JP2021189303A - ペリクルケース、トレイおよびペリクルの保持方法 - Google Patents

ペリクルケース、トレイおよびペリクルの保持方法 Download PDF

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友和 田中
Tomokazu Tanaka
拓郎 前田
Takuro Maeda
健一 黒川
Kenichi Kurokawa
政勝 平野
Masakatsu Hirano
裕士 三森
Yuji Mitsumori
典子 谷
Noriko Tani
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Abstract

【課題】保管、輸送時にはペリクルをペリクルケースに好適に保持することができ、取り出す際にはペリクルをペリクルケースから好適に取り出すことができる、ペリクルケース、トレイおよびペリクルの保持方法を提供すること。【解決手段】フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを収納するペリクルケースであって、ペリクルを載置するためのトレイを備え、トレイは、少なくとも粘着層が接触する部位が、離型性を有し、部位と粘着層との剥離強度が、0.05〜2.5kgfであることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、ペリクルケース、トレイおよびペリクルの保持方法に関する。
大規模集積回路(LSI)等の製造工程では、フォトマスクを防塵するため、ペリクルが用いられる。ペリクルは、一般に、ペリクル枠と、ペリクル枠の一端側に配された、透明な薄膜であるペリクル膜と、ペリクル枠の他端側(ペリクル枠のペリクル膜とは反対側)に配された、フォトマスクに張り付けられるための粘着層と、を有する。
ペリクルは、ペリクルケースに保持されることができる。ペリクルケースにペリクルを保持するための手法として、例えば、特許文献1に記載の手法が知られている。該手法では、ペリクルの粘着層に保護フィルム(以下、「ライナー」と称することがある)が張り付けられたうえでペリクルがペリクルケースに載置され、そして、そのライナーの一部がペリクルケースに粘着性テープで固定される。ペリクルをペリクルケースから取り出すと、ペリクルの粘着層からライナーが剥がれるとともに、該粘着性テープによってライナーがペリクルケースに残される。
特開2007−017811号公報
上記のとおり、特許文献1に記載の手法において、ペリクルをペリクルケースから取り出すと、ペリクルの粘着層からライナーが剥がれるとともに、粘着性テープによってライナーがペリクルケースに残される。ここで、発明者は、各種の状況に応じて、ライナーをペリクルケースに残しながらペリクルを取り出すのが望まれる場合だけでなく、ライナー及びペリクルをペリクルケースから取り出す(ライナーごとペリクルを取り出す)のが望まれる場合が存在することに着目した。
しかしながら、ペリクルをトレイに粘着性テープにて収納する場合、テープを貼る個所が多いため収納の際に時間を要する。収納の際に時間を要すると、異物付着のリスクが生じる場合がある。
また、特許文献1に記載の手法であると、ライナーごとペリクルをペリクルケースから取り出すのが難しい。これに関連して、特許文献1に記載の手法において、ペリクルを取り出す前に、ライナーの一部をペリクルケースに張り付けるためのテープを剥がすことが考えられる。ただ、この場合、粘着性テープを剥がすことによって、粘着性テープの粘着成分が飛散するとともに飛散した粘着成分によってペリクル膜が汚染される可能性が生じる場合もある。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、保管、輸送時にはペリクルをペリクルケースに好適に保持することができ、他方、取り出す際にはペリクルをペリクルケースから好適に取り出すことができる、ペリクルケース、トレイおよびペリクルの保持方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、トレイの粘着層が接触する部位に離型性を付与し、該部位と粘着層との剥離強度を規定することで、保管、輸送時の確実な粘着力と、取り出し時の好適な剥離とを両立できることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]
フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを収納するペリクルケースであって、
前記ペリクルを載置するためのトレイを備え、
前記トレイは、少なくとも前記粘着層が接触する部位が、離型性を有し、
前記部位と前記粘着層との剥離強度が、0.05〜2.5kgfであることを特徴とするペリクルケース。
[2]
フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを収納するペリクルケースであって、
前記ペリクルを載置するためのトレイを備え、
前記トレイは、少なくとも前記粘着層が接触する部位が、離型性を有し、
前記部位は、シリコーン化合物、フッ素系化合物、およびウレタン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、ペリクルケース。
[3]
前記トレイは、トレイ本体を有し、前記部位は、前記トレイ本体の、少なくとも前記粘着層が接触する面に配された離型層である、[1]または[2]に記載のペリクルケース。
[4]
前記離型層は、前記トレイ本体の少なくとも一方の面にコーティングにより形成されてなる、[3]に記載のペリクルケース。
[5]
前記ペリクルケースは、前記トレイを覆うためのカバーを更に備え、
前記カバーは、
前記トレイを前記カバーで覆ったとき、前記トレイに載置された前記ペリクルの前記フレームの少なくとも一部に当接する当接部を備える、[1]〜[4]のいずれかに記載のペリクルケース。
[6]
前記ペリクルケースは、
前記トレイに載置される前記ペリクルの前記フレームの側面に設けられた非貫通のピン挿入孔に、ピンを挿入して固定するためのピン保持機構を更に備える、[1]〜[5]のいずれかに記載のペリクルケース。
[7]
フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを載置するためのトレイであって、
少なくとも前記粘着層が接触する部位が、離型性を有する、トレイ。
[8]
前記トレイは、トレイ本体を有し、前記部位は、前記粘着層が接触する面に配された離型層である、[7]に記載のトレイ。
[9]
フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを載置するためのトレイ本体の表面に、シリコーン化合物、フッ素系化合物、およびウレタン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む離型層を形成する工程と、
前記ペリクルの前記粘着層を前記離型層に付着させる工程と、
を有する、ペリクルの保持方法。
本発明によれば、搬送中には、保管、輸送時にはペリクルをペリクルケースに好適に保持することができ、取り出す際にはペリクルをペリクルケースから好適に取り出すことができる、ペリクルケース、トレイおよびペリクルの保持方法を提供することができる。
ペリクルの一実施形態を示す図。 ペリクルケースの一実施形態を示す図。 トレイにペリクルを載置した状態を示す断面図。 トレイにペリクルを収納した状態を示す上面図。 ペリクルケースにペリクルを収納した状態を示す断面図。 ペリクルケースの他の実施形態を示す図。 剥離強度の測定方法を説明する図 ペリクルケースの他の実施形態を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と略記する。)について説明する。本発明は、以下の実施形態のみに限定されず、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。各図中、同一の構成要素に対しては同一の符号を付し、また、重複する説明は省略する場合がある。
[第1実施形態]
本実施形態に係るペリクルの概要を説明する。図1(a)は、ペリクルを示す上面図であり、図1(b)は、縦断面図である。
なお、以下の説明においては、各図における上側を「上」とし、下側を「下」として説明する。
<ペリクル>
ペリクル1は、フォトリソグラフィ等においてフォトマスクの防塵を行う構造体である。ペリクル1は、ペリクル枠2と、ペリクル膜3と、粘着層4と、を備えている。
ペリクル枠2は、ペリクル膜3をペリクル枠2に張設することができるような任意の形態を有することができ、例えば、枠の正面視では、方形、多角形、円形、楕円形等の外形を有することができる。方形は、正方形、長方形等であり、角が直角の場合と、角が丸みを帯びている略方形(図1)の場合と、の両方を有することができる。多角形は、三角形、台形、平行四辺形、五角形、六角形等である。
ペリクル枠2及びその開口部のサイズは、フォトマスクのサイズに応じて定められることができる。ペリクル枠2が、正面視において一対の長辺と一対の短辺からなる長方形状である場合には、長辺長が500mm〜2000mmであり、短辺長が300mm〜1800mmであり、長辺と短辺の幅が、それぞれ4.0mm〜20.0mmであり、かつ/又は枠の高さが2.0mm〜8.0mmであることができる。
図1に示されるように、ペリクル枠2は、縁部を有する。縁部は、直線状に延びる棒状の縁部材を有することができる。一対の縁部材は、互いに間隔を空けて平行に配置されることができ、同様に、他の一対の縁部材も互いに間隔を空けて平行に配置されることができる。接触している2つの縁部材は、互いに略直角を成すように端部が接続されることができる。
ペリクル枠2及びその縁部材は、例えば、アルミニウム;アルミニウム合金(例えば5000系、6000系、7000系等);鉄鋼;ステンレス鋼;マグネシウム合金;セラミックス(例えばSiC、AlN、Al等);セラミックスと金属との複合材料(例えば、Al−SiC、Al−AlN、Al−Al等);PE、PA、PC、PEEK等のエンジニアリングプラスチック;GFRP、CFRP等の繊維複合材料;又はこれらの組み合わせ等の既知の材料で形成されることができる。
ペリクル膜3は、ニトロセルロース、セルロース誘導体、フッ素ポリマー等によって形成された透明な薄膜である。ペリクル膜3は、その厚みが10μm以下であり、フォトリソグラフィにおいて光源が発する光を十分に透過させるように形成されている。図1(b)に示すように、ペリクル膜3は、図示しない粘着剤によりペリクル枠2の一端側に接着及び固定され、ペリクル枠2を覆っている。
図1(b)に示すように、ペリクル枠2の他端側(ペリクル枠のペリクル膜とは反対側)には、ペリクル1をフォトマスクに貼り付けるための粘着層4が配されている。また、この粘着層4は、ペリクル1をペリクルケース10に保持する機能も有する。
粘着層4は、アクリル系、ゴム系、ビニル系、エポキシ系、シリコ−ン系等の接着剤を含んで構成されており、より好ましい構成材料は、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等である。粘着層4の厚みは、例えば、0.8mm〜2.5mmであることが好ましい。
以上の説明のように構成されたペリクル1は、ペリクルケース10に保持された状態で搬送、保管されることができる。
<ペリクルケース>
(ペリクルケースの構成)
図2を参照しながら、本実施形態に係るペリクルケースの概要を説明する。
図2は、ペリクルケースの一例を示す縦断面図である。図3〜図4は、ペリクルケースのトレイにペリクルを保持させた状態を示す図であり、図3は、縦断面図、図4は上面図である。図5は、ペリクルケースにペリクルを保持させた状態を示す断面図である。
ペリクルを収納するペリクルケース10は、ペリクル1を載置するためのトレイ20を備え、トレイ20は、少なくとも、ペリクル1に設けられた粘着層4が接触する部位が、離型性を有する。そして、該部位と粘着層4との剥離強度が0.05〜2.5kgfである。
これにより、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に好適に保持することができ、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出すことができる。
本実施形態において、トレイ20は、トレイ本体21と、トレイ本体21の、少なくともペリクル1の粘着層4が接触する面に配された離型層23とを備える。
図2に示すように、ペリクルケース10は、トレイ20を覆うためのカバー30を更に有している。トレイ20は、その中央に、ペリクル1を載置するための領域を有することができ、その周縁に、カバー30と互いに嵌め合うための領域を有することができる。
トレイ本体21及びカバー30は、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料によって形成されている。
トレイ20及びカバー30の厚みは、ペリクル1を搬送又は保管するときに生じ得る振動及び衝撃からペリクル1を保護できる程度の値が好ましく、例えば、2.0〜10.0mmであることが好ましい。
トレイ20及びカバー30の平面形状及び大きさは、保持されるペリクル1の形状及び大きさに応じて、適宜決定される。
トレイ本体21は、ペリクル1を保持するための固定面21aを有し、固定面21aの周縁部には、凹凸形状を有する嵌合部24が形成されている。固定面21aは、トレイ本体21におけるペリクルが載置される側の最表面を意味する。図2のトレイ20は、トレイ本体21の一方の面(固定面21a)に離型層23が形成された構成を有している。
カバー30は、トレイ20に嵌め合わせたときに、トレイ20の固定面21aに略平行な天井面31を有し、天井面31の周囲には、天井面31に連続する斜面32を有している。また、カバー30の周縁には、凹凸形状を有する嵌合部33が形成されている。カバー30の周縁に形成された嵌合部33と、トレイ20の周縁に形成された嵌合部24とは嵌め合い可能である。
カバー30とトレイ20とが互いに嵌め合わされることで、カバー30とトレイ20との間に、ペリクル1を収容するための空間11が形成される(図5参照)。
固定面21aの周辺部には、該固定面21aから突出する位置決めピン22が複数配されている。位置決めピン22は、固定面21aに載置が予定されるペリクル1の外形に沿って配されている。また、位置決めピン22は、固定面21aから離れるほど径が小さくなる、テーパー形状を有している。従って、ペリクル1をトレイ20に載置するとき、これらの位置決めピン22に案内させながらペリクル1の粘着層4を離型層23に張り付けることができる。また、これらの位置決めピン22によってペリクル1の位置を規定することができる(図4参照)。
本実施形態では、トレイ本体21の、ペリクル枠2の下端面に設けられた粘着層4が接触する面、すなわち固定面21aに、離型層23が形成されている。そして、離型層23と、ペリクル1の粘着層4と、の剥離強度が0.05〜2.5kgfである
これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に好適に保持することができ、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出すことができる。
離型層23は、シリコーン化合物、フッ素系化合物、及びウレタン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、シリコーン系化合物を含むことがより好ましい。これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に好適に保持し易くなり、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出し易くなる。
離型層23は、トレイ本体21の表面のうち、少なくとも、ペリクル枠2に設けられた粘着層4と接する部位に形成されていればよい。例えば図2に示す例では、トレイ本体21の一方の面(固定面21a)の全面に離型層23が形成された例を示しているが、例えば図6に示すように、トレイ本体21の両面を含む全体に離型層23が形成されていてもよい。
離型層23の厚みは、例えば、1.0〜40.0μmであることが好ましく、1.2〜30.0μmであることがより好ましく、1.5〜20.0μmであることが更に好ましい。
離型層23と粘着層4との剥離強度は、1.5kgf以下であることが好ましく、1.0kgf以下、さらには0.8kgf以下であることがより好ましい。これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に好適に保持し易くなり、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出し易くなる。
また、離型層23と粘着層4との剥離強度は、0.05kgf以上であることが好ましく、0.1kgf以上、さらには0.2kgfであることがより好ましい。これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に確実に保持することができ、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出すことができる。
離型層23と粘着層4との剥離強度は、離型層23を構成する材料と、粘着層4を構成する材料との組み合わせを適宜選択することにより、上記範囲に設定することができる。
また、離型層23と粘着層4との剥離強度は、離型層23の膜厚を調整することによって制御することができる。
例えば、離型層23の膜厚が厚くなれば、剥離強度は大きくなる傾向があり、他方、離型層23の膜厚が薄くなれば、剥離強度は小さくなる傾向がある。
離型層23の膜厚を部分的に薄くする(又は厚くする)ことで、離型層23と粘着層4との剥離強度に部分的に強弱を付与することができる場合がある。剥離強度に強弱をつけても、本実施形態に係る粘着層の範囲内であれば、輸送中のペリクルの移動を好適に防止することができる。他方、剥離強度に強弱をつけることで、ペリクルを取り出すとき、ライナーと粘着層の間に剥離きっかけを起こすことが容易になり、ペリクルを取り出すのが容易になる。
(剥離強度の測定方法)
本実施形態において、「離型層と粘着層との剥離強度」は、下記のとおり測定することができる。
図7は、本明細書における、「離型層と粘着層との剥離強度」の測定方法を説明するための図である。
なお、前記離型層は、「粘着層と接触する部位」の一例であり、本測定方法は、後述する第2実施形態においても適用される。
作製したペリクルを切断(縁部材:x方向長さ11mm×y方向長さ30mm×z方向長さ4mm、粘着層:x方向長さ4.5mm×y方向長さ30mm×z方向長さ1.2mm)することで、試験片としてのペリクル片を得る。ペリクル片の粘着層側を、離型層が塗布されたサンプルピース板(x方向長さ50mm×y方向長さ100mm×z方向長さ7mm)に接触及び静置し、錘を1kgfで10秒間に亘ってペリクル片の上部に乗せる。その後、錘を外して10分間放置する。
測定機器として、オートグラフ(島津製作所製,型式「AGS−X 500N」)を用い、引張試験を実施する。サンプルピース板を固定し、ペリクル片のフレームの側面を、上記測定機器の固定治具で挟む。固定治具を垂直方向に引張速度5mm/minの条件でサンプルピース板から引っ張り、ペリクル片がサンプルピース板から完全に離れたときの引張強度を、「離型層と粘着層との剥離強度」として採用することができる。なお、これらの試験は、全て室温(25℃)下で行うことができる。
(離型層の形成方法)
離型層23は、トレイ本体21の表面に、離型層用塗工液をコーティングすることにより形成することができる。コーティングにより、トレイ20上に離型層23を簡便かつ確実に形成することができる。
なお、本実施形態におけるコーティングには、トレイ本体21の表面に対して離型層用塗工液を塗布する手法のみならず、トレイ本体21を離型層用塗工液に浸漬(ディッピング)させる手法も含まれる。
離型層用塗工液は、例えば、最適な溶剤にて最適な濃度に稀釈することで得ることができる。塗工方法は、エアスプレー、静電塗装、浸漬塗装、ロールコートが望ましく、中でも、エアスプレー方式が好ましい。
(ペリクルケースへのペリクルの収容)
図3及び図4は、ペリクルケースにペリクルを収納した状態を示す図である。ペリクルケース10の収納空間11において、ペリクル1は、トレイ20の中央部の固定面21aに配置される。このとき、ペリクル1の粘着層4は、トレイ20の離型層23に張り付けられている。これにより、ペリクル1は、トレイ20に保持される。
図5に示すように、ペリクル1が載置されたトレイ20を、カバー30で覆うことができる。これにより、ペリクル1への塵の付着を抑制し易くなるとともに、搬送及び保管中の振動及び衝撃等からペリクル1を保護し易くなる。
カバー30は、トレイ20をカバー30で覆ったとき、斜面32の一部が、トレイ20に載置されるペリクル1のペリクル枠2の少なくとも一部に当接する当接部32aとされている。これにより、トレイ20をカバー30で覆うことで、当接部32aによってペリクル1をトレイ20側に押し付けることができ、よって、ペリクル1が搬送中にペリクルケース10内で動くことがより確実に抑制される。
更に、ペリクル1のペリクル枠2の側面に、非貫通のピン挿入孔を設けておき、ペリクルケース10のトレイ20に配置されたペリクル1を、このピン挿入孔にピンを挿入して固定することが好ましい。これにより、搬送中の振動等により、ペリクル1がペリクルケース10内で動くことがより確実に抑制される。
そして、ペリクル1をペリクルケース10から取り出すとき、特にユーザーがペリクルを掴んで持ち上げる場合には、まず、ペリクル1の粘着層4とトレイ20側の離型層23との間に、剥離を開始する端部が形成され、離型層23から剥離した範囲が拡大していき、最終的に、ペリクル1全体を離型層23から完全に剥離させることができる。
また、特に機械でペリクル1を掴んで持ち上げる場合には、機械でペリクル1又はトレイ20の位置を固定しながら、固定されていない方の部材を両者の対面方向に沿って離間させていくことで、離型層23からペリクル1側の粘着層4をほぼ一度に剥離させることができる。
[第2実施形態]
図面を参照しながら、ペリクルケースの第2実施形態の概要を説明する。
図8は、本実施形態のペリクルケースの一例を示す縦断面図である。
なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と異なる部分について主に説明し、共通する部分についてはその説明を省略する。
上述したペリクルケースでは、トレイ20において、離型層23がトレイ本体21の表面に形成されていたが、本実施形態のペリクルケースでは、トレイ20において、離型層がトレイ本体21と一体に形成されている、すなわち、トレイ本体21自体が離型性を有する。
本実施系形態のペリクルケースは、トレイ20(トレイ本体21)は、少なくとも前記粘着層4が接触する部位が、離型性を有し、前記部位と粘着層4との剥離強度が、0.05〜2.5kgfである。
トレイ20と粘着層4との剥離強度は、1.5kgf以下であることが好ましく、1.0kgf以下、更には0.8kgf以下であることがより好ましい。これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に好適に保持し易くなり、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出し易くなる。
また、トレイ20と粘着層4との剥離強度は、0.05kgf以上であることが好ましく、0.1kgf、更には0.2kgf以上であることがより好ましい。これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に確実に保持することができ、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出すことができる。
トレイ20(トレイ本体21)は、シリコーン化合物、フッ素系化合物、及びウレタン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、シリコーン系化合物を含むことがより好ましい。これによれば、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20に好適に保持し易くなり、他方、ペリクル1をペリクルケース10又はトレイ20から好適に取り出し易くなる。
トレイ本体21は、その他、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料を含んで形成されていてもよい。これにより、トレイ本体21に、ペリクル1を搬送又は保管するときに生じ得る振動及び衝撃からペリクル1を保護できる強度を付与することができる。
トレイ20(トレイ本体21)の厚みは、上記の観点から、例えば、2.0〜10.0mmであることが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明によるペリクルケースを用いることで、保管、輸送時にはペリクルをペリクルケース又はトレイに好適に保持させることができ、取り出す際にはペリクルをペリクルケースから好適に取り出すことができるので、ペリクルの搬送、保管用ケースとして広く利用することができる。
1 :ペリクル
2 :ペリクル枠
3 :ペリクル膜
4 :粘着層
10 :ペリクルケース
11 :収納空間
20 :トレイ
21 :トレイ本体
21a :固定面
22 :位置決めピン
23 :離型層
24 :嵌合部
30 :カバー
31 :天井面
32 :斜面
32a :当接部
33 :嵌合部

Claims (9)

  1. フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを収納するペリクルケースであって、
    前記ペリクルを載置するためのトレイを備え、
    前記トレイは、少なくとも前記粘着層が接触する部位が、離型性を有し、
    前記部位と前記粘着層との剥離強度が、0.05〜2.5kgfであることを特徴とするペリクルケース。
  2. フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを収納するペリクルケースであって、
    前記ペリクルを載置するためのトレイを備え、
    前記トレイは、少なくとも前記粘着層が接触する部位が、離型性を有し、
    前記部位は、シリコーン化合物、フッ素系化合物、およびウレタン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、ペリクルケース。
  3. 前記トレイは、トレイ本体を有し、前記部位は、前記トレイ本体の、少なくとも前記粘着層が接触する面に配された離型層である、請求項1または2に記載のペリクルケース。
  4. 前記離型層は、前記トレイ本体の少なくとも一方の面に、コーティングにより形成されてなる、請求項3に記載のペリクルケース。
  5. 前記ペリクルケースは、前記トレイを覆うためのカバーを更に備え、
    前記カバーは、
    前記トレイを前記カバーで覆ったとき、前記トレイに載置された前記ペリクルの前記フレームの少なくとも一部に当接する当接部を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペリクルケース。
  6. 前記ペリクルケースは、
    前記トレイに載置される前記ペリクルの前記フレームの側面に設けられた非貫通のピン挿入孔に、ピンを挿入して固定するためのピン保持機構を更に備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペリクルケース。
  7. フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを載置するためのトレイであって、
    少なくとも前記粘着層が接触する部位が、離型性を有する、トレイ。
  8. 前記トレイは、トレイ本体を有し、前記部位は、前記粘着層が接触する面に配された離型層である、請求項7に記載のトレイ。
  9. フレームの一端面側に配された粘着層を有するペリクルを載置するためのトレイ本体の表面に、シリコーン化合物、フッ素系化合物、およびウレタン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む離型層を形成する工程と、
    前記ペリクルの前記粘着層を前記離型層に付着させる工程と、
    を有する、ペリクルの保持方法。
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