JP2021187038A - インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
インクを吐出するノズルと、
前記ノズルに供給されるインクが流れるインク流路が設けられた流路部材と、
を備え、
前記流路部材は、積層された複数の板状部材を有し、
前記複数の板状部材は、当該複数の板状部材の各々に設けられた貫通孔が連通する位置関係で配置されており、
前記インク流路の少なくとも一部は、前記複数の板状部材に亘って連通する複数の前記貫通孔からなる貫通流路であり、
前記複数の板状部材のうち隣接しないいずれか2つの前記板状部材に各々設けられた前記貫通孔を第1の貫通孔、前記2つの板状部材の間にある1又は2以上の前記板状部材に各々設けられた前記貫通孔を第2の貫通孔とした場合に、
前記貫通流路を通り前記複数の板状部材同士の接合面に垂直ないずれかの断面において、前記第1の貫通孔の一方側の内壁面に対して、前記第2の貫通孔の前記一方側の内壁面が前記貫通流路側に突出しており、
前記断面における前記接合面に平行な方向について、前記断面における前記第2の貫通孔の中央位置に対し、前記断面における2つの前記第1の貫通孔の中央位置が同一方向側にずれている。
前記複数の板状部材は、各板状部材に設けられた前記貫通孔の中心が、前記接合面に平行なランダムな方向にずれる位置関係で配置されている。
前記接合面に垂直な方向から見て前記第1の貫通孔の内壁面に対して前記第2の貫通孔の内壁面が前記貫通流路側に突出している部分を段差部とした場合に、
前記接合面に垂直な方向から見た前記貫通流路の外周の任意の位置に、前記接合面に垂直な方向についての位置が互いに異なる複数の前記段差部のいずれかが設けられている。
前記接合面に垂直な方向から見て前記第1の貫通孔の内壁面に対して前記第2の貫通孔の内壁面が前記貫通流路側に突出している部分を段差部とし、前記第2の貫通孔の中心に向かう方向について、前記段差部における前記第2の貫通孔の内壁面の、前記第1の貫通孔の内壁面からの突出量を段差とした場合に、
前記段差部は、前記段差の最大値が5μm以上20μm以下である。
前記複数の板状部材が有する複数の前記貫通孔のうち少なくとも一部の貫通孔の内壁面は、前記貫通流路側に突出した凸部を有している。
前記凸部は、前記貫通孔の中心に向かう方向についての突出量が5μm以上30μm以下である。
前記接合面に平行な面内における各前記貫通孔の幅の最大値を貫通孔幅とし、前記複数の貫通孔における前記貫通孔幅の最大値を貫通孔最大幅とした場合に、
前記複数の板状部材のうち一方の端にある板状部材の前記貫通孔の中心と、他方の端にある板状部材の前記貫通孔の中心との、前記接合面に平行な方向についての距離が、前記貫通孔最大幅の1/3以下である。
前記流路部材には、前記インク流路に連通する前記ノズルが設けられたノズル基板、及び前記ノズルからインクを吐出させるために、前記インク流路に連通する圧力室内のインクの圧力を変動させる圧力変動素子が設けられた素子基板のうち少なくとも一方が接着剤を介して接着されており、
前記接着剤は、インクとの接触による膨潤が生じない材質である。
請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備える。
インクを吐出するノズルと、積層された複数の板状部材を有し前記ノズルに供給されるインクが流れるインク流路が設けられた流路部材と、を備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記複数の板状部材の各々に貫通孔を形成する第1の工程と、
前記複数の板状部材を前記貫通孔が連通する位置関係で積層させて、前記インク流路の少なくとも一部を構成する、前記複数の板状部材に亘って連通する複数の前記貫通孔からなる貫通流路を形成する第2の工程と、
を含み、
前記第2の工程では、前記複数の板状部材のうち隣接しないいずれか2つの前記板状部材に各々設けられた前記貫通孔を第1の貫通孔、前記2つの板状部材の間にある1又は2以上の前記板状部材に各々設けられた貫通孔を第2の貫通孔とした場合に、
前記貫通流路を通り前記複数の板状部材同士の接合面に垂直ないずれかの断面において、前記第1の貫通孔の一方側の内壁面に対して、前記第2の貫通孔の前記一方側の内壁面が前記貫通流路側に突出し、かつ、
前記断面における前記接合面に平行な方向について、前記断面における前記第2の貫通孔の中央位置に対し、前記断面における2つの前記第1の貫通孔の中央位置が同一方向側にずれるように、前記複数の板状部材を積層させる。
前記第1の工程では、前記複数の板状部材の各々の一方の面側及び他方の面側からそれぞれ前記板状部材をエッチングして、内壁面が前記貫通流路側に突出した凸部を有する前記貫通孔を形成する。
インクジェット記録装置100は、搬送ベルト101、搬送ローラー102、ヘッドユニット103などを備える。
インクジェットヘッド1には、各ノズル51に対応して、ノズル51からインクを吐出させるための機構が設けられている。
図3は、インクジェットヘッド1が有するヘッドチップ13の構成を示す図である。
図2に示すように、インクジェットヘッド1は、筐体10と、ヘッドベース12とを備える。筐体10は、ヘッドベース12に対して着脱可能となっている。
アクチュエーター基板30のX軸正側の端部とX軸負側の端部には、それぞれ、4つのインク供給口30aがY軸方向に並んで形成されている。各インク供給口30aは、それぞれ一つのメイン流路21に繋がっている。
アクチュエーター基板30には、メイン流路21に沿って複数の圧力室22が設けられている。詳しくは、アクチュエーター基板30の裏面には、圧力室22に対応する位置に溝が形成されており、アクチュエーター基板30が流路基板40に重ねられることにより、アクチュエーター基板30裏面の溝と流路基板40の上面との間に、圧力室22が形成される。圧力室22は、流路基板40に形成された連絡流路23(図5参照)を介してメイン流路21に繋がっている。
図5に示すように、流路基板40には、メイン流路21、連絡流路23及び貫通流路24が設けられている。連絡流路23は、メイン流路21のZ軸方向負側から延びて圧力室22に接続されている。貫通流路24は、圧力室22とノズル基板50のノズル51とを接続するように流路基板40を貫通している。メイン流路21、連絡流路23及び貫通流路24が、「ノズルに供給されるインクが流れるインク流路」に相当する。
図6に示すように、ノズル基板50には、複数のノズル51が一列に並ぶように配置されている。ノズル基板50には、4つのノズル51の列L1〜L4が配置されている。例えば、列L1〜L4に、それぞれ数百個のノズル51が一定間隔で設けられている。また、各ノズル列は、ノズル51のX軸方向の位置が互いにずれる位置関係で設けられている。各列のノズル51の数はこれに限られるものではない。
図7に示すように、流路基板40は、Z軸方向に順に積層された複数の(ここでは11枚の)板状部材401〜411を有している。板状部材401〜411は、Z軸方向から見た外形が同一の矩形であり、上面及び下面がXY平面に平行である。板状部材401〜411の材質は、例えばSUS(ステンレス鋼材)であるが、これに限られない。Z軸方向負側の端に板状部材401が配置されており、この板状部材401は接着剤を介してアクチュエーター基板30に接合されている。また、Z軸方向正側の端に板状部材411が配置されており、この板状部材411は接着剤を介してノズル基板50に接合されている。
板状部材409を除いた板状部材401〜408、410及び411の厚さは、約200μmである。
また、板状部材410には、開口403b〜408bと同一形状の開口410bが形成されている。開口410bがなす空間は、インクが流入しない空気室を形成する。この空気室と、メイン流路21とは、板状部材409(ダンパー)により仕切られている。
板状部材401とアクチュエーター基板30とを接着剤により接合することで、連絡流路23と圧力室22とが連通するとともに、圧力室22と貫通流路24とが連通する。また、板状部材411とノズル基板50とを接着剤により接合することで、貫通流路24とノズル51とが連通する。
詳しくは、流路基板40にノズル基板50を接着した後に、ノズル基板50が鉛直方向最下部にある状態で上からアクチュエーター基板30を接着剤により接合する場合に、接着剤が貫通流路24に溢れ出ると、この接着剤がノズル基板50に向かって鉛直下方に流動してノズル51に到達してしまう。
また、流路基板40にアクチュエーター基板30を接着した後に、アクチュエーター基板30が鉛直方向最下部にある状態で上からノズル基板50を接着剤により接合する場合に、接着剤が貫通流路24に溢れ出ると、この接着剤がアクチュエーター基板30に向かって鉛直下方に流動して振動板32に到達してしまう。
図8の断面は、貫通流路24を通り接合面S0に垂直な断面(ここでは接合面S0及びX軸に垂直な断面)であって、貫通孔401a〜411aのうちいずれかの中心を通る断面である。
また、Z軸方向正側から見たときに、第1の貫通孔としての貫通孔405aの内壁面S1に対して第2の貫通孔としての貫通孔404aの内壁面S2が貫通流路24側に突出していることによって、段差部B1が形成されている。貫通流路24に溢れ出た接着剤がZ軸方向負側に流動した場合には、この段差部B1によって接着剤が堰き止められる。
これにより、Z軸方向負側から見たときに、第1の貫通孔としての貫通孔401aの内壁面S1に対して第2の貫通孔としての貫通孔402a、403aの内壁面S2が貫通流路24側に突出していることによって、段差部A2が形成されている。貫通流路24に溢れ出た接着剤がZ軸方向正側に流動した場合には、この段差部A2によって接着剤が堰き止められる。
また、Z軸方向正側から見たときに、第1の貫通孔としての貫通孔404aの内壁面S1に対して第2の貫通孔としての貫通孔402a、403aの内壁面S2が貫通流路24側に突出していることによって、段差部B2が形成されている。貫通流路24に溢れ出た接着剤がZ軸方向負側に流動した場合には、この段差部B2によって接着剤が堰き止められる。
第1の貫通孔としての貫通孔401a、404a、第2の貫通孔としての貫通孔402a、403aについても、第2の貫通孔の中央位置に対し、2つの第1の貫通孔の中央位置が同一方向側(ここではY軸方向負側)にずれている。
また、段差部が形成されるZ軸方向の位置及び段差部の数は、図8に示した例に限られない。
また、接着剤は、インクにより溶解しない材質であることが望ましい。これにより、段差部で堰き止められた接着剤が溶解してインクが変質することに起因する不具合(画質の低下等)の発生を抑えることができる。
段差部は、Z軸方向から見て、第1の貫通孔の内壁面S1と、第2の貫通孔の内壁面S2のうち第1の貫通孔の内側に露出(突出)している部分と、によって囲まれた領域である。より詳しくは、段差部は、Z軸方向から見て、第1の貫通孔の、第2の板状部材側の開口と、第2の貫通孔の、第1の板状部材側の開口のうち第1の貫通孔の内側に露出(突出)している部分と、によって囲まれた領域である。換言すれば、段差部は、第2の板状部材の、第1の板状部材側の表面(Z軸に垂直な面)のうち、Z軸方向から見て第2の貫通孔の内側に露出(突出)している部分である。
図9(a)は、板状部材401の貫通孔401aの開口位置をZ軸方向負側から見た図である。貫通孔401aの開口部内には、貫通孔401aの内壁面S1から板状部材402の貫通孔402aの内壁面S2が突出することにより形成された段差部A2が露出している。この段差部A2は、貫通流路24の内壁面のうち図9(a)における中5時方向から11時方向にかけて設けられている。段差部A2は、貫通孔401a、402aの内壁面S1、S2により囲まれた三日月状の形状を有している。
図8に示した断面では、板状部材405と板状部材406との間にはY軸方向についてほとんどずれが見られないが、図9(c)に示すように、板状部材405に対して板状部材406が主にX軸方向にずれることにより段差部A3が形成されている。このように、段差部を形成する板状部材同士のずれ(貫通孔401a〜411aの中心Oのずれ)は、一方向(例えばY軸方向)に限られず、XY平面内(接合面S0に平行な面内)におけるランダムな方向が含まれる。
貫通孔401a〜411aの中心OがXY平面内でランダムな方向にずれていることによって、図9(d)に示すように、Z軸方向負側から見た貫通流路24の外周の任意の位置(方位)に、Z軸方向についての位置が互いに異なる複数の段差部A1〜A3のいずれかが設けられている。これにより、貫通流路24の外周のうちのどの位置に接着剤が溢れ出したとしても、当該接着剤をいずれかの段差部により堰き止めることができる。
なお、ここでは、3つの段差部A1〜A3により貫通流路24の外周がカバーされている例を用いて説明したが、これに限られず、Z軸方向の位置が異なる2つ又は4つ以上の段差部A1〜A3により貫通流路24の外周がカバーされていてもよい。
また、Z軸方向正側から見た場合にも、図8に示す段差部B1、B2を含む複数の段差部により貫通流路24の外周がカバーされていることが望ましい。これにより、接着剤がZ軸方向のいずれの向きに流動した場合においても効果的に接着剤を堰き止めることができる。
図10に示す例では、各板状部材401〜411の貫通孔401a〜411aの内壁面が、貫通流路24側に突出した凸部Dを有している。ただし、板状部材409は、ダンパーとして機能する薄板であるので、貫通孔409aの内壁面は凸部Dを有していなくてもよい。凸部Dは、各貫通孔の内壁面の全周に亘って設けられている。凸部Dを有する構成では、Z軸方向から見て、第1の貫通孔の内壁面S1(より詳しくは、第1の貫通孔の第2の板状部材側の開口)から、上述した段差部に加えて凸部がさらに突出することとなるため、より確実に接着剤を堰き止めることが可能となる。
凸部Dは、当該凸部Dが設けられている板状部材の貫通孔の中心に向かう方向についての突出量が、5μm以上30μm以下となっている。なお、凸部Dの突出量が、内壁面の全周に亘って均一でない場合には、突出量の最大値が5μm以上30μm以下となっている構成とすることができる。このような突出量とすることで、段差部の段差の最大値が5μm以上20μm以下である構成において、貫通流路24においてインクを適正に流動可能な流動領域を確保することができる。ここで、凸部Dの突出量の基準は、貫通孔の開口位置、すなわち板状部材の表面における貫通孔の開口の縁の位置とすることができる。
図11では、板状部材401に凸部Dを形成する場合を例に挙げて説明する。
まず、板状部材401の一方側の面のうち貫通孔401aの形成領域を除く領域に、レジスト70を形成する(図11(a))。なお、図示は省略しているが、レジスト70は、孔部401bの形成領域も除外した領域に形成される。
エッチング終了後、レジスト70を除去することにより、貫通孔401aの内壁面に凸部Dを有する板状部材401が得られる。
図12は、インクジェットヘッド1の製造工程の手順を示すフローチャートである。
インクジェットヘッド1の製造工程では、まず、図11を用いて説明した方法で板状部材401〜411に貫通孔401a〜411aを形成する(ステップS101:第1の工程)。このステップS101では、貫通孔401a〜411aと併せて孔部401b、402b、及び開口403b〜408b、410bを形成する。
このような構成によれば、第1の貫通孔の内壁面S1に対して第2の貫通孔の内壁面S2が貫通流路24側に突出している部分に段差部が形成される。このため、流路基板40に接着剤を介してアクチュエーター基板30又はノズル基板50を接合する際に、貫通流路24に接着剤が溢れ出たとしても、貫通流路24の内壁面に沿ってZ軸方向に流動する接着剤をこの段差部によって堰き止めることができる。よって、貫通流路24に溢れ出た接着剤がノズル基板50やアクチュエーター基板30に接触することに起因する不具合(例えば、ノズル51に流入してノズル51が詰まったり、接着剤が振動板32に接触して圧電体層34によるインクの圧力変動に異常が生じたりする不具合)の発生を抑制することができる。また、板状部材401〜411が、第2の貫通孔の中央位置C2に対し、2つの第1の貫通孔の中央位置C1が同一方向側にずれている位置関係で積層されていることで、段差部を設けつつ、貫通流路24の全体の傾斜を抑制してインクを流動しやすくすることができる。
これにより、貫通流路24の内壁面に段差部を形成することができるため、貫通流路24に溢れ出た接着剤を段差部によって堰き止めることができる。よって、貫通流路24に溢れ出た接着剤がノズル基板50やアクチュエーター基板30に接触することに起因する不具合の発生を抑制することができる。また、板状部材401〜411を、第2の貫通孔の中央位置C2に対し、2つの第1の貫通孔の中央位置C1が同一方向側にずれている位置関係で積層することで、段差部を設けつつ、貫通流路24の全体の傾斜を抑制してインクを流動しやすくすることができる。
例えば、Z軸方向から見た貫通孔401a〜411aの形状は、円形に限られず、楕円形や矩形等の他の形状であってもよい。
また、必ずしも全ての段差部が「段差の最大値が5μm以上20μm以下である」との条件を満たしていなくてもよい。また、必ずしも全ての凸部Dが「突出量が5μm以上30μm以下である」との条件を満たしていなくてもよい。
10 筐体
11 回路基板
12 ヘッドベース
13 ヘッドチップ
21 メイン流路
22 圧力室
23 連絡流路
24 貫通流路
30 アクチュエーター基板(素子基板)
30a インク供給口
31 圧力室層
32 振動板
33 絶縁層
34 圧電体層(圧力変動素子)
35 電極層
40 流路基板(流路部材)
50 ノズル基板
51 ノズル
60 インク
61 液滴
70 レジスト
100 インクジェット記録装置
101 搬送ベルト
102 搬送ローラー
103 ヘッドユニット
401〜411 板状部材
401a〜411a 貫通孔
401b、402b 孔部
403b〜408b、410b 開口
A1〜A3、B1、B2 段差部
C1、C2 中央位置
D 凸部
M 記録媒体
O 中心
R1 圧電機能領域
S0 接合面
S1、S2 内壁面
Claims (11)
- インクを吐出するノズルと、
前記ノズルに供給されるインクが流れるインク流路が設けられた流路部材と、
を備え、
前記流路部材は、積層された複数の板状部材を有し、
前記複数の板状部材は、当該複数の板状部材の各々に設けられた貫通孔が連通する位置関係で配置されており、
前記インク流路の少なくとも一部は、前記複数の板状部材に亘って連通する複数の前記貫通孔からなる貫通流路であり、
前記複数の板状部材のうち隣接しないいずれか2つの前記板状部材に各々設けられた前記貫通孔を第1の貫通孔、前記2つの板状部材の間にある1又は2以上の前記板状部材に各々設けられた前記貫通孔を第2の貫通孔とした場合に、
前記貫通流路を通り前記複数の板状部材同士の接合面に垂直ないずれかの断面において、前記第1の貫通孔の一方側の内壁面に対して、前記第2の貫通孔の前記一方側の内壁面が前記貫通流路側に突出しており、
前記断面における前記接合面に平行な方向について、前記断面における前記第2の貫通孔の中央位置に対し、前記断面における2つの前記第1の貫通孔の中央位置が同一方向側にずれている、インクジェットヘッド。 - 前記複数の板状部材は、各板状部材に設けられた前記貫通孔の中心が、前記接合面に平行なランダムな方向にずれる位置関係で配置されている、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記接合面に垂直な方向から見て前記第1の貫通孔の内壁面に対して前記第2の貫通孔の内壁面が前記貫通流路側に突出している部分を段差部とした場合に、
前記接合面に垂直な方向から見た前記貫通流路の外周の任意の位置に、前記接合面に垂直な方向についての位置が互いに異なる複数の前記段差部のいずれかが設けられている、請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。 - 前記接合面に垂直な方向から見て前記第1の貫通孔の内壁面に対して前記第2の貫通孔の内壁面が前記貫通流路側に突出している部分を段差部とし、前記第2の貫通孔の中心に向かう方向について、前記段差部における前記第2の貫通孔の内壁面の、前記第1の貫通孔の内壁面からの突出量を段差とした場合に、
前記段差部は、前記段差の最大値が5μm以上20μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。 - 前記複数の板状部材が有する複数の前記貫通孔のうち少なくとも一部の貫通孔の内壁面は、前記貫通流路側に突出した凸部を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
- 前記凸部は、前記貫通孔の中心に向かう方向についての突出量が5μm以上30μm以下である、請求項5に記載のインクジェットヘッド。
- 前記接合面に平行な面内における各前記貫通孔の幅の最大値を貫通孔幅とし、前記複数の貫通孔における前記貫通孔幅の最大値を貫通孔最大幅とした場合に、
前記複数の板状部材のうち一方の端にある板状部材の前記貫通孔の中心と、他方の端にある板状部材の前記貫通孔の中心との、前記接合面に平行な方向についての距離が、前記貫通孔最大幅の1/3以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。 - 前記流路部材には、前記インク流路に連通する前記ノズルが設けられたノズル基板、及び前記ノズルからインクを吐出させるために、前記インク流路に連通する圧力室内のインクの圧力を変動させる圧力変動素子が設けられた素子基板のうち少なくとも一方が接着剤を介して接着されており、
前記接着剤は、インクとの接触による膨潤が生じない材質である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置。
- インクを吐出するノズルと、積層された複数の板状部材を有し前記ノズルに供給されるインクが流れるインク流路が設けられた流路部材と、を備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記複数の板状部材の各々に貫通孔を形成する第1の工程と、
前記複数の板状部材を前記貫通孔が連通する位置関係で積層させて、前記インク流路の少なくとも一部を構成する、前記複数の板状部材に亘って連通する複数の前記貫通孔からなる貫通流路を形成する第2の工程と、
を含み、
前記第2の工程では、前記複数の板状部材のうち隣接しないいずれか2つの前記板状部材に各々設けられた前記貫通孔を第1の貫通孔、前記2つの板状部材の間にある1又は2以上の前記板状部材に各々設けられた貫通孔を第2の貫通孔とした場合に、
前記貫通流路を通り前記複数の板状部材同士の接合面に垂直ないずれかの断面において、前記第1の貫通孔の一方側の内壁面に対して、前記第2の貫通孔の前記一方側の内壁面が前記貫通流路側に突出し、かつ、
前記断面における前記接合面に平行な方向について、前記断面における前記第2の貫通孔の中央位置に対し、前記断面における2つの前記第1の貫通孔の中央位置が同一方向側にずれるように、前記複数の板状部材を積層させるインクジェットヘッドの製造方法。 - 前記第1の工程では、前記複数の板状部材の各々の一方の面側及び他方の面側からそれぞれ前記板状部材をエッチングして、内壁面が前記貫通流路側に突出した凸部を有する前記貫通孔を形成する、請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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