JP2021188569A - 水素燃料を用いた内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素燃料を用いた内燃機関を提供する。【解決手段】 シリンダ(2)の下部に掃気口(10)を有し、シリンダヘッド(3)に排気弁(5)を有する低速の2サイクルユニフロー式内燃機関(1)であって、シリンダの中部領域に配設されて水素燃料を噴射する水素燃料噴射弁(8)と、シンリダヘッドに配設されて石油系燃料を噴射する石油系燃料噴射弁(6)と、水素燃料供給装置(9)及び石油系燃料供給装置(7)の作動を制御するコントローラ(12)とを備え、コントローラは、掃気行程においてピストンが下死点から上昇して掃気口を閉じる直前以降の所定時期に水素燃料噴射弁から水素燃料をシリンダ内へ噴射させ、掃気行程においてピストンが上死点に接近したときに石油系燃料噴射弁から石油系燃料をシリンダ内へ噴射させる。上記所定時期は、掃気口が閉じる直前から排気弁が閉じた直後までの間に設定される。【選択図】 図2

Description

本発明は、水素燃料を用いた内燃機関に関する。
近年、環境保全の観点からクリーンなエネルギ源が求められている。この観点から、天然ガス等の炭化水素系ガス燃料をその主燃料とする、炭化水素系ガス燃料を用いた内燃機関の開発及び普及が急速に進められている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この炭化水素系ガス燃料を用いた内燃機関においては、従来の重油等の石油系燃料と同様に、多量の二酸化炭素を排出するという問題がある。また、基本的にはディーゼルエンジンと同様の熱サイクルで燃焼を行うことから、窒素酸化物も発生させるという問題もある。このため、環境保全の観点から、炭化水素系ガス燃料に代わる、環境保全により最適な燃料を用いた内燃機関の開発が期待される。
これに応えるため、軽油を主燃料とする水素燃料を用いた内燃機関が公開されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2015−190328号公報 特開2009−216041号公報
しかしながら、上述の軽油を主燃料する水素燃料を使用する内燃機関は、自動車用の比較的回転数が高い小型の4サイクルディーゼル機関に関するものであり、例えば、船舶等に使用される大型の低速2サイクルユニフロー式ディーゼル機関に対しては、その回転数が極めて低い一方、水素燃料は着火及びその燃焼速度が極めて速く、過早着火等による異常燃焼が生じるため、上述のノッキングの発生が問題視される炭化水素系ガス燃料を用いた内燃機関に比べても、さらにノッキングの発生が顕著になるという、内燃機関として致命的とも言える問題がある。
したがって、内燃機関としての種別がまったく異なる低速2サイクルユニフロー式ディーゼル機関に対して、上述の小型4サイクルディーゼル機関の発明をそのまま容易に転用することはできず、水素燃料を用いた内燃機関を実現化するためには、さらに飛躍的進歩が必要である。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、特に二酸化炭素の排出量を削減するために、二酸化炭素をまったく発生させない水素燃料を、低速の2サイクルユニフロー式内燃機関に対して使用することができるようにした、水素燃料を用いた内燃機関を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の水素燃料を用いた内燃機関が採用する手段は、シリンダ下部に掃気口を有すると共にシリンダヘッドに排気弁を有する低速の2サイクルユニフロー式ディーゼル機関であって、シリンダの中部領域に配設されて水素燃料を噴射する水素燃料噴射弁と、この水素燃料噴射弁へ水素燃料を供給する水素燃料供給装置と、
シンリダヘッドに配設されて石油系燃料を噴射する石油系燃料噴射弁と、この石油系燃料噴射弁に石油系燃料を供給する石油系燃料供給装置と、水素燃料供給装置及び石油系燃料供給装置の作動を制御するコントローラとを備え、コントローラは、水素燃料供給装置を制御して掃気行程においてピストンが下死点から上昇して掃気口を閉じる直前以降の所定時期に水素燃料を水素燃料噴射弁からシリンダ内へ噴射させ、石油系燃料供給装置を制御して掃気行程においてピストンが上死点に接近したときに石油系燃料を石油系燃料噴射弁からシリンダ内へ噴射させることにある。
このように、シリンダ下部に掃気口を有すると共に、シリンダヘッドに排気弁を有する低速の2サイクルユニフロー式ディーゼル機関において、水素燃料供給装置を制御して掃気行程においてピストンが下死点から上昇して掃気口を閉じる直前以降の所定時期に水素燃料をシリンダの中部領域に配設された水素燃料噴射弁からシリンダ内へ噴射させ、石油系燃料供給装置を制御してピストンが上死点に近づいたときに石油系燃料をシンリダヘッドに配設された石油系燃料噴射弁からシリンダ内へ噴射させることにより、この噴射された石油系燃料が着火し、それにより燃焼速度が極めて速い水素燃料が着火して燃焼し、さらに石油系燃料が引き続き燃焼して、内燃機関をノッキング等の異常燃焼を発生させずに、スムーズに作動させることができる。
これにより、従来の石油系燃料の一部を水素燃料に置き換えて燃焼させることができ、二酸化炭素の発生を大幅に削減することができる。
上記水素燃料を用いた内燃機関において、上記所定時期は、ピストンが下死点から上昇して掃気口を閉じる直前からコントーラの制御により排気弁が閉じた直後までの間に設定されることが望ましい。
このように、水素燃料を水素燃料噴射弁からシリンダ内へ噴射する所定時期を、ピストンが下死点から上昇して掃気口を閉じる直前から、コントーラの制御により排気弁が閉じた直後までの間の所定時期とすることにより、主として熱サイクルからその閉弁時期が設定される排気弁からシリンダ内に噴射した水素燃料が流出することをほぼ完全に防止することができる一方、水素燃料をシリンダ内に極めて均一に分布させることができる。この水素燃料の噴射時期は、本発明において水素燃料を効率よく燃焼させる上で、極めて重要な要素である。
上記水素燃料を用いた内燃機関において、コントローラに制御されて排気弁から排出された排気ガスを掃気に循環させるEGR装置をさらに備え、コントローラは、EGR装置を制御して掃気内の酸素濃度を低下させることが望ましい。
このように、EGR装置(排気ガス再循環装置)をさらに備えることにより、掃気内の酸素濃度を低下させることができ、これにより水素燃料噴射後の水素酸素濃度を最適に調整して水素燃料の爆発的燃焼を抑制し、以って 低速の内燃機関におけるノッキング等の異常燃焼の発生をさらに減少させることができる。
以上のように、水素燃料を用いる低速の2サイクルユニフロー式内燃機関において、通常は燃焼温度の高温化防止による窒素酸化物の排出量の削減を目的として用いられるEGR装置を利用して、燃焼させる水素燃料の水素酸素濃度を最適に調整し、これにより水素燃料の過早着火を防止してノッキング等の異常燃焼の発生を防止する発明は、従来技術にはまったく見られないものであり、水素燃料を用いた内燃機関に対して飛躍的進歩を付与するものである。
上記水素燃料を用いた内燃機関において、石油系燃料噴射弁からの石油系燃料の噴射に
よりシンリダ内の水素燃料を着火させ燃焼させることが望ましい。
水素燃料は着火性が高く、ピストンによる圧縮のみにより自己着火させることも可能である。しかし、この場合には着火時期がばらつき、過早着火等による異常燃焼を発生させる可能性もある。したがって、石油系燃料噴射弁からの石油系燃料の噴射によりシンリダ内の水素燃料を着火させ燃焼させるようにしたことにより、コントローラによってその作動が確実に制御される石油系燃料噴射弁からの石油系燃料の噴射を着火源とすることにより、水素燃料の着火時期を自在に制御することができるようになる。
また、このように、石油系燃料噴射弁からの石油系燃料の噴射によりシンリダ内の水素燃料を着火させ燃焼させるようにしたことにより、従来の石油系燃料のみを用いる内燃機関や炭化水素系のガス燃料のみを用いるガスインジェクションエンジンでは必要であった、燃料への着火のためのパイロット燃料噴射弁とパイロット燃料供給装置とを排除することができ、システムの簡素化とコスト削減とを図ることができる。
この石油系燃料の噴射による着火方式は、極めて着火性が高いという水素燃料の特性を十分に生かしつつ、圧縮着火のみでは制御不能であった水素燃料の着火時期を制御自在としたものであり、飛躍的進歩が期待される。
上記水素燃料を用いた内燃機関において、水素燃料と石油系燃料との噴射量比は、定常運転時におけるエネルギ比で1:(0.5〜2.0)とすることが望ましい。
この水素燃料と石油系燃料との噴射量比は、水素燃料を用いることにより発生するノッキング等の異常燃焼を防止するために極めて重要な要素であり、このように、水素燃料と石油系燃料との噴射比を定常運転時におけるエネルギ比で1:(0.5〜2.0)とすることにより、ノッキング等の異常燃焼をほとんど発生させることなく、水素燃料を用いた内燃機関を達成することができる。
本発明の水素燃料を用いた内燃機関は、シリンダ下部に掃気口を有すると共にシリンダヘッドに排気弁を有する低速の2サイクルユニフロー式ディーゼル機関であって、シリンダの中部領域に配設されて水素燃料を噴射する水素燃料噴射弁と、この水素燃料噴射弁へ水素燃料を供給する水素燃料供給装置と、シンリダヘッドに配設されて石油系燃料を噴射する石油系燃料噴射弁と、この石油系燃料噴射弁に石油系燃料を供給する石油系燃料供給装置と、水素燃料供給装置及び石油系燃料供給装置の作動を制御するコントローラとを備え、コントローラは、水素燃料供給装置を制御して掃気行程においてピストンが下死点から上昇して掃気口を閉じる直前以降の所定時期に水素燃料噴射弁から水素燃料をシリンダ内へ噴射させ、石油系燃料供給装置を制御して掃気行程においてピストンが上死点に接近したときに石油系燃料噴射弁から石油系燃料をシリンダ内へ噴射させる。
したがって、特に二酸化炭素の発生を削減するために、二酸化炭素をまったく発生させない水素燃料を2サイクルユニフロー式内燃機関に対して使用することができるようになる、という優れた効果を奏する。
本発明の水素燃料を用いた内燃機関の、ピストンが下死点における状態を示す簡略縦断面図である。 図1の水素燃料を用いた内燃機関のシステム全体図である。 図1の水素燃料を用いた内燃機関のコントローラの制御を示すシステム図である。 その他の実施の形態を示す簡略縦断面図である。
本発明の水素燃料を用いた内燃機関を実施するための形態を、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、符号2は舶用の低速2サイクルユニフロー式ディーゼル機関(2サイクルユニフロー式内燃機関)1のシリンダ、3はシリンダヘッド、4はシリンダ2内を上下に摺動するピストン、5はシリンダヘッド3に設けられてシリンダ2内の燃焼ガスを後述する排気レシーバ5b内へ排気するための排気弁である。
図2に示すように、排気弁5は、排気弁作動制御装置5aによりその作動が制御される。上述のシリンダ2は、内円柱状空間に形成される。また、シリンダ2内には上記ピストン4との摺動をスムーズにさせる等のため、図示しないシリンダライナが配設されているのが一般的であるが、本明細書ではシリンダライナも含めてシリンダ2と称することにする。
図1に示すように、シリンダヘッド3に、主燃料である重油等の石油系燃料をシリンダ2内においてピストン4側(図示下方)へ噴射する石油系燃料噴射弁6が配設される。図2に示すように、石油系燃料噴射弁6には、石油系燃料供給装置7から石油系燃料が供給される。
図1に示すように、シリンダ2の中部領域、例えばピストン4の下死点から上死点までのシリンダ2の長さL(全ストローク)の下死点側から30〜70%の範囲内に、水素燃料をシリンダ2内へ、かつシリンダ軸に対して略水平に噴射する水素燃料噴射弁8が配設される。図2に示すように、水素燃料噴射弁8には、水素燃料供給装置9から水素燃料が供給される。
水素燃料を供給するための水素管は、安全性を考慮してすべて二重管で形成される。また、水素燃料供給装置9から水素燃料噴射弁8へ供給される水素の圧力は、1〜2MPa程度とする。水素燃料供給装置9には、水素燃料の噴射時期以外にこの水素燃料を噴射させないようにする、図示しない安全機構が配設される。
図1に示すように、シリンダ2の下部、かつ、上述の水素燃料噴射弁8よりもさらに下死点側に、シリンダ2内に掃気を導く掃気口10が配設される。図2に示すように、排気レシーバ5bに排出された排気ガスの一部は、EGR装置(排気ガス再循環装置)11を介して、掃気口10に掃気を供給するための掃気管13内へ戻される。
すなわち、EGR装置は、従来は内燃機関の燃焼温度を低下させて、高温燃焼により発生する窒素酸化物の形成を低減させるために使用されてきたが、本水素燃料を用いた内燃機関においては、EGR装置11によって掃気中の酸素濃度を最適に調整して、水素燃料に特有のノッキング等の異常燃焼を防止している。
これにより、水素燃料を用いた内燃機関について、従来にはない飛躍的進歩をもたらすことができる。ただし、このEGR装置11は、従来と同様に、上述の石油系燃料の燃焼時に発生する窒素酸化物の低減のための装置としても使用される。
図3に示すように、上述の石油系燃料供給装置7、水素燃料供給装置9、排気弁作動制御装置5a、及びEGR装置11は、コントローラ12によりその作動が制御される。
図2を参照して、本発明の水素燃料を用いた内燃機関の作動を説明する。コントローラ12の制御により、まずピストン4が上死点から下降しはじめ、その後ピストン4が上述の全ストロークLの中間点を通過した後に、排気弁5が開弁される。これにより、前サイクルて燃焼した排気ガスは、排気弁5を通して排気レシーバ5b内へ排出される。
ピストン4がシリンダ2内を下降して掃気口10を通過すると、掃気口10から新しい空気(掃気)がシリンダ2内へ流入される。掃気行程において、ピストン4が下死点を通過して再び上昇し掃気口10を通過すると、ピストン4により掃気口10が閉じられると共に、コントローラ12は、掃気口10が閉じる直前から排気弁5が閉じた直後までの間の所定時期に水素燃料噴射弁8を開弁させて、水素燃料供給装置9から供給される水素燃料をシリンダ2内へ、かつシリンダ軸に対して略水平方向に噴射させ、必要量の水素燃料を噴射した後に閉弁する。
このように、水素燃料を水素燃料噴射弁8からシリンダ2内へ噴射する時期を、ピストン4が下死点から上昇して掃気口10を閉じる直前から、コントローラ12の制御によって排気弁5が閉じた直後までの間の所定時期とすることにより、主として熱サイクルからその閉弁時期が設定される排気弁5から、シリンダ2内に噴射した水素燃料が流出することをほぼ完全に防止することができると共に、水素燃料をシリンダ2内に均一に分布させることができる。これは、本発明において水素燃料を効率よく燃焼させる上で、極めて重要な要素である。
そして、コンローラ12は、掃気行程においてピストン4が上死点に接近した時点で、石油系燃料噴射弁6から石油系燃料をシリンダ2内へ噴射させる。石油系燃料噴射弁6から石油系燃料をシリンダ2内への噴射により、まず石油系燃料が着火し、この石油系燃料の着火により水素燃料が着火されて急速燃焼する。水素燃料の燃焼は、必要により上述のEGR装置により酸素濃度が最適に調整されてはいるが、従来の石油系燃料や炭化水素系ガス燃料と比べて、極めて急速である。
因みに、水素燃料は着火性が高くピストン4による圧縮のみにより自己着火させることもできるが、この場合には着火時期がばらつき、過早着火等による異常燃焼を発生させる可能性がある。このため、コントローラ12によりその噴射時期が明確に制御される石油系燃料噴射弁6からの石油系燃料のシリンダ2内へ噴射により、水素燃料を着火させて燃焼させるようにした。このため、水素燃料の着火時期をコントローラ12により自在に、かつ確実に制御することができる。
次に、上述の水素燃料の燃焼に続いて、石油系燃料噴射弁6から噴射された石油系燃料が燃焼する。1サイクル当たりの水素燃料の噴射量は、水素の供給圧力と水素燃料噴射弁8の開弁時期から決定されるが、排気ガス中の二酸化炭素の削減の観点から、定常運転時における水素燃料と石油系燃料との混合量比は、エネルギ比で1:(0.5〜2.0)、さらに75%負荷運転時のエネルギ比で、1:(1.0〜1.2)とすることが望ましい。
石油系燃料のエネルギ量に対して水素燃料のエネルギ量が多くなると、水素燃料によるノッキング等の異常燃焼がその比率に応じて多発するようになる一方、石油系燃料のエネルギ量に対して水素燃料のエネルギ量が少なくなると、排出される二酸化炭素の大幅な削減を図るという発明の本来の目的を、その比率に応じて達成することが困難になる。このため、水素燃料と石油系燃料との混合量比は、上記範囲内であることが望ましい。なお、この水素燃料と石油系燃料との混合量比は、本発明を実現化する上で極めて重要な要素である。
水素燃料は燃焼速度が極めて速く、仮に石油系燃料量を最少化すると共に、水素燃料量を最大化した場合には、燃焼ガスの圧力が高くなりすぎたり、あるいは過早着火してノッキング等の異常燃焼が発生したりする。
特に、上述の水素燃料を用いた内燃機関においては、石油系燃料の噴射までに、シリンダ2内にすでに噴射されている水素燃料が着火しないようにすることが重要である。したがって、空気と石油系燃料と水素燃料との混合比は、定常運転時におけるエネルギ比で1:(0.5〜2.0)、さらに75%負荷運転時のエネルギ比で、1:(1.0〜1.2)とすることが望まれる。
また、上述したように、本発明の水素燃料を用いた内燃機関においては、通常は窒素酸化物の排出量削減を目的として用いられるEGR装置を利用して、掃気内の酸素濃度を低下させ、水素酸素濃度の混合比を適切に調整して水素燃料の爆発的燃焼を抑制し、以ってノッキング等の異常燃焼の発生を減少させている。
このように、水素燃料を使用する内燃機関においては、シリンダ2内の水素酸素濃度比を適切に調整することは極めて重要なことであり、これにより水素燃料の過早着火等の異常燃焼を防止することができ、水素燃料を用いた内燃機関に対して飛躍的進歩を付与することができる。
図4に、その他の実施の形態を示す。これは、4サイクルディーゼル機関(内燃機関)30において、上述の低速の2サクルユニフロー式ディーゼル機関1と同様に、水素燃料を重油系の石油系燃料と共に燃焼させる場合を示したものである。
この場合には、吸気管31内に配設された水素燃料噴射弁32から、水素燃料を吸気中に予め噴射し、シリンダ33内に導かれた水素燃料混合気にさらにシリンダヘッド35の石油系燃料噴射弁34から石油系燃料を噴射することにより、まず吸気中の水素燃料が、シリンダ33内に噴射された石油系燃料の噴射着火によって着火して燃焼し、それに続いて石油系燃料が燃焼することにより、ノッキング等の異常燃焼を発生させずに、水素燃料を用いた内燃機関の運転を行うことができる。
1 2サイクルユニフロー式ディーゼル機関
2 シリンダ
3 シリンダヘッド
4 ピストン
5 排気弁
5a 排気弁作動制御装置
5b 排気レシーバ
6 石油系燃料噴射弁
7 石油系燃料供給装置
8 水素燃料噴射弁
9 水素燃料供給装置
10 掃気口
11 EGR装置
12 コントローラ
13 掃気管
30 4サイクルディーゼル機関
31 吸気管
32 水素燃料噴射弁
33 シリンダ
34 石油系燃料噴射弁
35 シリンダヘッド

Claims (5)

  1. シリンダ(2)の下部に掃気口(10)を有すると共にシリンダヘッド(3)に排気弁(5)を有する低速の2サイクルユニフロー式ディーゼル機関(1)であって、前記シリンダの中部領域に配設されて水素燃料を噴射する水素燃料噴射弁(8)と、前記水素燃料噴射弁へ前記水素燃料を供給する水素燃料供給装置(9)と、前記シンリダヘッドに配設されて石油系燃料を噴射する石油系燃料噴射弁(6)と、前記石油系燃料噴射弁に前記石油系燃料を供給する石油系燃料供給装置(7)と、前記水素燃料供給装置及び前記石油系燃料供給装置の作動を制御するコントローラ(12)とを備え、前記コントローラは、前記水素燃料供給装置を制御して掃気行程においてピストン(4)が下死点から上昇して前記掃気口を閉じる直前以降の所定時期に前記水素燃料を前記水素燃料噴射弁から前記シリンダ内へ噴射させ、前記石油系燃料供給装置を制御して前記掃気行程において前記ピストンが上死点に接近したときに前記石油系燃料噴射弁から前記石油系燃料を前記シリンダ内へ噴射させることを特徴とする水素燃料を用いた内燃機関。
  2. 前記所定時期は、前記ピストン(4)が下死点から上昇して前記掃気口(10)を閉じる直前から前記コントローラ(12)の制御により前記排気弁(5)が閉じた直後までの間に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の水素燃料を用いた内燃機関。
  3. 前記コントローラ(12)に制御されて前記排気弁(5)から排出された排気ガスを掃気に循環させるEGR装置(11)をさらに備え、前記コントローラは、前記EGR装置を制御して前記掃気内の酸素濃度を低下させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水素燃料を用いた内燃機関。
  4. 前記石油系燃料噴射弁(6)からの前記石油系燃料の噴射により前記シンリダ(2)内の前記水素燃料を着火させ燃焼させることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の水素燃料を用いた内燃機関。
  5. 前記水素燃料と前記石油系燃料との噴射量比は、定常運転時におけるエネルギ比で1:(0.5〜2.0)とすることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の水素燃料を用いた内燃機関。
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