JP2021188744A - Egrバルブのシール部材 - Google Patents

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伸二 河井
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Abstract

【課題】ハウジングの組付孔に対するシール部材の保持部の密着性を向上させること。【解決手段】EGRバルブは、流路を有するハウジング、流路に設けられた弁座、弁座に着座可能に設けられた弁体、弁体を弁座に対し移動させる弁軸、ハウジングに設けられた組付孔を備え、ハウジングと弁軸との間をシールするリップシール9が組付孔に圧入される。リップシール9は、略筒状をなす補強環18、補強環18を内包するように弾性材により略筒状に形成され、組付孔に保持するための保持部16、保持部16において補強環18の外周を覆い、外周面が組付孔の内周面に接触する外周膜部19と、外周膜部19の外周面の軸方向における少なくとも一部の、組付孔の内周面に対する密着を補強する密着補強手段を備える。【選択図】 図3

Description

この明細書に開示される技術は、EGRバルブにおいてハウジングと弁軸との間に設けられるシール部材に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される技術「オイルシール」が知られている。このオイルシールは、略L字状の断面形状を呈する補強環と、ゴム状弾性材をもって形成された密閉部片とを有し、補強環の外周側が弾性膜部により覆われる。補強環は大径部と小径部を有し、大径部では弾性膜部が薄肉弾性膜部となり、小径部では弾性膜部が厚肉弾性膜部となっている。
実開昭60−84863号公報
ところで、特許文献1に記載のオイルシールを、リップシールとしてEGRバルブに使用することが考えられる。EGRバルブは、例えば、図44に示すように、流路71を有するハウジング72と、流路71に設けられた弁座(図示略)と、弁座に着座可能に設けられた弁体(図示略)と、弁体を駆動するための弁軸73と、ハウジング72に対して弁軸73を運動可能に支持するための軸受74とを備える。このEGRバルブにおいて、流路71から軸受74へのデポジットやEGRガスの侵入を防止するために、リップシール75を、ハウジング72に形成された組付孔72aに圧入することが考えられる。通常、この組付孔72aは、ハウジング72を切削加工することで形成されるので、その組付孔72aの内周面には、周方向に連なる細かな凹凸が、組付孔72aの軸方向に並ぶように残ることがある。ところが、保持部76の材料硬度が高い場合は、図45に示すように、その保持部76の外周面が組付孔72aの内周面の細かな凹凸77に追従できず、保持部76のハウジング72に対する密着性が悪くなり、両者76,72の間に隙間78が生じてしまう。この場合、EGRガスの流路71に圧力変化(呼吸作用)が生じると、隙間78へEGRガスが侵入するおそれがある。また、EGRガスが、この隙間78に侵入した状態でハウジング72が冷えると、この隙間78にて凝縮水が発生し、その凝縮水がハウジング72の腐食の原因になるおそれがある。
これに対し、シール性確保のために、保持部76の外周面が細かな凹凸77に入り込むように保持部76を柔軟性の高い(硬度の低い)弾性材で形成することが考えられる。しかし、この場合は、リップシール75を組付孔72aに圧入する際、保持部76の圧入部分が圧入方向と逆方向へ逃げる(肉逃げ)ことがある。その結果、組付孔72aに対する保持部76の面圧が不十分なものとなってしまい、保持部76の組付孔72aに対する密着性が低下するおそれがある。図44は、ポペット式のEGRバルブの一部を示す断面図であり、図45は、図44の一点鎖線四角S4で囲った部分のハウジング72と保持部76との接触状態を概念的に示す拡大断面図である。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ハウジングの組付孔に対する保持部の密着性を向上させることを可能としたEGRバルブのシール部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、 EGRガスの流路を有するハウジングと、流路に設けられた弁座と、弁座に着座可能に設けられた弁体と、弁体を弁座に対して移動させるために弁体と一体的に設けられた弁軸と、ハウジングに設けられ、弁軸を組み付けるための組付孔とを備えたEGRバルブに設けられ、ハウジングと弁軸との間をシールするために組付孔に圧入されるシール部材であって、略筒状をなす補強環と、補強環を内包するように弾性材により略筒状に形成され、組付孔に保持するための保持部と、保持部において補強環の外周を覆い、外周面が組付孔の内周面に接触する外周膜部とを備えたEGRバルブのシール部材において、外周膜部の外周面の軸方向における少なくとも一部の、組付孔の内周面に対する密着を補強するための密着補強手段を備えたことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、ハウジングの組付孔にシール部材を圧入することにより、保持部が組付孔に保持されると共に、ハウジングと弁軸との間がシールされる。このシール状態において、シール部材では、補強環の外周にて外周膜部の外周面が組付孔の内周面に接触する。ここで、シール部材は、外周膜部の外周面の軸方向における少なくとも一部の、組付孔の内周面に対する密着を補強するための密着補強手段を備えるので、組付孔の内周面に細かな凹凸があっても、外周膜部の外周面がその凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、密着補強手段は、補強環の軸方向一端部の周囲に配置され、外周膜部を外方向へ突出させた突条部であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、外周膜部の突条部にて、組付孔の内周面に対する面圧が向上し、その突条部の外周面が組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、密着補強手段は、補強環の軸方向一端部を外方向へ屈曲させた屈曲部であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、補強環の屈曲部に対応する外周膜部の部位にて、組付孔の内周面に対する面圧が向上し、その部位の外周面が組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、密着補強手段は、外周膜部の少なくとも一部に設けられ、硬度が標準よりも低い低硬度材であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、外周膜部の少なくとも一部に設けられる低硬度材の外周面が、組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項4に記載の技術において、低硬度材は、補強環の軸方向一端部の周囲に配置されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項4に記載の技術の作用に加え、補強環の軸方向一端部の周囲に対応して、低硬度材の外周面が組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。従って、例えば、補強環の軸方向一端部を流路の側に配置することにより、流路に近い側にて、低硬度材の外周面が組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着することになる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項4又は5に記載の技術において、低硬度材は、外方向へ突出させた突条部を有することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項4又は5に記載の技術の作用に加え、低硬度材の突条部にて、組付孔の内周面に対する面圧が向上し、その突条部の外周面の、組付孔の内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項4乃至6のいずれかに記載の技術において、補強環は、その軸方向一端部を外方向へ屈曲させた屈曲部を有し、屈曲部が低硬度材に接することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項4乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、補強環の屈曲部が低硬度材に接する部位にて、組付孔の内周面に対する面圧が更に向上し、その部位の外周面の、組付孔の内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の技術は、請求項7に記載の技術において、屈曲部は、低硬度材に没入することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項7に記載の技術の作用に加え、屈曲部が低硬度材に没入するので、その没入部位の近傍にて低硬度材が変形し難くなり、シール部材が組付孔に圧入されるときの低硬度材の肉逃げが抑えられる。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の技術は、請求項3に記載の技術において、屈曲部の周囲には、外周膜部を外方向へ突出させた突条部が配置されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項3に記載の技術の作用に加え、外周膜部の突条部にて、組付孔の内周面に対する面圧が更に向上し、その突条部の外周面の組付孔の内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の技術は、請求項1乃至9のいずれかに記載の技術において、補強環は、大径部及び小径部を含むことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の技術の作用に加え、補強環の大径部に対応する外周膜部の部位にて、組付孔の内周面に対する面圧が向上し、その部位の外周面が組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。
上記目的を達成するために、請求項11に記載の技術は、請求項1乃至10のいずれかに記載の技術において、シール部材が組付孔に圧入された状態で、密着補強手段は、外周膜部の外周面の軸方向一端部であって流路に近い側の一端部に対応して配置されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至10のいずれかに記載の技術の作用に加え、外周膜部の外周面の軸方向一端部であって流路に近い側の一端部が、組付孔の内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔の内周面に密着する。
上記目的を達成するために、請求項12に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、外周膜部の外周面は、軸方向における一端部であって流路に近い側に位置する流路側端部と、流路側端部に連続する中間部とを含み、流路側端部の外径が中間部の外径より小さくなっており、組付孔の内周面は、流路の側へ向けて内径が小さくなるテーパ部と、テーパ部に連続し、テーパ部の最大内径と同径をなして等しい内径で伸びる等径部とを含み、密着補強手段は、外周膜部の外周面の流路側端部と、組付孔の内周面のテーパ部とを含み、外周膜部の外周面の中間部が組付孔の内周面の等径部に密着し、外周膜部の外周面の流路側端部が組付孔の内周面のテーパ部に密着していることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、シール部材を組付孔に圧入することで、その外周膜部の外周面の流路側端部が組付孔の内周面のテーパ部に押し付けられ、流路側端部の先端縁が弾性変形を伴ってテーパ部に面接触するので、流路側端部がテーパ部の細かな凹凸に追従しながらテーパ部に密着することになる。
上記目的を達成するために、請求項13に記載の技術は、請求項12に記載の技術において、外周膜部の外周面の中間部と流路側端部との境から流路側端部の先端縁とを結ぶ線分の、組付孔の内周面の等径部に対する第1の内角の角度が、テーパ部の、組付孔の内周面の等径部に対する第2の内角の角度より小さいことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項12に記載の技術の作用に加え、外周膜部の外周面の流路側端部にて想定する線分の、組付孔の内周面の等径部に対する第1の内角の角度が、テーパ部の等径部に対する第2の内角の角度より小さい。従って、シール部材を組付孔に圧入するときに、流路側端部の先端縁がテーパ部の斜面に確実に押し付けられて弾性変形することになる。
上記目的を達成するために、請求項14に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、組付孔は、流路に開口する開口部を更に含み、開口部には、流路からの異物の侵入を規制するためにプラグが設けられ、組付孔のシール部材が、開口部のプラグに密着していることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、シール材が組付孔に圧入された状態において、プラグを開口部に圧入することで、プラグをシール部材の外周膜部の先端部に密着させることが可能となる。
請求項1に記載の技術によれば、ハウジングの組付孔に対する保持部(外周膜部)の密着性を向上させることができ、保持部の外周膜部の外周面の軸方向における少なくとも一部にて、保持部(外周膜部)の外周面と組付孔の内周面との間に隙間ができることを防止することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術と同様の効果を得ることができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術と同等の効果を得ることができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術と同等の効果を得ることができる。
請求項5に記載の技術によれば、請求項4に記載の技術の効果に加え、EGRバルブにおいて、ハウジングとシール部材の保持部(外周膜部)との間へのEGRガスの侵入を、流路に近い側にて防止することができる。
請求項6に記載の技術によれば、請求項4又は5に記載の技術の効果に対し、ハウジングの組付孔に対する保持部(外周膜部)の密着性を更に向上させることができ、保持部の一端部側にて、外周膜部の外周面と組付孔の内周面との間に隙間ができることをより確実に防止することができる。
請求項7に記載の技術によれば、請求項4乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、低硬度材の外周面の組付孔の内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上した分だけ、組付孔に対する低硬度材の密着性を更に向上させることができ、低硬度材の外周面と組付孔の内周面との間に隙間ができることをより確実に防止することができる。
請求項8に記載の技術によれば、請求項7に記載の技術の効果に加え、組付孔に対するシール部材の圧入の仕方にかかわらず、組付孔の内周面の細かな凹凸に対する低硬度材の外周面の密着性を確保することができる。
請求項9に記載の技術によれば、請求項3に記載の技術の効果に対し、ハウジングの組付孔に対する保持部(外周膜部)の密着性を更に向上させることができ、保持部の一端部側にて、外周膜部の外周面と組付孔の内周面との間に隙間ができることをより確実に防止することができる。
請求項10に記載の技術によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の技術と同等の効果を得ることができる。
請求項11に記載の技術によれば、請求項1乃至10のいずれかに記載の技術の効果に加え、外周膜部の外周面の軸方向一端部であって流路に近い側の一端部にて、外周膜部の外周面と組付孔の内周面との間に隙間ができることを防止することができる。
請求項12に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術と同様の効果を得ることができる。
請求項13に記載の技術によれば、請求項12に記載の技術の効果に加え、流路側端部をテーパ部に確実に密着させることができ、保持部(外周膜部)と組付孔との間へのEGRガスの侵入をより確実に防止することができる。
請求項15に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、プラグの開口部への組み付けにより、シール部材の組付孔への最終圧入を管理することができ、シール部材とプラグとを確実に密着させることができる。
第1実施形態に係り、全閉時のEGRバルブを示す正断面図。 第1実施形態に係り、図1の一点鎖線四角で囲った部分を示す拡大断面図。 第1実施形態に係り、ハウジングに取り付ける前のリップシールを示す断面図。 第1実施形態に係り、図2の一点鎖線四角で囲った部分のハウジングと外周膜部との密着状態を概念的に示す拡大断面図。 第2実施形態に係り、リップシールを示す図3に準ずる断面図。 第2実施形態に係り、ハウジングと外周膜部との密着状態を示す図4に準ずる拡大断面図。 第3実施形態に係り、リップシールを示す図5に準ずる断面図。 第4実施形態に係り、EGRバルブの一部を示す図2に準ずる断面図。 第4実施形態に係り、リップシールを示す図3に準ずる断面図。 第4実施形態に係り、図8の一点鎖線四角で囲った部分のハウジングと外周膜部及び低硬度材との密着状態を概念的に示す拡大断面図。 第5実施形態に係り、リップシールを示す図9に準ずる断面図。 第6実施形態に係り、リップシールを示す図9に準ずる断面図。 第7実施形態に係り、リップシールを示す図12に準ずる断面図。 第8実施形態に係り、リップシールを示す図13に準ずる断面図。 第9実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、リップシールをハウジングの組付孔に圧入し始めた状態を示す断面図。 第9実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、組付孔に圧入した保持部の先端が組付孔の内周面に接触し始めた状態を示す断面図。 第9実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、組付孔に圧入した保持部の先端が圧入により変形し始めた状態を示す断面図。 第9実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、組付孔へのリップシールの圧入が完了した状態を示す断面図。 第9実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、治具を使ってリップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第9実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、治具を使ってリップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第9実施形態の対比例に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、リップシールをハウジングの組付孔に圧入し始めた状態を示す断面図。 第9実施形態の対比例に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、リップシールをハウジングの組付孔に更に圧入した状態を示す断面図。 第9実施形態に係り、弁軸が垂直に配置され、流路がリップシールより下側に配置されるように車両に搭載したEGRバルブの一部を示す断面図。 第1実施形態のEGRバルブの一部であって、リップシールの近傍を示す断面図。 第1実施形態のEGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第1実施形態のEGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 従前のEGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 従前のEGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第10実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第10実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第10実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第10実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法の変形例を示す図31に準ずる断面図。 第10実施形態に係り、弁軸が垂直に配置され、流路がリップシールより下側に配置されるように車両に搭載したEGRバルブの一部を示す断面図。 第11実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第11実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第11実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第11実施形態に係り、変形例を示す図36に準ずる断面図。 第12実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第12実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第12実施形態に係り、EGRバルブの一部であって、リップシールを組付孔に組み付ける方法を示す断面図。 第12実施形態に係り、変形例を示す図40に準ずる断面図。 別の実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、リップシールをハウジングの組付孔に圧入し始めた状態を示す図15に準ずる断面図。 別の実施形態に係り、リップシール及びハウジングの一部であって、リップシールをハウジングの組付孔に圧入し始めた状態を示す図15に準ずる断面図。 従来例に係り、ポペット式のEGRバルブの一部を示す断面図。 従来例に係り、図44の一点鎖線四角で囲った部分のハウジングと保持部との接触状態を概念的に示す拡大断面図。
以下、EGRバルブのシール部材を具体化したいくつかの実施形態について説明する。周知のようにEGRバルブは、エンジンから排気通路へ排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路へ流すEGR通路に設置され、EGR通路のEGRガス流量を調節するために使用される。以下の説明では、上記の設置状態を想定して説明する。
<第1実施形態>
先ず、EGRバルブを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[EGRバルブの構成について]
図1に、全閉時のEGRバルブ1を正断面図により示す。このEGRバルブ1は、ポペットバルブとして、かつ、電動バルブとして構成される。図1に示すように、EGRバルブ1は、EGRガスの流路2を有するハウジング3と、流路2に設けられた弁座4と、弁座4に着座可能に設けられた弁体5と、弁体5を弁座4に対して移動させるために弁体5と一体的に設けられた弁軸6と、弁軸6と共に弁体5を往復運動させるためのステップモータ7と、ハウジング3と弁軸6との間に設けられ、弁軸6を往復運動(ストローク運動)可能に支持するためのスラスト軸受8と、ハウジング3と弁軸6との間をシールするために、スラスト軸受8に隣接して設けられたリップシール9と、リップシール9に隣接して設けられ、ハウジング3と弁軸6との間をデポジットの侵入からガードするためのデポガードプラグ10とを備える。
図1に示すように、スラスト軸受8は、リップシール9よりもステップモータ7に近い側(図の上側)に配置され、デポガードプラグ10は、リップシール9よりも流路2に近い側(図の下側)に配置される。リップシール9は、この開示技術におけるシール部材の一例に相当する。ハウジング3には、弁軸6を組み付けるための組付孔3aが設けられる。組付孔3aは、流路2に開口する開口部3aaを含む。スラスト軸受8、リップシール9及びデポガードプラグ10は、弁軸6を中心に組付孔3aに組み付けられる。デポガードプラグ10は、組付孔3aの開口部3aaに圧入される。
この実施形態で、ハウジング3は金属材(例えば、アルミ)により形成される。ハウジング3に形成された流路2の両端は、EGRガスが導入される入口2aと、EGRガスが導出される出口2bとなっている。弁座4は、流路2の途中に設けられ、流路2に連通する弁孔4aを有する。
弁軸6は、ステップモータ7と弁体5との間に設けられ、図1において、ハウジング3を垂直に貫通して配置される。弁体5は、弁軸6の下端部に固定され、円錐形状をなし、その円錐面が弁座4に対して当接又は離間するようになっている。弁軸6の上端部には、スプリング受11が一体に設けられる。
ステップモータ7は、コイル21を含むステータ22と、ステータ22の内側に設けられたマグネットロータ23と、マグネットロータ23の中心に設けられた出力軸12とを含む。これらの部材12,21〜23等が樹脂製のケーシング24によりモールドされて覆われる。ケーシング24には、横へ突出したコネクタ25が一体に形成される。コネクタ25には、コイル21から延びる端子26が設けられる。
出力軸12は、外周に雄ネジ12aを有する。出力軸12の下端部は、弁軸6の上端部に設けられたスプリング受11に連結される。マグネットロータ23は、ロータ本体27と、ロータ本体27の外周に一体的に設けられた円筒状のプラスチックマグネット28とを含む。ロータ本体27の上端部外周には、ケーシング24との間に第1のラジアル軸受29が設けられる。プラスチックマグネット28の下端部内周には、スラスト軸受8との間に第2のラジアル軸受30が設けられる。これら上下のラジアル軸受29,30によりマグネットロータ23がステータ22の内側にて回転可能に支持される。ロータ本体27の中心には、出力軸12の雄ネジ12aに螺合する雌ネジ27aが形成される。マグネットロータ23と、下側の第2のラジアル軸受30との間には、第1の圧縮スプリング31が設けられる。スプリング受11と、第2のラジアル軸受30との間には、弁軸6をマグネットロータ23へ向けて付勢する、すなわち、弁体5を弁座4に着座させる閉弁方向へ付勢する第2の圧縮スプリング32が設けられる。
図1に示すように、弁体5が弁座4に着座した全閉状態において、マグネットロータ23が一方向へ回転することにより、出力軸12の雄ネジ12aとロータ本体27の雌ネジ27aとの螺合関係により、第2の圧縮スプリング32の付勢力に抗して、出力軸12が一方向へ回転しながらスラスト方向である図1の下方向へストローク運動する。この出力軸12のストローク運動により、弁軸6と共に弁体5が図1の下方向へストローク運動し、弁体5が弁座4から離れて開弁する。
一方、弁体5が弁座4から最大限に離れた全開状態(図示略)において、マグネットロータ23が反対方向へ回転することにより、出力軸12の雄ネジ12aとロータ本体27の雌ネジ27aとの螺合関係と、第2の圧縮スプリング32の付勢力により、出力軸12が反対方向へ回転しながらスラスト方向である図1の上方向へストローク運動する。この出力軸12のストローク運動により、弁軸6と共に弁体5が図1の上方向へストローク運動し、弁体5が弁座4に近付いて閉弁し、図1に示す全閉状態となる。
[リップシールの構成について]
図2に、図1の一点鎖線四角S1で囲った部分を拡大断面図により示す。図3に、ハウジング3に取り付ける前のリップシール9を断面図により示す。図1〜図3に示すように、リップシール9は、ハウジング3と弁軸6との間にて、ハウジング3と弁軸6との間をシールするために設けられる。このリップシール9は、略円筒形をなし、ハウジング3に形成された組付孔3aに直接圧入される。弁軸6は、リップシール9の中心を貫通する。ハウジング3と弁軸6とリップシール9との間には、リップシール室15が形成される。
図2,図3に示すように、この実施形態で、リップシール9は、略二重筒状をなし、ハウジング3の組付孔3aに保持するための保持部16と、保持部16の内側にて先端17aの内周が弁軸6の外周に弾性接触しシールするためのリップ部17とを含む。リップシール9の一端9aは、デポガードプラグ10の側(流路2の側)へ向き、他端9bはスラスト軸受8の側(ステップモータ7の側)へ向くと共に、リップ部17の先端17aは流路2の側へ向いて配置される。リップシール9は、金属製の補強環18をインサート成形することで形成される。ここで、リップ部17の先端17aは、リップ部17が弁軸6の外周と接触し始める先端を意味する。この実施形態では、リップ部17の先端17aがリップシール9の一端9a(保持部16の先端でもある)よりもリップシール9の内側に配置され、リップ部17の基端は、リップシール9の他端9bの位置と一致している。
図1〜図3に示すように、この実施形態において、補強環18は、略筒状をなす。保持部16は、補強環18を内包するように弾性材としてのゴム材により略筒状に形成され、組付孔3aに保持される。リップ部17は、保持部16と一体にゴム材により形成される。この実施形態では、ゴム材として、フッ素ゴムを使用することができる。一般的には、保持部16に使用されるフッ素ゴムの標準的な硬度は「Hs70〜90」となっている。保持部16において、補強環18の外周は、外周面が組付孔3aの内周面に接触する外周膜部19により覆われる。そして、図3に示すように、保持部16の軸方向一端部(流路2の側)において、外周膜部19の外周面の軸方向における一部には、組付孔3aの内周面に対する密着を補強するための密着補強手段20が設けられる。特に、この実施形態では、リップシール9が組付孔3aに圧入された状態で、密着補強手段20は、外周膜部19の外周面の軸方向一端部であって流路2に近い側の一端部に対応して配置される。この実施形態で、密着補強手段20は、補強環18の軸方向一端部18aの周囲に配置され、外周膜部19を外方向へ突出させた突条部19aにより構成される。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の構成によれば、EGRバルブ1が、エンジンの排気通路から吸気通路へEGRガスを流すEGR通路に設置された状態において、リップシール9(シール部材)は、その一端9aが流路2の側(デポガードプラグ10の側)へ向き、その他端9bがステップモータ7の側(スラスト軸受8の側)へ向くと共に、リップ部17の先端17aが流路2の側へ向いて配置される。ここで、EGRバルブ1の弁体5が弁座4から離間する開弁時には、流路2の側からデポガードプラグ10と弁軸6との隙間を通じてリップシール9のリップシール室15にEGRガスによる正圧が作用する。これにより、リップ部17の外周面にも正圧が作用し、その先端17aの弁軸6への弾性接触による締め代が大きくなり、リップ部17と弁軸6との間がシールされる。このため、リップシール9のシール機能を担保することができる。
この実施形態のリップシール9の構成によれば、ハウジング3の組付孔3aにリップシール9を圧入することにより、保持部16が組付孔3aに保持されると共に、ハウジング3と弁軸6との間がシールされる。このシール状態において、リップシール9では、補強環18の外周にて外周膜部19の外周面が組付孔3aの内周面に密着する。ここで、外周膜部19の外周面の軸方向における一部の、組付孔3aの内周面に対する密着を補強するために密着補強手段20が設けられる。従って、組付孔3aの内周面に細かな凹凸があっても、外周膜部19の外周面がその凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着する。具体的には、外周膜部19の突条部19aにて、組付孔3aの内周面に対する面圧が向上し、その突条部19aの外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着する。図4に、図2の一点鎖線四角S2で囲った部分のハウジング3と外周膜部19との密着状態を概念的な拡大断面図により示す。図4に示すように、面圧が向上した突条部19aでは、その外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着することになる。このため、ハウジング3の組付孔3aに対する保持部16(外周膜部19)の密着性を向上させることができ、保持部16の一端部側(流路2の側)にて、外周膜部19の外周面と組付孔3aの内周面との間に隙間ができることを防止することができる。特に、この実施形態では、外周膜部19の外周面の軸方向一端部であって流路2に近い側の一端部が、組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着する。このため、外周膜部19の外周面の軸方向一端部であって流路2に近い側の一端部にて、外周膜部19の外周面と組付孔3aの内周面との間に隙間ができることを防止することができる。この結果、両者19,3aの間へのEGRガスの侵入を防止することができ、両者19,3aの間にて凝縮水が発生したり、凝縮水による腐食が発生したりすることを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で第1実施形態と異なる。図5に、この実施形態のリップシール9を図3に準ずる断面図により示す。図5に示すように、この実施形態において、密着補強手段20は、補強環18の軸方向一端部18a(流路2の側)を外方向へ屈曲させた屈曲部18bにより構成される。この屈曲部18bは、補強環18の一端部18aを他の部位よりも外径を拡げるように屈曲される。補強環18は、この屈曲部18bを有することで、屈曲部18bが大径部DLとなり、それ以外の部位が小径部DSとなる。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1のリップシール9の構成によれば、第1実施形態と異なり、リップシール9において、密着補強手段20としての屈曲部18b(補強環18の大径部DLでもある)に対応する外周膜部19の部位にて、組付孔3aの内周面に対する面圧が向上し、その部位の外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着する。図6に、ハウジング3と外周膜部19との密着状態を図4に準ずる拡大断面図により示す。図6に示すように、外周膜部19の面圧が向上した部位19bでは、その外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着することになる。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で第2実施形態と異なる。図7に、この実施形態のリップシール9を図5に準ずる断面図により示す。図7に示すように、この実施形態では、第2実施形態の構成に加え、屈曲部18bの周囲に対応して、外周膜部19を外方向へ突出させた突条部19aが配置される。すなわち、この実施形態の密着補強手段20は、補強環18の屈曲部18bと、外周膜部19の突条部19aとから構成される。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第2実施形態の作用及び効果に加え、次のような作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態では、第2実施形態の作用に加え、リップシール9において、外周膜部19の突条部19aにて、組付孔3aの内周面に対する面圧が更に向上し、その突条部19aの外周面の組付孔3aの内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。すなわち、補強環18の屈曲部18bによって外周膜部19の面圧が向上する部位が、突条部19aにより更に面圧が向上することになる。このため、ハウジング3の組付孔3aに対する保持部16(外周膜部19)の密着性を更に向上させることができ、保持部16の一端部側(流路2の側)にて、外周膜部19の外周面と組付孔3aの内周面との間に隙間ができることをより確実に防止することができる。
<第4実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で前記各実施形態と異なる。図8に、EGRバルブ1の一部を図2に準ずる断面図により示す。図9に、リップシール9を図3に準ずる断面図により示す。この実施形態において、密着補強手段20は、保持部16の外周膜部19の一部に設けられ、硬度が標準よりも低い低硬度材41により構成される。具体的には、この実施形態で、低硬度材41は、補強環18の軸方向一端部18a(流路2の側)の周囲に対応して配置される。外周膜部19が比較的硬いゴム材により形成されるのに対し、低硬度材41は、比較的軟らかいゴム材により形成される。
ここで、外周膜部19は保持部16と同じゴム材より形成される。従って、外周膜部19の比較的硬いゴム材としては、保持部16と同じ標準的な「Hs70〜90」の硬度を選択することができる。これに対し、低硬度材41の比較的軟らかいゴム材として、「Hs60〜70」の硬度を有するフッ素ゴムを使用したり、「Hs10〜50」の硬度を有するシリコンゴムを使用したりすることができる。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、比較的軟らかいゴム材により形成される低硬度材41の外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着する。図10に、図8の一点鎖線四角S3で囲った部分のハウジング3と外周膜部19及び低硬度材41との密着状態を概念的な拡大断面図により示す。図10に示すように、低硬度材41の部分では、その外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着することになる。このため、この実施形態でも第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
この実施形態の構成によれば、補強環18の軸方向一端部18aの周囲に対応して、低硬度材41の外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着する。従って、この実施形態のように、補強環18の一端部18aが流路2の側に配置される場合は、流路2に近い側にて、低硬度材41の外周面が組付孔3aの内周面の細かな凹凸に追従しながら組付孔3aの内周面に密着することになる。このため、EGRバルブ1において、ハウジング3とリップシール9(シール部材)の保持部16(外周膜部19)との間へのEGRガスの侵入を、流路2に近い側にて防止することができる。
<第5実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第5実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で第4実施形態と異なる。図11に、この実施形態のリップシール9を図9に準ずる断面図により示す。図11に示すように、この実施形態では、第4実施形態の構成に加え、低硬度材41が、外方向へ突出させた突条部41aを有する。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第4実施形態の作用及び効果に加え、次のような作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態では、低硬度材41の突条部41aにて、組付孔3aの内周面に対する面圧が向上し、その突条部41aの外周面の組付孔3aの内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。このため、ハウジング3の組付孔3aに対する保持部16(外周膜部19)の密着性を更に向上させることができ、保持部16の一端部側(流路2の側)にて、外周膜部19の外周面と組付孔3aの内周面との間に隙間ができることをより確実に防止することができる。
<第6実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第6実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で第4実施形態と異なる。図12に、この実施形態のリップシール9を図9に準ずる断面図により示す。図12に示すように、この実施形態では、第4実施形態の構成に加え、補強環18が、その軸方向一端部18aを外方向へ屈曲させた屈曲部18bを有する。この屈曲部18bは、補強環18の一端部18aを他の部位よりも外径を拡げることで形成される。屈曲部18bの外周は、低硬度材41に接する。補強環18は、この屈曲部18bを有することで、大径部DL及び小径部DSを含むように構成される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第4実施形態の作用及び効果に加え、次のような作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態では、リップシール9において、補強環18の屈曲部18bが低硬度材41に接する部位にて、組付孔3aの内周面に対する面圧が向上し、その部位の外周面の組付孔3aの内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。このため、低硬度材41の外周面の組付孔3aの内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上した分だけ、ハウジング3の組付孔3aに対する低硬度材41の密着性を更に向上させることができ、保持部16の一端部側(流路2の側)にて、低硬度材41の外周面と組付孔3aの内周面との間に隙間ができることをより確実に防止することができる。
<第7実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第7実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で第6実施形態と異なる。図13に、この実施形態のリップシール9を図12に準ずる断面図により示す。この実施形態では、第4実施形態の構成に加え、図13に示すように、リップシール9において、補強環18が、その軸方向一端部18aを外方向へ屈曲させた屈曲部18cを有する。この屈曲部18cは、補強環18の一端部18aを外方向へフランジ状に屈曲させることで形成される。屈曲部18cは、低硬度材41に没入するように設けられる。補強環18は、この屈曲部18cを有することで、大径部DL及び小径部DSを含むように構成される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第6実施形態の作用及び効果に対し、次のような作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態では、リップシール9において、屈曲部18cの一部が低硬度材41に没入するので、その没入部位の近傍にて低硬度材41が変形し難くなり、リップシール9が組付孔3aに圧入されるときの低硬度材41の肉逃げが抑えられる。このため、組付孔3aに対するリップシール9の圧入の仕方にかかわらず、組付孔3aの内周面の細かな凹凸に対する低硬度材41の外周面の密着性を確保することができる。
<第8実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第8実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段20の構成の点で第7実施形態と異なる。図14に、この実施形態のリップシール9を図13に準ずる断面図により示す。図14に示すように、この実施形態では、第7実施形態の構成に加え、低硬度材41が、外方向へ突出させた突条部41aを有する。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第7実施形態の作用及び効果に加え、次のような作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態では、リップシール9において、低硬度材41の突条部41aにて、組付孔3aの内周面に対する面圧が更に向上し、その突条部41aの外周面の組付孔3aの内周面の細かな凹凸に対する追従性が更に向上する。このため、ハウジング3の組付孔3aに対する保持部16(低硬度材41)の密着性を更に向上させることができ、保持部16の一端部側(流路2の側)にて、外周膜部19の外周面と組付孔3aの内周面との間に微小な隙間ができることをより確実に防止することができる。
<第9実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第9実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のリップシール9は、密着補強手段の構成の点で前記各実施形態と異なる。図15に、この実施形態のリップシール9及びハウジング3の一部であって、リップシール9をハウジング3の組付孔3aに圧入し始めた状態を断面図により示す。図15は、リップシール9の保持部16の一部と、ハウジング3の組付孔3aの一部を示す。図16に、この実施形態のリップシール9及びハウジング3の一部であって、組付孔3aに圧入した保持部16の先端が組付孔3aの内周面に接触し始めた状態を断面図により示す。図17に、この実施形態のリップシール9及びハウジング3の一部であって、組付孔3aに圧入した保持部16の先端が圧入により変形し始めた状態を断面図により示す。図18に、この実施形態のリップシール9及びハウジング3の一部であって、組付孔3aへのリップシール9の圧入が完了した状態を断面図により示す。
図15、図16に示すように、保持部16の外周膜部19の外周面は、リップシール9の軸方向(図15、図16の左右方向)における一端部であって流路2に近い側に位置する流路側端部19cと、流路側端部19cに連続する中間部19dとを含む。この実施形態で、流路側端部19cは、中間部19dから流路2の側へ向けて外径が小さくなるテーパ端部19cbと、テーパ端部19cbから先端側へ等しい外径で伸びる等径端部19ccとを含む。流路側端部19cの外径は、中間部19dの外径より小さくなっている。一方、この実施形態で、組付孔3aの内周面は、流路2の側へ向けて内径が小さくなるテーパ部3abと、テーパ部3abに連続し、テーパ部3abの最大内径と同径をなして等しい内径で伸びる等径部3acとを含む。このテーパ部3abにも、その切削加工時に周方向に連なる細かな凹凸が軸方向に並ぶように残っている。
この実施形態の密着補強手段は、外周膜部19の外周面の流路側端部19cと、組付孔3aの内周面のテーパ部3abとから構成される。そして、図18に示すように、リップシール9が、スラスト軸受8の側(ステップモータ7の側)から組付孔3aに圧入されることで、外周膜部19の外周面の中間部19dが組付孔3aの内周面の等径部3acに密着し、外周膜部19の外周面の流路側端部19cが組付孔3aの内周面のテーパ部3abに密着するようになっている。図18において、「t2」は、補強環18の先端と流路側端部19cの接地端との距離を示し、「t0」は、補強環18の先端と流路側端部19cの先端との距離を示す。
ここで、図15に示すように、外周膜部19の外周面の中間部19dと流路側端部19cとの境19eから流路側端部19cの先端縁19caとを結ぶ線分L1を想定すると、その線分L1の、組付孔3aの内周面の等径部3acに対する第1の内角θ1の角度が、組付孔3aのテーパ部3abの、等径部3acに対する第2の内角θ2の角度より小さくなっている。
この実施形態では、スラスト軸受8、デポガードプラグ10及び弁軸6を組付孔3aに組み付ける前にリップシール9を組付孔3aに圧入するようになっている。図19、図20には、この実施形態のリップシール9及びハウジング3の一部であって、治具45を使ってリップシール9を組付孔3aに組み付ける方法を断面図により示す。この実施形態では、図19に示すように、外周膜部19の流路側端部19cの先端が最も浅く圧入された最浅位置と、図20に示すように、同じく流路側端部19cの先端が最も深く圧入された最深位置との間で、組付孔3aに対するリップシール9の圧入が許容される。ここで、図19に示す最浅位置では、流路側端部19cの先端の、テーパ部3abに対する接地幅t1の最小値がゼロより大きくなり、補強環18の先端と流路側端部19cの接地端との距離t2が所定の最大値となる。また、図20に示す最深位置では、上記接地幅t1が最大値となり、上記距離t2がゼロより大きくなる。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。すなわち、リップシール9を組付孔3aに圧入することで、その保持部16(外周膜部19)の外周面の流路側端部19cが、組付孔3aの内周面のテーパ部3abに押し付けられ、流路側端部19cの先端縁19caが弾性変形を伴ってテーパ部3abに面接触し、流路側端部19cがテーパ部3abの細かな凹凸に追従しながらテーパ部3abに密着することになる。このため、ハウジング3の組付孔3aに対する保持部16(外周膜部19)の密着性を向上させることができ、外周膜部19の外周面の軸方向における流路側端部19cにて、保持部16(外周膜部19)の外周面と組付孔3aの内周面との間に隙間ができることを防止することができる。この結果、両者19,3aの間へのEGRガスの侵入を防止することができ、両者19,3aの間にて凝縮水が発生したり、凝縮水による腐食が発生したりすることを防止することができる。
また、この実施形態の構成によれば、保持部16(外周膜部19)の外周面の流路側端部19cにて想定する線分L1の、組付孔3aの内周面の等径部3acに対する第1の内角θ1の角度が、テーパ部3abの等径部3acに対する第2の内角θ2の角度より小さい。従って、リップシール9を組付孔3aに圧入するときに、流路側端部19cの先端縁19caがテーパ部3abの斜面に確実に押し付けられて弾性変形することになる。このため、流路側端部19cをテーパ部3abに確実に密着させることができ、保持部16(外周膜部19)と組付孔3aとの間へのEGRガスの侵入をより確実に防止することができる。
ここで、この実施形態とは異なり、上記した第1の内角θ1の角度が第2の内角θ2の角度より大きい対比例について説明する。図21に、この対比例に係るリップシール9及びハウジング3の一部であって、リップシール9をハウジング3の組付孔3aに圧入し始めた状態を断面図により示す。図22に、この対比例に係るリップシール9及びハウジング3の一部であって、リップシール9をハウジング3の組付孔3aに更に圧入した状態を断面図により示す。この対比例では、第1の内角θ1が第2の内角θ2より大きく設定されるので、図21に示す状態から、図22に示す状態へリップシール9を組付孔3aへ更に圧入すると、流路側端部19cと中間部19dとの境19eが、流路側端部19cの先端縁19caより先にテーパ部3abに接触してしまう。これにより、その境19eでの面圧が増加し、リップシール9の組付孔3aへの更なる圧入が抑制されてしまう。このとき、流路側端部19cの先端縁19caはテーパ部3abに接しておらず、両者19ca,3abの間に微小隙間ができてしまう。これに対し、本実施形態では、リップシール9を組付孔3aへ圧入するとき、流路側端部19cの先端縁19caが、流路側端部19cと中間部19dとの境19eより先にテーパ部3abに接触して弾性変形するので、流路側端部19cをテーパ部3abに確実に密着させることができるのである。
図23に、この実施形態につき、弁軸6が垂直に配置され、流路2がリップシール9より下側に配置されるように車両に搭載したEGRバルブの一部を断面図により示す。図23に示すように、このEGRバルブでは、外周膜部19の流路側端部19cと組付孔3aのテーパ部3abとが確実に密着するので、リップシール室15に侵入したEGRガスやリップシール室15で生じた凝縮水が、外周膜部19と組付孔3aとの間へ侵入することを防止することができる。また、リップシール9の直下に、組付孔3aのテーパ部3abが位置するので、リップシール室15の中で生じた凝縮水をテーパ部3abに沿って自重で流下させることができ(図23の矢印参照)、凝縮水の排出性を向上させることができる。図23に示すように、デポガードプラグ10の上端面をテーパ部3abと同方向へ傾斜するテーパとすることで、凝縮水の排出性を更に向上させることができる。
<第10実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第10実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシール組み付けに関する課題]
前記各実施形態では、リップシール9の保持部16(外周膜部19)の外周面の、組付孔3aの内周面に対する密着を補強するための密着補強手段20を設けることで、組付孔3aに対する外周膜部19の密着性を向上させていた。これにより、外周膜部19の外周面と組付孔3aの内周面との間へのEGRガスが侵入を防止していた。しかし、例えば、第1実施形態におけるリップシール9の組み付け状態では、図24に示すように、ハウジング3及びデポガードプラグ10とリップシール9との間に、リップシール室15に通じる微小隙間79(2点鎖線楕円で示す。)ができていた。この微小隙間79には、凝縮水が滞留しやすく、特に、図24に示すように、弁軸6が水平になる状態でEGRバルブ1が車両に搭載された場合は、上記微小隙間79に凝縮水が滞留しやすく、排水も難しくなる。このため、滞留した凝縮水が強酸化することで、ハウジング3等で金属腐食が発生するおそれがあった。図24は、第1実施形態のEGRバルブ1の一部であって、リップシール9の近傍を示す断面図である。
この微小隙間79ができるのは、リップシール9及びハウジング3の部品公差により、リップシール9の組付孔3aに対する圧入荷重及び圧入代にバラツキが生じることによると考えられる。すなわち、リップシール9を流路2の側から組付孔3aに組み付ける場合は、図25に示すように、リップシール9を治具45により押圧して組付孔3aに圧入した後、図26に示すように、デポガードプラグ10を組付孔3aの開口部3aaに圧入することになる。従来は、デポガードプラグ10をリップシール9に突き当てて微小隙間を無くす思想はなかったので、両者9,10が非接触となり、必然的にリップシール室15に通じる微小隙間79ができていた。図25、図26は、第1実施形態のEGRバルブ1の一部であって、リップシール9を組付孔3aに組み付ける方法を示す断面図である。
一方、リップシール9を流路2とは反対側(スラスト軸受8が組み付けられる側)から組付孔3aに組み付ける場合は、図27に示すように、スラスト軸受8及びデポガードプラグ10を組み付ける前に、リップシール9を治具45により押圧して組付孔3aに圧入する。この場合、組付孔3aには、デポガードプラグ10が組み付けられる開口部3aaの側に、リップシール9の移動を規制する段面3adが形成されており、リップシール室15に通じる微小隙間79は、その段面3adとの間に生じる。ここで、リップシール9を圧入するときに、リップシール9を段面3adに突き当てることで微小隙間79を無くすことが考えられる。しかし、リップシール9が公差の大きい悪品である場合、図28に示すように、リップシール9の圧入が過剰となり、リップシール9の一端9aが段面3adに突き当たって食み出したり、その一端9aが段面3adのエッジに食い込んだりすると、局部応力集中が生じて亀裂等の不具合が発生するおそれがあった。図27、図28は、従前のEGRバルブ1の一部であって、リップシール9を組付孔3aに組み付ける方法を示す断面図である。
そこで、この実施形態では、第1実施形態と同等の構成につき、リップシール9の組付方法を工夫した。なお、この実施形態では、リップシール9が、第1実施形態と同じ構成の密着補強手段20(19a)を有するものとする。
[リップシールの組付方法について]
図29〜図31に、EGRバルブ1の一部であって、リップシール9を組付孔3aに組み付ける方法を断面図により示す。この実施形態では、組付孔3aにスラスト軸受8を組み付けた後、弁軸6を組み付ける前に、リップシール9を流路2の側から組付孔3aに組み付ける場合について説明する。組付孔3aの一部は開口部3aaに隣接しており、それらの境には、デポガードプラグ10の移動を規制する段面3aeが形成される。
この実施形態では、先ず、図29に示すように、リップシール9を、開口部3aaの側から組付孔3aの途中まで、治具45により押圧して圧入する。その後は、図30、図31に示すように、デポガードプラグ10を開口部3aaに圧入するときに、同プラグ10の平坦な一端10aによりリップシール9を押圧することで、リップシール9を組付孔3aに圧入することになる。ここで、リップシール9の最終圧入位置は、図31に示すように、デポガードプラグ10の一端10aが、開口部3aaの段面3aeに突き当たることで決定される。このような組み付け方法によれば、リップシール9の最終圧入位置にて、リップシール9とデポガードプラグ10との間の微小隙間を無くすことができる。
この実施形態では、図31に示すように、リップシール9の一端9a(保持部16の一端でもある)の内径がデポガードプラグ10の一端10aの平坦部の内径よりも大きく、その内径差t3がゼロより大きい場合に、デポガードプラグ10によるリップシール9の圧入時に、リップシール9の一端9aに均一な荷重を与えることができる。この結果、リップシール9の一端9aで局部応力集中が生じることはなく、亀裂等の不具合が発生することもない。
この実施形態の変形例を、図32に、図31に準ずる断面図により示す。図32に示すように、リップシール9の一端9a(保持部16の一端でもある)の内径と、デポガードプラグ10の一端10aの内径とがほぼ同じであり、補強環18の一端部18aの内径がデポガードプラグ10の一端10aの平坦部の内径よりも大きく、その内径差t4がゼロより大きい場合に、デポガードプラグ10によるリップシール9の圧入時に、リップシール9の一端9aに均一な荷重を与えることができる。
[EGRバルブのリップシールの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のリップシール9の構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。加えて、この実施形態では、上記した組付方法によりリップシール9を組付孔3aに組み付けるので、以下のような作用及び効果が得られる。すなわち、この実施形態では、ハウジング3の組付孔3aへ、先にリップシール9(シール部材)を圧入しておき、その後、デポガードプラグ10を組付孔3aの開口部3aaに圧入することで、デポガードプラグ10の一端10aをリップシール9の一端9a(外周膜部19の先端部でもある)に密着させることが可能となる。つまり、リップシール9が組付孔3aに圧入された状態において、デポガードプラグ10を開口部3aaに圧入することで、デポガードプラグ10をリップシール9の外周膜部19の先端部に密着させることが可能となる。このため、デポガードプラグ10(プラグ)の開口部3aaへの組み付けにより、リップシール9(シール部材)の組付孔3aへの最終圧入を管理することができ、リップシール9とデポガードプラグ10とを確実に密着させることができる。
ここで、図33に、この実施形態につき、弁軸6が垂直に配置され、流路2がリップシール9より下側に配置されるように車両に搭載したEGRバルブの一部を断面図により示す。図33に示すように、このEGRバルブでは、外周膜部19の流路側端部19cの先端部(リップシール9の一端9a)とデポガードプラグ10の一端10aとが確実に密着するので、両者9a,10aの間に微小隙間ができなくなり、リップシール室15で生じた凝縮水をデポガードプラグ10に沿って自重で流下させることができ(図33の矢印参照)、凝縮水の排出性を向上させることができる。
<第11実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第11実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールの組付方法について]
図34〜図36に、EGRバルブ1の一部であって、リップシール9を組付孔3aに組み付ける方法を断面図により示す。この実施形態では、第10実施形態と同様、組付孔3aにスラスト軸受8を組み付けた後、弁軸6を組み付ける前に、リップシール9を流路2の側から組付孔3aに組み付ける場合について説明する。この実施形態では、リップシール9が組み付けられる組付孔3aとデポガードプラグ10が組み付けられる開口部3aaが同一の内径を有し、連続する。
この実施形態では、先ず、図34に示すように、リップシール9を、開口部3aaの側から組付孔3aの途中まで、治具45により押圧して圧入する。その後、図35、図36に示すように、デポガードプラグ10を開口部3aaに圧入するときに、同プラグ10の平坦な一端10aによりリップシール9を押圧することで、リップシール9を組付孔3aに圧入することになる。ここでは、第10実施形態とは異なり、デポガードプラグ10の開口部3aaへの圧入を規制する段面3aeがないことから、リップシール9の最終圧入位置は、図36に示すように、デポガードプラグ10の圧入深さによって決定される。このような組付方法によれば、リップシール9の最終圧入位置にて、リップシール9とデポガードプラグ10との間で微小隙間を無くすことができる。
この実施形態でも、図36に示すように、リップシール9の一端9a(保持部16の一端でもある)の内径がデポガードプラグ10の一端10aの平坦部の内径よりも大きく、その内径差t3がゼロより大きい場合に、デポガードプラグ10によるリップシール9の圧入時に、リップシール9の一端9aに均一な荷重を与えることができる。
この実施形態の変形例を、図37に、図36に準ずる断面図により示す。図37に示すように、この変形例でも、リップシール9の一端9a(保持部16の一端でもある)の内径と、デポガードプラグ10の一端10aの内径とがほぼ同じであり、補強環18の一端部18aの内径がデポガードプラグ10の一端10aの平坦部の内径よりも大きく、その内径差t4がゼロより大きい場合に、デポガードプラグ10によるリップシール9の圧入時に、リップシール9の一端9aに均一な荷重を与えることができる。
従って、この実施形態のリップシール9の構成及び組付方法によれば、第10実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
<第12実施形態>
次に、EGRバルブのシール部材を具体化した第12実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールの組付方法について]
図38〜図40に、EGRバルブ1の一部であって、リップシール9を組付孔3aに組み付ける方法を断面図により示す。この実施形態では、組付孔3aにスラスト軸受8と弁軸6を組み付ける前に、リップシール9を流路2とは反対側(スラスト軸受8が組み付けられる側)から組付孔3aに組み付ける場合について説明する。この実施形態でも、第11実施形態と同様、リップシール9が組み付けられる組付孔3aとデポガードプラグ10が組み付けられる開口部3aaが同一の内径を有し、連続する。
先ず、図38に示すように、スラスト軸受8と弁軸6を組み付ける前に、リップシール9を、スラスト軸受8が組み付けられる側から組付孔3aの途中まで、治具45により押圧して圧入する。その後、図39、図40に示すように、デポガードプラグ10を開口部3aaに圧入するときに、同プラグ10の平坦な一端10aによりリップシール9を押圧することで、リップシール9を組付孔3aに圧入することになる。ここでも、第11実施形態と同様、デポガードプラグ10の開口部3aaへの圧入を規制する段面3aeがないことから、リップシール9の最終圧入位置は、図40に示すように、デポガードプラグ10の圧入深さにより決定される。このような組付方法によれば、リップシール9の最終圧入位置にて、リップシール9とデポガードプラグ10との間の微小隙間を無くすことができる。
この実施形態でも、図40に示すように、リップシール9の一端9a(保持部16の一端でもある)の内径がデポガードプラグ10の一端10aの平坦部の内径よりも大きく、その内径差t3がゼロより大きい場合に、デポガードプラグ10によるリップシール9の圧入時に、リップシール9の一端9aに均一な荷重を与えることができる。
この実施形態の変形例を、図41に、図40に準ずる断面図により示す。図41に示すように、この変形例でも、リップシール9の一端9a(保持部16の一端でもある)の内径と、デポガードプラグ10の一端10aの内径とがほぼ同じであり、補強環18の一端部18aの内径がデポガードプラグ10の一端10aの平坦部の内径よりも大きく、その内径差t4がゼロより大きい場合に、デポガードプラグ10によるリップシール9の圧入時に、リップシール9の一端9aに均一な荷重を与えることができる。
従って、この実施形態のリップシール9の構成及び組付方法によれば、第10実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、シール部材としてのリップシール9を、ポペットバルブとして、かつ、電動バルブとして構成されるEGRバルブ1に使用して具体化したが、前記各実施形態で説明したリップシール9を、ポペットバルブではなく二重偏心弁として、かつ、電動バルブとして構成されるEGRバルブに使用して具体化することもできる。
(2)前記各実施形態では、リップシール9において、保持部16の外周膜部19の外周面の軸方向における一部(流路2の側の端部)に対応して密着補強手段20を設けたが、外周膜部の外周面の軸方向における広い範囲に対応して密着補強手段を設けることもできる。
(3)前記第9各実施形態では、図15に示すように、リップシール9の流路側端部19cを、テーパ端部19cbと等径端部19ccを含むように構成し、境19eと先端縁19caとを結ぶ線分L1がなす第1の内角θ1の角度が、組付孔3aのテーパ部3abがなす第2の内角θ2の角度より小さくなるように設定した。これに対し、図42に示すように、流路側端部19cを、テーパ端部19cbのみから構成し、テーパ端部19cbがなす第1の内角θ1の角度が第2の内角θ2の角度より小さくなるように設定することもできる。図42は、リップシール9及びハウジング3の一部であって、リップシール9をハウジング3の組付孔3aに圧入し始めた状態を示す図15に準ずる断面図である。
(4)前記第9各実施形態では、図15に示すように、ハウジング3の組付孔3aの内周面にテーパ部3abを設け、リップシール9の流路側端部19cにて想定する線分L1がなす第1の内角θ1の角度が、組付孔3aのテーパ部3abがなす第2の内角θ2の角度より小さくなるように設定した。これに対し、図43に示すように、組付孔3aの内周面にテーパ部3abを設ける代わりに、開口部3aaに組み付けられるデポガードプラグ10の内周面にテーパ部10bを設け、線分L1がなす第1の内角θ1の角度がテーパ部10bがなす第2の内角θ2の角度より小さくなるように設定することもできる。図43は、リップシール9及びハウジング3の一部であって、リップシール9をハウジング3の組付孔3aに圧入し始めた状態を示す図15に準ずる断面図である。
この開示技術は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに設けられるEGR装置に利用することができる。
1 EGRバルブ
2 流路
3 ハウジング
3a 組付孔
3aa 開口部
3ab テーパ部
3ac 等径部
4 弁座
5 弁体
6 弁軸
9 リップシール(シール部材)
10 デポガードプラグ
16 保持部
18 補強環
18a 一端部
18b 屈曲部
18c 屈曲部
19 外周膜部
19a 突条部
19c 流路側端部
19ca 先端縁
19d 中間部
19e 境
20 密着補強手段
41 低硬度材
41a 突条部
DL 大径部
DS 小径部
L1 線分
θ1 第1の内角
θ2 第2の内角

Claims (14)

  1. EGRガスの流路を有するハウジングと、
    前記流路に設けられた弁座と、
    前記弁座に着座可能に設けられた弁体と、
    前記弁体を前記弁座に対して移動させるために前記弁体と一体的に設けられた弁軸と、
    前記ハウジングに設けられ、前記弁軸を組み付けるための組付孔と
    を備えたEGRバルブに設けられ、前記ハウジングと前記弁軸との間をシールするために前記組付孔に圧入されるシール部材であって、
    略筒状をなす補強環と、
    前記補強環を内包するように弾性材により略筒状に形成され、前記組付孔に保持するための保持部と、
    前記保持部において前記補強環の外周を覆い、外周面が前記組付孔の内周面に接触する外周膜部と
    を備えたEGRバルブのシール部材において、
    前記外周膜部の前記外周面の軸方向における少なくとも一部の、前記組付孔の内周面に対する密着を補強するための密着補強手段を備えた
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  2. 請求項1に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記密着補強手段は、前記補強環の軸方向一端部の周囲に配置され、前記外周膜部を外方向へ突出させた突条部である
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  3. 請求項1に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記密着補強手段は、前記補強環の軸方向一端部を外方向へ屈曲させた屈曲部である
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  4. 請求項1に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記密着補強手段は、前記外周膜部の少なくとも一部に設けられ、硬度が標準よりも低い低硬度材である
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  5. 請求項4に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記低硬度材は、前記補強環の軸方向一端部の周囲に配置される
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  6. 請求項4又は5に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記低硬度材は、外方向へ突出させた突条部を有する
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  7. 請求項4乃至6のいずれかに記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記補強環は、その軸方向一端部を外方向へ屈曲させた屈曲部を有し、前記屈曲部が前記低硬度材に接する
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  8. 請求項7に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記屈曲部は、前記低硬度材に没入する
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  9. 請求項3に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記屈曲部の周囲には、前記外周膜部を外方向へ突出させた突条部が配置される
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記補強環は、大径部及び小径部を含む
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記シール部材が前記組付孔に圧入された状態で、前記密着補強手段は、前記外周膜部の前記外周面の軸方向一端部であって前記流路に近い側の一端部に対応して配置される
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  12. 請求項1に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記外周膜部の前記外周面は、前記軸方向における一端部であって前記流路に近い側に位置する流路側端部と、前記流路側端部に連続する中間部とを含み、前記流路側端部の外径が前記中間部の外径より小さくなっており、
    前記組付孔の前記内周面は、前記流路の側へ向けて内径が小さくなるテーパ部と、前記テーパ部に連続し、前記テーパ部の最大内径と同径をなして等しい内径で伸びる等径部とを含み、
    前記密着補強手段は、前記外周膜部の前記外周面の前記流路側端部と、前記組付孔の前記内周面の前記テーパ部とを含み、前記外周膜部の前記外周面の前記中間部が前記組付孔の前記内周面の前記等径部に密着し、前記外周膜部の前記外周面の前記流路側端部が前記組付孔の前記内周面の前記テーパ部に密着している
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  13. 請求項12に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記外周膜部の前記外周面の前記中間部と前記流路側端部との境から前記流路側端部の先端縁とを結ぶ線分の、前記組付孔の前記内周面の前記等径部に対する第1の内角の角度が、前記テーパ部の、前記組付孔の前記内周面の前記等径部に対する第2の内角の角度より小さい
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
  14. 請求項1に記載のEGRバルブのシール部材において、
    前記組付孔は、前記流路に開口する開口部を更に含み、
    前記開口部には、前記流路からの異物の侵入を規制するためにプラグが設けられ、
    前記組付孔の前記シール部材が、前記開口部の前記プラグに密着している
    ことを特徴とするEGRバルブのシール部材。
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