JP2022139127A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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JP2022139127A JP2021039373A JP2021039373A JP2022139127A JP 2022139127 A JP2022139127 A JP 2022139127A JP 2021039373 A JP2021039373 A JP 2021039373A JP 2021039373 A JP2021039373 A JP 2021039373A JP 2022139127 A JP2022139127 A JP 2022139127A
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Abstract

【課題】流路部材とアクチュエーターとの間に多少の位置ずれが生じても、供給側連絡流路から圧力室にインクが流れにくくなることを抑制することが可能なインクジェットヘッドを提供する。【解決手段】圧力室22と、圧力室22に充填されたインクの圧力を変化させるアクチュエーター30と、アクチュエーター30が駆動されることにより圧力室22に充填されたインクを吐出するノズル51と、圧力室22とノズル51とを連結するノズル側連絡流路24と、圧力室22とインクを供給する供給流路21とを連結する供給側連絡流路23と、を備え、供給側連絡流路23のイナータンスよりノズル側連絡流路24のイナータンスの方が大きく、供給側連絡流路23の圧力室22側端部(拡大孔部401b)の第1開口面の面積は、アクチュエーター30と流路部材40とがずれなく接着した場合に、圧力室22の開口面と第1開口面とが重なり合う面の面積よりも広い。【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェットヘッドに設けられたノズルから記録媒体に対してインクを吐出して所望のパターンで着弾させていくことにより記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッドは、ノズル側連絡流路を介してノズルに連通する圧力室と、圧力室内のインクの圧力を変動させる圧力変動素子とを備え、圧力変動素子による圧力室内のインクの圧力の変動に応じてノズルからインクを吐出する。
インクジェットヘッドとしては、ノズルが設けられたノズルプレート部材、ノズル側連絡流路及びインクを供給する供給流路と圧力室を連通する供給側連絡流路が設けられた流路部材、及び圧力変動素子が設けられたアクチュエーター部材(アクチュエーター)といった複数の基板を接合した構成のものが広く用いられている。
この構成において、流路部材とアクチュエーター部材が接合されることにより、圧力室とノズル側連絡流路とが接続される。また、圧力室と供給側連絡流路が接続される。
これに関連して、特許文献1には、共通液室から貫通口を通じて個別液室に液体を供給する構造であって、貫通口を有する部材と個別液室を有する部材は別部材である液体吐出ヘッドの技術が開示されている。
また、特許文献2には、メイン流路から連絡流路を通じて圧力室にインクを供給する構造であって、ノズル側の連絡流路のうち圧力室側端部の径が他の部分の径に比べて大きく形成されているインクジェットヘッドの技術が開示されている。
特開2017-013440号公報 特開2017-136773号公報
しかしながら、流路部材をアクチュエーターに接着する際に流路部材とアクチュエーターとの間に位置ずれが生じると、圧力室に重なるインク側連絡流路及び供給側連絡流路の面積が減少する。このため、供給側連絡流路から圧力室に、また圧力室からインク側連絡流路にインクが流れにくくなり、アクチュエーターに所期の駆動力を生じさせても、ノズルから所定量のインクを吐出させ得ないことが起こり得る。
特許文献1に記載の発明においてこの問題は解決されない。また、特許文献2に記載の発明では、供給側連絡流路から圧力室へのインクの流れについては言及されていない。
この発明の目的は、流路部材をアクチュエーターに接着する際に流路部材とアクチュエーターとの間に多少の位置ずれが生じても、供給側連絡流路から圧力室にインクが流れにくくなることを抑制することが可能なインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のインクジェットヘッドの発明は、
インクが充填される圧力室と、
前記圧力室に充填されたインクの圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記アクチュエーターが駆動されることにより前記圧力室に充填された前記インクを吐出するノズルと、
前記圧力室と前記ノズルとを連結するノズル側連絡流路と、
前記圧力室と前記インクを供給する供給流路とを連結する供給側連絡流路と、を備え、
前記ノズル側連絡流路及び前記供給側連絡流路を有する流路部材を前記アクチュエーターに接着することにより前記圧力室と前記ノズル側連絡流路、及び前記圧力室と前記供給側連絡流路がそれぞれ接続され、
前記供給側連絡流路のイナータンスより前記ノズル側連絡流路のイナータンスの方が大きく、
前記供給側連絡流路の前記圧力室側端部の第1開口面の面積は、前記アクチュエーターと前記流路部材とがずれなく接着した場合に、前記圧力室の開口面と前記第1開口面とが重なり合う面の面積よりも広くなっている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記ノズル側連絡流路の前記圧力室側端部の第2開口面の面積は、前記アクチュエーターと前記流路部材とがずれなく接着した場合に、前記圧力室の開口面と前記第2開口面とが重なり合う面の面積よりも広くなっている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドにおいて、
複数の前記圧力室からなる圧力室列において、前記ノズル側連絡流路及び前記供給側連絡流路は、隣接する他の圧力室列との間の仮想の中央線に対して、線対称になるように配置されている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記供給流路と前記供給側連絡流路の前記圧力室側端部との間に絞り部が設けられている。
請求項5に記載のインクジェット記録装置の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドのインク吐出を制御するヘッド駆動制御部と、を備え、
前記ヘッド駆動制御部は、隣接する圧力室列のアクチュエーターに、同一の波形を印可する。
本発明によれば、流路部材をアクチュエーターに接着する際に流路部材とアクチュエーターとの間に多少の位置ずれが生じても、供給側連絡流路から圧力室にインクが流れにくくなることを抑制することができる。
インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 インクジェットヘッドの構成を示す斜視図である。 ヘッドチップの構成を示す図である。 ヘッドチップのX軸方向正側の端部の拡大図である。 図4のV-V断面図である。 ノズル基板におけるノズルの配列を模式的に示す図である。 ヘッドチップのうち圧力室付近の構成の断面を示す部分斜視図である。 ノズル側連絡流路の圧力室側端部と供給側連絡流路の圧力室側端部を拡大した場合の圧力室とノズル側連絡流路の圧力室側端部との重なり、及び圧力室と供給側連絡流路の圧力室側端部との重なりを模式的に示す図である。 供給側連絡流路の圧力室側端部を拡大した場合の圧力室とノズル側連絡流路の圧力室側端部との重なり、及び圧力室と供給側連絡流路の圧力室側端部との重なりを模式的に示す図である。 ノズル側連絡流路の圧力室側端部を拡大した場合の圧力室とノズル側連絡流路の圧力室側端部との重なり、及び圧力室と供給側連絡流路の圧力室側端部との重なりを模式的に示す図である。 圧力室とノズル側連絡流路の圧力室側端部との重なり、及び圧力室と供給側連絡流路の圧力室側端部との重なりを模式的に示す図である。 アクチュエーターと流路部材の貼りずれ量と固有振動周期の変化の割合の関係(図8Aの場合)を示す図である。 アクチュエーターと流路部材の貼りずれ量と固有振動周期の変化の割合の関係(図8Bの場合)を示す図である。 アクチュエーターと流路部材の貼りずれ量と固有振動周期の変化の割合の関係(図8Cの場合)を示す図である。 アクチュエーターと流路部材の貼りずれ量と固有振動周期の変化の割合の関係(図8Dの場合)を示す図である。 ノズル列内の射出速度、圧力室の固有振動周期の変化の割合の分布(図8Aの場合)を示す図である。 ノズル列内の射出速度、圧力室の固有振動周期の変化の割合の分布(図8Dの場合)を示す図である。 ヘッドチップのうち圧力室付近の構成の断面を示す断面図である。 拡大貫通孔付近の拡大断面図である。 拡大孔部付近の拡大断面図である。 ヘッドチップのうち隣接する圧力室列付近の構成の断面を示す断面図である。 隣接する圧力室列をZ軸方向負側から見た図である。 ノズル列間の射出速度、圧力室の固有振動周期の変化の割合の分布(図8Aの場合)を示す図である。 ノズル列間の射出速度、圧力室の固有振動周期の変化の割合の分布(図8Dの場合)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、インクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、制御部2と、搬送部3と、記憶部4と、通信部5と、表示部6と、操作受付部7と、ヘッド駆動制御部8と、インクジェットヘッド100などを備える。
制御部2は、演算処理を行うCPU2aと、CPU2aに対して作業用のメモリー空間を提供して一時データを記憶するRAM2bなどを備え、インクジェット記録装置1の動作を統括制御する。
搬送部3は、インクジェット記録装置1により画像などを記録する対象となる媒体を後述するインクジェットヘッド100のインク吐出面と対向させながら当該インク吐出面に対して相対移動させる。搬送部3は、搬送駆動部3aを有する。搬送駆動部3aは、例えば、媒体が載置される無端状のベルトが架け渡されたローラーを有し、当該ローラーを所定速度で回転動作させることで無端状のベルト及び当該ベルト上の媒体を所定速度で周回移動させる。
記憶部4は、動作制御に係るプログラム及び設定データなどを記憶する。記憶部4は、不揮発性メモリー及び/又はHDD(Hard Disk Drive)などを有する。また、記憶部4は、通信部5を介して外部から取得された記録対象の画像データ4a及びその処理データなどを記憶可能であってよい。これらのデータの記憶用に、記憶部4は、DRAMなどの揮発性メモリーを有していてもよい。
通信部5は、外部機器との通信を制御してデータの送受信を行う。通信部5は、例えば、ネットワークカードなどを備え、LANを用いたTCP/IPなどの通信規格に基づいてデータ通信の制御を行う。接続される外部機器には、画像記録命令及び記録対象データを出力する各種コンピューター端末が含まれる。
表示部6は、制御部2の制御に基づいて表示画面に各種表示を行わせる。表示画面としては、例えば、液晶ディスプレイが挙げられる。表示画面には、例えば、画像記録動作に係るステータスの表示及び設定の選択画面の表示などが含まれる。また、表示部6には、LEDランプなどが含まれていてよく、例えば、主電源からの電力供給有無、及び/又はステータスの異常状態の有無などを報知可能であってよい。
操作受付部7は、ユーザーなどによる外部からの入力操作を受け付けて、入力信号として制御部2に出力する。操作受付部7としては、例えば、表示画面に重ねて設けられたタッチパネルが挙げられる。また、操作受付部7は、押しボタンスイッチ及び/又はロータリースイッチなどが含まれていてもよい。
ヘッド駆動制御部8は、記録対象の画像の各画素データに応じて適切なタイミングでインクジェットヘッド100の後述するアクチュエーター30を駆動する駆動信号を得るための駆動電圧信号を出力する。ヘッド駆動制御部8は、基板上などにまとめて形成されてもよいし、インクジェット記録装置1の各部に分散して配置されていてもよい。また、ヘッド駆動制御部8の構成の一部又は全部は、インクジェットヘッド100が有するものであってもよい。ヘッド駆動制御部8は、ヘッド制御部8aと、信号制御部8bなどを備える。
ヘッド制御部8aは、CPUと記憶部などを備え、記録対象の画像データの有無や画像データの内容に応じてヘッド駆動制御部8の動作を制御する。記憶部には、ノズル51からインクを吐出させたりノズル51内のインクの液面(メニスカス)を振動させたりするための駆動信号の波形パターンのデータが予め保持されている。
信号制御部8bは、図示略のクロック信号(同期信号)に応じた適切なタイミングでヘッド制御部8aから取得される波形信号(入力信号)をインクジェットヘッド100に出力する。駆動信号の波形パターンは、複数種類保持されていて、予め定められた順番及びタイミングで切り替えられてもよい。
インクジェットヘッド100は、媒体に対してインクを吐出して画像などを記録、形成する。
インクジェット記録装置1は、例えば、搬送移動される媒体に対して固定されたインクジェットヘッド100からインクが吐出されて画像が記録されていくラインヘッドによるワンパス方式のものであるが、インクの吐出動作中にインクジェットヘッド100と媒体とが一定速度で相対移動するものであれば特には限られない。ノズル51の開口が二次元配置されている場合には、相対移動方向について異なる位置のノズル51からのインク吐出タイミングは、相対移動速度に応じて各々ずらされるように駆動制御される。
以下、本発明のインクジェットヘッド100に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。便宜上、各図には、互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。Z軸方向がインクジェットヘッド100の高さ方向であり、Z軸正方向が下方向である。また、Y軸方向がインクジェットヘッド100の厚み方向で、X軸方向がインクジェットヘッド100の幅方向である。インクジェットヘッド100は、Z軸正方向(下方向)にインクを吐出する。
図2は、インクジェットヘッド100の構成を示す斜視図である。
図3は、インクジェットヘッド100が有するヘッドチップ13の構成を示す図である。
図2に示すように、インクジェットヘッド100は、筐体10と、ヘッドベース12とを備える。筐体10は、ヘッドベース12に対して着脱可能となっている。
筐体10は、下面が開放された矩形の箱体である。筐体10の上面には内部に繋がる切欠き10aが設けられ、この切欠き10aを介して回路基板11が筐体10に収納されている。回路基板11には、ヘッドチップ13内のアクチュエーター30を駆動するための駆動回路が実装されている。切欠き10aのX軸方向正側とX軸方向負側に、それぞれ、円形の穴部10bが設けられている。穴部10bは、図示略のインク供給用のチューブを筐体10の内部へと導くためのものである。
ヘッドベース12は、上下に貫通する矩形の開口12aを中央に有する枠体である。開口12aの下端に、図3に示すヘッドチップ13が設けられている。ヘッドチップ13には、開口12a内において回路基板11と図示しないFPC(Flexible Printed Circuits)が電気的に接続されている。
図3に示すように、ヘッドチップ13は、アクチュエーター30、流路基板40(流路部材)及びノズル基板50がこの順に積層された構成を有する。アクチュエーター30、流路基板40及びノズル基板50は、直方体状の板体であり、Z方向から見た形状が同一となっている。アクチュエーター30及び流路基板40は、接着剤を介して接合されている。また、流路基板40及びノズル基板50は、接着剤を介して接合されている。
流路基板40には、X軸方向に延在する4つの供給流路21が形成されている。
アクチュエーター30のX軸方向正側の端部とX軸方向負側の端部には、それぞれ、4つのインク供給口30aがY軸方向に並んで形成されている。各インク供給口30aは、それぞれ一つの供給流路21に繋がっている。
図4は、ヘッドチップ13のX軸方向正側の端部の拡大図である。
アクチュエーター30には、供給流路21に沿って複数の圧力室22が設けられている。詳しくは、アクチュエーター30の裏面には、圧力室22に対応する位置に溝が形成されており、アクチュエーター30が流路基板40に重ねられることにより、アクチュエーター30裏面の溝と流路基板40の上面との間に、圧力室22が形成される。圧力室22は、流路基板40に形成された供給側連絡流路23(図5参照)を介して供給流路21に繋がっている。
なお、アクチュエーター30上面のY軸方向負側の端部とY軸方向正側の端部には、それぞれ、回路基板11のFPCを接続するための端子群(図示せず)が設けられている。この端子群は、アクチュエーター30の圧電体層34(図5参照)に電圧(駆動信号)を印加するためのものである。
上記のように、供給流路21は、端部がインク供給口30aに繋がっている。供給流路21に沿って多数の圧力室22が配置され、各圧力室22が供給側連絡流路23によって供給流路21に繋がっている。
図3に戻り、8つのインク供給口30aには、それぞれ図示略のインク供給チューブが接続されており、当該インク供給チューブからインクが供給される。インク供給口30aに供給されたインクは、供給流路21及び供給側連絡流路23を通って圧力室22に供給される。本実施形態では、4つの供給流路21には同一の色のインクが供給される。ただし、これに限られず、各供給流路21に互いに異なる色のインクを供給して、1つのインクジェットヘッド100により4色のインクを吐出できるようにしてもよい。
図5は、図4のV-V断面図である。
図5に示すように、流路基板40には、供給流路21、供給側連絡流路23及びノズル側連絡流路24が設けられている。供給側連絡流路23は、供給流路21のZ軸方向負側から延びて圧力室22に接続されている。ノズル側連絡流路24は、圧力室22とノズル基板50のノズル51とを接続するように流路基板40を貫通している。
ノズル基板50には、圧力室22からZ軸正方向に延びるノズル側連絡流路24に対応する位置に、ノズル基板50を貫通するノズル51が形成されている。ノズル51は、Z軸正方向に向かうに従って次第に径が小さくなる形状を有しており、出口付近では径が均一になっている。ノズル基板50の材質は、特には限られないが、例えば金属や樹脂である。
アクチュエーター30は、圧力室22が形成されている圧力室層31、圧力室層31の上部(Z軸方向負側)に積層された振動板32、絶縁層33、圧電体層34及び電極層35を有している。振動板32、絶縁層33、圧電体層34及び電極層35は、スパッタ法等の真空製膜技術により形成することができる。これらの層は、塗布等の他の製膜技術により形成されてもよい。圧力室層31は、めっき工法等の厚膜形成技術又は金属板のエッチング工法により形成することができる。圧力室層31の下面に流路基板40が接合されることにより、圧力室22が形成される。振動板32は、導電性の金属材料から構成され、圧電体層34の下部電極(共通電極)を兼ねている。絶縁層33は、圧電体層34に対して振動板32を絶縁する。すなわち、絶縁層33は、圧電機能領域R1以外の圧電体層34への電圧印加を遮蔽する。
圧電体層34は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成される。圧電体層34の膜厚は数μm程度である。電極層35は、導電性材料により形成される。電極層35は、例えば、貴金属を含むチタンから形成される。電極層35の膜厚は0.2μm程度である。
電極層35に電圧が印加されることにより圧電機能領域R1において圧電体層34がZ軸方向に変形し、これに伴い、振動板32が変形する。圧電機能領域R1において振動板32が下方に変形すると、圧力室22の容積が減少し、圧力室22に充填されたインク60の圧力が高まる。また、圧電機能領域R1において振動板32が上方に変形すると、圧力室22の容積が増大し、圧力室22に充填されたインク60の圧力が低下する。インク60の圧力を所定の順序で変動させることにより(例えば、減圧させた後に加圧することにより)、ノズル側連絡流路24を介して圧力室22に連通するノズル51からインク60の液滴61が吐出される。
圧力室層31、振動板32、絶縁層33、圧電体層34及び電極層35は、それぞれ、必ずしも単層でなくともよく、複数の層によって形成されてもよい。また、各層の間に、さらに他の層が配置されてもよい。
図6は、ノズル基板50におけるノズル51の配列を模式的に示す図である。
図6に示すように、ノズル基板50には、複数のノズル51が一列に並ぶように配置されている。ノズル基板50には、4つのノズル51の列L1~L4が配置されている。例えば、列L1~L4に、それぞれ数百個のノズル51が一定間隔で設けられている。また、各ノズル列は、ノズル51のX軸方向の位置が互いにずれる位置関係で設けられている。各列のノズル51の数はこれに限られるものではない。
図7は、ヘッドチップ13のうち圧力室22付近の構成の断面を示す部分斜視図である。
図7に示すように、流路基板40は、Z軸方向に順に積層された複数の(ここでは8枚の)板状部材401~408を有している。板状部材401~408は、Z軸方向から見た外形が同一の矩形であり、上面及び下面がXY平面に平行である。板状部材401~408の材質は、例えばSUS(ステンレス鋼)材や42アロイであるが、これに限られない。Z軸方向負側の端に板状部材401が配置されており、この板状部材401は接着剤を介してアクチュエーター30に接合されている。また、Z軸方向正側の端に板状部材408が配置されており、この板状部材408は接着剤を介してノズル基板50に接合されている。
板状部材401~408のうち下から3番目の板状部材406は、他の板状部材よりも薄くなっており、供給流路21のダンパーとして機能する。このダンパーは、アクチュエーター30が駆動され、振動板32がZ軸方向に変位した際に供給側連絡流路23から供給流路21に付与される圧力波を吸収するためのものである。
板状部材401~408には、それぞれノズル側連絡流路24の一部となる拡大貫通孔401a及び貫通孔402a~408aが形成されている。板状部材401~408は、拡大貫通孔401a及び貫通孔402a~408aが連通してノズル側連絡流路24を構成する位置関係で配置されている。換言すれば、板状部材401~408に亘って連通する拡大貫通孔401a及び貫通孔402a~408aにより、ノズル側連絡流路24が構成されている。拡大貫通孔401a及び貫通孔402a~408aの開口形状は、略円形である。また、拡大貫通孔401a及び貫通孔402a~408a及びノズル51は、互いに中心が一致している。
貫通孔402a~408aの直径は、略同じである。
図8A~図8Dに、Z軸方向負側から見た圧力室22とノズル側連絡流路24の圧力室22側端部との重なり、及び圧力室22と供給側連絡流路23の圧力室22側端部との重なりを模式的に示す図を示す。
図8Aに示すように、拡大貫通孔401aの直径は、貫通孔402a~408aの直径より大きい。また、アクチュエーター30と流路基板40とがずれなく接着した場合に、拡大貫通孔401aのY軸方向正側の端縁は圧力室22の端部よりY側方向正側に距離aだけ延びており、拡大貫通孔401aのX軸方向正側の端縁は圧力室22の端部よりX軸方向正側に距離bだけ延びており、拡大貫通孔401aのX軸方向負側の端縁は圧力室22の端部よりX軸方向負側に距離cだけ延びている。つまり、拡大貫通孔401aの開口面(第2開口面)の面積は、アクチュエーター30と流路基板40とがずれなく接着した場合に圧力室22の開口面と第2開口面とが重なり合う面の面積よりも広くなっている。図8Aに示す図において、圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積は、ハッチングで示す面積S1である。
このように、圧力室22側から1つ目の板状部材401に拡大貫通孔401aが形成され、拡大貫通孔401aの第2開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積より広いことにより、板状部材401とアクチュエーター30を接着する際に板状部材401とアクチュエーター30との間に多少の位置ずれが生じても、圧力室22に重なるノズル側連絡流路24の面積が顕著に小さくなることを抑制できる。
図7に示すように、板状部材401には、供給側連絡流路23を構成する拡大孔部401bが形成され、板状部材402には、供給側連絡流路23を構成する絞り部402bが形成されている。拡大孔部401b及び絞り部402bの開口形状は、略円形である。
拡大孔部401bと絞り部402bの中心は一致していなくてもよい。板状部材401と板状部材402間の貼りずれが発生した場合でも、拡大孔部401bの周内に絞り部402bが収まる位置であればよい。
図8Aに示すように、拡大孔部401bの直径は、絞り部402bの直径より大きい。また、アクチュエーター30と流路基板40とがずれなく接着した場合に、拡大孔部401bのY軸方向負側の端縁は圧力室22の端部よりY側方向負側に距離dだけ延びており、拡大孔部401bのX軸方向正側の端縁は圧力室22の端部よりX軸方向正側に距離eだけ延びており、拡大孔部401bのX軸方向負側の端縁は圧力室22の端部よりX軸方向負側に距離fだけ延びている。つまり、拡大孔部401bの開口面(第1開口面)の面積は、アクチュエーター30と流路基板40とがずれなく接着した場合に圧力室22の開口面と第1開口面とが重なり合う面の面積よりも広くなっている。図8Aに示す図において、圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積は、ハッチングで示す面積S2である。
このように、圧力室22側から1つ目の板状部材401に拡大孔部401bが形成され、拡大孔部401bの第1開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積より広いことにより、板状部材401とアクチュエーター30を接着する際に板状部材401とアクチュエーター30との間に多少の位置ずれが生じても、圧力室22に重なる供給側連絡流路23の面積が顕著に小さくなることを抑制できる。
また、本実施形態においては、絞り部402bの直径は、貫通孔402aの直径より小さい。
上記のように構成されたインクジェットヘッド100においては、供給側連絡流路23よりノズル側連絡流路24の方が、イナータンスが大きい。イナータンスは、流体の慣性を表す量であり、流量の変化しにくさを表すものである。流路のイナータンスMは、流路内の液体の密度をρとし、流路の長さをLとし、流路の断面積をSとすると、M=ρL/Sで定義される。またイナータンスが変化すると、圧力室22の固有振動周期(AL)が変化して共振振動周期からずれるため、インクの射出速度が変化する。
供給側連絡流路23よりノズル側連絡流路24の方が、イナータンスが大きいことによって、図8Aに示す面積S1を変化させたときの面積S1とノズル側連絡流路24のイナータンスの関係よりも、面積S2を変化させたときの面積S2と供給側連絡流路23のイナータンスの関係の方が、面積変化に対する感度が高くなる。
ここで、図8Bは、拡大貫通孔401aにおいて距離a、b、cを0にした場合、つまり拡大貫通孔401aの開口面の面積と貫通孔402a~408aの開口面の面積を同一にした場合である。
図8Cは、拡大孔部401bにおいて距離d、e、fを0にした場合である。
図8Dは、拡大貫通孔401aにおいて距離a、b、cを0にして、且つ拡大孔部401bにおいて距離d、e、fを0にした場合である。
図9A~図9Dに板状部材401とアクチュエーター30の貼りずれ量の変化と圧力室22の固有振動周期の変化の割合の関係を模式的に示す。図9A~図9Dにおいて、横軸にX方向の貼りずれ量を表し、縦軸に貼りずれ量に伴う固有振動周期の変化の割合を表し、Y方向の貼りずれ量が0μm、-30μm、+30μmである場合を示す。
図9Aに示すのは、図8Aに示す場合であり、図9Bに示すのは、図8Bの場合であり、図9Cに示すのは、図8Cの場合であり、図9Dに示すのは、図8Dに示す場合である。
図9A~図9Dに示すように、圧力室22の固有振動周期の変化の割合は図9Aの場合が一番小さく、次に図9Bの場合が小さく、その次に図9Cの場合が小さく、図9Dの場合が一番大きくなる。
つまり、板状部材401とアクチュエーター30の貼りずれによる圧力室22の固有振動周期の変化を抑制するには、拡大貫通孔401aの第2開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積より広く、拡大孔部401bの第1開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積より広くすること(図8Aの場合)が最も好ましい。また、拡大貫通孔401aの第2開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積より広く、拡大孔部401bの第1開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積より広くない場合(図8Cの場合)よりも、拡大貫通孔401aの第2開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積より広くなく、拡大孔部401bの第1開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積より広い場合(図8Bの場合)の方が圧力室22の固有振動周期の変化を抑制することができる。つまり、インクの射出速度が変化することを抑制ことができる。
図10A、図10Bにノズル列内の射出速度、圧力室22の固有振動周期の変化の割合分布を示す。図10A、図10Bにおいて、横軸はノズル列内のノズル番号を表す。この場合、ノズル列の1列内にノズル番号が1~200であるノズルがある。また、縦軸はインクの射出速度(●)と圧力室22の固有振動周期(AL)の変化の割合(〇)を表す。
図10A、図10Bでは、板状部材401とアクチュエーター30の接着において同等の貼りずれが発生している状態である。図10Aは、図8Aの場合であり、図10Bは図8Dの場合である。
図10A、図10Bに示すように、板状部材401とアクチュエーター30の接着において貼りずれが発生した場合、図8Aに示すような拡大貫通孔401a及び拡大孔部401bであれば、図8Dに示すような場合よりもノズル列内におけるインクの射出速度及び圧力室22の固有振動周期の変化の割合の差が小さい。
また、アクチュエーター30と流路基板40を接合する際に、アライナーを用いて高精度に位置合わせする場合では、印字長が50mmであり、角度が0.1度の貼りずれが発生すると、X軸・Y軸方向に10μm程度の貼りずれが発生する。そのため、この場合においては、図8Aに示す拡大貫通孔401aにおける距離a,b,c、及び拡大孔部401bにおける距離d,e,fは、10μm以上であることが好ましい。また、位置決めピン等を用いて安価に高精度ではなく位置合わせする場合もある。この場合、最大で50μm程度の貼りずれが発生する可能性がある。そのため、図8Aに示す拡大貫通孔401aにおける距離a,b,c、及び拡大孔部401bにおける距離d,e,fは、50μm以上であることがさらに好ましい。
また、図11Aは、ヘッドチップ13のうち圧力室22付近の構成のX軸に垂直な断面を示す断面図である。図11Bは、図11Aに示す拡大貫通孔401a付近の矩形領域Bの拡大図である。また、図11Cは、図11Aに示す拡大孔部401b付近の矩形領域Cの拡大図である。
図11Bに示す距離a、及び図11Cに示す距離dが大きくなりすぎるとノズル側連絡流路24及び供給側連絡流路23内に淀みが発生し、その淀みに気泡が残存してしまう可能性がある。気泡を残存させないためには、拡大貫通孔401a及び拡大孔部401bのZ軸方向の厚さをtとすると、距離a≦2t、且つ距離d≦2tとすることが好ましい。また、図8A~図8Dに示す距離b,c、及び距離e,fについても同様であり、距離b≦2t、距離c≦2t、距離e≦2t、且つ距離f≦2tとすることが好ましい。
また、図7に示すように、板状部材403~405にはそれぞれ、供給流路21に対応する領域に開口403b~405bが形成されている。換言すれば、連通する開口403b~405bにより供給流路21が構成されている。
また、板状部材407には、開口403b~405bと同一形状の開口407bが形成されている。開口407bがなす空間は、インクが流入しない空気室を形成する。この空気室と、供給流路21とは、板状部材406(ダンパー)により仕切られている。
板状部材401~408は、例えば熱拡散工法により拡散接合されている。ただし、これに限られず、板状部材同士が接着剤により接合されていてもよい。
板状部材401とアクチュエーター30とを接着剤により接合することで、供給側連絡流路23と圧力室22とが連通するとともに、圧力室22とノズル側連絡流路24とが連通する。また、板状部材408とノズル基板50とを接着剤により接合することで、ノズル側連絡流路24とノズル51とが連通する。
また、本実施の形態では、ノズル側連絡流路24のうち拡大貫通孔401aの第2開口面の面積のみを他の貫通孔402a~408aの開口面の面積、及び圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積より広くすることで、ノズル側連絡流路24のコンプライアンスの増大を防ぐことができる。コンプライアンスCは、流路内の液体の体積をVとし、液体の圧力をPとすると、C=-ΔV/ΔPで定義される。
また、供給側連絡流路23のうち拡大孔部401bの第1開口面の面積を絞り部402bの開口面の面積より広くし、拡大孔部401bの第1開口面の面積のみを圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積より広くすることで、供給側連絡流路23のコンプライアンスの増大を防ぐことができる。
供給側連絡流路23あるいはノズル側連絡流路24のコンプライアンスが増大すると、インクジェットヘッド100の駆動効率が悪化するため、コンプライアンスの増大を防ぐことで、インクジェットヘッド100の駆動効率の悪化を防ぐことができる。
図12Aは、ヘッドチップ13のうち隣接する圧力室L1列及び圧力室L2列付近の構成のX軸に垂直な断面を示す断面図である。図12Bは、図12Aに示す圧力室L1列及び圧力室L2列をZ軸方向負側から見た図である。
図12A、図12Bに示す例において、圧力室L1列及び圧力室L2列は複数の圧力室から構成されており、例えば、圧力室L1列は、図6に示すノズル51の列L1に対応しており、圧力室L2列は、図6に示すノズル51の列L2に対応している。
図12Aに示すように、隣接する圧力室L1列と圧力室L2列の間の仮想の中央線をDとすると、圧力室L1列及び圧力室L2列のそれぞれのノズル側連絡流路24と供給側連絡流路23は、中央線Dに対して線対称になるように配置されている。また、ノズル側連絡流路24に対応するノズル51、及び供給側連絡流路23に対応する供給流路21も同様に中央線Dに対して線対称になるように配置されている。
このようにノズル側連絡流路24及び供給側連絡流路23が、隣接する他の圧力室列との間の仮想の中央線Dに対して、線対称になるように配置されている場合に、アクチュエーター30と流路基板40のY軸方向の貼りずれが発生すると、貼りずれに起因するノズル側連絡流路24のイナータンス変化量と供給側連絡流路23のイナータンス変化量が異なる。そのため、圧力室列ごとにインク射出速度や圧力室22の固有振動周期が変わってしまう可能性がある。
さらに、本実施形態におけるインクジェット記録装置1においては、ヘッド駆動制御部8は、図12A、図12Bに示したような圧力室列ごとに、アクチュエーター30に同一の波形を印可して駆動させるが、駆動回路を簡素化するために、圧力室L1列と圧力室L2列のように隣接する圧力室列のアクチュエーター30に同一の波形を印可する場合がある。
この場合においては、上記のように圧力室列ごとに変わってしまったインクの射出速度や圧力室22の固有振動周期を補正することができない。
しかし、図12Aに示すように、隣接する圧力室のそれぞれのノズル側連絡流路24と供給側連絡流路23は、中央線Dに対して線対称になるように配置されており、さらに、隣接する圧力室列のアクチュエーター30に同一の波形が印可される場合においても、図8Aに示すように、拡大貫通孔401aの第2開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大貫通孔401aの第2開口面の重なり合う面の面積より広くなるように形成し、拡大孔部401bの第1開口面の面積は、圧力室22の開口面と拡大孔部401bの第1開口面の重なり合う面の面積より広くなるように形成する。このことにより、アクチュエーター30と流路基板40の貼りずれによって、ノズル側連絡流路24のイナータンス量と供給側連絡流路23のイナータンス変化量が異なることを防ぐことができる。つまり、圧力室列ごとにインクの射出速度や圧力室22の固有振動周期が変わってしまうことを防ぐことができる。
図13A、図13Bは、ノズル列間の射出速度、圧力室の固有振動周期の変化の割合の分布を示す図である。図13A、図13Bにおいて、横軸はノズル51の列L1及び列L2内のノズル番号を表す。この場合、列L1内にノズル番号が1~200であるノズルがあり、列L2内にノズル番号が201~400であるノズルがある。また、縦軸はインクの射出速度(●)と圧力室22の固有振動周期の変化の割合(〇)を表す。
図13A、図13Bでは、板状部材401とアクチュエーター30の接着において同等の貼りずれが発生している状態である。図13Aは、図8Aの場合であり、図13Bは図8Dの場合である。
図13A、図13Bに示すように、板状部材401とアクチュエーター30の接着において貼りずれが発生した場合、図8Aに示すような拡大貫通孔401a及び拡大孔部401bであれば、図8Dに示すような場合よりも列L1と列L2のようなノズル列間における射出速度の差、及び固有振動周期の変化の割合の差が小さい。
以上のように、本実施形態に係るインクジェットヘッド100は、インクが充填される圧力室22と、圧力室22に充填されたインクの圧力を変化させるアクチュエーター30と、アクチュエーター30が駆動されることにより圧力室22に充填されたインクを吐出するノズル51と、圧力室22とノズル51とを連結するノズル側連絡流路24と、圧力室22とインクを供給する供給流路21とを連結する供給側連絡流路23と、を備え、ノズル側連絡流路24及び供給側連絡流路23を有する流路部材40をアクチュエーター30に接着することにより圧力室22とノズル側連絡流路24、及び圧力室22と供給側連絡流路23がそれぞれ接続され、供給側連絡流路23のイナータンスよりノズル側連絡流路24のイナータンスの方が大きく、供給側連絡流路23の圧力室22側端部(拡大孔部401b)の第1開口面の面積は、アクチュエーター30と流路部材40とがずれなく接着した場合に、圧力室22の開口面と第1開口面とが重なり合う面の面積(面積S2)よりも広くなっている。
このような構成によれば、流路部材40をアクチュエーター30に接着する際に流路部材40とアクチュエーター30との間に多少の位置ずれが生じても、供給側連絡流路23から圧力室22にインクが流れにくくなることを抑制することができる。
また、本実施形態に係るインクジェットヘッド100において、ノズル側連絡流路24の圧力室22側端部(拡大貫通孔401a)の第2開口面の面積は、アクチュエーター30と流路部材40とがずれなく接着した場合に、圧力室22の開口面と第2開口面とが重なり合う面の面積(面積S1)よりも広くなっている。
これにより、流路部材40をアクチュエーター30に接着する際に流路部材40とアクチュエーター30との間に多少の位置ずれが生じても、圧力室22からノズル側連絡流路24にインクが流れにくくなることを抑制することができる。
また、本実施形態に係るインクジェットヘッド100において、複数の圧力室22からなる圧力室列において、ノズル側連絡流路24及び供給側連絡流路23は、隣接する他の圧力室列との間の仮想の中央線Dに対して、線対称になるように配置されている。
これにより、このような構成のインクジェットヘッド100においても、アクチュエーター30と流路部材40の貼りずれによって、ノズル側連絡流路24のイナータンス量と供給側連絡流路23のイナータンス変化量が異なることを防ぐことができる。つまり、圧力室列ごとに射出速度や圧力室の固有振動周期が変わってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施形態に係るインクジェットヘッド100において、供給流路21と供給側連絡流路23の圧力室22側端部(拡大孔部401b)との間に絞り部402bが設けられている。
これにより、供給側連絡流路23のコンプライアンスが増大することを防ぐことができる。つまり、インクジェットヘッド100の駆動効率の悪化を防ぐことができる。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド100と、インクジェットヘッド100のインク吐出を制御するヘッド駆動制御部8と、を備え、ヘッド駆動制御部8は、隣接する圧力室列のアクチュエーター30に、同一の波形を印可する。
これにより、このような駆動方法においても、圧力室列ごとに射出速度や圧力室の固有振動周期が変わってしまうことを防ぐことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、Z軸方向から見た拡大貫通孔401a、貫通孔402a~408a、拡大孔部401b、及び絞り部402bの形状は、円形に限られず、楕円形や矩形等の他の形状であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 インクジェット記録装置
2 制御部
3 搬送部
4 記憶部
5 通信部
6 表示部
7 操作受付部
8 ヘッド駆動制御部
100 インクジェットヘッド
10 筐体
11 回路基板
12 ヘッドベース
13 ヘッドチップ
21 供給流路
22 圧力室
23 供給側連絡流路
24 ノズル側連絡流路
30 アクチュエーター
30a インク供給口
31 圧力室層
32 振動板
33 絶縁層
34 圧電体層
35 電極層
40 流路基板(流路部材)
50 ノズル基板
51 ノズル
60 インク
61 液滴
401~408 板状部材
401a 拡大貫通孔
402a~408a 貫通孔
401b 拡大孔部
402b 絞り部
403b~405b、407b 開口
R1 圧電機能領域

Claims (5)

  1. インクが充填される圧力室と、
    前記圧力室に充填されたインクの圧力を変化させるアクチュエーターと、
    前記アクチュエーターが駆動されることにより前記圧力室に充填された前記インクを吐出するノズルと、
    前記圧力室と前記ノズルとを連結するノズル側連絡流路と、
    前記圧力室と前記インクを供給する供給流路とを連結する供給側連絡流路と、を備え、
    前記ノズル側連絡流路及び前記供給側連絡流路を有する流路部材を前記アクチュエーターに接着することにより前記圧力室と前記ノズル側連絡流路、及び前記圧力室と前記供給側連絡流路がそれぞれ接続され、
    前記供給側連絡流路のイナータンスより前記ノズル側連絡流路のイナータンスの方が大きく、
    前記供給側連絡流路の前記圧力室側端部の第1開口面の面積は、前記アクチュエーターと前記流路部材とがずれなく接着した場合に、前記圧力室の開口面と前記第1開口面とが重なり合う面の面積よりも広くなっているインクジェットヘッド。
  2. 前記ノズル側連絡流路の前記圧力室側端部の第2開口面の面積は、前記アクチュエーターと前記流路部材とがずれなく接着した場合に、前記圧力室の開口面と前記第2開口面とが重なり合う面の面積よりも広くなっている請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 複数の前記圧力室からなる圧力室列において、前記ノズル側連絡流路及び前記供給側連絡流路は、隣接する他の圧力室列との間の仮想の中央線に対して、線対称になるように配置されている請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記供給流路と前記供給側連絡流路の前記圧力室側端部との間に絞り部が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドのインク吐出を制御するヘッド駆動制御部と、を備え、
    前記ヘッド駆動制御部は、隣接する圧力室列のアクチュエーターに、同一の波形を印可するインクジェット記録装置。
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