JP2021187428A - 乗物用シート - Google Patents

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洋一 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】カバー材が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部と固定材の両者の取付スペースを確保する。【解決手段】クッション材を被覆するカバー材20の端末部21には、ベースプレート10への固定に用いられる孔23が形成され、ベースプレート10は、当該ベースプレート10の裏面から突出して形成され、カバー材20の孔23に通されて引っ掛けられるフック部16を有しており、カバー材20の端末部21は、孔23にフック部16が通されて引っ掛けられるとともに、固定材25が端末部21を介してベースプレート10に打ち込まれて、ベースプレート10に固定された状態となっており、フック部16と固定材25は、カバー材20の端末部21が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、乗物用シートに関する。
特許文献1においては、例えば二輪車用シートのクッション材を被覆するカバー材の端末部を、シートのベースプレートにおけるフランジ部に留める場合に、カバー材の端末部を、ベースプレートのフランジ部に形成された仮留め用のフック部に仮止めを行う。さらに、フランジ部における各フック部の外側に、タッカー等の工具を用いてステープルによってカバー材の端末部を本固定している。すなわち、乗物用シートのカバー材を留める場合に、フック部とステープルとを同時に使用する技術が従来知られている。
特開2014−151789号公報
ところで、乗物用シートのカバー材は、乗員が着座した時や、乗員の重心が移動する時にクッション材が変形し、これに伴って端末部が乗物用シートの表面側に引っ張られる。特許文献1の技術においては、カバー材の端末部が表面側に引っ張られる方向に、フック部とステープルが並んで配置されている。そのため、ベースプレートのフランジ部には、フック部とステープルを並べて取り付ける位置を確保する必要があり、構造の大型化が懸念される。
また、構造の大型化を避けるために、例えばフック部とステープル(固定材)とを近接して配置すると、両者の取付スペースを十分に確保できない場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、カバー材が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部と固定材の両者の取付スペースを確保することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、表面にクッション材が設けられて当該クッション材を支持するベースプレートと、
前記クッション材を被覆し、端末部が、前記ベースプレートに固定されるカバー材と、を備えており、
前記カバー材の端末部には、前記ベースプレートへの固定に用いられる孔が形成され、
前記ベースプレートは、当該ベースプレートの裏面から突出して形成され、前記カバー材の前記孔に通されて引っ掛けられるフック部を有しており、
前記カバー材の前記端末部は、前記孔に前記フック部が通されて引っ掛けられるとともに、固定材が前記端末部を介して前記ベースプレートに打ち込まれて、前記ベースプレートに固定された状態となっており、
前記フック部と前記固定材は、前記カバー材の前記端末部が引っ張られる方向において重ならないように配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗物用シートにおいて、
前記フック部は、前記ベースプレートの前部及び後部に複数ずつ形成されており、
前記カバー材の前記端末部は、前記ベースプレートの前記前部及び前記後部において前
記孔に前記フック部が通されて引っ掛けられるとともに、前記ベースプレートの左右側部において前記固定材が前記端末部を介して前記ベースプレートに打ち込まれて、前記ベースプレートに固定された状態となっていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の乗物用シートにおいて、
前記フック部は、前記ベースプレートの裏面からの突出方向先端に位置する頭部が曲面形状となっていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、
前記カバー材の前記端末部は、前記ベースプレートの表面側から裏面側に折り曲げられて固定され、前記カバー材のうち前記ベースプレートの表面側から裏面側に折り曲げられた部位である折曲部は、前記ベースプレートの縁部に沿っており、
前記フック部は、前記ベースプレートの裏面からの突出方向先端に位置する頭部が、前記ベースプレートの裏面視において短辺と長辺を有する形状とされ、
前記頭部は、前記ベースプレートの裏面視において、前記長辺の方向が前記カバー材の前記折曲部と垂直になるよう配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、
前記カバー材の前記端末部のうち、隣り合う一方の前記孔が位置する部位と、隣り合う他方の前記孔が位置する部位とが重ね合わせられており、
前記一方の孔と前記他方の孔の双方に対し、前記ベースプレートにおける一つの前記フック部が通されて引っ掛けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、
前記カバー材の前記端末部のうち、前記固定材によって固定される部位には、前記ベースプレートへの仮留めに用いられる仮留め孔が形成され、
前記ベースプレートは、当該ベースプレートの裏面から突出して前記カバー材の前記仮留め孔に通され、前記仮留め孔の数に応じた数で形成された仮留めフック部を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、
前記ベースプレートには、当該ベースプレートを厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、
前記フック部と前記複数の貫通孔は、前記ベースプレートの前後方向において重ならないように配置されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、
前記カバー材の前記端末部は、少なくとも前記端末部が引っ張られる方向とその反対の方向に伸縮する伸縮部を有し、
前記伸縮部は、前記カバー材の前記端末部のうち、前記固定材によって固定される部位に設けられていて、前記フック部が引っ掛けられる部位には設けられていないことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、カバー材の端末部が表面側に引っ張られる方向に、フ
ック部と固定材が並んで配置されないため、カバー材が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部と固定材の両者の取付スペースを確保することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ベースプレートのうちフック部が設けられる部位は、フック部が設けられることにより強度を稼ぐことができるので、その分、固定材が打ち込まれる部位よりも板厚を薄くできる。つまり、強度が必要とされる部位は板厚を厚くして固定材を打ち込んでカバー材を固定し、強度が比較的必要とされていない部位は軽量化のために板厚を薄くしてフック部によってカバー材を固定するという使い分けが可能となる。ベースプレートの左右側部は乗員の着座時に乗員の脚が当たるため、固定材を打ち込む箇所とし、ベースプレートの左右側部の強度を向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、例えば頭部が角張った形状となっているよりもスムーズにカバー材の固定作業を行うことができるので、作業性を向上できる。
請求項4に記載の発明によれば、カバー材の端末部が表面側に引っ張られる際に、カバー材は折曲部に向かって力が加わるため、フック部の頭部における長辺の方向がカバー材の折曲部と垂直になるよう配置されていれば、カバー材がフック部から外れにくくなる。
請求項5に記載の発明によれば、カバー材の端末部のうち、隣り合う一方の孔が位置する部位と、隣り合う他方の孔が位置する部位とを一つのフック部で固定できるので、部品点数の削減に貢献できる。
請求項6に記載の発明によれば、カバー材の端末部における仮留め孔に、ベースプレートの仮留めフック部を通して仮留めすれば、カバー材の端末部のうち固定材によって固定される部位を、固定材によって固定しやすくなる。
請求項7に記載の発明によれば、複数の貫通孔がベースプレートに形成されることでシート全体の軽量化に貢献できるだけでなく、排水性や通気性を向上でき、特にクッション材の空気を逃がして排熱することで、着座時の不快感を低減できる。フック部は、このような効果をもたらす複数の貫通孔と、ベースプレートの前後方向において重ならないように配置されているので、比較的強度の高い位置にフック部を配置できる。これにより、フック部によるカバー材の固定状態を良好な状態に維持できる。
請求項8に記載の発明によれば、伸縮部は、カバー材の端末部のうち、固定材によって固定される部位に設けられているので、固定材による固定が容易となる。
さらに、伸縮部は、フック部が引っ掛けられる部位には設けられていないので、フック部は、カバー材の端末部のうち、伸縮部のない部位に引っ掛けられることになる。そのため、例えば伸縮部のある部位に引っ掛けられる場合よりもカバー材の脱離を防ぎやすくなる。しかも、伸縮部が設けられないことでコスト削減につながる。
第1実施形態における乗物用シートの裏面側を示す斜視図である。 図1の乗物用シートをより詳細に説明するための斜視図である。 フック部の構成を示す図である。 カバー材の孔にフック部が通された状態を示す斜視図である。 フック部の頭部の向きを説明するための図である。 フック部の変形例を説明するための図である。 第2実施形態における乗物用シートの裏面側を示す斜視図である。 図7の乗物用シートをより詳細に説明するための斜視図である。 カバー材の端末部が重なり合う場合における固定の態様を説明するための図である。 カバー材の端末部の変形例を説明するための図である。 第3実施形態における乗物用シートの表面側を示す斜視図である。 フック部の配置を説明するための図である。 第4実施形態における乗物用シートの裏面側を示す斜視図である。 第5実施形態における乗物用シートの裏面側を示す斜視図である。 図14の乗物用シートをより詳細に説明するための斜視図である。 カバー材の端末部のうち固定材によって固定される部位をベースプレートに仮留めする態様を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
また、以下に説明する乗物用シートは、船舶、飛行機、スノーモービル、水上バイク等の乗物用シートを含むが、主に車両用シートを指すものとし、車両は、跨座式又は非跨座式の自動二輪車や自動車(乗用車)だけでなく、自転車、原動機付自転車、建設車両、軍用車両、産業車両、鉄道車両、その他にも耕運機やトラクター等の農業用の車両等が挙げられる。そして、乗物用シートには乗員が着座する。
なお、本実施形態においては、跨座式の自動二輪車(いわゆるバイク、オートバイ、モーターサイクル)における乗物用シートを例に挙げて説明する。
さらに、乗物用シートは、車体に固定されるベースプレートと、ベースプレートの上面に設けられて支持されるクッション材と、ベースプレート及びクッション材を被覆するカバー材と、を備える。すなわち、乗物用シートは、ベースプレート上にクッション材が支持されるとともにカバー材で被覆されて構成されている。
ベースプレートは、ポリプロピレンやポリ塩化ビニル等の樹脂材料を成形してなる樹脂成型品であり、車両における車体に対応した形状となるように成形され、車体に対して装着される。そのため、特に硬質とされている。また、ベースプレートには、車体に固定するのに必要な金具等が取り付けられてもよいし、製造段階で金属がインサートされてもよい。
クッション材は、柔軟フォーム材、例えばウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォームから形成されており、ベースプレートよりも軟質である。
また、クッション材は、ベースプレートの上面に支持されるため、このクッション材の下面は、ベースプレートの上面の形状に合致しやすい形状となっている。これにより、クッション材を、ベースプレートの上面によって安定的に支持しやすくなる。
さらに、ベースプレートとクッション材とが互いに接する面、すなわち、ベースプレートの上面とクッション材の下面はそれぞれ基準面とされる。
カバー材は、乗物用シートの座面を構成し、乗員に接触する部分であり、樹脂材料や合成皮革、布、本革等によるものが適宜採用される。
カバー材の端末部は、ベースプレートの裏面(下面)側へと折り込まれ、このベースプレートに固定される。なお、カバー材の端末部とは、カバー材の全周縁を指している。したがって、このカバー材の端末部は、ベースプレートの全周縁にわたって固定される。
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態における乗物用シートS1について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
本実施形態における乗物用シートS1は、ベースプレート10と、クッション材(図示省略)と、カバー材20と、を備える。
ベースプレート10は、ボトムプレート、クッション支持部材とも称し、上記のように樹脂成型品であるため、ほとんどの部位が一体形成され、必要に応じて付属品が取り付けられる。換言すれば、ベースプレート10は、本体プレート11を主体として構成されており、この本体プレート11に対し、それぞれの機能を有する部位が一体形成された状態となっている。
本体プレート11は、乗員が座る部分が、側面視において他の部分よりも低くなるように形成されている。このように他の部分よりも低くなるように形成された部分の付近は、自動二輪車を運転する乗員の坐骨位置に対応する部分であり、シートのうちで最も乗員による荷重(乗員荷重)がかかる最大荷重部とされる。
このような本体プレート11は、当該本体プレート11の周縁に沿って設けられるフランジ部12を有しており、当該フランジ部12によって、本体プレート11の周縁の剛性を向上できるようになっている。
フランジ部12は、本体プレート11の周縁に一体形成されて、外方に向かって鍔状に張り出す部位を指している。
このようなフランジ部12は、本体プレート11の前縁側に位置して当該前縁付近を補強する前部12aと、本体プレート11の後縁側に位置して当該後縁付近を補強する後部12bと、本体プレートの左右側縁側に位置して当該側縁付近を補強する左右の側部12c,12dと、を有し、概略的にエリア分けされている。
また、フランジ部12は、本体プレート11から外方に張り出すだけでなく、斜め下方にも延出して形成されている。
このような形状のフランジ部12のうち、車体側の面が裏面とされ、車体とは反対側の面が表面とされている。表面には、上記のようにクッション材が設けられる。
そして、ベースプレート10は、本体プレート11に一体形成される部位として、複数の補強部13と、複数の荷重受け部14と、複数のリブ15と、を備えている。
また、ベースプレート10は、フランジ部12に一体形成される部位として、フランジ部12の裏面から突出して形成された複数のフック部16を備えている。
複数の補強部13は、それぞれが前後方向に伸びる畝状のものであり、本体プレート11の中央に配置された補強部13と、当該中央の補強部13から側方に離間して配置された左右の補強部13と、を有する。
なお、図示はしないが、各補強部13の表面側は、上記の基準面に対して凹んだ状態に形成されているものとする。また、各補強部13の表面側には、当該補強部13を構成する側壁間に架け渡される補強リブが設けられているものとする。そして、補強リブによって強化された位置には、軽量化のための貫通孔が形成されてもよい。
続いて、複数の荷重受け部14は、ベースプレート10と車体との間に位置して乗員荷重を受ける部分であり、左右の補強部13よりも左右方向外側のそれぞれに配置されている。
左右方向外側のそれぞれに配置された複数の荷重受け部14は、前側に位置する荷重受け部14と、中央部側に位置する荷重受け部14と、後側に位置する荷重受け部14と、
を有する。
ここで、荷重受け部14とは、車体に固定される部位そのものを指すと同時に、当該部位に取り付けられるゴム等の弾性部材および当該弾性部材が取り付けられる部位を指すものとする。この弾性部材は、ベースプレート10よりも軟質であり、ベースプレート10の下面に対して、例えば溶着等により固定されている。もしくは、ベースプレート10に差込孔を形成し、荷重受け部14の弾性部材に、前記差込孔に差し込める差込部を形成し、当該差込部を前記差込孔に差し込んで嵌合させることによって荷重受け部14の弾性部材をベースプレート10に固定してもよい。
複数の荷重受け部14のうち、中央部側に位置する荷重受け部14は、本体プレート11の最大荷重部の近傍に配置されている。換言すれば、ベースプレート10の左右にある中央部側の荷重受け部14間に、最大荷重部が位置している。そのため、中央部側の荷重受け部14には、前後の荷重受け部14よりも乗員荷重がかかりやすい。
前側の荷重受け部14は、フランジ部12の側部12c,12dのうち前側の部分と、左右の補強部13との間に位置して本体プレート11と一体形成されている。
後側の荷重受け部14は、フランジ部12の後部12bの位置で本体プレート11と一体形成されている。
これら複数の荷重受け部14の中央付近にはボルト孔が形成され、このボルト孔から挿入されたボルトによってベースプレート10を車体に固定できるようになっている。
続いて、複数のリブ15は、ベースプレート10を補強するための補強形状であり、複数の補強部13における側壁から左右方向に伸びて配置されている。さらに、複数のリブ15は、本体プレート11の前後方向に間隔を空けて配置されている。
より詳細に説明すると、複数のリブ15は、複数の補強部13における側壁間に架け渡された状態になったものと、左右の補強部13における側壁から更に側方に伸びた状態になったものと、が含まれている。そして、複数の補強部13における側壁間に架け渡された複数のリブ15も、左右の補強部13における側壁から更に側方に伸びた複数のリブ15も、本体プレート11の前後方向に間隔を空けて配置された状態となっている。
続いて、複数のフック部16は、カバー材20の端末部21に形成された孔23(後述する)に通されて引っ掛けられるものであり、ベースプレート10におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bに複数ずつ形成されている。
その個数は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、前部12aに7個、後部12bに8個設けられている。後部12bに設けられたフック部16のうち、後側の荷重受け部14間に位置するフック部16は4個で、後側の荷重受け部14の左右方向外側には2個ずつ設けられている。
フック部16は、図3(a)に示すように、フランジ部12の裏面から突出する軸部16aと、軸部16aの突出方向先端に位置する頭部16bと、を備える。そして、頭部16bは、軸部16aの側面よりも突出する先端部16cを有する。
より詳細に説明すると、フック部16は、頭部16bが、ベースプレート10の裏面視において短辺と長辺を有する形状とされている。
短辺の長さは、軸部16aの側面と同幅に設定され、長辺の長さは、軸部16aの側面よりも長い寸法に設定されている。そのため、頭部16bの長さ方向の先端部16cは、軸部16aの側面よりも側方に突出した状態となっている。
しかも、本実施形態における頭部16bは、その長さ方向両側端部が、軸部16aの側面よりも突出する先端部16cとされている。すなわち、フック部16は、側面視において略T字状に形成されている。
さらに、フック部16の頭部16bは、図3(b),(c)に示すように、上面が曲面形状となっている。すなわち、頭部16bは、短辺方向にも曲面形状となっており、長辺方向にも曲面形状となっている。
頭部16bにおける先端部16cの下面は、曲面形状とはなっておらず、平らに形成されている。
ベースプレート10のうちフック部16が設けられる部位は、フック部16が設けられることにより強度を稼ぐことができるので、その分、板厚を薄くできる。すなわち、本実施形態においては、ベースプレート10におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bの板厚を薄くすることができる。部分的にでも板厚を薄くすることができれば、乗物用シートS1全体の軽量化に貢献できるので好ましい。
なお、本実施形態におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bの板厚は、例えば1.0mmとされている。
次に、カバー材20について説明する。
カバー材20は、クッション材とベースプレート10の表面側を被覆する本体カバー部分(図示省略)と、ベースプレート10の裏面側へと折り込まれる端末部21と、を備える。
カバー材20のうち、ベースプレート10の表面側から裏面側に折り曲げられた部位22(以下、折曲部22)は、図5に示すように、ベースプレート10の縁部に沿っている。
換言すれば、クッション材とベースプレート10の表面側を被覆する本体カバー部分と、ベースプレート10の裏面側へと折り込まれる端末部21との境目は、必ず折り曲げられた状態となる。その折り曲げられた状態の部分は、ベースプレート10の縁部(表面と裏面の境界)を回り込むため、ベースプレート10の縁部に沿った状態となる。そのような部位を、以下、折曲部22と称する。
端末部21には、ベースプレート10への固定に用いられる孔23が形成されている。孔23には、ベースプレート10におけるフランジ部12の裏面から突出する上記のフック部16が通されて縁に引っ掛けられる。そのため、孔23の個数は、フック部16の個数以上とされている。換言すれば、フック部16の個数は、少なくとも孔23の個数に応じた個数となるように形成されており、孔23の個数よりも多く形成されることはない。
また、孔23は、端末部21のうち、ベースプレート10におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bに対応する部位に形成されている。
本実施形態における孔23は、丸孔状に形成されてもよいし、フック部16の頭部16bの形状に合わせて長孔状又は楕円状に形成されてもよい。また、軸部16aの断面形状に合わせて角孔状に形成されてもよく、適宜変更可能とされている。ただし、孔23の最大径が、フック部16の頭部16bにおける長辺の長さよりも長いと、フック部16が孔23から抜けやすいため、孔23の最大径は、頭部16bの長辺の長さよりも短い方が好ましい。
なお、図示はしないが、端末部21のうち孔23の周囲は強度が低くなるため、孔23の周囲には補強部が適宜設けられるものとする。補強部としては、例えば、ビード状のものを取り付けたり、引き裂き強度の高いテープを貼り付けたり、凹凸形状の加工を施したりする例が挙げられる。
以上のようなカバー材20の端末部21は、孔23にフック部16が通されて引っ掛けられるとともに、固定材25が端末部21を介してベースプレート10に打ち込まれて、
ベースプレート10に固定された状態となっている。すなわち、カバー材20の端末部21は、ベースプレート10に対する固定が、孔23にフック部16を通して引っ掛ける第1手段と、固定材25による第2手段と、によって行われている。
このような固定が行われるにあたり、フック部16と固定材25は、カバー材20の端末部21が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。
固定材25は、本実施形態においては、タッカー等の工具を用いて打ち込まれるステープルが採用されている。ただし、これに限られるものではなく、釘やビス等、その他の固定材を用いてもよいし、接着剤を併用してもよい。
なお、ベースプレート10のうち強度が必要とされる部位(本実施形態においては、乗員の脚が当たるベースプレート10におけるフランジ部12の左右側部12c,12d)は板厚を厚くする。板厚の厚い部位であれば、固定材25を打ち込む場所として好適である。
なお、本実施形態におけるフランジ部12の左右側部12c,12dの板厚は、例えば2.0mmとされている。すなわち、前部12a及び後部12bの板厚の2倍に設定されている。
ここで、カバー材20の端末部21が引っ張られる方向とは、図4及び図5において矢印Aで示す方向である。より詳細に説明すると、乗物用シートは、乗員が着座した時や、乗員の重心が移動する時にクッション材が変形するが、クッション材の変形に伴って端末部21が乗物用シートの表面側に引っ張られることになる。すなわち、乗員が接するカバー材20の本体カバー部分は、クッション材の変形に伴ってベースプレート10の表面側に押される。このとき、折曲部22で折り曲げられてベースプレート10の裏面側に回り込んだ端末部21は折曲部22側に引っ張られることになる。
フック部16と固定材25は、このような引っ張られる方向において重ならないように配置されている。
フック部16は、上記のように、ベースプレート10の前部12a及び後部12bに複数ずつ形成されている。つまり、ベースプレート10の左右側部12c,12dには形成されていない。
そのため、本実施形態においては、カバー材20の端末部21が、ベースプレート10におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bにおいて孔23にフック部16が通されて引っ掛けられるとともに、ベースプレート10におけるフランジ部12の左右側部12c,12dにおいて固定材25が端末部21を介してベースプレート10に打ち込まれて、ベースプレート10に固定された状態となっている。
また、フック部16の頭部16bは、図4,図5に示すように、ベースプレート10の裏面視において、長辺の方向がカバー材20の折曲部22と垂直になるよう配置されている。換言すれば、カバー材20の端末部21が引っ張られる方向(矢印A)と、フック部16の長辺方向とが揃った状態となっている。
なお、本実施形態においては、カバー材20の端末部21が、ベースプレート10におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bにおいてフック部16で、左右側部12c,12dにおいては固定材25で固定されるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、フック部16と固定材25が、カバー材20の端末部21が引っ張られる方向において重ならないように配置されていればよいので、例えば、端末部21の周方向に、フック部16と固定材25が並ぶような配置でもよい。
本実施形態における乗物用シートS1を製造する場合は、カバー材20の端末部21に形成された孔23に、ベースプレート10におけるフランジ部12のフック部16を通し
てから、固定材25を打ち込むようにする。
フランジ部12の前部12aに設けられた複数のフック部16のうち、左右の最も端部に位置するフック部16と、フランジ部12の後部12bに設けられたフック部16のうち、荷重受け部14よりも左右方向外側に位置するフック部16は、フランジ部12の側部12c,12dにおける複数の固定材25の並び方向の延長線上に位置している。そのため、乗物用シートS1を製造するにあたって、前部12a及び後部12bにおける左右方向外側の各フック部16にカバー材20の端末部21を引っ掛けておけば、カバー材20の端末部21が位置ずれしにくくなり、固定材25の打ち込み作業が行いやすくなる。
以上のような実施形態によれば、カバー材20の端末部21には、ベースプレート10への固定に用いられる孔23が形成され、ベースプレート10は、当該ベースプレート10の裏面から突出して形成され、カバー材20の孔23に通されて引っ掛けられるフック部16を有しており、カバー材20の端末部21は、孔23にフック部16が通されて引っ掛けられるとともに、固定材25が端末部21を介してベースプレート10に打ち込まれて、ベースプレート10に固定された状態となっており、フック部16と固定材25は、カバー材20の端末部21が引っ張られる方向において重ならないように配置されているので、カバー材20の端末部21が表面側に引っ張られる方向(矢印A)に、フック部16と固定材25が並んで配置されない。これにより、カバー材20が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部16と固定材25の両者の取付スペースを確保することができる。
また、フック部16は、ベースプレート10におけるフランジ部12の前部12a及び後部12bに複数ずつ形成されており、カバー材20の端末部21は、ベースプレート10の前部12a及び後部12bにおいて孔23にフック部16が通されて引っ掛けられるとともに、ベースプレート10の左右側部12c,12dにおいて固定材25が端末部21を介してベースプレート10に打ち込まれて、ベースプレート10に固定された状態となっているので、ベースプレート10のうちフック部16が設けられる部位は、フック部16が設けられることにより強度を稼ぐことができる。その分、固定材25が打ち込まれる部位よりも板厚を薄くできる。つまり、強度が必要とされる部位は板厚を厚くして固定材25を打ち込んでカバー材20を固定し、強度が比較的必要とされていない部位は軽量化のために板厚を薄くしてフック部16によってカバー材20を固定するという使い分けが可能となる。ベースプレート10の左右側部12c,12dは乗員の着座時に乗員の脚が当たるため、固定材25を打ち込む箇所とし、ベースプレート10の左右側部12c,12dの強度を向上できる。
また、フック部16は、ベースプレート10の裏面からの突出方向先端に位置する頭部16bが曲面形状となっているので、例えば頭部16bが角張った形状となっているよりもスムーズにカバー材20の固定作業を行うことができ、作業性を向上できる。
また、カバー材20の端末部21は、ベースプレート10の表面側から裏面側に折り曲げられて固定され、カバー材20のうちベースプレート10の表面側から裏面側に折り曲げられた部位である折曲部22は、ベースプレート10の縁部に沿っており、フック部16は、ベースプレート10の裏面からの突出方向先端に位置する頭部16bが、ベースプレート10の裏面視において短辺と長辺を有する形状とされ、頭部16bは、ベースプレート10の裏面視において、長辺の方向がカバー材20の折曲部22と垂直になるよう配置されているので、カバー材20がフック部16から外れにくくなる。すなわち、カバー材20の端末部21が表面側に引っ張られる際に、カバー材20は折曲部22に向かって力が加わるため、フック部16の頭部16bにおける長辺の方向がカバー材20の折曲部22と垂直になるよう配置されていれば、カバー材20がフック部16から外れにくくなる。
(変形例1)
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であるため、ここで変形例について説明する。本変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
上記実施形態におけるフック部16の場合、頭部16bにおける長辺方向両側の先端部16cの、軸部16aの側面からの突出寸法は等しいが、本変形例におけるフック部16Exの場合は、図6(a),(b)に示すように、一方の先端部16cExが、他方の先端部16cよりも長く形成されている。
一方の先端部16cExは、カバー材20の端末部21における縁部(折曲部22とは反対側に位置する末端部分を指す)側に配置され、他方の先端部16cは、カバー材20の折曲部22側に配置されている。
このような本変形例によれば、フック部16Exにおける一方の先端部16cExがカバー材20の端末部21における孔23の周囲に引っ掛かりやすくなるので、フック部16Exからカバー材20の端末部21が外れるのを抑制できる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態における乗物用シートS2について、図7〜図9を参照して詳細に説明する。なお、上記の実施形態と共通する要素については、適宜、説明を省略又は簡略する。
本実施形態における乗物用シートS2は、ベースプレート30と、クッション材(図示省略)と、カバー材40と、を備える。
本実施形態におけるベースプレート30は、上記のように樹脂成型品であるため、ほとんどの部位が一体形成され、必要に応じて付属品が取り付けられる。換言すれば、ベースプレート30は、本体プレート31を主体として構成されており、この本体プレート31に対し、それぞれの機能を有する部位が一体形成された状態となっている。
このような本体プレート31は、当該本体プレート31の周縁に沿って設けられるフランジ部32を有しており、当該フランジ部32によって、本体プレート31の周縁の剛性を向上できるようになっている。
フランジ部32は、本体プレート31の周縁に一体形成されて、外方に向かって鍔状に張り出す部位を指している。
このようなフランジ部32は、第1実施形態におけるフランジ部12と同様に、前部32aと、後部32bと、左右の側部32c,32dと、を有し、概略的にエリア分けされている。
そして、ベースプレート30は、本体プレート31に一体形成される部位として、複数の補強部33と、複数の荷重受け部34と、複数の突出部35と、を備えている。
また、ベースプレート30は、フランジ部32に一体形成される部位として、フランジ部32の裏面から突出して形成された複数のフック部36を備えている。
複数の補強部33は、本体プレート31の裏面(下面)における中央部一帯に形成されてベースプレート10を補強している。このような複数の補強部33は、下面側に凸形状とされている。複数の補強部33のそれぞれは、クッション材から最も遠い部分の表面が
曲面とされ、かつ、下面視において円形状に形成されている。
これら複数の補強部33は、突出した部分の表面が曲面とされ、かつ、円形状に形成されているので、上面視又は下面視した場合に、あたかも球体又は半球体のように見受けられることとなる。
また、複数の補強部33は、本体プレート11の表面側においては凹んだ状態に形成されている。すなわち、複数の補強部33は、上面視した場合に、下方に向かって貫通しない凹みとして形成されている。当該凹みは、上面視においてドーム状に形成されている。
そして、複数の補強部33は、下面視において千鳥状に配置されている。複数の補強部33の間に位置する部分は、これら複数の補強部33に囲まれた凹み部33aとなっている。
なお、図示はしないが、本体プレート31の表面(上面)における中央部一帯にも、上記複数の補強部33と同様の形状とされた複数の補強部が形成されてもよい。その場合、下面側の複数の補強部33と、上面側の複数の補強部は、ベースプレート30を上下方向に投影視した場合において異なる位置に配置されている。
つまり、下面側の複数の補強部33と、上面側の複数の補強部は、本体プレート11の平面的な位置関係においても、上下方向の位置関係においても、互い違いとなるような位置関係で配列されている。より具体的には、下面側の複数の補強部33は、上記のように千鳥状に配置され、上面側の複数の補強部は、下面側の複数の補強部33における千鳥状の配列を避けた位置関係で千鳥状に配置されている。
複数の荷重受け部34は、本体プレート31における左右方向外側の双方に配置されている。また、複数の荷重受け部34は、前側に位置する荷重受け部34aと、後側に位置する荷重受け部34bと、を有する。
続いて、複数の突出部35は、車体に固定される部分であり、ベースプレート30の前側に配置され、かつ、ベースプレート30の裏面から前方に向かって突出している。
また、これら複数の突出部35は、ベースプレート30の左右方向両側に設けられた前側の荷重受け部34の左右方向内側に隣接して配置されている。
続いて、複数のフック部36は、カバー材40の端末部41に形成された孔43(後述する)に通されて引っ掛けられるものであり、ベースプレート30におけるフランジ部32の前部32a及び後部32bに複数ずつ形成されている。
本実施形態におけるフック部36の構成は、上記の第1実施形態におけるフック部16と同様であるため説明を省略する。
次に、カバー材40について説明する。
カバー材40は、クッション材とベースプレート30の表面側を被覆する本体カバー部分(図示省略)と、ベースプレート30の裏面側へと折り込まれる端末部41と、を備える。
カバー材40のうち、ベースプレート30の表面側から裏面側に折り曲げられた部位42(以下、折曲部42)は、ベースプレート30の縁部に沿っている。
端末部41には、ベースプレート30への固定に用いられる孔43(図10参照)が形成されている。孔43には、ベースプレート30におけるフランジ部32の裏面から突出する上記のフック部36が通されて縁に引っ掛けられる。
また、孔43は、端末部41のうち、ベースプレート30におけるフランジ部32の前部32a及び後部32bに対応する部位に形成されている。
以上のようなカバー材40の端末部41は、孔43にフック部36が通されて引っ掛けられるとともに、固定材45が端末部41を介してベースプレート30に打ち込まれて、ベースプレート30に固定された状態となっている。すなわち、カバー材40の端末部41は、ベースプレート30に対する固定が、孔43にフック部36を通して引っ掛ける第1手段と、固定材45による第2手段と、によって行われている。
このような固定が行われるにあたり、フック部36と固定材45は、カバー材40の端末部41が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。
なお、固定材45は、本実施形態においては、タッカー等の工具を用いて打ち込まれるステープルが採用されている。
フック部36は、上記のように、ベースプレート30の前部32a及び後部32bに複数ずつ形成されている。つまり、ベースプレート30の左右側部32c,32dには形成されていない。
そのため、本実施形態においては、カバー材40の端末部41が、ベースプレート30におけるフランジ部32の前部32a及び後部32bにおいて孔43にフック部36が通されて引っ掛けられるとともに、ベースプレート30におけるフランジ部32の左右側部32c,32dにおいて固定材45が端末部41を介してベースプレート30に打ち込まれて、ベースプレート30に固定された状態となっている。
本実施形態における乗物用シートS2を製造する場合は、カバー材40の端末部41に形成された孔43に、ベースプレート30におけるフランジ部32のフック部36を通してから、固定材45を打ち込むようにする。
フランジ部32の前部32aに設けられた複数のフック部36のうち、左右の最も端部に位置するフック部36と、フランジ部32の後部32bに設けられたフック部36のうち、荷重受け部34よりも左右方向外側に位置するフック部36は、フランジ部32の側部32c,32d寄りに配置されている。そのため、乗物用シートS2を製造するにあたって、前部32a及び後部32bにおける左右方向外側の各フック部36にカバー材40の端末部41を引っ掛けておけば、カバー材40の端末部41が位置ずれしにくくなり、固定材45の打ち込み作業が行いやすくなる。
以上のような実施形態によれば、カバー材40の端末部41には、ベースプレート30への固定に用いられる孔43が形成され、ベースプレート30は、当該ベースプレート30の裏面から突出して形成され、カバー材40の孔43に通されて引っ掛けられるフック部36を有しており、カバー材40の端末部41は、孔43にフック部36が通されて引っ掛けられるとともに、固定材45が端末部41を介してベースプレート30に打ち込まれて、ベースプレート30に固定された状態となっており、フック部36と固定材45は、カバー材40の端末部41が引っ張られる方向において重ならないように配置されているので、カバー材40の端末部41が表面側に引っ張られる方向に、フック部36と固定材45が並んで配置されない。これにより、カバー材40が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部36と固定材45の両者の取付スペースを確保することができる。
(変形例2)
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であるため、ここで変形例について説明する。本変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
本変形例においては、図9に示すように、カバー材40の端末部41のうち、隣り合う
一方の孔43が位置する部位41aと、隣り合う他方の孔43が位置する部位41bとが重ね合わせられている。そして、一方の孔43と他方の孔43の双方に対しは、ベースプレート30における一つのフック部36が通されて引っ掛けられている。
より詳細に説明すると、まず、ベースプレート30は立体形状で、隅部は丸みを帯びている場合がある。そのため、カバー材40を製造するにあたっては、ベースプレート30の形状に合致するように、複数枚の材料を縫い合わせることが多い。ところが、本体カバー部分を、このようにベースプレート30の形状に合致するように形成すると、端末部41においては材料が余ってしまい、フランジ部32の裏面側にうまく折り込めない場合がある。そのようなことを防ぐために、本体カバー部分では縫い合わせていた一方側の材料と他方側の材料を、端末部41では縫い合わせないようにし、フランジ部32の裏面側で重ね合わせにして収める場合がある。
そのような場合には、隣り合う一方の孔43が位置する部位41aと、隣り合う他方の孔43が位置する部位41bを重ね合わせにし、一つのフック部36に対して二つの孔43を引っ掛けるようにして固定する。
本変形例によれば、カバー材40の端末部41のうち、隣り合う一方の孔43が位置する部位41aと、隣り合う他方の孔43が位置する部位41bとを一つのフック部36で固定できるので、部品点数の削減に貢献できる。
また、このように端末部41で材料の調整(帳尻合わせ)ができるので、その分、本体カバー部分は、複雑なベースプレート30の形状に合致するように製造することが可能となる。
(変形例3)
ベースプレート30におけるフランジ部32は、直線的な形状にはなっておらず、凹凸や丸みのある立体形状となっている。そのため、カバー材40の端末部41における伸縮性能が低いと、フック部36に引っ掛けたときに、例えば、本来であればフランジ部32の裏面側に折り込まれて隠される本体カバー部分と端末部41との縫製ラインが浮いて見えてしまったり、本体カバー部分に皺や縒れ等が生じたりする場合がある。さらに、無理にフック部36に引っ掛けることによって、端末部41の孔43が横に広がってしまったり、位置ずれを起こしたりする場合がある。
このような不具合を解消するため、本変形例におけるカバー材40の端末部41には、図10に示すように、スリット44が複数形成されている。
スリット44は、端末部41における縁部(折曲部42とは反対側に位置する末端部分を指す)から折曲部42側に伸びて形成されている。また、このスリット44の折曲部42側の端部は、スリット幅よりも長い径に設定された丸孔44aとなっている。
また、スリット44は、複数の孔43間の中央に形成されている。すなわち、複数の孔43とスリット44は等間隔となるように配置されている。
丸孔44aは、端末部41のうちスリット44を挟んで一方側に位置する部位と、他方側に位置する部位との間隔を縮めたときに縒れが発生するのを抑制することができる。
そして、このように端末部41にスリット44が形成されることにより、端末部41のうちスリット44を挟んで一方側に位置する部位と、他方側に位置する部位との間隔を容易に広げたり縮めたりすることが可能となる。
したがって、カバー材40の端末部41をフック部36に引っ掛けて固定したときに、たとえ隣り合うフック部36間に位置誤差が生じていたとしても、スリット44を広げたり縮めたりして孔43の位置を調整できるので、例えばカバー材40の端末部41を無理にフック部36に引っ掛けるようなことをする必要がなくなる。
これにより、縫製ラインの浮き・見え、本体カバー部分の皺・縒れ等の発生を抑制して
意匠性の確保ができる。さらに、端末部41の孔43の広がり・位置ずれを抑制して適正化することができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態における乗物用シートS3について、図11,図12を参照して詳細に説明する。なお、上記の実施形態と共通する要素については、適宜、説明を省略又は簡略する。
本実施形態における乗物用シートS3は、ベースプレート50と、クッション材(図示省略)と、カバー材(図示省略)と、を備える。
ベースプレート50は、ほとんどの部位が一体形成され、必要に応じて付属品が取り付けられる。換言すれば、ベースプレート50は、本体プレート51を主体として構成されており、この本体プレート51に対し、それぞれの機能を有する部位が一体形成された状態となっている。
このような本体プレート51は、当該本体プレート51の周縁に沿って設けられるフランジ部52を有しており、当該フランジ部52によって、本体プレート51の周縁の剛性を向上できるようになっている。
フランジ部52は、本体プレート51の周縁に一体形成されて、外方に向かって鍔状に張り出す部位を指している。
このようなフランジ部52は、第1実施形態におけるフランジ部12と同様に、前部52aと、後部52bと、左右の側部52c,52dと、を有し、概略的にエリア分けされている。
そして、ベースプレート50は、本体プレート51に一体形成される部位として、複数の補強部53と、複数の荷重受け部54と、複数の突出部55と、を備えている。
また、ベースプレート50は、フランジ部52に一体形成される部位として、フランジ部52の裏面から突出して形成された複数のフック部56を備えている。
複数の補強部53は、それぞれが前後方向に伸びる畝状のものであり、本体プレート51の中央に一対配置されている。
これら一対の補強部53の左右両脇に位置する部位は、凹んだ状態に形成されている。つまり、一対の補強部53とその両脇の凹みによって、本体プレート51に凹凸形状を形成し、全体的な剛性の向上を図っている。なお、一対の補強部53を構成する側壁には複数のリブ53aが、前後方向に間隔を空けて形成されている。
複数の荷重受け部54は、本体プレート51における左右方向外側の双方に配置されている。また、複数の荷重受け部54は、前側に位置する荷重受け部54aと、後側に位置する荷重受け部54bと、を有する。
続いて、複数の突出部55は、車体に固定される部分であり、ベースプレート50の前側に配置され、かつ、ベースプレート50の裏面から前方に向かって突出している。
続いて、複数のフック部56は、カバー材の端末部に形成された孔に通されて引っ掛けられるものであり、ベースプレート50におけるフランジ部52の前部52a及び後部52bに複数ずつ形成されている。
本実施形態におけるフック部56の構成は、上記の第1実施形態におけるフック部16と同様であるため説明を省略する。
以上のようなベースプレート50には、当該ベースプレート50を厚み方向に貫通する複数の貫通孔50aが形成されている。これら複数の貫通孔50aは、主に本体プレート51に形成されているが、フランジ部52にも一部形成されている。
このように複数の貫通孔50aがベースプレート50に形成されることで乗物用シートS3全体の軽量化に貢献できるだけでなく、排水性や通気性を向上でき、特にクッション材の空気を逃がして排熱することができる。
そして、本実施形態においては、図11に示すように、フック部56と複数の貫通孔50aが、ベースプレート50の前後方向において重ならないように配置されている。
本実施形態においては、フック部56は複数設けられ、貫通孔50aも多数形成されている。そのため、全てのフック部16と全ての貫通孔50aとが、このような位置関係で配置されている必要はなく、部分的な位置関係であってもよい。
図示しないカバー材の構成は、上記の第1実施形態におけるカバー材20と同様であるため説明を省略する。
そして、このようなカバー材の端末部は、孔にフック部56が通されて引っ掛けられるとともに、固定材(図示省略)が端末部を介してベースプレート50に打ち込まれて、ベースプレート50に固定された状態となっている。すなわち、カバー材の端末部は、ベースプレート50に対する固定が、孔にフック部56を通して引っ掛ける第1手段と、固定材による第2手段と、によって行われている。
このような固定が行われるにあたり、フック部56と固定材は、カバー材の端末部が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。
以上のような実施形態によれば、カバー材の端末部には、ベースプレート50への固定に用いられる孔が形成され、ベースプレート50は、当該ベースプレート50の裏面から突出して形成され、カバー材の孔に通されて引っ掛けられるフック部56を有しており、カバー材の端末部は、孔にフック部56が通されて引っ掛けられるとともに、固定材が端末部を介してベースプレート50に打ち込まれて、ベースプレート50に固定された状態となっており、フック部56と固定材は、カバー材の端末部が引っ張られる方向において重ならないように配置されているので、カバー材の端末部が表面側に引っ張られる方向に、フック部56と固定材が並んで配置されない。これにより、カバー材が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部56と固定材の両者の取付スペースを確保することができる。
また、ベースプレート50には、当該ベースプレート50を厚み方向に貫通する複数の貫通孔50aが形成されているので、複数の貫通孔がベースプレートに形成されることで乗物用シートS3全体の軽量化に貢献できるだけでなく、排水性や通気性を向上でき、特にクッション材の空気を逃がして排熱することで、着座時の不快感を低減できる。
さらに、フック部56と複数の貫通孔50aは、ベースプレート50の前後方向において重ならないように配置されているので、比較的強度の高い位置にフック部56を配置できる。これにより、例えば貫通孔50aに対して前後方向に重なるように配置されたフック部56にカバー材を引っ掛けて固定する場合に比して、カバー材の固定状態を良好な状態に維持できる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態における乗物用シートS4について、図13を参照して詳細に説明する。なお、上記の実施形態と共通する要素については、適宜、説明を省略又は簡略する。
本実施形態における乗物用シートS4は、ベースプレート60と、クッション材(図示
省略)と、カバー材70と、を備える。
ベースプレート60は、ほとんどの部位が一体形成され、必要に応じて付属品が取り付けられる。換言すれば、ベースプレート60は、本体プレート61を主体として構成されており、この本体プレート61に対し、それぞれの機能を有する部位が一体形成された状態となっている。
このような本体プレート61は、当該本体プレート61の周縁に沿って設けられるフランジ部62を有しており、当該フランジ部62によって、本体プレート61の周縁の剛性を向上できるようになっている。
フランジ部62は、本体プレート51の周縁に一体形成されて、外方に向かって鍔状に張り出す部位を指している。
このようなフランジ部62は、第1実施形態におけるフランジ部12と同様に、前部(図示省略)と、後部62bと、左右の側部62c,62dと、を有し、概略的にエリア分けされている。
そして、ベースプレート60は、本体プレート61に一体形成される部位として、複数の補強部63と、複数の荷重受け部64と、複数の突出部65と、を備えている。
また、ベースプレート60は、フランジ部62に一体形成される部位として、フランジ部62の裏面から突出して形成された複数のフック部66を備えている。
複数の補強部63は、それぞれが前後方向に伸びる畝状のものであり、本体プレート61の中央に配置された補強部63と、当該中央の補強部63から側方に離間して配置された左右の補強部63と、を有する。
また、複数の補強部63間と、左右の補強部63の左右方向外側には、格子状に構成された補強用のリブ63aが一体形成されている。
複数の荷重受け部64は、本体プレート61における左右方向外側の双方に配置されている。
また、複数の突出部65は、車体に固定される部分であり、ベースプレート60の後側に配置され、かつ、ベースプレート60の裏面から後方に向かって突出している。
複数のフック部66は、カバー材70の端末部71に形成された孔(図示省略)に通されて引っ掛けられるものであり、ベースプレート60におけるフランジ部62の前部及び後部62bに複数ずつ形成されている。
本実施形態におけるフック部66の構成は、上記の第1実施形態におけるフック部16と同様であるため説明を省略する。
次に、カバー材70について説明する。
カバー材70は、クッション材とベースプレート60の表面側を被覆する本体カバー部分(図示省略)と、ベースプレート60の裏面側へと折り込まれる端末部71と、を備える。
カバー材70のうち、ベースプレート60の表面側から裏面側に折り曲げられた部位72(以下、折曲部72)は、ベースプレート60の縁部に沿っている。
端末部71には、ベースプレート60への固定に用いられる孔(図示省略)が形成されている。孔には、ベースプレート60におけるフランジ部62の裏面から突出する上記のフック部66が通されて縁に引っ掛けられる。
また、孔は、端末部71のうち、ベースプレート60におけるフランジ部62の前部及
び後部62bに対応する部位に形成されている。
カバー材70の端末部71は、少なくとも端末部71が引っ張られる方向(図5における矢印A参照)とその反対の方向に伸縮する伸縮部71aを有する。
この伸縮部71aは、例えばメッシュゴムやインベルゴム、ストレッチ素材等の伸縮性のある平らなシート状材料によって構成されている。
そして、伸縮部71aは、カバー材70の端末部71のうち、固定材75によって固定される部位に設けられていて、フック部66が引っ掛けられる部位には設けられていない状態となっている。つまり、カバー材70の端末部71のうちフック部66が引っ掛けられる孔のある部位は、本体カバー部分と同様の材料で構成され、固定材75によって固定される部位は、上記のような伸縮性のある平らなシート状材料によって構成されている。
以上のようなカバー材70の端末部71は、孔にフック部66が通されて引っ掛けられるとともに、固定材75が端末部71の伸縮部71aを介してベースプレート60に打ち込まれて、ベースプレート60に固定された状態となっている。すなわち、カバー材70の端末部71は、ベースプレート60に対する固定が、孔にフック部66を通して引っ掛ける第1手段と、固定材75による第2手段と、によって行われている。
このような固定が行われるにあたり、フック部66と固定材75は、カバー材70の端末部71が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。
なお、固定材75は、本実施形態においては、タッカー等の工具を用いて打ち込まれるステープルが採用されている。
フック部66は、上記のように、ベースプレート60の前部及び後部62bに複数ずつ形成されている。つまり、ベースプレート60の左右側部62c,62dには形成されていない。
そのため、本実施形態においては、カバー材70の端末部71が、ベースプレート60におけるフランジ部62の前部及び後部62bにおいて孔にフック部66が通されて引っ掛けられるとともに、ベースプレート60におけるフランジ部62の左右側部62c,62dにおいて固定材75が端末部71の伸縮部71aを介してベースプレート60に打ち込まれて、ベースプレート60に固定された状態となっている。
以上のような実施形態によれば、カバー材70の端末部71には、ベースプレート60への固定に用いられる孔が形成され、ベースプレート60は、当該ベースプレート60の裏面から突出して形成され、カバー材70の孔に通されて引っ掛けられるフック部66を有しており、カバー材70の端末部71は、孔にフック部66が通されて引っ掛けられるとともに、固定材75が端末部71を介してベースプレート60に打ち込まれて、ベースプレート60に固定された状態となっており、フック部66と固定材75は、カバー材70の端末部71が引っ張られる方向において重ならないように配置されているので、カバー材70の端末部71が表面側に引っ張られる方向に、フック部66と固定材75が並んで配置されない。これにより、カバー材70が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部66と固定材75の両者の取付スペースを確保することができる。
また、カバー材70の端末部71は、少なくとも端末部71が引っ張られる方向とその反対の方向に伸縮する伸縮部71aを有し、伸縮部71aは、カバー材70の端末部71のうち、固定材75によって固定される部位に設けられているので、固定材75による固定が容易となる。
さらに、伸縮部71aは、フック部66が引っ掛けられる部位には設けられていないので、フック部66は、カバー材70の端末部71のうち、伸縮部71aのない部位に引っ掛けられることになる。そのため、例えば伸縮部71aのある部位に引っ掛けられる場合
よりもカバー材70の脱離を防ぎやすくなる。しかも、伸縮部71aが設けられないことでコスト削減につながる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態における乗物用シートS5について、図14,図15を参照して詳細に説明する。なお、上記の実施形態と共通する要素については、適宜、説明を省略又は簡略する。
本実施形態における乗物用シートS5は、ベースプレート80と、クッション材(図示省略)と、カバー材90と、を備える。
ベースプレート80は、ボトムプレート、クッション支持部材とも称し、上記のように樹脂成型品であるため、ほとんどの部位が一体形成され、必要に応じて付属品が取り付けられる。換言すれば、ベースプレート80は、本体プレート81を主体として構成されており、この本体プレート81に対し、それぞれの機能を有する部位が一体形成された状態となっている。
このような本体プレート81は、当該本体プレート81の周縁に沿って設けられるフランジ部82を有しており、当該フランジ部82によって、本体プレート81の周縁の剛性を向上できるようになっている。
このようなフランジ部82は、第1実施形態におけるフランジ部12と同様に、前部82aと、後部82bと、左右の側部82c,82dと、を有し、概略的にエリア分けされている。
そして、ベースプレート80は、本体プレート81に一体形成される部位として、複数の補強部83と、複数の荷重受け部84と、突出部85と、を備えている。
また、ベースプレート80は、フランジ部82に一体形成される部位として、フランジ部82の裏面から突出して形成された複数のフック部86を備えている。
複数の補強部83は、それぞれが前後方向に伸びる畝状のものであり、本体プレート81の中央に互いに間隔を空けて配置された3本の補強部83と、当該中央3本の補強部83から側方に離間して配置された左右の補強部83と、を有する。
また、中央3本の補強部83間と、左右の補強部83の左右方向外側には、補強用のリブ83aが一体形成されている。
複数の荷重受け部84は、本体プレート81における左右方向外側の双方に配置されている。左右方向外側のそれぞれに配置された複数の荷重受け部84は、前側に位置する荷重受け部84と、中央部側に位置する荷重受け部84と、後側に位置する荷重受け部84と、を有する。
また、複数の突出部85は、車体に固定される部分であり、ベースプレート80の前側に配置され、かつ、ベースプレート80の裏面から前方に向かって突出している。
複数のフック部86は、カバー材90の端末部91に形成された孔(図示省略)に通されて引っ掛けられるものであり、ベースプレート80におけるフランジ部82の前部82a及び後部82bに複数ずつ形成されている。
本実施形態におけるフック部86の構成は、上記の第1実施形態におけるフック部16と同様であるため説明を省略する。
次に、カバー材90について説明する。
カバー材90は、クッション材とベースプレート80の表面側を被覆する本体カバー部分(図示省略)と、ベースプレート80の裏面側へと折り込まれる端末部91と、を備え
る。
カバー材90のうち、ベースプレート80の表面側から裏面側に折り曲げられた部位92(以下、折曲部92)は、ベースプレート80の縁部に沿っている。
端末部91には、ベースプレート80への固定に用いられる孔(図示省略)が形成されている。孔には、ベースプレート80におけるフランジ部82の裏面から突出する上記のフック部86が通されて縁に引っ掛けられる。
また、孔は、端末部91のうち、ベースプレート80におけるフランジ部82の前部82a及び後部82bに対応する部位に形成されている。
以上のようなカバー材90の端末部91は、孔にフック部86が通されて引っ掛けられるとともに、固定材95が端末部91を介してベースプレート80に打ち込まれて、ベースプレート80に固定された状態となっている。すなわち、カバー材90の端末部91は、ベースプレート80に対する固定が、孔にフック部86を通して引っ掛ける第1手段と、固定材95による第2手段と、によって行われている。
このような固定が行われるにあたり、フック部86と固定材95は、カバー材90の端末部91が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。
なお、固定材95は、本実施形態においては、タッカー等の工具を用いて打ち込まれるステープルが採用されている。
フック部86は、上記のように、ベースプレート80の前部82a及び後部82bに複数ずつ形成されている。つまり、ベースプレート80の左右側部82c,82dには形成されていない。
そのため、本実施形態においては、カバー材90の端末部91が、ベースプレート80におけるフランジ部82の前部82a及び後部82bにおいて孔にフック部86が通されて引っ掛けられるとともに、ベースプレート80におけるフランジ部82の左右側部82c,82dにおいて固定材95が端末部91を介してベースプレート80に打ち込まれて、ベースプレート80に固定された状態となっている。
以上のような実施形態によれば、カバー材90の端末部91には、ベースプレート80への固定に用いられる孔が形成され、ベースプレート80は、当該ベースプレート80の裏面から突出して形成され、カバー材90の孔に通されて引っ掛けられるフック部86を有しており、カバー材90の端末部91は、孔にフック部86が通されて引っ掛けられるとともに、固定材95が端末部91を介してベースプレート80に打ち込まれて、ベースプレート80に固定された状態となっており、フック部86と固定材95は、カバー材90の端末部91が引っ張られる方向において重ならないように配置されているので、カバー材90の端末部91が表面側に引っ張られる方向に、フック部86と固定材95が並んで配置されない。これにより、カバー材90が表面側に引っ張られる方向における構造の大型化を抑制しつつ、フック部86と固定材95の両者の取付スペースを確保することができる。
(変形例4)
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であるため、ここで変形例について説明する。本変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
上記実施形態におけるフック部86は、上記のように、固定材95が打ち込まれるベースプレート80の左右側部82c,82dには形成されていない。
これに対し、本変形例においては、図16に示すように、固定材95が打ち込まれるベ
ースプレート80の左右側部82c,82dに、複数の仮留めフック部87が形成されている。
これら複数の仮留めフック部87の構成は、ベースプレート80の前部82a及び後部82bに形成された複数のフック部86と同様であるため説明を省略する。
また、カバー材90の端末部91のうち、固定材95によって固定される部位には、ベースプレート80への仮留めに用いられる仮留め孔(図示省略)が複数形成されている。これら複数の仮留め孔には、上記の仮留めフック部87が通されて縁に引っ掛けられる。そのため、仮留め孔の個数は、仮留めフック部87の個数と同じに設定されている。換言すれば、仮留めフック部87の個数は、カバー材90の仮留め孔の個数に応じた数で、ベースプレート80の左右側部82c,82dに形成されている。
カバー材90の端末部91のうち、ベースプレート80におけるフランジ部82の左右側部82c,82dに対応する部位を固定材95によって固定する際は、まず、カバー材90の端末部91に形成された仮留め孔に、ベースプレート10におけるフランジ部12の仮留めフック部87を通してから、固定材95を打ち込むようにする。
なお、カバー材90の端末部91に形成された仮留め孔に、仮留めフック部87を通す際は、同時に、カバー材90のうち前側及び後側の端末部91に形成された孔にも、ベースプレート80におけるフランジ部82の前部12a及び後部12bのフック部86を通すようにする。これにより、カバー材90の全周縁がベースプレート80の全周縁に留められた状態となる。このような状態にした上で固定材95の打ち込みを行えば、より作業がしやすい。
なお、仮留めフック部87と固定材95は、カバー材90の端末部91が引っ張られる方向において重ならないように配置されている。すなわち、本変形例においては、仮留めフック部87と複数の固定材95は、ベースプレート80の左右方向において重ならないように配置されている。
このような本変形例によれば、カバー材90の端末部91のうち、固定材95によって固定される部位には、ベースプレート80への仮留めに用いられる仮留め孔(図示省略)が形成され、ベースプレート80は、当該ベースプレート80の裏面から突出してカバー材90の仮留め孔に通され、仮留め孔の数に応じた数で形成された仮留めフック部87を有するので、カバー材90の端末部91における仮留め孔に、ベースプレート80の仮留めフック部87を通して仮留めすれば、カバー材90の端末部91のうち固定材95によって固定される部位を、固定材95によって固定しやすくなる。
S1 乗物用シート
S2 乗物用シート
S3 乗物用シート
S4 乗物用シート
S5 乗物用シート
10 ベースプレート
12 フランジ部
12a 前部
12b 後部
12c 側部
12d 側部
16 フック部
16a 軸部
16b 頭部
16c 先端部
20 カバー材
21 端末部
22 折曲部
23 孔
25 固定材

Claims (8)

  1. 表面にクッション材が設けられて当該クッション材を支持するベースプレートと、
    前記クッション材を被覆し、端末部が、前記ベースプレートに固定されるカバー材と、を備えており、
    前記カバー材の端末部には、前記ベースプレートへの固定に用いられる孔が形成され、
    前記ベースプレートは、当該ベースプレートの裏面から突出して形成され、前記カバー材の前記孔に通されて引っ掛けられるフック部を有しており、
    前記カバー材の前記端末部は、前記孔に前記フック部が通されて引っ掛けられるとともに、固定材が前記端末部を介して前記ベースプレートに打ち込まれて、前記ベースプレートに固定された状態となっており、
    前記フック部と前記固定材は、前記カバー材の前記端末部が引っ張られる方向において重ならないように配置されていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記フック部は、前記ベースプレートの前部及び後部に複数ずつ形成されており、
    前記カバー材の前記端末部は、前記ベースプレートの前記前部及び前記後部において前記孔に前記フック部が通されて引っ掛けられるとともに、前記ベースプレートの左右側部において前記固定材が前記端末部を介して前記ベースプレートに打ち込まれて、前記ベースプレートに固定された状態となっていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記フック部は、前記ベースプレートの裏面からの突出方向先端に位置する頭部が曲面形状となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記カバー材の前記端末部は、前記ベースプレートの表面側から裏面側に折り曲げられて固定され、前記カバー材のうち前記ベースプレートの表面側から裏面側に折り曲げられた部位である折曲部は、前記ベースプレートの縁部に沿っており、
    前記フック部は、前記ベースプレートの裏面からの突出方向先端に位置する頭部が、前記ベースプレートの裏面視において短辺と長辺を有する形状とされ、
    前記頭部は、前記ベースプレートの裏面視において、前記長辺の方向が前記カバー材の前記折曲部と垂直になるよう配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記カバー材の前記端末部のうち、隣り合う一方の前記孔が位置する部位と、隣り合う他方の前記孔が位置する部位とが重ね合わせられており、
    前記一方の孔と前記他方の孔の双方に対し、前記ベースプレートにおける一つの前記フック部が通されて引っ掛けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  6. 前記カバー材の前記端末部のうち、前記固定材によって固定される部位には、前記ベースプレートへの仮留めに用いられる仮留め孔が形成され、
    前記ベースプレートは、当該ベースプレートの裏面から突出して前記カバー材の前記仮留め孔に通され、前記仮留め孔の数に応じた数で形成された仮留めフック部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  7. 前記ベースプレートには、当該ベースプレートを厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、
    前記フック部と前記複数の貫通孔は、前記ベースプレートの前後方向において重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  8. 前記カバー材の前記端末部は、少なくとも前記端末部が引っ張られる方向とその反対の方向に伸縮する伸縮部を有し、
    前記伸縮部は、前記カバー材の前記端末部のうち、前記固定材によって固定される部位に設けられていて、前記フック部が引っ掛けられる部位には設けられていないことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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