JP2021184088A - 光学シート、バックライトユニット、液晶表示装置及び情報機器 - Google Patents

光学シート、バックライトユニット、液晶表示装置及び情報機器 Download PDF

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【課題】表示画面でのぎらつきの発生を抑制できる光学シートを提供する。【解決手段】光学シート5は、少なくとも第1面に凹凸形状を有する光学シートである。前記第1面のJIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストが4%以下である。前記第1面のJIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される算術平均粗さRaが0.6μm以下であってもよい。前記第1面のJIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定されるピークカウントRPcが16以上であってもよい。【選択図】図2

Description

本開示は、光学シート、バックライトユニット、液晶表示装置及び情報機器に関するものである。
近年、スマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器の表示装置として、液晶表示装置(以下、LCD(液晶ディスプレイ)ということもある。)が広く利用されている。LCDのバックライトユニット(以下、BLUということもある)としては、光源が液晶パネルの背面に配置される直下型方式、又は、光源が液晶パネルの側面の近傍に配置されるエッジライト方式が主流となっている。
図12に示す従来のエッジライト型BLU101は、光源102と、光源102に端部が沿うように配置される方形板状の導光板103と、導光板103の表面側に重ねて配設される複数枚の光学シート104と、導光板103の裏面側に配設される反射シート105とを備える。導光板103は、一般的には合成樹脂製で、ポリカーボネート、アクリル樹脂等が導光板103の主成分として用いられる。光源102としては、LED(発光ダイオード)や冷陰極管等が使用されるが、小型化及び省エネルギー化等の観点から現在ではLEDが広く用いられる。光学シート104としては、(1)導光板103の表面側に重畳され、主に光拡散機能を有する下用光拡散シート106、(2)下用光拡散シート106の表面側に重畳され、法線方向側への屈折機能を有するプリズムシート107、(3)プリズムシート107の表面側に重畳され、光線をわずかに拡散することでプリズムシート107のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制する上用光拡散シート108が用いられる(特許文献1参照)。上用光拡散シート108としては、一般に、基材層と、基材層の表面側に積層され且つ樹脂マトリックス及び樹脂ビーズを有する光拡散層とを備えるものが用いられる。
特開2005−77448号公報
LCDの表示画面において、BLUに用いられる光学シートと液晶パネルとの干渉によって、ぎらつきと呼ばれる(「ササムラ」、「グレア」、「スパークル」、「細かい輝度ムラ」などとも呼ばれる)表示品位を悪くする現象が発生することが知られている。ぎらつきは、BLUの最上面を構成する上用光拡散シートの表面凹凸と、液晶パネルのセル(画素)の配列とが干渉することによって、発生していると考えられている。また、近年の液晶パネルの高精細化の進展に伴いセルの配列ピッチが小さくなることによって、ぎらつきがより発生しやすくなっている。同様の問題は、LCDの表示画面に限定されず、他の各種表示装置でも指摘されている。
そこで、本開示は、表示画面でのぎらつきの発生を抑制できる光学シートを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らが鋭意検討したところ、LCDにおいては上用光拡散シートの光拡散層に含有させる拡散剤の粒子径を7μm程度よりも小さくすると共に当該粒子径をなるべく均一にすることによって、従来品と比較してぎらつきを低減できることが分かった。また、拡散剤(樹脂ビーズ)の粒子径を小さくした場合であっても、ビーズが凝集した領域と、ビーズがあまり存在しない疎な領域とが生じている状態(海島と呼ばれる状態)では、上用光拡散シートの表面の凹凸(表面粗さ等)が大きくなり、ぎらつきが十分に低減されないことが分かった。
そこで、本願発明者は、例えば2μm程度以下というさらに細かい樹脂ビーズを敷き詰めることにより、ビーズの凝集(海島)の無い光学シート、つまり、ビーズが均一に配置された光学シートを準備し、当該光学シートをLCD(BLU)の上用光拡散シートに適用したところ、ぎらつきを安定的に低減することができた。具体的には、JIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストを4%程度以下まで抑制することができた。さらに、安定的にぎらつき低減効果が得られる凹凸形状を持つ光学シートは、樹脂マトリックス中に樹脂ビーズを分散して形成したものに限定されず、モールドやレーザープリンタなどを用いても形成できることが分かった。
本開示に係る光学シートは、以上の知見に基づきなされたものであって、具体的には、少なくとも第1面に凹凸形状を有する光学シートであって、前記第1面のJIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストが4%以下である。尚、本開示に係る光学シートにおいて、ヘーズ値は、40%以上70%以下であってもよい。
本開示に係る光学シートにおいて、前記第1面のJIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される算術平均粗さRaが0.6μm以下であり、前記第1面のJIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定されるピークカウントRPcが16以上であってもよい。このようにすると、光学シートの第1面は、微小な凹凸が緻密且つ均一に設けられた形状を有する。従って、本開示に係る光学シートを各種表示装置の表面材として用いると、表示画面でのぎらつきの発生を安定的に抑制することができる。
本開示に係る光学シートにおいて、前記算術平均粗さRaが0.5μm以下であり、前記ピークカウントRPcが18以上であってもよい。このようにすると、光学シートの第1面は、微小な凹凸がより一層緻密且つ均一に設けられた形状を有する。従って、本開示に係る光学シートを各種表示装置の表面材として用いると、表示画面でのぎらつきの発生をより一層抑制できる。具体的には、ぎらつきコントラストを3%程度以下まで抑制することができる。
本開示に係る光学シートにおいて、前記第1面のJIS B 0601:1994に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される凹凸の平均間隔Smが20μm以下、より好ましくは15μm以下であってもよい。このようにすると、光学シートの第1面は、微小な凹凸がより一層緻密且つ均一に設けられた形状を有する。従って、本開示に係る光学シートを各種表示装置の表面材として用いると、表示画面でのぎらつきの発生をより一層抑制できる。
本開示に係る光学シートにおいて、基材層と、前記基材層上に形成され且つ前記第1面を有する光拡散層とを備え、前記光拡散層となる樹脂マトリックス中に樹脂ビーズを分散することによって、前記凹凸形状が形成されてもよい。このようにすると、微小粒径の樹脂ビーズを樹脂マトリックス中に均一に分散させることにより、光学シートの第1面に、微小な凹凸が緻密且つ均一に設けられた形状を設けることができる。この場合、前記樹脂マトリックスと前記樹脂ビーズとの屈折率差が、0.05以下であると、樹脂マトリックスと樹脂ビーズとの界面での光拡散の影響を抑制することができる。尚、微小粒径の樹脂ビーズを樹脂マトリックス中に均一に分散させる際に、ぎらつき発生の要因とならない程度の少量のやや粒径の大きい(例えば粒径5μm程度の)樹脂ビーズを混ぜることにより、本開示に係る光学シートの耐傷つけ性及びヘーズ値を向上させることができる。
本開示に係る光学シートは、液晶表示装置のバックライトユニットにおけるプリズムシートの表面側に配設されてもよい。このように、本開示に係る光学シートをLCD(BLU)の上用光拡散シートに適用した場合、上用光拡散シートの表面凹凸と液晶パネルのセルの配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生を抑制することができる。また、上用光拡散シートの裏面側に配設されるプリズムシートのプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。
本開示に係るバックライトユニットは、光源と、前記光源からの光が導入されるプリズムシートと、前記プリズムシートの出光面側に形成される光学シートとを備え、前記光学シートは、前述の本開示に係る光学シートである。
本開示に係るバックライトユニットによると、前述の本開示に係る光学シートを上用光拡散シートに適用するため、上用光拡散シートの表面凹凸と液晶パネルのセルの配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生を抑制することができる。また、上用光拡散シートの裏面側に配設されるプリズムシートのプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。
本開示に係る液晶表示装置は、前述の本開示に係るバックライトユニットと、液晶表示パネルとを備える。
本開示に係る液晶表示装置によると、前述の本開示に係るバックライトユニットを備えるため、表示画面でのぎらつきの発生を抑制することができる。
本開示に係る情報機器は、前述の本開示に係る液晶表示装置を備える。
本開示に係る情報機器によると、前述の本開示に係る液晶表示装置を備えるため、表示画面でのぎらつきの発生を抑制することができる。
本開示によると、表示画面でのぎらつきの発生を抑制できる光学シートを提供することができる。
実施形態に係るバックライトユニットを示す模式的断面図である。 図1に示すバックライトユニットの上用光拡散シート及びプリズムシートの配設状態を示す模式的断面図である。 比較例に係るバックライトユニットを示す模式的断面図である。 変形例に係る上用光拡散シートを示す模式的断面図である。 図1に示すバックライトユニットを備えた液晶表示装置を示す模式的断面図である。 実施例1の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。 実施例2の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。 実施例3の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。 実施例5の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。 比較例1の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。 比較例2の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。 従来のエッジライト型バックライトユニットを示す模式的斜視図である。
(実施形態)
以下、本開示の実施形態に係る光学シート、バックライトユニット、液晶表示装置及び情報機器について、図面を参照しながら説明する。尚、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、本開示において、「表面側」とは、液晶表示装置における視認者側を意味し、「裏面側」とはその逆を意味する。
<バックライトユニット>
図1は、本実施形態に係るバックライトユニットを示す模式的断面図であり、図2は、図1に示すバックライトユニットの上用光拡散シート及びプリズムシートの配設状態を示す模式的断面図である。
図1に示す液晶表示装置のバックライトユニットは、プリズムシート4と、プリズムシート4の表面側に配設される上用光拡散シート5とを備える。より詳細には、図1に示すバックライトユニットは、エッジライト型バックライトユニットであり、端面から入射する光線を表面側に導く導光シート1と、導光シート1の端面に向けて光線を照射する光源2と、導光シート1の表面側に重畳される下用光拡散シート3と、下用光拡散シート3の表面側に配設されるプリズムシート4と、プリズムシート4の表面側に重畳される上用光拡散シート5と、導光シート1の裏面側に配設される反射シート6とを備える。
下用光拡散シート3は、裏面側から入射される光線を拡散させつつ法線方向側へ集光させる(つまり集光拡散させる)。プリズムシート4は、裏面側から入射される光線を法線方向側に屈折させる。上用光拡散シート5は、裏面側から入射される光線を若干程度拡散させてプリズムシート4のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制する。ここで、本実施形態の上用光拡散シート5は、後述するように、上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネル(図示省略)のセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を抑制する。反射シート6は、導光シート1の裏面側から出射される光線を表面側に反射させ、再度導光シート1に入射させる。
<上用光拡散シート>
上用光拡散シート5は、図1及び図2に示すように、プリズムシート4の表面側に配設されており、本実施形態では特にプリズムシート4の表面に直接(他のシート等を介さず)重畳されている。上用光拡散シート5は、基材層11と、基材層11の表面側に積層される光拡散層12とを備える。上用光拡散シート5は、基材層11及び光拡散層12の2層構造体として構成される。
基材層11は、光線を透過させる必要があるので、透明(例えば無色透明)の合成樹脂を主成分として形成される。基材層11の主成分は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等を基材層11の主成分として用いてもよい。尚、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
基材層11の平均厚さの下限としては、10μm程度が好ましく、35μm程度がより好ましく、50μm程度がさらに好ましい。一方、基材層11の平均厚さの上限としては、500μm程度が好ましく、250μm程度がより好ましく、188μm程度がさらに好ましい。基材層11の平均厚さが前記下限に満たないと、光拡散層12を塗工によって形成した場合にカールを発生するおそれがある。逆に、基材層11の平均厚さが前記上限を超えると、液晶表示装置の輝度が低下するおそれがあると共に、液晶表示装置の薄型化の要請に沿えないおそれがある。尚、「平均厚さ」とは、任意の10点の厚さの平均値をいう。
光拡散層12は、上用光拡散シート5の最表面を構成する。光拡散層12は、樹脂マトリックス13と、樹脂マトリックス13中に分散する樹脂ビーズ14とを有する。光拡散層12は、樹脂ビーズ14を略等密度で分散含有している。樹脂ビーズ14は、樹脂マトリックス13に囲まれている。樹脂マトリックス13中に樹脂ビーズ14を分散することにより、光拡散層12の表面に微小な凹凸が形成され、当該凹凸によって光拡散層12は光線を外部拡散させる。本実施形態では、光拡散層12の凹凸表面(上用光拡散シート5の最表面)におけるJIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストは、4%以下である。
光拡散層12の平均厚さの下限は、例えば、1μm程度であり、2μm程度がより好ましい。一方、光拡散層12の平均厚さの上限は、例えば、7μm程度であり、5μm程度がより好ましく、4μm程度がさらに好ましい。光拡散層12の平均厚さが前記下限に満たないと、樹脂マトリックス13によって樹脂ビーズ14を確実に固定することができず、光拡散層12から樹脂ビーズ14が脱落するおそれがある。逆に、光拡散層12の平均厚さが前記上限を超えると、光拡散層12表面に微小且つ高密度な凹凸を形成し難くなり、その結果、上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。
樹脂マトリックス13は、光線を透過させる必要があるので、透明(特に無色透明)の合成樹脂を主成分として形成される。合成樹脂としては、例えば熱硬化型樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂等が使用可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が使用可能である。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線を照射することによって架橋、硬化する紫外線硬化型樹脂や、電子線を照射することによって架橋、硬化する電子線硬化型樹脂等が使用可能であり、重合性モノマー及び重合性オリゴマーの中から適宜選択して使用可能である。基材層11との密着性を向上すると共に樹脂ビーズ14の光拡散層12からの脱落を防止するために、活性エネルギー線硬化型樹脂として、例えば、アクリル系、ウレタン系又はアクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂を用いてもよい。
尚、樹脂マトリックス13は、前述の合成樹脂の他に添加剤を含むことも可能である。添加剤としては、例えば、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、帯電防止剤等が使用可能である。樹脂マトリックス13における合成樹脂成分100質量部に対する添加剤の固形分換算の含有量は、例えば、0.05質量部以上5質量部以下であってもよい。
樹脂ビーズ14は、光線を透過拡散させる性質を有する樹脂粒子である。樹脂ビーズ14は、透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成される。樹脂ビーズ14の主成分としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が使用可能である。樹脂ビーズ14の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などであってもよいが、特に、光拡散性に優れる球状が好ましい。
樹脂ビーズ14の粒径は、光源2が照射する光線の波長(以下、光源波長ということもある)以上でなるべく小さいことが好ましく、樹脂ビーズ14の平均粒径の上限は、例えば2μm程度、より好ましくは1μm程度であってもよい。樹脂ビーズ14の平均粒径が、光源波長に満たないと、光拡散層12表面の凹凸が小さくなり過ぎて光拡散性が不十分となり、プリズムシート4のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラの発生を十分に抑制できないおそれがある。逆に、樹脂ビーズ14の平均粒径が前記上限を超えると、光拡散層12表面に比較的大きな凹凸が数多く形成されて、液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。
樹脂ビーズ14の屈折率の下限としては、例えば、1.46が好ましく、1.48がより好ましい。一方、樹脂ビーズ14の屈折率の上限としては、例えば、1.60が好ましく、1.59がより好ましい。樹脂ビーズ14の屈折率を前記範囲内とすることで、樹脂マトリックス13との屈折率差を適度に(例えば0.05以下に)調整することができ、これにより、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制しやすくなる。尚、「屈折率」とは、波長589.3nmの光(ナトリウムのD線)における屈折率をいう。
光拡散層12の表面(つまり上用光拡散シート5の表面)の算術平均粗さRaの下限は、例えば、0.1μm程度、より好ましくは0.2μm程度、さらに好ましくは0.3μm程度であってもよい。一方、光拡散層12の表面の算術平均粗さRaの上限は、例えば、0.6μm程度が好ましく、0.5μm程度がより好ましい。光拡散層12の表面の算術平均粗さRaが前記下限に満たないと、光拡散層12表面の凹凸が小さくなり過ぎて光拡散性が不十分となり、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを十分に抑制できないおそれがある。逆に、光拡散層12の表面の算術平均粗さRaが前記上限を超えると、光拡散層12表面に比較的大きな凹凸が数多く形成されて、液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。尚、「算術平均粗さRa」とは、「平均線からの絶対値偏差の平均値」を意味し、具体的には、JIS B 0601:2001(ISO 4287:1997)に準じ、カットオフは無し、評価長さは290μmとした。
光拡散層12の表面(つまり上用光拡散シート5の表面)のピークカウントRPcの下限は、例えば、10程度、より好ましくは16程度、さらに好ましくは18程度であってもよい。一方、光拡散層12の表面のピークカウントRPcの上限は、例えば、300程度が好ましく、250程度がより好ましく、200程度がさらに好ましい。光拡散層12の表面のピークカウントRPcが前記下限に満たないと、光拡散層12表面に比較的大きな凹凸が数多く形成されて、液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。逆に、光拡散層12の表面のピークカウントRPcが前記上限を超えると、光拡散層12表面の凹凸が小さくなり過ぎて光拡散性が不十分となり、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを十分に抑制できないおそれがある。尚、「ピークカウントRPc」とは、「評価長さ当たりの山の数」を意味し、具体的には、JIS B 0601:2001(ISO 4287:1997)に準じ、評価長さを290μm、平均線の両側の不感帯幅を0%に設定し、平均線より下に出た点からいったん平均線の上に出た後、もう一度平均線より下に出るまでを1つのピーク(山)としたときの当該ピークの数(ピークカウント2)をいう。
光拡散層12の表面(つまり上用光拡散シート5の表面)における凹凸の平均間隔Smの下限は、例えば、0.5μm程度、より好ましくは1.0μm程度、さらに好ましくは1.5μm程度であってもよい。一方、光拡散層12の表面における凹凸の平均間隔Smの上限としては、例えば、25μm程度が好ましく、20μm程度がより好ましく、15μm程度がさらに好ましい。光拡散層12の表面における凹凸の平均間隔Smが前記下限に満たないと、光拡散層12表面の凹凸が小さくなり過ぎて光拡散性が不十分となり、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを十分に抑制できないおそれがある。逆に、光拡散層12における凹凸の平均間隔Smが前記上限を超えると、光拡散層12表面に微小且つ高密度な凹凸を形成し難くなり、液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。尚、「凹凸の平均間隔Sm」とは、「評価長さにおける凹凸の間隔(1つの山とそれに隣り合う1つの谷との距離)の算術平均値」を意味し、具体的には、JIS B 0601:1994(ISO 468−1982、ISO 3274−1975、ISO 4287/1−1984、ISO 4287/2−1984、ISO 4288/1985)に準じ、カットオフは無し、評価長さは290μmとした。
光拡散層12の積層量(固形分換算)の下限は、例えば、1g/m2 、より好ましくは2g/m2であってもよい。一方、光拡散層12の積層量の上限は、例えば、15g/m2 、より好ましくは10g/m2であってもよい。光拡散層12の積層量が前記下限に満たないと、樹脂マトリックス13によって樹脂ビーズ14を確実に固定できず、光拡散層12から樹脂ビーズ14が脱落するおそれがある。逆に、光拡散層12の積層量が前記上限を超えると、光拡散層12表面に微小且つ高密度な凹凸を形成し難くなり、その結果、上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。
光拡散層12における樹脂マトリックス13の含有率の下限は、例えば、10質量%程度、より好ましくは20質量%程度であってもよい。一方、光拡散層12における樹脂マトリックス13の含有率の上限は、例えば、80質量%程度、より好ましくは75質量%程度であってもよい。樹脂マトリックス13の含有率が前記下限に満たないと、光拡散層12の光拡散性が高くなり過ぎて液晶表示装置の輝度が十分に高くならないおそれがある。逆に、樹脂マトリックス13の含有率が前記上限を超えると、光拡散層12中における樹脂ビーズ14の個数が不足して、光拡散層12表面に微小且つ高密度な凹凸を形成し難くなって、上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。
光拡散層12における樹脂ビーズ14の含有率の下限は、例えば、20質量%程度、よりが好ましくは25質量%程度であってもよい。一方、光拡散層12における樹脂ビーズ14の含有率の上限は、例えば、90質量%程度、より好ましくは80質量%程度であってもよい。光拡散層12における樹脂ビーズ14の含有率が前記下限に満たないと、光拡散層12表面に微小且つ高密度な凹凸を形成し難くなって、上用光拡散シート5の表面側に配設される液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を十分に抑制できないおそれがある。逆に、光拡散層12における樹脂ビーズ14の含有率が前記上限を超えると、光拡散層12の光拡散性が高くなり過ぎて液晶表示装置の輝度が十分に高くならないおそれがある。
上用光拡散シート5のヘーズ値の下限は、例えば、10%程度、より好ましくは30%程度、さらに好ましくは40%程度であってもよい。一方、上用光拡散シート5のヘーズ値の上限は、90%程度、より好ましくは70%程度であってもよい。上用光拡散シート5のヘーズ値が前記下限に満たないと、プリズムシート4の突条プリズム部の形状等に起因する輝度ムラを十分に抑制できないおそれがある。逆に、上用光拡散シート5のヘーズ値が前記上限を超えると、液晶表示装置の輝度が不十分となるおそれがある。尚、「ヘーズ値」とは、JIS K 7136:2000に準じて測定される値をいう。
<上用光拡散シートの製造方法>
上用光拡散シート5の製造方法は、特に限定されないが、例えば、基材層11を構成するシート体を形成する工程(以下、基材層形成工程という)と、このシート体の一方の面側に光拡散層12を積層する工程(以下、光拡散層積層工程という)とを備えていてもよい。
基材層形成工程としては、特に限定されないが、例えば、溶融した熱可塑性樹脂をTダイから押出成形し、続いて、その押出成形体を層長手方向及び層幅方向に延伸してシート体を形成する方法が使用可能である。Tダイを用いた周知の押出成形法としては、例えば、ポリッシングロール法やチルロール法が使用可能である。また、シート体の延伸方法としては、例えば、チューブラーフィルム二軸延伸法やフラットフィルム二軸延伸法等が使用可能である。
光拡散層積層工程は、例えば、樹脂マトリックス13及び樹脂ビーズ14を含む塗工液を調製する工程(以下、調製工程という)と、調製工程で調製した塗工液をシート体の一方の面側に塗布する工程(以下、塗布工程という)と、塗布工程で塗布した塗工液を乾燥及び硬化させる工程(以下、硬化工程という)とを備えていてもよい。調製工程では、樹脂マトリックス13の主成分として活性エネルギー線硬化型樹脂を含むと共に樹脂ビーズ14を含む塗工液を調製してもよい。上用光拡散シートの製造方法において、樹脂マトリックス13の主成分として活性エネルギー線硬化型樹脂を用いると、塗布工程で塗工液を塗布した後、硬化工程で例えば紫外線を照射することによって活性エネルギー線硬化型樹脂を比較的素早く硬化させやすくなる。また、上用光拡散シートの製造方法の調製工程で、樹脂ビーズ14として、粒径の小さい樹脂ビーズを多く含み且つ粒径の大きい樹脂ビーズを若干含む塗工液を調製することによって、粒径の小さい樹脂ビーズによって液晶パネルのセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を抑制しつつ、粒径の大きい樹脂ビーズによって液晶パネルとのスティッキングを防止できる。
尚、上用光拡散シート5の製造方法は、光拡散層積層工程の前に、シート体における光拡散層を積層する側の面に対して、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化処理、プライマーコート処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理等を施す表面処理工程をさらに備えていてもよい。
<プリズムシート>
プリズムシート4は、光線を透過させる必要があるので、透明(例えば無色透明)の合成樹脂を主成分として形成される。プリズムシート4は、基材層15と、基材層15の表面に積層される複数の突条プリズム部16からなる突起列とを有する。突条プリズム部16は、基材層15の表面にストライプ状に積層される。突条プリズム部16は、裏面が基材層15の表面に接する三角柱状体である。
プリズムシート4の厚さ(基材層15の裏面から突条プリズム部16の頂点までの高さ)の下限は、例えば、50μm程度、より好ましくは100μm程度であってもよい。一方、プリズムシート4の厚さの上限は、200μm程度、より好ましくは180μm程度であってもよい。プリズムシート4における突条プリズム部16のピッチp(図2参照)の下限は、例えば、20μm程度、より好ましくは30μm程度であってもよい。一方、プリズムシート4における突条プリズム部16のピッチpの上限は、例えば、100μm程度、より好ましくは60μm程度であってもよい。突条プリズム部16の頂角は、例えば、85°以上95°以下であってもよい。突条プリズム部16の屈折率の下限は、例えば、1.5、より好ましくは1.55であってもよい。一方、突条プリズム部16の屈折率の上限は、例えば、1.7であってもよい。
尚、図1に示す本実施形態のバックライトユニットは、1枚のプリズムシート4のみを有するものに限られず、プリズムシート4に重畳される他のプリズムシートをさらに有していてもよい。この場合、プリズムシート4の複数の突条プリズム部16の稜線と、他のプリズムシートの複数の突条プリズム部の稜線とは直交していることが好ましい。このようにすると、下用光拡散シート3から入射される光線を一方のプリズムシートによって法線方向側に屈折させ、さらに当該プリズムシートから出射される光線を他方のプリズムシートによって上用光拡散シート5の裏面に対して略垂直に進むように屈折させることができる。他のプリズムシートの形成材料、厚さ、突条プリズム部のピッチ、突条プリズム部の頂角及び突条プリズム部の屈折率は、プリズムシート4と同様にしてもよい。
<導光シート>
導光シート1は、光源2から出射される光線を内部に伝搬させつつ、表面から出射するシート状の光学部材である。導光シート1は、断面略楔形状に形成されてもよく、或いは、略平板状に形成されてもよい。導光シート1は、透光性を有する必要があるため、透明(例えば無色透明)の樹脂を主成分として形成される。導光シート1の主成分は、特に限定されるものではないが、透明性、強度等に優れるポリカーボネートや、透明性、耐擦傷性等に優れるアクリル樹脂等の合成樹脂であってもよい。ポリカーボネートは、透明性に優れると共に屈折率が高いため、導光シート1の主成分がポリカーボネートであると、空気層(導光シート1と下用光拡散シート3との隙間に形成される層、及び導光シート1と反射シート6との隙間に形成される層)との界面で全反射が起こりやすくなるので、光線を効率的に伝搬できる。また、ポリカーボネートは、耐熱性を有するため、光源2の発熱による劣化等が生じ難い。
<光源>
光源2は、照射面が導光シート1の端面に対向(又は当接)するよう配設される。光源2としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることが可能である。具体的には、光源2として、複数のLEDが導光シート1の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
<下用光拡散シート>
下用光拡散シート3は、基材層17と、基材層17の表面側に配設される光拡散層18と、基材層17の裏面側に配設されるスティッキング防止層19とを有する。下用光拡散シート3の基材層17は、前述の上用光拡散シート5の基材層11と同様の構成としてもよい。下用光拡散シート3の光拡散層18は、光拡散剤とそのバインダーとを有する。光拡散剤は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、例えばシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物が使用可能である。有機フィラーとしては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が使用可能である。光拡散剤の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などであってもよいが、光拡散性に優れる球状であることが好ましい。
光拡散層18に用いられる光拡散剤の平均粒子径の下限は、例えば、8μm程度、より好ましくは10μm程度であってもよい。一方、当該光拡散剤の平均粒子径の上限は、例えば、50μm程度、より好ましくは20μm程度、さらに好ましくは15μm程度であってもよい。光拡散剤の平均粒子径が前記下限に満たないと、光拡散層18表面の凹凸が小さくなり、下用光拡散シート3として必要な光拡散性を満たさないおそれがある。逆に、光拡散剤の平均粒子径が前記上限を超えると、下用光拡散シート3の厚さが増大し、且つ、均一な拡散が困難になるおそれがある。
光拡散層18におけるバインダーの含有率の下限は、例えば、15質量%程度、より好ましくは30質量%程度であってもよい。一方、光拡散層18におけるバインダーの含有率の上限は、例えば、48質量%程度、より好ましくは45質量%程度であってもよい。バインダーの含有率が前記下限に満たないと、光拡散剤がバインダーによって確実に固定されないおそれがある。逆に、バインダーの含有率が前記上限を超えると、光拡散性が不十分となるおそれがある。
光拡散層18における光拡散剤の含有率の下限は、例えば、52質量%程度、より好ましくは55質量%程度であってもよい。一方、光拡散層18における光拡散剤の含有率の上限は、例えば、85質量%程度、より好ましくは70質量%程度であってもよい。光拡散剤の含有率が前記下限に満たないと、光拡散性が不十分となるおそれがある。逆に、光拡散剤の含有率が前記上限を超えると、光拡散剤がバインダーによって確実に固定されないおそれがある。
光拡散層18の表面の算術平均粗さRaの下限は、例えば、1.1μm程度、より好ましくは1.3μm程度、さらに好ましくは1.4μm程度であってもよい。一方、光拡散層18の表面の算術平均粗さRaの上限は、例えば、5μm程度、より好ましくは3μm程度、さらに好ましくは2μm程度であってもよい。光拡散層18の表面の算術平均粗さRaが前記下限に満たないと、光拡散性が不十分となるおそれがある。逆に、光拡散層18の表面の算術平均粗さRaが前記上限を超えると、光線透過率が低下して液晶表示装置の輝度が不十分となるおそれがある。
スティッキング防止層19は、樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散されて形成される。この樹脂ビーズは、基材層17の裏面側に散点的に配設される。スティッキング防止層19は、この樹脂ビーズが散点的に配設されることによって、樹脂ビーズに起因して形成される複数の凸部と、樹脂ビーズが存在しない平坦部とを有する。スティッキング防止層19は、裏面側に配設される導光シート1と前記複数の凸部で散点的に当接し、裏面全面で当接しないことによって、スティッキングを防止し、液晶表示装置の輝度ムラを抑制する。
下用光拡散シート3のヘーズ値の下限は、例えば、80%程度、より好ましくは85%程度、さらに好ましくは90%程度であってもよい。下用光拡散シート3のヘーズ値が前記下限に満たないと、光拡散性が不十分となるおそれがある。尚、下用光拡散シート3のヘーズ値の上限は、例えば、95%程度であってもよい。
<反射シート>
反射シート6としては、例えば、ポリエステル等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル等から形成されるフィルムの表面にアルミニウムや銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が使用可能である。
<実施形態の効果>
以上に説明した本実施形態によると、凹凸形状を有する上用光拡散シート5(光拡散層12)の表面について、JIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストが4%以下である。ここで、光拡散層12の凹凸表面において、JIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される算術平均粗さRa及びピークカウントRPcがそれぞれ、0.6μm以下及び16以上であってもよい。すなわち、上用光拡散シート5の表面は、微小な凹凸が緻密且つ均一に設けられた形状を有する。従って、上用光拡散シート5の表面凹凸と液晶パネルのセル配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生を抑制することができる。
それに対して、図3に示す比較例に係るバックライトユニットのように、上用光拡散シート5の表面が、微小な凹凸が緻密且つ均一に設けられた形状を有していない場合、上用光拡散シート5の表面凹凸と液晶パネルのセル配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生を十分に抑制することはできない。
また、本実施形態の上用光拡散シート5の表面について、算術平均粗さRa及びピークカウントRPcがそれぞれ、0.5μm以下及び18以上であると、上用光拡散シート5の表面は、微小な凹凸がより一層緻密且つ均一に設けられた形状を有する。従って、上用光拡散シート5の表面凹凸と液晶パネルのセル配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生をより一層抑制できる。具体的には、ぎらつきコントラストを3%程度以下まで抑制することができる。
また、本実施形態の上用光拡散シート5の表面について、JIS B 0601:1994に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される凹凸の平均間隔Smが20μm以下、より好ましくは15μm以下であると、上用光拡散シート5の表面は、微小な凹凸がより一層緻密且つ均一に設けられた形状を有する。従って、上用光拡散シート5の表面凹凸と液晶パネルのセル配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生をより一層抑制できる。
また、本実施形態の上用光拡散シート5は、基材層11と、基材層11上に形成された光拡散層12とを備え、光拡散層12となる樹脂マトリックス13中に樹脂ビーズ14を分散することによって、凹凸形状が形成される。このため、微小粒径の樹脂ビーズ14を樹脂マトリックス13中に均一に分散させることにより、上用光拡散シート5(光拡散層12)の表面に、微小な凹凸が緻密且つ均一に設けられた形状を設けることができる。この場合、樹脂マトリックス13と樹脂ビーズ14との屈折率差が、0.05以下であると、樹脂マトリックス13と樹脂ビーズ14との界面での光拡散の影響を抑制することができる。尚、微小粒径の樹脂ビーズ14を樹脂マトリックス13中に均一に分散させる際に、ぎらつき発生の要因とならない程度の少量のやや粒径の大きい(例えば粒径5μm程度の)樹脂ビーズ14を混ぜることにより、上用光拡散シート5の耐傷つけ性及びヘーズ値を向上させることができる。
また、図1に示す本実施形態のバックライトユニットにおいて、上用光拡散シート5は、プリズムシート4の出光面側に形成される。言い換えると、上用光拡散シート5の裏面側にプリズムシート4が配設される。このため、プリズムシート4の突状プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを上用光拡散シート5によって抑制することができる。
<上用光拡散シートの変形例>
図4に示す本変形例の上用光拡散シート25は、前記実施形態の上用光拡散シート5に代えて、図1に示すバックライトユニットに適用可能である。上用光拡散シート25は、裏面側から入射される光線を若干程度拡散させてプリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制すると共に、上用光拡散シート25の表面側に配設される液晶パネル(図示省略)のセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を抑制する。上用光拡散シート25は、基材層11と、基材層11の表面側に積層される光拡散層12と、基材層11の裏面側に積層されるスティッキング防止層26とを備える。上用光拡散シート25は、基材層11、光拡散層12及びスティッキング防止層26の3層構造体として構成される。上用光拡散シート25の基材層11及び光拡散層12は、前記実施形態の上用光拡散シート5の基材層11及び光拡散層12と同様の構成としてもよい。
スティッキング防止層26は、上用光拡散シート25の最裏面を構成する。スティッキング防止層26は、光線を透過させる必要があるので透明(例えば無色透明)の合成樹脂を主成分として形成される。スティッキング防止層26は、裏面が平坦で厚さが略均一なフィルム状に構成される。スティッキング防止層26は、上用光拡散シート25の裏面側に配設されるプリズムシート4の突条プリズム部16の頂部と部分的に当接するよう構成され、これにより、プリズムシート4とのスティッキングを防止する。スティッキング防止層26の主成分としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル、活性エネルギー線硬化型樹脂等が使用可能である。特に、スティッキング防止層26の主成分として、アクリル樹脂を用いると、上用光拡散シート25の裏面の強度を高め、当該裏面の傷付きを防止しやすくなる。
スティッキング防止層26の平均厚さの下限は、例えば、1μm程度、より好ましくは2μm程度であってもよい。一方、スティッキング防止層26の平均厚さの上限は、例えば、10μm程度、より好ましくは8μm程度であってもよい。スティッキング防止層26の平均厚さが前記下限に満たないと、上用光拡散シート25の裏面の傷付きを確実に防止できないおそれがある。逆に、スティッキング防止層26の平均厚さが前記上限を超えると、液晶表示装置の輝度が低下するおそれがある。
スティッキング防止層26の裏面の算術平均粗さRaの上限は、例えば、0.04μm程度、より好ましくは0.035μm程度、さらに好ましくは0.03μm程度であってもよい。スティッキング防止層26の裏面の算術平均粗さRaが前記上限を超えると、スティッキング防止層26との当接に起因してプリズムシート4の突条プリズム部16に傷付きが生じるおそれがある。尚、スティッキング防止層26の裏面の算術平均粗さRaの下限は、特に限定されるものではないが、例えば、0.01μmであってもよい。
上用光拡散シート25の製造方法は、例えば、基材層11を構成するシート体を形成する工程(以下、基材層形成工程という)と、シート体の一方の面側に光拡散層12を積層する工程(以下、光拡散層積層工程という)と、基材層11を構成するシート体の他方の面側にスティッキング防止層26を積層する工程(以下、スティッキング防止層積層工程という)とを備えていてもよい。スティッキング防止層積層工程としては、例えば、共押出法によって基材層11を構成するシート体と同時にスティッキング防止層26を形成する方法や、シート体の他方の面側への塗工によってスティッキング防止層26を積層する方法等が使用可能である。
尚、上用光拡散シート25の製造方法における基材層形成工程は、前述のように、共押出法によってスティッキング防止層積層工程と同時に行ってもよいし、或いは、スティッキング防止層積層工程とは別途に行ってもよい。基材層形成工程とスティッキング防止層形成工程とを別々に行う場合、基材層形成工程は、前記実施形態の上用光拡散シート5の基材層形成工程と同様の方法で行うことができる。また、上用光拡散シート25の製造方法における光拡散層積層工程も、前記実施形態の上用光拡散シート5の光拡散層積層工程と同様の方法によって行うことができる。
以上に説明した本変形例の上用光拡散シート25によると、前記実施形態の上用光拡散シート5と同様の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、基材層11の裏面側にスティッキング防止層26が積層されているので、プリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制しつつ、プリズムシート4とのスティッキング防止性及び上用光拡散シート25の裏面の傷付き防止性を向上させることができる。
<液晶表示装置>
図5に示す液晶表示装置は、端面から入射する光線を表面側に導く導光シート1と、導光シート1の端面に向けて光線を照射する光源2と、導光シート1の表面側に重畳される下用光拡散シート3と、下用光拡散シート3の表面側に配設されるプリズムシート4と、プリズムシート4の表面側に重畳される上用光拡散シート5と、導光シート1の裏面側に配設される反射シート6と、上用光拡散シート5の表面側に重畳される液晶パネル31とを備える。すなわち、図5に示す液晶表示モジュールは、図1に示す前記実施形態のバックライトユニットにおける上用光拡散シート5の表面側に液晶パネル31が配設された構成を有する。
液晶パネル31は、上用光拡散シート5の表面に直接(他のシート等を介さず)配設される。液晶パネル31は、略平行に且つ所定間隔を開けて配設される表面側偏光板32及び裏面側偏光板33と、その間に配設される液晶セル34とを有する。表面側偏光板32及び裏面側偏光板33はそれぞれ、例えば、ヨウ素系偏光子、染料系偏光子、ポリエン系偏光子等の偏光子、及び、その両側に配設される一対の透明保護フィルムから構成される。表面側偏光板32及び裏面側偏光板33の透過軸方向は直交している。
液晶セル34は、透過する光量を制御する機能を有し、公知の種々のものが採用される。液晶セル34は、一般的には基板、カラーフィルタ、対向電極、液晶層、画素電極、基板等からなる積層構造体である。この画素電極には、ITO等の透明導電膜が用いられる。液晶セル34の表示モードとしては、例えばTN(Twisted Nematic)、VA(Virtical Alignment)、IPS(In−Place Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)等を用いることができる。液晶パネル31の画素ピッチ(液晶セルの画素ピッチ)は、例えば、25μm程度以下であってもよい。
図5に示す液晶表示装置によると、前記実施形態の上用光拡散シート5を備えるので、プリズムシート4の突条プリズム部16の形状等に起因する輝度ムラを抑制することができる。また、、液晶パネル31の裏面側に上用光拡散シート5が配設されているので、上用光拡散シート5の光拡散層12表面に形成される凹凸と、液晶パネル31のセル配列との干渉に起因するぎらつきの発生を抑制することができる。
また、図5に示す液晶表示装置を、スマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器の表示装置として用いると、各種情報機器の表示画面でのぎらつきの発生を抑制することができる。
(実施例)
以下、実施例によって本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ75μmの基材層の表面に、紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、実施例1の光学シート(上用光拡散シート)を製造した。樹脂ビーズとしては、平均粒径の大きい(平均粒径5μmの)第1ビーズ、及び第1ビーズよりも平均粒径の小さい(平均粒径0.8μmの)第2ビーズを1:55(質量比)の割合で混合したものを用いた。光拡散層の積層量は、3.5g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、31.17質量%であり、光拡散層の平均厚さは、3.5μmであった。尚、図6は、実施例1の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。
<実施例2>
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ125μmの基材層の表面に、熱硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、実施例2の光学シート(上用光拡散シート)を製造した。樹脂ビーズとしては、平均粒径の大きい(平均粒径5μmの)第1ビーズ、第1ビーズよりも平均粒径の小さい(平均粒径2μmの)第2ビーズ、及び、第1ビーズよりも平均粒径が小さく且つ第2ビーズよりも平均粒径が大きい(平均粒径3μmの)第3ビーズを2:2:1(質量比)の割合で混合したものを用いた。光拡散層の積層量は、3.5g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、51.93質量%であり、光拡散層の平均厚さは、3.5μmであった。尚、図7は、実施例2の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。
<実施例3>
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ125μmの基材層の表面に、熱硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、実施例3の光学シート(上用光拡散シート)を製造した。樹脂ビーズとしては、平均粒径の大きい(平均粒径5μmの)第1ビーズ、第1ビーズよりも平均粒径の小さい(平均粒径2μmの)第2ビーズ、及び、第1ビーズよりも平均粒径が小さく且つ第2ビーズよりも平均粒径が大きい(平均粒径3μmの)第3ビーズを2:2:1(質量比)の割合で混合したものを用いた。光拡散層の積層量は、3.5g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、49.07質量%であり、光拡散層の平均厚さは、3.5μmであった。尚、図8は、実施例3の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。
<実施例4>
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ125μmの基材層の表面に、熱硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、実施例3の光学シート(上用光拡散シート)を製造した。樹脂ビーズとしては、平均粒径の大きい(平均粒径7μmの)第1ビーズ、第1ビーズよりも平均粒径の小さい(平均粒径2μmの)第2ビーズ、及び、第1ビーズよりも平均粒径が小さく且つ第2ビーズよりも平均粒径が大きい(平均粒径3μmの)第3ビーズを2:2:1(質量比)の割合で混合したものを用いた。光拡散層の積層量は、3.5g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、50.02質量%であり、光拡散層の平均厚さは、3.5μmであった。
<実施例5>
実施例2の基材層と同様の基材層の表面に、紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、実施例5の上用光拡散シートを製造した。樹脂ビーズとしては、平均粒径の大きい(平均粒径7μmの)第1ビーズ、第1ビーズよりも平均粒径の小さい(平均粒径2μmの)第2ビーズ、及び、第1ビーズよりも平均粒径が小さく且つ第2ビーズよりも平均粒径が大きい(平均粒径3μmの)第3ビーズを2:2:1(質量比)の割合で混合したものを用いた。光拡散層の積層量は、2.0g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、70.02質量%であり、光拡散層の平均厚さは、2.0μmであった。尚、図9は、実施例5の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。
<比較例1>
実施例2の基材層と同様の基材層の表面に、紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、比較例1の上用光拡散シートを製造した。樹脂ビーズとしては、平均粒径の大きい(平均粒径7μmの)第1ビーズ、及び第1ビーズよりも平均粒径の小さい(平均粒径2μmの)第2ビーズを1.5:1(質量比)の割合で混合したものを用いた。光拡散層の積層量は、2.0g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、77.09質量%であり、光拡散層の平均厚さは、2.0μmであった。尚、図10は、比較例1の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。
<比較例2>
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ100μmの基材層の表面に、紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂マトリックス中に平均粒径8μmのアクリル樹脂ビーズが分散した光拡散層を積層して、比較例2の上用光拡散シートを製造した。光拡散層の積層量は、5.0g/m2 、光拡散層における樹脂マトリックスの含有率は、76.19 質量%であり、光拡散層の平均厚さは、5.0μmであった。尚、図11は、比較例2の上用光拡散シートの表面を1000倍に拡大した顕微鏡写真である。
<実施例の評価結果>
実施例1〜5及び比較例1、2の上用光拡散シートを、液晶表示装置のエッジライト型バックライトユニットのプリズムシート及び液晶パネルの間に組み込み、ぎらつき度合いを、JIS C 1006:2019に準じ測定した。この測定結果を表1に示す。尚、測定値は、JIS C 1006:2019の「ぎらつきコントラスト(単位:%)」であり、測定装置は、JIS C 1006:2019の附属書Aの「測定装置B」仕様のもの(DM&S社製 SMS-1000)を用いた。具体的には、恒温恒湿(23℃50%RH)状態の暗室において、Greenフィルム(LEE Filters社製 LEE Color Filter(型式:124 Dark Green))を貼った光源の上にSMS-1000付属のPixel pattern matrix(latest version 2019:厚さ2mm、254ppi)を挟んで上用光拡散シートを光拡散層が上側になるように配置し、Sparkleモードで、ぎらつき度合いを測定した。撮像カメラには、50mm対物レンズを使用し、光源から対物レンズまでの距離を約240mm(SMS-1000のPixel Ratioを6.0)に設定し、露光時間を約20msに設定した。画像フィルタリング処理は、SMS-1000付属のアプリケーションで行った。
また、実施例1〜5及び比較例1、2の上用光拡散シートのヘーズ値を、スガ試験機社製のヘーズメータHZ−2を用い、JIS K 7136:2000に準じ測定した。この測定結果を表1に示す。
また、実施例1〜5及び比較例1、2の上用光拡散シートの表面の「算術平均粗さRa」を、JIS B 0601:2001に準じ、カットオフ無し、評価長さ290μmで測定した。この測定結果を表1に示す。尚、線粗さの指標である「算術平均粗さRa」の測定は、3サンプル(N1、N2、N3)について行い、表1には、各サンプルの測定値及びそれらの平均値を示す。
また、実施例1〜5及び比較例1、2の上用光拡散シートの表面の「ピークカウントRPc」を、JIS B 0601:2001に準じ測定した。この測定結果を表1に示す。尚、線粗さの指標である「ピークカウントRPc」の測定では、評価長さを290μm、平均線の両側の不感帯幅を0%に設定し、平均線より下に出た点からいったん平均線の上に出た後、もう一度平均線より下に出るまでを1つのピーク(山)としたときの当該ピークの数(ピークカウント2)を3サンプル(N1、N2、N3)について測定し、表1には、各サンプルの測定値及びそれらの平均値を示す。
また、実施例1〜5及び比較例1、2の上用光拡散シートの表面の「凹凸の平均間隔Sm」を、JIS B 0601:1994に準じ、カットオフ無し、評価長さ290μmで測定した。この測定結果を表1に示す。尚、線粗さの指標である「凹凸の平均間隔Sm」の測定は、3サンプル(N1、N2、N3)について行い、表1には、各サンプルの測定値及びそれらの平均値を示す。
以上の線粗さの指標である「算術平均粗さRa」、「ピークカウントRPc」、「凹凸の平均間隔Sm」の測定は、株式会社キーエンス製のレーザー顕微鏡VX−K100を用いて行った。具体的には、倍率を1000倍、ピッチを0.20、不感帯幅を0に設定して線粗さモードで自動傾き補正を行いながら対象表面のレーザー撮影を行い、撮影した画像について、VK−X100専用の解析アプリケーションを用いて解析を行った。
Figure 2021184088
表1に示すように、実施例1〜5については、JIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストを4%程度以下まで抑制することができた。また、上用光拡散シートの表面について、算術平均粗さRa及びピークカウントRPcがそれぞれ0.6μm以下及び16以上であると、実施例1〜4のように、ぎらつきコントラストを4%よりも低くすることができる。さらに、算術平均粗さRa、ピークカウントRPc及び凹凸の平均間隔Smがそれぞれ0.5μm以下、18以上及び20μm以下であると、実施例1〜3のように、上用光拡散シートの表面凹凸と液晶パネルのセル配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生を十分に抑制することができる。具体的には、ぎらつきコントラストを3%程度以下まで抑制することができる。それに対して、比較例1、2では、ぎらつきコントラストが5%を超えている。具体的には、比較例1、2のように、算術平均粗さRa、ピークカウントRPc又は凹凸の平均間隔Smが前述の範囲外であると、表示画面でのぎらつきの発生を十分に抑制することができない。
(その他の実施形態)
以上、本開示についての実施形態(変形例、実施例を含む。以下同じ。)を説明したが、本開示は前記実施形態のみに限定されず、開示の範囲内で種々の変更が可能である。すなわち、前記実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
具体的には、本開示に係る上用光拡散シートは、前記実施形態のように、基材層及び光拡散層の2層構造体、又は基材層、光拡散層及びスティッキング防止層の3層構造体であってもよいし、或いは、基材層及び光拡散層の間、又は基材層及びスティッキング防止層の間に他の層を有していてもよい。
また、本開示に係るバックライトユニットは、前記実施形態の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、バックライトユニットは、導光シートの表面側に、上用光拡散シート、プリズムシート及び下用光拡散シート以外の他の光学シートを備えていてもよい。また、バックライトユニットは、エッジライト型バックライトユニットに限定されることなく、例えば、下用光拡散シートの裏面側に拡散板及び光源が配設された直下型バックライトユニットであってもよい。さらに、バックライトユニットにおけるプリズムシート、光拡散シート、導光シート、光源及び反射シートの具体的構成は、特に限定されるものではなく、種々の構成のものを採用可能である。
また、本開示に係るバックライトユニットは、パーソナルコンピュータや液晶テレビ等の比較的大型の表示装置、スマートフォン等の携帯電話端末、タブレット端末等の携帯型情報端末など広範囲の用途に用いることができる。
また、前記実施形態では、基材層と、基材層上に形成された光拡散層とを備える光学シートにおいて光拡散層となる樹脂マトリックス中に樹脂ビーズを分散して、光学シートの表面に凹凸形状を形成した。しかし、これに代えて、例えば、樹脂マトリックス中への樹脂ビーズの分散により形成した凹凸形状を転写したモールドを用いたり、或いは、当該凹凸形状を記憶させたレーザープリンタ装置を用いて、光学シートの表面に凹凸形状を形成してもよい。
また、前記実施形態では、バックライトユニットの上用光拡散シートの表面凹凸と液晶パネルのセル配列との干渉に起因する表示画面でのぎらつきの発生を抑制する場合を例示した。しかし、これに限定されず、本開示の上用光拡散シートと同様の構成を有する光学シートを、例えば、CRT若しくはフラットパネルディスプレイ等のディスプレイ又はこれらのディスプレイに用いられるタッチパネル等の表面材に適用することによって、表示画面でのぎらつきの発生を抑制してもよい。
1 導光シート
2 光源
3 下用光拡散シート
4 プリズムシート
5 上用光拡散シート
6 反射シート
11 基材層
12 光拡散層
13 樹脂マトリックス
14 樹脂ビーズ
15 基材層
16 突条プリズム部
17 基材層
18 光拡散層
19 スティッキング防止層
25 上用光拡散シート
26 スティッキング防止層
31 液晶パネル
32 表面側偏光板
33 裏面側偏光板
34 液晶セル

Claims (11)

  1. 少なくとも第1面に凹凸形状を有する光学シートであって、
    前記第1面のJIS C 1006:2019に準拠して測定されるぎらつきコントラストが4%以下である、
    光学シート。
  2. ヘーズ値が40%以上70%以下である、
    請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記第1面のJIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される算術平均粗さRaが0.6μm以下であり、
    前記第1面のJIS B 0601:2001に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定されるピークカウントRPcが16以上である、
    請求項1又は2に記載の光学シート。
  4. 前記算術平均粗さRaが0.5μm以下であり、
    前記ピークカウントRPcが18以上である、
    請求項3に記載の光学シート。
  5. 前記第1面のJIS B 0601:1994に準拠(但し評価長さは290μmに設定)して測定される凹凸の平均間隔Smが20μm以下である、
    請求項3又は4に記載の光学シート。
  6. 基材層と、前記基材層上に形成され且つ前記第1面を有する光拡散層とを備え、
    前記光拡散層となる樹脂マトリックス中に樹脂ビーズを分散することによって、前記凹凸形状が形成される、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学シート。
  7. 前記樹脂マトリックスと前記樹脂ビーズとの屈折率差は、0.05以下である、
    請求項6に記載の光学シート。
  8. 液晶表示装置のバックライトユニットにおけるプリズムシートの表面側に配設される、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学シート。
  9. 光源と、
    前記光源からの光が導入されるプリズムシートと、
    前記プリズムシートの出光面側に形成される光学シートとを備え、
    前記光学シートは、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学シートである、
    液晶表示装置のバックライトユニット。
  10. 請求項9に記載のバックライトユニットと、
    液晶表示パネルとを備える、
    液晶表示装置。
  11. 請求項10に記載の液晶表示装置を備える、
    情報機器。
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