JP2021191849A - 接着剤組成物、接着構造体及びベルト - Google Patents

接着剤組成物、接着構造体及びベルト Download PDF

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Teppei Nakayama
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Abstract

【課題】優れた接着性を示す接着剤組成物、特に、各種の表面処理を行った繊維と、ゴムとの接着に際して、常温及び高温での接着性に優れ、引張特性及び引裂特性に優れた接着剤組成物を得ること。また、そのような接着剤組成物を用いることで、層間の接着性に優れた接着構造体及びベルトを得ること。【解決手段】合成ゴム、酸成分、及び、カルボジイミドを含む接着剤組成物。上記接着剤組成物の層と、RF又はRFLから形成された層とを含む、接着構造体。上記接着構造体を含むベルト。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物、接着構造体及びベルトに関する。
ベルト等のゴム製品は、繊維を用いて補強することが行われている。例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維やアラミド繊維等のポリアミド繊維が、フィラメント、コード、ケーブル、コード織物、帆布などの形態で補強材として用いられている。
しかし、これらの補強材料は、ゴムとの接着性が悪く、補強材料の表面にレゾルシン−ホルマリン縮合物とゴムラテックスとからなる処理剤を塗布し接着性を改良する試みが行われてきた。これらの合成繊維とゴムの接着では、種々の接着剤組成物により、ゴムと合成繊維との接着性を向上させることが行われてきた。
しかし、これまでの接着剤は、ベルト、特に、伝動ベルトを製造するために繊維とゴムとの接着に用いた場合、常温及び高温での接着力や引張等の作用により、ベルトの製造時や、ベルトの使用時において、ゴムと繊維との間が剥離してしまう問題が生じることがあった。また、接着ゴムの高硬度化と高い剥離接着力の両立は困難であった。
特許文献1には、カルボジイミド基と反応する基を有するポリオレフィン(A)と、カルボジイミド基含有化合物(B)とを、未変性ポリオレフィン(C)の存在下で反応させて得られる接着剤に、粘着付与剤(E)を配合した接着剤が記載されている。そして、未変性ポリオレフィン(C)として、EPDMが例示されている。しかし、酸成分を配合することについて記載されていない。
特許文献2には、(A)アクリル系ポリマー及び(C)カルボジイミド系架橋剤を含み、さらに、(A)成分以外のポリマー成分を含んでいてもよい粘着剤組成物が記載されている。そして、(A)成分以外のポリマー成分として、EPDMが例示されている。しかし、酸成分を配合することについて記載されていない。
特許文献3には、(A)結晶性酸変性ポリオレフィン、(B)非晶性ポリオレフィン及び(C)カルボジイミド樹脂を含む接着剤組成物が記載されている。しかし、合成ゴムや酸成分を配合することは記載されていない。
特許文献4には、耐加水分解性付与剤が含まれている接着剤が記載されている。耐加水分解性付与剤として、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物があげられているが、合成ゴムや酸成分を配合することは記載されていない。
国際公開第2006/098290号 特開2008−37960号公報 国際公開第2016/031342号 特開2012−185908号公報
本発明は、優れた接着性を示す接着剤組成物、特に、各種の表面処理を行った繊維と、ゴムとの接着に際して、常温及び高温での接着性に優れ、引張特性及び引裂特性に優れた接着剤組成物を得ること、ならびに高硬度化と高い剥離接着力を両立させることを課題とする。
また、本発明は、そのような接着剤組成物を用いることで、層間の接着性に優れた接着構造体及びベルトを得ることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記の接着剤組成物、接着構造体及びベルトにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下のとおりである。
[1] 合成ゴム、酸成分、及び、カルボジイミドを含む接着剤組成物。
[2] [1]に記載の接着剤組成物の層と、RF又はRFLから形成された層とを含む、接着構造体。
[3] [1]に記載の接着剤組成物の層と、RF又はRFLから形成された層を表面に有する繊維層とを含む、接着構造体。
[4] [2]又は[3]に記載の接着構造体を含むベルト。
[5] [3]に記載の接着構造体を含み、繊維層が撚糸からなる心線である、ベルト。
本発明によれば、優れた接着性を示す接着剤組成物、特に、各種の表面処理を行った繊維と、ゴムとの接着に際して、常温及び高温での接着性に優れ、引張特性及び引裂特性に優れた接着剤組成物を得ることができる。
また、本発明は、そのような接着剤組成物を用いることで、層間の接着性に優れた接着構造体及びベルトを得ることができる。
[接着剤組成物]
<合成ゴム>
合成ゴムとしては、ポリマー主鎖に炭素−炭素二重結合を有するジエン系ゴム、ポリマー主鎖に炭素−炭素二重結合を有しない非ジエン系ゴム、又は、これらのゴムの変性物の1種類以上を用いることができる。
本発明において、合成ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エチレン−プロピレンコポリマー(EPM)、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンターポリマー(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、シリコーンゴム、ウレタンゴム等から選ばれる1種類以上があげられる。また、これらのゴムに対して、例えば、水素添加(水添)や各種の官能基を導入する変性等を行った変性物、例えば、水添SBR、水添BR、水添アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等から選ばれる1種類以上を用いることができる。
本発明においては、オレフィン系ゴムが好ましく、エチレン−プロピレンコポリマー(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体及びエチレン−ブテン共重合体から選ばれる1種類以上がより好ましく、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)の内、ジエン成分は特に限定されないが、エチレンノルボルネン構造体を有するものや、ジシクロペンタジエン構造体を有するものがより好ましい。
接着剤組成物中の合成ゴムの含有量は、特に限定されない。例えば、接着剤組成物の全固形分中、25〜75質量%、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。
合成ゴムの含有量が75質量%を超えると接着剤の強度が著しく低下し、接着力が低下するおそれがある。また、25質量%未満であると、界面の接着層形成がうまく行われず、接着力が低下するおそれがある。
<酸成分>
酸成分としては、有機酸の1種類以上、例えば、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物又はそれらの無水物からなる群より選ばれる1種類以上を用いることが好ましい。
カルボン酸化合物は、分子内にカルボキシル基を1つ以上有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するカルボン酸、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸又はそれらの無水物からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するカルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、2−エチル−3−メチルマレイン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸、(2−メチル−2−プロペニル)コハク酸、ノネニルコハク酸、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸(ライトアクリレートHOA−MS(N))、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(ライトアクリレートHOA−HH(N))、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸(ライトアクリレートHOA−MPL(N))及び2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(ライトエステルHO−MS(N))等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するカルボン酸化合物無水物としては、例えば、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸、2−エチル−3−メチル無水マレイン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、(2−メチル−2−プロペニル)コハク酸無水物及び無水ノネニルコハク酸等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサテトラエン酸、バクセン酸、パウリン酸、エルカ酸、ネルボン酸及びサピエン酸等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
飽和脂肪酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸及びこれらの金属塩等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
また、本発明においては、上記以外のカルボン酸化合物として、例えば、クエン酸、マロン酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、グルタル酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、コハク酸、アジピン酸、没食子酸、ラウリル酸及びこれらの酸無水物からなる群より選ばれる1種類以上を用いることもできる。
スルホン酸化合物としては、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸及びプロペンスルホン酸等からなる群より選ばれる1種類以上を用いることができる。
有機酸は、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有するポリマーであってもよい。このようなポリマーとしては、例えば、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有するオレフィン系ポリマー、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有するスチレン系ポリマー、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有するアクリル系ポリマー等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
本発明においては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するカルボン酸、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するカルボン酸無水物、不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸からなる群より選ばれる1種類以上がより好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸等からなる群より選ばれる1種類以上を用いることがより好ましい。
接着剤組成物中の酸成分の含有量は、特に限定されない。例えば、接着剤組成物の全固形分中、0.006〜18.750質量%、好ましくは0.015〜14.000質量%、より好ましくは0.026〜9.750質量%、さらに好ましくは0.060〜6.000質量%である。
酸成分の含有量が18.750質量%を超えた場合、また、0.006質量%未満である場合、接着層をうまく形成出来ず、接着強度が低下するおそれがある。
<カルボジイミド>
カルボジイミドは、分子中にカルボジイミド基(−N=C=N−)を少なくとも1つ有する化合物である。本発明においては、分子中にカルボジイミド基を1つ有するカルボジイミド及び/又は分子中にカルボジイミド基を2つ以上有するカルボジイミドから選ばれる1種類以上が用いられる。
カルボジイミド化合物は、例えば、分子中にイソシアネート基を少なくとも1個有するイソシアネート化合物を、カルボジイミド化触媒の存在下、脱二酸化炭素縮合反応(カルボジイミド化反応)を行わせることによって製造することができる。
分子中にカルボジイミド基を1つ有するカルボジイミドとしては、例えば、ジイソプロピルカルボジイミド(MW=126)、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(MW=206)、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−カルボジイミド(ラインケミー社製、商品名「スタバクゾールI」)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(MW=191)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
分子中にカルボジイミド基を2つ以上有するカルボジイミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物を用い、上記の方法で合成して得られるポリカルボジイミド等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。ポリカルボジイミドの数平均分子量としては、400〜500,000、好ましくば1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜40,000程度である。また、商品名「カルボジライト」シリーズ(日清紡ケミカル社製)や商品名「スタバクゾール」(ラインケミー社製)等の市販されているポリカルボジイミド、例えば、スタバクゾールP、カルボジライトLA−1、カルボジライトHMV−15CA等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
本発明においては、分子量が350を超えるカルボジイミドを用いることが好ましく、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−カルボジイミド、ポリカルボジイミド(例えば、スタバクゾールP、カルボジライトLA−1、カルボジライトHMV−15CA等)等からなる群より選ばれる1種類以上を用いることがより好ましい。なお、本発明においては、接着剤組成物に含まれるカルボジイミドの分解を考慮し、分子量が350以下の脂肪族系カルボジイミド化合物を用いないことが好ましい。
接着剤組成物中のカルボジイミドの含有量は、特に限定されない。例えば、接着剤組成物の全固形分中、0.006〜18.750質量%、好ましくは0.015〜14.000質量%、より好ましくは0.026〜9.750質量%、さらに好ましくは0.060〜6.000質量%である。
カルボジイミドの含有量が18.750質量%を超えた場合、また、0.006質量%未満であると、接着層をうまく形成出来ず、接着強度が低下するおそれがある。
<その他の添加剤>
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて、ゴム組成物及び/又は接着剤組成物に添加し得るその他の添加剤を1種類以上含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、加工助剤、架橋剤、架橋助剤・共架橋剤、増量剤、着色剤、補強材、酸化防止剤、界面活性剤、軟化剤、可塑剤、相溶化剤、安定剤、難燃剤、難燃助剤、等から選ばれる1種類以上があげられる。
加工助剤としては、例えば、金属石鹸、脂肪酸アミド等から選ばれる1種類以上があげられる。
架橋剤としては、硫黄、チウラム系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジスルフィド系化合物、過酸化物、ポリオール、ポリイソシアネート等から選ばれる1種類以上があげられる。これらのうち、硫黄、過酸化物等から選ばれる1種類以上が好ましい。
架橋助剤・共架橋剤としては、多官能モノマー(不飽和カルボン酸金属塩(例えば、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等)、ジマレイミド化合物(フェニレンジマレイミド等)、トリ(メタ)アクリレート化合物(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、トリアリル化合物(トリアリルイソシアヌレート等)等)、酸化亜鉛、ポリブタジエン、オキシム類、グアニジン類等があげられる。これらのうち、不飽和カルボン酸金属塩、ジマレイミド化合物、酸化亜鉛等から選ばれる1種類以上が好ましい。
増量剤・着色剤・補強材としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、シリカ等から選ばれる1種類以上があげられる。
軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル等があげられる。
これらの「その他の添加剤」のそれぞれの配合量は、本発明の接着剤組成物の特性に悪影響を与えない範囲の任意量とすることができる。例えば、接着剤組成物中の合成ゴム100質量部に対して、架橋剤としての硫黄の配合量は0.1〜4.0質量部に、架橋剤としての有機過酸化物の配合量は0.5〜8.0質量部に、共架橋剤の配合量は0.5〜15質量部に、軟化剤の配合量は1.5〜50質量部と、それぞれ調整できる。
<製造方法>
本発明の接着剤組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、接着剤組成物の製造方法として公知の方法であれば、任意の方法を用いることができる。
例えば、すべての成分を容器に投入し、混練機、ニーダー、ロールミル、ミキサー、押出機等の装置により混合・混練して製造することができる。また、一部の成分を混合・混錬した後に、残りの成分を配合することで製造してもよい。
<使用方法>
本発明の接着剤組成物により接着される被着体は、特に限定されない。例えば、金属、ゴム、各種プラスチックからなる群より選ばれる1種類以上があげられる。このうち、本発明の接着剤組成物は、ゴムと各種繊維との接着に有用である。
本発明の接着剤組成物をゴムと繊維との接着に用いる場合、被着体となるゴムは、加硫ゴム、未加硫ゴムのいずれであってもよい。加硫ゴムに対する接着力に優れることから、加硫ゴムとすることが好ましい。また、繊維は、特に限定されないが、有機繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が好ましく、表面にRFL層が形成された繊維が特に好ましい。有機繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維等があげられる。また、繊維の形状としては、撚糸、織布、不織布、簾、網等の繊維構造物等があげられる。
[接着構造体]
本発明の接着構造体は、本発明の接着剤組成物の層(接着剤層)と、RF又はRFLから形成された層(RF(L)層)とを含む。
接着剤層とRF(L)層との間には、必要に応じて、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等を含むプライマー層等の任意の中間層が設けられていてもよい。本発明においては、接着剤層とRF(L)層の接着性が良好であることから、前記中間層を設けることなく直接積層して接着構造体としても良い。
本発明の接着構造体は、RF(L)層が繊維層の上に設けられていてもよい。この場合、接着剤層、RF(L)層及び繊維層をこの順とすることが好ましい。RF(L)層が繊維層の上に設けられている態様としては、RF(L)層を表面に有する繊維層となっていることが含まれ、これには、例えば前記したように表面にRFL層が形成された繊維によって、繊維層が構成されていることが含まれる。
また、RF(L)層を表面に有する繊維層が、接着剤層中に埋め込まれ、接着剤層/RF(L)層/繊維層/RF(L)層/接着剤層の構造を有していてもよい。
RF(L)層と繊維層との間には、必要に応じて、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等を含むプライマー層等の任意の中間層が設けられていてもよい。
本発明の接着構造体は、繊維層に加えて、さらに1層以上のゴム層を有していてもよい。この場合、ゴム層、接着剤層、RF(L)層及び繊維層をこの順とすることが好ましく、ゴム層、接着剤層、表面にRF(L)層を有する繊維層の順とすることが好ましい。ゴム層は、接着剤組成物の被着体であってもよい。また、RF(L)層を表面に有する繊維層が、接着剤層中に埋め込まれ、例えば、ゴム層A/接着剤層/RF(L)層/繊維層/RF(L)層/接着剤層/ゴム層Bの構造を有していてもよい。ゴム層Aとゴム層Bの成分は、同じでも異なっていてもよく、必要に応じてゴム層Bを有さなくてもよい。
RF(L)層と繊維層との間及びゴム層と接着剤層との間には、必要に応じて、下地処理層、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等を含むプライマー層、ゴム糊層等の任意の層が設けられていてもよい。
<接着剤組成物層>
本発明の接着構造体における接着剤組成物層(接着剤層)は、本発明の接着剤組成物から構成され、その厚さは、特に限定されず、用途等に応じて任意の厚さに設定することができる。例えば、0.001〜3.0mm、好ましくは0.01〜2.5mmとすることができる。
<RF(L)層>
本発明の接着構造体におけるRFから形成された層は、レゾルシン(R)とホルマリン(F)との初期縮合物(RF)水溶液を用いて構成される。また、RFLから形成された層は、RF水溶液にラテックス(L)を混合して得られるRFL水溶液を用いて構成される。
RF水溶液中の初期縮合物は、レゾルシン(R)とホルマリン(F)とを任意のモル比で反応させたものであり、モル比は、例えばR/F=1/0.8〜1/4、好ましくは1/1.3〜1/3とすることができる。
RF水溶液又はRFL水溶液の固形分濃度は、特に限定されないが、例えば3.0〜30質量%、好ましくは5〜25質量%とすることができる。
RFL水溶液における、初期縮合物(RF)のラテックス(L)に対する固形分質量比は、特に限定されないが、例えばRF1質量部に対し、Lは0質量部を超え30質量部以下、好ましくは1.5〜20質量部とすることができる。
ラテックス(L)としては、特に限定されないが、例えば、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(VP−SBR)ラテックス、クロロプレンゴム(CR)ラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックス、2,3−ジクロロブタジエン共重合体ゴム(2,3−DCB)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、水素添加アクリロニトリルブタジエンメタクリル酸三元共重合体(X−NBR)ラテックス等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。これらのうち、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(VP−SBR)が好ましい。
RF水溶液の調製方法は、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム水溶液にレゾルシンを撹拌しながら添加した後に、ホルマリンを添加し、室温で撹拌する方法があげられる。
また、RFL水溶液の調製方法は、特に限定されないが、例えば、ラテックスにRF溶液を撹拌しながら徐々に添加し、必要に応じて水を添加し、室温で撹拌する方法があげられる。
RF(L)層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、
(i)接着剤層にRF(L)水溶液を塗布する方法、
(ii)RF(L)水溶液から形成したRF(L)膜と接着剤層とを一体化する方法、
(iii)繊維層等の上にRF(L)水溶液を塗布・乾燥してRF(L)膜を形成した後に接着剤層と一体化する方法、
等があげられる。
本発明においては、(iii)の方法が好ましく用いられる。(iii)の方法を用いることによって、表面にRF(L)層を有する繊維層を構成することができる。(iii)の方法において、RF(L)膜を形成する方法としては、例えば、繊維からなる心線をRF(L)水溶液に浸漬して塗布し加熱乾燥する方法があげられる。この際、心線のRF(L)水溶液への浸漬時間は、10秒以下、例えば0.5〜5秒とすることができ、浸漬後の加熱温度(加熱炉設定温度)は、270℃以下、例えば150〜260℃とすることができ、乾燥温度は、360秒以下、例えば15〜300秒とすることができる。心線のRF(L)水溶液による処理は、1回以上行うことができ、RF(L)層の付着量としては、心線の100質量部に対してRF(L)層が20質量部以下、例えば0.5〜15質量部となる量である。
<繊維層>
本発明の接着構造体が有していてもよい繊維層は、単繊維、織物、編物、不織布、撚糸、網、簾、組紐、これらの1つ以上を組み合わせたもの等からなる群より選ばれる1種類以上から構成される。本発明においては、単繊維及び/又は撚糸から構成される心線、布(例えば、帆布)、不織布が繊維層として好ましく用いられる。
繊維層を構成する材料としては、例えば、ポリアミド繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、46ナイロン繊維等)、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等)、アラミド繊維(パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維等)、ビニロン繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維(スチールコード)等があげられる。
本発明の接着構造体を用いてベルトを構成する場合、繊維層としては、例えば、撚糸又は組紐で構成された心線を用いることが好ましい。撚糸を構成する繊維としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、炭素繊維及び金属繊維等からなる群より選ばれる1種類以上が用いられる。心線の直径は例えば0.5〜2.5mmであり、ベルト横断面における相互に隣接する心線中心間の寸法は例えば0.05〜0.20mmである。
[ベルト]
本発明のベルトは、本発明の接着構造体を含むベルトであり、例えば、プーリに巻き掛けられて動力を伝達する伝動ベルト又はコンベヤベルト等である。伝動ベルトとしては、Vベルト、丸ベルト、歯付ベルト、平ベルト、Vリブドベルトのいずれでもよい。
例えば、ベルト内周側のプーリ接触部分を構成する内面ゴム層、本発明の接着剤組成物の層(接着剤層)、RF又はRFLから形成された層(RF(L)層)、繊維層、RF(L)層、接着剤層、ベルト外周側の背面ゴム層をこの順で有している。内面ゴム層、接着剤層、表面にRF(L)層を有する繊維層、接着剤層、背面ゴム層をこの順で有していると言うこともできる。RF(L)層及び繊維層は、例えば、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するようにRF(L)層が表面に設けられた心線が、接着剤層で挟まれた構成とすることができる。また、背面ゴム層の代わりに背面補強布を設けてもよい。
内面ゴム層及び背面ゴム層は、ゴム成分に種々のゴム配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されて架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されている。圧縮ゴム層及び背面ゴム層を形成するゴム組成物は、同一であっても異なっていてもよい。
内面ゴム層及び背面ゴム層を形成するゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン−プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−オクテンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマーなどのオレフィン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。本発明においては、内面ゴム層、接着剤層及び背面ゴム層を形成するゴム成分を同一のものとすることができる。
ゴム配合剤としては、補強材、オイル、加工助剤、加硫促進助剤、架橋剤、共架橋剤、加硫促進剤等があげられる。
補強材としては、短繊維があげられ、例えば、セルロース系微細繊維、6−ナイロン繊維、6,6−ナイロン繊維、4,6−ナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリエステル繊維等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
短繊維の直径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好ましくは50μm以下である。
短繊維の配合量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。
また、補強材としては、カーボンブラックがあげられ、例えば、チャネルブラック、ファーネスブラック(SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234等)、サーマルブラック(FT、MT等)、アセチレンブラック等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
カーボンブラックの配合量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。
オイルとしては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系オイル、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系オイル等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
オイルの含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば1.5〜50質量部である。
加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)や酸化マグネシウムなどの金属酸化物、金属炭酸塩、脂肪酸及びその誘導体等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
加硫促進助剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば5〜15質量部である。
架橋剤としては、硫黄及び有機過酸化物からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル類、ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
硫黄の配合量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば0.1〜4.0質量部であり、有機過酸化物の配合量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜8.0質量部である。
共架橋剤としては、例えば、1,2−ポリブタジエン、オキシム類、グアニジン、(メタ)アクリレート化合物(TAIC、マレイミド類、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アクリル酸塩等)等からなる群より選ばれる1種類以上があげられる。
共架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜40質量部である。
ベルトの成形方法としては、例えば、以下の方法があげられる。
(i)表面が平滑な円筒ドラム上にゴムスリーブを被せ、その外周上に、背面ゴム層用の未架橋ゴムシート、接着剤層用の未架橋シートを順に巻き付けて積層し、その上からRF(L)層を有する繊維層を円筒状の内型に対して螺旋状に巻き付け、更にその上から接着剤層用の未架橋ゴムシート及び内面ゴム層用の未架橋ゴムシートを順に巻き付けて積層成形体を形成する。
(ii)積層成形体を設けたゴムスリーブを円筒ドラムから外し、積層成形体を外型の内周面側に内嵌め状態にセットした後、内型を外型にセットされたゴムスリーブ内に位置付けて密閉する。
(iii)外型を加熱するとともに、内型の密封された内部に高圧空気等を注入して加圧する。内型が膨張し、外型の成型面に、積層成形体における各未架橋ゴムシートが圧縮されて進入するとともにそれらの架橋が進行し、且つRF(L)層を有する繊維層が複合一体化し、最終的に、円筒状のベルトスラブが成型される。ベルトスラブの成型温度は例えば100〜180℃、成型圧力は例えば0.5〜2.0MPa、及び成型時間は例えば10〜60分とすることができる。
(iv)内型の内部を減圧して密閉を解き、内型と外型との間でゴムスリーブを介して成型されたベルトスラブを取り出し、ベルトスラブを所定幅に輪切りして表裏を裏返すことによりベルトが製造される。
以下、実施例及び比較例をあげ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。以下において特に断りのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は質量部を意味する。
[実施例1〜4、比較例1〜4]
<接着剤組成物の未加硫シートの調製>
表1に示す成分を、それぞれ表1に示す量(質量部)混合し、接着剤組成物の未加硫シートを得た。具体的には、架橋剤以外の成分をバンバリーミキサーで混合してマスターバッチを形成した後に、架橋剤を混合し、2本ロールを用いて混錬し、切り返し、丸め通しを行い圧延し、未加硫シートを得た。
得られた未加硫シートについて、加硫特性を測定し、表1に併せて記載した。
また、得られた未加硫シートを用いて下記のように試験片を作製し、常温接着力、120℃接着力、引張特性、引裂力及び硬度を測定し、表1に併せて記載した。
Figure 2021191849
<接着剤組成物構成成分>
表1中の接着剤組成物構成成分は、以下のとおりである。
EPDM:三井TPE 1045
(三井化学社商品名、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)
カルボジイミド化合物:ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−カルボジイミド
カーボンブラック:FEFカーボン(ファーネスブラックの1種)
シリカ:ウルトラジルVN3GR(エボニック ジャパン社商品名)
過酸化物:ペロキシモンF40(日油社商品名)
上記実施例及び比較例における、各種特性等の評価・測定は、以下のように行った。
<試験片の作製>
(RFL水溶液の調製)
軟水41.7gに水酸化ナトリウム0.2gを撹拌しながら添加した後に、レゾルシン2.0gを撹拌しながら添加した。濃度37質量%のホルマリン2.15mlを撹拌しながら添加し、23℃で1時間撹拌を継続した。軟水をRF固形分が3.0質量%となるように添加して、RF水溶液を調製した。
スチレン−ブタジエン系ゴムラテックス(日本エイアンドエル社製商品名「J9049」)7.3gと、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系ゴムラテックス(日本エイアンドエル社製商品名「PYRATEX」)35.7gを混合した後に、上記で得られたRF水溶液を撹拌しながら徐々に添加し、23℃で12時間撹拌を継続した。RFL固形分濃度が16質量%となるように軟水を撹拌しながら添加して、RFL水溶液を調製した。
(RFL層を有する心線の調製)
ポリエチレンテレフタレートコードを用意し、クルードMDI(住化コベストロウレタン社製商品名、「スミジュール44V−20」)(16質量%トルエン溶液)の第1タンク、上記RFL水溶液の第2タンク及び第3タンク及び糊ゴムの第4タンクを通過させることで、心線上にイソシアネート樹脂層、RFL層、RFL層及び糊ゴム層を有する心線を調製した。
(接着力試験用試験片の調製)
金枠に、7本の上記心線をほぼ等間隔に張力が発生するように設置した。
金型窪み部分に、上記接着剤組成物の未加硫ゴムシートを総厚6.6mmのゴムブロック(6.6mm×40mm×170mm)となるように積層して未加硫ゴムピースサンプルを静置して、心線に張力を持たせた前記金枠と前記金型を張り合わせ、コード面をゴム側に押し付ける状態で、160℃に加熱された上下加硫熱板に挟み、160℃、4MPa、T90+5分の条件で保持し架橋反応させて、接着力試験用試験片を調製した。
(その他の試験用試験片の調製)
ゴムブロックを、厚さ2mmのゴムブロック(2mm×150mm×150mm)とし、加硫反応の時間をT90+10分とした以外は、接着力試験用試験片と同様にして、その他の試験用試験片を調製した。
<加硫特性>
JIS K 6300−2(2001)「未加硫ゴム−物理特性−第二部:振動式加硫試験機による振動特性の求め方」に準拠し、レオメーターを使用して下記の条件で加硫曲線を測定した。
温度:160℃
振動角:±1deg
振動数:100cpm
得られた加硫曲線から、最大トルクMH(mNm)、最小トルクML(mNm)、10%加硫に到達するまでの時間T10(min)及び90%加硫に到達するまでの時間T90(min)を求めた。
<引張特性>
引張試験機を使用し、JIS K 6251(2004)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠して測定した。
試験片はJIS 3号試験片とし、厚さ2.0mmとした。
M5は、5%伸び時における引張応力(MPa)を、TBは引張強さ(MPa)を、EBは切断時伸び(%)を、それぞれ表す。
<引裂力>
引張試験機を使用し、JIS K 6252(2001)「加硫ゴム及び可塑性ゴム・引裂強さの求め方」に準拠して測定した。
試験片はクレセント型試験片とし、厚さ2.0mmとした。
引裂力(TR)を、下記の式により求めた。
TR=F/t
TR:引裂力[N/mm]
F:最大引裂力[N]
t:試験片の厚さ[mm]
<デュロメーター硬度>
JIS K 6253に規定のタイプAデュロメーターを用い、23℃での硬さ(瞬時値)を測定した。
<接着力>
23℃で24時間以上静置した試験片を準備した。インストロン5659引張試験機を用い、ゴム部分と、コード3本とをそれぞれ固定し、23℃で100mm/minの一定速度でゴム部分とコードとが上下に分かれるようにして、剥離試験を実施し、常温接着力を測定した。
また、120℃の恒温槽に30分静置した接着サンプルを用い、上記と同様に剥離試験を実施し、120℃接着力を測定した。

Claims (5)

  1. 合成ゴム、酸成分、及び、カルボジイミドを含む接着剤組成物。
  2. 請求項1に記載の接着剤組成物の層と、RF又はRFLから形成された層とを含む、接着構造体。
  3. 請求項1に記載の接着剤組成物の層と、RF又はRFLから形成された層を表面に有する繊維層とを含む、接着構造体。
  4. 請求項2又は3に記載の接着構造体を含むベルト。
  5. 請求項3に記載の接着構造体を含み、繊維層が撚糸からなる心線である、ベルト。
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