JP2021188615A - Egrバルブ - Google Patents

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JP2021188615A JP2021051848A JP2021051848A JP2021188615A JP 2021188615 A JP2021188615 A JP 2021188615A JP 2021051848 A JP2021051848 A JP 2021051848A JP 2021051848 A JP2021051848 A JP 2021051848A JP 2021188615 A JP2021188615 A JP 2021188615A
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衛 吉岡
Mamoru Yoshioka
伸二 河井
Shinji Kawai
一真 中島
Kazuma Nakajima
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Abstract

【課題】シール部材のシール機能を担保しながらハウジングと軸受とシール部材との間の空間でのEGRガスや凝縮水の滞留を解消すること。【解決手段】EGRバルブ1は、流路2を含むハウジング3、弁座4に着座可能な弁体5、弁体5を弁座4へ移動させる弁軸6、弁軸6を運動させるステップモータ7、弁軸6を支持する軸受8、ハウジング3と弁軸6との間をシールするリップシール9を備える。リップシール9は、ハウジング3に対する保持部16と、先端17aが弁軸6に弾性接触するリップ部17とを含む。リップシール9のリップ部17に作用する負圧によりリップ部17が弾性変形して弁軸6とリップ部17の先端17aとの間に形成されるリップ部隙間の断面積は、弁軸6と軸受8との間の軸受隙間の断面積より大きく設定される。【選択図】 図3

Description

この明細書に開示される技術は、排気ガス再循環装置(EGR装置)のEGR通路に設けられ、EGRガス流量を調節するために使用されるEGRバルブに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される技術「EGRバルブ」が知られている。このEGRバルブは、ポペット式のバルブであって、EGRガスの流路を有するハウジングと、流路に設けられた弁座と、弁座に着座可能に設けられた弁体と、弁体を弁座に対して移動させるために弁体と一体的に設けられた弁軸と、弁軸と共に弁体を軸方向へストローク運動させるためのアクチュエータ(駆動手段)と、ハウジングと弁軸との間に設けられ、弁軸をストローク運動可能に支持するためのスラスト軸受(軸受)と、ハウジングと弁軸との間にて軸受に隣接して設けられ、ハウジングと弁軸との間をシールするためのリップシール(シール部材)とを備える。
図38に、EGRバルブを構成するハウジング81、弁軸82、スラスト軸受83及びリップシール84等の部分を断面図により示す。図38に示すように、ハウジング81と弁軸82との間には、ハウジング81と弁軸82との間をシールするリップシール84が、スラスト軸受83に隣接して設けられる。また、ハウジング81と弁軸82との間には、ハウジング81と弁軸82との間をデポジットの侵入からガードするためのデポガードプラグ85が、リップシール84に隣接して設けられる。弁軸82とリップシール84とデポガードプラグ85との間には、リップシール室86が形成される。このスラスト軸受83は、略円筒形をなし、軸方向に一端83aと他端83bを有する。リップシール84は、略円筒形をなし、軸方向に一端84aと他端84bを有する。リップシール84は、ハウジング81に形成された組付孔81aに直接圧入され、リップシール84の中心を弁軸82が貫通する。リップシール84は、二重筒構造をなし、外側の保持部87と内側のリップ部88(シール部)とを有する。リップシール84の一端84a及び他端84bは、保持部87の一端及び他端でもある。これに対し、リップ部88の先端88aは、外側の保持部87の他端の側に隣接して配置される。リップ部88の先端88aは、リップ部88が弁軸82の外周と接触し始める先端を意味する。ここでは、リップ部88の先端88aがリップシール84の他端84b(保持部87の先端でもある。)よりもリップシール84の内側に配置される。上記のような構成により、リップシール84が、デポガードプラグ85及びEGRガスの流路89の側からスラスト軸受83及びアクチュエータの側へのEGRガスの漏洩を抑制するようになっている。
特開2013−7266号公報
ところで、特許文献1に記載のEGRバルブでは、リップシール84が、流路89の側からスラスト軸受83の側(アクチュエータの側)へのEGRガスの漏洩を抑制する機能を有するものの、スラスト軸受83の側から流路89の側への通気性(大気の流れ)については何も考慮されていなかった。特に、リップシール室86には、流路89の側から侵入したEGRガスや凝縮水が滞留するおそれがあり、その部位で凝縮水による腐食が発生する懸念があった。
ここで、リップシール84は、リップ部88の先端88aが弁軸82の外周に弾性接触することから、図38に矢印X1で示す外側向き(図の上向き)のEGRガス等の漏れを抑制するものの、別の矢印X2で示す内側向き(図の下向き)の大気の流れを制限することになる。本来、内側向きの大気の流れは、大気をリップシール室86へ導き、リップシール室86に滞留したEGRガスや凝縮水を流路89の側へ掃気する機能を有する。しかしながら、リップシール84のシール機能が、この大気による掃気機能を制限していた。また、内側向き(矢印X2)の大気の最大流量は、弁軸82とスラスト軸受83との間の隙間の大きさにより制限されていた。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シール部材のシール機能を担保しながらハウジングと軸受とシール部材との間の空間におけるEGRガスや凝縮水の滞留を解消することを可能としたEGRバルブを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、EGRガスの流路を有するハウジングと、流路に設けられた弁座と、弁座に着座可能に設けられた弁体と、弁体を弁座に対して移動させるために弁体と一体的に設けられた弁軸と、弁軸と共に弁体を運動させるための駆動手段と、ハウジングと弁軸との間に設けられ、弁軸を運動可能に支持するための軸受と、ハウジングと弁軸との間をシールするために、軸受に隣接して設けられたシール部材とを備えたEGRバルブにおいて、シール部材は、軸方向に一端と他端を有する略筒状をなし、ハウジングに対し外周が接触し保持するための保持部と、保持部の内側にて先端の内周が弁軸の外周に弾性接触しシールするためのシール部とを含み、一端が大気の側へ向き、他端が流路の側へ向くと共に、シール部の先端が流路の側へ向いて配置され、軸受は、軸方向に一端と他端を有する略筒状をなし、弁軸と軸受との間の隙間及び軸受とハウジングとの間の隙間の少なくとも一つより構成され、軸受の軸方向に貫通する軸受隙間が設けられ、流路に負圧が作用する場合に、シール部材のシール部に作用する負圧によりシール部が弾性変形して弁軸の外周とシール部の先端との間にシール部隙間が形成され、シール部隙間の断面積と軸受隙間の断面積のうち一方が他方より大きくなるように、又は、シール部隙間の断面積と軸受隙間の断面積が等しくなるように設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、EGRバルブは、エンジンの排気通路から吸気通路へEGRガスを流すEGR通路に設置される。この設置状態において、EGRバルブのシール部材は、一端が大気の側へ向き、他端が流路の側へ向くと共に、シール部の先端が流路の側へ向いて配置される。ここで、流路の側からシール部材の側に正圧が作用することにより、シール部の外周面にも正圧が作用し、その先端の弁軸への弾性接触による締め代が大きくなり、シール部と弁軸との間がシールされる。これに対し、流路の側からシール部材の側に負圧が作用することにより、シール部の外周面にも負圧が作用し、その先端の弁軸への弾性接触による締め代が小さくなる。そして、その先端が弁軸から離れ、シール部と弁軸との間にシール部隙間ができ、そのシール部隙間を大気の側から流路の側へ大気が流れる。ここで、流路の側へ流れる大気の流量は、シール部隙間ができるだけでは、シール部隙間の断面積と軸受隙間の断面積とのより小さい方の断面積により制限されてしまう。上記構成によれば、シール部隙間の断面積と軸受隙間の断面積のうち一方が他方より大きくなるように、又は、シール部隙間の断面積と軸受隙間の断面積が等しくなるように設定される。従って、シール部隙間の断面積が軸受隙間の断面積より大きければ、軸受隙間をシール部材の側へ流れる大気の流量が多くなる負圧の領域が増える。ここで、大気の側から流路の側へ流れる大気の流量は、シール部隙間を流れる大気の流量と軸受隙間を流れる大気の流量のうち少ない方により制限される。すなわち、軸受とシール部材を介して流路の側へ流れる大気の流量は、軸受隙間を流れる大気の流量がシール部隙間を流れる大気の流量より少なくなる負圧の領域では、軸受隙間を流れる大気の流量により制限される。一方、軸受とシール部材を介して流路の側へ流れる大気の流量は、シール部隙間を流れる大気の流量が軸受隙間を流れる大気の流量より少なくなる負圧の領域では、シール部隙間を流れる大気の流量により制限され、シール部隙間を流れる大気の流量が従前のシール部材のそれよりも多くなる分だけ増えることになる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、軸受、弁軸と軸受との間及び軸受とハウジングとの間の少なくとも一つには、軸受隙間の断面積が大きくなるよう補うために軸方向に貫通する通気孔が設けられることを趣旨とする。
シール部隙間を流路の側へ流れる大気の流量を増やすためには、軸受隙間の断面積をある程度確保する必要がある。上記請求項2に記載の技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、軸受、弁軸と軸受との間及び軸受とハウジングとの間の少なくとも一つに、必要に応じて通気孔を設けることで、その分だけ軸受隙間の断面積が大きくなるよう補われ、軸受を通過する大気の流量が増す。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、軸受がシール部材の一端の側に配置され、シール部材の他端の側には、流路との間を仕切ると共に弁軸が貫通する仕切り手段が設けられ、仕切り手段と弁軸との間には、仕切り手段を貫通する仕切り手段隙間が設けられ、仕切り手段隙間の断面積が軸受隙間の断面積と同じかそれより大きくなるように設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、軸受がシール部材の一端の側に配置され、シール部材の他端の側には、流路との間を仕切ると共に弁軸が貫通する仕切り手段が設けられる。また、仕切り手段と弁軸との間に設けられる仕切り手段隙間の断面積が、軸受隙間の断面積と同じかそれより大きくなるように設定される。従って、シール部隙間を流路の側へ流れる大気の流量が、仕切り手段隙間の断面積によっても制限されることがない。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項3に記載の技術において、仕切り手段には、仕切り手段隙間の断面積が大きくなるよう補うために貫通孔が設けられることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項3に記載の技術の作用に加え、仕切り手段に必要に応じて貫通孔を設けることで、その貫通孔の分だけ仕切り手段隙間の断面積が大きくなるよう補われ、仕切り手段を通過する大気の流量が増す。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術において、弁体が弁座に着座する全閉状態から全開方向へ移動するに連れて、シール部材のシール部の弁軸の外周に対する弾性接触による締め代が徐々に大きくなるように構成されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の作用に加え、弁体が弁座に着座する全閉状態では、シール部材のシール部の弁軸の外周に対する弾性接触による締め代が相対的に小さいので、シール部の弾性変形が容易となり、シール部と弁軸との間を、軸受の側から流路の側へ大気の流れが許容される。また、弁体が弁座から全開方向へ移動するに連れて、シール部の弾性接触による締め代が徐々に大きくなるので、シール部材と弁軸との間が徐々にシールされる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項5に記載の技術において、弁体が弁座から全開方向へ移動するように弁軸が動作するに連れて、シール部の弾性接触による締め代が徐々に大きくなるように弁軸の外周形状が設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、弁軸の外周形状の設定によって請求項5と同様の作用が得られる。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、シール部材のシール部は、先端へ向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、シール部が先端へ向かって肉厚が徐々に薄くなるので、シール部の先端が圧力を受けて変形し易くなる。従って、シール部材の他端に流路の側から正圧が作用する場合は、シール部の外周面と内周面との受圧面積の差によりシール部の先端が弁軸に接する方向へ強く押し付けられる。一方、シール部材の他端に流路の側から負圧が作用する場合は、シール部の外周面と内周面との受圧面積の差によりシール部の先端が弁軸から離れる方向へ変形し易くなる。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、シール部材のシール部は、先端が保持部の先端よりも長く流路の側へ伸びることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、シール部材は、シール部の先端が保持部の先端よりも長く流路の側へ伸びるので、その分だけシール部の受圧面積が増える。ここで、シール部の外周面の受圧面積も内周面の受圧面積もそれぞれ増えるが、シール部の先端の近傍の内周面が弁軸に広く接触することから、その外周面と内周面との受圧面積の差が相対的に大きくなる。従って、シール部材の他端に流路の側から正圧が作用する場合は、シール部の外周面と内周面との受圧面積の差によりシール部の先端が弁軸に接する方向へより強く押し付けられる。一方、シール部材の他端に流路の側から負圧が作用する場合は、シール部の外周面と内周面との受圧面積の差によりシール部の先端が弁軸から離れる方向へより変形し易くなる。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、シール部の先端には、肉厚が薄い薄肉部が、先端の周方向において少なくとも一つ設けられることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、シール部の先端の薄肉部が、圧力を受けて変形し易くなる。従って、シール部材の側に流路の側から正圧が作用する場合は、シール部の先端は、その外周面と内周面との受圧面積の差によりシール部の先端が弁軸に接する方向へ強く押し付けられる。一方、シール部材の側に流路の側から負圧が作用する場合は、シール部の外周面と内周面との受圧面積の差によりシール部の先端の薄肉部が弁軸から離れる方向へ変形し易くなり、薄肉部と弁軸との間にシール部隙間ができる。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、シール部の先端は端面を含み、端面がテーパ状に形成され、大気圧下でシール部の先端が所定の締め代をもって弁軸に接している状態において、先端の端面と弁軸の外周面とのなす角度がシール部の基端側に90°以下に設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、シール部の先端の端面と弁軸の外周面とのなす角度がシール部の基端側に90°以下に設定される。従って、シール部に負圧が作用する場合は、その負圧がシール部の全体に対し弁軸から離れる方向へ作用することになり、その先端が変位の抵抗になることはなく、先端を含むシール部の全体が弁軸から離れ易くなる。
上記目的を達成するために、請求項11に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、シール部の先端には、その肉厚方向において弁軸に近い側に薄肉部が形成されると共に弁軸から遠い側に薄肉部より厚い厚肉部が形成され、薄肉部は端面を含み、端面がテーパ状に形成され、大気圧下で薄肉部が所定の締め代をもって弁軸に接している状態において、薄肉部の端面と弁軸の外周面とのなす角度がシール部の基端側に90°以下に設定され、厚肉部は、薄肉部の端面の延長面より先側へ張り出し、厚肉部の一部が薄肉部の端面と対向することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、シール部に負圧が作用する場合に、その先端の薄肉部には弁軸から離れる方向へのみ負圧が作用するので、薄肉部が弁軸から離れる方向へ変位する。これに対し、厚肉部には、弁軸から離れる方向と弁軸に近付く方向の両方に負圧が作用するので、負圧による厚肉部の変位が相殺される。そして、負圧により変位しない厚肉部が薄肉部の変位の抵抗となり、薄肉部の変位が厚肉部により小さく制限される。
上記目的を達成するために、請求項12に記載の技術は、請求項1乃至11のいずれかに記載の技術において、ハウジングと弁軸と軸受との間には、軸受隙間に連通する軸空間が形成され、ハウジングには、軸空間を大気に連通させる大気孔が形成されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至11のいずれかに記載の技術の作用に加え、ハウジングには、軸空間を大気に連通させる大気孔が形成され、軸空間が軸受の軸受隙間に連通する。従って、流路の側からシール部材に負圧が作用する場合は、シール部の先端が弁軸から離れ、シール部材と弁軸との間から軸受の側へも負圧が作用し、大気孔を通じて軸空間へ大気が導入される。この大気は、軸空間から軸受の軸受隙間を通じてシール部材と弁軸の間へ流れる。
上記目的を達成するために、請求項13に記載の技術は、請求項1乃至12のいずれかに記載の技術において、シール部材は、シール部の先端に作用する負圧が大きくなるほどシール部隙間が大きくなってシール部隙間から流路の側への大気の流れが許容され、先端に作用する負圧が大気圧に近付くほどシール部隙間が小さくなってシール部隙間から大気の側へのEGRガスの流れが制限又は遮断されるように構成されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至12のいずれかに記載の技術の作用に加え、シール部材は、シール部の先端に作用する負圧が大きくなるほど大気の側から流路の側への大気の流れを許容し、先端に作用する負圧が大気圧に近付くほど流路の側から大気の側へのEGRガス又は吸気の流れを制限又は遮断し、EGRガス又は吸気の流れに対し逆止弁とし機能する。
請求項1に記載の技術によれば、シール部材のシール機能を担保しながらハウジングと弁軸とシール部材との間の空間に溜まったEGRガスや凝縮水を流路の側へ速やかに掃気することができ、その空間でのEGRガスや凝縮水の滞留を解消することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、軸受と弁軸との間の軸受隙間の断面積を直接増やすことなく、大気の側から流路の側へ流れる大気の流量を増やすことができ、ハウジングと軸受とシール部材との間の空間の掃気性を向上させることができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、仕切り手段により、流路からシール部材の側へのデポジットの侵入を抑制しながら、流路の側へ流れる大気による掃気機能を確保することができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項3に記載の技術の効果に加え、仕切り手段と弁軸との間の仕切り手段隙間の断面積を直接増やすことなく、大気の側から流路の側へ流れる大気の流量を確保することができ。
請求項5に記載の技術によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の効果に加え、シール部の先端に偏摩耗が生じることを防止することができる。また、全閉時に積極的にEGRガスや凝縮水を掃気することができる。
請求項6に記載の技術によれば、弁軸の外周形状を設定することによって請求項5に記載の技術と同等の効果を得ることができる。
請求項7に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、シール部の外周面に正圧が作用する場合は、シール部材によるシール性を高めることができ、シール部の外周面に負圧が作用する場合は、シール部と弁軸との間の隙間を拡大して流路の側への大気流量を増加させることができる。
請求項8に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、シール部の外周面に正圧が作用する場合は、シール部材によるシール性を高めることができ、シール部の外周面に負圧が作用する場合は、シール部と弁軸との間の隙間を拡大して流路の側への大気流量を増加させることができる。
請求項9に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、シール部の外周面に正圧が作用する場合は、シール部材によるシール性を高めることができ、シール部の外周面に負圧が作用する場合は、シール部と弁軸との間のリップ部隙間により大気の側から流路の側へ大気を流すことができる。
請求項10に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、シール部材のシール部に負圧が作用する場合に、シール部の先端を負圧により変位し易くすることができ、シール部の先端と弁軸との間にシール部隙間をでき易くすることができる。
請求項11に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、薄肉部の変位によるシール部隙間の断面積を所要面積だけ確保しながら、薄肉部の変位の繰り返しによるへたりを抑制することができる。
請求項12に記載の技術によれば、請求項1乃至11のいずれかに記載の技術の効果に加え、専用の大気孔から軸空間へ大気を導入する分だけ大気の導入効率を向上させることができ、シール部材と弁軸との間を流れる大気流量を増大させることができ、ハウジングと弁軸とシール部材との間の空間の掃気効率を高めることができる。
請求項13に記載の技術によれば、シール部材が逆止弁として機能することによって請求項1乃至12のいずれかに記載の技術と同等の効果を得ることができる。
第1実施形態に係り、全閉時のEGRバルブを示す正断面図。 第1実施形態に係り、全開時のEGRバルブを示す正断面図。 第1実施形態に係り、図2のスラスト軸受、リップシール及びデポガードプラグと弁軸の部分を示す断面図。 第1実施形態に係り、ハウジング、弁軸及びスラスト軸受の部分を示す図3のA−A線断面図。 第1実施形態に係り、ハウジング、弁軸及びスラスト軸受の部分を示す図3のB−B線断面図。 第1実施形態に係り、流路が正圧状態となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す断面図。 第1実施形態に係り、流路が負圧状態となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す断面図。 第1実施形態に係り、EGRバルブの流路に作用する吸気圧力の変化に対する、リップシール及びスラスト軸受での大気等の漏れ流量の特性イメージを示すグラフ。 第2実施形態に係り、流路が正圧状態となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す図6に準ずる断面図。 第2実施形態に係り、流路が負圧状態となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す図7に準ずる断面図。 第3実施形態に係り、流路が正圧状態となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す図6に準ずる断面図。 第3実施形態に係り、流路が正圧状態となるときのリップシールを示す図11のC−C線断面図。 第3実施形態に係り、流路が負圧状態となるときのリップシールを示す図12に準ずる断面図。 第4実施形態に係り、流路が正圧状態となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す図11に準ずる断面図。 第4実施形態に係り、図14に1点鎖線円で囲ったリップ部の先端の部分を示す拡大断面図。 第5実施形態に係り、ハウジングと弁軸との間に設けられたリップシールの一部を示す断面図。 第5実施形態に係り、リップ部の先端の部分を示す図15に準ずる拡大断面図。 第5実施形態に係り、対比例として、リップ部の端面と弁軸の外周面とのなす角度が「90°」より大きい場合を示す図16に準ずる断面図。 第6実施形態に係り、リップ部の先端の部分を示す図17に準ずる拡大断面図。 第6実施形態に係り、EGRバルブの流路に作用する吸気圧力の変化に対する、リップシール及びスラスト軸受での大気等の漏れ流量の特性イメージを示す図8に準ずるグラフ。 第7実施形態に係り、流路が正圧状態のときの弁軸、リップシール及びハウジングを示す図11に準ずる断面図。 第7実施形態に係り、流路が正圧状態のときの弁軸、リップシール及びハウジングを示す図21のD−D線断面図。 第8実施形態に係り、流路が正圧状態のときの弁軸、リップシール及びハウジングを示す図21に準ずる断面図。 第8実施形態に係り、流路が正圧状態のときの弁軸、リップシール及びハウジングを示す図23のE−E線断面図。 第9実施形態に係り、弁体が全開となるときのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す図6に準ずる断面図。 第9実施形態に係り、弁体が全閉、かつ流路が負圧状態となるとのリップシール及びデポガードプラグを弁軸の一部と共に示す図7に準ずる断面図。 第10実施形態に係り、ハウジング、弁軸及びスラスト軸受の部分を示す図4に準ずる断面図。 第10実施形態に係り、ハウジング、弁軸及びスラスト軸受の部分を示す図5に準ずる断面図。 第11実施形態に係り、流路が正圧状態のときのスラスト軸受、リップシール及びデポガードプラグと弁軸の部分を示す図3に準ずる断面図。 第12実施形態に係り、流路が正圧状態のときのEGRバルブを示す平断面図。 第12実施形態に係り、図30のスラスト軸受、リップシール及び弁軸の一部を示す拡大断面図。 別の実施形態に係り、負圧が−66.7kPaになるときにリップ部隙間の断面積と軸受隙間の断面積が等しくなるように設定した場合の、EGRバルブの流路に作用する吸気圧力の変化に対する、リップシール及びスラスト軸受での大気等の漏れ流量の特性イメージを示す図8に準ずるグラフ。 別の実施形態に係り、ハウジング、弁軸及びスラスト軸受の部分を示す図27に準ずる断面図。 別の実施形態に係り、ハウジング、弁軸及びスラスト軸受の部分を示す図27に準ずる断面図。 別の実施形態に係り、流路が正圧状態のときのスラスト軸受、リップシール及び弁軸の一部を示す図31に準ずる拡大断面図。 別の実施形態に係り、ハウジングと弁軸との間に設けられたリップシールの一部を示す図16に準ずる断面図。 別の実施形態に係り、リップ部の先端の部分を示す図19に準ずる拡大断面図。 従来例に係り、EGRバルブを構成するハウジング、弁軸、スラスト軸受及びリップシール等の部分を示す断面図。
以下、EGRバルブを具体化したいくつかの実施形態について説明する。周知のようにEGRバルブは、エンジンから排気通路へ排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路へ流すEGR通路に設置され、EGR通路のEGRガス流量を調節するために使用される。以下の説明では、上記の設置状態を想定して説明する。
<第1実施形態>
先ず、EGRバルブを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[EGRバルブの構成について]
図1に、全閉時のEGRバルブ1を正断面図により示す。図2に、全開時のEGRバルブ1を正断面図により示す。このEGRバルブ1は、ポペットバルブとして、かつ、電動バルブとして構成される。図1、図2に示すように、EGRバルブ1は、EGRガスの流路2を有するハウジング3と、流路2に設けられた弁座4と、弁座4に着座可能に設けられた弁体5と、弁体5を弁座4に対して移動させるために弁体5と一体的に設けられた弁軸6と、弁軸6と共に弁体5を往復運動させるためのステップモータ7と、ハウジング3と弁軸6との間に設けられ、弁軸6を往復運動(ストローク運動)可能に支持するためのスラスト軸受8と、ハウジング3と弁軸6との間をシールするために、スラスト軸受8に隣接して設けられたリップシール9と、リップシール9に隣接して設けられ、ハウジング3と弁軸6との間、弁軸6とスラスト軸受8との間、弁軸6とリップシール9との間をデポジットの侵入からガードするためのデポガードプラグ10とを備える。
図1、図2に示すように、スラスト軸受8は、リップシール9よりもステップモータ7に近い側であって後述するリップシール9の一端9aの側(図の上側)に配置され、デポガードプラグ10は、リップシール9よりも流路2に近い側であってリップシール9の他端9bの側(図の下側)に配置される。ステップモータ7は、この開示技術における駆動手段の一例に相当する。リップシール9は、この開示技術におけるシール部材の一例に相当する。デポガードプラグ10は、この開示技術における、流路2との間を仕切る仕切り手段の一例に相当する。
この実施形態で、ハウジング3は金属材により形成される。ハウジング3に形成された流路2の両端は、EGRガスが導入される入口2aと、EGRガスが導出される出口2bとなっている。弁座4は、流路2の途中に設けられ、流路2に連通する弁孔4aを有する。
弁軸6は、ステップモータ7と弁体5との間に設けられ、図1、図2において、ハウジング3を垂直に貫通して形成された組付孔3aに配置される。組付孔3aには、弁軸6を中心にしてスラスト軸受8、リップシール9及びデポガードプラグ10が配置される。弁体5は、弁軸6の下端に固定され、円錐形状をなし、その円錐面が弁座4に対して当接又は離間するようになっている。弁軸6の上端部には、スプリング受け11が一体に設けられる。
ステップモータ7は、コイル21を含むステータ22と、ステータ22の内側に設けられたマグネットロータ23と、マグネットロータ23の中心に設けられた出力軸12とを含む。これらの部材12,21〜23等が樹脂製のケーシング24によりモールドされて覆われる。ケーシング24には、横へ突出したコネクタ25が一体に形成される。コネクタ25には、コイル21から伸びる端子26が設けられる。
出力軸12は、外周に雄ネジ12aを有する。出力軸12の下端部は、弁軸6の上端部に設けられたスプリング受け11に連結される。マグネットロータ23は、ロータ本体27と、ロータ本体27の外周に一体的に設けられた円筒状のプラスチックマグネット28とを含む。ロータ本体27の上端部外周には、ケーシング24との間に第1のラジアル軸受29が設けられる。プラスチックマグネット28の下端部内周には、スラスト軸受8との間に第2のラジアル軸受30が設けられる。これら上下のラジアル軸受29,30によりマグネットロータ23がステータ22の内側にて回転可能に支持される。ロータ本体27の中心には、出力軸12の雄ネジ12aに螺合する雌ネジ27aが形成される。マグネットロータ23と、下側の第2のラジアル軸受30との間には、第1の圧縮スプリング31が設けられる。スプリング受け11と、第2のラジアル軸受30との間には、弁軸6をマグネットロータ23へ向けて付勢する第2の圧縮スプリング32が設けられる。
図1に示すように、弁体5が弁座4に着座した全閉状態において、マグネットロータ23が一方向へ回転することにより、出力軸12の雄ネジ12aとロータ本体27の雌ネジ27aとの螺合関係により、第2の圧縮スプリング32の付勢力に抗して、出力軸12が一方向へ回転しながらスラスト方向である図1の下方向へストローク運動する。この出力軸12のストローク運動により、弁軸6と共に弁体5が図1の下方向へストローク運動し、弁体5が弁座4から離れて開弁する。
一方、図2に示すように、弁体5が弁座4から最大限に離れた全開状態において、マグネットロータ23が反対方向へ回転することにより、出力軸12の雄ネジ12aとロータ本体27の雌ネジ27aとの螺合関係と、第2の圧縮スプリング32の付勢力により、出力軸12が反対方向へ回転しながらスラスト方向である図2の上方向へストローク運動する。この出力軸12のストローク運動により、弁軸6と共に弁体5が図2の上方向へストローク運動し、弁体5が弁座4に近付いて閉弁する。
[スラスト軸受の構成について]
図3に、図2のスラスト軸受8、リップシール9及びデポガードプラグ10と弁軸6の部分を断面図により示す。図4に、ハウジング3、弁軸6及びスラスト軸受8の部分を図3のA−A線断面図により示す。図5に、ハウジング3、弁軸6及びスラスト軸受8の部分を図3のB−B線断面図により示す。図1〜図3に示すように、スラスト軸受8は、略筒形をなし、ハウジング3の中心に形成された組付孔3aに嵌合されて固定される。スラスト軸受8は、軸方向に一端8aと他端8bを有する略筒状をなす。その一端8aは、図1、図2において上側に配置され、ステップモータ7の側に位置する。その他端8bは、図1、図2において下側に配置され、リップシール9に隣接して配置される。図3〜図5には特に明示しないが、スラスト軸受8と弁軸6との間には、弁軸6のストローク運動を許容するために、スラスト軸受8の軸方向に貫通する微小な隙間が設けられる。この実施形態では、スラスト軸受8とハウジング3との間は密着し、隙間は設けられていない。スラスト軸受8とハウジング3との間に隙間を設けることもできる。この実施形態では、スラスト軸受8と弁軸6との間の隙間のみを「軸受隙間」と規定する。スラスト軸受8が長くなると、スラスト軸受8に対する弁軸6の傾きが小さくなるので、軸受隙間の断面積をある程度大きくすることが可能となる。スラスト軸受8が短くなると、スラスト軸受8に対する弁軸6の傾きは大きくなるので、弁軸6の傾きを押えるために軸受隙間の断面積を小さくする必要がある。
図1〜図3に示すように、弁軸6は、その上部(スプリング受け11の下側)に、横断面が略小判形状をなす二面幅部6aを有し、二面幅部6aよりも下側に円柱部6bを有する。これに対応して、スラスト軸受8の上半部には、二面幅部6aの断面形状に整合した断面形状を有する二面幅軸孔8cが形成され、スラスト軸受8の下半部には、円柱部6bの断面形状に整合した断面形状を有する円柱軸孔8dが形成される。弁軸6の二面幅部6aと二面幅軸孔8cとが整合することで、弁軸6のストローク運動が案内されると共に、弁軸6の回転が規制されるようになっている。
図1〜図5に示すように、この実施形態で、スラスト軸受8には、上記した軸受隙間の断面積が大きくなるよう補うために、その軸方向に貫通する通気孔14が設けられる。上記した軸受隙間と通気孔14は、ステップモータ7の側とリップシール9の側とを連通させている。スラスト軸受8にこの通気孔14を設けることで、その分だけ軸受隙間として機能する隙間を増やすことができる。この実施形態で、軸受隙間の断面積には、スラスト軸受8と弁軸6との間の隙間の断面積と、通気孔14の断面積とが含まれるものとする。この実施形態では、ハウジング3とステップモータ7のケーシング24との繋ぎ目が完全にはシールされておらず、ステップモータ7の内部が大気に連通している。従って、軸受隙間と通気孔14は、リップシール9の側を大気の側へ連通させている。
[リップシールの構成について]
図3に示すように、リップシール9は、ハウジング3と弁軸6との間にて、ハウジング3と弁軸6との間をシールするために設けられる。このリップシール9は、略円筒形をなし、軸方向に一端9aと他端9bを有する。図6に、流路2が正圧状態となるときのリップシール9及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に断面図により示す。図7に、流路2が負圧状態となるときのリップシール9及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に断面図により示す。図1〜図3、図6及び図7に示すように、リップシール9は、ハウジング3に形成された組付孔3aに直接圧入され、リップシール9の中心を弁軸6が貫通する。ハウジング3と弁軸6とリップシール9との間には、リップシール室15が形成される。
図1〜図3、図6、図7に示すように、この実施形態で、リップシール9は、略二重筒状をなし、ハウジング3に対し外周が接触し保持するための保持部16と、保持部16の内側にて先端17aの内周が弁軸6の外周に弾性接触しシールするためのリップ部17とを含む。リップ部17は、この開示技術におけるシール部の一例に相当する。保持部16とハウジング3との間は密着し、隙間はない。リップシール9の一端9aは、スラスト軸受8の側(大気の側)へ向いて配置され、他端9bは、デポガードプラグ10の側(流路2の側)へ向いて配置される。リップ部17の先端17aは、流路2の側へ向いて配置される。この実施形態において、リップ部17は、その全体が先端17aへ向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成される。リップシール9は、金属製の補強環18をインサート成形したゴム材により形成される。ここで、リップ部17の先端17aは、リップ部17が弁軸6の外周と接触し始める先端を意味する。この実施形態では、リップ部17の先端17aがリップシール9の他端9b(保持部16の先端16aでもある)よりもリップシール9の内側に配置され、リップ部17の基端は、保持部16の基端側に接続される。
ここで、後述するようにEGRバルブ1の流路2に吸気負圧が作用する場合には、リップシール9のリップ部17にも吸気負圧が作用することになる。そして、この吸気負圧によりリップ部17が弾性変形して弁軸6の外周とリップ部17の先端17aとの間に隙間が形成される。この実施形態で、この隙間を「リップ部隙間17b」と規定する(図7参照)。リップ部隙間17bは、この開示技術のシール部隙間の一例に相当する。この実施形態では、リップ部隙間17bの断面積が、上記した軸受隙間の断面積より大きくなるように設定される。
加えて、この実施形態で、リップシール9は、リップ部17の先端17aに作用する吸気負圧が大きくなるほどリップ部隙間17bが大きくなってリップ部隙間17bから流路2の側への大気の流れを許容し、先端17aに作用する吸気負圧が大気圧に近付くほどリップ部隙間17bが小さくなってリップ部隙間から大気の側へのEGRガス又は吸気の流れを制限又は遮断するようになっている。すなわち、リップシール9は、流路2の側からリップシール室15の側(大気の側)へ向かうEGRガス又は吸気の流れを制限し、リップシール室15の側から流路2の側へ向かう大気の流れを許容するように逆止弁として機能するようになっている。
[デポガードプラグの構成について]
図1〜図3、図6及び図7に示すように、デポガードプラグ10は、組付孔3aに直接圧入され、流路2との間を仕切ると共に、同プラグ10の中心を弁軸6が貫通する。デポガードプラグ10は、略円筒形をなし、軸方向に一端10aと他端10bを有する。デポガードプラグ10は、流路2に面する他端10bの側が流路2に対して凸形状をなすように形成され、その中心を弁軸6が貫通する。デポガードプラグ10と弁軸6との間には、弁軸6のストローク運動を許容するために、デポガードプラグ10を貫通する微小な隙間が設けられる。この実施形態では、この隙間を「プラグ隙間10d」と規定する。プラグ隙間10dは、この開示技術の仕切り手段隙間の一例に相当する。また、デポガードプラグ10には、プラグ隙間10dの断面積が大きくなるよう補うために貫通孔10cが設けられる。デポガードプラグ10にこの貫通孔10cを設けることで、その分だけプラグ隙間10dとして機能する隙間を増やすことができる。この実施形態で、プラグ隙間10dの断面積には、デポガードプラグ10と弁軸6との間の隙間の断面積と貫通孔10cの断面積が含まれるものとする。ここで、プラグ隙間10dの断面積は、上記した軸受隙間の断面積と同じかそれよりも大きくなるように設定される。従って、この実施形態では、プラグ隙間10dと貫通孔10cを介して、流路2の側とリップシール9の側との間の通気が許容される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態におけるEGRバルブ1の構成によれば、EGRバルブ1は、エンジンの排気通路から吸気通路へEGRガスを流すEGR通路に設置される。この設置状態において、EGRバルブ1のリップシール9(シール部材)は、その一端9aが大気の側(スラスト軸受8の側)へ向き、その他端9bがEGRガスの流路2の側(デポガードプラグ10の側)へ向くと共に、リップ部17(シール部)の先端17aが流路2の側へ向いて配置される。
ここで、EGRバルブ1の弁体5が弁座4から離間する開弁時には、流路2の側からプラグ隙間10d及び貫通孔10cを通じてリップシール9の側にEGRガスによる正圧が作用することがある。このとき、図6に示すように、リップ部17の外周面にも正圧が作用し、その先端17aの弁軸6への弾性接触による締め代が大きくなり、リップ部17と弁軸6との間がシールされる。これに対し、弁体5が弁座4に着座する全閉時に、流路2に吸気通路の吸気負圧が作用し、流路2の側からプラグ隙間10d及び貫通孔10cを通じてリップシール9の側にも吸気負圧が作用することがある。このとき、図7に示すように、リップ部17の外周面にも吸気負圧が作用し、その先端17aの弁軸6への弾性接触による締め代が小さくなる。そして、その先端17aが弁軸6から離れ、リップ部17と弁軸6との間にリップ部隙間17bができることで、図7に矢印で流れを示すように大気の側から流路2の側へ大気が流れる。すなわち、リップシール9は、リップ部17の先端17aに作用する吸気負圧が大きくなるほど大気の側から流路2の側への大気の流れを許容し、その先端17aに作用する負圧が大気圧に近付くほど流路2の側から大気の側へのEGRガスの流れを制限又は遮断し、大気の側へのEGRガスの流れに対し逆止弁とし機能する。ここで、流路2の側へ流れる大気の流量は、リップ部隙間17bができるだけでは、リップ部隙間17bの断面積と軸受隙間の断面積とのより小さい方の断面積により制限されてしまう。
この実施形態の構成によれば、リップ部隙間17bの断面積が軸受隙間の断面積より大きくなるように設定される。従って、流路2に吸気負圧が作用する場合に、リップ部隙間17bの断面積が軸受隙間の断面積より大きければ、軸受隙間をリップシール9の側へ流れる大気の流量(軸受漏れ流量)が多くなる負圧の領域が増える。ここで、大気の側から流路2の側へ流れる大気の流量(流路漏れ流量)は、リップ部漏れ流量と軸受漏れ流量のうち少ない方により制限される。すなわち、スラスト軸受8とリップシール9を介して流路2の側へ流れる流路漏れ流量は、軸受漏れ流量がリップ部漏れ流量より少なくなる負圧の領域では、軸受漏れ流量により制限される。一方、流路漏れ流量は、リップ部漏れ流量が軸受漏れ流量より少なくなる負圧の領域では、リップ部漏れ流量により制限され、また、リップ部漏れ流量が従前のリップシールのそれより多くなる分だけ増えることになる。このため、リップシール9(シール部材)のシール機能を担保しながらハウジング3と弁軸6とリップシール9との間のリップシール室15(空間)に溜まったEGRガスや凝縮水を流路2の側へ速やかに掃気することができ、リップシール室15でのEGRガスや凝縮水の滞留を解消することができる。
図8には、EGRバルブの流路に作用する吸気圧力の変化に対する、リップシール及びスラスト軸受での大気等の漏れ流量の特性イメージをグラフにより示す。図8において、横軸は吸気圧力を示し、エンジンの減速時又はアイドル時相当の負圧(所定値P0)から大気圧(所定値P2)及びそれ以上の正圧となる範囲を規定する。縦軸は大気等の漏れ流量を示す。図8において、実線SLは、リップ部漏れ流量であって、リップ部隙間の断面積が軸受隙間の断面積より大きい本実施形態のリップシール9を使用した場合を示し、2点鎖線CL2は、リップ部漏れ流量であって、負圧(所定値P0)時に、リップ部隙間が軸受隙間と同じ断面積を有する対比例のリップシールを使用した場合を示し、破線DLは、リップ部漏れ流量であって、リップ部に漏れが無い(リップ部隙間を持たない)従来のリップシールを使用した場合を示す。太線TLは、本実施形態の軸受漏れ流量を示し、細い1点鎖線CL1は、リップシール室15を掃気するために理想とされる漏れ流量を示す。
従来のリップシールを使用した場合は、破線DLで示すように、リップ部漏れ流量がほぼゼロになるので、流路漏れ流量はほぼゼロとなり、リップシール室を掃気することができない。一方、対比例のリップシールを使用した場合は、2点鎖線CL2で示すように、リップ部漏れ流量は、吸気圧力が所定の負圧(所定値P0)から大気圧(所定値P2)となるまでの範囲で、リップ部漏れ流量が軸受漏れ流量より少なくなるので、この範囲での流路漏れ流量は、軸受漏れ流量よりも少ないリップ部漏れ流量となってしまう。これに対し、本実施形態のリップシール9を使用した場合は、実線SLで示すように、リップ部漏れ流量は、対比例でのリップ部漏れ流量の約2倍程度となり、所定値P0〜P1の負圧範囲では軸受漏れ流量より多くなり、所定値P1から大気圧(所定値P2)までの負圧範囲では、軸受漏れ流量より少なくなる。よって、所定値P0から所定値P2までの負圧範囲での流路漏れ流量は、図8に1点鎖線CL11で示す流量となる。このため、図8に示すように、本実施形態のリップシール9を使用した場合の流路漏れ流量(1点鎖線CL11)は、従来のリップシールを使用した場合の流路漏れ流量(破線DL)と比べ、紗を付した分だけ増加することになり、リップシール室15の掃気性を大幅に改善できることがわかる。また、本実施形態のリップシール9を使用した場合の流路漏れ流量(1点鎖線CL11)は、対比例のリップシールを使用した場合の流路漏れ流量(2点鎖線CL2)と比べ、ハッチングを付した分だけ増加することになり、リップシール室15の掃気性を改善できることがわかる。
ここで、大気のリップ部隙漏れ流量を増やすためには、軸受隙間の断面積をある程度確保する必要がある。この実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、スラスト軸受8に、通気孔14が設けられるので、その分だけ軸受隙間の断面積が大きくなるよう補われ、スラスト軸受8を大気の側からリップシール9の側へ通過する大気の流量が増す。このため、スラスト軸受8と弁軸6との間の軸受隙間の断面積を直接増やすことなく、大気の側から流路2の側へ流れる大気の流量を増やすことができ、リップシール室15の掃気性を向上させることができる。
この実施形態の構成によれば、スラスト軸受8がリップシール9の一端9aの側に配置され、リップシール9の他端9bの側には、流路2との間を仕切ると共に弁軸6が貫通するデポガードプラグ10が設けられる。また、デポガードプラグ10と弁軸6との間に設けられるプラグ隙間10dの断面積が、軸受隙間の断面積と同じかそれより大きくなるように設定される。従って、リップ部隙間17bを流路2の側へ流れる大気の流量(リップ部漏れ流量)が、デポガードプラグ10のプラグ隙間10dの断面積によっても制限されることがない。このため、デポガードプラグ10により、流路2からリップシール9の側へのデポジットの侵入を抑制しながら、流路2の側へ流れる大気によるリップシール室15の掃気機能を確保することができる。
この実施形態の構成によれば、デポガードプラグ10に必要に応じて貫通孔10cを設けることで、その貫通孔10cの分だけプラグ隙間10dの断面積が大きくなるよう補われ、デポガードプラグ10を通過する大気の流量が増す。このため、デポガードプラグ10と弁軸6との間のプラグ隙間10dの断面積を直接増やすことなく、大気の側から流路2の側へ流れる大気の流量を確保することができる。
この実施形態の構成によれば、リップシール9(シール部材)のリップ部17(シール部)が先端17aへ向かって肉厚が徐々に薄くなるので、リップ部17の先端17aが圧力を受けて変形し易くなる。従って、リップシール9の側に流路2の側から正圧が作用する場合は、リップ部17の外周面と内周面との受圧面積の差により、図6に示すように、リップ部17の先端17aが弁軸6に接する方向へ強く押し付けられる。一方、リップシール9の側に流路2の側から吸気負圧が作用する場合は、リップ部17の外周面と内周面との受圧面積の差により、図7に示すように、リップ部17の先端17aが弁軸6から離れる方向へ変形し易くなる。このため、リップ部17(シール部)の外周面に正圧が作用する場合は、リップシール9(シール部材)によるシール性を高めることができ、リップ部17の外周面に吸気負圧が作用する場合は、リップ部17と弁軸6との間のリップ部隙間17bを拡大して大気の側から流路2の側へ流れる大気の流量を増加させることができる。
また、この実施形態の構成によれば、リップ部17と弁軸6との間にリップ部隙間17bができるときは、先端17aの弁軸6への締め代が小さくなる。そのため、リップ部17と弁軸6との間の摺動摩耗とステップモータ7による駆動損失を低減することができ、リップシール9の耐摩耗性、並びに雄ネジ12aと雌ネジ27aとの間の耐摩耗性をそれぞれ向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール19のリップ部17の形状の点で第1実施形態と構成が異なる。図9に、流路2が正圧状態となるときのリップシール19及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に図6に準ずる断面図により示す。図10に、流路2が負圧状態となるときのリップシール19及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に図7に準ずる断面図により示す。図9、図10に示すように、この実施形態のリップシール19のリップ部17は、その先端17aが保持部16の先端16aよりも長く流路2の側、すなわちデポガードプラグ10の側へ伸びる。また、このリップ部17の肉厚は、その基端から先端までほぼ均等となっている。リップシール19は、その軸方向に一端19aと他端19bを有する。この実施形態のEGRバルブ1のその他の構成は、第1実施形態のそれと同じである。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を有するが、次のような異なる作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール19は、リップ部17の先端17aが保持部16の先端16aよりも長く流路2の側へ伸びるので、その分だけリップ部17の受圧面積が増える。ここで、リップ部17の外周面の受圧面積も内周面の受圧面積もそれぞれ増えるが、リップ部17の先端17aの近傍の内周面が弁軸6に広く接触することから、その部分の外周面と内周面との受圧面積の差が、第1実施形態のそれよりも相対的に大きくなる。従って、リップシール19の側に流路2の側から正圧が作用する場合は、図9に示すように、リップ部17の外周面と内周面との受圧面積の差によりリップ部17の先端17aが弁軸6により強く押し付けられる。一方、リップシール19の側に流路2の側から吸気負圧が作用する場合は、図10に示すように、リップ部17の外周面と内周面との受圧面積の差によりリップ部17の先端17aが弁軸6から離れる方向へより変形し易くなる。このため、リップ部17(シール部)の外周面に正圧が作用する場合は、リップシール19(シール部材)によるシール性を高めることができ、リップ部17の外周面に吸気負圧が作用する場合は、リップ部17と弁軸6との間のリップ部隙間17bを拡大し、図10に矢印で流れを示すように流路2の側への大気流量を増加させることができる。
<第3実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール71のリップ部17の形状の点で前記各実施形態と構成が異なる。図11に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態となるときのリップシール71及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に図6に準ずる断面図により示す。図12に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態となるときのリップシール71を図11のC−C線断面図により示す。図13に、この実施形態に係り、流路2が負圧状態となるときのリップシール71を図12に準ずる断面図により示す。図11〜図13に示すように、この実施形態において、リップ部17の先端17aは、保持部16の先端16aよりもリップシール71の内側に配置される。また、リップ部17は、その基端から先端17aまでほぼ均等な肉厚となっている。
この実施形態の特徴として、リップ部17の先端17aには、図12、図13に示すように、肉厚が薄い薄肉部17aaが、周方向に複数(この場合4つ)等間隔に形成され、隣り合う薄肉部17aaの間が厚肉部17abとなっている。そして、この実施形態でも、EGRバルブ1の流路2に吸気負圧が作用する場合は、リップシール71のリップ部17にも吸気負圧が作用することになる。この吸気負圧により、リップ部17の先端17aの薄肉部17aaが弾性変形して弁軸6の外周と薄肉部17aaとの間に隙間が形成される。この実施形態でも、この隙間を「リップ部隙間17b」と規定する(図13参照)。この実施形態でも、リップ部隙間17bの断面積が、上記した軸受隙間の断面積より大きくなるように設定される。
[スラスト軸受とデポガードプラグついて]
この実施形態で、スラスト軸受8には、それを貫通する通気孔や、スラスト軸受8とハウジング3との間の隙間も設けられておらず、スラスト軸受8と弁軸6との間に、弁軸6のストローク運動を許容できるほどの微小な軸受隙間が設けられているだけである。また、デポガードプラグ10には、それを貫通する貫通孔は設けられておらず、デポガードプラグ10と弁軸6との間に、弁軸6のストローク運動を許容できるほどの微小なプラグ隙間10dが設けられているだけである。そして、この実施形態でも、プラグ隙間10dの断面積が、軸受隙間の断面積と同じかそれより大きくなるように設定される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を有するが、次のような異なる作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール71(シール部材)のリップ部17(シール部)の先端17aに、その周方向において複数の薄肉部17aaが等間隔に形成されるので、リップ部17の先端17aの薄肉部17aaが、圧力を受けて変形し易くなる。従って、リップシール71の側に流路2の側から正圧が作用する場合は、リップ部17の先端17aは、その外周面と内周面との受圧面積の差により、図12に示すように、リップ部17の先端17aが弁軸6に接する方向へ強く押し付けられる。一方、リップシール71の側に流路2の側から吸気負圧が作用する場合は、リップ部17の外周面と内周面との受圧面積の差により、図13に示すように、リップ部17の先端17aの薄肉部17aaが弁軸6から離れる方向へ変形し易くなり、薄肉部17aaと弁軸6との間にリップ部隙間17bができる。このため、リップ部17の外周面に正圧が作用する場合は、リップシール71によるシール性を高めることができ、リップ部17の外周面に吸気負圧が作用する場合は、リップ部17の薄肉部17aaと弁軸6との間のリップ部隙間17bにより大気の側から流路2の側へ大気を流すことができる。
なお、第1実施形態では、リップ部17の全体が、先端17aへ向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成される。そのため、先端17aが弁軸6の外周に弾性接触することから、弁体5を開閉させるために弁軸6が往復運動するときには、リップ部17の先端17aにつき弁軸6への巻き込みの懸念があった。これに対し、この実施形態では、リップ部17の先端17aに薄肉部17aaと厚肉部17abが交互に設けられ、厚肉部17abが薄肉部17aaよりも剛性が高い。この意味で、弁軸6が往復運動するときのリップ部17の先端17aの弁軸6への巻き込みを抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール71のリップ部17の先端17aの形状の点で第3実施形態と構成が異なる。図14に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態となるときのリップシール71及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に図11に準ずる断面図により示す。図15に、図14に1点鎖線円S1で囲ったリップ部17の先端17aの部分を拡大断面図により示す。この実施形態では、図14、図15に示すように、リップ部17の先端17aであって、弁軸6に接触する部分に近い部分のみに、先端17aの全周縁に沿って他の部位よりも肉厚が薄い薄肉部17acが形成される。そのために、この実施形態では、リップ部17の先端17aの外周縁全体が、断面円弧状に形成される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第3実施形態とほぼ同等の作用及び効果を得ることができる。また、この実施形態では、薄肉部17acを、リップ部17の先端17aの全周縁に沿って形成したので、その先端17aは、第3実施形態の先端17aよりも変形し易くなり、リップ部隙間(図示略)の断面積を第3実施形態のリップ部隙間の断面積よりも大きくすることができる。
また、この実施形態では、リップ部17の先端17aであって、弁軸6に接触する部分に近い部分のみに薄肉部17acが形成されるので、その先端17aの剛性が、第1実施形態のそれよりも高くなる。この意味で、弁軸6が往復運動するときのリップ部17の先端17aの弁軸6への巻き込みを抑制することができる。つまり、この実施形態では、リップシール71に吸気負圧が作用する場合に、リップ部隙間による大気流量の増大と、リップ部17の弁軸6への巻き込み抑制との両立を図ることができる。
<第5実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第5実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール71のリップ部17の先端17aの形状の点で前記第3及び第4の実施形態と異なる。図16に、この実施形態に係り、ハウジング3と弁軸6との間に設けられたリップシール71の一部を断面図により示す。図17に、この実施形態に係り、リップ部17の先端17aの部分を図15に準ずる拡大断面図により示す。図16、図17に示すように、この実施形態のリップ部17の先端17aは、リップ部17の基端側と同等の肉厚に形成されると共に、端面17adを含み、その端面17adがテーパ状に形成されることで、弁軸6に接する側が薄肉部17acとなっている。図16、図17は、大気圧下でリップ部17の先端17aが所定の締め代をもって弁軸6に接している状態を示す。この状態において、先端17aの端面17adと弁軸6の外周面とのなす角度θ1がリップ部17の基端側に「90°」より小さく設定される。この角度θ1を「90°」に設定することもできる。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第3及び第4の実施形態に対し次のような異なる作用及び効果を有する。ここで、図18には、対比例として、リップ部17の端面17adと弁軸6の外周面とのなす角度θ1がリップ部17の基端とは反対側に向かって「90°」より大きい場合を図16に準ずる断面図により示す。図18では、便宜上ハッチングを省略して示す。この場合、図18に示すように、リップ部17(紗を付して示す。)の先端17aと弁軸6との接点付近にて弁軸6と直交する仮想軸Lvを想定すると、リップ部17の先端17aには仮想軸Lvより下側に、突き出し部17c(ハッチングを付して示す。)ができる。この場合、リップ部17に吸気負圧が作用することで、突き出し部17c以外のリップ部17には、矢印で示すように弁軸6から離れる方向へ吸気負圧が作用するので、リップ部17が弁軸6から離れる方向へ変位しようとする。これに対し、突き出し部17cには、矢印で示すように弁軸6から離れる方向と弁軸6に近付く方向の両方に吸気負圧が作用するので、吸気負圧による突き出し部17cの変位が相殺される。このため、吸気負圧により変位しない突き出し部17cがリップ部17の変位の抵抗となり、リップ部17が弁軸6から離れ難くなる。すなわち、リップ部隙間17bができ難くなる。ここで、リップ部17に作用する吸気負圧がある程度高くなれば、吸気負圧によるリップ部17の変位が大きくなるので、突き出し部17cがあってもリップ部17が弁軸6から離れることになる。
この実施形態では、上記した対比例とは異なり、リップ部17の先端17aの端面17adと弁軸6の外周面とのなす角度θ1がリップ部17の基端側に「90°」より小さく設定されるので、図16に示すように、リップ部17の先端17aには突き出し部17cがない。従って、リップ部17に吸気負圧が作用する場合は、その吸気負圧がリップ部17の全体に対し弁軸6から離れる方向へ作用することになり、先端17aが変位の抵抗になることはなく、先端17aを含むリップ部17の全体が弁軸6から離れ易くなる。このため、リップシール71のリップ部17に吸気負圧が作用する場合に、リップ部17の先端17aを吸気負圧により変位し易くすることができ、リップ部17の先端17aと弁軸6との間にリップ部隙間17bをでき易くすることができる。
<第6実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第65実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール71のリップ部17の先端17aの形状の点で第5実施形態と構成が異なる。図19に、この実施形態に係り、リップ部17の先端17aの部分を図17に準ずる拡大断面図により示す。図19に示すように、この実施形態のリップ部17の先端17aは、リップ部17の基端側と同等の肉厚を有する。そして、その先端17aには、肉厚方向において弁軸6に近い側に薄肉部17aeが形成されると共に弁軸6から遠い側に薄肉部17aeよりも厚い厚肉部17af(図19に紗を付して示す。)が形成される。ここで、薄肉部17aeは端面17aeaを含み、その端面17aeaがテーパ状に形成される。そして、大気圧下でリップ部17の先端17aが所定の締め代をもって弁軸6に接している状態において、薄肉部17aeの端面17aeaと弁軸6の外周面とのなす角度θ1が、第5実施形態と同様にリップ部17の基端側に「90°」より小さく設定される。この角度θ1を「90°」に設定することもできる。また、厚肉部17afは、薄肉部17aeの端面17aeaの延長面よりも先側(図面下側)へ張り出し、その厚肉部17afの一部が薄肉部17aeの端面17aeaと対向している。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第5実施形態と同等の作用及び効果を有するが、次のような異なる作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態のリップシール71には、そのリップ部17の先端17aに、弁軸6に近い薄肉部17aeと弁軸6から遠い厚肉部17afとが形成される。従って、リップ部17に吸気負圧が作用する場合に、その先端17aの薄肉部17aeには、第5実施形態と同様、弁軸6から離れる方向へのみ吸気負圧が作用するので、薄肉部17aeが弁軸6から離れる方向へ変位する。これに対し、厚肉部17afには、弁軸6から離れる方向と弁軸6に近付く方向の両方に吸気負圧が作用するので、吸気負圧による厚肉部17afの変位が相殺される。そして、吸気負圧により変位しない厚肉部17afが薄肉部17aeの変位の抵抗となり、薄肉部17aeの変位が厚肉部17afにより小さく制限され、第5実施形態の薄肉部17acの変位よりも小さくなる。このため、この実施形態では、薄肉部17aeの変位によるリップ部隙間17bの断面積を、所要面積だけ確保しながら(軸受隙間の断面積よりも大きく保ちながら)、薄肉部17aeの変位の繰り返しによる「へたり」、すなわち弾性低下を抑制することができる。
図20には、EGRバルブの流路に作用する吸気圧力の変化に対する、リップシール及びスラスト軸受での大気等の漏れ流量の特性イメージを図8に準ずるグラフにより示す。図20において、実線SLは、この実施形態のリップシール71のリップ部漏れ流量を示す。このグラフから、この実施形態のリップシール71では、所定値P1以下の吸気圧力下におけるリップ部漏れ流量が、図20に2点鎖線CL21で示す第1実施形態のリップ部漏れ流量よりも少なくなることがわかる。このことは、リップ部17の先端17aの薄肉部17aeの変位が小さくなったことによる。
<第7実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第7実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール72の形状の点で前記各実施形態と構成が異なる。図21に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態のときの弁軸6、リップシール72及びハウジング3を図11に準ずる断面図により示す。図22に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態のときの弁軸6、リップシール72及びハウジング3を図21のD−D線断面図により示す。図21、図22に示すように、この実施形態のリップシール72は、保持部16とリップ部17がほぼ同じ肉厚で形成される。また、このリップシール72は、金属製の補強環がインサート成形されておらず、ゴム材のみにより形成される。この実施形態では、リップ部17の先端17aが外側へ反り返るように屈折し、その屈折部17agの内側が弁軸6の外周に弾性接触している。
加えて、この実施形態でも、リップ部17の先端17aには、図22に示すように、肉厚が薄い薄肉部17aaが、周方向に複数(この場合4つ)等間隔に形成され、隣り合う薄肉部17aaの間が厚肉部17abとなっている。そして、この実施形態でも、EGRバルブ1の流路2に吸気負圧が作用する場合は、リップシール72のリップ部17にも吸気負圧が作用することになる。この吸気負圧によりリップ部17の先端17aの薄肉部17aaが弾性変形して弁軸6の外周と薄肉部17aaとの間にリップ部隙間が形成される(図13参照)。また、この実施形態でも、リップ部隙間の断面積が、軸受隙間の断面積より大きくなるように設定される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第3実施形態とほぼ同等の作用及び効果を得ることができる。また、この実施形態では、リップ部17の先端17aに外側へ反り返る屈折部17agが形成されるので、弁軸6が往復運動するときのリップ部17の先端17aの弁軸6への巻き込みを抑制することができる。
<第8実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第8実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールについて]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール73の構成の点で第7実施形態と異なる。図23に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態のときの弁軸6、リップシール72及びハウジング3を図21に準ずる断面図により示す。図24に、この実施形態に係り、流路2が正圧状態のときの弁軸6、リップシール72及びハウジング3を図23のE−E線断面図により示す。図23、図24に示すように、この実施形態のリップシール73は、基本的に第7実施形態のリップシール72と同じ構成を備えるが、リップ部17の先端17aの屈折部17agの外側に金属製のリング74がインサート成形される点でリップシール72と構成が異なる。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第7実施形態とほぼ同等の作用及び効果を得ることができる。ここで、第7実施形態のリップシール72では、リップ部17の先端17aが吸気負圧を受けて変位することでリップ部隙間ができるが、高負圧を何度も受けて変位を繰り返すと、その先端17aに「へたり」が生じることが懸念される。また、このへたりが有ると、リップ部17に正圧が作用してもリップ部隙間が残るおそれがあり、EGRガスがスラスト軸受の側へ漏れるおそれがあった。これに対し、この実施形態のリップシール73のリップ部17の屈折部17agに金属製のリング74が設けられるので、先端17aの負圧による変位が、一定以上大きくならないように抑えられる。このため、この実施形態のリップシール73によれば、先端17aのへたりを防止することができる。その結果、リップ部17に正圧が作用するときにもリップ部隙間が残らないようにすることができ、スラスト軸受の側へのEGRガス漏れを防止することができる。
<第9実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第9実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[リップシールと弁軸について]
この実施形態のEGRバルブ1では、リップシール20のリップ部17と弁軸6の形状の点で前記各実施形態と異なる。図25に、弁体5が全開となるときのリップシール20及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に図6に準ずる断面図により示す。図26に、弁体5が全閉、かつ流路2が負圧状態となるときのリップシール20及びデポガードプラグ10を弁軸6の一部と共に図7に準ずる断面図により示す。図25、図26に示すように、この実施形態のリップシール20のリップ部17は、その先端17aが保持部16の内側に配置される。また、このリップ部17の肉厚は、その基端から先端17aまでほぼ均等になっている。この実施形態のリップシール20の構成は、従前のそれと同じであり、従前のリップシールをそのまま使用することができる。
この実施形態では、弁体5が弁座4に着座する全閉状態から全開方向へ移動するに連れて、リップシール20のリップ部17の弁軸6の外周に対する弾性接触による締め代が徐々に大きくなるように構成される。また、この実施形態では、弁体5の全閉時であって、流路2に負圧が作用しない場合は、リップ部17の先端17aが弁軸6の外周に小さい締め代で弾性接触し、リップ部17の先端17aと弁軸6との間にクリアランスが形成されない。また、弁体5の全閉時であって、流路2に負圧が作用する場合は、図26に示すように、リップ部17に作用する負圧によりリップ部17が弾性変形してリップ部17の先端17aと弁軸6の外周との間にクリアランス36が形成され、リップ部17の弾性接触による締め代が無しになるように設定される。また、全閉状態から弁体5が弁座4から全開方向へ移動するに連れて、その形成されたクリアランス36が徐々に小さくなり、リップ部17の先端17aが弁軸6に弾性接触し始め、弾性接触による締め代が徐々に大きくなり、弁体5の全開時には、図25に示すように、上記締め代が最大になるように構成される。そのために、この実施形態では、弁軸6の外周形状が所定の形状に設定される。具体的には、図25、図26に示すように、弁軸6の外周には、その途中に外径がやや縮小した括れ部6cが形成され、その括れ部6cより上側の外径が括れ部6cへ向けて連続的に徐々に縮小している。この括れ部6cには、弁体5の全閉時に、図26に示すように、リップ部17の先端17aが整合し、負圧が作用することで弁軸6とリップ部17の先端17aとの間に所定のクリアランス36が形成される。一方、この括れ部6cは、弁体5が全開方向へ移動するときに、図25に示すように、弁軸6が下方へストローク運動することにより、リップ部17の先端17aから徐々に離れ、弁軸6にリップ部17の先端17aが滑らかに弾性接触し始めるようになっている。上記したクリアランス36も、この開示技術のシール部隙間の一例に相当する。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を有するが、次のような異なる作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態のEGRバルブ1では、弁体5の全閉時であって、流路2に負圧が作用する場合は、リップシール20のリップ部17が負圧により弾性変形し、その先端17aと弁軸6との間に所定のクリアランス36が形成される。そのため、図26に矢印で流れを示すように、そのクリアランス36を通じて大気の側(スラスト軸受8の側)から流路2の側へ大気の流れ(リップ部17での大気の漏れ)が許容される。また、弁体5が弁座4から全開方向へ移動するに連れて、その形成されたクリアランス36が徐々に小さくなり、リップ部17の先端17aが弁軸6に滑らかに弾性接触し始め、弾性接触による締め代が徐々に大きくなる。これにより、リップシール20と弁軸6との間が徐々にシールされる。特に、この実施形態では、弁軸6の外径が括れ部6cへ向けて連続的に徐々に縮小しているので、弁軸6のストローク運動に伴い、リップ部17の弁軸6に対する弾性接触による締め代が、急変することなく連続的に変化する。このため、弁軸6の外周形状を設定することによって第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。また、リップ部17(シール部)の先端17aに偏摩耗が生じることを防止することができる。また、弁体5の全閉時に積極的にEGRガスや凝縮水を掃気することができる。
この実施形態では、弁体5の全閉時に、リップ部17の先端17aが弁軸6の括れ部6cに整合するときはリップ部17の弁軸6に対する弾性接触による締め代が小さくなり、又は無くなる。ここで、弁軸6のストローク運動に伴うリップ部17と弁軸6との摺動頻度は、弁体5の全開時より全閉時の方が多くなる。つまり、摺動頻度の多い全閉時ほどリップ部17の弁軸6に対する締め代が小さくなり、又は無くなる。この意味で、リップ部17の摩耗を低減することができ、リップ部17の耐久性を向上させることができる。この結果、EGRバルブ1の全開域(EGR実行時及び高負荷運転時)において、EGRガスがスラスト軸受8の側へ侵入する(漏れる)逆流を、リップシール20によってより確かに防止することができる。
<第10実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第10実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[スラスト軸受について]
この実施形態のEGRバルブ1では、スラスト軸受8に設けられる通気孔38,39の構成の点で前記各実施形態と異なる。図27に、ハウジング3、弁軸6及びスラスト軸受8の部分を図4に準ずる断面図により示す。図28に、ハウジング3、弁軸6及びスラスト軸受8の部分を図5に準ずる断面図により示す。図27、図28に示すように、この実施形態では、スラスト軸受8と弁軸6との間に設けられる軸受隙間に加え、その断面積が大きくなるよう補うために、スラスト軸受8に二つの通気孔38,39が設けられる。第1の通気孔38は、スラスト軸受8の内周に設けられ、その内周面にて軸方向に伸びる第1のスリット38aが弁軸6の二面幅部6aの外周面に接することで構成される。第2の通気孔39は、スラスト軸受8の外周に設けられ、その外周面にて軸方向に伸びる第2のスリット39aが組付孔3aの内周面に接することで構成される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、各通気孔38,39の構成が異なるものの、スラスト軸受8に通気孔14が設けられた前記各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。なお、この実施形態では、スラスト軸受8に対し二つの通気孔38,39を設けたが、二つの通気孔38,39のうちいずれか一方を設けたり、各通気孔38,39の断面積を拡大したり、各通気孔38,39の数を増やしたりすることもできる。
<第11実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第11実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[スラスト軸受について]
この実施形態のEGRバルブ1では、スラスト軸受41,42の構成の点で前記各実施形態と異なる。図29に、スラスト軸受41,42、リップシール9及びデポガードプラグ10と弁軸6の部分を図3に準ずる断面図により示す。図29に示すように、この実施形態では、組付孔3aに二つのスラスト軸受41,42が直列に設けられる。第1のスラスト軸受41は、弁軸6の二面幅部6aに対応して設けられ、第2のスラスト軸受42は、弁軸6の円柱部6bに対応して設けられる。第2のスラスト軸受42は、他の実施形態と同じく一端42aと他端42bを有する。この実施形態では、第2のスラスト軸受42のみに軸方向に貫通する通気孔14が形成される。ここで、各スラスト軸受41,42と弁軸6との間には、それぞれ軸受隙間が設けられる。
また、この実施形態では、ハウジング3と弁軸6との間であって第1のスラスト軸受41と第2のスラスト軸受42との間には、通気孔14に連通する軸空間44が形成される。また、ハウジング3には、この軸空間44を大気に連通させる大気孔45が形成される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ1の構成によれば、前記各実施形態と同等の作用及び効果を有するが、次のような異なる作用及び効果を有する。すなわち、この実施形態のEGRバルブ1で、ハウジング3には、軸空間44を大気に連通させる大気孔45が形成され、軸空間44が第2のスラスト軸受42の通気孔14に連通する。従って、弁体5の全閉時に、流路2の側からリップシール9に吸気負圧が作用する場合は、リップ部17の先端17aが弁軸6から離れ、リップシール9と弁軸6との間から第2のスラスト軸受42の側へも負圧が作用し、大気孔45を通じて軸空間44へ大気が導入される。この大気は、軸空間44から第2のスラスト軸受42の軸受隙間と通気孔14を通じてリップシール9と弁軸6との間へ流れる。このため、専用の大気孔45から軸空間44へ大気を導入する分だけ大気の導入効率を向上させることができ、リップシール9(シール部材)と弁軸6との間を流れる大気流量(リップ部漏れ流量)を増大させることができ、リップシール室15(ハウジングと弁軸とシール部材との間の空間)の掃気効率を高めることができる。
<第12実施形態>
次に、EGRバルブを具体化した第12実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
[EGRバルブについて]
この実施形態のEGRバルブ51は、ポペットバルブではなく二重偏心弁として、かつ電動バルブとして構成される点で前記各実施形態と異なる。図30に、EGRバルブ51を平断面図により示す。図30に示すように、EGRバルブ51は、EGRガスの流路52を有するハウジング53と、流路52に設けられた弁座54と、弁座54に着座可能に設けられた弁体55と、弁体55を弁座54に対して移動させるために弁体55と一体的に設けられた弁軸56と、弁軸56と共に弁体55を運動(回動)させるための減速機構57及びステップモータ58とを備える。減速機構57とステップモータ58は、この開示技術における駆動手段の一例に相当する。減速機構57の内部は、大気に連通する。ハウジング53と弁軸56との間には、弁軸56を回動可能に支持するためのベアリング軸受59とスラスト軸受60が設けられる。また、ハウジング53と弁軸56との間をシールするために、リップシール61(シール部材)がスラスト軸受60に隣接して設けられる。リップシール61は、流路52に近い側に配置される。
図31に、図30のスラスト軸受60、リップシール61及び弁軸56の一部を拡大断面図により示す。図31に示すように、リップシール61は、その軸方向に一端61aと他端61bを有する略筒状をなす。リップシール61は、ハウジング53に対し外周が接触し保持するための保持部62と、保持部62の内側にて先端の内周が弁軸56の外周に弾性接触しシールするためのリップ部63(シール部)とを含む。リップシール61の一端61aは大気の側(減速機構57の側)へ向き、その他端61bは流路52の側へ向くと共に、リップ部63の先端63aが流路52の側へ向いて配置される。リップシール61の他端61bとハウジング53との間には、リップシール室64が設けられる。スラスト軸受60は、軸方向に一端60aと他端60bを有する略筒状をなす。スラスト軸受60と弁軸56との間には、軸受隙間が設けられる。また、スラスト軸受60には、その軸受隙間の断面積が大きくなるよう補うために、その軸方向に貫通する通気孔65が設けられる。また、流路52とリップシール室64との間には、隔壁66が設けられ、弁軸56はその隔壁66を貫通する。また、隔壁66と弁軸56との間には、弁軸56の回転を許容できるほどの微小な隔壁隙間が設けられる。この実施形態で、隔壁66には、隔壁隙間の断面積が大きくなるよう補うために貫通孔67が設けられる。この実施形態で、隔壁66は、この開示技術における仕切り手段の一例に相当する。また、隔壁隙間は、この開示技術の仕切り手段隙間の一例に相当する。
なお、この実施形態でも前記各実施形態と同等の趣旨で、リップ部63に係るリップ部隙間の断面積が、スラスト軸受60に係る軸受隙間の断面積より大きくなるように設定される。また、隔壁66に係る隔壁隙間の断面積が、上記軸受隙間の断面積と同じかそれより大きくなるように設定される。
[EGRバルブの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRバルブ51の構成によれば、弁軸56が回転することにより、弁体55が一体に回動し、弁体55が弁座54に対し開閉するようになっている。そして、このEGRバルブ51は、前記各実施形態とバルブのタイプは異なるものの、リップシール61と弁軸56との間を流れる大気によるリップシール室64の掃気機能について前記各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記第1実施形態では、リップ部隙間17bの断面積が軸受隙間の断面積より大きくなるように設定した。これに対し、リップ部隙間の断面積と軸受隙間の断面積が等しく(ゼロを除く)なるように設定したり、軸受隙間の断面積がリップ部隙間の断面積より大きくなるように設定したりすることもできる。ここで、図32に、負圧が「−66.7kPa」になるときにリップ部隙間の断面積と軸受隙間の断面積が等しくなるように設定した場合の、EGRバルブの流路に作用する吸気圧力の変化に対する、リップシール及びスラスト軸受での大気等の漏れ流量の特性イメージをグラフにより示す。図32に示すように、この場合のリップシールを使用したときの流路漏れ流量(実線SL)は、従来のリップシールを使用したときの流路漏れ流量(破線DL)と比べ、ハッチングを付した分だけ増加することになり、この場合もリップシール室の掃気性を大幅に改善できることがわかる。軸受隙間の断面積がリップ部隙間の断面積より大きくなるように設定した場合も同様となる。
(2)前記第10実施形態では、図27に示すように、スラスト軸受8の内周面に、その軸方向に伸びる第1のスリット38aを設け、そのスリット38aが弁軸6の二面幅部6aの外周面に接することで第1の通気孔38を構成した。また、スラスト軸受8の外周面に、その軸方向に伸びる第2のスリット39aを設け、そのスリット39aが組付孔3aの内周面に接することで第2の通気孔39を構成した。これに対し、図33に、図27に準ずる断面図で示すように、弁軸6の二面幅部6aの外周面に、その軸方向に伸びる第1のスリット48aを設け、そのスリット48aがスラスト軸受8の内周面に接することで第1の通気孔48を構成することもできる。また、組付孔3aの内周面に、その軸方向に伸びる第2のスリット49aを設け、そのスリット49aがスラスト軸受8の外周面に接することで第2の通気孔49を構成することもできる。
(3)前記第10実施形態では、図27に示すように、第1の通気孔38と第2の通気孔39を構成したが、図34に、図27に準ずる断面図で示すように、弁軸6の二面幅部6aの外周面の縁部を、スラスト軸受8の内周面の縁部と異なる湾曲面とすることで、スラスト軸受8の軸方向に伸びる二つの通気孔50を構成することもできる。この通気孔50は、一つ、三つ又は四つでもよく、通気孔50の断面積を適宜拡大することもできる。
(4)前記第12実施形態では、図31に示すように、弁軸56上において、通気孔65を有するスラスト軸受60を減速機構57に近い側(大気の側)に配置し、リップシール61をスラスト軸受60に隣接させると共に流路52に近い側に配置した。これに対し、図35に示すように、リップシール61を減速機構57に近い側(大気の側)に配置し、通気孔65を有するスラスト軸受60をリップシール61に隣接させると共に流路52に近い側に配置することもできる。図35は、スラスト軸受60、リップシール61及び弁軸56の一部を示す図31に準ずる断面図である。
(5)前記第8実施形態では、リップ部17の肉厚は、その基端から先端17aまでほぼ均等として、従前のリップシールの使用を可能としたが、第1実施形態のリップシール9や第2実施形態のリップシール19を使用するように構成することもできる。
(6)前記第9実施形態では、弁体5の全閉時であって、流路2に負圧が作用しない場合は、リップ部17(シール部)の弁軸6の外周に対する弾性接触による締め代を小さくし、リップ部17と弁軸6との間に所定のクリアランス36を設けないようにした。これに対し、弁体5の全閉時であって、流路2に負圧が作用しない場合に、リップ部17と弁軸6との間に所定のクリアランスを設けるように構成することもできる。
(7)前記第1〜第11の実施形態では、流路2とリップシール室15との間にて、組付孔3aに仕切り手段としてのデポガードプラグ10を設けたが、このデポガードプラグ10を省略することも想定できる。同様に、前記第12実施形態では、流路52とリップシール室64との間に、仕切り手段としての隔壁66を設けたが、この隔壁66を省略することも想定できる。
(8)前記第5実施形態では、図16に示すように、略逆J形状をなす補強環18を備えたリップシール71につき、そのリップ部17の先端17aの端面17adと弁軸6の外周面とのなす角度θ1がリップ部17の基端側に「90°」より小さく設定した。これに対し、図36に示すように、略逆L形状をなす補強環18を備えたリップシール75につき、そのリップ部17の先端17aの端面17adと弁軸6の外周面とのなす角度θ1がリップ部17の基端側に「90°」より小さく設定することもできる。図36に示すリップシール75では、リップ部17を、図16に示すリップ部17よりも肉厚で短く形成している。また、図36に示すリップシール75につき、リップ部17の先端17aの形状を、第5実施形態以外の実施形態の形状に形成することもできる。図36は、ハウジング3と弁軸6との間に設けられたリップシール75の一部を示す図16に準ずる断面図である。
(9)前記第6実施形態では、図19に示すように、リップ部17の先端17aにて、その肉厚方向の弁軸6に近い側に薄肉部17aeを形成し、弁軸6から遠い側に厚肉部17afを形成した。そして、薄肉部17aeの端面17aeaと弁軸6の外周面とのなす角度θ1がリップ部17の基端側に「90°」より小さく設定し、厚肉部17afを、薄肉部17aeの端面17aeaの延長面よりも先側(図面下側)へ張り出すように形成した。これに対し、図37に示すように、リップ部17の先端17aに、図19と同様に薄肉部17aeと厚肉部17afを形成すると共に、厚肉部17afの先側(図面下側)への張り出しを、図19に示す厚肉部17afのそれよりも長く形成することもできる。これにより、吸気負圧によるリップ部17の変位に対する厚肉部17afによる抵抗をより大きくすることができる。図37は、リップ部17の先端17aの部分を示す図19に準ずる拡大断面図である。
(10)上記(3)の別の実施形態では、図34に示すように、弁軸6の二面幅部6aの外周面の縁部を、スラスト軸受8の内周面の縁部と異なる湾曲面とすることで、スラスト軸受8の軸方向に伸びる二つの通気孔50を構成した。これに対し、スラスト軸受の外周面とハウジングの組付孔の内周面との間でスラスト軸受の外周面及び組付孔の内周面のうち少なくとも一方の湾曲率を変えることで、スラスト軸受の軸方向に伸びる少なくとも一つの通気孔を構成することもできる。
この開示技術は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに設けられるEGR装置に利用することができる。
1 EGRバルブ
2 流路
3 ハウジング
4 弁座
5 弁体
6 弁軸
7 ステップモータ(駆動手段)
8 スラスト軸受
8a 一端
8b 他端
9 リップシール(シール部材)
9a 一端
9b 他端
10 デポガードプラグ(仕切り手段)
10c 貫通孔
10d プラグ隙間(仕切り手段隙間)
14 通気孔
16 保持部
17 リップ部(シール部)
17a 先端
17aa 薄肉部
17ac 薄肉部
17ad 端面
17ae 薄肉部
17aea 端面
17af 厚肉部
17b リップ部隙間(シール部隙間)
19 リップシール(シール部材)
19a 一端
19b 他端
20 リップシール(シール部材)
20a 一端
20b 他端
36 クリアランス(シール部隙間)
38 第1の通気孔
39 第2の通気孔
42 第2のスラスト軸受
42a 一端
42b 他端
44 軸空間
45 大気孔
48 第1の通気孔
49 第2の通気孔
50 通気孔
51 EGRバルブ
52 流路
53 ハウジング
54 弁座
55 弁体
56 弁軸
57 減速機構(駆動手段)
58 ステップモータ(駆動手段)
60 スラスト軸受
60a 一端
60b 他端
61 リップシール(シール部材)
61a 一端
61b 他端
62 保持部
63 リップ部(シール部)
63a 先端
65 通気孔
66 隔壁(仕切り手段)
67 貫通孔
71 リップシール(シール部材)
72 リップシール(シール部材)
73 リップシール(シール部材)
75 リップシール(シール部材)

Claims (13)

  1. EGRガスの流路を有するハウジングと、
    前記流路に設けられた弁座と、
    前記弁座に着座可能に設けられた弁体と、
    前記弁体を前記弁座に対して移動させるために前記弁体と一体的に設けられた弁軸と、
    前記弁軸と共に前記弁体を運動させるための駆動手段と、
    前記ハウジングと前記弁軸との間に設けられ、前記弁軸を運動可能に支持するための軸受と、
    前記ハウジングと前記弁軸との間をシールするために、前記軸受に隣接して設けられたシール部材と
    を備えたEGRバルブにおいて、
    前記シール部材は、軸方向に一端と他端を有する略筒状をなし、前記ハウジングに対し外周が接触し保持するための保持部と、前記保持部の内側にて先端の内周が前記弁軸の外周に弾性接触しシールするためのシール部とを含み、前記一端が大気の側へ向き、前記他端が前記流路の側へ向くと共に、前記シール部の前記先端が前記流路の側へ向いて配置され、
    前記軸受は、軸方向に一端と他端を有する略筒状をなし、前記弁軸と前記軸受との間の隙間及び前記軸受と前記ハウジングとの間の隙間の少なくとも一つより構成され、前記軸受の前記軸方向に貫通する軸受隙間が設けられ、
    前記流路に負圧が作用する場合に、前記シール部材の前記シール部に作用する前記負圧により前記シール部が弾性変形して前記弁軸の外周と前記シール部の先端との間にシール部隙間が形成され、前記シール部隙間の断面積と前記軸受隙間の断面積のうち一方が他方より大きくなるように、又は、前記シール部隙間の断面積と前記軸受隙間の断面積が等しくなるように設定される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  2. 請求項1に記載のEGRバルブにおいて、
    前記軸受、前記弁軸と前記軸受との間及び前記軸受と前記ハウジングとの間の少なくとも一つには、前記軸受隙間の断面積が大きくなるよう補うために前記軸方向に貫通する通気孔が設けられる
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  3. 請求項1又は2に記載のEGRバルブにおいて、
    前記軸受が前記シール部材の前記一端の側に配置され、
    前記シール部材の前記他端の側には、前記流路との間を仕切ると共に前記弁軸が貫通する仕切り手段が設けられ、
    前記仕切り手段と前記弁軸との間には、前記仕切り手段を貫通する仕切り手段隙間が設けられ、
    前記仕切り手段隙間の断面積が前記軸受隙間の断面積と同じかそれより大きくなるように設定される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  4. 請求項3に記載のEGRバルブにおいて、
    前記仕切り手段には、前記仕切り手段隙間の断面積が大きくなるよう補うために貫通孔が設けられる
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記弁体が前記弁座に着座する全閉状態から全開方向へ移動するに連れて、前記シール部材の前記シール部の前記弁軸の外周に対する前記弾性接触による締め代が徐々に大きくなるように構成される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  6. 請求項5に記載のEGRバルブにおいて、
    前記弁体が前記弁座から前記全開方向へ移動するように前記弁軸が動作するに連れて、前記シール部の前記弾性接触による締め代が徐々に大きくなるように前記弁軸の外周形状が設定される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記シール部材の前記シール部は、前記先端へ向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記シール部材の前記シール部は、前記先端が前記保持部の先端よりも長く前記流路の側へ伸びる
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記シール部の前記先端には、肉厚が薄い薄肉部が、前記先端の周方向において少なくとも一つ設けられる
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  10. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記シール部の前記先端は端面を含み、前記端面がテーパ状に形成され、
    大気圧下で前記シール部の前記先端が所定の締め代をもって前記弁軸に接している状態において、前記先端の前記端面と前記弁軸の外周面とのなす角度が前記シール部の基端側に90°以下に設定される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  11. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記シール部の前記先端には、その肉厚方向において前記弁軸に近い側に薄肉部が形成されると共に前記弁軸から遠い側に前記薄肉部より厚い厚肉部が形成され、
    前記薄肉部は端面を含み、前記端面がテーパ状に形成され、大気圧下で前記薄肉部が所定の締め代をもって前記弁軸に接している状態において、前記薄肉部の前記端面と前記弁軸の外周面とのなす角度が前記シール部の基端側に90°以下に設定され、
    前記厚肉部は、前記薄肉部の前記端面の延長面より先側へ張り出し、前記厚肉部の一部が前記薄肉部の前記端面と対向する
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記ハウジングと前記弁軸と前記軸受との間には、前記軸受隙間に連通する軸空間が形成され、前記ハウジングには、前記軸空間を大気に連通させる大気孔が形成される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載のEGRバルブにおいて、
    前記シール部材は、前記シール部の前記先端に作用する前記負圧が大きくなるほど前記シール部隙間が大きくなって前記シール部隙間から前記流路の側への大気の流れが許容され、前記先端に作用する負圧が大気圧に近付くほど前記シール部隙間が小さくなって前記シール部隙間から前記大気の側への前記EGRガスの流れが制限又は遮断されるように構成される
    ことを特徴とするEGRバルブ。
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