JP2021187888A - 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板、半導体パッケージ、樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマー - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板、半導体パッケージ、樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマー Download PDF

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貴大 瀧
Takahiro Taki
貴子 江尻
Takako Ejiri
俊希 藤井
Toshiki Fujii
由佳子 大森
Yukako Omori
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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、10GHz帯以上の高周波数帯において優れた誘電特性を発現し得る樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ、並びに樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマーを提供する。【解決手段】プレポリマー(A)を含有する樹脂組成物であり、前記プレポリマー(A)N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるもの、又は前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させてなるものであって、該重合時における前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下である、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ、並びに樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマーである。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板、半導体パッケージ、樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマーに関する。
携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー、ルーター等のネットワークインフラ機器、大型コンピュータなどでは、使用する信号の高速化及び大容量化が年々進んでいる。これに伴い、これらの電子機器に搭載されるプリント配線板には高周波化対応が必要となり、伝送損失の低減を可能とする高周波数帯(例えば、10GHz以上)における誘電特性(低誘電率及び低誘電正接;以下、高周波特性と称することがある。)に優れる基板材料が求められている。近年、このような高周波信号を扱うアプリケーションとして、上述した電子機器のほかに、ITS分野(自動車、交通システム関連)及び室内の近距離通信分野でも高周波無線信号を扱う新規システムの実施計画及び実用化が進んでいる。したがって、今後、これらの機器に搭載するプリント配線板に対しても、低伝送損失基板材料が要求されると予想される。
プリント配線板用の基板材料としては、熱硬化性樹脂を主剤とした樹脂組成物が一般的に用いられている。
熱硬化性樹脂としては、マレイミド樹脂が耐熱性及び低熱膨張性に優れることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、マレイミド樹脂をアミン化合物で変性した変性マレイミド樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が、硬化性、保存安定性等に優れることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2012/099133号 特開2011−157509号公報
しかしながら、近年は、6GHzを超える周波数帯の電波が使用される第五世代移動通信システム(5G)アンテナ及び30〜300GHzの周波数帯の電波が使用されるミリ波レーダーにも利用可能な、10GHz帯以上における誘電特性がさらに改善された樹脂組成物の開発が切望されている。また、マレイミド樹脂は溶媒に対する溶解性が低く、プリプレグ等を製造するための樹脂ワニスとする場合に、溶媒から析出する等の問題が発生している。そのため、品質及び取り扱い性を向上させるべく、樹脂成分が析出し難い保存安定性に優れる樹脂組成物が望まれている。
本発明は、このような現状に鑑み、保存安定性に優れ、10GHz帯以上の高周波数帯において優れた誘電特性を発現し得る樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ、並びに樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマーを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の本発明によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[15]に関する。
[1]プレポリマー(A)を含有する樹脂組成物であり、
前記プレポリマー(A)が、
N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるもの、又は
前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させてなるものであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである、樹脂組成物。
[2]前記(a)成分が、N−置換マレイミド基を2個有するビスマレイミド化合物である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記重合促進剤(b)が、イミダゾール化合物である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記プレポリマー(A)が、前記(a)成分を、前記重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]さらに、ポリフェニレンエーテル誘導体(B)を含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]さらに、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)、硬化促進剤(D)、無機充填材(E)及び難燃剤(F)からなる群から選択される1種以上を含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]さらに、溶媒(G)を含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸してなるプリプレグ。
[9]上記[8]に記載のプリプレグと金属箔とを含有してなる積層板。
[10]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂フィルム。
[11]上記[8]に記載のプリプレグ及び上記[10]に記載の樹脂フィルムからなる群から選択される1種以上を用いて形成されたプリント配線板。
[12]上記[11]に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
[13]プレポリマー(A)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
該プレポリマー(A)を、
N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させる方法、又は
前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させる方法であって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合する方法によって得る、樹脂組成物の製造方法。
[14]N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)を用いて単独重合させてなる、プリント配線板用プレポリマー。
[15]N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)を用いて重合させてなるプリント配線板用プレポリマーであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである、プリント配線板用プレポリマー。
本発明によると、保存安定性に優れ、10GHz帯以上の高周波数帯において優れた誘電特性を発現し得る樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ、並びに樹脂組成物の製造方法及びプリント配線板用プレポリマーを提供することができる。
本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、数値範囲の下限値及び上限値は、それぞれ他の数値範囲の下限値又は上限値と任意に組み合わせられる。
また、本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、
プレポリマー(A)を含有する樹脂組成物であり、
前記プレポリマー(A)が、
N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)[以下、単に「マレイミド化合物(a)」又は「(a)成分」と略称することがある。]を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるもの、又は
前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)[以下、単に「アミン化合物(c)」又は「(c)成分」と略称することがある。]とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させてなるものであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである、樹脂組成物である。
なお、本実施形態において「プレポリマー」とは、重合反応によって生成した化合物であって、硬化性官能基を有していることによりさらに硬化反応を行うことができる化合物を意味する。
また、本実施形態において「樹脂組成物」とは、少なくとも1種以上の樹脂と該樹脂以外の成分を含有するものである。プレポリマー(A)は樹脂に該当するものであり、樹脂以外の成分としては、例えば、後述する(B)〜(F)成分等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
なお、以下の説明で、プレポリマー(A)は「(A)成分」と略称することがあり、その他の成分についても同様の略し方をすることがある。
以下、本実施形態の樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
<(A)成分:プレポリマー(A)>
プレポリマー(A)は、マレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるもの、又は
マレイミド化合物(a)とアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させてなるものであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである。
(N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a))
マレイミド化合物(a)としては、特に限定されないが、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン等の芳香族マレイミド化合物;1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ピロリン酸バインダ型長鎖アルキルビスマレイミド等の脂肪族マレイミド化合物などが挙げられる。これらの中でも、導体との接着性及び機械特性の観点から、N−置換マレイミド基を2個有するビスマレイミド化合物が好ましく、N−置換マレイミド基を2個有する芳香族ビスマレイミド化合物がより好ましく、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンがさらに好ましい。
マレイミド化合物(a)は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
マレイミド化合物(a)としては、下記一般式(a−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021187888

(式中、Xa1は2価の有機基を示す。)
上記一般式(a−1)中のXa1が示す2価の有機基としては、下記一般式(a−2)、(a−3)、(a−4)又は(a−5)で表される基が挙げられる。
Figure 2021187888

(式中、Ra1は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。na1は、0〜4の整数を示す。)
a1が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基がより好ましい。
a1は0〜4の整数を示し、入手容易性の観点から、0〜2の整数が好ましく、0であることがより好ましい。na1が2以上の整数である場合、複数のRa1同士は同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2021187888

(式中、Ra2及びRa3は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。Xa2は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基、単結合、又は下記一般式(a−3−1)で表される2価の基を示す。na2及びna3は、各々独立に、0〜4の整数を示す。)
a2及びRa3が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(a−2)中のRa1が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
a2が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
a2が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。該アルキリデン基としては、イソプロピリデン基が好ましい。
a2及びna3は、0〜4の整数を示し、入手容易性の観点から、0〜2の整数が好ましく、0又は2がより好ましい。na2又はna3が2以上の整数である場合、複数のRa2同士又は複数のRa3同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
a2が示す一般式(a−3−1)で表される2価の基は以下の通りである。
Figure 2021187888

(式中、Ra4及びRa5は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。Xa3は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基又は単結合を示す。na4及びna5は、各々独立に、0〜4の整数を示す。)
a4及びRa5が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(a−2)中のRa1が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
a3が示す炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基としては、上記一般式(a−3)中のXa2が示す炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基と同じものが挙げられる。これらの中でも、高周波特性、導体との接着性、耐熱性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び難燃性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
a3が示す基の中でも、炭素数2〜5のアルキリデン基が好ましく、イソプロピリデン基がより好ましい。
a4及びna5は0〜4の整数を示し、入手容易性の観点から、0〜2の整数が好ましく、0であることがより好ましい。na4又はna5が2以上の整数である場合、複数のRa4同士又は複数のRa5同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2021187888

(式中、na6は、1〜10の整数を示す。)
a6は、入手容易性の観点から、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましい。
Figure 2021187888

(式中、Ra6及びRa7は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。na7は、1〜8の整数を示す。)
a6及びRa7が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(a−2)中のRa1が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
a7は1〜8の整数を示し、1〜3の整数が好ましく、1であることがより好ましい。
a7が2以上の整数である場合、複数のRa6同士又は複数のRa7同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(a−1)中のXa1としては、高周波特性の観点から、下記式(Xa1−1)〜(Xa1−3)のいずれかで表される2価の基であることが好ましく、下記式(Xa1−3)で表される2価の基であることがより好ましい。
Figure 2021187888

(波線は、マレイミド基中の窒素原子との結合位置を示す。)
(重合促進剤(b))
重合促進剤(b)としては、特に限定されないが、アミン系促進剤、イミダゾール系促進剤、リン系促進剤、有機金属塩、酸性触媒、有機過酸化物等が挙げられる。なお、本実施形態において、イミダゾール系促進剤は、アミン系促進剤に分類しないものとする。
アミン系促進剤としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン、ジシアンジアミド等のアミン化合物;第4級アンモニウム化合物などが挙げられる。
イミダゾール系促進剤としては、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、イソシアネートマスクイミダゾール(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加反応物等)等のイミダゾール化合物が挙げられる。
リン系促進剤としては、トリフェニルホスフィン等の第3級ホスフィン;p−ベンゾキノンのトリ−n−ブチルホスフィン付加反応物等の第4級ホスホニウム化合物などが挙げられる。
有機金属塩としては、マンガン、コバルト、亜鉛等のカルボン酸塩などが挙げられる。
酸性触媒としては、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
これらの中でも、反応を制御し易いという観点から、イミダゾール系促進剤が好ましい。
重合促進剤(b)は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
マレイミド化合物(a)又はマレイミド化合物(a)とアミン化合物(c)とを重合させる際の重合促進剤(b)の配合量は、特に限定されないが、プレポリマー(A)の析出を抑制し、優れた保存安定性を得るという観点から、マレイミド化合物(a)100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部であり、0.05〜2質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましく、0.3〜0.8質量部がさらに好ましい。
(1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c))
アミン化合物(c)としては、特に限定されないが、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス〔1−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等の芳香族ジアミン化合物;第1級アミノ基を有するアミン変性シロキサン化合物などが挙げられる。
アミン化合物(c)は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
アミン化合物(c)としては、下記一般式(c−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021187888

(式中、Xc1は2価の有機基を示す。)
アミン化合物(c)は、上記一般式(c−1)中のXc1が、下記一般式(c−2)で表される2価の基である芳香族ジアミン化合物を含有することが好ましい。
Figure 2021187888

(式中、Rc1及びRc2は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基又はハロゲン原子を示す。Xc2は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基、フルオレニレン基、単結合、又は下記一般式(c−2−1)若しくは(c−2−2)で表される2価の基を示す。nc1及びnc2は、各々独立に、0〜4の整数を示す。)
上記一般式(c−2)中のRc1及びRc2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
c2が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。
c2が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。
c1及びnc2は、0〜4の整数を示し、入手容易性の観点から、0又は1が好ましい。nc1又はnc2が2以上の整数である場合、複数のRc1同士又は複数のRc2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(c−2)中のXc2が示す一般式(c−2−1)で表される2価の基は以下の通りである。
Figure 2021187888

(式中、Rc3及びRc4は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。Xc3は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、m−フェニレンジイソプロピリデン基、p−フェニレンジイソプロピリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基又は単結合を示す。nc3及びnc4は、各々独立に、0〜4の整数を示す。)
上記一般式(c−2−1)中のRc3及びRc4が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(c−2)中のRc1及びRc2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
c3が示す炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基についての説明は、上記一般式(c−2)中のXc2が示す炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基についての説明と同じである。
c3及びnc4は0〜4の整数を示し、入手容易性の観点から、0〜2の整数が好ましく、0であることがより好ましい。nc3又はnc4が2以上の整数である場合、複数のRc3同士又は複数のRc4同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(c−2)中のXc2が示す一般式(c−2−2)で表される2価の基は以下の通りである。
Figure 2021187888

(式中、Rc5は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。Xc4及びXc5は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基又は単結合を示す。nc5は、0〜4の整数を示す。)
上記一般式(c−2−2)中のRc5が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(c−2)中のRc1及びRc2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
c4及びXc5が示す炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基としては、上記一般式(c−2)中のXc2が示す炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基と同じものが例示される。これらの中でも、Xc4及びXc5としては、炭素数2〜5のアルキリデン基であることが好ましく、イロプロピリデン基であることがより好ましい。
c5は0〜4の整数を示し、入手容易性の観点から、0〜2の整数が好ましく、0であることがより好ましい。nc5が2以上の整数である場合、複数のRc5同士は同一であっても異なっていてもよい。
また、アミン化合物(c)は、上記一般式(c−1)中のXc1が、下記一般式(c−3)で表される構造単位を含有する2価の基であるアミン変性シロキサン化合物を含有していてもよく、上記一般式(c−1)中のXc1が、下記一般式(c−4)で表される2価の基である両末端アミン変性シロキサン化合物[以下、「両末端アミン変性シロキサン化合物(c−4)」と略称することがある。]を含有していてもよい。
Figure 2021187888

(式中、Rc6及びRc7は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を表す。)
Figure 2021187888

(式中、Rc6及びRc7は、上記一般式(c−3)中のものと同じであり、Rc8及びRc9は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を示す。Xc6及びXc7は、各々独立に、2価の有機基を示し、nc6は、2〜100の整数を示す。)
上記一般式(c−3)及び(c−4)中のRc6〜Rc9が示す炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
c6〜Rc9が示す置換フェニル基におけるフェニル基が有する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基等が挙げられる。該炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該炭素数2〜5のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。該炭素数2〜5のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
c6及びXc7が示す2価の有機基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−又はこれらが組み合わされた2価の連結基等が挙げられる。該アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。該アルケニレン基としては、炭素数2〜10のアルケニレン基が挙げられる。該アルキニレン基としては、炭素数2〜10のアルキニレン基が挙げられる。該アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられる。
これらの中でも、Xc6及びXc7としては、アルキレン基、アリーレン基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
c6は、2〜100の整数を示し、2〜50の整数が好ましく、3〜40の整数がより好ましく、5〜30の整数がさらに好ましい。nc6が2以上の整数である場合、複数のRc6同士又は複数のRc7同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
(プレポリマー(A)の調製方法)
プレポリマー(A)は、マレイミド化合物(a)を重合促進剤(b)の存在下で単独重合させる方法、又は、マレイミド化合物(a)とアミン化合物(c)とを重合させる方法によって調製する。
本実施形態のプレポリマー(A)は、上記の通り、重合促進剤(b)の存在下で重合を実施することで、アミン化合物(c)を使用しないか、アミン化合物(c)の配合量が少ない場合であっても、良好に重合を進行させることができる。これにより、プレポリマー(A)は溶媒から析出し難くなり、本実施形態の樹脂組成物は保存安定性に優れたものとなる。さらには、この方法で得られたプレポリマー(A)を適用した樹脂組成物は、10GHz帯以上の高周波数帯において優れた誘電特性を発現する。
なお、以下、マレイミド化合物(a)を重合促進剤(b)の存在下で単独重合させる方法を「プレ反応A」、マレイミド化合物(a)とアミン化合物(c)とを重合させる方法を「プレ反応B」と称する場合がある。また、単に「プレ反応」と称する場合は、プレ反応A及びプレ反応Bの両者を指すものとする。
本実施形態においては、プレ反応Bを行う場合、重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合する。アミン化合物(c)の配合量を上記範囲内とすることにより、本実施形態の樹脂組成物の硬化物は、低い誘電正接を有するものとなる。当該観点から、重合を行う際の(c)成分の1級アミノ基の量は、(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.10以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.01以下がさらに好ましく、0.001以下が特に好ましい。同様の観点から、本実施形態におけるプレポリマー(A)は、上記プレ反応Aによって調製されたものが最も好ましい。
プレ反応に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒;γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒などが挙げられる。
これらの中でも、溶媒としては、アルコール系溶媒が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
なお、これらの溶媒は、プレ反応の反応溶媒として用いられ、そのまま本実施形態の樹脂組成物を構成する溶媒として用いてもよい。
プレ反応を反応溶媒中で行う際のプレポリマー(A)の固形分濃度は、析出を抑制し、優れた保存安定性を得るという観点から、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、50〜75質量%がさらに好ましい。
また、プレ反応では、必要に応じて有機溶媒を追加又は濃縮する工程を行うことで反応原料の固形分濃度及び溶液粘度を調整してもよい。反応原料の固形分濃度は、特に限定されないが、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。反応原料の固形分濃度が上記下限値以上であると、十分な反応速度が得られ、製造コストの面で有利となる傾向にあり、上記上限値以下であると、より良好な溶解性が得られ、撹拌効率が良くなり、ゲル化し難くなる傾向にある。
プレ反応における反応条件は特に限定されないが、ゲル化を抑制しつつ、良好な反応性及び作業性が得られるという観点及び樹脂組成物の保存安定性の観点から、反応温度は50〜160℃が好ましく、70〜150℃がより好ましく、100〜140℃がさらに好ましい。また、同様の観点から、反応時間は、0.5〜10時間が好ましく、1〜7時間がより好ましい。
プレ反応における原料の反応率(すなわち、プレポリマー(A)に転化した原料の割合)は、保存安定性の観点から5〜60%が好ましく、10〜50%がさらに好ましく、20〜40%がより好ましい。
なお、本明細書において、反応率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により換算した値であり、より詳細には実施例に記載の測定方法により求めた値である。
プレ反応を行って得られた反応溶液中には、少なくともプレポリマー(A)が含まれており、通常は、プレポリマー(A)と、未反応の(a)成分〜(c)成分からなる群から選択される1種以上と、が含まれている。
プレ反応を行って得られた反応溶液、又はこの反応溶液に含まれるプレポリマー(A)と、未反応の(a)成分〜(c)成分からなる群から選択される1種以上と、を含む組成物も、本実施形態の樹脂組成物に該当するものである。本明細書中、該樹脂組成物を「第一の樹脂組成物」と称し、第一の樹脂組成物に、例えば、後述する(B)〜(F)成分等の他の成分を配合したものを「第二の樹脂組成物」と称する場合がある。また、反応溶液に含まれるプレポリマー(A)と、未反応の(a)成分〜(c)成分からなる群から選択される1種以上と、を含む組成物を「プレ反応物(A1)」と称する場合がある。
((A)成分等の含有量)
本実施形態の樹脂組成物中におけるプレポリマー(A)又はプレ反応物(A1)の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分の総和100質量部に対して、10〜95質量部が好ましく、30〜90質量部がより好ましく、50〜88質量部がさらに好ましく、70〜85質量部が特に好ましい。
プレポリマー(A)又はプレ反応物(A1)の含有量が上記下限値以上であると、高周波特性の悪化を抑制しつつも、より良好な難燃性が得られる傾向にあり、上記上限値以下であると、より良好な成形性、導体との接着性、より優れた耐熱性及び高周波特性が得られる傾向にある。
なお、本実施形態において、「樹脂成分」とは、樹脂組成物を構成する固形分のうち、(A)成分、並びに任意に使用される(B)成分、(C)成分及び(H)成分としてのその他の樹脂材料を指す。
また、本実施形態における固形分とは、水分、後述する溶媒等の揮発する物質以外の樹脂組成物中の成分のことをいう。すなわち、固形分は、25℃付近の室温で液状、水飴状又はワックス状のものも含み、必ずしも固体であることを意味するものではない。
上記の方法によって、溶媒に溶解したプリポリマー(A)を得ることができる。プリポリマー(A)は析出し難いため、溶媒に溶解した状態で良好に保管することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、さらに、ポリフェニレンエーテル誘導体(B)、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)、硬化促進剤(D)、無機充填材(E)及び難燃剤(F)からなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
但し、所望する性能に応じて、ポリフェニレンエーテル誘導体(B)、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)、硬化促進剤(D)、無機充填材(E)及び難燃剤(F)からなる群から選択される1種以上を含有しない態様であってもよい。
次にこれらの各成分について説明する。
<(B)成分:ポリフェニレンエーテル誘導体(B)>
本実施形態の樹脂組成物は、誘電特性の観点から、ポリフェニレンエーテル誘導体(B)を含有することが好ましく、両末端にエチレン性不飽和結合含有基を有するポリフェニレンエーテル誘導体(B1)[以下、単に「ポリフェニレンエーテル誘導体(B1)」と略称することがある。]を含有することがより好ましい。
なお、本明細書において、「エチレン性不飽和結合含有基」とは、付加反応が可能な炭素−炭素二重結合を含有する置換基を意味し、芳香環の二重結合は含まないものとする。
ポリフェニレンエーテル誘導体(B)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ポリフェニレンエーテル誘導体(B1)が有するエチレン性不飽和結合含有基としては、ビニル基、アリル基、1−メチルアリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、スチリル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;マレイミド基、下記一般式(B−1)で表される基等のヘテロ原子とエチレン性不飽和結合とを含む基などが挙げられる。これらの中でも、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、下記一般式(B−1)で表される基が好ましい。
Figure 2021187888

(式中、RB1は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
B1が示す炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基又は環状アルキル基のいずれであってもよく、直鎖状アルキル基であることが好ましい。
上記アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1が特に好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基が好ましい。
上記一般式(B−1)で表される基は、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、(メタ)アクリロイル基(すなわち、上記一般式(B−1)におけるRB1が、水素原子又はメチル基である基)であることが好ましく、メタクリロイル基であることがより好ましい。なお、本実施形態において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
なお、本明細書において、マレイミド基、上記一般式(B−1)で表される基等のように、一部に不飽和脂肪族炭化水素基を有しているが、その基全体として見たときに不飽和脂肪族炭化水素基とは言えない基は、上記「不飽和脂肪族炭化水素基」に含まれないものとする。
ポリフェニレンエーテル誘導体(B1)は、上記一般式(B−1)で表される基を、片末端又は両末端に有するものであることが好ましい。
ポリフェニレンエーテル誘導体(B1)が1分子中に有するエチレン性不飽和結合含有基の数は、特に限定されないが、2〜5個が好ましく、2〜3個がより好ましく、2個がさらに好ましい。エチレン性不飽和結合含有基の数が上記下限値以上であると、優れた耐熱性が得られる傾向にあり、上記上限値以下であると、優れた流動性及び成形性が得られる傾向にある。
ポリフェニレンエーテル誘導体(B1)は、エチレン性不飽和結合含有基を両末端に有していればよく、さらに、両末端以外にもエチレン性不飽和結合含有基を有していてもよいが、両末端のみにエチレン性不飽和結合含有基を有することが好ましい。ポリフェニレンエーテル誘導体(B1)は、両末端にメタクリロイル基を有するポリフェニレンエーテルであることが好ましい。
ポリフェニレンエーテル誘導体(B)は、フェニレンエーテル結合を有するものであり、下記一般式(B−2)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 2021187888

(式中、RB2は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。nB1は、0〜4の整数を示す。)
上記一般式(B−2)中のRB2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
B1は0〜4の整数を示し、1又は2が好ましく、2であることがより好ましい。なお、nB1が1又は2である場合、RB2はベンゼン環上のオルト位(但し、酸素原子の置換位置を基準とする。)に置換していることが好ましい。また、nB1が2以上の整数である場合、複数のRB2同士は同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(B−2)で表される構造単位は、下記一般式(B−2’)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2021187888
ポリフェニレンエーテル誘導体(B)は、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、下記一般式(B−3)で表されるポリフェニレンエーテル誘導体(B1)であることが好ましい。
Figure 2021187888

(式中、RB2及びnB1は、上記一般式(B−2)における説明の通りである。RB3及びRB4は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。nB2及びnB3は、各々独立に、0〜4の整数を示す。nB4及びnB5は、各々独立に、0〜20の整数を示し、nB4及びnB5の合計は、1〜30の整数である。XB1は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基又は単結合を示す。YB1及びYB2は、各々独立に、上記エチレン性不飽和結合含有基を示す。)
上記一般式(B−3)中のRB3及びRB4が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(B−2)中のRB2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
B2及びnB3は、0〜4の整数を示し、0〜3の整数が好ましく、2又は3が好ましい。nB2又はnB3が2以上の整数である場合、複数のRB3同士又は複数のRB4同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
B4及びnB5は、0〜20の整数を示し、1〜20の整数が好ましく、2〜15の整数がより好ましく、3〜10の整数がさらに好ましい。nB4又はnB5が2以上の整数である場合、複数のnB1同士は、同一であっても異なっていてもよい。
B4及びnB5の合計は、1〜30の整数であり、2〜25の整数が好ましく、5〜20の整数がより好ましく、7〜15の整数がさらに好ましい。
上記一般式(B−3)中のXB1が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。
B1が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。
B1が示す基の中でも、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
B1及びYB2が示すエチレン性不飽和結合含有基の好ましい態様については上記した通りである。
上記一般式(B−3)で表される化合物は、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、下記一般式(B−4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021187888

(式中、nB4及びnB5は、上記一般式(B−3)における説明の通りである。RB5及びRB6は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示す。XB2は、メチレン基又はイソプロピリデン基を示す。)
ポリフェニレンエーテル誘導体(B)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、500〜7,000が好ましく、800〜5,000がより好ましく、1,000〜3,000がさらに好ましく、1,200〜2,500が特に好ましい。(B)成分の重量平均分子量(Mw)が上記下限値以上であると、ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を有し、かつ耐熱性に優れる硬化物が得られる傾向にあり、上記上限値以下であると、優れた成形性が得られる傾向にある。
((B)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物がポリフェニレンエーテル誘導体(B)を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、樹脂成分の総和100質量部に対して、2〜60質量部が好ましく、4〜40質量部がより好ましく、6〜20質量部がさらに好ましく、8〜15質量部が特に好ましい。(B)成分の含有量が、上記下限値以上であると、より優れた高周波特性及び低吸湿性が得られる傾向にあり、上記上限値以下であると、より優れた耐熱性、成形性及び加工性が得られる傾向にある。
<(C)成分:スチレン系熱可塑性エラストマー(C)>
本実施形態の樹脂組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)を含有することにより、高周波特性、成形性、導体との接着性、はんだ耐熱性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び難燃性のバランスが良くなる傾向にある。
スチレン系熱可塑性エラストマー(C)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(C)としては、下記一般式(C−1)で表されるスチレン系化合物由来の構造単位を有する熱可塑性エラストマーが挙げられ、スチレン由来の構造単位(すなわち、下記一般式(C−1)においてRC1が水素原子であり、nC1が0である構造単位)を有する熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
Figure 2021187888

(式中、RC1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、RC2は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。nC1は、0〜5の整数を示す。)
C1が示す炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
C1が示す基の中でも、水素原子が好ましい。
C1が示す炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、該アルキル基は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
C1は、0〜5の整数を示し、0〜2の整数が好ましく、0であることがより好ましい。
C1が2以上の整数である場合、複数のRC1同士は同一であっても異なっていてもよい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(C)が有するスチレン系化合物由来の構造単位以外の構造単位としては、ブタジエン由来の構造単位、イソプレン由来の構造単位、マレイン酸由来の構造単位、無水マレイン酸由来の構造単位等が挙げられる。
上記ブタジエン由来の構造単位及び上記イソプレン由来の構造単位は、水素添加されていることが好ましい。水素添加されている場合、ブタジエン由来の構造単位はエチレン単位とブチレン単位とが混合した構造単位となり、イソプレン由来の構造単位はエチレン単位とプロピレン単位とが混合した構造単位となる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(C)としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)の水素添加物等が挙げられる。これらの中でも、高周波特性、導体との接着性、耐熱性、ガラス転移温度及び熱膨張係数の観点から、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)の水素添加物が好ましい。
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)の水素添加物としては、ブタジエンブロック中の炭素−炭素二重結合を完全水添してなるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)と、ブタジエンブロック中の1,2−結合部位の炭素−炭素二重結合を部分水添してなるスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン(SBBS)が挙げられる。なお、SEBSにおける完全水添とは、通常、全体の炭素−炭素二重結合に対して90%以上であり、95%以上であってもよく、99%以上であってもよく、実質的に100%であってもよい。また、SBBSにおける部分水添率は、例えば、全体の炭素−炭素二重結合に対して60〜85%である。これらの中でも、SEBSが好ましい。
SEBSにおいて、スチレン由来の構造単位の含有率[以下、「スチレン含有率」と略称することがある。]は、特に限定されないが、高周波特性、導体との接着性、耐熱性、ガラス転移温度及び熱膨張係数の観点から、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜60質量%がさらに好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
SEBSのメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、230℃、荷重2.16kgf(21.2N)の測定条件において、0.1〜20g/10minが好ましく、1〜15g/10minがより好ましく、2〜10g/10minがさらに好ましく、3〜7g/10minが特に好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(C)は、無水マレイン酸等によって酸変性されたものであってもよい。酸変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の酸価は、特に限定されないが、2〜20mgCHONa/gが好ましく、5〜15mgCHONa/gがより好ましく、7〜13mgCHONa/gがさらに好ましい。
((C)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物がスチレン系熱可塑性エラストマー(C)を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、樹脂成分の総和100質量部に対して、2〜60質量部が好ましく、4〜40質量部がより好ましく、6〜20質量部がさらに好ましく、8〜15質量部が特に好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマー(C)の含有量が上記下限値以上であると、より優れた高周波特性及び耐吸湿性が得られる傾向にあり、上記上限値以下であると、良好な耐熱性、成形性、加工性及び難燃性が得られる傾向にある。
<(D)成分:硬化促進剤(D)>
本実施形態の樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含有することにより、硬化性が向上し、より優れた高周波特性、耐熱性、導体との接着性、弾性率及びガラス転移温度が得られる傾向にある。
硬化促進剤(D)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(D)成分としては、重合促進剤(b)として挙げられたものと同じものが挙げられる。これらの中でも、より優れた高周波特性、耐熱性、導体との接着性、弾性率及びガラス転移温度が得られるという観点から、イミダゾール系促進剤、リン系促進剤が好ましく、これらを併用することがさらに好ましい。
((D)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が硬化促進剤(D)を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、プレポリマー(A)又はプレ反応物(A1)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜3質量部がさらに好ましく、0.5〜2質量部が特に好ましい。硬化促進剤(D)の含有量が上記範囲内であると、より良好な高周波特性、耐熱性、保存安定性及び成形性が得られる傾向にある。
<(E)成分:無機充填材(E)>
本実施形態の樹脂組成物は、無機充填材(E)を含有することにより、より優れた低熱膨張性、高弾性率性、耐熱性及び難燃性が得られる傾向にある。
無機充填材(E)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
無機充填材(E)としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー(焼成クレー等)、タルク、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、熱膨張係数、弾性率、耐熱性及び難燃性の観点から、シリカ、アルミナ、マイカ、タルクが好ましく、シリカ、アルミナがより好ましく、シリカがさらに好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられる。乾式法シリカとしては、製造法の違いにより、破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融シリカ(溶融球状シリカ)等が挙げられる。これらの中でも、溶融球状シリカが好ましい。
無機充填材(E)の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.2〜1μmがさらに好ましく、0.3〜0.8μmが特に好ましい。
無機充填材(E)を用いる場合、無機充填材(E)の分散性及び無機充填材(E)と樹脂組成物中の有機成分との密着性を向上させる目的で、必要に応じて、カップリング剤を併用してもよい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カップリング剤を用いる場合、その処理方式は、樹脂組成物中に無機充填材(E)を配合した後、カップリング剤を添加する、いわゆるインテグラルブレンド処理方式であってもよいが、予め乾式又は湿式でカップリング剤によって表面処理した無機充填材を使用する方式が好ましい。この方式を採用することで、より効果的に無機充填材(E)の特長を発現させることができる。
また、無機充填材(E)は、必要に応じて、予め溶媒中に分散させたスラリーとして用いてもよい。
((E)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が無機充填材(E)を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、熱膨張係数、弾性率、耐熱性及び難燃性の観点から、樹脂成分の総和100質量部に対して、10〜260質量部が好ましく、60〜240質量部がより好ましく、100〜220質量部がさらに好ましく、120〜200質量部が特に好ましく、140〜180質量部が最も好ましい。
<(F)成分:難燃剤(F)>
難燃剤(F)としては、無機系のリン系難燃剤;有機系のリン系難燃剤;水酸化アルミニウムの水和物、水酸化マグネシウムの水和物等の金属水和物などが挙げられる。なお、金属水酸化物は無機充填材にも該当し得るが、難燃性を付与し得る材料の場合には難燃剤に分類する。
無機系のリン系難燃剤としては、赤リン;リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム;リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物;リン酸;ホスフィンオキシドなどが挙げられる。
有機系のリン系難燃剤としては、リン酸エステル系難燃剤、1置換ホスホン酸ジエステル及び2置換ホスフィン酸エステル;2置換ホスフィン酸の金属塩、有機系含窒素リン化合物、環状有機リン化合物等が挙げられる。ここで、「金属塩」としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、チタン塩、亜鉛塩等が挙げられる。
これらの中でも、有機系のリン系難燃剤が好ましく、リン酸エステル系難燃剤がより好ましい。
難燃剤(F)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
リン酸エステル系難燃剤は、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、下記一般式(F−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021187888

(式中、RF1〜RF4は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。XF1は、下記一般式(F−2)で表される2価の基又は2個以上の芳香環構造を含む2価の縮合多環式芳香族炭化水素基を示す。nF1〜nF4は、各々独立に、0〜5の整数を示し、nF5は、1〜5の整数を示す。)
Figure 2021187888

(式中、RF5及びRF6は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。XF2は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基又は単結合を示す。nF6及びnF7は、各々独立に、0〜4の整数を示す。nF8は、1〜3の整数を示す。)
上記一般式(F−1)中のRF1〜RF4が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
F1〜nF4は、0〜2の整数が好ましく、0又は2であることがより好ましい。nF1〜nF4が2以上の整数である場合、複数のRF1同士、RF2同士、RF3同士又はRF4同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
F5は1〜5の整数を示し、1〜3の整数が好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。nF5が2以上の整数である場合、複数のXF1同士及び複数のnF4同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(F−2)中のRF5及びRF6が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明は、上記一般式(F−1)中のRF1〜RF4が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基についての説明と同じである。
F6及びnF7は、0〜4の整数を示し、0〜2の整数が好ましく、0であることがより好ましい。nF6又はnF7が2以上の整数である場合、複数のRF5同士又は複数のRF6同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
F2が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。
F2が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。
F2が示す基の中でも、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、メチレン基、イソプロピリデン基、単結合が好ましく、単結合がより好ましい。
F2は、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、下記式(F−2−1)で表される2価の基又は下記式(F−2−2)で表される2価の基であることが好ましく、下記式(F−2−2)で表される2価の基であることがより好ましい。
Figure 2021187888
上記一般式(F−2)中のnF8は1〜3の整数を示し、1又は2が好ましく、1がより好ましい。nF8が2以上の整数である場合、複数のXF2同士及び複数のnF7同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(F−1)中のXF1が示す2個以上の芳香環構造を含む2価の縮合多環式芳香族炭化水素基としては、ナフタレン、アントラセン、ピレン等の縮合多環式芳香族炭化水素から2個の水素原子を除いてなる2価の基が挙げられる。これらの縮合多環式芳香族炭化水素基は、置換基によって置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。縮合多環式芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などが挙げられる。
リン酸エステル系難燃剤としては、4,4’−ビフェノール−ジフェニルホスフェート、ビスフェノールA−ジフェニルホスフェート、4,4’−ビフェノール−ジクレジルホスフェート、ビスフェノールA−ジクレジルホスフェート、4,4’−ビフェノール−ジ(2,6−キシレニルホスフェート)、ビスフェノールA−ジ(2,6−キシレニルホスフェート)、4,4’−ビフェノール−ポリフェニルホスフェート、ビスフェノールA−ポリフェニルホスフェート、4,4’−ビフェノール−ポリクレジルホスフェート、ビスフェノールA−ポリクレジルホスフェート、4,4’−ビフェノール−ポリ(2,6−キシレニルホスフェート)、ビスフェノールA−ポリ(2,6−キシレニルホスフェート)等が挙げられる。これらの中でも、高周波特性、導体との接着性及び難燃性の観点から、4,4’−ビフェノール−ジ(2,6−キシレニルホスフェート)が好ましい。
なお、上記例示化合物における「ポリ」とは、リン酸エステル化合物を構成する2価のフェノール化合物由来の構造とリン酸由来構造とからなる繰り返し単位(例えば、上記一般式(F−1)中でいうと、nF5でその構造単位数が示される構造単位)数が2以上である化合物を意味し、該化合物を含有することで上記繰り返し単位の平均値が1を超えるものを意味する場合もある。
((F)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物中における難燃剤(F)の含有量は、特に限定されないが、上記と同様の観点から、樹脂成分の総和100質量部に対して、3〜65質量部が好ましく、5〜60質量部がより好ましく、15〜55質量部がさらに好ましく、25〜50質量部がよりさらに好ましく、35〜45質量部が特に好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物中におけるリン酸エステル系難燃剤由来のリン原子の含有量は、特に限定されないが、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中、0.2〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、1.0〜2.7質量%がさらに好ましく、2.0〜2.4質量%が特に好ましい。難燃剤(F)の含有量が上記下限値以上であると、高周波特性の悪化を抑制しつつも、より良好な難燃性が得られる傾向にあり、上記上限値以下であると、より良好な成形性、導体との接着性、より優れた耐熱性及び高周波特性が得られる傾向にある。
<(G)成分:溶媒(G)>
本実施形態の樹脂組成物は、取り扱いを容易にするという観点及び後述するプリプレグを製造し易くする観点から、溶媒(G)を含有していてもよい。
溶媒(G)としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒;γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒などの有機溶媒が挙げられる。
これらの中でも、溶媒(G)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
溶媒(G)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
((G)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が溶媒(G)を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物の固形分濃度が、30〜90質量%となる量が好ましく、40〜80質量%となる量がより好ましく、50〜70質量%となる量がさらに好ましい。溶媒(G)の含有量が上記範囲内であると、樹脂組成物の取り扱い性が容易となり、基材への含浸性及び製造されるプリプレグの外観が良好となる。さらに、後述するプリプレグ中の樹脂の固形分濃度の調整が容易となり、所望の厚みを有するプリプレグの製造がより容易となる傾向にある。
<(H)成分:その他の成分(H)>
さらに、本実施形態の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の成分(H)として、上記各成分以外の樹脂材料、カップリング剤、酸化防止剤、難燃助剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤及び滑剤からなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。これらの成分は、各々について、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、本実施形態の樹脂組成物は、これらの成分を含有しないものであってもよい。
本実施形態の樹脂組成物が上記その他の成分を含有する場合、その各々の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分の総和100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上であり、また、10質量部以下であってもよく、5質量部以下であってもよく、1質量部以下であってもよい。
また、本実施形態の樹脂組成物が含有する樹脂成分中における(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計含有量は、特に限定されないが、樹脂成分の総和100質量部に対して、80質量部以上が好ましく、90質量部以上がより好ましく、95質量部以上がさらに好ましい。
<誘電特性>
本実施形態の樹脂組成物を、後述する実施例に記載の方法によって試験片とした際の10GHzにおける誘電率(Dk)は、特に限定されないが、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.2以下がさらに好ましい。上記誘電率(Dk)は小さい程好ましく、その下限値に特に制限はないが、他の物性とのバランスを考慮して、例えば、2.5以上であってもよい。
本実施形態の樹脂組成物を、後述する実施例に記載の方法によって試験片とした際の10GHzにおける誘電正接(Df)は、特に限定されないが、0.0030以下が好ましく、0.0025以下がより好ましく、0.0023以下がさらに好ましい。上記誘電正接(Df)は小さい程好ましく、その下限値に特に制限はないが、他の物性とのバランスを考慮して、例えば、0.0015以上であってもよい。
なお、誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)は、空洞共振器摂動法に準拠した値であり、より詳細には、実施例に記載の方法によって測定された値である。また、本明細書において、単に誘電率というとき、比誘電率を意味する。
[樹脂組成物の製造方法]
本実施形態のプレポリマー(A)を含有する樹脂組成物の製造方法は、
前記プレポリマー(A)を、
N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させる方法、又は
前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させる方法であって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合する方法によって得る、樹脂組成物の製造方法である。
各成分及び重合条件の好ましい態様については、上記した通りである。
また、上記の方法によって得たプレポリマー(A)と、上記(B)〜(H)成分等を混合して、所望する用途に応じた組成を有する樹脂組成物を製造することができる。
[プリプレグ]
本実施形態のプリプレグは、本実施形態の樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸してなるものである。
該プリプレグは、本実施形態の樹脂組成物とシート状繊維補強基材とを用いて形成することができ、例えば、本実施形態の樹脂組成物を、シート状繊維補強基材に含浸し、乾燥炉中で、80〜200℃の温度で1〜30分間加熱乾燥し、樹脂組成物を半硬化(Bステージ化)させることにより製造することができる。
本実施形態のプリプレグ中における樹脂組成物由来の固形分含有量は、特に限定されない。
プリプレグのシート状繊維補強基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている公知のものが用いられる。シート状繊維補強基材の材質としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等の無機物繊維;ポリイミド、ポリエステル、テトラフルオロエチレン等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらのシート状繊維補強基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状を有する。また、シート状繊維補強基材の厚みは特に制限されず、例えば、0.02〜0.5mmのものを用いることができる。また、樹脂組成物の含浸性、積層板とした際の耐熱性、耐吸湿性及び加工性の観点から、カップリング剤等で表面処理したもの、機械的に開繊処理を施したもの等を使用できる。
樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸又は塗工させる方法としては、次のホットメルト法又はソルベント法を採用できる。
ホットメルト法は、樹脂組成物に溶媒を含有させず、(1)該樹脂組成物との剥離性の良い塗工紙に一旦コーティングし、それをシート状繊維補強基材にラミネートする方法、又は(2)ダイコーターによりシート状繊維補強基材に直接塗工する方法である。
一方、ソルベント法は、樹脂組成物に溶媒を含有させ、得られた樹脂組成物にシート状繊維補強基材を浸漬して、樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸させ、その後、乾燥させる方法である。
[積層板]
本実施形態の積層板は、本実施形態のプリプレグと金属箔とを含有してなる積層板である。
本実施形態の積層板は、例えば、本実施形態のプリプレグ1枚の片面若しくは両面に金属箔を配置するか、又は本実施形態のプリプレグを2枚以上重ねたものの片面若しくは両面に金属箔を配置し、次いで加熱加圧成形することによって積層板を得ることができる。加熱加圧成形時の加熱温度は、例えば、185℃以上、好ましくは200〜300℃であり、圧力は0.2〜10MPa、時間は0.1〜5時間の範囲で実施することができる。また、加熱加圧成形は、真空プレス等を用いて真空状態を0.5〜5時間保持する方法を採用してもよい。
金属箔の金属としては、電気絶縁材料用途で用いられるものであれば特に制限されないが、導電性の観点から、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素を1種以上含有する合金であってもよく、銅、アルミニウムが好ましく、銅がより好ましい。
[樹脂フィルム]
本発明は、本実施形態の樹脂組成物を用いて形成された樹脂フィルムも提供する。樹脂フィルムは、例えば、溶媒を含有する樹脂組成物、つまり樹脂ワニスを支持体へ塗布し、加熱乾燥させることによって、該樹脂フィルムを製造することができる。
支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム;ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等の各種プラスチックフィルムなどが挙げられる。また、支持体として、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔、離型紙などを使用してもよい。支持体には、マット処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、支持体には、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等による離型処理が施してあってもよい。
支持体の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10〜150μm、より好ましくは25〜50μmである。
支持体に樹脂ワニスを塗布する方法に特に制限はなく、例えば、コンマコーター、バーコーター、キスコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の当業者に公知の塗工装置を用いることができる。これらの塗工装置は、膜厚によって、適宜選択すればよい。
乾燥温度及び乾燥時間は、溶媒の使用量、及び使用する溶媒の沸点等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、40〜60質量%程度の溶媒を含有する樹脂ワニスの場合、50〜150℃で3〜10分間程度乾燥させることにより、樹脂フィルムを好適に形成することができる。
[プリント配線板]
本実施形態のプリント配線板は、本実施形態のプリプレグ及び本実施形態の樹脂フィルムからなる群から選択される1種以上を用いて形成されたプリント配線板である。
本実施形態のプリント配線板は、例えば、本実施形態のプリプレグ又は樹脂フィルムから得られた積層板を用いて、公知の方法によって、穴開け加工、金属めっき加工、金属箔のエッチング等による回路形成加工及び多層化接着加工を行うことによって製造することができる。
なお、本明細書において、「プリント配線板」とは「多層プリント配線板」も含む概念である。
[半導体パッケージ]
本実施形態の半導体パッケージは、本実施形態のプリント配線板に半導体素子を搭載してなるものである。
本実施形態の半導体パッケージは、例えば、本実施形態のプリント配線板の所定の位置に半導体チップ、メモリ等の半導体素子を公知の方法によって搭載し、封止樹脂等によって半導体素子を封止することによって製造できる。
[プリント配線板用プレポリマー]
本実施形態の第1態様のプリント配線板用プレポリマーは、N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)を用いて単独重合させてなる、プリント配線板用プレポリマーである。
また、本実施形態の第2態様のプリント配線板用プレポリマーは、N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)を用いて重合させてなるプリント配線板用プレポリマーであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである、プリント配線板用プレポリマーである。
本実施形態の第1態様のプリント配線板用プレポリマーは、溶媒中での保存安定性及び誘電特性に優れるものであるため、特にプリント配線板用途に適している。
なお、各成分及び重合条件の好ましい態様については、上記した通りである。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、各例において、原料の反応率は以下の方法によって測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により得られた溶出曲線のうち、全体を積分した値によって原料を示すピークの面積を除した値を1から引いたものを反応率とした。
反応率={1−(原料を示すピークの積分値/溶出曲線のうち全体の積分値)}×100
GPCの測定条件を、以下に示す。
装置:
ポンプ:L−6200型[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
検出器:L−3300型RI[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
カラムオーブン:L−655A−52[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
カラム:ガードカラム;TSK Guardcolumn HHR−L+カラム;TSKgel G4000HHR+TSKgel G2000HHR(すべて東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:6.0×40mm(ガードカラム)、7.8×300mm(カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:30mg/5mL
注入量:20μL
流量:1.00mL/分
測定温度:40℃
[樹脂組成物及び両面銅張積層板の製造]
実施例1
(プレポリマー1を含有する第一の樹脂組成物(A−1)の製造)
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、(a)成分として、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン100質量部と、(b)成分として、2−ウンデシルイミダゾール0.5質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル54.1質量部と、を投入し、還流させながら2時間反応させ、固形分濃度が65質量%である、プレポリマー1と溶媒を含有する第一の樹脂組成物(A−1)を製造した。なお、プレポリマー1を調製する際の原料の反応率は、28%であった。
(第二の樹脂組成物の製造)
次に、表1に記載の各成分を表1に記載の配合組成に従って、トルエン及びメチルイソブチルケトンと共に室温で撹拌及び混合して、第二の樹脂組成物を得た。トルエン及びメチルイソブチルケトンの配合量は、固形分濃度が60質量%かつ、樹脂組成物中の溶剤成分のうち、トルエンの比率が28質量%となるように調整した。
(両面銅張積層板の製造)
上記で得られた第二の樹脂組成物を、厚さ0.024mmのガラス布(NEガラス、日東紡績株式会社製)に塗工して含浸させた後、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂組成物由来の固形分含有量が約73質量%のプリプレグを作製した。このプリプレグ4枚を重ねたものの両面に、厚さ12μmの銅箔(3EC−VLP−12、三井金属株式会社製)を、M面がプリプレグに接するように配置し、温度230℃、圧力3.0MPa、時間90分間の条件で加熱加圧成形して、両面銅張積層板(厚さ:0.20mm)を作製した。
実施例2
(プレポリマー2を含有する第一の樹脂組成物(A−2)の製造)
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、(a)成分として、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン100質量部と、(c)成分として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン7.2質量部((c)成分の1級アミノ基の量が、(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.10)と、(b)成分として、2−ウンデシルイミダゾール0.12質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル57.8質量部と、を投入し、還流させながら5.5時間反応させ、固形分濃度が65質量%である、プレポリマー2と溶媒を含有する第一の樹脂組成物(A−2)を製造した。なお、プレポリマー2を調製する際の原料の反応率は、31%であった。
次に、上記で得られた第一の樹脂組成物(A−2)を用いて、実施例1と同様の手順で、第二の樹脂組成物及び両面銅張積層板を作製した。
比較例1
(第一の樹脂組成物(A’−3)の製造)
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン100質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル53.8質量部と、を投入し、還流させながら5時間撹拌し、固形分濃度が65質量%である、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンと溶媒を含有する第一の樹脂組成物(A’−3)を製造した。
次に、上記で得られた第一の樹脂組成物(A’−3)を用いて、実施例1と同様の手順で、第二の樹脂組成物及び両面銅張積層板を作製した。
比較例2
(プレポリマー3を含有する第一の樹脂組成物(A’−4)の製造)
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、(a)成分として、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン100質量部と、(c)成分として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン14.4質量部((c)成分の1級アミノ基の量が、(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.20)と、プロピレングリコールモノメチルエーテル61.6質量部と、を投入し、還流させながら4時間反応させ、固形分濃度が65質量%である、プレポリマー3と溶媒を含有する第一の樹脂組成物(A’−4)を製造した。なお、プレポリマー3を調製する際の原料の反応率は、31%であった。
次に、上記で得られた第一の樹脂組成物(A’−4)を用いて、実施例1と同様の手順で、第二の樹脂組成物及び両面銅張積層板を作製した。
[評価方法]
各例で得られた両面銅張積層板を用いて、下記方法に従って各評価を行った。結果を表1に示す。
(1.保存安定性(析出性))
各例で得た第一の樹脂組成物を25℃で静置して目視観察し、析出により溶液が濁り始めるまでの時間を測定した。測定された時間から、下記基準に基づき、保存安定性を評価した。
(評価基準)
A:24時間経過時点で溶液に濁りが発生しなかった。
C:24時間以内に溶液に濁りが発生した。
(2.誘電特性)
誘電特性である誘電率Dk及び誘電正接Dfは、両面銅張積層板の外層銅箔を、銅エッチング液(過硫酸アンモニウムの10質量%溶液、三菱ガス化学株式会社製)に浸漬することにより除去し、長さ60mm、幅2mmに切り出したものを試験片として、空洞共振器摂動法により測定した。測定器にはアジレントテクノロジー社製のベクトル型ネットワークアナライザ「N5227A」、空洞共振器には株式会社関東電子応用開発製の「CP129」(10GHz帯共振器)、測定プログラムには「CPMA−V2」をそれぞれ使用した。測定は、周波数10GHz、測定温度25℃の条件下で行った。
Figure 2021187888

表1に示す配合組成の数値は、括弧内の数値を除き固形分の質量部であり、溶液(有機溶剤を除く)又は分散液の場合は固形分換算量である。難燃剤における括弧内の数値は、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中における難燃剤由来のリン原子の含有量(単位;質量%)を示す。また、表中の「−」は未測定の項目を示す。
なお、表1における各材料の略号等は、以下の通りである。
[(A)成分:プレポリマー(A)]
・A−1:実施例1で調製した第一の樹脂組成物(A−1)
・A−2:実施例2で調製した第一の樹脂組成物(A−2)
[(A’)成分:比較用成分]
・A’−3:比較例1で調製した第一の樹脂組成物(A’−3)
・A’−4:比較例2で調製した第一の樹脂組成物(A’−4)
[(B)成分:ポリフェニレンエーテル誘導体]
・B−1:両末端にメタクリロイル基を有するポリフェニレンエーテル(重量平均分子量(Mw)1,700)。
[(C)成分:スチレン系熱可塑性エラストマー]
・C−1:無水マレイン酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)、酸価10mgCHONa/g、スチレン含有率30%、MFR5.0g/10min(MFRの測定条件:ISO1133に準拠して、230℃、荷重2.16kgにて測定。)。
[(D)成分:硬化促進剤]
・D−1:p−ベンゾキノンのトリ−n−ブチルホスフィン付加反応物
・D−2:2−ウンデシルイミダゾール
[(E)成分:無機充填材]
・E−1:球状溶融シリカ、平均粒子径:0.5μm、メチルイソブチルケトン70質量%スラリー
[(F)成分:難燃剤]
・F−1:4,4’−ビフェノール−ビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)
表1から、実施例1及び実施例2で用いた第一の樹脂組成物は、原料等の析出が見られず、保存安定性に優れていることが分かる。さらに、実施例1及び実施例2で作製された積層板は、誘電正接が低く、高周波特性に優れていることが分かる。
一方、比較例1におけるビスマレイミド化合物を溶解させて得た第一の樹脂組成物は、24時間以内に析出が発生し、保存安定性に劣っていた。
また、プレポリマーを調製する際の重合において、(c)成分の1級アミノ基の量を、(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15超とした比較例2で得られた積層板は、誘電正接が高く、高周波特性に劣っていた。
本発明の樹脂組成物は、優れた保存安定性を有しながら、10GHz帯以上の高周波数帯において優れた誘電特性を発現するものであるため、該樹脂組成物を用いて得られるプリプレグ、積層板、プリント配線板、半導体パッケージ等は、高周波信号を扱う電子部品用途に好適である。

Claims (15)

  1. プレポリマー(A)を含有する樹脂組成物であり、
    前記プレポリマー(A)が、
    N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるもの、又は
    前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させてなるものであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである、樹脂組成物。
  2. 前記(a)成分が、N−置換マレイミド基を2個有するビスマレイミド化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記重合促進剤(b)が、イミダゾール化合物である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記プレポリマー(A)が、前記(a)成分を、前記重合促進剤(b)の存在下で単独重合させてなるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. さらに、ポリフェニレンエーテル誘導体(B)を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. さらに、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)、硬化促進剤(D)、無機充填材(E)及び難燃剤(F)からなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. さらに、溶媒(G)を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸してなるプリプレグ。
  9. 請求項8に記載のプリプレグと金属箔とを含有してなる積層板。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂フィルム。
  11. 請求項8に記載のプリプレグ及び請求項10に記載の樹脂フィルムからなる群から選択される1種以上を用いて形成されたプリント配線板。
  12. 請求項11に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
  13. プレポリマー(A)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    該プレポリマー(A)を、
    N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)の存在下で単独重合させる方法、又は
    前記(a)成分と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)の存在下で重合させる方法であって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合する方法によって得る、樹脂組成物の製造方法。
  14. N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)を、重合促進剤(b)を用いて単独重合させてなる、プリント配線板用プレポリマー。
  15. N−置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド化合物(a)と1級アミノ基を2個以上有するアミン化合物(c)とを、重合促進剤(b)を用いて重合させてなるプリント配線板用プレポリマーであって、該重合を行う際に、前記(a)成分と前記(c)成分とを、前記(c)成分の1級アミノ基の量が、前記(a)成分のN−置換マレイミド基の量に対して、モル比で0.15以下となるように配合してなるものである、プリント配線板用プレポリマー。
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