JP2023043417A - ゴム-繊維複合体及びその製造方法、並びにそれを含むコンベヤベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】屈曲の繰り返しに対する接着耐久性の高いゴム-繊維複合体を提供する。【解決手段】ゴム-繊維複合体は、ゴム部材と繊維部材とが接着して複合している。前記ゴム部材は、エチレン-α-オレフィンエラストマーと、前記エチレン-α-オレフィンエラストマーと反応して結合するX成分とを含有する未架橋ゴム組成物が有機過酸化物により架橋した架橋ゴム組成物で形成されている。前記未架橋ゴム組成物における前記エチレン-α-オレフィンエラストマー及び前記X成分の合計含有量が53質量%以上である。前記架橋ゴム組成物は、300%伸びにおける引張応力が8MPa以上であり且つ切断時伸びが320%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム-繊維複合体及びその製造方法、並びにそれを含むコンベヤベルトに関する。
ゴム部材と繊維部材とが接着して複合したゴム-繊維複合体は、例えばコンベヤベルト等のゴム製品に含まれる。かかるゴム製品において、ゴム部材と繊維部材との接着性は、製品寿命に影響する非常に重要な因子である。そして、その接着技術として、例えば、特許文献1には、ニトリル基含有飽和ゴムラテックスのRFL水溶液で処理した繊維部材をゴム部材と加硫接着することが開示されている。
特開平9-216954号公報
コンベヤベルトは、その使用の際に、屈曲の繰り返しという動的な刺激を受ける。コンベヤベルトには、接着ゴム層に複数の帆布が厚さ方向に間隔をおいて埋設されたゴム-繊維複合体が含まれるが、このゴム-繊維複合体では、屈曲の繰り返しにより接着ゴム層からの帆布の剥離が誘発される。この剥離を抑制するためには、屈曲の繰り返しに対する接着耐久性を高めることが必要である。
本発明の課題は、屈曲の繰り返しに対する接着耐久性の高いゴム-繊維複合体を提供することである。
本発明は、ゴム部材と繊維部材とが接着して複合したゴム-繊維複合体であって、前記ゴム部材は、エチレン-α-オレフィンエラストマーと、前記エチレン-α-オレフィンエラストマーと反応して結合するX成分とを含有する未架橋ゴム組成物が有機過酸化物により架橋した架橋ゴム組成物で形成されており、前記未架橋ゴム組成物における前記エチレン-α-オレフィンエラストマー及び前記X成分の合計含有量が53質量%以上であり、前記架橋ゴム組成物は、300%伸びにおける引張応力が8MPa以上であり且つ切断時伸びが320%以上である。
本発明は、本発明のゴム-繊維複合体の製造方法であって、前記未架橋ゴム組成物を前記繊維部材と接触させた後、前記未架橋ゴム組成物を前記有機過酸化物により架橋させて前記架橋ゴム組成物の前記ゴム部材を形成するとともに、前記ゴム部材と前記繊維部材とを接着させて複合させるものである。
本発明は、本発明のゴム-繊維複合体を含むコンベヤベルトである。
本発明によれば、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得ることができる。
実施形態に係るゴム-繊維複合体を含むコンベヤベルトの断面図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係るゴム-繊維複合体は、ゴム部材と繊維部材とが接着して複合したものである。
ゴム部材は、ゴム成分のエチレン-α-オレフィンエラストマーと、そのエチレン-α-オレフィンエラストマーと反応して結合するX成分とを含有する未架橋ゴム組成物が有機過酸化物により架橋した架橋ゴム組成物で形成されている。
エチレン-α-オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(以下「EPDM」という。)、エチレン・プロピレン共重合体(以下「EPM」という。)、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・ブテン共重合体等が挙げられる。エチレン-α-オレフィンエラストマーは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、EPDMを含むことがより好ましい。
エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部中のエチレン含量は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、好ましくは50質量%以上70質量%以下、より好ましくは52質量%以上58質量%以下である。
エチレン-α-オレフィンエラストマーがジエン成分を含む場合、そのジエン成分としては、例えば、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げられる。ジエン成分は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、これらのうちのエチリデンノルボルネン(ENB)が好ましい。この場合、エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部中のENB含量は、同様の観点から、好ましくは0.5質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは4.5質量%以上5.0質量%以下である。
エチレン-α-オレフィンエラストマーのムーニー粘度は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、35ML(1+4)125℃以下、又は、50ML(1+4)100℃以下であることが好ましい。
X成分としては、例えば、共架橋剤、液状ポリマー、練り込み型加硫接着剤、エチレン-α-オレフィンエラストマー以外のゴム成分(以下「その他ゴム成分」という。)等が挙げられる。X成分は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得るとともに100℃以上の高温時における高い静的接着性を得る観点から、共架橋剤及び液状ポリマーを含むことがより好ましく、共架橋剤、液状ポリマー、練り込み型加硫接着剤、及びその他ゴム成分の4種を含むことが更に好ましい。
共架橋剤としては、例えば、メタクリル酸金属塩、メタクリレート系共架橋剤、マレイミド系共架橋剤、アリル系共架橋剤等が挙げられる。メタクリル酸金属塩としては、例えば、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛等が挙げられる。メタクリレート系共架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。マレイミド系共架橋剤としては、例えば、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、マレイミド、フェニルマレイミド等が挙げられる。アリル系共架橋剤としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリメタリルイソシアヌレート等が挙げられる。共架橋剤は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、メタクリル酸金属塩及び/又はメタクリレート系共架橋剤を含むことがより好ましい。
未架橋ゴム組成物における共架橋剤の含有量は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上30質量部以下、より好ましくは1質量部以上25質量部以下である。
液状ポリマーとしては、例えば液状ポリオレフィンが挙げられる。液状ポリオレフィンとしては、例えば、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブテン、液状EPM等が挙げられる。液状ポリマーは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、液状EPMを含むことがより好ましい。
未架橋ゴム組成物における液状ポリマーの含有量は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部に対して、好ましくは10質量部以上30質量部以下、より好ましくは15質量部以上25質量部以下である。
練り込み型加硫接着剤としては、例えば、フェノール系樹脂接着剤等が挙げられる。市販の練り込み型加硫接着剤としては、例えば、田岡化学工業社製のスミカノールシリーズが挙げられる。
未架橋ゴム組成物における練り込み型加硫接着剤の含有量は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは4質量部以上6質量部以下である。
その他ゴム成分としては、例えば、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、クロロプレンゴム(CR)、水素添加アクリロニトリルゴム(H-NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。その他ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)を含むことがより好ましい。
未架橋ゴム組成物におけるその他ゴム成分の含有量は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは4質量部以上8質量部以下である。
未架橋ゴム組成物は、架橋剤として有機過酸化物を含有する。有機過酸化物としては、例えば、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル等が挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,3-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン-3等が挙げられる。パーオキシケタールとしては、例えば、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート等が挙げられる。パーオキシエステルとしては、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。有機過酸化物は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、ジアルキルパーオキサイドを含むことがより好ましく、分子内に芳香環を有するジアルキルパーオキサイドを含むことが更に好ましく、分子内に芳香環を2個有するジアルキルパーオキサイドを含むことがより更に好ましく、ジクミルパーオキサイドを含むことがより更に好ましい。
未架橋ゴム組成物における有機過酸化物の含有量は、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、エチレン-α-オレフィンエラストマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは3質量部以上7質量部以下である。
未架橋ゴム組成物は、その他のゴム配合剤として、カーボンブラックやシリカなどのフィラー、可塑剤、滑剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、粘着性付与剤等を含有していてもよい。
未架橋ゴム組成物におけるエチレン-α-オレフィンエラストマー及びX成分の合計含有量は、53質量%以上であり、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、好ましくは57質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。
未架橋ゴム組成物が架橋した架橋ゴム組成物の300%伸びにおける引張応力S300は、8MPa以上であり、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得る観点から、好ましくは8.5MPa以上、より好ましくは9MPa以上である。架橋ゴム組成物の切断時引張強さTbは、同様の観点から、好ましくは10.5MPa以上、より好ましくは12MPa以上である。架橋ゴム組成物の切断時伸びEbは、320%以上であり、同様の観点から、好ましくは500%以下、より好ましくは450%以下である。これらの300%伸びにおける引張応力S300、並びに切断時引張強さTb及び切断時伸びEbは、JIS K6251:2017に基づいて測定されるものである。
繊維部材としては、例えば布部材や糸部材が挙げられる。布部材としては、例えば、織布、編布、不織布が挙げられる。糸部材としては、例えば、片撚り糸、諸撚り糸、ラング撚り糸が挙げられる。
繊維部材を形成する繊維材料としては、例えば、有機繊維、無機繊維が挙げられる。有機繊維としては、例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、綿等が挙げられる。無機繊維としては、例えば、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。繊維部材は、これらのうちの1種又は2種以上の繊維材料で形成されていることが好ましい。
繊維部材には、接着処理が施されていてもよい。接着処理としては、例えば、繊維部材をエポキシ樹脂溶液又はイソシアネート樹脂溶液に浸漬して加熱する接着処理、繊維部材をRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理、繊維部材をゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が挙げられる。繊維部材には、これらのうちの1種又は2種以上の接着処理が施されていることが好ましい。
実施形態に係るゴム-繊維複合体を製造するには、まず、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、オープンロール等のゴム混練機を用い、エチレン-α-オレフィンエラストマーと、X成分と、その他のゴム配合剤とを混練して未架橋ゴム組成物を調製する。
次いで、この未架橋ゴム組成物をシート状等に加工し、それを繊維部材と接触させた成形体を作製する。なお、繊維部材には、必要に応じて、事前に接着処理を施しておく。
その後、成形体をプレス加工等により加熱及び加圧し、未架橋ゴム組成物を有機過酸化物により架橋させて架橋ゴム組成物のゴム部材を形成するとともに、ゴム部材と繊維部材とを接着させて複合させることによりゴム-繊維複合体を得る。この未架橋ゴム組成物の架橋では、エチレン-α-オレフィンエラストマーのポリマー鎖間が架橋されてネットワークを形成するのに加え、X成分がエチレン-α-オレフィンエラストマーと反応して結合する。
以上の構成の実施形態に係るゴム-繊維複合体によれば、ゴム部材が、エチレン-α-オレフィンエラストマーと、それと反応して結合するX成分とを含有する未架橋ゴム組成物が有機過酸化物により架橋した架橋ゴム組成物で形成され、その未架橋ゴム組成物におけるエチレン-α-オレフィンエラストマー及びX成分の合計含有量が53質量%以上であり、架橋ゴム組成物の300%伸びにおける引張応力が8MPa以上であり且つ切断時伸びが320%以上であることにより、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を得ることができる。
図1は、実施形態に係るゴム-繊維複合体を含むゴム製品の一例であるコンベヤベルト10を示す。
コンベヤベルト10は、接着ゴム層11と、その表側に積層された搬送面を構成する表カバーゴム層12と、裏側に積層された裏カバーゴム層13と、両側面部を封じるように設けられた角材ゴム14とを備え、接着ゴム層11の内部に、複数の帆布15が厚さ方向に間隔をおいて埋設されている。そして、このコンベヤベルト10では、接着ゴム層11及び帆布15が、それぞれ実施形態に係るゴム-繊維複合体のゴム部材及び繊維部材に相当する。コンベヤベルト10は、その使用の際に、屈曲の繰り返しという動的な刺激を受けるが、実施形態に係るゴム-繊維複合体を構成する接着ゴム層11及び帆布15間において高い接着耐久性を得ることができる。
(未架橋ゴム組成物)
以下の実施例1乃至5及び比較例1乃至2の未架橋ゴム組成物を調製した。それぞれの構成については表1にも示す。
<実施例1>
EPDM1(T7241 JSR社製、エチレン含量:52質量%、ENB含量:7.7質量%、ムーニー粘度:27ML(1+4)125℃)100質量部に対し、共架橋剤のエチレングリコールジメタクリレート(ライトエステルEG 共栄社化学社製)3質量部、練り込み型加硫接着剤の変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂(スミカノール620 田岡化学工業社製)3質量部及びメチレンドナーのホルムアルデヒドメラミン重合物のメチル化物(スミカノール507AP 田岡化学工業社製)2.3質量部、有機過酸化物のジクミルパーオキサイド(パークミルD 日油社製)3.5質量部、フィラーのFEFカーボンブラック40質量部、フィラーのシリカ10質量部、可塑剤のオイル20質量部、滑剤のステアリン酸0.5質量部、金属塩の酸化亜鉛5質量部、アミン・ケトン系老化防止剤0.5質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤2質量部、並びにロジン系粘着性付与剤5質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を実施例1とした。実施例1では、EPDM1及びX成分の合計含有量が56質量%である。
<実施例2>
EPDM2(EP93 JSR社製、エチレン含量:55質量%、ENB含量:2.7質量%、ムーニー粘度:31ML(1+4)125℃)30質量部及びEPM(EP11 JSR社製、エチレン含量:52質量%、ムーニー粘度:40ML(1+4)100℃)70質量部のブレンド物100質量部に対し、共架橋剤のエチレングリコールジメタクリレート1.3質量部、練り込み型加硫接着剤の変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂3質量部及びメチレンドナーのホルムアルデヒドメラミン重合物のメチル化物2.3質量部、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)6質量部、有機過酸化物のジクミルパーオキサイド5.9質量部、フィラーのFEFカーボンブラック40質量部、フィラーのシリカ10質量部、可塑剤のオイル4質量部、滑剤のステアリン酸0.8質量部、金属塩の酸化亜鉛15質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤2質量部、芳香族第二級アミン系老化防止剤0.5質量部、並びにフェノール樹脂系粘着性付与剤3.3質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を実施例2とした。実施例2では、EPDM2及びEPM並びにX成分の合計含有量が58質量%である。
<実施例3>
共架橋剤のメタクリル酸亜鉛(アクターZMA 川口化学工業社製)を、EPDM2及びEPMのブレンド物100質量部に対して20質量部配合し、且つ可塑剤のオイルの配合量を、EPDM2及びEPMのブレンド物100質量部に対して20質量部としたことを除いて実施例2と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を実施例3とした。実施例3では、EPDM2及びEPM並びにX成分の合計含有量が58質量%である。
<実施例4>
EPDM2及びEPMのブレンド物に代えて、EPDM3(EPT3045 三井化学社製、エチレン含量:56質量%、ENB含量:4.7質量%、ムーニー粘度:40ML(1+4)100℃)を用い、可塑剤のオイルの配合量を、EPDM3 100質量部に対して20質量部としたことを除いて実施例2と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を実施例4とした。実施例4では、EPDM3及びX成分の合計含有量が54質量%である。
<実施例5>
EPDM3 100質量部に対し、共架橋剤のメタクリル酸マグネシウム(ハイクロスGT 精工化学社製)3.9質量部、液状ポリマーの液状EPM(ルーカントLX900Z 三井化学社製)20質量部、練り込み型加硫接着剤の変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂3質量部及びメチレンドナーのホルムアルデヒドメラミン重合物のメチル化物2.3質量部、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)6質量部、有機過酸化物のジクミルパーオキサイド3.9質量部、フィラーのFEFカーボンブラック40質量部、フィラーのシリカ10質量部、滑剤のステアリン酸0.8質量部、金属塩の酸化亜鉛15質量部、ベンズイミダゾール系老化防止剤2質量部、芳香族第二級アミン系老化防止剤0.5質量部、並びにフェノール樹脂系粘着性付与剤3.3質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を実施例5とした。実施例5では、EPDM3及びX成分の合計含有量が64質量%である。
<比較例1>
可塑剤のオイルの配合量を、EPDM2及びEPMのブレンド物100質量部に対して20質量部としたことを除いて実施例2と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を比較例1とした。比較例1では、EPDM2及びEPM並びにX成分の合計含有量が54質量%であるが、架橋ゴム組成物の300%伸びにおける引張応力が8MPa未満である。
<比較例2>
可塑剤のオイル及びフィラーのFEFカーボンブラックの配合量を、EPDM2及びEPMのブレンド物100質量部に対して、それぞれ20質量部及び60質量部としたことを除いて実施例2と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を比較例2とした。比較例2では、EPDM2及びEPM並びにX成分の合計含有量が49質量%である。
Figure 2023043417000001
(試験方法)
<引張特性>
実施例1乃至5及び比較例1乃至2のそれぞれの未架橋ゴム組成物を架橋させた架橋ゴム組成物について、JIS K6251:2017に基づいて、300%伸びにおける引張応力S300、並びに切断時引張強さTb及び切断時伸びEbを測定した。
<接着特性>
実施例1乃至5及び比較例1乃至2のそれぞれの未架橋ゴム組成物について、厚さ0.7mmのシート状に加工した。また、RFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理を施した厚さ0.75mmのナイロン織布を調製した。更に、全く別配合の厚さ2mmの未架橋カバーゴムシートを調製した。そして、未架橋ゴム組成物のシートを一対のナイロン織布で挟み、次に、その両側を一対の未架橋ゴム組成物のシートで挟み、最後に、その両側を一対の未架橋カバーゴムシートで挟んだ成形体を作製した。その後、この成形体をプレス加工により158℃に加熱するとともに加圧して35分間保持することにより、架橋ゴム組成物の接着ゴム層と、その両側に積層されたカバーゴム層とを備え、接着ゴム層の内部に一対のナイロン織布が厚さ方向に間隔をおいて埋設されたコンベヤベルト構造のゴム-織布積層体を作製した。このゴム-織布積層体は、接着ゴム層及びナイロン織布がそれぞれゴム部材及び繊維部材を構成するゴム-繊維複合体を含む。
-静的接着性-
ゴム-織布交互積層体から、幅25mmの短冊状の接着試験片を切り出した。この接着試験片について、JIS K6256-1に準じて剥離試験を行った。具体的には、この接着試験片について、一対のナイロン織布間のゴムに切れ目を入れて僅かに2枚に分割した後、それらのそれぞれを引張試験機のチャックに取り付け、試験温度23℃の下、剥離スピードを50mm/分として、剥離試験を行った。そして、単位幅当たりの平均剥離接着力を求めた。また、剥離面におけるゴム付着率を算出した。
-接着耐久性-
ゴム-織布交互積層体から、幅25mm及び長さ410mmの帯状の接着試験片を切り出した。この接着試験片について、スコット式ベルト屈曲試験機を用い、ASTM D430-59に準じて屈曲試験を行った。具体的には、接着試験片を上方のプーリ径32mmの回転自在なプーリに巻き掛けるとともに、両端部のそれぞれを下方のチャックに取り付け、且つ接着試験片に張力が付与されるようにプーリに上向きに441Nの荷重を負荷し、その状態で、試験温度23℃の下、チャックを稼働させることにより接着試験片をプーリ上で繰り返し往復移動させて屈曲させた。接着試験片の移動距離は134mmとした。1時間当たりの屈曲回数は1万回とした。そして、定期的に屈曲試験を停止して接着試験片を目視確認し、ナイロン織布のゴムからの剥離が認められた時点で屈曲試験を終了し、それまでの屈曲回数を剥離時屈曲回数とした。
(試験結果)
試験結果を表2に示す。表2によれば、実施例1乃至5を用いたゴム-繊維複合体では、比較例1乃至2を用いたゴム-繊維複合体と比べて、屈曲の繰り返しに対する高い接着耐久性を有することが分かる。しかも、この接着耐久性は、静的接着性とは相関しないことが分かる。
Figure 2023043417000002
本発明は、ゴム-繊維複合体及びその製造方法、並びにそれを含むコンベヤベルトの技術分野について有用である。
10 コンベヤベルト
11 接着ゴム層
12 表カバーゴム層
13 裏カバーゴム層
14 角材ゴム
15 帆布

Claims (8)

  1. ゴム部材と繊維部材とが接着して複合したゴム-繊維複合体であって、
    前記ゴム部材は、エチレン-α-オレフィンエラストマーと、前記エチレン-α-オレフィンエラストマーと反応して結合するX成分とを含有する未架橋ゴム組成物が有機過酸化物により架橋した架橋ゴム組成物で形成されており、
    前記未架橋ゴム組成物における前記エチレン-α-オレフィンエラストマー及び前記X成分の合計含有量が53質量%以上であり、
    前記架橋ゴム組成物は、300%伸びにおける引張応力が8MPa以上であり且つ切断時伸びが320%以上であるゴム-繊維複合体。
  2. 請求項1に記載されたゴム-繊維複合体において、
    前記X成分は、共架橋剤、液状ポリマー、練り込み型加硫接着剤、及びエチレン-α-オレフィンエラストマー以外のゴム成分のうちの1種又は2種以上を含むゴム-繊維複合体。
  3. 請求項2に記載されたゴム-繊維複合体において、
    前記X成分は、前記共架橋剤として、メタクリル酸金属塩及び/又はメタクリレート系共架橋剤を含むゴム-繊維複合体。
  4. 請求項2又は3に記載されたゴム-繊維複合体において、
    前記X成分は、前記液状ポリマーとして、液状ポリオレフィンを含むゴム-繊維複合体。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載されたゴム-繊維複合体において、
    前記X成分は、前記練り込み型加硫接着剤として、フェノール系樹脂接着剤を含むゴム-繊維複合体。
  6. 請求項2乃至5のいずれかに記載されたゴム-繊維複合体において、
    前記X成分は、前記エチレン-α-オレフィンエラストマー以外のゴム成分として、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)を含むゴム-繊維複合体。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載されたゴム-繊維複合体の製造方法であって、
    前記未架橋ゴム組成物を前記繊維部材と接触させた後、前記未架橋ゴム組成物を前記有機過酸化物により架橋させて前記架橋ゴム組成物の前記ゴム部材を形成するとともに、前記ゴム部材と前記繊維部材とを接着させて複合させるゴム-繊維複合体の製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載されたゴム-繊維複合体を含むコンベヤベルト。
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