JP2021187668A - 物品管理システム - Google Patents

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Hitoshi Yoshida
靖仁 花木
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Maspro Denkoh Corp
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Abstract

【課題】作業車両に搭載されたRFタグ読取装置によるRFタグの誤検出を抑制する。【解決手段】ゲートタグ3は、作業車両100が作業を実施する区画Siのそれぞれに設けられ、区画Siに出入りするための通路を挟むように配置された第1タグ31及び第2タグ32を有する。PC26は、作業車両100の進行方向が後退方向であり、且つ、ゲート用アンテナ251,252によって、第1タグ31及び第2タグ32の保管場所情報が第1読取パターンで読み取られた場合に、入庫情報を生成してサーバ5に記録させる。【選択図】図1

Description

本開示は、RFタグを用いて物品を管理する物品管理システムに関する。
特許文献1には、物品を収納する複数の区画を有する倉庫において、区画を構成する構造物に取り付けられた区画の位置情報が記録されたRFタグを、搬送機に備えられたRFタグの読取装置で読み取ることで、搬送機の位置を検出する技術が記載されている。RFは、Radio Frequencyの略である。
特開2007−290783号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、搬送機として、運転者の意思に従って自律的に移動するフォークリフト等を用いる場合、読取装置での読取結果からは、RFタグが設けられた位置に、搬送機が到達したか否か以外の情報を得ることができない。このため、例えば、RFタグが区画の出入口等に設けられている状況を想定した場合、区画に進入することなく出入口の前を通過しただけにも関わらず、出入口を通って区画に進入したと誤検出されてしまう可能性があるという問題があった。
本開示の一局面では、作業車両に搭載されたRFタグ読取装置によるRFタグの誤検出を抑制する技術を提供する。
本開示の一態様は、物品管理システムであって、アンテナ部と、記録処理部とRFタグ読取部と、ゲートタグと、進行判定部と、記録部と、を備える。アンテナ部は、作業車両の前進方向に対して直交する左右側方に検知エリアが設定されるように、作業車両に取り付けられる2つのゲート用アンテナを有する。RFタグ読取部は、作業車両に搭載され、アンテナ部を介してRFタグの情報を読み取る。ゲートタグは、作業車両によって指定作業が実施される物品を保管する物品保管領域のそれぞれに設けられ、物品保管領域に出入りするための通路を挟むように配置された2つのRFタグを有する。進行判定部は、作業車両の進行方向を判定する。記録部は、ゲートタグから読み取った情報である保管場所情報を進行判定部にて判定された進行方向と対応付けて記録する。
このような構成によれば、保管場所情報を持つRFタグが、個々の物品が保管される場所毎に設けられるのではなく、複数の物品が保管される物品保管領域に出入りするための通路に設けられる。このため、2つのゲート用アンテナによる2つのRFタグの情報の読取パターンによって、作業車両の移動の仕方と物品保管領域の出入口との関係等を識別でき、その結果、所望の状況以外で保管場所情報が誤検出されることを抑制できる。
本開示の一態様では、物品管理システムは、パターン判定部を更に備えてもよい。パターン判定部は、進行判定部にて作業車両の進行方向が予め設定された指定進行方向であると判定された場合、RFタグ読取部にて読み取られた2つのRFタグの情報のそれぞれが、2つのゲート用アンテナのいずれで読み取られたかを表す読取パターンを判定する。そして、記録部は、パターン判定部にて読取パターンが予め設定された指定読取パターンであると判定された場合に記録を行う。
このような構成によれば、指定進行方向且つ指定読取パターンが検出される状態でゲートタグを構成する2つのRFタグの間を、作業車両が通過した場合のみ、ゲートタグの保有する保管場所情報が記録される。例えば、作業車両がゲートタグの間ではなく、ゲートタグの前を通過した時に、一方のゲート用アンテナによってゲートタグの保管場所情報が読み取られたとしても、他方のゲート用アンテナによって対となるゲートタグの保管場所情報が読み取られない限り、その保管場所情報は記録されずに破棄される。つまり、指定進行方向及び指定読取パターンの組み合わせを、指定作業と関連づけておくことで、指定作業以外の目的で作業車両が使用されているときに保管場所情報が誤検出されることを抑制できる。
本開示の一態様では、指定進行方向は、作業車両の前進方向及び後退方向のいずれか一方であってもよい。指定読取パターンは、第1読取パターン及び第2読取パターンのいずれか一方であってもよい。但し、2つのゲート用アンテナを第1アンテナ及び第2アンテナとし、ゲートタグが有する2つのRFタグを第1タグ及び第2タグとする。そして、第1読取パターンは、第1アンテナが第1タグの情報を読み取り且つ第2アンテナが第2タグの情報を読み取るパターンであり、第2読取パターンは、第1アンテナが第2タグの情報を読み取り且つ第2アンテナが第1タグの情報を読み取るパターンである。
このような構成によれば、ゲートタグを構成する2つのRFタグの間を作業車両が通過する場合に、同一方向に通過する場合であっても、前進で通過するか後退で通過するかによって、タグ情報の記録の要否を定めることができる。
本開示の一態様では、指定進行方向は、指定作業を実施するために作業車両が物品保管領域に進入する際の規則として定められた作業車両の進行方向であってもよい。
このような構成によれば、作業車両によるゲートタグの通過が、指定作業を実施するためであるか否かを判定できる。
本開示の一態様では、進行判定部は、作業車両の進行方向を、作業車両のトランスミッションにおけるギアの設定状態を表す信号を用いて判定してもよい。
本開示の一態様は、進行判定部により作業車両の進行方向が指定進行方向であると判定された場合、アンテナ部を介した電波の送信を許可する送信許可部を更に備えてもよい。
このような構成によれば、作業車両が指定作業を行うための移動をしている場合にだけアンテナ部から電波が放射されるため、無駄に電力が消費されることを抑制できる。
本開示の一態様では、作業車両は、フォークリフトであってもよい。指定進行方向は、後退方向であってもよい。
このような構成によれば、フォークリフトによって物品を搬送するときには、必ず後退方向に走行する(すなわち、バックギアにする)という規則が存在する場合、物品の搬送中だけ、RFタグ読取部に、RFタグの情報を読み取らせることができる。
本開示の一態様では、アンテナ部は、フォークリフトが搬送する搬送物に添付されたRFタグの情報である物品情報を読み取るために、搬送物が搭載されるエリアが検知エリアとなるようにフォークリフトに取り付けられた1つ以上の物品用アンテナを更に備えてもよい。記録部が、保管場所情報と対応付けて記憶する情報には、物品用アンテナを介して読み取られた物品情報を含んでもよい。
このような構成によれば、記録部によって記録された情報から、フォークリフトにより搬送される個々の物品が、どの作業実施領域にあるかを把握できるため、トレーサビリティが確保される。
物品管理システムの概要を示す説明図である。 フォークリフトに搭載されるRFタグ読取装置の構成を示すブロック図である。 フォークリフトにおけるアンテナ及びリーダライタの搭載位置を示す説明図である。 給電制御部の動作を示すフローチャートである。 PCにおけるメイン処理の内容を示すフローチャートである。 サーバに記憶される入庫情報を例示する説明図である。
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[1.全体構成]
図1に示す物品管理システム1は、工場や倉庫等の構内において、物品の加工状態や加工日時、物品の一時保管場所や保管日時等の情報を一括して管理するシステムである。
物品管理システム1は、RFタグ読取装置2と、ゲートタグ3と、物品タグ4と、サーバ5とを備える。
ゲートタグ3及び物品タグ4は、いずれも、アンテナと、記憶部と、送受信回路とを備えた公知のRFタグである。RFタグにおいて、送受信回路は、RFタグ読取装置2からのRFタグ読取用電波を、アンテナを介して受信すると、これに応答して、記憶部に記憶された情報を、アンテナを介して電波で送信する。
ゲートタグ3は、物品Mを搬送する移動体であるフォークリフト100の通路、及び通路に隣接して設けられた区画S1,S2,…の出入口等に設置される。例えば、区画S1は、物品Mに対する加工(例えば、プレス加工等)を行うための作業スペースであり、区画S2は、物品Mの一時保管場所として使用される格納スペースである。また、記載しない区間S3は手直し工程である。ゲートタグ3は、2つのRFタグ31,32を備え、一方を第1タグ31、他方を第2タグ32という。第1タグ31及び第2タグ32は、区画Siの出入口となる通路の両側に設置される。但し、i=1,2,…である。区画Siが物品保管領域に相当する。
第1タグ31及び第2タグ32の記憶部には、保管場所情報として、第1タグ31及び第2タグ32の設置位置を表す位置情報が記憶される。位置情報には、設置された区画Siを識別する区画情報の他、通路の左右いずれに位置するかを識別する左右情報が含まれる。通路の左右は、ここでは、区画Siの内側から出入口を見たときの位置で定義する。以下では、区画Siの出入口となる通路の右に位置する第1タグ31の位置情報をSi_Rで表し、区画Siの出入口となる通路の左に位置する第2タグ32の位置情報をSi_Lで表す。
物品タグ4は、物品Mに貼付される。ここでの物品Mは、加工の対象となる個々の物品でもよいし、フォークリフト100によって一括して搬送される複数の物品が収納された箱体でもよい。
物品タグ4の記憶部には、RFタグに記憶される情報として、物品Mに関する情報、例えば、物品の種類、箱体に収納された物品の数等が記憶される。
サーバ5は、構内に設置された無線LAN経由でRFタグ読取装置2と通信する機能を有すると共に、RFタグ読取装置2から提供される情報を記憶する記憶装置を有する。
[2.フォークリフト]
ここで、RFタグ読取装置2を説明する前に、RFタグ読取装置2を搭載するフォークリフト100の電気的な構成について説明する。なお、フォークリフト100が作業車両に相当する。
図2に示すように、フォークリフト100は、バッテリ11と、モータ12とを備える。フォークリフト100は、モータ12またはエンジンの駆動力によって、フォークリフト100の移動、及び物品Mを保持するフォーク103(図3参照)の昇降を行うハイブリッド式の車両である。
フォークリフト100は、リレー13と、キースイッチ14と、ポジションセンサ15とを更に備える。
キースイッチ14は、フォークリフト100の起動及び停止を指示するためのスイッチである。キースイッチ14は、キースイッチ14のオンオフ状態に応じて信号レベルが切り替わる切替信号Xをリレー13及びRFタグ読取装置2に出力する。
リレー13は、バッテリ11からモータ12に到る給電経路に設けられ、この給電経路を切替信号Xに従って導通又は遮断する。
ポジションセンサ15は、フォークリフト100が有するトランスミッションのギアを切り替えるシフトレバーの操作位置に応じた信号を出力する。具体的には、ポジションセンサ15は、シフトレバーが、バックギアの位置にある場合に信号レベルがオンとなるバック信号BをRFタグ読取装置2に出力する。
[3.RFタグ読取装置]
RFタグ読取装置2は、インバータ21と、リレー22,23と、給電制御部27と、リーダライタ24と、アンテナ部25と、パーソナルコンピュータ(以下、PC)26とを備える。なお、リーダライタ24がRFタグ読取部に相当する。
リレー22は、バッテリ11からモータ12に到る給電経路から分岐してインバータ21に到る給電経路(以下、入力側給電経路)に設けられ、給電制御部27からの第1切替信号X1に従って、入力側給電経路を導通又は遮断する。
リレー23は、インバータ21の出力からリーダライタ24及びPC26に到る給電経路(以下、出力側給電経路)に設けられ、給電制御部27からの第2切替信号X2に従って、出力側給電経路を導通又は遮断する。
給電制御部27は、キースイッチ14からの切替信号Xに基づき、リレー22に供給する第1切替信号X1、及びリレー23に供給する第2切替信号X2を生成する。切替信号Xと、第1切替信号X1及び第2切替信号X2との関係は、後述のフローチャートを用いた動作説明で詳述する。
リーダライタ24は、図3に示すように、例えば、フォークリフト100のルーフ101の上に取り付けられる。以下では、フォークリフト100において、前方とは、車体に対してフォーク103及びマスト104が設けられている側であり、左右とは、運転席から前方を向いた状態での左右である。
リーダライタ24は、インバータ21からの給電(すなわち、AC100V)を受けて作動する。但し、リーダライタ24は、PC26からの指示に従って、アンテナ部25を介したRFタグ読取用電波の送信を実施する。リーダライタ24は、アンテナ部25を介してゲートタグ3又は物品タグ4から読み取った情報をPC26に出力する。以下では、ゲートタグ3から読み取った情報を保管場所情報、物品タグ4から読み取った情報を物品情報という。
アンテナ部25は、ゲートタグ3からの情報読取に用いるゲート用アンテナ251,252と、物品タグ4からの情報読取に用いる物品用アンテナ253,254とを備える。
ゲート用アンテナ251,252は、図3に示すように、ルーフ101を支持するために、運転席の四隅に設けられた前後2本ずつの支柱102のうち、後方に位置する左右2本の支柱102に取り付けられる。以下では、運転席の右後方の支柱102に取り付けられたゲート用アンテナ251を右アンテナ、運転席の左後方の支柱102に取り付けられたゲート用アンテナ252を左アンテナという。右アンテナ251は、車体の右側方が検知エリアとなり、左アンテナ252は、車体の左側方が検知エリアとなるように取り付けられる。なお、右アンテナが第1アンテナ、左アンテナが第2アンテナに相当する。
物品用アンテナ253,254は、フォーク103に保持された物品Mの物品タグ4の情報を読み取るために、フォーク103を上下動させるマスト104に近い位置に設けられる。また、物品用アンテナ253,254は、フォーク103の高さに関わらず良好な読み取りを実現するために、上下2箇所に設けられる。本実施形態では、ルーフ101に取り付けられた物品用アンテナ253を上アンテナ、前輪105の上部に取り付けられた物品用アンテナ254を下アンテナという。上アンテナ253及び下アンテナ254は、いずれも、車体の前方が検知エリアとなるように取り付けられる。
PC26は、CPU、ROM、RAMを備え、更に、表示部261、無線部262を備えた周知のパーソナルコンピュータである。PC26は、リーダライタ24と同様に、インバータ21からの給電を受けて作動する。PC26は、給電が開始されると、まずOSを起動し、その後、起動したOS上で種々の処理が実行される。つまり、フォークリフト100を用いた作業は、PC26のOSの起動を待って開始する必要がある。
PC26は、キースイッチ14からの切替信号X及びポジションセンサ15からのバック信号Bに従って、リーダライタ24の動作を制御するメイン制御を実行する。また、PC26は、リーダライタ24にて読み取られた読取情報(例えば、物品の種類や搬送先等)を、表示部261に表示させる機能、及び、無線部262により、構内に設置された無線LAN経由で、サーバ5に提供する機能を有する。また、PC26は、フォークリフト100の個体識別情報(以下、リフト情報)を保有する。
[4.動作]
RFタグ読取装置2の動作について説明する。
但し、フォークリフト100を用いた構内での作業において、以下の規則があることを前提とする。すなわち、フォークリフト100による物品Mの搬送時に、フォークリフト100は必ずバック走行で移動する。フォークリフト100の運転者がフォークリフト100の運転席から一時的に離れる時には、搬送作業中であっても必ずフォーク103を地面におろし、キースイッチ14をオフにする。
[4−1.遅延制御]
給電制御部27の動作を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
本処理は、リレー22,23がオフした状態で、キースイッチ14がオフからオンに操作された時、すなわち、切替信号Xの信号レベルがオフからオンに切り替わったときに起動する。なお、本処理が起動する前の初期状態において、第1切替信号X1及び第2切替信号X2の信号レベルはいずれもオフとなる。
S110では、給電制御部27は、第1切替信号X1の信号レベルをオフからオンに切り替える。すなわち、切替信号Xをそのまま第1切替信号X1として出力する。
続くS120では、給電制御部27は、切替信号Xの信号レベルがオフからオンに切り替わってからの経過時間が、予め設定された起動待機時間に達したか否かを判定する。給電制御部27は、経過時間が起動待機時間に達していれば処理をS130に進め、経過時間が起動待機時間に達していなければ、同ステップを繰り返すことで待機する。起動待機時間は、例えば、キースイッチ14がオンに操作されてからモータ13またはエンジンが安定動作するまでに要する時間以上に設定する。
S130では、第2切替信号X2の信号レベルをオフからオンに切り替える。すなわち、起動待機時間だけ遅延させた切替信号Xを、第2切替信号X2として出力する。
つまり、S110〜S130の処理により、キースイッチ14がオフからオンに操作されたときには、バッテリ11からの給電が開始される。これにより、モータ12は動作可能な状態になり、エンジンは起動する。更に、第1切替信号X1によってリレー22がオンすることで、インバータ21への給電も直ちに開始される。このとき、第2切替信号X2によってリレー23はオフのままであるため、インバータ21は無負荷の状態で起動される。そして、モータ12の動作またはエンジンの出力が安定した後、第2切替信号X2によりリレー23がオンすることで、リーダライタ24及びPC26への給電が開始される。但し、PC26は、OSの起動に時間を要し、リーダライタ24も起動には時間を要するため、これらPC26のOS及びリーダライタ24が起動するまでの間、フォークリフト100を用いた作業を開始することが禁止される。
続くS140では、給電制御部27は、切替信号Xを監視することでキースイッチ14がオフされたか否かを判定し、キースイッチ14がオフされていれば、処理をS150に移行し、キースイッチ14がオンのままであれば、同ステップを繰り返すことで待機する。
S150では、給電制御部27は、S140にてキースイッチ14がオフされていると判定されてからの経過時間が予め設定された停止待機時間に達したか否かを判定する。経過時間が停止待機時間に達していれば処理をS160に移行し、経過時間が停止待機時間に達していなければ処理をS140に戻す。なお、停止待機時間は、フォークリフト100による搬送作業中に、運転者が一時的に下車し再度乗車して作業を再開するまでに要する時間として許容される最大時間(例えば、60分)に設定される。また、経過時間は、S140にてキースイッチ14がオンしていると判定された場合にリセットされる。
S160では、給電制御部27は、第1切替信号X1及び第2切替信号X2の信号レベルをいずれもオンからオフに切り替えて、すなわち、停止待機時間だけ遅延させた切替信号Xを、第1切替信号X1及び第2切替信号X2として出力して、処理を終了する。
つまり、S140〜S160の処理により、キースイッチ14がオンからオフに操作されても、リーダライタ24及びPC26への給電が直ちに停止するのではなく、オフ状態が停止待機時間だけ継続した場合のみ給電が停止する。従って、停止待機時間中にキースイッチ14がオフからオンに操作された場合、リーダライタ24及びPC26では、OS等の起動を待つことなく直ちに処理が再開される。つまり、フォークリフト100を用いた作業を直ちに再開できる。
給電制御部27は、論理回路やタイマー等を用いてハードウェアによって実現されてもよいし、処理の一部又は全部がソフトウェアによって実現されてもよい。
[4−2.メイン処理]
PC26が実行するメイン処理を、図5のフローチャートを用いて説明する。
本処理は、キースイッチ14がオンである間、繰り返し実行される。
S200では、PC26は、リーダライタ24に対して、ゲート用アンテナ251,252及び物品用アンテナ253.254によるRFタグ読取用電波の送信を何れもオフにする指示を出力する。
続くS210では、PC26は、ポジションセンサ15からのバック信号Bの信号レベルがオンである否かを判定し、オンであれば処理をS220に移行し、オフであれば同ステップを繰り返すことでオンになるまで待機する。つまり、ここでは、フォークリフト100の後退方向を指定進行方向として、指定進行方向に設定されているか否かをバック信号Bによって判定する。
S220では、PC26は、リーダライタ24に対して、ゲート用アンテナ251,252によるRFタグ読取用電波の送信をオンにする指示を出力する。指示を受けたリーダライタ24は、ゲート用アンテナ251,252を介したRFタグの情報の読み取りを開始する。
続くS230では、PC26は、リーダライタ24がゲートタグ3を検出したか否か、即ち、リーダライタ24がゲート用アンテナ251,252を介して読み取った保管場所情報を、リーダライタ24から取得したか否かを判定する。なお、リーダライタ24からは、右アンテナ251で取得された保管場所情報と、左アンテナ252で取得された保管場所情報とが個別に提供される。
PC26は、S230にて、リーダライタ24がゲートタグ3を未検出であると判定した場合は、同ステップを繰り返すことで待機し、ゲートタグ3を検出したと判定した場合は、処理をS240に移行する。
S240では、PC26は、読取パターンを検出する。読取パターンとは、ゲート用アンテナ251,252と、各ゲート用アンテナ251,252が読み取った保管場所情報Si_R,Si_Lとの組み合わせパターンのことをいう。具体的には、右アンテナ251で第1タグ31の保管場所情報Si_Rを読み取り、且つ左アンテナ252で第2タグ32の保管場所情報Si_Lを読み取った場合を第1読取りパターンとする。また、右アンテナ251で第2タグ32の保管場所情報Si_Lを読み取り、左アンテナ252で第1タグ31の保管場所情報Si_Rを読み取った場合を第2読取パターンとする。
つまり、第1読取パターンは、フォークリフト100が後退走行で区画Siに進入した場合、又は前進走行で区画Siから退出した場合に検出される。但し、ここでは後退走行の場合だけゲートタグ3の読み取りが実行されるため、第1読取パターンの検出は、フォークリフト100が後退走行で(すなわち、物品Mを搬送しながら)区画Siに進入したことを意味する。
また、第2読取パターンは、フォークリフト100が前進走行で区画Siに進入した場合、又は後退走行で区画Siから退出した場合に検出される。但し、ここでは後退走行の場合だけゲートタグ3の読み取りが実行されるため、第2読取パターンの検出は、フォークリフト100が後退走行で(すなわち、物品Mを搬送しながら)区画Siから退出したことを意味する。
ここでは、第1読取パターンを正常パターンとし、それ以外の読取パターンを異常パターンとする。つまり、本実施形態では、第1読取パターンが指定読取パターンに相当する。なお、異常パターンには、第2読取パターンが検出された場合の他、ゲート用アンテナ251,252のいずれか一方でのみ保管場所情報が検出された場合、ゲート用アンテナ251,252の両方で同じ保管場所情報が検出された場合等を含む。
続くS250では、PC26は、S240での保管場所入庫判定の結果が正常入庫であるか否かを判定し、正常入庫であると判定した場合は、処理をS270に移行し、異常入庫であると判定した場合は、処理をS260に移行する。
S260では、PC26は、異常入庫であることを、表示部261を介して運転者に報知して処理をS230に戻す。このとき、異常入庫が検出されたことを、無線部262を介してサーバ5に通知してもよい。
S270では、PC26は、作動させるアンテナの切替を行う。具体的には、PC26は、リーダライタ24に対して、ゲート用アンテナ251,252によるRFタグ読取用電波の送信をオフにし、物品用アンテナ253,254の電源出力をオンにする指示を出力する。指示を受けたリーダライタ24は、ゲート用アンテナ251,252を介したRFタグ(すなわち、ゲートタグ3)の情報の読み取りを停止し、代わりに物品用アンテナ253,254を介したRFタグ(すなわち、物品タグ4)の情報の読み取りを開始する。
続くS280では、PC26は、リーダライタ24が物品タグ4を検出したか否か、即ち、リーダライタ24が物品用アンテナ253,254を介して読み取った物品情報を、リーダライタ24から取得したか否かを判定する。なお、物品情報は、物品用アンテナ253,254の少なくとも一方で取得されていればよい。
PC26は、S280にて、リーダライタ24が物品タグ4を検出したと判定した場合は、処理をS290に移行する。また、PC26は、S280にて、リーダライタ24が物品タグ4を未検出であると判定した場合は、同ステップを繰り返すことで待機し、未検出である期間が予め設定された許容時間を超えた場合に、処理をS200に戻す。
S290では、PC26は、リーダライタ24に対して物品用アンテナ253,254によるRFタグ読取用電波の送信をオフにする指示を出力する。これにより、リーダライタ24は、物品用アンテナ253,254を介したRFタグの情報の読み取りを停止する。
続くS300では、PC26は、入庫情報を生成し、無線部262を介してサーバ5に送信することで、サーバ5に記憶させて処理を終了する。入庫情報は、リーダライタ24から取得した保管場所情報及び物品情報を、保管場所情報を取得した時間を表す時間情報、及び情報の生成元となったフォークリフト100を特定するリフト情報と対応づけることで生成される。
サーバ5では、図6に示すように、PC26から送信されてくる入庫情報が順次記憶される。これにより、物品情報とPC26が保有するリフト情報で特定されるフォークリフト100が、進入した区画Siと進入した時間とが、時系列で把握される。
なお、キースイッチ14からの切替信号Xがオンからオフに変化した場合、PC26は、アンテナ部25を構成する各アンテナ251〜254のオンオフ状態を記憶して、リーダライタ24に対して、全てのアンテナ251〜254をオフにする指示を出力する。
その後、リーダライタ24及びPC26への給電が継続している間に、切替信号Xがオフからオンに変化した場合、PC26は、リーダライタ24に対して、先に記憶したアンテナ251〜254のオンオフ状態を復元する指示を出力する。
メイン処理において、S210が進行判定部に相当し、S220が送信許可部に相当し、S230〜S240がパターン判定部に相当する。
[5.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(5a)物品管理システム1では、保管場所情報を持つRFタグであるゲートタグ31,32が、個々の物品が保管される場所毎に設けられるのではなく、複数の物品が保管される物品保管領域に出入りするための通路に設けられる。このため、物品の保管エリアとなるラック毎にRFタグを設ける場合とは異なり、ゲートタグ31,32の位置を意識することなく物品を保管できる。その結果、物品のサイズの影響を受けることなく簡単に作業でき、また、物品保管領域内での個々の物品の保管場所のレイアウト変更にも容易に対応できる。
(5b)物品管理システム1では、フォークリフト100が後退走行である場合にゲート用アンテナ251,252を作動させ、保管場所情報が第1読取パターンで読み取られると、保管場所情報から特定される区画Siへの進入(すなわち、入庫)であると判定する。このため、物品Mを搬送した状態での作業のための入庫以外の状況で、入庫情報が記録されることを抑制できる。
例えば、フォークリフト100がゲートタグ3の間を通過することなく、ゲートタグ3の近くを通過したときに、保管場所情報が読み取られても、ゲート用アンテナ251,252によって読み取られる保管場所情報が第1読取パターンとなることがない。このため、入庫に関する誤検出が抑制される。
(5c)物品管理システム1では、入庫情報として、保管場所情報、物品情報、リフト情報、時間情報を対応づけて記憶する。このため、入庫情報の時系列から、物品情報で特定される個々の物品が、いつ、どこにあったかを把握できるため、物品の滞留時間トレーサビリティが確保される。また、入庫情報の時系列から、リフトの稼動状況も把握できる。
(5d)物品管理システム1におけるRFタグ読取装置2は、物品搬送時の走行方法として規定された後退走行をフォークリフト100が行っているときだけ、アンテナ部25からタグ読取用電波を送信して、ゲートタグ3及び物品タグ4からの情報の読み取りを実行する。従って、RFタグ読取装置2によれば、物品Mの搬送を行っていないときに、必要のないタグ読取用電波が送信されることで、バッテリ11の電力が無駄に消費されることを抑制できる。その結果、バッテリ11の充電周期を長くすることができ、フォークリフト100を効率よく稼動させることができる。
(5e)物品管理システム1におけるRFタグ読取装置2は、キースイッチ14がオフされた場合、リーダライタ24及びPC26に対する給電を直ちに停止するのではなく、そのオフ状態が停止待機時間だけ継続した場合に限り給電を停止する。従って、物品Mの搬送中に、運転者がフォークリフト100から一時的に下車する等してキースイッチ14がオフされた場合、停止待機時間が経過する前に再びキースイッチ14がオンされれば、PC26のOSの起動を待つことなく、直ちに作業を再開できる。これにより、フォークリフト100による作業の効率を向上させることができる。
(5f)物品管理システム1におけるRFタグ読取装置2は、リレー22,23がオフしている初期状態で、キースイッチ14がオンされた場合、モータ12またはエンジンの出力が安定してからリーダライタ24及びPC26への給電を開始する。このため、起動時に多くの負荷電流が一斉に流れることによって、バッテリ電圧の低下による起動不全(所謂、バッテリ上りとも言う)と判定される電圧になることを抑制できる。
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
(6a)上記実施形態では、第1読取パターンを指定読取パターンとして用い、入庫情報の記憶を行っているが、第2読取パターンを指定読取パターンとして用いてもよい。また、指定進行方向として、後退方向を用いているが、前進方向を用いてもよい。つまり、2つの読取パターンと、2つの指定進行方向との組み合わせによる4種類の状況のそれぞれに意味を持たせて、それぞれの状況で検出される入庫情報相当の情報をサーバ5に記憶させてもよい。
(6b)上記実施形態では、リレー23によって、起動時にインバータ21の出力側で流れる負荷電流を制御しているが、起動時に一斉に流れる負荷電流が十分に小さい場合は、リレー23は省略されてもよい。
(6c)上記実施形態では、リーダライタ24とPC26とが別体に構成されているが、これらは、一体に構成されてもよい。
(6d)上記実施形態では、作業車両がフォークリフト100であり、リーダライタ24がアンテナ部25を介してタグ読取用電波を送信する条件として、ギアの状態がバックギアである場合について例示したが、本開示は、これに限定されるものではない。バックギアに限らず特定のギアの状態のときに、RFタグの情報を読み取る作業を行う作業車両であれば適用可能である。
(6e)上記実施形態では、生成された入庫情報を単純に順次記憶しているが、例えば、同一の目的で使用される区画が複数存在する場合、フォークリフト100が間違った区画に進入することで生成、記憶された入庫情報を、その後、正しい区画に進入することで生成された入庫情報で上書きするように構成されてもよい。
1…物品管理システム、2…RFタグ読取装置、3…ゲートタグ、4…物品タグ、5…サーバ、11…バッテリ、12…モータ、14…キースイッチ、15…ポジションセンサ、21…インバータ、22,23…リレー、24…リーダライタ、25…アンテナ部、26…パーソナルコンピュータ(PC)、27…給電制御部、31…第1タグ、32…第2タグ、100…フォークリフト、101…ルーフ、102…支柱、103…フォーク、104…マスト、105…前輪、251…右アンテナ(ゲート用アンテナ)、252…左アンテナ(ゲート用アンテナ)、253…上アンテナ(物品用アンテナ)、254…下アンテナ(物品用アンテナ)、261…表示部、262…無線部。

Claims (8)

  1. 作業車両の前進方向に対して直交する左右側方に検知エリアが設定されるように、前記作業車両に取り付けられる2つのゲート用アンテナを有したアンテナ部と、
    前記作業車両に搭載され、前記アンテナ部を介してRFタグの情報を読み取るRFタグ読取部と、
    前記作業車両によって指定作業が実施される物品を保管する物品保管領域に設けられ、前記物品保管領域に出入りするための通路を挟むように配置された2つのRFタグを有するゲートタグと、
    前記作業車両の進行方向を判定する進行判定部と、
    前記ゲートタグから読み取った情報である保管場所情報を前記進行判定部にて判定された進行方向と対応づけて記録する記録部と、
    を備える物品管理システム。
  2. 請求項1に記載の物品管理システムであって、
    前記進行判定部にて前記作業車両の進行方向が予め設定された指定進行方向であると判定された場合、前記RFタグ読取部にて読み取られた前記2つのRFタグの情報のそれぞれが、前記2つのゲート用アンテナのいずれで読み取られたかを表す読取パターンを判定するパターン判定部を更に備え、
    前記記録部は、前記パターン判定部にて前記読取パターンが予め設定された指定読取パターンであると判定された場合に記録を行う
    物品管理システム。
  3. 請求項2に記載の物品管理システムであって、
    前記指定進行方向は、前記作業車両の前進方向及び後退方向のいずれか一方であり、
    前記指定読取パターンは、前記2つのゲート用アンテナを第1アンテナ及び第2アンテナとし、前記ゲートタグが有する2つのRFタグを第1タグ及び第2タグとして、前記第1アンテナが前記第1タグの情報を読み取り且つ前記第2アンテナが前記第2タグの情報を読み取る第1読取パターン、及び前記第1アンテナが前記第2タグの情報を読み取り且つ前記第2アンテナが前記第1タグの情報を読み取る第2読取パターンのいずれか一方である
    物品管理システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の物品管理システムであって、
    前記指定進行方向は、前記指定作業を実施するために前記作業車両が前記物品保管領域に進入する際の規則として定められた前記作業車両の進行方向である
    物品管理システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の物品管理システムであって、
    前記進行判定部は、前記作業車両の進行方向を、該作業車両のトランスミッションにおけるギアの設定状態を表す信号を用いて判定する
    物品管理システム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の物品管理システムであって、
    前記進行判定部により前記作業車両の進行方向が前記指定進行方向であると判定された場合、前記アンテナ部を介した電波の送信を許可する送信許可部を更に備える
    物品管理システム。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の物品管理システムであって、
    前記作業車両は、フォークリフトであり、
    前記指定進行方向は、後退方向である
    物品管理システム。
  8. 請求項7に記載の物品管理システムであって、
    前記アンテナ部は、前記フォークリフトが搬送する搬送物に添付されたRFタグの情報である物品情報を読み取るために、前記搬送物が搭載されるエリアが検知エリアとなるように前記フォークリフトに取り付けられた1つ以上の物品用アンテナを更に備え、
    前記記録部が、前記保管場所情報と対応付けて記憶する情報には、前記物品用アンテナを介して読み取られた前記物品情報を含む
    物品管理システム。
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