JP2021190318A - 光源モジュール及びその製造方法、並び車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用灯具1における発光素子の冷却能を高めること。【解決手段】車両灯具1用の光源モジュール11は、発光素子9a〜9kと、発光素子9a〜9kが実装された配線基板4と、発光素子9a〜9kからの放射光を少なくとも部分的に反射するように設けられたリフレクタ5を含む(なお、リフレクタ5は、光学部品の非限定の一例である)。リフレクタ5は、発光素子9a〜9kの発光時に発光素子9a〜9kから配線基板4を介してリフレクタ5に至る放熱経路が形成されるように配線基板4に対して熱的に接続される。【選択図】図1
Description
本開示は、光源モジュール及びその製造方法、並び車両用灯具に関する。
LED(Light Emitting Diode)及びLD(Laser Diode)といった半導体発光素子のエネルギー変換効率は必ずしも十分に高くなく、半導体発光素子の駆動のために消費される電力がある割合(例えば、60〜80%)で熱に変換される。従って、半導体発光素子の安定駆動及び長寿命化のためには半導体発光素子から外部に効果的に熱伝導させることが要求される。
特許文献1は、ヒートシンクの空冷用ファンをLEDの冷却のためにも用いることを開示する。具体的には、ファンの作動に応じて、ヒートシンクの裏側から表側(LED側)へヒートシンクを迂回する空気流が生じ、この空気流がヒートシンクの表側のLEDに供給される。
特許文献1と同様、特許文献2にも、LED、ヒートシンク、及びファンを車両用灯具内に設けることが開示されている。特許文献2では、LEDの出射光を遮蔽するシェードとこれを動作させるためのソレノイドを有する光量制御機構も設けられる。
発光素子の冷却のためにヒートシンクの大型化やヒートシンク空冷用ファンの高性能化が検討されるものの、車両用灯具のサイズが大型化してしまうか、或いは、車両用灯具のコストが増加してしまうことが懸念される。本願発明者は、車両用灯具のサイズまたはコストへの影響を極力抑制しつつ、車両用灯具における発光素子の冷却能を高めるという新たな課題を見いだした。
本開示の一態様に係る車両灯具用光源モジュールは、1以上の発光素子と、1以上の発光素子が実装された配線基板と、発光素子からの放射光に対して光学的に作用するように設けられた光学部品を含む。光学部品は、発光素子の発光時に発光素子から配線基板を介して光学部品に至る放熱経路が形成されるように配線基板に対して熱的に接続される。
本開示の一態様に係る車両用灯具は、上記した光源モジュールと、発光素子に熱的に接続されるヒートシンクと、ヒートシンクを空冷するためのファンを含み、光学部品が配置された灯室にはファンの作動により生じる空気流が供給される。ヒートシンクには空気流の通過を許容する窓が設けられ得る。
本開示の別態様に係る車両用灯具は、1以上の発光素子と、1以上の発光素子が実装された配線基板と、少なくとも配線基板が配置される灯室を少なくとも部分的に画定するレンズホルダーを含む。灯室に配置される部品は、発光素子の発光時に発光素子から配線基板を介して灯室に配置される部品に至る放熱経路が形成されるように配線基板に対して熱的に接続され、及び/又は、レンズホルダーは、発光素子の発光時に発光素子から配線基板を介してレンズホルダーに至る放熱経路が形成されるように配線基板に対して熱的に接続される。
本開示の一態様に係る車両灯具用光源モジュールの製造方法は、1以上の発光素子又は1以上の発光素子が実装された配線基板をヒートシンクに熱的に接続する工程と、発光素子からの放射光に対して光学的に作用する光学部品を配線基板に熱的に接続する工程を含み、発光素子の発光時に発光素子から配線基板を介して光学部品に至る放熱経路が形成される。
幾つかの実施形態においては、光学部品は、配線基板を介して1以上の発光素子から熱を受ける受熱部と、配線基板への光学部品の取り付けのために設けられた取付部を含む。受熱部は、配線基板の所定の配線層に対して熱的に接続され得る。所定の配線層は、フローティング電位を有し得る。所定の配線層は、発光素子へ駆動電流を供給するための配線層により包囲されるように設けられ得る。受熱部は、配線基板に向けて延びる脚であり得る。
幾つかの実施形態においては、発光素子が所定方向に沿って配置されてアレイを形成し、受熱部は、アレイの両端と比較してアレイの中心に近い位置において配線基板に対して熱的に接続される。アレイの端部と比較してアレイの中心において発光素子が高密度に配置され得る。アレイの端部と比較してアレイの中心に近い位置に設けられた発光素子は、アレイの中心と比較してアレイの端部に近い位置に設けられた発光素子よりも高いデューティ比の電流で駆動され得る。
本開示の一態様に係る車両灯具用光源モジュールは、1以上の発光素子と、1以上の発光素子が実装された配線基板と、発光素子からの放射光に対して光学的に作用するように設けられた光学部品を備え、光学部品は、配線基板への光学部品の取り付けのために設けられた取付部と、配線基板を介して1以上の発光素子から熱を受ける受熱部を含む。
本開示の一態様によれば、光源モジュールの発光素子に対して新しい放熱経路を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の非限定の実施形態及び特徴について説明する。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び/又は各特徴を組み合わせることができ、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている。各特徴は、本明細書に開示された車両灯具にのみ有効であるものではなく、本明細書に開示されていない他の様々な車両灯具にも通用する普遍的な特徴として理解される。
車両用灯具1は、車両用灯具1が取り付けられた車両の進行方向において前方又は後方を照明する。本明細書においては、車両進行方向に照らして前後方向が理解され得る(図1のFとReの間の双頭矢印参照)。左右方向は、車両用灯具1が取り付けられた車両の車幅方向に一致する(図1のRとLの間の双頭矢印参照)。上下方向は、前後方向(即ち、車両進行方向)及び左右方向(即ち、車幅方向)に直交する方向であり、典型的には、鉛直方向に一致する(図1のUとDの間の双頭矢印参照)。
なお、車両用灯具1が車両前側に設けられて前方を照明する場合、前方は、車両外方でもあり、後方は、車両内方でもあることに留意されたい。これとは逆に、車両用灯具1が車両後側に設けられて後方を照明する場合、後方は、車両外方でもあり、前方は、車両内方でもあることに留意されたい。本明細書の記述に関して、前方を車両外方又は内方と読み替え、後方を車両内方又は外方と読み替え可能であるものとする。
以下、簡潔な説明のため、車両用灯具1が車両前側に設けられて前方を照明するものとして説明する。図1及び図2に示す車両用灯具1は、所謂、ハイビーム用灯具であり、ファン2、ヒートシンク3、配線基板4、リフレクタ5、レンズホルダー6及びレンズ7を有し、これらがレンズ7の光軸AX沿いに配置される。なお、カバー8は、車両用灯具1に対して後付けされる部品である。ヒートシンク3に対してレンズホルダー6(詳細には、レンズホルダー6とレンズ7の組立品)が取り付けられ、ヒートシンク3の前側に灯室15が形成される。灯室15には光源モジュール11が配置され、光源モジュール11からの放射光がレンズ7を介して出射される。光源モジュール11には、配線基板4とリフレクタ5が含まれる。従って、灯室15には少なくとも配線基板4とリフレクタ5が配置される。なお、レンズ7を支持するために2つの部品、レンズホルダー6とカバー8が用いられているが、必ずしもこの限りではなく、単一の部品でレンズ7を支持することもできる。
ヒートシンク3は、例えば、アルミニウムといった金属のダイカスト成形品であり、プレート31と、これに一体的に結合した複数の放熱フィン32を有する。各放熱フィン32は、プレート31の裏面においてレンズ7の光軸AXに直交する横方向(例えば、水平方向)に沿って延びる。放熱フィン32がお互いに平行に配置され、隣接する放熱フィンの間に流路が画定される。なお、放熱フィン32の形状及び個数は様々であり、放熱フィンが柱状突起である形態も想定される。
ファン2は、ヒートシンク3を冷却するべくヒートシンク3に対して(例えば、ねじを用いて)取り付けられる。ファン2は、一種の軸状ファンであり、モーター(不図示)、ファン筐体21、及び回転体22を有する。回転体22は、モーターの回転軸に取り付けられたハブ23と、回転体22の回転軸に関してハブ23から径方向外側に延びるブレード24を有する。ブレード24の個数及び形状は、目標とするファン2の送風能力に応じて適切に決定される。ファンモーターへの電力供給に応じてモーターの回転軸が回転し、回転体22が回転し、ヒートシンク3、特には、放熱フィン32間の流路に空気が供給される。ヒートシンク3は、このようにしてファン2から供給される空気流により冷却される。
配線基板4は、ヒートシンク3のプレート31上に実装され、有利には、ヒートシンク3のプレート31に面接触するように実装される。ヒートシンク3に位置決め突起39が設けられる場合、これに対して配線基板4の位置決め孔49とリフレクタ5の位置決め孔59を嵌合することができる。配線基板4上において発光素子9a〜9kが所定位置に設けられているため(図3参照)、配線基板4上の発光素子9a〜9kとリフレクタ5の光学的なアライメントも容易に確保される。ヒートシンク3に位置決め孔を設け、これに対してリフレクタ5の位置決め突起を嵌合しても良い。配線基板4とリフレクタ5は、共通のねじを用いてヒートシンク3に対して取り付け固定され得る。
発光素子9a〜9kは、配線基板4上に実装され、半田バンプ又はワイヤーボンディングにより配線基板4の配線層42に電気的に導通される。発光素子9a〜9kは、レンズ7の光軸AXに直交する横方向(例えば、左右方向又は水平方向)に配置され、発光素子9a〜9kのアレイ9を形成する。個別の発光素子9a〜9kの放射光の強度分布(例えば、ガウス分布)の重畳により形成される強度分布を有する重畳光がアレイ9から放射される。この重畳光の強度分布をできるだけガウス分布に近似させることにより、車両用灯具1は、前方又は後方領域の中心部をより強い光で照明することができる。
アレイ9に含まれる発光素子の数は、3以上、5以上、10以上といったように任意である。また、単アレイに限られず、複数のアレイが設けられることが想定される。また、一つの発光点に対して一つの発光素子が対応している必要はない。具体的には、光軸AXに直交する横方向に複数の発光点が設けられたモノリシック半導体発光素子も採用することもできる。
発光素子9a〜9k又はアレイ9には、レンズ7の光軸AX上に配置される1つの発光素子9fが含まれる。他の発光素子は、この発光素子9fからレンズ7の光軸AXに関する径方向外側に同一直線上に配列される。
発光素子9a〜9kと同様、(好ましくは発光素子9a〜9kと同じ側に)配線基板4上にコネクタ41が実装される。コネクタ41は、コネクタ本体41bとコネクタ本体41bに設けられた複数のコンタクト端子41tを有する。複数のコンタクト端子41tは、アレイ9における発光素子9a〜9kの配列方向に平行に配置される。
配線基板4には配線層42a〜42mが設けられる。配線層42a〜42mは、配線基板4の前面又は後面に設けられた表面配線層であるか、若しくは、配線基板4の内部に埋め込まれた内部配線である。なお、「表面配線層」は、配線基板の表面で露出している配線層に限らず、レジストといった保護材料により被覆された配線層も含むものである。
配線層42a〜42lは、コネクタ41のコンタクト端子41tと発光素子のアノード端子又はカソード端子を接続する配線層であり、発光素子の駆動電流が流れる。配線層42mは、発光素子の駆動電流が流れる配線層42a〜42lに導通していない(例えば、フローティング状態の)配線層である。発光素子9a〜9kに個別に電流を流すため、発光素子9a〜9kの一つに対して一対の配線(例えば、42aと42b)が設けられる。この配線ペアの一方が、発光素子9aのアノード端子に接続され、この配線ペアの他方が、発光素子9aのカソード端子に接続される。他の発光素子についても同様である。
図示例についてより詳細に説明すれば、配線基板4の上辺に沿って発光素子9a〜9kが左右方向に配置され、配線基板4の下辺近傍にコネクタ41が配置される。配線層42a〜42lは、配線基板4の上辺と下辺の間を上下方向に延びる。発光素子9a〜9kのピッチ間隔(の平均値)と比較してコンタクト端子41tのピッチ間隔が小さいため、配線層42a〜42lの上下端の間には2以上の屈曲部が形成される。また、配線層42e〜42hは、配線層42mを迂回するための屈曲部も有する。なお、配線基板4において配線層42をどのように引き回すか(トレースするか)は、配線基板4上における発光素子9a〜9kとコネクタ41の相対的な位置関係や発光素子9a〜9kの定格電流に応じて適切に決定される。配線基板4の左右の辺部の近傍にはねじ孔48と上述の位置決め孔49が上下に隣接して設けられる。
リフレクタ5は、各発光素子9a〜9kからの放射光に対して光学的に作用するように設けられた光学部品であり、レンズ7の光軸AXに沿って延びる反射面55mを有する。反射面55mは、発光素子9a〜9kから離間するように延びるに応じてレンズ7の光軸AXから径方向外側に位置するように(平坦面又は曲面として)形状付けられる。リフレクタ5は、例えば、金属のダイカスト品、又は、金属層が表面に形成された樹脂成形品である。リフレクタ5は、個別の発光素子9a〜9kの放射光の強度分布(例えば、ガウス分布)の重畳により形成される強度分布を持つ光の一部を反射する。リフレクタ5の反射面55mは、ある場合、鏡面仕上げされ、別の場合、光の拡散を生じさせるように仕上げられる。
必ずしもこの限りではないが、リフレクタ5は、反射面55mが設けられた反射部55と、リフレクタ5の配線基板4への取り付けのために設けられた左右の取付部56,57を有する(リフレクタ5が配線基板4ではなくヒートシンク3に実装される形態も想定される)。反射面55mは、光軸AXに対して所定角度を為すように設けられる。反射面55mは、レンズ7の光軸AXに沿って伝搬するに応じて下方に進行する光の成分を反射し、レンズ7の下側(例えば、下半分)又はレンズ7の上側(例えば、上半分)に入射させ得る。各取付部56,57は、反射部55の側部に結合した壁部56a,57aと、配線基板4上に載せられる平板部56b,57bを有する。各平板部56b,57bには、ねじ孔58と位置決め孔59が設けられる。2つの取付部56,57が反射部55の左右両側に設けられるが、取付部の個数及び位置及び形状は必要に応じて変更可能である。
リフレクタ5が配線基板4に取り付けられた状態において、コネクタ41と発光素子9a〜9kを接続するべく上下方向に延びる配線層42a〜42lが平板部56b,57bの間に設けられる。リフレクタ5の反射部55と配線基板4の間には僅かな隙間が設けられている。従って、配線層42a〜42lが配線基板4の表面で露出する場合においても、リフレクタ5を介して配線層42同士(端的には、発光素子のアノード端子に接続された配線層と、そのカソード端子に接続された配線層)が短絡することが回避される。
冒頭で述べたように、各発光素子9a〜9kの駆動(通電)に応じて各発光素子9a〜9kが発光すると同時に発熱する。発光素子9a〜9kで生じる熱は、配線基板4を介して又は介することなく、発光素子9a〜9kよりも低温のヒートシンク3に伝達する。発光素子9a〜9kからヒートシンク3に伝達した熱は、最終的にはヒートシンク3の放熱フィン32間の流路を流れる空気に伝達し、これにより、発光素子9a〜9kの一つの放熱経路が形成される。発光素子9a〜9kから外部への熱伝導を可能とする放熱経路の形成によって、発光素子の安定駆動及び長寿命化が促進される。
本実施形態においては、発光素子9a〜9kに対する車両用灯具1の冷却能の向上のため、リフレクタ5は、発光素子9a〜9kの発光時に発光素子9a〜9kから配線基板4を介してリフレクタ5に至る放熱経路が形成されるように(或いは、発光素子9a〜9kの発光時に配線基板4に生じる熱分布の少なくとも一つのピークを低減するように)配線基板4に対して熱的に接続される。リフレクタ5が受けた熱は、リフレクタ5から他の部材に伝達されるか、若しくは、リフレクタ5の周囲の空気に伝達される。リフレクタ5が既存部品として用いられる灯具においては、そのリフレクタ5という既存部品を活用した追加の放熱経路を提供することができる。ヒートシンク3の大型化を抑制し、或いは、ヒートシンク3の小型化を促進することができ、場合によっては、車両用灯具1の軽量化が促進される。
リフレクタ5は、リフレクタ5が配線基板4上に実装される時、配線基板4を介して発光素子9a〜9kから熱を受ける受熱部51を有する(図2及び図4参照)。受熱部51は、発光素子9a〜9k(例えば、アレイ9)の発光時に配線基板4に生じる熱分布の少なくとも一つのピークに対応する位置に設けられ得る。受熱部51は、リフレクタ5が配線基板4上に実装される時、反射部55から配線基板4に向けて延びる脚であり得る。受熱部51の先端面51aは、配線基板4に面接触する平坦面であり得る。なお、受熱部51と配線基板4が直接的に接触することは必須ではない。受熱部51と配線基板4が熱伝導用グリスといった熱伝導材料を介して熱的に接続されても良い。
配線基板4とリフレクタ5の間の良好な熱伝導のため、リフレクタ5(例えば、受熱部51)が配線基板4の配線層42に直に又は熱伝導材料を介して熱的に接続される。本明細書では、リフレクタ5が熱的に接続される配線層42が所定の配線層と呼ばれる。所定の配線層42の熱伝導率が配線基板4の絶縁材料の熱伝導率よりも高いため、配線基板4からリフレクタ5への良好な熱伝導が達成される。有利には、所定の配線層42は、発光素子9a〜9kの駆動電流が流れる配線層42a〜42lに導通していない(例えば、フローティング状態の)配線層42mであり、これにより、発光素子9a〜9kの駆動への影響が回避又は抑制される。所定の配線層42mは、配線基板4においてレジストにより被覆されず露出した島状配線部分であり得る。
発光素子へ駆動電流を供給するための配線層42a〜42lにより包囲されるように所定の配線層42mを設けることができる。この場合、所定の配線層42mは、配線層42a〜42lに電流が流れることに伴って配線層42a〜42lに生じる熱も受けることができる。また、所定の配線層42mは、配線基板4に生じる熱分布のピークに対応する位置またはこれに近い位置で配線基板4から熱を受けることができる。
アレイ9の中心91の近傍領域においてアレイ9の端部92,93の近傍領域よりも発光素子が高密度に配置される場合、アレイ9の中心91における排熱がアレイ9の端部92,93における排熱よりも十分ではなく、配線基板4に生じる熱分布のピークが大きくなることが懸念される。例えば、図5の一点鎖線で示す熱分布が配線基板4に生じ得る。この熱分布は、アレイ9の中心に対応する位置にピークを有する。幾つかの場合、受熱部51は、アレイ9の端部92,93と比較してアレイ9の中心91に対してより近い位置で配線基板4に対して熱的に接続される。これにより、図5の矢印で示すように、配線基板4の熱分布のピークが低減される。有利には、所定の配線層42mがアレイ9の中心91の近傍に設けられる。アレイ9の中心は、レンズの光軸AX上に位置付けられ得る。
上述の場合の追加又は代替として、アレイ9の中心91寄りに位置する発光素子(例えば、発光素子9e,9f,9g)が、アレイの端部92,93寄りに位置する発光素子(例えば、発光素子9a,9b,9j,9k)よりも高いデューティ比の電流により駆動される場合がある。以下、これについて図6及び図7を参照して簡潔に説明する。
図6に示すように3つの発光素子D1〜D3によりアレイ9が形成される(上述のように、アレイ9に含まれる発光素子の数が3つでも良い)。発光素子D1,D3がアレイ9の端部92,93に設けられ、発光素子D2がアレイ9の中心91に設けられる。図7に示すように、発光素子D2は、発光素子D1,D3よりも高いデューティ比の電流で駆動される。従って、発光素子D2の発熱量は、発光素子D1,D3よりも大きくなる。結果として、図5の一点鎖線で示す熱分布が生じる。上述のように、アレイ9の端部92,93と比較してアレイ9の中心91に対してより近い位置で配線基板4に対して受熱部51を熱的に接続することができる。これにより、図5の矢印で示すように、配線基板4の熱分布のピークが低減される。有利には、所定の配線層42mがアレイ9の中心91の近傍(周囲)に設けられる。所定の配線層42mは、コネクタ41(コネクタ本体41b又はコンタクト端子41t)よりもアレイ9の近くに位置付けられ得る。
リフレクタ5を効率的に冷却するため、ファン2の作動により生じる空気流を灯室15に供給することが有利である。例えば、ヒートシンク3には、ファン2の作動により生じる空気流をリフレクタ5が設けられた灯室15に供給するための窓36が設けられる。ファン2は、その作動時、ヒートシンク3の窓36の後方の空間をブレード24が横切るように設けられている。ファン2の作動により生じる空気流は、ヒートシンク3の窓36を介して灯室15に流入し、灯室15内のリフレクタ5が冷却される。なお、この空気流により灯室15を画定するように設けられたレンズホルダー6も冷却され得ることに留意されたい。
続いて、車両用灯具1の動作について説明する。発光素子9a〜9kの駆動条件については、アレイ中心寄りの発光素子が高デューティ比の電流により駆動され、アレイ端寄りの発光素子が低デューティ比の電流により駆動される。発光素子9a〜9kの電流供給に応じて各発光素子9a〜9kから所定の強度分布の光が放射される。発光素子9a〜9kからの放射光の一部は、レンズ7に直接的に入射し、放射光の残部は、リフレクタ5により反射され、続いてレンズ7に入射する。このようにして光源モジュール11(発光素子9a〜9k)からの放射光は、レンズ7を介して前方に照射される。リフレクタ5が発光素子9a〜9kの下方に設けられているため、車両用灯具1は、近位場所よりも遠方及び上方で高い照度を有することができる。
発光素子9a〜9kは発光と同時に発熱し、この熱が配線基板4を介してヒートシンク3に伝達する。ヒートシンク3はファン2により空冷されているため、発光素子9a〜9kからヒートシンク3に向かう放熱経路が形成される。また、リフレクタ5が配線基板4に熱的に接続されているため、発光素子9a〜9kからリフレクタ5への放熱経路も形成される。ファン2の作動によりリフレクタ5が設けられた灯室15に空気が供給され、リフレクタ5が冷却される。
車両用灯具1の組み立て方法については、図1から理解されるところであり、詳細な説明は省略する。光源モジュール11の製造に関しては、(1)1以上の発光素子又は1以上の発光素子が実装された配線基板をヒートシンクに熱的に接続する工程;及び(2)発光素子からの放射光に対して光学的に作用する光学部品を配線基板に熱的に接続する工程が含まれる。工程(2)の結果として、発光素子9a〜9kの発光時に発光素子9a〜9kから配線基板4を介してリフレクタ5に至る放熱経路が形成される。
図8に示すように、配線基板4の後面に発光素子を設け、発光素子9a〜9kとヒートシンク3を直に接触させる形態も想定される。発光素子9a〜9kからヒートシンク3への直接的な放熱経路が形成される。配線基板4には発光素子9a〜9kからの放射光の伝播を許容する光学的開口(例えば、中空の貫通孔)が設けられる。なお、図8から分かるように、発光素子が実装される配線基板4の面は、車両外方の面に限られず、車両内方の面であっても良い。
図9に示すようにレンズホルダー6が配線基板4に熱的に接続される形態も想定される。すなわち、上述の説明では一貫して配線基板4からリフレクタ5が熱を受けると説明してきたが、配線基板4から熱を受ける光学部品は、リフレクタ5に限らず、レンズホルダー6であっても良く、また灯室15内の他の部品であっても良い。レンズホルダー6は、熱伝導性が高い材料、例えば、金属から成り、又は、金属層により被覆された樹脂から成り得る。
図8及び図9に示したもの以外にも様々なバリエーションが想定される。例えば、光源モジュール11とレンズ7の間に追加の光学素子(例えば、別のリフレクタ、シールド、レンズ等)を設ける形態も想定される。レンズ7は、上述の発光素子9a〜9kに専用で用いられる必要はなく、他の追加の発光素子のためにも用いられ得る。ヒートシンク3は空冷に限らず、液冷(例えば、水冷)しても良い。ヒートシンク3としてペルチェ素子を用いる形態も想定される。リフレクタ5又はレンズホルダー6の冷却のために追加のヒートシンクを設けても良い。単一のレンズホルダーによりレンズが支持される形態も想定される。上述のバリエーションの全組み合わせが当業者により理解可能であり、また、(何かあれば)この組み合わせの相乗効果も理解可能である。
1 車両用灯具
2 ファン
3 ヒートシンク
4 配線基板
5 リフレクタ(光学部品)
6 レンズホルダー
7 レンズ
8 カバー
9 発光素子
11 光源モジュール
41 コネクタ
42 配線層
42m 所定の配線層
2 ファン
3 ヒートシンク
4 配線基板
5 リフレクタ(光学部品)
6 レンズホルダー
7 レンズ
8 カバー
9 発光素子
11 光源モジュール
41 コネクタ
42 配線層
42m 所定の配線層
Claims (16)
- 1以上の発光素子と、
前記1以上の発光素子が実装された配線基板と、
前記発光素子からの放射光に対して光学的に作用するように設けられた光学部品を備え、
前記光学部品は、前記発光素子の発光時に前記発光素子から前記配線基板を介して前記光学部品に至る放熱経路が形成されるように前記配線基板に対して熱的に接続される、車両灯具用光源モジュール。 - 前記光学部品は、前記配線基板を介して前記1以上の発光素子から熱を受ける受熱部と、前記配線基板への前記光学部品の取り付けのために設けられた取付部を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記受熱部は、前記配線基板の所定の配線層に対して熱的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記所定の配線層は、フローティング電位を有することを特徴とする請求項3に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記所定の配線層は、前記発光素子へ駆動電流を供給するための配線層により包囲されるように設けられることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記受熱部は、前記配線基板に向けて延びる脚であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記発光素子が所定方向に沿って配置されてアレイを形成し、
前記受熱部は、前記アレイの両端と比較して前記アレイの中心に近い位置において前記配線基板に対して熱的に接続されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の車両灯具用光源モジュール。 - 前記アレイの端部と比較して前記アレイの中心において前記発光素子が高密度に配置されることを特徴とする請求項7に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記アレイの端部と比較して前記アレイの中心に近い位置に設けられた発光素子は、前記アレイの中心と比較して前記アレイの端部に近い位置に設けられた発光素子よりも高いデューティ比の電流で駆動されることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 前記光学部品は、前記発光素子からの放射光を少なくとも部分的に反射するリフレクタであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車両灯具用光源モジュール。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の車両灯具用光源モジュールと、
前記発光素子に熱的に接続されるヒートシンクと、
前記ヒートシンクを空冷するためのファンを備え、
前記光学部品が配置された灯室には前記ファンの作動により生じる空気流が供給される、車両用灯具。 - 前記ヒートシンクには前記空気流の通過を許容する窓が設けられることを特徴とする請求項11に記載の車両用灯具。
- 1以上の発光素子と、
前記1以上の発光素子が実装された配線基板と、
少なくとも前記配線基板が配置される灯室を少なくとも部分的に画定するレンズホルダーを備え、
前記灯室に配置される部品は、前記発光素子の発光時に前記発光素子から前記配線基板を介して前記灯室に配置される部品に至る放熱経路が形成されるように前記配線基板に対して熱的に接続され、及び/又は、前記レンズホルダーは、前記発光素子の発光時に前記発光素子から前記配線基板を介して前記レンズホルダーに至る放熱経路が形成されるように前記配線基板に対して熱的に接続される、車両用灯具。 - 前記発光素子に熱的に接続されるヒートシンクと、
前記ヒートシンクを空冷するためのファンを更に備え、
前記ヒートシンクには、前記ファンの作動により生じる空気流を前記灯室に供給するための窓が設けられることを特徴とする請求項13に記載の車両用灯具。 - 1以上の発光素子又は1以上の発光素子が実装された配線基板をヒートシンクに熱的に接続する工程と、
前記発光素子からの放射光に対して光学的に作用する光学部品を前記配線基板に熱的に接続する工程を含み、
前記発光素子の発光時に前記発光素子から前記配線基板を介して前記光学部品に至る放熱経路が形成される、車両灯具用光源モジュールの製造方法。 - 1以上の発光素子と、
前記1以上の発光素子が実装された配線基板と、
前記発光素子からの放射光に対して光学的に作用するように設けられた光学部品を備え、
前記光学部品は、前記配線基板への前記光学部品の取り付けのために設けられた取付部と、前記配線基板を介して前記1以上の発光素子から熱を受ける受熱部を含む、車両灯具用光源モジュール。
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JP2020094888A JP2021190318A (ja) | 2020-05-29 | 2020-05-29 | 光源モジュール及びその製造方法、並び車両用灯具 |
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JP2022010355A (ja) * | 2017-12-29 | 2022-01-14 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
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2020
- 2020-05-29 JP JP2020094888A patent/JP2021190318A/ja active Pending
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