本発明の第1の発明に係る室内殺菌装置は、室内の略水平方向に紫外線を照射する水平照射ユニットと、
室内の斜め下方および下方の少なくとも一方に紫外線を照射する下方照射ユニットと、
水平照射ユニットと下方照射ユニットを接続して本体部を構成する接続部と、
本体部を壁面に取り付け可能な取付け部と、
水平照射ユニットと下方照射ユニットのそれぞれの紫外線照射を制御する制御部と、を備え、
制御部は、室内の人体の存在および室内の清浄化の必要性の少なくとも一つに基づいて、水平照射ユニットおよび下方照射ユニットの紫外線照射を制御する。
この構成により、室内空間を万遍なく殺菌できる。特に、病室での病人の入れ替え時に短時間で清浄化を必要とする場合でも、浮遊菌、付着菌を確実に殺菌できる。また、状況に応じた殺菌と人体保護とが行える。
本発明の第2の発明に係る室内殺菌装置では、第1の発明に加えて、取付け部は、水平照射ユニットを、室内の上方であって人体の身長より高い場所に取り付ける。
この構成により、人体に水平方向の紫外線を照射しないようにできる。
本発明の第3の発明に係る室内殺菌装置では、第1または第2の発明に加えて、水平照射ユニットは、
紫外線を発する第1光源と、
第1光源の裏面で紫外線を反射する第1反射部と、
第1光源の正面に設けられる第1絞り部材と、を備え、
第1絞り部材は、複数のスリットを有して、紫外線の照射範囲の絞りおよび紫外線の照射方向の制御の少なくとも一つを行う。
この構成により、水平照射ユニットは、水平方向絞り込んでに紫外線を照射できる。
本発明の第4の発明に係る室内殺菌装置では、第3の発明に加えて、第1絞り部材は、第1光源からの紫外線の照射方向を、室内において略水平とする。
この構成により、水平方向に存在する浮遊菌を殺菌でき、人体への紫外線の照射も防止できる。
本発明の第5の発明に係る室内殺菌装置では、第3または第4の発明に加えて、複数のスリットにおいて、下方のスリットの間隔は、上方のスリットの間隔よりも広い。
この構成により、浮遊菌の存在しやすい位置への紫外線量を多くできる。
本発明の第6の発明に係る室内殺菌装置では、第3から第5のいずれかの発明に加えて、第1絞り部材を通じて照射される紫外線の照射範囲に対応して、水平照射ユニットの対向する壁に反射板を、更に備える。
この構成により、水平照射ユニットが照射する範囲での紫外線量を多くすることができる。
本発明の第7の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、下方照射ユニットは、
紫外線を発する第2光源と、
第2光源の裏面で紫外線を反射する第2反射部と、
第2光源の正面および下方の少なくとも一部に設けられる第2絞り部材と、を備え、
第2絞り部材は、複数のスリットを有して、紫外線の照射範囲の絞りおよび紫外線の照射方向の制御の少なくとも一つを行う。
この構成により、下方照射ユニットは、斜め下方および下方の少なくとも一部に効率的に紫外線を照射できる。
本発明の第8の発明に係る室内殺菌装置では、第7の発明に加えて、第2光源の正面に設けられる第2絞り部材は、第2光源からの紫外線の照射方向を斜め下方に制御し、
第2光源の下方に設けられる第2絞り部材は、第2光源からの紫外線の照射方向を斜め下方および下方の少なくとも一方に制御する。
この構成により、下方照射ユニットは、斜め下方および下方に確実に紫外線を照射できる。
本発明の第9の発明に係る室内殺菌装置では、第8の発明に加えて、第2絞り部材により、第2光源は、下方から斜め下方の広範囲に紫外線を照射できる。
この構成により、広い範囲の浮遊菌や付着菌を殺菌できる。
本発明の第10の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、本体部に装着可能であり、室内に空気対流を生じさせるファンユニットを更に備える。
この構成により、室内に対流を生じさせ、浮遊菌を殺菌できる位置に移動させると共に付着菌をはぎ取って浮遊させることができる。結果として、紫外線照射によって殺菌をより容易にできる。
本発明の第11の発明に係る室内殺菌装置では、第10の発明に加えて、ファンユニットは、室内の上方から空気を吸引し、下方に空気を放出する。
この構成により、室内殺菌装置と反対側において、下から上に向けた気流を生じさせ、床面付近の浮遊菌や付着菌を上昇させることができる。この上昇によって、紫外線量の多い部分で殺菌できる。
本発明の第12の発明に係る室内殺菌装置では、第10または第11の発明に加えて、ファンユニットは、水平照射ユニットの内部空間および下方照射ユニットの内部空間の少なくとも一部の空気を、外気と循環させる。
この構成により、水平照射ユニットと下方照射ユニット内部でも細菌等を殺菌できる。
本発明の第13の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、制御部は、室内に人が存在する場合には、下方照射ユニットの紫外線の照射を停止する。
この構成により、人体への影響を生じさせないで済む。
本発明の第14の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、制御部は、室内に人が存在しない場合には、水平照射ユニットおよび下方照射ユニットの紫外線照射を行う。
この構成により、人体への影響がない場合には、室内空間を万遍なく殺菌できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(発明者による分析)
従来技術で説明した従来技術や、室内での実際の殺菌の状況を、発明者は分析した。この分析を通じて、発明者は次のような所見を得るに至った。
(所見1)従来技術の紫外線の照射によって細菌やウイルスを殺菌できるが、物体の表面に付着した付着菌や床面などに落下した落下菌の殺菌が不十分であることが多い。
(所見2)所見1のように、室内空間には、室内空間を浮遊する浮遊菌、物体の表面に付着した付着菌(落下菌も含む)とが存在する。
(所見3)病院の病室では、入院患者が退院してから次の患者が入室するまでに、極めて短時間の間に、病室を清浄化する必要がある。このような場合に、浮遊菌、付着菌を含めて、短時間で殺菌することが求められている。
このような、所見から必要となる室内殺菌装置を、発明者は発明するに至った。
(実施の形態1)
(全体概要)
本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の全体概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が設置された室内を示す模式図である。図3は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が設置された室内を示す模式図である。
室内殺菌装置1は、水平照射ユニット2、下方照射ユニット3、接続部8、取付け部5、制御部6と、を備える。なお、図1は、室内殺菌装置1の外観を示しており、制御部6は、実際にはこの内部に含まれるので、外観上は見えない。図1では、理解の容易性のために、制御部6を要素として示している。また、図1では、実施の形態2で説明される追加的要素であるファンユニット4も示している。
図1に示される室内殺菌装置1は、図2、図3に示されるように、室内100に取付けられて使用される。
水平照射ユニット2は、室内100の略水平方向に紫外線を照射する。略水平方向であるので、例えば、図2のように室内100の壁面に取り付けられると、その場所から正面に向けて紫外線を照射できる。
下方照射ユニット3は、室内100の斜め下方および下方の少なくとも一方に紫外線を照射する。下方照射ユニット3は、水平照射ユニット2と異なり、室内100の斜め下や下の方向に紫外線を照射できる。図2では、壁面に取り付けられた室内殺菌装置1において、下方照射ユニット3が、取り付け位置から斜め下方や下方向に紫外線を照射している。
このように水平照射ユニット2と下方照射ユニット3とが備わっていることにより、室内100において壁面に取り付けられた室内殺菌装置1は、室内100全体に紫外線を照射できるようになる。
接続部8は、水平照射ユニット2と下方照射ユニット3を接続する。水平照射ユニット2と下方照射ユニット3とは、別要素であり、これらを接続することで、本体部7が構成できる。水平照射ユニット2と下方照射ユニット3とは、別要素であることで、組み合わせの自由度が生じ、室内殺菌装置1のフレキシビリティが向上する。この場合には、接続部8が、この組み合わせを実現できる。
もちろん、水平照射ユニット2と下方照射ユニット3とが一体で構成されて、機能の異なる部分が含まれているとの構造であってもよい。
取付け部5は、本体部7を壁面に取り付け可能である。取付け部5が本体部7を取り付けることで、図2、図3のように、室内100の壁面に室内殺菌装置が取り付けられる。ここで、本体部7は、水平照射ユニット2と下方照射ユニット3との組み合わせの構成、水平照射ユニット2もしくは下方照射ユニット3のいずれかの構成、組み合わせにファンユニット4も付いている状態、のいずれかである。
制御部6は、水平照射ユニット2と下方照射ユニット3のそれぞれの紫外線照射を制御する。制御部6は、水平照射ユニット2や下方照射ユニット3に組み込まれている要素でもよいし、これらとは別に室内殺菌装置に組み込まれている要素でもよい。
制御部6は、室内100での人体の存在および室内100の清浄化の必要性の少なくとも一つに基づいて、水平照射ユニット2および下方照射ユニット3の紫外線照射を制御する。この制御によって室内殺菌装置1は、室内100の必要な部分、可能な部分に紫外線を照射して、細菌やウイルスを低減することができる。
(動作説明)
図2、図3、図4を用いて室内殺菌装置1の動作を説明する。
(浮遊菌、付着菌への対応)
図2は、室内100に物体102が設置されている状態を示している。室内100は、例えば病室であり、物体102は、机とベッドなどである。図2では、室内100に物体102が設置されている。室内100に病人がいたばかりの状態では、病人を介した細菌やウイルスが、室内100に存在している。この場合では、細菌等は、発明者の分析で説明したように、室内100の内部空間を浮遊する浮遊菌50と、物体102の表面や床面101に落下して付着している付着菌51とを含む。
図2では、室内100において、浮遊菌50と付着菌51とが存在している状態を示している。一例としては、入院患者が退室したばかりの病室が、図2で示される室内100である。すなわち、次の入院患者が入るまでの短い時間において、室内100を清浄化する必要がある状態である。
一方、図3は、例えば物体102が無い室内100を示している。例えば、病室であってもベッドや机が運びだされていたり、机などがない部屋などがありえる。このような場合には、室内100においては、浮遊菌50は存在するが、付着菌51はほとんど存在しない状態があり得る。あるいは、図2のように物体102が設置されていても、物体102や床面101に付着菌51がほとんど存在していない状態があり得る。
このような状態では、浮遊菌50が主として存在している。
図4は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が設置された室内の模式図である。図4では、室内100に人200が在室している状態が示されている。図4の室内100には、浮遊菌50が存在する。また、床面101や物体102の表面に付着菌51が存在している可能性もある(図4では、物体102の表面に付着菌51が示されている)。
室内100の内部状態(細菌等の存在、人200の存在、清浄化の必要性など)は、図2〜図4のように様々である。
図2の状態では、短い時間で室内100を殺菌して清浄化することが求められる。制御部6は、室内殺菌装置1に含まれる水平照射ユニット2と下方照射ユニット3との両方の紫外線照射を行わせる。図2に示されるように、水平照射ユニット2から略水平方向に紫外線が照射される。この略水平方向の紫外線の照射によって、室内100内部空間のこの高さにある浮遊菌50を殺菌できる。
また、制御部6は、下方照射ユニット3からの紫外線照射を行わせる。図2では、下方照射ユニット3が、斜め下方および下方に向けて紫外線を照射している。室内殺菌装置1が取り付けられた壁面を基準として、斜め下方および下方に、紫外線を照射する。
下方照射ユニット3が、斜め下方および下方に紫外線を照射することで、室内100の下方の空間にある浮遊菌50や付着菌51を殺菌できる。このとき、図2に示されるように、付着菌51は、物体102の表面や床面101などの様々な場所に付着している。これらの様々な場所に付着している付着菌51を、斜め下方や下方に向けた紫外線の照射によって、様々な場所に付着している付着菌51をも確実に殺菌できる。
上述したように、例えば、入院患者が退室したばかりの病室であって次の入院患者を受け入れるまでの状態が、図2で示される室内100である。この場合には、次の入院患者を受け入れるまでの短時間で、室内100の清浄化を行う必要がある。
このような場合に、実施の形態1の室内殺菌装置1は、水平照射ユニット2による水平方向の紫外線の照射と、下方照射ユニット3による斜め下方および下方への紫外線の照射によって、室内100の浮遊菌50と付着菌51を、十分に殺菌できる。結果として、短時間かつ確実な清浄化を実現できる。制御部6は、水平照射ユニット2と下方照射ユニット3の両方を動作させて、紫外線を照射する。また、必要に応じて、紫外線の照射レベルを上げるなども行う。
(浮遊菌のみへの対応)
図3においては、室内100において浮遊菌50は存在しているが、付着菌51がほとんどない状態である。このような室内100においては、制御部6は、水平照射ユニット2のみを動作させて水平方向の紫外線を照射する(あるいは、下方照射ユニット3からの紫外線照射を弱レベルとする)。図3は、この状態を示している。
浮遊菌50が殆どである場合には、水平照射ユニット2による紫外線照射のみとすることで、効率的に細菌等を殺菌しつつ、必要となるエネルギーを節減できる。制御部6が、このような照射を制御する。
(人体200が存在する場合)
図4は、付着菌がありつつも人体200が存在している場合を示している。もちろん、付着菌51が存在しているかいないかに係らず、人体200が存在している場合も含む。図4では、物体102の表面に付着菌51が存在している状態を示しているが、付着菌51が存在していない場合もありえる。
ここで、取付け部5は、水平照射ユニット2を、室内100の上方であって、人体200の身長より高い位置に取り付ける。この位置に取り付けられることで、水平照射ユニット2から略水平方向に照射される紫外線は、人体200の上を照射する。
制御部6は、室内100に人体200が存在する場合には、下方照射ユニット3の動作を停止して、下方照射ユニット3から紫外線を照射させないように制御する。一方で、制御部6は、水平照射ユニット3を動作させて、略水平方向に紫外線を照射する。すなわち、図4に示されるように、室内殺菌装置1は、室内100の上方(人体200の上方)において、略水平方向に紫外線を照射する。
この紫外線照射状態によって、浮遊菌50を殺菌することができる。一方で、下方照射ユニット3から斜め下方や下方への紫外線照射が停止されるので、人体200に紫外線を直接照射する心配がない。この結果、人体200への紫外線による悪影響を防止できる。
制御部6は、人体200を検知する検知センサーを備えており、室内100に人体200が存在するかどうかを検知する。この検知結果により、室内100に人体200が存在する場合には、下方照射ユニット3の動作を停止させる。検知センサーは、制御部6が備えるのではなく、室内100に備わっており、制御部6はこの検知センサーの検知結果を取得可能とすることでもよい。
例えば、室内100に人体200が入ってきた場合には、制御部6は、下方照射ユニット3の動作を停止させ、室内100から人体200が退室して室内100に存在しない状態になったら、制御部6は、下方照射ユニット3の動作を起動させればよい。
また、制御部6は、水平照射ユニット2からの水平方向の紫外線照射は、基本として常時動作させておいてもよい。室内100の衛生状態を維持できるからである。この水平照射ユニット2の常時動作に合わせて、室内100に人体200が存在しない場合には、制御部6は、下方照射ユニット3を動作させる。この動作によって、下方照射ユニット3は、斜め下方および下方に紫外線を照射でき(図2の状態)、室内100の浮遊菌50および付着菌51を、万遍なく殺菌できるようになる。
以上のように、実施の形態1における室内殺菌装置1は、室内100に存在する浮遊菌50や付着菌51を万遍なく確実に殺菌できる。病室のように、入院患者の入れ替え時などの短時間においても、室内100を清浄化できる。他の室内100においても、同様である。加えて、人体200が存在する場合には、水平方向の紫外線照射のみとして、浮遊菌50を殺菌して衛生状態を維持しつつも、人体への影響を生じさせないようにできる。結果として、ヒューマンフレキシブルな室内殺菌ができる。
次に、各部の詳細について説明する。
(水平照射ユニット)
図5は、本発明の実施の形態1における水平照射ユニットの側面図である。図5は、水平照射ユニット2の内部構造が分かるように、内部を可視状態で示している。実際の室内殺菌装置1においては、外部は筐体21で覆われている。
水平照射ユニット2は、全体の外形を形成して内部の要素を格納する筐体21と、第1光源22と、第1反射部23と、第1絞り部材24と、を備える。
第1光源22は、紫外線を発する。第1光源22は、紫外線領域の光を発する蛍光管などの部材である。このような部材によって、第1光源22は、紫外線を発して、水平照射ユニット2としての紫外線照射を実現する。
第1反射部23は、第1光源22の裏面に設けられる。第1反射部23は、紫外線を反射できる反射板などの部材であり、第1光源22から裏面に向けて発せられた紫外線を反射する。第1光源22は、前方にも紫外線を発するので、反射によって反射した光も併せて、前方に紫外線が照射される。第1反射部23の反射によって、第1光源22から前方および後方に発せられる紫外線が、無駄になることなく、前方に照射される。
第1絞り部材24は、第1光源22の正面(前方)に設けられる。第1絞り部材24は、複数のスリット25を有している。この複数のスリット25によって、第1絞り部材24は、第1光源22からの紫外線(第1反射部23で反射した紫外線も含む)の照射範囲の絞りおよび照射方向の制御の少なくとも一つを行う。
第1光源22は、多方向に向けて紫外線を発する。このままでの照射であると、水平照射ユニット2は、室内100に対して様々な方向に紫外線を照射してしまうことになる。図3、図4のような場合には、水平照射ユニット2は、略水平方向に紫外線を照射する必要がある。
第1絞り部材24は、図5に示されるように、複数のスリット25を備えている。この複数のスリット25を備えることで、第1光源22および第1反射部23からの紫外線は、照射範囲が絞られる。更には照射方向も制御される。結果的には、複数のスリット25によって、略水平方向に紫外線が照射されるようになる。スリット25を通る過程で、照射範囲および照射方向が制限されて、結果として、正面であって略水平方向に、紫外線が照射される。
スリットの狭い幅に合わない紫外線は反射され、スリットを通る間に紫外線の照射角度も狭くなることを繰り返し、結果として、紫外線の直進性が高められて、スリットの方向と角度に合わせて、略水平方向に紫外線を照射するようになる。この結果、第1絞り部材24は、第1光源22からの紫外線を、正面であって略水平方向に制御できる。
ここで、スリット25は、複数の板材で構成されればよい。この複数の板材の表面が吸光処理されていることも好適である。例えば、吸光性の高い塗料が板部分の表面に塗布されていたり、吸光処理が施された板部分を有する部品で絞り部材4が形成されたりすればよい。
吸光処理が施されていることで、スリット25を通る紫外線であって、正面方向以外の角度に照射される紫外線が吸収され、略水平方向以外への紫外線が照射されにくくなるからである。
このようにして、水平照射ユニット2は、正面であって略水平方向に向けた直進性のある紫外線を照射することができる。これは、図2などに示される通りである。この略水平方向に照射される紫外線は、その照射範囲にある浮遊菌50を殺菌できる。もちろん、その照射範囲に付着している付着菌51(例えば、正面の壁に付着している付着菌51)も、殺菌できる。
(スリットの工夫)
また、第1絞り部材24が備える複数のスリット25において、下方のスリットの間隔は、上方のスリットの間隔よりも広いことも好適である。室内100に対流する浮遊菌50は、後述するファンユニットによって室内100を対流する。あるいは、自然の対流によって、浮遊菌50は、室内100の空間を浮遊する。このため、室内100の下方から上方に向かって移動する浮遊菌50は、対流等の状況によっては、天井に近い高い位置まで、移動しにくいこともある。この場合には、水平照射ユニット2の低い側に浮遊菌50が集中する。
下方のスリット25の間隔が上方のスリット25の間隔より広いことで、低い側で照射される紫外線の強度が高まりやすい。低い側に浮遊菌50が多いことが考えられるので、水平照射ユニット2から水平方向に照射される紫外線は、効率的に浮遊菌50を殺菌できる。
(第1光源の工夫)
図6は、本発明の実施の形態1における第1光源の側面図である。図7は、本発明の実施の形態1における第1光源の正面図である。図6、図7に示されるように、第1光源22では、正面方向の断面長さが、奥行き方向の断面長さよりも大きい。すなわち、図6の正面方向の断面長さAは、奥行き方向の断面長さBよりも大きい。すなわち、蛍光管などによって構成される第1光源22は、略垂直方向よりも正面に向けてより多くの面積での紫外線を照射することができる。
第1光源22は、紫外線を発する長手方向と短手方向を有する蛍光管であることも好適である。第1光源22は、紫外線を発する部材であれば何でもよいが、図7のような長手方向Cと短手方向Dとを有する蛍光管であることも好適である。蛍光管であることで、より高いエネルギーの紫外線を発することができるからである。
また、正面から見た状態での長手方向が筐体21内部において平面方向に沿って格納されることも好適である。このように格納されることで、略垂直方向の断面長さが、奥行き方向の断面長さよりも大きい状態で、第1光源22が、正面方向にむけてより多くの紫外線を照射できるようになる。
また、第1光源22を構成する蛍光管は、短手方向Dに沿った幅と短手方向Dと交差する厚みを有している。ここで、短手方向Dに沿った幅は、厚みよりも大きい。このような構造を有することで、第1光源22の、略垂直方向での断面長さが奥行き方向での断面長さよりも大きくなる。
第1光源22は、蛍光管以外であっても、所望の周波数での紫外線を発することのできる発光素子やこれの集合体でもよい。例えば、LEDなどの発光素子が羅列された配置を有する構成であってもよい。
なお、第1光源22が照射する紫外線の波長の一例としては、254nmである。殺菌効果を奏することができれば、これ以外の波長であってもよい。
(スリットでの直進性の実現)
図8は、本発明の実施の形態1におけるスリットの側面図である。
図8における矢印Eは、第1光源22からの紫外線の内、スリット25に略平行な紫外線である。第1光源22から様々な方向に沿って照射される紫外線の内、スリット25に略平行な紫外線が、スリット25の入り口に入って、スリット25で形成される経路に沿って、スリット25の出口から出る。すなわち、矢印Eに対応する紫外線は、スリット25に沿って直進性を有する紫外線として、第1絞り部材24から照射される。
一方、スリット25の入り口から入っても、スリット25の経路に対して大きな角度を有する矢印Fに対応する紫外線は、スリット25内部の壁面で反射する。この反射も、大きな反射角度で反射する。壁面は、吸光性を持っている。大きな反射角度で反射することで、壁面は、矢印Fに対応する紫外線を吸収しやすくなる。この吸収が反射の度に繰り返されることで、矢印Fに対応する紫外線は、スリット25の出口から出ない。すなわち、直進方向に比較して、直進方向に対しての交差角度が大きな紫外線は、吸光性のある壁面により吸光されて、角度をもった紫外線が、第1絞り部材24から照射されないことが実現される。
一方で、矢印Gに対応する紫外線は、矢印Eと矢印Fの間の入力角度で、スリット25に入る。このような紫外線は、壁面で反射を繰り返す間に、直進方向に近い角度にならされる。更には、反射角度も小さいので、吸光性のある壁面に吸光されてしまうこともない。矢印Gに対応する紫外線は、壁面での反射によって、スリット25に対する角度を小さくしながら、スリット25の出口から出る。この結果、矢印Gに対応する紫外線は、スリット25の入り口に入った時よりも、より直進性を持った状態となってスリット25から照射される。
このようなプロセスを経て、第1絞り部材24は、第1光源22から照射される紫外線の直進性を高める。
また、第1光源22は、第1絞り部材24に近接して設けられることも好適である。この結果、第1絞り部材24が、より直進性を高めた上で、略水平方向に絞り込んで、紫外線を照射できるからである。また、照射される紫外線の光量とエネルギーを大きなままとすることができるからである。
(反射板)
図9は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が取り付けられた室内の模式図である。室内100には、室内殺菌装置1と対向する壁面104に反射板12が備わっている。
反射板12は、第1絞り部材24を通じて照射される紫外線の照射範囲に対応して、水平照射ユニット1の対向する部分に設けられる。このような位置に反射板12が設けられることで、水平照射ユニット1が照射した紫外線は、反射板12によって反射される。照射と反射との紫外線が、同じような範囲に重複することで、この範囲での紫外線による殺菌能力が高まるメリットがある。
特に、図9のように室内100の下方から上方に向けて移動する浮遊菌50は、水平照射ユニット2の照射範囲に移動してくる。この移動してくる浮遊菌50に対して、高い強度での紫外線を照射できることで、殺菌能力が高まる。特に、浮遊菌50は、室内100の上下を移動しており、紫外線の照射範囲に滞在する時間が短い場合もある。このような場合でも、短時間で確実に殺菌できるようになる。
(下方照射ユニット)
図10は、本発明の実施の形態1における下方照射ユニットの側面図である。水平方向照射ユニットの説明と同じく、図10は、内部構造を把握できるように、内部を可視状態として示している。なお、図10は、下方照射ユニット3の一例の構造であり、その機能と目的を達成できるものであれば、図10に示される構造に限定されるものではない。
下方照射ユニット3は、外形を構成し内部に要素を格納する筐体31、第2光源32、第2反射部33、第2絞り部材34を備える。筐体31は、外形を構成して、水平照射ユニット2との接続あるいは一体構成によって、室内殺菌装置1を構成する。
第2光源32は、第1光源22と同じく紫外線を発する。第2光源32は、紫外線領域の光を発する蛍光管などの部材である。このような部材によって、第2光源32は、紫外線を発して、下方照射ユニット3としての紫外線照射を実現する。
第2光源32は、第1光源22と同様の機能を有していればよい。なお、第2光源32は、下方照射ユニット3の要素として、斜め下方および下方の少なくとも一つに紫外線を照射するので、第2光源32の形状や構成は、これに合わせたものであればよい。例えば、複数の蛍光管から構成される場合には、図10のように斜めに傾いて設置される構成であることも好適である。
第2反射部33は、第2光源32の裏面(後方)に設けられる。第2反射部33は、紫外線を反射できる反射板などの部材であり、第2光源32から裏面に向けて発せられた紫外線を反射する。
第2光源32は、斜め下方および下方に向けて紫外線を発する。このとき、第2光源32は、その後方にも紫外線を発するので、第2反射部33による反射によって、より密度の高い紫外線を、所望の方向に照射することができる。
第2絞り部材34は、第2光源32の正面および下方の少なくとも一部に設けられる。図10では、第2絞り部材34は、第2光源32の正面と下方のそれぞれに設けられている。
第2絞り部材34は、複数のスリット35A〜35Cを有している。複数のスリット35Aは、第2光源32の正面に設けられ、正面から斜め下方に向けた角度をもっている。複数のスリット35Bは、第2光源32の下方に設けられ、前方斜めに傾いた下方に向けた角度を有している。複数のスリット35Cは、第2光源32の下方に設けられ、後方斜めに傾いた下方に向けた角度を有している。
このようなスリット35A〜35Cを、第2絞り部材34が備えることで、第2光源32から発せられた紫外線は、斜め下方および下方の少なくとも一部の広い範囲に照射される。図10の構成であれば、矢印G、矢印H、矢印Iのように紫外線が照射される。このような矢印に従った紫外線の照射によって、室内100において、斜め下方や下方に向けた広い範囲が照射される。
ここで、スリット35A〜35Cを備えることで、第2絞り部材34は、第2光源32からの紫外線(第2反射部33で反射した紫外線も含む)の照射範囲の絞りおよび照射方向の制御の少なくとも一方を行う。これの結果が上述の通りの矢印に従った紫外線の照射である。
スリット35A〜35Cの狭い幅に合わない紫外線は反射され、スリット35A〜35Cを通る間に紫外線の照射角度も狭くなることを繰り返し、結果として、紫外線の直進性が高められて、スリット35A〜35Cの方向と角度に合わせて、紫外線を照射するようになる。この結果、第1絞り部材24は、第1光源22からの紫外線を、斜め下方および下方に向けて照射できる。
ここで、スリット35A〜35Cは、複数の板材で構成されればよい。この複数の板材の表面が吸光処理されていることも好適である。例えば、吸光性の高い塗料が板部分の表面に塗布されていたり、吸光処理が施された板部分を有する部品で第2絞り部材34が形成されたりすればよい。
吸光処理が施されていることで、スリット35A〜35Cを通る紫外線であって、正面方向以外の角度に照射される紫外線が吸収され、所望の方向に絞り込んだ紫外線の照射が実現できるからである。
このようにして、下方照射ユニット3は、斜め下方および下方の少なくとも一方に向けて紫外線を照射することができる。これは、図2に示される通りである。この方向に照射される紫外線は、室内100の浮遊菌50はもちろんのこと、床面101や物体102の表面に付着している付着菌51も、効率的に殺菌できる。
水平照射ユニット2と合わせて、室内100の様々な場所にある浮遊菌50および付着菌51を万遍なく確実に殺菌できる。病人の入れ替え時の病室の清浄化などにおいては、極めて効率的である。
図11は、本発明の実施の形態1における下方照射ユニットの別形態の側面図である。図11の下方照射ユニット3では、第2絞り部材34がスリット35Dを備えている。スリット35Dは、下方に向けて設けられている。このため、図11の下方照射ユニット3は、矢印Gの斜め下方に加えて、矢印Jの真下にも紫外線を照射できる。
このように、下方への照射をより真下にすることも、スリット35の構成によって可能である。
このとき、スリット35は、その傾きや角度を変更可能であることも好適である。変更可能であることで、図10と図11の構成を、同じ下方照射ユニット3で変化させながら実現できるからである。
第2絞り部材34は、角度や傾きを変更可能なスリット35を備えることで、第2光源32からの紫外線を斜め方向、下方などに制御して、斜め下方から下方の広い範囲に紫外線を照射させることができる。結果として、室内100の広い範囲を殺菌することができるようになる。水平照射ユニット2と合わせて、広い範囲を殺菌できる。
図12は、本発明の実施の形態1における下方照射ユニットの斜視図である。図12は、下方照射ユニット3の一例を示している。図12に示されるように、下方照射ユニット3は、斜め下方および下方に向けて紫外線を照射できる。
また、水平照射ユニット2と接続される接続部8も備わっている。接続部8は、水平照射ユニット2に下方照射ユニット3を接続して一体化する。もちろん、別体が接続されて一体化されるだけではなく、最初から一体で構成されてもよい。
次に、各部の詳細について説明する。
(第2光源)
第2光源32は、第1光源22と同じく、紫外線を発することのできる光源である。殺菌能力に優れた波長の紫外線を照射できればよい。例えば、蛍光管が用いられる。使用される波長は、第1光源22と同様である。
第2光源32の形状は、必要な部分においては第1光源22と同様であればよい。また、第2光源32は、図10などに示される通り、斜め下方や下方を照射しやすいように、斜めの傾斜をもっていてもよい。それ以外においては、第1光源22と同様の構成や機能を持っていればよい。
第2光源32は、制御部6によって動作の停止がなされることが多い。室内100に人体200が存在する場合には、第2光源32が停止されるからである(あるいは、後述する第2絞り部材34が閉鎖されることでもよい)。このため、発光と消灯との切り替えを即座に行えるスイッチを備えていることも好適である。
制御部6は、このスイッチを動作させて、必要な場合に照射を行い、照射すべきでない場合には消灯を行う。
(第2反射部)
第2反射部33は、第2光源32の裏面に設けられる。第2反射部33は、第2光源32の後方に照射される光を反射して、下方照射ユニット3として所望の方向への照射量を増加させることができる。図10のように、2つの蛍光管が斜めに配置されている第2光源32の場合には、第2反射部33は、斜め後方に設置されればよい。あるいは、後方と上方とに設けられてもよい。
(第2絞り部材)
第2絞り部材34は、第1絞り部材24と同じく第2光源32からの紫外線の照射範囲の絞りおよび照射方向の制御の少なくとも一方を行う。第2絞り部材34は、斜め下方や下方を向いたスリット35を備えている。スリット35は、図8を用いて説明したように、第2光源32からの紫外線の方向を揃えて、スリット35によって形成されている角度に合わせる。また、紫外線の方向が揃うことで、直進性が高まり、照射範囲も絞ることができる。
図10や図11のように、スリット35の向きを、斜め下方や下方にしたり、斜め下方も左右であったりさせることで、照射方向をさまざまに制御できる。室内100であって、水平照射ユニット2が照射できない範囲を幅広く照射できるようになる。
また、第2絞り部材34は、ルーバーのようになっており、そのスリット35の向きや角度を変更可能であることも好適である。変更可能であることで、図10の状態と図11の状態を切り替えることもできる。室内100や物体102の配置状態などに応じて、スリット35の角度や向きを変更して、照射範囲を変更することも好適である。
この場合には、制御部6が、スリット35の角度などを制御すればよい。電子的な信号によって角度制御を行うことなどが考えられる。
また、スリット35の開口幅を変更可能に制御することも好適である。開口幅を変えることで、照射レベルが変化できるからである。また、スリット35の位置によってその開口幅が異なることも好適である。照射量を大きくしたい範囲とそうではない範囲とを、制御することができる。
(制御部)
制御部6は、上述したように、室内100に人体200が存在する場合には、下方照射ユニット3の紫外線照射を停止する。第2光源32を停止させてもよいし、閉鎖可能な第2絞り部材34を閉鎖してもよい。このとき、水平照射ユニット2は、動作を継続させてもよいし停止させてもよい。
一方で、必要な場合や室内100に人体200が存在しない場合には、制御部6は、下方照射ユニット3の紫外線照射を実行させる。これにより、室内100全体を万遍なく殺菌することができる。
以上のように、実施の形態1における室内殺菌装置1は、浮遊菌50および付着菌51を確実かつ万遍なく殺菌できる。加えて、人体200が存在する場合には、人体200への照射を行わせないようにするなどの制御が可能である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、ファンユニットを備えた室内殺菌装置について説明する。図1は、実施の形態1における図であるが、実施の形態2で説明する室内殺菌装置1と共通する図面である。
図1では、ファンユニット4が備わっている。ファンユニット4は、本体部7に装着可能である。すなわち、水平照射ユニット2と下方照射ユニット3の組み合わせに対して装着可能である。
ファンユニット4は、回転するファンを備えており、このファンの回転動作によって、室内100に空気対流を生じさせる。空気対流を生じさせることで、室内100の床面101や物体102の表面に付着している付着菌51を室内空間に移動させて浮遊させることができる。あるいは、浮遊している浮遊菌50をより高い位置に移動させることができる。ここで、空気の対流で直接付着菌がはぎとられなくても、空気対流によって、物体102の表面の水分が減少して、付着菌が浮遊しやすくなることもある。この浮遊によって、付着菌に対する紫外線照射がより効率的になり、殺菌作用が高まることとしてみなしてもよい。
このような付着菌51や浮遊菌50の移動によって、水平照射ユニット2による照射範囲に細菌等を置くことができる。水平照射ユニット2は、人体200がある場合でも動作を維持しており、人体200がいる場合でも殺菌を続けることができる。下方照射ユニット3の照射範囲にあって人体200の存在によって照射できない場合には、常時動作できる水平照射ユニット2によって殺菌できる。
ファンユニット4は、室内100の様々な場所の細菌等を、水平照射ユニット2の照射範囲に移動させて、細菌等を効果的に殺菌できる。
また、床面101や物体102に付着している付着菌51は、物陰に隠れる場所にあったりして、下方照射ユニット3により照射された紫外線が届かないこともある。ファンユニット4は、室内100に対流を生じさせるので、これら物陰に付着している(あるいは浮遊している)細菌等を室内100の上方に移動させることができる。この移動によって、水平照射ユニット2および下方照射ユニット3による紫外線の照射で殺菌を行うことができる。
図13は、本発明の実施の形態2におけるファンユニットの斜視図である。
ファンユニット4は、ファン41と排気口42とを備える。ファン41と排気口42の位置関係およびファン41の回転方向によって、ファンユニット4は、室内100の上方から空気を吸引して下方に空気を排出する(放出する)。この結果、室内100では、上方から下方に向けた空気の流れを基点として、下方から上方に向けた空気の流れに繋がる対流が生じる。
特に、室内殺菌装置1が取り付けられた側では、上方から下方に向けた空気の流れが生じ、逆側では下方から上方に向けた空気の流れが生じる。この結果、室内殺菌装置1から遠い側では、細菌等が上方に移動しやすくなり、紫外線照射を確実に行えるようになる。
また、空気の対流によって、物体102の表面などからはぎ取られた細菌等が、浮遊状態となって、浮遊菌50として紫外線照射を受けることができる。この結果、確実に殺菌ができるようになる。ここで、空気の対流で直接付着菌がはぎとられなくても、空気対流によって、物体102の表面の水分が減少して、付着菌が浮遊しやすくなることもある。この浮遊によって、付着菌に対する紫外線照射がより効率的になり、殺菌作用が高まることとしてみなしてもよい。
ファンユニット4は、水平照射ユニット2の内部空間および下方照射ユニット3の内部空間の少なくとも一部の空気を外部と循環させる。この循環によって、内部に取り込まれた空気に含まれる細菌等が、第1光源22や第2光源23からの直接的な紫外線の照射によって殺菌される。殺菌能力が更に高まるメリットがある。
このようにファンユニット4が設けられることで、室内100に対流がもたらされて細菌等の循環が起こり、紫外線による照射効果が高まる。特に、水平照射ユニット2での殺菌範囲に入ることで、細菌等の殺菌効率が高まる。
なお、制御部6は、このファンユニット4を制御しつつ、人体200の存在と非存在に合わせて、水平照射ユニット2や下方照射ユニット3からの紫外線照射を実現することも好適である。
なお、ファン41の回転方向を変えることで、排気口42が吸気口となって、下方から上方に向けた空気の対流を生じさせてもよい。室内100の形態や状況に応じて、細菌等を浮遊させて殺菌することができるようになるからである。
以上のように、実施の形態2の室内殺菌装置1は、室内の細菌等を紫外線照射範囲に誘導して効率的に殺菌できる。
なお、実施の形態1〜2で説明された室内殺菌装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。