JP2021186818A - 厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム - Google Patents

厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021186818A
JP2021186818A JP2020091893A JP2020091893A JP2021186818A JP 2021186818 A JP2021186818 A JP 2021186818A JP 2020091893 A JP2020091893 A JP 2020091893A JP 2020091893 A JP2020091893 A JP 2020091893A JP 2021186818 A JP2021186818 A JP 2021186818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thick steel
warp
steel plate
plate
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020091893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7207367B2 (ja
Inventor
篤 栗本
Atsushi Kurimoto
誠康 岡田
Nobuyasu Okada
和弘 新田
Kazuhiro Nitta
直人 小林
Naoto Kobayashi
太基 宮野
Taiki Miyano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2020091893A priority Critical patent/JP7207367B2/ja
Publication of JP2021186818A publication Critical patent/JP2021186818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7207367B2 publication Critical patent/JP7207367B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】 板反りした厚鋼板の端部がテーブルローラーのロール間に設置したセンサーなどに衝突しないようにする。【解決手段】 本発明に係る厚鋼板の板反り検知方法は、非接触式距離計3を用いて、厚鋼板の製造ラインを搬送される厚鋼板の表面までの距離を測定し、前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのライン速度情報とを用いて、厚鋼板の形状(上反りまたは下反り)を判別し、前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのロール間の開口部で厚鋼板の先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみと、下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみと、を用いて、厚鋼板の上反り量または下反り量を算出し、算出した上反り量または下反り量が予め設定したそれぞれの閾値を超えたときに、前記製造ラインを停止させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、厚鋼板の製造ラインにおいて、当該製造ラインに設置される設備と厚鋼板の先端及び尾端との衝突を回避するべく、厚鋼板の先端及び尾端での板反りを検知する方法及び検知するシステムに関する。
加熱した鋼片や鋳片を熱間圧延機で熱間圧延して製造される厚鋼板は、ローラーテーブル上を搬送されて冷却され、且つ、搬送途中で厚みが測定されるとともに、所定の幅及び長さに切断されて、厚鋼板製品に仕上げられる。この厚鋼板には、その先端部(搬送方向前方側の端部)及び尾端部(搬送方向後方側の端部)に、熱間圧延の際に発生する歪みに起因する板反りが発生することがある。この板反りには、鉛直上方側に反る場合(「上反り」という)と、鉛直下方側に反る場合(「下反り」という)の両方がある。
厚鋼板の製造ラインのローラーテーブルのロール間には、レーザー光線を用いたレーザー板厚計などのセンサーが設置されている。いずれのセンサーも、ローラーテーブルのパスラインよりも下方または上方に設置されるが、厚鋼板の板反りが大きい場合には、板反りした先端部または尾端部がロール間に設置したセンサーに衝突し、センサーが破損するという問題が発生する。
このような問題を解決するために、特許文献1には、搬送される鋼板の平坦度を、非接触式距離計を用いて測定する平坦度測定装置が提案されている。特許文献1に提案される平坦度測定装置は、隣接する搬送ロール間に配置された複数の非接触式距離計と、鋼板のパスラインの変動の影響成分を前記非接触式距離計の出力から除去する第1の演算器と、該第1の演算器の出力に基づき、鋼板の長手方向歪、幅方向歪、最大急峻度、先端または尾端の板反り、2m歪、1m歪のうちの少なくとも一つを演算する第2の演算器と、を有する装置である。
特開平7−234121号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。
即ち、特許文献1は、先端部及び尾端部の反り量を計測して鋼板の品質を確保することが目的であるので、測定結果(反り量)を用いて製造ラインを停止し、設備の損傷を防止するという立案がなされていない。また、特許文献1は、計測した鋼板の反り量をそのまま評価しており、鋼板のたわみ量などを考慮していないという問題点がある。鋼板のロール間におけるたわみ量を考慮すると、下反り量は計測値よりも大きくなり、ロール間に設置されたセンサーとの衝突の危険性が高くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、板反りした厚鋼板の先端部及び尾端部がローラーテーブルのロール間に設置したセンサーなどに衝突しないようにするために、厚鋼板のたわみ量を考慮して厚鋼板の先端部及び尾端部の板反り量を精度良く測定し、板反り量の測定値に基づいて製造ラインを停止させる、厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システムを提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]非接触式距離計を用いて、厚鋼板の製造ラインを搬送される厚鋼板の表面までの距離を測定し、
前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのライン速度情報とを用いて、厚鋼板の形状(上反りまたは下反り)を判別し、
前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのロール間の開口部で厚鋼板の先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみと、下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみと、を用いて、厚鋼板の上反り量または下反り量を算出し、
算出した上反り量または下反り量が予め設定したそれぞれの閾値を超えたときに、前記製造ラインを停止させることを特徴とする、厚鋼板の板反り検知方法。
[2]厚鋼板の製造ラインの鉛直上方または鉛直下方に設置され、前記製造ラインを搬送される厚鋼板の表面までの距離を測定する非接触式距離計と、
該非接触式距離計による距離測定値、及び、前記製造ラインのライン速度情報に基づいて厚鋼板の形状(上反りまたは下反り)を判別し、且つ、
前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのロール間の開口部で厚鋼板の先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみと、下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみと、を用いて、厚鋼板の上反り量または下反り量を算出するとともに、
算出した上反り量または下反り量が予め設定したそれぞれの閾値を超えたときに、前記製造ラインを停止させる信号を発信する板反り検知計算機と、
を有することを特徴とする、厚鋼板の板反り検知システム。
[3]前記非接触式距離計は、前記製造ラインの鉛直上方で且つ製造ラインのロールの鉛直上方に設置されていることを特徴とする、上記[2]に記載の厚鋼板の板反り検知システム。
本発明によれば、厚鋼板のたわみ量を考慮して、厚鋼板の上反り量及び下反り量を算出するので、実際の厚鋼板の上反り量及び下反り量を正確に求めることができ、且つ、算出した上反り量及び下反り量がそれぞれの閾値を超えた場合には、製造ラインを停止するので、厚鋼板の先端及び尾端とロール間に設置した設備との衝突が未然に防止され、設備の損傷が回避される。
本発明の実施の形態例を示す概略図であって、厚鋼板製造ラインに本発明に係る板反り検知システムを設置した概略図である。 厚鋼板の先端部の形状判別方法を示す模式図である。 上反り厚鋼板の先端部における上反り量の算出方法を示す概略図である。 下反り厚鋼板の先端部における下反り量の算出方法を示す概略図である。 下反り厚鋼板の検知方法及び警報発信の方法を、厚鋼板の先端及び尾端で区分して示すフロー図である。 ロール間の開口部で厚鋼板先端部の支持が無くなることによる自重たわみを模式的に示す図である。 レーザー距離計による距離測定中における下反り厚鋼板の自重たわみを模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る厚鋼板の板反り検知方法及び厚鋼板の板反り検知システムを具体的に説明する。
図1に、本発明の実施の形態例を示す概略図であって、厚鋼板製造ラインに本発明に係る板反り検知システムを設置した一例の概略図を示す。図1に示すように、厚鋼板6が搬送される厚鋼板製造ラインは、並んで配置される複数のロール4を備えた、複数のローラーテーブルの組み合わせによって構成されている。この厚鋼板製造ラインにはレーザー板厚計5が設置されており、このレーザー板厚計5の前面(厚鋼板搬送方向の上流側)に、上反り及び下反りの両方を検知可能な板反り検知システム1が設置されている。
レーザー板厚計5は、製造ラインのロール4とロール4との間に設置されていて、製造ラインのパスラインよりも高い位置に、レーザー板厚計上部測定ヘッド5aが設置され、製造ラインのパスラインよりも低い位置に、レーザー板厚計下部測定ヘッド5bが設置されている。レーザー板厚計上部測定ヘッド5aから照射されるレーザー光8、及び、レーザー板厚計下部測定ヘッド5bから照射されるレーザー光9によって、製造ラインを移動している厚鋼板6の厚みが、連続的に測定されるようになっている。本実施の形態では、製造ラインを搬送される厚鋼板6の先端及び尾端が、レーザー板厚計5、特にレーザー板厚計下部測定ヘッド5bに衝突しないようにした例で説明する。
本発明に係る板反り検知システム1は、レーザー板厚計5から所定距離離れた搬送方向上流側のロール4の鉛直上方に設置されている非接触式距離計3と、この非接触式距離計3で測定される厚鋼板6の上面側表面までの距離測定値が入力される板反り検知計算機2と、を有している。また、板反り検知計算機2には、ロール4の回転数、つまり、製造ラインを搬送される厚鋼板6の移動速度を測定するパルスジェネレーター(図示せず)などから、製造ラインのライン速度情報が入力されるようになっている。
非接触式距離計3は、厚板製造ラインの鉛直下方に設置することもできる。非接触式距離計3を厚板製造ラインの鉛直下方に設置した場合は、非接触式距離計3は厚鋼板6の下面側表面までの距離を測定する。この非接触式距離計3としては、レーザー距離計や超音波距離計などを使用することができる。以下、本実施の形態では、非接触式距離計3として、ロール4の鉛直上方に設置されたレーザー距離計3aを用いた例で説明する。
レーザー距離計3aは、厚鋼板6の上面側表面にレーザー光7を所定間隔で照射し、厚鋼板6の上面側表面までの距離を測定する。製造ラインを移動中の厚鋼板6の上下方向の振動は、ロール4の位置を通過する際は比較的抑えられることから、レーザー距離計3aをロール4の鉛直上方に設置することで、厚鋼板6の上面側表面までの距離を比較的安定して精度良く測定することができる。
板反り検知計算機2は、レーザー距離計3aから入力される厚鋼板6の上面側表面までの距離測定値と、パルスジェネレーター(図示せず)などから入力される製造ラインのライン速度情報とを演算して、厚鋼板6の板反りを検知する。この板反り検知計算機2は、レーザー距離計3aから入力される厚鋼板6の上面側表面までの距離測定値、及び、パルスジェネレーター(図示せず)などから入力される製造ラインのライン速度情報を記憶する機能を備えている。また、板反り検知計算機2は、上反り及び下反り対して任意に閾値を設定し、算出した上反り量または下反り量が予め設定したそれぞれの閾値を超えたときには、製造ラインを停止させる信号を発信し、製造ラインを停止させることができるようになっている。
以下、本発明に係る厚鋼板の板反り検知方法及び厚鋼板の板反り検知システムについて、個々の特徴を説明する。
<上反り及び下反りの判定方法>
本発明においては、厚鋼板6の幅方向1基または複数基のレーザー距離計3aで、厚鋼板6の上反り及び下反りを検出する。板反り検知計算機2は、レーザー距離計3aによる距離測定値とライン速度情報とを用いて、厚鋼板6の形状(厚鋼板6の表面の傾き)を判別する。つまり、板反り検知計算機2は、上反り検出ロジック及び下反り検出ロジックを用いて厚鋼板6の板反りを検出する。
まず、板反り検知計算機2は、厚鋼板6の先端を検出した後に、厚鋼板6の形状判別を行う。図2に、厚鋼板6の先端部の形状判別方法の模式図を示す。板反り検知計算機2は、形状判別するに際し、図2に示すように、厚鋼板上面側表面までの距離測定値に基づき、厚鋼板6の上面側表面のパスラインからの高さを算出し、算出した厚鋼板6のパスラインからの高さを直前の算出値と比較する。厚鋼板6の先端部のパスラインからの高さ算出値において、直前の算出値と比較したとき、パスラインからの高さが減少傾向であれば上反り(図2(A)を参照)と判別し、パスラインからの高さが増加傾向であれば下反り(図2(B)を参照)と判別する。
厚鋼板6の尾端部では、逆に、直前の算出値と比較したとき、パスラインからの高さが増加傾向であれば上反りと判別し、パスラインからの高さが減少傾向であれば下反りと判別する。厚鋼板6の形状判別を評価するのは、先端部及び尾端部の約1mの範囲である。
その後、判別された形状に応じて、上反り量及び下反り量を算出する。図3に、上反り厚鋼板の先端部における上反り量の算出方法を示す。上反り厚鋼板では、算出された厚鋼板6のパスラインからの最大高さと、厚鋼板板厚との差分を、上反り量として算出する。また、図4に、下反り厚鋼板の先端部における下反り量の算出方法を示す。下反り厚鋼板では、ロール間に潜り込む可能性のある範囲内で、算出した最大高さと、算出した最小高さとの差分を、下反り量として算出する。算出した上反り量または下反り量が閾値を超えた場合は、板反り検知計算機2は、製造ラインを停止させる信号を発信する。
ここで、「ロール間に潜り込む可能性がある範囲」とは、レーザー板厚計5などのロール間に設置される設備の設置位置に応じて定められる距離である。例えば、厚鋼板の先端の板反りによる衝突を検討する場合は、「ロール間に潜り込む可能性がある範囲」は、ロール間に設置される設備の設置位置と、当該設備に対して製造ライン上流側直前に設置されるロール4の中心位置との距離である。
下反り厚鋼板の板反り量の検出及び製造ラインの停止信号の発信(以下、「警報発信」とも記す)について更に説明する。
厚鋼板6の先端及び尾端が衝突する可能性があるレーザー板厚計下部測定ヘッド5b(以下、単に「レーザー板厚計5b」とも記す)は、製造ラインのロール間の中心位置に設置されておらず、製造ラインの搬送方向の前後にずれて設置されることが多い。
本実施の形態で対象とする厚鋼板製造ラインでは、図6(図6の詳細な説明は後述)に示すように、ローラーテーブルのロール間距離が1000mmであり、レーザー板厚計5bのライン搬送方向最先端から、レーザー板厚計5bに対してライン搬送方向上流側の直前のロールの中心までの距離が613mmである。一方、レーザー板厚計5bのライン搬送方向最後端から、レーザー板厚計5bに対してライン搬送方向下流側の直後のロールの中心までの距離が663mmである。つまり、厚鋼板6の先端及び尾端の下反り量が同一であっても、厚鋼板6のたわみを考慮すると、厚鋼板6の尾端の方がレーザー板厚計5bに接触(衝突)し易い。
この差を考慮して、下反り厚鋼板の検知方法及び警報発信は、図5のフロー図に基づいて実施することが好ましい。つまり、厚鋼板6の先端と尾端とで、下反り検出方法が異なるので、分離してフロー図に示す。図5は、下反り厚鋼板の検知方法及び警報発信の方法を、厚鋼板の先端及び尾端で区分して示すフロー図である。
厚鋼板6の先端下反り検出処理では、厚鋼板の先端を検出後(S1)、その厚鋼板が下反り厚鋼板であるかを判別する(S2)。ライン速度情報を用いて、測定される厚鋼板のパスラインからの高さの差分値(直前測定値−現在測定値)を一定範囲で加算し、加算値が負になれば、つまり、厚鋼板6のパスラインからの高さが増加傾向であれば、先端下反り厚鋼板と判定する(S3)。先端下反りと判定された厚鋼板に対しては、先端から613mmの範囲の測定高さ(測定最大高さ−(測定最小高さ≒トラッキング板厚))から下反り量を算出する(S4)。算出した下反り量と下反り閾値とを比較し(S5)、算出した下反り量が下反り閾値を超える場合は、警報発信を行う(S6)。閾値については、後述する。
厚鋼板6の尾端下反り検出処理では、厚鋼板の尾端から663mm前の位置を検出後(S7)、その厚鋼板が下反り厚鋼板であるかを判別する(S8)。ライン速度情報を用いて、測定される厚鋼板のパスラインからの高さの差分値(直前測定値−現在測定値)を一定範囲で加算し、加算値が正になれば、つまり、厚鋼板のパスラインからの高さが減少傾向であれば、尾端下反り厚鋼板と判定する(S9)。尾端下反りと判定された厚鋼板に対しては、尾端から663mmの範囲の測定高さ(測定最大高さ−(最小高さ≒トラッキング板厚))から下反り量を算出する(S10)。算出した下反り量と下反り閾値とを比較し(S5)、算出した下反り量が下反り閾値を超える場合は、警報発信を行う(S6)。
このように、本実施の形態で対象とした厚鋼板製造ラインでは、下反り量を求める範囲は、レーザー板厚計5bに対して製造ラインの直前及び直後のロールからレーザー板厚計下部測定ヘッドまでの距離に合わせ、厚鋼板の先端部は先端から613mmの範囲とし、厚鋼板の尾端部は尾端の633mm前の位置から尾端までとした。また、閾値は、レーザー板厚計上部測定ヘッド5a及びレーザー板厚計下部測定ヘッド5bのパスラインからの高さ差を参考にして設定する。
尚、上記説明では、下反り量を求める範囲として、厚鋼板の先端部は、先端から613mmの範囲とし、厚鋼板の尾端部は、尾端の633mm前の位置から尾端までとしているが、これは、本実施形態で対象とした厚板製造ラインの構造及びレーザー板厚計5の設置位置に基づいて決められた数値である。つまり、本発明において、下反り量を求める範囲は、厚板製造ラインの構造及び厚板製造ラインに設置される設備の位置に応じて決められるものであり、本発明は上記の数値範囲に限定されるものではない。
<厚鋼板の弾性変形(ロール間で先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみ)>
レーザー板厚計下部測定ヘッド5bの設置位置、つまり、ロール間の開口部を厚鋼板6が通過するときには、厚鋼板6の先端部及び尾端部は支持されないので、自重たわみが発生する。自重たわみが発生した場合、厚鋼板6の先端部及び尾端部は、自重たわみの分を加えて、レーザー板厚計下部測定ヘッド5bに近づくので、板厚に応じたたわみ量を補正する必要がある。
図6に示すように、搬送方向上流側の直前のロール4aからレーザー板厚計5bの最奥部(ライン搬送方向最先端)までの距離は613mmであり、厚鋼板の先端がその位置にきたときのたわみ量を「δ」とし、厚鋼板の先端が搬送方向下流側の直後のロール4bに接触する位置にきたときのたわみ量を「δ」として、各々たわみ量を求める。図6において、パスラインからレーザー板厚計下部測定ヘッド5bの上面までの距離は、82.5mmである。尚、図6は、ロール間の開口部で厚鋼板先端部の支持が無くなることによる自重たわみを模式的に示す図である。
たわみ量δは、構造力学の片持ち梁の等分布荷重の場合と同様であり、下記の(1)式を用いて算出する。
Figure 2021186818
厚鋼板は最薄で4.5mmである。最薄の場合を例として、たわみ量δを計算すると、たわみ量δは3.2mm、たわみ量δは11.5mmとなり、たわみ量δの方が大きくなる。厚鋼板の板厚が小さいほどたわみ量δは大きくなり、厚鋼板の板厚4.5〜50mmの変動に対して、たわみ量δは0.11〜11.9mmの範囲で変化する。
本発明では、レーザー板厚計下部測定ヘッド5bへの衝突を確実に防止するという観点から、たわみ量δを、先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみ量δとして補正する。また、厚鋼板6の板厚に応じて補正を実施する。
<厚鋼板の弾性変形(下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみ)>
下反り厚鋼板の場合、厚鋼板のたわみは、レーザー距離計3aによる距離計測定中でも発生する。変形のない平坦な厚鋼板は、1m間隔に設置された各ロール4に支持されながら搬送される。しかし、長手方向に大きく下反りした厚鋼板の場合、図7に示すように、先端部や尾端部の持ち上がりによって、或る長さ範囲まではロール4に支持されることなく、パスラインよりも鉛直方向上側に位置する。この時、厚鋼板には、自重によるたわみが発生しており、この状態の厚鋼板の形状をレーザー距離計3aで測定することになる。これにより本来の下反り量よりも過少に評価してしまう可能性がある。
図7では、レーザー距離計3aで厚鋼板表面までの距離を測定した位置におけるたわみ量Δを、その場所での過小評価分として示しており、たわみ量Δの最大値とは異なる。図7では、レーザー距離計3aが設置された位置よりも搬送方向上流側にたわみ量Δの最大値が存在する。そこで、本発明では、このたわみ量Δの最大値を定量的に求めて補正する。尚、図7は、レーザー距離計3aによる距離測定中における下反り厚鋼板のたわみを模式的に示す図である。
厚鋼板6の先端部から或る距離離れた位置でロール4に支持され、パスラインよりも鉛直方向上側に厚鋼板6が存在する。このときのたわみ量Δは、構造力学の連続梁の等分布荷重の場合と同様であり、下記の(2)式を用いて算出する。
Figure 2021186818
厚鋼板6の板厚が小さいほどたわみ量Δは大きくなるので、最小板厚4.5mmの場合のたわみ量Δを考える。また、支点間の距離が大きくなるにつれ、たわみ量Δは大きくなり、支点間の距離が3mを超えた時には、たわみ量Δが100mmを超えることから、支点間の距離は3m以下と考える。
支点間の距離が1mのとき、たわみ量Δ(0.633)=1.19mm、支点間の距離が2mのとき、たわみ量Δ(0.633)=19mmである。本発明では、厚鋼板6の板厚に応じて補正を実施することとし、下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみ量Δとして、
最大で19mmの補正を行うこととした。
<閾値について>
上反り閾値は、例えばレーザー板厚計上部測定ヘッド5aのように、パスラインの上方に設置される設備とパスラインとの距離をL(mm)とすると、0.8×L以下の値とすることが好ましい。上反り閾値を0.8×L以下とすることで、厚鋼板がパスライン上で振動しても、パスラインの上方に設置される設備と厚鋼板の先端及び尾端との衝突が防止される。上反り厚鋼板の場合には、先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみ量δは、設備と厚鋼板の先端及び尾端との衝突に対しては有利に作用する。
下反り閾値は、例えばレーザー板厚計下部測定ヘッド5bのように、パスラインの下方に設置される設備とパスラインとの距離をL(mm)とし、搬送される最薄の厚鋼板の自重たわみ量δをα(mm)、搬送される最薄の厚鋼板の自重たわみ量Δをβ(mm)とすると、「L(mm)−(α+β+30)」以下の値とすることが好ましい。30mmは、衝突を避けるための余裕代である。
以上説明したように、本発明によれば、厚鋼板6のたわみ量を考慮して、厚鋼板6の上反り量及び下反り量を算出するので、厚鋼板6の上反り量及び下反り量を正確に求めることができ、且つ、算出した上反り量及び下反り量がそれぞれの閾値を超えた場合には、製造ラインを停止するので、厚鋼板6の先端及び尾端とロール間に設置した設備との衝突が未然に防止され、設備の損傷が回避される。
厚板製造ラインの鉛直方向上方にスイングアーム式の架台を設け、この架台に、厚鋼板の上面側表面までの距離を測定する非接触式距離計として、レーザー距離計をライン幅方向に5台設置した。これにより、幅広厚鋼板の全幅測定も可能である。また、パスラインからレーザー距離計までの高さは500mmとした。レーザー距離計は10マイクロ秒の間隔で測定した。
レーザー距離計の設置位置は、厚鋼板の反りを検知してから厚鋼板の停止までの流れ量が1.2mであることを考慮したうえで決定し、レーザー板厚計から約8m上流側の位置とした。
厚鋼板の板反りを検知したときは、その厚鋼板のテーブル搬送を停止する必要がある。この場合、厚鋼板の板長さは6〜26.5mのばらつきがあり、厚鋼板の尾端で板反りを検知した場合には、板長さによっては、厚鋼板の先端位置はレーザー板厚計の設置位置を通りすぎ、他のローラーテーブルの範囲に入る。そこで、厚鋼板が乗っているローラーテーブルを確実に停止させるために、ローラーテーブル間のトラッキングセンサーから厚鋼板が乗っているローラーテーブルを判断し、厚鋼板が乗っているローラーテーブルの全てを停止するようにした。この停止方法により、厚鋼板がローラーテーブル間にまたがった状態で、一方のローラーテーブルが停止し、もう一方のローラーテーブルが回転することで、ロールに空回りが発生し、これに起因して発生する厚鋼板表面の疵を防止することができた。
このように構成される厚鋼板の板反り検知システムを用い、図6に示す配置構成のレーザー板厚計を備えた厚板製造ラインでオンライン検証を行い、未検率及び過検率を調査した。ローラーテーブルのパスラインからレーザー板厚計上部測定ヘッドまでの距離は117mmで、ローラーテーブルのパスラインからレーザー板厚計下部測定ヘッドまでの距離は82.5mmである。
調査方法は、レーザー板厚計の後面に設置されたエンドシャー運転室のオペレーターの目視判断と、レーザー板厚計の後面に設置された歪計の実績データとのダブルチェックで形状不良の厚鋼板を抽出し、本発明に係る板反り検知システムで板反り厚鋼板を正確に検知していたか否かを照合した。
オンライン1回目では、上反り閾値を70mm、下反り閾値を15mmとした。オンライン1回目の調査結果を表1に示す。
Figure 2021186818
オンライン1回目の調査結果では、未検出の厚鋼板は無かったが、過検出した厚鋼板が複数存在した。この過検出した厚鋼板の下反り量は全て18mm未満であった。
そこで、下反り閾値を15mmから18mmに変更(上反り閾値は変更せず)して、オンライン2回目を実施した。オンライン2回目の調査結果を表2に示す。
Figure 2021186818
オンライン2回目では、対象期間で未検出及び過検出が無く、前記ダブルチェックと100%の一致率を達成した。その後、工程化を実施し、厚鋼板の先端及び尾端との衝突によるレーザー板厚計の損傷は皆無となった。
1 板反り検知システム
2 板反り検知計算機
3 非接触式距離計
3a レーザー距離計
4 ロール
5 レーザー板厚計
5a レーザー板厚計上部測定ヘッド
5b レーザー板厚計下部測定ヘッド
6 厚鋼板
7 レーザー光
8 レーザー光
9 レーザー光

Claims (3)

  1. 非接触式距離計を用いて、厚鋼板の製造ラインを搬送される厚鋼板の表面までの距離を測定し、
    前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのライン速度情報とを用いて、厚鋼板の形状(上反りまたは下反り)を判別し、
    前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのロール間の開口部で厚鋼板の先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみと、下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみと、を用いて、厚鋼板の上反り量または下反り量を算出し、
    算出した上反り量または下反り量が予め設定したそれぞれの閾値を超えたときに、前記製造ラインを停止させることを特徴とする、厚鋼板の板反り検知方法。
  2. 厚鋼板の製造ラインの鉛直上方または鉛直下方に設置され、前記製造ラインを搬送される厚鋼板の表面までの距離を測定する非接触式距離計と、
    該非接触式距離計による距離測定値、及び、前記製造ラインのライン速度情報に基づいて厚鋼板の形状(上反りまたは下反り)を判別し、且つ、
    前記非接触式距離計による距離測定値と、前記製造ラインのロール間の開口部で厚鋼板の先端部及び尾端部の支持が無くなることによる自重たわみと、下反り厚鋼板における距離測定中の自重たわみと、を用いて、厚鋼板の上反り量または下反り量を算出するとともに、
    算出した上反り量または下反り量が予め設定したそれぞれの閾値を超えたときに、前記製造ラインを停止させる信号を発信する板反り検知計算機と、
    を有することを特徴とする、厚鋼板の板反り検知システム。
  3. 前記非接触式距離計は、前記製造ラインの鉛直上方で且つ製造ラインのロールの鉛直上方に設置されていることを特徴とする、請求項2に記載の厚鋼板の板反り検知システム。
JP2020091893A 2020-05-27 2020-05-27 厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム Active JP7207367B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020091893A JP7207367B2 (ja) 2020-05-27 2020-05-27 厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020091893A JP7207367B2 (ja) 2020-05-27 2020-05-27 厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021186818A true JP2021186818A (ja) 2021-12-13
JP7207367B2 JP7207367B2 (ja) 2023-01-18

Family

ID=78850911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020091893A Active JP7207367B2 (ja) 2020-05-27 2020-05-27 厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7207367B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916625A (ja) * 1982-07-19 1984-01-27 Nippon Kokan Kk <Nkk> 圧延材の反り検出法
JPH05157550A (ja) * 1991-12-02 1993-06-22 Nippon Steel Corp 鋼板の形状測定方法および装置
JPH05164535A (ja) * 1991-12-16 1993-06-29 Nkk Corp 厚板平坦度計
JP2000280016A (ja) * 1999-03-30 2000-10-10 Kawasaki Steel Corp シートバーの下反り検知方法
JP2016087652A (ja) * 2014-11-05 2016-05-23 Jfeスチール株式会社 厚鋼板反り検出方法および装置
JP2017018983A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 東芝三菱電機産業システム株式会社 圧延システム、圧延方法および制御装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916625A (ja) * 1982-07-19 1984-01-27 Nippon Kokan Kk <Nkk> 圧延材の反り検出法
JPH05157550A (ja) * 1991-12-02 1993-06-22 Nippon Steel Corp 鋼板の形状測定方法および装置
JPH05164535A (ja) * 1991-12-16 1993-06-29 Nkk Corp 厚板平坦度計
JP2000280016A (ja) * 1999-03-30 2000-10-10 Kawasaki Steel Corp シートバーの下反り検知方法
JP2016087652A (ja) * 2014-11-05 2016-05-23 Jfeスチール株式会社 厚鋼板反り検出方法および装置
JP2017018983A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 東芝三菱電機産業システム株式会社 圧延システム、圧延方法および制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7207367B2 (ja) 2023-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4995178B2 (ja) 鋼板採取可否判断方法
JP2021186818A (ja) 厚鋼板の板反り検知方法及び板反り検知システム
KR101109875B1 (ko) 스트립의 평탄도 측정장치
JP2016087652A (ja) 厚鋼板反り検出方法および装置
JP5796291B2 (ja) 二枚重ね鋼板検出装置
JPH10277645A (ja) 鋼板搬送ライン上を搬送される異常材の検出装置
JP5137865B2 (ja) 電解精製用陽極板の垂直性検査装置及び垂直性検査方法
JPH09267159A (ja) 連続鋳造設備のロール間隔測定方法
JP3286549B2 (ja) 長尺鋼材の表面疵検出方法
JP5311184B2 (ja) 断面略円形の被判定材の長さ判定方法及び装置
JP2007263819A (ja) 厚さ計測方法
JP6557293B2 (ja) 電縫鋼管製造ラインにおける電縫鋼管の長さ測定装置
JP3719128B2 (ja) スラブの座屈検知方法
JP6730683B2 (ja) 山形鋼の辺幅測定方法および辺幅測定装置
JP5380879B2 (ja) 差厚鋼板の自動矯正制御方法及び差厚鋼板の製造方法
KR20240030614A (ko) 진동성분보정을 이용한 비접촉식 강판 평탄도 측정 방법 및 시스템
KR101018464B1 (ko) 이송중인 금속판 인쇄 시스템 및 방법
JPH04155208A (ja) 板状ワークの良否判別方法
JP6393666B2 (ja) 搬送鋼板挙動検出方法
JPS63151811A (ja) 被圧延材の下反り検出方法
JP6245144B2 (ja) 形状検出装置
KR20130134328A (ko) 스케일 제거 여부 확인장치
JPH06194241A (ja) 張力測定方法及び装置
JP3089614B2 (ja) 水平型連続熱処理炉における張力検出方法及び装置
JPH04328412A (ja) 板材の反り検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7207367

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150