのバイパスを備えており、かつ好ましくは給水予熱の中圧または低圧側に、少なくとも1つのさらなる給水予熱器を迂回するためのバイパスを備えている。
とりわけ負の調整力が必要な場合に発電設備の有効電力を下げるため、発電設備によって生産される電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することができる。この場合、発電設備の電気出力の少なくとも一部が、電力網に供給されるのではなく熱貯蔵器の蓄熱に用いられ、これにより発電設備の有効電力が低下する。とりわけ低負荷時間中および/または高い配電網周波数の場合の、電力網内の電力需要が低下する際に、簡単なやり方で、および迅速な蓄熱時間に基づき、非常に早急に電力供給を下げることができ、したがって負の調整エネルギーの調達を実現することができる。
それだけでなく、とりわけ負の調整力が必要な場合に電力網からの電気エネルギーで熱貯蔵器を加熱または蓄熱することもできる。電力網からの電気エネルギーで貯蔵器に蓄熱することにより、非常に短い時間内で電力網負荷を上げることができ、したがって負の一次および/または二次調整力を調達することができる。
熱貯蔵器の放熱時に給水予熱部に熱結合できること、および電力で貯蔵器に蓄熱できることにより、発電設備の定格負荷運転の際にも、なかでも貯蔵容量に依存する比較的長い期間にわたって、正および負の調整力を提供することができる。発電設備を定格負荷でまたはさらに定格負荷〜最低負荷の間の範囲内で運転する場合、正の調整力を調達するには熱貯蔵器の放熱を、および負の調整力を調達するには熱貯蔵器の蓄熱を行うことができる。貯蔵された熱を給水予熱のプロセスに結合することで、数%の、とりわけ10%以上までの出力上昇を達成することができる。これに対応する大きさで、熱貯蔵器の蓄熱により発電設備の有効電力を下げることができる。
発電設備の運転の動作点または出力点を下げることにより、復水せき止めおよびタービン調整弁の絞りのような、設備の動特性を改善するための既知の措置が適用される従来の発電事業に比べ、本発明による方法を用いてより多くの正および負の調整力またはより幅広い調整レンジを提供することができる。本発明による方法での発電設備の動作点は、発電設備の定格燃焼出力の90%〜100%の範囲内であることが好ましい。
電気加熱可能な熱貯蔵器の使用は、発電所の柔軟性を高め、とりわけ一次調整予備力しかしさらに二次調整予備力の、とりわけ迅速かつ柔軟な入手を可能にし、したがってとりわけ電力市場の変化における発電設備の経済的な運転を保証する。発電プロセスと電気蓄熱可能な熱貯蔵器とを連関させることで、とりわけ発電設備の一次および二次調整能力が改善され、こうして発電事業者に、非常に経済的な発電事業のための新たなオプションが開かれる。一次および二次調整予備力は、追加的な電力網サービスとして提供および販売することができる。
発電設備の最低負荷は、第一に燃焼によって制限されており、かつ燃料に応じて様々な限界値を有している。石炭火力発電所では、最低負荷を定格燃焼出力の約15%に下げることができる。電力需要の少ない時間中は、とりわけ電力網への電力の供給によって達成可能な電気料金が発電設備の電力生産費未満である場合には、さらにとりわけいわゆる「オフピーク時間」中は、発電所は最低負荷で運転される。この場合、従来の発電コンセプトでは、発電設備の最低負荷運転中は通常、負の調整力を提供することができない。これに対して本発明による方法は、発電設備の最低負荷運転時に、とりわけ低額の電気料金の際に、負の調整力を調達するため、発電設備によって生産される電気エネルギーの少なくとも相応の割合で、貯蔵器に蓄熱することができる。したがって最低負荷での発電設備の運転時に、発電プロセスで生産される電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することにより、電力網に放出される発電設備の有効電力を減らすことができ、こうして負の調整力を調達することができる。負の一次および二次調整予備力は、追加的な電力網サービスとして提供および販売することができ、これは設備運転の高い経済性をもたらす。
発電設備の有効電力は、発電設備の最低負荷運転時に、貯蔵器の蓄熱性能、つまり貯蔵器の蓄熱時に熱エネルギーに変換される、蓄熱時間に対する電力量を変更することにより、電力網調整力の需要に簡単に適合することができる。熱貯蔵器には、最低負荷の際に発電設備によって生産される電気出力の0〜100%の割合で蓄熱できることが好ましい。電気料金が低額の時間中は、例えば発電設備の全電気出力を熱貯蔵器の通電に用いることができる。電力網内の電力需要が上昇すると、発電出力のうち熱貯蔵器の通電に用いられる割合を必要に応じて0に減らすことができ、これにより、全発電出力を再び完全に電力網に供給することができる。蓄熱性能を迅速に変更できることにより、発電設備の有効電力を、電力網内の需要の変化に柔軟かつ非常に即座に適合することができる。
例えば、最低負荷の際に生産される発電設備の電気出力が定格出力の15%である場合、発電設備の最低負荷運転時に例えば定格出力の7.5%の割合で熱貯蔵器に蓄熱することができる。これに対応して発電設備の有効電力は定格出力の7.5%に下がる。熱貯蔵器の蓄熱性能を定格出力の15%に上げることで、発電設備の有効電力を0に下げることができる。貯蔵器の蓄熱性能を下げることで、発電設備の有効電力を再び上げることも、熱貯蔵器の蓄熱をストップさせれば定格出力の最大15%まで上げることも良好に可能である。
貯蔵器の最大蓄熱性能は、少なくとも最低負荷運転時の発電出力に相当することができる。したがって熱貯蔵器の蓄熱性能は、最低負荷運転時の発電設備によって生産される全電力を熱に変換および貯蔵するために十分である。
発電設備によって生産される電気エネルギーでの熱貯蔵器の通電は、有効電力または電力網への電力供給を減少させる。熱貯蔵器の蓄熱性能が十分に大きければ、それだけでなく電力網負荷を上昇させるために、およびさらなる負の調整力を調達するために、発電設備の最低負荷運転時に追加的に給電網からの電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することができる。熱貯蔵器に蓄熱するために電力網から電気を取り出すことによる追加的な調整力の調達は、現況技術から知られている発電コンセプトではもたらされない非常に経済的な設備運転のための新たなオプションである。
その他の点では、発電所の運転停止後でさえ、電力網からの電気エネルギーで熱貯蔵器の蓄熱を行うことができ、したがって発電設備が運転停止の状態でも負の調整力を調達することができる。
貯蔵器の放熱に関しては、熱い蓄熱材料に空気流を通し、これにより熱風流を発生させ得ることが好ましい。この熱風流が、例えば2bar超、好ましくは3bar超、さらに好ましくは3.5bar以上の上昇した圧力レベルで存在する場合、需要に応じて追加的な電気エネルギーを生産するために、したがって発電設備の有効電力をよりいっそう柔軟に出力需要に適合させ得るために、熱風流を、給水予熱区間への熱結合の前に膨張機内で減圧することができる。これについては、そうして発電プロセスの全効率を上昇させることができる。
以下に、図面に基づいて本発明を例示的に説明する。示した本発明の実施形態の同じ設備コンポーネントには同じ符号を付している。
電気蓄熱可能な熱貯蔵器を備えた本発明による蒸気タービン発電設備の簡略化した設備図であって、この場合、放熱時に解放される熱エネルギーを、給水予熱のために発電設備の給水予熱区間に結合することができる。 図1に示した蒸気タービン発電設備の改変された一実施形態の簡略化した設備図であって、この場合、貯蔵器の放熱時に発生する熱風流は、熱結合の前に膨張機内で減圧される。 蒸気タービン発電設備の出力を迅速かつ柔軟に適合するための本発明による方法の簡略化したプロセスフロー図である。 給水予熱のために電気蓄熱可能な熱貯蔵器を使用することによる、蒸気タービン発電設備での設備の動特性の改善を示す概略図である。 定格負荷付近での蒸気タービン発電設備の運転時の、給水予熱のために電気蓄熱可能な熱貯蔵器を使用することによる、設備の動特性の改善を示す概略図である。
図1は、概略的に示した蒸気タービン2を備えた蒸気タービン発電設備1の簡略化した設備図を示しており、蒸気タービン2は、高圧部分、中圧部分、および低圧部分を有することができる。それだけでなく水/蒸気動作循環4の給水予熱区間3を概略的に示しており、給水予熱区間3内では、給水がその後の蒸発のために予熱される。発電プロセス内で生産される正味電気出力または有効電力5は給電網に供給される。電力生産のために蒸気力プロセス内で必要なさらなる設備コンポーネントは図1には示していない。
発電設備1の有効電力5を迅速かつ柔軟に適合するために、さらに好ましくは必要に応じて正および負の電力網調整力を調達するために、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器6が設けられている。貯蔵器6に蓄熱するために、給電網7から電気出力7を取り出すことができ、かつ/または発電設備1によって生産される電気エネルギーの一部が用いられ、これは給電網に供給される有効電力5を低下させる。
電気貯蔵器6は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するための少なくとも1つの電気熱導体と、蓄熱材料、とりわけ蓄熱性材料から成る充填床とを備えることができる。達成可能な貯蔵器温度は、1000℃〜1300℃の間、好ましくは1100℃〜1200℃の間であり得る。貯蔵器6の放熱のために空気流8が熱い蓄熱材料を通って案内され、この場合に好ましくは500℃超、とりわけ700℃超の温度へ熱せられる。空気流8は、2bar超、とりわけ3bar超、例えば3.5barの圧力で貯蔵器6に送ることができる。空気流8を圧縮するために圧縮機9が設けられている。貯蔵器6から出てくる熱い空気流8を給水予熱に用いる。給水予熱区間3内では、熱い空気流8から液状の給水への好ましくは間接的な熱伝達が行われる。
後で図3に基づいてさらに詳細に説明するように、給水予熱のために貯蔵器6から発電プロセスに熱エネルギーを結合することは、発電設備1の電気出力の迅速かつ需要に応じた上昇を、とりわけ正の調整力の調達を可能にする。それだけでなく、とりわけ負の調整力を調達するために、発電設備1によって生産される電力で貯蔵器6に蓄熱することにより、需要に応じて発電設備の有効電力5を下げることができ、こうして電力網への電力の供給を減らすことができる。それだけでなく電力網からの電気出力7で貯蔵器6に蓄熱することにより、電力網負荷を上昇させることができ、したがって負の調整力を調達することができる。
図2に示した発電設備1の場合、効率を高めるために、および発電設備1の出力適合の際の柔軟性を高めるために、圧縮されて貯蔵器6内で加熱された空気流8を、貯蔵器6から出た後で給水に熱伝達する前に減圧するための少なくとも1つの膨張機10が設けられている。このときに生産される電気出力11は電力網に供給することができる。
図3では、蒸気タービン発電設備1の有効電力5を迅速かつ柔軟に適合するための蒸気力プロセスの簡略化したプロセスフロー図を示している。発電設備1が、蒸気力プロセスの実現に必要なさらなる図示されていない設備機器および設備コンポーネントを備え得ることは自明である。
以下に図3に基づいて、従来通りに運転される蒸気力プロセスを説明する。蒸気力設備1は、少なくとも1つの高圧部分12と、少なくとも1つの中圧および低圧部分13とを備えた蒸気タービン2を有している。発電設備1の給水予熱区間3は、少なくとも1つの低圧予熱器14、給水容器15、ポンプ16、および少なくとも1つの高圧予熱器17を備えている。さらなる給水予熱のためにエコノマイザー18が用いられる。予熱の後、給水19を蒸化器20内で蒸発させ、そして過熱器21内で蒸発温度より高く、それ自体は通常のやり方で加熱する。過熱された蒸気22はその後、まずは蒸気タービン2の高圧部分12内で減圧され、続いて中間過熱器23内で再び熱せられる。蒸気22はその後、蒸気タービン2の中圧および低圧部分13内で完全に減圧され、そして復水器24内で凝縮する。凝縮の際に生成される給水19は、低圧予熱器14を経て給水容器15に達する。ポンプ16により給水19を給水容器15から高圧予熱器17を経てエコノマイザー18に送る。
従来通りに運転される蒸気力プロセスでは、高圧予熱器17および低圧予熱器14の加熱が、蒸気タービン2の高圧部分12ならびに中圧および低圧部分13から抽気蒸気25、26を取り出すことによって行われる。この蒸気取出しにより、蒸気タービン2の出力が低下する。発電設備1によって生産される有効電力5を上昇させるために、現況技術からは復水せき止め法が知られている。この場合は、低圧予熱器14を通る復水の質量流量を減らす。その結果、低圧予熱器14の抽気蒸気の質量流量を相応に減らすことができ、したがってより多くの蒸気22が蒸気タービン2内に留まり、これにより蒸気タービン2によってより多くの電気出力が生産される。復水せき止めによって提供可能な超過出力は、復水の質量流量のための貯蔵器容積および蒸気発生器の最大出力によって制限されている。それだけでなく現況技術からは、有効電力5を上昇させるために高圧予熱器17への抽気蒸気量を絞ることが知られており、しかしながらこの場合は高圧予熱器17の熱負荷が高くなる。その他の点ではボイラー炉を相応に過大にしなければならず、なぜなら、この場合には蒸気発生器20が比較的冷たい給水19を得るからである。
短期的に、迅速に、かつ一時的に発電設備1の出力適合を達成する、とりわけ需要に応じて正および/または負の電力網調整力を調達するという可能性を提供するために、図3に示した発電設備1では、上述の従来通りに運転される蒸気力プロセスとは異なり、電気蓄熱可能な熱貯蔵器6からの必要に応じた熱結合が規定されている。貯蔵器6は、構造および機能方式により、図1および図2に基づいて説明した熱貯蔵器6に相当することができる。給水19を、バイパスを介し、低圧予熱器14を迂回して貯蔵器6へと案内することができ、かつ貯蔵器6内で加熱された熱風流8の熱伝達によって予熱することができる。もう1つのバイパスを介し、給水19をポンプ16の後に高圧予熱器17を迂回して貯蔵器へと案内することができ、そこでさらに熱することができる。続いて、熱せられた給水19はその後、エコノマイザー18に達する。これに関し、示した設備コンセプトは、給水19の部分質量流量27を、低圧予熱器14の傍らを通りすぎて熱貯蔵器6を経るように案内し、その際に熱して、続いて給水容器15へと案内することを可能にし、その際、給水19の残りの部分質量流量28は、低圧予熱器14を経るように案内され、その際に熱せられる。貯蔵容量に応じて、給水の全流量を、貯蔵器6を経るように案内し、熱風流8の熱伝達により熱することもできる。同じことを給水予熱区間3の高圧領域に当てはめることができる。給水19の部分質量流量29をポンプ16の後に、高圧予熱器17の傍らを通りすぎて貯蔵器6を経てエコノマイザー18へと案内することができ、その際、残りの部分質量流量30は、高圧予熱器17を経るように案内され、その際に熱せられる。貯蔵容量に応じて、給水の全流量を、ポンプ16の後に貯蔵器6を経るように案内し、その際に熱することもできる。好ましいのは、給水19の部分質量流量27、29だけを貯蔵器6を経るように案内し、その際に熱することであり、というのもそうでなければ大きな貯蔵容量が必要だからである。
蒸気タービン2によって生産される電気出力の少なくとも一部を貯蔵器6の蓄熱に利用することができ、これにより、発電設備1の有効電力5が低下する。電力網からの電気出力での蓄熱も可能である。図3に示した設備コンセプトにより、発電設備1の有効電力5の迅速かつ柔軟な変更を達成でき、かつ調整予備力の高い入手可能性を保証でき、したがって発電設備の非常に経済的な運転を達成することができる。
発電設備1の有効電力5の上昇または低下のための反応時間は、5〜20秒の範囲内であり得る。貯蔵器6の最大放熱継続時間は、貯蔵器6の蓄熱容量に依存しており、数時間であり得る。
図4は、給水予熱のために電気蓄熱可能な熱貯蔵器を使用することによる、蒸気タービン発電設備の設備動特性の改善を概略的に示している。図4からは、設備の動特性を改善するための異なる措置に対する、従来通りに運転される発電設備の正味電気出力Pnetto(有効電力)の出力推移31および改変された発電設備の正味電気出力Pnetto(有効電力)の出力推移32が明らかであり、この場合、改変された発電設備では、設備の動特性を改善するための措置として、少なくとも1つの電気蓄熱可能な貯蔵器の蓄熱および放熱が上述のように規定されている。これに対して従来の発電設備は、設備の動特性を改善するためのそれ自体で現況技術から知られている措置、とりわけ復水せき止めを規定することができる。
発電炉の定格燃焼出力つまり定格負荷〜最低負荷の間の負荷状態での発電設備の運転を示している。従来通りに運転される発電設備により、定格負荷では、発電設備の定格出力に相当する有効電力P1が電力網に供給される。出力低下が必要な場合、例えば復水の質量流量の減少および蒸気発生器の燃焼率の低下により、有効電力P1を期間t1で有効電力P2に下げることができ、有効電力P2は、最低負荷の際の従来の発電設備の出力に相当する。従来の発電設備の有効電力のさらなる低下は、発電設備の運転停止によってのみ可能であり、この場合、発電設備の有効電力を最低負荷運転での有効電力P2から期間t2で0に下げることができる。
改変された発電設備の出力低下は、期間t3にわたり、熱貯蔵器の電気蓄熱によって達成することができ、この場合は有効電力P1が、貯蔵器の蓄熱に用いられる電力量だけで、低下した有効電力P3に下がる。図4からさらに分かるように、改変された発電設備での貯蔵器の蓄熱による有効電力の低下は、従来通りに運転される発電設備に比べて明らかにより迅速な出力低下を引き起こす。その後、最低負荷運転時の有効電力P2に達するまでの有効電力のさらなる低下は、蒸気発生器の燃焼出力の低下によって期間t4で可能である。
それだけでなく最低負荷運転時にも、発電設備によって生産される電気エネルギーの少なくとも相応の割合で、熱貯蔵器に蓄熱することができ、したがって改変された発電設備の有効電力は、貯蔵器の通電により、有効電力P2から期間t5でさらに0に下げることができる。その後、最低負荷運転を続行する場合、改変された発電設備によって生産される全電気エネルギーが貯蔵器の蓄熱に用いられ、電力は電力網に供給されず、これは有効電力0に相当する。発電設備によって生産される全電気エネルギーでの貯蔵器の蓄熱は、貯蔵容量に応じて期間t6にわたって維持することができ、またはより長く維持することもでき、この期間t6は、好ましくは数時間であり得る。
図4で示した改変された発電設備の出力推移32の真ん中の領域から分かるように、需要に応じて熱貯蔵器の蓄熱をストップすることができ、したがって改変された発電設備の有効電力を0から再び有効電力P2に、それも比較的短い期間t7で上げることがでる。これで発電設備は、例えば期間t8にわたって最低負荷でさらに運転することができ、この場合は有効電力P2を電力網に供給することができる。熱貯蔵器の蓄熱性能を変更することにより、有効電力を電力網調整力のその時の需要に簡単に迅速に適合することができる。この場合、最低負荷運転時の発電出力の好ましくは0〜100%を熱貯蔵器の蓄熱に用いることができ、したがって有効電力の需要志向の適合が大きな出力レンジで可能である。
加えて図4から分かるように、熱貯蔵器の最大蓄熱性能は、最低負荷運転時の発電出力より大きくてもよく、これにより、とりわけ追加的な電力網調整力を調達するために給電網からの電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することができる。それにより、改変された発電設備の最低負荷運転中に、より多くの負の調整力を提供することができ、これを図4では、改変された発電設備の出力推移32に関する負の値によって概略的に示している。
それだけでなく、改変された発電設備の運転停止後にも、給電網からの電力で熱貯蔵器の電気蓄熱を続行することができ、これにより引き続き負の調整力を提供することができる。
図5は、復水せき止めによる従来通りに運転される蒸気タービン発電設備の場合(出力推移33)および電気蓄熱可能な熱貯蔵器との連関による改変された蒸気タービン発電設備の場合(出力推移34)の正味電気出力Pnetto(有効電力)の出力適合のための可能性を概略的に示している。
従来通りに運転される発電設備の定格負荷運転の場合、復水せき止め法により、比較的短い期間t9の間の、定格出力P1から出力P1’への有効電力の上昇が可能であり、この期間t9は、通常の発電所設計の場合は数分の範囲を超えない。出力上昇は、定格出力P1の約10%であり得る。定格出力P1から低下した出力P1”への相応の出力低下は、出力変化をもたらすためのその他の迅速に作用する措置、例えば高圧のタービン調整弁の絞りによって可能である。従来の発電設備は、比較的長い時間にわたって正の調整予備力を調達するには、通常は、定格燃焼出力未満で、例えば低下した出力P1”で運転しなければならない。
従来通りに運転される発電設備の場合に設備の動特性を改善するために規定された措置によって達成可能な正および負の調整予備力は、図5では矢印35、36によって概略的に表されている。
改変された発電設備は、電気蓄熱可能な熱貯蔵器から給水予熱区間への熱結合に基づき、数時間を含み得る明らかにより長い期間t10にわたり、定格負荷運転で達成可能な有効電力P1より高い有効電力P1’で運転することができる。熱貯蔵器からの熱の結合による出力上昇は、従来の発電設備での復水せき止めによる出力上昇に相当し得るかまたはそれを超えることもできる。同じ大きさで、発電プロセス内で生産される電気エネルギーでの熱貯蔵器の蓄熱により発電設備の有効電力P1を下げることができる。これを図5では矢印37、38によって概略的に示している。その結果、改変された発電設備の動作点を、従来通りに運転される発電設備の動作点より高くすることができ、その際、同じ調整力レンジを提供することができる。
その代わりに、改変された発電設備の動作点を従来通りに運転される発電設備の動作点へと相応に下げれば、より幅広い調整力レンジを提供することができる。この可能性を図5では矢印39、40によって概略的に表現している。
1 発電設備
2 蒸気タービン
3 給水予熱区間
4 水/蒸気動作循環
5 有効電力
6 貯蔵器
7 出力
8 空気流
9 圧縮機
10 膨張機
11 出力
12 高圧部分
13 中圧および低圧部分
14 低圧予熱器
15 給水容器
16 ポンプ
17 高圧予熱器
18 エコノマイザー
19 給水
20 蒸化器
21 過熱器
22 蒸気
23 中間過熱器
24 復水器
25 抽気蒸気
26 抽気蒸気
27 部分質量流量
28 部分質量流量
29 部分質量流量
30 部分質量流量
31 出力推移
32 出力推移
33 出力推移
34 出力推移
35 出力増加
36 出力減少
37 出力増加
38 出力減少
39 出力増加
40 出力減少
本発明は、蒸気タービン発電設備の出力を迅速かつ柔軟に適合するための、好ましくは変化した電力網負荷に出力を適合するための、さらに好ましくは需要に応じて電力網調整力を調達するための、特に好ましくは一次および/または二次調整力を調達するための方法に関する。それだけでなく本発明は、少なくとも1つの蒸気タービンと、発電プロセスに必要なさらなる設備コンポーネント、例えば給水予熱器、蒸化器、蒸気過熱器、ポンプ、および復水器ならびに給水容器とを備えた蒸気タービン発電設備に関する。特に好ましくは、本発明は粉炭燃焼方式で出力クラスが50MWel.超、特に好ましくは100MWel.超、例えば400MWel.超の発電所に関する。
電力市場の規制緩和に基づき、電力網に接続される発電所の柔軟な負荷運転が重要性を増している。これに加えて、例えば風力エネルギーのような再生エネルギーが拡充しており、これが、様々な発電所タイプの出力適合能力への要求をより高くしている。電力網への再生エネルギーの供給が増すことで、従来のエネルギー生産設備は、多くの負荷変化を特徴とする負荷レジームをよりいっそう強いられる。電力網負荷が、つまり給電網内の全電力消費量が予想外に増加すると、つまりすべての発電所のその時に供給する出力を上回ると、これにより発電機に少しブレーキがかかり、したがって配電網周波数が低下する。同じことが、例えば発電所の故障により供給が予想外に減少する場合に起こる。逆に、供給が予想より高い場合または負荷がより低い場合は、配電網周波数が上昇する。配電網周波数を十分に安定に保つには積極的な調整が必要であり、それも特定の時間スケールに応じた様々な寄与による積極的な調整が必要である。この調整のために調整エネルギーが必要とされ、詳しくは、配電網周波数が低すぎる場合には電力網への追加的な供給または電力網負荷の低減が必要とされ、これはそれぞれ「正の調整力」または「正の調整エネルギー」と呼ばれる。配電網周波数が高すぎる場合には、供給を減らすかまたは電力網負荷を増やさなければならず、これは「負の調整力」または「負の調整エネルギー」と呼ばれる。
電力網内の周波数調整に関しては、なかでも一次調整と二次調整が区別される。一次調整は通常、少なくとも0.02Hzの周波数偏移が生じると介入しなければならない。この場合は30秒以内で、配電網周波数の偏移に比例して出力変更を行われなければならず、この出力変更を必要に応じて15分間維持しなければならない。これに対していわゆる「二次調整」は送電網レベルで行われ、かつ明らかにより遅く反応する。二次調整は、最大で15分以内には開始しなければならない。
周波数偏移は、まずは一次調整により、電力網全体の中の一次調整に関与する発電所に割り振られる。これらの発電所はこのために、関与する発電所から自動的に電力網に放出されるいわゆる一次調整予備力、つまり予備出力を提供する。一次調整は、できるだけ小さい偏移、ただし設定された配電網周波数定格値から偏移しているレベルでのできるだけ小さい偏移の場合の、配電網周波数の安定化に役立つ。これに対し、一次調整に続いて行われる二次調整は、電力網内の発電機と電力需要家のバランスを再び確立し、これにより配電網周波数を再び設定された配電網周波数定格値に戻すという課題を有している。二次調整に関与する発電所はこのために二次調整予備力を提供する。
任意の出力点から、例えば石炭火力発電所の有効電力を上昇させるには、例えば必要に応じて秒単位で出力を呼び起こせる揚水発電所またはガス火力発電所の場合より長くかかることが知られている。石炭燃焼の変化は、分単位の遅れの後にようやく、電力網に放出される有効電力または発電設備の正味電気出力を変化させ、したがってこれにより達成可能な出力勾配は緩やかである。出力上昇はこのように遅れてのみ、対応する配電網に放出され得る。同じことが配電網に放出される出力の低下に当てはまる。
迅速な出力変化をもたらす必要がある場合、迅速に作用する追加措置が必要である。そのような措置の例は、高圧のタービン調整弁の絞り、高圧部分タービンへの過負荷導入、復水せき止め(Kondensatstau(独))、またはさらに給水の予熱区間内の高圧予熱器への抽気蒸気管の絞りである。
こうして例えば復水せき止めにより、短期的に、迅速に、かつ一時的に、タービンの低圧または中圧部分に、より多くの蒸気が提供される。ただし、蒸気発生器の最大出力を十分に下回って蒸気発生器を運転することが前提条件である。要求に応じて、低圧予熱区間を通る復水の質量流量を、したがって低圧および中圧予熱器の抽気蒸気の質量流量も減らし、これにより、より多くの蒸気がタービン内に留まり、それにより、より多くの出力が生産される。復水の質量流量の低減は、給水容器内の水温を変化させないために、かつこれにより蒸気発生への反作用を生じさせないために必要である。余分な復水は貯蔵する。ただしこれらの復水貯蔵器の容積には限界があるので、復水せき止めは数分に限られる。したがって、上昇した出力要求をより長期的に満たすため、および復水せき止めを分単位で引き継ぐために、復水せき止めと並行して蒸気発生器の燃焼率を上げなければならない。給水容器は、減少した復水質量流量でしか供給されないので、これに対応して残量が低下する。蒸気発生器の出力が上昇するにつれて、復水調整ステーションの絞りを、最終的に定常的な運転状態に達するまで再び減らすことができる。元の状態を再び確立するため、貯蔵された復水を再び給水容器に戻さなければならない。したがって、蒸気発生器は復水せき止めを短時間内に再び引き継がなければならないので、復水せき止めによって短期的に調達可能な発電設備の超過出力は、蒸気発生器の最大出力によって制限されている。
給水予熱区間内の高圧予熱器への抽気蒸気管を絞ると、予熱器の熱負荷が高くなり、この場合には蒸気発生器に比較的冷たい給水が送られ、したがってボイラー炉を相応に過大にしなければならない。
復水せき止めおよび既知の絞り法では、効率を下げて発電設備を運転することになる。
これを踏まえて本発明の基礎となる課題は、発電設備の有効電力の迅速かつ柔軟な上昇または低下を、高いエネルギー生産効率で、およびプロセス技術的に簡単なやり方で可能にする、蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備を提供することである。とりわけ、本発明による方法および本発明による蒸気タービン発電設備により、発電事業者に、経済的な発電事業のための新たなオプションを開くべきである。
前述の課題は、請求項1の特徴を有する方法によって、および請求項14の特徴を有する蒸気タービン発電設備によって解決される。本発明の有利な形態は従属請求項の対象である。
本発明によれば、発電設備の有効電力を迅速かつ柔軟に上昇させるために、好ましくは正の電力網調整力を調達するために、特に好ましくは一次および/または二次調整力を調達するために、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器の放熱時に解放される熱を、発電設備の給水予熱区間に熱結合する。本発明の意味において概念「発電設備の正味電気出力」または「有効電力」とは、発電設備から電力網、とりわけ給電網に放出される電気出力のことである。貯蔵器の蓄熱は電気エネルギーを送ることで行われ、この電気エネルギーが、高い温度レベルの熱エネルギーに変換および貯蔵される。貯蔵器の放熱時の熱結合は、蒸気タービン発電所の高圧、中圧、および/または低圧の予熱区間の領域内で行うことができる。好ましいのは、熱結合が熱媒体、とりわけ熱風を介して行われることである。
本発明によって提案される、発電プロセスと、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器を設ける貯蔵コンセプトとの連関は、とりわけ石炭燃焼方式の発電設備の場合に有利である。
特に有利なのは、出力クラスが50MWel.超、特に好ましくは100MWel.超、例えば400MWel.超の大型発電所での、電気蓄熱可能な熱貯蔵器からの熱結合である。
それに応じて本発明による蒸気タービン発電設備は、少なくとも1つの蒸気タービンと、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器とを備えており、この場合、熱貯蔵器の放熱時に解放される熱エネルギーを発電設備の給水予熱区間に結合するための相応の機構が設けられている。
本発明は、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器の使用を規定しており、この熱貯蔵器内で熱エネルギーが用意され、かつこの熱エネルギーが、独立した措置としてまたは追加的な措置としても利用され、こうして発電設備の正味電気出力または有効電力が、したがってとりわけ一次および/または二次調整予備力の入手可能性が上昇する。
既知の復水せき止め法と比べて、本発明によって提案される電気蓄熱可能な熱貯蔵器からの熱結合は、最大で数時間の比較的長い期間にわたる発電設備の出力上昇を可能にし、これに関し、出力上昇の可能な継続時間は貯蔵容量に依存する。既知の復水せき止め法の場合とは違い、本発明による方法は、蒸気発生器が最大出力でも、比較的長い期間にわたって、高い調整予備力で、発電設備を運転することを可能にする。その他の点では、貯蔵器からの熱を発電設備の給水予熱区間に結合するという提案により、既知の復水せき止め法によって達成可能な出力上昇に相当するかまたはそれどころかさらにそれを超えて10%以上であり得る有効電力の上昇を達成することができる。比較的簡単で安価な貯蔵技術により、本発明によって規定される熱貯蔵器からの熱結合は、従来通りに運転される発電所で既存の発電周辺装置を活用しながら追加的な措置として追加装備することもできる。これにより、発電設備の設備動特性を改善する非常に安価な可能性が提供される。
電気加熱可能な貯蔵器からの熱を結合することによる出力変更の反応時間は非常に短くてよく、例えば5〜20秒の間の範囲内であり得る。これにより、発電設備の有効電力を適合するための非常に迅速な可能性も提供される。
熱貯蔵器は、熱貯蔵容量を数百MWh〜1000MWh超までスケーリングすることができる。貯蔵器の熱出力は、50MW超、好ましくは100MW超であり得る。ある特定の貯蔵容量を用意するために、必要に応じて複数の熱貯蔵器を(モジュール式に形成することでも)相互に接続することができる。貯蔵器の最高温度は、1100℃〜1300℃の間の範囲内、好ましくは約1200℃であり得る。
熱貯蔵器は、通電可能な熱導体を備えており、この熱導体は、蓄熱性材料から成る充填床内に配置されている。貯蔵器が蓄熱する際は、加熱素子が通電され、このときに発生する熱導体の熱が充填床に伝達される。放熱する際は、熱い充填床に、この場合はとりわけ熱風を発生させるために空気を貫流することができ、これに関しては、相応に設計された空気/水熱伝達器内で、熱風から給水へのその後の間接的な熱伝達を行うことができる。電気蓄熱可能な熱貯蔵器のその他の形態も可能である。
従来通りに運転される蒸気タービン発電設備では通常、給水予熱のために蒸気タービンから抽気蒸気の取出しが行われ、この抽気蒸気により、給水予熱区間内の少なくとも1つの給水予熱器を加熱する。この蒸気取出しにより、蒸気タービンの出力が低下する。貯蔵器の熱エネルギーを給水予熱区間に結合することにより、とりわけ正の調整力が必要な場合に、給水予熱のために規定された蒸気タービンの蒸気抽気を減らすことができ、またはそれどころか完全にストップすることができ、これにより、蒸気タービンによって生産される発電出力が、したがって電力網に放出される発電所の有効電力も上昇する。
この関連で本発明による方法は、発電設備の電気出力を上昇させるため、必要に応じて給水をバイパス案内において、蒸気タービンの抽気蒸気によって加熱可能な予熱区間の少なくとも1つの給水予熱器を迂回して貯蔵器へと案内し、その際に熱することができる。表現「貯蔵器へと案内」は広く解釈されるべきである。給水への熱結合は、好ましくは気体状の熱媒体(循環)を介して行われ、この熱媒体が貯蔵器を貫流し、このときに加熱される。さらにとりわけ貯蔵器の放熱時には熱風流が発生し、この熱風流が、貯蔵器の後ろに接続された熱伝達器内で、吸収した熱エネルギーを給水に放出する。この場合、貯蔵器は給水によって貫流されない。給水予熱区間内の高圧、中圧、および/または低圧の予熱器を給水側で迂回することができる。
本発明の意味においては、貯蔵器の熱エネルギーを給水予熱区間の高圧領域に優先的に結合する場合が有用である。これは、予熱区間の高圧予熱器への抽気蒸気管を絞ることによって可能である。蒸気タービンの高圧部分から、圧力レベルの高い、エネルギー的により高価値の抽気蒸気をあまり〜まったく取り出さなくてよいことが好ましい。貯蔵器の熱エネルギーが十分に提供されていれば、劣後的に給水予熱区間の中圧および低圧領域にも熱エネルギーを結合することができる。構造上の観点では、このために本発明による発電設備は、給水予熱の高圧側に、少なくとも1つの給水予熱器を迂回するためのバイパスを備えており、かつ好ましくは給水予熱の中圧または低圧側に、少なくとも1つのさらなる給水予熱器を迂回するためのバイパスを備えている。
とりわけ負の調整力が必要な場合に発電設備の有効電力を下げるため、発電設備によって生産される電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することができる。この場合、発電設備の電気出力の少なくとも一部が、電力網に供給されるのではなく熱貯蔵器の蓄熱に用いられ、これにより発電設備の有効電力が低下する。とりわけ低負荷時間中および/または高い配電網周波数の場合の、電力網内の電力需要が低下する際に、簡単なやり方で、および迅速な蓄熱時間に基づき、非常に早急に電力供給を下げることができ、したがって負の調整エネルギーの調達を実現することができる。
それだけでなく、とりわけ負の調整力が必要な場合に電力網からの電気エネルギーで熱貯蔵器を加熱または蓄熱することもできる。電力網からの電気エネルギーで貯蔵器に蓄熱することにより、非常に短い時間内で電力網負荷を上げることができ、したがって負の一次および/または二次調整力を調達することができる。
熱貯蔵器の放熱時に給水予熱部に熱結合できること、および電力で貯蔵器に蓄熱できることにより、発電設備の定格負荷運転の際にも、なかでも貯蔵容量に依存する比較的長い期間にわたって、正および負の調整力を提供することができる。発電設備を定格負荷でまたはさらに定格負荷〜最低負荷の間の範囲内で運転する場合、正の調整力を調達するには熱貯蔵器の放熱を、および負の調整力を調達するには熱貯蔵器の蓄熱を行うことができる。貯蔵された熱を給水予熱のプロセスに結合することで、数%の、とりわけ10%以上までの出力上昇を達成することができる。これに対応する大きさで、熱貯蔵器の蓄熱により発電設備の有効電力を下げることができる。
発電設備の運転の動作点または出力点を下げることにより、復水せき止めおよびタービン調整弁の絞りのような、設備の動特性を改善するための既知の措置が適用される従来の発電事業に比べ、本発明による方法を用いてより多くの正および負の調整力またはより幅広い調整レンジを提供することができる。本発明による方法での発電設備の動作点は、発電設備の定格燃焼出力の90%〜100%の範囲内であることが好ましい。
電気加熱可能な熱貯蔵器の使用は、発電所の柔軟性を高め、とりわけ一次調整予備力しかしさらに二次調整予備力の、とりわけ迅速かつ柔軟な入手を可能にし、したがってとりわけ電力市場の変化における発電設備の経済的な運転を保証する。発電プロセスと電気蓄熱可能な熱貯蔵器とを連関させることで、とりわけ発電設備の一次および二次調整能力が改善され、こうして発電事業者に、非常に経済的な発電事業のための新たなオプションが開かれる。一次および二次調整予備力は、追加的な電力網サービスとして提供および販売することができる。
発電設備の最低負荷は、第一に燃焼によって制限されており、かつ燃料に応じて様々な限界値を有している。石炭火力発電所では、最低負荷を定格燃焼出力の約15%に下げることができる。電力需要の少ない時間中は、とりわけ電力網への電力の供給によって達成可能な電気料金が発電設備の電力生産費未満である場合には、さらにとりわけいわゆる「オフピーク時間」中は、発電所は最低負荷で運転される。この場合、従来の発電コンセプトでは、発電設備の最低負荷運転中は通常、負の調整力を提供することができない。これに対して本発明による方法は、発電設備の最低負荷運転時に、とりわけ低額の電気料金の際に、負の調整力を調達するため、発電設備によって生産される電気エネルギーの少なくとも相応の割合で、貯蔵器に蓄熱することができる。したがって最低負荷での発電設備の運転時に、発電プロセスで生産される電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することにより、電力網に放出される発電設備の有効電力を減らすことができ、こうして負の調整力を調達することができる。負の一次および二次調整予備力は、追加的な電力網サービスとして提供および販売することができ、これは設備運転の高い経済性をもたらす。
発電設備の有効電力は、発電設備の最低負荷運転時に、貯蔵器の蓄熱性能、つまり貯蔵器の蓄熱時に熱エネルギーに変換される、蓄熱時間に対する電力量を変更することにより、電力網調整力の需要に簡単に適合することができる。熱貯蔵器には、最低負荷の際に発電設備によって生産される電気出力の0〜100%の割合で蓄熱できることが好ましい。電気料金が低額の時間中は、例えば発電設備の全電気出力を熱貯蔵器の通電に用いることができる。電力網内の電力需要が上昇すると、発電出力のうち熱貯蔵器の通電に用いられる割合を必要に応じて0に減らすことができ、これにより、全発電出力を再び完全に電力網に供給することができる。蓄熱性能を迅速に変更できることにより、発電設備の有効電力を、電力網内の需要の変化に柔軟かつ非常に即座に適合することができる。
例えば、最低負荷の際に生産される発電設備の電気出力が定格出力の15%である場合、発電設備の最低負荷運転時に例えば定格出力の7.5%の割合で熱貯蔵器に蓄熱することができる。これに対応して発電設備の有効電力は定格出力の7.5%に下がる。熱貯蔵器の蓄熱性能を定格出力の15%に上げることで、発電設備の有効電力を0に下げることができる。貯蔵器の蓄熱性能を下げることで、発電設備の有効電力を再び上げることも、熱貯蔵器の蓄熱をストップさせれば定格出力の最大15%まで上げることも良好に可能である。
貯蔵器の最大蓄熱性能は、少なくとも最低負荷運転時の発電出力に相当することができる。したがって熱貯蔵器の蓄熱性能は、最低負荷運転時の発電設備によって生産される全電力を熱に変換および貯蔵するために十分である。
発電設備によって生産される電気エネルギーでの熱貯蔵器の通電は、有効電力または電力網への電力供給を減少させる。熱貯蔵器の蓄熱性能が十分に大きければ、それだけでなく電力網負荷を上昇させるために、およびさらなる負の調整力を調達するために、発電設備の最低負荷運転時に追加的に給電網からの電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することができる。熱貯蔵器に蓄熱するために電力網から電気を取り出すことによる追加的な調整力の調達は、現況技術から知られている発電コンセプトではもたらされない非常に経済的な設備運転のための新たなオプションである。
その他の点では、発電所の運転停止後でさえ、電力網からの電気エネルギーで熱貯蔵器の蓄熱を行うことができ、したがって発電設備が運転停止の状態でも負の調整力を調達することができる。
貯蔵器の放熱に関しては、熱い蓄熱材料に空気流を通し、これにより熱風流を発生させ得ることが好ましい。この熱風流が、例えば2bar超、好ましくは3bar超、さらに好ましくは3.5bar以上の上昇した圧力レベルで存在する場合、需要に応じて追加的な電気エネルギーを生産するために、したがって発電設備の有効電力をよりいっそう柔軟に出力需要に適合させ得るために、熱風流を、給水予熱区間への熱結合の前に膨張機内で減圧することができる。これについては、そうして発電プロセスの全効率を上昇させることができる。
以下に、図面に基づいて本発明を例示的に説明する。示した本発明の実施形態の同じ設備コンポーネントには同じ符号を付している。
電気蓄熱可能な熱貯蔵器を備えた本発明による蒸気タービン発電設備の簡略化した設備図であって、この場合、放熱時に解放される熱エネルギーを、給水予熱のために発電設備の給水予熱区間に結合することができる。 図1に示した蒸気タービン発電設備の改変された一実施形態の簡略化した設備図であって、この場合、貯蔵器の放熱時に発生する熱風流は、熱結合の前に膨張機内で減圧される。 蒸気タービン発電設備の出力を迅速かつ柔軟に適合するための本発明による方法の簡略化したプロセスフロー図である。 蒸気タービン発電設備の出力を迅速かつ柔軟に適合するための本発明による方法の簡略化したプロセスフロー図である。 給水予熱のために電気蓄熱可能な熱貯蔵器を使用することによる、蒸気タービン発電設備での設備の動特性の改善を示す概略図である。 定格負荷付近での蒸気タービン発電設備の運転時の、給水予熱のために電気蓄熱可能な熱貯蔵器を使用することによる、設備の動特性の改善を示す概略図である。
図1は、概略的に示した蒸気タービン2を備えた蒸気タービン発電設備1の簡略化した設備図を示しており、蒸気タービン2は、高圧部分、中圧部分、および低圧部分を有することができる。それだけでなく水/蒸気動作循環4の給水予熱区間3を概略的に示しており、給水予熱区間3内では、給水がその後の蒸発のために予熱される。発電プロセス内で生産される正味電気出力または有効電力5は給電網に供給される。電力生産のために蒸気力プロセス内で必要なさらなる設備コンポーネントは図1には示していない。
発電設備1の有効電力5を迅速かつ柔軟に適合するために、さらに好ましくは必要に応じて正および負の電力網調整力を調達するために、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器6が設けられている。貯蔵器6に蓄熱するために、給電網7から電気出力7を取り出すことができ、かつ/または発電設備1によって生産される電気エネルギーの一部が用いられ、これは給電網に供給される有効電力5を低下させる。
電気貯蔵器6は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するための少なくとも1つの電気熱導体と、蓄熱材料、とりわけ蓄熱性材料から成る充填床とを備えることができる。達成可能な貯蔵器温度は、1000℃〜1300℃の間、好ましくは1100℃〜1200℃の間であり得る。貯蔵器6の放熱のために空気流8が熱い蓄熱材料を通って案内され、この場合に好ましくは500℃超、とりわけ700℃超の温度へ熱せられる。空気流8は、2bar超、とりわけ3bar超、例えば3.5barの圧力で貯蔵器6に送ることができる。空気流8を圧縮するために圧縮機9が設けられている。貯蔵器6から出てくる熱い空気流8を給水予熱に用いる。給水予熱区間3内では、熱い空気流8から液状の給水への好ましくは間接的な熱伝達が行われる。
後で図3に基づいてさらに詳細に説明するように、給水予熱のために貯蔵器6から発電プロセスに熱エネルギーを結合することは、発電設備1の電気出力の迅速かつ需要に応じた上昇を、とりわけ正の調整力の調達を可能にする。それだけでなく、とりわけ負の調整力を調達するために、発電設備1によって生産される電力で貯蔵器6に蓄熱することにより、需要に応じて発電設備の有効電力5を下げることができ、こうして電力網への電力の供給を減らすことができる。それだけでなく電力網からの電気出力7で貯蔵器6に蓄熱することにより、電力網負荷を上昇させることができ、したがって負の調整力を調達することができる。
図2に示した発電設備1の場合、効率を高めるために、および発電設備1の出力適合の際の柔軟性を高めるために、圧縮されて貯蔵器6内で加熱された空気流8を、貯蔵器6から出た後で給水に熱伝達する前に減圧するための少なくとも1つの膨張機10が設けられている。このときに生産される電気出力11は電力網に供給することができる。
図3では、蒸気タービン発電設備1の有効電力5を迅速かつ柔軟に適合するための蒸気力プロセスの簡略化したプロセスフロー図を示している。発電設備1が、蒸気力プロセスの実現に必要なさらなる図示されていない設備機器および設備コンポーネントを備え得ることは自明である。
以下に図3に基づいて、従来通りに運転される蒸気力プロセスを説明する。蒸気力設備1は、少なくとも1つの高圧部分12と、少なくとも1つの中圧および低圧部分13とを備えた蒸気タービン2を有している。発電設備1の給水予熱区間3は、少なくとも1つの低圧予熱器14、給水容器15、ポンプ16、および少なくとも1つの高圧予熱器17を備えている。さらなる給水予熱のためにエコノマイザー18が用いられる。予熱の後、給水19を蒸化器20内で蒸発させ、そして過熱器21内で蒸発温度より高く、それ自体は通常のやり方で加熱する。過熱された蒸気22はその後、まずは蒸気タービン2の高圧部分12内で減圧され、続いて中間過熱器23内で再び熱せられる。蒸気22はその後、蒸気タービン2の中圧および低圧部分13内で完全に減圧され、そして復水器24内で凝縮する。凝縮の際に生成される給水19は、低圧予熱器14を経て給水容器15に達する。ポンプ16により給水19を給水容器15から高圧予熱器17を経てエコノマイザー18に送る。
従来通りに運転される蒸気力プロセスでは、高圧予熱器17および低圧予熱器14の加熱が、蒸気タービン2の高圧部分12ならびに中圧および低圧部分13から抽気蒸気25、26を取り出すことによって行われる。この蒸気取出しにより、蒸気タービン2の出力が低下する。発電設備1によって生産される有効電力5を上昇させるために、現況技術からは復水せき止め法が知られている。この場合は、低圧予熱器14を通る復水の質量流量を減らす。その結果、低圧予熱器14の抽気蒸気の質量流量を相応に減らすことができ、したがってより多くの蒸気22が蒸気タービン2内に留まり、これにより蒸気タービン2によってより多くの電気出力が生産される。復水せき止めによって提供可能な超過出力は、復水の質量流量のための貯蔵器容積および蒸気発生器の最大出力によって制限されている。それだけでなく現況技術からは、有効電力5を上昇させるために高圧予熱器17への抽気蒸気量を絞ることが知られており、しかしながらこの場合は高圧予熱器17の熱負荷が高くなる。その他の点ではボイラー炉を相応に過大にしなければならず、なぜなら、この場合には蒸気発生器20が比較的冷たい給水19を得るからである。
短期的に、迅速に、かつ一時的に発電設備1の出力適合を達成する、とりわけ需要に応じて正および/または負の電力網調整力を調達するという可能性を提供するために、図3に示した発電設備1では、上述の従来通りに運転される蒸気力プロセスとは異なり、電気蓄熱可能な熱貯蔵器6からの必要に応じた熱結合が規定されている。貯蔵器6は、構造および機能方式により、図1および図2に基づいて説明した熱貯蔵器6に相当することができる。給水19を、バイパスを介し、低圧予熱器14を迂回して貯蔵器6へと案内することができ、かつ貯蔵器6内で加熱された熱風流8の熱伝達によって予熱することができる。もう1つのバイパスを介し、給水19をポンプ16の後に高圧予熱器17を迂回して貯蔵器へと案内することができ、そこでさらに熱することができる。続いて、熱せられた給水19はその後、エコノマイザー18に達する。これに関し、示した設備コンセプトは、給水19の部分質量流量27を、低圧予熱器14の傍らを通りすぎて熱貯蔵器6を経るように案内し、その際に熱して、続いて給水容器15へと案内することを可能にし、その際、給水19の残りの部分質量流量28は、低圧予熱器14を経るように案内され、その際に熱せられる。貯蔵容量に応じて、給水の全流量を、貯蔵器6を経るように案内し、熱風流8の熱伝達により熱することもできる。同じことを給水予熱区間3の高圧領域に当てはめることができる。給水19の部分質量流量29をポンプ16の後に、高圧予熱器17の傍らを通りすぎて貯蔵器6を経てエコノマイザー18へと案内することができ、その際、残りの部分質量流量30は、高圧予熱器17を経るように案内され、その際に熱せられる。貯蔵容量に応じて、給水の全流量を、ポンプ16の後に貯蔵器6を経るように案内し、その際に熱することもできる。好ましいのは、給水19の部分質量流量27、29だけを貯蔵器6を経るように案内し、その際に熱することであり、というのもそうでなければ大きな貯蔵容量が必要だからである。
蒸気タービン2によって生産される電気出力の少なくとも一部を貯蔵器6の蓄熱に利用することができ、これにより、発電設備1の有効電力5が低下する。電力網からの電気出力での蓄熱も可能である。図3に示した設備コンセプトにより、発電設備1の有効電力5の迅速かつ柔軟な変更を達成でき、かつ調整予備力の高い入手可能性を保証でき、したがって発電設備の非常に経済的な運転を達成することができる。
発電設備1の有効電力5の上昇または低下のための反応時間は、5〜20秒の範囲内であり得る。貯蔵器6の最大放熱継続時間は、貯蔵器6の蓄熱容量に依存しており、数時間であり得る。
図5は、給水予熱のために電気蓄熱可能な熱貯蔵器を使用することによる、蒸気タービン発電設備の設備動特性の改善を概略的に示している。図5からは、設備の動特性を改善するための異なる措置に対する、従来通りに運転される発電設備の正味電気出力Pnetto(有効電力)の出力推移31および改変された発電設備の正味電気出力Pnetto(有効電力)の出力推移32が明らかであり、この場合、改変された発電設備では、設備の動特性を改善するための措置として、少なくとも1つの電気蓄熱可能な貯蔵器の蓄熱および放熱が上述のように規定されている。これに対して従来の発電設備は、設備の動特性を改善するためのそれ自体で現況技術から知られている措置、とりわけ復水せき止めを規定することができる。
発電炉の定格燃焼出力つまり定格負荷〜最低負荷の間の負荷状態での発電設備の運転を示している。従来通りに運転される発電設備により、定格負荷では、発電設備の定格出力に相当する有効電力P1が電力網に供給される。出力低下が必要な場合、例えば復水の質量流量の減少および蒸気発生器の燃焼率の低下により、有効電力P1を期間t1で有効電力P2に下げることができ、有効電力P2は、最低負荷の際の従来の発電設備の出力に相当する。従来の発電設備の有効電力のさらなる低下は、発電設備の運転停止によってのみ可能であり、この場合、発電設備の有効電力を最低負荷運転での有効電力P2から期間t2で0に下げることができる。
改変された発電設備の出力低下は、期間t3にわたり、熱貯蔵器の電気蓄熱によって達成することができ、この場合は有効電力P1が、貯蔵器の蓄熱に用いられる電力量だけで、低下した有効電力P3に下がる。図5からさらに分かるように、改変された発電設備での貯蔵器の蓄熱による有効電力の低下は、従来通りに運転される発電設備に比べて明らかにより迅速な出力低下を引き起こす。その後、最低負荷運転時の有効電力P2に達するまでの有効電力のさらなる低下は、蒸気発生器の燃焼出力の低下によって期間t4で可能である。
それだけでなく最低負荷運転時にも、発電設備によって生産される電気エネルギーの少なくとも相応の割合で、熱貯蔵器に蓄熱することができ、したがって改変された発電設備の有効電力は、貯蔵器の通電により、有効電力P2から期間t5でさらに0に下げることができる。その後、最低負荷運転を続行する場合、改変された発電設備によって生産される全電気エネルギーが貯蔵器の蓄熱に用いられ、電力は電力網に供給されず、これは有効電力0に相当する。発電設備によって生産される全電気エネルギーでの貯蔵器の蓄熱は、貯蔵容量に応じて期間t6にわたって維持することができ、またはより長く維持することもでき、この期間t6は、好ましくは数時間であり得る。
図5で示した改変された発電設備の出力推移32の真ん中の領域から分かるように、需要に応じて熱貯蔵器の蓄熱をストップすることができ、したがって改変された発電設備の有効電力を0から再び有効電力P2に、それも比較的短い期間t7で上げることがでる。これで発電設備は、例えば期間t8にわたって最低負荷でさらに運転することができ、この場合は有効電力P2を電力網に供給することができる。熱貯蔵器の蓄熱性能を変更することにより、有効電力を電力網調整力のその時の需要に簡単に迅速に適合することができる。この場合、最低負荷運転時の発電出力の好ましくは0〜100%を熱貯蔵器の蓄熱に用いることができ、したがって有効電力の需要志向の適合が大きな出力レンジで可能である。
加えて図5から分かるように、熱貯蔵器の最大蓄熱性能は、最低負荷運転時の発電出力より大きくてもよく、これにより、とりわけ追加的な電力網調整力を調達するために給電網からの電気エネルギーで熱貯蔵器に蓄熱することができる。それにより、改変された発電設備の最低負荷運転中に、より多くの負の調整力を提供することができ、これを図5では、改変された発電設備の出力推移32に関する負の値によって概略的に示している。
それだけでなく、改変された発電設備の運転停止後にも、給電網からの電力で熱貯蔵器の電気蓄熱を続行することができ、これにより引き続き負の調整力を提供することができる。
図6は、復水せき止めによる従来通りに運転される蒸気タービン発電設備の場合(出力推移33)および電気蓄熱可能な熱貯蔵器との連関による改変された蒸気タービン発電設備の場合(出力推移34)の正味電気出力Pnetto(有効電力)の出力適合のための可能性を概略的に示している。
従来通りに運転される発電設備の定格負荷運転の場合、復水せき止め法により、比較的短い期間t9の間の、定格出力P1から出力P1’への有効電力の上昇が可能であり、この期間t9は、通常の発電所設計の場合は数分の範囲を超えない。出力上昇は、定格出力P1の約10%であり得る。定格出力P1から低下した出力P1”への相応の出力低下は、出力変化をもたらすためのその他の迅速に作用する措置、例えば高圧のタービン調整弁の絞りによって可能である。従来の発電設備は、比較的長い時間にわたって正の調整予備力を調達するには、通常は、定格燃焼出力未満で、例えば低下した出力P1”で運転しなければならない。
従来通りに運転される発電設備の場合に設備の動特性を改善するために規定された措置によって達成可能な正および負の調整予備力は、図6では矢印35、36によって概略的に表されている。
改変された発電設備は、電気蓄熱可能な熱貯蔵器から給水予熱区間への熱結合に基づき、数時間を含み得る明らかにより長い期間t10にわたり、定格負荷運転で達成可能な有効電力P1より高い有効電力P1’で運転することができる。熱貯蔵器からの熱の結合による出力上昇は、従来の発電設備での復水せき止めによる出力上昇に相当し得るかまたはそれを超えることもできる。同じ大きさで、発電プロセス内で生産される電気エネルギーでの熱貯蔵器の蓄熱により発電設備の有効電力P1を下げることができる。これを図6では矢印37、38によって概略的に示している。その結果、改変された発電設備の動作点を、従来通りに運転される発電設備の動作点より高くすることができ、その際、同じ調整力レンジを提供することができる。
その代わりに、改変された発電設備の動作点を従来通りに運転される発電設備の動作点へと相応に下げれば、より幅広い調整力レンジを提供することができる。この可能性を図6では矢印39、40によって概略的に表現している。
1 発電設備
2 蒸気タービン
3 給水予熱区間
4 水/蒸気動作循環
5 有効電力
6 貯蔵器
7 出力
8 空気流
9 圧縮機
10 膨張機
11 出力
12 高圧部分
13 中圧および低圧部分
14 低圧予熱器
15 給水容器
16 ポンプ
17 高圧予熱器
18 エコノマイザー
19 給水
20 蒸化器
21 過熱器
22 蒸気
23 中間過熱器
24 復水器
25 抽気蒸気
26 抽気蒸気
27 部分質量流量
28 部分質量流量
29 部分質量流量
30 部分質量流量
31 出力推移
32 出力推移
33 出力推移
34 出力推移
35 出力増加
36 出力減少
37 出力増加
38 出力減少
39 出力増加
40 出力減少

Claims (15)

  1. 蒸気タービン発電設備(1)の出力を迅速かつ柔軟に適合するための、好ましくは変化した電力網負荷に出力を適合するための、さらに好ましくは需要に応じて電力網調整力を調達するための、特に好ましくは一次および/または二次調整力を調達するための方法であって、少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器(6)の放熱時に解放される熱を、前記発電設備(1)の給水予熱区間(3)に熱結合する、方法。
  2. 前記貯蔵器(6)からの熱結合の際、給水予熱のために規定された前記発電設備(1)の蒸気タービン(2)の蒸気抽気が減少またはストップされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記給水が、前記熱結合のために、バイパス案内において、前記蒸気タービン(2)の抽気蒸気(25、26)によって加熱可能な前記給水予熱区間(3)の少なくとも1つの給水予熱器(14、17)を迂回して前記貯蔵器(6)へと案内されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記貯蔵器(6)の放熱時に解放される熱エネルギーが、前記給水予熱区間(3)の高圧領域内に優先的に結合されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記貯蔵器(6)が、需要に応じて、前記発電設備(1)によって生産される電気出力で蓄熱されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記貯蔵器(6)が、需要に応じて、電力網、とりわけ給電網からの電気エネルギーで蓄熱されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記発電設備(1)が、定格負荷でまたは定格負荷〜最低負荷の間の範囲内で運転されること、および前記貯蔵器(6)が、正の調整力を調達するために少なくとも部分的に放熱され、かつ負の調整力を調達するために少なくとも部分的に蓄熱されることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記貯蔵器(6)が、前記発電設備(1)の最低負荷運転時に、負の調整力を調達するため、前記発電設備(1)によって生産される電気エネルギーの少なくとも相応の割合で蓄熱されることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記発電設備(1)の正味出力が、前記発電設備(1)の最低負荷運転時に、前記貯蔵器(6)の蓄熱性能を変更することにより、電力網調整力の需要に適合されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記貯蔵器(6)の蓄熱性能が、少なくとも最低負荷運転時の発電出力(1)に相当することを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記貯蔵器(6)の蓄熱性能が、最低負荷運転時の発電出力(1)より大きいこと、および前記貯蔵器(6)が、前記発電設備(1)の最低負荷運転時に、とりわけ追加的な負の調整力を調達するために、電力網、とりわけ給電網からの電気エネルギーで蓄熱されることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記貯蔵器(6)が、前記発電設備(1)の運転停止後に、電力網、とりわけ給電網からの電気エネルギーで蓄熱されることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記貯蔵器(6)の放熱時の熱エネルギーが、圧縮された空気流(8)に伝達されること、および前記圧縮された空気流(8)が、追加的な調整力を調達するために、その後の前記給水予熱区間への前記熱結合の前に減圧されることを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. とりわけ請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法を実施するために形成された少なくとも1つの蒸気タービン(2)を備え、および少なくとも1つの電気蓄熱可能な熱貯蔵器(6)を備えた蒸気タービン発電設備(1)であって、その際、前記貯蔵器(6)の放熱時に解放される熱が、前記給水を加熱するために前記発電設備(1)の給水予熱区間(3)に結合可能である蒸気タービン発電設備(1)。
  15. 前記給水予熱区間(3)が、前記蒸気タービン(2)の抽気蒸気によって加熱可能な少なくとも1つの給水予熱器(14、17)を備えていること、および前記給水予熱器(14、17)の傍らを通りすぎて前記貯蔵器(6)を経るような、前記給水(19)の少なくとも部分的な給水側のバイパス案内が規定されていることを特徴とする請求項14に記載の発電設備。
JP2021128709A 2016-07-15 2021-08-05 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備 Active JP7408601B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102016008520.7 2016-07-15
DE102016008520 2016-07-15
EP16020391.5 2016-10-10
EP16020391 2016-10-10
EP16020509.2A EP3269948B1 (de) 2016-07-15 2016-12-22 Verfahren zur anpassung der leistung einer dampfturbinen-kraftwerksanlage und dampfturbinen-kraftwerksanlage
EP16020509.2 2016-12-22
JP2019501918A JP2019526010A (ja) 2016-07-15 2017-06-21 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019501918A Division JP2019526010A (ja) 2016-07-15 2017-06-21 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021191955A true JP2021191955A (ja) 2021-12-16
JP7408601B2 JP7408601B2 (ja) 2024-01-05

Family

ID=57590299

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019501918A Pending JP2019526010A (ja) 2016-07-15 2017-06-21 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備
JP2021128709A Active JP7408601B2 (ja) 2016-07-15 2021-08-05 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019501918A Pending JP2019526010A (ja) 2016-07-15 2017-06-21 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10941676B2 (ja)
EP (1) EP3269948B1 (ja)
JP (2) JP2019526010A (ja)
CN (1) CN109715908B (ja)
CA (1) CA3030317C (ja)
PL (1) PL3269948T3 (ja)
WO (1) WO2018010848A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL3269948T3 (pl) * 2016-07-15 2022-07-18 Carbon-Clean Technologies Gmbh Sposób dostosowania mocy elektrowni z turbiną parową i elektrownia z turbiną parową
DE102019102402A1 (de) * 2019-01-30 2020-07-30 Technische Hochschule Mittelhessen Körperschaft des öffentlichen Rechts Speichervorrichtung und Verfahren zur Wärmespeicherung und (Rück-)Umwandlung in elektrische Energie
CN111271750B (zh) * 2020-03-18 2024-02-20 青岛达能环保设备股份有限公司 基于蓄热器的燃煤电厂调频调峰系统
CN112611010B (zh) * 2020-11-30 2022-06-28 华北电力大学 一种多热源热电联产机组发电负荷灵活调节系统的调节方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711915A (ja) * 1993-06-24 1995-01-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蓄熱型蒸気プラント
JPH11211374A (ja) * 1998-01-23 1999-08-06 Hitachi Ltd 蓄熱装置
JPH11223383A (ja) * 1998-02-09 1999-08-17 Shikoku Electric Power Co Inc 風呂用の循環温水装置
US20110083443A1 (en) * 2008-03-12 2011-04-14 Tobias Jockenhoevel Storage of electrical energy with thermal storage and return through a thermodynamic cycle
WO2014038553A1 (ja) * 2012-09-05 2014-03-13 国立大学法人新潟大学 太陽光を利用した集熱蓄熱装置

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3228996A1 (de) * 1982-08-03 1984-02-09 Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München Verfahren und einrichtung zur leistungsregelung an einem kraftwerksblock
JPH11270352A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 吸気冷却型ガスタービン発電設備及び同発電設備を用いた複合発電プラント
US6101983A (en) * 1999-08-11 2000-08-15 General Electric Co. Modified gas turbine system with advanced pressurized fluidized bed combustor cycle
US6637183B2 (en) * 2000-05-12 2003-10-28 Clean Energy Systems, Inc. Semi-closed brayton cycle gas turbine power systems
EP1944268A1 (en) * 2006-12-18 2008-07-16 BP Alternative Energy Holdings Limited Process
KR101324900B1 (ko) * 2008-10-01 2013-11-04 미츠비시 쥬고교 가부시키가이샤 가스 터빈 장치
JP5134090B2 (ja) * 2009-01-30 2013-01-30 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 発電プラント及び発電プラントの運転方法
US20100281870A1 (en) * 2009-05-08 2010-11-11 General Electric Company System and method for heating fuel for a gas turbine
CN201924972U (zh) * 2011-01-07 2011-08-10 中国电力工程顾问集团公司 太阳能发电与火力发电复合的汽轮发电机组
EP2685101B1 (en) * 2011-03-07 2015-09-16 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Solar heat steam cycle system
DE102011100517A1 (de) * 2011-05-05 2012-11-08 Steag New Energies Gmbh. "Regelsystem zur Anpassung der Leistung einer Dampfturbine an eine veränderte Last "
US8987931B2 (en) 2011-11-01 2015-03-24 Renewable Power Holdings, Inc. Flexible energy balancing system
DE102011086374A1 (de) * 2011-11-15 2013-05-16 Siemens Aktiengesellschaft Hochtemperatur-Energiespeicher mit Rekuperator
DE102011088380A1 (de) * 2011-12-13 2013-06-13 Siemens Aktiengesellschaft Energiespeichervorrichtung mit offenem Ladekreislauf zur Speicherung saisonal anfallender elektrischer Überschussenergie
DE102012204081A1 (de) * 2012-03-15 2013-09-19 Siemens Aktiengesellschaft Energiespeicherkraftwerk
DE102014201406B3 (de) * 2014-01-27 2014-12-24 Drewag - Stadtwerke Dresden Gmbh Verfahren und Anordnung zur mittelbaren Speicherung elektrischer Energie und zur Erbringung von positiver und negativer Regelleistung für ein elektrisches Verbundstromnetz
DE102014017346A1 (de) * 2014-10-17 2016-04-21 Carbon-Clean Technologies Gmbh Verfahren und Speicherkraftwerk zum Ausgleich von Lastspitzen bei der Energieerzeugung und/oder zur Erzeugung von elektrischer Energie
PL3269948T3 (pl) * 2016-07-15 2022-07-18 Carbon-Clean Technologies Gmbh Sposób dostosowania mocy elektrowni z turbiną parową i elektrownia z turbiną parową
US20180171827A1 (en) * 2016-12-15 2018-06-21 Mark Joseph Skowronski Method to integrate regenerative rankine cycle into combined cycle applications using an integrated heat recovery steam generator

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711915A (ja) * 1993-06-24 1995-01-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蓄熱型蒸気プラント
JPH11211374A (ja) * 1998-01-23 1999-08-06 Hitachi Ltd 蓄熱装置
JPH11223383A (ja) * 1998-02-09 1999-08-17 Shikoku Electric Power Co Inc 風呂用の循環温水装置
US20110083443A1 (en) * 2008-03-12 2011-04-14 Tobias Jockenhoevel Storage of electrical energy with thermal storage and return through a thermodynamic cycle
WO2014038553A1 (ja) * 2012-09-05 2014-03-13 国立大学法人新潟大学 太陽光を利用した集熱蓄熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP3269948A1 (de) 2018-01-17
CN109715908B (zh) 2021-11-19
US10941676B2 (en) 2021-03-09
JP2019526010A (ja) 2019-09-12
CA3030317C (en) 2021-03-16
PL3269948T3 (pl) 2022-07-18
US20200182093A1 (en) 2020-06-11
WO2018010848A1 (de) 2018-01-18
CN109715908A (zh) 2019-05-03
EP3269948B1 (de) 2022-03-30
JP7408601B2 (ja) 2024-01-05
CA3030317A1 (en) 2018-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021191955A (ja) 蒸気タービン発電設備の出力の適合方法および蒸気タービン発電設備
JP3995592B2 (ja) 複合サイクル発電所の始動および負荷方法
US9982569B2 (en) Method for operating a steam turbine plant
KR102165184B1 (ko) 열 저장기를 갖춘 파워 플랜트
JP6012773B2 (ja) 太陽熱蒸気発電所における出力調整および/または周波数調整
KR101514621B1 (ko) 가스 발전 설비
US9399928B2 (en) Steam power plant with heat reservoir and method for operating a steam power plant
US10208630B2 (en) Method for operating a steam power plant and steam power plant for conducting said method
CN103635660B (zh) 功率装置和运行功率装置的方法
CN104775857A (zh) 一种火力发电单元机组的高压缸快速启动系统
WO2020255692A1 (ja) 発電プラントおよび発電プラントにおける余剰エネルギ蓄熱方法
JP5985737B2 (ja) 発電所および発電所設備を運転するための方法
JPH0711915A (ja) 蓄熱型蒸気プラント
WO2015159310A1 (en) Improvement and control of the high pressure superheated steam directly produced by a solar field. description
RU2559208C1 (ru) Вспомогательный парогенератор в качестве дополнительного средства регулирования частоты или средства первичного и/или вторичного регулирования в пароэлектростанции
CN104775858A (zh) 一种火力发电单元机组的中压缸快速启动系统
US9080467B2 (en) Method for regulating a brief increase in power of a steam turbine
US9140143B2 (en) Method of operating a steam power plant at low load
CN109736906A (zh) 一种提升热电站使用效率的系统
Masiwal et al. Analysis to Determine Optimum Steam Pressure before Control Valves to Minimize Throttling Losses
CN114811560A (zh) 一种锅炉抽汽与储热耦合的调峰系统及方法
JPH08232608A (ja) 蒸気貯蔵発電プラント
JPH04128502A (ja) 蒸気タービンプラント

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210903

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221013

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230406

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7408601

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150