JP2021188413A - 耐火層間材、耐火層間材の形成方法、および防火区画 - Google Patents

耐火層間材、耐火層間材の形成方法、および防火区画 Download PDF

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Abstract

【課題】 床と外壁との間に形成される隙間を充填する耐火材の充填密度を増加することで耐火性能を向上させながら容易に施工が可能であり、かつ床と外壁との間に形成された隙間が場所によって大きさに違いがあっても柔軟に層間を閉塞できる耐火装置、および耐火方法を提供することを目的とする。【解決手段】 隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材111が、不燃材料からなり、第一芯材111の長手方向側面で床側または外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて隙間を閉塞する第二芯材112が、第一芯材111よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、耐火層間材、耐火層間材の形成方法、および防火区画に関し、特に建築物の床と外壁との間に形成された隙間に配置される耐火層間材、耐火層間材の形成方法、および防火区画に関する。
従来から高層建築物において、建築物へ荷重の負担をかけないように、カーテンウォールと呼ばれる非耐力壁を土台や柱等の骨組みにはめ込むことで、建築物の荷重を壁が直接負担しない構造を形成する外壁構法が採用されている。
この外壁構法には、例えば床と外壁との間に、部材と部材とのつなぎ目や構造上所定の層間と呼ばれる隙間が形成されるため、この層間が耐火上の弱点となっている。具体的には、火災が生じた際に、この層間から上下階に延焼してしまうため、この層間を閉塞する必要があった。
また鉄骨造の建物を含む耐火建築物などでは、火災発生時に、火災や煙の拡大を一定範囲内にとどめることを目的とした防火区画が設置されている。この防火区画は、例えば外壁や間仕切り壁によって区分された複数の空間の一部に火災が発生した場合、火災が発生した空間から近隣の空間へ火災や煙が一定時間拡大しないようにするためのものである。
そこで、床と外壁との間に形成される層間に落下防止金物を挿入し、この落下防止金物の上に防水耐火膜を上面に備えた耐火層間材を床と外壁とに密着させることで、床と外壁との間に形成される層間を閉塞し、防火区画を設定する方法が採用されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平7−42271号公報
しかし、床と外壁との間に形成される層間に充填する耐火層間材の充填密度を増加することで防火性能を向上させると、耐火層間材を層間に充填する作業に時間がかかるため施工性が悪くなる問題があった。
防火区画における防火性能を向上させるためには、外壁や間仕切り壁の耐火性能を向上させるだけでなく、たとえば床と外壁との間に形成される層間を閉塞するための耐火層間材の耐火性能も向上させなければならない。
この耐火層間材の耐火性能を向上させるためには、耐火層間材の充填密度を増加させればよい。つまり床と外壁との間に形成される層間に高密度の耐火層間材を充填すれば防火区画における防火性能を向上させることができる。
床と外壁との間に形成される層間に耐火層間材を隙間なく充填するために、あらかじめ耐火層間材を充填する層間の床と外壁との間である床外壁間方向の幅よりも耐火層間材の幅を大きく形成し、幅を大きく形成した耐火層間材を層間に圧入することで床と外壁との間で耐火層間材を床と外壁とに密着させて層間を閉塞している。
ところが、床と外壁との間に形成される層間に密度を高めた耐火層間材を挿入する作業は非常に困難であった。
現在の耐火措置工法では、部位・構造により対応が異なるため、詳細に規定されていない場合が多い。このため、多くの耐火層間材は、たとえば密度が80kg/立方メートルのロックウールが使用されている。防火区画における防火性能を向上させるためには、さらに高密度の耐火層間材を層間に充填することになる。
具体的には、一般社団法人日本建築学会による「火災安全上の区画の設計・施工の考え方」(第1版第1刷、2017年3月15日刊行)に対する質問と回答では、「区画貫通部の充填材にロックウールを用いる場合、一般的にどの程度の密度が望ましいか。」という質問に対し、「区画貫通部は防火上最大の弱点となるため、ロックウールの充填は重要である。一般に、充填密度の指定が特に無い場合のロックウール充填は、150kg/立方メートル以上の密度とするのが望ましい。」と回答されている(https://www.aij.or.jp/jpn/databox/2017/20171025qa.pdf)。
たとえば、特許文献1で開示された耐火層間材に150kg/立方メートルの密度で形成されたロックウールを適用させた場合を考えると、ロックウールの密度が増加するに伴って耐火層間材の弾性力が低下して硬度が増加する。
高密度の耐火層間材を層間に圧入する際に、高密度の耐火層間材は弾性力が低下して硬度が増加するため、ほとんど収縮しない。このため、あらかじめ層間よりも大きい幅で、かつ高密度の耐火層間材を形成してしまうと、高密度の耐火層間材を圧入する作業に多くの時間がかかってしまう問題がある。
そこで高密度の耐火層間材を層間と同じ幅で形成することも考えられる。ところが、カーテンウォールと呼ばれる外壁工法は、建築物の荷重を壁が直接負担しない構造になるため、床と壁との間に形成される層間は、風などで建築物が揺れた際に変位するため、層間が大きくなると高密度の耐火層間材が層間から落下してしまう問題が生じる。耐火層間材が層間から落下してしまうと、層間には何も充填されていない状態となるため、防火区画を設けることができなくなる。
層間の耐火層間材による充填密度を向上させる他の方法としては、あらかじめ形成する耐火層間材の体積をさらに大きくし、これを圧縮して層間に挿入することで、充填密度を向上させることが考えられる。
具体的な例として、耐火層間材の密度を従来と同じ80kg/立方メートルとして、あらかじめ形成する耐火層間材の体積を、従来の耐火層間材の2倍とすることが考えられる。
この場合、層間に挿入する前の耐火層間材の密度は80kg/立方メートルにもかかわらず、この耐火層間材を1/2に圧縮して層間に充填することで、150kg/立方メートル以上の充填密度を得ることができる。しかし、耐火層間材を現場で1/2に圧縮しながら層間に挿入する作業は、非常に作業性が悪く現実的ではない。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、床と外壁との間に形成される隙間を充填する耐火材の充填密度を増加することで耐火性能を向上させながら容易に施工が可能であり、かつ床と外壁との間に形成された隙間が場所によって大きさに違いがあっても柔軟に層間を閉塞できる耐火装置、および耐火方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、建築物の床と外壁との間に形成された層間に配置される耐火層間材において、不燃材料からなり前記隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材と、前記第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなり、前記第一芯材の長手方向側面で前記床側または前記外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて前記隙間を閉塞する第二芯材とを備えることを特徴とする耐火層間材が提供される。
これにより、隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材が、不燃材料からなり、第一芯材の長手方向側面で床側または外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて隙間を閉塞する第二芯材が、第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなる。
また、本発明では、建築物の床と外壁との間に形成された隙間に配置される耐火層間材の形成方法において、不燃材料を用いて前記隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材を形成する工程と、前記第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料を用いて形成し、前記第一芯材の長手方向側面で前記床側または前記外壁側のうち少なくとも一方側で前記隙間を閉塞する第二芯材を設ける工程とを備えることを特徴とする耐火層間材の形成方法が提供される。
これにより、不燃材料を用いて隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材を形成し、第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料を用いて形成し、第一芯材の長手方向側面で床側または外壁側のうち少なくとも一方側で隙間を閉塞する第二芯材を設ける。
また、本発明では、建築物の床と外壁との間に形成された隙間に耐火層間材を有する防火区画において、前記耐火層間材が、不燃材料からなり前記隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材と、前記第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなり、前記第一芯材の長手方向側面で前記床側または前記外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて前記隙間を閉塞する第二芯材とを備えることを特徴とする防火区画が提供される。
これにより、隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材が、不燃材料からなり、第一芯材の長手方向側面で床側または外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて隙間を閉塞する第二芯材が、第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなる。
本発明の耐火層間材、耐火層間材の形成方法、および防火区画によれば、隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材が、不燃材料からなり、第一芯材の長手方向側面のうち少なくとも一方側に設けられて隙間を閉塞する第二芯材が、第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなる。
第二芯材が第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなるので、耐火層間材を建築物の床と外壁との間に形成された隙間に配置する際に、耐火層間材を床と外壁との間方向である床外壁間方向に圧縮することで第二芯材を圧縮することで収縮させる。これにより、容易に耐火層間材を建築物の床と外壁との間に形成された隙間に配置することができる。
また、床外壁間方向に圧縮することで収縮した第二芯材は、床外壁間方向の圧縮力を解放することで、その弾性の復元力によりもとの形状に復元するので、その復元力により建築物の床と外壁との間に形成された隙間に固定される。
このように耐火層間材を床外壁間方向に圧縮することで第二芯材を圧縮されて収縮し、耐火層間剤を床と外壁との間に形成された隙間に挿入した後に床外壁間方向への圧縮を解放することで、第二芯材がもとの形状に復元するので、床と外壁との間に形成された隙間が場所によって大きさに違いがあっても隙間を閉塞することができる。
第1の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。 床と外壁との間に形成される隙間に耐火層間材を設置した状態を示す断面図である。 床と外壁との間に形成される隙間に耐火層間材を支持金具で支持して設置した状態を示す断面図である。 第2の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。 第3の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。 第4の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。
図1に示すように、耐火層間材100は、芯材110、上面被覆材120、粘着面130、および剥離紙140を備えている。
芯材110は、ここでは図示しない床と外壁との間に形成される隙間である層間を充填するための耐火層間材であって、2つの第一芯材111と、2つの第一芯材111に挟まれるように固定される第二芯材112とを備えており、2つの第一芯材111と第二芯材112との周面を完全に被覆するように外被材113が設けられている。なお、本実施の形態では、床と外壁との間に形成される約50mmの隙間に耐火層間材100を充填する場合として説明する。
2つの第一芯材111および第二芯材112は、床と外壁との間に形成される隙間に充填されて十分な耐火性能を有する素材で形成される。具体的な素材は、たとえば150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度を有するロックウールが挙げられる。ロックウールの他にもセラミックス繊維、グラスウール等の無機質繊維を使用して形成することもできる。
例えば第一芯材111は、ロックウールを150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度で集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤を加えて角棒状に固着した断熱材である。
これにより、次に説明する第二芯材112と比べて大きな弾力性はないものの、高い断熱性と硬度を備えた高密度高硬度の耐火層間材を形成することができる。なお第一芯材111のサイズの具体的な形成例は、床外壁間方向の幅寸法W1が20mm、外壁の高さ方向の高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない床と外壁とが接する接線方向の長さ寸法Lが150mmで形成される。
また第二芯材112はロックウールを150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度で圧縮し、圧力を掛けた状態で熱や振動を加えることで縮絨させてフェルト状に加工した断熱フェルトである。
第二芯材112では、熱硬化性樹脂などの固着剤を使うことがないため、第一芯材111と比べて厚みのあるものは形成できないものの、高い断熱性と高い弾力性を備えた高密度高弾力の耐火層間材を形成することができる。
また第二芯材112のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W2が10mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。なお、フェルト状の第二芯材112は、一般に熱硬化性樹脂などの固着剤を使わないため10mm程度の厚さまでしか形成することができないとされている。
一般的に、床と外壁との間に形成される隙間は、50mm程度から100mm程度である。このため、厚さが10mm程度のフェルト状の第二芯材112だけを耐火層間材として充填することはできない。
2つの第一芯材111のうち、一の第一芯材111の一方側長手方向側面に第二芯材112の長手方向側面が接着剤を介して接着固定され、一の第一芯材111に固定された第二芯材112のうち、一の第一芯材111が固定されていない長手方向側面に他の第一芯材111の長手方向側面が接着剤を介して接着固定される。
2つの第一芯材111と第二芯材112とで形成された芯材110の周面には、例えば水分を通さないポリエチレンフィルム製の外被材113が芯材110の外表面を完全に覆うように設けられる。これにより、芯材110は、外被材113によって雨水などの水分から第一芯材111および第二芯材112を守ることができる。
芯材110は、ここでは図示しない建築物の床と外壁との隙間に配置されるものであり、外被材113を含めた芯材110の幅寸法Wは、建築物の床と外壁との隙間よりも大きい寸法に形成されている。
前述のように、たとえば150kg/立方メートルの高密度のロックウールで形成した高密度高硬度の耐火層間材を、床と外壁との隙間に挿入することは非常に困難である。
ところが、芯材110では、高密度高硬度の第一芯材111に挟まれて固定された第二芯材112が、高い断熱性と高い弾力性を備えているため、芯材110を床と外壁との隙間に挿入する場合でも、芯材110の幅寸法Wの方向に手で圧力をかけることで、高い弾力性を備えた第二芯材112が収縮する。
これにより、芯材110は圧縮された状態で幅が50mm以下となり、床と外壁との間に形成された50mmの隙間に挿入することができる。また床と外壁との隙間に挿入された芯材110は、床と外壁との隙間に挿入された状態で第二芯材112がもとの幅寸法W2に復元することで、建築物の床200と外壁300とに密着するように配設することができるので隙間を芯材110で充填することができる。
芯材110の上面には、上面被覆材120が芯材110の上面を完全に被覆するように接着固定されている。
上面被覆材120の素材は、防水性と溶接火花に対する耐性とを兼ね備えた例えば耐火素材のアルミガラスクロスシートである。
上面被覆材120は、芯材110の幅寸法Wよりも両外側方向に突出するように延長部121が、芯材110の長手方向に通して形成されている。
延長部121のうち、芯材110が固定された側には粘着面130が設けられており、粘着面130を完全に被覆するように剥離紙140が貼付され、貼付された剥離紙140が粘着面130を保護している。延長部121を所定の場所に接着して固定する際には、剥離紙140が粘着面130から剥離されて粘着される。
この延長部121は、建築物の床と外壁との隙間に芯材110を配設した際に、一方の延長部121が床の側面または上面に粘着面130を介して貼付され、他方の延長部121が外壁側面に粘着面130を介して貼付されることで、雨水などの水分が芯材110内に侵入することを防ぐことができる。
また上面被覆材120によって芯材110の上面が完全に被覆されるので、たとえば上階で溶接工事が行われ、溶接工事の際に上階から落下した溶接火花が直接芯材110に当たって芯材110を損傷させてしまうことを防止することができる。
これにより、溶接火花が芯材110に当たることで外被材113が損傷してしまい、損傷した外被材113の隙間から芯材110の内部に雨水などの水分が侵入してしまうことを防止することができる。
また、芯材110に接着固定された上面被覆材120が、建築物の床と外壁とに粘着面130を介して接着固定されるため、上面被覆材120に接着固定された芯材110が建築物の床と外壁との隙間に設置された状態から、下階方向に落下してしまうことを防止することができる。
以上により、耐火層間材100では、150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度の芯材110のうち、2つの第一芯材111の間に挟まれた第二芯材112が床と外壁との隙間に耐火層間材100を挿入する際に収縮できるので、容易に耐火層間材100を隙間に設置することができる。
また床と外壁との隙間に挿入される芯材110は、第一芯材111および第二芯材112が150kg/立方メートル以上の密度で形成されるため、十分な耐火性能を備えた耐火層間材100で床と外壁との隙間を充填することができるので、防火区画における防火性能を向上することができる。
また、第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向の圧力に応じて柔軟に収縮し、かつ復元するので、床と外壁との隙間に差があっても、耐火層間材100全体の収縮幅で容易に隙間を閉塞することができる。
なお、本実施の形態の耐火層間材100では、第一芯材111のロックウールの繊維方向が芯材110の幅寸法Wの方向に配向されて集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤により固形化している。
このため、第一芯材111は繊維方向に強度特性が優れることから、本実施の形態の第一芯材111を幅寸法W方向である水平方向に圧縮しても、第一芯材111が変形することなく第二芯材112を圧縮することで収縮させる。これにより、全体の圧縮率を小さくすることができ、床と外壁との間に形成される隙間の差が小さい場合に、本実施の形態の耐火層間材100を使用するとよい。
図2は、床と外壁との間に形成される隙間に耐火層間材を設置した状態を示す断面図である。
図2に示すように、床200と外壁300との間に形成される隙間Gに、耐火層間材100が挿入固定されている。
耐火層間材100は、上面被覆材120に設けられた2つの延長部121を上方に折り曲げた状態で、芯材110を隙間Gの上方から挿入する。このとき芯材110の幅寸法Wは隙間Gと同じ、または隙間Gよりも大きく設定されているので、芯材110を幅寸法W方向である水平方向に圧縮しながら隙間Gの上部から圧入する。
このとき第二芯材112は、第一芯材111よりも大きな弾力性を備えているため、第二芯材112を圧縮することで収縮させることができる。この状態で芯材110を隙間Gの上部から圧入する。
芯材110を隙間G内の所望の固定位置まで挿入したら、芯材110に加えていた芯材110における幅寸法W方向の力を緩めて解放する。これにより圧縮されていた第二芯材112はもとの幅寸法W2まで復元する。この復元力により芯材110は隙間G内の所望の位置でしっかりと固定される。
その後、上面被覆材120が有する一方の延長部121を床200の側面、他方の121を外壁300の側面に沿わせ、剥離紙140を剥離することで露出した粘着面130を介して延長部121を床および外壁に接着させる。
これにより、耐火層間材100は、床と外壁との間に形成される隙間Gに充填され、隙間Gを閉塞することができる。また、芯材110が接着固定された上面被覆材120が粘着面130を介して床と外壁とに接着固定されるため、隙間Gから芯材110が落下することがない。
図3は、床と外壁との間に形成される隙間に耐火層間材を支持金具で支持して設置した状態を示す断面図である。
図3に示すように、床200と外壁300との間に形成される隙間Gに、耐火層間材100および支持金具400が挿入固定されている。
図2では、床200と外壁300との間に形成される隙間Gに耐火層間材100のみを挿入したが、隙間Gに挿入される耐火層間材100を、さらに支持金具400で支持することもできる。これにより、耐火層間材100は支持金具400により支持されるので、隙間Gから落下することがない。
支持金具400は、例えば金板である平板材を屈折加工したものであり、床200の上面かつ端部を覆うように直角に曲げられ、床200の上面に面することで支持金具400を支持する上部支持部410と、上部支持部410から床200の側面に沿って垂直下に延長し、床200の下部まで床200の側面に面する添部420と、添部420の端部から外壁300上部方向に向かって屈曲し延長された支持部430とを備え、断面図が「レ」の形状をした金物である。
支持金具400の添部420から支持部430の先端までの寸法は、隙間Gよりも大きく設定されているので、支持金具400を隙間Gの上部から圧入することで、添部420が床200の側面に圧力がかかる。
これにより支持金具400が隙間G内での安定性が向上する。また支持金具400の圧入は、上部支持部410が床200の上面に面するまで行われ、上部支持部410が床200の上面に、また添部420が床200の側面に面することで、支持金具400は、隙間G内にしっかりと固定される。また支持金具400は、隙間Gに所定の間隔をあけて複数設置され、耐火層間材100を複数の支持金具400で支持する。
耐火層間材100は、隙間Gに固定された支持金具400の上に挿入される。
耐火層間材100は、上面被覆材120に設けられた2つの延長部121を上方に折り曲げた状態で、芯材110を隙間Gの上方から挿入する。
このとき芯材110の幅寸法Wは隙間Gと同じ、または隙間Gよりも大きく設定されているので、芯材110を幅寸法W方向である水平方向に圧縮しながら隙間Gの上部から圧入する。
芯材110の上面が床200の上面と同じ位置になるまで隙間G内の所望の固定位置まで挿入したら、芯材110に加えていた芯材110を幅寸法W方向である水平方向の力を緩めて解放する。これにより圧縮されていた第二芯材112はもとの幅寸法W2まで復元する。この復元力により、芯材110は隙間G内の所望の位置でしっかりと固定される。
その後、上面被覆材120が有する一方の延長部121を床200の側面、他方の121を外壁300の側面に沿わせ、剥離紙140を剥離することで露出した粘着面130を介して延長部121を上部支持部410または床200の上面および外壁300の側面に接着させる。
これにより、耐火層間材100は、床と外壁との間に形成される隙間Gに充填され、隙間Gを閉塞することができる。また、芯材110が接着固定された上面被覆材120が粘着面130を介して床と外壁とに接着固定されるため、隙間Gから芯材110が落下することがない。さらに芯材110の下側から複数の支持金具400で耐火層間材100を支持するため、より強固に芯材110の落下を防止することができる。
なお、本実施の形態では、芯材110を2つの第一芯材111で第二芯材112を挟み込むように形成する例で説明したが、たとえば一方側の第一芯材111の幅寸法W1を40mmとして、幅寸法W1が40mmの第一芯材111の一方側の長手方向側面に、第二芯材112の長手方向側面を接着固定することもできる。
これにより、芯材110を床と外壁との間に形成された隙間に挿入する際に、芯材110を幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで、第一芯材111の一方側の長手方向側面に接着固定された第二芯材112が圧縮されて収縮されるので、容易に芯材110を床と外壁との間に形成された隙間に挿入することができ、その隙間を閉塞することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態耐火層間材は、第一芯材の繊維方向と、第一芯材および第二芯材のサイズが異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図4は、第2の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。
図4に示すように、耐火層間材100は、芯材110、上面被覆材120、粘着面130、および剥離紙140を備えている。
芯材110は、ここでは図示しない床と外壁との間に形成される隙間を充填するための耐火層間材であって、2つの第一芯材111と、2つの第一芯材111に挟まれるように固定される第二芯材112とを備えており、2つの第一芯材111と第二芯材112との周面を完全に被覆するように外被材113が設けられている。なお、本実施の形態では、床と外壁との間に形成される約50mmの隙間に耐火層間材100を充填する場合として説明する。
例えば第一芯材111は、ロックウールを150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度で集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤を加えて角棒状に固着した断熱材である。
これにより、第二芯材112と比べて大きな弾力性はないものの、高い断熱性と硬度を備えた高密度高硬度の耐火層間材を形成することができる。なお第一芯材111のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W1が25mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。また第二芯材112のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W2が10mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。
2つの第一芯材111のうち、一の第一芯材111の一方側長手方向側面に第二芯材112の長手方向側面が接着剤を介して接着固定され、一の第一芯材111に固定された第二芯材112のうち、一の第一芯材111が固定されていない長手方向側面に他の第一芯材111の長手方向側面が接着剤を介して接着固定される。
第2の実施の形態の耐火層間材100では、第一芯材111のロックウールの繊維方向が芯材110における高さ寸法Hの方向に配向されて集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤により固形化している。
このため、第一芯材111は繊維方向に強度特性が優れることから、第2の実施の形態の第一芯材111を高さ寸法H方向である鉛直方向に圧縮しても、第一芯材111が変形することがない。これにより、隙間Gの上方から芯材110を圧入しても芯材110に生じる変形を抑制することができる。
また、第一芯材111が繊維方向に強度特性が優れるのに対して、繊維方向と垂直方向つまり幅寸法W方向である水平方向には、繊維方向つまり高さ寸法H方向である鉛直方向に比べて弾力性能が優れており、第一芯材111は第1の実施の形態の第一芯材111よりも幅寸法W方向である水平方向の弾力性が優れている。
このため、隙間Gの上方から芯材110を圧入する際に、第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで収縮されるとともに、第一芯材111も幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで収縮される。
これにより、第1の実施の形態の芯材110と比べて、第2の実施の形態の芯材110と比べて、全体の圧縮率を大きくすることができる。つまり、床と外壁との間に形成される隙間の差が大きくても、本実施の形態の耐火層間材100の芯材110が隙間の大きさに応じて圧縮および復元することができるので、1種類の耐火層間材100で様々な隙間Gの大きさを閉塞することができる。また充填密度を向上することができる。
以上により、耐火層間材100では、150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度の芯材110のうち、2つの第一芯材111の間に挟まれた第二芯材112が、床と外壁との隙間に耐火層間材100を挿入する際に収縮できるので、容易に耐火層間材100を隙間に設置することができる。
また床と外壁との隙間に挿入される芯材110は、第一芯材111および第二芯材112が150kg/立方メートル以上の密度で形成されるため、十分な耐火性能を備えた耐火層間材100で床と外壁との隙間を充填することができるので、防火区画における防火性能を向上することができる。
また、第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向の圧力に応じて柔軟に収縮し、かつ復元するので、床と外壁との隙間に差があっても、耐火層間材100全体の収縮幅で隙間Gを閉塞することができる。
なお、第2の実施の形態の耐火層間材100では、2つの第一芯材111の繊維方向を高さ寸法H方向である鉛直方向に向けて形成する例で説明した。この2つの第一芯材111の繊維方向を幅寸法W方向である水平方向に配向して形成してもよい。
また、2つの第一芯材111の繊維方向を異なるものとしてもよい。具体的には、2つの第一芯材111のうち、一方の第一芯材111繊維方向を高さ寸法H方向である鉛直方向に配向して形成し、他方の第一芯材111繊維方向を幅寸法W方向である水平方向に配向して形成することもできる。
これにより、第2の実施の形態の耐火層間材100と比較して芯材110の幅寸法W方向である水平方向の圧縮率を増減させることができる。このように2以上の第一芯材111の繊維方向の組み合わせにより水平方向の圧縮率を調節できるので、床200と外壁300との間に形成される隙間Gの寸法に合わせて第一芯材111の繊維方向の組み合わせを適宜選択することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態耐火層間材は、第一芯材および第二芯材のサイズや組み合わせ方法が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図5は、第3の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。
図5に示すように、耐火層間材100は、芯材110、上面被覆材120、粘着面130、および剥離紙140を備えている。
芯材110は、ここでは図示しない床と外壁との間に形成される隙間を充填するための耐火層間材であって、1つの第一芯材111と、1つの第一芯材111を挟むように固定される第二芯材112とを備えており、1つの第一芯材111と2つの第二芯材112との周面を完全に被覆するように外被材113が設けられている。なお、本実施の形態では、床と外壁との間に形成される約50mmの隙間に耐火層間材100を充填する場合として説明する。
例えば第一芯材111は、ロックウールを150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度で集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤を加えて角棒状に固着した断熱材である。
これにより、第二芯材112と比べて大きな弾力性はないものの、高い断熱性と硬度を備えた高密度高硬度の耐火層間材を形成することができる。なお第一芯材111のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W1が30mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。また第二芯材112のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W2が10mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。
1つの第一芯材111の両側長手方向側面に第二芯材112の長手方向側面が接着剤を介して接着固定される。
1つの第一芯材111と2つの第二芯材112とで形成された芯材110の周面には、例えば水分を通さないポリエチレンフィルム製の外被材113が芯材110の外表面を完全に覆うように設けられる。これにより、芯材110は、外被材113によって雨水などの水分から第一芯材111および第二芯材112を守ることができる。
芯材110は、ここでは図示しない建築物の床と外壁との隙間に配置されるものであり、外被材113を含めた芯材110の幅寸法Wは、建築物の床と外壁との隙間よりも大きい寸法に形成されている。
前述のように、たとえばロックウールを150kg/立方メートルの高密度で形成した高密度高硬度の耐火層間材を床と外壁との隙間に挿入することは非常に困難である。
ところが、芯材110では、高密度高硬度の第一芯材111を挟むように固定された2つの第二芯材112が、高い断熱性と高い弾力性を備えているため、芯材110を床と外壁との隙間に挿入する場合でも、芯材110の幅寸法Wの方向に手で圧力をかけることで、高い弾力性を備えた2つの第二芯材112が収縮する。
これにより、芯材110は圧縮された状態で幅が50mm以下となり、床と外壁との間に形成された50mmの隙間に挿入することができる。また床と外壁との隙間に挿入された芯材110は、床と外壁との隙間に挿入された状態で2つの第二芯材112がもとの幅寸法W2に復元することで、建築物の床200と外壁300とに密着するように配設することができる。
以上により、耐火層間材100では、150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度の芯材110のうち、1つの第一芯材111を間に挟むように設けられる2つの第二芯材112が、床と外壁との隙間に耐火層間材100を挿入する際に収縮できるので、容易に耐火層間材100を隙間に設置することができる。
また床と外壁との隙間に挿入される芯材110は、第一芯材111および第二芯材112が150kg/立方メートル以上の密度で形成されるため、十分な耐火性能を備えた耐火層間材100で床と外壁との隙間を充填することができるので、防火区画における防火性能を向上することができる。
また、2つの第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向の圧力に応じて柔軟に収縮し、かつ復元するので、場所によって床と外壁との隙間の大きさに差があっても、耐火層間材100全体の収縮幅で容易に隙間を閉塞することができる。
なお、本実施の形態の耐火層間材100では、第一芯材111のロックウールの繊維方向が芯材110の幅寸法Wの方向に配向して集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤により固形化している。
このため、第一芯材111は繊維方向に強度特性が優れることから、本実施の形態の第一芯材111を幅寸法W方向である水平方向に圧縮しても、第一芯材111が変形することなく第二芯材112を圧縮することで収縮させる。これにより、全体の圧縮率を小さくすることができ、床と外壁との間に形成される隙間の差が小さい場合に、本実施の形態の耐火層間材100を使用するとよい。
また本実施の形態の第一芯材111における繊維方向を、芯材110における高さ寸法Hの方向に配向して集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤により固形化して形成することもできる。
これにより、芯材110における高さ寸法Hの方向に繊維方向を有する第一芯材111は繊維方向に強度特性が優れることから、芯材110における高さ寸法Hの方向に繊維方向を有する第一芯材111を高さ寸法H方向である鉛直方向に圧縮しても、第一芯材111が変形することがない。これにより、隙間Gの上方から芯材110を圧入しても芯材110に生じる変形を抑制することができる
また、芯材110における高さ寸法Hの方向に繊維方向を有する第一芯材111が繊維方向に強度特性が優れるのにたいして、繊維方向と垂直方向つまり幅寸法W方向である水平方向には、繊維方向つまり高さ寸法H方向である鉛直方向に比べて弾力性能が優れており、芯材110における高さ寸法Hの方向に繊維方向を有する第一芯材111は、芯材110の幅寸法Wの方向に繊維方向を有する第一芯材111よりも幅寸法W方向である水平方向の弾力性が優れている。
このため、隙間Gの上方から芯材110を圧入する際に、2つの第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで収縮されるとともに、芯材110における高さ寸法Hの方向に繊維方向を有する第一芯材111も幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで収縮される。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐火層間材は、第一芯材の繊維方向や、第一芯材および第二芯材のサイズや組み合わせ方法が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図6は、第4の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す断面図である。
図6に示すように、耐火層間材100は、芯材110、上面被覆材120、粘着面130、および剥離紙140を備えている。
芯材110は、ここでは図示しない床と外壁との間に形成される隙間を充填するための耐火層間材であって、中心に配置される第二芯材112と、中心に配置された第二芯材112を両側から挟むようにして固定される2つの第一芯材111と、中心に配置された第二芯材112を両側から挟むようにして固定される2つの第一芯材111をさらに両側から挟むように固定する2つの第二芯材112とを備えており、2つの第一芯材111と3つの第二芯材112との周面を完全に被覆するように外被材113が設けられている。なお、本実施の形態では、床と外壁との間に形成される約75mmの隙間に耐火層間材100を充填する場合として説明する。
例えば第一芯材111は、ロックウールを150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度で集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤を加えて角棒状に固着した断熱材である。
これにより、第二芯材112と比べて大きな弾力性はないものの、高い断熱性と硬度を備えた高密度高硬度の耐火層間材を形成することができる。なお第一芯材111のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W1が25mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。また第二芯材112のサイズの具体的な形成例は、幅寸法W2が10mm、高さ寸法Hが50mm、ここでは図示しない長さ寸法Lが150mmで形成される。
中心に配置される第二芯材112の両側長手方向側面に、それぞれ第一芯材111の長手方向側面が接着剤を介して接着固定され、第二芯材112の両側長手方向側面に接着固定された第一芯材111のうち、中心に配置される第二芯材112が接着固定されていない側に、それぞれ第二芯材112の長手方向側面が接着剤を介して接着固定される。
これにより、芯材110の幅寸法W方向である水平方向の一方側から、第二芯材112、第一芯材111、第二芯材112、第一芯材111、第二芯材112の順番で接着剤を介して接着固定される。
2つの第一芯材111と3つの第二芯材112とで形成された芯材110の周面には、例えば水分を通さないポリエチレンフィルム製の外被材113が芯材110の外表面を完全に覆うように設けられる。これにより、芯材110は、外被材113によって雨水などの水分から第一芯材111および第二芯材112を守ることができる。
芯材110は、ここでは図示しない建築物の床と外壁との隙間に配置されるものであり、外被材113を含めた芯材110の幅寸法Wは、建築物の床と外壁との隙間よりも大きい寸法に形成されている。
前述のように、たとえばロックウールを150kg/立方メートルの高密度で形成した高密度高硬度の耐火層間材を床と外壁との隙間に挿入することは非常に困難である。
ところが、中心に配置される第二芯材112と、中心に配置された第二芯材112を両側から挟むようにして固定される第一芯材111を、さらに両側から挟むようにして固定される2つの第二芯材112とが、高い断熱性と高い弾力性を備えているため、芯材110を床と外壁との隙間に挿入する場合でも、芯材110の幅寸法Wの方向に手で圧力をかけることで、高い弾力性を備えた3つ第二芯材112が幅寸法Wの方向に収縮する。
これにより、芯材110は圧縮された状態で幅が75mm以下となり、床と外壁との間に形成された75mmの隙間に挿入することができる。また床と外壁との隙間に挿入された芯材110は、床と外壁との隙間に挿入された状態で、3つの第二芯材112がもとの幅寸法W2に復元することで、建築物の床200と外壁300とに密着するように配設することができる。
以上により、耐火層間材100では、150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度の芯材110のうち、中心に配置される第二芯材112と、中心に配置された第二芯材112を両側から挟むようにして固定される第一芯材111を、さらに両側から挟むようにして固定される2つの第二芯材112とが、床と外壁との隙間に耐火層間材100を挿入する際に幅寸法W方向である水平方向に収縮できるので、容易に耐火層間材100を隙間に設置することができる。
また床と外壁との隙間に挿入される芯材110は、第一芯材111および第二芯材112が150kg/立方メートル以上の密度で形成されるため、十分な耐火性能を備えた耐火層間材100で床と外壁との隙間を充填することができるので、防火区画における防火性能を向上することができる。
また、3つの第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向の圧力に応じて柔軟に収縮し、かつ復元するので、床と外壁との隙間に差があっても、耐火層間材100全体の収縮幅で容易に隙間を閉塞することができる。
なお、第4の実施の形態の耐火層間材100では、第一芯材111のロックウールの繊維方向が芯材110における高さ寸法Hの方向に配向して集束または積層し、熱硬化性樹脂などの固着剤により固形化している。
このため、第一芯材111は繊維方向に強度特性が優れることから、第4の実施の形態の第一芯材111を高さ寸法H方向である鉛直方向に圧縮しても、第一芯材111が変形することがない。これにより、隙間Gの上方から芯材110を圧入しても芯材110に生じる変形を抑制することができる。
また、第一芯材111が繊維方向に強度特性が優れるのにたいして、繊維方向と垂直方向つまり幅寸法W方向である水平方向には、繊維方向つまり高さ寸法H方向である鉛直方向に比べて弾力性能が優れており、第一芯材111は第1の実施の形態の第一芯材111よりも幅寸法W方向である水平方向の弾力性が優れている。
このため、隙間Gの上方から芯材110を圧入する際に、第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで収縮させるとともに、第一芯材111も幅寸法W方向である水平方向に圧縮することで収縮させる。
これにより、第1の実施の形態の芯材110や第4の実施の形態の芯材110と比べて、全体の圧縮率を大きくすることができる。つまり、床と外壁との間に形成される隙間の差が大きくても、本実施の形態の耐火層間材100の芯材110が隙間の大きさに応じて圧縮および復元することができるので、1種類の耐火層間材100で様々な隙間Gの大きさを閉塞することができる。
以上により、耐火層間材100では、150kg/立方メートル程度または150kg/立方メートル以上の密度の芯材110のうち、中心に配置される第二芯材112と、中心に配置された第二芯材112を両側から挟むようにして固定される第一芯材111を、さらに両側から挟むようにして固定される2つの第二芯材112とが、床と外壁との隙間に耐火層間材100を挿入する際に収縮できるので、容易に耐火層間材100を隙間に設置することができる。
また床と外壁との隙間に挿入される芯材110は、第一芯材111および第二芯材112が150kg/立方メートル以上の密度で形成されるため、十分な耐火性能を備えた耐火層間材100で床と外壁との隙間を充填することができるので、防火区画における防火性能を向上することができる。
また、第二芯材112が幅寸法W方向である水平方向の圧力に応じて柔軟に収縮し、かつ復元するので、床と外壁との隙間に差があっても、耐火層間材100全体の収縮幅で隙間Gを閉塞することができる。
なお、第4の実施の形態の耐火層間材100では、2つの第一芯材111の繊維方向を高さ寸法H方向である鉛直方向に配向して形成する例で説明したが、この2つの第一芯材111の繊維方向を幅寸法W方向である水平方向に配向して形成してもよい。
また、2つの第一芯材111の繊維方向を異なるものとしてもよい。具体的には、2つの第一芯材111のうち、一方の第一芯材111繊維方向を高さ寸法H方向である鉛直方向に配向して形成し、他方の第一芯材111繊維方向を幅寸法W方向である水平方向に配向して形成することもできる。
これにより、第4の実施の形態の耐火層間材100と比較して芯材110の幅寸法W方向である水平方向の圧縮率を増減させることができる。このように2以上の第一芯材111の繊維方向の組み合わせにより水平方向の圧縮率を調節できるので、床200と外壁300との間に形成される隙間Gの寸法に合わせて第一芯材111の繊維方向の組み合わせを適宜選択することができる。
100 耐火層間材
110 芯材
111 第一芯材
112 第二芯材
113 外被材
120 上面被覆材
121 延長部
130 粘着面
140 剥離紙
200 床
300 外壁
400 支持金具
410 上部支持部
420 添部
430 支持部
G 隙間
H 高さ寸法
W、W1、W2 幅寸法

Claims (15)

  1. 建築物の床と外壁との間に形成された隙間に配置される耐火層間材において、
    不燃材料からなり前記隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材と、
    前記第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなり、前記第一芯材の長手方向側面で前記床側または前記外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて前記隙間を閉塞する第二芯材と、
    を備えることを特徴とする耐火層間材。
  2. 前記第二芯材のうち、前記第一芯材が設けられていない側に、さらに別の第一芯材が設けられること、
    を特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  3. 前記第一芯材または前記別の第一芯材のうち、前記第二芯材が設けられていない側のうち少なくとも一方側に、さらに別の第二芯材が設けられること、
    を特徴とする請求項2記載の耐火層間材。
  4. 前記第一芯材の長手方向側面の他方側に、さらに別の第二芯材が固定されること、
    を特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  5. 前記第二芯材または前記別の第二芯材のうち、前記第一芯材が設けられていない側のうち少なくとも一方側に、さらに別の第一芯材が設けられること、
    を特徴とする請求項4記載の耐火層間材。
  6. 前記不燃材料は、
    無機質繊維が集束または積層され、固着剤により固着された固着断熱材であること、
    を特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  7. 前記無機質繊維が集束または積層される繊維方向が、
    前記隙間に挿入される前記第一芯材の鉛直方向に配向されること、
    を特徴とする請求項6記載の耐火層間材。
  8. 前記無機質繊維が集束または積層される繊維方向が、
    前記隙間に挿入される前記第一芯材の水平方向に配向されること、
    を特徴とする請求項6記載の耐火層間材。
  9. 前記無機質繊維は、
    ロックウールであること、
    を特徴とする請求項6記載の耐火層間材。
  10. 前記弾性不燃材料は、
    無機質繊維が縮絨されてフェルト状に加工された断熱フェルトであること、
    を特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  11. 前記不燃材料および前記弾性不燃材料は、
    前記隙間に充填された際の充填密度が150kg/立方メートル以上の密度で形成されること、
    を特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  12. 前記第一芯材と前記第二芯材との外側面を被覆する外被材、
    をそなえることを特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  13. 前記第一芯材と前記第二芯材とで構成される芯材を前記隙間に配置した状態における前記芯材のうち少なくとも上面全域を被覆し、少なくとも防水性および溶接火花に対する耐性を有する上面被覆材、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
  14. 建築物の床と外壁との間に形成された隙間に配置される耐火層間材の形成方法において、
    不燃材料を用いて前記隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材を形成する工程と、
    前記第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料を用いて形成し、前記第一芯材の長手方向側面で前記床側または前記外壁側のうち少なくとも一方側で前記隙間を閉塞する第二芯材を設ける工程と、
    を備えることを特徴とする耐火層間材の形成方法。
  15. 建築物の床と外壁との間に形成された隙間に耐火層間材を有する防火区画において、
    前記耐火層間材が、
    不燃材料からなり前記隙間の長手方向に沿って挿入される第一芯材と、
    前記第一芯材よりも高い弾性を有する弾性不燃材料からなり、前記第一芯材の長手方向側面で前記床側または前記外壁側のうち少なくとも一方側に設けられて前記隙間を閉塞する第二芯材と、
    を備えることを特徴とする防火区画。
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